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2016年6月3日 第59回社会保障審議会介護保険部会 議事録

老健局総務課

○日時

平成28年6月3日(金)9:00〜12:00


○場所

厚生労働省 講堂


○出席者

遠藤、阿部(代理:井上参考人)、伊藤(代理:小林参考人)、井上、内田、岡、
黒岩(代理:小島参考人)、小林、齋藤(訓)、齊藤(秀)、佐野、鈴木(邦)、鈴木(隆)、
鷲見、陶山、武久、土居、栃本、馬袋、花俣、東(代理:折茂参考人)、藤原、桝田の各委員
(岩村、大西委員は欠席)

○議題

1 介護人材の確保(生産性向上・業務効率化等)
2 その他の課題1




○議事

○矢田貝企画官 それでは、定刻となりましたので、ただいまから、第59回「社会保障審議会介護保険部会」を開催いたします。

 委員の皆様方におかれましては、大変お忙しいところをお集まりいただきまして、まことにありがとうございます。

 報道関係の方に御連絡します。冒頭のカメラ撮影はここまででございますので、よろしくお願いいたします。

(報道関係者退室)

○矢田貝企画官 それでは、以降の議事進行は、遠藤部会長にお願いいたしたいと思います。よろしくお願いいたします。

○遠藤部会長 皆様、おはようございます。早い時期からどうもありがとうございます。

 まず、本日の出席状況について御報告をいたします。阿部委員、伊藤委員、岩村委員、大西委員、黒岩委員、東委員から御欠席の御連絡をいただいております。

 また、阿部委員の代理として井上参考人、伊藤委員の代理として小林参考人、黒岩委員の代理として小島参考人、東委員の代理として折茂参考人が御出席でございますので、お認めいただければと思います。よろしゅうございますか。

(「異議なし」と声あり)

○矢田貝企画官 ありがとうございます。

 それでは、議事に移りたいと思います。

 本日は資料が大変多うございますので、まず事務局から資料の確認をお願いしたいと思いますのでよろしくお願いします。

○矢田貝企画官 お手元に資料1「介護人材の確保(生産性向上・業務効率化等)」、資料2「保険者の業務簡素化(要介護認定等)」、資料3「介護保険適用除外施設における住所地特例の見直しについて」、資料4「介護保険総合データベースの活用について」と、それぞれに対する参考資料として参考資料1から参考資料4まで配付させていただいております。これらを事務局から御説明させていただきます。

 参考資料5といたしまして、6月1日に開催されました「第1回社会保障審議会療養病床の在り方等に関する特別部会資料」です。

 参考資料6といたしまして、6月2日に閣議決定されました「ニッポン一億総活躍プラン」について参考として配付しております。本日は説明をいたしませんけれども、御参考としてお配りしております。

 また、土居委員、東委員から提供資料がございます。

 以上でございます。

○遠藤部会長 資料等よろしゅうございますか。

 それでは、議事に移りますが、本日の議事でございますけれども前半と後半に分けさせていただきまして、前半につきましては資料1の「介護人材の確保(生産性向上・業務効率化等)」というテーマでございます。大変重要なテーマでありますので、これについて集中的に御審議をいただいて、後半で資料2〜4に関連する内容について御審議をいただきたいと考えております。

 まず、資料1について事務局から御説明いただきたいと思います。よろしくお願いします。

○榊原福祉人材確保対策室長 社会・援護局人材確保対策室長の榊原と申します。よろしくお願い申し上げます。

 資料1の1〜2ページ、参考資料1の2ページもあわせてお開きいただければと思います。参考資料2の2ページもごらんいただきながらお聞きください。

 「1.介護人材の確保」についてでございますが、介護職員については介護保険制度創設時の約55万人から平成26年には約177万人と、この14年間で約3.2倍に増加しているところでございます。

 参考資料1の9ページの図をごらんいただきたいと思います。平成27年6月に公表いたしました「2025年に向けた介護人材にかかる需給推計(確定値)について」というものでは、2025年度の介護人材の需給見込みは約253万人、現状シナリオによる供給見込みは215万人ということで、そのギャップは37.7万人となっております。当該ギャップが見込まれることを踏まえまして、介護人材の確保に向けた取り組みを総合的・計画的に推進していく必要があると考えております。

 参考資料1の12ページをごらんいただきたいと思います。具体的な対策でございます。現在一億総活躍社会の実現のため「介護離職ゼロ」を掲げまして、介護施設等の整備とあわせて必要な人材の確保についても、一つは就業促進、離職の防止、生産性の向上など総合的に取り組んでいくこととしております。

 多様な介護人材の確保・育成に向けまして、介護福祉士を目指す学生・生徒が一定期間就労した場合に返還を免除する修学資金貸付制度の充実ですとか、一旦仕事を離れた人が再び仕事につく場合の再就職準備金貸付制度を新たに創設しましたが、これをさらに充実する。それから、高齢人材の活用などによりまして、2020年代初頭までに約25万人の介護人材の確保を目指しているところでございます。

 参考資料1の15ページの富士山の図をごらんいただきたいと思います。「社会保障審議会福祉部会福祉人材確保専門委員会」におきまして介護人材の確保のための具体的な方策について議論を行っているところでございます。平成27年2月に取りまとめが行われておりまして、今後限られた人材を有効に活用するためには多様な人材の参入を促進する一方、その意欲・能力に応じた役割・機能を担っていただけるよう、引き続き当該専門委員会において介護人材の類型化・機能分化について検討を進めるということにしているところでございます。

 参考資料1の21ページをごらんいただきたいと思います。EPAで働かれている方の表でございます。

 なお、外国人材についてでございますが、基本的には国内人材で賄うというのが大原則でございますが、海外の人材については「ニッポン一億総活躍プラン(案)」、これは昨日閣議決定されておりますが、経済連携協定(EPA)に基づく専門的介護人材の活用を着実に進めるとともに、出入国管理及び難民認定法の一部を改正する法律案、これは法務委員会で現在審議中でございます。これらが成立した場合は、これらの仕組みに基づく外国人材の受け入れについて、それぞれの制度趣旨に沿って積極的に進めていくということで、人材確保ということではなく、それぞれの制度趣旨に沿った対応をするということでございます。

 なお、このEPAの方々は、ここにありますように資格取得前1,283名、資格取得後250名で約1,500人の方が既に働いております。

 また、試験の合格率も51%という形で、日本の方の58%にかなり迫るところまできておりました。そういう意味では大分制度も定着してきているのかと思います。

22ページにもありますように、こういった方々が活躍する場をさらに広げるということも方針として出しているところでございます。

 以上でございます。

○辺見振興課長 続きまして、資料1の3ページの「2.介護の生産性向上・業務効率化等について」以降につきまして、振興課長から説明させていただきます。

 まず、介護の生産性、業務効率化等の現状・課題等についてでございますが、限りある人材の有効活用に取り組む中で、介護の質を低下させずに現場の業務負担の軽減を図る観点からは、生産性の向上・業務効率化や介護人材の生産性の発揮などが重要でございます。

 新しい技術を活用した生産性の向上等のためには、介護記録の作成・保管等のICT化によりまして業務を効率化することで、間接的な業務の時間を削減して、介護職員が直接処遇で利用者様に接する業務に多くの時間をかけることができるようにするという取り組みが考えられるところでございます。

 また、ICTを導入する場合には、常日ごろから行ってきた業務全体のプロセスを改めて見直しをすることによって、業務全体を効率化することも必要であるところでございます。さらに介護現場におけるロボット技術の活用によりまして、介護の業務負担の軽減を図る取り組みも有効でございます。

 ロボットの定義につきましては参考資料1の33ページに載っております。ロボットというのは「情報を感知(センサー系)」「判断し(知能・制御系)」「動作する(駆動系)」それぞれの3つの要素技術を有する知能化した機械システムということでございます。

 実際これらの技術を介護の現場に活用した事例を下に掲載してございますけれども、こうしたものを介護ロボットと呼んでいるところでございますが、それぞれのセンサー技術等も単体での業務軽減等に役立つことが期待されるというところでございます。

 次に生産性の向上等の観点から、これまでに介護ロボットの導入、促進、開発支援やICTの活用などを要件とした訪問介護のサービス提供者の配置基準の緩和など、これまでも取り組みを行ってきているところでございます。

 一方でさまざまな帳票などをICTを活用して作成したり保存したりする事業者が増加をしているという現状がございます。そうした中で帳票等の必要性自体を精査するなど、事業者が内部で作成する文書ですとか、行政が事業者に対して提出を求めている文書について、そのあり方の見直しが必要であるところでございます。

 そもそも行政手続に際して必要となる書類につきまして、その書類や様式が自治体によって異なるということが、特に自治体をまたいで事業展開をする事業者などから指摘されているところでございます。

 4ページでございます。「介護人材の専門性の発揮」ということでございますが、先ほど人材室長のほうから御説明がありましたとおり、介護人材の類型化、機能分化についての検討が進められているところでございます。

 地域の高齢者を「介護助手」として活用することで介護の担い手をふやし、専門性のある介護職には専門分野でその能力を発揮してもらう取り組みも行われているところでございます。この取り組みは全老健の東会長からたびたび御紹介をされている事業でもございますが、参考資料の3738ページに三重県のモデル事業の資料を添付させていただいているところでございます。

38ページをごらんいただきますと、「介護助手」の中でも専門性を区分して、専門性のレベルに応じて業務を担っていただくという形になっているということでございます。

 資料1の4ページに戻りまして2つ目の○でございますが、一方で、介護人材の類型化・機能分化に関する調査というものが昨年行われているところでございますが、サービス種別による違いはあるものの、各サービス施設・事業所の管理者が考えている介護の各業務に求められる専門性と、実際に介護職員が行っている業務の実態との間に差が生じているとの指摘があります。

 調査の概要につきまして4ページにも記載がありますが、参考資料1の40ページにも添付をしておりますのでお目通しいただければと思います。

 5ページ目でございます。そうした中、介護人材の専門性の発揮の観点から、事業者ごとで介護人材の効果的な育成を進めていく必要があるところでございます。専門性を発揮して適切な介護を提供するためには、明確な根拠に基づき介護を行うということが重要ですが、その根拠となる標準的な介護業務の手順などを策定するなど、介護を行う際に参考となるものが必要であるとの指摘がございます。

 現在、介護人材の育成については、各施設・事業所がおのおのの方法で取り組んでいる状況でございます。そうした中で、地域において複数の事業者が連携をしながら各事業者の介護職員に対して助言・指導を行って、事業者同士が協力しながら介護の標準化を目指している事例がございます。

 参考資料1の41ページに京都の「きたおおじ」という施設を中心とした7法人の取り組みにつきまして御紹介をさせていただいております。

 資料1の6ページ目でございます。こうした現状・課題を踏まえた論点でございますけれども、7点ほど挙げさせていただいております。

 まず、介護における生産性の向上や業務効率化の必要性について、どのように考えるか。

 次に、ロボットやセンサー等の新しい技術を利用者に対するサービスの向上や労働環境の改善に繋げるために、どのような取組が考えられるか。

 3つ目といたしまして、介護記録のICT化による業務効率化が期待されるが、個々の事業者レベルでICTの活用促進をするためには、どのような方策が考えられるか。

 次に、ICTによって業務の効率化を進めるに当たり、適切な制度運用に必要とされる文書を精査する上で、自治体が求める書類のあり方について業務効率化の観点や地方分権の観点等も踏まえ、どのように考えるか。

 5つ目ですが、介護人材の類型化・機能分化によって、介護職の専門性を活かす取組を踏まえて、介護サービスの内容や施設・事業所のあり方について、どのように考えるか。

 介護人材の専門性や能力の向上の観点から、施設・事業所における介護職員の業務

管理や研修・技術指導など人材育成のあり方について、どのように考えるか。その際、事業者における介護業務の手順を明確にすることについて、どのように考えるか。

 最後に、上記のほか、処遇改善を含め、介護人材の確保策についてどのような方策が考えられるかということでございます。

 以上でございます。よろしくお願いいたします。

○遠藤部会長 ありがとうございました。

 ただいま事務局から御報告のあった内容につきまして、御意見、御質問等あれば承りたいと思います。いかがでしょうか。

 折茂参考人、どうぞ。

○折茂参考人 全老健副会長の折茂です。東会長が出席できずに代理で出席させていただいております。よろしくお願いします。

 先ほど介護人材のところで説明がありました「介護助手」の件について説明をさせていただければと思います。

 お手元の東憲太郎委員提供資料をご覧下さい。全国の介護施設の現場では、どこでも介護職の人材確保困難がありますが、そのような中で、介護福祉士の専門性をより発揮していただき、さらには介護施設での介護の質を上げていくためのひとつの方策として、我々全老健としてといいますか、三重県老健協会でモデル的に取り組んでいるものになります。

 これは、介護福祉士が認知症ケアとか排泄ケア等、難しいケアにしっかりとした専門性を発揮していただき、介護福祉士の業務の専門性をより高めようとするものです。介護福祉士が施設業務の中で、例えば居室のお掃除をする等、介護業務の専門的な内容ではなく、一般のどなたでもできるようなこともやらなくてはいけない現状がある中で、身体介護とか直接の利用者にかかわるもの以外の周辺業務を「介護助手」という形でやっていただくことによって、介護福祉士の専門性をより施設で発揮していただくということを目指して取り組んでいるものです。

 この提供資料の1ページ目は、「介護助手」の導入によって個別性の高いケアができるということです。

 2ページ目は、三重県で行った昨年度の事業の申込み等の状況ですが、こんなに申込みが集まるとは思っていなかったのです。これは主に高齢者のまだ働ける世代、6070歳代の人たちを対象に応募をかけたのですが、予想を超える応募がありました。

 最後の3ページ目は、実際に東委員の施設でこのモデル事業で採用された方たちです。60歳から70歳までの方たちですが、意外と看護等にかかわっている方たちがいらして、その方たちはある程度の専門性を持っていらっしゃいますので、認知症の方の対応とかをやっていただく。これが参考資料138ページに記載されたAランクという形で、全くそうした経験がない方たちについては、例えば車の運転が得意な方、お掃除とかをやっていただくとか、ランク(A〜C)を分けてやっていくということになります。

 この事業は、地域でなかなか確保困難な介護職を有効に活用するために、また、地域でこれから増えてくる初期の元気高齢者の方たちも有効に活用するという意味でモデル的にやっているものです。このような取り組みによって施設における介護業務の切り分けや介護業務の専門性を高めることができ、さらには、参考資料115ページにある富士山型にもっていくという意味合いにもかなっているのではなかろうかと思っております。

 以上です。

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 それでは、こちらからいきましょうか。小島参考人、お願いします。

○小島参考人 発言を許していただいてありがとうございます。

 今、老健協会の方から御説明をいただいた「介護助手」につきましては、神奈川県もただいま開催中の議会で補正予算を提案してございまして、県の老健協会などの団体と組んで、まず「介護助手」のモデル事業として導入してみようという試みを始めようと思っております。

 このとき大事なのは、やはり今の配置基準の中で対応するのではなくて、配置基準の外に導入をしていただく。それによって従前の質の担保をしつつ、先ほど老健協会の方がお話しいただいたように、本来の介護福祉士などのケアワーカーの方の専門性であるとか、またはサービスの質の向上を狙うということでやらせていただこうと思っております。

 モデル事業の中で私どもが今、期待しておりますのは、それぞれの団体さんが取り組む中で何が「介護助手」の仕事としてふさわしいのか。例示として掃除、洗濯、配膳、ベッドメイキングということは言われておりますが、どういったものがふさわしいのかということを明らかにして、そういったことで来年度以降、きちんと機能分化ができて、それによってモチベーションなり、それぞれの専門職の質の向上に結びつけばいいのかということで、まずはモデル事業としてやらせていただこうかと思っております。それが一点でございます。

 もう一点はロボットのことについて発言をさせていただきたいと思います。先ほどの資料の中にも、20万円を超えるロボットについては300万円までの上限の補助があるということなのですが、これは私の認識では市町村が事業主体となる事業であります。それとは別に基金を活用した事業として、10万円までのロボットの購入について補助をする。それも2分の1の補助をするというのが都道府県レベルのものにはあります。これがかなり両者に差があるものですから、できれば既存の基金の事業をもう少し拡充していただいて、使い勝手のいい制度にしていただければと思います。これは要望ということで発言をさせていただきます。

 以上です。

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 ほかに。

 武久委員、その次に鈴木委員、陶山委員という順番でいきましょう。

○武久委員 お二人の御意見は大変ごもっともなことであります。

 まず、2035年構想というのは前に出たのです。そこには人材不足対策が全然なかったのですけれども、きょう、ここで人材不足対策というのが出てきたということは非常にいいことだと思います。

20歳の人口が120万人で、昨年生まれた出生数は100万人ですので、20年間で毎年1万人ずつ出生数は減ってきておりますので、少ない若年層で拡大する高齢者層を支えるという思想自身が破綻していく。今もしているのだと思います。

 そこでちょっと調べてみましたところ、65歳の人口は220万人おりまして、25歳が125万人。75歳の人口は125万人なので、75歳と一緒なのです。65歳前後は220万人で、100万人以上多い。55歳から75歳までの人口が3,500万人おりまして、そのうちの1%がこの世界に入ってきていただければ35万人がカバーできるわけです。今のお二人の御意見は「介護助手」という位置づけでしたけれども、彼らの中には大学卒もいらっしゃいますし、優秀な人もいますし、元気な方もいますので、当然介護福祉士や看護士を目指すということもあり得るわけです。

EPAを見ましても1,000人とか500人とかという単位ですから、これを万にしたとしても何十万人というオーダーにはなりませんし、日本のことは日本で解決するというのが私は筋と思いますから、やはり元気中高年を助手だけでなしに本格的な現場に入っていただくという想定をしていただけたらと思います。

 そのためには、みんな大卒ですので、看護大学にわざわざ大卒の人が行くとは考えられませんし、ことしの国家試験合格者は看護師が5万5,000人で、そのうちの大卒が1万7,000人、准看が1万7,000人。准看と全く同じ数なのです。世の中は准看とか普通の専門学校を減らして看護大学をどんどん進めるというふうになっていると思いますけれども、現役高校生はどんどん減っていくわけですから、やはりこの中高年が看護なり介護の現場に入るためには、夜間の准看コースとか、夜間の介護福祉士速習コースとか、こういうものも今後考えていかないと。

 東芝とかシャープとかあらゆるところで大規模な産業の大量リストラというのも起こっております。中には東大卒業の人もたくさんいらっしゃると思いますけれども、そういう人が准看になるということも十分考えていかないといけない時代になっているかと思うのです。

 元気中高年の3,500万人の人たちの1割だったら350万人いますので、この人たちの活用をぜひ国のほうで考えていただけたらと思います。

 以上です。

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 鈴木邦彦委員、お願いします。

○鈴木(邦)委員 6ページの論点に沿って意見を述べさせていただきます。一部質問もあります。

 まず、1つ目のですけれども、介護における生産性の向上や業務の効率化は必要だと思います。

 2つ目のにつきましては、ロボットやセンサーなどの活用は必要ですが、どの程度サービスの向上や労働環境の改善に有効か、事前にしっかり評価することが不可欠と思います。

 また、導入の可否は介護給付費分科会で決定するようにすべきだと思います。

 さらに、導入の際には事業者の負担を軽減するための助成金などが必要になります。

 3つ目のに対しては、介護記録のICT化は必要ですが、導入やメンテナンスにコストがかかるため助成金や加算が必要になります。

 また、高齢者の雇用が促進される場合、どこまでICT化に対応できるように教育すべきかも検討する必要があります。

 さらに医療における電子カルテの導入やメンテナンスコストが非常に高額になっており、経営を圧迫しているという現状がありますので、介護においてはコストはできるだけ抑制する仕組みや規格の統一、医療等の情報の共有化などをあらかじめ規定しておく必要があると思います。

 4つ目のに対しては、介護分野は記録を求められる書類が多く、かつ自治体によっても異なるため、ICT化の前提として書類の削減や共通化、記載の簡素化などが必要になります。

 5つ目のですが、元気高齢者に専門性を要しない業務をしてもらうのはいいと思いますけれども、高齢者でも介護福祉士を目指す方もいらっしゃいます。余り細かく業務を分けるとかえって人材不足になる可能性もあると思いますし、どこまで処遇改善加算の対象にするかということも問題になると思いますので、事前に十分な試行と検証が必要と考えます。

 6つ目のです。人材育成はそれぞれの事業者がその理念に沿って行っており、まさに経営そのものです。

 介護業務の手順の明確化という文言は、私には介護キャリア段位制度を想起させるものです。私はその検討会も出席しておりましたけれども、人材育成の方法を介護キャリア段位制度で全国共通にしていけばよいというものではないと思います。介護キャリア段位制度は現場に大きな負担を強いるものであり、現状では反対と言わざるを得ません。

 そこで一つ質問ですけれども、「介護業務の手順の明確化」とは、介護キャリア段位制度を指しているのかどうかを確認させていただきたいと思います。

 最後に7つ目のですが、介護人材の確保は喫緊の課題であり、元気高齢者の活用や仕事と子育ての両立による女性の活用が重要となります。私は介護分野は共働きのモデルになると考えています。処遇改善は必要ですが、介護職のみの加算により現状でも准看など他の職種との逆転現象も起きており、きちんと財源を確保した上で介護報酬そのものを引き上げることが必要だと思います。

 以上です。

○遠藤部会長 ありがとうございました。論点に沿って御意見をおっしゃられました。

 1つ事務局に対する質問がございますので、これは振興課長、よろしくお願いします。

○辺見振興課長 介護キャリア段位の取り組みにつきましては、業務の標準化の一つの取り組みだとは認識をしておりますけれども、鈴木委員が御指摘のように、この論点に書いてございます「介護業務の手順の明確化」ということは介護キャリア段位を念頭に置いたものではございません。現状課題の中に出てまいりましたように、それぞれ多様な方法でやっている現状もございますので、そういった状況も踏まえた手順の明確化ということもあり得るということを念頭に置いておりますが、いずれにしても論点としてということでございますので、御議論を踏まえて検討していきたいと思っております。

○遠藤部会長 鈴木委員、いかがですか。

○鈴木(邦)委員 了解しました。

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 お待たせしました。陶山委員、どうぞ。

○陶山委員 ありがとうございます。

 まず、資料1の4ページです。この※の文章なのですが、生活援助は誰でもできるサービスであると誤解をされると思いますのでお話しを申し上げたいと思います。

 確かに「掃除・洗濯・衣料の整理・ベッドメイク」は「等」というのはついていませんから、この4つについては切り分けられた仕事ならば誰でもできるということはあるかもしれません。しかし、特に訪問系ではベッドメイクの名目で、実際は利用者の身体状況や様子の確認などを行っているのであれば専門職の仕事だと感じます。

 このように利用者に対する自立支援のためには、利用者の生活を総合的に支援する視点が必要だと考えます。単に作業として生活援助があるわけではないということを申し上げたいと思います。

 同時に、私たち介護の現場から介護サービスの本質を外さないためにも、身体介護と生活援助を一元化すべきという意見があることもつけ加えておきたいと思います。

 続いて論点二つ目のロボットの関係ですが、当組織で介護職を対象に腰痛と介護ロボットについてアンケートを行いました。「今後介護ロボットを利用したいと思いますか」という質問に対しまして、44.6%が「利用したい」と答えております。反面「事業所で介護ロボットを導入している」と答えたのが0.6%。「利用したことがあるか」という質問には「使ったことがある」と答えたのが0.3%でございました。

 なぜ使ったことがないのに利用したいのか聞きましたところ「腰痛の予防になる」が36%、「腰の負担の大きい介助が楽になる」が45.9%という回答でございました。

 このように介護ロボットに対する期待値が高いのは、ロボットにかわってもらいたいほど腰痛に悩まされているということです。実際に「腰痛がある」との回答が56.8%。そのうち5年以上の長期に及んでいる方が20.8%という結果も申し上げたいと思います。

 なお、介護業務には一定の業務を長時間続けて行うことはほとんどないため、都度パワースーツを装着する手間が課題であると思います。ロボットの改善はこれからだと思いますが、野球のグローブをはめるぐらいの感覚を目指していただきたいということでございます。

 それから、腰痛を職業病として認めていただきたいと思います。発症のときだけでなく、慢性化しても労災としてしっかりカバーする仕組みをつくっていただくと非常に現場が喜びます。とにかく「腰痛を今、何とかしてほしい」というのが介護職の願いであります。

 含めて、腰痛を初めとした介護職の力仕事には、一刻も早い対応が必要であります。

 予防として「正しい介助法の実践」という回答が多く寄せられておりまして、介助法にかかわるセミナーなどの対策も早急にやっていだたきたいということでございます。

 次に7番目の論点でございます。まず外国人の受け入れについてですが、政府は参考資料1の18ページにあるように、「国内人材の確保対策を充実・強化していくことが基本」としつつも、外国人の受け入れを進めております。

 その中に技能実習制度があります。この制度は技術移転を趣旨としていますが、「日本人と同様に適切な処遇を確保し、日本人労働者の処遇、労働環境の改善の努力が損なわれないようにすること」を示しております。

 しかし、そもそも日本人の処遇改善が道半ばである現在、実習生の処遇を日本人と同等とすることで、日本人の処遇改善がストップすることにならないでしょうか。

 確かに参考資料1の42ページでは、介護職員の処遇改善に都合4万3,000円の措置がなされていますが、反面、賃金センサスなどの調査結果では、介護職は全産業と比較してもいまだ10万円の格差が存在します。

 このような環境の中に外国人が参入すると、結果としてこれから本番を迎えようとする超高齢社会の基盤となる日本人労働者の労働条件の改善が進まず、介護職離れにつながると強く懸念するものであります。

 一方、政府は2017年から官民で日本の介護サービスをアジア諸国に輸出することを進めております。その過程で、現地に研修施設をつくり、人材の育成も同時に行いつつあります。圧倒的に日本型介護の輸出の進め方のほうが技能研修には効率的であり、なお経済効果も高いと思います。

 今、政府としてやっていただきたいことは、先ほど日本人のことは日本人というお話がありましたが、国内の介護職員を含む介護従事者の参入をふやすことであり、それには処遇を引き上げ、労働環境の整備に注力するべきと考えます。そして、介護で働くことを通じて自己実現につながる。魅力ある産業に育てることに傾注すべきと考えます。

 続いて人材確保の観点から、介護職員処遇改善加算ついて御意見を申し上げます。

 交付金から始まった処遇改善加算ですが、昨今この加算のみをもって処遇改善、いわゆる賃金改善の原資とする事業者が出てきていることを憂慮しております。

27年度の介護報酬改定時に介護職員処遇改善加算を引き上げましたが、同時に介護報酬を引き下げたことなども理由の一つかと考えられます。私たちもこの加算は介護職員にとって確実に収入増につながるものとして、一定の役割を担っていることは評価するものですが、個々の事業者の賃金水準にかかわりなく加算を行うということはさまざまな弊害も指摘されるところであります。

 同一労働、同一賃金が叫ばれておりますが、介護保険は国の制度事業であり、加算を含めて客観的に介護従事者の賃金の基準を評価できるような仕組みが必要ではないかと考えます。

 次に12ページの「潜在介護人材の呼び戻し」でございます。対象は介護職員となっていますが、不足するのは介護職員に限ったことではありません。ぜひ介護従事者全般に対象を拡大していただきたいと思います。

 最後に改めて申し上げますが、「処遇の改善が唯一の人材確保の処方箋」であることを御理解いただきたく、介護の最前線で起こっている介護従事者の本音を紹介したいと思います。

 まず、月給制組合員の声です。『人材不足に尽きます。今後ますます不安が増すばかりです。賃金も上がらず物価は上がる。これでは新たな働き手どころか現職も介護離れが起きる。「社会的な地位を獲得し、優秀な人材に十分な賃金を」。そして高い志を持つ質の高い介護職をふやしていかなければ、安心して年をとれません。誰でも介護が必要なときがくるのです。最重要の課題だと思います』。

 続いて非常勤の時給者の方です。『ヘルパーの高齢化が気になります。自分自身も年々体力低下などを実感しています。もっと若い人がふえるようにしてもらいたい。以前は御家族が「こちらでやります」と言われ、してくださったさまざまなことが、何でもヘルパー任せになってきていると思います。体力がもちません』。

 以上であります。ありがとうございました。

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 それでは、介護人材に直接関係している委員からお話をと思いますので、順番をつくらせていただきます。

 まず、内田委員、齋藤訓子委員、鷲見委員の順番でお願いしたいと思います。

 どうぞ。

○内田委員 介護における生産性の向上とか業務効率化は必要であると思います。ただ、例えばそれが自立支援と反対の方向にいってしまったりとか、必要な方に必要なサービスがきちんと提供できないようなことにつながるようなことで業務効率化を行おうとするのであれば、それは違うのではないかと思っております。

 先ほど陶山委員からもお話が出ましたが、掃除とか洗濯等の生活援助に専門性がないかのような印象を持っているということが調査の結果にもありますが、例えばもともと訪問介護で生活援助と身体介護と分けてしまったところから、生活援助はこれだということで、それしかやらない、あるいはやれないといった実態が生まれてしまっていて、現在、生活援助と身体介護をずっと別にしておかなければいけないのかどうかを考えていくときではないかと思います。

 専門性があるかないかという話ですが、例えば身体介護や生活援助中に入っている行為だけに着目してしまえば、主婦でもできるのだといった話になるかもしれませんが、実際にはその行為を行うに当たって、例えば観察をするとか、実際に情報収集したことでアセスメントして、介護過程に展開させていくといったようなことを当然していますので、行為だけで専門性のあるなしと言うのは少し違和感があります。

 今までの介護でいきますと、例えば洗濯ができないから、あるいは掃除ができないからヘルパーが行えばいいといった補完的な介護をしてきたように思うのですが、そうではなくて、その人がどうすればできるのかといったことを考えていく、自立支援につなげていくというのが基本中の基本かと思っています。補完的なやり方をしていくのは違うのではないかと思います。

 介護人材の類型化とか機能分化に関しては、今、これだけ介護人材が不足していること、あるいはまだまだ働ける方々が社会にいらっしゃるということを考えれば、ぜひとも参入していただきたい。本当にそういう方々が来ていただければ実際助かりますが、そういう方々にきちんと働いていただくためには、それなりのサービスのほうのマネジメントができる高度な介護人材が必要であり、そういった人材がどの様に育成されるのかが課題になるかと思います。例えば、認定介護福祉士のような人たちをどのように育てていくのかというようなことかと思っております。

 介護職の負担軽減のためにロボットやセンサーなどが今、導入されておりますが、やはりロボットとかセンサーにできることとできないことが当然あります。例えば移動をロボットにというのは、もちろんロボットがやったほうがいい方もいらっしゃるとは思いますが、間違った使い方をすれば、ある意味利用者の方の力を奪うようなことになってしまうかもしれません。やはりロボット等を使うということであれば、専門職がもっと自立できるところはないのかといった観点で、きちんとアセスメントをしつつ、ロボットを使っていくということが必要ではないかと思っています。

 人材の育成ですが、事業所ごとに人材育成というのは自分のところの事業所の理念というものもありますから、事業所ごとに人材育成をしていくというのは当然だとは思いますが、その事業所の作成したマニュアルや手順は本当に利用者が満足できるものなのかとか、社会全般が認めるような内容のものなのかということがいい加減になっていると、利用者のためにならないようなマニュアル化がいくらでも進んでしまうこともあります。やはり基本的な部分については適当な団体がかかわって人材育成をするという部分も必要ではないかと思っております。

 処遇改善の加算は必要だと思います。今のところ確実に介護職にプラスの部分で渡るのは処遇改善加算ではないかと思っております。

 ただ、先ほど陶山委員からも話が出ましたけれども、単純にお金だけという話ではなくて、もっと事業所が働きやすさとか労働環境といったようなものを改善する考えがないまま進められても、人材定着ということには結びつかないと思います。

 あと、外国人のお話ですが、別に私どもは外国人を排斥するなどということは一切考えておりません。外国の方が来てくださるのはよいのですが、やはりその制度の趣旨に合ったような活用の仕方というものがあると思いますので、この資料にもあるように人材不足だから単純に外国人をお願いするといったような考え方ではうまくいかないと考えております。

 以上です。

○遠藤部会長 ありがとうございました。

 お待たせいたしました。齋藤訓子委員、お願いします。

○齋藤(訓)委員 ありがとうございます。

 ケアにかかわる人材をどういうふうに参入を促してふやしていくかという大きなお話の一環だと思っています。

 三重県の例などは非常に面白い事例だと思いまして、いわゆる地域の中で潜在している人材を掘り起こしたということに当たるのかと思っています。

 こういった取り組みを横展開でしていくということは、これから必要な戦略だと思いますが、一方でこういう多様な方々に現場に入っていただく、あるいは介護も非常に女性が多い職場ですので、子育てと仕事を両立していくために短時間正規雇用の導入等も促進していくとなりますと、やはり問われるのはマネジメント手腕だと思います。

 介護施設等でこういったマネジメントに特化した教育をきちんとやれているのかというと、介護施設で働くナースの話を聞きますと、中には施設の組織図もないとか、研修に行きたくても外部の研修には出してくれないとかいった意見も聞かれております。

 そういった状況については、京都府の事例も大変面白いと思います。個別のケース、難しいケースに対してどのようにケアをしていけばいい結果をもたらすのか、アドバイザーをグループの中で共同して活用していくという図だと思いますけれども、これからは施設にいる方、あるいは病院で働いている方も地域の人材だと考えて、人材の活用方法を考えていくというのは一つあると思います。

 いずれにしましても、マネジメント力の強化という視点を既存の研修などにも組み合わせて徹底していく方法が必要ではないかと思います。

 先ほど武久委員から、養成所に行ってみんな資格をとればいいではないかというお話がありましたけれども、恐らくケアにかかわる人材育成を日本としてどうするのかという大きな話だと思うのです。

 この部会での話とは違うと思っていますので言及はいたしませんけれども、日本全体でケアにかかわる人材の教育をどうするのかというのは、将来的な検討課題だと思っております。

 以上です。

○遠藤部会長 ありがとうございました。

 鷲見委員、お待たせいたしました。

○鷲見委員 ありがとうございます。

 この6ページの論点について、専門職がその専門性を高めるために、より明確にキャリアアップしていくことは重要な視点だと思います。しかし、利用者、高齢者が意欲とか自立することへどうしたら取り組めるようになるのかという視点が重要だと考えます。

 利用者さんは必ず相談する内容をちゃんと人を分けてお話ししていらっしゃるのです。介護の専門性がある方にはそういう中身を相談しますし、ケアマネジャーにはケアマネジャーに対しての相談ですし、医師に対しては医師に対する相談をなさっているというのが、利用者さんからなされていることです。その折に的確にお答えがあったり、サポートされているという実感があったりして、意欲や向上につながると考えます。

 ですから、より専門職が専門的にサポートしているという制度であったり、適切なケアによっていろいろなことが達成されたり、直接支えられている実感や安心感が高まり真の自立に向かっていくためには必要です。

 今回の施設における人の配置は、いろいろな職種が施設にはいらっしゃるので、いろいろな相談に対応できる場所であると考えます。こういう場面であればそういう多様な人材を活用なさったり、そういう方が入ってより多くのいろいろな示唆が受けられるということは、施設の方にとってみても有益なことだと思います。

 しかしながら在宅で、例えば訪問介護の方で入るということになりますと、それを1人でケアを担うような場面のほうが大きくなるわけですから、適切なケアであったり、的確に答えられるというようなスキルが必要になってくると思います。単に支援内容によってこの状況を判断することではなく、慎重にやっていくべきと思っています。

ICTにおける業務について、今回、平成30年度、ケアマネジャーの権限移譲を行いまして、いろいろなところで書類の準備であるとか複雑化ということが言われています。実際に業務の中の書類などもそうなのですが、申請書類であるとか手続の煩雑さであるとか、保険者による違いなどでも随分これは大変な思いをしているところです。

 ですから、ぜひ保険者間での共有であるとか、そこに対しての都道府県の関与も必要なことだと思っています。

 また、サービス担当者会議などは実際には多くの方がきちんと顔を合わせてやることが重要ですけれども、ICTの活用などでも効果が上がっているという報告がございますので、ぜひそのあたりも考えていただければと思っています。

 以上です。

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 ほぼ皆さん手を挙げておられますので、ちょっと整理をさせていただきたいです。

 今、介護人材に実際に提供されている関連の方々からお話をいただきましたので、次は施設関係の方にお聞きしたいと思います。その後、今度は利用者の方にお聞きして、その後に自治体と保険者の方にお聞きしたいと思います。最後に有識者という形です。まだ時間は大分ありますので時間切れにはしません。

 施設関係ということで、桝田委員、お願いいたします。

○桝田委員 まず、介護人材です。あらゆる手段を使って集めていかないと、これから先確保できないと思っています。

 外国人材、EPAと技能実習の部分が今から論議されますけれども、懸念されているのはいわゆる低賃金云々という問題です。安い労働力を確保するという概念が非常に強いと思います。

 実際にEPAの人たちというのは、もちろん同一労働、同一賃金で働いていますし、非常に優秀です。ただ、制度的な問題点というのが細かな部分で発生しています。例えばうちの第1期生の職員が介護支援専門員に受かりました。しかし、主としてケアマネの仕事はできません。メインは介護としての仕事しかできない。そういう問題が残っています。家族を呼び寄せても、家族は28時間まで就労可能ですけれども、介護現場で働いてはいけない。介護職ではなくてお掃除なら、極端に言うと週28時間のアルバイトは可能とか、少し扱い的にほかの、いわゆる外国か来られた方の高度人材とかの扱いと違っている部分が残っています。そこらの是正をお願いしたいところです。

 もう一つは、いわゆる定年退職で第2の人生でやりがいのある仕事をしたいという思いの方、それから、少し障害を持っている方です。介護現場に入っていただくときに一番に問題になるのは、今まで介護経験というのがなく、これからスタートですので、最初に腰痛問題というのが発生してきます。

 その腰痛問題を克服するためには、やはりロボットを、いわゆる障害を持っている方、高齢者の方はセットで、その機械を使いこなして介護として働いていく。そうすると「介護助手」という概念ではなくて、ある意味では人生経験も学歴も高い方、いろいろな知識を持っている方が来られますので、あとは介護経験を積んでいくことによって、何ら介護福祉士と変わらないレベルまで上がっていけると思います。ただ、体力的な面で、そういうロボットに必要な部分というのをこれからセットで考えていく時代に入ったのかと思っています。現場で実際に働いている人たちも腰痛問題は避けて通れませんので、移乗部分のロボット化というのは絶対的要素になっています。

 ただ、なかなか進んでいかない部分というのは、やはり高額な機器を買わなければいけないという問題点です。いろいろな助成制度があります。ちょっと使いづらい部分もあったりいろいろしますけれども、もう少し拡充をしていただいて使いやすい制度にしていただけるといいのかと思っています。

 介護現場は報酬が下がったこともありまして、非常に経営的に厳しくなってきています。そうすると新しい機器、高額な機器を導入するという意欲が湧かないという実態があります。そこにはずみをつけていくためには、何らかの助成策が要るのかと思っています。

 もう一つは、今まで介護現場で働いていない人が介護現場で働くことを受け入れる要素として少し問題になってくるのは、人員配置基準上の扱いです。先ほども「介護助手」という概念がありましたけれども、その人たちを介護職としてカウントするのか、それ以外のカウントにするのか、そこは経営的に非常に大きな問題になっていきます。といいますのは、加算制度の中でサービス提供体制強化加算というのがありまして、分母が介護職員総数、分子が介護福祉士という、この部分で非常に問題になるのは、いわゆる介護福祉士以外の方を採用すると分母が大きくなって加算がもらえない。それによっていわゆる新しい介護職を養成していくという部分にブレーキがかかります。そこの部分を少し改善する方法です。

 特別養護老人ホームの場合は、日常生活継続支援加算というのは入所者数に対して介護福祉士の人数が何人以上という枠でつくっていますので、分母が大きくなっても問題はないのです。そういう取り組みという部分も、新たな介護職を受け入れる側とすれば、そういう形が望ましいと思っています。

 潜在介護人材のためのいろいろな補助制度等をつくっていただいて、かなりこれから弾みをつけていきたいと思います。ただ、介護の経験をされた方で、やはり腰痛の問題でリタイアした方は非常に多いと思います。ですから、腰痛対策をちゃんとできる職場づくりが今、現場では一番求められている状況かと思いますので、そこらの助成制度等をよろしくお願いいたします。

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 続きまして、馬袋委員、お願いします。その次に折茂参考人です。

○馬袋委員 ありがとうございます。

 私のほうから、介護の生産性及び業務の効率の内容、あと、人材の処遇のことについて発言をさせていただきます。

 本会議のなかで御提案がありました論点の中に、業務における生産性の向上がありますが、それらを阻害している要因というのは一体どういうものがあるのかということも整理しておかなければいけないと思います。

 まず、介護サービスにおいてICT化とか業務の効率改善をするには、まず業務の標準化を進めることが大切だと思います。

 介護の現場の標準化の中でまず整理をしないといけないことは、介護サービス(業務)の共通の用語、用語の意味と使い方です。これは基本的なことなのですが、そういったことがまず整理できているだろうか。そして、伝え方、記録と伝達、それが整理できた上で他職種連携ができていくと思います。その基本的なところについてもう一度しっかりと整理をしておかないと、ICT化を進める、業務の効率化をするときに、前後の意味ということを理解せずに、一部分だけをやっても共通できないということですので、まずそこが一点必要だと思います。

 もう一つはサービスにおける業務のプロセスと記録の問題ですけれども、記録については統一化を求めていきたいと思います。特に市町村等保険者へいろいろな権限が移譲される中、やはり国が最低限の必要な記録内容を決めていただきたい。ここが統一されていないために、現場では市町村の各保険者からまた様々な追加の指導をされて書類をつくって書類や記録が増加してしまうということが起きていますので、ぜひ国で最低限必要なものというのを決めることが重要だと思います。

 今、事業所への監査などでも起きていますけれども、サービスごとに利用者を一人一人管理するということから監査指導するということなのですが、例えば居宅介護支援と訪問看護と訪問入浴があったときに、病院でいいますと1患者1ファイルという形であるように、サービスが複数ある利用者ファイルを一つにすることは、それはだめだと言われています。サービス単位で利用者毎にファイルをつくれという指導がある中で、利用者を中心に、利用者1人に対しての情報の統一ということで整理ができるような規制の整備、指導の内容の理解というのが業務の効率化のために必要だと思います。

 介護人材の確保のところで、現状の起きている中で、制度の中でも関連制度を根本的に議論して見直しをしていただきたいというところがあります。それはパート労働者、パート雇用に対するところです。例えば訪問介護などは同じ時間帯に多くの人材が個々の在宅の中で働くということで、パート雇用の職員を多く雇用しているのが現状です。しかし、勤務評価や処遇改善等で時給を増加し、支給額が増加しますと、夫等の扶養の関係ということで年間103万円の壁というのがありまして、支給額を上げた分で103万円以下に抑えるためサービスのケア時間を削っていくということが現場で起きています。

 仕事はしたいが制限をする。なぜかというと、これは国や多くの企業の中にあります扶養手当も要因です。国家公務員の方でありますと1万3,000円だったと思いますけれども、その世帯の扶養されている方の収入が130万を超えますと、こういった手当がなくなるので、実質上世帯の全体の中の収入が減ってしまうということで、103万円という壁に対してそれ以上働かないということが現場で起きています。

 現役の方々に対してより参加していただくという中で、これは国の制度の問題ですけれども、こういった観点もぜひ、一億総活躍社会の中での議論として、この部分についてどのように取り組むかということも介護人材への喫緊に対応できる課題ではないかと思います。

 もう一点。今、現場で起きている内容の中で処遇への影響がある問題が起きております。処遇というのは介護職員に対する給与への不安ということなのですが、現在、介護予防日常生活総合支援事業で介護予防訪問介護が平成29年度末までに移行し市町村で実施する方向ですけれども、サービスに係る報酬単価は国が定める額を上限に市町村が設定するものとされています。現在、介護予防訪問介護などが総合事業への移行が始まっておりますけれども、国の報酬の基準よりも著しく低い報酬設定とか、近接の地域での報酬の格差が発生しています。都23区内のケースですけれども、ある区では国基準の70%ということですから、30%減額で実際にスタートしています。

 おおむね30%というと1時間当たり986円のダウンです。このような区もあれば、国基準の98%で実施している区もあり、大変なことが起きています。これから29年度末に向けて総合事業への移行が進む中で、結果としてみなし指定を受けることを断念する事業者が増加していきます。このままでいきますと担い手である介護人材の処遇を改善したいのだけれども、総合事業に移行した事業をみなし指定で受託したら収入が大幅に下がってしまって人材の処遇や確保などができないという事態になります。今、こういった実態が起きていることについてぜひ一度全容を把握をしていただきたいと思います。

 今後、介護職員の処遇にかなり影響がありますので、その問題について整理をするための調査等をお願いしておきたいと思います。

 以上です。

○遠藤部会長 お待たせしました。

 折茂参考人、どうぞ。

○折茂参考人 ありがとうございます。

 「介護助手」の件については、先ほど鷲見委員からお話があったように、施設と訪問系では違うと思います。施設は様々な専門職がいる中での業務の専門性ということで導入がしやすいと思いますが、訪問サービスで自宅に訪問した際に、掃除だからといって、業務を切り分けることは難しいと思いますので、介護施設の現場という視点で考えていただければと思います。

 次に、資料16ページの論点の3つ目の○に書かれている「介護記録のICT化」についてです。業務の効率化というのは確かにあるのかとは思いますが、私が老健施設を運営して思うのは、効率化も確かにありますが、最も効果的なのは情報の共有化だと思います。

 医療の世界で我々医師が書くカルテというのは、昔は本当に医師だけが見るような感じでしたが、今は電子カルテが進み、医療の世界では電子カルテが進んだおかげで情報の共有化が他職種でできるようになってきております。

 介護の現場も多職種で情報の共有化が簡単にできるようになれば、看護や介護の記録を我々医師も見られる。リハビリの内容も介護職が見られる。これはすごい情報の共有化になります。ケアマネが立てたケアプランも即座にそのまま共有できれば、介護の方たちのモチベーションの向上につながり、離職率の低下につながるのではないかと思っております。

 効率化も大切だけれども、介護の現場で電子カルテのようなものを導入することによって、情報の共有化ができるようになることの方が、はるかにもっと効果があるのではないかと思います。

 これは施設だけではなくて、行政や地域のケアマネとも情報の共有化ができればさらに効果的なものになります。群馬県の地域医療再生基金で3年間かけて施設と地域の行政とケアマネと地域の利用者の情報の共有化のモデル事業でやりました。その事業では、それぞれの職種が情報の共有化によってモチベーションが高くなるという結果が出ております。そういう面で、効率化だけではなくて情報の共有化によるモチベーションの向上という視点を入れていただけるとありがたいと思います。

 もう一点なのですが、介護ロボットの件です。ロボットで腰痛対策というのはとてもいいと思いますが、もう一つ、利用者の状態把握に焦点を合てて、ロボットが家庭で利用者がどういう形で生活をしているかということを判断できる時代になってきています。

 先日インターネットで、Canonのロボットが運動機能をはかるというのが出ていました。この運動機能を測る指標が従来型(昔)の指標なのでどうかとは思いますが、例えば、その指標をICFの考え方で、日ごろ何をやっているのか、何をやっていられないのかということで、ロボットが即座に家の中で利用者の状態像を判断できる。近い将来、そのようなことをロボットが客観的に判断できる機能が、できあがるのではないかと思いっています。

 本日の議論の後半にもありますが、こうしたデータを積み上げていくことこそがメガデータにつながり、メガデータを蓄積していくことにより、今度は介護の業務の標準化につながる。生活の状況や医療の状況のデータをしっかりとり、分析することによって、本日の資料1の5ページにもでていますが、「介護の標準化」、「介護業務の根拠」となり得るのではないかと思います。

介護においてもメガデータをしっかりと収集し活用していただければと思っています。

 以上です。

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 司会の不手際で、まだまだお話しされたい方はたくさんおられますので、少し効率的にお話しいただければと思います。

 そういうことで提供側からいろいろと御意見がありました。今度は利用者のお話をお聞きしたいので、花俣委員、それから井上委員という順番でまいります。その後、今度は自治体、保険者、経済界、労働界、それらをまとめてお願いしたいと思います。

 花俣委員、お願いいたします。

○花俣委員 ありがとうございます。

 確認事項とお願いと意見ということでお願いしたいと思います。

 確認事項なのですけれども、まず質問の1つ目として、2025年に必要な介護人材が253万人という御説明がありました。今後ふえると推計して215.2万人ということなので、つまり2015年から10年間に必要な介護人材というのは、つまり76万人ということで理解してよろしいのでしょうかということが確認事項です。

 参考資料1の2ページを見ますと、介護労働者は年々ふえておりますけれども、毎年何人が新たに入職して、何人が離職しているのか。それから、離職者のうち介護分野で転職している人は何人になるのかというのを、もちろん本日でなくて結構ですので、もし御用意できるのであればデータをいただきたいと思います。

 それから、もう一つ質問の3として、ICTの活用、ロボット技術の導入とありますが、介護労働者の中では非常勤のホームヘルパーさんが大半ということになります。そうすると、ここでICTの活用とかロボット技術の導入というのは、在宅サービスとか施設サービスのどちらの介護労働者も対象に検討するという理解でよろしいのでしょうかということです。

 4ページの「現状・課題」の「介護人材の専門性の発揮」というところで、内田委員その他たくさんの委員からもう既に御意見が出ていますが、利用者サイドの実際の声としても、例えば現在利用しているデイサービス職員が1年でほぼ全員入れかわってしまった。そのため、新しい職員が入るたびに依頼ごと伝えなければならない。このようなことがいつまで続くのか。あるいは10年以上老健施設に入所し、現在長年待機していた特養に入所できたが、職員の人手不足の中、見守りが不十分で転倒するトラブルが続いている。介護職員の不足は本当に深刻でますます不安になる。

 また、少子高齢化社会となって介護保険の利用者もふえるということが予想される中、介護事業所が次々と私の周りでも閉所しているが、職員が集まらず利用定員を減らさざるを得ない実態が起きていると聞いている。何とか介護職の人がふえて、仕事に定着できるような施策や支援がないかという意見が出ています。

 介護が必要な高齢者は独居の方であるとか、あるいは老老の世帯がふえていますけれども、在宅サービスの利用者が8割を超えているわけです。介護給付費実態調査の概況の2014年では、ホームヘルプサービスの利用者は要支援1、2を含めて204万人に上る。そうすると、例えば4ページの、先ほどありました訪問介護事業所の管理者が考える生活援助云々というところですけれども、掃除、洗濯、衣類の整理、そういったものは参考資料1の40ページを見ますと、ここにはそれほど専門性を有しない者でもできるというような買い物、調理、配下膳、それら3種類は基本的な技術を備えた者がすべきとしていますが、生活援助にはそういう業務だけで割り切れるものがないし、ホームヘルパーの専門性が本当にどういうものなのかということを十分御理解いただけていないように思います。

 決して家事代行ではないわけですので、例えば勝手に利用者さん宅に上がって掃除、洗濯、衣類の整理、ベッドメイクを淡々とこなしてヘルパーさんが帰っていったなどということは余りイメージできないわけですから、そういう区分けをすること自体が生活援助を家事の中で単なる代行として見ていらっしゃるということなのではないかと受けとめました。

 やはり心身の状況を把握するとか、その方が来てくれることで安心になるとか、ヘルパーさんの業務というのは非常に多岐にわたっているのではないかと思います。そのことで利用者は安心して日常生活をより在宅で長く続けられると思っています。

 最後になりますけれども、この専門性があるとかないとかという40ページの回答者数なのです。209人となっていますけれども、この回答者がどういう方がお答えになったのかということを教えていただきたい。資格を持つ人なのか、管理者なのか、管理者だとしたらどのような人なの。209という数がすごく少ないと思ったものですから、それもあわせてお願いしたいと思います。

 長くなりました。以上です。

○遠藤部会長 それでは、事務局に対する御質問と要請がございましたので、これはどういたしましょうか。人材確保対策室長と振興課長と両方に絡むものだと思います。

 確保室長からお願いします。

○榊原福祉人材確保対策室長 御質問の部分で数字の部分だけです。あくまで推計というか計算でございますが、入職者等について11ページをごらんいただきたいと思います。

 再就職者は大体、離職率16.5%ダウンと書いていますけれども、数字で計算しますと大体27万人ぐらいと見ているところでございます。参考資料の11ページです。右下で「現場で働く介護人材の定着を促進」というところがございます。大体やめる方は年間27万人と見ています。そのうち大体戻ってくるのが、再就職者が大体計算で14万人ぐらいと見ているところでございます。それ以外に新規入職者の方が20万人ぐらいいるというのが大体の状況でございます。

 数について、参考資料9ページのところでございます。数字が聞き取れなかった部分がありますが、2013年の実績が171万人で、これがかなりかた目の数字でございますが206万人ぐらいまでは、35万は伸びるだろうと。

 必要な人材については226万人プラス5万で231万ですので、171万から引きますと56万人とかそれぐらいの人材が必要になるということでございます。

 御質問は以上だったかと思いますが、もし何か足りなければまた後で。

○遠藤部会長 花俣委員、今の質問についてはよろしいですか。

○花俣委員 はい。

○遠藤部会長 それでは、振興課長、お願いします。

○辺見振興課長 ICTロボットなどの活用について、視野に入れているのが在宅・施設とどちらが対象かという御質問かと思いますが、この論点の範囲においては在宅・施設の区別は特に考えておりません。そこのところは御議論、御意見がいろいろあるかと思いますけれども、論点の提示としては広く介護サービス全般ということで考えております。

209のところは人材室長、答えられますか。参考資料の40ページの調査母体はわからないですか。

○榊原福祉人材確保対策室長 済みません。今はわかりません。確認してみます。

○遠藤部会長 それでは、そういうことでよろしくお願いいたします。

 それでは、利用者ということで、井上委員、齋藤秀樹委員の順番でお願いしたいと思います。

 お願いします。

○井上委員 ありがとうございます。

 私は利用者としては半年間要介護1でホームヘルプサービスを受けました。今は要支援2です。

 その前に、介護人材を養成していた立場からも一言お話ししたいと思います。

 まず、利用者の視点からは、これは介護人材の問題と結びつくのですが、自分の要望が満たされているかどうかということが非常に大事です。多分人格も大事になってくるだろうと思いますけれども、自分の要望が満たされているかということが大事です。

 そのときに粗末に扱われるなどという問題も出てくるのです。それは基本的に処遇改善にかかわってくると思います。

 学生を育てていますと、入職した卒業生が、自分が安いお金で働いていて優しい十分なケアは提供できない、こちらが幸せでないと幸せなケアを提供できないというふうに何人も言っておりました。これをまず前提にして、やはり処遇改善が一番大きな問題だと思います。処遇改善、働く環境の問題、これが大きいと思います。

 新聞に出ていましたが、処遇改善についてはこの間1人1万円アップするという話がありましたけれども、1万円くらいアップしてというのは、言い過ぎかもしれませんが、余り意味がないと思っています。それよりは、ドクター並みとまでは言いませんけれども、看護師さん並みにどんと上げるということが大事だろうと。「介護の先生ね」と言われるくらいに、介護職がリスペクトされる存在であるということが大事だろうと思っています。そうすると、やっているほうも意欲が湧きますし、受けるほうも、きょうは先生が見てくれた、先生がちゃんと見てくれているということだと思うのです。そういうことを前提にしますと、単に1万円を、参考資料の15ページにありますように山をこうするのだったら、山の上だけうんと高くしていただきたいと思っています。

 山の高いところだけうんと高くするにはどうしたらいいかというのは、この間いっぱい出ていますけれども、やはり介護補助という役割が重要になってくると思うのです。これを設置基準外にするのか設置基準内にするのかというのは、議論も出ておりますが、設置基準そのものをもう一度見直したほうがいいのではないか。そういう人が1人いればよろしいのではないか。何人に対して1人置くかという問題はありますが、例えば病院だったら本当に少ないですね。あとは看護師さんたちが本当に生き生きと頑張ってやっていらっしゃるので、そういうふうに「介護助手」が生き生きと頑張ってやればいいので、先ほどからおっしゃったようにマネジメントが大事だし、情報共有が大事だしというような、いろいろなことで生き生きさせることができると思うのです。

 とすれば、どういう機能が利用者に提供されているのかという機能ではかっていただきたいと思います。介護職が何人いるからいいということにはならない。不幸な人が何人いても、意地悪されたら殺されるような不幸な事態だって起こるわけですから。ちゃんと尊敬される人がトータルに見て、スーパーバイザーと呼ぶのか、そういう人だけを介護士と言うのか、これからぜひ御議論いただきたいのですけれども、そういう人が1人いて、「介護助手」みたいな人たちを、その分野分野で得意分野があると思うので、そういう人たちを活用して、みんなが情報共有しながらサイクルでちゃんと回していける施設であってほしいと思います。私の場合、週に2回の訪問介護を受けておりましたが情報共有がなされていたので、とてもありがたかったです。

 情報共有、マネジメントがなされていれば、少ない介護職の人でもやっていける。そのかわり設置基準を見直さないと無理だと思います。平均的に3対1でやって、それを1万ずつ上げても大した効果がないし、それによって人が集まるとは思いません。

 機能ではかる。それから、マネジメントする。それができる介護士、つまりスーパーバイザーであるような、ドクターと言われるような介護士を置くという構造を、せっかく作られているこの表の中から再度つくり上げていただければありがたいと思っております。

 以上です。ありがとうございました。

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 齋藤秀樹委員、お待たせしました。

○齋藤(秀)委員 ありがとうございます。

 介護人材の確保で処遇改善というのは大事なことで、加算方式ではありますが、これまで取り組みがされて、ここの資料にあります4.3万円の改善がされたということもあってだと思いますが、離職率が少しずつ下がってきたということは大変意味のあることだろうと思っております。

 しかし、離職理由を尋ねた資料が8ページにあるわけですが、大変な労働環境と同じように大変大事な視点が先ほど来から何人かの委員からお話がありますように、事業者、経営者のマネジメントがもう少し力をつけていかないといけないという資料になっているように思います。

 これに対してどういう施策が現在講じられているかということを見ますと、14ページの右側の枠の2つ目のところに「○優良な雇用管理改善の取組の普及・促進」ということで、新しくまた優良事業者のコンテストや表彰をするとか、従来の事業もあるようでありますが、少し物足りなさを感じる。これをやはり多面的な施策によって優良事業者がふえるようにしていくという必要があるのだろうと思います。

 さらに利用者からすると、この優良事業者がどういうところなのかということがわかるように、情報公表制度等々にこういう形のものが反映されるようにしていくということも、優良事業者をふやしていくという意味でも大事な点ではないかと思っております。

 2つ目は外国人介護人材の受け入れで、18ページに技能実習制度に関することの説明が出ているわけでありますが、これまで多くの方々から懸念されていることに対応して、18ページの一番下に、様々な懸念へ対応するための3つの要件というものが示されております。これは着実に進めていただきたいと思うわけでありますが、これが守られているかどうかということを定期的に検証するという仕組みが大事ではないかと思います。

 外国人労働者が入ってくることを拒むということではなくて、よりそういう方々が技能実習という制度の中で日本の介護技術を学ぶ、また、支援をしていただくという意味も含めて大事なことだと思いますが、いろいろな懸念があることも事実でありますので、これは適宜適切にそういう検証をするということをぜひお進めいただきたいと思います。

 以上であります。

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 続きまして、自治体あるいは保険者、経済界、労働界から。

 佐野委員、小林委員と、まず保険者からお聞きさせていただきたいと思います。

○佐野委員 ありがとうございます。

 介護人材の確保の重要性というのは、今さら言うまでもなく当たり前だと思うのですけれども、全体としての介護費用、コストの伸びをいかに抑制するのかという視点はやはり必要だと思います。そういう点で考えますと、生産性の向上とか業務効率化を図るというのは当然のことだろうと思います。

 そういうことに関連して幾つかコメントしたいと思います。1点は介護人材の類型化並びに機能分化というところですけれども、これはより推進すべきだろう。きょうのお話を聞いていましても、大変難しい部分もあろうかと思いますが、逆に聞いていて今言われている介護人材が何十万人不足だとか、もしくは処遇、平均何円アップとかいう全体といいますか、だんごの議論がいかに荒っぽくて、それでは不十分なのかということも認識しましたので、よりきめ細かい分析ですとか見方を、目標も含めて入れるべきであろうという気はいたします。

 どの類型の人材がどれぐらい不足しているのかということです。それから、どの類型の人材にどれぐらいの処遇をしていくのかということをきめ細かく見ていく必要があるのだろうという気がいたします。

 その際には、きょうも出ていますICTですとかロボット、センサー等の活用部分についても、これをどういうふうに人数換算するのかとか、金額換算するのかということも、やはり検討の対象になってくるのではないかという気がいたします。

 もう一点は業務標準化等々の話でありましたけれども、地域における独自性とか個別性の発揮ということと、事務システムのインフラ部分、これは用紙の様式みたいなものも含めて、共通化、標準化という、これは明確に切り分けて考えるべきであろうという気がいたします。

 地方分権の時代だから、例えば用紙の様式だとか、共通化とか標準化もできないのだというのは明らかに本末転倒であって、これは全体コストで考えても明らかですけれども、利用者とか、きょうもお話が出ていましたが、介護事業者の方から見てもユーザー目線で考えても、標準化するのはごく当然の話であろうという気がいたします。

 大変失礼ですが、こういうことが論点にあること自体がちょっとおかしいのではないかというぐらいの気持ちがいたします。

 以上でございます。

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 小林委員、お待たせいたしました。

○小林委員 高齢化が一層進展する中で、介護人材の確保が非常に重要だということは誰も異論がないところだと思いますが、一方で生産年齢人口が減少していくということを考えますと、今回論点で示されております生産性向上あるいは業務効率化を進めていくことは必要不可欠であると考えております。

 平成12年に介護保険制度がスタートしてから、介護事業がまだまだ進化の過程にある事業であるということを考えますと、政府が音頭をとって職員の能力向上や効率化の推進を進めていく必要があると思います。例えば資料1の6ページの「論点」の下から2つ目の丸にある介護業務の手順の明確化は、先ほど委員から、こういうことは事業者がおのおのの現場で考えていくものであるというお話があったかと思いますが、全くその通りだとは思いますが、一方で今、佐野委員からも話がありましたし、何人かの委員からありましたように、業務の標準化はしなければいけないということは全く同感であると思っております。

 そういった意味で、業務の標準化、あるいは介護業務の手順の明確化といったものは、政府が積極的に具体例を示して、事業者の支援をしていくということが必要ではないかと思っています。

 以上です。

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 自治体で藤原委員、お願いいたします。

○藤原委員 今、地方の山村部では、介護人材の確保問題は本当に大変な問題になっています。介護サービスを適切に提供していくためには、担い手である介護人材をいかに確保していくかということが最大の課題であります。

 将来の需給ギャップを埋めるためにも、新たな介護人材の養成や賃金の改善、労働環境の改善をするということがあるわけでありますが、目先の問題と将来の問題を考えるときにはどうかということであります。

 人材確保の問題は、1町村だけでは解決できない問題なのです。一方、広域的に物を考えてみると、近傍には中小都市があり、大病院もあります。よく分析してみますと、人材がやや充足している、多少余力がある、極端に不足しているなど、いろいろと現状が異なります。

 そういう圏域の中で物を解決するという考え方を持たない限り、大きな流動性を求めるというのは地方では非常に困難であります。そうした中で今年、私どもの地域、南佐久郡では大病院を巻き込んで専門職の人材交流事業というのを始めました。大病院は医師から看護師まで千何人おります。

 私どもの村からは1人が大病院に行き、2人が代わりに来てもらっています。同じ地域内で多少でも均てん化を図っていきましょうということで取り組んでおります。人材不足は介護福祉士だけではないわけでありまして、ほとんどの専門職が不足しているわけです。

 介護福祉士、社会福祉士、看護師、保育士、また、管理栄養士もある。全てが不足しているわけです。ですから、将来は人材交流センターまたは人材バンクをつくって圏域で解消しましょうというプランを立てて、今年、実際に始めました。

 しかし、地理的条件で非常に不利益な地域に派遣される場合がありますので、将来は人材確保安定基金というものを創設して、不利益地域に赴任した人の不利益部分を基金で補填することを考えております。

 地域で真剣にみんなで考えるというのが非常に大事になってきたと思います。ですから、県も厚労省もそういったローカルモデルにもう少ししっかりと関与して、新しいアイデアやノウハウを提供する場面をつくっていただきたいと思います。

 それ以外に地域で自己完結する方法はないのではないかと思います。遠距離で赴任していただくようなことはほとんど無理です。特に山村は民間参入が非常に困難であります。民間の皆さんに来ていただいても、絶対採算は合わないという地域ですから、ぜひ国がしっかり介入をして一緒になって考えてもらえるような環境をつくっていただきたいと思っております。

 また、自治体が求める書類のあり方等についても検討されるようになっておりますが、自治体独自で把握したい情報もあります。ですから、様式の統一化を検討するのであれば、ぜひ十分に、それぞれの自治体が知りたい情報をしっかり把握できるような様式にしていただきたいと思いますので、その辺の配慮をよろしくお願いします。

 以上です

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 それでは、続いて岡委員、井上参考人、小林参考人の順でお願いしたいと思います。

○岡委員 商工会議所に加入している介護事業者から寄せられた要望に基づいて、以下、意見を述べたいと思います。

 介護人材の不足につきましては、ここ2〜3年で特に状況は悪化しているということでございます。例えば、ハローワークとかナースバンクに人材の募集を行っても1年以上応募がない。そういった声が聞こえてきております。

 それでは、民間のエージェントを使ったらいいではないかという御意見もあろうかと思うのですが、中小の事業者ではなかなかコスト面から使い続けることは厳しい状況にあります。そうなりますと、福祉人材センターとかハローワークへの期待が高まってくるわけでございます。それらの連携も含めて有効な人材確保ができるように、現状を見ていただき、必要に応じて改善していただきたいと思います。

 特に不足感が強いとされております訪問介護を担うヘルパーの確保については、専門性の高度化というキャリアパスの提示といった方向性だけではなくて、資格要件の緩和など、直接的に担い手の裾野を広げていくことが必要だと思っております。

 効率化については、人材不足を補う観点に加え、せっかく採用した人材が離職しないように、職場環境の改善といった意味でも必要と考えておりまして、高齢者や女性でも働きやすいように機械化を進めることや、記録書類の削減、電子化、助成金の申請手続の簡素化、人員配置基準の規制緩和などを望む声もございます。行政側で対応できる部分については、ぜひとも検討を進めていただきたいと考えております。

 以上です。

○遠藤部会長 ありがとうございました。

 井上参考人、お待たせいたしました。

○井上参考人 ありがとうございます。

 6ページの「論点」に沿ってお話ししたいと思います。

 今後の介護保険制度ですけれども、言うまでもなく限られた資源の中で最善の介護サービスを提供するにはどうしたらよいのか、こういう観点で議論していかなければならないと考えます。消費税率引き上げの先送りも受けまして、ますます生産性の向上、そして業務の効率化という観点が重要になります。

 ロボット、センサーあるいはICTの活用は、最善の介護サービスを効率的に提供するということで非常に重要です。これに加えまして先ほどからご意見が出ておりますとおり、企業でいえば生産性の向上、業務効率化という、BPRBPOなど、業務の手順の見直しが不可欠です。この推進に際して、強いマネジメント能力というのがますます求められているのではないかと思います。

 ロボット、センサー等につきましては、日本の再興戦略にも取り上げられているところでございまして、高齢化社会の課題先進国である日本として、これは本当に戦略的に取り組んで、競争力のある分野として確立をすべきと考えております。

ICTに関しまして地方分権とのあり方というような論点もございますけれども、マイナンバー制度等でも見られるとおり、プラットフォームの部分というのは中央集権的にならざるを得ない分野だと思います。その上でプラットフォーム部分をどのように使うかというソフトの面は、事業所あるいは自治体ごとに考えていけばよいと考えます。プラットフォーム部分については地方分権ということではなくて、国レベルで統一したものにしていくことが効率化に資すると考えております。

 人材の類型化、機能分化というところでございますけれども、これに関しても非常に重要な観点だと思っております。外形的な資格だけではなくて、本来利用者の自立支援に寄与しているのかどうかという観点から、アウトカム評価も取り入れながら進めていただきたいと考えております。

 以上でございます。

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 小林参考人、お願いします。

○小林参考人 ありがとうございます。論点に沿って述べたいと思います。まず業務効率化につきまして4つ書かれておりますが、効率化に資するもの、あるいは負担軽減になるものもあれば、逆に負担が増える部分もあるのではないかと思っております。これにつきまして、ぜひ現場の意見によくよく耳を傾けながら進めていただきたいと思っております。

 また、他の委員から御指摘もありましたが、もし助成金の検討などが必要ということであれば、その際にはぜひ人件費的な面につきましても検討に含めていただけないかと思っております。

 書類のあり方についても幾つか言及がございました。保険者の立場もあろうかと思いますし、働く現場の意見につきましても、ぜひよく耳を傾けていただきながら、実際に効果が上がるように進めていただくよう要望いたします。

 次の論点につきましては、専門性を生かす取り組みや人材育成のあり方ということですけれども、まずぜひ基本に据え置いていただきたいことは、全体的にも専門性の向上を図ってサービスの質の向上につなげていくことを大事にしていただきたいと思っております。

 人材育成のあり方にも絡みますが、底上げをどのように図っていくかにつきましては、介護技術や専門性を正当に評価していく方法、客観的基準、そういったものがあると思っておりますし、先ほど検討会への言及がございましたけれども、そこで意見の一致が見られなかったことは残念なのですが、専門性をきちんと客観的に評価して、また、それを正当な処遇につなげていくということが重要だと思っておりますので、ぜひその取り組みの普及については引き続き検討いただけないかと思っております。

 最後にその他「上記の他、処遇改善を含め」ということで、処遇改善はやはり一番肝心だと思っております。私たちはこの間も、前倒しで何らかの処遇改善の措置を講じるように求めてまいりました。閣議決定の中身が詳細には私たちにはよくわかりませんけれども、決してこれで十分だとは思っておりませんし、不十分だと認識しております。

 どこで今後議論していくのかということについては、ぜひ明確にしていただくようお願いしたいと思っております。

 外国人人材の活用についても幾つか指摘がございました。私たちはこれにつきましても懸念をずっと指摘してまいりましたけれども、資料にも書かれておりますが、あくまで人材不足のためではないということは、常に確認しながらやっていただきたいと思っております。

 また、この論点とは若干ずれますが、参考資料の12ページに職場定着支援助成金のメニューが紹介されております。4月1日から施行されたということで、これは人材の定着のためにしっかり効果が上がるように活用されるべきと思っております。

 既に、要件に当てはまらなくて残念だという声も届いていたりするのですけれども、効果が上がると同時に、使いづらくならないように、今後ぜひ状況については報告いただくよう、局横断的になるかと思いますが、ぜひよろしくお願いいたします。

 以上です。

○遠藤部会長 ありがとうございました。事務局への要望もありましたので、よろしくご対応いただければと思います。

 お待たせいたしました。有識者の方々、いかがでしょうか。

○栃本委員 それでは、先に。

 我々は24名中2〜3人しかいませんので、1.5倍とは言いませんが、本当に1.1倍ぐらいにしていただきたい。

 要領よくお話しします。

 先ほど参考人の折茂先生と小島参考人からお話がありました「介護助手」に関する議論です。これは施設という形になりますけれども、実はこれは在宅でも必要でして、その部分が本来の介護職の類型化とかの機能化、職業化ということについて論じる場合に重要なのです。そこら辺が社会援護の基盤課の方は理解していない。また、この資料では機能分化とか書いていますけれども、従来の饅頭型という現状から目指すべき姿、富士山型と書いてありますね。その富士山型を見て、若者とか就労していない女性とか中高年というのが両脇にそろっている。この図は早目にやめたほうがいいと思います。これは全然回転していくというふうになっていない。そうですね。ほかの方も賛同されている。

 あと、富士山ですから、上にどうするのか。マグマが爆発するのか。これはやはり認定社会介護福祉士とか、そういう形できちんと位置づけるということこそが重要だと思うのです。

 介護人材についてですけれども、在宅の場合、ヘルパー業務というのがあって、身体介護と家事援助というのがありました。介護福祉士の人たちが身体介護以外でも家事援助ができる。それはそうだと。だけれども、本来何をすべきかということが本来の機能区分けということですから、そういう観点からものを見なければいけない。

 そういうことでいうと、ハウスビルドシャフト、家事援助、家政援助です。これは一つの職業としてちゃんと成立させればいいのです。それとは別のものとして介護福祉士は介護福祉士として職業として成立させるということで、機能分化といった議論よりも職業化をきちんとするということのほうが私は大切だと思います。

 先ほどの参考資料の40ページ目に、生活援助、身体介護、特定ケアについて細かく、介護福祉士がやっているかそうでないものがしているのか、こういうデータが極めて重要で、とてもいいものだと思うのですけれども、私はこの報告書というか、この調査研究を全文私は読みました。これからやるということなのかもしれないけれども、結論から言うと、これは全然類型化とか機能分化についての研究とは言えません。これは機能に関する分析です。機能分析と機能化とは全く違います。報告書では機能分析を行っているだけです。なぜこのようなことが起きるのか、スキームとかフレームワーク、そもそも構想なしに行っているからです、とりあえず機能を分析してみた、事業所ごとに、そしてどのような人が担っているのかをしらべているだけです。データ自身は重要かもしれないけれども、将来を見るためには参考にはなるけれども、意味がない。

 先ほど申し上げたように職業化ということが重要なので、これからの介護人材をきちんとした形で確保するということであれば、むしろ目指すべきは職業化なのです。

なお、先ほど日本医師会の鈴木先生から段位制についてお話がありました。私も全く同意見で賛成です。

 もう一つ、介護人材について、かつて平成4年ぐらいに2省3局で福祉人材確保法と看護人材確保法、あとは当時の労働省のほうでかつての家政婦の関係、あわせて3つ人材確保法を出したのです。そのときに私は役所にいたのですけれども、看護については都道府県のナースバンクで対応するという形だったと思うのです。

 今回、介護人材が足りない、どうしようかというときになるほど、人材センターというのもあるかもしれないけれども、本来であれば潜在介護福祉士の発掘や登録、介護のイメージアップ、そのほかについて都道府県の介護福祉士会を支援して、それの体質強化を図るというような政策的視点がないといけない。そのようなことをしたうえで、本当の意味での介護職というものに厚みを持たせることが必要で、介護の高度化や機能化という研究分析レベルのことと政策がくっついていて、そこに構想が不在。そういう観点も私は必要だと思います。潜在介護士についてはナースバンクの例を、看護の世界と全然雲泥の差というのはよくわかりますけれども、都道府県の介護福祉士会が担うといったバックアップはむしろ必要だと思います。人材センターではお役所仕事になるだけです。

 あと、ICTによる共有化ということがありましたけれども、共有化について看護と介護と医者の記載事項を見られるということが必要ですね。例えばドイツでは施設の医者というのはいませんのでかかりつけ医が要介護の住人が暮らす老人ホームが施設に来ますが、そのかかりつけの書いたことや看護、介護、そのほかの対象者に関する観察や記録と何を行ったかということが一目瞭然に見ることができます。日本では紙の場合でもドキュメントの書き方や医療・看護・介護、そのほかについての治療例や対応、状態についての記載の共有が行われていませんでした、新しい技術を用いて、きちんと今までやってこなかったということが問題なので、それに合わせてICTをうまく活用するという発想を持たなければいけないと思います。

 以上が介護人材の部分です。

 最後に生産性の向上についてです。一般的にロボットの活用とかはいいと思うのですけれども、介護支援性と自立支援性という概念がありまして、介護人の負担の軽減を図るとか省力化はとても大事なことです。これは介護支援性という形で区分されますけれども、もう一方は自立支援性というのがあります。

 非常に重要なのは自立支援性に着目した機器の開発であるとか、そういう視点がないと、現場の介護負担というものを省力化する、負担を軽減する、これは大変重要なことなのですが間違った方向にいきます。それと合わせて自立支援性に着目した形での構想というものが絶対に必要だと思います。

 なお、かつて局長が課長さん時代に先端リハビリ学会というところで会議があったのですけれども、そのときに慶應とか医学部と脳機能や脳活動の分析などの心理学と理工学部などが合わさって、脳血管障害であるとかそういう方に対するリハビリの機器の開発みたいなことが行われていたと思います。やはりロボットについても従来のようなレベルではなく、高度なスマート化というのが私は大切だと思います。ドイツではかなり前から医療パークといったところで機材が導入されていますね。

 以上です。

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 土居委員、お待たせいたしました。

○土居委員 介護人材確保については、処遇改善と生産性向上・業務効率化という2つの視点が大事だと思います。その2つの視点についてそれぞれ述べたいと思います。

 まず処遇改善なのですけれども、日本一億総活躍プランが昨日閣議決定されましたけれども、ここにも競合他産業との賃金差がなくなるように、2017年度から月額平均1万円相当の改善を行うということが盛り込まれたわけであります。

 私もこのプランの議論をしていた「一億総活躍国民会議」の民間議員として議論に加わっておりまして、そこでの議論の経緯を踏まえますと、本来は2018年の介護報酬改定で何かできないかということなのでしょうけれども、待っていられないということなので、前倒しで2017年度から対応する。ただ、介護報酬はもう既に今期は決まっておりますから、そこで足すとかそういうわけにはなかなかできないので、ひとまずは介護保険制度の外付けということになるのだろうと思うので、総活躍プランの中でも予算編成過程で検討するという形にひとまずなっている。

 ただ、一時的な加算のような、ないしはかつてあったような交付金のような形でやるということでは、なかなか恒久的な処遇改善につながらないと私は思いますので、当然ながら2018年の介護報酬改定につなげられるような形で2017年度からの対応を考えるということにしないといけない。そして、2017年度から処遇改善するということだけれども、それは2018年度の次なる介護報酬にはそれをきちんと組み込むという形にするように、予見できるような形でやるべきだと思います。

 そういたしますと、当然それは財源が必要になってくるわけでありますけれども、残念ながら201910月まで消費税率の引き上げが先送りされるようでありますので、そういたしますと、2018年度の介護報酬改定に間に合わないということになりますから、安定的な恒久財源をどういうふうに確保していくかということが大事だと思います。

 そうすると、単に経済成長が促されて税収が底上げするというものを当て込んで、それが恒久的な財源だと言うには、景気に左右されてしまって、景気が悪くなって税収が下振れしたらお金はないのかという話になっては身もふたもありませんから、やはり予算の組みかえも含めて安定的な恒久財源を確保した上で、この処遇改善に対応するということが求められると思います。

 2点目でありますけれども、生産性向上と業務効率化に関連してであります。先ほどの処遇改善のところでは、競合他産業との賃金差をなくすようにと明記されておりますけれども、競合他産業は何も漫然と高い給料を払っているわけではない。当然他産業も業務の効率化とか生産性向上に取り組んでいる。中には、かなり厳しい状況であるけれども、事業所同士の合併とかフランチャイズ化ということも他産業ではやっている。

 そう考えますと、単に報酬を引き上げて賃金差がなくなればそれでいいという話ではなくて、介護事業者を見てみますと、他産業よりも小規模事業者が多いということを鑑みますと、自発的な合併もきちんとやっていただくなり、フランチャイズ化ということもやっていただくなり、介護の中でもきちんと効率化していくような自発的な取り組みというのは欠かせないと思います。

 特に小規模事業者の場合は、規模の経済、規模の利益が働かない。さらにはその経理、労務管理などといった間接経費をそれぞれの事業所がみずから払わなければいけないということになる意味では、割高な費用がそこで発生しているということがありますから、やはり小規模であるということのディスアドバンテージを克服するような取り組みは、自発的に介護の中でも行っていくべきではないかと思います。

 さらには、生産性向上のためにはICT化、ロボットの導入というのは大変重要だと思いますけれども、これもまた固定費になりますから、そういう固定費をきちんと賄えるようにするにも、小規模のままであっていいのかと私は思います。

 あと2つですけれども、ロボット、ICTの導入ということで、ここでこれまでよりも介護の事業所では今までの労働集約的な状況からより資本集約的な状況になってきて、先ほど日本医師会の鈴木委員も御指摘されましたけれども、キャピタルコスト、資本コストをどういうふうに賄うのかということが深刻な問題にますますなってくると思います。

 もちろん診療報酬ではそれなりの対応をしているということですけれども、介護報酬体系の中でもこのキャピタルコスト、資本コストをどういうふうにきちんと盛り込んでいくのか、反映していくのかということは、今後介護報酬ということであれば介護給付費分科会のマターではありますけれども、そこで検討していただく必要があるのではないかと思います。

 最後に小さな1点ですけれども、馬袋委員が103万円の壁に言及されました。103万円の壁によってパートタイムの労働者が就労調整をするということは、もちろん介護以外でもありますけれども、介護の場でも深刻な問題だと私は思います。

 もちろん、所得税制の改革を待って103万円の壁がなくなるということに期待するということは言うまでもありませんけれども、馬袋委員も御指摘されましたけれども、そもそも民間企業や公務員における手当の出し方に依存して103万円の壁が生じているということが今本質的な問題ですから、これは介護以外のところの民間企業かもしれませんけれども、民間企業なりで手当の自発的な見直しを行っていただいて、103万円の壁というものが深刻な就労調整につながらないようにしていただきたいと思います。

 以上です。

○遠藤部会長 ありがとうございました。

 鈴木隆雄委員、お願いいたします。

○鈴木(隆)委員 ありがとうございます。

 私は介護人材の不足というものを今後どうやって補っていくかという中で、例えば資料の4ページの「介護人材の専門性の発揮」の最初のですけれども、地域の高齢者を「介護助手」として活用することで介護の担い手をふやすということが一つ考えられているということが言われております。

 これは恐らく、確かに武久委員も御指摘になられたように、非常に元気な中高年層がふえているということでもありますから、必ずしも悪いことではないというか、一つは進めてもよいことだと思います。

 しかし、高齢者の就労についていろいろな研究がされておりますけれども、やはり就労する際の一つの大きな理由としては、そういう仕事に就労したときに生きがいがあるかどうかとか、今までの自分の専門性が生かされているかとか、その仕事によってむしろ健康によいと思われているかとか、報酬というのが非常に大事です。

 こういったことを考えると、確かに地域の高齢者というのを「看護助手」という形で活用するということは悪くはないと思いますが、そのためにも全体の処遇改善とか、その人たちがその職についていただけるような処遇の改善、環境の改善というのは多分必須だろうと思います。

 そういう中で、例えば陶山委員とか桝田委員からも御指摘があった腰痛の問題というのは、確かに介護の現場では非常に大きな問題だろうと思いますし、健康のためによいからと思って入った「介護助手」がすぐ自分で腰痛を起こしてやめていくということでは、これはもう本当に大変な話だろうと思います。

 こういうときには、それこそ腰痛を軽減する、あるいは予防していくような人工筋肉によるパワーアシストスーツ「マッスルスーツ」といったものがだんだんとアベイラブルになってきているということから見ても、そういった先端技術を取り込んだ形でやっていくということが一つは大事かと思います。

 先ほどの参考資料を拝見しますと、例えば34ページに介護ロボットの開発支援について、経済産業省と一緒にいろいろなものがここで紹介されていますが、これらは多分そういう意味では、経費の面か見ても、あるいは使用することにおける実行可能性の面から見ても、恐らくいろいろ優劣といいましょうか順序がついているだろうと思われます。そういう中で、実現化できる、実装化できるものはできるだけ早く優先的にしていく必要があるのかと思います。

 例えば介護者のパワーアシストを行うというものです。これは相当進んでいる部分もあると思いますので、先ほどグローブのように簡単に取りつけられることが大事だという御指摘がありましたけれども、全くそのとおりで、こういったものをまず先にとにかく優先的につくっていくといったようなことが大事なのかとも思っております。

 コメントでございます。

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 大体皆さんの御意見を承りました。これをもちまして前半のほうの審議は終了させていただきたいと思います。この課題は非常に重要な課題でありますので、また今後議論するということも当然あり得るということでございます。

 それでは、後半予定しておりました審議に移りたいと思います。資料2〜4に関連する内容でございますので、事務局から一括して資料の説明をお願いしたいと思います。

○佐原老人保健課長 老人保健課長でございます。

 資料2をおあけください。「保険者の業務簡素化(要介護認定等)」でございます。

 1ページ目の「現状・課題」のところで「1.要介護認定の流れ」でございます。

 市町村の認定調査員による認定調査及び主治医意見書に基づくコンピュータ判定によりまして、まず一次判定の案をつくっております。

 次に認定審査会により一次判定の結果の確定、主治医意見書あるいは認定調査員による特記事項に基づきまして最終的な二次判定を行っております。

 この結果に基づき、市町村が申請者についての要介護認定を行うという流れでありまして、この際には要介護度だけではなくて認定の有効期間についても判断をいただいているということでございます。

 2ページですが「2.要介護認定の有効期間の延長をめぐる経緯」でございます。

 まずマル1ですが、要介護認定の認定者数は、27年4月現在で608万人で、この15年間で2.8倍に増加しております。

 認定者数の増加のペースは一旦緩くなったところでありましたが、現在はまた速くなっておりまして、市町村の要介護認定の事務量が増加しているという声があります。

 マル2ですが、事務負担軽減の観点から要介護認定に係る有効期間の延長というのは順次段階的に実施してきたところでありまして、26年の制度改正に当たっても以下のような指摘があり、必要な対応を行ったということで、指摘の1のほうはこの介護保険部会からの指摘でございます。

 3ページ目でございますが、「要介護認定の有効期間の延長に関するこれまでの経緯」ということで、有効期間につきましては2種類ございます。原則の認定有効期間というものと、市町村が設定可能な有効期間でございまして、例えば新規申請のところは、真ん中の「現状」というところで、原則は6カ月でありますが、個々の利用者の方の状況に応じて、下のほうですが、市町村が設定可能な有効期間は3カ月から12カ月までさまざまになっておりまして、この有効期間について順次見直しをしてきているところであります。

 4ページ目はそれらの経緯について、平成12年から27年までの順次見直しの経緯をまとめたものであります。

 5ページ目は、「3.業務簡素化・効率化のためのその他の取組」ということでございます。認定審査会の委員の任期の弾力的運用ということで、本年の4月から、これは認定審査会の委員は原則2年でありましたが、各市区町村の判断によりまして3年にしてもよいという改正を行っております。

 最後に6ページ目は「論点」でございます。

 1.は保険者等から要介護認定の事務、これは認定の調査と認定審査、主治医意見書等がありますが、これらが負担となっているという声があります。要介護認定事務の業務簡素化・効率化についてどう考えるか、また、どう進めていったらよいかということであります。

 2.は、制度創設以来、認定の有効期間の順次見直しを行ってきましたが、さらなる見直しの必要性についてどう考えるか。

 3.はその他、認定事務の業務簡素化・効率化のためにどのような方法が考えられるかということでございます。

 以上です。

○竹林介護保険計画課長 続きまして、介護保険計画課長でございます。お手元の資料3と、これに関連する参考資料3を用いて御説明をさせていただきたいと思います。

 最初に資料3の1ページ目でございますけれども、今回このテーマは「介護保険適用除外施設における住所地特例の見直しについて」ということでございます。

 まず「1.介護保険の住所地特例について」でございます。介護保険におきましては、地域保険の考え方から、住民票のある市町村が保険者となるのが原則でございます。

 ただし、この原則のみでありますと、介護保険施設に入所する場合には通常住民票を移すことになりますので、施設の所在する市町村の給付費の負担が過度に重くなり、そのことを懸念して施設等の整備が円滑に進まないおそれがございます。

 このため、介護保険制度におきましては、この地域保険の考え方の特例といたしまして、入所施設に入る場合には入所前の施設が引き続き保険者となる仕組み、これを住所地特例と言っておりますが、これを設けているところでございます。

 続きまして「2.介護保険適用除外施設について」の御説明でございます。こちらは参考資料3の2ページにリストを載せておりますけれども、今、9つの類型がございますが、障害者の関係の施設でございますとか、あるいはハンセン病の療養所、生活保護法に規定する救護施設、労災法に基づく施設といったものがございますけれども、これらの施設に入所、入院している方については、介護保険の被保険者としないとされております。

 このような取り扱いを行う理由といたしましては、これらの適用除外施設では介護保険施設と同等あるいはそれ以上のサービスが提供されていること、入院、入所されている方の期間が長期にわたる実態があり、将来的にも介護保険の給付を受ける可能性が低いことがありまして、このような取り扱いとされているところでございます。

 しかしながら、参考資料3の4ページをごらんいただきたいと思いますが、制度創設時に今のような考え方から適用除外となっておりますけれども、4ページの実態をごらんいただきますと、退所された方の状況でございますけれども、青い部分が死亡退所でございますが、赤い部分が退所後介護保険施設に移られた方でございまして、例えば救護施設とか障害者の支援施設というところでは、それぞれ4分の1あるいは1415%という方が、実際は退所後に介護保険の施設に移られているというところでございます。

 同じ資料の5ページになりますけれども、退所された方については要介護3以上の方が多いということで、高齢化により要介護度が重くなれば介護保険の施設に入りたいという傾向がある。

 あるいは、6ページにありますけれども、現在これらの適用除外施設に入っている方は、域外を越えてほかの市町村から入所されている方がかなりいらっしゃるということでございます。

 続きまして、資料3に戻りますけれども、「3.障害者福祉制度・生活保護制度における居住地特例等について」でございます。

 こちらにつきましても、先ほどの続きの参考資料の8ページをごらんいただきたいと思いますけれども、各適用除外施設についての給付の実施主体が誰であるか、あるいは公費を負担されている方が誰なのかといったところを整理してございますが、その一番右の欄に、これらの制度において介護保険と同様に施設入所前に居住していた自治体が費用を負担する仕組みがあるかないかということを整理しておりまして、赤字の「有」と書いてある部分につきましては介護保険と同様の制度がある。国立のぞみの園とか、救護施設、障害者支援施設といったところにつきましては、入所前に居住されていた自治体が費用負担をするという仕組みがあるところでございます。

 これらを全部照らし合わせますと何が起きているかということですが、参考資料3の9ページをごらんいただきたいのですけれども、ここでは障害者支援施設を例に挙げてございます。もともとA市にお住まいであった方がB市にある障害者の施設に入ったという場合には、まず障害者の制度のほうの居住地特例によりまして、入所前のA市が費用負担をしている状況でございます。

 この方が生涯障害者の施設におられれば、ずっとA市が負担し続けていらっしゃるわけですけれども、この方が途中で介護保険施設に移りたいと。そのときに別のC市に移られた場合、あるいはもといたA市にある介護保険施設に入る場合を考えますと、介護保険制度の目で見れば、入所前の直前の住所地があったところは、実は障害者の施設の所在するB市でありますので、このタイミングで費用を負担する自治体がB市に移るというのが今の制度の基本的な考え方でございます。

 参考資料3の10ページをごらんいただきたいのですけれども、今のような状況に対しまして、全国市長会、全国町村会あるいは救護施設の全国の団体、これから地域移行を熱心に進められる予定の国立のぞみの園などから要望という形で、今のような仕組みを改め、引き続きA市が費用負担する仕組みが考えられないかといった御要望を受けているところであります。

 参考資料3の11ページ目でございますけれども、昨年12月に閣議決定された地方からの提案に対する対応方針でも、この取り扱いにつきまして検討して、28年中に結論を得る。あるいは、昨年12月の障害者部会の報告書の中でも、この取り扱いにつきましては見直すべきであるとして、当介護保険部会のほうにボールが投げられているというところでございます。

 資料3の2ページ目の御説明をさせていただいたところでございます。

 資料3の3ページ目の「論点」というところでございますけれども、こういった状況を踏まえまして、障害者施設等の介護保険適用除外施設から退所して介護保険施設等に入所した場合につきまして、この適用除外施設の所在市町村の給付費が過度に重くならないように、保険者の定め方を見直すべきではないか。その際、地域保険の原則に対する特例を拡大することとなるため、全ての介護保険の適用除外施設を対象とするのではなくて、特例の見直しの対象とする必要性が高い施設類型に限定すべきではないか。

 具体的には、以下のような観点に着目して、見直しの必要性を検討してはどうかということで、3つの観点を挙げさせていただいております。

 1つ目には、既に紹介した福祉制度あるいは生活保護制度のように居住地特例というものがあって、入所前の自治体が費用負担しているという実態があること。

 2点目でございますけれども、施設からの退所者のうち介護保険施設等に移る方の割合が高い、あるいは今後そうなることが予想されるような場合。

 3点目といたしまして、自治体や施設から具体的な見直しの要望をいただいているもの。このような観点を提示しているところでございます。

 以上でございます。

○佐原老人保健課長 続きまして、資料4について説明をさせていただきます。老人保健課長です。

 資料4の1ページ目をおあけください。これは「介護保険総合データベースの活用について」というものでございます。

 まず「1.介護保険総合データベースの概要」でございます。

 「マル1介護DBとは」ということで、介護保険法の規定に基づき、介護レセプト等の電子化情報を収集したものでありまして、平成25年度から厚生労働省が管理するサーバー内に格納し、運用を開始しております。保有主体は厚生労働大臣であります。

 この介護保険法ですが、以下にありますとおり、厚労大臣または知事は市町村に対し、報告を求めることができるとなっております。

 「マル2保有情報」ですが、大きく2つあります。介護レセプトデータ、要介護認定のデータになっております。

 「マル3これまでの利用状況」でございますが、地域包括ケアシステムの構築に向けて、現在全国の保険者の特徴や課題、取り組み等を客観的かつ容易に把握するとともに、これらの情報を国民も含めて広く共有するための「地域包括ケア『見える化』システム」を構築中であります。この中で28年度7月より介護DBのデータも利用されることとなっているというところでございます。

 2ページをおあけください。格納されているデータは大きく2種類ありますが、まず介護レセプトについてです。マル1のデータの内容につきましては、審査支払基金である国民健康保険連合会を経由して、保険者へ請求される介護レセプトに記載されている内容が全てこのデータベースの中に入っております。

 マル2のデータの収集の方法ですが、国民健康保険団体連合会を経由して収集された介護レセプトデータを国保連が匿名化した上で厚生労働省へ提出され、この介護DBへ格納されております。

 現在、格納の件数としては約5億件ございます。また、格納されている主なデータとしては、このレセプトに記載されているものでありますが、下の表にありますとおり、事業者情報に関する情報、利用者に関する情報というものでございます。

 3ページ目ですが、もう一つ、要介護認定に関するデータが格納されております。これは各市町村が要介護認定に用いた調査の結果等が入っているというものであります。各市区町村が専用ソフトを用いて個人情報を匿名化した上で厚生労働省へ提出され、介護DBへ格納されております。

 送信している保険者は現在全数ではなくて、平成28年1月時点でありますが、1,579の保険者のうちの1,361、約86%になっております。

 格納件数は約4,000万件という状況です。

 格納されている主なデータは要介護認定の一次判定に関するもの、また、要介護認定の二次判定に関するもの等が入っています。

 4ページ目がこれらデータベースの収集経路のイメージであります。

 上の要介護認定に関するデータは、市区町村から直接匿名化していただいた上で厚生労働省のデータベースに格納されています。

 介護保険のレセプトについては国保連合会を通じて匿名化した上で厚生労働省のデータベースに格納しておりまして、この匿名化の際にデータベースの中だけで使う特有のIDを振り出しまして、データを連結しているというところであります。

 次は5ページ目でありますが、「介護保険総合データベースの必要性と課題」であります。

 マル1は「経済財政運営と改革の基本方針2015」、これは昨年のいわゆる骨太の方針でありますが、この中で「要介護認定率や一人当たり介護給付費の地域差について、高齢化の程度、介護予防活動の状況、サービスの利用動向や事業所の状況等を含め分析し、保険者である市区町村による給付費の適正化に向けた取組を一層促す」こととされております。

 このためには全国規模で保険者ごとの一人当たり給付費や要介護認定率を適切に比較する必要があり、その際には何らかのデータが必要でありますが、レセプト情報、要介護認定情報を含む介護DBを用いることが最適であると考えられます。

 一方で介護DBに要介護認定データを送信する保険者は、全数ではなくて86%となっておりまして、全保険者の状況を適切に比較、分析するという点で課題があります。

 また、介護DBには主傷病に関する情報が格納されていないという課題も残っております。

 続きまして6ページ目でございますが、この関連で「4.医療と介護のデータを連結した分析について」ということで、今年度のいわゆる「骨太の方針2016」というもので昨日夕方閣議決定をされているものでありまして、ここに記載しているとおりの内容になっております。

 7ページでございますが、「5.介護DBの更なる活用について」というところでございます。

 まずマル1です。介護DBのデータは、現行では行政のみが利用しており、第三者からの依頼に応じて、集計・提供した実績はありません。今後、介護の質の向上や研究開発促進のために、データの一層の活用が求められているところであります。

 一方で医療保険のいわゆるNational Data Baseにつきましては、格納されているデータの第三者への提供に当たってのルールが定められておりまして、第三者提供が行われております。ちなみに、27年度末までに94件の第三者提供が行われているということでありますが、介護DBではまだこのようなルールは存在せず、第三者提供を行っていないという状況にございます。

 最後に8ページ目でございますが、論点として3つ挙げております。まず「今後、介護DBを利用し、要介護認定率や一人当たり介護給付費の地域差について、高齢化の程度、介護予防活動の状況、サービスの利用動向や事業所の状況等を含め、適切に分析していくためには、全ての保険者から漏れなくデータを収集する必要がある。そのためには、どのような取組が考えられるか」ということであります。

 ちなみに、医療のほうでは高齢者医療確保法のほうで、広域連合は必要な情報を提供しなければならないというふうに義務がかかっております。

 2つ目は「今後、医療・介護の政策を総合的に進める観点から、医療と介護のデータを連結し分析していくことが必要であるが、どのように進めていくべきか」ということであります。これには技術的な課題、制度的な課題もいろいろあると思いますが、どのように進めていったらよいかということであります。

 最後は「介護の質の向上や研究開発促進等のため、介護DBを国や保険者以外が活用することについて、どのように考えるか」ということでございます。

 以上です。

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 ただいま3つの資料でございますけれども、特段分けることなく御審議いただければと思います。どなたでも結構でございます。いかがでしょうか。

 土居委員、どうぞ。

○土居委員 ありがとうございます。

 配付していただいております私の提出資料に沿いながらお話をさせていただきたいと思います。

 まず、資料2の要介護認定に関連する部分でありますけれども、省力化とさらなる適正化が必要だと思います。

 私の提出した資料に、これは事務局が別の会議でお出しになられたものを私の資料の中に添付しているだけですが、まさに年齢構成調整後の要介護認定率を都道府県別に見たものでありますけれども、このように地域差が見られるということであります。

 この地域差がどういう要因で生じたかということをきちんと分析して、特にこれが二次判定で生じているということであれば、どういう形で二次判定でこれが生じているのかというところがうまく分析できるといいのかと思います。

 それとともに、配付資料のところではミスタイプがあるのですけれども、保険者の事務負担の軽減を図るには二次判定の省力化が有効であると考えます。特に、ローカルルールがあるとか、いろいろうわさはあるわけですけれども、そもそも要介護認定は画一的に行われるべきものでありますから、どこでどういう形で判定するかというところのきめ細かい配慮は必要ですけれども、地域によって違うということがないようにするということは必要だと思います。

 特に省力化ということでいえば、一次判定と基本的には変わらないような形で二次判定が行われるということであれば、これを簡素化するということは考えられるのではないかと思います。

 さらに後の介護保険総合データベースとも関係するのですけれども、主治医意見書を電子化していただくということが必要だと思います。できれば第7期に間に合うようにお願いしたいと思います。

 次に資料4に関連するところで意見を述べさせていただきます。介護保険総合データベースの活用は極めて今後の介護の質を高めていく上でも重要だと思います。ただ、先ほど事務局からの説明もありましたように、医療保険のNDBのデータベースは第三者提供が始まっているわけですけれども、介護ではまだ始めていないということですので、できるだけ早期に有識者による審査などのルールを定めて第三者への提供を開始すべきであります。

 先ほどの事務局の説明の資料4の3ページにありましたけれども、私は非常に驚きまして、要介護認定データを提出していない保険者がまだいるということでありますから、私はこの資料では「送信喚起」とやわらかい表現は使いましたが、私の本音としては、これは強制的にでも出させるべきだと思っております。

 ただ、当然保険者の自発的な御協力がなければ始まりませんので、老健局におかれましては「送信喚起」をお願いしたい。このデータ収集というのは極めて重要で、要介護認定の分析にも、さらにはその下の話になりますけれども、医療介護の連結分析という観点でも漏れがあってはいけないと思います。

 最後に、医療と介護の連結分析ということでありますけれども、これの一つの分析上の障害というのは名寄せができないということであります。同じ患者、利用者が医療と介護では匿名化されている形でデータベースにおさめられてはいるものの、その両者が同一人物であるということがなかなか簡単には判明しないということであります。

 個人情報を匿名化するということでありますけれども、その匿名化の方法を共通化するという方法もありますし、さらには医療でも介護でもそうですけれども、保険者がかわった場合に、その被保険者が移動して、その後、過去のデータ等を名寄せできないということがあるやに聞いておりますので、そういうこともないように通時的に名寄せができるようにするべきだと思います。

 以上です。

○遠藤部会長 先ほど手を挙げた順番でいきますと、折茂委員、藤原委員、桝田委員の順でお願いいたします。

○折茂参考人 ありがとうございます。簡潔に2点述べたいと思います。

 1点目は、資料4「介護保険総合データベースの活用について」です。メガデータを集めるということはとても重要なことで、この分析を国や保険者以外の第三者が実施することももう当然のことだと思います。そのうえで、まずはどのようなデータを集めるのかをもう一回しっかりと議論をしていただきたいと思います。

 例えば、介護保険が始まる前はICIDH(国際障害分類)という障害の視点に基づいた考え方でしたが、ICF(国際生活機能分類)という「できる能力」に視点をおいた考え方に世界的に変わってきているという点です。利用者、障害者がどういうことをしているのか、どういうことができるのかというところを、利用者本人の視点に合わせたデータを集めていくということがとても大切だと思います。

 そのような面では、平成27年度の改定検証・研究事業「介護保険制度におけるサービスの質の評価に関する調査研究事業」(松田晋哉班長)の成果等を踏まえ、しっかりとしたデータを集めて、これらを介護DPCというような新たな制度の検討につなげていただけるのが一番かと思っています。

 2点目もこれに関係する要介護認定の見直しについてです。現在の要介護認定も大変すばらしい仕組みでできておりますが、介護の手間という観点から要介護度が分けられております。本来的には利用者の状態像から、利用者が何をしているかという視点に立って、要介護度を抜本的に変える検討も、これは時間が長期的にかかるとは思いますが、改めて検討を始めるべきではないか思います。

 そうすることで、今の一次判定、二次判定の問題等も大きな視野のなかで解決できるのではないかと思っております。

 以上です。

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 藤原委員、どうぞ。

○藤原委員 資料3の住所地特例でありますが、これは特に障害者支援施設等については介護保険制度上の特例の対象となるようぜひ制度改正してもらいたいと思っています。以前から全国町村会としても要望しているところであります。ぜひ次期制度改正においては、住所地特例の対象としていただきたいと思います。

 資料4の「論点」ですが、市町村が保有する要介護認定のデータや介護保険のレセプトデータを大学や研究機関が活用することについて、どのように考えるか、とあります。介護分野の発展のためには極めて重要なことであると思っておりますが、一方では個人情報保護の問題もあるのではないかと思います。

 提供する情報が匿名化されていても、内容によっては個人が特定される可能性があると思います。これだけの項目が提供されると、小さな町村では本当に地域の住民の顔がよく見えますので、誰のことだかすぐわかってしまいます。

 利便性や研究のことだけを考えて拙速に進めるということになれば非常に問題になると思います。慎重に議論を行ってやっていただければと思いますのでよろしくお願いします。

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 桝田委員、どうぞ。

○桝田委員 この要介護認定の流れの部分ですけれども、介護保険制度がスタートして16年余りで、その間に認定期間の延長が順次行われて、認定審査会の委員の人数についても少なくとも大丈夫という部分も行われてきました。

 逆に認定審査会自体のいわゆる偏重部分が微妙に出てくるという問題も表に出てきています。ここでもある意味では、この一次判定結果から二次判定に至る過程の中で、二次判定を省略することができる場面もあるのではないかと思っています。

 新規申請では省略は無理かとも思いますけれども、更新申請の際に大きな変化がなければ二次判定は省略する。ご本人のほうに、それが不服であれば区分変更等いろいろな方法がありますので、その制度を使っていただくということも可能かと思います。

 ある意味ではこの部分を省略化しても、介護保険料には直接影響しませんけれども、市町村にとっては事務負担の軽減にはかなり役立つのではないかと思います。

 もう一つは主治医意見書の問題も、ここの部分は医師会のほうで省略できる場面がないのか検討していただいて、ご提案いただくという形ができればいいのかと思っています。

 あと、データベースの問題ですけれども、やはり医療と介護がトータルでつながったものを分析していく必要が一番あると思います。個人情報の問題がありますから、ここで出ています個人データの中に住所が入っていないという部分で、非常に分析する上ではしづらい部分があるのかと思いますけれども、藤原委員のほうから個人が特定できるという部分からいうと、住所があれば確かに特定してしまう地域も存在すると思いますので、そこらの兼ね合いで、データが集まった分をいかに有効に使っていくか。やはりそれはいろいろな研究者のほうで分析を公表していただくという部分が重要かと思います。市町村だけでデータを持って動かすだけでは、なかなかデータ活用は進んでいかないと思いますので、医療と介護の連結を含めて発展的に活用ということをお願いしたいと思います。

 以上でございます。

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 栃本委員、どうぞ。

○栃本委員 認定審査会が自治体にとって大変な負担であるというのはよくわかるのですけれども、もともと認定審査の一次判定のコンピューターの仕組みをつくったときに、トータルケアコードで数百に及ぶものを七十幾つかに少なくして行ったわけでして、したがって精度は九十数パーセントということになっておりますので、二次判定は必須です。その上で効率化を行うということなのですけれども、その場合、例えば要支援2、要介護1といった場合に、要支援2に振り分けるか、要介護1というのが状態不安定ということと認知でとるかということになります。

 状態不安定だと半年ということになってしまうのですけれども、もともと半年間状態不安定だという定義になってしまっているので、半年でもう一回やらなければいけないということなのですけれども、なかなか特記事項の中で認知を読めないとかそういうのがあって、仕方なくと言うとあれなのですけれども、6カ月でしなければいけないということがあります。

 そういう意味で、そこの部分を弾力化するということが必要だと思います。認知であれば、例えば横浜市であれば2年間、24カ月ということになるのですけれども、状態不安定だとそういうことです。そこら辺について柔軟にしていただくということです。

 もう一つは、先ほど申し上げましたように、認定審査の業務ということが非常にコストがかかるというので、言ってみれば企業でもコストセンターとプロフィットセンターということで、コストばかりかかるということはありました。先ほどの土居委員のお話もありましたけれども、例えば主治医意見書をデータベース化するなり、ただし、その前提として主治医意見書をきちんと読めるような字で書いていただくということはもちろん必要なのですが、きちんとデータベース化して、それが活用できるようにするということが大事です。

 もう一つは前からお話ししていますように、保険者機能として認定審査会のデータとか議論というものを地域包括ケアシステムの中で活用するということで、コストの部分だけではなくて、それはどういうデータを使えるかという視点も必要だと思います。

 最後に事務局のほうから説明していただいたNDBであるとか、そういうことなのですけれども、これは大変重要でして、どんどん進めていかなければいけないということです。先日、生活保護の基準部会のときに申し上げたのですけれども、例えば生保に関する、援助記録を含めてデータであるとか、援助計画については生活困窮者自立支援法関係のデータをマイクロなレベルで保管して、共通コード化しておくといったレベル。生保や自立支援法の活用記録をであるとか、生保の被保護歴であるとか年金であるとか、今回この審議会でやっているような種類のデータを、例えば社会保障番号とかきちんとそういう形のものを定めるというのは、これから人口減少社会の中でなおかつ効率的に社会保障制度を運用していくということが絶対必要だと思うのです。もちろんデータの保護と一方、一定期間で廃棄というのは必ず必要になりますが。

 保険料を納めない人についていろいろ利用にあたっての制限等処罰というか、そういうことをできるかどうかについては、医療の場合はデータがないからそれができなかった。年金の場合は記録を追えるからということがあったのですが、それも含めて社会保障番号ということについて、もう考えられたのかもしれないけれども、ぜひ進めていただきたいということです。

 以上です。

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 こちらがお手を挙げているのはわかりますが、こちらに移りたいと思います。

 鈴木委員と武久委員という順番でお願いいたします。

○鈴木(邦)委員 まず資料2についてですが、要介護認定事務の業務簡素化や効率化は必要な部分もあると思いますけれども、要介護認定審査会の廃止や、認定のコンピュータ化には反対です。

 私は介護保険制度発足以来の地元の要介護認定審査会の委員長も務めておりますけれども、日常的に一次判定を全員一致で見直すことも行われておりますし、それを省略することはあり得ないと思います。

 また、主治医意見書ですけれども、今後要介護者の医療ニーズはさらに高まりますので、その重要性はますます高まると思います。

 その中で認定期間のさらなる延長は有効な手段だと考えます。どのような場合にどこまで延長可能か。ドイツでは期限がないと聞いておりますが、これまでのデータを分析することが必要であると思います。

 そこで質問ですけれども、現在私どもがサービスを提供している複数の市町村だけを見ても、認定調査員の体制がばらばらになっています。これについてどのように考えているのか事務局に意見を伺いたいと思います。

 一つの自治体は行政と社協が全ての認定を行う。別の自治体は、初回の認定は行政が行い、更新時はその市内外の認定調査員プラス研修を受けた居宅介護支援事業所に委託するが、自分の担当している利用者は除外する。さらに別の自治体は、初回の新規の認定は行政が行いますが、更新時は担当しているケアマネに委託するということで、ばらばらなのです。それを事務局がどのようにお考えになっているのか、入り口のところですけれども、ぜひ御意見を伺いたいと思います。

 資料3についてです。参考資料3の10ページにもありますけれども、救護施設やのぞみ園を含む障害者支援施設に限定して、退所時にかかる住所地特例の取り扱いを見直して、他市町村の介護保険施設等に移行した場合も引き続き当該施設の入所前に居住していた自治体が費用を負担するようにすべきだと思いますが、参考資料の4ページに、労災施設にも一部、8.3%ですが、介護保険施設等に移行する方がいらっしゃるようです。そこについては要望が出ていないようですけれども、それでいいのか、事務局のお考えを伺いたいと思います。

 資料4につきましては、論点が3つありますけれども、1つ目に対しては全ての保険者から漏れなくデータを収集するためには要介護認定データの提供を義務化する必要があると思います。

 2つ目の論点については、医療と介護のデータを連結して分析していくためには、現行では医療と介護で別々になっている固有のIDを匿名化など、個人情報保護を徹底した上で統一化や連結化などをしていく必要があると思います。

 3つ目の論点については、介護データベースを国や保険者以外が活用するためには、医療保険のナショナルデータベースで定められている第三者への提供に当たってのルールを参考に、あらかじめ厳格なルールを決めておく必要があると思います。

 以上です。

○遠藤部会長 ありがとうございました。

 幾つか質問が出ておりましたので、事務局、御対応をお願いします。

○佐原老人保健課長 老人保健課長です。

 まず、認定調査員の範囲ですが、新規申請の場合は市町村職員あるいは指定市町村事務受託法人の介護支援専門員がやるということになっております。

 また、更新申請の場合は市町村の職員あるいは介護支援専門員。これは事務受託法人に限定せず介護支援専門員の方がやってもいいというルールになっております。

○遠藤部会長 鈴木委員、どうぞ。

○鈴木(邦)委員 その違いが一次判定や二次判定に影響を与えていないか、ぜひそれも調べていただきたいと思います。

 以上です。

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 武久委員、お待たせいたしました。

○武久委員 私も2000年から今まで足かけ16年、現地で介護認定審査会の委員長をしておりますけれども、当初は30件ぐらいで10件ぐらいの変更がございました。昨今は3件ぐらい、要するに1割ぐらいになっていることは事実でございます。

 ただ、介護認定審査会を全部なくしてしまうかどうかというと、私もそれは厳しいかと。ただ、都道府県には介護保険審査会といって、不服があった場合に申請する制度があるのですけれども、多分この制度はほとんど利用されていないのではないかと思います。

 したがって、介護認定審査会の場合は、やはり不服がある場合と、新規の場合と、要支援から要介護1に上がるところの部分については必須だろうと思うのですけれども、その他については、ただ、主治医の意見書がIT化してコンピュータの項目に入っておりませんので、これは必ず入れないといけないと思いますけれども、今、600万人という対象者が、これは15年で2.8倍、今に1,000万人になる。この事務費だけでも莫大なことになって、これでどうかというのは今ここに提出された時期は非常に適切な時期ではないかと思います。やはり効率化をしないと、今後保険制度がやっていけないのではないかということも私も心配しておりまして、その辺のところをお願いしたいと思います。

 資料3の適用除外施設。私も障害施設を持っておりますけれども、障害施設は結構一部に偏在しておりまして、そこのところの市町村に過大な負担がかかるというのは適切ではないと思いますので、この案のとおりに行われればいいのではないかと思います。

 資料4につきましては、今、ナショナルデータベースがありますけれども、今のITの時代に1人の国民が継続してずっとフォローできるという体制はどうしても要るだろう。マイナンバー制度は、どちらかというと税金の把握に使われているような感じがありますので、ある人間がある病気をして、急性期も慢性期も在宅も介護保険のときもその疾患別のフォローをずっとしていって、同一のデータ上にあるということは、今の時代、これから変更するのだったら必須だろうと思います。当然守秘義務とか、漏れるかどうかというのは世界共通の課題ですので、ここら辺は日本のIT業界が対応してくれるのではないかと思いますけれども、やはりガラス張りになって、医療も介護も公明正大、公正中立というものが担保されていくように、いい医療、いい介護が皆に評価されていくようなシステムというのが、今後は絶対求められると思います。

 以上です。

○遠藤部会長 ありがとうございます。

○鈴木(邦)委員 後半の質問のお答えがまだです。

○遠藤部会長 そうでした。失礼しました。

 続けてください。

○竹林介護保険計画課長 介護保険計画課長でございます。

 鈴木委員からの2つ目の御質問で、住所地特例の話です。労災施設についてはどのように考えているのとかということでございました。

 参考資料3の8ページをごらんいただきたいと思います。先ほど十分説明し損ねましたが、労災施設につきましては給付の主体あるいは公費を負担している主体が国というふうになっております。国ということになっておりますので、先ほど御説明したような労災施設から介護保険の施設に移ったときに、自治体の負担が変わるということがないので、恐らく要望などもないのかと思いました。

○鈴木(邦)委員 了解しました。

○遠藤部会長 小島参考人、お願いします。

○小島参考人 私は行政の立場から発言をさせていただきますが、まずは介護認定でございます。

 最初に土居委員が御指摘したように、今後介護認定者がふえる中では一定の省力化というのは必要なのかと思っております。

 また、私も都道府県レベルで開催している介護保険審査会の中で、この要介護認定をめぐる審査請求の事案を見る中で、認定審査会での判定や何かも見させていただいておりますが、先ほど栃本委員が言われたように、要支援なのか要介護なのかということを特記事項で判断する。例えば寝たきりの人は通常であれば、一次判定で要介護4となりますが、特記事項で、例えば床ずれを防止するために一定程度の体位変換が必要であるとか、こういう必要性がありますと介護の手間が必要だということで、二次判定では要介護5に変わる。このように特記事項が左右している部分があるのかと思いますので、土居委員が指摘されているように、一次判定と二次判定での違いは何が大きな要因なのかというのを分析いただいて、できる限り二次判定で変更しないように一次判定の項目の中に加えるということも大事ではないか。

 実際に私も都道府県の中で見てみましても、各市町村での認定の差というのはかなり大きなものがございます。そうした格差を是正するために、実際に認定審査会に御参加をいただくドクターたちの研修等をやらせていただいていますけれども、均てん化という状況ではかなり厳しいものがありますので、これは要介護認定の仕組みそのものの若干の見直しというのもしていただきたい。全否定をするわけではありませんので、分析をしていただいた上で、必要な部分は省力化につながるものをやっていただきたいと思っております。

 2つ目の住所地特例でございますが、これまでも私どものほうからもいろいろと提案をさせていただいておりまして、例えば救護施設は、私ども神奈川県には4カ所がございます。先ほども武久委員が言われたように、4カ所ということになりますと、市町村によって偏在をしているわけでございますので、その所在市町村の負担が大きいということがあります。ですから、満遍なく各市町村にあるような施設であれば問題ないのですが、やはり障害施設あるいはこういった救護施設は偏在がありますので、そういった部分が住所地特例によって各市町村の負担が重たくならないように、このようなことで今回出されているような内容での改正を望みたいと思います。

 3つ目のデータベースの話なのですが、全市町村が認定の部分についてはデータを入れていないというお話なのですが、これはかつては全市町村は入れていたと思います。途中で認定プログラムの改正があって、そういったものを入れるプログラムのリリースがおくれたような関係で、まとめて入れるのが大変だと。また、入れる内容も、先ほど課題でも御指摘いただいたように、主疾病とかそういったものが入っていないために、中身は一次判定での要介護区分、また、二次判定に至ったときの要介護区分、その変更であるとか期間といったものが中心になりますので、何もこういったデータベースに登録をしなくても、各市町村は自分自身の中で把握ができるということがあって、要は国にデータを送付して比較検討するインセンティブが働いていないのではないかということもありますので、ぜひとも今回提起されているような課題の部分も克服をしていただいて、全市町村がこのデータベースにアクセスできるような方策を考えていただければと思います。

 一つとしては、改善も含めてデータ送付については義務づけというのも将来的には必要ではないかと。もちろん、こういったデータをオープン化して、第三者の利用に供するということは必要だと思っております。その際には、藤原委員が言われたように、小さな町、村でありますと、本当に住所まで入れれば誰なのだろうなという想像がついてしまうということもありますので、そうした部分には配慮をしていただきたいと思います。

 以上です。

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 佐野委員、齋藤訓子委員の順でお願いしたいと思います。

○佐野委員 資料2と資料4についてコメントしたいと思います。

 認定に係る事務のいろいろな負担はわかるのですけれども、一方で認定の有効期間を延ばすということについては、例えば要介護状態が軽減した場合において、更新時期までに自己申告しないのではないかという懸念があります。そういうことになった場合には不適切な給付につながる可能性がありますので、安易な有効期間の延長というのは避けるべきではないかと考えます。

 もう一点、資料4のデータベースのほうですけれども、こちらも土居委員が出されたペーパーとほとんど同様の意見でございます。医療、介護のデータの連結、分析というのはぜひ進めるべきで、さらにスピードアップすべきだと思います。若年期、壮年期からの介護予防対策にも有用なデータが得られるのではないかと思っています。

 そういう意味では、保険者以外の活用も、既にNDBでやられていますように、さらなる活用を図るべきだろうと思います。そういう幅広い活用によって医療、介護両方での予防、適正化につながっていくのではないかということが期待できると思います。

 さらに言いますと、先ほど武久委員の発言もありましたけれども、属人ベースも含めて、医療、介護のデータを時系列につなぐ。保険者がかわった場合も含めて時系列につなぐということも、より有効な対応策が見つかるのではないかと思います。

 その場合、先ほど来出ていますように、個人情報の壁の部分がいろいろなところで出てきます。この壁は厚い部分はあると思うのですけれども、分析を進めるためには例えば要件の一定の緩和はできないのかということも含めた検討も必要ではないかと思います。

 これも先ほど来出ていますけれども、介護保険総合データベースに要介護認定のデータを送っている保険者は全体の86%というのは、保険者の機能強化という観点から見た場合には明らかに阻害要因になってくると思いますので、義務化を含めたより有効な方向に向かうべきだろうと思います。

 個人情報については相当いろいろな部分に問題があると思いますので、慎重にやらなければいけないのは当然ですけれども、データをくっつけて多面的に分析するというのは、医療、介護両方の合計した費用の伸びを抑制するという観点でも極めて重要であると思います。

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 齋藤訓子委員、どうぞ。

○齋藤(訓)委員 データベース等につきましてはほかの委員がおっしゃったとおりだと思います。個人情報のことを厳格に定めた上で、研究者等が活用でき、そして介護のエビデンスの蓄積に役立つものにしていくことが大事かと思います。

 資料2のところで事務局に一つ質問もあるのですが、要介護認定の有効期限につきましては、資料を見ますとこれまでの変更の経緯は書かれてあるのですけれども、その結果、例えば上限いっぱいの24カ月で運用している保険者がどのぐらいいて、あるいは要介護度や状態別に異なる期間を何か設定しているのか、それから、どのぐらいの保険者が有効期限の見直しを要求しているのか、その辺がもしわかっておりましたら、資料として提出をお願いしたいと思います。今回の資料だけでは見直しすべきか否かという判断をするには材料がないと考えておりますので、よろしくお願いしたいと思います。

 それから、認定業務につきましては、過去の調査などを見ますと、例えば主治医意見書をもらうためのやりとりに時間がかかるとか、あるいはサービスはすぐには要らないけれども念のため認定を受けておくという方も相当数いるという実態が出ていましたので、ICTの導入も含め、いわゆる介護保険の使い方の周知といいますか、住民の方々への啓発活動によっても認定業務を少しずつ軽減できる余地はあるのかと思います。

 審査会につきましては、土居委員の意見に賛同します。審査会を撤廃するという話ではないのですけれども、全てのケースに二次判定が必要なのかどうなのかというのは、少しいろいろなデータを分析した上でパターン化できるものがあるのではないかと思いますので、ぜひ検討していただきたいし、介護保険総合データベースなども活用して分析が可能ではないかと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。

 以上です。

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 事務局に要望事項がありましたので、対応可能な範囲で御対応していただきたいと思います。

 老健課長、どうぞ。

○佐原老人保健課長 データにつきましては分析したものがありますが、細かいデータもいろいろありますので、次回そろえて提出させていただきたいと思います。

○遠藤部会長 よろしくお願いします。

 ほかに。

 それでは、こちら側ということで井上参考人、小林参考人の順番で。後でこちらに振ります。

○井上参考人 ありがとうございます。

 介護保険総合データベースの活用につきましては、本日の前半の議論にも関係しますけれども、やはり限られた資源で最善の介護サービスを提供するという観点からも、この論点に書かれているような医療・介護のデータ連結、保険者以外の活用、また、まだデータを提出していない保険者につきましては義務化も含めて前向きに検討していくべきだと考えております。

 以上でございます。

○遠藤部会長 小林参考人、お願いします。

○小林参考人 ありがとうございます。

 要介護認定の見直しの件で、論点は業務の簡素化あるいは有効期限のさらなる見直しの必要性についてということですけれども、要介護度によって改善や状態がどのように変わっているのか、あるいは変化の度合いに違いがあるのかですとか、また、事務負担が逆に適切な認定の妨げになっている実態があるのかどうか、あるとすればそれはどこなのかなど、現場の声は当然ながら、データや研究成果をお示しいただきながら、認定率の地域差の分析とともにぜひ引き続き検討を進めていただきたいと思います。

 以上です。

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 こちらのほうでいかがでしょうか。

 先ほどお手を挙げになられた馬袋委員、花俣委員の順番でお願いします。

○馬袋委員 ありがとうございます。

 私は保険者のほうの要介護認定の件についてなのですけれども、先ほど齋藤訓子委員が言われたデータの件については、期間中における内容はぜひまたお願いしたいと思います。

 要介護認定の流れと業務量について、今回議論しないといけないのは、業務のプロセスでどこのプロセスが負担になっているのかということを明確に出さないと議論できないのではないか。例えば主治医意見書のプロセスの内容から見ても、これを行っていただく業務の事務の方々の業務に対してなのですが、多くの紙資料を郵送したり、受け付け、記載事項を確認したり、それを整理され、場合によっては転記したり、また関係者へ発送したりという業務は今でも多く発生している状況だと思います。

 その面では、先ほど他の委員の発言にもありましたけれども、意見書に対しての一連のプロセスのデジタル化はもう必須だと思います。そこで期日までにしっかりとこのプロセスが回るように、関係の方々に対して期日のルールを守っていただく、そして、内容も再度確認しなくても良い内容で運用できるように整理していくということもあわせて業務のICT化と改善が必要と思います。

 以上です。

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 花俣委員、どうぞ。

○花俣委員 既に多くの意見が出たところですけれども、家族の会では従前より要介護認定の見直しをずっと求めてまいりました。各委員の御意見にもありましたように、このあたりで抜本的な見直しが必要なのではないかとまた改めて感じております。

 ひとり暮らしの認知症の方、あるいは高齢世帯の方たちで御本人の御判断が危うい状況にあった場合に、例えば有効期間を長くするのであれば地域包括センターとかケアマネージャー様、あるいは総合事業提供者、指定事業者などが区分変更の必要性に気付いた時点で業務簡素化、効率化と言っている一方、それだけではなくて利用者への支援の強化ということもぜひ考えていただきたいと思います。

 例えば加齢に伴うADLの低下とか、あるいは要介護状態がずっと長く続いていて、寝たきりになった高齢者がもう既に要介護5の認定を受けている。そのような場合に本当に2年ごとの更新が必要なのかどうかというのは、私は個人的に疑問を持っております。ましてや変更申請とか不服申請というシステムもある中で、一旦もう要介護5までいってしまった方が2年ごとに同じような74項目の質問を受けて、同じような手間暇をかけて要介護認定を更新する必要があるのかということは疑問に思っています。

 最後に保険者への要介護認定以外のところで、参考資料3の3ページに「介護保険適用除外施設の施設数と内訳」というのがありますが、それぞれの施設の利用者の数とか、あるいは2018年度以降介護保険施設等に移る可能性が高い利用者の数がもしわかればお教えいただきたいと思います。

 以上です。

○遠藤部会長 ありがとうございます。

 事務局への御要望ですので、対応可能なものについては御対応いただければと思います。よろしくお願いします。

 ほかにいかがでしょうか。

 鷲見委員、どうぞ。

○鷲見委員 1点だけです。

 先ほどの委員からの御指摘もあったのですが、主治医の意見書というのはその方の健康状態をトータルで把握するにはとても重要なものだと思います。

 安定している状態の人であっても本当にめきめきよくなる人もいれば、急激に悪くなる人も一定数いらっしゃると思いますので、長期になる場合にはモニタリング機能というのをいかに構築していくかということが重要だと思っています。

 以上です。

○遠藤部会長 どうもありがとうございました。

 ほかにいかがでしょうか。よろしゅうございますか。

 どうもありがとうございました。非常に積極的な御審議をいただきました。

 予定の時間になりましたので、本日の審議会はこれまでにしたいと思います。

 次回の日程等につきまして、事務局から連絡をお願いしたいと思います。

○矢田貝企画官 次回の部会につきましては追って御連絡をさせていただきます。

 以上です。

○遠藤部会長 それでは、これをもちまして本日の部会を終了したいと思います。

 長時間ありがとうございました。


(了)

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