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2016年7月21日 医療保護入院等のあり方分科会 第4回議事録

社会・援護局障害保健福祉部精神・障害保健課

○日時

平成28年7月21日(木)10:00〜12:00


○場所

AP東京丸の内
東京都千代田区丸の内1−1−3
日本生命丸の内ガーデンタワー3階


○出席者

岩上構成員、江藤構成員、太田構成員、柏木構成員、吉川構成員
久保野構成員、山本構成員、澤田構成員、白川構成員、千葉構成員
中原構成員、野沢構成員、平田構成員、本條構成員

○議事

○山本座長 それでは、定刻になりましたので、只今より「これからの精神保健医療福祉のあり方に関する検討会 第4回医療保護入院等のあり方分科会」を開催いたします。

 構成員の皆様方におかれましては、ご多忙のところご参集いただきまして、まことにありがとうございます。

 まず初めに、資料の確認と本日の出欠状況について事務局からお願いいたします。よろしくお願いします。

○丸茂課長補佐 精神障害保健課の丸茂と申します。

 本日は、私のほうからご説明とさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

 それでは、資料の確認をさせていただきます。

 資料1は「今後議論すべき論点について(案)」として、事務局でまとめた資料ございます。

 資料2は、その参考資料となっております。

 また、机上にお配りしておりますのは、本検討会における皆様からご意見の概要を論点ごとに整理した資料となっております。今後の議論の参考のために用意したものですので、適宜ご参照いただければと思います。

 以上について、足りない資料がございましたら事務局までお申しつけください。よろしいでしょうか。

 次に、本日の出欠状況ですが、構成員の皆様ご出席となっております。

 事務局からは、以上です。

○山本座長 どうもありがとうございました。

 それでは、議事に入りたいと思います。

 まず事務局より、今後議論すべき論点案について説明していただき、それぞれの論点について時間を区切って議論をしていきたいと思います。また、本日の分科会にて、一定の論点整理を行い、検討会への議論へとつなげていきたいと思いますので、活発なご議論をよろしくお願いいたします。

 それでは、資料について事務局よりご説明をお願いいたします。

○丸茂課長補佐 それでは、資料1「今後議論すべき論点について(案)」をご説明させていただきます。

 この資料では、これまでの分科会での議論を踏まえまして、大きく5つの論点に整理をさせていただいております。

 2ページ目、まず「1 医療保護入院制度についてどのように考えるか」というところで、現状に関しましてはこれまでの分科会の資料と同じ内容を記載してございますので、説明を省略させていただきます。

 3ページ目、検討の視点として「医療保護入院という非自発的入院の形態の必要性についてどのように考えるか」というところでして、まず1つ目として、病気の自覚を持てない場合があり、症状の悪化により判断能力そのものが低下するという特性を持つ精神疾患については、自傷他害のおそれがある場合以外、措置入院以外での入院治療へのアクセスを確保する仕組みが必要ではないかという観点を書いてございます。

 2つ目として、ただし、非自発的入院となる患者の権利擁護の観点ですとか、地域医療中心の考え方から、その入院の必要性については、入院以外の治療的介入の手段がないか等を適切に判断する必要があるのではないか、必要最小限にしていくべきではないかというような観点を入れております。そのためには、例えば「入院に当たって医師が考慮することが想定される要素を明確化することも考えられるのではないか」といったことを記載してございます

 4ページ目、「2 医療保護入院の同意のあり方についてどのように考えるか」というところでございます。こちらも現状はこれまでの資料と同じ内容となってございます。

 5ページ目、検討の視点として、まず「医療保護入院に医師以外の者の同意を求める必要性についてどのように考えるか」というところですが、医療保護入院の場合は、入院の必要性について、本人の権利擁護の観点から、医師による医学的判断だけでなく、本人の利益を勘案できる者によるチェックが必要ではないか、という観点を入れてございます。

 続きまして「同意者に求められる機能・役割はどのようなものか」というところですが、前回の分科会で議論いただいた内容を整理して記載してございますけれども、現在の家族等同意の機能は、入院することについて本人にかわって同意するということではなく、医師の判断の合理性、そして入院治療が本人の利益に資するかについて、本人の利益を勘案できる者の視点で判断する点にあると整理して、今後の議論を進めるべきではないか。

 1に関しては、現在の家族等同意においては医学的な専門知識までは不要で、一般人として医師の説明の確からしさを判断できれば足りると考えられるのではないか。

 2については、家族等には、本人についての情報をより多く把握していることが期待されているのではないかと書かせていただいております。

 6ページ目、同意者に求められる機能・役割に鑑みまして、現在の「家族等同意」について、どのように考えるかというところでございます。

 1つ目として「市町村同意も含めて、現場において何らかの同意を得るのにあまりに時間を要する制度では、医療へのアクセスを阻害する可能性があるのではないか」というところ。

 2つ目として、「本人と家族の利益が相反する場合や本人と家族が疎遠な場合等についてどのように考えるか」。

 3つ目として、「家族等がどのような観点から同意することを求められているかを明確にすることについてどのように考えるか」。

 4つ目として、「家族等の範囲を、本人の身近に寄り添う家族という観点から一定の範囲に限定することについてどのように考えるか」。例示として、同居・生計同一といった形式的な限定の仕方ですとか、本人に身近な家族等といった実質的な限定の仕方を挙げさせていただいております。

 最後に「いわゆる『公的保護者制度』については、本人との関わりのない者が本人の意向に反する入院の同意を行うこと、同意者の養成、選任等に要する時間的・財政的なコスト等の課題についてどのように考えるか」といった形で記載してございます。

 7ページ目「3 医療保護入院の必要性・妥当性をどのように審査するべきか」というところでして、こちらも現状については基本的に同じ内容でございますが、一点、3ポツ目の精神医療審査会の審査に要する期間のところで、都道府県別に見ると地域差があるというようなところに括弧書きとして、定期病状報告で例えば平均処理日数が最長106.4日となっている県があるということを記載してございます。

 8ページ目、検討の視点としまして、大きく退院促進措置と精神医療審査会の2つに分けて記載をしてございます。

 「(1)退院促進措置について」は、「現行の退院促進措置について、その実施状況等をどのように考えるか」というところで、退院後生活環境相談員の配置や業務の現状、地域援助事業者との連携の状況、退院支援委員会の実施状況ですとか、それらの効果をどのように考えるかといった形で記載しております。

 2つ目「退院促進措置をさらに充実させるためにはどのような対応が必要か」というところで、地域援助事業者とのかかわりをもっと強化するとか、1年以上の長期入院者への退院促進措置をもっと積極的にというようなお話もありましたので、その点についてどのように考えるかという形で記載してございます。

 「(2)精神医療審査会について」ですが、「精神医療審査会の審査のあり方についてどのように考えるか」というところで、精神医療審査会の審査の内容や審査の期間についてどのように考えるか。そして、先ほども述べました、審査期間等の地域差についてどのように考えるかというところ。そして、審査のあり方に関しましては、丁寧な審査の必要性と早期処理の必要性の双方を踏まえる必要がございますので、その上で定期病状報告等の審査のあり方についてどのように考えるかということを記載してございます。また、委員の確保が難しい状況になるというようなお話もございましたので、「精神医療審査会の委員の確保についてどのように考えるか」ということを記載してございます。

 9ページ目「4 移送を含む医療のアクセスを確保するための手段について、どのように考えるか」というところで、こちらも現状は同じ内容となってございます。

10ページ目、検討の視点として、「移送を含む医療へのアクセスを確保するための手段について、どのように考えるか」というところで、1つ目は、医療保護入院に係る移送は、精神科医療へのアクセスの一つの類型であり、行動制限を伴う移送のような強い手続も含めて、地域の中で医療を必要とする者に対して、どういった方々にどのような形でいろいろなアクセスを図るかという視点から検討してはどうかというところでございます。

 2つ目は、医療へのアクセスのあり方として、当初から入院に結びつけることなく、医療導入を検討するためのアウトリーチをして、診断をして、さらに医療導入を図っていくという全体の流れが考えられるのではないかとしております。こうした医療導入を検討するためのアウトリーチは、保健所等の行政による対応が考えられるのではないかということで、「保健的アウトリーチ」と記載してございます。

 こうした医療アクセスを図っていく中で、緊急性が高い場合に移送の手続による対応を検討するのではないかというところ。

 そして4つ目ですが、事前調査に関して、居所への立ち入り権限を付与するべきではないかというようなご意見もございましたけれども、この点に関して「医療保護入院に係る移送の事前調査も含め、診断がついていない段階で行政に強制的な調査権限を付与すべきかどうかについては、権利擁護の観点から特に慎重に検討すべきではないか」というような観点で記させていただいております。

 また、保健所の対応が地域によって違うというお話もございましたので、「地域の実情に応じて医療へのアクセスを確保する体制づくりについて、どのように考えるか」ということを記載してございます。

11ページ目最後、「5 入院中の患者の意思決定支援について、いわゆる『代弁者』のあり方も含めどのように考えるか」というところで、現状についてはこちらも記載は変更してございません。

 最後のページでございますが、検討の視点として、「いわゆる『代弁者』の必要性の有無を検討する上で、その機能についてどのように考えるか」というところですが、前回資料でも記載した4つの機能を記載してございます。これらの機能につきましては前回、例えば院内の看護師や精神保健福祉の役割と重なるのではないかというようなご指摘もございましたので、既存の仕組みとの役割の重なりが考えられるものについて、その関係をどのように考えるかという視点を記載してございます。矢印で重なっているような役割を持っている仕組みについて記載をしてございます。

 最後、「入院中の患者と『代弁者』との関係についてどのように考えるか」というところです。

 まず1つ目、代弁者はあまねく全員にということではなく、患者からの依頼に基づいて選任される事が基本ではないかというところ。ただ、その一方で精神疾患による判断能力が低下していることも想定される中で、患者の依頼による代弁者の選任についてどのように考えるか、果たして可能なのかといったような論点を記載してございます。

 資料の説明は以上でございます。

○山本座長 どうもありがとうございました。

 それでは、これより意見交換を行いたいと思います。今、ご説明いただきました5つの論点について議論していきたいと思いますけれども、論点が多岐にわたっておりますので、1及び2についてはまとめてご議論いただきまして、その上で3から4までは論点ごとにご議論いただきたいと思います。

 なお、時間が限られておりますので、ご発言をされる際には、なるべく簡潔にお願いしたいと思います。

 それでは、まず論点の1及び2について議論に入りたいと思います。どなたからでもご意見をいただければと思います。よろしくお願いいたします。

 澤田構成員、どうぞ。

○澤田構成員 資料1の5ページの「同意者に求められる機能・役割はどのようなものか」の2番目「マル1については、医学的な知識までは不要で、一般人として医師の説明の確からしさを判断できれば足りると考えられるのではないか」とありますけれども、かなりの知識と洞察力がなければ、医師の詭弁を見抜いたり、確からしくない点を見抜いたりすることはできません。

 それから、次のページで4番目「家族等の範囲を、本人の身近に寄り添う家族という観点から一定の範囲(例:同居・生計同一、本人に身近な家族等)に限定することにどのように考えるか」ですけれども、身近に寄り添う家族と本人に身近な家族はどう違うのかよくわかりませんし、身近に寄り添う家族というのと、同居・生計同一というのは次元が違うと思います。同居していても、生計が同一であっても身近に寄り添っていない家族というのもいっぱいいますし、スープの冷めない距離で別居していても、寄り添っている家族もありますし、夫婦で財布は別だけれども、心は一つという家族もありますし、ということです。

 それと12ページの10番。

○山本座長 今は1、2についてご議論いただきたいと思いますので。

○澤田構成員 すみません。大変失礼しました。

○山本座長 今のでよろしいですか。

○澤田構成員 はい。

○山本座長 今、澤田構成員の意見をいただきましたけれども、今の澤田構成員のご意見について何かご意見ある方はいらっしゃいますでしょうか。

 どうぞ、太田先生。

○太田構成員 先週言った手前、一応、責任をとって言っておきますが、まず、家族の同意の機能をどう見るかです。医師の判断の合理性、説明に対する納得性という観点で一つ考えてもらうのだろうということですが、おっしゃるとおり一般人が説得される、だまされるというケースは考えられます。しかし、だまされないようにちゃんと理論武装することまで家族に求めると、それはちょっと難しいだろうということで、そこまでは要求していないという立場で現行法はつくってあるし、そこを変えるというのは現実的ではないのではないかという思考です。

 もし、そこをもう一つチェックするということになると、医師と同等のチェック機能、能力を持った人がレビューするということになって、これは要するに指定医をもう一人つけろということになるので、措置入院と同じ手続きということになります。昔、措置入院との一本化というのは考えてもいいのではないですかと言ったこともありますが、指定医の数からすると余り現実的でないという話も世の中には根強いようであり、そこは今後考えていただきたいと思います。

 それから、家族の範囲が一定の要件、例えば同居・生計同一、形式的要件で書くと、それは感情的にはおそらく身近ではない、寄り添っていないというケースはあると思います。これは本人と家族の利益が相反する場合として考えるべきであり、厳密に言いますと、考える際に患者のほうから、私は自分の家族を信用できないのであるというようなことが情報として出てくる、申し立てられているとすれば、それを医師はそんたくして考えるべきであろうということになります。

 ここら辺を、まずこの論点整理の部分で緻密に書くというのが難しいということで、さらに制度化していくときに、これまた全部の事情を考え尽くしたように緻密に書けるかというと、これもなかなか頭の痛いところかと、こういう程度のものだと思います。問題としては存在しますが、現在としてはこういう程度の書き方にならざるを得ないということかと思います。

○山本座長 どうもありがとうございました。

 久保野先生、どうぞ。

○久保野構成員 今のお二人の発言に関連して2点ですけれども、1つはまず医療の専門的な説明についての判断をどこで、誰が、どうするかということにつきまして、次の論点で発言させていただくつもりであったことではあるのですけれども、精神医療審査会の審査のあり方についての検討のところで、外してあるということではないと資料自体は理解していますが、ただ、ざっと見たときに入院直後の入院届の審査が余り正面に出ていないように思えまして、例えば7ページの「現状」の1つ目のマルのところで、入院届というのがたまたま抜けて書かれているというようなことがありまして、別にいただいた資料のほうでは4ページのところで入院の届け出と、あと入院用定期間を記載した入院診療計画の提出というのが入っておりまして、実質的にはこのあたりも大きな機能を果たしているのだろうと思いますので、プロセスの中でそことの関係をどう考えるかというところがあるのではないかと思います。先ほどの議論との関係で言うと、家族のレベルでどこまでセカンドオピニオン的な意味での医療の専門性を入れるというか、入院時点で入れるのは難しいかもということとの関係では、このあたりとの医療審査会との機能分担というのはあり得るのではないかと思います。

 もう一つ、家族の範囲につきまして、どこまで最終的に条文に書き込めるかということがあるとはいえ、先ほど太田構成員から出たお話の中で、本人の側の意向ですとか、意思というものがあり得る場合に、望ましくは汲んだほうがいいのではないかというようなお話があったと思いますけれども、その点、例えば成年後見制度でも、本人の意思、希望に応じてなるべく保護者は選ぶというような方向性があると思いますし、恐らく一般医療でも入院したときなどに、患者さんにどの家族があなたにとってのキーパーソンですかというのを書かせるみたいなことがあるのではないかと思いますし、ここでの議論で代弁者についても本人が選ぶみたいな話がありますので、患者に選任や指定をさせるとまで言うかはともかくとしまして、本人側の意向というものを少しあり得る要素として入れていったらどうかと思います。

 以上です。

○山本座長 どうもありがとうございました。

 今、久保野先生が言われた前者のほうは、また次の論点ともかかわると思いますので、またそこでご議論いただきたいと思います。

 ほかはいかがでしょうか。太田先生、どうぞ。

○太田構成員 前回終わってから気がついたことがあります。、現在のところ、家族等同意を完全に廃止する、それで医者一本とか、あるいは市町村同意に変えるというようなところまでは行っていないのですが、同時に現在の家族等同意では広過ぎる、あるいは市町村同意になかなか行かないという問題意識はある程度共有されているだろうと思います。

 その上で、ちょっとお考えいただきたいのは、一般的に市町村となっているということは、法制度上は保健所が置いていないところがむしろほとんどということです。保健所というのは県の機関であり、中核市にのみ置かれるというか、中核市になろうとしたら保健所を持ってないといけないということで、実は一般の市町村というのは保健所を置いていないケースのほうが多いのです。隣の江藤構成員に聞いたら、やはり杵築も持っていない。大分県だと大分市しか中核市で持っていないということです。

 ということは、市町村同意のときにいろいろチェックをしてもらうだろうというところは、保健所との連携をするなり何なりしないといけないし、むしろ現在どこがどうしているかというと、市長がみずからハンコを押しているわけではないのであって、これは福祉部局が担当するということになるわけです。

 そうすると、そのときの同意というのは一体何なのかというと、かなり荒っぽい頭でつくってあって、家族と同程度の能力ぐらいはどうにかなるだろうということなのだと思いです。もし今後、市町村同意をもうちょっと考えるということになりますと、一方では保健所も置いていないような行政主体、地方公共団体であるということを念頭に置く。もう一つは、逆に何らかの医療的なバックグラウンドを市町村に持ってほしいというのであれば、県の機関であるところの保健所との連携をどうにかこうにかつくってもらう。これは地方自治の観点から言いますと、共同連携をある種、制度化しておくということになりますので、これはちょっと法律事項になってくる可能性があります。そこら辺の問題も考えておく必要があるというのは、これは純粋な追加で申しわけないのですが、視野に置いていただきたいと思います。

○山本座長 ありがとうございます。

 今の市町村同意の件は次に議論したいと思うのですけれども、まず第1点目の家族等の同意について、ほかの方のご意見があれば。

○千葉構成員 保健所の話はちょっと違うと思います。

○山本座長 そうですか。では、どうぞ。

○中原構成員 全国保健所長会から出ております中原です。

 今の市町村同意というところで、保健所が置かれてない小さな市町村がほとんどで、そこでは医療的な判断が全くできていないというようなお話で、そうなると医療的な判断の部分は保健所も少しは関与していく必要があるのではないかというようなお話だったかと思うのですけれども、基本的に先ほどから出ていますが、医療保護入院のところでも家族同意もそうですし、市町村同意もそうなのですけれども、いわゆる医療的な判断というところは基本的にはされていないと思います。あくまでも、本人は同意していないのだけれども、医療というところを受けますというところで受けていただくということで、家族あるいは市町村がかわりに同意をしていただいているというようなスタンスだと思うのです。

○千葉構成員 ちょっとだけいいですか。

○山本座長 今の点ですか。

○千葉構成員 はい。今のところなのですが、分断されてしまうと全部つながってしまう話のところになってしまっているので。

○山本座長 ちょっと今は市町村同意の話とまた違うので、後でお願いできればと思います。

○千葉構成員 市町村同意の話は後でいいですか。わかりました。

○山本座長 家族等の同意について、本條先生らもご意見があると思いますので。

○本條構成員 私たち家族、または家族会が医師から説明、また、同意を求められるというそのものに反対しているのではなく、それが要件となり、一種の代諾になっているのが問題であると思っております。

 といいますのが、5ページの最初の上のほうのマルです。本人の権利擁護の観点ということになりますと、本人の権利にはもちろん適切な医療サービスを受ける権利というのもあるわけですけれども、医療保護入院における場合は、こういうことは余り考えられなくて、むしろ入院したくない、自由を拘束されたくないという権利を擁護してほしいのではないか。これについて家族あるいは医療者側、これは利益相反になる可能性が非常に高いので、こういう点はやはり問題があるのではないかと思っております。

 したがいまして、もちろん医療的な知識がないとそれはできないわけでありますけれども、少なくとも入院をするその精神科医というのが最終的な判断をするのはおかしいのではないか。あくまでも別の医療機関の判断が望ましいのではないかと思います。

 ですから、論点の中に、今のを否定するのではなくて、そういう論点も入れていただきたいと思います。

○山本座長 今のご意見はあれですか、家族といずれかの者の同意はなくすべきだと。

○本條構成員 そうです。それが要件であるというのであれば。

○山本座長 なくした上で、ほかの医療機関の医師の判断で入院を決めるべきではないかというご意見ですか。

○本條構成員 はい。

○山本座長 わかりました。

 その点についていかがですか。では、どうぞ。

○澤田構成員 先ほど、かなりの知識がなければ判断できないと申し上げましたのは、家族も理論武装しなければならないという意味では決してなく、それはほとんど不可能です。そして、本人についての情報ですけれども、それを把握していたとしても本当に本人の身近に寄り添う家族であれば、ほとんどの場合、どんなに知識があってもおろおろしていて冷静な判断はできないはずです。ですから、これは土台無理だということを申し上げたかったのです。

○山本座長 わかりました。どうもありがとうございます。

○澤田構成員 それと、家族にこのような不当な重荷を負わせるのはもうやめていただきたいです。

○山本座長 わかりました。

 では、太田先生どうぞ。

○太田構成員 一旦、市町村同意は切り離すとおっしゃったのですが、ちょっと誤解を招いたということと、それから、家族等同意を外しても、1人の医師の判定でも困ると思って第三者のチェックを入れるとすると、公的組織にお願いするか、ピアレビューをお願いするか。実は公的組織にお願いすると言っても、措置入院のようにピアレビューにしてもらうという可能性はあるのです。そのときに考えておかないといけないのは、結局ピアレビューということで、もう一人の医師の関与で入院させていいということになったら、これは措置入院とほとんど変わりませんと。

 もう一つは、では公的組織ということで、行政主体、地方公共団体、市町村ということになったら、市町村の能力は見ておかないといけませんということで、結局、問題提起をさせていただいたということです。

 それから、現行法の立場はもちろん保健所の置いていない市町村に普通に同意をやってもらっているわけですから、医療判断をしないでいいということであろうとは思いますけれども、それでいいという制度を今後も維持するのかどうか。維持するべきでないとなったときに、ちょっと工夫が要りますということです。

○山本座長 どうもありがとうございます。

 後で市町村同意の件とか公的保護者の制度とかと関連しますので、それはまた少し後で議論したいと思います。

○千葉構成員 先生、今の発言だとちょっと誤解があるので、1個だけ修正というか。

○山本座長 では、どうぞ。

○千葉構成員 保健所が関与していない市町村というのはないので、そこはあくまでも誤解のないように。必ず保健所の管轄があって、必ず保健所がかかわっている。日本でそれがかかわってないところはないわけですから、そこは誤解のないようにしていただきたい。

○白川構成員 太田先生がおっしゃっているのは多分、市町村同意をするので、そこに保健所がないというお話をされているのだと思いますが、もちろん保健所は全部をカバーしています。保健所の管轄区域が二次医療圏位をカバーしていて、その下に市町村があって、そこで全部カバーされているという事になります。もう一つは市町村に地域保健法で保健業務が全部おりてしまっているのです。特に精神は大分おりたのです。ですから、市町村がいわゆる保健業務をかなりやっていらっしゃるということは、現状きちんとあるのだろうと思います。精神障害の担当をする部署がどの市町村にも必ずあって担当者がいるというような状況があるので、そこの人たちをどのように考えていくかということも論点の一つではないかなと思っています。そこの部分だけ、ちょっと補足で。

○太田構成員 よろしいですか。

○山本座長 どうぞ。

○太田構成員 千葉構成員のご意見はわかりました。それで結構です。私ももう少しそれを視野に入れて考えたいと思います。

 白川構成員の意見も理解していますが、要するにそれは管轄区域が日本全国どこかに必ず及んでいるというだけであって、市町村長が何かやるときに、自分の市町村の機関として保健所がないということはやはり変わらないだろうとは思います。そのことも視野に入れておいてくださいという以上のことではありません。

○山本座長 ありがとうございます。

○白川構成員 よろしいですか。

○山本座長 どうぞ。

○白川構成員 構造上、二重化しているので必ずその保健所には上がっていくという形になっています。市町村から通報に上がってくるということになるので、所管の保健所必ずそれを通っていくという理解をしていただかないといけないと思います。

○山本座長 ありがとうございます。

 では、どうぞ。

○中原構成員 今のは市町村同意の話でいいのですか。

○山本座長 関連するところだと思いますので、どうぞ。

○中原構成員 市町村同意の部分では言うように、特に家族同意の医療保護入院とは違って、市町村同意の医療入院の場合というのは、ほとんどの場合が仮に市にそういう相談があったにしても、ほとんど保健所に上がってきます。あるいは警察ルートで保健所に上がってきてというところで、逆に保健所のほうから家族はもうおられないのだったら、市町村同意で行くしかないからと言って、市町村のほうにお願いするというか、市町村同意という形がとれますかということで、それこそ精神保健を担当している福祉部門の、そこにも大体保健師さんとかはおられるのですけれども、そういったところに相談して、今までの相談記録だとかも調べた上で、ではということで市町村同意をという流れに大体の現場ではなっています。

○山本座長 では、太田先生、どうぞ。

○太田構成員 それはそれで結構で、それをやめろというわけではないのですが、法制度上そういう手続がきちんと書かれているのですか。書かれていないように私には見えるのですが、いかがですか。そこは問題として認識したほうがよろしいのではないですか。

○山本座長 これはこれぐらいに置いておきまして、これもまた後で議論が出るかもしれませんので。

 先ほどの本條先生のように家族等同意、家族といずれかの者の同意をもし外すとすると、それではどういう手続が考えられるのかということをちょっとご議論いただいて、整理しておきたいと思うのですが。

 野沢先生、どうぞ。

○野沢構成員 5ページの一番下のところに、「本人についての情報をより多く把握していることが期待される」。こういう書きようだと、ほとんど家族に限定されるような感じがするのです。本人の今現在の情報を、過去を含めて多く把握している。これは家族だと思うのですが、本人が家族に見せる顔とそれ以外の人に見せる顔は随分違うと思いますし、それ以外の情報を無視して相対的に一番多く情報を持っている人の判断でいいのだろうかというのは、一つあると思います。

 それと、情報を持っていることイコール利益を勘案できることなのかということもあると思うのです。情報を分析したり、本人の利益というものをそこからくみ出して抽出していく専門性というものが、ここは一つ重要なことだと思います。

 例えばイギリスのメンタルキャパシティーアクトでベストインタレスト、本人の最善の利益を考える一つの手だてとして、独立した第三者代弁人、IMCAと言うのですかね。これは、家族も含めて本人のいろいろな情報を持っている人から意見を聞いて、専門的に本人の権利擁護の観点から最善の利益を、意見をまとめる役割の人がいるわけです。

 この次のページの、公的保護者制度に重なるのかもしれませんけれども、次のページを見ると公的保護者制度が若干、否定的な方向に議論をしなければいけないのが気になっているのですが、その辺も含めて検討の視点としては、情報をより多く把握していることが期待されるだけではなくて、より多く把握することができる専門性とか、あるいはその情報を把握した上で本人の利益を勘案できる専門性とか、そういうことが期待されるというようなことをつけ加えたほうがいいような気がします。

○山本座長 ありがとうございます。

 では公的保護者制度の話が出ましたので、平田先生。

○平田構成員 少し原則論に立ち返って考える必要があると思うのですけれども、医療保護人制度における同意の意味です。1つは治療契約というのがあると思うのです。これは医療一般の原則ですから。治療契約という観点からすると、本人と医療機関との間での治療契約、これがインフォームド・コンセントが成立するということが原則だけれども、それができないからかわりに家族が同意する。意識障害のある患者さんへの手術を家族が同意するのと同じ考え方です。こういう側面が1つ。

 もう一つは、この医療保護人制度というのはあくまで非自発入院、インボランタリー・アドミッションの制度の一つであって、法理念的には、パレンス・パトリエパワーに基づく入院である。要するに、公的権力が親がわりになって余計なお世話を焼くという制度なわけであって、公権力による強制入院なのです。措置入院はポリスパワーということになりますけれども、この側面の2つがあるのだということを整理してかからないと、議論がごちゃごちゃになる可能性があります。

 前者の治療契約ということを成立させるためには、インフォームド・コンセントが必要である。インフォームド・コンセントをするには十分な情報の提供をしなくてはいけない。何で医療保護入院が必要なのかということも説明をしなければいけないけれども、今の法律は医療保護入院の適用要件についてほとんど書かれていないわけです。ただ、要件をきちんとすること。それから、入院以外に手段がないというようなことの説明をちゃんとすることです。

 それから、同意する家族の側に同意能力があることと、自由意志によって判断ができるということの2つがインフォームド・コンセントの条件ですけれども、現行の医療保護入院制度が成立する場面で、家族が全くフリーな自由意志で同意するということはほとんどあり得ないのです。かなり利益が患者さんと相反している場合もあるし、中立的な立場で判断したわけではありませんから、そういう問題がある。

 だから、やはり医療保護を考えると、公的保護者制度という中立の立場で同意を付与するということは、どうしても必要になってくるのではないかなと思います。

 そういう2つの観点から議論を整理して考えるべきではないかなと思います。

○山本座長 どうもありがとうございます。

 では、澤田構成員、どうぞ。

○澤田構成員 先ほどの野沢構成員のご意見、全くそのとおりです。そして、医療保護入院の要件などですけれども、その前に私は同じことを何度も申し上げるのは好きではないのですが、自傷他害のおそれもなく、急速も要しないのに本人の同意なく入院させる必要があるという根拠を明確に示すことが必要です。そのような根拠があるとは思えないのですけれども、それなくして要件だとか、仕組みだとか何とかというのは土台のない家のようなもので、まず根拠を明らかにしていただきたいです。

○山本座長 どうもありがとうございます。

 では、太田先生、先ほど工夫が必要ではないかというご意見でしたけれども、少し。

○太田構成員 市町村同意のですか。

○山本座長 市町村同意とか公的なです。ちょっとそれをお聞かせいただきますか。

○太田構成員 私、その前に平田構成員にお聞きしたいことがあったのですが、よろしいですか。

 理念的に使われている権力が措置入院だと公の秩序を維持する警察権力、ポリスパワーであり、あるいは医療保護入院だとより後見的なものになるというのはそうなのですが、お話を聞いていると、それを措置入院の一本化というのとどこか具体的に変わってくるのだろうか。要するに、公的保護者制度を地方公共団体ないしは行政主体のようなものと別につくるということになるのか、それでもいいということになるのか。ちょっとそこら辺を教えていただけますか。

○平田構成員 法理念的には別の観点なのですけれども、実務の場面では医療保護入院とすべきか措置入院とすべきかの判断にグレーゾーンがあります。きちんと分けられません。

 広く解釈すれば、例えばひきこもりで医療拒否していた、ひきこもっていて外との接触を絶っている。食事ぐらいは家族が提供しているのだけれども、全く社会的な交渉がなくて、どんどん自分の病的な世界にのめり込んでいっているようなタイプ人です。家族ははらはらして見ている。早く医療を提供すれば、現実感を取り戻す可能性が十分にある。

 ただし、外に問題が波及しませんし、自傷行為があるわけでもないので、措置入院の要件はないといったような場合には、無理やり措置入院するわけにはいかないわけです。現実には自傷他害のおそれを狭くとると、そういうタイプのほうが大きくなってしまうのです。

 ただ、今言ったような事例も、広い意味で自傷行為である。自分の不利益なことをあえてとっている。病気のためにそういう不利益な行動をとっているのだということを広く自傷行為ととれば、それはポリスパワーという形で強制入院の根拠にすることができるかもしれません。

○太田構成員 よろしいですか。

○山本座長 どうぞ。

○太田構成員 そこでお話がようやく私も理解できるわけですが、ちょっと考えていただきたいのは、理念的に措置入院の要件は非常に狭くとる、厳格にとる。そのかわり医療保護入院を残すのか、あるいは措置入院を多少緩めるのかというのは一つの実体法的な問題です。

 もう一つ、手続の法的な問題として、結局のところ私も根本的には一本化したほうがすっきりすると考えているのは、別に実体要件として医療保護入院と措置入院を2つに分けてもいいのですが、手続において慎重な手続であり、家族同意のかわりに誰かの関与が必要である。それで結局、一番信頼できるのは医者のピアレビューであるということになれば、違う実体要件を動かす際に、同じ手続を経ていただく以外ないということも考えられるだろう。これは根拠法規は違うけれども、手続としては結局、措置入院と同じことをやるということになります。それだったら実体要件も一本化するのか、二本立てで行くのかはまた別の問題です。

 もう一つ、実体要件を2つに分けておいて、手続もなお2つに分けるということを無理やり考えることはできます。ただし、この場合考えないといけないのは、医療保護入院のほうが措置入院よりも軽いのか。簡便な手続でやっていいのかということです。つまり、自傷他害の危険もない人に対して、その人のためになるということで医療保護入院をするとして、そのときの手続は措置入院に比べてなぜ簡便でいいのかがちょっと理解しにくい。簡単に入って、簡単に出てこられるのなら簡便にしようというプランもあるのでしょうけれども、そのときに家族をもし頼らない、あるいは市町村に頼るというときの簡便さを本当に簡便に仕組めるか。乱暴でなく簡便に仕組めて、かつ、そういうことができる組織がどこかにあるのかということを考えないといけないのだろうと思います。これはなかなか針の穴を通すような話かなと本音のところでは思っています。

○山本座長 整理していただきありがとうございます。

 先ほど市町村同意について千葉先生、ちょっとお話ししたいということがあったと思いますので、どうぞ。

○千葉構成員 精神医療審査会のところにもかぶってしまうので、どちらでお話したらいいのだろうと思って悩んでいたところなのですが、この公的保護者制度は、保護者という名称を使ってしまうからややこしいのですが、実際には今回の法改正で行われた事というのは、入院中のその人をずっと継続的にフォローする人ではなくなってしまったのです。瞬間同意で、そのときにハンコを押す人だけなのです。ただ、同意をする瞬間だけ誰がやるのかという話に変わっているわけで、この点が前回からの法改正の中で一番大きく変わったところなのだろうと思います。

 その瞬間のところをどうするかという役割の部分で、医療的な判断はその指定医なり医師が行う必要があるということで、もちろんいろいろな要件がその中にあってしかるべきだろうと思うのですけれども、それを認証する人を、わかりましたというか、それに対して不正がないとか、あるいは権利擁護の面から的確であるとかいったようなところについて、あるいはその人の環境等を十分に勘案した上でというような人が必要になるのだということであって、そこの部分でするのだということになれば、そこの部分というのは最終的に精神医療審査会がきちんとそれらの入院の妥当性について担保すべき問題。今までも入院届を10日以内に出して、それが精神医療審査会に上がり、そして精神医療審査会でその妥当性についてチェックをされているわけで、問題なのはここにタイムラグが大変長くなっているということなのではないかと思うのです。

 とすれば、精神医療審査会の調査権といいますか、権限を市町村に少し委譲する、あるいは保健所に委譲するというような形で、その人たちがタイムラグなしにチェックを行うのです。今、入院届が10日以内ですから、せめて最長でもその間にはきちんと入院について、妥当性についてをちゃんとチェックする。それはイコール精神医療審査会が手を伸ばしてくるところになるのではないかと思うのです。そういった形で、今の市町村長同意の部分をきちんと整理して考えることができれば、市町村長の同意で足りると思います。

 また当然、報告権をそこに付しておけば、その部分のところで、疑義があればすぐに精神医療審査会に報告をし、精神医療審査会が入院届を待つまでもなく調査に入るといったような形等をとるのが、現行の中のシステムからすればその辺が限度なのかなと思うところもありまして、そういった意味で行うのであればいいのではないかと思っています。

○山本座長 どうもありがとうございました。

 これは精神医療審査会のところでもまたもう少し議論になると思いますので、すみません。ありがとうございました。

 もう一つ、もし家族等いずれかの同意をもし維持するとした場合に、家族等の範囲を限定するかどうかという議論については、先ほど太田先生や久保野先生からもご議論があったのですけれども、これについて何かご議論、ご意見はございますでしょうか。

 どうぞ。

○太田構成員 野沢構成員がおっしゃった、情報を持っていても自己の利益を考えるかもしれないというのは当たり前です。問題は、情報もない人に同意させる今の制度はおかしいだろう。それを改善するとしたら、少しは狭くする方向を考えたらと。

 そのかわり、狭い家族のほうが利益相反のリスクが上がるので一層当てにならないということになると、いよいよ家族は当てにならないということにせざるを得ない。そのときにちょっと考えていただきたいのは、事後にチェックするよりは事前にチェックしたほうがいいということです。その部分がどうも後ろに精神医療審査会があるからという話だと、ちょっと弱くなるという問題は別途あるだろうと思います。

○山本座長 では、澤田構成員、どうぞ。

○澤田構成員 太田構成員のおっしゃるとおりだと思います。

 先ほどの平田構成員のご発言で、自分に不利益になることをするのは広い意味で自傷と言えるのではないかというようなご意見があったのですけれども、これは拡大解釈ではないかと思います。これが認められれば、何でも自傷だと言われてしまうおそれがあると思います。

 そして自傷だとしても、自分に不利益な行為だとしても、それが病気のせいなのか、そうでないのかというのも難しい。その人にとって何が利益で何が不利益か。それが病気のせいなのかそうでないのか。神ならぬ身の誰が判断できるのかと申し上げたいです。

○山本座長 どうもありがとうございます。

 限定するときに、要するに形式的に限定したほうがいいのか、それとも実質的に本人の身近な家族等というようなことで実質的に決めたほうがいいのか。それについてご議論ある方はいらっしゃいますか。

 どうぞ。

○千葉構成員 要はポジティブリストなのかネガティブリストなのかどちらだという話になるのではないか。こういった方々は同意をするのは差し控えたいという人たちなのか、こういう人ならなってもらいたいという、どちらの側でそれを考えるのかという点も、論点としてはあるのではないかと思います。

○山本座長 どうもありがとうございました。

 では、柏木構成員、どうぞ。

○柏木構成員 その判断を、誰がどういう形でするかというところがすごく問題で、とても主観的に、この家族さんはとてもよく面倒見てくれていたみたいな、そういう判断を医師がするのか、ほかの誰かがするのかというところで随分変わってくると思うのです。

 私自身は、家族等に対して同意であるとかいったようなことをお願いすることについて基本反対をしています。その家族が患者さん本人とっていい人なのか悪い人なのかは誰かが判断することなので主観的にすぎる。現場ではいろいろな情報をもちろん精神保健福祉士はたくさんつかんでいますし、地域側からもいろいろな情報も来ますから、我々が判断を求められるのかなとは思いますけれども、それは非常にリスキーな気がしますので、初めからこういうあやふやな判断を必要とするようなものはやめていただきたいとは思います。

○山本座長 ありがとうございます。

 では、太田先生、これでご意見いただいて。

○太田構成員 結局、第一義的にはお医者さんが使いやすい基準ということになるから、一番望ましいのは実質的判断基準を一番近似化している形式的判断基準のほうがお医者さんは使いやすいのではないかと思います。

 ポジティブリストでいくかネガティブリストでいくかは、私が挙げた例は比較的ポジティブリストに近い例ですが、それは実定法上の例がそうだったというだけであって、同居していない家族の同意はとってはいけないとか、それはネガティブリストになりますから、そこは微調整の範囲かなと。

 ポジティブリストとネガティブリストを組み合わせておくこともできます。いろいろな列挙をした上で、今までなかなか病院に連れてこなかったとか、事実上ネグレクトしている家族であるというのは、これは利益相反の代表なので外しておくとか、いろいろな組み合わせ方があります。そこは工夫、調整の問題でもうちょっと詰めた議論は必要だろうと思います。

○山本座長 ありがとうございました。

 では、時間になりましたので、この1と2の論点についてはこのぐらいにいたしまして、続きまして3つ目の論点の議論に入りたいと思います。

 医療保護入院の必要性・妥当性をどのように審査すべきかということについて、ご議論いただきたいと思います。どなたからでも、ご意見がある方、よろしくお願いいたします。

 どうぞ。

○太田構成員 審査会の話でよろしいのですね。

○山本座長 結構です。

○太田構成員 確かに10日以内に審査をなさるというのは重要なことですが、10日はいかにも長いなと。普通の感染症の措置入院などを考えても3日、現行犯逮捕を考えても3日ですから、ちょっと10日は長いと思います。

 その上で合議体、審査会が3日で処理できるのか。そこら辺を考えると、お話にあったようにもうちょっと別の組織を使う、判断がつかないのだったら一旦退院させるぐらいの措置を入れておかないと、まずいだろう。今のままちょっと工夫すればいいという話ではないのかもしれないと思いました。

○山本座長 どうもありがとうございます。

 では、久保野先生、どうぞ。

○久保野構成員 今の時間的な点で情報整理をお願いしたいのですけれども、10日というのはこちらの資料の4ページにある、10日以内に提出するというのが10日ですね。そこから先ほどの別のところの情報によりますと、30日平均で審査がされるということだったので、審査が終わるまでは平均40日ぐらいだということを前提に議論をすればよろしいのでしょうか。

○丸茂課長補佐 そのようなご理解で結構でございます。

○千葉構成員 違うでしょう。入院してから30日ではないのですか。届いてから30日ではないでしょう。審査会に届いてからではないでしょう。

○丸茂課長補佐 今、平均処理期間のお話かと思いますが。

○久保野構成員 入院してから30日間か。

○千葉構成員 入院してからがスタートなのか、審査会に届いてからスタートなのかということを久保野さんは聞いておられるので。

○久保野構成員 受理からと書いてあります。

○丸茂課長補佐 それは退院請求等の受理から審査結果通知までということなので、届いてから。

○千葉構成員 いや、退院請求ではなくて入院届のところ。

○丸茂課長補佐 入院届もでございます。

○千葉構成員 はい。では30日は入院してからですか、届いてからですか。

○丸茂課長補佐 届いてから30日という形です。

○千葉構成員 ということは、最長40日。

○丸茂課長補佐 最長はそうです。10日以内に届け出なので。

○山本座長 よろしいでしょうか。

 では、澤田先生、どうぞ。

○澤田構成員 先ほどの柏木構成員と太田構成員のご意見を支持いたします。

○山本座長 どうもありがとうございました。

 ほかはいかがでしょうか。では、どうぞ。

○太田構成員 時間のことですが、10日以内に届く。そこから30日で平均を見ている。もうちょっと長いのもあるようですが。

 だとすると、ちょっとそこは長すぎると思うのです。その部分も工夫が必要であって、これは審査会がチェックするからいいとかいう問題ではないのではないかと思います。そこは、問題意識としては共有されているという理解でよろしいですね。すみませんでした。

○山本座長 澤田構成員、どうぞ。

○澤田構成員 審査会がチェックして、もし医療保護入院が不必要であったと判明したら、その10日間ないし何日かわかりませんけれども、その間をどうしてくれるのですかと申し上げたいです。

○山本座長 期間の問題が1つあると思うのですけれども、これについてはどうですか。どなたかご意見ある方いらっしゃいますでしょうか。精神医療審査会のあり方全般でも結構ですので、何かご意見があれば。

 どうぞ。

○太田構成員 せっかくだから念のためにお伺いしますが、これは保健所長経由で行っていますね。その際に保健所は経由に際して形式的審査しかせずに書類を送るのですか。法律ではなく実務上の判断として医療的なチェックをしますか。

○中原構成員 実際に提出された病院にお返しするかどうかは別として、中身は見ています。要するに、医療保護入院となった理由というのを書く欄があるのですけれども、そこに書き方として不十分な形で出てきている病院も確かにあります。繰り返し、きちんと患者さんに入院の必要性を説明したのだけれども、同意がとれずにという書き方であればまだしも、さらっと書かれているようなところも現場としては実際にあります。ただ、今のところ保健所のほうには経由して提出ということなので、それこそうちはそのままセンターに送るという形をとっています。

○山本座長 太田先生、どうぞ。

○太田構成員 一つのやり方としては、保健所長にもう少し審査権限を与えることです。保健所のレベルでこれはだめだと思ったものはすぐ退院させる、解放させるというやり方は考えられます。参考にしたのは、行政不服審査などで、審査会に送る前に一応、審査庁が審査請求をそこで受け付けてから一旦見るのですが、そこでこれはだめだと、要するに処分庁が認められないことをやってしまったと自身で思ったら、審査会にかけないでそのまま申立てを認容するというやり方があります。そういう形で、前さばきの権限を保健所長に与える。そこで書類の書き方がまずいので返しているだけだと、10日以内につくり直して持ってきてしまうわけです。それだと結局その間拘束されているし、実はいい加減な判断で、後で書面を整えて理由を追完して持って来るリスクが出てしまいますから、1回目でも書き方でだめだということになったら、一旦そこで退院させるような権限を保健所長に与える。それで暫定的にやって、もうちょっと真剣に考えないといけない、つまり医者はそれなりの判断をしているようだと思われる案件を審査会へさらに回す。その間は仕方がないので病院にとどめ置きということも考えられないわけではないです。ただ、問題は保健所長、あるいは保健所にそれだけの能力を持てるかということですが、そこはいかがですか。

○山本座長 それはどうでしょう。

○中原構成員 実際、書面の審査だけでそれができるかというと、それは本当に難しい話だと思います。

 先ほど例に出したように、余りにもひどい書き方をしてあるようなときには、確かに追記して書き直してもらったりなどはする部分もあるのですけれども、実際、書類審査だけで、いや、これは医療保護入院は必要ないでしょうということで返すというのは、まずそこが無理だと思います。実際に本当にそこまで保健所に権限があってということであれば、逆に保健所がまた病院に、患者さんに面接してなどという行為が必要になってくると思いますので、そうすると今の医療保護入院の数からいくと、とてもではないけれども、数的に全ての保健所が処理できるかというと非常に難しいのではないかなと思います。

○太田構成員 よろしいですか。

○山本座長 どうぞ。

○太田構成員 結局そこだと思うのです。特定の専門能力が高い組織あるいは権限を与えられる専門組織といったら集中していく。集中するとそこにたまるわけです。

 医療保護入院で家族等や市町村の同意などと言うと、決定権限はもっと分散するから、一個一個は短く迅速にやってねと要求できることもあります。ただ、そこまでいくと高い能力は期待できないので低いところで満足せざるを得ない。そのバランスをどこでとるか。

 今は、結局その専門能力があって1個しかないところで全部見てしまっている。今後、事後的にそこは見るからということで家族同意等も全部、より簡便にしようとすると、結局どどっと入ってきて、後ろの専門的な審査会では滞留するのです。それで結局ずっとその間とりあえず入れられてしまう。これをおかしいとすれば、もっと前のほうへ権限を分散させてという手続は置いておかざるを得ないということになります。

○山本座長 千葉先生は先ほど何かそういう同じようなご発想のご意見を。

○千葉構成員 基本的に流れの話のところは一緒なのですけれども、今、太田構成員がおっしゃったように、そういう判断をする人たちが全国一律に均一化できるのかという話が大きくなってしまうので、そういう人たちが多くなればなるほど均一化は非常に難しい。ですから、今、精神医療審査会というところでさえもガイドラインがまちまちであったり、扱いがまちまちであったりしているのを、一生懸命それを標準化させるという作業を平田先生と私とみんなで協議会をつくって、毎年トレーニングをやったりしているところなのです。

 一方で措置入院のことを言いますと、措置入院も実は全て上がってきた案件が措置としての鑑定に行っていないのです。その前に保健所のところで担当者が措置にする、しないといいますか、措置に上げる、上げないという判断が1回かぶってしまって、これがどうも不均一になっているというのも今の問題として挙がってきているのです。

 ですから、なかなか両側で難しい話なのですが、そこに完全にその権限を移譲できるかというと、ちょっと難しいかなと。ただ、書類だけですいっと通ってくるのもどうなのかということからすれば、家族同意をどうするかはまたあるのだと思うのですが、市町村同意等の場合は、市町村の担当の者が、1回まず入院の状況の調査に、あるいは患者さんの面接に行くべきではないのか。その入院届の先ほどの期間の間にです。そこで問題があれば、精神医療審査会に督促をすると、早く調査に来いという形が考えられるかなと先ほど申し上げたところです。

○山本座長 では、岩上先生、どうぞ。

○岩上構成員 今の市町村長同意の話がありましたけれども、埼玉県でも川口市と入間市は必ず市町村長同意で入院した人に会いに行くということをここ数年始めているのです。川口というのは5060万の大きな都市ですし、入間というのは15万前後の都市なので、どんな形態の市町村であっても、瞬間同意であっても、市町村同意をした責任を果たすということは可能で、きちんとしたエビデンスを私は拝見していませんけれども、かなり退院に向けた支援としても有効に使えるという話は聞いています。

 だとすると、もちろん公的保護者の議論も今後は進める必要があると思うのですけれども、入院時になかなか市町村同意以外の保護者のことを保健所がきちんと審査できるかというと、今のようになかなか難しいとなるとするならば、せめて退院請求が上がった人に早目に保健所職員が会いに行くということは可能ではないかと思うのですが、その辺、中原さんはいかがでしょうか。

○中原構成員 退院請求ぐらいでしたら、そんなにたくさん数が上がってきているわけではないので、速やかに面接に行って、ご事情を聞いて、先生からもお話を聞いてということは、それは基本的に保健所として組織の中では大丈夫だとは思います。ただ、最初のころにお話ししたように、保健所自身が余り精神保健の業務をしていないような自治体も、結局センターでやっているとか、本庁一本でやってあるなどというところがありますので、そういったところはどこがというか、要するに地方公共団体がという話にはなるのでしょうけれども、そういった意味では大きくひっくるめても退院請求の申請については大丈夫ではないかと思います。

○山本座長 ありがとうございます。

 特に問題になるのは期間の問題で、定期病状報告がかなり問題になっていると思うのですけれども、このあり方については何かご意見ある方はいらっしゃいますでしょうか。定期病状報告の審査のあり方です。これはどうでしょうか。

 どうぞ。

○平田構成員 定期病状報告書初回の医療保護入院に関しては、やはりもっと早くしなくてはいけないと思います。措置入院が3カ月なのですから、同程度のチェックは必要ではないでしょうか。現実に医療保護入院に限らず、新規の入院期間というのは大体2カ月から3カ月なのです。3カ月でも6割ぐらいの人は退院してしまっている。1年いる人というのは12%しかいないわけです。それを考えれば3カ月時点で最初の病状報告をすべきだと思います。

 ただ、それでも遅過ぎますね。現状では医療保護入院が世の中で是認されているというのは一応、指定医と医療機関に対する社会的な信頼を与えているということが前提になっているわけですけれども、そこのところはもうちょっと検討するべきだと思います。指定医の質をきちんと担保するにはどうしたらいいか。

 それから、医療の質を担保する必要があると思います。現行の医療保護入院制度が可能な病院、措置入院もそうですけれども、まだまだ基準が甘過ぎると私は思います。

○山本座長 指定医の質の問題がやはり大きいですか。

○平田構成員 病院の質もです。

○山本座長 ほかには何かそういう原因はありますでしょうか。定期病状報告の審査について、期間が余りにも長過ぎるということについての原因として、実務に携わっている先生方は何かございますか。原因がわからないと改善もなかなか難しい。

 どうぞ。

○平田構成員 もう一点、書類審査の効力が問題なので、幾ら早くしても書類審査というのは、あくまで入院させている側の自己申告ですから、これは書き方さえ上手に書けば、何の問題もなしに是認されてしまうという点があるので、その点は余りぎちぎち議論しても私は実質的な意味はないのではないかと思います。

 だから、入院時点での妥当性の評価を医師と第三者的な公的保護者等の人が判断するという前倒しをすることが必要。それから、入院期間をもうちょっと短くする、審査期間はもっと早くすべきだと思います。最初のチェックを早くする。私が今知っている限りで一番早いのは弁護士制度です。一部の地域でしか行われていませんけれども、大体3日か4日以内には入院してすぐに弁護士に電話すれば、3日以内にとにかく会いに行くというのを目標にしているようなところもありますので。私もそれぐらいしか情報がないです。

○山本座長 ありがとうございます。

 その点についてほかにご意見ありますか。白川先生、どうぞ。

○白川構成員 情報としての提供ですけれども、退院請求に関して言うならば、決して医療保護入院の方たちの退院請求が多いわけではなくて、横浜の現状を見ていると、措置入院がふえると退院請求もふえるという状況です。医療保護という部分に限って退院請求が出てきたところで、早目に会いに行くということは、逆に数的には可能になるかもしれません。数がどれくらいかというのはきちんと把握はしていないですけれども、そういう方法は一つはあるかもしれないと思います。

○山本座長 どうもありがとうございます。

 では、太田先生、どうぞ。

○太田構成員 お隣の江藤構成員の仕事をふやすようで悪いのですが、この仕組みにもう少し市町村をどういう立場であれ関与していただくことは考えられないか。保健所設置でないということから、医療的なものは県の管轄だとしても福祉アプローチで結構なので、もうちょっと関与する。入間市などが会いに行くというのは、どの部局の人が会いに行っているのですか。

○岩上構成員 障害福祉の担当者が行っていると思います。そこに精神保健福祉士を配置していますので、専門性をある程度担保できる人が会いに行ってはいます。川口もそうです。

○山本座長 江藤先生、どうぞ。

○江藤構成員 今の件、別に反対するという意味でも何でもないのですが、先ほど千葉先生がおっしゃったように、全国で均一が取れていないという話があったと思うのですけれども、市町村と一口で言っても、人口1,000人規模ぐらいの村から、横浜市のように300万人ぐらいの大都市まで千差万別なのです。その中で、市町村にそういうものをぽっと法的に全部市町村にという形になったときに、市町村が耐え得るだけの体力があるのかとなると、そこはかなり厳しいというのが実態だと思います。

○山本座長 やはり、そこに大きな原因がありますね。

 どうぞ。

○千葉構成員 この法改正のときの検討会で医療保護入院の保護者制度があると言ったときに、同じ論が出ていたのを記憶しています。つまり、医療保護入院の全国の分を役所の担当者で賄い切るか、とんでもないというお話をいただいたように思うのですが、それでそのまま、ああそうなのかということで皆、なかなか難しいねという形で、その論は余り表に出なかったのですが、後でゆっくり計算してみますと、どの市町村も年間の医療保護入院の患者さん等を考えてみると、規模の小さいところの市町村は当然、人口が少ないので人口割は大変少ないのです。

 ですから、こういうのはあれですけれども、人口割に応じて1〜2人を専任で置くということで、十分に足りるはずだということであって、特にまたそれも、市町村長同意だけに絞ればもっと少なくなってしまうということですから、実は実現可能だったのではないかということで、そういうことをするとなると、総務省から何からいろいろと根回しが必要だったり、各市町村長あたりから、思い切り突き上げを行わなければならないということに、課の担当者のほうが十分な力を注ぐ時間とあれがあったかどうかという、そういう話だけであったのかなと。今になればそういうふうな意地悪な見方も実はしているのですが、これはやはり数をきちんと出してみて、その上で実現可能なのか、可能でないのかという話に一度していただかないと、何か感覚的に多いから大変だという話になっていますが、実は余りそうでもないのではないかなと。

 実際に入間やほかでやっている好事例、まさしくいつも厚労省のほうでおっしゃる好事例があるのですから、それを調査もしながら、あとは方向性を確かめていくといいますか、つくっていくというのが大切ではないかなと思います。

○山本座長 ありがとうございます。

 では、江藤先生、どうぞ。短くお願いします。

○江藤構成員 今、千葉構成員がおっしゃったことはそのとおりであるのですが、実は逆に私はそこが問題だと思っているのです。小さい市町村の場合は、数年に1件ぐらいしか市町村長同意など出てこない。ということは、それぞれのそういった小規模の市町村については、いわゆる手続の実績もなければ、そういったことのノウハウの蓄積も全くできないし、数年に1件しかなかったらそこの専任の職員を置く意味が果たしてあるのかという、今度はこういうふうにもなってしまうのです。そこではちょっと課題はあるのだと思います。

○山本座長 では、短くお願いします。

○千葉構成員 もう一つは部署の配転があるということがあって、2年ごとに変わってしまったりすると担当者がなかなかそういう意味ではできない。そうなっていくとマニュアル等そういったようなトレーニングというのをかなり頻回にやっていかなければならないということになります。

 ただ、精神保健福祉士とかそういうところの専門職を置いていただかなければいけないと思いますし、となると今の形からすると、地域包括のセンターの中にそういったような位置づけをしていくというのが一番固定されていく形にもなりますし、地域包括は社会福祉士や精神保健福祉士を基幹型は入れていますので、ほぼそういったようなところの仕組みを好例側のほうでスタートをしている仕組みですけれども、障害側もどんどん入っていってますから、そこの中の一環として位置づけをしていくというのが一番手の届きやすい方法なのではないかと思います。

○山本座長 わかりました。ありがとうございます。

 では、野沢構成員。短くお願いします。

○野沢構成員 今、聞いていてちょっと思いついたのですけれども、今年の春から障害者差別解消法が施行されて、17条で障害者差別解消支援地域協議会をつくることができるとなって、都道府県は8割以上つくっているのです。市町村は最初、総務省とかが反対して、なかなかつくれなかったのですけれども、今は2割から始まって4割ぐらいにはなってきているのです。

 この地域協議会の中には、どういう人たちがいるのかというと、法務局とか弁護士会、医師会、もちろん地域包括とか、いろいろな人たちがいるのです。このあたりをうまく絡ませて、現状はなかなか市町村でやるのが難しいと思うのですけれども、だからできないというのではなくて、理想に向かって進めていく。そういうのを描いていくべきだと思います。

○山本座長 ありがとうございます。

 では、太田先生。申しわけないのですが短く、すみません。

○太田構成員 福祉がかなり市町村のほうへおりていますので、そこの福祉アプローチで十分だからいないよりはましという観点で市町村に期待するというのはあっていいだろうと思います。

 ただ、その上でちょっと言っておきますと、町村は福祉事務所さえいない。町村というのは福祉事務所を置かなくてもいいのです。生活保護だってこの町村分については県の管轄になります。要するに市町村というのはそういうレベルでのばらつきがあって、福祉アプローチに期待するときも実は全員一律に期待するのはそんな高くないということが考えには入れておかないといけない。その上でどこまで期待できるかという論点になろうかと思います。

○山本座長 ありがとうございます。

 どうもそのあたりに原因があるみたいですね。ちょっと考えないといけないところだと思います。

 今、精神医療審査会の審査のあり方についてずっと議論をしていたのですが、もう一つのここでの検討視点は、退院促進措置についてという実施状況等についてあるのですが、これについて短く何かご意見ございますか。

○吉川構成員 退院促進の措置ですが、この目的が少し明確でないというのが現場で感じているところです。早期退院なのか、入院長期化の防止なのかということで、調査結果を見ても余り早期退院には繋がっていないというところがありますから、これは法律に規定するものとして、人権擁護の観点から退院促進について、もう少しめり張りをつけて規定していただければと。

 それと、この一番下に書いてある、1年以上の長期入院への退院促進措置の適用についてどう考えるかというところですが、むしろ入院が長期化している人にこそ、このような措置が必要であって、今の考え方では少しおかしいのではないかと思うところです。ですから、これを期間で定めるのか状態で定めるのか、いずれにしても入院の長期化のリスクが高い人とか、もう一つはこれまでの医療保護入院のあり方を考えると、入院以外の方法でどのように支えることができるのかということを検討する場であってもいいのかなと。

 今、明確に法律に規定されているわけではないのですが、1年以上入院長期化しないようにと、1年という期間が目安になっているところがあるのですが、これは現状の先ほど平田構成員がおっしゃられたことも踏まえれば、1年以上というのはかなり長いのではないかと。半年とか、そういった部分も少し、もし期間を定めるのであればその期間も検討したらどうかと思います。

○山本座長 今の吉川構成員の意見について、何か病院に携わっている先生は特にございませんか。

 どうぞ。

○柏木構成員 私自身も退院後生活環境相談員ではあるのですけれども、まず、もう既に救急病棟や急性期病棟を持っていらっしゃる病院については、ほとんど3カ月以内に退院していかれるので、それほど退院後生活環境相談員がいようといまいと、という言い方はおかしいですけれども、余り大差はないかなと思うので、3カ月以上入院が長期化した人に対してどれだけ効果があるかというと、これはかなり現実的には非常に難しいというのが現実だと現場のワーカーは言っておりました。

 それと地域援助事業者との連携の状況ですけれども、これまでのかかわりがあった人たちに対しては入院しても今までどおり関わってもらいやすいですが、新規に全く関与できていない人たちに介入してきてもらうためには、まだ地域援助事業者というイメージがほとんどのクライアントにわかっていない状況で意思を確認すれば、ほとんどの人が別に要らないですと、欲しくないですとおっしゃるのです。

 ということで、この地域援助事業者の介入についても、これは代弁者でも関与してくるかもしれませんけれども、本人の意思ということを強く保障するとなると、なかなか逆につかないだろうというのが現実で、こういう退院支援委員会の参加もそうなのですけれども、本人の意思を余り強調されると、状況によっては本人自身が拒否と言うこともあり得るので、権利擁護をしようとするのだとすれば、むしろ必須みたいな形にしていただかないと、実際の効果はないのではないかなと思います。

○山本座長 ありがとうございました。

 では、ちょっと時間もございますので、この3の論点につきましては、では短く。すみません。

○岩上構成員 私も地域援助事業者の立場なので、本人、家族の求めに応じてということになっているので、本人、家族が求めないとかかわりができにくい法律になっているというところを、もう少し強化する必要はあると思います。

 もう一つは、前にも申し上げたのですが、地域援助事業者に市町村を加えてほしいのです。地域援助事業者はあくまでサービスを提供する事業者だけしか今回は指定されていないので、別にサービスありきではないですから、きちんとご本人の相談に乗って、もちろん医療機関は乗っていただいていますけれども、地域支援を一緒に整えていくわけなので、そこに市町村を入れていただくと、基幹の相談支援センターとか委託の事業所も入りやすくなりますので、そういったことは必要かなと思います。

○山本座長 ありがとうございます。

 では、次の論点に。

○澤田構成員 すみません。先ほど最初の発言のときに、私がうっかりして資料2と申し上げなかったために座長にとめられて後回しにされている問題がございまして、最後でも結構なのですけれども、今ここで申し上げたほうがよろしいかと思いまして。資料2の12ページなのですが、うっかり資料2と申し上げませんでしたので後回しにされていることがあるのです。

○山本座長 後ろだと思っていました。この論点なのですね。

○澤田構成員 資料2なのです。大変失礼しました。

○山本座長 今、よろしいですか。

○澤田構成員 はい、すみません。資料2の12ページの11番です。

 前半ですけれども、同意を行った家族と同等の立場、資格、権利を有する他の家族が知らされていなくて、後で知って反対する場合ですとか、同意を行った家族がそのときは気が動転していて医師の言いなりになって同意したけれども、後で冷静になってやはり反対だと考えたような場合に、医師に説明を求めてきたとして、説明する義務がない。ここに望ましいと書いてあります。しなければならないと書いてありませんので、説明する義務がない。しなくてもいいというのはおかしいですし、大変な人権侵害だと思います。

 そして後半ですけれども。

○山本座長 先生、これは先ほど既に終わった論点についてのところですよね。

○澤田構成員 わかりました。では、最後にお願いいたします。でも、間違って先送りにされておりまして、最後よりもここのほうがいいと思うのですけれども。

○山本座長 最後にお願いいたします。

 続きまして、4つ目の論点に行きたいと思います。「移送を含む医療へのアクセスを確保するための手段について、どのように考えるか」という点でございますが、これについてご議論いただければと思います。

 どうぞ。

○太田構成員 前回、誤解を招くような言い方をしたようだと思いました。

 強制的な調査権限ですが、事前調査については権利擁護の観点から特に慎重に検討するべきではないかと、これはそのとおりです。

 ただ、私が気になっているのは、今までもちょっと前回とかその前の議事録を読んでいて、移送制度が使いにくいのでもうちょっと使い勝手をよくしてほしいという動きがあり、その移送制度を使いやすく拡張するぐらいなら、先に、立ち入って数時間見て帰ってくるというような権限を与えるほうが人権侵害はより少ないのではないかと、その部分を考えていただけないかと、そういう問題提起にとどまります。

○山本座長 どうもありがとうございます。

 今の太田先生のご意見についてどなたがございますでしょうか。特にございませんか。この移送については特にないですか。どうでしょう。

○白川構成員 移送全体でですか。

○山本座長 移送全体についてで結構です。

○白川構成員 移送全体というか、34条の移送についてですけれども、大くくりで移送という形では出ていますが、34条の移送については強制的にされるということですので、かなり慎重な形のものをつくってという必要があります。そういうものだという理解をしていただかなければいけないですし、その上で十分な調査とか調整を行って最終的なものというような考えで、範囲を広げるということがないような形でお願いをしたいなと思っています。

○山本座長 そういたしますと、アクセスを確保するためにはそのほかどうしたらいいかという問題になってくるのだろうと思うのですが、その点について何かご意見ございますでしょうか。

○千葉構成員 34条がとてもわかりにくいといいますか、移送の解釈というか、考え方がもともと曖昧なのかもしれないのですが、現場のほうや、主に市町村等を含めて実際に担当しているところによくわからないというのが現状なのだろうと思うのです。

 ですから、これに対してのもっと細かいガイドラインなり、あるいはその扱いなりといったところをきちんとどういう形にするのか、検討会をつくって、あるいは研究班をつくってでも何でもきちんとしないと、ここの部分は全国本当にばらばらなものになってしまっている。だから、多い点と全くない点、ほぼ全くないというのが多くなっているのです。

 それはどうしてないのかというと、ほかの流れで何とか対応してしまっているといったようなところがあるわけで、つまり住民通報なり、あるいは警察官通報なりをして、いわゆる措置崩れと私たちは呼んでいますけれども、先ほど言ったように措置にしないでそのまま医療保護入院等の処置にしていくなどというような形になっていて、一方でそれがいいか悪いかも含めて、ただ、緊急性に対しての必要度と、ある意味ひきこもり等でやはり医療が必要ではないかといったような介入の部分とまた話が二重化してしまっていて、とてもわかりにくいのです。もうちょっとこれは整理をしていただく。法的に直すどうのこうのということ以前に、まず解釈を、それから扱い方のところをもっと鮮明にしていただく必要があるのではないかと思います。

○山本座長 一応、事務処理基準はあるのですけれども、あれでは使いにくい。

 江藤先生、市町村の立場としてそれについて何かございますか。

○江藤構成員 それこそこの移送に関しては、全く市町村がほぼ介入していないのが実態です。

○山本座長 それはどうして。では中原先生、何か。

○中原構成員 34条移送については福岡県もほとんどゼロという状況です。これに該当するような方がご家族からご相談、要するにひきこもっていて全然家族も会えないでどういう状況かわからないとかいう話があったときも、ここのポツの2番目に書いてある診断は保健師さん等なのでできないのですけれども、まずは訪問支援というところで、要するに家庭訪問から入って、時間をかけてというところで、時間をかけることが緊急的に危険だという場合は、いい悪いは別にして警察の方にご相談したりだとか、そういったことで半分強制的な話にはなってしまうのですが、そういうようなアプローチをしているのが現状です。

○山本座長 警察は手伝ってくれるのですか。

○中原構成員 そこら辺はだから、警察の方も法的に申請行為でない場合というのは直接関与できないのですけれども、そこはもう現場の中での今までの関係性の中で、法律の方が何と言われるのかよくわからないのですけれども。

○千葉構成員 座長は、つらい質問をされましたね。

○中原構成員 患者さんになり得る方にはさわらないで、大きな体で来られるだけで、では病院に行こうかと言ったら、行きますみたいな話になったりとか、そんな形で実際に対応はできています。

 今、医療保護入院制度などそれこそ同意のあり方だとかをいろいろ議論している中で、この医療保護入院の34条移送というのは、先ほど白川構成員が言われたように、かなり権利擁護のところでは問題があるかと思いますので、本当にこれは最終の手段でしかあり得ないような形で整理をしていただいたほうがいいのではないかなと思います。

○山本座長 ありがとうございます。

 そうすると、最終的な手段だということなると、先ほどもちょっと言いましたが、ほかのアクセスの手段としてはどういうものを構築していくのかということが残ってくるだろうと思うのですが、これについてどうでしょうか。ポツ2とも関連すると思うのですけれども、何かお知恵というか、ある方いらっしゃいますか。

 では太田先生、どうぞ。

○太田構成員 人に投げるわけではないのですが、第1分科会というか地域医療のほうとかなり密接に関連するわけです。この論点は要するに退院したときにどう受けとめるか以前に、入院にそもそも持っていかない地域医療をどうやってつくっておくかで、そちらのほうはどういう議論をしておられるのですか。

○山本座長 どうでしょうか。この移送とアクセスについてのご議論はそちらでもされているのでしょうか。

○鶴田課長補佐 もう一つの分科会のほうでも、アウトリーチというのが一つの論点につながっていますので、アウトリーチに関しては分科会の中でも日本医師会のほうからヒアリングの中では、医療と保健と福祉にアウトリーチの概念を分けて議論をすべきではないですかとか、そういった意見というのも出ていますし、論点整理の中でもアウトリーチについて対象者はどう考えるのかとか、効果的、効率的な体制をどう考えるのかとか、そういった論点整理の仕方が前回の分科会の資料の中には出ている。そういった状況にはなっております。

○山本座長 でも、アウトリーチは一つ考えられる手段だろうと思うのですが、やはり保健所が主体になるだろうと思うのです。それについては。

○千葉構成員 すみません。これは多分、もともとの出はご家族のほうの要望が非常に高くて、こういったようなものの検討にした結果だという経緯だったように記憶をしているのですけれども、その辺のところというのはご家族のほうはどのようにお考えになるのだろうかなと思いますが。

○山本座長 本條先生、いかがですか。

○本條構成員 移送というものに限るのではないですけれども、家庭訪問して支援していくということが、その際、ご本人だけではなく家族全体を支援してコミュニケーション技術とかそういうものも含めて、医療だけではなく福祉的な支援もしていくことが、ひいては退院促進に近づくわけですから、そういうことを要望しております。

 ただ、これについてはもう一方の分科会で十分議論をされていると思いますので、今まで発言を控えていたわけです。

○山本座長 ありがとうございます。

 千葉先生、今のでよろしいですか。

○千葉構成員 はい。

○山本座長 中原先生、何かございますか。

○中原構成員 だからアウトリーチというか、あえて「保健的アウトリーチ」と書いていただいてあるかと思うのですけれども、それこそ治療を中断された方というよりは、どちらかというと未治療で今まで全然医療とのアクセスがない。だからどこの病院の先生にも相談できないような方のご家族が保健所に相談をして、それをいかに医療につなげていくかというところのお話なのかと思うのですけれども、そういった場合、保健所としてはまず訪問という形での支援はできます。

 ただ、その方が本当に医療機関につなげられるかどうかのここに書いているマル2の診断という部分に入ってくると、多分、今の保健所の機能だけでは難しいと思うのです。受診勧奨という形でとにかく行ってくださいと言うことはできますが、あえてここにマル2で診断と書かれている理由というのは、事務局のほうとしては何があるのでしょうか。

○丸茂課長補佐 こちらの1、2、3という流れに関しましては、前回の分科会で平田先生のご発言などを拾わせていただいて書かせていただいているのですが、この診断に関しましても入院につなげていって診断というような形だけではなくて、受診勧奨していただいて、やわらかい形で診断につなげるとか、そういったこともあり得ると思いますし、必ずしも診断までいかないというケースももちろんあるかとは思っております。

○中原構成員 わかりました。

○山本座長 中原先生、よろしいですか。

○中原構成員 はい、いいです。

○山本座長 平田先生、どうぞ。

○平田構成員 これはやはりマル1、マル2、マル3は分けなければだめです。1だけが保健的アウトリーチで、2以降は医療的アウトリーチと分けたほうがいいと思います。

 例えば保健所の地域精神保健活動の一環としての訪問に、嘱託医が同行して診断のところまではできると思います。だから、そんなに厳密に分けることはないと思うので、医療機関と行政機関との連携のもとで考えていけばいいと思います。

○山本座長 太田先生、何かございますか。

○太田構成員 私も基本的に平田先生のご指摘のとおりではないかと。要するに受診勧奨できるということは、お医者さんに来てくださいという程度の判断はできるので、お医者さんの数の問題はあるでしょうが、一緒に来ていただけるように保健所のほうから求めること自体は、何か医療倫理上の問題を持つということでなければ、それはあり得るのではないかと。

 私が気になっているのは、医療導入を検討するためのアウトリーチの段階で保健所一本でいいのか、また仕事をふやすようで悪いのですが、その段階で福祉的アプローチと併用したほうが、もうちょっとネットワークの網の目が詰まるのではないか。未治療の人をすぐ捕捉できるのかどうか、そこら辺は保健所だけで十分なのかどうか、そこはお伺いしておきたいと思います。

○山本座長 そこをちょっと聞きたいですね。どうでしょうか。

○中原構成員 福祉的なというか、基本的に市町村と保健所はある意味きちんと連携はしてあるので、それこそ市町村に精神のそういった形で相談に来られた方というのも、単純に市の自立支援医療とかの申請ものとか以外のことであれば、地域でそれなりに困っていることがあれば、大体保健所にも相談に上がってきています。

 訪問の際にしても、もし例えば生活保護でケースワーカーさんがかかわっていれば、市のケースワーカーさんと一緒に同行、訪問して、ケースワーカーさんのほうがそういった意味で権限もあるから、医療につなげるというところではそういったところで一緒にやっていってという形でやっていますので、どこを窓口にするかというのはありますけれども、基本その訪問支援というところでは保健所中心でもいいのではないかなと思います。

 先ほどちょっと出ていました嘱託医の先生方の同行訪問についても、ある意味、今、現場でも実際はやっています。ただ、そこのところはやはり嘱託医の先生の数の問題だとかもいろいろありますので、多分そこが本当にもう少し制度化されてくると、精保センターは精神科の専門家のドクターが必ず大体どこもおられますので、そことの連携と役割分担というのも診断の部分では出てくるのではないかなと思います。

○山本座長 アウトリーチの制度を整備すべきだということについては大体、ご意見が一致しているとしてよろしいでございますかね。

○江藤構成員 いいでしょうか。

○山本座長 どうぞ。

○江藤構成員 今、座長がおっしゃったとおりで私も別に反対意見はないのですが、いわゆる入院のところも含めて、あるいは入院中の本人の権利擁護の退院促進とか、そういうところ全部含めて実は都道府県、市町村あるいは地域の援助事業者、そこがどこまでどうかかわるのかというのは実は法的に曖昧なのです。いろいろな通知、通達はあると思うのですが、そこはちょっとどうなのかなと感じています。

○山本座長 どうもありがとうございました。

 ご指摘いただきありがとうございます。

 ちょっと時間が押しているのですが、アウトリーチを整備するにしても、緊急性が高い場合にどうするかという問題は残るのだろうと思うのです。このアウトリーチだけでは対応できない。だけれども、移送のほうは最小限に努めるべきだということになりますと、緊急性が高い場合の対応は何か考えることができますでしょうか。これはちょっと難しい。

 どうぞ。

○白川構成員 緊急性が高いということになると、通常は精神科救急のほうに上がってきてしまうことがほとんどだと思います。

○山本座長 精神科救急のほうはどうですか。それは大体、機能している。

○白川構成員 場所によっても違うとは思いますけれども、それなりの機能を果たしていると思っております。

 あと、アウトリーチも精神保健福祉センターでもやっているところもございますし、保健所から要請があれば協力は拒んでくることはないので、むしろそれが私たちの仕事だと思っていますから、そのところは協力してやらせていただいております。

○山本座長 緊急性が高いときについては、精神科救急で大体対応する。移送は極めて慎重にやる。それでアウトリーチを整理してきちんと保健的アウトリーチというのか、いろいろ名称はあると思いますけれども、その仕組みをきちんとするというような、そういうことで対応ができますでしょうか。

○千葉構成員 緊急性が高いというのは、どういう状態像なのかというところをその一言でくくられるとわからなくなってしまうのですけれども、自傷他害といった場合には当然として別のルートがあるわけで、さてそのほかにどういう緊急性が高いになるのやらというところです。ただ暴言を吐いているからだけでは緊急性が高いと言っていいのかということにもなるわけで、行為が伴う等の場合にはやはりそれなりに、それこそ警察等を張りながら、警察官への通報なり何なりという形で措置と言うと、矯正治療に入れるわけではないですか。ですから、ここで言っている緊急性が高いプラス移送というところの緊急性の高いという状態を、もう少し吟味する必要があるのかなと思います。

○山本座長 わかりました。

 では、それは今後、検討する論点として挙げたいと思います。どうもありがとうございました。

 では最後、どうぞ。

○岩上構成員 保健所と市町村に期待するところは大きいのですけれども、いつもここでもこういう議論の中で期待して、多分それを保健所も800幾つあったのが500

○中原構成員 今は400

○岩上構成員 400ですよね。減っていっているという現状もありますし、先ほどの精神保健センターに救急のことも期待したいということはありますけれども、全国で10人以下の精神保健センターがその半数以上あるなどという現状もあるわけなので、どういうことを位置づければ人員配置をして、各都道府県ごとにお金を回してきちんと役割を取れるかというところを確認しておかないと、またお願いだけして結局、人も配置できませんでした。今までの仕事がふえてしまって、ますます大変になってしまったということだけは避けたいわけです。ですから、どうすれば、都道府県あるいは市町村はそこにお金と人を配置できるかということが重要であると思います。

○山本座長 その辺をきちんと議論するということで。

○岩上構成員 その辺をきちんと、今後議論していただきたいと思います。

○山本座長 それは論点として残したいと思いますので、どうもありがとうございます。

 それでは、ちょっと時間が押していますので、4つ目の論点はこれで終わりまして、続きまして5つ目の議論に入りたいと思います。

 入院中の患者の意思決定支援について、いわゆる「代弁者」のあり方を含めどう考えるかという点について、ご議論いただきたいと思います。

 では、どうぞ。

○澤田構成員 意思決定支援というのは、支援者の意思に非支援者を誘導することになりかねない大変危険なものであると思っております。

○山本座長 ありがとうございます。

 今のご意見等を踏まえて、何かご意見はありますでしょうか。

 太田先生、何かございますか。

○太田構成員 前も言ったし、既に消極的な評価が出ているので書きづらいのは理解するのですが、公的保護者制度というのは私はこちらのほうにむしろ機能するのではないかという気がしております。その部分はどうにか頭出しぐらいはしていただけないかなという気はします。

 もう一つ、機能という形で整備されたのでいいのですが、そもそもの発言の問題意識をたどってみますと、代弁者と言ったときに必ず患者の側にいる。医師と患者と代弁者というときに、必ず患者の側にいて、医師と対抗するような保障があるのかどうかという、そのコンテクストの問題です。そこはこの整理でうまく出ているのかしら、どうなのかしらという疑問が若干来ます。マル3のところに全て押し込んであるとも考えられるので、何が不満かと言われるとちょっと困るのですが、しかしこれで十分な整理になっているのかという疑問が残る部分はあります。すみません。

○山本座長 今の太田先生のご意見について何かございますか。

 平田先生、どうぞ。

○平田構成員 私も基本的に太田先生の意見に賛成です。公的保護者の提唱者としてどうしたいと考えるのですけれども、公的保護者の役割は入院時の瞬間的同意のほかに、入院中の権利擁護と退院促進といったものを含めるべきであると思いますので、公的保護者議論の中に収れんしていくべきではないかと考えます。

 ただ、その場合に公的保護者の1番の問題は、家庭ですけれども、入院者本人が選べないという仕組みに今のところつくってありますので、そこは例えばご本人が選べるような形にするとか、あるいはご家族が選べるようにするとかというふうに柔軟に運用していく工夫をすべきだと思います。ただ、誰でもいいというわけにはいきませんので、ある程度の知識、経験を有する人という条件をつけて、国が認証するという形にオーソライズしていくべきではないかと思います。

○山本座長 今の平田先生のご意見の公的保護者というと、このマル1からマル4の全部の機能を負わせるような形で考えていくべきだと、こういうご意見ですか。機能を担えるような。

○平田構成員 そうですね。厳密な検討はまだちょっと必要かと思いますけれども、基本的にはそのようなイメージです。

○山本座長 そうすると、例えばどういう方が考えられるのですか。

○平田構成員 私が提唱したのは、医療機関と雇用関係にない地域で活動するケースワーカー、保健師、看護師、心理職の人たちです。ただ、そういうふうに狭めてしまうと人が確保できないというのであれば、医療機関に所属する人たちでも、病院が違えばいいと思います。

 ですからふだん地域生活を支えているようなコ・メディカルの人たちがその人間を当たる。ただ、公的保護者制度の資格は取ってもらった上でということにはなります。

○山本座長 ありがとうございました。

 今の平田先生のご意見について、特にございますでしょうか。ほかでも結構でございますが。

 今のコ・メディカルの方だと、権利擁護というのについても十分機能として果たせるということですか。

○平田構成員 権利擁護はとにかく単一の仕組みではだめです。多重にやらなければいけないことで、弁護士がかかわったり。

○山本座長 そこですよね。

○平田構成員 一人一人に担わせるなんて無理です。

○山本座長 もう少し多重的なものを少し含めて。

○平田構成員 ですから、多重的な権利擁護システムの中の一つとして考えていただければいいと思います。

○山本座長 ありがとうございます。

 ほかいかがでしょうか。どうぞ。

○柏木構成員 この代弁者というのをアドボケーターという形に解釈すれば、この1から4までの機能を医療機関の人ではなく、外の人たちがクライアントのパートナーみたいな形になるということについては賛成です。

 やはり入院中の、例えばワーカーであるとか、看護師さんであるとかといったような人たちは、本人の権利を擁護するというよりは治療に協力するというところを、どうしてもまずその中で動くというようなことを意識づけられてきていますので、完全に本人の立場に立ち得るかというと、そこは難しいところだと思っているのです。ですので、クライアントの立場に徹底的に立つアドボケーターというのは絶対に必要かなと思います。

 澤田さんが、そういう人は要らないとおっしゃっていることに関してなのですけれども、要らない人というのは、本当に要らないのだろうと思うのですが、私の所属している病院では、なかなか本人が自分で表現することが非常に困難な人であるとかといったような人たちが結局埋もれてきてしまっているので、そういう人に対しては権利擁護者としての役割を担う人たちが必要ではないかなと思います。

 ですから、本人が選べるか、本人が必要と判断するかというところが一番難しいところだと思います。

○山本座長 そうですね。

 では、どうぞ。

○太田構成員 多少思いつきなのですが、医療保護入院をするときになぜ医療保護入院するかというと、本人が病状をきちんと理解して治療の必要性を判定できないからと、究極的には正当化するわけです。とするとある程度、権利擁護をみずからが必要としているのかどうかも実はうまく判断できていない可能性があります。

 だから、私は公的保護者制度というときに、選べるなら選ぶのでもいいのですが、やはり公的というメリットは、外部の人が職権的に入っていってチェックする、権利擁護をするというところにあるのだろうと思います。

○山本座長 それでないと意味がないと思います。

○太田構成員 ちょっと平田先生とは違うのかもしれませんが、そこはそんなに対立はしていないと思います。

○山本座長 平田先生もそこについては別にあれですよね、特に反対ではない。

○平田構成員 どちらかでなければいけないと考えられるわけではないです。その辺の全体的な判断は、最終的には審査会ということになるかもしれません。

○山本座長 そういう人員を確保できるかということが一つ問題であると思うのです。

○平田構成員 試算したことはありますけれども、医療保護入院は年間16万件もありますので、全部はちょっと無理だと思います。

○山本座長 その点について何かアイデアはございますか。

○平田構成員 首長同意だけだと年間7,000件ですから、人口10万で年間6件です。だからそれは十分可能だと思いますし、そのほかにご家族が自分は保護者の責任を負いたくないという場合に申し出ていただくケースであるとか、あるいは医療機関から見て、同意してくれた家族は本人の権利擁護の任を任せられないという人であれば、医療機関からの申し立てがあってもいいのではないかと思います。柔軟な運用をしていけばいいと思います。

○山本座長 わかりました。ありがとうございます。

 ほか、いかがでしょうか。では本條先生、どうぞ。

○本條構成員 恐らく澤田委員から反対の意見が出されたのは、意思決定を支援するというところが問題ではないかなと。代弁者の意思が色濃く反映していくという危険性があるのではないか。私は、本人の意思を実現していく。その意思表明をかわって行うということであれば、むしろ必要ではないかと思います。

 それと、論点整理はこれはこれでいいのですけれども、医療保護入院におきましても、従来は統合失調症等が中心であったのだと思いますが、今は認知症でありますとか、発達障害とかいろいろな疾病の方が入院されております。そういうところも想定して、いろいろな役割が生じてくると思いますので、一律に判断能力がないとか、また、統合失調の人であっても、判断能力がないと決めつけるというのは少し問題がありますから、あくまでも本人の意思を尊重して、それが実現できるように援助していくという役割が本当は必要なのではないかと思います。

○山本座長 それが大前提ということですね。ありがとうございます。

 どうぞ。

○澤田構成員 本人がうまく表現できない、うまく伝えられない、そもそもまとまっていない考えや気持ちを、ほかの人が代弁できるというのはおかしいです。ですから、代弁者ではなくて、弁護者と言ったら弁護士に反対されそうですけれども、権利擁護者だとか何とかほかの用語を考えていただきたいと思いますし、そもそも必要ありませんし、これもまた土台無理です。

○山本座長 名称はいろいろあると思いますけれども、どうぞ。

○野沢構成員 言葉の問題だと思うのです。代弁と意思決定支援とは違うと思うのです。国連の障害者権利条約では、代弁というのは法の前の平等に違反しているのではないかみたいなことは権利委員会からも指摘されていますし、ここは代弁なのか意思決定支援なのかというのは厳密に検討したほうがいいのかもしれないと思います。

 仮に代弁者として、どういった人たちがこの資格といいますか、なり得るのかということで、看護師とか精神保健福祉士とかいろいろな医療の専門家、あるいは権利擁護の専門家がいると思うのですけれども、こういう資格そのものもありますが、同じ資格を持っている人でも地域で支援している人と医療機関内で支援している人とで全く正反対なので、同じ権利擁護のことをやってても医療機関内でやっている人の権利擁護と、地域でやっている人の権利擁護は相当イメージが違うと思います。

 ここで想定されているところで言うと、地域の人たちというのを大前提に、多分この書きぶりだとそういうふうなイメージなのかなと思いますけれども、それを大前提にした上で、どんな資格の人たちが必要なのかというのを考えるべきだと思います。

○山本座長 それは今後ちょっと議論しないといけない論点ですね。どうもありがとうございます。

 ほか、いかがでしょうか。よろしいですか。

 それでは、澤田先生、先ほどの件をどうぞ。

○澤田構成員 私は先生ではなく学生でございます。

 資料2の12ページの11番の後半、「その上で」からなのですけれども、家族の権利は先に教えるべきです。後でというのはアンフェアです。この文ですと、家族を丸め込んで諦めさせよう。どうしても諦めなかったら、仕方がないから審査会に行ってもらおうという魂胆としか思えません。

○山本座長 ありがとうございます。その点についてとどめておきます。

 ほかはいかがでございましょうか。

 ちょっと時間が押しているのですが、一つ、医療保護入院の必要性について論点整理の3ページなのですが、ここに入院に当たって医師が考慮、想定される要素を明確化するということが考えられるのではないかという論点があったのですけれども、これについてご意見がある方、いらっしゃいますか。これは明確化するということは。

 どうぞ。

○平田構成員 前回、私のほうから提案したと思います。精神科救急学会の精神科救急のガイドライン2015年版に、かなり具体的に書いてありますのでご参照ください。

○山本座長 ありがとうございます。

 それについて千葉先生、何かご意見ございますか。

○千葉構成員 私も救急学会の評議員をやっていますから、余り反論があるわけではありませんが、もちろん明確化と言いましても象徴的な言い方にしかならなくて、具体的に何がどうというのはケース・バイ・ケースをそこに当てはめていくという形にはなろうかと思いますが、一定の明示をする必要はあっていいのではないかなと思います。それは親会議のほうでどのようなものになるかとしても、そういったようなことを普及、啓発をしていくという意味では絶対に必要かなと思います。

○山本座長 わかりました。

 ではこれをちょっと入れたいと思いますので、どうもありがとうございました。

 それでは、長時間にわたってご議論いただきまして、どうもありがとうございました。

 本日、活発な、大変貴重なご意見をいただきまして、ありがとうございました。

 本日、皆様からいただいたご意見を踏まえまして、事務局において論点整理をして、「これからの精神保健医療福祉のあり方に関する検討会」に向けての資料を作成したいと思うのですが、これについては座長預かりとさせていただきたいと思うのですが、よろしいでございましょうか。

(「異議なし」の声あり)

○山本座長 ありがとうございます。特段の異議はないようですので、そのようにさせていただきたいと思います。

 それでは、本日は長時間にわたりご議論いただきまして、ありがとうございました。これにて本分科会は終了したいと思います。

 最後に、事務局から今後の日程についてご説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

○丸茂課長補佐 次回の検討会につきましては、日程調整をさせていただいた上で、後日連絡させていただきます。よろしくお願いいたします。

○山本座長 どうもありがとうございました。

 本日は、お忙しい中、長時間にわたりご議論いただきまして、ありがとうございました。

 これをもちまして「これからの精神保健医療福祉のあり方に関する検討会第4回医療保護入院等のあり方分科会」を閉会したいと思います。

 今後ともどうぞよろしくお願いいたします。


(了)

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