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2016年6月21日 第5回アレルギー疾患対策推進協議会 議事録

健康局がん・疾病対策課

○日時

平成28年6月21日(火)16:00〜18:00


○場所

田中田村町ビル・貸会議室(8階)8E会議室


○議事

○斎藤会長 定刻となりましたので、ただいまから第5回アレルギー疾患対策推進協議会を開催いたします。委員の皆様方におかれましてはお忙しい中お集まりいただきまして、誠にありがとうございました。

 本日、本田委員が急遽、欠席との御連絡がありましたので、12名の委員に御参集を予定していただいております。まだ2名の方が到着されておりませんが、いずれにしても会議の定足数には達しておりますことを御報告申し上げます。また、今回も、参考人として国立病院機構福岡病院名誉院長の西間三馨先生に御出席いただいております。

 続きまして、事務局から資料の確認をお願いいたします。

○魚谷がん・疾病対策課長補佐 まずはじめに、本日付けでがん・疾病対策課長に着任いたしました渡辺より御挨拶いたします。

○渡辺がん・疾病対策課長 渡辺と申します。今日付けでがん・疾病対策課長ということで辞令をもらいました。昨日までは医政局ということで、医師はじめ、コ・ワーカーの方々の養成、教育行政等々に関わってきていた次第でございます。よろしくお願いいたします。

○魚谷がん・疾病対策課長補佐 それでは、資料の確認をさせていただきます。

 貸出資料といたしまして、初回以降の資料及び、本日、西間参考人にお持ちいただきました「アレルギー総合ガイドライン2016」を配布させていただきます。この新しいガイドラインにはアナフィラキシー・ガイドラインが追加されております。こちらは会議終了後、机の上に置いたままお持ち帰りになりませぬよう、よろしくお願いいたします。今回の第5回アレルギー疾患対策推進協議会資料といたしまして以下の資料を御用意しております。

 まず1つ、「議事次第」「座席表」。傍聴席には差し替え版を置いておりますが、会長からお話があったとおり、本田委員は、本日欠席となります。「アレルギー疾患対策推進協議会委員名簿」、資料1「アレルギー疾患対策に関する状況の調査(結果報告)」、資料2-1「アレルギー疾患対策基本指針の枠組み()」、資料2-2「これまでの主な意見のまとめ」。参考資料といたしまして「アレルギー疾患対策基本法」も置いております。資料に不足、落丁等がございましたら、事務局までお申し出ください。

○斎藤会長 ありがとうございました。それでは、カメラ撮りはここまでとさせていただきます。これより本日の議事に入らせていただきます。

 前回、413日に開催された第4回協議会では、アレルギー疾患(花粉症)に対する森林・林業分野の取組といたしまして倉本委員から、学校給食における食物アレルギー対応といたしまして大阪狭山市の石川参考人から、それぞれ御説明いただきました。本日ですが、第1回協議会で事務局から話がありました全国市町村におけるアレルギー疾患対策の実態調査について報告いただきます。その後、事務局からアレルギー疾患対策基本法に基づいた「アレルギー疾患対策基本指針の枠組み案」について説明いただき、それぞれ、質問、意見交換の時間を取って進めてまいりたいと考えております。御協力のほど、よろしくお願いいたします。

 それでは、最初に事務局から、アレルギー疾患対策に関する状況の調査に関する報告書の説明をお願いいたします。

○山田がん・疾病対策課長補佐 よろしくお願いいたします。アレルギー疾患対策に関する状況の調査の結果報告です。資料1を御覧ください。

 本調査ですが、各市区町村における取組の状況について調査を行いました。目的は、全国の市区町村におけるアレルギー疾患に関する具体的な取組についての実態を把握することです。対象は、全市区町村です。nとしては、1,741です。方法は、都道府県を通じて調査票を配布し、回答があったものを集計・解析いたしました。回収率は、68.9%です。

 結果になりますが、対象疾患数別の対策実施自治体数をお示しいたします。何らかの対策を講じている自治体は、回答のあった市区町村のうち62.3%でした。対策を講じている自治体のうち、65.2%が1疾患のみを対象としておりました。下のほうに移りますが、疾患別の対策実施自治体数です。対象疾患は御覧のとおり、食物アレルギーが最多でした。食物アレルギーを除く、アトピー性皮膚炎、気管支ぜん息、アレルギー性鼻炎、花粉症、アレルギー性結膜炎の5疾患に関しましては、実施状況に大きな差はありませんでした。

 次のページです。気管支ぜん息の対策を実施している自治体MAPをお示しいたします。対策を実施している市区町村を青で表示させていただきました。白は、対策を実施していない、若しくは回答のなかった市区町村になります。1枚目が気管支ぜん息です。2枚目は、アトピー性皮膚炎の対策を実施している自治体MAPです。次はアレルギー性鼻炎になります。その後はアレルギー性結膜炎です。9枚目のスライドは、花粉症の対策を実施している自治体MAPになります。最後、10ページ目が食物アレルギーの対策を実施している自治体のMAPです。御覧のとおりになります。

11ページ、対策実施自治体数の経年経過をお示しいたします。こちらの自治体数は、全国地方公共団体コードを用いまして平成28年現在の市区町村数から計上いたしました。過去の合併等による自治体数の増減は反映されておりません。現在は、746自治体で何らかのアレルギー対策は実施されております。昭和63年以前と比べると、御覧のように、取組数は格段に増えているということが言えると思います。

12ページ、アレルギー疾患対策実施自治体のMAPをお示しいたします。先ほどの図と合わせて御覧になっていただけるといいかと思いますが、経年推移は御覧のとおりです。

13ページ、自治体の規模を人口として対策実施疾患数別の自治体人口分布をお示しいたします。アレルギー疾患対策の実施状況と自治体の規模に明らかな相関はありませんでした。

 結果のまとめになります。全国47都道府県にアンケートを配布し、41都道府県から回答がありました。解析対象は、1,199市区町村、回収率は、68.9%です。アレルギー疾患対策基本法に定められた6疾患(気管支ぜん息、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、アトピー性皮膚炎、花粉症、食物アレルギー)に関して何らかの対策を講じている自治体は、回答があった市区町村の62.3%でした。アレルギー疾患対策を講じている自治体のうち半数以上は1疾患のみの対策にとどまっており、対象疾患は、ほとんどが食物アレルギーでした。何らかのアレルギー疾患対策を講じている自治体数は増加しております。ですが、アレルギー疾患対策の実施状況と自治体の規模に明らかな相関は見られませんでした。

 次からは個別例を紹介させていただきます。まずは富山県の取組です。富山県は、「学校におけるアレルギー疾患対策」ということで独自のソフト「学校保健統計システム」を活用し、全児童の健康診断の結果をまとめております。その中でアレルギー疾患(気管支ぜん息、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、アトピー性皮膚炎、食物アレルギー)の罹患者数等も把握されております。全児童の対象は、小・中・高及び特別支援学校になります。学校保健統計システムは、実際は養護教諭の先生が入力されて、電子データを集計して、教育委員会がまとめるという形を取っているそうです。

 個別例の紹介2になります。愛知県津島保健所、「海部地域あれるぎっ子サポートチームプロジェクト」というものです。こちらは、<地域健康課題対応事業>とありますが、愛知県内の各保健所が、それぞれの課題を掲げて解決へ向けるというものです。津島保健所ではそれをアレルギーとしたということでした。

 こちらでは、まず乳幼児から就園前の方及び学童に対してアンケート調査を行って、アレルギー児の割合やヒヤリハットなどの問題のほか、園と学校との連携状況や園の身近で起こっている課題などを把握して関係者間の情報共有を行ったということ。また、エピペン講習会を開催したということ。また、専門医による講演会を開催し、食物アレルギー疾患児に直接関わる保健及び教育関係者に正しい知識と技術についての理解を図った。保護者向けリーフレットを関係者と協力して作成し、相談窓口を保護者へ啓発した。食物アレルギー地域相談会を開催して、それによって食物アレルギー疾患児とその家族の個々のニーズや不安に応える取組をした、という報告が上がっております。

 個別例の紹介3です。愛知県名古屋市、「小児向けアレルギー医療の取組」です。こちらは、名古屋市立の西部医療センターに小児アレルギー科というものが設置されて、アレルギー疾患児に対する医療及びアレルギー専門医、小児アレルギー・エデュケーターの育成を積極的に行っているということで紹介させていただきました。

 最後に、個別の実態調査を実施している自治体やホットラインを設けている自治体、ヒヤリハットの集積やフィードバックを行っている自治体等、自治体独自の取組を、御覧のようにお示しさせていただきました。事務局からは以上となります。

○斎藤会長 どうもありがとうございました。ただいまの報告内容について何か御意見、御質問等がございましたら、よろしくお願いします。

○園部委員 アレルギーを考える母の会の園部と申します。この調査をやったときに、調査の質問票を見ながらこの結果を見させていただけると有り難いと思ったのです。質問票が付いていると良かったなと思っています。

 あと、対策をやっている自治体とやっていない自治体ということで分析をされているのですが、学校のガイドラインも出ていますし、保育所のガイドラインも出ているので、どこの自治体もそれなりに対策はしていると思うのです。大事なのはやっているかやっていないかではなく、中身です。本当に実効性のある、健康回復ができる又は正しい診断にたどり着く、患者さんが抱えた課題を解決できるための、調査を掛けるのだったら、そういうことを自治体に投げ掛けて、啓発につながるような調査をしていただきたかったなと。たまたま、いろいろな自治体の研修のお手伝いなどをしている関係で、余りに時間がない、今日の明日のような調査、それから、県の対策ではなく自治体に下りているので、県の対策のことも報告できたらもっとお役に立ったかもしれないのにと。ここで個別の事例を幾つか挙げてくださっているのですが、例えば関わらせていただいていた自治体では、ここに個別の調査をやっていますということが書いてあるのですが、実は、関わらせていただいて初めてやりましたという所だったりしているので、ここに挙げられた個別の事例が必ずしも先進的な取組をしている所とは限らないのです。やはり、やるのだったら中身の分かる調査をしていただきたかったと。実効性が伴う私的な調査をしているかどうかというのは、時間を掛けて、ここにお集まりいただいた先生方に質問の中身を御相談しながら本来は意味のある調査をやっていただけたら、今後、そういう機会があったらいいなと思いました。

○山田がん・疾病対策課長補佐 御意見、どうもありがとうございます。本調査はこの指針策定に当たって、まず自治体の取組がどんなものかという、言うなれば、コントロールになるようなデータが欲しかったというのがまず1点と。ただ、今後、評価をするに当たって、この調査は継続的にやっていきたいと考えていますので、今、御指摘いただいたような内容を踏まえて、そういったものを反映させて、より良いものを作っていきたいと思います。

○園部委員 一番忘れてはならないことは、学校、教育委員会と保育の担当窓口は一生懸命に研修をやっているのです。疾病対策課がやってきたアレルギー対策の方向性に基づく、保健指導をする立場の方々の対策はどうなのかというところをきちんと見ていく必要があると思っています。

○栗山委員 この調査、それぞれなのではありましょうが、私の関わらせていただいている所が上がってきていなかったりしているようなので、何か、ちょっと調査が粗いのかなと、粗いのかなというか、時間が十分あったのかなとか、聞き方が十分だったのかなと、それぞれがやっているようなことが出てくるような質問票になっているのかなとか。あとは、関わっているいろいろな職種の方、学校だったり保育園だったり、それから、行政だったり保健師だったり、そんなところが吸い上げられるような質問をお願いしたいなと思いました。これは自治体への質問ではありましょうが、そういうものが出てくるような質問をお願いしたいと思います。

○坂元委員 私たちの自治体にも調査依頼が参って、かなり細かく書いたのですが、そこから先の仕事、つまり個々の自治体の細かいデータを分析していくというのは、多分、相当な時間と作業が掛かるのだろうなと私自身も思っております。ただ、自治体側の人間として、自己批判めいたことなのですが、やはり自治体の中でアレルギー対策を統括して扱う部署がない自治体が多いというのが現状で、どうしても依頼を受けたその衛生部局の課がしっかり、例えば教育委員会等にしっかり突っ込んで聞いているかとか、そういう問題がかなりあると思います。今回の調査を通してこのアレルギー疾患の基本計画の中に1つの、要求というか目標というか、やはり自治体には、アレルギーを横断的に扱う部署とか、そういう連携会議を設けるというようなことを1つ努力義務に自治体に課すことが必要かと思います。そうすると自治体全体として、どこで何をやっていて、どういうことをやっているか、その中身は何なのかということが把握できて、かなり実効性のあるものができると思います。是非、今回の調査を通しての我々自治体側の反省として、アレルギー対策の統括的な部署と言ったらちょっと語弊があるかもしれないですが、統括的な連携会議の設置のようなものを自治体への努力義務を課すみたいなことを私は基本計画の中に盛ってもいいのではないかと、自治体代表の一人として反省を込めて意見として申し述べたいと思います。

○荒木田委員 質問です。スライドの1112の推移は、この調査を取った時点で過去のことを聞いたというように理解すればよろしいのですか。

○山田がん・疾病対策課長補佐 はい、そうです。

○荒木田委員 そうすると結構、かなりバイアスが掛かっているというか、思い出しバイアスが掛かっているデータというようになるわけですか。思い出しといいますか、十分、過去のものまで洗えている可能性はないかもしれない。

○山田がん・疾病対策課長補佐 そうです、それは御指摘のとおりだと思います。

○荒木田委員 ありがとうございます。

○武川委員 アレルギー患者の声を届ける会の武川と申します。よろしくお願いします。ご発表ありがとうございました。ただいまの発表で概略的な地方自治体の取り組みは分かりました。いろいろな対策の中で、食物アレルギーの対策が一番多くなされていますが、この中で成人に対する調査というものが、全然見えてこないような感じがするのです。それとぜん息死との関係はどうなっていますでしょうか。その辺、お聞きできればと思っています。

○山田がん・疾病対策課長補佐 御質問、どうもありがとうございます。今回の調査に関しましては、まず最初に御指摘いただいた成人に対する調査ということですが、これは基本的には、小児、成人問わず調査させていただいた結果です。あとは、ぜん息死との関連ですが、本調査は自治体の取組に関する調査ですので、ぜん息死との関連性はこの調査からは申し上げられないのかなと思います。

○斎藤会長 ほかにいかがでしょうか。今、調査の細かい集計が回覧されております。各自治体の方々が一生懸命に記載されて答えられているようです。なかなか、これをまとめるというのが大変な作業であるとは思います。いかがでしょうか。

○山口委員 個別例の紹介の所で、例えば富山県の取組が書かれていて、ぜん息、アレルギー性鼻炎など、各疾患を網羅するような調査も行っていると教えていただきました。各市区町村で行っているものの上に更に県でも取り組んでいる場合に、市区町村で十分至らないところを県が補完しているという考え方なのでしょうか。というのは、富山県のレベルで疾患対策をしておられますが、実際のMAPにおいては県を塗りつぶすような表示にはなっていませんので県と自治体の関係を教えていただきたいと思います。

○山田がん・疾病対策課長補佐 御指摘のとおり、MAPは市区町村に関してのものです。県独自の取組をされている自治体もございます。そういう所に関しては、申し訳ないのですがMAPのほうは塗っておりません。県の取組が市区町村の取組を、お互いに補完し合うような取組がされているかというのは、申し訳ないのですが本調査からは見えてまいりませんでした。また、そのような記載は、正直、私は全部目を通したのですが、ありませんでした。

○坂元委員 この調査は、調査した自治体に公開しますという形で調査したのか、それぞれは公開しないという形で調査したのかいかがでしょうか。例えば川崎市にも調査票が来ましたが、川崎市の分が公開されても自治体として公務でやっている仕事なのでまったく構わないのですが、その辺はいかがでしょうか。例えば、誰かがこれを見て、どこの自治体で何をやっているか知りたいと言われたときに、公開についてはどうなのでしょうか。

○山田がん・疾病対策課長補佐 調査票を配布させていただくに当たって自治体のほうに、お願いといいますか、こういった調査をやりますと配布させていただいたかと思いますが、そちらのほうには、すみません、情報の開示に関しては特に明記はしていなかったかと思います。今回、個別例として出させていただいた自治体に関しましては、お電話をして、あと、こういった形で公表したいと思うのですがいかがでしょうかという確認は口頭で取らせていただいております。

○斎藤会長 いずれにしても、本日の資料は公開されるわけですよね。

○山田がん・疾病対策課長補佐 はい。

○斎藤会長 細かい内容がということですね。

○山田がん・疾病対策課長補佐 はい。

○斎藤会長 いかがでしょうか。

○今井委員 どのような聞き方をしたのか、調査票が分からないので何とも言えないのですが。本来、食物アレルギーに一番多い対応というのは、教育委員会が学校給食対応をしていれば基本的には、学校給食を提供している以上、恐らく全教育委員会は対応しているという答になってくると思うので、多少重複しますが、やはり回答している部署がどこなのかというのは非常に重要なポイントになってくると思うので、今後、もし継続的にやられるのであれば、その辺りを一度精査してから、先ほどおっしゃっていたように統括した部門がやるというのが理想的だと思いますが、すぐにはそれは実現しないでしょうから、どこの部署に対してこの質問票を送っていくのかというのは最初の前提としてしっかり決めておいたほうがいいのかなと思います。

○山田がん・疾病対策課長補佐 ありがとうございます。

○斎藤会長 今井先生、岩手県と秋田県がものすごくコントラストなのですが、何か、食物アレルギーで岩手県と秋田県で統計的な違いがあるとか、そういうことはありますか。

○今井委員 これは県として答えていない県もあるのですよね。

○山田がん・疾病対策課長補佐 そうですね。

○今井委員 そうすると、秋田県は全県答えていないというお話ですよね。

○山田がん・疾病対策課長補佐 それは、はい、そのとおりです、秋田県からは。

○今井委員 一般論としては、食物アレルギー対応は北のほうが、なかなか進んでいない部分はあるので、そういった違いもあるのかなと思います。

○海老澤委員 岩手県は、文科省の調査では対応が悪いくらいの所で、北海道と同じで白抜けになるぐらいです、一番下のレベルです。だから、これでよくやっているというのがちょっと理解できないです。

○栗山委員 ちなみに、これはどれぐらいの期間の間にお答えいただいたのでしょうか。要するに、調査期間はどれぐらい自治体にあげているのでしょうか。

○山田がん・疾病対策課長補佐 これは約1か月です。

○栗山委員 1か月ですか。

○山田がん・疾病対策課長補佐 はい。

○栗山委員 よく分からないのですが、こういう調査は、大体それぐらいの期間でやっていただけるものなのですか。期間の問題で、例えば白抜けの所が出来ているとか、十分に把握できていないとか、そんなことはあるのですか。それは、普通に自治体はそれぐらいでこういうものに御返事できるものなのでしょうか。

○山田がん・疾病対策課長補佐 申し訳なかったと思うのですが、1か月はかなり短いと思います。ただ、最終的には、回答していただいていない所には、お願いできますかという感じで一応、確認させていただいてはいたのです。

○坂元委員 どれぐらいの調査期間があれば回答するかというのは、期間を長くしたから回答するものではないというのは、私も自治体にいてそう思います。正直言って、担当職員が放ってしまう場合もあるかと思います。そこは役所としてちょっと恥ずかしいのですが、長く調査期間を設定したから回答が集まるというものではないのです。我々も自治体へのいろいろな調査をやるとき、どうしても回答率を上げたい場合は、部門の責任者に直接しつこく、電話を掛けてお願いするという方法しかないのです。それでも100%というのは非常に難しいと思います。ただ、何度も繰り返しますが、やはり受け取った部署がその市全部のアレルギー対策をどこまで掌握しているかだと思います。つまり、恐らくこの依頼文書をそれぞれの所管課に、こういう調査が来ているから書いてくださいと配る方法かと思います。川崎市もそうなのです。つまり国から依頼を受けた担当が、どこの部署で何をやっているかをある程度把握していなかったら、それでお仕舞になってしまうかと思います。私は、再三しつこいようですが、やはり自治体の中でアレルギー対策について責任を持つ部署を、せっかくこの基本計画を作るので、その設置を1つの柱にしてやってくださいということぐらいは自治体にお願いしても構わないのではないかと思っております。今回の調査全体を見てそう思いました。

 それから、うちもかなり細かく書いたのですが、恐らく、どの自治体もかなり詳細に書いたと思います。それを全部分析して発表するというのは、多分、1年や2年の作業では終わらないのではないかということか思います。せっかくここまでの調査をされたのですから、あとは時間を掛けていろいろな角度から分析して見るとかすると、かなり面白い結果が出てくるのではないかと思っております。

○斎藤会長 坂元委員の御意見に尽きるような気もしますが、ほかに御意見はございますでしょうか。

○栗山委員 意見ではないのですが。自治体の仕組みなどを十分理解していない身にとっては、おっしゃるように、是非、横断的にアレルギーを見ていただける部署を作ることをこの協議会でお話いただければと思います。

○斎藤会長 ほかにございますでしょうか。よろしければ、少し進行が早いのですが、続きまして、事務局から「アレルギー疾患対策基本指針の枠組みについて」説明をお願いいたします。

○魚谷がん・疾病対策課長補佐 御説明いたします。本日、資料2-1と資料2-2というものを御用意しています。資料2-1に関しては、アレルギー疾患対策基本指針を作成するに当たっての骨組みというか、枠組みというものをお示ししています。資料2-2に関しては、その枠組みに沿って4回目までの協議会で、委員の方々に御発言いただいた意見を埋めています。資料2-2を見ていただきながら、アレルギー疾患対策基本指針の枠組みがどういうものかというのを御覧いただければと思っています。

 では、資料2-1を説明してまいります。このアレルギー疾患対策基本指針というものは、アレルギー疾患基本法の第十一条の2に定められている項目に沿って、作成することになっています。具体的には、この表のブルーのラインの部分が、基本法に定められている項目となります。その次に、この各項目の内容としては、アレルギー疾患対策基本法の各条文がありますが、その各条文を各項目に入れていくという立付けになっています。

 それでは、上のほうから御説明させていただきます。まず基本指針の第1ですが、アレルギー疾患対策の推進に関する基本的な事項。これの1)ですが、アレルギー疾患対策基本指針の位置付けということで、内容としてはアレルギー疾患対策基本法第十一条第2項に基づき、アレルギー疾患対策を総合的に推進するための、基本的な指針です。

2)基本的なアレルギー基本指針の考え方ですが、基本法の基本理念。ア)重症化予防及び症状の軽減のための総合的な施策による生活環境の改善、イ)居住地域に関わらず、適切なアレルギー疾患医療を受けられるようにすること、ウ)適切な情報入手ができる体制及び生活の質の維持向上のための支援体制の整備がなされること。エ)アレルギー疾患研究を推進し、その成果等を普及・活用・発展させること、このような基本理念に基づいて、作成してまいります。

2、に関して、ここは関連する皆さんの責務ということで、国、地方公共団体、医療保険者、国民、医師、その他の医療関係者、学校等の設置者、又は管理者の責務というものが盛り込まれることになっています。

 次はブルーのラインの第2になりますが、「アレルギー疾患に関する啓発及び知識の普及並びにアレルギー疾患の予防のための施策に関する事項」とあります。内容としては、今後の取組の方針及び取組が必要な事項を記載していくことになります。

(1)ですが、これは基本法の第十四条に該当しますが、1、生活環境のアレルギー疾患への影響についての啓発及び知識の普及、2、学校教育及び社会教育におけるアレルギー疾患の重症化の予防及び症状の軽減の適切な方法に関する教育の推進、3、その他の事項となります。

 次は2)ですが、これは基本法の第十五条に基づいていまして、アレルギー疾患の重症化の予防及び症状の軽減に資する生活環境の改善となります。具体的には1、大気汚染の防止、2、森林の適正な整備、3、アレルギー物質を含む食品に関する表示の充実、4、建築構造等の改善の推進、5、その他になります。第十四条、第十五条、ともに基本法の第十二条にあります、関係行政機関との連携というところを踏まえての内容の作成になっていくと考えています。

 第3に移りますが、アレルギー疾患医療を提供する体制の確保に関する事項。これも今後の取組の方針及び取組が必要な事項という内容で作成してまいります。1)学会と連携した医師、薬剤師、看護師、その他の医療従事者の育成を図るための措置、2)居住地域に関わらず適切なアレルギー疾患医療が受けられるよう、専門的なアレルギー疾患医療提供機関の整備、3)成育医療研究センター、国立病院機構、その他医療機関の連携協力体制の整備、こういう形になります。

 第4としては、アレルギー疾患に関する調査及び研究に関する事項ということになります。これは第十九条に基づいていますが、1)が疫学研究、基礎研究及び臨床研究の促進、並びに成果が活用されるための施策ということになります。具体的にはアレルギー疾患の本態解明、革新的なアレルギー疾患の予防、診断、治療方法の開発、罹患率の低下、重症化予防、症状軽減等があります。2)は医薬品、医療機器等の治験迅速化のための環境整備という形になります。

 最後は第5項になりますが、その他アレルギー疾患対策の推進に関する重要事項。1)、これは第十八条に基づいていますが、アレルギー疾患患者及びその家族等に対する支援の強化及び充実。アレルギー疾患患者の生活の質の維持向上のために、保健師、助産師、管理栄養士、栄養士、調理師等の育成。アレルギー疾患を有する者の、生活の質の維持向上に必要な施策。これをもう少し細かく申し上げますと、アレルギー疾患医療を適切に提供するための、学校、職場等と医療機関との連携協力体制の確保。学校等の教員又は職員、事業主等に対する、アレルギー疾患を有する者への医療的、福祉的、教育的援助に関する研修の機会の確保。アレルギー疾患を有する者、その家族に対する相談体制の整備。アレルギー疾患を有する者への正しい理解のための教育推進、その他となります。

 次の2)は、地域の事情に応じたアレルギー疾患対策の推進、これは基本法の第二十条に相当します。「地方公共団体は国の施策と相まって、当該地域の実情に応じ、第十四条から第十八条の施策を講ずるよう努めなければならない」と、このように基本法で定めています。

3)国民の責務に基づく取組、これは基本法の第七条に記載されている内容です。4)必要な財政措置の実施と予算の効率化・重点化、これは第十条に該当します。5)アレルギー疾患対策基本指針の見直し及び定期報告という項目は、第十一条の6に定められている内容となります。

 このような枠組みで、基本指針の作成を進めてまいりたいと考えていますが、御意見を頂ければと思います。

○斎藤会長 どうもありがとうございました。資料2-1について御説明を頂きました。この基本指針の枠組み()について、御意見を頂きたいと思います。また、資料2-2、これまでの意見のまとめ、これは皆様から頂いた御意見を、この資料2の枠組みに沿って組み換えてあります。この、これまでの意見のまとめの中で、指針の枠組みとの紐付きが適切でないと思われるもの、あるいは議論が足りていないと感じられるポイント、あるいは掘り下げた議論が必要なポイント等々の御意見を頂きたいと存じます。

○園部委員 時間がないと思いますので、私から5点ほど、急いでお願いしたいと思います。まず1つは、この枠組み()の中の、第十九条の所です。疫学研究・基礎研究・臨床研究の推進、並びに成果が活用されるための施策について、第十条には予算を効率化・重点化ということになっています。是非お願いしたいのは、基礎研究についてはAMEDなどで予算が取れると思いますので、やはり疫学研究ですとか臨床研究、今まで厚生労働科学研究でやっていただいたところの予算がとても少なくて、もっと本格的な研究をしていただきたかったところだったので、こういうところに予算をしっかり取っていただきたいと思っています。

 それから、皆さんのこれまでの意見のまとめの中、2ページ目の所、「学校保健会・環境再生保全機構・患者会などの作成した既存の資料も視野に入れて活動を促す」という所についてですが、この会議の席でも提案したことが、少し記述が漏れていると思いますので、啓発及び知識の普及については、現在多くのアレルギーの専門医が関わって、良質な啓発資材を作って、主に自治体職員の研修などを行っている独立行政法人環境再生保全機構に委託し、啓発資材の作成や、国が行う研修などを担うことを入れていただきたいという提案を前にしていましたので、是非そのことを盛り込んでいただきたい。一部に環境再生保全機構が行っている寄金で行うという、何か誤解があったのかなと思っていまして、こちらからの提案は別の事業として、厚労省が予算を確保して、委託して行うという趣旨で御提案申し上げました。

 基本法の趣旨の1つは、各省が連携をして、総合的・法律的な対策を行うところにありますので、環境再生保全機構と厚労省が別の所で同じような取組を行うとすれば、その趣旨に反するし、しいて言えば二重行政として、いずれ仕分けされかねない危惧を持ちます。そうした作業に関わる専門医の先生方にも、倍の負担を掛けることになりますので、是非、厚労省は他の省庁と連携するという、もっと大きな議論をしていただいて、基本法の趣旨にのっとって、省庁連携で効率的・効果的な施策を行う必要があるので、是非、知恵を絞っていただきたいと願っています。

 それから、4ページ目の上から3つ目の黒ポツについてです。この発言は西間参考人、新田委員の御発言と記憶していますが、発言のニュアンスとだいぶ異なっていると思うので、是非確認させていただきたいのです。1つ目の黒ポツで、「日本の大気汚染のレベルは非常に低いところでの差を見ているので」とありますが、この低いところというのはどういう意味なのか、表現が曖昧すぎると思います。また、3つ目の黒ポツは、発言の趣旨が伝わっていないのではないかと思います。「大気汚染物質によるぜん息発症は、疫学研究では明確ではない。その原因の1つは、ばく露が定量的に評価できていない」とありますが、検査による検出限界量以下の極めて微量であるために、ばく露が評価できないという趣旨だったと理解しています。この記述では、しっかりとした研究が行われていないと受け取られかねない、誤解されかねないのではないかと思います。この点については是非、西間参考人に確認をさせていただきたいと思います。

 また、同じ3つ目の黒ポツに、「増悪については可能性は非常に高い」とありますが、ぜん息は発症・増悪ともに多因子性の疾患であると理解しています。ほかのどのような要因に対して、可能性が非常に高いのか、明確に記述する必要があると思います。これについては西間参考人の見解を是非伺わせてください。

 最後に、救急救命士さんに是非、救命講習のときにエピペンの使用について、タイミングというよりはシミュレーション、ロールプレイを一緒にという御提案を委員会でさせていただいておりましたが、その記述は全く抜けています。実は一昨日、青森県八戸市の消防本部の方々から、救命学会で報告したものですということで、エピペンの普及にはやはり救命講習第3のところに、カリキュラムに導入をして、救急隊と一緒に学校の先生方が研修をすることで、打つタイミングが遅れないで、確実に命を救うことができるようになると。先日公開された保育所のアンケート調査、全国でアナフィラキシーを経験した施設が14,000施設のうち654施設もあったという報告もありますので、やはりそういったことにならないためには、救急隊と救命講習をやるときに、カリキュラムに導入することが必要だと、救命の現場からもそういう声が上がっています。

 学校職員や保育所職員の方々からは、日頃から是非消防の皆さんに協力していただいて、エピペンを打つ体制作り、協力体制を作っていきたいという声が前から上がっておりましたので、是非このことも盛り込んでいただきたいと思います。では、西間先生、是非見解をお願いします。

○西間参考人 4ページのことですが、今言われて、文章は確かに誤解を招く可能性のある文章であります。例えば最初のポツの1つは、大気汚染のレベルは、過去の高濃度汚染のときに比べると低い。その低いところの差を見ています。サーベイランス調査がずっと行われていますが、「現在のところ、警報を鳴らして対策を取る、そういう数値の変化は、今までのところは認められていない。」と、そういう発言を確かにしました。

 それから3ポツの所は、ぜん息の発症自体が非常に多因子、いろいろな因子があって発症しているわけで、大気汚染だけが原因で発症しているわけではありません。それで日本の疫学調査の中では、最近の低濃度の汚染のところで見ると、これは因果関係は明確ではありません。それは話したと思います。

 それと、ばく露が定量的には評価できていないということはなくて、ばく露は定量的には評価できているのですが、先ほど申しましたように単一因子でぜん息の発症をどうこうというものではないので、ということを言ったと思います。

 増悪については、確かに大気汚染が強くなると、そのときに症状の増悪は認められていると。しかし非常に高いとは言っていないと思いますが、「認められる」という、そういう表現をしたと思いますが。

○園部委員 ありがとうございます。あと1点、最後に6ページです。災害対応の所で、123と載せてくださっています。「災害備蓄にアレルギー用ミルク等、アレルギー食を」というのは非常に曖昧で、これでは法律に基づいた指針としてはとても。ここの所は是非、母の会が提出しました御提案の中に、災害の対応の所に、平成258月に内閣府の防災担当で明確にされました、避難所における良好な生活環境の確保に向けた取組指針がきちんと出ていて、そこにどういうミルクやどういう食材があることが大事、又は炊き出しのときに、加工食品の表示をちゃんと明示しましょうとか、アトピーのお子さんだったらシャワーを浴びるのも、それも治療の一環なのだということが、きちんと明確に示されているので、そういった指針も落とさずにきちんと載せていただきたいと思います。

○斎藤会長 ありがとうございました。事務局からいかがでしょうか。

○魚谷がん・疾病対策課長補佐 園部さん、ありがとうございます。ここで記載させていただいている御意見というのは、議事録のほうからも抜かせていただいておりまして、そのまま指針になるとか、そういう話ではありませんので、もし誤解を招くような、園部委員におっしゃっていただいたようなポイント等がありましたら、御指摘いただければ結構ではありますが、細かいニュアンスの部分等は、あくまで御意見のまとめということで御理解いただければと思っています。

○荒木田委員 資料2-1を見せていただいて、本当にきれいに整理してくださって、分かりやすいなと思いました。ただ、幾つか疑問やお願いがあります。2)基本的な考え方で、確かに第三条〜第九条の所には、実は産業のことは余り載っていなくて、後ろのほうに事業主というのが、第十八条関係の所では載ってくるので、第三条〜第九条の所には、ここでは事業主は本来、安全配慮義務で労働者の健康や命を守らなければいけないのだけれども、ここには事業主は載ってこないのですね。だから、ここの中で事業主をどこにと考えたら、国民という中に入れて考えるしかないのかなと思うのですが、ですから労働衛生という所が、まずは2)基本的な考え方の中ではどこに入ってくるのかなという、これは疑問です。

 もう1つ、これは意見ですが、第十八条の所で第5となっていまして、第5の所では、「その他アレルギー疾患対策の推進に関する重要事項」と書いてあって、第1が「アレルギー対策推進に関する基本的事項」なので、それとの比較で重要事項ということで書いてくださっていると思うのですが、これは言葉のニュアンスなので申し訳ないのですが、「その他」というのは削除していただいてもいいのかなと。患者様の重要なQOLなどに関わる所なので、やはり「その他」ではないのかなと思ったことが1つです。

 その第51)の所で、2、のイの部分です。1つは、これから更に細かく分けていくのだろうと思うのですが、イの中には学校と産業が入っていて、「学校等の教員又は職員、事業主等に対するアレルギー」という形になっていて、学校と産業が入ってきています。でも、産業保健におけるアレルギーと、学校の日常生活におけるアレルギーと、被るところもあることはあるのですが、産業の場合は、いわゆる有害物質に関するアレルギーというのも入ってくるので、かなり意味合いは違ってくるかなというところと、それから、先ほどの就業制限だとかというところも、対策としても特殊なものが出てくるので、このイの所は学校と産業、事業主を分けていただくことができないだろうかというのが、もう1つの意見です。

 もう1つですが、このイの「学校等」の所で、できれば「養護教諭、栄養教諭をはじめとした全教職員」とかという形で、養護教諭、栄養教諭という名称を出していただけないだろうか、教職員も「全教職員」としていただけないだろうかと思いました。それは、やはり事故が起きたときに、養護教諭等がファーストラインに立つよというところと、栄養教諭の配置もまだ十分でないということも考えて、やはりそういうところに頭出しをしていただくと、それが励みになるというか、きっかけになるかなと思いましたので、そういう書き方をしていただければ、今後の発展につながるのかなと思いました。以上です。

○斎藤会長 ありがとうございました。事務局のほうで即答しづらい問題もあるでしょうが、いかがでしょうか。

○魚谷がん・疾病対策課長補佐 御発言、ありがとうございます。基本的に最初に申し上げましたように、基本法の書きぶりに基づいて、基本指針の枠組み及び記載をしていますので、文言を少し追加で等々に関しましては、少し検討させていただくという発言に留めたいと思います。指針を作るときにどう書くかというところもありますので、参考にはさせていただきたいと思います。

○海老澤委員 資料2-1の第三条〜第九条という所、基本的な考え方の2に「国、地方自治体」という所がありますが、資料2-2でこれまでの主な意見のまとめの8ページに、これは私が追記したものですが、「アレルギー疾患対策推進として求められていることは、国が縦割り行政、人事異動、中央・地方といった行政の非連続性をいかに改善するかが求められている」、つまりアレルギー対策を継続的に進める行政のシステムを作るということ。例えば文部科学省において前任が取り組んだアレルギー対策の仕事を継続する姿勢が、後任が来た途端に停滞してしまうこととか、あと、表示のルールを決めるのが消費者庁、実際の業務の刑事的な摘発等は厚生労働省、保健所の管轄が厚労省という、現在のこういう行政上の縦割りの問題があるということを自分は指摘したのです。それについて、例えば基本法の基本理念はア、イ、ウ、エと細かく書いていますが、2、の所にもう少し細かく、具体的に私が申し上げたようなことをきちんと書き込んでいただけないでしょうか。

 今回のことは、こういう大きなことを改善していくということが、非常に大きなものではないかなと思うのです。行政のシステムで、今までいろいろなことが切れてしまったりすることを、どうやってより良くしていくかというシステム作りですよね。そこのところを、少し時間は掛かるかもしれないですが、例えば連絡会を設置するとか、何かもう少し内容を加えていただけると有り難いと思うのですが、いかがですか。

○丹藤がん・疾病対策課長補佐 ありがとうございました。御意見を頂きましたので、その点についても検討させていただきたいと思います。

○海老澤委員 ありがとうございます。あともう1点ですが、第十四条(第十二条)と書いてある所の、アレルギー疾患重症化予防及び症状軽減に関する知識・教育の普及という所です。ここの所で、生活環境とか学校教育という、かなり細かいことに触れているのですが、今回はやはりもっと大きな視点に立って、例えば今、相模原病院でアレルギー情報センターというWEBサイトを持っているのですが、それはもともと厚生労働省の研究費で運営をしてきていて、しかしリウマチ、アレルギー情報センターと言いながら、ほとんどの人は見ていないのだと思います。

 今回、これだけ大きなことに取り組むときに、1つ目玉になるような、そういうきちんとしたWEBサイト、アレルギー対策の総合的なWEBサイト、これを全部新規に作れとは言いません。既存の情報でものすごく良いことをやっているものは、全国、各組織、いろいろなものがあります。学会を使ってもらってもいいし、文部科学省のサイトも。しかし今、何ができないかというと、そういう良い情報にたどり着けないというところが一番問題なのです。それをきちんと項目を整理する、あるいは地域とか、いろいろな発想があるかと思うのですが、そういうことをきちんと整理した上で、それぞれの所にリンクを張っていってつなげていくと、ものすごくいいWEBサイトで、ここに行けば国民の皆さん、アレルギーの情報が全部ちゃんと分かりますよという、そういうものをもう少し大きな視点で考えてみたらどうですか。いきなり各論に入るのではなくて、やはりもう少し、国民にどうやって正しい情報を普及啓発するか、それが非常に重要だと思うのです。それを、お金をいかに掛けないでやるかということも重要だと思うので、新規に作るというのは、もちろん時間を掛けてやっていかなければいけないところもあるかもしれないのですが、ただ、

今、皆さんがどこでその情報を取れるのかと?すごく困っているのです。例えば文部科学省の奥深いサイトに行かないと、学校のアレルギー対策の動画が載せてあるサイトにたどり着けないとか、誰もそこにはなかなか簡単にたどり着けないのです。あと、厚生労働省の保育課のWEBサイトにたどり着いて、それで保育所のガイドラインが初めて分かるというようなことです。

 だから、そういうことを全部統合するような、情報をきちんと整理する。そのためには、やはり全国でどういう有益な情報があるかということを、まず把握した上で、載せていけるものと載せていけないものを、例えば委員会できちんと管理していくとか、そういうことが必要ではないかなと思うのです。

 それを、例えば研究班の3年間の研究費だけで運用させていくようなやり方ではなくて、きちんと厚生労働省の疾病対策課が主体となって、どこかに委託してでもいいですから、継続性を持ってやっていくこと、そういうことが重要ではないでしょうか。

○丹藤がん・疾病対策課長補佐 御意見、ありがとうございます。先ほどの予算の点については、研究費ではなくて委託事業ということで、そちらのほうで今、対応させてもらっているということ。現在の厚労省のWEBサイトの仕組みについてはそうです。

 統合的な情報提供体制の仕組みについては、まず今回、この議論については、法に基づいて基本指針をどのような枠組みにするかという観点で、枠組みの案を示させていただいたということでして、おっしゃるとおり、例えば第21)では、どのようにして知識を普及していくかということ。それから、それだけではなくて、例えばその他の体制の中身の話ですとか、そういった実際、医療従事者にどのように情報提供していくかということも含めて、そういった大きな示し方というか、方向性というのもあると思っています。

 それが、どのようにそれぞれの枠組みに対して対応していくのかということも、別途、合わせてこれから検討していきたいと思っています。御意見、ありがとうございました。

○斎藤会長 継続的、長期的、統合的、そういう文言を入れてほしいという意味だと思います。

○丹藤がん・疾病対策課長補佐 はい、そこも検討させていただきます。ありがとうございます。

○武川委員 武川と申します。1つは、先ほど荒木田委員がおっしゃっていた問題ですが、事業における公害とかそういうものだけではなくて、アレルギー疾患にかかってっている患者、即ちぜん息患者やアトピー性皮膚炎患者が、実際就労上の問題でいろいろ悩んでいるわけです。しかもその様な病気を持っている、との声を上げられない状態であるということで、非常にゆゆしき問題になっています。そういったことがこのアレルギー疾患対策基本法によって、独立した条文の中で事業主の守るべきことを決めて、それを通して国民へ浸透させていくという方が、普及啓発とかいろいろな対策が進んでいくのではないのでしょうか。これまでも厚生労働省には、いろいろと一生懸命にやっていただいて、かなり施策等は出尽くしているような感がありますけれども、より普及啓発が進むためにはそういったことも一考すべきと考えます。また、毎回申し上げているのですが、つい先日2016年の政府からの骨太方針が新聞に出ていました。この際にも、今年度における目標というものを、こう自治体は持ちなさい。ということを言っているわけです。その一文を申しますと、今年度末までに全ての都道府県で地域医療構想の策定が完了するよう必要な支援を行い、病床の機能分化、連携を推進するというように出ています。当然ながら我々患者はどのような施策、構想があっても、最終的には全ての施策が混然とした中で医療を受けるわけです。ですからこういった大きな骨太方針が出ている中で、アレルギー疾患対策基本法というものを、どちらかで合わせていただかないと、どうしても実現が見えてこないのです。その辺のところはいかがなものでしょうか。

○丹藤がん・疾病対策課長補佐 御意見ありがとうございます。御指摘の、都道府県が策定する地域医療構想については、恐らくそういった担当部署当局と我々のほうでまた連携を取って、進めていかなければいけないというように思っておりますので、御意見ありがとうございます。そのように検討したいと思います。

○武川委員 私が申し上げたのは、地域医療提供体制における、患者、医療提供者、行政その取組の構図をもっと見える化して、どこに問題があって、どのような体制をとれば効率よくできるのかというようなことを、アレルギー疾患に対しても、考慮してやっていただきたい、そういった融合体制を作ってほしいということです。

○丹藤がん・疾病対策課長補佐 御意見ありがとうございます。指針の枠組みの案の中でも医療提供体制の確保に関する事項の中で、そのような体制を取れるよう整備をするようにという枠組みがありますので、どちらも検討させていただきたいと思っております。

○岡本委員 岡本です。アレルギー診療で大きな課題の1つは、医師の偏在があると思うのです。アレルギー疾患に対する十分な治療が受けられない地域が多数あり、専門医が非常に不足している。それは先ほど武川委員がおっしゃったように、地域医療のこととも関係していると思いますが、この問題を解決するためには、各地域にアレルギー疾患に対応する拠点施設を作る必要があると思います。拠点施設ではアレルギー対策についての取り組んだ内容をきちんと報告をしていただき、その評価をする、一方で予算的にある程度のサポートももちろん必要だと思います。少なくともアレルギーに対する地域医療の充実を図り、国民がどこにいても同じような高いレベルでの診療を受けられなければなりません。第十七条とか、第二十条に記載していることと関係してくると思いますが、このようなアレルギー治療の均点化が必要と思うのですが、いかがでしょうか。

 このようなアンケート調査に対する対応を見ても大きな開きがあって、特に医療過疎と言われているような所はほとんど対策ができていません。アレルギー治療の拠点施設を整備して、実際に有効な対応を企画し、どこでも一定の高いレベルの診療を提供していくことが必要ではないかなと思いますが、いかがでしょうか。

○斎藤会長 第3-3)が割とあっさり書かれていますけれども、均てん化で非常に重要な項目ですので、もう少し書き込んだほうがよろしいのではないかということですが、何か事務局からありますか。

○丹藤がん・疾病対策課長補佐 今日ここにお示しさせていただいたのは、あくまでも枠組みということで、その中身について、今日の御議論あるいはこれまでの御議論を踏まえてしっかり書き込んでいくという作業がこれからあると考えています。これまでの先生方の御議論をいただきながら、事務局としてもそこはどのようにすべきかと悩んでいるところがその医療提供体制の在り方の部分だと考えています。拠点となる病院とか医療施設に対して、そこがどのような役割を果たしていくのかといったところは、恐らくそれぞれ先生方でイメージとか考え方は違っているというように我々も受け止めておりますので、そこは引き続きこれからその指針をしっかり膨らませて、充実させていく中で、御議論をいただきたいと思っている点です。よろしくお願いいたします。

○斎藤会長 皆さんからもっと実効性のある代案があればという、そういうことですね。

○今井委員 今井です。枠組みがなければ先には進みませんので、まず枠組み作りというのはもちろん基本ですけれども、私は学校や保育所における食物アレルギー対策に関してずっと関わってきたわけですけれども、その担当省庁が一定の方針をしっかり枠組みを作って、手取り足取りこうやるのだというようにしても、結局現場ではなかなかそれが実施されていかない。文科省と厚労省では、その給食の対応というのは若干学校のほうが進んでいたりする部分がある、組織として文科省があって教育委員会があって1つの縦のつながりがあるのと、3年前に死亡事故があったというのが1つ理由だと思います。

 また、保育所は認可とか認証とか様々な、それこそ自治体によって、縦の組織が違ったりするところも要因だとは思うのです。結局枠組みを作ったとしてもそれが形骸化していって実効性のないものであっては意味がないわけですので、今回のお話は省庁間で横断的に取り組まなければいけないことだと思うのですが、その辺りに関しては今後の議論なのかもしれませんけれども、連携はしっかりあるのかどうか。また今後その辺りを密にして進めていくことになっているのかどうかの辺りをお伺いしたいです。

○丹藤がん・疾病対策課長補佐 御意見ありがとうございます。もちろん法の中でも国としてそのアレルギー対策を進めていくことになっておりますので、そこはきちんと各省庁と連携して進めていきたいと考えております。

○岸平委員 アンケート調査を見せていただきまして、対策をされていない市町村があるということを見て、今日びっくりしたのですが、そういう市町村にもアレルギー疾患のある児童生徒はいるはずだろうと思って、そこでは子供たちはどのようにしているのかなと、今日はちょっと思ってしまったところです。頑張っている市町村は本当にあると思うので、その地域格差みたいなものをどうやったら解消できるのかなと思ってしまいました。その辺りの格差がなくなっていくような対策が取れるといいなと。私どもの千葉市では一生懸命やっているつもりではあるのですが、千葉市で給食を食べてきた子たちがほかの対策をしていない市町村に転校してくこともあるだろうし、そういうときに同じような対応をしていただけるには、やはり文部科学省と厚生労働省が手を取り合ってというか、そういった対応が必要なのかなと思いました。

 あと、学校での対応ということでは、もちろん養護教諭、それから栄養教諭、学校栄養職員が中核となっていくというところですが、やはり管理職の理解がないと研修会にも出していただけないというところがありますので、管理職の意識改革のところも視野に入れていただけるといいかなと感じました。

○斎藤会長 取りあえず皆さんにどんどん今日は御意見を頂くということで、ほかにありますでしょうか。

○山口委員 第3のアレルギー疾患医療を提供する体制の確保に関してのコメントです。特に専門的なアレルギー疾患医療提供機関の条件としては抜け落ちているかもしれないのですが、臨床検査、例えば呼吸機能検査は重要です。実際にそこで行っているのは検査技師なのですが、技師のレベルというのも重要だと思います。特にぜん息においては呼吸機能検査がきちんとできることは勿論ですが、気道過敏性試験とか、あるいはめったにやらないのですが抗原の吸入誘発試験についても必要あれば行えるだけの質や人員がちゃんと確保されている体制が必須と思いますので、臨床検査やそれが可能な技師のレベルについても言及していただいたほうがいいと思います。

○海老澤委員 先ほどの岡本先生とか山口先生がおっしゃっていた医療体制の提供に関して、多分一番簡単に実効性をもってできるのは、(最近専門医制度の話題、どうなるか分かりませんけれども)、日本アレルギー学会で管理しているアレルギー専門医制度がありまして、私は担当理事なのですが、そこの教育研修施設が全国で約572ぐらいあります。それらの施設でオールラウンドに内科、小児科、耳鼻科、皮膚科、眼科この5科が全部揃うというのは全国ではなかなかないです。ただ、4科だったらあるし、3科だったらあるということで、漠然と基幹施設を構築しようといっても難しいと思うので、学会と連携して、条件として指導医が何名いてとかいろいろなことがあると思いますが、是非日本アレルギー学会のアレルギー専門医制度を活用して頂きたいと思います。今全国で3,000名ぐらいのアレルギー専門医を排出しているのですが、あと指導医が今670ぐらいおりますので、そこと連携してやっていくというような道筋をつけていただければ、比較的具体性をもって進めていけるのかなという気がいたします。御検討ください。

○斎藤会長 ほかはいかがでしょうか。新たな御意見でも結構です。

○坂元委員 今のアレルギー専門医に関してのお話ですけれども、ちょっと今は専門医制度についてもめていると思うのですが、日本専門医機構が専門医をどうするかという中で、恐らくアレルギー専門医というのはその中の2階部分だと思うのです。例えば専門医機構や学会主体でやることで、ここは自治体にとって非常に悩ましいのは、自治体がそういう専門医の地域別配置とか養成を調整しにくいというところなのです。例えば関係学会で、ある所だけに専門医が集中するとか、専門医の取得に際して、いわゆる病院への配置とかというものを工夫して、専門医がなるべく偏らないというものを考えていただけると、自治体にとっても非常に有り難いというように思います。一定の統一的な基準で専門医が養成されていることは非常に評価しますが、専門医の偏りをどうやって是正するかというのはなかなか自治体のほうでもコントロールできない部分なので、何かそういう工夫を、学会とか専門医機構と協力してやっていただければ、アレルギー治療の地域差是正や標準化治療の均てん化というのもがもっと進んでいくのではないかと思いますので、是非、学会の先生方にはよろしくお願いいたしたいと思います。

○海老澤委員 おっしゃるとおりに、やはりどうしても関東と中部と京阪神、あとは100万都市ですか、札幌とか福岡、政令指定都市、そういった所は専門病院が、あと教育研修施設が集中してしまっているというのは事実です。あと地域差があるというのは、アレルギー専門医だけの話ではなくて、結局人口密度対病院の設置状況、それと内科とか小児科とかの基本領域の所も同じようなのです。国土面積に関して言えば広範囲だけども、人がそれだけいなくなったときのその医療をどうしていくかというのは、グランドデザインをどう描いていくかということで、厚生労働省のきっと大きな仕事の1つではないかなと思います。だから私らとしてもなかなかそこの辺りを格差をなくしていく努力はしなければいけないのですが、ただ、その人口が薄くなっていった所をどうやって、救急だったらヘリを使うとか、いろいろなことが可能性あるし、あとインターネットをつないで、専門医がインターネットを通して、診療を一緒に手助けしたり、いろいろな工夫がきっとこれからはあるのかなと思うのです。先ほど話した拠点病院というのはそういうのをイメージしていて、果たして1県に1つ置けるのかどうかということも、私は具体的にはよく分からないですけれども、少なくとも例えば北海道東北とかのブロックには1つは当然なければいけないだろうし、できたら都道府県には1つなければいけないだろうと思うし、それをより薄いような所には、学会としてもより力を入れて、研修会みたいなのを積極的に開いいく必要があります。アレルギー疾患は専門医だけではなくて、一般医のレベルアップというのも逆に非常に重要な側面がありますので、学会として重要なのは、もちろん専門医の育成もそうですけれど、開業医への啓発活動も非常に重要な側面で、そこまでは私たち学会としてやりきれていないなと感じています。多分それにはきっと均てん化の1つの施策につながっていくのかなとは思います。これから一生懸命、努力はいたします。

○斎藤会長 国のサポートももちろん必要です。

○栗山委員 ずっと専門医のお話だったので参加できなかったのですが、今、海老澤先生が言ってくださったように、私たち一般の患者というのは、遠くの専門医だけにかかれるわけではないので、学会と医師会などと一緒にかかり付け医というか、非専門医の先生方にお力を着けていただくことを盛り込んでいただきたいなと思います。海老澤先生の最後のほうに言っていただいた、専門医はもちろんそうですが、一般の先生方の養成も一緒にしていただきたいなと思いました。

○海老澤委員 アレルギー総合ガイドラインとかを作りますが、勿論こういうものがまずあるというのがすごく重要なことです。しかし、一番大切なのは普及啓発なのです。一番困るのは、ガイドラインを普及啓発しようと思っても、熱心な先生は必ずやってくれるのですが、熱心ではない先生とか、大多数のいろいろな業務で忙しい先生方をどうやって巻き込んでいくかというのがすごく重要で、その場合私たちの方からこういうのをやるから来てくださいねというと、なかなか来て頂けなくて、小さな単位の医師会とかそういう先生方がしょっちゅう出てくる場所に、私たちが自ら乗り込んでいくというのが必要です。そうすると初めてこういうガイドラインを作ったものが実際に見ていただけて、講演や討論をしたりするといいのです。例えば日本アレルギー学会でこの前、学術集会がありまして、そこに5,800名の人が来たわけですけれども、それで来てくれる人たちは全然問題ないのです。しかし、大多数の残りの方というのはそこにお忙しくて来られないわけで、そういう方に対して、どのようにアプローチしていくかというのが非常に重要で、均てん化ということを具体的にやろうとすると、やはりそういったところになかなか来ていただけない先生方に、どうやってアクセスしていくかというところが最もキーになるのだと思います。

○岡本委員 私は千葉から来ていますが、東京の隣の千葉も非常に医療過疎が大きな問題になっています。先ほど「人口が減っているから」という話でしたが、そうではなくて、逆に医療が成り立っていかないから、アレルギーも含めてですが、医療がうまくいかないから人口が減っているという面もあります。若い人が住めないという面も絶対に否定できないと思うのです。

 そういう意味でも、少なくとも県単位で拠点施設を作って、県という単位が適当かどうか分かりませんが、県と十分にコラボレートしながら、程度行政とタイアップして、その地域の一定の責任を持っていただく体制を作る。その拠点病院にはアレルギーを熟知し、トレーニングを受けた看護師なり保健師なりも置いて対応の窓口を作って、医師の教育も行う。そういう形を作っていくのが一番現実的ではないかと思います。

○坂元委員 非アレルギー専門医のレベルアップというのは、今自治体でも、中には環境再生保全機構から予算もらって医療従事者のレベルアップのための研修会をいろいろな所でやっていて、川崎市でもやっていますが、一番参加してもらえないのが医師というところで困っています。インセンティブがないからと思います。

 ただ、それは国の施策ではないからそうなのか、例えば鬱病に関しては、今は鬱病の患者はプライマリ・ケアの内科の先生などに多くの患者さんが受診するので、つまり最初から全部の患者が精神科医にいくとは限らないというので、一般の内科の先生などに鬱病のプライマリの患者を診られるようなレベルアップ教育を国が事業として自治体を介して医師会に委託して事業をやっているというのがあり、かなり成果を上げております。アレルギーもそういう意味で、ある程度国が事業化すれば、医師会にも取り組んでいただけると思うのです。今は個々の自治体任せになっているので、医師会の先生が「その研修会に参加するとどうなるのですか」という疑問もあるので、うつ病の場合と同じ仕組みとして作っていけば、自治体としてもそれをバックアップできるのではないかと思っています。

○武川委員 非常にいい議論をしていただいているのですが、患者の立場から申しますと、今お話していただいている議論が、制度として患者や国民に見える形のものにしていただきたいと思うのです。

 例えば今言われる専門医、かかりつけ医にしても、アレルギーに関して、かかりつけ医がどのレベルの知識を持てばいいのか、国民はどのレベルを持っている医師がかかりつけ医になっているのかということが分からないと、かかっているほうもよく分からないのです。専門医なのか専門医ではないのか、どこまでその先生に付いて行ったらいいのかということが、分からないのです。

 特に困るのが、小児から成人になっていく過程で、小児から成人になって病気が治る人もいますが、治らない人もたくさんいらっしゃるわけです。そこにまた医療費が絡んできて、医療費が無料だったのが有料になってくるということになります。成人になったがゆえに、経済的側面と受け入れ診療科問題とで、アレルギー医療難民になってしまう、どこへ行っても解決できない。先生方にたらい回しにされる恐れが十分にあるということです。

 そういうことで、私どももそういった相談を結構受けるようになってきたのです。ですから、単純な相談ではなく、それぞれの患者に即した中で、自分自身が診療所、クリニック、病院といった所でもなかなか受け入れてもらえないという問題が発生しておりますので、そういったことを踏まえた制度にしていただければと思っております。

○斎藤会長 掘り下げた議論が必要なポイントとしても均てん化というのは当然そうなのですが、そのほかのこと。

○今井委員 均てん化も非常に重要なことだと思うのですが、特に小児科ですので、まず患者の入口になるのは保健所の健診で、ここは3か月健診など、全員通過してくるので、そこで私も健診をしていると、横の保健師が明らかにステロイドに関して不適切なアドバイスをしているということもあります。あと、保育所や学校の先生方にいつも言うのは、その先生方がアレルギーに対して正しい情報を得ることにより、医師までたどり付かないような患者方を先生方に見付けていただいて、正しい医療につなげていっていただく働きもあるということです。

 そういう点で、全ての患者たちが通過する保健所、学校の辺りの能力を高めていっていただくというのも非常に効率的な均てん化につながる施策だと思っています。

○荒木田委員 御指摘いただいたように、乳幼児健診等で早期発見、保健指導が十分にできていないところは、保健師の立場でも十分に感じております。

 最近の保健師のことを言いますと、アレルギーに対する勉強、保健指導というところにウェーブが起こっていないのです。今、特定保健指導やメンタルヘルスといったところでは、勉強会などがすごく盛んです。そして、アレルギーに関して保健師の研究がどのようなものがあるのかというとほとんどないし、保健師の情報誌で、アレルギー疾患に関する特集が組まれているかというと、それも最近はないというのがあります。

 先生がおっしゃるように、全員が通過する妊娠、乳幼児健診というところで、是非的確な保健指導ができるような、あるいは早期発見と保健指導ができるような育成がすごく重要だと思っております。基礎教育と継続教育はすごく必要だと思うので、是非そういったところについて、「育成」とは書いてありますので入っていくだろうと思いますし、希望するところです。

 それと、これを見ながら悩んでいたところなのですが、第2の所に「アレルギー疾患の予防のための施策」と書かれているのですが、中を見ると予防という観点ではなくて、重症化予防なのだと思っております。重症化予防はもちろん重要なのですが、予防の観点の書き込みはもう少しできないか、あるいは対策は組めないものかということを感じたところです。

○斎藤会長 一次予防、二次予防、三次予防とありますが、事務局は分かりますか。

○魚谷がん・疾病対策課長補佐 法律上こういう記載になっており、本来の予防とは何をすればいいのかというところが難しいのかなと思われます。基本法としては、重症化の予防が書かれているという形にはなっております。

○荒木田委員 それほどよく分かっているわけではないのですが、妊娠期間の指導というのは、余り効果がないのでしょうか。

○今井委員 ないです。

○荒木田委員 そうしたら、生活環境における予防ということですね。

○園部委員 前にも発言させていただきましたが、乳幼児健診に当たっている保健師の間では、乳児湿疹がこじれて、食物アレルギーかアトピーかと悩んでいる患者が現場にはものすごくいるのです。保健師も悩みます。でも、そこで主治医がいると思うと、一歩引いて差し障りのない指導で終わっているので、中にはものすごく重症化してしまう患者たちがいます。

 大阪狭山市や横浜市では、スキンケア指導をしていくことで、せめてアトピー性皮膚炎の発症予防にならないか、又は食物アレルギーを発症していたとしても、皮膚がきれいになっていくことで早く食べられるようになっていくのかなという最近の知見もあって、また長年研修をし続けてきた地域だからこそ、乳児湿疹で悩んでいる患者たちが少しでも適切なスキンケア、又は軟膏療法を知ることによって健康回復ができる。そういう十分な指導を医療機関でなかなか受けられないがために、そこをフォローして、保健師が病気の発症予防に貢献できたら、保健師もモチベーションが上がるということで、試みの取組を始めている地域もあります。

○斎藤会長 一次予防に関してまだ十分なエビデンスはないのですが、それほど問題のある指導方法でなければ、先駆的に取り組んでいることに対して、よろしいのではないかということです。予防法が全くないわけではないですね。

○海老澤委員 相談員は保育士、保健師、行政に関わっている方、栄養士など、いろいろな職種の方がいますが、厚労省の疾病対策課で今までやってきた相談員研修会があります。

私は10何年か携わっています。疾病対策課自身がやって、厚労省の共同会議室に人を集めて行ったりしていたこともあります。最近は予防医学協会に委託して行っていると思います。

 私はやり方をもう少し工夫しなくてはいけないのだと感じています。相変わらず、全国何箇所に医師や専門家を派遣して、講演して、周知して、人を集めてということをしているのだけれども、果たしてそれが本当に、機能的に十分にファンクションしているのかどうか。

 先ほど「アレルギーは盛り上がっていない」という話がありましたが、盛り上がっていないならしようがないのかもしれませんが、これだけネットの社会になっているのですから、私たちがもっとアクセスのいい、毎年新しくアップデートする必要があるのであったらオンラインのサイトを作って、こういうものを厚生労働省疾病対策課として作ったと言って、全国の行政の人はアクセスして最新の情報を取り入れてくださいと。そういうお金の使い方というのはあるのではないですか。委託して、余り機能的にできていなくて、お金がもったいないと思っています。いつも講師として電車に乗って行くのですが、行った先に20人とか10人しか聴いてくれる人がいないとか、そういう所に行くというのは、自分自身も時間の無駄だと思うし、そうしたら全国の何千人、何万人といらっしゃる人たちに向けて、先ほどの総合的なWEBサイトの一部分でもいいから、そういった所にオンラインの動画を載せて、この辺の専門の先生を何人か捕まえて、管理栄養士の知識を持っている人、保育士などで、どのように健診のときにアドバイスするとか、そこに具体的なものを載せたらいいと思うのです。

 例えばそれを疾病対策課から、各地方の健診をしている所にきちんと情報提供して、これを見なさいと、これを見なかったら健診の場所に行ってはいけないとか、それぐらいのことをする。そういうことはアイディアと発想だと思うのです。石原元都知事ではありませんが、同じことをずっとやっていればいいというものではなくて、お金を使うならもっといい使い方があるということで、それは創意工夫だと思うし、時代がこれだけインターネットでそういうこともできるようになっているのだから、単に電車で行って、会場を押さえて20人とか、30人とかの講演をするのは、やりました、実績だというならしようがないですけれども、もっといいやり方があるかなと思うわけです。

○斎藤会長 飴と鞭の鞭のほうは難しいかもしれませんが、インセンティブといって、やはり国で保障していただいたほうが相当効果はあると思います。是非検討していただきたいと思います。

○山口委員 先ほど「盛り上がりがない」というご発言もありましたが、内科にとっては非常に耳が痛い話です。何度も御指摘いただいているのですが、成人で、例えば息が苦しいといえば呼吸器に行くというのは分かりやすいのですが、どこにかかったらいいか分からない症状だと患者は本当に困っておられます。この制度によって、アレルギーと思われる症状がある方は、こういう医療体制が構築されていますのでその中でかかってくださいということが明示されれば、国民にとっては分かりやすいと思います。現在我々内科においては、ぜん息以外のアレルギー病態に対して診療できる医者というのは、かなり減ってきているのが実際です。

 昨日、私自身も外来にそのような患者さんが来られたので、4050分間対応して、アレルギー免疫療法などの話をしたのですが、かなりの大病院を経てきても受けたい治療について説明がもらえず苦労している方をよく経験します。具体的に専門の医療を提供すべき病院はこういうことができるべきであるというようなことを出していただければ、内科のアレルギー領域にとってはかなりの効果と盛り上がりが起きるのではないかと期待しています。

○斎藤会長 本日の御意見を伺うことに関しては、十分に御意見が出るという時間はなかなか取れませんでしたので、後ほど事務局からメール等で御意見を伺うことも考えているとお聞きしています。また、次回ですが、本日議論いただいた均てん化等の重点項目について、また更に掘り下げた議論をしたいと考えております。

 一応、本日の御意見とメール等で寄せられた更なる御意見について、事務局でまとめていただいて、次回の資料用に作成をお願いできればと思います。

 司会の不手際で議論が拡散してしまったことはあるのですが、予定されていた議事は終了いたしました。そのほか、何でも結構ですので、御意見がございましたらお願いいたします。

○武川委員 今までの議論を踏まえて、今日、日本医師会の代表委員はいらっしゃいませんが、日本医師会側としては、地域医療提供体制の中で、アレルギー疾患診療のどこら辺ができるのか、どういったレベルまで考えることが妥当なのかといった御意見を是非この場で頂ければ有り難いと思っております。

○園部委員 今後の予定を教えていただきたいです。本当は一つ一つがすごく大事なテーマなので、テーマを決めて、その関係省庁に来ていただいて話を伺いながら本格的な対策を討議すべきだと思いますので、今後はどのような計画でいるのかを是非教えてください。

○魚谷がん・疾病対策課長補佐 今日の協議会の議論を踏まえて、会長からも次回以降に議論を深める場を設けていくという話がございますので、そういう場を設けて進めさせていただければと思っております。

○斎藤会長 次回は722日の15時からなのですか。

○魚谷がん・疾病対策課長補佐 次回の開催日に関しても、事務局から御連絡差し上げるということで考えております。

○海老澤委員 先ほどの間違った知識でいろいろなことをしている人がおられるという話に関連してです。その根本的なところは大学教育のカリキュラムに問題があるのです。例えば管理栄養士が現場に出て一番戸惑っていることというのは、大学で学んだことと現場でやることが全く乖離しているのです。

 それはどういうことかというと、栄養学科の教諭が全くアップデートできていないのと、古い知識に基づいた教科書を使っているという2点です。そういうのを正していかないと、「臭いものは元から断たないと駄目」という言葉があるぐらいで、そこら辺もきちんと根本的にやらねばいけないと思います。

 私は個人的には、知り合いが栄養大学の教授をやっているので、私自身が7月末に乗り込んでいって、4年生、3年生の辺りに教育してしまおうかと思っているのですが、そういう個人的なことではなくて、組織だった動き、古い知識の教科書で勉強して、時代遅れの知識で教えている大学教授がいるということを何とかしなくてはいけないのです。2030年前の知識でやっている栄養学科の教授が平気でいるという辺りも、正していかなくてはいけないと思うので、これは栄養学科だけではなく、看護学科もそうかもしれないし、いろいろな所でそういう問題はあるのかなと思うのです。だから、大学教育自体をきちんとしなければいけないと思います。

○荒木田委員 先生の御発言は本当に有り難いと思います。看護の立場で言いますと、アレルギーに関して国家試験の出題基準を調べてみましたら、看護師のほうは「アレルギー」というキーワードが入っていてアレルギー疾患のことが出てくるのですが、保健師の出題基準に「アレルギー」という項目はなかったのです。

 これは今ちょうど出題基準を見直す時期でもあるので、何とか入れていく動きをしなければいけないと思っているところです。基本法ができていることもあって、そういう波はあると思っております。

 これをきちんとまとめて教える所がないので、非常に重要な御意見だと思っております。ありがとうございました。

○斎藤会長 まだまだほかにあろうかとも思うのですが、ほぼ時間となりましたので、本日の協議会を終了したいと思います。事務局から事務連絡をお願いします。

○魚谷がん・疾病対策課長補佐 次回の協議会の日程、場所等の詳細は追って御連絡させていただきます。よろしくお願いいたします。

○斎藤会長 委員の皆様、長時間にわたりお疲れ様でした。これをもちまして、本日の協議会を終了させていただきます。ありがとうございました。


(了)

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