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2016年5月27日 新たな地域精神保健医療体制のあり方分科会 第3回議事録

社会・援護局障害保健福祉部精神・障害保健課

○日時

平成28年5月27日(金)10:00〜12:00


○場所

東京都千代田区霞が関1−2−2
厚生労働省 専用第14会議室(12階)


○出席者

伊澤構成員、伊藤構成員、荻原構成員、籠本構成員、河崎構成員
佐竹構成員、田川構成員、樋口構成員、近森構成員、中板構成員
長野構成員、広田構成員、藤原構成員、吉川参考人、田村参考人

○議事

○樋口座長 皆様、定刻となりましたので、ただいまより「これからの精神保健医療福祉のあり方検討会第3回新たな地域精神保健医療体制のあり方分科会」を開催させていただきます。

 構成員の皆様方におかれましては、ご多忙のところ、ご参集いただきましてまことにありがとうございます。

 では、資料の確認と本日の出欠状況について事務局からお願いいたします。

○鶴田課長補佐 配付資料の確認をさせていただきます。

 お手元に、資料1から資料4として、本日の関係団体ヒアリング用の資料として提出された資料をお配りさせていただいております。

 資料1は、公益社団法人日本精神神経科診療所協会から提出されております資料になります。ヒアリングの発表者は田川構成員となっております。

 資料2ですが、一般社団法人日本精神科看護協会から提出されている資料になります。発表者は吉川様となります。

 資料3ですが、一般社団法人日本作業療法士協会から提出されている資料になります。発表者は荻原構成員になります。

 資料4ですが、公益社団法人日本精神保健福祉士協会から提出されている資料になります。発表者は副会長であられます田村様からということになっております。

 それ以外に机上にお配りしております資料としては、これまでの主な意見を取りまとめた資料と、あとは広田構成員より提出された資料を机上にのみ配付させていただいております。

 以上について、足りない資料があれば事務局までお申しつけください。

 よろしいでしょうか。

 次に、本日の出欠状況ですが、神庭構成員、松田構成員、松本構成員から欠席のご連絡をいただいております。

 ただいま、広田構成員が遅れているといった状況となっております。

 以上となります。

○樋口座長 ありがとうございました。

 それでは、早速、議事に入りたいと思います。

 本日は、ただいま紹介のありました4つの関係団体からのヒアリングを行うということでございまして、各団体約15分程度でご発表いただいた上で、その内容について、構成員の皆様から質問、ご意見をいただくということでやってまいりたいと思います。初めに4団体からのヒアリングを一括してやっていただきまして、その後にディスカッションとさせていただきたいと思います。

 それでは、早速ヒアリングに入りたいと思います。

 まず、日本精神神経科診療所協会からお願いいたします。田川先生、よろしくお願いいたします。

○田川構成員 日本精神神経科診療所協会の田川です。

 きょうは、「地域に根ざした精神科医療の視点から」ということで、そういう中で事例を入れながらご報告させていただきたいと思います。

 まず、2枚目のスライドですけれども、これまで20万人とも言われる長期入院者をいかに地域に移行させるかという視点でいろいろな議論がされてきたと思います。

 しかし、多くの入院者が退院したとしても、それをサポートする体制が貧弱であれば、また入院を繰り返して回転ドアになってしまうということが1点あるのと同時に、これまであまり触れられてこなかったのですけれども、今、我が国は300万人とも言われる地域で暮らす精神障害者がおられるわけです。

 この前、安西先生からのご報告がありましたけれども、いわゆる重度かつ慢性という基準に当てはまる、地域に住んでおられる精神障害者も大勢おられるわけです。その方が、入院したくない、地域で暮らしたいと言われたときに、それをどう支えるか。そのような視点をしっかり持っておかなくてはいけないのではないか。

 そこにHospital basedからCommunity basedという形で書きましたけれども、病院からではなく、その方は地域の中で発病されていろいろな困難を持っていかれるわけですから、地域に視点を置いて、そこからの視点で考えなくてはいけないと思います。

 例えば、診療報酬を見ていても、これだけの間入院した方はこうであるとか、あるいは、アウトリーチの議論をしていても飛んでいって問題を解決するというイメージがあって、アウトリーチは、そこからがスタートで、その方を長い時間的経過の中でどうサポートするか、むしろ問題解決ではなくて始まりだと、我々地域で診療所をやっている者としたら感じるわけです。

 それと、あまりこれは触れられてこなかったのですけれども、もう一度、一番大事なのは、強制ではなくて主体的な暮らしを尊重して、その方が豊かで安定して、どのぐらい充実した生活を送れるか。これを大事にしながら地域でのサポート体制を考えなければいけないのではないかと思います。

 そういう中で、精神科診療所というのは、地域にあって、精神科領域でもさまざまな専門性を持った先生方が診療所をやっておられます。そういう専門医がこれだけ地域にあって、さらにフリーアクセスで受診できる環境は、世界的に見てもとても珍しいと思います。我々精神科診療所としたら、こうした社会資源を有効に活用していただいて、我が国の精神科医療保健福祉がもうちょっと豊かで充実したものになるようにということを願ってやみません。

 次に、診療所の事例です。

 小規模診療所が地域連携体制を形成し、地域に向けて力を発揮するときということで、紫藤クリニックです。

 高田馬場の近くで開業されて19年のクリニックなのですけれども、スタッフの構成を見ていただいたらおわかりだと思うのですが、医師が1人です。それから、心理のパートの方が3名、あと事務という形で診療所をやっておられたわけです。もともと心理療法を重視した診療所なのですけれども、そこへ精神保健福祉士を1名雇用して、いろいろなことが変わったということをご報告されています。

 まず、診察時の同席者、つまり、同席面接です。これがどどどっと増えたということです。全患者数の3%ぐらいが同席面接になってしまった。それまではほとんどなかったようです。あってもご家族ぐらいだったそうです。

 それと、電話がばんばん増え始めた。精神保健福祉士が月に43件と書いていますけれども、1件当たり毎日電話のやりとりをしたとか、43件のいろいろな問題を電話でのやりとりで何とか解決しようとしてきた。

 その次、事例ですが、70代女性、統合失調感情障害、独居の方ですが、この方が20代で発病されて、5回の入院歴があって、結婚された後、離婚されて、ずっと別の診療所に通院されていたのが、9年前からここの紫藤先生のところに通院されるようになった。

 非常に質素な暮らしぶりで、長年保護費をためておられて、その預金が判明したため生活保護が停止される。生活保護が停止された後、生活不安とか支払いであるとか、健康保険の手続などでどうしていいかわからなくなって、この頃からすごく入院の希望が診察場面であったそうです。

 ちょっとこれは大変だということで、精神保健福祉士に何とかということで指示をして、精神保健福祉士が本人宅を訪問して状況を確認し、まず、生活保護のケースワーカーに事情を聞いて、ちゃんとフォローをしてほしいということを依頼しています。あわせて、介護保険にかかっているわけなのですけれども、そのケアマネージャーにも状況を報告して、サポートしてほしいというつなぎをしています。

 なかなかこの精神保健福祉士はやるなと思うのですけれども、切れてしまった福祉事務所の担当者が、保護停止後も月に1回本人宅を訪問するようになった。これでご本人は、何かあればまた再開できるということで安心された。

 それと、もともと質素な暮らしの方で、お金がないということで、介護保険サービスが要らないと申し立てをされるのですけれども、これに対しても、どういうメリットがあるか、その後どうなっていくかということを説明して、介護保険のサービスも継続になったという事例です。

 精神障害の方は、統合失調症でもそうですけれども、何の理由もないのに悪くなる、そういう方もおられないことはないですけれども、そういう方はむしろ少なくて、何か具体的にしんどいことがあったり不安なことがあったり、そういう中で眠れなくなったりして調子を崩されるわけです。そういう生活面のサポートをすることでその危機は何とか乗り越えられるというのが、我々が地域で感じるところです。

 精神保健福祉士の仕事、役割として、就労や生活の相談であるとか、訪問活動であるとか、つなぐことであるとか、つないだ後、連携しながら支援することである。こういうことがいろいろとあるのですけれども、心理士の役割としても、心理テスト、心理カウンセリングとか、あるいは、看護師の役割で、相談、訪問などもあるのですけれども、黒で塗られているところはお金が出るのですが、薄い青で書いてあるところは全く無報酬、ボランティアです。必要だからやっている。ある意味では、これをやることは経営的に言えば赤字部門になってしまうわけです。

 その次の事例です。かずおメンタルクリニックです。

 愛知にある児童精神科診療所です。ここが、精神保健福祉士を学校コーディネーターとして配置してからすごく大きな変化があったという事例です。

 かずおメンタルクリニックの基本情報ということで書いていますが、50人規模の思春期デイケアを併設して、医師1名、看護師5名、臨床心理技術者5名、精神保健福祉士2名、作業療法士1名という形でやっておられて、20歳未満を対象にしているということで、18歳以下が78.8%、患者さんの8割近くを占めておられる。30代以上の受診者は、ほとんど子供さんの親御さんだという診療所です。

 その右に、どんな治療体制をしいておられるか。診察があって、外来部門でもいろいろなことをやっておられます。プレイセラピーであるとか、そういうこともやっておられますし、デイ・ナイトケアももう一方で持っておられます。そういう体制の中に、学校コーディネーターを入れました。

 学校コーディネーターの役割というのは、そこに書いてありますように、情報収集です。連携依頼があったときに、関係機関から情報収集したり、学校訪問とか、授業を見せていただいたり、そういうことをするわけです。その情報を院内に持ってきて、それを全体で共有化しながら、そこでどうやっていこうかということを議論していく。それが情報提供です。面談・ケース会議、情報の集約、いろいろなケース会議には必ずこの学校コーディネーターが出席することになっています。

 この学校コーディネーター配置後の変化が5ページの左上にありますが、相談のしやすさが向上した。連携窓口を一本化したことで、学校とか、そういうところから連絡が入りやすくなった。医者につなごうと思っても、診察中だとなかなか出られなかったりとか、いろいろなことがありますけれども、その学校コーディネーターがそれを受けることができる。

 同時に、学校に訪問して実態を見て話を聞くことで、学校も学校の先生方もいろいろな事情を抱えておられるわけです。そういうものが非常にはっきりしたということです。お互いの立場をちゃんと意識した形での関係が構築されるようになった。各学校状況や事情のより深い理解です。現場がすごく細かく見え、聞くのと見るのでは大違いみたいなところがありますから、そういうことがさらに深く理解できた。

 顔の見えるネットワークの形成です。学校の先生と顔を合わせて学校コーディネーターがいろいろと相談に応じるわけですので、そういう関係ができるようになる。

 学校コーディネーターの配置によって、子供さんの情報量が増えて、さまざまな観点からその子供さんを理解することができるようになったことであるとか、あるいは、学校とか、現場のお互いの職分とか限界です。それぞれ限界があるわけで、それを理解した上での支援ができ、ネットワークが構築される。

 そういう中で、クリニックが得意とする、小回りのきくいろいろなかかわりができるようになったという事例です。

 6ページ目になります。

 これは滋賀の彦根にあるクリニックです。多機能型なのですが、初めから多機能ではなくて、駅前に診療所をつくって、何にもないところだったそうですけれども、必要なものを次々につくっていったらこうなってしまったと。

 そういう中でいろいろな機関との連携、情報の共有みたいなものが必要になって、いわゆるケアマネジメントツール、ケアマネジメントシートをつくろうということで始められて、それを日精診で取り入れて、NSSサービスシートのソフトをつくっています。その1枚のシートが共有化されることで、理解が共有化できる。もちろんこのシートの初めには、ご本人が希望されていること、これからどうしていきたいか、それとご本人の夢です。将来こんなことができればいいなとか、こんなふうになれればいいなということが書き込まれて、それに基づいて何をサポートしていくか、どういう支援をしていくかとなっています。

 その次が、やはり滋賀にある藤本クリニックという診療所型認知症疾患医療センターです。

 認知症疾患医療センターは各県につくられているのですが、大阪で診療所型はたしか一つもなかったと思います。ほとんどが病院であるとか、大学であるとか、そういうところがやっていますが、ここはお医者さん1人と非常に熱心な看護師さんが組むことで認知症疾患医療センターを運営されております。

 認知症では、モデルの一つになっていると聞いています。もの忘れカフェであるとか、あるいは、認知症の方の仕事の場であるとか、そういうものをいろいろと工夫しながら、地域の医師会であるとか、開業医の先生方と連携して展開されています。

 すみません。藤本先生の事例は、事前には送れておりません。追加という形になります。

 最後に、10ページですが、多機能型精神科診療所における地域生活支援と精神保健福祉士の業務ということで、大阪の三家クリニック、ご存じの構成員の先生方もおられると思うのですが、大阪の多機能型の一つのモデルになる診療所と思います。

 ちょっと読んでいきます。

35年前、精神疾患や障害を抱えた人たちを地域で支えていこうと診療所を開設した。診療所は、地域で暮らす人たちが望むこと、ニーズをくみ取りやすい立地条件にある。生活の場での診療活動を通して、その都度、必要なものを用意してきた結果が現在の診療所の姿である。

 必要なものをどんどんつくってきたら、30年たつとこういう形になったということです。

 通常の外来診療(診察室内診療と投薬)だけでは、症状や生活の改善を望めない、多様な生活問題、生きづらさを抱える人たちが多数存在する。まずは外来医療を手厚くして、寄り添いながら、症状とともに地域生活を修復し、安心して生活できるような支援体制を組むことが求められる。

 当院では、回復に同行する支援者(精神保健福祉士等)が、関係づくりとともに、ケアマネジメント、患者さんの希望、ニーズに沿って、家族支援、相談支援、訪問支援、同行支援を行うが、医師と組む精神保健福祉士を初めとしたチームの存在が欠かせない。

 地域生活にあっては、つなぐ診療が極めて重要である。院内のデイケア、訪問看護ステーション、院外の地域関係機関などへのつなぐ支援によって、通院者は孤立せず、重症化を招かず、多くのつながりの中で安定して暮らしていけるものである。

 こうした活動に従事する診療所の精神保健福祉士の役割を大きく、相応の評価がなされ、制度的にも保障される必要があると書いておられます。

 左下に、三家クリニックの診療体制があります。

 診療部門があって、デイケア・ナイトケアがあって、訪問看護ステーションを立ち上げておられます。医療福祉相談室というものがありまして、この中に精神保健福祉士が8名おられます。ほかと比べても非常に多い数だと思います。ここがものすごく大きな機能を果たしています。

 医療福祉相談室は、もちろん訪問支援はされるし、インフォーマルなサービス利用、なかなか外に出られないという方が新しいラーメン屋に興味を持たれたら、一緒に行ってラーメンを食べるということもとても大事なことだと私は思うのですけれども、そういうことも非常にフットワーク軽く医療福祉相談室はやります。これは全然報酬も何もないのです。あと、相談を受けた方を訪問看護ステーションへつないでいったり、デイケアにつないでいったり、あるいは、公的なサポート、そのようなところへのつなぎは当然やりますし、公的な会議にも出ていきます。

 その下の11ページですけれども、ひきこもり・準ひきこもりの方が医療福祉相談室と訪問看護ステーションで2013年3月に130名おられて、それにかかわった結果がどうなったかということがあらわれています。

 半分ぐらいの方が何らかの形で活動に出てこられます。個別面接もしておられる方を加えると、6割ぐらいにもなってきます。外来ニートと書いていますが、通院されるだけでほかの社会資源と全然つながらない、集団活動などにも入れない方がおられるのですけれども、そういう方にもかかわっておられます。これは369名。

 このようにかかわると、大きな動きが出てくる。三家クリニックの全通院者数が2,200名おられるのですけれども、医療福祉相談室はその40%を超える方に関与をしています。その相談の中で就労支援が3分の1含まれています。

 従来からの外来医療の課題である、ひきこもりや未治療、未受診、医療中断者など医療機関につながっていない人たちへの対応について、当院での実践から、アウトリーチをまじえて、多職種チームで丁寧に支援すれば、多くの方が予想以上に変化し、就労など社会参加が果たせることが明らかになった。こうした活動は、地域社会のネットワークづくりにもなり、今後、地域での実践が期待されるが、外来にアウトリーチを行う多職種チームの存在が保障されることが必要である。

 一方、通院して医療機関にはつながっているものの、他の社会資源や人のつながりを欠き、社会参加できず、不安定な生活を余儀なくされて、時には病状の悪化も来しかねない外来ニートと呼ばれる人たちは全国に70万人以上とも言われている。この人たちが、就労したり、地域でその人らしく、希望を持って生活していけるよう、支援することは外来医療の喫緊の課題である。そのためには、外来で精神保健福祉士がしっかりと寄り添い、就労支援機関や職場など地域社会へのつながりを支援していかなければならない。医療機関から地域の支援機関につなぐ支援が求められている。

 上記の必要な支援を遂行するために、精神科外来に精神保健福祉士の存在は必要不可欠である。精神保健福祉士を配置し、多職種チームの存在を可能とする制度的な措置が講じられれば、地域の医療供給体制、地域連携機能は格段に向上し、地域の精神医療保健福祉の地図を大きく塗りかえることが可能となると予想される。

 なお、診療報酬上、タイムリーな支援を保障するため、医師の診察日と同日に行われる精神保健福祉士の活動についても算定が認められるべきである。また、精神科訪問看護は、患家に赴く場合に限定されているが、就労支援や地域社会につなぐ支援を行う際、支援機関や職場への同行、同伴の支援が重要であり、精神科訪問看護の弾力的な運用が必要であると言っておられます。

○樋口座長 先生、時間です。

○田川構成員 まとめに入ります。申しわけない。

 そこに成果物というものがありますが、一番初めの左上は題名を間違えていまして、いわゆる外来で通院はしているけれども、ほかに全然つながっていない方についての調査です。それ以外、いろいろと就労支援とか、先ほどNSSサービスとか、アディクションであるとか、統合失調症、災害であるとか、本当に多方面の専門でやっておられる先生方が集まっておられるのが我々で、そうやっていこうということです。

 まとめです。

Hospital basedからCommunity basedで、これまで精神科病院長期入院者の地域移行の受け皿として地域が語られてきたけれども、視点を転換しなければいけないのではないか。指針にもそういう形で書いておりますので、それが実現されるように強く訴えたいと思います。

 まず、やる気のある精神科診療所がその力を発揮できる仕組みをつくることが大事だと思っています。我が国の精神科領域内でさまざまな専門性を持って活動していますけれども、小規模なものが多く、マンパワーは少ないので、力を出すには、地域のいろいろな機関と連携が必要になってきます。

 さまざまな機関との地域連携には、それぞれの機関をつないでいく役割が必要となるのですけれども、精神保健福祉士を中心とした外来コメディカルの役割を、そういう方が入れば地域連携機能は飛躍的に強化されるので、診療報酬上適切な評価を受けたいと考えております。

 地域連携が強化されることで、精神障害者に対する、自然で緩やかな地域包括ケア体制が形成される。今の地域包括ケアを見ていると、我々がやっていることがそのまま認知症を中心とした方にされているのかなと思います。これは地域責任制の萌芽でもあると思います。

 さまざまな精神疾患領域において、上述した外来コメディカル等を配置した地域連携機能強化型精神科診療所が可能になるような制度的、財源的な措置が必要である。

 以上です。

 長くなってしまいました。すみません。

○樋口座長 ありがとうございました。

 それでは、ご質疑があろうと思いますが、後ほどに回させていただきまして、次のヒアリングに移りたいと思います。

 次は、日本精神科看護協会からお話をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○日本精神科看護協会吉川隆博氏 日本精神科看護協会の吉川です。

 本日は、このような機会をいただきまして、ありがとうございます。

 我々看護者は、その多くが精神科病院、医療機関の入院病棟で勤務をしております。最近では、デイケアであるとか、精神科訪問看護のように地域で活躍する看護者も増えてきておりますので、そうした入院機関、入院部門で活躍する看護者と、あとは地域で活躍している看護者、そうした取り組みを通じながら、看護が今後目指すもの、力を入れていくものを、きょうはお示ししていきたいと思います。

 1枚めくっていただいて、まずは精神障害者を地域で支えるために看護ができることということで、これは26年度の検討会取りまとめを受けまして、当協会でも、多くの会員、現場の看護者に、精神医療の将来像であるとか、病院の構造改革といったいろいろな考えを浸透させてきました。

 そういった中で、今後、医療職である看護者が貢献できるものは何かといったところも、今、いろいろと考えているところなのですが、まず、我々が精神障害者の皆さんを地域で支えると考えたときに、まずは医療機関、病院に入院される方の入院長期化が起きないように、そこに力を入れていきたいと考えております。

 そうしたときには、もちろん退院支援スクリーニングということできょうはご紹介させていただきますが、そういった早期から退院支援に取り組むことと、退院支援の専門教育を受けた専門的な教育を受けた看護師、そういった看護師によって退院支援を推進していくこと、そして、早期に退院していただいて地域で生活をする、そこを支えるためには、地域で継続的に訪問看護などによって支えていく、そうしたところの取り組みをきょうはご紹介させていただきます。

 また、地域で支えるというときに、看護者本来が持っている技術を活用して、精神疾患を持つ方が、あわせて身体疾患を持たれている場合も少なくありませんので、そういったところもあわせて支えていくといった事例をご紹介させていただきます。

 まず、1番目に退院支援スクリーニングを活用した看護職員等による入院長期化防止の取り組みということで、西伯病院の取り組みをご紹介させていただきます。

 精神科病院においても、入院長期化を防ぐ。これが大きな目標になると我々看護者も強く感じております。そこで、入院早期から退院支援を要する患者さんの見きわめを行って、できるだけ入院が長期化しないように、早く退院できるように、そういった取り組みを行っております。

 こちらの病院では、平成18年から全科共通のアセスメントシートを活用しておりまして、それを精神科でも活用しております。そういった中で、退院困難要因は、右のアセスメントシート項目の抜粋のところにもございますが、年齢が65歳以上で高齢であるとか、再入院を繰り返されている方であるとか、ADLIADLの低下が認められる方、服薬中断による悪化とか、ご家族の協力とか支援、こうしたものによって退院支援が必要かどうかというところが一つの見きわめの材料になります。

 ここは、特に精神科、身体科ということではなくて、医療機関に入院される人には共通した部分でありますので、こういった項目に該当される方につきましては、早くから退院調整が必要な方ということで退院支援を行っています。

 この病院の場合には、地域連携室に精神科認定看護師が配置されておりまして、精神科認定看護師が病棟の看護師と連携して早期退院を目指すといった取り組みを行っております。

 事例が、AとB、2つをご紹介しておりますが、60歳の女性の統合失調症の方につきましても、入院時に、入院前に利用していた訪問看護からの情報で、服薬中断による悪化といった情報が入りましたので、入院初回のカンファレンスから病棟看護職員と訪問看護師に入っていただいて、そういったところで課題を共有して、入院でどこまでやるかという、入院治療のゴールを決めていくといった取り組みを行っております。

 このケースにつきましては、服薬自己管理を全て病院で入院中にやるというのはなかなか難しい。それがかえって入院の長期化になってしまうということもありますので、7割ぐらい、そういったところの指導ができて、本人ができるようになることを目標として、残された課題は引き続き訪問看護で支えるといった連携を早期から行っております。

 当初、3カ月の推定入院期間だった方が、残りは地域でやりましょうということで1カ月半でスムーズに退院した事例です。

50代の男性、統合失調症の方も、薬の飲み忘れとか、自宅生活においてお母さんとの関係があったということで、服薬中断とか、家族の協力といったところにチェックが入っております。

 こういった家族の協力とか、そういった関係につきましては、退院前訪問看護といったものを活用しながら、いろいろと退院後の生活の様子といったものもアセスメントしながら、退院後は精神科訪問看護につなげるということで、服薬指導であるとか家族支援を引き続き行い、早期に退院ができている事例です。

 もう一枚めくっていただきまして、次が退院支援の専門教育を受けた看護職員の配置による退院支援の活動になります。

 こちらは、岩手県の宮古山口病院の取り組みになります。

 こちらの病院では、病院の中に地域生活支援室という退院支援をする部署があります。そこに室長として看護師、これも精神科認定看護師になるのですが、配置をされております。

 もう一つ、特徴的なのが、そちらにありますように、急性期治療病棟とか、精神病棟入院基本料病棟に、退院支援に関する研修を受講した、その病院では「退院調整看護師」と呼んでおりますが、そうした看護師を配置して、それぞれが連携をしながら退院支援の活動を行っております。

 病院でこうした退院調整看護師を置くメリットが、そちらの右側の真ん中ら辺に書いておりますが、入院長期化の防止に向けた取り組みが行われるということで、退院調整看護師が、退院後の環境、あとは本人の希望など、そういったものを聞きながら、退院支援に関するアセスメントを行ったり、あと、退院支援を要する患者は早目に病棟内の退院調整チームの会議に上げて検討しております。必要に応じて、退院後生活環境調整員といったところとも連携を図っております。

 また、この病院には、退院調整プログラムといったものを活用した退院支援もございます。プログラムの内容はそちらをご参照ください。このプログラムを活用しながら、実際、なかなか病棟だけではそういった支援につながらないという方につきましては、ご本人にも話をして、こういったプログラムに参加していただいております。

 平成25年から2年間ぐらいの実績を見ていただいても、かなり長期の入院患者さんも退院につながることができていますが、最近では、比較的入院間もない方についても、退院困難要因が高い方についてはこういったプログラムを導入して、早期退院につなげております。

 また、地域生活支援室に精神科認定看護師が配置されていることで、地域の社会福祉協議会とか、障害福祉サービスを提供する事業所の職員から出前講座をしてほしいといった依頼も入ってきております。この出前講座の依頼は、例えば、精神疾患名であるとか、症状、そういった疾患、症状を抱えた人への対応について、どうしていいか、なかなか迷っているといったときに、この出前講座の依頼が来ています。

 そういった地域の事業所の職員の皆さんが抱えることについても、看護者ならではの強みを生かして、不安に対する相談相手となっているといった事例でございます。

 次のページになりますが、今度は退院してからの取り組みになります。

 入退院を繰り返す患者を、退院してからの地域での継続看護、具体的には訪問看護になりますが、こちらで支えている取り組みです。

 こちらは、出雲圏域の訪問看護ステーションの取り組みになります。

 今回、お示ししました事例は、50歳代の女性の統合失調症の方で、30歳代に発病して初回入院されているのですが、退院後、ご家族と同居しているのですが、いろいろとご家族との関係の中でまた再発をして入退院を繰り返すということで何年も経過をされております。

 そういった入退院を繰り返す過程で、ご自宅に戻ると具合が悪くなったり、また再入院になってしまうということもありますので、一旦は施設入所を検討していたのですが、ご本人としては施設ではなく生活がしたいということで、では、単身生活をしてみようということで、単身生活の支援を行った事例になります。

50代になって初めての単身生活になるのですが、そういったこともありましたので、出雲圏域に精神保健包括支援会議というものがありまして、そこにいろいろな精神保健医療福祉に関係する医療機関がかかわっておりまして、単一の機関だけではなかなか支援が行き届かないという方について、そうしたチームの中で、地域全体でどう支援していこうかという事例検討を行っております。

 この患者さんもその事例検討に入れまして、この事例検討では、その患者さんにとってどういった機関、どういった職種が支援するのが一番いいのかということも検討しまして、今回の事例につきましては、訪問看護師が支援するのがいいのではないかということで、こちらの訪問看護ステーションの看護師がかかわるようになりました。

 こちらの訪問看護ステーションは、見ていただくと、保健師、看護師2名、准看護師、作業療法士といった職種で行っているところなのですが、登録者の状況を見ていただきますと、幻覚妄想状態に看護を要する方であるとか、人とのかかわりがなかなかできない方、服薬中断によって再発のリスクの高い方とか、GAFを見ていただいてもかなり病状の重い方を地域で支えている、そういった実績のあるステーションになります。

 今回の事例につきましては、かなり病状が不安定で再発を繰り返していた方で、なかなか人との関係もとりにくいという方もありましたので、こちらの訪問看護ステーションは、退院前からのかかわりを非常に重視して、病院に5、6回出向いて、本人との関係づくりをしながら訪問看護を利用する、そういった同意も得て、実際に退院後から積極的にかかわっております。

 現在、訪問看護ステーションがこういった病院に行く取り組みは、今回は5、6回行っていますが、全ては評価されず、実は退院前の1回しか評価されないのですが、こういったところは必要に応じて行っております。

 退院直後から半年間の看護ケアなのですが、このときの看護ケアの目標としては、病状から来る不安・焦燥感といったものの軽減を目指した時期になります。本人はかなり不安・焦燥感が強くて、入浴ができなかったり、食事、生活支援の目的でヘルパーを導入していたのですが、関係がうまくいかなかった。昼夜を問わず電話相談とか訪問依頼がありましたので、まずは不安と焦燥感を軽減するために、そういった不安・焦燥感がおさまるように、足浴をしてみたり、本人が気に入る髪型に整えてみたり、アロママッサージをしたりとか、いろいろな工夫を行っております。

 半年から1年間ぐらいかけて、やっと本人の状態も落ちついてきまして、夜間の電話相談・訪問依頼の回数も減少してきておりますので、ここで訪問看護師ができるだけ本人が自宅でできる対処法を一緒に考え、少しずつ支援の拡大を目指しています。結果的に、訪問看護師とのかかわりを通じて、患者さんが人とかかわることへの不安とか恐怖が軽減しましたので、こういった段階でヘルパーとか福祉サービスの導入も検討することにつながっております。

 1年後から現在までの看護ケアの中では、これはかなり生活の安定している時期なのですが、まだ本人の中にも不安とか焦燥感が出てくるといった時期があります。ただ、病状悪化による再入院はなく、現在も地域生活が継続できております。ご本人からも、入院するよりも家に看護師が来てくれるほうがいいといった声も聞かれるようになりました。現在では、調子のいい期間が明らかに長くなっております。

 最後の取り組みなのですが、こちらも地域で支える訪問看護の事例になりますが、こちらは、精神疾患、精神障害がある方が、さらに身体疾患といったものを持たれている。また、家族との調整も必要な、多様なニーズのある方を支えている事例になります。

 Aさん、30歳代、女性、統合失調症の方ですが、2型糖尿病と水中毒といった既往のある方です。また、お父さんと2人暮らしなのですが、お父さん自身もアルコール依存症といったご家庭になります。

 精神科の病歴としては、直近は、お父さんの飲酒による暴言から、Aさん自身の被害妄想が強くなり再入院をされました。入院期間は3カ月でした。その後、訪問看護ステーションの導入になりました。

 内科の病歴としては、糖尿病で教育入院の経験もあって、退院後は定期的に内科受診を行い、インシュリンの自己注射を行っている方で、血糖値は比較的安定しております。

 医療的な課題は、主治医の意見も含めてですが、水中毒につきましては、過去には、かなりたくさん飲まれて救急車で搬送されるといっ       た状態もあった方です。昼夜逆転とか、飲酒といった課題もありました。そういった課題に対して、この訪問看護ステーションでは、退院後、3年前からこの訪問看護師がかかわっているのですが、現在は週1回の訪問で支えております。

 統合失調症につきましては、主には精神状態、睡眠状態の観察、アセスメント、服薬の確認といったことを行っております。

 訪問のときには、お父さんにも同席していただいて、父親との関係調整であるとか、家庭内のストレス状況のアセスメントとか、援助とか、そういったことを行っております。

 糖尿病につきましても、内科医とコンタクトもとりながら、糖尿病自己管理ノートといった記載内容を、かなりご本人ができていますので、看護師は少しフォローするということで、食事量であるとか、インシュリンの単位であるとか、そういったところの確認を行っております。

 さらに、水中毒につきましても、水分量の確認、体重測定を行いながら、水分をとり過ぎたときの危険性といったところを説明して理解を深めております。

 そうした訪問看護によっていろいろと地域でAさんを支えた結果、現在は、水中毒は救急車を呼ぶような状態はございません。少しずつ本人も散歩ができるようになって、外出も増えるようになっていっております。また、訪問看護2年目から地域活動支援センターを紹介して、徐々に職員との関係ができたり、友人もできるようになっていっています。相談者が増えることで精神状態も安定していって、相談内容によって本人も相手を選んで相談できるようになっております。

 こうした病院の早期退院から地域に向けてまでの取り組みに関して、いろいろと看護者が活躍している事例のご紹介になります。

 そうしたところも踏まえまして、今、当協会としては、精神科の看護者にいろいろと生涯教育も行っております。

 次のページを見ていただきますと、こちらは当協会の教育・認定事業が中心になるのですが、研修会は、品川、京都、福岡、協会で持っております研修会場で研修を行っておりますのと、全国47都道府県支部がございますので、こちらでも下に書いてございますような研修会を行っております。

28年度の研修企画としては505個でありまして、総定員数が5万人ぐらいの定員になっております。

 そういった中で、特に28年度につきましては、地域生活支援の知識・技術に関する研修会としては、退院支援に関する研修会、あとは訪問看護フォローアップ研修会を含めて行っております。27年度末には、看護管理者を対象として退院支援に関する研修会も行っております。

 次をめくっていただきますと、こちらは当協会の精神科認定看護師に関するご紹介になります。1995年から認定看護師制度を創設しまして、現在674名が活躍しております。主な役割はそちらに書いてあります4つの役割になりますが、カリキュラムの特徴として、最近のカリキュラム改正において、「精神科病棟」と「外来・在宅部門」において実習を行い、入院から地域生活までを一体的に学習できるようなカリキュラムの改正を行っております。

 この674名の精神科認定看護師の多くは、精神科病院で勤務をしております。

 次をめくっていただきますと、これは当協会に限らず、精神科領域で働く看護職員の配置状況になります。精神病床を有する医療機関につきましては、こちらは630のデータを参考にしておりますが、看護師が約7万人、准看護師が約4万人、看護補助者が約4万人といった数が医療機関に勤務をしております。これは推計値になりますが、さらにデイケアで3,000人ぐらいが勤務していることと、訪問看護ステーションも推計になりますが、こちらは約750名ぐらいが現在地域で活躍しております。行政機関では保健師が中心で、看護師の勤務数としては少ないという状況がございます。

 めくっていただきますと、当協会が精神障害者の皆さんを地域で支えるための協会としての取り組みについてご紹介させていただきます。

 当協会では、そちらにありますように、「こころの健康を通して、だれもが安心して暮らせる社会をつくります。」を協会理念として掲げまして、精神科看護の質の向上、精神障害者の自立支援、正しい地域の普及・啓発、相互交流による自己研鑽、変革を進める政策提言といったところに力を入れております。

 次をおめくりいただきますと、まず、普及・啓発活動についてのご紹介になります。

 当協会では、「こころの日」の活動を平成10年から支部とあわせて行っております。また、「こころの健康出前講座」を行っておりまして、看護師が、その下に書いてありますような小学、中学、高等学校であるとか、地域のコミュニティーの団体であるとか、いろいろなところからの要望に応じて出前講座を行っております。

 次をめくっていただいて、そのほか、精神障害者の自立を目指す活動として「アールブリュット展」で、障害者が作成した作品の展示であるとか、障害者の社会参加の促進を目的としたスポーツ活動であるとか、交流会、そういった活動も行っております。

 その下に、ガイドライン、マニュアル、調査に関するご紹介を一部させていただいております。

 最後に、まとめになります。

 まとめとしては、私たち看護者としては、地域完結型医療の実現に向けて、看護にこれからさらに取り組んでいきたいと思っております。

 そのために、入院医療・看護に必要な仕組みとしましては、まず、入院長期化の防止について、地域生活の中断を最小限にするために、入院早期に退院困難要因をアセスメントして、退院支援につなげる仕組みが必要ではないかと考えております。

 また、退院支援の知識・技術を備えた看護職員の病棟配置を評価する仕組み、さらには早期退院率の高い医療機関を評価する仕組みといったものをぜひご検討いただきたいと思います。

 さらに、早期退院につなげるためには、地域医療・看護、福祉・介護との連携も必要になりますが、医療連携・看護連携といったものを評価する仕組み、これは情報提供であるとか、早期からカンファレンスに一緒に入るとか、そういったところがきちんと行われるような仕組みが必要だと考えております。

 また、精神保健福祉法等で規定される退院支援委員会に、現在は、地域の支援者としては、相談支援事業所の職員は明記されているのですが、地域医療・看護といったところが早期退院には非常に大事になってきますので、地域医療職といった参加を追加していただければと思っております。

 また、連携する機関の職員とも定期的に情報交換を行うという関係づくりも含めて、そういったことが行われる仕組みが必要だと考えております。

 最後には、地域医療・看護に必要な仕組みとして、継続医療・看護の推進について、これは地域で支える力を高めるということで、まずは早期退院後の精神科訪問看護、精神科デイケアといったものを評価する仕組みが必要ではないか。これは入院長期化の防止と連動したところだと思います。

 また、医療ニーズの高い患者さんが、安心・安全に地域療養に移行して、地域療養が継続できるようにするために、一定期間、入院医療機関の看護職員が行う訪問看護が評価できるような仕組み、また、継続医療・看護を担う拠点の整備・人材養成を医療計画などに反映して、計画的にそういったものについての整備を図っていただけたらと思います。

 当協会からの資料の説明としては、以上になります。

 どうもありがとうございました。

○樋口座長 ありがとうございました。

 精神科看護協会からのご報告でございました。

 続きまして、今度は作業療法士協会からのご報告でございます。よろしくお願いいたします。

○荻原構成員 日本作業療法士協会の荻原です。

 構成員が報告するというのも、調整がつきませんでしたので、その点はお許しください。

 資料3でございます。

 「精神科の作業療法士ができること」で、4つの軸と参考資料を幾つかつけました。

 1つ目は、作業療法の業務、法定義等を含めて、もう一度お知らせしたいこと。

 2番目は、精神科における作業療法の現状。

 3番目は、精神科における作業療法の現状の背景にあること。

 4番目は、まとめということで、精神科の作業療法士を活用するためにということでございます。

 めくっていただきまして、作業療法の業務(法定義等)なのですけれども、既にご承知のように、理学療法士・作業療法士法が昭和40年にできましたので、そこから動き始めているわけですが、ここの定義に書かれていますように、ちょっと文言が古めかしいところもありますけれども、「作業療法」とは、身体または精神に傷害のある者に対し、主としてその応用的動作能力または社会的適応能力の回復を図るため、作業を行うということになっています。

 この作業については、身体的、神経生理学的レベルに作用する因子、心理的レベルに作用する因子、人間関係に作用する因子を分析した上で、対象者の方と話し合って作業を決めていくことになります。

 それに加えて、下のほう、平成22年には、医政局長通知で「医療スタッフの協働・連携によるチーム医療の推進について」という通知が出ておりますけれども、そこには作業療法の業務で幾つか挙げられていまして、基本的に、日常生活活動、ADLのトレーニング。次には手段的日常生活、IADLのトレーニング。これは家事とか外出とかです。4番目は、作業耐久性を含めて職業関連の部分のトレーニング。福祉用具というものがございますけれども、福祉用具の使用とか、訓練とか、退院後の住環境への適応訓練。この住環境というのは、身体的なことだけではなくて、認知症の方なども住環境のところを本人とやりとりすること、あるいは、統合失調症の方等も、この住環境は実は重要なことでして、その面も含めているということです。最後は、発達障害や高次脳機能障害に対するリハビリテーション。

 いずれにしても、作業療法の業務は、法定義等で掲げられているものはこのようなものでございます。

 それでは、作業療法の実践過程ということで、2ページには、これも疾患・障害の区別なく共通の過程なのですが、少なくともここで重要なのは、3、4、5、6です。特に重要なのは、作業療法評価になっています。

 この評価というものは、1つは、右に書かれていますけれども、マル1、対象者の方の基本的能力、これは心身機能の状態です。マル2は、応用的能力、先ほど出ましたADLとか、IADLの状態。マル3は、社会的能力、これは仕事とか、学業とか、家庭内役割などへの適応の状態。もう一つは、環境資源ということで、これは人も含めて利用可能な人的・物理的資源の状態がどのようになっているのかということを評価させていただきます。

 この評価をもとに、お一人お一人について、マル1からマル4のいろいろな能力の相互関係を把握した上で、当面の目標と実施する作業療法の立案をします。

 この3)から6)、オレンジのところで赤枠になっているものは、都度、ご本人と確認をしているというのが大前提です。もう一つは、作業療法だけで全て事が済むわけではございませんので、当然のことながら、定期的なチームカンファレンスで立案される総合的な目標、要するに、チームとしての目標に作業療法の目標も合致しているのかということをいつもチェックしておかないといけないということです。

 この流れをぐるぐるやっていくわけですけれども、基本、この作業療法の評価がしっかりしていないと、漫然と作業療法をしてしまうことにもなりかねない。これは専門職としての責任として、ここはしっかりとやっていかなければいけないと思っているところです。

 ページをめくっていただきまして、精神科における作業療法の現状ということで、2012年に当協会の委員会が176施設に向けて調査をさせていただいたものです。これは一番下に書かれていますけれども、平成25年8月27日、第3回「精神障害者に対する医療の提供を確保するための指針等に関する検討会」資料の一部抜粋でございます。

 1つ目がありますけれども、1病院の作業療法士の配置数は、基本は4.5という形で、平均すると複数名いることになっています。

 1日の一人作業療法士の取り扱い人数は25.2になっていますが、これはばらつきがございまして、最小は5なのですけれども、最大は1人で50というばらつきの状況になっています。

 次に、外来作業療法の実施施設は50%。

 個別対応が必要な患者の割合を聞きますと、全体の17.2%という平均では出ているわけですけれども、それよりも括弧内が重要でございまして、必要性は感じるが対応ができていないというものが54%ということになっています。

 診療報酬上、実施時間2時間というものがあるわけですけれども、これは長いというのが89.9%になっています。

 次に、身体機能訓練が必要と思われる方は年々増加してきている。これは高齢化ということで、88.3%で、廃用症候群とか、運動器疾患とか、脳血管疾患等の方もいらっしゃるということになっています。

 認知症病棟への複数名の配置によって、認知症の方の退院促進も図っているということではあります。

 チームカンファレンス、多職種で目標設定とか確認とかというチームでの話し合いですけれども、実施は85%ございましたけれども、これも括弧内が重要でございまして、定期的には39.7%とがくんと下がってしまいます。

 医師、看護師、PSWとの連携は7586%ぐらいのところで、一応は行われているという現状が2012年の調査で出てまいりました。

 3番目に移りますけれども、この現状の中で、赤字部分の背景にあるということで、ここにお示しさせていただきましたけれども、1日の一人作業療法士の取り扱い人数25.2名、最低5名から最高50名というばらつきの中で、個別対応ができにくい。勢い、人数が多くなりますと、言葉が適切かどうかは置いておいたとしても、一律的な集団で取り扱う傾向にならざるを得なくなりまして、個別目標に対応した設定ができにくい。

 2番目、実施時間2時間に対する意識が「長い」ということについては、急性期の通過直後で心理的・身体的耐久性の低い方ですとか、対人刺激に反応しやすい方については、2時間はかなりきついであろうということがございます。

 ですから、このような方々への作業療法の提供が結果的にはできないという体制になってしまっているところが多い。

 あと、個別対応が必要な患者さんはどういう方かということですけれども、急性期通過直後でまだ疲れた状態で耐久性が低い方、対人刺激に反応しやすい方、もう一つは、退院で単身生活とか復職の具体的準備に入っている方は、そこを中心にしてやらないとできないわけですので、そういう方、あと、10代の若年の方です。

 これはちょっとお伝えしますけれども、入院にしても、デイケアにしても、特にデイケアですが、本人たちに聞くと、あの人たちが悪いわけではないのだけれども、自分もああなってしまうのかなと、年をとるとこうなってしまうのかなということは怖い感じがすると、10代の方々は素直に言います。

 次に、チームカンファレンスの実施ですけれども、チーム医療の観点からの目標等の共有化がなかなかできにくい。これは制度がいいとか悪いとかではなくて、現行の精神科作業療法が現状に影響を及ぼしているのではないかとは考えております。

 一番左が精神科作業療法、黄色のところ、作業療法士1人で220点ということなのですが、患者さんご本人1人当たりにつき2時間を標準とするという記載がありますので、これも2時間をほぼやっていないととれないのではないかと作業療法士自身も考えてしまっているところがあって、ここが一つのネックになる。

 おおむね25人を1単位ということでございますので、ここら辺の人数を全部1人でやることになります。結局、それを1日2単位で50人以内を標準とすることになりますので、これもいい悪いではないのですが、50人までやっていいのではないかという話は当然出るわけでして、右のほうに、一つは、入院生活技能訓練、入院集団精神療法、通院集団精神療法に関して、参考までに記載しておきました。基本は、みんな1日につき1時間程度で、1回につき15人を限度とするということが書かれています。

 一番下には、脳血管疾患等リハビリテーションを参考として挙げましたけれども、1単位20分の個別訓練で、従事者1人につき1日18単位、これは実質どういうことかというと、実質1人の扱いが、急性期だと15人程度で、回復期だと7、8人程度なのです。そこで180日以内で勝負をすることになっております。

 めくっていただきまして、まとめに入っていきます。

 少なくとも、現時点でお願いできればということについてですけれども、作業療法士を活用するためにということなのですが、定期的なチームカンファレンスが実施できる体制の整備と。これはちょっと話が飛ぶようですけれども、今、手元に古文書のような昭和36年の厚生省保険局の局長通知、精神科の治療指針というものがございます。昭和36年ですから、大分前です。そこにチームで動くことの必要性ということで、当時の文言がございます。治療を継続していく上には、医師、看護婦、指導医等は常に意思の疎通を図り、計画、実行、反省等のための集会をもって話し合いをする必要があるということが明記されておりまして、50年前からこういうことは必要だぞと言われていたことだと思います。

 急性期通過直後でいまだ耐久性の低い状態の方については、1時間程度でできるという形にしていただければと。

 作業療法士が1日に対応する患者数は10人程度、適宜、目標別に2〜3人のグループ対応を組み合わせるという実施体制でできるといいのではないかと思います。

 ここに持ってきましたのは、1973年の「精神科作業療法の理論と実際」、副題がすごくて、「現状と反省」というところで、1973年に反省をしっかりとしようとしているものがございます。

 そこに1日一人作業療法士でできる範囲は10人程度であろうと、この著者の方々は医師だけではなくて、PSWも作業療法士も臨床心理士の方も書いておりますが、それぞれの方々がきちんとやるにはその程度の人数であろうと書いてあります。

 では、改めて個別であることのプラス面ということで、幾つか事例をお伝えしたいと思います。

 1つは、入院から身体的介入でADL改善と対人関係改善で退院、20歳前半の男性で、統合失調症の方で、初回入院でした。

 作業療法の処方目的が、入院1カ月後、まとまりのある行動が出てきたけれども、入浴時に自分で体を洗うことができず要介助の部分もあり、少しでも自発的な行動ができるようにと。作業療法士はそこで評価をしたのですけれども、まだ緊張が高くて、自律神経系の調整力も不安定で、年齢相応の活動レベルに戻っていない。

 それをどうするかということなのですけれども、当面は緊張低減と発汗作用を促して、自律神経系の調整力の回復を図るためということで、全身を使う粗大運動の提供。これは本人と話しまして、キャッチボールを選択したということになります。

 開始当初、1週間を過ぎた頃、2週間を過ぎた頃と場面の設定を含めてここに書かれていますけれども、開始当初は、動作がぎこちなく、お子さんのような体感の動きで、とにかくぎこちない状況だったのですが、1週間過ぎた頃からだんだん動きがよくなりまして、2週間を過ぎた頃ぐらいから運動量も上がって、汗も出るようになって、プログラム終了時に作業療法士と一緒に汗をふいたり、顔を洗ったり、鏡を見て自分の表情も確認する。実はこういうことはとても重要でして、服装を整えるところまでいっています。

 最終的に、病棟職員に促されて参加とか、部分介助も1カ月後には自立した。次の段階としては、実生活に必要な問題解決力を強化、対人関係範囲拡大を促すことで、閉じこもりの方と2人でグループで組んで、最終的には退院なさって、デイケアと書店アルバイトを並行しているという事例です。

 次をめくっていただきますけれども、この方は鬱の方で、1カ月の入院で退院をしたわけですけれども、デイケアを継続するということで、復職準備になりました。

 作業療法士は、主に作業遂行能力ということで、PSWは主に雇用側との調整で、看護師は主に身体的なリスク管理でした。

 下に役割ということで、本人のパターンをしっかりと聞き取り、観察し、把握しということと、企業側からの復職の場合の役割の内容をしっかりと聞き、それをマッチングしていくということです。

 この中で、本人のパターンで一番重要なのは本人の価値観の確認でして、ここに書いてありますけれども、お金だけではなくて、大変だったけれども、あのときはうれしかったとか、あるいは、よかったという経験がある方ほどしっかりと動いていく感じはします。

 役割の3で、本人にも復職先にもわかりやすい形で、入院時のボールペンの組み立てテスト、MODAPTSは標準化されたテストですけれども、これをやってみて、基本は54.9%から78.4%と変化がありましたということで、デイケアは3カ月で終了して復職し、その後は、外来のときに会って、本人が困っていることを相談、必要であればワーカーに依頼したりしました。

 事例3は、長期入院の方で単身生活ということで、初めは「もういいよ。病院の方が楽だよ」とおっしゃっていたのですけれども、主治医も何とか退院してという感じで動いていきまして、結果的に家族の支援を最低限に抑えて、本人自身、自立していただくということで、日中はADL(日常生活活動)室で過ごしてもらって、簡単な調理とか火元管理とかを全てご自分でやっていただく。困ったときに作業療法士を呼んでいただいてという形でやって、結果的には退院をなさって、デイケアを6カ月継続して、地域の作業所に移行された方です。

 最後は、診療所からの自宅訪問ということで、19歳の発達障害の方で、引きこもってしまったままで、ただ、家の中ではしっかりと自分の生活をしている人だったので、親御さんが少しは外に出てもらえればということで動き始めて、訪問で本人と話し合って、本人が好きなCDとかDVDのラックをつくろうではないかという話になって、ラックをつくることに同意してくれたら、材料を外に買いに行かなければいけないということで、結果的には外に出ていただいて、最終的には診療所のデイにつなぐことができたということです。

 個別作業療法ができると、このようなことでの動きができるということになります。

 参考資料1は、チーム内の役割で、精神医療センターの役割の概要を示しましたけれども、基本完全個別、1対1対応ということになっています。

 参考資料2では、チーム内の役割で、精神科救急病棟での役割になっています。

 参考資料3は、精神科医療に係る配置状況ということで、左に数字が出ていますけれども、このところ横ばいになっている。これはどう考えるかということなのですけれども、もしかしたら、先ほどお伝えした診療報酬の規定に合わせて医療機関が判断している。ただ、現実的には10人あるいは15人を配置しているところもございます。そこもばらつきが出ていることになります。

 参考資料4は、OT協会が取り組む生涯教育の内容でございますので、見ていただければ。

 参考資料5は、作業療法の精神科のマニュアルということで、身体に働きかけるアプローチですとか、ニューロングステイをつくらないとか、いろいろなもので養成教育でも卒後教育でも使いやすいマニュアルを出しております。

 参考資料6は、取り組んだ研究事業でございますので、見ておいていただければと思います。

 参考資料7と8ですけれども、医療機関以外の作業療法士の取り組みということなのですけれども、基本、NPO法人の方々が動いておりまして、結果的に地域と一緒に動いている。左のほうは、治療中断の方への対応で、同居のお兄さんとか、地域住民とか、みんなで一緒にということと、右側は20年間入院した方の退院後の生活確認ということで、これは地域移行支援連絡会というものがこの地域で立ち上がりましたので、そこで精神科病院で「よろず相談会」ということで、とにかく相談日を設定していて、ご本人がいろいろな相談を持ってきて、ここに写っているのは20年間入院経験の方への対応です。

 最後なのですけれども、最終的にはまちの中でのつながりをどうつけていくかということなのですが、統合失調症の方の例を挙げましたけれども、まちの中にはいろいろな資源がございますので、農業関係の企業で地元に貢献したい。NPOは地元の障害者雇用を促進したい。それで協働関係が成立しまして、内閣府のリンクアップ事業の第1回の大賞をもらってしまったのですが、この方の重要なところは、地元の農園の社員になりまして11年目です。再発、再入院はございません。状態が悪化したとしてもです。

 下のほうが実は重要でして、平成18年から配達も任されるようになったし、ご本人は年だねと言っていましたけれども、腰を痛めたり、内科的不調で休職とか、内科に検査入院。ここは継続して雇ってくれています。

 あと、ピアサポートとして体験段を話す機会。

 ここからなのですが、平成22年にお父様が亡くなられ、23年には、本人は仕事と母の看病や家事を同時進行ということで、その進行については少しお手伝いをした。

 平成25年には母親が他界して、葬儀をお姉様と一緒にとり行って、今はひとり暮らしを継続中。

 基本は、この方も統合失調症を生きているわけではなくて、ご本人の大切な人生を生きているということを、私どももしっかりといつも考えていたいと思っています。

 以上、お時間をいただき、ありがとうございました。

○樋口座長 ありがとうございました。

 それでは、最後でございます。

 「精神障害者を地域で支える医療の在り方」で、今度は精神保健福祉士協会からお願いしたいと思います

○日本精神保健福祉士協会田村綾子氏 日本精神保健福祉士協会の田村と申します。よろしくお願いいたします。

 構成員の柏木が本日都合がつきませんで、代理で来させていただいております。

 日本で精神障害のある方々の地域移行を進めていくことは、十数年来の課題になっているかと思いますのですけれども、そのことに関しまして、この分科会でも真摯なご検討がなされていることに敬意を表しております。本日は、よろしくお願いいたします。

 まず、精神保健福祉士という資格についてなのですが、これは1997年にできた比較的新しい資格でありますけれども、実際にはそれよりもかなり古く、戦後すぐぐらいの頃から、一部の精神科病院では、入院患者さんの退院時の仕上げ、社会復帰の支援を行うための必要な人員ということで配置されてきた経緯があります。

 もう一つ、精神科病院の中では遊動事務員という言い方がされていたようですけれども、遊び動く事務員という字を書きますが、事務的な仕事のようなことを院内でいろいろと何でも屋さんのようにやっていた。そういった2つの精神保健福祉士の前身の姿が日本にはあるということです。

 この資料の中で後ろのほうからいってしまって申しわけないのですが、16ページを開いていただきますと、この資格の試験をやっています社会福祉振興・試験センターというところから、精神保健福祉士の配置状況について出されています。全体数が少ない数字ではありますけれども、約35%が医療機関、福祉系で30%、その他、行政や高齢者福祉関係などの施設ということで、多様な領域での仕事をしているという現状があります。

 精神保健福祉士協会に関しましては、1964年に創立していますけれども、このときは精神科病院にしか精神医学ソーシャルワーカーはおりませんでした。国家資格ができた以降にいろいろなところに領域が広がってきているという現実があります。

 現在、今年の3月末現在の登録者数は約7万1,000人程度となっておりますけれども、本協会の構成員はこの中の約1万人ちょっとということですので、協会で出せる数値にしましては、全体の登録状況からしますとその中の十数パーセントにしかならないということである。そこは本協会の限界であるかなと感じているところです。

 そのままその次の17ページのスライドをご覧いただきますと、精神科医療機関での配置状況なのですが、病院に関しては配置が進んでいるという現実があります。これに対して、先ほどの田川先生からのお話にも関連するかと思うのですが、診療所の配置状況に関してはなかなか進んでいっていないという現実がございまして、精神科の診療所でも実際に必要とされてはいるかと思うのですが、報酬等の関係からなかなか配置しづらい状況があるのではないかということを推測しております。

 最初のほうに戻っていただいて、スライドの2ページをごらんください。

 精神保健福祉士といいますのは、医療の領域にも多く働いていますけれども、学問的基盤としては、社会福祉学に置いています。そのために、基本的な業務としてはソーシャルワークを主体に置いて行います。

 このソーシャルワークを大きく3つに分けまして、個別支援、集団に対する支援、地域全体への働きかけといった取り組みを行っています。

 これはどのような職場におきましても、目の前にいらっしゃる個別の利用者の方への支援もあれば、同じような課題をお持ちの集団の方への働きかけもありますし、そういった個人や集団を取り巻く環境全体への働きかけということで、どういう職域であっても、この3つの機能を持たせることが必要になります。

 次に、「1.精神障害者を地域で支えるために精神保健福祉士ができること」といたしまして、1ページめくっていただいた4ページ目のスライドです。

 精神科デイケアで精神保健福祉士を配置していただいているところは非常に多いかと思いますけれども、ここにおきましても、個人へのアプローチとして、グループ活動をしながらであっても、お一人お一人の方が、デイケアを利用することによって、どのような自己実現を果たしていきたいか。人によっては服薬ですとか日常生活の基本的な力を身につけるということもあるかと思いますし、人によっては対人関係の改善を図るのですとか社会生活技能を習得するといったこともありますし、さまざまなプログラム活動を通して、例えば、就労に向けた準備をするとか、自分がどういった方向性に進みたいかを考えるなどのことを、一人一人の個別支援計画に基づいてデイケアの中で行うということがあります。

 また、グループを活用することについては、対人関係の苦手意識をお持ちの方も少なくありませんけれども、そのグループの中で自分自身をどのように表現するかとか、人と協調することを学ぶとか、そういったことに対する支援と、あとはセルフヘルプグループとかピア活動といった言い方もしますが、同じ病気や障害を持つ方同士で、その体験を引き比べながら、そこから学び合ったり、サポートをし合ってより力を発揮できるようにしていく、そこを側面的に支援するといったグループへの支援があります。

 環境へのアプローチに関しましては、デイケアですとか、通ってこられている方々お一人お一人のお住まいがあるわけで、その方を取り巻く地域状況がありますけれども、それぞれの方の地域がどのような環境にあるかということをアセスメントした上で、場合によっては地域に足りない資源の創出ですとか、新たな制度、施策などへの提言ですとか、それほど大きいことではないかもしれませんが、市町村単位の自立支援協議会等に参画して、この地域にある課題について協議し、実現を目指すといったアプローチなども行っています。

 スライドの5番に行きますけれども、精神科訪問看護・指導において精神保健福祉士ができることといたしまして、こちらは当協会で2010年度に行いました精神科訪問看護を実施している精神保健福祉士及び看護師の方にお伺いした結果から抜粋しております。

 訪問の目的といったことにつきましては、精神保健福祉士が訪問看護で行く必要があると判断される場合は、その方が社会資源を活用する必要性が高い場合に、精神保健福祉士の訪問看護が必要とされることが多いようです。

 また、それ以外にも、生活技術の改善ですとか、家事能力、社会技能の獲得などといったことについて、いわゆる日常生活能力の向上ということですが、そのあたりに関しましても精神保健福祉士が訪問看護をしながら、そこの中で、先ほどのお話にもありましたように、一緒に活動をする。例えば、一緒に買い物に行くとか、一緒に銀行に行ってお金のおろし方を覚えるとか、一緒に役所へ行って、手続のやり方について覚えるとか、そういったことを通して社会生活技能を習得していく取り組みにおいて、精神保健福祉士が活用されることが比較的多いようです。

 それ以外に、訪問時の活動時間の比較ですけれども、精神保健福祉士が看護師の方に比べてより多くの時間を訪問において割いているのは、金銭管理に関しての支援及び住環境に関する支援でした。

 金銭管理につきましては、特に長期入院をしていらっしゃる方の場合に多いかと思いますけれども、昔、私も病院に勤めていまして、病院の中では、現金を入院患者さんはあまり自分で管理させずに、病院で管理するということをやっている病院も少なくなかったかと思うのですが、そういうことによって、自分自身のお金の使い方が習得できていない方も少なくありません。

 そのために、遣い過ぎてしまう方もあれば、必要なものが買えない、結果的に非常に苦しい生活になってしまうという方もいらっしゃるので、適切なお金の遣い方といったことにつきまして、実生活を通してトレーニングをする必要があります。こういったことについて精神保健福祉士が比較的多くかかわっているということがあります。

 あと、住環境に関してといいますのは、訪問看護に行っている相手ですので、既にお住まいはあるのですけれども、引っ越しを必要とする場合ですとか、近隣住民の方との間にトラブルが起きがちな方、中には、例えば、ごみの捨て方でうまくいかないということですとか、野良猫に餌をやってしまって近所から苦情が出るとか、そういったことについて、住環境のところで、今の住まいに住まい続けることができるようにするために、近隣住民の方への理解を求めるような働きかけですとか、その地域に合った暮らしができるようなトレーニングですとか、そういうことを訪問看護の中で行っていることになります。

 同じ5ページの左側を見ていただきますと、精神科病院で行われている精神科訪問看護につきましては、訪問従事者数の約3分の1は精神保健福祉士が担っているということで、訪問看護という名称ではありますけれども、看護の中に入るのか外に出るのかわかりませんが、日常生活支援について精神保健福祉士が担わせていただいているところがあるということです。

 次のページをめくっていただきまして、医療機関における外来患者さんへの精神保健福祉士による支援です。

 外来業務にどのようなものがあるかということにつきましては、6ページの左側を見ていただくわけですけれども、受診・受療に関する援助、要するに、うちの病院にかかる、かからないということの援助から始まりまして、外来に通っている方の実際の日々の相談事に乗るとか、外来ですので、毎日暮らしていらっしゃる方々が病院に来られるので、病院に来られたついでにさまざまなことのご相談をされていくということがあります。

 少し古いかもしれませんが、平成22年ぐらいでしたでしょうか。大阪の復帰協が退院促進支援事業を利用して退院された方々の予後調査を行っていますけれども、その予後調査の結果などを見ても、退院した後の方も、それまで入院していた病院に数多くの相談を持ちかけていたり、活動の場として利用していたりということがあるようで、何か日常生活に困ったことがあるときに、これまで行っていたあるいは入院していた病院の外来へ行って、そこで必要な相談を受けているということがあるようです。それは必ずしも医療的な相談ということではなくて、生活に関係する相談も少なくないわけで、そのあたりについて精神保健福祉士が中心的に助言等を行っていることになります。

 同じく6ページの右側には、常勤換算1名当たりで対面でどのような業務をしているかという内訳を載せておりますので、ごらんになっていただければと思うのですが、●の2つ目のところですけれども、外来患者さんへの業務件数に対して、精神科継続外来支援・指導料の療養生活環境整備支援加算の算定は極めて少ない状況にあるということで、多くの場合、精神科病院で精神保健福祉士を雇用していただいていても、外来の患者さんへのこういった支援に関しては、サービスという形で提供されていることが多いのではないかと推測されます。

 7番目のスライドにつきましては、真ん中に当事者の方がいらっしゃるイメージでして、その周辺に多様な機関、施設が連携してかかわっていることをあらわしています。

 この右上のマルの「診療所」のところの「病院」という字が消えてしまっていて抜けてしまっているのですが、病院や診療所、それ以外にも各種の福祉系の事業所、行政機関など、さまざまなものを活用しながらお一人の方の生活を支援することになるわけですけれども、精神保健福祉士の特徴としては、多分これらの全ての職場に精神保健福祉士がいることが挙げられるかと思います。

 そのために、連携の窓口として、各職場から精神保健福祉士が対応することは比較的しやすいのではないか。

 その結果として、連携コーディネートの中心的な役割を担わせていただくことも少なくないということではないかと考えております。

 ここから、幾つか取り組みについてご紹介させていただきます。

 8ページ目、大阪の浅香山病院、大正11年創立ですので、非常に古い病院ですけれども、ここでは1960年代から長期入院のある方々に対して、近隣のアパートに退院していただくアパート退院とか、ぶらぶら退院という言い方をされていたようですが、そういった取り組みが始まっています。

 この当時の考え方として、あまりステップを踏むことを大事にせずに、まず、とにかく退院してみよう、幻聴や妄想があってもいいではないか、食事がつくれなくても死ぬことはないでしょうということで、その分、必要な支援を届ける形で、病院の中にいつまでもとどめ置かないような取り組みを始めていたという歴史がございます。

 現在も地域移行に関しての取り組みが行われておりまして、特に各病棟で5年以上入院していらっしゃる方々をリストアップした上で、お一人お一人の方についての退院までの計画をきちんと立てて、そして、地域移行支援室の精神保健福祉士と退院調整ナースが各病棟での退院促進を横断的に支援する仕組みをつくっているということがあります。

 こういった院内での個別支援とは別として、8ページの右側に入っていますけれども、堺市の場合ですが、自立支援協議会には当初から病院の精神保健福祉士が参加しているという状況がございます。

 これは病院から地域移行していく方々へ、この地域で何が必要かということを当然支援している中でわかってきますので、それらを提言するということですとか、既に地域に退院された方々への支援においても、この地域で必要なものは何かということを協議する目的で、この自立支援協議会へ入れていただいているといういきさつがございます。

 9ページで、千葉県松戸市の松戸診療所は、2011年開設と非常に新しいところですけれども、それ以前から精神科救急医療に長年携わってきた方々が、必要性を鑑みて設立したものであります。地域活動支援センターも一緒に運営されているところになります。

 ここで見えてきていることとしては、単身の高齢者の方々に対しての訪問等での支援によって、いろいろなことが見えてきたことが挙げられています。

 当然、お年をとってこられているからということもありますが、お体の問題ですとか、日常生活の中でもお食事ですとか、入浴あるいは洗濯といったことにおいて十分な介護等を受けることなく、助けてとなかなか言えない方も多いのかもしれませんけれども、実際には、行ってみると困っているのだけれども、その困っていることを誰か、どこかに言っていけないという方々を発見することができています。

 ここで精神保健福祉士が大事にしていることは、9ページの右側のほうの下から2つ目の●のところに書いてあるのですが、生活の中で常に起こる不測の事態に         対応する。社会で生きていれば、日々いろいろなことに遭遇するわけで、常に安全、安心にばかり暮らせるわけではないのですけれども、何かあったときに迅速に対応できるようにすることを大事にしています。

 逆に言うと、何か起こってはいけないからずっと入院していたほうが安心という考え方ではなくて、起こったことに適切に対応できるような仕組みを地域につくっていくことが大切なのではないかということです。

 そういうことが起こった場合にも、それでは、入院しましょうとか、施設に入りましょうということで、ふだんの生活から切り離してしまうことなく、その場で極力支援ができるようなサポートを考えたいということを診療所では大事にしています。

10ページをめくっていただきまして、アウトリーチです。

 こちらは、国のモデル事業としてのアウトリーチ推進事業の受託をした和歌山県の精神科病院が、その後も和歌山県独自の事業として精神障害者受療促進体制整備事業を継続していまして、アウトリーチの形で未受診等の方々への支援をしていることになります。

 時間の関係で詳細は割愛いたしますけれども、通報などによらずとも、関係性を構築していく中で治療が必要な方を治療に結びつけていくことができるという取り組みをご紹介しています。

 次の11ページ目が、守口市における自立支援協議会の中での精神障害者支援部会の取り組みについてご紹介しています。

 ここも時間の関係で省略いたしますが、個別の支援だけではなくて、地域の中に何が必要かということのアセスメント、そして、資源創出といったことを行っている取り組みになります。

 特に自立支援協議会はどこの市町村あるいは圏域でも持たれていると思いますが、精神障害部会を設けているところと設けていないところがあるかと思います。この地域ではそれが設けられていまして、そこに精神保健福祉士が入っていくことを通して社会資源の創出に参画しているという状況です。

 次に、本協会における生涯研修制度について、ごく簡単にご紹介させていただきます。

 私どもの協会では、2008年度より協会の中に研修センターを設置いたしまして、生涯研修、積み上げ式の研修を始めております。

 最短で3年間かけて研修を積み上げることによって、研修認定精神保健福祉士、その後のさらなる積み上げをすることによって、最短8年たつことで認定精神保健福祉士になることが可能となっています。残念ながら協会が独自に認定している資格ですので、診療報酬等への位置づけはございませんし、これをとらなければやれない仕事があるわけではありません。

 ただ、私どもの協会としましては、どのような現場にあっても精神障害のある方々お一人お一人を、そこで生きている、暮らしている人間という捉え方をして、その方の希望があることを常に忘れないようにして、専門的な力を発揮して支援したいということを考えています。

 アセスメントということを当然するわけですけれども、私たちが支援のときに一番大事にしたいのは、ご本人がどのような暮らし方をしたいかということを中心に考えますので、医療機関にあっても、病気の治療をすることだけを考えるよりも、自分自身が病気を抱えながらでもどういう暮らしをしていきたいか。そこをどんなふうに支援することができるか。応用力を持って支援を考えることができるような人材を育成したいと考えて研修を行っています。

 都道府県協会の委託研修も含めまして、おおむね年間70本程度の研修を毎年行っておりまして、14ページには、その中の主なもののみ抜粋して挙げております。

15ページの配置状況につきましては、先ほどご説明いたしましたので飛ばして、20ページからの精神障害者の支援に関係しています本協会独自の取り組みとして、精神障害のある方々に対する権利擁護について、普及・啓発を目的としまして、主に市民の方向けのシンポジウムの開催ですとか、地域移行・地域定着支援に関係しましては、マニュアルですとかツールの開発や、各地での研修会の実施、この研修会につきましては、精神保健福祉士のみならず、こういったことに携わる多職種に向けた研修で、3年かけて行ったのが、生活保護のケースワーカーの方に対して、生活保護領域での退院促進を進めていくための研修を行ったという経緯もございます。

21ページのスライドには、成果物について載せておりまして、これらは全て本協会のウエブサイトからダウンロードしてご覧いただくことが可能でございます。

 最後、22ページ、まとめになりますけれども、総じて言えることとして、皆さんが既におっしゃっていることと同じかもしれませんが、精神障害のある方も、精神障害の部分、疾患の部分、健康な部分を持っていらっしゃる方であって、その1人の方を支える上では多様な資源あるいは多角的なサポートが必要になるかと思います。

 それらを包括的な地域ケアシステムの中に構築していくことが重要だと考えておりますし、そのシステムを構築する際の連携、コーディネートのつなぎ役といったところで精神保健福祉士も参画することが可能ではないかと考えております。

 もともと精神保健福祉士という資格がつくられたのは、精神障害者の中で長期入院している方が多くて、社会復帰が進んでいない現状を課題視されて、そこに対して相談や助言、指導等を行うためにつくられた資格ですので、このことを踏まえて私どもは今後も活動を進めていきたいと考えております。

 以上で、発表を終わらせていただきます。

○樋口座長 どうもありがとうございました。

 それでは、これで本日ヒアリングでお話しいただく方々のご報告は終わりましたので、残り時間が25分程度ですけれども、ただいまの4人の方に対してのご質問を中心にいただきたいと思います。時間が限られておりますので、お一方2、3分のご質問を簡潔にご質問いただければと思います。

 それでは、河崎構成員。その次、伊澤構成員。

○河崎構成員 日精協の河崎です。

 何人かの方にお聞きをしたいと思っておりますが、まず、田川先生にお聞きしたいと思います。

 今日は、さまざまな診療所としての特性を生かした、あるいは、地域の実情等を勘案された診療所の先進的な取り組みをご紹介していただいたのかなと思っていますが、先生がおっしゃった中で、精神保健福祉士を雇用するための財源が必要なのだということも一つはあったのだろうと思いますけれども、今、先駆的にやっておられる医療機関は、たくさんの精神保健福祉士やスタッフを採用されてやっておられて、それは運営的には成り立っているのでしょうか。そのあたりはどうなのかということを一つお聞きしたい。

 もう一点は、そういうさまざまなモデル的なことをやっておられるところが、精神科病院との連携をどのようになされているのか。つまり、そういうことを行うことによって、精神科病院からの地域移行への影響がどういう形で出てきているのか。もしおわかりであれば、教えていただきたい。

 最後に、地域責任制という表現をお使いでした。これはもう少しイメージを皆さん方と共有したほうがいいのかなと思うので、説明をできればお願いしたいと思います。

○樋口座長 まずは、田川さん、よろしくお願いします。

○田川構成員 日精診の田川です。

 今、河崎先生からご質問があった部分なのですけれども、精神科診療所の医者というのは、例えば、アルコールならアルコール医療を地域でやりたい。私などは、統合失調症や重度の方を地域で看たい。児童だったら、そういう形でいろいろと展開されるところがあって、さまざまな形での専門性を持ってやられるのですが、うちも精神保健福祉士が常勤で4名がおります。

 財政的には、赤字です。去年も赤字で、今年も赤字だと思っています。今までの蓄えを若干取り崩しながらやっているようなところがあります。実際のところ、精神保健福祉士とかを一切雇わずに、事務の人1人と医者1人で診察しているのが経営的には一番安定的になるわけです。

 ですから、雇っても、非常に苦しくなったらそこでやめたときに次を補充しないみたいな形になってしまうので、その辺を保障しないとなかなか精神科診療所は力がつかない。やる気があってもなかなか力を出せないというところがあると思います。

 精神科病院との連携はもちろん、どうしても入院になる方はおられるわけですから、そういうときに、その方を病院にお願いするときに、まず、連絡を入れて、こういう方なのだけれども、どうかということでお願いするのも、コメディカルがやります。例えば、病院もさまざまなタイプの病院がありますから、非常に退院が早い病院もありますし、ある程度長いけれども、退院するときの準備とかをやってくれる病院もあるし、病院の雰囲気も我々はわかっていますので、病院を選びながらお願いしていくということがあります。

 先ほど、日精看の吉川さんからのお話で、退院支援委員会への医療機関の云々というものがありますけれども、医療機関のご本人様、入院しておられる当事者の方が希望されれば、医療機関の人間も退院支援委員会に加わることはできるのです。

 ただ、大体医療保護入院で入院された方が退院されるときは任意入院になっているのです。だから、退院支援委員会がそこでは必要がなくなってくるということで、これはもう少しうまく機能をさせなければいけないのではないか。

 大阪の場合は、退院支援委員会に出た医療機関の人間あるいは福祉機関の人間は、交通費とフィー、わずかですけれども、日当が出るような仕組みを河崎先生にもご努力いただいてやっております。

 そういう連携です。

 地域責任制に関しては、はっきりと言えることではないのですけれども、そのように地域の中でいろいろな連携をして、いろいろな方のことで協力しながらやっていくと、その地域に対して何か起こってきた場合には、自分たちでいろいろと相談しながら解決していかなければいけないという雰囲気が出てくるわけです。

 だから、かたいものではないですけれども、そういう形があるし、そういうものが醸成されている地域では、例えば、救急医療であるとか、地域責任制をもっとしっかりと持つべきであると。そういう意見のある地域もあります。

○樋口座長 あとどなたとどなたにというのはありますか。

○河崎構成員 吉川さんと田村さん。

○樋口座長 そしたら、ほかの方の質問もあるので、その後にまた。

○河崎構成員 田川先生に1点だけ。

○樋口座長 どうぞ。

○河崎構成員 先生が、今、おっしゃったように、ちゃんとさまざまな条件が整わないと、診療所の先生方はやる気を出してもやっていけないのだというのはすごくよくわかりますけれども、これは答えにくいかもしれませんが、先生の印象で、今、それだけのことのやる気のある診療所は、先生の印象でいいのですけれども、どれくらい。何割ぐらい。

○田川構成員 そういうアンケートをとったことはないのですけれども、例えば、前に救急医療のときにアンケートをとりました。

 精神科診療所は救急に全然参画していないではないかとすごく批判があったときなのですけれども、我々が見ている限りはそうは思えない。いろいろと面倒もおかけしているのだから、何らかの形で参画しなくてはいけないという意識の医者が結構多いと思っていて、あのときは、たしかシステムがあれば参画するというところを含めて、6割ぐらいの先生方が手を挙げて。ただ、精神科診療所の医者は、私も65を超えましたけれども、70代とかという先生も結構おられるわけです。だから、100%やれというのはちょっとねと思っています。

 以上です。

○樋口座長 では、伊澤構成員、どうぞ。

○伊澤構成員 田川先生に対するご質問ということで1点申し上げますけれども、最近、地域の中で結構話題になっている事柄の中に、きょうもありましたけれども、多機能型のクリニックというところの話題で、それが垂直型なのか、水平型なのかという議論が出始めています。垂直型というのは、クリニックを中心として、障害福祉サービスも護送船団のようにつくり上げながら、総合的支援を行うユニットとして地域の中で展開していくという形、言うならば、そこの中で完結させていくような支援体制というイメージで、一方で、一つ一つが独立している機関を、先生のお話があるように、ワーカーさんなどがつなげながら、連携強化をはかる水平型の支援体制をつくっていくというもので、この垂直型、水平型という議論が結構あって、そのあたりについてどのようなご見解をお持ちなのか。

 きょうも少し事例として出ておりましたけれども、事業実施のタイプ別に少し分けられるような感じもしますが、どう考えておられるのか。地域地域でいろいろな特性があって当然いいと思うのですが、そこをどう考えるかということなのです。

 垂直型のいいところは、責任制とか、あるいは機動力の高さというところでは確かに評価できるかもしれませんし、水平型は、ある意味では、みんなでやる中で結構対等、平等な関係性の中で事を進めていくというあたりで、どこが軸をとるというのは、課題別、要素別になっていくという違いが出てくるのかもしれませんけれども、その辺をどう見るのかということです。

 それと、今日のお話にはなかったのですけれども、私の地元、ちっちゃな街なのですけれども、駅前に、ビル診を基本とするたくさんのクリニックができていて、でも、大体5時で終わってしまうのです。

 そうすると、夕方から夜間、あまり深い夜間帯はどうかと思いますけれども、浅目の夜間帯の対応をどう考えていったらいいのかなというのも、夕暮れ症候群の方はたくさんいらっしゃいますし、そこのぶれとか揺らぎに対する対応は、私たちの対応だけではなかなか厳しい面が時折見られたりもします。精神療法や薬剤を見ていただくなどの必要を覚え、そのあたりをどう考えるかというところのご見解を伺いたいと思いました。

 以上です。

○樋口座長 お願いします。

○田川構成員 いろいろと発言させていただく機会をつくっていただいてありがとうございます。

○広田構成員 インタビューみたい。

○田川構成員 私の知っている多機能型の精神科診療所は、基本水平型です。いろいろなところと連携をして、連携をする中であるいは必要だということでいろいろとつくってくる。そこといかに連携しながら進めていこうかというところです。

 垂直型は、中でも非常に大変な方について、同じような方針とスタンスでやっていく必要があるのではないか、また、そういう水平型でやってきたところが、そういう機能を持つこともできるのではないかという議論ではないかと私自身は考えています。

 地域との連携がない中で、地域医療などはやれないです。だから多機能型の現にやっておられる診療所は、基本的にはそういう連携をベースにした診療所だと私は理解しております。

 責任制というのは、例えば、先ほど言われた救急であるとか、そういうことを地域から求められてやっていくと、もう少しきちんとそういう体制を組まないといけないのではないかという意識が、診療所の先生方の中にも出てきている中で言われていることだと思うのです。

 確かに前から9時5時で連絡がつかへんやないかというのはありますけれども、大阪などで見てみると、まず、5時で終わってしまっているところはもの凄く少ないと思います。今、大阪でやっているのは、そういう救急センターに医者の携帯番号を全部届けるということをやっていて、今、6、7割の先生が届けていると思います。そこで何か夜間にあれば、必要があれば、そこへ連絡が行く。これは私も提出しましたけれども、そういう動きはいろいろな場面で出てきているのではないかと思います。ただ、地域によって若干違うと思う。

 数カ所しか診療所がない県もありますし、大阪などだったら200カ所を超えてありますので、その辺は随分違いはあるかもわからない。

○樋口座長 ちょっと待ってくださいね。時間のことをちょっとお図りしておきたいのですが、本来は12時までということであと10分程度なのですが、何人ぐらいこれからご質問が。もちろん河崎先生はそうですが、伊澤さんももう1つ2つあるわけですね。こちらも、5人ですね。そうすると、1210分ぐらいまで延長してもよろしゅうございますか。

○広田構成員 1210分ではないです。

 今日も1時間を何十分かオーバーしている、社会性を持って発言しなければ。これで患者に向き合っているの、とんでもない、前回も延々とやっていて、10分ではないですよ。きちんとやりましょうよ。交通費、謝金をもらってやっているのだから、これでは国民に対して申しわけがつかないでしょう。

○樋口座長 後の予定もありますので。

○広田構成員 部屋があいていて、いられる先生は。行政は御飯食べなくたっていいです。私も食べなくたっていいから。ふざけているけれども、税金でやっているのですよ。

○樋口座長 わかりました。

 それでは、5名の方にこれからご質問いただいてまいります。

 質問が初めての方から優先的にいきますので、どうぞ。

 中板構成員。

○中板構成員 吉川さんにでもよろしいですか。

○樋口座長 どうぞ。

○中板構成員 吉川先生にちょっとお話を伺いたいと思います。

 この資料の中で、5ページに、入退院を繰り返す患者を継続看護(訪問看護)により地域で支える取り組みという事例がありますけれども、きょうの皆さんのお話を伺っていて、私は前回もお話をさせていただいたと思うのですが、医療計画に医療提供体制をどのように含めていくかということと、この分科会の趣旨として、精神障害者を地域で支える医療のあり方といった趣旨の中で、きょうのお話を伺っていながら、確認をしたのは地域移行を進めるということは、病院でケアを受けていたことが地域で同じように受けられることを既に乗り越えていかなければならないということだと思うのです。

 地域で生きていくということを支えるというのは、単に医療だけではなく、生活支援ということも踏まえて考えると、高齢者版の地域包括ケアシステムの中に言われている医療、看護、介護、リハビリ、生活支援、保健予防と住まいと、住まいを確保しても、その住まいにどう生きていくかということも含めて、全て包括的に考えていかなければならないということだと思うのですけれども、その中で今回の事例です。

 マル3の事例、いわゆる出雲圏域は、精神保健福祉活動の歴史の本当にある地域ですので、事例として出てきたのかなと思うのですが、精神保健包括支援会議といった形で、いろいろな関係者、医療、福祉、行政等が関与して、さらに訪問看護へという形で調整されたといったことが、いわゆる看護の領域から考えたときに評価されるような仕組みがあったほうがよろしいと考えての提示なのかということをお伺いしたいと思います。

○日本精神科看護協会吉川隆博氏 ありがとうございます。

 確かに、今、中板構成員もおっしゃったように、この出雲圏域は精神障害者の支援について今までの積み重ねというものがかなりございますので、官民共同ということで、このように行政と民間が一体になって行っております。

 ただ、同じ仕組みを、全ての障害福祉圏域というか、圏域に準備するというのはなかなか難しいかもしれないのですが、地域で支える、あとは官民共同、地域包括ケアと、今、おっしゃった仕組みづくりというものを行っていただいて、そういった中で、訪問看護とか、それぞれの取り組みがきちんと評価されるような体制づくりを計画的に行っていただければと、私としても思います。

○樋口座長 よろしいですか。追加の発言があれば。

○中板構成員 はい。

 そうすると、そのような評価の仕組みとか、医療提供体制の中に、こういったことを評価する形で、できるところだけが何となくできていればいいということではなく、定型化していくということがあったほうが、精神科看護としてもよろしいとお考えだと理解したらいいですかね。精神科看護のお立場として。

○日本精神科看護協会吉川隆博氏 精神科看護の立場としてというのは、こういう仕組みの中で看護が評価されることについてということでよろしいでしょうか。

○中板構成員 地域包括ケアシステムの中で、地域ケア会議というものがありますけれども、それも法定化されています。その中で、訪問看護師さんとかがしっかりと関与して、生活を支えていく上での一つの医療提供という形、看護の提供という形になると思うので、精神障害者の皆さんが地域でいろいろな形で、主体的には自分の意思決定が尊重されなければなりませんけれども、それを支える仕組みが本来はきちんと定型化されることが必要なのではないかと私は思っているので、いかがかなと思いました。

○日本精神科看護協会吉川隆博氏 わかりました。理解がついていけませんで、すみません。

 これは私の意見なのですが、今までの精神障害者を支える地域づくりは、どちらかというと、長期入院患者さんの地域移行を支えるために、障害福祉施策の中で、例えば、自立支援協議会とか、障害者部会とか、そういったところを通じて地域の中にいろいろとそういった仕組みとかネットワークができてきたというところが、今までの背景としては強いのかなと思っています。

 今回、私が提出させていただいたものは、そういう障害福祉施策との連携、連動というのもあるのですが、それよりはもう少し地域医療とか、そういった仕組みとしての連携がもう少しできないと、これまでの長期入院患者さんの地域移行支援モデルだけでは、早期退院して、残りの医療的な課題は地域で支えようといった仕組みにはまだ位置づかないのかなと思いますので、そういうところで、まずはそういった仕組みをきちんと継続医療という仕組みをつくっていただくというところが先決かなと思っています。

○樋口座長 どうぞ。

○伊藤構成員 中立的な立場から一言申し上げます。中板構成員のご提案に賛成です。地域包括ケアに関する地域ケア会議でのお話を聞きますと、認知症の事例や、地域で生活されている統合失調症の事例がテーマにあがります。精神障害の方を地域で支える仕組みを他の療育と一体で定型化していく必要があるという観点は、とても大事だと思います。

○樋口座長 長野構成員。

○長野構成員 質問はいいので、まずは感想だけです。

 田川先生、診療所協会のHospital basedからCommunity basedへという考え方の転換には激しく同意をいたします。今回の3協会のプレゼンテーションも非常にすばらしいものをいただいたのですけれども、やはりHospital basedであって、ホスピタルが要らないとか、もちろんそんなことではなく、コミュニティーをベースとして、使える資源としてホスピタルがあるという考え方の政策転換が今は本当に必要だと思いますので、同意をしています。

 質問は作業療法士協会にお願いしたいのですけれども、作業療法士の精神分野が一番大きな転換を必要とすると思うのです。

 例えば、初めの理学療法士・作業療法士法のところから始めて、ここが誤解の出発点になっているのではないか、法改正が要るのではないかと考えています。特に最後の「手芸、工作その他の作業」という文言です。ここが大きな誤解を生んでいて、実際の作業療法士の皆さんはその作業がどうだというのを一生懸命定義されようとしていますけれども、まだ十分なものができていないと思うのです。

 さらに、人数の問題、要するに、病棟のレクリエーションをイメージした作業療法から、個別に成果を上げる作業療法士に大きく転換をしなければいけないところで、そこのところもエビデンスの積み上げが弱いと思うのです。

 少し希望も含めてなのですけれども、15ページの協会としての研究事業を見させていただいたときに、申しわけないのですけれども、協会としての研究、エビデンスの積み上げが足りないのではないかと思っています。21年でこの研究事業が今の大事な時期にとまっているというのは、もう少し頑張っていただきたいと思っていて、今後、政策転換に向けてどのような計画があるのか。あれば教えていただきたいというのが一つ。

 もう一つ、地域包括ケアの中で、しっかり作業療法士が精神も含めて位置づけていかなければいけないのですけれども、今回も生活行為向上マネジメントのことが全く出てこなかったですね。そことの精神との関係が非常におくれているのは認識をしているのですけれども、今後、そことしっかりどうリンクをして、どう協会としても広げていこうとされているのか。この2点を教えていただきたいと思います。

○荻原構成員 ありがとうございます。

 1点目については、昭和40年の法律の文言ですけれども、それを補完する形で平成22年に出たとまずは考えていただければと思っています。

 それと、具体的に個別ということを一生懸命やろうとしているという状況と同時に、このところ協会に問い合わせが入っているのですけれども、集団でということをどのように捉えればいいのかと、はっきり言いますと、それを要求されるということなのです。

 ですから、それは先ほどお伝えしたように、診療報酬の基準を、1974年から全然変わっていませんので、そこを作業療法だけではなくて、精神科専門療法全体を考えるべき中で作業療法も考えていただきたいということはあります。

 そのエビデンスということなのですけれども、今回は載せませんでしたけれども、個別の作業療法と、個別ではない従来型の作業療法を比較して、この2、3年でいろいろな評価のバッテリーも使った形で見ると、個別のほうがよいという研究はございます。

 ですから、今回は載せませんでしたけれども、それを蓄積していけばいいのではないかと思っています。

○長野構成員 そういう研究が政策提言につながっていくような積み上げが必要ではないかということなのです。

 もう待ったなしだと思っていて、個々の研究者が研究しているということではなく、協会として政策提言につながるような研究も含めたエビデンスの積み上げの予定はどうかということです。

○荻原構成員 そこら辺は考えて動いておりますし、毎年、要望書にしっかりとエビデンスをつけて要望させていただいているのですが、それがなかなかいかないというのは、ご指摘のように、まだ弱いのかもしれないと思っています。

 2点目が、地域包括ケアを含めてですけれども、当初、私は親会が始まったときに病院も地域の中にあるのでということをお伝えしたと思います。今回は精神科の医療ということで、病院の中の問題で私どもの責任制も含めて課題を抱えているので、今回、このような事例あるいは考えを出させていただいただけで、基本は地域包括ケアの考え方あるいはケア会議だとかということを考えていると、生活行為向上マネジメント、あれはイコール作業療法以外の何物でもないわけでして、そこは精神科も事例を蓄積しているということで、体制としては準備をしているということでございます。伝わったでしょうか。

○長野構成員 わかりますけれども、医療と言ったときに、病院の中とイメージしていることそのものが課題ではないかと。要するに、生活行為向上マネジメントも地域包括ケアの中の医療の一部として提供されるもので、常にそこが視野に入っていないといけないのではないかというご提案です。

○荻原構成員 私もそう考えておりまして、きょうのプレゼンテーションは、とにかく医療の中の精神科病院の中ということに限定させていただいただけですので、今、長野構成員がご指摘の部分は本当に同感でございますし、その準備をしているし、動いているということでご理解いただければと思います。

○樋口座長 それでは、広田構成員。

○広田構成員 前回と今日のようなやり方を国民が知れば、この会議は持ちこたえられませんよ。これでは患者は社会復帰できない。

 おととい、国会を傍聴して、総合支援法通りましたけれど、あれを通した国会もおかしい、又、従事者用新しいサービスができたりして、おかしな国、何でもどんどん国会で通って、支援法附帯決議が17個もあって、その後にやった別のところも附帯決議、昔から患者仲間たち「附帯決議がついているから」と期待を持っていたけど、付録のおまけという感じで、なんで塩崎厚生労働大臣がわかりましたと聞いているのか、わからない。塩ちゃん、しっかりしろよ。ちゃんと討議させていただきますと言わなければと思った。

 それと、ここにいるみんなもやっているかもしれない。私は、国会にも親しい人がたくさんいるけど、ここで発言するだけですが、みんなが陳情に行ったものが全部附帯決議?、聞いていてみっともない。今日お出ししている広田和子資料集は、ワシントンポストとニューヨークタイムス等にも手渡しするか郵送します。厚生労働省記者会には既に社保審障害者部会と神奈川県精神科救急調整会議及び精神保健審議会の議事録を渡してあります。取材に来た記者が「広田さん以外は団体の思惑の発言ですね」と。

 思惑ではなくて、わかりやすく、頼まれた15分以内で発言、あとの1時間の論議で質問にこたえて追加の発言もできる。海外でこんなことをやっていたら、通用しない。

 地域地域と皆さんもっともらしい顔をして言っているけど、1つ事例を出します。横浜市旭区は「精神病院銀座」区内に夜中奇声を発している団地の男性がいました。その男性が精神障害者、奥さんが精神障害者。横浜市が3,000万円落としている地元の社会資源お手上げ。広田和子さんにSOSです。電話を受けて、「民生委員も知っています」、「民生委員の方とお話ししていいですか」、「いいです、是非してください」「孤立しているのです」と民生委員さん。

 夜中型だというから、民生委員さんの案内で10時に行って、夜中の2時まで何日か。ご本人に話を聞いた、プライバシーで語れないことはあるけど、「子供の問題で、今はやりのしつけが虐待ということになってしまって、そのことでトラウマを抱えている」

 彼を受けとめられたのは、「鶴ヶ峰駅前の交番のお巡りさん」。申し訳ない。医療でも福祉でもない。お巡りさん、救急救命士が、皆さんのやり残したこと、余計なことをしたことを全部後始末させられている時代。こんなところの人たちを増やすより、特に神奈川県警から、警察官を増員しなければ、高齢化社会を考えれば、救急救命士を増やさなければという国の実態があります。

 それは、精神科救急と直結しています。全国の仲間たち「警察に関与してもらいたくない、俺たちは犯罪者ではない、患者なんだ、救急隊に来てほしい」ということですから、高齢化社会と精神科救急、田原さんは消防庁だか総務省へ行って、それで救急隊を増員、警察も増員という今日的な課題です。

 旭区内の仲間たち団地中の出て行け反対集会。それに対して、社会資源、区役所は表に出られない。ご本人たちにかわり国等の委員している私が、体調不良でマスクして2時間お話伺った。その後、幼子二人連れて東北地方へ落ち延びていった。「東北でも大変」だった、私は県が税金投入している神奈川人権センターニュースに現状を11回書いた。ところが、旭区の社会資源の施設長が横浜市の天下り「何もしてくれないと批判されているけど、○○さんの擁護は誰がするのか」、何を言っているの。こっちは親子心中かもしれないのに電話かけてきたのは横浜市の人権課長、それを応援したのが人権センターの役員さん。へぇ〜、これが現実社会、昔、父が会社を訴えて裁判おこした時、家に来たりしていた近所の人含めた同僚全員会社側についた時のこと思い出したり、仲間たちが言ってきた「本当の味方がいない」という世界を再認識させられ貴重な体験でした。この業界はみんな税金つながりのお仲間さん。本気で怒る気持ちもなかった。

 皆さんが地域に乗り出すといったら、礼文島も、対馬も、横浜旭区も、沖縄の大騒ぎになっているところもある。

 東京都のど真ん中で決めているのではなくて、御当地ソングでご本人にいろいろなことが起きたときに精神障害者だろうと、田原さんだろうと、人間として尊厳を持って接する。きのう横須賀で米軍兵士に「fine?  President obama to visit HIROSHIMA for peace」と言ったら、みんな喜んで、「We hope world peace」とか、女性兵士たちにハグしたら、物すごい盛り上がり、被害者のご冥福毎日祈っていますが、私は沖縄の話は何も言わなかった。本人がプライドを持てて不安なく幸せなら犯罪は少なくなると思いますよ。

 精神障害者だけが地域の中で問題を起こすと捉えられたり、家庭で捉えられるけど、申しわけない、そこにあなたたちが来ても、一人もあの旭区で役に立たなかったと、きょう改めて感じました。地域に乗り出すな。ご本人、いろいろな仲間が言います。上下関係ではなくて。役割は上下だけれど、「患者と医師いろいろなコメディカルも含めて横並びで、人間として平等、対等」公民権、「横浜市をバックに、」「政治家をバックに施策つくらせるな」、ニーズと言ったときに、スタッフのニーズが多過ぎて患者のニーズが通らない。そして、長野先生が、「診断名を見直そう」と画期的発言したけど、医者だけではなく、全てのコメディカルが協働して、ふだんから、「先生、統合失調症?」、「発達障害とつけたけれど、見立てが違っているんじゃ」。

今、社会で、全世界で何が起こっているか。患者の関心は「オバマ大統領の広島訪問」。きょうの夕方、無事に世界の平和を祈れて、プラハの演説の一説でも話してもらって、それがアメリカ、日本全世界の中高生の教科書に入れば、アメリカの高校の保健体育教科書にも日本だけ突出して慰安婦を入れないでね、アメリカは民主主義の本家だから。前を向いて、世界の中で日本がどういう立ち位置で、安倍ちゃんも頑張れ!ということで。

 沖縄の問題では誰が何をしたか。一般の人だったらたたかれないところを、神奈川県警、厚生労働省、それから米軍、いつ、どこで、誰が、何をしたかではなく、「誰がしたか」という日本のマスコミ報道が、今、沖縄、日本、アジアの安全保障を危うくしている。オバマ大統領に安倍総理から話させた日本のマスコミは全くナンセンス。あの男性は元米兵の軍属、そして公務外、プライベートタイム、基地外の犯罪、日米地位協定外です。残忍で傷ましいけど、国内外で数多く発生している。報道によれば「子供の頃から親元離れた境遇」とか、沖縄県警が、「あなたは日米友好のシンボルである・・・」と、彼の人権を尊重しながら取り調べをやっていただきたい。一番私が気になっているのは彼の日本人の奥さんと、幼児のこと。日本のマスコミはたたくだけですから、この資料に出ています。今、あの親子はどこにいたらいいわけ。ハグしてあげたい。

 1997年サンフランシスコで、「昼間ゲイのパレードがあるけど、ジロジロみないでそっとしておいてください」という日系アメリカ国民、夕飯を食べて、ディスコ、ゲイバーで踊ってホテルに帰った、ボーイさん「ここはダウンタウンだから、夜、女1人で歩くな。」警察ではないですよ、自分のホテルに泊まった客の安全を。かつて日本も、女性達が自分の防犯を気にかけていましたが、今は「女輝くの時代」「女性に注意できません」と若い男性諸士たちも。 

○樋口座長 広田さん、少しまとめてください。

○広田構成員 ここであれも欲しい、これも欲しいと。オークションではない。この国はお金もない。有能な人手も。連携と言うけれど、本人はどこにいるの。本人の自己決定が大事です。本人の邪魔をしないで。それから、鏡は大事です。羞恥心をなくして、家にお訪ねするとパンツ一丁になったりする。

 本人が不在では。長野先生が言った病名だけでなくて、今までの自分たちのかかわりはこれでよかったのか。むしろ人手が多過ぎたのではないのか。疲れてしまいます。そんなにいっぱい人が出てくると。せいぜい退院してきたときに、うちにプライバシーの守れるホームヘルパーさんが来てくれて、御飯の材料を買ってきてつくったりして、それで外に行ってと順序があります。待ってください、患者のペースを。原点に返って、ここでしっかりと論議する時間を。「広田さん」と、言われても私は話していますけど発言できなくなる人がいる。記者クラブにお渡しした、神奈川県精神保健福祉審議会の平成26年2月12日と、27年3月、在日韓国人エリートさんの弁護士さんが委員として出ています。日弁連の役員をやっている方です。そこで「日本人と韓国人が本音で」と私は発言しています。慰安婦のことも、昨年末も日本が韓国に配慮した形で自由陣営の結束にしましたけど、いつまでも配慮では未来志向にならない。きょうはみんなで祈って、世界の反戦、反核、平和の日ということで、格調高い形できちんと話をすること。地域住民に巻き込まれるどころか、ミイラ取りがミイラに、警察官もなってしまいますよ。日本の警察官は少ないから。「協力してもらう人」とか、「この家は安全です」と。あんなものは全部取っ払って、いらない法律廃案にしたり、警察本来の仕事にとスリムにしたり、そして増員して警察力でやれるようにすること、以上です。

 次回は、参考人を呼ぶときにきちんと時間を守るように厳しく言ってください。アメリカでは有能な「ヒラリー・クリントンが公私の何かで問われてFBIが乗り出すのでは」、という日本のマスコミ報道を見て、多忙な政府高官だと公私分けていられない時もあるのではと思うけど。物事の本質で、やるべきことをやる。みんなは無駄口をたたくためにここに呼ばれているわけではない、税金ですよ。私は不祥事みたいなことに巻き込まれたくはない。巻き込まれそうになるときは常に引いている。彼との取材など自分の公私だったらきちんとお答えしている。間もなく彼と再会して引っ越しますが、こちらFBIおとり捜査官広田和子は、ガスも止められて、被災者気分を味わったり、社会的入院の仲間を思ったりして、安くて美味しい外食を感謝しながらいただいています。これも、又、引っ越し直前、国の委員として貴重な体験です。

○樋口座長 では、河崎構成員。そして、伊澤構成員で最後にします。あと10分ぐらい。

○河崎構成員 日精協の河崎です。

 広田さんのご意見を傾聴していて、ちょっと質問を忘れてしまったところもあるのですけれども、全体的な印象として、これは私の意見にはなるのですが、きょうのお話の中で、田川先生は地域の責任制と関係づけて地域包括ケアの必要性をお話しされましたし、田村さんも包括的な地域ケアシステムの構築をご提言なされました。吉川さんが、表現的には地域完結型医療の実現に向けてというお話だったのですけれども、少し吉川さんにお聞きをしたいのは、資料の13ページ、最後のまとめのところなのですが、一番最後のところの継続医療・看護の推進のところ、そういう継続医療や看護を担う拠点の整備あるいは人材養成を医療計画へ反映するべきだということをお書きなのですが、ここでいう拠点というのは、現在、地域の中に精神科医療としては精神科病院があり、精神科診療所があったりするわけです。そういうところを拠点のような形に役割をどんどんシフトしたり、あるいは拡充をするというイメージなのか、全く新しい概念の拠点を整備すべきというお考えなのか、そこだけ確認したいのですけれども、いずれにしましても、これは医政局で医療計画の見直しの検討会が始まっているわけですし、ここでの議論がそこでの検討会に精神の部分の意見としてかなり重要な位置づけであるというのは、以前に厚労にも確認しているところですので、きょうの医療計画絡みのさまざまな団体からのお話は、ぜひ事務局でしっかりと集約をしていただいて、私たちのほうに、またそのあたりのイメージを示していただければありがたいと思います。

 吉川さん、いかがですか。

○日本精神科看護協会吉川隆博氏 ありがとうございます。

 最後に書いたのがちょっと抽象度高く書き過ぎているところがあるのですが、河崎先生がおっしゃったように、別に何をもって拠点と言うかというところまで、別にこれだという限られたものではないと私も思っております。

 ですから、例えば、精神科病院がサテライト型で診療所を出すとか、そういったところに、訪問看護ステーションまたは診療所協会のいろいろご提案されているような多機能型、それはいろいろとあっていいと思うのですが、私どもが気にかけているのが、そういった医療資源の偏在がかなりあると思います。どうしても街中とか。

 ですから、本当にそれぞれの患者さん、地域で生活されている方が、例えば、必要な医療資源で、通所ですと、そこにどうやっていくのかとか、いろいろな問題がありますので、どういう圏域がふさわしいのかわかりませんが、医療圏域なのか、商業圏域なのかどうかわからないのですが、これは例えばのイメージなのですが、中学校区とか、それぐらいで地域で支えるような拠点づくりを何らかの形で整備しないと、社会資源がないから地域につながることがなかなか難しくて、退院ができないということがないように、そこはきちんと計画的に整備していただかないと、例えば、訪問看護ステーション1つとっても、精神に特化したところが今は160カ所ぐらいしかないのです。となると、都道府県で本当に4、5カ所ということになりますから、本当にそれでいろいろと施策で言っている、入院医療中心から地域生活中心にというのが本当に進むのかといったところもありますので、そういったことを含めてのご提案になっています。

○河崎構成員 それはまさしく医療計画との関連の中ではすごく重要な意味があるということでございますね。ありがとうございます。

○樋口座長 では、伊澤構成員。

○伊澤構成員 1点だけ、具体的なところなのですが、きょう、田村さんにお示しいただいた資料の5ページに、訪問看護における精神保健福祉士ができることということで、役割、中身、実践の内容について細かに整理されていて非常にわかりやすいのですが、その左下、精神科病院では訪問従事者数の3分の1を精神保健福祉士が担っているという実態があるということなのですけれども、一方で、吉川さんがお出しになった資料の6ページのところで、事例についてなのですが、水中毒がある方の支援なのですが、そのような方の支援に、恐らくこれは精神保健福祉士が動いたのであろうと思しき部分があったりもするわけなのです。だけれども、訪問看護ステーションで精神保健福祉士が動いても、これは評価の対象にならないという現状の制度の限界がありますね。そのあたりをどう見るかということなのです。

 吉川さんがお出しになった資料の一番下の「訪問看護による効果」の中の3つ目の■に、訪問看護2年目に地域活動支援センターを紹介し、徐々に職員との関係や友人もできるようになっていったという、まさにソーシャルワークが積み上がっていく中で、その方の生活の安定度が高まるとか、支援の拡充が行われたことが読み取れるわけなのですが、精神保健福祉士の役割が非常に明瞭ではないかと思うのです。

 そういう意味では、吉川さん、田村さんはそれぞれこういうことについて、つまり、精神科病院の訪問看護にはワーカーさんの評価があるけれども、ステーションにはないという、このあたりをどう見ているか、そういうあたりを最後に聞きたいです。

○日本精神保健福祉士協会田村綾子氏 ありがとうございます。

 「訪問看護」という名称なので看護がイメージされるのだろうと思うのですが、実際にやっていることとしては生活相談だと思うのです。相談の出前という部分があると思いますので、そこで行われているソーシャルワークを、可能であれば評価していただきたいということは、精神保健福祉士協会では10年以上前から実は要望等も繰り返しさせていただいているところなのですけれども、なかなか壁が厚いということなのかなと思います。

 ただ、実際に必要であることは間違いないと思いますので、志というか、そういう必要性を感じていらっしゃるところは、中には配置していただいていて、サービスとしてということになるのでしょうか、実践としての積み上げは地域で見られると思いますけれども、残念ながら全国的な展開には現状ではなっていないということだと思います。

 できれば、きちんと必要な人員として、精神保健福祉士を位置づけていただいて、単独で訪問看護ステーションから訪問したとしても、それが評価されるとなればいいなとは思っております。

 ありがとうございました。

○広田構成員 先生、1つだけ追加、吉川君、こういう話があります。

 私は、現在は彼がいて、幸せで元気です、一緒に暮らせば少量の薬もやがて不要になったり、これからは入院しませんけど。1、2泊の休息入院したとき、お薬は自分で持って行った。確認と先ほどおっしゃったではないですか。本人の確認はいいけど、スタッフが確認するというのは自分の自己安心?、薬を飲んですやすや寝ているのに。「袋を探してください」と起こされました。申しわけない、スタッフ間で信頼関係をつくって、「患者を巻き込まないで」と言いたい。

 議事録を読んで、みんないっぱい言ってくるから。広田和子は、彼と暮らすために、全部相談員も引きましたけど、20年ぐらいナンバーワンの質問「ソーシャルワーカーというけど社会を知らない。」

 私は、「運転手をやっているから、何かをやっているから」ということで、精神科のソーシャルワーカーの資格をつくるときに、ユーザーとして1人だけ賛同したわけです。そうしたら、MSWたちがやってきて、「応援しないで」ごちゃごちゃ騒いで、資格ができたら言ってきた人たちが「一番先に取得している」というから、お巡りさんたちの言うとおり、「DVだ、ストーカーだと言ってくるけど、3日後には手をつないで歩いている」のと同じ。

 皆さんが見本を示す。幸福な家庭生活。

 社会人としてです。職業人である前に、ひとりの人間としての当たり前の生活を。

○樋口座長 ありがとうございました。

 時間が30分を超えました。本日は、これにて終了させていただきたいと思います。

 司会の不手際で全体の時間が延びたことをお詫びしたいと思います。

 それでは、事務局から次回の案内等をしてください。

○鶴田課長補佐 事務局です。

 第3回「医療保護入院等のあり方分科会」は、629日の16時から予定しています。

 第4回「新たな地域精神保健医療体制のあり方分科会」は、こちらも629日の10時という予定となっております。

 以上です。

○樋口座長 ありがとうございました。

 では、本日は大変お忙しいところ、長時間にわたってありがとうございました。

 これで第3回の「地域精神保健医療体制のあり方分科会」を終了とさせていただきます。

 ありがとうございました。

 


(了)

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