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2016年3月29日 第13回雇用仲介事業等の在り方に関する検討会 議事録

職業安定局派遣・有期労働対策部需給調整事業課

○日時

平成28年3月29日(火)10:00〜12:00


○場所

東京都千代田区霞が関1-2-2 中央合同庁舎第5号館
専用第22会議室(18階)


○出席者

委員

阿部座長、安藤委員、大久保委員、竹内(奥野)委員、水島委員、水町委員

事務局

坂口派遣・有期労働対策部長、松本需給調整事業課長、戸ヶ崎主任指導官、
手倉森派遣・請負労働企画官、木本需給調整事業課長補佐

○議題

(1)関係団体からのヒアリング

○議事

 

○阿部座長 おはようございます。定刻になりましたので、第 13 回雇用仲介事業等の在り方に関する検討会を開催いたします。本日は松浦委員が所用のため御欠席となっております。本日の検討会はヒアリングということで、関係団体の皆様に御出席をいただいております。それでは、資料の確認と合わせて、御出席いただいている方々の紹介を事務局よりお願いいたします。

○木本補佐 課長補佐の木本です。よろしくお願いいたします。お手元の配布資料について御確認をお願いします。議事次第、座席表に続きまして、資料 1 として、日本人材紹介事業協会様から御提出いただいている資料を配布しております。資料に不備等ございましたら、事務局までお申し付けください。

 続きまして、本日のヒアリングに御対応いただきます関係団体の方々の御紹介を申し上げます。一般社団法人日本人材紹介事業協会の渡部様、佐藤様、岸様です。事務局からの説明は以上です。

○阿部座長 それでは、議事に入ります。ただいま事務局から御紹介いただきましたが、本日は関係団体の方々に御出席いただいております。皆様、本日はお忙しい中、本検討会に御出席いただきましてありがとうございます。検討会委員を代表いたしまして、私から御礼申し上げます。どうもありがとうございます。議事の進め方ですが、まずは、日本人材紹介事業協会の方々から 20 分程度お話をいただき、その後、委員からの質疑応答とさせていただきます。それでは、日本人材紹介事業協会の渡部様、佐藤様、岸様、よろしくお願いします。

○渡部様 最初に渡部からお話いたします。今日は、このようなお話の場を設けさせていただきまして、誠にありがとうございます。今日の私どもの進め方について、簡単に私からお話いたします。まず、この検討会の論点整理につきましては、既にお話もいただいておりまして、私どもなりにいろいろ話している中で、表現は悪いですが、特段大きな違和感を持つ内容ではないと基本的に認識しております。これまでも恐らくこのような場で、いろいろな団体さんがお話されて、私自身も JHR の理事もやっておりますので、いろいろな場で意見も述べさせていただいております。今日、私どもの説明の内容は、御覧いただいてのとおり、苦情相談等の事例紹介ということで、余り抽象的なお話をしてもどうかと思いますので、極力職業紹介の現場で何が起こっているかを、頂きました論点に沿って御説明させていただければと思っております。

 人材協は、後ほど御説明しますが、 200 数十社入っておりますが、上は何万人という社員による大企業から 1 人でやっている中小企業、全国展開している企業、いろいろな方々の入っている団体です。そういう意味からも、人材協としてこれという意見をお話するよりは、現場で何が起こっているか、様々なことをお伝えするほうが有意義かということで、このような作りにしております。ただ、職安法について、我々の基本的な考えを述べますと、 1999 年、 2004 年に改正していただいて、求職者、求人者も含めて大変理解をいただいている法律かと我々なりに理解しています。したがって、大本の所で、我々がそれほどああだこうだということは余りないかと思っていますが、むしろ技術的な手続や、その他については、幾つかこうしていただければということもありますので、それらも踏まえて、今の状況をお話させていただければと思っています。冒頭、佐藤専務理事より人材協の概要についてお話いたしまして、その後、相談室長の岸室長から資料に基づいて苦情相談等の事例紹介をさせていただければと思っております。是非よろしくお願いいたします。以上です。

○佐藤様 それでは、私ども人材協と言っておりますが、佐藤から簡単に人材協の概要について、サマリーで簡単に御説明いたします。 1 ページは、左側に人材協の概要ということで、私どもはホワイトカラー職種を中心に扱う人材紹介事業の団体であり、大きくは 3 つの業務形態があります。右側には人材協の沿革が書いてあって、ここの真ん中辺りですが、平成 9 年に「倫理綱領」をベースに置いて、これを行動基準としていくことにしております。

2 ページ目が今、御紹介しました倫理綱領の内容です。説明は省略させていただきます。それを基に人材協の行動基準を掲げました。これを私どものパンフレットの第 1 ページ目に掲げております。

 むしろ御説明したいのは 4 ページ目の人材協の概要です。ホワイトカラーと言いますと、大手のイメージが強いのですが、実はそうではなくて、概略を説明しますと、左側に円グラフで「紹介形態別」と書いてありますが、いわゆる登録のみが 57 %、あとは登録と再就職支援との混合や、あるいはサーチと登録との混合など、混合型で行っているのが実態です。さらに言いますと、紹介事業従事者の人数、企業規模と考えていただいて構わないのですが、紹介に携わる従業員の数で言いますと、円グラフの右側とその下のほう、 10 人以下が約 7 割、 30 人以下だと 87 %、約 9 割に近いというところで、圧倒的に中小が中心を占めている団体だと御理解をいただければと思います。地域別には首都圏が圧倒的に多く、「兼業の有無」で小さく書いてありますが、 62 %が紹介と派遣とを兼業しているということです。そういう意味では、専業は極めて少ない状況ではありますが、こうなっております。

5 ページ目ですが、私どもは相談室を設けて、人材協の会員に限らず会員以外の相談や苦情も受け付けておりまして、それを整理しております。 3 年間の推移を書いてありますが、相談室長を中心に整理して、推移をまとめたものです。これを基に次ページ以降を相談室長の岸が説明いたしますが、そういった相談や苦情などの内容を論点に沿って御説明することにしております。私の概略の説明は以上で終りまして、後は岸に替わります。

○岸様 それでは、引き続き具体的なお話に入っていきたいと思います。資料の冒頭に、大変僭越なことを書きましたけれども、現実に御相談窓口をやっていると、これが世の中の全部だったら大変だと思うこともままあるわけです。当然のことではありますが、極めてスムーズに業務が行っている場合の情報は、私の所には全く入っていないという前提での御報告だということを御理解いただければと思います。今日は、前々回のこの検討会と、これまでの議論の整理を拝見しながら、主に過去 3 年、一部足りないものは過去 5 年の苦情相談事例からピックアップして御紹介いたします。

 最初に兼業に関する御意見として、これまでの議論の整理で、欠格事由の共通化や情報の管理についてどうか、あるいは派遣労働から直接雇用への移動についてどうかという御指摘や整理がなされていたかと思うのですが、そんなに大きな紛争事例はありません。強いて言えば、紹介予定派遣やいわゆる常用目的紹介についての御質問というのは、定番の御質問として事業者や開業予定者からあります。また、既に派遣事業をやっていて、様々な派遣事業の規制の変化によって紹介業にシフトしたい、あるいは去年の雇用安定化措置が盛り込まれたことによって、紹介予定派遣の紹介の許可を取りたいという御質問が散見されるという状態です。

 第 2 に、紹介事業についての整理をしていただきましたけれども、紹介責任者の選任については、特に企業に 1 人でいいのではないかという御意見は、余り寄せられておりません。むしろ紹介責任者になった方から、社員教育をする義務はあるのかという御質問がたまにあります。改めて今回ヒアリングを受けるに当たり、紹介責任者のいろいろな決め事を見ますと、その条項がなかったなという気がします。むしろ従事者への品質の保証という仕組みが、現在の法律や通達には余り見受けられない。ここはいかがなものかという気がしなくもありません。

 また、面積要件については、皆さん、 20 平米というデジタルなデータはいかがなものかという御意見も傍聴しておりました。確かにそのとおりで、プライバシーをどう確保するかということで、現実はスカウト型の人材紹介会社・職業紹介会社というのは、対象者の勤務地の近くのホテル等でインタビューをすることが多いものですから、それに伴って面積要件は不要ではないかという事業者からの御意見もあります。ただ、一方でインタビューを受ける側の人材のほうからは、やはりプライバシーが確保されなくて、若干不安があったという声もないわけではありません。

 事業所外での事業実施、求人・求職の受付については、現実的に求人の受付というのは、もちろんこの時代ですからメールや電話、ファックス、その他で行われることもあるのですが、職場を見てから紹介するという、なかなか筋の通った人材紹介会社の方は先方に伺って、先方の事業所で求人を受け付けているというのが圧倒的な状態ではないかと伺っております。むしろ事業所内での場所のプライバシーの確保については、前回の御指摘にもありましたように、やや不安の声があるということですから、その観点で何らかのルール化がされるのであれば、 20 平米について必要性があるという御意見は余り伺っておりません。

 続いて、紹介事業者に課されるいろいろな義務の話です。今回ヒアリングを受けることになり、人材協のニュースレターの読者その他に、御意見があったらということで寄せていただいて拾っています。労働条件明示の負担について、ベテランの方からは、電子メールの利用によって、昔に比べれば随分楽になったと。昔は紙を渡さないといけないと言われて、遠隔地では郵便でやることもないわけではなかったと聞きます。ただ、逆に事業者側の認識としては、実は求人企業から求人票をいただけないケースが現実には多々あり、サービスだからそちらが作れということになっているわけです。この資料には余り載せられなかったのですが、人材紹介会社が求人条件を聞き間違えた、言った言わないといった紛争も起きておりますので、これはなかなか困った事態です。むしろ求人企業への労働条件明示の義務を徹底的にできないものかという御意見を頂いております。

 全件受理については、様々な御意見があります。こちらに書きましたように、思い込みで得手不得手の話と全件受理の話の境目で、例えば、これは大変問題ですよと指導したのですけれども、うちは障害者求人は扱ってないのですよと、現実にないからそう悪気なくおっしゃったようですが、やはり公共的な事業としていかがなものかということで、人材協の会員会社への求職者からの御苦情でしたので指導をいたしました。これは今でも続けております。

 また、一方で大変高齢な方が来ると、民間にお金を払って求人するという現実の中では余りないというのも事実ではあるのですけれども、そのことを口にすることが、相手の求職者にとっては不愉快になるケースもあります。

3 つ目の御苦情事例では、紹介の件数を多く求める場合があります。これはスピードの時代になっているという傾向かと思いますけれども、本当のところはよく分かりません。「当社は 3 つも 4 つも断るような人材には、もう紹介しない」と言われたけれども、それはやはり全件受理義務違反になりかねないという御指導をさせていただいたケースがあります。

4 つ目の事例、これは立場によって御意見が分かれるところですけれども、当社はエグゼクティブな人材しか扱っていないと標榜するのも、ある意味ではあり得ることだろうと思います。この事業者は「クレジットカードだって、ゴールドカードとそうでないものがあるんだ。求人雑誌だって、こういうエグゼクティブ求人だけの雑誌というのも許されるじゃないか」と言っているのですけれども、それは公共性の観点でいいのだろうかという御指摘も一方でありました。

 あと、 5 つ目はかなりリアルな話ですけれども、以前に比べれば、この業界が扱う事例がたくさん増えてきている関係もあり、お金を払ってくれないケースがあります。踏み倒されるケースがあるのですが、その会社からまた求人が来た場合に受け付けなくてはいけないのかという素朴な疑問も寄せられているところです。

 そして、一番トピックス的な問題だと思うのは、昨年、若者雇用促進法が成立した影響があって、ハローワークにおいてはこの 3 1 日から新卒の若者求人について、労働基準法違反その他の法令違反のあった、いわゆるブラック求人の受理については、これを不受理とすることができます。また、民間も同様の扱いとすることが好ましいということですが、少なくとも人材協の会員にとっては、新卒求人を扱っている所が 3 桁あるという状態ではありません。むしろ、いわゆるブラック企業法違反と思われる企業から、中途採用の 30 代をイメージとしたミドルクラスの求人があったら断りたい、これは駄目なのかというお問合せを今受けているところです。現状では、いずれ参議院の附帯決議のこともあるので、推移を見守ってくださいとお答えしています。

 次に、こちらの委員会では業務提携について、いろいろな論議がなされたかと思います。業務提携の仕組みそのものについては、私どもや、前回ヒアリングに応じられた民紹協さんが主催する職業紹介責任者講習でも説明しています。もちろん提携相手の紹介会社のことをよく分かっていないとできない筈のことですが、トラブル事例としてはいろいろな事例があります。複数の紹介会社の代理店と称している人に自分の履歴書を預けたら、複数にばらまかれたが、これはいいのかという御質問がありました。

 次の項目ですが、金融機関がいろいろな取引をしていると、人・物・金ではありませんが、求人需要があって人も欲しいんだけどと言われたと。自分の所で紹介会社をつくって紹介することは法に触れるのかという御質問もありました。「求人があるよ」というだけでは、とても求人受付とは思えないのでそれはないから、改めて子会社の許可を持った紹介会社が受付になればいいのではないかという返事をしたりしております。

 また、こちらの場でもありましたが、キャリアコンサルタントとして独立していらっしゃる方からのいろいろな相談に乗っていると、職業紹介をしたいけれども面積要件や資産要件で自分の所ではなかなか許可を取りにくいので、現実には紹介会社に紹介している、これでお金をもらっていいのだろうかという御質問もありました。最終的には行政機関にお問合せくださいということではありますが、なかなか難しい局面があります。

 もう 1 つ大きなポイントとしては、この検討会が始まったときにも整理されたと思うのですが、国外とのグローバル化の対応です。これはこちらの検討会とは若干違って、送り出しと受入れの 2 種類に分けて整理してみました。もちろん送り出しは主として日本人ですが、日本国内の大学を卒業した外国人留学生を、出身国の日系企業に紹介するというケースも出てきております。そこで、送り出しのときにどういう問題が起きるかというと、主として現地の事情に余り詳しくない人材からのクレーム事例がありました。例えばアメリカで 10 年、 15 年働いたことのある駐在の方というのは、一定年齢になるとアメリカの年金も出るという説明があり得るわけです。しかし中国に紹介された人材が質問したら、誰も答えられなかったということで、やはり現地の事情が分からないで紹介されるのは不安だという声も伺っております。

 また、これは本当に文化の違いだと思うのですが、お風呂付きという条件で行ったのにバスタブがなく、シャワーしかなくて揉めてしまったという事例も御紹介しておきたいと思います。

 受入れについては、前回もどちらかのヒアリングでありましたが、せめて日本人ぐらいは留学中の面倒を見たいという声が、人材協の会員からもあります。ただ、我々は職業安定法の下で仕事をしているわけで、日本だから、そうでないからということで分けて扱うのはいかがなものかと、現状ではお答えしております。むしろ今は受付行為がどこでなされるかという先生方の法理論もおありでしょうから、是非伺いたいところですが、メールでやり取りをしていて、受け付ける側が日本にいて日本の企業を紹介する部分については、あっせん行為が日本国内だけで完結しているのではないだろうかという観点の御意見が 1 つあります。

 もう 1 つは、現実的に言いますと受け入れの国内紹介というのは、どうしてもブルーワーカーとか、技能実習制度に満たされるような賃金労働者のことと一緒にされがちですので、その部分をどうするかという工夫が必要ではないかと。例えば、 700 万円という年収や職種で分けて、グローバルな高度人材の受入れができるべきではないかという御意見もあります。

 時間がありませんので、若干省略して話を進めます。「その他」の欄に書いたもので、今は医師の業界で比較的多いのですけれども、紹介した人を早めにまた引っこ抜くのはけしからんという、病院からの苦情があります。ただ、ここにも書きましたように、実態を調べても両方とも匿名なので特定はできませんが、実は人材側の言い分としては、入ったらハラスメントのひどい職場だったので、紹介した紹介会社に文句を言って、次の病院を探して欲しいと言ったら、逆にその病院と紹介会社ももめてしまって困っている、私が悪いことをしたのでしょうかという話もあるので、あっせん事業者が間に入って、どこまでスムーズな転職あるいは定着ができるかというのは難しい状態だろうと思います。

 また、これはホワイトカラーの外資系特有の問題だと思いますけれども、欧米企業のスカウト型人材会社は、いわゆるオフリミット条項、契約先からは人をスカウトしないという契約を入れることがいまだに一般的です。これを入れようとすると日本の人材会社が全件受理の観点で、「これは日本の法律に触れるから駄目だ」と言い、「なぜなんだ」という外資系企業からの御質問も定番としてあります。

11 ページに移りますが、もう 1 つだけ申し上げておくと、職業紹介事業者以外の仲介事業との境目の論議がいっぱいあります。正直本音ベースで伺うと、同じようなことを紹介と称してやるのと、求人広告と称してやるのとでは、随分規制が違うねと。では、規制緩和をしたらいいのか、逆に言えば、ある規制を表現の自由の下に保証されている……にかぶせるべきかというのは、大変難しいと認識しております。ただ少なくとも言えるのは、情報を得ることにお金を払うのは、新聞を買うのと同じなので当然だとは思うのですが、今は技術の進歩によって、どんな求人が載っているか一般からは見られないサイトも増えております。今でもハローワークその他で、折込チラシなどの摘発をしていらっしゃるようですが、従来だと違法なものがあれば万人の目に触れて、取締り機関も簡単に見えてチェックができたのです。しかしインターネットになるとそこがなかなか発見しづらいという状況の中で、問題が顕在化しているのではないかという気がいたします。

 最後になりますけれども、冒頭にも少し申し上げたように、紹介責任者についての教育なり設置の仕方なりにも苦情があります。何の教育も受けない人がコンサルタントとして応対できる作りに、今の仕組みはなってしまっているのです。昔は、従事者教育が一定程度担保されていたと聞いております。そこはもう一度検討したほうがいいのではないかという御意見が随分強くありますので、御紹介して私からの御報告とさせていただきます。

○阿部座長 ありがとうございました。それでは委員の皆様から、御出席の方々に対する質問あるいは御感想、その他御意見何でも結構ですので、御発言いただければと思います。

○安藤委員 今お話いただいた内容の前に、人材紹介事業協会についてお伺いしたいのです。こういう紹介事業をやっている会社のうち、どのくらいの割合を組織しているのか、また加入していない所にはどういう傾向があるのか。例えば零細の所とか、トラブルが多い所が多いのかという件です。また、個々の会員企業の視点からすると、協会に加盟することのメリットとコストはどういうものなのか、そういうことについて教えていただければと思います。

○佐藤様 なかなか難しい質問です。今、人材協の会員は 230 近い会社数です。実際の社数の把握は捉えていないのですけれども、多分、日本全国で 1 7,000 事業所ぐらいあるだろうと思います。そのうち人材協の会員の事業所数が 1,000 数百ですから、 1 割にも満たない、 5 %から 10 %の間ぐらいのシェアです。そういう意味では圧倒的にシェアが少ない。事業所で比較的多いのが、前回ヒアリングを受けられた民紹協です。民営職業紹介事業というのは、いわゆる伝統的なマネキンや配膳人の数が多い。そういう意味で、ホワイトカラー系のシェアがどのくらいかというのは、十分把握しておりませんが、それほど多くはない。

 ただ、会社数ではそうですが、事業規模、売上げでどうかと申し上げますと、人材協の会員の売上げは 1,000 億円強あるだろうと思っております。厚労省の 8 号様式の集計によりますと、平成 25 年度で全体が 3,200 億円くらいですから、約 3 割くらいのシェアです。更に言いますとホワイトカラー系の中でのシェアは、私どもは 5 6 割ぐらいのシェアを持っていると認識しております。

 会員サービスについては、まず人材協の活動内容を理解して、入っているだけでも「いい所に入ったね」と言われてお客さんが安心するのが、本当は一番いいのですが、なかなかそうは言ってもらえません。では、メリットは何かと。実は概要でも御説明したように、事業規模の非常に小さい所が多いものですから、自らいろいろな教育をやることができないので、人材協が基礎的な部分を集合教育としてやってあげる。お恥ずかしいのですが、「今さら聞けない労基法」というのをやります。意外とベテランの受講者が多く、これに喜んで来るのです。そういった基礎的な部分の教育がなかなかできていないので、そういったものをカバーするというメリットは、大いに感じておられます。あとは情報交換会をいろいろな地区でやっていますから、業務提携をやるといったところもメリットだと思います。

○竹内委員 詳細な事例に関わる御紹介をありがとうございました。 1 つ目の質問は 7 ページで、求人・求職の全件受理義務の話が出ていました。この項目に限りませんけれども、苦情などを受け付けて、協会としてその指導をされたというお話でしたよね。具体的にどういう指導をされたのか、もし可能であれば教えていただければと思います。

○岸様 指導といっても権限のある団体ではありませんので、綱領を了解して、行動指針を了解していただいているから、間違っていたら直しましょうと助言するのが大原則です。それと、基本的にはなぜいけないのかという法律なり行政通達をお見せする。一番よく利用するのが業務運営要領で、ここにこう書いてあって、そこは禁じられている行為ですよというように申し上げます。ですから「助言指導」という言い方をしているわけです。人材協の会員の場合、おおむねそれでスムーズにいきます。非会員の場合は当然、そういううるさいことを言われるから入らないのだと言われる方も中にはいらっしゃるわけです。

 苦情を申し立てる方が人材の方であれば、求職者であればハローワークとか、各地の労働局の需給調整事業部とか、必ずしも仲介事業ではなく、入社した会社がけしからんという苦情も一緒に入ってきますから、この場合は総合あっせん窓口とか、場合によっては弁護士会の相談窓口とか、 e- テラスのような機関まで御紹介することがあります。素人の集団というと、変にへりくだったように聞こえるかもしれませんけれども、長いだけで絶対に自信があるかというと難しいものですから、必要に応じて弁護士さんに聞いたりしております。ただ、似たような御質問がとても多いものですから、労働局の指導事例と共有し、これこれで駄目ですよという説明をする場面で、大体御納得いただけています。

○竹内委員 お答えを聞いている中で今のことに関連して、もう少し質問したいと思います。念頭に置いているのは、指導などをするのは人材紹介の業者に対してであるという前提でお伺いしておりますけれども、協会に加盟している業者に指導などをして、なかなか指導に応じない場合に、団体として何かサンクションを課すことが制度的に可能になっているかどうかというのが 1 つです。

 あと、今お答えいただいた中で、加盟していない会社にも助言指導をしているというお話がありました。数がかなり違うので、実はそちらのほうが多いのかもしれませんが、加盟していない企業に指導しているほうが多いとか、協会に加盟している会社への指導とか、その数ですね。加盟していない所から見れば、全然知らない所からいきなりこうだああだと言われている感じになるわけですが、それについて指導や助言に応じているとか応じていないとか。そこら辺は多分、数はなかなかないかもしれませんけれども、もし感触等が分かるようでしたら教えていただければと思います。

○岸様 資料の 5 ページに書きましたけれども、いわゆるややこじれたクレームというのは、圧倒的に我が会員に対するもののほうが、インターネット等で検索をして電話を掛けていらっしゃる、あるいはメールを送っていらっしゃるというケースが多くなっています。ですから数としては非会員へのクレームのほうが少ない状態です。それが後段の御質問かと思います。機能としては残念ながら、我が人材協の定款なり綱領は、協力しなければいけないという仕組みにはなっていません。ですから、あくまでも御理解を求めるということです。

 ただ、幸せなことに非会員に対しても職業紹介責任者講習という仕組みがあります。先ほど拾いましたら、昨年度までで延べ 1 万人以上の方が受講していらっしゃいますし、この方たちからの御質問もないわけではありません。一般社団法人と言えども、やはり公益事業もやっているという立場から、一定程度の御説明はします。基本的には相談窓口の御紹介です。つまり、こじれている求職者に対してはそれなりの労働局あっせんを御紹介するケースもありますし、公的な仕組みを紹介する、あるいは社労士の相談会のようなものも、いつもキャッチして紹介しているという格好が多くございます。人材協の会員の場合は大体出かけて行って、あくまでも協力任意ということですが、書類と経緯を伺って教訓化するという作業です。

○水島委員 今の御回答に関連するところですので、併せてお伺いします。会員以外の方が相談室にアクセスすることについて、先ほどインターネットで検索というお話がありましたけれども、どのような形で会員以外の方に、こうした相談事業をされていることをお知らせになっているのかというのが第 1 点です。

2 点目に、先ほどの御回答で、基本的に相談窓口を御紹介されるということでしたけれども、人材協の相談事業は、あくまでも会員企業が対象であって、それ以外はサービスでやっておられる、拡大される意図ではない、という理解でよろしいでしょうか。

○岸様 後段については大変悩ましい御質問です。一般社団法人と言えども、できる限りは公益事業をやりたいと考えておりますが、やはり数が圧倒的に違います。それと、前提として綱領を承認するというところで線が引かれておりますので、我々からすると極めて当たり前のことしか書いてないのですが、そこはなかなか承認したくないとおっしゃる方も、中には入っているというのが現実だと思います。

 前段については、人材協の会員だからということはないです。ただ、行きやすいという問題はあります。やはりその会社の作りとか、今回の議題にはのぼっておりませんけれども、入口がこうでなければいけないとか、先ほどの 20 平米規制などの実態を知るには、会員と言えども行ってみて、入口に書いてあるルールブックがどうなのかとか、許可証の大臣の名前を見ると、大体いつ頃取った人か、サッと斜めに見ても分かるわけです。その意味でサービスの差としては、どうしても会員は訪問して助言する、それ以外はメール若しくは電話で助言するということになっています。広報は基本的にはホームページです。

 あと、細かい話になりますが、人材協の会員は再就職支援会社もそうですし、ほかの会員も業務の運営に関する規程というものを求職受付、求人受付のときにそれぞれの当事者に交付することになっています。そして一番最後に、その会社の紹介責任者の名前を書きましょうという行政指導がなされているのです。しかし、これは例なので付け加えてもいいので、そこでらちが開かないときには人材協の相談室がありますよ、電話番号を書きましょうというのが、会員の扱っている人材や求人企業への周知機能としては、かなり有効かと思っています。

○佐藤様 水島先生、相談室を横で見ながらですが、実は是非人材協の会員にというときには非常に丁寧に、相談室があって対応するよと言って PR しているのです。ですから一般的には職業紹介責任者講習での質問への対応、非会員への対応だとホームページから見て、会員への対応という意味では問題をどうやって解決するか、再発防止をどうするかという観点で、労働局にも会員と一緒に行ったりという丁寧な指導をするというところにメリットを感じてもらって、是非どうぞというのを一生懸命やっているという状況です。

○阿部座長 ほかにいかがですか。

○安藤委員  11 ページの一番最後の付記されている所に関心があるのですが、一番最後の御意見として、職業紹介責任者講習の内容や在り方だけでなく、紹介業従事者、一般社員の方々についても、教育の在り方について検討する必要があるのではないかと。これは多分外から出た意見だとは思うのですが、協会の皆さんとしてはこの点についてどのようにお考えなのかを教えていただければと思います。

○佐藤様 なかなか難しい質問です。協会に関しても、実は先ほどの例え話で、「今さら聞きにくい労基法」とか、この業としてやっていく上で最適に必要な法律とか、あるいはコンプライアンスの問題とか、こういったものを教えるのは、我々がやっていて、どこまで会員企業に徹底しているかは十分ではないのですが、ある程度の感触は持っています。むしろこれを感覚的に受け止めたのは、例えば職業紹介責任者講習などをやって、そこでの質問とか、皆さん方の態度とか、そういった様子を見ながら、こういう知識の範囲で、あるいは知識のレベルで、本当に職業紹介事業ができるのかと、本当に適格紹介ができるのだろうかと、私は少し素朴な危機感を持ったりしています。

 もう一方で、職業紹介事業者は、職業紹介責任者を 50 人に 1 人配置すること、あるいは一事業所に必ずと、 50 人以上となっています。例えば派遣元責任者は、多分、派遣社員 100 人に 1 人ぐらいの割合で置いてくれと。 100 人に 1 人を置いてくれということを考えるときに、職業紹介責任者というのは相当の求職者と会うはずですから、やはり職業紹介をする上での基本的な知識を最低限の担保として業界全体で何かできないかという思いです。業界全体としてそうならないだろうかという思いでのこの表現ですが。

○水町委員 今のことも関連して幾つかお伺いしたいのですが、 1 つ目が 11 ページの教育研修についてです。そもそも教育研修が必要な、特に従事者に対する教育が必要なものの内容の問題と、では誰がやるのかという問題です。例えば、今、そもそも労働法教育で労働法一般の法令を知らないのにいろいろなことをやっている、会社が直接やっていることもあるので、労働法教育をちゃんとしましょうという話が、一般的な法令遵守の話なのか、それとも職業紹介に固有の、これは特別にやらなくてはいけない特別のニーズがあるという内容のものなのか。それとの関係で、関連団体でいろいろな教育をしているところはありますが、協会が主体的にやることで足りる問題なのか、それとも事柄の性質上、公的なサポートなどのサポートをしてやらなければいけない必要性が非常に高い教育訓練のタイプのものなのか、それが 1 つです。ほかのものは違うので、そこをまず 1 つお願いします。

○岸様 最初の御質問については後者でして、一般的なワークルール検定とかいろいろなものが出てきて、普及すること良いことだとは思います。しかし、最低、職業紹介事業者として言ってはいけないこと、やってはいけないことを知らない。先ほどの「うちは障害者は扱っていません」と平気で口にしてしまうことの意味が分かっていないという意味では、基本的人権と、ハローワークの職員の方が一番最初にどのような教育を受けていらっしゃるかは大変興味があるのですが、その程度の教育は同程度に受けないと、官民協調して職業紹介をやりましょうということにならないのではないかと思っています。

 サポートが必要かどうかはなかなか分かりませんが、数も多いですし、サポートと言っても、この時代ですから経済的サポートというよりは、むしろ義務付けることが一定程度担保されたほうが業界全体のレベル向上には、個々の事業者にとっては時間とお金の一定のコスト負担にはなると思いますが、利用する求職者・求人者のトラブル防止のためには有効ではないかと考えています。

○水町委員 相談の具体的な事例との関係で更に 2 つお伺いします。 1 つが 7 ページの特に全件受理義務で、最初に差別禁止、差別はいけないという話と、得手不得手の話の間でいろいろな問題が生じているという話でしたが、我々検討会では比較的差別はいけないということは明確にしつつ、あと、得手不得手の問題については、およそ一切できないというわけではないので、事前の明確化を図って対応すればいいのではないかという筋で議論してきた記憶があります。果たしてそのような整理で対応できるのか。その間で、例えば事前に明確化したといっても、今回、特に求人者からのクレームとかも出てきているとすると、もう少しその間で何か明確にしておいたり、ルールを決めておいたほうがいいタイプの問題があるかどうかというところを、 1 つお伺いしたいところです。

 もう 1 つは、 11 ページの求人情報提供の位置付けの問題です。非常に大雑把に言うと、企業が直接募集をするというときに、できること、できないことと、間に職業紹介が入ることによってできなくなるものがありますが、そのちょうど真ん中ぐらいに求人情報があり、求人情報の提供については、職業紹介みたいにあっせんにはならないけれども、これに対してお金を出したりお金を取ったりできるという真ん中の状態だと思います。また、求人情報の提供についても閲覧できなくなったり、いろいろなシステムが出てきて、もしかしたら何かいろいろなようなことが行われているのではないかということも、ここにうかがわせることが書いてある中で、これは話として、求人情報の提供をどう位置付けるべきかで、職業紹介に近いようなことを表に見えない形でいろいろなやり方としてやることが出てきているとすれば、職業紹介に類似する形で何らかの規制の在り方を考えるべきでないかが 1 つ考えられます。

 他方、そこで直接募集でも求人情報でもできることが、職業紹介になったら急にできないのは、逆に今の多様な情報化の中で問題なので、職業紹介にも求人情報とか直接募集のように、もう少しできることを増やしたほうがいいのではないかというタイプの 2 つの性質の問題があると思うのですが、ここで言われている中で両方入っている気もするのですが、そこの基本的な認識について教えていただければと思います。

○岸様 問題は御指摘のとおり両方とも大変ごっちゃになっています。極論すると、御意見としては、うちはエグゼクティブな求人しか扱いませんということ、例えば今のルールブックで言うと、職種等の限定は、先ほどのブラック企業不受理と同じように、理屈上はできる構造になっています。しかし、では、これを労働局に出したときにどうなるかは、今のところ不明確です。原則、差別につながる恐れがあるので、適切ではないという処分を受ける可能性もあるし、逆に言うと、そこをブレイクする事業者がいないという現実もありますが、実態としてやってしまっている、とはいかがなものかというお話ですね。

 ですから、なかなか前段と後段と分離してすぐの対応は難しいのですが、明らかに差別的なのはいけないと。これは国民からも余り異論が出ないことでありましょうが、「あの会社は高級住宅地しか売らないんだってさ」という不動産さんは当然許されるわけでして、それと同じことをどう明示して、どう許可基準に織り込まれるかが課題だろうとは思います。しかし、現状はそこが不明確なまま、期待と実際はやらないというすれ違いで求職者が腹を立てたり、求人者が紹介会社に断られて腹を立てたりしているのが、この現状です。以上です。

○水町委員 ということは、私は不動産と人間の取引では全然違うと思うので、全く同じ議論は恐らくできないと思うのですが、今の話で言うと、得手不得手の問題で、事前の明確化をするとすれば、それについてもう少しグレーゾーンについて、より明確な形で基準を示したほうがいいのではないかと。

○岸様 そのとおりだと思います。

○水町委員 分かりました。ありがとうございます。

○阿部座長  2 点目は。

○渡部様  2 つ目、職業紹介と求人情報で、規制は何のためにあるかみたいな話にもなってしまう話だと思うのです。職業紹介も求人情報も、要するに我々のビジネスは、求人情報と求職者の情報を仲介するところだと思うのです。今の立て付けだと、そこに何か人が介在して付加価値が加わると、言わば規制の対象になると。逆に情報を一方的に、それこそアルゴリズムではないですが、極端な話、ロボットが提供すれば、その情報はニュートラルなので、予断でないから必ずしも規制の必要がないのだという哲学かと思っているのです。逆に言うと、我々はなぜ手数料を頂いているかと言うと、情報に付加価値を付けるから手数料を頂いているわけだと。そこに規制とビジネスの在り方の矛盾があるのです。

 我々のポイントは、業界として言うとイコールフッティングということを求めたいと思っていて、どちらがいいとか悪いとかということではないです。ですから、人材紹介を規制するという意味の哲学として、その情報に付加価値を加えるところにゆがみがあるといけないから、規制するのだということにするのか、結果としてみれば情報が交換されるという結果のところを見て規制するのかと思っていて、そこは我々があれこれ申し上げるところではないのかというのが、今のポジションです。

○水町委員 今のすごく早く変化する情報社会の中で、人間が介在して付加価値を付けることと、システムでアルゴリズムでやると言っても、そこは人間がシステム設計をやっているので、そこの区別がなくなってきているとか、何かそういうことで実感されることとか、そこには一定の違いがあるのだぞというところとかがありますか。

○渡部様 人間の思考は統計の結論だと思うのですが、機械でやっていても、こういう情報を流すとこういう反応があることを集計していけば、そこに一定の法則に基づいて付加価値を加える情報の提供ができるわけですから、それは限りなく人の行為に近付いているところはあるかと思います。

○水町委員 この中で雑誌とかで誰でも読める情報提供をただマスにやっている所と、システムの中でいろいろ制限しながら工夫してやっている所とかに、少し違いが出てきているところですか。

○渡部様 と感じるところはあります。

○水町委員 分かりました。ありがとうございます。

○大久保委員 少し抽象的な質問になってしまうのですが、職業紹介を通じたときに、求職者をいかに保護するかは一番中核的なテーマだと思います。先ほどの御説明の中にもありましたが、求人事業者の中には全てが素晴らしい会社ばかりではない。つまり、人を採用して雇い入れることに関して、求人情報をしっかりと明示しない会社も実態としてはあると思いますし、部分的には労働関連法を守っていない会社もあるでしょうし、人権の問題でも少し危ない状態の会社もあるかもしれない。ただ、実際にそういう求人企業と向き合う中でも、この業界は先ほど御説明があったとおり、全体的に中小零細企業が多いわけですから、それほど求人業者に対して強い強制力とか交渉力が働くわけでもないのだろうと思うのです。そういう問題に対して、こういう法律を改正しようかという機会ですし、その環境を改善するための大事な機会だと思うので、あえてもう 1 回お聞きしたいのです。その問題を改善するために、法規制の側で今のルールを改善したほうがいいことと、人材協など業界団体が自主的に努力をして改善すべきテーマと、この両輪で状態を良くしていこうとしたときに、法規制でやるべきことと皆さん自身の努力によってやるべきこととは、具体的にどのようなことだとお考えなのか、もう 1 回教えていただきたいのですが。

○佐藤様 説明しましたように、実際には求人企業が見つかる、書いて求職票を出すケースが少ない状況だし、おっしゃるようにいろいろな求職者があるけれども、求人企業側に対して、きっちり法を守って、形式も含めてちゃんとやってくれというのを、職安法で規定するのは難しいのかという気もしたりします。むしろ、もう少し広い概念での雇用対策法とか、そちらの法律も含めて、そういう企業への働きかけは是非お願いしたいという立場ではあります。

 だから、職安法の中でどうかということは、そこは私もやや素人っぽくて申し訳ありませんが、明快な考え方を持っているわけではないのです。ただ、もっと広げた形で求人企業側が守るべきことは、例えばそういう労働条件の明示等について、何らかの指針なりを出していただくという可能性を期待したいと思うのです。

○大久保委員 それと、業界内でおやりになることもあるわけで、例えば先ほどの沿革の中にも一番直近の活動として、「医療系紹介協議会」の専門委員会をつくったと。なので業界の中でやるべきこともあると思うのですが、業界の中で逆にできることとか、やるべきこととか、やろうとしていることは、具体的にどういうことになりますか。

○佐藤様 これは安藤先生がおっしゃいましたように、人材協に入っているメリットは何かという、人材協の存在価値がどうかにも関係するのですが、それができるかどうかは、 1 つは、事業者の立場ですみませんが、どれだけのシェアを持っているかと、その事業に関するシェアがあるかは、非常に大きいという気がします。

 例えば、医療系紹介事業をああいうふうに立ち上げたのは、現在 20 社で自主規制をやろうということで去年の 10 月から始めました。これもかなりシェアを 20 社が抱えているものですから、我々自らがやれば、これは堂々と皆さん方も業界として一緒に付いてくれるだろうという読みがあってのことで、僅かながら 10 %の企業が、これを是非やろうという倫理規制を持ってやっても、これは本当に皆さんが付いてくるかは自信がありません。 1 つは、やはりシェアというか影響力だろうと思っています。当然ながら自主規規制でできる部分はまだほかにもあるのだろうと思っています。

○大久保委員 実際には 10 %ぐらいのシェアだという中で、その 10 %の協会内の企業で、業界特有性みたいなもの、求人企業社の業界によっては特有性もあると思うのですが、そういう中でどういう形で求職者を保護したいとか、健全な機能を果たしていくのかに関して、職業紹介事業社側ができる自主規制をある意味作って、それを協会加盟会社の中では浸透させると。ただ、それは全体の 10 %でしかないということなので、そのことをもって今度は厚労省とか行政側と情報交換をして、全体に対してもそのような活動がより横断的に浸透するようにしていくことは、やり方としてはいろいろできるのかと思うのですが、そういう理解で、そういう活動を実際にされてきたと思ってよろしいのですか。

○佐藤様 これからもやろうと、今ちょうどみんなで議論している最中です。

○岸様 人材協の行動指針とか綱領も、 2 度ほど改定はしてきています。自然発生的にみんながやっていたことがだんだんと固まり、それが標準になっていく。綱領は自主ルールですが、あるいは、その精神が新たな通達や業務要領に生きていると見えるときもあるのです。そういう意味では、そのときにお手本にしたのは、少なくとも、今少し前の紙の時代の求人情報誌の方々で、その自主基準は大変よくて、全く規制のない世界がどう自主規制をしているのだというのは、参考にしたし、今でも素晴らしいと思っています。

 ただ、一方で、 IT の進化によって、それが今も通じるのかどうかが、今日の課題かという認識をしています。ある意味では人材協も定期的に紹介業の在り方について見て、特に IT をもってこのほうが技術をもってすれば楽だから何でもやれるという話と、先ほど先生方からも御指摘がありましたが、やはり「人」でありますし、わざわざフィラデルフィア宣言を持ち出すまでもなく、モノの取引ではないということを、お気持ちがある方は意識していると思います。いつも線を引きながら自主的な行動規準を繰り返していって、それがもしかすると通達や法律の一部に生きるのが一番理想だろうと、やや青臭いかもしれませんが思っています。

○竹内委員 もしかしたら初めの御説明を聞き逃しているかもしれませんが、 10 ページの 5 のその他で、オフリミット条項の話がありますが、これは定番だということで、外資系の求人者についても定番だという形で理解して聞いたのですが、この上にもあるように、医療関係とかで就職して、また引き抜かれるという話とかもありますので、この上の話も求人した医療機関側から見ると、オフリミット条項に対するニーズが出てくるのではないかという気がするのです。そうすると、外資系に限らずこの手の話は、今日出てきているのではないかという気がするのですが、このオフリミット条項に関わる話は、日本の企業でも何か可能かといった話は上がっているのでしょうか。その辺について教えてください。

○岸様 具体的な御相談としては上がってきていません。ただ、いつ来てもおかしくないというふうにも、多分先生がおっしゃったことに同感ですが、やはり御本人の意思をどう尊重できているかによって判断するしかないだろうと思っています。人材協が推薦している契約は、「御本人から積極的な求職依頼があった場合を除き、倫理に反する誘引はしない」という主旨の表現を一応入れているのが、ぎりぎりオフリミット条項の条文になるかと考えています。ただ、これは弁護士さんの領域になりますので。

○竹内委員 分かりました。

○阿部座長 ありがとうございます。その他いかがですか。特になければヒアリングを終わりたいと思います。本日、我々検討会の論点に沿った形で、現実にどういう御相談があるのかと、そういったケースを御紹介いただき、今後、我々が議論していく上では非常に参考になったのではないかと思います。

 私個人の感想としては、質問ではないのですが、今日考えさせられたのは、今起こって、ここで出てきた問題が、制度的な問題としてあるのか、それとも従事者のスキルということで問題になっているのか、そこの切り分けは難しいという感じがしました。全てそうですが、例えば 6 ページに面積要件が出ていて、「ファミリーレストランで紹介会社の人と会って、プライバシーのやり取りが隣の席に聞こえてしまうので困った」とか、「喫茶店で履歴書をヘッドハンターに預けたが、蓋が開いたままの鞄に放り込まれて、失くされないか心配」とかは、制度の話ではなくて人の話ではないかと思ったりして、それがなぜ制度の話にいくのかが、よく考えていかないといけないかと思ったりしました。いずれにしても、その他様々な苦情や御意見といったものをお教えいただいて、非常に参考になりました。本当にありがとうございました。

 それでは、事務局から連絡事項をお願いします。

○木本補佐 次回の日程は 4 12 13 時から、場所は共用第 8 会議室で開催しますので、よろしくお願いします。

 傍聴の方々に御連絡します。傍聴者の方々は、事務局の誘動に従って御退席ください。また、御協力いただいた事業者の皆様、ありがとうございました。事務局の者が御案内しますので、今しばらく御着席のままお待ちください。以上です。

○阿部座長 それでは、以上をもちまして第 13 回雇用仲介事業等の在り方に関する検討会を終了します。本日、御出席いただいた日本人材紹介事業協会の方々には、大変御協力いただきまして、ありがとうございました。これで終了します。

 


(了)

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