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2016年2月26日 第11回雇用仲介事業等の在り方に関する検討会 議事録

職業安定局派遣・有期労働対策部需給調整事業課

○日時

平成28年2月26日(金)10:00~12:00


○場所

東京都千代田区霞が関1-2-2 中央合同庁舎第5号館
専用第23会議室(6階)


○出席者

委員

阿部座長、安藤委員、大久保委員、竹内(奥野)委員、松浦委員、水島委員

事務局

戸ヶ崎主任指導官、手倉森派遣・請負労働企画官、
木本需給調整事業課長補佐、梅田需給調整事業課長補佐、吉田需給調整事業課長補佐

○議題

(1)これまでの議論の整理

○議事

○阿部座長 おはようございます。それでは、定刻になりましたので、第11回「雇用仲介事業等の在り方に関する検討会」を開催いたします。

 これまでの検討会では個別の論点を議論してまいりましたが、本日は、これまでの議論について一度中間整理をして、次回以降の議論につなげていきたいと思います。

 それでは、資料の確認を事務局よりお願いいたします。

○木本補佐 需給調整事業課課長補佐の木本です。よろしくお願いいたします。

 それでは、お手元の配付資料につきまして御確認をお願いいたします。

 議事次第、座席表に続きまして、

 資料1 これまでの議論の整理(案)

 資料2 今後の議論の進め方(案)

 資料3 第10回雇用仲介事業等の在り方に関する検討会 議事概要

の以上3点となります。資料に不備等ございましたら、事務局までお申しつけください。

○阿部座長 ありがとうございました。

 それでは、議事に入りたいと思います。議事の進め方ですが、事務局から、資料の御説明をいただき、議論の時間をとっていきたいと思います。

 では、まず事務局より御説明をお願いします。

○手倉森企画官 需給調整事業課の派遣請負労働企画官の手倉森です。

私のほうから資料のほうを説明させていただきたいと思いますが、まず、冒頭、坂口部長と松本課長ですが、急な国会要務がございまして、本日欠席しております。出席の委員の皆様方におかれましては、大変申しわけございません。

 では、資料のほう、説明させていただきます。資料1、ごらんいただければと思います。この検討会におきますこれまでの議論の整理ということで、資料1のほうをまとめております。読み上げるような形になりますが、御説明させていただきたいと思います。

 

第1 職業紹介事業と労働者派遣事業を兼業する場合のルールの在り方

➀欠格事由及び許可基準

○可能な限り、共通化を図ることとしてはどうか。

➁求人情報・求職情報の管理

○別個の管理を要しないこととしてはどうか。

➂派遣労働から派遣先での直接雇用への円滑な移行

○円滑な移行を促進するための在り方について、さらに検討することとしてはどうか。

第2 職業紹介事業

1 職業紹介事業の主な許可基準等

➀職業紹介責任者の選任

○企業単位で選任すればよいとの意見の一方、求職者保護の観点から全事業所での選任が必要であるとの意見、職業紹介責任者の質の担保も重要であるとの意見、全従業員が法令を知っているべきとの意見もあった。

➁面積要件

○面積要件に代えて、求職者のプライバシー確保のための措置を講ずることを要件とすることとしてはどうか。

➂事業所外での事業実施

○一定条件の下、事業所外での業務実施を可能とすることとしてはどうか。

2 職業紹介事業者に課される主な義務等

➀労働条件明示

○現行の明示方法を維持することとしてはどうか。

➁求人・求職の全件受理義務

○全件受理義務を免ずることとする場合は、例外とできる業務の範囲に関する基準の明確化、差別的取扱い禁止、全件受理しない旨の明示などの措置を併せて講ずべきとの意見の一方、実務上の問題は少なく全件受理義務に代えて新たな規制が必要となるならば改正は不要との意見、法第32条の12の規定の例示を追加等してはどうかとの意見もあった。

➂求人求職管理簿

○現行の記載事項を維持することとしてはどうか。

3 業務提携

➀職業紹介事業者間の業務提携

○職業紹介事業者間の業務提携が可能であることを明確化することとしてはどうか。ついては、責任の在り方、求職者の同意の在り方、手数料の配分の在り方等についてさらに検討することとしてはどうか。

➁職業紹介事業者と職業紹介事業者以外の者との提携

○職業紹介事業者と職業紹介事業者以外の者が提携可能な内容を明確化することとしてはどうか。

4 国際化への対応

➀海外在住邦人の国内への職業紹介の手続

○国外にわたる職業紹介の増加が見込まれるので可能な限り簡素にすべきとの意見の一方、手続の趣旨も踏まえて検討する必要があるとの意見、事業者にとって現行の手続はそれほど負担とはいえないのではないかとの意見もあった。

○どのような場合に問題が生じやすいか検証する必要があるとの意見もあった。

5 その他

➀求職者・求人者と職業紹介事業者とのトラブル(就職した労働者の早期離職と再度の職業紹介等)への対応

○トラブルの予防、早期解決に資するためのルールの在り方について、さらに検討することとしてはどうか。

➁求人に際して明示される労働条件等の適正化

○当初明示された条件が面接で変わる場合もあり慎重な検討が必要との意見や労働条件明示等のルールについて強化が必要との意見があった。

○業界団体の自主的な活動を支援すること等も検討してよいのではとの意見、ハローワークの取組も参考としてはどうかとの意見もあった。

第3 職業紹介事業者以外の雇用仲介事業等

1 直接募集、文書募集

➀労働条件明示等

○当初明示された条件が面接で変わる場合もあり慎重な検討が必要との意見や労働条件明示等のルールについて強化が必要との意見があった。

○職場情報について、広く求職者にも提供されるよう、先行している他制度も参考としつつ、なるべく多くの企業から情報提供されるよう、情報提供の方法、企業規模について、引き続き検討することが適当ではないか。

2 委託募集

➀許可・届出

○職業紹介事業のルールと比較しつつ、見直すこととしてはどうか。

3 労働者供給

➀許可基準等

○資格要件を改めることについては慎重な検討が必要であるが、労働者供給事業の在り方について、さらに検討することとしてはどうか。

4 その他の雇用仲介事業

➀職業紹介の定義

○より明確化することしてはどうか。

➁法規制のある業態以外の雇用仲介業

○求職者・求人者保護の観点から、少なくとも、個人情報の取扱の義務、守秘義務、労働条件等の明示義務等、募集内容の的確な表示、募集に応じた求職者からの報酬受領の禁止などのルールについて、さらに検討することとしてはどうか。

第4 その他

 次のような意見があったので、引き続き検討することとしてはどうか。

○職業紹介のルールについては法令と通達で示されているが、それらのあるべき法的体系について留意すべきとの意見があった。

 

 今までの御議論の整理ということで、以上のような資料を本日提出しております。

 私からは以上でございます。

○阿部座長 ありがとうございました。

これまで検討会で行われてきた議論を、個別の論点を整理していただいたところでございますが、ただいまの資料について、皆さんから御質問、御感想、あるいは御意見、何でも結構ですので御自由に御発言いただければと思いますが、いかがでしょうか。

 大体このような形で皆さんの論点をまとめさせていただいたのですが、もしかして、言ったことと違うとか、いや、ここは大事なのでもうちょっと書いておくとかいうことでも結構ですが、いかがですか。

 では、水島委員、お願いします。

○水島委員 2ページ目の3の「業務提携」のところで、反対する趣旨ではないのですが、➀の業務提携が可能というのは、事業者間の職業紹介業務の提携が可能であるという内容と、➁の「職業紹介事業者と職業紹介事業者以外の者が提携可能な内容」は、職業紹介の本質部分ではなくて、受付業務等であったと理解しております。

まず、その理解で間違いないでしょうか。私の理解が正しければ、➀と➁のどちらも職業紹介について可能と読めてしまう部分がありまして、そこのところを整理する必要があるように思いました。つまり、業務提携に関して、いわば本質的な職業紹介に係る部分の業務提携と、それ以外の部分の整理です。

○阿部座長 確かに、おっしゃるとおり、「提携可能な内容」というところをもうちょっと明確にするということなのでしょうかね。➁のほうの。

○水島委員 そうですね。内容は、実際今後明確化していくのでしょうが。

○阿部座長 もうちょっと幅を狭めてというか、提携可能な内容の具体というか、それは今後の議論でしょうけれども。

○手倉森企画官 今、水島委員から御指摘ありましたように、基本的な理解としてはおっしゃったとおりでございます。3の➀は職業紹介事業者間ですので、職業紹介事業と業務提携と。➁のほうは、事業者、許可持っている者と持っていない者ということですので、当然、持っていない者は紹介をしません、できませんと。そういう中で、それ以外でどういったものがあるかというのは今後さらに明確化していくと。そういった御議論だったと理解しておりますので、今後またそういった観点で御議論いただければと考えております。

○水島委員 つけ加えさせていただきますと、職業紹介事業者と職業紹介事業者以外の者の間で、職業紹介事業者以外の者は職業紹介事業はできないけれども、提携できる部分があるということですね。

そのことについて、➀で「業務提携が可能」という言葉を使って、➁で「提携可能な内容」と変えておられますが、➀は当然に業務提携が可能であって、➁は、当然には業務提携はできないのだけれども、しかし、職業紹介事業にかかわる部分ではない部分に関してはできるということですので、そこの趣旨の誤解がないようにということでございます。

 

○阿部座長 なので、その提携可能な範囲みたいなのをもうちょっと絞ってここに書いておいたらどうかという御意見かと私は伺っているわけですけれども。

○手倉森企画官 御意見の趣旨は十分理解しております。ただ、一応資料の性格として、これまでの議論の整理ということでは、特にとりまとめとかそういうものでもございませんので、今後の議論に当たってはそういった共通理解でやっていきたいと思っております。

○阿部座長 そういうことですので。ありがとうございました。

では、松浦委員、どうぞ。

○松浦委員 「業務提携」のところです。今の書きぶりを変更してほしいということよりは、➀のほうの、「さらに検討する」ということになっておりますので、その検討の際の視点として、責任の在り方、求職者同意の在り方、手数料配分の在り方はきっちり決められる必要がもちろんあると思うのですけれども、決めるタイミングをもう少し柔軟にするとか、あるいは決める手続を柔軟にするとか、そこら辺を御検討いただければ、恐らく業務提携がやりやすくなるのではないかと思います。

例えばマッチングの見通しがまだないところで、こういったことをかっちり決めろと言われるとなかなか業務提携がしにくい面もあるかもsれません。マッチングの見通しができたところで、これらをきっちりと決めることができるというような対応についても、検討の余地があるのではないかということが1つです。

あと、マッチングについてもう一つ申し上げると、別のところで、「その他」のところと第3の労働条件明示のところに記載されている、当初明示された条件が面接で変わる場合もあり慎重な検討が必要だという一方で、労働条件明示のルールについては強化が必要だということですが、この点について、特にホワイトカラーのグローバル人材等は、実際会って交渉してみないと具体的なところが決まってこない面もございますので、当初明示される条件がある程度幅広になってしまわざるを得ない面も現実にはあると思います。

ただ、合意する時点での労働条件明示がきっちりなされているかどうかという点については、非常に厳しく見ていく必要があると思います。

○手倉森企画官 今後さらに団体の意見を聞きつつ最終的なまとめについて議論していきますので、その際には、また検討の視点等、させていただければと思います。

○松浦委員 ありがとうございます。

○阿部座長 ほかにいかがですか。

では、大久保委員、どうぞ。

○大久保委員 先ほど話題になった「業務提携」のところ、ちょっと確認なのですが、職業紹介事業者間の業務提携が可能であると。これはもともと可能であったわけですが、若干わかりにくいところがあったので、そのことをはっきり記述するということが1行目の趣旨ですね。それに当たって責任の在り方は曖昧になってはいけないので、それは明確にしようという趣旨も基本的にいいと思いますし、求職者にそのことがちゃんと伝わらなければいけないので、同意の在り方についても検討する必要があると。

ここまではいいのですけれども、手数料配分の在り方というのは、この場でそんな議論があったかなあと思いまして、ここも必要性についてちょっとピンと来ないのですけれども、ここをお話しいただけますか。

○手倉森企画官 検討会の中で論点として出させていただいたものの中に、有料紹介業者と無料紹介業者の連携の話がありまして、その際、無料の紹介業者が実質的に手数料をとることのないようにするという観点がございましたので、ちょっとその点を入れたと。

○大久保委員 無料紹介のケースに限定した話。

○手倉森企画官 そういうことでございます。

○大久保委員 有料紹介事業者間の連携したときに、要するに手数料の分配をどうするかを規制しようという話ではないのですね。

○手倉森企画官 有料、無料の関係を念頭に置いたものでございます。

○阿部座長 ほかにいかがでしょうか。

では、安藤委員、お願いします。

○安藤委員 1ページ目の第2の「職業紹介事業」の「職業紹介責任者の選任」というところについてです。そもそもこのいただいた資料1では、両論が併記されているのは大体3つぐらいしかないわけですけれども、そのうちの1つ目ですね。この職業紹介責任者の選任について、「企業で1人でいいという話もあれば」と書いてあります。けれども、これは、そもそもこの職業紹介責任者というのにどのような能力であったり知識を求めるのかという、その水準の設定次第だと感じておりまして、これがとても初歩的な内容であったら、もしかしたら社員全員が知っていてもいいかもしれない。この最後にある「全従業員が法令を知っているべき」というのは、もしかしてハードルが低いのであれば全員知っているべきかもしれないし、そこそこのレベルであれば全事業所、そういうものなのかなあと考えております。この文章の真ん中にある「職業紹介責任者の質の担保」ということの背景にある、そもそも職業紹介責任者に求められる能力というか、知識というものをどう明確化するかということがこれから大事になるのかなと考えております。

我々が自動車で道を走るときだって、最低限、運転免許をとって、最低限の法令は知らないといけないわけですし、運転免許の更新があって、さまざまなルールが変わったときに、例えば最近はラウンドアバウトというのですか、くるっと回って方向変えるというのが新しく道交法の変更で入ったみたいですけれども、そのようなものを免許更新のときに知るわけですね。なので、自分が働いている業界の最低限のルールを働いている人が知っておくということは大事なのかなと思うので、この資質、職業紹介責任者にどのような内容を求めるのか次第だとも思いますが、ここではできればルールが明確になっている、または求められる資質が明確になるといいのかなと感じました。

以上です。

○阿部座長 ありがとうございます。

今後の議論でまたそのあたりを深掘りしていく必要あるかなとは思うのですが、私も個人的な意見を述べさせていただければ、安藤委員の言っていることに非常に賛成するところであって、やはり職業というのは我々生きていくための所得の源泉でもあって、かなりリスクにさらされるということはないようにしなければいけないと。

同じようにリスクにさらされる、例えば金融資産とか、不動産とか、そういったところに、リスクにさらされるような個人が時には結構、外交員資格だとか、不動産取引主任者資格だとか、そういうのがないと営業に出られないとか、いろいろあるのではないかと思うのですね。そういう他の業態のことも考えつついくと、全従業員がというのはどこまでいけるかわかりませんが、法令を知っているべきというのは大事かなあという気は最近しております。

安藤委員、どうぞ。

○安藤委員 今の他業種の例ですけれども、例えば証券会社の場合には外交員とらないとそもそも外に出られないと。しかし、不動産の場合には、例えば賃貸の場合には契約書を締結して重要事項説明をする段階では宅建主任者が必要ですけれども、それ以外は営業所、事業所に1人いればいいというような形ですので、やはりそこも濃淡があります。結局は最終的にそのサービスを受ける消費者側、ここで言ったら労働者側がきちんと取り扱われているという品質が担保されればいいだけの話なので、それの手段としては複数あるので、どの形にするにせよ、最終的なラインがちゃんと押さえられていれば結構かなと感じました。

○阿部座長 ありがとうございます。関連して。

大久保委員、どうぞ。

○大久保委員 この職業紹介責任者の選任の件ですけれども、これは職安法の32条の14に具体的に4項目掲げられているわけで、このような内容についてしっかりと理解・把握している人間が事業所に1人いるという状態を求めているわけです。先ほどの宅建のイメージ、もしかしたら近いのかもしれないですけれども、それが本当に事業所ごとに必要なのか、企業単位でいいのかということについて言えば、これは事業所単位にそういう人をしっかりと置くということで担保する一方で、これまで書いてあった面積要件とか事業所外での事業実施についてはもう少し柔軟性を持たせると。

特に事業所外での事業実施ということに関して、これは現場の要望からも大変強いところで、常にオフィスで全てをやらなければいけないというのは余り合理的でないと。実際には、遠距離であれば出張してやるということも当然あるわけで、そのときに、求職者とか求人事業者の間でのさまざまなやりとりのときに、その内容を担保するために事業所に連絡をとって、そのことについてサポートできる人間が必ずいるという、これは対になっているようなものだと私は理解しておりますので、➀のほうでは事業所での1人選任を求める一方で、➂の「事業所外での事業実施」を今までよりは広く認めるというバランスと思っているのですけれども、そういう内容であれば、内容として私はバランスはいいのかなと思うのですけれども、そういう理解でよろしいのでしょうか。

○阿部座長 事務局、お願いします。

○手倉森企画官 「事業所外での事業実施」ということで、一定条件のもとということで書いていますが、今の時点でどうという内容は確定的にないので、今、大久保委員おっしゃった話もその際の観点の一つかなと思いますので、また今後の議論の中で検討していきたいと思います。

○阿部座長 竹内委員、お願いします。

○竹内委員 今回は議論の今後の整理ということなので、中身の意見の議論ではないとは理解しておりますけれども、今の安藤委員や大久保委員のお話は、「職業紹介責任者の選任」に関して、特に、後で大久保委員が述べたお話というのは現行法の32条の14の事柄について取り扱って、その責任を負うものとしての職業紹介責任者の選任についてどうあるべきか、その関係で、面積要件や事業所外での事業実施の規制のあり方をどうすべきかというお話だったと思います。

その前の意見の安藤委員のお話だと、質の担保にも関連する、あるいは全従業員が法令を知っているべきという箇所にも関連するのかもしれませんけれども、どの程度のものを求めるかというお話だったと思うのですね。そうすると、職業紹介責任者に何を求めるかという議論自体、オープンにしているか、あるいは、それはもう現行法を前提にして考えるかという点で、あるいは理解の食い違いがあったのかなと思いました。私として確認しておきたいのは、職業紹介責任者にどのような能力、質あるいは責任を求めるかというところ自体、現行法のものを前提にして議論するという限定をされているものか、それは必ずしも限定されなくて、今後の議論になお残されているかということについて、確認しておきたく思った次第です。よろしくお願いします。

○手倉森企画官 特に排除しているわけではございませんので、御議論いただければと思います。

○阿部座長 ほかにいかがですか。

どうぞ、松浦委員。

○松浦委員 質問なのですけれども、第1の➀の「欠格事由及び許可基準」のところで、派遣と紹介について、「可能な限り、共通化を図ることとしてはどうか」ということで、中身については書いておられないのですけれども、御高承のとおり、紹介と派遣についてはスキームが違うところももちろんございますので、やはり共通化すべきところは共通化し、共通化する必要がないところは共通化しないという議論が必要になってくると思います。現時点で、何らかのお考えがございましたら、中身についてもう少しお伺いしたいというのが1点目です。

もう一つは、これは別にこだわる必要はないのかもしれないのですけれども、ややひっかかったのが➂の「派遣労働から派遣先での直接雇用への円滑な移行」について、促進するための在り方なのか、支援するための在り方なのか。促進と言うと、頭から移行を促進するというような印象を受けるのですが、私があるべき姿だと思っているのは、直接雇用に移行されたい方の支援をするということがあるべき姿ではないのかなと思ったので、そこら辺について、もし何かございましたらばお伺いしたい。と思います。

2点、よろしくお願いします。

○阿部座長 お願いします。

○手倉森企画官 まず1つ目でございます。第1の➀の欠格事由、許可基準のところで「可能な限り、共通化」ということでありますが、現行制度を見ますと、欠格事由について申しますと、紹介と派遣を比べますと、例えば暴力団排除条項について、派遣にはあるけれども紹介にはないとか、そういった状況があると。そういった中で、「可能な限り、共通化」ということでございます。

ただ、一方で、松浦委員御指摘のように、許可基準ということで見ますと、派遣元のほうは雇用主としての責任としての義務、キャリアアップなりあるということでありますので、それは実際難しいという面もあるかと思いますが、「可能な限り」というのはそういった現行制度を前提にしながら比べたときに、可能なものについては共通化と、そういった方向性を言っているということでございます。

➂でございますが、「円滑な移行を促進」と書いてありますが、当然、前提として希望のある方についてはということですね。紹介予定派遣なり、あるいは普通の派遣でもあるかと思いますが、希望のある方については進めると、そういった意味合いでございます。

○松浦委員 ありがとうございます。

○阿部座長 ほかにはいかがでしょうか。

どうぞ、大久保委員。

○大久保委員 今、松浦委員の御指摘になったところに関してなのですけれども、これは許可基準についても、可能な限り、共通化を図ると書いてあるように読めるのですが、当然、御承知のとおり、派遣事業者は派遣事業者が直接派遣労働者雇用をいたします。ですから、そういう意味では紹介事業者というのと人材サービスの性格が根本から違いますし、雇用者、雇用する立場としての責任の重さというのはとても大きなものがあります。

そのように考えたときの派遣事業者と職業紹介事業者の許可基準については当然差があってしかるべきでありますし、実態として、有料職業紹介事業者は派遣事業者に比べてかなり零細事業が多いということもありますので、この話は2つの話が混ざっているような感じがしていて、つまり、一つの事業体が派遣の免許をとることと職業紹介の許可をとることと両方やっているところが多いので、その申請を効率化しましょうという話と、そうでなくて、今言ったように、2つ、本来違うレベルで許可基準をつくっているところに関して、何か共通化して底上げを図りましょうと言っている話が、2つはどっちの話なのかがちょっとわかりにくかったので、このニュアンスについてちょっと教えていただきたいのです。

○手倉森企画官 大久保委員おっしゃるように、許可基準と欠格基準まとめて書いているのでこういう書き方になっていますが、許可基準については当然雇用主としての部分というのが派遣元ございますので、そういった部分については派遣元独自のものということになろうかと思います。

○阿部座長 ➂の「派遣労働から派遣先での直接雇用への円滑な移行」というのは、➂で直接書いてあるけれども、事務局がおっしゃっているように、希望する方。当然ながら、派遣法で求められているのは、雇用安定義務のところで求められているのは、派遣先での直接雇用だけではなくて、派遣元での無期雇用というのもありますから、この場合には、派遣先での直接雇用を希望する方が円滑に移行できるようにという意味ではないかと。

○手倉森企画官 そういう御理解で。

○阿部座長 ほか、いかがでしょうか。

どうぞ、水島委員。

○水島委員 今の点を確認させていただきたいのですが、これは「職業紹介事業と労働者派遣事業を兼業する場合のルールの在り方」の中に書かれていますが、紹介予定派遣のようなものだけを対象にするのか、あるいはそれを念頭に置いて全体的なお話をされているのか、どちらの方向性だったか確認させていただきたいと思います。

○手倉森企画官 検討会の中でこういった御意見があったので、場所はどこかというのはあるのですが、そのときは紹介予定派遣の話もあったかと思います。それ以外に、通常の派遣でも直接雇用という場面もあろうかと思います。そういったことについてさらに検討するという意味合いでございます。

○松浦委員 兼業する場合の話としての「欠格事由及び許可基準」の見直しであれば、効率化の観点からの共通化のように見えますが、今までの御議論を聞いていると、派遣事業と紹介事業の許可基準、欠格事由そのものの見直しという意味合いにもとれますので、そこら辺の考え方の区分がわかるような形にしていただけるとありがたいです。

○手倉森企画官 最終的なまとめに向けた議論なりの際には、その辺明確にしつつということかと思います。

○阿部座長 これは、兼業する場合のルールの在り方というくくりで言えば、例えば派遣会社をやっていた会社が職業紹介もこれからやろうとするときとか、あるいはその逆のケース、それから、どっちもやってないけれども、新たにやるケースというのを考えるのですかね。

○手倉森企画官 いろんなパターンがあります。

○阿部座長 そういうところで、この「欠格事由及び許可基準」で、大久保委員が言ったように、効率化できるところは効率化したほうがいいし、ここは必要だというところがあればそれは必要だということにまとめていくということだと思います。

ありがとうございます。ほかにはいかがでしょうか。

私の個人的な感想では、きょうここで出てきているのは、個別の論点がかなりきっちり書かれてはいるのですが、そもそもこの雇用仲介事業、あるいは職業安定法というのは将来何を目指していくのかというのを、少し大きなところも議論しておいてもいいかなという気がするのですね。つまり、労働市場が今後どのように変わっていって、それぞれの職業紹介事業者、あるいはハローワークそれぞれがどういう役割をやっていくのかと。その中で我々はどういう議論をしているのだというのがちょっと俯瞰できるようなものも少し議論したほうがいいかなあと思っています。そうでないと、これはわかるのですけれども、何を目指しているかが全体としては見えにくいかなあというところはあるので、どこかでそういう議論もして、検討会の最後、最終報告ということになったときに、その俯瞰したものがあるというのは必要かなあという気はしました。

これは私の個人的な感想です。

ほかにはいかがですか。

きょうお休みになっている水町委員の意見も今後お聞きいただいて、その感想をフィードバックしていただければと思いますし、きょうまだ、今のところ思いつかなかったけれども、お帰りになって思いついたということもあるかもしれませんので、その場合にはまた事務局に御連絡いただいて、今後の議論がもっと発展するようにさせていただきたいと思いますので、この場でもし何もなければ、そして、今後出てきたら事務局のほうに御連絡いただければと思います。

どうぞ、竹内委員。

○竹内委員 これは補足で、特に修正をという話ではありません。2ページ目の「5 その他」の「➁求人に際して明示される労働条件等の適正化」の2つ目の○で、多分これは私が以前申し上げたことかなと思いますけれども、主として、悪質な業者を排除するということに関しての取組というのを念頭に置いて申し上げたものであるということを、補足、確認として申し上げたいと思います。

○阿部座長 ありがとうございます。その他、よろしいですか。

なければ、本日の検討会は以上とさせていただきたいと思います。

事務局から今後のスケジュールについてお話しいただければと思いますので、お願いします。

○木本補佐 資料2をごらんください。「今後の議論の進め方(案)」ということで書いております。3月、2回ほど関係団体からのヒアリングというのを行いたいと考えております。

以上でございます。

○阿部座長 何か御意見ございますか。

では、特段ないようでしたら、最後に、事務局から連絡事項をお願いいたします。

○木本補佐 次回は、3月11日に関係団体からのヒアリングを実施させていただきます。

傍聴の方々に御連絡いたします。傍聴者の方々は事務局の誘導に従って御退席ください。

以上です。

○阿部座長 本日もどうもありがとうございました。


(了)

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