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2015年12月11日 第9回雇用仲介事業等の在り方に関する検討会 議事録

職業安定局派遣・有期労働対策部需給調整事業課

○日時

平成27年12月11日(金)13:00〜15:00


○場所

東京都千代田区霞が関1-2-2 中央合同庁舎第5号館
共用第8会議室(19階)


○出席者

委員

阿部座長、安藤委員、大久保委員、竹内(奥野)委員、水島委員、水町委員

事務局

坂口派遣・有期労働対策部長、松本需給調整事業課長、戸ヶ崎主任指導官、
手倉森派遣・請負労働企画官、木本需給調整事業課長補佐、吉田需給調整事業課長補佐

○議題

(1)個別の論点について検討 
   ・職業紹介事業について

○議事

○阿部座長 定刻になりましたので、これより第 9 回「雇用仲介事業等の在り方に関する検討会」を開催したいと思います。本日は、松浦委員が所用のため御欠席、そして、水島委員と安藤委員は遅刻されると聞いています。また、竹内委員、水町委員は所用のため途中退席すると伺っています。

 本日の検討会は、個別の論点として、職業紹介事業について公開で議論を頂きたいと思います。

 それでは、資料の確認を事務局よりお願いします。

○木本補佐 需給調整事業課課長補佐の木本です。よろしくお願いします。お手元の配布資料について御確認をお願いします。議事次第、座席表、資料 1 「御議論いただきたい事項 ( 9 ) 」、資料 2-1 「現行制度について」、資料 2-2 「関係データ等について」、資料 3 「第 8 回雇用仲介事業等の在り方に関する研究会議事概要」、参考資料「労働力以外の需給調整制度に関する規制」、以上の 5 点となっています。資料に不備等ありましたら、事務局までお申し付けください。

○阿部座長 それでは、議事に入りたいと思います。カメラの頭撮りはここまでとさせていただきます。本日の議事の進め方ですが、本日は大きく 4 つの論点について御議論いただきたいと思っています。論点ごとに事務局から資料の説明を頂き、議論の時間を取りたいと思います。

 まず、資料全体と、資料 2-1 の論点1「職業紹介事業の主な許可基準等」についての説明をお願いします。それでは、事務局よりお願いします。

○木本補佐 それでは、まず資料全体の御説明をいたします。資料 1 は、本日、御議論いただきたい事項になっています。中身です。「職業紹介事業について」で、まず論点1「職業紹介事業の主な許可基準等」で、職業紹介責任者の選任について、面積要件について、事業所外での業務実施についての 3 つを挙げています。

 論点2「職業紹介事業者に課される主な義務等」ということで、労働条件の明示について、全件受理義務について、帳簿の備付け義務についての 3 つを挙げています。

 論点3「業務提携について」ということで、職業紹介事業者間の業務提携について、職業紹介事業者と職業紹介事業者以外の者の間の提携についてという論点を挙げています。 論点4「その他」として、求人者と職業紹介事業者とのトラブルについて、求職者と職業紹介事業者とのトラブル ( 虚偽求人を防ぐための取組 ) についてということで論点を挙げています。資料 1 については以上です。

 資料 2-1 です。こちらは、各論点の議論の際に改めて御説明します。資料 2-2 は、本日の論点に関係するデータなどになっています。こちらは前回までの資料の抜粋になっていますので、説明は割愛します。資料 2-2 については以上です。資料 3 は前回の議事概要です。最後に、本日、参考資料として、「労働力以外の需給調整制度に関する規制」として、不動産業界の規制について御参考までに資料を配布しています。

 それでは、論点1「職業紹介事業の主な許可基準等」について御説明します。資料 2-1 を御覧ください。 2 ページです。論点1「職業紹介事業の主な許可基準等」ということで、現行の許可基準を記載しています。許可基準として大きく 4 つあって、財産的基礎、個人情報管理、職業紹介責任者、面積要件の 4 つを挙げています。それぞれについて御説明します。

 財産的基礎です。 1 つ目として、資産の総額から負債の総額を控除した額が、 500 万円×事業所数以上であること。 2 つ目として、事業資金として現金・預金額が 150 万円+ ( 事業所数ー 1) × 60 万円以上であること、という財産的基礎を基準としています。個人情報管理です。 1 つ目として、個人情報を適正に管理する体制があり、個人情報適正管理規程を定めていること。 2 つ目として、個人情報を適正に管理するための措置が講じられていることを基準として定めています。 3 つ目として、職業紹介責任者です。 1 つ目として、欠格事由に該当しないこと。 2 つ目として、職業紹介責任者講習を受講していること。 3 つ目として、 3 年以上の職業経験を有すること。下に「注」と書いてありますが、事業所ごとに専属の責任者を選任する必要があるとなっています。こちらについて、右側の論点の所を御覧ください。事業所ごとに専属で選任する必要があるかという論点があるかと考えています。

 許可基準の面積要件です。こちらは、真ん中の設定理由を御覧ください。最後です。面積要件として、おおむね 20 平方メートル以上としています。この例外として、左側の下のほうですが、専らインターネットにより対面を伴わない職業紹介を行う場合については、面積を要件としていないという形になっています。こちらについて、右側の論点ですが、 1 つ目として、面積要件は引き続き課すことが適当かということ。もう 1 つが、その他の例外を設ける必要はないかということを論点として挙げています。

 最後に、許可基準に付随する論点として、事業所での業務実施を挙げています。 1 つ目が、職業紹介は事業所で行うということになっています。 2 つ目ですが、ただし、付帯業務 ( 求人・求職の申込みを勧誘する業務等 ) については事業所外での実施が可能、という形になっています。こちらについての論点が右側にあります。出張相談の際に紹介ができないことに問題はないかということが論点としてあるかと考えています。論点1の説明は以上です。

○阿部座長 ありがとうございました。それでは、ただいまの御説明に対する御質問、御感想、その他御意見、何でも結構ですので何かありましたらお話いただけたらと思います。いかがでしょうか。

○竹内委員 論点1の中の、面積要件に関して申し上げたいと思います。面積要件に関して、論点として、引き続き課すことが適当か、あるいは、その他の例外を設ける必要はないかという点があります。この面積要件について、頂いている資料に書かれている設定理由を読む限りは、面積要件を何のために課しているのかを考えると、求職者のプライバシーを保護することが基本的な目的ではないかと思われます。それを狙いとして、それを実現するための手段として、面積要件を利用していると考えられます。そういうことを考えると、本来目的として実現すべきなのはプライバシーを保護することだといえます。そういう意味では、プライバシーを保護できるような何らかの別途の規制を課すことはもちろん必要になってくるかと思いますが、それができれば、面積が一定以上でなければならないということは必ずしもないという感触を抱いています。今の点は、金庫等の設置といったところでは若干違ってくるかもしれませんが、例外的に、インターネットの場合だと面積要件は設けられていないということですが、本当を言うと、インターネットで行う場合でも金庫スペースはなお必要ではないかと思いますが、ともかく、インターネットの場合には面積要件は要らないとしているのも、やはり、基本的にはプライバシーが保護できるような形になっているということが前提にあるのだと思います。そういう意味では、プライバシーの保護という、恐らくは、本来目的としていることが達成される別の規制が適切にあれば、面積要件という形での要件は要らないと思った次第です。以上です。

○阿部座長 ありがとうございました。特に何かありますか。いいですね。

○大久保委員 論点1の、事業所に関連する規制全体についての話なのです。まず、大前提として、事業所に細かな規制をかけること自体が、これから以降の環境を考えたときに、本当に合理的なのかどうかをやはり考える必要があるのではないか。つまり、相当に IT をベースとしたコミュニケーションツールみたいなものが普及をしていることが前提としてありますし、ここで言っている事業所の要件というのは、その事業所が存在して、当該地域の企業の求人に対して当該地域の求職者を紹介することが、何となくいつの間にか想定された上で作られてきた事業所要件なのではないかと私は思っています。広域であったり地域を離れたりというときについては、必ずしも合理的でない要素を含んでいると思うのです。

 例えば、再就職支援会社、職業紹介ですが、そうすると、まとまってどこの会社かが、要するに解雇する場合については、その当該地域に行って一番最初に何をやるかというと、事務所を作るところから始まって、それを一通りやって、事務所を撤退することで終わるという、つまり、この基準があるがために、本来は必要でない事務所を作り事務所を撤退するというコストをかけて職業紹介をやっているわけです。それは本当に合理的なのかと。あるいは、実際には遠距離で離れた所の求職者に説明をしに行くと。そのときに、事業所での業務実施のところの付帯事項については可能だけれども、職業紹介は事業所で行うと。せっかく対面で会いに行ったのだけれども、紹介業務は帰ってから今度はまた別の方法でやっているわけです。本当に実態に合わせたときに、ここまで細かい、事業所についてのこだわった要件設定が必要なのかどうか。それの象徴的なものがこの面積要件で、インターネットによる対面をうんぬんと書いていますが、そもそも、全体として面積要件というものが本当に必要なのかどうかは、それはちょっと疑問に思っています。本来であれば、職業紹介事業者の本社に対して必要な規制をかけることについては、私はとても納得感があるのですが、事業所ごとに細かく決めることにどこまでの有効性があるのかについては、環境の変化も含めた中で、もう 1 回問い直していいのではないかと思っています。

○安藤委員 同じく面積要件についてです。やはりこれは、仕様規定ではなく性能規定に切り替えるべきだと考えます。つまり何が果たすべき条件なのか。例えば、個人情報の保護、そのために必要な措置を講じていれば、別に金庫の大きさを決めてあげる必要などないだろうと。また、そもそも、プライバシーの保護ということ自体にどれくらいの価値を置くのかというのも人によって異なるわけで、これを仮に外してしまっても、プライバシーの保護を重視する人が多ければ、その人たち向けに、うちは個室での相談をやりますと、それを売りにするような事業者が現れるでしょうし、そうではなくて、例えば、ホテルのラウンジで打ち合わせしても本人がよければいいわけですよ。例えば、結婚相談所とかで、最初にプロフィールとかは建物の中で、会議室みたいな個室でチェックするけれども、実際に男性と女性が会うときにホテルのラウンジを使ったりとかするわけです。また、出先の会議室でもいいわけで、どういう状況が一番効率的に、より早く、より精度の高い、より良いマッチングが作れるのかを考えたときに、先ほど大久保委員が言われていたように、出先に行って、その場で話を聞いて、その場で紹介できるみたいなほうがよほど効率的だし本人のためになると思います。

 それに付随する形で、結局、この 1 枚目の資料の一番下の、事業所での業務実施に制約する必要は全然ないと思います。そう考えるのであれば、論点の 3 つ目、事業所ごとに専属で選任する必要があるのかと。誰が責任を持つのかという関係だけはっきりしていれば、それすら、もしかしたら必要ないのかもしれないと感じました。以上です。

○水町委員 事業所なのか事業なのかというときに、建物とか面積とか、実態としての場所の意味での事業所なのか、それとも、どこかで監督しなければいけないので、その事業の所在地がここで、これは管轄として何とか労働局の管轄になりますというところを確認しておかなければいけないのかという点を少し整理すれば、必ずしも、事業所という場所を、どこかにあって実態があったもので、面積ということではなくなると思います。

 そういう意味で、面積要件について、インターネットで面積要件は課していないとすれば、これは目的に応じて規制の在り方自体を整理することは考えられると思います。ただ、個人情報の保護とか、きちんとした法令を遵守しているかということは、他方で、非常に、逆に柔軟化すればするほど重要になってきますので、職業紹介責任者というのは、きちんと事業の実態に合わせて置くことが必要になってくると思います。事業所での業務実施のところで、出張で相談を受けるということは、実態としても、今後の IT 化とか、多様なサービスの提供においても必要になると思いますが、そういうときに、職業紹介責任者による質的な担保がきちんとできているという体制の下で規制を見直すということで、今言った 3 つぐらいの論点については、そういう観点から、もう一遍見直していただければいいかなと思います。

○安藤委員 今の水町委員の御意見なのですが、職業紹介責任者がどのくらい能力を担保しているのかに、ちょっと疑問を持っています。というのは、この条件を見たときに、欠格事由はいいとして、講習を受講していること、何でもいいから 3 年以上の職業経験があること、これが条件だと思うのですが、果たしてこれが、企業と労働者のマッチングを適切にやるための条件としてどの程度意味があるのか。また、情報の管理であったりとか、そのようなことを的確に行うためにこの資格がどのくらい必要なのか。出先でやったりする場合には、より適切な情報の取扱いとかが必要になるのでしたら、もしかしたら、この職業紹介責任者の資格の内容自体として、そういうことをきちんと求めないといけないのではないかと思うのです。なので、この責任者が具体的にどのくらい難しいのか、どのくらいの質を担保するのかについて、もし御存じであったら教えていただきたいと思います。

○阿部座長 では、一応御質問ですので、職業紹介責任者の質についてお願いします。

○吉田補佐 基本的に職業紹介責任者は、ここに規制されているとおりの、今、安藤委員が言われた要件でしかないので、大手の紹介事業者とかであれば職業紹介業務に従事している者を束ねる形で、責任を持ってかなりの要件を持っているところが多いと思うのですが、中小の紹介事業者であれば、取りあえず、 3 年以上の職業経験のある者に対して受講させて、それでそこの紹介責任者に任命するという形の運用が実態としてはなされていると思います。

○安藤委員 では、この資格を取るのはそれほど難しくないし、講習を受講するのに時間的な費用もそれほどかからないものと考えてよろしいですか。分かりました、それであるならば構いません。過剰な負担でも過少でも問題だと思っているのですが、取りあえず、過剰のほうはなさそうだということは分かりました。ありがとうございます。

○阿部座長 ありがとうございます。水島委員は、今、お着きになったばかりであれなのですが、何か。

○水島委員 遅れてすみません。後から来ましたので、個別の発言は避けます。先ほど水町委員が言われたように、目的に照らして見直しを考えるべきであると、一般論としては思います。

○阿部座長 論点1の件は、ほぼ委員の皆様が同じ方向性で議論されているかなという感じはするのですが、私も、皆様の意見にほぼ同感なところがあります。ただ、 1 つ、今の安藤委員が提起された職業紹介責任者の資格の重さというか、重要性は、もしかしたら、逆に、事業所の要件がなくなってくると重くなるかなという気は無きにしも非ずということで、その辺りの論点も少し考えておくべきかなとは思いました。ほかに、何か追加してありますか。

○大久保委員 ちょっと、この論点1から234にも関連することなので、 1 つ申し上げておきたいと思うのです。これを今回見直しをする上で、我々は何を大事にして考えたらいいのだろうかということなのです。職業紹介事業というのは、これは求職者と求人者をつなぐ役割ですが、国の法令によってしっかりと担保しなければいけないことで、やはり一義的には、求職者を保護することが非常に重要なのだと思うのです。求職者に対して被害が及ばないようにするためにはどういう体制・ルールにしたらいいのかということで、求人者と求職者の重みが基本的には違うのだと思っています。求職者保護を軸に、まず考えたほうがいいということが 1 つ。

 それからもう 1 つは、これは 1 回目のときにも言いましたが、民間の有料職業紹介事業は、日本で需給マッチングの中の大きなシェアを占めるにはまだ至っていないわけです。そしてまた、現在は、かなり大都市部を中心に分布している傾向があり、地方創生で議論されているような地方都市にはなかなかそのサービスが行き届いていない状況もある。今後、産業構造の変化を考えたときに、ますますこの需給調整機関の重要性が増すことを考えたら、いわゆる、求職者の保護ということと、もう 1 つの柱として、いかにこの事業が活性化して必要な役割を果たせるのか、あるいは効率的に、一定の生産性を担保した上でそれを果たせるのかを考えておかなければいけない。その 2 つの考え方をきちんと大事にしながら議論をしていったほうがいいのではないかと。すみません、大前提の話なのですが、もう一度お伝えしておきたいと思います。 

○阿部座長 ありがとうございます。何を大事にして我々は議論していくかというのは大事な話で、求職者の保護はもちろん大事だし、今後、外部労働市場の機能を効率的にしていくことが方針としてあると思っていますので、そうすると、やはり需給調整の効率性をどのようにして担保していくかという考え方も大事だろうと私も思います。紹介のマッチングというか、需給調整に占める紹介事業の割合は確かに低いわけです。それが規制の問題なのかどうかというのは私にはよく分からないところなのですが、もしそういうことであれば、確かに規制を見直していくことは大事かなとは思いますが、何か、そういうことというのはあるのでしょうか。

○大久保委員 今、あえてこのタイミングで申し上げたいのは、事業所に関する規制です。今現在の事業所要件は、事業会社にとってみると、比較的求人、求職の少ない地域では重いと考えます。

○阿部座長 確かに。

○大久保委員 ということがありますので、そのバランスをやはり見るというのが大事だろうと思ったので、今のタイミングで申し上げました。

○阿部座長 なるほど、分かりました。理解しました。確かに、更に言えば、 IT というかインターネットが進んでいけば、もしかしたら、少ないと言われている地方の活性化というのもつながっていく可能性はありますね。ありがとうございます。それでは、何となく皆さんの御意見は同じ方向を向いていることを私は確認したと思います。あと、安藤委員の問題提起は私は重要だと思っています。これもまた、そのうち深められればと思います。

 それでは、次に論点2に移ります。「職業紹介事業者に課される主な義務等」についての説明を事務局からお願いしたいと思います。お願いします。

○木本補佐 引き続き、資料 2-1 の論点2「職業紹介事業者に課される主な義務等」についての御説明をします。 3 ページです。論点2、主な義務の内容として 4 つほど挙げています。左側です。 1 つ目が労働条件等の明示で、職業紹介事業者は求職者に対して労働条件等の明示をしなければならないということ、そのうち業務の内容、契約期間、賃金額等については、書面又は電子メールで明示しなければならないという形になっています。これについて、論点としては右側にあります。書面又はメールによる明示について、例えば、 WEB 閲覧等の労働者の能動的な行為を要する手段を認めるかどうかがあるかと考えています。

2 つ目、求職者等の個人情報の取扱いについてです。個人情報は、業務の目的の達成に必要な範囲内で収集、保管、使用しなければならないとされています。これについて、個人情報を適正に管理するために必要な措置を講じなければならないとされています。

3 つ目が全件受理義務です。職業紹介事業者は、求人の申込み及び求職の申込みは、申込みの内容が法令に違反するとき等を除き、全て受理しなければならないとされています。ただし、例外で、下にありますが、事業者が取扱職種の範囲等の届出を行った場合は、その範囲内での全件受理となります。こちらについて、論点として右側にありますが、民間の事業者に全件受理義務を課すことが、マッチングの向上に資するのかということがあるかと考えています。

 最後に、帳簿の備付け義務です。職業紹介事業者は、求人求職管理簿 ( 氏名又は名称、受付年月日、職業紹介の取扱状況等 ) 及び手数料管理簿 ( 手数料を支払う者の氏名又は名称、徴収年月日等 ) を作成し、事業所に備え付けなければならないとされています。こちらについて、右側の論点です。記載を義務付けている事項が適切か否かということがあるかと思います。なお、 7 ページに、帳簿の備付け義務ということで記載事項を列記していますので、こちらも御参照ください。論点2については以上です。

○阿部座長 それでは、ただいまの説明に対して、御意見、御質問、御感想、その他、何でも結構ですのでお話いただければと思います。いかがでしょうか。

○竹内委員 後の議論の活性化のためにというような形で申し上げさせていただきます。 1 点ないし 2 点です。全件受理義務と、場合によっては労働条件等の明示に関して申し上げたいと思います。

 全件受理義務に関しては、現在の設定理由は、公共的性格を有するということでなされているわけですが、論点の中にマッチングの向上ということが言われています。先ほど大久保委員から求職者の保護を図るということと、民間の事業者の役割を活性化していくという 2 つのお話がありました。その 2 つのお話のうち、後者に一応、含まれるとは思いますが、マッチングの質の向上とを図っていくというときには、事業者として、そもそもやる気がない案件については、受付はするけれども、いわば塩漬にしておくといったようなことが考えられるわけですが、そういったことは、マッチングの向上に余り資さないというところがあるのではないかという感触があります。そのような意味では、民間事業者について、全件受理義務を何らかの形で外すことはあり得るかと、私は今のところ考えております。

 ただ、それを申し上げた上で、そうした場合には、非常に重要なことがあるのではないかと思います。強調して申し上げたいのは、全件受理をしないという考えを基本的に取った場合には、これは、求職者の保護という観点からの話になってきますが、真っ先に考えられるのは、求人の内容におおむね沿うような求職者が来ているけれども、特定の求職者は引き受けて、特定の求職者については受けないという問題が生じることが考えられます。特に、差別的な事由による場合は非常に問題と考えます。そういったことは、求職者の求職の機会を、不当に狭める、限定するものになると思います。そのような意味では、具体的にどのように要件を設けるかというのは検討する必要があると思いますが、全件受理義務を外すのであれば、差別的な形で、受理するあるいはしないとすることを禁止することは、非常に重要な条件となると思います。

 関連して、マッチングの質の向上の観点で、この会社としては、このようなポリシーで、このような求人については引き受けます、あるいは、引き受けませんということが外に明らかになっていて、私はこの範囲でビジネスをしますといったことが、ユーザー、要するに求人の企業、求職者の両方ですが、この両方にとって分かるようになっている、すなわち、この事業者がどのようなポリシーで引き受けます、引き受けませんといったことが明示されていることも非常に重要だと思います。

 受理に関する差別の禁止、特に求職者との関係での差別の禁止、それと、その基準を明示して、どのような基準で引き受ける、引き受けないかを対外的に明らかにすること。これらの条件が、全件受理義務を外すに当たって必要となることと思います。これが 1 点です。

 あと、若干、細かい話かもしれませんが、労働条件等の明示の点です。立法ごとに概念が変わるということもなくはないのかもしれませんが、単純に明示と聞いた場合には、やはりこれは事業者の能動的な行為ではないかと思います。 WEB とかで見られるようにするということを聞いて、真っ先に思いつくのは、別法令ですが、労基法上、就業規則については、周知義務が使用者には課されています。そして、この周知という言葉の場合には、見ようと思えば見られる状態にすればよいということとされています。ですから、イントラネットとかに挙げて見られるようにして、あとは労働者がアクセスするようにすれば足りるというような考え方が取られているわけですが、職安法の下では、労働条件の明示という形で定められていますので、これはやはり、事業者の能動的な、積極的な行為と考えられます。現行法でそのような文言になっているからだという話なのかもしれませんけれども、明示というからには、やはり事業者からきちんと示すということが重要だと思います。

 技術的にどのようなことになるかは、私はよく分かりませんが、 WEB 閲覧とかで可能にした場合は、事業者のほうがこの条件だとして見せた時点と、労働者が実際にアクセスしてこうだと確認をする時点とでタイムラグが生じて、そのときに、もし内容とかの改変があった場合にどうなるのか、という問題が考えられると思います。メールとかの場合だと、届いている時点のものがどうだったかという形で考えることができると思うので、そのような意味では、この論点にあるような形での WEB 閲覧等で明示したことにするのが適切かどうかについては、私は疑問があります。以上です。

○阿部座長 ありがとうございます。

○安藤委員 今の能動的という言葉の意味ですが、今、論点になっているのは、私の理解では、事業者側はどちらにせよ、どの手段であっても能動的に動いていると思います。 WEB に掲示するのであれ。しかし、問題は、求職者側、その情報を受け取る側が受動的に、つまり紙が郵送で届く、手交される、又は電子メールが届く、その受動的なものが今の状態であり、能動的な、つまり自分から確認した上で印刷しなければ、手元に現物が残らないというものを今、問題視しているというような私の理解です。

 その意味で、現状では、求職者側が受動的に、つまり、自分があえて印刷しなくても、手元にコピーが残っている状態。これが現状であって、これを、ただ、 WEB の画面上に出るだけというのが許されるかどうかが議論だと思います。そして今、ほとんどの人が携帯電話を持っているということ、また、 WEB の閲覧ができるという環境にあったら、当然、電子メールも、 WEB メールのようなものが閲覧できる状況にあるわけでして、これは何らかの今の条件でも、書面又は電子メールでよくなっているのであれば、これで十分かと思います。

というのは、今、インターネット上でお買物をするとき、 WEB 上で購入ボタンをクリックして、その後に確認メールが届きますよね。「あなたはこの商品を買いました」と。また銀行口座にアクセスしたら、やはりメールが届いて、「あなたはこのような変更手続きをやったけれど大丈夫ですか」といった感じです。そしてもし、あなたがそれをやっていないのであれば、至急届けてくださいというような文面が届いたりするわけです。その 2 系統でチェックをすることも大事ですし、また、手元に資料が残っている状態、これも大事だと思います。この論点の一番上で「 WEB 閲覧等の労働者の能動的な行為を要する手段」、これを認めるかと言ったら、これは恐らく、現状でもそれほどのコストにはなっていないと思いますので、今のままで構わないのかと考えております。

 次に、先ほど竹内委員からあった全件受理義務についてです。私の理解がまだ不十分なのですが、法第 32 条の 12 で、職種等の範囲の届出を行った場合、その範囲内での全件受理になっているというわけです。つまり、今でも例えば、うちはこの業界に絞った紹介をやっていますというのが可能なわけです。このとき、先ほど竹内委員がとても注目されていた、差別的な扱いを禁止するというような事項が現状ではないのか、それとも、あるのであればどのような内容があるのか、これについて教えていただければと思います。お願いします。

○阿部座長 では、御質問ですので、その例外のところでどうなっているのかということだと思います。では、お願いします。

○松本課長 考え得るのは、職種以外の切り方。事業規模とか、対象とする予定される賃金の水準とか、そういったところについて特化するということがビジネスモデルとしてはあり得るのではないかということを想定しております。

○安藤委員 現状では、明示的に、できるとされているわけではないということですね。

○松本課長 はい。

○安藤委員 分かりました。

○阿部座長 全件受理の前に、労働条件明示のところで、竹内委員と安藤委員のお話を整理させていただきますが、多分、竹内委員がおっしゃっている労働条件明示は、事業所が、積極的に求職者に情報を提供しなければいけないということをおっしゃっていたように思います。ですよね。

○竹内委員 はい。

○阿部座長 安藤委員の場合は、それではなくて、メールでいいのか、 WEB も可能かといったようなお話をされたと思っていて、多分、私は積極的に示すというのはメールなのか WEB なのかという違いもあるのではないかと。安藤委員は、それは一緒だということをおっしゃったように聞こえたのですが、竹内委員は、多分、違うだろうということをおっしゃりたかったのだろうと思います。

○竹内委員 私も、安藤委員と意見が違うのか、実は結構同じ方向を向いているのか、ちょっと聞いていて、混乱したのですが。

○安藤委員 多分、考えていることは同じ方向だと思いますが、どちらを、つまり、論点と一番右に書いてある所の書きぶりが、「能動的な行為」といった、能動的という言葉を、データを受け取る求職側の行為として書かれていたので、そちら側で話を整理したほうが良いと考えました。

○竹内委員 なるほど。

○安藤委員 きちんと「事業者側の」と言えばいいのですが、そこの混乱を避けるのであれば、どちらの視点から議論をすべきなのかということが問題かと思って申し上げました。

○竹内委員 もう少し単純に言い直しますと、現行の規制だと、書面又は電子メールでとなっていて、論点の所だとその書面又は電子メール以外の方法として、新たに挙げられているのが WEB 閲覧等で、「等」に何が入るかにもよりますが、 WEB に労働者からアクセスして初めて確認ができるという形態のものも入っているわけです。書面を手交するとか、郵送するとか、メールを送るということであれば、労働者の側には基本的に何もしなくてもとにかく情報は届いている状態になっているわけです。これに対して, WEB 閲覧だと、労働者から WEB にアクセスするという意味では、一つ作業が必要だと思います。ですので、 WEB 閲覧等の新たに出てきている方法については、明示の観点から、また、加えて,アクセスするときのタイムラグとの関係で内容の改変の可能性があるという観点から、認めるのに適切ではないのではという感触を持っています。

○安藤委員 私も同意見です。

○阿部座長 では、分かりました。合いました。 WEB 閲覧というのは多分、竹内委員の言葉で言うと周知に当たるのかなと思いますね。だからそれは、明示ではない、というように整理されるのかと思います。

○安藤委員 分かりました。

○阿部座長 よろしいでしょうか。あとは、全件受理の所で竹内委員がおっしゃった求職者保護の観点から差別禁止ということは、これはあれなのでしょうか、つまり、求職者が来ましたが、あなたではないよと言って、ある特定グループの人たちには求人情報を与えないという行為のことを指しているのか。

○竹内委員 全件受理の義務を外した後の設計がどのようなことになるかということにもよりますが、全件受理義務を外して、例えば一定の範囲の人としかうちはビジネスをしませんとしたときに、その範囲に当てはまるにもかかわらず、個別の案件について、一方からの案件は受理するけれども、似たような他方の案件は恣意的に外すというようなことが生じる、言い換えますと、全件受理しなくていいのだからという考えの下で,恣意的に個別にセレクトできるという理解で運営されるとまずいのではないかという趣旨です。

○阿部座長 分かりました。では、水島委員、どうぞ。

○水島委員 その議論に入る前に、確認させていただきます。職業紹介事業は公共的性格を有するものという前提があります。前提となっている公共的性格というものを残した上での議論なのか、これを修正するというお考えなのかを確認させていただきたいと思います。

 公共的性格を残すのであれば、すべきことが決まってくると思いますし、民間ということであれば、かなり修正されることになるかと思います。

○松本課長 この職業紹介の事業というのは、職業選択の自由であるとか、言わば経済活動の基礎として大変重要な事業の範囲ということもあります。基本は、国、また、地方公共団体が実施すると。それで原則禁止である中で、許可によって、一部解除して、適切な事業については許可して、効果的、効率的にやっていただくというのが法制度上の立て付けです。

 そういう意味で言えば、許可を得られる事業者は、言わば公共的性格の、それにのっとって事業できるというのが含まれていると解釈しております。

 ではありますが、先生が御指摘のように、そこは民間事業ですので、公共というだけではなくて事業体としての運営ができるという観点も必要ですし、また、国の機関ではない長所をいかしていただくという観点から、一定限度に絞るというところもあるのでしょうと。どこまで公共としての性格として負わなければならないかという論点のほか、通常の事業であっても差別はあってはならないというのが一般則として成立すると思っております。

 あと、何をもって差別とするのかというところは、御議論いただくなりして線引きはしなければならないかとは存じます。

○阿部座長 水町委員、どうぞ。

○水町委員 その差別の内容とか線引きですが、これ、公私を問わず、例えば職業安定法の 3 条に書いてありますが、人種、国籍、信条、性別、社会的身分、門地、従前の職業、労働組合の組合員であること等を理由として、そういう差別禁止事由については、これは普通に民間企業でもどこでも、こういう差別は駄目ですというのは、公私問わずです。ただ、職業紹介事業で、民間職業紹介事業と普通の一般企業と違うところは、半公的な性格を持つ職業紹介をつかさどるものなので、好き嫌いとか、この人は契約するけどこの人は契約しないという形での選別、先ほどの竹内委員の言葉によると、恣意的な選択をしてはいけないというところが 1 つ重要なところで、その線はやはり外してはいけないだろうというので、ここで職種の範囲等というように今なっていますが、職種の範囲等以外で何か好き嫌いを排除しつつ、ある程度の客観性とか明確性ですね、その基準の立て方自体を恣意的にさせられると、例えば協調性のある人はうちはやりますよと。それは駄目でしょ恣意的なのでと。もっと職種とかきちんとした客観性で、誰が見てもこれに当てはまる当てはまらないというのが分かるような、かつ利用する人が誤解を生まないような明確な定義で範囲を確定できるものについては、全件受理から外してその中でやっていいですよという意味では、半公的な役割を担った事業であるという位置付けになるのかと思います。

 そういう意味では、客観性と明確性を担保しながら、どれぐらい全件受理の原則を外すというのか、原則・例外の間にそういう基準を作って、差別、恣意的な選別をしないで、ビジネスとして需給調整ができるような形で進めていこうということかと思います。

○阿部座長 ありがとうございます。

○安藤委員 その際に、例えば年齢によって、うちの会社は高齢者を中心に扱いますと。 60 歳以上でビジネスをしますと。これは何かそのほうが、求職者側も求人者側も対象を絞れてよさそうな気もします。これに対して例えば 40 歳未満、 30 歳未満というと、何か問題がありそうに聞こえたりもするのですがいかがでしょうか。この年齢によって、又は性別によってゾーニングというか、グループを分けたほうが、その範囲内でより効率的なマッチングができるような気もする反面、差別的な扱いをしてはいけないと言ったときに、どこまでが合理的で、合理的というのは、絞ったほうが、求人側、求職者側の両方から見て、より早くより良いマッチングが成立するという意味で設けられているものなのか。ここは、なかなか難しいと。年齢は駄目なのか、いいのか。その当たりについて、水町委員は、どうお考えですか。

○水町委員 年齢の問題は、人権の問題と政策的な要請の問題があって、差し当たり今、人権、自由として日本の実定法上は入っていません。ですが、政策的な観点から雇用政策法の中で、法律で認められているような例外に当たらない限りは、募集、採用要件で年齢要件を付けることは原則としていけませんと。これは民間企業にその制約を課しているので、職業紹介事業についても、そちらのほうがそのままであれば当然、年齢を基準にしては原則としていけないというのが当てはまってくるのだと思います。もし、そこを変えるとすれば、もっと根本の議論のところからやり直すということになるのかと思います。

○阿部座長 多分、それでいいのではないかと、私もそのような気がしています。例えば、性差別であれば「男女雇用機会均等法」で当てはまればいいので、ここに直接なくてもいいかもしれませんね。

○安藤委員 結局、採用する側、求人する側が、こういう人という理想像があったときに、採用の自由がある中でいろいろな差別を禁止しています。そうすると、結局は採ってもらえないのに履歴書を書いたりとか、面接まで行ったりというその手間がどのくらい社会的に発生しているコストなのかということが少し気になっています。もちろん差別がいけないことは重々承知していますが、そのルールを守っていることを意識するがために、実際には、例えばここは男性を採ろう、ここは女性を採ると決めていて、異なる人が行っても結局、書類すら見てもらえないということだと何かもったいない気もしています。その辺り、どうやって実効性を担保できるのか。つまり、職業紹介の段階で差別的な扱いはしませんと言っても、採用する段階で結局されていたら同じことのような気もしています。なかなか難しいと感じました。これは、ただの感想です。

○阿部座長 分かりました。ありがとうございます。

○大久保委員 論点2の 3 つの論点、それぞれについて意見を言わせていただきたいと思います。既に方向性の議論が出ていますが、 WEB 閲覧でやることを認めるかというと、認めるべきではないと思います。これは、労働者保護の観点を考えたときに、やはり労働条件が手元に残る状態が重要で、トラブルが後から起こったときにそこに立ち帰るときに WEB では不安定ですから、労働者保護の観点から緩和するべきではないと。

 事業所側の効率性を考えた場合も、現在、メールに条件通知書を添付して送ることが一般的ですし、そのことに特別大きなコストがかかっているわけでも手間がかかっているわけでもありませんから、積極的にこれを変えにいく理由は余りないのではないかと思います。

2 点目の全件受理に関しては、有料職業紹介事業者、民間の有料職業紹介事業者は、かなり規模の小さい所が多いのです。ですから、規模の小さい事業者が有料職業紹介事業をやろうと思ったら、自分の得意領域を作ることは自然な行為で、不得手な部分が当然あるという状況ですので、全件受理は原則的には無理というのが実態です。ただ、では、ここに関して、今の例外規定をいろいろ増やしていけばいいのかというと、余りそのような積極的なイメージも私は湧かなくて、民間の事業者が実態はどうやっているかというと、私たちの所はこういうところの領域は得意ですということを宣伝、広告上発信して、ブランディングによってミスマッチがないようなコミュニケーションを取っているわけです。実際のところは、それでそこそこうまく回っているというのが現実的なところで、登録をしても、紹介がとてもできないような、全くその求人に対するものを持っていないような人たちがどんどん押し寄せてきて無駄が発生しているかというと、それほどの実態にはなっていないのではないかと思います。例外規定を変えるときに、細かい緻密な例外規定を作っていくと、また、それが複雑なものを呈するので、余り細かいルール化の所は難しいのかと。結論から言うと、私は現状のままでいいのではないかと思っております。

3 つ目の論点の記載の義務付けている事項が適切かということに関して言えば、全体的には、求められているものはトゥー・マッチな感じがしております。事業報告書は厚いボリュームの物を作るわけですね。この手間が一体、何のためなのかというのがあります。例えば、職域ごとの紹介の実態の明細とか、記載が大分類から中分類まで下げて細かく書くことを今、求められているということですが、それによって随分手間が増えたけれども、あれは一体何にいかされているのだろうかと疑問に思っているという声を聞きました。余り過剰な細かい記載を求めること自体は、やり過ぎないような範囲にしておいていただきたいと思います。以上です。

○阿部座長 ありがとうございます。ほかにはいかがでしょうか。

○安藤委員 今の帳簿の備付け義務ですが、これは紙で保管しないといけないことを求めているルールなのでしょうか。それとも、パソコンの中にデータとして残っている状況でも許されるのか。そこはいかがでしょうか。教えていただければと思います。

○吉田補佐 後ほど確認の上、回答させていただきます。

○阿部座長 分かりました。

○安藤委員 また、同じく個人情報の取扱いについても、必要な措置を講じなければいけないといったときに、先ほど金庫という話が論点1で出てきましたが、今時、もし紙にしなければいけないのならきちんと管理しなければいけませんが、電子ファイルの形であれば、暗号化してパソコンの中に置いておくということでも十分な気もして、更に先ほどの面積要件が要らなくなってくると思ったので、それも併せて個人情報の保護とかも教えていただければと思います。

○吉田補佐 後ほど確認して、併せて。

○阿部座長 では、そのようにしてください。分かりました。論点2についても、皆様からいろいろ御意見がありまして、全件受理を外すのであれば、別途、求職者保護の観点から必要なことがあるのではないかという意見もありましたし、大久保委員の場合は、現状でも、大きな問題はないのではないかということの御発言がありました。

○大久保委員 それほど大きな問題はないように。

○安藤委員 その点について、領域を絞った上で、あえて差別的に扱うことに、事業者側にどういう得があるのだろうということも気になったのですね。例えば、せっかく来た求職者に、うちはあなたを対象としていませんと言ったときに、収益が発生する機会を自分で狭めている可能性があると思います。そういう差別的な扱いをすることのメリットと言ったときに、先ほどのお話のように、領域を絞るというのは、この分野が得意だというのはあると思いますが、それ以外に、実際にどういう差別的な扱いといったことが現状で起こり得るかということについて、実態が分からないとどうも難しいですね。本当にそういう差別禁止の取り決めが必要なのか、それとも現状と同じままで大丈夫なのか、ほかの法令で担保されている部分だけで十分なのかが分からないのですが、大久保委員は、現状で余りトラブルはないとおっしゃっていた。実態として、トラブルがあるというような意見はないのですか。

○大久保委員 紹介事業所としては、大体自分の所が持っている求人がどのようなものかということは当然、理解をしております。求職者が来た場合に、その求職者に紹介できる求人がありそうかどうかというのは、一番敏感にナーバスに見るわけです。仮に求職者の登録を受け付けたとしても、その人に紹介することができないままずっと時間がたっていくと評判が落ちるわけです。今、いろいろな評価がありますので、評価が下がっていく、評判が悪化するので、紹介できない人に登録だけしてもらうということは、個人の側にとってもあまりハッピーなことではないし、事業者にとってもあまりプラスではないということがあります。本当は、それについてはうちは、今、紹介できるのはありませんと言って、お断りしたい気持ちはあると思います。ですから、もともと言っているように、全件受理を全体で求められることについては重荷なので、民間としては、規模の小さい所では特に難しいですというのが前提です。

 ただし、全件受理をここで規制緩和をする代わりに、こうだったらいいよ、ああだったら駄目だとすごく細かく規定化されていくことは、逆に運用に乗らないのではないかと思っています。現実では先ほど言ったように、企業ごとに自分の得意領域をブランディングして出すことによって現状のミスマッチを回避する方法でやっているので、それではなくて、今度は細かくルールで良い悪いを決めることになると、運用が難しいのではないかと思っているというイメージです。

○阿部座長 多分、求職者にとっても求人企業にとっても、時間がかかってしまえば機会費用が大きくなってしまうので、結果的には仲介事業者から、うちは得意ではないですよと言われたほうが効率的な面があるというような理解だろうと思います。だから結果として、全件受理が義務にはなっていますが、デファクトとしては、実際には得意不得意が出てきて、それがうまく回っているということだろうと思います。そのような理解です。だから、どちらで行くかという。現実、今のところは問題ないけれども、将来的にどういう問題が起こるかは、私は分かっていません。そういうものがあったら、もう少し考えてもいいかもしれません。

 あとは一方では、例外を除いて全件受理義務を外すということも、 1 つかと思います。

○水島委員 余り細かいルールを設けても、ということは納得しますし、そのほうが分かりやすいと思います。

 法第 32 条の 12 では、取り扱う職種の範囲、その他業務の範囲という書きぶりになっています。その職種と業務で、その得意分野をカバーできているのでしょうか。現在、余り問題は起きていないということですが、例えばここに要素を増やすことによって、たくさん増やすという意味ではなく、もう 1 つ、 2 つ要素を増やすことによって、実効的に変わるのであれば、より向上に資するのではないかという気がします。いかがでしょうか。

○大久保委員 なかなかこのマッチングの問題は難しいところがあります。職業というもの以外に、あと何があるのかというと、実際には年収水準と年齢というのが大きな要素になってくるのだと思います。年齢はやはり大きいのですね。先ほどのお話で、高齢者は高齢者で特化したほうがいいし、あるいは若年に非常に圧倒的な強みを持っている、若年であまり経験もないという、未経験者のような人たちのマッチングに特化してというか、優れている所もあります。

 ただ、現実的には多分、職種の次だと年齢になると思います。年齢を動かすのは難しいのではないかと思っております。その辺のところは、あまりルール化して細かく規定していくというのは現実的にどうなのかという感じです。

○阿部座長 まだ、いろいろとお話していただきたいところはありますが、ここで水町委員、竹内委員が所用のため退席されると伺っております。できれば、残り 2 つの論点についても、御意見を頂ければと思います。よろしいでしょうか。

○竹内委員 途中で退席させていただくことになりまして恐縮です、申し訳ありません。私からは 1 点だけです。論点3は取り立てて現状、意見はありません。論点4について、論点4の 2 つ目の箱の求職者と職業紹介事業者とのトラブルという所で、恐らくは、職業紹介以外の場面というのも今後、また検討されていくことになると思いますが、この論点の中で、現状としては、求人者に対してのペナルティーというべきかどうかは別ですが、虚偽の求人をした者に対する対応方法について、行政指導以上がないということになっています。求職者に誤った情報が伝わる要因としては、当然ながら、求人者と、仲介をする職業紹介事業者のいずれかに原因がある、すなわち、 2 つの場合が考えられます。もちろん,これら 2 つが重なる,いずれにも原因があるという場合もあろうかと思います。

 これら 2 つの場合のうち、職業紹介事業者に原因がある場合については、現状でも罰則等があると伺っております。そうであるならば、同様に考えて、求人者にもし責任があって虚偽の情報が伝わっていくことになれば、求人者について、然るべき罰則等の、職業紹介事業者と全く同じかどうかは別としても、同様の規制はあり得るのではないかと考えられます。

 なお、今、刑事罰ということを申し上げましたが、職業紹介事業者が虚偽の、例えば、存在しない求人を誇大に広告したりすることなどがどれだけ実態としてあるかは必ずしもよく分かりませんが、もしそうしたことがあって問題だということで、どのように対応するかということに関しては、職業紹介事業者に問題がある場合を念頭に置いて申し上げていますが、職業紹介事業者の団体が、業界の適正化のために、いろいろ活動されていると思います。そのような団体に入らない業者に問題があるということも、もしかしたらあるのかもしれません。そこは実態をきちんと調べてからの話になりますが、そうした場合を含めて、業界の団体自身が自分の業界のために適切に活動することが本来は第一だと思います。もし、法政策上何か考えるということであれば、刑事罰を科すという以外にも、その業界水準の向上のために適切に活動している団体に、何らかの形で公的な支援をするという方法もあるのではないかと思います。

 発想は全く違うかもしれませんが、例えば、次世代法に関して、「くるみんマーク」のような形で、あれは企業の取組についてですが、官が一定の認証をするわけですが、それと似たような発想の仕組み、すなわち、適切な業界団体についての支援を行い、その団体が自らの業界を自浄する活動を手助けするという、そういう法政策的なアイディアも、この問題への対応方法としてはあり得るのかと思います。アイディアにすぎませんが、申し上げさせていただく次第です。以上です。

○阿部座長 ありがとうございました。それでは、水町委員、何かありますか。

○水町委員 論点3、論点4、それぞれ 1 つずつですが、論点3の有料 ( 無料 ) などの職業紹介事業者間の提携の所です。提携するときに一般的に一番気になるのが、個人情報がどこに行ってしまうのかという問題が一番懸念されるところなので、 8 ページの論点の所で、一番上の右側の四角の上から 4 番目のポツの「労働者の同意は必須であるが」という所ですが、とにかく提携する事業者がバッとたくさん並んで同意しますかと言って、同意を取ったとしても、求職者が、この個人情報がどこに行くかをきちんと認識したり、確認しながら同意するというプロセスをきちんと取ったほうがいいのではないかと。何が何だか分からないがたくさん書いてある所に同意をして、後で同意していたでしょと言っても、それがどこに行ったかという所が分からないとあれなので、きちんとこの事業はこういうところを得意にしていて、こういう所ですということをきちんと確認して、自分の個人情報がそこに行くことが分かりながらのプロセスをしっかりしてもらわないと、後々、何かちょっと困ったことにならないかというのが 1 つです。原則としては、提携を認めるような形でやっていくための個人情報管理をしっかりしてくれということが 1 つです。

 論点4は、先ほど竹内委員もおっしゃった所で、仲介事業者だけではなくて求人者についても、同じような悪い事があれば同じようにサンクションをかけていくことは重要だと思いますが、同時に、実際、こういう明示をさせるときに、非常に抽象的な明示を、例えば年収 300 800 万円とか、職種、営業職等と書いて、「等」の中に何でも入っていますよとかということがあるので、明示させても結局、そういうところでむしろ抽象的になってしまって利用者のためにならないということがあるとよくない。公共職業紹介所では、今、フォーマットをある程度コンプライアンスをしっかりするために改善されたりしていますよね。例えば、定額残業代のために時間外労働割増賃金の計算方法を具体的に書かせましょうねということがありますので、そういう労働条件明示で、これとこれを明示しなさいということまでは法令に書かれていますが、その明示の方法についても、ハローワークでやっているのを参考にしながら、民間にもこういう形でなるべく具体的に。幅があるのは仕方ないと思います。面接して能力を見て張り付けて、年収が一定の中に収まるということはあると思います。余りそれ自体が脱法とか濫用を生むようなことにならないように、そのフォーマット自体を少し明確にした上できちんと明示しなさいと。その明示をしなかった、この法令に違反するようなことが故意で行われた場合にはサンクションを課すということは、事業者と同じように求人者にも課すということをきちんと対応することが。むしろ自由化して、いろいろな方々が参画してくるようになったときに一番懸念されるのは、濫用が広がっていったり個人情報がどこに行ってしまうか分からないことなので、そこだけはしっかりやっていただきたいと思います。以上です。

○阿部座長 ありがとうございました。それでは、お二人は御退席されます。

                             ( 水町委員、竹内委員退席 )

○阿部座長 それでは、また、追加で論点2について、御発言があればお聞きいたします。なければ論点3に移りますが、よろしいでしょうか。では、論点3に移ります。事務局から論点3について説明をお願いします。

○木本補佐 資料 2-1 の論点3を御覧ください。 8 ページになりますが、業務提携について御説明いたします。まず類型として 3 つあるかと考えています。有料あるいは無料職業紹介事業者間の提携という場合と有料と無料の職業紹介事業者の間の提携という場合、職業紹介事業者と職業紹介事業者以外の者の間の提携というような 3 パターンがあると考えています。

 まず 1 つ目の、有料又は無料同士間の提携については、現状は可能ですが要件と手続等がありまして、その下のところですが、労働条件の明示などの義務は、あっせんを行う事業者が自らの責任において履行するということとなっています。業務提携につきましては、あらかじめ特定された他の職業紹介事業者に提供するということが前提となっています。

3 つ目は、業務提携に際して求人又は求職を他の事業者に提供しようとする場合には、あらかじめ求人者又は求職者に業務提携の内容として、提供先の職業紹介事業者に関する事業者に対する事項、内容としては、取扱職種の範囲や手数料に関する事項等を明示した上で、求人者又は求職者が同意した場合に限って行うという形にしています。求人者又は求職者が同意した場合については、全件受理義務の趣旨に鑑み、提携先は受理義務が生じると考えています。

 次ですが、提携先は受理に伴う事業者の義務、例えば求人求職受理簿の作成等を履行する必要があると考えています。最後ですが、手数料はあっせんを行う事業者による手数料の定めの範囲内で、その事業者が徴収すると考えています。ただし、事後的な配分は可能だと考えています。

 これについての論点、右側ですが、 1 つ目があっせんを複数の事業者が行い得ることとすべきかということです。 2 つ目が、業務提携について、事業報告を含む手続が示されていないので、これを明確化する必要はないかということがあると思います。 4 つ目は、労働条件の明示を、あっせんを行う事業者でない事業者が行うことを認めるかという点があるかと思います。 3 つ目が、労働者の同意は必須ですが、労働者が同意した提携先の候補のうち、事業者の選別により実際の提携先を限定することを可能とするかということがあるかと思います。最後ですが、手数料を、あっせんを行う事業者でない事業者が徴収することを認めるかという論点です。

 続きまして、有料職業紹介事業者と無料職業紹介事業者の間の提携についてです。こちらも可否については同上ですが、右側の論点として、無料の職業紹介事業者が実質的に求人手数料を取ることができるようにならないよう留意しつつ、手数料の配分の在り方等について、別途示す必要はないかということが考えられます。

 最後ですが、職業紹介事業者とそれ以外の者の間の提携です。可否については、職業紹介事業者以外の者が職業紹介の全部又は一部を行うことは禁止されています。他方、付随業務ということで、求人・求職の申込みを勧誘する業務、あるいは許可を受け又は届出をしている職業紹介事業者への求人・求職を全数送付するような業務等を行うことについては認められています。論点ですが、 1 つ目が職業紹介事業者とそれ以外の者の間の提携については、解釈が明確化されていないという点を踏まえて、明確化する必要はないかということ。 2 つ目が、この際、職業紹介事業者以外の者が事業者から対価を得ることについての取扱いも併せて示す必要はないかということがあるかと思います。以上です。

○阿部座長 ありがとうございました。ただいまの説明について。

○水島委員 意見ではなく質問ですが、これについては法的根拠を書いておられませんが、つまり規制をしていないので上の 2 つは可能であるという理解でよろしいでしょうか。 3 つ目が禁止されるのは、これは職業紹介の許可を得ていないので当然禁止される、こうした理解でよろしいでしょうか。

○木本補佐 要件や手続等に書かれている部分につきましては、取扱要領の中で定めています。最後の職業紹介事業者以外の者と提携ができないという点につきましては、御指摘のとおりで、許可が取れてないという時点で、それは紹介事業を行えないという形になっていますので、解釈的にはこうなるかと考えています。

○阿部座長 よろしいですか。それでは、皆さん御意見、御質問、御感想をお願いします。

○大久保委員 一番目の有料職業紹介事業者間の提携に関してなのですが、これはもっぱら地域の離れた所における有料職業紹介事業者間の連携が、一番現実的には多く起こっているケースだと思います。有料職業紹介事業者は、余りたくさんの事業所を持っているわけではない所が多いわけですね。東京で本社を持っている所は、大手でも数拠点しか事業所を持っていない。そうすると、その事業所においてカバーされていない地域が相当あるわけです。一方、カバーされていない所にも、また中小の有料職業紹介事業者がいるわけで、そういう所と事業提携を結ぶ。結果的に多くの場合は、地方の求人に対して、都市部の求職者をマッチングするということを前提とした事業提携をするのが、一番ケースとしては多いのではなかろうかと思います。このこと自体は、大変日本全体の需給のマッチングを促進することに貢献することでありますし、 1 つの会社が全部の所に事業所を作っていくというよりは、事業提携をやっているほうが圧倒的に生産性も高いということでもありますので、一番目の有料職業紹介事業者間の提携に関しては、なるべく広く基本的には認めるという方向で考えたほうがよいのではないか。そのことは、しっかりと明示的に書いておいたほうがよいのではないかと思っています。

 この事業提携は今の地方との例で申し上げたとおり、求職者を登録させる行為と求人者のほうの要件調整をするような求人者側の行為を別々の所がやって連携するというパターンが多くて、いわゆる求人・求職の分離した提携というパターンが多いのです。そのことを前提とした上で考える必要があると思っています。両者がやったときに責任の分担はどうなるのだということなのですけれども、基本的には冒頭に申し上げたとおり、求職者の保護ということがこの法律の重要な観点でありますから、求職者の登録を受け付けて紹介をするところまで持っていく事業者が、特に中心的に責任を負うべきではないかと。そのことを明確にした上で、この事業提携については広く認めるべきではないかと思っています。

2 点目の所は、これは現在の状況において、そんなに大きな問題があるとは思っていませんが、主に学校などと有料職業紹介事業者が提携する話だろうと思います。 3 番目の問題は、論点の一番下の所の話ではないかと思っていまして、これも地方の案件で起こっているのは、都市部の有料職業紹介事業者が求職者の登録を集めて、例えば地方銀行がコミットしている会社の求人を仲介して東京の事業者に投げてくるというようなケースについて、どの範囲まで認めるのかという話だろうと思います。それを一定範囲で認めるのか、若しくは銀行等に有料職業紹介の免許を取ることを求めるのか。どちらがより全体のやり方として、運営としていいのか。

 もし、地方銀行に有料職業紹介事業としての事業免許を取ることを求める場合は、またさっきの話に戻るのですが、事業所に関する細かいルールとか面接がどうしたこうしたみたいなところは、やはりトゥー・マッチなので、その辺のところを全体のバランスの中で、今求められている地方創生などの問題にどう貢献できるかということを考えていく必要があるのではないかと思います。以上です。

○阿部座長 ありがとうございました。まず、こういった提携が想定されていて、それがスムーズに進むためにも、提携を拡大するというか、できるようにするというのは良いことだろうと思いますが、論点3の業務提携についてのペーパーにある論点の所で、ちょっと私も読んでいてイメージがつきにくいところがあったので、質問しながら、大久保委員にも何かあればお話を伺いたいと思うのです。

 まず第 1 に、「あっせんを複数の事業所が行い得ることとすべきか」と書いてあるのですが、これは具体的に言うとどういうことなのかですが、これは、複数の事業者が同時に行うということを想定しているのか。つまりあっせんするわけですよね。だから、いろいろな、 ABC と職業紹介事業者があって、 A' さん、 B' さん、 C' さんという求職者がいて、それを Z 社にあっせんするということを考えているのか。そこら辺のイメージがよく分かっていないのですけれども。でも、実際のところどうなんでしょうね。 Z 社は A 社にも B 社にも求人を投げるということは普通あり得たりもしますよね。これのどこが論点なのか、ちょっとイメージしにくいのですけれども。

○松本課長 結局あっせんというのは、求人と求職の条件を結合するために、場合によってはマッチングだけではなくて、条件の変更の検討もすることになると思うのです。そういった条件を変更すると、やり取りを求人なり求職とやることになりますけれども、今、要領で想定しているのは、複数間で提携して情報をそれぞれから得た上で、一の事業者が求人側、求職側と一元的に責任を取ってコンタクトして、そこで結合まで成就させるというのは、一の社でないとうまくいかないのではないかという前提です。これを複数ということは、求人企業には A 社が対応し求職者には B 社が対応しという、受け付けた社が対応するわけですけれども、そこの結合は A B の責任が明確にならないような気がするのですけれども、そういう意味で、今はあっせんは一社という前提なのです。

○阿部座長 どっちかに寄せるということで、大久保委員が言われていたのは、求職側に寄せたほうがいいのではないか。そういうことですね。

○大久保委員 責任においては。ただ、現実には求職側の事業者は東京にいる。求人側の事業者が例えば長崎にいるという状況の中で、成約条件があることに対して現実的な対応策でなければいけないと思いますので、考え方の問題と、実質的なコミュニケーション、現場で対面でやるのは誰かという話とはちょっと分けておかないと難しいのではないかと思います。

○松本課長 そういう意味で、連絡を取るというか求職者に対して明示をするのは誰が担当するかというのは、分離することも適当かどうかという意味で、論点が 3 つ目のポツとしてあるわけです。

○大久保委員 例えば求職者に対して、こういう条件ですということを提示するのは、求職者の窓口になっている所がずっと一貫して責任を持ってやるべきだと思いますが、その後、今度、求人側とのセッティング調整をする所は、それはどっちがやるのかとか、そういう細かいことに枝分かれを多分してくるのではないかと思うのですが。そこについて、どこまで細かく良い悪いの議論をするのかという話は残ると思います。

○阿部座長 分かりました。現実的にはその辺りが問題になるのでしょうね。

○大久保委員 こういう求職条件を持っている希望者がいますと。希望地域は、例えば九州ですと言ったときに、九州全域のカバーは大体、普通していないことが多いですから、福岡の有料職業紹介事業者と熊本と鹿児島に紹介を出すと。そのときに、要するにある程度スピードを持ってやるために同時並行的にやっていく。どこの段階で始めて求職者の個人情報の扱いをどういう形で出すのかというのは、いろいろ問題があるのだと思うのです。現実的には、かなり細かいところまで見てルールを決めていかなければいけないと思いますけれども。

○阿部座長 分かりました。だから、一にするというのもあるし、それぞれの代理人というようなことでマッチングまで成就させていくというタイプもあり得るのですね。私の理解ですけれども、求人側の代理人と求職者側の代理人という形で、あっせん事業者がそれぞれ立つ場合も想定してもいいかもしれないということもあるのですね。

○松本課長 論点として、そういった点について御議論いただければという趣旨です。

○阿部座長 ただ、そのときに求職者の保護というのをどのようにしていくかというのは、一番そこが重要になると思いましたけれども。

○安藤委員 やはりこの提携の問題は、個人情報の管理、保護の問題と、あとはトラブルが起こったときに誰が責任を持つのかというところで、労働者側、求職者側へ対応する窓口がころころ変わるよりは、そこは固定してあるということが多分大事なのだろうと思います。そこについて誰が責任を持つかがはっきりしていれば、あっせんを複数の事業者が行うということは、私は問題ないと思っております。

 今回、参考資料として付けていただいた労働力以外の需給調整制度について、私が前回か前々回かにお話したかもしれないですけれども、不動産取引などでは、どちらかというと、 1 つの事業者が仲介するということ自体が、両手取引と言って問題視されるぐらいで、売り手の代理人と買い手の代理人が付くのが当たり前みたいな分野があるわけで、責任をどちらが持つのかが明確であれば、先ほど大久保委員がおっしゃっていたように、これからは地域をまたがった労働移動とかが不可避な時代にもなりつつあると思いますので、あっせんを複数の事業者が行い得ることを逆に明確化してしまって、その上できちっとルール化をしたほうが、ふわっとさせておくよりもいいのではないかと感じております。

 頂いた資料、一応コメントしておくと、この参考資料ですが、報酬額規制は、多分数字が間違っていると思うので御確認いただければと思います。売買又は交換の媒介の場合、私の理解では、 400 万円以上の物件については、片方から 3 %プラス 6 万円というのが今の法律上の基準だと思います。また、貸借の場合、 1 か月分の 0.54 %ということではなくて 54 %だと思います。つまり借り手と貸し手、両方から合計で 1 か月分プラス消費税がもらえるというのが法律上の基準であり、これが本人の合意があれば、借り手のほうから 1 か月分プラス消費税分、これを取ってもいいというのが現行のルールだと思いますので、皆さんの手元にもし回っているのだったら、修正していただいたほうがいいかなと感じました。以上です。

○阿部座長 ありがとうございました。ちょっと私も今すぐどちらがいいのかというのはよく分からないのですが、個人情報の管理とかトラブル防止という観点から見たときに、複数事業者があっせんを行えるのがいいのか、それともそうではないのかというのは、もう少し検討の余地があるのかもしれないなと思いました。ただ、一番大事なのは、個人情報管理とトラブル防止のところで、問題がなければ、複数事業者でもありなのかなという感じが少ししていますが、その辺り、もう少し深掘りをしたほうがいいかもしれません。

 それでは、時間もありますので、論点3から論点4に移りまして、「その他」についてです。事務局から「その他」について御説明をお願いします。

○木本補佐 論点4「その他」の説明に入る前に、先ほど御質問いただいていました管理簿の件について確認したので、担当から御説明します。

○吉田補佐 先ほど帳簿関係を電子媒体でいいのかということについて、現状の業務運営要領上は、「電子計算機に備えられたファイルとか磁気ディスク、 CD-ROM 等に記録することで構わない」と記載がしてあります。

 個人情報についてですが、先ほどの帳簿の求職管理簿は個人情報の固まりですので、当然、それも電子媒体で保存するということで構わないのですが、ただ、個人情報については、当然ながら紛失だったり改ざんだったりされることを防止する措置を取らなければいけないことになっているので、ネットにつながっていれば、ファイヤーウォールを設けたり、ファイルにパスワードを設けたりという措置が必要になります。

○阿部座長 よろしいですか。はい、ありがとうございます。

○木本補佐 続いて、資料 2-1 の論点4の「その他」について御説明します。 9 ページです。こちらの説明資料の中では、求人者・求職者と職業紹介事業者とのトラブル、あるいは求職者と職業紹介事業者とのトラブルについて書いています。

 上のほうですが、具体的なトラブルの例として 2 つあります。 1 つ目が、職業紹介事業者が、自らの職業紹介により就職した労働者に対して、合理的な理由がなく、早期離職と再度の職業紹介の利用を促している事例、こういったものがあるということです。これに関する論点として、手数料の分割受領や早期離職の場合の返戻ルールの定め等の好事例を広げる取組は考えられないか、ということが論点としてあります。もう 1 つのトラブルの例として、職業紹介事業者にとって最も多く利益が上がる紹介先を紹介しているということで、必ずしも適格紹介になっていないという例があります。

 下のほうです。職業紹介時に明示された労働条件等と、実際の就業後の労働条件等が異なることがある、というトラブルがあります。これについて論点ですが、 1 つ目が、現行制度上、職業紹介事業者に虚偽の求人を示した求人者に対して行政指導以上の対応をとることはできないが、虚偽求人を防ぐため、職業紹介事業者に虚偽の求人を示した求人者に対する対応を強化するべきか、ということが論点としてあるかと思います。もう 1 つとして、一方、紹介後の労働条件等の変更については、求職者が採用条件等を満たしていない場合等に、交渉等の中で行われることが実態としてあるものであり、虚偽求人の基準を定めることが困難な場合があるのではないか、ということが論点としてあるかと思います。以上です。

○阿部座長 ありがとうございました。この点について御議論いただきたいと思いますが、御質問、御感想、その他御意見、何でも結構ですのでお話ください。

○大久保委員  1 点目の論点になっている手数料の分割受領や早期離職の場合の払戻ルールということについてですが、私は手数料のやり取りについて、細かい規制を設けることは余り適当ではないと思っています。確かにヒアリングの中では、離職した場合の払い戻しうんぬんかんぬんということについて事業者が問題提起をされたケースもあったかと思いますが、実際にはこれは各社個別に見るとかなり細かく違うのです。 1 つの会社の中でも対象のクラウドによって違っている場合もあります。払戻ルールというのは、全体的に言うと外資系企業が非常に好むやり方で、要するに、手数料単価が高くても払戻ルールがあるほうがいいのか、それとも低くてもなくていいのか、それとももう少し付帯的なサービスがあるほうがいいのか。これは有料職業紹介事業者と顧客企業との間のかなり戦略的な問題に該当するので、そこについて細かい介入ルールを作ること自体は余り現実的ではなかろうと思っていますので、ここについては恐らく難しいのではないかと思っています。

 もう 1 個の論点になっているトラブル、虚偽求人という所ですが、これは実際の募集条件が事実と違っていたというケースで、これは職業紹介だけでなく文書募集についても当然同じことが言えるわけです。これについてもヒアリングの中でも議論があったと思いますが、私たちの認識しているところで言えば、虚偽求人の一番大きな理由は、求人者側の正しい情報が提供されなかったと。仲介事業者としては、要するに先ほど水町委員から御指摘があったとおり、募集条件を比較的細かく記載して紹介すること、しかも正確に記載してそれを求職者に提供することに関して、かなり長年にわたって業界として努力を重ねてきたところがあります。

 御承知のとおり、もともと新聞に書いた求人は委細面談だったものを、全部条件提示するところの努力を長年にわたって続けてきたわけですが、もともと求人側が意図を持って違ったことを提示された場合は、最終的には、それでも回避できないものもあるわけです。もし、これについての問題罰則規定を作るのであれば、本来、求人者側のほうに向くべきものだと思います。そして、実際に求職者との間でトラブルがあるケースの多くは、もともとの求人者が持っている求人条件自体が労働基準法に違反する内容であったりすることが多い。本来、そこで罰則規定を設けてやることが適当ではないかと思っています。要するに、これの細かい正確を期す情報に関しては、ここでは職業紹介事業者の話になっていますが、全求協などの文書募集の事業者も含めて、長年にわたって自主規制も含めて努力を続けているところですので、むしろその努力を更に進化させていくよう支援をしていくことのほうが、現実的には適当ではないかと思っています。

○阿部座長 ありがとうございます。

○水島委員 今の求人側に対する規制自体には賛成ですが、現在の職業安定法上、求人側に対する規制の例がありましたら教えていただきたいのですが。現在はないということですか。

○木本補佐 例というものは、法令上の規定のことでしょうか、それとも具体的に事例があったか否かということでしょうか。

○水島委員 法令上の規定です。

○木本補佐 法令上の規定については、第 5 条の 3 で「労働条件等の明示」という所で、「求人者は求人の申込みに当たり公共職業安定所又は職業紹介事業者に対し、労働者供給を受けようとする者はあらかじめ労働者供給事業者に対し、それぞれ、求職者又は供給される労働者が従事すべき業務の内容及び賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない」という形になっています。

 これについて、現行法で罰則としてあるものは第 65 条の 8 号にあり、「虚偽の広告をなし、又は虚偽の条件を呈示して、職業紹介、労働者の募集若しくは労働者の供給を行った者又はこれらに従事した者」については罰則があるという形になっているのですが、ここに求人者そのものが入っているという形ではないということです。

○水島委員 ありがとうございました。

○安藤委員 下の求職者と職業紹介事業者とのトラブルと言ったときに、 2 種類のトラブルが起こり得るのかと思ったのです。虚偽の求人について、まず、また不動産の例で言えば、おとり広告とよく言われるような、実際にそのような物件はないのにとても魅力的なものを提示して来させておいて、「それはもう決まってしまいました。別のものだったらあります」というタイプの、職業紹介事業者がおとりとして虚偽のものを提示するというタイプが 1 つの類型としてあり得ます。

もう 1 つは、ここに書いてあるような、求人者がとても良い条件の求人を出しておいて、実際に求職者と面談をする段階で、あなたのキャリアだったらここに書いてある年収 1,000 万円は無理で、例えば年収 400 万円ですよみたいな切り下げ行為、この 2 種類があると思うのです。

 前者については、恐らく景品表示法の中でおとり広告の罰則がありますので、そちらで担保されているという理解でいいのだろうと考えます。後者について、やはりこれをどこまで問題にするかは、私は大久保委員と意見が近いというか、多分ほぼ同じで、長年にわたる当事者の努力もあるでしょうし、また、そこで事前にかっちり決めないといけないとなり過ぎたときに、出せる条件が余り良い水準が出てこないのだろうという形が考えられるので、そこはある程度ちゃんとやっていないと評判が傷つくような、仲介事業者についての口コミであったり、評判のメカニズムを通じた抑制がある程度機能するのではないかと思うので、ここを余り厳しくがちがちにしてしまうのは、それはそれでもったいないことのような気もすると思いました。以上です。

○阿部座長 いや、まず安藤委員のそもそもおとり広告みたいなものを、例えば職業紹介事業者がやった場合、景品表示法ということで罰を与えられるのかどうかは、少し気になったのですが、そのとおりなのでしょうか。

○松本課長 また後ほど詳しく情報提供を申し上げたいと思いますが、景品表示法の直接の適用はないのだとも思うのですが、先ほど木本が申し上げた職業安定法第 65 条の 8 号の「虚偽の広告をなし」という「虚偽」の中には含まれ得るような気がします。ここは整理をします。

○阿部座長 それから、安藤委員がおっしゃった 2 点目ですが、私は大久保委員が言ったうんぬんとは少し違うのではないかという気がしたのですが、御確認いただきたいのです。大久保委員が言っていたのは、これまでも職業紹介事業主は努力してきたのだけれども、それでも虚偽の求人が起こる場合もあるだろうということをおっしゃりたかったのかと思うのです。

 問題は、委員が言っているところはやはり難しくて、結局、求人はこういう条件、もともとはそうだったのだけれども、でも、やはりこの人は良い人だということで採ったのだけれども、でも、それは会社の内部のいろいろな、給与表に当てはめたりとかいろいろなことを考えると、実際の求人条件とは違うこともあり得るのではないかということはあると思うのです。それは虚偽なのか虚偽ではないのか、どちらに当たるのかは少し難しいかとは思いました。ただ、大久保委員が言わんとしていたことは、多分努力しても、職業紹介事業主が努力してきているけれども、それでも虚偽は出るというところをどうするかということではなかったかと思うのですが。

○安藤委員 その条件が変わるのを虚偽だとすれば。

○阿部座長 いや、それはまた別の論点です。だから、その変わることをどう考えるかは、また少し違うかという気はするのです。

○安藤委員 私はそれは虚偽ではないと考えているのです。

○阿部座長 ただ、それを第三者がうまく判断できるかどうかとか、そういう問題はあります。

○大久保委員 現実的にはなかなか難しくて、仲介している事業者は、募集条件についてなるべく具体的に求めるということですが、そもそも雇用形態すら複数の選択肢を用意していたりとか、給与条件とかも、個別の人の、その人のレベルによって、会っていろいろ相談して決めたいと言っている求人者はとても多い。そういう中で、 1 つ今回はこの募集をということで募集条件を明示して出すのですが、応募したところ、その募集条件ではあなたは採用できませんと言われたと。ただ、一方で、こういうものだったら求人があり、あなたを採用してもいいですよというコミュニケーションが発生することがあるのです。それがちゃんと分かりやすく求人者から説明されるとトラブルにならないのですが、あたかも本当はこちらの条件ではなくて、こちらの条件だったかのようなコミュニケーションのされ方をすると、今度はこれはクレーム、トラブルになることもあって、こういうような現実的にはなかなか回避できない問題、実際の募集条件と違っていたという話も結構なウエイトだったりするところもある。そういうものと、それはもともと労働条件が本当に悪かったと、隠していたというのとが割と中心的なテーマです。仲介事業者の努力によって回避できるところは精一杯回避しつつあるけれども、どうしてもある程度残ってしまうところはあるということだと思います。

○阿部座長 分かりました。

○安藤委員 それは、職務給のような形で業務が明確化されていて給料が幾らということが明示できるタイプの仕事と、そうでない職能給タイプの職業。

○阿部座長 いや、そういうのもあるだろうし、あっせんしたところ、そこは駄目でしたと。だけど、別な所でこういうのはあるけれどもあなたはどうですか、と求人企業に言われた場合、どうも何か虚偽で釣られたのではないかと思うこともあり得るではないですか。そういうことになるのではないかな。だから、それが虚偽だったのか虚偽ではないのかという整理なのかと思うのです。だから、今のようなケースの場合は、あっせんが何でなされて、それがどこで終了したのかが分かるといいのですかね。どうなのでしょうね。

○安藤委員 最初の条件が合わなかった時点であっせんは終わっていて、その後は直接的な条件交渉として。

○阿部座長 やり取りだと。

○安藤委員 別の求人の提示があり、それに対してどう反応するか。

○大久保委員 でも、ただ現実的には。

○阿部座長 そうはならない。

○大久保委員 そうすると、「すみません、これは駄目でした」と言って、後から別の条件を出すのは、常に手数料を払わなくていいということですね。

○阿部座長 そうなるだろうね。そうですね。

○大久保委員 だから、現実には難しいわけです。

○阿部座長 難しいですね。それも少しいろいろと問題がありますね。分かりました。今の段階でまとめるとすると、虚偽求人に対して、もう少し求人者に対して、ペナルティーを与えることはいいことだろうと、多分皆さん、その方向性は合っていると思うのですが、いろいろな事例でどうするかは、いろいろとまだ議論があるところかという感じはします。水島委員は何かありますか。

○水島委員 抽象的になりますが、前に質問した職業紹介事業の公共的性格、半公共性からすると、こういうトラブルが起きてしまうことに問題を感じます。

 先ほど大久保委員がおっしゃったように、それが事業者間であれば、経営戦略的なものとして理解できるのですが、トラブルの例の 1 つ目、 2 つ目にあるように、求職者が巻き込まれていることは、職業紹介事業者の公共的性格からすると、何らかの方法で解決していただくべき問題です。それを規制によって解決すべきか、あるいは職業紹介事業者の方々が公共的性格なり責任なりをより意識していただくことによって改善できるのかについて、まだ結論は持ち合わせていませんが、そういった感覚を持ちました。

○阿部座長 そうですね。これを想定するかどうかは分からないですが、ペーパーの求職者・求人者と職業紹介事業者とのトラブルの上の例ですね。「合理的な理由なく、早期離職と再度の職業紹介の利用を促している事例」というのは、これまで読んだ論文では、一橋の神林さんが書いた諏訪の事例で、人材の取り合いをした結果、新たな人材が生まれにくくなるというのは、引き抜き合戦をやることによって、企業が教育訓練をするインセンティブを失ってしまうと。教育訓練しないと定着しないので。それで引き抜かれていくので、既に教育訓練を受けた人はいいのだけれども、新たな供給源がなくなっていって、結果的には自分たちの首を絞めることが起こっていたということを紹介されていたと思うのです。それは結果としては、業者間でカルテルを結んで引き抜きをしないということを決めて、解決していくわけです。確かにこういうのは問題ですが、何をもって問題にするかというのは難しくて、そこに行政が入るべきか、そうでないのかは、なかなか難しいかとは思うところです。

○安藤委員 今の一番上のトラブルの事例ですが、ここに書いてあるのは、恐らく自分が紹介した人をまたやるということです。それで、お金もうけのためにどんどんたらい回しにしたほうがもうかるという話で、労働者側は環境が変わったりとかすることでコストがかかるから、恐らく労働者側に動機付けをするために、例えば採用されたらお祝い金とか何かをあげてみたいなことを考えていると思うのですが、今、座長がおっしゃったみたいな、そもそも自分が紹介した人ではなくても、結局は成約するとお金が入るということで、本来、その労働者はそこで働き続けたほうがキャリア形成上は良いのに、そういう、労働者のためにならないような転職を促すような行為が、果たして社会的にどのぐらい許されるのかが問題だと思うのです。

 ただし、先ほどおっしゃっていたような、引き抜き防止カルテルみたいなもの自体は、やはり問題も。

○阿部座長 あります。

○安藤委員 そうですね。前に御紹介したかもしれないのですが、アメリカの西海岸のほうでグーグルとかいろいろな会社がやっていた引き抜き防止カルテルについて、ものすごい金額で和解したという事例があるわけですが、労働者の自由な転職を抑制してしまうのも問題でありつつ、ただ余り目先の利益だけでというのは、それはそれで問題であって、最近、流行の行動経済学的な分析では、やはり目先の利益に釣られがちだということはよく知られているわけでして、どこまで規制するべきかは難しいですね。

○阿部座長 ただ、大久保委員が言ったように、民間での契約を重視するという立場も、業者間の契約をどうするというのもそれはそれで大事だと思いますので、そこら辺の線引きはなかなか難しいかという気はします。

○大久保委員 このトラブルの例に書かれているような、要するに自社が紹介した人を、紹介して手数料が入った段階で、また次に回して紹介手数料を得るようなことをぐるぐるやっていくことについては、これはやはり事業所として問題がある行為だと思います。それはどういう方法かは分かりませんが、有料職業紹介の要するに認定なのか、それとも業界それぞれの自主規制を求めるのか、いろいろな方法はあると思いますが、本来は回避されるべきものです。

 私が先ほど申し上げたのは、ここにそういうトラブルが例示されていますが、そのことの対策案として、手数料のルールを決めることは、それ自体望ましくないということを申し上げたかったのです。

○阿部座長 それは民間同士の取決めの話なので、そこまで介入する必要はないだろうということかもしれない。だから、難しいかと。

 あと、もう 1 点、私が少し自分の個人的な考えとして申し上げたいのは、求職者と職業紹介事業者とのトラブル、特に虚偽求人を防ぐところで、先ほど出てきた例で、あっせんした事例は駄目だけれどもというのを、できるだけ少なくしたほうがいいわけですよね。そのためにも、やはり労働市場の整備は大事なことなのではないかと。例えば、こういう仕事に就くためには、こういうスキルを持っていることが事前に分かるようにしておくとか、そういった特定の会社というか、求人企業が求めている職種あるいは年収ではこういうスキルが求められているというのが、もう少し情報として流通するような仕組みづくりをすると。その一方で、労働者側も自分で、この仕事だったら自分はできそうだとかというのがもっとより分かるような仕組みづくりをするとか、そういったものを公共財として政府がどう提供できるかを考えていってもいいのかとは思います。

 多分、これは、前段でも少し思ったことですが、やろうとしていることは、政府が道路とか空港とか、そういうものを整備しましょうと。それに乗ってやるのは皆さん自由にやってくださいと。ただし、そこには一定のルールが必要でしょうと。私はそれと同じ話だとちょっと考えたのです。つまり、政府は、労働市場のベースの部分をちゃんと、しっかり整備しましょうと。そのところには、職業資格制度とかいろいろなものが乗っていく。場合によっては、今、これから議論されるのでしょうか、均衡処遇とか均衡待遇とか、そういうのも入ってくるのだろうと思うのです。その上で民間や無料職業紹介がいろいろとサービスを提供する。その中で一定のルールでやるということを明確にしていくというのは、今回、ここでやるべきことかと徐々に思った次第です。

 だから、単に虚偽求人を防ぐために求人企業を罰しましょうというだけではなくて、そうならないためには、政府は何を準備しておくべきかも考えておいてもいいかと。法律に書く、書かないは別として、というのも必要かと。少しざっくりとしたお話ですが、抽象度が高いですが、そのように思いました。

 もし、ほかに何か追加的に。

○大久保委員 今、座長からたまたまそういう御意見が出たところなので、それに関連したことを 1 個だけ。最後の募集、労働条件のトラブルの所ですが、いろいろな労働条件はありますが、大きいのは賃金の所でして、それは残業手当の支払い方も含めた賃金の所が量的に多いと。そうすると、報酬・賃金の所のルールをいかにしっかりと書くのかと。その支払い、ルールも含めて書くのかというところは、やはり大きな論点だと思っています。

 そこについて、起こったトラブルに対して対応するというよりは、そこを正確に書くという、まずはインフラ、それは職業紹介事業者も一般の文書募集の事業者も、もちろんハローワークも含めてです。そういうところが、この労働条件の明示のルールについて、組織化とかにおいて進化させていくことはすごく大事だと思うのです。そのことが、長期的に見ると一番大きな改善になるかもしれないと私も思うのです。

○阿部座長 ありがとうございます。まだ少し時間がありますので、もし、論点4でなければ、論点1〜4を全部含めて、包括的にお話したいことがあればお話いただいて結構ですが。

 よろしいですか。それでは、本日も皆さんからいろいろと御意見を頂きまして、私も勉強させられるところがありました。次回以降でまた議論を続けていきたいと思います。それでは、本日の議事はこれにて終わりということで、今後のことについて事務局から連絡をお願いします。

○木本補佐 次回の日程は決まり次第御連絡しますので、よろしくお願いします。傍聴の方々に御連絡します。傍聴者の方々は、事務局の誘導に従って御退席ください。以上です。


(了)

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