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2015年11月25日 第8回雇用仲介事業等の在り方に関する検討会 議事録

職業安定局派遣・有期労働対策部需給調整事業課

○日時

平成27年11月25日(水)10:00〜12:00


○場所

東京都千代田区霞が関1-2-2 中央合同庁舎第5号館
共用第8会議室(19階)


○出席者

委員

阿部座長、竹内(奥野)委員、松浦委員、水町委員

事務局

坂口派遣・有期労働対策部長、松本需給調整事業課長、戸ヶ崎主任指導官、
手倉森派遣・請負労働企画官、木本需給調整事業課長補佐

○議題

(1)有識者からのヒアリング
(2)個別の論点について検討 
   ・需給調整システムにおける民間雇用仲介事業の在り方

○議事

 

○阿部座長 おはようございます。ただいまから「第 8 回雇用仲介事業等の在り方に関する検討会」を開催いたします。本日は、安藤委員、水島委員、大久保委員が所用のため御欠席となります。本日の検討会は有識者からの海外の製造に関わるヒアリングを行った後、個別の論点として、需給調整システムにおける民間雇用仲介事業の在り方について公開で議論をいただきます。それでは、資料の確認と併せて御出席をいただいている方の紹介を事務局よりお願いします。

○木本補佐 需給調整事業課課長補佐の木本です。本日はよろしくお願いいたします。まず、本日公開部分のヒアリングに御対応をいただく有識者の方の御紹介申し上げます。千葉大学法政経営学部教授の皆川様でございます。続いて、お手元の配布資料の確認をお願いいたします。議事次第、座席表に続き、資料 1 は、千葉大学の皆川教授より御提出いただいている資料。資料 2 として、御議論いただきたい事項 ( 8 ) 。資料 3-1 、資料 3-2 が論点1についての現行制度について、関係データ等について。資料 4-1 、資料 4-2 は、論点2としてその関連の現行制度、関係データ等について。資料 5-1 、資料 5-2 が論点3の現行制度についてと関係データ等についてという形になっております。参考資料 1 として、 1997 年の民間職業仲介事業場条約 (181 ) と、参考資料 2 として「雇用仲介事業の規制の再構築」に関する意見ということで、平成 27 1 28 日の規制改革会議でまとめられたものをお配りさせていただいております。以上の 9 点となります。資料の不備等がありましたら、事務局までお申し付けください。

○阿部座長 それでは、議事に入ります。カメラの頭撮りはここまでとさせていただきます。先ほど事務局から紹介していただきましたが、本日は有識者からのヒアリングということで、千葉大学の皆川様に御出席をいただいております。本日は大変御多忙のところ、本検討会に御出席いただきまして、ありがとうございます。検討会委員を代表いたしまして、私から御礼申し上げます。

 議事の進め方ですが、まずは、皆川様から海外の制度について 15 分程度お話を頂き、その後、委員から質疑応答をさせていただきたいと思います。それでは、よろしくお願いいたします。

○皆川様 ただいま御紹介に与りました千葉大学の皆川でございます。本日は検討会の資料ということで、資料 1 で配布いただいているものを御覧いただければ幸いです。そちらに沿って概略をお話いたします。

 私はドイツの労働法を専門にしており、その関係で本日、お声掛けをいただきました。職業紹介事業については、必ずしも厳密な専門として細かく見てきたわけではないですが、現在のドイツの制度の概要を、取り急ぎ関係の限りでまとめてまいりましたので、御紹介したいと存じます。それでは、資料 1 から御覧ください。まず、事業区分とその規制の方法についてお話申し上げます。

 まず、ドイツについては、職業紹介、これは「 Arbeitsvermittlung 」というように呼ばれます。現在のところ、紹介事業を営むに対して許可は必要とされていません。民間職業紹介事業を行うには、一般的な営業法に基づく営業の届出、必要事項の届出を管轄官庁である雇用エージェンシーに行えば、足りるとされております。特に何らかの要件を課すような許可という厳しい要件は営業を営むに対して課せられておりません。

 実際に、ドイツの労働市場では、このような状況を前提として、職業紹介事業の担い手として、社会的に様々な複数のアクターが関与しているとのことです。中心となるのは公的制度です。現在の名称で連邦雇用エージェンシーが統括する雇用エージェンシーです。 Agentur für Arbeit とドイツ語では言います。それによる公的職業紹介がドイツ連邦全土で行われております。雇用エージェンシーの運営は、失業保険の財源から行われており、こちらでの職業紹介は無料です。また、ドイツは連邦国家でそれぞれ独立した自治権を持つ州によって構成されておりますが、その下の下部自治体も含めて、自治体により運営される職業紹介制度というのも各地で運営されています。

 後ほど詳細についてお話いたしますが、こうした公的制度のために活動する民間のアクターという位置付けで活動する事業者もおります。これは、連邦雇用エージェンシーによる委託を受けた第三者として紹介事業に関わる紹介事業者であり、また特別なものとして、連邦雇用エージェンシーの委託による人材サービスエージェンシー( PSA )といった,公的機関との協働、共に働く協働において、職業紹介活動に従事しているというアクターもあります。

 それ以外にも、公益目的で職業紹介事業を営んでいる団体、組織による紹介というのも数多く,ドイツ全土で幅広く行われているということです。代表的なものは、商工会議所とか、職業団体による職業紹介で、そうした団体や組織で行われております。

 ドイツでは、職業訓練制度が御存じのように発展しておりまして、「デュアルシステム」と言いますが、職業訓練を受けた者がその資格を基に見合った職種に就職して行くという過程が取られています。その際に当然、職業訓練などを実施する職業団体等でマッチングを行うということも広く行われています。そのほか、教会組織など、非営利団体による紹介事業なども行われているそうです。加えて,営利目的の民間プライベートな紹介事業者というのも当然に活動しているといった事情があるとのことです。

 ドイツでは、このように一般的に職業紹介に関して許可制などはありませんが、職業紹介を行う際の職業紹介者と求職者との間での職業紹介契約については、後ほどお話いたしますように,社会保障全般に関わるドイツの統一法典である「社会法典」に規制が置かれています。社会法典 3 編第 296 条です。

 ドイツでも,従前は日本と同様に、一部の例外を除いて、紹介者は使用者のみから報酬を取ることができるとされていましたが、 2002 年の法改正により、これを転換して、現在では,求職者ないし職業訓練を求める者からも報酬を取れるようになっています。その職業紹介契約に関する規制が社会法典にあり、これは強行的規制と解されています。それを御紹介いたします。

 職業紹介者に求職者への職業仲介を義務付けるという契約は,書面による形式を要するということです。この契約では、特に紹介者の報酬が提示されることを要します。これは使用者の報酬ではなく、紹介者の報酬です。紹介者が幾ら取るかということです。仲介の給付には、その仲介の準備、実施に必要な全ての給付、とりわけ、その求職者の知識を確認することや、仲介に係る職業相談なども全部そのサービスに含まれます。こうしたものを書面で提示しなければならない。求職者は、更に紹介者による仲介により労働契約が成立した場合に限り、報酬を支払うことを義務とする。要するに、完全な成果報酬という形の契約類型と構成されております。これには,前払いを要求してはいけないなどという規制もあります。報酬は原則として、売上税も含めて 2,000 ユーロを超えてはならないという定めもあります。こうしてみると、 2,000 ユーロというのは、なかなかに高い金額なので、一見すると驚くところですが、これには実は制度的な関連がありまして、それは雇用エージェンシーによる紹介のバウチャー制度です。要するに、公的資金を基に,バウチャーを出して職業紹介が成功した場合に、公から支払いが行われるという制度がドイツでは幅広く行われております。その制度を利用する際に、こうした職業紹介契約を求職者と職業紹介事業者の間で結ばせて行わせるというのが前提となっております。そのバウチャーの金額が 2,000 ユーロで,それに合わせているというところです。ですから、これはもちろん民間でも利用できますが、基本的にこうした契約が念頭に置いているのはバウチャー利用だということも前提となっております。こうした規制は日本と異なる所ですので、御紹介いたしました。

 そのほか、この資料では書き落としていますが、公的職業紹介に関する雇用エージェンシーが、その職業紹介に係る際の基本原則というのも、この社会法典 3 編に規定されています。これは紹介に係る基本原則で、要するに、日本と同様に,求職の申込みがあったらそれを受けてあっせんしなければいけないという、仲介の義務を課すといった規定で,それが社会法典 3 編第 35 条に規定されています。また、ドイツでは一般平等取扱法という差別禁止に関する法律が施行されていますが、そこに挙げられている差別禁止基準に該当するような事由、例えば性別とか、人種、民族的出自、国籍、世界観等々から紹介にあたって不当な制限を行ってはいけないといった基本原則に関する規制も、この社会法典 3 編に置かれています。それを付け加えさせていただきます。以上が、職業紹介に関する規制の概略です。

 続いて、職業紹介との区別で意義を持つ労働者派遣についても、簡単に御紹介いたします。労働者派遣に関しては、労働者派遣法という法律が制定されております。こちらは事業として行う労働者派遣については許可制が取られています。連邦労働社会省が許可その他、労働者派遣事業の実施について監督権限を有しますが、実際に窓口になるのは雇用エージェンシーとなります。こちらは明確に許可制が取られており、許可を取り消す事由なども労働者派遣法に規定されております。また、労働者派遣は、建設業における派遣が原則として禁止されるなどの規制もあります。

2 の追加的な事項として、ドイツにおける労働者派遣と職業紹介の区別について簡単に御紹介いたします。ドイツには、日本法におけるような「労働者供給」という概念はなく、もともと労働者派遣の適法性が争われたのは、職業紹介との関係によってでした。労働者派遣法制定以前には、職業紹介における法律関係と、労働者派遣における法律関係の区別について、学説も含めた議論があり、判例も出ていたようです。しかし, 1972 年の労働者派遣法の制定により、この法律で,派遣元が使用者として、その派遣労働者と雇用労働関係にあるということが明確にされました。簡単に言うと、派遣元がアルバイトゲーバー (Arbeitgeber) 、使用者であるとの規定を明確に置き、それによって、職業紹介との理論的な区別が基本的に解決されたというように言われております。職業紹介のメルクマールは、紹介者の活動がその雇用ないし職業訓練を求める者を使用者と雇用関係ないし職業訓練関係の成立に向けて、結び付けることに向けられるという,ちょっと良い訳になっておりませんが、そのように一般的に定義されております。ですから、当然ですが、紹介者と求職者との間では,先ほども申し上げた職業紹介契約をし得るのですが、労働関係は成立しないということになります。この点で労働者派遣との区別が行われているという次第です。

 続いて、労働者の委託募集や募集情報の提供については、特段の規制はありません。

 引き続き、こうしたドイツの規制の現状に至るまでの規制の歴史的な過程について、職業紹介に焦点を絞って御紹介申し上げます。

 ドイツにおける職業紹介の法的規制は 2 ページの下にあるように、 1910 年に始まります。それ以前から,工業化の進展とともに,職業紹介事業を営む者がドイツ全土で増えていたという事情があり、その後、規制がされるようになったということです。

 第一次世界大戦後の復員者などの大量失業による労働市場の混乱を経まして、 1927 年の職業紹介・失業保険法によって、公的職業紹介制度が当時のワイマール共和国で統一的に整備され、その後、これはナチス政権に移った後ですが、 1935 年に民間職業紹介が禁止されることで、この時点で、職業紹介独占、国家権力による独占が形成されたという過程をたどったようです。

 第二次世界大戦後は、御存じの「 ILO88 号条約」などの批准を根拠として、ドイツでは連邦雇用庁による職業紹介の独占が維持され、その下部機関である雇用局( Arbeitsamt )、これには労働局などという訳語も付いていますが、その雇用局を通じた職業紹介のみが行われてまいりました。こうした職業紹介の国家独占は、連邦憲法裁判所によっても、職業の自由を保障する基本法第 12 1 項に違反しないという合憲判断もなされていたところです。その後、先ほど御紹介した職業紹介・失業保険法は、 1969 年に雇用促進法という形に改められました。職業紹介の根拠規定などを置く法律となったわけですが、この法律も、一部の例外を除き、職業紹介の国家的独占を引き継ぎました。ただし、管理職などに関する人材紹介、現在で言うヘッドハンティングなどに関しては、一部例外的に認められていたようです。

 その後、 1990 年代に入り、政府が設置した規制緩和委員会による民間職業紹介事業の許容の提言、更には欧州裁判所による,ドイツにおける職業紹介独占が当時の欧州経済共同体設立条約に抵触するといった判決なども受けまして、 1994 1 1 日にこの法律が改正され、基本的に民間職業紹介制度が,まずは許可制により許容されました。その後、雇用促進法が社会法典に組み入れられ、 2002 年には社会法典の改正により、先ほど御紹介したように民間職業紹介の許可制が全面的に廃止されたという経過をたどっております。

2000 年代に入って、労働市場改革が、これも御存じのように「ハルツ委員会」という、労働市場現代化のための委員会ですが、こちらの元で行われ,その一連の労働市場政策の一環として民間職業紹介が推進されてきました。時間の関係で少し飛ばします。

 例えばハルツ第1法という法律では、組織改編を行いまして、ジョブセンターというものを設置したり、あるいは人材サービスエージェンシー、先ほど御紹介しましたが、人材派遣を行う会社に失業者を登録させて、公的センターであるジョブセンターと連携しながら紹介予定派遣事業などのあっせんを行うと。このようにして、民間事業者の活動を公的な職業紹介の中に取り入れていくという方針が取られていくことになります。

 ハルツ第3法では、連邦雇用庁が連邦雇用エージェンシーに、雇用局が雇用エージェンシーに改編されるなどといった改革が行われています。

 最後に、 3 4 ページにかけて簡単に御紹介いたします。既に紹介した所ですが、ドイツでは、公的機関と民間職業紹介事業者の協働による半公的な職業紹介というのが展開しております。この点がドイツでの 1 つの特色となっています。

4 ページです。 1998 年に施行された社会法典の旧第 37 条では、民営化拡大施策の 1 つとして、特にこの点がメインですが,失業者の労働市場への統合支援に焦点を当てて、雇用エージェンシーが第三者の紹介サービスを利用できる制度が設けられ、その後,第三者に職業紹介の全過程を委託することも可能とされる制度的枠組みが整備されてまいりました。現在は社会法典 3 編第 45 条でこうした措置を取り入れることが規定されています。

 例えば、これも既に御紹介した所ですが、連邦雇用エージェンシーの委託により、失業者を対象とした PSA による職業紹介予定派遣なども実施されておりますし、現在、ドイツで広がっているのは紹介バウチャーによる職業紹介の実施です。当初は、これは期限付きの施策でしたが、それが何度も延長されて、 2013 年に恒久的な労働市場施策上の措置として位置付けられています。

 これは、雇用エージェンシーが必要と認められる求職者にバウチャーを発行するわけです。そのバウチャーを持つ求職者は、バウチャーが利用可能な民間職業紹介事業者の中から自分で、これはと思う職業紹介者を選択し、職業紹介契約により職場の仲介を受けることができるということです。このバウチャーは、失業状態にあって、 3 か月以内に 6 週間失業した人に請求権があります。なお、職業紹介を受けていない者という限定があります。長期失業者を含む、そのほかの一般的な求職者については、雇用エージェンシーの裁量によってバウチャーを受けることができるということです。請求権があるのではなく、必要だと認められる者に雇用エージェンシーが発行するというやり方になっています。バウチャーにより、紹介事業者に支払われる報酬は、原則 2,000 ユーロで、成功報酬であり、紹介により成立した公的社会保険義務のある雇用が 6 週間継続した場合に 1,000 ユーロ、更に 6 か月間継続した場合に残りの 1,000 ユーロが支払われる形になります。このような形でドイツにおける民間職業紹介事業者の活動というのは、もちろん独立した活動のアクターとしても活動していますが、このような形で公の機関の、要するに財源的な支援も受けながら、公の職業紹介事業と協働、あるいは足りないところの穴埋めといったような形で発展しているというところに特徴があります。この民間の、その半公的な職業紹介も含めた活動のメインは、ドイツは失業率が高く失業者が多く、そうした人々の労働市場への統合といったところで,そこにまず主眼が置かれているということです。

 これは一般的な話になりますが、それ以外、例えば大学を出た卒業生が採用されるという場合は、現在ではインターネットによる求人広告とか、先ほどお話した職業団体による紹介とかが社会的に幅広く行われていますので、それぞれの求職者が各自の事情に応じて、そうした情報を利用しながら求職活動を行っているという事情だと伺っております。長くなりましたが、取り急ぎ私からの報告は、以上とさせていただきます。ありがとうございました。

○阿部座長 ありがとうございます。ただいまの皆川様による御説明に対して、御質問、御感想、その他御意見等がありましたら、よろしくお願いいたします。

○松浦委員 貴重なお話をありがとうございました。紹介バウチャー制度について確認と質問です。確認として、当初は使用者のみから報酬を得ることができる仕組みだった職業紹介が、途中から求職者からも報酬を得られることになったというのは、バウチャー制度とセットでのお話であって、結局、個人が負担するわけではなくて、紹介バウチャーという国家の財源で求職活動が行われているという理解でよろしいですか。

 もう 1 つは質問です。紹介バウチャーについて示唆に豊んだ仕組みだと思います。紹介バウチャー制度の導入は、雇用エージェンシーの評価の向上につながったのでしょうか。併せて、雇用エージェンシーで目標設定や評価などがどのように行われているかということも、補足的に御教示いただければと思います。

○皆川様 ありがとうございます。まず、最初の点は、職業紹介契約の枠組みで、求職者から報酬も取れるというようになった点と、バウチャー制度の関連の話ですが、先ほど御案内した職業紹介契約規定とバウチャー制度は、セットで社会法典の中に取り入れられています。ですから、明らかにバウチャー制度を念頭に置いた規定だという位置付けで基本的に間違いないと思います。ただ、これは一般的な職業紹介契約ということに応用可能な典型契約の規定ですので、民間の職業紹介事業者が、求職者から報酬を取って職業紹介を行うことも、この法律の枠組みで禁じられているわけではありません。バウチャー制度以外でも、この契約に基づく職業紹介というのは可能になります。

 ただ、実際に私も実態調査を詳しくしたわけではないので正確なところは分かりませんが、文献等を読むと、結局、職業紹介は基本的に公的な所で無料で行われます。まずはそちらに行くと。ドイツ人は合理的ですから、それが一般的です。基本的には、現在のところ、今、御紹介したような職業紹介契約というのは、バウチャー制度とセットで用いられることが大部分ではないかといったところだと思います。以前からドイツでもヘッドハンティングのような、管理職の方の高い職業能力を持つ方の紹介や、あるいは転職市場などは独自に発展していましたので、そちらはそちらで一般的な市場の原理に基づいてマッチングが行われていたというところはあるかと思います。

 また、バウチャー制度に対する評価ですが、これも正確なことを申し上げるには、より精査が必要だとは思いますが、このバウチャー制度は、一定の広がりはみせていると。年間、数万人の規模で職業紹介、要するにバウチャーの換金が行われているということですから、ある程度安定した雇用への定着というのは行われているといったところのようです。ただ、バウチャーを配って、結局それが換金される比率というのは、それほど高くはなく、 5 10 %ぐらいと言われています。そのパーセンテージは実は、公的職業紹介として雇用エージェンシーで行われる職業紹介で、求職者と実際に成約した数と、それほど差がないというように言われています。成功の比率について有意な差は認められていないといったような研究報告もあるやに、文献等では読んでおります。

 それを踏まえての評価ですが、いろいろ賛否はあるようです。しかし、求職者の可能性を広げるという意味では、労働市場におけるマッチングに様々な形で機会を提供するという形では、その可能性が広がっていることは間違いございませんので、そういった面で評価されていると思います。ですから、どちらかというと、公的職業紹介に取って代わるというよりは、その足りないところを埋め合わせたりといった位置付けとして機能しているという形ではないかと考えられます。

 雇用エージェンシーに対する管理、監督ですが、これは以前の連邦の役所から、一応、独立公法人になり、そちらの経営は、これはドイツでも独立公法人の制度規定、一般的な制度の運用の仕方に基づいて、そのフェアヴァルトゥンクスラート( Verwaltungsrat )と言う、公労使の代表者からなる経営委員会がその事業を年度ごとに監督して、その中で雇用エージェンシーとして、次の事業年度にどのような施策を行い、どのような目標を立てるかといったことの事業計画を立てて、その監督を受けながら事業を行っているという形です。そういったところで、より柔軟的、機能的な事業運営が可能となっている。要するに公法人に対するフレキシビリティのある統制の仕方が、ここで導入されているといったようなことではないかと。私は専門ではないので、余りこの辺は詳しくありませんが,以上のような感じではないかと考えております。

○松浦委員 ありがとうございます。

○阿部座長 ありがとうございます。ほかにはいかがでしょうか。

○水町委員  1 つバウチャーについて確認です。財源はバウチャーについても失業保険で賄われていると。

○皆川様 そうです。

○水町委員 職業紹介事業者がどういう実態なのかを少し知りたいのですが、 1 つは、職業紹介事業者は届出制にされているということで、バウチャーを利用可能な民間職業紹介事業者というのが、 4 ページに書いてあります。これは届出をしている職業紹介事業者は全てバウチャー利用が可能になっているのか、何か認定とかあるのかという点です。

○皆川様 分かりました。バウチャー利用の職業紹介事業者は、結局、雇用エージェンシーとの委託関係で行われている形になります。そこは委託契約に基づく関係です。それでそのサービスを利用できるという。これは契約に基づいて成立しますので、要するに民間の職業紹介事業者の中で、雇用エージェンシーと交渉して、これは雇用エージェンシー側でも、ある程度職業紹介能力がありそうな事業者と委託して契約し、その委託、契約の中でバウチャー利用も行われるという形ではないかと。細かいところについては、なかなか文献だけでは拾えないところもありますが、特にここで許可制とか、要件が公的に課されているものではないようです。

○水町委員 普通に届出だけでやっている民間職業紹介事業者と、連邦雇用エージェンシーと委託契約を結んでバウチャーが利用可能になっている事業者との間で、例えば、届出の中には、中小の小さい所までたくさんありますが、雇用エージェンシーが委託契約を結ぶような所は、安定している大手だけになっているとか、何かそういうことは、届出だけだといろいろな所が、とにかくやるぞと言って。

○皆川様 そうですね。

○水町委員 濫用的なことも起こるかもしれないし、逆に委託関係は安定して安心できる所に、この大切なバウチャーの利用を認めているというのは、何かありますか。

○皆川様 その実態はもう少し精査しなければ分からないところがあります。一応、一般原則としては、雇用エージェンシーとその事業者との間の契約ですから、契約を取るための競争は民間事業者の中でも当然行われます。より適切だと思われるサービスやそのサービス力があると思われる事業者が委託を勝ち取るというか、委託先になるという傾向は一般的に言えるのではないかと思います。ただ、それ以上のことは、現段階では分かりません。申し訳ありません。

○水町委員 もう 1 点は、職業紹介事業者と人材紹介会社ほかというページに書いてある所に、労働者派遣と職業紹介事業の重なりですが、多くのところは職業紹介をしている所は労働者派遣も同じように民間のところでやっていることが実態として多いのか、それとも別々に区切ってやられているのか。

 もう 1 つは、紹介予定派遣がどのように規制されて、実際どれぐらい使われているのかが分かれば教えていただければと思います。

○皆川様 実際、ドイツでは職業紹介と職業紹介を行う者と、労働者派遣は同時に行っている会社が大多数だと思います。許可制でも、職務能力のある者を雇用している会社が許可を求めれば、要件をクリアすれば許可は取れますので、それほど高いハードルではないと考えられています。特に職業紹介のほうは、今お話したように一般的な届出だけですから、容易に行えます。必然的に両方やれるものはやるという形だと思います。

 紹介予定派遣に関しては、特別な枠組みが何か法規制であることではないようですが、その実態については、少し実態調査を見てみないと分からないところがあります。私のほうでは分かりかねるところです。申し訳ありません。

○水町委員 今のように、特別な規制が定められているというわけではない。

○皆川様 特にそういうわけではありません。

○水町委員 自由に両方の資格を持っていれば、派遣しながら紹介して、紹介料を取るという書面に契約を結んでいればそれを取れるという枠組み。

○皆川様 そうですね、恐らく雇用エージェンシーによる委託で、特に失業者を念頭に置いた紹介派遣ですので、派遣しながら将来その派遣先で雇用を定着させることを前提として、まず失業者を企業で働かせて、その職業訓練などを実際の場で積ませるというやり方で派遣してくれということを雇用エージェンシーとの委託関係で取り決めて、そうした形で行われているものだと考えられると思います。

○水町委員 ありがとうございました。よく分かりました。

○阿部座長 今の点、私が聞き漏らしたのかもしれませんが、バウチャーは紹介予定派遣でも使えるのですか。

○皆川様 基本的には職業紹介です。

○阿部座長 ですね。

○皆川様 はい。

○阿部座長 だから紹介予定派遣では、バウチャーは使えないということですね。

○皆川様 別枠になります。

○阿部座長 別枠ですね。

○皆川様 はい。

○阿部座長 分かりました。

○竹内委員 お話をどうもありがとうございました。私がお伺いしたい点は、ちょっとお答え難い質問になるかもしれませんが、全体としては、就職情報誌のような求人情報などの提供については、特に法規制はないということでよろしいでしょうか。

○皆川様 そうであると思います。ドイツは割と古典的に,新聞などにも求人広告が載っています。新聞に載っているのはちょっと古い考え方かもしれませんが、定評ある職業紹介だと考えられています。そうした所で求職する方も多いようです。もちろん若い学生などはインターネットをバンバン使って、自分の学んだ学問を活かせるような分野で求人情報を集めているという状況です。その辺は本当に自由に行われており、特に規制はないと思います。

○竹内委員 なるほど。今、規制がないとおっしゃったこととの関係で、日本もどこで区別されているのかは、多分きちんと議論しないとよく分からないところもあると思います。ドイツで言う職業紹介、要するにいろいろ規制のかかる職業紹介と、規制がかからない募集情報の提供だとか、そのようなものとの区分は、日本における職業紹介とそれ以外のイメージと、大体重なっているという理解でよろしいでしょうか。

○皆川様 恐らく、そうではないかと思います。本日の報告の中でも簡単に御紹介したように、ドイツでは、一般的な定義ですが、例えば職業紹介の定義として、求職者と使用者を雇用関係の成立に向けて結び付ける、合わせるという,ツザメンヒューレン( zusammenführen )と言いますが、というのが職業紹介の定義です。多分、広告とかは結び付けるという具体的な活動が、そこに恐らくないので、ですから、ここで言う職業紹介とは別の行為だというように考え、解釈されるのではないかと思います。

 具体的に結び付けるために向けられた一連の活動を職業紹介というように定義されています。その辺りは 1 つのメルクマールになるのではないかと思います。ですから、広告などは、本当に別の活動として。今では特に刑罰などは職業紹介に関してもありませんけれども、それを前提としても区別はされ得るのではないかと思います。

○竹内委員 どうもありがとうございます。

○阿部座長 その他、いかがでしょうか。事務局で何か質問とかありますか。特にはないですか。いろいろまだお聞きしたい点もあるかもしれませんが、時間の都合もありますので、海外の制度に係る有識者からのヒアリングはここまでとさせていただきます。皆川様、本日はお忙しい中、どうもありがとうございました。

○皆川様 不十分で恐縮です。誠にありがとうございました。

○阿部座長 それでは、続いて議題 2 に入ります。需給調整システムにおける民間雇用仲介事業の在り方について、事務局から説明をお願いします。

○木本補佐 資料 2 は、本日御議論いただきたい事項になります。需給調整システムにおける民間雇用仲介事業の在り方としております。論点が 3 つあります。論点1、公共職業安定所 ( ハローワーク ) と民間職業紹介事業所の役割分担。項目としては役割分担、ルールの在り方を挙げております。論点2として、業態ごとのルール。項目としては兼業する場合のルールの在り方。欠格事由、許可基準、求人情報・求職情報の管理などを挙げております。論点3として、 IT 化の進展と多様なビジネスモデルの登場を踏まえた職業紹介と他の事業との区分。項目として、職業紹介の定義、職業紹介に該当するか否か擬義が生ずる事業、その他の事業 ( あっせんがない事業 ) とさせていただいております。

 続いて、資料 3-1 です。論点1、ハローワークと民間職業紹介事業所の役割分担に関する現行制度についての資料となります。 2 ページ目については、第 1 回の検討会で示した資料になりますので、説明は割愛させていただきますが、平成 11 年開催において公共及び民間の労働力需給調整機関がそれぞれの特性活力を生かして、労働力需給調整を円滑、適格に行うことができるよう、有料職業紹介事業における取扱職種のネガティブリスト化などを行ってきております。

3 ページ目です。こちらはハローワークと民間の職業紹介事業者の双方に課される主な義務の一覧になります。具体的には、人種等を理由とした差別的取扱の禁止、職業安定機関と職業紹介事業者等の努力義務、労働条件等の明示の義務、求職者等の個人情報の取扱の義務、求人の申込みの原則全件受理の義務、求職の申込みの原則全件受理の義務、適格紹介の努力義務などが課されております。

4 ページ目は、民間の職業紹介事業者に課される主な義務等となっております。こちらについては、次回以降、詳細に御議論いただくことを予定しておりますので、説明は割愛させていただきます。 3-1 については以上です。

 続いて、資料 3-2 です。こちらは論点1の関係データ等となっております。 2 3 ページ目にかけては、ハローワークと民間職業紹介事業者との相違を示しております。まず 2 ページ目ですが、ざっと御説明しますと、ハローワークは主に全国に設置されており、職業紹介のほかに雇用保険や雇用対策を一体的に実施していること。求職者は離職者の方が中心で、フリーターと就職困難性の高い方が多く利用されております。求人の大部分は中小・零細企業からの求人となっており、求人企業からの手数料は取っておりません。

 一方で、民間職業紹介事業者は、都市部に多く立地しており、職業紹介を業務として、求職者の方は在職者、ホワイトカラーの方が中心となっております。求人の企業は中規模企業からの求人が多く、有料職業紹介事業者の場合については、求人企業からの手数料を受領しているとのことです。

 続いて 3 ページですが、ハローワークの求職者の転職前の年収の平均が 314 万円となっていますが、民間の人材紹介会社の転職前の年収の平均は 560 万円となっております。

4 ページ目です。こちらは詳細は割愛させていただきますが、ハローワークは先ほども申し上げたとおり、中小企業の求人が中心となっている特徴を有しているとのことです。

 続いて、 5 ページ目と 6 ページ目です。詳細は割愛させていただきますが、厚生労働省としては、ハローワークと民間人材ビジネスはそれぞれ強みを有しており、それらの強みを生かした連携強化は重要であると考えております。政策的に官民連携による労働市場全体の「マッチング機能の強化」を今まで図ってまいりました。資料 3-2 については、以上です。

 続いて、資料 4-1 です。こちらは論点2、業態ごとのルールに関する現行制度についての資料になっております。 2 ページ目です。こちらは第 1 回の検討会で示した資料になりますので、説明は割愛させていただきます。

3 ページ目です。こちらは職業紹介事業の欠格事由・許可基準となっております。職業紹介事業については大きく 5 種類の欠格事由があり、欠格事由に該当する方は有料・無料職業紹介事業の許可を受けることができない形になっています。また、許可基準については、いわゆる資産要件、個人情報保護体制、事業の適正遂行による要件などあり、事業の適正遂行に関する要件ということで、責任者の配置要件や面積要件などがあります。

4 ページ目です。こちらは労働者派遣事業の欠格事由になっております。詳細は割愛させていただきますが、労働者派遣事業については大きく 12 種類の欠格事由があり、欠格事由に該当する方は労働者派遣事業の許可を受けることができない形になっております。

 続いて 5 ページ目です。労働者派遣事業の許可基準になっております。いわゆる、専ら派遣禁止の要件、雇用管理に関する要件、事業の適正遂行に関する要件があり、事業の適正遂行に関する要件として、資産要件や責任者配置要件、面積要件などがあります。

 続いて 6 ページ目です。兼業事業者の許可申請の際の添付書類の省略についてです。今年の 9 30 日に施行された労働者派遣法改正法の施行に併せて、職業紹介事業と労働者派遣事業の許可申請を同時に行う場合などについては、共通する書類の省略を認めることとする形にしており、その内容が書かれております。

 続いて 7 ページ目です。個人情報の管理についてです。労働者派遣事業と職業紹介事業を兼業する場合については、個人情報は別個に管理しなければならないということが定められております。資料 4-1 については以上です。

 続いて、資料 4-2 です。論点2の関係データについての資料になっております。まず 2 ページ目については第 1 回目、 3 5 ページ目については前回の資料の抜粋となっておりますので、資料の説明は割愛させていただきます。資料 4-2 については以上です。

 続いて、資料 5-1 です。論点3、 IT 化の進展と多様なビジネスモデルの登場を踏まえた職業紹介と他の事業との区分に関する現行制度についての資料になっております。 2 ページ目の一番上になりますが、職業安定法上の職業紹介とは、求人及び求職の申込みを受け、求人者と求職者との間における雇用関係の成立をあっせんすることと定義しております。そのほか、コンメンタールなどにおいて詳細な記述がありますので、それが下のほうに書かれております。

 続いて、 3 ページ目です。現行制度上、職業安定局長通知において、「職業紹介」と「募集条項提供」の区分を定めております。2になりますが、この基準において、「インターネットによる求人情報・求職情報提供」とは、情報提供事業者がホームページ上で求人情報又は求職情報 ( いずれも事業所名、所在地、氏名、住所等個別の求人者又は求職者を特定できる情報を含むものをいい、以下単に「情報」という。 ) を求職者又は求人者の閲覧に供することをいう。なお、これと併せて、応募又は勧誘のための電子メールの作成及び送信のための便宜を提供する等求職者又は求人者のための付加的なサービスを提供することを含むこととしております。

 また、3になりますが、インターネットによる求人情報・求職者情報提供は、次の 1 3 までのいずれかに該当する場合には、職業紹介に該当することとしており、具体的には 1 番が提供される情報の内容又は提供相手について、あらかじめ明示的に設定された客観的な検策条件に基づくことなく情報提供事業者の判断により選別・加工を行うこと。 2 つ目として、情報提供事業者から求職者に対する求人情報に係る連絡又は求人者に対する求職者情報に係る連絡を行うこと。 3 つ目として、求職者と求人者との間の意思疎通を情報提供事業者のホームページを介して中継する場合に、当該意思疎通のための通信の内容に加工を行うこととされております。

 さらに4になりますが、3のほか、情報提供事業者による宣伝広告の内容、情報提供事業者と求職者又は求人者との間の契約内容などから判断して、情報提供事業者が求職者又は求人者に求人又は求職者をあっせんするものであり、インターネットによる求人情報・求職情報提供はその一部として行われているものである場合には、全体として職業紹介に該当するとしております。

 続いて、 4 ページです。こちらは区分基準に関する例示になりますが、詳細については割愛させていただきます。

 続いて、 5 ページ目です。中身の詳細は割愛させていただきますが、こちらは東京エグゼクティブ・サーチ事件といわれる事件について、内容としては人材スカウトが職業紹介にあたると判じられている内容になっております。 6 7 ページについても、関係する裁判例などを掲載しております。説明は割愛させていただきます。

続いて、資料 5-2 です。こちらは論点3の関係データ等となっています。こちらは前回の資料の抜粋となっておりますので、説明は割愛させていただきます。資料の説明は以上で終わります。

○阿部座長 ありがとうございました。それではただいまの事務局からの説明に対して、御意見、御質問、その他御感想、何でも結構ですので、何かありましたらよろしくお願いいたします。その際ですが、論点が 3 つありますが、特に関係なくお好きな所からお話頂いて結構かと思いますので、よろしくお願いいたします。

○水町委員 ちょっとバラバラで、気付いた所から少し、 2 点だけ言わせていただきます。資料 4-1 の職業紹介事業と労働者派遣事業の欠格事由、許可基準についての共通重複している部分と異なる部分について、非常に細かく書かれていますが、共通する部分はなぜ共通していて、異なる部分はなぜ異なるのかを法律の専門家ではない人たちにも分かるように、少し分かりやすく説明していただけないかというのが 1 つです。

 それともう 1 つ、ほかにもあるのですが、簡単に気付いたところで言うと、今と同じような質問なのですが、資料 5-1 IT 化と職業紹介の定義との関係ですが、特に 5-1 2 ページ目には、職業安定法における職業紹介の定義があって、 3 ページ目の3と4の所で、 IT 化、インターネットを使った求人情報・求職者情報提供が、職業紹介に該当するかどうかの所で、かなり細かい解釈がなされていますが、この法的根拠、定義との関係で、なぜこのように整理されるのかを、これも少し分かりやすく御説明いただければと思います。差し当たり少し気付いた所はこの 2 つです。

○阿部座長 ありがとうございます。それではまず、職業紹介と派遣事業での欠格事由及び許可基準、移動について、分かりやすく説明してほしいということですが、よろしいですか。

○吉田補佐 課長補佐をしております吉田と申します。分かりやすく説明できるかというと、ちょっと自信のない所もあるのですが、まず職業紹介について簡単に御説明させていただきます。欠格事由については見ていただいてお分かりだと思うのですが、禁錮刑罰の処罰を受けたり、法律違反で罰金を科せられているだとか、破産しているような者ではないこと、それから許可取消を受けていないこと、それから未成年で代理人が以上に該当するような者ということなので、いわゆる事業を行うにあたって、適切ではないと考えられるような者が欠格事由に当たると考えていただければよろしいのではないかと思います。

 許可基準については、財産的基礎が必要になるということは、常に事業を継続的にして行っていただく必要がありますので、一定の財産要件が必要になってくると考えております。

 それから、求職者は極めて個人的な情報を扱うことになりますので、個人情報の扱いは適切に行える体制が取られていること、適正に事業面をなされることができる能力を有するということで、責任を持って対応ができる、移転能力がある、紹介責任者を配置されていることだとか、個人情報の観点などから一定の事業所面積を要することといったようなものを要件とさせていただいております。派遣のほうとの比較の違いですが、欠格事由については派遣のほうが項目が多くなっていると思うのですが、これは単に法改正のときに欠格事由を定めているという部分がありますので、法改正が合っている派遣事業のほうが、その後、暴力団の関係のものを欠格事由に入れているということもあり、安定法のほうは平成 15 年ぐらいから法改正していない関係があって、今のところ入れられていないという現状になっております。

 それから、許可基準のほうで財産要件などに差があると思うのですが、これについては紹介のほうは労働者を雇用するわけではなくて、あっせんを行うという目的でやっているので、事業ができていればいいだろうというのがあるのですが、派遣事業者の場合ですと、派遣労働者を雇用していく必要があり、例えば、派遣契約の途中で解雇された場合に、その方の賃金をどうするのかという問題があるので、派遣のほうが財産要件を厳しくしているところがあるという形になっております。

○水町委員 それとの関係で申し上げたかったのは、労働者派遣事業も職業紹介事業も、元をたどれば労働者供給等に関して生じてくる、強制労働とか中間搾取、人身売買を防止するという趣旨ではつながっているということ。かつ、実態としても、労働者派遣事業と職業紹介事業を連続的にビジネスとしてやっているような所も広く見られます。その趣旨として根本がつながっているところについては、法改正が直近にあったかどうかも関わってくるかもしれませんが、欠格事由とか許可基準で共通のものとして位置付けられるものは、なるべく共通のものにしてはどうか。ただし、労働者派遣事業については、直接に労働契約が成立するという関係にあるので、職業紹介の一過性のものとはまた違う責任が問われるかもしれません。だとすれば、その労働者派遣事業に固有の責任として、欠格事由とか許可基準で「ここがそれに当たりますよ」というようなことが分かるような説明というか、仕分けをしながら、なるべく統合できるものは統合してはどうか。今回、添付書類の省略等で手続的には、やりやすいようにしていただいていますが、そもそもの欠格事由とか許可基準の在り方自体についても、なるべく統合を図りつつ、ただ、特別の需要については、「ここは特別の事情に対応したものですよ」という説明ができるような、基準の作り方にしていただければというのが、この点に関する私の意見です。

○阿部座長 ありがとうございました。では、もう 1 点、資料 5-1 2 ページ、 3 ページ目の、特に 3 ページ目の、法的根拠がどういう所にあるのかということを御質問されたと思いますが。

○松本課長 資料 5-1 2 ページに職業安定法第 4 条の規定が引用しておりますが、雇用関係の成立をあっせんすることを言うところの、「あっせんする」とは何かという点について、業務運営要領や裁判例、判例の積重ねがあるわけです。いずれにせよ概念が、いわば抽象的ですので、そういう意味でネットによる情報提供をどこまで職業紹介が当たるのかという判断基準として、いわば解釈、 4 条の解釈としてお示ししたもので、法的根拠ということは、すなわち 4 条の解釈としか申し上げられないと思っております。

○水町委員 この点も申し上げたいのは、法的には基本的に 4 条で、これから IT 化する中で、これが職業紹介に該当するか、しないかというのは、実際の規制とか事業を行う上で非常に大切なことが、今は通達でしか書かれていない。かつ、これは微妙だなと思うところも、現場を見てみないと分からないところもあるので、もう少し分かりやすい形で、通達よりも法的根拠をしっかりした形で、何らかの法的レベルのものに位置付けて書くとすれば、どういう定義のものになり得るのか。少し事業者にも明確になるような法的根拠を伴う形で書くとすればどうなるのかなというのを、少し御検討いただければと思います。

○阿部座長 ありがとうございます。

○竹内委員  2 点ありますが、 1 つは意見というかコメントのようなもの、もう 1 つは質問です。今、水町委員の発言で、いろいろな形態の職業紹介、ないしは職業紹介以外でもマッチングをすることに関わるビジネスが現れてきているとのご指摘がありました。更にこれからも現れるようになるであろうということとの関係で、御紹介いただいた資料だと、事業として許可をするとか欠格事由を設けるとか、許可に当たって許可基準を設けるなどの、事業規制については御説明がありました。それはもちろん、そうした規制があるから御説明があったのだと思うのですが、これまでの検討会の中では、例えば、マッチングなどをしていく中で、求職者側から見た場合でいいますと、求人の情報について、それが適切に出てきているかどうかといった、情報の正確性が、 1 つ問題になるといわれてきたと思います。入口の所で、事業規制で不適格な業者は入れないという形で規制を置くのは分かります。ですが、それとともに、いわば事後的といっていいかどうか分かりませんが、そのように情報が適切でない場合にどのように規制をしていくべきかも、考える必要があるかと思います。規制しなくてもいいという考えもあるかもしれませんが、いわば入口にあたる事業規制だけでなく、そういう事後的な規制が必要かどうか。当然に必要だと申し上げているわけではないのですが、資料 2 の、論点3に関係するのかもしれませんが、必要かどうかについて検討していくことがあっていいのかなと思います。

 今日の始めのヒアリングでも、どちらかというと事業規制がどうなっているかなど、民間と公的機関との関係という話が中心で、余りそのような話にはならなかったのですが、提供する情報などが食い違う場合にどうするかなどについては、そもそも規制がないかもしれませんが、外国ではどうなっているかという調査も含めて、議論していくことができればいいのではないかと思います。結論は、特に現時点では持っていませんが、そういう論点について検討する可能性を考えたほうがよいという気がしました。

 もう 1 点は、全く変わる質問なのですが、資料 4-1 7 ページ目で、個人情報の管理について、単純に教えていただきたいだけなのですが、労働者派遣と職業紹介の事業ごとに別個に情報管理をすることになっているわけですが、派遣しつつ紹介するという紹介予定派遣のような場合は、情報管理の扱いはどうなっているか、教えていただければと思います。一緒に管理して良いのか、実際は労働者の求めに応じて両方でそれぞれ登録して、情報の管理としては別個にやっているのか、教えていただければと思います。

○松本課長 別個に管理しなければいけないというのは基本であるのですが、紹介予定派遣の場合は、その派遣と紹介は、いわば一体として行われるということから、そこについて別個の管理の例外として、同一管理で構わないことになるのかというのが現状です。論点としては、そもそも別個管理ということが必要かどうかということが論点になり得るとは承知しております。

○竹内委員 そうすると理解としては、紹介予定派遣で働く、それで職業紹介も受けるという人については、業者側の情報管理としては、ある意味、例外的に別個の管理をやっていないという理解で間違っていないでしょうか。あるいは、実態としては別々に、やはり分けているということなのでしょうか。

○松本課長 派遣の側の情報の中に、紹介予定派遣を希望する方の紹介に関する必要な情報も、一緒に入って管理して構わないことになっております。

○竹内委員 分かりました。ありがとうございます。

○阿部座長 竹内委員が先ほどおっしゃった、情報の正確性というか、不正確なことによって起こるトラブルに対して、どのように対処していくかは大事な論点ではないかと私も思います。特に、事後的規制をどうするか、すべきなのかどうかも含めて、この問題は考えておく必要はあるかと思うところです。今回、直接論点2、論点3とは別な論点かなというようなところもありますので、また今後いろいろと議論できたらと思います。ありがとうございました。

○松浦委員 これまでの視点とは少し違うところですけれども、論点1の所で質問です。ハローワークと民間職業紹介事業の在り方について、役割分業というよりはそれぞれの強みを活かした協働のようなことをイメージされているという御説明だったのですが、現時点で既にハローワークと民間職業紹介事業者との間で一部情報共有をしているとか、連携をしている取組があるのであれば、その現状についてもう少しご説明頂けるとありがたいです。

○木本補佐 御説明のほうは省略させていただいておりますが、資料 3-2 6 ページ目、ハローワークの求人、求職情報の提供ということで、左下の図になっていますけれども、例えば求人情報の提供で平成 26 9 月から 2 つの方式により実施ということで、ハローワークの求人情報端末と同等の端末を置けるようにすることであったり、 2 つ目として、求人情報データをインターネット回線でダウンロードする方法といった形で情報の共有を図るということ。もう 1 つが求職情報の提供ということで、これは年度内に開始予定とされていますが、民間職業紹介事業者や地方自治体がハローワークの求職情報を閲覧して、求職者のサービスの利用勧奨を行うための仕組みを整備する予定ということで、取り組んでいると聞いております。

○松浦委員 ありがとうございます。最初の、平成 26 9 月からの求人情報の提供の所で、求人情報提供端末と同等の端末というのは、その端末を検索すればハローワークの求人データが一望できる端末が置かれるということですか。それはどのぐらいの規模で置かれているのですか。

○阿部座長 どれぐらいというのはどういう意味ですか。

○松浦委員 端末の設置がどれぐらい進んでいるのかという。

○阿部座長 端末というのはハローワークに置いてある端末そのものだと。同等ですけれど。

○松浦委員 それは民間職業紹介事業者の所に設置されているということですか。

○阿部座長 いや、設置したければ設置してよくて、もう一つの求人情報データをインターネット回線でダウンロードするというのもあります。

○松浦委員 どちらもできる。

○阿部座長 はい、どちらもできます。

○松浦委員 端末を設置しなくても求人情報データをダウンロードすれば、ハローワークの情報が全部見られるということですか。

○木本補佐 求職者の方が来られて、そこで検索をして見ることのできるデータと同じものが事業所、事業者の方にも共有されることになっています。今、確認しましたけれども、大体 300 箇所程度で取組しているということだそうです。

○松浦委員 なるほど。

○阿部座長 それは同等のほうですよね。ダウンロードはまた別ですよね。

○木本補佐 同等のほうがあまりやっていないそうです。

○阿部座長 ダウンロードが大部分ということですね。

○松浦委員 ダウンロードが 300 ですか。

○木本補佐 合わせて 330 程度と。

○松浦委員 これはまだ始まったばかりなので、なかなか状況についてコメントされるのは難しいかと思うのですが、今の段階でどのように捉えていらっしゃいますか。その 300 程度について。

○木本補佐 見込みとしては、今後増えていくというような形で考えているということです。

○松浦委員 はい、ありがとうございます。

○阿部座長 これは職業安定分科会でもいろいろと議論があって、来年夏とか、秋とか分かりませんけれども、ある程度期間がたっていろいろと情報が出たところで、一度精査するというようになっているものなので、ちょっと時間的にまだまだというところです。

○松浦委員 そうですね、まだ始まったばかりですからね、分かりました。

○阿部座長 よろしいですか。

○松浦委員 なぜこういう質問をしたかというと、今はハローワークと民間職業紹介事業者が、それなりに役割分担がなされていて、ハローワークに来る求人情報というのは、多分、ホワイトカラーの職業紹介のようなものをあまり念頭に置いていない求人が来るような気がするのです。つもり、中小企業でホワイトカラーの求人がある場合、ハローワークに出さず、有料の民間職業紹介にも費用的に出せないということになっているのではないかということです。ですから、ハローワークの求人情報をそのまま民間と共有しても、マッチングに直接つながりにくいのではないかという懸念をもっています。例えば、ホワイトカラーの求職者が、民間の職業紹介でうまくいかないから、もう少しお給料が低くても中小企業のホワイトカラー職種で探そうと思った時に、民間の職業紹介事業者の求人企業に入っていなくて、ハローワークでもそういう求人情報が入っていない可能性があります。民間の職業紹介事業のマッチングからこぼれ落ちた人たちのためのマッチング情報が、ハローワークでもいいですけれども、共有されるような仕組みにすると、より効果的な協働みたいなのができるかもしれないと思い、質問させていただきました。

○阿部座長 ほかにはいかがでしょうか。

○水町委員 あと 2 点あります。 1 つは論点1、資料 3-2 の、「ハローワークと民間職業紹介事業者との相違役割分担」の所です。ハローワークは離職者が中心で、民間職業紹介については在職者、その中でも専門技術的な比較的年収の高い層が中心ということの間に挟まって、なかなか難しい問題がミドル層というか、普通のそんなに年収が高くない人についてです。失業を経ないで産業の新陳代謝が行われる中でも失業なき労働移動をどう誘導していくかというところが重要で、その視点が 2 枚めくっていただいた「ハローワークと民間人材ビジネスの関係」の所で、一番上の四角の真ん中辺りに「産業の新陳代謝の加速に伴う在職者・ホワイトカラー等の「円滑な労働移動」。そこの中で、ハローワークは離職者が中心で、ハローワークでカバーできる部分はハローワークでカバーいただいても結構だと思いますが、民間職業紹介事業を使いながら、うまく失業なき労働移動を実現できないかというので、この下の「助成金に民間人材ビジネスの力を活用」の所で、労働移動支援助成金の抜本拡充などが書かれています。この助成金でどこまで、今言ったようなことが実現できるのかと。リストラとか解雇というか、そういうのを促進してしまうような制度設計では問題なので、慎重な制度設計が必要だと思います。

 他方では、そういうミドル層が転職を事実上余儀なくされている中で、失業を経るということも、ヨーロッパでは問題になっていますし、日本でも少なからず問題になってきています。例えばドイツみたいにバウチャー制度を導入してやるということが選択肢として政策的にどれぐらい考えられるのか。バウチャー制度についてはなかなかいろいろなことで政策的には難しい、もう少し検討が必要だということであれば、この労働移動支援助成金の拡充でどこまで政策的効果が見込めるのか。これ以外に何か政策的な工夫ができないのか。規制改革会議のワーキングでもいろいろな検討をお願いしています。厚労省のほかの担当の局とか課も関係してきますが、少し説明なり検討なりをしていただけないかなというのが 1 点です。

 もう 1 つ併せて、紹介予定派遣のことについてはまた別の機会に、次回とか次々回とかに出てくればそこでお話してもいいのですが、職業紹介と労働者派遣のつなぎ目のところについてどう考えるかで、労働者派遣法が改正されて、無期雇用派遣への政策的な誘導をしていこうと。無期雇用派遣による雇用の安定化を図ろうというところまでは、政策的に大きな舵取りの変更がなされたわけですが、いつまでも派遣労働者でいるよりも、その派遣先で能力を活かせるようであれば、そこで直接雇用に切り替えていくということが政策的に更に望まれると思います。

 それが今の紹介予定派遣という制度を使わないと難しいのか、紹介予定派遣制度を使うとなると 6 か月が原則となっているので、無期雇用派遣の人が直接雇用につながるときにはなかなか使いにくいものになってくるとすれば、その紹介予定派遣制度という今のこの事業のつなぎ目のところの制度を改革することになるのか。今のまま放っておくと、無期雇用派遣でいって、労働者と派遣先が合意すれば、派遣元との労働契約を 2 週間の予告期間で解約して、勝手に派遣先と契約を結んでしまうというときに、派遣元としてあらあらという話になってしまうので、それを何か法制度として紹介予定派遣制度の改正するのか。それとも無期雇用派遣で将来派遣先に直接雇用されることを想定しながら派遣をしているけれども、然るべきときに、派遣先が直接雇用しますといった場合、この法制度の下で紹介料を取ったり、職業紹介と労働者派遣のつなぎ目として、法制度としてもそういうことに準備、用意がされていますよということを考えるとすると、どういう制度になるのか、ということを検討していただきたいと。

○阿部座長 ミドル層の転職の問題で、今の助成金あるいは失業給付のところも関わるのではないかと思うのです。例えば早期就職手当というのもお話としては関係するかなと思ったのですが、そういったところがどうなっているのかということと、どんな問題があるのかというのを考えていくというのも大事です。今日お話を聞いたドイツのバウチャー制度ということまで視野に入れながら議論するのもありかなと思いました。特に、ここの雇入れ助成金の所ですが、ドイツのバウチャー制度とどう違うのかとか、そこら辺を少し整理していただいて、今後どのように考えるべきかというのは議論をしてもいいかと思います。

 紹介予定派遣は今後も議論をする予定がありましたか。

○松本課長 ここには例示はしてありませんけれども、結局派遣と紹介をどうつなぐか、という場合の御質問、御意見だと受け止めますので、むしろこれはこの場で御議論いただきたいと思っています。そういう意味で御提示のあった紹介予定派遣を使った場合とそうでない場合にどのようなルールがあって、どの点が制約となり得るのかという点については、整理した形で改めて御提示申し上げて御議論をいただけるようにしたいと思います。

 その前にお話のあった、失業なき移動を促進するための在り方についても、まず現状でどのようなことを考えているかという点も含めて整理して、これもまた御提供申し上げたいと思っております。

○竹内委員 今の、普通層ないしはミドル層の失業なき移動ということに関して、そのような人たちは、移動せざるを得ないとなったときに現状はどのように移動をしているのか、どのような仲介サービスを利用しているのか、そのようなことがもし分かれば議論の参考になると思いますので、分かればで結構ですので、またお調べいただければと思います。

○松本課長 はい、可能な限りいろいろ検索いたします。

○阿部座長 ただ、ミドル層というのは、資料 3-2 5 ページで、ハローワークでは就職困難者が中心で、民間人材ビジネスでは在職者・ホワイトカラー中心でと書かれるので、この間にいる人たちというイメージだと思うのです。現実には、ハローワークを使ったり、民間人材ビジネスを使ったり、求人広告、あるいは知人の紹介とかいろいろなことをやっていると思いますけれども。そのミドル層の定義というのを具体的どうするかというのはちょっと難しいかもしれませんが、もし何か情報があれば御提供いただければと思います。

 あと、派遣契約から直接派遣先で、この人はいい人だからと言って抜くという話があって、派遣元があらあらとなるというのは、竹内さんとも前に別の研究会でやったときにそういう話が出て、ではどうしましょうかという話もあったと思います。そのとき 1 つあったのが、そういうことがあったら紹介料を取れるようなことを作っていったらいいのではないかとか。あるいは事前にそういう取決めをして、トラブルがないようにしたらいいのではないかというようになっていたとは思うのです。紹介予定派遣を、今は 6 か月ですけれども、それを長くするというのも 1 つ手であるかもしれませんが、そうした紹介予定以外のところで、派遣はしているけれどもその後は紹介になりましたといったところでどういう手続をしたり、あるいはその手続をどのように事前に決めておくかというのを明確にしておけば、実際のところは紹介予定派遣に近づいていくかなと、個人的には思っています。

 ほかにはいかがでしょうか。松浦委員、もうないですか。前回ハローワークの話をされていたように思いますが。

○松浦委員 狭間のところに民間がどれだけ入っていけるかという話だと思うのです。多分、先ほどのミドルの話でいうと、大企業のミドルは外に出ていくときにはアウトプレースメントとか、外に出す側の企業がお金を出すのですね。ですので、そういうミドルは仲介事業のサービスを受けることができるのです。一方、中堅の企業等のミドルで失職した人、あるいは何らかの自己都合で大企業を辞めた人については、ハローワークではなかなかスキルとマッチする求人がなく、民間職業紹介に行くと年齢の壁もあって、なかなかマッチングが成立しにくいという問題があります。こういう人たちに今後どういう支援をしていくかは一つの政策課題で、ハローワークと民間ビジネスの協働・連携の中で支援が強化されれば有益だと思います。

○阿部座長 そういう意味では、先ほど水町委員が御指摘なさった点と同じということですね。

○松浦委員 はい。

○阿部座長 その点は少し考えていかないといけないかもしれません。どういう連携が可能なのかとか、あるいは先ほどのバウチャー制度ではないですけれど、どういう助成ができるのかといったところは議論をするべきかと思います。

○水町委員 資料 4-1 の職業紹介事業の欠格事由とか許可基準の細かい点ですが、 IT 化で職業紹介事業をやることが広がっていくことの中で、例えば許可基準の中でこれについては少し見直しが必要なのではないかとのか、今検討されていることとかありますでしょうか。例えば事業所の面積が 20 平方メートル以上であることとか。 IT 化との関係で見直さなければいけないようなところを何か検討されていますか。

○吉田補佐 事業所面積につきましては専らインターネットだけで、対面での相談とか行わないでやる事業所については、 20 平方メートルという要件は課していないのが現状です。

○水町委員 ここに出ていない所でそういうのがあるということですね。そこも見えやすい形で。

○吉田補佐 そうですね。

○阿部座長 少し整理していただいて。確かにインターネットという新しい話が出ていますので、その辺りどのようにやっているのか、現状はどうなっているのか、情報としては知りたいところです。

 私は法律家ではないので、このあっせんと情報提供の違いというのは、資料 5-1 ではよく分からないので、具体的にもう少し分かりやすく理解できるようになるといいなと思いました。例えば資料 5-1 2 ページ目で、「始終直接求人者と求職者との間に介在し雇用関係の成立に関与することを要しないもの」と書いてあるのが、ちょっとよく分からないなという感じはします。これが結局紹介なのか情報提供なのか、境目になるものですよね。

○松本課長 事業者が、具体的にどのような行為をして、それが求人側、求職側にどのように関わっているかというところで線を引くというのがこれまでの判例で。

○阿部座長 その辺りが今のインターネットの話だと、例えば資料 5-2 2 ページ目に「掲載した求人情報への応募件数に応じて徴収」するとか、あるいは「掲載した求人情報の採用件数に応じて徴収」とか、といった所はどのように考えればいいのか。いろいろ出てくるかとは思うのです。ちょっとこの辺り、新しい考え方にしていくのか、あるいは従来のものを IT の話に当てはめていくのか、こういったところもあるのかなと思いました。これは法律の方がどのように考えるのかよく分からないですけれど、そのように思います。

○松浦委員 関連しまして、資料 5-1 3 ページに、通知の3ですが、「次の 1 から 3 までのいずれかに該当する場合には、職業紹介に該当する」とあるのですが、例えば 2 の所で「情報提供事業者から求職者に対する求人情報に係る連絡又は求人者に対する求職者情報に係る連絡を行うこと」というのがあります。これは、求人者が求職者情報に基づいて求職をしたところ、その内容が違っていた等のクレーム対応は入らないですよね。つまり、クレーム対応をしたとしても、それで職業紹介とみなされることはないですよね。

○松本課長 あくまでも応募した後での話について、広告が違っているというクレームがあった場合、これに入るかというお尋ねですね。

○松浦委員 そうです。

○松本課長 それはこの概念とは別の問題でして。

○松浦委員 別のものですね。

○松本課長 情報提供をやっていることに関するクレーム対応、その後の事後処理、それはそれで情報提供、それをもって職業紹介と見なすという基準ではありません。

○松浦委員 例えば応募した後ではなくて、求人情報の内容に対する求職者からの質問、例えば、こういうことを書いているけれど、賞与は出るのですかとか、本当に出るのですか、というような質問に対応した場合も、職業紹介とみなされないのでしょうか。

○松本課長 掲載されている内容について、純粋にただ単に質問に対する答えということであれば、それは内容の確認、正に広告内容の確認かと思います。例えば 4 ページを御覧いただきたいのですが、今の情報の追加的提供ということであれば、つまり載っていない内容について提供をするということであれば、それは成立に向けての積極的行為というように位置付けて、それは職業紹介に該当し得るかと思います。

○松浦委員 それは微妙ですね。例えば、求人企業に対して賞与も載せてくださいと言うことについては、それは求人情報事業の範疇だけれど、個別な事例について、この広告枠の中については賞与が載っていないと求職者が言っているので、賞与を追加してくださいとなると微妙になってくるという話ですね。

 つまり、広告枠の中に賞与を入れなさいというような統一的な基準を決めて、広告を出している場合は多分求人情報ということになるけれど、個別の事例の中で、例えば求人広告に賞与が入っていないということを求職者から言われて、賞与が入っていないから入れてくださいという働きかけを求人企業にした場合は、積極的な働きかけと見なされる場合があるということですね。

○松本課長 すみません、 1 点大事な点を忘れていました。例の 1 番ですと、冒頭に「自ら積極的に」という、業者側からアプローチする場合ということですので、問合せに対して得た情報を提供するのはこれに該当しないと。

○松浦委員 そうですか、分かりました、ありがとうございます。細かいことで申し訳ありません。

○竹内委員 これはすごく細かいことですけれども、今の資料の 5-1 3 及び 4 ページに関連して、 3 ページで例 2 などとしてリファーをしてあるものは、 4 ページで示されているものだと思うのですが、この 4 ページにおいて「例」として挙げられているものも、 3 ページにある通知で言及されているものである、要するに、 3 ページの部分と一体の、行政の解釈ということで、理解としては合っていますか。

○松本課長 はい。

○竹内委員 あとちなみに、これは調べれば自分でも分かるかもしれないですけれど、この通知は 2000 年に出ています。ですから内容的には、多分今日の技術的にはそもそもそぐわない所も出てきているでしょうけれど、この通知がこのときに出た経緯というのはお分かりでしょうか。

○松本課長 資料 3-1 で職業安定法の改正経緯がありますが、平成 11 年に職業紹介の取扱職業をネガティブリスト化していて、そこで対象が大幅に広がってきたということもあって、これまでの情報提供とこの職業紹介の線引きが曖昧になる可能性がより高まったという観点からこの時点において整理したということです。

○竹内委員 分かりました。ありがとうございます。

○阿部座長 難しいですね。これまでのヒアリングでも、いわゆる SNS に相当するところでは、もしかしたら資料 5-1 3 ページ目の2に当たるようなことをやっているケースもあったかと思うのですね。つまり求職者情報の提供をやっていたようなお話もお聞きしたような気がするのです。ただあれは SNS というのはどのようにどこに該当するのかとか、ちょっと分かりにくいところもありますよね。知人とか友人に近いものと考えるべきなのか、それとも、そうではないと考えるべきなのかとか。

○松本課長 データベースだけを提供して、また場を提供しているだけで、あとはそれぞれが。

○阿部座長 自由にとか。

○松本課長 自由に探しているだけですという説明も可能であれば。

○阿部座長 ですよね。

○松本課長 一方で、選別しやすい、加工しやすい形態にて提供しているものをアクセスしてくるというように受け止めれば、その選別加工というのをどこまで選別加工として受け止めますかという問題でも有り得ると。そういう意味で限界事例。

○阿部座長 その辺りも分かりやすくしていかないと、なかなかこれは難しいなという感じはしますので、この辺りも少し議論を深められればと思います。この IT 化は今後どうなっていくかというのはちょっとよく分かりませんので、どうしていいか。先ほど水町委員は、法律で書いたほうがいいのではないかという話もあったと思います。ものすごいスピードで進む技術に対して、法律も何度も何度も変えていくのかという話もあるし、そういう意味ではどっちでやったらいいのだろうかというのも、私はちょっとよく分からないですけれども、その辺りもいろいろとお話いただければいいかなと思うのですが。

 本日は論点123と、皆様からいろいろな御意見、御感想を頂きましたが、今日御欠席の安藤委員、水島委員、大久保委員からも意見、あるいは御感想、御質問等をお聞きした上で、またこれを整理して、次回以降議論できればと思いますので、よろしくお願いいたします。

 まだ時間はありますけれども、皆様からほかに御意見がなければこの辺りで本日は終了いたします。

 最後に、事務局から連絡事項をお願いしたいと思います。

○木本補佐 次回の日程は、 12 11 13 時から、会場は 19 階の共用第 8 会議室となっていますので、よろしくお願いいたします。

 傍聴の方々に御連絡いたします。傍聴者の方々は事務局の誘導に従って御退席ください。以上です。

 


(了)

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