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2015年12月25日 第233回労働政策審議会職業安定分科会労働力需給制度部会 議事録

職業安定局派遣・有期労働対策部需給調整事業課

○日時

平成27年12月25日(金)16:00〜


○場所

東京都千代田区霞が関1−2−2 中央合同庁舎第5号館
商業安定局第1・2会議室(12階)


○出席者

委員

(公益代表)鎌田委員、松浦委員
(労働者代表)石黒委員、清水委員、村上委員
(使用者代表)秋山委員、小林委員、高橋委員

事務局

坂口派遣・有期労働対策部長、松本需給調整事業課長
手倉森派遣・請負労働企画官、戸ヶ崎主任需給調整事業指導官、古舘調査官
木本需給調整事業課長補佐、中園障害者雇用対策課長補佐

○議題

(1)障害者雇用促進法改正法の施行に当たり講ずべき措置について(公開)
(2)労働者派遣事業の許可について(非公開)
(3)有料職業紹介事業及び無料職業紹介事業の許可について(非公開)

○議事

○鎌田部会長 定刻に達していませんが、委員の皆さんがお揃いのようですので開始したいと思います。ただいまから、第233回労働政策審議会職業安定分科会労働力需給制度部会を開催いたします。本日は、公益代表の橋本委員が所用により御欠席されると伺っております。本日の進め方ですが、お手元の次第にある議題1について公開で御審議いただき、その後、許可の諮問の審査を行います。許可の審査については資産の状況等、個別の事業主に関する事項を扱うことから非公開とさせていただきますので、傍聴されている方々には退席いただくこととなることを予め御承知いただきたいと思います。

 それでは、議事に入ります。まず、議題1の「障害者雇用促進法改正法の施行に当たり講ずべき措置について」事務局から御説明いただいた後に、御質問等いただきたいと思います。それでは説明をお願いいたします。

○古舘調査官 障害者雇用対策課調査官をしております古舘と申します。本日、この部会では、障害者対策について御審議いただけるということで大変ありがとうございます。初めに私から障害者雇用促進法の改正内容について御説明させていただきます。

 資料1に沿って説明いたします。1ページ目「障害者の雇用の促進等に関する法律の一部を改正する法律の概要」です。法改正の全体像について、大きく分けて2つあります。1つは「障害者の権利に関する条約の批准に向けた対応」です。もう1つが下の四角になりますが、「法定雇用率の算定基礎の見直し」で、法定雇用率の算定基礎に精神障害者を加えるということになります。1つ目の権利条約の批准に向けた対応ですが、(1)障害者に対する差別の禁止と、(2)合理的配慮の提供義務で、障害者の方が職場で働くに当たって何か支障がある場合に、その支障を改善するための措置を講ずることを事業主に義務付けるという中身になっています。本日の議題に関しましては、この2つ、差別禁止と合理的配慮の提供義務が中心的なものになるかと思いますので、資料の2ページ以降で、もう少し説明をさせていただきます。

 資料2ページのタイトルの下に、平成19年に署名した「障害者権利条約」の批准に向けた法整備とあります。障害者権利条約につきましては、障害者の権利と尊厳を保護、促進するための包括的な条約ということで、平成18年に採択され、平成19年に日本も署名をしております。それ以降、批准に向けて、国内法の整備が進められてきたという経過があります。その1つが、「内閣府」と書いた欄がありますが、平成256月に「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」これは「障害者差別解消法」と呼ばれておりますが、この法律が制定されております。この法律では、雇用分野以外の全般について、差別的取扱いを禁止するという義務と、合理的配慮の提供について、国・地方公共団体等の義務、民間事業主の努力義務を定めた法律になります。雇用の分野については、下の「厚生労働省」の所ですが、私どもが所管しています「障害者雇用促進法」が同じく平成256月に改正されました。中身につきましては、先ほど御紹介しましたとおり、1つは差別的取扱いを禁止するということ。それから合理的配慮の提供につきまして、事業主の法的義務ということで整理されております。いずれの法律につきましても、施行は平成284月、来年4月施行となります。資料の右下の四角にありますが、法律の制定を受け、労働政策審議会障害者雇用分科会で御議論いただき、今年3月に2つの指針を策定いたしております。現在は、その指針を基に施行に向けた周知に取り組んでいる状況です。

 その2つの指針の概要が資料の3ページ以降です。1つが、「障害者差別禁止指針」というものになります。正式な名前はその下に記載しています。(1)基本的な考え方として、1つ目の「対象となる事業主の範囲」は全ての事業主ということになっております。2つ目の「対象となる障害者の範囲」については、身体障害、知的障害、発達障害を含む精神障害、その他の心身の機能障害のある方です。障害の区分等を問わず、手帳の所持者にも限定されていないという整理になっています。

(2)差別の禁止の中身ですが、1つ目に、募集・採用時のほか、賃金、配置、昇進、降格、教育訓練等々の各項目について、障害者であることを理由に障害者を排除すること、あるいは障害者に対してのみ不利な条件とすること等が差別に該当するものとして整理されております。2つ目の○のただし書きですが、積極的差別是正措置として、障害者を有利に扱うことや、合理的配慮を提供した上で労働能力などを適正に評価した結果、異なる取扱いを行うことについては差別には該当しないという考え方が整理されております。

 続いて、資料の45ページに、「合理的配慮指針」の概要資料を付けております。こちらの正式な名前については、タイトルの下の長い名前になります。(1)基本的な考え方の1つ目と2つ目の○、事業主の範囲と障害者の範囲につきましては、先ほどの差別禁止指針と同様です。3つ目の○は、合理的配慮の最も基本的な考え方です。合理的配慮は、個々の事情を有する障害者と事業主との相互理解の中で提供されるべき性格のものだという考え方が整理されております。

(2)合理的配慮の内容ですが、この指針の中では別表の中に、多くの事業主さんが対応できると考えられる例を整理しています。例えば、募集及び採用時には、視覚障害者の方については、募集内容を音声で提供し、聴覚・言語障害のある方については、面接を筆談等で行う。また採用後には、肢体不自由の方について、例えば車椅子を使っていても作業をしやすいように机の高さを調整する、あるいは知的障害のある方について、習熟度に応じて業務量を徐々に増やしていくような取組、また精神障害のある方に対しては、出退勤時刻や休暇や休憩の時間に関して、通院、体調に配慮して柔軟に対応するというようなことが例示として整理されております。

 最後に、資料の5ページは、(3)合理的配慮の手続を整理しています。1つ目の募集・採用時については、どういった障害特性をお持ちの方がいらっしゃるかは分かりませんので、障害者の方からの申出を合理的配慮の提供の契機というように整理しています。一方、採用後は、事業主の方から職場で支障となっている事情などを確認いただくという考え方です。その上で2つ目として、合理的配慮に関する措置について、事業主と障害者で話し合っていただくということです。合理的配慮の内容については、障害者の方お一人お一人の障害の状況とか職場の状況によって、非常に様々な内容になってくるかと思いますので、事業主の方と障害者の方と話し合っていただき、障害者の方の意向も十分尊重していただきながら内容を確定していただくことが、非常に大事なプロセスかというように考えております。

 それから、(4)過重な負担という欄ですが、合理的配慮の提供義務は、事業主に対して「過重な負担」を及ぼすことになる場合は除くことになっております。過重な負担に該当するかどうかという点については、1〜6に記載されているような要素を総合的に勘案しながら個々に判断していくことになっております。ただ、2つ目の○にありますが、過重な負担に該当すると判断される場合については、事業主の方には障害者の方の意向を十分に尊重していただいて、過重な負担にならない範囲で合理的配慮の提供をお願いしたいということです。

 最後の(5)につきまして、事業主の方には、相談に適切に対応できるための相談体制の整備等が求められているということを整理しております。改正内容の概要については以上です。

○木本補佐 引き続きまして、派遣制度における対応について御説明させていただきます。資料2を御覧ください、「障害者雇用促進法施行への対応についての検討」という資料になっています。2ページですが、平成25314日労働政策審議会障害者雇用分科会意見書ということで、このような記載がなされています。事業主の範囲の欄の下線の部分ですが、「派遣労働の取扱いについて、派遣先事業主は現行の労働者派遣法に基づく責任を負いつつ、当面、派遣元事業主に障害を理由とする差別の禁止及び合理的配慮の提供義務を課すことが適当である」とされています。これを踏まえ、派遣法におきましては派遣先に対して法令上の措置は講じていない形になっています。

1ページに戻ってください。法令上の措置は講じられていませんが、上の四角囲いで、改正障害者雇用促進法上の義務を派遣元は負うとなっていますが、派遣労働者が派遣先において就業することを踏まえ、派遣先が講ずべき措置について、労働者派遣法の枠組みにおける対応を検討する必要があるのではないかと考えています。

 下のほうに派遣元と派遣先について、それぞれ書いています。派遣元については4つ項目があります。上の2つが差別禁止の関係、下の2つが合理的配慮の提供義務の関係です。こちらについては障害者雇用促進法で一義的に派遣元に義務が掛かっている形になっています。これに対応して派遣先のほうですが、それぞれについて、こういった形の検討をしてはどうかということで記載しています。1つ目の「募集及び採用における差別禁止」の関係で、派遣契約締結時等の項目として、労働者派遣契約の締結等に当たって障害者を排除しないこととする必要はないか。2つ目の「賃金の決定、教育訓練の実施、福利厚生施設の利用等についての差別禁止」の関係で、派遣先のほうですが、適正な派遣就業の確保ということで派遣先の派遣労働者に対する教育訓練の実施等について障害者であることを理由とする差別を行うことを禁止する必要はないか。3つ目の「募集及び採用時における合理的配慮提供義務」に関連して、派遣先のほうですが、紹介予定派遣に係る特定等ということで、紹介予定派遣に係る特定等に際し、派遣元が合理的配慮の提供を行うに当たり、派遣元が派遣先の協力を求めた場合の対応について定める必要はないか。4つ目の「採用後における合理的配慮提供義務」に関連して、派遣先のほうですが、適正な派遣就業の確保ということで、派遣元が合理的配慮の提供を行うに当たり、派遣元が派遣先の協力を求めた場合の対応について定める必要はないか。下の○印ですが、上記のほか、派遣労働者が合理的配慮の提供に係る申出をした場合の対応を検討する必要はないか。一番下の○印ですが、さらに、上記の派遣先による対応に関連して、派遣元による対応を検討する必要はないか。このようなことを書いています。説明は以上です。

○鎌田部会長 ありがとうございます。それでは、この件につきまして御質問、御意見をお願いいたします。

○石黒委員 「派遣先の対応について定める必要はないか」というクエスチョンですが、派遣において雇用主は派遣元ですので、基本的には派遣元で障害者の差別の禁止と合理的配慮の提供を行うと整理するのが筋だと思います。しかし、実際に派遣労働者が働く所は派遣先ですので、派遣先での対応については、指針や業務取扱要領の改正などにより派遣先に差別の禁止、合理的配慮の提供義務を課していくべきと考えています。

○鎌田部会長 ありがとうございます。清水委員、どうぞ。

○清水委員 直接、この対応についての検討ということにならないのかもしれないけれども、今の派遣労働者の中で実際問題、この障害者雇用が、どんな現状になっているかという認識のもとでこういうことをやっているのか。その辺の事実認識の問題についてお聞きしたいと思います。

○鎌田部会長 事務局、どうぞ。

○古舘調査官 障害者雇用対策課です。派遣労働者の中で障害のある方につきましては、少し古いデータになってしまいますが、派遣で働く方の0.35%ぐらいになっています。大体、今の派遣労働者の方に、単純に掛ければ数千人というオーダーになっています。

○清水委員 古いというのは、いつ頃のデータですか。

○古舘調査官 平成19年頃のデータになります。以降、障害者雇用は全体的に進んでいますので増えている可能性はありますけれども、正確なデータにつきましては、今、それ以上のものはないという状況です。あと関連しまして、毎年61日に「雇用状況報告」というものを私どもは取っています。50人以上の規模の会社が対象ですが、その中で職業紹介と労働者派遣の2つは切れないですけれども、その分類でいくと、現在、実雇用率は1.41%という状況になっています。私どもが把握しているデータにつきましては以上ですが、実際、派遣で働いていらっしゃる障害者の方もいらっしゃるので、対応についてこうした場で御審議いただければ有り難いと考えています。

○鎌田部会長 清水委員、よろしいですか。

○清水委員 はい。

○鎌田部会長 ほかに、ございますか。

○村上委員 先ほど石黒委員が申し上げた話と同じですが、障害者の差別の禁止とか合理的配慮の提供義務というのは、男女雇用機会均等法に大変似ている構造であると思っていて、働く場の問題について派遣先にしっかりやっていただくことが必要ではないかと思っています。そういう観点から申し上げると、資料2にあるような派遣先に、派遣契約締結等、いろいろな場面で差別禁止なり合理的配慮に関して協力するとか、障害者を排除しないということを定める必要はあると考えています。

 それから、その下の○ですが、派遣労働者が合理的配慮の提供に係る申出をした場合の対応を検討する必要はないか、ということで書かれています。これについて、派遣労働者は派遣元に合理的配慮の提供に係る申出をすることが多いかもしれませんが、派遣先の上司の人に、もうちょっとここを何とかしてほしいと言う場合もあるかもしれませんので、派遣元、派遣先双方に適切な措置を講ずることを義務付けるというか、促すようなことを指針に書いておく必要があるのではないかと思っています。

 また、労働者派遣契約の締結に当たって、派遣先が障害者は派遣しないでくれということを言うのは、もちろんアウトですけれども、派遣元も派遣契約を結ぶ一方の当事者ですので、そのことを考えると、障害者を排除してはならないという記載は派遣先だけでなく、派遣元の指針にも必要ではないかと考えています。以上です。

○鎌田部会長 ほかに、ございますか。

○松浦委員 村上委員がおっしゃったように、障害者の方々に対する差別と、男女差別や年齢差別は、構造的に類似しているところがあると思います。念のための確認ですが、現在の派遣先指針の中に、例えば派遣契約の締結に当たって、男女差別や年齢差別等、障害以外の差別についても何らかの取決めがあるのでしょうか。ある場合にはそれらの記載とのバランスにも留意する必要があろうかと思います。

○松本課長 机上に参考資料として参照条文を配付しているかと思います。指針におきましては、性別を記載してはならないとか、そういった差別禁止の規定は年齢とか性別に関して、現行、規定があるところです。障害者の差別禁止の規定は、そういった年齢や性別に関する規定ぶりも参考にして論点として提示したものです。

○松浦委員 ありがとうございます。

○鎌田部会長 ほかに、ございますか。今、いろいろ御意見があったと思いますが、これを踏まえて次回、指針等の案が、この先、出てくるということになるのですか。

○松本課長 次回、案の形で御検討いただくべく、お示ししたいと思っています。

○鎌田部会長 そのための御意見を伺っているということですね。

○松本課長 そのとおりです。

○鎌田部会長 初歩的なことですみません。ややマニアックなことで意見というのでなく、お聞きしたいことがあるのですが、資料15ページ、合理的配慮指針に関わる所で、これは先ほど御説明いただいたように合理的配慮の提供義務を事業主に課しているわけです。ただし、事業主にとって過重な負担になる場合には、合理的配慮の義務は免れるという格好になっていますね。この「過重な負担」というものを判断する場合の基準となる事業主というのは、派遣の場合には派遣元ということになりますから、5ページの(4)の過重な負担の判断に関する諸要素というのは、例えば4の企業の規模と5の企業の財務状況等は、派遣元の規模、派遣元の財務状況ということになろうかと思います。

 それはそうかなと思いますが、一方で、派遣先において派遣先の従業員に対して合理的な配慮として、派遣先の従業員が提供を求める場合があって、あるいは提供されているという状況がある場合に、ここでの合理的配慮を判断する際の基準ですが、一方で派遣元基準で合理的配慮の有無を判断しながら、派遣法30条の3で均衡を考慮しつつ、就業の確保のために、その他必要な措置を講ずるとなっていますね。そこで私は混乱しているのですが、例えば派遣先の従業員に対して視力の弱い方については大きな案内板を用意していると。しかし、たまたま派遣労働者が入った所に、そういうのがない所だったという場合に、企業規模のレベルから言うと、費用負担を考えた場合に派遣元の基準と財務状況で判断するのは難しいとなったと。ところが、均衡考慮の関係で言うと、これは必要だよねという話になるのではないかと思います。

 そうすると、考え方としては、今言ったように合理的配慮提供義務の過重な負担は、一方で派遣元基準で考える、ところが、均衡考慮は派遣先の基準で考えるとなると、それはそれぞれ別だよねという考え方もありますが、合理的な配慮提供義務の過重な負担を判断する場合に、合わせてしまって幾つかの諸要素の中で、同一の業務に従事する派遣先従業員の均衡を考慮しつつ、この過重負担を考えるとするのも、ひとつの考え方かなと思うのです。それは別なのだと、条文が違うのだから全然別なのだという考え方もありますし、派遣法は派遣労働者の派遣先との関係で一定の就業環境を確保するという考え方です。一方で、こっちの合理的配慮提供の義務というのは派遣元基準で考えるということで、分かるようでよく分からない。

○松本課長 この過重な負担に関して、今の御指摘の点について事務局としてはこう考えています。合理的配慮について、今回の論点では派遣元が合理的配慮の提供をするけれども、派遣先の協力が必要な場合もあると。派遣元自身が講ずる合理的配慮について過重な負担に該当するかどうかというのは、派遣元が、これらに照らしてどうかというところで過重な負担に当たるかどうかを判断します。一方で、協力を求められた派遣先にとって、協力を求められた内容が派遣先にとって過重な負担かどうかというのは、派遣先の基準に照らして考慮されるべきだと考えています。

 一方で、先ほどの均衡についての規定との関係で申し上げれば、それはどちらかというと、差別禁止との関係で、多分、論点になるのだと思います。

○鎌田部会長 そうそう、それもあるのです。

○松本課長 差別禁止のほうは正に差別禁止でありますが、ここで言っている差別禁止は派遣労働者間の差別禁止で、派遣先において派遣労働者と直接雇用労働者がいる場合に、直接雇用労働者と派遣労働者の関係は派遣法の均衡の話です。一方、ここで論点として提示している差別禁止は、派先に就業している派遣労働者間の差別禁止の話だと受け止めているところです。

○高橋委員 今の説明に疑義があります。障対法は飽くまでも雇用主と労働者の関係について定められているものであって、派遣先は雇用主ではないので障対法上の合理的な配慮の提供が義務付けられるものではなく、また先ほどの協力を求められた場合に、この過度な負担に照らした判断をする概念にはないのではないかと思います。

○古舘調査官 あくまで、障対法の関係につきましては、派遣元に義務が掛かっていますので御指摘のとおりかと思います。あとは今回、派遣先の協力について御審議いただく中で、これはひとつの参考になるということかと思っています。今、課長に聞かれたときに私のほうが間違って伝えてしまったので申し訳ございません。整理をすれば、義務自体は派遣元に掛かっていて、派遣先の協力を御検討いただく際に、これをひとつの参考として考えるかどうかということになるかと思います。申し訳ございません。

○鎌田部会長 その場合の協力というのは、どういう中身なのですかね。

○小林委員 でも、今の考え方というのは、派遣先というのは障害者差別解消法のほうの努力義務は掛かるのでしょう。努力義務というのは掛かると思うけど義務化ではない。障害者雇用対策法の中で法的義務ではない。ですから、努力義務は、もともとお客さんだろうと従事者であろうと、差別解消法の中で、努力義務として合理的な配慮をしなければならないというのは分かるのです。でも、障害者対策法の中での法的な合理的配慮義務というのは、あくまでも派遣元で、派先についてまでは法的な義務にはならないということだけは確認しておきます。

○古舘調査官 御指摘のとおりで、合理的配慮の指針につきましてもあくまで派遣元と言いますか、事業主の義務を履行する際の指針として審議会で取りまとめていただいたものです。その上で、派遣のスキーム、あるいは御指摘いただいたような差別解消法の中で合理的配慮の提供は、広く事業を行うに当たって努力をするということが求められていますので、その際に、こういったものも参照いただくかどうかということになってくるかと思います。

○小林委員 先ほど部会長がおっしゃっていた企業の過重な負担の部分で言えば、例えば派遣元が中小企業で、派先のほうが大企業であると、派先のほうで、そこの従事者の障害者の方々に対して、直接雇用している方々にいろいろな合理的配慮をしていたとするのであれば、先ほど言ったように解消法の中の努力義務という見地からも、財政基盤があるのであればそれなりの過重な負担にならないのだと思います。ところが、逆に派元のほうが大企業で派先が中小企業だった場合は、もともと派元のほうが合理的配慮を行うだけの財政力なり企業規模があると、それなりの合理的配慮をしなければならないと捉える。そんな考え方でよろしいのですか。

○鎌田部会長 私が自分で短時間に考えたときは、合理的配慮で具体的に何が対象になっているかと考えないと全てがよく分からなくなってしまうのです。その辺のところで具体的に、例えば先ほどのように派元で合理的配慮の提供ということで、典型例としてどんなことを考えているか。一方で派遣先に協力を求めると言った場合、その協力の中身が、一体、どういった中身になるのか。その辺のところを具体例として、典型例で結構ですので教えていただいたほうが議論しやすいという気もします。あと、先ほど言ったように差別の問題も、深掘りするとよく分からないところが出てきて。

○小林委員 かなり違いますね。

○鎌田部会長 私の問題意識だけですが、差別に関して一言。障害者雇用の差別禁止というのは、不当な取扱いをしてはならない。これが例えば均等法などと若干違うところで、「不当な」が付いていますね。その「不当」と言う場合の不当というのが、誰を基準にして不当になるのか、既に考えておられてますか。

○中園補佐 障害者雇用対策課の課長補佐をしております中園と申します。今、正に部会長がおっしゃったとおり、障害者雇用における差別は、いわゆる不当な差別的取扱いの禁止というふうにしています。御案内のとおり、均等法のほうの男女差別の世界においては、いわゆる異なる取扱いの禁止ということになっています。これはどういう違いがあるか申し上げると、不当な差別的取扱いの禁止というのは、本人に対して直接不利益を講じるような、いわゆる直接差別と申し上げていますが、それを禁止するものです。特に均等法における男女の性差別の世界においては、いわゆる結果としての異なる取扱いの差別、これは間接差別と申し上げていますが、そこについても、これはやってはいけないとなっているわけです。

 なぜ、障害者の世界において不当な、不利益な取扱いを明確に禁止しているかと申しますと、障害者を有利に取扱う。いわゆる逆差別ではないかという論点があります。そういったものについて現状で障害者を特に有利に取り扱うことについては、それは御本人に対する差別ではありませんということを明確にするために、不当な取扱いの禁止というような規定ぶりとなっています。正に障害者雇用制度における雇用義務とか、あるいは雇用率制度もそうですが、障害者に対する積極的な差別是正措置までは禁止されるものではないと、そういう趣旨を込めたものとして不当な差別的取扱いの禁止ということで、「不当な」という言葉が障害者の世界には入っているというものです。

○鎌田部会長 分かりました。次回、案を提示していただいて少しまた議論するということですので、その際に御説明のとおり、具体的なイメージができるようなものも御紹介いただくと議論しやすいかなというのが私の意見です。ほかに何かありますか。

○高橋委員 今の議論に関連して、例えば資料21ページですが、適正な派遣就業の確保の部分に教育訓練の実施が記載されています。障害者であることを理由とする差別を行うことを禁止する必要はないかとの記載がありますが、例えば1つの例として、今回、派遣法の改正によって派遣先も教育訓練の実施が求められるところですが、1つの例として、表現の言葉が適切でないかもしれませんが、障害者で理解に一定程度時間のかかる方がいらっしゃったときに、通常であれば1日で終えるような教育訓練を、その方だけ2日間かけて行うといったことも、当然、考えられるところです。そうすると、それを差別だと位置づけることは、違うということではないかと思いますので、先ほど先生がおっしゃったように、これは飽くまで不当な差別を行うことを禁止するという形で整理をしていく必要があります。単に差別を行うことを禁止するというより、違いがすなわち差別だというような誤解が生じないようにしていく必要があるのではないかと思いました。

1点目の派遣契約締結時等という所ですが、先ほど、いみじくも村上委員も御指摘されていましたが、もともと障対法施行への対応として考えるべきは、一義的には派遣元であります。派遣元のほうで派遣契約の締結等に当たって、障害者を排除するような契約を結ばないということを規定しておけば、派遣先のほうに規定しなくても対応が可能であると考えられないこともないのではないかと思いました。これは私の単なる考え方です。

○村上委員 先ほど来、合理的配慮の関係で様々な御議論がありました。この場の議論ではありませんけれども、障害者雇用分科会でいろいろな議論があって、合理的配慮義務の提供については雇用主たる派遣元に係るという整理はされたものの、働く場は派遣先であることを考えれば、均等法や基準法などのように派遣元・派遣先両方に掛けていくことが、あるべき姿ではないかと労働側としては考えています。しかし、現行法前提ということで考えていきますと、何を提供すればいいのか分からないというお話もありましたけれども、4ページに例示されていたように、例えば机の高さを調節するというのは派遣元ではできないわけで、派遣元が派遣先に協力してほしいとお願いして、机の高さを低くしましょうということを派遣先でやる等のことが考えられます。それほどイメージが湧かないものでもないのではないかという感じはしていますが、次回、より分かりやすい事例などを出していただければ大変有り難いと思っています。

 また、高橋委員がおっしゃった派遣契約の締結のところで言えば、派遣元にはもともと障害者差別禁止が掛かっていますので、むしろ派遣先指針で書くべきは、障害者雇用促進法で規定されていない部分を書いておくことが必要ではないかと思っています。そこについて派遣契約締結時に障害者を排除しないということを、派遣先指針には書いておく必要があるのではないかと考えています。以上です。

○鎌田部会長 部会長でありながら、議論を巻き起こすような感じで大変失礼いたしました。ただ、資料2に出されていたように、派遣先に基本的にこういう必要はないかということについては、おおむねそういう方向は是認できるということで、ただ、中身については、より明確に具体的に詰めるところがあるという御意見がいろいろ出たのではないかと思っています。そういう形で次回、少し案を作っていただければと思います。事務局から何かありますか。

○高橋委員 繰り返しになりますが、1点、確認してもよろしいですか。

○鎌田部会長 どうぞ。

○高橋委員 契約の局面ですが、派遣先というのは飽くまでも、ある役務をしていただく方を送ってくださいと派遣元に言うだけですから、契約の締結によって障害者を排除しないこととするということの意味がよく分からないのです。

○松浦委員 先ほど男女差別や年齢差別に関する記載が指針に入っているのであれば、障害者の方々への差別に対する記載についても、それらを参考に入れて頂ければ良いと思ったのですが、一点疑問なのは、派遣される方を特定してはいけないという規制のもとでは、そもそも派遣先が派遣される方を差別的に選定することはできないはずなのではないかと思うのですが、その点はどうなのでしょうか。

○松本課長 男女の場合は、派遣契約に性別を書いてはいけないという規定の仕方をしています。そういう意味で、派遣契約でそもそも入口で弾かれないようにし、かつ、例えば紹介予定派遣だと特定のときに女性優先、男性優先にしてはいけないという二段構えの構造になっています。今回の障害者についても、派遣契約で障害者は送らないでくださいとか、障害者だとクリアしにくい要件を、あえて派遣契約に設定するようなことをやめてくださいというのが、派遣契約に当たっての排除しないということの中身だと受け止めています。

 先ほど来、御議論いただいている中で、私が派遣先について派遣先の状況でと申し上げてしまったのは、高橋委員のおっしゃるとおりで、法令上は元にしか規定はないわけですから、派先が講ずる合理的配慮に関しては、今の時点で明確なルールとしてはないのですが、元に関してはこのような基準があることを踏まえて、これも参考に、どの程度が過重な負担になるかを判断することになり得るということで、参考と申し上げるべきところ、あたかも義務かつルールかのように申し上げた点は申し訳ありません。訂正させていただきます。また具体例についても、障害者雇用促進法の体系で示されている措置の事例というのは示されていますので、それも含めて次回、御提供申し上げて御理解に資するようにいたしたいと思います。

○鎌田部会長 よろしいですか。では、そのようなことで次回、進めていただきたいと思います。それでは、公開部分は以上といたします。議事録の署名は石黒委員、秋山委員にお願いいたします。事務局から連絡事項はありますか。

○木本補佐 次回の部会の日程は決まり次第、御連絡させていただきますので、よろしくお願いいたします。退席される方々に御連絡いたします。傍聴者の方々は委員の随行の方が退席した後、事務局の誘導に従って御退席ください。

○鎌田部会長 よろしくお願いいたします。

                                  ( 傍聴者退席)


(了)

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