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2016年4月22日 新たな地域精神保健医療体制のあり方分科会第2回議事録

社会・援護局障害保健福祉部精神・障害保健課

○日時

平成28年4月22日(金) 10:00〜12:00


○場所

厚生労働省 専用第14会議室(12階)
(東京都千代田区霞が関1−2−2)


○出席者

伊澤構成員、伊藤構成員、荻原構成員、籠本構成員、河崎構成員
神庭構成員、佐竹構成員、田川構成員、近森構成員、長野構成員
樋口構成員、広田構成員、鳥井参考人

○議題

(1)有識者からのヒアリング
(2)その他

○議事

○鶴田課長補佐 それでは、定刻となりましたので、ただいまより「これからの精神保健医療福祉のあり方に関する検討会第2回新たな地域精神保健医療体制のあり方分科会」を開催いたします。

 構成員の皆様方におかれましては、ご多忙のところご参集いただきまして、まことにありがとうございます。

 それでは、資料の確認と本日の出欠状況を報告させていただきます。

 今回の資料は、ヒアリング用にご提出していただいた資料となっております。資料は、資料1と資料2、2つの束があります。

 資料1は、川崎市健康福祉局障害保健福祉部担当部長・精神保健福祉センター所長であられます竹島正氏の提出資料でございます。

 続きまして、資料2は、帝京平成大学大学院臨床心理学研究科長・教授であられます安西信雄先生からの提出資料でございます。

 また、机上にお配りしておりますものは、これまでの検討会における皆様方からのご意見の概要を整理した資料をおつけさせていただいております。本日の議論の参考のために用意したものということになります。

 以上について足りないものがありましたら事務局までお申しつけいただけるとありがたいです。いかがでしょうか。

 次に、皆様方に構成員交代のご報告がございます。佐賀県健康福祉本部長であった船津構成員が異動され、新たに佐賀県健康福祉部長になられました藤原俊之氏が今後の構成員となられますので、ご承知おきいただければと思います。

 続きまして、本日の出欠状況ですが、代理として1名の方にご出席いただいております。

 先ほどご紹介いたしました藤原構成員の代理として佐賀県健康福祉部障害福祉課参事であられます鳥井真由美さんにご参画いただいております。

 また、本日の出欠状況ですけれども、中板構成員、松本構成員、松田構成員からご欠席とのご連絡をいただいております。

 最後になりますけれども、あらかじめのご報告となりますが、本日は、公務のため、分科会途中で事務方のほうで少し出入りがありますので、ご承知おきいただけると幸いです。○樋口座長 ありがとうございました。

 それでは、早速、議事に入りたいと思います。

 本日は、お二人の有識者の先生方からヒアリングを行うということになっております。それぞれ先生のほうから20分ぐらいで説明をしていただいた上で、その内容について構成員の皆様からご質疑いただくということで、一つずつやっていきたいと思います。

 早速、ヒアリングに入りたいと思いますが、まず最初は、資料1をもとにしまして、竹島正先生にお願いしております。では、先生、よろしくお願いいたします。

○竹島 正氏 川崎市の竹島でございます。貴重な機会をいただきまして、ありがとうございます。では、これから私のほうの話をさせていただきたいと思います。1枚めくっていただきまして、「はじめに−役割認識」と書かせていただきましたけれども、この分科会では3つの論点が挙げられておりますので、この3つの論点に対応したことをそれぞれお話しさせていただきたいと思います。メーンのところは1番の「精神病床のさらなる機能分化」に充てさせていただきまして、精神科入院受療必要量を中心に報告させていただきます。

 また、現在、地域の仕事をしておりますので、その立場から地域精神保健体制の構築に向けて取り組んでいることを報告させていただきます。

 次のページでございますけれども、話の構成をここにまとめました。1につきましては、中の項目を少し具体的に書かせていただいております。以降、この順番でスライドを構成しておりますので、よろしくお願いします。

 次はタイトルだけでございますが、「精神病床のさらなる機能分化」に入らせていただきます。

 まず、振り返りになりますけれども、改革ビジョンの頃の新たな精神病床算定式がどのような性質のものであったかということを一回振り返っておきたいと思います。上に旧算定式、下に新たな算定式の基準病床数の考え方を挙げておりますが、どういう意味があったかということで振り返ってみますと、新たな算定式のときには、使用する入院率を地域ブロックから都道府県単位に変更が行われたということであります。さらに、退院可能性の高い1年未満の入院患者と1年以上の在院患者群に分けまして、それに退院促進目標を設定して、都道府県単位での改革の進捗を把握できるようにしたというのが変化であります。

 次を見ていただきたいと思います。次に、「改革ビジョンにおける精神保健医療福祉体系の再編の達成目標の意義と課題」を挙げさせていただきました。まず、振り返ってみますと、改革ビジョンにおける再編達成目標によりまして、1年以上を長期入院とするという認識が共有されたという点は大きいポイントであったと思います。同時に、平均在院率を下げるということは結果的に退院の難しい人たちが残ってしまうので、ある時期が来たら両方とも目標に向けて進めていくことが難しくなるだろうという点は最初に予測されたものでございます。改革ビジョンの後半では、平均残存率が平均退院率という言葉に変わっておりますので、以降、平均退院率を使わせていただきます。

 7ページでございますけれども、今度は改革ビジョンの指標がどのように動いたかということでございます。立森先生の分析によるものです。平均退院率について見ますと、改革ビジョンの前から上昇傾向があったのだけれども、この数年ほとんど変わらないということで、2013年の時点では数値目標とおよそ4ポイントの開きがあるという状況でございます。ただし、新たに精神病床に入院した者の退院の発生状況につきまして、早期に退院するようになったことは1998年頃と比較すると明らかに変化があるということでまとめられます。

 次に、指標の動向で退院率でございますけれども、同じく左側に退院率の推移を挙げさせていただいております。改革ビジョンの前と比べると一定の改善は見られ、数値上の変化はあるということでありますけれども、2011年から2012年の間は下降して、2013年はほとんど変化がないということであります。

 右側のほうは在院期間別の退院率の県ごとの値の分布の比較でございます。ごらんになってわかりますように、在院期間が長期化するにつれて退院が非常に困難になってくるということ、特に1年以上5年未満の群とそれ以外の群では非常に大きな差があるということをごらんになっていただけるかと思います。

 次のページは、2013年の都道府県ごとの平均退院率と退院率の散布図でございます。ごらんになってわかりますように、右上の四角の領域のところが両方の目標を達成したところでございますけれども、2013年の数値におきましては、1都道府県もないということがおわかりになっていただけると思います。ただ、ここの数値は出てきておりませんけれども、全体には両方の数値とも向上の傾向であるということは申し添えておきたいと思います。

 指標の動向のまとめでございますが、3点挙げさせていただきました。新規入院患者、長期在院患者ともに退院の発生を表す指標にほぼ変化は見られず、プラトーに達した可能性が高い。2013年時点での数値目標の値と、改革ビジョン目標まではあと2年しかないことを考えると、目標の達成は非常に困難。水準から隔たりが大きい県でいかにして改革の取り組みを進めていくかが課題となる。このようにまとめさせていただいております。

 次のページが改革ビジョンの達成目標と障害福祉計画に係る基本指針の成果目標との関連をまとめたものでございます。平均退院率は図の塗られた部分になります。入院後3カ月時点における退院率の上昇は、入院後1年時点での退院率の上昇と密接に関連をいたします。平均退院率よりもわかりやすく扱いやすいということも含めて、障害福祉計画における成果目標として、3カ月における退院率の上昇、入院後1年時点での退院率の上昇を用いるということは、私どもとしては妥当であると考えております。

 次は、ここからがメーンの話になりますけれども、630調査を利用しまして、入院受療必要量の算定を行いました。入院受療必要量ということを考えましたのは、地域医療で発生するニーズを確実に満たしていくことが必要なのではないかという観点からでございます。ここに4つの計算方法を挙げておりまして、4つの計算方法についてどういう数値が出てくるか、またそれはどういう課題を持っているかということをまとめております。

 次から個別に説明させていただきたいと思います。

 まず1つ目が地域医療計画での地域医療構想策定ガイドラインに関する検討会で示された推計に630調査を利用するということを行いました。ただし、推計への利用に当たっては、1点課題がございまして、一般病床においては高度急性期、急性期、慢性期・回復期リハ、長期療養期という形で区分されていますが、630調査を使うに当たりましては、それぞれ1カ月未満、1カ月以上3カ月未満、3カ月以上1年未満、1年以上と4つの区分にそれぞれ該当するものとして計算いたしました。

 次のページがその計算でございますが、現在の在院患者比率というところからそれぞれの年齢別の入院率を出しまして、改革シナリオに基づきまして、改革シナリオがそれぞれの入院期間において実現された場合にどういう数になるか、それを2025年の推計方法に当てはめるということを行っております。この改革シナリオでは、2025年の在院患者数は約25万人、1年未満の在院患者数は約7万6,000人という数になります。

 個別考察としてこの推計方法についてはどういう課題があるかということを整理いたしました。

 まず、精神科の場合には1年以上の長期入院が約3分の2を占めているという、一般科との違いがある。そういったことが踏まえられていない。それから、入院患者の入院期間が短縮傾向にあるということが反映されているか、注意が必要である。

 入院期間が1年以上かつ75歳以上の人口に対する在院患者比率が最大になるという点で、この年齢層はその後、転院または死亡といった状況が非常に起こりやすいので、そういうことを考えるとここでは計算結果が過大になるのではないかということであります。

 それから、こういった数字が各地の状況を踏まえているかどうかの検証が不足しているのではないか。計算式の構造としては初めのほうで述べた旧算定式に当たるような計算の仕方になるのではないかと思います。

 次に、障害福祉計画における目標との連続性を確保した計算ということにさせていただいておりますが、1年後退院率が95%になるように上位5県の数値がそこに挙がる。全国でもそのような変化が起こると仮に考えての計算でございます。上位5県の1年後の退院率が90.4%ですので、それが95%になると仮に想定していくということでございます。

 年齢階級別の患者数に案分するなどしまして計算いたしますと、入院患者数約8万4,000人という数が出てまいります。ただ、この計算方法では1年以上の患者数を計算することができません。

17ページに、95%にした理由を説明させていただいております。これは後でも大事になってくると思いますので、そのまま読ませていただきます。平成24年の「精神科医療の機能分化と質の向上に関する検討会」において「精神科の入院患者は『重度かつ慢性』を除き1年で退院させ、入院外治療へと移行させる仕組みを検討する」との方針が取りまとめられたことを踏まえ、さらに平成25年、26年の安西班の成果等も参考に、1年後退院率を95%として計算を行いました。

 次でございますが、先ほどは話が前後してしまいましたが、1年以上の分は計算することができないということで、比較的退院率が高い県の場合には、時間的蓄積の結果として長期入院の人たちも少ないであろうということが想定されますので、それらの5県の1年未満と1年以上の比を使って1年以上の患者数を仮に計算してみる、そういう方法をとりました。そうすると上位5県の場合の1年未満に対する1年以上の比は1.65になりますので、それを計算いたしますと、1年以上の在院数は14万人、合計しますと2015年では225,000人、そのうち1年未満は8万4,000人という数が出てまいります。

 この計算方法の課題として挙げたのがそこに書いてある3点でございます。

 入院後3カ月時点の退院率を全都道府県に当てはめることが果たして妥当かどうかということでありますが、これについては県の状況といったものが違いますので、それは少し乱暴ではないかということが当然考えられます。

 それから、95%にするということにつきましては、そもそも認知症の患者とか、短期の退院が難しい患者が増えている中で、これが実現できるのかという疑問がございます。ただし、都道府県のデータを見ましても、都道府県別の認知症の在院患者数あるいは人口に対する割合とか見てみた場合に、増えている県とそうでない県があるという現実がございます。それから、現在の精神科医療の方向性とか、救急入院料や急性期治療病棟の入退院の動向を考えると、1年後退院率を95%にするということは不適当とは言えないのではないかと考えました。

 ただし、1年未満に対して1年以上1.65という比を用いることは、これぐらいは長期入院になってもいいのだという誤解を与えてしまうという問題もあるかというところで、これは注意が必要かと考えております。

 次に、3番目の計算でございますが、2つのタイプがございまして、2つのタイプを続けて説明させていただきます。

 1つは、これは同じことなのですが、95%までは至るのですが、2025年までに現状からその2分の1の行程までが進み、2035年までに全行程が進むと仮に分割した計算と、2025年に95%までの全行程が一気に進むという計算した場合、2通りをさせていただいております。2つの計算をいたしまして、2025年までに半分までの行程が進むと考えた場合には、1年未満の在院患者数は107,000人、2035年の患者数は108,000人ぐらいになるということであります。

21ページでございますが、2025年までに95%の退院率が達成すると仮にした場合は、1年未満が9万1,000人、2035年は9万2,000人になるという計算が出てまいります。

 3−1と3−2についてですが、22ページに個別考察を挙げさせていただいております。目標とする退院率を達成した時点での入院患者数、すなわち必要病床数を都道府県単位で計算できるという点がございます。地域で実際に改革を実現していこうと思ったときに、その行程を自分たちの数字でまず確認して、その中でどういう数字がどれだけ変わる必要があるのかということを目視しながら、それを実現するには何が課題になるのかということを一緒に考えることができる。地域から上がっていくことができるという一ついい面があるのではないだろうか。ただし、1年後退院率を95%とすることの妥当性の検証が残る。もう一点は、1年以上の入院患者の入院受療必要量が直接計算できないというところが課題でございます。

 1年以上の入院患者数の計算について考えてみたのですが、1年未満の在院患者数の中から1年以上に移行してしまうという人が、630調査の中では、1年以上5年未満、5年以上10年未満という数が出てまいります。そうすると1年後のところで残留している患者さんのまず数を出しておいて、1年以上から5年未満のところに何人の患者さんが実際にいるのかということを見たら、1年以上5年未満の中の持ち越し率ということが計算できます。同じく1年以上5年未満から5年以上10年未満の持ち越し率も計算できる。その計算できた数字を使ってみてはどうかということを考えました。

 ただし、その場合には、持ち越し率というのが年によってかなり変動するものだと大変使いづらいという点がありましたので、どれぐらいの変動があるかということを確認した上で、1年以上5年未満への持ち越し率0.45、5年以上10年未満への持ち越し率0.38を使って計算する、こういう方法をとりました。

 それをそれぞれ3−1と3−2で出てきた数に使いまして計算しますと、2025年までに95%が達成されるとしたら147,000人、2035年までに達成されるとしたら205,000人、このような数が出てまいります。

 個別考察は25ページに挙げさせていただきました。一番の問題は、持ち越し率を使ったのですが、持ち越し率というのはそもそも現状の経験値を使っているものであって、退院率が95%に下がったときの持ち越し率はこれとは異なってくるのは当然のことであります。そういう意味では、この数をそのまま当てはめて1年以上のところで計算式に出してあるのは問題かもしれないということが一つ挙げられます。

 1年後退院率が95%達成する時点では、1年後も入院が継続になる患者は地域移行の困難な患者の割合が高くなって、その結果として長期入院への持ち越し率は現状よりも高くなるかもしれない。その一方で、新たに1年以上の在院となる患者数は少なくなるので、結果として、1年以上在院患者の入院受療必要量は少なくなるかもしれない。増えるという要素と減るという要素が両方重なるということになって、そういうことを考えると、ここで使った計算をもう少しエキスパートの先生方に見てもらうという意味では、使える数字になるのではないかという見解です。

26ページで算定式の比較検討を行っております。それぞれ計算結果も一緒に挙げさせていただきました。現状で4つの計算をし、1年以上のものについては持ち越し率を補って使ったのですが、各都道府県において現状から1年後退院率95%に至る計算は、1年後退院率を95%とするということの妥当性の検証が残るとしても、都道府県の現状から改革過程を各自で検討できることから有望ではないだろうかということであります。やはり改革ビジョンの達成が難しかったのは、その過程を地域の中で関係者が一緒に考えるという構図がなかなかつくりにくかったというのが一つの課題だと考えますと、これは一つの提案としては意味のあることではないかと考えました。

27ページは、選択した算定式の問題点であります。2点挙げさせていただいておりまして、一つは、早期退院が進むにつれて新入院患者の増加率が現状のそれよりも高くなる可能性があるのではないだろうかということであります。逆に、早期退院によって入院受療必要性の増加は抑制されるのではないかと考えることもできるということであります。

 それから、10年以上の長期入院の必要量を見込んでいないという点がございます。10年以上の患者も相当数発生するのではなかろうかということになるとこれに加えなければいけないという問題があります。ただし、現状で見ますと、65歳以上の患者が半数でありまして、現状の10年以上の6万2,000人から相当少なくなるということがまずは予想されるだろうということがあります。さらに、その減少は、5年以上10年未満の在院患者数の減少によって加速されるというふうにも考えられます。

 もう一点は、一つの病院において治療が数年にわたって進展しない場合に、転院治療もしくは包括的な支援による地域移行をチャレンジしてみるといったことも一つの選択肢になるかもしれません。そういったことをトータルした場合に、10年以上の長期入院はさらに少なくなるのではないかということを一応報告書の中で書かせていただきました。この点もまた皆様方のご議論の必要なところだと思いますが、そのように書かせていただいております。

 その次の全体考察でございますが、まとめとしましては、1年未満の入院受療必要量は、1年後退院率95%を各都道府県において実現するようにした計算式が最も有望で、その場合、入院受療必要量はおおむね10万人になる。

10年未満までのところで仮に20万人入院受療の必要があるとした場合に、上記推計を実現しているところを見ますと、それは人口万対在院患者数で見ると16.5に相当します。こういった数字で医療が運営されている県はどういう県があるかと見ますと、神奈川県、滋賀県、東京都、愛知県、静岡県の5県が実際に存在します。では、この5県の中で入院受療必要量が確保されているかどうかということを検討すれば、これが机上の空論なのか、それとももう少し真剣に点検することに値する数なのかということが考えられるのではなかろうかということであります。もし仮にこれらの県が隣県等にかなり医療を依存するということになれば、そこには補正が必要であるという認識も発生するだろうと考えました。

 平成27年度に行った研究でございますが、神奈川エリアにおける実証的検討ということを行いました。これは630調査の追加調査のデータを使ったわけでございますけれども、住所地と医療圏受療移動の入院についてデータを分析しましたところ、26年1月から6月に新入院患者総数が神奈川エリアにおいて7,115人発生していて、そのうちの94.4%は神奈川県内で入院治療を受けているということであります。川崎の場合には、東京の病院を使ったりすることがあるのですが、東京から入ってくる、出ていくというものを考えますと、ほぼ満たしていると考えていいのではないかという数が出ました。

 ただし、二次医療圏内を主に見てみますと、50%台から70%台という差があります。二次医療圏では満たされていないところが多数見られるという点がありまして、果たしてこれはどう考えたらいいのか。二次医療圏よりももう少し広い圏域を設定して、そこの中で医療需要が満たされていくと考えたほうがいいのか。それとも、それは結果的に住民に大きなストレスを与えてしまうという問題になるのか。そこらはまだ検証が必要ではないかと考えております。

30ページは、この研究に用いましたマップの一つの例で挙げております。同じ神奈川県といっても東部と西部の医療事情は全く異なり、人口密度も全く異なることがごらんになれるかと思います。

31ページは、受療圏移動を挙げたものでございまして、縦棒はみずからの医療圏域の中で満たされているものを挙げてありまして、矢印の結んだ線は医療圏間の移動を表しているものでございます。

 次に2番目の論点の精神障害者を地域で支える医療のあり方について、デイケア、訪問看護、アウトリーチなどの医療機能のあり方ということでございますけれども、本日は、1点絞らせていただいて、関連する個別分析ということを挙げさせていただきました。この中で、後ほどご質問もあるかもしれないと思っておりますが、平均在院率や退院率には転院や死亡の影響がかなり大きいのではないかということは実際そのとおりであります。そういうことによってこれは実際の地域移行を示していないのではないかという見方もありますけれども、それ以上に大きいのは、やはり入院患者、在院患者とも高齢化しているという現実があるということをもっと素直に眺めていかなければいけないのではないかということがございます。

35ページに山之内先生の患者調査の分析を紹介させていただいております。精神病床に入院する患者は高齢化が進んで、およそ60歳までは年々入院患者が減少してきている。入院患者についてはこういう実態があるということでございます。

 次に、36ページをごらんいただきたいのですが、図が小さく見にくくて申しわけないのですが、右側は入院した患者さんの年齢構成を挙げさせていただいております。65歳以上は在院患者の半数を超えて、53%なのですが、実は新入院患者の36%は65歳以上という現実があるということであります。左側に、厚生労働白書にありました平均寿命と健康寿命を挙げさせていただいておりますけれども、健康寿命を過ぎた方たちの相当数が入院また退院していくということを大事に考えないといけないのではなかろうか。この方たちの精神疾患だけでなしに、身体疾患、その他も配慮した制度設計が必要なのだろうということであります。

 論点の3番目ですが、多様な精神疾患等に対応できる医療体制のあり方というところでございます。これについても短い紹介でございますが、38ページは、ご存じの「メンタルヘルスなしに健康なし」というテーマでありまして、精神疾患が他の感染性疾患や非感染性疾患の有病率を高めたり、その重症化を引き起こしてしまうということを考えて、精神保健をいろんな計画の中に統合していかなければいけないという観点を挙げさせていただいております。障害による影響や、寿命が短縮されるといったこともその中で述べられているわけでございます。

39ページは現在の私たちの取り組みということで、川崎市地域包括ケアシステム推進ビジョンを紹介させていただきました。川崎市の地域包括ケアシステム推進ビジョンは、全ての地域住民を対象とするということで、高齢者、障害者もいれば、子育て中の親、虐待の問題、さまざまなものを取り上げるということになります。私は、これは今後の精神保健医療の制度設計のヒントになると思っていまして、全住民のニーズに対応できる精神保健医療の設計ということを考えると、これは単に川崎市だけでなく全国にも活用していただけるような提案になっていくのではなかろうかと考えました。私自身の反省ですが、精神保健医療のニーズを見たときに、絶えず精神科の医療受療しているとか、精神科医療の周辺のことは考えていたのだけれども、そこにアクセスしていない人、うまくアクセスできない人たちのこともきちんと考えていかないといけないという点でございます。

40ページにございますけれども、川崎市でこのような研究を行い、地域精神保健医療の機能診断という形にまとめていけないかということを考えているわけです。機能診断というのは、精神障害でもって一般病院では対応困難な方が受診された場合も、例えば午後の早い時間であれば、その日の夕方までの間にその方に適切な医療までつながることができる。これは一つの例ですが、病床のあるなしといったハードの有無という話ではなしに利用しやすさといったもの、住民の方の利用しやすさということを観点に入れたテーマ設定はできないか。

 一番上は、既存の精神科医療のところで検討されてきたものですが、自殺対策のところで見ますと、自損行為で救急搬送された方たちの問題があります。これは既存の精神科医療では対応しにくい人たちも含まれているというのがありますし、もう一つは、一般医療の場で経験されている問題があると思います。

 下のほうは、アンメットニーズと言われている対処されていない問題、ひきこもり、虐待、暴力のところであわせ持って存在する精神保健の問題をやはり可視化していかないといけないだろうと思っています。

 ただし、これらの可視化は、私の個人的意見といたしましては、さきに述べた入院受療必要量の計算には大きな影響は与えないだろうと考えております。というのは、主にこれらに対して必要なのは地域のコミュニティーでのサービスになってまいりますので、入院受療必要量という点でいうと影響を与えるところは小さいのではないかと考えております。逆に、そういった医療機関が拠点になって医療の必要なところに対して地域でサービスを提供できる、そういったことこそ大事なのではなかろうかと考えております。

 最後になりますが、私の述べたことをまとめさせていただきます。

 まず、精神保健医療の改革のモニタリングとしては、新入院患者の入院後3カ月、6カ月、1年後の退院率が重要ではないか。6カ月を入れることでかなりいろんな扱いが精緻にできますし、先ほどちょっと紹介を忘れましたが、1年以上というのが長期入院でいいのか、将来の課題として、これはエキスパートのコンセンサスが必要なのですが、いずれは1年という期間からもう少し短縮する検討が必要になるのではないかと考えています。

 2番目に、入院受療必要量を考えた場合、都道府県の精神医療改革の進展をベースにした計算が有望ではないか。

 3番目に、今後の精神科医療政策の設計に当たっては、高齢化と多様化を踏まえる必要があること、地域のニーズと機能面を重視する必要があるのではないかということ。

 4番目に、これは一番大事なことですが、各都道府県で見ました場合に、私もいろいろヒアリングとかで訪問させていただいた印象としまして、各地の中でそれぞれ地域と対話しながら医療は発展してきています。ですから、何かの数字があって、それに沿って無理やり進めるというのは無理な話であって、自分たちの現状からどういう改革プロセスが要るかということ、やはりそこは対話と合意をもって形成していくのがいいのではなかろうかと考えています。

 以上でございます。

○樋口座長 竹島先生、どうもありがとうございました。

 大変限られた時間の中でかなりのデータをお示しいただいて説明していただきました。いろいろなことがたくさん出てまいりましたので、一どきにこれを全部把握するのは難しいところもあろうかと思いますが、これは一つの基礎データとして、今後この検討会でも何度もこれをベースにしながら議論することになろうかと思います。きょうのところは、まず、きょうの発表に関して、簡単な質問も含めて、理解ができにくかったところをリピートしていただいても結構ですので、何でもご自由にご発言いただければと思います。いかがでしょうか。

○広田構成員 どなたもいらっしゃらないから私が前座を、被災者の方々に、「薬を出す部門の人は行って余計なことをしないでいただきたい」という趣旨の話を32日に、神奈川県精神科救急医療調整会議で発言していますが、その後、熊本の地震が起きました。きのう、日比谷で集会があって、デモの最後尾で国会へ行って、警視庁の警備されていた警察官に「お疲れさまでした」と、お礼を言って、私は「参加者ではなく厚労省の委員として学習していました」と話しました。集会で、「320万の精神障害者」と言っていましたが、この間、事務局に聞いたら、「日本の精神障害者は390万」だそうです。

 膨れ上がり過ぎている一つの要因として、東北大震災を初めとした被災地に「DPATとか新しいチームが行くたびに薬が増えている」ということを伺っています。ぜひ行った人は、本人の健康度を上げることに、健康ではない日本列島、鬱列島ですから、そこに主力を置いて、決して薬に誘導しない。田原さんだったら、広田和子だったら米軍放送で踊るとか、あなただったらということで、その人に合った健康度ということです。たまたまお隣にいる長野先生に電話したら、「現地にいる」と言うから、どこの現地かと思ったら熊本です。厚労省の障害以外の人に電話したら、「阿蘇にいる」と言うから、後で考えて何しに行っているのかと思ったときに、私は地震を知らなかったというぐらい、米軍放送も騒いでいませんでした。東北大震災は米韓合同演習に向かう途中、1300キロ離れた太平洋航行中のロナルド・レーガンの艦長がCNNテレビを見て、進言し駆けつけた。米軍さんは、その後仙台空港の復興など多くの支援を。私は昨年の717日に開催された第67回社会保障審議会障害者部会で「民主党政権に沖縄米軍のロバート・リーエルドーリッチさんという人が、友達作戦を働きかけていた」と発言しています。リーエルドーリッチさん、バークさん、ギリアさん達の行動に、ワシントン滞在時一緒にCNNでフィリピン台風を見ていた5歳児リョウ君が、助けに行こうとした姿にアメリカンデモクラシーを感じた瞬間を思い出します。

 厚生労働省は大騒ぎしない。フクダさんのところはライフラインをやっているようでしたが、「そこは急ぐのよ」と言いました。太古の昔から、日本列島は地震大国です。文明が進化し過ぎて、サイバーだ、盗聴だと言われるこの時代に、何が本当の情報かわからない中で振り回されて動かないようにというのが第1点目です。そして、お亡くなりになった方たちの冥福を祈りたいということです。

 竹島先生、発表のコンセプト20分は何ですか。こういうことを頼まれて発言したと。

○竹島 正氏 精神医療改革についてどう実現するのか、平たく申し上げますと、きょう一番中心に話した入院受療必要量の計算というのは私が研究所にいるときの卒業制作みたいなものなのです。今まで自分が改革ビジョンやいろんな研究にかかわってきたのだけれども、自分たちが研究したことがどういう問題があったのかということも見直しをするということの意味を含めて、そういう意味があります。

○広田構成員 あなたの晴れの舞台だった。それがラッキーなテーマだったということ。

○竹島 正氏 とにかく課題は、進むべき方向と、そこに至るところがなかなか構築できないのはどういうことなのかということを考えながらですね。

○広田構成員 進まないということね。

○竹島 正氏 私自身も過去に地域の仕事とかしておりましたので、地域の視点から見たときに、ここの目標値というものと現実の姿のギャップをどう考えたらいいか、地域のほうが意欲を持って取り組むにはどうしたらいいかという点、一番基本はそこです。

○広田構成員 結果として退院の阻害要因は何だったのでしょう。そこが一番大事なのです。障壁。

○竹島 正氏 地域の中で誰がどういう努力をしてきて、どういう課題があるかということを共有すること、そこの努力という点においていろいろやらなければいけないことがたくさんあると思っています。

○広田構成員 業界の話ですか。医療とか福祉とか行政とか、そういう関係者が課題を共有化できていなかったということですか。

○竹島 正氏 ほかのところの方をどうのこうのというのではなしに、自分が行政にいる立場として見てみたときに、やはり自分たちで持っているデータをみんな一緒に使いやすくして、一緒に共有して平たくディスカッションするということはもっとやらなければいけないところだと考えています。

○広田構成員 情報を開示してきちんと行政がやるべきことをやっていなかったということですね。

○竹島 正氏 違います。各都道府県の中で、精神保健福祉行政自体がまだこれから伸びていかないといけない段階にある。

○広田構成員 遅れているということですね。

○竹島 正氏 だから進む余地があるということです。

○広田構成員 意見と質問は後で言いますけれど、ここまでは皆さんが発言しやすいように、私、サクラですけれど、きのう、集会からデモとずっと伺って、私が集会で批判されていました。批判されたところを今、読みましたら、社会保障審議会障害者部会の62回、ヒアリングに来られた団体の人たちに、「そぎ取るところをそぎ取って必要なところをきちんと言わなければ」という発言。佐藤久雄さんに1996年、ニュージーランドのオークランドで開催されたアジア太平洋・障害者の10年、世界リハビリテーション会議に時、横浜市社協一般公募で参加したとき、「本人の頭越しに本人不在の話をしないように、あなたは大学の教授とか、何か肩書はすごいけどね」と釘を刺したにもかかわらず、長い年月がたったのに相変わらずですね。私の発言で指摘された障害者団体が、広田和子はとんでもないと思うのだったら、その場で言わなければ、その場で言える雰囲気ではなかったり、ご自分のほうが言えない体調だったら、後で何らかの形で「本人に伝えた方がいいですよ」と私なら言いますけど、まさに代弁者になって、日比谷で3,000人の前で、警視庁の装甲車が向こうに並んだりといういろんなところで披露していました。

 当人不在で、「代弁者」という名の大学教授とか出てきて言います。そういう場合に、行政、きょうここに来ている伊澤さん、後ろのほうのナオキ君という福祉従事者、医者、余計なことを言わず、「それは広田和子さん本人に反論したほうがいいですよ。あの人は日本語で言えばわかります。中国の子供たちとも仲よく遊んでいるようですが、ああ見えても日本人ですから、日本語で言ってやってください。」余りにも代弁者になれて、当事者不在の恋愛騒動を、恋愛経験のない人がねたんでやったりという日本列島ですから、前段として「ぜひ本人に話して」やってください。という習慣にしないと、障害者の自立、信頼関係の障壁です。

 そして、おいでになった方たちは、竹島先生と安西先生、2人は旧知の関係だけれど、ここで公明正大に、事務局もそうですが、後で「広田さん、まいっちゃったよね」とあなたたちも言わないように、フェアにディスカッションする民主主義のルールをやらないと日本は世界で置いてきぼりです。この瞬間も大震災で「大変な状態で」、米軍の長距離輸送機のオスプレイが、「救援物資を被災地へ運んだ」とか、今後のアジア情勢や災害にも長距離輸送機は貴重な存在で、日本国民として支援ありがとう。予行飛行?安全をお願いししますね。パイロットのためにも、日本のためにもと思いました。

○近森構成員 ディスカッションの時間がないと思いますけど。

○樋口座長 まとめてください。質問がたくさんあるので。

○広田構成員 何が今、大問題かといったら、熊本の大震災だったりしますね。だけど、やり過ぎないということで、物事の本質を見きわめて、ぜひここで論議したことはここで返す努力をするということで、前段です。意見、質問は後です。

○樋口座長 ありがとうございました。

 それでは、どうぞ。

○近森構成員 10ページです。「指標の動向のまとめ」という項で「水準から隔たりが大きい県がいかにして改革の取り組みを進めていくかが課題となる」と書いておられますが、こういう県はどういう特徴があるのでしょうか。例えば鹿児島などはかなり退院率が悪いのですが、離島のほうに大きな精神病院があったりということで収容型の病院が多いと思いますが、全国的にはどういう傾向があるのでしょうか。

○竹島 正氏 全国的な傾向といっても一律に申し上げることはなかなかできないと思っております。私も近森構成員と同じ高知の出身ですが、私も先日、高知のマップを持って高知の県庁にも行ってまいりましたけれども、高知のマップを見たときに、これだけ広大な中山間に対して精神科の医療機関は高知平野を中心にして平地部に集中している。一体この中山間の広大なところは誰がどうカバーしているのかということ。こうした中山間が広大なところでは地域崩壊が進んできた。恐らくは第二次世界大戦後から以降は人口が急増してから減った、こういう大きな問題を持っている県もあるだろうというふうには考えます。

 先ほど鹿児島のお話が出ましたけれども、私も鹿児島の病院を訪問してお話を伺ってみると、例えば農業地帯と漁業地帯があります。農業地帯のほうでいうと、農業の事業の形態から考えて集落がかなり散在するという傾向を持つ。漁業地のところは人口が集約されるというようなところがあります。そういった地域の特性と、地域の高齢化の中で医療を発展させようと努力されてきた、つまりそのところのストーリーがしっかり語られていることが必要だと思います。ですから、機械的に数字を当てはめるという議論だけではなしに、その数字の中に、では方向としてはこっちが要る、現状はこうだ、この間は一体何がどうなってきたのだろうということをやはり共有し合う、話し合うということで地域に合ったものを構築していく、それが大事ではないかと思っています。そういう意味でいったら、それぞれの地域はそれぞれのストーリーを持っていることが語られるべきだと思っています。その事情は各地によって異なるだろうと思っています。

○樋口座長 どうぞ。

○近森構成員 その上の「改革ビジョン目標までは後2年しかないことを考えると目標の達成は非常に困難である」ということで、医療者の良心とか、地域の受け入れとか、そういうことを考えていたら「百年河清を待つ」というような感じで、なかなか変わっていかない。かなり効果があらわれてきておりますけれども、やはり厳然として収容型の医療が存在しているというのは事実です。どういう形で強力に地域に精神障害者を帰していくかという方法を先生は何か考えておられますか。

○竹島 正氏 2つに分けてお話しします。1つ目は指標でございますが、平均退院率、退院率という指標自体が達成の難しい指標のつくりであったという点は、私も研究者として反省しなければいけない点であろうかと思っています。平均退院率自体を私自身が提案したというわけではございませんけれども、平均退院率よりは1年後の退院率が95%であるとか、3カ月後の退院率が何%であるとか、こういった指標のほうが達成しやすい。それに近づくのも見える。それを一つの病院だけでなしに地域のエリアとして達成していくということは地域医療の構築という点でみんなが努力しやすい指標になる。指標の設計自体が努力の見えやすい設計であるということは必要なことだと思います。それがまた同時に、必要な病床数の計算といったことにもかなりつながる。みんながわかるという点が一つ課題かなと思っております。

 すみません。後半の質問は。

○近森構成員 具体的な方法です。

○竹島 正氏 これは全く私の個人的見解と思って聞いていただきたいのですが、制度のあり方として、こういう施設が要る、こういう仕組みが要るというのを全国区で語った場合も、人口万対15でその情報を受け取るところと人口万対60で政策の方向性は違ってくると思います。ですから、そこのところはそれこそ幾つかのメニューみたいなものがあって、それぞれの地域の状況によって、自分たちにはこれをこういう形で取り入れることがいいのだという選択が大事な要件なのではなかろうかと思うわけです。

 例えば神奈川の先ほどのマップでも見ていただきましたけれども、県の西部でいうと医療機関が少ないです。かつ人口減少が進みます。その中での医療は確保しなければいけない。そういう環境の中でどうするかという話になる。逆に、診療所が多くて病院も多い地域ではどうするかとか、その機能を重視して、住民の方たちに満足度の高いものを提供して、かつ精神医療の方向を実現するにはどうしたらいいか、そこは各地における工夫、それが幾つかのメニューによって示されるということが大事かと思っています。

○樋口座長 ほかにはいかがでしょうか。河崎構成員。

○河崎構成員 日精協の河崎です。

 竹島先生、どうもありがとうございました。先生のきょうのお話と今の近森先生とのやりとりをお聞きしまして、1点確認をさせていただきたいのは、先生自身は今後の入院受療の必要量というものについては1年後の退院率95%というものを各都道府県で実現するような、そういう計算式が今回は有望であるとお考えでございますね。これは言いかえますと、各都道府県で1年後の退院率95%を実現するためにはどういう施策が必要なのかということのお話のやりとりだろうと思って聞いておりました。確かに先生が常日頃おっしゃっているように、やはりそれぞれの地域の特性であるとか、あるいは地域の社会資源をどのように生かしながらこういう数値を実現していくのかというのは、全国的にさまざま違いがある中で、やはりそれぞれの都道府県の中で議論をして、そしてその実現に向かっての歩みをスタートさせるということなのだろうと思います。ただ、国の一つの目安あるいは指標としては、今おっしゃっていたように、さまざまなメニュー、そういうものをしっかりと提言して、各自治体レベルでどれをうまく利用して、どれをうまく活用していけばこういう数値が実現できるのかというところを目指していくのが最も実現可能な施策ではないかということでよろしいのでしょうか。

○竹島 正氏 河崎先生に今言っていただいたことと私の考えていることには全く齟齬はないと思っております。何度も繰り返しになりますが、最初の病床算定式のもとの式が、もともとは県ではなしに地域というエリアで進められてきたということや、精神医療自体が都道府県のものとか自治体のものになってきていなかったという現実の課題があり、それが皆様の努力の中でだんだん地域のものになってきている。やはり各地域の中で実際にそれを実現していくプロセスなり、議論の仕方、共有の仕方、いろんなことの例を示していくことによって見えてくるのだろうと思っています。県によってやはり歴史的にも、それこそ江戸時代の藩の体制の時代の地域割というものが生きている地域もあります。それが大きく変わっている県もありますので、そこはそれぞれの地域を大事にしないといけないだろうと思います。

○樋口座長 どうぞ。

○河崎構成員 私たち精神科病院の立場からしますと、最近、好事例という言葉がよく使われますが、どういうやり方で実現していったのかというものを具体的に示していっていただくというのはすごく大事なことなのかと思いますが、そのあたりはいかがですか。

○竹島 正氏 全くそうだと思っておりまして、今までよく起こりがちな議論としては万対病床が高いことがいけないことのように語られてしまう。それは余り生産的ではないだろうと思います。逆に低ければいいかというとそういう問題でもないということでありまして、そこでいかにどういう機能を実現していくのかという話だとか、現実に人口減少が進む中で医療を提供されている方自体が地域に対してよい形で医療を提供し続けるためにどういう構造をつくっていったらいいか、そういうことを明らかにしないといけないので、好事例に当たっては、恐らくは人口万対病床が比較的少ない、診療所が多い、そのあたりの連携が必要という地域もあれば、例えば病床の配置に偏りがある、例えば市街地に少なくて県域のところに多い、あるいは人口万対病床が全体に多いと言われて平均在院日数も長い、あるいは病床利用率が高いと言われている県だとか、いろんなところの中で一緒に話し合っていく。そうすると類型が幾つか出てくるのではないかと思っています。

○樋口座長 では、伊藤構成員。

○伊藤構成員 どうもありがとうございました。

 まず、川崎での地域包括システムを、仕事を通じて地域包括ケアに精神が盛り込まれていかなくてはいけないというご趣旨、大賛成であります。

39ページに困難事例と書かれています。昨年、OECDは報告書を出し、高齢の方、住所不定者、家族機能が脆弱なグループ、複数の問題を持っている方々という4グループが困難事例として例示されています。このような方々が落ちこぼれないような仕組みを考えていかなければいけないと、お話をうかがいながら感じました。

 もう一点は、病床推計の点です。病床推計は私も側面的に20年ぐらい考えて参りました。お話しから以前より格段に精緻に考えられるようになっており、大変感銘を受けました。今後もお進めになられると一言お願いを申し上げます。各医療機関、そして施設にとっては稼働率というのがすごく大事で、そこを前提に物事を考えていかなくてはいけないのではないかということです。これは社会復帰施設であれ、高齢者施設であれ、施設の宿命でして、この前提の中でどういう施策を考えていく必要があると思います。

 その中でも最も確実なのは、統合失調症の入院患者数がどんどん減ってきているという現実です。平成2179日の「今後の精神保健医療福祉のあり方等に関する検討会」で新潟大学の染矢先生が推計方法から事務局が算出した資料が提出されています。重要なのはその推計値が、現在までの実測値ときわめて近似していることです。この推計方法と対象をベースに今後のことを考えていかなければいけないのではないかと考えます。

 以上です。

○樋口座長 長野構成員、どうぞ。

○長野構成員 貴重なデータをありがとうございました。

 興味深いことばかりなのですが、ずっと思っているところでもありますが、入院を中心として指標も含めて考えていることに限界が来ているのではないか、どこか違う側面からしっかりもう一回見直して改革を進めないと頭打ちというのが少し見えてきたのではないかという印象で全体を捉えました。

 それについてご意見をいただきたいのと、あと、非常に興味深いというか、ぜひこれをお願いしたいというのは、40ページに書かれている地域精神保健医療機能診断という考え方です。介護保険であったり、いわゆる住民力であったり、そこも含めて地域精神保健医療機能診断が適切になされていくと、病床が多い少ないだけでないところできちっと議論がされていくのではないか。この指標がちゃんとしていくと地域ごとにもっと標準化して考えられるのではないかということもあって、海外でこういう指標があるのかとか、今どこまで準備が進んでいるのか、私も不勉強なのですけれども、この機能診断ということの現実性とか今後の見通しについて教えていただけるとありがたいと思います。

○樋口座長 では、竹島先生。

○竹島 正氏 1つ目のことからいきたいと思います。長野先生がおっしゃったことの1つ目のところで地域のニーズということをおっしゃっていたと思いますが、私も地域のニーズに立って考えていくということが大事なのではないかと思っています。得てして議論が病床をまず減らすということをどうするかみたいなことになっているのだけれども、それはもちろん大事なことなのですが、地域の人から見て必要なニーズに対応できる医療があるかということがもっと大事だと考えています。だから、そこのところはしっかり出していって、逆に、今ある医療機関が地域のニーズにより応えていけるように、つまり移行していけるようにどうしたらいいかという移行の過程の課題というのが一つ大事なことで、そこに伊藤先生がおっしゃった稼働率も関係してくるのだろうと思っております。

 今、私どもが考えている川崎の地域精神保健医療の機能診断ということですが、まずここに考えているのは4つの分野の研究を進めていくということです。4つの分野の研究を進めていこうとすると、自治体の中で精神保健医療の研究、拠点になる場所が余り明確でない。精神保健福祉センターは一応位置づけされているのですが、自治体の中で研究するというのはそんなに簡単ではない。自治体の中で自分たちのデータで勝負できるようにしていくにはどうしたらいいかという点、これに川崎で何ができるか、そこは探究してみたいと思っています。

 その中で既存の精神保健医療の見える化ということについて言うと、例えば実際に受療圏移動といったことは一つやりましたが、例えば精神科の救急といったことについても調査をする。幾つかの調査がここの中で実現されていくと思います。それから、通報に対する対応といった問題も分析しなければいけないだろうと思います。

 一般医療のところでは、一般医療に実際に精神科医療のニーズがあって、かつその中でうまくアクセスできなくて苦労される方が実際にどれぐらい経験されているかということは調査がないと思うので、これはやらなければいけないのだろうということです。これは恐らく既存の精神科医療のニーズと結果的にはつながってくるのかもしれませんが、そこに対する時間のずれ、2〜3日かかるとか1週間かかる、その苦しみみたいなものに対する、それを短くする制度になっていくということは一つの機能の指標として考えられるだろうと思います。

 自殺対策研究については、自殺の企図につながる背景にあるのは精神疾患に対するケアの問題としてありますし、地域包括とかさまざまな分野でいろいろ経験されているニーズの見える化と同時に、そこに対して誰がいつどういうふうにやるのかということを検討してみる。そういうことを一つ一つやってみて、それを川崎でいったら精神保健福祉審議会の議題に上げていく。最後には障害者計画あるいは総合計画、そのあたりと連動していくような時間のかかることをきちんとやらなければいけないというのが私の認識です。

○長野構成員 希望なのですけれども、総合支援法と介護保険法の中にナース等も配置されていて、その中にかなり医療機能が盛り込まれているというか、福祉の中に医療機能が少し加わることで非常に効果的にサポートしている場合も多いと思います。そこまでいくのはとても大変だと思いますが、さっき総合計画や障害福祉計画のこともあったのですが、その中で包括できるような、医療のところも含めた機能診断になるとさらに現実的なのかなと思っています。

○竹島 正氏 大事なご示唆をありがとうございます。まさにそうだと考えています。

○樋口座長 では、伊澤構成員と荻原構成員で前半の質疑は終わらせたいと思います。

○伊澤構成員 言葉の意味をもう一度確認しておきたいのですが、先生にご提出していただいた資料の中に退院率という言葉が随所に見られて、95%の設定というところも課題としてお示しされたというところでございますが、退院率といった場合に退院の中身が、要するにお亡くなりになっての退院の方々、あるいは転院、ほかの病院に移る、それが一旦、退院という形をとりながら新たな病院に移っていかれる、こういう流れもあるということを鑑みますと、そこはカウントの対象にしてよろしいのだろうかというところが非常に素朴な疑問としてあります。それについてのご見解をお聞きしたいと思います。

○竹島 正氏 それにつきましては、私どもも過去に分析をして、平均退院率や退院率の中に転院もしくは死亡による退院が相当数含まれているという事実は既に報告をしております。

 その上で、きょうも私がお話を申し上げたのは、現在、退院している人たち自体が既にかなり高齢の人たちが多いという事実にきちんと目を向けなければいけないということです。それに目を向けないと、85歳や90歳になっている方が地域への退院というときにどういう地域への退院をするのかというところが煮詰まっていかないと思います。それを考えていくと、やはり地域移行の対象になる人たちが精神疾患だけではなくて、身体の健康問題や、社会生活における困難を抱えているところも含めて整理されるべきことです。

 それから、先ほど長野先生も言われましたけれども、精神科の医療が福祉とか一般医療とかいうところと全体で統合といいますか、機能的にしっかり連携していくというような視点は必要なのだろうと思います。福祉のほうの支援を行う上においても医学的なケアをどういう形で一緒に連携していくかが大事な視点だというのはそこから出てくるのだと思っています。

○樋口座長 よろしいでしょうか。

 荻原構成員、最後に。

○荻原構成員 前半の数値的なことと後半の最後のほうの40ページのところです。実は前回の分科会のときに、やはりここを目指そうではないかという感じが共有されたのだと思うのです。40ページですね。要するに、地面に落とすにはどうしたらいいか。やはり医療か福祉かではなくて、医療も福祉も必要なときに必要な量を住民の方、診断名がついている方も得られるような形の指標はどうつくればいいのかということが前回の分科会で一応共有されたと思っております。

 その上で40ページの部分を改めて見ますと、地域によってはここをしっかりと考えようと思っている地域があって、それはどこで考えられているかというと、市町村レベル、自立支援協議会とか、そこがこういうデータを見ながら考えられるような仕組みにしていただけると、先生もおっしゃられたように、地域によって違ってくるであろうというようなことを見るためには、幾つかの市町村にこういうものを提供して、パイロット事業でもいいですので、自分たちの圏域、病院があって福祉の施設がこうあってという状況の中で、なおかつ介護保険も障害者総合支援法も絡んで、医療も絡んでやっている地域の現実を知っているのはやはり市町村レベルですから、そこにこういうデータなりをぜひお示ししていただくのも、研究の補完というのですか、現実的な姿を早目に表してくるのではないかという気がするのです。

 なぜこんなことを言うかというと、40ページのことを早くやらないと結果的には先延ばしになっていくだろうと思います。今回の検討会で今までにない現実的な、地域が考えられる指標を提供していくことができるかどうかと考えます。40ページのもっと具体的な内容がこの検討会で一つ出せるかどうか。実は前回の分科会のときに、難しいかもしれないけれども、わかりやすく言えば医療と福祉をどのように組み合わせてそこの地域の社会資源としていくかというようなことを出せればいいねということが出ていましたので、その辺り

ことをぜひ。一点は市町村のところで考えられるような発信をしていただければというお願いです。

 以上です。

○樋口座長 この点についてコメントいただきたいと思います。

○竹島 正氏 大変大事なご指摘だと思っています。同時に、市町村になっていきますと医療に関する情報が非常に希薄になっていく。逆に、都道府県段階になってきますと福祉に関する情報が市町村のほうにあるという形で情報の所在が違ってくる。その次に、それをどうしたらお互いに共有していくことができるか、得られた情報をどのような形にマップ化してわかるようにしていくか、そこにも幾つか考えることが出てまいりまして、そこは先ほど河崎先生からお話のあったこととつながるのだと思います。実際に動かしてみてどういう課題が出てくるかを整理していくということが大事なのだと思っています。

○荻原構成員 ありがとうございました。

○樋口座長 まだまだご質疑があろうかと思いますが、時間の関係もございますので、またこの課題は今後この検討会で引き続き議論になっていくと思いますが、きょうは、とりあえずここまでにいたします。竹島先生、どうもありがとうございました。

 次に、本日の2つ目のヒアリングでございます。安西先生のほうから、これまでに厚生労働科学研究で「重度かつ慢性」の基準案を中心とした研究の取り組みがなされて、その総まとめ的なお話をいただけるということでございます。安西先生、よろしくお願いいたします。

○安西信雄氏 帝京平成大学の安西でございます。こういった発表の機会をいただきまして、本当にありがとうございます。このプリントに沿って進めていきたいと思います。最初に書いてございますように、厚生労働科学研究費をいただきまして、研究班を組織して、3回にわたって全国調査を実施いたしました。その結果を踏まえて研究班で検討を重ねまして「重度かつ慢性」の基準案を作成いたしました。さらに、治療体制や治療指針についても一定の手がかりを得たと考えておりますので、ご報告をさせていただきます。

 報告の進め方でございますが、そこの枠の中にございますように「研究班の構成、検討経過と『重度かつ慢性』の基準案の紹介」「3回の全国調査研究のデザインと調査結果」「研究を踏まえた『重度かつ慢性』の基準の性能(特に感度・特異度)の総括」「『重度かつ慢性』基準に該当する患者への治療体制と治療指針に関する研究」「まとめ」を述べさせていただきたいと思います。

 まず、研究班の構成でございます。1ページの下のほうにございますけれども、実態調査グループと指針検討グループ、私はそういう大まかなイメージで分けています。

 実態調査グループに関しましては、丸印の先生が分担研究者でございますが、日本精神科病院協会は河崎先生に分担研究者を担当いただきました。自治体病院協議会は平田先生、総合病院精神科は吉邨先生、国立病院は村上優先生、医療観察法病棟は平林先生に分担研究者をお願いいたしました。

 右側が指針検討グループでございまして、薬物療法指針は藤井康男先生、地域ケア指針は萱間真美先生、心理社会的治療指針につきましては井上新平先生、クリニカルパスと地域連携指針は堀口先生、伊藤弘人先生にもご協力いただきました。疫学・生物統計学専門家といたしまして、立森久照先生に分担研究者をお願いいたしまして、竹島先生には研究協力者をお願いいたしました。

 そういう形で研究班を構成いたしまして、次のページをごらんいただきます。検討経過でございます。皆さんご承知のように、平成24年6月に検討会で、「重度かつ慢性」を除き、精神科の入院患者は1年で退院させ、入院外治療に移行させる仕組みをつくるという方針が出されまして、その際に「重度かつ慢性」については明確かつ限定的な取り扱いとする。その基準については調査研究等を通じて明確化するという方針が出されたわけでございます。この研究班はこれを受けて研究を行いました。

()でございますが、平成24年度厚生労働科学研究で「新しい精神科地域医療体制とその評価のあり方に関する研究」班の中に「重度慢性入院患者の基準検討のための調査研究に関するワーキングチーム」、「WT」と略させていただきますが、これは樋口総長に座長の労をおとりいただきまして、検討を進めていただきました。そこで長期在院患者約5,000名の調査と「重度かつ慢性」基準に関する論点整理が行われました。

()をごらんいただきますと、これが本来、私どもの研究班による検討経過でございますが、1)にございますように、ワーキングチームの論点整理と1年以上の長期在院患者約5,000人の調査結果を踏まえまして、暫定基準案を平成25年度に作成いたしまして、2)の新たな長期在院(NLS)患者の属性と状態像に関する調査を平成25年度に行いました。3)の新規入院患者の前向きフォローアップ調査を実施いたしまして、その結果に基づき基準の妥当性を検証いたしまして、暫定基準案を改定して基準案を作成いたしました。これが平成26年度、27年度の研究でございます。

 このために、先ほどご紹介いたしましたように、35名から40名、約40名の研究班を構成いたしまして、初年度は1年の間に8回検討会を行いまして、2年目は5回、3年目、平成27年度は6回、班会議を行いました。2時間半から3時間、熱心にご検討いただきまして、この合意に基づいて研究を進めてまいりました。

 3ページが「重度かつ慢性」の基準案でございます。これが一番重要な研究成果になります。

 前向きフォローアップ調査で検討いたしまして、従来の暫定基準案を若干改定して基準案といたしました。これを読ませていただきます。「精神病棟に入院後、適切な入院治療を継続して受けたにもかかわらず1年を超えて引き続き在院した患者のうち、下記の基準を満たす場合に、重度かつ慢性の基準を満たすと判定する」。ただし、当該患者の医師意見書の記入を求めまして、記載内容によって判定の妥当性を検証し、必要な場合に調整を行うというふうに考えました。つまり、数字で合致する合致しないということだけではやはり抜けてしまう方もいらっしゃいますので、医師意見書も求めようということでございます。

 「精神症状が下記の重症度を満たし、それに加えて、行動障害、生活障害のいずれか(または両方)が下記の基準以上であること」を基準といたしました。

27ページ以降をごらんいただきたいのですが、「資料」と書いてございます。表1から表3,まず表1はBPRS、これはOverall版を用いました。

28ページに表2がございます。問題行動評価表、これはワーキングチームで使われたものを若干整理いたしまして、27項目ございますが、1番から5番は措置症状に該当するもの、10番から27番はその他の項目でございます。

29ページに記載の目安を示してあります。

30ページは生活障害評価で、これは障害者総合支援法の医師意見書の生活障害評価をそのまま使わせていただいております。

32ページが能力障害評価で、これは総合的に評価いただきまして、4番、5番が生活障害評価に該当するというふうに判断をいたしました。

 これらの資料を踏まえて、また3ページに戻っていただきますが、精神症状、行動障害等を評価いたしました。

 精神症状につきましては、BPRSの総得点が45点以上、またはBPRSの下位尺度の1項目以上で6点以上、行動障害につきましては、先ほどの表を用いまして、1から27項目のいずれかが月に1〜2回程度以上に判定された場合に「問題行動あり」と評価する。

 生活障害につきましては、生活障害評価表及び能力障害評価表を使って評価いたしまして、能力障害評価で4以上に評価されたものを「生活障害あり」と判定する。

 身体合併症につきましては、精神症状に伴う下記の身体症状を入院治療が必要な程度に有する場合ということで、水中毒、腸閉塞、反復性肺炎を挙げまして、さらにその他退院困難と関連するものがあれば病名を書いてくださいというふうにいたしました。

 実は、暫定基準という言葉が出ますが、実際、この間使ったのは暫定基準でございます。暫定基準と基準案はどこが違うかということなのですが、身体合併症のマル4があるかないかの違いだけでございます。暫定基準案は全体として妥当であるというふうに研究班で合意いただきまして、しかし、身体合併症を狭くとり過ぎているということで、その他を設けたわけでございます。

 次のページ、3回の全国調査研究のデザインと調査結果でございます。先ほど申し上げました樋口先生が座長でワーキングチームを構成いただきまして、このワーキングチームの助言のもとで調査票を作成いただきまして、重度慢性入院患者に関する全国調査が実施されました。

 これは、精神病床に1年以上在院する患者さんから無作為に10%抽出しようということで、誕生日の下1桁が幾つということで選択していただきました。663病院から4,978人、約5,000人の回答が得られまして、このデータの集計結果は平成24年度の、私が研究代表者を務めさせていただいた研究班の追加報告書で報告させていただきました。平成25年度から本研究班でもこの調査をもとに検討を行いましたので、研究1と呼ばせていただきます。

 この中身をざっと見ますと、性別は男性が若干多い。

 主診断名は、統合失調症が79.4%で、これが多くて、気分障害は4.4%であった。

 患者さんの年代でございます。棒グラフがございますが、60代が34.2%、50代が20.5%、70代が20.2%と、50歳から70歳が多い。

 その次が在院日数でございますが、5年から10年が21.0%、10年から20年が20.3%、20年以上が22.1%で、実はこの調査対象の1年以上1年半未満というのは7.2%に過ぎず、オールドロングステイ中心であったということであります。

 5ページをごらんいただきます。主治医にアンケートをいたしまして、この患者さん方が1年以内に退院できなかった主な理由は何ですかと伺いました。それがこの棒グラフでございます。「精神症状のため」というのが最も多くて62.5%、「問題行動のため」が34.3%、さらに「IADLの低下」「ADLの低下」がございまして、「家庭内調整がうまくいかない」というのが51%ございました。

 その下ですが、精神症状が重度または不安定で退院できない一番の理由は何ですかという質問でございます。「退院困難」が85.6%ございましたが、そのうち「精神症状が極めて重症または不安定であるため」というのが退院困難患者の60.9%、全体の52%ございまして、それらの患者では暴力などの問題行動とか日常生活機能の低下が多かったということでございます。

 6ページに先ほどのワーキングチームの論点整理の概要で比較的合意に近いものを挙げさせていただきました。

 まず、新たに発生してくるニューロングステイと既に長期化しているオールドロングステイを分けて見る必要がある。この調査では前者を中心に考えるべきではないか。「重度かつ慢性」に関してはニューロングステイを中心に考えるべきではないか。

 次に、医学的、治療的に重度なため、慢性に経過する患者を中心に考えるべきではないか。

 次に、患者特性の抽出においては、疾病特性、行動病理、治療抵抗性などの軸を考慮すること。

 次に、クロザピンやmECT、デポ剤とともに、心理社会的治療のことも考えるべき。

 さらに、プロスペクティブな調査を行い、入院期間ごと、例えば3カ月未満、1年未満、1年以上というふうに分けて考えるべきということがワーキングチームの論点整理の主要なポイントでございます。

 これを受けて研究班で検討を進めました。研究1をごらんいただきます。ここで平成25年度暫定基準案を作成いたしました。これは、先ほど申しました8回研究班を行いまして、その合意に基づいて作成したもので、先ほどご紹介したものとほぼ同じでございます。

 7ページをごらんいただきますけれども、身体合併症がここにございますようにマル1からマル3になっていまして、マル4の「その他」というのはこの段階ではなかったということでございます。

 7ページの真ん中から「研究2 新たな長期在院(NNLS)患者の属性と状態像に関する調査」を報告させていただいております。ここでは、精神科病院に1年から1年3カ月その時点で在院している新しい患者さんを暫定基準案で評価いたしまして、患者さんの特徴がどのぐらい反映できるかということの調査をいたしました。

317病院から818名のご回答をいただきまして、主診断が認知症の患者さんが含まれていましたので、それを除いた708人を調査対象といたしました。

 その下に属性が書いてございますが、統合失調症の患者さんが62.1%、気分障害が16.7%で、入院形態は医療保護、任意入院がほぼ同数でございました。

 その下に棒グラフがございますけれども、患者さんの年代は50代が18%、60代が26%、70代が17%で、やはり高年齢の方が多いということでございます。

 8ページに、BPRSの下位尺度の評価分布がございます。棒グラフに書いてございますけれども、上から1番目、2番目のランク、すなわち重度または最重度が多いものは「概念の統合障害」「幻覚による行動」「運動減退」「不自然な思考内容」「情動の平板化」でございました。

 9ページをごらんいただきます。行動障害評価の分布でございます。ニューロングステイ患者で行動障害はどういうものが出てくるかということでございます。月に1〜2回以上の率が20%以上であったものは「言語的暴力」「衝動性」「他者への迷惑行為」「失禁」「気分易変性」「集中力低下」「特定の物や人に対する強いこだわり」「ストレス脆弱性」「介助等への拒否・拒絶・抵抗行為」ということでございました。

10ページをごらんいただきます。これは、BPRSの総得点と行動障害の「問題あり」の項目数がどう相関するかということなのですけれども、相関がここにございますように0.34という値でございまして、中等度ないしは低い相関でして、ある程度独立性があるということでございました。

 その下はBPRSの総得点と生活障害の関連でございます。相関が0.22ということでありまして、低い相関で、ある程度独立性があるということでございます。

 以上より、精神症状、BPRSの総得点だけで行動障害や生活障害を代表することはできない。それぞれを評価する必要があるということを考えました。

11ページをごらんいただきますと、ここで統合失調症診断と暫定基準の合致率を挙げております。これは、BPRSでも特徴的な症状というのは統合失調症の症状ということが考えられたためであります。これで見ますと、統合失調症とそれ以外というふうに分けまして、暫定基準の合致率を見ております。暫定基準に合致したものは350名で、そのうち統合失調症が233名、66.6%、それ以外が33.4%いらっしゃいます。つまり、診断だけで分けることはできない。統合失調症以外の人も含めて検討が必要という結果でございます。

 その下が医師判断で症状等が重症または不安定であるため退院困難と暫定基準の合致率でございます。図表492ということですが、1年在院患者が581名いまして、このうち暫定基準を満たしたのは350名、60.2%でした。そのうち、医師判断で病状が重いため退院困難とされた患者さんは260名、74.3%を占めておりました。581名のうち、医師判断で病状が重いため退院困難とされた患者さん、こっちのほうから見ますとこの患者さんは366名、うち260名、71%が暫定基準案に合致したということで、結局、両者の関連は深いということであります。

 ここで医師判断を基準といたしまして、暫定基準の感度・特異度を評価いたしました。感度は0710、特異度は0.581でございました。暫定基準案に該当する患者のうちには、退院困難で、その理由が重症であると主治医が回答された患者さんが有意に多いという結果でありまして、暫定基準案は主治医の臨床的評価にある程度沿っていると判断いたしました。

12ページをごらんいただきます。「研究3 新規入院患者の前向きフォローアップ調査」でございます。これは、基本事項として年齢、性別、診断等、「重度かつ慢性」暫定基準に関連する状態評定、医療プロセスを評価いたしまして、これらとアウトカムの関係を入院後1年まで追っかけて評価するというものでございます。

 全国の精神科病院に協力を依頼いたしまして、精神科救急病棟への入院時から評価を実施する群、これを「急性期登録群」と呼ばせていただきます。入院後3カ月を超えて入院している患者さんを登録する「亜急性期登録群」、これらの患者さん方の入院後1年までの前向き評価を実施いたしました。

 対象患者の選択基準と除外基準でございますが、急性期登録群は、平成2610月1日から1カ月間に救急病棟に入院した患者さんで、1つの病院につき連続して10人まで登録していただきました。亜急性期登録群につきましては、調査日時点で3カ月を超えて在院している患者さんを1病院につき連続して5人まで登録していただきました。「連続して」としたのは、選択によるバイアスがかからないようにということでございます。除外基準は、主診断が認知症、それから最近1カ月以内に精神科病院に入院していない、身体疾患治療のためだけではない、転院とか退院時期が決まっていない患者さんということです。

 調査項目は、基本事項として、性別、年齢、入院時の病棟、入院形態、主診断名、重複障害の有無、経歴上の問題も評価いたしました。

 状態評定といたしましては、GAF、精神症状、問題行動、生活障害評価のほか、2軸評価、身体症状評価、隔離・拘束の実施の有無、医師に対して評価時点での退院困難理由と今後の退院見込み等の評価をお願いいたしました。

 医療プロセスは、入院後その時点までに実施した治療内容で、薬物療法はクロザピンの使用、mECTの使用も評価をしていただきました。非薬物療法は、個人精神療法、認知行動療法等、そこに挙げたようなものでございます。

 アウトカムは、入院後3カ月、1年までの退院転帰等でございます。

13ページをごらんいただきます。調査にご協力くださった病院の数でございます。亜急性期は219病院、急性期は60病院、30病院が両方の評価を実施してくださいました。

 次は、登録患者の調査区分別・病院団体別の内訳でございます。亜急性期の評価につきましては、日本精神科病院協会で登録くださった患者さんが677名、全体の84.4%を占めていました。急性期の調査につきましては、日本精神科病院協会が374名、65.2%で、全国自治体病院協議会も25.6%を占めているという内容でございました。ご協力に感謝しております。

 対象患者の登録と評価の時期につきましては、亜急性期については入院3カ月時点で評価を行いました。退院したときには退院時点で評価を行いました。1年在院している患者さんも評価を行いまして、いずれも状態評定と医療プロセスの評価を行いました。急性期につきましては、入院時と3カ月までは状態評定、医療プロセスの評価を行いましたが、1年時点では転帰評価のみを行いました。

 対象患者の特徴は、年齢は若干亜急性期群が高い。入院形態は、医療保護入院は急性期群のほうが高い。

14ページの診断につきましては、亜急性期群のほうが統合失調症率がやや高い。重複障害は薬物依存、精神遅滞、発達障害等でございます。こういう特徴でして、登録患者の転帰の概観をごらんいただきます。急性期群は574名、3カ月までに73.5%が通院に移行しております。これをA群と称しております。3カ月以上の在院患者は15.2%で、うち71.3%が1年までに退院いたしまして、1年以上在院は19名、急性期全体の3.3%でございました。亜急性期群は1年以内に66.5%が退院いたしまして、1年以上在院は23.2%でございました。

15ページに1年までに退院した患者群と継続して入院した患者群の比較がございます。時間の関係でスキップいたしまして、(9)をごらんいただきますと、亜急性期群で1年を超えて在院した186名につきまして、主治医判断による退院可能性の検討をいたしました。まず、186名のうち主治医の判断で退院可能性ありが40名、困難という中で病状が重症または不安定であるため、これをY群といたしましたが、これが85名、それ以外が61名でございました。それぞれ診断は余り変わりない、入院形態は余り変わりないのですが、Y群のほうが症状、問題行動ともに重く、より重症であるという結果でございます。

16ページをごらんいただきます。亜急性期群の1年在院患者の退院困難理由の医師判断と暫定基準との合致率でございます。そこの表にございますけれども、186名のうち、1年在院時点評価で暫定基準を満たしたのは108名、58.1%でございました。そのうち、医師判断で病状が重いため退院困難とされた患者は64名、59%で、暫定基準に該当する群では医師判断で退院困難、重症のためと判断された患者さんが有意に多かったという結果でございます。その下にありますBPRSでもY群、医師判断で重症という方は重症である。

17ページは、問題行動あるいは生活障害も重いということが明らかになっております。

18ページをごらんいただきます。「重度かつ慢性」基準の感度・特異度の評価でございます。これは、医師による「病状が重いため退院困難」という判断をゴールド・スタンダードといたしまして、それに対してどの程度一致するかという検討をいたしました。

 研究2のところをごらんいただきますと、感度が0.710、特異度が0.581でございました。

 研究3の前向き調査の1年以上在院していた186名に関する検討では、感度が0.753、特異度が0.564でございました。

19ページは、ロジスティック回帰で、立森先生に実施していただいたものです。時間の関係で飛ばしますけれども、暫定基準案の下位項目で評価いたしますと幾つか出ておりますので、今後検討していきたいと考えております。

 時間の関係で飛ばさせていただきまして、22ページをごらんいただきます。治療体制の検討でございます。薬物療法につきまして、これは、前向き調査の中で統合失調症の患者さんだけ475名を抜き出して、藤井先生の分担研究班で検討していただきました。下にございますのは、薬物療法の計画、方略でございまして、切りかえとか多剤併用等、実施されたものの多い順でございます。

23ページをごらんいただきますと、どの方略が退院に効果的であったかということを検討していただきました。有意差が出たのは多剤併用だけでして、「多剤併用あり」のものが退院率が低かったということでございまして、もともと重い患者さんに多剤併用をやっているのではないかということもございますが、少なくとも多剤併用は退院に有効ではないという結果が出ております。

23ページの下は、切りかえ等の方略の実施時期で、3カ月までに実施した場合には有効、それ以降に関しては有効ではない。切りかえ、デポ剤、再検討に関してそういう結果でございました。

24ページは、クロザピンとmECTの結果でございますが、薬物療法については、現状ではmECTやクロザピンの実施が少なかった。急性期群でクロザピンは5人、亜急性期群では7人で、これだけでは物は言えないのですけれども、主治医の回答でなぜ実施しないかという理由の中に亜急性期群では約30%が「施設上の理由」を挙げていますので、使いやすくなったら使いましょうということもうかがえるかと思います。

 非薬物療法に関しましては、井上先生の分担研究班で評価した結果で、個人精神療法、心理教育等が有用であったということで、25ページにそのまとめがございます。個人精神療法や作業療法が主に実施されていまして、服薬管理、連絡調整会議、ケア会議もかなりのケースに実施されていましたが、個別的なケアについてはまだまだ実施が不十分という結果でございました。

26ページが最後のまとめでございます。時間が長くなって申しわけございません。入院後1年から1年3カ月、ニューロングステイ、581人のうち暫定基準を満たしたのが350人、60.2%で、うち医師による退院可能性の評価で「病状が重いため退院困難」とされた患者さんは260人、74.0%、感度は0.710、特異度は0.581でございました。

 前向き調査の結果、亜急性期登録群802人のうち、1年後も入院していたのは186人、23.1%でしたが、うち1年時点評価で暫定基準を満たしたのは108人、58.1%でございました。108人のうち医師判断で「病状が重いため退院困難」とされた患者さんは64人、59.3%で、暫定基準案に該当する群では医師判断で「退院困難・重症のため」と判断された患者が他の群より有意に多かった。感度は0.753、特異度が0.564でございました。

 「重度かつ慢性」の暫定基準に合致する患者さんに必要な治療につきましては、薬物療法は早期の見直しが有効であるが、一定期間後の多剤併用は効果が乏しい。心理社会的治療については、ケア会議、服薬管理のほか、個人精神療法に退院促進効果が認められた。

 クロザピンの使用につきましては、急性期群5人、亜急性期群7人のみで、亜急性期群調査で使用していない理由として「施設上の理由」が33.0%挙げられておりました。もっと使いやすくする工夫が必要かと考えました。

 今後の課題は、経歴上の問題など関連する要因の検討を進めて基準の精度を高めること、薬物療法・心理社会的治療の体制や指針を具体化すること、mECTやクロザピンをもっと使いやすくする工夫、重度の患者さんの地域支援体制、ニューロングステイを生まない入院治療、また「重度かつ慢性」はどの時期に判定するのが適切であるか、こういった多くの課題がございますので、今後検討を進めていきたいと考えております。

 長くなりまして、申しわけございません。以上でございます。

○樋口座長 ありがとうございました。

 大変膨大な研究の成果を短時間でおまとめいただきました。残り時間が20分程度でございますが、どうぞご質疑をお願いしたいと思います。

 では、神庭構成員。

○神庭構成員 先生、大変な労作だと思います。ありがとうございました。

 お聞きしたいことが2点あります。

 暫定基準の感度・特異度が、これが限界なのかなという感じで聞いていたのですけれども、実際には各評価項目を重みづけしていませんね。医師の抽出によれば、特定の項目が「重度かつ慢性」と密接にかかわっているということはわかっていますので、項目に重みづけすることで感度を上げ、特異度を上げるということはできないのか、ご検討されたのかどうかということと、もう一点は治療なのですけれども、クロザピンとmECTを並列で挙げていらっしゃるのですが、mECTに「重度かつ慢性」に対する有効性が本当にあるのか、その前提でmECTが多く行われているとか少ないとかということが議論されるべきだと思うのですが、そこはどうなのでしょうか。

○安西信雄氏 重要なご指摘ありがとうございます。

 まず、項目の重みづけでございますが、確かに重要な点だと思います。そういう観点で、立森先生、統計専門家の方に下位項目にばらして医師判断と同様に一致するかしないかということで検討してもらいました。先ほど一部補正とか、幾つかの項目で関連があるという結果をご紹介させていただきましたけれども、今、ご指摘がありましたように、今回はとりあえず全体の評点で関連を検討したのですが、項目に重みづけしてというのは今後、課題としてぜひやらせていただきたいと考えております。

 それから、クロザピンとmECTにつきまして、確かに「重度かつ慢性」患者に対する効果を考えた上で適用を考える、論ずべきということで、そういう点ではクロザピンに関しましては明確なエビデンスがございますけれども、mECTは若干弱いということがありますので、私どもとしてはクロザピンを中心に考えていきたいと考えておりますが、mECTの有効性に関しましては今後検討したいと考えております。どうもありがとうございます。

○樋口座長 どうぞ。

○佐竹構成員 安西先生、ありがとうございました。

 2点ほど質問があります。今回、この調査をオールドロングステイを抜いてニューロングステイだけにしたポイントというのを、私の聞き落としかもしれないのですけれども、ご説明していただきたいとの、あと、新たな長期在院ではなくて、既に長くなっている方の基準に関しては今後検討される予定があるのか。あとは、恐らく10年、20年入っていらっしゃる方の中には社会資源が足りなくて出られない人と、もっと濃密な治療が必要な人、今までの診療報酬の中では長くなればケアが薄くなるというところで、今後「重度かつ慢性」が決まった後には恐らくその人たちにはもっと厚いケアを入れて地域に帰る可能性を上げていくことが必要だと考えているのですけれども、そのあたりのことは検討会でご検討でしょうか。

○安西信雄氏 重要なご指摘ありがとうございます。

 まず、ニューロングステイに絞ったというのは、ワーキングチーム、樋口先生のチームでニューロングステイに焦点を置くべしという論点整理があったというのが第1点。

 第2点は、恐らく我が国で入院患者の重症度に関する初めての調査、多施設、全国調査だと思いますので、できるだけ対象を限定して実施して、そこで得られた結果を次のステップで広げていくというふうに考えたいということなのですが、資料の21ページをごらんいただきますと、()で既に長期化している患者さんに暫定基準を当てはめるとどうなるかということの検討を行っております。研究1の5,000人データに当てはめると、これは在院期間別に分けてありまして、1年以上6カ月未満では58.9%が該当、さらに3年以上になりますと62.7%と、若干上がっていくという数値がございまして、今後この暫定基準をオールドロングステイに当てはめたときにどうなるかということはぜひ検討していきたいと考えております。

○樋口座長 では、長野構成員、それから、鳥井構成員、広田構成員。

○長野構成員 お疲れさまでしたというのもおこがましいのですけれども、本当にありがとうございます。

 1つ教えてください。今後、政策で使われていく、病院の中で実際に患者さんに適用していくことを想定していくと、この基準の評価者によるばらつきがご本人の人生を左右するということになると思うのです。統計をとるときはある程度平均化されていくにしても、精神科の評価をするときにいつも評価者によるばらつきがものすごくて、この基準に関しては、この方は入院を続けなければいけない、この人は退院させなければいけないというふうにもし分かれていくとしたら、ばらつきがその方の人生を左右することになると思うのですけれども、評価者によるばらつきに関しては検討されているか、教えていただけたらと思います。

○安西信雄氏 大変重要な点だと思います。とりあえず私どもとして今、考えておりますのは、1年入院して一生懸命治療されて、なおかつ退院できなかった患者さんに対して担当の先生がこの人は病状が重かったから退院できないというのは、やはり尊重すべき判断ではないかということで、医師判断というのを一つの目安にして、それで「重度かつ慢性」の基準を検討してきたわけでございますけれども、外れる人たちがいまして、この人たちはどういう人なのだということを検討しております。

 この中で21ページの()に経歴上の問題というのを挙げさせていただいております。恐らく外れる人の中には、現在はそんなにBPRSとか評価しても出てこないけれども、過去に何かやっているという人があるのではないかということで、評価いたしましたところ、これは急性期のデータなのですが、やはりかなりの人で暫定基準を満たさなかったけれども、医師判断でこの人は病気が重いから入院が必要という判断をされている人が9人いまして、その中では経歴上の問題のある人が多かった。窃盗、借金、暴力、覚醒剤、いろんな問題がある。そういった事柄を外れる人たちはどういう人なのかというのを今後精査して、経歴上の問題のほかにもいろいろあると思いますので、それを検討していきたいと考えております。ありがとうございます。

○長野構成員 先生、ちょっと続きですけれども、主治医と暫定基準がずれるのはわかるのですけれども、暫定基準をつける人によってのずれはどんなふうに考えるか。

○安西信雄氏 それに関しましては、やはり主治医意見書を書いていただいて、主治医意見書の内容で判断を補正していくということはどうしても避けられないかなと考えております。

○樋口座長 長野構成員はもう少し明確にしたいと思われる点があるのかもしれませんけれども、とりあえず。では、伊澤構成員、それから荻原さん、田川さん、広田構成員で今日は最後になります。

○樋口座長 では、伊澤構成員。

○伊澤構成員 まとめの文章のところで安西先生のお話があった26ページですけれども、「『重度かつ慢性』暫定基準を満たす患者に必要な治療について検討した」という書き出しで、こういう評価判定になった方々に対しても治療の密度を上げながら退院の可能性も追求しながらやっていくということが読み取れるわけで、そこのところはやはり強調していただきたいというか、つまり「重度かつ慢性」という評価判定は非常に絶望的な響きとともに、退院の対象にならない人、そういうレッテルになってしまうおそれがすごくあって、それをすごく恐れています。

 私、実践場面で地域移行や退院促進を担っておりますが、東京でも西多摩のほうの奥深いところに行きますと、30年、40年入院されている方がいて、そういう方々とたまに隔離室や保護室で面談をして地域移行や退院促進の話をしていくこともあるのですけれども、そういう方々が我々の眼前からいなくなってしまうということのないように、ですから、処遇面におきまして、ぜひそのあたりはしっかりとした方向性というか、やはり地域移行、退院促進というものを視野に入れた処遇を引き続きお願いしたいということとあわせまして、「重度かつ慢性」という言葉の響きなのですけれども、これが研究用語なのか、あるいは臨床場面でも使われていくのか、用語の今後の活用というか、使用について、私はすごく気になっております。

○広田構成員 そのとおりだと思います。

○伊澤構成員 お願いいたします。

○安西信雄氏 重要なご指摘ありがとうございます。

 研究班で考えてきましたのは、絶望的な人ではなくて、より濃厚な手厚い治療が必要な人という観点で、普通の方以上にどういう治療をつけ加えるといいますか、どういう治療を提供すべきかということを考えようということで、藤井先生と井上先生の分担研究班で検討いただきました。先ほど少しご紹介させていただきましたけれども、薬物の見直しとか、クロザピンの使用とか、あるいは心理社会的治療をきちっと使う。

 その中で一つご紹介できなかったのですけれども、萱間先生の分担研究班で地域の社会復帰資源と「重度かつ慢性」該当患者の退院率の検討をされていまして、居住支援に関するサービスがその地域で多いところに所在している精神科病院のほうが「重度かつ慢性」患者の退院率は高かったという結果が出ていますので、恐らく地域支援体制をもっと充実させることによって「重度かつ慢性」患者の退院率を上げることができるのではないか、全体的な視野で考える必要があると思いました。

○樋口座長 それでは、荻原構成員。

○荻原構成員 ありがとうございました。

 今の関連なのですけれども、「重度かつ慢性」の基準が動き始めるということになると、私どもリハビリテーションの立場からしますと、地域で私ども経験していると、妄想ばりばりでも朝ちゃんと起きて自分なりに食べられて、言葉は悪いですけれども、自傷他害という感じがなければ退院して生活していらっしゃる方はいっぱいいます。そこらをどう確保していくかということになると、この基準が動き出すときには、当然、医療機関の中でケースカンファレンス、要するに多職種の会議のときに検討していただきたいということと、もう一つは、地域で支えている障害者総合支援法の事業所スタッフがいますので、そこもちゃんと入れ込んだ形でカンファレンスしてもらえるといいのではないかと思います。基本は医療のところでしっかりとやっていただいて、リハビリテーションのほうは受け入れればいいわけですけれども、いずれにしても、これがそれこそ壁にならないようにしていただければということです。

○安西信雄氏 ありがとうございます。

 ご指摘のとおりと思います。私も「重度かつ慢性」というのはどういう人なのだというイメージを具体化するために、幾つかの病院にご協力いただきまして、患者さんの面接もさせていただきました。ある病院では、今まで到底無理だった患者さんがクロザピンで情動が安定いたしまして、妄想はばりばりなのだけれども、情動が安定して何とかスタッフとの関係もよくなって、退院の準備中であるというお話を伺いました。かなりかつかつの患者さんを病院と地域で協力してやれば、かなり難しい人もできる。しかし、現状ではなかなかそういう仕組みをつくるのが難しいという状況があるかと思うのですけれども、ぜひこの「重度かつ慢性」の話がそういった支援体制の強化というものにつながるように期待しております。

 ケースカンファレンスはまさに重要で、重い患者さんこそ入院中から病院と地域がケースカンファレンス等で協力して、退院後の分担といいますか、協力体制を明確にして退院するということが必要かと思います。ご指摘のとおりと思います。

○荻原構成員 ありがとうございました。

○樋口座長 それでは、田川構成員。

○田川構成員 診療所協会の田川です。先生、ありがとうございました。

 「重度かつ慢性」の件に関しては、先ほど伊澤構成員がお話しされたように、治らない人、よくならない人みたいな形で捉えられてしまうと、臨床的ではないというか、医者のほうがよくならないと思って治療しても患者さんはよくならない方が多くなると思うのです。決してそういうふうにならないように構成しなくてはいけないのではないかということが一点です。

 もう一つ、前にもお話ししたのですけれども、外来で私が診ている患者さんでもこの基準であれば該当する方がおられます。項目の問題もあるだろうとは思うのですけれども、そのあたりをもう少し厳密にやる必要があるのと同時に、そういう対象の方がどうして地域で生活ができているのかをしっかり調査しないといけないのではないかと思っています。

 クロザピンと修正型のmECTの問題に関してなのですけれども、非常に有効であるということであれば、例えば1年以上入院している患者さんがそういうことができる病院に転院したいと言えば、それは認めるぐらいの仕組みというのがやはり必要なのではないかという気がします。そこでずっと「重度かつ慢性」と言われ続けて入院しておられるのは本当に大変なことだと思うので、そういうふうなチョイスもあっていいのではないかと思います。

 あと、就労支援をやっていて、今、いろんな調査を我々やっているのですが、しっかりとした支援の中での就労支援あるいは就労というのは結構BPRSも変わりますし、行動評価も変わってきます。

○広田構成員 日本語で言って。傍聴人がわかるように。

○田川構成員 済みません。ここで使っている症状の指標も実際変わってくるということを感じています。もう少しこれは長く経過を見ないとご報告できないのですけれども、当然のことですが、やはり環境という意味合いがあると思うのです。環境が変わればその方の症状も変わってくるということがやはり可能性として十分あるわけですから、そのあたりを加味した形でもう少し項目などを厳密化していく必要があるのではないかと思っています。

 以上です。

○安西信雄氏 重要なご指摘ありがとうございます。

 一つは、外来でも該当する患者さんがいるというのは確かにそうだと思うのです。これにつきましては、19ページの(1)をごらんいただきたいと思います。救急病院に入院した患者さんの入院時における暫定基準該当率と3カ月以内の地域退院率、これは転院とか死亡を除きまして地域に退院した人とそうでない人を見てみますと、暫定基準を満たしても両方とも60何%で差がないのです。有意差がない。つまり、入院治療を受ける前の暫定基準の合致率はその後の予後を予測しない。3カ月以上、基本的には1年ですけれども、1年治療した上でこういう症状が残っていて該当すれば「重度かつ慢性」だと、つまり、治療反応性を含んだ概念であるということをご理解いただきたいのが第1点です。

 第2点で、重い患者さんで治らない場合に転院はどうかというお話ですけれども、これはいろいろ複雑な要素がありますので、慎重にご検討いただきたいと思うのですが、私どもが興味を持っていますのは「沖縄モデル」というものです。これは、琉球病院が中心になって、入院治療でクロザピンを始める。地域で協力病院を多数、ネットワークをつくりまして、クロザピンの普及を促進しておられて、100例近くやっていらっしゃる。こういった地域ぐるみ、基幹病院と地域でネットワークをつくるというやり方も参考になるかなと思いまして、日本に合ったやり方といいますか、関係の方々のご意見を伺いながら使いやすい仕組みというのを考えていきたいと考えております。

○樋口座長 それでは、よろしいでしょうか。広田構成員、あと3分。

○広田構成員 前回はよかったわと褒めたけれども、きょうは学術会議を聞きに来たみたいで、休んでもよかったなと思いました。きのう夜遅く帰りましたからね。いる意味がなかった。

 今まさに国会で、きのうも国会議員の、福島瑞穂さんが言っていました。「厚生労働省に九州のことを質問する。」、さっき環境ということを言いましたけれど、2階の帰宅難民を東北大震災の日、厚生労働省はサポートする人がいなくて、私がしていたということです。「強制退去ではない、自主退去の人達が大変だとSOSを出しているけれど、全国の誰も拾っていない。広田和子さん、相手をしてあげたら」と言われて電話で「日本という国は安全世界一だから、あなたたちの判断で帰りたい、と決めたのだったら、帰ったらよろしいんじゃないですか」と背中を押したら、「あなたの声を聞いて、元気になりました。ありがとう」と言われました。「精神障害者の家族だから、偏見があって、つまり避難所にいられない」そういう問題が今も起きていると思います。

 現在、「商店街であなたのことを精神障害者手帳3級だとか言われていますよ」、ああ、こういう体験も国の委員として貴重な体験だ、社会的入院の仲間が退院したときにこういう地域は暮らせないという実況見分ねということです。彼もあきれ果てながら、心配しながらはらはらどきどきでしょうけれど、恋人ですからね。そういう話が今日出るのかなと思って、オスプレイの話を出したら否定されたみたいで、ここの先生方が私の主治医だったらここまでリカバリーできなかったのかなと一瞬思ったり、歴代の主治医のいい先生のことを感謝しました。

 つまり、近森先生、聞く耳を持たなければだめなのよ。オスプレイの話を「軍事の話では」と報道したりしているけど。「オスプレイは長距離輸送できるからどんどん物資を運んでもらって、戦争のときには使わないでね」と、そのぐらいのノーと言ったり御礼を言う日米関係がなければいけないという話です。今はそこのところに主力を注ぐ。安倍ちゃんみたいに消費増税のとき南米へ行ってオリンピックを誘致することはない。誰か注意すればとおもいますけど、そういうことですから、今、何が一番望まれているかといったら、そこのところの人たちにとっていい環境が大事。それには、それこそ安倍ちゃんではないけれども、塩崎さんが「社会には障害者、病気の人はいます。被災者も当然平等対等です。みんなでお互いに譲り合って寝られるところなどを工夫してください」と。私だったらカラオケを送るわということで、そういうふうなことがきょう論議できるかなと思ったら論議できなかったのが残念でした。

 それから、こういうふうな会議が続くのだったら、私は休ませてもらう。学術会議だから、難し過ぎて。

 それと、議事録がオープンになっていると思いますけれど、私はあと1期、社会保障審議会に出なければならない。きょうのこの論戦を聞いていて、私だから途中でちょっと頑張ってとか、余裕を持っています。海外に行ってもスピーチしています。今、海外に行ってスピーチするときには、熊本大震災の話をして、いろんなことをして、ユーモアを交える。イギリスの人にこの間、東京駅で「What do you think Japanese people?」と言ったら「Interesting」と言っていたけど、ここの話聞いて本当にそうだよね、と思いました。

 精神科医というのは、幻聴とか妄想と決めつけるのが医者ではなくて、自分はちゃんと社会で生きていけるのか。この患者さんが社会の中で生きていくときに、乗り越えるときに、私は見守れるのか。医療がだめだからすぐ福祉ではないのよという、そういう狭さ見る思いがしました。医者自身社会を広く知らなければ患者はよくならないということと、長野先生が前回言った、「診断名を見直そう」だけではない。自分たちの姿勢はいいのか。

 前回の最後のところで安倍ちゃんの話を出した。「先生方、自信とプライドを持ってください」安倍ちゃん、ちょっと余裕があってよかったね、とホテルで思いましたが、引っ越し直前、私も皆さんに贈る言葉、「自信とプライドを持って、」広田和子さんに素敵な彼がいて、寄附するお金、生活保護課と話をしていて、「現在は、生活保護だけれど、毎月500円ずつ私はユニセフと国境なき医師団に引き落としで寄附している」と言ったら、保護課長が、内閣府にいて、いみじくも私を消費税増税のときに呼んだ人ですけれども、「私のほうが給料が多いのにそういうこともしていない」。そういう対等な感覚ですよ。

 今いる患者、かつての処遇困難者という言い方を、重度かつ慢性だか、わけのわからない名前をつけるのではなくて、もしかしたら俺のこの幅の狭さがこの患者さんをここに閉じ込めているのではないのか、ソープランドか何かへ行ったらうまくいくのではないのか、この女の子だったらホストクラブかなというふうな、そういう余裕ですよ。

 人間が生きるときに、きのうも長いこと会っていない人に会って、思わずハグしたけれど、そういうふうな温かみがなくて、愛がなくて、患者の話も聞けないで何が治療なのですか。私以外の人が出られるはずがない。私だから最後にこうやって仕切って、いつも記者からもどこからも「肩書上の人にもよく言えますね。そうした相手に、広田和子さんしかいない。政治家に言えるのも広田和子さんしかいないからやめないでくれ」と厚生労働省のいろんな人が廊下で言う。そういうことでは困ります。政治家を連れてきて、たとえば大友勝さんが「こういう偉い政治家と親しい」と言われようと蹴るぐらいの力量と根性がなければ官僚をやめたほうがいいということです。私の彼も官僚です、なのも語りませんが、官僚の大変さはわかっているつもりです。それぞれが命をかけて今この瞬間、自衛隊も海上保安庁も米軍さんも、地震があろうが、北に南に、こうやってスクランブル発進、警察もきのう大変でしたよ。障害者デモに気を遣っているようで、「ソフト警備だったわね。日本の機動隊世界一よ」と言ったら、警視庁の人たちも「ありがとうございました。我々機動隊ではなくて何々です」。そういう余裕ですよ。

 自分に何があろうとなかろうと余裕がない医者に診てもらったら、患者は広田和子みたいにリカバリーできないということで、私はもともと「病気ではなくて」、「精神分裂病という誤診」、「医者が不倫で、妊娠までして悩んでいて、ほかの医者に相談していた」と看護師さん。そこに、「心配性が病気の母親」と2人で話していて、無診察の注射を打たれた。私はその先生の名前をださず、「本当に希有な人だ」と、岩成先生。「希有な人」だというのは当時の神奈川県警本部長だった人も、若い頃から多くの人が言われます。

 私は、過去のことをひっ提げて生きているよりも、これからどうやって彼と幸せに社会貢献しながら生きていくかということのほうが大事。病気ではなくて注射を打たれた後、緊急入院したり、ドバッと出された薬を減らしてきて、「現在の少ない薬も彼と一緒に暮らせば、より幸せになって、なくなると思います」と先日主治医に話しました。今の主治医は、頼りなさそうだったけれど、薬の話をしたら「お任せします」と。振り返ってみると心ある芹香病院の医師たちは広田和子を、被害者として今まで背負っていたのかな。「彼ができて」と話したら、では彼にバトンタッチだということか、そういうふうなその人の状況に合わせて、いわゆるsituation。あの南アフリカの子供ではないけれど、independent、医者も共依存ではなくて自立が大事。そして、何かが起きたときにどう動くか。どう判断するか。今、日本はどうなのかという視点で。

○安西信雄氏 ちょっと広田さん。

○広田構成員 ちょっと待って。あなた、さっき20分のところを40分も話した。そういうことだから、話を聞く姿勢がない医者たちはだめなのよ。臨床は研究材料ではありません。

○樋口座長 時間が追ってまいりましたので。

○広田構成員 ちょっと待って。医者たちは目の前にいる患者がもし自分だったらという謙虚さが必要です。そして、安倍ちゃんが言っているところの自信とプライドです。そして、ここに書いてある、前回の。4点セットを私が言った。ちゃんとここに書かなければ。長野先生の言った診察を見直すところは、医者がこれまで自分たちの具合が悪かったり、生き方の幅が狭かったり、物の見方がインテリジェンスに欠けていて、患者に迷惑をかけたのではないかぐらいの、そういうふうなみずからの生き方を点検しないと、外人が「日本人は自分を見詰めないで人の生き方ばかり羨ましがる」と言っていますから。

 ここが最後ですよ。滞日外国人があふれている横浜の南吉田小学校は56%滞日ですよ。日本語は通用しない。今その子たちは日本に汚染されないで元気です。だけど、日本の列島はあらゆる職域で、都道府県警の本部長会議の課題も鬱ですから、医者も、朝日新聞も、みんなうつですから、そういう中に滞日外国人が参加したら、それこそ言葉の問題も出てきます。現在、日本が徳川時代ではないということを把握して、医者は医者らしく、コメディカルはコメディカルらしく、私はちゃんとこれだけの発言ができているから、彼に感謝したい。健康に感謝したい。皆さんも静かに聞いていただいて、どうもありがとうございました。私の発言は終わりにさせていただきますが、

情報に振り回されるな。「広田和子さんが元気がない」というサイバー攻撃の電話がかかっても振り回されない。「広田和子さんは彼に愛されて幸せなのだから、あんたらが出る幕ではないよ」くらい言って、厚生労働省もデマ情報に振り回されないようにしたほうがいいですよ。脇甘く、口軽く、振り回されている以上、日米地位協定、私が米軍さんに意見聞かれたら「改定できない。したら自由陣営の損出になりますよ」と言わなければならない。終わります。

○樋口座長 ありがとうございました。

 では、時間が10分ほど超過いたしましたけれども、本日のヒアリングをこれで終了させていただきます。

 最後に、事務局のほうから連絡をお願いします。

○鶴田課長補佐 次回、第3回の「新たな地域精神保健医療体制のあり方分科会」は5月27日を予定しております。もう一つの分科会であります「医療保護入院等のあり方分科会」の2回目は来週の4月28日を予定しております。

 以上です。

○樋口座長 ありがとうございました。

 では、本日は、お忙しいところ、長時間にわたりまして、ありがとうございました。これをもちまして「これからの精神医療福祉のあり方に関する検討会第2回新たな地域精神保健医療体制のあり方分科会」を閉会いたします。ありがとうございました。


(了)

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