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2015年7月28日 平成27年第4回目安に関する小委員会 議事録

労働基準局

○日時

平成27年7月28日(火)
15:00~29:30


○場所

中野サンプラザ15階エトワールルーム


○出席者

【公益委員】

仁田委員長、戎野委員、鹿住委員、中窪委員

【労働者委員】

須田委員、冨田委員、萩原委員、松井委員

【使用者委員】

小林委員、高橋委員、横山委員、渡辺委員

【事務局】

岡崎局長、谷内大臣官房審議官、松本大臣官房参事官(併)賃金時間室長
川田代主任中央賃金指導官、上月中央賃金指導官
新垣賃金時間室長補佐

○議題

平成27年度地域別最低賃金額改定の目安について

○議事

(第1回全体会議)
○仁田委員長 それでは、ただ今から第4回目安に関する小委員会を開催いたします。
 前回の小委員会におきまして、目安を取りまとめるべく努力したところですが、労使の見解に隔たりが大きく、今回に持ち越しとなったところでございます。労使双方におかれましては、本日の議論も踏まえて、目安を取りまとめるという観点から、再考をお願いしております。本日は是非、目安を取りまとめたいと思っておりますので、労使の一層の歩み寄りをお願いいたしたいと思います。
 まずはじめに、労使双方から、検討の結果、主張に追加等がございますればお願いいたします。
 それでは労働者側からお願いします。

○須田委員 特にございません。

○仁田委員長 はい。それでは、使用者側はいかがでしょうか。

○高橋委員 特にございません。

○仁田委員長 労使の御意見は変わっておりませんので、全体会議で詰めていくのは難しいと思います。公労・公使で個別に御意見を伺いながら、開きを詰めていきたいと思いますが、よろしいですか。
 それでは、公使会議から始めたいと思います。


(第2回全体会議)
○仁田委員長 ただ今から第2回全体会議を始めさせていただきます。お手元に公益委員見解を配布しておりますので、事務局から読み上げていただきます。よろしくお願いします。

○上月中央賃金指導官 それでは、読み上げさせていただきます。
 平成27年度地域別最低賃金額改定の目安に関する公益委員見解。
 平成27年7月28日。
 1 平成27年度地域別最低賃金額改定の引上げ額の目安は、次の表に掲げる金額とする。
 平成27年度地域別最低賃金額改定の引上げ額の目安。
 ランク。都道府県。金額。A、千葉、東京、神奈川、愛知、大阪、19円。B、茨城、栃木、埼玉、富山、長野、静岡、三重、滋賀、京都、兵庫、広島、18円。C、北海道、宮城、群馬、新潟、石川、福井、山梨、岐阜、奈良、和歌山、岡山、山口、香川、福岡、16円。D、青森、岩手、秋田、山形、福島、鳥取、島根、徳島、愛媛、高知、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄、16円。
 2(1)目安小委員会は、今年度の目安審議に当たって、平成23年2月10日に中央最低賃金審議会において了承された「中央最低賃金審議会目安制度の在り方に関する全員協議会報告」の4(2)で合意された今後の目安審議の在り方を踏まえ、特に地方最低賃金審議会における合理的な自主性発揮が確保できるよう整備充実に努めてきた資料を基にするとともに、「経済財政運営と改革の基本方針2015」(平成27年6月30日閣議決定)及び「『日本再興戦略』改訂2015」(同日閣議決定)についても特段の配慮をした上で、とりわけ平成26年において消費者物価が上昇していること、地域別最低賃金の最高額に対する最低額の比率が低下していること、影響率が高まる傾向にあること等、諸般の事情を総合的に勘案して審議してきたところである。
 目安小委員会の公益委員としては、地方最低賃金審議会においては、地域別最低賃金の審議に際し、目安を十分に参酌することを強く期待する。
 (2)生活保護水準と最低賃金との比較では、乖離が生じていないことが確認された。
 なお、来年度以降の目安審議においても、最低賃金法(昭和34年法律第137号)第9条第3項に基づき、引き続き、その時点における最新のデータに基づいて生活保護水準と最低賃金との比較を行い、乖離が生じていないか確認することが適当と考える。
 (3)目安小委員会の公益委員としては、中央最低賃金審議会が今年度の地方最低賃金審議会の審議の結果を重大な関心をもって見守ることを要望する。
 以上でございます。

○仁田委員長 どうもありがとうございました。
 公益委員といたしましては、これを中央最低賃金審議会に示したいと思っておりますが、よろしいでしょうか。

○須田委員 確認ですが、日付は28日でいいのでしょうか。

○新垣室長補佐 慣例として、審議が始まった日付を入れてますので、その日付にしております。

○仁田委員長 よろしいでしょうか。それでは、目安に関する小委員会報告を取りまとめたいと思いますので、配付をお願いいたします。
 それでは、読み上げをお願いします。

○上月中央賃金指導官 それでは、朗読させていただきます。
 中央最低賃金審議会目安に関する小委員会報告。平成27年7月28日。
 1 はじめに。平成27年度の地域別最低賃金額改定の目安については、累次にわたり会議を開催し、目安額の根拠等についてそれぞれ真摯な議論が展開されるなど、十分審議を尽くしたところである。
 2 労働者側見解。労働者側委員は、春季労使交渉で賃上げが妥結した労働組合員である組織労働者は4月から賃上げが実施されたものの、団体交渉の機会が無い未組織労働者、特に最低賃金近傍で働く労働者は「ワーキングプア」と呼ばれる水準にとどまっていること等から、将来への不安を払拭し安心感を醸成できるよう、暮らしの底上げに直結する最低賃金の大幅な引上げが必要であると主張した。
 また、審議に当たっては、経済的に自立し、人たるに値する生活を営むことのできる最低賃金の適正な水準を念頭に置いて議論していくべきであり、賃金改定状況調査(第4表)に基づく引上げ幅のみの議論に終始すべきでない、と主張した。
現在の最低賃金の水準は、こうした観点からすれば不十分と言わざるを得ない。したがって、平成26年平均の消費者物価指数(持家の帰属家賃を除く総合)の3.3%に加え組織労働者の賃上げ結果を上回る引上げが必要であると主張した。また、この物価上昇は各ランクに共通の事象であること等を踏まえた審議が必要である。
 また、ランク間の水準の差も拡大してきており、経済実態に応じて全国的な整合性を確保できるような目安とすべきであると主張した。
 さらに、雇用戦略対話合意の全国で最低でも800円という目標到達へ向け、また地域活性化という観点からも、早期に800円到達への道筋を示す目安額とすべきである。
 労働者側委員としては、上記主張が十分に考慮されずに取りまとめられた下記1の公益委員見解については、不満の意を表明した。
 なお、本年の審議においても論点となった最低賃金法(昭和34年法律第137号)第9条第2項の3要素を考慮すべき事実について参考にすべき資料等に関しては、目安全協で議論を尽くし、来年度の審議に万全を尽くすことが必要であることを主張した。
 3 使用者側見解。使用者側委員は、企業の経営環境は、安倍政権の経済政策によって、総じて改善してきているが、中小企業・小規模事業者では、円安による原材料価格の高騰や電力料金の増大などによるコスト増や、人手不足による人件費の増大への対応に苦慮していることに加えて、取引先企業の海外進出による受注の減少、地域における人口減少などのマイナス要因もあり、景況感に大きな改善が見られるまでには至っていないこと、ギリシャの財政危機や中国の金融市場の混乱など、日本の実体経済の先行きについても不透明感が強まっていることを主張した。その上で、このような現状を踏まえると、中小企業・小規模事業者の活力を削ぐような事態を招くことになれば、地域の雇用・経済に深刻な悪影響を与えることになると主張した。
 また、過去5年間にわたって、生活保護との乖離解消や、生産性と関係なく引上げを最優先する審議が続いたことにより、中小企業の支払能力を超えた大幅かつ急激な引上げが続いてきた結果、影響率も上昇し、最低賃金の引上げが企業経営に与えるインパクトが従来以上に高まっていると主張した。
 さらに、賃金水準の引上げは生産性向上に裏付けられた付加価値の増加を伴うものでなければならず、中小企業や小規模事業者にとってベアに相当する最低賃金の引上げは、生産性向上とセットで考えるべきである。したがって、中小企業・小規模事業者に対する生産性向上のための政府の支援策の成果が生産性の上昇という明確な形で認められることが大変重要であり、十分な生産性の上昇が確認できないまま、最低賃金の大幅な引上げだけが求められることになれば、引上げの具体的な根拠が説明できない目安を地方最低賃金審議会に示すことになる。そうなれば、地方での審議において大きな混乱を招くことになり、ひいては、目安そのものに対する信頼が失われることになりかねないと主張した。
 その上で、今年度のランク別の目安については、「法の原則」である、地域における労働者の生計費、賃金及び通常の事業の賃金支払能力の3要素を総合的に表している「賃金改定状況調査結果」の特に第4表のデータを重視した審議を行うとともに、最低賃金のはり付き状況などを踏まえた、ランクごとの実態を反映した目安とすべきである。また、物価の上昇分を最低賃金の引上げで充当することについては、これまで物価が下落する中で、企業自らが生産性の向上に努め、経済の回復に先行して最低賃金の引上げに協力してきたこと、最近ようやく一部で経済状況が追いついてきたとはいえ、中小企業の生産性の向上が未だに確認できていない、ということを踏まえ、慎重に検討すべきであると主張した。
 使用者側委員としては、上記主張が十分に考慮されずに下記1の公益委員見解が取りまとめられることについて、不満の意を表明した。
 4 意見の不一致。本小委員会(以下「目安小委員会」という。)としては、これらの意見を踏まえ目安を取りまとめるべく努めたところであるが、労使の意見の隔たりが大きく、遺憾ながら目安を定めるに至らなかった。
 5 公益委員見解及びその取扱い。公益委員としては、今年度の目安審議については、平成23年2月10日に中央最低賃金審議会において了承された「中央最低賃金審議会目安制度の在り方に関する全員協議会報告」の4(2)で合意された今後の目安審議の在り方を踏まえ、加えて、「経済財政運営と改革の基本方針2015」(平成27年6月30日閣議決定)及び「『日本再興戦略』改訂2015」(同日閣議決定)に特段の配慮をし、諸般の事情を総合的に勘案し、下記1のとおり公益委員の見解を取りまとめたものである。
 目安小委員会としては、地方最低賃金審議会における円滑な審議に資するため、これを公益委員見解として地方最低賃金審議会に示すよう総会に報告することとした。
 また、地方最低賃金審議会の自主性発揮及び審議の際の留意点に関し、下記2のとおり示し、併せて総会に報告することとした。
 さらに、政府において、「経済財政運営と改革の基本方針2015」及び「『日本再興戦略』改訂2015」に掲げられた中小企業・小規模事業者の生産性向上をはじめとする中小企業・小規模事業者に対する支援等に引き続き取り組むことを強く要望する。
 また、行政機関が民間企業に業務委託を行っている場合に、年度途中の最低賃金額改定によって当該業務委託先における最低賃金の履行確保に支障が生じることがないよう、発注時における特段の配慮を要望する。
 「記」以下については、先ほど読み上げましたので、省略させていただきます。
 以上です。

○仁田委員長 ありがとうございました。ただ今の内容を小委員会報告として取りまとめようと思いますが、よろしいでしょうか。

(異議なし)

○仁田委員長 それでは、30日の審議会で私から報告することとしたいと思います。また、本日審議に用いた資料は地方最低賃金審議会で活用できるよう、事務局から送付をお願いいたします。労使の皆様から改めて御意見があればお伺いしますが、よろしゅうございましょうか。

(了承)

○仁田委員長 それでは、以上をもちまして、本日の小委員会を終了いたします。議事録の署名については、松井委員と小林委員にお願いいたします。
 なお、小委員会報告は、審議会の前ですが、審議会で了承を得るという手続を前提に、マスコミに公表したいと思いますが、よろしゅうございましょうか。

(異議なし)

○仁田委員長 それでは、そのようにさせていただきます。両日、長時間御審議いただき大変お疲れ様でした。ありがとうございました。


(了)
<照会先>

労働基準局労働条件政策課賃金時間室
最低賃金係(内線:5532)

代表: 03-5253-1111

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