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2016年1月19日 第2回 特定健康診査・特定保健指導の在り方に関する検討会

○日時

平成28年1月19日(金) 13時30分〜15時30分


○場所

厚生労働省 12階 専用第14会議室


○議題

(1)議論の進め方について
(2)特定健康診査・特定保健指導の満たすべき要件について
(3)特定健康診査の健診項目等について
(4)その他

○議事

○中田健康課長補佐 定刻になりましたので、ただいまから「第2回特定健康診査・特定保健指導の在り方に関する検討会」を開催いたします。

 構成員の皆様には御多忙の折、お集まりいただきまして、まことにありがとうございます。

 私は、健康局総務課及び健康課の中田でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

 開会に当たりまして、健康局長・福島より御挨拶申し上げます。

○福島健康局長 健康局長の福島でございます。

 構成員の先生方には、日ごろから厚生労働行政全般にわたりまして御指導を賜りまして、改めて御礼を申し上げたいと思います。

 この特定健康診査・特定保健指導でございますけれども、高齢者医療の確保に関する法律及び特定健康診査等基本指針に基づきまして、平成20年度から保険者において実施しておるものでございます。保険者は、特定健康診査等実施計画を5年を1期として定めることとされておりまして、平成30年度に第3期の特定健康診査等実施計画が開始されるということになっておりますことから、健診項目等の見直しを行う必要があると考えております。

 この検討会では、健康診査等の見直しのために、厚生労働科学研究等によって新しく蓄積されました科学的知見を踏まえて、特定健康診査・特定保健指導の項目や実施方法などの技術的な事項について検討をお願いしているものでございます。私ども厚生労働省では、今後も特定健康診査・特定保健指導がより効果的なものとなりますように取り組んでまいりたいと考えているわけでございまして、構成員の先生方には、ぜひ忌憚のない御意見を頂戴するようにお願い申し上げまして、簡単でございますけれども、冒頭の御挨拶にさせていただきたいと思います。

 どうぞよろしくお願い申し上げます。

○中田健康課長補佐 続きまして、当検討会の座長につきまして御報告いたします。

 座長につきましては、健康局長が指名することとしておりますが、自治医科大学学長の永井良三構成員に就任していただきました。

 続きまして、本日の出席状況について御報告申し上げます。本日は、構成員全員に御出席いただいております。

 なお、健康局長につきましては、業務のため、途中で退席させていただく予定でございます。

 次に、配付資料でございますが、配付資料につきましては、座席表のほか、議事次第の裏に配付資料の一覧がございますので、資料の御確認をお願いしたいと思います。

 また、構成員の方々につきましては、机上にファイルで、これまでの参考資料や前回の検討会資料、また「標準的な健診・保健指導プログラム(改訂版)」という冊子を配付させていただいておりますので、適宜御参照いただければと思っております。

 お手元の資料等で不足・落丁等ありましたら、事務局までお申しつけいただければと思います。

 それでは、以降の進行は永井座長にお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

○永井座長 永井でございます。御指名で座長を務めさせていただきます。

 この特定健康診査・特定保健指導の在り方は、健康診査・保健指導という法律で裏づけられている事業により実施されています。したがって、この検討会の提案・提言次第で非常に大きな影響があらわれますので、皆様のお力をいただきまして、よい取りまとめができればと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

 それでは、本日の最初の議題であります「議論の進め方について」から始めます。

 事務局から資料の説明をお願いいたします。

○中田健康課長補佐 マスコミの方につきましては、撮影はここまでとさせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。

○高山健康課長補佐 それでは、資料1により説明をさせていただきます。お手元の資料1をごらんください。「議論の進め方について」ですけれども、永井座長とも御相談させていただいて、このようにまとめさせていただきました。

 特定健康診査・特定保健指導を実施するに当たり、現場で活用されている「標準的な健診・保健指導プログラム(改訂版)」を見直すために、プログラムの項目毎に論点を整理して検討していただければと思います。こちらのプログラムにつきましては、ファイルの中におさめられておりますので、御確認ください。

 「特定健康診査・特定保健指導の満たすべき要件」でございますが、第1回健康診査等専門委員会における参考人からの発表内容等を踏まえまして、諸外国での健康診査等の要件も参考としつつ、我が国における特定健康診査・特定保健指導の満たすべき要件をまず整理していただければと考えております。

 続きまして、「2 特定健康診査の健診項目等について」でございます。

 特定健康診査の健診項目や特定保健指導対象者の選定と階層化については、後ほど御案内いたしますが、こちらの標準的なプログラムの中にも記載がございます。こちらの基本的な考え方を整理していただいて、具体的な健診項目、質問項目や健診項目の判定値等についてどのような方法で検討するかについて整理していただければと思います。

 「3 個別の特定健康診査の健診項目等の見直し」でございます。

 個別の特定健康診査の健診項目等の見直しについては、厚生労働科学研究及び様々な文献等による知見を踏まえまして、1でお示ししました、本日御検討いただきます特定健康診査・特定保健指導の満たすべき要件をどの程度満たすものかという観点も踏まえつつ、科学的な評価を行っていただければと考えております。

 「4 特定健康診査・特定保健指導の評価」についてでございますが、特定健康診査では、個々の検査の対象とする健康事象もしくは検出可能な危険因子に対する感度や特異度などの精度の評価だけではなく、検査群としてのプログラムの有効性や特定保健指導を含めたシステム全体を通じて目的の達成度なども評価する必要があると考えておりまして、これまでの知見に加えて、厚生労働科学研究補助金、これはこれまでのもの、それから今後のものを含むと考えておりますけれども、による研究班等を活用して、最新の科学的知見に基づき検討していきたいと考えております。

 本日の議題ですけれども、議事次第にありますとおり、「1.特定健康診査・特定保健指導の満たすべき要件」及び「2.特定健康診査の健診項目等について」としております。

 おめくりいただきまして、次のページには、平成271118日に開催されました「第1回健康診査等専門委員会」及び平成28年1月8日に開催されました「第1回特定健康診査・特定保健指導の在り方に関する検討会の概要」をお示ししております。

 第1回健康診査等専門委員会では、1.健診・検診の考え方について検討が行われまして、にんべんの健診は主に将来の疾患のリスクを確認する検査群であり、きへんの検診は主に現在の疾患自体を確認する検査群であるとされております。

 また、2.評価の考え方についても検討が行われまして、健康診査等の対象者や対象疾患を検討する際には、健康診査等が満たすべき要件を整理するとともに、プログラムとしての評価を行う必要があるとされ、本検討会もこれらの検討を踏まえて進めていければと考えております。

 また、第1回特定健康診査・特定保健指導の在り方に関する検討会では、3.特定健康診査・特定保健指導の在り方についての議論が行われ、特定健康診査・特定保健指導を生活習慣病対策の一部と捉える必要がある等の御意見をいただいております。

 また、4.健診項目や保健指導対象者の選定と階層化の見直しに関する議論においては、科学的エビデンスに基づき検討することを原則として、現時点でエビデンスが不十分なものは、可能な範囲で演繹的に検討していく必要がある等の御意見をいただいております。

 また、5.特定健康診査・特定保健指導の評価については、特定健康診査による将来の疾患のリスクや現在の疾患自体の確認に対する評価のみならず、システム全体として評価を行うことが重要との御意見をいただいているところでございます。

 1枚おめくりください。当検討会の今後のスケジュールでございます。

 左側が健康診査等専門委員会の予定、これは専門委員会のほうでお示ししたものです。

 右側に特定健康診査・特定保健指導の在り方に関する検討会の今後の予定をお示ししております。

 第1回は、平成28年1月8日に開催させていただきました。本日が第2回となります。第3回以降ですが、おおよそ月に1回程度の開催を予定しておりまして、個別の特定健診の検査項目を中心に、質問票やプログラムの評価について御検討いただきまして、平成28年の半ばに中間の取りまとめを行う予定でおります。その後も定期的に開催いたしまして、主に特定保健指導の内容についてになると思いますけれども、最終的に29年半ばをめどに「標準的な健診・保健指導プログラム(改訂版)」の見直しを進めていければと考えております。

 これらは大まかな目安ですので、今後の検討の過程において変更となる可能性がありますことを御了解いただければと思います。

 事務局からは以上です。

○永井座長 ありがとうございました。

 それでは、ただいまの御説明に御質問、御意見をいただきたいと思います。いかがでしょうか。

 津下構成員、どうぞ。

○津下構成員 全体の目的やスケジュール感については、了解いたしました。

 前回の第1回に出たことですけれども、ライフコースに合わせた健診項目とかが話題となりました。特定健診・特定保健指導は40から74歳に規定されておりまして、この検討会での議論の対象となる主な年齢は、その年齢を意識した議論がこれから行われるのか、それとも若い世代、または後期高齢者の範囲まで考慮に入れた議論をおこなうのか。メインは40から74歳ということになるとは思いますが、改訂版、前回にも参考程度には記載があるのですけれども、そのあたりの議論の範囲について、もし決まっていることがありましたらお教え願いたいと思います。

○高山健康課長補佐 構成員の先生方のお手元に「標準的な健診・保健指導プログラム(改訂版)」がおありになるかと思うのですが、こちらの45ページ、46ページをごらんください。

 こちらに第7章とありまして、「75歳以上の者及び40歳未満の者に対する健診・保健指導の在り方」ということで記載があるところでございますので、こちらの中で御検討いただくということは必要かと思います。

○永井座長 40から74というのは、法律で決まっているという理解でよろしいのですか。

○高山健康課長補佐 事務局でございます。

75歳以上の者については、努力義務という形で規定があると思いますけれども、40歳未満の者については、高齢者の医療確保法において規定はないものと思います。

○永井座長 ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。

 それでは、また質問がおありの場合には、後ほどお伺いすることにいたしまして、続いて議題2に参ります。「特定健康診査・特定保健指導の満たすべき要件について」、事務局から御説明をお願いいたします。

○高山健康課長補佐 事務局でございます。

 それでは、資料2により説明させていただきます。

 平成271118日に開催されました第1回専門委員会におきまして、福井、磯、両参考人より健康診査の在り方に関する御発表をいただきました中で、諸外国の健康診査の要件について御報告をいただきました。こちらについては、今回、資料の中で参考資料2「第1回健康診査等専門委員会参考人提出資料より抜粋」という形で御用意いたしましたので、ごらんいただければと思います。

 こちらの検討を踏まえまして、このたび永井座長に研究代表者をお願いしております厚生労働科学研究補助金「特定健診・保健指導における健診項目等の見直しに関する研究」の研究班において「特定健康診査・特定保健指導の満たすべき要件(案)」を御検討いただきましたものが資料2になります。

 「特定健康診査・特定保健指導の満たすべき要件(案)」ですけれども、全部で14項目ございます。対象とする「健康事象」、「検査」、「事後措置(治療・介入)」、「教育、検査、診断、事後措置、プログラム管理を含む健診・検診プログラム」の4つに大別されております。それぞれ対象とする健康事象は、(1)、公衆衛生上重要な健康課題であること。(2)、自然史が理解されていること。それから、検出可能な危険因子とその指標があること等々の要件ということで、今、お示しいただいているところでございます。

 特定健診・特定保健指導の満たすべき要件について、研究班のほうから御提案いただいたものについて、本日、御検討いただきまして、2月に予定されております健康診査等専門委員会へ本検討会から御報告いただければと考えております。

 また、その次の資料になりますが、1枚おめくりいただきまして、これら、現在、御提案いただいている要件のうち、「1.対象とする健康事象」、「2.検査」、「3.事後措置(治療・介入)」について要点をまとめたものでございます。今後、個別の特定健康診査の健診項目等の見直しを行う際に御使用いただくことも含めて、御検討いただければと考えております。

 また、「4.健診・検診プログラム」の部分は、特定健康診査・特定保健指導全体としての評価となりますので、先ほどのスケジュールにもお示ししましたけれども、個別の健診項目等の見直しとは別途、検討会の後半に機会を設けて御検討いただいてはどうかと考えているところでございます。

 事務局からは以上です。

○永井座長 ありがとうございます。

 これは、きょうの議論の中で大事な部分でありまして、ぜひ項目に目を通していただいて御意見いただければと思います。いかがでしょうか。岡村構成員、どうぞ。

○岡村構成員 私は班員なので、こちらで言うのもあれですけれども、全体的な事象の整理というのは、当面、こういう方向でいいのではないかと思います。特に評価としては介入手段のところが非常に大事で、もちろんリスクになっているのは必要条件ですけれども、リスクではあるけれども、対処法がないということでありますと、不安だけあおることになってしまいますので、どういう対処法があるかをきちんと整理することが必要です。

 対処法は、ここだと特定保健指導みたいなものを想定されているかと思うのですが、実際には保健指導に回る人と、早期に予防・介入治療をしたほうがいい人も当然出てきます。また、今、要医療になっているところも、積極的に早く行ってもらう人と、少し保健指導と併用して様子見という人がいるので、そこの強弱もきちんとつけておいて、介入のところをきちんと整理していく必要が同時にあるのではないかと考えております。

 以上です。

○永井座長 いろいろ状況によっても違うと思うのですが、医療と健診は違うのだということと、医療であっても、既に医療機関にかかっている方の場合と、全くケアされていない方の場合でも状況が違うだろうと思います。その辺も踏まえて要件を御理解いただければと思いますが、いかがでしょうか。岡村構成員。

○岡村構成員 ですから、今のは非常に大事な観点で、医療機関でのフォローと健診がごちゃ混ぜになっているところが若干なきにしもあらずなので、健診の役割ということと、あと、医療でやっていることはきちんと早目に任せていくという役割分担もきちんと必要であろうと思います。

○永井座長 今の点、非常に重要で、医療機関がしてくれないから健診で見てほしいというのは、本末転倒の話だということです。

○藤内構成員 地域保健の現場では、糖尿病の重症化防止として、医療機関と行政が連携しながら、既に治療中の患者でコントロールが悪い、あるいは中断しているケースにどう地域でアプローチするかという取り組みがなされていますので、これはこれでしっかりやります。ただ、今回の特定健診・保健指導でそこまで一緒にやるかということについては、ぜひ御検討いただければと思います。

○永井座長 杉田構成員。

○杉田構成員 杉田です。

 今、藤内先生からおっしゃっていただいたこと、まさにそうだと思います。この検討会の名前が「特定保健指導」となっておりますので、特定保健指導の範囲の中だけのことを検討していくのか、それとも健診を受けた方はメタボリックの方ばかりではないですので、全体についての介入、あるいは「特定」を取り払って、保健指導全体を検討していくのかというのを、どこまでの範囲とするのか明確にしてから始めていきたいと考えます。

○永井座長 今の点、いかがでしょうか。津下構成員。

○津下構成員 今の点については、例えば特定保健指導は保険者に実施義務がかかるということと、あと、努力義務で実施する部分を、保険者が独立して実施することで保険者評価につながるということがあります。おっしゃるように、保健事業の対象者は、多彩なリスクを持っていて、医療だけで完結してよいコントロールや生活習慣指導ができるとは限らないので、それは医療と地域保健の社会資源とのコラボで実施していくことも大切です。

 そこのところは非常に重要な観点になると思うのですが、この特定保健指導の枠中ではない範囲で定義づけられるものも含まれるのだと思うのですけれども。今までの制度で積み残してきた課題としては、受診勧奨判定値の、どこまでが生活習慣病予防をしながら、医療とのつなぎを模索していくところかと、医療が主体となって治療していくところか、そのあたりの判断が実施主体別に不統一な部分があったのではないかと思います。その辺は一定の方向性をきちんと示していく必要があるのではないかと思います。

○永井座長 よろしいでしょうか。

 ある程度法律で決められた範囲というのがあるわけですけれども、それに含まれないからといって、倒れかかっている方を放置していくというのも、これは医療者として問題があるわけです。解釈の問題で対応できる部分はあるのだと思います。でも、何でも医療機関がすべきことまで全部対応した場合には、多分システムとして続かないと思います。

 事務局としては、その辺、どうお考えでしょうか。

○高山健康課長補佐 事務局でございます。

 基本的には、高齢者の医療確保法の中で特定保健指導も規定されておりますので、実施するに当たっては、その枠がどこまでなのかは保険局とも御相談していくことになると思いますけれども、先生方の御指摘ございますように、その中かどうかという問題よりも、実際にどういうことをすべきなのかという検討をすることについては妨げられないと考えておりますので、ぜひ検討していただいて、最終的に特定保健指導として行うのはどこなのか保険局とも御相談させていただきたいと考えております。

○永井座長 門脇構成員。

○門脇構成員 前回、永井先生のほうから御提示いただきました資料がきょうのファイルの中にあります。ファイルの第1回健診専門委員会の30ページの下にシェーマがありまして、これは大変よくできていると思っているのですけれども、「心血管病予防のための健診:リスク構造から見た予防ポイント!」ということで、生活習慣の歪みというものがありまして、それが内臓脂肪を介する形で、あるいは内臓脂肪を介さない形で、生活習慣病を起こしていくというシェーマです。前回の議論からもこのような整理が非常に妥当ではないかと、議事録に記載されています。

 もう一方、きょうの資料の参考資料6「特定健診・保険指導にかかる法令・通知」の中に、先ほどから議論になっています高齢者の医療の確保に関する法律の中に政令で定める生活習慣病の定義が「高血圧症、脂質異常症、糖尿病その他の生活習慣病であって、内臓脂肪、括弧の中に内臓脂肪の具体的な定義も書いてありますけれども、の蓄積に起因する」となっており、少なくとも特定健診・特定保健指導が保険者の義務として課しているところの生活習慣病に対する対応は、この内臓脂肪に起因するものという形になっています。

 しかしながら、生活習慣病全体を見据えた対応ということになりますと、実際には、内臓脂肪に直接依存しない部分に対しても対応せざるを得ないというところで、この法律をどのように解釈していくのかということは、どうしても避けて通れない問題ではないかと思います。

○永井座長 ありがとうございます。非常に重要なポイントで、特定健康診査・保健指導というのは、この法律に裏づけられているということですね。かといって、倒れかかっている人を放置していいかという問題があるのだということだと思うのですが。

 藤内構成員。

○藤内構成員 今回の特定健診・保健指導は、この法律に基づいて、それぞれの保険者に義務づけられているわけですが、各保険者は、これ以外の健診や保健指導とともに、生活習慣病対策を目的とした健診・保健指導をやる余裕はないわけです。つまり、この法定の健診・保健指導で手いっぱいです。

 今まで老人保健法に基づく基本健診を市町村がやってきて、個別の指導もありましたが、集団での指導が中心に行われてきました。過去のこうした健診・保健指導の仕組みと、この20年度から始まった特定健診・保健指導の仕組みが、果たしてどちらがより有効なのか。保険者としては、より有効な方を選択したところですが、保険者は選択肢がないのです。他に健診・保健指導を行う余裕がないので、実質的にこの標準的なプログラムにのみ基づいてやるしかない。それゆえ、今までの仕組みと比べて、より効果的・効率的というエビデンスがとても重要ではないかと思います。

○永井座長 そういうところを踏まえて、今後どこまでカバーするかですね。ただ、ここで法律改正の議論をするのは範囲を超えていますので、基本としては、高齢者医療確保法に基づき、そして解釈あるいは医療者としての対応の中で、もう少しやるべきことがあるのではないかという整理ではないかと思うのですが。ただ、手いっぱいという現状もあるのですね。そうすると、もう少し効率的なやり方も考えないといけないですね。

 津下構成員。

○津下構成員 今、手いっぱいというご指摘でした。確かに目標値にもなかなか到達していない状況で保険者さんが努力されている状況です。では、本当に有効な方法とか介入の方法、効果を上げる介入の仕方はどうなのか。

 例えば、年度単位で実施率を上げることがいいのか、2年3年単位で評価していきつつ、少し余裕を生み出すということも可能かもしれない。それこそ保険者の裁量で法律に縛られずにやれる余地をどう残すのかというのも、考える必要があります。データヘルス計画も始まっていますので、今までの8年間の実績をもとに、効果が出るやり方を示すことによって、保険者さんに自分なりの戦略を考えて保健事業に乗り出す余地をどう生み出すのか。そういう提案もこのプログラムを考える上で考慮するべきタイミングかなとも思います。

○永井座長 武見構成員。

○武見構成員 今の津下先生の意見に全く賛成です。

 私、津下班のおかげでというか、協会けんぽ47のうちの10支部、保健師さんたちのインタビューをやりました。そのときに、まさに法定で決められているところしか、今はとにかくできないという状況の中で、本当は手をかけたい人にかけられないという、ジレンマをすごく感じていらっしゃる。それは、現場の保健指導をやっていらっしゃる方の、ある意味でモチベーションを下げていくことにもなりかねないと考えます。したがって、法律で決められている以外のことをどう解釈できるか、積極的にというところをしっかり示していくということもすごく大事だと思います。

○永井座長 福田構成員。

○福田構成員 福田でございます。

 前回の第1回の合同でやったときの会議の中でも、こちらの健康局のほうについては、あるべき姿を出せばいいという御提案があったので、どちらかというと保健指導に関しても広目に捉えて、確かに科学的根拠は重要だと思いますので、エビデンスなるものを出していって、その中で実際にどれを取捨選択してやっていくというのは、また別の回等で議論する手もあるかもしれません。

○永井座長 でも、あのとき私も発言したのですが、あるべき姿を言い出すと結構膨大になってくる可能性があります。あるべき姿を考えつつ、現実の問題をどう解決するか、そこもぜひあわせて考えていただければと思います。

 藤内構成員。

○藤内構成員 これは大分県に限ったことではないのだろうと思うのですが、現場では、特定保健指導の実施率を上げることが求められています。今、津下先生がおっしゃったように、本当はリスクに応じて、よりリスクの高い人、あるいは数年スパンで指導すればよい、リスクの低い人に割り振っていく、より効率的なやり方というのが望まれるわけですが、実際の現場では、特定保健指導の実績を上げるために、アプローチしやすい人に毎年やっているという話を耳にします。

 そうすると、過去の老人保健法時代の保健指導の弱みといいますか、また同じところに陥りつつあるのですが、特定保健指導の実施率がアウトカムになっている。もっと言えば、「手段が目的化」されて、実施率を上げることに皆さん、一生懸命になっているということも、現場のモチベーションが下がっていることにもつながっているのかなと思います。

○永井座長 磯構成員。

○磯構成員 私も全く同じ意見で、特定保健指導がこれまで行われたことを詳細に分析して、より効率的な、メリハリのあるプログラム、例えば、人によっては、1回の指導でその後、改善する人もいますし、保健指導を繰り返さなければならない人もいますので、柔軟性を持ったプログラムの検討も必要かと思います。

 あと、津下先生もおっしゃったように、毎年同じプログラムで6カ月間行うよりも、2年目になってより効率的な保健指導でレスポンスする人もいますので、年度をまたいだ保健指導プログラムも必要ではないかと思います。

○永井座長 確かに健診項目についても、毎年はからないといけないものと、何年かに1回でよいものと、いろいろ種類があるだろうと思います。恐らく、その点についてもこれから議論されることになると思いますが、いかがでしょうか。はい。

○中田健康課長補佐 事務局として最初考えていたことなのですけれども、今後、議論を進めていくに当たりまして、今までいただきました現場の実態の問題点がいろいろあるということも重々認識させていただきつつ、特定健診の項目とか保健指導の内容を考えていく際に、まず特定健診として最終的にどういう目的であるべきか。また、目的を達成するために、それぞれの項目を検討する際に、どういう評価軸で議論していったらいいのか。

 まず、そこの部分を整理させていただきまして、あと、今ある項目がそのままいいのか、また新しい項目がいいのかという次の議論になってくると思うのですが、その際にエビデンスとしてどう程度推奨され得るべきものなのかというところを、今回、この検討会で整理いただければありがたいなと思っています。

 先ほど御意見ありましたように、現場では今のメニューをやるだけでも大変という、現場の運用実態のところも含めて、最終的には保険局との合同検討会で保険者側とも合意を得た上での、この施策の実行となることが想定されますので、この検討会につきまして、もしこの目的を達するための項目であれば、これであれば、これぐらいのエビデンスレベルというところの取りまとめがお願いできないかなと我々としては思っていた次第でございます。

○永井座長 よろしいですか。

 はい、門脇構成員。

○門脇構成員 改訂版の冊子の35ページ。これは、前期の委員会で永井先生が座長で、永井先生のお考えや、あるいはそのときの議論で盛り込まれたものだと思いますが、(3)留意事項の一番上の○です。「医療保険者の判断により、動機づけ支援、積極的支援の対象者以外の者に対しても、必要に応じて保健指導の実施を検討することが望ましい。特に、腹囲計測によって内臓脂肪型肥満と判定されない場合にも、血糖高値・血圧高値・脂質異常等のリスクを評価する健診項目を用い、個別の生活習慣病のリスクを判定する」。こういう項目が前回の議論から既に入って、留意事項として実施されていると思うのですけれどもね。

 私が現場をよくお知りの方に少し伺いたいのは、この留意事項の部分については、現場ではどのように運用されているのか。実際には、内臓脂肪型肥満と判定されないがリスクを有する者に対しても、一定の対応がされているのかどうか。もし、これがされているのであれば、既にこのような留意事項が盛り込まれていますので、これをどのように効果的に行うか、議論することになると思うのですけれども、留意事項にとどまっているがゆえに、現場では余裕がなくて全くされていないということであれば、この留意事項の運用だけでは難しいということになると思うのです。そのあたりを構成員の皆様に教えていただければ、あるいは事務局の御意見をいただければと思うのですが。

○永井座長 これは、前回新たに加えられた非常に重要な項目なのですね。どの程度、それが運用されるか。

 藤内構成員、どうぞ。

○藤内構成員 大分の例でお話させていただきますが、大分県の各市町村の保健師から、今回、この検討会に出席するに当たり、いろいろ意見を聴取させていただいたのですが、現場は、特定保健指導の対象にならないが、保健指導が必要な受診者への支援をやりたいという気持ちを持っています。それができずに、結果的には特定健診の受診率を上げること、特定保健指導の受診率を上げることを最優先に取り組まざるを得ず、ここまでできていないことを残念に思っています。

 実際に少ない中でも何とか必要な人たちにアプローチしている自治体もあります。その自治体がどれくらい、いわゆる非肥満に対して指導ができているかとか、受診勧奨になった人たちのフォローがどこまできちんとできているかというところは、もうちょっとシステマチックに実態を把握する必要があるかなと思います。

○永井座長 杉田構成員、どうぞ。

○杉田構成員 実は、今、厚労科研の研究班で、保険者の中でも自治体、1,700以上の市区町村に保健指導の実態調査をかけている最中でして、いずれ御報告させていただけると思うのですが、何十件か返ってきている段階で、本当に最初のさわりのところですが、特定保健指導以外の保健指導をやっているところもありますし、もちろん全然やっていないところもあるということで、見事に差が出ているといいます、取り組みに特徴が出てきているのが市区町村の実態ではないかと捉えております。

○永井座長 津下構成員、どうぞ。

○津下構成員 これは、市町村によっては国保課単独で特定保健指導の事業を実施しているところがあるのですけれども、一方では衛生部門、保健センターとかと共同してやっているところもあります。そういうところでは、さまざまな健康づくりの事業を紹介したり、結果説明会等をやっておられます。ただ、特定保健指導のように、継続的に何回かかわって、事業評価までできちんとしているという取り組みというのはなかなか少ないようにも思います。

 プログラムとして継続的にかかわるエビデンスがどこまであるのか、先ほど岡村先生がおっしゃったように、介入による効果をどこまで期待できるのかとか、事業評価の仕組みがまだそちらについてはできていないので、やっていたとしても、受診勧奨して、一部は市町村でやっている健康づくりの教室などに参加を促すという形が普通なのかなと思います。

○門脇構成員 どういう状況なのか、大体イメージがわいてきました。そうしますと、いろいろな形で努力していただいているところがある一方、全くされていないところもあるということで、1つは、内臓脂肪に着目した介入の効率化について、今まで議論が出ていますけれども、かなりそれを効率化して、余ったエフォートを非肥満への一定の対応にも注げるような形での効率化をすべきではないかと思います。

 具体的には、これはいずれにしろ法律で義務にはならないとは思いますが、非肥満に対する生活習慣病のリスクの判定とか事後対応について、もう少し具体的に示すことによって、今は何をやったらいいのかよくわからないので、できていないようなところに対しては、そのことでかなり進捗が得られる可能性があるのではないか。そういう議論ができればなと思います。

○永井座長 非常に重要な点だと思います。

 寺本構成員、どうぞ。

○寺本構成員 寺本ですけれども、ちょっと皆さんと意見が違うのかもしれないのですけれども、留意事項のここの部分ですけれども、こういった特定健診とか健診作業というのは、ある意味で言うと効果がどれだけあるのかということが非常に難しい部分だと思うのですね。そういうことを考えたときに、もともとは内臓脂肪に基づいたいろいろなものが起こってきている。したがって、内臓脂肪をある程度改善すれば、多くのものが改善するのだというところから事が始まったのだと思うのですね。

 ここにある、例えば内臓脂肪を伴わないものというところで出てきているものが、もしも受診勧奨になるような数値であるならば受診勧奨になるわけですけれども、そうでない、それほど高くない、軽症の高血糖・高血圧である。そういったものにそれぞれ対応していくとなると、これは相当大変なことになって、その数も物すごい量になってきて、それが本当に効果的な方策になるのかということはよく考えておかないと。

 私としては、べき論としてはそうだと思うのですけれども、実際の問題として、それが場合によって、藤内先生、先ほどもおっしゃったように、あれもしなきゃならない、これもしなきゃならないということになると、実際に対応している方々は虚無感というか、非常に厳しい状況を生むことになるので、重視するべきところと、あるべき論というか、全体論としてあるものとは分けて考えていく。健康政策は、全体のべき論はあるわけで、多少でも高ければ、こういう努力をしましょうというのは全体の努力であって、この特定健診で目指すものというのは、ある程度絞っていかないとダイバースな議論になってしまうのではないかと思う。

 済みません、水を差すようで申しわけないです。

○永井座長 基本的には同じだと思います。

 では、門脇構成員、それから岡村構成員。

○門脇構成員 いろいろなエビデンスから見まして、先ほど永井先生のシェーマにあった内臓脂肪を介するものと介しないものは、心血管イベントから見ると、恐らく3分の2ぐらいが介するもので、3分の1ぐらいは介さないものだと、幾つかのエビデンスがあると思います。それは、私が行った厚生労働省の研究班の結果でもそのようになっていました。

 そして、現在の仕組みは内臓脂肪を介するものを同定する仕組みですけれども、逆に言いますと、内臓脂肪を介さないものも同時に同定できる仕組みでもあるので、心血管イベントの3分の1が内臓脂肪を介さないものとするとそれに対して、少なくとも全く取り組んでいないところもあるという現在の状況よりは、改善すべきではないかと思います。

○永井座長 岡村構成員。

○岡村構成員 その辺を含めて、先ほど今後のスケジュールを見て思ったのですけれども、最初に健診項目の検討をやることになって、健診項目は、どちらかというとハイリスク者を見つけるためのものなので、見つけられるかどうかという視点の評価がまず必要だと。ただその後は保健指導の評価になるので、介入手段があるかどうかという評価に恐らく入っていくのですが、今、既に出口の話だけに行っている感じがするのです。ハイリスク者を見つけられるけれども、対処法がどういうものがあるかを意識しながら見つけましょうという議論だったのだろうなと考えております。

 それから、先ほど要医療の話があったのですけれども、実は危険因子の管理というのは、保健指導と要医療というのが車の両輪で、その両方がなきゃいけない。危ない人は、当然要医療という考え方になるのですが、両方が必要な人もあるかもしれないし、片方だけの人がいるかもしれない。そうなってくると、一緒に要医療のところも見直していかないといけない。現在のプログラムは、学会のスクリーニング基準がそのまま単純に要医療になっていたりするので、紹介された医療機関が、これだと治療の必要がないということで受診者が送り返されてしまう。

 すると、本当にハイリスクの人が治療に行かなくて、オオカミ少年じゃないですけれども、要医療となっても、医療機関に行っても治療してもらえない場合があるので行かなくなる。これは医療機関の責任ではなくて、スクリーニング基準から全部要医療になっていたりするところが、まず問題点があるので、そこの強弱を含めて、介入とセットで検討していかなきゃいけないところが恐らくあるのだろうと思います。

○永井座長 津下構成員、それから藤内構成員。

○津下構成員 2点あるのですけれども、1点は、前回の改訂のときにそこの問題意識があって、84ページ以降の文例集がありまして、受診勧奨判定レベルを超えて、すぐに受診しなきゃいけない範囲と、生活習慣改善を優先して、そして医療も考慮するという2段階での記載になっておりますが、これは実際、どの程度運用されているかとか、どの程度、これについて課題があるか。

 これをしっかり運用して結果を確認したという話は、十分には聞き取れていない状況ですが、今、データヘルス計画の中で、この基準は使えるねということで採用されている保険者さんはあります。健診では血圧が受診勧奨判定値で140過ぎて、すぐに病院に行く。そのときには血圧が下がっていて、どうして来たのと言われてしまうような事例が多い中で、このテーブルをどの程度活用していくのかというのも1つあるかなと思います。

 もう一点ですけれども、薬を飲んでいると自動的に特定保健指導対象者から外れます。高血圧の薬を飲んでいる人の男性の6割はメタボ状態だというデータもあるぐらいで、薬を1錠飲んでいる高血圧やメタボの方は、しっかりと保健指導を受ける機会が実は少なくて、そのうちに脂質異常症がふえて、糖尿病になっていきます。ここは、薬を1錠飲んでいると、糖尿病の薬ではないのだけれども、特定保健指導を受けられないというのが今の仕組みになっています。メタボのために保健指導する意味はあるのに、薬を飲んでいるから対象外になっているという問題も1点あるのかなと思います。

○永井座長 藤内構成員。

○藤内構成員 先ほどの要医療あるいは受診勧奨の対象になった人たちが実際どうなっているかという部分ですが、幾つかの自治体では、受診勧奨になった方には受診勧奨の旨をお伝えして終わりです。本当に受診したかという確認ができていません。

 先ほど寺本構成員がおっしゃられたように、受診勧奨前の、例えば血圧で130を超えた人に対して、メタボがなくて、そういう人まで指導するというのはとても手が回らないだろうと思うのですが、メタボがなくて、非肥満で受診勧奨になっている人に対して、「医療機関に行ってね」と言うだけで終わってしまっているという実情が少なからずあるのです。そこのところは今回、受診勧奨域の基準も含め、その後の対応についてもきちんと議論が必要かなと思います。

○永井座長 ほかに。磯構成員、どうぞ。

○磯構成員 非肥満の問題に関しては、門脇先生の研究班でも系統的に検討されています。また、第1回目の会議で、大手企業の健康組合でのデータが出されています。大企業の男性の勤務者では、メタボの循環器疾患発症への影響が全体の半分以上を超えるという状況ですが、女性や高齢男性においては、メタボに比べて非肥満の問題が依然として大きいという現状があります。

 そこで、非肥満の高血圧、糖尿病、あと脂質異常に対してどのように対処したらよいか厚生労働科学研究費の研究班が、現在進行中ですが、これまでのエビデンスとして、高血圧に対しては減塩と節酒が効果的だということがわかっていますし、糖尿病に対しては運動やグライセミックインデックスを考慮したような食事指導、あとは、朝食欠食や夜食習慣の是正が効果的であるというエビデンスが出ているかと思います。

 脂質異常に関しては、非肥満でもLDLコレステロール値が高い人が多くおり、食事指導が効果的というエビデンスがあります。ただ、それらに対する保健指導をパッケージとして、どのような形で介入プログラムを組むかというのがこれからの課題だと思います。

○永井座長 よろしいでしょうか。きょうのところは、先ほどお示しした「特定健康診査・特定保健指導の満たすべき要件」、このあたりの全体的なところを御了解いただければよろしいと思うのですが、細かい議論は、今後、項目あるいは指導の在り方について、さらに議論を深めたいと思うのですけれども、はい。

○津下構成員 1点だけよろしいでしょうか。一番大前提の「公衆衛生上重要な健康課題」という書きぶりというか、事実はそうなのですけれども、疾病構造がどんどん変わり、そして寿命の延伸よりは健康寿命の延伸とかが目指すところとなってきています。特定健診・保健指導については、医療費適正化ということも目標の1つ掲げられている状況です。そこで現在の「公衆衛生上重要な健康課題」というものをきちんと定義して、それから前回の議論にもありましたけれども、それを世代別の健康課題にブレークダウンするというプロセスも必要であると思います。

 これからの健診項目で議論になるときに、どういう健康課題の大きさがあるのかということは非常に重要で、何に向かって私たちはこの制度を考えていくのかというのをきちんと定義しながら、議論を進めていただくというのが非常に重要な方向だと思います。

○永井座長 ありがとうございます。そういうことを踏まえての公衆衛生上重要な課題だということですね。

 では、よろしいでしょうか。それでは、ただいまの要件につきましては、健康診査等専門委員会で報告させていただきたいと思います。

 続きまして、議題3に参ります。「特定健康診査の健診項目等について」、事務局から説明をお願いいたします。

○高山健康課長補佐 事務局でございます。

 それでは、資料3により御説明させていただきたいと思います。また、お手元に「標準的な健診・保健指導プログラム(改訂版)」を御用意ください。

 構成員の皆様方の机上のファイルの中にございます「標準的な健診・保健指導プログラム(改訂版)」のほうをまずごらんください。

25ページから、「第2編 健診」というセクションになっております。

 おめくりいただいて、25ページには「第1章 メタボリックシンドロームに着目する意義」がうたわれております。

 もう1ページおめくりください。26ページですが、こちらから「第2章 健診の内容」となりまして、「2−1 健診項目(検査項目及び質問項目)」という項目がございます。

 また、29ページをごらんいただきますと、こちらからは「2−2 健診結果やその他必要な情報の提供(フィードバック)について」。

 それから、32ページからは「第3章 保健指導対象者の選定と階層化」となります。

36ページになりますと、「第4章 健診における各機関の役割」。

38ページからは第5章となりまして、「健診データ等の電子化」。

43ページですけれども、「第6章 健診の実施に関するアウトソーシング(外部委託)」。

 それから、45ページ、「第7章 75歳以上の者及び40歳未満の者に対する健診・保健指導の在り方」という構成になっております。

 こちらのうち、資料3には、特定健康診査の健診項目等の見直しを行うに当たって、あらかじめ御議論いただきたいと考えております部分を抜粋しております。具体的には、保健指導プログラムのほうで申し上げますと、26ページ、「第2編 健診」、「2−1健診項目(検査項目及び質問項目)」のうち、(1)の「基本的考え方」、「(2)具体的な健診項目」、「(3)質問項目」を抜粋しております。

 1枚めくっていただきまして、28ページに「(6)健診項目の判定値」、「(7)健診項目の定期的な見直し」という記載がございまして、こちらも本日の資料3に抜粋させていただいております。

 少し飛びまして、32ページの「第3章 保健指導対象者の選定と階層化」の中で、「(1)基本的考え方」も抜粋させていただいて、資料3を構成しております。

 資料3のほうをごらんいただきたいのですけれども、こちらの抜粋を下側に点線で囲った部分にお示ししております。永井座長ともあらかじめ御相談させていただきまして、本日の論点を整理させていただきましたので、御参考としていただければと思います。

 なお、事務局のほうからちょっと訂正ですけれども、こちらの資料3の健康診査の健診項目について、マル4、5ページの2つ目の論点のところで誤字がございまして、「補足すべき」という漢字を間違えております。

 また、ちょっとお戻りいただいて、マル2、3ページの下の点線のほうですが、下の「2−1 健診項目」の(2)のマル1の中で、身体計測のところの「慎重」という字が間違っておりまして、大変失礼いたしました。こちらのほうは、ホームページの資料では修正させていただきたいと思いますので、御了解をお願いいたします。

 事務局からは以上です。

○永井座長 ありがとうございました。

 では、ただいまの資料3につきまして、御質問いただきたいと思います。

 このあたり、岡村構成員から御説明を追加お願いできますでしょうか。

○岡村構成員 まず、上と下は関連があるのですけれども、下だけをぱっと見てしまうと、糖尿病とメタボリックシンドロームを減らすことがこの制度の目的だと見えてしまうのですが、ここにおられる方は、皆さんわかっていらっしゃると思うのですが、糖尿病の合併症、糖尿病はそれでいいのかもしれないのですが、終局的には虚血性心疾患とか脳血管疾患を予防するというのが重要なアウトカムで、メタボリックシンドロームを何のために減らすのかということになると、脳血管疾患が減る、動脈硬化性疾患が減るということが一番期待されます。

 そもそもメタボリックシンドローム自体の概念が、LDLコレステロールを低下させてもイベントを起こす人はどんな人かという探求から始まった概念ですから、もともと動脈硬化性疾患をどう減らすかというところから来ていることになりますので、論点のアウトカムについては議論の余地がないのではないかというのがあるかなと思います。

 議論が、あちこち一遍に言うとあれなので、とりあえず、そこだけ済みません。

○永井座長 これについては私もちょっと意見があるのですが、もう病院にかかって虚血性心疾患を持っている。1回脳卒中を起こしていて、再発を防ぎましょうという話になれば、これは医療の範囲で、特定健診の範囲ではないと思いますが、全く放置されていて、非常にハイリスクの方であれば、これは特定健康診査でチェックして受診指導なりをしないといけないと思います。そういう程度の意味です。

○岡村構成員 そうです。診療のガイドラインでも、通常、1回イベントを起こした方は、セカンダリー・プリベンションで別扱いになってしまうので、通常の危険因子での発症予測がほぼ使えない状態になってしまいますから、そこは医学管理の再発予防という対象という整理になるのではないかと思います。

○永井座長 背景を分けて考えないといけないだろうと思います。

 藤内構成員。

○藤内構成員 今の点、確認させていただきたいのですが、この虚血性心疾患や脳血管疾患が既に起こった人は対象にしないということですが、実際に例えば血圧とか高脂血症等で治療中の人が、こういう脳血管や虚血性心疾患を起こすのを防ぐのは、この特定健診の対象であるということでいいのでしょうか。

○永井座長 医療機関受診していれば、医療機関に診てもらうことになるでしょう。もし放置されていれば、それは指導しないといけない。

○藤内構成員 まさに、特定健診の受診対象者は、そういう病気で医療機関にかかっている人も対象になっていますので、そこの議論も、現場からしてみると、重要です。確かに、コントロールの悪い人の重症化防止に取り組む必要があるのだけれども、それを特定健診・保健指導という枠組みでやるのか、例えば、別の生活習慣病の重症化防止という衛生部門の取り組みでやるのか。そこを整理すれば、既に糖尿病とか高血圧で治療中の患者も、この特定健診の対象にするのかという議論が変わってくるのではないかと思うのですが。

○永井座長 はい。

○岡村構成員 そこは、恐らく階層があって、脳卒中とか心筋梗塞ということになると、これは医療管理されていないほうがどちらかというとまずいことになりますので、先ほど言ったように、通常の意味での危険因子による予防というのはかなり難しいですから、そこはちゃんと医療管理が必要であると。

 今、先生が言われたのは危険因子を治療中ということになるので、例えば高血圧とか糖尿について治療されていて、でも、脳心血管疾患を起こしていない方はどうするかという論点で、そこは現状では特定保健指導の対象にはなっていないという状況です。しかしそこをどうするかという議論ですね。

○藤内構成員 でも、健診の対象にはなっているのですね。

○岡村構成員 そうです。

○藤内構成員 だから、健診の対象に今までとおり、治療中の患者を含めるのかというところも少し御議論いただければと思います。

○永井座長 磯構成員、どうぞ。

○磯構成員 例えば、糖尿病で医療機関に既にかかっている人が特定健診を受けることで、高血圧、脂質異常等の糖尿病で合併しやすい他のリスク因子についての検査結果が得られるため、それらの情報が診療に役立つことが少なくないと思います。

○永井座長 岡村構成員。

○岡村構成員 だから、恐らく義務の範囲に入るか入らないかということになってくるのですけれども、高血圧とか糖尿病で治療中で、もし健診で引っかかって、例えばコントロールがよくないとか、何か新しいのが出てきたというと、医療機関に連絡したり何かアドバイスしたりしていることがあるかもしれない。だから、危険因子について治療している人について、健診から外すかどうかというと、かなり大きな部分がごそっと外れてしまうので、それはどうかということになります。ただし脳卒中や心筋梗塞を起こしている人は高血圧などの治療中とは段階が違うのでは、という整理になるのではないかと思います。

○永井座長 津下構成員。

○津下構成員 今の制度で特定健康診査と特定保健指導と、正確に言葉を分けてしないと混乱が起こるのですけれども、保険者機能として加入者の健康状態を把握して保健事業をするという大きな位置づけがあって、その中で特定健康診査を治療している人に対しても実施するという形で今は動いています。そのメリットとしては、治療している人でも、例えば治療が不十分になっているとか、もう少し生活習慣改善に取り組んだほうがいいということを評価して、次の動きにつながるという意味では、保険者機能としては特定健康診査が全員について実施義務がかかっている。そこをあえて外す議論というのはどうなのだろうという気はしております。

 ただ、特定保健指導の対象者についてどうするかという点で言うと、もう既に発症してしまった人について、そこは医療管理でセカンダリー・プリベンションになるのですけれども、最近、軽症の脳梗塞や心筋梗塞で治療して、その後、中には放置されたりする方もあるので、それに対する対応というのは必要かもしれないとは思っています。特定保健指導については、治療中の範囲の人、受診勧奨範囲の人をどこまでにするのか。または、薬を飲んでいる人を完全除外でいいのか。そのあたりについては、エビデンスに基づいてもう少し議論していただきたいポイントかなとは思います。だから、この論点に書いてあります2点については、非常に重要な項目だと考えています。

○永井座長 はい。

○岡村構成員 ですから、健診と保健指導をまず分けて考えないといけないというのが今の御意見だったということで、保健指導については、いろいろ議論があるのですけれども、要医療の人は要医療のところを軸にして、それに付加するかどうかみたいなことになるのかなということに、今のお話だとなるような気がいたしました。

 それから、ちょっとそれとかかわってくるのですけれども、保健指導が必要な対象者を的確に抽出するというのが下のところに書いてあるのですが、実際は要医療者も抽出するという議論も当然あって、そこが今、スクリーニング基準か何かで切って、全部まとめて丸投げになっているので、先ほどのような問題点が出てくるのですが、要医療者を抽出するという目的も健診項目に持たせるかどうかということについても議論が必要だという書きぶりだろうと思います。

○永井座長 寺本構成員。

○寺本構成員 先ほど藤内先生がおっしゃったのは非常に重要で、要医療者というのは確実に出てくるわけなので、要医療者をピックアップするということが一つの大きな要因ですけれども、重要なことは、その方は本当に医療に行っているのかどうかというところまでの組み方をしないと、恐らくこれの持っている意味がなくなってくる。

 もう一つは、例えばお薬を飲んでいて血圧の治療をしている人たちが、もしもこれでメタボとして引っかかってくることがあった場合には、それは医療者側にある程度そのことをインフォームして、よりきっちりとした治療をしなきゃいけないのだというインフォメーションを与えるということもしないと、恐らくこれが持っている意味がなくなってきてしまうので、事後の保健指導ではなくて、要医療になってしまった人たちの事後措置といったことも考えておく必要があるのではないかという気がいたします。

○永井座長 はい。

○藤内構成員 まさに特定保健指導の対象者から今の治療中の方が外れてしまうので、せっかくそうやって治療中の方も特定健診を受けていただいたのに、結局、その後は何の支援もなしになってしまっているのです。健診と保健指導を分けて考えるべきだと言われましたが、実際に特定保健指導という何の介入も受診後に得られないのだとしたら、本当に状況を把握するだけで終わってしまうので、これはちょっともったいないと思います。健診の対象にするからには、治療中であっても、その結果をどう主治医に伝えるかといったことがしっかり議論されるべきなのですが、先ほど来、申し上げたように、特定保健指導の実績を上げることが最優先されて、結局、そこに全然手が回らないという現状があります。

○永井座長 どうぞ。

○津下構成員 さっき「分けて」と言ったのは、対象者を考えるときに言葉を使い分けしないといけないと言っただけで、事業としての連続性とかを分けるというつもりはありません。

 今おっしゃったように、受診勧奨についても、非常に重要な、病院に行かなきゃいけない人を把握するというのが、もともと健診はそういう使われ方をしてきました。それだけじゃなくて、生活習慣改善指導を重視するということで特定保健指導が入ってきた。ということは、もともとは要医療者の抽出というのが重要な機能だと。

 ただ、それがやりっ放しになっている現状があって、実は医療保険者が実施するということで、わざわざ受診しましたかと聞かなくても、レセプトがちゃんと出ているかとか、翌年の健診データを確認するというアプローチをすれば、受診されたかどうかというのは、把握可能です。受診勧奨の評価が1年後でいいものと、それから1カ月とか3カ月以内に行っていただきたい方もあるとは思いますが、ある程度受診勧奨判定値においても階層化をして、評価方法も書き込むことができたら、一歩、ここについては強化ができるのではないかと思います。

○永井座長 寺本構成員。

○寺本構成員 脳血管疾患とか虚血性心疾患を予防しようと考えると、例えば血圧の治療をしている先生が、この方が軽症のほかのものをいろいろと合併しているか否かということは非常に重要な問題になってくるのだけれども、そのことがきちんとインフォームされていなくて、そこでそれなりの指導がされていないと余り意味を持たなくなってくるわけですね。ですから、受診だけではなくて、そこにインフォームするというシステムをつくっておかないと、例えば利用者側からの何らかのレスポンスがあるというのが、僕は基本的に必要なのではないかという気がいたします。

○永井座長 岡村構成員。

○岡村構成員 ですから、今、お話を聞いていて、要医療者を抽出するためにということについては、恐らく意見が分かれていることはないだろうと思うのですが、今後、健診項目の個々の内容を検討していくときに、健診項目によって保健指導の比重が高いものと、要医療の比重が非常に高いもの、あと、両方のミックスというか、ハイブリッドが効果的なものと、多分そういう分け方ができるので、このような目で見ていくという形に恐らくなるのかなと今、思いました。

○永井座長 具体的にどうするかは、またさらに後々の議論として、見方としてはこういうところが大事だと。そこを御確認いただければと思います。

 まだ、マル2、マル3、マル4とありますが、マル2のほうはいかがでしょうか。科学的エビデンスに基づき、先ほどの満たすべき要件を踏まえて検討する。

 津下構成員。

○津下構成員 賛成です。ただ、健診受診率を上げるための一つのハザードとして、空腹時採血があります。空腹時採血の要件を外せば、もっと受診率が上げられる可能性があるのかなと思います。正確さという意味では空腹時になると思うのですけれども、フィージビリティーとか、今まで受けていない人に受けてもらうこととして、非空腹時のデータが活用できないかというのは実施サイドからの要求としてありますが、その辺の御検討はしていただけるのかどうかということです。

○永井座長 非常に重要なポイントです。空腹にできない方がいるのです。必ず食べないとだめなのだという方がおられますので。

 いかがでしょうか。これはまたさらに議論したいと思いますが、総論としてはエビデンスが大事だということだと思います。

 マル3はいかがでしょうか。どこまで重症化進展を早期にチェックし得るものを入れるかという議論、具体的には例えばクレアチニンの問題とか、幾つかの課題があるのですけれども、具体はまた後ほどにして、考え方として御意見いただければと思うのですが。岡村構成員。

○岡村構成員 詳細な項目のところが、先ほどの医療との分担をどうするかということに一番かかわってくることになると思いますけれども、どこまで健診で担保するか。担保して、やることによって何を見つけるのか。要医療者なのか、ハイリスク者なのかということになります。

 あと、既存の危険因子の組み合わせと比べて、何がそれによって新しく見つけられるのかという考え方が必要になってくるのかなと思いますので、いい検査だからどんどんやればいいということにはならなくて、脳心血管疾患を予防するとか糖尿病を予防するという観点で、健診に追加して意味があるか。本来は医療機関でやるべきものじゃないかということが、ここは混じってくるところになるのかなと思います。

○永井座長 はい。

○津下構成員 詳細な健診項目ですけれども、この条件にはまった方をそのときにやろうと思うと、手続論が非常に大変ということがあります。一方、治療中であれば、病院で診療の中で眼底検査とか心電図とかをとられるので、どこまで実施するかということがあると思います。

 一方では、これに該当しない人は、心電図も眼底検査もずっとやらなくてもいいのかということにもなり、例えば節目健診の考え方ではいかがでしょうか。毎年やる必要はないけれども、数年に1回は、5年に1回とか、全員に対してある程度スクリーニング的に実施するというのも考慮すべきかなと思いますが。単年度で考えると、コストはどうするのだということがあると思うのですけれども、節目という考え方が導入できるかどうかということについてもご検討いただければ。

○永井座長 ありがとうございます。

 岡村構成員、どうぞ。

○岡村構成員 ここについて、個々の項目は、またそれを検討する機会に検討されると思うのですけれども、今の基準だと何を目的としてやっているのか、よくわからなくて、肥満と血圧高値、脂質と・耐糖能異常と、4項目全部かぶった人だけですね。4項目かぶっていたら、それだけでハイリスクなので、別に追加して何かの検査をやる必要は全くないので、何を見つけているかよくわからない。だから、本当にとったほうがいい人にとっていなくて、必要ない人にとっているかもしれない。そういう目で、何を見つけて、何のためにやっているかという考え方が必要だろうと思います。

○永井座長 もう一つ、津下先生が言われたように、毎年必要なのかという話ですね。確かに職場健診でも、40歳の方は心電図とか、ありますね。その辺をどう扱うか。これも後ほど御議論いただきたいと思いますが、基本的にはここに書かれているようなことでしょうけれども、かなりケース・バイ・ケースだということでしょうか。特にクレアチニンの問題の議論が必要になってまいります。毎年必要か、隔年なのか、5年に1回なのか、クレアチニンによって何を調べるのか。

 いかがでしょうか。よろしいでしょうか。

 4について、岡村先生、御説明いただけますか。

○岡村構成員 問診項目ですけれども、実は二十何項目かあって、全部が必須かと思っていたら、よくみると必須と書いてあるのは、ここに書いている服薬状況と現病歴と喫煙習慣だけだったということを最近、理解したのですけれども、全体を含めて階層化に使う問診項目はどれかということ。あと、そのほか、プログラムにオフィシャルに入っているので、使っているところも多いと思うのですけれども、何を目的とした問診なのか。リスクの予測をするものなのか、保健指導のために使うものなのか、何のためにとっているのか、よくわからないところがあります。

 実は、とっているけれども、保健指導に活用しているという事例を余り聞いたことがないので、プログラムに入ってしまうと、書かれているものは結構あちこちでとられる可能性が非常に高いので、何かの目的で使えるということです。ハイリスク者を見つけられるか、保健指導に非常に有用かという、どちらかの切り口に恐らくなるのですけれども、そこも多分、検討していく必要があるのではないかと思います。

○藤内構成員 藤内構成員。

○藤内構成員 この問診項目については、本来、目的外使用かもしれないのですが、平成21年までは都道府県ごとの国保分については全国集計したものが提供されていたので、大分県民の7万5,000人について、22項目については全国と比較して、大分県民の生活習慣の特性の把握に利用していました。生活習慣の実態を把握するというのはなかなか容易ではありません。例えば、健康増進計画の策定や改定のときに数千人規模でアンケート調査をするのですが、回収率は4割程度なので、そういう意味では、特定健診の受診者に対する問診で、地域の生活習慣の実情を把握できるというのは、ポピュレーションアプローチの評価という意味では非常に重要でした。

22年以降はなぜか全国集計がないので、今回、KDBで自分の自治体と同規模自治体の分は提供されてはいるのですけれども、他の地域と比較できるという形で地域の生活習慣の実態を把握できるということも大事かなと思っています。

○永井座長 津下構成員。

○津下構成員 この質問表については、特定保健指導の場面では非常によく使われていると思っています。アセスメントの第一歩として、全国で共通でとられているので比較可能ということと。それから、体重の変化とか、その人の履歴を聞いている。運動についても、これは健康寿命をアウトカムとしたエビデンスがとられているという観点で、一定の議論の上、こういうふうに掲載されたものです。藤内先生がおっしゃるように、これは集積されて分析可能である部分もあります。

 前後比較ができるとか、毎年、経年的に受けている人だと、その健康行動がどう変わったかということで、変化とデータをあわせて見るということで、ちゃんと使うと使う価値があると思います。

 ただ、問題点は、努力義務となっている項目、登録しなくてもいい項目なので、実際には歯抜けが多くてうまく使えないという状況もあります。できれば目的を明確にして、必要な項目については最低限電子化して登録していただくとするといいのかなと思います。

○永井座長 はい。

○岡村構成員 今のことは、結局、最初にプログラムに問診が提示されていて、とられているから使われているのだろうと考えます。この問診の中身が本当にいいものかどうかについての議論は、恐らく余り多くなされていないだろうというのがある。見ただけで、幾つかクリティカルな問題点が既にあります。確かに横の比較はできる。だから、問診が非常に必要だということは全く疑う余地はないのですが、中身については検討しなきゃいけない。

 例えば、この問診項目で糖尿病の発症を予測できるかどうか検討したのですけれども、20歳からの体重増加以外、ほぼ何もメタボリックシンドロームの発症予測能がないとか、幾つか検討をやっていますし。あと、喫煙と飲酒だと、とにかく「やめた」というログが残っていないので、禁煙者・禁酒者を全く拾っていないので、基本的な問診なのにこのようにクリティカルなところが幾つかありますので、議論しなきゃいけない点がたくさんあると思います。

○永井座長 ありがとうございます。

 続いて、マル5の特定健康診査の健診項目はいろいろ議論が多いところでありますけれども、班会議で検討を行うという話と、そもそも尿検査、肝機能検査等、保健指導対象者の選定に用いられない項目、導入が見送られている血清尿酸、血清クレアチニンなどについて、どうお考えか。御意見、いかがでしょうか。検討することについてどう考えるかですが、追々、これについて議論していくことになりますが、よろしいでしょうか。

 津下構成員。

○津下構成員 そこは、最初の大原則どおり、どんな保健事業が組めるか。このデータを使って、例えば重症化予防とか、ある程度エビデンスのある事業につなげていけるのであれば必要な議論と思います。早目に治療につなげないと健康課題が大きくなるものについては、ぜひ御検討いただきたい部分だと思います。

○永井座長 杉田構成員。

○杉田構成員 今の津下先生の意見に本当に賛同しているのですが、健診を受けるからには、その先の保健指導プログラムがないと意味をなさないと言い切りたいぐらいのものだと思います。その先の明確なエビデンスに基づくプログラムをセットで考えるのであれば、積極的にこれらの項目は考えていくべきではないかと思います。事実、全国の中でも先駆的に取り組んでいるところが、先駆的と言えないくらい、尿酸とかクレアチニンを健診に取り入れているところが多数あるとお聞きしておりますので、その辺のエビデンスを集積していくというのも一つの考え方ではないかと考えます。

○永井座長 そのときに、さっき議論のありました、毎年必要かとか、節目との関係とか、少し実際のデータを見ながら議論したいと思います。

 最後に、保健指導対象者の選定と階層化について、今後どう考えるか。糖尿病、虚血性心疾患、脳血管疾患等の生活習慣病に対するリスクの程度に応じて行うとする考え方について、どう考えるか。これは基本的なことだろうと思いますが。どうぞ。

○津下構成員 リスクの程度と介入の深さだと思うのです。リスクがある程度重いといいますか、重点的にやらなきゃいけないところはある程度投入するけれども、それはたくさんの人にはやれないかもしれない。ただ、そこだけやっていると、軽いほうからどんどん悪い方へ移行してきますので、軽くても広く浅くの保健事業。これは特定保健指導としなくてもいいと思うのですけれども、そういうリスクの程度に応じて、例えば積極的支援と動機づけ支援があったように、軽い保健指導も、効果は少なくてもたくさんに実施できる利点あります。リスクの程度に応じてプログラムも考えていくということは、重要な視点であると思います。

○永井座長 きょうは、こういうところに論点があるということです。

○津下構成員 もう一つ論点としては、保健指導だから安全ということはないとは言えず、例えば行き過ぎた保健指導で健康障害が起こってはいけない。例えばですけれども、食事制限し過ぎて筋肉量を落とし過ぎたとか、いろいろ考えられることはあると思います。安全性ということも要件の中にはあったと思いますが、例えば同じような指導を若い人にやっても大丈夫だけれども、高齢者にはちょっと危ないというリスクというのも考慮した上で検討していく必要があると思います。

○永井座長 ありがとうございます。

 何かほかにそういう論点、ございますでしょうか。よろしいでしょうか。

 また、会議を重ねる中で追々、御議論いただければと思います。

 本日はここまでにしたいと思います。

 今後のスケジュールについて、事務局から御説明をお願いいたします。

○中田健康課長補佐 今後のスケジュールと議論の進め方について説明させていただきます。

 まず、時間がたって恐縮ですが、冒頭、津下構成員のほうから、今後の議論の進め方におきまして、ただいま見ていただきました「標準的な健診・保健指導プログラム」でも、40から74才以外の方の年齢のことも書いてあるので、それについての議論をどうするのかという指摘がございました。その議論は妨げるものではありませんと回答させていただきましたが、今後の議論の進め方といたしまして、各研究班から個別項目のデータが議論されてくるところでございまして、28年半ばまでの中間まとめにおきましては、40から74を前提としてエビデンスの解析・分析がありますので、そういった理解で進めさせていただきたいと思っています。

 最終的には、この冊子自体は今申し上げた事項が含まれておりますので、それ自体は29年半ばまでの見直し規定があります。それまでにどういうふうに反映していったらいいかは、我々としても考えさせていただきたいと思っております。

 あと、今後のスケジュールですけれども、冒頭御説明しましたとおり、次回は2月ころを予定しておりまして、実際に個別の健診項目、脂質、肝機能、代謝等につきまして、研究班の先生とも相談しながら分析結果をお示ししたいと考えております。具体的な日時につきましては、後日、調整させていただきまして、御連絡を差し上げたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 事務局からは以上でございます。

○永井座長 ありがとうございました。よろしいでしょうか。

 では、本日はこれで閉会といたします。どうもありがとうございました。


(了)

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