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2016年1月26日 第16回肝炎対策推進協議会 議事録

健康局がん・疾病対策課肝炎対策推進室

○日時

平成28年1月26日(火)15:00~17:00


○場所

厚生労働省 専用第22会議室(18階)


○出席者

相澤 好治 (北里大学医学部名誉教授)
大賀 和男 (日本肝臓病患者団体協議会常任幹事)
岡田 京子 (全国B型肝炎訴訟東京原告団)
清本 太一 (全国B型肝炎訴訟北海道原告団)
小森 貴 (公益社団法人日本医師会常任理事)
曽原 倫太郎 (日本労働組合総連合会労働条件・中小労働対策局長)
武田 せい子 (薬害肝炎原告団)
田中 純子 (広島大学大学院医歯薬学総合研究科教授)
西村 愼太郎 (日本肝臓病患者団体協議会相談役)
林 紀夫 (関西労災病院院長)
溝上 雅史 (国立研究開発法人国立国際医療研究センター肝炎・免疫研究センター長)
村上 顕郎 (健康保険組合連合会常任理事 )
米澤 敦子 (日本肝臓病患者団体協議会常任幹事)
脇田 隆字 (国立感染症研究所副所長)

○議題

(1)肝炎対策基本指針の見直しに向けた議論
(2)その他
   ・B肝特措法の改正について
   ・身体障害者手帳の認定基準の見直しについて

○議事

○林肝炎対策推進室長 それでは、定刻になりましたので、ただいまから第16回「肝炎対策推進協議会」を開催させていただきます。

 委員の先生方におかれましては、御多用のところ協議会に御出席いただきまして、まことにありがとうございます。

 本日は、野宮委員、長谷川委員、山中委員、小森委員、熊田委員、加藤委員から御欠席の連絡をいただいております。

 柿嶋委員がちょっとおくれておられるようでございます。

 委員総数20名中14名の委員に御出席をいただいております。過半数に達しておりますので、肝炎対策推進協議会令第4条第1項の規定により、本日の会議は成立いたしますことを御報告いたします。

 まず、前回の協議会、9月に開催されて以降、事務局側の異動がありましたので、御紹介させていただきます。

 まず、健康局長の福島でございます。

○福島健康局長 福島でございます。よろしくお願いします。

○林肝炎対策推進室長 健康局総務課長の大西でございます。

○大西総務課長 大西でございます。よろしくお願いします。

○林肝炎対策推進室長 健康局がん・疾病対策課長の佐々木でございます。

○佐々木がん・疾病対策課長 よろしくお願いいたします。

○林肝炎対策推進室長 申しおくれましたけれども、私、肝炎対策推進室長とB型肝炎訴訟対策室長を併任しております林でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

 それでは、会議に先立ちまして、健康局長の福島より御挨拶を申し上げます。

○福島健康局長 10月1日付で健康局長を拝命いたしました福島でございます。第16回「肝炎対策推進協議会」の開催に当たりまして、一言御挨拶を申し上げたいと思います。

 まず初めに、委員の先生方には大変お忙しいところ、また、お寒いところお集まりいただきまして、ありがとうございます。

 また、日ごろから肝炎対策のみならず、厚生労働行政全般につきまして御指導、御支援を賜りまして、厚く御礼を申し上げたいと思います。

 さて、国の肝炎対策でございますけれども、平成23年5月に作成されました肝炎対策基本指針に基づいて推進をしておりますが、肝炎対策基本法におきまして、少なくとも5年ごとに検討を加えるということになっておりまして、昨年からこの計画についての見直しということをお願いしておるわけでございます。

 本日は、肝炎対策基本方針の見直し案について、これまでの御意見を踏まえて、事務局の方針案というものをお示ししておりますので、それについての御議論をお願いしたいと思います。忌憚のない御意見を頂戴できればと思います。

 なお、B型肝炎特措法につきまして、来年1月に当初5年の請求期限が来るということになっておりまして、私どもとしてはこの延長等を行う必要があるということを考えておりまして、延長等を行う法案についてこの通常国会に提出させていただく予定としておりますので、この機会にあわせてお知らせをしたいと思います。

 委員の先生方には活発な御議論をお願いするとともに、引き続き肝炎対策について御指導いただくことをお願い申し上げまして、簡単でございますけれども、冒頭の御挨拶にさせていただきたいと思います。

 本日はどうぞよろしくお願い申し上げます。

○林肝炎対策推進室長 それでは、議事に入ります前に、お手元の資料を確認させていただきます。

 資料は全部とじておりまして、「第16回肝炎対策推進協議会議事次第」が表紙になっている資料でございます。一番最後が136ページとなっているかと思います。

 内容につきましては、委員名簿がございまして、配席図、その下に目次がございます。配付している資料については説明の中で触れていくものもございますが、この資料一覧をもって御確認いただければと思います。

 議事の中で、万が一落丁等がありましたら、その都度お知らせいただければと思います。

 あわせて、委員の席には資料2「各委員等からの提案内容及び見直しの方向性について(案)」と同じものがA3の紙で印刷して置いております。これは内容的には同じものでございますが、見やすさということでA3で御用意しておりますので、こちらを御参照いただければと思います。

 以上が資料の確認でございます。

 カメラ撮りはここまでとさせていただきますので、御退室をお願いいたします。

(報道関係者退室)

○林肝炎対策推進室長 では、以降の議事進行につきましては、林会長、よろしくお願いいたします。

○林会長 それでは、以後の審議に入りたいと思います。本日もどうぞよろしくお願いしたいと思います。

 前回の協議会でもお話しさせていただきましたように、本日の会議では肝炎対策基本指針の見直しに向けまして、委員からの御意見を踏まえつつ、見直しの方針案について事務局のほうで作成していただきました。それをもとに本日御意見をお聞きさせていただきたいと思っております。

 それでは、事務局のほうから肝炎対策基本指針の見直し方針の案につきまして、御説明よろしくお願いいたします。

○林肝炎対策推進室長 室長の林でございます。

 では、お手元の資料に基づきまして基本指針の見直し案、基本的な考え方について御説明をしたいと思います。

 まず、資料1「肝炎対策基本指針の見直し方針について(案)」ということで、基本的な考え方を整理いたしましたので、通しページの2ページをごらんいただければと思います。2ページと3ページが一続きの資料でございます。基本指針については、これまでこの協議会で各委員の皆様方から御意見をいただきました。また、12月だったと思いますが、委員の皆様方に追加で御意見がないかということで、事務局から林会長に相談上、御照会をさせていただいております。それらの御意見、そして近年の肝炎対策の施策の実施状況などを踏まえまして、以下の考え方を基本として見直しを進めることとしてはどうかという御提案でございます。

 基本的方向、検査、医療、普及・啓発、人権、研究という分野について大きな見直しをするということであります。細かい見直しは後ほどの資料で御説明をしたいと思います。

 まず、基本的な方向についてでありますが、国として肝炎対策の全体的な施策の目標を目指すものを明確にしてはどうかということでございます。肝硬変・肝がんへの移行者を減らすということを目指していく。そして、具体的な数値、指標といたしましては、肝がん罹患率の減少というのを捉まえて、この減少を目指すということにしてはどうかということでございます。

 この関係で、括弧書きで「資料2;第1(1)関係 8」とありますが、これは後ほど御説明します4段表、A3になっております資料の中の該当箇所を示しているものでございます。

 参考までにこの関係で26ページの資料をごらんください。25ページ以下は資料3として、参考資料集を幾つかつけております。基本的な考え方等について、参考になる図などをつけているところでございます。

26ページの図にございますように、できるだけ早い段階で検査をして、ウイルスに感染していることをわかっていただく。そして、できるだけその方を早く医療機関につないでいく。また、陽性者への的確なフォローなどをすることによって慢性肝炎にならないようにする、肝炎になった方については適切な治療をできるだけ早期に受けられるようにするということでございます。下のほうに「未受診者の減少へ」とか、黒い矢印等が引いてありますが、こういうところに行かないように、適切な受診、受療につなげていくということが基本的な考え方かと思います。

 そして、これらの施策の最終的に目指すところといたしましては、右側にありますが、肝硬変・肝がんへの移行者を減らすということ。具体的な数字としては、現状では肝がんの罹患率というのは、数字として国で捉えられますので、これを指標的な目標としてはどうかということでございます。肝硬変・肝がんへの重症化を防いでいくということを目指していってはどうかということが1つ目でございます。

 2ページに戻っていただきまして、基本的な方向の2つ目の○といたしましては、各地域の肝炎対策の取り組みの格差ということも、この協議会でも御指摘いただいております。これに対応する内容でございます。国は、各都道府県に対して、各地域の実情をもとに、関係者と協議の上、肝炎対策についての計画及び目標を設定するよう促すとともに、都道府県は実施状況の把握、施策の評価・見直しといったPDCAサイクルを実施するように努めるということでございます。

 この関係で27ページ、28ページに参考資料がございますが、現状の確認でございます。27ページにありますように、各都道府県とも何らかの計画などで肝炎対策の位置づけというのはしていただいていますが、がん対策の計画でありますとか地域保健計画の中で位置づけているところもございます。

 数値的には28ページにございますが、数値目標を設定しているところが17、数値目標ではないけれども目標を設定しているところが11、特段の目標を設定していないとお答えいただいた都道府県が19という現状でございます。こういう現状を踏まえて、できるだけ目標を設定するようにお願いをしたいと考えております。

 2ページ目に戻っていただきまして、次は検査の関係でございます。

 1つ目は、肝炎ウイルス検査については、研究班の成果等も活用して、特に職域での啓発や検査実施を医療保険者、事業主等に働きかけるということでございます。関連のポンチ絵、34ページ、35ページをお開きいただければと思います。34ページにありますように、23年度に厚労省の研究班で調査した結果ですと、約半数の方が肝炎ウイルス検査を受検したことがない、検査を受けたことがないという状況になっております。

35ページを見ていただきますと、検査を受けていない方は、「ぜひ受けてみたい」「どちらかといえば受けてみたい」という方が7割ぐらいおられるわけでございますが、一方で、なかなか現実には受けていない。検査を受けた方について、受けた経緯を聞きますと、「職場での定期健康診査や人間ドックの検査項目にあったため」という理由を挙げている方が多い。また、受けていない理由としては、「定期的に受けている健診のメニューにない」とか「きっかけがない」と言われている方が多いということで、一つ、職場での健診等の取り組みの中でこのウイルス検査も入れていただくと、検査を受ける方が増えるのではないかということを考えておりまして、普及啓発の実施方法などについても研究班を動かしているところでございます。こういった取り組みをさらに進めていくということであります。

 2ページ目の最後の○です。検査陽性者の受診勧奨、フォローアップの取り組みについても、都道府県や拠点病院での取り組みや研究班の成果等を踏まえて、一層推進するということでございます。

37ページ、この協議会で田中委員が説明していただいた資料かと思いますが、検査陽性者のうち50万人超が治療を受けていないのではないかということがわかっています。

 フォローアップについては、38ページ、39ページに自治体の取り組み状況や国の補助事業を書いておりますけれども、取り組みの状況はまだ様々でございまして、さらに検査で陽性とわかった人をしっかりと受診・受療のステージにつなげていくという取り組みを加速するということであります。

 3ページ目の医療体制でありますが、1つ目は肝疾患連携拠点病院のことでございます。地域の肝疾患に関する中核的な医療機関として、自治体と協力して治療水準の向上と、専門医療機関あるいはかかりつけ医と地域の診療ネットワークを構築するといった取り組みをさらに進めていただくということでございます。

 また、国と肝炎情報センターが都道府県や拠点病院に対して技術的支援を行うなど、肝炎情報センターの基本的な役割を明確にしてはどうかということでございます。

 後ろの資料で言いますと、30枚目に関連のものがついております。国と自治体、そして国の中での肝炎情報センター、そして自治体における拠点病院というもの、それぞれが連携をして、国のレベルでの厚労省は自治体に、そして肝炎情報センターは拠点病院に対するさまざまな技術的な支援、財政的な支援を行うという関係にあるかと思います。

 また、拠点病院は、その下に「専門・一般医療機関」とありますが、これらの専門医療機関、一般医療機関と地域のネットワークを構築するといったことが求められております。

 肝炎情報センターにつきましては、現状の基本指針では必ずしも位置づけが明確に定まっておりませんので、そちらの明確化も図っていきたいと考えております。

 3ページ目の3つ目の○ですが、共生といったテーマであるかと思いますが、特にC型肝炎については、御案内のように、治療技術が進歩したということもございます。まさに働きながら治療ができる時代になってきておりますので、こういったものを含めて事業主への周知をさらに進めるなど、肝炎患者への就労支援の取り組みを推進するということでございます。

 次に、普及・啓発、人権関係であります。

 1つ目は、国民運動として普及啓発に取り組む。特に国と自治体の連携を強化するということを書いております。

 次の○は、肝炎患者への差別や偏見が生じないように、研究班で幾つかガイドライン等も作成していただいております。そういったものがさらにさまざまな現場、医療現場という御指摘もあったかと思いますが、現場に周知されて適切な対応が図られるように、関係者の御意見も聞きながら具体的な方策を検討して進めてまいりたいと考えております。

 この関係は46ページ、47ページにこれまでの取り組みということで御紹介をさせていただいております。事業主の啓発についてはリーフレット等を23年、25年に配っております。

 また、日常生活、保育、高齢者施設における感染予防のための手引、ガイドラインというものを作成してホームページに公表しております。これらはさらに周知される必要があると考えておりまして、課題というふうに考えております。

 また、47ページは、龍岡班が差別や人権の実態把握ということ、そして被害防止のためのガイドラインを作成するための研究を行っていただいておりまして、いろいろと実態の調査をしていただいております。

 これらの取り組みを踏まえて、さらに現場での適切な対応が図られるような取り組みを進めていく必要があると考えているところでございます。

 3ページの最後は研究ということでございます。研究の中では、現状ではB型肝炎の治療薬の開発に力を入れていく必要があると考えておりますので、こういったものを含めて重点的な実施ということ。あわせて、さまざまな課題の解決、現状把握のためには行政的な研究も必要でございますので、それもあわせて推進するということを基本的な考え方に明記させていただいております。

 以上を基本的な考え方として見直しを進めてはどうかと考えております。

 これらを敷衍して、それぞれの現行の基本指針、どういった方向性で見直すかということをまとめた資料が資料2になりますので、紹介したいと思います。

 その前に、4ページ目が参考でついていますが、現行の肝炎対策基本指針の概要でございます。ざっと眺めていただければと思いますが、前文は資料2の左側に書いております。

 1つポイントは、項目で柱立てが9つ立っております。第1から第9までの項目です。この項目については、肝炎対策基本法、法律にこの肝炎基本指針にこういった事柄を定めるようにということで書いてあるものそのものでございますので、そういう意味では、この大きな構成というものは現行の法律のもとでは変えられないのかなというふうに考えています。ですので、そういったことを前提に現行の基本指針を改定する方向で考えているということが1点です。

 ちなみに、基本法は、80ページ以降にあるので、後でごらんいただければと思いますが、厚労省が定めるものでございますけれども、各省の協議を行うということになっております。また、肝炎対策推進協議会の意見を聞くということになっております。そういったことが法律に定められておりますので、従前からここで議論いただいておりますが、きょうお示しするのは、あくまでも現状の厚労省の事務方の見直しの方向案ということでありますので、関係各方面との調整が今後あるということは御留意いただければと考えております。

 以上を前提に、6ページ以降の資料の御説明をしたいと思います。傍聴の方の資料は字が大変小さくて恐縮でございますが、よろしくお願いいたします。

 まず、表の見方ですけれども、左側に番号があります。これは御意見、御質問をされる際に便宜的に書いているもので、上から順番に通し番号を振っているというもので、現行の指針にこういう番号があるわけではございませんが、この番号を指して言っていただければと思います。先ほどの基本的な見直しの中で番号を振っているのは、この番号を引用しております。

 現行の基本指針がその次にありまして、これはそのまま引用しております。これまでの施策の実施概要は対応する施策の状況、その右に15回、前回の患者団体・原告団等からの御提案をそのまま書いております。また、追加で御意見ありませんかということでいただいたもの、あるいは14回、15回の協議会の中で御発言いただいた意見をこちらの欄に書いております。

 これらを踏まえた事務局としての見直しの方針(案)というのは次の欄でございまして、基本的にこの欄の主立ったものについてこれから御説明をしたいと考えております。

 まず、前文は基本的に大きな見直しはありません。

 8番から第1の基本的な方向に入っております。国の施策の目指すべきもの、肝硬変・肝がんへの移行者を減らし、肝がんの罹患率をできるだけ減少させることを目標とするということを明記してはどうかということです。

10番は検査の関係でありますが、職域での受検の取り組みを進める、陽性者の適切な受診を促すためのフォローアップを行う、こういったことを明確にしてはどうかということであります。

14番は、拠点病院が中心となって、自治体と協力して専門医療機関等の治療水準の向上、かかりつけ医のネットワーク等を進めるということを書いてはどうかということにしております。

18番、知識の普及のところで、予防の観点も入れてはどうかという御意見もありましたので、予防というものも含めて、自覚を促すことが大事だというような趣旨のことを書いてはどうかと考えております。

19番は、正しい知識の周知だけではなくて、適切な対応を図られるような取り組みが必要だということを明記してはどうかと考えています。

 以上が第1の基本的な方向ということです。

 第2から具体的な個別の施策に入ってまいります。

22番からが予防ということになります。

 第2以降のすべての章で同じなのですが、(1)として「今後の取り組みの方針」について書いています。(2)として「今後取り組みが必要な事項」を書いております。こういう構成になっておりまして、(1)が大きな方向性、(2)が具体的な施策を書いている。こういう構成に現行の指針もなっておりまして、この構成を基本的に踏襲しようと考えています。ですので、同じようなことが何回か出てくるところがございます。

 まず、第2の予防の関係でございます。

24番はB型の定期接種、Universal vaccinationの話でございますが、これは別途予防接種・ワクチン分科会予防接種基本方針部会で議論されておるところでございます。そちらの議論の状況を見てまた書きかえていこうと考えております。

25番は感染予防の関係であります。先ほど御紹介したようにガイドラインをつくっていただいておりますが、さらに現場で活用されるような検討を行って、普及啓発をさらに進めていきたいと考えています。

26番、患者団体等の意見から、教科書に盛り込む、教育での取り上げということも御指摘いただいております。現状では教科書にただちに取り上げていただくというのはなかなか難しいかと思っておりますが、国だけではなくて、当然、自治体、教育の現場、教育関係者とも連携して、授業に取り上げていただくことも含めて対応を進めていきたいと思います。具体的にどういったことをやればさらに普及の取り組みが進むかということを、こういった関係者と検討していくような形をとりたいと考えております。

 以上が第2です。

 第3、29番から検査の関係になります。

 まずは基本的な方向性、「今後の取組の方針について」というところでありますが、32番です。受検者の利便性に配慮した検査体制整備が重要であるということを書いてはどうか。

33番は新規でありますが、受診率、受検率の向上に当たっては、肝炎医療コーディネーター、あるいは御指摘、御意見をいただいているようなITの活用など、そういった対応も重要であるという認識を示したいと考えております。

 めくっていただいて、35番からが具体的な取り組みを書いている部分でございます。

 1つは38番でありますが、現行では国が医療保険者・事業主に対して、職場の健診等とあわせてウイルス検査を継続して実施されるように要請するというようなことを書いております。この記述を一歩進めて、国は地方公共団体や拠点病院等と連携して、実施の欄に書いてありますように、いろいろな研究班が動いておりますので、そちらの成果等も踏まえて、保険者や事業主等関係者の理解を得て、職域での肝炎ウイルス検査の必要性、あるいは効果的な実施手法を示しつつ、その促進に取り組むといったことをさらに追記できればと考えております。

 飛んで40番であります。御意見もいただいているように、手術前等で検査をした結果が必ずしも本人に適切に説明されていないのではないかということが御指摘されておりますので、電子カルテ等を活用して、患者に対して適切に説明を行うような取り組みをさらに進めたいと考えております。

 次に、第4の肝炎医療の体制ということで、43番以降になります。

 まず、「今後の取組の方針について」ですが、44番は、拠点病院が中心となって専門医療機関、かかりつけ医を含めたネットワーク機能の充実が必要だということを書き、また、肝炎情報センターの位置づけを明確にする修正をしてはどうかと考えています。

45番でありますけれども、26年度から始めました定期検査の助成、重症化予防推進事業の実施、あるいは研究班の成果等を踏まえて、陽性者フォローアップの取り組みをより一層推進する必要がある。

 あるいは御指摘いただいたように、精密検査の受診率の把握も努力して取り組む必要があるということを記載したいと考えております。

47番は、共生、働きながら治療を受けられるようにということ等々が書いております。この記述も、右側にありますように、先ほど基本的な方向で説明したとおりですが、治療の進歩の状況等も踏まえ、事業主への周知・啓発といったもの。あるいは就労支援のモデル事業を行っておりますので、そちらの成果も活用した取り組みの一層の推進といったことを書きたいと考えております。

49番でありますが、患者団体からの意見でも地域格差ということが指摘されております。この話は今後も何回か出てきまして、120番に総括的な話が書いておりますが、ここでも各都道府県での実情を反映した肝炎医療の推進のために、肝炎対策の計画の見直し等を通じて地域の肝炎医療の充実を図る必要があるといったことを書いてはどうかと考えております。

50番からが具体的な取り組み内容を書いているところでございます。

 まず、51番が肝炎手帳の関係でありますが、都道府県において肝炎手帳などの作成、活用をさらに進めるということ。そのために、国が必要な情報提供などの支援を行うといったことを明記したいと考えています。

53番です。先ほどと同じように地域の医療ネットワークづくりの必要性と、それに対する国の支援というものも明確に書きたいと考えています。

54番でクリティカルパスモデルについての御意見もいただいております。これらについては、「クリティカルパス」という言葉をそのまま使うかどうかというのはちょっとあれなのですが、要するに、地域の実情を踏まえて、診療連携の強化に向けた取り組みを進めていきたいということは明確に記載したいと考えております。

57番は、資料でも付けており、今日の会議の最後にも一言報告しますが、障害認定の見直しを踏まえた反映等を行いたいと思っております。

59番以降は、患者団体等から追加の意見がございましたが、ご意見をそのままというのではありませんが、右側に書いてありますように、例えば59番であれば拠点病院の役割とか都道府県との関連を明確にして、拠点病院としてどういった内容を取り組むべきかを明確にするといったことを記載したり、あるいは60番であれば、自治体は計画などを通じて技術的支援を実施するとか、あるいは61番、相談についても地方公共団体や拠点病院において適切な対応を行う。こういった記載を加えたいと思います。

62番については、各都道府県ごとの政策の実施状況ということでありまして、行政や医療関係者、あるいは肝炎患者、その他の関係者との協議機関を各都道府県レベルでも設置していただいて、肝炎対策を検討するような、そういった適切な実施、運営が図られるようなことを都道府県にもお願いしたいと考えております。

 続きまして、第5の人材育成ということになります。

 (1)が「今後の取組の方針について」であります。

66番で、現行の指針は医療にかかわる方の記述がちょっと多いのですが、御意見もありますように、医療水準のみならず、肝炎にかかわるさまざまな課題に対応できる人材の確保等を図る必要があるといったことをここに書きたいと考えております。

67番からは具体的な取り組みということで書いております。

68番でありますが、現行の指針では再掲ということになっていますが、改定後は、肝炎医療コーディネーターに特化した記載に変更したいと考えております。方向性としては、ここにありますように、国が都道府県あるいは拠点病院への支援を通して、肝炎医療コーディネーターの人材育成を推進するということ。そして、肝炎医療コーディネーターの養成については、基本的な役割や活動内容について国が一定の目安を示した上で、都道府県等で養成を進めるといったことを書きたいと考えております。

 現状につきましては、44ページに関連のポンチ絵をつけております。現状では、地域肝炎治療コーディネーターということで、国としても事業等を通じて推進をしているところでございます。これを見ていただきますと、事業の実施状況としては33自治体が実施しているということで、実施していないところが14です。ただし、養成はしたものの、どのような活動をしているか把握していないというふうにお答えになっているところが6つございます。対象者や職種、あるいは研修・養成の内容、そしてその後どのような分野、場面で活動、活躍していただいているかというのを書いていますが、いろいろなところのものを寄せ集めて書くとこういった形になっているのですが、実際は各地域、都道府県によって、どういった分野あるいはどういった方々を対象に力を入れて取り組んでいるかというのはそれぞれでございます。そういう意味では、地域ごとの特性、特色を生かした取り組みをされているのが現状でございます。

 そういった中で、いろいろと御意見はありますが、国が一律こうだというものを示すのは、現状としてなかなか難しいし、かえって各地域ごとの取り組みを阻害しかねないと考えております。

 そういう意味では、国としても最低限の考え方をお示しして、そういったものを踏まえて、各県でどういった方々を対象にどういった内容の養成を行い、どのような活動を主にやっていただくかということをお示しいただいた上で、養成に取り組んでいただくというような枠組みのほうが取り組みが進むのではないかと考えておりますので、そういう位置づけを改めて示した上で、さらに推進していきたいと考えております。これが68番の内容であります。

 ここが人材育成の第5という章でございます。

 資料2に戻っていただいて、第6、71番からが調査・研究ということです。調査・研究については、1つは、AMEDができましたので、その変更を反映する。また、74に書いていますけれども、当時は「肝炎研究7カ年戦略」というものに基づいて行っておりましたが、その後「10カ年戦略」に改めております。それらのアップデートの内容の修正をしたいと考えております。

 大きな方向性としては、最初の71番に書いてありますように、肝炎医療の進捗を踏まえた重点化、とりわけB肝の創薬といったものが大きな課題になっておりますので、こちらを念頭に、さらなる研究の推進といったことを明確にしたいと考えております。

76番以降です。現行の指針では76から84までです。行政的な研究ということで、行政研究の課題が77から書いてございました。当時は7カ年戦略とは別に、行政的な研究、こんなものをやるということを基本指針の中で位置づけたということのようでございますが、右側の見直し方針にありますように、今の「肝炎研究10カ年戦略」では、行政的研究の課題も含めた形で整理をしております。備考に書いてありますように、こういう状況です。また、行政的研究については、現状では76のポツに幾つか書いてありますように、こういった分野についての行政課題があって、研究を進める必要があると考えておりますが、施策の状況等に応じて、当然追加的に必要になってくるものがございますので、主な例として課題を列記した形にしてはどうかと考えております。

 肝炎の研究10カ年戦略も今年ちょうど見直しの年になるということでございますので、我々としても肝炎基本指針の改定にめどがつきましたら、10カ年戦略の改定にも取り組んでいくというふうに考えているところでございます。

 次に、第7が医薬品の研究開発ということで、86番からになります。これらについても、見直し方針にありますように、最近の新薬の動向とか、B肝の創薬等々の動向を記載するということでございますが、それ以下は大きな変更は今のところ予定しておりません。

 次に、92番からでございますが、第8の啓発、知識の普及の関係であります。

 1つは92番のところにございますが、106番の意見の欄を見ていただければと思います。「国の責任により肝炎ウイルス感染被害を生じたという歴史的事実及びその教訓について、普及啓発を行う」ということを追記してほしいということでございますが、そのことのみに特化した普及啓発というものを指針に明記するということはちょっとどうかなと思いましたが、今後の取り組みの大きな方針の中で、こういった過去の歴史的事実、あるいは感染経路として予防接種というものがあるといったことが今の指針の中でははっきりと言及されておりませんので、この改定を機に今後の取り組みの方針の中でそういったことにも言及するという形で、ある程度その御意見にも対応するという形になるのではないかと考えているところでございます。

93番は、患者団体の御意見を踏まえて修正するというふうに考えております。

94番からが今後取り組みが必要な具体的な事項ということであります。

94番は、患者団体等の意見を踏まえた修正と日本肝炎デーの記載。従来なかったものの追記。

95番は、国民運動として取り組むということを書きたいと考えております。

96番は、成人後の感染リスクということと、予防策の必要性に言及するにとどめるという書き方で、少し意見を踏まえた修正をしたいと思っております。

97番は、御意見を踏まえまして、多くの方が肝炎に感染する可能性があるということを明記するということ。また、事業主等の理解と協力を得て、受診勧奨の取り組みを図るといったことをここで明記したいと思います。

 その他、これまでの記述を再度掲げている再掲のものが多うございますので、飛ばしていきたいと思います。

103番をごらんください。偏見や差別の実態把握と被害防止のためのガイドラインということで、先ほど御紹介させていただきました龍岡先生の龍岡研究班で取り組みをやってきたものでございます。さらに、患者団体等からの意見では、ガイドラインを作成して普及啓発を行うといった御意見をいただいております。

 もともと肝炎対策基本法第二条には「肝炎患者等の人権が尊重され、肝炎患者等であることを理由に差別されないように配慮する」ということが書いてございます。施策を行うに当たって肝炎対策基本法の規定を踏まえるのは当然ではございますが、改めてこの記述を引用して、肝炎対策基本法二条四号で求められている趣旨に沿って、これまでの研究成果、龍岡班等の研究成果をもとに、具体的にこのことがさらに現場に普及されるような方策を検討して実行してまいりたいと考えています。このような記載に変更したいと考えております。

109番から第9ということで、その他の事項でございます。

 (1)は、患者や家族に対する支援の強化、充実ということでございます。

113番で現状法務省の人権相談窓口の周知等を図るということを書いております。107番のところに御意見があったことをここの事項で反映して修正したいと考えております。

115番からが「(2)肝硬変及び肝がん患者に対する更なる支援の在り方」ということでございます。

 これにつきましては、119番をごらんください。現行の指針では「国は、肝炎から進行した肝硬変及び肝がんの患者に対する更なる支援の在り方について検討する上での情報を収集するため、肝硬変及び肝がん患者に対する肝炎医療や生活実態に関する現状を把握するための調査研究を行う」となっております。この研究自体は厚労科研で実施しているところでございます。

 この記述につきましては、従来から肝硬変・肝がんの患者に対するさらなる支援については患者団体等から強い御意見が来ているということでございます。現状では、それらについてさまざまな取り組み、特に医療費助成も順次拡充していっておりますし、26年度からは定期検査ということで、重症化予防事業も始めさせていただいております。そういった支援の状況、あるいはここに書かせていただいているように、従前、肝炎対策基本指針に従って行いました調査研究の結果、そして新たな治療法の開発の状況といった医療の状況、今、申し上げました重症化予防事業、あるいは障害認定については、ことしの4月から対象を拡充するという見直しがされる予定になっております。

 そういった各般の施策の実施状況といったものを踏まえまして、検討を進めるということ。従来は現状を把握するための調査研究を行うということだけだったのですが、その支援のあり方について、これらのさまざまな状況を踏まえた検討を進めるというような記述にさせていただければどうかと考えております。

 次に、「(3)地域の実情に応じた肝炎対策の推進」ということで、120番でございます。右側の欄にありますように、最初の基本方針の際にも御説明しましたが、「国は、都道府県に対して、都道府県での肝炎対策を推進するため、地域の実情をもとに関係者と協議のうえ、肝炎対策に係る計画、目標を策定するよう、取組を促す。都道府県は、計画の実施状況の把握、計画の評価・見直しといったPDCAサイクルを実施するように努める。都道府県、保健所設置市においては、保健所における肝炎対策の充実に努める」といったような記述を設けられればどうかと考えております。

 以下、「(4)国民の責務に基づく取組」については大きな変更は考えておりません。

 また、「(5)肝炎対策基本指針の見直し及び定期報告」につきましても基本的な修正はないと考えているところでございます。

 あと、溝上委員の意見が多岐にわたっておりましたので、別紙という形でつけさせていただいているところでございます。

 以上、駆け足で雑駁な説明になりましたけれども、見直しの方針(案)につきまして説明させていただきました。

○林会長 どうもありがとうございました。

 かなり長文ですが、事務局のほうでうまくおまとめいただきましたので、今までの各委員の御意見がどこにどう反映されているかというのがおわかりいただけたのではないかと思っております。

 それでは、今から御意見をお聞きしようと思いますので、ページ2、3に基本的な考え方の案をお示しいただいております。基本的にはこれに沿って後の文案の変更を行うということでございますので、まず2ページと3ページの基本的な考え方のところで御意見等がございましたら、お聞きさせていただきますので、いかがでしょうか。日ごろの委員会でよく出た意見をうまくおまとめいただいていると思いますが、こういう基本的な考え方で以降の文案の改定を図っていくということでよろしゅうございますでしょうか。

 それでは、進めさせていただきたいと思います。

 どうぞ。

○清本委員 B型肝炎原告の清本です。

 方向の考え方に対しては特に意見はないのですけれども、26ページが参考資料になると思うのですが、重症化防止の位置づけで、今までの5年の間で慢性肝炎から肝硬変・肝がんに関しては、治療で重症化防止というのがすごくできてきていると思うのです。この「重症化防止」の位置を左側にずらして「医療機関」と「慢性肝炎」の間に持っていったほうがいいのかなと思いました。この先の5年、10年はここに重点を置きたいと私は考えておりますが、どうでしょうか。

○林会長 いかがですか。

○林肝炎対策推進室長 そちらにも書いていいと思います。

○林会長 では、両方書いてもいいかもわかりません。

○林肝炎対策推進室長 両方書いたほうがいいですね。ありがとうございます。そのようにしたいと思います。

○林会長 それでは、基本的考え方にのっとっていきたいと思います。

 かなり長いので、ばらばらに御意見をお聞きしますと、恐らく錯綜してしまうと思いますので、順次お聞きをさせていただきたいと思います。

 まず、前文のところです。A3の大きな紙の6ページにまず前文がございますが、前文はこれでよろしゅうございますでしょうか。何か御意見がございましたら、ここでお受けいたします。よろしいでしょうか。

 それでは、「第1 肝炎の予防及び肝炎医療の推進の基本的な方向」ということで、8から始まっております。ここのセクションで御意見等がございましたら。次の8ページの21までの間でございます。いかがでしょうか。よろしゅうございますでしょうか。

 次は、「第2 肝炎の予防のための施策に関する事項」というのが8ページの22から次のページの28までございますが、いかがでしょうか。どうぞ。

○清本委員 26番に関してなのですけれども、見直し案について、教育関係者などさまざまな関係者と検討をしていく旨が記載されておりますが、現状、原告団としても文科省の方々とも連携しながら、教育機関のほうで被害の実態の内容の教育とか、患者の実態とかを検討しているので、こういった関係者の中に「患者団体」も含めていただきたいと思っております。

 以上です。

○林会長 地方自治体等のところにそれを含めていただきたいという御意見でございます。

 そもそも意見をお聞きした上で、御検討いただけばいいと思います。よろしゅうございましょうか。

 それ以外に何かございますでしょうか。どうぞ。

○西村委員 日肝協の西村です。

23番の母子感染の問題ですけれども、田中委員も御指摘をしておられますが、母子感染防止事業ですね。保険制度になってから徹底が緩やかになっているのではないか。患者会のほうにも、最近の例ではないのですけれども、この七、八年、母子感染の防止事業が適用されていないお子さんがB型肝炎、慢性肝炎になって治療を受けているという事例も出てきておりますので、ぜひこの徹底を進めるようにという文言を入れていただきたいと思います。

○林会長 わかりました。

 よろしゅうございますか。

 それ以外、いかがでしょうか。よろしゅうございますでしょうか。

 次が「第3 肝炎検査の実施体制及び検査能力の向上に関する事項」で、29から11ページの42まででございますが、いかがでございましょうか。どうぞ。

○大賀委員 日肝協の大賀です。

36番の検査支援、検査の促進なのですが、例えば45番のフォローアップとか68番のコーディネーターとかが絡んできますので、後にまとめて質問したいと思います。

○林会長 御意見、まとめて記載をするとか、はっきり言っていただいたほうがいいのですけれども。

○大賀委員 意見として。

○林会長 文章なので、ここのところをこう変えていただきたいという意見、これを削除するなり、どこかとあわせるとかとおっしゃっていただかないと、事務局のほう、対応がなかなか難しい。今、一般的な意見をお聞きしているわけではないので。この文章の改定なので。

○大賀委員 では、この検査支援につきましては、具体的にどういうふうなイメージを持てばよろしいのでしょうか。そういった質問をしてよろしいのですか。検査支援を行うと書かれているのですが。

○林会長 どうぞ。

○林肝炎対策推進室長 これは現在もやっておりますけれども、自治体がウイルス検査をやっているものに対する助成ですね。特定感染症検査、あるいは健康増進事業を通じた補助金といったもの、あるいはそれらについての技術的な支援といったものを念頭に置いて書いております。

○林会長 これは全体の文章があれで、国が支援を行うということで、具体的にどうやるかということは記載できないので、だから、国の支援だけでは不十分であるとか、そういう御意見があれば、それは記載できるのですが。

○大賀委員 それは切りがありません。どこまで。

○林会長 そうなのです。だから、具体的には文章の修正を行わなければならないので、今回国の支援を行わないというのだったら問題で、支援を行うと書いてあるので。

○大賀委員 はい。

○林会長 これは支援を行うということなので、具体的なことについては、修正があれば、それはまた御議論いただければといいと思うのですけれども。

○大賀委員 行っているということは十分わかっているのですが、どういうふうなところでもっともっと踏み込んでやろうとしているのか、それを踏まえた表現をしてほしいという趣旨です。ここをですね。

○林会長 ただ、余り具体的なことをここだけ書くというのはちょっと厳しいかなとも思うのです。お考えはよくわかるのですけれども。

○大賀委員 先生、お言葉ですが、それを考えるのが当局だと思いますよ。

○西村委員 関連して。

○林会長 どうぞ。

○西村委員 市町村の健診で今、一番大事になってきているのが個別勧奨だと考えております。これまでの協議会の中でも、厚労科研の成果、具体的に大学の先生方から御報告があって、それを自治体の活動の中に取り入れてほしいという研究者からの要望も出ておりますので、「厚労科研の成果を踏まえて」というふうな具体的な文言を入れていただいたらどうかなと思います。

○林会長 それは個別勧奨に類することの記載をこれでつけ加えていただきたいということですね。

○西村委員 はい。

○林会長 わかりました。それはそのままできると思います。

 それ以外にいかがでしょうか。よろしゅうございますでしょうか。

○大賀委員 了解しました。

○林会長 入れることは可能なので。

○大賀委員 そういう趣旨で修正しますということですので、この表現で決まったわけではないと受けとめます。

○林会長 そうです。

 次が「第4 肝炎医療を提供する体制の確保に関する事項」でございまして、43から62まででございますが、いかがでございましょうか。どうぞ。

○米澤委員 質問です。44番と54番にかかわっているのですけれども、内容は病診連携ネットワークづくりというところなのですが、54番で見ますと、研究班のクリティカルパスモデルの開発のための研究を実施するということで、その方向性をここに記述してあるのですが、先ほど室長の御説明では、「クリティカルパス」という言葉を入れるかどうかは置いておいてみたいなお話だったのですけれども、これはなぜ入れないのか。クリティカルパスモデルの開発のための研究に基づいて施策を実施する、構築するということだと思うのですけれども。

○林会長 「修正」と書いている中にこの言葉を入れるか入れないかという御質問だと思います。

○米澤委員 まあ、そうです。

○林肝炎対策推進室長 言葉を入れるかどうか迷っておりますのは、私どもも十分煮詰まっていないのですが、議論していますと、「クリティカルパスモデル」という言葉の具体的な内容として考えておられることがどうも関係者によって違うかなと危惧しておりまして、そこで言っている具体的に何をやるのかということをもっと事柄として書いたほうが、変に言葉がひとり歩きした形にならないのではないかなという考えもあって、先ほど中途半端に口頭で御説明して申しわけありませんが、そういう趣旨です。もちろん、病診連携と診療連携の話を進めるというようなことは、この研究班の成果を踏まえて書くのですが、指針の用語として現行も「クリティカルパスモデル」と書いておりませんで、指針という一定の法的拘束力のある告示の中でその言葉そのものを使うのがそういった関係者の間で十分共通理解がない中で、これを進めるためにふさわしいのかどうなのかがまだ確信を持てないので、先ほど私が申し上げたような表現になっております。そこはいろいろと現状なりお考えをむしろいただければ、文章を作成するまでの間に調整していきたいなと考えております。

○林会長 ちょっとお考えいただいて、実際に書いた文章でまた疑問がございましたら、御質問をいただければと思います。

○米澤委員 ありがとうございます。

○林会長 それ以外にいかがでしょうか。どうぞ。

○武田委員 薬害肝炎の武田と申します。

 私、インターフェロン治療を三度してもだめでしたので、経口剤のインターフェロンフリーに期待をかけているのですけれども、ハーボニーなどは治療戦略会議もあったけれども、ヴィキラックスなどは治療戦略の会議もなかったですし、耐性がある人も助成があるというような話も聞いてはいますが、それを調べてみましたら、三重県などはちょっと慎重になっているような書き方をしているとか、そういうことで、もっと正確な情報の提供をお願いしたいので、そういうことを明記してもらえたらなと。

○林会長 恐らく今の御意見は、ここに情報を提供すると書いてあるのですけれども、国なり肝臓学会は全体としての文書を出しますが、都道府県が実際具体的なことを書くときに、都道府県によっては少し内容が不十分な都道府県があるので、そこのところを少し修正できないかという御意見かと思うのですが、事務局、いかがでしょうか。

○林会長 これは難しいところで、国も各都道府県にいろんなことの委譲をしていまして、できるだけ国にもいろんなところの情報は提供させていただいているのですが、各都道府県の指針をつくるとかいうのは各都道府県の権限でやっているので、それをどこまで修正できるか。いかがでしょうか。

○林肝炎対策推進室長 国も周知に努めていますし、今、御質問にあった医療費助成の枠組みは、国が補助金を出していますから、最終的には都道府県単位で具体的な補助要綱等を定めて運用していただいますので、その都道府県の仕組みをしっかりと県内の患者さんなど関係者に知らしめていただく、周知していただくということかと思います。それをこの指針の表現でどれくらい後押しできるかというのはわかりませんが、正確な情報をできるだけ早く出していただきたいというような趣旨を書くことは可能かと思います。

 なお、今いただいた御意見については、個別に実際国としても新しいヴィキラックスも医療費助成の対象にしておりますし、御案内かと思いますが、インターフェロンフリーのいわゆる再治療の症例についても、一定の条件下で12月から運用を開始しておりますので、おっしゃったのはまた運用レベルの話であるかなと思います。

○林会長 肝臓学会のガイドライン等はかなり詳細なデータをお示ししておりますので、先ほどの件については、各都道府県でごらんいただくと大体の情報はとれるのですが、ただ、おっしゃるように、実際に各都道府県で問題があるということも事実だと思いますので、文章を考えていただくようにさせていただきたいと思います。よろしゅうございましょうか。

 それ以外にいかがでしょうか。よろしゅうございますでしょうか。

 それでは、次は「肝炎の予防及び肝炎医療に関する人材の育成に関する事項」でございまして、14ページの63番から15ページの70まででございますが、いかがでございましょうか。よろしゅうございましょうか。

 次が「第6 肝炎に関する調査及び研究に関する事項」でございまして、71から16ページの85番まででございますが、いかがでございましょうか。どうぞ。

○脇田委員 感染研の脇田です。

 取り組むべき課題に関しましては、最初の基本的な考え方にありますように、B型肝炎治療の開発ということですけれども、C型肝炎の経口薬が開発されて、新しい課題が出てくるというところで、そういったところには10カ年戦略の見直しというところで我々もいろいろ提案をしていきたいと考えています。

 具体的に今回のあれですが、75番、我々がいつも重要だと考えております若手研究者の人材育成のところで、ここは変更なしということなのですが、ここもこれまでは厚生労働科学研究ということでしたが、現在はAMED中心にやっていただくということですので、その点を71番等と同様に記載していただければと考えます。よろしくお願いします。

○林会長 よろしゅうございましょうか。

○林肝炎対策推進室長 はい。

○林会長 それ以外はいかがでしょうか。

○岡田委員 B肝原告団の岡田です。

 第6の71番ですが、B肝の創薬について記載、盛り込まれているのですが、「肝炎医療の進捗を踏まえた重点化(B肝創薬を念頭)」として書かれておりまして、盛り込んでいただいて大変感謝しております。これは86番にもB肝創薬について書かれている部分があるのですけれども、ぜひこれからも調査研究の目玉としてやっていただきたいと改めてお願い申し上げる次第であります。

 そして、B肝創薬のこの事業を今後どのようにして進めていく予定か、おわかりでしたら教えていただければと思います。

○林会長 文章とは別に、実際にB型の創薬をどう進めていくか、事務局のほうでお考えが。かなり難しい問題なのですが。

○林肝炎対策推進室長 現状どこまでどうこうという詳細はつぶさに把握しておりませんが、今、AMEDの研究に移っております。今後どのように進めていくかは、10カ年戦略の見直しの中でまた詳しく御議論いただきたいと思いますけれども、現状詳しくここで御紹介するほど。

○林会長 脇田先生、どうぞ。

○脇田委員 研究班をやっております研究代表者の一人として、私の知っている範囲で少しお話ししたいと思います。

 B型創薬研究に関しましては、今年度が4年目ということになります。それまで日本の肝炎ウイルス研究は、主にC型肝炎の研究をしてきました。B型肝炎の創薬研究をきっかけにしまして、B型肝炎のさまざまな基礎的な研究から創薬に直接結びつくような化合物のスクリーニングといった研究まで、さまざまな研究が現在進んでいます。かなり基盤的な研究が進んできましたので、これからさらに応用的な、本当に薬の開発に結びつく、実際の抗ウイルス薬のシーズになるようなものがその研究から出てくるように我々は今、努力しているというところです。

 以上です。ありがとうございます。

○林会長 つけ加えさせていただきます。私、そのAMEDの評価委員をやらせていただいていますけれども、我々が最初想定したよりもはるかにB型肝炎の研究は日本で進んだと思います。従来B型肝炎研究をやっておられない方もたくさん加わっていただきましたので、かなりハイレベルのことができていると思います。AMEDの研究とは別なのですが、アメリカのFDAで線維化を縮小させる治療薬、優先審査をやってフェーズ2まで行っている薬剤も日本発で実際ございますし、そういう面では我々の想定以上で進んでいると思いますけれども、できたら10カ年戦略でもう少し具体的なことが書けたら書かせていただくようにさせていただきたいと思います。

 それ以外いかがでしょうか。どうぞ。

○大賀委員 先生、今の件に絡んで。すごく関心が高いもので、先日、ある医療講演会でもう五、六年すればとかいう発言もあったのですが、それはあり得ませんね。

○林会長 それはないと思います。先ほど脇田先生からお話がございまして、かなりベーシックなところの進歩なので、実際の治療薬になるまでかなりの年数がかかると思います。ただ、その間、現在の治療薬でも病気の進行をとめることは可能ですので、そういう面では、我々が想定したよりも大きく進んだのではないかと思っております。

 それ以外いかがでしょうか。よろしゅうございましょうか。

 それでは、次に進ませていただきます。次は「第7 肝炎医療のための医薬品の研究開発の推進に関する事項」でございます。17ページの86からでございます。よろしいでしょうか。

 次が「第8 肝炎に関する啓発及び知識の普及並びに肝炎患者等の人権の尊重に関する事項」でございますが、いかがでございましょうか。よろしゅうございますでしょうか。

 次が20ページ「その他肝炎対策の推進に関する重要事項」ということでございますが、いかがでございましょうか。どうぞ。

○米澤委員 日肝協の米澤です。済みません。少し戻ってよろしいでしょうか。

○林会長 どうぞ。

○米澤委員 また質問なのですけれども、103番、先ほどから林室長がおっしゃっている龍岡班の研究なのですが、分担研究員としてこの研究に参加しておりましたが、この研究班はガイドラインを作成するための研究という研究班だったのですけれども、これに対して、ガイドラインを作成するというような方向性の部分、ガイドラインをつくるということが限定されていないのですが、これについてちょっと御説明いただきたい。どのような根拠でこのガイドラインをつくるということではなくて、別のことになっていくのかわかりませんけれども、具体的におわかりであれば少し御説明いただきたいのと、なぜガイドラインではないのかなというそのもの。

○林会長 「具体的な方策」と書いてあるのが、これはガイドラインかどうかということに当たりますね。

○米澤委員 そうですね。「ガイドライン」と書いていないので。ガイドラインではない。

○林肝炎対策推進室長 ガイドラインを排除しているわけではないのですが、ガイドラインという形で出すのがいいかどうかまだ決めかねておりまして、むしろ米澤委員のほうが経過とかをよく御存じなので、場合によっては詳しく教えていただきたいのですが、実態把握は当時していて、いろいろ分析もされているのですが、そこから先の現場への周知という大事なツールになるようなものでありますとか、こういったことをやったらさらに進むのではないかというところが、見る限りはその部分について十分な言及がなく終わっているのかなというところでありまして、今のままだと、この研究班をやっただけで、もったいないと思っておりますので、それをもう少し現場なりに広めるためにはどういったことをやったらいいか。もう少し幅広に構えて検討するみたいなことをやったほうがいいのなということ、そういう考えもあって、あえて「ガイドライン」という言葉に絞っていないつもりで書いています。そういう意味では、ガイドラインも含んでいると考えていますが、ガイドラインに限られないのではないか。そこの方策も含めて検討したいと考えています。

○林会長 よろしいですか。

○米澤委員 ありがとうございます。

○林会長 どうぞ。

○西村委員 調査研究に戻るのですけれども、今の偏見・差別の対応ですが、行政研究で具体的に龍岡班の成果をもうちょっと発展させるような研究をされる予定はないのですか。

○林会長 どうぞ。

○林肝炎対策推進室長 基本的にはそういったことを視野に入れています。

○西村委員 ありがとうございます。

○林会長 よろしゅうございますか。

 それでは、最後の「第9 その他肝炎対策の推進に関する重要事項」でございますが、いかがでしょうか。どうぞ。

○西村委員 120番です。都道府県の肝炎対策推進協議会に関係するようなことが触れられているわけですけれども、私は大阪から出ておりますので、近畿近隣の肝炎対策推進協議会か、それに類するものの状況を見ますと、1年に一遍開かれるといいほうということですし、ある県では委員の日程調整ができずに、年度内に協議会が開かれないということも出てきております。

 開かれたとしても、大阪でしたら1時間で終わってしまうのですね。前回の大阪府の会議で患者委員の人がいろいろお願いの発言をしたわけですけれども、時間が短くて十分に思っていることを伝えられないという問題がありまして、ことしも2月9日夕方5時から6時、1時間開かれるわけですが、前回の反省を込めてその委員さんは言いたいことを文書にまとめて、きのう大阪府の担当者のところへ持っていきました。表現が悪かったのかどうか知りませんけれども、検討してほしい要望事項ということで7点ぐらいにまとめて、2ページ、3ページの文章ですが、担当者のほうからは、政策、施策を検討する会で、要望を検討する会ではないということで、こういう文書では受け取れないということで受け取ってもらえなかった、困った困ったというふうに言っておられるわけです。

 時間が短いですから、そういう患者委員とか関係委員の意見を文書とかそういうことで。今回も各委員の御意見を聞く会を持っていただきましたけれども、そういうのを都道府県でもやるように推進をしていただきたいなと思います。

 それと、県の協議会の委員、関係者というのはどの範囲まで含まれるのか。例えばマスコミ関係者とか企業の方とか、そういうところまで含めるのかどうか、その辺も具体的な例示を都道府県に示していただきたいと思います。できれば最低でも年2回こういう会議を開いていただきたいなと考えております。

 以上です。室のほうの対応、今後の方向を御意見でもいいからコメントをいただけたら助かります。

○林会長 文章の改定よりは、逆に言うと具体的にそう指導してほしいということのほうが強いのですか。

○西村委員 そうですね。

○林会長 という御意見ですが、いかがでしょうか。

○林肝炎対策推進室長 府の対応はそれはそれでまた聞かせていただきたいと思いますが、指針でどこまで書くかということについてですが、御案内のように、一般論ですが、今、地方分権ということで、肝炎対策についての地方レベルでの計画策定や協議会設定は、もともと法律上何ら位置づけがなく、義務づけていないところを、国が指針や、あるいは各種の通知などで自治体にお願いして取り組みを促すという手法をとっております。そういった中で、指針の中でどこまで義務づけ的なことや、ましてや頻度とかについてまで書けるかというと、なかなか難しいところであるかと思いますが、趣旨としては、患者の方も含めて関係者がしっかりと協議をした上で、地域の肝炎対策の計画や目標を議論していった上で決めていただきたいということでございますので、そういった趣旨がしっかりと酌み取れるような表現を、御意見を踏まえて考えたいと考えております。

 また、関係者については、120番には書いておりませんでしたが、14ページの右上、62番には例示を書いていまして、我々としては、まずこれが基本的な例示かと思っています。62番の見直し方針案には、これは医療の部分に書いていますが、「行政、医療関係者、及び肝炎患者他関係者」と書いておりますので、そういう意味では、患者の方も当然重要な関係者としてこういった場には入れていただくことかなというふうに考えております。

○林会長 ありがとうございました。

 どうぞ。

○西村委員 文章上は事務局のほうでいろいろ御検討いただいたらと思うのですけれども、肝炎対策で各都道府県の担当者の方とブロック会議などで意見交換をする場があると思うのです。そういうところで地域の患者委員だけでなくて、肝炎担当者の御意見が反映できるような会議に進めていくように、会議の場だけでなくて、文書発言も含めて取り入れていただくような、そういう都道府県に対する御支援をお願いできたらなと思っております。

○林会長 どうぞ。

○溝上委員 これは基本指針の変更でございますけれども、肝炎情報センターにそういう役割を担うということが一つ入って今度大きく変わります。そうしますと、各都道府県の行政の担当者の方も年に1回集まってもらって、いろいろこういうことをお話ししているのですが、そういうことをもっと強く要望していただければ、それができるような体制になります。これができ上がりますと、肝炎情報センターの位置づけというのが明確になりますので、その中の一環としてお伺いできるかと思います。

○林会長 わかりました。ありがとうございました。

 それでは、時間の関係もございますので、本日いただきました御意見を踏まえまして、事務局のほうで指針の改定案をおつくりいただきまして、次回の会議に諮らせていただきたいと思いますので、それでよろしゅうございましょうか。

 途中で何かお気づきの点がございましたら、事務局のほうにまた御連絡を賜れればと思っております。

 それでは、次に議題2「その他」でございます。まず、B型肝炎特措法の延長の件でございます。

 事務局のほう、よろしくお願いいたします。

○林肝炎対策推進室長 引き続きまして、B型訴訟対策室長の林です。

 資料の53ページ、資料4「特定B型肝炎ウイルス感染者給付金等の支給に関する特別措置法の一部改正案について」でございます。

 おめくりいただいて、54ページが法案の概要でございます。

55ページに現行の概要がございます。よく御案内のことかと思いますが、集団予防接種等の際の注射器等の連続使用によって、B型肝炎ウイルスに残念ながら感染された方、被害を受けた方に対して、この法律に基づいて給付金を給付させていただいております。この制度につきましては、法律制定時に請求期限が定められておりまして、法律の施行から5年間ということで、平成29年1月12日、来年の1月12日までが請求期限となっております。この給付金は、裁判上の和解という手続を通して対象者の認定をさせていただくわけですので、裁判所に訴える、提訴というアクションを起こしていただく必要がございます。

 ところが、現状は、下に書いてありますように、対象となり得る方全員が提訴された場合は最大で45万人と想定されているのに対して、現状では3万人弱という状況になっております。下に表がありますが、病態に応じて給付金額を変えておりますが、病態の軽い方は金額が少ないということもありますし、要因としては、御本人がそもそも感染していることにお気づきでない方が多数おられるのではないかと思います。こういった病態が比較的軽いお方の提訴というのが、推計される人数に比べてかなり少ない状況になっております。

 一方で、提訴件数につきましては、今年度、昨年の春ぐらいから増加傾向にございまして、いろいろなことが言われますが、広報、制度が知れ渡っている、あるいは期限が近いということもあるのかもしれませんが、増加傾向にございます。毎月1,000件程度まだ出てきておりまして、上昇傾向にあります。こういった状況の中で、あと1年でこの請求期限が終了するという状況にはないというふうに政府としては考えております。そして、5年間の延長をしたいと考えております。

 もとより、その法律を当初制定した際、この期限というのは、被害を受けられているわけですので、できるだけ早く提訴していただく、提訴を促すという趣旨で設けているものでありまして、5年後の状況を見て延長もあり得るというふうに説明を当時国会にしておりました。現状を踏まえますと、5年間延長する必要があると考えております。

 (2)は対象の拡大ということでございまして、死亡や発症してから20年を経過した方につきましては、現行の法律では、肝硬変以上の病態の方については、下の「現行」のところにありますように、定めがございませんでした。これは当時、基本合意を国と原告団・弁護団の間で結びまして、その基本合意に基づいて法律制度をつくったわけでございますが、当時はこれに該当される方がおられなかったということであります。

 ところが、当時の法案審議のときから、対象者がおられた場合は、国は誠実にこの協議に応ずることということが定められておりました。その後、該当の方が提訴されるに至ったことがございまして、国と原告団・弁護団の間で協議を重ねてまいりまして、昨年の3月にこの方についての金額が900万、600万、300万、右に書いてあるような金額で合意をさせていただいております。

 この合意に基づいて既に実態上は順次和解をさせていただいて、お支払いをさせていただいておりますが、法律に基づく仕組みにのっとっていないということでございますので、これらについてもこの法律の仕組みに乗せるという改正をあわせて行うというものでございます。

 以下、56ページが提訴、和解の状況。

57ページが、そういった意味ではまだまだ周知が足りないということかと思いますので、今年度新しくつくってこれから配られますポスター、リーフレットをコピーしております。御参照いただければと思います。

 続きまして、資料5に基づきまして、28年度の肝炎対策予算の概要、状況につきまして御説明を申し上げます。

60ページが1枚紙で、肝炎対策予算の全体をまとめたものです。1番の医療費助成のところがインターフェロンフリーの薬剤治療が対象になっておりますので、26年度の補正でも補正予算措置をされております。また、今年度につきましても補正予算で増分の対応ということになっておりますので、前の年の補正予算も合わせた形で表記させていただいておりまして、若干わかりにくくなっていますが、28年度の当初予算と27年度の補正予算を合わせまして222億という状況になっておりまして、昨年度より増額になっております。

61ページに棒グラフがあるので、後で御参照いただければと思います。

 具体的な内容につきましては、1ポツが医療費助成ということで、今、申し上げましたように、インターフェロンフリーの増分に対応した補正予算も含んだ額でありまして、増額になっております。

 2番目が検査の促進ということでございまして、いわゆる保健所等における検査の実施ということとあわせて、陽性者に対する定期検査費用、こういった助成事業、重症化予防事業を26年度から進めております。これにつきましては、28年度予算で所得制限の緩和を行うことになっております。

67ページをお開きいただければと思います。定期検査費用助成の拡充ということで、慢性肝炎、肝硬変、肝がんの方に対して、定期的な検査が必要になるわけですけれども、この検査費用の一部を助成するということです。現行の仕組みは、下にありますように、年2回までで、対象が住民税非課税世帯となっておりました。来年度からは引き続き住民税非課税世帯の方は年2回まで無料にさせていただきますが、世帯の民税課税年額が235,000円未満の方については、ちょっと小さい字で恐縮ですが、慢性肝炎は1回3,000円まで自己負担、肝硬変・肝がんは1回6,000円自己負担、それ以上のところについては公費で助成をさせていただくという仕組みで対象者を拡充させていただくことにしております。国の予算はこれで大体倍増、3.6億から7.9億というものを予定しております。そこが内容的には一つ大きな変更点です。

 もう一つの変更点は60ページの3ポツ目、地域の肝疾患診療地域連携体制の強化という内容でございます。あわせて肝炎情報センターによる支援機能の戦略的強化ということで、事業の見直しを行っております。

69ページのポンチ絵を見ていただければと思いますが、診療体制の強化ということで、上に書いていますような指摘を受けて、こういったものを踏まえまして、肝炎情報センターの戦略的評価を図る。また、地域単位でのネットワークの強化をすることで、地域での取り組みを強化していただくという二本柱での見直しを行っております。

 具体的には下のポイントに書いているような内容となっております。

 事業につきましては、70ページ、ちょっとテクニカルな図になっていますが、大きく厚生労働省から自治体に対する助成金と肝炎情報センターに対する委託費ということで、二本立ての事業に改めて構築をし直しております。

 具体的なメニューは、ポツポツポツと小さい字で書いてある事業、内容になります。

 また、肝炎情報センターに対する委託事業については、一部のメニューついては情報センターから再委託ということで、都道府県の拠点病院に再委託を行うことができるというふうにしております。

 また、都道府県に対する助成金も、その事業の一部のメニューについては都道府県経由で拠点病院に対して委託等を行うということになって、拠点病院が具体的に事業をできるようにしております。

 そういう意味では、都道府県がみずから行う事業と拠点病院が委託・補助を受けて実施するものとあるわけですが、全体をひっくるめて都道府県での実施計画をつくっていただき、その中で事業に関連する指標の設定というのもお願いしたいと考えております。これは、先ほど基本指針の見直しでもこういったことを書かせていただいて、できるだけ都道府県に取り組みを促していきたいというふうに書かせていただきましたが、28年度事業から予算事業の仕組みを通じて自主的に都道府県が県のこれらの事業にかかわるものでございますけれども、全体的なプランニング、計画を策定していただくということをお願いしたいと考えております。

 また、肝炎情報センターの機能強化ということで、新たに委託事業を行うわけですが、あわせて国から肝炎情報センターにはこれら都道府県の取り組み内容についての検証とか提言といったものも担っていただきたいと考えているところでございます。これが来年度からの大きな見直しの2点目でございます。

60ページに戻っていただくと、残りは国民に対する知識の普及ということで、引き続き「知って、肝炎」、肝炎総合対策推進国民運動による普及啓発を行う。

 また、研究については、今日もありがたい御意見を幾つもいただきましたが、B型肝炎の創薬を含めて、また、疫学研究や行政的研究も含めて、引き続き推進していくということにしております。

 これらをひっくるめまして、来年度、補正も含めて222億、当初予算では186億という予算になってございます。

 以上でございます。

○林会長 御報告は?。

○林肝炎対策推進室長 済みません、報告事項として最後に1点ございます。身障手帳の見直しについてです。75ページ以降、資料6に概要がついてございます。肝疾患障害、肝臓機能障害についての身体障害者手帳の認定基準についてです。患者団体からの御意見を受けまして、従来から見直しの議論を障害保健福祉部のほうで行っていただいておりました。

 昨年の12月に疾病・障害認定審査会の身体障害認定分科会で審議の上、この報告案、見直し案で了承されたということでございますので、パブリックコメントは既に終わっておりますが、実施をした上で、ことしの4月からこの見直しを行うということでございます。

 具体的な概要は77ページにございますように、いわゆるチャイルド・ピュー分類のCだけが対象だったものをBに拡大するということなどが主な内容となってございます。

 詳細は資料がついておりますので、またご覧いただければと思います。

 長くなりましたが、以上でございます。

○林会長 ありがとうございました。

 以上3点でございますが、御質問等ございましたらどうぞ。よろしゅうございますでしょうか。ほぼもう既に決まったことではございますけれども。どうぞ。

○西村委員 西村です。

 予算と研究についてお尋ねします。B型肝炎、C型肝炎とは関係ないのですが、最近マスコミなどでE型肝炎のことが話題になって、最近のニュースでは患者さんが重症化するという話がありましたが、E型肝炎については、日本肝臓学会、それから溝上先生のところの研究班、肝炎対策推進室、どういうふうな今後の対応を考えておられるのでしょうか。

 以上です。

○林会長 何かお考えがございましたら。

○林肝炎対策推進室長 E型肝炎は、御案内のように、従来慢性化はしないというふうに言われていたものが、免疫抑制下で、具体的には臓器移植、あるいはこの前報道で出ていたのは、抗がん剤治療中でそういった症状が見られる方がおられるのではないかということでございます。

 まず、臓器移植の関係につきましては、それを受けて、臓器移植対策室のほうで学会に対して注意喚起という形で情報提供を早速させていただいております。

 この前報道されたことを受けまして、輸血、献血が原因だということでございますので、担当の血液対策課のほうではサーベイランスを今年度から始めようかということで、首都圏での疫学調査を開始する予定だというふうに聞いております。

 E型肝炎の病態とか治療法も含めて、我々が研究班ということでお願いしている中でこういった実態が出てきております。現状では特に有効な治療法があるわけではないということでありますので、その辺の状況も踏まえながら、また対応を検討していくということかなと考えております。

 先生方、何か補足があればお願いします。

○林会長 溝上先生か脇田先生、何かございますか。脇田先生、どうぞ。

○脇田委員 一義的には輸血が問題になってくるというところなのです。日本では北海道でスクリーニングをやっている。北海道で多いということが基本になっています。

 欧米では現在スクリーニングをやっているところがなかったのですけれども、イギリスでは輸血後のE型肝炎ということが問題になってきまして、イギリスでは今後輸血のスクリーニングを行うというレポートが出ています。

 日本でも日赤は十分把握しておりますので、今後そういった取り組みをしていくということになろうかと思っています。

 実際に我々研究班のほうでもE型肝炎の研究をやっておりまして、確かに臓器移植後のE型肝炎、慢性肝炎の症例にリバビリンを使うとある程度ウイルスの複製が抑えられるということがもう既に報告されています。ただ、それでは完璧ではないので、新しい抗ウイルス薬を何とか探そうといった研究を今、取り組んでいるということになります。

 中国におきましては、もう既にE型肝炎のワクチンが臨床で使われている。そういったところだと思います。

○林会長 ありがとうございました。

 それ以外に何か御質問ございますでしょうか。どうぞ。

○武田委員 70ページの表で情報センターから拠点病院に一部メニューが再委託されていますけれども、再委託の分の助成、金額は全額ですか。

○林会長 事務局、どうでしょう。

○林肝炎対策推進室長 これは補助金ですので、補助金上、それぞれの事業の基準額、金額を定めさせていただいて、その金額で委託させていただくというような方向になろうかと思います。具体的にどの病院でどんな事業をやるかというのはこれからの話、調整ということになります。

○武田委員 どれをするかということが決まれば、県とかの2分の1の助成とかいうのではなくて、全額にということになるのですか。

○林肝炎対策推進室長 そうですね。仕組み上は、これは都道府県負担2分の1というのではなくて、再委託という形ですけれども、国の委託費で実施いただける形での事業になっております。

○武田委員 わかりました。

○林会長 ほかよろしいでしょうか。どうぞ。

○西村委員 溝上先生のコメントがなかったのですが、感染者数というのは、新聞では187人がという話が出ていたのですけれども、E型肝炎で生肉とか、過去には野菜なども感染するのではないかという話があったのですが、その辺の実態はどうなのでしょうか。

○林会長 溝上先生。

○溝上委員 それも脇田先生。

○林会長 脇田先生、どうぞ。

○脇田委員 感染者の多くは食肉、主に豚肉あるいはイノシシの生肉の喫食によります。日本ではどうしてもそういった生肉といいますか、十分に調理されていない食肉の喫食というのがありますので、現在、我々のところでも食肉の調理基準といったものをどうしたらいいか、どうやったらウイルスが完全に不活化できるかということについては取り組んでいます。ですから、多くの方が輸血で感染しているわけではなくて、E型肝炎の場合は食肉の喫食から多く感染しているという現状です。

○林会長 ありがとうございました。

 どうぞ。

○大賀委員 今回の見直し案、提示されたのですが、全体的に非常に前向きな姿勢が出されていて、患者サイドも、全面的ではありませんけれども、本当に真剣にやってくれたのだなという気持ちで受けとめています。そんな中で、私たちが長い間国会請願でもやってきた課題があります。それは十分御存じかと思うのですが、肝硬変・肝臓がん患者への支援については、この見直し案の120番にあります。これも苦労された表現だとは思いますけれども、これを変えてほしいとは言いませんが、この課題については、私たち患者団体は今後も要望し続けたい。強い気持ちでいるということを受けとめていてほしいと思います。これは私たちの最重要課題でもあります。肝硬変・肝臓がん患者というのは精神的にも追い込まれていますし、私は九州ですが、九州肝臓友の会も、もう10回がん治療を繰り返していると。それだけ医療技術が進んでいるということなのですが、精神的にもうくたくたと。五、六回というのはたくさんいらっしゃいます。その繰り返し。そのたびに相当の医療費、入院費、治療費がかさんでおります。そういう方が精神的にも追い込まれていますし、ぜひとも忘れないでほしいなと思っております。よろしくお願いします。

○林会長 それでは、本日も活発な御議論、どうもありがとうございました。

 どうぞ。

○清本委員 69ページの3番の健康管理の予算のところなのですけれども、支援の体制の強化と、2番に地域連携体制の強化とありまして、肝炎治療コーディネーターを置くというところで、次のページでも都道府県のほうに肝炎治療コーディネーターの養成というのがあります。これの人件費というのはどこが出すと考えていますか。

○林肝炎対策推進室長 従前からこういったメニューを行っておりますが、基本的に養成を行うための研修等の事業費を出しているものでございまして、その方を実際に配置するための人件費とかそういったものは、こちらの事業では助成対象にしていないというのが現状です。

○清本委員 このスキーム図でできるのであれば、「肝炎情報センター戦略的強化事業」の下に「拠点病院」がありますね。拠点病院のほうでコーディネーターを置くのであれば、国のほうから補助もしくは人件費をきちんと出してあげないと、せっかく養成したコーディネーターの働く場所がないと思うのです。

○林肝炎対策推進室長 現状は、実質的には肝疾患相談センター事業のほうでは相談員の人件費を出しておりますので、こういったものを活用して相談とあわせていろいろな取り組みのコーディネートを取り組んでいただいているという実態もあります。

 いずれにしても、どこまでのことを国の補助金でできるか、また、今回大きく事業の枠組み、メニューも見直しまして、地域によってはいろいろとお困りになっているところもあるやに聞いていますので、一つ一つそういった実態を見ながら、今後どういった枠組みがいいかはよく検討していきたいと思っております。ありがとうございます。

○林会長 溝上先生、どうぞ。

○溝上委員 コーディネーターという方式は、一番最初に山梨県が取り入れました。山梨県でどういう方がなったかというと、一般の方及び薬剤師さんとか、医療には関係しているのですけれども、それで生活をするという形ではなくて、山梨県の笛吹川上流は日本住血吸虫が多くて、そこでC型肝炎が多発したという現実を踏まえてそういうことをやられました。

 次にそれを導入されたのは佐賀県でして、佐賀県はコーディネーターの教育をして、そのシステムをつくるだけではなくて、その人たちがレベルアップするということで、何回も何回もやるというような形で今もすごい実績を上げておられます。

 考え方としましては、そういう人をふやすということでなくて、一般運動の一環としてのシステムという形になっております。それでなければ、何百万人もいる患者さん全部をカバーできない。お金だけでカバーできる問題ではないのだと。みんながやらないといけないのだと。そういうときに患者団体の皆様方も入っていただいて、ぜひ掘り起こしとかそういうことをしていただきたいということでしております。

 それから、情報センターから配賦する分についてはどういうメニュー、例えばコーディネーターを何人育てて、レベルアップを何人したとか、そういう数値化をして、それにあわせて、あなたのところはよくやっている、やっていないところはこういうことをやっていないから減らしますよとか、そういう指数をつくって今後やっていきます。そういうふうにお考えいただけると、お金で解決する問題ではないというふうに我々は思っている。そうでないと、なかなか一般運動には広がらないと思います。

○林会長 ほかよろしいですか。どうぞ。

○大賀委員 今のことに絡んでなのですが、検査をふやしていく、それを治療に結びつけていくという方向性が今回明確に打ち出されていますので、本当にいいなと思うのですけれども、ただ、実効性を持たせるためには、コーディネーターの養成というのが欠かせないと思うのです。職域も強調されておりますけれども。現状を見ますと、コーディネーターを養成している自治体が33県ということになっております。14県がまだ実施していない。そこらあたりを早くスタートさせていかなければいけないなと思っているのですが、いかがでしょうか。

○林会長 どうぞ。

○溝上委員 それについても、私のほうで先ほど言いましたように、おたくの県はこれをやっていないではないですか、これをやってくださいというような指標をつくることによってレベルアップを図りたいと思っておりますし、そういう体制をできるだけ早くつくっていきたいと思っております。

 何度も言いますけれども、あくまでも国民病としての肝炎をなくすという国民運動として取り上げていくべきことで、患者団体の皆様方にもよろしく御指導をお願いしたいと思っております。

○林会長 それ以外に何かございますか。よろしいでしょうか。

 それでは、本日はこれで審議を終わらせていただきたいと思います。

 次回は、3月中をめどに開催をさせていただきたいと思っております。具体的な日程につきましては、また事務局より御連絡をさせていただきたいと思います。

 本日の議事録につきましては、原案ができた段階で各委員に御確認をしていただいた後、厚生労働省のホームページで公表させていただきたいと考えておりますので、よろしくお願いしたいと思います。

 それでは、本日はお忙しい中、本会に御参集いただきまして、どうもありがとうございました。

 


(了)
<本件に関する問い合わせ先>

健康局がん・疾病対策課肝炎対策推進室

新川智之: 代表電話: 03-5253-1111(内線2948 )

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