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2016年2月8日 第21回社会保障審議会年金事業管理部会議事録

○日時

平成28年2月8日(月)10:00~12:00


○場所

航空会館5階 501会議室
東京都港区新橋1-18-1


○出席者

増田部会長、大山部会長代理、石井委員、岩瀬委員、喜田村委員、斎藤(聖)委員、齋藤(衛)委員、西沢委員、原委員、松山委員、安井委員、山口委員

○議題

(1)日本年金機構の中期目標・中期計画の変更及び平成28年度計画の策定について
(2)障害年金制度の運用に関する対応状況
(3)その他

○議事

藤原参与 定刻になりましたので、ただいまより第21回社会保障審議会年金事業管理部会を開催いたします。

委員の皆様におかれましては、御多忙の折、お集まりいただきまして、ありがとうございます。

まず、委員の出席状況ですが、本日は磯村委員、金田委員、椎野委員、藤井委員、及び西村委員が御欠席、喜田村委員、及び原委員については遅れてご出席されると連絡をいただいております。

 それでは、議事進行につきましては、部会長よりお願いしたいと存じますが、恐縮ですが、カメラにつきましては、ここまででご退室をお願いいたします。

 

(カメラ退室)

 

○増田部会長 おはようございます。それでは、議事次第に従って議事を進めてまいります。

本日は、日本年金機構の中期目標、中期計画の変更及び平成28年度計画の策定について。これと、障害年金制度の運用に関する対応状況を議論いただくこととしております。

まず1つ目の議題について、議論を始めたいと思います。前回の当部会で日本年金機構の中期目標の変更などについてご議論いただいたところでありますが、いただいたご意見も踏まえて本日付けで塩崎厚生労働大臣から日本年金機構中期目標の変更案について社会保障審議会宛てに諮問がなされております。本日は併せて中期計画についても前回の当部会でいただいたご意見を踏まえて修正した案が提示をされております。また、平成28年度計画案については、前回、骨子案だけをお示ししておりましたが、本日、その全文の案が提示されております。これらにつきまして、まず事務局からご説明をお願いしたいと思います。

 

中里年金事業運営推進室長 年金事業運営推進室の中里でございます。まず、私の方からご説明させていただきます。

 まず、資料1-1を御覧いただければと思います。こちらは前回の当部会におきまして委員の先生方からいただきました主なご意見を整理したものでございます。

中期目標につきましては、前回お示しした変更案では前文のみ変更するという形になっておりましたけれども、例えばブロック本部の本部への統合といった主要な項目についても盛り込むべきではないかといったご意見ですとか、また、今般の情報流出の責任の所在につきましても明確にすべきといったご意見をいただいたところでございます。

 また、中期計画につきましては、 ICT 化の推進の目的の1つは年金記録の正確性の確保であるといったことを明記すべきであるといったご意見を頂戴しております。

 さらに工程表につきましてですが、項目によってもう少し具体的に書いた方がよい部分があるのではないかといったご意見、また、1ページ目の1番下の○のところでは今後機構に設置されます業務削減会議について、どのように推進力を持たせるのかといったご意見、それから裏面の2ページ目を御覧いただきますと1番下の○ですけれども、全般的にお客様ですとか機構の職員に対するメッセージを打ち出す形にすべきといったご意見をいただいたところでございます。

 本日はこういったご意見を踏まえましてそれぞれ修正したものをご用意しておりますので、順次ご説明をさせていただきます。

 まず中期目標の変更案についてでございますが、資料1-2を御覧いただければと思います。中期目標でございますが、3年以上5年以下の期間の中で機構が達成すべき業務運営に関する目標、これを厚生労働大臣が定めるといったものでございます。現行の中期目標でございますが、第2期になっておりまして、平成 26 年度から 30 年度までの5年間を対象としております。昨年 12 月に厚生労働省に提出されました業務改善計画におきましては、組織改革ですとか人事改革といったものが盛り込まれておりましたけれども、こういった内容につきまして現行の中期目標に含まれていないといったことから所要の変更を行おうとするものでございます。中期目標を変更する場合には、日本年金機構法によりまして社会保障審議会への諮問が必要とされておりますことから、本日付で諮問をさせていただいているものでございます。変更の内容でございますが、資料1-2の2枚目以降でございます。こちら新旧対照表の形になっておりまして、左側の欄は現行の第2期中期目標を記載してございます。右側の欄に今回の変更によって追加する文章を記載してございます。具体的に申し上げますと、まず新旧対照表の2ページ目から3ページ目を御覧いただきますと、こちら中期目標の前文の部分になります。右側の追加する文章を御覧いただければと思いますけれども、先ほど申し上げましたとおり前回の部会におきまして今般の情報流出の責任の所在を明確にすべきといったご意見をいただいたことを踏まえまして、各種報告書におきまして指摘されている問題点、すなわちガバナンスの脆弱さですとか組織としての一体感の不足といった内容を明記してございます。さらに昨年9月の業務改善命令にも言及いたしました上で、機構においてはこうした各種報告書ですとか業務改善命令を真摯に受け止め再発防止に万全を期されたい旨、記載しております。

 続きまして、各論の部分でございますが、8ページの右側の欄の一番下の行から9ページにかけまして御覧いただきますと、まず内部統制システムの改革を掲げております。それから、前回の部会におきましてブロック本部の本部への統合といった内容も盛り込むべきであるというご意見もございましたことを踏まえまして、9ページの右側の欄の最初の○のところでは、縦割りを排除し、本部と現場が一体となるためのブロック本部の本部への統合等、組織改革を進めることとしております。

 それから、同じく9ページ右側の一番下の方の○ですけれども、ここは人事の部分でございますけれども、組織一体となって業務に取り組める人事を実現すること、それから国民の年金を確実に守る人材を育成することといった内容を盛り込んでございます。

10 ページを御覧いただきますと、右側1つ目の○でございますが、「情報公開の推進」の部分でございまして、情報開示体制の見直し、機構内部及び厚生労働省との間の情報共有の強化を掲げております。同じページの下の方でございますが、「個人情報の保護」の部分でございまして、1番下の○のところで情報セキュリティにつきまして全般的に見直し、個人情報の保護に万全を期すことといった内容を盛り込んでいるところでございます。以上が中期目標の変更案になります。

 引き続きまして中期計画の変更案及び平成 28 年度計画案につきましては機構の方からご説明をさせていただきます。

 

○樋口日本年金機構経営企画 G 長 資料1-3と資料1-4につきまして、年金機構経営企画部の樋口から説明させていただきます。資料1-3が中期計画の変更案でございます。

左側のところは前回の部会でお示しさせていただいていた変更案でございますが、右側が前回部会からの変更点を明示する形で用意させていただいております。前文で最初に修正がございますが、 ICT 化による年金記録の正確性の確保、これを明確にすべきであるとご指摘いただいておりました。個別の ICT の推進の項目にも同様の修正をさせていただいております。

2ページ目をお開きいただければと思います。計画の策定にあたりまして、特に重点となるポイントを明示すべきであるといったご指摘もいただいていたところであります。中程のところにマル1からマル3、特に今回は業務改善計画の内容が重点事項と考えておりまして、その内容を挙げさせていただいております。マル1が従来の構造的な問題の抜本的な解決に向けて機構を再生していくということ。マル2として情報開示の強化を図ること。マル3として情報セキュリティの見直し、強化を図っていくこと。この内容を追記させていただいております。

ページを繰っていただきまして、 11 ページまで飛んでいただければと思います。 10 ページの方が、先ほどの ICT 化の推進のところ、修正の内容は同様の趣旨でございます。 11 ページの方、後半でございますが、業務削減会議を設置して業務の見直しを行っていくと申しておりました。その推進力が大事であるというご指摘いただいておりましたので、修正をさせていただいております。外部有識者を含めてこの会議を進めていきたいという点、また、事務局を経営企画部といたしまして、業務の担当部署ではなく会議側が主導して見直し案を提案しながら見直しを進めていくと、こういった形で推進力を持って進めていきたいと考えております。 

続きまして、またページを飛ばしていただきまして 18 ページと 19 ページでございます。 18 ページが「情報公開の推進」ということで、趣旨をより明確に記載させていただいております。透明性を確保し、お客様に安心いただける組織づくりのために情報公開を進めていくんだ、という点を追記させていただいております。また、 18 ページ後半の「個人情報の保護」の関係ですけれども、個別の事項の前にこれも進め方の趣旨を記載しております。情報セキュリティに関しまして、組織面、技術面、業務運営面を全般的に見直しまして対策の強化を図っていくということを最初に追記したところであります。

最後の 19 ページでありますけれども、監査の内容につきまして内部監査に関わる事項だけ挙げておりましたが、業務改善計画でも申しておりましたけれども、独立した外部の専門家による監査も実施していきたいということで、これも追加させていただいております。

続きまして資料1-4、平成 28 年度計画の内容でございます。これは左側の欄が中期計画、先ほどの修正を全て反映したものを左に並べております。これに対応する 28 年度の計画案、前回は骨子だけしかお示しできておりませんでしたけれど、全文用意させていただいております。右側の欄がそれにあたるものでありまして、 27 年度計画からの主な変更箇所につきましては、星印を入れておりますので、そこを中心にご説明したいと思います。

最初の1ページ目でございますが、5行目の最後の方からでございます。 28 年度は業務改善計画は3年間の集中取組期間としておりましたが、その初年度でありまして、大部分の事項に着手するという非常に重要な年であると考えております。これにつきましては、再生元年と銘打ちまして、再生プロジェクトの実行、情報セキュリティ対策の強化、基幹業務の推進を重点課題としまして進めていきたいというのを記載しております。

続きまして2ページ目以降、各業務の具体的な進め方を記載しております。国民年金の適用・収納につきましては少しページを繰っていただきまして、5ページであります。所得等の状況に応じまして納付勧奨を行い、所得のある方につきましては強制徴収をしていくということでございます。4ページから「強制徴収の確実な実施」を挙げておりますが、強制徴収の対象者を順次拡大しながら進めているという点、また、国税庁への強制徴収の委任につきましても厚生年金保険とあわせまして前年度以上の件数を委任していきたいということを追記しております。

5ページの1番最後は前回の事業管理部会でも説明させていただいておりました特例保険料制度が来年度スタートしますので、これの利用促進を図っていきたいということを書いております。

6ページ、7ページが厚生年金の適用徴収でございます。ご案内のとおり一昨年末から国税庁から源泉徴収義務者情報をいただきまして、未適用対策を進めているところであります。6ページの下から2行目のところに星印を入れておりますが、加入指導から立入検査にかかる手順を明確にして取組を進めていきたいということ、また、7ページの下から 10 行目ほどにこちらも星印を入れておりますが、いわゆる事業所調査につきまして、今までの4年間の調査の結果を踏まえまして、届出漏れが多い傾向にあるような業種の事業所などに対しまして、重点を置いた指導を実施してまいりたいということでございます。

ページを少し飛ばしていただきまして、 10 ページ「年金給付」の項目でございます。真ん中の方に星印を打っておりますが、受給資格期間の短縮が平成 29 年度から予定されております。これにあわせまして年金給付の請求をされる方が非常に拡大するということでありますので、この方々に着実に事前にターンアラウンドを送付して請求をしていただくようにしていきたいということ。また、マル3障害年金をめぐる諸課題への対応と記載させていただいております。各地域毎での等級の判定のばらつきといった問題、もしくは相談対応に丁寧さを欠くといった問題がございました。これについて適切に対応していくという観点で等級判定ガイドラインを円滑に実施しまして、等級の適正な認定を図っていきたいということ。また、窓口対応の専門性の強化、ないしは障害年金業務につきまして平成 28 年度下期から順次集約していきたいと考えておりまして、この準備を進めていきたいということであります。

11 ページが「年金記録問題」のところで追記がございます。 11 ページの下から5行目のところでございます。これも、受給資格期間の短縮が制度改正で予定されておりまして、これに応じて未統合記録をご確認いただく呼びかけをさらに進めていきたいということを新たに盛り込んでおります。

15 ページでございます。「6.年金相談、情報提供等」でございます。真ん中のところにマル1年金事務所での相談ということで(イ)でございます。年金相談につきましては予約制を拡充していきたいと申しておりました。これにつきましては、本年 10 月を目途に全国的に相談の予約を受け付けて、原則として予約制になるように体制の整備を進めたいということでありまして、これに伴いまして、事前に利用者の方に予約制の周知を図ることが重要でありますので、関係機関等々と連携しながら周知を進めたいということであります。

次のページ、 16 ページの項目オのところに星印を打っております。遠隔地、特に離島などが典型でございますが、遠隔地等で年金相談ができるようにテレビ電話による年金相談も平成 29 年度下期から試行的に実施していきたいということであります。その上に、これは従来からの取組でありますが、ウといたしまして遠隔地における出張相談もあわせて進めていきたいということも記載させていただいております。

しばらくページをめくっていただきまして、 19 ページ目以降が「 ICT 化の推進」の項目であります。

20 ページ(2)がねんきんネットの活用でございまして、この項目の3つ目のポツでありますが、ねんきんネットの機能の拡充も進めたいと考えております。若干ここが分かりにくいというご指摘もいただいておりました。再発行・再交付の手続きの機能と申しておりましたけれども、各種通知書等の再交付・再発行手続きの機能も追加したいということも明記させていただいております。

20 ページの後半は「9.年金制度改正への対応」でございます。先ほども出ておりました受給資格期間短縮、また、パートの適用拡大でありますとか、年金生活者支援給付金法の施行が順次予定されておりますので、これに適切に対応できるようにガイドラインの策定、システムの変更、現場への周知、お客様への周知を図っていきたいということであります。

21 ページの1番下が「マイナンバーへの対応」の項目を挙げております。 22 ページに続いておりますが、 22 ページの上から5行目のところ、まず情報セキュリティ対策を着実に実施していきたいということを明記いたしました。こうした上で、新しいスケジュールにしっかり対応できるように計画的に進めていきたいと考えております。

続きまして 27 ページの「ローマ数字3 業務運営における公正性及び透明性の確保その他業務運営に関する重要事項」の項目でございます。今回の業務改善計画の内容につきましては、基本的にここの項目に主に記載を追記しているということであります。最初に趣旨を書いておりますが、従来の構造的な問題に適切に対応いたしまして、ガバナンス、組織風土を含む内部統制システムの有効性を確保する。また、これらの改革の実効性を確保するために現場の意見も吸い上げながら施策へ反映して取り組んでいきたいということであります。内容につきましては平成 28 年度は業務改善計画の初年度でありますので、その内容を一通り盛り込んでいるというものでありますが、前回部会でも説明させていただきましたけれども、具体的な工程を置いて進めていきたいと考えておりまして、平成 28 年度の進め方につきましても可能な限り平成 28 年度計画の中に書かせていただいております。

具体的な内容は 28 ページからであります。(2)組織改革で申しますと、本部組織の再編・効率化、ブロック本部の本部への統合といたしまして、例えば本部でございましたら制度別縦割り組織を改編いたしまして、今年の4月には事業企画部門と事業推進部門の横断的な組織として再編したい。事業推進部門につきましては、現場を一元的に管理する部署を設けまして取り組んでまいりたいと。また、ブロック本部の本部への統合につきましては順次進めたいということでありまして、今年の4月に人事・労務業務を、 10 月には調達業務、そして平成 29 年4月には完全統合を目指してやっていきたいと考えております。

29 ページのマル2が年金事務所の見直しでございます。フルスペック体制の見直しといたしまして、今年の 10 月からモデル事業を実施するということ。また、お客様対応チャネルをあわせて拡充したいと考えておりまして、年金相談の充実を図るために市区町村と十分な連携を取りながら年金事務所の分室の増設なども考えていきたいと考えております。マル3が事務センターの見直しであります。当面8ヶ所に集約するとしておりますが、平成 28 年度につきましては 29 ヶ所まで集約を進めていきたいと考えております。

次のページが 30 ページであります。人員配置の適正化、また、ルールの徹底につきまして、これも業務改善計画に沿って取組を進めたいということであります。

また、 31 ページ、適正な監査の実施といたしまして、実務経験の活用、専門性の強化や内部監査結果を人事評価に繋げる仕組みを構築しまして、監査の実効性も上げていきたいと考えております。

組織風土改革の推進につきましては、今回の業務改善計画はまさに組織風土、ガバナンスの抜本的な見直しを目指しているものでありますので、確実な実施を考えていきたいと思っております。

続きまして 32 ページ以降が「人事及び人材の育成」でございます。ここの項目の中に人事改革と申していました取組を追記させていただいております。人事につきましては本部に一元化していくという点、また、専門性の向上のためにシステム部門や障害年金に関しましては専門コースをキャリアパスとして明示していくといった取組でありますとか、 33 ページでありますけれども、人事評価制度の見直しということで信賞必罰の人事評価を進めていく点などを挙げさせていただいております。

34 ページが「情報公開の推進」の項目でございます。事務処理誤り等の公表という項目がございますが、今年の 1 月に情報開示担当理事を設けておりますが、この 4 月には情報開示の担当の部署も設けまして、モニタリングを開始していきたい。これにおきまして、問題点の早期把握、早期改善、開示を進めたいと考えております。

最後の項目でございます。 36 ページ、 37 ページです。「4.個人情報の保護に関する事項」を挙げさせていただいております。組織面の見直しといたしまして、来年度の取組といたしましては情報セキュリティ対策の強化のために高度な専門知識、経験を有する者または機関、最高情報セキュリティアドバイザーと申しておりますが、この設置を進めたいと考えております。また、システム面といたしまして、個人情報の専用の共有フォルダを設置するといったこと、インターネット環境は多重の防御対策を講じたシステムを構築していくこと、また、セキュリティポリシー等具体的な手順を定める、研修・訓練などにより質を向上させていく、監査によってセキュリティ対策を強化していくといった点を盛り込ませていただいております。

かいつまんでで恐縮ですが、次に参考資料も用意させていただいているものですから、これにつきましてもご説明させていただければと思います。参考資料1というところであります。目次がございますが、平成 27 年度の取組状況、宿舎の見直しにつきましては前回の部会で提示させていただいた資料でございます。 31 ページからの工程表を挙げさせていただいております。 A 3の資料でございますが、これも前回のご指摘に沿いまして、若干修正しておりますが、基本的には前回お示しさせていただいている内容であるとご理解いただければと思います。

39 ページをお開きいただければと思います。年金機構の役員の報酬規程の改正につきましてもあわせてご説明させていただきたいと思います。 40 ページに年金機構法の引用をさせていただいておりますが、年金機構におきましては役員の報酬に関する基準を変更したときは厚生労働大臣に届け出るということになっております。届け出た後、厚生労働省におきましては社会保障審議会に通知され、必要な意見があれば申し出ることができるという仕組みになっているということでございます。これに応じまして、従来、役員報酬の改定につきましては、内容の報告をさせていただいていたところでありますが、今回につきましては事前に案の状態でこの部会にご説明させていただきたいという趣旨であります。 39 ページに戻っていただきまして、内容といたしましては、「1.改正の趣旨」で書いております。昨年の人事院勧告を踏まえまして給与法の改正が行われております。これに応じた改正を行うということでございまして、対応する国の指定職の取扱い、俸級月額 1,000 円の引上げ、賞与 0.05 月分の引上げと同様の改正を行うというものであります。「2.改正の概要」の(1)にありますが、それぞれ役員につきまして月額で申しますと 1,000 円引上げていくというものであります。このページの下の方に書いておりますけれども、実際適用されている俸級につきましては、年金記録問題に一定の目途がつくまでの間、役員報酬は減額するという取扱いをしております。実際はこちらが適用されるということでありまして、こちらにつきましても 1,000 円引上げる改正をさせていただきたいというものであります。 40 ページが賞与の方でございまして、これも先ほどご案内いたしました改正と同様の改正をしたいということであります。 41 ページが職員の給与につきまして、ご参考でございますが、挙げさせていただいております。国家公務員と同様の改正をこれも行いたいということであります。

続きまして 45 ページを御覧いただければと思います。年金相談の予約制の拡充というタイトルで資料を用意させていただきました。前回の部会で、具体的な資料に基づいて説明をというご指摘をいただいておりましたので、用意させていただいたものであります。より丁寧な相談対応を実現するために予約制を拡充していきたいと申していた内容でございますが、1の事業の目的でございます、より具体的に書かせていただいておりますが、事前にお客様に予約を申し込んでいただくことによりまして、お客様の年金記録でありますとか、見込額の試算結果などを準備して相談に臨むことが出来る、また、そうすることによりまして、相談が十分な準備をして必要な書類も案内して実施できるということで、お客様が事務所に来訪する回数も減らすことが出来るのではないかと考えております。また、事前に相談内容をお聞きいたしまして、それに対応できる職員を窓口に置いて専門性の高い相談もやっていけると考えております。また、最寄りの年金事務所だけでなく空いているところがあれば近隣の年金事務所をご案内するといった効果も期待しているところでございます。これによりまして相談対応をスムーズに行いまして、より丁寧な説明をして、お客様満足度を上げていきたいということであります。次のページに予約の流れのイメージ図をつけております。予約につきましては電話での相談を基本として想定しておりますが、事務所に来訪されたときに次回の予約をしていただくとか、将来的には Web での相談も考えていきたいということでありまして、氏名、住所、相談内容等を予約の際に登録していただきまして、それに応じた準備を行って相談に臨むということを考えております。また、窓口につきましては予約の相談窓口を基本とするとしておりますけれども当日来られるお客様もいると思いますので、そういった方にも対応できる窓口も置いた上で進めさせていただければと考えております。

最後の資料でございますけれども、次のページです。テレビ電話相談につきましてもご指摘いただいていたところであります。遠隔地での相談につきましてテレビ電話による相談も考えていきたいということでありまして、典型となりますのは離島における相談であります。現在、出張相談につきましても実施しているということでありまして、データを用意させていただいております。1でございますが、各地域で出張相談という形で年金機構の職員が赴きまして市役所の役場でありますとか、公民館、地域のコミュニティセンターなどで相談を行っているということでありますが、2でモデル実施の概要を挙げさせていただいておりますが、今行っている離島などでの出張相談は日時が限定されてしまうということで、相談に行けないケースもあり、そうなるとお客様に年金事務所まで来ていただかないといけなくなってしまいますので、テレビ電話での相談もやっていきたいということであります。モデル実施ということでまずは3ヶ所程度の遠隔地で実施してみたいということで、実施方法といたしましては市町村の役場にテレビ電話を設置いたしまして、管轄の年金事務所のバックヤードにおきまして相談対応を実施するということを考えております。実施にあたりましては、極力コストをかけずに実施する方向で検討を進めたいと考えております。駆け足になりましたけれどもご説明は以上でございます。

 

○増田部会長 資料がいくつかありましたが、大きく大別すると中期目標の関係のもの、中期計画についてのもの、そして今年の4月からの平成 28 年度計画のものの3つであります。全部概略を説明していただきましたので、各委員の方からただいまの説明内容についてご意見、ご質問等ありましたらお願いしたいと思います。岩瀬委員、どうぞ。

 

○岩瀬委員 まず、目標について、前回は広く意見を聞くということだったと思います。今回は諮問を受けて本格審議ということだと理解しているのですけれども、それが間違っていたら教えていただきたいのですが。やはり目標をいくつか修正していただきたいという感じがします。でなければ、この目標がですね、中期計画、あるいは各年度の計画をきちんとカバーしていかないのではないかという危惧を持ちますので。

1ヶ所は、目標の3ページ目の上から4行目のところに厚生労働省と機構が緊密な意思疎通を図り、共同して業務に取り組むとありますけれども、この部会は大臣から監視機能の抜本的強化を行えという非常に重い使命を受けておりまして、その使命を果たす上でも部会の関わりというところをもう少し明確に書き込んでいただきたい。

もう1つは、セキュリティ強化とか個人情報の保護について大幅な改善がなされるように努力されるのだと思うのですけれども、それが実現されてからでなければ、外部委託業者等に個人年金の情報を提供するのは止めるべきでないでしょうか。これを1つ入れていただきたい。そうでないと、情報流出がした後、それが改善されていない中で合理化と言って情報提供していくというのは国民の立場からして非常に不安である。そこの部分は部会がグリップするというふうにしていただきたい。

それと、5ページ目ですけれども年金相談、情報提供等のところで、国民が利用しやすい相談体制の整備というのは当たり前だと思うのですが、それに行うにあたって透明性の確保をした上で、コストとベネフィットの関係を明確にした上で国民が利用しやすい体制というふうに書き換えるべきではないかと思います。そうしないと、思いつきの案でどんどんこれが必要だあれが必要だと言って保険料財源を使われる危険性がありますので、そこもグリップしていただきたい。

もう1つ、9ページ目ですけれども人事の問題に関して、「一体となって業務に取り組める人事を実現する」と書かれていますけれども、この人事という言葉の意味がよく分からない。ですから、「より厳正かつ透明性が高く、国民の合意が得られるような人事評価制度」と書き換えてもらいたいと思います。以上です。とりあえず目標に関しては。

 

○増田部会長 今の関係はまずそのままにして他の委員からも意見を伺いたいと思いますけれども。西沢委員どうぞ。

 

○西沢委員 中期目標だけということではなくて、今年度の目標とかも含めましていくつか意見を申し上げさせていただきます。1つは、マイナポータルです。来年度を展望したときにマイナポータルが非常に重要だと思うのですけれども、それがどのように我々にとって便利になるのかよく分からないので、例えば、源泉徴収票がマイナポータルに入ってきて、それをもとに e-tax で確定申告ができるとか、今、マイナンバーが入っていますけれども、私の個人的な経験から言いますと、例えば外で仕事をしたりすると番号を求められたり、番号の通知書のコピーを求められたりして、手間がかかっている印象しかないです。ですので、来年度を展望したときに非常に重要なのは、マイナンバー、マイナポータルで被保険者と受給者がどれほど便利になるかという絵柄を示していくことだと思いますので、ここに書いてある文言だけだと取り組んでいくということしか分かりませんから、そこをもう少し書いてほしいですし、マイナポータルとねんきんネットの関係、カードと年金手帳の関係等々も整理してもう少し分かりやすく書いていただきたいと思います。

 次に、法人番号と厚生年金適用に関しまして、これも法人番号が付番されて、今、厚生年金適用事業所数なので、何度か申し上げていますけれど、法人数として数字を分かり次第出していただきたいと思います。これは従業員500人以上の厚生年金適用拡大の事業所を把握する上でも必須だと思うし、それ以前に出てくる数字だと思いますので、そういった厚生年金適用法人の実態を数字で明らかにしていただきたいと思います。

あと3つ目に、業務削減会議、これは中期目標の中に関係することだと思いますけれども、これも前回申し上げてその後追加で考えまして、業務削減は非常によろしいことで、ただ時とすれば被保険者や厚生年金適用事業所や受給者の、年金機構の事務が減ることによってお客様側の事務がもしかしたら増える懸念もないわけではなくて、ですので、ぜひ WIN-WIN と言いますか、年金機構の事務が減って、さらにお客様の事務が減るという、ですから業務削減というのは、年金機構の業務だけが減るのではなくて、お客様側の業務が減ることも強く念頭に置いて、ここはお任せしますけれども文章に落としていただくなり、今後業務削減会議を進めていく中で常に年金機構の業務削減がお客様の業務削減に繋がっていることを意識していただきたいと思います。

最後に、年金制度の周知も毎年度入っていますけれども、これは年金機構だけでできる問題ではなくて、年金機構は法改正が行われて、行われた法改正の結果に基づいて制度の周知を図ることをこれまでされてきたかもしれませんけれども、本来的には、法改正が行われる前に審議会の議論ですとか国会の審議を通じて、それが報道されることによって制度の改正の目的などが広く国民に伝わっていくと思うのですけれども、今の現状を見ますと恐らく今通常国会に、国民年金の産前産後における保険料免除ですとか厚生年金適用拡大事業所の従業員数の引き下げとかいろいろ重要なものが出てくるというふうに聞いています。あとマクロ経済スライドの見直しですとか。極めて複雑であったり多岐にわたっているにも関わらず、ほとんど審議会で議論されている形跡もないですし、国会で十分な審議がされるか、これは国会に任されますけれども、そこがおざなりになっている状況において、さあ法改正がされましたと、年金機構ではそれを周知してくださいと言っても限界があると思うのですね。これは年金局の方にお願いですけれども、法改正、法案を出すのであれば、きちんと審議会なりで議論の時間をとるなりして極力法改正をしたから年金機構で周知してくださいというのではなくて、十全に法改正の意図などが極力伝わるように、せっかくの審議会とかチャネルがありますので、十分にそこはやった上で進めていただきたいと思います。以上です。

 

○増田部会長 はい。それではもう少し他の委員の方の意見を聞いておきたいと思います。他にありますか。

事務局の方で出た意見についてどういう整理をするかについて後ほどまたお願いしたいと思いますが、この時間の間に少しどういうふうな処理をするか考えていただいて。目標の関係の話もあると思いますし、それから中期計画あるいは年度計画の中で書く事項もあると思います。それからその他の、うちの年金事業管理部会ともう1つ年金部会があると思います。そちらの運用の話に関わってくる部分もあると思いますが。また後ほど気が付いたところがあれば。岩瀬委員どうぞ。

 

○岩瀬委員 前回、年金の相談予約とテレビ電話について詳細な資料を出していただきたいと言ってお願いしていたのですけれども、今回出てきている資料だと全くイメージが掴めなくてですね、これは計画と呼べるものではないと思います。こういう思いつきで保険料を使うというのはそろそろ止められた方がよろしいのではないかと思います。もう少し詳細な計画が作りあげられてからこれを来年度の事業計画等で出されたらどうでしょうか。今回これを強引に推し進めることに関しては私は断固反対します。

 

○増田部会長 他に意見ございますか。

各委員の皆様方にお願いしておきたいと思うのですが、今日諮問が出されているので、中期目標の方についてはどういう形にするかというのは今日の場で決めておきたいと思います。それから中期計画と来年度の年度計画については、さらにまた今月中にこの部会を開催したいと思っていますので、そちらの方で今日いただいた意見をできるだけ取り入れた形で変更できるところは示していただいてそれで決めていきたいと、こういうふうに思っております。進め方としてはそういう進め方を考えております。

 それから、中期目標については既に決められているものがご承知のとおりあるわけですが、昨年来の業務改善計画等を踏まえて変更する方がよろしかろうということで今回お諮りをしている。中期目標については厚生労働省が決めて機構に示すもの。それを受けて機構の方で中期計画、それから年度計画について実行の問題については機構の責任において行っていくと、こういうことになっていますので、それぞれ具体的な実行について機構の方でどういうことを気を付けるかということはおそらく計画ですとか年度計画の方に反映されてくることになると思いますけれども、そういう頭で御覧いただきたいと思います。

 特に他に意見がなければ、事務局の方で今いただいた意見について何か対応についてありますか。

 

○依田事業企画課長 ありがとうございます。中期目標の関係でいくつかご意見をいただいたものですから、整理の関係で確認させていただければと思います。

岩瀬委員の方からまず外部委託の関係を個人情報との関係でいただいたと思うのですけれど、前文の方でというようなお話もございましたけれども、具体的な中期目標に落とした場合に、最後に「個人情報の保護」のところがございまして、そこが機構の中期計画とも照らし合わせていただきますと相当する部分でございます。機構の中期計画のところ、19ページになりますけれども、中期計画に「4.個人情報の保護に関する事項」とございまして、その中にさらに中期計画をブレイクダウンして書かれているというところでございまして、項番をずらす改正にしておりますけれども、従来であればマル4、変更後であれば「マル5外部委託先における個人情報の管理」ということで書かれているということでございまして、外部委託先の個人情報の管理について、中期計画等の詳細についてこれでよいかということと、そうした点についてもし中期目標に書くということであればどう書き加えるかというご意見でよいのかというところで、今のところの中期目標について申し上げますと、全体的な個人情報の保護、管理に万全を期すということを受けまして外部委託の個人情報の管理についても書かれているということでございまして、今回のサイバーセキュリティ攻撃に対する対応を踏まえまして組織面、技術面、業務運営面の全般的な見直しということでございますので、ここにどう付記するかというご意見なのかということでございまして、入念的に書くというご意見なのかなと考えております。

それから2点目でございますけれども、コストベネフィットの関係でございますけれども、これは中期目標全般にわたる話でございますけれども、全体の立て付けが当然コストなり効率性を意識しなければならない中で、見ていただきますと、項目立てが、「中期目標の期間」を第1とした上で、第2に「サービスその他の業務の質の向上に関する事項」というふうにとりまとめておりまして、それから全体にわたる部分といたしまして「業務運営の効率化に関する事項」として7ページに書いてありまして、全体的に効率性なり業務の合理化ということには十分配慮をしながら不断の見直しをしながらやっていくという立て付けになっておりますので、それぞれの作りに書くというのもあると思いますけれども、全体的に効率性には留意しながらやっていくというところで、中期目標の全体の記述の整理としてはそういうふうになっているということでございます。

 それから、3点目の人事のところでございますけれども、人事についても岩瀬委員からご意見をいただいておりまして、どう整理するかということで確認でございますけれども、今回の新しい案で言いますと、9ページ目の下のところでございますけれども「職員が希望とやりがいをもってモチベーションを高く保ち、組織一体となって業務に取り組める人事を実現する」というところでございます。それから、「国民のために努力する職員を高く評価し、」ということでございまして、大前提としては当然国民の合意を得られるようにということは目標全体にかかっているということであろうかと思いますけれども、具体的にどのように修文をするというご意見かさらに教えていただければ対応しやすいかと思っております。いずれにいたしましても国民の理解を得ながら進めるというのは全体的にかかっているというところで、前文のところにもそうした趣旨については書いているというところはご理解いただければというところでございます。

それから、西沢委員からいただいたご意見もそれぞれごもっともと思いますけれども、中期目標、中期計画、全体ということであったのですけれども、特に中期目標でここにもう少しというところがあれば、大体計画なりご指摘のとおり制度の周知など連携をとってやっていくということだと思うのですけれども、そこは教えていただければと思います。

 

○増田部会長 今、事務局からお願いがあったのですが、私の方からもお願いしておきますが、特に中期目標については、具体的に案が示されてますので、修文の形で具体的にできるだけ委員の皆様方の方から言っていただきたいと。中期目標については機構の方に示す中で広くいろいろなことが読み込めるようなできるだけそういう文章にしておいた方がよいのだろうと思いますので、そういう観点と具体的な修文の形でぜひご意見をお示しをいただきたいと思います。西沢委員どうぞ。

 

○西沢委員 私が申し上げた、どちらかというと年度計画についてご意見申し上げたことが中心で、中期目標について強く修文を求めるものではないのですけれども改めて見ますと6ページの「ICT化の推進」のところで、修文というよりはマイナンバーという言葉を入れただけなのかもしれませんが、改めて見ますと、マイナンバーの導入だけでなくて、日本年金機構として対応しなければいけないのはマイナンバーが入ったことと、来年度、国民にマイナポータルがつくことと、カードが順次配られていくということなので、番号だけというよりこの3点セットで対応を考えるべきかなというのが1つあります。かつ、「取組の推進」と言いますと、これまでも文章を拝見していてマイナンバーがつくことによって基礎年金番号と合わせなくてはいけないといったやや受け身的と言いますか、日本年金機構の業務としてマイナンバーが付くことによって対応していくと見えますけれども、むしろもう少し能動的と言いますかマイナンバーなどが入ることによって顧客の利便性を高めるというふうに活用する文言になっていればいいのかなと思いますけれども、特に強く修文してくださいと申し上げるところではありません。

 あともう1つ、7ページの「制度改正等への対応」は、これは日本年金機構の皆さんというよりも年金局の方に日本年金機構に法改正をして渡す前の段階として対応してほしいということなので、ここで日本年金機構の中期計画としてお願いすることではないです。

 

○増田部会長 ありがとうございました。今の西沢委員のご意見については特に年度計画などの文言に反映させていただきたいと思います。それでは松山委員お願いします。

 

○松山委員 目標についてはいただいた修文で特に私の方から変更はありません。ただし、これが計画に具体的に反映するべき内容なのかよく分かっていないのですが、気になった点として、今回、目標の中にも計画の中にもシステム上の対策とかシステム関連の言及が多くあります。今回サイバー攻撃を受けたことをとらまえてシステムの強化がすごく重要だということはこの部会でもご意見いただいていましたし、それに取り組んでいくことが今後の計画として重要だと思うのですが、システムに関しては、対応を取るためにかかる予算の金額規模が一般的な運営・業務の効率化とは規模が違ってくるのではないかと思われます。特にシステムは経費をあまりかけずに簡便に簡便にとやっていくと次なるリスクになりますし、かといってお金をかけだすと桁外れのものすごい金額になってしまいますので、セキュリティ対策として必要なシステムのためにどれくらいの予算が必要なのかという予算管理を他のものとは違う目線で判断していただく必要があるのかなと感じております。それを計画の中に盛り込むか盛り込まないかということは私の方では判断が付かないのですが、そのあたりをぜひご留意いただければなとこの計画を拝見して感じました。

 

○増田部会長 ありがとうございます。今の点については、次回までに少し整理をしておいていただけますかね。どういう予算についての管理の考え方で臨むのか、あるいは計画の中に書く必要があるのか。その点お願いいたします。岩瀬委員どうぞ。

 

○岩瀬委員 目標ですから幅広く大きくカバーするということも分かるのですが、ここの部分に関しては入念に書き込んでいただきたいと思います。なぜかと言うと、やはり大臣から監視強化という強い使命を受けているので、それを果たしていく上で案文としては3ページ目の上から4行目、「機構と年金局が共同して業務に取り組むことを望む。加えて、大臣からの監視機能強化の指示を確実に実施するため、業務改善計画の実行、推進状況等を当部会に定期的に報告し、意見を求める。またセキュリティ強化や個人情報の保護については大幅な改善がなされ、情報漏えいへの国民の不安が払拭された後に外部委託業者への個人年金情報の提供を行うべきだ」とこういう趣旨のことを書いていただきたい。そうでないと非常に心配だということです。

あと、人事の問題に関しては人事という一言でくくってしまうとあまりにも広すぎて、もう少し人事の中身というのをきちんと書くべきであると思います。いくら目標であっても人事というといかようにも評価できる。ですから、「厳正かつ透明性が高く、国民の合意が得られる人事評価制度を実現すべきである」というふうにもう少し具体的に書いていただきたい。

あと、コストとベネフィットの関係も全体的な問題ですけれども、年金相談に関しては予約制度だとかテレビ電話と、計画としてまだ全然練り込まれていないものを実行しようとしている。それはきちんと監視強化する上ではここはベネフィットの問題を書いていただきたいということです。

 

○増田部会長 1点目のところですね、私もこれは大臣が機構に対して業務の執行について指示する文書なので、部会との関係がここに出てくるのは私も違和感があります。1点目の関係については。むしろ我々の部会というのは、部会の当初の設置された目的にはいろいろ書いてあって、実際に運用も監視機能は強めていかなければならないのですが、大臣の求めに応じて業務はやっていますが、機構だとか厚生労働省からむしろ距離を置いて第三者的な立場でこの場で議論するようにした方がより役目が果たされると思うのですね、機構に対していろいろ示す文書の中でこの部会について同じような形で取り扱われるというとですね、我々の部会の立ち位置みたいなものが従前とは違うような気がするのです。

 

○岩瀬委員 よろしいですか。

 

○増田部会長 はい。

 

○岩瀬委員 部会の関わり方の問題ですけれども、部会に定期的に報告をしていただきたい。目標の推進状況等ですね。それでそこで議論をするという形でそれは書き込んでいただきたい。

 

○増田部会長 部会の方で推進状況について報告を受けて適宜審議する、これは当然のことなので、これからもやっていきたいので、それはここの文書で書き込むというよりはそれはまた別にそういうことを具体的にやるような形にしていけばいいのだと思うのです。この点について、厚労省の方で何かありますか。

 

○依田事業企画課長 まさに業務改善計画を含めて、機構の業務の実施状況については、適宜ご報告をさせていただきまして、またご意見をいただくのは当然でございますし、また来年度まさにこの業務改善計画の実質的なスタートが図られるので、しっかりチェックをしていくということで、まさにPDCAをしっかり回していくことだと思います。ここの段階はまさに目標ということでございますので、全体の事業管理部会の運営のあり方としてご理解いただければというふうに事務局としては考えております。当然、そういうことで部会長ともご相談させていただきながら来年度も運営させていただければと思っております。

 

○大山部会長代理 中期目標の4ページ目と5ページ目を見ていて、もし整理できるのならというか、構成がこうなのかなと悩んだところがあるので指摘をします。4ページ目の「(3)年金給付事務」とあります。ここのところの最初の○に「年金給付事務について所要日数や正確性に関する目標を定め」と書いてあるのですが、これが何を意味するのかということなんですが、一般の人が見るのと、給付事務を知っている人間が見るのとで多分見方が違うと思うんですけど、それを頭に置いた上で、次の5ページ目を見ると今度は「(5)事務処理の正確性の確保」と出ています。給付事務は事務処理ではないのかというのがまず第1に普通の人が見るとある。普通に感じると(3)の最初の○と(5)のところはどういう関係にあるのかなというところが最初に引っかかります。あえて変えているということは、給付事務固有の何かがあるのだろうと普通は思うわけですけれど、一般の人が読んで意味が分かるかというと、多分全然分からないんじゃないかと思ったので、この辺の心というか、こういうふうに分けた理由、説明があるのであれば教えていただきたいかなと。(5)に入るのではないかという気もするし、その辺どうなのかなと思ったのだけれど。

 

○高橋事業管理課長 事業管理課長です。事務処理誤りについては、(3)の2つ目の○のところを見ていただきますと「年金給付関係の事務処理誤りが依然として発生している状況を踏まえ」ということで、もちろん給付関係についても事務処理誤りに対する対策をしっかりとしていくということを(3)の給付事務にも書き込んだ上で、(5)のご指摘のところですが、事務処理誤りというのは給付関係だけではなくて、適用であったり届出の受理であったり全般に関わるものですから、再度そういう全般のものについては(5)でカバーしているというご理解をいただければと思います。

 

○大山部会長代理 であればそこはいいのですが、とすると、その前の方の(3)の○のここの所要日数や正確性って、年金給付事務の正確性に関する目標とはどういう意味ですか。

 

○水島日本年金機構理事長 私がお答えすることが適当でないかもしれませんが、これはいわゆるサービススタンダードでして、届出をいただいてから何日間で裁定をしなさいというルールというか目標を定めていますが、これについて、厚生労働省から目標として具体的な数字ではございませんが、そういうことを定めてやれとご指示をいただいて、私どもとしてはそれを毎年できているかどうかについてチェックをしているということについて、ここに書いているということでございます。

 

○大山部会長代理 そこについては全く異論はなくて、そうだと私も理解していたのですが、分からないのは正確性なんですよ。給付事務に関する正確性というのは、どこを間違えることがあるから、より正確性を高めなければならないという話につながらないといけないと思うのですが、その意味で言うと下の事務処理誤りじゃないのかと思ったのですが、他に何かあるのかと思いまして。

 

○水島日本年金機構理事長 その部分はダブっていると思います。

 

○増田部会長 厚労大臣の方の文書であると思いますが、厚労省の方で何かありますか。

 

○依田事業企画課長 おそらくこれはサービススタンダードの話を総括的に指しているのだと思うのですけれども、おそらく書いている趣旨としては当然スタンダードということで日数が短ければ短いほどがいい訳でございますけれども、やはり正確性を期しながら所要日数を短縮するという、同時に目標を達成していくという趣旨で従来から書いているということでございまして、おっしゃるようにやや重複感はあるわけですけれども、正確性と所要日数を減らしていくという趣旨であると考えております。

 

○大山部会長代理 ちょっとまだ分からないのですけど、裁定の話をされているのか、振込先や支払先を間違えていることがあるので、あるとすれば、それを是正するための正確性と言っているのか、給付固有のものがあるのか分からないので、そこが引っかかっているのですよ。

 

○水島日本年金機構理事長 私どもがこの目標を受けて何に向かって努力していくかということをお答え申し上げれば、できるだけ早く裁定事務を行うということと、正確に裁定事務を行うことということです。それはきちんと記録の確認とかですね、あるいは制度の適用について正確に裁定を行うということを指しているわけでございますが、そこで正確に行われないことは事務処理誤りでございますので、したがいまして、ここでは事務処理誤りを起こさずに、より早く裁定事務を行うということが、(3)の一つ目の○でございまして、それ以外に、振込先を間違えることはあまりないと認識しておりますが、説明誤り以外に日々の業務の中で発生する事務処理誤りはいわゆる裁定事務に限りませんので全体として事務処理誤りを無くしていくということについて、現状を踏まえてより努力すべきであるということが目標に書かれているというふうに認識いたしております。

 

○大山部会長代理 ありがとうございます。意味は了解しましたが、であれば今度はお願いなんですが、年金給付事務については裁定された時点で、しばらくその間違いが分からない状況で何年か経った後に何かでてきた場合、どうなるかということはいろいろ聞いて驚くことがございました。なんでこういうことが起こってくるのかの本質をもう1回見直してみると、いまや年金給付の裁定を含めた様々な処理自体が分からないくらい複雑になっていることが原因の大元にあって、それを正確にやれという目標を年金機構に言うのはもっともなことではありますけれども、そもそもミスが減るように考え方を変えるべきではないかと思います。そっちについては全く触れず、非常に難しい状態にしておいて、お前らしっかりやれというだけでは、無理があるのではないかと思うので、ここのところは正確性の確保を目標に挙げるのは正しいのだけれども、なぜこれが目標になるのか、普通であればこういったものは無いというか、サービススタンダードは分かるんですね意味は。普通だったら正確にやるのが当たり前で、そもそも給付事務が間違っていると言われたら年金の信頼を損なうわけですよ、またここで。ということから、目標にあっさり書いてあることは、下の方の事務の正確性の確保と書いてあるのとはかなり内容が違うのではないかと個人的には思うことなので、今回ここにどう書くか強く修文を求めるものではありませんけれども、ぜひそこは、このそもそもの問題点として共通の認識に立っていただきたいと思います。以上です。

 

○増田部会長 事務局で何かありますか。

 

○高橋事業管理課長 おっしゃる通りでして、給付事務で普通は正確性に間違いがあるとは想定されないわけですが、他方で制度改正、経過措置、それから最近で言いますと被用者年金一元化といった新たな制度改正で給付関係の事務処理が大きく変わってくるということがございまして、そういうものについてできるだけシステム化によって正確性を担保するようになっているわけですが、レアなケースについて、例えば手作業で裁定処理という作業も発生するようになってございまして、できるだけこういうところについては正確性を引き続き向上していくようにやらせていただきたいと思います。

 

○大山部会長代理 もう1つだけ。ぜひ、そうしていただきたいと思うのですが、ご案内のとおり給付システムについては、まだ刷新を始める状況になっていない。準備はそろそろ始めているんだろうと思いますけれど、状況として刷新がなかなか進まないいくつかの理由の一つに給付に関するさまざまな取扱い、処理がアルゴリズムを含めて複雑化してきていて分かりにくくなっていると。少なくとも年金給付に関するゴールドスタンダードはコンピュータということにはならないようしていただきたい。必ず内容が確認できる人が残っている間にきれいにすることをこういう場なので一言申し上げておきたいと思います。

 

○増田部会長 今の確認ですけれども、修文には至らないということでしたので原文のとおりさせていただきたいと思います。

 

○西沢委員 岩瀬委員のおっしゃった2点目の国民が情報保護に不安を持たなくなって初めて外部委託をすべきということでよろしかったでしょうか。

 

○岩瀬委員 外部委託はやってもいいと思いますが、個人情報を出すということに関してはきちんと対策が完成してからにしていただきたいと思います。

 

○西沢委員 そのことについて1点事実確認で、今でも外部委託はやっているじゃないですか。例えば、所得の紙でもらったものを打ち込むとか、免除勧奨とか。ですから、既にやっちゃってるのではないかと、事実確認なんですけれど。

 

○水島日本年金機構理事長 極めて広範な事務について外部委託をいたしておりまして、例えば送付物等に関しましては外部に委託いたしております。これは個人情報を業者に渡して、これによって送付するということになっていますので、もし岩瀬委員のおっしゃるようなことになりますと、まず私どもの人員計画や予算計画その他等々について大幅な変更になると思います。私どもといたしましては、そもそも業務の効率化を図るために、基本計画において外部委託を進めるべきとの方向をお示しいただいているわけでありまして、その方向を進めるにあたって、よりセキュリティの観点から問題が発生しないように万全を尽くすということが前提であるというふうに考えていまして、そのためのシステムのあり方等につきまして、この部会でも再三においてご説明申し上げましてその報告についてご了解を頂戴してきたというふうに認識いたしております。したがいまして、私どもといたしましては問題が発生しないよう万全を期して参るつもりでありまして、その上で現在の体制では外部委託をより進めていくことは必須のことであると考えています。

 

○増田部会長 西沢委員どうぞ。

 

○西沢委員 2点目の個人情報保護に国民が不安があって、それを確保するというのは岩瀬委員のおっしゃる通りで、ですから私も例えば個人情報を外部に委託している組織であるということは国民にも分かってもらっていた方が良いですし、機構としても個人情報を外部に委託していることを肝に銘じてというか銘記しながら個人情報保護にあたるという趣旨は、修文はよく分からないですけれども、それは徹底された方が良いかなと思います。

 

○水島日本年金機構理事長 平成28年度計画でございますと37ページを御覧いただきたいと思いますが、マル5でございますが、「外部委託先における個人情報の管理」というのがございまして、「個人情報に関わる業務を外部委託する場合においては、厳格な委託先の選定及び監督を実施する」というふうになっております。加えましてこの右側でございますが、このマル4でございまして、「個人情報に関わる業務を外部委託する場合においては、事業者に個人情報の管理体制を証明する書類の提出を求め、入札に参加する要件の有無を判定する。また、業務開始、終了時及び定時打合せ時に、外部委託事業者に対して、恒常的に監視していることによる牽制、個人情報の重要性を認識させる等、的確に委託事業者への監督を実施する」ということが計画として示しているところでございます。

 

○増田部会長 岩瀬委員、今の話ですけれども、2点目の関係ですけれども、中期目標にというふうに書いていましたけども、私も基本的に外部委託自身は機構の性格上やっていかなければならないものと思っていますけども、個々の計画での我々の執行状況のチェック等々で今言ったご主旨は実行できるのではないかと思いますがいかがですか。

 

○岩瀬委員 部会長が今おっしゃられたとおり、個々の計画でもチェックというのは可能だと思うですけれども、もう1つ不安なのは、既に外部委託をやっている、個人情報もある程度扱っているというのはよく分かります。今後大幅に外部委託を進めようというのがこの中期計画であると思うんですね。そこに関しては慎重にやっていただきたい。つまり、国民年金の徴収業務等に個人情報を外部委託先に渡してそれで回らせる、これは当面控えるべきではないでしょうか。いわゆる個人情報の保護ということのきちんとした仕組みができるまで。

 

○高橋事業管理課長 国民年金保険料の徴収業務については市場化テストということでございまして、これは「競争の導入による公共サービスの改革に関する法律」に基づきまして国民年金保険料収納事業として33条、国民年金法等の特例措置ということでございます。この法律に基づいて現在、市場化業者に委託させていただいているということでございます。

 

○増田部会長 要するにその法律で情報を保護させる趣旨を徹底させているということが言いたいんですね。

 

○高橋事業管理課長 おっしゃる通りです。

 

○増田部会長 今の岩瀬委員の「これからのものについて」ということについては、年度計画でそれこそそこの点をきちんと毎年度実施していく時に、こちらで見ていくべき事項ではないでしょうか。

 

○岩瀬委員 それも一つの筋だとは思うのですけれども、体制がきちんとできていない中で、大量の情報を流して、それがスマートフォンで読み出せるわけでしょ。非常に危険なのではないかなという気がしますけどね。毎回言ってますけれど。こういう124万件の情報が出た後ですから、ここに関してはより完全な体制を組んでからこの事業については入っていくべきではないでしょうか。

 

○増田部会長 今の一連のやりとりは、個人情報が外に漏れないように厳格に管理するという主旨は誰も反対していないので、それをどういうふうにこれからきちんと担保していくかという話なので、大筋皆さんが考えていることとそれほど乖離はないのではないかという気はするんです。従来の中期目標の中でも、多分そういったことを前提に色々やっておられると思いますし、事件があったのでより具体的にですね、実行していく上で、中期計画や年度計画のところで機構が厚労省の指示を受けて、具体的に計画を作っていく上で、繰り返し繰り返し今言った主旨が貫徹されるように丁寧に書き込んで、それを実行していって、後は我々がこの場で評価をしていくと、十分に行われたかどうかですね、このサイクルを回していけば良いのではないかと私は思っていて、繰り返しになりますけども、中期目標について全く修文を拒絶するつもりはないんですが、包括的にできるだけ様々なことが読めるようなそういう形にしてですね、今日この場でご審議をしていただいて、もう既に中期の途中くらいまで来ているもので、これまでも中期計画が既にできているので、できれば今岩瀬委員がご心配されているような実行の方をこれからきちんと見ていくというのがいいんじゃないかなと思いますけどね。

 

○岩瀬委員 外部委託と個人情報に関しては、部会長の仕切りで、というかご整理で私も了解いたします。ただ、年金相談に関しては、これはやはりコストとベネフィットの関係を入念に書き込んでいただきたい。今までも過去の経緯を私の記憶の中で喚起しますとですね、非常に何かやったんだけれども全く意味の無いことに国民の貴重な保険料が使われてきたという経緯がありますので、そこのところはきちんとした計画が出てこない限りは私は認めるべきではないと思います。だから、ここのところはコストとベネフィットの関係を明確にした上で、国民が利用しやすい相談体制というふうに修文していただきたいです。

 それと、人事に関しても人事という一言だけだと、よく理解できないので、さっき言ったような修文をお願いしたいと思います。

 

○増田部会長 大体議論は煮詰まってきていると思うのですが、他の委員の皆さん、安井委員何かありますか。

 

○安井委員 4ページ目の「(2)保険料徴収対策」についてなんですけれども、私自身も躊躇しながらものを申し上げるのですけども、いわゆる機構としては情報環境は非常に良くなったと思うのですね。それは国税庁とのジョイント、それから法人ナンバー制の採用ということで情報環境は良くなったと思うのですけども、反面ですね、今までいわゆる厚生年金に入れなかったと言うか、入らなかった会社で、かつ当然の義務としてある会社が相当ある。その中にですね、極めて労働生産性が悪くて、現在非常に保険料が高額になっておりますので、現実の経済との間に軋轢が生じる可能性がある。このことについて、どう配慮がされているのかといったことを申し上げたいのですけども、この意見自身が実は私自身が躊躇しながら申し上げている。そのようにご理解いただきたいと思います。

 

○増田部会長 修文について今議論しているので、いいですか、このままで。4ページのところは。修文なしで。

 

○安井委員 修文そのものは結構です。

 

○増田部会長 分かりました。今の関係についてですね、後ほどあるいは次回にまた議論することとしたいと思います。他の委員の皆様はよろしいですか。

改めて申し上げると、修文が必要ないという方が、ご意見あった方も含めて岩瀬委員以外は、修文特に中期目標について必要ないという意見だと理解しますが、よろしいですか。

そうしましたら、岩瀬委員からは先ほどの個人情報のことは別にして、2点ほど意見がありました。諮問と答申について今日仕上げたいと思うのでですね、その2点について改めて岩瀬委員に何ページのどこを具体的に修文するのか。私はコストベネフィットについても、具体的にはテレビ相談ですとか予約制についてのお話があったのですが、そこで具体的に機構の方の計画ですとか年度計画の中で、その損得のようなことについてですね、議論して実施するかどうかコントロールする話だというふうに思うのですけども。しかもコストベネフィットは全般に通ずる話でないかと思うのですが、具体的に岩瀬委員の方からコストベネフィットと人事について具体的にどうするか言っていただけますか。

 

○岩瀬委員 5ページの「(6)年金相談、情報提供等」につきましてですね、「制度改正に対応しつつ、透明性確保の観点からコストとベネフィットの関係を明確にした上で、国民が利用しやすい相談体制の整備」というふうに変えていただきたいです。ここは入念に書いていただきたいということです。

 

○増田部会長 もう1つの方は。

 

○岩瀬委員 9ページ目ですけれども、「(2)人事及び人材の育成」の部分で、「組織一体となって業務に取り組める人事を実現する」というふうに書かれています。右のページですけれども、上から3つ目の○ですね。この人事ということ1つだけだとやはりなかなか理解ができませんので、「業務に取り組めるよう、より厳正で透明性が高く、かつ、国民の合意が得られる人事評価制度を実現すべき」とこういうふうに変えていただきたい。

 

○増田部会長 今のところどこでしたっけ。ごめんなさい。

 

○岩瀬委員 9ページ目の右の欄の上から3つ目の○のところです。2行目で「組織一体となって業務に取り組める人事を実現する」というふうに書かれておりますけども、ここに人事の中身をもう少し書いていただきたいという趣旨です。「取り組めるよう、より厳正で透明性が高くかつ、国民の合意が得られる人事評価制度を実現するとともに」ということでしょうね。「国民のために努力する職員を高く評価し」と。

 

○増田部会長 今の点について何か他の委員からございますか。原委員、何かありますか。

 

○原委員 むしろ事務局でお考えになるところかもしれませんが、人事評価制度は9ページの左側の下の、1番下のところに記載があります。むしろそちらに記載を加えるということなのかと思いました。

 

○増田部会長 岩瀬委員、今の9ページの1番下の左側との関係どうします。そっちでもいいですか。

 

○岩瀬委員 できたら、私が修文を求めたのと入れ替えていただきたいです。

 

○増田部会長 入れ替えるとはどういうことですか。要はそうしないと何が実現できないかをはっきりやらないとですね、ここで変えて全体のトーンがきちんと統一取れていないと困るのでですね、左側のところの人事評価制度に書いているところと、すごく違和感が出てくるということです。人事評価制度、1番下の最後のところに書いてあるでしょう。大臣が出す文書だから。

 

○岩瀬委員 「取組成果を適正に評価できる」というのはですね、これは客観的に本当に適正に評価できているかどうか、というところが疑問があるのですね。

 

○増田部会長 この文書だとだめだということ。

 

○岩瀬委員 私は疑問があるので、ここの部分は誰が評価するのかということになると、やはり国民の合意というのが必要なのではないかと思います。

 

○増田部会長 ただ、そういう評価制度、要するに「取組成果を適正に評価できる人事評価制度の運用を図ること」、それを大臣が機構に対して命じる訳ですよね、示して。今おっしゃった主旨だと、大臣が適正な取組成果を適正に評価できる人事評価制度ということについて、機構にものが言えないということになる。それはおかしいのでは。

 

○岩瀬委員 言ったとして実行されるかどうかということです。

 

○増田部会長 それを厚労省も当然監督官庁としてみるだろうし、我々も第三者として評価するわけだから。9ページの左側の下に書いてあるこの表現がおかしいとは言えないのではないですか。

 

○岩瀬委員 だから、入念に書き込んでいただきたいということなのですけれど。

 

○増田部会長 私にはよく分からないけれども。原委員。

 

○原委員 9ページの左側の一番下の○のところで、適正に評価できるというところの後に加えて、さっき岩瀬委員がおっしゃられた「厳正で国民からの評価を得られる」というのを加えるのだったらよろしいですか。

 

○増田部会長 さっきはそれではだめだと言ったでしょう。やはり、あまり細かなことにそこまで言われると文章を作れなくなりますよ。

 

○岩瀬委員 いや、だから国民の合意の部分を外すということで、「厳正でかつ透明性のある人事評価制度」というふうにしていただいて結構です。

 

○増田部会長 それによって何が損なわれるかのところがよく分からないんだけど。結構時間をとって丁寧にやって、できるだけ委員の皆さん方の合意はとりたいと思うのですが、やはり大事なのは中期計画と年度計画の善し悪しと、それからその評価だと思うのですよね。

 

○岩瀬委員 よろしいでしょうか。年度計画がきちんと実行されるようにこの目標でグリップをするというではないのでしょうか。

 

○増田部会長 もちろんそうですよ。そのためのものですからね。他の方が特にご異論がなければそれで決めて押し切ってもよいけど、そうではなくて、せっかくご指摘をいただいているからできるだけ入れて、取り込んでおきたいというふうには思っていろいろと申し上げているのですが、しかし、人事評価が他のところと分かれるのは気になりますよね。厚労大臣の文書ですしね。国民の合意というのはすべてに通ずる話ではあると思うのですが、ここに合意というのが出てくるのも気になると言えば気になる。部会長代理何かございませんか。

 

○大山部会長代理 私も今聞いていて確かに重要な点であることはよく分かるのですが、大臣が機構に対して言う話として考えたときに、機構というよりも年金制度そのものにも関係することですけども、さまざまな問題が起きて、国民の不信感を招いてしまったことが一番大事なポイントになっているということはよく分かるのですが、しかし、それは一言そこの回復をしろということであって、あとは機構の運営の仕方を含めてですね、全体に関しては、やはり我々から見ればそもそもの目標にちゃんと向かっているかどうかを監視するというかそれに対するアドバイスをするというものだと思います。人事制度のここのところだけに、今部会長からも話がありましたが、ここだけに言葉で言うと「国民の合意が得られる」というこの一言が入る、これは人事制度だけではないような気がするんですよ。別に特出ししてここに入れたいという岩瀬委員のお気持ちは分からないわけではないのだけども、そこまで言わなくてもやるのではないのという期待が、甘いのかもしれませんが、私はそういうふうに思っていて、どちらかというとそもそもの目的に向かって、しっかり対応するような計画を作りなさいということが、この目標で縛るというのが、この主旨ではないかなと思います。したがって、私はあまり9ページ目の最後の組織目標云々というところに、部会長が先ほど言っていただきましたが、岩瀬委員がそこではないということであれば、入れるのは最初の○のところが長くなりすぎてしまうし、バランスを欠いてしまうかなというふうに思います。

 

○増田部会長 他にはありますか。

透明性も最後の情報公開のところに透明性を確保してと書いてあるからやはりちょっといろいろ正直違和感があるのですけれどね。

 

○大山部会長代理 人事のところにこだわる何かあるのですか。やはり不信感ですか。

 

○岩瀬委員 やはり一言で言うと不信感があります。だからここで枠をはめておいた方がよいのではないでしょうか。

 

○増田部会長 最後にやるのは厚労大臣だから。この文書は。

 

○岩瀬委員 でもここで審議をした結果、諮問することになっていますよね。

 

○増田部会長 それでは最後私の方で決めてよろしいですか。委員の中で多少違和感があったとしても。決め方は全員合意というふうになっていませんから。

 

○岩瀬委員 部会長のご判断にお任せします。

 

○増田部会長 事務局で今の点について、確認しておきますけれど、岩瀬委員の2点のご指摘について、今案で示されている中期目標について、その趣旨を入れた変更のようなものが作れるかどうか、そこから確認しておきたいと思うのですけれど。何かありますか。

 

○依田事業企画課長 整理いたしますと2点あると思うのですけれど、1点目のコストベネフィットの点につきましては先ほどご説明申し上げましたけれども、目標の総論としてはサービスの向上と効率化というのは全体2本立てでやっておりまして、それを踏まえて個々に岩瀬委員がおっしゃる個別の事業をどうするかというところは計画なりのところでご審議いただければということで整理させていただければと思っております。

それから、人事のところは整理を委員の先生方にしていただいたということで、人事というよりは人事評価のところであろうかと思いますけれども、今の書きぶりで適正なという記述があるわけでございまして、適正に評価できるというのは今回の機構の年度計画等であれば、公平性であったり納得性ということを、さらにブレイクダウンしていく中で入れていくということではないかと思うのですけれども、厳正かつ透明性というのは当然人事制度でありますので、そういう趣旨も入っていると思いますけれども、あえて当然のことといたしまして適正に評価できる、例えば「厳正な」とか「厳正で透明性の高い」といった表現をどうしても入れろと言うことであれば、機構の方がこれを受けてどうするかという、これは当然目標ですのでそれと計画なりが符合しなければ意味のない話になりますので、そこの違和感がないか機構とよく確認してやらないと、書いたけれども空振りに終わっては元も子もないと思うのでそこだけ確認させていただき、機構の方で違和感がなければそこの一文を付記するというのはあり得ることと思うのですけれど、そこは確認をさせていただければと思います。

 

○福本年金管理審議官 いろいろご意見をいただきましてありがとうございます。修文に関していくつかご意見が出ているのですけれども、極めて具体性を持ったお話のような気がしていまして、相談でありますとか人事でありますとか、多分岩瀬委員も具体的な話として考えられているところがあるような気がいたします。段取りといたしましては、今日諮問答申するのは中期目標です。先ほど部会長からも話がありましたように中期計画と年度計画は引き続き議論いたしますし、今日分からないところがあれば、今日もいくつか資料を追加でお出ししていますけれど、資料を出して議論していただくことは可能だと思いますし、その中で具体的な話として煮詰めていくということではないかという気がいたしております。中期目標全体の作りですけれども、部会長からもお話がありましたけれど、割と包括的に整理していることは事実であります。各論でいろいろ書き出しますといろいろなことが出てくるわけですけれど、これは全体の立て付けの問題としまして、ポイントとなる言葉を入れて包括的に中期目標は整理をして、それを受けて中期計画あるいは年度計画という中で具体化していく。しかも、この審議会は従来からそうですし、情報流出事案が起こってから増して運用を丁寧にしていると思っておりますけども、従来であれば実は年度計画というのは事後報告的になっていました。事前に議論いただいて作り上げるという形にはなっていませんでしたけれども、今回はこの平成28年度計画についても前回、今回、次回も含めて議論していただくと、修正もしていく、資料を出して説明していくというプロセスを経たいと考えておりますので、今、割と具体的な話としてご意見があるような気がいたしますし、そこは一般的な表現だけでは少し整理ができかねるような気がしておりまして、ぜひ具体的な話の中では我々も対応いたしていきますので、その中で整理をさせていただくということにしていただければですね、我々も受け止めた言葉をどう整理をすればよいのかという気がいたしますので、そういうことではないかというふうに思います。人事の話等は極めて具体性を持つ話であるので、表現としては厳正とか透明性というのは文言としてはそのとおりかもしれません。国民の合意というのも言葉としてはそういう意味は別に間違いではないのかもしれませんが具体性をもって考えるとどういうことなのかという問題が出てくると思いますので、そういう扱いにさせていただけないかということでございます。

 

○増田部会長 文章は変えないということですね。おっしゃりたいことは。理事長さん今挙手されてましたけど。

 

○水島日本年金機構理事長 福本年金管理審議官がおっしゃったことと私どもとしても同じ受け止めでございますが、もちろん「厳正」ということは厳正に行わなければいけないと思っております。「透明性」という観点から申し上げますと、内部に対して透明であるということはルール、あるいは評価のあり方として透明であることは必要であると思いますが、いかに、誰に対して透明であるかということに関しては、ある程度、私どもとしてはここにも書いてございますけども、国民の年金を確実に守る人材を育成し、評価をしていくということでございます。この観点から評価していくということでございますので、そこについて我が組織としての判断ということについては是非ご尊重いただければと思っています。国民の合意ということはもちろんでございますけども、これもどのような人材を育てるかという観点から合意を得ていくということであると考えてございます。

 

○増田部会長 ありがとうございました。そうしましたらですね、あとやるのは、文章を今の示されている原案に沿って、このままでやることについて委員の皆様方から賛否を問うてその中で決めていくというやり方が1つあります。それから、修文を原案について岩瀬委員の趣旨をできるだけ取り入れた方向にするという、おっしゃる形の修文には多分いかないと思いますが、修文のご意見をできるだけ私の判断で入れたような形でこの文章に少し修文を加えて、今ご指摘の人事とコストベネフィット、相談体制のところですが、それ以外は原案のとおりといたしますが、年金相談、情報提供等のところ、それから人事のところについてご意見の趣旨を入れた形で、事務局と私で修文を少し加えてそれで決めるというやり方。それが2つ目。この2つくらいかと思いますけれども、何か委員の皆さん方の方からご意見等ありますか。原委員どうぞ。

 

○原委員 岩瀬委員おっしゃられている人事制度のところは大変重要なポイントであり、今回の一連の検討の中でも非常に大きな要素であったと、全くその通りだと思いますので、その意味でより念のための記載を加えておくという可能性はあり得るのではないかなと。今の話を踏まえて言いますと、例えば、透明性という言葉あるいは国民の合意ってどうやって取り付けるのかというのは確かにやや問題のあるフレーズかもしれませんので、厳格で明確な人事評価制度であるとか、人事制度であるとかそういったことであれば、入れたことによってお困りになるということは少なくともないのではないかなと。これまでお示しをいただいていたプロジェクト工程表の中でも人事評価制度を厳正にしていく、厳格にしていくということは繰り返しおっしゃっていたことだと思いますので、そこで先ほど審議官おっしゃられたような問題が生じるということはないのではないかなと思いましたが、もし何かありましたら教えていただければと思います。

 

○福本年金管理審議官 ここはこの審議会での扱いですから、今のようなご理解でよろしければそういう整理はあろうかと思います。

 

○大山部会長代理 先程来コストベネフィットの話も大事なのは分かっているのですが、外に出す話も、この後かもしれませんが、修文の時にもし入れるのであれば気をつけていただきたいのは、セキュリティに関しては全く逆の方向に行くので、コストベネフィットだけ追いかけるとセキュリティを無視することになるからそこは十分注意を、そうでないと今回のいろいろなことに戻ってしまうことも考えられますのでお願いします。

 

○増田部会長 他にはいかがですか。そうしましたら、今の人事のところについては、原委員の方から厳格あるいは明確といった言葉を加えたらどうかという話もありました。中期目標についての文章については厚生労働大臣の文書になりますので、厚生労働省の方の大臣の文章といろいろな書き方等との整合性もとる必要があるかと思うので、岩瀬委員がお話になった2点についての趣旨は各委員の皆さん方もいろいろお聞きになったと思うのですが、最終的なこの部会のとりまとめについては、できるだけ岩瀬委員のご意思をくみ入れた形で、お手元に配付している中期目標の案に修文が可能な形であれば修文するという形で、その内容についてはできれば私部会長の方にご一任をいただきたいと思っておりますがそういう案でいかがでしょうか。よろしゅうございますかね。

 

(「はい」と声あり)

 

それでは、この場で修文案の方は特にお示しをしませんけれども、諮問・答申ということで本来であれば厚労省の方に返すものでございますので、今日中に修文案については事務局と相談の上、私の方で修正を加えて確定をさせて、それで事務的には取り進めていきたいと思います。早急に各委員の皆さん方の方に内容についてご連絡をすると。それから岩瀬委員のご主旨、特に2点については私ども十分に受け賜りましたので、それが極力反映されるような形の修文案を事務局と相談して作りたいと思いますのでぜひご理解をよろしくお願いしたいと思います。

 

○岩瀬委員 ご面倒をおかけいたします。

 

○増田部会長 また、それを踏まえて先ほどございましたように人事、それから相談体制等についてはいろいろご心配もお持ちのようでございますし、次回の中期計画、それから年度計画の具体的なところでですね、様々ご指摘をいただければと思いますので、よろしくお願いをいたします。

今日の前半の方はそういうことでありました。実は後半の方で少し説明してもらって議論したいと思っていたものがあるのですが、時間の関係でもういっぱいいっぱいになってしまったので、「障害年金制度の運用に関する対応状況」ということですが、こちらは報告事項で、特に議決事項はないですよね。今月中に開催する次回に回しても大丈夫ですよね。よろしいですか。

それでは、次回は公表はまた後日ということになると思いますが、委員の日程で今月中の開催は大体心づもりをしておられると思いますので、少し長めに時間を場合によっては取って、今の障害年金制度の運用についてのこともきちんとやれるような段取りでいきたいと思います。したがいまして、また次回の冒頭に改めて中期目標の変更をこういうことにしたということはご連絡申し上げますが、今日中に文章が確定いたしましたらできるだけ明日以降早めに各委員の皆様方にはその旨ご報告したいと思います。

それから今日いくつかいただいきました中期計画、それから年度計画については、今日の意見をできるだけ踏まえた形で次回修正案をお出しいただきたい。

それからより具体的なもの等について次回にということでお願いをした安井委員の話等々がございますので、そういった点についてもまた次回よろしくお願いしたいと思います。

以上で今日の審議は終しまいにしたいと思います。事務局の方から何かありますか。よろしいですか。

それでは、次回の日程はまた改めて連絡ということにいたします。それでは本日の会議はこれで終了とさせていただきます。どうもありがとうございました。

 


(了)

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