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2014年5月9日 平成26年度 第2回ばく露評価小検討会議事録

○日時

平成26年5月9日(金) 13:30~


○場所

厚生労働省共用第9会議室(19階)


○議事

○高村化学物質情報管理官 本日はお忙しい中をお集りいただき、ありがとうございます。定刻より少し早いですが、皆さまお集まりですので、第2回ばく露評価小検討会を開催いたします。

 以下の進行は、座長の名古屋先生にお願いいたします。

○名古屋座長 議事に入る前に、事務局より議事次第と資料の確認をよろしくお願いします。

○高村化学物質情報管理官 まず、議事次第について確認させていただきます。本日の議事として、(1)平成26年度ばく露実態調査対象物質の測定分析法について、こちらは公開でさせていただきます。議事の(2)平成25年度リスク評価対象物質のばく露評価について、こちらは企業の個別情報となりますので、非公開で議論をしていただくこととしております。(3)その他として、次回の予定等について事務局から御説明する予定です。

 次に資料の確認をさせていただきます。紙ファイルにしているものが資料1のつづりです。議事の2についての資料として、これは机上配布のみのものになっていますけれども、A3が混じった形の資料を一つづり御用意しています。参考資料のつづりを別途御用意しています。資料1から確認させていただきます。資料130まで御用意しています。資料1-11ページ目から、資料1-215ページ目から、資料1-323ページから、資料1-435ページから、資料1-547ページから、資料1-659ページから、資料1-769ページから、資料1-881ページから、資料1-993ページから、資料1-10105ページから、資料1-11115ページから、資料1-12125ページから、資料1-13137ページから、資料1-14149ページから、資料1-15161ページから、資料1-16167ページから、資料1-17179ページから、資料1-18193ページから、資料1-19205ページから、資料1-20217ページから、資料1-21229ページから、資料1-23253ページから、資料1-24265ページから、資料1-25277ページから、資料1-26289ページから、資料1-27301ページから、資料1-28311ページから、資料1-29323ページから、資料1-30333ページ目からとなっています。すみません、急ぎで御説明しましたが、途中抜け等がありましたらお知らせいただければと思います。

 続いて、資料2-11ページから、資料2-27ページから、資料2-317ページから、資料2-425ページからとなっています。参考資料1は参集者名簿として1ページ目に付けています。議事次第と資料の説明と確認は以上です。

○名古屋座長 ありがとうございました。本日の議題に入りたいと思います。30物質で2時間だと、1物質4分でギリギリだと思いますので、簡単な説明でいいと思いますけれども、1物質ずつ進めていきたいと思います。事務局からよろしくお願いいたします。

○高村化学物質情報管理官 測定手法の検討を、委託事業でやっていただきました中災防から、測定手法の関係の資料1について御説明をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○中央労働災害防止協会(東久保) 実際に私どもが委託を受けましたので、中災防東久保が話をさせていただきます。分析手法の開発については、参考資料3労働者の有害物によるばく露評価ガイドラインの15ページ、通しの番号で33ページの測定手法、()測定方法の精度要件がありまして、丸数字1測定手法云々と書かれています。この方法に合致するような方法で分析手法を開発させていただいています。回収率90%以上で、あとは保存性等々を見ると、定量下限については第一評価値の10分の1、今回は第一評価値が私どもに最初に入手できませんでしたので、許容濃度の1000分の1ですので、二次評価値の1000分の1を目標として分析手法を開発させていただいています。ということで30物質の分析結果をお話させていただきます。報告書ですが、資料1-1から資料1-30までほぼ同じようなフォーマットで書かせていただいています。「はじめに」として、最初に物性等々で、次に分析方法の文献調査の結果、それから3として大体分析方法です。今回はどのような分析方法でやりましたということです。その中では、捕集剤、脱着率、回収率、検量線、保存性そういうものについて検討を行い、最終的には検出下限及び定量下限の形で第二評価値、ほぼ許容濃度ですが、許容濃度の1000分の1が満足できているかどうかで判断をしています。最後にサマリーとして、その標準測定分析方法としてこういう方法がいいのではないかという御提案で別紙という形で付けさせていただいています。

 最初に、アニリンの測定手法等検討結果について進めていきます。3ページになります。すみません、「はじめに」の表1にいきなりミスがありまして、「2-エチルヘキサン酸」と書いてありますが、実はこれは「アニリン」のことです。申し訳ないですがここは訂正をお願いします。このような形でアニリンについては、物性等々書いてありまして、液体ということです。文献調査によると、NIOSH法、それからOSHA法において、硫酸含浸フィルターを使って捕集をするという記述がありましたので、硫酸含浸フィルターを使う方法をメインにして、そのほかに今回の場合はシリカゲルであったり、XADローマ数字2、それからTenax-TAという捕集剤を使って検討を進めてきました。その結果、一番いい方法として出てきた方法が、硫酸含浸フィルターを使えばいいという結果になりましたので、硫酸含浸フィルターを用いて、ガスクロ分析をするという方法でやっています。定量下限としては、100L採気したときに0.047ppbですので、0.05ppbです。それから採気量10Lのときは0.5ppbぐらいです。定量下限としては、採気量が100Lのとき0.16ppbですので、3Aの許容濃度1ppmを作業環境測定の場合は約240分、4時間という形で実際には調査しますので、そのような形で採気した場合には、1000分の1はクリアしますよというような結果になっています。分析方法としては、硫酸含浸フィルターを使って、ガスクロマトグラフFID分析で大丈夫という結果が出ています。

○名古屋座長 どうでしょうか。蒸気圧も高くないので、硫酸含浸フィルターでも漏れないことが確認されているのですよね。

○中央労働災害防止協会 そうですね、はい。NIOSH法等でもこれでやってきますので、これで大丈夫でしょうということです。

○名古屋座長 よろしいですか。もしよかったら、同じ系統なので、別紙に全部まとめていますよね。

○中央労働災害防止協会 はい。

○名古屋座長 そこで説明してもらって、何かあったら戻るという形がスムーズにいくかと思います。そんな形でよろしくお願いします。

○中央労働災害防止協会 はい、分かりました。

○原委員 表で、ppmppbが混乱しているので、それをちょっと整理していただいたほうがいいかと思います。

○中央労働災害防止協会 はい、分かりました。

○角田化学物質評価室長 あと、細かいのですが、13ページの左下の精度の添加量の所に、「0.39μg」とありますけれども、9ページは「0.38」になっているので、「0.38」ではないかと思いますが。

○中央労働災害防止協会 そうですね、「0.38」になっています。申し訳ありません。訂正して。

○角田化学物質評価室長 本文の「0.38」が正しいのですね。

○中央労働災害防止協会 はい、そうです。

○角田化学物質評価室長 2箇所ですね。

○中央労働災害防止協会 はい。

○名古屋座長 それでは修正をお願いします。

○中央労働災害防止協会 はい、添加量の所ですね。

○名古屋座長 そうしましたら、資料1-2N-エチルモルホリンにいきます。8ページの所で説明いただいて、何かあったらまた前に戻る形で。

○中央労働災害防止協会 通しでは22ページです。N-エチルモルホリンについては、無色の液体です。サンプラーとしては、球状活性炭を用いています。N-エチルモルホリンについては、文献調査をしましたけれども、文献としてこれというものがありませんでしたので、一番作業環境測定で使っている汎用的なものからやってみようということで、まず、活性炭、それからガスクロマトグラフ法を選択しています。検討した結果、脱着率、回収率を見てみたところ、回収率が90%以上で、なおかつ定量下限が120L採気の場合、0.001ppmで、かなり低いところまで分析できることが分かりましたので、ガスクロのカラムについても通常皆様方が作業環境で使っているようなカラムで大丈夫なことが分かったので、この方法でいいですねということで、検討を終わっています。ただ、そうは言いつつも、今回はFIDで分析しましたので、定量下限の採気量がやはりちょっと足らないところが出てきますので、サンプリング流量を0.5L/分でサンプリングするということにしました。そうすることによって、1000分の1以上1未満を確保できるということにしています。通常のサンプリング速度は100mL/分から大体200mL/分ですが、この場合は少し大きめの流量で吸引で検討をしたことになっています。

○名古屋座長 何かありますでしょうか。

○鷹屋委員 吸引を大きくして破過とかのチェックも。

○中央労働災害防止協会 許容濃度の2倍の濃度でやってみたときに、破過はないという確認をしています。

○名古屋座長 よろしいですか。

○小嶋委員 細かいところですが、サンプリングの保存性で、「冷蔵で少なくとも5日間」と書いてあるのですが、1つ前のアニリンでは「冷蔵庫で少なくても5日間」。ここの記述を合わせたほうがよろしいのではないですか。

○中央労働災害防止協会 どちらがいいでしょうか。冷蔵は通常我々は4℃と考えているのですが、冷蔵庫がいいですか、それとも冷蔵4℃と入れたほうがいいですか。

○花江委員 4℃というちゃんとしたデータがあるなら、4℃と書いたほうがいいのではないですか。冷蔵とか冷蔵庫とかいろいろ。

○名古屋座長 それでは、ここでは温度表記の形にさせてもらいます。

○中央労働災害防止協会 はい、分かりました。今後はそのように全部いたします。

○名古屋座長 次に、資料1-3、オルトフェニレンジアミンについて、よろしくお願いいたします。

○中央労働災害防止協会 オルトフェニレンジアミンは作業環境測定の方法として、特化物の作業環境測定の方法が示されています。その方法を元に検討いたしました。検討して、通し番号33ページですが、精度の所から空欄で書いてあります。これは何かと言いますと、検量線もできました。ほかの似たような異性体とかそのような分析との分離もできました。ただ、4時間、実際に採気させて置いてみたら、回収率がばらばらになってしまうということがあり、高濃度の分は大体回収率が7090%のうちに入るのですが、低濃度のもので4時間も引くとばらつくという結果が出ました。なのでこの時点では今のオルトフェニレンジアミンで4時間採気というのはちょっと難しいのではないかということで、ここで1回開発を止めています。その後、硫酸含浸フィルターでサンプリングをするという手法ですので、硫酸含浸フィルターの硫酸の濃度を3濃度変えて、もう1回追試しています。その結果もやはり回収率90%まではいかない、低濃度の場合はいかないということで、今現在作業環境測定に使うのであれば、硫酸含浸フィルター、光であったり、あるいは水分の影響があったりする可能性があるので、最初からそれでは液体捕集法のインピンジャー等々を使って検討したほうがいいのではないかという具合に今考えている最中です。一応、インピンジャーでプレテストを行った結果、低濃度側でもある程度出ていますので、この方法で今後は進めていこうという段階です。前年度の場合は検討はしたのですが、作業環境には使えても、個人ばく露みたいに長時間引くような物質にはちょっとこれは向かないのではないかという結論になっています。

○名古屋座長 インピンジャーの場合も逆に蒸発したりするから、途中で補充する形になるのですか。

○中央労働災害防止協会 そうです。今のところ我々のプレテストでいくと、ピッチ軸90分以上経つと液量が半分近くになってしまうので、冬の状態で採気した状況なので、湿度は低かったのですが、そういう意味ではかなり、手間がかかるといったらおかしいですけれど、蒸発してしまったときの精度はどうだという話になると、今度は検討もできなくなるのではないかというおそれも考えています。

○名古屋座長 これは今、検討中の形ですね。

○中央労働災害防止協会 はい、そうです。

○名古屋座長 分かりました。引き続き検討をよろしくお願いいたします。

○中央労働災害防止協会 はい、すみません。

○鷹屋委員 ろ紙ですけれども、アニリンのほうはうまくいったわけですね。アニリンはSKCのろ紙を使って、こちらは別途特注のものでやっていますけれども、例えばアニリンでうまくいったもので試験とかはされていないのですか。

○中央労働災害防止協会 それはやっています。

○鷹屋委員 やはりそれでも駄目。

○中央労働災害防止協会 駄目ですね。海外のもので2つの濃度のろ紙があるのですが、それを試したけれども、やはりちょっと厳しい結果になっています。

○名古屋座長 インピンジャー法をちょっと期待しているということですね。

○中央労働災害防止協会 そうですね。

○圓藤委員 トルティンバックはインピンジャーは使えるの。

○名古屋座長 使っています。

○圓藤委員 こぼれないの。

○名古屋座長 今は昔と違って、小さなプラスチックですね。

○中央労働災害防止協会 こぼれないです。

○名古屋座長 昔はガラスだったけれど、多分そのあと出てきましたポリプロピレンのものが出てきて、結構小さなものをアメリカが使っています。多分それでやられています。

○圓藤委員 はい。

○名古屋座長 そうしましたら、ジボランをよろしくお願いいたします。

○中央労働災害防止協会 それでは、ジボランにいきます。ジボランにつきましては、今ちょうどお話に出たインピンジャーで捕集するという方法でやろうとしています。というのが、ジボランの場合はホウ素になるということがありますので、ホウ素として定量しますよということです。通し番号の39ページを見ていただきますと、ポリプロピレン性マイクロインピンジャーの写真を出していますが、これは特注で作っていただいたものです。このように、ホウ素の場合はガラス器具を非常に嫌いますので、コンタミになりますので、全てガラス器具を除いた形でサンプリングも捕集もやっていくということです。そのような器具を使って検討しますと、ポリプロピレン性のマイクロインピンジャーを使って、分析方法としてはICP発光分光コード法で分析ができます。ただしこれは、ホウ素として分析しますので、最終的にはホウ素の量を測定した後に、ジボランに換算して結果を出します。

45ページを見ていただくと、ホウ素として分析して、定量下限値が、0.0022mg/L。それを気中濃度に換算すると、480L0.052ppbになります。以上です。

○名古屋座長 何かありますでしょうか。

○鷹屋委員 フィルターでも同じかもしれないのですが、使われているのが半導体用ということで、インピンジャーを例えばクリーンルームなどに持ち込むときに(事業者側に、クリーンルームの運転に支障が出るという理由で)嫌われたりとかそういうことは大丈夫ですか。

○中央労働災害防止協会 すみません、まだそれは分からないです。交渉になると思います。

○圓藤委員 感度はいいのですか。ICP-OESとは感度が悪いと思っていたけれど。

○鷹屋委員 いや、ボロン(ホウ素)は結構いいです

○圓藤委員 ボロンはいいのですか。はい、結構です。

○名古屋座長 それでは、次をお願いいたします。

○中央労働災害防止協会 水素化リチウムです。水素化リチウムについては、水に溶けるとリチウムイオンになるということですので、リチウムを測定するという方法を採用しています。基本的には、水素化リチウムを、セルロースエステルメンブランフィルターに捕集し、それをグラファイト炉原子吸光法を使って分析します。グラファイト炉原子吸光法を選択した理由としては、汎用的にほとんど使われているということで、ICP/MSよりも持っている機関が多いだろうということで、こちらのほうを選択しました。

 水素化リチウムの中で、検討のときにより感度を高める方法として、化学修飾剤として0.2%のストロンチウム溶液を加えて分析すると、より感度の高い結果が出ることが分かりましたので、別紙の57ページに書いてある装置及び測定条件の中に、「化学修飾剤塩化ストロンチウム10μg」を入れさせていただいております。それでやると、定量下限としては10σです。0.00015μg/mLということで、作業環境の場合でも、個人ばく露の480L採気の場合の0.0000031mg/m3でも、この方法で分析は大丈夫ではないかということで御報告させていたただいております。

 妨害物質として、ナトリウム、カリウム、カルシウム、コバルト、マンガンも確認しております。それからニッケル、鉄、マグネシウムについても干渉物質になるかどうかということで検討しておりますので、適用、妨害物質のほうも記載させていただいております。

○名古屋座長 何かありますか。

○花井委員 分析法としてではないのですが、例えばこれは固体でかなり蒸気圧が低いですよね。どういう状況のばく露でこういうことを考えるのか。もし、これを粉末で使うのだとしたら、経皮ばく露とかそのような場合だと思うのです。そういうばく露のシナリオというか、そういうのはここでは議論しないのですか。

○名古屋座長 ここは純粋に分析法だけなのでしょうか。

○中央労働災害防止協会 はい、分析法だけです。粉末結晶状ということなので、フィルターで取って、そして分析するということを考えております。

○名古屋座長 本来のリスクで現場に行ったときに、多分状況が変わったら、それに応じてどうするかという感じですね。純粋に今は分析法だけ検討しましょうという形だと思います。

○中央労働災害防止協会 はい。

○名古屋座長 よろしいでしょうか。

○花井委員 はい。

○名古屋座長 次は資料1-6のノルマルーブチルをお願いいたします。

○中央労働災害防止協会 ノルマルーブチル-2,3-エポキシプロピルエーテルの分析手法です。サマリーは67ページに示されております。NIOSH法によると、固体捕集法として二硫化炭素の脱着で、GC/FIDでいいということがありましたので、この方法を検討しております。ただ、NIOSH法の場合は1000分の1までの感度が求められていないこともありますので、我々のほうはその1000分の1がうまくできているかどうかということを確認しております。

 そうすると、サンプラーとしては球状活性炭、サンプリング流量は0.1L毎分、採気量は午前中4時間、午後4時間というサンプリングの仕方をしますので、最大24L引くということで計算しております。そして捕集率、回収率を計算したら、全て回収率は良好な95%以上の結果が出ました。定量下限値、気中濃度として、採気量を1Lとすると0.03ppm、採気量を24Lとすると0.0012ppmと出ております。分析としては、定量下限が必要だということで、FID分析ではなくて、やはりGC/MSまで必要だということでマス法を使っております。そうすると、特に問題なく分析することが可能でした、ということで御報告しております。

○名古屋座長 これでOKだから、あえて加熱脱着はやりませんよということですよね。

○中央労働災害防止協会 そうです。加熱脱着になると、GC/MSよりも、持っている機関が少なくなるということもあるので。

○名古屋座長 FIDでいくということですね。

○中央労働災害防止協会 はい。取りあえずGC/MSでできていますので、それでということでまとめております。

○名古屋座長 ここは何でもないと思いますので、次は資料1-7をお願いします。

○中央労働災害防止協会 パラ-ターシャリーブチルトルエンです。通し番号80ページのサマリーを見ていただくと分かるのですが、基本的には一番馴染みのある分析手法である活性炭を用いて、GC/MS、ガスクロマトグラフ出力分析法で分析する方法を用いています。全て脱着率、捕集率も良好ですので、検討した結果定量下限も採気量24Lにすると、0.000055ppmと非常に低濃度まで分析できることが確認されました。保存も冷蔵で7日間保存できることにしております。この保存性も90%保存できるかどうかということで検討しております。

○名古屋座長 特にないですよね、大丈夫ですね。次の資料1-8をお願いします。

○中央労働災害防止協会 通し番号92ページのサマリーを見ていただくと分かるのですが、これも基本的には先ほどと同じように、球状活性炭で捕集し、GC/MSで分析します。保存性も7日間保存できるかどうかを確認しております。ただちょっと違うのは、ガスマスのカラムがVF-WAXという形のカラムを使っておりますということで、ちょっとこの辺のところが前回までも一緒なのですが、この辺のカラムをお持ちでない所があるかもしれないということです。それでいくと、ほぼ前回の物質と同じような方法で分析ができることを確認しています。

○名古屋座長 これもないですね。

○中央労働災害防止協会 この辺までは大丈夫だと思います。

○名古屋座長 資料1-9をお願いいたします。

○中央労働災害防止協会 アセチルサリチル酸については、粉じん、結晶状ということですので、メンブランフィルターに取って分析する方法を考えました。そこでガラス繊維、テフロンバインダーろ紙で取って検討しております。その結果どちらもろ紙としては取れるのではないかと考えております。分析方法としては、液体クロマトグラフ(HPLC)UVで分析を行います。ただ、アセチルサリチル酸の場合は、加水分解でサリチル酸になるということがありますので、アセチルサルチル酸だけを分析することはなかなか難しいです。それなので液クロで分析はするのですが、サリチル酸として分析をします。そして、そのものをアセチルサリチル酸に換算するという方法を用います。

 ですのでこれが混在している場所、アセチルサルチル酸とサリチル酸が混在している場所においては、濃度上ピーク上は分けて分析はできるのですけれども、それがそのままアセチルサリチル酸だったかどうかということはちょっと言えないことになります。実際にばく露実態調査をする場合は、サリチル酸があった場合はどう判断するかということがこの分析方法の場合は非常に肝になるのかと思っております。

 ただ、その他にアセチルサリチル酸だけを測定できる方法があるのかどうか、我々のほうも検討しましたけれども、今のところ見付かりませんでした、というのが今の段階のお答えになります。分析手法としては、ろ紙に取って、それからHPLCで分析する。その場合は回収率も全て90%以上となり、定量下限も満足する結果になったという報告です。

○名古屋座長 何かありますか。

○内山委員 通しの112ページの表6の所で、本文中は0135日間と書いてあるのですが、表は0137になっています。

○中央労働災害防止協会 112ページはエチレングリコールなので。アセチルサリチル酸は103ページまでです。通し番号でいうと93ページから103ページまでです。申し訳ございません、今はアセチルサリチル酸のほうです。

○名古屋座長 これは、ろ紙もそうなのですけれども、サンプリング流量が4.3と書いてあるのですが、どのくらいの径のろ紙を使っているので、インハラブルが想定できるのだと思いますので、ろ紙の径がないとインハラブルの想定にならない気がするのです。ろ紙の径の記載をよろしく御願いします。

○中央労働災害防止協会 はい、そうでした。これは作業環境の56倍かな。後で計算します。今は空では言えません、申し訳ございません。19cm

○名古屋座長 これは、やはりこの分析そのものにテフロンのバインダーは余り関係ないですね。

○中央労働災害防止協会 はい、影響しません。脱着が水酸化ナトリウム溶液とメタノールということなので、特段ろ紙上何かということはありません。

○名古屋座長 そこだけよろしくお願いいたします。

○中央労働災害防止協会 はい。

○小嶋委員 103ページを見ると、「沸点」「融点」と漢字で書いてあるのですが、他のページを見ると「MP」とか「VP」と書いてあります。表記は合わせたほうがよろしいのではないでしょうか。「蒸気圧」も漢字で書いてあるのと、「VP」と書いてあるのがあるので、これも合わせたほうがよろしいのではないでしょうか。

○中央労働災害防止協会 はい。

○名古屋座長 よろしくお願いします。

○中央労働災害防止協会 はい、分かりました。表記ですね、ありがとうございます。

○原委員 101ページの表7の保存性ですけれども、これはアセチルサリチル酸の安定性です。だけれど分析はサリチル酸ということなのですけれども、かなり安定しているのだけれども、やはり空気との反応でサリチル酸になるとか、そういうことなのでしょうか。

○中央労働災害防止協会 はい、このもの自体は、それこそ医薬品の分析方法のところから持ってきた分析方法です。それでいくと、アセチルサリチル酸の場合はサリチル酸になる可能性があるということですので。

○原委員 可能性があると。

○中央労働災害防止協会 可能性がある以上何パーセントになるということが分かりませんので、そこは分別はできないですねということです。

○原委員 分かりました。

○圓藤委員 実際は両方を足して計算するわけですか。

○中央労働災害防止協会 そうです。両方を足して、アセチルサリチル酸とサリチル酸の濃度をという形になります。すみません、実際はそういう方法もできますけれども、大体はアルカリ分解させて、サリチル酸に全部してしまって分析します。

○圓藤委員 アルカリ分解にするのですか。

○中央労働災害防止協会 はい。両方できないか最初は検討したのですけれども、意味がないということになりました。

○名古屋座長 次の資料1-10をお願いします。

○中央労働災害防止協会 エチレングリコールモノエチルエーテルです。セルソロブと言われているものです。実際にこの物質については作業環境測定で、有機溶剤として分析しておりますので、その分析方法をフシュウして、許容濃度の1000分の1のところまで測定できる方法ということでやっております。分析手法としては、作業環境と変わらず活性炭捕集をして、それからガスクロマト分析を使うことにしております。

 ただ、1000分の1の定量下限まで出さなければいけないということがありますので、通常のFIDではなくてやはりマス、質量分析法のところまで使用しなければいけないということで決めております。マスを使うと、作業環境測定をやっているような所であれば、この方法で1000分の1、採気量6Lの場合で0.003ppmですので、いけるのではないかと考えております。

○名古屋座長 これは、脱着溶剤が5%ジクロロメタン、メタノールというのは、これでないと駄目ということで作ったということですか。

○中央労働災害防止協会 そうです、二硫化炭素も検討はしてみたのですが、やはりジクロロメタン、メタノールが一番脱着率が高かったという結果になっております。

○名古屋座長 実際に行われているということですのでよろしいと思います。資料1-11のエチレングリコールをお願いします。

○中央労働災害防止協会 はい。

○内山委員 先ほどのところですが、本文中は0135日間と書いてあるのですが、表60137になっています。

○中央労働災害防止協会 0137ですね。失礼しました。

○内山委員 「5」が正しいのですか。まとめは5日間と書いてある。

○中央労働災害防止協会 すみません、これは表6が間違いで「5」です。

○内山委員 「5」でいいのですね。

○中央労働災害防止協会 はい。

○名古屋座長 そこの修正をお願いします。

○中央労働災害防止協会 はい、申し訳ございません。

○名古屋座長 資料1-11のエチレングリコールをお願いします。

○中央労働災害防止協会 これについても、メチルセルソロブで、先ほどのものとほぼ同じになります。実際作業環境でも使われている方法ということで、同じような形を使わせていただいております。全く同じ分析方法になります。分析時のリテンションタイム、定量イオン、確認イオンを先ほどのエチレングリコールモノエチルエーテルとエチレングリコールモノメチルエーテルでは違っておりますので、同じような、似たような物質ではありますけれども、分別定量ができるというところまで確認しております。

○名古屋座長 これは大丈夫ですね。資料1-12をお願いします。

○中央労働災害防止協会 これも、表6の「7」が「5」になります。これは、同じような物質で、分別定量できることが分かっていますので、一緒に検討しております。

○名古屋座長 その修正をお願いします。

○中央労働災害防止協会 はい。

○名古屋座長 次の12をお願いします。

○中央労働災害防止協会 塩化ホスホリルの測定手法になります。この物質自体は水と反応すると、塩化物イオンとリン酸イオンに分かれるものです。塩化ホスホリルではなくて、その塩化物イオンかリン酸イオンかどちらのほうを分析するかというのが、最初ちょっと問題になりました。その結果、空気中に塩化物イオンというのは結構あるということで、それであればリン酸イオンのほうを測定しようということで、リン酸イオンを測定する手法を用いています。したがって、塩化ホスホリルそのものを分析するのではなくて、水に溶かした状態で、リン酸イオンを分析して、それを最終的に塩化ホスホリルに換算する方法で分析手法を開発しております。測定方法等を文献調査したのですけれども、そのものずばりというものがありませんでしたので、この方法を考えているということです。

 サンプルはそのような形で、液体捕集法になります。分析方法としては、イオンクロマトグラフ法を使います。そうすると、定量下限としては480Lサンプリングした場合、0.01ppm、定量下限としては0.006ppmが分析できるということです。この場合は、これ以上の感度の上昇は望めないという状況になっております。

○圓藤委員 サンプリングは8時間というのはそれでいいのですか。

○名古屋座長 液体捕集はインピンジャーを使うのでしょう。

○中央労働災害防止協会 そうです。

○名古屋座長 この時は、ガラスでも先ほどのポリプロピレンを使用してもどちらでも大丈夫なのですか。

○中央労働災害防止協会 それは、どちらでも大丈夫です。

○圓藤委員 8時間も使えるのですか。

○中央労働災害防止協会 水は、追加していく形になります。

○中央労働災害防止協会 固体捕集法でやりたいと。我々も余りインピンジャー法はやりたくないので、固体捕集法でやりたいと思って、3種類ぐらいのもので確認したのですけれども、固体捕集はやはりちょっと難しいという結果になりました。それなので、やるとしたらこの方法しかないのではないかということで提案させていただいております。

○原委員 8ページの図3の保存性が非常に気になる動きをしているのですけれども、これはコメントがないのですけれども、これは何なのでしょうか。1日目が2倍近く180%ぐらいになっています。何か反応しているのでしょうか。

○中央労働災害防止協会 低濃度のものですよね。今のは図3ですかね。

○原委員 132ページの図3です。

○中央労働災害防止協会 これは、固体捕集法のアナソルブという捕集剤を使ったときのデータを出しております。アナソルブの場合は、このような形で低濃度側が全然使えませんという結果になりましたので、固体捕集は使えないということで、ここで固体捕集を諦めました。そして、やはり液体捕集しか残っていない、という最後の選択をここでやったということです。

○名古屋座長 固体捕集だと図4のようになりますということですね。

○中央労働災害防止協会 はい。高濃度側はいいのです。ただ、1000分の1というような本当に低濃度のところの回収率を見ていくと、かなり揺れるということです。

○圓藤委員 それは、もともとの側定誤差ではないのですか。機械の感度から、パーセントでしてしまうとこうなってしまうというだけではないのですか。

○中央労働災害防止協会 多分、最初から120%を超えていますので、低濃度のところの検量線のところからデータがかなり微妙に揺れているのだと思うのです。1つの濃度について5検体ずつやっていきますので、1つの検討で100検体ぐらいのものを全部やっているのですが、そのデータをまとめてもこういう結果になるということは、その各々でまだ動いているのではないかと思っています。

○圓藤委員 測定限界ギリギリのところではないのですか。

○中央労働災害防止協会 測定限界ギリギリのところです。

○圓藤委員 そうしたら、ばらつきは大きいですか。

○中央労働災害防止協会 ばらつきは大きいです。そこのばらつきを小さくして、なおかつ回収率90%となると。

○圓藤委員 測定法としては無理でしょうね。

○中央労働災害防止協会 はい、かなり難しいということで、そこで我々はいつも困ってしまうというか。

○名古屋座長 現状では液体捕集だけですね。

○中央労働災害防止協会 そうです。ただ、液体捕集の場合はどうしても感度のところまで、これをもっと超えることは難しいですということです。

○名古屋座長 作業環境だったら普通は大丈夫なのだけれども、ばく露だとなかなか大変ですということで、そんな感じすね、分かりました。よろしいでしょうか。そうしたら資料1-13の酢酸イソプロピルをお願いします。

○中央労働災害防止協会 酢酸イソプロピルは、有機溶剤として、通常の分析方法で分析できるという形で検討した物質ですので、活性炭捕集で、GC/MS分析、脱着液は二硫化炭素で大丈夫だということで確認しております。定量下限についても、24L採気ですので、午前中の4時間サンプリングした場合は0.00017ppm、それから1Lだけの採気でも0.0004ppmということで、TLV許容濃度等を考えると、かなり低いところまでこれは分析できることになります。そういう意味では、FIDでもいけたのかと思うぐらいのものですが、他の成分との兼ね合いもあって、GC/MSで今回は検討しています。

○名古屋座長 これは、通常やられている分析なので大丈夫だと思います。

○中央労働災害防止協会 そうですね。

○名古屋座長 資料1-14で、メタクリル酸メチルをお願いします。

○中央労働災害防止協会 メタクリル酸メチルです。この方法についても、球状活性炭、GC/MS分析が、まず最初に我々が選択する分析方法ですが、その方法でやってみて大丈夫でしたので、その結果を御報告させていただいております。その結果、定量下限としては、4時間採気で0.93ppbとなりますので、許容濃度が2ppmの場合でも1000分の1は確保できている結果になっております。

 次の資料1-16からは発がん性の疑われている有機溶剤10種なのですが、これの最初のクロロホルムの分析手法のサマリーは印刷のほうに行っております。すみませんでした。

○名古屋座長 それでは、四塩化炭素からいきましょう。

○中央労働災害防止協会 実は、この10種類の有機溶剤については、既に作業環境測定で分析している物質です。その分析方法が個人ばく露にも使えるかどうかという観点で検討しております。基本的には10種類の混合で全て分離定量できるか。それが一緒の方法でできるかという形で検討はさせていただいております。

 球状活性炭に捕集をして、ガスクロマトグラフ質量分析、GC/MSで分析できるか。そのときに、1000分の1の濃度を確保できているかどうかということを目標に、10種類の物質全てを確認させていただいています。その結果について1物質ずつサマリーを作って御報告させていただいている結果になっております。そのような形になっていますので、サンプリング流量も0.1L/分、保存性についてもマックス5日間で検討をしております。検出下限、定量下限、回収率についても90%以上あるか、それから許容濃度、管理濃度等の1000分の1を満足するかという範囲で検討させていただきました。

 そういう意味で言うと、10種類全て同じような方法で満足していますと言いたいところなのですが、1つスチレンだけが、我々が考えていたプロトコールに乗らなかったということです。クロロホルム、四塩化炭素、1,4-ジオキサン、1,2-ジクロルエタン、ジクロルメタン、1,1,2,2-テトラクロルエタン、テトラクロルエチレン、トリクロルエチレン、メチルイソブチルケトン、スチレンという形になるのですが、スチレンだけがちょっと違いましたので、まずスチレンの説明をさせていただきます。

○名古屋座長 217ですね。

○中央労働災害防止協会 スチレンは、217ページ資料1-20、スチレンの分析手法検討結果です。スチレンの場合は皆さん御存じのように、重合する性質を持っている物質です。通常の標準液の場合は、重合防止剤が入っております。それがない場合は、そのまま標準液も重合してしまう性質があります。今回の検討については、重合防止剤を外した状態、除去した状態と、除去していない状態の両方で検討させていただきました。

 その結果です。サンプリング流量については、先ほど言いましたように0.1Lで、球状活性炭に取るということでやらせていただきました。それをガスクロで分析することにして、検討した結果、検量線はきれいに目標濃度の10倍まで。目標濃度というのは、100分の11000分の1の濃度になるのですが、その目標濃度、それから二次評価値の2倍のところまで検量線はきれいに乗りました。

 乗りましたが、通し番号の224ページの表4の保存安定性を見てください。これは活性炭にそのスチレンとしての添加量を添加して、その後4時間ポンプを動かし、空気を吸います。吸った後に、0日目、1日目、3日目、5日目ということで、各5本ずつ分析をしていきます。そして保存性を見た結果です。この結果、回収率が基本的には90%以上我々は欲しいわけですが、4時間捕集の濃度として0.02ppmになるところを見ていたただきたいのです。保存0日目のところで、平均値の回収率が87.9%、1日目が86.5%、3日目が80.3%、5日目が79.8%ということで、5日間保存した場合に回収率は約80%です。なおかつSDを見ると、2.7%、3.5%、4.5%、3.6%ということで、ばらつきについては5%未満、RSD3.1%、4.0%、5.6%、4.5%ということで5%未満になっています。

 ただ、回収率自体が、一番低い濃度でやってみたときに80%程度になる。他の物質については、これがほぼ90%以上です。スチレンだけが、この10種類の中では回収率が、しかも低濃度のところがちょっと厳しいです、という結果になっております。通常の二次評価値程度のところであれば、大体90%ぐらいの回収率があるので、この場合は大丈夫だということは分かるのですが、4時間捕集として0.02ppmという非常に低い濃度のところでは回収率が多少落ちる傾向があることが分かりました。

○圓藤委員 この10分の1濃度はやっていないのですか。

○中央労働災害防止協会 1000分の1濃度です。許容濃度の1000分の1濃度のところで、そういう具合に回収率が悪かったということです。10分の1であれば、まだ回収率はよくなる傾向にあると思います。10分の1であれば、4時間の捕集濃度としては2ppmぐらいのところであるので、20ppm90%近くありますから、そういうことを考えると、まだ多少は良くなると思います。一番低いところだけ、回収率が80%程度しかないことになっています。

○原委員 無機性の重合防止剤というものはないのですか。これは有機性なのですね。もし飛ばないようなものであれば、ここに加えるようなことはできないものなのですか、そういうことは難しいのですか。

○中央労働災害防止協会 重合防止剤ですか。

○原委員 はい。スチレンの重合防止剤というのは何なのですか。

○鷹屋委員 ラジカルスキャベンジャーだから、ラジカルをより取る、(スチレン)より反応性が高い。ただ、これはそもそも良いほうも90%で、かつ時間を置いても変化がないので、変化しているというよりは、そもそも吸着の率が不十分のような気がするのです。

○圓藤委員 気がするというか、もしかしたらくっ付いてしまって取れていないのではないですか。

○鷹屋委員 ああ、脱着のほうが。

○圓藤委員 脱着が。そういう意味でいったら、多分10分の1でも90%弱ぐらいだと思うので、そんなに問題はないと思うのです。

○中央労働災害防止協会 私どもの中では、低濃度のところなので、評価にそんなに影響はしないであろうと。しかも80%はあるので、作業環境の測定方法を準じて使っても大丈夫ではないかという結果で今回提案させていただいております。

○圓藤委員 だから、早く測定しなさいということで、5日間は置かないということ。

○名古屋座長 これは、溶液の中に10種類を混ぜていますよね。

○中央労働災害防止協会 10種類混ぜています。

○名古屋座長 そのときの混ぜる濃度というのは、例えば管理濃度のものを8時間の量に換算して全部合わせて10種類入れてやっているのか。

○中央労働災害防止協会 そうです。

○名古屋座長 そのときには、物質によって活性炭の吸着量の捕集効率が良ければいいけれども、もしかして超えていたとしたら、脱着する仕方というのは混合物だったら多分ばらつくのではないかと思うのです。その辺はどうなのですか。要するに、濃度が高くなってしまったときに、吸着特質が違ったら、前にあったものを追い出してしまって、後から来たものに出てしまうことが混合の場合には起こりやすいと思うのです。10物質でこれをやったときに、その辺のところは。

○圓藤委員 破過はしていないのでしょう。

○中央労働災害防止協会 破過はしていません。

○名古屋座長 この実験ではいいのだけれども、現場に行ったときにどうなのだろうかと思ったのです。

○花井委員 10物質を混ぜてやるというのはどういう意味があるのですか。

○名古屋座長 一挙にできるということです。

○花井委員 ということは、10物質を同時に使っている職場でもすぐにできる。

○名古屋座長 それは、そういう想定ではないですよね。

○中央労働災害防止協会 はい。職場では、まだ他の物質を使っている可能性が有機溶剤の場合にはあると思うのです。混合溶剤で使っている場合がかなり多いので、塩素系であれば2種類ぐらいになりますけれども、メチルイソブチルケトンとかであれば、大体私どものデータでは作業環境の中で使われている頻度は3番目か4番目ぐらいの物質ですから、そういう意味では混合溶剤として非常に使われています。それなので、今回は単独というよりも、混合溶剤として。

○名古屋座長 10物質やっても大丈夫だということですね。

○中央労働災害防止協会 ええ、やりたいということで検討を始めています。

○鷹屋委員 混ぜて調べたということに関連して、一番最初から見ていって思ったのは、クロロホルムなり塩素系だけに限ればマスではなくて、エレクトロンキャプチャーのガスクロでも十分感度が得られる可能性があると思うのです。それは、むしろ今の作業環境測定だと、マスのほうが持っている測定機関が多いと考えてよいのですか。

○中央労働災害防止協会 そうです。エレクトロンキャプチャーだと、作業環境の場合は特殊ですので、作業環境測定をやっている機関で、GC/MSは既に4割ぐらい保有されていると言われていますので、そちらのほうがよりベターかと思って選んでいます。

○圓藤委員 汽水域が狭いからではありませんか。ECDだと。

○原委員 先ほどの話に戻りますけれども、脱着率が問題なのではないですか。表3と表4の回収率を考えていますけれども、捕集されたものの可能性のほうが高いのかもしれません。ですから、重合ではなくて、脱着ができないのではないかという目で少し検討の余地があるのであればされたほうがいいのではないかと思います。ずっとこれでやっているから、みんなそれ以上の検討は多分されていないのだと思うのです。

○名古屋座長 これは、スチレン単品でやったときと、10物質入っているときの影響はないですか。

○原委員 ないのではないですか。

○名古屋座長 やはりスチレンが脆弱なだけなのだ。

○原委員 やはり、スチレンがベンゼン環を含んでいるから、その影響があるのではないですか。

○名古屋座長 抜けにくい。

○原委員 うん。もしその視点で余地があれば検討してもらうぐらいで。ちょっと低いけれども、安定して出ているのでそんなに問題はないのだろうとは思うのです。重合性ではない視点で検討される余地はあるかなというぐらいではないでしょうか。

○名古屋座長 使われている所が多いから検討してほしい。

○原委員 そうですね。

○鷹屋委員 普通に作業環境測定のとき、つまり時間を置いては変わらないけれども、4時間空気を吸っているときに壊れている可能性もあるわけです。だから、30分なり15分のサンプリングで十分回収率が得られるのであれば、個人ばく露の長時間サンプリングに対して問題があることになるかと思うのですが、その辺のデータは中災防ではお持ちですか。

○原委員 そっちもありますね。

○中央労働災害防止協会 持っておりません。

○鷹屋委員 そうですか、分かりました。

○中央労働災害防止協会 予想に反してちょっと低めでしたという感想です。作業環境では馴染みの物質ですので、全てこの方法でいけるという感じでやっていましたので、予想に反したと思ったということです。

○名古屋座長 スチレンだけは検討の余地があるということですね。

○中央労働災害防止協会 そうです、低濃度側がです。なぜかというところまでは、これから追いかけていっても分かるかどうかというのは、我々の能力と時間にも関わってきますので。

○圓藤委員 表3を見ると、低いのも高いのも変わらないですよね。

○名古屋座長 変わらないですね。

○花井委員 10種類混ぜたうんぬんというのは、この中のどこかに書いてあるのですか。

○中央労働災害防止協会 10種類が全て分離定量できているかどうかという資料も付けたのですけれども、すみませんこれには書いてないです。

○花井委員 そういう条件であるならば、先ほどの混合効果とか何かそういうものがあれば、その辺は10種類混ぜてやる目的も含めて書いておいたほうがいいのではないですか。

○中央労働災害防止協会 はい。

○圓藤委員 測定が間に合わない。

○花井委員 そういう状況なのか、単品でやったのか、その辺もはっきりしておいたほうがいいのではないですか。

○原委員 多分、影響はなかったということで書けると思うので、それでいいのではないですか。多分、相互影響はないと思います。大量だったら違うと思いますけれども、活性炭ですから1回吸着されたらもうそれ以上入りませんから無理でしょうけれども、この量だと相互に影響するほどでもない、結果もそうだしそうなのではないでしょうか。

○花井委員 この方法を使うのだとしたら、そういう条件はどこかにちゃんと書いておかないとまずいのではないですか。分析法として出すのであれば。

○圓藤委員 最悪の条件でやっているということなのでしょう。

○花井委員 だから、それをどこかに。

○圓藤委員 だから、単品でやったらもっと良くなるという。要するに破過もしやすいだろうし。

○花井委員 そういうことは全然書かなくてもいいのですか。

○原委員 これは大丈夫だと。悪い条件でやって、これぐらいの良い結果だという感じですね。

○名古屋座長 私が心配したのは、もっと濃度の高いところでして、要するにキャパシティが少なかったときに、吸着特性によっては先に吸着されたものが吸着に高い物質を追い出してしまうというのがあって、過小評価してしまうのかなというのはあるけれども、このぐらいの量だったら、要するに破過いくまでの量に行っていないから大丈夫ですよと。だから、混合で分析をやっても大丈夫ですよと。

○花井委員 そういう意味では、適用の量はこのぐらいのことが限界がありますというようなのがあるのだったら書かないといけないです。

○名古屋座長 許容の量を8時間分析したときの量を、混合して入れていますということなのでしょう。

○圓藤委員 一番厳しい条件でやっているから、それでOKならば大体OKでしょうと。

○中央労働災害防止協会 そういう厳しい条件で、普通の条件でやって大丈夫だということ。それから実際のサンプルの場合は、活性炭であれば二層に分かれている活性炭を使っておりますので、前層ではなくて後層のほうにその成分が出てきた場合は、このデータを使えるか使えないかという検討をもう一回やることになっています。そこで2つに。

○圓藤委員 破過していないのでしょう。

○中央労働災害防止協会 全然していません。この検討の場合はしていません。ただ、現場の場合はどの濃度になるか分からないので。

○名古屋座長 もっと高い濃度になる可能性もある。

○中央労働災害防止協会 はい。そのときには10%の破過があるかどうかという確認はします。

○名古屋座長 分析法としては、一遍にやっても多分大丈夫だと思います。クロロホルムにせっかく来ましたので、クロロホルムのところの説明をしてください。これも、同じような形で分析されているので問題ないと思います。

○中央労働災害防止協会 サマリーを見てください。これも、そのようなことで活性炭に捕集し、GC/MS分析をしています。脱着は二硫化炭素で、作業環境測定用を使っています。作業環境測定用であれば、他のピークが出ないというか、二硫化炭素の純度が高いことになっています。ガスクロのカラムもDB-WAXということで、一番汎用的に使われているものを使っています。

 そうすると、保存性についても冷蔵で5日間保存は可能ということですので、定量下限としては10SDを取ると、0.1L/分で4時間採気した場合に3.2ppbということで、産業衛生学会の許容濃度3ppmの約1000分の1を確保できることになっております。このような形で10種類を全部検討いたしました。

○名古屋座長 結果的には、これから詳細分析法で管理濃度のところに出てきたときには、従来だと今までのガイドブックで、粒状活性炭ではなくて普通の活性炭が書いてあるのを、これからは粒状活性炭にきちんと固定されてしまうということですね。

○中央労働災害防止協会 分からないです。

○名古屋座長 でも、ここで粒状活性炭でやっていて。

○中央労働災害防止協会 ここは、球状活性炭の場合には合成活性炭ですので、一番コンタミがないことが分かっていますので。

○名古屋座長 逆に指定してそのようにしたほうがいいのではないか。

○中央労働災害防止協会 そうですね。

○名古屋座長 今のところ粒状活性炭は1つしかなくて、繰り返しやったときに、ヤシ殻だと天然なので、10回やるとどこにエラーが出てくるか分からないのです。3回目に出てくるか8回目に出てくる。粒状活性炭は間違いなく出てこないということで、なるべく粒状活性炭にしてほしいというようにお願いしているのですけれども、なかなか決められないので、管理濃度のところの新しい物質については全て粒状活性炭という形で活性炭を指定しているのです。ヤシ殻だといろいろ。

○圓藤委員 まだヤシ殻もあるのですか。

○名古屋座長 まだまだあります。ただ、それだとたまたま3回やって回収率が良かったとしても、7回目にエラーが来れば分からない。天然物なので自分で作っているわけではない。でも、これは人工で作っているので、間違いなく回収率は、10回やれば全て出てくる。3回ぐらい回収をやれば大丈夫だというデータがあるので、できたらこちらのほうがいいのではないか。値段が高いのは高いのですけれども。

○圓藤委員 高いのですか。

○名古屋座長 高いです。特に加熱脱着をやったときには粒状活性炭がものすごくいいのです。だから、だんだんそのようにシフトしてほしいという部分がありましたので、そのときには管理測定委員会でお願いする形にしようと思います。今の10物質はよろしいですか。スチレンについてはちょっと検討してもらいたいところが残りましたけれども、あとはよろしいですか。

○小嶋委員 細かいことで恐縮です。クロロホルムに限らないのですけれども、物性のところの圧力の単位が物質によって違うのです。物によってトリクロルエチレンだと「mmHg」とか、クロロホルムだと「torr」、前のほうだと「pascal」とか、単位は統一したほうがいいと思います。今でしたら「pascal」を使って。

○中央労働災害防止協会 情報源がそのままのものについては、そのままの値を使っているので、そういうところでいろいろ出ているのだと思います。

○名古屋座長 キャスナンバーのところを、そのまま持ってきているからね。

○中央労働災害防止協会 はい。

○名古屋座長 できたら。

○中央労働災害防止協会 今後は「pascal」に統一できるように。

○圓藤委員 上付き文字と下付き文字が直っていないので、それを直せたら。

○中央労働災害防止協会 はい、分かりました。気になりますよね。

○鷹屋委員 今、出たのでついでに。添加回収率とかのところで、多分桁数が多すぎると。それは有効数字を合わせていただければと思います。

○原委員 表の係数とかも滅茶苦茶多いですね。

○名古屋座長 そこのところは、またよろしくお願いします。スチレンまで終わったということで、277ページの資料1-252-ブロモプロパンからお願いします。

○中央労働災害防止協会 2-ブロモプロパンについては以前、キャニスター法という形で、直接捕集で分析したものが、キャニスターだけではなくて、固体捕集のほうでもやったらどうかということでしたので、それで検討したものです。固体捕集法としては、サマリーは288ページを御覧ください。ブロモプロパンですので、サンプラーとしては球状活性炭を用いて、分析方法はGC/MS、脱着溶媒は二硫化炭素作業環境測定用を使っています。保存性の場合も5日間冷蔵保存可能であるということで、定量下限10SD1.46ppbのところまで測定できますということですので、許容濃度1ppmの約1000分の1に近いところまで固体捕集としても分析できますという結果が出ました。

○名古屋座長 よろしいかと思います。作業環境のほうも同じですので。何かありますか、よろしいですか。次は資料1-26のエチレンクロロヒドリンをお願いします。

○中央労働災害防止協会 エチレンクロロヒドリンも、同じくキャニスター法で以前分析手法を確立したものです。これも固体捕集法としては、球状活性炭で、ガスクロマトグラフ質量分析方法です。ただ、これは脱着液が2-プロパノールですから、イソプロピルアルコール二硫化炭素を使って脱着します。そうしたときに、24L捕集のときが0.002ppbですので、ACGIHNIOSH1ppmを十分に満たす値になりました。ただ、これは保存期間が3日間までということです。5日目までのデータを取ったのですけれども、5日目は保存がかなりキュッと悪くなることがありましたので、3日目までを保存期間としております。

○圓藤委員 エチレンクロロヒドリンというのは、いろいろな塩素系溶剤を作るときに混ざって出てくると言われているので、ほかの塩素系溶剤と一緒に測れるような条件にはなりませんか。

○中央労働災害防止協会 塩素系溶剤の脱着率をこれでは見ていないので分からないのですが、通常の分析方法とほとんど変わっていませんので、塩素系溶剤もある程度これで大丈夫だと思います。マスであれば、リテンションタイムが多少重なっても分離定量できますので、GC/MSを使えば大丈夫ですけれども、リテンションタイムだけでやるのであれば、二硫化炭素の分析法として、脱着液に2-プロパノールを足さなければいけない状況があるので、そこだけ確認すれば、できるかどうか。

○圓藤委員 二硫化だけでは悪いのですか。

○中央労働災害防止協会 エチレンクロロヒドリンは、二硫化だけではちょっと悪かったです。

○圓藤委員 有るか無いかは分かるのですか。

○中央労働災害防止協会 有るか無いかは確実に分かります。分離はできます。塩素系の場合は、情報さえあれば、GC/MSであれば分離できます。

○名古屋座長 これもちょっと違うけれども、今までなぜこの活性炭が昔からのキャニスターを使っていたのですか。

○中央労働災害防止協会 キャニスターでもしできれば、一通りのやり方ですので、あとはガス打ちになるので測定機関もやりやすいだろうなと。

○名古屋座長 キャニスターのほうが。

○中央労働災害防止協会 はい、実際に。

○名古屋座長 ばく露はちょっと大変だよね。でも、アメリカだってこれはばく露でしょう。

○中央労働災害防止協会 アメリカは、キャニスターでばく露をやっています。

○名古屋座長 圧を掛けておいて。

○中央労働災害防止協会 あとは500mLぐらいの缶で、一定流量のキャピラリー缶みたいな形で取るというのがあります。

○名古屋座長 前に中災防と一緒に行ったときに、缶の上のところだけ取ると結局悪くて、針が長くなければいけないとかいろいろあって、何か不便だなと思いました。普通だと全量やるので、大気などだと温めて出したりします。

○中央労働災害防止協会 今は作業環境の中でも、バッグ法という形で、バッグを使ってやっている所があると思います。バッグよりも保存性が非常に良いので、同じ方法を取り扱っている所であれば、キャニスターのほうが受け入れやすいだろうと思って、キャニスター法もやろうという形でやったのです。

○名古屋座長 なるほど。でも、洗浄にお金がかかるから結局同じなのではないですか。そうでもないのですか。

○中央労働災害防止協会 今は不活性コーティングしたガラスのものがあるので、蓋を全部取って、そのまま洗えるキャニスターがありますので、昔ほど洗浄は大変ではないです。そういうのもありますということです。

○名古屋座長 はい、分かりました。でも球状のほうがいいよね、楽だと思います。

○花井委員 この表の「適応」と書いてあるのは、「適用」ですね。何に使えるかという。300ページの下のところです。

○名古屋座長 そこの所もよろしくお願いします。

○鷹屋委員 活性炭の重さが書いてあったりなかったりしているのですが。

○名古屋座長 そう、あるのです。

○圓藤委員 これは違うのかなと思ったのです。

○名古屋座長 微妙ですよね。

○鷹屋委員 先ほどの10物質だけは倍の量が書いてあったのです。型番でグラムが定まるわけではないのだったら、やはり個別の全ての所にも量を。

○圓藤委員 こっちは「258A」とか書いてあります。

○鷹屋委員 型番に「A」が付くと倍入っているということが一義的に決まってしまうのですか。

○中央労働災害防止協会 今年度に入りましたので、Aのものも発売されたと思います。それまではなかったので、個人ばく露でするときには、量が多いほうが破過がないので安全なので、そういうのはないですかとお聞きしていたのです。それで一応そういうものがあるということが分かりました。

○名古屋座長 これからは、個人ばく露測定が入ってくるから作っておきましょうと。

○中央労働災害防止協会 10分取るのではなくて、4時間取るという形になると、やはり多いほうが安全です。

○名古屋座長 次に行きまして、27です。よろしくお願いします。

○中央労働災害防止協会 メタクリロニトリルです。メタクリロニトリルにつきましても、同じく活性炭、GC/MSという形で、先ほどのエチレンクロロヒドリンと同じ分析方法ができないかどうか確認しております。

 その結果、基本的に同じように検討していくと、同じような結果として最終的には定量下限として24L採気の場合、0.0005ppmということで1000分の1ppmを確保できましたという結果になっています。

○名古屋座長 そうしたら、28のアセトニトリルをお願いします。

○中央労働災害防止協会 アセトニトリルです。アセトニトリルも基本的に同じように活性炭捕集のGC/MS法というのを検討しております。脱着溶媒は、この場合はメタノール、ジクロロメタンを使っております。15%メタノール、ジクロロメタンで分析をするという方法になっております。保存性としては、5日間までは4℃で90%以上の保存率で保存できました。

 定量下限としては、12L採気の場合、0.006ppmということで、許容濃度のNIOSH20ppm1000分の1は確保できたという結果になっています。この辺はキャニスター法ではなく、固体捕集でも全然大丈夫という結果になりました。

○名古屋座長 これは先ほどと違って、サンプリングを2時間して、今までは4時間でしたが、増えるだけだから何の問題もないということで2時間としているだけですね。

○中央労働災害防止協会 そういうことです。

○名古屋座長 ここも問題はないと思います。29、ブチルカテコールです。

○中央労働災害防止協会 4-tert-ブチルカテコールの作業環境測定の手法ということになります。ですから、個人ばく露ではなくて、作業環境測定としての10分間サンプリングしたときに許容濃度の10分の1を確実に満たすかどうかという形で検討しています。球状活性炭を使ってサンプリング流量は0.5L/分で、作業環境測定ですので、サンプリング時間を10分以上と縛りがありますので、B測定の10分のところで5L採気しました。そのときにどういう結果になったかということです。

 保存性としては5日間までは大丈夫です。検出下限は採気量3Lのときに0.006なので、5Lのときは計算が間に合わないので3Lで通させてください。0.006ppmということですので、許容濃度等がありませんでしたが、カテコールで5ppmというACGIHの値がありますので、それと比べても全然低いところまで測定できることが分かりました。分析方法は、HPLCを使っております。メタノールで脱着して掛けているということになっています。

○鷹屋委員 これは常温で固体ですが、プレフィルターを付けなくても捕集は大丈夫ですかね。多分回収率の実験は溶液で打っていたものを気化されていますよね。

○中央労働災害防止協会 そうですね。溶液で打っています。

○鷹屋委員 実際には粒子として存在した場合は、手前にフィルターを付けておかないといけないのではないですか。

○中央労働災害防止協会 手前にフィルターのほうがいいのでしょうね。活性炭の中のグラスファイバーはあの程度では駄目でしょうか。フィルターはなかなか難しそうなものなのです。

○名古屋座長 いずれにしても、ドッチに取れたときに脱着するので、そのあと活性炭を使うという固体と濾過を一遍にしたというので分析法ができたので、管理濃度を決めた覚えがあるので、できないことはないと思います。

○圓藤委員 透過性があるものですか。

○中央労働災害防止協会 いや、違いますね。

○圓藤委員 透過性がないのだったら、球状活性炭というのはおかしいのではありませんか。

○中央労働災害防止協会 すみません。これはちょっとおかしいです。申し訳ございません。持ち帰らせてください。

○圓藤委員 もっとおかしいのは検量性の範囲と、定量下限と桁がまるで違うのですが。

○中央労働災害防止協会 何かおかしいです。

○圓藤委員 これは何かおかしいです。

○中央労働災害防止協会 すみません。どこかでおかしなことになっていますね。これは持ち帰らせてください。というのは、XAD系で検討したような記憶がありますので。

○原委員 文章のほうにもそう書いてありますね。固体状のものの捕集の方法の原則にもう一回戻ったほうがいいと思います。

○中央労働災害防止協会 XAD系の捕集剤を使うと、フィルターとソルベントチューブが一緒に入っていますので、もう一回確認させてください。

○名古屋座長 10分ですが、あれは濃度的に多分そうなのだと思いますが、リスクをやると10分では。なぜこれだけ10分なのかなと。

○中央労働災害防止協会 これは作業環境測定手法として開発してくれと言われているのです。

○花井委員 適用の所に、これをはっきり書いておくというのがあるのですよね。ほかの物質もみんな時間で10分ぐらいしか確認していないのは作業環境で、4時間もやったのは個人のばく露もできるという扱いですか。

○名古屋座長 基本的にはリスクですから長時間。分析方法として、今あるものについては作業環境を応用しましたと。

○中央労働災害防止協会 一応ばく露の検討としては10分間採気の検討もやっています。というのは、ばく露実態調査の中ではA測定に準拠した測定というのが絶対出てきますので、そのような観点から両方です。

○名古屋座長 スポットも入りますね。

○中央労働災害防止協会 はい。

○名古屋座長 では、ここだけ次回にしてください。

○中央労働災害防止協会 申し訳ございません。宿題にさせてください。

○名古屋座長 それでは、最後になりましたが、30のクメンをよろしくお願いします。

○中央労働災害防止協会 クメンにつきましては、いろいろな分析方法がありますので、別紙は16まであります。というのは固体捕集方法でほとんど全てできるということです。最初に別紙1に出ているのは活性炭チューブのGC/FID法です。これでいくと、個人ばく露の場合は5L採気した場合、0.02ppmまで行けますが、10分間採気1Lの場合は0.1ppmまでとなっています。通常であればクメンの場合は活性炭捕集をして、GC/FID法で大丈夫だと思いますが、そのほかにどのような方法ができるか。それから感度を求めるためにはどうしたらいいかということで、マス法であったり、活性炭個装カートリッジを変えた場合のデータも出しております。基本的には固体捕集をして、二硫化炭素で脱着して、次に分析としてはGC/FIDを使うか、GC/MSを使うかということで分かれております。その結果はどの方法をやっても回収率90%以上で、冷暗所で7日間は安定するという結果になっております。

 別紙6353ページです。パッシプサンプラーがクメンの場合は使用できますので、パッシブサンプラーについてのデータも付けております。パッシブサンプラーについては、アクティブと違って、ポンプを使わずにそのまま付けると吸着するというものを用いていますので、このパッシブサンプラーを使った場合、SKCの型番を使った場合は、サンプリング速度は1分間に12.8mLになるという計算をしております。それでやりますと、分析としてはGC/MSで分析できることを示しています。

 ということで、基本的には、ばく露の場合はより低濃度まで調べたいということがありますので、私どもの場合はGC/MSを使って分析をしています。以上です。

○圓藤委員 全体を通してですが、GC/MSで測っているもので内部標準を入れているのと、入れていないものがあるのですが、その決定は何によっているのですか。

○中央労働災害防止協会 決まりはありません。D体が手に入りやすいものについては、D体をまず手に入れようとするのですが、D体自体、発注してから3か月とか、そのぐらいの。

○圓藤委員 でも、D体を使ったのは1つもなく、トルエンのD8を使っています。

○中央労働災害防止協会 ですから、今回は分析期間が通常より短いということがありましたので、D体を発注しても手に入らないという状況がありました。一番汎用的に使われているトルエンのD8を使っています。トルエンのD8とベンゼンのD体を使わせてもらったのですが、そのときにD体を使う意味について、もう一回検討して、注入量なり何なりのために使うのか、それとも内部で物質が変化していて、D体でなければそこまで見付けられないのか、その両方を分けて考えましたら、今回はD体を使う意味はそんなにないということで、通常のD8を使って注入量の確認のためにD体を使ったというのが主です。

○圓藤委員 ただ10種類の場合はD体は入っていないのですか。

○中央労働災害防止協会 はい。

○圓藤委員 内部標準は入れてないのですが。

○中央労働災害防止協会 これは作業環境と同じ手法でやるということでやりましたので、入れずに検討しました。全て入れたほうがいいですか。

○圓藤委員 GC/MSのときは普通は入れるのかな。

○中央労働災害防止協会 そこは決まりというのもないし、こちらから。

○圓藤委員 だから、クロロヒドリンとかを入れているので。

○中央労働災害防止協会 ああいう反応性に富むようなものは入れさせてもらっているのですが、先生も御存じだと思いますが、D体は1mg30万円ぐらい掛かったりするので、そこまで求めるかどうかという問題もちょっとありました。微妙にその辺はこちらからも強要はできない状況ですので、各々の判断に任せているというところです。

○圓藤委員 トルエンのD8はそんなに高くないでしょう。

○中央労働災害防止協会 そんなに高くなく、手に入りやすいです。

○鷹屋委員 今回、これでパッシブをやられたのは、たまたまクメンはできるからなのですか。それとも今後想定されるところでは、防爆などでポンプが使えない所でクメンが使われている可能性が高いからですか。もしそうだとしたら、例えばクメン以外でもパッシブで行けるものであれば、やはり幾ら防爆認証を取っていても、ローリーの受け口とかはポンプは嫌だと言われることが多いと思いますが、たまたまクメンでしか使えないのか、パッシブで行けるものがあるのなら、ほかのパッシブの検討は。

○名古屋座長 数値があるものだけでしょう。

○中央労働災害防止協会 パッシブも内部で検討したことがあるのですが、パッシブの場合は湿度、気流に影響される部分がありますので、個人ばく露実態調査の場合は室内作業場だけではなくて、プラント棟の屋外も意外に多いということで、パッシブサンプラーだけ持っていったときに、そのサンプリングの精度はどうだと言われた場合に、担保できない可能性もあるということで、まずはアクティブでパッシブまで手が回った場合はパッシブもやります。

○鷹屋委員 あくまでもパッシブは補助的なものだということを、全体の流れとして位置付けられているということですか。

○中央労働災害防止協会 そういうことではないのです。そういう意味ではパッシブで済むのであれば、パッシブで終わりたいのですが、どうせパッシブだけでは終わらなくなってしまうので、まずはアクティブから検討しますと。その次にパッシブができたらパッシブもやりましょうという形で、今のところは検討しています。そこまで時間的な余裕と機材的な余裕で、たどり着いていないのが現状です。

○名古屋座長 クメンだけなっているからちょっと不思議に思うのですが、クメンも前で終わっていれば、ほかはいいのですかということで、何も問題はないのです。

○圓藤委員 10種の場合はパッシブの計算値が、そこそこありましたよね。やってやれないことはないと思うのですが。

○名古屋座長 ここは検討しましたということです。そうしましたら、記載の若干訂正と統一性という形できちんとしていただきたいということ。スチレンの検討、もう1つ、29のブチルカテコールのところは、資料そのものを検討するということでよろしくお願いします。ありがとうございました。最後に何かありますか。1つ進めてしまいましょうか、どうしましょうか。

○高村化学物質情報管理官 1つでも議題2のほうに進めていただきたいと思います。

○名古屋座長 では、クメンのほうが初期リスク評価ですので、あとはナフタレンの詳細評価は次回という形で、初期リスクのクメンだけやりたいと思います。これは公開は。

○高村化学物質情報管理官 ここから非公開になりますので、傍聴の方は御退席をお願いいたします。


(了)
<照会先>

厚生労働省労働基準局化学物質対策課化学物質評価室(5511)

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