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2015年11月24日 第9回雇用政策研究会(議事録)

職業安定局雇用政策課

○日時

平成27年11月24日(火) 14:00 〜16:00


○場所

厚生労働省専用第20会議室


○出席者

委員

樋口座長、阿部委員、大石委員、神林委員、黒田委員、玄田委員、堀委員、宮本委員、山川委員 生田職業安定局長、苧谷職業安定局次長、坂口職業安定局派遣・有期労働対策部長、阿部職業安定局雇用開発部雇用開発企画課長、佐藤労働政策担当参事官室企画官、川口労働基準局総務課長補佐、尾田能力開発局総務課基盤整備室長、中井雇用政策課長、千原雇用政策課長補佐、労働政策研究・研修機構中野研究員

○議題

最終とりまとめ(予定)

○議事

○樋口座長 それでは、皆様おそろいですので、ただいまから「第 9 回雇用政策研究会」を開催いたします。お忙しいところをお集まりいただきましてありがとうございます。本日は労働力需給推計も含めた報告書 ( ) について御議論いただければと思っております。まず、事務局から説明をお願いします。

○千原雇用政策課長補佐 本日は資料を 5 つ用意しております。まず資料 1 「雇用政策研究会報告書 ( ) 概要」、資料 2 「雇用政策研究会報告書 ( ) 」、資料 3 「労働力需給推計の概要」、資料 4 は報告書 ( ) に付属する参考資料、資料 5 として労働力需給推計関係の資料を用意しております。

 本日はまず資料 1 3 に沿って、労働力需給推計について説明させていただき、その後、資料 2 に沿って、雇用政策研究会報告書 ( ) について、中間取りまとめから追加した部分を説明させていただきます。

 まず、資料 3 「労働力需給推計の概要」を御覧ください。今回、地方自治体における地方創生に向けた取組が本格化する中、その検討に資することを目的として、都道府県別の将来の労働力需給推計を行い、また、都道府県別の推計の基となる全国推計についても、前回推計時から 2013 2014 年度には新たな実績も出たところですので、こちらも行うこととなりました。

1 ページですが、まずは全国の将来の労働力需給推計の概要です。推計方法などを整理しておりますが、労働力需給推計については、都道府県別の推計も併せて独立行政法人労働政策研究・研修機構が「労働力需給推計研究会」を設置し、推計を行いました。

2 番目の推計方法ですが、労働力需給に関する計量経済モデルによるシミュレーションを実施するもので、今回の推計は 2013 年度版「労働力需給推計」から改訂された日本再興戦略、将来の経済前提の変更、直近の各種実績を踏まえることとしたものですが、モデルを構成する関数は、基本的には 2013 年度版「労働力需給推計」のものを使用しております。労働力需要については、産業別の労働力需要関数によって労働力需要を推計しております。また、労働力供給については、国立社会保障・人口問題研究所の「日本の将来推計人口」を基にして、その推計人口に、そこにあるような失業率や進学率といったものを説明変数というものにして、それによって推計される労働力率を掛けて労働力人口を推計しております。

 一番下の将来のシナリオですが、今回の推計においては、(1)経済再生、労働市場への参加が進むケース、(2)ゼロ成長シナリオ、労働市場への参加が進まないケース、この 2 パターンのシナリオを設定して推計を行ったものです。

2 ページです。労働力需要ブロックの仮定としては、経済成長率等が (1) にありますが、経済再生シナリオについては実質成長率約 2 %、これに加え、ゼロ成長シナリオを用意しております。

 そのほか、 (3) になりますが、「日本再興戦略」における成長分野の追加需要、また、「社会保障に係る費用の将来推計の改定について」における医療・介護費用を最終需要に加算して、推計を行っているということです。

3 ページの労働力供給ブロックですが、労働力人口を算出するための労働力率の説明変数として、「若年対策」や「女性の M 字カーブ対策」、また、「高齢対策」などの政策の効果を盛り込んだ形で、労働供給について推計を行っているというものです。

5 ページを御覧ください。「都道府県別労働力需給推計の概要」です。 2 の推計方法ですが、全国推計のシナリオ別の性・年齢階級別労働力人口及び就業者数、並びに産業別就業者数の推計値を都道府県別に分割するという方法で実施しており、全国推計で用いたような関数やそれに関わる労働力需要側・供給側の変数の将来値を都道府県別に想定せずに行っているということです。なお、将来の人口については、国立社会保障・人口問題研究所の「日本の地域別将来推計人口」を用いております。

 加えて参考試算として、次の 6 ページですが、人口移動の想定を変更した場合のシミュレーションとして、「日本の地域別将来推計人口」における純移動率よりも大きいケース、また、小さいケースについてそれぞれ試算しております。

 最後に、 4 の留意点ですが、都道府県別労働力需給推計は、強い仮定を置いて推計を行ったもので、 2014 年の数値が「労働力調査」の都道府県別結果と一致しない点や、推計結果について相当幅を持って見る必要がある点について留意が必要ということです。

 それでは、このような前提で行った主な結果について、資料 1 を使って説明いたします。資料 1 5 ページ以降に、今回の労働力需給推計の概要をまとめております。まず 5 ページですが、 2030 年までの就業者シミュレーションです。 1 番左の 2014 年で、 6,351 万人という就業者数ですが、これが経済成長と労働参加が適切に進まないケースにおいては、 2030 年、 5,561 万人ということで 790 万人減少となるわけですが、経済成長と労働参加が適切に進むケースでは 2030 年で 6,169 万人ということで、適切に進まないケースよりも約 610 万人増となり、 2014 年比で 182 万人の減少にとどまるとの推計結果となっております。

 続いて、 6 ページを御覧ください。こちらは男女別です。まず右上ですが、経済成長と労働参加が適切に進むケースにおいては、男性の高齢者層の労働力率が上昇し、左上の棒グラフを御覧いただくと、適切に進むケースは、適切に進まないケースよりも 2030 年時点での男性の就業者数については約 260 万人増となるわけですが、人口減少の影響により、 2014 年比で見ると 194 万人の減少となる見込みという推計結果になっております。

 女性については、下のほうにありますが、女性の就業環境の改善等により M 字カーブが解消するということで、経済成長と労働参加が適切に進むケースにおいては、進まないケースよりも 2030 年時点での就業者数は約 350 万人増となります。人口減少下にもかかわらず、 2014 年比で 13 万人の増加となる見込みという推計結果になっております。

 次に 7 ページです。産業別就業者数についてまとめております。経済成長と労働参加が適切に進むケースの場合、人口減少下にある 2030 年でも、医療・福祉の就業者数は 962 万人、また、製造業の就業者数は 986 万人という推計結果になっております。

8 ページ以降ですが、こちらから都道府県別の推計結果についてまとめたものです。 8 ページは都道府県ごとの労働力人口、労働力率についてシミュレーションした結果です。都道府県ごとに数字を並べております。また、 9 ページについては、同じように就業者数、就業率についてシミュレーションした結果です。これらについて、 10 ページ以降に 15 歳以上人口も加えた形で、 2014 年以前の実績及び推計結果を折れ線グラフにしたものを各都道府県別に並べております。本来であれば、 15 歳以上人口の折れ線グラフというものは、そのほかの折れ線グラフよりも上のほうに位置するものですが、人口の増減の傾きの中、経済再生ケースやゼロ成長ケースにおいて、労働力人口や就業者数がどのような傾きで変化するかを視覚的に捉えるために作成したものです。 15 歳以上人口は右目盛、そのほかは左の目盛となっている所に御留意ください。都道府県別の詳細については、報告書 ( ) と併せ、後ほど説明させていただきます。

 以上が主な推計結果ですが、今説明させていただいたことについて、資料 2 のほうにまとめました。そちらを御覧ください。 41 ページから、今回付け加えさせていただきました。本年 8 月に皆さんにおまとめいただき公表した中間取りまとめから、第 4 章を追加しました。まず、 (1)2030 年・全国の姿においては、先ほど資料 1 で説明した内容を記載しております。また、下のほうですが、 (2)2030 年・ 47 都道府県の姿においては、先ほど御覧いただいた都道府県別の推計結果から、 2030 年の就業者数については、経済成長と労働参加が適切に進むケースでは、人口減少等の影響がある中で、 2014 年と比較して東京都、神奈川県、愛知県、滋賀県、沖縄県で増加する。そのほか、減少する 42 道府県についても、経済成長と労働参加が適切に進まないケースと比較して、経済成長と労働参加が適切に進むケースではその減少幅は大きく縮小し、人口の減少幅よりも縮小することになるといったことを記載しております。

 また、都道府県別、産業別の結果の詳細については、資料 5 84 ページ以降にありますが、こちらの記載については、経済成長と労働参加が適切に進むケースでは、 2030 年の医療・福祉分野の就業者数は、 2014 年と比較して全ての都道府県で増加、また、製造業の就業者数は愛知県、東京都、広島県等 15 都県で増加すると記載しております。その下、参考の人口移動シミュレーションについて、こちらの推計結果は資料 5 99 ページ以降にまとめております。参考の 2 段落目ですが、経済成長と労働参加が適切に進むケースにおける 2030 年の就業者数について、純移動率が大きい参考 1 では、基本ケースよりも大都市圏への就業者の集中が進み、基本ケースと比較して 39 道府県で縮小する。純移動率が小さい参考 2 では、基本ケースよりも地方圏への就業者の分散が進み、基本ケースと比較して 7 道府県で減少するということで記載しております。なお、資料 2 の報告書 ( ) においては、この第 4 章以外には、例えば有効求人倍率の数字を直近のものにするなどといった、時点修正などの軽微な修正を行っているのみです。前提としての説明は以上です。

○樋口座長 どうもありがとうございました。それでは、ただいまの説明を踏まえて、これより報告書 ( ) について自由討議に移ります。どなたからでも結構ですので、御質問、御意見を頂ければと思います。

 今、労働力需給推計を中心に説明していただきましたが、政策のことやそれ以前のことでも構いませんので、何か御意見がありましたらお願いしたいと思いますが。

○阿部委員 前回もこの需給推計については意見を述べたので、特に需給推計についてはないのですが、一言だけ、少し気になったのは、報告書の所で 41 ページの真ん中ぐらいにある、「一方、全員参加の社会の実現による」の前の行なのですが、「 2014 年の就業者数と比較して 130 万人も減少する」の「も」が少し気になるところです。「 130 万人も減少する」と書かれると、何か、そんなに減ってはいけないのかみたいな気持ちが込められているみたいなところがあって、確かにそういう気持ちが込められるのもいいのかと思ったのですが、むしろ「 130 万人減少する」のほうが、そういうものがなくていいかなと、個人的には思ったのですが、どうでしょうか。

○樋口座長 「も」を取ったほうがよろしいのではないかと。

○中井雇用政策課長 御指摘のとおりです。そこは 2 つのケースを先ほど説明させていただいたとおり、比較して労働市場への参加が適切に進むケース、進まないケースといったときに、我々は政策努力も含めて進むケースを目指していくというメッセージをこれまでも出してきた経緯があるわけで、そういう気持ちが少しここに入ってしまった部分があるかと思います。おっしゃるとおり、そこは余り価値判断を入れないほうがいいということでもあるので、「も」は落とした形で調整を進めていければと思います。ありがとうございます。

○樋口座長 では、そのようにお願いします。ほかにいかがでしょうか。

○玄田委員 御説明ありがとうございました。需給推計について 2 点ほど伺いたいのですが、資料 1 5 ページ目の大きな全国推計ですが、 60 歳以上について、 2030 年経済成長と労働参加が適切に進まないケースが 1,129 万人という形で非常に小さくなっております。この「 60 歳以上」というのは、上は何歳までと想定されているかを教えていただきたいと思います。先ほどの別紙、資料 3 を見ますと、年齢については高齢対策で、 65 歳から 69 歳についてというので、中間補正などをなされていると書かれておりますが、多分、 2030 年ぐらいだと、場合によっては生産年齢人口の定義変更を含めて、 70 歳代前半辺りがどのような働き方になるのかというイメージは多くの方の関心事だと思っているのですが、この推計の中で、特に 70 歳代前半に関しては、どのように管理されているかを 1 つ確認させていただきたいと思います。

2 点目は、全体の推計については、なるほどこういうイメージかと、よく分かったのですが、推計の手続の中で就業人口の変化を考える場合に、いわゆる自営部門はどのような検討をされているか少し教えていただきたい。というのは、 80 90 年代以降、就業者数全体の変化の中で実際に大きく動いているのは、雇用者よりは、むしろ自営部門の減少が非常に大きく就業者数全体の減少にはつながっていると。非正規雇用が増えながらも、正規雇用は減るということで、雇用者全体では比較的にパイとしては一定なのに対して、自営業の減少はかなり直接的に就業者数の減少につながっているときに、この労働力人口の変更の中で、自営部門というのは、私の見間違いかもしれませんが、必ずしも明示的に考慮されていないように見えるのですが、そういう考え方でいいのか、それとも何かこの中で、いわゆる自営部門についてどのように想定なさっているか。 2 つ確認させていただければと思います。よろしくお願いします。

○樋口座長 では、今日は JILPT から中野さんに来ていただいていますので、お願いします。

○労働政策研究・研修機構中野研究員 では、お答えします。まず 1 つ目の高齢者のお話ですが、この推計は労働力調査の年齢区分に即して推計しています。ですから、労働力調査のカバーする範囲の年齢層ということですから、 69 歳までに限らず、それ以上の年齢層も含んだ推計にはなっております。ただ、供給側を詳細に推計しているのは、 69 歳までの年齢層についてで、それ以上の年齢層については、そこから一定程度、引退していくという強い仮定を置いて推定しております。ですから、将来時点において何かしら 70 歳代で雇用政策で、これだけ増えるなどについては、特に織り込んだものではありません。

 それから、 2 番目の自営部門については、少し弱いところですが、おっしゃるように明示的には扱っておりません。就業者という形で数には入っているのですが、説明する際には、どちらかというと雇用者の賃金、労働時間等でその増減を推計するという形になっており、その点については今後の課題とさせていただければと思います。

○樋口座長 事務局から何かありますか。

○中井雇用政策課長 今、中野研究員が説明されたとおりではありますが、高齢者の雇用については問題意識を持っているということで、高年齢者雇用安定法の話と、 60 歳代後半、それから生涯現役という概念をこれまで我々自身もどんどん進めてきたという話はあるわけです。そういった中で、特に、先ほどおっしゃったような 60 歳代後半、 70 歳代前半辺りは引退過程という話もありますが、そういった所も 5 歳刻みで事実上数字を作っているということで、「見える化」をしている面もあるとは考えています。そういう意味で、先ほどの資料 1 6 ページ、性・年齢階級別の労働力率を男女別に見たものですが、特に男性に顕著ですが、 60 歳代後半もこれから上がっていくことを想定しているのが分かるのではないかと考えております。補足は以上です。

○樋口座長 よろしいですか。ほかにいかがでしょうか。この間、大石さんから何か御指摘がありましたけれども。

○大石委員 需給推計の書きぶりとしては 41 ページのような形で、先ほど阿部先生が指摘された点の修正で、あとは結構だと思います。資料 3 の内容も、もちろん公表されるのですよね。これだけ「経済成長と労働参加が適切に進むケース」では、就業者数の減少はかなり抑えられるということなのですけれども、その裏側のほうが重要であると私は思います。需給推計では男性の家事分担が、今の 13.2 %から 37 %まで上がるとか、短時間雇用者の月間労働時間が、今の 88.5 時間から 2030 年は 110.6 時間に増加すると前提しています。短時間労働者と言ってもかなり長時間働くようになるわけです。つまり、ワーク・ライフ・バランスの面で、男女間でお互いに相寄っていくといいますか、そういう姿を需給推計で描き出しているということも読み取っていただけるとよろしいかなと思いました。以上です。

○中井雇用政策課長 すみません、大石先生が問題意識を持たれているとおりで、我々は、今後、特に女性の M 字カーブというものは、先ほども説明したのですが、潜在労働力として一番ボリューム的にも期待できるという部分がある中で、そういった所についてどのように就業環境を整えるかということで言えば、我々、イクメン、イクボスという形で政策展開もしているのですが、やはり男性の家事・育児参加を進めつつ、仕事と家庭、子育てあるいは今後は介護ということもありますが、それらを両立できる環境整備をしていくことが、我々の目指すべき社会ということでは必須だと考えておりますので、そういう考え方というのは、政策変数に織り込んできたのですが、なかなか現状を見ると厳しい面もあることは承知していますけれども、それはメッセージとして出していく必要があると考えております。ありがとうございます。

○宮本委員 単純といえば単純な質問ですが、報告書に 4 章が加わったということで、 3 章までの一連の政策提言と、 4 章で拾われた一連の変数との対応関係といいますか、需要ブロック、供給ブロックそれぞれの変数を丁寧に拾っていただいていることは分かるのですが、 3 章までの一連の政策を、どこまでこの変数が反映しているのか。つまり何が言いたいかというと、 3 章までの施策をここまでやれば、これだけの雇用者増が期待できるのだと言い切れるのかどうか。その辺の連関がすっきりすると、報告書としても説得力を増すのかと思ったのですが、その辺りはいかがでしょうか。

○樋口座長 これは、 1 つは推計の方法として、全国のほうを政策シミュレーションを含めてやって、それを今度は都道府県に配分するという形ですので、結果的には全国での転換が各県同じように進むという形で考えているのだろうと思いますので、そういう意味ではコンシステンシーが保たれているのかと思います。ただ、問題は、本当に各県が同じようにいくのかどうかというところが今後に出てくるのかと思いますが、そういう解釈でいいでしょうか、中野さん。

○労働政策研究・研修機構中野研究員 そうですね。

○宮本委員 それに関連して、この報告書に対してはないものねだりといいますか、報告書の中身に関連してではないのですが、今、座長がおっしゃったことで、もう 1 つ非常に重要な変数というのが、各都道府県、あるいは各市町村で、この施策を執行する体制がどう築かれるかということだと思いますが、地方創生でも、一時期地域仕事支援センターというものが、かなり前に押し出されたと思いますが、気のせいか、最近余り聞かなくなった。千葉などではもうやっているのですが、考えてみますと、この報告書を受ける地方の担当者にどういうメッセージが伝わるかといったときに、個々の内閣や政権ごとに、その体制は、遡れば小泉政権のときの「ジョブカフェ」から始まって、民主党政権のときには「アクションプラン」というものがあって、「ジョブサポートセンター」とか「ジョブプラザ」とか出来て、今度も千葉の仕事支援センターなどを見ていると、そういうものが積み上がって出来ているような形で、非常に現場が複雑になってきているわけです。

 ずっと同じことを目指してきたと思うのですが、その辺りの整理を含めて、やはり地域でこうした施策を執行していく体制というのを、ここからどのように設計を呼び掛けていくのかは大事な課題だと思っております。もう恐らく、ハローワークの移管をめぐって、余計な懸念はしないでいいと思うのです。地域の雇用マインドを余り刺激すると、ハローワークの職員がどうこうするかもしれないといった懸念はもう過去のものになっているのかと思いますので、そこはもう割り切って、どんどん地方の雇用マインドを促進するような行財政の体制づくりをお願いしたいと思います。

○樋口座長 ありがとうございます。これについては、何か動きのようなものはありますか。

○中井雇用政策課長 ありがとうございます。当然、今回、都道府県別労働力需給推計を出させていただいたというのは、先ほど説明したとおり、各地域が地方創生ということで取組を、人口ビジョンや総合戦略を策定したり、それに基づいて PDCA で政策展開を行っていくという、地域が自ら考えて、それを国が支援するというスキームでやっていきましょうという話があったわけです。

 一方で、雇用労働面においては、都道府県労働局が各自治体と連携して、更に一体的にいろいろな対策をやっている所も増えてきています。そういう体制の中で進めてきているという話もある中で、雇用労働面においては、例えば、今回こういう形で公表させていただいているものについても、労働局に速やかに情報提供しつつ、それを都道府県にも労働局経由で行ってもらって、そちらでいろいろ考えていただくためのコミュニケーションのツールにしたいとも思っております。

 また、地方創生ということであれば、今、「まち・ひと・しごと創生本部」が政府全体で出来ておりますが、そちらでもいろいろとデータを分析して、地域が自ら考えるという流れで進めている中において、そちらからもこのデータについては提供していくという方向で進めていきたいと考えております。そういった今の全体の流れの中において、こういった資料というのを都道府県のほうで有効活用していただくということで、今後、先ほども申し上げたような形で取り組んでいければと考えているところです。以上です。

○樋口座長 ここで問題提起をさせていただいて、それを見る形で、地域の問題もそれぞれ考えていく。多分、いろいろ施策もあるのでしょうと思いますが、そこら辺について検討していこうということだろうと思います。今まで、地域の問題というのはこの雇用政策研究会でもやったことがなかったので、今回初めてのことということで、その第一歩という形でさせていただくことになります。

○神林委員  2 点コメントがあります。 2 点目は、宮本さんが言われたことの繰り返しになると思います。最初の点は、 41 ページのこの需給推計の、何て言いますか、ロジックなのです。経済成長を達成できず、また、政策効果がほとんど出ないことを前提にして、就業者がこれだけ減りますということを説明しているのですが、その後、こうした就業者の減少は成長に向けた大きな阻害要因となると書かれていて、これだと、就業者の減少が低成長の原因になっているのです。もともとは、低成長が就業者減少の原因になっているはずなのですが、どちらが結果でどちらが原因なのかというのは、はっきりさせるわけにはいかないのかもしれませんが、文章の上では順序をきちんと並べたほうがよいと思います。これは書きぶりの問題だと思います。

2 点目は、前段の第 3 章までの話との関連なのですが、せっかく第 3 章までに個々の政策、こういうことをやったらいいのではないかというのが書いてありますので、資料 3 に詳しい説明、需給推計の詳しい説明があるのですが、このときにシミュレーションで充てた数字、労働力参加が進んでこういう数字を充てていますという説明が機械的にばっと書いてあるのですが、これが、例えば、第 3 章のこういう政策に対応している、第 2 章のこういう政策に対応していて、こういう政策をうまくやれば大体これぐらいの数字になるとは言えないのかもしれませんが、こういう需給推計のシナリオの背後には第 3 章までに議論したような政策があるのだということを、もっとはっきり結び付けたほうがよいのではないかと思いました。

○樋口座長 どうですか。

○中井雇用政策課長 よろしいですか。最初の御指摘については、もうそこは結局、労働力需要と労働力供給との関係ということで、成長の過程から入っているので、ただ結果的に就業者が伸びないと成長の制約になるという、経済はぐるぐる回るので、そういう関係だとは思っていますが、ちょっと書きぶりは、御指摘のとおり工夫させていただければと思います。

2 点目についても、全ての政策は数値化できないという制約はあるのですが、概念的なところで整理できないかどうか、今の御指摘を踏まえて少し考えさせていただければと思います。

○樋口座長 多分、前者のほうの、若者・女性・高齢者等の労働市場への参加が進まないと、結局、完全雇用 GDP 、あるいは潜在 GDP のほうに影響が出るというのが学問的な言い方で、そこまで書くかどうかということで、いいかなと思いますので、ちょっとまたそこは事務局と相談して修正したいと思います。ですから、もう少し、ここでも政策を少し具体的に書いたほうがよろしいのではないかということですか。

○神林委員 前回欠席していますので、前回議論があったのかもしれませんが、シミュレーションをするに当たってのパラメータの設定というのは、ある程度、多分根拠がそれぞれあるはずです。それをいちいち説明するのは確かに迂遠ではあるのですが、逆に、それを全部すっ飛ばして、例えば 2030 年に何ポイント増えると仮定しますと言われても、逆に、やはり説得力がないかなと思います。ですので、こういうことをすれば今までこれくらい増えてきたので、これぐらい増えるというのはそれほど、何て言うのですか、合理的な範囲の推定なのではないかという書き方でシミュレーションのパラメータセットを説明すれば、とても現実的な数字として受け入れられるかなと思います。

○樋口座長 これは、正に、中野さんと相談して、どう想定したかというところを少し詳しめに書くということで対応したいと思います。ほかにどうでしょうか。

○山川委員 前回、前々回と欠席してしまったので、議論についていけてないかもしれませんが、 1 つは、先ほど、宮本先生、神林先生が言われたことと同感の観点に基づくものです。報告書案の 2 ページの終わり方で、これは第 4 章が付け加わる前と同じようなものですが、第 4 章が付け加わったことで、まとめ方も少し変わってくると思います。第 4 章の推計を踏まえて政策提言をといった、第 4 章を組み込んだような序章にしていただくとよろしいのかなというのがあります。これが第 1 点です。

 それから、やや細かいことですが、 16 から 17 ページの最適配置の所です。前回以降、法律が 2 つ制定又は改正されました。女性活躍推進法と若者雇用促進法ですが、 2 つに共通している部分がありまして、外部労働市場を使って政策目的を達成するような性格があります。つまり、女性又は若者の雇用環境ないし労働条件に関して公表をさせたり、あるいは情報開示を推進させたりすることによって、女性や若者の選択を豊富化、実質化する。逆に言うと、外部労働市場の中で、良好な労働条件とか女性の活躍条件を出していって企業が競争する、そういうメカニズムが法律の手法の中に表れてきていると思いますので、書くとしたらこの最適配置の手法の箇所なのですが、お任せします。注という方法もあり得るかと思いますが、そういう形ででも、政策的な最適配置の促進手法が出てきていることも盛り込んではいかがかと思います。お任せします。

○樋口座長 それは是非入れたいと思いますが、よろしいですか、事務局のほうは。

○中井雇用政策課長 最新の情報も入れることも含めて、御指摘の方向性で考えてみたいと思います。ありがとうございます。

○樋口座長 確かに、そういう意味では、政策のツールが 1 つ増えたということでしょうから。黒田さん何かありますか。いいですか。

○堀委員 需給推計については専門ではないのでよく分からないのですが、先ほど樋口先生からも御説明があったかと思うのですが、 42 ページの上の所で、「都道府県別の推計結果については相当な幅を持って見る必要がある」と書いてありまして、それは、先ほどの御説明ですと、全国の仮定をそのまま都道府県に持ってきているということだったと思うのですが、そうした場合に、例えば、どういう形だとどういう幅が出る可能性があるのかが地域の担当者にとっては重要かと思うのです。全ての都道府県についてそのようなことは言えないと思うのですが、例えば、こういう形だとこういう幅が出てくる可能性があるというようなものを何行かでも書き込んでいただけると、地方の担当者には役立つかなと感じました。

○樋口座長 すこぶる難しいところで、ここで私が言うとあれなのですが、本来だと、人口移動自身が、各県の労働需給というか、需要側の雇用機会の拡大に左右されると思うのです。ここではむしろ、移動率の基本ケースは社人研の、そして、参考 1 、参考 2 という形で別の移動率、高め、低めという形で外から出しているのです。そこのところが、本来はまたフィードバックして、これ自身、内政的に決まってくるということが必要なのでしょうが、これをやり出すと大変なことになりまして、そこのところが今回捨象されているという意味で、幅を持たなくてはいけないということかなと私は考えてきたので、もしそれであれば、そういうふうに脚注か何かでもいいし、書いたほうがいいのか書かないほうがいいのかも含めて検討させてもらえればと思います。移動の話というのは、ですから、ここでは外から与えているのです。本当はそれも政策的に変わってくる。

○神林委員 それは、どちらに振れているかというのは分かってはいないのですか。スタートポイントを決めて、今、外政で与えているけれども、内政化したときに、累積するような形でメカニズムが働くだろうと考えているのか、それとも、減衰するような形でメカニズムが働くだろうと考えているのか、それは分からないのですか。

○樋口座長 ここからは、ちょっとモデルを離れて今の議論として。社人研の人口移動の想定というのは、将来的に地域間移動が収束していくという仮定になっているのです。具体的に言うと、今の、 2005 年から 2010 年でしたか、の移動が、今後 2020 年にかけて 4 割減でしたか。

○労働政策研究・研修機構中野研究員  3 割減。

○樋口座長  3 割減でしたか、となっていって、その後という。日本創生会議が出したのは、むしろ、今の人口移動が今後も続くというふうになったらどうかという。ですから、ここでは、参考 1 のほうが大都市への就業者の集中が進みということで、要は、今よりも社人研が出しているよりは高めの人口移動があるという。本来であれば、これがそれぞれの地域の雇用創出の結果として左右されてくるのだろうと思いますが、そこまでリンクしていないということでやっている。

○神林委員 なので、この場合だと、ポジティブフィードバックみたいなものがここから更に起こるだろうと考えられるということでしょうか。

○樋口座長 これ、それぞれの先生方の指摘と関連してくるのですが、各県がどのようになっていくかというところが入っていないので、各県の取組によって多分変わってくるところなのです、正に地方創生の考え方としては。ですから、どちらにぶれているとは必ずしも言えないのだけれど、県によって違ってきますねというようなことだろうと思いますが、それでよろしいですか。

○労働政策研究・研修機構中野研究員 そもそも考え方が違っていて、委員の先生方がおっしゃったのは、恐らく地域のデータを積み上げて、そのメカニズムを考えてということだと思うのですが、ここでの発想というのは、先ほど樋口座長が言われたように、全国で目指す方向性をまずガチッと決めておいて、どの県がそれを担うのかを決めるというものです。ただ、その担う能力については、過去のトレンドを延ばして決めているのです。ですから、そういう意味で、きちんとマイクロなメカニズムを積み上げて、どちらに振れるとか、そういう仕組みにはなっていないということです。

 ここではそういう都道府県別の結果を示して、こういう前提で推計するとこういう方向性があり得るので、では、どういう施策を打てばいいのかというのを考える基礎材料にしてもらおうと、そのように考えているところです。

○樋口座長 というのが正確な表現のようです。よろしいでしょうか。それでは、いろいろ御意見を頂きましたので、今日提示されたものを基に、今後取りまとめていきますが、修正が多分入ると思います。必要に応じて委員の皆様にも御相談させていただきますが、よろしければ、私のほうに御一任いただければと思いますが、いかがでしょうか。

                                     ( 了承 )

○樋口座長 ありがとうございます。では、そのようにさせていただきます。

 それでは、このようにいたしますので、皆様におかれましては、昨年の 10 月から 9 回にわたってこの研究会に御参加いただきまして、誠にありがとうございました。最後に、生田職業安定局長から御挨拶をお願いいたします。

○生田職業安定局長 研究の取りまとめに当たりまして、一言お礼の御挨拶を申し上げます。本研究会では、昨年 2 月に、「仕事を通じた一人一人の成長と社会全体の成長の好循環を目指して」を副題といたしまして報告書を取りまとめていただきました。しかし、その後、人手不足感が更に高まったことですとか、あるいは、「地方創生」について、我が国の喫緊の課題として政府全体で取り組むといった動きがございまして、昨年の 2 月の報告から余り間を置かない状況ではございますけれども、こうした課題に対する対応につきまして、改めて御議論いただくべく当研究会を開催していただきました。昨年 10 月から本年 8 月の中間取りまとめを挟みまして、 9 回にわたり、委員の皆様には熱心な御議論を頂きまして、まずは厚くお礼を申し上げます。

 本日は報告書につきまして取りまとめの御議論を頂きましたが、中間取りまとめの際には、「人口減少下での安定成長」をテーマとしまして、その実現のために「人的資本のポテンシャルの最大発揮」とともに、「構造的な人材不足への対応」として、「人材不足分野における対策」ですとか、あるいは「地域雇用対策」につきまして、昨年 2 月の報告から更に掘り下げた御提言を頂きました。そして、今回更に、第 4 章として、新しい将来の労働力需給推計を、特に都道府県別につきましては、初めて報告書に盛り込んでいただきました。今後の報告書の取扱いにつきましては、今、座長からお話がございましたように、本日頂きました御意見につきましては座長と御相談の上、必要な修正をいたしまして近日中に公表したいと考えてございます。

 最後になりますけれども、改めまして、精力的に御議論頂きましたことにつきまして感謝を申し上げます。本当にありがとうございました。

○樋口座長 ありがとうございました。それでは、以上で終了いたします。どうもありがとうございました。


(了)

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