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2015年12月11日 第4回新型インフルエンザ対策に関する小委員会

健康局結核感染症課新型インフルエンザ対策推進室

○日時

平成27年12月11日(金)17:00〜19:00


○場所

厚生労働省 専用第12会議室(12階)
(東京都千代田区霞が関1丁目2−2)


○議題

(1)新型インフルエンザ対策におけるプレパンデミックワクチンの備蓄について
(2)その他

○議事

○齊藤新型インフルエンザ対策推進室室長補佐 定刻となりましたので、ただいまから、第4回「新型インフルエンザ対策に関する小委員会」を開催いたします。

 まず、本日の出席状況でございますが、委員12名中8名の出席でございます。庵原委員、大石委員、大久保委員、押谷委員から欠席の連絡をいただいております。吉川委員は若干おくれると連絡が入っております。

 定足数に達しておりますので、会議は成立しますことを御報告いたします。

 また、前回の開催以降、事務局に人事異動がありましたので、御紹介いたします。

 結核感染症課長の浅沼でございます。

 それでは、ここからは岡部委員長に進行をよろしくお願いいたします。

○岡部委員長 川崎市健康安全研究所の岡部です。きょうは、お天気が不安定な中お集まりいただいて、ありがとうございます。

 議題の主なものは、プレパンワクチンの備蓄ということがテーマになりますけれども、今までワーキンググループその他でも検討を続けられて、その結果について、きょう、再度この小委員会のほうで検討するということになると思います。

 まず、審議参加に関する遵守事項について、事務局のほうから報告をお願いします。

○齊藤新型インフルエンザ対策推進室室長補佐 審議参加について御報告いたします。

 本日御出席された委員の方々の過去3年度における関連企業からの寄附金・契約金などの受取状況について、申告をいただきました。

 本日の議題では、沈降インフルエンザワクチンの各品目に関連した調査審議を行います。これらの製造販売業者は、北里第一三共ワクチン株式会社、一般財団法人化学及血清療法研究所、一般財団法人阪大微生物病研究会、デンカ生研株式会社、武田薬品工業株式会社であり、皆様の申告内容につきましては机上に配付しておりますので、御確認いただければと思います。

 事務局で事前に申告内容を確認いたしましたが、薬事承認等の申請資料等作成の関与や寄附金等の受取状況につきましては、審議や議決に不参加となる基準に該当はございませんでした。

 以上でございます。

○岡部委員長 ありがとうございました。

今のはそれ以上何か追加することはないようですので、それでは、配付資料の確認、これも事務局のほうからお願いいたします。

○齊藤新型インフルエンザ対策推進室室長補佐 議事次第、委員名簿、座席図のほか、資料1から資料3、参考資料1から参考資料2−4までを配付しております。議事次第に書かれている配付資料の一覧と照らし合わせていただきまして、不足の資料がございましたら事務局にお申しつけいただければと思います。

 よろしいでしょうか。

 冒頭のカメラ撮りにつきましてはここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。

 以上でございます。

○岡部委員長 ありがとうございました。

それでは、早速議事に入っていきたいと思いますけれども、議題は、先ほど申し上げましたように、プレパンワクチンの備蓄とその他ということになっています。最初に、事務局のほうからきょうの論点について説明いただいて、その後に、作業班の班長の小田切委員からその検討結果について御報告いただくという順番でいきたいと思います。

では、御説明をよろしくお願いします。

○田村新型インフルエンザ対策推進室室長補佐 事務局から失礼いたします。

お手元に資料1を御用意いただければと思います。「新型インフルエンザ対策におけるプレパンデミックワクチンの備蓄について」でございます。

おめくりいただきまして1ページ目でございます。「H5N1プレパンデミックワクチン備蓄の状況」でございます。平成18年度からプレパンデミックワクチンの備蓄を行ってまいりました。平成27年度の備蓄株は、ことしの7月部会にて、インドネシア株約500万人分と議決をいただきました。一番左の平成28年度、黄色で記しております「株選定」というのが本日の議題のメイントピックスでございます。

おめくりいただきまして2ページ目、「プレパンデミックワクチン備蓄における課題」。先ほども申しましたとおり、平成25年度に備蓄した約1,000万人分のプレパンデミックワクチン、ベトナム株約500万人分とインドネシア株約500万人分が平成28年度に有効期限切れを迎える。2つ目、現在、プレパンデミックワクチン製造方法には鶏卵培養法及び細胞培養法の2種類がある。以上から、本日の先生方に御議論いただく内容といたしましては、平成28年度のワクチン株の選定及び対象人数、そして2つ目のトピックスとしましては、平成28年度のワクチン製造方法の決定、鶏卵培養法と細胞培養法の2点でございます。

おめくりいただきまして3ページ目でございます。「ASO3添加細胞培養インフルエンザHAワクチンH5N1(インドネシア株)の交差免疫性試験結果(中和抗体価)」でございます。ことしの4月の部会において、こちらの一部のデータを先生方に御確認いただきまして議論していただきました。そのときのデータがマル1インドネシア株(N20:Ph1)というデータでございます。それから、その数カ月後から、マル2インドネシア株(N30;Ph3)、接種者の血清を用いて30検体ほどデータが上積みされましたので、本日は、先生方にこのマル1+マル2インドネシア株(N50;Ph1+Ph3)のデータを御確認いただければと思います。

それぞれ、インドネシア株、ベトナム株、アンフィ株、チンハイ株における2回接種後の抗体変化率、抗体保有率、そして抗体陽転率を示してございます。

インドネシア株のホモのデータですけれども、抗体変化率、ブルーで記載されております。56.49倍。抗体保有率、赤で記してあります。100%。抗体陽転率、黒で記してあります100%でございます。

ベトナム株のヘテロのデータですけれども、抗体変化率は8.82倍、抗体保有率、赤のデータは98%、抗体陽転率、黒の数字は92%。

アンフィ株の抗体変化率、抗体保有率、抗体陽転率はそれぞれ19.43倍、98%、そして98%。

チンハイ株のそれぞれについては、16.45倍、96%、96%と、このような数字になってございます。

おめくりいただきまして4ページ目でございます。「ASO3添加細胞培養ワクチン接種者の血清を用いた交差反応性の検討」でございます。3ページ目で示したデータは、ワクチン株ウイルスへのホモとヘテロのあたりのデータでございます。こちらの4ページ目のデータはワクチン株ウイルスの野生株のあたりのデータでございます。細胞培養ASO3添加インドネシア株の3週間隔2回接種後、3週目の血清(48名分)の野生株に対する中和活性を研究していただきました。

まず1つ目、上段のクレード2.1.3.2 A/Indonesia/12379/2012H5N1)(2012年分離野生株)に対する中和抗体価では、接種前、48名は全て中和抗体価10倍未満でございます。接種後のデータでは、中和抗体価40倍以上の赤字で示してあります数は33名でございます。

その下、クレード1.1 A/Vietnam/vp13-28H/2013H5N1)、こちらも2013年に分離された野生株のデータでございます。接種前の中和抗体価は48名全員が10倍未満、接種後のデータでは、40倍以上の中和抗体価が2名でございます。

その下の段、クレード2.3.2.1 A/Chicken/Shimane/1/2010H5N1)(2010年分離野生株)でございます。こちらの接種前の被験者の血清は、全て中和抗体価10倍未満でございます。接種後40倍以上の中和抗体価の数字は5名でございます。

その下、クレード2.3.4.4 A/Chicken/Kumamoto/1-7/2014H5N8)(2014年分離野生株)のデータでございます。接種前の中和抗体価は、48名全員が10倍未満でございます。接種後のデータでは、40倍以上の中和抗体価は0名でございます。

結果としまして、以上から、「ワクチン接種後中和抗体価の比較から、乳濁細胞培養インフルエンザHAワクチン(インドネシア株)接種によっては、異クレードの野生株に対する交差反応性を示す血清抗体が、必ずしも誘導されるとは、限らないことが示された」とまとめさせていただきました。

おめくりいただきまして、次、5ページ目でございます。「インフルエンザA(H5N1)備蓄ワクチンによって誘導される抗体の交差反応性の評価」。こちらのデータにつきましては、第11回厚生科学審議会感染症部会で既に提出されたものですので、本日の説明は割愛させていただきます。

おめくりいただきまして、次、6ページ目でございます。「鶏卵培養法H5N1プレパンデミックワクチン原液の有効期限の延長について」でございます。左にございます図ですけれども、現在、鶏卵培養法H5N1プレパンデミックワクチンは、北里、化血研、阪大微研、そしてデンカの4社が製造販売業者としてなってございます。そして、使用期限、原液の有効期限は3年でございます。

右側のボックスの1つ目の■ですけれども、平成18年度から、鶏卵培養法H5N1プレパンデミックワクチン原液(一部製剤化)の備蓄を開始した。原液の有効期限は、当時は1年でございました。

平成22年度、鶏卵培養法H5N1プレパンデミックワクチン原液の有効期限が3年に延長しました。

そして最後の■ですけれども、平成26年7月、第18回新型インフルエンザ専門家会議にて、既存備蓄分及び新規備蓄分の鶏卵培養法H5N1プレパンデミックワクチンの有効期限延長についての議論が行われ、有効期限延長に向けた検討をする旨の承諾を得た。

資料としては以上でございます。

○岡部委員長 ありがとうございました。

 それでは、続いて小田切先生のほうからワーキンググループのときの話の追加をよろしくお願いします。

○小田切委員 ワクチン作業班の班会議を開きまして、それで議論された内容につきましは資料2をごらんください。そこにまとめてあります。

今、事務局のほうから、背景と議論する必要性の内容について御説明がありましたので、1番の「現状・背景」は省かせていただきます。

 それで、今回は平成25年度に備蓄を行ったベトナム株500万人分とインドネシア株500万人分の有効期限を迎えるということで、平成28年度に備蓄すべきワクチン株の選定ということで議論を進めました。この作業班では、同一クレード及び異なるクレードの野生株に対する交差反応性の科学的なデータを用いて技術的な観点から議論しました。

 平成28年度に備蓄する株について、備蓄を行っている4種類のクレードのうち同一クレード及び2種類の異なるクレードの比較的最近の野生株とASO3添加細胞培養法ワクチンインドネシア株(クレード2.1.3.2)の接種後の血清を用いた交差反応性の試験結果がこの班会議で報告されました。

 今、事務局のほうから説明がありましたように、資料1の4ページ目、これが実際に作業班会議で報告のありました野生株に対するASO3入りの細胞培養インドネシアワクチン株の交差反応性を見たものであります。

資料2の2ページ目のところの説明に入らせていただきますけれども、このASO3添加の細胞培養インドネシアワクチン株の同一クレードの野生株に対する交差反応性は、中和抗体価40倍以上というのは33名ということで、68.8%でありました。国際基準でワクチンの有効性を評価するこの40倍以上の抗体保有率というのは70%以上が評価の基準になります。したがいまして、このインドネシアと同一のクレード2.1.3.2の野生株に対する有効性は68.8%ですので、ある程度満足のいく結果でありました。

しかし、異なるクレードの野生株に対してクレード1.1では4.2%、クレード2.3.2.1では10.4%、クレード2.3.4.4、これは0%ということで、今回報告されましたこの結果から見ますと、ASO3添加の細胞培養ワクチンにおきましても、同一クレードの野生株に対しては交差反応性、有効性は期待できますが、異なるクレードの野生株に対しては有効性は余り期待できない、そういう成績でありました。

 今回報告されましたこの成績は、現時点で入手できている一部のクレードの野生株との交差反応性を見たものという限定的な観察結果ではあります。それから、プレパンデミックワクチンを備蓄している諸外国の近年の野生株に対する交差反応性を見た結果の公式発表はほとんどない。また、科学論文としても正式に報告もない。そういう状況であります。したがって、引き続き、このASO3添加の細胞培養ワクチンインドネシア株と近年分離された野生株との交差反応性の研究調査が必要であるという議論がありました。

 それから、エジプトで、クレード2.2系統の人での感染報告が急増しています。これは参考資料1の5ページ目をご覧いただければグラフで示されておりますが、このエジプトのクレード2.2、代表株として備蓄しているワクチンはチンハイでありますが、これに属するクレード2.2の人の感染例が非常に急増しているというのが現状です。したがって、このクレード2.2由来のH5N1ウイルスが新型インフルエンザとして発生する可能性が強く懸念されます。

 このような状況の中で、チンハイ株ワクチンの備蓄が27年度末で有効期限切れとなるということは、一番心配されるクレード2.2に対して丸腰の状況になるということであります。

 それからもう一つの議論としましては、特定接種の機能維持群への接種には、1株当たり1,000万人分の備蓄が必要ということで、現在備蓄されている1株当たりの備蓄量、財源等を考慮すると、インドネシア株備蓄が優先されるとの意見もありました。一方、平成28年度にクレード1のベトナム株も有効期限を迎えますけれども、最近、人におけるクレード1.1の感染報告がほとんどありません。したがって、ベトナム株の備蓄に関しては、優先順位はそれほど高くないだろうということが議論されました。

 したがいまして、以上の議論、意見をまとめますと、この作業班からの結論といたしましては、資料2のボックスで囲ってありますが、エジプトのクレード2.2系統の家禽から人への大きな流行を踏まえて、クレード2.2系統のチンハイ株の備蓄を優先するべきであるという方向性が示されました。

 なお、この結論に至る過程におきまして、特定接種群をカバーする観点から、1株当たり1,000万人分を確保する必要があるとの考えから、財源確保に努める必要があるという意見も出ました。

それから、・の3つ目でありますけれども、特定接種の考え方、財源の状況を踏まえて包括的な議論を新型インフルエンザに関する小委員会及び感染症部会で引き続き行ってもらいたい。

それから、4つ目の・でありますけれども、このワクチン作業班で示されましたASO3添加の細胞培養インドネシア株の野生株への交差反応性の調査結果というのは過去に類がない報告であります。引き続き、国家備蓄している全てのワクチン株の野生株への調査研究を行って、国際的に公表していくべきであるという意見が出ました。

 更に、平成28年度以降に備蓄する株の製造方法についても議論されました。資料1で事務局から説明していただきましたけれども、ASO3添加の細胞培養法ワクチンの免疫原性の有効性は、鶏卵培養法ワクチンの有効性よりも高いということが示されています。したがいまして、平成28年度以降の備蓄ワクチンの製造は細胞培養法を推奨する、こういう結論になりました。

 以上であります。

○岡部委員長 どうもありがとうございました。

これまで議論していたところでの備蓄の候補株とは少し事情が変わってきた。ただ、それには交差免疫性などのエビデンスに基づいてこれは考え方を少し変えたほうがいいのではないかというようなことが作業班で検討されたと思います。今の御説明について、事務局ないし小田切先生のほうに何か御質問がありましたら、どうぞお願いします。

 どうぞ、丸井先生。

○丸井委員 四角で囲われたこの最後のところに関係しますが、インドネシア株の交差免疫性については今回新しく出てきましたけれども、ほかの種類の株については同じようなことは既に行われているのでしょうか。この4つ目のポツを見ると、それもまだで、インドネシア株以外はどうなのかなと思いました。

○小田切委員 先生の御指摘は、インドネシアワクチンの交差反応性という意味でしょうか。それともほかのワクチンの。

○丸井委員 ほかのワクチンです。ベトナム株などの。

○小田切委員 ASO3入りの細胞培養ワクチンの交差反応性はやられておりません。したがって、その情報は今のところありません。あるのはインドネシア株だけです。

○丸井委員 わかりました。

○岡部委員長 事務局のほうから、どうぞ。

○田村新型インフルエンザ対策推進室室長補佐 ちょっと今のに補足させていただきたいと思いますけれども、平成26年から27年にかけての調査研究では、鶏卵培養法のH5N1のインドネシア株の交差免疫性を見るという研究とともに、アンフィ株の交差免疫性の研究も行っておりまして、昨年の作業班会議においてアンフィ株とインドネシア株の交差免疫性がある程度出てきているのではないかという中で、どちらを優先的にという形で、インドネシア株の交差免疫性の研究を昨年1年間やっていただいたという経緯がございます。

補足的に済みません。失礼いたしました。

○岡部委員長 ありがとうございます。

資料3のほうも続けていいですか。

 では、よろしくお願いします。

○田村新型インフルエンザ対策推進室室長補佐 事務局から失礼いたします。資料3の説明をさせていただきたいと思います。

11月9日に行われました、小田切班長のもと、作業班にて、平成28年度の株の選定会議の中で、エジプトのクレード2.2系統の流行を危惧する背景から、28年度における備蓄株についてはチンハイ株を備蓄したほうがいいのではないかという意見が示されました。その意見をもちまして、現在の検討状況と、懸案事項、それに対して事務局がどういった形で案をまとめられるかというのをまとめた資料が資料3でございますので、そちらをお手元に置いて確認していただければと思います。

 まず、「プレパンデミックワクチン備蓄株に関する検討状況と懸案事項」でございます。プレパンデミックワクチン、平成28年度備蓄株に関する作業班での検討状況。こちら、繰り返しになりますけれども、読ませていただきます。

 1つ目の・ですけれども、平成28年度の備蓄株を議論するワクチン作業班にて、インドネシア株ワクチンの交差免疫性を一部否定する意見(インドネシア株ワクチンは、インドネシア株系統のみに予防効果がある)が示されました。

 2つ目の・としましては、作業班は、チンハイ株が潜在的に新型インフルエンザの発生につながる危険があると判断しました。チンハイ株ワクチンは、平成27年度末に有効期限が切れるため、チンハイ株系統の備蓄が喫緊の課題であるとの議論が行われました。

 以上から、ワクチン作業班会議においては、平成28年度はチンハイ株ワクチンを備蓄すべきとの見解が示されました。

 下のボックスですけれども、「平成27年度、平成28年度のチンハイ株備蓄における懸案事項」でございます。平成28年度の備蓄株はチンハイ株にすべきとの見解が示されましたが、チンハイ株は平成27年度中に全てのワクチンが有効期限切れを迎えてまいります。基本的にプレパンデミックワクチンは特定接種の枠組みで使用する想定であって、1株当たり約1,000万人分必要でありますけれども、平成27年度末までに、チンハイ株で新たに約1,000万人分を可及的速やかに確保することは非常に困難な状況にあるという背景がございます。

 それをもちまして、次の後ろのページでございます。こちらは検討状況と懸案事項を踏まえて事務局案として提示させていただきたく、本日、説明させていただきます。「チンハイ株ワクチン備蓄に関する事務局案」でございます。

 中のボックスに3つのマルがございます。まず1つ目、既存のチンハイ株は、平成27年度末に全て有効期限切れとなるが、製造の時間的制約上、同年度中に新たなチンハイ株約1,000万人分を備蓄することはできない。そのため、感染研・審査当局などと引き続き協議を行い、平成27年度中に有効期限切れを迎えるチンハイ株ワクチンの有効期限延長に向けた調整を行う。2つ目、平成28年度末までに約1,000万人分のチンハイ株ワクチンを備蓄する目的で、平成27年度末を目処にチンハイ株ワクチンの備蓄(約1,000万人分のうちの一部)を開始する。マル3、平成28年度にもチンハイ株の追加備蓄を行い、平成28年度中に計約1,000万人分を確保できる体制を整える。

 以上が事務局として本日先生方に御審議いただきたい、提出させていただく案でございます。

 下のグラフを説明させていただきます。向かって左側、「現状(イメージ)」とございます。縦軸が特定接種相当分のワクチン必要量でございます。横軸が時間的推移でございます。平成27年度の12月を皮切りに、現在備蓄しているチンハイ株ワクチンが徐々に有効期限切れを迎え、平成28年の3月までにはチンハイ株ワクチンの備蓄がなくなる状況でございます。

それをもちまして、上記案、事務局案のマル1である有効期限の延長を行うことによって、平成27年の12月、まさしく今月から引き続き、チンハイ株ワクチンを保持しつつ、平成28年3月までには前倒しでチンハイ株の備蓄ワクチン一部を整備すると。そして、1年後の平成28年の12月から4年目の有効期限切れを迎えるチンハイ株が徐々に出てきますが、そのときには、平成29年の3月を目標に、残りのチンハイ株ワクチンを追加備蓄して、チンハイ株ワクチンのトータルとしては特定接種分の数を維持しつつ、次に起こるだろう新型インフルエンザに備えると。そういった形で事務局案としてまとめさせていただいた資料でございます。

○岡部委員長 ありがとうございます。

これから議論に入るので御意見をいただきたいのですけれども、まずは、今までディスカッションしていったのはインドネシア株がいいのではないかというところがこれまでで、交差免疫性から言うと、ちょっとこれではぐあいが悪いのではないかという意見が出てきて、チンハイのほうがより安全性が高いのではないか。それは、エジプトや何かの状況を見ても、チンハイ株のほうが、もし人に感染が来た場合にはいいのではないか。第2番目は、でも、そうだとすると、チンハイ株つくるのが間に合わなくなってしまうので、従来あるチンハイ株を何とかできないか。でも、これもまたエビデンスやなんかが必要なところですけれども、そういうことをやる必要があるかどうか。それから、今のうちにある程度、これは時間的な制約と予算的な制約があるのですけれども、トータルはちょっとよくわからないのですけれども、一部については前倒しで何とかできそうな見通しがついてきたという話がありました。その上で、来年度分で製造をチンハイ株にしたらどうか。

このような、全部で4点ぐらいの話があるのですけれども、一番基本的なところでは、インドネシア株をチンハイに変えるという提言に対して、この委員会としてどうしましょうかということですけれども、もちろん、了承するか、あるいはもともとの原案のほうがいいのではないかということですけれども、この辺で何か御意見がありましたらお願いします。あるいは、信澤先生、作業班のほうに入っておられたので、もし追加の御意見がありましたらどうぞ。

○信澤委員 特にはございません。

○岡部委員長 小田切先生の話で作業班のことがまとめられているということです。

 どうぞ、坂元委員。

○坂元委員 今回、チンハイ株の有効期限延長を検討するということですと、ほかの株に関しても同様に検討を進めていくという考え方でよろしいのでしょうか。

○岡部委員長 では、田村補佐。

○田村新型インフルエンザ対策推進室室長補佐 まさしくおっしゃるとおりでございまして、今回、チンハイ株の有効期限の延長を、今後、感染研の先生方と、あとは事務局で評価して、有効期限が延長できるのか、を議論していくことになりますけれども、もちろん、チンハイ株以外の株につきましても、ほかの、国家備蓄している3株につきましても有効期限延長に向けてどのような手続きと調査研究で進めるべきなのか等の議論を行っていくという考えでございます。

○岡部委員長 これは今までこのぐらいまでのデータしかないので、有効期限というのはこのぐらいということにしてあるのですけれども、調整といっても、話し合いだけでなくて、やはりちゃんと実証して担保していただかなくてはいけないのですが、逆に、担保ができるならば少し延ばせる期間がふえてくるということになるのではないかと思うのですが。

どうぞ、田村さん。

○田村新型インフルエンザ対策推進室室長補佐 まさしくおっしゃるとおりでございまして、今回、原液の有効期限が3年という状況なのですけれども、これが4年になるのか、はたまたもうちょっと延びて5年になるのかというのは、もちろんワクチンの原液の幾つかの評価項目のデータにもよってくるとは思うのですけれども、4年に延びたからおしまいというわけではなくて、引き続き延長に向けた議論を行っていきたいと考えております。

○岡部委員長 どうぞ、小田切委員。

○小田切委員 ちょっと質問というか、資料1の6ページ目のボックスの3つ目の■のところに、既に平成26年の7月に、この延長に向けた検討をする旨が了承されているので、もうこの時点から、今、備蓄している卵ワクチンの有効期限の延長に向けたいろんな科学的な検討が始まっているのかなという認識でいたのですけれども、今のところはまだやられてないということですか。

○田村新型インフルエンザ対策推進室室長補佐 その後、先生方から御提案をいただきまして、厚生労働省の新型インフルエンザ対策推進室と、あとワクチンメーカーと協議を開始しております。

ただ、喫緊の課題として今どういった具体策を持って、どのぐらいの時間的相場感を持ってどのぐらいまでにという具体的な話し合いはまだ行われていませんでした。資料の3の2ページ目のマル1の中に書かせていただいたように、「引き続き協議を行い」ということで、今後も検討を行っていくという状況でございます。

○岡部委員長 丸井先生、どうぞ。

○丸井委員 事情はよくわかりましたけれども、実際に、チンハイ株、今月から期限を迎えていくわけですね。この短い時間で本当に有効期限を延長することのエビデンスが得られるのでしょうか。もしそうでないと、このタイミングで有効期限の延長を考えているということは、それ自体、かなり便宜的、あるいは恣意的な印象を持たれると思います。実際に説明がどこまでできるのか、そして、どの程度の時間で結論が出せるのか、を考えておかないといけないと思います。

○岡部委員長 どうぞ。

○田村新型インフルエンザ対策推進室室長補佐 御指摘ありがとうございます。有効期限延長に向けてのプロセスというのは1つではなくて、幾つかの方法があると認識しております。幾つかのメーカーによりましては、あらかじめ4年、5年に有効期限を延長するという目的のもとで既にワクチンの調査研究に移っているというメーカーもございますし、まだそういった考えがなくて、今回のヒアリングをもって有効期限延長については考えるというメーカーもございます。そうすると、その考え方によって有効期限を延長する方法というのが幾つか異なってきますので、そういったところで、ワクチンのいわゆる安全性と有効性について評価する幾つかの評価項目を持って検討する必要がございますので、そこにつきましては、感染研の先生方と、あと審査当局等と詰めて話し合いを持っていきたいと考えております。

○岡部委員長 余り恣意的にやるのはよろしくないことですけれども、これまでの会議もあったように、確かに期限が切れてしまったから捨て、つくっては捨てというのは、これまたもったいないというのは当然の話で、単なる水になってしまったようなものをとっておいてもしようがないけれども、有効性のあるものならばもっと有効に使いましょうというのが前提にあるので、これはぜひ早急に現実に取り組んでいただいて、可能なものであるというエビデンスが得られ次第、オーケーにしていくと。

それは、例えば今捨てずにとっておいて、その期間でオーケーだというのがわかれば、その時点で保存がきくということですね。ただ、切れてしまった後で、何かあったときにはこれをどう使うかというのは、実際のパンデミックが起きたときに緊急に御相談しなくてはいけないとは思いますけれども、現状はそういうことになると思います。

 どうぞ。

○丸井委員 ある意味では表現の問題にもなると思います。有効期限延長を目的としてやっていくということなのか、もう少し客観的に、有効期限についてもう一度、言ってみれば科学的にエビデンスを出すのだという、いわば客観的な言い方にしておかないと、有効期限延長ありきというふうに聞こえるのではないかと思いました。

○岡部委員長 「調整を行う」という言葉がちょっと気になっていて、調整と言うと、うまくアレンジメントするのではないかと外からとられるといけないので、ここは、エビデンスを得つつ、それで調整を行うとしていただければと思います。

 どうぞ、事務局のほう。

○田村新型インフルエンザ対策推進室室長補佐 ありがとうございます。そのとおりにこの資料を書き直させていただきたいと思います。

○岡部委員長 どうぞ、坂元委員。

○坂元委員 もしわかれば参考までに教えていただきたいのですが、海外における備蓄の保管期間ですね。もちろん製造方法とか保管の方法が違うので一概に比較はできないと思うのですが、保管されている国で大体どれぐらいの期間保管されているのでしょうか。もしわかればお教えください。

○岡部委員長 これはいかがでしょう、田村さん。

○田村新型インフルエンザ対策推進室室長補佐 実は手元に資料がございますが、こちらのデータは各国の危機管理の案件でございまして、大変恐縮なのですけれども、公開の会議では、どの国が持っているとか、どの国がどのぐらいの量があるとかいうのはちょっと控えさせていただきたいと。済みません。

○岡部委員長 それぞれが持っていて、それぞれの方式でやっているというところですかね。

○田村新型インフルエンザ対策推進室室長補佐 おっしゃるとおりです。

○岡部委員長 それでは、基本的にチンハイに変えるというところと、それから、そのために間に合わない部分だけということではなくて、今後の保存のことも考えて、既存分の有効期限についてはエビデンスを求めつつ、これはいろんな方面の調整があるでしょうからそれをやっていただく。これは了承ということでよろしいでしょうか。

 そうすると、もう一つは2番目で、前倒しの備蓄というところはどうでしょうか。もしかすると、製造するのでしょうけれども、製造するには時間と予算が要ることになるのですけれども、いかがですか。

○田村新型インフルエンザ対策推進室室長補佐 今回の事務局案をつくらせていただく中で、最終的には、本小委員会、そして感染症部会の先生方にお諮りした中で、時間的相場感をまず1つ確認しなければいけないというところで、確認したところ、一部前倒しでのある程度の量が製造できるような時間的相場感が確認できております。

そしてまた、財源の確保につきましても、11月9日に行われましたワクチン作業班、小田切班長から、可及的速やかにその財源等については対応すべきとのご意見をいただきました。それをもって、事務局としては財源確保に努めてまいりまして、27年度中に一部、チンハイ株の前倒しができる状況にあると認識しております。

○岡部委員長 そこは、予算がどのぐらいだというのは余りここでの議論のテーマにならないのですけれども、事務局としては、見通しはどうも立ってきたらしいということで、そこは了承することになるのですけれども、そうすると、それができてちょっとプラスがあり、それに加えて、これは来年度ですね。チンハイ株ワクチンについて本格的な生産をするとなると、来年度分になると、1株について1,000万人分の確保、これが可能になるという考え方でよろしいですか。

 事務局、どうぞ。

○田村新型インフルエンザ対策推進室室長補佐 おっしゃるとおりでございまして、作業班の先生方からいただいた方向性につきまして、28年度中に特定接種の枠組みを維持できると認識しております。

○岡部委員長 ありがとうございます。この辺について、トータルで何か。

 どうぞ、小森先生。

○小森委員 前回のワクチン作業班の、チンハイが必要であるということ、期限切れ延長できないかという議論、それから財源の確保、非常に苦しい中で、きょう自身もかなり仮置きの前提があっての議論ですので、基本的に、現時点ではこのような方向で認めるということで私は賛成なのですが、幾つかの仮置きの中での議論をしているわけですので、一つ一つの問題をクリアーしたときに、本会議としてしっかり議論をして、あるいはまた感染症部会で議論するという過程をしていただきたいということと、本年度から次年度にかけてどういった研究が最も必要とされるのか。その一定の結論、恐らく1年後ぐらいにといいますか、来年度議論することのために最小限どのようなスケジュールでやるか。予算とか人員の関係そのほかのことがあって、限定されたデータで議論せざるを得ないということがありますね。

だから、ちょうど1年前のこの会議等ではインドネシア株というお話があり、その次示された限定的な研究によると、野生株には効かないねという議論になりという中で次々と、特に安全保障の観点から、一方で予算の500万株でいいねというお話になった途端にこのことが起こってくるわけですから、次年度の研究はどこに重点を置くべきかということについてしっかり議論されて、こういうことがないような建設的な考えをやっていただきたいなと強く思っていますので、よろしくお願いいたします。

○岡部委員長 ありがとうございました。

小田切先生、どうぞ。

○小田切委員 今の小森委員の御指摘に関連しますけれども、今回の野生株との交差反応性を調べたこの研究は、野生株自体がまだ全てのクレードのものが揃っているわけではないので、今後の課題としては、今回調べられなかったクレードの野生株との交差反応性も調べる必要があるだろうと、これは急いでやる必要があると思っています。

 ただ、御存じのように、野生株というのは入手が非常に困難です。時間がかかるという事情があって、そういう研究をやらなければいけない、やりたいと思っていてもすぐはできない背景もあることを御理解いただきたいのですが、しかし感染研としては、野生株をできるだけ集めてやる方針でおります。

 それからもう一点ですけれども、ワクチン作業班では議論しませんでしたけれども、今回、この小委員会のほうでチンハイ株で備蓄を来年度はやるということが一応了承されましたので、これはやはり小規模でも、このチンハイ株を使ったASO3入りの臨床試験、臨床研究をやって、このチンハイ株がほかのクレードにどれぐらい広い交差反応性を示すか、検討する必要があると思います。よって、小規模でもチンハイ株ワクチンでの臨床研究をやるべきということを提案したいと思います。

○岡部委員長 ありがとうございました。小森先生おっしゃったように、この間の委員会も、喫緊の話題だからということですっとやらなければいけない、結論づけなくてはいけないこともあったわけでありますけれども、本来は、来年、あるいは次々年度に向けて、現状のプレパンワクチンの備蓄がこれでいいのか、対象はどういうのかということについてもどこかでやはり議論していかなくてはいけないので、ワクチン作業班だからそこは話せないけれども、こういうのはどこに持っていって検討するということがあればいいでしょうか。

 どうぞ。

○田村新型インフルエンザ対策推進室室長補佐 プレパンデミックワクチン事業自体の考え方というのが、当初の考え方ですと、基本的には、日本国においてパンデミックワクチンの事業整備を同時並行的に行う、さらに抗インフルエンザウイルス薬の備蓄も行う、それとともにプレパンデミックワクチンの備蓄も同時に行って、国家の危機管理として備えるという大きな考え方がございました。

ただ、昨今、先ほど岡部座長からもお話がございましたように、今後のプレパンデミックワクチンの考え方というのが、1つはまず、パンデミックワクチン、住民接種の考え方自体が平成30年度ごろを一つの目標として、全国民分のワクチンの供給がそろってくる。そして、抗インフルエンザウイルス薬の備蓄につきましても、国民の、現在は45%相当量を持っているというところがございますので、そうすると、このプレパンデミックワクチンの考え方というのもやはり先生方に御議論をもう一度して、今後の方向性を考えていただきたいと考えているところでございます。

 ただ、こちらのプレパンデミックワクチン、そして特定接種の考え方というのは、厚生労働省単省だけではなく、で内閣官房の新型インフルエンザ等対策室と連携していきながら、議論をしていきたいと考えております。

○岡部委員長 きょうのこれまでの議論ですと、一応事務局の提案、あるいは作業班からの提案は了承だと思うのですけれども、委員会としては、しかし、今後の方針、1つは備蓄のもの、それから株の選定に対する研究、そういったものについてもう少し具体的に、来年度のことでなくて、もうちょっと先のことを見ながら考えるように、事務局のほうはそこを内閣官房のほうと調整してくださいという一つのお願いが出てくると思いますが、そこはぜひよろしくお願いします。

 と言うと、何だか自分で自分の首締めているようなところがあるのですけれども、こっちの会議に持ってこられる可能性はあるというところですけれども、これはやらなくてはいけないことだろうと思います。きちんとしたところからそういう提言をしていただければ動くということになろうかと思います。

 今、了承していただいたことは了承していただいたこととして、ほかには何かございますでしょうか。

 どうぞ、丸井委員。

○丸井委員 2つ簡単な質問があります。1つは、これから備蓄株は細胞培養法にしようということですけれども、細胞培養法での想定される有効期限は鶏卵でつくったものと同じように考えてよいのかということです。もう一つは、これはこの場で別に議論することではないのですけれども、鶏卵培養でつくるワクチンと細胞培養でつくるワクチン、経費はどちらが安いのだろうかと思いました。先ほど来、財源の話が出てきましたので、基本的な単価としてどちらが安いのでしょうか。それほど具体的でなくてよいのですが。

○岡部委員長 事務局、テクニカルの部分も含めてですけれども。

○田村新型インフルエンザ対策推進室室長補佐 御質問ありがとうございます。

まず、細胞培養法の有効期限の考え方につきましては、基本的には、鶏卵と同じように、3年を一つのスタートラインに立っていただきながら、あとは、諸外国の状況も勘案して、細胞培養法のワクチンが、これから4年、5年と延ばせるのかどうかという検討も必要だと考えておりますので、細胞培養についても引き続き有効期限の延長については考えていかなければいけないことと認識いたしております。

 そして、2点目の鶏卵培養法と細胞培養法の金額の差なのですけれども、こちらはメーカーとの関係もございますので公表は控えさせていただきます。

○岡部委員長 これは小田切先生にちょっと単純な質問なのですけれども、例えば鶏卵培養のときでも、増える増えない株というのがあって、シーゾナルなときでも、そのために選択したりしますね。細胞培養法もやはり同じように、増えやすい株、増えにくい株というのは出てくるのですか。

○小田切委員 はい。恐らくそれはあり得るとは思います。今、WHOのほうから入手できる備蓄用の種ウイルスは卵で製造していますので、卵で製造する分には恐らく問題ないと思いますが、細胞の場合は、それはやってみないとわからないというところもあります。それが問題点といえば問題点だと思います。

○岡部委員長 それと、先ほど小田切先生はなかなか野生株が入手しにくいのだということをおっしゃっていましたけれども、これはWHOがちゃんと契約しないと野生株を回してくれないというか、そういったこともあるのではないか。PIPPandemic Influenza Preparedness)の問題なんかもあると思いますが。

○小田切委員 WHOPIPフレームワークというものにこのプレパンデミックワクチンのウイルスというのは入りますので、WHOとワクチンメーカーがしかるべくSMTA2という契約を結ばないといけないという経緯もあります。そういうことで、この手続上からしてもスピードを上げて入手できるということはなかなか難しいというのが現状です。

○岡部委員長 それは、逆に言えば、でも、必要なものを必要なところがちゃんと得て、正当に研究、あるいは製造ができるという枠組みでできたものだとなっているので、ある程度手続はしようがないところだと思うのですが、そういう事情で時間的なものもあるのだと。ただ、入手次第できるだけ速やかに、感染研も大変でしょうけれども、検討を続けていただきたいということもこの委員会のお願いだと思います。

 小田切先生、どうぞ。

○小田切委員 その入手状況に関して追加コメント、恐らく信澤委員のほうからあると思いますが、何かありますか。

○信澤委員 はい。本日、2.2.1のチンハイ系統の野生株を入手できましたので、現在、感染研のBSL3の実験室が点検のために閉鎖されていますけれども、解除され次第、ウイルスをふやして、交差性の検討をしたいと思っています。

○岡部委員長 それと、さっき、全体に大きくなっていくと、これはプレパンデミックワクチンだから、対象としては成人接種が目標になっていますけれども、前の話でも、アジュバントの話がちょっと議論になっていましたけれども、ASO3は、私、先週のWHOの会議も出てきたのですけれども、ナルコレプシーについて、年少者に対しての安全性というのはまだ担保できてないというようなことがあるので、これがシーゾナルのほうにも及んでいく話ではないかと思います。今のところ、シーゾナルはアジュバント入っていたり入ってなかったりさまざまなのがあるのですけれども、僕は住民接種の検討も研究班としているのですが、その側からすると、すごい複雑なことになってきて、これを小児に、これを大人にというようなところもあるので、そこら辺も含めて、住民接種のあり方についてもちょっと、この延長の話としてやっていく必要があると思うのです。委員会としては、今回これのASO3でアジュバントのセルとエッグと両方ということは決まっていますけれども、それの応用問題をさらに検討を事務局のほうは、それこそ調整していただきたいというお願いもしたいと思います。 

どうぞ、宇田先生。

○宇田委員 確認ですけれども、インドネシア株に関しての確保はどういうことになりますか。

○田村新型インフルエンザ対策推進室室長補佐 御質問ありがとうございます。

今回、一つの考え方といたしまして、これから引き続き、感染研の先生方と、あと審査当局、あとはメーカーと事務局との協議を行い、有効期限が延ばせるのかどうかという調査研究・評価を行っていくわけですけれども、その中で、3年から4年に有効期限が延びた場合に、一つの考え方としては、一変承認をかけることによって、これは薬事承認上の考えなのですけれども、一つのワクチンが3年から4年に有効期限が延長されると、これはH5N1の鶏卵培養法のワクチンなのですけれども、ほかの株についても全て3年から4年に延長されるという理解でございます。そうしますと、28年度中に有以降期限が切れ始めるインドネシア株とベトナム株についても、有効期限が延長されるので、特定接種の枠組みを維持できるという考えでございます。

○宇田委員 その延長分のインドネシア株というのは25年度から購入している500万人分の株で、このままいくと、1,000万人を担保する、確保することができなくなるということには。だから、28年度に購入するという予定ではなかったのでしょうか。

○田村新型インフルエンザ対策推進室室長補佐 このインドネシア株につきましては、ことしの7月の部会決定で、27年度に製造するワクチンについてはインドネシア株約500万人分、こちらを鶏卵と細胞でつくるという方針を既に部会の先生方に御了承いただきまして、既に国としては発注をかけておりますので、現在のところ、28年度中にはインドネシア株が約1,000万人分あるという状況で、プラスアルファ、その財源的な確保と時間的スケジュールをもって、28年度中に備蓄すべきチンハイ株を一部前倒しで平成27年度中に7行うという形で考えております。

○岡部委員長 ありがとうございました。

どうぞ、信澤委員。

○信澤委員 ちょっと確認なのですけれども、資料2の2ページ目の一番下の「28年度以降の備蓄株の製造は細胞培養法を推奨する」ということで異論はないのですけれども、前回の委員会のときに、一応備蓄株の場合はアジュバント戦略をとっていきましょうということになったので、ここにASO3を書く必要はないと思いますけれども、一応そこら辺も行間には含んでいるという理解で、より効果的なものであるということでよろしいでしょうか。

○田村新型インフルエンザ対策推進室室長補佐 1つは、細胞培養法の今後事業に参入する企業というのが、現在のところ、トータルで3社ございます。メーカーによってはアジュバントあるなしがございます。ですので、この決まったアジュバントでいくという方針になると、ほかのメーカーの参入が少し厳しくなる状況でございますので、その書きぶりとしては、引き続き調査研究を行って行きたいと考えております。細胞培養法のメリットというのは短期間でワクチンを製造できるというところでございますので、もちろんアジュバントの有効性というのも認識しておりますけれども、引き続きそのアジュバントについては調査研究をやる必要、もしくは引き続きメーカーに対しては今後の戦略をヒアリングしていく必要があると考えております。

○信澤委員 あと、瑣末なことというか、表現上の問題なのですけれども、交叉性の「叉」の字を、以前もちょっと小委員会の中で。

○田村新型インフルエンザ対策推進室室長補佐 恥ずかしながら、過去の資料を振り返りますと、「差」と「叉」と、少し資料で混在しておりまして、ちょっとこの場をおかりして、先生方にどちらで統一していくべきかという御意見をお伺いしたいと思います。

○岡部委員長 どちらがいいでしょう。これは余り科学的なところでないと思いますが、混在しているというところもあれば、ただ、使いやすさとか、一応今後の文章としては統一したほうがいいだろうというのがあるのですけれども、これは小田切先生の御意見はどうですか。

○小田切委員 作業班で議論を進めていくに当たって、いろんなデータが出てきましたので、私もちょっと調べてみたのですね。「叉」と「差」とどっちなのだろうというのを調べてみると、「差」のほうがより多く使っているような感じなのですね。

○岡部委員長 「叉」のほうは、当用漢字は使えるのですか。

○田村新型インフルエンザ対策推進室室長補佐 使えます。

○岡部委員長 では、これはどっちでもいい。そうすると、頻度から言うと「差」のほうがいい。感触としてもいいですか、それで。感触というのは、クロスの感じは。

○小田切委員 私はそれでいいと思います。

○岡部委員長 吉川先生、一般の感触としては。

○吉川委員 常用漢字かどうか調べてないので、何とも言えないです。常用漢字のほうがいいと思います。

○岡部委員長 常用漢字であるかどうかはちょっと確認しておいていただいて、この委員会としては、これまでも多く使っているので、なじみのいいというところで「差」のほうを、交差反応として使いましょうというところで、あとの確認はよろしくお願いします。

 各学会用語委員会なども参照の上、当面は「差」を使っておきますけれども、確認をしてやりましょうということでよろしくお願いします。

 そのほかはよろしいでしょうか。

 きょうは議題としては結構大きい変化の出てくるところなのですけれども、議論として決して不十分ではないと思いますので、そのほかの議題としては特別なものがないので、その他、御意見がなければ、少々早目でありますが、早目に終わるのもたまにはいいことであるということでよろしいでしょうか。

 それでは、一応きょうの議論はこれで終了にしたいと思いますが、事務局のほうから、この先の予定その他、アナウンスがありましたらお願いします。

○齊藤新型インフルエンザ対策推進室室長補佐 次回の日程等につきましては、また追って日程調整等させていただきますので、よろしくお願いします。

○岡部委員長 どうもありがとうございました。


(了)

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