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2015年11月16日 第16回保険者による健診・保健指導等に関する検討会

○日時

平成27年11月16日(月) 13時00分~15時00分



○場所

全国都市会館第2会議室


○議題

1.保険者共通のインセンティブ指標の検討について
2.その他

○議事

○多田羅座長 まだ三輪委員が到着されておりませんが、定刻になりましたので、ただいまより、第16回「保険者による健診・保健指導に関する検討会」を開催いたします。

委員の方には、お忙しいところ御出席いただきまして、ありがとうございます。本日も充実した審議ができますよう、御協力のほどよろしくお願い申し上げます。

 それでは、会議に先立ちまして、本日の委員の出欠状況について事務局から確認をお願いいたします。

○野中室長補佐 事務局でございます。

 本日の委員の皆様の出席状況を確認させていただきます。

 本日は、岩崎委員、岡崎委員、久野委員、下浦委員、細江委員、吉田委員より御欠席の連絡をいただいております。

 次に、欠席委員の代わりに出席される方について御紹介いたします。岩崎委員の代理として明石参考人、岡崎委員の代理として村岡参考人、細江委員の代理として伏屋参考人、まだ見えられておりませんが、吉田委員の代理として三輪参考人に御出席いただいております。

 以上でございます。

○多田羅座長 ありがとうございます。

それでは、議事に入らせていただきます。

 議題の1でございます「保険者共通のインセンティブ指標の検討」について、事務局から説明をお願いいたします。

○安藤室長 医療費適正化対策推進室長でございます。

 お手元に、右肩に「資料」とあるものと「参考資料」とあるもの、2種類お配りさせていただいてございますが、「資料」と書いてあるものを中心に、適宜、「参考資料」も使いながら御説明させていただきたいと思います。

 まず、右肩に「資料」と書いてございます「共通指標(案)の検討について」という資料をおめくりいただきたいと思います。

 ページめくっていただきまして1ページ目でございますが、今回、保険者共通の指標を検討するに当たって、基本的な考え方と申しますか、一つの前提として提案させていただくことについてまず御説明させていただきます。

 高齢者の医療の確保に関する法律に基づく保険者の責務等を踏まえますと、保険者共通の指標といたしましては、加入者の健康増進等による高齢者の医療費の適正化に向けた保険者の取組を促すためのものとしていくことが必要ではないかと考えているところでございます。

 ただ、実際の指標の当てはめにおきましては、保険者といってもそれぞれ種別ごとに制度も異なってございますし、あるいは加入者の年齢構成も違うといったこと等々がございますので、そういった違いを踏まえていく必要があるのではないかと、まずもって前提として考えているところでございます。

 そういったことを踏まえまして、本日御議論いただきたい論点ということで3点ほど書いてございますが、まず1点目は、次ページ、「共通指標(案)」ということで事務局より提示させていただいておりますが、こちらにつきましては、高齢者の医療費の適正化に向けた保険者の取組を促すためのものであるということを一定程度踏まえながら、ただ一方で、今後の保険者種別ごとの指標の検討にも参考となりますように、やや幅広く列記させていただいてございます。そういった前提で、どういった共通指標としていくのが適切か、本日御議論いただければと考えているのが1点目でございます。

 それから2つ目といたしまして、その際、保険者種別ごとの、先ほど申し上げました制度ですとか年齢構成といった違いを踏まえますと、この検討会においては、どちらかというと大枠としての共通的な指標の検討にとどめまして、より具体的な指標(案)についてはそれぞれの種別ごとに検討を行ってはどうかということを提案させていただいているものでございます。

 なお、その際には、現在の保険者の取組を踏まえるということはもとよりでございますが、さらに、データに基づく医療費の分析結果等を踏まえながら、医療費適正化計画において位置づけられる都道府県の取組に関する指標も今現在検討しているところでございますので、そういった動きも踏まえる必要があるのではないかということを書かせていただいてございます。

 それから3点目でございますが、どういった指標を位置づけていくか、アウトプットなのかアウトカムなのかという視点でございますけれども、当面は、取組の実施状況に着目した、いわゆるアウトプット指標を中心といたしまして、他方で、今現在、データヘルスの取組ということで各保険者さんに進めていただいているところでございますが、平成30年度以降本格稼働をしていくということでございますので、平成30年度以降にはデータヘルスの実施状況というものも踏まえながら、取組の成果に着目した、いわゆるアウトカム指標という形にそういったものを入れていくことが考えられるのではないかということを提案させていただいているところでございます。

 ただ、アウトプット指標にするにしても、単純に事業の実施の有無ということだけではなくて、可能な限り、これは項目によって異なってくると思いますが、数値等の客観的に取組状況が計れる指標が望ましいのではないかと事務局としては考えているところでございます。

 ページをおめくりいただきまして裏側、2ページをごらんください。本日、共通指標(案)ということでやや幅広に列記させていただいているものについて御説明させていただきます。

まず資料の見方でございますが、青でくくっておりますのが一定のカテゴリーをつけたものでございます。それぞれ指標案1、2、3、4という形でつながっておりますけれども、先ほど、大枠としてこの検討会での御議論と申し上げましたのは、一番上段に書かれております黒字で下線が引いてあるところ、どちらかというとその指標の案になっているものもありますし、指標案の方向性みたいなことを位置づけているものもございますけれども、そういったことについてこの検討会では御議論いただき、さらに詳細についてはそれぞれの種別によっても異なってまいりますので、種別ごとの検討に委ねてはどうかということを先ほど御提案させていただいたというものでございます。

 まず、2ページの一番上、1-1で書いてございますが、「予防・健康づくりに係る指標(特定健診・保健指導関連)」でございます。指標案1として提案させていただいてございますのは、特定健診・特定保健指導の実施率、それから、メタボリックシンドローム該当者及び予備軍の減少率について共通指標としていってはどうかという御提案でございます。

これらにつきましては、現在も一定の指標という形になっているところでございますけれども、参考資料の1ページ目、2ページ目を、これは前回御報告させていただいたものでございますけれども、添付させていただいております。現状の特定健診・保健指導の実施状況、それからメタボの減少率について、それぞれ保険者種別ごと、それと総数について書いてございますけれども、20年度制定当初から比べますと徐々に伸びてきているという状況ではございますけれども、25年度、直近の足元の状況を見ましても、依然として目標にはまだ若干距離があるという状況でございますので、引き続きこれらの実施率の向上を図っていく必要があることから、引き続き指標として位置づけていくことが考えられるのではないかと提案させていただいているものでございます。

それから、指標案2として書いてございますのは、「特定健診・特定保健指導の実施率向上のための取組の実施状況」ということで、結果的に実施率に反映されるという意味では指標案1と重なってくるところがあるのではないかという感じがいたしますけれども、こういった実施率にかえまして、特定健診・保健指導の実施率の向上を図るために、健診の未受診者、あるいは保健指導の未利用者に対する受診勧奨等の取組について指標として位置づけていくことも考えられるのではないかということで案として提案させていただいているものでございます。

ただし、こちらについてもさまざまな取組が保険者において行われていると承知しておりますが、その際、実効性のある取組を行う保険者を評価する方法については、本日を含めさらに検討を深めていく必要があるのではないかと考えているところでございます。

なお、御案内のとおりでございますけれども、この特定健診・保健指導の制度自体、後期高齢者については位置づけられてないということがございますので、後期高齢の部分については別途の検討が必要だと考えてございます。

それから、本体の資料の2ページの下のほうでございますが、「1-2 予防・健康づくりに係る指標(その他の保健事業の実施)」ということで、指標案3として書いてあるものでございます。特定健診の実施に加えまして、今現在、保険者さんのほうでは他の健診の実施ですとか、あるいはその健診結果等に基づく医療機関への受診勧奨等の取組も実施していただいてございます。そういった取組の実施状況を位置づけていくことは考えられるのではないかということで、指標案3として提案させていただいております。

具体的には、例えばがん検診や歯科健診など、重篤な疾患の早期発見・早期治療ですとか、あるいは予防可能な疾患への早期対応に資する検(健)診の実施状況ですとか、あるいは健診結果に基づく、これは特定健診も含まれますが、医療機関への受診勧奨の取組ですとか、あるいはがん検診等につきましては、がん検診後に、その結果に基づいて精密検査の必要な方に対する働きかけというものの取組、あるいは歯科健診について言えば、歯科のリスク保有者への保健指導との取組の実施など、健診の実施状況と、それに加えまして結果のフォロー、そういった取組についても1つ評価していくことが考えられるのではないかということで提案させていただているものでございます。

具体の評価方法の例といたしましては、例えばですけれども、検(健)診対象者に対する実施率ですとか、あるいはその後の結果に基づく受診勧奨した対象者の受診割合等々が考えられるのではないかということでございます。

それから、ページをおめくりいただきまして3ページでございます。「1-2 予防・健康づくりに係る指標(その他保健事業の実施)」というところで、指標案4という形で提案させていただいておりますのは、「広く加入者に対して行う予防・健康づくりの取組の実施状況」ということで、参考資料の3ページをごらんいただきたいと思います。

こちらはやや幅広く加入者に対して行っていただいている取組でございますけれども、例えばICT等を活用して、本人にわかりやすく健診結果の情報提供を行うといった取組ですとか、昨今、保険者のほうで行っていただいておりますヘルスケアポイント等による予防・健康づくりへのインセンティブ付与の取組といったような、個人の健康な行動の習慣化によって、特定健診・保健指導の実施率の向上ですとか、あるいは高齢期の健康の保持・増進に資することで、生活習慣病を中心とした医療費の適正化に資すると考えられるものについて指標として位置づけていくことが考えられるのではないかということで御提案しているものでございます。

おめくりいただきまして、参考資料の3ページには、今申し上げました保険者のインセンティブプログラムの実施状況に関する全体の調査を我々のほうでことしの9月に行っておりまして、そちらの結果、数だけでございますけれども、についてお示ししたものでございます。大体保険者種別によっても共通でございますけれども、全体の保険者さんのうちのおおむね1割ぐらいにおいて、何らかの形でこのインセンティブの取組が行われている現状になっているというところでございます。

行われている取組につきましては、参考資料の4ページ以降にちょっと事例をつけさせていただいておりますけれども、これも保険者さんによってバラエティに富んでいるところでございますが、例えば4ページですと、静岡県で行っている健康マイレージの仕組みでございます。いわゆるポイント制でございますけれども、一定の行動に対しましてポイントを付与して、そのポイントがたまりますと、こちらの静岡県では県内に協力店を募りまして、そういった協力店にそのポイントを持ち込むと得点を受けられるといった仕組みでインセンティブをつけているという取組でございます。

参考資料の5ページのほうは「ICTを活用した加入者個人の行動変容を促すしかけ」ということで、これもさまざまな取組が創意工夫されながら保険者さんのほうで行われているところでございますが、例えば、今現在ですので、スマホを活用して、スマホのほうに健診結果をわかりやすく伝えたり、さらに、その結果だけではなくて、付加価値をつけるといいますか、より個別性の高い情報提供もその際にあわせて行うといったような取組が保険者のほうで行われているという状況にございます。

こういった取組は種々ございますけれども、加入者さんのほうに広く予防・健康づくりを促すような取組の実施状況というものを1つ評価の指標としていってはどうかということを指標案4では提案させていただいているものでございます。

それから、本体の資料に戻っていただきまして指標案5でございますが、「糖尿病等の重症化予防の取組の実施状況」ということで、糖尿病等の治療中断者への働きかけですとか、あるいは治療中の加入者に対しまして、医療機関等とも連携いたしまして、重症化を予防するための保健指導等を実施する取組というものが保険者さんのほうで行われてございます。こういった取組につきましては、生活習慣病等の重症化を予防することで高齢期の医療費の適正化に資すると考えられるものについて指標として位置づけていくことが考えられるのではないかということで提案させていただいているものでございます。

評価内容の例といたしましては、重症化予防の実際の対象者に対する取組の実施割合ですとか、あるいは実際に取組を実施された方のうち新規の人工透析の患者さんの数等々について、例えばですけれども、評価内容としていくことは考えられるのではないかということで提案させていただいております。

こちらにつきましても、恐縮ですが、参考資料の6ページに、本当に参考になるようなものについてちょっと添付させていただいております。参考資料の6ページには、現在の新規透析導入患者数、それから、亡くなられている患者さんの数の経年の推移について示したものを載せております。日本透析学会のほうでまとめているデータでございますけれども、この青い棒グラフが新規透析の導入患者数の推移になってございます。ごらんいただけばおわかりになりますように、近年、やや横ばいになりつつありますけれども、傾向としては、これまでずっと伸びてきているという状況にございます。

それから、次の7ページでございますけれども、こちらも同じ日本透析学会からのデータで、人工透析を導入されている患者さの原疾患の割合の推移について見たものでございます。これもごらんいただけるとおわかりになりますように、糖尿病性腎症の割合というものが近年伸びてきている。最近、横ばい傾向かなという感じがちょっと見えますけれども、経年的にはこれまで糖尿病性腎症の患者さんの割合というものが大きくなっているという経緯がございます。

したがって、こういうことを踏まえまして、まさに糖尿病性腎症というものに着目して、治療中断者への働きかけですとか、あるいは治療中の患者さんに対しまして医療機関とも連携して保健指導等の取組を進めていくことが保険者においても行われておりまして、これからまさに推進していこうという方向性でございますので、そういった取組状況について1つ指標として考えていくことがあり得るのではないかということで提案させていただいているものでございます。

それから、本体のほうの資料に戻りまして、3ページの「1-3 予防・健康づくりに係る指標(データヘルスの推進)」と書いてあるものでございます。この中で指標案6といたしまして「データヘルス計画に基づくPDCAサイクルによる事業実施」ということを提案させていただいております。

こちらはデータヘルス計画を策定いたしまして、加入者の健康課題というものをデータによってとらまえて、その結果を踏まえまして、いわゆるPDCAのサイクルによって事業を実施するというデータヘルスの取組というものが現在の保険者において推進していただいているところでございます。

データヘルスの取組はまさに今まで御説明した取組の効果的・効率的な実施に資すると考えられることから、指標として位置づけていくことが考えられるのではないかということで提案させていただいているものでございますが、ただ、冒頭申し上げましたように、データヘルスの取組自体は、まさに今足元で進めていただいているところでございますけれども、平成30年度から本格実施をしていくということで動かしているところでございますので、現状はそれに向けてブラッシュアップといいますか、例えば計画の一定の標準化といったように、さらなるデータヘルスの精度向上を図っていくことが必要な段階かなあと考えてございますので、こちらについて直ちに足元の評価指標として位置づけていくのは難しいのではないかと考えているところでございます。

ちなみに、参考資料のほうの11ページをごらんいただきますと、こちらは年度初めですので若干古いデータなのですが、ことしの4月現在の計画の作成状況につきまして、それぞれ種別ごとにどういった状況かということについて、数を書いたものを配付させていただいてございます。

健保組合、協会けんぽにおきましてはほぼ100%で、この時点ですけれども、計画自体、もう作成されてございまして、国保については、今もっと上がっていると思いますけれども、この4月の段階では大体6割の保険者の市町村のほうで作成中、あるいは作成済みの状況で、未着手のところが4割ぐらいあったという状況でございました。

それから、後期広域連合のほうにつきましては、これもこの時点ですので今ちょっと変わっていると思いますけれども、大体7割弱ぐらいの広域連合においてデータヘルス計画については作成されていたという状況でございます。

このように、計画の作成自体はかなりの保険者で進んできたところでございますけれども、ただ、今後はその中身についてより精度を高めていく必要があるのではないかと考えてございまして、その辺のところを30年度に向けて今後国と保険者と共同しながら進めさせていただいて、その後、データヘルスについてもこういった評価の基軸に入れていくことは考えられるのではないかということを提案させていただいているものでございます。

それから、恐縮ですが、本体の資料の4ページに戻っていただきまして、2といたしまして「医療の効率的な提供への働きかけに係る指標」ということで、指標案7といたしまして「加入者の適正受診・適正服薬を促す取組の実施状況」ということで提案させていただいているものでございます。こちらも保険者さんにおいて実際に行われている取組でございますけれども、地域の医療関係者等との連携のもとで、重複頻回の受診者ですとか、あるいは重複服薬・多剤投与と思われる方への訪問指導の実施、あるいは訪問による残薬確認・指導、そういった取組を通じまして、重複頻回受診者や重複服薬・多剤投与と思われる方の減少につながって、高齢期の医療費の適正化に資すると考えられるものについては指標として位置づけていくことが考えられるのではないかということで提案させていただいているものでございます。

こちらも評価方法の例といたしましては、例えばですけれども、重複頻回受診者・重複服薬者等の減少率みたいなものを位置づけていくということが考えられるのではないかということで例示させていただいているところでございます。

ただ、御案内のとおりでございますけれども、重複頻回受診ですとか重複服薬・多剤投与等の課題につきましては、どちらかというと主として高齢期の加入者に多く見られる課題ではないかと考えておりますので、そういった点も踏まえながら本日は議論していただければと考えているところでございます。

こちらも参考資料の12ページのところで、広島県呉市において行っている取組でございますが、「重複・頻回受診者等訪問指導事業」ということで、呉市のほうでは同一月に同一疾患で3つの医療機関以上受診されている方をこの重複受診者という形で定義して、そういった方々に対して、医療機関等とも連携してと思いますけれども、保険者のほうで訪問して訪問指導というものを行っているという事業でございます。その他にも頻回受診者に対しても行ってございますが、このような取組が保険者においては行われているということがございますので、そういった取組の実施状況について何らか評価してはどうかという御提案でございます。

それから、同じく本体資料の4ページでございますけれども、指標案8といたしまして、「後発医薬品の使用促進に関する取組の実施状況」というところでございます。こちらにつきましても、多くの保険者で実際に取組が行われているところでございますが、例えば後発医薬品の差額通知の実施ですとか、あるいは後発医薬品の希望カードの配布といったような実施によりまして、加入者の後発医薬品の使用の定着ですとか、あるいは習慣化させて、その後の後発医薬品の継続使用に資するものであって、高齢期の医療費の適正化に資すると考えられるものについては指標として位置づけていくことが考えられるのではないかという御提案でございます。

こちらも評価方法の一つの例でございますけれども、加入者に対する取組の実施割合ですとか、あるいは後発医薬品の使用割合、伸び率等々について評価方法として位置づけていくことが考えられるのではないかということで書いてございます。

こちらも、参考資料のほうで恐縮ですが、13ページに添付しておりますのは、現在の数量ベースで見ました後発医薬品の使用割合がどうなっているかというのを保険者種別ごとに表にしたものでございます。

27年、ことしの3月時点での数字になりますけれども、全体としては58.4%というのが今現状の数量ベースで見たシェアになってございまして、医療保険の保険種別ごとには、そちらに書かれているような、おおむね6割ぐらいになってございますけれども、保険者種別ごとの数字を参考までに添付させていただいてございます。

それと、その下の14ページのほうで、「ジェネリック使用促進通知の成果について」ということで、こちらも、先ほどと同じように、広島県呉市のほうで行われている取組の例でございますが、呉市においてはいわゆる差額通知、後発医薬品に切り替えることで患者さん個人の自己負担はどれぐらい軽減されるのかということをお示しした通知でございますけれども、そちらの通知を、これはある意味、変わるまで何度も同じ人に繰り返し出すといったような取組を行っていると伺っておりますが、そういった取組が功を奏しまして、現在、呉市においてはその切替率が8割ぐらいまで上ってきている状況だと伺っております。

こういった保険者さんの取組の実施状況というものを評価していってはどうかということで指標案8として提案させていただいているものでございます。

それから、本体資料に戻りまして、5ページをごらんください。指標の案として提示させていただいておりますのは以上でございますが、「今後の進め方について」簡単に書いてございます。第2回と書いてございますのは本日の検討会でございますが、本日はこの指標案を、ある意味参考に、たたき台にしていただきながら、それぞれ御意見を賜りまして、次回、第3回、これは12月に予定させていただいておりますけれども、引き続きこの保険者共通のインセンティブ指標の案について御議論いただきたいと。その際には、事務局のほうでも本日の御議論を踏まえまして一定整理した上で、次回は案をお示ししたいと考えてございます。

その上でということになりますが、仮に次回の検討会で一定の方向性というものがまとまりましたら、その議論を踏まえまして、それぞれの種別ごとの検討の場においてそれぞれの制度に適用する具体的な基準等について御検討いただきたいと考えております。適宜、それぞれの検討状況に応じましてこの検討会にも報告させていただき、この検討会でも一定の御議論を経ていただいてということをやりとりさせていただきながら、これもスケジュールは目安でございますけれども、今年度内をめどにこの種別ごとの検討状況についてまとめていきたいと、おおむねのスケジュール感として考えているところでございます。

事務局からは以上でございます。

○多田羅座長 ありがとうございました。

共通指標ということで、全保険者が目指すべき方向について、大筋、ただいま、かなり詳細に室長から御説明いただきました。ということで、いかがでしょうか。まず基本的な観点、考え方ということも述べていただきましたが、御意見、御質問ございましたらお願いします。

 では、白川委員からお願いします。

○白川委員 御説明、よく理解はできましたけれども、2つほど意見を申し上げたいと思います。

1ページの【基本的な考え方】【論点】のところですけれども、【基本的考え方】のアンダーラインを引いた2行目に、「高齢者の医療費の適正化に向けた保険者の取組」ということで、どうしてもお金のやりとりが絡むので、法律の裏づけが必要だと。「高齢者の医療を確保する法律」を論拠にされているのでこういう定義になっていると思いますけれども、実際に幾つか指標案として挙げられた中で、例えば後発医薬品の使用促進が果たして高齢者の医療費の適正化にどう関係するのかという点です。以前も申し上げたことがありますけれども、そういう矛盾がどうしても生じると思うのです。

 決して後発医薬品の使用促進を奨励するなと言っているのではないが、高齢者ということに限定せず、広く医療費の適正化に関する共通指標を設定するという議論のほうがもう少し幅広に議論できるのではないかと考えるのです。高齢者と限定されますと、例えば糖尿病の腎症患者でも、国保にはかなり人工透析の方が多いかと思うのですけれども、被用者保険では非常に少ないです。もう少し幅広にいろいろな医療費の適正化に資する活動を共通指標として定めて評価していくという形のほうが、むしろ国にとってもいいことではないかなと思いますということが1点目です。

 2点目は、論点の最後に、当面は取組の実施状況に着目したアウトプット指標を中心とし、30年度からは取り組みの成果に着目したアウトカム指標でいきたいという提案についても別に否定するわけではないですが、「当面」というのはいつからのことを言っているのかはっきりしません。28年度からはとても、間に合わないと思います。というのは、保険者は、この11月、12月で予算を組む段階なので、28年度から実施しろということは、はっきり言って無理だと思います。そうすると、29年度が当面ということなのか、それならもう1年待って30年度からということのほうが健保組合としては受け入れやすいという気がしております。

 それから、データヘルス計画が、本年度から開始されましたが、3年計画ということで、272829の計画はもう既に策定されております。しかも、スタート時にこういう指標についてはもちろん全然議論せずに計画を立てています。途中でこういう計画を入れ込むというのは、厚労省の最初の説明から大分ずれる形になるので、データヘルスに対する信頼も失ってしまうという可能性もあります。それらのことを勘案すると、思い切って30年度からにしたほうが保険者としてはやりやすいのではないか、あるいは納得しやすいのではないかと思います。

○多田羅座長 ありがとうございました。室長のほうから2点、お願いいたします。

○安藤室長 ありがとうございます。

まず、1点目の高齢者の医療費の適正化というところの観点でございますけれども、本日の資料はもともとこれが高確法に基づく加減算制度から出発した議論ということもございましたので、一定、高齢者の医療費の適正化という視点で考えていくという御提案をさせていただきましたが、ただ、そこは、本日はより幅広く御議論いただいて、いずれ我々のほうで本日の御議論を踏まえてちょっと整理させていただきたいと思いますので、そういう意味では、白川委員の御指摘のとおり、本日はより幅広い観点から御提案いただければというのがまず1点目でございます。

 それから、2点目のスケジュール感につきましては、我々も、これは前々回も検討会で申し上げましたけれども、30年度以降の新たな評価指標として基本的には考えているところでございます。ただ、一部の種別によっては、前回も制度論で御説明させていただきましたけれども、前倒しで取り組んでいくというところもございますので、そういう意味で、要は30年度で一旦切り分けて、ちょっと御提案させていただいていると。

データヘルスにつきましては、まさに白川委員から御指摘のとおりでございまして、いずれにしても、ここは30年度以降から本格稼働させるということですので、30年度以降、その定着度合というものを見まして、それで、いわゆる成果的な指標とかいうものを入れていくことを考えてはどうかということを本日御提案させていただいているものでございます。

○白川委員 国保さんが助成金の関係で29年度から指標が必要だというのは私も承知しておりますけれども、だからといって、それに合わせて共通指標でほかの保険者も評価していくということはどうも私には納得いかないものですから、29年度について、お金絡みの話があるのであれば、そこのところだけ、国保さんに適用するということにしてはどうかと。それ以外の保険者は30年度から一斉にやると整理したほうが理解しやすいと私は思っておりますので、意見として申し上げます。

○多田羅座長 ここは、文章では30年度以降となっているのではないですか。このアウトプット、アウトカムのところは。

○安藤室長 この文章の中ではアウトプット、アウトカムの部分でちょっと書いてあるので、若干今の議論とはずれてしまうのかもしれませんけれども、今、白川委員から御指摘あったのは、そもそもこの新しい指標、これはアウトプット、アウトカムにかかわらず、要するにいつから適用していくのかという御指摘だったと認識してございますけれども、それにつきましては、基本、そんなに、白川委員と言っていることは違ってないだろうと思っておりますけれども、我々としても、これは制度によってどうなるかというところは若干違いがあるのですけれども、基本は30年度からということで考えているところでございます。

ただ、一部の制度によっては前倒しで実施していくということが言われてございますので、この検討自体は、要は今の時点からさせていただくということ。ちなみに、国保につきましては、28年度の特別調整交付金から実施していくということになってございますので、そういったスケジュール感も踏まえながら、大変恐縮ですけれども、今の時点でちょっと御議論いただければということで、本日の検討会含め御議論いただいているところでございます。

○多田羅座長 よろしいでしょうか。

津下委員。

○津下委員 指標の考え方について、3点ほど申し上げたいと思います。

指標について、例えばアウトプットについては取組状況の評価ということになるのですが、その評価の仕方が保険者ごとに、例えば健保なら健保、国保なら国保でばらつきが出ないように把握できる指標でないといけないということです。特定健診の場合は、一定の方式でデータが収集され、母数が確定できるので実施率も把握可能なのですが、客観指標として捉えられるものでないとなかなかこういう評価に使うのは難しいと思われます。自己申告だけで加算減算につなげるのは課題がありそうです。そうすると、それぞれの指標についてデータ整備がいつまでにできるのかということを踏まえながら、評価指標、基準を考えていくという必要があると考えています。それが1点目。

 それから、2点目はアウトプットとアウトカムの考え方なのですが、一定効果があると考えられる保健事業について、まずやってないところがやる、これはアウトカムを問わずにとにかく実施するという段階です。次に一定実施されるようになったら、今度は、実施量をやたら増やすのではなく、効果的に実施することを求めていくのではないかと思います。例えば単年度の受診率は一緒なのだけれども、3年単位で戦略的に行うことにより対象者に対するカバー率が上がる、それによって集団全体の効果が上がるなど、効率化の段階に入ってきてアウトカムがよくなると思うのですね。

なので、アウトプット指標とアウトカム指標の整理を行う必要があると思います。最終的にはアウトカム指標がよくなるように、アウトプットを高める、つまり保健事業を実施するわけです。取り組みの、成長段階に合わせて、最初はどちらかというとアウトプット重視で、次にアウトプット基準が満たされたところ、さらに効果を出す段階となると、どう効率化するか、そのあたりに評価が向けられるとより保険者としての機能が高まるのではないかなと思います。

 それから3点目ですけれども、例で出されましたマイレージとかいろいろな事業ですが、これは保険者が実施している部分と、例えば自治体、市町村がやっている部分、それから企業が実施している部分、さまざまな関係者があって、保険者自身がやっていることとそうでないことの整理をどうつけていくのか。このあたりも、たまたまそこがやっていて保険者さんが得をしたということにも、それも含めて保険者の効果だと考えるべきかどうか、整理する必要があるかなと思います。

 こういう制度を導入するに当たっては、データベースが整備されて、そして基準が誰から見てもわかりやすいというような制度設計をされるというのが非常に重要かなと思います。その準備状況と合わせて、これらの指標をいつから取り込むことができるのかということを決めていかないといけないのかなと考えた次第ですけれども。

○多田羅座長 室長、データ整備の状況はどのように認識すればいいですか。

○安藤室長 すみません。指標によってかなり違ってくるのですけれども、津下委員のおっしゃるとおりであると思います。客観的に、いずれにしても、計れることが必要だろうと。そのためには、まずデータベースみたいなものが整備されているということが1つ大きな目指すべき方向性だと思いますが、今、現時点で全てのものがデータベース化されているわけではございませんので、大きな方向性としてはそういった方向性だと思いますけれども、例えば保険者さんから実際に取組状況というもの、何か指標が決まったらですけれども、それについて定期的に出していただくとか、そういったものも含めて考えていくということが現時点ではちょっとまだ必要なのかなと思ってございます。

 それからあと、実際の保険者だけでなくて、例えば健保組合であれば、企業の取組による場合もありますし、あるいは市町村国保だと自治体の取組による場合もあるという、そこはおっしゃるとおりで、そこは考えていかなければいけないところで、それはどちらかというと、この場での御議論というよりは、むしろそれぞれの種別のほうでそのカウントをどうするかというときに御検討いただければなと考えているところでございます。

○多田羅座長 ありがとうございます。津下委員の言うデータ整備というのは何か特に問題にされているデータがあるのですか。

○津下委員 例えば受診率向上のためにどういう取り組みをしていますかということになりますと、葉書を送ってどれだけ反応があるのかも見ずに漫然と続けているのも、アウトプットとしては実施しているとカウントされますね。一方、連続未受診者に対しては強化している取り組みをしているところもある。受診勧奨の事業をやっていますといっても、さまざまな段階もありまして、どのようなことをやっていると「実施」ととらえるのかわからないとばらついてしまう。

一方、特別な取り組みという意識がないけれども、日常的なルーチンの仕事としてそういう仕事を行っている保険者さんや自治体もありますし、それを新たにやったからそれを取り組んだと言っているところもあります。今までやってなくて開始したところは意識的に取り組んだと言っていますけれども、今までずうっとやってきて、そういう受診勧奨も当たり前だと思っているところは取り組みとして保険者さん自身が意識してないということもあるので、定義をきちっとしないとなかなか、何を評価したらいいのかがわからなくなるのかなと思いました。

○多田羅座長 わかりました。室長もその辺は認識されていると思いますが、具体的な手法のようなことはワーキングのほうでやっていただくということでよろしいでしょうかね、今日のところは。

 そういうことで、ワーキングのほうで取り組んでいただく。具体的な手法ですね。

 どうぞ。

○伊奈川委員 資料作成、御苦労があったと思いますけれども、ありがとうございます。まず、とりあえず1ページ目のところということですので、2点ばかり申し上げたいと思います。

まず、【基本的な考え方】の2つ目の○に関係です。保険者種別ごとの制度の特徴とか年齢構成ということもあると思うのですけれども、先ほどの津下委員とも関連する話としては、後に出てきます指標をよく見ますと、健診の受診率のように、保険者が頑張ればできる指標と、やはり医療関係者の御協力をいただかないとなかなかうまくいかない部分、あるいは、津下委員がおっしゃられたように、ほかが頑張ったら保険者も利益を受けるといったような一種の反射的なものも混じっていると思いますので、少しそのあたりの重みづけといいますか、保険者から見ますと自分のコントロールが及ばないようなところ、これを頑張れと言われてもなかなか頑張りようがないところもありますので、そこらあたりも指標として考える場合は考慮しておく必要があるのではないかなと思いました。

 2点目もそれと少し関係いたしますけれども、1ページ目の【論点】の2つ目の○にございますけれども、恐らく事務局のほうもかなり意識的にこのように言っておられると思いますが、「大枠としての共通的な指標」となっています。これはワープロミスではなくて、共通な指標でなくて、「共通的」とわざわざ「的」を入れたのかなあと思っておりまして、共通といってもそれぞれいろんな事情がありますので、そのあたり、事務局としての気持ちがあらわれているのであれば少し説明していただければなと思いました。

○多田羅座長 「共通的」、私も「的」というのは微妙だなとちょっと思っておったのですが、事務局、何かございますか。おっしゃるとおりでございますか。

○安藤室長 いや、おっしゃるとおりと申し上げたいところでございますけれども、ここは、すみません、余り深い意味があったような感じはしてございませんでして、むしろいろいろ種別によって異なる点も大きいということがございましたので、なかなかこの場で画一・具体的な指標というものを決めていくということは難しいのではないかと考えてございまして、それもあって、ここは「大枠としての共通的な指標」と書いてございますけれども、言ってみれば、それぞれの種別の中で具体的に位置づけていく指標の方向性みたいなものを検討会では位置づけてもらう、検討していただくということが、ある意味、限界なのではないかという思いがございましたので、ここは表現ぶり、どう書けばいいものかというところは、かなりわかりづらい表現ぶりになってしまって大変恐縮ですけれども、思いといたしましてはそういったことで、ここは論点として書かせていただいているところでございます。

○多田羅座長 「共通的」の「的」は相当重要な言葉と。画一的ではないということの意味合いですね。

どうぞ、井伊委員。

○井伊委員 ということは、2ページの指標案3だと「例えばがん検診や歯科健診」と書かれていて、次に行くと、指標案4は「例えば」はなくて、「ICT等を」となっていたり、次の重症化予防は、「例えば糖尿病等の」ではなくてと読めてしまうのですけれども、これは3つともに「例えば」がつくと受けとめておいてよろしいのでしょうか。

○安藤室長 御指摘のとおりでございます。その辺は確かにおっしゃるとおりでございまして、申しわけございません。そういう意味では、全て「例えば」ということが文章にはくっついてくると。その前段となっているところについて、いわば、一種、方向性みたいなものだと思いますけれども、こちらの検討会でまさに最終的には決めていっていただきたいと考えているところでございます。

○多田羅座長 どうぞ。

○飯山委員 国保中央会の飯山です。

 御説明のとおり、ここで考えているのは、それぞれの団体がベースにするようなものだと捉えているので、「的」でも何でもいいのですけれども、ただ、この指標が出ると、共通指標、みんなが使う指標ということになると、お互いの競争に使われてしまうようなイメージに持っていかれると何となくやりづらい。確かに特定健診の受診率だとか予備軍の減少率なんていうのは、あっちはここまで減っているのに何で我々のほうは減らないのだというようなことの比較にはなると思うのですけれども、ただ、それが自分たちの団体の特性として、どのように力を入れればそれが実現できるのかというように考えるために使えるのならいいですけれども、これを使ってお互いの競争だけが先に行くような、何となくそういう使われ方をしてもらいたくないなという感じがいたします。

 それと、先ほど先行の話がありましたけれども、確かに国保は先行せざるを得ないところがありますので、皆さん方でおおむねどこもこういうことでベースを捉えていこうということがあれば、ある意味で言えば、国保で先行実施していって、そういう指標が現実問題として妥当かどうかという検証もできるのではないかなと。それが後でうまく反映できればという気もいたしますので、ぜひ皆様方のお知恵を拝借できればと思っております。

○多田羅座長 国保は先行していただくということでございますか。

○飯山委員 そういう状況に今なっておりますので。

○多田羅座長 ひとつ先行をよろしくお願いいたします。

 今村委員。

○今村委員 確認なのですが、この検討会で議論する大枠という話は、先ほど御説明のあった指標案8までの黒いアンダーラインのところということですか。その下の○印は例示であって、それぞれの詳細についてはワーキングで議論するという理解でよろしいですか。

○安藤室長 そのとおりでございます。

○多田羅座長 それで、御意見ございますか。

○今村委員 先ほど議論を伺っておりますと、細かいことが幾らでも出てきますので、この検討会では何を議論するのかはっきり決めておいていただく必要があると思いましたので確認させていただきました。

○多田羅座長 そうですね。その点は、今、室長からも、アンダーライン引いている文章は基本的な今日のこの会議での議論のテーマであると御理解いただくということでいいわけですね。例示として、あと○のついた文章がついていると御理解いただきたい。

 どうぞ、深井委員。

○深井委員 前回も申し上げましたけれども、今の例示のことです。共通の指標を考える場合に、例えば疾患の多さとか、予防できるかどうかとか、困っている人も多いかどうかということを基本的な要件に考えたほうがいいと前回の検討会で提案したように、例えば指標案の黒字だけだとなかなかイメージがわきませんので、やはりその要件を踏まえた例示というのは大事な視点ではないかと思います。

 それでもう一つ、先ほど津下委員の話にもあったのですけれども、保健事業を活発にしていく場合に、これから保健事業を効率的に行う次の段階と考えると、単にやればいいということではなくて、現時点の、もう既に準備していると思いますけれども、具体的な事例、好事例というか、事業内容みたいなことも少しどこかの段階で示さないと、ただやってくれということでも難しいので、あわせて検討したらいかがかと思います。

○多田羅座長 それはワーキングのほうでも相当事例などは出していただくような格好になりますか。

○安藤室長 そうですね。そこはそれぞれのワーキングの中で今の御指摘を踏まえて考えさせていただきたいと思いますが、先ほどの津下委員、それから深井委員の御意見というのはごもっともですので、何らか、例えば国保で市町村が行っている事例がそのまま健保組合にはまるかといったらなかなかはまらない場合もあると思いますから、やはり種別の中でそういった、目指すべき事例といっては語弊あるかもしれませんけれども、いわゆる好事例についてもお示しできるように、そこは集めていきたいと考えております。

○多田羅座長 その辺のタイムリミットというか、スケジュールはどんなものですか。ワーキングの成果が出てくるのは。

○安藤室長 それは、一番最後の資料のページについてございますけれども、この検討会での検討状況というのはまずございますが、それを受けて、一定のめどとしては今年度中ぐらいに、少なくともこの検討会のほうで中間報告なりができるように議論を進めていきたいと考えてございます。

○多田羅座長 わかりました。

○今村委員 すみません、もう一点。

○多田羅座長 今村委員、どうぞ。

○今村委員 改めて確認いたしますが、指標案1から8までありますが、それぞれ指標に対して例示が1つというものもあれば、多くの例示が挙げられているものがあります。そうすると、評価を共通指標として挙げるときに、複数例示が挙がっているものは1つでもやっていればいいという考え方なのか、ある程度ワーキングで挙げられた項目を全て満たした場合にそれをやっているということになるのかといったことはこの検討会の議論になるのですか。最終的にはこの検討会に挙がってきて、承認するということになるとは思いますが。つまり、多くの項目があると、先ほどもありましたが、やりやすいものだけを選んでやるということになりますが、その辺の整理はどのようにお考えになっているのでしょうか。

○安藤室長 私どものほうでも、現時点において全体共通という意味で、それぞれ個々の具体の取組というところまで全て挙げ切るということがなかなか難しかったものですから、今回ちょっと例示という形で、一応太字の下線が引いてあるところをこの検討会ではまさに大きな方向性として決めていただきたいということではあるのですけれども、ただ、先ほどどなたかもおっしゃられていましたように、何らか例示みたいのがないとイメージもわかないと思いましたので、今回ちょっとそういったものを入れさせていただいているところでございます。

 今後の議論のことを考えますと、この検討会でそこまで決めるということではございませんけれども、ただ、それぞれの種別ごとの検討にいったときに、例えばどういったことがこれの中に入ってくるのかというところは1つ参考のためにも必要だと思いますので、決めていただく、いただかないということにかかわらず、具体的に、例えば国保であればとか、健保であればとか、こういった取組が考えられるのではないかというところまでも含めて御意見としてこの検討会でもいただければと。それはそのまま、それぞれの種別ごとの検討に至ったときの一つのやはり参考になってくるだろうと考えております。

 それともう一点は、先ほど今村委員もおっしゃっておりましたように、ここで一旦共通的な枠組みを決めてしまったら、あとはもうこの検討会としてかかわらないということではなくて、先ほども申し上げましたように、一定、それは検討状況いかんによると思いますが、検討状況が進んだ段階で再度またこの検討会のほうにも、その結果、途中経過についてフィードバックさせていただいて、それでまた改めて、こういう大枠での方向性に照らしたときにそれぞれの種別ごとで議論されているものがどうなのかという視点で、そこは改めて御議論いただきたいと考えておりますので、時間的に何度もできるとは限りませんけれども、少なくともこの検討会として、本日、あるいは次回の議論が終わったらそれで終わりということではないような形には進め方としてさせていただきたいと考えてございます。

○多田羅座長 どうぞ。

○伊藤委員 今、事務局の方から保険者類型ごとでの検討に全て委ねるというより、検討状況をこの検討会にフィードバックするという考えを言っていただいたので、ぜひそうしていただきたいと思います。というのは、今日、「共通指標(案)」という言葉について大分共通認識ができてきていると思いますが、共通指標をつくるというよりは、保険者類型ごとに指標を決定する際の共通の考え方というようなことなのかなと思ってきています。そうすると、保険者類型ごとに、甘い考え方で指標がつくられるようなことがあると、インセンティブのお金の出所はそれぞれ違うとしても、将来の医療費の負担を、誰が負担するのかということにもかかわってまいりますから、やはりそこは議論が必要です。この場にフィードバックされて、この太字の指標案というところの考え方がきちんと踏まえられているのかといったことはここで確認していく必要があると思っています。

○多田羅座長 その種別ごとの検討結果はここで最終的に確認するということですね。その点はそういうことでしょうか。

○安藤室長 繰り返し申し上げさせていただきますけれども、そのとおりでございます。最終結果になる前に、ここの検討会のほうには上げさせていただいて、それでまた御議論いただきたいと、いずれにしても思っているところでございます。

○多田羅座長 ほかにいかがでしょうか。

 どうぞ。

○津下委員 指標案、今8つあります。その重みづけについては、保険者種別や、保険者の中でもこれまでかなり取り組んできたところとそうでないところ、いろいろ出ると思います。そこで、平成30年度から実際に動くとしても、できればそれより前倒しで、一度、これで評価すると、各保険者さん、どんな状態なのかとか、種別ごとにどういう分布になっているのかということを見た上で適正な重みづけについて議論して、次に本格実施に進めるということが望ましいのではないかと思います。均等にやってしまうと重点化されることなく重みも何もなくて、却って良い保健事業が死んでしまうというか、のべたんと全部やれば点数が上がるとなってしまって、保険者機能としての戦略というのが生かせなくなってしまうのも危惧されます。どのように指標を重みづけするといいのかということの検討を丁寧に行っていただく。事前に、全部とは言わないまでも、幾つかの保険者のバリエーションでしっかりと計算して見てみるということをぜひお願いしたいと思います。

○多田羅座長 その辺はそういうことでしょうかね。よろしくお願いします。

 ほかにいかがでしょうか。

 どうぞ、白川委員。

○白川委員 津下委員もおっしゃるとおり、評価する場合は、定量的な評価が一番客観性があっていいのですけれども、実際にはそうでない共通的な目標というものも設定せざるを得ない部分があると思うのです。そこのところをどう織り込むかというのは、ワーキングで評価についてどのような評価基準でやっていくのかということを議論していただくと考えていいのですね。

その確認が1つと、もう一つは、今、多くの保険者がデータヘルス計画をつくっていますけれども、そちらとの関係です。データヘルス計画も個々の案件について評価しようということで、まだ評価指標は決まっておりませんが、そういう動きになっています。

保険者共通といえば特定健診とこのデータヘルスしかないものですから、できればデータヘルス計画が本格稼働する30年に、共通の課題の目標を挙げていく、計画表に盛り込むという形で徹底したほうがよいのではないかと。ヒアリングしてみたら、これはこの項目と思っていたら実はこっちの項目だったとか、そういうことになりかねないので、共通項目を決めたらデータヘルス計画の中に項目だけは書き込んでおいて、それぞれについて事業計画を保険者ごとに立ててもらうというやり方が非常に実務的ではないかなと思いますので、御検討いただければと思います。

○多田羅座長 それはぜひ議事録に残していただいて、各ワーキングで御検討いただきたい。ほかにどうでしょうか。

 どうぞ、村岡参考人。

○村岡参考人 全体的な共通指標の考え方というのは、事務局からの説明を踏まえまして一定の理解ができたところなのですが、8つの指標につきましては、それぞれ医療費の適正化ということで保険者が共通して取り組んでいかなくてはならない項目であろうとは理解しておりますけれども、実際の評価をする場合に、先ほど委員の方から発言もありましたが、個々の保険者で例えば国保の場合、特定健診以外の健診をやっているかというと、市町村の自治体事業としてやっているわけで、保険者としての独自の取組というのはどこも多分やってないのではないかと思っているわけです。そういったものに対しては、全体の共通的な目標といっても、国保独自ではなかなか指標にはなりがたいというところが出てまいりますので、そのあたりの保険者の違いによる濃淡といいますか、位置づけの重さというのは変わってくると理解しておってよろしいのかと考えております。

 その中で、事前説明をいただいた時には、例えば予算額であったり予算措置の状況とかいった指標も参考例として出ておりましたけれども、国保は非常に厳しい財政運営が迫られておりますので、国保料の中で運営ができないといった場合には、保健事業としてなかなか予算措置できないという実態もございますので、単に予算の金額であるとかいうことだけでは評価しがたい問題もあり、そのあたりについては今後の具体的な各保険者ごとのワーキングの中で十分に議論させていただきたいと考えております。

国保の保険者としては、指標としての方向性は理解できますけれども、保険者の違いによってその取り扱いには、若干濃淡が出てくるということについては御理解いただければと思います。

○多田羅座長 よろしいでしょうかね。

 ほかにいかがでしょうか。

○津下委員 今の村岡参考人の話なのですけれども、健康増進法に位置づけられている健診と、それから、保険者が実施する場合はその上乗せというか、そういう形で実施しているものがあって、そのあたりが自治体によって、考え方、整理の仕方が違うのがで、どういう方向性でみていくのが保険者的に望ましいのか。保険者機能でやるべきなのか、本来自治体の健康増進事業としてしっかりやっていかなければいけない部分なのか、そのあたりも少し丁寧に整理していく必要があるのかなと思いますが、いかがでしょう。

○多田羅座長 どうでしょうか。健康増進法ね。

○安藤室長 それは、先ほど来も御意見がございましたように、特に市町村の場合は、保険者としての立場と、それから市町村としての立場と2つあって、それぞれが事業をやっていて、それで、場合によってはそこがクロスしているという。例えば、先ほどもちょっと御紹介しましたけれども、インセンティブの取組ということで1つ提案させていただいているものがございましたが、これについても、我々のほうでも調査した結果、多くの市町村では、どちらかというと保険者がやっているというよりはむしろ市町村として行っているというところのほうが実際には多くなっているという結果でございましたので、それはこの検討会の場というよりは、むしろまさにそれぞれ市町村のインセンティブをつける、国保のインセンティブの中でそこの取り扱いについてどうしていったらいいのかというのは、ある程度、やはり実態も踏まえながら考えていく必要があるのではないかと思っているところでございます。だから、必ずしもこれは市町村、これは保険者というところが、ルールとして明確なものがばしっと決まっているというよりは、それぞれの実態に応じて実施されているというものもございますので、その辺は実態もよくよく御議論いただきながら考えていく必要があるのではないかと考えているところでございます。

○多田羅座長 どうぞ。

○今村委員 改めて確認させていただきますが、この8つを全ての保険者の共通指標にするかどうかをこの検討会で議論するとなると、現在の指標案の3は、少なくとも国保には非常に難しい指標なのではないかということを村岡参考人はおっしゃったのだと思います。つまり、国保でも指標として問題ないと言うのであれば、私は反対する理由はないのですが、できないことを指標にしてしまうのは問題だと思います。本来はワーキングで議論する話だと思いますが、例えばがん検診などは、健康増進法に基づく指針の下で実施しているがん検診と、健保組合がやっておられるような、カフェテリア方式でやっているがん検診とでは、基準が全然違っていて、統計も全くとれないような状況になっているわけです。そういうものをきちんとそろえてやるということをしないと意味がありませんので、この指標の3についても、中身だけを見ますと、健康増進法に基づいて実施されている自治体の健診も共通指標に全てするというのか、あるいは、国保は残りの7つがあればよいという整理でいいのかどうか確認させていただきたいと思います。

○安藤室長 非常に鋭い御指摘、ありがとうございます。おっしゃるとおりでございまして、そういう意味で共通的な、なのかもしれませんけれども、今言ったような種別の事情というか、個別の実態というのがあって、必ずしも結果的にはめるのが難しいというところは、多分、後々の議論では出てくると思います。この検討会でそこも全て網羅的に議論し切るというのはなかなか難しいかなあという感じがいたしますので、基本、一応全ての共通的なということをうたっている以上、基本的には全ての職種、種別かかわらず、採用していただきたい評価指標ということで御議論はいただきたいのですけれども、ただ、今、今村委員が御指摘のような、より細分化した議論をしたときにやはり難しいというところは出てくると思いますので、それまで現時点において拘束するというのは確かに現実的ではないのかなとちょっと考えているところでございます。

 ですので、まさにそういう意味では、必ずはめるというところではなく、大きな方向性としては、基本的にはこれで考えていただきたいのですけれども、ただ、それぞれの種別によってはいろんな制度的な事情とか実態があってなかなか難しいという場合には、そこはそういう前提で、それぞれの種別ごとの議論の結果としてまとめていただくという方向でちょっと我々も考えていきたいと思います。

○深井委員 先ほど津下委員の健康増進法の事業に基づいてのところでコメントしようとしたのですけれども、ちょうど今村委員も同種のことを言われましたので、ここの指標3のところに出ている歯科健診のことです。健康増進事業の中に歯周疾患健診が入っているのですけれども、これは40歳、50歳、60歳、70歳の節目健診でかなり限定されています。ですから、がん検診も健康増進事業の中に位置づけられている検診ではあっても、この歯科健診はかなり様相が異なっていて、実際に健康増進法の事業に基づく歯科健診の受診率は3.8%ぐらいです。対象人数に対して、これではとても十分とはいえません。健康日本21においても、今日、資料の一番後ろに出ていますけれども、歯科健診の平成34年までの目標は65%となっています。今、国民健康栄養調査等で見ると、歯科健診を受けている国民の割合は50%に近づいているのですけれども、この歯科健診の内容が単に健康増進法に基づく歯科健診だけではなくて、自主的に歯科医療機関等で受けていたり、あるいは保険者が自主的な保健事業の中で行っている健診ということも含まれています。そのためにはいろんなパターンが歯科健診の場合ありますので、それは先ほど事務局のほうにお話をしたように、保健指導の形にしても、この歯科健診にしても、有効な事例、優良な事例等をあわせて示していただいて、必ずしもここで言う歯科健診というのは健康増進法の事業だけではないのだという仕切りにしたほうがより効果的な対応になるのではないかと思います。

○多田羅座長 どうぞ。

○井伊委員 多分、それぞれの指標の具体の部分、具体まで行くかどうか、もうちょっと項目、抽象度を落としたところで、そこそこの実施率、今の実施状況なども踏まえてこれからワーキングがなされるだろうと思うのですけれども、その場合に、方向性として、どこでもそのぐらいのことはやっているものを前提にするのか、これからどんどん、今は実施率は非常に少ないけれども、やるべしという方向でワーキングは検討するのか、方向感としては今どちらをお考えになっているか伺いたいのです。

つまり、余り高い目標でもできないでしょうし、かといって、例えば市町村なんかだと特定健診・特定保健指導がスタートする前はがん検診と一般健診って大体一緒にセットでやっているところがすごく多かったと思うのですね。一時、法律が違うから離して、でも、受診勧奨等の必要性から、また一緒にやりますというところもだんだんふえてきているかと思うのです。なので、どちらを目指してワーキングが進むのかというのはちょっと気になるのですが、いかがでしょうか。

○多田羅座長 では、室長。

○安藤室長 まさに井伊委員がおっしゃられたとおり、一定、バランスなのかなという感じはしておりまして、本当に全ての、これは中身にもよるのかもしれませんけれども、実際実施されている内容はどうかというところまである程度見ていかなければいけないのかもしれませんが、単にやっているやってないだけでなくて、どういう形でやっているかというところも1つ要素になってくるとは思いますが、ただ一方で、全ての保険者でもほとんどやられているものについてはなかなか評価指標にはなり得ないというのは、それはそうだと思います。他方で、全くどの保険者もやってないということについて、一つの方向性として進めていこうということがあったとしても、いきなりそこで厳しい評価指標をつけるということもなかなか現実的でないと思うので、その辺は、おっしゃるとおり、実施状況みたいなものというのはある程度踏まえながら、ただ一方で、大きな方向性の中で努力していただきたいというところで、どういった基準設定していくかというところのある程度そういうバランスを見ながらでの御議論になってくるだろうと考えているところでございます。

○多田羅座長 ほかに。

○伊藤委員 共通的な指標は、今回示された8つ全てとするというよりは、これは事務局が示されたものについて、それぞれが対応できるのかどうかというのを議論して、この中から絞っていくということなのかと思っていました。そういう理解に基づくと、資料の中で、大きい青いところの網がけみたいにしてあるところで言いますと、2ページの1-2、指標で言うと3、4、5というようなところを共通の指標として、各保険者とも取り組んでいく方向性を明確にするということがいいのではないかと考えたところです。

1-1特定健診・保健指導については、やはり後期高齢者広域連合が法律上は実施を求められてないということもありますし、共通にするということが本当に可能なのかなあと考えました。むしろ、今日の資料にもありますけれども、高確法の第5条の努力義務として、また、後期高齢者広域連合についても、125条に「事業に努める」とあったと思いますので、各保険者が努力すべきこととして、今回、ポピュレーションアプローチ的な取組や、またハイリスクアプローチ的なのが4、5というところに出てきていると思うのですが、こういったことで、将来の高齢期における健康の保持ということに若い時点から保険者が努力するということがいいのかなと考えたところです。

 なお、7、8という、効率的な医療の提供というような、医療費適正化というストレートな基準についても、高確法の上でこれが可能なのであればそういうこともあり得るのかもしれませんが、現時点では、現行の法律で見ると、少し幅広い、高齢者に限らない保健のアプローチをしていくということがよいのではないかと考えたところです。

○多田羅座長 3、4、5ですね。

どうぞ。

○伏屋参考人 すみません。後期高齢者医療広域連合でございます。

私ども岐阜県後期高齢者医療広域連合では20年度から健診に取り組んでおりますが、今のところ、法律で健診義務なんかございませんけれども、当たり前のことで、医療費の適正化には当然取り組まなければいけないものですから。私が今回の資料で思いましたのは、先ほど共通とか共通的というのがありましたけれども、今年度で、全国全ての後期高齢者広域連合もデータヘルス計画をつくります。

○多田羅座長 それは県単位ですか。

○伏屋参考人 ええ、県単位で。全部、健診目標とか、いろいろなものは立てているわけですね。広域連合については、今の法律では特定健診は義務づけられていませんが、各広域連合がデータヘルス計画を実際つくっているわけです。問題は、30年度からこうやって各保険者さんといろんな共通の指標をつくろうと言ったときに、今はどの広域連合も特定健診の項目をそのまま持ってきておるのですね。そう広域連合として医学的な知見が何もないものですから申しわけないのですが、では高齢者にふさわしい健診項目は何なのだということになります。皆さんも、最後は後期高齢者医療制度へ入られるわけですが、それまでに現役世代で各保険者の人がいろんな取組をしていただいているわけです。

 先週12日の国の一億総活躍国民会議のほうでも、プレフレールという概念が紹介されていましたが、プレフレールというのは大きな概念になりますので、その部分の一つの医療分野の中で各保険者さんが取り組んでおみえになる。だから、後期高齢になったから健診しなくていい、そんなことではありませんし、健診の勧奨もしなければいけない。勧奨する以上、後期高齢者にふさわしい健診を考えてやっていくべきだと。そういうのをいろいろ、今後また、保険者ごととか、そういう部分で国とも協議させていただきながら進めていきたいと思っております。

○多田羅座長 後期高齢者医療広域連合には法律で健診が義務づけられているのですか。

○伏屋参考人 ありません、今のところ。ないのですが、大変横着な言い方になりますが、各保険者の皆さんがこうやって取り組んでいただく以上、これは法律にうたい込むとかうたい込まないは別にして、各広域連合では、データヘルス計画は全部つくっているわけですから、それにふさわしい目標を各保険者さんと同じような足並みで。ただ、やはり後期高齢者という特性はございますので、そういう指標の中身であるとか取り組み方であるとか。特に、仮に後期高齢者医療広域連合の話でいきますと、全被保険者数というのは各広域連合でわかるわけです。

ところが、介護との絡みになりますけれども、健診対象をどうするか。例えば施設入所者は外すのか外さないのか。そういったことが、今のところ、広域連合ごとでばらばらになっているのですね。そういったことを踏まえて、これは私どもだけの事情かもしれませんが、健診目標をどうしていく、項目をどうしていく、そういうのをしっかり詰めさせていただければと理解しております。

○多田羅座長 室長、後期高齢者への意向というか、お考え、何かございますか。

○安藤室長 今まさに委員がお話しいただいたとおりかなあと思っておりますけれども、例えば特定健診をとっても、確かに法律上後期高齢者は対象になってございませんけれども、ただ一方で、今まさに見直しの検討を始めたところでございますけれども、後期高齢者に対する、いわゆる任意の形でやっている健診はございますので、そういったものをより後期高齢者の特性を踏まえた形に見直しを行いつつ、それをきちんと後期高齢者広域連合として実施していっていただく、そういった努力というものを評価していくということはもちろん考えられるのではないかと思っているところでございます。

○多田羅座長 後期高齢者、非常に大変と思いますので、ひとつ御尽力いただきたいと思います。ほかにいかがでしょうか。

今日は少なくとも2時50分ぐらいまでは時間をいただいていますので、今日の共通指標というのは、21世紀特定健診・保健指導の進むべき方向、その基盤のようなものを御議論いただいて、非常に重要な会議だと座長としては認識しております。これは必ず議事録に残していただいて、各ワーキングが始まる際には一つの指標として確認いただきたいと思うのですけれども、そういうことですので、必ず1度は御発言いただきたいと思います。

 では、河合委員、お願いします。

○河合委員 河合でございます。

 1ページ目の共通指標の【基本的な考え方】というのを各委員の御意見も拝聴しながら考えておったのですけれども、とりわけこの2つ目の○にある「保険者種別ごとに異なる制度」というところについては、保険者の特性というのはそれぞれかなり違うというのは以前からここの会議の議論でもあるわけですけれども、例えば同じ健保組合の中でも、国保の中でも違いがあるわけですね。健保組合で言えば、若い会社員が多い企業もあれば、そうでない企業もあるし、女性がかなり多い企業もあればそうでない企業もある。国保で言えば、地域差というのは当然あると思います。まず、共通であることと、個別であることというのがどこまで差を指標として落とし込めるのかというのはかなりポイントになってくるのかと思います。

 またもう一点、扶養家族への取組ということもかなり大きな論点になってくると思います。高齢者の話もありましたけれども、若い人が多い企業が、自分たちは関係ないやということになったのではいけないわけです。誰もがいずれは高齢者になっていくということを考えれば、年齢が早い段階から取り組むことが、いずれ将来的な医療費の適正ということにもつながっていくと思いますので、この辺への配慮というのはかなり必要だと思います。事務局のほうで、今、私が言ったような点について何かお考えがあれば教えていただきたいと思いますが。

○安藤室長 さらに、どちらかというと種別に入ったときに、その中でも、要するに留意する点があるという趣旨からの御指摘だったと理解しております。それは御指摘のとおりでございまして、例えば健保組合の中でも、委員は年齢のことで御指摘ありましたけれども、それぞれ規模によっても違いますし、あるいは業種によってもそれぞれ、健康課題が違ってきたりということも実際にはございますから、おっしゃるとおり、そこは丁寧に見ていく必要があると思っていまして、この検討会でそこまで細分化して見ていくというのはなかなか難しゅうございますので、そこはまさに今後のワーキング等々できちんと今日の御指摘も踏まえながら御議論させていただきたいと考えております。

○多田羅座長 今村委員。

○今村委員 この指標の実施に当たって、保険者が直接行なわず、例えば外部に委託することは当然あってもいいと。その際に、委託先への実施内容の確認に係る一定のルールづくりが必要か否かということはワーキングで議論していただくという整理でよろしいですか。

○安藤室長 今村委員のおっしゃるとおりだと思いますけれども、今、今村委員がイメージしていらっしゃる委託事業者に一定のこういうことというのはどんなことを具体的に考えていらっしゃいますか。

○今村委員 例えば非常にハードルが高いのは、指標案7のようなものは大事だと思いますし、事務局のほうで「地域の医療関係者等との連携の下」と書いていただいているので、非常にありがたいと思っておりますが、もともと医療を受けている方ですので、重複服薬・多剤投与という方がいらっしゃったときに、現在、薬剤師さん、あるいはかかりつけ医がそういった多剤投与の方の薬剤を整理していく必要があるのではないかという議論が一方であります。例えばここに「訪問」とわざわざ書いてありますが、もともとかかりつけの薬剤師さんやかかりつけの医師がいるのであれば、ここに「連携」と書いてありますので、そういうところにお願いしてやっていただければいいのであって、そういう取り組みをしているということでもいいのかなと思います。何も全ての方に保険者が直接訪問までしてお金かけてそういうことをする必要があるのかどうかという気がいたしましたので確認させていただきます。

○安藤室長 まさに今村委員がおっしゃったような取組についても、できるのであれば、むしろそういった取組のほうがより効果が上がると思いますから、ぜひそういった取組というものを、実態どこまで行われているかというところはちょっと見ていく必要があると思いますけれども、これから進めていく必要があるのではないかと考えております。

○多田羅座長 ありがとうございます。

飯山委員、どうぞ。

○飯山委員 いろいろ議論がある中で、この指標の扱いについて、先ほど私、競争させられるようなことになったらちょっと嫌だなと申し上げましたけれども、先ほどの御答弁の中で、国保に関しては28年度の特調からインセンティブの話が出てくるということだったのですが、ちょっと先走った質問になるかもしれませんけれども、結果のお金に絡む話なのでお聞きしておきたいと思うのですが、この指標全てを必ず満足しなければいけないのか、それとも、特性によってこれからワーキングの中で検討していくと、当然国保の場合には濃淡出てくると思うのですよ。全部の指標を一応共通的な指標として位置づけて、その中で具体的に何をするかということを考えたときに、ある指標についてはかなり深く検討できるような具体的なものが出る。逆に、これは表面的にはこうだけれども、実際的には難しいから、ちょっと取組としては薄くというような濃淡が出てくると思うのですけれども、これは全体的に全て必ず一定水準満足してなければインセンティブを保険者に与えてくれないということになりますと、さっきからいろいろ出ていますように、個別の事情でできるできないがありますし、特に国保の場合には地域差とか人口の問題とかいろいろありますので、今からこの8つが必ず一定水準で行われなければいけないのだという枠をはめられると非常にきついものがありますので、そこら辺の感じはどうかちょっと教えていただければと思います。

○安藤室長 先ほども同様の御指摘がありまして、私のほうからちょっと御説明させていただきましたが、基本的には、本日、あるいは次回この検討会の中でお決めいただいた大きな方向性に即した形での指標というものはそれぞれのワーキング等々で御検討はいただきたいと考えておりますけれども、ただ、本日も御意見ございましたように、それぞれの種別の中でさらに制度的、あるいは実態として配慮すべきところというのも当然あるでしょうから、その結果として、なかなかこれは難しいとか、あるいはそこに濃淡ができるというのはあると思います。

 その際は、だから、再度、この検討会のほうにはそういった事情も含めて御報告いただく必要があるとは思っておりますけれども、そういったことまで全て否定するというのはなかなか難しいだろうと考えているところでございます。

○多田羅座長 ありがとうございます。まだ御発言いただいてない方。

 では、金子委員、ひとつお願いします。

○金子委員 私学共済ですけれども、私も、当初、今村委員が言われたとおり、本日の委員会で資料に示された8項目について、この中で絞って共通指標をつくるのかと思っていました。ところが、話を聞いてみると、8つ全部を、ワーキングのほうで検討されるということのようですが、いずれにしても、ワーキングで検討した結果、もう一度この検討会に挙がってくるということだったので、各委員の方の発言を聞いていると、もっともというか、私が思っていたこともかなり言っていただいたので余り積極的には発言をしないでおりました。保険者からすると、やれていることとやれてないことというのが今でもありますし、それから、他の保険者が、保険者としてコントロールが効くようなことでも、特に我々私学共済は本部一括で事業をやっており、支部を持っていませんので、例えば健診をやったとしても、その結果をもってそれぞれの地方にいる加入者まで勧奨しろと言われても、なかなかできるものではありません。先ほど、勧奨の仕方について業者を使えば云々という話もありましたけれども、そうなればまた財政的な問題も出てきますので、保険者によって、前回も言いましたように、かなり財政力も違いますので難しいと思います。それから各保険者の、努力は努力でちゃんと評価してもらえるようなこともワーキングできちっと検討していただけるものと今理解しております。また、保険者がそれぞれコントロールが効くようなことというのがどの範囲までかというのはなかなかわかりづらいと思いますので、さっき、津下委員のほうから話がありましたけれども、資料で示されている8項目について、今の保険者でどのように取り組んでいるかということをできれば出していただいて、その中で見ていったらもっとわかりやすいのかなという気がしております。

 今できていることを共通指標にしてもそれは確かに仕方ないので、これからまたさらに向上しなければいけませんので、それはそれで見てもらえばいいと思います。とりあえず、指標として出ているこの8項目について、各保険者が現状どう取り組んでいるかということをお示しいただければ、それを見た上で少しいろいろとまた意見を言わせていただければと思います。保険者の立場からすると、いろいろ、これはだめだ、あれはこうだと、それぞれかなり違ってくると思います。しかし、医療費の適正化につながるということであれば、それぞれの保険者が協力してやらなければいけないことはもっともだと思っていますので、我々もそこは重々承知しています。

○多田羅座長 わかりました。この8項目の実績ですね。それは間に合いますか。

○安藤室長 あるものとないものがございまして、ないものは、いずれにしても、実施状況については、今日の議論も踏まえて重要だと思いますので、それぞれのワーキングとか回すときには、やはりそれぞれ、1回、こちらでないものについては、調査みたいな形でどういった形でどの程度行われているかということをちょっと確認させていただくという作業を検討させていただきたいと思いますが、すみません。次回の検討会までに全部耳そろえて出せるかどうかというところは、あるものについてちょっとかき集めたいと思いますけれども、あるいはさらに参考になるようなものについては集めたいと思いますが、全部というのはちょっと難しいかなという感じがしております。

○多田羅座長 次回まで一応できる範囲のことはやっていただくと。その上で報告はいただくということでよろしいですね。

○安藤室長 はい。努力いたします。

○多田羅座長 明石参考人、いかがですか。

○明石参考人 我々、事業者なので、この保険者の議論に関してはもう黒子に徹したいと思いますが、指標3に赤文字でがん検診だとか歯科健診だとか書かれるとやはりちょっと困ったなというのが感想です。

○多田羅座長 困るというのはどういう意味ですか。

○明石参考人 定期健診に盛られる可能性があるのではないかと。

○多田羅座長 よろしいですか。

武藤委員、どうぞ。

○武藤委員 今問題になっている3番目のがん検診のところですけれども、事務局も多分、人間ドック学会に配慮していただいて入れたのかなと思いますけれども、確かにおっしゃるように、がん検診を保険者がそもそも把握できるかどうかということですけれども、保険者が把握してないがん検診の数も多分あると思います。ですので、適正なそもそもの受診率が把握できるかどうかということもあるかと思います。

それからあとは、保険者の努力にかかわらず受診率が高くなったり低くなったりすることもありますので、その辺も指標とするにはどうかなとは思いますが、例えばベースのリスト、それから今後のアップ率などを比較すれば保険者の努力も評価できるのかなと、この辺の評価指標も使えるのかなと考えております。

 各項目そうですけれども、保険者の努力が多過ぎて大変かなと私ども思うのですけれども、例えばがん検診に関したものとか、それから受診勧奨などは、私たち検診機関でも日ごろから行っていることですので、ぜひ保険者と協力してこの辺をアップさせるように、保険者にいろいろ負担をかけるだけではなくて、回りのいろんな機関が協力して国民の健康に資するような方策にしていただければと思っております。

○多田羅座長 そうですね。システムの構築といいますか、保険者を中心に全体で進めるという考え方ですね。ありがとうございます。

 では、吉岡委員、いかがですか。

○吉岡委員 指示された指標を行うためには、それなりの財源が必要になってくると思うのですね。それで、現在でも限られた予算の範囲内で皆保険者は一生懸命やっていると思います。全ての指標を実施するというのは非常に困難と私は思っておりますが、費用のかからない、あるいは少ない予算でできるような指標を検討すべきではないかと思っております。

○多田羅座長 そのとおりですね。ありがとうございます。

では、三輪委員、いかがですか。

○三輪参考人 私は、健診機関の立場なのですけれども、今日お集まりの方々の中でワーキンググループのメンバーの方は、向こうにいらっしゃる方、いますけれども、私だけかなと思うのです。話を聞いていると、ワーキンググループとしては荷が重いなとさっきから思いました。

 健保の立場でないのですけれども、金子委員がさっきおっしゃっていたように、吉岡委員もおっしゃっていたように、健保によっていろいろ事情が違うので、各健保で共通にできることというと本当に限られていると思います。この8つの案の中でも。例えば今村委員、さっきおっしゃったように、7をやるのであれば、調剤薬局とか医療機関とかと連携しなければいけないということになりますけれども、ではそういう連携がどこまでうまくいくのかというのが健保としては非常に厳しいところだなと。手間とか費用とかを考えられてないと思うのですね。ですから、かなり厳しい。3、4、5になると個人対応が必要になってくると思いますが、健保で個人対応をこのようにやって成果を出すということは、コストもかかるし手間もかかるし、非常に厳しいことになると思うのですね。ですから、この親委員会のほうで、各健保で共通にできる、余り手間暇かからない指標を選んでほしいということを、あと目的はこうだということを投げていただいたほうがワーキンググループとしてはやりやすいのではないかなと思いました。

○多田羅座長 なるほどね。どうですか、室長。ワーキングに期待し過ぎているのと違うか、できることとできないことがあるのではないかというご意見と思いますが。ここではどうしてもワーキングという話になりますわね。

○安藤室長 本日はどちらかというと、この指標個々の議論というよりは、むしろこれから議論していくワーキングに向けての、まさに検討会からの要請ということで広く御意見をいただいていると認識してございますけれども、今の御指摘について、もちろんのことですけれども、非現実的といいますか、余りにも過度に保険者さんに無理させるような指標は置けないというのは事実だと思いますけれども、完全に、今、足元の現状追認だけで指標を位置づけるというのも、またこれはちょっと違うのではないかなと思っておりまして、もちろん、そこら辺のバランスが非常に重要だとは思っておりますけれども、一定程度は、今まさに保険者機能ということが言われてございますけれども、保険者としてどういった保健事業を推進していくかというところの観点から考えていくことも必要なのではないかなと思っているところでございます。

 ただ、もとよりそれはバランスだと思いますので、その辺はきちんと、もちろんワーキングの中では御議論させていただきたいと思います。

○多田羅座長 その「きちんとワーキングの中で」というのが難しいのではないかということをおっしゃっているわけですね。「きちんとワーキングの中で」というのはなかなか大変ではと、そういうことですね。

○三輪参考人 今おっしゃったようなことで、将来を考えてということになると、6番かなと思うのですね。ですが、データヘルスでいろんなところで目標を掲げてやっていらっしゃると思いますけれども、それはいろいろ違うわけです。それを共通でということになるとかなり厳しい話になってくると思うのです。ですけれども、データヘルスをちゃんと進めているということが評価されるということであれば、どういう目標でも計画でも構わないということであればそれはオーケーだと思います。

○多田羅座長 共通のとなると宿題が生まれるということですね。今日のところは御意見をお伺いしたということにさせてください。ありがとうございます。

 どうぞ。

○伊奈川委員 データヘルスのところ、ちょっと気になっている点がありまして、データヘルスをつくってPDCAを回すか回さないか、イエスかノーかだけでしたらいいのですけれども、データヘルスの中身に入っていきますと、今日挙がっている指標ともダブる部分が出てくるだろうと。そこら辺をどう整理するかということで、ここのデータヘルスの指標のところは位置づけが変わってくるのかなと思っていまして、データヘルスの中身まで入っていこうとするとどうしても、ここの指標とダブる部分、そこら辺をちょっと今後整理していく必要があるのかなと思っております。

○多田羅座長 ありがとうございます。

○安藤室長 ありがとうございます。先ほど同種の意見を白川委員からも御指摘いただいたと思っておりますが、それはごもっともな御意見だと思いまして、データヘルスについては、まだ現時点、計画自体は提出していただいているところでございますけれども、そこをどのように評価していくというのは、30年度に向けて、まさにそれは関係者の方々とも御相談させていただこうと考えているところで、そこは今回のこの共通的な指標とある程度整合的になっていかなければいけないと思っておりますので、局内でもそういう方向でちょっと御議論させていただきたいと思っております。

○伊奈川委員 一言だけ。趣旨は同じかもしれませんけれども、私の印象として言いますと、ほかの指標とは位置づけがちょっと違うのかなと。データヘルスというのは一種の枠組みですので、コンテンツとして入ってくる指標とはちょっと建てつけとして違うような気がしたものですから、そこを整理する必要があるのではないかという趣旨です。

○多田羅座長 御意見としてもっともと思います。

 どうぞ。

○佐藤委員 佐藤でございます。

 2点ほどちょっと確認させていただきたいのですけれども、この指標をつくるに当たりまして、冒頭、国保のほうで先行的に進めるということで、市町村国保では28年度からということで、これは金目のところだと思うのですけれども、市町村国保につきましてはこれと同様の考え方で進められるということになるのですか。この指標の内容と同様の考え方でインセンティブ的なものを行っていくのかというのを1つお教えいただきたいのと、今、伊奈川委員のほうからも出ましたこのデータヘルスのところでございますが、これにつきましては、現時点で指標にするのは難しいのかなというような冒頭の御説明だったと思うのですが、それを現時点で指標として考えていくとしたときには、平成30年度以降であればある程度の具体的なところの指標というのはできると思うのですけれども、現時点でこの部分まで指標として立てていくということに問題があるのではないかとちょっと疑問があるものですから、その点をちょっとお教えいただきたいと思います。

○多田羅座長 では、室長。

○安藤室長 まず1点目の市町村国保のほうで、これは特別調整交付金の中で前倒して、それこそ28年度から一応予定として実施するということについては、本日ここで検討会での御議論と今度それぞれの種別ごとの議論があると思いますけれども、それを踏まえてどういった指標で行っていくか決めていくということになっていこうかと思います。ですので、今年度中ぐらいには、一定のめどといいますか、形ができてないとなかなか実施に移していくことが難しい。スケジュール感的にですね。ということが1つあるだろうということを考えているところでございます。

 それから2点目の御質問は、データヘルスの具体的な指標ということでよろしかったでしょうか。

○佐藤委員 はい。

○安藤室長 それについては、説明の中でも申し上げましたように、まさに佐藤委員おっしゃってくれたとおりでございますけれども、まだデータヘルスの取組自体、本格稼働しておりませんし、先ほど白川委員、あるいは伊奈川委員からもございましたように、データヘルスについて、取組についてどう評価していくかというその評価指標も定まってないところでございますので、それらについて30年度の本格稼働に向けて別途、この議論も踏まえながらある程度議論させていただいた上で、それでデータヘルスについてはどのように評価していくか考えていくことになるので、そういう工程感からすると、データヘルスの取組自体を評価していくというのは、30年度以降、その進捗状況を見ながらということになるのではないかということで、本日もそういった形で御説明させていただいたところでございます。

○多田羅座長 今日のところはそういうことで御了解いただきたいと思います。

○河合委員 1点確認なのですけれども、先ほどから何人かの方から質問が出ていたことで、私が理解できないのは、指標案の8つというのは、とりあえず全部が義務であるのかということです。義務だけれども、その中で個別の保険者ごとにやれないものがあるというのを認めていくという考え方なのか、義務ではなく、やれることをまずやっていくのだということなのか。例えば1項目できたら何ポイントとか、2つできたらさらに加点していくとかいうような考え方なのか、それ以外の考え方があるのかちょっとわかりませんけれども、8つの取り扱いというのは、どのように考えればよろしいのですか。

○安藤室長 共通的な指標、大きな方向性でございますけれども、そういった方向性を位置づけるということなので、一応それぞれの種別の議論の中では、それをある意味、前提といいますか、踏まえて御議論していただきたいと思っております。ただ、先ほど来委員からも御指摘ありますように、それぞれの種別、その種別の中でもいろいろな規模とか、あるいは財政状況とか、そういったものの違いによって、もちろん、できるできないというところは出てくると思いますので、それについては種別の議論の中で議論していただいて、結果的に、だから、例えばこの8つが検討会としていいのであればという前提ですけれども、仮にこの8つを共通的な方向性でやっていこうということになれば、そのうちの一つについて、ある種欠けてくるということも、それは検討の結果としてはあるだろうと考えております。

○河合委員 8つともできなくてもインセンティブは与えられるということでいいのですね。

○安藤室長 8つともというのは、8つ全てということでなくて、どれか1つ。

○河合委員 欠けても。

○安藤室長 そこは、どういった形でインセンティブを付与する仕組みにするかというところはそれぞれの種別の中で御議論いただくことにもともとしてございますので、繰り返しになりますけれども、全てをもちろん挙げていただくということが望ましいですけれども、実際そうならないというのも出てくると思います。ただ、検討会で、例えばこの8つだったら8つを共通的な指標として位置づけようということにしたのであれば、その後の種別の議論の中で、結果としてそのうちの一つが指標として当てはまらないということもありだと思うのですけれども、ただ、どういう経過でそれがなくなったのかというところの説明はきちんとこの検討会でもう一度する必要があるだろうなとは考えてございます。

○河合委員 しつこいようですけれども、例えば8つ決まったとして、1つしかやらない保険者があったとしても、それでもインセンティブは与えられるということでいいということですね。それだと。

○安藤室長 それはやや極端な感じがしますけれども、基本は、何度も繰り返して恐縮ですが、やってみての世界なので、まだ現時点において結果がどうなるかというところまではなかなか私も言うのが難しいところでございますけれども、基本のスタンスは、この検討会の場で8つだったら8つ、こういった方向性の取組というものを進めていこうということであるならば、それを前提としてそれぞれのワーキングの中で御議論いただき、ただ、その中の議論の結果として、このうちの1つについては難しいということであるならば、その1つが落ちて、結果的にジャンルとしてはその7つの指標の中でうちは取組を進めていくということになったら、それを検討会に報告いただくという形で考えていくという流れでございます。

 なので、1つだけになったらどうかとかいうところは、それも全否定はしませんけれども、例えば検討会で8つなら8つ決めたのであれば、ある程度それは尊重して議論していただきたいと考えております。

○多田羅座長 今日のところはそれでひとつお願いします。

鈴木委員。

○鈴木委員 保険者ごとに、今までやってきたこと、やっていること、やはりそれぞれ違いますので、保険者として時間的に、経済的に取り組みが可能な、あるいは対応可能な努力可能なものを指標としていただきたいなと思います。

 以上です。

○多田羅座長 津下委員、さっき手挙げましたね。簡単にお願いします。

○津下委員 簡単に2つです。1つは、インセンティブですから、金銭的側面だけでなく、やる気になる指標ということです。やらないとだめだよみたいな暗いトーンにならず、頑張ってみたくなるとか、ちょっと上の頑張る目標が見えて、自分の弱点が見えてやる気になる。とにかくやる気になる指標にするという設計のためにできる限り努力するというのがまず非常にお願いしたいことです。

 2点目は、保険者しかできないことは何だろうと考えたときに、その人の健診レセプトデータをずっと、断面的な指標ではなくて、経年的に持てるということなのですね。次の保険者に渡すということがあります。今やれてないことですけれども、前の保険者でどういう健診をやっていて、特に転職とか退職された後とか、そういう個を追跡するという事業はほとんどやれてないのですが、パーソナルヘルスレコードの時代に入ってきて、そういう個人の生涯にわたる健康づくりを支援する観点での仕事に取り組んでいただけるところをその他の保健事業の指標の3の例示の中に一言入れていただいて、前向きの新しいメッセージも入れていただけると期待が持てるかなと思いました。

○多田羅座長 大事なことですね。

では、深井委員、お願いします。

○深井委員 時間ですので、手短に。今、津下委員からインセンティブの話が出ましたので、この指標4の「広く加入者に対して行う予防・健康づくり」のところは余り議論になっていなかったのでお話します。個人に対して行う予防と健康づくりの取組をするときにどうしても関心ある人だけがそこに入っていって、無関心の人はなかなかつかまらないということがあります。そんな観点から、先ほどの指標3の「他の健診の実施状況」についてもあわせて考えていい面もあるのだと思います。

というのは、個人だけを対象にすると関心ある人がヘルスケアポイントをとったり、健康情報を積極的に得ていく傾向があります。保険者として、別の健診だとか保健事業を取り入れることで、特定の健康課題に関心ない人であっても、結果として関心を持つようになったり保健指導を受ける機会が増えていきます。例えば歯科で言うと、歯科患者さんの中には糖尿病を抱えていたり、それから高血圧になったりという、重なりがあります。そこに保健指導等を充実することで、指標3に加えた例示として、例えば歯科健診にはプラスアルファ効果があります。そういうプラス効果の観点も考えて例を挙げたらどうかと思います。

○多田羅座長 ありがとうございます。

三輪委員、簡潔にお願いします。

○三輪参考人 この間ワーキングでもお話が出てきたのですが、さっき津下委員がおっしゃったデータのやりとりですね。健保が変わったときにデータをやりとり、それだけでも大変な話なのです。ですから、この8つの指標でどうこうと言ったら、かなりできないものがほとんどだと思いますね。

○多田羅座長 できないものがほとんどであると、しかし、非常に重要な課題でございますので、ワーキングのほうで積極的に、21世紀の国民の健康づくりをどのような方向でやるのだという次元の面も持っているかと思います。そういう意味で大きなミッションを抱えているということで、検討会、そして具体的にはワーキングに取り組んでいただくということはこの検討会の意向として確認させていただきたいと思います。

そして、今日は時間になりましたので以上とさせていただきますが、事務局のほうで今日の発言については的確にまとめていただいて、ワーキングの開催に当たっては必ず確認いただく。もし委員の方の中で今日の発言に加えたいことがあれば、その発言確認の中で、余りたくさんは加えられないのかもわかりませんけれども、室長、おかしいですか。いや、今日の議事録は、従来の議事録とは違って、ワーキングの取組の基本というか、ベースにしていただけるような取り扱いにしてほしいということです。加えることがあれば、たくさん加えるのは、議事録の性格もあるかと思いますので、その辺は御考察いただいて、議事録の確認、各委員に送りますね。そのときに若干の追加とかしていただいて、ワーキングの取組の基盤にしていただきたい。そういう気持ちで議事録をまとめていただきたいということを座長としてはお願いしたいということです。それはいいですね。

○安藤室長 ちょっと一言だけ、すみません。今、座長がおっしゃられたのはもとよりでございますので、きちんと、特に今日の御議論はどちらかというと今後の検討に向けての視点というか、検討会からこういった着眼点で検討することが必要ではないかという貴重な御意見を多々いただきましたので、それはきちんとまず整理させていただきたいと。

○多田羅座長 いや、議事録として整理してくださいよ。

○安藤室長 いや、議事録は議事録として。さらに、私としては、ちょっとそこはまた座長と御相談させていただきたいと思いますが、実は冒頭申し上げましたように、12月にもう一回ここの検討会で、その点も含めて再度委員に御確認していただいて、その上で、要するにそれぞれのワーキングとかに入っていこうという思いでおりましたので、ただ、何となく、もう不要ではないかということであるならば、そこは、いずれにしても、会の運びのことになりますので、座長ともよく相談させていただいて、要はまとめたものを各それぞれの方々に、ある意味、紙面ベースでやるのか、それともこういった形での会議をまた開催するかというところについてはまさに議事の運営の話になりますからちょっと御相談させていただいた上で、その結果を踏まえて委員の皆様には御連絡させていただきたいと考えています。

○多田羅座長 だから、書面的に確認するか、もう一回この会を開くかということですね。

○安藤室長 そうでございます。そこは会の運営の話だと思いますので、座長のほうとよく御相談させていただきたいと思います。

○多田羅座長 今、室長からそういう御提案がございましたので、そういう方向で取り組ませていただく。今日かなり充実した意見をいただいていますからね。その点を踏まえて、第3回が開かれるかどうかはそういうことの結果をお知らせしますので、よろしくお願いいたします。

それでは、審議のほうは以上とさせていただきます。

事務局のほう、いかがですか。よろしいでしょうか。

それでは、本日の検討会、以上とさせていただきます。御協力、ありがとうございました。


(了)

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