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2015年12月21日 第6回過労死等防止対策推進協議会 議事録

労働基準局総務課(過労死等防止対策推進室)

○日時

平成27年12月21日(月)15:00〜17:00


○場所

厚生労働省 専用第12会議室(中央合同庁舎5号館12階)
(東京都千代田区霞が関1−2−2)


○出席者

〈専門家委員〉

岩城穣委員、岩村正彦委員、川人博委員、堤明純委員
宮本俊明委員、森岡孝二委員、山崎喜比古委員

〈当事者代表委員〉

寺西笑子委員、中野淑子委員、中原のり子委員、西垣迪世委員

〈労働者代表委員〉

中村慎吾委員、八野正一委員、村上陽子委員

〈使用者代表委員〉

小林信委員、山鼻恵子委員、輪島忍委員

○議題

(1)過労死等の防止のための対策に関する大綱の作成について(報告)
(2)過労死等の防止のための対策に係る平成28年度概算要求について
(3)過労死等の防止のための対策の実施状況について

○議事

○岩村会長 定刻となりましたので、ただいまから第 6 回過労死等防止対策推進協議会を開催いたします。委員の皆様におかれましては、年末のお忙しい中お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。はじめに、委員の改選がありましたので、御報告いたします。参考資料 1 が机上に配付されておりますので、そちらを御覧ください。

 まず、労働者代表委員の岸真紀子委員に代わりまして、新たに中村慎悟委員が、それから同じく労働者代表委員の新谷信幸委員に代わりまして、新たに村上陽子委員が、それぞれ本日付けで厚生労働大臣から任命されております。委員の出欠ですが、本日は、木下潮音委員、冨田珠代委員、小林治彦委員が御都合で御欠席ということです。

 それでは、村上委員、そして中村委員に、それぞれ新たに着任されましたので、一言御挨拶を頂きたいと思います。よろしくお願いいたします。

○中村委員 自治労の中村でございます。本年の 8 月より赴任してまいったばかりでございますので、まだ何も分かりませんが、何卒よろしくお願いいたします。

○村上委員 新谷に代わりまして、総合労働局長を拝命しました村上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

○岩村会長 よろしくお願いいたします。ありがとうございました。また、事務局に異動があり、労働基準局長が交替いたしました。そこで、御挨拶を頂戴したいと思います。よろしくお願いいたします。

○労働基準局長  10 1 日付けで労働基準局長に就任いたしました山越でございます。どうぞ皆様よろしくお願い申し上げます。

 過労死等の防止対策につきましては、皆様御高承のとおり、平成 27 7 24 日に「過労死等の防止のための対策に関する大綱」が閣議決定されたところです。協議会の委員の皆様には、この大綱の作成に当たりまして、大変熱心に御議論をいただき、また、多くの貴重な意見を賜ったとお聞きしております。改めて御礼を申し上げたいと存じます。

 厚生労働省では、この大綱に基づきまして、(1)調査研究等、(2).啓発、(3)相談体制の整備等、(4)民間団体の活動に対する支援、この 4 つの対策を着実に進めてまいりたいと考えております。中でも 11 月は、「過労死等防止啓発月間」でございましたので、この期間、全国過労死を考える家族の会の皆様、労使の皆様、それから本日お集まりの皆様方に大変な御協力をいただき、ポスター、パンフレット等を作成いたしました。また、これも皆様の大変な御協力をいただいて、厚生労働省として全国 29 か所でシンポジウムを開催させていただきました。こうしたことで、幅広い啓発活動を 11 月に実施したところでございます。皆様方の御協力に、改めて感謝を申し上げます。

 本日の協議会では、平成 28 年度の予算要求の状況や、これまで取り組んでまいりました過労死等の防止対策の実施状況につきまして御説明し、御意見等をいただきたいと考えております。また、公務員に関する対策につきまして、人事院、内閣人事局、総務省からの説明も予定しております。

 皆様からの御意見を踏まえまして、今後の対策を着実に進めてまいりたいと考えておりますので、本日の協議会では、是非、忌憚のない御意見をいただきたいと考えております。今後とも、過労死等の防止対策につきまして、委員の皆様の御理解と御協力をお願いいたしまして、御挨拶とさせていただきます。本日はよろしくお願い申し上げます。

○岩村会長 ありがとうございました。また、今回の事務局の異動におきましては、局長以外にも交替がありましたので、事務局から御報告を頂戴したいと思います。よろしくお願いいたします。

○企画官 事務局に異動がありましたので、御紹介申し上げます。労働基準局総務課長の美濃です。労働基準局監督課長の荒木です。労働基準局安全衛生部計画課長の秋山です。労働基準局安全衛生部労働衛生課長の武田です。申し遅れましたが、私、労働基準局総務課過労死等防止対策企画官の佐藤です。事務局の紹介は以上です。

○岩村会長 ありがとうございました。それでは早速、議事に入りたいと思います。お手元に議事次第がありますので、それを御覧ください。これに沿って以下、進めてまいります。

 まず、第 1 番目の議題は、過労死等の防止のための対策に関する大綱の作成についての報告となっております。前回までの協議会において、大綱案について委員の皆様方に御議論を頂戴したところです。この議論を踏まえ、平成 27 7 24 日に大綱が閣議決定されております。今回は、この閣議決定がされてから初めての協議会ですので、この間の経緯等について、改めて事務局から報告をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○企画官 資料 1-1 から資料 1-4 について、説明させていただきます。資料 1-1 は、御承知のとおり、皆様に御議論いただいた大綱です。中身についての御説明は省略させていただきます。

 資料 1-2 について、これは大綱が閣議決定された日と同じ平成 27 7 24 日に厚生労働省から都道府県の労働局長宛てに発出した通達です。 3 ページを御覧いただきたいのですが、都道府県労働局において進めていただきたい対策を指示しております。 (1) (4) までありますが、 (1) は啓発です。アとして、国民に向けた周知・啓発ということで、厚生労働省にて作りましたポスター、パンフレット等を活用し、特に 11 月の過労死等防止啓発月間に集中的に周知をお願いしたいということ、また、安全衛生優良企業公表制度を周知していただきたいということを書いております。イについては、大学・高等学校等で労働関係法規等の講師派遣についての要請等がありましたら、適切に対応すること。ウとして、長時間労働の削減については、監督指導等といった中で労働時間の適正な把握や時間外・休日労働の内容の周知、実際の時間外、休日労働の削減等といったものに積極的な啓発を行うということを盛り込んでおります。エについては、過重労働の関係ですが、「過重労働による健康障害を防止するため事業主が講ずべき措置」等の周知や、一定の場合に必要な医師による面接指導等、また、地域産業保健センターの活用といったものを盛り込んでおります。

5 ページのオですが、「働き方」の見直し、また、年次有給休暇の取得促進ということで、「働き方改革」の推進について、引き続き企業トップへの働きかけを行うといったこと。また、先進的な取組事例の周知、 10 月の年次有給休暇取得促進期間、この時期の集中的な広報等を盛り込んでおります。カとして、メンタルヘルスの関係では、平成 27 12 1 日に施行された「ストレスチェック制度」の周知・徹底、また、地域産業保健センターの利用勧奨といったものを指示しております。

6 ページのキは、パワーハラスメントについてです。パワハラ対策導入マニュアルの活用、また、セミナーの周知、「あかるい職場応援団」の活用等を盛り込んでおります。クの商慣行等も踏まえた取組ということで、特にトラック運送業については、中央及び都道府県に協議会を設置して、実態調査、対策の検討等を進めるといったことを盛り込んでおります。

6 ページの (2) は、相談体制の整備等についてです。相談窓口に関して、「労働条件相談ほっとライン」の引き続きの周知、また、「こころの耳」といったものの周知、産業保健総合支援センターでの相談対応といったものの利用勧奨等を指示しております。

7 ページのイとウは研修についてですが、相談に応じる産業医の方等に関する研修、労働衛生・人事労務関係者等に対する研修といったものを実施しますので、その受講勧奨等を指示しているところです。 7 ページの (3) は、民間団体の活動に対する支援についてです。過労死等防止対策推進シンポジウムの開催について、地方公共団体への協力、後援、事前周知等の指示をしております。また、シンポジウム以外の活動に対する支援や、活動の周知等についても記載しております。

(4) は、地方公共団体等との協力・連携で、積極的な協力・連携を指示しているところです。

 本通達は、今、申し上げましたように、都道府県労働局にやっていただきたいことをまとめて指示したものです。

 資料 1-3 について、これも同じく平成 27 7 24 日付けで発出したものです。都道府県知事と指定都市市長に対して発出したものであり、もとより、過労死等防止対策推進法では、地方公共団体は国と協力しつつ、過労死等の防止のための対策を効果的に推進するよう努めなければならないと規定されています。都道府県労働局と十分に連携を図りつつ、過労死等防止対策に積極的に取り組んでいただくようにお願いし、発出しております。

 資料 1-4 について、パブリックコメントの結果等についてです。意見募集期間が 6 11 日〜 7 10 日で、意見の総数が 494 件ありました。こちらについては意見募集は既に終わっており、厚生労働省のホームページに、いただいた意見とそれぞれに対する考え方を 1 つずつ示しております。件数が多いので資料の添付は差し控えさせていただきますが、 3 に主な意見の内容、意見の多かったものを 6 つほど並べております。(1)は、教育職員の長時間労働に関する意見、(2)は、週労働時間 60 時間以上の雇用者の割合の目標設定に関する意見、(3)は、公務職場の労働時間の把握に関する意見、(4)は、過労死ゼロのためには、国民の自覚よりも国や企業が努力すべき項目を盛り込むべきではないかという意見、(5)は、過労死等を発生させた事業場に対しては、企業名を公表すべきという意見、(6)は、インターバル制の導入等についての意見。以上のような御意見をいただいております。今回は大綱ができてから初めての協議会ですから、御報告ということで資料として出させていただきました。議題 1 については簡単ですが、以上です。よろしくお願いします。

○岩村会長 それでは、ただいま事務局から説明がありました、大綱の作成の経緯等について御質問等があれば、お出しいただきたいと思います。

○西垣委員 全国過労死を考える家族の会の西垣です。資料 1-2 を中心に少しお聞きしたいと思います。これは都道府県労働局長に宛てて厚生労働省から大綱に基づく具体的な取組についての指示が表されているものと思います。いろいろなことを指示されているということがよく分かりますので、これを深く理解したいという意味から、何点か御質問させていただきます。

1 点目は、 3 ページの 3(1) のイです。学校等における労働条件に関する啓発の実施についてですが、文部科学省と連携し、と書いておられます。大綱についてもそう書いてあったと思います。ただ、この後の議題とも関連するのですが、総務省等の資料は出ておりますが、本日、文部科学省の資料が何も出ていないということで、それはまた後で出していただけるのでしょうか。

2 点目は、 4 ページの上段のほうに、労働時間の適正把握のためにということで、平成 13 4 6 日付けで発出された「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関する基準」という通達の周知・啓発について書かれてあります。これについては、特に指導の強化を要望いたします。そうしないと、せっかく長時間労働等の調査に入られても、正しい調査結果が得られないのではないかと。例えば、場合によっては実労働時間が把握されているか、いないかということを調査項目に入れると考えて、そのことも調査の中に入れながら、ともかく本通達についての啓発に関しては、しっかりとお願いしたいと思います。

3 点目は、その少し下のほうですが、「今後の労働時間等設定改善関係業務の進め方についての一部改正について」という通達について書かれてあります。平成 27 4 10 日に一部改正されたと書かれておりますが、その改正ポイントはどのようなものになりますでしょうか。

4 点目は、それから下段の真ん中より少し下のところに、過半数労働組合がない事業所に対しては、協定が適切に結ばれるように厚生労働省においてリーフレットを新しく作成すると書いてあります。その時期はいつ頃で、どのように進められるのでしょうか。

5 点目は、 5 ページの 3 行目のところに、厚生労働省において新たに作成するリーフレット等を活用し、必要な睡眠時間を確保することの重要性を周知すると書いてありますが、これについてもいつ頃行われるのでしょうか。

6 点目は、 6 ページの 2 行目に、ストレスチェック制度との関わりで、メンタルヘルスケアに関する周知に当たって、やはりリーフレットを活用してと書かれていますが、これについては、例えば、職場の上司や同僚だけではなく、家族や友人に対しても徹底したいと、周知・啓発したいと書かれてあります。これはどのような方法で、家族や友人等への啓発を行おうと思っておられるのでしょうか。

7 点目は、 6 ページの 10 行目辺り、「パワハラ対策導入マニュアル」というものがパワハラ予防のためにあって、それを周知・徹底したいと書かれています。これについて少し御説明頂きたいのと、その中で、予防から事後対応までサポートしたいと書いております。今、私たちは予防という観点から過労死等防止対策推進法について検討していただいているわけですが、実際は過労死と疑われる事案が起こった後も、事後対応というものがなかなかされていない。私たちがいろいろなことを調べたいと思っても、ほとんどその情報が入ってこないということもあります。事後対応についてどのようにされるのでしょうか。

 例えば、最近起きた過労死事件で、殴られたと本人が訴えて亡くなられたという事案がありますが、殴ったと思われる方は、「いや、隣の席に座って触れた程度だ」と言っておられるようなこともあります。これは適切に是非、事後対応して調べていただきたい。これは更に地方自治体へも、この文書としては、都道府県労働局への文書ではありますが、どうされるのでしょうか。

 それから、すみません、少し多くなりますが、 8 点目として、 7 ページの (3) のウのところに、民間団体の名称、活動内容に関するパンフレットの作成予定と書いております。これもいつ頃作成されて、活用についてはどのように考えておられるのでしょうか。少し数が多くなりましたが以上です。よろしくお願いいたします。

○岩村会長 ありがとうございます。ちょっと 1 点お尋ねしますが、 3 ページのところで、文部科学省についての御質問がありましたが、資料は出されるのかというのは、何についての資料と承ればよろしいのでしょうか。

○西垣委員 例えば、今回、議題 (2) の概算要求に伴って、こういう活動をしたいという観点から、総務省、人事院、内閣人事局は予算要求とともにその要求の概要についての資料を出されているのですが、文部科学省については、厚生労働省が全部説明するという意図であるのか、文部科学省が行うことについて何も資料が出ていないことを疑問に思ったものですから、お聞きいたしました。

○岩村会長 分かりました。 3 ページの記述に関する資料ということではなく、文部科学省について一般的にという御趣旨ですね。

○西垣委員 関連すると思いますので。

○岩村会長 分かりました。では、事務局のほうで順次お答えいただけますか。御要望も入っていましたので、御質問に絞ってお答えいただければと思います。

○企画官 まず、文部科学省の関係ですが、大綱の中でも「公務員」は教員を含めた公務員全体として記載しているというところがあります。本日は文部科学省から資料などは特段用意していただいておりません。今日いただいた話は文部科学省に対して伝えたいと思っております。

 多くの御質問をいただきましたが、 4 ページの労働時間の適正な把握については、そのために使用者が講ずべき措置に関する基準というものが、御承知のように出されておりまして、労働時間の把握をいくつかのパターンに分けて示しております。事業場が実際には、そのうちのどれを採用するかは、事業場とお話する中で、当通達についての周知・啓発を含めてこれからも進めていこうと思っております。

 労働時間等設定改善の一部改正ですが、現在、助成金の制度がいくつかあるわけですが、それを一部改正するといったものです。メニューを追加することが主な改正内容で、新規助成金が新たに加わることを予定しているということです。

○総務課長 あとは予算要求の概要や対策の推進状況と重なる部分がありますので、その関係については後ほど御説明申し上げたいと思っております。

 家族や友人等について、いかに啓発していくかというお話がありましたが、こちらについては、「こころの耳」というポータルサイトがあります。これも後ほど御説明申し上げるところですが、かなりアクセス件数も多く、本人だけではなく、別途、家族や友人の方からのアクセス件数も多いということもありますので、そうした中で是非、家族や友人の方に対して啓発を図っていきたいと考えている次第です。

 パワハラ対策についても、後ほど「あかるい職場応援団」の関係も含め、御説明申し上げるかと思います。事後対応はなかなか難しいところではありますが、例えば、総合労働相談コーナーなどで御相談いただくことが有り得るのではないかと考えている次第です。

○企画官 民間団体の方の件ですが、御承知のように参考資料5のパンフレットを今年度から新しく作ったところですが、一番後ろのページに過労死の防止のための活動を行う民間団体の相談窓口ということで、ホームページアドレスや団体のお名前を初めて載せさせていただきました。また、このパンフレットは非常に一生懸命作ったもので、先ほどお話もありました、 36 協定の締結当事者の方の注意してもらいたいことやことなどを、実はいろいろな所に盛り込んでいます。ですから、いろいろな方にいろいろな場でよく読んでいただくと、そういったことが少しずつ周知されていくのかと思っているところです。

○岩村会長 そうすると、御質問のあった、大綱の通知の中で触れられているリーフレットというものとしては、今ご説明いただいたパンフレットがそれに該当するという理解でよろしいのでしょうか。

○企画官 多くのことを網羅しているのではないかと思っております。

○岩村会長 西垣委員、いかがでしょうか。御質問の件についてはよろしいでしょうか。

○西垣委員 例えば、 6 ページのストレスチェック制度との関連のリーフレットも、パワハラのマニュアルに関してもこれであるということなのでしょうか。ほかにまた、次の議題で御説明いただけるということなのでしょうか。

○企画官 もとより、このパンフレットで全てが分かるというわけではありません。それぞれの取組については個別に、例えばストレスチェックならこのパンフレットとは別のストレスチェック個別のパンフレットなどももちろんありますし、これから、次の議題のところで、対策の推進状況という中でも、それぞれの部分について若干ではありますが、御説明したいと思っております。

○岩村会長 よろしいでしょうか。

○西垣委員 では、また次回でも結構ですので、資料として頂けるものでしたら、嬉しいと思います。

○岩村会長 次回とは言わずに、既にあるものはできるだけ早めにお渡しいただければと思います。よろしくお願いいたします。

○森岡委員 今の西垣委員の発言にもありましたが、資料 1-2 の労働基準局長から都道府県の労働局長宛ての、この大綱の推進についての通知文書ですが、 3 (1) 啓発のイですが、大学・高等学校等における労働条件に関する啓発の実施という項目があり、これはこれで大綱の中にもしっかりうたわれており、大変重要な項目と理解しております。この周知をどのように図るか。この資料は、労働基準局長が都道府県労働局長に対して大綱に基づく対策の推進について留意して取り組むようにという文書になっていると理解されますが、都道府県労働局から、例えば大学・高等学校等の教育機関に対して、どのような形で働きかけを行うことが期待されているのか、あるいは文部科学省が学校教育の中で、かねてから、大学の就職指導とのつながりもあって、キャリア教育の課題の中で卒業後の働き方についても、カリキュラム等に取り上げることが強調されております。そういう中でこの労働条件に関する啓発が課題になってくるとすると、文部科学省のほうはこれを各教育機関に対しどのように周知するのでしょうか。若干、込み入ったことですが、特に大学・高等学校に限って、何か御説明いただければ、あるいは今後の課題ということで、検討いただければありがたいです。

○岩村会長 事務局から説明をお願いします。

○企画官 お話いただいているのは、次の議題の中で、大学、高校等における労働条件の啓発という項目がありますので、そこでもお話をするつもりでしたが、委託でセミナーを開催するといったことを実施しております。平成 26 年度で 42 44 回実施して、約 4,000 人の方に参加いただいております。これについては、厚生労働省ばかりではなく、都道府県労働局においても、必要な周知というのを進めていくことで、国民の皆さんに知っていただくということを進めていく予定です。

○岩村会長 それでは、八野委員、どうぞ。

○八野委員 この協議会は前回より少し時間が空いておりましたので、この「過労死等の防止のための対策に関する大綱」の策定について、労働者側の意見を少し言わせていただきます。

 ただ今、行政又は労使の取組みで、過重労働の対策が行われているとご報告がありました。ただし、現状、長時間労働の改善は、まだまだ進んでいない状況にあります。また、過労死等ということで見ていくと、年間 100 名以上の方が亡くなられている現実が目の前にあります。やはり抜本的な対策には、なかなかなっていないのではないかという問題意識を持っています。これから報告を受けることになりますが、社会的規制の強化も含めた対策を打たなければ、過労死ゼロの実現というのはなかなか難しいのではないかという問題認識を労働者側としては持っております。

 そういう観点から、過労死ゼロに向けた取組が喫緊の課題であることはこのメンバーの中で周知されていると思いますが、ある程度長いターム、または現状を見たときに、人手不足が起きております。そういう中で、現状働いている人たちに、過剰な負担が掛かってくるということもありますし、今後の労働人口の不足、減少を見たときに、働いている人にかかってくる負担をどう捉えていくのかということも、非常に重要な課題だと思っております。

 過労死等がなく、仕事と生活を調和させ、健康で充実して働き続けることができる社会の実現については、労働者側もしっかりと取り組んでいきたいという認識ですが、引き続き検討していくことは常に必要であろうと認識しております。

 後の報告の中でも出てくると思いますが、事務局には今後行われる調査・研究の結果や、各主体の取組を、しっかりと提起、フィードバックをしていただきたいと思っております。また、この場の中で、具体的な対策の検討の必要性があることを意見として述べておきたいと思います。以上です。

○岩村会長 ありがとうございます。御意見として承りたいと思います。それでは次の議題に進みます。議事次第の 2 番目の議題は、過労死等の防止のための対策に係る平成 28 年度概算要求についてと、続けて、 3 番目過労死等の防止のための対策の実施状況についてです。先ほど報告にありました大綱の作成から 5 か月が経過したところです。この間、各行政機関において、平成 28 年度概算要求が行われているところです。また、関係行政機関において、随時対策を進めているところでもあります。

 本日は、厚生労働省はもちろんですが、そのほか、人事院、内閣人事局、総務省からも、それぞれ御出席をいただいております。次の議題に関しての進め方としては、まず、厚生労働省から平成 28 年度概算要求と対策の実施状況について、まとめて 15 分程度で御説明いただき、そこで一旦厚生労働省からの説明事項に関する質問の時間をおきたいと考えております。その後、人事院、内閣人事局、総務省からそれぞれ御説明いただき、その後、 3 つの機関分をまとめて御説明いただいた内容に対する御質問を受けたいというように思っております。その順序で進めてまいります。それでは、厚生労働省から説明をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○企画官 資料については、資料 2 、資料 3 を使って御説明いたします。資料 2 が平成 28 年度概算要求の概要です。過労死等防止対策の推進ということで、大綱の 4 つの柱、調査研究等、啓発、相談体制の整備等、民間団体の支援に分けて計上しております。平成 28 年度要求額が 73 1 千万円、括弧書きが昨年の数字と御理解ください。それぞれの項目の最後に ( 新規 ) と書いてあるものが、平成 28 年度要求で初めて要求する項目となっております。

 調査研究等については、過労死等事案の分析を引き続き実施するとともに、疫学研究等も実施いたします。また、労働・社会分野の調査・分析については、会社役員、自営業者を対象にした調査、特定の業種についての調査、こういったものを盛り込んでおります。

 啓発については、盛りだくさんですが、引き続きポスターやリーフレット等、多様な媒体を活用した周知・啓発。また、 2 つ目の○としては、大学・高等学校等における労働条件に関する啓発ですが、教材の作成、教育機関への配布、また、中学・高校生に対する啓発のための講師派遣、こういったものが新規として盛り込んでおります。

 また、長時間労働の削減のための周知・啓発ということでは、「労働時間管理適正化指導員 ( 仮称 ) 」の配置とか、インターネット上の一定の情報について、労働基準監督署へ情報提供を実施するといったものが盛り込まれております。

 裏面は、相談体制の整備等です。相談窓口の 1 つ目については、引き続き「労働条件相談ほっとライン」、また、「こころほっとライン」といったものを実施してまいります。また、 2 つ目の○の新しいものとしては、過労死等防止対策に係る産業医等の人材育成事業を新たに盛り込んでいます。

 民間団体の支援については、 1 つ目がシンポジウムの開催です。これは拡充ということで、中央 1 回、地方 30 回を要求しています。また、シンポジウム以外の活動に対する支援ということで、新たに過労死認定された方の遺児等を対象とした交流会の開催といったものを盛り込んでいます。概算要求についての説明は以上です。

 続いて、資料 3 について御説明いたします。 1 ページは、大綱の各項目を並べたものです。目次のようなものとして御理解いただければと思います。それぞれの項目に対応するものを、 2 ページ以下で簡潔にまとめているところです。 1 の調査研究等の (1) 過労死等事案の分析については、 2 ページで御説明いたします。

2 ページは、過労死等事案の分析についてです。平成 22 年から平成 26 年までに労働基準監督署が作成した労災認定事案に係る復命書等を収集して分析を行うといったものです。約 3,500 件を収集しています。平成 27 年度の主な実施事項としては、事案収集、データ入力、また、検証・修正、それからデータベースの構築ということで、今後に続いていくということです。

3 ページは、労働・社会分野の調査・分析についてです。これについては学識経験者 5 名からなる検討委員会を設置・運営しています。ここで検討をいただきまして、調査項目等の検討を行っています。

 本協議会からも、森岡委員、山崎委員に御参加いただいて、検討していただいたということです。既存の統計資料の収集、分析をしながら、また、それでは得られないような項目について、右側に書いてありますが、アンケート調査を実施するといったものです。企業調査 1 万社と労働者調査 2 万人を対象に調査をするということで、委託事業として実施しており、 3 月にまとめが出来上がるといったことです。調査項目については、例示としていくつか設けています。

 続いて、 4 6 ページは、国民に向けた周知・啓発ということで、ポスター、パンフレット、リーフレット、新聞広告、 WEB 広告、こういったことを実施したという中身です。ポスターについては、 11,650 枚作成し、都道府県労働局、労働基準監督署、都道府県、市町村、また、事業主団体、労働者団体、また、過労死等防止のための活動を行う民間団体に配布しています。また、主要な駅とか、バスターミナル等、計 713 か所で掲示しています。

5 ページは、パンフレットについてです。作成部数はパンフレット 186,000 部、リーフレット 709,500 枚となっております。保健所、精神保健福祉センターにも配布して御活用いただいています。

6 ページは、新聞広告と WEB 広告についてです。新聞広告は、全国紙 5 紙と日刊工業新聞で過労死等防止啓発月間の 11 月に、それぞれ掲載しました。掲載した中身がその白黒で書いてあるものです。

7 ページは、周知・啓発についてです。安全衛生に関する優良企業公表制度を実施しています。安全衛生水準の高い企業を広く企業名を公表するといったものです。認定を受けると優良マークが使用できるということです。安全衛生の対策ではありますが、その評価基準の中に、健康保持・増進、メンタルヘルス、過重労働対策といったものが盛り込まれています。こういったものに対応している企業を積極的に公表するといったものです。 12 21 日現在、 10 件の企業が公表されています。

8 ページは、学生の関係で先ほどお話いただいたものの関連ですが、大学・高等学校等における労働条件に関する啓発です。セミナーの開催については、平成 26 年度は 42 校に対して、参加者約 4,000 人といった実績です。平成 27 年度についても、 47 回を予定しています。また、中学、高等学校への講師派遣については、要請に応じて、都道府県労働局から講師を派遣するということです。これについては 10 2 日に文部科学省に対して、都道府県教育委員会等への周知をお願いする文書を発出しております。

9 ページは、長時間労働の削減のための対策についてです。「過重労働解消キャンペーン」を 11 月に設けまして、重点監督等を実施したというものです。主なものとして、労使の主体的な取組を促進するということで、本省労働基準局長が厚生労働大臣名で協力要請を、使用者団体、労働組合等に対して実施しています。また、 2 つ目として、過労死等に係る労災請求が行われた事業場や、寄せられた相談などを端緒に若者の使い捨てが疑われる企業等に対して、重点監督を実施しています。 3 つ目は、平成 27 11 7 日に全国一斉で無料相談ダイヤルを実施しました。また、企業に自主的な取組を促すということで、過重労働解消のためのセミナー、こういったものを実施しているといった対応をしております。

10 ページは、過重労働の続きですが、過重労働の健康障害防止の周知・啓発についてです。先程申し上げたセミナーですが、平成 27 10 12 月にかけて全国 26 か所で、 33 回実施しています。自社分析とか、企業経営に与える影響等々を内容とするものです。

 また、労働条件ポータルサイトを平成 26 11 23 日に設置しています。法令のことや Q&A 、裁判例とか、行政の取組、こういった諸々のことが盛り込まれており、情報発信をしているといったものです。平成 27 4 10 月で、約 11 万回のアクセスがあったという実績です。

11 ページは、「働き方」の見直しに向けた企業への働きかけの実施、年次有給休暇の取得促進についてです。働き方の改革の一層の促進ということですが、自主的な働き方の見直し、また、気運の醸成、地方公共団体との連携等ですが、労働基準法の枠組みを超えた働き方そのものの見直しを行っていただくということで、企業トップのリーダーシップが不可欠だということです。厚生労働本省幹部が業界のリーディングカンパニーへ訪問して、働きかけを実施し、また、地方では、都道府県労働局長による地域のリーディングカンパニーへの訪問をして、要請をするといったことです。地方では全国で約 600 社を訪問しています。

 企業の先進な取組については、積極的に情報発信をしたいと考えています。ポータルサイトを活用して、平成 27 1 30 日に開設したものですが、広く情報発信をしています。

12 ページは、年次有給休暇の取得促進についてです。 10 月を「年次有給休暇取得促進期間」と設定し、来年度の年次有給休暇の計画作りの時期を捉えて、集中的な広報を実施しました。関係団体への依頼、 WEB ページ、インターネット広告、雑誌への広告、こういったもので周知を図っています。

 また、地方自治体との共同で地域レベルでの取得促進のため、協議会を設置して、地域のイベントなどに合わせ、その地域独自の休暇促進の気運を醸成するということで、表の中に例を記載しています。「県民の日」とか、「おくんち祭」、そういった地域のイベントに合わせた年休の取得促進を図っている取組です。

13 ページは、メンタルヘルスケアに関する周知・啓発です。都道府県労働局・労働基準監督署による指導ももちろんありますが、産業保健総合支援センターにおいても、相談対応や個別事業場に訪問して、助言・指導をするといったことを実施しています。これについては、平成 27 4 月〜 10 月で 3,977 件の実績がありました。また、職場の管理監督者に対する教育ということで、同じく 4 月〜 10 月で 2,774 件の実績があります。

 また、その他の対策として、「こころの耳」を通じた情報提供でアクセス件数が平成 27 4 11 月で 317 万件となっております。また、平成 27 9 月に設置した「こころほっとライン」についても、 9 月〜 11 月で 1,241 件です。また、産業医等に対する研修を 2,930 回実施した実績があります。

14 ページでは、平成 27 12 1 日に「ストレスチェック制度」が創設されましたので、その主な中身と流れ図を参考までにお付けしております。ストレスチェック制度は一次予防を主な目的として、メンタルヘルス不調の未然防止を図るといった目的があります。労働者数 50 人未満の事業場は、当分の間努力義務ということになっていますが、ストレスチェックを 1 年に 1 回行うことが義務となったということ。また、結果については、本人に直接通知されること。申し出があった場合に面接指導が必要なこと。必要に応じ、就業上の措置を講じること。こういったものが定められています。 15 ページは、実際のストレスチェックの流れ図になっています。

16 ページは、パワーハラスメントの関係についてです。周知・広報と取組の促進ということで分けています。周知・広報については、引き続き「あかるい職場応援団」のサイトを運営していくことがあります。平成 27 4 月〜 9 月のアクセス件数が 55 4,000 件です。また、ポスター、リーフレット、様々な媒体を使って広告しています。また、具体的な取組については、セミナーを実施しています。平成 27 7 月から来年 2 月にかけて、全都道府県で 63 回の実施予定です。パワーハラスメント対策導入マニュアルも充実・改訂する予定となっています。

17 ページは、商慣行等も踏まえた取組についてです。長時間労働の実態がある運送業について、トラック運送業者だけではなく、荷主、行政、学識経験者、経営者団体、労働組合といった、それぞれの方が一堂に会して協議会を設けて対策を進めております。今後、パイロット事業の計画・検証、また、ガイドラインの策定等を予定しています。

18 ページは、相談体制の整備等についてです。労働条件の関係の相談窓口ということで、労働条件相談ほっとラインを委託事業でやっております。昼はなかなか電話することができないという方に、月曜、火曜、木曜、金曜の夜と、土曜、日曜の昼間に無料で相談を受けているものです。また、先ほど若干申し上げましたが、平成 27 11 7 日に過重労働解消相談ダイヤルを実施しています。それぞれの相談受付件数等については、過重労働解消相談ダイヤルが 488 件、労働条件相談ほっとラインが 16,788 件となっております。

19 ページは、メンタルヘルス関係の相談窓口の設置についてです。 1 つ目が、「こころの耳」で、先ほど来申し上げているメンタルヘルスのポータルサイトですが、こちらでメール相談窓口を平成 26 年度から実施しています。平成 27 4 月から 11 月で 4,566 件の相談がありました。 2 つ目は、電話相談窓口ですが、「こころほっとライン」を平成 27 9 月から開設しています。こちらも月曜と火曜の夜と、土曜と日曜の昼間に電話相談に応じるといったことで、 9 月〜 11 月で 1,241 件の相談がありました。

20 ページは、産業医など、相談に応じる方に対する研修等の産業保健活動総合支援事業についてです。産業保健総合支援センターを 47 都道府県に設置しており、専門的な相談に対応したり、研修、セミナーを実施したり、個別訪問支援、メンタルヘルス教育、情報提供、こういったものを実施しています。また、地域においても、地域窓口で相談対応等を実施しています。総研修回数は 8,245 回のうち、メンタルヘルス関係の研修が 5,363 回、平成 26 年度はこういった実績があります。

21 22 ページは、民間団体の活動に対する支援についてです。全国 29 か所で、過労死等防止啓発月間を中心にシンポジウムを開設しているものです。開催地、開催日、開催時間と会場を参考までにお示ししております。

 厚生労働省分については簡単ですが、以上でございます。よろしくお願いいたします。

○岩村会長 ありがとうございます。ただいま、厚生労働省から対策の取組状況などの説明をいただきましたが、このうち、労働、社会面の研究調査については、先ほど説明がありましたように、森岡委員、山崎委員も事業に参加されていらっしゃいます。そこで、お二人から追加説明などがありましたら、お願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。では、森岡委員からどうぞ。

○森岡委員 森岡です。みずほ情報総研が受託したこの調査プロジェクトを、企業及び労働者に対してどのような項目を立てて実施するか、調査アンケート用紙の設計についての検討会がありました。正規の集まりが 2 回ありまして、それを挟んで、その後も何度かメールによる意見聴取が重ねられて、もう既にどちらも動き始めています。

 その検討会は、責任者が今野浩一郎先生(学習院大学経済学部教授)でありまして、事務局のみずほ情報総研の方を除けば、私のほかに、山崎喜比古先生(日本福祉大学福祉学部特任教授)、黒田祥子先生(早稲田大学教育学部教授)、酒井一博先生(公益財団法人労働科学研究所所長)の 4 名が入っています。

 資料 3 3 ページに、「労働・社会分野の調査・分析」の項目があります。これは、事業所調査と言いますが、企業に対する調査は 11 ページにわたります。それから、労働者個人に対する調査は、これは web 上で順次マークをしていく方式です。 A4 に打ち出して見ると、 20 ページに及ぶ長大な質問になっています。詳細項目は省略いたしますが、先ほど言った資料のアンケート調査の実施の右側に概要が示されています。

 調査の趣旨は、過労死等の防止のための対策に関する大綱にある趣旨をうたって、御協力を求めるということでしたが、企業調査、労働者調査について、これは、それぞれの最終調査用紙を表題ごとにピックアップをして並べてみたものと若干違います。なぜ、この違いがあるのかよく分かりませんが、企業調査で言えば、概要的に言うと、回答者の属性、その他については細かく書いてもらう。法人概要を別とすれば、労働時間制度と実態です。休暇制度と取得状況、それから、従業員の過重労働防止の取組、そして、休職労災の状況、その事業所、企業の過重労働防止に向けての取組状況等がありますが、労働者調査は、属性なり、勤務先の概要については別とすれば、疲労の蓄積度合い、ストレスの状況、労働時間の制度と実態、休暇取得に関する実態、生活時間の状況、勤務における長時間労働の是正に関する取組、心身の健康に関する状況、関連法令や大綱の認知度、それから、職場での働きやすさに関わる若干の追加的な質問があります。

 多岐にわたる調査項目で、答える方も大変でしょうが、時期的に言うと、企業調査は 1 7 日という締切りが当初設定されて、 1 15 日に延期されたと聞いていますが、年末年始を挟んだ時期は、企業にとっては必ずしも望ましい調査期間ではない。若干の対応上の難しさがあると思います。従業員、労働者のほうは逆に年末年始のゆっくりした期間に回答できるという点で、プラスがあるかもしれません。そういうこともあって、今、進行中です。この結果は、速報的なものにとどまるか、詳細なものになるかはまだはっきりしていませんが、おそらく早ければ、年次報告、言い換えれば「過労死白書」に盛り込まれるのではないかと考えています。ただし、今年度で終わるものではなくて、いくつかの継続的な調査が必要であろうかと思います。以上です。

○岩村会長 ありがとうございます。山崎委員、何か追加してありますでしょうか。

○山崎委員 労働者調査は、主にはみずほ情報総研の優れた研究員の皆様と、膝を突き合わせて調査項目の次元まで検討させていただきました。今回の調査票は、従来類似の調査はたくさんあったわけですが、その中で基本的に大きく 3 点の新しい特徴がある点が今回の調査の特徴です。

 第 1 の特徴は、ストレスチェックリスト等が厚生労働省等で作成されていますが、それらを用いて捉えられたメンタル不調状態や過労状態の実態と、それらの状態に関連する過重労働やハラスメント等労働職場環境の抽出が期待できる調査票になっている点にあります。さらに、これまでは、それらのメンタル不調状態や過労状態に関わる労働職場要因というと、多くの場合それらをもたらし得るネガティブな要因を抽出することに全力を上げてきたのですが、今回の調査では一方でそれらを緩和するポジティブな要因をも抽出することが期待できる点に、第 1 の特徴があります。

 第 2 の特徴は、労働過重に伴い当然、睡眠時間の不足も含めて、健康関連生活習慣の悪化と、健康障害リスクが出現いたします。このワークの面のみならず、ワークとは表裏一体を成すライフの面を今まで以上に重視して、その両面から、上述したような心身の状態をもたらす、あるいはそれを緩和することにつながる要因を抽出しようとする点にあります。

 第 3 の特徴は、労働職場関連要因の場合に、従来は労働時間や生活時間など、外側から観察しても客観的に把握できるような要因を抽出することに全力を上げてきました。しかし、今回事前の議論の中でもありましたように、なかなか見えにくい、内部の人でしか感じとれないような職場風土があります。その職場風土は、働きやすいというような感覚もそうでしょうし、そういう人たちが捉え得る、しかし外側からでは、これまでなかなか観察しにくかった職場風土次元の関連要因、つまり心身のネガティブな状態をもたらす職場風土要因、もう 1 つはそれらを緩和し得るポジティブな職場風土要因といったものを抽出できることが期待できるという点です。まだ不十分な点はありますが、そういうものが新しく期待できるという点が今回の調査の特徴になっております。

○岩村会長 ありがとうございました。ただいま、両委員からも追加説明がありましたが、それも含めて厚生労働省関係で御質問等がありましたら、お願いいたします。

○寺西委員 全国過労死を考える家族の会の寺西笑子と申します。先ほど御報告いただきました資料 2 の裏の一番最後に書いていただいているシンポジウム以外の活動に対する支援のところに、新規に過労死に認定された労働者の遺児等を対象とした交流会の開催とありますが、お願いも含めて私の意見を述べたいと思います。この啓発シンポジウムは、既に啓発月間によって 29 か所で国主催でしていただき、軌道に乗ってきた印象をもっております。新たにこうした遺児等を対象とした交流会の開催を、このたび新規で予算要求していただいていることに関して、大変感謝をしております。

 私たち過労死を考える家族の会は、 2 つの交流会を年間行っております。 1 つは、毎年 7 月に 13 年間続けている家族の会で、会員を対象とした 1 泊学習交流会です。これは、毎年京都で開催をしており、実績も積んでいるところです。内容がいろいろありますが、時間の関係で省略いたします。基調講演、特別報告、討論、懇親会、明くる日は、全体会の分散会という形で、遺族を中心とした形で学習交流会を行っているところです。

 もう 1 つは、先ほど申しました遺児交流会です。これは、もともと同じ 1 泊学習交流会の一部に対象者を招いてしていたのですが、最近はやはり若年層の被災者が多いことがあり、赤ちゃん、そして幼いお子さんを抱えた婚歴の浅い被災者がたくさんおられ、独自に分けて 2 つの交流会という形にしました。ある日突然、大切な家族、特に若年層ですから、大黒柱の御主人を亡くされた方が、子育て又は学校教育などいろいろなことで生活もそうですし、多岐にわたる悩みが多い中で、これは認定されるまでに大変時間がかかる、年数がかかるのが通例です。そうした実情を踏まえますと、是非これは幅広い形で運用していただきますように、お願いしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

○川人委員 調査・分析に関連して、次の点について是非各研究・分析において、十分なものを期待いたします。具体的に言いますと、業種の建設業に関しての問題です。今日、参考資料 3 で、平成 26 年度の過労死等の労災補償状況が配布されております。 6 ページを御覧いただきますと、脳・心臓疾患の支給決定件数の多い業種が挙げられております。この中で、大分類が建設業で、 3 6 12 位の 3 か所に登場いたします。合計で、 28 件の支給決定があったことが、この資料で示されております。更に、同じ資料の 18 ページには、精神障害の支給決定件数の多い業種が出されております。ここを見ましても、建設業が大分類で 2 か所登場いたします。第 5 位と第 15 位で建設業が登場し、これも合計 29 件の支給決定が出ております。

 私どもは、多くの過労死の御遺族などから相談を受けておりますが、この建設業の過労死が多い実態はずっと続いています。この点では特に 2 点について是非分析を行っていただきたいと思います。 1 つは限度基準との関係です。御承知のように、 36 協定の限度基準に関しては、建設業は対象外、除外業種となっております。すなわち、例えば 36 協定で 45 時間以下に抑えるなどの指導なども一切行われることなく、今なお私どもの調査では、 1 か月の残業が 150 時間とか 200 時間が 36 協定で認められている、いわば合法化されているというような建設業の職場があります。こういった点は、是非改めるべきテーマで、この間の過労死、あるいは精神疾患等の労災認定において、このような建設業界の長時間労働がどうなっているのかを改善するためには、現行の限度基準の除外規定がいいのかどうかも含めて、是非過労死分析の観点から行っていただきたいと思っております。

 もう 1 つ、この建設業の特徴は公共工事が多い点です。今回の大綱の中でも商慣行を踏まえた取組ということで、取引先の配慮が重要であると書かれておりますし、商慣行の改善が重視されております。端的に言いまして公共工事の発注者である国、具体的に言えば国土交通省、あるいは環境省などが一番多いと思いますが、こうした官公庁の発注事案で過労死が多数発生していることは、私どもの相談の中では指摘できる点です。そういう意味で、是非こうした取引き先との関係、公共工事との関係で無理がないのかということも分析を行っていただきたいということを、調査・分析に携わる機関なり関係者にお願いをしたいと思います。

 最後に、医療の問題についても一言述べたいと思います。先ほどの参考資料 3 を見ていただいたら分かりますが、 18 ページに精神障害の支給決定件数の多い業種として、 2 位と 3 位に医療 , 福祉が出てきます。これは、大分類の医療 , 福祉が事実上トップグループにあり、医療業や介護事業などで多くの業務性の精神疾患の事案が発生していることが示されております。これらについても、是非厚生労働省の担当している部署においても、この実態を受け止めて、どのように改善するかについての検討をしていただきたいと思います。調査・分析においても、これらの医療 , 福祉事業における過労死、あるいは精神疾患の深刻な実態について十分な分析を期待したいと思います。以上です。

○岩城委員 弁護士の岩城です。今、あちらこちらで、この大綱などに基づいてお話をすることがあるのですが、一番質問をされるのが、川人先生の言われた建設関係もあるのですが、学校の先生の関係、それから運転労働に携わる労働者からの質問が多いのです。どちらも、非常に過労死が多発している分野です。運転労働者について言えば、改善基準という告示があり、それに基づいて行政がされているわけですが、 300 時間など極めて長い拘束時間が容認をされております。それから、連続運転時間など、普通の過重労働の基準よりも我々から見れば相当程度厳しい負荷がかかるような内容になっております。この点について、今後どうなっていくのかという質問があります。これは今後の課題になると思いますが、今の運用の実態について御議論をお願いしたいことが 1 点です。

 それから、学校の先生について言えば、「公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法」(給特法)があります。これは、昭和 46 年頃にできた古いものだと思いますが、基本給の 4 %程度の「調整額」を出せば、事実上残業が無制限に行われているような実態があると。本当は、もっと臨時的なもののはずなのですが、その点についても文部科学省でこれから調査を進めてほしいと思います。

 もう 1 つ、私が今日御報告したかったのは、各地のシンポジウムのことです。先ほど報告がありましたが、一応私たちとしても過労死防止全国センターとして集計をしておりますので、若干の報告をしたいと思います。まず、全国各地 29 か所で国主催のシンポジウムが行われ、厚生労働省、それから都道府県労働局の方の御挨拶や、ここにおられる協議会の委員の方にもたくさん御講演をいただいたりいたしました。それについて、深く御礼を申し上げます。各地で大変充実したシンポジウムが開催されており、特に過労死遺族の方の発言は大きな感銘を与えることが見られました。特に、後半は企業の関係者の方の出席が非常に多く、初めて聞く方が非常に多かったのではないかということで、啓発としての効果は大きかったのではないかと思います。

 また、宮城県ではミニコンサートをするとか、和歌山では市民劇団の方が寸劇を行うなどしました。また、「僕の夢」という詩があるのですが、それを歌にしたものを始まる前に流した会場もあるとか、高校生で作って入選したラジオ番組を始まる前に流すなど、様々な工夫がされたことを報告しておきたいと思います。

 ただ、来年以降のために感じたことを申し上げますと、準備の主体がもう一つ不明確でした。国が主催なのですが、特に厚生労働省からいろいろ指示があるわけではありません。今年は、プロセスユニークという委託事業者の方に大変頑張っていただいたのですが、自分たちはどうしたらいいのか分からない、一方、我々民間団体は協力団体ということで余り前に出ていくこともできないということで、途中まで非常に準備が戸惑ったということがありました。この点は、来年以降は準備の体制を少し早めに作る必要があるかと感じました。

 それから、地方によっては経営者団体の方もパネラーなどに参加されたり、労働組合のナショナルセンターの枠を超えて参加されたというようなことがたくさんあります。そういった広がりを、これからお願いしていきたいと思います。ここに来られている皆さんにも、是非その点、御協力をお願いしたいと思います。それから、地方自治体や県や市が後援してくださる所は多いのですが、実際に来て地元の取組などをお話していただくにはまだまだでして、挨拶にも来ていただけなかった所が非常に多いので、国として地方自治体への要請を来年以降は強めていただきたいと思います。

 最後に、この 29 か所以外に 8 か所で自主的なシンポジウムが行われ、来年はこの自主開催を含めて国主催となっていく予定で、既にもう 6 か所が終わって、来年は 2 か所を残すのみとなっております。最終的には、 47 都道府県全てで国主催という形に持っていくために、我々民間団体としてもできる限りの努力をしていきたいと思いますので、皆様の御協力をよろしくお願いいたします。以上です。

○岩村会長 ありがとうございました。運営上の都合もありますので、一旦ここで切らせていただいて、御質問の点については厚労省からお答えをいただくことにしたいと思います。川人委員と岩城委員の御質問は、いずれも調査・研究、あるいは現在取り組まれているトラック運転手の協会についての御質問と捉えてお答えを頂ければと思います。

○総務課長 

調査・分析の関係ですが、まずデータベースについては、現在、平成 22 年から平成 26 年までの過去 5 年間の労災認定事案の約 3,500 件の復命書について収集を終えて、データベースの構築が行われている状況です。そのような状況の中で、今後何ができるかについては、担当しております(独)労働安全衛生総合研究所過労死等調査研究センターにも伝えて、どういったことが対応可能かについて、本日御意見、御要望があった点を踏まえて伝えていきたいと思っております。

 公共工事の関係については、国土交通省でも公共工事の品質確保の促進に関する法律や様々な取組を行っていると思いますが、そういった御意見もあったということについては、これも同様に国土交通省にもお伝えしていきたいと思っております。

 岩城先生からありました学校の先生の関係、特に御指摘があったのは公務職場でのお話かと思います。この後、総務省からも一定程度公務職場における対応については御説明があるかと思いますが、文部科学省にもしっかりとお伝えをしていきたいと思っております。

それから、改善基準の御質問については、自動車運転者に関係しては、改善基準告示ということで、現在別途手当がされております。労働政策審議会でも調査・審議が必要だということで、昨年来、そうした 36 協定の限度基準の適用除外業務の在り方についても検討されたと聞いておりますが、結論を得るには至らなかったと承知しております。先ほど会長からもありましたが、現在、トラック関係で資料 3 において説明申し上げた協議会を始めとして、業界全体として様々な長時間抑制策に取り組んでおりますので、そうした抑制策についてしっかり取り組んでいきたいと考えている次第です。

 シンポジウムの件についても、御指摘がありました。岩城先生からもお話があった点を踏まえ、厚生労働省としても委託事業者に対して様々な情報提供や連携を図ってきた状況にあります。おそらく、そこからかなり進むようになったのではないかと思っております。さらに、今年度の状況も踏まえながら、来年度はより良いものになるように対応してまいりたいと考えている次第です。

○中原委員 中原です。調査・研究のところでお答えいただいて、私も川人委員と同じように医療分野のところで一言申し上げます。私は、大綱の作成のときから医者の当直の労働性をきちんとしてほしいということを再三申し上げていました。例えば、産婦人科医の待機時間について、今年の 11 月に最高裁で、奈良の産婦人科医の残業代が支払われる決定が行われました。このように司法の最高機関でも、こういう医療者の待機時間についての個別な事案として考えるのではなく、行政のほうでも医者の当直の時間、産婦人科医の待機時間などもきちんと取り扱っていただきたいと思います。また、過労死等調査研究センターについて説明していただきたいのです。

○岩村会長 御質問の点についてお答えいただけますか。

○総務課長 補足させていただきます。資料 3 2 ページを御覧ください。そこに、「過労死等事案の分析等」ということで、研究概要を枠で囲ってある部分があります。具体的に現在実施しているのは、独立行政法人労働安全衛生総合研究所の中に過労死等調査研究センターがあり、ここで過労死等事案の分析を行おうとしています。

○中原委員 そのセンターで調査研究をする内容を、こちらが希望することも可能なのでしょうか。

○総務課長 本日、様々な御意見をいただいたことについてはお伝えしたいと思います。その上で、センターとしてどういった対応が可能かということを検討していただくことになるかと思います。今御要望があった点を含めてお伝えしたいと思います。

○岩村会長 村上委員どうぞ。

○村上委員 時間がありませんのでお答えは要りません。意見として 2 点申し上げます。 1 点目は今話題になっておりました資料 3 2 ページにある過労死等事案の調査・分析についてです。川人委員などからの意見ももっともだと思います。それに加えて、今回は労災認定された事案の分析であると承知しておりますが、認定事案だけではなくて、請求はあったけれども、労災認定されなかった事案ですとか、行政訴訟で不支給決定が覆された事案などについても、是非分析をしていただきたいと思います。そうすることにより、平成 23 年に見直された労災の認定基準が妥当であるのかどうかですとか、労働時間の把握をどのようにして徹底させていくのかですとか、立証責任の問題など、検討課題が浮き彫りになってくるのではないかと思いますので、是非その点を要望します。

2 点目は、同じ資料の 5 ページで、先ほど来話題になっていたパンフレットですとかシンポジウムについてです。このパンフレットも大変分かりやすくできておりますし、シンポジウムについても、各地の参加者からはとても良いシンポジウムだったという意見を聞いております。ただ、課題としては、私たちが運動を進めていく中で日々大変悩んでいるところででもありますが、関心を持っていない方に、どのようにして伝えていくのかです。それは、私たちが運動を進めていく中で日々大変悩んでいるところです。どうやってまだ理解していない人に理解してもらうのか、知恵を出し合って考えていかなければならないのではないかと思っています。

 そういうことも含め、今回シンポジウムでアンケートなどを取っているのであれば、そのアンケートの結果も伝えていただけると大変参考になるのではないかと思います。また、国民の理解ということで言えば、学校を出る前の若い人たちに教えていくのももちろん大事ですが、やはり要になるのは事業主を中心とした使用者の皆さんや、管理職の皆さんではないかと思います。そういう皆さんに、労働時間管理は本当に重要で必要であるということを、いかに身に付けていただくかということが一番肝心なのではないかと思っておりますので、是非そういう視点においても周知・啓発の活動についての方策を含めていただければと思います。

○岩村会長 西垣委員の手が挙がっておりますけれども、時間の節約上まとめてお願いしたいと思います。西垣委員と、中野委員という順番で厚生労働省関係は終わりにしたいと思います。

○西垣委員 簡単に申し上げます。 1 件は村上委員から出た意見と同じです。過労死事案の調査・分析に関してですが、不認定事案についての調査が入っていない。大綱には不認定事案も調査すると書かれています。人事院、総務省の資料には入っております。これが、なぜ厚生労働省には入っていないのでしょうか。是非入れていただきたい。

 次は資料 2 の裏面の 1 つ目の○の 2 つ目、「 IT 業界の長時間労働対策の実施」を新規に入れていただいてありがとうございます。よろしくお願いしたいのですが、これは業界としても、商慣行の検討のことも含めて入れていただければと思います。なぜかと言えば、発注元からの仕様変更が入っても、納期が変わらないということで、長時間労働になっている。これが 1 つの大きな原因ではないかと思われるからです。よろしくお願いします。

○岩村会長 それでは、質問のあった所を事務局からお願いします。

○総務課長 調査・分析の関係についてのお尋ねがありました。平成 27 年度現在、始めておりますのは、労災認定事案です。先ほど御質問のありました不認定事案は、その請求事案の全部というのは難しいかもしれませんけれども、一部を抽出して、平成 28 年度以降、そうした調査研究を実施できればと考えています。まずは労災の認定事案をデータベース化し、分析してということで考えています。

○企画官  IT 業界の関係です。先ほど御説明しましたとおり、まだ予算は要求段階で、きちんとした制度設計はこれからということになっています。個別訪問をしたり、セミナーをやったりというのを念頭に置いてはいるわけですが、今後中身等について詰めていきたいと思っています。いただいた御意見は御意見として頂戴しておきたいと思います。

○岩村会長 先ほども申し上げましたとおり、厚生労働省のほかに人事院、内閣人事局、総務省からも御出席いただいています。まず人事院、内閣人事局、総務省の順番で、それぞれ 5 分程度で説明をいただき、その後に 3 機関分をまとめて、説明していただいた内容に対する質問ということで進めてまいりたいと思います。本日わざわざお越しいただきました 3 機関の皆様ありがとうございます。まず、人事院からお願いいたします。

○人事院職員福祉局職員福祉課長 人事院です、よろしくお願いいたします。資料 4 に沿って、簡単にポイントを御説明いたします。人事院は、もともと一般職の国家公務員の勤務条件に関わる制度官庁として、基準を作ったり、各府省を指導したりという行政機関です。実は、その予算のほとんどが、有識者の方々の知見を得るための謝金であったり、委託費であったり、あるいは資料の印刷代とか会場借料ということで構成されています。本日御紹介している資料は、予算関連で措置しているものということでしたので、その中でも予算関連ということで、大綱に言及されている、 1 点目はメンタルヘルス対策、 2 点目は超勤縮減対策、 3 点目は調査研究経費、この 3 つの経費についてまとめたのがこの資料です。

 左側は、メンタルヘルス対策の関係の予算に関わってくるような施策です。各府省庁に、担当者とか研修講師がおりますので、この方々に研修をする業務があります。もう 1 つは、職員への周知、あるいは職員によく勉強していただく経費があります。上から 3 つ目、 4 つ目がガイドブックとか、 e- ラーニング教材を、先生方の御意見を聞きながら作成しております。これを、職員一人一人が見えるように、各省に配布するという事業を行っています。

 また、ストレスチェック制度が、民間企業にも 12 1 日に導入されるということですので、国家公務員についても、 12 1 日付けで人事院規則を改正し、ストレスチェック制度を導入します。新しい制度ですので、各府省にストレスチェック制度等を実施する研修を行う経費です。

 それ以外にもメンタル対策として、従来からやっている職場復帰相談室、あるいはこころの健康相談室ということで、各府省で自前で持っている先生もおりますけれども、地方へ行くとそういう先生がいない、そうでなくても自分の所の省庁には相談しづらいという場合も、人事院が開設している相談室に相談できるというのがメンタルヘルス対策の概要です。

 超勤規制のほうは、各府省に指導をしたり、基準を設けたりというのはあるのですけれども、予算関連ということで出てくるのは、基本的には各省庁がきちんと制度を運用していただくための研修経費が出てくるということで一番右上に書いてあります。

 もう 1 つは、新しい経費として、先ほど来お話に挙がっている、過労死等事案の分析です。公務上災害と認められたもの、あるいは公務外と認められたものについて、これを集めて分析をします。それで、基本的に厚生労働省と同じ手法で分析できるよう情報を共有したり、これから連携を取って進めていきたいと考えています。人事院からは以上です。

○岩村会長 ありがとうございました。次に、内閣人事局からお願いいたします。

○内閣官房内閣人事局内閣参事官 国家公務員について、内閣人事局の取組状況等について御説明いたします。資料 5 を御覧ください。大きく分けて 3 つあります。 1 つ目は、「国家公務員の女性活躍とワークライフバランス推進のための取組指針」等に基づく取組の推進、周知・啓発です。昨年 10 17 日に決定された取組指針に基づき、男女全ての職員の働き方改革による仕事と生活の調和、ワークライフバランスの実現に向け、全府省が取組計画を作成し、取組を進めているところです。

 その一貫として、働き方改革に集中的に取り組むため、 7 月と 8 月をワークライフバランス推進強化月間とし、朝型勤務と早期退庁の勧奨、いわゆる「ゆう活」ですけれども、それと業務効率化、超過勤務縮減の徹底等に取り組みました。超過勤務については、本省等では 23 府省等のうち、 13 府省等において昨年度と比較し、 1 月、 8 月とも減少いたしました。地方支分部局等では 15 府省等になりますが、全府省において昨年度と比較し 7 月、 8 月とも減少いたしました。また、期間中の水曜日の本省等の退庁状況は、早朝出勤実施者の定時退庁が約 61 %、職員全体の 20 時までの退庁が約 81 %でした。

 次に、管理職の意識改革のため、来年 2 月から 3 月上旬にかけ、全国 9 ブロックで各地方支分部局の局部長等を対象とした研修を実施する予定です。来年度は、こうした研修会方式に関わるもののほか、各府省の管理職員が広く受講できるように、 e- ラーニング研修で実施することを考えています。これらに要する経費は、項目の右側に記載してありますけれども、今年度は 1,650 万円で、来年度は 4,950 万円を予算要求しています。

2 つ目は、管理監督者のためのメンタルヘルスセミナー、各府省等カウンセラー講習会です。管理監督者のためのメンタルヘルスセミナーについては、各府省の本省と地方支分部局等の管理監督者を対象に、専門家の講師による講習を行うもので、今年度も東北、四国、九州、沖縄で既に実施していて、年度内に関東、近畿ブロックで実施する予定です。また、各府省等カウンセラー講習会は、各府省の本省と地方支分部局等のカウンセラーや、カウンセリングに関する事務担当者を対象に、専門家の講師による講習を行うもので、今年度も北海道、東北、東京、北陸、中国で既に実施し、 2 月に中部ブロックで実施する予定です。各ブロックで、毎年度いずれかを実施していて、東北ブロックについては、特に両方を実施しております。要する経費は、今年度は 340 万円で、来年度は 360 万円を予算要求しています。

3 つ目は、 e- ラーニング教材を用いたメンタルヘルス講習、ハラスメント防止講習です。これらは、各府省の本省と地方支分部局等の新任管理者等を対象として実施しています。メンタルヘルス講習については、基礎となるラインケア編として、部下を持つ上司としてのメンタルヘルスケアについて、約 4,000 名を対象に実施しており、加えて相談対応編として、ラインケア編を受講した職員向けに、部下を持つ上司としての傾聴方法等について、約 5,000 名を対象に実施しております。

 ハラスメント防止講習については、各府省の本省と地方支分部局等の新任管理者等を対象として、昨年度の約 2,000 名から約 4,000 名に拡大して実施しています。これらに要する経費は 920 万円で、来年度も実施する予定ですが、調達単価が下がったことから 580 万円を予算要求しているところです。以上です。

○岩村会長 ありがとうございました。最後に総務省からお願いいたします。

○総務省自治行政局公務員部福利課安全厚生推進室長 総務省から、平成 28 年度予算の概算要求の状況について御説明いたします。資料 6 ですが、総務省としてはまるっきりの新規要求という形で要望させていただいておりますので、どこまで付くかというのがはっきりしていません。申し訳ありませんが、現段階でいくと、概要としては過労死等防止のための対策に対する大綱に基づき、公務災害事案、それから認定されなかった事案について事案を収集し、どういう原因かということ等について、調査・分析等を行うものです。以上です。

○岩村会長 ありがとうございました。ただいま人事院、内閣人事局、総務省から御説明いただきましたことについて、御質問等がありましたらお願いいたします。川人委員どうぞ。

○川人委員 人事院の方にお願いいたします。参考資料 4 で、公務上の認定件数について平成 25 年度と平成 26 年度の数値が掲載されています。これを見ると、全部で認定した件数が 36 件あります。そのうち医療職が 10 件を占めています。脳・心臓疾患と精神疾患を含めて、医療職の割合が際立って多いと見受けられます。質問は、この医療職というのは医師と考えてよろしいのですか、あるいはもう少し広い職種になりますか。

○岩村会長 人事院のほうで、今お分かりになりますか。

○人事院職員福祉局補償課長代理 お答えさせていただきます。医療職ですが、私どものほうでは、医師、看護師、臨床検査技士、薬剤師等の方を全てまとめて医療職としております。認定件数のほうで多いのは、医師もいますが看護師が多くなっています。

○川人委員 それぞれの内訳については、別途質問したら教えていただけるのでしょうか。

○人事院職員福祉局補償課長代理 今は手元にその内訳の資料がありませんので、後ほどお答えさせていただきます。

○川人委員 分かりました。よろしくお願いいたします。

○岩村会長 よろしくお願いいたします。中野委員どうぞ。

○中野委員 全国過労死を考える家族の会の中野淑子です。私は、公務災害のほうを担当しております。その立場から一言発言させていただきます。資料 4 5 6 の取組について、関連して要望をしたいと思います。人事院と内閣人事局からは、先ほどお話があり、具体的な取組がお話されました。総務省からは、特に具体的な取組についてのお話がありませんでしたので、今お話できるようでしたら伺いたいと思います。

 もう 1 つは参考資料のほうで、いろいろと公務災害の補償状況について、人事院から出ていますが、これは一般職の国家公務員です。総務省からは、地方公務員のことについて、ここには資料が載っていないのですけれども、それはどういうことでしょうか。お伺いしたいと思います。

○岩村会長 総務省からお願いいたします。

○総務省自治行政局公務員部福利課安全厚生推進室長  2 点についてお答えいたします。先ほども予算のところで御説明いたしましたけれども、私どものところは直接地方公務員に関して、予算上の権限、任命権限を持っておりませんので、今までにそういう統計を取るとか、調査・分析をするということはやっておりませんでした。ただ、公務災害上は、地方公務災害補償法という法律に基づき、地方公務員災害補償基金が認定をすることになっています。

 ここには挙げておりませんという数字の関係なのですが、まだそこのところで集計をしている段階です。そういうことなので、私のほうからいつ出せます、いついつこうしますということは申し上げられないということです。

○岩村会長 地方公務員災害補償基金の方ではお調べいただいていてるということですね。

○総務省自治行政局公務員部福利課安全厚生推進室長 それがまとまれば、年度版として出るのは出ますけれども、いつかというのは。おそらく毎年 1 月の終わりぐらいには出ていると思いますので、それぐらいには出せるのではないかとは言えますけれども、はっきりといつとか、本日出しますとか、明日には出しますとは私の方からは言えないということです。

○中野委員 大綱の「結果の発信」の項に「労災補償状況、公務災害認定状況、調査研究の結果その他の過労死等に関する情報を公表する」と明記されておりますので、よろしくお願いいたします。

○岩村会長 先ほど、年報という形で報告が出るというようにお話されましたので、それは出るということではあるというお答えだったと思います。それでよろしいですね。

○中野委員 はい。

○岩村会長 森岡委員どうぞ。

○森岡委員 厚生労働省からの提出された資料の中に、概算予算要求の要求額に関する数字が示されています。その数字の非常に大きなくくりで、例えば厚生労働省からの要求では 73 億円という数字が挙がっています。これは、従来過重労働対策とか、メンタルヘルス対策で取り組んできた様々な対策等についての予算的な措置も含めて盛り込めばこういう額になるということですね。もちろん過労死等防止対策推進法が制定され、大綱が確定して、それに基づく狭い意味の過労死対策がこれだけだという区分も可能でしょう。

 その際にお願いなのですが、従来あった過重労働対策なりメンタルヘルス対策は、過労死等防止対策推進法なり大綱ができる以前の段階のものを言っています。単に過重労働とうたわれていても、本来はそこに過労死という、あるいは過労死等という言葉があることによって、過重労働対策の意味が変わってくる面もあります。従来の取組についても、法律と大綱を踏まえて表現等の、あるいは取組等の内容の見直しをすることを是非していただきたい。前にこの協議会の場で総務省などから、過労死対策についてこのような取組をしてきましたという説明がありました。私が質問して、それは過労死という呼称なり定義があってのことですかと聞いたら、そうではありませんという説明がある関係者からありました。そういう点で言うと、過労死等防止対策推進法ができたことの前進は、全施策にいかされるべきだと思います。手間と時間がかかるかもしれませんが、見直しをすることも含め、積極的に、実効性のある形の取組なり、その他啓発等を進めていっていただきたいというお願いです。

○岩村会長 御要望ということですが、総務課長からコメントがありましたらお願いいたします。

○総務課長 この協議会で様々御議論いただいた結果を踏まえ、平成 27 7 24 日に過労死等の防止のための対策に関する大綱が閣議決定されました。そうした大綱も踏まえ、今般必要な見直しも行って予算要求させていただいている状況かと思います。

○岩村会長 予定していた議事は以上ですので、本日はここまでとさせていただきます。委員の皆様には大変活発な御意見、御質問、御議論を頂きまして誠にありがとうございました。関係機関におかれましては、本日出された意見も踏まえ、今後は大綱に沿った形での対策をしっかり講じていただきたいと要望いたします。よろしくお願いいたします。最後に、次回の日程を事務局からお願いいたします。

○事務局 次回の日程等については調整させていただき、事務局から連絡させていただきます。よろしくお願いいたします。

○森岡委員 年次報告が出るまでに、もう一度協議会があるのでしょうか。

○岩村会長 それについて、事務局はいかがですか。

○総務課長 先行する年次報告の事例も踏まえ、今後検討してまいりたいと考えております。

○岩村会長 よろしいでしょうか。

○森岡委員 はい。

○岩村会長 それでは、第 6 回「過労死等防止対策推進協議会」はこれで閉会とさせていただきます。皆様方、長い時間どうもありがとうございました。


(了)

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