ホーム > 政策について > 審議会・研究会等 > 労働政策審議会(職業安定分科会雇用保険部会) > 第106回労働政策審議会職業安定分科会雇用保険部会議事録(2015年11月2日)




2015年11月2日 第106回労働政策審議会職業安定分科会雇用保険部会議事録

職業安定局雇用保険課

○日時

平成27年11月2日(月)16:00〜18:00


○場所

厚生労働省職業安定局第1・2会議室


○議題

・雇用保険制度について
・その他

○議事

○岩村部会長 ただいまから、第 106 回雇用保険部会を開催いたします。皆さんお忙しい中をお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。本日の出欠状況ですが、阿部委員、野川委員、山本委員が御欠席ということです。また、遠藤委員、小林委員は若干遅れて到着されるということです。そのほか、職業安定局総務課長は別の公務のために遅れての出席ということです。なお、本日は資料の関係で、雇用均等・児童家庭局職業家庭両立課の蒔苗課長に御出席いただく予定になっております。

 それでは、早速議事に移りたいと思います。お手元の議事次第にありますように、本日の議題は「雇用保険制度について」ということになっております。事務局のほうで資料を用意していただいておりますので、資料 1 と資料 2 について、まず御説明いただいて、その後、質疑等に入りたいと思います。それでは、よろしくお願いいたします。

○長良雇用保険課調査官 まず、資料の確認です。資料 1 が第 105 回雇用保険部会で委員から頂いた御指摘に関する資料。資料 2 が高齢者関係の資料。資料 3 が介護休業給付について。参考資料として高年齢者雇用の現状について。これは第 104 回・第 105 回の雇用保険部会の資料を抜粋したものです。以上 4 点です。本日の議題は大きく分けて 2 つありまして、 1 つは前回に引き続き高齢者の関係、もう 1 つは介護休業給付に関連することです。

 私のほうから資料 1 と資料 2 をまとめて説明いたします。まず、資料 1 です。こちらは前回、委員から頂いた御指摘に関連しての資料提出です。 1 ページの高年齢者の求職・就職状況は、 65 歳以上の求職者、あるいは就職の件数について、全年齢で比較したものが分かる資料です。平成 23 年度から平成 27 年途中まで、 5 年を取ったわけですが、平成 23 年度から全年齢で見ると、雇用情勢の影響を受けて、求職者数あるいは就職件数は減少傾向にあります。一方で塗ってある部分で、 65 歳以上の所は平成 23 年度から右肩上がりで上昇しているところです。例えば就職件数で見ると、 65 歳以上の所は平成 23 年度の 5 2,947 件から平成 26 年度は 8 5,615 件ということで、毎年度 10 %以上の上昇を見せているところです。平成 26 年度で全年齢と比較すると、就職件数 199 7,130 件のうち 8 5,600 件が 65 歳以上ということで、数パーセントの規模に達しているということです。

2 ページです。求職者の応募等の回数についてです。これは前回、高年齢求職者給付金を受給した方に関するアンケート調査の中で、受給者が応募した会社数に関連しての御質問があった関係での資料となります。こちらも高年齢求職者給付金と受給した方と全年齢で比較できるような資料です。一番上の赤いグラフの所は前回提出した資料と同じですが、 5 社未満で 66.6 %となっております。一方で真ん中の段ですが、ハローワーク来所者、これは全体の応募書類の提出企業数、若干定義が異なります。それから、平成 19 年の調査ということで、若干古いのですが、こちらについても 5 社未満が大体 7 割を占めているということです。雇用保険データ上で見ると、基本手当の初回受給者数と雇用保険受給者の紹介件数を比較して、 1 人当たりの紹介件数をカウントすると、 1 人当たり 1.7 件という数字です。大体、求職者の応募等の回数については、この辺りが相場観として示されるものではなかろうかと考えております。

3 ページです。基本手当受給者の再就職状況に関連して、未就職者を含めたデータを整理したものです。これは同じく高年齢求職者給付金の受給者アンケートの中で、再就職をしていない者の割合が 54.3 %あったことと関連して、基本手当受給者については再就職割合はどの程度かを示したものです。直近の年度で言うと、一番右側の部分が未就職者となっており、基本手当受給者のうち 34.3 %は未就職となっているということです。ちなみに、右から 2 番目の部分が 1 年を超えて、つまり支給終了後 1 年を超えて就職したものの割合となっており、これは年度によって相当、就職者の割合が減っていくわけですが、 10 %近い割合で 1 年超の就職者がいらっしゃることを考え合わせると、 1 年超の就職者、未就職者と合わせて 4 割を超える水準になっているのかと考えているところです。

4 ページです。事業所規模別の 65 歳以上の雇用者数に関連の御質問がありましたので、その関連の資料です。上の段は高年齢継続被保険者、こちらは 65 歳以上となりますが、総数 155 万人のうち 50 人未満の企業で 47.6 %を占めているところです。全年齢で言うと、一般被保険者、これは 64 歳までになりますが、こちらで同様の割合をカウントしたところ 29.3 %となっており、高年齢継続被保険者は比較的事業所規模の小さい所にいらっしゃることが伺えるかと思います。

5 ページは、諸外国の失業保険制度の被保険者を比較したものです。大きく分けると、イギリス、ドイツ、フランスにおいては、いずれも受給年齢が失業保険制度の適用の線引きで整理されているようです。一方、一番下にもあるとおり、アメリカに関しては特段の年齢制限はないという仕組みになっています。

6 ページは、参考までに他の社会保険・労働保険の適用における年齢の扱いを整理したものです。年金については、国民年金 (20 歳以上 60 歳未満 ) 、厚生年金 (70 歳未満 ) 、いずれも任意加入があるという制度になっております。医療保険については、年齢で強いて線引きをするとすれば、後期高齢者医療が 75 歳以上の者ということになっているところです。介護保険については、 65 歳以上の 1 号被保険者と 40 歳以上 65 歳未満の 2 号被保険者に区分されていることになります。労災保険については被保険者の概念がありませんので、基本的には労働者を使用する全ての事業に適用することになりますが、この制度の対象となる労働者の年齢は問わないという制度になっております。

7 ページは、高年齢者雇用安定法の主な改正内容を整理したものです。御案内のとおり、平成 16 年の改正で、定年の引上げ等による高年齢者の雇用確保措置の法的義務化がなされて、平成 18 4 1 日に施行されたということです。平成 24 年、直近の改正では、継続雇用制度の対象者を限定できる仕組みが廃止になり、平成 25 4 1 日に施行されたという状況になっております。

 引き続きまして資料 2 、高齢者の関連の資料です。 1 ページは、昭和 59 年改正当時と現在の状況についてです。これは前回、事務局からの説明の部分を表として整理したものと考えていただければと思います。昭和 59 年改正の 65 歳以上の者の適用除外の理由を左の欄に整理しておりますが、労働生活から引退する者が大半である、就業を希望する場合でも短時間就労や任意就業等の形態の就業を希望する者が半数以上を占める、再びフルタイムの雇用に就くための求職活動を行う例は極めて少ない、こういった理由を掲げているところです。

 昭和 59 年改正当時の状況と現在の状況を、それぞれ数値的な面で比較しておりますが、例えば労働生活から引退する者が大半であるという適用除外の理由に関しては、 65 歳以上の雇用者数は昭和 63 年で 71 万人、平成 26 年で 320 万人などのデータを考えて、これをどう考えるかということかと思います。 2 つ目の短時間就労や任意就業等の形態の就業を希望する者が半数以上を占めると。ここの部分については、下の括弧書きにありますように、昭和 59 年改正当時と現在の雇用保険の適用状況が異なっていることが違っているところかと思います。昭和 59 年改正当時の雇用保険の適用に関しては、通常の労働者のおおむね 4 分の 3 以上、かつ週 22 時間以上。通常の労働者は、週 48 時間労働制の場合は 36 時間以上という時間になっております。そのほか、年収要件等々が付いていると。一方で、現在は所定労働時間が週 20 時間以上で、雇用期間 31 日以上の見込みという適用基準になっているということです。

 以上を前提に、データ的なものを考えた場合に、昭和 59 年改正当時は、例えば希望する就業形態、 65 69 歳の就業希望者のうち、普通勤務 ( いわゆるフルタイム ) を希望する者は 16.6 %という数字が 1 つの重要なメルクマールになっているわけですが、同様のものを当てはめて考えた場合、例えば平成 25 年度の 20 時間以上の労働を希望する高年齢の労働者に関して言うと 76.6 %という数字がありますので、この辺の違いをどう考えるかということかと思います。

 フルタイムの求職活動の例に関して言うと、 65 歳以上の新規求職者数は、当時は 8 4,000 件であるところが、平成 26 年度は 43 万件余り、 65 歳以上の就職件数は、平成 2 年当時では 9,011 件のところ、平成 26 年度は 7 4,746 件、この辺りの違いをどのように考えていくかということかと思います。

2 ページです。参考までに、雇用法制における年齢の取扱いを整理したものです。職業安定法ですが、第三条に均等待遇ということで、差別的取扱いを受けることがないという規定があります。また、第五条の六、求職の申込み、公共職業安定所などは、求職の申込みはすべて受理しなければならないという原則があるわけです。雇用対策法においては、募集及び採用における年齢にかかわりない均等な機会の確保ということで、第 10 条、事業主に関しての義務を課しているということです。この辺りが原則になってくるかと思っております。

 下の段は、雇用法制において、高年齢者雇用の促進の観点から年齢による区分を行っている例がありましたので、それを紹介しているものです。雇対法の施行規則では、特定の年齢以上の高年齢者の募集・採用を行う場合など、例外的な場合として定めているところです。また、労働基準法においては、労働契約を 5 年までとすることができる場合として、満 60 歳以上の労働者に関して定めています。高年齢者等の雇用の安定等に関する法律では、定年、雇用確保措置、それぞれ年齢が規定されていると。それから、専門的知識等を有する有期雇用労働者等に関する特別措置法についても、労働契約法に基づく無期転換申込権発生までの期間に関する特例の対象者として、定年後の方に関する規定があります。

3 ページは、高年齢求職者給付金の制度の概要です。これは前回の資料と重複しておりますので、説明の詳細は省略しますが、現在 65 歳に達した日前から引き続いて雇用されている被保険者、これを高年齢継続被保険者と称して、一時金という形での給付を行っているところです。

4 ページは、この高年齢求職者給付金の制度変遷を書いたもので、昭和 59 年の雇用保険法改正で制度を創設して、当時は被保険者期間に比例して、給付の日数が現在よりも長く設定されております。 10 年以上であっては 150 日分が出ておりました。以後、制度改正が行われて、現在、平成 15 年改正後は、 1 年以上被保険者期間がある場合に 50 日分という形で整理されているところです。

5 ページは、この高年齢求職者給付金の趣旨を整理したものです。高年齢求職者給付金の特徴は、基本手当と違って一時金であるということですが、その趣旨が 2 つ目の○、 65 歳以降に離職した者は、離職後直ちに引退するのでない場合においてもその就業希望は雇用保険の被保険者となり得る雇用労働だけではなく、短時間の就労や任意的な就労など多様化している。 3 つ目の○、 65 歳を超えるとほとんど求人はなく、何度も公共職業安定所に出頭しても実際に職業紹介に結び付くことはなかなか難しい状況にある。基本手当の支給は、公共職業安定所において 4 週間に 1 回ずつ認定を行い、職業紹介を行うというシステムによって行われておりますが、この 65 歳以降に離職した方の状況を勘案すれば、基本手当に代えて一時金を支給しつつ、公共職業安定所の援助だけでなく様々な機会を捉えて、本人が自由に、多様な形態の就業について求職活動を行うことができるようにしたほうが合理的である。このような観点で整理されてきたものです。

6 ページです。現在、労働保険徴収法において、 64 歳以上の高年齢労働者について、保険料の免除がなされているところです。正確に言うと、労働保険徴収法の施行規則では、保険年度の初日、 4 1 日時点で 64 歳以上の労働者が免除対象になっているところです。この雇用保険料の免除の趣旨ですが、 2 つ目の○、高年齢者の雇用の促進と福祉の増進に資するためという形で整理されているところです。なお、近年の人口の高齢化の急速な進展に伴い、 60 歳以上の労働者も増加しており、保険料の負担という面において他の年齢層との不均衡が拡大していること、 60 歳代前半層の者に対する各種の雇用助成措置の充実強化が行われていることに鑑み、昭和 59 年の雇用保険法の改正により、昭和 60 4 1 日から保険料の免除の対象となる者の年齢は 60 歳以上から 64 歳以上に引き上げられたということになっております。

7 ページは、免除ができた昭和 49 年、改正が行われた昭和 59 年のそれぞれの国会の質疑を整理したものです。昭和 49 年ですが、●の労働大臣の答弁の 2 行目、被保険者というものは長い間保険料を納めた人です。そういう人が離職しても、一般的にはなかなか再就職が困難ではなかろうかと考えられます。というようなことで、この免除制度の趣旨を答弁しているところです。昭和 59 年の改正については、●の職業安定局長の答弁ですが、下から 4 行目です。先ほどの説明と大体同じ趣旨のことを答弁しておりますが、そういう意味で給付と負担の公平という観点からも、やはり免除年齢を 64 歳までにいたしたい。もう 1 つは、さらに、この 10 年間において、高齢者の雇用促進のための対策が、こういう保険料の免除だけではなく、各種の雇用確保助成金であるとか、定年延長奨励金であるとか、いろいろ助成のための制度もできているという事情も踏まえてこういう制度にしたと、このような答弁がなされているところです。

8 ページは、昭和 59 年の中職審の改正法の関係の答申です。別紙の下の所、「諮問された改正案は、今後の雇用失業構造の変化に対応しつつ、現行雇用保険制度を効果的に機能させることを意図したものとして、了解できる。ただし、労働側委員からは、賃金日額の算定基準から臨時に支払われた賃金及び賞与等を削除する点、並びに 65 歳以降に再就職した者を被保険者から除外する点については賛成できない。また、高年齢者の保険料免除を廃止した上で、高年齢者給付金と基本手当とは本人の選択で任せるべきであるという意見が表明された」等々ありますが、 2 行下、「今回の改正案はやむを得ないとするのが多数意見である」と。このような形で中職審がまとめられているところです。

9 ページです。新規求職申込件数の推移ですが、過去 10 年をフルタイムとパートに区分した場合の数字を、それぞれ比較したものです。 65 歳以上に関して言うと、平成 26 年度で 43 1,023 件ということで、 10 年前のほぼ倍の水準になっておりますが、フルタイム ( パートタイムを除く方 ) とパートタイムを比較すると、パートタイムの方のほうがより伸びが著しくなっており、パートタイムは平成 17 年度 11 1,000 件余りが平成 26 年度 30 万件余りとなっております。パートタイムを除く方で言うと、 8 1,000 件余りから 13 万件余りということで、伸びに関して言うと、パートタイムのほうがより顕著であるということになっております。

10 ページは、就業率の国際比較を整理したものです。 65 歳以上の就業率は右側のグラフですが、日本、アメリカ、韓国の辺りが特に男性で高い就業率となっているところです。一方で、特にドイツ、フランス、イタリアなどのヨーロッパ諸国については、就業率が非常に低い水準になっているところです。

11 ページも同じ国際比較です。こちらは望ましい退職年齢ということで、意識調査を国際比較したものです。調査年度が若干国によって異なりますが、おおむね 2010 年の調査です。日本は一番右側ですが、望ましい退職年齢は 70 歳ぐらいが 26.2 %、 75 80 歳ぐらいが 9.8 %、合わせて 36 %程度ですので、他の国と比較して突出して高い水準となっております。同じぐらいの年齢をドイツ、フランス、スウェーデンで見ると、 1 2 %の水準ですので、日本とはこの辺りの意識が大分異なっているのではないかと推測されているところです。

12 ページ、 13 ページは、今の意識調査をグラフ化したもので、 12 ページは男女平均です。右側の日本の所は 70 歳ぐらいの割合が他国と比べて非常に高いということです。

13 ページは男女別で整理したもので、同様に 70 歳ぐらい、それから 75 80 歳、この辺りの水準が特に男性で高くなっていることが伺えるかと思います。

14 ページ、 65 歳以上の高齢者の雇用についてですが、こちらは無作為抽出した 2 万社を対象に、平成 27 7 1 日現在の高齢者の雇用の状況を調査したものです。回収率はおおむね 3 割で、約 6,000 社の企業の調査になっております。まず、「希望すれば 65 歳以降も働き続けることができる」という回答があったわけですが、それを前提として、制度として 65 歳以降の年齢条件は設けているかと。設けていない所が 7 割、定めている場合については 70 歳が 76.7 %と、突出して高い水準になっているということです。 65 歳以上の高齢者を雇用している理由ですが、「特に労働者の年齢は関係がない」 65.5 %、「能力・知識などを活用したい」 62.6 %、「真面目に働いてもらえる」 24.9 %、この辺りが高くなっております。「安い賃金で雇用できる」は 8.6 %ということで、決して高い水準ではないのかと考えております。

15 ページは、 65 歳以上の雇用者の平均的な年収、これは企業年金なども含めた収入ということで整理しておりますが、 200 万〜 300 万台辺りが比較的高い割合となっているようです。 66 歳時点での賃金を 65 歳直前の水準と比較したものではどうなっているかということですが、 100 %が 23.2 %で比較的高く、若干減少している場合であっても 90 %、あるいは 80 %辺りの水準が比較的高くなっているようです。

16 ページは 65 歳以上の方に関する中途採用に関連した調査です。中途採用を行った企業の中で、中途採用に 65 歳以上の者はいたかどうか。「いる」が 44 %となって、この「いる」と回答した企業の中で、正社員として中途採用した 65 歳以上の者の人数は 0 が非常に多くなっており、いるとしても 1 5 人の辺りが多いと。非正規社員として中途採用した 65 歳以上の者の人数は 1 5 人が 52.7 %と、非常に高い割合を示しているところです。

17 ページは、 65 歳以上の者を中途採用した理由です。「応募があったから」が 38.4 %ありますが、これを除いて整理すると、「高い技能・技術・ノウハウの活用」 25.2 %、「勤務態度や仕事ぶりが真面目」が 19.3 %、この辺りが比較的高い割合となっております。中途採用した 65 歳以上の者の所定労働時間を 1 週間当たりで見ると、 20 30 時間未満が多くなっておりますが、 40 時間という方も 21.2 %と、結構な割合でいらっしゃることが分かります。 65 歳以上の者の賃金は比較的ばらつきがありまして、 10 万円未満、 10 万円台、 20 万円台辺りで、比較的均等に分布しているという状況です。

18 ページです。採用時の雇用形態はパート・アルバイトが圧倒的に多く 45.5 %、正社員に関しては 10 %となっております。中途採用者を何歳まで雇用する予定かということですが、 70 歳が多くて 39.2 %、これは中途採用の年齢にもよるかと思いますが、 71 歳以上に関しても 21.5 %と、比較的高い割合で雇用する予定と回答されているようです。仕事ぶりをどう評価しているかは、「勤務態度や仕事ぶりが真面目である」 44.9 %、「労働意欲が高い」 24.5 %、「能力に個人差がある」 24.7 %、「高い専門能力を持っている」 22.3 %、この辺りが高い水準となっております。

19 ページです。どのようなことを重視して採用しているか。「知識・技能」 29.5 %、「性格、人柄」 25.4 %、「本人の健康」 28.7 %で、ここは比較的高い割合になっているところです。ちなみに、「賃金が安くても応募してくれる」が 10.3 %ということで、賃金に関してはそれほど決定的な要素ではないのかということが伺えるかと思います。今後 65 歳以上の採用を拡大するための条件整備ということで、「本人の健康」 49 %、「本人の意欲・モチベーションの維持・向上」 34 %と、本人側に求めることが多くなりますが、この辺りが比較的高い水準となっております。

20 ページは、雇用保険料に関する調査です。 65 歳以上は雇用保険料が免除されるという仕組みを知っていたか。「知っていた」が 85.1 %。雇用保険料が免除されていることは、貴社の 65 歳以上の雇用にどの程度影響があるか。これは「ほとんど関係ない」 75.2 %、「わからない」 16.9 %、「保険料免除が 65 歳以上の者を雇用する誘因」と答えたのは 2.8 %となっております。仮に雇用保険料が免除されない場合、今後の貴社の 65 歳以上の雇用に影響が生ずるかに関しては、「影響はない」 53.0 %、「具体的な程度は分からないが、否定はできない」が 18.6 %、「大いに影響する」は 1.6 %にとどまっているところです。

21 ページは、 65 歳以上の収支の状況ですが、現在は高年齢求職者給付金の支給実績が 482 億円です。この分の保険料の徴収はありませんので、ここは試算で、収入に関しては仮に高年齢継続被保険者 143 万人に関して、保険料を取った場合の収入がどの程度見込まれるかということです。前提はいろいろ書いてありますが、計算すると約 350 億円、収支バランスで言うと、 348 482 1 1.4 となります。参考までに、短期雇用特例被保険者の収支バランスは 1 5.3 、日雇労働被保険者は 1 9.6 です。平成 19 年に廃止されましたが、短時間労働被保険者に関して、過去の給付実績から保険料収入を推計して収支バランスを算出すると 1 1.9 となりますので、収支バランスに関して申し上げると、短時間労働その他の被保険者類型と比較して、比較的バランスが取れているのかという状況です。

22 ページです。保険料徴収免除の対象年齢は、昭和 59 年に 60 歳から 64 歳まで引き上げたわけですが、それのインパクトはどういうものがあったかということで、被保険者数の伸び率を調べたところ、赤のグラフが一般被保険者数の伸び率、これは対前年度ですが、大体 1 2 %です。それに対して青のグラフ、 60 64 歳の被保険者数の伸び率は、数パーセント以上、昭和 63 年以降は 8 9 %の伸びを示しておりますので、この改正が雇用にマイナスの影響を与えたという状況は確認できないのかなと考えているところです。

23 ページ、雇用者の継続就業期間です。高年齢求職者給付金に関するアンケート調査で、就業期間のアンケートが右側に整理したものです。これと平成 24 年の就業構造基本調査、こちらは雇用保険に入っている、入っていないにかかわらない全体のオールジャパンの調査になりますが、 30 年以上が就業構造基本調査で高い割合を示しております。例えば 5 年以上で見ると、おおむね全体の 4 分の 3 程度が 5 年以上ということで、アンケート調査と就業構造基本調査に関して言うと、この分布にそれほど差はないと考えておりますので、 65 歳以上の雇用者の継続就業期間は必ずしも短いとは言えないのかと考えているところです。

24 ページは、高年齢者の雇用者数の増を 65 歳以上人口と比較した資料です。中間は省略して、平成 2 年の単年度と、直近の 5 年間を比較したものですが、青のグラフは 65 歳以上人口に占める雇用者、赤のグラフは高年齢継続被保険者数を整理しております。いずれも割合については伸びているということで、人口の伸び率以上に雇用者等が増えている状況が伺えるということです。

25 ページの論点については、前回、提出したものと同じですが、昭和 59 年に、 65 歳以上の高齢者については、労働生活から引退する者が大半であり、就業を希望する場合でも短時間就労や任意就労等の形態の就業を希望する者が半数以上を占め、特に、 65 歳以降新たにフルタイムの普通勤務に就き、その後、離職して再びフルタイムの雇用に就くための求職活動を行う例は極めて少ないという実態に即して、適用除外とされたが、これまでの雇用保険制度の改正や高年齢者雇用の状況の変化に伴い、この取扱いをどう考えるかという形で整理しているところです。以上です。

○岩村部会長 それでは、ただいま説明いただいた資料 1 、資料 2 について、御意見、御質問がありましたらお出しいただければと思います。

○亀崎委員 本日も前回に引き続き、高齢者関係の資料を提出していただきましたので、示された内容を見た上で意見を申し上げておきたいと思っております。

 前回の議論にもありましたし、本日の資料にもあるわけですが、 65 歳以上の者の求職活動は、 65 歳未満の求職活動とは異なると。労働側としては、そういった印象に変わりはないということを、まず申し上げておきたいと思っております。

 その上で、なぜ今、このタイミングで高齢者に関する議論が出てくるのか、それは「日本再興戦略改訂 2015 」において、雇用保険の適用の在り方について議論するよう提起がなされたからだと認識しています。

 事務局は、現在適用除外としている 65 歳以上の者にも雇用保険適用を企図していますけれども、仮に適用するにはどのような制度を想定しているのかをお伺いしたいと思います。そして、その制度の導入によって、日本再興戦略が求めている 65 歳以上の高年齢者の雇用は、一層促進されるのかについてもお聞かせいただければと思っています。

 今、前回と同様の発言もいたしましたが、本日時点で、私どもとしての意見として改めて申し上げておきたいと思います。質問の点については御回答をよろしくお願いいたします。以上です。

○岩村部会長 ありがとうございます。それでは、雇用保険課長にお願いします。

○奈尾雇用保険課長 何点か御意見、御質問いただきましたが、まず最初の点は、 65 歳以上の就職活動の実態が、それ以下の年齢層の方と異なるではないかという話がありました。

 本日の資料 2 1 ページに、私どもとしては昭和 59 年改正当時と現在の状況についてということで対比表を用意させていただきました。これが昭和 59 年改正のときの各種理由付けが、現在、妥当しているかということで検証したものです。

 右側の現在の状況を御覧いただくと、雇用者数とか、引退年齢、あるいは就職者数について、当時とは大幅に状況が異なっているのではないかというように私どもとしては見ています。

 他の年齢層と比較してどうかという辺りは、前回も御指摘いただいたところですが、例えば、就職活動に当たっての応募件数がどうかとか、それから、高年齢求職者給付金を受給した方の、その後の就職割合がどうかという御指摘がありましたが、例えば、本日の資料 1 2 ページ等にあるとおり、応募者数、給付金受給者数の 1 人当たりの応募した会社数で見ると、他の年齢とそれほど大きな違いまではないのかなというように見ておりますし、就職件数あるいは雇用者数の動向等についても、他の年齢層と比較した場合に、圧倒的な差はなくなっているのではないかと思っています。

 資料 2 1 ページを御覧いただくと、一番上の所ですが、憲法第 27 条第 1 項の勤労権の話が書いてあります。この勤労の権利の中で、労働の機会の得られない労働者に対して生活を保障する義務を意味しというのが、➁の所に書いてありますが、当然ながらこの勤労権は年齢によって差がない。勤労権は全年齢について及ぶわけですので、基本的には適用除外することについて理由がいるわけですが、どうして適用するのかということについては、憲法上の要請があることからすると、そこは原則どおりだと考えるべきではないかと思います。

 こういうことを前提にして現在の議論ですが、前回の部会報告書等において、それ以前もそうなのですが、雇用保険部会報告書等において、中長期的な検討課題として整理するというところでして、当然、検討を進めるべきだと認識しております。

 この辺りの議論の進め方については、実態に即して、つまり、就職活動等、あるいは雇用者の就職活動、雇用者数とか、就職件数等の実態を踏まえながら、その実態が過去の経緯からして妥当なのかを常に検証すべきであろうということで、私どもとしては議論をお願いしたいところでございます。

 どの程度の雇用を想定しているかという話ですが、基本的には原則に立ち返る段階に今きているのではないかと考えております。この辺りが御議論かと思います。

 雇用促進についても、高年齢求職者給付金については、当然、雇用の促進を理由として支給されるものですし、この給付金を基に就職活動をされる点からすると、雇用の促進効果は否定はできないであろうと思っております。適用することによって、雇用促進されるかという観点よりは、勤労権を背景としたセーフティネットは、どのように及ぼすべきかという観点が、むしろ大きいのかなと思っております。ちょっとお答えにならない部分があるかと思いますが、私どもの考えは、以上でございます。

○岩村部会長 あと、どういう制度設計を考えているかという質問があります。

○奈尾雇用保険課長 制度設計は、原則に立ち返るとすると、 65 歳以上の適用除外の仕組みは、やめてもいいのではないか。つまり、 65 歳以上で新規に雇用された場合は、適用することにしていいのではないかということを考えております。

 その場合の給付について、私どもの考えとしては、就職経路、あるいは就職活動の実態は他の年齢と違う点は確かにあるということで、現在の高年齢求職者給付金と一時金の形式がいいのではないかと考えているところです。

 その場合の保険料の徴収等については、いろいろとやり方はあるかと思います。本日の資料 2 のアンケート調査等において見る限りは、政策効果はそれほど大きくなかったのではないかということを、前提に考えていくべきかと思っております。以上です。

○岩村部会長 亀崎委員、いかがですか、よろしいでしょうか。ほかにはありますでしょうか。

○浅見委員 昭和 59 年当時と状況が変わってきていることはよく分かりますが、 1 つ教えていただきたいことは、資料 1 5 ページです。諸外国の失業保険制度があり、これを見ると、イギリス、ドイツ、フランスは、いずれにしても失業保険の受給年齢制限というのが、年金の支給開始年齢の基本にあるということですから、ある意味では、これが世界のスタンダードと言えるのではないのか。そうすると、その年金との関係をどう整理したらいいのだろうかが、ちょっと気になるところなので、見解があれば教えていただきたい。

○奈尾雇用保険課長 御指摘いただいた資料 1 5 ページは、確かにイギリス、ドイツ、フランスは年金支給開始年齢と失業保険制度の適用年齢、給付年齢が密接に関係しているところです。この辺りは、いろいろな要素が関連しているかと思います。

 まず、日本とアメリカ型については、現在 65 歳以上、アメリカは他の年齢もそうなのですが、公的年金との併給調整がされていない。という点が違った点です。併給調整される方と、されない方でまず分かれるのかなと思っております。

 それから、技術的な観点においては、イギリスでは失業保険制度と年金制度、徴収なども一括してやっている点があります。この当たりは当然、年齢と関係する議論かなと思います。

 また、ヨーロッパ大陸型と日本、あるいはアメリカもそうかなと思いますが、そもそも引退とか、一定年齢以上の就労に関する考え方が、全く異なるのではないかというように推測されるところです。本日の資料 2 でも一部付けていますが、例えば 65 歳以上の就業率を取った場合には、本日の資料 2 10 ページ辺りです。就業率が、日本、アメリカ、韓国といった国では、 65 歳以上の就業率は、かなり高いと。対して、イギリス、ドイツ、フランス、イタリアといった辺りは、比較的低いという傾向があると。

 そういったことで、 11 ページに望ましい退職年齢の比較があります。 70 歳以上の退職希望の辺りの数字が、日本、アメリカ辺りと比べて、ヨーロッパ大陸諸国が非常に低いと。この辺、働くこととか、引退することについての意識が全く違うのではないかという推測が働くわけです。したがって、何がスタンダードかは一概に言えないのですが、リタイアメントについての意識等を踏まえると、ヨーロッパ大陸、あるいは日本、アメリカといった辺りで大きな違いがあって、どちらが一概に主体と、なかなか言いにくいかというように私どもは考えております。

○岩村部会長 よろしいですか。ほかにはいかがでしょうか。

○遠藤委員 ただ今、浅見委員が言われたことに関連してです。もちろん雇用に関わる諸条件が異なっていることはありますが、イギリス、ドイツ、フランスでは、定年を置くか置かないかという議論があり、年金を満額受給できる年齢で、線を引くというのが合理的な理由として、社会的に認められています。年金受給者になるならば、その方々が仮に失業という事故が起きたとしても、雇用保険給付をしないという一定のコンセンサスが得られる考え方になっています。では、日本の国情を考えたときに、年金受給者の方々が雇用保険の対象になることについて、コンセンサスが得られているかというと、私は必ずしもそうではないのではないかと思っています。もちろん昭和 59 年当時と比べれば、働きたい、それもいろいろな事情で働きたいという方が増えているのはデータでは明らかであり、当時の状況と変わったということは、あるかもしれませんけれども、状況を大きく変えるところまできているのかと問われれば、疑問なしとしないということは言えるかと思います。

 ただし、一方で、見ていかなければいけない事情というのも、 2 つあるのではないかと思います。 1 つは、 60 歳前半層の雇用状況です。これは「 6/1 調査」を見ると、ほぼ安定した状況下になってきています。高齢法の改正に際して会員企業にアンケートを取ったときに、 65 歳以上の方については、 60 歳前半層の雇用が落ち着いてからにしてほしいという御意見が大層を占めていました。結論はどうあれ、議論をするタイミングにはきていると言えるかと思います。

 もう 1 つは、生産年齢人口で言えば、 64 歳までで現状は区切っています。この生産年齢人口そのものの定義についての議論も今後していく中で、実際に 65 歳以上の方々をどう考えていくのかというところはあるのかもしれないと思います。現在の状況の変化ということをもってしても、雇用保険の適用対象にしていくという議論を進めていくことについては、私ども使側は、いまだに慎重な立場を取らせていただきたいと思っています。

○岩村部会長 ありがとうございます。雇用保険課長、どうぞ。

○奈尾雇用保険課長 幾つか御指摘いただきましたが、まず年金との関連については、年金は生活の安定のために支給されるのだろうと私どもとしては受け止めているところです。

 失業給付については、基本手当は、基本的に雇用保険法第 1 条の目的にあるとおり、生活の安定と再就職促進を目的として出されるだろうと思います。

 高年齢求職者給付金については、現在、年金と併給されているわけですが、平成 10 年に年金と併給を調査したときの考え方として、高年齢求職者給付金について、就職促進効果に着目して併給しましょうという整理だったかと理解をしております。したがって、欧米諸国の失業給付の趣旨が年齢によって変わるかどうかは、ちょっと把握しておりませんが、年金の対象という所は、そこで併給調整の考えによって切り分けられるのかと考えているところです。

60 歳代前半層は、今、お話があったとおり、今年の「 6/1 調査」において、高年齢者雇用確保を実施済み企業は 99.2 %ということで、かなり安定して推移してきたかなということです。

 こういった中で、 65 歳以上の方については、やはり一定規模の就職者数あるいは雇用者数があれば、そこは検討を進めていくべきかなと思っております。

 その際に、生産年齢人口ですが、これは多くの国でやはり 65 歳で線を引いているのではないかと認識しています。若干、中国は例外で、確か 60 歳だと思いますが、ほとんどの国は 65 歳までというようにしているようでして、これは生産活動の中核なる年齢層ということで、生産年齢人口ということを区切っているので、そちらはそちらで別途、必要だったら検討をすべきかと思いますが、その辺りは雇用保険適用年齢というよりは、どの辺りが中核的な生産年齢かということで議論がされるのかなと思います。ただ、いずれにしても、主要国では、大体 65 歳で線を引いているように記憶しています。

○岩村部会長 遠藤委員、いかがでしょうか。

○遠藤委員 結構です。

○岩村部会長 よろしいでしょうか。

○遠藤委員 はい。

○岩村部会長 ほかにいかがでしょうか。

○村上委員 何度かこの部会で労働側として申し上げてきておりますが、 65 歳以上の方の適用に関しては、年金支給開始年齢の引上げの議論につながりかねないのではないか、その影響を大変危惧しているということを申し上げておきたいと思います。

 また、資料 2 20 ページで、 65 歳以上の方の雇用保険料が免除されなくても、雇用には余り影響はないという事業者の回答が多かったという結果がありますが、仮に制度変更した場合の影響とか、本日事務局が示した内容は事業者向けに聞いているアンケート結果ですが、被保険者の 65 歳以上の方々への影響というものも十分考えた上で議論していくべきであると思っております。以上です。

○岩村部会長 ありがとうございます。雇用保険課長、お願いします。

○奈尾雇用保険課長 御意見、御質問の 2 点を回答させていただきます。まず年金は、年金の支給開始年齢の引上げの問題という御指摘だったかと思います。「社会保障制度改革国民会議」が一昨年ありまして、この支給開始年齢の問題は年金制度上の問題というよりは、社会全体として、就労人口と引退人口、あるいは個人としての就労期間と引退期間のバランスを、どう考えるかといった観点から考えるべきという整理がされていると、私どもとしては承知しているところです。

 この「社会保障制度改革国民会議報告書」においても、支給年齢を変えても長期的な年金給付総額は変わるものではなく、年金財政の問題はないといったことで整理されているようですので、こういった観点を踏まえて考えるべきかと思います。

 徴収免除については、資料 2 20 ページで、企業調査においては、政策効果としては、やや意義を失いつつあるのかなといった結果が出たかと思っております。この場合において、労働者の方がどうかというと、労働者の方が保険料を徴収されるので、就労したくないというように本当に考えるのかという辺りから見ると、そこは同じ保険料なので、使用者側の意識と、かなり重複する部分もあろうかと推測されるところです。

 また、実際に、保険料徴収を免除された場合にどうなるかというのは、これはちょっと、蓋を開けてみないと当然分からないわけですが、これは現在の徴収免除がどういう影響があるかとか、仮に徴収が免除されない場合、どういう影響があるのかという聞き方をしていますので、そこは、この調査によって予測はかなり立つのではないかと私どもとして考えて、本日このような資料を出させていただきました。

○岩村部会長 安定局長、お願いします。

○生田局長 年金の関係については、年金担当部局と十分お話をしておりますが、その中で、厚生労働省の考え方としては、一律に支給開始年齢を引き上げるという考え方ではなくて、個々人の状況に応じて、多様な受給、年金受給の選択肢を拡大すると、拡充するという考え方です。

 例えば、支給開始年齢が 65 歳と決まっていますが、ただ、個人の選択で 70 歳から支給を受け取ることを選択される方もいらっしゃると思います。その場合は、月々の受取額が 42 %増えます。ですから、そういう選択肢を取る高齢者がいらっしゃって、そういう方が、例えば 70 歳ぐらいまで働かれるというケースについて、雇用保険のセーフティネットがなくていいのかという議論ももちろん起きてくると思っております。

 この際、ついでに申し上げると、今まで出させていただいた資料の中で、 65 歳以上の高齢者の方で、非常に生活が苦しいといった方はいらっしゃいます。そういう方が必要とされたときに、セーフティネットがなくていいのかという議論ももちろんあると思います。

 もう 1 つは、昭和 59 年のときに、実は私、在職しておりましたので、非常に責任を感じているわけですが、当時は、やはり勤労権の保障というのは年齢問わず当然あるべきだという考え方の方が、労働組合の代表でいらっしゃいまして、 65 歳以降適用除外については、当然、反対であるという御主張を強くされておられました。

 当時、国会に行きましても、野党の議員の先生方から激しく言われまして、ただ、当時の環境としては、やはり 65 歳以降の方で働いておられる方が少ないということが大前提ですが、そもそも雇用保険の適用の考え方が違って、ほかの年齢層でもフルタイムの方を想定して、そういう方しか雇用保険の適用をしないという前提で制度が出来上がっております。ですから、何回か御説明しておりますが、少なくとも当時の法定労働時間 48 時間なので、その 4 分の 3 以上働く人が適用対象になるということですから、 36 時間働く人しか適用にならないということが前提で、これは年齢層問わず、みんなそうだったでしょうし、あとは、最近、非正規雇用労働者の適用拡大をどんどん進めておりますが、そういう中では、今現在、 31 日以上の期間雇用だったら適用にするということです。当時、少なくとも 1 年以上、 1 年超えの人ではないと適用しないという前提で、全ての年齢層がそういう状態でした。

 今の現在の状況で考えると、 65 歳以下については、高年齢継続被保険者も含めてですが、 20 時間あれば適用に当然しています。あとは、 31 日以上の雇用だったら適用にするということで対応しております。 65 歳を超えて、新しく雇われる人だけはそこから外れてしまうというようなことで本当にいいのかどうかという議論が、多分、あり得るべきではないかと思っております。

65 歳以上を超える人について、 3 パターンあると思っております。 1 つは、生活が非常に苦しい方、こういう方についてはセーフティネットの整備は待ったなしだと思っております。あとは、先ほど申しました、年金の支給開始年齢を、自分の意思で受給開始年齢を……仕事をする方もいらっしゃると思います。

 もう 1 つは、年金を受け取りながら働かれる方もたくさんいらっしゃると思います。そういう方については、いわゆる家計補助的な働き方ということになりまして、 65 歳以下の世代で、家計補助的に働いておられる方はいらっしゃるわけですけれども、そういう方にきちんと、 24 時間以上で 31 日以上だったら、みんなセーフティネットがあるわけですが、 65 歳以降の非正規になったとたんに、セーフティネットがないということで本当にいいのかどうかが非常に心配です。私どもとしては、きちんと適用していくべきだという考え方でございます。

○岩村部会長 ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。

○遠藤委員 ただ今、事務局からの強いメッセージは拝聴させていただきました。その上で、冒頭、労側の意見もありましたが、求職活動をどう見るかというところです。 65 歳以上の方が他の年齢層と違う特異な状況にあることを踏まえても、現状は、保険料を負担している多くの方々から見て、納得できるような求職活動であるのかどうか、やはり疑問は呈さざるを得ないと思っています。

 アンケートの中にもありましたが、就職するのに急がないとか、あるいは自分の条件に合った場所があればという回答が票を集めている状況を見たときに、それが求職活動であり、それをサポートしなければいけないのか。もう少し求職活動のありよう、 65 歳以上の方であったとしても、もう少し厳格な形で対象を絞っていくなり、あるいは、ハローワークでの指導により、求職活動に向けてもう少し真剣に取り組んでいくようなものがない限りにおいては、なかなか議論の発射台としても、私どもまだそこまで上って行けない部分があります。その辺のところが、次回、対応策があれば御提示いただければと思います。

○岩村部会長 ありがとうございます。雇用保険課長、お願いします。

○奈尾雇用保険課長 今の御指摘は重要な点かと思っております。他の年齢層で比較して、やはり体力の制約とか、いろいろな家庭状況の制約がどうしても出てくるケースが多いと思います。そこは体力の許す範囲で働きたいというような御希望が増えてくるのはやむを得ないかと思っております。

 ただし、それは就労意欲、意思、能力があることはやはり前提ですので、その辺りの認定のやり方といったら、どういうものがあり得るかということを整理させていただきたいと思います。

 例えば、今、私どもで安定所で使っている様式を見ても、通常の年齢の方は失業認定申告書を窓口に持って来てもらい、具体的にどういう求職活動を何日にどうやったかを記載していただくようになっています。

 一方で、 65 歳以上の高齢者については、どういう方法で探したかということを提出いただくようになっていますが、それよりちょっと細かくなっていませんので、今、おっしゃられたような点を含めまして、この辺りの認定の在り方について、どのように適切にできるのかという辺りを私どもで整理させていただき、その後、御議論いただければと思っております。

○岩村部会長 遠藤委員、いかがでしょうか。ほかにはいかがでしょうか。

○村上委員 先ほど生田職業安定局長からお答えいただいたのですが、このように 65 歳を超えて働いている方々がある程度いらっしゃって、 3 パターンあるというお話だったのですが、生活が苦しくて、余裕がなくて働かざるを得ない方々がいらっしゃるということを理由とするのであれば、制度を新しく考えるときには、給付金だけではなくて、基本手当という選択肢もあるのではないかと思います。今日、資料 2 8 ページで御紹介いただいた昭和 59 年の答申の中でも、「高年齢者給付金と基本手当とは本人の選択に任せるべき」との意見もあったということであれば、高齢で働く方の状況に合わせた制度設計を考えていくことも必要ではないかと思います。

○奈尾雇用保険課長 昭和 59 年のときとそれ以後の状況変化ということで少し申し上げますと、平成 10 年から年金との併給調整が始まって、そのときにそれぞれの制度の趣旨とか給付の性格が一定整理されたのかというのが、昭和 59 年以後の事情変化みたいな点で言えるかと思っています。そういう中で申しますと、先ほど少し申し上げましたが、年金は当面の生活の安定ということで支給されるものであり、私どもの高年齢求職者給付金は、そこの部分がかなり大きく重複する、基本手当については併給するけれども高年齢求職者給付金は併給調整しないということで整理がついていることからすると、そういう点を考えるとなかなか難しい面があろうかと思っています。

 また、これは前回あるいは今回の資料でも少し出ているわけですが、 65 歳以上の方の就職経路あるいは就職希望経路を見てみますと、知人や縁故の紹介がかなりあります。これはどういうことかと言いますと、例えば 3 月末に離職された高齢者がいらっしゃると。その方が知人や親戚等の方に再就職をお願いするケースが多いのではないかということですが、これは具体的には、では知人の方が「ああ、分かった。じゃ、ちょっと夏にもしかしたら空くかもしれないから、そこまで待ってくれ」といったケースが現実に多いのかと思っています。そういうことから言うと、 28 日ごとに定期的に認定する方式が本当にいいのかという観点で考えていくべきかと考えています。

○小林委員  65 歳以上の高齢者雇用は中小企業がかなり多いということで、私どもも、会員団体を通じて様々な会合で、 65 歳以上の高齢者を雇用している企業の経営者の方々に、今実態等を聞いている最中です。

 資料 2 20 ページで 3 つのグラフが出ていますが、免除制度の仕組みについて多くの企業に知られているというのは、会社を経営されている方、総務の方は必ず知っていると思いますが、その他にも知られている実情があるのは確かだと思います。しかし、免除されていることが採用の際にどの程度大きく影響するかについては、業界によって若干数字の違うところがあるようです。 1 つは、建設関係などで話を聞くと、若年の労働者が少ないことと、建設業務に携わる方でも現場に出ることはなく、建設の施行管理責任者のほうに移ってもらい勤めていただく場合や、その人材が少ないということで外から採用する場合もあるようです。これは、 65 歳以上の方も採用しているということでお話を伺っています。そのときに、特に雇用保険料の免除についてもそれなりに意識すると言っていましたので、これは企業の労使それぞれで雇用保険料を負担していることから、先ほど労働者の本人負担についての話もありましたが、企業主も考えているところを感じている次第です。

 免除制度がなくなった場合、どうするのだという話を聞くと、これも大きな影響は確かに少ないのですが、ここに「わからないが否定はできない」と、 18.6 %の数字がありますが、もう少し多い気がします。それなりに企業は影響を感じるのかというのは、経営者の方々も思っている実情があるので、今後もう少し聞いていきたいと思いますが、ここで 1 つ考えるのは、全て適用するということになると、影響を受けている所はそれなりにあると考えるため、その配慮について十分考えていく必要があります。もう 1 つは、適用の期間の猶予期間を設けるなど、その辺も含めてどうやって段階的な手続を考えていかなくてはいけないのかを感じています。使用者側がこういう考え方を持っているというわけではないため、この辺は注意していただきたいのですが、 1 つそういう考えもあるのかと思います。

 もう 1 つ雇用保険料の話とは別に出てきたのが、高齢者の方を雇用するときの懸念として、 1 つは健康問題が一番大きいです。職場で働いていただく以上、健康で働いていただきたい。安全で事故がなく安心して働くことが大きなことです。とはいえ、多くの中小企業で現場を抱えている所であればなお更だと思いますが、安全の措置は一生懸命努めているところですが、なかなか難しい側面もあります。高齢者の数が増えれば増えるほど、健康・安全に対する考え方を企業として持たなくてはならず、それは承知しているがコストが掛かる。そういう意味での支援はどうなっているのだという声が 1 つあることも、御承知おきいただきたいです。

 これは 1 つは、監督・指導の側面でいけば、監督署が入ってくると、賃金的な側面と、労働時間的な側面と、もう 1 つ安全衛生の側面で、いろいろな指摘を受ける。分かっているが、コスト負担やいろいろな意味で仕組みづくりもまだまだだというときに、非常に手厳しいお言葉をいただくこともあるということなので、大企業の場合はしっかり対応できているのだと思いますが、中小企業の場合は安全衛生という側面でもなかなか難しい部分もあります。理解はしているが、段階的に時間が掛かることも御認識いただきたいことを企業の経営者が言っていましたので、この場を通じて、その辺の側面について、国としてもどういう支援ができるのかを含めて御検討いただきたく、お願いいたします。

○生田局長 ただいまの御意見の関係ですが、 65 歳以降の高齢者を雇用していただける企業に対する支援策は、手厚くしていく必要が当然あると思っています。雇用保険の適用対象になる以上、当然のことだと思います。保険料の徴収については、もちろんこの場の議論によりますが、猶予措置も含めた適用のやり方については、御議論いただければいいと思っています。

 職場の健康管理とか安全確保の問題は、非常にニーズが高い分野ではないかと思っています。高年齢者の方を雇い入れた企業のそういった問題に係るコストについて、どのような支援ができるのかは、正に今、部内で詰めているところでして、そういった配慮については十分していきたいと思っていますし、監督部門との連携も十分考えていきたいと思っています。

○小林委員 今後、その辺も含めて検討していただきたいと思います。また、私どもも、各団体それぞれそうだと思いますが、雇用保険料について免除の現行制度はどうあるべきかは、企業にヒアリングしていきたいと思いますので、その結果についてはまた御連絡したいと思います。よろしくお願いします。

○青山委員 先ほど局長から、 65 歳以上について 3 つのケースがあるのではないかという御指摘があったと思います。それは恐らくそのとおりではないかと思っています。資料に昭和 59 年当時の状況と現在ということで出ていますが、これもそのとおりだと思います。

 昭和 59 年当時といいますと、急成長時代が終わり安定期に入った頃で、その後昭和 60 年代に入ってバブルの様相が少しずつ出てきて、平成に入りバブルがはじけ、世の中の産業構造から仕組みから、大分変革してしまった。そういうことで実は急成長時代までの働き方とバブル以降の働き方に対する考え方が、大分変わったのではないかと思います。ですから、 65 歳を過ぎても私は働きたいんだという意識と、いやいや、働かざるを得ないんだという意識があるとすれば、恐らく後者のほうが強くなっているのではないかと思われます。

 中小企業のことで申し上げますと、高度成長から急成長、バブルがはじけてデフレの時代においても、実は人の確保は、いつの時代においても非常に苦労をしてきています。そのような中で高齢者の活用は、以前から取り組んできている会社が多くあります。特に、ものづくり系の技能者の方々や、先ほど建設の話が出ましたが、建設でも同じことだと思います。これからもこうした状態が続いてくるだろうと思います。

 先ほどの 3 つの働き方の分類がありましたが、どうしても働かざるを得ないという方々に対するセーフティーネットをどのように考えるのかは、非常に重要な問題だと私どもも認識しています。ただ、一方で、一律に雇用保険適用するのだという考え方については、もう少し実態を分析する必要があるのではないかと思います。と申しますのは、 65 歳以上の人たちも多様な働き方を求める人たちが大分多くなってきている。その多様な働き方の人たちに対して、一律に適用するのが本当にいいのかどうか、そういう議論が必要ではないかと思っています。

 私どもの会員企業もまだそれほど多くはヒアリングができていませんが、単に中小企業のほうが高齢者が多いということばかりではなくて、恐らく大企業、中堅企業も、 65 歳以上の方々の雇用については、それなりに取り組んでいるのだろうと思うのです。ですから、これは企業規模の問題ではなく、要はこれからの日本における高齢者の働き方をどうするのかという基本的な考え方を示すことが非常に重要だということ、それから 65 歳以上の実態が、本当に困っている人がどのような働き方をしているのかということ、それをもう少し深掘りして議論していく必要があるかと思います。ただ、一方で労働力不足になることは現実ですので、労働力不足という問題と本当に困っている人たちのセーフティーネットをどのように考えるか、それをもう少し教えていただければ有り難いという感じがします。

○奈尾雇用保険課長 ありがとうございます。いろいろ御指摘はありますが、確かに働く動機は個々人によって多様かと思います。保険制度ですので、内心の意思、内心の動機に立ち入ってその適用かどうか決めるのは難しい面があります。ただし、どういう意識で働いておられる方が多いのかという辺りは、これまでも若干の手元にあるアンケート調査、資料等は出したとおりですし、今後、ほかに何があるのかは、もし参考になるものがありましたら、その辺はまた整理したいと思っています。

 ただし、雇用保険制度で対応すべきものと、オール安定行政といいますかオール労働行政として、そのほか何ができるのかという観点で 2 つあろうかと思っていまして、雇用保険制度を仮に適用された場合に、例えば御本人の方あるいは雇用管理に費用を要する事業主の方にどういう支援ができるのかという辺りも、重要な観点かと思いますので、いろいろな観点を含めてオール安定行政、オール能開行政で考えていくべき問題かと思っています。

○岩村部会長 ありがとうございました。もしよろしければ高齢者関係についてはこの辺でと思いますが、それでよろしいですか。ありがとうございます。

 事務局では資料 3 を用意していただいていますので、事務局から説明いただきたいと思います。よろしくお願いします。

○長良雇用保険課調査官 資料 3 の説明に移ります。資料 3 「介護休業給付について」であります。次ページ、制度の概要をまとめています。趣旨は、労働者が介護休業を取得しやすくするということですが、雇用保険制度上はこの介護休業による賃金の喪失を失業に準じた保険事故と捉えるということで、雇用継続給付の一形態として整理をしています。育児休業給付などと同じカテゴリーに入っております。支給対象事由、家族介護を行うための休業ということですが、現在の要件は、対象家族 1 人につき要介護状態ごとに 1 回、通算 93 日という制度にしているところです。支給要件ですが、被保険者期間、雇用保険制度ということもありますが、いわゆる被保険者期間要件は 12 か月以上ということであります。給付額については、休業開始前賃金の 40 %であります。

2 ページ、支給状況ですが、この 10 年、受給者数は少しずつは増えてきておりますが、平成 26 年度で 9,600 人ということで、必ずしも多い水準とは言えないと。支給金額については、 20 億余りという状況です。

3 ページ、支給状況を少し詳細に整理したものです。まず、受給者のうち男女別ですが、平成 26 年度を見ますと、男性 2,237 、女性 7,363 ということで、 4 分の 3 ぐらいが女性なのかなと。平均の受給月額で言いますと、大体 10 万円弱ということになります。それから、平均の給付期間ですが、 2.2 か月であり、先ほど通算 93 日限度という給付の制度を申し上げましたけれども、比較的長い期間の平均になっているのかなと思います。年齢区分別の受給者数は下のグラフにありますけれども、ばら付きはありますが、 40 歳以上から 40 代、 50 代、この辺りに受給者数の固まりがあるように見受けられます。

4 ページ、介護給業給付の制度変遷である給付率については、介護休業給付、平成 10 年の改正で創設しましたが、当時は 25 %、それが平成 12 年の改正で 40 %に引き上げられたところです。その後、平成 17 年に育児介護休業法の改正に伴いまして、介護休業の給付の要件のところに要介護状態ごとに 1 回、通算 93 日までというような形で改正が行われ、これが現在の姿となっているところであります。参考までに下の欄、育児休業給付の制度変遷を整理していますが、平成 12 年、つまり制度創設当時は 25 %、当時は、職場復帰給付金という形で、いわゆる後払いの給付が 5 %ありました。それが、平成 12 年改正で 40 %に給付率が引き上がり、平成 19 年改正で 50 %、平成 21 年改正で、今申し上げた職場復帰給付金が無くなって、全額休業期間中に支給、平成 26 年改正で育児休業開始から 6 月までは 67 %という形で、給付率が順次引き上がってきているというような現状にあります。

5 ページ以降は、データの関係です。家族の介護・看護を理由とする離職者数の推移です。「就業構造基本調査」の平成 19 年、平成 24 年調査をベースとしていますが、直近 1 年間で約 9 5 千人、男性の割合が約 2 割という形で整理をされています。

6 ページ、介護休業等制度利用の有無ですが、介護をしている雇用者について、介護休業等の制度利用の有無などについて調べたところ、この介護休業等制度の利用ありのものが 15.7 %、このうち、介護休業の利用者は 3.2 %と、必ずしも高い水準とは言えないと。それ以外には、短時間勤務、それから介護休暇などがそれぞれの分布にあります。

7 ページ、過去 1 年間に介護のために仕事を休んだ総日数、 JILPT の調査です。 0 日が多いのですが、 0 日を除いてみますと、大体 1 か月未満、特に 1 7 日、 8 14 日と、比較的短期間の休みが集中しているところであり、介護休業制度あるいは介護休業給付が想定している 1 か月以上 3 か月ぐらいの、 1 か月単位の休暇を取っている者の割合が 1.5 %から 2 %程度ということで、全体の割合からすると、非常に少ないのかなということがあります。

8 ページは、介護休業の制度の概要です。概要にまとめているとおり、対象家族 1 人につき、要介護状態に至るごとに 1 回、通算して 93 日まで介護休業をすることができるということで、この制度の仕組みを給付の制度の仕組みに援用しているということです。

9 ページ、今申し上げた要介護状態ごとに 1 回と、この制度について、現状がどうなっているかというのを簡単に整理しています。例が 2 つありまして、家族が、例えば要介護状態に入って、介護休業 30 日取って、 1 回要介護状態から回復して、再度、要介護状態になったと。これは、要介護状態ごとに 1 回という要件に当てはまるので、 2 回目の介護休業は取れるという制度になっているようです。例 2 ですが、家族の状態がずっと引き続く、あるいは悪くなると。こういう状態だと要介護状態が引き続いている場合という形で整理されるそうで、その場合は仮に要介護状態で、 1 30 日を取ってしまった場合に、その同じ要介護状態のもとで 2 回目の介護休業が取得できないというような制度であるということです。

 続きまして、 10 ページ、介護休業を分割できた場合の継続就業率を JILPT の調査で整理をしているようですが、これは、勤務先の制度の分割ができる、できないという形で継続就業率を比較したものですが、休業期間を分割できたという会社の継続就業率の割合が、できなかった所の割合よりも一定程度高いというような傾向がうかがえるということです。ちなみに、介護休業の延長についても、若干同様のことは言えるようですが、数値を比較しますと、 3 か月までと 3 か月超、つまり介護休業自体の延長というところと比較しても、この分割については継続就業率のポイントが高い。つまり継続就業の効果が一定程度見られるという傾向が思えるのではと思っています。

11 ページ、介護休業の分割できる場合の期間の長さであります。 93 日を 1 回、これは 6.6 %ということで、必ずしも高い割合ではありません。つまり、 1 か月を複数回、 2 週間を複数回、 1 週間を複数回という形で、ある程度短い期間を分割して取得すると。それに関する希望というものが多いというような状況かと思っています。

12 ページ、これは、企業において介護休業の取得回数の制限があるかないか。制限がある場合は、何回取れるかということを整理しています。そもそも、介護休業の規定なしという回答が 34.1 %ありますが、それを除いた形で整理いたしますと、取得回数の制限ありが 47.3 %で、 1 回というところ、つまり法定どおりになっている所が 64.9 %と多い割合になっているようです。

13 ページ、雇用均等・児童家庭局のほうで、「今後の仕事と家庭の両立支援に関する研究会報告書」というものを夏に整理していますが、今後の対応の方向性ということで、真ん中の辺りで、介護休業については、介護開始時には在宅介護を行ったのち、施設介護へ移行する世帯が少なくないと。急性期対応などのほか、介護施設間の移動、病院への入退院、在宅介護中の要介護者の状態が大きく変化した場合、末期の看取りなど、現行の育児・介護休業法における要介護状態が継続した場合であっても、複数回、介護体制を構築する場合が考えられると。さらには、介護休業の取得希望者のうち、短期間の休業を複数回取得することを希望する労働者の割合が約 9 割と引き続き高いと。実際に介護休業を分割して取得できた事業所においては、分割できなかった事業所と比較して継続就業率が高いことなどから、育児・介護休業法における要介護状態が継続した場合であっても、介護休業の分割取得を認めることを検討すべきという報告が出されております。

14 ページ、先ほど、継続就業の観点の資料がありましたけれども、同様の観点で休業中の所得保障に関して、継続就業の割合を調査したものがあります。真ん中のところに、所得保障なしというところがありますが、所得保障なしのところで継続就業、つまり白いところの割合というのが 71.4 %、所得保障一部保障があるというのが 84.2 %と、 10 ポイント以上跳ね上がっているというような状況でして、全額保障については 87.2 %というような状況になっております。

15 ページ、「日本再興戦略改訂 2015 」ですが、この介護休業の関連に関しても記述はあります。今後の仕事と家庭の両立支援に関する研究会における検討、先ほど紹介しましたが、こちらも踏まえ、育児・介護休業制度の従業員の周知強化、介護休業制度における分割取得の在り方や介護期における柔軟な働き方の推進策、介護休業取得時の経済的負担軽減の在り方など、必要な制度的対応等について、法的措置を講ずることを含め労働政策審議会で検討し、年内に結論を得る。こういうことに整理されているようです。

 以上を踏まえて、 16 ページに論点を整理しています。現在開催されている雇用均等分科会における介護休業に係る議論、これは介護休業制度、すなわち育児・介護休業法の関連する議論ということですが、これについてどう考えるかと。つまり、介護休業給付というものが、介護休業制度とリンクした給付であるという現在の制度の立て付けを前提として、これらの議論を踏まえて、雇用保険の介護休業給付についてどう考えるかという趣旨です。特に、現在、雇用均等分科会において、介護休業の分割取得について議論が行われているところですが、その中の資料にもあるとおり、介護休業の分割取得と雇用継続との関連などもありますので、分割取得の対応について給付面からどう考えるかということが 1 点目の論点になります。 2 点目ですが、平成 12 年改正以降、介護休業給付の給付率の改正は行われておりませんが、一層の高齢化の進展や介護による離職の実態、それから休業中の所得保障の雇用継続との関連、こういったものを踏まえて、つまり給付率についてどう考えるか。これを 2 点目の論点として整理をしているところです。以上です。

○岩村部会長 ただいまの、資料 3 の説明についての御意見、御質問がありましたらお願いいたします。

○三島委員 資料 3 の最終ページの論点➀にある介護休業の分割取得等への対応について、意見させていただきます。分割取得する場合であっても、介護休業中の経済的支援は、資料 3 1 ページにある給付に対する趣旨にかなうものであると思っています。雇用均等分科会での分割取得の議論にあわせた対応を図る必要があると思いますので、介護休業給付を分割取得した場合にも支給すべきと考えています。

 また、介護休業給付の支給要件に関して 1 点意見を申し上げます。育児休業給付と介護休業給付の支給要件を比較すると、「就業している日数が各支給単位期間ごとに 10 日以下であること」は同一条件にあります。 4 ページにあるように、何度か制度改正がされた育児休業給付では、「就業日数が 10 日を超える場合にあっては、就業している時間が 80 時間以下」という、就業時間による条件も設定されています。今回の見直しのタイミングにあわわせて、育児休業給付の支給要件と同様に、介護休業給付の支給要件にも、就業時間による条件を設定するべきと考えております。

○長良雇用保険課調査官 ただいまの三島委員からの御指摘の中で、いわゆる支給単位期間の休業の算出の部分について御意見がありました。現行の制度をまず御説明いたします。今の制度で言うと、委員がおっしゃったように、支給単位期間 1 か月ごとに給付の要件を判断し、その 1 か月について就業日が 10 日以下というのが要件となっています。ただ、一応端数期間というものの特例があります。端数期間、つまり 1 か月以下の期間がある場合には、全日休んだ日数が 1 日以上あれば、他の要件もありますけれども給付は出るという仕組みになっています。そういう意味では、必ずしも全日休業 20 日以上ないと給付が出ないというわけでは、今の制度上はなっていません。

 そうすると、どの部分が課題になってくるかと言うと、先ほどの議論とも関連いたしますけれども、今は要介護状態ごとに 1 回という要件が課されておりますので、結局その短時間で休業を取る場合であったとしても次に取れないと。今は、介護休業給付は制度とリンクしていますので 1 回しか取れない仕組みになっています。つまり、短期間で休業を取ってしまうと、より重篤な状況になった場合であっても、同一の要介護状態では給付は取れないことがあるかと思います。

 先ほどのデータの中で、平均した休業月数は平均で 2.2 か月ということですので、これはかなり長い方が中心にこの給付を取られているのかと考えると、短い休業を行った場合の給付に関しては分割取得の議論と併せて、委員の御指摘も踏まえながら、制度の見直しをにらみながら、その辺を整理して検討していく必要があるのかと考えているところです。

○岩村部会長 三島委員、いかがでしょうか。

○三島委員 分かりました。

○浅見委員 介護休業給付の受給者数が 9,600 人というのは、個人的には非常に少ないという印象を受けました。実際の企業に在職しながら、身の回りの知人などで介護に悩んでいる人が結構多いという実態からして、実際は 9,600 人しか取れていないのかと。育児休業給付と比較してはいけないのかもしれませんが、桁が全然違います。そうなったときに、なぜこんなに少ないのか。これは分かりませんが、いわゆる制度そのものが周知されていないのか、やはり 93 日だとか、制度上のハードルがあるのか、あるいは企業にとっても、余り介護休業制度に対して手厚い保護をしていないという理由もあるのかもしれませんし、その辺の理由をお尋ねしたい。

 一方で、資料 3 7 ページを見ると、過去 1 年間に介護のために仕事を休んだ総日数がゼロ日が 46 %もいる。余りニーズがないのかなという見方もできるわけです。 9,600 人というのをどう考えたらいいのかということについての事務局の意見があれば聞かせてください。

○岩村部会長 私も同じ疑問を持っています。なぜこんなに少ないのか。本日出てきた資料では、なぜ少ないのかの原因分析がないようで、介護休業の分割という話とは直に結び付かないところがあります。その辺を事務局から説明をお願いします。

○奈尾雇用保険課長 もし何か補足があれば、追って補足していただきます。まず介護休業の取得者が少ない要因です。資料 3 6 ページです。そもそも介護休業等の制度の利用者が少ないということが一番大きな理由かと思います。 6 ページの左側の表ですが、介護をしている人の総数、これは正規・非正規含んで約 240 万人ほどいます。ところが、制度の利用ありで言うと、介護休業、短時間勤務、介護休暇を含めても、制度の利用ありが大体 38 万人弱なので、そもそも制度を余り使われていない。

 そういう中で、介護休業という所から見ると右側の表ですけれども、全体の 3 %ぐらいしか取得されていないというのが直接的な原因です。これが次の 7 ページでその休業日数を見ると、短い日数はかなり高い割合になっていて、ゼロ日、あるいは 1 7 日という辺りで 7 割になっていることからすると、例えば 1 7 日の休業を取った方は、介護休業給付の申請をしてくるかというと、一般的に考えると、またいつもう一遍介護休業を余儀なくされるか分からない状態が続くのではないかと推測されます。こういう方々は、給付を申請しない可能性がかなりあるのではないかと思っています。そういう点のギャップから見て、先ほどの 9,600 人というのは比較的少ないのかという評価になろうかと思いますが、 1 つの原因かと思います。他に何かありますか。

○蒔苗職業家庭両立課長 雇・児局両立課長の蒔苗から 1 点補足します。我々、研究会の中でもこの制度を利用されていない理由について議論いたしました。本日は用意いたしませんでしたけれども、三菱 UFJ リサーチコンサルティングに、平成 24 年に委託調査をした結果で、就労者と離職者の方々に、勤務先の両立支援制度を利用しない理由を聞いたものがあります。これによると一番多いのは、「介護に係る両立支援制度がないため」ということです。ただ、一方で介護休業制度は形成権ですので、制度がなくても取れるわけです。そもそも就業規則とかに書いていなければ、制度があることを知らないということで、ここは我々の周知不足もあるわけですけれども、労働者にどうやって情報を届けるか、両立支援制度の全般についてということもあるかと思っています。あとは、「他に必要となったときに利用したいため」というのは、現行では 1 回しか取れないということで取り控えという要因もあるのではないかと考えています。

○岩村部会長 浅見委員、いかがでしょうか。

○浅見委員 分かりました。そういう話を聞きたかったので、何かアンケート調査とか、その辺を裏付けるものがあれば、もう少し見せていただければということです。

○岩村部会長 事務局のほうで、その点は配慮いただければと思います。

○秋元委員 介護休業給付の給付率の見直しの所です。資料 3 4 ページに育児休業給付の場合との比較がされています。雇用継続給付という 1 つのくくりの中でということであれば、介護休業給付に関しても、育児休業給付と同じく給付率を 67 %に見直し、そして上限金額も変更していただきたいと考えています。また、給付率を見直しする際の財源の問題、これは今回の議論をスタートした第 101 回部会でも申し上げておりますけれども、介護休業期間中の経済的支援については、そもそも雇用保険財源によらず、本来は国の責任により一般会計で実施されるべきものであることをもう一度申し上げさせていただきます。

○奈尾雇用保険課長 給付率の関係ですが、本日の資料の 4 ページにあるとおり、雇用継続給付の中に育児休業給付と介護休業給付には差があります。技術的な話だけ申しますと、育児休業給付も、原則の給付率は 40 %です。現在は暫定的に 50 %なり 67 %に引き上げています。育児休業給付について暫定的に引き上げている理由として、育児休業の取得の促進、そもそも出生自体についてインセンティブを付けようということかと理解しています。

 介護休業給付については、現在までそういった必要性があるかどうかはなかなかコンセンサスがなかったというところで 40 %になっているのではないかと思います。こういう状況ですので、給付率についても是非本日この場で御議論をお願いしたいと思います。

 その場合ですが、これは育児休業給付も同じですけれども、失業に準じた保険事故として育児休業、介護休業として対応するということですので、失業に準じて財源についても労使折半保険料プラス一部国庫負担というところでやらせていただいています。この辺りについては、引き続き御議論いただきたいと思います。基本は失業に準じたものと考えています。

○深澤委員 育児休業と介護休業については、同じように家族に対する支援ということで、似た扱いをされることがあると思います。現実問題として、育児については期間的にある程度予測がつく部分と、介護については終わりが見えないという大きな差があるものではないかと思います。そういう観点で、必ずしも介護休業の給付額を上げることが、離職を防ぐという唯一の回答でもないのかと考えています。

 先ほどもありました離職についても、休みを取れる、取れないというよりは、離職する方の多くは勤務地自体を変える方も多いように感じています。多くは両親かと思うのですけれども、そちらの方々のお住まいの近くに勤務地を移すために離職する方も非常に多いのかということです。分割取得だけでも防げないものはあるかと思っています。

 一方で先ほど来の議論にあったとおり、いつ何時また介護休業を取得するような状況になるのか不透明なことから、休業の取得を先に伸ばすということもあるので、分割取得が認められることで、その支援を受けようという方は増えるのかと思います。そういうところの裏付けといいますか、何かしらのアンケート結果などをお示しいただければ、より検討にいかせるのかと考えます。

○奈尾雇用保険課長 今の御指摘のとおり、育児と介護については失業に準じた状態に陥るきっかけとは若干違う面があります。育児の場合は、より選択的な色彩が強いのかなというのは御指摘のとおりかと思います。一方で育児休業とか、介護休業という休業状態になった後の職場復帰のしやすさという点から見ると、介護は終わりが見えないという御指摘がありましたが、そのとおりかと思います。その休業状態になったときに、いかにして職場復帰しやすくするかという観点からすると、やはり育児休業も介護休業も類似の色彩があろうかとも言えると思います。

 その場合に分割というのも 1 つの御議論かと思い、この辺も本日は分割取得の効果とか、予測されるメリットというものを付けさせていただきました。一方で給付率についても御議論いただくことが必要かと思い本日の資料を用意いたしましたので、よろしくお願いいたします。

○岩村部会長 深澤委員、よろしいでしょうか。

○深澤委員 はい。

○遠藤委員 介護休業給付についても、育児休業給付と同様に考えています。簡単に言うと、法定の介護休業を取得する場合については、介護休業給付を出していくという考え方に立っています。介護休業の在り方については、雇用均等分科会で御議論いただくテーマであると考えています。一方で 93 日というものが延長されるのかどうなのか、あるいは分割取得が許されると言っても、最低の取得単位が、こま切れでということになってしまうと、それは取得の状況を大きく左右することでもありますので、 93 日の取扱いの議論、あるいは分割する場合の最低取得単位については、現状どのようになっているのかを、差し支えない範囲で教えていただけますか。

○岩村部会長 これは、均等分科会の話かと思いますので、家庭両立課長からお願いします。

○蒔苗職業家庭両立課長  93 日の取扱いと最低取得単位についてです。均等分科会の検討を 10 月に 3 回開き、介護に関しては 1 回議論しています。 11 5 日に 2 巡目の議論をすることにしています。まだ明確な結論は出ていないのですけれども、これまでの御主張では、労働者側からは 93 日では足りないのではないかという御意見が出ています。一方で使用者側からは分割ということもあるので、介護休業の場合にはべったり休んで介護してしまうと離職につながるというデータも一方であります。いかに離職せずに継続就業するかという観点からの見直しが必要ではないかという御議論があります。

 最低取得単位については、先ほど雇用保険課からも説明がありましたように、介護休業は 1 日からでも取れる制度となっています。現状、最低取得単位が決まっていないものですから、それを前提に、今後また均等分科会で御議論いただきたいと思っています。

○岩村部会長 遠藤委員、いかがですか。

○遠藤委員  1 日単位で取れることは重要かもしれませんが、 1 日単位を極端に言えば 93 回取るというのはとてもおかしな議論になってしまうので、最低取得単位を考えるのであれば、同一要介護状態のときの最大取得回数は是非入れていただくことが、現場の方々の要請になるかと思います。是非よろしくお願いします。

○蒔苗職業家庭両立課長 正に分割回数については、今後労使で御議論いただくことになっておりますので、よろしくお願いいたします。

○村上委員 遠藤委員から、分割取得の関係などについては、雇用均等分科会で議論する内容だろうということでしたが、私ども労働側もそのように考えております。ただし、給付率は優れて雇用保険部会の議論ではないかと思っています。育児と介護には、共通する部分もあるけれども違う部分もあるという御指摘でしたが、就業継続を支援していくということでは同じ趣旨であると考えています。少子高齢化の中で人口が減っていく中で、必要な労働力を確保するにあたり、いろいろな人たちにできるだけ活躍し続けてもらうということで言えば、給付率を引き上げて、できるだけ辞めずに就業を継続していただくための制度改正を行うべきだろうと思っています。

 先ほど、介護休業はなぜ取られていないのかというお話がありました。年間 10 万人の方が介護離職される中には、自分で介護したいとか、最後を見届けたいという方々もいらっしゃいますし、親の近くにいて最後を見届けたいという方々もいらっしゃいます。一方、私ども連合が調査した結果では、介護休業の取得をなかなか職場が認めてくれないという声もありますので、そういう意味でも給付率を引き上げて、制度を PR していくことも大事な施策ではないかと思っています。

○岩村部会長 私のほうから 1 つコメントです。これは、ここの部会の話ではなくて、雇用均等部会の話だと思いますが、何となく感じとしては、分割取得という形で今回議論されているものを認めるとすると、介護休業というものが当初考えていたものとはちょっと姿を変えるのかと思いました。それが良いのかどうかという議論はあるかという気はいたしました。もう 1 つこの部会との関係で言うと、今までは要介護状態になったり、あるいはグレードが上がったりすると取れるということで、要介護状態とリンクする形で保険事故を構成していたのが、今度はそれが切れる。もし分割取得を認めることにすると、同一の要介護状態であっても複数回取れるということになるので、要介護状態というものと、給付支給開始事由が切断されてしまうことになります。その場合、保険事故のコントロールはどうするのだろうかというのがちょっと気になります。その辺は事務局なりでお考えになられているのですか。

○奈尾雇用保険課長 基本的には保険制度ですので、休業について社会的コンセンサスができているものについては支給することが原則かと思います。そこは、休業の法定要件がどうなのかということで、私どもとしてはそれに付いていくことに尽きると今のところは考えています。確かに要介護状態と休業開始とが切れるということだと、その辺りはそもそも分割についての考え方をどう整理するかという辺りを踏まえて検討すべきかと思います。

○岩村部会長 ですから、雇用均等分科会のほうでも、雇用保険との関係を少し整理していただく必要があるかという気もしますので、その辺は事務局のほうで連携を取って検討していただければと思います。

○村上委員 現在、雇用均等分科会で育児・介護休業法の見直しとして、育児休業の有期契約労働者の育児休業の給付要件についても議論をされていると思うのです。育児休業については、雇用保険部会では、いつのタイミングで議論をすることになるのでしょうか。

○奈尾雇用保険課長 有期契約労働者の扱いについて、均等分科会で議論していただいていると認識しています。私どもとしても保険制度ですので、先ほど少し申しましたとおり、休業するという社会的コンセンサスができて、形成権として確立している部分を基本保険給付の対象とするという原則があろうかと思っています。したがって、その状況を見て私どもとしても、それに育児・介護休業法上の扱いに準じて、私どもとしての扱いを考えるということかと思います。

○岩村部会長 村上委員、よろしいでしょうか。

○村上委員 はい。

○岩村部会長 議論はこの辺でよろしいでしょうか。ありがとうございました。最後に本日の署名委員は、使用者代表の青山委員、労働者代表の村上委員にそれぞれお願いいたします。次回の日程は 11 11 ( ) になっています。次回は、本日若干まだ高齢者関係の議論が残りましたので、それについて御議論いただきたいと思います。さらに財政運営、それから一部の事項について、これまでの御議論を整理した資料を事務局に用意していただきたいと考えていますので、それらについても御議論を頂戴することを考えておりますので、よろしくお願いいたします。場所等の詳細については、事務局のほうで改めて各委員に御連絡を頂きたいと思います。本日はこれで終了いたします。お忙しい中を、皆様どうもありがとうございました。


(了)
<照会先>

厚生労働省職業安定局雇用保険課企画係
TEL:03-5253-1111(内線:5763)

ホーム > 政策について > 審議会・研究会等 > 労働政策審議会(職業安定分科会雇用保険部会) > 第106回労働政策審議会職業安定分科会雇用保険部会議事録(2015年11月2日)

ページの先頭へ戻る