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2015年12月14日 第126回社会保障審議会介護給付費分科会議事録

老健局老人保健課

○日時

平成27年12月14日(月)16:00〜18:00


○場所

ベルサール九段 ホール(3階)


○出席者

安部(有澤参考人)、伊藤、稲葉、井上、内田、河村、小林、齋藤(訓)、齊藤(秀)、鈴木、鷲見、瀬戸、武久、田部井、東(折茂参考人)、深井、福田(重田参考人)、堀田、本多、松田(敬称略)

○議題

1.介護事業経営実態調査等の見直しについて
2.介護保険サービスに関する消費税等の取扱い等について
3.その他

○議事

○佐原老人保健課長 それでは、定刻になりましたので、第126回「社会保障審議会介護給付費分科会」を開催させていただきます。

 委員の皆様方におかれましては、お忙しい中御出席賜りまして、誠にありがとうございます。

まず、本日の委員の出席状況ですが、阿部委員、大西委員、亀井委員、河村委員から御欠席の連絡をいただいております。

 また、内田委員と武久委員におかれては若干遅れているようです。

 また、安部好弘委員にかわり、有澤賢二参考人、東憲太郎委員にかわり、折茂賢一郎参考人、福田富一委員にかわり、重田恭一参考人に御出席をいただいております。

 以上により、本日は21名の委員に御出席いただく予定となっておりまして、介護給付費分科会として成立することを御報告いたします。

 それでは、冒頭のカメラ撮影はここまでとさせていただきます。撤収方、御協力をお願いいたします。

 では、以降の進行は田中分科会長にお願いいたします。


○田中分科会長 皆さん、こんにちは。本日は、介護事業経営実態調査等の見直し、介護サービスに関する消費税の取扱い及び福祉用具について御議論いただきます。

 事務局より、資料の確認をお願いします。


○佐原老人保健課長 それでは、お手元の資料の確認をさせていただきます。

 議事次第と委員名簿がございます。

 その後ろに、

 資料1 介護事業経営実態調査等の見直しについて(案)

 資料2 介護事業経営実態調査等の見直しに関する主な意見

 資料3 介護サービスに関する消費税の取扱い等に係る検討スケジュールについて(案)

 資料4 介護サービスに関する消費税の取扱い等に関する主な意見

 資料5 介護保険福祉用具・住宅改修評価検討会の検討結果について(案)

 参考資料1 平成2712月2日中央社会保険医療協議会資料

 参考資料2 瀬戸委員提出資料

 以上がございます。資料の不足等がございましたら、事務局にお申しつけください。


○田中分科会長 ありがとうございました。

ここから議事次第に沿って進めてまいります。

 最初に、議題1の「介護事業経営実態調査等の見直し」について議論を行います。事務局より資料の説明をお願いします。


○佐原老人保健課長 それでは、お手元の資料1をご覧いただきたいと思います。

 資料1は「介護事業経営実態調査等の見直しについて(案)」というものです。こちらは、資料の右上にもありますが、12月8日、介護事業経営調査委員会であらかじめ御議論いただいたものを提出しております。前回まで新しい経営実態調査等の在り方について御議論いただきました。今回、その見直しについてまとめたものです。

 介護事業経営実態調査及び経営概況調査は、各介護サービスの費用等についての実態を明らかにし、介護報酬設定のための基礎資料を得ることを目的として実施するものであるが、今後の介護報酬改定に向けて、より正確に実態把握する観点から、以下の見直しを行う。

 なお、平成29年4月に消費税率の10%への引上げが予定されていることから、平成28年度介護事業経営概況調査の結果は、介護サービスにおける消費税率引上げへの対応の検討に際して適宜活用する、というものであります。

1.調査対象期間等について

○介護事業経営実態調査については、単月の調査では、季節変動や特殊要因の影響を受ける可能性がある一方、調査対象期間を1年分とすれば、決算値を利用でき、数値の正確性が高まることから、改定後2年目の1年分の収支等の状況を調査する。

 繰り返しますが、経営実態調査については、これまで、単月だったものを1年分とするというものであります。

○また、介護事業経営概況調査については、介護報酬改定の前後の年における収支等の状況を比較することにより改定の影響を把握する観点から、改定前後の2年分の収支等の状況を把握する。

 これまでは、概況調査については1年の調査を行っておりますが、以後、改定の前後の2年分の収支の状況を把握すると見直すものであります。

○なお、記入者負担に配慮し、有効回答率の維持・向上を図る観点から、両調査の調査客体を一致させることは行わないこととする。

2.追加調査項目等について

○介護サービスをになう法人においては、借入れ等を利用して経営を行っている場合もあり、介護報酬改定の検討の際の参考として、建物等の取得に当たって相当程度の投資が見込まれる介護サービスを対象として、記入者負担に配慮しつつ、必要最小限の調査項目を追加する観点から、長期借入金返済支出を新たに把握する。

 下の※にその調査の新たに配付する対象となる施設を記載しております。

 1枚おめくりいただきまして、

○現行の介護事業経営実態調査等では、税引前の収支差率のほか、介護サービスごとの法人税等の額を調査し、税引後の収支差率も把握しているが、その時々の税制の在り方を前提としつつ、介護報酬改定の検討の際の参考として、調査結果を公表する際には、税引前の収支差率に併せて、税引後の収支差率も記載する。

○国庫補助金等特別積立金取崩額の取扱いについて、収支差率の算出の方法は、現行のとおりとしつつ、平成27年度から全ての社会福祉法人が新たな会計基準に移行することも踏まえ、介護事業経営実態調査等において記入する項目を「介護事業収益」から「介護事業費用」に移行する。

3.その他

 施設・居住系サービスの収支等における介護報酬以外のものの取扱いについては、現行の取扱いを継続しつつ、今後、費用の適切な按分方法について調査研究等を行うことを検討する。

○介護事業経営実態調査等の回収率や有効回答率を上げる取組として、前回の調査において、母集団が小さく全数調査をしたにもかかわらず有効回答数が少なかった介護サービスや記入不備が多く見られた調査項目等を中心に更なる改善を図る。

 以上です。


○田中分科会長 ありがとうございました。

 ただいま説明のあった事項について、御意見、御質問等がおありでしたらお願いします。

 鈴木委員、どうぞ。


○鈴木委員 何回かこの議論をしておりますので、大分集約されてきたのではないかと思います。1ページ目の「1.調査対象期間等について」です。3つ○がありますが、上2つの○はよろしいと思います。3つ目ですが、これは私のほうから前回も、資料2の1ページの右側にありますが、概況調査と実態調査の客体を一致させて3年分の調査をすることが望ましいので、見直し後の調査の実施状況を踏まえ、今後の検討課題としてほしいを言っております。このままだと、ずっと未来永劫、3年分の客体を一致させることは行わないとも読めますので、できれば、「なお、記入者負担に配慮し、有効回答率の維持向上を図る観点から」の後に「今回は」と入れて、「、」で切ってもいいですが、「両調査の客体を一致させることは行わないこととする」としていただきたいと思います。これは要望でございます。

 それから2.の「追加調査項目等について」でございます。一番上については、「長期借入金返済支出を新たに把握する」こととなりましたので、名称は議論もあるようですがこの形でよろしいと思います。2ページ目の○2つでございますが、上のほうに関しては、税引後の収支差率は参考ではなくて、私どもは少なくとも並列で考えていただきたいと思っておりますので、両方やっていただくのはいいのですが、3行目の「介護報酬改定の検討の際の参考として」は余計な気がしますので、もう少し平等に扱っていただきたいと思います。これも要望でございます。次の○はよろしいと思います。

 それから、「3.その他」については2つ○がありますが、これはそれでよろしいと思います。

 以上です。


○田中分科会長 御要望で、答えはよろしいですね。


○鈴木委員 ぜひお考えをお聞かせいただければと思います。


○田中分科会長 では、老人保健課長、お答えください。


○佐原老人保健課長 老人保健課長でございます。

 まず、1.目の調査対象期間の3つ目の○のところ、調査客体を一致させることは行わないということについて、「今回は」ということですが、基本的に、この紙は全て今回の対応かと思っております。つまり、次回の概況調査、あるいは次回の実態調査を行うに当たっての対応ということでありまして、これは次の調査対象項目、追加項目のところも含めまして、次回はこういう対応であるけれども、次の次の調査を行う際に当たっては、これはまた改めて、どのようなものをやっていくのが適当なのかというのはこの分科会で御議論いただくものと考えておりますので、あえてこの1の3○目のところに、ここにだけ「今回は」というのを入れる必要は余りないのではないかと思います。

 それから、先ほどの2ページ目の上の○のところですが、「参考として」というところがございますけれども、ここはあくまで、3行目のところにありますが、「その時々の税制の在り方を前提としつつ」ということが大前提かと思っております。この介護事業経営実態調査は、各サービスごとの収支差を見る。その際には現行の税制の在り方を前提としていくということですので、税引後の収支差というのは、あくまでこれは参考資料として見ていくというのが基本的なここでの御議論のコンセンサスではないかと思います。

 以上です。


○田中分科会長 鈴木委員、どうぞ。


○鈴木委員 御説明は分かりましたが、1ページの1.の一番上の、単月の調査を1年分にするのも今回だけということなのでしょうか、次の改定前後の2年目の調査も今回だけなのでしょうか。これらについて言えば、これからはこのように変えるということだと思うのですね。ですから、そのように読んでいくと、3つ目も、これからずっとこのようにと読むのが自然ではないかと思いますので、上の2つはずっとやるべきだという議論で進んだ話ですからそれでいいと思うのですけれども、3つ目に関しては、あくまでも今回だけということならば、「今回は」を入れたほうがいいと思います。

 それと、2ページ目の一番上ですが、税引前の収支差率が基本で、税引後は参考だというのは、法人税が非課税の社会福祉法人を中心に考えるとそのようになるのかもしれませんが、法人税が課税の医療法人や株式会社もたくさん参入しており、やはり同等に扱うべきだろうと思いますので、そこは再度検討していただければと思います。

 以上です。


○田中分科会長 本多委員、どうぞ。


○本多委員 この案につきまして、前回、キャッシュフローについて、医療経済実態調査と同様に把握したほうがいいのではないかということで、私、御意見申し上げましたけれども、ここに書かれているように、調査項目については、いろいろ長期のこういったことを入れていただいておりますので、これで結構だと思います。

 ただ、今回の見直しが、この1年にしたというところは、やはり医療経済実態調査に合わせたほうがいいのではないかという御意見、今後、医療・介護の連携とかを考えていきますと、今後については、やはりそういった整合性という意味で、できるものについてはやっていただければと思います。ただし、有効回答率に余り影響を与えてしまったら本旨ではございませんので、次回のときにはまた御検討いただければと思います。

 以上です。


○田中分科会長 ありがとうございます。

 瀬戸委員、どうぞ。


○瀬戸委員 今回の経営実態調査については、27年の1月9日の27年度報酬改定に関する審議報告の中でも、「引き続き調査設計や集計方法も検討する」となっていましたので、それも含めて5点ほど意見を述べさせていただきたいと思います。

 まず1つ目ですけれども、調査結果についてですが、調査主体ごとの会計基準の違いによる不公平や誤解が生じる可能性がありますので、今までのまとめた様式ではなくて、調査票の様式そのままの集計結果についても公表していただけないかと思います。

 2つ目については、これは特養の場合なのですけれども、各経営主体によって会計基準と指導指針という2つの会計方法を従来とっていましたので、特徴的な処理が収支差に影響する事項がありますので、できれば注記という形で分かるようにしていただければと思います。

 3つ目に関しては、特定施設入居者生活介護につきまして、経営主体か、あるいはケアハウスや有料老人ホームなど施設種別に分けた結果を公表することも必要ではないかと思います。

4つ目については、会計基準ごとに決算上の表示が、本部費、あるいは本部への繰入金など異なっていますので、こうした本部費の取扱いについても明確に示していただければと思います。

 最後、5つ目ですが、これは今回の中にも入っていますが、国庫補助金と特別積立金の取崩額の取扱いについては、社会福祉法人が新会計基準になりましたので、それに準拠して取扱いするということで、今回の案どおり差し支えないと思いますけれども、何度も申し上げていますように、実際に現金が手元に入ってくるわけではありませんし、また介護保険が施行されたときに、旧会計基準から移行した場合に、簡便法という取崩しを行った場合に、この取崩額を過大に評価している可能性がありますので、今後、補助金比率が昔のような60%という高い時代に整備した施設と、現在の20%以下の低い時代に整備した施設では、今後の事業継続を考えれば、見かけの収支差以上に収益を確保しなければならないという実態があります。そこで、従来の収支差に加えて、国庫補助金等特別積立金取崩額を除いた収支差率を参考として併記していただければと思いますので、御意見を述べさせていただきます。

 以上です。


○田中分科会長 事務局、いかがでしょうか。ただいまの御要望については。


○佐原老人保健課長 まず、1点目の主体ごとの会計基準ということについては、現在、病院、あるいは老人保健施設、特別養護老人ホーム、それから株式会社等でそれぞれ使っている会計基準が異なっておりまして、また、御指摘のように、特養の中、あるいは老健施設の中でもいろんな会計基準を使っているという状況があります。

2番目か4番目の御質問とも関係すると思いますが、それぞれ、例えば本部費をどういう費用の中で計上していくのかというのが会計基準によって違っておりますので、その辺をそれぞれの会計基準ごとに提示してもなかなか比較ができないということもありまして、現在では、一定の様式に整えた上で比較が可能なような形でお示ししているという状況であります。それぞれの会計基準ごとで見た場合にどうなっているのか、またそれをどのようにお示ししていったらいいのかということは事務局としても検討させていただきたいと思います。

 それから、国庫補助金特別積立金の取崩額につきましては、基本的に、平成27年度から全ての社会福祉法人が移行しました新しい会計基準では、この減価償却費から取崩額を引くという会計処理になっていまして、そういうものでこの費用のところを見ていくという考え方になっていると思いますので、基本的には介護実態経営調査、あるいは概況調査のほうでも、社会福祉法人の新会計基準に沿った取扱いをしていくのが適当なのではないかと事務局としては考えております。


○田中分科会長 瀬戸委員。


○瀬戸委員 前段のほうの検討はぜひよろしくお願いします。

 取崩額につきましては、集計結果の公表の際にできれば参考として国庫補助金特別積立金の取崩額を除いた収支差率を併記していただきたいということですので、これについてはぜひ検討していただければと思います。


○田中分科会長 武久委員、お願いします。


○武久委員 介護事業経営実態調査と書いてありますので、実態というのは一体どういうのを言うのかと。国語的に言いますと、可処分所得なのか、可処分利益なのか。要するに、法人がある程度自由に使えるお金が残っているのが実態でないかと思うのですけれども、これは前回もお話ししましたけれども、多様な主体が参加するというのが介護保険の特徴でありますから、民間事業者も社会福祉法人も地方公共団体も皆、事業やっておりますよね。そうすると、いわゆる所得税、法人税、事業税、固定資産税、いろいろあります。いろんな種類を払わなくていいところと払わないといけないところ。払わないといけないのも、その程度によってパーセンテージ違いますし、全然税金を払わなくていい、減価償却でも余りしないでいいような、例えば不動産についてはしないでいいような施設もありますから。

そうなってくると、単に収入から支出を引いた、いわゆる粗利益というものに対して、ある意味、税引前利益と言い直してもいいわけですけれども、これをもとに今まで介護報酬を決定してきたのでしょうか、老健局は。それとも、いわゆる税金を全部払った後で、可処分利益、可処分所得として使える額がマイナスにならない。平均的にですよ。もちろん、マイナスにも経営がまずければなりますけれども、平均的にマイナスにならないようにこの介護報酬を決定してきたのか、今後はどのようにするのかをお聞きしないと、実態調査をする意味がない。実態を調査して、実態が分かった段階では一体何に対して、それをメルクマール、標準として、この介護報酬をどうする、こうするというのを決めるのだろうと思うのですが、その根本のところをちょっとお聞かせ願えたらと思います。


○田中分科会長 介護報酬の根本にかかわる御質問ですが、お答えいただけますか。


○佐原老人保健課長 介護経営実態調査、あるいは概況調査につきましては、介護保険の中で二十幾つあります各介護サービスについて、その収入と費用の差を見ていくということで調査しているものでありまして、法人単位で調査しているものではないということがまずあります。

 その中で、これは今、資料1の2ページ目の一番上のところにもありますとおり、課税法人であるのか非課税法人であるのかというのは、現行の税制の在り方を前提とした上でその収支差を見てきているということであります。したがいまして、課税法人であれば税引前の収支差についてこれを見ていますし、もちろん、社会福祉法人であれば税がないわけで、国庫補助を受けているところであれば特別積立金取崩額を引いたもので見ているということになっておりまして、現行の税制の考え方、あるいは会計基準の考え方を踏まえて収支差を見ていくというのは、基本的にはこれまでもそうしてきましたし、今後もそこのところは同じようにやっていくものであると思います。別途、税制、あるいは会計基準の在り方の議論というのはあると思いますけれども、それはこの分科会で御議論いただくことではないのではないかと事務局としては思います。


○田中分科会長 武久委員、どうぞ。


○武久委員 そうすると、社会福祉法人には一般民間事業者に比べて多くの留保金が蓄積するというのは必然的なものであって、これが蓄積されているのがいかにも悪いような言い方をされてきた経過がありますけれども、これは適切に行えば蓄積するものですね。よろしいですか、そういうふうで。


○佐原老人保健課長 社会福祉法人の税制というのは、課税がないということのかわりに公益的な事業もやっていただくという使命があると考えておりますし、そういうことも踏まえて今の税制の在り方になっているのだと我々としては理解しております。


○田中分科会長 深井委員、お願いします。


○深井委員 先ほどの経営実態調査の調査票の集計そのものを集計してほしいということで、私もそう思います。というのは、平成26年の実態調査等を見ると、職員数と職員給与については23項目ぐらいの質問項目がありますが、国のほうで示している調査結果は、職種としては4職種程度です。こうなると、介護サービスの費用等の人件費のところはなかなか出なくなりますので、この実態調査を行う場合の調査票の集計そのものの集計結果をぜひ出していただきたいと思います。


○田中分科会長 集計結果についてはどのような。これはどちらかというと実務的に可能か不可能かに近いと思いますが、いかがでしょうか。


○佐原老人保健課長 実務的にはそんなに難しいことではないかと思います。つまり、それぞれの会計基準に基づいた調査票を各施設にお配りしていますし、その回答が各施設から返ってきていますので、それを単純に集計したものについては算出することは難しいことではないと思います。

ただ、それだけでは単純に、別の会計基準を使っているグループと比較ができないということで今のような取扱いになっておりますので、事務局としては、今後の対応については少し研究させていただきたいと思います。


○田中分科会長 ほかに、議題1についてはいかがでしょう。

 鈴木委員、どうぞ。


○鈴木委員 先ほど武久先生からありました介護事業経営実態調査の目的ですけれども、今回ずっと議論してきた、いわゆる簡易キャッシュフローもそこが重要なポイントになりますので、名称はともかく、長期の借入金の返済を入れていただきたいと言ってきたわけですが、この調査の目的は、介護事業のコストが利用者負担も含む報酬で賄われているかどうかを見るためのものであると考えられます。コストには人件費と物件費と資本費が含まれます。これは会計上費用になるわけですが、それに、会計上は利益ですけれども、実質的には費用となる再生産コストも含まれると思います。

介護保険では、利用者負担を含む介護報酬の中に再生産コストが入っていると考えられますので、今後の施設整備等を行う上においては、制度内に再生産スキームを組み入れていかなければならないと考えます。これが要するに、色々な事業体の税制の在り方によって違ってくるので、それを踏まえて見ないと、特定の、例えば法人税を払わないところだけどんどん利益がたまっていくと誤解されかねないし、見られかねないのです。そこをできるだけ公平に見るためにも、話は戻りますが、税引前と税引後の収支差率は、私は少なくとも平等に扱うべきではないかと思いますし、長期借入金の返済支出を入れることも必要であると考えております。

意見ということでいいと思いますけれども、よろしくお願いします。


○田中分科会長 ありがとうございます。調査が出て、数値が出た段階で、またこのように読めると各委員から言っていただいて討議いたしましょう。

先ほど課長から説明があったように、このペーパー自体が今回の話なので、特段に「今回」を入れなくてもよい形で進めさせていただきたいと思います。

議題1については、本日提示させていただいた内容で、また委員の皆さんのおっしゃったことは十分に理解しているとの前提で、当分科会としては、今回はこれで了承することとしてよろしゅうございますでしょうか。

(「異議なし」と声あり)


○田中分科会長 ありがとうございます。

 次に、議題2「介護サービスに関する消費税の取扱い等」について、事務局から説明をお願いします。


○佐原老人保健課長 事務局でございます。

 資料3をご覧いただきたいと思います。資料3は「介護サービスに関する消費税の取扱い等に係る検討スケジュールについて(案)」というものです。消費税の取扱いに関しましては、前回の給付費分科会で、中身については一定の御議論をいただきました。本日は、検討のスケジュールについて御相談をさせていただきたいと思います。

 まず、28年の1月から3月ごろですが、・介護事業経営概況調査の調査票の決定というものがございます。次回の分科会で、具体的な調査票の様式について御議論いただきたいと思っております。

 また、次の・ですが、「関係団体ヒアリングの実施」というものがございますが、これについては下に※1として注がございます。「関係団体ヒアリングについては、介護事業経営調査委員会において実施し、その結果は介護給付費分科会に報告する」というものであります。この関係団体のヒアリングというのは、前回の消費税引上げのときにも実施させていただきました。あくまで消費税が、今回でありますと8%から10%に上がることについての技術的な対応についてどうすべきかということについて関係団体からヒアリングをさせていただくということであります。報酬体系全般についての議論をするというものではないと考えております。

 それから、4〜7月ごろですが、分科会のほうで論点整理を改めて行っていただきたいと思っております。また、この時期、介護事業経営概況調査の実施を事務局としてさせていただきまして、8〜12月になりましたら、介護事業経営概況調査の集計・分析が恐らく10月、11月ごろになると思いますが、報告させていただきまして、具体的な各論点に関するより具体的な検討を行い、12月には、消費税10%引上げ時の対応方針について、前回の引上げ時と同様、対応方針をとりまとめていただく。これに沿って、4月に向けて消費税引上げの具体的な作業を行っていきたいと思っております。

 以上でございます。


○田中分科会長 ありがとうございました。

ただいま説明のあった事項について、御意見、御質問がおありでしたらお願いします。

 鈴木委員、どうぞ。


○鈴木委員 スケジュール感はこんなものだろうと思うのですが、※印の1、2ですけれども、1については前回言いましたが、立ち会いができるということなので一歩前進ではあると思いますが、本来はやはり、介護事業経営調査委員会でなくて介護給付費分科会でやるべきなのだろうと思います。希望により立ち会いもできるというのはどういうことなのでしょうか。意見も言えるのか、ただ傍聴しているだけなのか。これは日程調整の問題もあるし、実質的には機能しないように幾らでもできるわけですが、どのようにお考えなのかということが1つあります。

それから、※印の2です。「介護事業経営調査委員会において対応案を検討するとともに、適宜、介護給付費分科会においても検討を行う」と言うと、何か介護事業経営調査委員会のほうが上で、介護給付費分科会が下のようなイメージがするのですが、そうではないだろうと思うのです。介護事業経営調査委員会で対応案を検討するのはいいのですが、それをもとに介護給付費分科会でさらに検討して決定するとしていかないと、位置づけが違うのではないかと思います。これだと、同等か、もしくは介護事業経営調査委員会のほうが上のような感じがするのですが、位置づけとしてはどうなっているのか、事務局のお考えを聞かせていただきたいと思います。


○田中分科会長 質問2点あって、特に後段は御懸念をお持ちでしたので、丁寧にお答えください。


○佐原老人保健課長 事務局でございます。

 まず※の1番目の、「また、希望により介護給付費分科会委員の立ち会いもできることとする」というところにつきましては、基本的に、これは分科会の委員の方が経営調査委員会にはオブザーバーとして参加をいただくということではどうかと事務局としては考えております。そこで言うオブザーバーというのは、基本的にロの字の中に座ってはいただきますが、御発言は調査委員会の委員の方に限らせていただいて、もし御意見がさらにあれば、この調査委員会からの報告が分科会のほうにあった段階で御発言をいただくということかと思います。

また、経営調査委員会を開催するに当たって、こういう視点から議論をしたらいいのではないかというようなことがあれば、これは事前に御指示いただくということもあると思います。先週、経営調査委員会がありましたが、もし分科会のほうから、こういう論点で議論すべき、あるいはもう少しこういった議論もすべきではないかということがあれば事前にいただきたいという御意見もありました。そのような対応ではないかと考えております。

 また、※の2番目ですが、「検討に当たっては、経営調査委員会において対応案を検討するとともに、適宜、介護給付費分科会においても検討を行う」と書いています。これは少し書き方が分かりにくかったかもしれません。あくまで最終的に御判断をいただくのは分科会と考えております。経営調査委員会というのは、この分科会のうちの学識経験の方3名と、それから会計、あるいは調査の専門の方3名の計6名で構成されております。そちらで技術的な問題についての対応案を検討していただくわけですが、ここで「適宜、給付費分科会においても検討を行う」と書きましたのは、この調査委員会で最後まで検討して、結論が出たら分科会のほうに御報告しますという意味ではなくて、調査の議論、何カ月間か掛けて議論するわけですが、その間も適宜分科会に報告をしますという趣旨でありまして、あくまで最後に御判断いただくのは分科会という位置づけは変わりありませんし、揺るがないものと思っております。


○鈴木委員 了解しました。ぜひそのようにお願いいたします。ここでもしっかり議論していきたいと思います。診療報酬との関係もあり、委員会だけでは不十分な場合もあると考えられますので、よろしくお願いします。


○田中分科会長 委員会では技術的な討論を行い、それを踏まえてこちらの本分科会で政策的な検討を行うとの理解で私もおります。日本語が少し下手だったのはお許しください。そういう意味で理解しております。

 瀬戸委員、どうぞ。


○瀬戸委員 スケジュールに関しましては特に異存はないと、このように進んでいくのだろうなと思います。

 参考資料2で提出させていただきましたので、データに関しましてはそこを見ていただければと思いますが、検討の際にぜひ参考にしていただきたいということで出しました。

1つ目は食品に関してですが、物価高騰に伴って食費は高騰していますけれども、現在、第4段階以上の方でも基準費用額の枠内で食費を設定している実態がありますので、消費税増税を踏まえて、この基準費用額に関しても検討できるような調査等をしていただければと思います。また施設系サービス全体で平均集計されていますけれども、ぜひ抽出に当たっては施設類型ごとに設定するようなことも必要であるかと思います。

 2つ目は居住費についてですけれども、今回、従来型の多床室に関しては少し基準費用額の改定があったのですけれども、従来型個室ですとかユニット型個室についても非常に費用がかかってきております。参考資料2の3ページの図4にございますけれども、年々上昇しておりますので、それも含めて消費税の対応も時に検討していただければということで意見として述べさせていただきます。よろしくお願いします。


○田中分科会長 本日は御意見でよろしゅうございますか。


○瀬戸委員 はい。


○田中分科会長 ありがとうございます。

 武久委員、どうぞ。


○武久委員 介護保険は医療保険と違って、大きな医療機械とか高価な道具とかはないので、消費税に対しては割合補填しやすいと思うのですけれども、唯一、建て直しのときとか新規のときに、20億の施設を仮に建てたとすると、2億円の消費税を一度に払わないといけない。その2億円という支出がこの現在の案の補填額としていくと、大体何年ぐらいでその2億円分ぐらいが帳消しになるのかをちょっと教えていただけたらと思うので、今すぐでなくてもいいので、次のときまでにお知らせ願えたらと思います。


○田中分科会長 資産計上した消費税の償却について、技術的な御質問なので、この場で答えるよりは、正確な数値にしてから説明してください。

 消費税については、ほかに御質問、御意見ございませんか。

 それでは、この議題2については、本日提示させていただいたスケジュールに沿って引き続き検討を進めていくことにいたします。ありがとうございました。

 次に、議題3、福祉用具を取り上げます。事務局から説明をお願いします。


○佐藤高齢者支援課長 高齢者支援課長でございます。

 お手元の資料5に基づきまして御説明させていただきます。「介護保険福祉用具・住宅改修評価検討会の検討結果について」でございます。

 おめくりいただきまして大変恐縮でございますが、2ページからまいりたいと思います。(参考)といたしまして検討会でございます。2回前の給付費分科会におきまして、この検討会について御説明を申し上げました。

ロボット戦略等を踏まえまして、これまで3年に1遍程度開催し、介護給付の対象とすべき福祉用具等につきまして、この検討会で御議論いただいておりましたが、今回から随時募集をするということで、この4月から募集を随時しております。そして、この募集の結果、相当程度、種目、種類の提案がございましたときには随時この検討会を開催するということとしておりまして、この給付費分科会におきましては、検討会を踏まえまして御意見、御議論いただいて、その上で適切なものについては告示改正等の実施により給付対象とするというものでございます。

 この検討会でございますけれども、1枚お戻りいただきまして1ページ目でございます。4月から10月までに要望があった福祉用具は18件、それから住宅改修は4件ございました。これについて、去る11月9日にこの検討会を開催させていただきまして御議論いただきました。18件、あるいは4件ある中で、最終的には、この福祉用具の貸与としまして歩行器という種目・種類につきまして給付対象とすることが適当であるという御議論をいただいたところでございます。

 内容につきましては、現在、歩行器そのものは対象になってございますけれども、今対象になっている歩行器に自動制御装置などを付加するということによりまして利用者の移動を補助するというものでございます。

これにつきましては、委員からの意見欄にございますけれども、例えば今までの歩行器に制御機能がついているという、その分だけ利用上の安全性という点ではプラスであるという御意見。それから、利用上の安全性が確保できるのであれば、外出支援に一層つながるのではないかということ。それから、また歩行器を使わないと歩けないような方々は極めて転倒しやすいという方なので、一般の歩行器と比べて転倒のリスクをカバーしてくれるという意味で、坂道における制御機能のみならず、普通の道における歩行の支援ということでも有効であるという御意見。それから、今、電動車いすが認められておりますけれども、それと同様の考え方で、歩行器についても電動が認められていくだろうという展望があるということ。このような御議論がございまして、自動制御を付加した形の歩行器につきましては、新たに追加することが適当であるという御議論をいただいたところでございます。

したがいまして、この給付費分科会におきまして御意見を頂戴した上でということでございます。よろしくお願いいたします。


○田中分科会長 ありがとうございました。これを給付対象としたいというのが事務局原案ですね。これについて御質問、御意見をお願いします。

 鈴木委員、どうぞ。


○鈴木委員 これも、以前話が出たときに、この介護保険福祉用具・住宅改修評価検討会が決定して、この分科会に報告するという話だったので、ここで決定する形にしないとおかしいと主張して、前の課長の時ですけれども、そのようにするということになったと思うのですが、それでも、この資料を見ますと、1ページの一枚紙を見て判断しろというのは無理があると思います。

 まず、福祉用具が18件、住宅改修が4件あったわけですが、なぜその中からこの1件だけ、この歩行器が選ばれたのかという経緯が分かりませんし、それから、この歩行器には自動制御装置がついているということですが、その内容が分かりません。これだけで判断できる方というのは、余程想像力がたくましい方か歩行器の専門家以外にはないと思います。これで判断しろというのは無理があると思います。今までこういう形でやってきたとしたら、それは非常に不十分なやり方ではなかったのかと思いますし、診療報酬的から考えると、有効性・安全性はどこで評価しているのかということも分かりません。どうも余りされていないとようですが、そういうことでいいのか、このままでいいのか、それを評価をする場を設ける必要があるのではないでしょうか。

それから、価格が自由価格ということですが、これだと青天井になるわけですけれども、今後ロボットが増えてきて、前回、500億円市場と言われましたが、全部が介護や福祉の用途ではないにしても、高額の機器がこの福祉用具と言われる分野にも出てくると思います。そうした場合に、価格を、最初は自由でも、そういう国もありますから、最初から全部公定価格にしなくてもいいという考え方もあるわけですけれども、それにしても、価格をある程度抑制する仕組みを入れないと、介護報酬においても、ものの値段が上がって、人件費を圧迫するということが起きかねないのではないかと思いますので、ぜひ早いうちにそうしたものを評価して価格をコントロールする仕組みをつくるべきではないかと思います。

これは同じ厚労省の保険局の中で、医薬品は別にしても、保険医療材料、医療機器においてかなり緻密な仕組みができておりますので、そうしたものを参考にして、最近では費用対効果の話も出ているわけですから、ぜひ同税の仕組みを入れていただかないと今後の議論に耐えられないのではないかと思います。

 とりあえず、今日の件でございますけれども、私はこの資料だけで認めるということは難しいのではないかと思いますが、皆さんはどうお考えでしょうか。私はこれでは判断できないと言わざるを得ないと思います。


○田中分科会長 関連してですか。


○鈴木委員 答えられる部分があったらぜひお願いします。


○田中分科会長 有効性・安全性の検証の場等の大事な質問がありましたので、お答えください。

では、先にどうぞ。


○伊藤委員 私も、鈴木委員とかなり重なる問題意識を持っておりまして、まず、今日提起されている福祉用具18件、住宅改修4件のうち1件が、今回、歩行器の種目を拡張する形での修正で提起がされるようですけれども、そうなりますと、福祉用具18件、住宅改修4件それぞれがどのような取扱いになっているのかというのをまずお教えいただきたいと思います。

その上で、今、鈴木委員からもありましたが、こちらは自由価格であり、公定価格になっていないということから、診療報酬の、医療器具とは違うということになるのかもしれませんが、やはり市場規模というか、どれぐらいの財政影響があるかというのも、その判断の材料として示されるべきだと思っております。

その財政影響という意味では、介護給付費通知書に福祉用具貸与価格の分布状況というのを示すというような取組も始まっていると聞いていますけれども、まだ私の手元にある情報では保険者の7%が取り組んでいるに留まっているということです。保険者にこの情報提供をしてもらうというのが適当なのかということも考える必要があるのではないかなと。利用時点で選択できるようにするためには、途中で報告されるというよりは、ケアマネなりから情報提供されるという必要もあると思っております。そのようなことも今後の検討として、この場なのかどうか分かりませんけれども、必要と思います。

とりあえずはまず、この場では、福祉用具18件と住宅改修4件それぞれについて取扱いをお教えいただきたいと思います。


○田中分科会長 では、両委員からの質問にお答えください。


○佐藤高齢者支援課長 はい。今、委員の皆様方から御指摘いただきました。まず、18件、それから4件につきましては、検討会は公開で開催しておりまして、18件については、13分野ございまして、それらに分けて議論していただいております。例えば服薬支援のロボット、それからコミュニケーションロボットなどがございます。服薬支援ロボットにつきましては治療という色彩が強いという御議論があって、なかなかなじまないのではないか。あるいは、コミュニケーションロボットについても、その機能はかなり複合的であって、この福祉用具という、要介護高齢者に特化してその自立支援に資するという趣旨から少し外れるというような御議論がございました。その他、例えば防水シーツ、あるいは浴槽用滑りどめマットなどはもう市場に出ているとか、そのような御議論がございまして、そういった御議論の中から、この歩行器というものについて適切ではないかという御議論をいただいたところでございます。

 住宅についても同様でございまして、段差の解消のための工事という御提案があったわけでございますけれども、これも当該工事をすると逆に段差が少しできるというような御議論があって、この検討会におきましてはネガティブな議論がございました。

 そして、この歩行器につきましては、現在でも、その対象になっている歩行器そのものに、いわゆるセンサなどで、ロボット機能ということで自動的に坂道ではブレーキをかけてくれるというような機能が付加されたものでございまして、歩行器そのものの価格については、平均的には、現在、貸与価格、月約3,000円程度でございます。今回提案のあった貸与価格は、月約1,000円程度ということでございます。提案者のほうから伺っているところではそういったことでありまして、単価といいますか、価格の点につきましては今申し上げたとおりでございます。

また、若干繰り返しになりますけれども、現在既に歩行器を利用されておられます要介護の高齢者の方々が、必要に応じて、いわゆる機種を変更して利用していただくということを想定されると考えておりまして、ある意味、利用者の数自体が、これの対象化によって大幅に増加するということは考えにくいであろうと認識してございます。

 それから、鈴木委員からさらに御指摘のございました安全性の評価等につきましては、製品の利用上の安全性についてはこの検討会で議論をある程度いただいてございます。製品そのもの安全性はメーカーが担保していただくということで、利用上、使い方の安全性については一定程度御議論いただいておりますが、なお、どこまで議論を深めていくかというような問題意識は持たせていただいてございます。

 それから、価格そのものの在り方につきましては、御承知のとおり、福祉用具貸与につきましては、先ほど伊藤委員からもございましたように、公定価格ではなく、市場価格でございます。そういったことも踏まえまして、いわゆる居宅サービスの区分支給限度額の、範囲内での利用という形になってございますので、そういう意味では、ほかのサービスとは若干制度設計が異なっておるというのが前提ではございますけれども、なお、いわゆる市場における価格の適正化というようなことについては、さまざまな取組をこれまでもしてきておりますけれども、これからもしてまいりたいと考えております。

 先ほど伊藤委員からお話のあった介護給付費通知書の取組、これは保険者から利用者の皆様方に対して、実際に利用する製品ベースで費用の額などを通知するというものでございまして、直近ですと、平成25年度で760程度の保険者が活用いただいているということで、一定程度増加してきておりますけれども、なお引き続き取組を進めてまいりたいと思っております。

 それから最後に、今、御説明を申し上げたようなことをペーパーベースで余り準備できていなかったということをお詫び申し上げます。若干、この2枚紙で不十分であったとすれば、少し口頭で補わせていただいたという形でお願いできないかと思っております。

 以上でございます。


○田中分科会長 伊藤委員、どうぞ。


○伊藤委員 では、もう一回確認ですが、福祉用具18件と住宅改修4件のうち、1件以外は却下になっているということですか。そのほかの対象種目、現在ある対象種目の中で読み込めるといって保険給付になっているというものがないということですかね。もう一回その点を確認させてください。


○佐藤高齢者支援課長 却下というか、引き続きいろいろな議論をしていく必要があるということで、また提案があれば、また提案を受けて随時検討していくことになるわけでございますけれども、既に給付の対象になっているという議論がなされたものとしては、1件、移動用のリフトというのがございまして、これは現時点でも給付の対象になっていると理解できるという議論がなされてございます。

 したがいまして、今回、給付費分科会のほうに御意見を頂戴するというものは、この歩行器の自動制御というものになったわけでございます。

 以上でございます。


○田中分科会長 齊藤委員、お願いします。


○齊藤(秀)委員 お二方の委員から御発言あったわけですが、やはり同様の感想を持たれている委員も多いのではないかと思います。まず1つは、可否の判定理由がペーパーベースであってほしいなと感じました。それからもう一つは、認定する方向性の中でも、安全性の評価というものがある程度担保できているというものの評価された部分についてのコメントもやはりあってほしいなと思いますね。

 それから、やはりペーパーでは分からない部分があるので、この種のものは、ある程度絵面だとか、場合によっては動画を用いて見せていただく等々しませんと、想像ではなかなか到達し得ないものがございます。私ども、素人の立場から、それを見たからといってどれほど評価できるかということは別でありますけれども、ただ、従来のものと新しいものとの間でこういう違いがあって認定されたのだということは、やはりペーパーだけではうかがい知れないところがあるだろうと思いますし、今後またこの種のものが次々出てくるであろうということを考えますときには、検討のプロセスがだめだったということではなくて、それを表現されて、多くの方々の理解を得るための工夫は是非していただきたいなと感じました。

 特に利用者の立場からすれば、今までできなかったことができるようになるということは非常にプラスのことが多うございますし、当然費用との問題もあるわけでありますけれども、将来においては、全て介護費用の中で見るのか、一定程度自費で見るのかということも当然あり得べきことだろうと思いますので、ぜひ内容的には私は推奨していっていただきたい部分だと思いますので、今の点はよろしく御検討いただければと思います。


○田中分科会長 ありがとうございます。確かに、支援課長が口頭でおっしゃった3,000円、1,000円などの価格のイメージとか、歩行器を使っている人の人数ぐらいは資料として出してあったほうが議論しやすい、と私も感じました。

 どうぞ、松田委員、お願いします。


○松田委員 この器具、多分、急加速になったら制御働いてブレーキ働くというその手のやつだと思うのですけれども、実際そういうものがないことによってどのぐらい事故が起こっているとか、そういうデータはあるのでしょうか。要するに安全性が高まるという説明になっているのですけれども、実際にそれがないことによって今までどのぐらい事故が起こっているとか、そういうデータは厚労省のほうはお持ちなのでしょうか。


○佐藤高齢者支援課長 検討会におきましては、その具体のデータまで用いた議論にはなっておりません。ただ、製造者が検証したものですとか、また、各検討会の構成メンバーの知見に基づきました議論がなされているところでございます。


○田中分科会長 ほかにございませんか。

 本多委員、お願いします。


○本多委員 私も皆さんと同様な感じなのですけれども、決めるに当たって、今後こういった技術というのはだんだん進歩してきますので、先ほど出たように、ロボットとかそういうのが出てきたときにどう判断していくのかという、そういった、現時点でも一定の基準みたいなものをこちらの検討会のほうでも考えていただかないと、その辺はしっかりしていただかないといけないのかなと思います。


○田中分科会長 内田委員、どうぞ。


○内田委員 介護をする側から申し上げますと、福祉用具で事故が起こることもありますが、それは使い方をよく理解せずに使用するために起きるものです。やはり安全性をちゃんと、このように検証したお示しいただくと考えやすいかなと思います。


○田中分科会長 そうですね。福祉用具が安全で、機能があって、価格が心配なければ入れることには誰も反対しないと思うので、それらの点がちゃんと説明できているか、データがあるかですね。皆さん、ほぼ共通です。福祉用具を入れるのはけしからんという意見ではないけれども、ちゃんと安全性、効果、そして価格のことを把握しているかについて御懸念があったようです。

 支援課長、お願いします。


○佐藤高齢者支援課長 機能と安全と価格面ということでございますね。そのあたりも、今いただいた委員の皆様方の御指摘を少し整理させていただければと思います。すみません。


○田中分科会長 今回のこの案件については、書類の提出が次回になっても、事務局としてそれらについては大丈夫だと言い切れるなら今日入れてもいいし、次回まで待つと言うなら待ってもいいですが、どういたしますか。


○佐藤高齢者支援課長 今いろいろ御指摘いただいた部分、かなり共通する部分があろうかと思います。もしよろしければ、次回までにしっかり、もう少し整理させていただいて、次回、この場でもう一度御説明させていただくことができればと思っておりますけれども、いかがでございましょう。


○田中分科会長 皆さんに祝福される形で取り入れないと、懸念の固まりの中で入れるとまずいでしょうね。

 では、今日はそのような扱いでよろしゅうございますか。

(「異議なし」と声あり)


○田中分科会長 ありがとうございます。

予定していた議題は以上でございますが、そのほかに何か御発言。

 では、田部井委員、どうぞ。


○田部井委員 認知症の人と家族の会です。

 私ども、介護をしている者を中心とした集まりですので、同じ在宅介護に携わる者として、認知症の介護にまつわるいろんな事件といいますか、事故等の報道を聞くときほど、とりわけ一生懸命介護していた家族の最後が悲しいことになるというのを聞くほど悲しいことはありません。同じ介護家族だからこそ何かできることはないかと考えまして、同じように、命を絶ってしまおうかとか、あるいは命を奪ってしまおうかとか、そういう思いをした介護家族は私どもの会の中にも少なからずおりますので、そういう寸前の思いをした経験を持つ会員から何とか踏みとどまってほしいという体験談を寄せてもらいまして、このようなちょっとショッキングな色とタイトルの、「死なないで!殺さないで!生きよう!」と呼びかけるリーフレットを作成したりしています。今日はちょっと配布させていただく準備ができませんでしたので、もし関心のある方はお声がけいただければ、少し用意してきていますので、見ていただければと思います。

先日も、御近所からは、親孝行だと言われていた娘さんが、私の近くを流れている利根川に車ごと入っていかれて、その後、御両親の手を引いて入水するという悲しい報道がありました。結局、娘さんだけが生き残って、殺人と自殺幇助ということで起訴されることになりました。罪は償わなければいけないと思いますけれども、親である自分たちが原因でそのような立場に立たせてしまった娘さんを空の上から見つめるしかない御両親と、これからも重荷を背負って生きていかなければいけない娘さんの心中を考えますといたたまれない思いがいたします。

私ども、微力ですけれども、いろんな努力をしているつもりですが、残念ながら、介護にまつわる悲しい報道というのは後を絶たないというのが現状だと思います。やはり社会保障、あるいは福祉を充実させて、そうした事故をなくすためにも、今、喫緊の課題だと言われています人材確保というのがどうしても必要だと思います。

 このほど、一億総活躍社会の実現に向けた「新・三本の矢」というのが打ち出されました。その中で、私は、第三の矢とされる「安心につながる社会保障」というのこそ、第一の矢として掲げるべきではないかと考えております。その安心につながる社会保障の中で、介護離職ゼロということが打ち出されています。ですけれども、もし本当に安心につながる社会というのを本気で目指すのであれば、介護離職ゼロということと同時に、介護職の離職ゼロこそ最優先に打ち出すべきではないかと思います。

 「安心につながる社会保障」の中で掲げられているいろんな施策に照らしてみても、この4月に実施された介護報酬の大幅引下げというのはそれと相反するものだとしか私どもには思えないわけですね。その思いは、あれをよかれと思ってやった人はほとんどいないと思いますので、私どもの抱いている思いというのは、ここにいる多くの皆さんとも共通するものではないかと思います。それで、やはり国としての抜本的な待遇改善策というのを立てる以外に道はないのではないかと思います。

 日本で一番優秀な頭脳の皆さんが結集しているところでもありますので、さらに知恵を結集していただいて、例えばですけれども、こういう財源をこれだけ確保して、10万円とも言われる平均的な給与と介護職のそれとの落差を埋めると。だけれども、それは単なる支出増ではなくて、有能な人材を安定して働ける場所を提供するし、また安心の保障が健全な消費を生み出すことにもつながって、支出を補うにも足る効果があるのだと。そういう考え方は、私は介護保険制度創設時のあれの中にも含まれていたと認識しているのですけれども、例えばそのような提案をしていただいて、ただ社会保障費は減らすしかないと考えているように映る、違うかもしれないですけれども、そのように私どもから見えてしまう財務省と厚生労働省としては、ぜひ力強く折衝していただきたいなと思います。

 社会保障を充実させるという共通の土台に立っているということを示していただいて、私たち介護家族にも元気を与えてほしいなと思います。総合事業はこれからもっと頑張れということだろうと思いますけれども、相当程度頑張っていると思うのですが、もっと頑張るためにはやはりモチベーションが欲しいなと思います。

できれば局長がいいかと思うのですが、どなたかから決意表明的な一言をお願いできないものかと考える次第です。


○田中分科会長 まだ報酬改定の議論の段階ではないので決意表明はちょっときついかもしれませんが、何らかのお言葉をお願いします。


○三浦老健局長 今、御指摘ございましたように、介護の現場で働いてくださる方を確保するということは極めて重要な課題で、箱物だけつくれば何とかなるということでは決してないと私ども思っております。今回の「新・三本の矢」の中には、介護の現場で働いている方の負担を軽減することも考える必要があるということで、ロボットなどの新しい技術を入れていくこととあわせて、例えば現場で必要な書類が多過ぎて、介護実務働くというよりも書類書きが多くなっているのではないかとか、さまざまな介護以外の負担をどうやって改善していくかということもあるのではないかと思っています。

それから、新しく介護の現場に入ってくださる方を確保するということも大事ですので、そういう新規参入していただく方に対するさまざまな支援策もございます。中でも、中高年の方で既に高齢者を対象としてさまざまなボランティアをやっておられる方が相当数おられるということもあるようでございますので、そういう方にお手伝いいただくか。たしかこの審議会だったと思いますけれども、武久委員から、「介護助手」という言葉も出たと思います。そのような位置づけの方々の役割というのもあるのではないかという議論も行われています。さまざまな方策を通じて、現場で働く方々が安心して働いていただけるような環境をつくっていく、これは私どもしっかりやっていきたいと思っております。


○田中分科会長 鷲見委員、どうぞ。


○鷲見委員 ありがとうございます。

先ほどから、今回の次の報酬改定に向けての調査検討や、または改正の方向性の議論も既に始まっているところでございますが、今後の課題の中にも挙がってきている評価について、各団体等からも意見が出されたり、ますます今後ここには集中していくことになると思います。そういう中にあって、生活という型にはまらないものをどう評価していくかとは、当事者にとってとても重要なことだと思います。

介護保険制度が始まって15年、介護支援専門員は、介護保険制度の理念にある、尊厳を保持してその人らしい生活を目指して、利用者のそばで一緒に考え、そして支援してきたと思います。例えば、現在、「軽度者」というような言葉を一くくりで話されがちではございますが、要支援1の方と要介護2の方は、生活における支障の出方も状態像も大きく異なると思います。そういった例を我々は現場で、特に個別のケアマネジメントの重要性を感じて支援に時間を割いております。社会情勢の変化に伴う課題を踏まえましても、寄り添っている現場のヒアリング等がなされないままに議論を進めていくことは、今後の高齢者、または利用者の生活を大きく左右することだと思いますので、ぜひ生活を支えるために現場からの意見を反映した議論をお願いしたいと思います。

以上です。


○田中分科会長 ありがとうございました。

内田委員と稲葉委員とお願いします。


○内田委員 介護人材のことが出ましたので一言申し上げたいのですが、介護人材確保対策、待遇改善もぜひともお願いしたいのとあわせて、やはり人材の育成というところに力を入れていただきたい。それは、国もそうですが、やはり雇用している事業所側もその点はすごく努力をしていただきたいところです。

今の介護職にとって必要なのは、誇りを持って働けるということだと思っております。もちろん、そのあたりを私どもの会でも考え、行動していきますので、そこは国を挙げてやっていただければありがたいなと思います。


○田中分科会長 稲葉委員、どうぞ。


○稲葉委員 先ほど田部井委員のほうから、不幸にも起こってしまったいろいろな介護にまつわる事故、事件のことがありました。そういったことや、今、話題になっている介護離職というものが問題になっていますけれども、一方では、一部の都市や中山間地等を除くと、割と在宅介護のサービス、訪問介護や通所系、短期入所系など、もちろん、小規模多機能型居宅介護であったり、24時間定期巡回であったり、そういったものも空きがあるのですね。つまり、20床、20人分の定員を設けてあっても10人しか来ないとかいう現象が起きています。

ですので、何が言いたいかといいますと、これは事業所が増えたこともそうなのですけれども、離職をせざるを得なかったようなケースというのが、果たしてその地域の介護保険を含めた社会サービスを、あらゆるものを使って有効に活用したかどうか、こういった検証をしてはどうかと思うのですね。ケアマネジャーがついていたはずで、十分にマネジメントした結果だとは思うのですけれども、何が原因で、在宅は無理だ、施設は入所できずで、離職、あるいは不幸な事件に至ったのか。こういうアプローチの仕方をしていかないと、各サービスを充実していくといっても、利用されなければ仕方がないわけです。

それで、人材確保という面でも、20床分の利用者を受け入れるのに必要な人員を確保していながら10名しか受け入れていないということももったいないとも思いますし、この介護保険制度始まって以来、この分科会を中心として、できるだけそのすき間を埋めてきた、必要なものをふやしてきたはずなので、これから地域包括ケアを充実していくという中で、簡単に特養を増設、前回のこの会議では、特養増設するばかりではないというお話はありましたけれども、簡単にと言ったら失礼ですが、特養増設という方向ばかりに向かうことで地域包括ケアに対する士気が下がってしまうような心配もありますし、せっかく整備されている地域の在宅サービス資源というものが利用されないというミスマッチも起きておりますので、具体的な、起きてしまった離職や不幸な事件のケース、ケアプランなどを検証してみたらいかがかと思っています。これは意見です。


○田中分科会長 御提案ありがとうございました。

一通りよろしゅうございますか。

では、本日の議論はここまでといたします。活発な御意見、ありがとうございました。次回の予定について、事務局よりお願いします。


○佐原老人保健課長 本日はありがとうございました。

次回の日程ですが、2月3日、水曜日、1730分からを予定しております。よろしくお願いいたします。

以上でございます。


○田中分科会長 では、皆様、よいお年をお迎えくださいませ。


(了)

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