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2015年9月11日 第3回新型インフルエンザ対策に関する小委員会

健康局結核感染症課新型インフルエンザ対策推進室

○日時

平成27年9月11日(金)15:00〜17:00


○場所

厚生労働省 省議室(9階)
(東京都千代田区霞が関1−2−2)


○議題

(1)新型インフルエンザ対策における抗インフルエンザウイルス薬の備蓄について
(2)その他

○議事

○齊藤新型インフルエンザ対策推進室室長補佐 定刻となりましたので、ただいまから第3回「新型インフルエンザ対策に関する小委員会」を開催いたします。

 開会に当たりまして、高城新型インフルエンザ対策推進室長から御挨拶申し上げます。

○高城新型インフルエンザ対策推進室長 失礼いたします。本日、当初結核感染課長の井上が参加の予定でしたが、急遽公務が入りまして、僣越ながら私のほうから御挨拶をさせていただきたいと思います。

 各委員の皆様にはお忙しい中、御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。また、日ごろより感染症対策一般、推進につきまして御指導を賜っておりますことを改めて御礼申し上げたいと思います。

 さて、本日の小委員会でございますけれども、4月に初開催ということで、この際には当面の議題といたしまして、プレパンデミックワクチンの備蓄、それから本日の議題でもあります抗インフレエンザ薬の備蓄、それぞれのあり方というのを御議論いただくということにさせていただいたところでございます。先般はワクチンの備蓄の件につきまして御審議をいただいたところでございます。そのほかにもう一つ残っておりますのがインフルエンザのウイルス薬の備蓄、それぞれのあり方というのを議論していくということでございまして、各作業班で作業を検討していただいたというところでございます。

 本日は、抗インフル薬の備蓄のあり方につきまして審議をいただきたく、御参集をいただいたわけでございます。皆様におかれましては活発な御意見をいただきますようお願い申し上げまして、私からの挨拶とさせていただきます。

○齊藤新型インフルエンザ対策推進室室長補佐 続きまして、本日の出席状況でございますが、委員12名中9名の御出席です。庵原委員、小田切委員、吉川委員から欠席の連絡をいただいております。定足数に達しておりますので、会議が成立しますことを御報告いたします。

 それでは、ここからは岡部委員長に進行をお願いいたします。

○岡部委員長 どうもお忙しいところお集まりいただいて、ありがとうございました。川崎市健康安全研究所の岡部です。

 では、これからの進行ということでやりますので、よろしくお願いいたします。きょうは17時までの会議ですけれども、帰りの時間や何かもあると聞いていますので、時間をうまくやりたいと思いますので、ぜひ御協力をお願いします。

 それでは、最初に審議参加に関する遵守事項、いつもの報告ですが、これを事務局のほうからお願いします。

○齊藤新型インフルエンザ対策推進室室長補佐 審議参加について御報告いたします。

 本日御出席をされた委員の方々の過去3年度における関連企業からの寄附金、契約金などの受け取り状況について申告をしていただきました。本日の議題では、抗インフルエンザウイルス薬であるオセルタミビル、ザナミビル、ラニナミビル、ペラミビル、ファビピラビル、塩酸アマンタジンの各品目の状況を踏まえた調査審議をしていただきます。

 これらの製造販売業者は、日本ロシュ株式会社、中外製薬株式会社、グラクソ・スミスクライン株式会社、第一三共株式会社、塩野義製薬株式会社、富山化学工業株式会社、ノバルティスファーマ株式会社であり、各委員からの申告内容については机上に配付しておりますので、御確認いただければと思います。

 あらかじめ事務局において申告内容を確認いたしましたが、審議や議決に不参加となる基準に該当する申告はございませんでした。

 また、薬事承認等の申請資料等の作成の関与についても該当ございませんでした。

 以上でございます。

○岡部委員長 どうもありがとうございました。

 今の点は、特に異議がなければ、了承ということにしておきたいと思います。

 その次に、これも事務局のほうから配付資料の確認をよろしくお願いします。

○齊藤新型インフルエンザ対策推進室室長補佐 議事次第、委員名簿、座席図のほか、資料1から参考資料2−3まで配付しております。議事次第に書かれております配付資料の一覧と照らし合わせていただきまして、不足の資料がございましたら、事務局にお申しつけください。

 なお、紙のフラットファイルの資料を委員の方々に配付しております。こちらは資料2の参考資料となりますので、御高覧いただければと思います。

 冒頭のカメラ撮りにつきましてはここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。

 以上でございます。

○岡部委員長 どうもありがとうございました。

 それでは、最初の議事次第という表紙の紙を見ていただくと、きょうの議事がありますけれども、「新型インフルエンザ対策における抗インフルエンザウイルス薬の備蓄について」がメーンの議題で、「その他」ということでありますが、進め方としては、最初に事務局から今までの経過、背景のようなものを説明していただいて、それから、この小委員会の下に作業班、ワーキンググループがありまして、それを大久保先生にお願いしておりますので、大久保先生のほうから作業班で議論してまとめていただいたことを御説明いただく。それをもとにこの委員会の中での議論というふうにいきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 それでは、スタートは資料1ということで、事務局のほうから御説明をお願いします。

○田村新型インフルエンザ対策推進室専門官 では、資料1を御説明申し上げますので、資料1、サブジェクトといたしまして「新型インフルエンザ対策における抗インフルエンザウイルス薬の備蓄について」という資料をお手元に御用意ください。

 おめくりいただきまして、右下に「1」と記載されてございます。今後は右下の数字に沿って御説明申し上げてまいります。

 まず、「現行の抗インフルエンザウイルス薬の備蓄方針」というところでございます。平成25年6月に閣議決定されました新型インフルエンザ等対策政府行動計画におきまして、「国は、諸外国における備蓄状況や最新の医学的な知見等を踏まえ、国民の45%に相当する量を目標として、抗インフルエンザウイルス薬を備蓄。その際、現在の備蓄状況や流通の状況等も勘案する」ということでございます。

 同時期に関係省庁対策会議決定といたしまして、抗インフルエンザ薬に関するガイドラインといたしまして、備蓄目標量は5,700万人分とし、流通備蓄分400万人分を除き、国と都道府県で均等に備蓄する。

 平成25年3月の厚生労働省の健康局結核感染症課長通知におきまして、備蓄薬剤と割合については、タミフル8割、リレンザ2割ということが示されました。

 おめくりいただきまして、2ページ目でございます。「抗インフルエンザウイルス薬に関するガイドライン」。こちらは、抗インフルエンザウイルス薬を効率的・効果的に使用するため、国、都道府県、医療機関、医薬品卸売販売業者等による適切な備蓄・流通・投与を促す。

 備蓄目標としまして、こちらにも国民の45%に相当する量を目標として国と都道府県で均等に備蓄を行う。

 本ガイドラインには、流通としましては、パンデミック、新型インフルエンザ発生前、発生後におけるそれぞれの流通状況の整備についての案が記載してございます。

 また、同時に、治療薬の投与につきましても、予防投与を含めた細かいガイドラインが示されてございます。

 おめくりいただきまして、3ページ目でございます。

 「抗インフルエンザウイルス薬の備蓄目標の経緯」でございます。

 平成17年度から新型インフルエンザ対策として備蓄を開始いたしました。国民の23%に相当する量、備蓄目標量としましては2,500万人分でございます。

 平成20年度には備蓄目標量の引き上げで45%まで目標量が引き上げられ、同時に、備蓄薬にリレンザ、吸入薬を追加いたしました。

 平成24年度にはリレンザの割合を2割に引き上げた経緯がございます。

 おめくりいただきまして、次の4ページ目と5ページ目は、「タミフルの行政備蓄状況」及び「リレンザの行政備蓄状況」でございます。

 おめくりいただきまして、6ページ目は「抗インフルエンザウイルス薬備蓄における課題」でございます。平成18年度に備蓄を開始したタミフルとリレンザは、平成28年度から順次期限が切れることになります。

 タミフル量としましては1,093万人分、リレンザとしましては59.5万人分。

 期限切れに伴い、平成28年9月から備蓄目標量45%を下回る。国の不足分は272万人分。都道府県の不足分が265万人分。

 ということから、これまでの知見を踏まえた今後の備蓄のあり方について議論を進めてまいりました。

 おめくりいただきまして、7ページ目でございます。まず、課題1としまして「備蓄薬剤の種類と量について」でございます。

 おめくりいただきまして、8ページ目「抗インフルエンザウイルス薬の種類と特徴」でございます。こちらの青がけになっておりますタミフル、リレンザ、イナビル、ラピアクタは、現在季節性インフルエンザで広く使われている抗インフルエンザウイルス薬でございます。

 右側のオレンジ色のアビガン錠につきましては、平成26年3月に薬事承認されたものでございます。こちらの4種類プラス1種類のお薬を用いて作業班にて審議をいただきました。

 おめくりいただきまして、9ページ目でございます。課題2としまして「備蓄目標量について」でございます。

 おめくりいただきまして、10ページ目「現行の抗インフルエンザウイルス薬備蓄目標の考え方」でございます。

 平成21年、諸外国の備蓄状況や危機管理の観点から、備蓄量を増加。以下の事例に抗インフルエンザウイルス薬を使用する可能性を想定し、人口の4050%相当量の備蓄が適切とし、45%を目標としました。

 その内訳としましては、赤でマル1からマル3までございます。

 まず「マル1新型インフルエンザの治療」。

 1つ目のチェックです。人口25%が新型インフルエンザウイルスに罹患し、その全員が受診(3,2OO万人)。

 新型インフルエンザの病態が重篤の場合、倍量・倍期間投与を行う可能性(+75O万人分)。

 マル2予防投与。

 発生早期には、感染拡大防止のため、同じ職場の者などに投与する可能性。

 十分な感染防止策を行わずに患者に濃厚接触した医療従事者等に投与する可能性として300万人分。

 マル3季節性インフルエンザが同時流行した場合の治療としまして、季節性インフルエンザウイルスが同時流行し、全患者に投与した場合としまして1,270万人分。

 おのおのの考えの推計値をもとに国民の45%相当といたした経緯がございます。

 おめくりいただきまして、11ページ目でございます。備蓄の検討をする際に考慮していただく点としまして、被害想定並びに薬剤の有効性・安全性、備蓄中の薬剤の配分や市場流通の状況、薬剤耐性ウイルスの発生状況や実際の臨床現場での使用状況・ニーズ、そして諸外国における備蓄の状況や使用期限、コスト等。

 以上をもちまして、現在まで作業班の先生方におかれまして審議をしてきた経緯でございます。

 以上でございます。

○岡部委員長 どうもありがとうございました。

 それでは、続いて大久保先生のほうから作業班長代表でよろしくお願いします。

○大久保委員 それでは、医療・医薬品作業班のほうから御説明いたしたいと思います。

 資料2を見ていただきたいと思いますが、1枚目につきましては、ただいま御説明がありましたので、資料2のページ2「備蓄薬剤の種類と量に関する考え方」。2-1というところで「現行の薬剤の種類と量」。これは御説明がありましたように、ダッシュのところで、タミフル8割(4,560万人)、リレンザ2割(1,140万人)で備蓄しているということであります。

2-2の「新しい薬剤の種類の量の考え方」におきまして、マル1は、我々の作業班の第1回、第2回での議論で行われたのですが、「備蓄薬剤に関する考え方」の中のダッシュ、「既存のタミフル、リレンザに加え、タミフルドライシロップ、ラピアクタ、イナビルの備蓄を行ってはどうか」という意見に集約されました。

 その理由といたしまして、「医療現場ではタミフルドライシロップ、ラピアクタ、イナビルが広く使用されている」ということと、「罹患者の年齢や投与経路により適する薬剤が異なることからも、備蓄薬剤の多様化を図ることが適当である」という理由からです。

 そして、以下、個々の薬剤につきましては、次のように考える次第でございます。

 まず、「タミフルドライシロップについて速やかに備蓄を行ってはどうか」ということですが、「タミフルカプセルの脱カプセル後の粉末は、苦みが強く小児にとっては飲みにくいことに加え、新型インフルエンザ発生時は薬局が混乱しているため脱カプセルでの対応ができない可能性がある」ということが理由で、速やかにこの備蓄を行ってはどうかということであります。

 以下、参考として星印が3つありますが、これは省略させていただきたいと思います。

 次の3ページ目です。ダッシュのところ、「ラピアクタについて一定の備蓄を行ってはどうか」。

 その理由につきましては2つあります。1つ目は「臨床現場で症例毎に使用を判断するため、全ての重症患者及び入院患者に投与を行うものではないが、小児から成人の入院患者や重症患者の内一部における使用が想定される」という点。もう一つは「平成21年の新型インフルエンザウイルスよりもヒトへの病原性が高いウイルスが今後発生した場合、ラピアクタの使用が増える可能性がある」。この2つの理由からであります。

 続きまして、「吸入薬のイナビル及びリレンザの両薬剤について一定の備蓄を行ってはどうか」ということでありますが、その理由といたしまして4つあります。

 1つ目は、イナビルとリレンザは特に有効性・安全性に差はないと考えられているが、臨床現場では単回吸入で治療が完結し、治療コンプライアンスのよいイナビルがより多く使用される傾向にある。

 一方で、イナビルは単回吸入のため、吸入に失敗した場合には次の吸入機会がない。リレンザは複数回吸入での治療のため、何度か吸入の機会があるということも事実です。

 そして、どちらか一方で薬剤耐性ウイルスが検出されれば、もう一方の薬剤にも耐性となる可能性が高いということ。

 最後の○ですが、イナビルはリレンザに比べやや省スペースです。保管、備蓄する場合のスペースの問題もあるということ等の理由で、この両薬剤について一定の備蓄を行ってはどうかという意見になりました。

 マル2は「各薬剤の備蓄割合に関する考え方」。

 ダッシュのところ、「各薬剤の備蓄割合につきましては、市場流通の割合を踏まえてはどうか」ということであります。ここに具体的な数字はお示ししていませんが、数字で申し上げますと、ただいまの流通割合は、例えば全体を10とした場合に、タミフルが4、リレンザが1.5、イナビルが4、ラピアクタが0.5程度だそうですが、この備蓄を踏まえる理由としましては、1つ目「市場流通量は、臨床現場での薬剤の使用割合を反映していると考えられる」。

 「新型インフルエンザ等対策政府行動計画、抗インフルエンザウイルス薬に関するガイドライン、新型インフルエンザ専門家会議での議論によれば、備蓄の検討をする際に考慮すべき点の一つとして市場流通の状況を踏まえることとされている」。

 ※印のところでありますが、「尚、市場流通量とは卸売業者から医療機関への納入数量を示している」ということであります。

 マル3は「各薬剤の計画的備蓄に関する考え方」としまして、「タミフルドライシロップについては優先的に備蓄を開始することを検討し、その他のラピアクタ、イナビルについては既に備蓄しているタミフルやリレンザの有効期限を踏まえつつ、順次切り替え及び買い足しを行ってはどうか」という意見に集約されました。

 次のページをおめくりいただきまして、その理由といたしまして、1つ目の○です。「タミフルドライシロップは幅広い年齢層に対して使用が可能な剤型であり、実際に臨床現場での使用頻度も高い。特に小児に関しては、タミフルカプセルの使用に課題が多いため、小児が飲みやすいドライシロップの備蓄を可及的速やかに行うことが適当である」ということ。

 2つ目の○です。「ラピアクタは既存の備蓄薬剤とは投与経路が異なることから、薬剤の多様性を担保するためにも備蓄を行うことが適当と考えられます。一方で、一定の市場流通量も確保されているため、タミフルドライシロップに比べて緊急性は低いと考えられる」。

 3つ目です。「イナビルは同じ吸入薬であるリレンザが充足している間、備蓄の必要がないと考えられる」。

 それらの理由であります。

 アビガン錠につきましては、有効性・安全性のデータがそろい次第、引き続き検討いたします。

 次の項目に移ります。「3.抗インフルエンザウイルス薬の備蓄目標に関する考え方」としまして、「3-1.現行の備蓄目標の考え方」をまず述べます。以下の被害想定に基づいて抗インフルエンザウイルス薬を使用する可能性を踏まえ、国民の45%相当を備蓄目標とすることが既に通知されているわけであります。

 以下のマル1、マル2、マル3は、お手元の参考資料のほうに記載がありますので、読み上げるのは割愛させていただきたいと思います。

 次のページをおめくりいただきまして、「3-2.新しい備蓄目標の考え方」。その中のマル1は「新型インフルエンザの患者の治療について」であります。「対象者数は、新型インフルエンザ等政府行動計画の被害想定に基づく罹患者数や医療機関受診者数を基本としてはどうか。その際、平成21年の新型インフルエンザの推計受診者数も参考にしてはどうか」ということです。

 行動計画上の罹患者は人口の25%が感染することが推計されていることから、3,200万人、医療機関受診者数は最大で2,500万人とされています。

 その理由としましては、「現行の被害想定の考え方を変更する根拠がない」ということで、これはそのままです。

 参考のところは少し省きます。

 次に移ります。以後は重症患者の倍量・倍期間投与に関しての件であります。真ん中あたりのダッシュのところです。「現在は受診者数の1割を重症患者と想定して、その全ての患者を倍量・倍期間治療の対象にしている。しかし、重症患者の考え方として入院相当程度の患者として考えることも可能ではないか」ということですが、以下6つの理由が挙げられます。

 1つ目は、重症患者の倍量・倍期間投与に関して、治療効果のエビデンスが確立していない。すなわち、重症化の原因の大半はインフルエンザウイルス量の増加ではなく基礎疾患によるものであり、インフルエンザウイルス量を下げるために抗インフルエンザウイルス薬を倍量・倍期間投与する医学的根拠が不明確であるということが言えます。

 2つ目の○です。一方、「効果がないため、推奨しない」とのエビデンスも存在していないことは事実であります。

 3つ目の○ですが、季節性インフルエンザや平成21年の新型インフルエンザ発生時における実際の臨床現場での実施は限定的であったということ。そして、新型インフルエンザにおける治療は、基本的に季節性インフルエンザ治療の延長であるということ。

 4つ目の○です。全ての入院患者や重症患者に対し倍量・倍期間投与を行うことはなく、臨床現場で個別に判断することで対応しているという点。

 5つ目の○です。備蓄目標量を45%に引き上げた平成20年時と比較して抗インフルエンザウイルス薬の市場流通量は増大しており、現在の流通量は年間約1,000万人分あります。

加えまして、新型インフルエンザ発生時には増産も見込めることから、市場流通分により充足できる可能性はあると考えられます。

 次のページをおめくりいただきまして、※印です。重症患者に対して使用される可能性のあるラピアクタにつきましては、約70万人分が即時流通可能であるという情報があります。

 市場流通はせずに、常時メーカー及び卸業者に保管されている薬剤量、約1,322万人分というデータがあります。

 6つ目の○であります。新型インフルエンザが発生した際に、国内、国外ともに社会混乱になっている可能性があるために、製薬メーカーの即時流通量に依存するのではなく、一定量の備蓄の必要性があると考えられます。

 次の項目であります。「マル2予防投与について」。

 海外発生期及び地域発生早期における患者に濃厚接触した者に対する予防投与は、平成21年新型インフルエンザの経験から国内蔓延期に入るまでの5〜7月の患者数約5,000名を基礎とし、その患者が接触した可能性のある者の数を試算した上で対象者数を考慮してはどうかということです。

 その理由としまして、濃厚接触者の数につきましては厳密な想定は非常に困難でありますけれども、患者が接触した可能性のある同居者、同じ職場や学校の者を5〜10名前後、また、十分な感染防御策をとらずに患者に濃厚接触した医療従事者や水際対策従事者を約5〜50名前後と考えるという理由であります。

 次のダッシュであります。平成19年当時のWHO Interim Protocolでは、重点的感染拡大防止策、いわゆる地域封じ込め策用に300万人分備蓄されていました。平成25年のWHO Interim Guidanceにおきましては、一定量の重点的感染拡大防止策用の備蓄は、ウイルスの急激な拡散や全体的な社会的影響を減少させる可能性があると結論づけていること。また、新型インフルエンザ等対策政府行動計画には、限定的ではありますが、感染拡大防止策を行うとの考え方もあることから、重点感染拡大防止策用に備蓄を考慮してはどうかというものです。

 それらの理由といたしまして、○が2つあります。

 1つ目は、重点的感染拡大防止策につきましては、WHOから示されているガイドラインに留意しつつ考えるべきである。ただし、人の往来が少ない離島や山間地域等に日本で初めてのウイルスが発生する可能性は現実的に低いと考えられます。

 次の○です。平成19年のWHOプロトコールには重点的感染拡大防止策が示されており、平成25年のWHOガイダンスでは、依然として本政策は考慮すべき事項とされています。ただし、その効果のエビデンスは理論上のものであり、限定的とされております。

WHOのガイダンスの追加としまして、より大規模の人口集団に対する効果のエビデンスはありませんが、世帯内や施設内においては有用性が示唆されること、さらに本防止策により感染症の蔓延やパンデミックによる影響を一定程度減少できるとされているという点であります。

 次のページをおめくりいただきまして、最後の項目「マル3季節性インフルエンザ同時流行の発生規模について」ということです。

 新型インフルエンザが起きた際に、季節性インフルエンザが同時流行を起こす可能性は低い。そのため、例年の季節性インフルエンザと同規模分の備蓄を行う必要性はないのではないか。一方、過去に新型インフルエンザと季節性インフルエンザの同時発生は小規模ながら確認されています。同時流行の可能性や過去の発生規模を参考に備蓄の必要性を考慮してはどうかということです。

 その理由としまして3つ書いてありますが、1つ目は、国民の大多数に免疫がない新型インフルエンザウイルスの感染が拡大し大半を占めるようになると、季節性インフルエンザウイルスは淘汰されることが想定され、例年と同じレベルで季節性インフルエンザウイルスが新型インフルエンザウイルスと同時に流行することは考えにくいという点があります。

 2つ目の○です。l968年の香港風邪、2009年のH1N1の新型インフルエンザの記録から、季節性インフルエンザの同時発生も限定的ではありますが一定程度確認されております。

 3つ目の○です。例年の季節性インフルエンザの治療は、市場流通分で行っているという現状があります。

 参考資料としまして2つ星印があります。海外の状況におきましては、イギリスを除く諸外国では、日本に比較しまして抗ウイルス薬の備蓄目標量が低いという現状があります。

 抗インフルエンザウイルス薬の市場流通につきましては、備蓄目標を45%に引き上げた平成20年当時より、抗インフルエンザウイルス薬の市場流通量は拡大しているという状況があります。

 以上、御報告申し上げました。

○岡部委員長 どうもありがとうございました。

 議論を始める前に、事務局からもし補足があれば。どうぞ。

○田村新型インフルエンザ対策推進室室長補佐 失礼いたします。事務局でございますけれども、お手持ちの資料の中に参資料1というものを配らせていただきました。

 こちらの参考資料1は、事務局でつくらせていただいて、大久保班長から御説明のありました作業班の今の7枚つづりの紙を事務局側でわかりやすくまとめさせていただいた紙でございますので、御参考としていただければというものでございます。

 少し解説させていただきます。

 まず、サブジェクトとしましては「新型インフルエンザ対策における備蓄薬剤の種類及び備蓄目標量に関する議論整理を踏まえたシミュレーション(案)」というところでございます。

 作業班のこちらのまとめをさせていただきますと、まず備蓄薬剤の種類につきましては、現行の備蓄薬はタミフル、リレンザに限定されているが、臨床現場では、タミフルドライシロップ、ラピアクタ及びイナビルが広く使われていることを踏まえ、備蓄薬の多様化を図る。

 2つ目、備蓄目標量についてでございますけれども、平成21年の新型インフルエンザの状況、最近のインフルエンザ治療の状況等を踏まえ、治療のあり方、予防投与のあり方、季節性インフルエンザ同時流行の可能性に関し再検討する。さまざまな状況に応じた柔軟性を考慮した上で、必要な目標量を設定する。

 各薬剤の備蓄割合については、市場流通の比率等を踏まえる。

 新たな薬剤の備蓄は計画的に行うこととし、以下の順に備蓄を進める。

 1)タミフルドライシロップ、2)ラピアクタ、3)イナビルでございます。

 その下に各項目、季節性インフルエンザの同時流行の発生規模について、新型インフルエンザの治療について、予防投与についてというところで、先生方に御議論いただいた内容、その論点の整理をしていただいた内容について、事務局でわかりやすく、それであればこういう数字になりますということを列挙させていただきました。

 例えば1番の季節性インフルエンザの同時流行の発生規模について。季節性インフルエンザ患者の治療としまして、マル1同時流行の発生規模が限りなく小さいと想定した場合には、なしになるのではないか。

 マル2過去の例を参考に、同時流行の発生規模が季節性インフルエンザの5%(※)と想定した場合は、60万人分。

 ※としましては、その下にございます2009年の新型インフルエンザにおける季節性インフルエンザの同時発生は約2%程度と確認されている。余裕を持たせた5%で仮置きさせていただいた事務局の案でございます。

 マル3同時流行の発生規模が季節性インフルエンザ平均罹患者数と同規模程度と想定した場合は、現行の1,270万人分。

 論点の整理をしていただいて、それに対して数字を事務局で当てはめさせていただいたものでございます。参考にしていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。

 以上でございます。

○岡部委員長 どうもありがとうございました。

 作業班のほうではいろいろ議論していただきまして、ありがとうございました。

 そのまとめを受けて、これからそれぞれの項目について、この委員会のほうで御意見をいただきたいと思うのですけれども、資料2のほうでも前提のところにあったのは、今までの流れからいって、備蓄目標量は5,700万人分。タミフル8割、リレンザ2割というようなものがあって、これは国民の45%に相当する。これが今までの前提で来ていますということになります。

 備蓄薬剤の種類と量に関する考え方、そして備蓄目標に関する考え方、そしてこれからの備蓄目標の考え方といったようなところで整理をしていただいているので、一つ一つのほうに御意見をいただければと思うのですが、備蓄の経緯のほうは今までの背景ですから、このままというところで、資料2の2ページ目から見ていただくと、備蓄薬剤の種類と量に関する考え方があります。ここら辺でまず委員の先生方の御意見あるいは御質問。御質問があった場合は、作業班のほうだとすると、大久保先生あるいは作業班に出ておられた先生がおいでになるので、お答えいただければと思います。よろしくどうぞ。

 流れとしては、備蓄薬剤は、今、当たり前のようにして抗インフルエンザ薬が使われているわけですけれども、1516年ぐらい前ですか、タミフルが登場して、何だ、これはというようなところから、その後は使用する側というか、ユーザーあるいは使用される方も、その条件に応じていろんな薬剤が使い分けられるというのは、非常にいいことだと思うのですが、一方では、それがどのぐらいの効果があるかということも、サイエンスベースでいろいろな議論が行われているというところも事実ですけれども、この薬について、いずれにせよ、タミフル、リレンザに加えて、タミフルドライシロップ、ラピアクタ、イナビル、こんな備蓄を加えてはどうか。特にタミフルドライシロップは、小児に対するというところのニーズから必要だというような御意見ですが、何かございますか。坂元委員、どうぞ。

○坂元委員 1点だけですけれども、3ページ目の「イナビル及びリレンザの両薬剤について一定の備蓄を行ってはどうか」というところの理由の中の「一方でイナビルは単回吸入のため、吸入に失敗した場合には次の吸入機会がない」という記載は、例えばメーカー側の立場に立ったら、こういう記載というのは、事実なのかもしれないけれども、もともとこういう単回吸入で済む利便性を考慮してつくったとすると、この記載がいいかどうかという点が、メーカー側の不利になる評価ではないかなという気はするのですけれども、いかがでしょうか。

○岡部委員長 事務局のほうから、田村さん。

 その前に小森委員、お願いします。

○小森委員 作業班のメンバーですが、正直に議論をそのまま書いたということでございまして、メーカーのことを考慮した記載ではありません。これは子供さんの場合のことを特別記載したということであります。やはり重要な視点ではないのかなと。リレンザ複数回ということも、5日間ずっとということもございますし、イナビル1回だけ。ただ、その1回が、特に子供さんの場合に、やはり失敗する機会があるということがございます。議論をそのままここに記載させていただいたということでございます。

○岡部委員長 多分高齢者で吸入になれていない方もその中に入るのではないかなと思うのですけれども。

 大久保先生、何かございますか。

○大久保委員 その辺は、いわゆるメーカー側の立場としての議論を特にしたわけではありませんが、1回投与だということを知った上で使用するというのが一つの大原則になっているという、その差をここに記入したということです。

○岡部委員長 田村さん、事務局、先ほど手を挙げた。

○田村新型インフルエンザ対策推進室室長補佐 失礼いたします。小森委員と同じ意見でございまして、作業班の先生方の意見をそのままこちらに文字起こしをさせていただいた理由から、メーカー側への配慮という点に対しては、事務局側もしていなかった点でございます。申しわけありません。

○岡部委員長 これは淡々とした事実として、その特徴を知りながら使ってくれというところなので、むしろ事実上の記載であるということでいいのではないかと思うのですけれども、坂元先生、いいですか。

○坂元委員 特にメーカーのほうから、これはちょっと不利益な記載だという苦情がなければ特に構わないと思うのですが、「失敗すると次は使えない薬だから」みたいなネガティブな意味にとられることがないかということが気になっただけです。

○岡部委員長 たしか添付文書にもこの辺に関する注意書きというのが書いてあると思いますから、私はこのままで、余りしんしゃくしなくてもいいのではないかな。事実を知りながら、使いやすものをその都度使うという意味で、この記載についてはいいと思いますので、特に御意見がなければ、それでいいと思います。

 ほかは何かありますでしょうか。先に丸井先生のほうから。次に押谷先生。

○丸井委員 どの段階で考えるべきかわかりませんけれども、コストのことを考えるところがどこかにあってもいいかと思います。タミフルのドライシロップというのは、タミフルと同じ薬価で考えてよいのかというのが一つ。

 それからもう一つは、リレンザ、イナビルを見ると、リレンザのほうが大分安いのですが、コストのことをこれから考えていく必要があるのではないでしょうか。

○岡部委員長 コストについては何か議論があったかどうか。これも先に小森委員、お願いします。

○小森委員 コストのことは当然念頭に置きつつも、文章に起こすときに、コストのことについて余り書かないほうがいいのではないかという最終的な御判断が班長と事務局にあったのだと思いますし、私もそれに賛同したということでございます。当然それはおわかりになることでございます。

 もう一点は、こういった国の備蓄ということについては、いわゆる薬価というものとは全く違う商行為が行われている。世界的にそうでございますが、しかも、その詳細については基本的に私どもに示されていないということがございますし、実は作業班会議においても、日本国と一企業との間の商行為ということで、私どもも知らされていないという事情もございました。

 それらを総合的に勘案して、コスト等については、当然のことながら最終的にはいろいろ御判断いただくべき事項だと思っておりますが、記載をされていないということだと思います。

○岡部委員長 いずれ実際に当たっては考慮しなくてはいけないのは当然だけれども、この計画をつくるときには、コストバランスは、これだから大きいとか少ないとかということではなかったということではないかと思うのです。

 事務局のほうもそれでよろしいでしょうか。室長、どうぞ。

○高城新型インフルエンザ対策推進室長 ありがとうございます。

 ただいま、丸井委員から御指摘いただいた点についても大事な視点だと思っております。今、小森委員のほうからも御紹介があったように、実際の通常の薬価のお値段と備蓄のお値段と違うというようなところがある中で、それを意識して実態としてはやっているのですけれども、文字にしてこの中に反映するというのが難しいということでございまして、もちろん、備蓄の検討をする際に考慮する点ということで、資料1の一番後ろのところに、使用期限だとかコスト、こういったものを意識せよということがありますので、これはきちっと踏まえた上で対応してきましたし、今後も対応したいということを記録に残していただいて。ということで対応させてください。

 以上でございます。

○岡部委員長 ありがとうございました。

 それでは、押谷委員。

○押谷委員 幾つかあるのですけれども、まず耐性のことなのですが、3ページ目、イナビルとリレンザのところには書いてあるのですけれども、私の記憶では、リレンザの備蓄が始まったきっかけは、以前流行していたH1N1がタミフル耐性を獲得したけれども、その変異はリレンザには感受性でした。この話が非常に大きかったのではないかと思うのです。今も考えられている一番多いアミノ酸変異は、タミフル耐性のアミノ酸変異があっても、イナビル、リレンザには感受性 でした。この辺の話というのは、どこかにきちんと整理をしておくべきことなのかなと。その経緯はそうだったのではないかと私は記憶しているのですけれども、そのことがまず一点です。

○岡部委員長 1点ずつで。

 では、今の点はいかがでしょうか。田村さん、どうぞ。

○田村新型インフルエンザ対策推進室室長補佐 先生、ありがとうございます。

 先生の御質問なのですけれども、第1回作業班で国立感染症研究所のホームページに出されてあります季節性インフルエンザのサーベイのデータなのですが、そこで、日本国では年間何%程度タミフル耐性やウイルスが出ているというデータを、各作業班の先生方に御供覧いただきまして議論してきた経緯がございます。

 そのデータとしましては、今、定かではないのですが、タミフル耐性の数字が、最高値でたしか4%前後で、もちろんクロスリアクションがあるので、ラピアクタも同時に4%出てしまうのですけれども、そういう耐性ウイルスの認識を持っていただいた中で、多様性についての議論をしていただいたという経緯がございます。

○岡部委員長 どうぞ。

○押谷委員 それは季節性インフルエンザの話であって、これはあくまでも新型インフルエンザの備蓄として考えているので、例えばH7N9は、もしかするとタミフル耐性になりやすいのではないかというようなデータもあったりとか、季節性インフルエンザとして出てきたときに耐性、もしくは出てすぐに耐性を獲得してしまうと。そういうシナリオもあり得るという議論はあったと思うのですけれども、その場合に、タミフルが4%とかという話ではなくて、パンデミックが出てきて、かなり短期間に耐性株が一気に広がるというシナリオも全く可能性がなくはないということを考えておかなければいけないということだったのではないかと思うのですけれども。

○岡部委員長 どうぞ。

○田村新型インフルエンザ対策推進室室長補佐 確かに先生おっしゃるように、新型インフルエンザで薬剤耐性を獲得する可能性というところも考慮すべき点の一つとしては考え得るのですが、実際シミュレーションをしたときに。

○押谷委員 それはシミュレーションをするような話ではないです。

 これは危機感としてやっているわけですね。そういう可能性があるからそういうことに対応できるような備蓄の戦略というのを考えておくということが必要なので、今、実際にパンデミックが起きて、何カ月で何%耐性になりますなどというデータは絶対出ないわけです。出るはずがないのです。わからないですよ。耐性にならない可能性のほうが高いと思いますけれども、だけれども、耐性になる可能性もある。だから、バックアップとしての備蓄を考えるという考え方が必要なのではないかと私は思うのですが。

○岡部委員長 それがアビガンを承認して、ただし、諸問題から流通にまでは至っていないのだけれども、セーフティーの鍵としての承認を行った、そんな経緯はあると思うのです。だから、アビガンをどういうふうにしようかというのは次の問題にはなると思うのですが、ただ、今、アビガンを直ちに備蓄をしようかというのは、ちょっと別のところで議論しておかないと、現実には薬事承認は出ているけれども、製造承認が広く行われているわけではないということなので、一応そのことを踏まえた上での議論があったというふうに思います。小委員会のほうではなくて。

 大久保先生、どうぞ。

○大久保委員 押谷先生が言われたことは非常に大事なことなのですが、まだどんなウイルスがあらわれるかわからないという状況で、そこで、この作業班としては、いわゆる多様な薬剤を備蓄しておくべきだ、そういうスタンスでずっと検討してきましたので、そこにあらわれていると思いますので、具体的には書いてありません。

○岡部委員長 幾つかのバリアとしての耐性までは考慮できるけれども、これが全部耐性だったら、もう話にならないけれども、想像上の次の段階としては、薬効のメカニズムとして全然違うアビガンを持ち出さざるを得ないだろうというような全体の流れだと思いますけれども。

 そのほかの御質問もまだありますね。

○押谷委員 もう一点なのですが、3ページ目の最初のほうに重症例のことが書いてあって、重症例に対する、「病原性が高いウイルスが発生した場合、ラピアクタの使用が増える可能性がある」、ここのところなのですけれども、2009年のときにもラピアクタに関して世界が注目したというような経緯もあって、もしかすると重症化してから効果のある薬として使える可能性があるのではないかということで、ただ、このエビデンスは、私が知る限り余りないと思うのですが、これも日本発の薬で、アビガンも含めて、本当はパンデミックが起きたときに重症化例に使える薬というのが備蓄としては非常に重要なのだと思うのです。アビガンも含めて、ここに関するエビデンスが非常に乏しい。これが各国ともに今、非常に苦慮しているところで、これはどちらも日本発の薬で、そういうエビデンスをきちっと出していくことが、新型インフルエンザに対する抗インフルエンザ薬の備蓄の戦略を考える上で、非常に重要なことだと思うのです。

○岡部委員長 御質問というよりもコメントだと思うのですけれども、ただ、これも季節性インフルエンザの重症例に対する知見を集めて、それを演繹するような感じでパンデミックが出たときに応用できるか、できないか。そのときのベースになるようなデータだと思うのですが、そこは、流通している薬なので、今後臨床的なデータをきちっと集めていただくということが必要だと思います。

○押谷委員 これを使っているのは日本だけなので、日本で出さなければ出てこないデータなのです。これをきちんと出すというのが日本の責任でもあると私は思うのですけれども。

○岡部委員長 そこはちょっと書き加えておいたほうがいいかもしれませんね。メード・イン・ジャパンだということは別にしても、日本でしか疫学データ、臨床データが出てこないというものについては、きちんと我が国から報告をすべきである。国内向けでもあるし、国外に向けてのメッセージにもなるだろうということだと思います。

 大久保先生、今の件について、何かございましたら。

○大久保委員 先生が言われたとおりだと思いますけれども、そういう事例が前回のときにも非常に少なかったということがあるのですが、ただ、投与経路を考えると、そういう意味で重症な方にも使いやすいというところはあると思います。その辺は記載はきちっとしておく必要があると思います。

○岡部委員長 ありがとうございます。

 あと、大石委員、どうぞ。

○大石委員 実は全く押谷委員と同じことを聞こうとしていたのですけれども、これは重症患者に効果があるというよりは、押谷委員がおっしゃるように、点滴で投与できるというだけなので、そこはちょっと文言を考えたほうがいいなということを言いたかったのですけれども。

 どのくらいの症例、全体症例の何%ぐらいに点滴で投与する例を想定されているのか。この想定は難しいとは思うのですけれども、そこをお聞きしたかったというところです。

○岡部委員長 これは後の備蓄目標のところにも少し。倍量でちょっと話が違いますけれども、想定という意味では、そこのところにあるので、そこでまた話をしていきたいと思います。

 そのほかはいかがでしょうか。信澤先生、どうぞ。

○信澤委員 備蓄割合のことなのですが、一応その根拠としては、市場流通の割合を踏まえてということなのですが、市場流通の割合というのは、多分値段や何かにも左右されるのだと思うのですが、パンデミックが起きたときに、値段等々を考慮して、今、使われている量を踏まえる必要があるのか、今、お話があったような耐性とか重症化ということを踏まえたら、必ずしもタミフルを一番多くするのがいいのかというのは、ちょっと疑問に思うのですけれども、そこら辺は何か議論されたのでしょうか。

○岡部委員長 大久保委員、どうぞ。

○大久保委員 もちろん、現在の市場流通量、いわゆる使われている量を考慮することは大事だと思うのですが、基本的には財政当局との調整といいますか、その辺が問題となってきますから、先ほどちょっと数字を申し上げたのは、現在流通している量の比率ということです。全体を10とした場合に、タミフル4、リレンザ1.5、イナビル4、ラピアクタ0.5。だから、タミフルの10分の1量がラピアクタである。それが市場流通の割合。流通というのは卸業者から医療機関、そこに書いてありますようなその量でありますけれども、そういう状況だと思います。

○岡部委員長 ありがとうございます。

 田村さん、どうぞ。

○田村新型インフルエンザ対策推進室室長補佐 先ほど大石委員と押谷委員からラピアクタの重症の使い方というか、使う内容につきまして、第2回の医療・医薬品作業班で資料として配付して、先生方に御議論いただいた資料の中に、日本感染症学会の提言としまして、いわゆる重症患者の場合には、基本的にはタミフルもしくはラピアクタの使用を推奨すると。学会での提言があったということを踏まえて、そういった形で先生方に御議論いただいたという経緯がございますので、それを参考資料として提出させていただきました。

 以上です。

○岡部委員長 ありがとうございました。

 おおむねこれの流れに大きく異論というのは出ていないのではないかと思いますので、また後で何か御質問があったら、一応戻る可能性ありとしておいて、少し話を進めていきたいと思います。

 次が備蓄目標にかかわる考え方。これは資料2の4ページ目のところになりますけれども、項目としては少ない項目ですが、ここについての御意見、御質問がありましたら、お願いします。押谷先生、どうぞ。

○押谷委員 この倍量・倍期間投与の話なのですけれども、その次のページかと思うのですが、倍量・倍期間投与が有効だとするエビデンスもないというふうに書かれていたと思うのですけれども、香港中文大学の人たちが中心になって、まず香港でダブルブラインドのスタディーをやって、ほとんど効果がないと。

 私が知っている限り、もう一つは、香港とかも入っているのですが、アジアの数カ国が参加して、NIHとかがかなり莫大なお金を出してやったスタディーがあって、こちらでも倍量・倍期間に関してはほとんど効果が見られないと。

 ここでほとんど結論は出てしまったのではないか。物すごくお金がかかりますので、ほかのデータが今後出てくる可能性はほとんどないのではないかなと。一般には倍量・倍期間投与を推奨する理由はほとんどなくなったというのがコンセンサスではないかと私は理解しているのですが。まだほかにもデータがあるのかもしれませんけれども。

○岡部委員長 今のところは3-2のところなのですが、3-1と一緒に検討するということで、今の倍量・倍期間に関する議論を少しやりたいと思います。

 事務局のほうからどうぞ。

○田村新型インフルエンザ対策推進室室長補佐 押谷委員のおっしゃられた倍量・倍期間の考え方なのですけれども、当初作業班に実際の重症管理を行っていただいている先生方にも加わっていただきまして、この倍量・倍期間の考え方について御議論いただきました。そうしますと、商品名を出して恐縮なのですが、例えばラピアクタのように、基本的には単回投与で済むようなお薬であっても、その状況によって、臨床の先生方の御意見では、2日目、3日目もしくは4日目と連続的に使う状況もあると。そうすると、タミフルの考え方で言いますと、5日間の倍量であれば10日なのですけれども、ラピアクタの考えで言うと、初日なのか、もしくは2日目、3日目にかかってくるのかと。そういうところで、基本的には倍量もしくは倍期間という考えになるというところで論点整理をしてきたところでございます。

○岡部委員長 感染症学会が倍量はあり得るというような推奨は、そのまましていたと思うのですけれども、事務局のほうからどうぞ。

○田村新型インフルエンザ対策推進室室長補佐 日本感染症学会の提言としましては、ラピアクタの増量例や反復投与例における安全性を慎重に観察すべきであると。それは重症患者に対する使用方法で、提言という形で出されているところもございます。

○岡部委員長 重症者であればあるほどリスクが高くなるので、その評価が難しいというのもあるのですけれども、あれは香港でしたね。

○押谷委員 はい。

○岡部委員長 香港からは比較上、倍量・倍増してもそのメリットは低いというデータが確かに出ている。

 それもひっくり返して言えば、ラピアクタで言えば、日本でもうちょっとその知見、スタディーとして出してもらいたいというのが委員会からの要望にもなろうかと思うのですけれども。

 大石委員、どうぞ。

○大石委員 先ほど押谷委員がおっしゃったエビデンスというところは、ほとんどタミフルのデータですね。

○押谷委員 はい。

○大石委員 タミフル、経口投与のものを倍量やったときのファーマコキネティクスがどうかということと、ラピアクタの場合の点滴投与で、先ほどからおっしゃっているような、最初の1回投与だけですけれども、通常投与でなくて連続投与したときにどうかということについては、かなり薬効動態が違うので、そこで相手次第だとは思うのですが、ほかの抗インフルエンザ薬が効果がないケースで血中のレベルを上げたときに、ある程度効く可能性もということがあり得るので、そういう薬効動態をしっかり調べていくということと、将来的にそういう倍量・長期間投与の可能性を検討していくということを考えておいたほうがいいのではないかと思っています。

○岡部委員長 それもパンデミックが起きたときにやるのは難しいので、やはり季節性インフルエンザをモデルにして、今後、我が国からもラピアクタだけではなくて、既存のタミフル等々も含めて、これに対するデータを集める、あるいはデータを出してほしいと。これは安易に倍量・倍期間を勧めるものではなく、重症例に対してどういうことができるかというエビデンスを集めていただきたいということが委員会のメッセージで、そこのデータに基づいて、倍量・倍期間がどのぐらい必要かというところの議論にさらに進んでいくのではないかと思うのですが、そういう考え方でよろしいでしょうか。大久保先生、どうぞ。

○大久保委員 薬効動態等も必要なのですけれども、いわゆるインフルエンザの重症例というのが、ウイルス量が多いということだけではなくて、むしろ基礎疾患のほうですので、ウイルス量だけで言えば、もちろん投与量が多ければ効果が出てくる可能性はあると思うのですが、その辺は非常に難しいデータだと思います。

○岡部委員長 特に季節性インフルエンザは、高齢者の方とか基礎疾患を持っている方のほうが重症になってしまうというのがあるので、先ほど申し上げたように、評価は難しいところですけれども、そこのバイアスも見ながら、安易なる倍量をこの委員会で勧めているわけでもないし、しかし、そこの必要なデータについて、まとめられるところはぜひまとめていただきたいと思いますし、厚労省もそういうデータがあれば積極的に求めるというふうにしていただければと思います。

 倍量・倍期間のほかにはいかがでしょうか。

 先ほど確認するのを忘れたのですが、ちょっと前に戻って、備蓄割合と計画的備蓄に関するところですけれども、4ページ目の上の「理由」のところに書いてあるのですが、ラピアクタについては、多様性というところで備蓄を行うことが適当である。市場流通量も担保されているので、そういう意味では、緊急性は低いだろうということと、イナビルは同じ吸入薬であるリレンザが充足している間は備蓄の必要がないと考えられるといったことも書いてありますが、この辺も含めて了承ということでよろしいでしょうか。今のは確認の意味なのですけれども。どうぞ。

○押谷委員 ちょっと確認したいのですけれども、現状がどうなのかよくわからないのですが、リレンザを備蓄するということになったときに、国は備蓄したけれども、リレンザのほうが高いので、都道府県はなかなか備蓄ができないという話をあちこちで聞いたのですけれども、現状は今、国が出している指針に従って都道府県も備蓄されているのでしょうか。

○岡部委員長 どうぞ。

○田村新型インフルエンザ対策推進室室長補佐 ありがとうございます。

 平成2610月末時点のデータなのですけれども、単位は1,000人分なのですが、例えば北海道ではタミフルが1,031、リレンザが143のように、各自治体におかれましてもリレンザの備蓄は行われているということを確認できております。

○岡部委員長 値段のほかに大きさの問題もあるというのがありましたね。確かにリレンザのほうがデバイスも含めてスペースがいっぱい要るので、ストックするにはタミフルのほうが楽だという話がありましたけれども。

 では、この辺は確認ということで、有効期限を見据えつつ、切りかえるときに、値段のほうは後から出てくるでしょうけれども、順次切りかえ、買い足しと。ただ、トータル量についてどうするかというのは、またここから先の問題になってくると思うのですけれども、よろしいですか。今のは確認分で。

 備蓄目標の考え方等々についても御意見がありましたら、お願いします。予防投与といったようなところのちょっとデリケートな話と、それから季節性インフルエンザの同時流行は、2009年が起きる前の議論の中では、すぱっと大きくなるならいいけれども、両方一遍に出たらどうするのだということが当時議論になったと思うのですが、2009年パンデミックのときは、今までのパンデミックと同じように、ほぼ急速に置きかわってきたというような経緯があったと思うのですけれども、この辺も御意見ありますでしょうか。押谷委員、どうぞ。

○押谷委員 3-2でも議論していいですか。

○岡部委員長 はい。

○押谷委員 同時流行のことですが、これは一度きちんといろんなシミュレーションをしてやる必要があって、68年とか2009年のではこうだった、何%だったからというのは余り建設的な議論ではなくて、これは非常に時期に依存します。何月にパンデミックが始まるか。この時期にかなり依存します。例えば季節性インフルエンザがほとんど終わって、流通されている部分がかなり使われたところで発生した場合にどうなるのかとか、実際57年のは、4月、5月ぐらいに第1波のかなり大きな流行が日本ではありましたので、そういうことがあったときにどうなのかとか、そういうことは考えておかなければいけない。

 あとは、同じシーズンにパンデミックとBが流行するという可能性は十分あります。このことも考慮しておく必要があって、実際に2009年のパンデミックの際も、我々はモンゴルとかで研究しているのですが、モンゴルでは10月、11月にパンデミックの大きなピークがあって、Bでそれよりもさらに大きなピークが1月、2月にあったので、A、Bで同一シーズンに大きな流行が起こるというのはあり得るのです。ただ、これは備蓄を使うのかどうかという問題とか、そういうことを考えて、いろんな場合を想定して、こういう場合にはこのくらい必要だということを考えてやっておく必要があるのではないかと思います。○岡部委員長 すごく乱暴な話なのですけれども、通常の流行がこうあって、既存のものは大体流通で賄えているわけです。パンデミックが起きたときも、流通分は備蓄の中に入っていないので、そうだとすると、既存のものについては流通でやって、ぼかんと来た分は備蓄のほうでいく。さらに、そのときに季節性インフルエンザの重複がなければ、この分はこちらに回せるという考え方もあるのではないかなと思うのです。できるだけいろんなモデルはつくったほうがいいと思うのですが、流通分は想定していないけれども、実際には流通分は少なくともその前につくられたものがあるのではないかと思うのですけれども。

 高城さん、どうぞ。

○高城新型インフルエンザ対策推進室長 失礼します。確かにいろんなシミュレーション、いろんなことが考えられるかと思います。そのボリューム感ですが、前回45%に上げる前後で検討したときの市場流通量に比べますと、今の日本国内における市場流通量がふえている。1.5倍から3倍ぐらいにふえている。5ページには現在の流通量、年間約1,000万人分ぐらいはありますと。これは政府備蓄、都道府県の備蓄とは別に1,000万人分ある。

 それに加えて、6ページに行きますけれども、市場流通とは別に、メーカーのほうとか卸のほうとかに保管されている薬剤量が1,322万人分あるということでございます。

 ですので、新型ということではなくて、季節性インフルエンザが出た場合は、基本的には市場流通もしくはメーカー、卸の在庫でもって賄われるのではないかと考えております。

 しかし、そこのところもわかりにくいとよく言われるのですが、新型インフルエンザの今の45%の考え方というのは、新型インフルエンザそのものによる流行と、あとは季節性インフルエンザ、1,000万人規模の流行が、新型インフルエンザの流行とは別に同時にかぶって起きるというような想定のもとの積み上げになっているというところがございます。新型インフルエンザ用に備蓄しているものだけではなくて、季節性のものについても1,270万人分を想定して追加備蓄しているということについて、引き続きそういう考え方でいいのか、それとも可能性の問題から、市場流通分なりメーカーとか卸のほうで持っているお薬を使って対処すべきなのか。こういった点を考えて、一応こちらのほうのまとめとしましては、同時流行の可能性だとか、過去の発生規模を参考に備蓄の必要性を考慮してはどうかというまとめをさせていただいた。そういうことになっております。

○岡部委員長 どうぞ。

○押谷委員 今、室長が言われた同時に2,500万人と千二百何十万人というような抗インフルエンザ薬が必要な流行が起こる確率は、ほぼゼロだと思います。これは、インフルエンザの疫学をやっている人に聞けば、ほとんどないと。

 早期に混合流行することはありますけれども、パンデミックが優位になった段階で季節性インフルエンザはかなり下火になっていくと考えられるので、早期では混合流行はしますが、パンデミックの流行と同時に季節性インフルエンザが立ち上がる、この可能性はほとんど考えなくていいのではないかと私は思います。

 ただ、終わった後に例えばBが立ち上がるとか、あとはパンデミックが始まる直前に季節性インフルエンザの流行があるというのはあり得るのですけれども、これは多分岡部先生が言われたような現在の流通分で賄えるはずなのですが、それが賄えるということを、いろんな想定をして担保できるのであれば、季節性インフルエンザが同時流行するということで千二百何十万人分積み上げているという部分は、なくてもいいのではないかと思います。

○岡部委員長 実際にパンデミックが起きたときか、あるいはその次の第2波的なときに混在しても、検査上わからないのですね。それで、あなたは今までの季節性インフルエンザだから健康保険で、こちらの人は備蓄を使ってというのは、実質上は非常に厄介なところになるので、プラクティカルな問題は別にしなくてはいけないのですけれども、トータルのボリュームとしては、流通量としてあるものはこれとは別にあるのだという考え方ではいいですね。パンデミックの最中に仮に工場がとまったとしても、その手前につくったものがあるということになりますから。

 ただ、幾つかの、押谷先生がおっしゃるような、それで大丈夫ではないかという根拠ももうちょっとはっきり示した上で、同時流行した分を備蓄のほうに上積みするというのは、中心にして考えなくてもいいのではないかという意見になってくると思うのですけれども。よろしいでしょうか。

 そのほかの部分はいかがでしょうか。予防投与のところもありますけれども。予防投与も、前のパンデミックが起きる前、それから2009年のパンデミックが起きたときもいろんな議論がありましたが、たしかガイドラインなどでも、基本線は当初だけの非常にハイリスクな場合で、それから流行をある程度抑えられるようなときの使い方であって、実際に流行が広がったときに、みんな心配だといって予防投与にしてしまうと、それは実際の治療のほうに間に合わなくなるので、余り予防投与を前面に打ち出す必要はないのではないか。これが基本的な考え方であったと思うのですけれども、その辺も再確認ということでよろしいでしょうか。

 押谷先生、どうぞ。

○押谷委員 確認なのですが、濃厚接触者への予防投薬とマスプロフィラキシスの部分とを分けて考える必要があって、今、どちらにどのくらいというふうな想定になっているのですか。300万人というのは濃厚接触者のほうですね。

○岡部委員長 では、それは事務局のほうからどうぞ。

○田村新型インフルエンザ対策推進室室長補佐 整理させていただきますと、まず6ページ目にチェックが2つございます。上のチェックのほうが、国内の発生、早期における濃厚接触者への予防投与の考え方の論点の整理でございます。

 下のチェックのほうが、いわゆる離島とか山間部みたいなところでの地域封じ込めの考え方をまとめたものでございます。

 先ほど大久保班長からの御解説もあったのですが、事務局から少し簡単にさせていただくと、2009年のときのパンデミックでは、8月に入った段階で厚生労働省が国内の蔓延期に入ったと宣言しましたので、その前の月の7月末までの国立感染症研究所と地方衛生研究所の先生方の全数把握が約5,000名だったというところで、その5,000名をもとに濃厚接触者の数を算出した経緯がございます。

 そして、下のほうのチェックは、WHOの地域封じ込め、いわゆる重点的な感染拡大防止策用として考えをまとめたものでございます。

 以上でございます。

○高城新型インフルエンザ対策推進室長 ちょっと補足させていただくと、押谷先生が今、言ったのは、今、300万ということでやっているのだけれども、一々濃厚接触者用と封じ込め用とで何か積算があるのかというお尋ねだと思うのですが、これまでの考え方では、そこは厳密に分けられておりませんで、予防投与分として300万人分ぐらいあれば、地域封じ込めが万が一必要なときにも使えるし、濃厚接触者への対応にも使えようということで300万ということで、現時点でこちらにこれだけ、これだけというのがないのが現状であります。

 そうした中で、予防投与として行う可能性があるのは、作業班で議論していただきまして、濃厚接触者に対するもの、地域封じ込めのものというのが2つあるだろうということで、それぞれに分けて議論をしてきていただいたという経緯になります。

○岡部委員長 どうぞ。

○押谷委員 WHOのガイドラインは、タミフルですけれども、地域封じ込め用に考えているのはタミフルですね。

○田村新型インフルエンザ対策推進室室長補佐 予防投与としてタミフル以外に、ほかの薬剤も予防投与の薬事承認はとれていると認識しておりますので、これをやる。

○押谷委員 濃厚接触者はいいのですけれども、地域封じ込め、ロジスティックとかの考えから、WHOのガイドラインにはタミフルしか書いていないと思うのですけれども。

○田村新型インフルエンザ対策推進室室長補佐 済みません、そちらについては。

○押谷委員 WHOが考えているのはタミフルなのですね。それもロジの問題が一番大きいのですけれども、その場合に、あの10代の話というのは今、どうなっているのかよくわからないですが、タミフルは原則として10代に投与しないという話があって、あの文書はまだ生きているのではないかなと思うのですけれども、その場合に、ここでタミフルが想定されて、10代が抜けると、本当に地域封じ込めをやるか、やらないかという問題があって、恐らくやらないと思いますが、地域封じ込めをやると仮定して、タミフルでやるとなった場合に、10代が欠けると、効果は半減以下だと思います。シミュレーション上は、10代が早期の感染拡大に非常に大きな役割を果たすというのが明らかになっている。2009年もそうだったですし、そこが抜けると全く地域封じ込めにならないというところで、そこら辺はどういうふうに整理されているのでしょうか。

○岡部委員長 前の委員会のとき、タミフルを中心にした地域封じ込めの予防投与はあるけれども、日本の場合は、特殊事情として、先生がおっしゃるように、10代に使いにくいというのがあるので、データはないけれども、それはもうリレンザを使うしかないだろうというのがあったと思うのです。添付文書上は、10代を避けるようにというのがありますが、ただ、今の添付文書のことで僕が余り説明するのもあれですけれども、研究班として提言をしているのは、タミフルに限らず、インフルエンザ後ではラピアクタですらと言うとあれですが、リレンザでもイナビルでも突発性の事故、飛び降り、飛び出しといったようなのが一定数出ているというところなので、その場合に、タミフルを使わないで、ほかのものを使ったから何が事故が起きなくなるということは想定されていない。

 ただ、注意としては、タミフルがきっかけで起きているので、日本において10代に対して、抗インフルエンザウイルス薬は治療上は注意しましょうということだと思うのです。その辺も配慮した上で、予防投薬をどうするかという説明をさらに加えていかなくてはいけないと思うのですが、これも言い過ぎになりますけれども、先生もよくおっしゃっていたように、WHOの封じ込めは、どこか物すごい田舎か離れ小島のことを想定して、そこから外に出ないということであって、大阪で出たって、それは効かないと思うのです。日本だったら、どこか小さい島でやればあるかもしれないけれども、そこで第1例の爆発が起きるということも考えにくいので、先生のおっしゃっている、ちょっと起きにくいのだけどなというのは、そこにあると思うのですが、どうですか。

○押谷委員 実際にやる可能性は非常に低いと思うのですが、やるということを想定して税金を使って備蓄をしている以上、やる場合にどういうふうに考えて、特に濃厚接触者もそうなのですけれども、この場合は症状のない、感染していない人に対してやるわけですね。なので、より慎重な、本当にその副作用、その賦活作用がというのは、議論はあるところだと思います。だから、発症した人に対して、臨床医がリスクとベネフィットを考えてやるという考え方と、また違う考え方をしなければいけないということなので、そのあたりをちゃんと整理しておく必要があるのだと思うのです。

○岡部委員長 事務局、どうぞ。

○田村新型インフルエンザ対策推進室室長補佐 ありがとうございます。

 先生おっしゃるように、非常に可能性が低いことは確かだと思います。作業班の先生方の御意見でも、日本の離島で初めてパンデミックが起きるというのは考えづらいという意見もあったのは確かでございますが、ただ、行動計画上、緊急事態宣言が出された場合、予防蔓延防止の中に、国は人口密度が低く、交通量が少なく、また、自然障壁等による人の移動が少ない離島や山間地域などにおいて、新型インフルエンザが世界で初めて確認された場合には、直ちに集中的な医療資源の投入、特措法45条及び感染症法に基づく措置などを活用した地域への重点的な感染拡大防止策の実施について検討を行う、とあります。そういった面から一応こちらの考えを示させていただいたところでございます。

 以上です。

○岡部委員長 この予防投与の、いろいろなことがあって、試算をした上で対象者数を考慮してはどうかという提言に加えて、WHOの勧めているタミフルだけが対象になるのか、あるいは国内での経験を反映させるのであれば、どのような予防投薬ができるのか、これについても検討するということを一つ加えてはいかがでしょう。よろしいでしょうか。

 ちょっと前に戻るような感じですけれども、治療はいいのですね。それに対する現行の被害想定については、いろんな意見がいろいろ出ているのですが、これはいろんなシミュレーションが出てくるので、今の段階で小委員会としては、現行の被害想定そのものについては一つの想定として、変更しなくてもいいのではないだろうかというようなまとめだと思うのですけれども、この辺はいかがでしょうか。どうぞ。

○押谷委員 これもずっと言い続けているのですけれども、フルエードを使うのはやめましょうという話はずっとしていて、3,200万人が罹患して、2,500万人が受診するというのは、アメリカのコンテクストの中の話で、日本のコンテクストの中ではこれは全く当てはまらないので、もう一度これをどこかで考え直す。薬の議論をするというよりは、その被害想定そのものをもう一度考え直す必要がある。

 あと、ちょっと気になったのは、2009年の2,000万人というのを参考にしてはどうかと。これはちょっと危険ではないかなと思うのです。2009年のパンデミックは、高齢者の罹患が非常に少なかったということがありますので、1957年、68年は高齢者もかなり罹患して、重症化しているのはほとんど高齢者ですので、そういうことを考えると、2009年を基準に罹患者数、受診者数を考えていくというのは少し問題があるのかなと思います。

○岡部委員長 ここは小委員会全体としてはどういう意見。ここにあったのでしょうけれども、どのような議論が行われたか。小森先生、どうぞ。

○小森委員 押谷委員のおっしゃることは大変重要な視点だと思います。ただ、小委員会としては、限られた時間の中で仮置きの被害想定まで議論すると、根底から議論のし直しということになりますので、これはこれまでの新型インフルエンザ特措法、また、それに基づく行動計画の策定、それに基づいて内閣府に設置された新型インフルエンザ有識者会議等々でずっと議論してきたことでございますので、今回、我々作業班においては、その問題はそれとして、その中で考えられる具体的なことに絞って議論をさせていただいたということでございます。

○岡部委員長 研究班や何かは、発生に関するシミュレーションあるいは想定みたいなことはどこかでやっているのですか。先生の研究班は、前にそれをやっていなかったですか。

○押谷委員 前にやっていますけれども。

○岡部委員長 どうぞ。

○田村新型インフルエンザ対策推進室室長補佐 特に被害想定を用いた研究というのは、現在行ってはいないです。

○岡部委員長 宇田先生、お願いします。

○宇田委員 5ページのところなのですけれども、重症患者の人数の推定に関して、1割程度の250万人にするのか、あるいは実質的に入院をなさった200万人にするのかという議論がこのベースにあると思うのですが、先ほど押谷先生のお話も伺いながら、重症化するファクターとして、そのウイルス量ではなくて、基礎疾患の有無が非常に大きいということであると、例えば高齢化が進むこれからの社会、あるいは高齢者が罹患したときの重症者数というのが、重症者に対しての備蓄の考え方の基礎になるのではないかなと思うのですけれども、1割を重症患者と想定するのか、あるいは現実的に入院相当程度の患者さんをベースとするのかということと別に、高齢者の入院患者の数、あるいは推定される数といったようなものは、議論がなされなかったのかどうか。その辺のところを教えていただけますでしょうか。

○岡部委員長 これは、どちらかで回答がありますか。どうぞ。

○田村新型インフルエンザ対策推進室室長補佐 作業班の中で先生方が御議論していた内容としましては、特に高齢者を対象とした数の推計という議論はなかったと記憶しております。

○岡部委員長 加えてどうぞ。

○田村新型インフルエンザ対策推進室室長補佐 続けて済みません。ただ、確かに先生おっしゃるように、高齢者の重症例というのも非常に重要なファクター、考え方だと考えておりますが、ただ、それは先ほど押谷委員もおっしゃられたように、パンデミックが起きたウイルス因子によるところが多少なりともあると考えております。

 つまり、より重症化するのも、例えば1918のようなスペイン風邪であれば、青壮年齢に対してのインパクトは非常に大きかった。ただ、2009年のようなものであれば、高齢者だと。また、季節性インフルエンザであれば、やはり高齢者とか子供であるということで、つまり、季節性インフルエンザであれば小児もしくは高齢者という形で、過去の経験から簡潔に議論はできるかと思うのですけれども、パンデミック、新型インフルエンザになりますと、出てきたインフルエンザウイルスの型によって、どの年齢層がどれほど重症化になるかというのも少し議論の余地がございます。

 その理由としましては、行動計画の中にもございますパンデミックワクチンの接種の順番にもよりまして、つまり、どの年齢層でより重症化するということがあれば、それを勘案してワクチン接種の順位を決めるということです。確かに先生おっしゃるように、一つは高齢者という考え方もございますし、出てきたウイルスによって、どの年齢層が重症化になると。もっと大きな形で議論していく必要もあるのかなと思っております。

 以上です。

○宇田委員 ありがとうございました。

○岡部委員長 これも前のときにフルエードのほうは随分議論になったのですけれども、結局、それを根拠にしてある想定を出すというのは、日本においてほとんど意味がないだろうというところになったと思うのです。ただ、被害のレベルをある程度想定しておかないと、先ほどのワクチン接種にしても備蓄にしてもスタートができないので、ここは全くエビデンスも何もないけれども、ある一定数を想定しておいて、そこに到達するにはどのぐらいの数が必要かという形での議論の進め方の結果がこの数字だったと思うのです。

 官房のほうで特措法などを議論したときも、結局、ベースになるのは、残念ながらはっきりした数字を打ち出すことはできないと。どれも現実性に乏しいというか、実情に合わないので、いずれ日本におけるシミュレーションが出てくるのを期待するというふうにそのときはまとめてあるのですが、現実には進んでこないのです。そこのデータはなかなか出てこない。

 丸井先生、何かありますか。

○丸井委員 私は、今、数字を出すことをしているわけではないのですけれども、想定として罹患者の割合が25%なのか、20%なのか、例えば5%ぐらいの違いというのは、先ほど来の議論の予防投与のための備蓄を全部飲み込むぐらいの大きい数字になるわけです。ですから、いわゆる被害想定をもう一度考え直さなければいけないのだけれども、それは有識者会議で出てくるものではないですね。

 それはどこで決めなければいけないのでしょうか。今、岡部先生のお話がありましたが、我々のレベルでまず確認するのか、想定し直すのか、何かシミュレーションのもとになるものを研究するのか。それはしておく必要があるように思うのです。

○岡部委員長 これは事務局のほうが正確だと思うのですが、もし特措法にかかわる、あるいは特措法が出なくても緊急に何か。感染症法の枠内であれば厚労省だけれども、それを超えるか、超えないかというような数字の想定をするのは、一応官房のほうのパンデミック対策のほうで、その数字に基づいたもので実務上のことをこちらでやっていく。

 ただ、ここは言われたところをはいはいと言っているのではなくて、そこに何かサイエンス上で矛盾があったり、あるいは実行上で非常に難しいのがあったら、それを提言というような形で決めるのは向こう側であるということになると思うのです。

 今回の備蓄薬剤に関する、例えば何%なのかというのも、こちら側の提言に基づいて向こうがディスカッションをやるということになって、ここで決めるわけではないという認識なのですが、改めて、事務局、それでいいですか。

○高城新型インフルエンザ対策推進室長 ありがとうございます。

 岡部座長のほうから御説明があったとおりでございます。被害想定というのも、今はインフルエンザの行動計画というもので具体的に書かれていることなのです。この行動計画というのは、政府全体での閣議決定を経ておりますので、厚生労働省だけでいじるということができません。具体的にここの部分を見直すべきなのかどうなのかという判断は、やはり有識者会議の場で議論していただく必要があると思っております。

○岡部委員長 どうぞ。

○丸井委員 その道筋は了解しているつもりです。この専門家会議から有識者会議、そのあたりをずっと継続的にかかわってきた立場として見ると、科学的な根拠は、基本的には厚生労働省の専門家から出てきたものを有識者会議では採用する。そういう流れになっているとすると、待っているだけでは有識者会議のほうから想定を変えるということはないということになります。どこかのタイミングで提案、あるいはその想定を変更するこういう根拠がある、あるいはこのように変えてもいいのではないかということを言い出すのは、この場しかないのかなと考えております。

○岡部委員長 室長、どうぞ。

○高城新型インフルエンザ対策推進室長 それもまさにおっしゃるとおりでございます。今回の45%をどうするのかというのを決めるのは、最終的には有識者会議ではあるものの、その中身の論点の整理ですとか、そういったことはここでやっているわけでございまして、もちろん、こういった現行の想定というのがございますので、これを変えるべき重大なというか、きちっとした理由がある、だから、きちっと見直したほうがいいのではないかというような提言ができるのであれば、そこはここで議論していただくべく話かと思っております。

○岡部委員長 この委員会の課題として、例えば受診数どのぐらい、重症者数どのぐらいというのが出ているのは、決してフィックスのデータではないので、このことについてはその都度その都度議論をしていく。必要があれば、あるいは新しい方法論とかそういうものが見つかってくるならば、それについてはなるべく早く評価をするというのもこの委員会の役目である。出た数字がそれでおしまいという誤解を解くためには、そこをちゃんとしておいたほうがいいと思うのです。

 大石委員、どうぞ。

○大石委員 丸井委員がおっしゃるように、被害想定というのは、実際えいやと決められるものでは決してないので、やはり科学的に研究としてやっていく必要があろうかと思います。

 振り返ってみますと、2年ぐらい前に新型インフルエンザの被害想定については西浦先生がドキュメントを出していただいたのですが、その後、余り議論が進んでいなかったように思うのですけれども、もう一度その辺を見直して、僕は詳細をもう忘れてしまったのですが、そこをまたリスタートするということも考えていいのではないかと思います。

○岡部委員長 ありがとうございました。

 大久保委員、どうぞ。

○大久保委員 今回の私の医療・医薬品作業班というところでのコンセプトといいますか、先ほど小森先生もおっしゃられましたけれども、要は、抗インフルエンザ薬の備蓄を使用する対象をどうするか、そういう立場での検討であって、いわゆる被害想定までを議論するということは、そういう意見は出ましたが議論したわけではございません。

○岡部委員長 ありがとうございました。

 今の班長、大久保先生のまとめのところが、きょうのところのまとめになると思うので、備蓄に関する数字としては、そこを想定してどのぐらいのものが出るかということなので、課題としては、継続して罹患数、重症者数、それの想定については引き続き検討を続けると。

 誤解を解くためには、先ほど申し上げましたように、この数字はフィックスでないし、パンデミックが起きれば、この人数が起きるというような想定ではなくて、対策のための一定の線を今、引いているところですということになろうかと思うのです。

 事務局、そこら辺は文章ではうまくまとめておいてください。

 丸井先生、どうぞ。

○丸井委員 その最後のところです。検討する必要があるということは確かですが、そのために、西浦さんの後、研究がほとんどないとすれば、例えば研究班を実際に立ち上げるとか、何か仕組みをつくっておかないと、いつまでも想定の変更はないのではないかと危惧します。

○岡部委員長 ちょっと途切れているかもしれないので、そのあたりの議事録とか、あるいは西浦先生がたしかプレゼンもされているので、あるいは西浦先生、ペーパーも出しているのではないか。あのときはまだ出ていなかったと思うのですよ。その後のことも見て、この委員の中でも何人かレビューをしてみるというふうに。委員会という形でやらなくても、レビューをして、そこから先どうしようという話をしたらどうかと思いますけれども、いかがでしょう。レビューというか、当たった場合にはちょっと読んでいただいて、意見をお願いしたいと思います。

 ほかのところではいかがでしょうか。おおむねよろしいですか。

 そうすると、全体として作業班のほうでまとめていただいて、幾つかの課題もあり、しかし、こういった方向で今までのところの備蓄は行うけれども、これから期限切れみたいなものも出てくるので、それに応じて買いかえるということはあるが、今までの45%という目標がそのまま行っていいのかどうか。これについてはこの資料に基づいて、この委員会としてはここの議論にあるような見直しをしてもいいのではないかと。

 具体的にはこの中のいろいろな資料に基づいた中で、まず、たたき台として出してあるので、それについて具体的に何%減ということをここで出すわけではないですけれども、そこも含めて有識者会議のほうでやっていただきたいというようなところにまとめられるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。どうぞ。

○押谷委員 6ページの最初のところでラピアクタのことについて。ラピアクタだけのことではないと思うのですけれども、書きぶりとしては市場流通分があるから大丈夫みたいな、そんな感じに読めなくもないのですが、少なくともすぐには備蓄しないということなのだと思うのですが、equal distributionというか、市場流通分に頼っていて、パンデミックが起きたときにきちんと正しく配分がされるのかどうか。業者の人たちもつき合いのある、ラピアクタを使っているところに優先的にということもあり得ると思いますし、特措法の縛りがかかるとしても、市場流通分に関してはどういう扱いなのか、私もはっきりとわからないので。

○岡部委員長 高城さん、どうぞ。

○高城新型インフルエンザ対策推進室長 ありがとうございます。

 済みません、そのあたりは不勉強で、詳細は承知していないのですけれども、要するに、非常事態になったら、備蓄とは別のメーカー保有の分にまで縛りをかけることができるのか、できないのかというようなお尋ねだと思うのですが、そこまでの。

○押谷委員 重症者の多い病院とかに本当にきちんと分配されるのかどうかという懸念はないのかということ。それがあるのだとすると、備蓄として持っている必要も出てくるのではないか。だから、市場流通に頼るということで本当にいいのかどうかということが質問の趣旨です。

○高城新型インフルエンザ対策推進室長 ありがとうございます。

 現時点の45%の考え方といたしましても、どういう形でお薬を使っていくのかという部分については、ガイドラインのほうだったかと思いますけれども、新型インフルエンザが発生しました、新型インフルエンザの患者なので、全部備蓄分を使用しますということではなくて、まずは市場で流れている部分を現場で使っていただくというのが基本になります。その上で枯渇した場合には、まず都道府県の備蓄の部分を排出し、さらにそこで足りなくなったら、要請を受けて国のほうの備蓄分を切り崩していく。そういうスキームになっておるという現状でございます。現状としてはそうなっているということです。

○押谷委員 その現状でいいのか。例えばA病院にはラピアクタは納入されているけれども、もっと重症者がいるB病院では通常納入されていないのでパンデミックが起きても薬が全然ないということが起こるリスクがないのかということ。

○高城新型インフルエンザ対策推進室長 それはいろんなリスクが考えられるので、最終的には現場の中でまずは市場流通されている部分、現場でやりとりしている部分でやっていくというのが、初めとしてあると思います。足りない部分は、政府として備蓄している部分、都道府県で備蓄している部分を切り崩すというのは先ほど申し上げたとおりなのですが、私ども、こちらに書いてあるのは、あくまで市場流通分が大体このくらいあって、メーカー、卸が持っている部分はこのくらいあるという、少し余裕がありますよというところは言っているけれども、ここの「しかし」のところにも書いておきましたが、社会混乱になっているような場合はバランスを欠く場合があるので、その分は一定量の備蓄の必要もあるのではないかという御意見をいただいていると認識しておりまして、そういうこと、全体を鑑みた上で、必要な備蓄量を確保していくという整理になっているかと思います。

 完全に市場流通に頼るということではなくて、そういう状況も踏まえた上で、必要な量は確保していくというのが基本的な考え方ですし、こちらの議論の論点の整理でも、そういう意味で、市場流通の話だけではなくて、一方こういう懸念もあるよという点をこちらのほうに書いているという状況でございます。

○岡部委員長 いいですか。

○押谷委員 だから、タミフル、リレンザに関しては備蓄を持っているから、備蓄を出せばいいということですけれども、ラピアクタ、イナビルに関しては現時点で備蓄がないので、それが足りなくなったときにメカニズムがどうなのかという心配はあって、それを考えると、特にラピアクタだと思うのですけれども、重症者がたくさん出てという状況を考えると、ラピアクタにエビデンスがないという問題はありますが、備蓄を早期にするというようなオプションもあり得るのかなということです。

○岡部委員長 田村さん、どうぞ。

○田村新型インフルエンザ対策推進室室長補佐 ありがとうございます。

 確かに今、即時流通の話も出てきていると思うのですけれども、equal distributionの話なのですが、お配りしている資料1の2ページ目の抗インフルエンザウイルス薬に関するガイドラインの中に、パンデミック、新型インフルエンザが起きる前から、そのガイドラインの中では、いわゆるequal distributionの適正をはかる等の文言もございますので、新型インフルエンザが起きる前から国並びに都道府県はequal distributionをしっかり行っていくというということです。もしくは発生後にも都道府県は、一定以下になった場合には国に要請をかける等の細かい決まり事は書いてございます。

 ちょっと補足的に。失礼いたしました。

○岡部委員長 この場のあれとは違いますけれども、パンデミックワクチンも、このぐらいあるのができて、このぐらいの人数のところに行くと。そこから先、例えば住民接種にせよ、優先接種にせよ、どうやっていくのかという、別のところで実際的なことを、それこそ自治体あるいは医療関係者に入っていただいて議論していかないと、ここで全部これをやるのは難しいのではないかと思います。ですから、課題としてそれをとっておいて、ある程度の備蓄の方針が立ったならば、次の段階としては、何らかのグループになるか、作業班になるか、あるいは自治体との話し合いになるか、それこそ医師会との話だと思うのですけれども、実際の場面でどういうふうにするかということも今後やっていかなくてはいけないことであるということも、ここの中に一つ加えておいていただければ。宿題がふえるわけですが、片づけなくてはいけないものとしてとっていけるのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。

 小森先生、今のは。

○小森委員 2009の経験を踏まえて、その後、2011年に新型インフルエンザワクチンの流通改善に関する検討会が設置をされまして、3回行って、2012年7月30日に報告書を出したということがございました。私も委員で議論に参加をしておりました。

 したがって、そういうことを踏まえてガイドラインにも反映をされているところがあるのですが、座長がおっしゃるように、今回の議論は、抗インフルエンザ薬が適正な場所に適正に流通できるということを御指摘になられたわけですから、そのことがちゃんと機能できるかどうかについて、例えばこの委員会で今、座長がおまとめのように、その言葉の中に、今後そのことについて、さらにより具体的な検討を進める場を設けるべきであるとか、そういうことがあれば、またそれを踏まえて議論する場ができるだろうと思いますし、重要なことだと思います。

○岡部委員長 ありがとうございました。

 そろそろまとめに入りたいのですけれども、その他で何か御意見がありますでしょうか。

 よろしければ、きょうの議論をまとめて、感染症部会が近々あるので、そちらに報告をしていくということがプロセスだろうと思うのですが、ここから先の流れについて、事務局のほうから御説明をお願いします。

○高城新型インフルエンザ対策推進室長 本日もいろいろと御意見をいただきましてありがとうございます。流れといたしましては、感染症部会、来週の金曜日に行われる予定でございます。抗インフルエンザウイルス薬の備蓄目標量等の議論の整理というものを小委員会から部会のほうに御報告ということになって、その場で御了承が得られれば、今度はそれを踏まえて、有識者会議の場で、具体的に変更を要するようなことも想定されますので、そちらのほうで議論をいただく運びになるかと思います。

 その際に、本日いろいろと御意見が出されました。その点について、小委員会の御意見として例えば紙のような形で少しまとめて部会に報告するか、それとも小委員会の委員長のほうから口頭で御説明するか、その点は少し相談をさせていただきたいなと思いますけれども、いろいろと御意見をいただいたと認識しております。例えば押谷先生、小森先生、丸井先生、坂元先生、さまざまな意見をいただいております。ただ、この議論の整理の中で言っておりますのは、45%が来年度になると減ってしまうので、それについてどういう形で備蓄を進めていくのかというのがまず第一。これは喫緊固めなければいけないことであります。

 そうはいっても、実際にその量を確保した上で、どういう形で市場なり現場におろしていくのかという話もあったと思いますし、被害想定のような中長期的な話もございましたので、その話を全部こちらの議論の整理の中に盛り込んでしまうと、なかなか難しいのかなと思っております。

 そういう意味では、本日いただいた話の中で中長期的な課題ですとか、備蓄量の話もあるのだけれども、それをどう使うのかといった話というのは、この議論の整理を見た小委員会からの意見みたいな形で少しまとめられれば、それを部会への御報告という形。時間が1週間ぐらいしかなくてタイトになりますが、皆さんの御協力を得ながらまとめさせていただけるのであれば、そういうことも可能かと思っております。そのあたりを皆さんでまた少し御意見をまとめていただければなと思います。

○岡部委員長 きょうの議論をまとめて口頭で言うよりは、作業班がまとめていただいた資料に加えて、きょうの議論を整理して、それを小委員会の意見として報告すればいいのではないかなと思いますけれども。

 それがもしあれだったら、寸前でも委員の先生にざーっと見ていただいて、それで了承いただくというふうにしたらいかがですか。室長、どうぞ。

○高城新型インフルエンザ対策推進室長 承知いたしました。それでは、事務方のほうでどんな意見が出たのかというのをまとめさせていただいて、まず委員長に見ていただいた上で、皆様にも必要な範囲で見ていただいて、来週の金曜日に提出をするというような体で調整をさせていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。

○岡部委員長 宿題も残るわけですけれども、この委員会はこれでおしまいというわけではないのですが、近々としては感染症部会に報告をするというところで、その先のスケジュールは、そのうちまた事務局のほうから示されると思うのですが、この委員会の議論ではないですけれども、この間、MERSも韓国のほうがおさまって、ほっとしながら、中東ではまだ出ているというような状況ですが、今回のMERS騒ぎも、結局、パンデミックの対策というのは、私自身は随分いろんなところで生きているのではないかなと思うのですね。

 ああいうことを続けてやっていくのが、最初の議論でやったように、パンデミックだけの対策でなくて、これは感染症全体の対策につながっていく。ここが一番大切なところだなと思っているので、決して到達点に到達しているような問題ではないのですが、ステップアップしていければありがたいと思います。ぜひ先生方の御協力をいただきたいと思いますので、よろしくお願いします。

 それでは、感染症部会のほうは別にして、その後のスケジュール等、事務局のほうからアナウンスがありましたら、お願いします。

○高城新型インフルエンザ対策推進室長 ありがとうございました。

 小委員会としての御意見をまとめて、来週の部会のほうに報告という部分を喫緊、まず対応させていただきます。

 次年度から抗インフルエンザウイルス薬の備蓄量が45%を下回る状況ですので、引き続き45%を維持するのか、見直す必要があるのか、目標量については、政府の行動計画で定まっておりますので、内閣官房を組織する新型インフルエンザの有識者会議、また、医療・公衆衛生分科会、事務局は厚生労働省でございますけれども、こちらで議論をしていただく必要がございます。

 その場で仮に45%を見直して具体的な目標量が設定されれば、その親会である新型インフルエンザの有識者会議のほうでさらに了承を得ていただくということで進めさせていただきたいと思います。

 あと、今後のスケジュールでございますけれども、先ほどちょっと触れてしまいましたが、喫緊では来週の金曜日に部会がございますので、その場で本日の議論の整理、それから小委員会の意見というものを議論していただくということになります。

 その後のスケジュールというのは、また追って皆様と御相談したいと思います。

 以上でございます。

○岡部委員長 では、どうもありがとうございました。


(了)

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