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2015年9月18日 第12回厚生科学審議会感染症部会

健康局結核感染症課

○日時

平成27年9月18日(金)13:00〜15:00


○場所

厚生労働省 専用第14会議室(12階)


○議題

1 新型インフルエンザ対策における抗インフルエンザウイルス薬の備蓄方針について
2 エボラ出血熱の流行状況と今後の対応について
3 中東呼吸器症候群(MERS)の流行状況と今後の対応について
4 報告事項
 (1)感染症に関する情報の収集体制の強化について
 (2)平成28年度予算概算要求の概要について
 (3)侵襲性髄膜炎菌感染症について
 (4)劇症型溶血性レンサ球菌感染症について
5 その他

○議事

○中谷結核感染症課長補佐 定刻になりましたので、ただいまより第 12 回厚生科学審議会感染症部会を開催いたします。初めに委員の出欠状況を御報告いたします。本日は、桑村委員より御欠席の連絡を頂いております。なお、北村委員、南委員は遅れて来られるとの御連絡を頂いております。現時点で定足数以上の委員に御出席いただいておりますので、会議が成立しますことを報告いたします。

 次に、事務局より資料の確認をいたします。お手元の資料、議事次第、委員名簿、座席表、ほか、資料 1-1 1-4 、資料 2-1 、資料 2-2 、資料 3-1 3-2 、資料 4 、資料 5 、資料 6 、資料 7 を御用意しております。不足の資料がありましたら、事務局にお申し付けください。よろしいでしょうか。

 では、申し訳ございませんが、冒頭のカメラ撮りにつきましては、ここまでとさせていただきますので、御協力をよろしくお願いいたします。

 以後の議事運営については、倉根部会長にお願いいたします。よろしくお願いいたします。

○倉根部会長 それでは、まず事務局から審議参加に関する遵守事項につきまして、報告をお願いいたします。

○齋藤新型インフルエンザ対策推進室長補佐 審議参加について御報告いたします。本日御出席をされた委員の方々の過去 3 年度における関連企業からの寄付金・契約金などの受取状況について申告をしていただきました。本日の議題では、抗インフルエンザウイルス薬の各品目に関連した調査審議を行います。これらの製造販売業者は、日本ロシュ株式会社、中外製薬株式会社、グラクソ・スミスクライン株式会社、第一三共株式会社、塩野義製薬株式会社、富山化学工業株式会社、ノバルティスファーマ株式会社であり、皆様の申告内容については机上に配布しておりますので、御確認いただければと思います。

 あらかじめ事務局で申告内容を確認いたしましたが、賀来委員の申告において、第一三共株式会社及び塩野義製薬株式会社のそれぞれから 50 万円を超えて 500 万円以下の寄付金等の受領があったと申告がありました。抗インフルエンザウイルス薬に関する議決につきましては、賛否を表明することができません。このほかには審議や議決に不参加となる基準に該当はございませんでした。以上です。

○倉根部会長 それでは、次に本日の議題を確認いたします。本日の議題ですが、まず議題 1 が「新型インフルエンザ対策における抗インフルエンザウイルス薬の備蓄方針について」、議題 2 が「エボラ出血熱の流行状況と今後の対応について、議題 3 が「 MERS の流行状況と今後の対応について」、議題 4 が報告事項ですが、 4-1 が「感染症に関する情報の収集体制の強化について」、 4-2 が「平成 28 年度予算概算要求の概要について」、 4-3 「侵襲性髄膜炎菌感染症について」、 4-4 が「劇症型溶血性レンサ球菌感染症について」。議題 5 が「その他」がありますので、委員の先生方、何か御意見がありましたら、そこで言っていただければと思います。

 今日も多くの議題がありますので、是非とも円滑な議事進行に御協力をお願いいたします。それでは、早速ですが、議題に入りたいと思います。議題 1 「新型インフルエンザ対策における抗インフルエンザウイルス薬の備蓄方針について」、まず事務局より資料 1-1 について説明いただきます。その後に新型インフルエンザ対策に関する小委員会の委員長の岡部委員から資料 1-2 1-3 の御説明を頂きまして、最後にまた事務局から資料 1-4 の御説明をいただくというように考えております。それでは、事務局よろしくお願いいたします。

○田村新型インフルエンザ対策推進室専門官 お手元に資料 1-1 「新型インフルエンザ対策における抗インフルエンザウイルス薬の備蓄について」を御用意ください。まず現行の抗インフルエンザウイルス薬の備蓄方針です。平成 25 6 月に閣議決定された新型インフルエンザ等対策政府行動計画において、「国は諸外国における備蓄状況や最新の医学的な知見等を踏まえ、国民の 45 %に相当する量を目標として、抗インフルエンザウイルス薬を備蓄。その際、現在の備蓄状況や流通の状況等も勘案する」とあります。

 また、同時期に制定されたガイドラインにおいては、「備蓄目標量は 5,700 万人分とし、流通備蓄分 400 万人分を除き、国と都道府県で均等に備蓄」。また、平成 25 3 月の厚生労働省健康局結核感染症課長通知においては、「備蓄薬剤と割合についてはタミフル 8 割、リレンザ 2 割を目標」とあります。

 次ページは抗インフルエンザウイルス薬に関するガイドラインです。こちらは抗インフルエンザウイルス薬を効率的・効果的に使用するため、国、都道府県、医療機関、医薬品卸販売業者等による適切な備蓄・流通・投与を促す。こちらにも備蓄量として国民の 45 %に相当する量を目標とし、国と都道府県で均等に備蓄するとあります。ガイドラインの中には、流通並びに投与について、こと細かに記載があります。

 次ページは抗インフルエンザウイルス薬の備蓄目標の経緯です。国並びに都道府県は平成 17 年度から新型インフルエンザ対策として備蓄を開始しました。目標量は 2,500 万人分、国民の 23 %に相当する量です。平成 20 年度には備蓄目標量を 23 %から 45 %に引き上げました。同時に備蓄薬にリレンザを追加しました。そして、平成 24 年度リレンザの割合を 2 割に引き上げた経緯があります。

 次ページはタミフルの行政備蓄状況です。一番上のバーですが、平成 18 年度 1,093 万人分が平成 28 年度をもちまして有効期限が切れるという状況です。

 次ページはリレンザの行政備蓄状況です。平成 18 年度 41 万人並びに平成 29 年度の一部のリレンザが平成 28 年度に有効期限切れを迎えます。

 以上から、抗インフルエンザウイルス薬備蓄における課題として、平成 18 年度に備蓄を開始したタミフルとリレンザは平成 28 年度から順次期限が切れます。タミフル 1,093 万人分、リレンザは 59.5 万人分です。期限切れに伴い、平成 28 9 月から備蓄目標量 45 %を下回り、国の不足分は 272 万分、都道府県の不足分が 265 万人分です。よってこれまでの治験等を踏まえた今後の備蓄の在り方について、議論を開始したところです。

 次ページは「課題 1 、備蓄薬剤の種類と割合について」、次ページは抗インフルエンザウイルス薬の種類と特徴です。ブルーで網掛かった薬が現行の季節性インフルエンザ薬でも使われているタミフル、リレンザ、イナビル、ラピアクタです。それぞれ製剤形態が経口薬、吸入薬、そして吸入薬、静注薬です。また、有効期限も現在までのところ、タミフルは 10 年、リレンザは 10 年、イナビルが 6 年、ラピアクタはバッグ製剤が 3 年、バイアル製剤が 4 年です。

 一番下の備考ですが、タミフル並びにリレンザは輸入薬剤ですが、イナビル、ラピアクタは国内製造です。アビガン錠については、平成 26 3 月に承認条件を薬事承認いただいておりますが、承認条件付きです。

 次ページは「課題 2 の備蓄目標量について」です。次ページは現行の抗インフルエンザウイルス薬備蓄目標量の考え方です。平成 21 年、諸外国の備蓄状況や危機管理の観点から、備蓄量を増加。以下の事例に抗インフルエンザウイルス薬を使用する可能性を想定し、人口の 40 50 %相当量の備蓄が適切とし、 45 %を目標としました。その内訳は赤マルの 1. 、新型インフルエンザの治療。 1 つ目のチェックですが、人口 25 %が新型インフルエンザウイルスに罹患し、その全員が受診。 2 つ目のチェックは新型インフルエンザの病態が重篤な場合、倍量・倍期間投与を行う可能性。

 赤マル 2. は、予防投与についてです。発生早期には、感染拡大防止のため、同じ職場の者などに投与する可能性。そして十分な感染防止策を行わずに患者に濃厚接触した医療従事者等に投与する可能性として 300 万人分。

 赤マルの 3. は、季節性インフルエンザが同時流行した場合の治療。季節性インフルエンザウイルスが同時流行し、全患者に投与した場合。以上から 45 %を目標とすると考えられてきたところです。以上です。

○倉根部会長 それでは、岡部委員に御説明をお願いします。

○岡部委員 小委員会の委員長を務めております岡部です。小委員会では、その下に作業班を作りまして、東京都医療保健大学の大久保教授にお願いをして、そこで専門的な検討をかなり行っていただいた上で、小委員会で最終的なまとめをしたというのが経緯です。それが資料 1-2 と資料 1-3 にありますが、最初に資料 1-2 の説明をさせていただきます。

1 ページの「これまでの備蓄の経緯」は事務局からお話を頂いたとおりで、省略をさせていただきます。

2 ページは「備蓄薬剤の種類と割合に関する考え方」ですが、現行の薬剤はタミフル 8 割、リレンザ 2 割となっております。備蓄薬剤の種類に関する考え方として、既存のタミフル、リレンザの 2 種類に加えて、後から出てきて、便宜上商品名で言わせていただきますが、タミフルのドライシロップ、ラピアクタ、イナビルが広く使用されています。それから罹患者の年齢、投与経路が、それぞれに適する薬剤が異なるということで、備蓄薬剤の多様化を図ることが適当であろうと考えてまとめました。

 個々の薬剤については、 2 ページの真ん中ぐらいからになりますが、タミフルのドライシロップについては、速やかに備蓄を行ってはどうか。その理由としては、タミフルの脱カプセルということを緊急的にやってはどうかという議論が、以前ありましたが、実際には味が余り良くなく、小児にとっては飲みにくいということに加えて、パンデミック、新型インフルエンザ発生時には薬局等が混雑するために脱カプセルという手間がかかることよりも、なるべく早く調剤ができるようにしたほうがいいだろうということになります。参考については省略をさせていただきますので、後で御覧になってください。

3 ページはラピアクタです。これは静注薬で、重症患者用として出てきた薬ですが、臨床現場では症例ごとに使用を判断するため、全ての重症患者及び入院患者に投与を行うものではないが、小児から成人の入院患者や重症患者の内、一部における使用は想定される。

 平成 21 年の新型インフルエンザウイルスよりも、更に病原性が高いウイルスが発生した場合、ラピアクタの使用も増える可能性があるだろうという議論がありました。

 次は吸入薬であるイナビル及びリレンザについても一定の備蓄を行ってはどうかという意見です。その理由は、この両者については、特に有効性・安全性に大きい差はないのですが、片方は単回吸入で治療が完結し、治療コンプライアンスが良い。最近はより多くイナビルが使用されている傾向にあります。一方、イナビルは単回吸入のため、吸入に失敗した場合には次の吸入の機会がない。リレンザの場合は複数回吸入なので、何遍かに分ける機会があります。また、どちらか一方で薬剤耐性ウイルスが検出された場合には、もう一方の薬剤にも耐性となる可能性が高いと考えられております。イナビルの場合は、リレンザに比べて、スペース的に小さくて済むということも特徴として挙げられます。これらを考えながら、両薬剤について、一定の備蓄を行ってはどうかということになります。

 アビガン錠については薬事承認は下りていますが、製品としてはパンデミックのときに使用することになっています。薬事承認で付されている臨床試験における有効性・安全性のデータがそろい次第、引き続き備蓄の是否等について検討するということで、現在は備蓄を正面に出しているということではありません。

2. 各薬剤の備蓄割合に関する考え方ですが、これについては市場流通の割合等も考えてはどうかということがあります。その理由は、市場流通量は臨床現場での薬剤の使用割合を反映しているということ。また、新型インフルエンザ等、政府対策行動計画、抗インフルエンザ薬に関するガイドライン、新型インフルエンザ専門会議での議論によれば、備蓄の検討をする際に考慮すべき点の 1 つとして、市場流通の状況を踏まえることとされております。なお、市場流通量とは、卸売業者から医療機関への納入数量を示しているので、メーカーや卸売業者が保有している量は含んでいません。

4 ページの 3. 各薬剤の計画的備蓄に関する考え方です。タミフルドライシロップについては優先的に備蓄を開始することを検討し、その他のラピアクタ、イナビルについては、既に備蓄しているタミフルやリレンザの有効期限を踏まえつつ、順次切り換え、買い足しを行ってはどうかとまとめてあります。その理由は、先ほどタミフルドライシロップについては使いやすさ、小児ということなので、小児が飲みやすいということでは可及的速やかに行うことが適当であろうと考えたものです。

 ラピアクタ静注薬については、既存の備蓄薬剤とは投与経路が異なることから、薬剤の多様性も担保するため、備蓄を行うことが適当と考えられる。ただし、一方では、一定の市場流通量も確保されているため、タミフルトドライシロップに比べると緊急性は低いのではないかという理由があります。また吸入薬のイナビルは、現在リレンザが充足している間は備蓄の必要はないという考え方になりました。

3 「抗インフルエンザウイルス薬の備蓄目標に関する考え方」です。 3-1 、現行の備蓄目標の考え方は、以下の被害想定に基づいて抗インフルエンザウイルス薬を使用する可能性を踏まえ、国民の 45 %相当を備蓄目標とする。これは背景の所で述べられたとおりです。

1. 新型インフルエンザの治療については、先ほどの所で既に述べられているようですが、仮にという数字の置き方になります。人口の 25 %が新型インフルエンザに罹患し、その全員が受診する。それから、新型インフルエンザ病態が重篤の場合、患者の 1 割、約 250 万人が重症化すると想定し、その者に倍量・倍期間投与ということを考えると、これが 750 万人という数字になります。

2. 予防投与については、年中予防投与するというわけではありませんが、発生早期には感染拡大防止のために、例えば同じ職場の者等に投与とか、十分に感染防止策を行わず、患者に濃厚接触した医療従事者に投与することで 300 万人。 3. 季節性インフルエンザが同時流行した場合。この同時流行も議論がありますが、季節インフルエンザウイルスが同時流行した場合、全患者に投与が 1,270 万人。これは過去 3 年間の患者数の平均値から算出したものです。

5 ページの 3-2 「新しい備蓄目標の考え方」です。新型インフルエンザの治療についてですが、対象者数としては、政府行動計画の被害想定等に基づく罹患者数、医療機関受診者数を基本としてどうかというのがあります。これもシミュレーション等々でいろいろ議論もありましたが、現行の被害想定の考え方を大きく変更する根拠はないであろうということになりました。参考として、ここに書いてあるのを後で御覧いただければと思います。

 また、現在は受診者数の 1 割を重症患者と想定して、その全ての患者を倍量・倍期間治療の対象にしております。しかし、重症患者の考え方として、入院相当程度の患者として考えることが可能ではないかとしております。その理由は、重症患者の倍量・倍期間投与に関しては、明確なエビデンスは確立していないというのがありました。重症化の原因はインフルエンザウイルス量の増加だけではなく、基礎疾患等々の問題があるので、倍量・倍期間投与というのは、医学的根拠は現在のところ不明確です。一方、効果がないため推奨しないというエビデンスもないということです。

 季節性インフルエンザや平成 21 年の発生のときには、実際の臨床現場での実施は限定的でした。新型インフルエンザにおける治療は、基本的には季節性インフルエンザ治療の延長で行われるというのがあります。全ての入院患者あるいは重症患者に対し、倍量・倍期間投与を行うのではなく、臨床現場で個別に判断するということで対応しています。

 備蓄目標量を 45 %に引き上げた平成 20 年次と比較して、抗インフルエンザウイルス量の市場流通量は、当時より増大しており、現在の流通量は年間 1,000 万人分とされております。加えて新型インフルエンザ発生時には流通量の増加も見込めることから、市場流通分により充足できる可能性はあることが考えられます。

6 ページの重症患者に対して使用される可能性のあるラピアクタについては、約 70 万人分を即時流通可としてあります。市場流通はせず、常時メーカー及び卸業者に保管されている薬剤量が約 1,322 万人分あります。しかし、一方では新型インフルエンザが発生した際に、国内・国外ともに社会混乱になっている可能性があるため、製薬メーカーの即時流通量に依存するのではなく、一定量の備蓄の必要はあると考えたということです。

2. の予防投与です。予防投与は、ずっと予防投与ということではなく、海外発生期及び地域発生早期等における患者に濃厚接触した者に対する予防投与です。平成 21 年の新型インフルエンザの経験では、約 5,000 名を基礎として、その患者が接触した可能性のある数を試算した上で対象者数としてはどうかという意見です。濃厚接触者の数については、厳密な想定は困難であるが、患者の接触した可能性のある同居者、同じ職場や学校の者、約 5 50 名前後、また十分な感染防御策を採らずに患者に濃厚接触した医療従事者や水際対策従事者を約 5 50 名前後と考え、それを数として想定したということになります。

 平成 19 年当時の WHO Interim Protocol では、重点的感染拡大防止策用に約 300 万人分が備蓄されていたとあります。平成 25 年のガイダンスでは、一定量の重点的感染拡大防止策用の備蓄は、ウイルスの急激な拡散や全体的な社会的影響を減少させる可能性があると結論付けております。また、新型インフルエンザ等政府行動対策計画では、限定的ではあるが、感染拡大防止策を行うとの考え方もあることから、重点感染拡大防止策用の備蓄は考慮してはどうかということです。

 その理由は、重点的感染拡大防止策については、 WHO からこのガイドラインが示されているということですが、ただし、日本では初めてのウイルスが人の往来が少ない離島等々で発生するのは現実的に低いということがあります。平成 19 年の WHO のプロトコールでは、重点的感染拡大防止策が示されており、平成 25 年の WHO のガイダンスでも、本政策は考慮すべき事項とされております。ただし、その効果のエビデンスは非常に限定的であり、対象人口は 50 万人ぐらいとしています。より大規模の人口集団に対する効果のエビデンスはありませんが、所帯内や施設内においては有用性が示唆されること。更に、本防止策により、感染症の蔓延やパンデミックによる影響を一定程度減少できるとされております。

7 ページ、最後のページは、季節性インフルエンザとの同時流行についてです。新型インフルエンザパンデミックが起きた際に、季節性インフルエンザが同時流行を起こす可能性は低い。そのため、例年の季節性インフルエンザと同規模分の備蓄を行う必要はないのではないか。一方、過去に新型インフルエンザと季節性インフルエンザの同時発生は小規模ながら確認されております。同時流行の可能性や過去の発生規模を参考に備蓄の必要性を考慮してはどうか、という意見にまとめてあります。

 理由は、国民の大多数に免疫がない新型インフルエンザの感染が拡大し、大半を占めるようになると、季節性インフルエンザが淘汰されることが想定され、例年と同レベルで季節性インフルエンザが新型インフルエンザと同様、同時に流行することは考えにくい。

 一方、 1968 年、 2009 年の記録では、季節性インフルエンザの同時発生も限定的ではあるが、一定程度は確認されている。そして、例年の季節性インフルエンザの治療は市場流通分で行っているということが、ここにまとめてあります。「その他参考」は省略させていただきます。

 このような議論を整理した資料 1-3 が新型インフルエンザ対策に関する小委員会で継続審議事項として、検討を行った事項をまとめたものです。新型インフルエンザ対策に関する小委員会は 9 11 日、ついこの間開催されましたが、今お示ししたような作業班の議論を了承し、加えて、「以下の事項について、継続的に検討する」としてあります。最初の■は、備蓄薬剤に関する事項、重症患者に対するラピアクタの使用。ラピアクタは病原性の高いウイルスが発生した場合、使用が増える可能性がある。重症患者への対応は、重要な位置付けとなるため、今後、季節性インフルエンザで重症患者におけるラピアクタの有効性を注視し、新型インフルエンザ発生の際に適切な対応ができるよう、情報の収集に努めるとあります。

 備蓄薬の適正な配分、新型インフルエンザ等対策ガイドラインは、備蓄薬の適正配分が記載されているものの、不均等配分の懸念が残る。備蓄している薬剤を具体的に現場にどのように届けるのかについては、議論の必要がある。パンデミック発生の際、備蓄薬剤に加えて流通薬剤があることも考慮すべきである。流通薬剤についても適切に臨床現場に届ける具体的な方法について検討を要する、ということを示してあります。

 ■備蓄目標に関する事項ですが、新型インフルエンザ発生の被害想定は、いつも議論になっていますが、新型インフルエンザ等、政府行動計画の被害想定では、シミュレーションに FluAid が使用されているが、今後は新たな科学的根拠に基づいた被害想定の考え方等が報告されれば、俎上に載せることを検討するとしてあります。

 重症患者への倍量・倍期間治療ですが、この倍量・倍期間治療については、明らかな有効性を示す科学的エビデンスはまだ乏しいと言えます。理由の 1 つとして、重症化の原因が基礎疾患の有無等多岐にわたり、重症患者の評価が難しいということがあります。そのため、引き続き季節性インフルエンザにおける重症例での有効性を参考にしつつ、倍量・倍期間治療の在り方について情報収集を行うとしてあります。

 季節性インフルエンザとの同時流行に関しては、疫学的には同時流行の可能性は少ないが、引き続き様々なシミュレーションを実施することを検討する。このようなことを加えて、資料 1-2 と資料 1-3 が小委員会での検討事項です。以上、御報告申し上げました。資料 1-4 は事務局でまとめたものですので、事務局からということでお願いします。

○倉根部会長 それでは、また事務局に戻りまして、資料 1-4 の説明をお願いします。

○田村新型インフルエンザ対策推進室専門官 お手元に資料 1-4 を御用意ください。こちらの資料は、先ほど岡部委員長から御説明のありました資料 1-2 の内容を、事務局が分かりやすく簡易的にまとめたものです。新型インフルエンザ対策における抗インフルエンザウイルス薬備蓄目標及び薬剤の種類と量に関する議論の整理を踏まえたシュミレーション(案)です。

 資料 1-2 をまとめていきますと、まず、備蓄薬剤の種類については、現行の備蓄薬はタミフル、リレンザに限定されていますが、臨床現場では、タミフルドライシロップ、ラピアクタ、イナビルが広く使われていることを踏まえ、備蓄薬の多様化を図る。備蓄目標については、平成 21 年の新型インフルエンザの状況、最新のインフルエンザの治療の状況等を踏まえ、治療の在り方、予防投与の在り方、季節性インフルエンザ同時流行の可能性に関し再検討する。様々な状況に応じた柔軟性を考慮した上で必要な目標量を設定する。

2 つ目のポツです。各薬剤の備蓄割合については市場流通の比率等を踏まえる。

3 つ目のポツです。新たな薬剤の備蓄は計画的に行うこととし、以下の順に備蓄を進める。まず初めに、タミフルドライシロップ、ラピアクタ、そしてイナビルの順です。その下、幾つか数字が羅列していますが、こちらも、資料 1-2 の論点整理を行った、それに関わる数字を分かりやすくまとめたものです。これが決まりというわけではありません。幅を持たせた議論が引き続き重要だと考えています。委員の先生方におかれましては、分かりやすく作らせていただいた暫定的なものですので、参照していただければと思います。

 例えば 1 つ目、季節性インフルエンザ同時流行の発生規模について。季節性インフルエンザ患者の治療として、 1. 同時流行の発生規模が限りなく小さいと想定した場合はなし(ゼロ)。 2. 過去の例を参考に、同時流行の発生規模が季節性インフルエンザの 5 %程度と想定した場合は 60 万人程度。この 5 %というものは、 2009 年の新型インフルエンザにおける季節性インフルエンザの同時発生が約 2 %前後確認されていたことから、余裕を持たせて事務局で 5 %と仮置きした数字です。 3. 同時流行の発生規模が季節性インフルエンザ平均罹患者数と同規模程度と想定した場合は、現行の考え方である 1,270 万人。以上のように、資料 1-2 のそれぞれの論点の整理をしてきて、その論点に合う数字を並べたものが資料 1-4 です。以上です。

○倉根部会長 幾つかの資料があり、詳細に説明をいただきました。まず、この議論について、資料について、各委員の先生方の御意見、あるいは御質問がありましたらよろしくお願いします。

○渋谷委員 少し薬のことについて教えていただきたいのです。数年前に見たときには、ラピアクタとイナビルは予防投与の有効性・安全性については確立していないと書かれていて、ただ、ラピアクタは、点滴というか静注で重症の治療に使うということですので、予防投与ということではないと思うのですが、イナビルというのは、予防投与に使うことも想定をしているリレンザの替わりの備蓄になるのかどうかを 1 つお聞きしたいのと、それから、意見ですが、先日、海外で火災があった折に、日本に B 型肝炎の治療薬が入ってこなくなるというようなことが報道されて、やはり、国内にある薬が使える体制にしておくというのも 1 つの考え方かと思います。意見です。

○倉根部会長 ありがとうございます。事務局、何かありますか。

○田村新型インフルエンザ対策推進室専門官 ただいまの御質問の 1 点目です。まず、予防投与のあり方ということで、イナビル、ラピアクタの予防投与というところで、実際のところ、薬剤の添付文書を開くとラピアクタの予防投与はまだ承認がありません。ただ、イナビルの予防投与については、既に薬事承認されているものですので、タミフルカプセル、タミフルドライシロップ、そしてリレンザ、イナビル、こういった薬剤については予防投与ができる状況にあります。

○倉根部会長  2 点目の御意見については何かありますか。

○高城新型インフルエンザ対策推進室長 今、渋谷委員から御指摘がありました点です。やはり、国内で流通している分、国内で確保できる分をしっかりと確保しておくことが、こういう危機管理上は今後重要になってくるのではないかと思っています。

○倉根部会長 ほかに御意見、御質問ありますか。

○山田委員 コクランレビューというのが出されていると思うのですが、それに対して、国とか厚生労働省とか、見解というか、公的な見解はどのようになっているのでしょうか。例えば、 CDC あたりだと、コクランレビューというものの方法と、その後の 2009 年のパンデミックのときのことを踏まえて、 CDC は、国民に対してコクランレビューを必ずしも信じなくてもいいよみたいなことを書いていると思うのですが。

○倉根部会長 事務局いかがでしょうか。

○高城新型インフルエンザ対策推進室長 確かに、そういったレビューが出ているということは承知しています。ただ、危機管理上何が必要なのかということを考えたときに、確かにワクチンですとか、お薬ですとか、それから水際対策、いろいろなものがそろってきたという中ではありますが、やはり実際にかかってしまわれた、様々な対策を取っていてもかかってしまった場合に、まず有用なのは治療薬と認識していますので、一定程度の備蓄は必要なのではないかと認識しています。

○山田委員 結局、コクランレビューというのは、ノイラミラダーゼインヒビターが、いわゆる治験のときに言われていたほど重症化を防がないのではないかとか、そういうことを根拠に各国に備蓄が無駄だということを提言しているように思うのです。それに対して、 CDC はそこまで言い切れないので、 CDC としては備蓄を続けるという見解を出していると思うのです。日本の場合も、そういう国際的な信用のある機関のやったシステマティックレビューの結果に対してどういう見解を示すのかをどこかできちんとしておかないと、ネット上などでも結構そういうことを議論している人たちが日本の中にもいるようですので、そこが必要なのではないかとちょっと思いました。

○廣田委員 インフルエンザの分野においては、コクランレビュー自体に結構批判があるのです。レビューをする際、対象とする論文を平均的にきちんと集めているかとか、いわゆるバイアストレビューというような批判も一部にあります。それから、同様のグループで発表した中には、これは誰が見ても、その対象とした論文を読んでいないというような事例もあるわけです。そういう面で、インフルエンザ分野におけるコクランレビュー、これは必ずしも真実という評価はされていないという点をちょっと申し上げます。

○高城新型インフルエンザ対策推進室長 今、いろいろと御指摘を頂きまして、どの時点でどういうことが言えるのかという点では、今後とも科学的な知見が重要ではないかと思いますので、引き続き情報収集したいということと、あとは、海外での備蓄の状況ですとか、取組の状況、こういうものにも注意をしながら検討していきたいと思います。

○岡部委員 議論が始まってしまったのですが、小委員会のほうは、この委員会では、小森委員、大石委員が参加されていますので、もし補足がありましたらお願いしますということを申し上げたいと思います。

○倉根部会長 それでは、小森委員、大石委員から何か補足ありますか。

○小森委員 私は作業班にも参加していましたが、小委員会での議論は、基本的に、今、岡部委員から御紹介があったとおりと理解をしています。ただ、強いて 1 点付け加えるとしますと、先ほどの国産と海外製品ということは、我が国の危機管理上、安全保障という観点からも極めて重要な視点ですが、特定の薬剤のことが指摘されるという懸念から報告書等については記載をしなかったと私は理解をしています。以上です。

○大石委員 岡部委員長からの報告について、私も同意するところです。追加として、最後の資料 1-3 にあった備蓄薬剤に関する事項で、重症患者に対するラピアクタの使用に関する検討が必要と考えます。新型インフルエンザに対しての効果は、実際にはこれから新しく起こってくる疾患なので分からないわけなのですが、季節性になったパンデミックインフルエンザ H1N1 2009 を対象とした評価が必要です。特に、 2013 /2014 年シーズンに H1N1 が流行しましたが、このときに成人の肺炎例発生し、ラピアクタの長期間投与が試みられた症例が何例かあったようです。このような症例で、薬剤の体内動態、その臨床効果とかを学会などで検討し、今後、参考になる資料を蓄積していく必要があるかと考えています。

○倉根部会長 ありがとうございます。ほかにコメント、あるいは御意見ありますか。

○賀来委員 今、大石先生が言われたように、学会でも、抗インフルエンザ薬についての投与期間や投与量について積極的に、今後、エビデンスを構築していこうという動きがありますので、日本感染症学会を含めた学会でのそのような動きも今後いろいろ参考にしていただければと思います。

○倉根部会長 ありがとうございます。ほかに御意見ありますか。ほぼ御意見も出尽くしたと考えています。そうしますと、本日お示ししている内容で、新型インフルエンザ対策における抗インフルエンザウイルス薬の備蓄方針を感染症部会として了承することについて、御異議ございませんでしょうか。よろしいでしょうか。

                                   (異議なし)

○倉根部会長 それでは、この形で了承することにしたいと思います。事務局どうぞ。

○高城新型インフルエンザ対策推進室長 今回、この議論の論点の整理ということで御了承頂きましたので、この先は、実際にどのような議論がされ、どのような形で備蓄の目標量を考えるのかというのは、具体的には、内閣官房の有識者会議、医療公衆衛生分科会のほうで議論を進める予定になります。その方向で進めてよろしいでしょうか。その点だけ 1 点確認させてください。

○倉根部会長 今の事務局の提案について、よろしいでしょうか。

                                   (異議なし)

○倉根部会長 では、そのような形で進めていただくということで、よろしくお願いします。

 次に、議題 2 に移りたいと思います。「エボラ出血熱の流行状況と今後の対応について」です。これについては、事務局からの説明をお願いします。

○中谷結核感染症課長補佐 エボラ出血熱の流行状況対応について、資料 2-1 2-2 があります。資料 2-1 は、感染研の FETP でまとめていただきましたので、大石委員から御説明をいただき、資料 2-2 を事務局から御説明させていただければと思います。

○倉根部会長 それでは、大石委員の御説明をお願いします。

○大石委員 私から説明いたします。資料 2-1 、「エボラ出血熱の流行状況等について」をご覧ください。 FETP 生がまとめた資料です。

2 ページでは「疑似症定義の変遷」をとめています。直近までのエボラ患者のエピカーブを示しています。 2014 1 月から今年 9 月までのエピカーブが、ギニア、リベリア、シアラオーネでまとめられています。シエラレオネでは Patient Surveillance Situation Report という 2 つのデータセットがあって、ほぼ同様のデータなのですが、今年の 3 月からは Situation Report を使っています。昨年 8 8 日に症例定義が決められています。そのときには 3 か国で症例が出ていたわけですが、症例定義が 10 24 日に変更されています。そのときには、シエラレオネ、リベリアの症例数が増加し、その後に症例数が減ってきています。そして、 4 月末にリベリアの終息が宣言された経緯が書かれています。

3 ページには、昨年 8 8 日版の疑似症の症例定義が示されています。このように、臨床症状、又はア又はイに該当する接触歴で定義されています。

4 ページは 10 24 日版のものです。

5 ページには、その 2 つを比較したものが示されています。要は、 10 24 日は渡航歴の重要性と、多くが発熱の症状から始まること。しかし、全例ではないので、こういうことを加味して症例定義が変更されています。渡航歴と臨床症状、発熱又は接触歴からなる臨床症状となっています。

6 ページには、日本における疑似症 9 例のまとめが示されています。渡航先は、ギニア、リベリア、シエラレオネ、西アフリカ 1 例、そして、症状、接触歴です。接触歴はほとんどないのですが、 1 例だけ、埋葬の手伝いで袋に接触という事例がありました。最終診断としては、このように、マラリア、 GAS の咽頭炎、副鼻腔炎、インフルエンザ等です。

7 ページ、「西アフリカにおける EVD の現状」ということで、更に直近のデータをアップデートしたものです。 8 月は、一番最初の図とほとんど変わりません。

9 ページは、直近の 3 月以降のデータをもう少し拡大して示しています。リベリアはほとんど症例がなくて、終息宣言もしたところであるのですが、 6 月の下旬に 7 例ほどの症例が出ています。それから 9 月には終息宣言がまた出されています。ギニア、シエラレオネのほうでは、大分、減少してきているのですが、 10 例から、最近では 2 3 例の症例数がパラパラと出ている状況が続いています。

 資料 10 ページに行きますと、直近の 3 週間の状況では、シエラレオネで 5 例の症例が出ています。その内訳として、 Contact List の中から出ているケース、そして、 Unknown Source から見つかっている者、後者の感染源不明のリンクから見つかるということはまだ少し続いている状況があります。

11 ページ、ここに、患者さんとリンク不明者数が示されています。これまでは、多くの症例は、 Contact のあるリンクが明確な人たちの健康監視の中から発生していたのですが、最近の症例数が大分減ってきていて、 Contact Link がある者とそうでない者が半数ぐらいになっているところがあります。

12 ページは地理的状況です。ギニアとシエラレオネも、昨年 11 月から比較すると大変症例数が減ってきて、地域的にもかなり絞り込まれてきていることが分かるかと思います。

13 ページ、ここは症例と Contacts の数、 Contact List の方々に関する健康監視をしている数を示しています。現在、ギニアは 241 名で、シエラレオネがまだ 800 人という数なのですが、健康監視の対象の取り方が少し両国で違うようで、シエラレオネのほうでは、患者との地理的距離が近い集団を接触者としているということです。実際に接触した濃厚接触者とされる者はかなりもっと絞り込まれるようです。このように健康監視は着々と行われているところです。

 最後、現状のまとめです。ギニアでは、 9 1 日に確定例が出ていますが、 13 日の新規患者は出ていないということで、最近 1 年では、こういう 1 週間当たり症例ゼロとなったのは初めてであるということで、明らかに終息に近づいていることは間違いないようです。一方、シエラレオネでは、また新たに Bombali という地域でまだ新規発生がしていて、これはリンクが不明な症例であるようで、予想がつかない症例が出てくることがあります。

 あと、健康監視観察については、ギニアでは 241 名の接触者が健康観察下にありますが、減少しており、接触者を対象としたエボラワクチンの ring vaccination が継続して臨床試験として実施されています。疫学調査の質としても、このようにリンクがある者、あるケース、ないケースとしっかり判別しているところでは、かなり質は高いと思うのですが、やはりその中からもリンク不明のケースが出てくるということです。リベリアでも、終息宣言後に患者が発生していますことから、やはりまだ診断されていない、報告されていない症例もいることも否定できないということで、十分これからも警戒していく必要がある状況があります。以上です。

○倉根部会長 それでは、資料 2-2 を事務局からお願いいたします。

○中谷結核感染症課長補佐 資料 2-2 、エボラ出血熱の患者数、死亡者数と書いた資料を御覧ください。こちらは、世界的な流行状況をまとめた資料です。左側の表の上にあるのが患者数で、今も伝播が起きている国としてギニア、シエラレオネです。それ以外に、輸入症例や限定的な感染が起きた国が、下の表でリベリアからイタリアまで記載しており、全部合わせまして 9 13 日までの報告で 2 8,220 名、死亡者数は 1 1,291 名という状況です。先進国では、今年の夏にイタリアで輸入症例がありましたが、その後終息をしております。

2 ページ、今御報告がありましたので繰り返しませんが、下にあります表の一番下の欄が、直近 3 週間の 1 週間ごとの患者数を書いたもので、ギニアについては直近 3 週間では 3 名、 3 週間の動きが 2 名、 1 名、 0 名になっており、直近の 1 週間は初めて 0 名が出ております。右側の下のシエラレオネについて同じ欄ですが、直近 3 週間で 1 名、 1 名、 5 名とありまして 7 名ですが、それ以前の 2 週間が 0 名、 0 名ということで、 0 名の週が続いて出たというような状況になっております。

3 ページ、国内の対応についてまとめたものです。これは、以前も説明しておりますが、簡単に確認いたしますと、まず検疫体制についてです。以上のような流行国への出入国者の注意喚起を行っております。 2 つ目の○ですが、入国者にはサーモグラフィーによる体温測定や検疫官の呼びかけ、自己申告いただいた方には問診や健康相談をしております。また、 3 つ目の○ですが、流行国からの到着便については、機内アナウンスをしていただいており、到着後に検疫に自己申告をお願いをしております。また、 5 つ目の○ですが、そうした流行国からの帰国、入国された方については、出国から 21 日以内について 1 2 回体温を含めて健康状態を電話で直接の確認をさせていただいております。なお、現在はリベリアは終息しておりますので、ギニアとシエラレオネの 2 か国について入国、帰国者全員にこの健康監視をしているところです。また、この検疫所、入国管理局とも連携を強化して、入国、帰国者の把握を全例徹底する体制を取っております。

4 ページ、国内の体制ですが、地方自治体による対応強化で、国内疑似症例の発生時の対応について通達を出しているほか、昨年実際に患者を搬送したり検体を搬送する際の実地訓練をお願いして、全ての自治体で実施済みとなっております。また、受入れの医療機関の確保ですが、感染症指定医療機関特定又は第一種で受け入れということです。第一種の感染症指定医療機関ですが、平成 26 年度末で 7 県未整備だったのですが、この 7 県全てで整備のめどが立っている状態です。そのほか、医療従事者の方に向けた、特に感染防護策に関する研修会や、治療方針の助言を行う専門家会議を開催などの診療支援なども行ってまいりました。 3 点目は、国民の方の協力ということで、冷静な対応を呼び掛けたり、流行国からの帰国後 1 か月以内で発熱した場合の保健所への連絡をお願いをしていたところです。

5 ページ、昨年の対応から、国内で疑似症として報告された事例が全部で 9 例ありました。先ほどまとめにもありましたが、マラリアの陽性者が 4 名、直近の 9 例目の方は感染性胃腸炎疑いということで消化器症状があった方です。これら全てが検査の結果は陰性でした。

6 ページ、先ほど 1 ページにありましたが、先進国で発見されたいずれも輸入症例 7 例のまとめです。 1. 例から 7. 例まであり、このうち 6 例、 1 名の方を除いて医療従事者で、現地で医療を従事していた方、ないしは患者から移った方ということで、 2. のリベリアからの旅行者の方が死亡しておりますが、それ以外の方は治療を受けて退院をしている状況です。

7 ページ、主要国について、現在その検疫や国内対応をどうやっているかを、これは日頃やり取りをしている保健省から直接確認をして、またホームページでも確認をしてまとめた表です。英、米、仏、独、伊と並んでおりますが、入国時のスクリーニングの一番左の欄は、入国時にサーモグラフィーでの体温測定や健康状態の確認など、各国において内容は異なりますが、英、米では流行国からの全渡航者、フランスはシエラレオネ、ギニアからの帰国者に対してやっている、ドイツ、イギリスではないという状況です。また、 21 日間の健康監視については、フメリカとフランスは全渡航者にやっており、イギリスは接触歴のある場合だけをやっているという状況です。ドイツは、医療従事者の方、イタリアは中等度のリスク以上の接触歴がある方ということです。一番右側の欄は隔離入院の対象ということで、日本でいいますと疑似症の定義に当てはまった場合に入院措置ということで隔離をしますので、日本でいう疑似症の定義がどうなっているかということです。アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア全ての国が、症状プラス接触歴、更に専門家の評価を受けたり、その他の臨床症状などで判断をするというようなまとめになっております。

 最後に、 8 ページです。以上のような流行状況及び主要国での対応、流行国での健康監視の体制を総合的に考え、エボラ出血熱の疑似症患者の定義は、昨年 10 月以来現在は左下の欄、ギニア、シエラレオネの渡航歴、滞在歴プラス症状又は接触歴という扱いをしておりますが、今後については、接触歴をこの要件で必須とし、症状、渡航歴プラス症状プラス接触歴がある場合を疑似症として扱ってはどうかと考えております。また、健康監視の体制については、現在ギニア、シエラレオネからの入国、帰国者全員に健康監視をしておりますが、こちらについては、まだ若干ですが、ギニアとシエラレオネで患者が出ておりますので、これは終息するまで続けるということにしてはどうかと考えており、この点について御審議いただければと思います。よろしくお願いいたします。

○倉根部会長 今、大石委員から状況の説明があり、それから事務局からの今の御提案がありましたが、これについて御意見あるいは御質問はありますか。

○調委員 まず、最初の大石委員の御説明について確認させていただきたいのですが、 14 ページで現状のまとめがあります。この疫学調査の質という所で、 3 つ目のポツなのですが、検査は積極的に施行され、その陽性率も新規患者数の減少を反映していると。この文脈から言うと、陽性率が減少しているということなのでしょうか、確認です。

○大石委員 そのように判断しております。 1 週間ごとに WHO から Situation Report が送られてきますが、その内容を分析したものです。

○調委員 要するに、検査はきちんと行われていて、その陽性者が減っているということが、その患者数の減少と合うということですか。

○大石委員 そのように理解しております。

○調委員 それから、最後のポツなのですが、リベリアも終息宣言後に患者がみられ、診断報告されていない患者がいることも否定できないと書かれております。要するに、サーベイランスといいますか、患者の把握がきちんとなされていない可能性を御指摘されていると思うのですが、そのときに渡航歴の中からリベリアを外すことに少し懸念があるような気がするのですが、いかがでしょうか。

○倉根部会長 むしろ、大石委員あるいは事務局からの御返答のほうがいいかもしれません。いかがでしょうか。

○中谷結核感染症課長補佐 こちらについては、終息宣言が出た時点で、有識者の方々からも御意見を頂き、引き続き監視体制をしっかり敷かれているので、外しても問題ないだろうという判断でした。また、 6 月下旬に一部集落から出たというのも、もともとのアウトブレイクからのリンゲージというよりは、そこから恐らく回復者若しくは動物からではないかということで、そこも迅速にコンテインメントされて感染拡大のおそれがないということでしたので、その対応はリベリアを外した状態を継続をしたという経緯です。

○調委員 分かりました。ありがとうございます。

○大石委員 確かにリベリアでの事例を考えますと、やはりこのように報告されていない、診断されていないケースがまだ潜在的にある可能性は否定できないわけで、リベリアでも終息宣言はしたものの、まだ監視体制は続いているものと考えております。一応今の疑似症の定義にはリベリアは外しますが、今後の動向を注視しながら柔軟に対応していけばいいのではないかと思います。

○倉根部会長 ほかに御意見はいかがでしょうか。

○前田委員 今後は、ある程度接触歴のある方に絞られるというような形になるかと思うのですが、実際はこうした形で疑がわれる方、あるいは御本人が心配されている方に対する対応の中で、滞在歴等はあるけれども接触のない方が、若干発熱等の症状があるということで、除外診断も含めて検査で確認しておきたいという病院側の、あるいは御本人の意向がある場合もあります。そうした場合、自治体では症例定義に当てはまらないので検査の対象外とし、で、症状が収まるまで経過観察というような対応にせざるを得ないのですが、そのような希望が非常に強い場合は、例えば疑似症に当てはまらないまでも除外診断として、こうした検査を一定程度の方については感染研でしていただけないでしょうか。実際は症例定義が固まる前には、若干そのような対応もしていただいている事例があったというお話を聞いておりますので、今後むしろ有症状のみに定義が狭まった段階ではそうした対応をして頂けないかと思います。あるいは、場合によっては地方衛生研究所での検査対応にお任せすることになるのか。その辺りについて、今後の見通しについてお話を頂ければと思います。

○中谷結核感染症課長補佐 御質問ありがとうございます。こちらについては、御指摘のように、まだ健康監視は渡航歴がある方、接触歴がなくとも全員行ってまいります。当然、そういった方が何らか発熱などの症状があった場合にはどうするかということを、正に自治体で対応しなければなりませんので、この点については、まず症状を検疫から保健所に連絡をして、医療機関に行くなり症状を聞き取った上で、そうした治療や診断について確認をしていただき、その上で、なおエボラを主治医の方が疑うので、ないしは除外してほしいので検査をしてほしいといった場合は、以前と同じように行政判断で行政検査が必要だということであれば、感染研で検査をする形になろうかと思います。

 ただ、申し上げましたように、接触歴がない場合の蓋然性はほとんどゼロという状態ですので、このように対応を変えますので、そこはやはり臨床症状をよく見ていただいてということで、専門のドクターとその臨床を実際に見ている臨床医と直接アドバイスをする体制もありますので、その上で判断していただければと思っております。

○大石委員 この点は、渡航歴があって、一定の期間何らかの症状が、接触歴はないのだけれども、発熱以外に、ここには嘔吐、下痢、食思不振、全身倦怠感等と書いてありますが、それ以外の症状が出てくる可能性もあるかもしれませんので、そういった場合はやはり専門医にしっかりコンサルトして、蓋然性があるのか、ないのかを判断し、次に自治体、感染研とも相談して、検査の必要性を決めることになろうかと思います。

○前田委員 その場合には、特に疑似症に当てはめるかどうかはそのときの判断ということで、場合によっては疑似症というような形で対応しなくても検査する場合もあり得るということでしょうか。

○中谷結核感染症課長補佐 そのとおりです。

○倉根部会長 ほかにありますか。

○岡部委員 疑似症のところなのですが、 8 ページ、今後疑似症のところで、発熱プラスア又はイとあるのですが、イで 21 日以内にエボラ出血熱発生地域由来のコウモリ、霊長類等に直接手で触わるというのは全くそのとおりだと思うのですが、これは必ずしも生きている物だけではなく、死んでいる物あるいは肉になった物も同じように考えるとしておいたほうがいいと思いますので、解釈上はそのようなものだということが合意できていればいいと思います。印象としては、生きている物に触わった人が危ないというような感じがしますので、何らかのときに注意をしていただければと思いました。

○中谷結核感染症課長補佐 その点も、手で接触するなどとありますので、そこは Q&A なりで補足をさせていただきたいと思います。実際、死体も危ないですので。

○岡部委員  MERS の場合のラクダのミルクを飲んでしまうとか、食べてしまうというのがあるのですが、実際にはアフリカでは食料としての感染があるので、その点の注意をしたほうがいいだろうということです。

○倉根部会長 これは、解釈としてそういうものでいいのではないかということでよろしいですか。ほかにありますか。

○味澤委員 定義の変更はこれでよろしいのではないかと思います。別件ですが、日本では 9 例の疑似症が出て、それはよかったのですが、将来本物が出るというようなこともありますので、そういった場合にどこで隔離を解除するのかは、恐らく欧米ではいろいろやっていますが、厚労省としてははっきり出していないような気がするので、その辺りも今後考えていただきたいと思います。

○中谷結核感染症課長補佐 病原体を保有していないことの確認に関する通知は、昔出したものがありますが、今回西アフリカで数万人患者が出たということで、また新たな知見を踏まえて、そこはまた改めて通知を出したいと考えております。ありがとうございます。

○倉根部会長 ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。それでは、種々議論いただきましたが、解釈等の御質問も頂きました。皆さんの御意見も踏まえて、当会としてはこの疑似症の定義の変更について承認したとしたいと思います。

 それでは、議題 3 に移ります。中東呼吸器症候群( MERS )の流行状況と今後の対応についてです、事務局から、 3-1 3-2 の説明をお願いいたします。

○中谷結核感染症課長補佐 資料 3-1 3-2 について、続けて説明いたします。資料 3-1 を御覧ください。中東呼吸器症候群( MERS )について、これは前回もお示ししておりますので繰り返しませんが、現状 9 9 日時点までの報告患者数は、全体で 1,542 名、少なくとも 544 名が死亡しているということです。下の図を御覧ください。これは、少し古い 8 月時点の図ですが、サウジアラビア、中東諸国以外で右側の韓国の所に赤い○が付いており、中東以外での発生では韓国での患者数が最も多い状況でした。ただ、 2015 年のトータルの数でいいますと、サウジアラビアは既に 200 人以上の患者が出ているということで、依然中東での患者について注意が必要な状況です。

2 ページ、韓国と中東の流行状況についてです。韓国については、最終的に確定患者 186 名で、死者は 36 名、退院者 142 名、隔離対象者は延べ 1 6,693 名で、現在隔離中は 0 名という状況です。 7 5 日以降、新たな感染者の報告はなされておらず、流行曲線では終息の方向で、基礎疾患を有する入院患者 1 名のみが直近の報告でもまだ検査で陽性が出ているということで、この方の陰性までは終息のめどが立っていない状況です。ただ、入院患者でしっかり隔離管理されておりますので、新たな患者の報告は 7 7 日以降出ていない状況です。

 中東についてですが、サウジアラビアについて、リヤドの医療機関で集団感染が発生しており、 8 月から 9 5 日までの状況で、 144 例の患者うち、医療機関での集団発生は、少なくとも 108 例です。これを受けて、 9 2 日に WHO IHR MERS の緊急委員会が開催され、これが国際的な公衆の保健上の緊急事態に該当するかどうかという検証がされましたが、それは該当しないと。医療機関内での感染を中心とするもので、特段の感染力などの変化はないということでした。

3 ページ、この間の我が国の対応について、変化がありましたので御報告いたします。 7 17 日に、 MERS の対策に関する専門家会議の第 2 回目を開きました。大きく 3 つの論点で議論をいたしました。 1 つ目については、 MERS の流行状況に応じた対策についてということで、資料の 1 つ目の○にありますが、韓国で MERS が終息した場合どうするかということでは、我が国の現在の対応を継続するという方向性で合意をされております。

2 点目の MERS 患者への治療については、専門家会議では治療について様々、この MERS については特異的な抗ウイルス薬などはないわけですが、開発、研究段階のものがあるということで、そうしたものの臨床プロトコール等を検討するために研究をしてはどうかといったことが議論され、こちらについてはこの MERS に関する研究班を立ち上げるということで、この意見を受けて検討し、一応立ち上げることで決定をしております。

3 点目は、この MERS の患者が発生したときの接触者についてどうするかということで、特に不特定多数の方が集まる場所などで、その方が発見された場合どうするかということですが、これは症状や行動歴を確認をして、不特定での接触者調査を行う必要性が認められた場合のみ、施設名などをリスクが極めて低いこと等の情報と併せて公表するといった考え方も、この専門家会議で整理をされました。

4 ページ、専門家会議の委員名簿です。

5 ページ、今回韓国で MERS が流行したことを受けて、国内対応で変更した点のまとめです。大きく 3 点あり、一番上の囲みに 1 2 3 とあり、その下が対応のフローチャートで、フローチャートのどこの部分かというのとこの番号が対応しております。 1 番目は、疑似症の定義を変更いたしました。具体的には、地方衛生研究所の検査結果で陽性が出なくとも、以下の定義を満たせば疑似症として扱うということで、定義としては症状、渡航歴、接触歴となっております。この疑似症の定義に該当する場合、地衛検の検査結果が出る前でも法的な入院措置が可能となったということであり、迅速な対応ができるとなっております。

3 点目は、この検査結果で陽性が出た場合の公表のタイミングは、もともとのフローチャートでは国立感染症研究所での検査結果で確定した場合に公表となっていたのですが、その前に地方衛生研究所で先に検査をしますので、もしその時点で陽性が出れば、ただちに公表するということで、その点の変更をしておりました。これまで、 MERS の疑似症として報告された例は全部で 5 例あり、これは全て中東諸国からの渡航者でした。結果は、いずれも陰性でした。

6 ページ、以上の流行状況と国内対応について、今後の対応について議論いただきたいと思います。( 1 )検疫対応は、現在流行国からの航空便について、機内アナウンスやポスター、検疫機関の呼びかけなどを行っているのですが、今後の対応案としては韓国については事実上この 2 か月新たな患者は出ておりませんし、 1 人残っている陽性患者も医療機関で管理をされているということですので、韓国をこの検疫の対象国から削除してはどうかと考えております。

 一方で( 2 )と( 3 )が国内対応ですが、こちらについては中東で集団感染が発生していることなども踏まえ、現在の対応を当面継続してはどうかと考えております。資料 7 は、接触者に関する参考資料です。

 続いて、資料 3-2 を御覧ください。中東諸国でラクダとの接触に関する注意喚起ということで、この MERS について今申し上げましたように、昨年 7 月、中東 7 か国からを流行国として検疫を実施しております。その際に、ラクダなどの動物との不要な接触を避けるように注意を呼びかけているのですが、なかなか現地のツアーでラクダに乗るようなものに参加をされている方が多くなっており、資料 3-2 の一番下の欄を御覧ください。ラクダとの接触歴に関して、検疫所に報告があった件数ですが、平成 26 7 月以降のトータルが 151 件でした。ただ、そのうち今年の 8 月と 9 月で 59 件ということで、この 2 か月ほどすごくそのようなツアーに参加される方が増えており、我々からも旅行関係業界に対して注意喚起のお願いをしているところですが、改めてこの場をお借りして注意喚起をさせていただければと思っております。以上です。

○倉根部会長 ただいまの説明に関して、御意見、御質問を頂きたいと思います。いかがでしょうか。今の提案は、今後検疫の対応から韓国を削除してはいかがかという提案が、今日の一番の問題です。それから、早期の診断、隔離及び接触者把握と監視の徹底については、現在の対応を当面は継続するということです。よろしいでしょうか。

○岡部委員  MERS の疑似症患者の定義なのですが、 5 ページは変わらないのですね。

○中谷結核感染症課長補佐 はい。

○岡部委員 そうなりますと、韓国を外したときなのですが、私も韓国も院内感染だけなので、広く疑いを持つことは必要がないのではないかとは思っているのですが、この症例定義のイが発症 14 日以内に発熱があり、急性期症状があり、発症前 14 日以内に対象地域において医療機関を受診若しくは訪問するとあるので、もし韓国が全く外れてしまうと、今医療機関には実際に患者がいるということですから、その病院から来た人はどうなってしまうのかということをお尋ねしたいのですが。

○中谷結核感染症課長補佐 今の御質問については、疑似症定義のウの部分が、発症前 14 日以内に患者を診療・看護若しくは介護していたもの、又は MERS が疑われる患者との同居(患者が入院する病室又は病棟に滞在した場合を含む、又は疑われる患者の体液等の汚染に直接触れたもの)で、こちらのウの定義については対象地域か否かを問わずということですので、韓国を検疫の対象国から外してもウの要件はいきておりますので、これは国を問わず適用されますので、そちらで読めるかと思います。

○岡部委員 そのことも一応明確にしておいていただいたほうが、全てこれでフリーとなってしまうのでは残念ながらないと。本当にフリーになるのは、やはり WHO が一応オーケーであるといったときが国際的な承認だと思いますので、確認だけですがよろしくお願いいたします。

○倉根部会長 事務局、よろしいですか。

○中谷結核感染症課長補佐 了解しました。

○廣田委員 この検疫の対象国としての取扱いですが、日本以外の国は過去あるいは現在に至るまで、どのような対応をしているのでしょうか。

○中谷結核感染症課長補佐 これも、保健省を通じて確認した状況ですが、中国、台湾、香港、オーストラリア、アジアに関しては全員、韓国については 7 月下旬から上旬に韓国で事実上の終息宣言といいますか、患者がいなくなったということが出されたときに、検疫の対象国から外すと。注意喚起の対象国から外すという対応をしており、現時点では特に韓国を注目した対応はされておりません。ただ、アメリカとイギリスは一応旅行の注意の国としてはまだそのままになっていると聞いております。

○倉根部会長 ほかにありますか。

○岡部委員 もう 1 つ、研究上の希望なのですが、恐らく韓国の患者が陽性になっているというのは、 PCR で陽性ではないかと思うのですね。実際は、本当は PCR 陽性が感染性があるかないかは、また別な議論になってくるときがあり、ウイルスが陽性ならばいいですが、確か感染症法 1 類を決めたときも、例えばエボラ出血熱の患者が日本にいて、 PCR だけがいつまでもずっと陽性になったときに隔離を続けるのかというような議論があったと思うのですね。今後の研究としては、本当に PCR 陽性患者と感染性についてどういうものかというのが、どこかできちんとしたエビデンスをつくっておかないと、逆にいつまででも隔離を続けるというような今度は人権の問題に関わってくるのではないかと思いますので、是非その点の進展を促していただければと思います。

 もう少し突っ込んで言ってしまうと、これはウイルスがないとできない調査ですので、そのようなことができるように是非していただきたいという意味です。

○倉根部会長 ここは、先生のコメントということで取ってよろしいですか。

○岡部委員 今、ただちにというのは無理だと思うのですが、そのような課題が残っていることはやはり今後の議論になるだろうと思います。

○賀来委員 今のことにも関連してですが、すでに御存じだと思いますが先日 WHO から不顕性感染における PCR 陽性例の考え方についてコメントがありました。確かに岡部先生が言われるように、その点はすごく重要であり、不顕性感染で症状がないのだけれども PCR 陽性の人に対しどのように対応すべきかという点については、隔離をすることが望ましいというコメントでした。ですから、現時点では PCR 陽性の患者については一応感染性ありと拡大解釈をして隔離していく方針になっているようですが、今後、さらにエビデンスが出てくると思いますので、是非それも参考にしていく必要があるかと思います。

○倉根部会長 ありがとうございました。それでは本日の部会での中東呼吸器症候群( MERS )についての今後の対応のところで、韓国を検疫の対象国から削除してはどうかという事務局の御提案、それからほかの早期の診断・隔離、接触者把握等については、現在の対応を当面維持してはどうかということについては、部会として承認ということでよろしいでしょうか。それではそういうことでお願いします。

 では次は報告事項になりますが、 4 つほどあります。事務局から資料 4 の説明をお願いします。

○感染症情報管理室長 資料 4 です。感染症法改正の施行に関して、省令改正のパブリックコメントを 8 7 日から 9 6 日までの期間に行いました。この内容については、これまで感染症部会でも御審議いただいた内容を踏まえて、省令改正の省令(案)を作成しました。主なポイントは資料 4 1. 検査の実施体制、 2. 季節性インフルエンザに関する指定提出機関制度、 3. 国への検査結果の報告という、この 3 点が省令として規定されています。詳細については、これまでの議論を踏まえたものですので、割愛させていただきます。 9 6 日までパブリックコメントでコメントを頂きまして、それらを踏まえて施行に向けた準備を進めています。

 今後のスケジュールは 2 ページ目の一番下、 4. の所ですが、まず省令の公布については来月、 10 月に省令の公布となっていますが、その後アップデートが間に合いませんでしたが、今月末に省令の公布を予定しています。それに合わせて関連の通知を、できるだけ早く発出しまして、来年の 4 月に改正法及び省令の施行ということにつなげていきたいと思います。いずれにしても都道府県及び関係者の方々に御協力いただけるように、円滑な施行ができるように進めていきたいと思います。以上です。

○倉根部会長 ただいまの説明に何か御意見、御質問はありますか。調委員、どうぞ。

○調委員 省令の検討について、ありがとうございます。法律改正に伴う検査体制については、地方自治体にとってある意味非常に大きな制度改革になろうかと思いますので、少し確認をさせていただきたいと思います。この法律の改正に伴う感染症の検査については、昨年度、私が代表を務めさせていただいた特別研究で検討させていただきまして、今年 5 月の第 10 回の本部会において、その結果を報告いたしまして、委員の先生方に内容について御承認いただいたところです。

 現在、各自治体では来年度 4 月からの法律改正に対する対応について、検査の予算ですとか人員、設備等について検討が進められているところです。この省令の具体的な運用方法について、通知等でこれまで感染症発生動向調査事業実施要綱がありましたが、この中身も省令に合わせて少し変えていただく必要があると思うので、可能な限り速やかに発出していただいて、地方自治体が対応できるようにしていただければと思います。

 また、精度管理という言葉が使われているわけですが、これまで先行的には食品の検査について精度管理、制度が設けられていますが、研究班の中の議論では、感染症の検査というのは化学物質を検出・定量する食品の検査とはずいぶん違うと。定性的なものであって、これまでと同じような精度管理という考えで進めると、非常に無理があるということが、議論されたところです。

 それに関連して標準作業書です。なかなか分かりにくいと思いますが、例えて言いますと、鳥インフルエンザの疑いの患者がいたとします。その検体の中に H5 遺伝子があるかどうかということを検出するための標準作業書は作成して、それを検査することができるのですが、その患者の診断全体について、例えば H5 が検出されなかったとき、その患者は一体どういう病気なのかということを含めて、検査を行う必要があるわけです。そうすると標準作業書というのはなかなか難しい部分があるということも、もちろん御理解いただいていると思いますが、この省令の解釈について、通知等で自治体のほうに知らせていただければと思います。

 また、インフルエンザの検査については、五類感染症の中で、特別に省令の中で、検体採取の頻度等を示していただいていますが、五類感染症をはじめとして、非常にたくさんの検査を行ってまいりまして、様々な感染症の病原体の発生動向、病原体の変化などを把握してきたわけです。今回、法律改正でインフルエンザが省令に載ったというのは、非常に喜ばしいことですが、一方、それ以外の検査が後退することのないように、通知等、あるいは実施要綱の中で、検査の頻度などについてお示しいただければと思います。

 また、研究班の提言の中で、実は感染症法にないような検査についても非常に重要だということを御指摘しています。地方衛生研究所において、そういった検査がなされていることは、公衆衛生上、非常に重要だと考えられますので、そういったことも含めて、通知、あるいは事務連絡の中でお示しいただければと思います。

 最後になりますが、この法律改正への対応を円滑に進めていただくために、自治体に対する説明会や Q&A の作成などをしていただいて、来年 4 月に円滑に実施できるように御配慮いただければと思います。どうかよろしくお願いします。

○倉根部会長 ありがとうございます。何か事務局からコメントはありますか。

○感染症情報管理室長 感染症法改正の関係では、昨年度、調先生の研究班などから頂きました御提言を踏まえて、準備を進めているところです。都道府県以外にも関係するところが多々ありますので、そのような方々にも十分、新たな制度などについて周知をしていく。それから、円滑な施行に向けて準備をしていくというのは当然のことですので、関係者の皆様方には今後も引き続き御相談をしつつ、進めていきたいと思います。今回は御意見を頂きまして、ありがとうございます。

○倉根部会長 それでは、次の説明に移りたいと思います。

○前田委員 すみません、 2 点あります。 1 点はありきたりのことですが、各自治体は非常に財政基盤が厳しい状況で、この感染症に対する対応がなかなか困難な所がある中ですので、是非、財政的な基盤について御支援のほどを、国としてお願いしたいと思います。

 もう 1 点は今、調先生が指摘された不明疾患の対応ですが、これは日本の検査体制で一番弱いところでして、既存・既知のものに対する検査というのは非常に高い精度で実施できるのですが、例えば未知の症候群が発生した場合の対応について、どういったプロトコールで実施するのかといった面も含めて、非常に弱い部分だと思っています。

2020 年には東京オリンピックが開催されます。これは東京だけの問題ではなくて、全国的に対応していく必要があるかと思いますが、そういう際には未知の疾患、これまで通常日本にはない疾患も含めて、一定の症候群から検査するといったことも必要になってまいりますので、是非、不明疾患に対する地方衛生研究所の検査体制を、国に御支援いただければと思っています。以上です。

○倉根部会長 ほかに何かありますか。よろしいですか。それでは、次の報告に移ります。次は「平成 28 年度予算の概算要求の概要について」ということで、事務局から資料 5 の説明をお願いします。

○中谷結核感染症課長補佐 部会長、時間の関係もありますので、残りの報告事項をまとめて報告させていただいてよろしいですか。

○倉根部会長 結構です。それでは、資料 5 7 の報告について、まとめてお願いします。

○中谷結核感染症課長補佐 ありがとうございます。それでは、資料 5 「平成 28 年度予算概算要求の概要」を御覧ください。感染症対策に関する部分の抜粋になっています。資料の中央左側に小さく「新」とあるのが新規で立てているものでして、今日御議論いただいた主な事業の 1 つ目のポチで、プレパンデミックワクチン、抗インフルエンザウイルス薬の備蓄経費等を要求しています。

 また、 2 つ目は「改正感染症法完全施行に伴う情報収集体制の強化」ということで、こちらも項目を要求させていただいています。 3 つ目のポチについては、特定感染症病床の整備ということで、特定感染症指定医療機関の部分になるのですが、この中で集中治療のための遠隔監視システム、集中治療用のモニター類の整備など、隔離病棟での診療に必要な設備整備についての要求をさせていただいているところです。( 2 )( 3 )は昨年と同様の項目について要求をしているということで、参考までに御覧ください。

 続いて資料 6 「世界スカウトジャンボリー参加者の侵襲性髄膜炎菌感染症の発生報告について」ということで、報告させていただきます。まず経緯としては、今年 7 28 日から 8 8 日に山口県山口市で、第 23 回世界スカウトジャンボリー、 WSJ2015 が開催されています。 152 か国から 3 4,000 人が参加して、日本人の参加者は約 6,000 人ということです。この大会終了後、 8 23 日にスコットランド公衆衛生当局から、この WSJ の参加者のスコットランド人 1 名が、帰国後に侵襲性髄膜炎菌感染症を発症したと情報提供がありました。検査の結果、最終的にジャンボリーの参加者 3 名と、参加者の親類 1 名の、計 4 名の確定例が報告されたとのことです。また、 8 17 日にはスウェーデンから、ジャンボリーの参加者で髄膜炎に罹患した可能性が高い患者及び調査中 2 名という報道発表がありまして、これも最終的な検査の結果、参加者 1 名が侵襲性髄膜炎菌感染症の確定例と確認されたということがありました。

 これについて、我が国の対応として下の囲みですが、 8 14 日にボーイスカウト日本連盟に対して、ジャンボリー参加者に対する注意喚起をお願いしています。その中身は資料 6 2 ページ目裏側に、文書を参考までに付けさせていただいています。また、 8 18 日には世界スカウト連盟のほうで、スコットランドだけではなくスウェーデンでも出たということで情報提供をしていますので、これについて厚労省から関係自治体にも改めて情報提供をさせていただいています。

 こちらの対応の 3 つ目の○ですが、スコットランド、スウェーデン及び日本スカウト連盟を通じて、国立感染症研究所の協力により疫学調査を実施したところ、日本国内で明らかな濃厚接触の方は確認されませんでした。また、 2015 8 月以降に、これは全例届出報告の疾患ですが、 4 症例の報告がありまして、調査の結果、いずれの症例もジャンボリーとの疫学的関連は否定されているということで、日本国内での発症は確認されませんでしたが、スコットランドとスウェーデンであったということの御報告です。

 続いて資料 7 「劇症型溶血性レンサ球菌感染症について」というのを御覧ください。 2 ページ目がどういう感染症かという参考になっていまして、 2 ページ目の上にありますが、最近メディアなどで「人食いバクテリア」といった病名で取り上げられていましたので、この場で報告をさせていただきます。 1 ページ目を御覧ください。現状、感染症法上の取扱いについてですが、こちらについては 1999 4 月より全数届出疾患、五類疾患としてサーベイランスがされています。その結果、左下のグラフになりますが、こちらは報告数について年度別になっていますが、 9 18 日時点で 2015 年は 302 例ということで、昨年 1 年間のまとめが 300 例弱ですので、昨年 1 年間の数を上回る届出数になっているということで、近年は増加傾向が認められています。

 右側、血清型の分布を見ますと、 50 代、 60 代、 70 代、高齢者の方で患者数が多いということが出ていますが、もともとこの感染症は高齢者で発症が多いという特徴があります。中央にありますが、この届出数の増加に対する評価ということで、国立感染症研究所からの御意見ですが、血清別、年齢分布、致命率、薬剤耐性菌の出現状況など、溶血性レンサ球菌の病原性変化を示唆するエビデンスは、今のところないということです。届出数増加の要因としては、届出基準の変更や周知徹底による報告数の増加などの可能性があり得るということです。ただ、数としては多くなっていますので、引き続き動向を注視していく必要があるという御意見を頂いています。報告は以上になります。

○倉根部会長 ただいま 3 点報告をしてもらいましたが、何か追加等、あるいは御質問はありますか。北村委員、どうぞ。

○北村委員 予防接種に関連して、髄膜炎菌ワクチンはこの 5 月から任意接種になったことを承知していますが、今後益々国際交流などが非常に活発になっていく中、こういうワクチンの位置付けというものを、国としてどういう形で周知されているのか。あるいは 5 月から 8 月というのは、この間の取組は一体どうなっていたのかというのは、大変興味があります。

○倉根部会長 事務局から何かありますか。

○中谷結核感染症課長補佐 スカウトジャンボリーについては、主催が文部科学省ということと、自治体としては山口県と日本スカウト連盟のほうで対応していました。厚労省としては、その開催期間中のサーベイランスの強化ということで、週 1 回の報告のものを毎日報告していただいたり、症状がある方については、その都度厚労省のほうにも報告を頂いて、対策の状況を把握し、問題があれば直ちに対応できるように準備をしていました。

 ただいま御指摘のワクチンについては、具体的に厚労省として何かということは行っていませんでしたが、通常、こうした大勢の人が集まる場合のサーベイランスの強化等の対応をさせていただいていました。

○北村委員 是非、今後もこういう事態が起こらないような努力、配慮をしていただけたらと思っています。

○倉根部会長 御意見、ありがとうございます。事務局としても是非その御意見を御配慮いただきますように。大石先生、どうぞ。

○大石委員 ワクチンについて、少し述べさせていただきます。日本感染症学会のワクチン委員会の中でも、最近発売された髄膜炎ワクチンには注目しております。まだ現時点では任意接種ワクチンですので、まずは日本における髄膜炎菌感染症の侵襲製感染症としてのサーベイランスの結果を、直近の血清型の分布を含めて IASR に報告しています。今後、国内で接種すべき対象、リスク群を明確にしていきたいと考えております。

 それと、今回のボーイスカウトジャンボリーのようなマスギャザリングにおける、ワクチンの役割についても、次の段階では考えていく必要があると思います。

○倉根部会長 コメントありがとうございます。ほかにありますか。ないようでしたら、本日の議事は以上で終了です。その他、事務局からありますか。

○中谷結核感染症課長補佐  2 点、御報告があります。 1 点目は次回の開催について、 11 月後半から 12 月前半を予定しています。改めて日程調整の上、御連絡申し上げます。よろしくお願いします。

2 点目は、本会をもちまして任期満了に伴い、小野寺委員、北村委員が御退任することになりました。また、前田委員におかれましても、異動により御退任することになりました。つきましては、各委員よりお言葉を頂戴できればと思います。まず小野寺委員からお願いします。

○小野寺委員 富士市立中央病院の小野寺です。今度の 10 月末をもって 10 年の任期が過ぎて、感染症部会の委員を退任させていただくことになりました。私は性感染症分野の専門委員として、この部会に出席させていただいていました。ちょうど 2003 年から厚生労働科学研究の性感染症研究班の班長として 9 年間、各種の研究をさせていただきましたが、当初は性感染症における無症候感染者、特に若者の実態調査を行っていました。また、その後は性感染症の定点調査が実態を把握しているかどうかを調べるために、モデル県を幾つか決めて、性感染症の全数調査を行って、検証をさせていただきました。いずれも性感染症に関する特定感染症予防指針の改正に当たって、その研究班の結果を踏まえて、提言をさせていただいたと思っています。

 最近、 4 つの性感染症、淋菌、クラミジア感染症、ヘルペス、尖圭コンジローマ等は特に大きな変動はないのですが、特に全数調査の 1 つである梅毒が 2011 年以降、男女とも急増しているのです。その実態は極めて重要な問題だと思うのですが、その点は少し気がかりですので、今後機会があれば是非その実態について精査をしていただきたいと思っています。

 この部会の中では、最近は各種の多剤耐性菌ですとか SFTS 、デングのまん延、更には本日のエボラ、それから MERS 等、次から次へと感染症に関する問題が起きて、その中で、この部会で行政の対応を含めて、あるいは各委員の先生方の大変貴重な御意見を聞くことができて、私自身、大変勉強になったと思っています。長い間、本当にありがとうございました。

○中谷結核感染症課長補佐 続いて北村委員、お願いします。

○北村委員 日本家族計画協会の北村です。御存じのように低用量経口避妊薬のピルが承認されたのが 1999 年でした。これは世界の最後の承認国、アメリカに遅れること 40 年。そのピル承認のやり取りの中で、ピルが使われるとエイズがまん延すると、今日は南砂さんがいらっしゃいますが、国立感染研の井上栄先生と私が対立討論という、南さんがコーディネートした大きな記事を用意させていただきまして、そして、この議論をしたのを昨日のように覚えています。

 ひょんなことからというか、想定外なのですが、 2006 年でしたね。小野寺先生、性感染症予防指針の改定というのがありました。私も実はこの会に 2005 年から加わらせていただいて、拝見をしましたら、随所にピルが悪者だという記事が書かれていました。ピルがエイズをまん延させる、ピルが性感染症拡大要因になる。私にとっては居ても立っても居られない状況の中で、この会の中でかなり激しく発言をさせていただき、 2006 年の予防指針の中からピルという文言が消えたのではないでしょうか。私はこういう会の重要性というものをそのときに実感しまして、ピルのイメージが大きく変わったということ、こんなチャンスを頂いたことに対して、心から感謝を申し上げます。

 昨年だったでしょうか。 2020 年の東京オリンピックまでに風疹をゼロにするという議論を、ここでしたのも覚えています。どうぞ今後、その実現のために本当に地道な努力と議論を重ねていってほしいと思うとともに、私は最後に昨日開かれた HP ワクチン、残念ながらまた動きが進んでいるような様子はないですが、婦人科医の 1 人としては、最後に佐倉統さんという方が書かれている言葉を紹介して、役割を終えたいと思っています。「何かをやって失敗するのと、やらずに失敗するのとで、どちらの罪が重いのだろうか。予防接種ワクチンの副反応は大きく取り上げられるが、予防接種をしないことの将来的な損害については余り注目されていない」。副反応で悩んでいる方々に対しては、本当に最善の準備、最善のサポートをすることは当然です。是非その辺り、この会で議論を深めていっていただいたらと思っています。長い間ありがとうございました。

○中谷結核感染症課長補佐 続いて前田委員、お願いします。

○前田委員  3 年間、感染部会の委員を務めさせていただきました。その間、今のお話にもありましたが、 MERS 、エボラ、様々な新たな疫学上の変化があったということで、その対策の議論に参加させていただいたことを大変有り難かったと思っています。この会議は本当に研究者の皆様方、あるいは臨床分野のお歴々の皆様方がいらっしゃる中で、私のような人間がここにもの申すのも不遜だなとは思ったのですが、私は一応、衛生部長会ということで、現場の代表ということで参加させていただきますので、どんなに技術的に正しく、法的に適っていても、やはり現場において実質的に実効性のある施策でなければ、感染症対策は進まないということで、そういう立場からいろいろ発言させていただきました。一応、現場を背負っているという気負いがあったもので、ときに物言いがきつくなる等ということについては、御勘弁いただければと思います。本人は極めて温厚な人間です。

1 つ蛇足ながら、今、私は東京都医学総合研究所という所に勤務しています。ここでは幅広く基礎医学から臨床医学まで研究していますが、感染症研究についても積極的に行っていまして、現在は全てのタイプに効果があるパントロピックなインフルエンザワクチンですとか、あるいは実効性のあるインフルエンザ抗体医薬、それから昨年の発生したデング熱に対するデングウイルスワクチンですとか、更には肝硬変を治療する薬というものも開発していまして、恐らく私どもの研究所の研究が今後成果を上げれば、感染症対策を抜本的に変えていけるのではないかと、そういう意気込みで頑張っています。どうか今後とも御支援をよろしくお願いします。ありがとうございました。

○中谷結核感染症課長補佐 以上です。

○倉根部会長  3 人の委員の先生方、本当に長い間ありがとうございました。それでは、今日はこれで終了いたします。


(了)

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