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2015年7月29日 新型インフルエンザ対策に関する小委員会 第3回医療・医薬品作業班会議

健康局結核感染症課新型インフルエンザ対策推進室

○日時

平成27年7月29日(水)16:00〜18:00


○場所

航空会館 501+502会議室(5階)
     (東京都港区新橋1−18−1)


○議題

(1)新型インフルエンザ対策における抗インフルエンザウイルス薬の備蓄について
(2)その他

○議事

○齊藤補佐 定刻となりましたので、ただいまから第3回「新型インフルエンザ対策に関する小委員会医療・医薬品作業班会議」を開催いたします。

 本日の出欠状況でございますが、吉川委員から御欠席の連絡をいただいております。

 小森委員が若干おくれている状況でございます。

 では、ここからは大久保班長に進行をお願いいたします。

○大久保班長 東京医療保健大学の大久保です。どうぞよろしくお願いいたします。

 それでは、まず、審議参加に関する遵守事項につきまして、事務局から報告をお願いいたします。

○齊藤補佐 審議参加について御報告します。

 本日御出席された委員の方々の過去3年度における関連企業からの寄附金・契約金などの受け取り状況について、申告をしていただきました。

 本日の議題では、抗インフルエンザウイルス薬であるオセルタミビル、ザナミビル、ラニナミビル、ペラミビル、ファビピラピル、塩酸アマンタジンの各品目の状況を踏まえた調査審議をしていただきます。

 これらの製造販売業者は、日本ロシュ株式会社、中外製薬株式会社、グラクソ・スミスクライン株式会社、第一三共株式会社、塩野義製薬株式会社、富山化学工業株式会社、ノバルティスファーマ株式会社であり、各委員からの申告内容については、机上に配付しておりますので、御確認いただければと思います。

 あらかじめ事務局において申告内容を確認しましたが、審議や議決に不参加となる基準に該当する申告はございませんでした。

 また、薬事承認等の申請資料等の作成の関与についても該当ございませんでした。

 以上でございます。

○大久保班長 次に、事務局から配付資料の確認をお願いいたします。

○齊藤補佐 議事次第、作業班名簿、座席表のほか、議事次第の配布資料一覧にありますように資料1、最後の一枚が参考資料になります。また、第1回と第2回の医療・医薬品作業班会議の資料をファイルにとじてお手元に用意しております。不足の資料がございましたら、事務局にお申しつけください。

 申しわけございませんが、冒頭のカメラ撮りにつきましては、ここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。

 事務局からは以上でございます。

○大久保班長 それでは、議事に入る前に、本日の議題を確認したいと思います。

 本日の議題ですが、前回の作業班会議に引き続き、新型インフルエンザ対策における抗インフルエンザ薬の備蓄に関する課題について議論いたします。

 委員の皆様には、円滑な議事進行に御協力をどうかよろしくお願いいたしたいと思います。

 それでは「新型インフルエンザ対策における抗インフルエンザウイルス薬の備蓄について」、事務局から資料1の説明をよろしくお願いいたします。

○田村補佐 資料1の説明をさせていただきます。

 「新型インフルエンザ対策における新型インフルエンザウイルス薬備蓄目標及び薬剤の種類と量に関する議論の整理」という資料1をお手元に御用意ください。

 まず、1ページ目から説明してまいります。「1.これまでの備蓄の経緯」ということで、5つのポツがございます。

 1つ目ですけれども、平成17年、新型インフルエンザ対策として、抗インフルエンザウイルス薬(タミフル)の備蓄を開始いたしました。

 2つ目のポツですけれども、平成20年、備蓄目標量を23%から45%に引き上げ、備蓄薬にリレンザを追加いたしました。

 3つ目のポツですけれども、平成24年、備蓄薬のリレンザの割合を2割に引き上げました。

 4つ目のポツでは、現行の備蓄方針の基礎となっている決定通知は以下のとおりとしまして、3つございます。

 まず、新型インフルエンザ等対策政府行動計画は、平成25年6月、閣議決定されたものですけれども、この内容といたしまして、国は諸外国における備蓄状況や最新の医学的な知見等を踏まえ、国民の45%に相当する量を目標として、抗インフルエンザウイルス薬を備蓄。その際、現在の備蓄状況や流通状況等も勘案する。

 2つ目ですけれども、抗インフルエンザウイルス薬に関するガイドライン、こちらは平成25年6月、関係省庁対策会議決定でございます。備蓄目標量は5,700万人分として、流通備蓄分400万人分を除き、国と都道府県で均等に備蓄する。

 3つ目でございますけれども、厚生労働省健康局結核感染症課長通知、平成25年3月のものでございますけれども、備蓄薬剤と割合について、タミフル8割、リレンザ2割を目標とする。

 以上が備蓄方針の基礎となっているものでございます。

 最後のポツですけれども、平成28年8月から現在備蓄中のタミフル及びリレンザがそれぞれ順次期限切れを迎えるために、同年9月から備蓄目標量を下回る現状がございます。国不足分が約272万人分、都道府県不足分が約265万人分でございます。

 おめくりいただければと思います。「2.備蓄薬剤の種類と量に関する考え方」の「2-1.現行の薬剤の種類と量」についてです。現在はタミフル8割、リレンザ2割で備蓄を行っております。

 「2-2.新しい薬剤の種類と量の考え方」としまして、まず「マル1 備蓄薬剤に関する考え方」、以下は、第1回、第2回の審議を踏まえ、まとめたものでございます。

 1つ目のダッシュです。既存のタミフル、リレンザに加え、タミフルドライシロップ、ラピアクタ、イナビルの備蓄を行ってはどうか。その理由といたしましては、臨床現場では、タミフルドライシロップ、ラピアクタ、イナビルが広く使用されている。罹患者の年齢や投与経路により適する薬剤が異なることからも、備蓄薬剤の多様化を図ることが適当である。

 次に、各論に移ります。個々の薬剤については以下のとおり考える。

 1つ目のチェックですけれども、タミフルドライシロップについて、速やかに備蓄を行ってはどうか。その理由については、タミフルカプセル脱カプセル後の粉末は苦みが強く、小児にとっては飲みにくいことに加え、新型インフルエンザ発生時は薬局が混乱しているため、脱カプセルの対応ができない可能性がある。

 下段に、タミフルドライシロップの参考を付記させていただきました。

 1つ目の星印ですけれども、市場流通の状況についてでございます。平成13年から27年の医療機関への出荷量を人数換算した場合、シーズン中におけるタミフルドライシロップの流通量の割合は、タミフル全体の約3040%前後。

 2つ目の星印ですけれども、有効期限及び吸湿性について、こちらは参考資料で企業からの報告データを添付してございます。タミフルドライシロップは、平成21年次、有効期限が2年と短く、また吸湿性があるため、備蓄に不向きとされていました。しかし、現在は有効期限が7年に延長され、吸湿性についても改善されたとの報告を得ております。

 3つ目の星印ですけれども、必要量の考え方について。タミフルドライシロップは、臨床現場における使用状況を鑑みて必要量を確保する。

 ※ですけれども、過去の作業班で小児の一人あたりの体重の議論で18キログラム程度が妥当では、とございましたので、本資料にも、最も処方されている約18キログラムの小児への使用量を踏まえて換算する、としました。

 おめくりいただきまして、3ページでございます。ラピアクタについて、一定の備蓄を行ってはどうか。その理由につきましては、2つございます。

 まず1つ目、臨床現場で症例ごとに使用を判断するため、全ての重症患者及び入院患者に投与を行うものではないが、一方で小児から成人の入院患者や、重症患者のうち、一部における使用が想定されている。

 2つ目のポツですけれども、平成21年の新型インフルエンザウイルスよりもヒトへの病原性が高いウイルスが発生した場合、ラピアクタの使用がふえる可能性がある。

 次のダッシュです。イナビル及びリレンザ、両薬剤について、一定の備蓄を行ってはどうか。理由としまして、4つございます。

 まず1つ目、イナビルとリレンザは特に有効性・安全性に差はないと考えられているが、臨床現場では単回吸入で治療が完結し、治療コンプライアンスのいいイナビルがより多く使用される傾向にある。

 2つ目のポツです。一方でイナビルは単回吸入のため、吸入に失敗した場合には次の吸入機会がない。リレンザは複数回吸入での治療のため、何度か吸入の機会がある。

 3つ目のポツです。どちらか一方で薬剤耐性ウイルスが検出されれば、もう一方の薬剤にも耐性となる可能性が高い。

 最後のポツです。イナビルはリレンザに比べ省スペースであることから、備蓄に向いている。

 以上が第1回、第2回で委員の先生方からいただいた理由をまとめさせていただきました。

 次に、「マル2 各薬剤の備蓄割合に関する考え方」。ダッシュですけれども、各薬剤の備蓄割合については、市場流通の割合を踏まえてはどうか。その理由としまして、市場流通量は臨床現場での薬剤の使用割合を反映していると考えられる。

 3つ目、「各薬剤の計画的備蓄に関する考え方」。タミフルドライシロップについては、優先的に備蓄を開始することを検討し、その他のラピアクタ、イナビルについては、既に備蓄しているタミフルやリレンザの有効期限を踏まえつつ、順次切りかえ及び買い足しを行ってはどうか。理由としまして3つございます。

 まず、1つ目のポツですけれども、タミフルドライシロップは幅広い年齢層に対し使用が可能な剤型であり、実際に臨床現場での使用頻度も高い。特に小児に関しては、タミフルカプセルの使用に課題が多いため、小児が飲みやすいドライシロップの備蓄を可及的速やかに行うことが適当である。

 おめくりいただきまして、2つ目のポツです。ラピアクタは既存の備蓄薬剤とは投与恵与が異なることから、薬剤の多様性を担保するためにも備蓄を行うことが適当と考えられる。一方で、一定の市場流通量も確保されているため、タミフルドライシロップに比べて緊急性は低いと考えられる。

 最後のポツですけれども、イナビルは同じ吸入薬であるリレンザが充足している間、備蓄の必要がないと考えられる。

 次に、アビガン錠についてでございます。薬事承認で付されている臨床試験における有効性・安全性のデータがそろい次第、引き続き備蓄の是非等について検討する。

 以上が薬剤の多様性についての議論の整理でございます。

 次に、「3.抗インフルエンザウイルス薬の備蓄目標に関する考え方」の「3-1.現行の備蓄目標の考え方」。以下、マル1からマル3の被害想定に基づいて、抗インフルエンザウイルス薬を使用する可能性を踏まえ、国民の45%相当を備蓄目標とすることが通知された。平成21年1月16日付の健康局長通知でございます。

 まず、「マル1 新型インフルエンザの治療について」、ダッシュの1つ目、人口の25%が新型インフルエンザウイルスに罹患し、その全員が受診、3,200万人分。

 2つ目のダッシュです。新型インフルエンザの病態が重篤な場合、患者の1割(250万人)が重症化すると想定し、その者に倍量・倍期間投与を行う。こちらでプラス750万人分。

 「マル2 予防投与について」、1つ目のダッシュ、発生早期には、感染拡大防止のため、同じ職場の者等に投与。

 そして2つ目のダッシュ、十分な感染防止策を行わずに、患者に濃厚接触した医療従事者に投与。こちらで300万人分。

 そして、「マル3 季節性インフルエンザと同時流行した場合の治療について」、季節性インフルエンザウイルスが同時流行した場合、全患者に投与(1,270万人)。こちらは過去3年の患者数の平均値から算出したものでございます。

 おめくりいただきまして、「3-2.新しい備蓄目標の考え方」、まず「マル1 新型インフルエンザの治療について」、ダッシュ、医療機関受診者数は、新型インフルエンザ等政府行動計画の被害想定に基づく罹患者数や、平成21年の新型インフルエンザの推計受診者数を考慮してはどうか。

 ※行動計画上、罹患者は3,200万人、医療機関受診者は最大で2,500万人、その理由として、3つポツがございます。

 まず1つ目、現行の被害想定の考え方を変更する根拠がない。

 2つ目、平成21年の新型インフルエンザ発生時における推計受診者数は約2,000万人。

 そして3つ目のポツですけれども、シミュレーションに用いたソフトウェア」「FluAid1.0」は、皆保険制度や医療費の自己負担割合等、各国の医療事情の違いを試算上考慮していない。日本のように迅速診断キットがあり、抗ウイルス薬治療が簡潔に行われる医療環境では、受診行動が助長される可能性がある。

 次のダッシュですけれども、こちらは重症患者の倍量・倍期間についてでございます。現在は、受診者数の1割を重症患者と想定して、その全ての患者を倍量・倍期間の治療の対象にしている。しかし、重症患者の考え方として、入院相当程度の患者として考えることも可能ではないか。以下、理由として6つございます。

 まず1つ目、重症患者の倍量・倍期間投与に関し、治療効果のエビデンスが確立していない。

 2つ目のポツ、一方、「効果がないため、推奨しない」とのエビデンスも存在しない。

 3つ目、季節性インフルエンザや、平成21年の新型インフルエンザ発生時における実際の臨床現場での実施は限定的であった。新型インフルエンザにおける治療は、基本的に季節性インフルエンザ治療の延長である。

 4つ目のポツ、全ての入院患者や重症患者に対し、倍量・倍期間投与を行うことはなく、臨床現場で個別に判断していることで対応している。

 5つ目のポツ、備蓄目標量を45%に引き上げた平成20年次と比較して、抗インフルエンザウイルス薬の市場流通量は増大しており、現在の流通量は年間約1,000万人分ある。加えて、新型インフルエンザ発生時には増産も見込めることから、市場流通分により充足できる可能性はあると考える。

 おめくりいただきまして、最後のポツでございます。しかし、新型インフルエンザが発生した際に、国内、国外ともに社会混乱になっている可能性があるため、製薬メーカーの即時流通量に依存するのではなく、一定量の備蓄の必要性があると考えられる。

 「マル2 予防投与について」、1つ目のダッシュです。海外発生期及び地域発生早期等における患者に濃厚接触した者に対する予防投与は、平成21年新型インフルエンザの経験から、国内蔓延期に入るまでの5−7月の患者数、約5,000名を基礎とし、その患者が接触した可能性のある者の数を一定程度試算した上で対象者数を考慮してはどうか。

 その理由としましては、患者が接触した可能性のある同居者、同じ職場や学校の者を約5〜50名程度、また、十分な感染防御策をとらずに患者に濃厚接触した医療従事者や水際対策従事者を約5〜50名程度と考えてはどうかと、こちらが理由となっております。

 2つ目のダッシュですけれども、平成19年当時のWHOプロトコールでは、重点的感染拡大防止策用に300万人分備蓄されていた。平成25年のPandemic Influenza Risk Management WHO Interim Guidanceにおいて、一定量の重点的感染拡大防止策用の備蓄はウイルスの急激な拡散や全体的な社会的影響を減少させる可能性があると結論づけていること、また、新型インフルエンザ等対策政府行動計画には、限定的ではあるが、感染拡大防止策を行うとの考え方もあるから、重点的感染拡大防止策用に一定程度の備蓄を考慮してはどうか。理由として、2つございます。

 まず、1つ目、重点的感染拡大防止策については、WHOから示されているガイドラインに留意しつつ考えるべきである。例えば、人の往来が少ない離島や山間地域等に日本で初めてウイルスが発生する可能性は現実的に低いと考えている。

 2つ目のポツ、平成19年のWHOプロトコールには、重点的感染拡大防止策が示されており、平成25年のWHOガイダンスでは、依然として本政策は考慮すべき事項とされている。ただし、その効果のエビデンスは理論上のものであり、限定的(対象人口は50万人)とされている。

 ※として、WHOガイダンスの追記として、以下がございます。より大規模の人口集団に対する効果に対するエビデンスはないが、世帯内や施設内においては有用性が示唆されること、さらに、本防止策により感染症の蔓延やパンデミックによる影響を一定程度減少できるとされております。

 おめくりいただきまして、「マル3 季節性インフルエンザと同時流行した場合の治療について」でございます。新型インフルエンザが起きた際、季節性インフルエンザが同時流行を起こす可能性は低い。そのため、例年の季節性インフルエンザと同規模分の備蓄を行う必要はないのではないか。一方、過去に新型インフルエンザと季節性インフルエンザとの同時流行が限定的ながら確認されていることを鑑み、一定程度の備蓄の必要性を考慮してはどうか。その理由としましては、3つございます。

 まず1つ目、国民の大多数に免疫がない新型インフルエンザウイルスの感染が拡大し、大半を占めるようになると、季節性インフルエンザウイルスは淘汰されることが想定され、例年と同じレベルで季節性インフルエンザウイルスが新型インフルエンザウイルスと同時に流行することは考えにくい。

 2つ目、1968年、2009年の新型インフルエンザの記録から、季節性インフルエンザの同時流行も、限定的ではあるが、一定程度確認されている。

 3つ目のポツ、例年の季節性インフルエンザの治療は、市場流通分で行っている。

 その他参考としまして、星印2つございます。

 まず1つ目、海外の状況についてでございますが、イギリスを除く諸外国では、日本に比して抗ウイルス薬の備蓄目標量が低い。

 2つ目の星印、抗インフルエンザウイルス薬の市場流通について、備蓄目標量を45%に引き上げた平成20年当時より、抗インフルエンザ薬の市場流通量は増大している。

 そして、その下の参考文献でございますけれども、1から11までございます。文中の右肩の数字とリンクしております。簡潔に参考文献について述べさせていただきたいと思います。

 1つ目は、関連製薬企業からの回答のデータでございます。

 2つ目の論文でございますけれども、こちらはイナビルの安全性並びに有効性を発表した論文でございます。

 3つ目の国立感染症研究“パンデミック(H1N12009発生から1年を経て”という参考文献は、2009年パンデミックの統計学的な数字をまとめを記したものでございます。

 4つ目のCDCの“Influenza Antiviral Medications”は、臨床医に対してのCDCからの薬の使用についてのまとめでございます。

 5つ目の国立感染症研究所感染症情報センターの“パンデミック(H1N12009発症日別報告数”でございますけれども、こちらは2009年の新型インフルエンザの7月までの国内の発生患者数をまとめたものでございます。

 6番、7番のWHOのガイダンス並びにプロトコールでございますけれども、こちらは重点的感染拡大防止策の考え方で、それぞれ50万人程度、もしくは300万人程度とまとめたプロトコール、ガイダンスでございます。

 8番、9番の論文でございますけれども、こちらは、パンデミックが起きた際の季節性インフルエンザとの同時流行について述べられている論文でございます。

10番、11番の論文でございますけれども、特に10番におきましては、1968年当時の香港かぜでの歴史的な統計学的なデータをまとめた論文でございます。そして、11番の国立感染症研究所の解析データでございますけれども、こちらは2009年のパンデミック時に季節性インフルエンザとの同時流行の割合をまとめた報告でございます。

 以上でございます。

○大久保班長 どうもありがとうございました。

 これまでの第1回、第2回の議論を中心におまとめいただきました。ただいまの事務局からの説明に関しまして、どなたか御意見、御質問ございますでしょうか。

 おまとめの中で「市場流通割合」という言葉が出ましたけれども、その割合の数値はお示しいただけますか。

○田村補佐 昨今の市場流通の割合ですが、タミフルが421万人分の41%。

○大久保班長 大体の数字でいいです。

○田村補佐 タミフルが大体40%前後で、イナビルも大体40%前後、リレンザが1516%前後、そしてラピアクタが大体4%前後です。こちらは季節性インフルエンザの市場流通割合のデータでございます。第1回、第2回の作業班において資料を添付してございますので、お手元の資料をごらんいただければと思います。

○大久保班長 ありがとうございました。

 ほかにどなたか御質問ございませんでしょうか。

 言葉のことですけれども、「重点的感染拡大防止策」という言葉が出てきましたが、これは従来から言われている地域封じ込めのことですね。

○田村補佐 第1回、第2回作業班会議では「地域封じ込め」という文言を使っておりましたが、「重点的感染拡大防止策」と、文言を多少修正して本会議で使わせていただきます。失礼いたしました。

○大久保班長 ということだそうですので。

 では、小森委員、どうぞ、お願いします。

○小森委員 1点、確認をさせてください。45%という数字は、これは閣議決定なのですね。今回、いろいろ議論があった後で積み上げていったとして、45%を変えることは閣議決定の変更が必要と。その結果という作業も必要かもしれない。あるいはまた、そのところに流通も入れるという作業もあるのかもしれませんが、いずれにせよ、そこの数字を変えるとすると、閣議決定の変更が必要ということですね。

○高城室長 事務局からお答えします。

 ここの数字の部分につきまして、もし変更を生ずるようなことがございましたら、厚生労働省の会議ではなくて、内閣官房のほうで、事務局、もしくは任命をしております有識者会議のほうで議論をした上で、具体的な数字がもし固まった場合に、現在の行動計画に45%を目標にしてとございますので、そこの部分について変更が必要かどうかを議論した上で調整をすることになります。

 以上でございます。

○大久保班長 よろしいでしょうか。この具体的な数字を変更することになると、非常に大きな課題となりますから、本会議では明確な数値は有識者会議等でお願いすることとして、これまでの抗インフルエンザ薬の、あくまでも備蓄薬を使用する対象をどうするかとか、そういう考え方についてまとめるといいますか、ある範囲を持たせて、そういう形で今回のこの会議をまとめればいいと私は考えていますので、よろしくお願いいたします。

 それでは、ほかにございませんようですので、資料1についての説明はここで一たん区切りとさせていただきたいと思います。

○齊藤補佐 この後の議論は、特定の企業の営業等に関する事項を含みますので、非公開とさせていただきます。傍聴の方におかれましては、御退室をお願いいたします。この後、再度御入場いただける機会はございません。よろしくお願いいたします。

(傍聴者退室)

○齊藤補佐 それでは、再開いたします。よろしくお願いいたします。

○大久保班長 今回でこの備蓄目標と薬剤の種類と量に関して、この作業班会議での意見がまとまるよう、御協力をいただきたいと思います。

 それでは、もう一度、資料1に戻っていただきまして、資料1の2と3に分けて議論を行っていきたいと思います。

 まず初めに、「備蓄薬剤の種類と量に関する考え方」ということで、2-2に示してありますような点で御意見をお伺いしたいと思います。その前の2-1の「現行の薬剤の種類と量」の考え方は、先ほど御説明ありましたように、タミフル8割、リレンザ2割で備蓄が行われているということです。今回、2-2の「マル1 備蓄薬剤に関する考え方」、これまでの議論では、ダッシュのところにありますように、既存のタミフル、リレンザに加えて、ドライシロップ、ラピアクタ、イナビルの備蓄を行ってはどうかという意見にまとまっていますが、その辺について何か御意見があれば。

 どうぞ。

○倭委員 これまでの過去2回の議論でもされたかと思うのですけれども、小児の方を踏まえて、先ほど田村さんから御説明ございました吸湿性も改善されたということでありますので、タミフルドライシロップを入れるという意見に賛成ですし、それから、我々、重篤な患者を診るときに、ラピアクタを今回入れていただくという点についても、私も強く賛成します。それから、イナビルにつきましても、前回、加藤先生からも御意見ございましたように、1回で済むという利点もあるというのも大きなメリットかなと思いますが、1回で済むということは、逆にうまく入らないというデメリットもあるので、リレンザと両方という考えを入れますと、タミフル、リレンザに加えて、ドライシロップ、ラピアクタ、イナビルを併存して備蓄するという方針につきましては、私は強く賛成させていただきます。

○大久保班長 倭先生におまとめいただきましたけれども、そういう御意見でよろしいでしょうか。備蓄薬剤の多様化ということは非常に大事だと思いますので、いろいろな薬が使えるようにすることが望ましいという形でまとめさせていただきたいと思います。

 それから、個々の薬剤についてのことでありますけれども、1つ1つ、今、出ました薬剤を具体的に進めていきたいのですが、タミフルドライシロップについて、これはなるべく速やかに備蓄を進めていってはどうかということですが、その背景としては、脱カプセル化というのが非常に、味の問題もあります、飲みにくいということがこれまで出てきましたが、ドライシロップについて、速やかに備蓄を行うことに関してはいかがでしょうか。

 どうぞ。

○前田委員 速やかにということになると、例えば、国としては、来年度予算で、ここで推定される必要量を全て一気に購入するという考え方なのかということと、あと、それにあわせて、半量については自治体となると、自治体側としては、相当のものを購入するということで予算を検討しなければいけないのか、あるいは何年かがかりで相当の備蓄量を購入していくということになるのでしょうか。

○大久保班長 事務局、お願いします。

○高城室長 事務局でございます。

 自治体のほうでどういう形でためていっていただけるかというのは、今後、決まった後に調整をさせていただきたいと思っております。

 また、国の分につきましては、これももちろん財政当局との調整が必要となりますので、そういったところと調整をしつつ、なるべく早い段階で、ドライシロップにつきましては備蓄を進めることにしたいと思っております。今後、必要量が、仮にですけれども、30%ですとか、35%ですとか、45%に維持されるかもしれませんけれども、それに応じた量をタミフルのドライシロップとしてまずは備蓄を開始してはどうかと考えている次第ですが、あくまでそれも財政当局との調整の中で速やかに対応できることはやっていきたいと、そんな状況でございます。

○前田委員 考え方としては、あくまで内服薬としてのタミフルの量とは別立てでドライシロップが必要であるという考え方ですので、当然、タミフルの内服薬のほうの備蓄が減少するのを待たずに、速やかにこちらについては手当てをしていくというような、総量とは関係なく備蓄はしていくという考え方かと思うのですけれども、よろしいでしょうか。

○高城室長 そういう考え方です。

○大久保班長 すなわち来年の8月に期限切れになる前に、ドライシロップの導入、予算化はしていくということですか。

○高城室長 現時点では、そのような形で対応できることを目指すのかなと思っておりますが、あくまで財政当局との調整が必要になりますので、この場では、そういう意味で、速やかにという言葉で整理をさせていただいた次第でございます。

○大久保班長 おわかりいただいたと思いますが、財政の問題ももちろんありますので、速やかに、なるべく早く導入していただきたいということで、この会をまとめておきたいと思います。

 それでは、次のダッシュのところで、ラピアクタですね。静注薬についての一定の備蓄を行ってはどうかということに関しまして、どうぞ。

○倭委員 財政的な面も考えたら、あるいはタミフル、リレンザということがありましたので、当初はラピアクタも、例えば、メーカーのほうから70万人分を迅速に市場に放出できるという議論もございましたが、先ほど大久保先生にまとめていただきましたが、多様な薬剤をという観点でございましたら、ラピアクタも一定の備蓄を行うべきではないか。

 数字的なことに関しまして、後で出てくるので、そのときに議論になるかもわかりませんが、前回、私も質問させていただきましたが、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□。ただ、日本製のお薬ですので、日本が優先的に使えることには変わりはないのですけれども、2009年のイメージがどうしてもよくないので、H5N1タイプを考えておかなければいけない。実際の臨床場面でも、我々はやはり重症例を使っているという形がございます。そのときに、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ので、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□とか、例えば、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ので、それと同じようなことが起こり得る可能性が十分ある。そうすると、実際、日本が使うときに、70万人分をすぐに放出できると言われていたとしても、日本が使えない可能性があるかもわからないとなると、危機管理上、多様な薬でいくという方針であれば、ラピアクタも備蓄したらどうかなということは、我々臨床家の立場から言うと妥当かなと思います。

 あと、数のことは、後ほど議論があるのなら、そこでまた意見を述べさせていただくかもわかりませんが、先ほど大久保班長から田村補佐に実際の市場流通のパーセンテージを聞かれました。この資料、改めて拝見させていただいておりますと、ここ数年見ていますと、タミフルの10分の1ぐらいがラピアクタの数になっていますので、前回、加藤先生からございました季節性インフルエンザの治療の延長という観点でいくと、備蓄にしても、10分の1ぐらいであれば妥当ではないかと。そうすると、タミフルが3,000万、4,000万とすると、その10分の1となると、300万、400万。ただし、現実には、不適切使用と言うと言い方は失礼かもわかりませんが、実際の重篤な患者以外に使っているケースもあるので、そこを正していただくということは、前回、小森先生からも御意見いただきましたので、そうすると若干数が減りますね。そうすると、200300万ぐらいという数字が結構妥当に見えてくるのではないかと、臨床の立場からそう思います。また後ほど、その意見になりましたときに述べさせていただきます。

 長くなりましたが、私の考え方としては、今の経緯を振り返って、改めてまとめると以上のような形になるかと思います。

○大久保班長 ありがとうございました。

 どうぞ。

○田村補佐 塩野義製薬からは、新型インフルエンザが起きた際の即時流通量として、一応、70万人分は可能であるというコメントはいただいてはいるのですけれども、これは、特に国と正式に契約を結んだわけではない状況ですので、例えば、諸外国で重篤なパンデミックが起きた際に、その国が塩野義製薬へアクセスをして、例えば、50万人分、緊急で購入したいとなった場合に、当初、国は70万人分の即時購入を考えていたけれども、日本国内に即時流通できる量は20万人分しかなかったですとか、数がかなり少なくなっているという可能性は確かにあると、倭委員のおっしゃったとおりだと思います。

○大久保班長 そうしますと、70万人分の放出の用意はあるにしても、それが日本に限るということではなくて、その状況に応じてということですね。

 ほかに御意見はいかがでしょうか。

 倭委員がおっしゃられましたように、多様性ということも考えられますし、それから、次の新型の重症度ということもありますから、こういう静注薬というのは必要ではないかという御意見でした。

 それでは、この件に関しましては、皆さん、そういうことでよろしいかと思いますので、次に進めたいと思います。

 次は、イナビル及びリレンザですね。単回投与、あるいは複数回投与、両薬剤についての一定の備蓄を行ってはどうかという件でありますが、使用状況を見ますと、現在、イナビルのほうに国内での治療は傾いているような傾向にあるとは思うのですが、備蓄という点でいかがでしょうか。これは、薬剤の耐性ということから見ると、片方に耐性になれば、もう一方にも耐性になるという考えでよろしいでしょうか。

○田村補佐 化学構造式から考えますと、基本的にはウイルスの増殖を抑制する部位が、イナビル及びリレンザともに非常に類似しておりますので、ウイルスがリレンザに耐性を持つとなると、イナビルに対しても、同様に耐性化してしまう可能性は高いと考えられております。つまり、一方に耐性をもつウイルスは、もう一方にも自動的に耐性化するという意味では、耐性の出現レベルとしてはほぼ同じと考えていただいていいと思います。

○大久保班長 この2剤について、御意見いかがでしょうか。どうぞ、加藤先生。

○加藤委員 薬剤耐性に関連して、イナビルとリレンザは、タミフルが耐性のときに有効になるだろうということで選ばれているのではないかと思うのですね。ですから、最初の創設のところで、多様な投与経路が強調されていますけれども、もともと薬剤耐性のリスクヘッジとしても、この薬剤を選んでいるというのを認識した上で、これも一定量備蓄するという考えも、最後、まとめる際に書いておくといいのかなと思います。

○大久保班長 ありがとうございました。

 タミフル耐性に対して有効性が期待できるということですね。

 あとは、スペースの問題がここに書いてありますけれども、どのぐらいの差があるのですかね。

○田村補佐 済みません、具体的な大きさは持ち合わせていないのですけれども、通常市場流通しているパッケージのサイズから言うと、大体5分の4程度とイメージしていただければいいと思います。具体的に何立方センチメートルが何立方センチメートルになるかという具体的なデータは持ち合わせておりません。

○大久保班長 ありがとうございました。

 そういう状況だそうですけれども。前田委員、どうぞ。

○前田委員 備蓄量、明確な量についてはまだこれからということでして、その割合ですけれども、現在はタミフル8割、リレンザ2割でございますが、市場流通の割合ということになりますと、タミフル、リレンザ、イナビルが4対1対4ということになりますが、そうでありながら現在はリレンザが2割備蓄されているということになると、イナビルを購入するというのは相当先の時点になるということでよろしいですね。その際には、恐らく、臨床現場ではほとんどリレンザが使われていない状況になっても、その前にパンデミックが発生すれば、またリレンザに戻って見直しをいただくという理解でよろしいのでしょうか。あとは、臨床の先生方が、ほとんど使わなかったリレンザを、パンデミックになって、騒ぎの最中にそれを使えという話になって混乱することはないのかどうか、その辺なのですが、いかがでしょうか。

○大久保班長 イナビルの件に関しまして。

○田村補佐 シミュレーション上ですけれども、今後、45%相当の総備蓄量を維持する、もしくは減らす、もしくは増やす等の結論が得られた際には、その得られた総備蓄量を市場流通量の各薬剤の比率に反映させて量を整備していくという流れになるかと思います。

○大久保班長 今の件ですか。

○馳委員 リレンザとイナビルで、これまでの議論であれば、有効性に関しては変わりはないので、有事に際して、どちらかを使うというのは、備蓄しているものを使うということで、そんなに大きな問題はないと自分自身は考えていて、ほぼ利便性という話なので、あえてイナビルのほうを早く備蓄する必要はないのではないかと思います。

○大久保班長 ありがとうございました。

 小森委員、済みません、遅くなりました。

○小森委員 済みません、ここは基本的に学問的に議論する場だと承知をしているのですが、余り決め決めの議論をすると、先ほどある委員がおっしゃったように、イナビルとリレンザは、我が国で開発されたのと、そうではないという問題と、少なくとも薬価は違うということは我々もわかる。これは膨大な数の国と企業との交渉事による最後の値段というのは、私どもは参画をしていないし、少なくとも我々自身にそういう資料が提出されるということも基本的にはないという中で、ある程度の自由度といいますか、国家の安全保障ですから、政府なり、厚生労働省にお与えした上での議論をしておくことが大事なのだろうと思って、その確認をしたかったのですね。余り細かい数字まで、実際、なかなか決めることはできないでしょうし、基本的に、リレンザ、イナビルについては、そういったことを総合的に考えて、有効性については、1回、単回、それぞれに短所、長所がありますけれども、バリエーションを保つことが重要であるということぐらいで私はいいのではないかと思っています。

○大久保班長 ありがとうございます。

 薬価の点も非常に大事なことだと思いますけれども、使う側としては、いろいろな使い道があったほうがいいということですね。

○小森委員 恐らく、薬価と全く違う値段がついていると推定されますので、それは承知をしておりませんが、クローズですからね。そこはさまざまな観点から総合的に判断をしていただければいいのだろうと思います。

○大久保班長 ありがとうございました。

 いろいろ考慮すべきことが提案されましたので、次の話題に移りたいと思いますが、ここまでがこれまでのまとめということになりますが、次はマル2のところですね。「各薬剤の備蓄割合に関する考え方」。先ほど流通の状況を御説明いただきましたけれども、全体を10としますと、タミフルが4、リレンザが1.5、イナビル4、ラピアクタ0.5という感じなのですけれども、この備蓄の割合等について、御意見をお伺いしたいと思います。資料1の中のマル2のダッシュのところ、これは市場流通の割合を踏まえて、備蓄量、先ほどの割合に基づいた形で決めたらどうかということですが、それに関して御意見ございませんでしょうか。使われている状況を反映した量にするということで。

 どうぞ。

○馳委員 最終的には市場の流通の量に合わせてというところを目安にするのはいいことだと思うのですけれども、先ほど加藤先生が述べられたように、本来はタミフルが使用できるようなものであれば使用して、それに耐性があるものに対して、使える薬剤をということで、吸入薬のリレンザ、イナビルをということだったので、現在使われている市場流通量は、むしろ利便性とか、そういったところで流通量が決まっていて、耐性があるので吸入薬を選択しているという現状では恐らくないと思います。なので、備蓄の総量の話をする、割合を決めるときに、耐性のウイルスが懸念されるので、これぐらいの割合は確保しておこうというような考え方も一言入れたほうがいいのかもしれないなと思いました。

○大久保班長 耐性状況といいますか、傾向を留意して決めていったほうがよいだろうということで、確かにそのとおりだと思います。

 何かありますか。

○前田委員 今さらの議論になるのですが、市場の現在の流通量が、医学的に、例えば、患者のアドヒアランスを保つためにはこの割合が必要だということではなくて、単に利便性だけのことでこの割合になっているとすれば、あえてイナビルをこれほどの量を備蓄する必要はないという考え方になるのですが、その割合というのはどう考えたらよろしいのでしょうか。

○大久保班長 今の割合になった背景ということでしょうか。

○田村補佐 お手元の過去の資料のファイルでございます。第1回医療医薬品作業班の資料1の10ページ目をおめくりいただければと思うのですけれども、備蓄の検討をする際に考慮する点という資料がございます。その中では、被害想定や薬剤の有効性・安全性、そして備蓄中の薬剤配分、そして市場流通の状況、そして加藤委員のおっしゃられた耐性ウイルスの発生状況や、実際の臨床現場での使用状況やニーズ、そして諸外国における備蓄状況や使用期限、コスト等々、こういった内容を鑑みていただきながら、備蓄の最終的な量といいますか、多様性について御検討いただければと考えているところでございます。

○大久保班長 今、お示しの10ページの資料、なるほどという点が羅列してあります。考慮すべきことだと思いますね。馳先生も言われたように、耐性の傾向を鑑みながら決めるというのは非常に大事なことだと思いますね。使い勝手ということだけではなくて。

○前田委員 耐性の状況という話になってしまうと、要するに、45%相当量を両方そろえるのかという議論につながっていってしまうような気もするのですけれども、パンデミックになってからの獲得耐性ということなら別ですが、恐らく短期間にそういうことはあり得ないでしょうから、余り耐性のことを議論すると、それぞれを相当量備蓄しなければという議論になってしまうと思うのです。

○馳委員 実際には、未知のはやるウイルスの耐性はわからないわけなので、仮に起きた場合の、ある程度の量を担保するという意味だと思うのですけれども、市場流通量というキーワードだけを強調すると、その部分が不明確になるかなと思ったので。ただ、おっしゃったように、備蓄の検討をする際に考慮する点ということで、その一つとして市場流通量ということであれば、それで私は納得です。

○大久保班長 この項目に関しましては、単なる薬剤の使用割合からだけではなくて、10ページの資料にありますような、いろいろ考慮する点を考えながら決めるということになると思うのです。

○前田委員 とすれば、この文言も、少しそういう含みを持たせてもいいのかなと。単に、今、こう売れているから、こうしたということではないのだという内容にしたほうがいいのではないかという気がします。

○大久保班長 前回の資料のパワーポイントの中から言葉を幾つか選んで、考慮すべき点という形でまとめていきたいと思います。

 それでは、マル3のところですね。タミフルドライシロップについては優先的に備蓄を開始するという、先ほど検討いたしましたけれども、ラピアクタ、イナビルについては、既存のタミフルやリレンザが有効期限を迎えた時点で順次切りかえて買い足しを行う、そういう御意見が前回出たと思うのですけれども、この辺に関しましては、そういうことでよろしいでしょうか。ドライシロップを速やかにということで、ラピアクタ等に関しましては、先ほども意見出ましたけれども、一定の市場流通量も確保されているために、緊急性は低いという意見ですね。

○馳委員 確認なのですけれども、ドライシロップの話は、先ほど前田委員がおっしゃっていましたけれども、もともとは剤型に関して、子供が飲みやすいという形を、ある一定量、備蓄するかどうかという話で、ドライシロップが備蓄の有効期限もふえたので、入れてはどうかという話から始まったように記憶しているのですけれども、ドライシロップを備蓄している国は、私が記憶している中では、たしかなかったのですね。そこで、割合としてドライシロップという剤型も入れていこうという話だったと思うのです。今の話だと、総量をふやすような形で、別枠としてドライシロップも足していくという話になっているのですけれども、そういう理解でよろしいですか。

○大久保班長 どうぞ。

○高城室長 事務局から補足させていただきます。

 最終的に備蓄の総量がどのくらいになるのかというのは、厚生労働省の中で決め切れない部分があります。ただ、種類の部分については、厚生労働省の中で一定の議論をすれば反映することができると、そんな仕組みになっておりまして、そういう意味では、例えばの話ですけれども、備蓄量が30%とか35%となったときにどう考えるのかという話があると思います。それが決まるというのは、厚生労働省の外に出て、内閣官房の有識者会議という場で数字をもらった時点で、そこに合わせた量に将来的に合わせていくことになります。それをどれだけの計画でためていくのかということを踏まえると、瞬間的に、例えば、ドライシロップは早目に買い足したほうがいいだろうということで、本当は35%を目指すのだけれども、ドライシロップの35%分に反映するものを加えたことによって、35%よりも多くなったりする可能性はありますが、それは一時的であって、何年後かにはきちっと、例えば、35%だったら35%、そこに見合う量の必要量としてのタミフルドライシロップを維持していくという形になっていきます。そういうのを目指しております。だから、一時的に当初目標よりはふえた形での備蓄になることもあるかと思いますけれども、タミフルドライシロップについては、なるべく速やかにやろうと。

 そのほかに、こちらに書いてあるような、ラピアクタ、イナビルというのは、緊急性というのはございませんが、この中であえてラピアクタとイナビルについて順位づけをするとすれば、今、静注薬がないので、これはイナビルよりは早目に買い足していったほうがいいのかなと思っております。一方でイナビルについては、吸入薬としてリレンザがございますので、リレンザがねらっていくところに落ち着いて、さらに切っていく段階で足していこうという考え方です。

 先ほど小森委員からも、そのあたりはぎちぎちに決めるのではなくて、少し行政のほうに裁量を持たせてと言っていただいた部分がございますけれども、確かに少し遊びを残していただくと、行政としても対応しやすい。当初、私も御説明したように、例えば、自治体の皆様にどういう形でお願いしていくのかですとか、あとはどういう形で予算を確保していくのか、これは財務省当局、自治体という相手がございますので、そこと調整しながら計画を立てていくことも必要と思っておりますが、おおむねの考え方として、このマル3に書いてあるような考え方がどうであるかという点を見ていただければと思っております。済みません、長くなりました。よろしくお願いします。

○大久保班長 わかりました。この会議では、使用する対象者に対する、いわゆる考え方を提案するという意味ですので、余り具体的に数字で、どの時点でどの薬が何%かを示すことはちょっと難しいと思います。

 時間の問題もありますので、ここに書いてありますマル3の理由の3つのポチに関しましては、ドライシロップは速やかに、ラピアクタは市場流通も確保されているために緊急性は低い、イナビルはリレンザが充足している間、備蓄の必要性がない、このあたりに関しては、こういうことでよろしいでしょうか。御同意いただけたということで、次に進めたいと思います。

 アビガンに関しましては、特にここで議論する必要はないかと思いますが、よろしいでしょうか。特に御意見があれば。

○倭委員 特にありません。

○大久保班長 次は具体的な数字が出てくることになりますが、「抗インフルエンザウイルス薬の備蓄目標に関する考え方」の「3-1.現行の備蓄目標の考え方」ですね。これに関しましては、45%という数字が現状ではずっと示されているわけですが、この辺の考え方をまとめていく必要があるわけで、その数字をどう変えるかということと、その前に、基本的な考え方を少し議論してみたいと思いますが、マル1の患者の治療ということで、人口の25%が新型インフルエンザウイルスに罹患し、その全員が受診するということになりますと3,200万人。それから、重篤の場合、患者の1割が重症化する、250万人の1割が重症化することを想定して、ここでまた倍量・倍投与期間の問題が出てくるわけですが、そうしますと、プラス750万人分となりますが、この辺の数字について、かなり多い見積もりではないかと、前回、馳先生からも意見が出たと記憶しておりますが、いかがでしょうか。

 どうぞ。

○倭委員 今、大久保班長がおっしゃられたように、250万人が重症化、全員に倍量・倍期間投与したら750万人、確かに多いかなと思うのですけれども、先ほどございましたが、数字は幅を持たせてということを考えますと、一番強毒性を考えたときにはこれぐらいかなと、上限の数値を示すという考え方であれば、私はいいのではないかと考えます。

○大久保班長 ありがとうございました。

 ほかに、その件でいかがでしょうか。事務局、お願いします。

○田村補佐 1番の「新型インフルエンザの治療について」というところで、理由の中で、3つ目のポツがございます。一番下のポツですけれども、今回、事務方でシミュレーションソフトウェア、行動計画で使っている「FluAidバージョン1.0」の確認を再度したところ、皆保険制度や医療費の自己負担割合と、各国の医療事情の違いを試算上考慮していないという状況がございます。つまり、国民皆保険制度のないアメリカ合衆国や、もしくは保険の充実した日本やヨーロッパ諸国等の国の状況は試算せずに、一定の受診者数並びに罹患者数を出しただけであると。そうなると、罹患者数としては、国民の25%という数字でいいとは思うのですけれども、受診者数自体が、仮に日本のように迅速診断キットの診断と、あとは治療が簡潔に、どのクリニック並びに大学病院でも行えるような状況があるとなると、医療環境がほかの国とももちろん違うというところで、受診行動が抑制される可能性もありますし、もちろん助長される可能性もあるというところを、一つ懸案がございましたので、こちらの理由につけさせていただいた経緯があるので、ひとつ、この文言について先生方に御議論いただければと思った次第でございます。

○大久保班長 今、おっしゃられたのは、3-2のマル1の項目の件ですね。受診行動はどのように助長されるかということもありますが、いかがでしょうか。

 加藤先生。

○加藤委員 2009年もそうだったのですけれども、インフルエンザというのは結局、上気道炎というのでしょうか、インフルエンザ様の症状ということで、原因のウイルスがインフルエンザウイルスではないものも似たような症状を呈すということで、新型ということで、国民の関心が高まってくると、いわゆる風邪症候群、実際に臨床的にも区別は難しいのですけれども、新型インフルエンザウイルスに感染していないのだけれども、インフルエンザのような症状が出るような方が、不安によって、通常だと家で様子を見ようかなという方も含めて、医療機関を受診する、そういうことが起こり得るだろうというのは感じます。

2009年でも実際、札幌でしたでしょうか、医院の前に長蛇の列を、開院を待っているような患者ですね。寒い中、並べるのだったら、体調もそんなに重症ではないのかなと思うのですけれども、結局はインフルエンザ薬が欲しいと、そういうような国民の受診行動が出てくる可能性はあるなと思います。それも、普段から、日本国内だと、ここに書かれているように、検査キット、薬を投与するという流れがしっかりできていますので、そういうことで助長されるというのは十分あり得ることなのかなと感じます。

○大久保班長 ありがとうございました。

 ほかにいかがでしょうか。

 今、御説明あった「FluAid」ですか、これは国の状況等がかなり違いますので、保険の件も含めてですね。それを使った試算をするというのは非常に難しいことだと思いますね。まずは、いわゆる医療機関を受診する患者数について、おおむねどのぐらいの数を示したらいいかということになるわけですけれども、これまでは罹患者が3,200万人、新たな見直し案としては、行動計画上の受診者数が2,500万人ということですから、そのまま数字を採用すれば2,500万人から3,200万人の幅という、そういう範囲でこの会は進めていくということでいかがかと思います。

○小森委員 確認なのですけれども、課長通知、局長通知では、3,200万人が罹患し、その全てが受診するという、こういう仮置きですね。新型インフルエンザ特措法に基づいて有識者会議等で議論された上でできた行動計画は、罹患者数3,200万人はそのままだけれども、受診者数は最大で2,500万人。したがって、最初から申し上げているのですが、局長通知の試算根拠ではなくて、2,500万人を変えるということになると、相当議論のやり直しが必要なので、いろいろ問題はあるでしょうけれども、3,200万人、2,500万人をベースにして議論してはいかがでしょうかということです。一方で備蓄目標ということで考えると、局長通知と比較をすると、医療機関受診者は3,200万人としていたのを、行動計画どおり2,500万人としてはどうかと、こういう整理だと思っておりますが、事務局、それでよろしいでしょうか。

○大久保班長 数字を減らしてしまうということですが。どうぞ。

○田村補佐 ありがとうございます。ここの場でそこまで決めてしまうというよりは、考え方として3,2002,500ということで、この場の議論の整理としてはそういう形にしておきたいと思います。ただ、個別に議論というか、御意見がもしあれば、3,200よりは2,500のほうが妥当ではないか。例えば、理由の2に書いてございますけれども、平成21年のころの推計患者数は約2,000万人であったのであって、そういうことを考えると2,500万人のほうが妥当なのではないかという御意見としては、それは議事録に残したいと思いますけれども、今後また作業班、それから、小委員会、部会、場合によっては有識者会議で議論していくときには、これがいいというところまで結論を付けるのではなく、議論としてはこういう選択肢で、懸念としてはこういうことがあるというぐらいでまとめさせていただきたいと思っている次第でございます。

○小森委員 わかりました。それはそれで了承しますが、その次の5ページの下段のお話をしてもいいのですか。上段が先。後のほうがよければ、後で聞きます。

○大久保班長 関係がありますから、1割の問題ということですか。

○小森委員 よろしいですか。市場流通量が年間1,000万人として、各メーカー調べとなっていますけれども、これは前も指摘したのですが、卸しから医療機関の流通と、各メーカーが持っている流通を年に3回ほど厚生労働省も公表しているわけですね。それを見ると、おおよそ1,500万人。これを1,000万人としたのは、少し遊びを見て1,000万人としておこうかなという話でしょうか。

○大久保班長 どうぞ。

○高城室長 こちらのデータは、各企業、中外製薬、第一三共、塩野義並びにGSK社に、卸しから病院へ出す出荷量を聞いたデータでございます。ですので、こちらは結核感染症課の新型インフルエンザ対策推進室がまとめた、各企業からのヒアリングのデータで、このようにまとめました。

○小森委員 そうすると、喫緊の、比較的新しいデータということですね。

○高城室長 経年的に、第2回の作業班では、平成18年度からの各年の卸しから病院への出荷量をまとめております。

○小森委員 ですが、厚生労働省がお示しをしている各メーカーの在庫分というのは、それよりは多い数字が出されておりますし、会議という意味では、前もこれも指摘しましたが、有識者会議の社会機能分科会の中で示されたデータの備蓄分については、いろいろな意味があると思いますけれども、相当数の多い額を示された上で、現在、国、都道府県の備蓄分と流通備蓄分を合わせると八千数百万人分あるというデータも出されたという経緯もあったもので、企業の自由な経済活動ですから、安全を見ておくことが必要なのだと思いますけれども、出される根拠がその都度違うというのは、どうなのかなと思っていまして。

○大久保班長 どうぞ。

○高城室長 以上の指摘は、前回か、前々回かの作業班でもいただいていたと思いますので、考え方をしっかり示しておきたいと思います。

○大久保班長 よろしくお願いします。

 それでは、先ほどの受診者の数に関しましては、2,500万人から3,200万人という幅を持たせて、現実的には2,500万人という数字を念頭に今後議論していくことになるかと思いますが、そういう形で進めたいと思います。

 それから、中段の、いわゆる重症患者についての患者数1割という考え方と、それから、その全てに倍量・倍期間投与という、そのあたりについて、少し御意見をお伺いしておきたいと思いますが、これはいかがでしょうか。

 実は、先日、押谷先生から出た意見なのですけれども、いわゆる倍量とか、倍期間投与というところは、いろいろなところでクリニカルトライルをしたけれども、効果は認められなかったということで、かなり否定的な意見を述べておられました。そういう点もあって、この会議でもこれまで余り倍量投与、倍期間投与というのが評価されてきていなかったような気がいたしますが、いかがでしょうか。

 どうぞ。

○倭委員 今、班長おっしゃられたように、エビデンス的には全くそのとおりですね。ただ、日本でいくと、こういったお薬、タミフルでも何でも、非常に早期から使われますので、本当に早期から使ったときに実際にエビデンスがあることは、今後、何とか我が国が出せれば一番いいですけれども、そういった観点からいくと、今まで出ているエビデンスが全てかどうか、わからないということと、それから、先ほど申しました上限の数字というか、大分遊びを持たせた上での定義という観点でいけば、妥当なところかなということで、これは先ほど申し上げましたようにまた別のところでお決めになることかなと思いますので、今のところはそれぐらいの議論にとどめておいていいかなと思っております。

○大久保班長 具体的な数字を示さずにということですね。よろしいでしょうか。では、この件につきましては、倍量投与、倍期間投与の効果を示すということではないということで、具体的な数値は示さない。

○倭委員 最大的にということですね、数としては。

○大久保班長 どうぞ。

○高城室長 そういう意味では、最大的に見積もっても、今は1割の方、250万人というのがベースになっていますけれども、全ての人をやるわけではないという話もあったので、重症度の基準としては、入院相当ということを念頭に置いてはどうかということで、最大で見ると200万人となりますので、最大で見積もっても200万人から250万人ぐらいではないかという形での理解でよろしいのでしょうか。

○倭委員 私はそう思いました。

○高城室長 ありがとうございます。

○大久保班長 わかりました。それでは、先ほど小森委員から、現在の流通量についての、1,000万人分という数字は、この会で訂正する必要は特にないですね。

○高城室長 小森委員から御指摘いただいたのは、在庫量、市場に出回っている部分だけではなくて、それに加えて倉庫にある分も含めてやれば、もっとこれより大きいはずだという御趣旨の御発言だったと思いますので、その点もこちらで調べられるようなことがあれば、参考として理由のところに入れるなどして、明確化させていただきたいと思っております。

○大久保班長 では、その在庫量も含めて、数字がわかれば記載しておいていただきたいと思います。

 それから、先ほどの製薬会社からの、いわゆる放出の70万人分という、これは特にここで議論しなくてもよろしかったですね。

○倭委員 先ほど申しましたように、それを我が国で全部使えるとは限らないのでということでいいかと思います。

○大久保班長 ありがとうございました。

 それでは、予防投与についての議論に進めたいと思いますが、1人当たりの濃厚接触者数をどのようにして考慮するかということにつながるのですけれども、そこに書いてありますマル2のところですね。予防投与について、海外発生期及び地域発生早期における患者に濃厚接触した者に対する予防投与は、これまでの経験から、国内蔓延期に至る5−7月の患者数5,000人までを基礎として、その患者が接触した可能性のある数を一定量試算して考えたらどうかということですが、5,000名という数字は具体的に計算できる数の上限だと思いますが、その方たちの1人当たりの濃厚接触者数をどのぐらい見込むかということですね。下の理由のところに書いてありますように、職場、学校等では5〜50名前後、それから、医療従事者等の業務関係で5〜50名、ですから、5,000名の中で、大体10100名ぐらいの接触者となるかと思いますが、その点はいかがでしょうか。現実的には非常に難しい議論だと思うのです。いわゆる通勤列車の中でということまでになってしまうと、数えることができなくなってしまいますからね。余り具体的な数字を出すことは難しいかと思います。

○前田委員 私、以前、この数字を出すときは、一般的な地域社会での状況として、例えば、家族、あるいは近親者ということで5名程度、あるいは、2009年の際、一番発生が多かった中学、高校では、1クラスが50名程度ということで、この数字を出されていますので、恐らく地域保健分野で関係している方は、この数字は余り違和感はないのかなと思います。ただ、医療従事者について、5〜50名というのをそのまま引用したというのは、どういう根拠にするのか、難しいかなとは思います。

○大久保班長 学校関係であれば妥当な数字だろうということでしょう。御意見ございますか。数字を出すこと自体がちょっと難しいかと思いますね。その2つの数字を合わせて10100名程度という数字を一応、ここでは挙げておきたいと思います。

 それから、重点的感染拡大防止策、いわゆる地域封じ込めに関して、WHOのプロトコールでは300万人分という数字が挙がっていましたが、この辺、一定量の備蓄を考慮すべきかどうかということも含めて、日本でごく限られた領域に突然こういう病気があらわれるというのは非常に考えにくいとは思うのですけれども、そういう状況も考慮しておく必要があるかという気はするのですが、いかがでしょうか。地域封じ込めはやはり必要、あるいは考えなくてもよいかという件ですね。

○田村補佐 班長、よろしいでしょうか。

○大久保班長 どうぞ。

○田村補佐 平成19年度のWHOのプロトコールでは、先ほど大久保班長がおっしゃられたように、人里離れた山村でとか、あと、離れ小島で世界初発のパンデミックが起きた際に、その地域を全体的に封じ込めるために300万人と推計はされていたのですけれども、確かに第1回、第2回医療医薬品作業班の委員の先生方からの御発言を伺うと、非常に現実味が低いのではないかという考えがまずございました。ただ、一方で、平成25年度のWHOのガイダンスの中では、コンティメントメジャ−メントというものがございます。詳細は、机上に配付してございます。その中では、50万人程度は持っていてもよいのではないかと結論付けられており、その点から本資料においても一定程度の備蓄量を考慮しては、という表現を使用しました。その細かい理由としましては、※に書いているところなのですけれども、より大規模な人口集団においてはエビデンスは低いけれども、世帯内や施設等、そこまで大規模ではない施設においては、ウイルスの急激な拡散や、社会全体の影響を抑えられるという点と、あとは、日本の政府行動計画の中でも、緊急事態宣言の際には地域封じ込めを行うという方針があったことからでございます。

○大久保班長 現実的かどうかということはありますが、そういう根拠となる数字があるということで50万人、この辺はいかがですか。現実的ではないというところですので、余り議論はできないと思いますけれども、一応、数字としては。

 どうぞ、加藤委員。

○加藤委員 この作戦というか、この方針は、日本で初めて新型ウイルスが発生する場合ですね。豚と鳥からというようなアレンジメントが起きて発生する場合であると、国際的な拡大を防止しないといけないという大きな目標が出てくるのかなと思うのです。中国南部とかに比べて、第1号が国内で発生するというのは非常に低いと思うのですが、ゼロではないと考えると、国内対策だけではない目的も付随して出てくるような気がいたします。ただ、このプロトコールは国内での、例えば、旅行者が島を訪れて、島で新型インフルエンザを持ち込んだというような、海外では発生しているのですけれども、国内での蔓延を抑えるためにこの対策をとるのか、両方含まれているのでしたでしょうか。事務局にそれを確認します。

○大久保班長 どうぞ、お願いいたします。

○高城室長 こちらの点でございますけれども、皆様に議論いただいた際に、実行可能性に乏しいのではないか、また、東京みたいにすごい広いところで実施するのはおよそ現実的ではないというのは以前から言われていたことと認識しております。そういう中で、こちらはどういう扱いにしようかと、事務局としましては、法と行動計画、ガイドライン等ございますので、そちらとの整合という観点からいろいろと考えてきた次第でございます。

 ただいま加藤委員から御質問のあった点につきましてお答えしますと、これは国での発生ということになっております。具体的には、蔓延防止に関するガイドラインというのが出ておりまして、そこでこのような記載がございます。世界初発の場合の重点的感染拡大防止策ということで、国はというのは、これは日本国と理解しておりますが、人口密度が低く、交通量が少なく、自然障壁等による人の移動が少ない離島や山間地域などにおいて、新型インフルエンザが世界で初めて確認された場合には云々かんぬんすると、こういうことについて検討するとなっておりまして、この趣旨に鑑みますと、国内で仮にそういった離島、山間地域で初発が初めて確認された場合を念頭に置いた考え方と理解しております。

 そのときに根拠となるものは何かということで、一応、WHOのプロトコールですとか、そういったものを引用させていただいて、参考に付記させていただいたということでございます。WHOのガイドラインでも、積極的というよりは、どちらかというと考慮すべきことという点で付記されているにとどまってはいるのですけれども、事実関係としてそういうことがあるので、考慮すべき事項として残させていただいたと、そんな整理になります。

 以上でございます。

○大久保班長 よくわかりました。これは、そういうことが全くないとは言い切れない点があるわけですね。渡り鳥とか、そういうものの飛来ですとか、それから、突然、旅行者がある地域で発症するとか、そういうこともありますから、全く無視するわけにもいかないし、ましてや国内での蔓延防止のガイドラインの中にもそれはうたってあるということですから、数字としては、ある程度示しておくのは意味があることではないかと思います。具体的には、ここには50万人という数字が示されていますが、この程度でよろしいでしょうか。では、先に進みたいと思います。

 次は、季節性インフルエンザウイルスの同時流行に関する検討をしておかなければいけないのですが、これも先ほどの押谷委員はこのように述べておられます。同時流行というのはほとんど考えられないというか、あり得るのだけれども、そういう場合があるということは、よほど感染性の低い新型インフルエンザの場合であって、同時流行というのは余り考えなくていいのではないかという意見をこの間、述べておられました。同時流行について、いかがでしょうか。

○倭委員 よろしいですか。これも今、班長がおっしゃられたとおりで、大多数は同時流行の可能性は全くないと思うのですけれども、2009年のときには、事務局にお聞きしたいのですが、何%かたしかあったかと思いますので、これも全くゼロと言ってしまうと、それこそ全部数字の遊びばかりなのかと思うのですけれども、2009年のときはどれくらいのパーセントでしたか。

○田村補佐 お手元の参考文献の11番の「国立感染症研究所の200910シーズンの季節性および新型インフルエンザの分離株の解析」という資料がございます。こちらの中で読み解いていきますと、1シーズンのうち、約98%が新型インフルエンザであったと。それ以外に、A香港型とB型を合わせて数%ですけれども、季節性インフルエンザの同時流行があったという状況がございます。

 一方で、1968年の香港かぜに遡るのですけれども、こちらは、犬養先生が報告をされている論文です。お手元の参考文献の10です。例えば、113ページには、日本国内で1968年の10月に香港かぜの流行が起き始めたと。ただ、秋田県や愛媛県や福岡県並びに青森県や茨城県や東京都で同時期に季節性インフルエンザのB型も流行していると。犬養先生の論文からですと、基本的には、過去は、パンデミックが起きると、季節性インフルエンザは全て踏襲されてしまうという考えだったけれども、実はそうでもないと。一部の割合で季節性インフルエンザも同時流行するという形でまとめられているところから、過去の第1回、第2回医療医薬品作業班での議論の中では、パンデミックが起きると季節性インフルエンザは起きない、つまり、それがパンデミックであるという議論をされていたかと思うのですけれども、歴史的な記録を見てみると、季節性インフルエンザもある一定レベルで同時流行しているところから、本参考文献をつけさせていただきました。

○大久保班長 ありがとうございました。

 新型が出てくると季節性が淘汰されてしまうという、その理由がちょっとわかりにくいところもありますし、それから、一人の患者でいった場合に、季節性のインフルエンザに罹患している上にかぶさってくるのか、AとBならわかると思うのですけれども、その辺の状況について、どなたか御説明いただければと思うのですが、いかがでしょうか。その理由ですね。ある一定の比率で季節性が続いてきているというのは、なるほどとは思うのですが、その辺、加藤先生、いかがでしょうか。季節性が淘汰されてしまうという理由ですね。なぜ、そうなるのか。

○加藤委員 これは、理由は難しいですね。ただ、過去に同時流行とはいっても、拮抗するような感じではないというか、季節性の流行の時期に新型がはやって、過去に流行していた季節性のウイルスが淘汰されるというのでしょうか、そういうことが起きることが多いというのはわかるのですけれども、明確に、どうしてそういうことが起こるのかというのは、済みません、私も。

○大久保班長 2009年のときもそうでしたね。確かに季節型のものはほとんど姿を消してしまった状況がありましたから。時期的な問題ではないですね。冬は外れていたとか、そういうことでもないのですね。2009年のときは5月ぐらいからふえてきて、10月、11月ごろにピークを迎えたという状況だったと思います。

○田村補佐 季節性インフルエンザと新型インフルエンザが同時に起きた場合、なぜ新型インフルエンザが流行を踏襲してしまうのだというのは、まだはっきりとした科学的エビデンスは正直言うとございません。ただ、幾つかの論文を見てくると、1つは、ウイルスインターフェアレンスという考え方がございまして、あるウイルスが流行し始めると、他のウイルスの流行が抑制されるというものです。他には、人から人への流行伝播効率の違いです。例えば、あるグループの中で、季節性インフルエンザの抗体を一定の割合の人が持っていると、季節性インフルエンザウイルスがグループに入ってきたとしても、そのグループの中でウイルスは流行しづらい。ただ、そのグループの中で、みんなが抗体を持っていないような新型インフルエンザウイルスが入ってきたときに一気に流行する。つまり、季節性インフルエンザというのは、多少なりとも抗原がシフトしていても、ある程度の交差免疫抗体を持たれている。そうすると、季節性インフルエンザと新型インフルエンザが同時に流行した場合、新型インフルエンザのほうが母集団における感染伝播がより効率的に起こり、一気に感染が拡大していく、ということです。 

○大久保班長 そうしますと、今の御説明ですと、インフルエンザに限ったものではないということですか。例えば、エボラとか、そういう状況があった場合に。

○田村補佐 済みません、ほかのウイルスについては知識がございません。

○大久保班長 どうぞ。

○高城室長 補足で、私も詳細には読み込んでおりませんけれども、今、田村から御説明させていただいた点を少し根拠づけるといいますか、バックになっているのが、この参考文献と示しました8番と9番、このあたりが該当するものでございますので、お時間のあるときに、後ほど御高覧いただければと思います。

○大久保班長 ありがとうございました。

 この辺の解明ということは、ここではテーマが違いますから、あれですけれども。

○馳委員 臨床のサイドから見たら、新型であろうが、季節性であろうが、実際には迅速検査をやって診断をしていて、結果的に株を解析したから、違うものが小流行していたことがわかるわけですけれども、それがどっちであっても現場では区別がつかないというのが現実的なところで、2009年の話が出ていましたけれども、そのときは少なくとも季節性インフルエンザの小流行があったけれども、それが大きな流行で、二分して2倍になっていたという意味ではないわけですね。であれば、そこは物すごく大きな影響を及ぼすものではないという理解でいいのかなと思いました。

○大久保班長 どうぞ、前田委員。

○前田委員 今後の議論のたたき台、総量を決めるときのたたき台を考えると、同時流行というのが同時の大流行ということではなく、小流行は多少はあるというぐらいのニュアンスに、同時流行は限定的ながら一定程度というところを、もう少しそういうニュアンスを込めて書いていただければという気がします。

○大久保班長 どうぞ。

○高城室長 ただいま前田委員から御指摘ございましたので、一定程度という表現ぶりについて、今までの議論を踏まえて、少し検討させてください。

○大久保班長 そうしますと、いわゆる季節性インフルエンザのここ数年の患者数を上限として、一応、計上しておけばいいということになるわけですかね。

○前田委員 誤差の範囲ぐらいのところが大事かという気がいたします。

○大久保班長 わかりました。ありがとうございます。

 では、季節性のインフルエンザの上に同時流行については、そこに書いてありますように、治療に関しては、市場流通分で十分充足できると考えられるということで、数字を示すとすれば、数年の患者数を上限とした形で示しておけばいいということで、そういう結論にしておきたいと思います。

 一応、用意していただいた議題はこれで意見はいただけたかと思いますが、何か不足している点はございますでしょうか。抜けている点があったら申しわけないのですけれども、ほかに何か全体を含めて、委員の先生方、御意見があれば出していただきたいと思います。いかがでしょうか。

 薬の種類の比率と、それから、全体の患者数の見込みという非常に難しい数字で、ある程度範囲を含めて示すことができたと思いますので、きょうの議論をまたまとめていただいて、範囲を持たせた数字として、この上の小委員会に提出できるような形をつくっていきたいと思いますので、この会としては、これで一応、終了ということでよろしいでしょうか。

○高城室長 ありがとうございました。

 本日、いろいろと御意見も出ておりますので、微修正等、文言修正が必要な部分は改めてやらせていただきたいと思います。基本的には班長と事務局で詳細を詰めさせていただいて、必要に応じて皆様にも御照会をかける、そんな形で取りまとめた上で、小委員会に御報告と考えておりますけれども、それでよろしいでしょうか。

○大久保班長 どうもありがとうございました。いろいろ貴重な意見を出していただきまして、本当にありがとうございました。

 それでは、予定よりちょっと早く終わることができました。どうもありがとうございました。

 あとは事務局のほうから、よろしいでしょうか。

○高城室長 ありがとうございました。

 3回にわたりまして、非常に難しい問題について皆様から御意見をいただきました。途中、参考人等からも御意見をいただきましたので、それらも踏まえた形でうまく議論の整理をしていただいたのではないかと思っております。先ほど班長に御了解をいただいたような形で、多少手直しが必要なところはやらせていただきまして、小委員会に班長から御報告をお願いいたしたいと思っております。

 事務局からは以上となります。

○大久保班長 小委員会はいつごろか、まだ決まっていなかったですか。

○高城室長 小委員会は、今のところ、日程調整中でございます。調整をして、まとまり次第、開催をしたいと思っております。事前にしっかりと調整をさせていただきたいと思います。よろしくお願い申し上げます。

○大久保班長 わかりました。

 では、皆さん、どうもありがとうございました。

 


(了)

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