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2015年7月31日 独立行政法人評価に関する有識者会議 労働WG(第5回) 議事録

○日時

平成27年7月31日(金)13:27~16:19


○場所

厚生労働省共用第8会議室(19階)


○出席者

今村主査、酒井構成員、志藤構成員、柴田構成員、高田構成員、戸田構成員、宮崎構成員

○議事

(以下、議事録)

○今村主査

 定刻より若干早いですが、皆さんおそろいですので、ただいまから「第5回独立行政法人評価に関する有識者会議 労働WG」を開催いたします。構成員の皆様におかれましては毎日お暑い中、お忙しい中お集まりいただき誠にありがとうございます。本日は小西構成員、関口構成員、田宮構成員、中村構成員、松尾構成員が御欠席です。

 それでは、本日の議事について事務局から説明をお願いいたします。

 

○政策評価官室長補佐

 それでは本日の議事について説明いたします。本日の議事は、お手元の議事次第のとおりで「高齢・障害・求職者雇用支援機構の平成26年度業務実績評価に係る意見聴取について」です。

 参考資料11ページを御覧ください。年度評価についてですが、こちらは独立行政法人通則法第32条第1項第1号の規定に基づき、毎事業年度の終了後に実施される業務の実績の評価であり、当該事業年度における中期目標の達成状況や中期計画の実施状況等を考慮し、中期目標を定めた項目ごとに5段階の評語、SからDによる評定を付す項目別評定と、その項目別評定を基礎とし、法人全体の状況について評価する総合評定により行うこととされております。これらは、法人の業務運営の改善に資することを目的とするほか、評価結果を役職員の処遇等に活用すること等を目的として実施するものであり、本日は高齢・障害・求職者雇用支援機構の平成26年度業務実績評価について本WGの意見を賜ることとしております。事務局からは以上です。

 

○今村主査

 それでは高齢・障害・求職者雇用支援機構の平成26年度業務実績評価について、議論いただきたいと思います。

 はじめに、国民に対して提供するサービス、その他の業務の質の向上に関する事項の評価項目1-1から1-10に係る項目別評定について議論いたします。法人及び法人所管課から簡潔にポイントをしぼって御説明いただき、その後質疑応答という流れで進めていきたいと思います。なお、評価項目が多いですので、一旦この10項目が終わりましたら5分ほど休憩を取る予定です。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構企画部長

 業務が多岐にわたりますが、できるだけ簡潔に説明し、御指導いただければと考えております。私どもからは、平成26年度の業務実績について資料1-1をお配りしております。資料の1ページに事業体系が載っております。まず左上の「高年齢者雇用支援事業」と右側の「障害者雇用支援事業」にある1-1から1-10までの10項目について説明いたします。

 資料の構成ですが、全ての評価項目で2ページのような表紙を付けております。そして評価項目名と概要を記載しております。その次に具体的な業務実績を記載し、3ページを見ますと、緑の部分が「数値目標と評価の視点」、青の部分が「主な取組内容」、赤の部分が「数値目標の達成状況」、黒の部分が「参考情報」とまとめております。緑色の欄のうち数値目標の部分が赤字になっております。そして8ページでは、各評価項目ごとの最終ページに当機構の自己評定と理由を記載しております。

2ページに戻っていただきますと、評価項目の1-1で、高年齢者雇用に関する相談・援助、実践的手法の開発、啓発等です。

3ページでは、少子高齢化や人口減少が進む中で「主な取組内容」にあるとおり、希望者全員を65歳まで継続雇用する仕組みの整備を求める改正高年齢者雇用安定法への確実な対応や生涯現役社会の実現のため、高年齢者が戦力として活躍することができるような賃金・人事管理制度等の見直しが課題となっているところです。当機構では、社会保険労務士等を高年齢者雇用アドバイザーとして委嘱し、事業主等に対して、こうした課題の解決のための専門的な相談・援助を行っております。アドバイザーが効果的な相談・援助を行えるように、4ページの左側に示している相談・援助スキルの向上のための研修、平成26年度は新たに業種別の研修コースを設けたところです。また右側にある経験交流等による好事例の共有を図ったところです。

 加えて5ページの左側に示した人事管理のあり方等に関する研究や、高年齢者が働きやすい職場づくりのための企業との共同研究を行うとともに、新たに5業種について高年齢者雇用に関する課題の解決に産業別団体が自主的に取り組むためのガイドラインを策定するなど、現場での支援に役立つ実践的な手法の開発の成果を取りまとめ、ホームページ等により広く普及するとともに、アドバイザーの相談・援助への活用を図ったところです。

 こうした取組の上に立ち相談・援助を行った結果、3ページに戻っていただくと、右側に数値目標の達成状況を書いておりますが、相談・援助実施件数が39,997件、事業主からの課題改善効果が見られた旨の評価が89.7%と、どちらも目標を大きく上回ったところです。

6ページでは、生涯現役社会の実現に向けた啓発広報活動として、左側にある高年齢者雇用開発フォーラム等の開催のほか、右側にあるように1月に生涯現役社会の実現に向けたシンポジウムを新たな試みとして1社当たりの高年齢者数が多い大企業の取組をテーマに開催し、好事例の情報提供等に努めました。フォーラム、シンポジウムともにアンケートで高い評価を頂いたところです。

7ページでは、左側にあるように10月の高年齢者雇用支援月間の取組等がマスメディアで広く報道されたほか、右側にあるように定期刊行誌「エルダー」の紙面の充実に努めたところです。

8ページで、この項目の自己評定はAとしております。この項目については以上です。

 

○職業安定局雇用開発部高齢者雇用対策課長

 資料1-24ページを御覧ください。主務大臣による評定は、機構の自己評価と同様のAとしております。評定に至った理由等は、法人と同様であるため説明は割愛いたします。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構企画部長

 次の項目です。資料1-19ページを御覧ください。評価項目1-2の給付金の支給業務ですが、高年齢者が働きやすい雇用環境の整備等を行った事業主に給付金を支給する国の制度に関わる業務です。

10ページでは、主な取組内容のうち、真ん中で給付金に関する効果的な周知・広報に重点を置いた取組を行い、説明会の開催回数は数値目標を上回ったほか、事業主団体や個別事業所への訪問等を積極的に行いました。効率的な支給事務の実施や、不正受給防止対策の取組等も踏まえ、11ページ、この項目の自己評定はBといたしました。

 

○職業安定局雇用開発部高齢者雇用対策課長

 主務大臣による評定についても、機構の自己評価と同様のBとしております。これは20ページに載せております。主務大臣による評定はBということで同様です。評定に至った理由等も法人と同様ですので、説明は割愛いたします。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構企画部長

 次に資料1-1に戻っていただき、12ページを御覧ください。この項目から障害者雇用支援事業に移りますが、評価項目1-3の地域障害者職業センターにおける障害者及び事業主に対する専門的支援です。各都道府県にあります地域障害者職業センター、略して地域センターにおいて障害者と事業主の双方に、障害者の職業生活における自立に向けた職業リハビリテーション、略して職リハのサービスを提供するものです。この項目は説明時間が長くなりますが、他の項目で時間を調整しますので、御容赦ください。

13ページでは、下半分の2の「平成26年度計画の達成状況」にあるとおり、この評価項目については10の数値目標が設定されております。平成26年度実績は、これら目標全てをクリアしており、赤字で示した5つの指標で過去最高の実績となったところです。以下、詳細を説明いたします。

14ページを御覧ください。地域センターにおいては、他の機関では支援が困難な精神障害、発達障害、高次脳機能障害等の方々を積極的に受け入れ、個々の特性等に応じた職リハ計画に基づくきめ細やかな支援を実施いたしました。右側の達成状況にあるとおり、特に精神障害者と発達障害者の支援対象者数について目標を大きく上回り、過去最高となったところです。

15ページを御覧ください。地域センターでは職業準備支援を行い、就労の可能性を高め、職業紹介やジョブコーチ支援など、就職等に向かう次の段階への移行の促進を図っております。右下のグラフにあるように、支援対象者に占める精神障害者や、発達障害者等の割合が大きくなっている中、個々の障害者の支援ニーズに対応した弾力的なカリキュラムを作成するなど、積極的な支援を行い、右上の達成状況にあるとおり、次の段階への移行率が88.4%、就職率が69.0%と、どちらも目標を大きく上回り、特に就職率については過去最高となったところです。

 次に16ページのジョブコーチ支援ですが、障害者が職場に適応できるように、障害者及び事業主に対する支援を実際の就労場面で行うものです。個々の対象者の態様に応じた支援や支援終了後の計画的なフォローアップを行い、右側の達成状況にある支援終了6か月後の職場定着率は88.1%と目標を大きく上回りました。また下半分にあるように、地域センターに配置している「配置型ジョブコーチ」と社会福祉法人等に雇用されている「第1号ジョブコーチ」とがペアとなり支援を行う協同支援を通じて、第1号ジョブコーチの支援力の向上を図ったところです。

 次に17ページの「精神障害者の総合雇用支援の推進」ですが、特に休職者の職場復帰を促進する「リワーク支援」については、右下のグラフにあるように支援対象者が大幅に増加しております。右側の達成状況にありますとおり、リワーク支援による復職率は85.3%と目標を大きく上回り、過去最高となりました。また主な取組内容の中段にありますように、新たにリワークセンター東京を設置するなど、支援の拡充を図ったほか、下段にあるように精神障害者の支援の強化に向けた取組を進めました。

 次の18ページは「事業主への支援」について整理しております。主な取組内容にありますように、ハローワークが行う雇用率達成指導との連携等による体系的支援を実施したほか、障害者雇用に共通の問題を抱える企業を集めたワークショップの開催等に取り組み、右側の達成状況のとおり、支援実施事業所数が過去最高の18,460所となりました。

19ページのこの項目の自己評定はAとしております。

 

○職業安定局雇用開発部障害者雇用対策課長

 地域障害者職業センターにおける障害者及び事業主に対する専門的支援は、資料1-229ページになります。主務大臣による評定は、法人の自己評価と同様Aといたします。評定に至った理由などについては法人が述べたとおりですので、説明は割愛いたします。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構企画部長

 次に資料1-1に戻っていただき、20ページを御覧ください。評価項目1-4の地域の関係機関に対する助言・援助等及び、職業リハビリテーションの専門的な人材の育成です。地域の関係機関の強化により、全国のどの地域においても障害者等が必要な職リハサービスを受けられるようにするための取組です。

 次の21ページは「障害者就業・生活支援センター等の地域の関係機関に対して、地域センターが行う助言・援助等」です。数値の目標の達成状況にあるとおり、4つの数値目標全てで、目標を大きく上回る実績を上げており、助言・援助を実施した関係機関数が1,729所と、過去最高の実績となったほか、就労移行支援事業所の就労支援員等に対する実務的な研修、これを講義内容の拡充を図りながら74回実施し、助言・援助を受けた関係機関等から、有用であった旨の評価を受けた割合についても高い実績を上げたところです。

 次の22ページは「職リハの専門的な人材の育成」です。医療機関・福祉機関等で就労支援を行っている実務者や障害者就業・生活支援センターの職員への研修、ジョブコーチ養成のための研修等を幕張の障害者職業総合センターにおいて実施しているものです。主な取組内容にありますように、これまでのアンケート調査による意見・要望等を踏まえた医療・福祉等分野の実務者を対象としたセミナーの地方開催、ニーズに対応した研修内容の見直し等、様々な工夫を行ったところです。その結果、右上の達成状況のとおり、全ての数値目標を達成しており、特に(9)にあります「研修受講者に対するアンケート」では極めて高い評価を頂きました。

23ページで、この項目の自己評定はAとしました。

 

○職業安定局雇用開発部障害者雇用対策課長

 資料1-243ページです。この項目に関する主務大臣の評定は、機構の自己評価と同様にAとしております。評定に至った理由などについては、法人が述べた理由と同様ですので、説明は割愛させていただきます。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構企画部長

 次に資料1-124ページです。評価項目1-5の職リハに係る調査・研究、技法の開発です。障害者職業総合センターで行っている事業になります。

25ページの「職リハに関する調査・研究の実施」については、厚生労働省の政策立案に係るニーズ、当機構の各施設や、就業・生活支援センター等からの要望を踏まえて、新規5テーマ、継続7テーマ、計12テーマの調査・研究を実施いたしました。

 終了した調査・研究については、外部評価を行って、3分の2以上の評価委員から4段階中上から2段階以上の評価を得るということが目標となっております。平成26年度は終了した5テーマ全てにおきまして、目標を上回る評価をいただき、うち3テーマは全ての委員から最上位の段階の評価を得たところです。

26ページ、地域センター等の現場のニーズに基づきまして、障害者に対し、実際に支援を行うことを通じて、発達障害者、精神障害者、高次脳機能障害者に対する新たな支援技法を開発いたしまして、報告書等に取りまとめたほか、下段及びこのページの右上の達成状況にあるように、開発した支援技法が現場で効果的に活用されるよう、開発担当者が地域に出向いて技法を直接伝授する、支援技法普及講習を目標を大きく上回る25か所で実施をいたしました。

27ページは、これら研究・開発成果の積極的な普及・活用です。左側で、研究成果の機構の研究部門のホームページへの掲載、各種学会での展示や、関係機関の機関誌への掲載等を行ったほか、右上の緑色の部分にあるとおり、職リハ研究発表会の開催等について目標が設定されておりますが、その下の達成状況のとおり、全てについて目標を大きく上回っております。

12月に開催した職リハ研究・実践発表会には、過去最多の1,206人に御参加をいただいて、アンケート調査では95%の方から「参考になった」との評価をいただきました。さらに左下ですが、「研究・開発成果の活用状況」ということで、グラフが載っております。成果物については、アンケート調査を実施して、その現場における活用場面のほか、具体的な意見、要望等の把握に努めました。

28ページ、この項目の自己評定はAとしております。

 

○職業安定局雇用開発部障害者雇用対策課長

 資料1-254ページです。主務大臣による評定は、機構の自己評価と同様Aとしております。評定に至った理由などは、今、機構が述べた理由と同じですので、説明については割愛をさせていただきます。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構企画部長

 資料1-129ページです。評価項目1-6、障害者職業能力開発校の運営です。機構が運営する障害者職業能力開発校2校、所沢にある中央校と岡山の吉備校におきまして、重度視覚障害者や精神障害者、発達障害者といった支援が非常に困難な特別支援障害者を積極的に受け入れて、先導的な職業訓練を実施するとともに、訓練の実践から得られた指導技法等を他の障害者職業能力開発校等に普及をさせるものです。

30ページ、ハローワークをはじめ、福祉、教育、医療の関係機関との連携による募集活動を積極的に行って、広範な地域からの訓練生の受入れに努めました。結果、右側の達成状況のとおり、定員に占める特別支援障害者の割合は59.6%と、過去最高の実績となったほか、定員充足率も97.9%と目標を上回りました。

31ページ、こうした特別支援障害者をはじめとする訓練生の就職促進対策ですが、企業ニーズを踏まえた訓練カリキュラムの見直し、雇入れを検討している事業主との協力による企業内での訓練も組み合わせた特注型のメニューによる訓練の実施、訓練生が就職を希望する広範な地域のハローワーク等の連携などに積極的に取り組んだ結果、達成状況のとおり、就職率は93.9%と目標を大きく上回り、特別支援障害者を重点対象とした平成20年度以降、最高の実績となりました。

32ページ、指導技法等の開発・普及についてです。他の障害者職業能力開発校の指導員等を対象に開催した障害者職業能力開発指導者交流集会が、アンケート調査で高い評価を得たほか、他校の指導員等を受け入れ、実際の訓練場面で指導技法を体験してもらうプログラムや、他校での専門訓練コースの設置・運営へのサポートを行いました。

 また、右側の達成状況にあるとおり、平成25年度に発行した職業訓練実践マニュアルについて、アンケート調査を行い、有用である旨の評価を受けた割合は90.9%と目標を大きく上回りました。

33ページ、この項目の自己評定はAとしております。

 

○職業能力開発局能力開発課長

 資料1-266ページです。この項目については、主務大臣の評価はBとしております。理由としては、機構の御説明にもありましたように、特別支援障害者、より重度の方の定員に占める割合は59.6%と過去最高ということです。ただ、達成度としては、僅かながら120%を超えるところまでには至らなかった状況です。また、若干ですが、充足率も前年度と比較して低下している状況です。障害者の雇用環境が非常に改善する中で、より就職困難度が高い方の受入れを更に進めていただきたいという、今後、来年度以降への期待も込めて、評定としてはBとしております。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構企画部長

 資料1-134ページ、評価項目1-7の障害者雇用納付金の徴収及び障害者雇用調整金、報奨金等の支給業務です。納付金制度は、障害者雇用率未達成の事業主から納付金を徴収し、雇用率を超えて障害者を雇用する事業主に対し調整金を支給するなどによりまして、障害者雇用に係る事業主間の経済的負担の調整を図るものです。

35ページ、納付金の収納率については99%以上という、極めて高いレベルの目標が設定されておりますが、赤の達成状況のとおり、99.96%と、制度の適用対象事業主が200人超に拡大された平成22年度以降、最高の実績となりました。

 事業主説明会の開催回数についても、477回と目標を上回る過去最高の実績となりました。また、平成27年度から制度の適用対象が常用労働者数が200人を超える事業主から、100人を超える事業主に拡大され、平成28年度から納付金の申告が必要になるということに対応して、新たに適用対象となる約31,000の事業主に対して、平成26年度からの2年計画で個別訪問により制度の説明を行うこととし、平成26年度はその3分の2に当たる21,020事業主を訪問し、丁寧な周知、説明に努めました。さらに収納に向けた積極的な取組、事業主の利便性の向上に努めたほか、事業所訪問調査を強化いたしました。

36ページ、この項目の自己評定はAとしております。

 

○職業安定局雇用開発部障害者雇用対策課長

 資料1-277ページ、主務大臣のこの業務に関する評定は、法人と同様Aです。達成度で言いますと120%までいっていないわけですが、納付金の対象となる事業者数が過去最高となる中で、99.96%という収納率を達成しているということ。それと、制度改正によって収納対象の適用範囲が拡大しておりますが、その2年計画でやるところを前倒しで3分の2の事業者に対して、個別訪問をしているということを評価して、評定をAとしております。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構企画部長

 資料1-137ページ、評価項目1-8の障害者雇用納付金に基づく助成金の支給業務です。障害者雇用のための作業施設の整備や、必要な介助、通勤対策に要する経費について助成を行う国の制度に関わる業務です。

38ページ、緑の欄の(1)にあるとおり、現地調査等による確認を要する助成金を除く1件当たりの平均処理期間を、第3期中期目標の最終年度、即ち平成29年度には30日程度とすることが数値目標となっておりますが、黒の参考の所にあるように、支給件数が前年度に比べ約1.5倍と大幅に増加する中、平均処理日数については29.3日と目標の水準を達成しております。また、助成金の効果的な活用促進、効率的な助成金支給業務の実施、不正受給防止対策の強化を踏まえて、39ページ、この項目の自己評定はBとしております。

 

○職業安定局雇用開発部障害者雇用対策課長

 資料1-291ページ、この項目に関する評定については、法人の自己評価のとおりBとしております。理由については、若干平均処理期間が延びておりますが、これはかなり助成金の審査業務の量自体が増えているということ。その中で目標である30日以内を達成しているということでBとしております。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構企画部長

 資料1-140ページ、評価項目1-9の障害者雇用に関する各種講習、相談・援助、実践的手法の開発、啓発等です。41ページの上段、障害者を5人以上雇用する事業所で選任が義務付けられている障害者職業生活相談員の資格認定講習を実施して、講習修了者へのアンケートでは「有用であった」との回答が97.7%と高い評価を頂いております。下段は、特例子会社経営の経験等を有する障害者雇用エキスパートが、その経験をいかして事業主に対する相談・援助を行うもので、相談・援助実施回数は1,648件と前年度を上回っております。

42ページ、精神障害者の職場改善好事例集や、障害者雇用マニュアルコミック版「精神障害者と働く」をいずれも分かりやすさ、読みやすさ、使いやすさを意識して作成しました。これらの成果物につきましては、地域センター等による相談・援助の場で大いに活用しております。また、右下の参考の各種マニュアル等の成果物を送付した利用者へのアンケートでは、障害者雇用に取り組む上で「役立った」との回答が94.8%と高い評価をいただきました。

43ページです。障害者の雇用促進のための就労支援機器を事業主に貸し出し、普及を図る取組です。移動展示会や地方説明会の開催による啓発等を行ったほか、機器の貸出しを希望する事業所からの相談に応じ、貸出し中はフォローアップを実施しました。

 右側の達成状況ですが、就労支援機器の利用率は69.0%と目標を大きく上回り、参考にあるとおり、貸出終了事業主に対するアンケート結果を見ても、高い満足度となっております。

44ページ、障害者雇用に係る啓発事業として、9月の障害者雇用支援月間を中心とする取組のほか、定期刊行誌「働く広場」の紙面の充実を図りました。

45ページ、この項目の自己評定はAとしております。

 

○職業安定局雇用開発部障害者雇用対策課長

 資料1-299ページ、この項目に関する主務大臣の評価は、法人の自己評価と同様のAとしております。

 ここの項目はかなりいろいろな事項が入っているわけですが、数値目標としては、機器の貸出し、就労支援機器の利用率しかなくて、これについては115%と120%に至っておりませんが、実践的手法の開発、いわゆる精神障害者の定着支援、あるいは雇用管理というような工夫をまとめた事例集を作る。あるいはマニュアルを作る。あるいは広報誌の「働く広場」というものについては、こういうものが役立ったという高い評価を得ておりますので、そういったことを勘案して、法人の自己評価のとおりAとしております。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構企画部長

 資料1-146ページ、評価項目1-10の障害者技能競技大会、アビリンピックの開催です。アビリンピックは、障害のある方々が技能競技を通じて、職業能力の向上を図るとともに、企業や社会、一般の方々の障害者に対する理解・認識を深め、その雇用の促進を図ることを目的とするものです。

47ページ、左側にありますが、平成26年度につきましては愛知県名古屋市において開催して、総選手数は332人。来場者数は過去3回の平均と比べ168%に当たる約69,000人と、どちらも過去最高となりました。

 平成26年度のアビリンピックは、フランス、ボルドーで開催される第9回の国際アビリンピックへの派遣選手選考会として開催し、派遣対象種目を含めた全24種目を実施し、技能デモンストレーションとしては雇用拡大が期待される職種として、前回に引き続いて「クリーニング」を、また新たに「フォークリフト操作」を実施しました。右側、共催県である愛知県と緊密に連携して大会を運営することができ、全国各地においてマスメディア等に大きく紹介されました。

48ページ、達成状況にあるとおり、大会来場者へのアンケートでは、「障害者の職業能力・雇用に対する理解が深まった」との回答が96.6%と目標を上回る高い評価をいただきました。その下の「主な取組内容」にあるように、地方アビリンピックについては、全ての都道府県で開催し、競技参加選手数、競技実施種目数ともに過去最高となっております。

49ページ、この項目の自己評定はAとしております。

 

○職業能力開発局能力開発課長

 資料1-2110ページ、この項目については主務大臣による評価も、機構と同じくA評価としております。今お話がありましたように、来場者数が69,000人と過去最高であったということですし、私も会場を訪れましたが、非常に盛り上がりまして、PR効果としては非常に高いものがあったと評価をしてAとさせていただきました。

 

○今村主査

 ありがとうございました。これで10までが終わったということです。ただいま御説明がありました項目について、御意見、御質問等がありましたらよろしくお願いします。皆様御関心のある領域かと思います。よろしくお願いします。

 

○高田構成員

2点あります。第1点は、資料1-116ページの「ジョブコーチ」に関する所です。配置型ジョブコーチと、第1号ジョブコーチの連携で、この成果を上げてきているということですが、こういった職場に直接出向いての障害者の就労支援の仕事は大変重要なものだと思います。配置型ジョブコーチを置くことによって、具体的にどんな成果があったかというのを例示していただけると幸いです。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構職業リハビリテーション部長

 お答えします。御覧いただいているページの部分で、ジョブコーチ支援の全体の評価としては、この数値目標の達成状況にあるように、職場の定着率で効果を見ております。ジョブコーチ支援を行うことによって、より職場の定着率が高まるというのが全体的な評価と考えております。

 特に昨今、精神障害者といった方も増えておりまして、職場に入ってからの定着の問題は非常に重要な課題となっております。職場の中でストレスとか疲労における対処法を本人に対して伝えるとともに、また事業主側に対しても配慮事項といいますか、職場環境の整備や職務の見直しといったことをお伝えするということで高い定着率につながっております。

 

○高田構成員

 ありがとうございました。もう1点は、17ページにリワークの実績が紹介されております。始まったころと比べますと、非常に件数が伸びてきておりまして、企業にこの制度が受け入れられてきたということを示しているように思います。雇用環境全体としては、最近は少し良くなっていますが、全般としては余り良いとは言えない中で、障害者雇用も改善されてきておりますし、こういった新しい取組についても実績が上がってきているということについて、どのように当事者といいますか、実施機関として評価をされているか伺いたいのですが。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構職業リハビリテーション部長

17ページにつきましてお尋ねをいただきました。リワーク支援については説明にもありましたように、企業側のニーズが非常に高まってきているという状況があります。やはり、職場におきまして、特に責任のある立場に立つような管理者とか、専門技術者といった方で、その立場になったときに鬱病などが発症して、休業に至るといった方がかなり増えてきているという実状が背景にあろうかと考えております。それを受けて、また御指摘いただきましたように、当機構としての支援のPRを続けております。そのニーズを的確に捉えて支援ができているものと理解しております。しかしながら、全体の説明にもありましたように、精神障害の方自体は非常に増えている状況もありまして、また複雑な障害の特性や企業環境の変化とか様々な問題に更に取り組まなければいけない課題がありますので、そういったところを踏まえて、より支援の充実に努めていきたいと考えております。

 

○高田構成員

 ありがとうございました。もう1点はコメントで質問ではありません。この資料を見ても、例えば高齢者と比べますと、障害者に関わる部分が非常に多いことが特徴になっていると思います。それはある意味で、高齢者は65歳雇用が法律化されて、高齢者雇用の課題が一応達成できた。そういう中に対して、障害者は今おっしゃられたように、非常に最近活発な施策が取られていますが、逆に言えば、活発に取られているということは、まだまだ実態としては改善する余地が大きいということでもあるかと思います。

 しかし、障害者だけではないのですが、就業困難層に対する政策というのは、先進国の非常に重要な課題になっております。そういう意味で、こういうきめ細かな施策を高齢者も含めてやってこられたことに関して高く評価したいと思います。今後とも一層の御努力をお願い申し上げます。

 

○柴田構成員

 全体的に研究、援助、指導というサイクルがうまく回っているとは思ったのですが、評価については幾つか分からない所があったのでお聞きしたいと思います。

1-61-71-9については、それぞれ数値目標としての120%というのは達成していないのですが、例えば、1-6については、機構さんのほうが、とは言いながら結果的には利用者から高い評価をもらっているから、Aにしたいと。しかし、主務大臣のほうは、とは言っても120%になっていないということでBになったと。これに対して、1-7の納付金については、これも120%に至っていないですが、説明回数が過去最高だったから、Aのままにしましょうかということです。私の理解が間違っているかもしれませんが。

 さらに1-9については、これも120%には至っていないが、有用度というアンケートの結果を見る限り、かなり効果があったという意味でAにしますという形になっています。そうなってくると、1-61-9については、利用者とか外側から見た客観的な有用度において高い評価を得ていると。実績としての目標は120%には至っていないが、外から見ていると、よくやっているではないかという評価をもらっていると。

 そういう意味で、片方はABになり、他方はAAと認められているところの違いが余り明確ではないというか、もともと判断をするときに、客観的なデータとしてきちんとやりましょうと。そのときに重要度とか、難易度のところを見ていきましょうという形で、その辺の120%にはなっていないがAにする、120%になっていないからBにするという判断基準が必ずしも明確ではないというか、御判断がそれぞればらばらの感じがします。私の個人的な意見としては、とは言いながら、1-61-9については、なっていないが外から見てもすごくよく頑張っているという意味で、重要度か難易度か分かりませんが、ほかの部分でも評価されているという客観的な評価があるかという気がします。

 逆に、1-7に関しては、過去最高になっているのは説明会の回数であって、本人たちがやりましたというだけで評価するよりは、むしろ説明会の結果として他からすごく評価されたときには、難易度に読み変えるという形にしたほうが客観性があるなという感じです。項目ごとに評価されている部署が違うので、考えているところも少し違うかと思ったのです。この辺が不明瞭というか、見える化したわりには見える化ができていなかったかという気がしましたので一言意見を言わせていただきました。

 

○今村主査

 お答えいただく前に、今の柴田委員に関連して御意見がある構成員の方はいらっしゃいますか。分かりました。取りあえず、お答えをどちらからいただきましょうか。

 

○職業安定局雇用開発部雇用開発企画課長

Aの評価とBの評価のそれぞれの観点というものが、必ずしも120%という機械的な達成度ということで見ているわけではないというのは確かです。120%を基準としつつも、外部の評価が高かったと。そういうことを観点において見る見方もありますし、例えば就職率みたいなものを取ってみると、100%以上は達成しようがないので、120%になり得ないが、中身を見ると相当120%に近いとか、そこのところは確かに観点としてまだ曖昧な所があって、見える化ができていないではないかという御指摘はそのとおりですので、基本的に担当課はそれぞれ重要度を見ながらやっているということで、最終的には総合的な勘案というものもある程度加味しているということで御理解を頂きたいという状況です。

 

○柴田構成員

 多少理解しているのですが、ただ、重要度といったときに、もう少し重要度が客観的に認められるような感じの記述がいいかと思いました。

 

○職業安定局雇用開発部雇用開発企画課長

 その重要度の観点で言うと、今回の独法の評価の基準の考え方が変わったわけですが、それ以前は重要度の評価でウエイト付けをするという考え方があったのです。今回からは重要度に関わらず、評価していこうということで考え方が変わったという過渡期であることもあるので、御指摘を踏まえて、どういった観点で重要度をこういうふうに評価したとか、しなかったのかということについては来年度以降、そういった課題でよく見える化をもっとやっていきたいと思います。

 

○政策評価官

 重要度や難易度の考え方について少し御説明したいと思います。総務大臣決定として、参考資料3の評価に関する指針が示されています。有識者の皆様には、何度か御覧いただいていますが、難易度については、10ページの上から10行目ぐらいの「ii項目別評定の留意事項」のイの所ですが、「目標で設定された難易度の高い項目に限り、評定を一段階引き上げることについて考慮する」となっております。評価書の中で、あらかじめ目標で設定されたと言いましても、本法人は平成27年度以降に目標を設定している法人ではないので、評価書に定めればいいとなっているのですが、今の段階においては、重要度も難易度も評価書()の中で示されていないので、難易度あるいは重要度を勘案して評価するということであれば、それについて評価書の中に記述することが必要です。

 また、11ページの下から7行目ぐらいの、「ア」で「あらかじめ重要度の高い業務とされた項目については、総合評定において十分に考慮する」とされています。あらかじめというのは先ほど申し上げましたように、もともと目標で設定しているということですが、本法人については評価書の中で重要だということがきちんと具体的に書かれればいいのです。重要度と難易度が混在して話に出ることが多いのですが、重要度があるから評価を引き上げるのではなくて、重要度については最後の総合評定において、重くウエイト付けをするというものです。

 更に定量的と定性的についてですが、委員から御指摘がありましたように今回の独法通則法の改正等に伴い、できるだけ定量的な目標を立て、実績が目標値100120%達成したところは評価の評語をBとし、そこを基準として上下の評語を付すということですが、どの法人もそうですけれども、全て定量的に示すことは難しいところです。

 個別の項目について、定量的な目標設定が一部にしかできない場合もあります。そうした場合に定性的な目標について定めることになりますが、それに対する実績をどのように評価するかについては、法人や所管課の考えを聞いていただいた上で、有識者から御意見、御指摘などを頂きたいと思います。

 

○今村主査

 今のに関連して、11ページのiiiアは、評価側、所管課のほうですね。

 

○政策評価官

 そうです。

 

○今村主査

 難易度のほうは法人側から自主的に、これは難しいという。

 

○政策評価官

 申告はどちらも自由ですが、最終的に評価書において、設定しなければいけないので、それにおいては所管課です。

 

○今村主査

 重要度に関しては全体評価の中でする。

 

○政策評価官

 そうです。

 

○今村主査

 難易度に関しては、個別の項目についてという違いがあるということですね。

 

○政策評価官

 そうです。

 

○今村主査

 質問ですが、あらかじめ設定されるというのはどういう意味でしょう。当機構の場合は、平成29年で終了になりますが、これまでは設定できないということですか。それとも平成28年度の評価について設定できるということですか。

 

○政策評価官

 この「あらかじめ」というのは、今後、平成27年度以降に目標を設定する場合には、あらかじめ設定するということです。

 

○今村主査

 ということは平成28年度でも可能ということですか。

 

○政策評価官

 中期の目標期間が制度の改変期をまたがる法人においては、目標に定められていなくても、評価書の中に書かれていればよいということです。

 

○今村主査

 ということで、参考資料の3の精神と言いますか、方針はクリアな形式としては、平成30年度の評価からということになりますけれども、2829年度についてもできる限りいかしていくと。

 

○政策評価官

2829年度も、今回の評価においてもそのようになります。

 

○今村主査

 当然それは考慮していいということですね。

 

○政策評価官

 そうです。

 

○今村主査

 分かりました。今のに、何か関連してもし御質問があれば。

 私のほうから、そういうことを踏まえてちょっと整理させていただきたいのですが。かえって議論を更に蒸し返すようですが、そういうことであれば、むしろ1-5Sではないかと、1-9Bではないかと思うのですが、まず、基準として一番すっきりするのは1-6で、先ほど柴田委員もおっしゃったように、所管課からの説明で、120%にちょっと足りないから、残念だけどもAにはし難いと。これは非常に分かりやすい説明だと思います。逆に、1-5に関しては、御覧のとおり120%どころか、かなりの達成率、数値目標を達成して、なおかつプラスアルファーの質的要素もあるのに、なぜAで終わったかというのが若干対照的で分かりにくいと思います。

 それから1-7ですが、先ほど柴田委員の御質問にもありましたけれども、難易度ということで解釈できるのかなと考えたのですが、36ページを見ますと、数値目標は一応113%と101%というようにこれはAにはならない数値目標の達成です。これに対して通常であればBであるということですが、評定Aのコメント、「評定と根拠」の中の3番目の段落で、「制度改定に伴って適用範囲が拡大して、2年のうちの1年の間に3分の2以上を個別訪問した」という努力は難易度として考えられるのではないかと、だからこれはAということで、これは説明できるのではないかと思います。

 逆に1-9ですが、確かに同様に120%達していないのになぜAなのか、先ほど柴田委員の御質問にもありましたけれども、なおかつちょっと心配なのが、前年の数値と比べても低くなっています。だからこれはトレンドとしてもAと評価できる根拠がどこにあるのかというところが、定性的に説明というのは多分可能だと思いますから、少なくとも今の説明の中では納得できない部分ではないかと思います。

1-10のアビリンピックに関しては、数値目標に設定はされていませんが、設定されていない数値目標、つまり49ページの過去3大会の平均ということで168%とか、本来数値目標が設定されていないですが、それ以外の部分で非常に高い数値の変化を示しているというように解釈できるのではないかと。できるだけ所管課におかれましては、整理してすっきりと横並びできちんと理解できるように説明していただきたいです。以上を踏まえて御回答をいただきたいと思います。お願いいたします。

 

○政策評価官

 「S」の評語についての御説明をさせていただいてもよろしいでしょうか。先ほど使用しました参考資料39ページです。7(1)(1)iのイに、SABCDの評語区分の考え方が書いてありまして、Bが目標の達成度が100120%未満です。Aはそれを上回る、120%以上。Sは更に120%以上でかつ質的に顕著な成果が得られていると認められる場合です。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構理事長代理

 私ども法人側で自己評定をするに当たって、今回の法改正に際しどのように行ったかを簡略に申し上げたいと思います。ただいま評価官室から御説明がありましたが、当機構の場合は既に決まっています中期目標期間の中途だということで、難易度のことは総務省から示された指針にもあるわけですけれども、目標なり計画段階できちんとセットできるものではありませんので、難易度の所に単純に○を付けて、これは難易度項目ですというやり方はいたしておりません。その代わり各項目ごとに定性的あるいはプラスアルファーの要素を含めて、いかにそのところに御注目いただきたい困難な要素があるかということを書き込んだつもりです。

1例として、35ページの、障害者雇用納付金の関係で申し上げますと、ここでは数値目標として挙がっていますのは、事業主説明会の開催回数と収納率の両方です。この項目全体を捉えたときに2つ並んでいる数値目標の中で、どちらがより全体を代表しているかといったら、これは恐らく結果としての収納率の数字なのだろうと。ただ、それを達成するに当たって、説明会をどう開いたか、これも当然考慮されなければならないだろうと。そこで収納率の数値目標ですが、既に99%が示されています。これは100%を超える収納率はあり得ませんから、もともと120ということは達成不可能な項目です。その意味で上限がはまっているものの中で本当にフォーナインに近い高い数字を出し、それが先ほど柴田委員から御指摘がありましたような、対象事業者がより規模の小さい困難な所へ拡大する中でやったと。ここが私どもが困難度○と付けた代わりの説明です。そのように御理解を賜りたいと思います。

 ほかの項目につきましても、困難度という○マークは単純には付けておりませんが、それぞれの記述の中で私どもの認識している困難度については御説明をしたいと思っています。以後の項目についても同様です。

 

○今村主査

 ちなみに1-9についてはどうですか。数値目標が前年に比べて少ないという、つまり落ちているその分についてはかなり強い意味でのBなのですが、それをあえてAにするということの意味をちょっと教えていただければと思います。

 

○職業安定局雇用開発部障害者雇用対策課長

 これは所管課から御説明をしたいと思います。1-9については先ほど申しましたけれども、非常に多様な、障害者職業生活相談員の資格認定講習、事業主に対する雇用相談・援助、実践的手法の開発・普及、就労支援機器の普及・啓発、障害者雇用に係る啓発事業の実施、という5つの項目からなっていまして、その中で、いわゆる数値目標が定まっているのは、就労支援機器の普及・啓発のみです。だから全体の5分の1の、1つだけに数値目標が定まっているということで、この目標は確かに120%いってないですけれども、ほかの4つの事業について見てみた場合に、数値目標がないものですから、定性的な評価しかできないですけれども、外部からの評価といったものが非常に高くなっています。それから実感としてもかなりマニュアルとかを漫画で作ったり、精神障害者のマニュアルを漫画で作るとか、それを事例集みたいな形でやるというのは、かなり評判がよくて、多くの企業に評価をされているというような実態がありますので、その5分の1の評価項目だけでこの全体を評価するというのは何となく違和感がありました。

 定性的なものしかないので、なかなか言い難いですけれども、かなり広報であるとか、事例というのが、実践的手法が外部からもかなり高い評価を得ているということがあったものですから、それで総合的に見てAではないかという判断をしたというものです。客観性に欠けるのではないかと言われれば、おっしゃるとおりだと思いますので、来年度からもう少し目標の立て方や定性的なものをどうやって定量的なものに変えていくかとか、そういうことをまたよく考えてまいりたいと思っております。

 

○今村主査

2つほどまだあるのですが、まず1つ、所管課からお答えいただいたことに関して、他の所管課と比べて書き方がかなりシンプルだと思います。つまりAにするなら所管課の評価の中でこういうところを高く評価する、というところを文章の中に書かれるべきだと思うのですが、特に個別には指摘しませんけれども、所管課の記述が非常に曖昧で、具体的でないと思いますので、そこは来年度考慮するとおっしゃいましたけれども、是非至急御検討いただきたいです。

 それから評価官室も含めてお聞きしたいのですが、今「法的安定性」という言葉がちょっと議論になっていますが、条文安定性という点では今の評価は条文のどこに該当して解釈されているのかを説明いただきたいと思います。だから1-9の資料を見ますと、質的な要素で、これはかなり個別なアンケートの記述事項もいっぱい書いてありよく分かったと。これはアウトプットだけではなくて、アウトカムに対しても非常に影響があるという非常にすばらしい結果だと思うのですが、これは条文に関して、先ほどから出ている参考資料の3の条文に関して、どこに該当して評価として加えたのかということを御説明いただければ、そうすれば委員の方々は納得するかと思います。あるいは、所管課でもどちらでも構いません。条文のどこをどう読むとそのような適用が可能なのかという、今後のために、単純なそれだけです。

 

○政策評価官

 定性的な目標の達成度をどのように評価するかにつきましては、法令や指針において具体的に書かれていません。総務省への疑義照会の中で、定量的な部分のみならず、定性的な部分を含めて評価してよいということが示されております。

 

○今村主査

 条文的なところについては文章化されていないということですか。

 

○政策評価官

 はい、ありません。

 それから1-9についてどこを定性的に判断したかということは、確かに主査の御指摘のように、若干曖昧である部分があると思います。

 

○今村主査

 確かに内容はすばらしいのですね。だけどこれは条文でどういかしていくかということが不明確だということを申し上げたいのです。

 

○政策評価官

 定性的な指標と定量的な指標をどのように組み合わせて設定し、評価すべきかというようなことまでは、指針上は明確にされていません。

 

○酒井構成員

 感想です、揚げ足取りではないつもりです。法人自身の自己評価と、主務大臣の評価との関係ですが、どのように行われているのか。つまり先ほど来、ずっと最初のうち法人の評価と同じです、同じですと言って、理由を言っていただけなかったのです。ということは、法人はもう自己評価ですから、こういう先ほど来説明のあるような形でやっていただいているのですが、所管課の評価というのは、ある意味で、もちろんいろいろ議論されながらというのは分かるのですが、独立して評価されるから、少なくとも同じですというのは、結果的に同じであって、でも、やはり理由を言っていただきたいというのがすごくあります。そうでないと、単に法人のを踏襲したというように聞こえてしまうところもあるという、決してこれは揚げ足取りではありません。

 

○今村主査

 時間の問題があって、ちょっとお願いしたことがありましたね。

 

○政策評価官

 法人は非常に評価項目が多くて、昨年度も一昨年度も大幅に予定の会議時間をオーバーしたと承知しておりましたので、私から法人及び所管課に対して説明時間を短くするよう依頼しました。そのため、説明を端折ったものがあると思います。

 

○酒井構成員

 分かりました。座長も言われたように、書かれている中身が非常に、所管課としてどこにポイントがあるかということが分からないことと重ねて申し上げたということです。

 

○政策評価官

 基本的な法人の自己評価と所管課の評価の関係について申し上げます。参考資料37ページの一番上の(3)2行目です。「主務大臣は、年度評価において、客観性を考慮しつつ自己評価書を十分に活用し、効果的かつ効率的な評価を行う。法人から質の高い自己評価書が提出され、それについて十分な説明責任が果たされている場合には、自己評価書を最大限活用し、当該自己評価書の正当性の観点から確認すること等を通じて、適正かつ合理的に評価を行う」となっています。つまり法人の自己評価が十分に、客観的で合理的であれば、基本的にそれを尊重するということです。

 

○酒井構成員

ありがとうございます。

 中身の質問をよろしいですか。大変すばらしいと言いますか、活動をたくさんされていて、とても関心をもたせていただきました。それで質問したいことは、例えば3ページでいくと、高年齢者雇用アドバイザー、そして障害者のところでは先ほど御意見があったようにジョブコーチやリワーク支援、こうしたものをされる方の資格要件みたいなものはあるのでしょうか。

 それからアドバイザーからいくと、どのくらいの社労士の方がこのアドバイザーに現在就いておられるのかという辺り。

 それともう1つ関連しますと、相談・援助等が非常に件数が多いわけですけれども、これは高年齢者雇用アドバイザーの場合に、高年齢者自身の相談なのでしょうか、それとも事業者からの相談でしょうか。主に1つ簡単な例を挙げていただくと、どんなことかを簡単で結構ですが、ジョブコーチ、リワークのことも含めて御紹介いただけたらお願いします。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構雇用推進・研究部長

 資料の順番から、高年齢者のほうからですが、高年齢雇用アドバイザーにつきましては、今現在約500、正確に言いますと今年度は498名の方に全国で委嘱をしています。資格としては75分の方が社労士の資格をお持ちです。それから次に多い資格は25分ぐらいが中小企業診断士の方。

 

○酒井構成員

 そういう質問ではなくて、雇用アドバイザーとしての資格というのはあるのですか。社労士をもっていれば誰でもができるという資格でしょうか。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構雇用推進・研究部長

 企業の人事労務のことに対する相談ができるという方であって、更に我々のほうで高年齢者雇用安定法等の研修を行い、その研修でもって、修了したということで資格を授与させていただき、委嘱をする形になっています。

 

○酒井構成員

 そうですか。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構雇用推進・研究部長

 それから、どのような相談をするかということですが、対象は基本的に事業主です。直接働いておられる従業員の方の個人的な相談を受けたりすることはありませんが、事業主との相談の中で事業主から例えばうちの従業員のモチベーションを上げるための研修をやってくださいといった場合であれば、研修生の方はその従業員の方になりますけれども、直接個別の従業員の相談を受けるわけではありません。事業主の相談の具体例では、平成25年度は改正高齢法で事実上、65歳までの雇用が義務づけられた年で、そうなったときにどのような形の規則をつくったらいいのだろうかというような相談がその年は多かったわけです。昨年度については、更に継続をされた方が増えてきて、実際にやってみると賃金のほうも整備をする必要が出てきたけれども、どのようなことをやったらいいのだろうかと、実態に入った細かい相談が増えてきていますので、それについて、こういう考え方があるので、このような整理をしてみたらどうかと、案を提示する形での相談をさせていただいているのが具体的な例です。

 

○酒井構成員

 ありがとうございます。

 

○今村主査

 いかがでしょう、よろしいですか。

 

○戸田構成員

 御説明ありがとうございます。幾つか質問させていただきます。先ほど来、定量、定性の評価の仕方みたいな議論がされていますけれども、お話を伺っていて、個人的な感想ではありますが、定性的な指標に関しても、例えば資料1-143ページですが、先ほど座長より御質問がありましたけれども、就労支援機器の利用率というところが、昨年よりも下がっているけれども、貸出終了事業主に対するアンケート結果という所で役立ったというような声があるなど、定性的な目標に関しても、こうしたアンケートとか、実際に新しい取組をされて、それが利用者に評価されているという、事実をもってやはり定性的な目標に対してある程度達成できているというような説明の仕方があるのかなということがあります。若干ですが、資料が膨大なのでその点が少し分かりにくかったというところがあるのかなというのが、すみません1つ感想として申し上げたいことです。

 もう1つ、同じ資料の47ページにアビリンピックの話で、こちらも御説明では来場者の方が過去最高で、69,000人。「過去最高」という所を強調されているかと思うのです。ここに限らず、幾つか過去最高の指標であるというような表現がありましたけれども、恐らくこのアビリンピックに関しては35回開催されているので、その35回の中で過去最高という意味だと思うのですが、ほかの箇所で過去最高というのが、過去何年分を見て最高なのかというところがよく分からないところがありましたので、そこの点について記述を少し加筆していただければと思います。

 あと最後に、この点に関して1点質問なのですが、第35回のアビリンピックの来場者数が69,000人ということで、昨年の39,700人よりほぼ2倍とはいかないまでもかなり大幅に増加しているということが言えるかと思うので、この背景みたいなところについて、なぜこのように増えてしまったのかというところについて、教えていただきたいのと、あとこれについても、「過去最高」というようなことを強調されてもいいのですが、これだけ大幅に増えたというところが、御機構の取組によって行われているのであれば、やはりそこも強調されてもいいのかなと思いました。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構雇用開発推進部長

 第35回アビリンピックの関係ですが、名古屋市のポートメッセなごやという所で開催されておりますが、こちらは名古屋駅から少し離れた所にありまして、愛知県と私どもで、共通にいろいろと試みをしないとなかなか地の利という意味では少し駅から遠いので、お客様がいらっしゃらないのではないかという危機感を共有していまして、そういった中でいろいろな取組を実施したということです。愛知県におかれましては、知事も先頭に立っていただきまして、各地で事前PRイベントを非常に熱心にやっていただきました。

 また、名古屋駅の中央コンコースと言いまして、非常に多くの方が行き来する所が、正にアビリンピック一色という形になったわけです。これにつきましては、愛知県内の企業の皆様からの協賛を頂きまして、そういったことで、PRをしたということ。それから愛知県だけではなくて、近隣の県からも来ていただくようにいろいろと頑張ったというようなこと。

 それからアビリンピックに加えて、併催イベントをいろいろとやりました。例年であれば違う時期に実施しています、こちらに例を挙げておりますが、ちょうど毎年県と労働局、地域センターで共催していますセミナーをこのアビリンピックと同じ時期にやったりと、愛知県また私どもそれぞれ知恵を絞りました結果の69,000人ということだと考えております。

 

○今村主査

 ありがとうございました。よろしいですか。それではここで、法人出席者の入替えがありまして、それに合わせて5分程休憩を取りたいと思います。あの時計で5253分に再開したいと思います、よろしくお願いいたします。

 

(法人入替え・休憩)

 

○今村主査

 議事を再開いたします。続いて、国民に対して提供するサービス、その他の業務の質の向上に関する事項の評価項目1-11から1-17に係る項目別評定について議論をしたいと思います。先ほどと同様の流れで、法人及び法人所管課からポイントを絞って簡潔に御説明いただき、その後、質疑応答ということでお願いいたします。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構企画部長

7項目ですが、職業能力開発事業に関するものが6つ、共通管理部門1つということで、順次、説明いたします。資料1-150ページからです。評価項目1-11で、離職者訓練です。離職者を対象に早期再就職に必要な技能・技術、知識を習得できるように、全国に設置しております職業能力開発促進センター、通称ポリテクセンター等において、標準6か月の職業訓練を実施しているものです。

51ページです。地域の人材ニーズを踏まえた効果的な訓練に努めたことはもとより、訓練開始時から段階的で、きめ細かい面接指導やジョブ・カードを活用したキャリア・コンサルティング等による就職支援を重点的に実施しました。その結果、赤の達成状況の欄ですが、(1)の下の参考にあるように、都道府県立施設の就職率が70%程度となっているところ、当機構については80%が目標として設定されておりますが、平成26年度の実績は86.3%と目標を上回り、前年度実績と同率の過去最高タイを達成したところです。また、就職者のうち、常用労働者の割合は78.8%と、前年度より増加しました。

52ページです。離職者訓練については、人材ニーズを把握した上で、ものづくり分野を中心に、当該地域において民間では実施できないものを実施しており、平成27年度の訓練科の設定に当たっても、必要な訓練コースの見直し等を行っております。

53ページです。定員充足率の向上に向けて、全てのポリテクセンターにプロジェクトを設置して、求職者に訓練をあっせんするハローワークの職員と求職者御本人、双方の訓練への理解が深まるよう取り組んだ結果、定員充足率については前年度実績を5ポイント上回る82.7%となったところです。

54ページですが、この項目の自己評定はAとしております。

 

○職業能力開発局能力開発課長

 資料1-2116ページです。この項目については主務大臣の評価をAとしております。機構と同じ評価にさせていただきました。目標である就職率については、120%は超えていないわけですが、先ほど御説明があったように都道府県で実施している同じような施設内訓練が就職率70%程度であり、それと比較するとかなり高い就職率を達成しているということ。

117ページの中段に「さらに」という形で書いてありますが、機構の説明にもありましたように、定員充足率です。雇用情勢が改善する中で、訓練を希望する方が減っております。早期の就職を選んでしまう方が多く、訓練生集めに苦労している中で、この定員充足率の取組は非常に努力しており、ここは高く評価したいという部分がありましてAとしました。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構企画部長

 続きまして資料1-155ページです。評価項目1-12、高度技能者養成訓練です。産業の基盤となる高度なものづくりを支える人材を育成するための訓練を、高校卒業者等を対象に各地の職業能力開発大学校及び短期大学校、通称ポリテクカレッジにおいて実施しております。

56ページですが、全体の65%を実技・実習に当てた実学融合のカリキュラムを設定し、ジョブ・カードを活用したキャリア・コンサルティングの実施等に取り組みました。その結果、就職率95%以上という高い目標が設定されているところ、達成状況の欄のとおり平成26年度実績は99.4%と過去最高となり、就職者のうち常用労働者の割合も99.6%と極めて高い実績となりました。

57ページです。地方公共団体との役割分担、民業補完に徹する観点から訓練を実施したほか、定員充足率の向上に向けて社会人の入校促進を図るための事業主向けのリーフレットの作成や、女子学生の入校促進を図るための女子修了生を紹介した広報用動画の作成公開等に取り組みました。

58ページです。学生への訓練に注力する傍ら、可能な限り広く地域に開かれた施設運営を行うべく、地域の中小企業が抱える課題解決のための共同研究や受託研究を実施したほか、59ページの中段、特に左のほうですが、他大学等関係機関と連携した教育訓練などに取り組んだほか、職業訓練や研究開発の現状を公開するポリテックビジョン、ものづくりの啓発を行うためのものづくり体験教室を開催しました。左上になりますが、総合エネルギー効率の向上や情報通信を活用したイノベーション技能・技術に対応した新たな訓練科を設置しました。

60ページですが、この項目の自己評定はAとしております。

 

○職業能力開発局能力開発課長

 資料1-2123ページです。この項目については主務大臣の評価も機構と同様Aとしました。何と言っても、就職率が99.6%、ほぼ100%という水準を達成したということで、ここを高く評価しました。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構企画部長

 資料1-161ページです。評価項目1-13、在職者訓練、事業主等との連携・支援です。在職者を対象に、仕事を遂行する上で必要な専門的知識及び技能・技術の向上を図る、2日から5日間程度の短期間の訓練をポリテクセンターとポリテクカレッジにおいて実施しております。

62ページです。数値目標にありますとおり、受講者及びその事業主、それぞれに対するアンケート調査で、役に立った旨の評価を90%以上から得るという高い目標が設定されているところ、中段以下にある訓練カルテを活用した訓練コースの評価・改善等に取り組んだ結果、達成状況にあるとおり受講者について99.0%、事業主について97.8%と目標を上回る高い実績となりました。

63ページですが、受講者が習得した能力については、職場でいかしているか確認し、コース内容の見直しの必要性等について評価しております。中段ですが、受講者のうち中小企業に勤めている方の割合は62.4%となっており、全ての訓練コースがものづくり分野の訓練となっております。訓練コースの設定に当たっては、人材育成ニーズと民間との競合の有無を確認した上で、真に高度なもののみに限定して実施しております。

64ページです。事業主が行う人材育成を支援するため、指導員の派遣、施設設備の貸与などを実施しており、成長が見込まれる分野において事業展開を進める事業主等に対し、人材育成に関する支援を行ったところです。

65ページですが、この項目の自己評定はAとしております。

 

○職業能力開発局能力開発課長

 資料1-2130ページです。この項目についても、主務大臣による評価は機構と同様のAとしました。数値目標である受講者に対するアンケート調査は99%と、ほぼ100%であること、事業主に対しても97.8%と、ほぼ100%に近いということです。企業内の人材育成についての支援が求められている中で、機構の発揮した役割は大きかったと評価しております。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構企画部長

 資料1-166ページです。評価項目で1-14、指導員養成、訓練コースの開発等、国際連携・協力の推進です。

67ページですが、職業能力開発総合大学校、通称、職業大における職業訓練指導員の養成については、従前の「新規高卒者等」を対象とする4年制の長期課程が平成26年度をもって廃止されて、これに代わるものとして平成26年度から新たに当機構や都道府県等に指導員候補として採用された方等を対象に、指導員として必要な能力を付加するためのハイレベル訓練を創設して、平成26年度の入校者は4つの課程で79人でした。

68ページです。研修課程ですが、現職の指導員を対象とした短期間のスキルアップのための再訓練で、地域で実施する出前型の研修に積極的に取り組みました。その下の廃止された長期課程、最後の4年生の就職率ですが、これは99.0%でしたが、民間企業の採用意欲が高まる中、指導員への就職割合は前年度より低下したところです。

69ページです。職業大において訓練カリキュラムの設定や訓練課題の開発等のための調査・研究を行い、その普及を図ったほか、産官学が連携した地域コンソーシアムを構築し、地域のニーズに応じた訓練コースの開発に取り組みました。また、民間教育訓練機関に対して、PDCAサイクルによる訓練運営についての研修を実施し、民間における訓練サービスの質の向上に寄与できるよう取り組んだところです。

70ページです。厚生労働省等からの要請に応じて、当機構の有する職業訓練のノウハウを活用して、開発途上国への支援を行いました。

71ページですが、この項目の自己評定はBとしております。

 

○職業能力開発局能力開発課長

 資料1-2135ページです。この項目について、主務大臣の評価は機構と同じくBとしました。先ほど御説明があったように、指導員養成課程が平成26年度から新しくなったという中で、初年度ではありますが、受講者数が低調だったという残念な結果は1つあります。ただ、一方で職業訓練指導員に対するスキルアップの研修の拡充であるとか、これは厚生労働省からお願いしたのですが、地域レベルのコンソーシアムを作っていただいて、地域ニーズを汲み取った、より就職可能性の高い訓練コースの開発。これを非常に積極的に取り組んでいただいたということで、訓練を開発していくという機能では、非常に力を発揮していたと評価しております。それらを合わせてBとしました。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構企画部長

 資料1-172ページです。評価項目1-15、効果的な職業訓練の実施、公共職業能力開発施設等です。

73ページですが、上段にあるのが機構本部で運営委員会、各都道府県単位で地方運営協議会を開催したほか、先ほど説明した地域コンソーシアム事業に加えて、厚生労働省から地域連携人材育成強化支援事業を受託した都道府県が行う職業訓練の充実・強化を図る取組への支援を行ったほか、ものづくり分野の代表的な業界団体である日本機械工業連合会と連携協定を締結し、協力の具体化を進めるなど、産業界を含めた関係機関との連携を強化しました。

74ページです。企業等のニーズに応えた訓練コースを設定するため、機構版職業訓練ガイドラインに基づいて、図にあるようなPDCAサイクルによる訓練コースの継続的な改善、見直しを行っております。訓練ニーズの把握としては、約3,600の事業所に対しヒアリング調査を実施したところです。

75ページです。上段ですが、平成25年度に開発した環境エネルギー分野等の訓練コースの普及に加えて、国の政策や地域ニーズを踏まえて、建設分野の訓練コースを開発したところです。

76ページです。定員充足率向上の取組ですが、離職者訓練、高度技能者養成訓練とも、施設にプロジェクトを設置して、関係機関との連携や周知・広報の強化に取り組みました。右側の定員充足率の表にあるとおり、施設別の実績にばらつきがあるものの、離職者訓練については82.7%と、前年度実績を5ポイント上回り、高度技能者養成訓練は101.4%となったところです。

77ページですが、この項目の自己評定はAとしております。

 

○職業能力開発局能力開発課長

 資料1-2142ページです。この項目については主務大臣の評価はBとしました。機構本部、あるいは各都道府県単位での職業訓練ニーズを踏まえた効果的な訓練の実施であるとか、先ほど申し上げた地域コンソーシアム事業の実施等、確実に事業主、地域ニーズを汲み取っていただいたと。また、訓練の実施に当たっては、PDCAサイクルをしっかり回していただいたと考えております。この訓練ニーズの反映だとかPDCAサイクル、ここは職業訓練を実施する機関として着実に行っていただきたいという項目でもありますので、そこはしっかりやっていただいたという評価の上でBとしました。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構企画部長

 資料1-178ページです。評価項目1-16の求職者支援制度に係る職業訓練認定業務等です。当機構は、民間教育訓練機関に対して、制度の周知・広報、訓練計画の策定に関する相談・援助、訓練の審査・認定、訓練実施に関する指導・助言を実施しているところです。

79ページですが、雇用情勢等を踏まえて、国において訓練実施規模の総枠が減じられておりますので、職業訓練の審査・認定コースの定員は前年度より減少しているところですが、求職者支援制度が効果的に実施されるよう、機構が有するノウハウをいかして、独自の工夫をこらした取組を行ったところです。具体的には左の中段の囲みにあるとおり、カリキュラム作成ナビとして、訓練実施機関がカリキュラム等を円滑に作成できるよう支援するツールを作成の上、公開しており、全国的に人材不足と言われる型枠工、鉄筋工、機械運転の技能職種における訓練カリキュラムを追加したところです。

80ページですが、過去の不正事案を踏まえて、その防止徹底を図るため、訓練実施施設に対する定期的な実施状況の確認を確実に行うとともに、そうした際に把握した訓練実施施設が抱える訓練運営上の課題をテーマに取り上げ、これら実施施設を対象とした求職者支援訓練サポート講習を実施しております。サポート講習は、当初、東京の当機構施設における独自の取組でしたが、平成25年度は8ブロックに展開し、平成26年度は利便性を考慮し、全国47都道府県に拡充しました。講習の内容も新規に3つのテーマを追加し、特に(6)に精神障害・発達障害の特徴と対応についてがありますが、これについては職業能力開発部門と障害者雇用支援部門が一体となって、カリキュラムや教材の開発を行ったもので、法人統合によるシナジーをいかした取組の1つです。訓練受講者に対するアンケートでは、「大変役に立つ」又は「役に立つ」との回答が99%と高い評価を得ました。

81ページですが、この項目の自己評定はAとしております。

 

○職業能力開発局能力開発課長

 資料1-2150ページです。この項目については、主務大臣の評価はBとしました。求職者支援制度の訓練機関の認定、申請に係る審査、こちらについては的確に行っていただいたところですし、先ほどありましたように、訓練機関をサポートするサポート講習を全国47か所で、拡充して実施していただきました。制度の着実かつ適正な運営をしっかりやっていただいたことは評価した上で、Bとしております。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構企画部長

 資料1-182ページです。評価項目の1-17ですが、こちらは高障求の各業務に共通する事項をまとめた評価項目です。83ページですが、評議員会を開催して、関係者の要望等を聴取したほか、外部有識者で構成する外部評価委員会による業績評価を実施したところです。

84ページです。内部統制の充実・強化に向けて、左側の図にあるように総務部と内部監査室の二元構造の体制の内部統制システムを整備しております。また、右側ですが、内部統制の向上を図るための行動規範研修、コンプライアンスの推進を図るための計画の策定やコンプライアンス研修等を行いました。短期集中特別訓練事業の入札に係る事案を踏まえて、発注者との接触ルールの策定、受注者の視点からのコンプライアンスに関する研修等を実施しました。

85ページの中段ですが、法人統合によるシナジーの一層の発揮に向けた取組です。ポリテクカレッジにおいて、発達障害を想起させる等の学生が存在していることを踏まえて、旧雇用・能力開発機構の職業能力開発部門、旧高・障機構の障害者雇用支援部門、両部門が一体となって調査・研究を行い、「支援・対応ガイド(実践編)」を取りまとめました。これは現場での支援のヒントとなる事例を数多く掲載した画期的な成果であると考えており、平成27年度以降、本ガイドを用いた研修を行い、研究成果を現場の効果的な支援に確実につなげていくこととしております。その下の参考の欄にもあるように、地方でも様々な取組を行っているところで、今後とも法人統合を前向きに捉え、シナジー効果を引き出す努力を続けてまいる所存です。

86ページです。情報提供及び広報の実施です。特に都道府県における効果的な広報を推進するため、各施設長等による都道府県合同広報委員会を新たに設置し、右側の参考で岩手県のリーフレットの例をお示ししていますが、高齢・障害・求職者支援の3分野の業務をコンパクトにまとめたリーフレットを、全ての都道府県で作成し、機構が様々なサービスを総合的に提供していることを効果的に周知できるよう努めたところです。

87ページ、東日本大震災に係る対応です。全国からの指導員の応援派遣を行いつつ、被災地等の6県において、震災復興訓練を実施したほか、地方公共団体からの要請に基づく個別対応等も含めて、雇用促進住宅の活用を図ったところです。

88ページですが、この項目の自己評定はAとしております。

 

○職業安定局雇用開発部雇用開発企画課長

 主務大臣による評価の関係ですが、資料1-2155ページです。機構の自己評価はAですが、主務大臣による評定はBとしております。その理由としては、評価できる点ですが、法人統合によるシナジーの一層の発揮に向けて、ポリテクカレッジの事例に関して職業能力開発部門、障害者雇用支援部門が一体となって取り組んだことについては、評価できます。また、都道府県合同広報委員会を設置して、同一都道府県内で所在する各施設の広報を一体的にやったことも評価できます。コンプライアンスに関する研修を実施するなど、内部統制の更なる向上も取り組まれていることについても評価できます。一方で中期目標における所期の目標は達成しているとは言えるものの、定性的な項目ですので、この場合、総務省の指針によってBからDで評定を付けると示されており、これを超えるような特段の事情がないと判断し、Bという評定をしているところです。

 

○今村主査

 ただいま御説明がありました項目について、御意見、御質問等がありましたらお願いいたします。

 

○宮崎構成員

 ちょっと教えていただきたいのですが、52ページにニーズを汲んだ訓練計画を立案されているという御説明があるかと思うのですが、その中で委員会を構成して訓練計画案を審査するという記述があります。他方で、国の施策の中で必要と思われる重要な分野、建設とか環境に関しては、また訓練コースを設けているということの記載があります。個人的には、より社会のニーズのあるものをもっと柔軟に訓練コースの見直しを行っていくことが必要なのではないかと思っております。障害者雇用で内容は異なりますが、31ページを見ると、3D CADソフトへの更新とか、企業ニーズを踏まえるとアプリケーションの開発の訓練とか、医療事務、介護とか、訓練とか、いろいろなものが入っているわけですが、訓練コースのメニューを決めるときには、あくまで自主的にある程度選べる中で、比較的製造業の訓練が多いとは思っているのですが、その辺は何か制約があるのか、あるいはもう少し幅広に検討することも可能なのかというところを教えていただければと思います。31ページの障害者の訓練などで見ますと、ソフト開発とかいろいろなものも入っていますので、要は訓練した後、社会でより活躍いただくことが重要だとは思いますので、メニューに関しては幅広く、もっと検討いただいてもよろしいのではないかという印象を受けましたので、その辺りを教えていただければと思います。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構求職者支援訓練部長

 ただいま御指摘のあった点ですが、確かに各都道府県に訓練計画専門部会を設けて、公益代表者、使用者代表者、労働者代表者をメンバーとしてやっておりますが、それとは別に先ほどPDCAサイクルの中で出てきましたが、一番、求職者を必要とするのは事業主だと思います。その3,600事業主に対してニーズ調査を実施しており、実際どんな人材が必要かということも確認しております。ですから、そういうことを踏まえて、平成26年度においては建設関係でしたが、その前の年は環境関係とか、その年々により必要な部分の新しいコースを開発、あるいは改正したり、カリキュラムを変更したりしております。

 

○職業能力開発局能力開発課長

 機構の職業訓練の対象といいますか、範囲については、これまで機構が行政改革の中で、どういったものを独立行政法人としてやっていくかという議論の経緯の中で、都道府県が実施できるものはなるべく都道府県にやっていただく、民間で実施できるものはできるだけ民間に実施していただくと。これまでそういった仕切りをさせていただいておりますので、例えば介護だとか、ビジネス経理だとか、そういったものは民間の専修学校、各種学校、あるいは民間の教育訓練機関がありますので、国としては今、都道府県を通じてそういった所に委託する形で進めております。

 その中で、ものづくり分野としてはなかなか民間で実施できないことが多いということ、都道府県との関係では地域的なもの、あるいは職種的なもので棲み分けをしながら進むところです。

 

○戸田構成員

2つほど、内容としては同じような内容なのですが、まず項目別調書の1-154ページですが、機構側の評価はAということで、なぜBではなくてAにしたのかという理由として、就職率が86.3%と高いと。高いと言っている基準としては、ほかの同等の都道府県の関連した職業訓練の就職率と比べて高いといった御説明だと理解しております。気になる点として、本当に比較できるのかというところです。例えば職業訓練の内容というところが、実際に内容が同じだったとしても、都道府県が実施しているものと国が実施しているもので、訓練のメニュー以外でもいろいろなところで違いがありますので、そういったところで本当に比較して高いと言っていいのか。そもそも比較できるものなのかというところについて、少し御説明いただければと思っております。

 もう1つ関連したことで、なぜBではなくてAなのかという質問なのですが、特に「定量的指標設定困難等」に○の付いている1-15から1-17については、機構の自己評価と主務大臣評価が異なっているわけですが、1-16に関しては機構側の説明を伺っていて、ある程度納得できたと。つまり、81ページの所で職業訓練のサポートの講習を幅広く実施されていて、それに対して役に立ったというパーセンテージは99%であるという意味で、そういった新たな取組がユーザーの方に評価されているという点を評価されて、BではなくてAにしたという説明は、そういう意味では理解できるのです。これは機構側に質問ですが、1-151-17に関して、自己評価をBではなくてAにされているのかというところについて、私自身よく納得できませんでしたので、追加です。同じような説明かもしれませんが、御説明をもう一度お願いできればと思います。以上です。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構企画部長

 御質問は2つあったかと思いますが、1つは訓練の関係で、県との比較可能性ということです。これについては、県と機構で訓練の中身なり、あるいは訓練生に関する就職支援の在り方とか、そういったところでいろいろな取組が、県によってはばらつきなどがある所もあるのだろうと思いますが、基本的には比較可能でないというものでもなかろうと思っておりまして、訓練の優れている所とか、あるいは就職支援について力を入れているといった所が差として表れていると、我々としては解釈をしているということです。

 自己評価について、特に1-151-17について、これは何でAなのか、何でAと評価したのかという御質問だったかと思います。1-15に関しては評定をまとめております。77ページで見ていただけます。1-15なり1-17については、その項目についていずれも定量的な指標が立っていないところです。そういった定量的な指標が立っていないところについては、私ども法人としての自己評価を定めるに当たっては、定性的な材料として優れたものはどんなものがあるのだろうかというのを取りあえず並べてみて、それでBが標準という新しい基準の中Aと主張できるかどうかというものを検討してみようではないかということで、議論させていただいたところです。1-15について申し上げれば、いろいろ書いてありますが、特にPDCAもしっかり回させていただいているということ、2段目の「厚生労働省の」という段落ですが、特に地域なり産業界といった所との連携については、今回は非常に強化した取組ができたのではないかといった点。それから、コースの開発とか、ここにも書いてあるような充足率、特に離職者訓練についてはかなり大きく昨年度の実績を上回っているといったこともあり、そういったことを全て並べて、Aと整理することも法人としては可能なのではないかということで、お出しさせていただいたという状況です。

1-17については、特にということで申し上げますと、評定と根拠をまとめたものは88ページですが、特に1段落目に書いてある、先ほど申し上げた障害者の雇用支援部門と能力開発部門が連携をして、一体となって取り組むという形で、支援・対応ガイドをまとめたものです。これはいわば法人統合を私どもとしてポジティブに受け止めさせていただいて、きちんと形になる成果を出したと。その成果も現場での活用という観点から、私どもとしてはかなり出来が良いものではないかということで、そういうシナジーに関するきちんとしたプロダクトができたというのが1つということです。あとは情報提供なり広報なりについても、先ほども御説明したように障害者施設とか能力開発施設、それぞれが縦割で事業の広報をするということではなくて、いわば一体として広報して、機構としては様々なメニューを地域に提供しているのだということを発信すると。そういう体制を作らせていただいたということは、ある意味画期的で、いわば優れた取組と評価していただけることもあるのではないかということ。それに加えて、コンプライアンスへのしっかりした取組を諸々勘案して、これについてはAということで自己評価させていただいたということです。何か具体的な明解な基準があるという世界ではないのですが、いろいろな材料を並べてみた上で、Bが標準と言われているところをAと言えるかどうかということを法人レベルでは議論させていただいたということです。

 

○高田構成員

1-16の求職者支援制度に関係してお伺いしたいのですが、全体に訓練の領域の評価が、所管課の評価も、しっかりやってくれてはいるのだけれどもということで、なかなかAにはならないという全体的な傾向だったと思うのです。この求職者支援制度は比較的最近のもので、しかも日本ではそんなに注目はされていないわけですが、ヨーロッパでは求職者支援のプログラムが非常に拡大しております。特にフランス、ドイツも最近はそうなっておりますし、スウェーデンやデンマーク等々もそうです。日本も労働市場の動いている方向としては全く同じ方向に進んでいるわけで、日本とヨーロッパの違いは失業水準が大きく違うということで、そういう意味で確かに現実の重要性という意味ではちょっと最重要だとは言えないかもしれないのですが、日本でも将来に向けてこれが非常に大きな問題になってくることは間違いないと思います。

 そういう先進的なプログラムについて、一方では製造業の訓練のように昔からやってきたものがだんだん縮小してくる中での仕事というのと両方あって、この職業訓練の分野は地味な評価になってしまうのです。しかし、そういう意義があるのだということも、しっかりと評価をしていきたい。もちろん点数に具体的に反映させるのはなかなか難しいことだと思います。だから、具体的な評価について問題提起をしたいということではないのですが、私はフランスで求職者支援制度の実務をやっている団体なども訪問してまいりましたが、フランスでも自分たちが21世紀の最先端のプログラムをやっているのだという意識はないのです。これは学者の評価だ、勝手な評価だと言われてしまえばそれまでではありますが、しかし21世紀のプログラムとして、とても重要なものだと私は認識しております。そういう意味で、点数は上がらないけれども、しかし重要なことをしているのだということは評価委員としてきちんと述べておきたい。そういうことで、質問というよりコメントですが、申し述べさせていただきました。

 

○職業能力開発局能力開発課長

 御指摘ありがとうございます。おっしゃるとおり、求職者支援制度は就労経験の余りない長期失業者であるとか、フリーター等の若者、非正規の若者とか、あるいは育児等で1回キャリアを離れた女性の職場復帰を目指すための訓練として非常に有用だと考えております。御指摘は有り難いお言葉ですし、機構としてもしっかりとした制度運営を実施していただいているところですので、そこは評価しております。今回の評価については、先ほど議論になりました定性的なものはBを標準とするという基準がありまして、所管課としてはBを付けたという状況です。

 

○今村主査

 今の1-16なのですが、これは「定量的指標設定困難等」の所に○が付いています。資料を見る限り数字が出ているのですが、これはどういう意味で定量的指標が困難と判断されたのか。ここに○が付いているのはどうしてだろう。見る限り数字がいっぱいありますよね。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構企画部長

 ここでいう目標というのは、法人側の捉え方ということで申し上げますと、例えば中期目標とか計画とか、そういった公式的にやると宣言しているものに目標値として数字が載っているものがあるかどうかということで、整理されるのではないかと思っております。したがって、先ほどおっしゃられた1-16でいろいろな数字が出てまいりますが、これらのものについては表向きの計画等には特に目標値等は書かれていないものです。そういう仕分けかと思います。

 

○柴田構成員

 私も同じなので、いわゆる定性的と言われたものが、もともと作られたときに120とかそういうことを想定していなかったからということなのだろうと思いますが、今後はきちんと定量的にできるようなもの、それも前々から先生がおっしゃっていた、それはアウトカムなのか、アウトプットなのかというところで、ちゃんと整理しながら作っていく、次回はそういう計画の出し方が大切だなというのを感じました。

 それと同じにこちらのほうになっても1-11から1-13に至っては120%になっていないのですが、所管課の説明も分かりやすかったかなという気がして、異議はないのですが、それよりも何よりも例えば90%とか100%に近いところに張り付いているものは、当初から120%は無理だというものについてどういう対応をするのかということを、あらかじめ決めておく必要があるのかと。だから、この新しい評価指針については、その辺のところは検討の必要があるなと思いました。

 それから、よく普通の民間の企業では、単に数値目標の120%とかというのではなくて、マイルストン型で例えば5年間とか3年間とかで、何年間かけてこの制度をきっちり作り上げますといったときに、1年目は5合目までやるというか、50%までやるとか。その5合目までやるところに困難もいろいろあって、そこまでやったら120%という評価ではなくて、マイルストンがここまでできて、困難性とか何々でこうだったみたいな感じで、定性的なマイルストン型の評価みたいなものもあると思うので、そこもきちんと見て、新たな指標として皆さんが目標を設定しやすいような指針を、もうちょっと検討する必要があるのかと思います。

 私のもう1つの希望は、私がこの評価をさせていただいた当初に比べると、一緒になったことの効果はものすごく出ていると思うのですが、今後、今日も障害者のほうの話と在職者の訓練の中で一緒にやったものがあるみたいなお話がありました。新しいものをしていくところは、両者が協力し合いながらやっていく必要があるので、コワークと言ったらいいのか、協働と言ったらいいのか、そういった協働プロジェクト件数を評価に入れて、一緒に研修を検討する機会、新しいコースを一緒に考える件数とか、そういうのを目標に立てておくと、自ずからやらなければいけないので、これについては一緒にやって、新しいコースを作って受講率も高めましょうみたいな感じのものを作っていくと、もっと一体化が進んでいくのではないかと思うので、それは御検討いただければと思います。

 

○政策評価官

 納付金の指標のように、99%という目標を定めたら、実績が100%を達成しても、達成度合いが120%を上回ることはないといった指標については、評価書の中に難易度について書いていただければ、120%を上回っていなくても、それをAとすることは可能であると思います。

 

○柴田構成員

 あとは先ほどお話があったように、それは質的な問題で必ずしも正しくないかもしれませんが、他類似機関に比べて何パーセント増だとか、何倍できているとかという可能性もあるので、幾つかエクスキューズができるような感じがいいかと思ったものですから。

 

○政策評価官

 定量的な目標設定とそれに対する評価を実施するという取組みは今年度から始まったことでもあり、工夫しながら、難易度の設定等と合わせて、きめ細かに対応することを法人所管課と相談していきたいと思います。

 

○今村主査

 是非よろしくお願いいたします。あとシナジーの目標設定については、どちらがよろしいですか。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構企画部長

 いろいろと御指摘いただいたところで、法人の立場からということで若干、評価の話をさせていただきますと、今回の場合には独法通則法改正前にできた目標なりを、改正法の下でできたルールにより捌くということで、我々も法人の立場としてもいろいろ悩みながら、自己評定等もさせていただいたところです。基本的には私どもの中期目標については、現中期目標が平成29年度までということになっておりますので、大きなフレームを変えるのはその次の目標となってくるかと思います。したがって、平成30年度以降が次期目標ということになりますが、それに向けて、もちろん厚生労働省のほうでもいろいろ検討していただけるということかと思いますし、我々のほうでも自分たちの成果を表せる物差しはどんなものがいいのだろうかといった辺りの議論は、今のお話も十分踏まえて、参考にさせていただきながら考えてまいりたいと考えております。

 

○志藤構成員

 今のお話にちょっと絡むことですが、シナジー効果というので、私も最初に参加させていただいたときに比べると、先ほどもおっしゃった岩手県のポスターなど、随分いろいろな取組をなさっておられます。3つか4つぐらいの組織が一緒になって、3,644人もの方を一緒に対応しようという風土を作ってこられたことは、本当に大変な御努力だったと思います。企業などが合併しても、なかなか風土とか気風が一緒になれずにという御苦労をなさっている中で、こういう御努力をなさったことに心から敬意を表して、それがますます進んでいくことを期待しつつ、逆に言うと厚生労働省のほうがそれを所管なさるところが局も分かれて、4つの課が関わっておられるということ自体が私はむしろ今となっては非常に奇異な感じがいたします。団体の評価とは関係ない話になってしまうかもしれませんが、本質的につながっていると思うので、ここで効率良く指導して、うまく運営してもらうためには、所管官庁のほうも効率の良い運営をしていかないといけないのではないかと思いましたので、そこが今、大変に僭越ながらですが、ちょっと違和感を感じたことをコメントとして申し上げておきたいと思います。以上です。

 

○今村主査

 今のことに関してですが、ちょっと付け加えさせていただきますと、例えば大きいほうの資料の155ページに主務大臣の評定のところがありますが、割と記述が一般的なのです。具体的にこういうことを所管課として期待することに関しては、法人側の資料に比べると、内容が少し抽象的すぎるというか、もう少し具体的にどういうことを期待するかなど書くべきではないかという印象を受けました。それから、柴田委員が先ほど御指摘されましたが、1-11から1-151-16ぐらいまでの説明と主務大臣の評価の記述は非常に詳しく具体的に書いてありますし、なおかつ指摘事項、業務運営の課題及び改善方向についても具体的に指摘されていると思います。ですから、先ほどの所管課が4つあるということもそうなのですが、読んでみると、どこの所管課が対応しているかによって、主務大臣の評定の記述もかなりばらばらになっていますので、こういった点も併せて今後御検討いただければと思います。そういう意味で、所管課のシナジー効果とは言わないですが、お互いの横の連携ができるのではないかと思います。是非そういう検討もお願いしたいと思います。ほかにはよろしいですか。

 それでは、次の事項に移ります。次は2-1から4-1です。業務運営の効率化に関する事項、財務内容の改善に関する事項及びその他業務運営に関する重要事項に係る項目別評定について、議論したいと思います。同様に法人及び法人所管課からポイントを絞って簡潔に御説明いただき、その後、質疑応答ということでお願いいたします。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構企画部長

 資料1-189ページからです。評価項目2-1、効果的・効率的な業務運営体制の確立、業務運営の効率化に伴う経費節減等です。

90ページは、管理部門の職員数の削減ですが、平成26年度は11名削減し、中期目標に記載されている統合後3年以内に、19名の削減という目標の達成をしたところです。また、地方組織の管理事務処理体制の一元化や地方施設の移設・集約化による借上げの解消等を行いました。

91ページは経費節減です。上段の一般管理費ですが、平成24年度と比べて、平成29年度までに15%以上の額を節減するという目標に対して、18.2%の節減を行っております。また、その下の業務経費についても、平成24年度と比べて、平成29年度までに5%以上の額を節減するという目標に対して、3.9%の節減を行い、目標達成に向け、着実に節減を図っているところです。

92ページは、契約の適正化です。随意契約事由の妥当性の確認、一者応札・応募の改善、競争性、透明性の確保に向けた取組を行いまして、下の棒グラフの所にあるように、競争性のない随意契約の件数は395件、一者応札、一者応募となった契約の件数は244件となっているところです。

93ページ、この項目の自己評定はBとしております。

 

○職業安定局雇用開発部雇用開発企画課長

 主務大臣の評価の関係は、資料1-2165ページです。主務大臣の評定は、機構の自己評定と同じBということですが、評定に至った理由ということで、本部管理部門の職員数のスリム化に取り組むという中期目標を達成したということ。

 それから、地方組織において、管理事務処理体制の一元化を行ったこと。地方施設の移設・集約を進めているということ。契約においても、原則として、一般競争入札等によることとし、随意契約の適正化を推進し、一者応札等の改善を着実に実施していることを踏まえ、中期目標における所期の目標を達成しているというように評価できるということでBとしました。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構企画部長

 資料1-194ページは、評価項目3-1の財務内容の改善に関する事項です。

95ページは、予算額の節減を図るとともに執行面においても、独立行政法人会計基準に従い、適正に処理を行い、運営費交付金債務の要因を分析し、効率的な執行を図りました。

 また、下段の不要財産等の処分については、職員宿舎は既存の計画に基づいて30件の処分を行うとともに、計画したもの以外にも、更に12件の処分を行いました。

96ページは、雇用促進住宅の譲渡・廃止です。雇用促進住宅は、平成33年度までに譲渡・廃止を完了するため、入居者付きでの民間事業者への売却促進を図り、また、複数の物件をまとめて販売する「バルク販売」を初めて実施いたしました。

97ページ、この項目の自己評定はBとしております。

 

○職業安定局雇用開発部雇用開発企画課長

 主務大臣の評定は、資料1-2173ページです。主務大臣の評定は機構の自己評価と同じBとなっております。その理由としては、中期目標に基づく平成26年度予算を作成し、その予算の範囲内で適正に執行していること。職員宿舎について順調に処分が進められていること。高度職業能力開発促進センターの土地について、売却に向けての手続が着実に実施されていること。雇用促進住宅についても、平成33年度までに処理を完了するための手続が順調であるということです。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構企画部長

 資料1-198ページは、評価項目4-1、その他業務運営に関する重要事項ということで、主に人事に関する内容となっています。

99ページは、人件費節減の取組です。平成24年度と比べ、平成29年度までに5%以上節減するという目標に対して、3.6%の節減を行いました。

 中段の給与に関しては、国に準じた給与制度の運営を行い、ラスパイレス指数は、中ほどの黒枠のとおり、102.2となったところです。国に比べ指数が高くなっていますが、これは、大卒以上の職員の占める割合が高いこと。職員宿舎の廃止を進めていることや全国規模の異動が多いことに伴い、住居手当の受給者割合が高くなっていることなどによるものであり、俸給・諸手当の支給水準は国に準拠したものとなっております。大卒以上の割合が高いことを考慮した年齢・学歴勘案の指数は、98.6ということで、国を下回っています。

 下段については、効率的かつ効果的な業務運営のため必要な人材の確保や研修の実施、利用者ニーズに的確に対応するための適正な人員配置を行ったものです。

100ページ、この項目の自己評定はBとしております。

 

○職業安定局雇用開発部雇用開発企画課長

 主務大臣の評定は、資料1-2181ページです。主務大臣の評定はBということですが、機構の自己評価と同じになっております。評定に至った理由ですが、人件費について5%以上の削減という目標を掲げておりますが、平成24年度から平成26年度の3年間で3.6%ということで、着実に削減が行われているということ。必要な人材の確保のため、積極的な募集活動が行われていること。こういうことでBの評価をしています。

 

○今村主査

 ただいまの説明の事項について、御意見、御質問等がありましたらお願いいたします。

 

○宮崎構成員

92ページの随意契約状況の資料で、平成23年度で見ると、旧統合前の高・障機構よりは能開機構の随意契約が多いのだと思うのですね。トータルではこの3年間で減ってきていると思いますが、特に旧能開機構のものが随意契約が多い要因として、土地、建物の賃借のように、どうしても随意契約にならざるを得ないようなものが業務内容的に多いのか、どういった要因でこの数が多いのかというところを御説明いただければと思います。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構経理部長

 契約に関する競争性のない随意契約の件ですが、旧能力開発機構の部分でご指摘のとおり、やはり土地・建物借料に関する随意契約は相手が特定されますので、そういった部分で多くならざるを得なかったということがあげられます。

 

○宮崎構成員

 もう1点は、財務内容の改善の3-19697ページですが、雇用促進住宅を平成33年に売却するという方針が決まっているので、売却を進められているということなのですが、96ページを見ると、特に東北地方の震災があったような地方公共団体の地域から比較的に貸与の要望があるとか、いろいろなことが書いてありますが、1点検討はしたほうがいいのかと思うのは、バルクで売却の取組をされている記載ですが、要は、単独で売却する際には値段が付かない。ないしは買い手がいないということだと思いますので、そういったものを金額が付かない形で抱き合わせにして、引き取ってもらうということが、ある意味本当にいいのかということがあって、閣議決定に従うという意味では、目的を達成するためには確かにそうなのですが、他方で、その金額的に、ただで渡すような形に近いと、国の財産ですので、金銭的には逆に言うと、余り国に貢献しない形になる部分もありまして、恐らくそこが運営が不採算で、持っていても赤字だから引き取ってもらったほうが損得として得なので、バルクなのだ。ないしは、取り壊す費用まで見込むと、実際のところ収支がマイナスなので、これは、もうバルクなのだという、何か判断されていればよろしいのですが、そこが御説明の中でちょっと見えていない部分がありまして。

 あとは、雇用促進住宅に関しては、10年間、引き続き入居者を維持するとか、いろいろな制約、賃料を維持するとか、制約を掛けて売却をされるので、恐らく引取り手が、なかなか見付からないのだと思いますが、そこも個人的にはちょっと違和感がありまして、用途制限がなければ、高く売れるはずのような気もするのですね。国の財産であっても。そこを用途制限を自ら掛けた上で、かつ時期を決めて平成33年までに売りましょうとやると、それは安くしか売れないという結論にもなりかねませんので。逆に入居者を維持するのであれば、転居先をしっかり見付けるというところで、現状の入居者への配慮というのは機構の責任の中でしっかりやっていくべきですし、その役割を終えたのであれば自由に用途制限なく売るべきだと思いますし、そこが混ざった中で時期だけが決まっていますので、これは損失というか、ただのような形で本当に渡すのが正しいのかというのは、平成33年はまだ次期中期以降の話でもありますので、そこは、もう少しよく考えていただいて、本当に取り壊すとか、運営の収支で見て、これは不採算だからバルクなのかは、もっとよく吟味いただいたほうがよろしいのではないかと思います。それは是非、検討いただければと思います。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構住宅譲渡部長

 バルクは、平成26年度に1セットのみです。1つは東京の土地で、残りは別な県の所ですが、そこは言われるように、1度単体で売買を掛けてみて、それで駄目だったものなのですね。このままですから、言われるように持っていても、そのまま税を払うだけで、また管理費だけ払わなければいけないので、これは何とかしなければいけないということで、やるときにバルクと言っても、本来、全部足して、それに割引率を掛けてというのがありますが、今回はセット売りをしたというだけで、本来言われるようなバルクという手法ではないです。

 今後は平成33年までの間というのは、平成19年からあって、トータルで15年ぐらいかけてという絵だったのですが、当時にリーマン・ショックとか、東日本大震災で止まったのがあったので、今回民間の開放があって、今、新たにいろいろなことを考えつつ、やっているところです。言われるように、無駄な売り方とか、国に1円でも損させないようなやり方で最後の売買は考えております。

 

○今村主査

1つだけ確認というか、チェックです。99ページの真ん中の給与水準の検証の所で、ラスパイレス指数が0.9ポイント増と、それから、給与水準が国に比べると高くなっている理由として、職員宿舎の廃止による住居手当の支給と書いてありますが、当時の議論として、職員宿舎を廃止するということは、市場水準以下の価格で宿舎が提供されていて、その住居費が安くなっているという議論が当時あったと思いますが、そうすると、国に比べてというのは、そういう意味では、全体でそういう職員宿舎をなくしている中で、機構だけの特別な理由なのか、ということですね。つまり、国と比べてどうこうというときに、機構が非常に熱心に職員宿舎の廃止に取り組んでいるから、こういうことが顕在化したというような解釈で、ここの文章の読み方がよく分からないのですけれども、国に比べてという理由ですね。これは民間に比べて高いということであれば、先ほど言ったように潜在的な市場価格以下の住宅価格が顕在化して、コストとして賃金コストに反映してきたというようには解釈できる。これは国との比較なので、そこはどうなっているのか簡単に説明していただければ。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構総務部長

 まず実態として、国家公務員の住居手当の受給者の割合が18%、機構の場合は56.6%で、かなり高くなっております。

 宿舎の見直しですが、国家公務員についての職員宿舎の見直しと、足並みをそろえる形で独立行政法人についても宿舎の見直しが行われていまして、国の定める方針に従って機構の場合、155件の宿舎を廃止をするという計画が平成2412月に定められています。これに従って宿舎の見直し、すなわち、宿舎の廃止をして、職員がその宿舎から出て行くような取組をしています。

 その結果、先ほど機構職員で住居手当を受けているのが56.6%と申し上げましたが、平成26年度が56.6%で、前年の平成25年度は49.0%でした。国も16.8から18.0%にと僅かに増加しているようですが、機構の場合はもっと増加となっています。

 このように国の方針に従った宿舎の見直しの中で、住居手当の支給が増えているということを1つの要因として、ラスパイレス指数が上がってきているという実態はあります。ただ、給与の仕組みや住居手当の額については、機構の給与制度の中では国家公務員と同様の仕組みになっておりますので、何か給与が高いとか、そのようなことではなく、同じ仕組みの中で受給率が増えていることによって、こう変わっているというものです。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構理事長代理

 若干、補足すると、基本の仕組みは国と同じということは今の総務部長の説明のとおりです。機構職員で職員宿舎に入居して何年経過に到達したものから出てもらうというルールを決めました。これが平成24年度だったのですが、その適用第1号が出始めたのが、平成25年度末です。そうすると、その人は平成26年度から宿舎を出て、その住居手当をもらうように変わると。そこのところで、平成26年度分はどうしても跳ねが起きたわけなのです。では、これ、1回だけで済むかというと、平成27年度においても満年限に達して出る者が出ますので、結局、当分の間、安定的にという言葉は変ですが、機構の宿舎から出て、民間の住宅に入る人が一定数出続けますので、その点では国との比較のルールは同じなのですが、その期間を乗り切る間は多少高めにぶれるということは、起こり得るという点は御理解いただきたい。

 

○今村主査

 分かりました。いかがでしょうか。それでは以上で、この件に関しては終わらせていただきます。

 次に、監査報告になります。まず、法人の監事より、業務の監査結果等を取りまとめた監査報告について説明いただくとともに、監査等を踏まえた現在の法人の業務運営の状況や今後の課題、改善方針等についてコメントをお願いしたいと思います。最初に事務局から、法人の監事及び監査報告について説明をお願いします。

 

○政策評価官室長補佐

 法人の監事については、法人の適切な業務運営の確保等に資する責務を負っております。このため、監事が監査等において、把握した業務の運営状況等について直接意見を聴取する機会を設け、主務大臣による評価に資するよう、本日は通則法に基づき作成されます監査報告について御説明をいただくとともに、コメントを頂くこととしております。よろしくお願いいたします。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構監事

 では、資料1-4を御覧ください。1ページの下のほうの2、監査の結果です。まず1、業務が適正に実施されたか等については、全体としては法令等に従い、適正に実施されていると認められました。その上で、今後一層、効果・効率的に業務を実施するための留意点として5点挙げました。

2ページです。1点目は、地方組織の一元化が完了し、今後は効率的な業務処理に務めることが必要である。2点目は、次期中期目標期間に向けて、引き続き確実な目標達成が重要である。3点目は、高年齢者雇用アドバイザーによる効果的な相談・援助を強化する。4点目は、地域障害者職業センターの存在感を高めていく。

3ページ、5点目は、嘱託職員を含めた一体感のある業務の遂行が望ましい。といったことです。

2の内部統制システムに関しても、特に指摘すべき重大な事項は認められませんが、機構として今後、更に取組を進めるべき事項として、4点挙げました。1点目は、コンプライアンス意識の向上と浸透への取組。2点目は、情報システムに対する攻撃への対応。

4ページ、3点目は、支部等における迅速かつ効果的な広報活動及び情報提供。4点目は、継続的な債権管理です。

3の役員の不正等については、重大な事実は認められておりません。

4の財務諸表等に関しては、会計監査人から監査状況について報告を受け、会計監査人の監査方法及び結果は、相当であると認めております。

5の事業報告書は、機構の状況を正しく示しているものと認めております。

 最後に、3の閣議決定において定められた監査事項について、1点目は、給与水準の状況、理事長の報酬水準は、いずれも適正であると認められます。

5ページの2点目は、入札と契約の関係ですが、随意契約、一者応札とも、必要な改善に取り組みまして、件数、金額とも平成25年度よりも減少しています。3点目、保有資産の見直しに関しては、職業能力開発総合大学校の相模原キャンパスの跡地について、地元、地方公共団体との間で売却手続を進めているほか、記載のとおりの処分等がなされました。以上が、平成26事業年度の監査報告です。

 今回の監査を通じ、全体を見ると、全役職員が目標達成に向けて努力していると評価できます。その一方で、コンプライアンスの重要性の認識は業務実施の大前提ともなるものですから、職員のコンプライアンスに関する意識の向上、浸透度合いについて、今後更にレベルを引き上げることが監事としては望ましいと考えております。以上でございます。

 

○今村主査

 ありがとうございます。続いて、法人の理事長より、日々のマネージメントを踏まえ、現在の法人の業務運営の状況や今後の課題、改善方針等についてコメントを頂ければと思います。よろしくお願いいたします。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構理事長

 平成26年度の業務実績については、先ほど来、企画部長の説明のとおり、順調に目標を達成するとともに、過去最高の実績となったものも多数ありました。

 平成27年度についても、引き続き、積極的な業務運営に努めてまいりますが、今後の課題等を高、障、求の3つの分野ごとにポイントのみを申しますと、まず「高」の部分は、高年齢者雇用支援事業ですが、先ほど来もお話が出て、約500名おります高年齢者雇用アドバイザーの更なるスキルアップを図り、高年齢者雇用安定助成金の周知・広報も、より効果的に行うことにより、年齢に関わりなく働ける企業の一層の拡大を図ってまいりたいと考えております。特にアドバイザーについては、先ほど高田委員からもお話がありましたとおり、65歳まで希望者全員が継続雇用できるという一定の政策目標は達成されたというように理解して、つまり、98%の企業が、この法的なスキームを満足させているという状況にあり、そういう状況を踏まえて、更に65歳を超えて生涯現役、70歳を超えて働けるような会社を目指す取組を、より強力にアドバイザーを通じて支援をしてまいりたいと考えております。

 「障」の障害者雇用支援事業ですが、これも少し出ましたが、平成30年度から法定雇用率の算定基礎に精神障害も加えられるということも踏まえて、特に精神障害、あるいは発達障害をお持ちの方について関係機関との連携も強化しながら支援の一層の充実を図ってまいりたいと思っております。

 また、これも企画部長から説明がありましたが、障害者雇用納付金の適用対象事業主が今年度から200人超の事業主から、100人超の事業主に拡大され、対象企業の数で申し上げると、約21,000社だったものが、トータル5万社を超えるという状況になったわけです。したがって、私どもとしては、お話がありましたとおり、この適用対象事業主に対して引き続き個別訪問等による丁寧な周知説明を行って、制度理解の促進を図ってまいりたいと考えております。

 「求」の部分の職業能力開発事業については、円安基調という中で、海外に出て行った、特にアジアですが、企業が日本に戻って来るという現象が見られるようになったという理解をしております。製造拠点を国内に戻す動きです。ということですので、私どもとしても、事業主のニーズにマッチした更に質の高い職業訓練を実施してまいりたいと思っております。そして、離職者の早期再就職に向けた訓練と、それから、ものづくり産業の基盤を支える高度な人材育成というものに、これまで以上に寄与をしてまいりたいと考えております。

 これも先ほど来、御評価をいただきましたが、法人統合による高と障と求のシナジー効果の発揮。先ほど柴田先生から協働プロジェクトというお話も出ましたように、そういったことも含め、現に今回、協働プロジェクトをやったわけですが、そういったものを拡大しつつ、各方面のニーズに対して、より高いレベルで対応していけるよう役職員一丸となって、全力で取り組んでまいる所存でございます。以上です。

 

○今村主査

 ありがとうございます。ただいまの法人監事及び法人理事長の発言内容について、御意見、御質問等がありましたらお願いいたします。よろしいでしょうか。

 最後に、項目別評定におけるこれまでの議論や、ただいまの法人の監事及び理事長の発言などを踏まえて、法人全体の状況について評価する総合評定の議論に移ります。それでは法人所管課より、総合評定の説明をお願いします。

 

○職業安定局雇用開発部雇用開発企画課長

 資料1-22ページを御覧ください。項目別評定についてはA10項目、B10項目であること。ただ、全体の評価を引き下げる特段の事象もなかったということで、評価基準に基づき、全体の評定をAとしました。

 法人全体の評価としては、定量的指標により目標が設定されているものについては、全て目標を達成するとともに、高齢者雇用に関する相談・援助実施件数が目標を大幅に達成していること。それから、障害者のうち精神障害や、発達障害等他の就労支援機関では支援が困難な障害者に対して、積極的に支援を実施して高い実績を上げているということ。それから、離職者訓練、高度技能者養成訓練、在職者訓練において、中期目標における所期の目標を上回っていること。こういった点が高く評価できると思っております。

 なお、定量的指標が設定されていないものについても、新たな取組等を積極的に行い、効果的・効率的な業務運営が図られたものという評価をしております。

 また、特に重大な業務運営上の課題は検出しておらず、全体として順調な組織運営が行われているものと評価をしております。

 項目別評価における主要な課題を挙げると、1点目として、今後も生涯現役社会の実現に向けた取組がより重要となり、高年齢者雇用の増加に伴い、相談・援助ニーズは、ますます高まっていることから、効果的な相談・援助や啓発・広報活動の充実を図るとともに、業務の更なる質の向上に向けて取り組む必要があるということ。2点目として、障害者雇用促進法の改正により、平成284月に施行される雇用の分野における障害者に対する差別の禁止及び合理的配慮の提供義務、平成304月に施行される法定雇用率の算定基礎への精神障害者の追加を踏まえ、精神障害者及び事業主に対する就労・定着支援の一層の充実を図る必要があること。3点目として、離職者訓練の就職率や充足率等については、前年と比べて好調となっておりますが、施設や訓練コースごとの就職率や充足率等に、ばらつきが見られ、特に低調な施設等については、改善に向けた対応が必要であること。また、効果的な職業訓練の実施に向けて、訓練コースや定員の在り方等について、引き続き不断の見直しが必要であること。4点目として、内部統制の充実、強化について、引き続き取り組む必要があることというように考えております。以上でございます。

 

○今村主査

 ありがとうございます。項目の数がABで同数で、最終的にAということになるわけですが、その辺もよろしいでしょうか。今の説明でAの中でも、Aは特に質の高いAだということです。それから、従来Aであったものが、今回はBになったりということもありますので、全体として同数であるけれども、Aにしたいということで、それでよろしいでしょうか。どうもありがとうございます。

 それでは以上で、本日の議事は終了いたします。最後に法人及び法人所管課より、一言頂ければと思います。まず法人からお願いいたします。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構理事長

 本日は、大変多岐にわたり、分量の多い業務実績について御審議をいただき、また貴重な御意見を賜り、誠にありがとうございました。これらを踏まえて、中期目標を達成できるように、より一層効果的・効率的に業務を進めてまいりたいと考えております。今後とも御支援、御指導のほど、何とぞよろしくお願い申し上げます。

 

○今村主査

 ありがとうございました。次に、法人所管課にお願いいたします。

 

○職業安定局雇用開発部雇用開発企画課長

 本日は、有識者の皆様より、貴重な御意見を賜り厚く御礼を申し上げます。頂戴した御意見等は、検討をさせていただき、必要な評価書の修正等を行った上で、評価を確定してまいりたいと思っております。今後とも、機構の適切な事業運営と、業務の質の向上に向けて取り組んでまいりますので、御指導のほど、よろしくお願い申し上げます。以上でございます。

 

○今村主査

 ありがとうございました。ただいまの御発言にありましたが、法人所管課におかれましては、構成員の皆様から本日頂きました御意見等を踏まえ、評価書の内容の修正等について御検討いただき、内容の最終的な確定をよろしくお願いいたします。

 それでは、事務局から今後の流れと、次回の開催の連絡をお願いします。

 

○政策評価官室長補佐

 今後の流れは、本日御議論いただいた高齢・障害・求職者雇用支援機構の平成26年度業務実績評価については、この後、本WGにおける御意見や、法人の監事及び理事長のコメント等を踏まえて、厚生労働大臣による評価として決定し、その評価結果について、法人に通知するとともに、公表させていただきます。決定した内容については、後日、構成員の皆様にもお送りします。よろしくお願いいたします。次回の開催は、事前に御連絡させていただいているとおり、当初の開催予定日時を変更し、821日の金曜日の9時半からを予定しております。場所は、中央労働委員会の7階の講堂です。議題としては、本年度が中期目標期間の最終年度に該当する労働安全衛生総合研究所の中期目標期間見込み評価に加えて、当該の評価の結果を踏まえて、作成することになる業務・組織全般の見直し内容についても、併せて御意見を賜ることとしております。最後に、本日配布した資料の送付を御希望される場合は、前回と同様に机上に置いたままにしていただき、御退席ください。事務局からは以上でございます。

 

○今村主査

 それでは、本日は以上とさせていただきます。3時間という大変長丁場の中、法人及び法人所管課、関係各位、構成員の皆様の御協力で、何とか時間どおりに終えることができました。どうもありがとうございます。御苦労さまでございました。


(了)

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