ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 社会保障審議会(年金事業管理部会)> 第12回社会保障審議会年金事業管理部会議事録(2015年8月6日)




2015年8月6日 第12回社会保障審議会年金事業管理部会議事録

○日時

平成27年8月6日(木)13:30~15:30


○場所

厚生労働省12階 専用第14会議室


○出席者

増田部会長、大山部会長代理、石井委員、岩瀬委員、金田委員、喜田村委員、斎藤(聖)委員、齋藤(衛)委員、椎野委員、西沢委員、西村委員、原委員、藤井委員、安井委員、山口委員

○議題

(1)日本年金機構における不正アクセスによる情報流出事案について
(2)障害年金制度の運用に関する対応状況
(3)管理部会で今後取り上げるべき論点等
(4)その他

○議事

○藤原参与 定刻より少し早いですが、ただいまより、第12回「社会保障審議会年金事業管理部会」を開催いたします。

 委員の皆様におかれましては、御多忙の折、お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。

 まず、前回部会の前に新たにお加わりいただいた委員で、前回御欠席であったため、今回が初めての御出席となる委員がお二人いらっしゃいます。恐縮ではございますが、お名前のみで御紹介させていただきます。

 まず、齋藤衛委員でいらっしゃいます。

 次に、藤井委員でいらっしゃいます。

 次に、今回から新たに1名の運営担当参与に事務局に加わっていただいておりますので、御紹介させていただきます。

 株式会社インターネットイニシアティブサービスオペレーション本部セキュリティ情報統括室の小林様でいらっしゃいます。

 次に、委員の出席状況ですが、本日は、磯村委員及び松山委員が御欠席でございます。

 それでは、議事進行につきましては部会長よりお願いいたします。

 恐縮ではございますが、カメラにつきましては、ここまでで御退室をお願いいたします。

 

(カメラ退出)

 

○増田部会長 それでは、議事次第に沿って進めてまいります。

 まず、1つ目の議題であります「日本年金機構における不正アクセスによる情報流出事案について」ということであります。前回の部会で各委員から出された宿題と、それから、「システム刷新」についての状況を初めに事務局の方から説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

 

○梶野年金事業運営推進室長 年金事業運営推進室の梶野と申します。

 それでは、資料1-1を私の方から説明させていただきます。この横紙ですけれども、「日本年金機構の業務執行の在り方の見直し(案)」ということでございます。

 ここに書いてございますように、今回の不正アクセスによる情報流出事案において重要な情報が年金機構から年金局に報告されていなかったという問題を踏まえまして、再発防止や厚労省の監督指導の強化、年金機構の内部統制の強化といった観点から、年金機構の業務執行の在り方とかを抜本的に見直して、当面次のような措置をとるということでございます。

 1番ですけれども、「年金機構の業務執行の再点検等」ということで、(1)「基本方針」等の見直しと書いてございますけれども、まず、この資料の下半分の(参考)というところをご覧いただいて、年金機構では、いろいろ規定を定めておりますけれども、上位のところから申し上げると、「基本方針」が7つ、「規程」65、「細則」32、「要領(マニュアル等)」が168ということで定めています。(1)では、これらについて機構の内部統制を強化する観点から、改めて、年金機構、それだけではなく、年金局においてもチェックし、必要な見直しを行うということを書いてございます。

 それで、下の(参考)に戻りますと、上から2番目の「規程」とか「細則」とかですけれども、平成26年だけでも、制定1件とか改正50件とか、「要領」までを足し上げると、制定、改正で300件近くしております。その下に「指示・依頼」ということで、年間約1,500件ぐらい指示・依頼を出しているということでございます。

 次のページでございますけれども、(2)ということで、こういった「規程」の改廃、「指示・依頼」の発出等について、事前調整をルール化するということです。これは年金機構から年金局への報告体制の見直しということでございます。年金局に、これらの制定・改廃する場合には、事前に協議するものとして、その範囲や手順等についてルールを定めるということでございます。2つ目の○でございますが、そのルールに基づいて事前協議が適正に行われているかどうかチェックする。それから、上記による協議は、機構本部経営企画部を通して行うということでございます。

 それから、(3)ですけれども、「事件・事故・事務処理誤り」全件の事前報告のルール化ということで、これも報告体制の見直しの一環でございます。こういった「事件・事故・事務処理誤り」について、年金事務所からまず機構本部の品質管理部に報告がございますけれども、その報告があった時点で、品質管理部は当該報告を年金局担当部署にも報告するということでございます。

 それから、「2 事務処理誤りの情報開示の見直し」ということで、この事務処理誤りですけれども、機構本部の品質管理部は、これが「個別報道発表案件」に該当すると判断した場合は、事務処理の完了を待たずに公表するわけですけれども、それを年金局担当部署に相談しているというのが現状です。

 年金局は、その相談を待たずとも公表する必要があるという案件については、年金局の方でも品管部に対して速やかに公表するよう指示するということで、年金局も関与していくということでございます。

 それから、3枚目ですけれども、「モニタリングについて」ということで、上記に加え、さらに、年金機構の業務運営が適正に機能していることを監視するため、本省の職員を機構本部に恒常的に常駐させるなどのモニタリングの仕組みを検討する。その際、一部の民間企業で採用されている例とかも参考とするということを書いてございます。

 資料1-1の方は以上です。

 

○峯村日本年金機構経営企画部長 日本年金機構経営企画部長でございます。

 続きまして、資料1-2について説明させていただきます。この資料は、前回の部会におきましてお客様への説明誤り2,449件の報道発表資料について御説明した際に、経緯についてもう少し詳しくまとめてお示ししてほしいという御意見がございましたので、経緯についての補足という形でまとめたものでございます。

 6月12日でございますけれども、まず、お詫び文書の送付対象者を確認する作業の中で、理事長から、相談内容を確認するよう指示があったところでございます。

 翌6月13日に、相談内容を確認したところ、一部説明に誤りがあったケースが判明した。

 翌6月14日、日曜日でございますが、基礎年金番号の流出した方につきましては、その基礎年金番号を入力すると窓口装置に表示が出る仕組みになってございます。アラート表示と申し上げておりますけれども、これが一部ついていない方がおられるということが判明いたしまして、その対象者を特定して、約10万件でございますが、アラート表示を付加したということでございます。

 6月15日に、アラート表示漏れの概要につきまして、理事長・副理事長に説明を行うとともに、説明誤りをした方の確定作業と、その方への個別訪問をして説明・謝罪を行うこととしたところでございます。

 6月22日からは、2情報・3情報が流出したお客様に対するお詫び文書の発送が開始されております。

 6月25日に、本部から年金事務所に対しまして、説明誤りをした可能性のあるお客様の機械的に抽出したリストを送付したところでございます。

27日から、各年金事務所で個別訪問をお詫び文書を持って開始したということで、実際に事務所で説明誤りがあったことが確認できた方について個別訪問を開始していったということでございます。

 7月3日におきまして、各年金事務所で確認作業、個別訪問、その結果を本部でとりまとめまして、説明誤りをした方の人数は2,449名であることを事務的に確認したところでございます。

 7月6日、年金局に対しまして、この説明誤りについての概要を報告しました。

 これが一連の経緯でございます。

 それから、資料1-3でございますが、不正アクセスにつきまして、6月1日に記者発表した後に専用のコールセンターを設けまして相談内容を受け付けてきたところでございますが、その相談内容についてとりまとめたものでございます。

 基本的に相談内容につきましては、ほとんどが、自分が情報流出の対象かどうかということを伺う、そういう確認をするという内容のものでございまして、その流出対象の確認以外の照会内容、御意見につきましては、6月から7月の末日までの概要につきましてまとめさせていただいております。

 6月の当初につきましてはさまざまな意見が寄せられておりまして、機構における責任の問題、それから、情報管理の徹底の御意見、コールセンターの応答率が当初なかなか低かったということを踏まえまして、コールセンターの体制に対する御意見、それから、この関連の一連の対策に係る費用についての、要は機構側で負担すべきだといった御意見が主に寄せられていたところでございます。

 6月10日過ぎ以降になりますと、徐々にそういった御意見は少なくなってきておりまして、主に繰り返し意見として出されておりますのは、1つは、基礎年金番号の変更について、その時期ですとか内容について教えてほしいというもの、それから、やはり費用について国民に負担を負わせるのはいかがかという御意見が主に寄せられていたところでございます。

 7月の半ば過ぎからは、特段特記すべき事項がない状況が続いてきている状況でございます。

 最後のところにお示ししてございますのは、表でコールセンターの状況ということでございますが、総呼数で申し上げますと、6月1日は夜しかコールセンターの時間がなかったわけでございますが、6月2日から一連の総呼数についてお示ししてございますが、ピーク時で、2日、13万件近い総呼数があったわけでございますけれども、その後、7月に入りましてから、特に1,000件を下回る状況が徐々に続いておりまして、7月の最終週1週間は大体500件、600件前後というような形で総呼数が続いております。応答率につきましては、大体9割近い応答率で現在とれているという状況でございます。

 それから、資料1-4は「日本年金機構のシステムの運営体制」についてまとめた資料でございまして、機構のシステム、左側に書いてございます。まず、LANシステムにつきましては、運用管理は株式会社NTTデータが行っているところでございます。それから、基幹システム、年金の給付に関するシステムと記録管理システムそれぞれあるわけでございますが、基幹システムのうち年金給付に関するシステムにつきましては、株式会社日立公共システムが運用・管理を行っております。また、記録管理システムと基礎年金番号の管理システムにつきましては、運用・管理、アプリ保守、ハード保守につきましては株式会社NTTデータが行っております。オペレーションということで、例えば立ち上げや終了の処理でございますとか、あるいは要件に基づいて抽出を行うといった業務につきましては株式会社NTTデータ・アイが担当しているというところでございます。

 次の資料は前回お示ししたシステムのイメージ図でございますので、説明は割愛させていただきます。

 その他、資料では今回お示ししておりませんけれども、いくつかの宿題事項として挙げられた事項につきまして口頭で、恐縮でございますが、回答させていただきます。

 まず、岩瀬委員の方からお話があった件でございますが、7月6日に説明誤りについて報道されたところでございますけれども、それまでの間に理事長、副理事長は何回大臣室に入っていたのかといったことでございますけれども、7月6日前の約3週間の間、衆議院、参議院の厚生労働委員会、複数回開かれておりまして、その際に理事長、副理事長が厚生労働大臣に答弁内容についての説明を行ったことがございます。

 それから、大臣室に年金局が行う説明に数回同席したことがございますけれども、日本年金機構単独で大臣室に理事長、副理事長がお伺いしたことはございませんということでございます。

 それから、これは西村委員からお話があった件で、基礎年金番号の変更に伴う業務や関係方面に関する影響はどの程度なのかということでございましたけれども、現在、年金機構から基礎年金番号を提供している主な機関といたしましては、企業年金連合会、国民年金基金連合会、各共済組合、各市区町村などがございます。これらの機関等に対しましては、変更後の基礎年金番号を御提供する予定としているところでございます。提供方法や提供の時期、提供する対象者につきましては、現在検討中であるということでございます。

 また、前回の部会の後に、今回の部会の資料の御説明、事前の御説明の際に岩瀬委員の方から確認の意見がございまして、説明誤り2,449件の件につきまして、定例の事務処理誤りということで処理したことについての経緯、あるいはその意思決定の内容についてお示ししてほしいということでございましたけれども、この2,449件の説明誤りの件につきましては、説明誤りのあったお客様への御説明やお詫びを優先しまして、状況を整理の上、7月末の定例報告の機会に合わせて発表を行うという判断をしたところでございます。

 公表の在り方につきましては、機構内で話し合い判断したものでございまして、話し合った際のメモ等は存在していないということでございます。

 私からの説明は以上でございます。

 

○山崎システム室長 事業管理課システム室長、山崎でございます。

 資料2、「システム刷新」の状況について御説明いたします。

 1枚おめくりいただきまして、「基幹システム刷新に係るこれまでの経緯」でございます。業務・システム最適化計画につきましては、全省庁統一的な取組として、簡素で効率的な政府の実現に向けて取り組んでいるところでございますが、年金業務におきましては、平成18年3月、業務・システム最適化計画を策定したところでございます。業務とシステムの全般的な施策をまとめたものでございますが、その中で、記録管理システム、基礎年金番号管理システムのオープン化を実施するということにされております。平成18年8月に基本設計に着手したところでございます。

 その後、平成19年、年金記録問題の発生、22年、年金機構の設立といったこと等が影響しまして取組が遅れているところでございますが、平成2210月に、基本設計補完工程に着手いたしました。これは、総務省年金記録問題検証委員会等の御指摘を踏まえまして、業務プロセスの見直しを反映するため、基本設計の補完工程を22年度から25年度にかけて実施したものでございます。

 詳細設計以降については26年度から実施しているわけですけれども、詳細設計の実施に当たっては、政府CIO、内閣情報通信政策監に御相談し、指導を受けながら進めているところでございます。

 平成26年6月に、業務・システム最適化計画の改定を行い、26年8月からフェーズ1として統計・業務分析の開発に着手、それから、2610月からは経過管理・電子決裁のサブシステムの開発に着手したところでございます。

 6ページに全体のスケジュールがございますので6ページをお開きいただきたいのですが、18年度に、今、御説明した基本設計を完了したところでございますが、それ以降、基本設計補完工程1、基本設計補完工程2という形で順次行っているわけですけれども、基本設計補完工程1というのは業務ソフトウェアの補完工程で、補完工程2というのがアーキテクチャー設計等の補完工程でございます。当初、基本設計補完工程1と2を並行して行ったわけですけれども、この基本設計補完工程2につきましては、受託者の役務範囲の認識誤りということで、成果物を納入する意思がないため契約を解除したというようなこともございまして、再調達を行うという経緯から遅れてしまったという要因もございます。そういう面で、基本設計の補完工程が22年度から25年度にかけて時間がかかってしまったというような要因でございます。

26年度からフェーズ1、各制度共通の事務処理機能、経過管理・電子決裁サブシステム、統計・業務分析等サブシステム、これの開発を現在行っているところでございます。これにつきましては29年1月に稼働するという予定でございます。

 フェーズ2におきましては、28年度から、本来の業務である適用・徴収等業務機能、制度単位から個人単位にするデータ移行というものの開発を行う予定でおりまして、33年1月に稼働を目指しているところでございます。

 これが全体のスケジュールでございます。

 2ページにお戻りいただきまして、「システム再構築のイメージ」でございます。左が現行システム、右が刷新後の33年1月稼働の年金業務システムをイメージしたものでございます。左の現行システム、記録管理システム、基礎年金番号管理システムにつきましては、昭和59年に開発された古いシステムでございます。長期にわたって抜本的な見直しを行っておらず、たび重なる制度改正で複雑なシステムとなっているのが現状でございます。

 著作権につきましては、ベンダーにあって、ベンダーのルールで運用されている。長年、随契で、高コストで手作業等がなかなかシステム化できないといった問題がございます。処理につきましては、メインフレームを中心としたメインフレーム依存型で、独自のミドルウェア、COBOL言語でシステム開発が行われている。

 左下にございますが、データベースにつきましても制度単位で管理しており、国民年金、厚生年金、船員保険とデータベースをそれぞれ所有して複雑なシステムになっております。

 これを、刷新後におきましては、サーバを中心としたオープンなハードウェア、オープンなソフトウェア、Java言語を使いまして、システム開発、システムを構築する。これによりまして、オープンなシステムとして競争性を図っていくといったところでございます。

 データベースについては制度単位から個人単位で管理し、簡素なデータベースを目指すことにしております。個人の履歴を中心に適切に管理できるような簡素な構造でシステム構築を図るものでございます。

 続きまして3ページでございますが、「国民視点の改善ポイント」を図にしたものでございます。システムの見直しとしましては、オープン化とかデータ体系の簡素化、ソフトウェア体系の簡素化といった点がございますが、システムの見直しとあわせて業務の見直し、事務処理の見直しを行っていこうというのがシステム刷新の全体のイメージでございます。

 これによりまして、機構の提供するサービスの質の向上、業務運営の効率化、業務運営における公正性の確保という機構法の基本理念に沿って推進していくというものでございます。

 業務の見直しとしましては、届書の見直しと統一的な様式に改め、届出書の審査機能の見直し、これはできるだけシステム的なチェックを導入し、効率的な審査を図っていこうというものでございます。

 これらを通じまして、手続のわかりやすさ、使いやすさの向上、不適正な処理の防止を図り、国民にとってメリットが感じられるような改善を行っていこうと考えております。

 次に、事務処理の見直しとしましては、経過管理・電子決裁のサブシステム、これは紙ベースの処理から電子化を図っていこうというものでございます。これによりまして、手続の処理の防止、手続完了までの日数の削減、手続に係る相談のワンストップ化を図っていこう。電子化を図ることによって届出書の経過管理がわかるようにする。それによりまして、年金事務所、あるいは年金相談センター、どこでも相談が受けられるようなワンストップ化を図っていくというものでございます。

 統計・業務分析機能としましては、現在、メインフレームを中心としたレガシーのシステムでは定型的な帳票しかとれないといったことがございますが、新しいシステムでは統計・業務分析を改めて、臨機応変な、タイムリーな統計がとれるような仕組みに改めるというふうに考えております。

 システム化の見直しにおきましては、メインフレームからオープンなサーバ等にすることによってコストを相当減らせるという見込みを立てて現在進めているところでございます。

 次に4ページでございますが、国民のライフサイクル、一つの例として年金記録の管理状況を図にしたものでございます。20歳になりまして国民年金に加入しますと、厚生年金被保険者ファイルに新規に更新される。22歳、就職されますと厚生年金に加入する。この場合、厚生年金被保険者ファイルに新規にまた記録されて、先の基礎年金番号の付番に基づいて統合されていく。届出書が正しく出されない場合については未統合になってしまうといったこと。それ以降、保険料の決定、標準報酬が毎年報告されます。それから、結婚、引っ越しによって氏名・住所変更、長男が産まれた場合については育児休業、退職になった場合については3号被保険者にそれぞれ加入手続が行われる。そういうタイミング、タイミングで、国民年金被保険者ファイル、厚生年金被保険者ファイルそれぞれが更新されるといった例でございます。刷新後におきましては一つのデータベースで管理しますので、個人の履歴を統一的に管理することができるといった内容でございます。

 次に5ページでございますが、29年1月の経過管理・電子決裁サブシステムを通じまして、紙ベースから電子化を図るといったことによります平均処理期間の短縮でございます。上段が現行のシステム、下が刷新後でございますが、現行は、年金事務所で受け付けしますと、それを事務センターに回送する。事務センターでは、審査し、それをデータ化する。データ化後、処理結果リストの目による確認をダブルチェックで行う。刷新後におきましては、事務センターで統一的に受け付けをし、データ化をする。それ以降につきましては、システムチェック、個別の審査、電子的な決裁をする。届出書の経過管理を自動化し、モニタリング業務分析ができるようにするといったことによりまして、現在、平均5日程度の処理が1日短縮して4日になるといったことでの事務処理の迅速化を図っていくというようなことを考えているところでございます。

 【参考】として7ページに、システム刷新を行うに当たりましては、基本理念に基づいて効果指標を定めて取組を行っているところでございます。ポイントを絞って御説明しますと、まず「提供するサービスの質の向上」としまして、記録問題の再発防止、これは個人単位でデータベースを簡素化するというものでございますので、現行約2,000項目が、簡素化されて600項目になるという点でございます。

 それから、経過管理・電子決裁サブシステムを使いまして、不適正な処理の防止、放置や不適正な入力の防止を図る、あるいは、4つ目でございますが、処理遅延の削減として、処理が遅れた場合については警告が鳴るというようなシステムに改めるものでございます。

 効率化としましては、コスト削減、メインフレームからオープンなサーバ構成にすることによって46%の削減を図る。あるいはデータセンターの統合。これは、現在、記録管理につきましては三鷹にデータセンターがあるわけですけれども、高井戸に一本化する。ペーパーレス化としては、処理結果リストが大量に今出ているわけですけれども、画面審査をすることによってペーパーレス化を9割削減するといった目的を定めてシステム刷新に取り組んでいるところでございます。

 以上でございます。

 

○増田部会長 ありがとうございました。

 資料1-1から資料2まで全部説明してもらったのですが、ご覧いただきますように、資料1-1が厚生労働省の年金局と日本年金機構の連名のペーパーになっておりまして、今回の不正アクセスによる情報流出事案について当面このような措置をとるということで、具体的にはさまざまな仕事のやり方の見直し、既に行ったもの、それからこのようにしていこうというものが今記されているわけです。

 あと、資料2はシステムの関係について。これは大分以前から計画されたものですが、こういう形で今後進めていきたいということで説明がありました。

 私思いますに、今月の中旬ごろと聞いておりますが、独立した検証委員会の方からまたその検証の結果の報告等もあるやに聞いておりますので、そういった内容もきちんと踏まえた上での業務執行の在り方の見直しという形にならなければいけないと思うわけでありますが、また検証委員会の報告内容を見て、皆さん方にもどういう業務の見直しの在り方がいいかということを考えていただき御意見をいただければと思っておりますが、今の資料1-1から資料2までの流れの中で、各委員の皆さん方から御意見、御質問がありましたらぜひお願いしたいと思います。厚生労働省年金局、それから年金機構においては、そうした意見を踏まえた適切な対応をお願いしたいと、こういう趣旨でありますが、各委員の皆さん方から、これまでのところで御意見、御質問等ございましたらぜひお願いしたいと思います。

 それでは、岩瀬委員、お願いいたします。

 

○岩瀬委員 資料1-1についてちょっとお聞きしたいのですけれども、これは検証委員会の報告が出てからまた検討されるのかもしれませんが、今ここに書かれていることだけ読むと、報告体制の在り方だけを見直すという書き方なのですけれども、業務の執行の在り方全体は今見直すという予定に入っているのですか、入っていないのですか。それをちょっと教えていただけますか。

 

○増田部会長 これは年金局と、それから機構と両方に対しての質問だと思います。

 

○梶野年金事業運営推進室長 すみません。ちょっと説明が不足しておりまして、(1)の「基本方針」、それから「規程」「細則」、これらの中でそもそも業務執行、業務の仕事の仕方を定めているもの、例えば「基本方針」で言うと内部統制の基本方針とかいろいろございますので、それが業務執行上ちゃんとできるようなものになっているのかどうか、そういった観点からチェックするということでございます。

 報告体制の見直しは、要は(2)と(3)ですけれども、特に(2)ですが、もともと前回の部会で、2,449の説明誤りにつきまして、年金機構から厚労省へ3週間ぐらい報告してなかったというのがございますので、それは「指示・依頼」ですので、この(2)のルールを動かすとそういった指示・依頼については事前に厚労省は見ることになりますので、そういったことで、基本的には業務運営上のものについては必ず報告を受けるという形になります。そういうことで報告体制の見直しということでございます。

 それから、情報開示の見直しが2で、要は公表が遅いという問題がございましたので、それは年金局も公表を早くした方がいいのではないかという判断をするということで情報開示の見直しということで四角の2のところは書かせていただいているということでございます。

 

○岩瀬委員 では、全部で1,500あるルールを全体的に見直して、無駄なものとさらに追加しないといけないものを分けていくという作業はされるわけですね。

 

○梶野年金事業運営推進室長 例えば給料とか健康診断とか、組織管理上の指示・依頼については見ませんけれども、業務運営上のものですね。国民の皆様に直接影響を与える国民年金法、厚生年金法に基づく業務運営上の規程等について、全て、基本的にはチェックしようという姿勢でございます。

 

○岩瀬委員 わかりました。「指示・依頼」以外にも、「基本方針」だとか「規程」とか「細則」、屋上屋を重ねるごとくいろんなルールがあって、それが結局責任体制がわからなくなっている実態を作っていると思うのですけれども、それを全体的に棚卸しをして、誰の責任かはっきりさせるような、あるいは意思決定をきちんと見えるような形に直してもらえるわけですね。それは報告いただけるわけでしょうか。

 

○梶野年金事業運営推進室長 非常に量が多いのですが、いずれにしても、今、既にある規程とかマニュアルがちゃんと業務実施上機能しているかどうか、現場も含めて機能しているかどうかというのをチェックします。要は、それが動いてないとか、実態と違っているとか、乖離がないかどうか、国民の皆様にとってちゃんと業務運営上効率的なものになっているかどうか、そういう観点からチェックしようというものです。

 具体的なものについてはちょっと基本的に、年間、「マニュアル」以上も300個ございますので、現時点ではそういうことをチェックしますと。それでチェックをしたら報告もしますけれども、今おっしゃられたような責任がどうかとか、そういうのはこれから見ていって、いずれにしても、業務上問題があるかどうか、その内容をちょっとチェックしないとわかりませんので、それを見ていくということでございます。

 

○岩瀬委員 では、とにかく内容をチェックした結果は教えていただけますか。詳細に。

 あともう一つ、報告体制の見直しをしたとしても、虚偽の報告が上がってきたときのそれをちゃんとチェックできる体制というのは作るのですか。というのは、こんなこと、個人的なこと、個人攻撃みたいになって申しわけないのだけれども、7月6日に、共産党の小池議員が薄井さんに聞いているわけですね。説明誤りはいつわかったのかと。そのとき薄井さんは、もうわかっていながら、わかっていないという虚偽の説明をしているわけですね。だから、報告体制を幾ら充実させたとしても、そういう虚偽の報告が上がってきたときにそれをどうチェックするのか、その体制作りというのはしていただけるのですか。

 

○増田部会長 それでは、樽見審議官。

 

○樽見年金管理審議官 まさにこの業務内容のチェック、それから、例えばこの事務処理誤り等のチェックというのをやるわけでありますので、そのチェックの体制、これは例えば増員どうするかとか、なかなか難しい面ありますけれども、私どもの方でそれをちゃんと見るようにするということでありますので、それがまさに見るということではやるということでございますが、そのチェック体制は、何か虚偽の報告を見るための特別の体制を作るというよりは、私どもの事業企画課、事業管理課の中でチェックさせていただくという中で、例えば虚偽のものが見つかったら、それをしかるべく処理するということであろうと思います。

 ただ、おっしゃるように、非常に量が多くございますので、そういう意味で、この資料に書いてありますが、例えば虚偽について範囲や手順等についてまずルールを定めるというところから取り組みたいというのは、量も多くございますし、それの体制をうちの方でどのように具体的に作るかということもありますので、こういうところから取り組みたいと思っているわけでございますけれども、ただ、若干ちょっと個人的な思いもあわせて言わせていただきますと、まさに5年前、年金機構スタートしたときに、私自身も年金機構におりまして、最初のこういう規程とか細則とか要領とか作るのに携わったことがありますけれども、5年経ってみて、それが果たして機能しているのか、おっしゃるように、屋上屋みたいになって機能していないものがあるのではないか、あるいはそういう中で紛れて非常に不効率になっているところがあるのではないかという思いもありますので、そういうものについて、この機会にもう一度棚卸し的にしっかり見てみたいという気持ちではございます。

 ですので、今の虚偽報告あったときのチェック、そこだけということで言うと、これから日常、我々の体制の中でどうするかということで考えなければいけませんけれども、いずれにしても、しっかりできるような体制は作りたいと思っています。

 

○増田部会長 いずれにしても、報告内容が正しく、正しいものが報告されてないと全体として仕組みが機能しないわけだから、作る仕組みの中で内容についてもきちんと見ていくということがないと意味ないと思うのですね。ですから、これからどういうことを棚卸しされてどのようになるかというのは、まさに検証委員会の中身を踏まえていろいろ検討されて、これからの問題ですけれども、作る以上は、内容についてもきちんとしたものが報告されるという前提での仕組みになるように考えておいていただきたいと思います。

 理事長さん、何か今の関係でございますか。

 

○水島日本年金機構理事長 この説明誤り問題に端を発しまして、報告体制についてこのような御議論をいただくということになりましたことについては、この判断をいたしましたのは私でございますので、大変申し訳ないと思いますし、この方針に合わせてより連携を強化して、国民の皆様に御評価いただけるような体制作りに努めてまいりたいと思っております。まずお詫びを申し上げたいと思います。

 それから、先ほど副理事長の薄井について御指摘をいただきましたが、ちょっと当時のことが明確に、何時何分というのが今手元にございませんのでやや正確性を欠くかもわかりませんが、2,449件というのがわかってまいりましたのが、7月3日から土日を挟んでわかってまいりました。その間、薄井は機構内におりませんでした。もちろん連絡は取り合っておりましたが、そういう意味で、数字を最終的に知らなかったと思います。そういう意味で、そう申し上げたということだと思いまして、決して虚偽の報告を、あるいは虚偽を申し上げるというつもりで申し上げたことではないということは私からも申し上げておきたいと思います。

 いずれにしても、今回の厚生労働省の御方針を踏まえまして、私どももどのような体制を組んで連携体制を強化していくかということについてはもう一度内部の体制を構築し直さなければならないと思っておりまして、今後の見直しの極めて重要な点であると考えております。また、この点について検討が進みましたところでは御報告申し上げたいと思います。

 

○増田部会長 それではぜひよろしくお願いします。

 

○岩瀬委員 部会長、1つだけ。

 

○増田部会長 どうぞ、岩瀬委員。

 

○岩瀬委員 すみません。2点ありまして、今、業務体制の見直しをすると。大体目途はいつごろで、いつごろに報告いただけるのかというのをちょっと教えていただきたいのと、もう一つ、小池さんは、件数を聞いたのではなくて、いつの時点で説明誤りがあったか、それを聞いているのではないでしょうか。そうではないのですか。赤旗にはそのように書かれているのですけれども。

 

○増田部会長 それでは、先に薄井さんの方。

 

○薄井日本年金機構副理事長 私も、1カ月前の話なので、小池先生からの御質問にどうお答えしたか、明確には実は覚えていないのですけれども、テレビ報道は事実かというお話はあって、その点については事実であるとお答えしたと思います。それで、数なり原因ということについて、不明で調査中ですというのが記事になっているのですけれども、そういうお尋ねがあったと思いますけれども、そこで、先ほど理事長から申し上げたような状況の中で、私としてお答えできる範囲ということで考えますと、やはり不正確なお答えをすることは適当ではないと考えましたので、そこについてはちょっと申し上げられないとお答えしたように思っております。

 

○増田部会長 あともう一つ、時期、室長さんのほうでお願いします。

 

○梶野年金事業運営推進室長 もちろん、遅らせるというつもりはないのですが、例えば一つのマニュアルでファイル2つ分とかございますので、非常に申し訳ないのですけれども、明確な時期を申し上げるのは現時点ではちょっと難しい。今、どういうものがあるのか、普段、年金局も見ていませんので、一部は見ているものもありますけれども、ですので、どういうマニュアルがあるかを今整理して、それをなるべく早くチェックすると。特に(2)の事前協議の方については、機構と局の一定のルールを、例えば年金局で何日間も抱えないとか、そういったルールを整理次第、なるべく早く施行させたいと考えています。

 

○増田部会長 それでは、藤井委員、お願いします。

 

○藤井委員 いくつかあるのですけれども、前半の部分に今議論が集中しているようなので、そこを主に、気が付いたところを申し上げたいと思いますが、私自身もっと勉強しなければいけないのかもしれないですけれども、2ページ目の、今議論になっているあたりかと思いますが、「年金局の担当部署へ事前に協議する」と書いてあります。これは当面の措置と書かれているところなのですけれども、これを見ますと、今の御議論を聞いていますと、当面体制を立て直すためにこういう規則などの見直しをすることを指しているのか、それとも今後の体制の在り方としてこのようにすると言っているのかで大きく意味が変わると思います。

 ここだけ拝見していると、そもそもの体制として事前に協議すると読めるのですけれども、これは2つ、「事前」という単語と「協議」という単語、どちらも非常に強い単語だと思います。特に協議という点は、あたかも許可を得る、要するにあらゆる細かな活動について年金局からの許可を得るというようなニュアンスに受け取れてしまうのですけれども、その場合、機構というものの意義とか目的とか自主性とか、時間を置かずに対応する必要がある場合とかいうこととの関係をどう捉えるのかなと、拝見していて思いました。

 いくつかありますけれども、ここで一旦止めたいと思います。

 

○増田部会長 ありがとうございました。今の関係で、年金局の方でありますか。

 

○梶野年金事業運営推進室長 今回こうした経緯が年金機構から年金局への報告がなくて、それについて厚労省の指導監督責任を問われたという背景がございます。特に業務運営上のものについて、国民の皆様に影響を与えるものについてそういうことを問われたという経緯がございますので、年金機構が基本的には業務を受託して実質的に業務を実施するわけですけれども、そういう背景がございますので、厚労省としても、業務上、国民の皆様に影響を与えるものについては当面ちょっとチェックをさせていただくと。

 基本的には機構が業務を受託していまして、自主的にマニュアル改正、指示・依頼をするわけですが、それについて、今回のようなことが起きましたので、当分の間、ちゃんと適切に行われるかどうか、ネガティブというか、間違ったことになってないかという観点からチェックをさせていただくと。

 ただ、今おっしゃられたとおりの、「事前」にとか「協議」とか、そういうことで、余りかたくて、国民の皆様に悪影響が出るのはまずいですので、例えば、年金局で何日間も置いて止まるとか。その辺りの具体的な事柄については、それぞれの「指示・依頼」や「マニュアル」の内容を見て、それぞれの業務によって性質が違うものですので、それを見て具体的な範囲、ルールは決めていきたいと。今、検討中でございます。

 

○増田部会長 今の話ですと、「当分の間」とおっしゃったり、あるいは「当面は」とおっしゃったから、緊急的な事態が続いている間の一時的な措置という理解でよろしいのですか、そこのところは。

 

○梶野年金事業運営推進室長 はい。

 

○増田部会長 その緊急事態から平常時に戻ったときはまたルールは元に戻していくと、そういうことでよろしいのですかね。

 

○梶野年金事業運営推進室長 はい。

 

○増田部会長 では、藤井委員。

 

○藤井委員 今の関連でもう一言だけ申し上げますと、今のをお聞きしていると、2ページ目の(3)は、今後について、事件があった場合に、それを直ちに報告をすると。(3)は確かにそうだと思います。ただ、(3)と(2)を同じようなこととして並べてしまっているのではないかと思うのですけれども、(2)に関しては、先ほどの岩瀬委員の指摘との関係もあると思うのですが、体制の見直しのためにこのルールを事前に協議を受けてやるのか。しかし、今のお話を聞いていますと、それとは違っていて、別にそういう意図が特にあるわけではないけれども、とにかく規程、規則、指示・依頼等の改定に当たってはことごとくどれでも事前に協議すると。それは報告漏れなどがあるといけないからというような感じに受けるのですけれども、どちらかというと、規程、規則等に関しては改正手続を事前に協議するというよりは、今の一連の話を聞いていますと、そもそも方針、規則、マニュアル等の見直しが必要かということが大事であって、必要な見直しを施して体制を整えることが重要で、その一個一個の改正の事案について事前に協議を受けるということに重要性があるのかどうかちょっと疑問かなと感じました。

 

○増田部会長 ありがとうございました。それでは、今の点については藤井委員の御意見ということで、また中でよく検討しておいていただきたいと思います。

 それでは次、原委員、お願いします。

 

○原委員 ありがとうございます。

 藤井委員のおっしゃったことの補足でございますが、事前協議について、当面の措置ということでは否定いたしませんけれども、ただ、これだけ膨大な件数の案件について実際に協議されることによって適正にコントロールができるのか、問題の解決になるのかということについては疑いがあるかと思います。むしろ責任体制が曖昧化してしまうという懸念もあるかと思いますので、これは全般的な検証をした上で再度考え直すべき点かと思います。

 それからもう一点、岩瀬委員がおっしゃったことの補足でございますが、これはルールについての全般的な検証が重要であると。そのときに、文書にこう書いてあるということ以上に、文書には書いてあるのだけれども守られていないということが問題であったかと思いますので、その執行、運用面も含めた検証を十分にこの部会でも行っていく必要があるのかと思いました。

 以上です。

 

○増田部会長 ありがとうございました。執行面も含めて、この部会としてよく見ていくというのは必要だろうと思いますね。そこのところは。あと他には。

 それでは、斎藤聖美委員の方からお願いします。それから金田委員。

 

○斎藤(聖)委員 システム刷新の状況の御説明をいただいたのですが、すみません。ちょっと理解できない、ついていけないところがありまして、もう一度御説明いただきたいのですけれども、何か成果物が出ないのでキャンセルされて、それでシステム開発が遅れたというような御説明だったように伺ったのですが、そのような形でキャンセルというのは大変異例なことのような気がするので、その事情をもう少し教えていただけますか。

 と申しますのは、そういう異例なことが起きるというのは、システムリテラシーがどのぐらいあったのかということを判断する材料にもなるかと思いますので、申し訳ありませんが、もう少し詳しく教えてください。

 

○増田部会長 今のシステムの関係ですけれども、説明された室長さんの方で、今の委員からの御指摘を踏まえてお願いします。

 

○山崎システム室長 基本設計補完工程2につきましては、22年8月から23年3月末にかけてアーキテクチャー設計を行ったところでございますが、その受託業者が、本来調達仕様書に基づいて役務をやっていただくわけですけれども、その調達仕様書を余り理解されてなかったと。そういう面で役務の範囲の認識誤りがございまして、いろいろ相手方と交渉したわけでございますが、成果物を納入することができないと、意思がないということで契約を解除したものでございます。その後、再調達を改めて行ったということが遅れた要因でもあるわけでございます。相手方に対しては、契約の解除を行うとともに、違約金を払っていただき、指名の停止を行ったというような状況でございます。

 

○増田部会長 斎藤委員、どうぞ。

 

○斎藤(聖)委員 そもそも、そういうレベルの低いベンダーをなぜ選定したのかというところに疑問が残ります。それによって遅れたという話ですけれども、今まで年金機構の評価をしているときに、システムの遅れというような話は伺っておらず、順調に来ていると聞いていたように思います。これはサプライズのニュースでございました。他にもそのように報告がされてないようなことはないのでしょうか。

 それと、選定の基準、選定のプロセスというのはきちんとされているのでしょうか。そのあたりが心配になりました。

 

○増田部会長 今のは、違約金をとったと言っていますけれども、それはよくあることなのですか。

 

○山崎システム室長 契約書に基づいて違約金を徴収したということでございます。

 

○増田部会長 それはそうなのだけれども、それはよくあるレベルの話なのかということなのです。今、斎藤聖美委員が、よくそういうベンダーに頼みましたねという話をされたのだけれども、要するにシステムリテラシーみたいなことが問題になるわけですね。いずれにしても、システムはもっときちんと突っ込んでやらなくてはいけないのでありますが、せっかく今日、そこに触れる話なので。

 

○山崎システム室長 すみません。契約解除はこれしかないと。

 

○増田部会長 そういう、極めて平常ではないような事態というのはやはり、そういう事態があったときはこの部会にも報告してもらったほうがいいと思いますね。とりあえず今説明できるのはそのぐらいと。

 

○山崎システム室長 はい。

 

○増田部会長 システムの話は、いずれにしても、今回の事案の一番基本のところなので、また改めて個別に取り上げなくてはいけないなと思っておりますけれども、斎藤聖美委員、何かございますか。

 

○斎藤(聖)委員 今、部会長おっしゃられたように、もう少し詳しくシステムに関しては議論する必要があるかなと思いますので、そのときにお願いいたします。

 

○増田部会長 金田委員、どうぞ。

 

○金田委員 私からは、資料1-3、不正アクセスのコールセンターの意見の件ですが、これはかなり対応費用の意見がたくさん出ておりまして、国民感情的にはまさしくこの感情なのだろうなあと思うわけです。というのは、これ等に対応する負担は税金とか保険料使うなよという意見が多く出ていますが、私からは、この費用負担の話ではなく、全体の対応総額についての質問を2点ばかりさせていただきたいと思います。

 1点は、機構発表ですと7月3日ですか、約8億円という対応費用が見込まれるという発表があったやに聞いていますけれども、実は8億円で本当に済むのかという一部の国民の意見もあるわけですね。それで、当然試算の仕方ということが重要になろうかと思うのですけれども、直接的な経費を試算するとか、あるいは、ある一定の間接部分を組み込んで試算するとか、いろんな試算の仕方はあると思うのですけれども、機構が発表したその8億円の内訳を教えていただくとありがたいなというのが1点。

 もう一点は、大分時間がたってきて、その後変更するような理由ですとか状況が発生しているかどうか、それについて御報告をいただければと思います。

 

○増田部会長 発表された8億円の内訳というのは今わかりますか。

 理事長さん、お願いします。

 

○水島日本年金機構理事長 発表したわけではございませんで、御質問にお答えして、例えば基礎年金番号の変更についてどの程度かかるかという御質問がございまして、約4億かかるのではないだろうかと。それから、コールセンターについてどのぐらいかかるかという御質問がございまして、当時、約3億とお答えしたと思います。現状は2億強でございます。それから、お詫び状の発送についてどのぐらいかかるかという御質問がございまして、約1億とお答えいたしまして、そのトータルが8億という報道になったということでございます。

 今申し上げました額につきましてはそのとおりでございまして、基礎年金番号の御通知に関しましてはこれからスタートしてまいりますので、ほぼ郵送料プラスアルファくらいの額が4億ちょっとということでございますので、果たしてどのようになっていくかということについては、まだ最終的な数字が出てないという状況でございます。機構が現在かかると考えておりますのはおおむねそういう数字でございまして、まだ精査が必要かと思いますが、おおむねそんなものだということでございます。

 あと御質問、もう一点は何でございましたでしょうか。

 

○増田部会長 変更の関係です。

 

○水島日本年金機構理事長 これはまだこれから変わっていくと思いますが、いろいろな形で、これをどのような形で対処していくかということについては機構としても努力していかなければならないと思っております。

 

○増田部会長 金田委員、どうぞ。

 

○金田委員 試算なのですけれども、当然機構内部としては試算はきちんとされ、先ほどの理事長の答弁ですと、質問があったから答えたと、それを累積したらその程度だというお話がございましたけれども、当然のこととして、どのぐらいの予算がどうかかっていくかというのは、試算表というのですか、予算書というのですか、そういうものの概略はきちんとつくり上げていかなければならないものではないかなと私は思うのですけれども、いかがですか。

 

○増田部会長 理事長さん、お願いします。

 

○水島日本年金機構理事長 今お答えを申し上げておりますのは、現在進行形でございますので、今の数字がまだ変わっていくということを申し上げているわけでございまして、もちろん、それぞれの契約をしてまいりますので、そのときにどの程度の予算になるかということについては掴んでおりますし、これに関しましては今申し上げた額だということでございます。今後どのような不測の事態が発生するか、まだわかりませんので、現状では最終的にこのぐらいだということを申し上げる段階にはないと申し上げております。

 

○増田部会長 それでは、齋藤衛委員、お願いします。

 

○齋藤(衛)委員 今日から参加させていただきます齋藤です。

 再びシステム刷新の状況についてに戻らせていただきたいのですけれども、一般論としてのコメントで申し訳ないのですけれども、今回このシステム刷新をする御趣旨の部分とその効果みたいなところはそのとおりかなと思うのですが、システムのオープン化を行う、オープンシステム化を行うというのとデータベースを一元化するということで、非常に一般論なのですけれども、データを集約して管理することで使い勝手がよくなっていくというのはそのとおりなのですけれども、それは裏を返せば今回の不正アクセス事案を実施したような者にとっても狙いたくなるようなデータになってくるということで、非常に狙われやすい状況になるのかなと思います。そうした意味では、システム構成を考えるときに、やはりセキュリティに関して一緒に設計して説明していただいたほうがいいのかなというのがコメントです。

 特に最後に【参考】として現在の年金機構のシステムイメージが添付されていますけれども、残念ながら、この右下の赤枠の基幹システムがメインフレームであるためにこの模式図というのは成立している部分が多いのかなと思いますので、オープンシステムになったときにどういう分離と情報の流れの管理を行うか、新たに設計されたほうがいいのではないかということをちょっとコメントしたいなと思いました。

 

○増田部会長 ありがとうございました。この関係については、いずれにしても、別途またやらなければいけません。私はそう思っていますが、検証委員会の報告等も見つつ、どのようにするか考えていきたいと思うのですが、これは機構の問題でもあるけれども、むしろ厚労省がどのようにここに関わってくるかというのがやはり一番大事だと思います。

 

○樽見年金管理審議官 よろしいですか。実はこの基幹システムにつきまして運用は機構でやっているわけですが、基幹システムについては、まさにこれは年金記録の固まりなのですね。年金記録は国が保有するとなっているものですから、そういう意味で、この基幹システムについてはまさに国の責任というところが非常に大きいと思っております。今日御説明申し上げましたが、この基幹システムについて、もともと、いわゆるレガシーだということがあって、18年から少しでもオープン化、効率化をやっていこうということで取り組んできた。

 もう一つ、今日申し上げたかったのは、まさに統計・業務分析みたいなところ、今早速とりかかっていますが、現在のこの基幹システムというのは、基幹システムの中で業務のために情報を加工するというのがほとんどできない仕組みになっている。それが実は今回、機構LANのシステムの共有ファイルサーバの方に個人情報を一部持ってきて作業してきたということの背景でもありまして、その点が若干この基幹システムの、今取り組んでいるところは一部でございますけれども、この基幹システムの刷新ということによって、そうした点についても少しずつよくなっていくことがあるということがございます。

 そういうところをあわせて、今は、この資料に書いていますが、統計・業務分析、それから経過管理・電子決裁、いわばサブシステムのところをやっていて、フェーズ2でまさにその記録の持ち方そのものという形になっていきますので、そのときに、齋藤先生がおっしゃったように、セキュリティの問題とかそのようなことについてもまた念頭に置いて取り組んでいかなければいけないなと、私も、今、御議論を伺っていて思ったところでございますので、そういうところ等含めてまた改めて御相談、御説明していきたいと思います。

 

○増田部会長 よろしくお願いします、この点は。他にはございますか。

 藤井委員、どうぞ。あと、山口委員。

 

○藤井委員 資料1-2で経緯の説明がありまして、私、今日初めてなので既に説明があったのかもしれませんし、それから、先ほど御指摘のあったように、原因の調査特別委員会での事項なのかもしれないですが、気付いた点がありますのでちょっと教えていただきたいのですけれども、まず最初にお詫び文書の送付対象者の作業中に、理事長があることに気づいて指示を出されたということで、一部誤りがあったと。で、アラートの表示を付加したことについて不十分だったということですけれども、これは経緯ですけれども、この原因がここに書かれてないのですけれども、どこかで既に説明があったのかなかったのかよくわからないのですけれども、その原因が何なのかというのが1つです。

 それが何かであるのでしょうけれども、その原因が他に影響を及ぼしていないかということとして1つ思いつく点として、そもそも6月22日に「2情報・3情報が流出したお客様に対するお詫び文書の発送を開始」と書いてありますから、これ以外のお詫び文書の発送というのは既にあったのだろうと思います。それは1情報なのか4情報なのか何か知りませんけれども、何かそういうものがあったと。

 疑問としては、そのそもの情報の、お詫び文書の発送対象のリストには誤りはなかったのかと。このアラートの設定と同じような、何か作業をして、その作業はお詫び文書の発送にも連動しているとすれば、仮定ですけれども、もしそうであるとすれば、そもそもお詫び文書の発送先にも類似の、または同様の誤りがありはしないかと、拝見していて思いましたけれども、その点はいかがかと思います。

 

○増田部会長 理事長さん、2つありまして、そもそも初めの方の、原因は一体何なのかということと、それからあとリストの誤りですね。お願いします。

 

○水島日本年金機構理事長 お答え申し上げます。

 6月の12日でございますけれども、私は、やはりお客様の反応がどういうものがあるのかということについていろいろな施策を行ってきたわけでございますけれども、果たしてお客様の声にきちっとお答えできているのかどうかという点も含めて、そこを確認すべきではないかということを指示いたしました。これはまさにいわゆる対象のお客様に対して、今とっている対応以外にどのような対応、とるべきことがないかということを調べるといいますか、知りたいために行ったわけでございますが、その結果として、アラートがついてないケースがあるということがわかってきたわけでございます。

 即座に対応、指示をいたしまして、個別にお詫びを申し上げてきたわけでございますが、一方で、お詫び文書の発送に関しましては別のデータでございまして、いわゆるもとのデータは一緒でございますが、そのアラートというのは125万件ベースでつけていくわけです。お詫びの文書というのは、それの名寄せと申しますか、あるいはお亡くなりになった方でございますとか、外国の方でありますとか、そういう方々について精査をいたしまして、最終101万人になっているわけでございますが、このデータベースでやっておりますので、基本的には誤りがないと考えております。

 

○増田部会長 樽見審議官。

 

○樽見年金管理審議官 ちょっと簡単に補足させていただきます。

 まず、大変恐縮でございますが、前回の資料の3-4というのがありまして、それに本件についての記者発表の資料をつけてございます。藤井先生の御疑問に即して申し上げますと、まず、このお詫び文書というのは、この情報流出は2情報、3情報、4情報と抜けた3種類のカテゴリーの方がいて、4情報の方というのは実はそもそも住所がくっついて抜けていますので、その方についてお詫び状を送るのは割とすぐできたということで6月の頭に送っているのです。2情報、3情報は、その中に住所が入っていなかったので、今、理事長からお話があったように、その名寄せをして、住所を確認してお送りするという作業を行ったわけでございます。したがって、お詫び状を送る作業は名寄せと住所の確認ということでずうっと6月の20日前後まで時間かかっていたわけです。

 一方で、お客様からお問い合わせがあるときにすぐお答えするということで、6月の頭に、その125万件の流出した情報の基礎年金番号の方に、このアラートをウインドマシン上つけるという作業、まさに125万件に即してわーっと作業するということを機構の中でやられたということで、したがって、今の御疑問で言うと、お手紙を出す方の作業と、今の125万件でアラートをつけるというところについては、いわば別トラックの作業であったと承っています。

 その125万件についての、この前回の資料3-4でございますけれども、アラートをつけるというのは基礎年金番号のリストからアラートをつけるリストをつくるという、いわば流出した情報の基礎年金番号を、アラートをつけるための入力するためのリストにいわば番号をコピペするという作業をやったわけでございますが、そのときに1つ隣の列をコピーしてしまったというのが約5万件、それから、コピペするのを飛ばしてしまったというのが5万件ということで、10万件がずれてしまったということでございます。

 

○増田部会長 藤井委員、どうぞ。

 

○藤井委員 今のは原因究明委員会の仕事なのかもしれないのですけれども、今お聞きしていると、アラートについてはコピペを間違えて、その間違えたことについて確認をしなかったというのが多分原因だと思います。

 

○樽見年金管理審議官 おっしゃるとおりです。

 

○藤井委員 そうすると、確認しないということが原因ですから、お詫び文書の発送に当たっても、確認せずに送っている可能性があるわけですね。そうすると、同じ原因で間違いを起こしている可能性はあるということではないかと思いました。

 

○朝浦日本年金機構理事 事業企画の担当理事の朝浦と申します。

 お詫び文書の作成の際に基礎年金番号の確定をするわけですけれども、そのチームは実はアラートを付加するチームとは別のチームで行っておりました。やり方としては、2人1組になって、指差し確認をしながら点検して、その作業を2組でやっておりまして、それが合うかどうかというのを確認した上で確定しておりますので、間違いない作業をやっていると思います。いわゆるベリファイをやっていたということでございます。

 

○増田部会長 今の関係は、いずれにしても、恐らく検証委員会のほうで一番調べているところだと思うのです。改めてその調査内容を見ながら、今後についての対応として非常に不安になるところがあればまた指摘するということでよろしゅうございますかね。

 あと他に委員の皆さん方。

 失礼しました。山口委員、お願いします。

 

○山口委員 資料の1-1の2の「事務処理誤りの情報開示の見直し」の部分に関する質問と意見です。

 事務処理誤りについて、「個別報道発表案件」に該当すると判断した場合、速やかに年金局に相談するということで、今回の見直しという点では、年金局から公表を指示する場合もあるという規定なのですが、こういった事案の情報開示という点については、情報の出し方とか情報を出す姿勢というのが事象に対する機構の対応のスタンスを表すことにもなると思われますので、できれば、年金局から指示を受けなくても、機構の側できちっと、「個別報道発表案件」に該当すると判断した場合というのは迅速に情報を発表していただきたいと考えます。

 質問ですけれども、この(参考)部分の記載の中に「相当の影響を与える恐れのある事務処理遅延等」ということで、個別報道発表するということなのですが、現状において、相当の影響を与えるおそれということでどのように取り扱われているのかということについてお伺いしたいと思います。

 

○増田部会長 お願いします。

 

○深田日本年金機構理事 事業管理部門を担当しております深田と申します。

 事務処理誤りにつきましては、そこの(参考)に書いてありますように、「相当の影響を与えるもの」というのは、件数の多いもの、あるいは報道がされているものなどについては公表するようにということでこれまでも対応してきておりまして、これまで、8件公表してきております。

 

○増田部会長 今の関係はよろしいですか。

 

○山口委員 すみません。その8件については、件数というのはどのぐらいの件数に影響があったものとして発表されていますか。

 

○増田部会長 もし今わからなければ。

 

○深田日本年金機構理事 後で。恐縮でございます。

 

○増田部会長 それでは、後でよろしくお願いします。

 あと、今私も付言して言っておきますけれども、委員が御意見おっしゃった趣旨は私も全くそのとおりだと思うので、やはり公表する、公表しない、きちんとした情報を出すというのは機構自身がまずきちんと考えてやるべきで、まずそのことによって出すべきと判断したものはきちんと出すという姿勢がないといけないと思います。厚生労働省がそれに関与するのは、本来出すべきものが出されてないということに対しての注意の促しということであって、機構が出すと判断したものを逆に厚生労働省が抑えるということは趣旨に合わないだろうと思うので、そこはきちんとそれぞれが徹底しておいていただきたいということと、厚生労働省に、いずれにしてもというか、報告したり判断を求めるということが遅れることになったり、結局、厚生労働省に全部機構が判断を委ねるということになってもいけませんので、そこはよく確認しておいてください。

 岩瀬委員、どうぞ。

 

○岩瀬委員 ちょっとデータをいただきたいのですけれども、このコールセンターの関係で、ここには意見がまとめられているのですが、普通、常識で考えたら、コールセンターに電話する人というのは、自分の情報が漏れているかどうか聞いたり、あるいは漏れた場合にはどういう対応をすればいいかという、情報が流出したという報道とリンクする形でいろんな不安を、あるいは問い合わせをしてくると思うのです。そういう問い合わせは日ごとに何件あったかというのを分類したのを出していただけませんか。

 

○増田部会長 それでは、これはまた後日出してもらいましょうか。

 今の関係ですね。

 

○大澤日本年金機構理事 年金給付業務部門担当の大澤と申します。

 御要望の趣旨を確認したいと思うのですが、日ごとに、自分の情報が流出したかどうかのお問い合わせの件数ということでよろしいですか。

 

○岩瀬委員 自分の情報が流出したかどうかを尋ねて、あるいは、それはまだわからないというケースの場合はどのような対応をすればいいのか、どこに聞けばいいかとか、流出したという報道を受けていろんな不安を問い合わせてきていると思うのですけれども、その分類をした上での件数を教えてもらいたいのです。

 

○大澤日本年金機構理事 ちょっと過去の事跡を確認して検討させていただきます。

 

○増田部会長 それでは、大分時間が過ぎておりますので、(1)の項目については以上のようにさせていただきたいと思います。

 議事の2つ目でありますが、「障害年金制度の運用に関する対応状況」について、まず事務局から説明してもらって、その後質疑したいと思います。では、お願いします。

 

○池上給付事業室長 時間の関係もございますので、手短に御説明させていただこうと思います。

 障害年金につきましては、6月の部会でさまざまな課題に対する対応の主な経過ということで簡単に御説明したところですけれども、本日は内容面での検討が進んだ点を中心に御説明いたします。

 3-1が説明資料、3-2が参考資料でございまして、3-1を中心に御説明いたします。項目の1から3は年金局給付事業室長の池上から、4と5の項目は日本年金機構給付企画部長の向山から御説明いたします。

 おめくりいただきまして、まず1ページ、「精神・知的障害に係る等級判定のガイドライン」です。障害基礎年金の判定を行う各都道府県ごとに地域差があるということが確認されまして、その後、専門家検討会を開催して、ガイドラインについての検討を行っていただいたところでございます。

 2ページをご覧ください。ガイドラインの構成として2つの要素を入れております。1つ目が(ア)の「等級の目安を設定」というところでございますけれども、診断書の記載項目である「日常生活能力の程度」という選択式の欄、それから、「日常生活能力の判定」という、これも選択式の欄がございますけれども、それがどこにチェックついているかということで、それの組み合わせによりまして、全国の実際の認定状況などを踏まえまして等級の目安を設定したところでございます。具体的にはカラー刷りの表のとおりとなっています。

 それから、3ページをご覧ください。ガイドライン案におきましては、日本年金機構の認定医が、等級の目安を参考としつつ、他のさまざまな要素を考慮して総合的に等級判定をすることといたします。そして、ガイドラインにおきまして考慮すべき要素の例を整理いたしました。要素の分野は(a)から(e)にお示ししたとおりですけれども、具体的には参考資料の9ページから12ページにお示ししておりますので、後ほどご覧いただければと思います。

 今後のスケジュールですが、今月中にパブリックコメントを実施し、再度、専門家検討会で検討していただいた後、通知を発出する予定としてございます。

 それから4ページ、2番目の「障害年金の初診日証明が取れない場合への対応」でございます。4ページ目は、初診日によって給付内容が大きく異なるので、初診日証明が重要であるという点についての記載でございます。

 続きまして5ページをご覧ください。一方で、近年では、精神疾患とか、あるいは内部疾患の増加に伴いまして、受診から相当の期間を経て障害年金を請求する事例が増加しており、初診日を特定できずに障害年金を受けられない事案も生じているところです。

 このため、(4)にありますように、まず初診日を確認するために用いた参考資料について事例集を作成することとしておりますけれども、あわせて、2つ目の○ですが、初診日証明の考え方について改めて整理することとし、初診日を合理的に推定できるような参考資料が提出されれば、できるだけ御本人の申立てによる初診日を認めてはどうかと考えてございます。

 具体的には6ページ以降になりますが、まず20歳以降に初診日がある場合の第三者証明です。これまで、20歳前に初診日がある障害について第三者による初診日を認めておりましたけれども、これを20歳以降についても認めていってはどうかと考えてございます。

 次に7ページ、一定期間継続して年金制度に加入しているようなケースですが、1つ目の○ですけれども、初診日が特定できない場合でありましても、参考資料で初診日が一定の期間内にあると確認できた場合に、その期間のどの時点で見ても、制度に加入し、それから納付要件を満たしている場合は、一定の条件のもとで、その期間中で本人が申し立てた初診日を認めることができる取扱いとしてはどうかというものでございます。1、2と、ケース分かれてございますけれども、時間の関係で御説明は割愛させていただきます。

 それから、9ページには、本人の申立てに基づいて医療機関が過去に作成した資料、それから、診察券等における初診日確認、健診日の取扱いについても、これまでよりも柔軟な取扱いとすることを御提案させていただいています。

 それから、10ページ、(6)も先ほどまでと同様ですが、(7)、全体に通じる考え方といたしまして、それより上に挙げた以外につきましても、初診日が正しいと合理的に判断できる場合は初診日を認めること、それから、資料の内容に疑義が生じるような場合は、資料が形式的に整っていても初診日を認めないことを書いています。

11ページは飛ばしまして、12ページをご覧いただけますでしょうか。実施時期についてです。こうした見直しは省令改正などにより行う予定ですけれども、その実施時期については、被用者年金の一元化が行われる本年10月1日を考えています。また、これまでに初診日不明により不支給となったケースについて、再申請があった場合には改めて審査することとしています。

 続きまして13ページです。「知的障害者のサンプル調査の結果」です。障害年金の周知状況を確認するために、知的障害者の方に障害年金を受給していない理由を尋ねるアンケート調査を行いました。

 調査結果でございますけれども、最も多いものが「障害年金をもらえないと思い手続きをとらなかった」というものですが、残念ではございますが、3番目に「障害年金の制度を知らなかった」23件、5番目に「障害年金の手続き方法がわからなかった」4件となっています。こうしたことから、知的障害者の方への周知を初め障害年金制度の周知をしっかり進めてまいりたいと考えています。

 私からの説明は以上です。

 

○向山日本年金機構給付企画部長 引き続きまして、日本年金機構給付企画部の向山から4の「窓口対応の改善」、その次の運用の課題の把握について、ポイントのみ御説明いたします。

 まず「窓口対応の改善」でございますが、そこに書いていますように、本年2月に周知徹底を図ったということですが、これは請求の前の手続の段階でございまして、2点ありまして、請求書のお求めがあった場合には必ずその時点で交付するということ。それから、何回か、複数回の御来所をお願いするということになる場合は手続の流れをわかりやすく説明するということについて徹底を図っています。

 それから、今回ですけれども、そこに書いていますように、「不支給決定の理由の説明の改善」ということでございます。詳細な内容につきましては資料3-2の16ページについてございますが、後ほどご覧いただくといたしまして、ポイントは、今後説明を求められた場合に、必ず受け付けた年金事務所で対応する。その際に、対応する事務所がわかるように通知書に事務所の名称を記載する。それから、窓口における対応を円滑に実施できるように、審査を実施しました事務センター等の拠点におきまして、説明の要点をあらかじめ整理しておくということについての留意を求めたものでございます。

 当面、原則として口頭でこの理由の説明というのは、求められた場合実施するということで考えておりますが、これは現時点で医学的な審査の内容につきましての説明方法が必ずしも整理されていないという状況がございます。今後、認定時の記録の記載方法を検討いたしまして、その統一化を図った上で、求めがあった場合には書面で交付するということについて検討していきたいと考えております。

 次、16ページの課題の把握でございますが、これにつきましては現時点での状況を記載させていただいております。お客様の声、あるいは職員へのアンケート、現場職員の意見聴取、こういう3つのチャネルを通じまして課題を把握しております。こういったものに対しまして現時点で対応しているものと、それから今後の対応の方向につきまして記載しておりますので、後ほどお目通しいただければと考えております。

 課題の把握につきましては、今後も継続的に実施しますとともに、対策のフォローアップを定期的に行いまして、機構の中で関係部署と協力し、今後もサービス改善に繋げていきたいと考えております。

 以上でございます。

 

○増田部会長 それでは、ただいまの説明内容についてこれから質疑をしていきたいと思います。御意見、御質問ある方、どうぞ挙手でお願いします。

 大山部会長代理、お願いします。

 

○大山部会長代理 ちょっと理解ができてないので教えてください。資料3-1の5ページ目の(2)で「初診日証明が取れない場合の課題」とあります。そもそも初診日証明の必要性と(1)に書いてあることが、今の制度だからというのはわからないこともありませんが、本質論として、何か改善する方法はないのかと頭の片隅で思いながら、これを認めた上で理解しようとすると、この初診日証明ですが、この初診日証明を出せる人は限定されているのかどうかを教えてください。もちろん、通常ですと医師が出していると思いますが、その場合、限定しているという意味は、保険指定の医療機関でなければいけないのか、そうでないところでも良いとしているか、あるいは海外でも良いとしているのか、その辺の範囲について確認したいので、教えていただきたいと思います。

 というのも、カルテの保存期限の経過とか医療機関の廃院等により初診日の証明が得られずと書いてありますが、今までの歴史から見れば、ある意味そうだろうと思いますが、将来を考えると、この問題の解決策は必ずあると思います。そのためには証明すべき範囲を明確にしないと現実のソリューションが見つからないので、定義を確認させていただきたいと思います。

 

○増田部会長 お願いします。

 

○池上給付事業室長 お答え申し上げます。

 証明として提出していただく資料については特段の限定は設けてございません。医療機関についても、保険医療機関であっても、自由診療の医療機関であっても結構でございますし、もちろん、歯科医師も含まれます。海外で証明書がとれる場合には、それも御提出していただく。

 それから、医療機関からの証明がとれないようなケースも結構ございます。極端な例で申しますと、交通事故の後遺障害が残ったというような場合には、新聞記事でその御本人が事故に遭われたということが確認できればそれで認めるようなケースもございます。幅広く資料を参照しているところではございますけれども、非常に初診日が古くて、どうしても何も準備できないというようなケースもありますので、こういった対応を検討しているところでございます。

 

○大山部会長代理 歯科医師さんでも例があるというのは、全然思いもしなかったので、ありがとうございました。ただ、社会保障の分野は私が言うまでもなく、財源が逼迫しています。財源に余裕があるなら緩めることも可能でしょうが、適切な運用ができないがために緩めるというのはいかがなものかという考えもあると思います。

 解釈を広げるということが何となく暗黙的に是であるという考え方だけで言われるのもいかがなものかと思うので、その点から見ると、そもそもの初診日を認定するときに必要という観点から見たときに、どうあるべきかということについて説明をいただくことはできますか。

 

○増田部会長 今の点、どうですか。

 

○池上給付企画室長 御指摘のとおり、障害年金制度も社会保険でございますので、きちんと保険料を拠出した方が、保険事故が生じた時点で、他の方の御負担で給付を受けるという仕組みでございます。

 それで、この初診日の問題につきましては、実は公務員の加入する共済組合との証明度合いの格差ということも新聞報道で指摘されていたところでございます。報道によると、国家公務員共済については、御本人の申立てが診断書に記載されていればそれで認めているということもあったところでございますが、いろいろな制度の加入が変遷するようなケースもありますので、今回の考え方といたしましては、何らかの参考となる資料をお出しいただくということはやはり譲れないというか、必須だと考えておりまして、ただ、出していただく資料の、それに基づく判断を一定程度柔軟に考えていくというところで考えているところでございます。

 

○大山部会長代理 ありがとうございます。今のお話を聞いていると、もう一つだけ最後に確認したくなるのです。それを聞かせてください。

 通常の病院等に行って治療を受けるという、患者としてはそのために一般的に行くわけですが、その状態での事実、すなわち、保険の状況であれば例えばレセプトに記録されます。あるいは、いつどこの医療機関にかかった、病名は何という、少なくともレセプト病名はついていると思いますが、このような情報で十分なのか、あるいは改めて何らかの証明書の形をとらなければいけないのかで、大きく違うと思います。

 というのは、証明書の形をとろうとすると、本人の記憶だけでは足りないから相手の証明が欲しいとなりますが、、過去に遡った証明になります。そうなると、今の話はそう簡単ではなくて、本人だけが何かエビデンスを持っていて、そのエビデンスがどこかに残されていれば済むという形でなく、もう一方、すなわち、当事者のお医者さん等を探してこなければいけないということになりかねません。その辺のところはいかがですか。後からそこは類推、あるいは状況を見て、これでもいいよという解釈をしてあげるという方が良いのではないかと思いますが、そういう可能性はありますか。

 

○池上給付事業室長 今、レセプトの例示がございましたけれども、初めて受診した医療機関のレセプトであれば、改めて別の証明書類を作成していただかなくても、そこで初診日がわかる項目がありますので、受け付けているところでございます。

 

○増田部会長 今のはよろしいですか。

 公務員共済のほうがちょっと緩過ぎると。申告主義で、言えばそれでOKになるわけですね。ただ、そことの公平性の関係でどうしても、確かに財政の問題あるけれども、間口を広げていくということになっていくのだろうと思いますけれどもね。

 ほかには、この障害年金の関係でございますか。

 どうぞ、安井委員、お願いします。

 

○安井委員 ルール全体を見て、あくまでも、特にこの場合は障害年金の問題で、本人自身が障害を持っているという前提で話が進められなければいけない。その人に証拠を持ってこいよということが前提でルールができている。実は役所サイドでは保険の記録とかそういったものを持っているわけですから、申出があった段階で積極的にそういった記録をたどるということはできないものなのか。こちらの役所サイドから積極的にこれを認めるような制度の成り立ちというのはできないものなのか、こういった部分を検討していただきたいと思うのですね。

 

○増田部会長 今の点、いかがですか。厚生労働省のほうで。

 

○池上給付事業室長 例えば日本年金機構で保有しているような情報につきましてはそれを活用するようなことも可能かと思いますけれども、あるいは初診日自体を、御本人の病状の中で、御本人がどこと判断して申請されるのかというような御本人側の申立ての内容もあるかと思いますので、どういったことができるかというのはちょっと検討させていただければと思います。

 

○増田部会長 よろしゅうございますか。

 今の御指摘、御意見はまた引き続き検討しておいてください。そちら側からどこまで探せるのかということだと思いますが。

 他にはよろしいですか。

 金田委員、どうぞ。

 

○金田委員 3番の知的障害者のサンプル調査とその後の窓口対応の改善、こういうことに関連してお話しさせていただきたいのは、実はこの223人の方は本当に親身になって相談に乗っていただいていたのかなと、こういうことが非常に心配になりますね。と申しますのは、該当する方というのは、当然、知的障害を持っていたり、障害者、障害年金全般に言えることですけれども、御本人並びに御家族、あるいは関係者の皆様が普段の生活環境全てを開示するといいますか、プライバシーを全部表に出して相談するということになろうと思うのですね。そういう意味では、まずは第一番に相談者に対応する仕方が大事であると思います。少なくとも機構には相談ブースがございますね。ところが、市町村は果たしてどんな形で相談に対応されているのかなというのが非常に心配になります。

 と申しますのは、平場の行政事務の隣で相談されているような事例が多々あるのではないかなと想像できるのですね。そういう意味では、これは機構か厚労省か、どちらが担当されるのかは知りませんけれども、相談体制のスペースの確保とか設備の対応というのをきちんと調べるなり市町村にお願いするなりということを厚労省はしていかなければならないのではないかなと。言うならば、その辺の理解が障害年金対象者に対する相談業務の一丁目一番地かなと、このように思うわけです。したがって、今までそんな調査をされているのかどうか、あるいはしてないとすれば、ぜひそのあたりをお願いしたいと思います。

 

○増田部会長 今までの対応のところはどのようになっていますか。

 

○大西事業管理課長 

調査についてでございますけれども、知的障害者の方への相談対応という形で特別に着目した調査は行っておりませんが、市町村の業務の実態につきましては、一昨年度、厚生労働省、財務省、総務省の3省合同調査を実施しておりまして、その結果、市町村でどのような形で国民年金関係の事務を実施していただいているかということについて詳しく調べておりますので、また機会ございましたら、ちょっと先生にも御説明させていただければと思っております。

 御指摘の点はまさにおっしゃるとおり、知的障害者の方からの障害年金請求への対応をするのは基本的に市町村になると思いますので、市町村の方でそのプライバシーの保護が守られるような形で相談に乗っていただくということについては、私どもからも市町村の方へ今後お願いするなり、もう既にやっていただいている部分もあるかと思いますけれども、不十分なことがないようにお願いするということはしてまいりたいと考えております。

○増田部会長 どうぞ。

 

○金田委員 覚えで結構なのですけれども、ブースがきちんとある形の市町村はどのぐらいありました?

 

○大西事業管理課長 

今、手元に調査結果は持ってございませんので、ブースの有無といったことについて調査したかについては今お答えできないのですが、例えば東京都のある区役所などを私が訪問した際には、一定のブースというか、あるいは相談コーナーみたいに、ちょっと執務室の奥の方で対応できるような、窓口の方から見えないような環境になっているところとか、個別にはそういうところはあろうかと思います。

 

 

○金田委員 ぜひその資料をいただければありがたいと思います。

 

○増田部会長 後日、部会の方に出してください。各委員のところに行くようにお願いします。必要であれば、またここで議論したいと思います。

 それでは、この関係、よろしいですか。

 どうぞ。

 

○椎野委員 

一言つけ加えさせていただきます。実際に私ども、障害年金の御相談を受けますが、年金事務所でもうもらえないと言われたのだけれど、だめもとで御相談に来るケースがあります。それは該当する可能性は高いですよということで何件か障害年金の裁定請求をしましたが、他でもこのようなことが多いと聞いています。ですから、今回のガイドラインについては一定の評価はしていますが、年金相談の窓口で対応する職員の方たちについて、先ほどのブースも大事ですが、職員の教育ということをぜひ徹底していただきたいというのが一番のお願いです。

 以上です。

 

○増田部会長 ありがとうございました。これは本質論というか、前もここで議論になりましたけれども、全体として対応の質の向上を図るということは大事なことですので、いずれにしても、自治体のほうの調査も3省でやられたということがありますので、その資料を出してもらうのと、それから、今、椎野委員の方からお話あった、これについてさまざまな苦情等、あるいはいろんな声が機構内に聞こえてきている部分あると思うので、またそれを整理して出していただくようにお願いしたいと思います。

 こちらはよろしいですかね。

 それでは、今の関係については以上にいたしたいと思います。

 最後に、当管理部会で今後取り上げるべき論点等ということでございます。こちらの方について、それでは事務局の方から説明をお願いします。

 

○藤原参与 運営担当参与の藤原でございます。

 簡潔に御説明させていただきます。まず、資料4-1、「『管理部会で今後取り上げるべき論点等』について(案)」でございますが、委員の皆様方より部会において取り上げるべき論点として御提案いただきましたものを記載させていただいております。

 前回以降、7月24日までにいただきました御意見につきましては、赤字とした上で下線を付しておりますので御参照ください。

 次に、資料4-2につき御説明申します。「社会保障審議会年金事業管理部会の監視機能強化のための『特別作業班』の整備について(案)」というものでございます。こちらについては、部会の監視機能強化の一環として、年金業務を担っている厚生労働省及び日本年金機構に対し、部会長より特命を受けた部会委員が業務の現場に赴き実態を調査し、その調査結果を直接部会に報告するというものです。

 部会長が自ら調査する必要があると認めた場合には、部会長の指名する委員複数名の作業班を構成・派遣し、機動的かつ弾力的な運用が可能となるような仕組みを考えております。

 私からは以上です。

 

○大西事業管理課長 

続きまして、資料4-3をご覧ください。前回の部会で、年金福祉推進協議会というNPO法人の活動についての御指摘をいただいたので、整理してございます。

 この年金福祉推進協議会、NPO法人でございますが、管轄は東京都の管轄でございます。厚生労働省のほうの所管ではないので直接指導権限を持ってございませんが、法人のホームページ等をもとに情報を整理しています。

 目的は資料に記載のとおりです。役員等の状況につきましては、例えば理事長の紀陸氏は日本年金機構の初代理事長ですし、理事の加藤氏、吉武氏は厚生労働省の元年金局長ですが、いずれにしても、これらの役員の方々は報酬を一切受けていないということがこのホームページ上の情報からうかがえるということでございます。

 事業の内容につきましては、資料に記載のとおり、国民年金関係で実務的な、先ほど来議論ありましたけれども、市町村との連携等に関して一定の貢献をしようというボランティア活動をなさっているということかと存じます。

 次ページですが、前回の部会でも御指摘いただきました「実務担当者ハンドブック」をこの法人の方で発行されています。これに関しましては、以前、社団法人日本国民年金協会、これは旧社会保険庁が所管していた法人でございますけれども、これは平成25年3月に解散されたということで、その国民年金協会が発行していたハンドブックを継承する形で、26年度からこのNPO法人のほうでハンドブックを発行されるということでございます。ただ、このハンドブック自体につきましては、当時から厚生労働省は特段の関与は行っておりませんし、ハンドブック中の記述によれば、市町村の国民年金の実務担当者の御協力を得てこの本が作られているとのことです。

 前回の部会では、市町村への厚生労働省としてのサポートという点について御指摘をいただいたと思います。それについては、まず資料4-4-1をご覧いただきますと、「市町村国民年金事務サポートツールについて」として、具体的には、先ほど御紹介いたしました3省合同調査の結果として、こういうツール等を作ってほしいという市町村の要望が非常に多いことが判明したことから、ここにありますような、業務支援ツール、通信研修ツール、広報ツールを民間業者にそれぞれ委託して作成しました。

 ツールの実物は非常に大部にわたりますので、ほんの一部だけピックアップしたものを、資料4-4-2、4-4-3、4-4-4として、それぞれ業務支援ツール、研修ツール、広報ツールの一部を配布していますが、時間の関係もございますので説明は割愛させていただきます。

 以上でございます。

 

 

○峯村日本年金機構経営企画部長 次に資料4-5でございますが、全国異動の状況につきまして、日本年金機構の経営企画部長でございますけれども、説明させていただきます。

 1枚めくっていただきまして、まずこれまでの機構設立以降の各年度の4月段階の全国異動経験者数の推移をまとめたものでございます。機構の設立は22年の1月になるわけでございますが、最初の4月の異動から、それぞれ各年度ごとの4月の推移ということで、直近、今年の4月の状況では、全国異動経験者は7,328人ということで、65.7%の職員が全国異動の経験をしている。そのうちブロック間異動経験者につきましては3,157名ということで、28.3%という数字となってございます。

 次のページでございますが、これは27年、今年の直近の異動状況につきまして、男女別、管理職別にそれぞれ分けて集計したものでございます。先ほど申し上げましたとおり、全国異動を機構設立以降行った者は7,328人となっておりまして、そのうち、男女別で見ますと、男性が5,229名、女性が2,099名ということで、それぞれ70%、56.8%という状況になってございます。

 また、全国異動経験者のうち他ブロックへの異動につきましては、昨年度は41.1%でございましたが、43.1%という状況になってございます。管理職、一般職別で見ますと、管理職は、全国異動の経験有りが1,909名ということで79.7%、一般職につきましては5,419名ということで61.8%という状況でございます。

 それから以降、3ページにつきましては、機構におきましては、それぞれの本拠地、それぞれ職員を有しているわけですが、ブロック別の内訳、全国で9ブロックあるわけでございますが、9ブロック+東京の本部、合わせて10の拠点の内訳を示したものでございます。

 それから、4ページでございますが、これは各都道府県ごとにそれぞれの本拠地別の職員と全国異動の経験、それから、自ブロックかブロック間かという内訳を集計したものでございます。

 最後に5ページでございますが、これは男女別に、年齢階層別に全国異動の状況をまとめたものでございまして、25歳、あるいは26歳~30歳の若手につきましては全国異動の経験は9割を超えているという状況でございます。一応そういう形でまとめたものでございます。

 説明は以上でございます。

 

○増田部会長 それでは、これまでの点について、どこからでも結構ですが、御質問、御意見ございましたらお願いします。

 岩瀬委員、どうぞ。

 

○岩瀬委員 資料4-2についてお尋ねというか、部会長にちょっと要望を出したいのですけれども、この特別作業班の設置要綱に関してぜひお考えいただきたいのは、これは部会長が特命、指名した委員で構成するということになっていますけれども、この委員だけで非常に複雑な問題を作業班を作って長時間、時間をかけて解明していくということ自体がかなり難しいかなという気がしまして、委員以外でも、有識者の人を部会長が指名して作業班に加えるという形をとっていただいたほうがよりスムーズに動くのではないかなという気がします。これは過去に年金記録問題をやったときにも、拡大作業班みたいなものを作って、委員以外の人たちにサポートしていただいたというケースもありますので、できましたら、そういう形をとっていただきたい。

 これをやるとなると、あと作業のスペースというか、部屋がやはり必要になってくると思うのですね。ある程度会議室等を確保して、それともう一つ、作業を効率的に進める上ではやはり事務的なサポートも必要だと思いますので、年金局か機構の方で、この特別作業班をサポートする人をつけていただくようにしたほうが効率的に動けるかなと。委員が一々アポを取ったり資料請求しているとなるとそれだけで時間をロスしてしまうと思いますので、その点ちょっと御検討いただければというお願いです。

 

○増田部会長 わかりました。今の点、また検討させていただきたいと思います。有識者がこの部会のメンバーと同じ横並びでこの作業班に参加するのか、あるいはその部会委員の下で参加するのかとか、また少し細かな点も検討いたしますが、御趣旨、できるだけ反映できるようにさせていただきたいと思います。また御報告させていただきます。

 あと、どうぞ。

 

○岩瀬委員 「国民年金実務担当者ハンドブック」に関して、これは22年から26年、発行物があるわけですね。であれば、これのコピーを委員会に全部出していただきたいというのが1つ。

 それと、サポートツールに関する契約関係ですね。契約書はまだいいですけれども、どういうところとどういう契約をしたのか、金額はいくらなのか、これを一覧表にして出していただけませんか。

 

○増田部会長 それでは、現物は次回お願いしますのと、それから、契約の関係はまた中で見ていただいて、それでこちらの方にお願いします。

 他にはいかがでございますか。

 原委員、どうぞ。

 

○原委員 ありがとうございます。

 資料4-1の今後取り上げるべき論点の関連ですが、事務局に別途お願いも申し上げているのですが、過去数年間の間に、この部会、あるいはこの部会の前身の会議でどういった問題が指摘されてきて、これまでどう解決してきているのかということの整理をしていただけないかなと思っております。

 これは、これまで委員されている方々はもう頭の中に入っていらっしゃるのかもしれませんけれども、改めて見える形にして整理してみるということは意味があるかと思います。その上で、この論点、どういった議論をしていくのかという検討ができないかなと思います。というのが1点。

 それからもう一点、先ほど岩瀬委員おっしゃられた特別作業班でございますが、この会議の冒頭、最初でもございました、このルール全般の見直しを検証していくということをまさにこの特別作業班で集中的にやっていけるといいのかなと思います。

 以上です。

 

○増田部会長 ありがとうございました。この部会、あるいは前身の部会のところでどういう作業をやってきたのか、取り上げた論点と、あとその結果を見やすい形で、それをずうっとまたもう一回やるというよりも、今の御趣旨は、それでこの部会でカバーできなかったところが見えてくるはずなので、今後の議論の参考にということですが、その目的に沿った形で資料をまとめて出していただきたいと思います。

 それからあと、この作業班でどういう作業をするのかについては、検証委員会で出てきたことも含めて、それで一回整理して、また皆さんとよく御相談して取り上げていきたいと思いますので。

 他にございますか。

 どうぞ、安井委員、お願いします。

 

○安井委員 資料1-1ですけれども、「年金機構の業務執行の再点検等」ということで、各ルールが見直されるというお話ですけれども、このルールのおおむねの説明がその下にあるのですけれども、これの正確な定義と、それから、「基本方針」から「指示・依頼」までの相互関係というものをちょっとまとめていただかないと、その後で私どもが拝見したときに一体どこが焦点なのかというところがわかり切らなくなってしまうので、その点の整理をお願いしたいと思います。

 

○増田部会長 わかりました。それでは、事務局で、次回、あるいは次々回のときに、今の点、お願いします。他にはいかがですか。

 よろしいですか。

 それでは、最後に事務局から、残った資料5の関係の説明をお願いします。

 

○藤原参与 運営担当参与の藤原でございます。

 資料5につき御説明申し上げます。資料5「国民の皆様からの年金事業管理部会へのご意見の受付状況」でございます。

 7月末までに寄せられた御意見の件数は、記載のとおり、お手紙によるもの16件、電子メールによるもの46件、合計62件となっております。

 なお、受付開始日は7月29日でしたが、7月16日に報道発表を行った関係上、その日から寄せられたものもこの中に含まれておりますので、御了承ください。

 電子メールで寄せられた意見につきましては、昨日、私から委員の皆様にメールで御送付いたしました。手違い等で届いていない委員の方がいらっしゃいましたら、お手数ですが、私までお知らせください。

 また、御送付しましたPDFファイルにはパスワードをかけております。開封に必要なパスワードについて御存じない委員の方がいらっしゃいましたら、お手数ですが、こちらも、私まで個別にお尋ねいただきますようお願いいたします。

 なお、郵送で寄せられた意見につきましては、多くの資料を同封してお送りいただいた意見等がございまして、PDF化した上で委員の皆様に御送付すべきか、あるいはその他の方法によるべきかについて検討中でございますので、いましばらくお待ちいただきますようお願いいたします。

 以上です。

 

○増田部会長 ということで、こういう窓口を設けた初期段階ということもあるかと思いますが、私も現物を見ましたけれども、かなりの量です。要するに物理的なという意味でかなりの量のものが来ていますので、またできるだけメールでお送りするような形で、直接ご覧いただきたいと思いますが、郵送で送られてきたものをどうするか、また少し考えさせていただきたい。その関係で何か御意見あれば。

 岩瀬委員、どうぞ。

 

○岩瀬委員 意見というか、できたらそのようにやっていただきたいと思うのですけれども、郵送で送られてきたものをPDF化して送っていただくというのは一つの手だと思うのですけれども、これは1回こっきりでなくて、毎月どんどん来る可能性があるわけですね。委員として一番楽なのは、それをエクセルみたいな形で整理していただいて、資料に関してはPDFで送っていただくと、一覧して眺めやすいし、管理もしやすいと。

 その作業は、僕は、そちらでやっていただくというのは、とてもではないけれども無理だと思いますので、入力作業に関しては、誰か入力のオペレーターの方を年金局か機構で雇った上でそういう作業をしていただいて、費用に関しては当然年金局か機構で持つという形にしていただいたほうが、せっかくの情報が活用しやすいのではないかなと思うのですけれども、その辺はちょっと考えていただけないかなという気がします。

 

○増田部会長 来る量がどの程度かとか、私も少し様子を見たいと思っていますが、直接我々のところに来るという趣旨を損なわないような形で、今おっしゃったように、いわゆる物理的な作業の部分を何か軽減できるようなことを考えてやる必要があると。そうしないと、我々のほうも多分きちんと、むしろ見られなくなっても困るなと思うので、少しそこは検討させてください。どういうことをやれば一番我々も真意を把握できるか、少し検討させていただきたいと思います。

 他にございますでしょうか。

 よろしいですか。

 それでは、少し時間超過して恐縮でございましたが、本日の議事は全て、以上で終了したいと思います。

 次の日程について、事務局の方からよろしくお願いします。

 

○藤原参与 次回の日程につきましては、改めて御連絡させていただきますので、よろしくお願いいたします。

 

○増田部会長 それでは、本日の会議はこれで終了させていただきます。どうもありがとうございました。


(了)

ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 社会保障審議会(年金事業管理部会)> 第12回社会保障審議会年金事業管理部会議事録(2015年8月6日)

ページの先頭へ戻る