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2015年6月25日 第123回社会保障審議会介護給付費分科会議事録

老健局老人保健課

○日時

平成27年6月25日(木)
17:00〜19:00


○場所

ベルサール秋葉原 ホール(2階)


○出席者

阿部、安部、井口、井上、内田、大島、亀井、河村、小林、齋藤(訓)、齊藤(秀)、佐藤(深井参考人)、鈴木、鷲見、武久、田中、田部井、東、平川、福田(重田参考人)、堀田、本多、村上、山際(敬称略)

○議題

1.平成27年度介護従事者処遇状況等調査について
2.介護事業経営実態調査について
3.地域区分について
4.介護サービスの質の評価について
5.その他

○議事

○迫井老人保健課長 それでは、定刻になりましたので、第123回「社会保障審議会介護給付費分科会」を開催させていただきます。

 委員の皆様方におかれましては、お忙しい中、御出席を賜りまして誠にありがとうございます。

 本日の委員の出席状況でございます。

 大西委員から、御欠席の連絡をいただいております。

 また、佐藤徹委員にかわりまして深井穫博参考人、福田富一委員にかわり重田恭一参考人にそれぞれ御出席をいただいております。

 また、小林委員は公務の関係で、途中で退席をされると伺っております。

 以上より、本日は24名の委員に御出席いただいておりますので、社会保障審議会介護給費分科会として成立することを御報告させていただきます。

 それでは、冒頭のカメラ撮りはここまでとさせていただきたいと思いますので、御協力をよろしくお願いいたします。


(カメラ退室)


○迫井老人保健課長 それでは、以降の進行につきまして田中分科会長にお願いをいたします。


○田中分科会長 皆さん、こんにちは。

 本日は、「平成27年度介護従事者処遇状況等調査」「介護事業経営実態調査」「地域区分」「介護サービスの質の評価」などについて御議論をいただくことになっております。

 事務局より、資料の確認をお願いします。


○迫井老人保健課長 老人保健課長でございます。それでは、お手元の資料について確認をさせていただきます。

 まず議事次第、それから委員名簿がございまして、その後ろから資料1といたしまして「平成27年度介護従事者処遇状況等調査の実施について(案)」でございます。

 それから、資料2でございますが、「平成27年度介護事業実態調査(介護従事者処遇状況等調査)」。

 資料3でございますが、「第12回介護事業経営調査委員会における主な指摘と対応について」という1枚紙でございます。

 資料4は、「介護事業経営実態調査等について」というタイトルの資料でございます。

 資料5は、「地域区分について」という資料でございます。

 それから、資料6でございますが、「介護報酬でのサービスの質の評価の導入に関する取組について」という資料でございます。

 これ以外に、参考資料が3つございます。

 参考資料1、「平成25年度介護事業者処遇状況等調査結果の概要」。

 参考資料2、「平成25年度介護従事者処遇状況等調査結果の概況」。

 それから参考資料3でございますが、「平成26年度介護事業実態調査(介護事業経営実態調査)」となってございます。

 以上が資料でございますけれども、資料の過不足等ございましたら事務局にお申しつけいただければと思います。


○田中分科会長 ありがとうございました。

 ここから、議事次第に沿って進めてまいります。

 まず、議題1の「平成27年度介護従事者処遇状況等調査について」の議論を行います。

 資料について、事務局から説明をお願いします。


○迫井老人保健課長 老人保健課長でございます。

 それでは、お手元に、資料1、資料2、それから資料3につきまして御説明をさせていただきます。

 今年度実施を予定しております平成27年度の介護事業者処遇状況等調査に関しまして、先般、一度分科会で大きな方向について御議論いただきまして、その後、先立って今週の月曜日でございますが、6月22日に介護事業経営調査委員会で具体的な調査設計等につきまして御議論いただきまして、今回実施の案といたしましてお持ちをしております。

 資料1をご覧いただきたいと思います。表紙でございますが、こちらに全般的な事項がまとめてございます。

 順番に、「1.調査の目的」でございます。これは、従来から行っております介護従事者の処遇の状況及び介護職員処遇改善の加算の影響等、こういったことを議論していただくための基礎資料ということでございまして、2.の時期につきまして調査がことしの10月、それから「公表時期」は以降集計をいたしまして来年の3月を予定しているものでございます。

 それから、調査の具体的な対象、抽出率を3.でまとめてございますけれども、「(1)調査対象」ということで、これは従前とほとんど変わっておりませんが、この後簡単に従前との違いを御説明します。「抽出方法」「抽出率」、これらは基本的には従前のものと変わっておりませんで、「調査項目」も同様でございます。

 従前と違うことにつきましては、おめくりいただきまして次のページに表でまとめさせていただいております。こちらで大ざっぱに御理解いただくのが一番早道だろうと思いますけれども、2ページです。今お話ししましたとおり目的、それから対象施設・事業所につきましては従前のものと同じでございます。

 調査の対象につきましては、先般分科会でも御紹介させていただきましたけれども、処遇の関係につきましていろいろと御指摘、御議論をいただくことが多いその他の職種といたしまして事務職員、調理員、栄養士を追加するということで調査設計をさせていただいております。

 調査の方法につきましても先般お示しをしましたけれども、従前の調査に加えまして、従前の調査は2年連続で勤務をされている方を対象としておりますので、そうではない勤続1年未満の方につきましても調査をさせていただくという形で追加をさせていただきたいということでございます。

 それから、「処遇改善加算」に関します調査につきまして3点ほど追加をしております。

 いずれも平成27年度改定の対応でございますけれども、27年度改定で従前の加算に加えまして新しい((ローマ数字1))の加算というのを設定いたしておりまして、その加算を取得していただくことを基本的には想定しておりますが、その加算が活用されていない場合につきましてはその理由を調査したいということで追加をしてございます。

 2点目でございますが、給与等の引き上げ以外の処遇改善。これは、職場の環境等の関係の要件等を含めてでございますけれども、こういった調査につきましては従前から行っておりますが、新しい加算につきましては今年度に入りましてからの取組について要件を設定しておりますので、そのことにつきまして調査をさせていただくということで、これも27年改定での対応でございます。

 それから、最後でございますが、「特別事由届出書」ということで、特別事由の届け出が必要になった場合につきましてその届け出を求めておりますが、その対応についても合わせて調査をさせていただきたいということでございます。

 3ページにございますのは「抽出率」、それから施設の類型と職種に関します抽出でございますけれども、これらはいずれも従前からの考え方と同様にやらせていただきたいということでございます。

 残りの資料を簡単に御説明させていただきますけれども、資料2です。今お話をさせていただきましたような内容を具体的に調査票として、これは経営調査委員会でもお諮りをしまして、御意見を幾つかいただきまして修正も含めて対応させていただいております。

 おめくりいただきまして、従前との違いだけ御説明させていただきますと、資料2の3ページでございます。先ほど申し上げましたとおり、傍聴の方にはカラーが多分写っていないと思いますが、メインテーブルの方々には黄色で示してございます。具体的に申し上げますと、問2の(2)で「1」と答えた方に関しましてというところで、27年度改定に対応しました項目を追加いたしております。これは、3ページの下半分でございます。

 それから、4ページの今度は上半分でございます。これも同様でございますけれども、27年度改定に関します対応につきまして、職場環境等要件ということで名称の変更も含めて対応いたしております。

 おめくりいただきまして5ページ、6ページ、これは今触れましたけれども、27年度改定におきまして職場環境等要件ということで記載の内容についても変更いたしておりますので、それに対応いたしております。

 8ページ以降には、それぞれ対象のサービスごとの調査になっておりますが、8ページ、9ページ、それぞれに修正が大きく2点ございます。事務職員、調理員、栄養士に関します追加、それから当該年につきましては1年未満の従事者につきましても人数調査をさせていただくということで、その追加が8、9、101112ページとございます。1314ページも同様でございます。

 それから、従事者票に関しましては1415ページ、実際にはこれは1枚の紙になりますけれども、3職種につきましての追加です。

 それから1718ページ自体が追加になりますが、先ほどから何度も申し上げております勤務の年数、1年未満の方への対応が別表で一つついているということでございます。

 最後に資料3でございますが、1枚紙でまとめさせていただいております。先ほど触れました、先般、今週の6月22日にこの調査設計に関しまして委員会にお諮りしております。そのときに御指摘いただいた点、既にもう何点か対応しておりますけれども、1枚紙にまとめてございます。

 幾つか御指摘いただきましたが、主だったものですけれども、1.でサテライト事業所というのがございます。これは、特に今回追加で調査をするような事務職員とか調理員等が配置されていない可能性があるのですが、その取り扱いはということでございます。これは、もともと調査の対象を抽出する、その代表といいますか、基本的なデータが「介護サービス施設・事業所調査」から引用することになっておりますけれども、その時点で既に区分をしておりませんので、これは技術的には対応することは困難で、これらも含めてというふうにさせていただきたいということでございます。

 2点目でございますが、「調査対象職員」に関しましては派遣職員をどうしますかという話がございますけれども、これはもともとこの調査を始めたときから直接雇用しております職員に関しましての処遇を調査するというふうにせざるを得ないということで、そういう対応をしております。

 その一方で、当該事業所がどの程度の規模か、どういった人数が従事されているかということを把握するという意味では派遣職員も加えるという考え方でやってございます。ですので、基本的に従来と同じ考え方でやらせていただきたいということでございます。

 それから、2.の(2)は「全職員数」という記載になってございますが、これはわかりにくいということでございましたので御指摘のとおり修正させていただく、あるいはわかりやすく注釈をつけさせていただくということでございます。

 3.の1年未満の従事の方の抽出率、これは他の方と同様に考えておりましてそういった対応をさせていただきたい。

 それから最後でございますが、「4.経営状態と合わせた分析」が有効なのではないかという御指摘をいただいております。これにつきましては、私どもとしてもそういった観点での調査は重要だろうと思っておりますけれども、1つには調査票の中にそういった項目を一つ入れさせていただいているということと、特に経営実態調査とこれをクロスして分析するということにつきましては、それぞれが別々の抽出で行っております関係で、たまたま両調査で該当してヒットしたところについては分析可能かもしれませんが、数的には限定されてしまいますので、その場合の解釈もなかなか難しいということで、これは中長期的な課題として今回こういった形で原案どおりやらせていただきたいということでございます。

 このような形で御指摘いただいたものは既に資料2で御説明させていただきました調査票については反映させていただいているということでございます。

 今回、こういった御提案を御了承いただきまして10月に実施をさせていただきたいと考えております。事務局からは、以上でございます。


○田中分科会長 ありがとうございました。

 ただいまの説明に対して御意見、御質問がありましたら御発言ください。

 村上委員、どうぞ。


○村上委員 ありがとうございます。まず、今回、平成27年度の報酬改定の過程の中では、26年の夏ぐらいから大幅なマイナス改定が見込まれている中で、この介護職員処遇改善加算を堅持して、しかも努力をする事業所へのインセンティブとして、より発展的な新区分を創設されたことは我々事業所にとっても歓迎すべきことだと思っております。さらに、これから獲得に向けて一層の努力が必要ではないかと思っております。

 今回の調査票は、そうした新区分を獲得することについて障害となっている事柄をうまく抽出できるものになっているかどうかということについてちょっとありますけれども、例えば調理員や事務職員は外部委託されている事業所もあると思います。こうしたところの集計上の取り扱いについてはどういうふうにされるつもりなのか、確認をさせていただきたいと思います。

 また、調理も法人全ての事業所に配布する食事を一括してつくっているところがありますし、そのときの事業所ごとの按分等はどのようになさる予定なのかについてもお教えいただきたいと思います。以上です。


○田中分科会長 質問にお答えください。


○迫井老人保健課長 老人保健課長でございます。

 今、御指摘ございました内容につきましては1枚紙でも一部触れさせていただいておりますけれども、調査を行うに当たっての一定の限界といいますか、前提条件があろうと考えております。ですので、例えば委託で実際に派遣をされております職員の方につきましては、現実問題も含めまして実際の給与については把握することはできない。逆に言いますと、直接雇用されている方についてのみ把握ができるということになります。一応そういう前提での調査なのだということで、今回この集計を行うに当たっての分析、あるいは解釈について配慮するということかと思います。

 そういったことも含めて、限界はありながらも今回こういう形について調査することについては最終的に委員会のほうでも御議論いただきまして、やはりこういった職種の方々についての処遇が実際問題さまざまな場で御指摘を受けておりますので、課題であることは間違いないということですから、調査に限界があるという前提ではあってもやはり調査をする意義はあるということを委員会のほうでも御指摘をいただきましたので、我々としてはこういった形で調査させていただきたいと考えてございます。


○田中分科会長 山際委員、どうぞ。


○山際委員 ありがとうございます。関連して、大きく2つの視点で確認をさせていただきたいと思います。

 まず、1点目は今の御回答にもかかわることですが、そもそもの話として本調査は介護従事者の処遇改善の状況を調査するということであって、介護従事者とは直接処遇の職員というふうに私ども認識をしておりますが、今回その調査対象に事務職員であるとか調理員を含める理由をもう少し明確にする必要があるのではないかと考えております。むしろ直接処遇の職員に限定すべきではないかと考えております。

 そもそも食事については、介護保険の制度上は平成1710月以降、保険給付外となっておりますので、処遇上何らか制度で行うことを考えているかということについて確認をさせていただきたいと思っております。

 次に、2点目は調査の方法論についてですが、事務職員であるとか調理員については今もお話が出ましたとおり、直接雇用以外に委託であるとか派遣、出向など非常にさまざまな形態があるということでありまして、事業本部の経費で計上されているような場合もあったり、正確な処遇状況の実態を把握するのは極めて困難だろうと思われます。

 また、当然そうした場合に人件費、物件費に分かれる状況、本部と事業所との按分など、数値算出には非常に手間がかかるだろうということが想定をされます。

 こうした中で、正確な数値把握が困難で手間のかかる調査を行う目的はどこにあるかということをはっきりさせる必要があるだろうということで、処遇改善の対象に入れ込むのか否かということを明確にすべきであろうと思いますし、いずれ調査をしたとなれば正確でない数値であっても、一旦数値が固まってしまうと場合によってはひとり歩きして本来の目的と違うことにもなりかねないと思っておりますので、ここについては慎重に行ったほうがいいのではないかと考えております。

 単にその状況把握を行うということであれば、今回のような政府の統計といった形式ではなくて、老健事業の調査研究費などを活用して調査目的を明確にし、調査範囲を狭めて一定の正確性を担保して調査をしたほうがよいと考えますが、いかがでしょうか。こうした点について、ぜひ明らかにしていただきたいと考えます。


○田中分科会長 老人保健課長、お願いします。


○迫井老人保健課長 老人保健課長でございます。

 2点、大きく御指摘、御質問があったように思います。

 まず1点目でございますが、今回の調査の目的、先ほどこれは資料でも御説明させていただきましたけれども、今後の審議の基礎資料ということでございます。その前提として、近年、特に大きな課題となっております介護職員の処遇に関しまして検討していただくためのものでございます。

 私どもの認識は、直接介護に従事をしておられます職員の方々の処遇を調べるというのはもちろん一番大きな内容になりますけれども、現にこれまでもそうなのですが、例えば処遇改善の加算の対象となっておられないような医療系の専門職の方々に関しましても参照するといいますか、比較をするという意味で調査をしております。同様に、今回処遇改善の加算の対象として職種を一定程度限定しているという事実関係といいますか、実態があってこの加算を運用しておりますけれども、そのことに関します議論、あるいは御指摘の中に今回調査の対象とさせていただいているような事務の方とか、調理にかかる方々とか、こういった方々の処遇はどうなんだ、そういった方々に対しても配慮する必要があるのではないかといった御指摘がございましたので、やはり我々としてはその実態を把握した上での御議論が必要ではなかろうかということでございます。

 それから、2点目の技術的な観点での御指摘、御質問でございます。確かに、現場におきましてはさまざまな形態での従事、あるいは調理なり事務なりの作業をされているということでございますが、これは逆に申し上げますと、現行のさまざまな形態というのは他の従事の方々についても同じように考えられる部分がございます。

 それから、現在の調査のやり方につきましても、基本的には主として従事されております職種を把握して給与額として計上するという考え方でございまして、勤務時間等で按分するということはおっしゃるとおり困難だと思いますので現在行っておりません。

 それから、法人が他の部署といいますか、当該事業所以外で雇用されているケースもあり得ると思いますけれども、そういった場合につきましても基本的には一定のルールで仕分けをして記載をしていただく。これは、何も調理とか事務の方に限った話ではございませんで、現行でもそういった形で調査を行っておりますので、我々としては確かに一定の限界はありながらも基本的に調査は技術的には可能で、さまざまな課題がある、限界があるという前提で集計させていただきたいと考えてございます。


○田中分科会長 平川委員、どうぞ。


○平川委員 ありがとうございます。調査票の内容につきましては、この方向でいいのではないかと思います。特に、経年的に調べていくということからも余り大きな変化がないような、過去の実態と比較してどうなのかということでいくとこういう方向になるのかなと思っています。

 ただ、この間の介護従事者の平均給与額の状況を見てみますと、前回の平成24年度と平成23年度を比較したデータと、平成24年と平成25年を比較したデータを見ますと、前年と比べてどうなのかというデータはわかるのですが、経年的に見てどうなのかがわかるようなものがいいかと思います。例えば、平成23年9月の介護職員の常勤の給与は269,820円となっていますが、平成24年9月のデータを見ますと269,760円ということで減っているんですね。なぜ減っているかという分析は、いろいろな要因があるので一概には言えないと思いますが、このように前年度で比較すると給与は少しは改善されているのですが、経年的に見ると逆に下がっているのではないかと、思われるところがありますので、その辺の分析も必要ではないかと思います。そういった意味で、先ほど研究事業でという話もありましたが、より詳しい経年的な賃金の水準につきましては研究事業などで今後もやっていくことがいいのではないかと思っているところであります。

 また、以前さまざまなデータ、例えば賃金構造基本統計調査、それから介護労働安全センターによる介護労働の実態調査もデータとして出されたことがありますので、今後の審議の際にはこういうさまざまなデータも参考として出していただければと思っているところであります。意見として言わせていただきます。


○田中分科会長 御意見ありがとうございました。

 内田委員、どうぞ。


○内田委員 ありがとうございます。まず調査する時期ですが、10月というのはこの前も申し上げました通り、小さな事業所等は様子を見ながら一時金でといったようなことが考えられますので、まだまだ給与等に反映されていなかったりすることもあり、本当の意味で実態が出るのかという心配があります。

 それから、この調査の項目を見させていただくと、1ページのところで次のものを新設あるいは引き上げを行ったかといったようなところが問1の(3)であるんです。それで、夜勤手当、時間外手当等の各種手当は、実際に労働しているわけだから当然払われなければいけないものです。この処遇改善加算を各種加算に使ってはいけませんよと言われているはずで、そうすると恐らくそれ以上に出していますかということを聞きたいのかもしれませんが、夜勤手当等に処遇改善加算を回していいですよと読み取られてしまうのではないかと、懸念があります。

 それから、その後の例えば5ページ以降の「資質の向上」等のところでいろいろ書いてあるのは、処遇改善加算の定量的要件のところの項目だと思うのですが、例えばその中で、ここで見たときに下のほうに「事故・トラブルへの対応マニュアル等の作成による」云々とありますが、そういったマニュアル等は事業所としてつくっていて当たり前のことなので、それが何か定量的要件ですごくいいことをしていますといっていいのか疑問です。ここの項目も、何かもう一工夫要るのではないでしょうか。以上です。


○田中分科会長 お答えください。


○迫井老人保健課長 老人保健課長でございます。

 御指摘の1ページにかかる内容は、全体的に事実関係として職員の方々の給与をどうされたのかということを聞いております。あくまでも処遇改善加算を設定している、その事業所、あるいは事業所全体といいますか、介護サービス全体かもしれませんが、どういうふうに使われたのかということを評価するために、事実として、給与をどうされたのか、処遇をどうされたのかということを聞いております。したがいまして、今、御指摘のあったようなことも含めて全体的な状況を聞いているということがまず前提でございます。

 それから2点目ですが、5ページにかかる記載は今回加算を設定させていただいたときに、例示的なことも含めてですけれども、この職場環境等要件の実際の記載内容、これは例示も含めてでございますが、それをそのままここに記載させていただいております。ですから、逆に言いますとそこは余り修正したり、変更したりしますと、事業所の方々にとっては非常に戸惑いが大きいと思いますので、その例示の是非の問題はあるかもしれませんけれども、あくまでそこをそのままにさせていただいて、むしろ記載しやすく、あるいは記載しやすくさせていただいた上で、実態をうまく定量的に把握したいという趣旨でございます。


○田中分科会長 では、東委員、それから武久委員の順でお願いします。


○東委員 全老健の東でございます。

 今回の調査の内容に関しましては、ご説明のとおりでよろしいかと思います。

関連で1つ御報告でございます。この度の介護報酬改定を受けまして、全老健において新設加算等の算定状況の実態調査を実施しました。4月、5月の速報値が出ましたので、この場で御報告を申し上げます。

 5月の速報値でございますが、老健施設の場合、新しい介護職員処遇改善加算((ローマ数字1))と((ローマ数字2))を合わせますと90.9%の算定率になっております。新しい介護職員処遇改善加算((ローマ数字1))のみでも73.4%という大変高い算定率になっております。これには、私どもも驚いております。

 この数字の意味するところは、やはり現場では職員の離職等の危機感がかなりあるのではないか。この介護職員処遇改善加算を早く算定して、介護職員の処遇を改善しようという動きが急速に高まっているのではないか、と感じておりますので御報告致します。従って、介護職員の離職の状況等を今後別の調査等でもっと調べていかないと、危機的な状況に陥ってからでは遅いのではないかと考えております。以上でございます。


○田中分科会長 ありがとうございました。

 武久委員、お願いします。


○武久委員 介護療養型医療施設がいつ調べていただいても一番処遇改善給付金をもらっている率が低いのでございますけれども、病院でございまして、介護施設と医療施設とが混在している。それで、介護施設のほうの介護職員にだけ1万2,000円を例えばあげる。医療のほうはあげないというのはなかなかやりにくいことでありまして、従来は医療機関の介護職員に対しても同じように補助金をいただけないかという主張もしてまいりましたけれども、現実問題としては20歳の人口が120万人で、ゼロ歳児が100万人という状況の中において、我々は我々の職員の皆さんの給料をぜひ上げたいと思っているところでございまして、これは介護及び医療に関係なく病院に勤めている方全体に関してそういうふうに理解しているわけです。

 特に介護職員は、業務の内容から見まして肉体労働の上に学術的な知識及び技術、その上に接遇というような非常に多くの要素を持った業務をしておりまして、私はそばで見ておりましても、私がずっとこういう大変な仕事を10年続けられるかなと思うと、やはり彼らに対する評価はもう少し上げるべきだとかねてから思っております。

 基本的には、病院で勤めている医療スタッフは全員同じような待遇でいくのがいいと思っていますが、リスクとか、いろいろな国家資格の問題もありまして、現実には職種によって給与格差がついている現状ではありますけれども、心としてはそういうふうにしたいと思っております。

 そういうことで考え方を変えましたら、どちらにしても職員、特に介護職員の給料を上げないといけない。そのうちの半分をこの改善給付金で賄っていただけるということは逆にありがたいことだと思うようにしております。そういう意味からすると、このように病院なり介護施設に勤めている各種の職員の網羅した調査というのは非常に適切じゃないかと思います。

 病院は決して介護職員だけで成り立っているわけではございませんので、介護職員処遇改善加算金でしょうか、これがリードして病院で働く、また介護施設で働く、在宅で働くスタッフの全体の給料のかさ上げにつながるということに利するものであれば非常にいい調査だと思いますし、今後もこのような方向をしていただくということはありがたいんですけれども、本来は介護報酬の中から経営者が当然人件費に配慮してするものだろうとは思いますので、将来はそういうふうに全体のほうが変わっていくように指導していただけたらと思っております。以上です。


○田中分科会長 齋藤委員、お願いします。


○齋藤()委員 私も5ページの質問内容が大変気になったところなのですが、先ほど迫井課長の御説明で、とにかくこれは算定要件にあるものをそのまま並べているので、今回はこれでという御説明だったと思いますので、それはそれでいたし方ないかなとは思うのですが、
昨今、離職の問題が大きく取り上げられていて、職場環境の改善と、それからやはり離職防止の取り組みの重要性を考えていくと、先ほど東委員がおっしゃったように、職場環境改善についてどんなことをやっているのかはもう少し細かく見ていかないと実態はわからないだろうと思います。

 ですから、この5ページ目の特に処遇の改善、あるいは労働環境のところはいろいろな要素を含んだ項目が並べられているので、具体的に何を行っているのかという実態はちょっとつかめないのかなというふうに少し感じました。

 それから、6ページ目の「その他」の(P)に中途採用者に特化した人事制度の確立とあり、例として短時間正規職員制度の導入が出ているんですけれども、これも例示と言えば例示なのですが、正確には短時間正規雇用は中途採用者に特化した制度ではないと思いますので、仮にも厚生労働省が調査をやるときに、こういった不正確な認識を醸成するような言いぶりというのはいかがなものかと感じております。

 それからもう一点、これは確認ですけれども、本日この調査につきましていろいろ意見が出て、若干修正が入るのかどうかはちょっとわからないのですが、ぜひ最終案につきましては分科会のメンバーに御提示をいただきたいというお願いでございます。


○田中分科会長 御質問はなしでよろしいですか。


○齋藤()委員 はい。


○田中分科会長 では、意見として承ります。一わたりよろしゅうございますか。

 統計調査は、この案で行います。調査結果が上がったときにはきょういろいろと御指摘いただいたような点を踏まえて分析を加えなくてはいけませんね。御懸念のあった点を意識した分析を行いますが、時間の都合上、統計調査については原案、つまり一応委員会でもんで修正された、本日ここに出されている案で行うことになります。結果が出てきた段階での分析については、もちろんこちらで討議することになります。

 続いて、資料4「介護事業経営実態調査等について」に移ります。こちらの資料の説明をお願いします。


○迫井老人保健課長 老人保健課長でございます。

 資料4「介護事業経営実態調査等について」という、この議題について御説明をさせていただきたいと思います。

 まず、今回、御議論いただく前提を確認させていただきますけれども、おめくりいただきまして1ページ、2ページに書いてございますが、特に2ページをご覧いただきながらですが、次回改定に向けまして従前行っておりますような調査、介護事業の経営に関する調査を行っていくということがまず大前提でございます。これは、これまで分科会の運び方等でもお示しをしてきております。

 その上で、きょう御議論をいただくのが事実上初回でございますけれども、1ページ目に記載させていただいておりますが、今回の改定に関連をいたしましてこの経営実態調査、概況調査も含めてでございますけれども、さまざまな御指摘をいただいております。

 1ページ目に大まかにまとめさせていただいておりますが、「○」3つ、四角3つでございます。

 まず、審議報告の時点で、より有効に活用されるような集計方法など調査設計を検討すべきであるという指摘がございます。それから経営実態調査の結果をお示しした時点で、1ページの真ん中の四角で「○」で4つの「・」、これはこれが全てということではなくて、恐らくほかにも含めていろいろ御意見はあろうかと思いますが、この時点での分科会における代表的な御意見でございます。

 1つ目の「・」、サービスごとの按分の問題、調査上の限界でございますとか、それから創設後間もないような事業所に関しまして同じように扱うといった課題、あるいは法人単位の問題、3つ目の「・」でございます。それから、介護サービスごとの収支差率、他産業との比較を安易に行うべきではないというようなことでございますとか、それから回収率に関しましては努力はしているんですけれども、まだ改善を進めていく必要がある。

 こういったさまざまな御指摘をいただいていて、改定に関しましては財政当局との折衝もございますが、その時点におきましても、より客観性、透明性の高い手法を網羅的に把握できるような対応を考えるべきである。こういった御指摘をいただいておりますので、我々としてはきょうを皮切りにそういった御指摘、あるいは課題について可能な限り対応していくための議論を本日、まず第1弾としてお願いしたいということでございます。

 2ページ目は繰り返しになりますが、今後想定されているスケジュールです。

 以降、これまで御指摘いただいたことを大きく論点で幾つかまとめさせていただいてございます。

 3ページ以降で順次御説明させていただきますけれども、最初の3枚目、4枚目、5枚目、論点1−(マル1)、(マル2)、(マル3)としてございますが、これは調査の対象期間とか、データの把握の方法とか、そういった調査に関します手法と、それから頻度とか、あるいは時期に関します御指摘をまとめております。

 3ページ、「論点1−(マル1)」でございますが、まず対象の期間でございます。現状どうなっているか、これは御案内のとおり改定の前年の3月、1カ月間の単月調査です。これはなぜそうなっているかというと※印に書いてございますが、可能な限り直近の状況を反映させるためということで、3月単月ということになってございます。

 指摘としては、これは当然かもしれませんが、単月の調査ですから季節変動、特殊要因の影響を受ける。したがって、1年分の収支を把握すべきではないかということです。

 では、なぜそうなっていないかも含めてが「論点」ですが、1年分の収支等の状況を調査するということをどう考えるかということでございます。これは、記載は一部、ある意味省略させていただいておりますが、前提としては現状のところに触れておりますとおり直近の状況を反映させて、かつ改定の議論に間に合わせるためには、3月の調査で調査書を出して集計して、9月なり10月なりの議論に間に合うためにはこの時期がぎりぎりです。

 逆に言いますと、恐らく通年度調査のお願いを事業所のほうにいたしますと、年度が終わってそれをさらに集計したものを記載してということになりますので6月あたり以降の時点での調査、したがいまして、改定の議論に間に合わないリスクといったジレンマがあるということでございます。そういったことについて、3ページの「論点」に戻りますが、どう考えるのか。

 それから2つ目の「・」ですが、先ほど幾つか指摘が現にございましたけれども、財務諸表の活用のあり方をどう考えるのか。あるいは、今お話をしましたが、1年分の集計を行うと遅くなる。こういったことについてどう考えるのか。このあたりが「論点」であろうと思います。

 次に1−(マル1)に続いて1−(マル2)、4ページでございますが、「複数年のデータ把握」、これは分科会で何度か委員に御指摘いただいております。先ほどは単月ということが論点でございましたけれども、もう一つの「論点」として複数年のデータを把握するべきではないか。これは例示として出していますが、診療報酬、医療保険に関しまして「これまでの指摘」のところに書いてございます医療経済実態調査、これは同じ病院、診療所につきまして改定前後の複数年の収支を把握するということで比較をすることが可能になっているということですけれども、この点、介護についてどう考えていくのかということの指摘を受けております。

 「論点」としましては、今お話ししましたとおりですけれども、まずそういった複数年の収支の把握をどう考えるかというそもそも論があります。それから、先ほどと関連しますが、複数年の収支を把握するということになりますと記入負担も相当大きくなるということもありましょうし、それから集計分析の作業量が非常に増加をする。その増加すること自体、避けるべきかどうかは議論がありますが、その集計作業に伴って報告が遅れてしまうということで、分科会の議論に適切に反映させるには一定の影響がありますということをどう考えるかということでございます。

 おめくりいただきまして「論点1−(マル3)」と称していますが、5ページで「実態調査と概況調査の関係」ということでございます。これは、「現状」のところは少しわかりにくいかもしれませんが、従来これまでの介護報酬の改定は概況調査という名称で改定後1年目の1年分を通年調査で行っております。これは、その後の1年分余裕があるので、調査集計する時間的余裕があるものですから通年でできるということでございまして、※印に書いてございますが、改定後の全体的な傾向、概況を把握するためにやっています。それで、その次の年に引き続き実態調査というのを行っています。これは改定後2年目、先ほど御説明しましたが、単月1カ月分、3月の調査と直近の収支ということでございます。

 「論点」といたしまして、仮に実態調査は季節変動を含めて通年として行ったほうがよいという話になった場合に、今やっております通年、1年目の通年調査の必要性をどういうふうに考えるのかというのがまず1つ目になります。

 「考えられるメリット」ということで書いてございます。これは次の6ページで、いってみれば一つのイメージ、例でございますけれども、こういうふうな整理なのかなということでイメージを書かせていただいております。6ページをご覧になりながら見ていただければと思いますが、6ページの表は上の行、下の行、2行ございますけれども、「概況調査(改定後1年目)」「実態調査(改定後2年目)」となっております。

 今まで出てきた論点を大体踏まえてやるとしたらこうかなというイメージですが、例えば改定前後の2年分のデータを把握するということがもし行えるのであれば、集計作業に時間がかかりますので、やるとしたらその改定の直前ではなく、向こう3年間の例でいえば平成28年度かということで、その場合は2年分のデータを把握して調査をし、集計をするという格好になります。それから、実態調査を仮に通年で行うということになった場合には、28年度改定2年目のものを3年目の29年度に行うのかと、こういうふうな格好になるのだろうと思います。

 一応こういうイメージを念頭に置いているんですが、5ページに戻っていただきまして「考えられるメリット」として改定後1年目のデータ、これが通年調査を行っている場合には分科会で検討開始時点から比較的早い段階で概況が把握できます。それから実態調査、これは改定後2年目と合わせることで情報量が多いわけですから、より多くの収支の状況がわかります。それから、複数年のデータ把握を行うような先ほど御説明させていただいたようなこと、これはもしやるとしたら時間的な余裕のある概況でやることが考えられますということです。

 ※印に書いてありますが、こういったバリエーションは通常の改定ということですが、特殊要因として次回の改定までには29年4月、これは一応予定ではありますけれども、消費税引き上げ対応が想定されておりますので、実質的にはこの調査は連続してやらざるを得ないということはまずお含みおきいただきたいということでございます。

 ここまでが調査の手法に関します主だった論点で、7ページの「論点」の2番目ですが、先ほどの課題の中でも既に触れさせていただきました法人単位での収支についてどう考えるか。

 「現状」は、サービスごとということです。

 指摘として受けておりますのは、そもそも収益部門、不採算部門をバランスさせて実態として事業をやっておられるわけですから、そういった総合的な視野が要るんじゃないかという御指摘があります。それから、法人という単位で物を考えていただくとするならば、借り入れ等も含めましてキャッシュフローも把握する必要があるんじゃないかという指摘を受けております。

 「論点」としまして4つ「・」が書いてございますが、介護報酬は実際の問題としてサービスごとに設定をせざるを得ませんし、ですから、サービスごとの調査を行っております。仮に法人単位全体の状況を把握するということについて、そもそもどう考えるのかという話であります。

 2点目としまして法人の事業、これは逆に言いますと介護保険事業を専業でやっておられる法人もあるかもしれませんが、基本的にはさまざまな事業の中の介護保険事業一つでございますので、それのみを把握するということが可能なのかどうか。

 それから、介護保険事業とそれ以外の全体の収支差率を把握したとして、それをどういうふうに活用することができるのかという論点。

 それから最後でございますが、本部会計への繰り入れ、これは本部に帰属されます役員報酬等が代表的な例でございますけれども、これは現在も実額を費用に計上していただいているのですが、こういった取り扱いについてそもそもどのようにお考えいただくのかという論点がありますということでございます。

 引き続きまして、8ページの「論点3」です。一部は先ほど出てきておりますが、介護報酬以外の収支に関します取り扱いです。

 「現状」はどうなっているかといいますと、施設・居住系サービスにつきましては、介護保険外のサービスも合わせて提供されております。ですから、費用の按分が困難なので介護報酬以外の家賃、管理費等を含んだ事業全体の収支の状況を調べさせていただいているということでございます。

 このことについての御指摘といたしましては家賃、管理費等を含んだ事業全体の収支について介護報酬部分での比較をしていく必要があるのではないかという御指摘であります。

 「論点」としまして2つ掲げさせていただいておりますが、こういった介護保険部分、介護保険外の部分が一体的になっているというような場合、これは切り分けて収支を把握するということについてそもそもどう考えるのか。

 それから、介護保険部分のみの収支の切り分けが客観的に本当に可能なのかという論点があるということでございます。

 続けて説明させていただきますと、9ページの「論点4」、その他というふうにまとめさせていただいておりますけれども、指摘といたしまして介護報酬の設定、これは税等の費用を控除する前の収支差率を用いています。法人によって、法人格によっては課税される法人、課税されない法人があります。これは不公平ではないかという御指摘がございます。

 それから収支差率の計算、これはやや技術的な話になりますが、国庫補助金等を受けておられる場合についての取り扱い、特別積立金の取り崩し額というものを控除する仕組みになってございます。いろいろ御指摘はありますけれども、この点についてどう考えるのかということでございます。

 最後に、「論点5」とまとめさせていただいています。これはどちらかというと事務的な内容になりますけれども「集計精度の改善」、主に回収率ですが、回収率の向上はこれまで一定の努力をさせていただいておりまして改善も見ておりますけれども、指摘といたしましては有効回答数が少ないといったような母集団の小さいもの、それから記入不備が多く見られるようなもの、これについてどうするのかということについて改善を基本的に進めていくということだろうと思いますけれども、そういった取組についてどのような方策が考えられるのか。こういった論点がございます。

 以上、いろいろな切り口ではございますけれども、これまで御指摘いただいた課題とか、あるいは御提案、御疑問については基本的に網羅させていただいたつもりでございます。

11ページ以降には、事実関係といたしまして、11ページは現状の経営実態調査、それから12ページは概況調査、実態調査、それから医療経済に関します調査の比較をしてお示しをしております。

 以上、論点につきまして御議論いただければと思っております。事務局からは、以上でございます。


○田中分科会長 ありがとうございました。

 ただいまの点について、質問がありましたらお願いします。

 鈴木委員、どうぞ。


○鈴木委員 この介護事業経営実態調査については、改定の議論のときにも何回かお話をさせていただいたのですが、診療報酬の実態調査と比べると不十分です。迫井課長は参考だとおっしゃいましたけれども、しっかり改定に使われましたので、実態をしっかり把握する必要があると思います。

 論点についてお話させていただきますと、「論点1−(マル1)」の「調査対象期間」、これは単月では季節性の変動などがありますので、1年分の収支を把握すべきであろうと思います。財務諸表の活用ですけれども、診療報酬でも、後で課税法人、非課税法人の話も出てきますが、そうした差ができるだけ反映されるような調査にすべきだとして、キャッシュフローの把握が必要であるということになり、大きな病院はキャッシュフロー計算書を作成しておりますので、作成しているところはそれを出していただく。

 キャッシュフロー計算書を作成していない病院に対しては、簡易的にキャッシュフローが把握できるものを出していただく、具体的には短期長期の借り入れによる収入及び短期長期の借入金の返済による支出、それらを記入してもらうことによって簡易的に置きかえることができる項目を入れて調査が行われることになっておりますので、ぜひ参考にしていただければいいと思います。

 それと、1年分にすると大変なのではということですけれども、診療報酬では特に1年分にしたからといって結果の報告が遅れるというような話にはなっておりませんので、これは取組の仕方次第ではないかと思います。「論点1−(マル2)」の「複数年のデータ把握」、これも違う対象を比較してどうだとは言えないと思いますので、同一の対象の改定前後での比較が必要だと思います。

 実態調査と概況調査の関係ですが、概況調査は診療報酬にはありませんが、イメージ図を見ますと、平成26年度と27年度の改定前後の2年分のデータ把握が中医協の実調に相当すると思います。1つはこれが概況調査という名前になりますと、では診療報酬はいつも概況調査で回答しているのかということになる問題があると思います。

 それから、実態調査が改定後の2年目の1年間ということですが、この上と下が違う事業所になると、今度はこの両者の比較ができないということになるので、どうしてこの図がいいと思われているのか、御説明していただきたいというのが質問でございます。例えば、改定後の2年目に過去3年分のものを出していただくとか、あるいは2年目に改定前の1年分と2年目のものを出していただくとか、そういうやり方も考えられるのではないかと思いますし、どうせやるなら同じ事業所で比較をしていくことが必要ではないかと思います。これは、意見でございます。

 それ以外のところでございますが、7ページの「論点2」の法人単位ということですけれども、これは例えば決算書を提出していただくというようなことがあれば可能かもしれませんが、そもそもサービスごとに介護報酬が決められているわけですから、収支も同じ単位で把握しなければ調査の趣旨が不明確になるのではないかと思います。

 また、法人全体の状況把握をしても介護保険事業の割合によって重みも違ってきますし、介護保険事業のみを把握するためには共通の費用を正確に出して差し引くということが前提になりますので、そうした困難さを伴うのではないかと思います。

 それと、8ページの「論点3」の「介護報酬以外の収支による部分の取り扱い」、これも切り分けられるものであれば分けてもいいのかもしれませんけれども、実際に任意のこのような調査では難しいのではないかと考えられます。

 「論点4」のその他です。課税法人と非課税法人で不公平ではないかということですけれども、これはそのとおりでございまして、診療報酬でも多くの持分あり医療法人は営利企業と同じように法人税を払っております。そこと公的公立の医療機関、あるいは医療法人でも社会医療法人のように法人税が非課税の法人もございますので、そうしたところが同じ事業をしても差があるのは不公平だ、不合理だということは我々も感じております。税や借入金の元金返済が非常に重い負担になっておりますので、そうしたものをしっかり考慮した後の収支差率で比較すべきだということを中医協でも話をしておりまして、結局れが反映できるキャッシュフローがわかるものを入れていくことに今回の実調からなっておりますので、そうしたことを参考にしていただければよろしいと思います。

 後のほうの国庫補助金の控除をどう思うかということですけれども、医療法人にとってはなじみのない話ではありますが、例えば公立病院には一般会計からの繰り入れが年間7,000億、8,000億あるわけです。そういうものがあるのなら、それを入れて考えないと本来の状況はわからないと医療では考えております。

 また、「論点5」の10ページの「集計精度の改善」でございますが、これにつきましては、一般的な話ですけれども、電子化のメリットを生かすとか、あるいは中小事業者のサポート体制を強化するというようなことが必要ではないかと思います。以上です。


○田中分科会長 前段に質問が1つありましたので、お願いします。


○迫井老人保健課長 老人保健課長でございます。

 6ページのイメージ、確かにこれは一つの例ではありますけれども、いろいろな御議論、論点を最終的にうまく対応するとしたらこういうやり方かなということでお示しをしています。

 どうしてこうしたかということの御説明ということですので、ポイントが多分2つあると思います。

 1つは、2年分のデータを把握する、複数年のデータを把握するといった場合、やはりその事業所、あるいは施設にとりまして3年前とか4年前というふうにさかのぼればのぼるほど、記入者負担などから恐らく非常に困難な状況になるだろう。そう考えますと、やはり2年把握するとすれば直近2年分かなということがまず1点目です。

 それから2点目、これは先ほどやり方の中でも少し御説明をさせていただいたかもしれませんが、医療における経営実態調査と介護事業所に関します介護の経営実態調査の大きな違いの1つは、医療の場合には小さな診療所がもちろんあるとはいえ、診療所、病院を初め薬局もそうですが、比較的その事業規模とか事業の形態が介護のバリエーションといいますか、裾野の広がりと比べますと、より均一といったら言い過ぎかもしれませんけれども、比較的対応を定型化しやすい。それから、薬局とか診療所は別かもしれませんけれども、比較的規模の大きな組織が基本となっていますので一定の記入負担にもある程度対応していただける。

 一方で、介護はさまざまなサービス、さまざまな事業所、それから法人格もそうですが、ございますし、規模の点でいいますとなかなかその作業負担、記入負担をお願いするのには一定の配慮がより必要なのかなということでございます。

 その上で、集計に際しましては一定程度回答をいただかないとやはり意味がございませんので、2年分のデータを把握して、集計自体はもちろん我々も努力をするのですが、記入していただいてお返しをいただくまでの期間もある程度とらざるを得ない。そうしますと、例えば27年、28年の集計を29年度に行った場合には、先ほどから御説明しているとおり我々も努力はするのですが、改定の議論に本当に間に合わせられるかどうかという点では少し我々として慎重にならざるを得ないものですから、したがいましてもし2年通年でやるとすれば28年度にやらせていただくのがいいのではないか。

 その2点で、こういう形で対応させていただいたらどうかという御提案にしているということでございます。


○田中分科会長 どうぞ、鈴木委員。


○鈴木委員 今の件に関してです。医療機関にも小規模な診療所はございますが、そうしたところに対しましては、例えば青色申告で代用するなど、簡易的な対応も可能なようにしておりますので、さらに検討していただきたいと思います。6ページの図で問題なのは、実態調査は改定2年目の1年間で、これが本調査になると、概況調査と別な対象になり、結局改定前後の比較ができないのではないかと思います。それでは概況調査を改定前後とする意味が薄れるのではないかと思います。まだ時間がありますので、もう少し検討していただければと思います。

 せっかくやるのですから実際使えるものにしていただきたいし、結局改定に使われてしまうわけですから、しっかり実態が出るものにしていただきたいと思います。この調査は公的な保険の使い方を見るものなので、内容が複雑で回答が難しいという御意見もいただくのですが、そこは小規模な事業者に対する配慮はしつつ、協力をお願いすることが必要ではないかと思います。以上です。


○田中分科会長 たくさん手が挙がりましたが、本多委員どうぞ。


○本多委員 今、鈴木委員が言われたように、精緻なものを求めるということについては全く私も異論はないですが、ただ、現状の中でこの1年間の収支を求めるということになると、介護事業者としてもかなり負担になってくるのではないかと考えられます。例えば、仮に複数月をとるとか、まず最初は試みとしてやるほうがいいのかなと感じます。

 また、介護については医療と異なって季節変動要素というのも比較的少ないのではないかと思われます。複数月というような形も事務負荷の問題とも合わせて考えられます。資料の10ページを見ても、有効回答率が上がってきているといっても5割に達していないということですし、精緻なものを求めれば求めるほど有効回答率が下がるということも懸念されますので、そういった方向も併せて御検討していただければと思います。

 それから、「論点2」と「論点3」の関係ですが、こちらは鈴木委員が先ほど言われたるとおり介護報酬自体がサービスごとという形ですので、こういった法人別とか介護報酬以外の収支ということをとっても余り意味がないのではと感じるところです。


○田中分科会長 ありがとうございます。

 武久委員、どうぞ。


○武久委員 特に、この調査は去年8%平均利益があるとかということで、ことしの介護報酬の削減というか、抑制の源となった調査でありますね。この前のときもそうですけれども、特に昨年出た調査は収支差の分布図を出していただけていたんです。

 これから見ると、利益が30%出ているところと、マイナス30%のところ、それだけもうけているところがあるのか。しかも、マイナス30%でまだ事業を続けているのか。おかしいじゃないかと私は思って、それを全部平均してプラス8%で、どういうところがマイナス30で、どういうところがプラス30なのか。真面目にやっていてマイナスなのか、それとも不真面目にやっていてプラスが大きいのか。

 そこで8%利益が出ているから、ばさっと下げたときにはいいところが潰れるんじゃないかという話を去年のときにさせていただきましたけれども、大体それだけの差が出ること自身がこの調査の不確かさ、要するに実態を本当に反映しているのか。両方足したら60%の差があるわけですね。

 これは、本当に実態をあらわしているのか。私は常にダウトフルかなと思っていたんですけれども、これは調査の限界と言われればそれまでですが、できましたら昨年度プラス20以上とか、マイナス20以上とかになったところに関しては、もう少し個別にそういうようなところの集団に対してどういうふうな調査に対して回答しているのか、実態はどうなのかというのをある程度把握しないと、全部平均でこれからも報酬が決まっていくということになりますと、この調査の正確性という意味で非常に危惧するところでございますけれども、老健課長はいかがお考えでしょうか。


○田中分科会長 お答えください。


○迫井老人保健課長 老人保健課長でございます。

 御指摘のような分布の図も、前回の調査ももちろん含めてお示しをさせていただいております。幅が確かにあるのは事実でございますし、マイナスのかなりのところからプラスのかなりのところまで分布がある、これも事実でございます。ただ、分布の裾野自体は薄くなっておりまして、山なりになっておりますので、我々の理解としましてはこの調査の精度にもちろん課題はあるんですけれども、ある程度の傾向自体を調査として把握はできているのではなかろうかと考えております。

 その上で、これは論点の中にも入っているのですが、一方でその法人といいますか、組織を運営される場合にはさまざまな採算がとれる部門、採算がとれない部門、合わせて考えておられると思いますし、変動要因としてマイナスがあったとしてもずっとマイナスということも恐らくない。逆に言いますと、それはサービスとして成立をしませんので、そういう複数年での問題、さまざまな要因が積み重なってそうなっているということでございます。ですので、極端な数値が出た場合について研究すべきだというのは御指摘のとおりだと思います。

 ただ、我々として少し悩ましいといいますか、難しいと考えておりますのは、事業形態でございますとか、それから実態が非常に多様なバリエーションがありますので、一定の類型化をするということはちょっと難しいかと思っておりますので、調査を進める中で個別のそういう極端な数値についてどういったことでそうなっているのかということを、そういう極端な数値については従来から問い合わせ、照会等を行って、なるべくその精度を高める努力をしておりますので、そういった事例を把握する中で対応させていただくことも考えていいのではないかというふうに、きょうの時点ではございますけれども、感じているところでございます。


○田中分科会長 東委員、村上委員の順でお願いします。


○東委員 全老健の東でございます。今日はファーストラウンドということなので、質問というよりは御意見を申し上げたいと思います。

 今、武久委員もおっしゃられましたが、介護報酬改定の前の直近のデータとして、介護事業経営実態調査のサービス毎の収支差率のみを材料として取り上げ、財務省関係から厳しい数字で糾弾されて、マイナス改定という結果になりました。この介護事業経営実態調査の調査方法等については、介護給付費分科会の多数の委員からも様々な意見が出ておりました。それらを踏まえ、この介護事業経営実態調査の収支差率の多寡だけでなく、それに対する裏付け・根拠等が示せるようなデータがとれるような調査項目等を、次回は入れ込んでいただきたいと考えております。以上を踏まえて、3点申し上げます。

 1点目は、調査対象期間でございますが、鈴木委員からも御意見が出ましたけれども、1カ月というのはどう考えても実態を反映しておりません。例えば、老健施設の近くにサ高住とか特養ができて、利用者がいなくなった途端にその1カ月はものすごく収支が悪くなる。それから、2〜3カ月かけてまた入所者が入り、何とか収支がトントンになるといったように、それがいつ起きるかわからないのです。ですから、直近データなのでとおっしゃいますけれども、調査対象期間の1カ月は絶対にやめてほしいというのが事業者の立場でございます。

 とはいいましても、医療と介護の調査対象数は確かに介護の方が多いので、医療と同様に調査対象期間を2年間とまでは言いませんが、少なくとも1カ月というのは余りにも短い期間でございます。先ほど本多委員からも御指摘がございましたが、せめて複数カ月の期間を調査対象に入れていただきたいと思います。

 2点目は、これも複数の委員から御指摘がございましたが、やはり老健施設の経営においては、借入金の元金の返済が大変重くのしかかっております。医療経済実態調査では、キャッシュフローの調査が調査内容に入っておりますが、ぜひ介護事業経営実態調査でもキャッシュフローの調査項目を入れていただかないと、単に収支がいいということだけで判断をされたら、とてもたまったものではございません。先ほど老健課長からもお話がございましたが、借入金等を含めたキャッシュフローの調査の分析は、サービスごと、法人ごと等、どうするのか、技術的には確かに難しい面はあるとは思います。しかし、何とかここを乗り切れるように実態が少しでも見えるような形で調査項目等の設定をお願いしたいと思います。

 3点目でございますが、平成25年5月31日に行われました第94回介護給付費分科会において、介護事業経営調査委員会の資料として、いわゆる内部留保の分析結果についての資料が出されました。この資料の24ページに、基本財産を維持する上で必要となってくる利益をベースとした必要内部留保額というものが、きちんと定義されております。

私は前々から言っておりますように、内部留保はあってしかるべきだと考えております。施設を運営しておりますと当然建てかえとか補修、修繕等がございます。そういうものを維持する上で必要内部留保額というのが必ず必要となるわけですから、こういうものも含めた調査内容にしていただきたいとお願いをする次第です。以上、3点でございます。


○田中分科会長 ありがとうございます。

 それでは、村上委員、山際委員、お願いします。


○村上委員 ありがとうございます。今お話ありました鈴木委員、東委員と重複するところがあるかもしれませんけれども、まず「論点1」と「論点2」に関してですが、今回このような形で調査そのもののあり方を見直す方向で進めていただけるのは大変ありがたいというふうに私たちは思っています。増税対応のための概況調査の実施と改定前後の2年分のデータを把握することについては依存はございませんけれども、少なくとも単月調査での実施については季節変動等の影響、あるいは今お話があったようないろいろな状況がございますので、それが色濃くあらわれるということから、改めてより正確に現場の実態が見られるようなものにすべきではないかと思っております。

 また、法人単位での収支の把握については、あくまで介護給付費分科会である以上は介護サービスに限定するのが妥当であろうと思います。一方で、法人経営については介護保険料の収入が必要な原資であるということは間違いありません。当該事業の継続に必要な設備資金借入金の返済等に係るキャッシュフローについては把握し、報酬上も勘案することが必要だと思います。

 それから、「論点2」と「論点3」にかかわることで法人単位の収支についてですけれども、社会福祉法人会計の会計基準独自の問題として、併設事業所について一体的に会計処理を行っている場合の按分率の問題があります。運営指針の別添1、勘定科目説明に沿ってどの項目がどのような方法によって按分された調査結果なのか、また次の機会で構いませんのでお教えいただきたいと思います。

 関連して、経営実態調査における食費、居住費収入、管理収入や補助金収入、それから市町村特別事業収入、住宅収入など、これらは各事業所で按分しているのかどうか。按分しているとすれば、どのような方法によって按分しているのか、お教えいただきたいと思います。

 それから、「論点4」の収支差率*の計算に関してです。これは詳しいことはお話いたしませんし、今までもお話ししてきたことなんですけれども、私たちの団体としては社会福祉法人における国庫補助金等特別積立金取り崩し額の扱いについては検討が必要だと思っております。国庫補助金等特別積立金取り崩しは、資金の裏づけのないものです。したがって、収入に含まれるということについては違和感があるのではないでしょうか。

 国庫補助金取り崩し収入を含めた上で均衡がとれるようにコスト構造がつくられているのが社会福祉法人の会計ですけれども、この取り扱い自体も補助金が継続的に続くことを前提とした会計処理となっておりますので、これをどのように考えていくかということについて検討していただきたいと思います。以上です。


○田中分科会長 テクニカルな点については、介護経営調査委員会のほうで取り上げることにいたします。

 山際委員、どうぞ。


○山際委員 ありがとうございます。3点、意見を申し上げたいと思います。

 1点目は調査の対象期間についてですが、これは皆さんと同じでやはり季節変動等がございますので、1年分の調査に変更することは妥当だろうと考えております。

 2つ目ですが、一方で今回も発生をいたしましたが、介護報酬以外の収支を含めることはこの調査趣旨から外れるのでやめるべきではないかと考えております。例えば、特定施設については介護報酬の収支部分のみに限定すべきだと考えております。

 3点目ですが、以前からこれも意見として申し上げてまいりましたが、法人形態ごとに財務会計の方法等が異なるということがございますので、本調査に経営実態をより正確に反映できるよう、調査方法であるとか調査票の作成に当たって、事業者側へぜひヒアリングを行っていただきたいと思っております。その上で、真に介護経営を反映した調査結果になるようにぜひしていただきたいと考えております。以上です。


○田中分科会長 ありがとうございます。

 堀田委員、お願いします。


○堀田委員 2点あります。

 1点は、調査期間は皆様と同じで1年にしたほうがいいのではないかと思います。

 もう一点ですが、「論点2」と「論点3」に関連して法人ごと、法人単位で見るかどうか、法人全体の状況を把握するかどうかということですけれども、確かにこの経営実態調査、概況調査、この趣旨を考えると、この調査の中でそれをやることはなかなかすぐさまは少なくとも難しいと思いますし、趣旨にも直結するものではないと思うのですが、他方で持続可能なサービス提供体制をつくっていくということを考えると、安定的な事業のあり方、そのマネジメントのあり方ということを考えていくと、この場、あるいはこの調査ではないかもしれないけれども、どうやったら持続可能なサービス提供体制、そしてそのビジネスモデルをつくっていけるかということが研究事業なり、あるいはここには事業者団体の方々も多くいらっしゃるわけなので、そういった検討が並行して進んでいくことは期待したいと思います。これは、希望ということです。以上です。


○田中分科会長 鈴木委員、どうぞ。


○鈴木委員 堀田先生の意見、1年分という法が多かったと思うのですが、複数月という話もありました。東委員から施設系でも変動があるというお話がありましたけれども、通所サービスでも皆さんのところはわかりませんが、私のところではかなり変動があります。

 4月から7月ぐらいまでは伸びるのですが、8月のお盆で減って、それから少し戻ったかと思うと台風などで減ったりしながら、寒くなると徐々に減ってきて、お正月で大幅に減って、それから暖かくなると増えていくというような大きな季節変動があります。どこの月や複数月をとるかという話になっても決められないと思いますので、やはり1年は必要ではないかと思います。以上です。


○田中分科会長 わかりました。

 それでは、一わたり意見を伺ったと思いますので、本日の意見を踏まえて介護事業経営調査委員会において引き続き検討いたします。先ほど事務局から提示されたスケジュールに沿って、この給付費分科会のほうにもその結果を挙げて検討することにいたします。

 続いて、「地域区分」に移ります。資料5の説明をお願いいたします。


○迫井老人保健課長 老人保健課長でございます。

 資料5、「地域区分」につきまして御説明をさせていただきます。

 おめくりいただきまして、まず1ページ目、2ページ目は事実関係、それから「基本的な考え方」でございます。詳細の御説明は時間の関係もありますので、1ページ目の地域区分はなぜ設定しているのか、「基本的な考え方」で「○」は4つございます。

 地域ごとの人件費の地域差を調整するための単価の調整。

 平成12年に制度を創設した時点で国家公務員の調整手当を基本。

 その後、人事院勧告を踏まえてその国家公務員の調整手当の修正がございました。

 そういったことに対応していますけれども、4つ目の「○」は後で出てきますが、27年度、今回の介護報酬改定におきまして、もともとの原点をちゃんと確認させていただいた上で、これは民間事業者の賃金水準を基礎としたという形で幾つか見直しをしております。それから、隣接する地域の実情も踏まえた形でということで、一定の範囲内で複数隣接する地域につきましては選択できるようにした。あるいは、広域連合に対する対応も行ったというようなことが、まず事実関係としてございます。

 おめくりいただきまして、今回こういったことを御議論いただく背景が3ページ、4ページでございます。

 3ページは、審議報告をまとめさせていただいた時点で御指摘いただいておりまして、3ページの「地域区分」の「基本的な考え方」、これは抜粋がございますけれども、主にはこの下4行でございますが、地域区分というのは地域間における人件費の差を勘案して、地域間の介護保険費用の配分方法を調整するものということで、財政的な増減が生じない財政中立が原則である。

 その一方で、地域区分の設定方法として、介護人材確保での近隣自治体との均衡を考慮し、地域の実情を踏まえて市町村域を超えた、より広域的な範囲において設定が可能となるようにすべきという意見がありました。これが、今回御審議、御議論いただきたいという一つの背景でございます。

 4ページに論点ということでまとめさせていただいておりますけれども、現在検討すべき課題ということでまとめてございます。

 1つ目の「○」は、先ほどから触れておりますけれども、この地域区分、これは市町村ごとの介護従事者の平均的な賃金水準を、現在考えられる一番公平・客観的な把握の方法として、民間事業者の給与を反映させるために、それに準拠させて設定しております公務員の地域手当という枠組みといいますか、制度ですね、この地域区分に基づく上乗せ割合をもとに、介護報酬にそれを設定して反映させていただいているということでございます。

 その上で、公務員の地域手当の設定がないという市町村がございます。これは※印に書いてございますけれども、人口5万人未満の市・町村、それから通勤者率の設定はございませんが、こういった市町村につきましてはその隣接する市町村の状況を活用させていただいて設定している。先ほど、27年の改定で複数選択できるというふうにさせていただいたのは1ページ目の説明です。

 4ページ、論点の2つ目の「○」でございますが、「一方」ということで先ほど御紹介しました審議報告がございます。設定の方法としまして、より広域的な範囲において設定可能なようにすべきであるという御意見、これについてどう考えるかということを御審議いただきたい。

 例として最後の5ページでございますけれども、これは囲まれている隣接地域と地域区分で大きな差が出ているような事例です。事例といたしまして東京都の三鷹市でございますけれども、これを見ていただきますと、隣接する地域といたしまして23区の杉並区、世田谷区、それから23区ではございませんが、武蔵野市、小金井市、調布市に三鷹市は囲まれてございますけれども、地域区分の設定に関しましては23区、杉並、世田谷は20%、それから武蔵野、小金井、調布は全て15%、見直し後の本来の割合というのが数字的には151616ということでございます。

 経過措置でございますので、現時点では今、御紹介した数字ですが、いずれにいたしましても周辺に囲まれております隣接地域は全て三鷹市の設定よりも高いという事例がございますけれども、4ページに戻っていただきまして、こういった大きな差が生じている事例についてどのように考えられるのかということでございます。

 3つ目の「○」ですが、これは一つの例でございますけれども、今のような例以外につきましても現在の設定について課題がある事例というのも当然考えられるということでございますので、これは我々事務局としての認識でもございますが、各自治体の意見を聴取した上で、公平・客観的な方法という観点も踏まえながら、課題や論点等を整理して御審議いただくことが必要なのではないかということでございます。

 それから、論点の4点目でございます。先ほどもちょっと触れましたけれども、財政中立で行うべき地域区分に基づく介護報酬の単価の調整、これについて仮に地域区分を見直す場合の財源についてどのような対応が考えられるのか。こういった財政中立、財政の点についても論点として掲げさせていただきまして、合わせて本日御審議をいただければと考えております。

 事務局からは、以上でございます。


○田中分科会長 ありがとうございました。

 では、この点に関して御質問、御意見をお願いします。

 河村委員、どうぞ。


○河村委員 現在の地域区分の問題については、再三、私からもいろいろな発言をさせていただきました。地域間における人件費の調整をするため、国家公務員の人事院規則に準拠してやってきたこと自体が様々な問題を起こしているのではないかと私は思っております。

 今、三鷹市の例が挙がりましたけれども、三鷹市には国の官公署がないというだけで、周辺市と比較してこれだけの差がついています。三鷹市にある介護施設、あるいは介護事業者については、この地域区分が周辺市より低くなってしまうという実態があります。また、私どもの西多摩地域の中でも市町村でばらばらであります。

 例えば、福生市は国の官公署があるから地域区分が高く、一方で、その隣にある羽村市や青梅市は、財政力がありながら低くなっています。このことから一般論として誰が見ても納得できる地域区分の仕分けの仕方ではないのではないかと私は従来から発言してまいりました。そういう点で、この地域間の地域区分の問題については一体どうするのかということを検討していただきたいと思います。

 一つの物の考え方ですけれども、三鷹市の清原市長も子供関係の審議会に出席した際、地域区分の問題について発言しています。東京を分ける場合に23区と26市、あるいは26市の中でも従来からある北多摩、南多摩という地域に分けることができます。私どもが所属しているのは西多摩地域でありますから、そういう大くくりにしないと地域内の事業者間の問題が解決できないのではないかと思います。

 一つの例として前回挙げさせていただきましたけれども、私どもの町は、平成24年改定時には地域区分が3%でした。介護保険施設が4つありましたが、0%を選択しました。すると、事業者から隣の村が3%で、うちがなぜ0%なんだという問題が発生しまして、3年間にわたり一般財源を2,000万円ずつ、介護保険施設に投入してまいりました。そういう点で、今回はこの地域区分に私はこだわって発言をさせてもらいました。

 それと同時に、全国に928ある町村の中では、それぞれ市町村が隣接している部分が違います。それはそれで今、言った地域区分の問題を解決していただきたい。また、928ある町村の中でもう一点非常に重要なことは過疎地域の特別措置法、あるいは離島を含めた特別措置法などで様々な措置が行われていることです。

 こういうところは、なぜ特別措置法ができたのか。それは、様々な点で特別措置法をつくらないと、その地域の市町村の財政運営が安定しないということからつくった経緯があります。そういうこともきちんと確認をしていただきたい。自治体の意見を聞くということでありますから、こうした自治体の意見を聞きながら、本当に数は少ないと思いますけれども、意見を聞きながら、数が少ないからそこを捨ててしまっていいのかという議論は皆さんにお考えいただきたいと思っております。

 今後この地域区分の問題については、こうした問題点を踏まえながら具体的なスケジュールを含めて議論していただきたいと思います。以上です。


○田中分科会長 ありがとうございます。

 武久委員、どうぞ。


○武久委員 介護保険制度が始まったときは、総務省の公務員の基準にして地域区分を決めるということは、ある程度基準としては当然と思いますけれども、15年たって同じ地域の中で非常に過疎なところ、同じ市の中でも過疎なところ、そこの地域に限局した事業所は多分やっていけないだろう。

 この計算の仕方は、1回単価掛ける利用者割る従事している職員の常勤換算数ということで、常勤換算の1人当たり、1回当たりの収入、または1日当たり、1カ月当たりの収入というのが決まってまいります。

 当然のことながら、都会であれば利用者が非常に多いのでアクセスが非常にリーズナブルになります。1日行える人数が増えてまいりまして、その利用者人数も増えてまいります。ところが、過疎地域に行きますと利用者人数自体が1日では稼げないということもありますので、過疎地を切り捨てるのであれば今の地域区分のままでいいと思いますが、地方創生で何とかそういうところにも要介護者が住めるような日本をつくろうと思えば、それは何らかのことを考えていかないと、そういうふうな数値でやっていくということもお考えいただかないといけないのではないか。都市部のまあまあ利益がある程度出ているところがボランティアで、赤字覚悟で周辺部に何とか人を回しているというのが現状です。

 だけど、やはりボランティアでは長続きしません。これは国が何とかしないといけないんじゃないでしょうか。まさにサービスのないところには人は住めないし、人の少ないところにはサービスがいかないという当然の市場原理のままでいいんでしょうか。局長の御意見を聞きたいと思います。


○田中分科会長 局長、お願いします。


○三浦老健局長 先ほどから老健局課長が御説明申し上げているように、この地域区分というのは介護サービスを提供するときのコスト構造の中でも一番重要な部分である人件費をどのように勘案するかということでありまして、人件費の高い地域ではコスト構造上やはり大きな負担がかかるので、それを軽減させるロジックをとして、今まで使ってきたのが公務員の手当を勘案するという仕組みです。

 したがって、恐らく武久委員がおっしゃりたかった、地域の特性に応じて不効率になりがちな部分をどうするかということの勘案とは別の議論としてこの地域区分というのはあります。地域区分の中で勘案しているのは人件費であるということは、まず御理解いただく必要があると思います。

 それから、サービスを提供するに当たってのコスト構造上の課題として過疎地はどうするのかという問題は引き続き残るとは思いますが、一方で先ほど河村委員からもお話がございましたとおり、離島振興法ですとか、さまざまな振興法制のもとにある地域については一定の報酬上の配慮を行っているというのが現状であります


○田中分科会長 では、河村委員どうぞ。


○河村委員 もちろん介護職員の処遇改善ということでありますけれども、人材確保の面では、逆にこの地域区分が導入されていないときには私どもの町の介護保険施設の職員は相当数が確保できていたのです。それが逆に地域区分が導入されてから、人材確保は本当にできるのか、できないのかという問題点があります。

 この辺が一番重要でありまして、東京都の中で過疎地域に指定されているのは私どもの町と、檜原村と、それから大島町、新島村、三宅村、青ヶ島村であります。そういう特殊な地域が、東京都の中でも現実にあるという実態が今までわかっていたのか、わかっていないのかということを私は聞きたいのです。この三鷹市の例でもそうですけれども、介護事業者の人件費が隣の市に移るだけで変わるということ自体が本当に人材確保をする、人件費を勘案するという部分で良いのか、地域区分の指標そのものが根本的に良かったのかどうかという検証をしてもらいたいというのが私の考えです。

 そうしないと、逆に言いますと介護職員そのものを確保できない。あるいは、12のサービスが先ほど武久委員がおっしゃったように参入してこないというのが実態です。前にもお話ししましたけれども、隣の市から事業者が参入してきません。それは、割に合わないからです。いくら隣の市の人件費が高くても、私どもの町では12のサービスが受けられない。

 そうしたときに何をやったかといったら、そのサービスができない部分を町の予算でデイサービスセンターを2つつくることで対応しました。一般財源を投入してそれを行っています。あるいは、4つある特養施設にいろいろな協力をしてもらいながら入所をできるだけ早くしてもらっています。そうしないと、家庭崩壊が起こってしまいます。

 そういう実態がありますので、非常に複雑に絡んでおりますけれども、その中で特に私どもの町のように小さいところは928ある町村の中でそんなに多くはないと思います。今、局長がおっしゃられるように、特別措置法でいろいろな部分が見込まれていて、交付税の中でも一定のことを行ったときには交付税に算入してもらいます。

 しかし、介護保険事業そのものはそうではないと思っていますので、きちんと実態調査をしてそれに合うようなことをしていただかないと、武久委員がおっしゃるように地域の切り捨てをするのであれば別でありますけれども、等しくこの介護保険の実態を映すとしたら、きちんとした検討と実態の調査をしていただきたいというのが私の意見でございます。


○田中分科会長 鈴木委員、それから井口委員の順でお願いします。


○鈴木委員 地域区分の話も改定の議論のときに何度かさせていただきました。5ページの三鷹市の例を見ると確かにこれだけ違うのは不合理だと思いますが、逆に全体の4分の3はその他地域であって、そこから見れば10%でも上乗せされればうらやましいという気もするわけでございます。過疎地でも一部極端なところはほかの措置があるのかもしれませんが、多くの地方では人口減少、高齢化に伴って介護人材の不足が深刻になっております。

 そのために地方でも人件費が増加しておりますので、そちらはまた別なやり方でというわけにはいかず、これだけ大都市部を手厚くするからには地方への配慮も同時に必要ではないかと思いますし、とにかく地域区分にはいろいろな問題点があるということは事実でございます。

 この論点の3つ目の「○」にも書いてありますけれども、「各自治体の意見を聴取した上で、公平・客観的な方法という観点も踏まえながら、課題や論点等を整理」、こうしたことはまだ時間がございますのでしっかり行っていただいて改善をしていただきたいと思います。以上です。


○田中分科会長 井口委員、どうぞ。


○井口委員 河村委員から、地方自治体の長としていろいろ経験を踏まえて問題点、課題等について御意見があったわけであります。この辺につきましては各自治体の意見等も聞くというお話で、今、鈴木委員からも御指摘があったとおりでありまして、しっかりやってもらいたいと思います。

 私は実は東北の小さなところに住んでいまして、お隣は5万人以上で職員の給与で地域手当が出て、自分たちのところはつかない。生活状況に何ら変化もなく、しかも財政状況からいえば我々のほうがいいのになぜなんだという話がありました。

 そういう意味で、この地域手当、あるいはまた地域区分というのはどうなのかと思っていましたが、今回の介護保険の地域区分というのは私としては実によくつくられている。いろいろな課題もあるかと思いますが、これを超えるような方法をつくるということはほとんど難しいのではないか。ですから、そういう中で基本的にはこれを維持しながら、例えば隣の自治体と余り大きな開きがあると、本来介護保険はそれぞれの自治体で行うんですから、自治だということだとすればそれは責任を持ってやればいいことであって、そんなことができないんだとすれば自治体としてやる必要がないと私は言いたいのですが、それは極端としても、地域ごとに違ってくるのはある意味では当たり前である。

 でも、もう一方ではそれでは大変だということで、今回いろいろと資料で出していただいているように広域的な観点も入れるべきだということもありますので、こういう部分を踏まえれば非常にいいのではないかと思っております。

 本来はそれぞれの自治体、そしてまた実は高ければ高いほど事業者にとってはいいということも言えるわけです。しかし、もう一方では利用者だとか住民の側から見れば負担をするわけですから、こういう意味では本当に財政としてどうなのかということも十分踏まえなければいけないということです。

 そうしますと、トータルで考えるとなかなかこれを超える方法はない。いろいろ問題点はあるにしても、ではこれ以上のものがあるかというとほとんどないのではないかと思っています。以上です。


○田中分科会長 ありがとうございました。

 堀田委員、どうぞ。


○堀田委員 今、井口委員からの御指摘もありましたけれども、なかなか全ての人が納得するルールの設定というのは難しくて、他方で今回三鷹の事例も出していただきましたけれども、さまざまな難しさを抱えているところが出ているのも確かなので、ほかの地域の事例も含めて課題、論点をまず整理をしていただいた上で、しかし、この基本ルールの例外をどういうときに設けるのかというような視点で御提案をいただくことも必要ではないかと思います。

 では、公益的なものの設定がいいのか。それとも、介護保険料の問題とか計画にもいろいろと関係をするものですので、やはり公益ではない形がいいのかということについても、全国的により公平性、客観的な観点ということを踏まえつつも、まずは事例から基本ルールはなかなかこれ以外のよりよいということを考えるのが難しい場合には、その例外をどういうふうに考えていくのかという観点からの整理も御提案をいただきたいと思います。以上です。


○田中分科会長 ありがとうございます。

 きょうは第1回ですので、ここで結論を出すわけではありません。本日、皆様からいただいた意見を踏まえて、まずは事務局に課題等を整理していただきます。その上で、引き続きこの分科会において検討を続けてまいります。

 続いて、「介護サービスの質の評価」に移ります。資料6の説明をお願いします。


○迫井老人保健課長 老人保健課長でございます。

 資料6、「介護報酬でのサービスの質の評価の導入に関する取組について」を御説明させていただきます。

 おめくりいただきまして1ページ、「基本認識」のところに3つ掲げてございますけれども、現在、介護保険、社会保障全般かもしれませんが、少子高齢化が急速に進展ということで効率的・効果的なサービスの提供を促すような制度が必要である。そのことを進めていくために、サービスの介入によって、特に介護は高齢者の自立した日常生活をどのように支援されたかを捉えて評価する仕組み、これが必要であるというのはまず第1の基本認識であります。

 2点目の「○」ですけれども、これはどう介護報酬に絡むのかということでございます。これはさらっと書いていますが、介護報酬は基本的に基本報酬を設定した上で、さまざまな評価をして加算・減算しているわけですけれども、最初の基本認識と合わせますと、介護サービスの質を適切に評価し、反映させることで、より効果的・効果的な介護サービスが提供される。それが、今は求められているということでございます。

 ※印で書いていますが、基本的なそもそも介護報酬の考え方といたしまして、介護を提供する際にかかる時間等をもとにして要介護状態を区分して報酬設定していますということであります。

 このような基本認識と、それから求められております政策的なニーズからして3つ目の「○」ですが、現在の基本認識といたしまして、これは事実関係でもございますが、介護保険を創設したときからサービスの質を適切に評価する取組は重要なんだということは繰り返しこの分科会においても指摘をされておりまして、これまでもサービスの質の評価を踏まえた報酬は可能な限り設定してきておりますし、その取組を継続して実施をしてきているということでございます。

 これは、後ろのほうに参考資料1、2、3とございます。5ページ、6ページ、7ページですが、今お話をしましたようにこれまでの分科会、これまでの改定にかかる議論では必ずと言っていいほど質の評価が重要である。あるいは、そういったことを反映させるべきであるという指摘を受けておりますし、それからそれに実際に可能な限り対応する形で報酬設定も行ってきております。

 参考資料1、5ページでは、これはつぶさに細かく御紹介しませんけれども、過去に毎回報酬改定の審議報告で指摘をされております。

 それから6ページ、参考の2でございますが、産業競争力会議を初めといたしましてさまざまな政府関係の審議会といいますか、枠組みを含めてですけれども、こういった取組が重要であるということの指摘を受けております。

 それから7ページ、参考の3でございますが、現在の介護報酬におきましてもストラクチャー、プロセス、アウトカムという質の評価に関します区分けといいますか、考え方、フレームワークは8ページ、参考4でございます。これも細かい御説明は省略させていただきますけれども、こういったサービスの評価、サービスの質を評価するという視点で大きく3つのカテゴリーに分けられますが、さまざまなサービスにおいて現時点である程度可能な限りにおいてそういった評価の項目、特に加算でございますが、設定されているということでございます。ここまでは、基本認識でございます。

 その上で、本日御紹介して私どもの認識と今後こういうふうに進めさせていただきたいということでございますが、2ページから3ページにかけてです。「基本的な考え方とこれまでの取組」ということで2ページの最初ですが、今お話をしましたように質の評価を可能な限り反映させるという観点で、大きくは2ページの上の半分の表です。「ストラクチャー(構造)」「プロセス(過程)」、それから「アウトカム(結果)」、こういった視点でこれは例示的に書いてございますけれども、評価をする手法がございます。

 そして、2ページの下半分ですが、サービスの質の評価を実際に導入してきているということでございます。ストラクチャー評価とプロセス評価につきまして、この2ページの下の表の上半分ですが、これはそもそも介護報酬制度、介護保険制度創設時から導入されておりまして、特徴といたしましてここに3つの「・」がございますが、客観的に評価しやすいという側面がありますけれども、手間をかけること自体が評価されるということなので、サービスの提供を効率的にするインセンティブが働きにくいという指摘がある。

 そういった限界がありながらも、これは介護保険制度創設時から導入してきておりますが、近年サービスの質の評価をもっと導入する、検討すべきだというのはむしろこの2ページの下の表の下半分でございますアウトカム評価でございます。これは、平成18年度に初めて導入をされたものでありまして、具体的なところで例示が右半分にございますけれども、より効果的・効率的なサービスの提供に向けた取組を促すという意味でこういった活用をすることが望ましい、適切であるというふうに考えられる。

 一方で、2ページの表の下に書いてございますが、さまざまな課題もありまして、改善が見込まれる高齢者を選別するといったような課題も生じ得るということでありますが、これまでもこの表に書いてございますような取組で現に27年の報酬改定、この先般の改定におきましてもリハビリテーションに関します社会参加支援加算でありますとか、24年の老健施設に導入しました在宅復帰・在宅療養支援機能加算、こういったものにつきましても随時可能な限り導入してきているということでございます。

 3ページの「基本的な考え方とこれまでの取組」は今お話ししたようなことをまとめてございますが、3ページの上半分、「アウトカム評価を導入する際の課題」、今、大体触れましたけれども、重要な点が(マル1)から(マル4)まで書いてございますので説明させていただきます。

 介護報酬、介護サービス全般につきまして(マル1)でございますが、アウトカム評価を導入する際には課題があります。例えばここに書いてございますが、社会的・文化的な価値観の違い、あるいは個人の人生観、そういったさまざまな思想信条の相違に左右されるということもあり得ます。したがいまして、どういうふうに評価するのかコンセンサスを得ることが基本的には難しい側面がありますということです。

 (マル2)でございますが、高齢者でございますので評価の時点によって状態が変わったりするという技術的な問題。

 (マル3)は事業所の努力、責任の及ばない要因、あるいは御本人の努力や御家族の努力、こういったものが影響を受けるということでございますので、事業所だけのサービスの提供努力ではない。

 それから、(マル4)でございますが、居宅のサービスは複数のサービスを組み合わせますので、提供される介護サービスの中のどのサービスが影響があったか、効果があったかということは難しい。こういった現実の問題があるということでございます。

 手法に関します課題についても、3ページの下半分に書いてございます。これは細かい詳細な御説明は省略しますが、今、御説明しておりますようなさまざまな課題、論点はございますけれども、しかしながら可能な限り報酬改定のたびに検討して導入してきたということも実態としてございますということで、継続的な検討を進めているということでございます。

 最後に4ページでございますが、「今後の取組」ということでございますけれども、これは基本的に今御説明させていただきましたような基本認識と、可能な限り随時さまざまな評価を導入するということを引き続きということでございますが、4ページで3つ掲げさせていただいております。

 (1)ですが、まずサービスの質の評価のあり方につきましては「・」が2つありますけれども、さらなる導入を目指して引き続きデータ項目の検討を進めていきたいということでございます。

 それから、サービスの質を評価するに当たっての視点につきましても、さまざまな多角的な視点からどういったことがサービスの質の評価の手法としてあり得るのかということを、データを蓄積して分析をして検討を進めていきたいということでございます。

 それから(2)ですけれども、先ほど御紹介しましたようなさまざまな、特にアウトカム評価については近年導入しておりますが、そういった効果につきましてしっかり検証させていただく。

 それから、さらなる見直し、他のサービス等への拡充、そういったことを引き続き検討させていただきたい。

 (3)でございますが、介護報酬の制度でこういった取組をしておりますけれども、一方で自治体独自の取組もございます。例えば、東京都の品川区ではそういった独自の事業をされているというふうに承知をしておりますけれども、そういったことも含めまして要介護度の改善に対します奨励金の事業でございますとか、アウトカム等を考慮した取組について事例を収集させていただいて、そういったことについても参考にさせていただきながら全体的な取組を進めさせていただきたいと考えておりますので、この点につきましてもし御意見等がございましたら本日いただければと思っております。

 事務局からは、以上でございます。


○田中分科会長 ただいまのことは質の評価の導入に関しての報告に近い、このような検討を進めていくということですが、特段の御意見、御質問はございますでしょうか。

 では、井上委員どうぞ。


○井上委員 ありがとうございます。質の評価を取り入れて報酬に反映させていくというのは賛成でございます。これは、本当に真面目にやっている介護士さんたちのエールになると思います。

 ただし、もう既に考え方として、これにもアウトカム評価についての懸念材料も示していただきました。アウトカム評価が可能な人しか入れないのではないかとか、何とか治る人しか入れないのではないかとなど、入れる人の差別化というか、選別が始まるのではないかというようなことが懸念されるということもおっしゃってくださいました。このように全部課題まで出し尽くしてくださったのはありがたいと思います。それから、いろいろな自治体がやっているということも言っていただきました。

 これについてはいろいろな自治体がいろいろな取組をやっているということを公表して、やはり皆がやるというようなこともひとつ大事だろうと思います。

 ただし、このときの指標の問題ですけれども、アウトカム評価というのはちょっと危険というか、入所者の選別が起こるのではないかという懸念があります。それからこのペーパーの中に「維持改善」と「改善」と、言葉が2つあるんですね。「維持改善」なのか、「改善」なのか。このペーパーが無造作に使っているのか、あえてそういう2つの使い方をなさっているのか。これは整理していただきたいというお願いです。そうしませんと、必ず何かやれば改善するとは限らないということもあると思うんですね。高齢者のそういう特性に基づいて、きちんと考えていただきたいと思います。

 それから、いい取組のところで話が横道にそれてしまいましたけれども、例えば今までは時間をかければいいというようなことだった。だけど、そういうことではなくて効果が上がるのかどうかというところに今回は論点、視点を当ててくださったのはすばらしいことだと思います。

 そういうふうに見ると、例えばユマニチュードみたいなもの、これは効果が上がっていることで評判になっております。そういうものをやはりピックアップして、そこに共通するものは何かというような指標をつくっていただきたい。単にアウトカム評価というのではなく、そのアウトカム評価をつくっている指標をぜひ今後の課題としてやっていただきたいと思います。

 ただ、介護の質というのは改善とか、在宅復帰ができるとかというような数値にあらわせないものだろうと私は思っていますので、その辺が難しいところだと思うんですが、せっかくこういうふうに課題として出てきたのですから、この際、頑張って私たちも考えますし、ぜひ継続してやっていただきたいと思います。

 それからもう一つ、言葉のところで「維持改善」、それから「在宅復帰」というのがありますけれども、これから在宅にシフトしようとしているときに「在宅復帰」というのは施設にしか適用できませんね。これは老健などの施設になってくるとい思いますが、その辺をどういうふうに考えるのか。その辺の言葉の整理も、ぜひお願いしたいと思います。在宅の場合は、どこで評価するのかという問題が起きてくると思います。

 もう時間がないのでやめますけれども、私がしばらく休みましたのは、3月末救急病院へ搬送されまして、息子夫婦が一緒だったせいか実はその日のうちに在宅に帰されました。全く動けませんでした。ところがひとり暮らしですので動かざるを得ない。その後通院したときに悪化したと言われました。それで、5月の会議にも出ることができませんでした。

 これは介護だけの問題ではなくて、医療のほうの在宅復帰できるかどうかという判断、これもすごく重要になってくると思います。医療介護の連携といいますけれども、どの辺でどうきちんと連携してくださるのか。やはり在宅復帰という限りでは、その辺も考えた評価というのが必要になってくるんじゃないか。医療介護の連携というのが、介護給付分科会でも介護保険制度でも言われているわけですから、その辺の具体性も評価の対象にしていただきたいと思っております。

 以上でございます。すみません、長くなりました。


○田中分科会長 どうぞ、鈴木委員。

 時間になってきましたので、あとはできるだけ手短にお願いします。


○鈴木委員 介護保険創設当初から言われていて、なかなかこれだというものがないということは難しいからだと思うのですけれども、マクロ的にいえばやはり要介護度の改善がアウトカムの一つの指標になると思います。

 ただ、必ずそれを強調しますと利用者の選別が起きますので実際は難しいということになると思うのですけれども、一般的によい結果を出す事業所は質が高いとか、あるいは利用者に選ばれる事業者は質が高いとか、そういうことは言われますが、そうしたことをいかに客観的に評価するかが重要になってくると思います。

 そういう意味では、利用者に選ばれる事業者がよくないという今回の特定集中減算は私どもの介護保険委員会でも一番の問題だとして、医療系サービスだけでも外してほしいという意見が強かったということを改めて繰り返し述べさせていただきます。以上です。


○田中分科会長 では、鷲見委員どうぞ。


○鷲見委員 ありがとうございます。介護の手間に関しまして、今回の内容についてやはりきちんとデータを蓄積して、どんな影響があるかについては積極的に取り組んでいきたいと思いますし、とても重要なことだと思っているところです。

 ほかの委員の方々からもお話がありましたが、やはりターミナルなど希望することが実現されたということで満足度が高まったり、または変化があってもきちんとそのまま在宅生活が維持されていること、それから変化があってもアウトカムとしての大きな指標であります要介護度等が変わらないというような事例もあるわけです。

 そういった中にありまして、データ化しにくい事柄や介護保険の範疇だけではない事柄について誰がどう把握するのかとか、またはその把握の仕方や評価が適切なのかというのは今後さらに検討していく必要があるのではないかと思っているところです。以上です。


○田中分科会長 ありがとうございます。

 では、内田委員どうぞ。


○内田委員 介護サービスの質というのは、言葉で言うのは簡単ですけれども、本当にどう測るかというのは簡単ではないと思います。

 介護サービスの質は身体状況が改善したかだけではなく、本人の意欲や精神面でどう改善したかが重要だと思います。

 それから、介護サービスは提供と同時に消費されてなくなってしまうサービスですが、そのプロセスがすごく大事だと思います。そういった面も合わせて何か測れたらいいかと思っております。ですから、医療的なものだけで、例えば褥瘡ができていないからいいんじゃないかとか、それだけでも測れないので、そこら辺のところはぜひともいろいろと御検討いただけたらありがたいです。


○田中分科会長 堀田委員、どうぞ。


○堀田委員 簡単に申し上げます。このサービスの評価は本当に難しいことで、どこの国も大体10年、終わりのない対話を繰り返していると思うんですけれども、視点として個々のサービスの個別のケアをどう評価するかということと、そのケアのマネジメントをどう評価するかということが整理される必要があるということと、あとはこれまでの議論の中で本当は長期ケアを通じたサービスの質をどう評価するかという議論も必要なわけですけれども、診療の部分はまた切り離されて議論があったりするので、統合的にどう長期ケアのサービスの質を評価するかということの論点が中長期的には必要ではないかと思います。

 もう一つは、かなりこの検討の御紹介の中では初期にも言われていたところですけれども3ページの下の箱の(マル5)ですね。これから地域包括ケアを構築していくという観点から先ほどの個別のケア、あるいはケアのマネジメントだけではなくて、事業所がこの地域全体のQOLに対してどのように貢献しているのかといったことを見ようという観点も、どこかで皆様の中からも議論が上がってくることを期待したいと思います。以上です。


○田中分科会長 大島委員、お願いします。


○大島分科会長代理 同じことをいつも言うようですけれども、質の評価の問題について、その評価指標をどう考えていくかとか、それが本当に効果的か、効果的でないかというようなことの基準をつくっていくのは職能団体の基本的な役割であり、責任であると私は考えています。

 したがって、今お話を聞いていると、その質の評価は難しい。あれも難しいし、これも難しい。しかし、必要だ、必要だというお話はあって、それは役所が皆、用意してくれるみたいな言い方に聞こえてくるんですね。

 それは私はちょっと違っていると思います。だから、職能団体が専門職ではないということであれば話は全然別ですが、専門職だと、専門職をはっきりと宣言するのであれば、その質の評価の指標だとか、それがいかに効果があるとか、ないとか、あるいはその指標が間違っているとか、間違っていないとか、これが一番いいとかというようなことは職能団体が責任を持って示していくということであり基本的な職能団体の役割であり、責任であると改めて強調しておきたいと思います。


○田中分科会長 内田委員、どうぞ。


○内田委員 ありがとうございます。日本介護福祉士会では、介護業務基準というのをつくりました。そこで、例えば個々のいろいろな排泄介護であるとか、食事の介護であるというのはこうあるべきだというものは出しております。それはぜひとも今度お示ししたいと思いますが、ただ、介護サービスというのは介護職だけがつくり上げていくものではなくて、いろいろな職種がかかわっていくものです。もちろん我々が主となって発言していきますが、他の職能、職域団体と複合的に考えていくべきものでもあると思っております。


○田中分科会長 村上委員、どうぞ。


○村上委員 私は、質の評価というのは前にも大島先生から御指摘を受けていまして、職能団体でそこのところは検証するべきだということはお聞きしましたので、そこはやっていきたいと思います。

 ただ、例えば認知症のBPSTが大変重いとか、あるいは動かないところがあるとかという状態があって、これが治るということについては一つの評価だとは思うのですが、治るだけではなくてその状態の中で今度はどういう生活の維持をしていくかという、この生活上の維持が大変大きいことではないかと思うんです。

 ですから、生活をしていく上で生活の維持をどういうふうにこの評価に結びつけるか。これがないと、単にどこが治ったとか、あるいは認知症がよくなったとか、これはこれで大事なことなんですけれども、ではそれでこの人自身が生活できるかというと、人間としての個としての状態像としては機能的にはよくなったかもしれないけれども、生活上の一人の人間としてはどうであるかというところが抜けてしまっているわけです。

 ここのところは一番大事じゃないかと私は思っておりますので、ここのところを我々も追求していきたいと思います。


○田中分科会長 よろしいですか。皆さんが大変真剣に考えていらっしゃることがよくわかりました。また、事務局からも提案がありますので、大島先生が言われたように各団体も自分の職能についての質の指標を考えてください。

 「その他」に移ります。亀井委員、どうぞ。


○亀井委員 時間が超過いたしておりますので、簡潔にお尋ねなり、また御意見を申し上げておきます。

 このたび、財政再建特命委員会が骨太改革の提案をなされたわけでございます。これは3年間で1.5兆円と、毎年社会保障費は1兆円ずつ伸びているわけでございますが、5,000億で抑えていこうかという提案であるわけでございまして、これが財政健全化計画の中で組み入れられていくかというところであるわけでございますが、小泉改革のときに2,200億ということで示されて、それが何年かなされて、随分と後遺症もあったように記憶をいたすわけでございます。

 それに比べたらちょっといいんじゃないかということではあるんですけれども、今、答申があったというか、提案がなされたことに対しては、財務省も5年後にプライマリーバランスをプラスに持っていくという考え方の中でしたら、次年度から実施が行われるのではないかというふうな思いをしているんです。このことについてどうなのかなと思っているのですが、今はまだ政治の舞台にありますから、事務方としては今そんなことは答えられないということでしたら答える必要はありません。

 それと、今回もこの制度はマイナスの予算の中でうまく軟着陸していただいたのですが、それぞれの分野に配慮されて、非常に事務方も御努力をされた。これは評価をさせていただいているのですけれども、ただ、私たち実務の者としては非常にこれは複雑化し過ぎていると思っているんです。それで、現場は大変なもので次の改定はもっとシンプルなものにならないかなと思っているんです。

 ですので、私は以前から申し上げている障害と介護の一元化、これはちょっときょうはお話ししませんけれども、もっとシンプルにしていただける方法があるのではないか。これは私どもも意見をこれから言わせていただきますけれども、配慮された給付の加算ですが、サービスの実態はどこがこういうチェックをしていくのかなと思ったりもしているわけですが、その辺のことをもし今お答えいただける部分があったらと思います。

 それと、生保の不正受給者のような調査もしていかなければならないような状況にはあるんですけれども、我々は来月になったらこの調査票を送らせていただくわけでございますが、当然ながら性善説に基づくそんなことの中でやっていかないと非常にこれも限界があると思っております。本人が記入される方というのも限られているわけでございますから、やはり施設の方の御協力もいただかなければならないことにもなるわけでございますので、これも一定性善説というか、そういうふうな部分も御理解いただかなければならないのではないかと思っております。

 私が今、申し上げた中で、何か御助言があったらおっしゃっていただければと思います。


○田中分科会長 どうぞ、総務課長。


○高橋総務課長 総務課長です。

 財政健全化に向けた諮問会議等の議論はさまざま情報も出ておりまして、御不安に思っている声もいろいろ聞いております。

 ただ、今回の議論は財政健全化で例えば毎年5,000億増の範囲以内に抑えるとか、そういうキャップをはめるような議論ではない。そういうことではなくて、財政健全化、プライマリーバランスに向けて、これまでの取組なども踏まえながら、いろいろなものを踏まえながら努力をしていこう。それを目指しながら努力をしていこう。あくまでも以内とか、キャップをはめるということではない。そのような議論がされていると承知しております。

 また、これも単年度、単年度どうこうということではなくて、数年の間の幅の中で考えるというような議論になっていると承知しておりまして、介護保険でも3年ごとに制度改正をしたり、事業計画をつくったり、介護保険にひきつけてみれば3年サイクルで物を考えておりますので、そういう中でやっていきたいというふうに私ども考えているところでございます。

 また、御指摘いただいた障害との関係ですとか制度論の問題ですね。制度論につきましては今後また引き続き、これは今までも出てきている議論でございますので、介護保険部会など、次に向けた制度論としてどんな議論ができるのか、検討を始めていきたいと思っております。


○田中分科会長 田部井委員、最後にどうぞ。


○田部井委員 ありがとうございます。全体的な議論の中で、処遇改善、人材確保についても現場の仕事をなさっている皆さんとか、厚生労働省も今の条件の中で何とか財源をひねり出してということを考えておられて、その努力はしなければいけませんし、やっていただくとして、でもそれでは今いる人たちのモチベーションにはなっても新しい人を呼び込むのは無理だと思います。やはり、今の条件ではだめだという認識で一致しているとすれば根本的に変えていくための選択肢みたいなものを、そういう現場で苦労されている皆さんがどう考えておられるのかという議論をするような場をぜひつくっていただきたい。

 私どもは、一般財源でやはり待遇改善をすべきだという考えを述べておりますけれども、それが荒唐無稽なものなのか、多くの方のあれを得られるものなのか、あるいはこういう方策があるというようなことを示していただけるような場というのをぜひ設けていただけないものか。今、現実に動いている給付費分科会だからこそ、分は分としてやっていただけないかと思います。

 それから、総合事業については高崎市で群馬県だけはやっていますけれども、これは物すごく大変だなというのは見ていてよくよくわかります。これを、全部の市町村が果たしてやれるのだろうかと思います。今の総合事業の実情というのは、厚生労働省としては想定内なのか、あるいは想定よりも大変だということであれば何か対策をお考えなのか。後でも結構ですので、お考えを伺えればと思います。

 それから、認知症施策では早期の支援として初期集中支援チームと地域支援推進員が地域包括支援事業として位置づけられているわけですけれども、大変遅れています。遅れていることに、大きな懸念を持っています。それを促進するための方策は、何かお考えがあるか。あるいは、内容的な検討が必要だとも考えておりまして、その辺についても何かお考えがあれば、後でも結構ですので伺えればありがたいと思います。

 それから、きょうは時間がなくなってしまったのですが、田中会長にお願いをしましてぜひ皆さんに聞いていただきたいということがございまして、いらいらされているかと思うのですが、聞いていただきたいと思います。認知症の高齢者夫婦の奥様が認知症になられて、かなり激しい症状を示されるということで、2人では暮らせないということで息子さん夫婦とお孫さんが一緒に住んで介護されていたんですけれども、4年前の夜に物すごく認知症の女性が暴れて、御自分でも手を角にぶつけたり倒れ込んだりというふうな状況で制止しようと息子さん夫婦もされたんですが、とても手がつけられない状態だったということです。

 それが数時間続いたのですが、数時間後にやっと落ちついて横になっていただいたということで、そのまま様子を見て、朝様子を見たけれども特に変わりはないので、そのまま出勤されて、夕方帰って来られてお母さんの状態を見たら亡くなっていたという事件が大阪でありました。

 それで、9カ月後にこの息子さん夫婦は、お母さんに対して殴る蹴るの暴行を執拗に加えて肋骨骨折というけがを負わせ、さまざまなけがを負わせて死に至らしめたということで、傷害致死罪で起訴されました。

 1審では、私たちは制止はしたけれども暴行は一切していないというふうに息子さん夫婦は主張されたのですが、残念ながら警察、検察官はもちろんですけれども、裁判官も、刑事ですから裁判員さんも執拗に暴行を加えた。これは推測にすぎないわけですけれども、そのことが採用されて、この御夫婦は懲役8年の実刑を受けるということになりました。

 当然、息子さん御夫婦は控訴いたしまして、たまたま私どもの副代表をしています杉山孝博医師が支援している方から相談を受けて1審の判決を子細に検討しましたところ、認知症の方がある条件の中では非常に暴れたりすることもあるということに対して全く理解がない。それから、肋骨の骨折も、体にある傷も、これは激しい興奮状態にあったときに十分起こり得ることだというふうに検討されまして、控訴審の裁判所に意見書を提出しました。

 それで、この控訴審で杉山先生の意見書は多分相当程度採用されるということになりまして、2審では暴行罪で20万円の罰金刑ということに軽減をされました。

 でも、有罪ということは免れませんでした。有罪になってしまったということがお2人、御夫婦としては誠に残念なことですけれども、裁判が始まってから2年間、1審の判決が出るまで拘留され続けました。それから、控訴をして控訴審の判決の罰金刑が出るまで1年間、合計3年間この御夫婦は拘置所に拘留され続けました。

 当然、傷害致死あるいは暴行罪と言われるような粗暴な犯罪者と同じように扱われて接見も許されませんでした。有罪であることは残念だけれども、またこの拘留が続くということはとても耐えられないということで、お2人は泣く泣く20万円の罰金刑を受け入れて結審しました。

 このお2人の声を直接伺う機会がありましたけれども、今も3年間、犯罪者として拘留され続けたことに伴う心の傷というのは深くお2人の中に残っている。なぜこの奥さんのほうが3年間の拘留に耐え続けられたかといいますと、あの過酷な介護をずっと続けてきたんだから、それに比べたらこの拘留も耐えられると言って耐えたんそうです。何ということでしょうか。御主人のほうは歯医者さんなんですけれども、私どもは事実上冤罪だと思っておりますが、20万円といえども罰金刑、刑事罰ですので今もこの方の復職の願いは果たされていません。

 この3月に結審をいたしましたけれども、残念ながらこれは冤罪として云々というよりは在宅介護の実情というのがどうかということをぜひ皆さんに、これは単に知っていただくことだけではなくて皆さんも裁判員として裁判に出ていく可能性があるわけですね。そういう意味でも認知症という病気、あるいは在宅介護で何が起こるかということを十分知っていただきたいと思いますし、皆さんは十分知っていらっしゃると思いますので、そのことを多くの方に伝えていただきたいと思いますし、もし1審の段階で杉山先生なりにめぐり合うことができていたら、ひょっとしたら1審で罰金刑、あるいはもう少し軽いもので済んだかもしれないということもあります。

 そういう意味では、報道の方にもぜひこうした認知症をめぐる裁判等につきましても、より深い関心を持っていただいて、疑問があるとか、あるいは注目してもらいたいとかというふうな視点を持った裁判についての報道を積極的にしていただけるようにお願いしたいと思います。

 ぜひ認知症の在宅介護、あるいは介護という仕事として働いている方にも十分及ぶ可能性があることですので、今までも理解していただいているとは思いますけれども、一層の理解をお願いしたいと思いまして、田中会長にお時間をいただいた次第です。ぜひ、よろしくお願いいたします。


○田中分科会長 時間を超過しておりますので、御質問については後で事務局から個人的にお伝えください。

 本日の審議はここまでといたします。活発な御議論ありがとうございました。

 次回の日程について、説明をお願いします。


○迫井老人保健課長 次回の日程は、改めて事務局から御連絡をさせていただきます。

 本日の分科会は、これで閉会とさせていただきます。ありがとうございました。


(了)

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