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2015年4月28日 薬事・食品衛生審議会 医療機器・体外診断薬部会 議事録

○日時

平成27年4月28日(火)10:00〜


○場所

厚生労働省専用第15・16会議室


○出席者

出席委員(18名) 五十音順

◎荒 井 保 明、 荒 川 義 弘、 石 井 明 子、○一 色 高 明、
 生 出 泉太郎、 川 上 正 舒、 齋 藤 知 行、 正 田 良 介、
 鈴 木 邦 彦、 田 島 優 子、 千 葉 敏 雄、 中 島 康 雄、
 中 谷 武 嗣、 新 見 伸 吾、 濱 口   功、 菱 田 和 己、
 村 上 輝 夫、 桃 井 保 子
(注)◎部会長 ○部会長代理
他参考人2名

欠席委員(6名)五十音順

今 井 聡 美、 梅 津 光 生、 塩 川 芳 昭、 武 谷 雄 二、
寺 崎 浩 子、 西 田 幸 二

行政機関出席者

神 田 裕 二 (医薬食品局長)
成 田 昌 稔 (大臣官房審議官)
宇 津   忍 (安全対策課長)
磯 部 総一郎 (大臣官房参事官)
矢 守 隆 夫 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構審査センター長)
佐久間 一 郎 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構副審査センター長)
俵 木 登美子 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構安全管理監)
佐 藤 岳 幸 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構上席審議役)
 他

○議題

○参事官 それでは、予定の先生方にお集まりいただきましたので、これから「薬事・食品衛生審議会 医療機器・体外診断薬部会」を開催いたします。委員の先生方におかれましては、御多忙の中、御出席いただきまして、ありがとうございます。
 本日は、医療機器・体外診断薬部会委員24名のうち、18名の御出席を頂いておりますので、薬事・食品衛生審議会令に基づく定足数を満たしておりますことを報告させていただきます。
 次に、本日の議題の公開・非公開の取扱いについて御説明させていただきます。平成13年1月23日付けの薬事・食品衛生審議会決議に基づきまして、本日の議事次第の議題1の関係につきましては、会議を公開で行い、議題2以降については、医療機器の承認審査等に関する議題で、企業情報に関する内容などが含まれるため、非公開とさせていただきたいと思います。
 これより議事に入りますので、傍聴の方によるカメラ撮りはここまでとさせていただきたいと思います。御協力のほど、よろしくお願いいたします。
 それでは、以後の進行につきまして、荒井部会長よろしくお願いいたします。
○荒井部会長 おはようございます。それでは初めに事務局より配付資料の確認をお願いいたします。
○事務局 公開案件につきまして、資料の確認をさせていだきます。「議事次第」の下に配付資料がありますので、これに従って確認をお願いいたします。資料1「管理医療機器の認証基準案について」。公開案件の資料確認は以上です。
○荒井部会長 資料はお揃いですね。よろしいですね。それでは、議題に入る前に、薬事分科会審議参加規程・運用等の一部改正について、説明をお願いします。
○事務局 事務局より薬事分科会審議参加規程・運用等の一部改正について、御説明いたします。当日配付資料の4を御覧ください。薬事分科会の審議参加規程につきましては、独立した評価委員会(薬事分科会審議参加規程評価委員会)で運用状況の評価及び必要な改善方策の検討を継続的に行うことになっておりまして、平成27年1月に開催された同評価委員会において、規程の見直しをしてはどうかということで、意見が取りまとめられました。それを踏まえて、今年の3月30日の薬事分科会において、薬事分科会審議参加規程等の見直しが行われておりますので、その内容について説明いたします。
 別添2と書いてある資料です。「薬事分科会審議参加規程」の第14条に関しては、文言の修正となっています。第16条については、もともと寄付金・契約金等の申告を毎回部会の度にしていただいていると思いますが、例えば50万円を超える場合は議決に参加できず、500万円を超える場合には審議に参加できないことになっています。しかし、500万円、50万円を超える場合であっても特例的に審議・議決に参加できるという規定があります。そのパターンが二つあって、16条「旧」で下線が引いてある所ですが、「当該委員が審議又は議決への参加を希望し、寄付金・契約金等の性格、使途等の理由書を添えて分科会長に申し出、その申出が妥当であると分科会等が認めたとき」というのがパターン一つ目です。パターン二つ目は「当該委員の発言等が、特に必要であると分科会等が認めたとき」。こういう場合については、500万円、50万円を超える場合であっても審議・議決に参加できるという特例的な扱いができる規程になっていましたが、これまで平成21年以降、運用してきたところですが、この特例規程を使ったことはないという実情も鑑み、規定を見直そうということで、「新」に書いてあるように、特例的な扱いをするのは500万円を超える寄付金があった場合に、当該委員等の発言が特に必要であると分科会が認めたときに、当該委員が審議に参加できると。簡単に申しますと、議決に参加することができるという特例は除き、また委員自らが参加を希望して審議・議決に参加できるというところも除いた形になっています。
 それから、審議参加に係る確認事項というQ&Aのようなものがあります。それに関して審議参加規程の取扱いをもう少し明確にしようということで、幾つか追加しています。下に第8条関係と書いてありますが、特別な利害関係を有する委員については、審議の間、退室をしていただく規程になっています。その範囲を明確にしようということで、具体的には家族、これは配偶者及び一親等の者で、委員等本人と生計を一にする者。これは家族の範囲ですが、その家族が申請者又は競合企業の常勤の役職員である場合は、当該品目の審議の間、退室をしていただくということを明確化したものです。
 4ページになりますが、これまで寄付金・契約金等の申告のときに、家族についても、含めて申告をしてくださいということでお願いしてきたところです。その家族の範囲は、配偶者及び一親等の者であって、委員と本人と生計を一にする者となっています。この生計を一にする者という考え方を明確にしたものが第12条関係となり、一つ目は家族が同一な家屋に起居している場合には生計を一にする者とみなそうということです。(2)は仕送り等を行っている場合に該当すると思いますが、そういった場合にも通常生計を一にする者とみなしていると思いますので、それについても生計を一にする者として寄付金・契約金等の申告の範囲ということを明確にしたものです。
 5ページですが、今回から申告の様式を少し見直し、受取の年度について明確にした様式に変更しています。今年度は27年度になりますので、27年度を含む3年度が申告対象の年度になります。その年度をこちらから、あらかじめ記載して先生方にお送りしますので、先生方におかれましては過去3年度のうち、最も受領額の多い年度について回答していただくということで、例えば平成26年度に50万〜500万円以下が一番高い年度になるということであれば、50万円超え〜500万円以下にチェックを頂き、更に平成26年度という所にチェックを頂くという形で申告をしていただきたいと思っております。
 最初に戻りまして、もう一つ運用の見直しということで2.「改正内容」の(2)の寄付金・契約金の申告に係る運用の見直しを行っています。近年、製薬企業等が透明性ガイドラインを業界で自主的に定めて、寄付金・契約金等の自主的な公表を進めているところです。それを活用する仕組みを試行的に導入するということで、先生方の申告の内容の確認を念のためさせていただきたいと考えています。
 具体的な流れとしては、まず本運用の参画についての意向の確認をさせていただきたいと思っています。これは既に先生方にお送りしたかと思いますが、個人情報を製薬企業から厚生労働省が受け取る形になりますので、この運用の参画について意向を確認させていただくこととしています。
 それから、2.ですが、従来どおり事務局に寄付金・契約金に係る申告書を提出していただきます。厚生労働省から企業に確認をする形になりますので、大変申し訳ありませんが、開催前1週間頃に申告書を提出していただくという形でお願いしたいと思いますので、御協力をお願いしたいと思います。
 3番ですが、事務局から審議品目の製造販売業者に申告内容を送付します。万が一、企業の方で先生方の申告が過小になっていることが分かった場合は、厚生労働省に報告を頂く。その旨を先生方に厚生労働省からお伝えいたしますので、先生方の方では、再度その申告内容を確認していただき、間違いがなければそのままで結構ですが、万が一、過小になっていたことが分かれば、改めて訂正した申告書を厚生労働省に提出していただくということでお願いしたいと思います。なお、製薬企業では、例えば間接経費(オーバーヘッド)について、把握していないケースがあると聞いております。したがいまして、企業の方では必ずしも先生方のお手元に行った額が分からないということで、先生方は「過小になっているのではないですか」ということで、お尋ねするケースもあると考えていますので、その辺りは是非、御理解いただきたいと思っております。事務局の説明は以上です。よろしくお願いいたします。
○荒井部会長 これにつきましては、説明、報告ということにいたします。それでは議題1に進ませていただきます。議題1「指定管理医療機器の認証基準案について」、事務局より説明をお願いします。
○事務局 事務局より説明いたします。まず、議題1として、資料1「管理医療機器の認証基準案」です。表紙に1.2.3.4.5.6.とあります。それぞれの基準について、医用電気機器の安全規格である第2版から第3版への対応を行っています。また、これらの医療機器の認証基準については、基本的にはいろいろな装置を組み合わせて使用するシステムの基準となっておりますが、今まではいろいろな装置の個別の規格を用いて、当該基準が作成されていました。それを今般、システムの規格に統合するというものです。基本的には各医療機器の要求事項が大きく変更されることではないということで、告示上の規格の番号が変わるというテクニカルな告示の改正になります。
 それでは、その概要の例として1ページを御覧下さい。歯科集団検診用パノラマX線撮影装置等認証基準について、簡単に御説明します。これについては、ここの表にあります医療機器の名称として、1〜5の一般的名称が含まれる一つの認証基準となっております。現行は、先ほど申しましたとおり、T 0601-1-3、Z 4751-2-7など、個別の規格になっていたものを、システムの規格であるT 60601-2-63という形に統合・整理するという改正です。基本的には基準の内容が変わるのではなく、テクニカルの部分の改正となります。以降、ほかの装置についても、それぞれ医療機器の装置に係る医療機器プログラムの基準があって、これも同じような改正をする形になっています。同様の説明となりますので、省略させていただきます。以上です。
○荒井部会長 委員の皆様から御意見、御質問等はありますか。特に御意見がありませんようでしたら、これで議題1を終了させていただきます。
○参事官 部会長どうもありがとうございました。それでは、以後の議題に関しましては非公開ですので、大変申し訳ございませんが、傍聴の皆様には御退席いただきますよう、お願いしたいと思います。準備が整い次第、非公開案件の議題の審議を再開したいと思います。
○参事官 それでは、準備が整いましたので、再開したいと思います。よろしくお願いいたします。
○事務局 非公開案件につきまして資料の確認をいたします。資料2「医療機器「放射性医薬品合成設備FASTlab」の生物由来製品又は特定生物由来製品の指定の要否」。「配付資料一覧」がありますので、そちらで御確認ください。
○参事官 「配付資料一覧」を御覧ください。
○事務局 「医療機器「放射性医薬品合成設備FASTlab」の生物由来製品又は特定生物由来製品の指定の要否、製造販売承認の可否及び使用成績評価の指定の要否について」、資料3-1、3-2「医療機器「PDレーザ」及び「EC-PDTプローブ」の生物由来製品又は特定生物由来製品の指定の要否、製造販売承認の可否及び使用成績評価の指定の要否について」、資料3-1が「PDレーザ」、資料3-2が「EC-PDTプローブ」の資料になります。資料4「医療機器の高度管理医療機器、管理医療機器又は一般医療機器の指定及び特定保守管理医療機器の指定の要否について」、資料5「医療機器「Cypherステント」の再審査報告について」、資料6「医療機器・体外診断薬部会報告品目」、資料7「競合品目・競合企業リスト」。参考資料1「薬事分科会審議参加規程」となっております。
 当日配付資料1「審議品目の専門協議委員のリスト」、当日配付資料2「議題2 放射性医薬品合成設備FASTlabの正誤表、議題3 PDレーザ及びEC-PDTプローブの正誤表」、当日配付資料3「議題2参考資料 放射性医薬品合成設備FASTlabと既承認品放射性医薬品合成設備NEPTIS plug-01の比較資料」になります。
○荒井部会長 資料はお揃いでしょうか。よろしければ、これから先は非公開で行う議題に入ります。まず、本日の審議事項で関与された委員の利益相反に対する申出状況について、事務局から報告をお願いします。
○事務局 本日の審議事項に関する影響企業の調査について、御報告いたします。資料7と参考資料1になります。これらの報告につきましては、平成20年12月19日付け、薬事分科会で決定された薬事分科会審議参加規程に基づくものです。皆様から毎回御報告いただいておりますので、概要は御存じかと思いますが、過去3年度にわたり寄付金・契約金等の額について、競合企業と申請企業から申告を頂き、その結果に応じて審議不参加、若しくは議決への不参加という形で審議会規程として定めております。
 資料7です。1ページは議題2、「放射性医薬品合成設備FASTlab」の競合品目、競合企業リストです。申請者はGEヘルスケア・ジャパン株式会社で、競合品目は本品と同様に脳内アミロイドベータ沈着を評価する医療機器として、本邦で承認を取得している品目が1品目、本邦では未承認ですが、米国及び欧州で承認を取得している品目が1品目申告されています。
 2ページと3ページ、議題3「PDレーザ」及び「EC-PDTプローブ」の競合品目、競合企業リストです。申請者はパナソニックヘルスケア株式会社、競合品目は該当なしと申告されています。
本日の審議事項に関する影響企業について、委員の皆様から寄付金・契約金等の受取状況を伺ったところ、薬事分科会審議参加規程第12条の審議不参加の基準、又は第13条の議決不参加の基準に基づき、議決に御参加いただけない委員、御退出いただく委員はございません。以上、御報告いたします。
○荒井部会長 ただ今の事務局からの説明につきまして、特段、御意見はありますか。よろしければ御了解いただけたものとしまして、議題を進めさせていただきます。議題2、医療機器「放射性医薬品合成設備FASTlab」の製造販売承認の可否等につきまして、審議を行います。
 本議題の審議に当たりましては、参考人として名古屋大学大学院医学系研究科教授祖父江元先生にお越しいただいております。よろしくお願いいたします。
 それでは、審議品目の概要につきまして、事務局より説明をお願いいたします。
○事務局 議題2につきまして、事務局から御説明いたします。綴紐で留めてあります資料2を御覧ください。1枚目が諮問書です。本議題では放射性標識化合物の注射剤を製造する医療機器、放射性医薬品合成設備FASTlabの製造販売承認の可否、生物由来製品等の指定の要否及び使用成績評価の指定の要否について、御審議をお願いします。審議品目、審査の概要につきましては、機構より御説明いたします。
○医薬品医療機器総合機構 それでは、医薬品医療機器総合機構より御説明いたします。まず当日配付資料1「専門協議委員一覧」を御覧ください。本審査に当たっては4名の専門委員の御意見を頂きました。また、事前にお配りしました使用成績評価実施計画書(案)の一部に誤りがありましたので、当日配付資料2の正誤表にてお示しします。御迷惑をおかけしましたことをお詫び申し上げます。
 まず、本品の概要について、当日配付資料3、比較表が書かれた参考資料と審査報告書を基に御説明します。当日配付資料3の比較表は、今回の審議品目と昨年7月に承認された「放射性医薬品合成設備NEPTIS plug-01」を比較した表です。まずは本品の概要について御説明しますので、比較表の左の列に記載されております本一変申請品目(FASTlab)と書かれた列を御覧ください。
 本品はPET検査において使用される放射性標識化合物の注射剤を製造する放射性医薬品合成設備です。本品はフッ素18で標識されたフルオロデオキシグルコース、[18F]FDGの注射剤を製造する医療機器として平成23年12月1日に承認されております。
 本申請は、本品が製造できる放射性標識化合物として新規のPET用トレーサーである[18F]フルテメタモルを追加することを目的とする一部変更承認申請です。当日配付資料3の比較表では、本申請における変更点について下線で示しております。本申請で新たに合成可能となる[18F]フルテメタモル(以降、本化合物という)はアルツハイマー型認知症が疑われる認知機能障害を有する患者の脳内アミロイドベータプラークの可視化を目的とするPET検査で使用されます。
 本化合物の効能・効果は当日配付資料3の比較表では灰色の網掛けで示しましたように、昨年7月に承認された類似医療機器NEPTISが合成する[18F]florbetapirと同じものです。したがって、本化合物を投与する対象患者は、NEPTIS同様に認知機能障害を有する患者のうち、アルツハイマー型認知症が疑われる患者です。
 続いて、資料2の審査報告書の6ページの起原又は発見の経緯の項の2段落目です。アルツハイマー型認知症(以降、ADという)は脳におけるアミロイドベータの蓄積と神経原線維の変化を病理学的所見とし、本邦における認知症の最も一般的な形態の一つとして知られています。
 ADの症状としては、記憶喪失、精神錯乱、気分の変動、言語障害などの症状が現れます。ADの診断は、通常、患者やその親族の病歴、臨床所見、X線CTやMRIを用いた画像診断などにより総合的に判断されますが、生前に脳の組織学的検査による確定的な診断は困難な状況でした。そこで申請者は、患者脳内のアミロイドベータプラークを非侵襲的に可視化することを目的としたPET撮像用トレーサーとして、本化合物を開発しました。
 それでは、審査の概要について御説明します。非臨床試験成績についてです。審査報告書は9ページからそれぞれ項目ごとに記載しておりますが、本申請により追加される構成品の安定性及び耐久性、生物学的安全性、本化合物の合成性能に関する試験成績、並びに本化合物に関する薬理、薬物動態、毒性に関する試験成績がそれぞれ提出されました。これらの試験成績から、追加される構成品の有効期間及び保存条件の設定、合成装置本体が本化合物の注射剤の品質規格を満たす合成性能を有すること、並びに本化合物に関して非臨床試験において特段の問題が認められないことがそれぞれ確認されました。
 次に、臨床試験成績について御説明します。審査報告書は25ページからです。審査報告書25ページから臨床試験のフェーズごとに試験成績をそれぞれ記載しております。本化合物の臨床評価に当たっては、国内及び海外において第I相及び第II相の臨床試験が実施され、国外と海外の試験成績の類似性をもって海外第III相臨床試験において神経病理学的所見とPET画像所見の一致性を評価することにより、本化合物の有効性及び安全性が評価されました。
 まず本化合物の有効性について御説明します。海外第III相臨床試験の結果について、審査報告書32ページの表7を御覧ください。こちらに示しますように、被験者部検脳の病理診断の結果を真のスタンダードとした場合のPET画像の診断能は感度86%、特異度92%で、事前に設定された達成基準値である70%を上回ったことから、本化合物の有効性の主要目的は達成されたと判断しました。
 続いて、本化合物の安全性について御説明します。審査報告書は41ページの下から2段落目です。国内外で実施された臨床試験においては、本化合物を投与した被験者831例において、有害事象は83例報告され、その発現率は10%でした。そのうち、本化合物との因果関係が否定できない有害事象は46例で、発現率は6%でした。主な有害事象としては、潮紅が17例で2%、悪心が8例で1%でした。いずれも軽度から中等度の事象であり、本化合物との因果関係が否定できない死亡例及び重篤な有害事象は確認されませんでした。
 続きまして、本品の審査における主要な論点について御説明します。審査報告書は47ページの中段よりやや下に記載しております「5.総合評価」です。まず一つ目の論点ですが、審査報告書47ページの下から3行目「本化合物の臨床的位置付けについて」です。本化合物を用いたPET画像検査は、国内外の臨床試験成績から臨床的に有用と考えられる診断能をもって、ADの診断根拠となる脳内アミロイドベータの蓄積状況という情報を与え得るものと考えます。したがって、類似医療機器により合成される[18F]florbetapirと同様に、本化合物を用いたPET画像検査により、ADの診断精度の向上が期待できるものと考えます。本化合物又は[18F]florbetapirの選択については、PET画像取得前に、いずれの化合物がその患者に適しているかは投与前に判断することは困難であること、並びに本化合物及び[18F]florbetapirの臨床試験成績で認められた有効性及び安全性は大きく変わるものではないと考えられることを踏まえますと、基本的には本化合物と[18F]florbetapirの臨床的位置付けは同じであると判断しました。
 以上のことから、本化合物を[18F]florbetapirと同様に既存の診断方法を包括的に行っても、ADか否かの診断が、なお不確実な患者における脳内アミロイドベータの集積状況を示す画像診断ツールの一つとして、本邦の臨床現場に提供する意義はあると判断いたしました。
 一方で、脳内アミロイドベータの蓄積が認められたとしても、ADではない場合があることや、将来的にADを発症するか否かは現時点で不明であることを踏まえると、臨床的にADが疑われていない人に対して、スクリーニング検査として用いるべきではないと判断しました。
 続きまして審査報告書48ページを御覧ください。二つ目の論点は48ページの中段の(2)に記載した医療現場における適正使用に関して、まず読影医に対するトレーニングについてです。海外第III相試験においては、ほかの読影医よりも特異度が低く偽陽性となった症例が多かった読影医が認められました。申請者はその原因の一つとして、患者に強い大脳皮質の萎縮が認められる場合、読影が難しくなると説明しています。そこで申請者は、読影医向けのトレーニングプログラムを改訂し、その改訂版の読影医トレーニングプログラムの有用性を検討した結果、全ての読影医で良好な成績が得られたことが確認されました。したがって、第III相試験において見られた特異度の低い結果はトレーニングが不十分であった可能性があると考えられ、総合機構は本化合物の有効性を否定する結果ではないと判断しました。また、本化合物を臨床現場に提供するに当たっては、本化合物に関するトレーニングプログラムを修了した医師のみが読影を行うことを注意喚起する必要があると判断しました。なお、添付文書案の3/4ページの左側の列の下から4項目に(9)適用上の注意の1)に読影者向けのトレーニングに関する注意喚起が記載されております。
 続きまして、三つ目の論点は、同じく医療現場における適正使用に関してで、注射剤の品質保証についてです。審査報告書は48ページの(2)の2段落目に戻ります。放射性医薬品合成設備を用いた院内での注射剤の製造に対しては、医薬品GMPは適用されず、医療法や放射線障害防止法などの関連法規に基づき、医療施設の責任の下で院内製造、品質保証及び患者への投与が行われています。本化合物は本邦において新規の成分であることも踏まえ、国内外の臨床試験で確認された有効性及び安全性を確保するために、臨床現場において適切な品質を確保する必要があると考えます。したがって、昨年7月に承認された類似医療機器と同様に、医療施設において、本化合物の注射剤の品質保証が適切に行われるよう必要な措置を講ずる必要があると判断しております。
 具体的には、審査報告書48ページの(2)の2段落目に記載していますように、注射剤の製造後に行う品質検定において、申請者が提示する品質規格に適合することを確認すること。また、注射剤の無菌性を担保するため、日本核医学会の作成したガイドラインの「製造基準」に準拠した作業環境を構築する必要があること。以上のことを添付文書にて注意喚起する必要があると判断いたしました。
 なお、これらの注意喚起は、添付文書案の1/4ページの左上にある禁忌・禁止欄の1項目に品質検定に適合しない注射剤の投与を禁じる旨の注意喚起が行われています。また、作業環境については、添付文書案3/4ページの左上に2.その他の注意の項目のすぐ上に(3)作業環境の要件として、注意喚起が行われております。
 最後の論点については、使用成績評価の指定の要否についてです。審査報告書48ページの(3)を御覧ください。本品が製造する本化合物は、本邦において承認前例のない新規の成分であり、本化合物を投与した際の有効性及び安全性に関する情報は限られております。さらに、類似医療機器NEPTISが承認されてから間もないことを踏まえますと、本邦の臨床現場におけるアミロイドPET検査の使用経験は十分とは言えないものと考えております。また、本化合物の注射剤が患者に投与されることを踏まえますと、本体の合成性能よりは、むしろ医薬品に相当する最終生成物の本化合物の注射剤を評価対象とする必要があると考えます。
 以上のことを踏まえて、総合機構は、本化合物に関して臨床現場における使用実態下での安全性が、国内外の臨床試験成績と大きく異ならないことを確認するため、使用成績評価が必要であると判断しました。
 調査項目は、本化合物投与時の有害事象の発現率、重篤性等を明らかにするために必要な項目が設定され、先ほど二つ目の論点で御説明しました読影医向けのトレーニングの受講に関する確認も調査項目に含まれております。
 目標症例数については、本調査の目的及び本品を設置可能な医療施設数、すなわち、サイクロトロン設備を有し、日本核医学会の定めたPET施設認証を取得した医療施設の施設数は限定的であると予想されることを踏まえると、申請者が目標症例数を□例と設定したことは理解できると考えております。ただし、本化合物は新規の成分であり、本邦において投与経験が限られることを踏まえますと、□例を下限値として評価期間内で可能な限り情報収集を行うことが適当と判断しました。評価期間は目標症例数の下限値を登録する上で、臨床現場で想定される実施可能性を踏まえ、3年とすることが妥当と判断しました。
 以上の審査を踏まえ、本品を承認して差し支えないとの結論に達し、本医療機器・体外診断薬部会で御審議いただくことが適切と判断いたしました。本品は、生物由来製品及び特定生物由来製品のいずれにも該当しないと判断しております。また、使用成績評価の対象として指定し、使用成績評価期間は3年とすることが妥当と判断しました。なお、薬事分科会では報告を予定しております。
 続きまして、本品に関して事前に川上委員よりコメントを頂いております。昨年7月に「放射性医薬品合成設備NEPTIS plug-01」が承認されている現在、本品を承認するためには既承認品の承認根拠となったデータと比較し、少なくとも本化合物が非劣性であることのデータが必要になるのではないかとの御意見を頂戴しております。
 これにつきましては、本化合物に関する臨床試験の開始時には既にNEPTISが承認されていれば比較試験を実施して開発する可能性はあったと考えます。しかしながら、本化合物の開発や本申請はNEPTISの承認前になされており、比較試験を求められるような状況ではありませんでした。なお、試験間の比較であって、評価には限界があるものと考えておりますが、当日配付資料3の比較表の一番下の行に「主な臨床試験成績」と書いた行がありますが、ここに今回の本化合物の第III相試験の結果とNEPTISの第III相試験の結果を並べております。御覧いただいていますように、本化合物の臨床試験成績が[18F]florbetapirの臨床試験成績と比較して遜色のないことは確認しております。
 このような状況下であって、本化合物を用いたPET画像検査が国内外の臨床試験成績から臨床的に有用と考えられる診断能を有することが示されたことから、総合機構は本品を承認可能と判断いたしました。総合機構からの報告は以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○荒井部会長 それでは、始めに参考人の祖父江先生から御意見をいただけますでしょうか。
○祖父江参考人 簡単に参考人としての意見を述べさせていただきます。既に今、粗方の説明はされましたが、認知症の中でアルツハイマー型認知症がターゲットになるわけですが、御存知のようにアルツハイマー型認知症には二つの非常に重要な病理のマーカーがございまして、一つはタウタンパク質の沈着からなる神経原線維変化というのがございます。もう一つは、アミロイドベータタンパク質の沈着からなる老人斑というのがマーカーでありまして、この二つがそろえば病理的にもアルツハイマー型認知症と言って良いといえるわけですが、そのうちのアミロイドベータが非常に重要でタウより先行して沈着するということで非常に重要な診断マーカーになってくるわけです。本品は、これを検出するということで、臨床的にも非常に重要だと考えられるわけでありますが、幾つかの臨床上のポイントがございますので、それを若干、お話申し上げます。
 一つは、認知症といいましても非常にたくさんの種類があります。一番多いのはアルツハイマー型認知症ですが、レビー小体型認知症や前頭側頭葉変性症、血管性の認知症、進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症、いろいろな種類があります。もちろん、この中でアルツハイマー型認知症(AD)が一番多いのですが、それでもいろいろな統計によりますと、認知症の中のアルツハイマー型認知症は50〜60%。ですから、ほかのものが非常にたくさんあるということを、まず認識する必要があるということだと思います。
 先ほど御説明がありましたように臨床症状や高次機能検査、MRI、SPECTというものも使いますが、これらによってアルツハイマー型の認知症を疑った場合にアミロイドベータの沈着があるかどうかを確認するということは、非常に重要な診断のプロセスになると思います。これは、今、申し上げたようにほかのアミロイドベータが沈着しない認知症と沈着する認知症を分けるという意味で非常に重要でありまして、いろいろな認知症は、それぞれ治療の内容やケアの方針が違ってきますので、鑑別診断は非常に重要だと思います。
 もう一つ、逆に専門家がADと診断しても、これは統計によっていろいろですが2割弱ぐらいは診断したものの中に違う認知症の種類が入ってしまうということがありまして、これを確定的に診断していくということが、この機械でできるわけです。ですから、いずれにしましても、日常臨床の上で非常に重要なツールになるだろうと考えます。
 もう一つは、これは少し将来的な問題になるかもしれませんが、ADの治療薬の開発が、今、世界であるいは日本で非常に盛んにやられているのですが、先ほど申しましたようにアミロイドベータの沈着というのをマーカーにしない診断で患者をリクルートしますと違う病気が入ってきてしまいます。ですから、今後のADの治療薬の開発という点でも、この機器は非常に重要なツールになるだろうと思います。
 先ほどちょっと触れられましたが、このものの適正使用について、現在、厚労省のアミロイドイメージング研究班、日本核医学会、日本認知症学会、日本神経学会が合同でアミロイドイメージング適正使用に対するガイドラインを作っておりまして、今、素案ができたところです。ですから、もうしばらく経つと一般に流布されて適正使用をきちんとやっていくという体制がドクター側についてもできるのではないかと。
 あと、2点だけ簡単に説明します。先ほども話が出ましたが、本品は認知症が発症したアルツハイマー型認知症の患者に対して適応があるという、現在そういう枠取りをしているわけですが、MCIがありまして、これはアルツハイマー型認知症発症の前、Mild Cognitive Impairmentといいますが、実は、これは今後の治療のターゲットになってくるだろうということであります。さらに、その前の先制治療が今後非常に重要だと世界的に言われておりまして、ここのところの臨床的意義については、まだ未確定ですので今回の承認はここを外すというのは非常にリーズナブルだと思っておりますが、現在アメリカを中心にこの辺をターゲットにする根本治療薬の開発が行われておりまして、もし、これが効果ありということになれば、将来はもう少し早期あるいは発症前ぐらいの患者さんもターゲットになってくるときには、まだ今はそうではありませんが、これは非常に重要なツールになるだろうと。
 最後にアミロイドベータPETによる診断がどのような医療上あるいは医療経済的な効果をもたらすかというのは、今後の非常に重要なポイントになると思います。これは未知でありまして、今後の研究、ウォッチングが必要であろうということです。以上です。
○荒井部会長 祖父江先生、ありがとうございました。それでは、委員の方々から御意見、御質問等はございますか。
○齋藤委員 基本的に診断薬といいますか、今のお話をお伺いすると早期診断ということではなく、むしろ確定診断に使うということで、基本的にこういう画像検査というのは、おそらく従来の考え方だと早期診断と例えば薬物の治療効果判定、そういうものに多くは期待するのではないかと思うのですが、基本的には鑑別診断は重要であると、そのための検査手段であるという認識でよろしいですか。
○祖父江参考人 このものの承認自体は、そこをターゲットにしております。ただ、研究的なレベルでは、この機器は先ほど申し上げたように早期あるいは発症前のアミロイドベータの溜まり具合を見ていくということに対して、ものすごく威力を発揮して創薬に結びつくだろうということです。日常臨床の使用と研究的な部分とは、ちょっと分けて考えていこうということが現在のスタンスです。
○齋藤委員 先行品といいますか、どちらが先行かというのはよく分かりませんが、先行品との差というのがあまり明確ではない。この表を見ると感度、特異度がイーライリリー社のNEPTISと比べると下がっている。その原因は読影した放射線科医の技量に依存するとか、いくつかの要因があると思いますが、もう少し利点があった方が良いのではないでしょうか。非劣性だけで有効性があまり変わらないという判断でよいのかどうか、よろしいのでしょうかといいますか、その点だけお伺いしたいです。
○医薬品医療機器総合機構 医薬品医療機器総合機構より御説明します。比較表に示しておりますように確かに数値としては、「放射性医薬品合成設備NEPTIS plug-01」の方が若干、高いような値は示しております。例えば感度が92%、86%、この差が臨床的にどの程度意義があるのかというと、そこまで大きな違いがあるような差ではないのではないかと判断しております。
○荒井部会長 ほとんど説明では触れられなかったのですが、あらかじめカセットにいろいろ試薬が入っているというのと、これまでのようにカセットに全部それぞれの試薬を入れるのと、現場的には随分違うのではないかと思われるのですが、その辺はどうなのですか。
○医薬品医療機器総合機構 医薬品医療機器総合機構より御説明します。御指摘いただきましたように、あらかじめ試薬が充填されているのが本品の特徴です。既存のNEPTISは操作者が決められた濃度の試薬をカセットの所定の場所に自分でセットする必要があるのに対して、本品はあらかじめセットされているので、カセットを本体に取り付け、コネクタ等を必要な場所にセットすれば、合成がスタートできるという簡便性が本品の特徴の一つではないかと考えております。
○荒井部会長 そのほかに御意見はございますか。
○鈴木委員 前に同じような製品が出るときにもお話したような気もするのですが、認知症の診断にあまり高額な機器を使って、それが必須になるような方向にいくことは、少し行き過ぎではないかという気がします。あくまでも限定的に使用すべきだと思いますので、それは是非、要件に入れていただきたいと思います。ちなみに既承認品目は、どのぐらいの価格になったのか分かったら教えていただけますか。
○医薬品医療機器総合機構 医薬品医療機器総合機構より御説明します。まず、1点目に御指摘いただきました、なぜ、これを使わなければいけないのかですが、本品の適応上、アルツハイマー型認知症かどうか、通常の臨床診断で、なお不確実な場合に、このアミロイドPET剤の適用が検討されますので、認知症の診断において必ずこれを使わなければいけないというものであるとは考えておりません。
 続きまして、NEPTISの価格です。以前審査をさせていただいたときの情報では、カセット一つ当たり70万円ほどと聞いたことがあります。1回の合成で、施設のPETカメラの台数等にもよるとは思いますが、大体、1回のカセットで作られたもので4、5人分の検査は行えるという話は聞いたことがあります。
○参事官 追加で今の鈴木先生のお話に関しまして、鈴木先生の御指摘はごもっともだと思います。実は先行品もなのですが、保険適用に当たりましてはいろいろ議論もありまして、正しく本当に必要な方を診ていただく、先ほど参考人から適正使用のガイドラインを学会でも準備されているということがありましたが、臨床的にこういう方に本当に必要だと。そういう方を特定して、そういう方には保険を考えようと。ただ、さすがにスクリーニング検査に使うのは先ほど申し上げたように意味がないだろうということを審査報告書に書いております。
 また、保険適用に当たりましては、今みたいな御意見も含めて学会でも適正使用のガイドラインを作成しておりますので、どういう方まで本当に使うのかということについて精査されていると聞いております。
○鈴木委員 それは分かりましたが、やはりこういうものが次から次へと出てくるような状況になりますと、非常に医療費を増やします。臨床的にほとんどが診断がつきますし、すぐに診断がつかなくても少し経過を見れば分かってくるということもあると思います。どうも神経内科の先生は診断にこだわられ、精神科の先生は治療にこだわられる気がするのですが、今後は費用対効果も考えていただいて、こういう高額な機器の開発の際には最初から費用対効果の研究も取り込んでおかれた方がよろしいのではないでしょうか。いずれそういう話が出てくる可能性もあると思いますので、是非その辺は御留意いただきたいと思います。
○祖父江参考人 今おっしゃっていただいたとおりで、既に先ほど言っていただいたのですが、ガイドラインの中にどういう症例、どういう患者さんに使うべきかということをかなり絞り込んだ形で記載しつつあります。確かに保険適用に向けての次の段階は、また別の議論になると思いますが、ガイドラインについてはそういう状況です。もう一つは、先ほど申し上げたように次のステップとして先制治療がありますので、それに向けた考え方というのも、もう一つ将来としては重要だと思います。ただ、今の適用としては、非常に限った形で使いたいということです。
○荒井部会長 今のディスカッションは、大変重要なところだと思います。対象患者さんの数ですとか、鈴木委員に御指摘いただきました医療経済へのダメージというか、そのような要素を含めて今後検討しなくてはならない課題だと思われます。保険につきましては先ほどお話が出ましたように、かなり絞り込んだ形でのスタートになるかと思われます。そのほか御意見よろしいですか。
○一色部会長代理 調査対象に「□例を下限として」と書いてありますが、この□例という数字の根拠はどこから出されたかということと、今の先行する議論が幾つかあって重要なポイントだったと思うのですが、これらの疑問に耐えられるような調査項目が入っているのかについて教えていただければと思います。
○医薬品医療機器総合機構 医薬品医療機器総合機構より御説明します。審査報告書の45ページです。真ん中より少し下の辺りに2.目標症例数についてということで、これは申請者の見解の部分ですが、こちらに記載しておりますように「症例数については、本邦の実臨床における有害事象の発現率が国内外の臨床試験で観察された値よりも有意に高くならないことを妥当な信頼水準をもって示せるように設定した」とあります。先ほど御説明しましたように国内外で得られた臨床試験の成績で有害事象の発現率は10%程度で、仮に本邦において実臨床で使った場合でも10%程度と仮定した場合に、この発現率がもしも□倍程度まで増えるようなことがあれば、何かしら安全性に関して懸念すべき事態が生じていると判断できるだろうということで申請者としては統計学的に、妥当な信頼水準でカバーできる症例数として□例を設定したと説明しております。
○一色部会長代理 そうすると、調査はあくまで安全性の評価が目的であって、この検査の有用性というか、先ほどの議論にあったような診断が治療に及ぼす影響の評価をするには、十分でない可能性はあるけれども、それはこの調査対象とはしないと、そういう考えでよろしいでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 はい。資料2の一番後ろに付いている黄色のタブで使用成績調査実施計画書(案)というタブです。2枚ほどの申請者が提出した実施計画書の案です。真ん中辺りの目的です。主要目的は、FASTlabを用いて院内で製造されるフルテメタモル注射剤の投与後の有害事象の発現率を明らかにするということで、安全性についてメインに見ていくということになります。先ほど御指摘いただきました有効性の観点、診断についてどのように影響を与えるのかというところについては、副次目的の3ポツ目です。フルテメタモル[18F]を用いたPET画像が認知機能障害の診断、診断の確信度及び患者の管理計画に与える影響ということで、こちらが認知症の診断における、どの程度影響を与えたのかということが確認できると考えております。
 ただ、これを評価するに当たって症例数が十分かというところは御指摘のとおりでして、本調査の目的上、症例数が多ければ多いほど評価の精度は上がってくるものと思いますので、もしも3年という期間の中で□例以上集められるということであれば、それは集めていただいた方がより良い評価ができるのではないかということで、下限値は□例ですが可能な限り集めていただくことが適当だろうと判断しております。
○荒川委員 使用成績調査の内容です。本機器が製造装置であって対象となる化合物は医薬品ではないということであれば、やはり使用成績調査の中には品質検定、品質確認試験の結果に関しても、調査対象とすべきではないかという気がするのです。品質そのものに関してのデータはほとんど載っていなくて、かつ臨床現場ではPETに関しては結構当日になって合成に失敗したというケースが少なくないのが現状です。そういう所もきちんと調査対象にして、製造装置としての本来性能というのは、きちんと目的とする化合物、臨床に使用できるものが製造されていることが本来の性能だろうと思います。その化合物に関しての臨床、有用性はもちろんそれはそれで評価が必要なので、そういう点でのデータがここの中にも不足していますし、使用成績調査としても当然加えるべきものではないかという気がしています。
○医薬品医療機器総合機構 医薬品医療機器総合機構より御説明します。御指摘いただきまして、ありがとうございます。御指摘いただいたことは、正にごもっともであると考えております。本品、アミロイドPETを実施する際には、先ほど御説明しました日本核医学会の製造基準の認証を取られた施設であるということを注意喚起しておりますので、基本的に本品が使われる場所は製造基準に準拠する施設、その製造基準の中には記録を取っておくという条文が入っておりますので、そういう記録を使用成績評価の調査項目の中に入れてくるということは可能であると考えておりますので、申請者にそのように指導していきたいと考えています。
○荒井部会長 それでは、よろしければ議決に入ります。医療機器「放射性医薬品合成設備FASTlab」につきまして、本部会として使用成績評価の対象に指定し承認を与えて差し支えないでしょうか。御異議がないようですので、このように議決させていただきます。この審議結果につきましては、次の薬事分科会におきまして報告いたします。ありがとうございました。これで議題2を終了いたします。参考人の祖父江先生、ありがとうございました。
 続きまして、医療機器「PDレーザ」及び「EC-PDTプローブ」の製造販売承認の可否等についての審議に進みます。本議題の審議に当たりましては参考人として、神戸大学医学部附属病院光学医療診療部部長、豊永高志先生にお越しいただいています。先生、よろしくお願いいたします。まず、審議品目の概要について事務局より説明をお願いします。
○事務局 議題3につきまして、事務局から御説明いたします。綴紐で留めてあります資料3-1を御覧ください。1枚目が諮問書です。本議題では、光線力学的療法に使用する医療機器「PDレーザ」及び「EC-PDTプローブ」の生物由来製品等の指定の要否、製造販売承認の可否及び使用成績評価の指定の要否について、御審議をお願いします。
 資料3-1の束では、レーザの発振装置であるPDレーザの承認申請書が、その下の束である資料3-2の方では、レーザの導光用のプローブであるEC-PDTプローブの申請書が留めてあります。審議品目及び審査の概要につきましては、機構より御説明いたします。
○医薬品医療機器総合機構 議題3、医療機器「PDレーザ」及び「EC-PDTプローブ」の製造販売承認の可否等について、医薬品医療機器総合機構より御説明します。
 当日配付資料1の2ページに、「PDレーザ」及び「EC-PDTプローブ」の専門協議委員一覧を記載していますので御覧ください。本審査にあたり8名の専門委員の御意見を頂きました。専門委員一覧には7名の委員が記載されていますが、この委員に加えて今回、参考人としてお越しいただいている豊永先生を加えた8名の専門委員の御意見を頂きました。専門委員一覧についてこの場で訂正させていただきます。また審査報告書の一部に誤りがございましたので、当日配付資料2の正誤表にて訂正し、お詫び申し上げます。
 議題3の審議品目は2品目ございます。光線力学的療法に用いるレーザの発振装置本体と、レーザの発振装置に接続してレーザ光を病変部まで導光するためのプローブの2品目です。同時に使用する品目ですので一緒に説明させていただき、2品目を合わせて「本品」と呼ばせていただきます。
 資料3を御覧ください。先ほど事務局から御説明いただいたとおり、資料3-1がレーザ発振装置のPDレーザ、資料3-2がPDレーザに接続するEC-PDTプローブの資料です。審査報告書については同一の内容となっていますので、審査報告書を御覧いただく際はどちらを御覧いただいても構いません。
 初めに、本品の概要について御説明します。「審査報告書」と書かれた緑色のタブをめくっていただき、審査報告書の5ページを御覧ください。本品は、腫瘍親和性のある光感受性物質タラポルフィンナトリウム製剤による、光線力学療法に用いるレーザ照射装置です。以降、タラポルフィンナトリウム製剤のことを「レザフィリン」、光線力学療法のことを「PDT」と言います。今回の申請は、レザフィリンと本品を用いたPDTを化学放射線療法(以下、「CRT」という)、又は放射線療法(以下、「RT」という)、このCRT又はRT後の局所遺残再発食道癌を対象疾患とするための承認申請です。
 審査報告書6ページを御覧ください。こちらに治療の概念図を示していますが、レザフィリン投与後、4〜6時間後に本品を用いて内視鏡下で標的病変に対してレーザ光を照射し、治療が行われます。
 審査報告書7ページの表1に記載していますとおり、レザフィリンは、早期肺癌及び原発性悪性脳腫瘍を対象とするPDTに使用する医薬品として既に承認されており、併用する医療機器についてもそれぞれ承認されています。
 審査報告書8ページの中頃に記載していますとおり、本品は昨年9月にCRT又はRT後の局所遺残再発食道癌を予定される使用目的として、希少疾病用医療機器に指定されています。PDTはレザフィリンとレーザを併用する治療であり、レザフィリンは医薬品として別途、審査されています。本部会においては特にレーザに焦点を当てて審査内容を御説明します。
 非臨床試験に関する審査の概要を御説明します。審査報告書13ページの中頃、(2)既承認品プローブとの光学的同等性を裏付ける試験と書かれた項を御覧ください。治験においては、早期肺癌に対する承認を取得している肺癌用のプローブが用いられたことから、治験の成績を本品の臨床成績として用いるために、肺癌用プローブとEC-PDTプローブの光学的な同等性が評価されました。肺癌用プローブとEC-PDTプローブについては、現在、サンプルをお回ししていますので御覧ください。プローブ先端部からごく近傍においてはビームプロファイルに差が認められるものの、臨床使用において想定される照射面においてはビームプロファイルに同等性が認められることから、肺癌用プローブを用いた治験の結果を本品の臨床評価に用いることは可能と判断しました。
 審査報告書17ページ、(1)食道内における本プローブの固定方法についての項を御覧ください。本治療においては同一の箇所に約11分間、レーザ光を照射する必要があるため、機構は、照射中に標的組織に対して安定した照射ができるように、食道内においてプローブを固定する方法を定めておくことが、本治療の有効性の面で重要と考えました。申請者は、図4のように内視鏡先端に取り付けた先端フードを食道壁に接触させることで内視鏡を食道内に固定することができ、安定した照射が可能となることから、この方法を本治療の標準的な照射手法として本品の使用方法としても記載すると回答し、機構は了承しました。
 審査報告書18ページの(2)を御覧ください。本品によるレーザ光照射において、1回の照射で治療が可能な範囲は直径が約1cm程度の円の範囲であることから、その範囲に収まりきれない病変に対しては、病変部全域にレーザ光照射を行うために照射位置をずらして複数回照射する必要があります。機構は、どの程度ずらしながら、どのような照射パターンで照射するべきであるか適切な情報提供を行うべきと考えました。申請者は機構の見解に対して、本品の使用者に対して講習会の受講を義務づけると回答しました。機構は、本品の使用者に対する講習会は必要と考えるものの、このような内視鏡操作には高度な内視鏡操作が要求されることから、食道癌の内視鏡治療については十分な経験を有する医師に限定することが必要と判断いたしました。
 審査報告書19ページ、(3)併用する内視鏡システムの限定についてと書かれた項を御覧ください。機構は、レーザ光を照射中に照射位置がずれていないかどうか常に確認しておく必要があると考え、全ての内視鏡システムにおいて、本品によるレーザ光照射中にも照射位置を確認することが可能であるか申請者に確認しました。申請者は、光量を調整する機能が備わっていない内視鏡においては、本品によるレーザ光照射によってハレーションを起こし、レーザ光の照射部位を確認することができないため、ハレーションが低減可能な機能を備えた内視鏡システムを併用することを注意喚起すると説明しました。機構は、レーザ光照射中に照射部位を確認できないことは、本治療の有効性に大きな影響を及ぼすと考え、併用する内視鏡システムを光量を調整する機能を備えた内視鏡システムに限定し、併用可能であることを治療前に確認することを注意喚起することが必要と考え、申請者に指示しました。申請者は、機構の指摘した内容に加えて、治験実施時に使用していた内視鏡システムに関する情報についても講習会等で情報提供すると回答し、機構は了承しました。
 審査報告書20ページ、(4)追加照射の妥当性についてと書かれた項目を御覧ください。局所遺残再発食道癌を対象としたPDTでは、PDTを実施した翌日の内視鏡観察で遺残病変を認めた場合にレーザ光の追加照射を行うことが、本品の使用方法において規定されました。機構は、追加照射の必要性を判断するに当たって、食道癌の内視鏡診断の経験が豊富な医師が本品を用いることによって適切な診断は可能と判断するものの、治験において追加照射を行った症例と追加照射を行わなかった症例の内視鏡所見を、本品の使用者に対する講習会で使用する資材に掲載し、追加照射の要否を判断する際の参考とすることが適切と考えました。申請者は機構の意向について了承しました。
 続きまして、臨床試験成績に関する審査の概要を御説明します。審査報告書21ページを御覧ください。臨床試験成績に関しては、申請資料に添付された資料が医薬品、医療機器双方の申請において共通であったため協力して審査を進めました。21ページの臨床試験成績に関する資料という項に記載したとおり、審査報告書にはレザフィリンの審査結果を引用しています。
 臨床試験成績について概要を御説明します。主な臨床試験成績として、本邦において医師主導治験として実施された第II相試験であるKUTR-015-2試験が提出されました。本試験の結果については審査報告書22ページの中頃、評価資料と書かれた項を御覧ください。本試験に登録された26例全例が、最大の解析対象集団として有効性の解析対象とされました。主要評価項目として設定された中央判定による局所完全奏効率は88.5%であり、事前に設定された閾値15%を上回る確率は100%という結果でした。
 有効性については、審査報告書25ページの冒頭から始まる(2)有効性についての項を御覧ください。本試験において得られた局所完全奏効率の結果等から、CRT又はRT後の局所遺残再発食道癌に対する、レザフィリンを用いたPDTの有効性は期待できると判断されました。
 安全性については、同じく審査報告書25ページの(3)安全性についての項を御覧ください。CRT又はRT後の局所遺残再発食道癌に対して、レザフィリンを用いたPDTを実施する際には、特に食道痛及び食道狭窄の発現に注意する必要があると考えますが、そのほかの有害事象を含めレザフィリンの既承認の効能・効果と同様に注意することにより、レザフィリンを用いたPDTの安全性については許容可能と判断しました。ただし、本試験における検討は限られていることから製造販売後調査の実施が必要と判断し、レザフィリン及び本品の申請者にそれぞれ指示しています。
 以上、本品に関する審査及びレザフィリンの審査結果を踏まえ、本品の審査における主要な論点について御説明します。審査報告書43ページの総合評価を御覧ください。一つ目の論点、KUTR-015-2試験の試験成績を本品の評価資料とする妥当性についてですが、既に御説明しましたとおり、治験に用いられた肺癌用プローブと申請されたプローブについては、臨床使用を想定した際の照射面において光学的な同等性が確認されたため、治験の結果を本申請の根拠資料として評価することは可能と判断しました。
 二つ目の論点、レーザ光の照射方法及びその周知についてですが、既に御説明しましたとおり、レーザ光のエネルギーが標的組織に十分に付与されるよう適切な照射方法を遵守するために、PDTに関する専門的な知識、本品の対象疾患に関する知識と経験及び高度な内視鏡操作技術が要求されると判断することから、本品の操作方法に関する適切なトレーニングやPDTに関する講習を受け、食道癌の内視鏡治療の経験が豊富な医師によって使用されるよう適切な措置を講ずることが必要と考え、審査報告書の45ページに示します承認条件を付すことが妥当と判断しました。
 三つ目の論点、使用成績評価の要否についてですが、本治療についてはレザフィリンと本品のコンビネーション治療であり、本品の使用方法がPDTの有効性及び安全性に大きく影響を及ぼすと考えます。よって、申請者が規定した照射方法によって本治療の有効性が発揮できるか否か、また、申請者が講習の際に提供する情報の適切性も含めて製造販売後に確認する必要があると考え、本品を使用成績評価の対象とすることが必要と判断しました。レザフィリンにおいて行う製造販売後調査を本品の調査としても実施し、市販後の成績についてレザフィリンと本品を併せて評価していくことが合理的と判断し、製造販売後調査に関しては、レザフィリンと同一内容及び同一期間で行うことが適当と判断しました。
 以上の審査を踏まえ、本品を承認して差し支えないとの結論に達し、本医療機器・体外診断薬部会で御審議いただくことが適切と判断いたしました。本品を使用成績評価の対象として指定し、使用成績評価期間はレザフィリンの再審査期間と同一とすることが妥当と判断しています。また、生物由来製品及び特定生物由来製品のいずれにも該当しないと判断しています。薬事分科会では報告を予定しています。
 なお、レザフィリンの製造販売承認事項一部変更承認の可否については、4月24日に行われた医薬品第二部会において審議されましたので、その概要を御報告します。レザフィリンの承認申請における臨床試験成績としては、本品と同一の非盲検非対照試験が提出されています。機構は、当該試験成績に基づき、レザフィリンを用いたPDTの有効性の評価を行うことには限界があるものの、化学放射線療法又は放射線療法後の局所遺残再発食道癌に対する治療におけるPDTの臨床的な位置づけ等も考慮すると、レザフィリンを化学放射線療法又は放射線療法後の局所遺残再発食道癌の効能・効果で、承認することは可能と判断したと、審査結果について説明を行いました。審議中には、主に治験デザインが非盲検非対照試験であることについて議論がなされましたが、最終的には、疾病の重篤性に鑑みて非盲検非対照試験で実施することは妥当との結論に至り、医薬品第二部会において機構の判断は支持されました。機構からの報告は以上です。御審議のほどよろしくお願いします。
○荒井部会長 ありがとうございました。それでは、まず参考人の豊永先生から御意見を頂けますか。
○豊永参考人 よろしくお願いいたします。食道癌に対する化学放射線療法あるいは放射線療法後の局所遺残という問題は、本来、あるべきことではないのですが、残念ながらある程度の頻度で必ず発生してくるものであり、この方たちをどう救済していくかというのは臨床現場においては大きな問題となっています。選択肢としては根治術の追加あるいは内視鏡的な切除をするという、いわゆる切除するという方向なのですが、手術の方は非常に侵襲が高いし、前治療の影響でその成績はかなり悪いという問題があります。内視鏡治療も適用はある程度限定されるものの、最近、開発された粘膜下層剥離術という手法を用いれば、それは可能ではないかというような形の動向にはなってきているのですが、通常のいわゆる粘膜下層剥離術自体が非常に難易度が高くて、専門の施設に患者さんが集まっているという状況です。さらに放射線治療後の瘢痕などを有していますので、その治療は極めて難しく、またリスクも高い治療法になってきますので、なかなかそれを標準的に使うのは難しい。
 このように技術的には多少難しいという見解ですけれども、内視鏡を近接させて光を当てることは、内視鏡治療を専門にしている者にとってはそれほど難しいことではありませんので、そういったことで侵襲が低く、患者さんの救済療法にトライできるという選択肢が加わることは、臨床的に非常に意義が高いものと思います。その治療効果を正しくするためには、ある程度施行医を選ばなければいけないということですが、このようなPDTの装置を持つ施設自体が、主にがんセンターを中心とした専門施設であろうと思われますので、そこに所属する医師又は上級医の指導の下にやる上では、それほど技術的な問題はないのではないかと思われます。以上です。
○荒井部会長 ありがとうございました。それでは、委員の皆様から御意見、御質問等ございますでしょうか。
○川上委員 私の理解力の問題だと思いますが、このレザフィリンを用いたレーザ治療の適用拡大というのは今の御説明でよく分かりますけれども、これは肺癌用のプローブを使った臨床試験の結果であって、もう一つ、EC-PDTプローブの申請があるわけです。それはあくまでも体外における機能検査をして、そちらの方が食道の局所の照射効率がいいだろうということですが、これは臨床研究を一切やっていないということで、同時申請で一緒に申請することに、別に反対しているわけではありませんけれども、使用するときに、現場では肺癌用のプローブを用いてもいいという形での使用を考えておられるのか、その辺のところは、どういうふうにこのEC-PDTプローブの許可について御判断されているのですか。
○荒井部会長 43ページに、これでは肺癌用のプローブが使われたけれども、臨床現場からのニーズによりプローブを改良する必要が生じたとありますが、これがどういうニーズだったかということの説明がなかったので追加してください。
○医薬品医療機器総合機構 部会長から御指摘いただいたところについて、先に御説明いたします。今回、治験を行った際に食道癌の局所再発遺残ということで、その部位に出血が起こっていることが結構多い病変ですから、治験の際、手技中にプローブの先端に血液が付着してしまい、それに気付かずにそのまま照射することで先端が焦げ付き、その後、レーザ光照射ができないという事象が頻発しました。今回、そういうことがあったのでディスポーザブルの単回使用の品目がほしいという要望がありました。これについては審査報告書8ページの1行目から順番に書いています。一応、今回、単回使用のプローブを開発した経緯としてはそういったことがありました。
 今、川上先生から御指摘があったように、肺癌用プローブの方を使えるようにしてはどうかという話ですが、今回の適用について申請がなされているのが、このディスポーザブルのEC-PDTプローブということで、特に申請者側から肺癌用プローブを使いたいということで申請はなされていません。申請がなされていない以上、そちらについて使用できるというふうにするのはちょっと難しいかと思います。
○川上委員 一般論として、そういう場合に全く臨床成績のない器具を、それに使用を限定すると。別治験で用いた器具を使わないで、これを使用するというのはあり得る審査なのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 そうですね。先ほど御説明しましたとおり、非臨床試験の方で光学的には同等だということが示されていますので、治験の結果を外挿されている形です。治験に使用されている機器と本品を非臨床試験の結果で繋いでくることで、本品の評価資料としても使えると判断しています。具体的にどれぐらい同等なのかというところですが、試験結果が記載されている箇所がありますので資料3-2を御覧ください。添付資料概要というタブの73ページ、通し番号で103ページに記載されていますとおり、実際の食道癌PDTの際の光学的な設定を模した図において、一番下の図で記載していますけれども、青が今回の品目で赤の点線が実際に治験に用いたプローブです。ビームプロファイルがほとんど一致しているということで、治験の結果を、このEC-PDTプローブの結果として外挿しても差し支えないのではないかと判断しています。
○荒井部会長 よろしいですか。そのほか御意見、ございますか。
○村上委員 先ほど照射機能については同等ということでした。透過率はこちらの方が10%ぐらい低いけれども照射機能は同程度というのは、パワーの方で調整されたということでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 機構より御説明申し上げます。村上先生が御指摘の透過率が80%から70%に落ちているという点ですが、これについては照射前にプローブを本体に挿し込んで、そこでパワーの校正をかけるとなっています。その70%を経た出射端から出てくるレーザについて150mW/平方センチメートル、今回の規定された照射パワー密度をそこで調整することになっていますので、最終的に出射端でのレーザ光については、肺癌用プローブであってもEC-PDTプローブであっても、同じ照射パワー密度が担保されているという結果については確認しています。
○村上委員 もう一つ新しいタイプで、そちらは性能が上がったということだと思いますが、血液の付着性が改善されたというか、付着しないようになったということですけれども、これは表面処理か何かで対応されてということで、単回使用だったら維持できるという理解でよろしいでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 機構より御説明申し上げます。表面処理というよりは構造自体を少し簡単なものにしています。先端部の構造が、肺癌用プローブは□□□□□□な部品を使っていて構造上、組み合わせているところがあり、比較的構造が複雑になっています。一方、EC-PDTプローブは一体成型することにより、先端にそういった複雑な構造を作らないことで、血液の付着をなくすような構造にしていると説明されています。結果として血液付着に関する耐久性試験の要約ということで、審査報告書10ページの安定性及び耐久性に関する資料の下から12行目辺り、ちょうど段落の真ん中辺りですけれども、「本プローブの開発の意図となった血液付着に対する耐久性については」というところから書いているとおり、付着量がそもそも少ないのと、付着して焦げ付いたときに拭き取りがどうかなど様々な検討がなされていて、本品の方が付着の程度は少ないという結果が示されています。一応、こちらで確認は取れているということです。
○荒井部会長 そのほか、よろしいですか。
○千葉委員 2点、お伺いしたいと思っています。肺癌用のものではなくて新たに、言わばディスポーザブルのものにすると。
○医薬品医療機器総合機構 はい。
○千葉委員 この場合、価格はどれくらい違うのか。もう一つは、肺癌用のものは何回ぐらい使えるものであったのか。その辺の経済学的な問題をどうお考えか教えていただきたい。これが1点です。もう1点、これは一般論ですけれども、光強度分布が同じだからといって肺癌組織と食道癌組織でレザフィリンの分布が同じであり、生物学的な効果が同じであるかどうかという議論はなされているでしょうか。もっと言うとレザフィリンを使っていますから、つまり光強度分布が一緒だから生物学的な効果も一緒なのだという推論で、よろしいのかどうか。これが2点目です。
○医薬品医療機器総合機構 2点目の方から先に機構より説明させていただきます。治験においては、食道癌に対して肺癌用のプローブを用いた結果ですので、一応、食道癌に対して検討された結果が今回の臨床試験成績ということです。レザフィリンの方の分布がどうなっているかについては。
○医薬品医療機器総合機構 臨床試験の評価を主に担当させていただきました新薬審査部から御説明させていただきます。御指摘のとおり組織が違っており、また、レザフィリンを投与した後、レーザを当てるまでの時間とかレーザ強度が食道癌では一つの条件でしか検討されていませんので、より良い条件があることは否定できないと考えています。ただし、今回、検討された条件で行われた食道癌患者を対象とした臨床試験において高い完全奏効率が得られたことから、この条件の食道癌に対する一定の有効性が示されたと考えています。
○医薬品医療機器総合機構 千葉委員からの一つ目の御質問の価格の面ですが、販売価格が幾らになるかということは我々は把握していません。肺癌の方のプローブが、繰り返し使用で何回使用できる設定になっているかについては、特に添付文書に記載されていないので正確な情報ではないのですが、申請者から聞いた情報では□回程度だったと記憶しています。
○荒井部会長 値段は、ディスポになって上がるのですか。
○医薬品医療機器総合機構 ディスポーザブルにすることで□□□□□な素材が使用されていると聞いていますので、1本あたりの製造コストは□□□のではないかと考えていますが、そこは正確な情報ではないです。
○荒井部会長 ありがとうございます。
○千葉委員 つまり、基本的に効果が似通っていると。そうすると経済学的に折り合うのであれば、ディスポーザブルの方を将来は肺癌にも使っていくことをお考えなのかと思ったものですから、この質問をいたしました。
○鈴木委員 現物を2種類見せてもらって、皆さんは同じことに気が付いたと思います。どうして複数回使えるものをわざわざ単回使用にするのでしょうか。食道癌は出血しますが肺癌だって出血するわけで、両者に違いがあるのかという気がします。穿った見方をすれば単回使用の方が多少安くても、数が売れるからメーカーにとっては利益が多くなると戦略的に考えているのかもしれません。もっと客観的に見るのであれば両方使ってみて、どちらが費用対効果の面で有効なのか比べるべきではないかと思いますが、参考人の先生、いかがでしょうか。御意見を伺いたいと思います。
○豊永参考人 経済性についての御指摘はもちろん重要なのですが、世の中、処置具に関しては大抵、ディスポーザブルになっていく。感染の問題とか滅菌の完成度の問題などもあり、デバイスは基本的にディスポーザブルにしていこうというのが、ユニバーサルな考えではないかと思いますので、いかにコストを下げるかという問題はあると思いますけれども、性能も維持される。そして感染の問題もないとなれば、ディスポーザブルを安価に提供していく視点が必要ではないかと思います。
○鈴木委員 日本では、皆そのように洗脳されてしまっているのですが、アメリカではむしろ滅菌して複数回使用しています。しかもそれを安く使用することが実際に行われています。これは日本のメーカーですが、皆ディスポーザブルにしなければいけないと洗脳されてしまっているのです。本当はきちんと滅菌すれば複数回使えるものを単回で高く使わせられているのではないでしょうか。私は日本の医療のこういうところに無駄があるのではないかと思いますので、両方あるのだったら両方使ってみて、費用対効果を調べてみたらよいと思います。とにかく日本には費用対効果のデータがないのです。ずっと研究者がお金の話をするのはいかがなものかと教育されて来た方が、まだ多数を占めているのかも知れませんが、費用対効果の研究をする上で国内の臨床研究データが少ないことが大きなネックになっていますので、今からそうした観点を組み込んでいく必要があると思います。これからは私たちも費用対効果の視点を常に持つ必要があると思います。
○荒井部会長 ありがとうございます。今の鈴木委員の御指摘は大変重要な今後の課題だと思われます。この点を銘記して、今後も検討を続けさせていただきたいと思います。もう一つ、この品目につきましては別の物品を使って治験が行われ、その結果を用いるということで、いわゆる「外挿する」という方法が用いられています。この点は、医薬品と一線を画した医療機器に独自の判断であり、このような方法を採用していくことは、今後の判断にも大きく影響するであろうと思われます。
 よろしければ議決に入らせていただきたいと思います。よろしいでしょうか。医療機器「PDレーザ」及び「EC-PDTプローブ」につきまして、本部会として使用成績評価の対象に指定し、承認を与えて差し支えないでしょうか。また、生物由来製品及び特定生物由来製品への指定は不要として、よろしいでしょうか。御異議がないようですので、このように議決させていただきます。この審議結果につきましては、次の薬事分科会において報告することといたします。ありがとうございました。議題3を終了しますので参考人の豊永先生におかれましては、ありがとうございました。
 引き続き、議題4、「医療機器の高度管理医療機器、管理医療機器又は一般医療機器の指定及び特定保守管理医療機器の指定の要否について」、審議を始めさせていただきます。まず事務局より説明をお願いいたします。
○事務局 議題4につきまして、資料4に基づき御説明いたします。既存の一般的名称のいずれにも該当しない医療機器に対しまして、新たに一般的名称を新設する際には当該一般的名称が高度管理医療機器、管理医療機器、一般医療機器のいずれに該当するかなどについて、医薬品医療機器法第2条第5項から第8項に従い、薬事食品衛生審議会の意見を聞いて指定することとなっています。
資料4、1ページの諮問書をめくって2ページを御覧ください。新設する一般的名称「経腸栄養チューブ挿入追跡装置」の概要を示しています。3ページを御覧ください。新設する一般的名称(案)について、中段、既存の一般的名称のいずれにも該当しないと考える理由にありますとおり、類似する一般的名称に「内視鏡挿入形状検出装置」がありますが、一般的名称の定義に「内視鏡の挿入を支援するため」とあり、経腸栄養チューブの先端部の位置を追跡する本品は該当しないといった理由から、既存の一般的名称のいずれにも該当しないと判断しています。当該一般的名称に該当する品目の概要は、5ページ、6ページにあるとおりになります。
 高度管理医療機器、管理医療機器又は一般医療機器の分類については、副作用又は機能の障害が生じた場合において、人の生命及び健康に影響を与える恐れがあることから、その適切な管理が必要と考えられるため、管理医療機器、クラスIIに指定されるものと考えています。また、保守点検、修理その他の管理に専門的な知識及び技能を必要とすることから、その適正な管理が求められるものと考えられるため、特定保守管理医療機器に指定されるものと考えています。説明は以上になります。御審議のほどよろしくお願いいたします。
○荒井部会長 ありがとうございます。磁場でチューブの場所を規定するという形のものですけれども、委員の方々から御意見、御質問はございますか。よろしいですか。それでは、御意見がございませんでしたら、議決に入らせていただきます。経腸栄養チューブ挿入追跡装置につきまして、本部会として管理医療機器として指定し、特定保守管理医療機器に指定することとして、よろしいでしょうか。御異議ないようですのでこのように議決させていただきます。この審議結果につきましても次回の薬事分科会におきまして報告させていただきます。議題4を終了いたします。議題5、医療機器の再審査結果について、事務局より説明をお願いたします。
○事務局 事務局より議題5、医療機器の再審査結果について御報告いたします。資料5になります。再審査は、改正前の薬事法第14条の4の規定に基づき、原則、新しい医療機器などについて再審査期間を定め、承認後の使用成績等の調査を行わせ、その資料に基づき有効性、安全性などの再確認を行うことを目的とした制度となっています。
 資料5を御覧ください。1枚目が医療機器再審査確認等結果通知書になります。本品は、「Cypherステント」という販売名の冠動脈ステントになります。申請者はジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社です。本品は表面に新生内膜増殖抑制を目的として、シロリムスをコーティングした薬剤溶出型冠動脈ステント、そしてステント病変部まで運搬するデリバリーシステムのセットとなっています。
 本品の使用成績調査は、使用実態下における不具合発現状況、安全性、有効性等を確認することを目的として、平成16年7月から平成17年9月まで症例登録が行われ、ステントの留置手技後、5年間、経過観察が実施されました。今回、お配りしている資料につきましては事前に委員の先生方に送付させていただいていますので、簡単な説明とさせていただきますが、今回、報告させていただきました1品目につきましては、安全性、有効性について特段の問題がないと判断されています。
 以上のことより、薬事法第14条第2項第3号イからハまでのいずれにも該当しないこと。すなわち、再審査結果の区分を効能・効果・用法・用量などの承認事項について、変更の必要がないカテゴリー1と判断しています。以上、御報告いたします。
○荒井部会長 ありがとうございました。本件につきまして、委員の皆様から御意見、御質問等ございますか。よろしいですか。
○一色部会長代理 ちょっと追加させていただきます。Cypherステントは第1世代の一番最初に出た薬剤溶出性ステントで、一世を風靡して非常に多くの本数が植え込まれましたけれども、現段階におきましては、既に発売が終了しており、この報告をもって終了という形になると理解しています。
○荒井部会長 ありがとうございます。特に御意見、よろしいでしょうか。よろしければ議題5を終了させていただきます。最後に議題6、部会報告品目について、事務局より説明をお願いいたします。
○事務局 議題6、部会報告品目について、資料6に沿って御説明いたします。平成27年1月1日から平成27年3月31日までの3か月間に承認された品目のうち、本部会への報告対象となっている品目についてまとめています。1ページから17ページが医療機器になり、合計しますと84品目になります。最終の18ページが体外診断用医薬品で2品目あります。これらの資料については事前に送付していますので、この場での詳細な説明は割愛させていただきます。以上です。
○荒井部会長 ありがとうございました。委員の皆様から御意見、御質問等、よろしいでしょうか。特に御意見がありませんようでしたら、これで議題6を終了させていただきます。これで本日予定された議題は全て終了しました。事務局から何かございますか。
○参事官 特にございませんけれども、次回の部会について日程を決めていますので、その報告をさせていただきたいと思います。次回の部会につきましては、6月12日(金)、午前10時からということでお願いしたいと思います。再度申し上げます。6月12日(金)の午前10時から開催を予定させていただいていますので、皆様、よろしく御出席のほどお願いできれば幸いです。以上です。
○荒井部会長 ありがとうございます。次回は6月12日です。よろしいですか。それでは、これをもちまして本日の医療機器・体外診断薬部会は閉会させていただきます。長時間、ありがとうございました。

(了)

備考
 この会議は、企業の知的財産保護の観点等から一部非公開で開催された。

連絡先:医薬食品局審査管理課 医療機器・再生医療等製品担当参事官室 室長補佐 佐々木(内線4226)

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