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2015年4月24日 第220回労働政策審議会職業安定分科会労働力需給制度部会 議事録

職業安定局派遣・有期労働対策部需給調整事業課

○日時

平成27年4月24日(金)17:00〜19:00


○場所

東京都千代田区霞が関1−2−2 中央合同庁舎第5号館
職業安定局第1・2会議室(12階)


○出席者

(公益代表)鎌田委員、柴田委員、橋本委員
(労働者代表)清水委員、新谷委員
(使用者代表)秋山委員、小林委員、高橋委員

事務局

坂口派遣・有期労働対策部長、富田需給調整事業課長
岩野派遣・請負労働企画官、戸ヶ崎主任指導官
木本需給調整事業課長補佐、綾需給調整事業課長補佐

○議題

(1)労働契約申込みみなし制度について(公開)
(2)一般労働者派遣事業の許可について(非公開)
(3)有料職業紹介事業及び無料職業紹介事業の許可について(非公開)

○議事

○鎌田部会長 間もなく定刻の17時となります。もう皆さんおそろいですので、ただいまから「第220回労働力需給制度部会」を開催いたします。ちょっと私は声がかすれていますので、お聞き苦しいところがあるかと思いますが、申しわけございません。

 本日は、労働者代表の石黒委員が所用により御欠席されると伺っております。

 本日の進め方ですが、お手元の次第にある議題1について公開で御審議をいただき、その後、許可の諮問の審査を行います。

 許可の審査については資産の状況等、個別の事業主に関する事項を扱うことから非公開とさせていただきますので、傍聴されている方々には退席いただくこととなることをあらかじめ御承知いただきたいと思います。

 それでは、議事に入りますので、カメラの頭撮りはここまでとさせていただきます。御協力よろしくお願いいたします。

(カメラ退室)

○鎌田部会長 議事に先立ちまして、事務局に人事異動があったようですので御紹介をお願いいたします。

○木本補佐 4月16日付の人事異動により、課長補佐として綾が着任しておりますので御紹介いたします。

○綾補佐 よろしくお願いします。

○鎌田部会長 それでは、本日の議事に移りたいと思います。

 まず、議題1の「労働契約申込みみなし制度について」、事務局から御説明をいただきたいと思います。その後、御質問等をいただきます。

 それでは、御説明お願いいたします。

○木本補佐 事務局から、本日お配りしている資料を御説明いたします。

 議題1につきましては事務局から資料を2種類、また新谷委員から御提出いただいた資料を1種類御用意しておりますので御確認ください。もし過不足等ございましたら、事務局にお申しつけください。それでは、資料の内容について御説明します。

 まず、資料1−1の「労働契約申込みみなし制度について」でございます。労働契約申込みみなし制度は平成24年労働者派遣法改正法によって新設されたものでございまして、施行日が今年の10月1日となってございます。この制度は、派遣先が一定の違法派遣を受け入れている場合に、その違法状態が発生した時点において、派遣先から派遣労働者に対して当該派遣労働者を雇用する派遣元事業主における労働条件と同一の労働条件を内容とする労働契約の申込みをしたものとみなすという制度になってございます。

 こちらの規定は民事的効力を有するものでございまして、もしその効力が争われた場合には個別具体的に司法判断されるものとなってございますが、制度の円滑な施行のために行政としての解釈を示す必要があると考えてございまして、その内容の案を今回報告させていただくという形にしてございます。

 資料1−1の中身について御説明させていただきます。

 まず、資料1−1の「1.制度の趣旨」でございます。この制度は、派遣先が一定の違法派遣を受け入れている場合に、その違法派遣の是正に当たって派遣労働者の雇用が失われないようにして派遣労働者の保護を図る必要があるということと、善意無過失の場合を除いて違法派遣を受け入れた者にも責任がある。そのような者に対して一定のペナルティを科すということにより、法規制の実効性を確保する必要がある。こういった理由により創設された制度となってございます。

 こちらの制度につきましては、論点は大きく以下4つございますので順次説明させていただきます。

 まず1つ目ですが、「申込みを行ったとみなされる時点」でございます。「ア 総論」でございますが、法第40条の6第1項各号に該当する行為、これが具体的には一定の違法行為となってございますが、こちらが行われた時点に労働契約の申込みをしたものとみなされると考えてございます。

 また、2暦日にわたって継続就業するような日単位の役務提供とならない場合を除いて、原則的には違法行為が行われた日ごとに労働契約の申込みをしたとみなされると考えてございます。

 なお、派遣労働者が承諾できる申込みにつきましては、最新の申込みに限られないと考えてございます。

 「イ 善意無過失」でございます。善意無過失というのは、違法派遣であることを知らないで、またそのことに過失がなかったという内容でございます。

 1つ目の「・」ですが、違法行為への該当性について善意無過失である旨の派遣先の抗弁が認められた場合には、労働契約申込みみなし制度の規定は適用されないと考えてございます。

 また、各就業日に行われた違法行為について、当該日の役務の提供の受入れの開始時点において、違法行為への該当について善意無過失であった場合は、上述の日単位の役務提供とならない場合を除きまして、当該日に行われた違法行為については善意無過失の抗弁が認められると考えてございます。

 後ろのほうになりますが、他方、当該日の役務の提供の受入れの開始時点において、違法行為への該当について善意無過失でなかった場合につきましては、当該日に行われた違法行為についても善意無過失の抗弁は、こちらは認められないと考えてございます。

 「ウ」でございますが、10月1日の施行日時点でもし違法行為が行われていた場合ということでございます。みなし制度の施行に関しましては、法令上、特段の経過措置が設けられておりませんので、みなし制度が施行された時点において、もし適用される違法行為を行っているといった場合には、派遣先はその時点において労働契約の申込みをしたものとみなされると考えてございます。

 「エ 違法行為の類型」でございます。

 派遣先による法第40条の6第1項各号に該当する以下の行為ということで、具体的に4つございます。

 1つ目が、「派遣労働者を禁止業務に従事させること」。

 2つ目が、「無許可又は無届出の者から労働者派遣の役務の提供を受けること」。

 3つ目、「期間制限に違反して労働者派遣の役務の提供を受けること」。

 4つ目、「労働者派遣又は同法の規定により適用される労働基準法等の規定の適用を免れる目的で、請負その他労働者派遣以外の名目で契約を締結して、必要とされる事項を定めずに労働者派遣の役務の提供を受けること」。こちらはいわゆる偽装請負等としておりますが、このうち、いわゆる偽装請負等につきましては禁止業務への従事、無許可・無届出の者からの労働者派遣の受入れ及び期間制限を超えた労働者派遣の受入れという3つの類型と異なりまして、派遣先等の主体的な意思が介在することになりますので、善意無過失に関する論点に加えまして固有の論点が存在すると考えてございます。

 それが、具体的には「※」のところにございます。偽装請負に係るみなしの整理でございますが、改めまして説明しますと、労働者派遣法の規定の適用を免れる目的で請負契約等を締結して、当該請負事業主が雇用する労働者に労働者派遣と同様に指揮命令を行うことなどにより、いわゆる偽装請負等の状態で役務の提供を受けた時点、この時点で申込みがなされたものとみなされるという整理にしてございます。

 この偽装請負等の目的の有無につきましては、個別具体的に判断されることになりますが、「免れる目的」を要件として明記した立法趣旨にかんがみますと、単にその指揮命令等を行って偽装請負の状態となったということのみをもって「偽装請負等の目的」を推定するものではないと考えてございます。

 また、請負契約等を締結した時点では「偽装請負等の目的」がなく、その後、派遣先等が受けている役務の提供がいわゆる偽装請負等に該当するとの認識が生じた場合は、日単位での役務の提供となっていない場合を除きまして、いわゆる偽装請負等に該当すると認識した時点が一日の就業の開始時点であればその当該日以降、開始時点より後の認識であればその日の翌就業日以降に、初めて指揮命令を行うなどによって、改めて「偽装請負等の状態で役務の提供を受け入れた」と認定される時点において、この偽装請負等の目的で契約を締結して役務の提供を受けたのと同視し得る状態だと考えられるため、この時点で申込みが行われたとみなされると考えてございます。

 2つ目でございますが、「申し込んだとみなされる労働条件の内容」でございます。

 「ア 総論」でございますが、申し込んだとみなされる内容につきましては、「違法行為の時点における労働者派遣をする事業主と当該派遣元事業主等に雇用される派遣労働者との間の労働契約上の労働条件と同一の労働条件(当事者間の合意により労働契約の内容となった労働条件の他、就業規則等に定める労働条件も含まれる。)」と考えてございますが、これがみなされると考えてございまして、労働契約上の労働条件でない事項につきましては維持されるものではないと考えてございます。

 「イ 労働条件が派遣元事業主等に固有の内容である場合等」の整理でございますが、こちらは、アにかかわらず立法趣旨にかんがみれば、申し込んだとみなされる労働条件の内容は使用者が変わった場合にも承継されることが社会通念上相当であるものとなると考えてございます。

 次に、みなされる労働契約の期間でございます。労働契約の期間に関する事項、具体的には始期、終期、期間は、みなし制度により申し込んだとみなされる労働契約に含まれている内容がそのまま適用されると考えてございます。

 括弧書きで補足しておりますが、始期と終期が定められている場合にはその始期と終期となりますし、単に「1年間」としているなど始期と終期が定められていない場合には労働契約の始期等に関する黙示の合意などを踏まえて判断されるものと考えてございます。

 「エ 労働契約法第18条との関係」でございます。18条といいますのは、有期労働契約の無期転換を定めたものでございます。こちらに関する通算契約期間につきましては、同一の使用者について算定するものとなってございますので、派遣先などで就業していた派遣労働者が違法行為に該当する派遣によってみなし制度の対象になった場合でも、原則としまして承諾時点までの派遣元事業主と派遣労働者との労働契約期間と、当該派遣労働者が承諾して派遣先で直接雇用となった場合の派遣先等での労働契約期間、これは通算されないと考えてございます。

 「オ 労働契約法第19条との関係」でございます。こちらは、雇止め法理を法定化したものになってございますが、みなし制度の適用によって成立した労働契約の雇止めに関しましては、その効力が争われた場合には当該効力の有無について契約法19条に基づいて個別具体的に司法判断されるべきものであると考えてございます。

 次に、「労働契約の成立の時点」でございます。

 「ア 総論」でございますが、労働契約が成立するのはみなし制度に基づく申込みについて派遣労働者が承諾の意思表示をした時点となると考えてございます。

 「イ 承諾をしないことの意思表示」となってございますが、みなし制度は派遣先等に対する制裁であることを踏まえますと、違法行為の前にあらかじめ「承諾をしない」ということを約束する、その意思表示を行うということは公序良俗に反して認められないと考えてございます。

 なお、労働契約の申込みがみなされた後に「承諾をしない」と意思表示をすること、これは公序良俗に反するものではないと考えてございますが、この場合、「承諾をしない」との意思表示をした後に再度違法行為が行われた場合、この場合には新たに労働契約の申込みがあったものとみなされると考えてございます。

 最後に「複数の事業主が関与する等の複雑な事案」についてでございます。

 1つ目の「・」ですが、対象となる派遣先等が複数ある場合には、それら全てから当該派遣労働者に対して労働契約の申込みをしたものとみなすと考えてございます。そのため、派遣労働者は承諾する相手を選ぶことができるという形になると考えてございます。

 2つ目の「・」です。複数の違法派遣の場合につきましては、各条項がそれぞれみなし制度の適用の根拠でございますので、いずれの条項に基づいてみなし制度の適用を主張するか、これにつきましては派遣労働者が選択することができると考えてございます。

 3つ目でございます。違法行為は個々の派遣労働者に対してそれぞれ行われていると解しておりますので、複数の派遣労働者が同時に違法状態で就業している場合につきましては、それら全ての派遣労働者に対してそれぞれ労働契約の申込みが行われているとみなすと考えてございます。

 また、派遣労働者の交代があった場合でも、その派遣労働者は自己に対する違法行為が行われた最後の時点から1年を経過しない限りは、みなし制度の適用を主張できると考えてございます。

 次に、多重請負の関係でございます。こちらは、資料1−2でイメージ図をつけておりますので、こちらも御参照いただければと思います。多重請負の形態でいわゆる偽装請負の状態となっている場合につきまして、この場合の申込みの主体ですが、法令では「労働者派遣の役務の提供を受ける者」となってございますので、原則としては労働者を雇用する者、下請負人と直接請負契約を締結している者、元請負人の間でその労働契約の申込みをしたものとみなされると解されると考えてございます。

 このため、注文主は下請負人とは直接請負契約というものを締結してございませんので、注文主が下請負人から雇用する労働者に対して、仮に指揮命令等を行った場合につきましては、原則として元請負人から労働者供給を受けているものと解されますので、この場合にはみなしの適用はないと考えてございます。

 次にもう一つ、多重請負の形態でいわゆる偽装請負等の状態となっている場合、この場合に、みなし制度に基づいて元請負人が請負契約を締結している下請負人の労働者に対しまして、労働契約の申込みをしたものとみなされまして、それに労働者が仮に承諾の意思表示をしたという場合ですが、その後に当該元請負人と契約をしている注文主が偽装請負等の目的をもって偽装請負との状態で役務の提供を受けた場合、この場合にはみなし制度が適用されると考えてございますので、注文主が労働者に対して労働契約を申込みをしたものとみなされると考えてございます。

 資料1−1、1−2につきましては以上でございます。

 続きまして資料1−3でございますが、こちらは新谷委員から提出していただいた資料でございますので、当方からの説明は省略させていただきたいと思います。以上です。

○鎌田部会長 どうもありがとうございました。

 新谷委員の御提出の資料は今、御説明されますか。それとも後のほうで。

○新谷委員 後ほどやらせていただきます。

○鎌田部会長 わかりました。

 それでは、今、事務局から説明がありました「労働契約申込みみなし制度について」の御質問をいただきたいと思います。どうぞ、特に区切りませんので自由に御質問いただければと思います。

○清水委員 きのうも国会で取り上げられていますけれども、きょうの資料の中にはいわゆる10.1問題というのはここの中には出てこないのですか。それをちょっと役所のほうに聞きたいのですが。

○富田課長 いわゆる10.1問題と言われるペーパーでございます。昨日の参議院の厚生労働委員会でも取り上げたものでございますけれども、これは私ども厚生労働省のほうで国会議員の先生方のお求めに応じて作成したような、どちらかというと公表していないベースの資料でございますので、ここでは配付させていただいていないということでございます。

○清水委員 私も見させていただきましたけれども、この派遣法の成立ということがこのままいくとこんなにひどいことになるよと、こういうことでもってかなり押しつけるそういうふうな、ある意味、脅しみたいなものに私は受けとめました。

 とりわけて、このみなし制度がやられた場合には訴訟が乱発をするとか、そういうので皆さん方考えていたのかなというふうに改めて思ったわけでありまして、ここの場所でいろいろ審議をしていくこととの関係でいくと、やはり省内でつくられる資料についてもできる限りオープンにしていただいて、また、ここにまけないような資料は省としてはつくるべきではないなと私は思います。

○鎌田部会長 今のことは御意見に当たる部分ですので、そのように事務局としては御意見があったということにさせていただきたいと思います。

 それで、私から済みません。条文というのはこの中に資料としてあるんですか。条文そのものというのは、ないですか。

 では、途中で結構なので、後で私のところに条文をいただけますか。

 それでは、皆さんどうぞ御質問をお願いいたします。

○新谷委員 まず教えていただきたいのは、この資料1−1というペーパーですけれども、この資料の行政としての取り扱いはどのようにされるのか。今後、ここでの需給部会でのまとめ方を含めてどういう扱いにされるのかということを教えてください。

○富田課長 新谷委員からのお尋ねでございます。この労働契約申込みみなし制度につきましては、もちろんこの一番上のほうの趣旨に書いてございますように民事的効力を有する規定がございまして、裁判規範でございますので個別具体的に司法判断されるものではございますけれども、ここは私どもも法律を所管している役所として、一定の行政的な解釈は示す必要があるというふうに考えているというのがまず1つと、これについては前々から早目に行政解釈については示すべきということを労使双方から御要望がございましたので、10月1日施行ですからまだ時間はありますけれども、早期に考え方をお示しするということでございまして、今後はこれをベースに通達という形で発出するということを予定しています。

 それで、この資料の取り扱いでございますけれども、非常にわかりにくい部分とかもあろうかと思いますので、それについては本日労使の委員の皆様から御意見、御質問等をいただきたいということで配付させていただくものでございます。

○鎌田部会長 新谷委員、いかがですか。

○新谷委員 御説明にありましたように、もともとここの第40条の6だけが派遣法の中で民事的効力を持った条文になっていますので、なかなか行政として司法判断の領域に対して考え方を示すというのは難しいとはいうものの、やはりおっしゃっていたように所管の省庁としては何らかの解釈が必要になってくる。

 これが出ていったときに、やはり裁判官はこれも大いに参考にして、実際に訴訟が起こったときには立法を担当した省がこういうことを考えていたんだなということでかなり参考にされる文章になると思うんです。それで、この第40条の6だけが、実は12年改正のときに当時の三党の合意に伴って施行期日が3年遅らされたということで3年間猶予があったわけでありますけれども、もういよいよ施行が半年後に迫っているということであります。

 先ほども清水委員がおっしゃっていましたが、怪文書と言っていいんでしょうか、出所は厚労省ですが、何か公にしない資料だということですけれども、あの文書では法改正がされずに10月1日を迎えると大量に訴訟が起こって、派遣労働者も大量に雇い止めされるおそれがあると書き込んでありましたね。

 そういうふうにおっしゃられるのであれば、これは早目に通達として発出をするべきだと思うんですけれども、これはいつごろ発出される予定なのか教えていただけませんか。

○富田課長 私どもとしましては、本日御質問等をいただきまして、まだ不明点等があるのであれば詰めさせていただかなければいけない部分もあろうかと思います。それで、それについては10月1日がこの施行日でございますので、それまでには発出したいというふうに現時点では考えてございます。

○新谷委員 そうしますと、この審議会、この需給部会はいつまとまるのかわかりませんけれども、まとまったら直ちに発出するという理解でよろしいのでしょうか。

○富田課長 これにつきましては行政内部のもちろん手続等もございますので、それでこれは解釈を示したものはこれでございますけれども、それ以外に通達ですと労働局に対する指示等も考えないといけない部分がございますので、そこはしかるべき時期には発出をさせていただきたいというふうには考えております。

○新谷委員 こだわるのは、やはりこれは労使双方で早く出せと従来から言ってきて、これはいつまとまるのかということはありますけれども、派遣法改正に向けた本部会での審議だって20回くらいしかやっていないので、ここの部分だけ20回もやるということは当然あり得ないわけで、まとまったらしかるべき時期にと、今言っておられますけれども、10月1日の施行に向けて、ここは多分さっきの怪文書が出たようにかなり関心のあるところですから、行政解釈は早く出すということが行政府に対して求められているんだと思います。そのためにこの審議会で意見を取りまとめるわけですから、まとまった段階で早く出すべきだと思うのですが、大体のめどを教えていただけませんか。

○富田課長 なかなか期限をお示しするのは現時点では、まだ今日お示ししたところでございますので難しいところでございますが、まず今日お示ししたことで、これは公開で審議会をやっておりますので、私どもがどう考えているかというのは一定程度アナウンスはできているものと考えております。

 その上で形にするということについては審議会で御質問等をいただいた上で、私どもとしてきちんとそれを踏まえた上でしかるべきときに出させていただきたいということで、早くというふうな御要望についてはもちろんそれを念頭に作業はさせていただきたいと思っております。

○高橋委員 関連して申し上げますが、早期に発出していただくことが好ましいことは当然ながら、他方でいわゆる違法行為の類型の一つである期間制限違反については、現在国会に提出されている改正法案でそのあり方を大きく見直す内容となっており、成立した場合には、加筆が必要となることがあり得るのではないかと思います。したがって、事務局が期限を明確にできないことは理解できます。

 そこで質問を申し上げます。仮定の話であり恐縮ですが、改正法案が国会で成立するとした場合に、ご提示いただいている通達の案について、何らかの加筆等がなされる際には再びこの需給部会の場で審議できるような機会があるのかどうか、伺います。

○富田課長 今日、お示ししていただいているところの中で、現在国会に提出しております法律改正案ですけれども、それに影響するのか。この2ページのエの違法行為の類型のところの中の2番目の「○」です。無許可または無届出の者からの役務の提供を受けることという項がございまして、これは現在提出している法律案の中では全て許可制にするということですから、この文章はいずれにしても改正の施行日前後で表現が変わらざるを得ないとは思っていますが、この点のみでありますので、余りこの無届というものが削除されましたとか、そういうことについて審議会で報告することはまでは予定はしておりません。

○新谷委員 今、高橋委員から御質問があってお答えがあったんですけれども、確かにこの無届のところだけが影響を受けると思います。3号の期間制限違反については、その期間制限の考え方が26業務なのか、有期、無期なのかという変更だけで、期間制限に抵触するということについての枠組みは同じことなので影響を受けないと思うんですね。あとは、その無届という部分が削除されていくだろうと思うんですけれども、それは法律が通ったらという前提です。

 ですから、これはほとんど影響を受けない行政解釈ですから、私が申し上げているのは法改正の影響を受けないのであれば、この需給部会での確認が終われば、やはり直ちに発出をし、それによって関係者の準備をしていただくということが大事ではないかと思います。さっきからちょっと歯切れの悪い事務局の答弁が続いていますが、ここで確認されてから4カ月後、5カ月後、6カ月後とか、そんなことにならないように早目に発出をしてほしいということを改めて申し上げておきたいと思います。以上です。

○鎌田部会長 それでは、具体的に中身について御質問をいただければありがたいと思います。

○新谷委員 資料1−1のまず各論の1点目の申込みを行ったと見なされる時点の問題です。これは条文においても「時点」という言い方ですけれども、ここでは日単位に切りかわっています。例えば2ページにあります違反類型の1号違反の禁止業務への派遣などというのは歴然と違反しているわけですね。それで、このように日ごとの申込みを行ったとみなすとすると、「時点」というピンポイントの「点」という考え方と比べて、みなしの期間が「面」に広がっている印象を受けるのですが、ここはなぜこういう考え方になっているのか教えていただけませんか。

○富田課長 これにつきましては中でも十分検討させていただいたわけでございますけれども、労働者派遣の役務の影響というのがどのような単位で行われているのかといいますと、やはり日単位というのが通常である。それで、契約についても日単位で、例えば4月1日から6月30日とか、そういうふうな日単位で結ばれるということが通常である。そのほかの善意無過失の判断とか、そういうふうなことも総合的にかんがみますと、やはり日単位というふうにこの時点を解釈するというのが適切な解釈ではないかということで、ここには書かせていただいているということでございます。

○新谷委員 善意無過失の問題は、善意無過失の存在を抗弁として主張するときに考えればいいわけなんですけれども、これは申込みの時点について、法律では明らかにその「時点」においてと書かれているので、時点というのは、面としての日という解釈ができるのかどうか。これはまさしく司法判断をされる部分だと思うんですけれども、ここを面としての日というところまで広げてしまっている理由は、今おっしゃったような善意無過失というだけではちょっと理由にならないと思いますのでもう一度教えてほしいと思います。

 もう一つは、ここに「2暦日にわたって継続就業するような日単位の役務提供とならない場合を除き」と書いてあるんですけれども、それでは除かれた2暦日にわたって継続就業するような場合の判断はどうするのかが書かれていません。2暦日のときには、それは暦日24時を回るときの前なのか、後なのか。これも書いていないので、一体どちらなのか。あわせて教えてください。

○富田課長 まず1点目は、改めて時点についてというふうなことでございます。繰り返しになりますけれども、時点というふうに整理しようとすると非常にやはり難しいということがあります。例えば、今、違法行為が発生しましたというと、では1秒後からもうみなしが発生して、その時点で就労義務が発生するとか、承諾したとか、そういうことを鑑みますと役務の提供の単位ごとに見ていくというのが、条文を実務に落として解釈しようとするとやはりそういうものが適切ではないかと考えていく。ただ、善意無過失は細かくなるので省略いたしますけれども、そういうことで日単位ということでお示しをしているということでございます。

 それから、2暦日のところについても御質問があったわけでございますけれども、考え方は日単位というのを2暦日にまたがる場合というふうに置きかえたものと御理解いただければと思うのですが、やはり2暦日にまたがった場合も役務の提供単位ごとに、例えば夜の10時から翌日の6時までということであれば、それを一つの単位として考えるということをここでお示しさせていただいているということでございます。

○新谷委員 2暦日ですから、2日の日にちがあるわけですね。どちらを考えればいいのか。それで、善意無過失の関係も出てくるので、ここは日単位だと言っているわけですから、暦日ということは2日ということになるわけですが、どちらで考えればいいんですか。

○富田課長 具体的に、結局労働契約がどうなっているかで、通常は何日からと書いてあるとは思うんですけれども、そこの書き方がどうなっているかわかりませんので、そこは結局その辺の状況を見ながら裁判所に行って判断されると思いますが、例えば善意無過失との関係でいいますと、その2暦日にまたがるのは10時からという先ほどの例でいいますと、10時の時点で善意無過失であったということであれば、その単位のところについては善意無過失の抗弁ができる。

 それで、これが翌日の10時なのかどうかわかりませんけれども、その翌日の10時にも違法状態が継続しているような場合については、翌日の10時からの単位でみなしの申込みがされたと考えるということでございます。

○新谷委員 今、御答弁いただいた内容であれば、この書き方でいくと2暦日の場合を除きと書かれていますけれども、除かれたときの判断基準というのが何も書かれていないんですね。除いてしまったところはどうやって解釈するんだということは要らないんですか。

○富田課長 そこは、同じように考えるということで書いていなかったわけでございますけれども、もし非常にわかりにくいというようなことがあれば検討はさせていただきたいと思っています。

○新谷委員 関連があるので続けて申し上げますけれども、その2暦日もそうですし、日ごともそうですが、そういう面で捉えたときに始業の時刻と終業の時刻が契約を履行するゾーンとしてあるわけですね。それで、これは善意無過失の抗弁をするときとの関係で出てくるんですけれども、途中で善意無過失ではない。要するに、これは違法なんだというのを派遣先が認識をしたときにはいつ申込みをしたとみなすことになるのか、教えていただけませんか。

○富田課長 これについては、木本が説明を省略しましたけれども、「イ 善意無過失」の2つ目の「・」の4行目の括弧書きのところでございまして、「当該日の役務の提供の受入れの開始時点より後に善意無過失でなくなった場合については」、先ほどの例外を除きまして「当該日の翌就業日以降に、行われた違法行為について善意無過失の抗弁が認められない」ということでございますので、通常は翌日に申込みがなされたと考えるということでございます。

○新谷委員 善意無過失の抗弁を考える際に違法の類型が4類型あって、善意無過失の抗弁が成立するような事案というのがあり得るのかどうかというのも解釈として教えていただけませんか。

○富田課長 ここで申し上げておりますのは、4類型のうち4つ目は特殊でございますので上の3つの3類型で申し上げますと、前提として申し上げると法解釈の不知、あるいは法律の不知みたいなものについては善意無過失の抗弁は認められないのではないかと考えております。

 その前提で、この中で善意無過失の抗弁が考えられるとしますと、例えば2番目に「無許可又は無届出の者から労働者派遣の役務の提供を受けること」というのは書いてございますけれども、例えば無許可はだめだということは派遣先はわかっている。ただ、派遣会社が私は許可業者ですと言ってきまして、許可証も偽造されたものを示された。それを派遣先は信用して、ちょっと調べても大丈夫かもしれないということで、それで役務の提供を受けたというケースについては、法律は知った上でやはりちょっと無許可ということがわからなかったというので善意無過失の抗弁ができるケースがあるのではないかと考えております。

○新谷委員 そうしますと、先ほど御説明いただいた1ページの括弧書きのところですね。受け入れ当日の開始以降に善意無過失でなくなった場合というのは、今おっしゃっているように無許可というのがその就業日の途中で労働局あたりに照会してみたら許可の期限が切れていたとか、もともと無許可だったということ以外はあり得ないということですね。

 要するに、1号の違反などというのは禁止業務による違反ですし、3号の抵触日の違反というのは、もともと派遣先は抵触日を通知しないといけないわけだから、これも善意無過失はあり得ないわけです。そうすると、非常に限られた内容でこの括弧の内容が書かれている。本当に無許可かどうかわからない。調べようがなかったけれども、調べたらそれがわかった。そのわかった日の翌日からだということは、本当に例外的な扱いで書かれていると思うんですけれども、何かこれは一般的に見えてしまいます。ここの書き方の工夫というのは要らないんでしょうか。

○富田課長 ここは今、私どもが思いつく代表的な例で申し上げたところでございますけれども、実際にはこれは冒頭からさんざん出ておりますように裁判規範でございますので、この1号の案件、あるいは3号の案件でも認定されるケースは私どものほうでないとは言い切れませんので、そこは一般的な書き方で書かせていただいているということでございます。

○鎌田部会長 そのほかございますか。

 では、高橋さんどうぞ。

○高橋委員 複数ありますので、一つ一つ発言させていただきたいと思います。

 1ページ目から、「違法行為」という言葉が随所に見られます。例えば2ページ目の「エ」のところに「違法行為の類型」といったような形で「違法行為」という言葉がこの通達には多く記されています。先ほど委員限りの資料として第40条の6の条文を配布していただきましたが、第1項にそれぞれその類型が記述されており、いずれも「違反して」という表記になっています。

 そこで、私が申し上げたいのは、一般に「違法行為」というふうに称しますと損害賠償等を連想させます。したがって、より正確に表現をするという観点から、この条文に則り「違反行為」というような表記のほうが望ましいのではないかと考えます。なぜ「違法行為」としたのか、御説明をいただきたいと思います。

○富田課長 私ども、労働者派遣法違反というときに使っておりますのは「違法行為」であって、違法行為に対して行政指導を行うということで、一般的に「違法行為」という使い方をしております。

 それで、高橋委員は民事上違法行為というのは損害賠償請求のときくらいしか使わないのではないかという御趣旨でおっしゃっていると思いますけれども、この辺は法学者の先生もおられますので正確には先生方にも聞かなければいけないのですが、私どもは損害賠償以外のケースでも違法行為という言葉を使うことがあるのではないかとは考えております。

○高橋委員 鎌田先生のご見解はいかがでしょうか。

○鎌田部会長 代表するわけではないんですけれども、私は従前から派遣法に違反する行為は「違法行為」と呼びならわしているというふうに理解しております。

 それから、今、御心配の「違法行為」という言葉は恐らく損害賠償の不法行為を連想させるのではないかということであります。ただし、不法行為につきましては御存じのように故意過失、権利侵害、つまり違法行為、それは幾つかの要件が集まって損害賠償義務が基礎づけられるということでございますので、「違法行為」といったことから直ちにそれが損害賠償を基礎づけるというふうにはならないのではないかと理解をしております。つまり、要件の一つではありますけれども、それで不法行為を基礎づけるというものではないと理解しております。

 では、どうぞ。

○清水委員 2ページの「いわゆる偽装請負等に固有の論点」というところですけれども、ここでは労働者派遣法、つまりそれを免れる目的を要件とした立法趣旨がある。ところが、偽装請負そのものとの関係でいくと、つまり職安法との関係だとか、それから今、特に我々の建設関係などの関係でいくと、要するに社会保険の適用を逃れるために偽装請負がぐっと出てくる。大きな問題になってきている。

 そういうふうなケースが散見されまして、先ほど資料として配られた資料の1−2、まさにこういうことが日常的に起こってきているというふうに認識をしています。だからといって、全部派遣業法違反で裁判がばかばか起こるとは思っていませんけれども、その辺の違法、特にこの偽装請負の場合のほかの法令との関係での解釈の調整みたいなものは必要ないのでしょうか。これは、質問です。

○富田課長 社会保険法の違反とか、ほかの法律ですか。

○清水委員 それとか、職安法です。

○富田課長 もちろん、行政指導にかかわる法規とこの民事法規というのは重畳的にかかることは十分あり得ると思っておりますので、私どもが例えば派遣法違反で指導を仮にしなかったとしても、例えば社会保険を納めていないとか、そういうものがあればそれぞれの法規に基づいて行政指導が入る、あるいは処分されるというのは当然だとは思っております。

○鎌田部会長 恐らく清水委員の御質問は、違法行為の4つ目の「労働者派遣法又は同法の規定により適用される労働基準法等の規定の適用を免れる目的」となっていますが、他の法律、例えば社会保険に関連する法律、そういったものを免れる目的の場合にはどうなるんだろうかという御質問かと思います。

○富田課長 わかりました。失礼いたしました。

 ここで「基準法等」というふうに2ページのところに書かせていただいておりますけれども、ここの前提にありますように「同法の規定により適用される」と書いておりまして、ここは労働者派遣法の中には44条以降に実は基準法、あるいは労働安全衛生法、あるいはじん肺法の特例の規定があります。その特例の規定の適用のことを言っているわけであって、この「等」に例えば厚生年金法とか健康保険法が含まれているわけではないということでございます。職業安定法もなかったと思っております。

○鎌田部会長 清水委員、よろしいでしょうか。

 では、そのほかにございますか。どうぞ。

○高橋委員 偽装請負の質問に関連して、2ページ目のところに「※」で「いわゆる偽装請負等に固有の論点」というものが記述されていますが、その3番目の段落の「また」以下のところで、2行目に「いわゆる偽装請負等に該当するとの認識が生じた場合」という表現があります。この「認識が生じた場合」というのは誰の認識が生じたのかが明確ではないように見受けられますが、これは誰の認識が生じたということなのでしょうか。

○鎌田部会長 どうぞ。

○富田課長 これは、労働者派遣の役務の提供を受ける者が認識が生じた場合というふうに考えてございます。

○高橋委員 それは企業単位の組織としてということなのか。それとも企業に属する、例えば事業所の社員一人でもその認識が生じたということなのか。どうなのでしょうか。

○富田課長 ここは民事法規でございますので、民法の一般的な解釈に従うということでございますが、一般的には労働契約を結ぶ相手というのは事業主になるのではないかと考えております。

○高橋委員 丁寧に書くという意味では、該当するとの認識が「派遣先等に」生じた場合は、というように挿入していただいたほうが、よりわかりやすい表現になるのではないかと思います。これは、感想として申し上げました。

 それから、これに関連して意見を申し上げてもよろしいでしょうか。この「また」以下の文章全体を読ませていただきますと、認識が生じ得た段階で最終的には「「偽装請負等の目的」で契約を締結し役務の提供を受けたのと同視しうる状態だと考えられ」と記載されています。これについて意見を申し上げたいと思います。

 いわゆる偽装請負というのは、まさにこの2ページ目の「エ」の違法類型の4番目の「○」にほぼ条文にのっとった形で定義が書かれていると思います。すなわち、労働者派遣法等の規定の適用を免れる目的で、請負その他労働者派遣以外の名目で契約を締結し、必要とされる事項を定めずに労働者派遣の役務の提供を受ける」、これがいわゆる偽装請負等という定義であります。まずその免れるという目的があった上で契約を締結して、労働者派遣の役務の提供を受ける。この3つを全て満たしたときに、いわゆる偽装請負等であると条文上に明記されています。

 ところが、「また」以下というのは契約を締結した段階では免れる目的がないケースのことを述べているわけです。免れる目的がなくて契約を締結していて、それで役務の提供を受けていたところ、その後に認識が生じる、つまり、いわゆる偽装請負に該当するのではないかという認識が該当したケースのことを言っていると私は理解していますが、それがなぜか「「偽装請負等の目的」で契約を締結し役務の提供を受けたのと同視しうる状態だと考えられ」と明快に言い切ってしまっている。これは、明らかに偽装請負の定義から離れた、法の拡張解釈であると言わざるを得ないのではないかと思っています。

 もちろん、免れる目的がない中で契約を締結して、その後役務の提供を受けて、何らかの偽装請負等の行為を行ったことが、直ちに労働契約の申込みみなしに該当しないまでも派遣法違反であるということを争うつもりはありませんが、ここの部分の書きぶりというのが拡張解釈なのではないかと思います。この点はいかがでしょうか。

○鎌田部会長 よろしいですか。どうぞ。

○富田課長 私どものこの4つ目の認識といたしましては、いわゆる偽装請負等に関する規定はほかの上の3つの規定と違いまして、違法性の認識を有しながら、それでもあえて偽装請負等の状態を続けるというときであれば、労働契約申込みみなし制度の適用をするべきじゃないかということを書いている条文だと考えておりまして、それを解釈として示したということでございます。

 従いまして、ほかの上の3つの条文については先ほど善意無過失のところでもありましたけれども、途中で無許可だとわかったとか、そうするともう翌日から既にみなしが発生するというのが、当初契約時点だけ目的がなかったら、あとは全部関係ないよということにもしなるのであれば、やはり労働者の保護の観点から立法目的も達成できないのではないか。そういうふうに解釈するべきじゃないかということで考えているところでございます。

○高橋委員 おっしゃっていることが理解しかねます。そういう立法趣旨だということの根拠はどこにあるんでしょうか。条文を読む限りにおいて、目的があって契約を締結して役務の提供を受ける。これは3点セットだというふうに理解します。

○富田課長 これは申し上げましたのは、この制度の趣旨ということで冒頭にも書いておりますけれども、このみなし制度がなぜ入ったかといいますと、違法派遣の是正をする際に派遣労働者の保護も労使に合わせてやりながら是正を図っていくということからすると、先ほど申し上げたような解釈というものがよいのではないかと考えているところでございます。

○高橋委員 長くなって恐縮ですが、本来、裁判の結果、裁判所の判断、すなわち司法判断として偽装請負等と同視し得る状態だというふうに判断されるケースがあるかもしれませんが、一律的に行政の解釈として同視し得る状態だと決めつけるのはいかがなものなのかと思います。

 基本的にこれは民事効ですし、司法の判断に委ねるべきところであって、同視し得る状態だと考えられると書くのは余りにも行き過ぎであると言わざるを得ないと思います。

○鎌田部会長 今のところは御意見ということでよろしいですか。

○高橋委員 はい。

○新谷委員 今のところは、法律条文で見ると「免れる目的で」と書いてあるんですけれども、その「免れる目的で」ということがここの解釈でいくと、何か主観的な認識にすり変わってしまっている。いつの間にこんなすり変えが行われているのかということがあります。

 もともと「免れる目的」というのは、その行為の対応であるとか、契約内容であるとか、さまざまな事実行為を見ながら、本人の主観とは関係なく「免れる目的」があったかどうかというのが判断されるべきであって、それが通常の法律が求めている解釈だと思うんですけれども、ここの読み方でいくと、派遣先が知っていたか、知らないか。違法行為を認識していたか、していないかという主観的な内容にすり変わってしまっているんですね。これは心の内面の問題で、あなたは知っていただろう、知らなかっただろうというのは、知らないということの存在をどうやって証明するのかという難しい話になってしまいます。このように目的という法律用語と、認識という主観的な内容が完全にすり変えられていると思いますが、どういうふうに考えますか。

○富田課長 高橋委員、新谷委員がおっしゃっていることはわかります。これは、いずれにしても裁判法規でございますので、どういうふうな解釈になるのかは個別具体的に裁判所において判断されるというのは高橋委員等がおっしゃっているとおりだと思っています。

 その上で、新谷委員からありました目的のところでございます。立法の趣旨は私が申し上げたとおりで、「エ」の2つ目の「・」に書いてありますとおり「主体的な意思が介在する」というふうに考えておりますけれども、もちろんこの目的を実際に認定する裁判の中では、例えばこういうふうな言動があったとか、あるいは具体的な証拠を見ながらもちろん認定されるものであろうとは思いますけれども、そういうことだと思っております。

○新谷委員 今、説明にあったように、免れる目的というのは客観的な事実関係だけで認定されるべきというか、そうされるのが通常の裁判ルールだし、解釈のルールだと思うんですけれども、ここに示されている行政解釈の中で認識という主観的なものが示されることの是非ですね。

 なぜそんな個人が知っていたか、知らないかという認識がここで問題とされて行政解釈として出ていくのか。それは、客観的な行為の中で、当然行為を見れば免れる目的が明らかになるということなのに、これは派遣先が知っていたか、知らないかという、まさしく主観的な内容に踏み込んで解釈をするんだと書いてあります。これは全く裁判のルールからいくとおかしいんじゃないかと思いますが、どうでしょうか。

○富田課長 いずれにしても、ここは裁判で結局認定されるところでございますので、実際にここは労働者が主張する部分だと考えておりますけれども、これは派遣先というか、役務の提供を受ける者の言動であるとか、事実ですね。要するに、違法性を知っているというふうなことを立証するような客観的な事実とか、そういうものが前提となって裁判では判断がされるものと考えております。

○新谷委員 民事効の法律というのは本当に難しくて、民法の債権法の審議会委員も私はやらせていただいたし、労働契約法の改正のときにもやらせていただいたんですけれども、本当に難しいんですね。それで、なかなか民事効を持つ法律をつくるというのは難しいと思いますけれども、認識という言葉を出すということは踏み込み過ぎだと思います。

 それは、実は同じことが3ページの(2)の「ウ」の最後のところに契約の期間を図るに当たって「黙示の合意」と出てきますね。これも引用が全く間違っているんじゃないかと思います。なぜこんなところで黙示の合意の理論が出てくるのか。始期の確定は、それこそさまざまな客観的な証拠の中から始期を確定するわけですけれども、本人が何も言わないから黙示の合意があってその始期が確定するなどという論理をこんなところに書き込むこと自体がおかしいというか、どういうふうに考えればこんなところに「黙示の合意」などという言葉が出てくるのかわからないです。

 また、4ページの「イ」の2つ目の「・」に使用者側からの承諾の話が書いてあって、2つ目の「・」の2行目に「「承諾をしない」との意思表示をすることは公序良俗に反するものではないが」と書かれています。なぜこんなところに公序良俗が出てくるのか。これを見ていておかしいと思いませんか。契約の申込みがあって、本人がそれを受けるか、受けられないかというところになぜ公序良俗に反するということが出てくるのか。これは、受けなければ公序良俗違反になるんですか。こんなところに公序良俗という言葉を出すのはおかしいでしょう。

 先ほども、目的という客観的に判断されるべきものと、主観的な認識というものが書き込まれていると指摘しましたが、もっと厳格なチェックをやっておかないと、こんなものが行政解釈として出ていったときに厚労省の職業安定局が世の中からどういうふうに見られるかという点で非常に心配します。ですから、中身は法律的な解釈を含め、もう一度法律学者を含めて見ていただいたほうがいいんじゃないかと思いますので、意見として申し上げておきます。以上です。

○鎌田部会長 意見ということで、私も言いたいことは幾つかあるのですが、混乱させるのもよくないので必要な範囲で意見を述べたいと思います。

 いわゆる脱法目的にかかわる部分ですが、脱法目的にかかわる部分についてはこの通達は高橋委員のおっしゃった契約締結時に限定して判断すべきではないかという御意見かとお聞きしました。脱法目的の判断は、この文章によれば、契約締結時の事情だけに限定されないというように読むことも可能なことなのかなと思います。

 それからもう一つ、新谷委員がおっしゃった認識にかかわるところは主観的といえば主観的なのですが、先ほどの回答を聞く限りは、主観的な認識という意味では主観的なものでありますが、その認定は客観的に当然行われるものであるというようなことが行政の解釈としてあったのではないかと思います。これは、私がそういうふうに今の御議論を聞いてお聞きしたということでございます。

 そのほか、何かございますか。

○新谷委員 3ページのところの労働条件について質問します。

 これは、法律条文で見ると、申し込んだ時点における当該派遣労働者に係る労働条件と同一の労働条件の内容の労働契約の申込みをしたということになりますけれども、2つ教えてほしいと思います。1つは労働条件明示ですね。労基法15条により労働条件の明示が義務づけられるわけですけれども、派遣先が申し込んだとみなされる労働条件はいつ明示されるのか。15条の義務をいつ履行するのかというのが1つ教えてほしい点です。

 それともう一つは、派遣先と締結する契約は、派遣元との契約内容と同じ内容で締結するわけですから、その契約の申込みを当該労働者が承諾すれば、派遣先の会社において当該派遣労働者だけが、派遣先での就業規則とは違うルールが契約として締結されるわけです。このときに労働条件の決定ルールの中で重要な役割を担う就業規則との関係について、もともとあった派遣先の就業規則と、派遣先と当該労働者との個別の労働契約との関係をどういうふうに考えればいいのか。この2点を教えてください。

○富田課長 2点いただきました。

 1点目は労働基準法第15条の話だと考えておりますけれども、もちろんこれは労働基準法の話でございますので、私の考えは御参考ということで聞いていただきたいということで、正確には労働基準局のほうで示されるべきものではないかと考えておりますが、新谷委員がおっしゃったとおり、派遣先の意思にかかわらず自動的に労働契約の申込みがなされるということでございますので、事前に派遣先が明示をするというのはほとんど不可能に近いような状況でございますので、これは私の感想めいたものしか言えなくなってしまいますけれども、そういう意味では速やかにというふうなことになるのではないかとは考えております。

 それから、2点目の派遣先と就業規則との関係でございますけれども、これは個別具体的にいずれにしても裁判において認定される話でございますし、労働契約法の解釈にもわたりますので、なかなかお示しすることが難しいところでございます。

 とりわけ、これは有識者の方にお伺いしますと、例えば非正規雇用労働者向けの就業規則が派遣先にない場合などはどうなのかというのは争いが生じるケースがあると思いますけれども、仮に派遣先の就業規則が新谷委員がおっしゃるとおり適用されるというふうに裁判所において認定された場合には、労働契約法の規定に沿って認定されると考えております。

○新谷委員 これは有識者の先生にお聞きしたほうがいいかもしれませんけれども、今、答弁があったように、もともと持っている就業規則の規範的効力がどこまで及ぶか。一部の労働者だけ別扱いにするといったとき、その別扱いにする就業規則がなかったときにどういうふうに適用解釈すればいいのか。

 菅野先生の労働法のテキストには、別段の就業規則が設けられていない限り、もともとあった就業規則が適用されるというように読める解説が書かれてあるんですね。それは私もそうやって習ってきたというふうにずっと思っているんですけれども、これは今回の解釈通達の中に何ら触れられていなくて、それは司法判断だと丸ごと逃げているような気がするんです。

 一般的に混乱が生じないためには、もう混乱したら裁判にいってくれというのではなくて、この法律をつくった責任ある省庁としてある程度の解釈を示して紛争を防ぐべきと考えます。先ほど来、踏み込んだ解釈も多く示されているので、なぜそこの解釈については逃げるのかということで、何か考え方があったら教えてください。

○富田課長 私が申し上げていますのは、派遣先の就業規則が要するに新谷委員がおっしゃったとおり適用されるのかどうかというのはまさしく労働契約法の話でございますので、そこはなかなか職業安定局として一義的にお示しするというのはなかなか難しい部分があるとは考えております。

 その上で私が先ほど申し上げたのは、派遣先の就業規則が例えば杉野先生がおっしゃったように適用されるという場合には労働契約法の規定に従いまして、仮に派遣労働者の派遣元との労働条件が派遣先の就業規則の基準を上回っていればそちらのほうが適用され、下回っている場合は派遣先のほうが適用されるということなのではないかとは考えているところでございます。

○鎌田部会長 今そういう御回答があったと思いますが、私は結構複雑な問題だとここは思っていまして、私の今の考えでは就業規則の適用にかかわっては行政解釈の中で余り具体的なことを明示するのは難しいかと思っております。

 今おっしゃったように、派遣先の就業規則が派遣労働者に適用されるといっても、受け入れの状況が全く違う場合はありますね。今、菅野先生の教科書を引き合いに出されて、他に適用すべきものがない場合にはということでございますが、しかしながら、やはり直接雇用された派遣労働者がみなし規定の中でどのような処遇を派遣先との関係でルール化されるかというのは、就業規則を踏まえながら労働契約法のルールに即して考えなければいけないことで、今、直ちにこういうふうに考えるべきだということは私としては早いのではないかと思っております。

○新谷委員 今、鎌田先生から見解が示されましたが、私どもとしてはやはりこの解釈が労使の現場に混乱を生じさせないための通達として活きてくるためには、今ある労契法の12条の規範的効力、労働条件が下回っている場合の扱いであるとか、そういうことは法律ではこうなっているということは少なくとも示すべきだと思います。

 やはりこの解釈通達が出ていったときに、利用するユーザー側にとって使いやすく、無用な紛争が生じない、裁判所までいかなくて済むためのルールとして活用されることが重要だと思います。そのためにも、今ある法律についてはこうなっているということくらいは少なくとも間接的に書き込むべきだと思いますので、意見として申し上げておきたいと思います。

○鎌田部会長 かなり時間を使っておりますけれども、1回ずつ回答いただくというのも時間がかかりますので、もし問題、課題を幾つかお持ちであれば一通りおっしゃっていただくというようなことで進めたらいかがかと思うのですが、いかがでしょうか。それで、宿題という部分についてはまた次回お答えいただくということで進めたいと思いますが、よろしいですか。

 それでは疑問点、あるいは御意見を一通りおっしゃっていただければと思います。では、どうぞ。

○高橋委員 通達に全て書ききるということ自体が、そもそも無理な内容ではないかと思っております。

 ただし、新谷委員がおっしゃったように、現場で無用なトラブルをなるべく回避するという趣旨は大変妥当であり、もっともであると思います。そういう意味においては、通達以外のQ&A等を別途作成していただき、トラブルを未然に防止できるような工夫が必要ではないかと思っています。

 幾つか、例えばということで申し上げたいと思います。3ページの(2)の「イ」のところに「労働条件が派遣元事業主等に固有の内容である場合等」として、「使用者が変わった場合にも承継されることが社会通念上相当であるもの」とあります。通達においてはこれでよろしいかと思いますが、社会通念上相当なものの例をQ&A等でお示しをいただくことも考えられます。

 私がより実務的に非常に気になるところは4ページの「ア」と「イ」の承諾の意思表示についてです。当該派遣労働者が承諾の意思表示をするというのは派遣先の企業の社員であれば誰でもいいのか。それとも、例えば事業所の責任者であるとか、あるいは本社の人事部であるとか、然るべき部署、あるいは責任者に対して行う必要があるのか。この部分を明確にすることにより、ある程度のトラブル回避が期待でき、言った、言わないという問題が生じにくくなると考えます。また、望ましい意思表示のあり方としては書面で明示をしていただくということもトラブルを回避するために大変有効な手段であります。もちろん口頭では無効ということではないと思いますが、こうした部分も含めてQ&A等で工夫をしていただくことによって、先ほど新谷委員がおっしゃられたような現場のトラブル回避ということにもつながってくるかと思います。これらについてぜひ工夫をしていただきたいというお願いをさせていただきたいと思います。私からは以上です。

○鎌田部会長 あとは、新谷さんは先ほど配付資料で御説明いただけるというようなことでしたので、もしそういった点で御質問があれば一通り出していただければと思います。

○新谷委員 まとめて申し上げたほうがいいですか。

○鎌田部会長 そうですね。

○新谷委員 わかりました。それでは、質問と意見と両方あります。

 まず、3ページの下の「労働契約の成立の時点」というところですけれども、これは先ほど申し上げたように、4ページにかけて書いてある「公序良俗に反するもの」というところは削除してください。これは何か申込みをすることに対するブレーキに見えるので、そこを削除していただきたいと思います。

 それと、3ページの上のほうの終期と始期のところで質問です。「ウ」のところですね。ここも「黙示の合意」というのは先ほども申し上げた通り削除をお願いしたいのですが、その始期と終期の考え方はそのまま適用されるということですが、例えば4月1日が契約の開始時期、始期で、9月30日までという半年間の契約があった場合です。例えば、4月24日に申込みみなしが行われる事態となったときに、派遣先と締結される契約の始期と終期というのはどうなるのか。4月1日というと派遣元で労働をしているわけですこの始期と終期というのがそのまま引き継がれるとなると、派遣元での契約期間の始期にまでさかのぼって始まるという解釈でいいのかどうかというのを教えていただきたいのが1つです。

 それに関連して、当該派遣先での就業が例えば派遣先との契約期間中に代わった場合、例えば派遣先Bに代わったという場合にどう考えればいいのか。承諾の期間は一年間ということですけれども、派遣先が変わったときには何か変化があるのか。あとは、派遣元との契約が切れてしまったときですね。例えば、当該派遣元会社との雇用関係が切れた後に承諾の意思表示をしたとき、さっきの例ですと4月1日から9月30日の契約であったときに、その期間が過ぎてから承諾をしたときの始期と終期というのはどうなるのか。

 このようにいろいろな場合を考えないといけないと思うんですけれども、その始期と終期をそのまま引き継ぐという考え方と、承諾までの1年というものと、それと当事者が入れかわって変化が起こったときはどう考えればいいのかということを教えていただきたいと思います。

 それともう一つは、論点の(4)に「複数の事業主が関与する等の複雑な事案」と書いてあって、先ほど1−2という絵が示されていましたね。1−2の資料は多重請負の場合ですね。これまでの違反の事案については厚労省のほうでつくられている人材サービス総合サイトの中に行政処分を行った事案が全部出ているので、過去の事案をずっと見てみたんです。

 過去の事案を見てみると多重請負よりも多重派遣のほう、要するにいわゆる二重派遣のほうが違反の類型としては多いんです。それらは皆確信犯で、派遣会社同士で労働者のやりとりをしている。多分、それは求められるスペックが足りなくて自分のところで雇用している派遣労働者をそろえられなくて同業者からそのスペックに合う方を派遣してもらって、それをさらに派遣しちゃうというケースだと思うんです。

 それで、今日当方から提出した資料は、いわゆる二重派遣として考えられる類型を4つ示したものです。

 この他に、もともと派遣の許可をとっていない、あるいは届け出を出していない派遣会社じゃない当事者が登場するケースも当然あるわけでして、かなり多くのパターンが出てくると思うんです。それらのときに、本当にこれは難しいと思いますけれども、どういうふうにこれを解釈すればいいのか。特にこの辺は裁判所において職業安定法であるとか、派遣法であるとか、そういうものをよく見ながら、重畳的に適用が重なるところだと思うんですけれども、どういうふうに解釈すればいいのかというのが要るんじゃないかと思うんです。

 示されている行政解釈の4ページ以下のところには請負を中心に書かれているんですけれども、二重派遣についての論述が何もないというのもまた不自然な話でして、さっき申し上げたような違反の類型数からいくと二重派遣のほうが多いわけですから、これについての論述が要るんじゃないかということを意見として申し上げておきたいと思います。以上です。

○鎌田部会長 どうもありがとうございます。そのほか、何か別なことで御質問が委員の皆さんからありませんでしょうか。

 今、御質問を幾つかいただきましたが、この場でお答えするものがあれば事務局のほうでお答えいただき、あるいは次回の宿題ということで捉えてもいいと思うんですが、事務局のほうはいかがですか。

○富田課長 ほかにも議題はございますので、そこは部会長の仕切りでどちらでも対応いたしますが、簡単にお答えできるものだけお答えをしておきます。

 高橋委員からございました御意見でございますけれども、確かに行政解釈は解釈を通達に書いているわけですが、それを超えて留意事項であるとか、Q&Aとか、そういうものがあったらいいんじゃないか。別に通達でなくてもいいからというふうな御要望がございましたので、それについては別途検討させていただきたいとは思います。

 それから、あとは幾つかありますが、新谷委員からありました二重派遣の部分については次回でよろしければ資料もたくさん新谷委員から出されておりますので、整理してお答えしたいと思いますけれども、もし今、答えろということであれば一般的なことを申し上げたいと思います。

 1つ、労働契約期間のところだけは今日申し上げておいたほうがいいと思いますので申し上げますが、今、新谷委員が言われました4月1日から9月30日までの契約を4月24日に承諾をしたときはどうなるのかということでございますけれども、ここで書いておりますとおり、これはもちろん裁判規範でございますので最終的な個別具体的なケースを前提に裁判所で判断されるということでございますが、ここで書いておりますのは要するに労働契約に書いてあることがそのまま申し込まれるということでございますので、4月1日から9月30日までのものが申し込まれるということになるのではないか。

 それで、事実上4月23日まで、24日も無理かもしれませんけれども、そういうものについては例えば勤労の義務が発生しないとか、賃金裁定も発生しないということになるのではないかとは思っております。

 それから、派遣先が変わったケースは私の理解が違っていればまた御指摘いただきたいと思うんですけれども、派遣先が変わっても別に1年以内であればもちろん承諾の意思表示はできるわけでございまして、例えば派遣元で無期雇用とかしている場合であれば、派遣元の無期雇用というものが派遣先から申込みがなされるというわけでございますので、例えばAのところの違法行為について承諾をしたということであれば、Aの派遣先から無期雇用の申込みがなされたということになるのではないか。ですから、そういう意味では契約が切れた後のケースについても同様ではないかとは考えております。

 ちょっと足りなければまた補足はさせていただきたいと思います。

○新谷委員 ありがとうございます。質問した内容について確認しておきたいんですけれども、無許可の派遣会社があって、派遣先Aから派遣先Bに行ったというとき、派遣元が無許可であればどこに派遣されようが全部違法派遣なので、それは労働者がどこの派遣先を選んで承諾もいいということですね。

 当然ですけれども、日毎に日々違法の派遣が続くわけですから、必ず申込みなしが発生していて、それを承諾するという行為が必ずできる。だから、どの派遣先を選ぶかというのは労働者のほうで選べる。そのときに、派遣元との契約が無期であれば、その選んだ派遣先から無期雇用の申込みがあったとみなされて、労働者が承諾して契約が成立する。こういう理解でよろしいですね。

○富田課長 はい。

○新谷委員 それともう一つ、派遣元との契約期間が終了していたケース、例えば契約期間が9月末で終わっていた。それから2カ月後に承諾をしたといったときに、これはどういう扱いになるのでしょうか。

○富田課長 これも、個別具体的には非常に難しい問題があると思います。一般論で申し上げますと、例えば先ほど言われました4月1日から9月30日までの契約であれば9月30日までの契約になりますのでその期間のものだというので、9月30日を過ぎていれば雇用契約が成立しないというか、事実上それは履行できないということになるのではないかと思いますが、これは難しいと申し上げましたのは、それこそ労働契約法19条の雇止め法理の問題であるとか、あるいは別の違法行為のところについて例えば損害賠償を争うとか、いろいろなケースが考えられますので、私は一般論としては今のことだと思いますが、個別具体的には裁判で判断されると考えております。

○鎌田部会長 ありがとうございます。

 時間もかなり押しておりますので、議題1についてはここまでといたしますが、ほかにも御質問、お気づきの点があれば事務局にどうぞお寄せいただきたいと思います。

 また、本日幾つか宿題のようなものがありましたので、次回引き続き議題とし、積み残した事項は事務局から御説明をいただければと思いますので、御準備のほどよろしくお願いいたします。よろしいでしょうか。

 では、事務局から報告事項があるようですのでお願いいたします。

○岩野企画官 先月末に公表しました、各種事業報告書の集計結果等につきまして御説明いたします。

 参考1をごらんいただけますでしょうか。「労働者派遣事業の平成26年6月1日現在の状況」の集計結果になります。

 「平成26年6月1日現在の状況概要」でございますが、1の「派遣労働者数」は約126万人、対前年比1.4%の減、2の「製造業務に従事した派遣労働者数」は約27万人、対前年比14.1%の増、3の「政令業務に従事した派遣労働者数」は約49万人、対前年比8.2%の減少となっております。

 参考2をごらんいただけますでしょうか。参考2は「平成25年度労働者派遣事業報告書の集計結果」になります。

 「平成25年度集計結果概要」でございますが、1の「派遣労働者数」は約252万人と対前年比2.6%増、2の「常用換算派遣労働者数」は約126万人、対前年比1.8%の減、3の「派遣先件数」は約82万件と対前年比7.3%の増加となっております。

 参考3をごらんいただけますでしょうか。参考3は、「平成25年度職業紹介事業報告の集計結果」になります。

 「概要」でございますが、「民営職業紹介事業所」においては1の「新規求職申込件数」、約924万件、対前年比35.0%増、2の「求人数」、約410万人、対前年比19.7%増、3の「就職件数」、約66万件、対前年比32.9%増、4の「年度末求人倍率」は0.6倍ということでございます。5の「民営職業紹介事業所数」は1万8,184事業所、対前年比2.3%増となっております。

 また、今回25年度の事業報告から新たに保護区分の変更や項目の追加によりまして追加したものがございますので、対前年比がバーとなっているものもございます。

 参考資料4でございます。4は「平成25年度労働者供給事業報告書の集計結果」になります。

 「労働者供給事業を実施している組合数」、91組合、前年から5組合増加してございます。2の「供給実績」でございますが、需要延べ人数1793,936人、2.6%増、供給延べ人員1779,501人、2.0%増、供給実人員3万4,745人、3.7%の増となっています。3の「平成26年3月末日における供給対象組合員等総数」、3の合計でございますが、1万2,394人、0.3%の増、また4の「平成26年3月末日における組合員等総数」、962,231人、対前年13.6%の増ということでございます。

 参考資料の5でございます。平成24年から26年度の一般・特定別の行政処分件数をまとめたものでございます。平成26年度の行政処分件数につきましては67件、このうち一般が7件、特定労働者派遣事業が60件となっております。

 下段の「※」でお示ししておりますが、関係派遣先派遣割合報告書未提出事業主が昨年から初めて取消処分等々を実施いたしましたが、512件、このうち一般の派遣労働者事業が9件、特定の派遣労働者事業が503件ということになってございます。この関係派遣先割合報告書未提出事業所につきましては、引き続き適切に行政処分等を行ってまいりたいと考えております。

 報告は、以上でございます。

○鎌田部会長 ありがとうございます。

 それでは、今の説明について御質問、御意見があればお願いいたします。

○新谷委員 先ほどの論議のときに聞いておけばよかったんですけれども、行政処分の一覧が出ていますが、今日わかればそれでいいんですけれども、わからなければ次回でもいいのですが、さっきの違反類型の4類型の行政処分の件数について教えていただきたいと思いますのでお願いします。

○戸ヶ崎主任指導官 まず、無許可・無届につきましては7件です。

○新谷委員 期間制限違反はどうですか。また調査の期間はいつからいつまでかです。

○戸ヶ崎主任指導官 平成26年度に処分した件数が7件でございます。禁止業務派遣は、4件になります。それで、偽装請負も4件ということになっております。期間制限違反は、今回26年の処分はございません。

○新谷委員 次回論議してもいいんですけれども、国会議員に出回った厚労省の怪文書の中で、101日付で違反がいっぱい出て、裁判が頻発して、かつ同時にそれを恐れて大量の派遣労働者が雇い止めされるという文書が出ていますが、今の件数を聞く限り、どこに大量の違反が出て、大量の労働者の解雇が起こるのか、その根拠は何なのか疑問に思います。次回でいいんですけれども、教えてください。

○鎌田部会長 次回でいかがですか。

○新谷委員 わかりました。

○鎌田部会長 そのほか、何かございますか。

 ないようでしたら、公開部分についてはこの程度としたいと思います。

 私から1点お知らせしたいことがございますが、4月27日の労働政策審議会の委員改正により、柴田委員が交代されることとなっております。柴田委員は、本部会への参加は本日が最後ということでございます。柴田委員は7年間、労働力需給制度部会で公益委員としてまさに専門的な知識を生かして数多くの鋭い御質問、御意見を出していただきました。部会長としても非常に感謝をしております。ありがとうございます。

 それでは、柴田委員から一言御挨拶をお願いいたします。

○柴田委員 どうも長い間、お世話になりました。

 今、御紹介いただきましたように、私は7年間務めさせていただきまして、この間2回の改正議論に参加させていただきました。委員の皆さんがきょうのように大変白熱した議論をしてくださっている中で、私はほとんどお役に立つことがなかったのではないかと、とても反省しています。

 言わずもがなではございますけれども、派遣労働は確かに多様で柔軟な労働を実現し、雇用調整の機能を果たしている一方で、日本の労働問題が抱えるありとあらゆる問題にそれぞれすごく深くかかわっていて、とても複雑な様相を呈しているということを毎回感じておりました。

 全ての問題をこの需給部会で解決していくことには限界がありますが、この部会の使命の一つでもあります人材ビジネスに携わるしっかりとした業者を選別していくということで、こうした問題を多少改善できるのではないかと思っています。

 具体的に申しますと、この需給部会において、派遣や紹介業は血の通った生身の人間を扱うビジネスであるということへの責任と自負を持った信頼できる業者を許可していくこと、そして管理監督をしていらっしゃる厚生労働省の皆さんが、優秀で信頼に足る業者を指導育成していくことがとても重要だということを、この7年間つくづく感じておりました。

 委員の皆様はきょうのような本当に真剣な議論を続けていただくとともに、今、申し上げましたような信頼できる業者でなければこの人材ビジネスには参画できないというような枠組みづくりに引き続き御尽力いただいて、派遣という働き方をよりよいものにしていただきたいと思っています。

 外から応援しています。皆様のますます御健勝をお祈りしております。どうもありがとうございました。 

○鎌田部会長 本当にありがとうございました。

 それでは、公開部分は以上といたします。議事録の署名は新谷委員、小林委員お願いいたします。

 事務局から連絡事項はありますか。どうぞ。

○木本補佐 次回の部会の日程は、決まり次第御連絡させていただきますのでよろしくお願いいたします。

 退席される方々に御連絡いたします。傍聴者の方々は坂口部長、委員の随行の方が退席した後に事務局の誘導に従って御退席ください。以上です。

(傍聴者退席)


(了)

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