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2015年2月26日 第13回肝炎対策推進協議会 議事録

健康局疾病対策課肝炎対策推進室

○日時

平成27年2月26日(木)15:00~17:00


○場所

厚生労働省 専用第22会議室(18階)


○出席者

相澤 好治 (北里大学医学部名誉教授)
大賀 和男 (日本肝臓病患者団体協議会常任幹事)
岡田 京子 (全国B型肝炎訴訟東京原告団)
岡本 光正 (健康保険組合連合会常任理事)
柿嶋 美子 (公益財団法人人権教育啓発推進センター理事・東京大学大学院法学政治学研究科教授)
加藤 篤志 (全国中小企業団体中央会理事・事務局長)
清本 太一 (全国B型肝炎訴訟北海道原告団)
小森 貴 (公益社団法人日本医師会常任理事)
曽原 倫太郎 (日本労働組合総連合会労働条件・中小労働対策局長)
武田 せい子 (薬害肝炎原告団)
田中 純子 (広島大学大学院医歯薬学総合研究科教授)
西村 愼太郎 (日本肝臓病患者団体協議会相談役)
長谷川 嘉春 (神奈川県保健医療部長)
林 紀夫 (関西労災病院院長)
溝上 雅史 (独立行政法人国立国際医療研究センター肝炎・免疫研究センター長)
村上 顕郎 (健康保険組合連合会常任理事 )
米澤 敦子 (日本肝臓病患者団体協議会常任幹事)
宇都宮 寛司 (株式会社日本経済社第4営業局第2営業部アカウントディレクター)
是永 匡紹 (独立行政法人国立国際医療研究センター肝疾患研修室長)

○議題

(1)平成27年度肝炎対策予算案について
(2)委員等からの報告
(3)その他

○議事

○鈴木肝炎対策推進室長 定刻になりましたので、ただいまから第13回「肝炎対策推進協議会」を開催させていただきます。

 委員の先生方におかれましては、御多用中のところ、本協議会に御出席いただきまして、まことにありがとうございます。

 本日は、熊田委員、野宮委員、山中委員、脇田委員から欠席される旨の御連絡をいただいております。

 今、柿嶋委員がおくれておりますので、委員総数20名中15名の委員の先生に御出席いただき、過半数に達しておりますので、肝炎対策推進協議会第4条第1項の規定により、本日の会議は成立していますことを御報告いたします。

 なお、本日は参考人として、株式会社日本経済社の宇都宮アカウントディレクター及び独立行政法人国立国際医療研究センター肝疾患研修室の是永室長に御出席いただいております。

 会議の開催に当たりまして、健康局長の新村より御挨拶をさせていただきます。

○新村健康局長 健康局長の新村と申します。

 本日は、委員の先生方には大変御多忙中のところお集まりいただきまして、まことにありがとうございます。また、肝炎対策の推進につきましては、平素より格段の御高配を賜りまして、厚く御礼申し上げます。

 厚生労働省では、平成20年度より医療費助成、肝炎ウイルス検査、診療体制の整備、普及啓発、肝炎研究の5本柱からなる肝炎総合対策を進めております。現在は、平成22年に施行された肝炎対策基本法や、23年に策定された肝炎対策基本指針に基づき、各種の取り組みを推進しているところです。

 本日の協議会では、平成27年度肝炎対策予算案、自治体における肝炎対策の取り組みについて御説明させていただきます。

 また、田中委員のほうからは、肝炎ウイルスキャリアと患者数の動向について。是永参考人から、肝炎ウイルス検査陽性者フォローアップについて。宇都宮参考人から、平成26年度の普及啓発事業について、それぞれ御発表いただく予定です。

 肝炎対策に係る最近の動きとしまして、昨年9月に新たなC型肝炎治療薬、ダクラタスビル、アスナプレビルが薬価収載されたのを受けて、同治療を医療費助成の対象に追加したところでございます。

 本日お集まりの皆様方におかれましては、今後の施策の検討のために忌憚のない御意見を頂戴したいと考えておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

○鈴木肝炎対策推進室長 カメラ撮りをここまでとさせていただきますので、カメラ撮りの皆様方、御退室のほうをお願いいたします。

(報道関係者退室)

○鈴木肝炎対策推進室長 議事に入ります前に、前回の開催以降、2名の委員に交代がございましたので御紹介させていただきます。

 まず1人目、曽原委員でございます。

○曽原委員 連合の曽原でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

○鈴木肝炎対策推進室長 次に村上委員でございます。

○村上委員 健康保険組合連合会の村上でございます。よろしくお願いいたします。

○鈴木肝炎対策推進室長 続きまして、お手元の資料を確認させていただきます。

 資料を大きな冊子という形でなっておりますが、ページを追って確認させていただきます。

 まず、議事次第、委員名簿、座席表となっております。

 配付一覧でございますが、資料を開いていただきますと、1ページ目が資料1となっております。

 7ページ、資料2「各自治体における肝炎対策の取組状況について」。

12ページ、資料3「肝炎ウイルスキャリアと患者数の動向について(田中委員提出資料)」。

31ページ、資料4「効率的な肝炎ウイルス検査陽性者フォローアップシステムの構築のための研究(是永参考人提出資料)」。

48ページ、資料5「知って、肝炎プロジェクト広報活動について(宇都宮参考人提出資料)」。

67ページ、資料6「平成26年・恒久対策に関する大臣要求項目」。

84ページ、資料7「全国B型肝炎訴訟原告団・弁護団と大臣の定期協議議事録」。

 参考資料でございますが、参考資料1といたしまして101ページ「肝炎対策基本等」。

 参考資料2といたしまして、107ページ「肝炎対策推進協議会令」。

 参考資料3、108ページで「肝炎対策推進に関する基本的な指針」。

 参考資料4、120ページで「平成25年度肝炎医療費助成対象者数調」。

 参考資料5、122ページで「平成25年度肝炎ウイルス検査事業等の実績」。

 参考資料6、141ページで「B型肝炎訴訟の提訴者数及び和解者数の推移」。

 参考資料7、143ページで「清本委員提出資料」となっております。

 以上でございます。落丁等ございましたら、議事の途中でもお声をかけていただければと思います。

 以後、議事の進行となりますので、林会長、議事の進行をよろしくお願いいたします。

○林会長 それでは議事に入らせていただきます。本日も、どうぞよろしくお願いいたします。

 それでは、議事の1番目でございますけれども「平成27年度肝炎対策予算案について」ということでございますが、事務局のほうから御説明をよろしくお願いいたします。

○鈴木肝炎対策推進室長 肝炎対策関連資料、資料1「平成27年度政府予算案」についてお開きいただければと思います。

 1ページを開いていただければと思います。まず「肝炎総合対策の5本柱」という資料がございます。平成27年度予算案で172億円、平成26年度補正予算案で35億円となっております。この括弧に書いてあるのが平成26年度の予算で、187億円というものでございます。来年度の予算につきましては172億円予算案という形になっておりますが、26年度の補正予算、35億円がこれに足される形という理解をしていただければと考えております。

 中身でございますが「1.肝炎治療促進のための環境整備」といたしまして、86億円の予算案となっております。既に26年度補正予算で35億円。この点線描きの中に入っておりますものは、86億円の内数ではなく、別の数字という形になってございます。

 「2.肝炎ウイルス検査等の促進」で34億円。

 「3.健康管理の推進と安全・安心の肝炎治療の推進、肝硬変・肝がん患者への対応」で7億円。

 「4.国民に対する正しい知識の普及啓発」で2億円。

 「5.研究の推進」で44億円となっております。

 最初の「1.肝炎治療促進のための環境整備」は2ページの下にございますが、こちらは予算86億円で補正が35億円という形で、インターフェロンフリー治療に対応する形のものとなっております。

 3ページの上を見ていただければと思います。インターフェロンフリー促進事業は、平成26年度補正予算は35億円ということでございますが、こちらのインターフェロンフリーの治療薬は治療効果が非常に高く、患者さんに対する負荷が非常に少ないものとなっております。そのことによりまして治療の対象が広がることから、このような予算の構成となっているものでございます。

 平成26年9月から経口の抗ウイルス薬(ダクラタスビル/アスナプレビル2剤併用療法)によるインターフェロンフリー治療は既に実施されているところでございます。

 3ページの下を見てください。「2.肝炎ウイルス検査等の促進」は34億円ということでございます。こちらにつきましては特に充実したものについて御説明差し上げますが、4ページ目の上のところに「重症化予防推進事業の拡充」ということで、平成26年度に創設いたしました定期検査が年1回、住民税非課税世帯に対して無料という制度を、年2回に拡充する予算案となってございます。このことによりまして、年複数回の定期的スクリーニングを促進することで、病気進行の早期発見、早期治療の介入を進めることと考えております。

 4ページ目の下でございます。「3.健康管理の推進と安全・安心の肝炎治療の推進、肝硬変・肝がん患者への対応」です。これは7億円となっておりますが、主に拠点病院に関する予算でございます。

 5ページ目の上を見ていただければと思います。新規の予算といたしまして「家族支援講座開催経費」というものがございます。これは、家族支援講座というものを開催するための予算を新規の予算案として計上させていただいております。

 続きまして5ページ目の下「4.国民に対する正しい知識の普及啓発」は2億円でございます。こちらは後ほど宇都宮参考人から説明がございますが「知って、肝炎」プロジェクトという1億円のプロジェクトと、自治体等で普及啓発をするような予算といったものの中身となっております。

 6ページ目でございますが「5.研究の推進」は44億円でございます。こちらは研究の推進といたしまして、42億円がいわゆる基礎的な研究などをやるための肝炎等克服実用化研究事業というものでございます。政策的な研究をするための肝炎等克服政策研究事業は2億円という計上になっております。

 続きまして、7ページの資料2「各自治体における肝炎対策の取組状況について」でございます。

 8ページ目を見ていただければと思います。まず、上にある「特定感染症検査等事業」の保健所等で実施する肝炎ウイルス検査の検体数でございますが、平成24年から25年にかけまして、B型、C型ともにこの検査の数がふえております。感染率につきましては、B型は同じような0.8%、C型につきましては減少傾向が続いていることとなっております。

 下のほうでございますが「老人保健法・健康増進事業」に伴います、市町村がやっております事業の肝炎検査でございます。こちらにつきましては、85万人程度の数がB、Cともに推移しているという横ばいの形となってございます。

 9ページでございます。「肝炎治療特別促進事業の治療受給者症交付実績」でございますが、20年から25年の数字を推移して見ますと、インターフェロン治療というものが徐々に減りまして、核酸アナログ製剤治療、3剤併用療法というものがふえてきている状況でございます。今後、インターフェロンフリーというものがふえてまいりますので、新しい項目でそのような数がふえていくものではないかと考えております。

 続きまして「各自治体における肝炎対策に係る計画策定状況について」です。

 こちらにつきましては昨年度から比べまして、肝炎対策に特化した計画を策定予定としていた3自治体が策定済みという形に移行しております。

 以上でございます。

○林会長 どうも、ありがとうございました。

 事務局のほうから、27年度の肝炎対策予算案について御説明いただきましたが、御質問あるいは御意見がございましたらどうぞ、よろしくお願いいたします。

 どうぞ。

○米澤委員 日肝協の米澤です。

 3ページのインターフェロンフリー治療について、医療費助成をつけていただいているということで、補正予算もとっていただいてこれは大変ありがたく感謝しております。少し外れるかもしれないのですが、実際に現在ダクルインザとスンベプラという、経口剤の治療がたくさんの患者に行われている中で、私ども日肝協は毎日電話相談を受けておるのですが、その電話相談で相当数挙がってきているものについて、質問させていただきたいと思います。

 数はデータとしてまだ出していないのですけれども、この治療で副作用などにより中止になり耐性ができたという声がかなりの数挙がってきているのですが、相談というのは、その後、自分たちの治療はどうなるのかという内容なのですが、これについて御回答いただければと思います。

○林会長 ちょっと答える方がいないと思いますので、お答えさせていただきます。

 御質問の趣旨はよく理解できます。これは非常に難しい問題と思っております。今のところ、日本肝臓学会でC型肝炎治療のガイドラインを出させていただいておりますけれども、そのガイドライン上は、この2剤で治療されるときについては、薬剤耐性が事前にある方については有効率が非常に下がるので、基本的には治療前に薬剤耐性、特に5Aのところ、2カ所の薬剤耐性をチェックしていただきたいということをガイドライン上明記してございますので、ぜひそれを測定していただきたいということであります。

ただ、今、米澤委員のほうから御質問がございましたように、それ以外に副作用等で治療が中断しますと、当然のことながら薬剤耐性を獲得する頻度もかなり高うございますので、その方の治療をどのようにするかについては、実は、今のところ明確にお答えすることができません。ということで、ガイドライン上に記載がされておりません。

 この治療法は、今のところ国際的に見ても日本だけで行われている治療方法ですので、実際、この治療を行って薬剤耐性を獲得した人に、こういう治療をすれば何%有効かということは、今のところエビデンスがゼロであります。特に、日本で今後発売される薬剤のラインと大体わかっておりますけれども、恐らく今後メーンになるのがソホスブビルとレディパスビルでありますが、このレディパスビルというのは5A阻害剤ですので、当然のことながら現在の2剤で治療されて、5Aの領域で薬剤耐性を獲得すると有効率が下がるということを予想がされておりますけれども、実際の数字がわからないので今のところガイドライン上に記載されていません。

 現在、この薬は恐らく初回治療例でも承認されるだろうということが予想されますので、日本肝臓学会のガイドライン委員会では、それにあわせてガイドラインの変更作業をしておりますが、そのガイドライン上、副作用によっての中断例については、次にこの治療法をしていただいたほうがいいということについて一切記載ができませんので、明確なお答えはできませんが、今のところ一番可能性がある薬剤については、ソホスブビルとレディパスビルで治療をしていただくことになると思いますが、その有効性については今のところエビデンスがないということしかお答えができないと思います。

 できるだけ、その副作用が予想される人には治療せずに待っていただくほうが、基本的にいいということです。使ってみないと副作用の予測はできませんので、非常に難しいことだと思います。

○米澤委員 理解しました。あと、続けて幾つか。

 今、林先生のほうからソホスブビル、レディパスビルのお話がありましたけれども、ソホスブビル、レディパスビルについてはつい先ごろ、米国の市販後の有害事象発生という件で、かなり報道がされました。今、実はこれについても電話の対応に追われているという状態になっております。患者から、その内容はどうなのだという問い合わせが殺到しております。

 この予算のところで大変申しわけないのですけれども、それについてお答えいただける範囲で、もしどなたかお答えいただければと思います。

○林会長 医療費助成は重要な項目ですので、それに関連する事項で今のことは非常に重要なことだと思いますので、溝上委員が一番お詳しいと思いますので、溝上委員にお答えいただきます。

○溝上委員 まず、アメリカで売られているのはソホスブビルと、現在使っているNS3のシメプレビルを併用という形でやられておりますのがほとんどです。それによって起こされた副作用が、今回の治験中に報告が来なかったということで、そういうふうに言われております。

 本邦では、ソホスブビル、レディパスビルということで、場所も薬も違いますので、それに影響を与える可能性は少ないと思います。

○米澤委員 済みません、ソホスブビル、レディパスビルの配合剤のほうではなくて、ソホスブビルのほうでかなりの有害事象が出たという報道がありましたよね。

○溝上委員 それは、報告を調べていただきますと2つ問題がありまして、シメプレビルとの併用で、アメリカで両方使えるのはそれしかございませんので、それとの併用が1つ。その例が非常に多いです。

 2つ目、非代償性肝硬変と思われるような、腹水がぱんぱんにたまっているような症例にも使われておりまして、そういうものの副作用報告が出ております。

 この場合に問題になります、ソホスブビル単独でというのは、私が見た限りでは1例もありませんでした。

 それを踏まえて、2月25日の薬事審議会はおくれたのですけれども、3月5日に臨時の薬事審議会があるということが、PMDAのホームページに出ております。その中で審査することになっております。そこで、そのことも詳しく審議されると思われます。

○林会長 少し、説明をつけ加えさせていただきますと、今、溝上先生がお答えいただいたように日本の治療方法とアメリカの治療方法は違いますので、当然のことながら、アメリカの治療を行った人に対する副作用報告です。

 もちろんソホスブビルが入っておりますが、対照がもう1剤入っているのは日本のレディパスビルではなくて、シメプレビルとかそれ以外の薬が入った組み合わせでございますので、基本的に日本と同一ではないということをまず御理解いただければ。

 当然、ソホスブビルが入った組み合わせでの副作用でございますので、ソホスブビルに伴う副作用の可能性も当然のことながらあるのですけれども、今、溝上先生がお答えいただいたように、詳しく見てみると圧倒的に多いのは非代償性肝硬変。恐らく、日本では適用にならないだろうと思われる症例に使った例がほとんどでございますので、日本の先生はかなり慎重に適用を守って使われますので、それと同等の副作用が出るかについては全然わからないと思っています。今回の報告については私もデータをほぼ拝見しましたけれども、ほとんど非代償性肝硬変で、私だったらこういう患者には使わないだろうという部類の対象だと思います。

○米澤委員 理解しました。

○大賀委員 済みません先生、そうしますと承認時期が当初言われていた8月とか、私たちは夏場と聞いていたのですが、大幅におくれるとかそういうことにはならないだろうという。

○溝上委員 それは、あくまでPMDAでの審査結果と、薬事審議会での審査によって決まりますので、それは3月5日に臨時で行われて、その中にこのソホスブビル、リバビリンが入っているというのがホームページに出ておりますので、その結果待ちだということになります。

○林会長 これは、我々が決めるわけではないのでお答えができないのですが、今のところ明らかに延期されたということは決まっておりせん。それは確実に言えることでございますのが、それ以上は我々が決めるわけではございませんのでそれ以上コメントできないということです。

 どうぞ。

○武田委員 薬害肝炎の武田と申します。

 治療についてですけれども、先日、NHKのおはよう日本か何かのホームページを見たのですけれども、専門医とかかりつけ医の連携が表面上は連携に資するということが出ていますが、かかりつけ医の方が専門医に紹介をすることが53%ぐらいしかできていない状態というのをホームページで見たのですけれども、中にはがんになってからでないとその専門医のところには紹介しないという先生もいらっしゃったというのを見たのですが、それは厚労省のほうとか皆さんのほうで、ちゃんと浸透してもらえるようにお願いしたいと思うのですけれども、いかがでしょうか。

○林会長 これは、事務局のほうからお答えください。

○鈴木肝炎対策推進室長 いろいろな連携とか、そういうのは治療で最も大事なところでございますので、いろいろと研究班等を通じながら、我々でも努力をさせていただいているという形でございます。

○武田委員 では、今以上にもっと、そういう件に対していろいろ連絡とかもしていただけるということですよね。

○鈴木肝炎対策推進室長 一応、そういったことは県等にいろいろな指示を出すわけですけれども、私どもは補助金という形の中でそういったものがちゃんと使われていく形の指導をさせていただこうと考えております。

○林会長 実はインターフェロン、特にフリーは一見簡単な治療方法に思えるのですけれども、対象の選択とか、先ほど途中で治療を中断すると薬剤耐性変異が起こるとか、非常に多くの問題を持っておりますので、基本的には我々も肝臓専門医に治療するかどうかを決めていただきたいということでいろんな広報活動を行っておりますが、今の御指摘のように、それが実施されていないというのは我々もお聞きしております。肝臓学会としても今後、それについてはさらに対策を考えていきたいと思います。

○武田委員 よろしくお願いします。

○林会長 ほか、いかがでしょう。どうぞ。

○西村委員 日肝協の西村です。

 治療費助成の件で1点、そのほかにも2点ほどお聞きしたいと思います。

 私のほうはB型肝炎のことで、2ページの下の欄に対象医療ということで書かれているわけですけれども、B型肝炎の核酸アナログ製剤治療なのですが、患者さんからの相談だとか、そのほかの相談で原則3カ月ごとに処方箋が出せるということで、私自身も3カ月ごとに診察を受けてやっているのですけれども、京都府の支払基金から、1カ月以上は認められないという異議が出されまして、患者さんと先生が困っている。

 患者団体からもそうですし、患者さんからも厚生労働省のほうに、B型肝炎の医療費助成の控除の手続についての簡素化が強く求められている中で、その3カ月の範囲まで延長できるという、ドクターにしてみたら支払基金のほうにお墨つきの文書をいただきたい、そういうものがあるのかどうかぜひ聞いてほしいと患者さんから頼まれたものですから、その辺をお答えいただきたいということ。

それから、相談支援のことなのですけれども、今度、新たに家族支援だとか就労支援が強められるということで予算の中で示されていますけれども、私どもは大阪だとか、和歌山だとか、地域を担当している患者会ですが、それぞれの県の行政担当者や、相談支援センターのドクターとか看護師さんにお聞きしますと、とてもではないけれども人材不足と予算不足で困っている。

 特に、田中先生のほうからの報告に、近畿は受検率が非常に悪いデータが示されておりまして、これは県当局や相談支援センターのほうに、市町村の保健師さんだとか、行政担当者の研修を強めてほしいとお願いをしているわけなのですけれども、とてもではないけれども臨床といろいろと時間的制約があって、努力はするけれどもなかなか大変な思いをしている。何とかしてほしいということを、それぞれの地域の最前線で働いている方々から要望を受けているわけです。

後で予算も大分ふえるようなことを書いてあるのですが、1施設当たり何ぼぐらいになるのかという点。和歌山県などは割と、県の担当者は他県に比べると出しているほうだと説明されておりましたけれども、それでも、過疎地を含むところでの出張検診だとか、いろんなことをしようと思ったら大変だということですので、その辺についてお尋ねしたいと思います。

 以上です。

○林会長 事務局、よろしゅうございましょうか。

○鈴木肝炎対策推進室長 最初のものなのですが、我々でも医療保険、いわゆる短期の保険で決まっているルールの自己負担のところを補助金で出しているので、基金の話は申しわけございません、3カ月というところは私どももよくわからなかったのですが、一応そういうことがあるのかなということで、お話はしておきます。

 2点目の、拠点病院というところでございますが、これは一応、全国に70施設ございますので、拠点病院単独で言えばお金が70施設で、均等に割ればその金額になるだろうと。ただ、これは我々どもが100%の補助ではございませんので、半分は地方自治体が出す形になりますので、どうしてもそれとの見合いという形になります。そうしますと、自治体で出した金額見合いで内が出て、それの足し合わせた金額がその拠点病院等に行くという形の補助金の体制になってございます。

○西村委員 先ほどの医療保険のことなのですけれども、現場で頑張っておる先生も3カ月出したいと強く願っておられるわけですので、後で結構ですので、支払基金のほうに示していただける資料がありましたら教えていただきたいと思います。

○林会長 もう一人。どうぞ。

○岡田委員 B型肝炎の岡田と申します。

 予算のところで、研究の推進のところが前年度より2億円ほど少なくなっているのですけれども、これに関して御質問なのですが、C型は研究が割と進んでいまして、治る治療もできているところなのですけれども、B型に関しては今のところ、核酸アナログ製剤のみぐらいで、患者としましては新しい治療方法とか研究をもっと強めてほしいという希望があるのですが、それなのに少なくなっておりますと非常に不安を覚えるところなのですけれども、これに関する説明をお願いしたいと思います。

○林会長 事務局、お願いします。

○鈴木肝炎対策推進室長 この予算は通常、B肝創薬と言われている研究と、それ以外の研究という形でございます。

 B肝創薬は研究費全体が減る中で若干の減りということがございますが、研究者の皆様もできるだけそういったことを早く創薬できるような形でやっていますので、私どももその辺は頑張りたいと思っています。

 この研究費につきましては、これからAMEDという組織ができますので、厚生労働省からそちらのほうの管轄にまで出ていくこともございますので、その辺のところを我々どももいろいろと見ながら、皆様方に迷惑がかからない形にはしていきたいと考えております。

○林会長 よろしゅうございましょうか。

 どうぞ。

○大賀委員 今のに絡んでなのですが、B肝の創薬に相当な予算を組んで着手されておりますけれども、現時点で、何か芽が出てきているのでしょうか、研究成果について知りたいのですが。

○林会長 どうぞ。

○鈴木肝炎対策推進室長 先般、B肝創薬の発表会等も聞いてまいりました。

 なかなか、研究者の皆様方は何もなかったところで精いっぱいやっていただいているという中身でございます。その中で、全ての研究が実を結ぶというのはなかなか難しいのかと思いますが、一部のものにつきましては、少し出口のほうが見えてきたかなというものも出てきたという認識でおります。

 ただ、どうしてもこれはなかなか難しい研究テーマを取り組んでいただいているところがございますので、研究者の皆さんも非常に熱心に取り組んで、私どもといたしましては出口に向けて前進をしているという認識をしていますが、最終的な創薬というところに結びつくにはもうちょっと必要なのかなとは考えております。

○林会長 私、中間評価委員会に出席しましたので追加させていただきますと、我々が予想していたよりは、はるかに進んでいると思うのです。ただ、それが実際に使える薬にすぐに結びつくかどうかはかなり時間のかかることでありますけれども、我々が最初想定していたよりは、研究内容はかなり進んだと御理解いただいていいのではないかと思っております。

 それ以外に、よろしゅうございますか。

 どうぞ。

○西村委員 治療のことなのですけれども、C型肝炎は高齢者が多くなるということで、後期高齢者医療で経口2剤。副作用が少ないということもありまして、たくさん使える可能性がありますし、現にそうなりつつあると思うのですけれども、今度出てくる新しい薬も含めまして、後期高齢者医療でしたら医療費助成を使わずに、諸経費を含めましても同程度の値段で逆に安くなるかもわかりません。

 そういうことで、一般開業医でも保険医の資格を持っておれば処方箋が書けるということになりますので、そのあたりの肝炎対策というのはどういう位置づけをして御検討されるのか。

○林会長 これは事務局、お答えいただけますか。

○鈴木肝炎対策推進室長 我々でも、基本的に治療の助成。皆さん御存じのとおり、自己負担分を収入に応じて月2万円か1万円という形にして、残りの部分は健康局の補助金という形になっております。

 ですので、この金額がどちらがという形になると、我々どもとしては、この金額で落とさせていただいているものでございますので、それで負担は軽減されているのかなと。そして、治療という形の中で収載されて、適用された薬剤につきましては我々どもの補助金の要綱の中に入ってきている形でございますので、今後もそういったことに対応するために、今回の予算の枠組みというのをつくらせていただいているという次第です。

○林会長 医療的なことは私がお答えさせていただきますと、先ほどの副作用の問題も同様なのですが、後期高齢者医療のときに一番に問題になるのは、肝臓の非専門医が最初の投与を決定している場合がかなりあるということを私も聞いております。当然のことながら、それに伴って先ほど申し上げた、治療前にNS5Aの2カ所の耐性変異をチェックせずに投与されている例が多いので、最終的に有効率が下がりますし、3カ所の薬剤耐性を最終的に獲得した患者さんがふえて、これは問題と我々も認識をしております。

 前のガイドラインもそうですし、今回改定のガイドラインについても、少なくともインターフェロンフリーの2剤で治療されるときには治療前に、必ず薬剤耐性の場所をはかっていただきたいということについては、さらに今回のガイドラインで強く書かせていただこうと思っておりますが、強制力があるわけではございませんので、西村委員から御指摘のように、それに対して事務局で何らかの対策を考えるという御意見でしたら、それは事務局のほうにも御検討をいただきます。

○西村委員 先ほどお願いしましたのは、医療費助成の場合は、肝臓専門医なりの縛りがあるわけですけれども、後期高齢者医療の場合はそういう縛りが多分ないのでしょうから、保険診療の範囲内でやられますので、現在でも割と副作用、GPTが上がるということがあって、専門医のところでは2週間に一度血液検査をしながら、様子を見て管理をしていくということが耐性変異の問題以外に守られていると思うのですけれども、その辺が後期高齢者医療の中でどうなっていくのかという点を、ぜひ何らかの文書なり通知を後期高齢者医療のほうに発出するような御検討をしていただけないかということです。

○林会長 いかがですか。

○鈴木肝炎対策推進室長 我々どもは、まず保健等で収載されたもの、1つの基準として出てきたものについての負担を減らす形の治療。要は、そのところに経済的インセンティブが働く形で、やるときに専門医とかそういったものの基準が入っているというものでございますので、そもそものところのほうに、我々どもからという形は少々難しいかとは考えております。

 ただ、そういったお話があったということを担当部局にお伝えすることは可能かと考えておりますので、お伝えはさせていただこうと考えております。

○西村委員 ありがとうございます。

○林会長 肝臓学会でもそこについては問題視しておりますので、そこの部分はできるだけ徹底を図っていきたいとは思いますが、学会に強制力があるわけではございませんので、その点は非常に難しい問題を含んでいることを、十分認識しております。

○米澤委員 先ほど、B型の創薬のお話がありましたけれども、C型肝炎の現在使える経口薬は代償性肝硬変の患者も服用できるということで、代償性肝硬変の患者もウイルスを排除できるという時代にだんだんなってきたということは、私たちにとっても非常に喜ばしい状態なのですが、次の非代償性肝硬変患者に対するウイルス排除の薬については、どのようなスケジュールで現在どういった状況か。使える薬のない非代償性肝硬変患者から電話相談がすごく多いので、もしお答えいただければ。

○林会長 溝上先生、いかがですか。

○溝上委員 昨年の11月のアメリカ肝臓学会で出ましたのは、up to twelve Child Pugh score 12までの人たちを対象にした、アメリカでの治験のデータは出ております。そのうち半分は、その薬で非常によくなっております。半分が変化なし、残り半分、つまり4分の1はかえって悪くなったというデータが出ております。

 したがって、それを参考にして、Child Pugh 12までをどのような条件を設定するかというのが、今後の治療の目標として一番大事なところだろうということで、現在そのような検討に入っていると思います。これはワールドワイドでやるのか、日本独自でやるのか、そこら辺も含めた形でやっていかないといけないと思います。

 理由は、341名の日本人で使いましたけれども、非常に副作用が少ない。これはインターフェロン、現在のダクラタスビルとアスナプレビルと比べましても、信じられないぐらい副作用が少ないものですから、そのことを頭に入れてどこまでできるかを現在検討中であるというところまででございます。

○米澤委員 ありがとうございます。

○林会長 それ以外、御質問はよろしゅうございますか。

 はい、どうぞ。

○大賀委員 相変わらず、肝臓病に特化した基本計画、対策計画の計画策定が26県にとどまっているのですが、これはどのように受けとめられておりますでしょうか。

 私がいます福岡県も、肝炎対策協議会で私が委員をしておりますので要請はするのですが、相変わらず策定されません。福岡県は、御存じのように肝炎患者は随分と多いのですが、進んでいないのです。ここに福岡県のがん対策があるのですが、肝臓病はたった1枚、さらさらとあるだけ。これが実情なのです。

 全国でそういうばらつきがあったらまずいのではないかと思うのです。患者の立場からすれば非常に不公平だし、ぜひ前向きな御説明をと思っております。

○林会長 いかがでしょうか。

○鈴木肝炎対策推進室長 計画についてということで、それらの肝炎をやるものとして見る場合、47というのが理想的だと考えております。いろいろとその中の保健医療計画とか、そういった中に何がしかが書いてあるという状態も非常に低いレベルかもしれませんが、一定の評価はすべきかと考えております。

 今後、我々はいろいろと拠点病院とか、都道府県とかでいろいろな会議がございますので、そういったときに我々の補助金メニューとか、こういうものも紹介しながら肝炎対策を積極的に取り組んでいただけるように、今以上に私どもも努力していきたいとは考えております。

○林会長 時間の都合もございますので、この件についてはここで御質問を切らせていただいて、また時間がございましたら再度お聞きいただければと思います。

 続きまして「委員等からの報告」でございますが、まず田中委員のほうからよろしくお願いいたします。

○田中委員 広島大学の田中です。

 きょうは、前回の第12回「肝炎対策推進協議会」でもお話しいたしました「肝炎ウイルスキャリアと患者数の動向について」の、さらにB型とC型に分けた数の推計についてお話しするとともに、平成23年度に厚労省が全国民調査を行いまして、2段階無作為抽出を行いまして、我が国の国民がどれくらい肝炎ウイルス検査を受けているかという調査を行っております。

 それの二次解析を行いましたので、都道府県での肝炎対策の策定の指標になる資料として、きょうは御紹介したいと思います。

PP

 これは、B型肝炎ウイルスが1970年、C型肝炎ウイルスがクローニングされたのが1989年ですけれども、その後、90年代はいろんなところで肝炎ウイルス検査が行われ、また、みつかったキャリアの人に対してインターフェロン治療などが開始されたわけです。世界に先駆けていろんな検査、治療、対策がとられたと考えております。

 この10年間のデータをもとに、我が国では2002年に、感染に気がつかないで、症状はないけれども肝炎ウイルスに感染していれば、重篤な肝がんに進行するかもしれないということで、老人保健法による節目・節目外検診が導入されたわけです。

 その後、肝炎無料検査、肝炎対策基本法などが行われまして、我が国では90年代、2000年代、2010年代と、感染状況が明らかになり、対策が徐々に進められてきたと認識しております。

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 まず、2000年代の老人保健法による節目・節目外検診につきましては、自覚症状がない人からスクリーニングにより、持続感染している人を適切に見出すという検診が行われました。

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 実は、5年間に800万人が検査を受けまして、約10万人が感染していることが新たにわかったわけです。

 この当時、我が国ではC型肝炎の抗体陽性率が非常に高いということから、検査の手順につきましては、コストの面でNAT検査とHCV抗原検査を組み合わせていました。

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 しかし、それから10年たちまして、HCVのキャリア率も非常に低くなったことから、2013年からHCV抗体が中力価・低力価についてもNAT検査を全て行う新しい手順で、住民健診の検査が行われているところです。

 さらに、検査の機会を拡大するという意味で、今まで定量のHCV抗体検査法が住民健診に使われておりましたが、最初の段階のところでは、定性のHCV抗体検査を行う手順を設けて間口を広げまして、さらに検査の推進を行っているところです。

 先ほどもお話がありましたけれども、住民健診などでC型肝炎ウイルスに感染している可能性が高いと判定された場合には、一度は必ず専門医に受診しましょうという文言を、特定感染症検査事業、健康増進事業の検査実施要領の中に記載してありまして、陽性と判定された人は、適切に治療に結びつく仕組みになっているところです。

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 先ほども事務局のほうから説明がありましたが、2002年から2012年の段階で、40歳以上の人口のうち、約1,400万人がB型肝炎ウイルス検査とC型肝炎ウイルス検査を行いました。

 このように検査の推進が行われたことによりまして、感染に気がつかない人が随分減ってきたのではないかと考えられるわけです。

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 私どもの研究班では国民の中の肝炎ウイルス検査の受検率の推定を、いろんな調査で行っております。

 広島県、岐阜県、石川県などで行われました聞き取り調査、住民の基本台帳に基づいた調査などで、検査を受けた人は大体30%~40%ではないかと考えています。

 ただし、職域につきましては昨今から問題になっておりますが、たかだか30%ぐらいではないかと研究班のほうで推定しております。

 また、検査で陽性とわかった人が、どのくらい医療機関に行っているかということの調査につきましても、広島県、研究班において行われました、全国7つの自治体の調査、岩手県、石川県で行った調査などで、検査で陽性とわかったのにもかかわらず、医療機関に行っている人は6割~7割にすぎないことが明らかになっておりまして、検査を受けていない人はさらに検査を受ける仕組み、検査で陽性と言われた人は確実に医療機関に結びつく仕組みがさらに必要ではないかと考えられています。

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 また、住民健診だけではなくて、肝炎対策基本法の基本的な指針の中に、手術の前後に行われる肝炎ウイルス検査についても、適切に説明を行いましょうということが記載されております。こちらの取り組みについても研究班でさまざまな調査が行われているところだと思います。

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 そこで、当方の研究班では、検査を受けた人に検査の記録というカードを配付しまして、これは検査の結果を書くのではなくて、検査したことを覚えてもらうカードであります。

 広島県では、既に8万枚ぐらい配っております。

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 また、肝臓内科の先生だけではなくて、いろんな他科の整形外科、小児科などの先生も限られた時間の中で効率的に説明ができるようなツールも配付して、取り組んでいるところです。

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 きょうは、厚労省が2000年時点に300万人~370万人いると推計したキャリアの人数が、10年たちましてどれぐらいの人数になったか。また、B型とC型の内訳について御説明したいと思います。

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2000年時点で、300万人~370万人いると言われていたキャリアの、実に240300万人ぐらいが、自分が感染に気がついていない人だということがわかっておりました。また、患者として通院している人は大体60万人ぐらい。それが10年たちまして、どのような数になったかということであります。

PP

 すなわち、300万人のうち、治癒した人が何人、肝疾患関連死亡だけではなくて、全死因での死亡がどれぐらい、新規感染がどれぐらい、感染を知らないままでいる人がどれぐらい減ったかということです。

PP

 これに用いた資料は当班のほうで蓄積しております、さまざまな大規模のキャリア率のデータ、国の患者調査などのデータ、健保組合のレセプトを用いた推計などを用いて、今回、再度集計を行いました。

 治癒につきましては医療費助成制度、死亡につきましても全死因における年率の死亡率をもとに、数理疫学的に推計をしたものであります。

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 まず、感染に気がつかない人はどれぐらい減ったかというのは前回もお示ししましたが、240万人から77.7万人にまで減ったということであります。

 先ほどお示ししましたように、さまざまな場所での住民検査が進むことによって、感染に気がつかないでいる人は減ったと言えるわけです。

 しかし、裏を返せばまだ77万人、特に55歳以上の年齢層で、自分が感染に気がついていない人がいることがわかっておりまして、この人たちに対する対策も進めていく必要があると考えています。

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 また、患者として入院あるいは通院しているキャリアの数でありますが、これは国の患者調査というのがあります。しかし、これまでも指摘しておりますように、患者調査はその日の調査で複数記載できる標準病名の中から、1つだけについて患者数を推計するという仕組みになっております。さらに、数ヶ月おきにフォローアップをしている患者さんの数は推定から落ちてしまうということになります。

 つまり、1カ月を超えた診療間隔。例えば、3カ月に1度病院に来るという人もこの推定数から外れているということから、患者調査による肝疾患に関しての推計は、かなり少ない数ではないかということを指摘しております。

 そこで、健保組合のレセプトを用いて、検査目的のレセプトなどを外しまして、推計を行っております。

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 これが、患者調査の概要です。

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 これが、患者調査から見た総患者数の推移ですが、ここにICD10の変更がありますけれども、年々減ってきております。平成23年度になりましては、B型、C型はとても少ない数になっております。

 特に、平成23年度の患者調査につきましては特別集計というのが行われておりまして、肝がん、肝硬変につきましてもB型とC型別に記載する仕組みになっておりました。

 そこで、目的外使用申請を行いまして集計したところ、B型の患者さんは6万人、C型の患者さんは、24万人となりました。私は、やはりこれは少ない数と思っておりまして、レセプト解析により推計いたしましたところ、当方の研究班ではB型とC型合わせて約80万人になると推計しております。

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 「治癒」の数でありますが、これは前回もお示ししましたが、公費助成によって医療費助成を受けた人のうち、治癒まで至った人数を、Genotype別に推計しました。

2000年~2007年まで、また、医療費助成を行わないで治癒した人の数も推計しまして、大体20万人~30万人がこの10年間で治癒したのではないかと考えております。

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 また「死亡」の数でありますけれども、これにつきましても人口動態統計、理論疫学的なモデルを用いまして、死亡数を推計いたしました。

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 最終的に、前回お示しした210万~280万人、そのうち感染に気づいてない人は77万人、患者数は80万人、継続的な受診に至っていない人は、少なくとも53万人。それのB型とC型の内訳が、次の表であります。

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2000年時点、キャリア数・患者数の合計は、B型では約130万人、C型が170万人おられましたけれども、10年たちましてB型では110万人、C型で大体100万人ではないかと推計しております。

 継続受診に至っていない人は、B型で27万人、C型で25万人。いずれも30万人弱の方が継続受診に至っていない。まだこれから検査を受けなければならない人数を明らかにしましたので、これに基づいた対策が必要だと考えています。

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 今後はC型に対しては治療がありますので、C型の関連患者数は急速に減っていくものと予測しております。

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 さて、平成23年度に国が行いました「肝炎検査受検状況実態把握事業」であります。これの二次解析を当班のほうで行いまして、これは各自治体に既にお配りしているものです。各自治体の検査あるいは治療の推進の基礎資料となるべく、既に配布しているものですけれども、きょうはその中から幾つか御紹介します。

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 この調査では、国民に対して地域と性別、年代別人口構成比によって、層化の2段抽出を行っております。ウイルス肝炎を知っているかどうか、検査を受けたことがあるか、なぜ受けないのか、ということを聞いたものであります。0.1%の抽出率ですけれども、全国の都道府県で行われたものです。

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 ここで、検査を受けたことがあると回答をした人は、自分が検査を受けたことを認識している人であります。

 一方、非認識受検者というのを設定いたしまして、それは検査を受けたことがないと答えたのですけれども、実は、過去に手術を受けたことがあるあるいは妊娠をした、あるいは献血を行ったと答えた人は、自分は覚えていないけれども、どこかで検査を受けているわけであります。それを非認識受検率としてこの赤い色で示しているものです。

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 これに基づきますと、B型、C型の検査につきまして、全体で認識、非認識を含めますと、国民の大体6割がB型の検査を受けている。C型は、大体5割の人が受けているのではないかということが推定されております。また、女性のほうが男性よりも、受検率は高いということになっています。

 しかし、自分が覚えていないで受けたことになっているのでは、医療機関受診には結びつかないことから、自分が認識している人は17.6%と低率にとどまるということもわかってまいりました。

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 県別にお示ししたのが、この図であります。上がB型の検査の受検率、下がC型の検査の受検率です。黄色は、その県の人が自分は受けたと認識している人の割合で、B型では鳥取県とか、佐賀県とか、鹿児島県というのが、その県の人は認識している受検率が、全国平均より高いということがわかってまいりました。

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 全国を6ブロックに分けまして、ブロックの中で回答者数が多い6県について抽出してお示しします。検査を受けたかどうかということであります。

 北海道につきましては、全国よりも、B型については検査を受けたことがある人がやや多い、男性が多いという傾向であります。

 東京都では、全国平均よりも受検率がやや高いけれども、男性が非常に低いこともわかっております。

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 愛知県では、全国と比べまして、受検率がやや低い傾向。50代、60代が特に低い傾向が見られております。

 大阪では、女性の検査の受検率が、全国平均より低いということがわかっております。

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 広島県につきましては、全国平均よりも、C型についてはやや高く、40歳代もやや高いという傾向があります。

 福岡県については、50歳代が全国平均よりもやや高い受検率であるということが示されたわけです。

 このようなデータがありますので、各県におかれましてはどの年代の、性別の、どういう職業の方の受検率が低いかということを参考に、いろいろな対策を行っていただければいいと思っております。

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 また、多変量解析を行いまして、どういう属性を持っている人が検査を受けた確立が高いかを解析したものであります。ビジーで申しわけありませんけれども、男性よりも女性のほうが高い、医療従事者は高い、共済組合に入っている人の受検率が高いということであります。

 どういう仕組みが受検率を上げるのか、どういう情報を知っている人が受検率を上げるのかというのが一番右のところですけれども、肝炎の症状とか治療についての知識がある、あるいは広報とかチラシを見たことがある人は、検査受検率が高い傾向があるということが、B型につきましてもC型につきましても明らかになっております。

PP

 また、性別と年齢と職業と医療保険の属性は各都道府県によって違いますので、それを全部補正した場合の受検率をマップで示したものです。

 赤が検査を受けた割合が高いところ、紫とか青は低いところでありますので、これらの高い県は、肝炎ウイルス検査の受検率に対して、取り組みがまずうまくいっているところと考えていただければいいと思います。

PP

 最後に、検査受検率を上げるための要因分析を別方法でもう一度行ってみました。

 人口規模の大小、あるいは40歳以上の人口割合、東日本、西日本で違うかどうか、また40歳以上のB型あるいはC型のキャリア率が、受検率に関係しているかどうかという分析を行ったところ、有意な項目は出てきませんでした。

 すなわち、肝炎ウイルスキャリアが高い県でも低い県でも、検査の受検率には関係なく、その県の認識状況で変わってくるということであります。B型につきましてはチラシの配布とか、保健所での無料機関の実施あるいはインターフェロン治療の公費助成などの情報提供があると答える人が多い県では、受検率を上げる。

 C型につきましては、はがきによる受検勧奨を行う、あるいはC型肝炎の症状とか治療の認知率が高いと、同様に肝炎ウイルス検査を受けた人が増えることが明らかになってまいりました。

PP

 このような情報をもとに、検査から最終的な治療、そして健康管理へといく仕組みを整えているところであります。以上について報告をさせていただきました。

 ありがとうございました。

○林会長 どうも、ありがとうございました。

 御質問がございましたら、どうぞ。

 西村さん、どうぞ。

○西村委員 御報告、ありがとうございます。

 田中先生というよりも事務局のほうにお聞きしたいのですけれども、C型肝炎やB型肝炎に感染している人がたくさんいることはよくわかってきているわけですけれども、やはり受検の機会をふやす動機づけというのが大事だと思うのです。

 最近のC型肝炎の啓発用のパンフレット、リーフレットなんかを見ますと、大体20年、30年たって考えなければいけないころになってきますよということが割合出ているのですけれども、ほかの先生方の研究報告、特に日赤の報告によりますと、40歳で感染しても20歳で感染しても、5060に肝がんになっていくというお話がありますので、おすすめをするリーフレットに、50歳、60歳、70歳は肝がんの危険があるから、一遍ウイルス検査を受けましょうという具体的な資料をお示ししたほうが。先ほど、広報が割と役立つというお話もありましたので、そういうことも検討いただけないかということです。

 以上です。

○鈴木肝炎対策推進室長 御意見ありがとうございます。

 そういうことも踏まえて広報活動をやっていきたいと思います。

 この後、広報についての御報告もございますので、それも聞いていただければと思います。

○林会長 ほか、よろしゅうございますか。

 田中先生、どうもありがとうございました。

 続きまして、是永先生によろしくお願いします。

○是永参考人 肝炎・免疫研究センターの是永と言います。

 きょうはこのような機会を与えていただき、どうもありがとうございます。

 私どもの研究は今年度から始まりまして、ちょうど1年たったところなのですが、今取り組んでいる課題、できたこと、今後やろうと思っていることを御紹介させていただければと思いますし、御意見をいただければと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

 また、配付資料と一部、スライドがもう一つ入っていたりするところがあることを最初におわびさせていただければと思います。

では、始めさせていただきます。どうぞ、よろしくお願いします。

32ページのところから始めるのですが、下の段にいっていただいて、我々は先ほど言ったように効率的な肝炎ウイルス検査陽性者フォローアップシステム構築の研究という形で、患者さん、陽性者を拾い上げて、フォローアップして治療舞台に上げていこうということを大きな命題として挙げていますので、患者さんを全て、何とか治療舞台に上げるというのを最初の目標として挙げています。班構成はこのような形で、約50人体制のかなり大きな班でやっております。

 分科会として4つの分科会に分かれていますので、これができた経緯から説明させていただきます。かなり話が重複するところもあると思いますが、そこをお話ししてから班の1つずつの成果というか、研究課題について御説明させていただければと思います。

 これも釈迦に説法かもしれませんけれども、受検率の低さという大きなものがあるだけでなくて、当初、老人保健法に節目検診の課題というのを私たちもやらせていただいたのですが、二次検診先がこのような形で、最初のころは受診の有無の追跡も困難だった時代がありました。

 もちろん、専門医を受診したとしても専門医に行かない人も多く、そこで二次検診を受けたとしても抗ウイルス剤の導入までたどり着かないというのが最初のところです。

 そこに対して、このような形で皆さんの御協力があって、緊急肝炎ウイルス検査事業やインターフェロン助成、情報センター設立という形から、さまざまな対策が行われましたし、もちろんこのような班研究を通じて、何が問題点かということも挙げています。

PP

 これも平成20年から始まって22年になって、専門医受診もある程度ふえ、インターフェロンをするような人たちも、33%とかなりふえた形となっております。

 まだ問題点があるのは受検率と、先ほどからの問題である陽性者が専門医を受診する率もまだまだ不十分ということだと思います。

PP

 これは、田中先生からも先ほどあったように、2005年のデータなのですが、これが5年、10年たつわけですから、HCVの患者さん、B型肝炎の患者さんもそうですけれどもどんどん高齢化しているという大きな課題があります。

 こういう高齢者の患者さんというのは、多分に私どもの考えでは病院にかかっている人がいるので、こういうところから、より専門医を受診させたいというのが、一つの課題になります。

PP

 もちろん、治療薬もどんどん発展していますし、これも課題にあったように飲み薬。短い期間で治せるようになった。高齢者にも優しい治療がどんどんできてくるので、今までインターフェロンでだめだったという人たちをどんどん治療に行けますよということを、私たちが積極的にしていかなければいけないということになります。

PP

 さらに、これも上にあったのですが、こういう検査をして、手術のときに肝炎ウイルスを検査した人たちに正しく説明しなさいというおすすめが出ていますので、我々は病院内にいる患者さんをまず見つけようというのが一番の対策で、2番目の対策は、今まである助成を受けたデータと検診を受けたデータが必ずしも一致しているかどうか。一致していなければ、そこに介入をどんどん進めていくということを進めるのも一つで、3つ目がこのような形で、個人情報という壁についてもクリアしながらフォローアップのシステムを構築する。さらに、職域ドックというのでなかなか肝炎検査を受けない人たちにも肝炎検査を広め、進めていこうという大きな課題をもって立ち向かっていっているという形になります。

 そこで、なるべくどこの地域でもなかなか難しいですけれども、大きなシステムをつくって、どれか使っていただいて、その地域に合った形で広く拡充していければという形で、4つの班をつくりあげた形になります。

PP

 まずは、このような形で病院間で電子カルテを利用したフォローアップシステムについて、御説明いただければと思います。

PP

 これは、岡山大学で実際にやられた、スタートするものなのですが、C型肝炎、B型肝炎の検査で陽性者になった患者さんは、その患者さんが次回受診すると、このような形で受診しなさいと出てまいります。受診しないとこれがいつまでも光っているという形になっていますので、ここを開くと紹介状もしくは患者さんの説明要請も出てくる形になって、大して受診していない人たちにも郵送という形をとっているという形になります。

PP

 そういうカルテは、このA社を使っているところでは、使用できるようになります。

 もちろん、その形でmodifyをすることもできまして、大阪市大ではそこまで面倒くさくされなくてもという形で、陽性だったらカルテを開いた瞬間にこのように受診しなさいよと出てくるという形をとっています。

PP

 皆さん、こんなことで受診しないかと思うかもしれないですけれども、このような形で約10人ぐらい、18人が約2倍とは言いませんけれども、1.5倍受診して、陽性者が肝炎専門医を受診したという形になります。

PP

 さらに、その中でウイルス陽性者、治療対象者は約30%いたということがわかりますので、こういうことを継続していくことで、非専門医で見逃されていた患者さんというのがどんどん治療舞台に上がれるのではないかということで、肝炎情報センターを中枢とする拠点病院のネットワークを利用して、全国でこれを広めてくださいということを言っている形になります。

PP

 今はA社のことなのですけれども、これは拠点病院で使っている電子カルテのメーカーがやっているのですけれども、大きく4つに分かれて、そのうち2つが半分、7割、8割を占めるということになります。

 A社のほうは500ぐらいあるのですけれども、全国の病院でもこの形を広めることに成功しています。どこでも使える形になっていますし、B社もC社のほうも今どんどん進めているので、何とか班研究の間で、全てのところでこういうシステムができる形をつくりたいと思っています。

PP

 次は、この佐賀方式を用いた、江口分担員を中心としたところの目的を説明させていただきたいと思います。

PP

 先ほどは、病院の中の話をしているのですけれども、受検率を上げて、受診させて治療させる。佐賀方式というのはこういう大きなシステムで見ていまして、それぞれで大きな壁があることになります。

 佐賀県では自治体、医療機関全部一緒になって、このような形で赫々たるデータベースを佐賀県で1つ、統一してつくって、疎通をしていく。どこに、どの患者さんがいるということがわかるようなシステムです。

 どこでもできるかはわかりませんけれども、佐賀ではこういう取り組みが成功しているという形になります。

PP

 これを全国展開できないかという形で、4つの県でやっていただいているのですが、医療情報的なアプローチという形でまずやっていただいた。

PP

 佐賀ではこのような形で、郵便番号からこのような、HCV抗体陽性者を。マルが大きいほどその患者さんがいるということがわかるのですが、こことインターフェロン助成を受けた人をこのような形で比べています。

 要するに、青マルと白マルが一致すればよく受けているということになるのですけれども、白マルがあるとこれはまだ受けていないことがわかりますので、こういうところにアプローチをしていく方法でございます。

PP

 これらのことから、佐賀でわかったことというのは、HCV抗体陽性ながら未受診がまだまだいるというのがわかっていますので、さらなる積極的なアプローチを試みている段階です。

PP

 これは、佐賀でないとできないのかという形で、この佐賀分科会という名前をつけているのですが、その中にいる玄田委員は静岡にいるのですが、これも同じような行動をしていただいて、このHCV抗体陽性率と。

PP

 このようなインターフェロン助成数。要するに、赤マルが飛び出しているところは、もしかしたらまだまだ治療舞台に上がれる人がいるのではないかということをやっています。

 1つの県ができることによって、さらなる拡充がどんどんできていく可能性がありますので、ただ広報をしていく、やっていますというよりは効率的にやっていこうというシステムを構築することになります。

PP

 もう一つ、佐賀分科会の大きなテーマというのは、こういう社会学的アプローチということになります。

 先ほどもパンフレット、リーフレットについてありましたが。

PP

 やはり患者さんというのは受診しなさいと言っても、いろいろな悩みがあることがわかっています。分科会ではこのような形でアンケートをとってどこが問題なのか、どういう形をすれば受診しやすくなるのかというのを深層心理からアプローチをして、報告をつくります。

 このような形というのはよくあるパターンでがんになりますよという形です。

PP

 表は「たたけ! 肝炎ウイルス」という形で、こういうことによってC型肝炎を撲滅しようという気になる、佐賀県だけのアンケートなのですけれども、こういうアプローチで受検率をどんどんふやしている。受診率もふやしているということを出していますので、これを各県でどんどん広めていって、その効果を見ようとしているのが佐賀分科会の大きな2つのアプローチということになります。

PP

 次は、この相崎分科会なのですけれども、1年前にこの場でお話をしていただいて、我々の班と一緒になってやっていただいているという形になります。

PP

 前回は、この黒塗りのところの班だったのですけれども、赤塗りの先生方が加わって、相崎先生の方式を、さらに継承しているという形になります。

 彼らの班は、ここに書いてある個人情報に配慮した、よりfollow up systemの構築という形になります。

PP

 既に、この間スライドでお見せしているので2度目になるのですがこのような形で、検査陽性者は自治体が持っているのですが、専門医療機関がここへアクセスすることができない。この間に介入しようという形をとっています。

PP

 これがそれで、自治体と陽性者になった人たちに対して、肝炎ウイルス陽性者にアンケートをとって、同意した患者さんをこちらで肝炎情報センターも含めて、拠点病院、専門医療機関でフォローアップできないかという試みをやっています。

 まだまだ1市でやっていたのですが。

PP

 このような形で、愛媛県、札幌市、宮崎県でもこういうシステムに対して自治体と一緒にやっていこうという試みがなされていますので、来年にはこういう結果というのがまた出てくるかと思っています。

PP

 最後は、職域と個人情報に配慮したシステムという形で、こちらは患者さんに肝炎検査をいかに受けていただきたいかということをテーマにやっています。

PP

 もちろん書いてあるとおりで、事業所というのは産業医がいる大きな事業所もしくは全くいないような事業所というのがありますので、それぞれの問題点をいつものようにアンケート調査を行って問題点を抽出し、よりよい方法を探そうということが大きな目的で、検査を受けたことによって就労支援をやっている渡邉班にお渡しするということが目的なのですが、もう一つは、最近の1つのこの1年間の試みで、今後やっていこうという試みとしては、こういう職域検診という、受託病院と連携できないかという試みをしています。

PP

 具体的には、このグラフを見てわかるように、職域で検診を受けなさいといったときに、もしそこが提携病院なら無料検診を受けていただこう。そうすれば無料検診を受けたデータは自治体が管理しますので、企業の人たちが何も手を触れないで、陽性者のほうに通達できるシステムというのを考えていますし、こういうところにはアピールが要りますので、次に御説明があると思いますけれども「知って、肝炎プロジェクト」と一体になって、私たち1人ではなくて、塊となってこういうPR活動を重ねて、検診率、受検率、受診率というのを上げていただきたいと思っています。

PP

 もちろん、出張検診という試みは各地域で行われていまして、これは下田分担員からのものなのですが、一つのコンビニエンスストアと契約して、その場で受診をやって、人の集まるところでやっていくという形になります。

PP

 こういう形で、2回やるごとにどんどん右肩上がりのように受診率が上がっていくことがわかっていますのでここもいろんな場所、いろんな形を変えてトライしていきたいと思っています。

 まだまだ難しいところはあると思うのですけれども、今のような話が少しあったかもしれませんが、私たちでできるだけでも、1人だけでもHCV抗体陽性者、B型肝炎陽性者の患者さんを治療舞台に上げたいというつもりでやっています。

PP

 今まであげた、この電子カルテについては全国拡充ですし、佐賀分科会というのはこのような形で、インターフェロン助成と抗体検診陽性者の突合もしくはよりよい効率でよりよいリーフレットづくりをやってそういうデータが出ていくことですし、フォローアップシステムを拡充していければいいですし、病院で見つけた陽性者についてのフォローアップについても、今後やっていきたいと思います。

 もう一つは、先ほど挙げたように検診領域のところとタッグを組んで、できるだけ受ける検査をふやしていければと思いますし、最終的には肝炎ウイルス検査を推奨の全国展開と、汎用性が高く、低コストなフォローアップシステムで、長く永続的に陽性者が見つかるシステムを見つけていければと思っています。

 どうも、御清聴ありがとうございました。

○林会長 ありがとうございました。

 御質問は、ございますでしょうか。

 よろしゅうございますか。

○大賀委員 先ほどの田中先生の報告によりますと、感染をしたが受診をしないでいるキャリアは、53118万人と推定されますという、これは。

○田中委員 継続的な受診をしないということです。

○大賀委員 継続的な。

 キャリアが、受診しない例が、全国で随分多いとされていますけれども、そんな中で、今の佐賀方式とかいうような具体的な方式は採用されました。それを行政サイドは、どういうように生かそうとされているのか、そこをお聞きしたいと思います。

○鈴木肝炎対策推進室長 今、いろいろな形というものをトライしているような形でございます。これは先ほどもありましたが、広報などと組み合わせながら効果的に成功事例をつくっていく。そして、そういうものが一般的にできるものができてくれば、自治体で水平展開がスムーズにいくのではないかと考えております。

 ですので、今、もう少しこういった形のトライを多くの自治体で行えるような形の支援をしながら一緒にやっていきたいなと考えています。

○西村委員 田中先生と是永先生の御報告についてお尋ねしたいのですけれども、病院の中で何らかの治療や検査を受ける中で検査をしていて、やったことを気づかない方がたくさんおられるという田中先生の御報告。

 是永先生のほうからは、病院の中で見つけた患者さんへどういうように告知をしていくかというシステムづくりということなのですけれども、私たちの患者会でも昨年あった例ですが、41歳の女性の方で3歳の子供さんを産むときに、B型肝炎のキャリアであるということがわかって、子供さんには、母子感染防止事業できちんと対応しているのですが、お母さんへのフォローが余りうまくいってなかったので、御本人に聞いてみたら何か説明を受けたことはあると言われていたのですが、大きながんが見つかって手術をして大変なことになってから、あのときに何か聞いていたな、というお話程度で終わっているわけですね。

 そういうことで、病院の中で整形外科とかほかの科で見つけられた場合にきちんとどこの病院でも患者さん本人に告知をして、専門医療機関がその病院の中にあれば、それでいいわけですけれども、専門医療機関に結びつけていくことを徹底させていただきたいなと思います。病院数が多いし、なかなか大変だと思うのですが、大阪の医師会のホームページから見ますと、2、3月は、3医療圏で、医師会主催の肝炎の研修会がやられていますし、年間を通したら大体全部の医療圏でやられるようになってきつつありますので、そういうところでもこういうことを簡単なリーフレットか何かでお知らせをして、街なかの開業医の先生や勤務医の先生方に徹底できるように、御努力をお願いしたいと事務局にお願いしておきます。

 以上です。

○林会長 わかりました。どうもありがとうございました。

 3人目でございますけれども、宇都宮参考人にお願いしたいと思います。

○宇都宮参考人 知って、肝炎プロジェクト事務局の宇都宮です。

 日ごろは本プロジェクトの活動に対して、御協力、御支援をいただき、まことにありがとうございます。事務局を代表しまして、御礼申し上げます。

 私は、こういった場の席でのプレゼンテーションになれておりませんので、用意しました原稿を読ませていただくことを御容赦ください。また、お手元に配りました資料とこちらのスライド等に相違がございますことを御容赦ください。

 さて、私から本プロジェクトにて実施いたしました本件の活動について御報告させていただきます。

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 まず初めに「知って、肝炎プロジェクト」の概要について説明いたします。

 「知って、肝炎プロジェクトとは」、一言で言うと、肝炎対策の啓発活動です。

 平成23年5月16日に策定された肝炎対策法を受け、肝炎に関する知識や肝炎ウイルス検査の必要性をわかりやすく伝え、あらゆる国民が肝炎への正しい知識を持ち、早期発見、早期治療に向けてみずから積極的に行動していくことを目的に、肝炎総合対策推進国民運動事業として啓発活動をいたしております。

国民の皆様に、肝炎対策をより身近に感じていただくため「知って、肝炎プロジェクト」という愛称にて、各種啓発活動を展開しております。

PP

 本プロジェクトの大きな特徴としましては、芸能界及びスポーツ界などからボランティアとして御賛同いただいているスペシャルサポーターの皆様を活用した啓発活動です。

 厚生労働省から肝炎総合対策推進国民運動特別参与に任命された歌手、俳優の杉良太郎氏。また、杉特別参与から特別大使として奥様の伍代夏子氏、広報大使として徳光和夫氏。さらに、芸能界からEXILEAKB48。スポーツ界から清水宏保氏、貴乃花光司氏など24組の方々をスペシャルサポーターとして任命していただき、このような皆様に御協力いただきながら広報活動を展開しております。

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 3年目を迎えました「知って、肝炎プロジェクト」ですが、本年度は、全ての国民が一生に一度は検査を受ける必要があるにもかかわらず、認知度がまだまだ低く約半数の国民がまだ受検をしていない現状を鑑みて、特に、肝炎ウイルス検査を促進の訴求に重点を置いた広報活動を実施いたしました。

 ここからは、肝炎ウイルス検査のため行いました各施策を時系列順に、具体的に御紹介させていただきます。

 まず、本年度の啓発活動の皮切りとして、7月28日の世界肝炎デー・日本肝炎デーの時期に合わせて「知って、肝炎」キックオフミーティング2014を7月22日に実施いたしました。

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 これは、ニュース等でのメディア露出を目的としたマスコミ向けの記者会見です。厚生労働大臣、そして先ほどのスペシャルサポーターの中からAKB48の高橋みなみ氏、EXILEHIRO氏など計13組を一堂に集めまして丸ビルホールにて開催いたしました。

PP

 当日の記者会見は、大きく3つの内容で実施いたしました。

 1つ目は、厚生労働大臣から杉良太郎氏に対する特別参与辞令交付、杉良太郎氏に特別参与として2期目の肝炎対策に御協力いただくことをお願いいたしました。

 続いて2つ目は、伍代夏子特別大使、EXILEHIRO氏、AKB48の高橋みなみ氏、石田純一氏、コロッケ氏、清水宏保氏など13組のスペシャルサポーターをステージ上にお呼びし、トークショーなどを通じて肝炎の検査促進を30媒体、63名の記者の方に呼びかけました。

 そして3つ目、杉良太郎特別参与から新たに広報大使に任命された徳光氏は、街頭にて肝炎ウイルス検査に関するパンフレットの配布を行い、街行く方々に直接肝炎検査促進を訴えました。

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 この記者会見によって多くの媒体で報道されました。

 まず、テレビでの報道について御報告いたします。

 テレビでは、ニュース番組及び情報番組にて全国ネットを中心に9番組で放送されました。通常、芸能界スポーツ界の方々が出席されるイベントでは、芸能・スポーツとしての扱いになることが多いのですが、日本テレビ系列のZEROでは、イベントの内容のほか世界肝炎デーや自覚症状がなく早期発見が重要なこと。TBS系列のお昼の情報番組「ひるおび」では、約15分間の肝炎特集が組まれ、肝臓の専門医による詳しい解説が放送されるなど、肝炎はどういう病気なのか肝炎ウイルス検査がいかに重要か、という内容がしっかりと放送され、視聴者に肝炎検査の促進を効果的に訴求いたしました。

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 続いて、新聞メディアです。これらは、肝炎ウイルス検査受検促進の重要なターゲットでもある中高年層が主な読者であるスポーツ紙各紙を中心に、14媒体で報道されました。

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 こちらは、Yahoo!ニュース等のWEB媒体での報道数です。合計301媒体にて当日の模様が掲載されました。現在は、テレビや新聞だけではなく、Yahoo!ニュースなどWEBニュースから情報を入手する方も多いため、重要な広報手段だと考えております。

 このように、記者会見を実施することによって、テレビ、新聞、WEBなどにて肝炎検査の重要性を報道いただき、効率的に多くの方に訴求することができたと考えております。

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 次に、今年度新たに取り入れました各地方の首長への表敬訪問について御説明させていただきます。これは、中央だけでなく各地方自治体の肝炎対策を推進することを目的に実施しており、その第1弾として東京都出身で自身もC型肝炎の感染と克服を公表されている伍代夏子特別大使に出身地の都庁を表敬訪問していただきました。

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 舛添知事への表敬訪問は、8月7日にテレビ、新聞など11媒体、18名の記者の方お呼びして実施いたしました。

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 伍代夏子特別大使から、肝臓をモチーフにしたクッションを舛添知事に手渡しながら、東京都における早期発見や肝炎検査の必要性の広報のほか、検査環境の整備などの協力を依頼し、舛添知事からも取り組みに対し理解をいただきました。

 また、あわせて新宿駅周辺にて、肝炎ウイルス検査に関するパンフレットの配布を実施し、都民の方へ肝炎検査の必要性をアピール。報道との相乗効果を図りました。

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 その結果、テレビでは東京MXの地方局を初め、フジテレビ系のスーパーニュースなど3番組で報道されました。

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 新聞では、地域の情報を掲載する都内版などを中心に計12紙で。

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 インターネットでは、Yahoo!ニュース等動画ニュースを含めて、30媒体で報道されるなど、都民の方に対して改めて肝炎検査を強く促進いたしました。

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 続きまして、こちらも今年度から新たに実施した企業団体に対する広報活動について御紹介させていただきます。先ほど、是永先生からも職員研修の重要性というお話がございましたが、それとも連動している取り組みでございます。

 具体的な施策といたしましては、10月2日に「戦略的健康管理が会社を変える 国内最大級の感染症対策から考える健康管理」と題しまして、企業の経営者や人事、総務の読者が多い日本経済新聞と合同セミナーを開催いたしました。

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 この取り組みを実施した理由ですが、調査によると受検のきっかけで最も多い理由が、職場での定期健康診断や人間ドックであり、さらに未受検の受検をしない理由の上位2つが「きっかけがなかったから」「定期的に受けている健康診断のメニューにない」など、受ける方のきっかけ、受けていない方の妨げ、両方に企業団体の定期健康診断が関与していることから、効果的に肝炎検査を促進できると考え、企業団体、従業員の健康管理を担う経営者、管理職、人事、総務等の管理部門の方々、保険者を対象とした健康経営の視点から考える肝炎対策のセミナーを10月2日に開催いたしました。

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 日本経済新聞の朝夕刊に広告を掲載し、セミナー参加者を募集、432名の応募があり当日は306名に来場いただきました。

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 当日は、健康経営に関する研究の第一人者である東京大学の古井祐司先生による基調講演、杉特別参与の挨拶にて経営者に対する検査の働きかけを。肝炎対策推進室からは、健康診断の場を活用して肝炎ウイルス検査の場をつくり、保健所、委託医療機関で実施している医療検査に社員が行くように後押しをする仕組みづくり等の紹介。

 その後、パネルディスカッションでは、徳光広報大使のコーディネートに、いかに肝炎対策に取り組み、企業を健全な成長に導くかをテーマに活発な意見を交わしました。中でも、特に、杉特別参与と徳光広報大使のかけ合いによるフリートークは、参加者から好評でした。

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 従業員2万人を超える大企業から中小企業まで、多くの経営者、役員、人事、総務担当者など企業における肝炎対策のキーマンが参加されたセミナーです。

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 職場、組合内では肝炎検査を実施していない多くの事業者が、セミナー参加後の取り組みとして「健康診断への肝炎検査導入を検討する」や「従業員・組合員への周知を検討する」と回答するなど、今後、積極的な対応が期待できるほか、セミナーに御参加された企業担当者様には、事務局より戸別訪問や電話での御案内により、サポーター企業への勧誘や従業員への積極的な肝炎対策を要望しております。

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 さらに、当日のセミナーに参加できなかった企業に対しては、当日のセミナーの内容を10月末に約280万部発行の日本経済新聞朝刊全国版に1ページで掲載することにより企業団体における肝炎対策の重要性を訴求するなど、企業団体に向けた肝炎対策の訴求を本格化しており、今後、会社から従業員の肝炎検査の促進が期待できます。

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 昨年度の年末には、スペシャルサポーターであるコロッケ氏の番組出演による広報活動を実施いたしました。

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12月3日にテレビ東京系列12局ネットで放送された「L4YOU!」にて「年末年始は要注意! 今から間に合う肝臓(秘)対策」ということで、忘年会シーズンに合わせて肝臓の特集、特に、NASHに関する解説が行われておりました。

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 スペシャルサポーターのコロッケ氏が出演し、肝がんの原因の8割は、アルコールではなくウイルス性であることを切り口に、「知って、肝炎」プロジェクトの紹介や肝炎ウイルス検査の受検を呼びかけ、視聴者が肝臓に関心を抱く忘年会シーズンという時流をうまく活用しながら肝炎検査を促進しました。

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 こちらは、ちょうど1週間前に実施しました2回目の表敬訪問です。

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 スペシャルサポーターの山本譲二氏が、ふるさとの下関を表敬訪問いたしました。

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 当日は、山本氏から中尾市長へ「思いの力で、肝炎のない社会へ」と題された杉特別参与のメッセージの紹介等が実施され、山本氏からは、ふるさと下関におけるより一層の肝炎対策の推進を市長に依頼しました。市長からは、これまでの取り組みに加えて、今後は、大学生に肝炎ウイルス検査を受けるように呼びかけたり、バスのラッピング広告の実施などでより啓発を進めたいという力強いお話がありました。

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 表敬訪問に関する新聞の報道です。

 地元紙である山口新聞、朝日新聞、毎日新聞、読売新聞の一般紙4紙とスポーツ報知で翌日に記事が掲載されました。

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 こちらは、表敬訪問に関するテレビ、ラジオ、WEBでの報道です。

 テレビでは、山口放送での御紹介とか、あとラジオでもニュースが流れたり、WEBでも幾つか地方でありながらも報道をされております。

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 また、表敬訪問の後、山本氏は山口放送に移動し、夕方の山口県内情報番組でナンバーワンの人気を誇る「熱血テレビ」に生出演され、表敬訪問及び「知って、肝炎」プロジェクトについて語っていただきました。

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 ここからは、インターネットなど、そのほか行いました広報活動について説明させていただきます。

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 インターネットの取り組みを説明する前に皆さんにおかれましては、既に御存じだとは思うのですが、インターネットというものは、今や生活に欠かせないメディアになっておりまして、60歳代の方でも60%が利用している。あと、FACEBOOKTwitterなどでも40歳代でも60.5%などが利用しているという一般的なメディアになっております。

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 このことから、インターネット受け入れの広報も私どもとりました。7月22日のキックオフミーティングの会場にて、大使・スペシャルサポーターの方々による広報動画を撮影いたしました。伍代さん杉さん夫妻、AKB48EXILE、その他スペシャルサポーターの方々の出演により5編の動画をつくりまして、これを厚生労働省のYOUTUBE公式ページのほうに掲載しております。

 メッセージは、【なくそう!肝炎】「知って、肝炎」プロジェクトということで、一生に一度簡易検査を受けてください、原則無料ですとか、大切な家族のためにもぜひ受検をということをこの中でうたっております。こちらは、今までで延べ117万回の再生をしております。今回の「知って、肝炎」プロジェクトの広報活動の大きな原動力になっております。

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 これが、そのスペシャル広報動画の画像です。

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 資料にもついておりますが、こういったチラシをつくりまして、外部リンクのお願い等、より多くの方にこの広報動画を見ていただく広報活動をしております。

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 その他、インターネットの広報活動でも、TwitterとかFACEBOOKでも広報活動をしておりますし、7月28日の日本肝炎デーの前後には、日本で最大の検索サイトであるYahoo!のトップページに肝炎検査促進のメッセージを流しまして、肝炎ウイルスの検査の場所がどこであるかということがわかるような仕掛けの提示をいたしました。

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 あともう一つ、最近の取り組みで先ほども職員研修の話がございましたが、健康診断の結果が職場で配られますと、私もそうなのですけれども、肝機能の数値とか上がった、下がったとかいうことを一喜一憂するという場面がよく見られるのですが、意外とその肝機能検査がオーケーであれば、もう大丈夫だと思っている方が多いのがこの世の中で、私もそうでした。

 つまり、肝機能の検査だけでは肝炎ウイルスの有無がわからないということを多くの方が御存じないということで、これを逆手にとりまして、よく肝機能のGOTとかそういう数値を、これはどういう意味なのだろうと気軽に検索して調べる方がいらっしゃるのですけれども、その際にこういったメッセージを出しまして、それだけで安心してはだめだと。肝機能検査だけでは、肝炎ウイルスに罹患しているかどうかはわかりませんよというメッセージを出して、そういったきっかけを念入りに調べる方に対しても肝炎ウイルス検査の重要性を知らせる広報活動を行っております。

○林会長 済みません、ちょっと時間が。

○宇都宮参考人 済みません、スポーツ新聞でもやっていましたが、これを見ていただければと思います。どうも済みませんでした。

○林会長 ありがとうございました。

 それでは、御質問がございましたらどうぞ。

○武田委員 肝炎の武田です。

 今、いろいろ広報をしていただけるのはありがたいのですけれども、正直なところ私が見ているのは一つもないのです。愛媛県にいるので、都会でしていることは全然わからないのですけれども、インターネットも見ますけれども、余り見たこともなくて。ですので、できれば常に流れるような部分を流してもらえるほうが、よく見ることがあるのではないかなと思っています。すごくお金をかけているようですけれども、私など一度も見たことがないなと思って見ていたのです。ですから、常にこう流れるラジオとかテレビとかにコマーシャルのときに流れるようなほうが、特に、高齢者の人も見るのではないですかね。

 以上です。

○林会長 ありがとうございました。

 ほか、よろしゅうございますか。

 どうもありがとうございました。

○宇都宮参考人 大変貴重な御意見ありがとうございます。

 私ども、広報を正直「知って、肝炎」プロジェクトは、ことしが一番今までに年間を通じての広報活動というものをした初年度ということなので、いろいろ努力をさせていただきますので、今後、貴重な意見として、来年度に向けてこの辺のことを検討していきたいと思います。御期待に応えられるように頑張りたいと思います。

 よろしくお願いします。

○林会長 どうもありがとうございました。

 最後でございまして、清本委員のほうから御発言がございますので、よろしくお願いします。

○清本委員 北海道原告団の清本です。

 私のほうからは、143ページからB型肝炎訴訟の意見陳述書になります。

 中身に関しては、母親からの母子感染なのですけれども、その息子さんが43歳で、がんで亡くなってしまっております。その方は、腰に痛みを抱えまして、整形外科に受診したところヘルニアという診断をされてそれでも改善されないので、もう一度外科に通ってそこでもヘルニアと診断されてしまって、1年後に肝臓がんで亡くなってしまっている。

 ここでは、2回ほどチャンスがあったと思うのですけれども、きちんとそこの整形外科でヘルニアではなく肝炎検査なりの別の受診などをしてもらえればその方は助かった、かなりの自覚症状が出ている段階でどうなのかはわかりませんが、この1年で亡くなるということはなかったと思うのです。

 きょうの田中先生ですとか、広報のことでも触れているところだとは思うのですけれども、それを深く掘り下げるとこのような結果になるというところで、一つに母親など肉親とか強い関係から肝炎検査を勧められてもなかなか受診しないところがありますので、そういった広報の仕方が、いま一歩、二歩進んだものをお願いしたいところと、先ほどの他科受診によって自覚症状があらわれたにもかかわらず、自身が別のところで受診してしまって、医者も間違った判断だと思うのですけれども、してしまうことに対する改善をぜひとも厚労省のほうには強く求めたいと思っております。

 先生方が、研究を一生懸命して治療がすごくできるようになっているのに、治療を受けずに亡くなってしまっている。治療の開発は先生の仕事で、それを受けさせるのは厚労省の仕事だと思うので、これはぜひともよろしくお願いします。

 以上です。

○林会長 ありがとうございました。

 事務局、お答えいただかなくていいですか。

○鈴木肝炎対策推進室長 研究班も研究の先生たちにやらせているだけではなくて、我々でもああいったものでトライしながら、実際に使える形というものを模索しているところでございますので、今いただいた意見も真摯に受けとめまして、しっかりと実行性のある形を実施していきたいなと考えております。

○柿嶋委員 済みません、質問です。

 この意見陳述は、御長男を亡くされたお母様がなさるわけですよね。このお母様は、御自身がウイルスに感染していたことを御存じだったのですか。

○清本委員 知っていました。

 自身も感染しているから、息子にもウイルス検査を受けなさいということは、何度も言っていたのですけれども、受診につながらないというのもあるし、私自身も献血で感染しているのがわかったのですが、ずっとほっておいて、母親から何回も病院に行けと言われたのですが、特に自覚症状がないので行かないのですよ。

○林会長 ほか、よろしゅうございますか。

 これはもう、以前からの問題で肝炎とわかっていてもなかなか治療行動に結びつかない。これはなかなか難しい問題で、今迄、いろいろな対策を講じてきましたけれども、なかなかうまくいかないということで、先ほどコマーシャルでも肝炎の方はといっても、肝炎とわかっていても行かない人が非常におられるのは、これはもう以前からの大きな問題だと思っております。

 よろしゅうございますでしょうか。

 全般を通じて御発言がございましたら。

○大賀委員 前回も、少し厚労省側から出ておりましたけれども、基本指針の見直しなのですが、これは、現在どういうようにロードマップなり、そういったものができつつあるのでしょうか。予定としては、どういうような進め方でされているのでしょうか。

○鈴木肝炎対策推進室長 一応、基本指針の見直しということがございますので、この協議会の場に今までの進捗状況とか、そういったものを次回に何か出させていただいて、その後、見直しというものをさせていただこうかなと考えております。

○大賀委員 そうしますと、次回に試案なりあらかた何か、具体的な案が出るでしょうか。

○鈴木肝炎対策推進室長 一応、まず、この何年間かでやってきた状況というものを皆さんと共有しないと、いきなり試案が出ても、それはなかなか困るのかなと思いますので、まず、そういったところの提示は、最低限させていただこうと考えております。

○大賀委員 それで要望なのですが、この推進協議会の場で論議していくということなのですが、その場合に、例えば今は、この推進協議会が年2回ぐらいで、その頻度をちょっと上げてほしいなという。それは、まだこちら側で討議した意見ではありませんが、私個人としては、中身の濃い意見交換をしたいと思いますし、そういった意味で年2回というペースではどうかなという気がします。

 それは、要望です。

○林会長 最後にもう一人、どうぞ。

○岡田委員 B肝の岡田です。

 B型肝炎の定期接種に関してなのですけれども、先日の1月15日に予防接種ワクチン分科会でB型肝炎ワクチンの定期接種化が承認されましたが、B肝団体として要望を1つ申し上げたいと思います。

 予防接種ワクチン分科会で報告されました小児におけるB型肝炎の水平感染の実態把握とワクチン戦略の再構築に関する研究の結果報告なのですけれども、これは、概要となっておりますので、詳細な報告を早急に出していただきたいと思っております。

 その報告先ですけれども、予防接種ワクチン分科会が適切かと思うのですが、分科会での報告は、今後予定されていないのであれば肝炎対策推進協議会に報告を求めたいと思っております。理由としまして、基本指針「第2 肝炎の予防のための施策に関する事項」に水平感染防止の手段としてB型肝炎ワクチン接種の有効性・安全性に関する情報を踏まえ、当該ワクチンの予防接種のあり方について検討を行うとあります。

 そして、指針の最後に「本指針に定められた取組の状況は、肝炎対策推進協議会に定期的に報告するものとする」と明記されておりますので、ぜひ次回の肝炎対策推進協議会で報告を求めたいと思っております。

○林会長 いかがですか。

○鈴木肝炎対策推進室長 一応、研究班のものにつきましては、研究班が最終的な報告書というものが毎年出ますので、そういったものでなくてもアクセスできるような形にはなると考えております。その上で、今の御要望というところ、いろいろな意味で検討させていただきたいなと思います。

 中身としては、全く外に出ないというものではなくて、誰でも見られる場所に出てくるというものでございますので、まずそれは、お知らせが出たときは差し上げようかなと思います。

○岡田委員 今後、報告をする場を設けられるということは、たしか。

○林会長 報告書は、オープンにされますが、それはどこかの場で議論されるとかそういうことではないですよね。報告書として表に出てしまうということですね。

○鈴木肝炎対策推進室長 私も直接所掌していないので、そういうところがあれなのですが、少なくとも今の報告書については、隠されるものではないので出てくるということを今、御説明を差し上げた次第でございます。

○岡田委員 できれば、その報告を研究された、特に血液センターにおける若年初回献血者という項目を研究された須磨崎先生をぜひ参考人として詳細な報告をお聞きできればなと考えていたのですが。

○林会長 どうぞ。

○鈴木肝炎対策推進室長 一応、今日、拒絶しているのではなくて御要望でちゃんと承ったという形でございますので、そのようなお答えを、今、したまででございます。

○林会長 これは恐らく事務局は、今お答えできないと思いますので、相手のあることですので一応報告書をオープンにされるということで、あとは、事務局で御検討いただければと思います。

 それ以外で。

 これを最後にさせていただきます。

○西村委員 基本指針の見直しに当たりまして、各都道府県、自治体での肝炎対策の取り組み状況の詳細なものをぜひお示しいただきたいなと思います。前回、協議会で私はコーディネイター養成事業について、10自治体ほど出ていないと。その10自治体についてどこなのか、データをお示しいただきたいことのお願いをしていたのですが、全国のそういう状況をオープンにした上で見直し作業をしていただきたいなと思っております。

 よろしくお願いします。

○鈴木肝炎対策推進室長 当然、進捗状況というところでいろいろなことが情報として提供しなければいけないと考えておりますので、そういった中で今の御要望も踏まえていきたいなと考えております。

○林会長 どうもありがとうございます。

 私の不手際で、時間が17時までになっておりますので、これで本日の議事を終わらせていただきます。本日は、本当にどうも御協力ありがとうございました。

 最後に、事務局のほうから。

○鈴木肝炎対策推進室長 手短に、事務的なお話をさせていただきます。

 本日の議事録につきましては、原案ができた段階で各委員の皆様に確認をしていただきます。その上で、厚生労働省のホームページに公表させていただきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

 また、一応次回の協議会でございます。第14回は、6~7月ごろの開催を予定しておりますので、また日程の詳細につきましては、事務局まで調整させていただこうと思っております。

 以上です。

○林会長 本日は、どうもありがとうございました。

 


(了)
<本件に関する問い合わせ先>

健康局疾病対策課肝炎対策推進室

新川智之: 代表電話: 03-5253-1111(内線2948 )

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