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2015年2月24日 薬事・食品衛生審議会 再生医療等製品・生物由来技術部会 議事録

○日時

平成27年2月24日(火)17:00~


○場所

厚生労働省共用第8会議室


○出席者

出席委員(18名)五十音順

荒 川 義 弘、 小 幡 純 子、◎川 西  徹、 ○神 田 忠 仁、
楠 岡 英 雄、 斎 藤   泉、 佐 藤 陽 治、 鈴 木 邦 彦、
谷   憲三朗、 津 田 知 幸、 手 島 玲 子、 中 島 美砂子、
中 村 利 孝、 新 見 伸 吾、 水 口 裕 之、 森 尾 友 宏、
森 川 裕 子、 横 田 恭 子
(注)◎部会長 ○部会長代理

欠席委員(1名)五十音順

俣 野 哲 朗

行政機関出席者

神 田 裕 二 (医薬食品局長)
成 田 昌 稔 (大臣官房審議官)
森   和 彦 (審査管理課長)
磯 部 総一郎 (大臣官房参事官)
矢 守 隆 夫 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構審査センター長)
梅 澤 明 弘 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構副審査センター長)
武 田 康 久 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構 審議役)
 他

○議事

 

○参事官 定刻になりましたので、「薬事・食品衛生審議会再生医療等製品・生物由来技術部会」を開催させていただきます。本日はお忙しい中、お集まりいただきありがとうございます。最初に、薬事・食品衛生審議会の委員の改選が行われまして、この部会についても新しく委員の任命が行われました。つきましては、お手元の名簿、1枚紙ですが、座席表の裏側に委員名簿があります。再任された先生方もおられますが、名簿順に皆様のお名前を御紹介させていただきます。

 本日御出席の荒川義弘委員、小幡純子委員、川西徹委員、神田忠仁委員、楠岡英雄委員、斎藤泉委員、佐藤陽治委員。鈴木邦彦委員は遅れておられます。谷憲三朗委員、津田知幸委員、手島玲子委員、中島美砂子委員、中村利孝委員、新見伸吾委員でございます。俣野哲朗委員は本日御欠席です。水口裕之委員、森尾友宏委員、森川裕子委員。横田恭子委員は遅れておられます。また、大野泰雄委員、岡野栄之委員、五箇公一委員、島田隆委員におかれましては、この改選で御退任されております。

 また、この部会の部会長ですが、改選後の1月26日に開催された薬事分科会において、既に選出が行われております。再生医療等製品・生物由来技術部会については、川西徹委員が部会長に選出されておりますことを御報告させていただきます。

 それでは、大変恐縮ではございますが、川西部会長から就任に当たって、一言御挨拶いただけますでしょうか。

○川西部会長 ただ今御紹介にあずかりました、国立医薬品食品衛生研究所の川西と申します。私はこの部会の前身の生物由来技術部会を合わせて新参者です。その点で、適任かなと最初は思いました。昨日もジェネリックの規制関係の会議に出ましたが、私自身は30年以上、化学薬品からバイオ製品まで今まで経験を積んできましたが、再生医療の方は隣から眺めていたというようなことです。

 正直言ってそのようなところですが、今、国の健康医療戦略、それから今回の薬事法、これは難しい医薬品医療機器等法というか、その改正でも象徴されているように、再生医療に関しては、国のこれからの成長戦略、これは副次的なことだと思いますけれども、国民の医療に更にプラスするという新しい技術として非常に注目されております。それだけに、この部会の役割は非常に重要だと思っております。私は新参者ですが、周りに経験豊富な委員の先生方がたくさんおられますので、御指導を仰ぎながら進めていきたいと思いますので、くれぐれもよろしくお願いいたします。どうもありがとうございます。

○参事官 ありがとうございました。更に、薬事・食品衛生審議会令第7条第5項の規定に基づきまして、部会に属する委員のうちから部会長があらかじめ指名する者が、その職務を代理するとされております。部会長代理については、部会長から御指名いただくことになっております。川西部会長、よろしくお願いしたいと思います。

○川西部会長 私の方からは、引き続き神田先生にお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。よろしいですか。では、神田先生にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

○参事官 それでは、神田先生、部会長代理の席へ移動をお願いします。

 定足数の関係ですが、本日は部会委員19名のうち16名の御出席をいただいておりますので、定足数を満たしていることを御報告いたします。

 次に、事務局から改選後の最初の部会ですので、運営方法等について特に御留意いただきたい事項について説明させていただきます。

○事務局 それでは、留意事項について説明いたします。まず、第1に守秘義務の関係です。国家公務員法第100条において、「職員は、職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後といえども同様とする」と規定されてございます。委員、臨時委員、専門委員は非常勤の国家公務員であり、この規定の適用を受けますので、職務上知り得た秘密について漏らすことのないようお願いいたします。第2に、薬事に関する企業等との関係です。お手元の資料No.10、資料No.11を御覧ください。

○参事官 「薬事分科会規程」と「薬事分科会における確認事項」という資料です。

○事務局 資料No.10の薬事分科会規程の6ページです。上から3分の1ほどの第11条で、(委員、臨時委員及び専門委員)と括弧書きで書いてある所ですが、「委員、臨時委員又は専門委員は、在任中、薬事に関する企業の役員、職員又は当該企業から定期的に報酬を得る顧問等に就任した場合には、辞任しなければならない」という規定があります。審議の中立性、公平性を確保する観点から規定されておりますので、これらに該当する場合、また任期中に該当することとなる場合には、速やかに事務局まで御連絡いただけますようお願いいたします。

 再生医療等製品・生物由来技術部会の審議事項については、資料No.111012ページです。1012ページにかけて表が載せてありますが、この中で「部会審議」や「部会報告」の文字がありますが、「部会審議」の内容については、薬事・食品衛生審議会に諮問が必要な議題であり、本部会において御審議いただきます。また「部会報告」の内容については、諮問は不要な議題であり、本部会において報告させていただきます。「審議・報告なし」のものについては、部会への審議報告はせず、事務局にて処理することとさせていただきます。分科会と書かれている欄に区分ごとに印が付いていますが、○印は審議、△印は報告、▲印は文書配布による報告、×印は審議・報告なしとなっておりまして、基本的にはこれに基づき、本部会で審議した内容を、分科会において審議・報告・文書報告をすることとなります。この部会では、▲印はありません。

 資料No.10の薬事分科会規程の5ページに戻りますが、第7条に(部会の議決)とありますが、「第7条 部会における決定事項のうち、比較的容易なものとして分科会があらかじめ定める事項に該当するものについては、分科会長の同意を得て、当該部会の議決をもって分科会の議決とする。ただし、当該部会において、特に慎重な審議を必要とする事項であるとの決定がなされた場合はこの限りではない」とあります。先ほどの表に記載している事項以外にも、このただし書にあるように部会において特に慎重な審議を必要とする事項であると決定された場合には、分科会において審議をすることとなります。この規定を御承知の上、御審議いただきますようお願いいたします。運営方法について特に御留意いただきたい点は以上です。

○参事官 続いて、本日の議題の公開・非公開の取扱いについて御説明いたします。本日お配りしている資料の「議事次第」を御覧ください。1が開会から始まり、2の公開案件と非公開案件とあり、公開案件の議題1~3、非公開案件の議題1~3となります。非公開案件については、企業に関する情報がありますので非公開とさせていただきたいと思います。

 これより議事に入ります。傍聴の方のカメラ撮りはここまでとさせていただきます。それでは、以後の進行について、川西部会長にお願いしたいと思います。

○川西部会長 まず、事務局から公開審議の案件に関する配布資料の確認を行ってください。

○事務局 公開案件に関する配布資料の確認をいたします。本日は席上に議事次第、座席表、当部会の委員の名簿を配布しております。公開案件に関する配布資料として、議事次第に記載されている資料No.1~3までをあらかじめお送りしております。このほか当日配布資料として先ほど御紹介した資料No.10、資料No.11、それぞれ薬事分科会規程と薬事分科会における確認事項を加えて、参考資料1~3を配布しております。資料の過不足等がありましたら事務局までお申し付けください。

○川西部会長 それでは議題に入ります。公開案件のうちの報告事項です。事務局から資料の説明をお願いします。

○事務局 公開案件議題1、「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律の運用について」、御説明いたします。

 参考資料2を御確認ください。制度の概要を御紹介します。カルタヘナ法の概要についてです。この法律は、「目的」と一番上にありますが、目的は、国際的に協力して生物の多様性の確保を図るため、遺伝子組換え生物等の使用等の規制に関する措置を講ずるということです。この法律による規制の概要について御紹介いたします。上から三つ目の四角です。

 遺伝子組換え生物等の使用等に係る措置、一番大きい四角の所です。まずこの法律において、遺伝子組換え生物等の使用の仕方が二つに分かれています。「第一種使用等」、「第二種使用等」の2種類に分かれます。「第一種使用等」の方は、環境中への拡散防止措置を執らずに行う使用等とされており、これは開放系での使用となります。開放系で使用する場合においては、その右に具体的な措置の内容を記載しております。まず使用者が第一種使用規程、これは使用の仕方を定めたものですが、それと生物多様性影響評価書、これは遺伝子組換え生物を使用することによる環境への影響を評価したものです。この二つの書類を作成し、厚生労働大臣及び環境大臣に申請することとされております。この内容について両大臣が学識経験者への意見聴取、また必要に応じてパブコメを実施した上で、第一種使用規程の内容を承認するといった手続が必要とされております。

 続いて、「第二種使用等」については環境中への拡散防止措置を執って行う使用等とされており、これは工場や実験室などにおいて閉鎖系で使用する場合を想定しております。「第二種使用等」においては、対象となる品目をリスクに応じて四つに区分しています。左の枠ですが、上からGILSP、カテゴリー1、カテゴリー2、カテゴリー3の四つの分類に分かれます。一番上がリスクが最も低いもので、下にいくに連れてリスクが高いものとなっております。これらの品目について第二種使用等をする場合、その手続の方法を右下に書いています。告示指定されていない品目という枠囲みですが、基本的には使用者が品目ごとに厚生労働大臣に申請し、執るべき拡散防止措置の内容について確認を受けるといった手続が必要とされております。基本的にはこのような手続が必要ですが、この上に告示指定されている品目という枠がありますが、四つに分類された区分のうち、一番リスクの低いGILSPのうちの更に一部については、品目をリストとして告示指定しております。このリストとして告示指定されたものについては、個別の厚生労働大臣の確認は必要なく、省令で定められた拡散防止措置を、使用する方が自主的に執ることによって、個別の品目の確認は不要とされております。このような制度の概要となっております。

 続いて、議題の説明をさせていただきます。資料No.1を御覧ください。法律の運用についてです。この法律の運用の内容について改善するための御提案を2点させていただきます。第一種、第二種のそれぞれについてさせていただきます。

 2ページの第一種について説明いたします。「治験における第一種使用規程の承認に関する運用について」です。まず背景ですが、先ほど御説明させていただいたものとかぶりますが、遺伝子治療用製品の治験については、遺伝子組換え生物等を用いる場合、カルタヘナ法の規制の対象となるため、治験に先立ち先ほど御紹介したような申請等の手続が必要とされています。これに対して、近年の遺伝子治療分野の研究開発の進展に伴い、医療分野のカルタヘナ法上の規制について、手続の簡素化等の規制緩和に関する要望がアカデミアや産業界からされております。それに対して、これまでの使用実態や科学的知見を踏まえて運用の在り方を見直したいと考えております。

 具体的な検討内容について2番以降を御覧ください。一つ目、()第一種使用規程の柔軟な記載です。具体的には、事務連絡、QA、ガイドライン等を発出することで対応したいと思っておりますが、内容について御説明いたします。一つ目の○です。第一種使用規程では、これまで、個室管理の期間等については、明示的に記載してきたとあります。第一種使用規程の中で、患者さんからウイルスの排出がされている期間については、その患者さんを個室内で管理するという規定が通常なされます。この「例」に書いてありますが、例えば「投与後72時間、被験者を個室内で管理する」といった規定が第一種使用規程の中でなされることが多くあります。このため、例え患者さんへの投与経験がその後蓄積して、患者からのウイルス排出がないということが確認された場合であっても、この規定を具体的に記載しているために、1度規定した期間は個室管理を続ける必要がありました。

 これに対して、患者の個室管理の期間については、患者への投与経験に応じて変更するべきものであると考えられます。したがって、得られたデータに基づいて、再度の変更申請をすることなく、変更できるように記載してはどうかと考えております。「例」にあるように、「必要な期間、被験者を個室内で管理する」といった記載にすることで、この期間を柔軟に運用できるのではないかと考えております。この場合、詳細な記載については、第一種使用規程や生物多様性影響評価書に、別途、記載することとしてはどうかと考えております。例えば、「少なくとも○人目の被験者までは投与後72時間、個室内で管理する。○人目までの被験者のウイルス検査結果から、ウイルス排出が無いことが確認された場合は、個室管理の期間を24時間とする。その後必要に応じて適宜個室管理期間を設定できる」などという、こういった記載をすることで柔軟に運用ができないかと考えております。なお、この考え方についてはICH、これは医薬品に関する日米欧州の3極の枠組みですが、「ICHによる見解 ウイルスとベクターの排出に関する基本的な考え方」がありますが、この見解の中でも同様の考え方が示されているところです。なお、この考え方についても、同様にガイドラインとして発出させていただく予定です。これが1点目の内容です。

 2点目については3ページを御覧ください。こちらはPMDAにおける相談制度の在り方に関する報告事項です。「薬事戦略相談、治験相談でカルタヘナを含むことを明確化」と書いてあります。PMDAの薬事戦略相談、治験相談においては、カルタヘナ法に関する相談は、基本的には含まない運用とされておりました。ただ、実質的にはその内容が薬事に係るものであれば受けていたという状況ですが、形式上、カルタヘナ法に関するものは含まない。明確化されていないという状況になっていました。

 これに対してPMDAが実施する薬事戦略相談や治験相談においても、カルタヘナ法による生物多様性に関する審査・相談を同時に実施できることを明確化してはどうかと。それによって、手続の重複の回避による審査の迅速化を図ってはどうかと考えております。以上が2点目になります。ここまでが、第一種使用規程の内容となります。

○川西部会長 ここまでの二つの報告事項ですが、委員の先生方から御質問、御意見はありますでしょうか。

○小幡委員 基本的には、過剰な規制ということは好ましくないと思いますので、できるだけ適切にしていくという、手続の簡素化の方向はよろしいかと思います。ただ、条約との関係がありますので、我が国が、条約に照らしてきちんとやっているということは担保しておかなければいけないとも思います。

 質問ですが、申請で承認するところの第一種使用規程の四つ目の○の細かな、「少なくとも○人目の被験者までは投与後」というところは、それぞれのものに応じて申請され、承認されるという理解でよろしいですか。そういうことなのですか。

○事務局 はい。個別の品目ごとにこの文言、文章の内容も、この部会において御検討いただいて承認するという流れになります。

○小幡委員 結局、ICHの見解は世界的な大体の趨勢としては、ここにあるように十分なデータが初期の臨床試験において得られれば、更なる排出試験の省略は可能であるという、そこなのですね。それを表現するところが詳細な使用規程だと思いますので、そうすると、それぞれのものを申請が係っている事柄に応じて実際上は審査していただき、これでよいということであれば、より簡素化できる場合があるというような理解でよろしいですか。

○参事官 はい。

○小幡委員 これを具体化するということで審査していただければと思います。

○参事官 ありがとうございます。

○川西部会長 ありがとうございます。それ以外に御質問、あるいはコメントはありますでしょうか。それでは、報告いただいた事項については、御確認いただいたということにいたします。

 続いて、議題の2番目に入ります。事務局から資料の説明をお願いします。

○事務局 議題1の前半部分の説明の途中でしたので、次は後半部分を続けて説明いたします。資料No.1の4ページです。先ほどは第一種使用等に関する運用でしたが、今度は第二種使用等です。「医薬品分野における第二種使用等の拡散防止措置の確認の運用について」です。背景ですが、遺伝子組換え技術を応用した医薬品等の製造については、工場内等の閉鎖系において行う場合、カルタヘナ法上の第二種使用等として取り扱われ、製造に先立って申請等の手続が必要とされておりました。近年の遺伝子組換え技術の発展に伴い、多種多様な製品の創出に対応するため、産業界等から、第二種使用等の拡散防止措置の確認に係る手続について規制緩和の要望がされています。これに対して、これまでの使用実態と科学的知見を踏まえて、規制の在り方を検討させていただきたいと思っております。

 検討内容です。一つ目は、「第二種使用等の確認の結果の受入れ」と書いてあります。まず、背景に当たる部分、一つ目の○です。第二種使用等については、対象となる品目の生産や流通を所管する大臣が所管することとなっております。具体例として、医薬品については生産や流通を所管する厚生労働大臣が所管しておりますが、化学試薬のようなものについては、経済産業大臣が所管することとされております。化学試薬については、同一の製造所で製造されたものが、用途を転用して、医薬品などに使用される場合があります。この場合、所管大臣の変更を伴うため、これまでは転用に際して再度、カルタヘナ法に基づく拡散防止措置の確認を受ける必要がありました。これに対して、審査が重複しているのではないかという意見がありました。そこで、遺伝子組換え生物等及び拡散防止措置の内容に変更がない場合であって、その利用目的のみが変わる場合、目的が化学試薬ではなくて医薬品に変わるという場合は、他省の大臣による確認を受けていることを持って、厚生労働大臣による新たな確認は不要としてはどうかということを御提案させていただきます。

 なお、医薬品等への転用として主に想定されるのは、経済産業大臣の確認を受けた試薬等ですが、経済産業大臣の確認の手続においては、製品のリスクや審査実績等に応じて、学識経験者等から構成される産業構造審議会製造産業分科会バイオ小委員会又は独立行政法人製品評価技術基盤機構において、十分な審議・審査等がされているというように伺っております。これについては、厚生労働大臣の確認の手続と比べて十分な審査がなされていると考えております。

 また、2点目は「GILSP告示の受入れ」ですが、GILSP告示は先ほどの参考資料2で御紹介した個別の確認が不要となるリストについてのことを指しているものです。このGILSP遺伝子組換え微生物として厚生労働大臣が定めるものについては、個別の品目に係る大臣確認は不要となり、使用者が自主的に基準に定められた拡散防止措置を執ることとされております。二つ目の○です。このGILSP告示については、現在、経済産業大臣の告示は厚生労働大臣等の告示を受け入れることとなっておりますが、一方、厚生労働省の告示では経済産業大臣等の告示の内容を受け入れないこととなっております。したがって、経済産業省における第二種使用等の拡散防止措置の確認の状況や、これまでの確認の実績の蓄積等を踏まえて、今後は、厚生労働省においても、経済産業省等のGILSP告示の内容を受け入れることとしてはどうかと考えております。また加えて、その際、経済産業省の告示では、告示の内容の書き方ですが、宿主の種類ごとに発現産物等を限定しないような形となっており、厚生労働省の告示においても、同様の形式としてはどうかと考えております。具体的な改正の内容については、資料No.2、議題2の方で説明いたします。

 これに対して、ただし書を※で書いていますが、事前の審査等において、具体的に安全性が懸念されるような宿主・発現産物の組合せがある場合には、もちろんそれについては告示の対象から除外するといった対応は執るべきではないかと考えております。以上です。

○川西部会長 失礼しました。まだ資料1の後半の報告でした。ここまでで、委員の先生方いかがでしょうか。何か質問、コメントはありますか。

○小幡委員 行政の所管が違うことによって効率性が阻害されているという状況はよくないと思いますので、基本的にはよろしいかと思います。告示のやり方を、今まで厚労省がやっていた告示のやり方ではなく経済産業省の告示のやり方にするということですが、技術的な話は分かりませんので、それで問題ないのであればよいのですが、今まで厚労省がそうでないやり方を執っていた意味についてですが、そこを今度変えるわけですが、それについては問題がないということでよいのかという確認です。

○川西部会長 いかがでしょうか。

○事務局 事務局から回答いたします。基本的には最初にこの告示を制定するときには、どういったリスクが生じるか全く分からないという状況だったため、なるべくその範囲を狭めて、1度この部会で審議いただいた内容に近いところを指定していくという考え方で告示の構成を取っておりました。ただ、この告示ができてからの10年間の運用を通じ、実際にそこまで狭める必要はないのではないかという意見と、広げた形で運用している経済産業省の方の運用状況を伺ったところにおいても、特段の問題が生じていないということを確認させていただいて、今般、厚生労働省においても変更してはどうかと提案させていただいております。

○小幡委員 10年を経て経験を積んだ結果、これでもよいのではないかということになったということですね。了解いたしました。

○川西部会長 当初、厚労省側は安全側を強く取ったということになろうかと思います。ほかに何かありますか。

○佐藤委員 基本的にはこの形でいいと思いますが、もともとカルタヘナ法の目的というのが生物の多様性の確保にありますので、5ページの※の所に「安全性が懸念される場合は」と書いてありますが、これだけでいいのかということがちょっと疑問なのですね。事前の審査等により安全性と生物多様性の確保が懸念されるとか何とか、その文言の在り方が、ちょっと工夫が要るかもしれないという印象があります。

○川西部会長 いかがでしょうか。

○事務局 御指摘ありがとうございます。御指摘のとおり、安全性のみならず、生物多様性についても、特段の懸念がある場合には告示に収載しないといった措置が必要と考えております。この資料については、今回の部会に使用する資料ということでしたので、告示の文章の訂正は必要と考えておりますし、今後、何か資料を使う機会がある場合は、修正した上で使用させていただければと考えております。

○川西部会長 いかがですか。

○楠岡委員 一つ前の「治験における」のところで、治験における第一種使用規程の承認という話になっていますが、治験ではなく、医師主導臨床試験で行う場合は同じ扱いになると考えてよろしいのでしょうか。

○参事官 医師主導治験の方でしょうか。

○楠岡委員 治験ではなくて。

○参事官 臨床研究の方ですか。

○楠岡委員 はい、臨床研究で行う場合です。

○参事官 臨床研究の方は別途、厚生科学審議会で見ておりますので、そちらの方の扱いになります。そちらの方でも、通常の臨床研究をやられて、それからまた治験にくると、厚生科学審議会に係り、また薬事・食品衛生審議会に係るというプロセスを経てくるのですが、こういう改正をしているのは、担当している厚生科学課の方とも話をよくしておりますので、今回、こういうことが認められれば、また厚生科学審議会の方の取扱いについても議論がなされると思っております。

○小幡委員 先ほどの第二種の方の告示の件ですが、※のただし書の所ですが、結局、これは組合せによって危ない場合には、そもそも経産省の告示のやり方は、限定しないでも宿主の種類だけを書くので、それは告示から除外するということが書いてあるわけですね。そうすると、今の厚労省の告示のやり方はそうではなく、技術的なことは分かりませんが、今度は、そういう可能性がある場合は、告示そのものから除外するというやり方に変わってしまうということなのですか。

○事務局 現在においても、具体的な懸念がある場合には、その部分部分で除くというような書き方をさせていただいております。そのやり方は今後も踏襲していくものと考えております。

○小幡委員 限定を加えることがあり得るということですが、この除外というのは。

○事務局 そういう趣旨でございます。

○小幡委員 はい、分かりました。

○川西部会長 次の議題ともリンクしている話かと思いますので、資料No.2を見ていただいて、また何か、このままではまずいということであればその時にコメントを頂ければと思います。取りあえずは御確認いただいたということにいたします。

 では、議題2、資料No.2の説明をお願いします。

○事務局 議題2、資料No.2を御覧ください。「遺伝子組換え生物等の第二種使用等のうち産業上の使用等に当たって執るべき拡散防止措置等を定める省令別表第一号の規定に基づき厚生労働大臣が定めるGILSP遺伝子組換え微生物の一部改正について」です。

 背景です。少し文章が長くなっておりますが、GILSP遺伝子組換え微生物について、この中で定められた遺伝子組換え微生物については、別添1に構成が書いてありますが、その使用等をする間、「遺伝子組換え生物等の第二種使用等のうち産業上の使用等に当たって執るべき拡散防止措置を定める省令」別表第一号に定められた拡散防止措置、別添2に記載してありますが、これを執ればよく、カルタヘナ法第13条第1項に規定される厚生労働大臣の確認を要しないこととされております。一方、GILSP告示に定められていない遺伝子組換え微生物については、第二種使用等をする間、あらかじめ主務大臣の確認を個別に受けた拡散防止措置を執らなければならないこととされております。今般、このリストの内容を改正したいと考えております。

 改正の内容を2番目に掲載しております。これまでの使用実態と科学的知見を踏まえ、次に掲げる改正を行うものとする。具体的な改正内容は、別添4に新旧対照表として記載しております。

 一つ目のポツですが、経済産業大臣等の定めるGILSP告示の内容を受け入れる。別添4の6ページを御覧ください。赤字部分が今回の変更部分です。左側が改正案、右側が現行の内容です。7ページの一番上の赤字の文章を御確認ください。この文章が、今回新設を検討している文章です。内容ですが、「遺伝子組換え生物等の第二種使用等のうち産業上の使用等に当たって執るべき拡散防止措置を定める省令別表一号の規定に基づき財務大臣、農林水産大臣、経済産業大臣又は環境大臣が定めるGILSP遺伝子組換え微生物」という規定を新設しようと思っております。現在、この告示が定められているものは経済産業大臣によるもののみですが、この規定によって、経済産業大臣が定めたものについても厚生労働大臣のGILSP告示に含まれるという形に改正したいと考えております。

 資料No.2の最初のページに戻ります。二つ目ですが、挿入DNAについては、これまでは宿主ごとに使用できるものが限定されておりましたが、宿主に関わらず使用できるようにGILSP告示の構成を改正するものです。別添3で図示しております。

 5ページを御覧ください。改正前の告示の構成を上に図示しております。改正前は別表第1~第3の三つの表から成っていました。別表第1には宿主・ベクター系、別表第2は挿入DNA(発現産物)、別表第3には選択マーカーを記載しておりました。この告示のGILSPとして認められる組合せですが、別表第1と第2は宿主に応じて()()の九つの表に分かれていました。例えば、大腸菌であれば別表第1()、他の宿主なら第2()()となっていますが、それぞれの宿主に対して別表第2の挿入DNAとして用いることのできるものが限定されておりました。別表第2も()()に分かれていましたが、別表第1の宿主に使えるものは別表第2()の挿入DNAのみとなっており、別表第1()の宿主に対して別表第2()の宿主は使うことができない状態になっておりました。別表第3の選択マーカーは、どの宿主についても使うことができる状況になっておりました。

 これに対して、改正後の構成を下に図示しております。改正後は、別表第2の宿主ごとの分類をなくし、別表第2を全て一つの表にしようと考えております。また、一つの表にするに当たって、選択マーカーと挿入DNAは、DNAが挿入されるという点では同じであることから、選択マーカーを挿入DNA、別表第2の中に含むこととする予定です。改正後は、別表第1の宿主・ベクター系については()()に分類されてはいますが、組み合わせることができる挿入DNAは宿主によらず、全てのDNAを使うことができるという構成にしようと考えております。

 1ページに戻って、改正の内容の三つ目です。その他の改正内容ですが、宿主についてはこれまで株を限定してリストに掲載しておりましたが、具体的に有害性が懸念される株が想定される場合を除き、株を限定しないこととします。四つ目の点ですが、挿入DNAについては、リスト掲載の際に発現産物の一部のみの使用実績がある場合、リストの掲載も「~の一部」として記載しておりましたが、具体的に有害性が懸念される場合を除き、「~の一部」という表現をなくし、全て遺伝子全体の表現としてはどうかと考えております。そのほか、名称の整備等必要な記載整備を行う予定です。

 この改正について今後の予定ですが、この部会で御了承いただき、パブリックコメント等の諸手続を実施した後、告示の改正手続をさせていただきたいと考えております。以上です。

○川西部会長 ただ今の資料No.2の説明について、委員の先生方から御質問あるいはコメントはありますか。

○小幡委員 大体理解しました。多少リスクがあると思われる場合には限定をすると。その限定をするというのは、こういう組合せはいけないということを書くのですかね。あるいは、これであれば良いと。

○事務局 例えば、資料No.2の13ページに「OmpTプロテアーゼ」と書いてある項目があります。この中では、(97番目のアスパラギン酸残基をメチオニン残基に置換したもの)という限定をされております。こういった限定をすることで、具体的に何かある場合には除くという対応ができればと考えております。

○森川委員 この形だと、このリストに挙がっているものに関してはインサート側と宿主・ベクター系はいかように組み合わせてもいいことになると思いますが、当然これに次々とまた申請が上がってきて、それを認定していくことになろうかと思います。その場合に、これらの全てのリストを見て判断していかなければいけなくなって、この宿主とこのDNAの組合せはどうかというのは空想でしかないような感じで判定していくことが多々あり得そうな気がするのです。

○事務局 個別の宿主とベクターの組合せについてですが、基本的には一度個別に申請がされたものについて、告示に収載する手続を取ることとしております。最初の個別の品目の際に、有害性等については確認していくものと考えております。

○森川委員 それは、宿主が変わった場合に有害性がないという保証がされるわけですね。ここに載っている宿主の場合は。この宿主に関して、この遺伝子の方が病原性があるかないかといった情報がないような場合があり得ませんか。具体的なことですが、とあるウイルスの遺伝子があって、それは大腸菌ではいいけれど、酵母は駄目だといった場合はあり得るわけですね。それは、そういうものが出てきたらその都度省いていくということだと思いますが、早い者勝ち的な、リストに載っている方は保存して、後付けの方はこのリストに入れないことになるわけですね。

○参事官 どうしてもGILSPの告示の部分なので、一番病原性がないということでやりますから。

○森川委員 汎用性などを考えると、ここに一回載せたけれど、それは後でまた削除というシステムを取られる可能性はあるのですか。これは駄目にしましょうということはあり得るのですか。

○事務局 新たな知見が得られた場合には告示を改正して、そのものを除くという対応は取るべきと考えております。

○森川委員 その方が安全な感じがします。

○参事官 もともとの発想は、経済産業省のやり方で10年間やってきて、特に問題は起こっていないということで、用途によってやり方をいろいろ変えていくのはどうかということから今回の検討を始めて、こういうやり方でも問題ないだろうということですが、先ほど申し上げたように、安全性の問題や生物多様性の問題で懸念されるものは除くこともしますし、またいろいろ知見が出てきて、これは違うのではないかというものについては、告示の改正の作業をしていくということだと理解しております。

○小幡委員 これはカルタヘナの関係の告示だけですね。

○参事官 おっしゃるとおりです。

○小幡委員 もう1点は、1回告示に載せて、様々な状況、知見がありますので、万一の場合、それを速やかに改正することを常に心掛けるということでやっているわけですか。

○参事官 当然、遺伝子治療医薬品であれば薬事法の規制も受けますので、ヒトで問題が起こったら薬事法で措置も取れますので、カルタヘナでも取り入れるということだと理解しております。

○川西部会長 これも経産省で10年間の実績の中で、少なくともカルタヘナに関しては特段問題がなかったようだということで、そちらに合わせてみると。安全性等々の問題は、別途個別の例に応じて対応していくということですね。

○参事官 はい。

○川西部会長 それ以外に何かコメント、質問等はありますか。

 それでは、資料2についても、先ほど御確認いただいたようなことは、プラスアルファとして議事録に記録しておくとして、そういう条件の中で御確認いただいたことにさせていただきます。

 続いて、議題3について事務局から説明をお願いします。

○事務局 議題3、資料No.3「再生医療等製品・生物由来技術部会における審議参加に関する考え方について」を御覧ください。

 背景です。部会審議においては、審議の公平性と透明性の確保が重要です。大学や研究機関からの申請に関しては、例えば、厚生労働科学研究費補助金に基づく研究の評価等においては、通常、評価に当たる委員は、自らが現在所属している機関に所属している者の申請課題については、評価しないものとされております。参考に、評価の指針をこちらに記載しております。

 その下の○ですが、本部会においては薬事分科会の他の会議と異なり、カルタヘナ法に基づく審議において、大学や研究機関からの申請を審議する機会があります。遺伝子治療用製品の開発促進等の取組により、今後そのような機会がますます増えることが予想されていることから、委員の所属機関と申請機関が同一である場合の審議参加に関する考え方を整理したいと考えております。

 具体的には、今後の対応として、本部会においては、今後カルタヘナ法に基づく審議については、委員は自らが現在所属している機関(大学、研究所等)に所属している者の申請議題については、議決に参加できないこととしてはどうかと考えております。以上です。

○川西部会長 それでは、委員の方々から御質問、御意見はありますか。よろしいですか。大学や研究所というのは、大学の研究所なのか大学なのか。例えば東京大学であれば、学部とか医科学研究所であろうと参加できないという考え方ですね。

○参事官 基本的には大学単位ということです。ただ、議決に参加できないということですので、退席していただくことまでは考えていないということです。こういったことも、非常に類似しているのは、研究費の審査が一番近しいだろうと思っており、厚労省でも厚労科研費の審査の委員会がありますので、その委員会の状況もよくお聞きして、こういう運用をしているということなので、同じ扱いをさせていただいたらどうかということで、今回の御提案をさせていただいたということです。

○川西部会長 議決だということです。ほかにいかがですか。

○谷委員 各論ですが、非常勤講師等のポジションはどうなるのでしょうか。

○参事官 他の審議会の運用ももう一度確認して、その取扱いも明確にしたいと思います。

○川西部会長 その点は確認いただくことにして、それ以外は特にありませんか。それでは、事務局で確認いただくことは確認いただくこととして、資料No.3については御確認いただいたものとします。

 以降の議題に関しては非公開とします。傍聴の皆様には御退席いただきますようにお願いいたします。

 それでは、非公開案件の議題の審議に入ります。事務局から、非公開案件に関する配布資料の確認と競合品目・競合企業リストについて報告をお願いします。

○事務局 資料の確認をいたします。非公開案件に関する配布資料として、議事次第に記載されている資料4から資料No.7まで、あらかじめお送りしているものがあります。このほかに当日配布資料として、資料No.8「専門委員リスト」、資料No.9「競合品目・競合企業リスト」を配布しております。資料に不足等がありましたら、事務局までお申し出ください。

 また、追加の資料が2点ほどあります。資料No.4の追加資料、「希少疾病用再生医療等製品指定申請書参考資料一覧」と、資料No.5の追加資料、「事前審査結果通知書」ということで、一番上のカラムに「ヒトREIC/Dkk-3タンパク質を発現する非増殖性遺伝子組換え5型ヒトアデノウイルス」と書いてあるものです。

○参事官 資料4と資料5ですが、お送りしたものに不備があって、資料4の関係は、参考資料一覧が付いていなかったということで、本日追加でお配りしております。資料5については、審査結果通知書が一部切れていたので、差換えをさせていただきました。大変申し訳ございません。

○川西部会長 資料はおそろいでしょうか。

 それでは、続けて説明をお願いします。

○事務局 続きまして、本日の審議事項に関する競合品目・競合企業リストについて御報告します。

 資料No.9を御覧ください。1ページ、EYE-01Mです。本申請品目は、患者自身の細胞を採取して培養する製品で、競合品目はなしとしております。

 2ページ、Ad5-SGE-REIC/Dkk-3ですが、本申請品目は悪性胸膜中皮腫を予定効能・効果とする遺伝子治療用製品で、競合品目はアリムタ注射用、ランダ注、シスプラチン点滴静注10mg「マルコ」としております。

 3ページ、同じくAd5-SGE-REIC/Dkk-3で、競合品目はアリムタ注射用、ランダ注、シスプラチン点滴静注10mg「マルコ」としております。

 各委員からの申出状況について御報告します。議題1、EYE-01Mについては、退室委員なし、議決に参加しない委員もいらっしゃいません。議題2、Ad5-SGE-REIC/Dkk-3については、退室委員は水口委員です。議決に参加しない委員はいらっしゃいません。議題3、同じくAd5-SGE-REIC/Dkk-3ですが、退室委員なし、議決に参加しない委員もいらっしゃいません。以上です。

○川西部会長 議題に入ります。まず、非公開案件の審議事項議題1に入ります。議題1の説明を事務局からお願いします。

○事務局 資料4を御覧ください。資料4の1枚目に諮問書が付いておりますが、再生医療等製品EYE-01Mを、希少疾病用再生医療等製品として指定することの可否について、オーファン指定の可否について御審議いただきたいというものです。資料4の1枚目をめくると、「希少疾病用再生医療等製品概要」とあります。これは名称がEYE-01Mというもので、患者自身から角膜の組織を採取し、分離した細胞を培養し、シート状に形成し、患者自身にまた戻して使用する角膜上皮になります。予定される効能・効果については二つ目のカラムです。角膜上皮幹細胞疲弊症に使うものです。申請者は、株式会社ジャパン・ティッシュ・エンジニアリングです。

 一体どういう製品なのかを見ていただきます。後ろの方に緑色の紙が何枚か挟まっていて、タグが入っています。添付資料一覧、添付資料1、添付資料2、添付資料3、添付資料4とタグがありますが、添付資料3のタグの中の11ページをお開きください。上に眼の絵があり、そこから横に図が展開しているものがあります。これは、医療機関で採取された、角膜輪部組織から角膜上皮細胞を分離し、フィーダー細胞と合わせて培養していくことにより、本品を作製するものです。

 左の方から説明していきます。眼の角膜輪部組織、これは黒目と白目の境の黒目側から細胞を採ってきます。これを、酵素処理を行って単離細胞を作ります。これとフィーダー細胞という、下の方から来るネズミの胎児細胞由来のものなのですが、これと合わせて初代培養、継代培養という形で培養を繰り返していきます。これをどんどん右の方に行き、ピンクの丸の所で、シート化培養の専用の皿があり、この皿の所でいよいよシート化が始まります。最終的な製品としてEYE-01Mが出来上がってきます。これが、角膜上皮細胞シートになります。

 さらに、先ほど申し上げた疾病についても併せて説明いたします。添付資料2のタグをお開きください。1枚目に、眼に白いものがかぶさっているような絵があります。こちらが、先ほど申し上げた角膜輪部で、白目と黒目の境です。角膜輪部に存在している、角膜上皮の幹細胞が消失すると角膜上皮、白目の部分が角膜黒目の部分を覆ってくるという症状が出てきます。これはどういう形で起きてくるかというと、2ページに角膜上皮幹細胞疲弊症の主な原因ということで、眼に酸やアルカリが入った化学傷、熱傷、スティーブンス・ジョンソン症候群など、こういった眼の障害で角膜上皮幹細胞疲弊症が発生してくる。黒目が白目で覆われてくることになります。

 これを、今まではどのように対処していたかということです。4ページに眼の絵があります。白目と黒目の境の黒目部分が幹細胞のある所です。白目の部分をどのように治療してきたかというと、4ページの2.2.2.1の一番上の行に、「同種角膜輪部移植」とあります。これはどういうものかというと、同種、同じヒト、他のヒトの角膜を移植する。こういうことをやるとこの治療ができる。ただ、他のヒトの角膜の輪部移植をした場合に、やはり他のヒトの細胞ですので拒絶反応が生じやすい、そういうことが発生してくるということです。拒絶反応が出てきたり、移植片が生着しにくいということが見られます。それから、せっかく移植しても原則的に免疫抑制剤を使っていかなければならないであるとか、中長期的には剥がれてしまう。最終的には脱落してしまうようなことが2.2.2.1のパラグラフの20行ぐらいにそういうことが書いてあります。

 他の治療法はないのかということですが、同じページの2.2.2.2「自家角膜輪部移植」、要は自分の眼の生きている部分を移植したらどうかというものです。これは、片方の眼が白目になってしまった場合に、もう片方の眼が生きていれば、もう片方の眼から健全な幹細胞を移植してくるものです。ただその場合、角膜輪部組織片をかなり採らなければいけなくて、2.2.2.2のパラグラフの上から2行目の右の方に、「角膜輪部組織片2枚(60 平方ミリメートル ) を採らなければいけない」と書いてあります。これはかなり侵襲性が高いようで、一般的な治療法に本邦ではなっていないということです。

 5ページにもう1件の治療法があります。2.2.2.3「羊膜移植」とあります。一番上の行に、「羊膜は胎盤の最内層を覆う膜で」というところで始まっていますけれども、これを使うと、このパラグラフの中ほどで「結膜下増殖組織の増殖抑制が得られる」であるとか、「パッチ保護・消炎効果が期待できる」とあります。こちらのパラグラフの一番下の方に、羊膜は抗原性が低くて拒絶反応を起こしにくいのだけれども、羊膜移植単独では角膜上皮を再生することができない。結局このような弱点は残っています。ベースとしてはこのようなものです。

 この資料全体の2枚目の、冒頭に説明いたしました諮問書の2枚目を御覧ください。「希少疾病用再生医療等製品概要」の所で、先ほど、この名称、予定される効能・効果は申請者名の所まで説明いたしましたので、「対象疾患について」というカラムから説明を続けます。角膜上皮幹細胞疲弊症(本疾患)は、角膜輪部の角膜上皮幹細胞が消失している疾患群であり、化学傷、熱傷、スティーブンス・ジョンソン症候群等に起因するものです。本疾患は角膜上皮が損なわれてしまうため、結膜が角膜領域に侵入して障害が生じるものです。主な治療法は角膜輪部移植です。

 日本アイバンク協会によると、待機患者数は2,285人。角膜移植術の医科診療件数(平成24年6月審査分)216件。こういう形で算出していき、こちらの患者数を推測していくと、年間約350名ぐらいということで、対象患者の総数は国内において5万人未満と推定できます。

 下のカラムは、「対象疾患に対する本剤の効能・効果等について」です。先ほど説明した根治を目指した治療法が角膜輪部移植のみであるということで、いろいろ弱点がある。一番下から2行目にあるように、本品では患者自身から角膜輪部組織を採取し、分離した細胞を培養し、シート状に形成し、患者自身に使用する「自家培養角膜上皮」であります。

 次のページの冒頭で、これを使うと患者自身の角膜上皮細胞が生着・増殖し、欠損した角膜上皮を再建することができるだろう。上から4行目で、結膜の侵入を防ぎ、角膜を透明な状態に維持するという角膜上皮本来の機能を再獲得することに貢献するということです。しかも次のパラグラフで、少量の角膜輪部組織から作製することができるので侵襲も少ない。患者自身の細胞を使うために、免疫の拒絶反応も可能性としては少ないというように、リスクが低く有用性が非常に高いのではないかと言われています。

 こちらのページの中ほどから、申請者は動物試験をはじめ、様々な試験をやっています。ウサギの角膜上皮幹細胞疲弊症モデルを用いた動物試験の結果なども紹介されています。障害眼は透明に治癒したという結果も得られているようです。最終的に今はどういう段階にいるかというと、平成2610月に治験計画届を出した状況です。

 ここで参考資料1を御覧いただき、オーファン指定の基準はどうだったかということです。参考資料1の3の指定基準に、本邦における対象患者数が5万人以下であること、医療上の必要性が高いこと、開発に係る計画が妥当である、治験等の申請がされているような形で、開発に係る計画が妥当であると認められること等の基準に合致しているかということです。資料4の4枚目以降に、独立行政法人医薬品医療機器総合機構から頂いた事前評価報告書があります。対象者数、医療上の必要性、開発の可能性について調査していただき、これらの3点について、事前評価結果から本品目は希少疾病用再生医療等製品に該当すると判断するという報告を頂いております。

 以上をもって、こちらの指定の可否について御審議いただければと思います。

○参事官 補足させていただきます。先ほどまでカルタヘナ法の話をしていましたが、今度は薬事法の話で、今は医薬品医療機器法と申しますが、それについてのオーファン再生医療等製品の指定の問題です。今も御説明させていただきましたが、まだ開発途中ですので、そういう可能性があるということで、こういう段階で指定の可否はどうかということで御審議をお願いします。

○川西部会長 再生医療等製品のオーファンとしての指定について、参考資料1の指定基準、これらに合致しているかということが論点かと思います。委員の先生方から御質問、御意見がありましたらお願いいたします。

○楠岡委員 今回の申請においては希少疾病の条件を満たしていると思うのですが、ここで出来上がる最終的な製品は一般的な角膜移植に使えるものと考えてもいいのでしょうか。将来的に適応拡大を見込んでいるようなものなのかどうか。メーカーは希少から始めて、適応拡大という戦略をよくとっておられるのですが、この技術はどうなのでしょうか。否定するとかということではなくて、参考としてお伺いします。

○医薬品医療機器総合機構 再生医療製品等審査部です。この技術は、角膜上皮幹細胞疲弊症の方の片眼から幹細胞を取り出してきて培養するということで、非常に侵襲を伴う治療法です。やはり、スティーブンス・ジョンソン症候群を始めとして、角膜上皮幹細胞疲弊症の重篤な方にのみお使いいただくような治療法だろうと我々は考えています。また、これは一般論ですけれども、大学等では、例えば口腔粘膜を原材料にした形での角膜上皮等の再生の研究も進んでおります。これは、あくまで今回申請のあった効能の範囲でお使いいただくものと認識しております。

○荒川委員 これは、新しい薬機法の下で行うものということですが、同時に医療機関ではほとんど同じ技術で、これは再生医療等安全性確保法の対象になってくるのですが、現在はそういうことを研究的にやっています。それが同時並行に走るときに、情報の共有とか、そういうことは今後あり得るのですか。今はほとんど似たような技術で既に研究がなされている状況にあります。

○参事官 再生医療新法、我々はよく新法と申し上げているのですが、そちらの方で、医療機関で行われる再生医療についてはかなり規制が厳しくなって、必要なものは認定審査会にもかけないとできない仕組みになりました。今のところ、そちらの方もまだかけ出したばかりだということもあります。今後は先生がおっしゃるように、同じような技術が臨床研究というのか、そういう現場の中でやられてくるものも当然出てくると思います。これから、いろいろな意味で情報交換しながら、何か問題が起これば一緒になって考えなければいけない部分もあると思いますので、そのような努力はしていきたいと思います。

○医薬品医療機器総合機構 先生が御指摘のように、先ほどの口腔粘膜を始めとして、角膜上皮再建の臨床研究がされているのが現状だろうと思います。これらは、再生医療等安全性確保法の中で取り扱われる技術になりますけれども、これはあくまで医療機関として、例えば医療機関の中で完結、又は医療機関の発注に応じて細胞を加工して戻して使うということです。薬機法で対象としている、今回オーファン指定の申請が来ておりますような製品というのは、どちらかというと汎用技術として、多数の医療機関に対して提供する技術ということです。前者の再生医療等安全性確保法で使う技術とは一線を画した形でのものになるという棲み分けになろうと思っております。

○荒川委員 具体的には、私どもは私どもの所でそういうことをやっているわけです。製造施設としてJ-TECの方に製造を委託するとか、培養のところだけをやる、それでまた研究として戻していただくという、そういう枠組みはあり得るのですか。

○医薬品医療機器総合機構 J-TEC社の方に再生医療等安全性確保法の細胞培養加工施設としての許可を取っていただいて、再生医療等安全性確保法の手続に基づいて培養を受託し、また医療機関の方で臨床研究としてお使いいただくということは、また別途そちらの仕組みとしてもあり得るということです。

○谷委員 教えていただきたいのですけれども、この方法は非常に特殊な方法であるわけです。フィーダー及び血清に関しては異種のものはまだ使っていないのですけれども、今後こういう方向性、製品としては許容される範囲として考えていってよろしいのでしょうか。

○医薬品医療機器総合機構 担当の方からお答えいたします。

○医薬品医療機器総合機構 医薬品医療機器総合機構です。本品については、おっしゃるとおり異種の血清及びフィーダー細胞を使用しております。本品に関しては、今のところそれらを変更する予定等は伺っておりません。一方、谷委員のおっしゃっているのは、安全性の懸念の観点からかと思います。このフィーダー細胞自体は3T3-J2細胞を使っていて、先に承認を受けているジェイス (培養皮膚)の方でよく製造に利用されているものです。そういう観点から安全性については、適用部位は違えども、ある程度蓄積はあります。

○中村委員 オーファンということで、画期的な手法だろうと思います。ただ、先ほどの安全性の件で、異種のフィーダー細胞を使っている。実際にイタリアのデータでこれを見ると、112例で眼炎症症状が59例起きています。眼の炎症症状とサクセスレートの68.2%の間にインタラクションがあったのでしょうか。もし僅かなインタラクションでもあれば、今後使用の拡大とともに、眼の炎症の症状の発現とサクセスとの関係が、もうちょっと何らかの手段を作っていかないと、サクセスレートが上がってこないとか、かえって悪くなるということになるような懸念を持ちます。聞きたいことは、眼炎症症状とサクセスレートの間にインタラクションがあったかどうか。100例以上のデータですからどうでしょうか。

○医薬品医療機器総合機構 100例以上のデータではありますけれども、我々は論文情報でのみ入手しているものです。具体的にインタラクションについての詳細を承知しているものではありません。こういうものは製品化を伴って世の中に出ていった場合のデータの蓄積とか、特にオーファン領域においてはそういうものが非常に大事ですので、これから実際に申請された際には、承認審査の中でも見ていきますが、引き続き市販後調査の中での安全性の部分の検証も併せて行っていきたいと考えております。

○川西部会長 ほかにはありますか。ありがとうございます。今の御指摘は一つ一つ重要ですけれども、何となくオーファン指定というところでは否定するという御意見はないようにも感じました。いずれにしてもこれは審議事項ですので議決をいたします。本議題について、指定を可としてよろしいでしょうか。御異議がないようですので、オーファンとしての指定は可として薬事分科会に報告させていただきます。

 議題2に移ります。先ほど申しましたように水口委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づき、議題2の審議の間は別室で御待機いただきます。

                              ( 水口委員退室)

○川西部会長 続いて議題2についてPMDAから説明をお願いします。

○医薬品医療機器総合機構 医薬品医療機器総合機構です。本審議品目は、「ヒトREIC/Dkk-3タンパク質を発現する非増殖性遺伝子組換え5型ヒトアデノウイルス」、ここではAd5-SGE-REIC/Dkk-3と書かれておりますけれども、その第一種使用規程の承認申請です。申請者は杏林製薬株式会社です。

 資料5を御覧ください。上に四つのタグがあります。最初に第一種使用規程申請書、次に生物多様性影響評価書。3番目に諮問書とありますが、これには不備がありましたので、本日の配布資料として配らせていただきました。機構の事前審査結果通知書と構成されております。配布資料No.8を御覧ください。本品目の機構内での専門協議において指名した4人の委員を掲載しております。

 品目の概要を御説明いたします。資料5の第一種使用規程申請書の冒頭、次のタグの生物多様性影響評価書の1ページにあるように、本遺伝子組換えアデノウイルスの宿主はヒトアデノウイルス5型です。生物多様性影響評価書の33ページをお開きください。2)REIC/Dkk-3遺伝子高発現アデノウイルスベクターの構造という図が書いてあります。宿主に対して、本組換えウイルスの特殊性は主に二つあります。ウイルスの増殖に必要なE1領域、E3領域を欠失させておりますので、自立的に増殖する能力を欠いております。したがって、特殊な細胞中でしか増殖できません。

 それから供与核酸として外来性のサイトメガロウイルス、ここではCMV promoterと書いてありますが、その下流にヒトREIC/Dkk-3遺伝子が発現するように、更にREIC/Dkk-3タンパク質が腫瘍で選択的に発現亢進するようなenhancer配列、ここではSGE regionと書いてありますけれども、これが付加してあります。このような特徴が挙げられます。

 供与核酸については、全塩基配列が明らかにされております。既知の有害塩基配列を含んでおりませんし、有害物質の産生も知られておりません。先ほど述べましたように、増殖能を欠損したウイルスですので、自然環境における生存能力は宿主である、もともとの野生型のウイルス以下であると考えられております。

 供与核酸の中のヒトREIC/Dkk-3タンパク質、発現するとこれが出てくるわけですが、その機能については、同じ資料の2728ページの図を御覧ください。申請者は、REIC/Dkk-3タンパク質の発現によって、がん細胞の選択的な細胞死が誘導されるということ。それから、これはアデノウイルスの殻をまとっておりますので、これによって一種のアジュバント効果によるのでしょう、抗がん免疫の活性化がDkk-3とともに期待されるということを説明しています。

 この遺伝子組換えウイルスを含む製剤を用いて、悪性胸膜中皮腫患者を対象として治験が計画されています。今回治験を行うに当たり、申請された第一種使用規程が適切であるかということについて、この資料に添付された生物多様性の影響評価書等の資料に基づいて、委員の先生方に審議していただくことになります。

 この組換えウイルス自体の臨床における投与経験はありませんけれども、岡山大学では既に本遺伝子組換えウイルスに搭載しているのと同じREIC/Dkk-3の発現用のpromoterenhancerが異なるだけの遺伝子組換え5型ヒトアデノウイルスを用いた前立腺がん及び悪性胸膜中皮腫に対する臨床研究に関する第一種使用規程の承認を受けております。

 この遺伝子組換えウイルスの第一種使用規程、特に生物多様性影響評価、それから機構における審査でどのような論点があったかについて御説明いたします。同じ資料の、本組換えウイルスの第一種使用規程承認申請書を御覧ください。1ページ、2ページにわたって使用等の方法が記載されております。この使用等の方法をとることでよいかというのが申請の内容です。申請された使用等の方法に従う限り、生物多様性に影響が生じないと考えてよいかを御審議していただきます。

 申請者から出された使用等の方法の概略ですが、希釈液の調製として、この組換えウイルスの原液の施設内保管、希釈操作、希釈液の運搬が行われることが定められております。

 次いで患者への投与として、希釈液、注入に関する手順が記載されております。これを投与した後の患者の管理として、希釈液の投与終了後24時間までは個室内で管理されることや、個室から一時的に出るときの手順についての記載があります。さらに、感染性廃棄物等の処理としては、組換えウイルスの原液及び希釈液、さらに希釈液の投与等に用いた器具とかガーゼ等、ウイルスの不活化処理を行った後、医療廃棄物管理規程に従って廃棄すること。次のページに進み、個室管理中の患者の排泄物等は、必要に応じて検査を行って、ウイルスの不活化処置を行った後、これも医療廃棄物管理規程に従って廃棄すること。さらに個室を消毒するようなことが定められております。

 次に、このウイルスの生物多様性の影響評価について説明いたします。ここでは最後のタグの機構の「事前審査結果通知書」、3枚目の別添2ページと書いてある所です。主に、2番目の「審査の概略」の所です。1番は他の微生物を減少させる性質、2番は病原性、3番は有害物質の産生性、4番は核酸を水平伝達する性質、主にこの四つの観点から求められています。

 事前審査結果通知書の、別添の2ページ、3ページにこういう観点からどういう評価を行ったかがまとめて書いてあります。

○事務局 すみません、失礼します。資料5ですけれども、一番最後のページが切れています。別に資料5の追加資料として配布させていただいております。

○医薬品医療機器総合機構 申し訳ありません。もう一度繰り返します。主に別添の2ページ、3ページになりますけれども、「審査の概略」です。他の微生物を減少させる性質、病原性。次のページで有害物質の産生性、核酸を水平伝達する性質、この四つの性質についてまとめてあります。

 そこでまとめです。本遺伝子組換えウイルスは、感染宿主が限られている。これは、基本的にヒトのみです。感染したとしても、非増殖性であるということ。供与核酸についても影響を及ぼすような性質はないと考えられることから、事前審査の結果としては、いずれの観点でも大きな問題はないものと考えております。

 本遺伝子組換えウイルスの第一種使用規程承認申請書及び生物多様性評価について御審議のほどよろしくお願いいたします。途中で資料の説明を間違ってしまって申し訳ありませんでした。

○川西部会長 これは、カルタヘナ法に基づく第一種使用規程に関する承認申請だということですが、いかがでしょうか。何か質問、コメントがありましたらお願いいたします。

○中村委員 この手のものは扱ったことがないので、ややプリミティブな質問で恐縮です。一般的にこういう物質で治療中の場合には、患者は個室管理で、その場合にはいわゆる通常インフェクションを考えると、通常の場合には陰圧を我々は考えます。これは、そこまでは要求されないのですか。一般的な話で結構です。

○医薬品医療機器総合機構 当初はそういうことも考えて、陰圧あるいは陽圧でない部屋で管理されておりましたけれども、だんだん経験が積み重なってきて、ウイルスの排出はほとんどないか、あっても翌日、更にその翌日辺りにはもうなくなることが分かってまいりました。基本的には、例えばこの使用規程においては、個室管理は1日となっておりますけれども、それはむしろ患者の状態を管理する観点から出された結果です。

○川西部会長 ほかに質問、コメントはありますか。ないようですので、これも審議事項ですので議決に入ります。本議題について、承認を可としてよろしいでしょうか。御異論がないようですので、承認を可として薬事分科会に報告させていただきます。別室で待機されている水口委員をお呼びください。

                              ( 水口委員入室)

○川西部会長 議題3を審議いたします。PMDAから説明をお願いします。

○医薬品医療機器総合機構 次も同じ品目なのですけれども、先ほどの杏林製薬株式会社が実施する治験において使用されるヒトREIC/Dkk-3タンパク質を発現する非増殖性遺伝子組換え5型ヒトアデノウイルスを製造するために、□□□□□□□□□□□□□□□□第二種使用確認申請です。

 資料6を御覧ください。冒頭に諮問書と、医薬品医療機器総合機構が作成した事前結果通知書。それから、灰色のタグ以降が申請書となっております。品目の概要は、先ほどの第一種使用規程の申請の際に申し上げたとおりです。製造工程については、ウイルスを含有する可能性のある廃液、使用機器は、高圧蒸気滅菌によって不活化処理が施されるとされております。機構における事前審査においては、この組換え生物について専門委員と協議した結果、遺伝子治療用医薬品又は遺伝子治療医薬品の製造のために用いられる非増殖性ウイルスであって、感染性はありますけれども、病原性を示す可能性は低いと考えられることから、使用区分はカテゴリー1としております。これは、申請書の5番に書いてあります。先ほど、カテゴリー1については説明されております。

 そこで機構は、申請者より示された拡散防止措置、これはカテゴリー1に属する第二種使用等に当たって、適切であると判断しております。本遺伝子組換え生物の第二種使用等を行う際の拡散防止措置について御審議のほどお願いいたします。

○川西部会長 これも議題2と同じものですけれども、生産という段階でカルタヘナ法に基づく第二種使用等拡散防止措置に関する確認申請ですが、いかがでしょうか。何か質問、あるいはコメントはありますか。ないようです。これも審議事項ですので議決に入ります。

○楠岡委員 参考資料2でカテゴリー分けされているのですけれども、これはカテゴリーだとどこに入るのですか。

○医薬品医療機器総合機構 カテゴリー1になります。

○川西部会長 ほかに何かありますか。ないようでしたら、本議題について、拡散防止措置は確認されたものとしてよろしいでしょうか。特に御異議はないようですので、この品目についての拡散防止措置は確認されたものとして、薬事分科会に報告させていただきます。

 それでは、非公開案件の中の報告事項に移ります。これについてもPMDAから説明をお願いします。

○医薬品医療機器総合機構 医薬品医療機器総合機構から説明いたします。報告事項議題1、資料No.7を御覧ください。「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律第13条に基づく遺伝子組換え技術応用医薬品の第二種使用等をする間に執るべき拡散防止措置の確認を行った品目について」、御説明いたします。前回の生物由来技術部会での御報告以降、平成26年9月から平成27年1月までの期間に、厚生労働大臣の第二種使用等の確認を行ったものを表でまとめております。

 全部で9件あり、医薬品医療機器総合機構において専門委員と協議をした上で、いずれの遺伝子組換え生物についても、使用区分はGILSP又はGILSP相当であり、執られる拡散防止措置は適切であると判断したものです。資料No.7については以上です。

○川西部会長 これは報告で済むものですけれども、何か質問、コメントはありますか。それでは、ただ今の報告事項については御確認いただいたものとします。本日の議題は以上ですが、事務局から何かありますか。

○事務局 次回の部会は5月27()16時からを予定しておりますので、よろしくお願いいたします。

○川西部会長 委員の先生方から何かありますか。特にないようですが、私は初回でいろいろ不行き届きもあったかと思いますが、どうもありがとうございました。本日はこれで終了いたします。

 


(了)

備考
本部会は、企業の知的財産保護の観点等から非公開で開催された。

連絡先:医薬食品局 医療機器・再生医療等製品担当参事官室 課長補佐 佐々木(内線4226)

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