2015年1月30日 薬事・食品衛生審議会 医薬品第一部会 議事録
日時
平成27年1月30日(金)15:00~
場所
厚生労働省専用第23会議室
出席者
出席委員(11名)五十音順
奥田晴宏、 金子明寛、 川上純一、 神田敏子、
佐藤 雄一郎、 野田光彦、 林邦彦、 古川漸、
増井徹、◎松井陽、○松木則夫
(注)◎部会長 ○部会長代理
欠席委員(10名)
小川聡、 加藤総夫、 木村剛、 鈴木邦彦、
武田正之、 内藤幹彦、 平石秀幸、 平安良雄、
村田美穂、 山田清文
行政機関出席者
神田裕二 (医薬食品局長)
成田昌稔 (大臣官房審議官)
森和彦 (審査管理課長)
宇津忍 (安全対策課長)
矢守隆夫 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構審査センター長)
梅澤明弘 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構副審査センター長)
俵木 登美子 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構安全管理監 他)
奥田晴宏、 金子明寛、 川上純一、 神田敏子、
佐藤 雄一郎、 野田光彦、 林邦彦、 古川漸、
増井徹、◎松井陽、○松木則夫
(注)◎部会長 ○部会長代理
欠席委員(10名)
小川聡、 加藤総夫、 木村剛、 鈴木邦彦、
武田正之、 内藤幹彦、 平石秀幸、 平安良雄、
村田美穂、 山田清文
行政機関出席者
神田裕二 (医薬食品局長)
成田昌稔 (大臣官房審議官)
森和彦 (審査管理課長)
宇津忍 (安全対策課長)
矢守隆夫 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構審査センター長)
梅澤明弘 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構副審査センター長)
俵木 登美子 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構安全管理監 他)
議事
○審査管理課長 定刻になりましたので、薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会を開催します。本日はお忙しい中、足下の悪い中、先生方には御参集いただきまして誠にありがとうございます。最初に薬事・食品衛生審議会の委員の改選が先日行われ、当部会についても先生方は新しく委員の任命ということでお願いしております。つきましては、お手元の医薬品第一部会の名簿を御覧いただき、これに基づき先生方の御紹介をいたします。名簿の順で読み上げさせていただきます。座席表の裏側が委員名簿になっております。
小川聡委員は、本日は御欠席です。それから奥田晴宏委員です。加藤総夫委員は、本日は御欠席です。それから金子明寛委員、川上純一委員、神田敏子委員です。木村剛委員は、本日は御欠席です。佐藤雄一郎委員です。鈴木邦彦委員、武田正之委員、内藤幹彦委員は、本日は御欠席です。野田光彦委員、林邦彦委員です。平石秀幸委員、それから新しく委員になられた平安良雄委員は、本日は御欠席です。次に古川漸委員、増井徹委員、松井陽委員、松木則夫委員です。村田美穂委員、山田清文委員は、本日は御欠席です。
また、この部会の部会長は1月26日に総会と薬事分科会が開かれ、そこで医薬品第一部会については松井陽委員に部会長をお願いすることになっておりますので、御報告申し上げます。
○松井部会長 どうか皆さん、よろしくお願いします。
○審査管理課長 さらに薬事・食品衛生審議会令第7条第5項の規定に基づき、部会に属する委員から部会長があらかじめ指名する委員にその職務を代理していただくとなっておりますので、部会長代理については部会長から御指名いただくことになっております。松井部会長、よろしくお願いいたします。
○松井部会長 私は引き続き松木委員にお願いしたいと思います。委員の皆様、いかがでしょうか。ありがとうございます。それでは松木委員、こちらの席にお願いいたします。
○審査管理課長 それでは部会長代理については、松木委員にお願いしたいということで、どうぞよろしくお願いいたします。現在、当部会の委員数が21名ですが、そのうち11名の委員に御出席いただいている状況で、ぎりぎり定足数に達しておりますことを御報告いたします。今回、部会が改まったのをきっかけに薬事分科会において、審議事項や報告事項の切り分けについて先日御議論があり、改めて薬事分科会でこういうことが確認されているのだということで、確認事項について御説明を申し上げます。お手元に資料8で薬事分科会規程、資料9で薬事分科会における確認事項ということで二つの資料を配布しております。資料9、5ページです。表の右側に「部会」と「分科会」と書かれている欄です。それぞれの医薬品のカテゴリー、区分ごとに印が付いており、○が審議、△は報告、▲は文書配布で報告、×は審議も報告も特に必要ないとレベル分けしております。基本的にはこれに基づき、部会、分科会において御審議をお願いしています。
資料8、5ページです。第7条、部会の議決で部会における決定事項のうち、比較的容易なものとして分科会があらかじめ定める事項に該当するものについては、分科会長の同意を得て、当該部会の議決をもって、分科会の議決とします。ただし当該部会において、特に慎重な審議を必要とする事項であるとの決定がなされた場合はこの限りではないということで、原則と例外の形で定められております。先ほどの表に記載している事項以外にこの但し書に該当するような、この部会において特に慎重に審議する必要があると決定された場合には、分科会においても御審議をお願いすることがありますので、この部会における議論で、やはりこれは慎重にやってほしいというような案件がありましたら、そのような取扱いをすることを先生方にも御承知おきいただきたいと思っており、御説明を申し上げているわけでございます。重要な案件は慎重に審議をして、いろいろな角度から御意見を頂いて、議論を尽くすことをこの審議会の中でも確認をしておきたいとの御指摘を分科会で頂きましたので、こういう節目のときに御紹介いたしました。何か御質問等がございましたら、お受けしたいと思っております。
○松井部会長 よろしいでしょうか。
○審査管理課長 もし後でも、疑問な点がありましたら、お問い合わせください。それでは松井部会長、以後の進行をよろしくお願いいたします。
○松井部会長 それでは早速、本日の審議に入ります。まず、事務局から配布資料の確認、審議事項に関する競合品目・競合企業リストについて報告してください。
○事務局 資料の確認です。本日は席上に議事次第、座席表、当部会委員の名簿を配布しております。議事次第に記載しております資料1~4についてはあらかじめお送りしております。このほか資料5、審議品目の薬事分科会における取扱い等の案、資料6は専門委員リスト、資料7は競合品目・競合企業リスト、資料8は薬事分科会規程、資料9は薬事分科会における確認事項を配布しております。
続いて、本日の審議事項に関する競合品目・競合企業リストについて報告します。資料7の1ページです。ザファテック錠50mg、同錠100mgですが、本品目は2型糖尿病を予定効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤として資料に掲げる品目を競合品目として選定しております。以上です。
○松井部会長 ただ今の説明に特段の御意見はありますでしょうか。よろしいですか。それでは本部会の審議事項に関する競合品目・競合企業リストについては委員の皆様の御了解を得たことにいたします。それでは委員からの申出状況について報告してください。
○事務局 各委員からの申出状況です。議題1、ザファテック錠。退席委員なし。議決には参加しない委員は野田委員。以上です。
○松井部会長 委員の先生方、いかがでしょうか。特に御意見ございませんか。それでは御確認いただいたことにいたしまして、議題に入ります。本日は審議事項が1議題、報告事項が3議題となっております。それでは審議事項の議題1に移ります。議題1について説明をお願いします。
○機構 議題1、資料1、医薬品ザファテック錠50mg、及び同錠100mgの製造販売承認の可否について機構より御説明します。本剤はジペプチジルペプチダーゼ-4、以下はDPP-4と呼ばせていただきますが、DPP-4の阻害薬であるトレラグリプチンコハク酸塩を有効成分とする糖尿病治療薬です。食事摂取により、消化管から血中に分泌されるGLP-1を不活化する酵素であるDPP-4を阻害することにより、GLP-1の血中濃度を維持し、血糖降下作用を示す薬剤です。DPP-4阻害薬として8成分目ですが、初めての週1回投与する薬剤となります。
海外の承認状況ですが、2014年11月現在において、海外において本剤は承認されておらず、□□□□□□□です。本品目の専門協議では、資料6に示す先生方を専門委員として指名させていただいております。以下、本剤の有効性及び安全性について臨床試験成績を中心に説明いたします。まず、有効性については審査報告書42ページを御覧ください。日本人2型糖尿病患者を対象に二重盲検比較試験が実施されました。本剤は100mgを週1回、実薬対照であるアログリプチンは25mgを1日1回経口投与されました。同ページの表18に示したように、主要評価項目とされたベースラインから投与24週時までのHbA1c変化量について、本剤群のアログリプチン群に対する非劣性が示されています。また、単独長期投与又は併用長期投与試験が実施され、審査報告書45ページの図1に示したように、本剤単独及び各併用療法の効果の持続性が確認されています。
続いて安全性については、審査報告書50~57ページの「安全性について」の項を御覧ください。50ページの表25及び表26に示した国内臨床試験における有害事象及び副作用の発現状況、並びに51~57ページに記載した低血糖等の個別の事象について検討した結果、適切な注意喚起等がなされることを前提とすれば、特段の問題はないと判断しました。また本剤は週1回投与であり、過量投与や服薬を忘れることの可能性が想定されます。審査報告書58ページ、表28を御覧ください。本剤200mg、週1回、12週間投与したときの安全性、本剤100mgを12週間、連日投与したときの安全性が検討されており、本剤が誤って連日投与、又は過量投与された場合でも安全性上、大きな問題が生じる可能性は低いと判断しております。しかし、本剤が誤って連日投与されることがないよう、特に注意する必要があることから、添付文書における注意喚起に加え、パッケージ付PTPシートに服薬時期や服薬上の注意事項を直接表示する、また本剤を過量投与した場合及び本剤の服用を忘れた場合の対応を患者説明用資料で明確に記載する等の対応をすることにしております。お手元に製剤見本と患者配布資料等はお配りしております。
また製造販売後調査については、審査報告書72ページの「(7)医薬品リスク管理計画(案)について」の項を御覧ください。3年間投与の評価症例として、3,000例の長期特定使用成績調査が計画されており、73ページの表38に示した検討事項に関する情報が収集される予定です。
以上のとおり、機構での審査の結果、「2型糖尿病」を効能・効果として、本剤を承認して差し支えないとの結論に達し、医薬品第一部会で審議されることが適当と判断しました。本剤は新有効成分含有医薬品であるため、再審査期間は8年が適当であると判断しております。なお、原体及び製剤はいずれも毒薬又は劇薬に該当せず、生物由来製品及び特定生物由来製品のいずれにも該当しないと判断しております。薬事分科会では報告を予定しております。なお、奥田委員より事前に本薬の出発物質の一つである2-(ブロモメチル)-4-フルオロベンゾニトリル、以下、本化合物と呼びますが、本化合物について構造から遺伝毒性が懸念されるため、ザファテック錠投与に際しての遺伝毒性の評価について御質問を頂いております。ザファテック錠投与に際して、安全性上の懸念はないと考えた理由について説明いたします。本化合物はAmes試験の結果が陽性ですが、原薬製造工程において、効果的に除去されることが確認されており、原薬に残存する含有量は2.5ppm未満であったと説明されております。ザファテック錠は週1回投与製剤ですが、ザファテック錠100mgを投与したときの本化合物の投与量は最大でも0.25μgであり、毒性学的懸念の閾値である1.5μg/dayを超えないことから、安全性上の懸念はないと申請者の説明は受け入れ可能と考えました。奥田委員には以上について事前に御説明し、御了承を頂いております。以上です。審議のほどよろしくお願いいたします。
○松井部会長 委員の先生方、お気付きかもしれませんけれども、機構からの概要説明をメインテーブルでしてみようと、しばらくこれでいってみようということです。それではただ今の説明について、委員の先生方から御質疑をお願いします。いかがでございますか。
○野田委員 これは100mg錠と50mg錠がありまして、50mgを使用する機会は添付文書(案)の4ページ右上の「中等度腎機能障害患者では、投与量を適宜減量すること」という所、そのために50mg錠があるのだと思いますが、かつてのスーグラの肝障害のときもそうだったと思いますが、そこにしかないわけなので、適宜減量といっても、これは50mg以外にはなりようがありませんね。例えば、書き方の問題かもしれませんが、「50mg錠を用いる」などという、エクスプリシットに書くというか、そういうようにするという考え方はないのかと。例えば、適宜といっても、75mg、25mgにはなりようがないわけです。その辺りはどうなのかと思いますが。
○松井部会長 いかがでしょうか。
○機構 御指摘ありがとうございます。先生がおっしゃるとおり、本剤は中等度の腎機能障害患者に対してのみ50mgは使うことになりますので、そのように書いた方が明確になりますので、申請者にも先生の御指摘をお伝えした上で、記載ぶりを考えていきたいと思っております。
○松井部会長 よろしいでしょうか。ほかにいかがでしょうか。
○川上委員 薬剤の特徴を教えていただきたいのですが、週1回投与の製剤ということで、半減期が長いことと作用部位への親和性が高いことが、その薬剤の薬物動態・薬力学的な特徴かと思います。親和性が高いということは理解しやすいのですが、血液中からの消失半減期が50~60時間くらいの薬物でタンパク結合率もそれほど高くはないと思いますが、半減期が長いメカニズムというのはなぜなのですか。
○機構 御指摘ありがとうございます。その点に関しては、まず、武田薬品工業株式会社においては、DPP-4阻害薬に関しては連日投与のものが既に販売されております。ネシーナ錠、一般名アログリプチンというものがあり、今回の臨床試験でも対照群として置かれたものです。構造上ネシーナ錠と違うところは、本剤の構造ではベンゼン環にフッ素が付いているのですが、ネシーナにはそれがないところと、あとは塩の部分、そこが安息香酸塩かコハク酸塩の違いで、基本的に大きな構造上の違いはございません。ですからネシーナ錠との薬物動態的プロファイルは大きな違いはありません。何が違うのか。本剤に関しては比活性が高い。DPP-4阻害率が本剤の方が低用量で阻害します。ですからネシーナ錠に関しては、1日1回25mgを投与するものですが、本剤は100mgと量を増やしているということ。さらに比活性が高いということで、1週間たっても効果は持続するのが本剤の特徴になります。
○松井部会長 ほかにいかがでしょうか。
○野田委員 このお薬は効果の持続時間が長いということは、副作用も相当長期間続く可能性があると思われるわけで、それについて添付文書の4ページ右の一番下の方に、本剤は1週間に1回経口投与する薬剤であり、投与中止後も作用が持続するので云々とございますが、基本的に書きぶりは他のDPP-4阻害薬と本質的に変わっていないような気がするのです。やはりDPP-4阻害薬と例えばSU薬との併用による低血糖は相当長期間、これまでの1日1、2回投与のものでもやはり2日間ぐらいは続いていたと経験上そう思います。そうするともう少し目立つようにならないかと。例えば用法・用量に関する使用上の注意の所に書いてよい事項なのか。カテゴリー的にそこに書けるものかどうか分かりませんが、もう少し処方される先生方に副作用も長く続くというようなことを添付文書上でも注意喚起できないかという気がしたのですが、いかがでしょうか。
○松井部会長 いかがですか。
○機構 御指摘ありがとうございます。実際、まず、発現頻度に関しては、今回対照群のネシーナ群と発現では変わらない。ただ先生がおっしゃったように、今回、週1回で作用も長く効くということで、その期間が長くなることはおっしゃるとおりだと思います。用法・用量に関して使用上の注意に記載するのがいいのかについては、少し内容として検討する必要があると思います。これに関しては持ち帰り、どこに記載するか、目立つ記載ですね。または添付文書で対応できない場合には、配布資料等でもっと目立つようにするなど方法はあると思いますので、その辺も含めて考えてみたいと思います。
○機構 追加でお答えいたします。一番先生が御懸念されるのは、低血糖だと考えています。それでアログリプチンと対照の試験等で確認しましたが、低血糖自体の発現頻度は変わりませんし、一つ一つの事象を見ても、すべて軽度で遷延が問題になったものはなく、現時点では特に注意喚起を強めるような根拠はないと考えております。ただ今後、市販後調査等でほかのGLP-1の長期の週1回製剤等も併せて観察して、必要に応じて検討するべき事項と考えております。
○野田委員 了解いたしました。よろしくお願いします。
○松井部会長 ほかにいかがでしょうか。
○神田委員 これは、成人が対象の薬ということで、小児には使わないということでよろしいのでしょうか。添付文書に小児への投与と書いてありまして、これをどう理解したらいいのかと思います。ほかの薬にも、こういったことが書かれていることはありますが、それが一つです。もう一つは、毎日飲む薬がある中で、週1回の薬を作ることのメリット、必要性についてです。念のためにお聞きしたいのですが、報告書の48ページに本剤の臨床的位置付けがあるのでそこを読めばよろしいのでしょうが、読んでも分からないのでお聞きします。1週間に一度にすると、服薬アドヒアランスの向上が期待できるというようなことで、3点ぐらい書いてあります。私が考えるのに、1週間に一度になりますと、かえって意識も薄れるしというようなことがある中で、こういったことが期待できるという理由はどういうことにあるのかが一つです。
それから、過量に対してはこれも今拝見しましたら、週1回飲む薬ですと大きく書いてありますので、情報提供ができるかと思いますが、私はむしろ週1回になると飲み忘れの方がすごく気になっております。こういった薬を必要としてくる年齢になってくると、余計に忘れてしまうと。私も、日常的にいろいろなことを忘れますので、こういった忘れないための情報提供がここを見ただけでは分からなくて、飲み忘れの方の情報提供をどのようになさって、それに確実性があるのかが具体的によく分からないので、教えていただきたいと思います。
○松井部会長 今の三つの質問にお答えください。
○機構 初めに、小児投与に関する御質問の件なのですが、本剤に関しては先生がおっしゃられたように、他剤と同様、小児に関して投与してはいけないとまでは言っていないところです。基本的に、投与した成績がないものですから、今回の場合には小児に対する安全性が確立していないということで、使用経験がないという事実を記載させていただいており、通常の対応と同じような対応をさせていただいている次第です。
また、アドヒアランスというのは、要するに服薬し忘れのことですね。コンプライアンスとも言うと思いますが、アドヒアランスの点に関しては、週1回では飲み忘れをするのではないかということに関しては、私どもも同じような懸念はありました。飲み忘れた場合にどうするのかですが、次の質問とも関連するのかもしれませんが、配布した製剤のパッケージに週1回ということを明確に書いたことと、飲み忘れた場合には患者配布資料において、気付いた段階で飲んでいただいても構わないということになっております。例えば、毎週日曜日に飲むとした場合には、そこで飲み忘れた場合には気付いた段階で飲んでいただくと。それで、次の日曜日がきたらまた飲むという形で飲んでいただいても構わないということを、患者への配布資料で記載しております。そのような対応では、いかがでしょうか。
○神田委員 いいと思うのですが、今の御説明は資料の中に書いてあったことですので、読んでおります。そういう形で、忘れたらいつでも飲めばいいということなのですが、しつこいようなのですが、本当にしょっちゅう忘れるのではないかという懸念があります。ですから、その辺りはよほど注意して情報提供にどういうものがあるのか、私は具体的には全然浮ばないのですが、毎日でしたら毎朝とか。しかし、1週間に一度や3日に一度と間が空くと忘れてしまうので、本当に大丈夫なのかという懸念を持っていることだけ、お伝えしておきます。
それから、先ほどのアドヒアランスの向上というのがよく分かりませんでした。小児の件についても、御説明は分かりましたが、今までほかの薬でも事実の記載ということでありましたが、仮にこれを医師などが読んだときに、どのようにこれを使うのか。例えば、使う場合のマニュアルではないですが、まだ経験がないけれども、あるいは安全性が確立されていない。妊婦の方もそうですね。こういう表現がときどき出ておりますが、そういった使う場合のマニュアル的なルールのようなものもあるのか、ないのか。あるいは、実際には全く使われていないのかをお聞きできればと思います。
○機構 小児に対してマニュアルがあるかというと、マニュアルは特にないと思うのですね。そこは、医師の感覚的なところで多分減量しながら投与するということが行われているのが事実だと思います。ですから、そこに関しては、今はそれ以上の情報を先生にお伝えするほど余りないのかと思うのですが。
○機構 補足いたします。今、先生から御指摘のあったアドヒアランスですが、申請者からの資料にはなりますが、1-5の起原、発見の経緯、開発の経緯という緑色のタグの1.5の4ページに、服薬のアドヒアランスについて記載があります。アンケートを実施しているということですので、余り厳密な調査ではありませんが、一般的に服薬回数が少ないことを希望するというようなアンケート結果があったとは書いてあります。ただ、先生が御指摘のように、それが週1日というのはどうかというようなことはあるかと思います。ただ、審査報告書にも書きましたが、例えば認知症患者のように、ほかの方が服薬のサポートをするようなケースにおいて、服薬の回数が少ないことが多少負担の軽減になるのではないかというようなこともあり、あくまで治療の選択肢の一つということで、先ほど申し上げましたように、既に同じ作用機序の薬、1日1回のものも幾つか承認されておりますので、それぞれの患者に応じて選択を頂く際に、こういった服用の仕方も一つ選択肢として御用意できるといったものになろうかと思います。
○松井部会長 神田委員、週1回のメリットについてはよろしいですか。
○神田委員 ありがとうございます。そうだと思います。選択肢の一つということは、いろいろな薬の場合においても必要なことだと思いますので、分かりました。
○松井部会長 よろしいですか。
○神田委員 はい。
○松井部会長 ほかにありますか。
○奥田委員 神田委員の質問に関連して、1点だけ確認いたします。この服薬指導のQ&Aというのは、これは実際に服用される患者にお渡しして読んでいただくものですか。
○機構 こちらは、医師用になります。もう一つの方ですね。
○奥田委員 こちらの患者さんへという方ですね。
○機構 これが、患者向けになります。
○奥田委員 分かりました。例えば、この容器だけを見ていますと、週1回飲むと。飲み忘れたら、そのときに飲んでくれということで、もしかすると1日2回飲んでしまう人もいるかもしれない。2回というのは、2錠まとめてではなく、「あっ」と。
○松井部会長 1週間に2回ではなくてですか。
○奥田委員 いや、1日に2回です。同時ではないにしても、いろいろなケースがあるのだろうと思いますので、その辺りはもしかしたら、ここはもう薬剤師の領域になるのだろうと思うのですが、きちんと医者や薬剤師に情報提供をしていただいて、丁寧な服薬指導が行われる方法を取っていただきたいと思います。
○機構 御指摘ありがとうございます。今、先生が御指摘のように、やはり実際に薬局で渡していただくときに丁寧な説明を頂くことが大事かと思いますので、製販業者にその旨申し伝えたいと思います。
○松井部会長 ほかにありますか。
○松木部会長代理 私も、先ほどの何で1週間効果が持続するかが、よく理解できませんでした。どこかに、確か数字で1週間後に60何パーセント抑えられているというのがあったと思います。DPP-4のターンオーバーがどのぐらいで起こるかは分かりませんが、不可逆的な抑制ではなく、可逆的な抑制でこれだけ持続するということなのですか。何でこのような質問をするかというと、不可逆的抑制ですと結構アップレギュレーションが掛かってしまう可能性があるので、中止したとき、ほかの薬に変えたときに、逆にリバウンドでGLP-1が下がってしまうとか、そのようなことも起こるのかと思ったのですが、そういうことは大丈夫なのですか。
○松井部会長 いかがですか。
○機構 可逆的な阻害というのは確認されております。そのあとのアップレギュレーションなどに関しては、説明がないと思いますので企業に確認はしてみます。
○松木部会長代理 可逆的であったならば、今までも同様の薬を毎日投与していたわけですから、それは大丈夫だと思います。
○機構 よろしいですか。ありがとうございます。
○松井部会長 ほかにありませんか。
○林委員 アドヒアランスにもう1回戻ってよろしいですか。審査報告書ですと、42ページの第 III 相試験は、多分プラセボを使っていらっしゃるので、実質的には週1回投与の患者はない形ですね。44ページの第 III 相の長期投与は単独群がありますので、ブラインドは掛けていないと思いますので、このときのアドヒアランスがほかよりもよかったというようなデータはお持ちでしょうか。飲み忘れがほとんどなかったとか。多分、先ほどのアンケートでは一般的な意味でのお話だと思うのですが、この薬剤固有で例えば週1回にしたら、確かに飲み忘れが少なくなったというようなものがあれば、先ほどの質問に直接答えられるのかと思ったのですが。
○松井部会長 データはありますか。
○機構 今確認させていただきたいと思います。ただ、治験の場合は全体的に御理解がある方が参加されているため、一般よりも高いアドヒアランスだと思うのですが、また確認させていただき、後ほど先生に御連絡をいたします。
○松井部会長 林先生、それでよろしいですか。
○林委員 はい。
○機構 申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。
○松井部会長 ほかにありますか。私から、日本で海外に先立って承認される、□□□□□□であると書いてあるわけですが、その理由は何かありますか。□□□□□□□□理由です。
○機構 これは、武田薬品工業が開発しておりますので、多分日本を優先して開発されているということで、日本の方が臨床試験が先に進んでいる状況です。海外においては、第 II 相試験をやっているという情報を聞いております。□□□□□□□□□□、□□□□□□□□□□□□□□□□。
○機構 先ほどの部会長の質問に対して追加いたします。欧米、特に米国においては、糖尿病の開発に長期間の心血管リスクの評価を求めている状況です。ですから、国内の開発が先行することも今後も十分ありますし、本剤はその一つのケースかと考えております。
○松井部会長 ありがとうございます。
○川上委員 審査報告書の26ページで、ヒトの生体試料を用いた試験というものがあり、Caco-2細胞を用いた膜透過実験で、本薬物がP糖タンパク質の基質であるということが示唆されるデータがあるかと思います。そうすると、P糖タンパク質を阻害する薬剤との相互作用が一般的には予測されるかと思うのですが、添付文書の相互作用の欄等にはそういったことは記されていないように思います。これについては特に懸念はなく、P糖タンパクの阻害剤と併用しても問題ない程度なのでしょうか。
○松井部会長 併用薬剤に関する御質問ですが。
○川上委員 追加で、例えば、添付文書案の6ページの右側の下の4.排泄の(2)を見ますと、P糖タンパクの基質であることが書かれていますので、多分先ほどの生体試料を使った試験の結果と合う内容かとは思います。一方、5ページの3.相互作用を見ると、他の糖尿病薬や血糖降下作用増強又は減弱する薬剤との併用については書かれているのですが、P糖タンパク質を阻害する薬剤との併用は記されていませんので、基質だとしてもどのぐらいその輸送系で運ばれているかで相互作用の程度は決まってきます。相互作用に関して懸念がなければないで結構なのですが、その辺りのお考えを伺わせていただければと思います。
○松井部会長 いかがでしょうか。
○機構 そのあと、トランスポーターなどの検討をされていて、そこで阻害作用などを示さなかったと書いてありますので、恐らく影響はないとは考えているところです。そこは再度確認させていただき、お答えしたいと思いますが、よろしいでしょうか。申し訳ありません。
○松井部会長 よろしいですか。ほかにありますか。では、確認を要する事項は二つあり、先ほどの林委員の御質問と、川上委員の御質問が残りました。それは、然るべき形で御回答ください。ほかに質疑はありませんか。ないようでしたら、議決に入ります。なお、野田委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づき、議決への参加を御遠慮ください。本議題について、承認を可としてよろしいですか。ありがとうございます。それでは、先ほどの御質問に答えていただくということで、御異議がないようですので、承認を可として薬事分科会に報告させていただきます。
○機構 先ほどのP糖タンパクの所なのですが、今確認をしまして、P糖タンパクに関して阻害剤あり、なしの影響などを確認しており、層別解析をして恐らく差がないというところで、注意喚起は必要ないとの説明がありましたので、報告いたします。
○松井部会長 それでは、次の報告事項に移ります。
○事務局 報告事項について説明いたします。資料番号2を御覧ください。報告議題1、イーケプラ錠250mgほか3規格の製造販売承認事項一部変更承認について報告いたします。本剤は、レベチラセタムを有効成分とする抗てんかん剤であり、現在錠剤及びドライシロップ剤については、「他の抗てんかん薬で十分な効果は認められないてんかん患者の部分発作(二次性全般化発作を含む)」に関する効能・効果で、注射剤については「一時的に経口投与ができない患者における、下記の治療に対するレベチラセタム経口製剤の代替療法」として、「他の抗てんかん薬で十分な効果が認められないてんかん患者の部分発作(二次性全般化発作を含む)」に関する効能・効果で承認されております。
今般、ユーシービージャパン株式会社から、「てんかん患者の部分発作(二次性全般化発作を含む)に対する単剤療法」に関する効能・効果を追加し、注射剤の用法・用量を記載整備する製造販売承認事項一部変更承認の申請がなされました。機構における審査の結果、本申請を承認して差し支えないと判断しております。
続いて、資料番号3を御覧ください。報告事項議題2、アデムパス錠0.5mgほか2規格の製造販売承認事項一部変更承認について報告いたします。本剤は、可溶性グアニル酸シクラーゼ刺激薬であるリオシグアトを有効成分とする経口製剤であり、本邦では2014年に「外科的治療不適応又は外科的治療後に残存・再発した慢性血栓塞栓性肺高血圧症」の効能・効果で承認されております。
今般、バイエル薬品株式会社より、「肺動脈性肺高血圧症」の効能・効果を追加する医薬品製造販売承認事項一部変更承認の申請がなされました。機構における審査の結果、本申請を承認して差し支えないと判断いたしました。
続いて、資料番号4-1から4-4を御覧ください。議題3、医療用医薬品の再審査結果について報告いたします。なお、資料はいずれも医薬品再審査確認等結果通知書となっております。資料4-1は、一般的名称は「インフリキシマブ(遺伝子組換え)」。販売名は、「レミケード点滴静注用100」。資料4-2は、一般的名称は「タクロリムス水和物」。販売名は、「グラセプターカプセル0.5mg」ほか2規格。資料4-3は、一般的名称は医療用配合剤のために該当はありませんが、販売名は「アートセレブ脳脊髄手術用洗浄灌流液」。資料4-4は、一般的名称は「イヌリン」。販売名は、「イヌリード注」です。こちらの品目について、製造販売後の使用成績調査、特定使用成績調査等に基づき再審査申請が行われ、審査の結果、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第14条第2項第3号に掲げられております承認拒否事由のいずれにも該当しないこと。すなわち、効能・効果、用法・用量等の承認事項について変更の必要はない「カテゴリー1」と判定されたものです。報告事項は以上です。
○松井部会長 今の4点の報告事項について、御質疑はありますか。よろしいでしょうか。これらの報告事項については、委員の皆様の御確認を頂いたことにいたします。本日の議題は以上ですが、事務局から何か報告はありますか。
○事務局 次回の部会について報告いたします。次回は、2月20日(金)、午後5時から開催させていただく予定ですので、よろしくお願いいたします。
○松井部会長 それでは、本日はこれで終了といたしますが、足下が悪いかもしれませんので、どうかお気をつけてお帰りください。ありがとうございました。
(了)
小川聡委員は、本日は御欠席です。それから奥田晴宏委員です。加藤総夫委員は、本日は御欠席です。それから金子明寛委員、川上純一委員、神田敏子委員です。木村剛委員は、本日は御欠席です。佐藤雄一郎委員です。鈴木邦彦委員、武田正之委員、内藤幹彦委員は、本日は御欠席です。野田光彦委員、林邦彦委員です。平石秀幸委員、それから新しく委員になられた平安良雄委員は、本日は御欠席です。次に古川漸委員、増井徹委員、松井陽委員、松木則夫委員です。村田美穂委員、山田清文委員は、本日は御欠席です。
また、この部会の部会長は1月26日に総会と薬事分科会が開かれ、そこで医薬品第一部会については松井陽委員に部会長をお願いすることになっておりますので、御報告申し上げます。
○松井部会長 どうか皆さん、よろしくお願いします。
○審査管理課長 さらに薬事・食品衛生審議会令第7条第5項の規定に基づき、部会に属する委員から部会長があらかじめ指名する委員にその職務を代理していただくとなっておりますので、部会長代理については部会長から御指名いただくことになっております。松井部会長、よろしくお願いいたします。
○松井部会長 私は引き続き松木委員にお願いしたいと思います。委員の皆様、いかがでしょうか。ありがとうございます。それでは松木委員、こちらの席にお願いいたします。
○審査管理課長 それでは部会長代理については、松木委員にお願いしたいということで、どうぞよろしくお願いいたします。現在、当部会の委員数が21名ですが、そのうち11名の委員に御出席いただいている状況で、ぎりぎり定足数に達しておりますことを御報告いたします。今回、部会が改まったのをきっかけに薬事分科会において、審議事項や報告事項の切り分けについて先日御議論があり、改めて薬事分科会でこういうことが確認されているのだということで、確認事項について御説明を申し上げます。お手元に資料8で薬事分科会規程、資料9で薬事分科会における確認事項ということで二つの資料を配布しております。資料9、5ページです。表の右側に「部会」と「分科会」と書かれている欄です。それぞれの医薬品のカテゴリー、区分ごとに印が付いており、○が審議、△は報告、▲は文書配布で報告、×は審議も報告も特に必要ないとレベル分けしております。基本的にはこれに基づき、部会、分科会において御審議をお願いしています。
資料8、5ページです。第7条、部会の議決で部会における決定事項のうち、比較的容易なものとして分科会があらかじめ定める事項に該当するものについては、分科会長の同意を得て、当該部会の議決をもって、分科会の議決とします。ただし当該部会において、特に慎重な審議を必要とする事項であるとの決定がなされた場合はこの限りではないということで、原則と例外の形で定められております。先ほどの表に記載している事項以外にこの但し書に該当するような、この部会において特に慎重に審議する必要があると決定された場合には、分科会においても御審議をお願いすることがありますので、この部会における議論で、やはりこれは慎重にやってほしいというような案件がありましたら、そのような取扱いをすることを先生方にも御承知おきいただきたいと思っており、御説明を申し上げているわけでございます。重要な案件は慎重に審議をして、いろいろな角度から御意見を頂いて、議論を尽くすことをこの審議会の中でも確認をしておきたいとの御指摘を分科会で頂きましたので、こういう節目のときに御紹介いたしました。何か御質問等がございましたら、お受けしたいと思っております。
○松井部会長 よろしいでしょうか。
○審査管理課長 もし後でも、疑問な点がありましたら、お問い合わせください。それでは松井部会長、以後の進行をよろしくお願いいたします。
○松井部会長 それでは早速、本日の審議に入ります。まず、事務局から配布資料の確認、審議事項に関する競合品目・競合企業リストについて報告してください。
○事務局 資料の確認です。本日は席上に議事次第、座席表、当部会委員の名簿を配布しております。議事次第に記載しております資料1~4についてはあらかじめお送りしております。このほか資料5、審議品目の薬事分科会における取扱い等の案、資料6は専門委員リスト、資料7は競合品目・競合企業リスト、資料8は薬事分科会規程、資料9は薬事分科会における確認事項を配布しております。
続いて、本日の審議事項に関する競合品目・競合企業リストについて報告します。資料7の1ページです。ザファテック錠50mg、同錠100mgですが、本品目は2型糖尿病を予定効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤として資料に掲げる品目を競合品目として選定しております。以上です。
○松井部会長 ただ今の説明に特段の御意見はありますでしょうか。よろしいですか。それでは本部会の審議事項に関する競合品目・競合企業リストについては委員の皆様の御了解を得たことにいたします。それでは委員からの申出状況について報告してください。
○事務局 各委員からの申出状況です。議題1、ザファテック錠。退席委員なし。議決には参加しない委員は野田委員。以上です。
○松井部会長 委員の先生方、いかがでしょうか。特に御意見ございませんか。それでは御確認いただいたことにいたしまして、議題に入ります。本日は審議事項が1議題、報告事項が3議題となっております。それでは審議事項の議題1に移ります。議題1について説明をお願いします。
○機構 議題1、資料1、医薬品ザファテック錠50mg、及び同錠100mgの製造販売承認の可否について機構より御説明します。本剤はジペプチジルペプチダーゼ-4、以下はDPP-4と呼ばせていただきますが、DPP-4の阻害薬であるトレラグリプチンコハク酸塩を有効成分とする糖尿病治療薬です。食事摂取により、消化管から血中に分泌されるGLP-1を不活化する酵素であるDPP-4を阻害することにより、GLP-1の血中濃度を維持し、血糖降下作用を示す薬剤です。DPP-4阻害薬として8成分目ですが、初めての週1回投与する薬剤となります。
海外の承認状況ですが、2014年11月現在において、海外において本剤は承認されておらず、□□□□□□□です。本品目の専門協議では、資料6に示す先生方を専門委員として指名させていただいております。以下、本剤の有効性及び安全性について臨床試験成績を中心に説明いたします。まず、有効性については審査報告書42ページを御覧ください。日本人2型糖尿病患者を対象に二重盲検比較試験が実施されました。本剤は100mgを週1回、実薬対照であるアログリプチンは25mgを1日1回経口投与されました。同ページの表18に示したように、主要評価項目とされたベースラインから投与24週時までのHbA1c変化量について、本剤群のアログリプチン群に対する非劣性が示されています。また、単独長期投与又は併用長期投与試験が実施され、審査報告書45ページの図1に示したように、本剤単独及び各併用療法の効果の持続性が確認されています。
続いて安全性については、審査報告書50~57ページの「安全性について」の項を御覧ください。50ページの表25及び表26に示した国内臨床試験における有害事象及び副作用の発現状況、並びに51~57ページに記載した低血糖等の個別の事象について検討した結果、適切な注意喚起等がなされることを前提とすれば、特段の問題はないと判断しました。また本剤は週1回投与であり、過量投与や服薬を忘れることの可能性が想定されます。審査報告書58ページ、表28を御覧ください。本剤200mg、週1回、12週間投与したときの安全性、本剤100mgを12週間、連日投与したときの安全性が検討されており、本剤が誤って連日投与、又は過量投与された場合でも安全性上、大きな問題が生じる可能性は低いと判断しております。しかし、本剤が誤って連日投与されることがないよう、特に注意する必要があることから、添付文書における注意喚起に加え、パッケージ付PTPシートに服薬時期や服薬上の注意事項を直接表示する、また本剤を過量投与した場合及び本剤の服用を忘れた場合の対応を患者説明用資料で明確に記載する等の対応をすることにしております。お手元に製剤見本と患者配布資料等はお配りしております。
また製造販売後調査については、審査報告書72ページの「(7)医薬品リスク管理計画(案)について」の項を御覧ください。3年間投与の評価症例として、3,000例の長期特定使用成績調査が計画されており、73ページの表38に示した検討事項に関する情報が収集される予定です。
以上のとおり、機構での審査の結果、「2型糖尿病」を効能・効果として、本剤を承認して差し支えないとの結論に達し、医薬品第一部会で審議されることが適当と判断しました。本剤は新有効成分含有医薬品であるため、再審査期間は8年が適当であると判断しております。なお、原体及び製剤はいずれも毒薬又は劇薬に該当せず、生物由来製品及び特定生物由来製品のいずれにも該当しないと判断しております。薬事分科会では報告を予定しております。なお、奥田委員より事前に本薬の出発物質の一つである2-(ブロモメチル)-4-フルオロベンゾニトリル、以下、本化合物と呼びますが、本化合物について構造から遺伝毒性が懸念されるため、ザファテック錠投与に際しての遺伝毒性の評価について御質問を頂いております。ザファテック錠投与に際して、安全性上の懸念はないと考えた理由について説明いたします。本化合物はAmes試験の結果が陽性ですが、原薬製造工程において、効果的に除去されることが確認されており、原薬に残存する含有量は2.5ppm未満であったと説明されております。ザファテック錠は週1回投与製剤ですが、ザファテック錠100mgを投与したときの本化合物の投与量は最大でも0.25μgであり、毒性学的懸念の閾値である1.5μg/dayを超えないことから、安全性上の懸念はないと申請者の説明は受け入れ可能と考えました。奥田委員には以上について事前に御説明し、御了承を頂いております。以上です。審議のほどよろしくお願いいたします。
○松井部会長 委員の先生方、お気付きかもしれませんけれども、機構からの概要説明をメインテーブルでしてみようと、しばらくこれでいってみようということです。それではただ今の説明について、委員の先生方から御質疑をお願いします。いかがでございますか。
○野田委員 これは100mg錠と50mg錠がありまして、50mgを使用する機会は添付文書(案)の4ページ右上の「中等度腎機能障害患者では、投与量を適宜減量すること」という所、そのために50mg錠があるのだと思いますが、かつてのスーグラの肝障害のときもそうだったと思いますが、そこにしかないわけなので、適宜減量といっても、これは50mg以外にはなりようがありませんね。例えば、書き方の問題かもしれませんが、「50mg錠を用いる」などという、エクスプリシットに書くというか、そういうようにするという考え方はないのかと。例えば、適宜といっても、75mg、25mgにはなりようがないわけです。その辺りはどうなのかと思いますが。
○松井部会長 いかがでしょうか。
○機構 御指摘ありがとうございます。先生がおっしゃるとおり、本剤は中等度の腎機能障害患者に対してのみ50mgは使うことになりますので、そのように書いた方が明確になりますので、申請者にも先生の御指摘をお伝えした上で、記載ぶりを考えていきたいと思っております。
○松井部会長 よろしいでしょうか。ほかにいかがでしょうか。
○川上委員 薬剤の特徴を教えていただきたいのですが、週1回投与の製剤ということで、半減期が長いことと作用部位への親和性が高いことが、その薬剤の薬物動態・薬力学的な特徴かと思います。親和性が高いということは理解しやすいのですが、血液中からの消失半減期が50~60時間くらいの薬物でタンパク結合率もそれほど高くはないと思いますが、半減期が長いメカニズムというのはなぜなのですか。
○機構 御指摘ありがとうございます。その点に関しては、まず、武田薬品工業株式会社においては、DPP-4阻害薬に関しては連日投与のものが既に販売されております。ネシーナ錠、一般名アログリプチンというものがあり、今回の臨床試験でも対照群として置かれたものです。構造上ネシーナ錠と違うところは、本剤の構造ではベンゼン環にフッ素が付いているのですが、ネシーナにはそれがないところと、あとは塩の部分、そこが安息香酸塩かコハク酸塩の違いで、基本的に大きな構造上の違いはございません。ですからネシーナ錠との薬物動態的プロファイルは大きな違いはありません。何が違うのか。本剤に関しては比活性が高い。DPP-4阻害率が本剤の方が低用量で阻害します。ですからネシーナ錠に関しては、1日1回25mgを投与するものですが、本剤は100mgと量を増やしているということ。さらに比活性が高いということで、1週間たっても効果は持続するのが本剤の特徴になります。
○松井部会長 ほかにいかがでしょうか。
○野田委員 このお薬は効果の持続時間が長いということは、副作用も相当長期間続く可能性があると思われるわけで、それについて添付文書の4ページ右の一番下の方に、本剤は1週間に1回経口投与する薬剤であり、投与中止後も作用が持続するので云々とございますが、基本的に書きぶりは他のDPP-4阻害薬と本質的に変わっていないような気がするのです。やはりDPP-4阻害薬と例えばSU薬との併用による低血糖は相当長期間、これまでの1日1、2回投与のものでもやはり2日間ぐらいは続いていたと経験上そう思います。そうするともう少し目立つようにならないかと。例えば用法・用量に関する使用上の注意の所に書いてよい事項なのか。カテゴリー的にそこに書けるものかどうか分かりませんが、もう少し処方される先生方に副作用も長く続くというようなことを添付文書上でも注意喚起できないかという気がしたのですが、いかがでしょうか。
○松井部会長 いかがですか。
○機構 御指摘ありがとうございます。実際、まず、発現頻度に関しては、今回対照群のネシーナ群と発現では変わらない。ただ先生がおっしゃったように、今回、週1回で作用も長く効くということで、その期間が長くなることはおっしゃるとおりだと思います。用法・用量に関して使用上の注意に記載するのがいいのかについては、少し内容として検討する必要があると思います。これに関しては持ち帰り、どこに記載するか、目立つ記載ですね。または添付文書で対応できない場合には、配布資料等でもっと目立つようにするなど方法はあると思いますので、その辺も含めて考えてみたいと思います。
○機構 追加でお答えいたします。一番先生が御懸念されるのは、低血糖だと考えています。それでアログリプチンと対照の試験等で確認しましたが、低血糖自体の発現頻度は変わりませんし、一つ一つの事象を見ても、すべて軽度で遷延が問題になったものはなく、現時点では特に注意喚起を強めるような根拠はないと考えております。ただ今後、市販後調査等でほかのGLP-1の長期の週1回製剤等も併せて観察して、必要に応じて検討するべき事項と考えております。
○野田委員 了解いたしました。よろしくお願いします。
○松井部会長 ほかにいかがでしょうか。
○神田委員 これは、成人が対象の薬ということで、小児には使わないということでよろしいのでしょうか。添付文書に小児への投与と書いてありまして、これをどう理解したらいいのかと思います。ほかの薬にも、こういったことが書かれていることはありますが、それが一つです。もう一つは、毎日飲む薬がある中で、週1回の薬を作ることのメリット、必要性についてです。念のためにお聞きしたいのですが、報告書の48ページに本剤の臨床的位置付けがあるのでそこを読めばよろしいのでしょうが、読んでも分からないのでお聞きします。1週間に一度にすると、服薬アドヒアランスの向上が期待できるというようなことで、3点ぐらい書いてあります。私が考えるのに、1週間に一度になりますと、かえって意識も薄れるしというようなことがある中で、こういったことが期待できるという理由はどういうことにあるのかが一つです。
それから、過量に対してはこれも今拝見しましたら、週1回飲む薬ですと大きく書いてありますので、情報提供ができるかと思いますが、私はむしろ週1回になると飲み忘れの方がすごく気になっております。こういった薬を必要としてくる年齢になってくると、余計に忘れてしまうと。私も、日常的にいろいろなことを忘れますので、こういった忘れないための情報提供がここを見ただけでは分からなくて、飲み忘れの方の情報提供をどのようになさって、それに確実性があるのかが具体的によく分からないので、教えていただきたいと思います。
○松井部会長 今の三つの質問にお答えください。
○機構 初めに、小児投与に関する御質問の件なのですが、本剤に関しては先生がおっしゃられたように、他剤と同様、小児に関して投与してはいけないとまでは言っていないところです。基本的に、投与した成績がないものですから、今回の場合には小児に対する安全性が確立していないということで、使用経験がないという事実を記載させていただいており、通常の対応と同じような対応をさせていただいている次第です。
また、アドヒアランスというのは、要するに服薬し忘れのことですね。コンプライアンスとも言うと思いますが、アドヒアランスの点に関しては、週1回では飲み忘れをするのではないかということに関しては、私どもも同じような懸念はありました。飲み忘れた場合にどうするのかですが、次の質問とも関連するのかもしれませんが、配布した製剤のパッケージに週1回ということを明確に書いたことと、飲み忘れた場合には患者配布資料において、気付いた段階で飲んでいただいても構わないということになっております。例えば、毎週日曜日に飲むとした場合には、そこで飲み忘れた場合には気付いた段階で飲んでいただくと。それで、次の日曜日がきたらまた飲むという形で飲んでいただいても構わないということを、患者への配布資料で記載しております。そのような対応では、いかがでしょうか。
○神田委員 いいと思うのですが、今の御説明は資料の中に書いてあったことですので、読んでおります。そういう形で、忘れたらいつでも飲めばいいということなのですが、しつこいようなのですが、本当にしょっちゅう忘れるのではないかという懸念があります。ですから、その辺りはよほど注意して情報提供にどういうものがあるのか、私は具体的には全然浮ばないのですが、毎日でしたら毎朝とか。しかし、1週間に一度や3日に一度と間が空くと忘れてしまうので、本当に大丈夫なのかという懸念を持っていることだけ、お伝えしておきます。
それから、先ほどのアドヒアランスの向上というのがよく分かりませんでした。小児の件についても、御説明は分かりましたが、今までほかの薬でも事実の記載ということでありましたが、仮にこれを医師などが読んだときに、どのようにこれを使うのか。例えば、使う場合のマニュアルではないですが、まだ経験がないけれども、あるいは安全性が確立されていない。妊婦の方もそうですね。こういう表現がときどき出ておりますが、そういった使う場合のマニュアル的なルールのようなものもあるのか、ないのか。あるいは、実際には全く使われていないのかをお聞きできればと思います。
○機構 小児に対してマニュアルがあるかというと、マニュアルは特にないと思うのですね。そこは、医師の感覚的なところで多分減量しながら投与するということが行われているのが事実だと思います。ですから、そこに関しては、今はそれ以上の情報を先生にお伝えするほど余りないのかと思うのですが。
○機構 補足いたします。今、先生から御指摘のあったアドヒアランスですが、申請者からの資料にはなりますが、1-5の起原、発見の経緯、開発の経緯という緑色のタグの1.5の4ページに、服薬のアドヒアランスについて記載があります。アンケートを実施しているということですので、余り厳密な調査ではありませんが、一般的に服薬回数が少ないことを希望するというようなアンケート結果があったとは書いてあります。ただ、先生が御指摘のように、それが週1日というのはどうかというようなことはあるかと思います。ただ、審査報告書にも書きましたが、例えば認知症患者のように、ほかの方が服薬のサポートをするようなケースにおいて、服薬の回数が少ないことが多少負担の軽減になるのではないかというようなこともあり、あくまで治療の選択肢の一つということで、先ほど申し上げましたように、既に同じ作用機序の薬、1日1回のものも幾つか承認されておりますので、それぞれの患者に応じて選択を頂く際に、こういった服用の仕方も一つ選択肢として御用意できるといったものになろうかと思います。
○松井部会長 神田委員、週1回のメリットについてはよろしいですか。
○神田委員 ありがとうございます。そうだと思います。選択肢の一つということは、いろいろな薬の場合においても必要なことだと思いますので、分かりました。
○松井部会長 よろしいですか。
○神田委員 はい。
○松井部会長 ほかにありますか。
○奥田委員 神田委員の質問に関連して、1点だけ確認いたします。この服薬指導のQ&Aというのは、これは実際に服用される患者にお渡しして読んでいただくものですか。
○機構 こちらは、医師用になります。もう一つの方ですね。
○奥田委員 こちらの患者さんへという方ですね。
○機構 これが、患者向けになります。
○奥田委員 分かりました。例えば、この容器だけを見ていますと、週1回飲むと。飲み忘れたら、そのときに飲んでくれということで、もしかすると1日2回飲んでしまう人もいるかもしれない。2回というのは、2錠まとめてではなく、「あっ」と。
○松井部会長 1週間に2回ではなくてですか。
○奥田委員 いや、1日に2回です。同時ではないにしても、いろいろなケースがあるのだろうと思いますので、その辺りはもしかしたら、ここはもう薬剤師の領域になるのだろうと思うのですが、きちんと医者や薬剤師に情報提供をしていただいて、丁寧な服薬指導が行われる方法を取っていただきたいと思います。
○機構 御指摘ありがとうございます。今、先生が御指摘のように、やはり実際に薬局で渡していただくときに丁寧な説明を頂くことが大事かと思いますので、製販業者にその旨申し伝えたいと思います。
○松井部会長 ほかにありますか。
○松木部会長代理 私も、先ほどの何で1週間効果が持続するかが、よく理解できませんでした。どこかに、確か数字で1週間後に60何パーセント抑えられているというのがあったと思います。DPP-4のターンオーバーがどのぐらいで起こるかは分かりませんが、不可逆的な抑制ではなく、可逆的な抑制でこれだけ持続するということなのですか。何でこのような質問をするかというと、不可逆的抑制ですと結構アップレギュレーションが掛かってしまう可能性があるので、中止したとき、ほかの薬に変えたときに、逆にリバウンドでGLP-1が下がってしまうとか、そのようなことも起こるのかと思ったのですが、そういうことは大丈夫なのですか。
○松井部会長 いかがですか。
○機構 可逆的な阻害というのは確認されております。そのあとのアップレギュレーションなどに関しては、説明がないと思いますので企業に確認はしてみます。
○松木部会長代理 可逆的であったならば、今までも同様の薬を毎日投与していたわけですから、それは大丈夫だと思います。
○機構 よろしいですか。ありがとうございます。
○松井部会長 ほかにありませんか。
○林委員 アドヒアランスにもう1回戻ってよろしいですか。審査報告書ですと、42ページの第 III 相試験は、多分プラセボを使っていらっしゃるので、実質的には週1回投与の患者はない形ですね。44ページの第 III 相の長期投与は単独群がありますので、ブラインドは掛けていないと思いますので、このときのアドヒアランスがほかよりもよかったというようなデータはお持ちでしょうか。飲み忘れがほとんどなかったとか。多分、先ほどのアンケートでは一般的な意味でのお話だと思うのですが、この薬剤固有で例えば週1回にしたら、確かに飲み忘れが少なくなったというようなものがあれば、先ほどの質問に直接答えられるのかと思ったのですが。
○松井部会長 データはありますか。
○機構 今確認させていただきたいと思います。ただ、治験の場合は全体的に御理解がある方が参加されているため、一般よりも高いアドヒアランスだと思うのですが、また確認させていただき、後ほど先生に御連絡をいたします。
○松井部会長 林先生、それでよろしいですか。
○林委員 はい。
○機構 申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。
○松井部会長 ほかにありますか。私から、日本で海外に先立って承認される、□□□□□□であると書いてあるわけですが、その理由は何かありますか。□□□□□□□□理由です。
○機構 これは、武田薬品工業が開発しておりますので、多分日本を優先して開発されているということで、日本の方が臨床試験が先に進んでいる状況です。海外においては、第 II 相試験をやっているという情報を聞いております。□□□□□□□□□□、□□□□□□□□□□□□□□□□。
○機構 先ほどの部会長の質問に対して追加いたします。欧米、特に米国においては、糖尿病の開発に長期間の心血管リスクの評価を求めている状況です。ですから、国内の開発が先行することも今後も十分ありますし、本剤はその一つのケースかと考えております。
○松井部会長 ありがとうございます。
○川上委員 審査報告書の26ページで、ヒトの生体試料を用いた試験というものがあり、Caco-2細胞を用いた膜透過実験で、本薬物がP糖タンパク質の基質であるということが示唆されるデータがあるかと思います。そうすると、P糖タンパク質を阻害する薬剤との相互作用が一般的には予測されるかと思うのですが、添付文書の相互作用の欄等にはそういったことは記されていないように思います。これについては特に懸念はなく、P糖タンパクの阻害剤と併用しても問題ない程度なのでしょうか。
○松井部会長 併用薬剤に関する御質問ですが。
○川上委員 追加で、例えば、添付文書案の6ページの右側の下の4.排泄の(2)を見ますと、P糖タンパクの基質であることが書かれていますので、多分先ほどの生体試料を使った試験の結果と合う内容かとは思います。一方、5ページの3.相互作用を見ると、他の糖尿病薬や血糖降下作用増強又は減弱する薬剤との併用については書かれているのですが、P糖タンパク質を阻害する薬剤との併用は記されていませんので、基質だとしてもどのぐらいその輸送系で運ばれているかで相互作用の程度は決まってきます。相互作用に関して懸念がなければないで結構なのですが、その辺りのお考えを伺わせていただければと思います。
○松井部会長 いかがでしょうか。
○機構 そのあと、トランスポーターなどの検討をされていて、そこで阻害作用などを示さなかったと書いてありますので、恐らく影響はないとは考えているところです。そこは再度確認させていただき、お答えしたいと思いますが、よろしいでしょうか。申し訳ありません。
○松井部会長 よろしいですか。ほかにありますか。では、確認を要する事項は二つあり、先ほどの林委員の御質問と、川上委員の御質問が残りました。それは、然るべき形で御回答ください。ほかに質疑はありませんか。ないようでしたら、議決に入ります。なお、野田委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づき、議決への参加を御遠慮ください。本議題について、承認を可としてよろしいですか。ありがとうございます。それでは、先ほどの御質問に答えていただくということで、御異議がないようですので、承認を可として薬事分科会に報告させていただきます。
○機構 先ほどのP糖タンパクの所なのですが、今確認をしまして、P糖タンパクに関して阻害剤あり、なしの影響などを確認しており、層別解析をして恐らく差がないというところで、注意喚起は必要ないとの説明がありましたので、報告いたします。
○松井部会長 それでは、次の報告事項に移ります。
○事務局 報告事項について説明いたします。資料番号2を御覧ください。報告議題1、イーケプラ錠250mgほか3規格の製造販売承認事項一部変更承認について報告いたします。本剤は、レベチラセタムを有効成分とする抗てんかん剤であり、現在錠剤及びドライシロップ剤については、「他の抗てんかん薬で十分な効果は認められないてんかん患者の部分発作(二次性全般化発作を含む)」に関する効能・効果で、注射剤については「一時的に経口投与ができない患者における、下記の治療に対するレベチラセタム経口製剤の代替療法」として、「他の抗てんかん薬で十分な効果が認められないてんかん患者の部分発作(二次性全般化発作を含む)」に関する効能・効果で承認されております。
今般、ユーシービージャパン株式会社から、「てんかん患者の部分発作(二次性全般化発作を含む)に対する単剤療法」に関する効能・効果を追加し、注射剤の用法・用量を記載整備する製造販売承認事項一部変更承認の申請がなされました。機構における審査の結果、本申請を承認して差し支えないと判断しております。
続いて、資料番号3を御覧ください。報告事項議題2、アデムパス錠0.5mgほか2規格の製造販売承認事項一部変更承認について報告いたします。本剤は、可溶性グアニル酸シクラーゼ刺激薬であるリオシグアトを有効成分とする経口製剤であり、本邦では2014年に「外科的治療不適応又は外科的治療後に残存・再発した慢性血栓塞栓性肺高血圧症」の効能・効果で承認されております。
今般、バイエル薬品株式会社より、「肺動脈性肺高血圧症」の効能・効果を追加する医薬品製造販売承認事項一部変更承認の申請がなされました。機構における審査の結果、本申請を承認して差し支えないと判断いたしました。
続いて、資料番号4-1から4-4を御覧ください。議題3、医療用医薬品の再審査結果について報告いたします。なお、資料はいずれも医薬品再審査確認等結果通知書となっております。資料4-1は、一般的名称は「インフリキシマブ(遺伝子組換え)」。販売名は、「レミケード点滴静注用100」。資料4-2は、一般的名称は「タクロリムス水和物」。販売名は、「グラセプターカプセル0.5mg」ほか2規格。資料4-3は、一般的名称は医療用配合剤のために該当はありませんが、販売名は「アートセレブ脳脊髄手術用洗浄灌流液」。資料4-4は、一般的名称は「イヌリン」。販売名は、「イヌリード注」です。こちらの品目について、製造販売後の使用成績調査、特定使用成績調査等に基づき再審査申請が行われ、審査の結果、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第14条第2項第3号に掲げられております承認拒否事由のいずれにも該当しないこと。すなわち、効能・効果、用法・用量等の承認事項について変更の必要はない「カテゴリー1」と判定されたものです。報告事項は以上です。
○松井部会長 今の4点の報告事項について、御質疑はありますか。よろしいでしょうか。これらの報告事項については、委員の皆様の御確認を頂いたことにいたします。本日の議題は以上ですが、事務局から何か報告はありますか。
○事務局 次回の部会について報告いたします。次回は、2月20日(金)、午後5時から開催させていただく予定ですので、よろしくお願いいたします。
○松井部会長 それでは、本日はこれで終了といたしますが、足下が悪いかもしれませんので、どうかお気をつけてお帰りください。ありがとうございました。
(了)
- 備考
- 本部会は、企業の知的財産保護の観点等から非公開で開催された。
照会先
医薬食品局
審査管理課 課長補佐 井本(内線2746)