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2015年2月4日 平成26年度第3回発がん性評価ワーキンググループ 議事録

労働基準局安全衛生部化学物質対策課化学物質評価室

○日時

平成27年2月4日(水) 16:00~


○場所

厚生労働省専用第20会議室17階


○議事

○北村有害性調査機関査察官 本日はお忙しい中、御参集いただきまして、誠にありがとうございます。定刻になりましたので、ただいまより第3回発がん性評価ワーキンググループを開催いたします。以下の進行は西川座長にお願いいたします。

○西川座長 議事に入る前に、事務局より議事次第と資料の確認をお願いいたします。

○北村有害性調査機関査察官 議事次第を説明いたします。本日の議題は、平成26年度の既存情報による発がん性評価ということで、事前に先生方に御評価いただきました56物質について、議論をしていただく予定としています。

 裏面の資料を御確認ください。資料1と資料1-2は、A4サイズでホチキス止めをしてあります。資料1110ページまで、資料1-211ページからになっております。資料2ですが、検討対象物質の個票ということで、A4縦のクリップ止めにしてあります。資料2に関連する資料として、先生方のお手元だけに置かせていただいておりますが、紙ファイルで文献を用意しております。青と緑がありますが、青のほうが先に始まる文献になっております。緑のほうが後半のものになっております。事務局のミスで、吉田先生が御担当のC-2169だけこのファイルから漏れておりましたので、別のクリップ止めになっております。資料3は「今後の予定等」というA41枚紙になります。

 参考資料は、参考資料1から参考資料5までホチキス止めしてあります。資料は以上です。

○西川座長 資料はよろしいでしょうか。本日の議題に入ります。議題1、平成26年度の既存情報による発がん性評価について、事務局から説明をお願いいたします。

○角田化学物質評価室長 個別物質の検討に入る前に、今までの経過を簡単に報告させていただきます。時間の関係もありますので、なるべく効率的に説明いたします。参考資料のつづりを1枚めくって、1ページ目に先生方の名簿があるものです。参考資料2「職場で使用する化学物質の発がん性評価基準骨子」ということで、これは平成25年度のワーキングで検討して、その後、修正したものです。1でリスク評価対象物質の候補とすべきものということでまとめておりますが、この中で1(1)「以下に該当する物質については、リスク評価の対象物質の候補とし、発がん性のスクリーニングの対象から除外する」ということで、(1)(2)(3)と書かれております。(1)IARC12Bのもの、(2)IARCの発がん性評価区分で12Bに分類されていないということで、アとイと2項目あります。アは化審法の一般化学物質等に関するスクリーニング評価において、発がん性クラスが1又は2と評価されたものということ。イは、他の関係機関等の発がん性評価区分又は既存の発がん性に関する試験の結果等から、専門家によりIARCの評価区分の12Bに相当すると判断されたものということが書いてあります。

 この検討を今、先生方にしていただいているという位置付けです。

 参考資料の11ページですが、既存情報による発がん性評価のうち、専門家による発がん性評価の基本的な考え方()ということでまとめておりますが、これは昨年7月に第2回のワーキングをしたときに、いろいろと御議論があった部分を再整理するということで、追加したものです。修正部分については、下線部に整理して、昨年、今回の検討をお願いする際にこれもお送りしておりますので、既に御覧になっていらっしゃると思いますが、この基本的な考え方に沿って検討していくという形です。1の共通事項としては、IARCの基準を採用するということです。(2)として原則、事務局が収集・整理した文献等に限るということです。ただ、それ以外の文献を専門家が持っている場合はこれを含めてもよいということです。(3)は、資料が疫学調査に関するもののみである場合には、発がん性ワーキングではその物質の評価作業を行わないということで、疫学だけの文献のものも若干ありますが、その検討については今、事務局のほうで関係の先生にお願いできるかということを検討しているところです。評価の際には12Bに相当するということだけではなくて、判断した理由も併せて整理していただくということです。2の個別事項として、それぞれの分類の状況ごとにまとめておりますので、ここは省略いたします。

 次ページに参考資料4「主な機関の発がん性評価の分類基準」という大きなものが載っていますが、GHSIARCEU、日本産業衛生学会、ACGIHEPANTPということで、まとめたものです。一番下、注4に書いてあるとおり、分類の対応関係はこのとおり横に線がぴったり合うようなものではありませんので、個々にいろいろと検討していく必要があると思いますが、こういったことも目安にして、現在、物質を整理しつつ検討しているという状況です。

 参考資料5「ワーキンググループでの検討状況」ということで、今までの検討の流れを簡単にまとめております。一番右にあるフロー図は、既にワーキングでもお示ししている発がん性評価を加速化していきましょうということで、全体的にはこういうフローで進んでいるところです。左側に「発がん性WGの検討事項」とありますが、そのフローに即して、この発がん性ワーキングでどういうことを検討するかということを今まで決めたものについて、ここに書いているところです。左から2番目ですが、514日に検討しました。これは省略します。一番左に710日の検討事項がありますが、これを簡単に申し上げますと、化審法のスクリーニング評価で発がん性クラス1又は2のものを整理して、10物質案を確認しました。714日の企画検討会というリスク評価対象物質を検討する会議がありますが、ここで2物質をリスク評価対象物質として選定して、他の神経毒性なり生殖毒性等を含めて選定された18物質も合わせて20物質を、平成2612月に告示したということです。告示をすると、平成283月までに事業者から報告が上がってきますので、そのデータを踏まえてリスク評価をしていくという流れであります。その下の四角の中ですが、既存の発がん性情報を活用した発がん性評価を進めていきましょうということで、専門家による発がん性評価の基本的な考え方を提示して、2はそれに基づいて125物質のリストを提示して、125物質の中から5物質を選んで試行的な評価をしました。左下の点線で囲まれた所ですが、第2回での意見を踏まえて1を修正するという、先ほど紹介したものです。2を受けて、委員の皆さんに評価の検討をお願いしたところです。これは56物質ということです。また、新たな情報として、先ほど申し上げましたように疫学文献の扱いを検討しているということです。その他、遺伝子改変マウスの試験基準等の検討がありますが、これは今回はできませんので、平成27年度以降という形になります。

 このような中で進めてきて、資料としては資料1です。この資料1の中で、10ページまでが各先生方に整理していただいたもので、11ページについては先ほど125物質ということで、前回整理したものの中から、一番右の備考欄で●が付いているものについて、今回、検討対象にしているものです。今までの経緯については以上ですが、これを踏まえて資料1について、これから検討していくということです。経緯等の説明は以上です。

○西川座長 ただいまの説明資料には、今回の評価の検討依頼の際に既に事務局から配布されている資料もありますが、何かあればお願いいたします。

 続いて、個別物質の評価を行います。本日は、昨年11月から1月まで、各委員が分担して評価した56物質について、評価結果を検討します。新たな文献等を踏まえると、IARCの発がん性分類で2B以上と言えるか否かという評価になります。まず、事務局から報告してもらい、その後、担当委員から適宜、説明していただきます。順番どおり、小野寺委員検討分を事務局からお願いいたします。

○角田化学物質評価室長 1ページ目です。まず、小野寺委員のものです。最初にあるo-クロロニトロベンゼンについては、IARC3の評価で1996年に評価されております。その後、#1と#2に新たな動物試験の文献があったということで、これについて評価するものです。評価機関の評価は、IARC12Bでないものについて評価するということですので、大体3になっております。それ以外の機関についても、このような形で評価が入っているところです。その後、右の動物試験文献ということで、データが新たに追加されておりますので、その従来の評価機関の評価にプラス、この新しい文献を加えたら、これがIARC12B相当と言えるかどうかという検討を個別にしていただいたところです。網掛けに色が塗ってあるのは、評価機関の評価よりも古い文献ということですので、基本的にはこれは確認はしていただかなくても結構ですという意味です。

 最初のC-1002ですが、これは12が日本バイオアッセイ研究センターで、既に国の委託により2年間の経口投与試験を実施している物質です。これで雌雄ともに肝細胞がんと肝細胞腺腫の発生が増加していたということで、上がラットで、下に書いてあるのがマウスです。マウスでは、肝芽腫、肝細胞がん及び肝細胞腺腫の発生が増加しているということです。これを踏まえて、既にがん原性指針により指導しているものです。これは指導済みのものですが、併せてIARC相当かどうかという判定をしていただいたところ、これは○となっております。

 その下のマンネブについては、12のデータを踏まえて、これは該当しないという判断です。

 その下の硫酸ヒドロキシルアミンですが、血液毒性が顕著で、脾臓の血管腫瘍が雌雄ともに有意に増加しているということです。これはラットの飲水投与の試験で24か月のものですが、それを踏まえて判定は○となっております。

○小野寺委員 今までのところで2つあるのですが、資料1-2でマンネブが検討済みで、IARC12B相当に○が付いているのですが、マンネブはマイナスで出したのですけれども。

○角田化学物質評価室長 何ページでしょうか。

○小野寺委員 11ページです。

○角田化学物質評価室長 11ページのマンネブの所ですね。

○小野寺委員 はい。

○角田化学物質評価室長 11ページの7番目で。

○小野寺委員 これはネガティブなので、IARC2Bに相当しない結論なのですけれども。

○角田化学物質評価室長 このIARC12B相当に○、仮判定という、この欄の意味ということですね。

○小野寺委員 はい。

○角田化学物質評価室長 例えば1で「IARCのみ評価あり、IARC12B以外、評価者未記載の文献あり」という先ほどの判断基準の所で、いろいろ場合分けをして整理しているものです。例えば2の「他機関のみ評価あり、他機関がIARC12B相当」ということで、要するに物質をある程度括った上で検討していただくということで、仮評価をしたという意味です。これは今回の検討の前の段階ということで、無視していただいて結構です。

 それはどう判定したかといいますと、先ほどの大きな図の各機関の評価の表を載せておりましたが、大体この分類の区分で相当すれば、IARC2Bに相当するのではないかということで、ある程度、物質の分類に活用したというだけです。正式な評価は今回の先生方の資料1でやるというものです。

○小野寺委員 それが1つと、硫酸ヒドロキシルアミンですが、私は判定を○にしたのですが、これはラットだけなので、IARCの判定からいくとラット、マウス2種が出た場合という所になるので、これの判定がマウスはネガティブなのです。ラットだけがポジティブなので、これが本当に○にしていいかどうかというのを御意見頂ければと思います。

○西川座長 一通り小野寺委員の説明が終わった後で、個々にやっていきたいと思います。

○角田化学物質評価室長 一通り説明いたします。その下のC-1127、グリオキサルですが、23の試験データ、新しいものを踏まえて、判定は×です。

 ステアリン酸鉛ですが、判断保留となっておりますが、データとしては発がん性のデータの評価は不十分ではないかということもありまして、判断保留になっております。

 その下の硝酸クロムですが、12の文献で、F344ラットの雄の包皮腺について出てはおりますが、総合的な評価については×になっております。

 その下の4-ニトロトルエンですが、雄ラットの皮下、マウスの肺、雌ラットの陰核腺で、若干認められるデータはありますが、これも判定としては×という形です。

 その下のベイシックレッド112の文献を踏まえて×という評価になっております。

p-トルイジンは、マウス腫瘍が雌雄で、雌は高濃度で出たということで、こういったデータはありますが、これは×評価です。

 その下のC-2154ですが、血管腫がラットとマウスで雌雄、肝がんがラットの雌雄、マウスで雌、耳、皮膚がんですが、ラットとマウスの雌で出ている。前胃がラットの雌雄で出ている。ハーダー腺でマウスの雌に出ている。こういったデータを踏まえて○となっております。

 その下のC-2109については文献123を踏まえて×です。

C-2069についても、文献1のデータを踏まえて、これはネガティブということもありますので、×になっております。

 この中で判断保留になっているのがステアリン酸鉛ということで1つ、先ほど御指摘がありましたが、現案では○が3つです。簡単ですが、事務局からは以上です。

○西川座長 小野寺委員から追加の説明をお願いいたします。

○小野寺委員 今の説明の中で、先ほども言いましたように塩酸ヒドロキシルアミン、C-1070が発がん性の評価の所で、皆さんのお手元にEUから出てきた資料がパソコンに入っていますので、1070PDFを開いてもらうと、184ページにある膨大な報告書の139ページに発がん性の結果が出ております。ウィスターラットを使って、飲水24か月を実験したところ、脾臓のhemangiosarcomahemangiomaが投与群において増えてきています。これを発がん性ありと取るかどうかという判定がちょっと。

○西川座長 ページ数の確認ですが、印刷物では59ページですね。そもそも100何ページなんてないので。

○小野寺委員 あります。これは多分、全部。

○角田化学物質評価室長 今、先生が御説明になったのは、データの部分をまとめた表のもので、それを書いているのが今のページですと24ページです。右下に通し番号のページが振ってあるのですが、分かりにくくてすみません。24ページにあります。これがラットの試験の結果です。

○小野寺委員 この結果からいくと、脾臓から発生したと思われる血管腫と血管肉腫が投与群において増えているのですが、これを腫瘍性ありと取るかどうかという判定です。ラットにおいては、これはスライトリーに弱い発がん性があると評価しても、マウスでネガティブなので、○というところはちょっと言いすぎかなと。

○西川座長 それはまた後ほど議論したいと思います。残り、追加があればお願いします。

○小野寺委員 あとは判定どおりで、ステアリン酸鉛については、鉛全体についての資料は結構あるのですが、このステアリン酸鉛と単独でのデータが見当たらなかったので、判定不能ということで保留にしました。

○西川座長 分かりました。そうしますと、議論すべきところからいきたいと思います。最初は硫酸ヒドロキシルアミンで、ラットで脾臓の血管腫瘍が増加した。統計上的に有意なのですね。

○小野寺委員 はい。

○西川座長 けれども、マウスで発がん性はないということです。これをIARC2B相当としていいかどうかということですが、津田先生、こういうのは通常どうですか。

○津田委員 なりません。

○西川座長 2Bとはしないということですね。

○津田委員 3です。このデータだけですか。マウスのデータが既にあるのですか。

○小野寺委員 あります。マウスはネガティブです。

○津田委員 それで足すことにラットにおいてということですね。

○小野寺委員 はい。

○津田委員 雌雄とも。

○小野寺委員 はい。ラットで雌雄ともに同じ標的。

○津田委員 前の評価のときは3であったのは、ラットのデータがなかったということですか。

○小野寺委員 はい。

○津田委員 それで、新しく。

○小野寺委員 新しくこのデータが出てきたということです。

○西川座長 IARCでは評価されていないですよね。

○小野寺委員 はい。今EUの評価で。

○津田委員 2番と書いてある物質ですね。

○小野寺委員 そうです。

○角田化学物質評価室長 硫酸ヒドロキシルアミンですね。

○津田委員 それはどちらかの2年ものがポジティブの場合にやっと。

○西川座長 ですから、ラットで脾臓の血管腫瘍が増えているのです。

○津田委員 マウスは完全に発がん性があって。

○小野寺委員 いや、マウスはなしです。

○津田委員 ラットだけ。なりません。

○小野寺委員 雌雄ともに用量相関をもって増えているので。

○津田委員 ラットだけで発がん性があるということでは2Bになりません。

○西川座長 IARCの評価に長く関わってこられた津田先生の御意見ですが、よろしいですか。

○若林委員 確認ですが、sufficient evidence carcinogenic、もちろん先生が言われる2種類以上の動物種というのが第1点で、又は1種類の動物で異なる時期、異なる研究機関又は異なるプロトコールで実施された2つ以上の独立した研究において作用因子うんぬんというのがありますよね。それに今のものが本当に入るか入らないかということです。

○津田委員 これは1つの実験でしょう。

○小野寺委員 1つの実験です。

○津田委員 1つの実験では入らないと思います。

○西川座長 よろしいでしょうか。この物質については、まだ2B以上とは言えないということで×でいいですね。

○小野寺委員 はい。

○西川座長 それから、ステアリン酸鉛については、十分なデータがないということで、これは判断保留としか言いようがないので、これもやはり現段階での判定としては×ということにしてよろしいですか。

○小野寺委員 そうですね。判断不能なのか×なのかというところが、ちょっと分からなかった。

○西川座長 ○、×以外に、判断できないという判定を設けてよろしいですか。

○角田化学物質評価室長 どうしてもできない場合は。ただ、基本的にデータがなくて判断できなければ、もうそこは該当するという判断はできないわけですから。

○西川座長 どちらかだと思うのですね。該当しない、あるいは判断できないと。

○小野寺委員 鉛リード化合物に関しては、腎毒性がよく知られているのですが、このもの自体のデータがないというので判断に迷いました。

○西川座長 ということで判断できない、保留ということでよろしいですか。

○小野寺委員 はい。

○西川座長 そのようにしたいと思います。次の硝酸クロムについては、ラットで包皮腺の腫瘍が出ていますが、これもマウスではないということでしたか。

○小野寺委員 はい。マウスにおいてはネガティブでした。

○西川座長 ラットで包皮腺の腫瘍しか認められていないので、したがって×ということですね。

○小野寺委員 はい。

○西川座長 よろしいですね。次の4-ニトロトルエンについては、ラットで皮下の腫瘍と陰核腺の腫瘍、マウスで肺の腫瘍が出ておりますが、これを判定×としたことについて説明をお願いできますか。

○小野寺委員 ラットのほうは2年間で皮下腫瘍と雌の陰核腺が有意に増加したのですが、マウスのほうの肺の増加が雄だけで増えているのですが、それがはっきりしたインシデンスではないということなので、用量相関がないとかいうところなので、マウスの肺腫瘍が本当にインデュースされたかどうかはよく分からないという結果、増えてはいるけれども。

○西川座長 そもそもマウスの肺腫瘍というのは、ここに書くべきでないということですか。今の説明からいきますと。

○小野寺委員 いや。

○西川座長 データがあると議論しやすいですけれども。

○小野寺委員 NTPの報告書なのですけれども。

○角田化学物質評価室長 ページですと2066というのがあるかと思うのですが、よろしいでしょうか。パソコンです。

○西川座長 IARCの。

○角田化学物質評価室長 それです。真ん中にNTPのがありますね。NTPのものを開くと。

○小野寺委員 49ページにテーブル20という所があります。alveolar bronchial adenoma or carcinomaという所が真ん中にありまして。

○角田化学物質評価室長 49ページの表20です。テーブル20ですね。

○小野寺委員 雄のほうがちょっとは増えているのですが、雌のほうが増えていないというのもありまして。

○西川座長 雄は増えているのですよね。

○小野寺委員 雄は全部で。

○吉田委員 統計の有意差はないのですか。

○小野寺委員 これは有意差が出ていないのです。

○西川座長 だから、ここに書かないほうがいいですね。

○小野寺委員 そうですね。

○西川座長 ということで、マウスの肺腫瘍には統計学的有意差はないということなので、ラットに皮下の腫瘍と陰核腺の腫瘍があったということ。したがって、これは該当しないということでよろしいですか。

○津田委員 ただ、これがおかしいのは、IARC1996年に評価しているのです。それで、どうして1985年のデータを落としているのですか。あり得ないです。そういうことではないですか。網掛けが1985年でしょう。

○西川座長 いや、網掛けではなくて、2002年のものですよね。

○津田委員 恐らく1985年のデータを基に3となっているわけですね。2002年のもので、これがNTPのデータですね。

○西川座長 そうです。

○津田委員 分かりました。すみません。

○小野寺委員 マウスが出ていなかったということで、一応、私は×にしたのですけれども。

○西川座長 分かりました。雄マウスの肺、これを消して、したがって該当しないということでよろしいですか。次がp-トルイジンについて、マウスの肝腫瘍が雄の両というのは何ですかね。意味が分からない。

○小野寺委員 説明が足りなかった。雄においてマウスの肝腫瘍が全ての群に出たということです。雌は最高群だけなのです。

○西川座長 両ではなくて全ですか。

○小野寺委員 全です。

○西川座長 雌では高濃度だけで、有意に肝腫瘍があった。ラットについての情報はないのですか。

○小野寺委員 ラットはなし。試験はあります。

○西川座長 あるけれども。

○小野寺委員 ラットでやったのがありますが、増えた腫瘍はないということです。

○西川座長 なるほど。したがって、マウスのみの肝腫瘍であるので、これも×ということでよろしいですね。

○角田化学物質評価室長 これはACGIHのものでされているということなのですよね。2000年の分は網掛けになっているので。

○西川座長 網掛けですね。

○角田化学物質評価室長 2000年のものはユークリッドのものだと思うのですけれども。

○小野寺委員 これはもう要らないのですかね。

○角田化学物質評価室長 ACGIHのほうでマウス肝腫瘍ということで、よろしかったのですよね。

○西川座長 マウスの試験というのは、どの評価書に書いてあったかですね。このACGIHA3というのは、腫瘍の発現はあるけれども、ヒトへの関連は不明であるということですね。

○小野寺委員 ラットではなかったということで、マウスに肝腫瘍が増えたというデータが1つあります。

○西川座長 それがACGIHの評価書に書いてあるということですね。

○小野寺委員 はい。

○西川座長 そのACGIHの評価はA3なので、腫瘍の発生はあるけれども、ヒトへの関連性は分からないということですか。

○小野寺委員 雄においては全ドーズで出たけれども、雌においては最高用量だけだという記載があります。

○西川座長 なので、2Bには相当しないということでよいかと思うのですが、いいですね。事務局、よろしいですか。

○角田化学物質評価室長 はい。

○西川座長 次にいっぱい腫瘍が出ているアンモニウムN-ニトロソフェニルヒドロキシルアミンについて、これは全部ラットですか。血管腫、肝がん、耳の腫瘍、前胃の腫瘍、ハーダー腺の腫瘍。

○小野寺委員 そうですね。血管腫はラットとマウスの雌雄で出ています。

○角田化学物質評価室長 これは評価書だけしかなくて、青いファイルの85ページです。ここにNTPのものがあるのですが、一番左上にcarcinogenicityとあって、その下にCancer studies in Experimental Animalsと。その下に、ここに書かれているようなことがまとめて書いてあります。

○西川座長 ラット、マウスで血管の腫瘍。ラットと雌のマウスで肝腫瘍。これも区別して書いておかなければ。あとは、耳の腫瘍なども。

○小野寺委員 ラットとマウスで雌。

○西川座長 複数の臓器、しかもラット、マウスで腫瘍が誘発されているので、これはもう○以外は考えられないと思います。あとは特によろしいかと思うのですが、最後にp-アニシジンについて、rasH2のマウスを使った試験があって、それはネガティブということです。それが2000年の文献ですが、それ以前の1987年のIARC3を尊重すれば×ということになると思います。よろしいでしょうか。小野寺委員の担当の物質については、一通り評価が終わったことになります。

○角田化学物質評価室長 先ほどの保留の部分なのですが、いろいろ文献を比較検討したときに、なかなか判定ができないという場合はあるかと思うのですが、データがなくて判断できない場合は×でもよろしいのかと思うのですけれども。

○西川座長 そうですね。

○角田化学物質評価室長 先ほどのステアリン酸鉛ですね。

○西川座長 そうですね。これはデータがないからということなので、判断できないというよりは該当しないということで。

○角田化学物質評価室長 そうですね。判断保留というとちょっと。

○西川座長 データがありすぎて、判断が難しいということではないので、×ということでよろしいですか。

○小野寺委員 はい。先ほどもちょっと申しましたように、鉛自体の化合物に関しての試験はたくさんあったので、それにいろいろと発がん性の記載がありましたので、全体的に見てどう判断するのかなということですが、今、座長が言われましたように、ステアリン酸鉛そのものについてのデータがないので、これの評価は×でもよろしいかと思います。

○西川座長 以後そのような取扱いをしていきたいと思います。ありがとうございました。

 続きまして、津田委員担当分について、説明をお願いいたします。

○角田化学物質評価室長 事務局から説明いたします。

 まずC-1003のジラムは、文献が5つあります。1番は、発がん性はラットではない。2番は、ビーグルで発がん性なし。3番は、動物実験ではなさそうではないかということ。4番は、Lindsey(1994)のマウスですが、発がん性なしということです。同じEPAのラットのレポートは、良性血管腫、腸間膜のリンパ節、それから脾臓で雄で有意になっています。5番は、EPACancer Assessment Review Committee2000年のレポートで、1つは、上の4番のマウスの試験と同じことを書いてあります。それから、NTP2つの試験で有意だということで、雄ラットで甲状腺のC-cell carcinoma、それから雌マウスで肺胞・細気管支のadenomacarcinomaがコンバインドです。それから、IARCG3は、NTP1983年のデータですので、Lindsey(1994)は新しいデータですが、雄ラットだけ良性腫瘍なので、IARCではsuffecientへのアップグレードはしないのではないかということです。結論としては、判定は×です。

 それから、その下のC-1014は、これはEPA2000年の報告が追加でありますが、雌マウスの肝臓のadenomalung bronchio-alveolar adenomaに追加する新しいデータはないということで、これは×です。

 その下の炭化ケイ素は、Silicon carbide2種類あり、これはIARCのモノグラフで、次のように評価ということですが、すみません、訂正があります。Silicon carbideの繊維のものはG2Bですが、その下のSilicon carbidewhisker2Aです。2014年にそのように判定されているところです。参考として、SilicaamorphousG3、また、Silica dustcrystallinein the form of quartz or cristobaliteG1という形になっております。これは既に2Bの評価がなされておりますので、当然○になってくるということです。

 ジエチルアミンは、2011年のNTPのテクニカルレポート566のデータですが、発がん性はなしということで、追加のデータはなしで×です。

 次のC-1025は、これも追加なしということで×です。

 それから、C-1021の酸化クロムは、NTP556のレポート、2010年で12が該当しますが、Chromium picolinate monohydrateとあり、雄ラットで包皮腺adenomaの有意発生ということが出ているところです。

1990年のIARCでは、酸化クロムを含むChromium(3)の化合物は、inadequate evidenceで、G3になっているところです。これは×の評価です。

4番、その下のC-2068は、IARC731999年の一部の文献で膀胱腫瘍ということで、分類はG3になっています。

 追加文献1acetaminophenについては、2年の試験で発がん性陰性、プロモーション試験では、肝発がん抑制ということで、これらを踏まえて×です。

 水酸化クロムについては、これも先ほどの酸化クロムと同じく、3価のクロム化合物ですが、これは1IARC491990年で、metalic chromium and chromium(3) compounds3価のクロム化合物はG3です。NTP2010年のテクニカルレポート556ですが、これでもChromium picolinate monohydrateでは発がん性がないとなっています。このDichromium trioxide hydrateが※に該当すれば、3価のコンパウンドで、×ではないかということです。

 次ページの酢酸クロムも同じで、3価のクロム化合物です。IARCでは3に該当するということで、これについても×という形になっています。

 次のC-2156は、EU risk assessment reportでマウス皮膚発がん性がある、ただ、IARCではLimited相当(マウスのみの試験)ということで×になっているところです。

 最後のC-2151は、IARCのモノグラフ48で、NCI90100週の試験結果で、マウスの有意な肝がんの発生、それからラットの雄における肝がんの発生傾向によって、結果としてlimited evidenceとなり、G3の評価です。以後のデータはないということで、これは×の評価です。事務局からは以上です。

○西川座長 それでは、津田先生、追加の御意見等ありますでしょうか。

○津田委員 おっしゃっていただいたことで、1番だけちょっと無駄になるかもしれませんが、良性腫瘍だけなので、このままではIARCでは2に上がることはないということで、マウスには発がん性があって、ラットにもありますが、発がん性というか、良性腫瘍ができたということで、ありません。

○西川座長 ありがとうございます。それで1つ、マウスで肺胞細気管支のがんも含まれているのですね。adenoma/carcinomaということで。これはいかがですか。

○津田委員 マウスにはあってもいいわけで、ラットにないから、両方の種に。

○西川座長 それで、もう1つラットでも、甲状腺のC-sell carcinomaが出ているということですね。

○津田委員 ごめんなさい。adenomaです。

○西川座長 余り素人は言えないのですが、1991年にIARCG3の評価が出ていますが、2000年の今の試験で、ラット、マウスで取りあえずcarcinomaと記載のある腫瘍が出ていますね。これはやはり、○でいいのではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。

○津田委員 両方とも、片方だけの性だけですね。

○西川座長 そうですね。雄ラット、雌マウスということです。

○津田委員 そうすると、プレアンブルに戻らなければいけないのですけれども、確か、片方の性だけでは3にはならないと思いました。

○西川座長 ただ、雄マウスでは、良性の血管腫も増えているようですね。御意見をお願いいたします。御意見を頂かないと進みませんので、吉田先生、いかがでしょうか。

○吉田委員 悩ましいところですが、津田先生の御判断でよろしいのではないかと思います。

○津田委員 要するに腫瘍が雄ラットで、甲状腺のC-sell carcinomaですね。今度、マウスのほうは、雌でbronchio-alveolar tumors

○西川座長 その上にも雄マウスで血管腫が増えているという記載が、上から5行目です。

○吉田委員 2つとも、5も同じようですね。

○津田委員 この45は、基が同じものなのです。Lindseyという人の使い回しのあれです。

○西川座長 あっ、これって。

○津田委員 4番と5番は。

○西川座長 マウスではなくて、ラットですか。これ、血管腫は。同じEPAのラットのレポートでと書いてあるので、ラットですかね。

○吉田委員 ジラムって、農薬ですよね。ほかの機関では発がん性試験はやっていないのですか。ありそうですが。

○津田委員 それ以上調べていないですけれども、NTPでは、これだけしかないのですね。

○吉田委員 NTP以外にはないのですかね。ジラムは農薬だと。

○津田委員 NTPといっても随分古いのです。もともとジラム自体が古いので。

○吉田委員 そうですね、古いものですね。

○津田委員 よく見たら、NTPToxicology Programというよりは、このLindseyという人の報告になっている。NTPToxicology ProgramLindseyという人が主筆者で報告しているので、ほかで引いているのはみなLindseyということで引ってあって、ややこしいのです。よく見れば同じものなのです。その中身は、2000年のものを見ると、NTPにすれば雄ラットでC-sell carcinoma、雌でbronchio-alveolar tumorsです。

○吉田委員 一番基のLindseyさんのは、この1番目のものなのですか。1994年。

○津田委員 今、手元にないと思いますけれども。

○西川座長 4番目の文献で、そう書いていますよね。それから5番目、これが結局、EPAの評価書ですが、恐らく引いているのはNTPの試験だということですね。

○津田委員 そういうことなのです。

○西川座長 だから、NTPの試験でラット・マウスで取りあえず甲状腺と肺に腫瘍があって、文献4Lindseyさんの報告では、雄マウス、ラット、どちらなのか、ラットなのですかね。とにかく血管腫も増加したということですね。だから、データがたくさんあって判断が困るのであれば、判断は保留ということにならざるを得ない。

○津田委員 そうしましょう。

○西川座長 ○か、保留か、どちらかということ。

○津田委員 多分ならないと思います。

○西川座長 どちらにしますか。

○若林委員 多分、こういうような問題はほかにも出てくると思うので、一旦、保留にして。

○西川座長 保留にして。

○若林委員 次のところへいって、最後にまた、こういうようなものをどのようにするかということで。

○西川座長 改めて。ありがとうございます。取りあえずそのようにしたいと思います。

 次のC-1014については、1991年にIARCの評価でG3があります。その後、EPA2000年の報告が出てきて、マウスの肝臓の肝細胞腺腫と肺の腺腫が増加していたのですか。理由の所が分かりにくいのですが、これが追加のデータではないということですか。もしもこれが2000年の報告からのものであれば、これは新しいデータということになりますね。どちらですか。

○津田委員 基を見ないと。たくさん見たのですが。

○西川座長 いずれも有意に増えていますよね。肺の腫瘍とか。肝臓のadenomaは有意に増えていますので、これは。

○津田委員 これも結果的に両性にわたることになるのですか。見てみて違うと思って従ったのですが。

○西川座長  これは一応、両方ともadenomaですか。

○津田委員 ラットも。

○西川座長 全部は見ていないですか。

○津田委員 確か合わなかったと思います。両種にわたって悪性腫瘍が出るという。マウスの78週まで見たもので、肝腫瘍、良性腫瘍が若干増えています。それから、肺のalveolarは確実に増えています。

○小野寺委員 今、何ページですか。

○津田委員 報告書の19ページです。これ、マウスだけでしょ。

○西川座長 ラットを探そうと思った。

○津田委員 マウスだけなのです。前のIARCも確か、足し算にならなかったのです。

○西川座長 今のは2000年の評価書ですよね。ですので、1991年のIARCが評価したのはG3ですが、それより後に出てきているわけなので。

○津田委員 だけど、IARCでもやはりマウスだけだったから3だったのだと思います。後に出たものがやはりマウスに出ても、それは変わりません。

○小野寺委員 2000年はマウスだけなのですね。

○西川座長 マウスに肝臓と肺の両方に良性の腫瘍が出ていますが、それを考慮する必要はないということですね。

○津田委員 基本的には、両動物にわたらないと。

○西川座長 いいですか。新しいデータを見ても、マウスの良性腫瘍だけですので、1991年のIARCの評価をそのまま用いることで、2Bには該当しないということですね。ありがとうございます。

 次に、C-1097は、実は去年にIARCで評価が出ていて、2B2Aの評価をなされているので、これは本来、IARCの評価があったという形に表を作ったほうがよろしいのですかね。

○角田化学物質評価室長 そうですね。

○西川座長 そうすれば、これはそもそも検討する物質には該当しなかったということになると思います。

○津田委員 また、10月の会議のところで「ランセット・オンコロジー」に出ただけで、まだ本になっていないのです。だけれども、もう公表されているから、これはそれでいいと。

○西川座長 承知しています。あと、C-1021については、これは1990年にIARCG3という評価が出ていますが、2010年にNTPのレポートがあって、そこで雄ラットで包皮腺の腺腫が有意に発生したということ。したがって、マウスはないのですね。NTPの報告では、発がん性はないのですよね。よろしいですか。NTPですから、マウスの試験は恐らくやっていると思いますけれども、やって、がん原性はないという結果だと。

○角田化学物質評価室長 資料ですと、C-1021が津田先生のファイルにあります。コンピュータのほうですが、その中の一番下にNTPTR556があります。200ページ近いボリュームですが、7ページにAbstractがあって、8ページに2年間の試験データが。

○小野寺委員 雄のラットの包皮腺のadenomaだけで、ほかに出ていないと書いていますね。

○西川座長 雌ラットでもマウスでもないということですね。ここはルールどおりいけば×かと思います。

 先にNTPのレポートが該当しそうなものとして、C-2087C-2130があって、これらの物質が先ほどのC-1021の酸化クロムに該当するかどうかによって判断が変わるということですが、この辺りはいかがでしょうか。

○津田委員 NTPにはpicolinateという名前であります。NTPの報告は1つあります。全部picolinateで、それがここでいうChromium3なのか、この辺をよく見ても分からなかったのです。

○西川座長 その辺りは会議の後でも結構ですから、事務局で。

○津田委員 CASナンバーでは出てこないというのは、Chromium3といってもいろいろなものがあるから、名前が決まらないわけです。このChromium picolinate monohydrateと同じものと考えれば、この結果です。

○若林委員 私の所のC-1007の硫酸第二クロム、これもChromium picolinate monohydrate です。

○津田委員 そうですね。

○若林委員 だから、先生の所と一緒です。

○津田委員 一緒になる。NTPのものを見てもよく分からない。これを全部酸化クロムとすれば、この後に出たものは、これはもともとNTP556では発がん性はなしになってしまいますが、違っていたら困る。

○西川座長 事務局で確認していただき、それに従って、含まれるのであれば同じような評価になりますし、取りあえず、その辺りの確認をお願いできますか。

○角田化学物質評価室長 はい。

○西川座長 あとは、C-2156について、2008年にEUの評価で、マウスの皮膚に発がん性ありということですが、よく分からないのは、IARCではLimited相当ということ。津田先生、これはどういう意味ですか。

○津田委員 次のものですね。

○西川座長 7の番号の所です。

○津田委員 動物でLimited相当というのは、2Bには上がらない、2Bの材料にはならないということ。

○西川座長 ということは。

○津田委員 2に上がるには今言ったことで、必ずsuffecient evidenceがないといけないのです。

○西川座長 IARCで既に評価がなされているということなのですか。ここで見ると、ないですよね。

○津田委員 これは別にIARCに解釈すれば、limited evidenceの範囲ですから。

○西川座長 分かりました。

○津田委員 そういう意味です。

○西川座長 そういう意味ですか。IARCで評価すればということですね。

○津田委員 はい。相当であるかどうかということが。

○西川座長 分かりました。マウスの皮膚だけなので、これは×ということでいいですね。

○津田委員 そういうことです。

○西川座長 はい。最後のC-2151ですが、これも1990年にIARCの評価があって、この評価書のみですが、一番新しいのがACGIH。この理由に書いてあるのは、1990年にIARCが評価した際のNCIでの試験のデータですよね。

○津田委員 そうです。要するに一言で言えば、以後のデータはなしということです。

○西川座長 なるほど。ACGIHについては、一切評価に関しては、新しいものがなかったということですね。

○津田委員 そうです。

○西川座長 はい。

○津田委員 マウスの肝腫瘍の発生が有意であって、ラットの雄の肝腫瘍の発生傾向は、Cochran-Armitageで出ただけ、これではsuffecientにならないということです。

○西川座長 したがって、1990年にIARCG3という評価をしたという、そういうことですね。

○津田委員 はい。

○西川座長 はい。結構時間がかかっていますが、次に、私の担当分をお願いします。

○角田化学物質評価室長 一番上のD&C-レッドNo.9というものですが、これは文献2SIDSは脾臓の線維肉腫の発生増加を示す文献を含みますけれども、1982年の文献を引用していますので、ちょっと古いものということで、この判定は×です。

 次の物質のC-1015ですが、1は雄ラット特異的な腎腫瘍の発生で、3in vivoで遺伝毒性がないことを示していますということで、総合的に×という判定です。

C-1117ですが、マウスの皮膚塗布によって、肺腫瘍の増加が見られましたが、コントロール群にも相当数自然発生していて、これは疑陽性の可能性があるのではないかということで、判断は保留ということで現時点では整理されております。

C-1134は、いずれの文献も皮膚発がん性がないということで×です。

C-1061のリグロインは、ラット腎腫瘍の増加は、雄ラット特異的な発現機序が示唆されますが、マウスの肝腫瘍の増加は詳細不明であるということで、これは判断保留となっております。

 その下のチウラムですが、これは上皮膚発がんの可能性、これは2の資料のほかに、肝細胞腫瘍等の増加がありますけれども、これは資料1ですが詳細は不明です。

C-2071は、甲状腺腫瘍等の発生が見られましたが、動物数・試験期間等、試験条件が不適切ということで、これは×です。

 ピグメントレッド-3ですが、ラットに肝腫瘍等、マウスに腎腫瘍等の増加が見られましたが、詳細不明ということで、判断保留です。

 キノリン-8-オールは、いずれの文献も発がん性がないということを示しておりますので、×という評価です。

 メチルヒドラジンについては、高用量ばく露で、マウス等に鼻腔腫瘍が増加しておりますが、いずれも古い文献ということで、判断は保留です。

 ベンソイルパーオキサイドは、皮膚発がん促進作用が見られたのみということで、これは文献3ですが、×という評価です。

 以上ですが、事務局から補足いたします。真ん中辺りにあるチウラム、それからメチルヒドラジンの2つの物質については、昨年12月に告示をしております。つまり、リスク評価の候補に入れております。ただ、その際にリスク評価の対象物質とした理由として、神経毒性があります。チウラムは生殖細胞の変異原性もあるのですが、そういう発がんでない観点で選定をしたこともあります。それによってリスク評価のためのばく露の作業報告を出してくださいと事業者にお願いしている状況です。そういう意味では、リスク評価のレールには乗っている物質です。報告が出てこなければ取扱量が少ないということで、なりませんけれども、報告が出てくればリスク評価を進めていくことになります。ただ、そのときに今回御検討いただいた結果も、当然有害性評価をするときに反映させていただければと思います。チウラムとメチルヒドラジンについてはそういう経過があることを御報告します。

○西川座長 これは私の担当で、判断保留が多いのですが、できるだけ議論をしていただきたいということもあって残しました。最初がC-1117ですが、これはマウスの皮膚の塗布により、肺腫瘍の増加が見られたとあります。コントロールでも相当数自然発生していて、疑陽性の可能性があるという記載もありますので、これはマウスだけですし、判断保留としましたが、本来は×にすべきだったと思っております。

○角田化学物質評価室長 資料は、青いファイルのほうの115ページを御覧ください。ここに発がん性というのが書かれております。経皮のものです。この部分の次のページです。誤りだったら訂正していただきたいのですが、ここの部分が該当するのではないかと思います。

○西川座長 そうですね。先ほどのルールからいくと、マウスのみということもあって、仮にこれが真の腫瘍発生増加としても2Bには該当しないことになりますので、併せてそのように判定したいと思います。

 次のC-1061ですが、これは雄ラットに腎腫瘍が発生して、恐らくそれは雄ラット特有のα2グロブリンが、その発生メカニズムに絡んでいるということで、それはヒトには外挿できないのでいいとします。もう1つは、マウスに肝腫瘍が発生したということで、そのメカニズムは詳細不明と書いたのですが、ACGIHの評価指標の。

○角田化学物質評価室長 青いファイルの121ページで、次の122ページになります。

○西川座長 122ページの右のカラムの下から3番目の段落の括弧で、恐らくperoxisome proliferationに関連しているという記載もあります。これもまたIARCでグループ3から12Bに変わったものもありますので、したがって詳細不明ということにしました。これは、若林先生の担当分にも、peroxisome絡みのことがありますので、併せて後でやりたいと思います。とにかくこれについては、ラットの腎腫瘍は雄ラット特異的なものであるし、仮にマウスの肝腫瘍がヒトに外挿可能であるとしても、2Bには該当しないという判断になるかと思いますので、これは×ということでよろしいかと思います。ただし、peroxisome proliferation絡みの話については、また後で若林先生の担当分の所でやることにしたいと思います。

○吉田委員 私も、1題、PPAがあります。

○西川座長 それでは、併せて議論したいと思います。C-1040については、これは既に評価が終わっているようなものですが、発がんに関するものではなかったということです。この皮膚発がんのco-carcinogenic activityというのがあって、これをどのように考えたらいいのかよく分からないです。それから、肝細胞腫瘍の発生の増加もあった。

○角田化学物質評価室長 青いファイルの237ページは、OECDSIDSなのですけれども、これが237ページから238ページの所に書いてあります。238ページの肝細胞腫瘍というのが、上の段落のhepatocellular adenomasというのが。

○西川座長 238ページですか。

○角田化学物質評価室長 ちょっとお待ちください。今の2番の所のものが279ページです。上皮膚発がんの可能性ということで書かれておりますのが279ページです。

○西川座長 資料を十分追跡できないのですが、頂いた追加資料によると、肝腫瘍ですよね。

○角田化学物質評価室長 お送りした資料の269ページから追加資料があります。その次の270ページにラットの試験が、このDefinitive Studyです。

○西川座長 270ページのDefinitive Studyの下から4行目に、肝細胞腫瘍と甲状腺のC細胞繊維腫が雌雄で増えたという記載があります。この記載そのものは、カリフォルニアのEPA1986年から引用したものです。そうすると、IARCの評価が1991年ですので、それよりも古いことになります。したがって、それを踏まえてIARC3と評価しているので、そこからいけば判定は×ということになると思います。1つ確認は、ACGIH2008年の評価となっているのですが、これは2003年ではないですか。

○小野寺委員 2008年ではないですか。2008年版のACGIHの文献一覧が出ています。

○角田化学物質評価室長 これは2008年に発行した資料です。これは確認します。291ページにACGIHのものがあるのですが、これは下に2008と書いてあるのですが、これは更新版のものなので、実際に判定したのは、先生がおっしゃるように古いのかもしれません。

○西川座長 多分2003年ではないかと思います。そういうことで、とにかくチウラムについても、判定は×ということになるかと思いますが、よろしいですか。ただ、判断保留にしたのは、甲状腺と肝臓に腫瘍発生があるということになっているのですが、詳細は不明であるということからなのです。それを踏まえて、IARCではグループ3としていますので、それをそのまま踏襲するしかないかと思います。

 あと2つ判断保留があって、C-2089については。

○角田化学物質評価室長 緑のほうの冊子です。ラットの肝腫瘍、マウスに腎腫瘍となっております。例えば、5ページの真ん中辺りに、「There was some evidence of carcinogenic activity of C.I. Pigment Red 3 in female F344/N rats

  as  indicated by the increased incidence of hapatocellular adenomas.」と書かれています。これは、Technical Reportを引っ張ってきていると書かれています。それが、Technical Report Series No.407となっているのが、21ページからのものです。

○吉田委員 雌だけなのですね。

○角田化学物質評価室長 そうです。

○西川座長 27ページにまとめの表があります。これでラットとマウスの両方、下から2つ目の項目にNeoplastic effectsというのがあって、雄ラットでは副腎の褐色細胞腫。それから、雌ラットでは肝細胞腺腫。それから雄マウスでは、腎臓の腺腫と、甲状腺の腺腫。雌マウスにはないということで微妙ですね。ここまで調べている範囲でもよく分からなかったのですが、追加資料でここまで分かりました。それを踏まえて判定をどうするかということになります。ここまで出ていれば○ですかね。津田先生、いかがですか。

○津田委員 この下に書いてあるのが、IARC3に足し算でやっているかどうかということです。

○西川座長 足し算にならざるを得ないと思います。このNTP自体は、1992年なので。そうか、1993年にIARCが。ただ前年ですから、ひょっとしてこのNTPの。

○津田委員 いや、本が出れば即、使っているはずです。

○西川座長 いやいや、NTPの試験データが報告されたのが1992年で、その次の年にIARCがグループ3という評価をしているのですが、そのIARCの場で、このNTPのデータが議論の俎上に載ったかどうかというのは分からないですよね、1年違いですよね。

○津田委員 いや、乗っているはずだと思います。IARCNTPTechnical Programを逃がすことは絶対にありません。

○西川座長 月の関係と微妙なことも、場合によってはあり得るのかと思います。これは、IARCの評価書を見れば多分分かるのだと思います。そこまではたどっていないのです。

○角田化学物質評価室長 IARCのほうは、11ページからIARCのモノグラフが57ですけれども載っております。がんは14ページです。先ほどのがラットですから、312というのが14ページの下にラットがあります。これは、1992の。緑の本の14ページです。

○西川座長 それで、16ページにそのまとめのような短い文章があって、確かにこれはNTPのデータを踏まえていますね、恐らく。甲状腺と腎臓も。

○小野寺委員 このデータは腎臓のあれなのですね。

○西川座長 そうです。

○津田委員 これは、有意差は付いていないですね。

○西川座長 有意差は付いていたと思います。

○津田委員 付いているのですか。

○西川座長 付いています。ただし、このデータを見ても、IARClimited evidenceということでグループ3にしています。これは、見た上での話なので、IARCの判定を尊重せざるを得ないかと思います。

○角田化学物質評価室長 14ページの一番下に、NTP1992年という引用が入っています。

○西川座長 そうですね、ここに明記されています。

○小野寺委員 1992年ですね。

○__ それを見た上で、IARCはグループ3と。

○西川座長 しています。

○小野寺委員 厳しいですね。

○西川座長 厳しいです。したがって、これについても×ということになります。最後にメチルヒドラジン、C-2167で、非常に高用量のばく露で、マウスに鼻腔腫瘍等が増加したのですが、これも古い文献ということで、これも追加資料を頂いたのでしたよね。

○角田化学物質評価室長 まずこの資料自体は、89ページにACGIHの評価が載っています。90ページの左下に発がん性が載っています。それから、90ページの左下から右上の上から10行目ぐらいに「incidence of lung tumors,nasal adenomas」というのがここに書かれています。

○西川座長 そうなのです。それで、その引用文献を確認したのです。文献の14から17ぐらいまでの文献なのです。その文献の年代を見ると、そんなに新しくないのです。14だと1972年、151973年、16は比較的新しくて1985年、17はレビューみたいなものですけれども1988年。それで、議論したほうがよいのかなということで、判断保留としました。

○小野寺委員 腎臓と肺をやっているのですね。

○吉田委員 ここに障害があるから。

○西川座長 それと鼻腔ですけれどもね。

○小野寺委員 ハレーション試験。

○西川座長 ただ、鼻腔の症状については、明らかに高用量、多量な投与によるという短いコメントが付いていますので、明らかな発がん性ということでなければ、×に相当するような気もします。よろしいですね、文献自体は古いというようなこともあって。

○小野寺委員 ×でいいでしょう。

○西川座長 C-2167については×にいたします。あとはよろしかったですか。何時まででしたか。

○角田化学物質評価室長 一応6時までです。

○西川座長 もう一回やらざるを得ないですね。

○小野寺委員 やり方というか、考え方をもうちょっと皆で統一したほうがいいのかなと。

○吉田委員 本日、津田先生に教わって、2種でかつマリグナントというのが少し分かったのですが、私の次の所も少し厳しく取ってきた所があるので、もう一度分かりやすく整理したもので、次回までにもう一回事務局にお送りし直して、こういうことで判断したというのをお示したいと思います。そしたら、先生方のときに。

○西川座長 判定基準を見直して、改めて評価の案を頂くということでいいですか。

○吉田委員 そうです。

○小野寺委員 そうですね。ラット・マウスとか、雄・雌とかにして表にして。

○吉田委員 もう少し分かる表で御提示したほうがよろしそうですね。私は、ずらずらと書いてしまいました。

○西川座長 先ほどの若林先生の御意見にもありましたように、絶対的なものではないです。ラット・マウスの両方がなければいけないとか、がんでなければいけないというのは原則だけれども、ケース・バイ・ケースで専門家の判断によるみたいな書きぶりだったですよね。

○吉田委員 先生方がお分かりになるような、もう少し細かいものを作ったほうがいいのかなと、私は自分のを読みながら思ってしまいました。

○津田委員 事務局はすごく努力し、時間を使ったように見えるのですけれども、ここの所に発がん性の判定で、RMと書いておいて、そこへ読んだほうが入れていく。ラットとマウスに。それで、sufficient evidenceがどうか。sufficient evidenceだけが問題なので、RSだったら、ラットにsufficient evidenceと。臓器は見ればいいので、そのように書き込めるように作っていただけると、パッと見たら、ラット・マウスでどんな検査をしてsufficient evidenceがそろっているかが分かるので、そのような表に、ちょっとここに付け加えていただくと楽だと思いながら見ていました。

○角田化学物質評価室長 はい、分かりました。そのようにします。

○津田委員 私たちもいただいた資料を全て印刷すると20cm余りの高さになったのです。それで、ゆっくり山を崩しながら見たのですけれども、そのうちにどの物質であるかが混乱してきてよく分からなくなる所がありました。その辺をちょっと工夫していただくと、もっとスムーズになると思います。

○吉田委員 これとずっと首っ引きです。

○角田化学物質評価室長 西川先生まで終わったのですけれども、そろそろ6時にもなりますので、取りあえずここまでということにして、あとは本日いろいろな御意見が出ましたし、書き込み部分も再整理して、次回に備えたいと思います。

○西川座長 既に御意見を頂いていますので、どうしても修正したいという御意見があれば、そのようにしていただきたいと思います。さもなければ、既に頂いた御提案の中で議論を行いたいと思います。まもなく時間ですので、本日のワーキンググループの検討会は終了いたします。事務局から次回の調整をお願いします。

○北村有害性調査機関査察官 資料3に次回の予定を書いています。第4回は35()1時半からになります。当初は予備日としておりましたが、本日は、あと吉田先生と若林先生の検討が残っておりますので、第4回はその検討を行いたいと思います。来年以降のお話もさせていただくと、春以降ぐらいには、本年度委託事業で実施した中期発がん性試験の結果が出ますので、その結果を検討していただくということと、平成26年度も文献調査を行っていますので、またこのような評価をしていただく予定でおります。

 委託事業の進行状況を御報告いたしますと、平成26年度は約4,000物質について、発がん性と遺伝毒性情報の収集をしております。そのうち、約50物質程度について詳細な発がん性の情報を集めているところです。中期発がん性の試験については、現在は6物質について試験を行っていて、その6物質についての結果を、今後評価していただく予定です。平成27年度の委託事業でも、約6物質程度は、中期の発がん性試験を行うこととしております。

○西川座長 次回の日程は35日ですけれども、御都合の悪い方はおられますか。

○津田委員 ちょっと都合悪いです。

○若林委員 時間と場所は。

○北村有害性調査機関査察官 場所は未定なのですが、時間は1時半からになります。

○西川座長 この時期に日程を変更するのは非常に難しいと思いますので、津田先生にはできるだけ事前にコメントを頂くということで御対応いただければと思います。それでは、本日のワーキンググループの検討会を終了いたします。どうもありがとうございました。


(了)

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