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2014年12月15日 第100回労働政策審議会職業安定分科会雇用保険部会議事録

職業安定局雇用保険課

○日時

平成26年12月15日(月) 15:00〜17:00


○場所

中央合同庁舎第5号館(厚生労働省)12階 職業安定局第1・2会議室


○議題

・雇用保険制度について
・その他

○議事

○岩村部会長 それでは、ただいまから第100回「雇用保険部会」を始めることにいたします。

 きょうは皆様方、お忙しい中をお集まりいただきまして、まことにありがとうございます。

 本日の出欠状況でございますけれども、橋本委員、山本委員、浅見委員、福田委員が御欠席ということでございます。

 田島委員はおくれて来られるかと思います。

 他方で、野川委員が少し早目に退席されると伺っております。

 議事に入ります前に、前回のこの部会の開催以降、事務局に異動があったということでございます。御紹介したいと思います。

 まず、職業安定局長に生田正之さん。

○生田局長 生田でございます。

 よろしくお願いします。

○岩村部会長 それから、職業安定局次長に勝田智明さん。

○勝田次長 勝田でございます。

 よろしくお願いいたします。

○岩村部会長 職業安定局総務課長に本多則惠さん。

○本多総務課長 本多です。

 よろしくお願いします。

○岩村部会長 雇用保険課長に奈尾基弘さん。

○奈尾雇用保険課長 奈尾でございます。

 どうぞよろしくお願いします。

○岩村部会長 職業安定局総務課訓練受講者支援室長に浅野浩美さん。

○浅野訓練受講者支援室長 浅野です。

 よろしくお願いいたします。

○岩村部会長 以上の方々が就任されたということでございます。

 どうぞよろしくお願いいたします。

 それでは、議事に移りたいと思います。

 お手元の議事次第に沿って進めてまいります。

 本日の議題は「雇用保険制度について」でございます。

 事務局のほうで資料1を用意していただいておりますので、それについて、まず、説明をいただきたいと思います。

 よろしくお願いいたします。

○野村雇用保険課長補佐 雇用保険課で課長補佐をしております野村でございます。

 よろしくお願いいたします。

 すみません。資料の説明の前に、事務局から1点ちょっとお願い事項がございます。

 御発言の際に、こちらのマイクでございますけれども、お手元のボタンを押して御発言をいただき、このマイクのライトがついている状態にしていただいて、御発言が終わった後には、またこのボタンを押していただいて、ライトが消えているような状況にしていただければと思います。速記の関係でこういったお願いをさせていただければというところでございますので御容赦いただければと思います。

 それでは、資料1について御説明させていただければと思います。

 「財政運営」についてでございます。

 失業等給付につきましては、雇用失業情勢に応じて、その支出の状況が変わり得るということで、一定の幅で保険料率を定めることができるようになってございます。

 本来は、1,000分の14でございますけれども、積立金の状況を踏まえまして、上は1,000分の18、そして下は1,000分の10まで引き上げること、そして引き下げることができるようになっているということでございます。

 今回、部会で御議論いただきまして、最終的に労働政策審議会で諮問をさせていただき、料率を定めるといったような流れになるわけでございますけれども、その御議論をいただきたいというところで資料を準備させていただいてございます。

 それでは、資料の1ページ目、2ページ目でございます。

 「失業等給付関係収支状況」それから「雇用保険二事業関係収支状況」といったところについて表を整理させていただいてございます。

25年度の決算値についても、今回、お示しをさせていただきました。

24年度の決算が5兆9,257億円、積立金残高がございました。

25年度の決算では、収入が1兆8,006億円、支出が失業等給付費を含めまして1兆6,642億円。差引剰余として1,364億円ございましたので、先ほど申し上げました24年度の積立金残高、5兆9,257億円と足し合わせ、6兆621億円といったような数字になってございます。

26年度予算、27年度の概算要求につきましても、同様にお示しをさせていただきました。

26年の法改正の影響につきましては、この26年度の予算、そして27年度の概算要求について、加味をしているというところでございます。

 そのため、差引剰余について、マイナスといったような形でお示しをさせていただいているというところでございます。

 雇用保険の二事業関係の収支状況の2ページ目でございます。

24年度決算で4,240億円の安定資金残高がございました。

25年度の決算では、収入が5,986億円、支出が4,181億円ございまして、差引剰余が1,805億円となりました関係で、安定資金残高が25年度決算で6,045億円といったような形になってございます。

26年度予算、27年度概算要求につきましても、同様にお示しさせていただいてございます。昨年度の同様の時期に、この24年度の決算について御説明をさせていただきましたが、その際に、22年度の特例措置によって、積立金から借り入れをしておった部分について、二事業からの返還は終了したというところがございますので、その点は注の1にも書かせていただいておりますけれども、御理解いただければと思います。

 続きまして、昨年度、御議論いただいた平成26年法改正の状況について、御説明をさせていただければと思います。それが3ページ目以降でございます。

 まず<実績>として、育児休業給付金についてお示しをさせていただきました。

 育児休業給付は、平成26年の4月施行でございましたので、把握が可能であったといったところでデータをお示しさせていただいたものでございます。

 平成26年4月から10月までの数字で、前年比で比べますと、おおよそ7%程度の増といったようなところでございまして、給付の効果としては、一定程度あると見込んでございます。

 続いて、中長期的なキャリア形成支援関係(専門実践教育訓練の指定状況)といったところでお示しをさせていただいてございます。

 中長期的なキャリア形成支援に資する専門実践教育訓練給付につきましては、続きまして4ページの<留意事項>にもお示しをさせていただいておりますとおり、教育訓練支援給付金、いわゆる教育訓練の期間の生活を支援する給付金につきましては、平成2612月以降の支給実績になること。それから専門実践の教育訓練給付金については平成27年4月以降から支給実績が発生することから、今回、ちょっと実績をお示しすることができなかったわけですが、そのかわりといったことなのですけれども、指定講座数につきまして、お示しをさせていただきました。

 指定講座数、平成2610月開講講座で16講座、平成27年4月開講講座で847講座ございます。

 一方、平成27年4月開講分につきましては、※印にも書かせていただいてございますけれども、今後、追加で指定されるといったようなところが予定されてございまして、一応その2倍弱といったようなところの講座数にはなるのではないかと見込んでございます。

 続いて、4ページ目、先ほどの<留意事項>の2つ目の○でございますが、就業促進定着手当(再就職手当の拡充)でございます。再就職手当をもらった者が、早期に就職し、その後、6カ月間の職場定着をした場合について、昨年の平成26年法改正において、給付の新設をさせていただいたものでございますけれども、こちらについて、6カ月間の定着後、2カ月以内に申請するという給付になってございます。

 その結果、26年4月に就職した人間であっても、実際の実績といったところで整理ができるのが、2612月にならないと把握できないといったところがございましたので、こちらについても、ちょっといまだ実績が出ていないといったようなところで御容赦いただければと思います。

 続いて、試算といったようなところでございますが、この試算については、例年、保険料率の議論として、失業等給付費の5年間の収支見込みを整理してございます。

 保険料率の議論では、雇用失業情勢によって、大きく上下するものでございます。

 単年度の収支だけではなく、中長期的な観点で収支を見る必要があるというようなところで試算をさせていただいてございます。

 その試算に当たっては、5ページ以降なのですが、その試算のうち26年改正のものについては、改正したいずれの給付につきましても、平年度化した場合の影響額については、昨年、御議論いただいた際にお示しした試算額、※2で記させていただいてございますその値とほぼ同程度と見込んでおりますので、その点、お含みおきいただいて、では次ページ以降の試算を見ていただきたいというところでございます。

 それでは、5ページ目を見ていただきたいと思います。

 「失業等給付費の今後5年間の収支見込みについて」というところで「試算の前提」として幾つか御用意をさせていただいてございます。

 雇用情勢につきましては、今、見込んでいるベースで推移した場合と、過去の動向を踏まえて一定程度悪化した場合の2つのパターンで考える必要があると考えてございます。

 これが基本手当の受給者実人員に影響するといったところで、基本手当の受給者実人員についても、2通りを御用意させていただきました。

 その1つ目が50万人という試算1でございます。

 平成27年度見込みベース、いわゆる予算要求ベースで推移したものでございます。

50万人というものは、昨年、一昨年にこの部会で予算と実行の乖離を御指摘いただく中で、今の雇用状況の比較的いい状態といったようなところに重点を置いたものと御理解いただければと思いますが、ただ一方、景気は5〜10年ぐらいで上下するといったようなところがございます。

 例えば、平成2年、受給の資格決定件数で136万といったような数字がございますが、平成13年の同時期では、271万、約2倍強まで膨れ上がると。

 しかしながら、平成25年になると、166万といったようなところで、5年から10年をかけて非常にアップダウンがございます。

 そういうことを勘案しますと、このままの50万の数字でこれから5年10年推移するのはちょっとなかなか考えにくいところもあるというところで、昨今のリーマンがあり、そこから回復していったという5年間の状況というところも御参考にさせていただいて、試算2の63万人というものも数字として御用意をさせていただきました。

 続いては、その他の試算に当たって、一定の仮置きもしておりますので、簡単に御説明をさせていただければと思います。

 収入となるべき雇用保険料率でございますけれども、1,000分の10として、それが続くと仮定をしてございます。

26年の改正につきましては、大きく2つございます。

 暫定措置の個別延長給付の延長などでございますけれども、一応、法律どおり終了すると仮定させていただきました。

 そして、専門実践教育訓練給付金につきましては、27年度の講座数について、今の申請状況を勘案して、既指定済講座数の2倍程度の講座数になると仮定をしたというところでございます。

 もろもろの諸経費などは、27年度以降一定と仮定をしているというところで御理解いただければと思います。具体の試算については表で御説明したほうがいいかと思いますので、続きまして、7ページに飛んでいただければと思います。

 試算1でございますが、先ほど申し上げた受給者実人員が27年度以降50万人で推移するケースでございます。

25年度の決算、26年度予算、27年度の概算要求として左の3列につきましては、先ほど1ページで御説明したものと同様のものでございまして、50万で推移した場合の数字というのは、27年度見込みと書かせていただいた右側の5列になるわけでございます。

 保険料の収入が一応1,000分の10で一定としてございますので、差引はマイナスがつくというところでございまして、積立金が減していくといったようなところでございます。

 もちろん、27年度見込みの値でございますので、26年改正の影響というものももちろん加味されているといったようなところで御理解いただければと思います。

 続いて、8ページ目でございます。

 5〜10年の景気の上下の中で推移するといったようなところでの63万という数字でございますけれども、25年度決算、26年度予算、27年度概算要求、左の3列につきましては、7ページと同じでございますが、右の5列、27年度見込みから63万人で推移するものといったようなところで数字を出してございます。

 積立金の減となるケースが早くなるといったようなところでの違いがございます。

31年度には2を少し上回る程度まで弾力倍率が下がってくるといったような形になってございます。

 整理をさせていただきますと、いま一度、大変恐縮でございますが、6ページに戻っていただければと思います。

 「試算の結果」として、試算1のケースでございます。

 現下の雇用情勢がこの先も続くと仮定すると、とさせていただいたのが50万という数字が続くと仮定すると、というところでございます。弾力倍率は緩やかに減少していくため、当分の間、雇用保険料率を1,000分の10で持続可能と。

 試算2のケースでございます。

 この先5年間の雇用情勢が過去5年間と同程度の状況になると仮定しても、要はリーマンがあり、その後、回復していったという厳しい状況を含めたものになると仮定しても、平成31年度までは弾力倍率が2倍超であるため、雇用保険料率を1,000分の10で持続可能といったようなことで書かせていただいてございます。

 そこで、弾力条項の適用についてでございますけれども、先ほど簡単に冒頭でも御説明させていただきました。

 弾力倍率が2倍を超えているときは保険料率を1,000分の10まで引き下げることができるとなってございます。

 そこで、またちょっと大変恐縮なのですが、10ページを今度見ていただければと思います。

 弾力倍率につきましては、25年度の決算額によるもので、例年お示しをさせていただいてございます。

25年度の決算額による計算として4.10ということでございますので、2を超えてございますので、来年度も1,000分の10まで引き下げることができるということになります。

 一方、雇用保険の2事業についても同様のルールがございます。

25年度の決算額による計算といったところで弾力条項の弾力倍率については1.25でございます。1.5を下回ってございますので、来年度も1,000分の3.5になるということで、今回、こういう試算、それから弾力条項の状況といったものをお示しさせていただきました。

 これらを踏まえていただいて、27年度の保険料率について、引き続き弾力条項を用いて失業等給付に関しまして、1,000分の10とすること、それから2事業につきまして、1,000分の3.5とすることについて御意見をいただければと思ってございます。

 以下、11ページには、弾力条項の規定、それから保険料率、国庫負担の推移を12ページ、以下、保険料率の推移を絵にしたものとして、13ページ。以降、参考資料などをつけておりますので、また御使用いただければと思います。

 以上でございます。

○岩村部会長 ありがとうございました。

 事務局のほうからの説明は、今、いただいたとおりでございますけれども、このほか、新谷委員から資料に関連するものとして、別途資料の提出をいただいているところでございます。

 それでは、資料1に関して、御意見、御質問がございましたら、お出しいただきたいと思います。

 また、今、申し上げましたように、新谷委員からも資料提出をいただいておりますので、関連する御発言のときに御説明をいただければ思います。

 それでは、いかがでございましょうか。

 では、新谷委員、どうぞ。

○新谷委員 ありがとうございます。

 部会長から紹介いただきましたが、本日は資料を提出させていただいております。

 今、事務局より雇用保険財政の将来推計について御説明いただきましたが、私からは、過去を振り返って、雇用保険財政に関する予算と決算の乖離の問題について、また、平成25年度末決算で結局6兆円まで積み上がってしまった残高のあり方について、まず、論議をさせていただきたいと思います。

 これまでの雇用保険部会において、労働側からは、予算と決算の乖離が非常に大きいということの問題点を再三指摘をさせていただいたところです。

 本日私が提出した資料には、平成21年度からの収入と支出にかかる予算と決算の状況と、積立金残高の推移をお示ししております。

 予算ベースで見ると、平成21年度では、差引剰余で約8,000億円の赤字になると見込んでいましたが、決算を締めてみると、それほど多額の赤字は生じませんでした。特に乖離が大かったのは平成22年度であって、予算上は約7,000億円の赤字予測であったことに対して、実際には2,200億円のプラス決算になっています。

 こうした予算と決算の乖離が繰り返された結果、積立金残高は平成21年度5兆3,000億円であったものが、5兆5,000億円、5兆8,000億円、5兆9,000億円へと段階的に積み上がり、とうとう平成25年度決算で6兆円を超えたという状況になったわけです。

 事務局からは、雇用保険はセーフティーネットとして、固めの予算を見積もる必要があるとの御説明があり、その必要性は一定程度理解しているところですが、収入と支出のアンバランスでここまで続き、結果として積立金残高が積み上がると、保険数理の観点からしても、支出たる給付水準の改善をするか、保険料の収入の見直しをするかということが当たり前で、この部会でも随分論議をさせていただいたところです。

 事務局にお伺いをしたいのは、毎年度毎年度の予算と決算の乖離が生じ、結果積立金残高が6兆円まで積み上がった現状について、どのように評価されているのかということについて、まずお聞かせをいただきたいと思います。

 お願いします。

○岩村部会長 では、事務局へのお尋ねですので。

 では、奈尾課長、お願いします。

○奈尾雇用保険課長 このところの雇用保険部会におきまして、予算と決算の乖離という話がございましたが、御指摘いただいていることは私どもとしては認識しているところでございます。

 予算と決算の乖離額というのは、直接的には、特に求職者給付の支給額が比較的低い水準にとどまっていたことと、予備費について未執行であったということが直接は生じるわけでございますけれども、そもそもこの乖離が生じるということにつきましては、雇用失業情勢の特に翌年度の姿を見通すことが非常に難しいという中で、いわゆる資金ショートがないような予算を組む必要があるということで生じるものでございます。

 それで、どうしてこういう必要があるかをちょっと補足いたしますと、仮に年度途中で予算の実績が予算額を上回りそうな場合、通常はまず予備費を使用するわけでございます。

 これは内閣の閣議決定を経て、予備費を使用して、事後的には国会の承認をとるわけでございますが、まず、通常は予備費を使用すると。

 それで、なおかつ不足があった場合には、補正予算が編成されれば、補正予算の中で対応するということになろうと思います。

 その補正予算が組まれるかどうかは、前の年度にはわからないわけでございますので、その補正予算がないと、いわゆる資金ショートのおそれが非常に出てくるということでありまして、例年予算と決算額の乖離が生じているわけでございます。

 きょうお示しいたしました試算1につきましても、かねてからの問題意識に対応いたしまして、言ってみれば雇用保険制度が始まって以来、受給者実人員50万人という、連続する5年間ではここまで低い数字はなかったわけでありますけれども、あえてこういう50万人という数字で出させていただいたのは、そういう趣旨も踏まえてでございます。

 その上で、6兆円という評価についてお話がございましたけれども、このところの雇用情勢の中で、受給者実人員が低い水準にとどまっているというところで、6兆円を超える水準になっており、保険料をいただいている労使の方々の御意見としては、かねてよりお伺いしているところでございます。

 平成26年度改正におきまして、教育訓練給付の拡充、あるいは育児休業給付の拡充等を行っておりますので、当面、この政策効果なり、財政効果というものを見ていく必要があると思っております。

 ただ、この政策効果や財政効果を見た上で、今後につきましては、雇用保険制度のあり方について、また、御相談させていただきたいと思っております。

○岩村部会長 では、新谷委員、どうぞ。

○新谷委員 予備費の計上も含め、年度ごとの予算の立て方と補正予算の考え方は理解します。また、もちろん、雇用保険がセーフティーネット機能を有している観点から安全サイドの予算策定ということも十分理解するところです。

しかし、構造的な問題を解決しない限り、毎年度積立金残高が積み上がります。労働側としては、平成26年度改正の論議の際に給付の改善を求めてきましたが、給付改善は見送られており、このまま構造問題にメスを入れないと、積立金はどんどん積み上がってしまいます。

 財務省に設置されている財政制度等審議会の中で、雇用保険の国庫負担のあり方について引き下げも含めて見直すべきであるという論議があるのは御承知のとおりです。連合からは財政審委員として会長の古賀が出席しており、国庫負担の引き下げといった考えはとるべきではなく、むしろ雇用保険法本則に定める国庫負担率4分の1へ早期に戻すべきと毎回主張しています。しかし、過去5年間の平均の支出額を計算しますと、約1兆8,550億円となるのですが、積立金残高は3年分以上も給付が賄える6兆円を越えるまでの金額まで積み上がっており、構造問題を解決しない限り今後も残高は積み上がっていきます。もちろん平成26年の雇用保険法改正に伴う支出増は当然ありますので、その影響は見込まなければならないのですが、我々が求めている国庫負担の本則戻しにどう近づけるかというときに、この積立金残高の問題は、論議における大きい障害となりえます。先ほどご説明いただいた予備費や補正予算の考え方については理解するところですが、結果として積立金残高が積み上がってしまうという構造問題に対して、何らかの手を打たなければいけない。構造問題に対する対策が何らないというのであれば、先ほど申し上げたように、収入と支出のバランスをとるという保険数理の考え方からして、弾力条項を発動して1,000分の10とする保険料のあり方についても、当然見直しをすべきという論議が当然起こってしかるべきです。

 雇用保険の被保険者、あるいは保険料を支払う当事者に対する説明責任、アカウンタビリティを果たすことからしても、より精緻なシミュレーションや、収入と支出の構造の見直しをすることが大事です。この点について、労働側として強く要請します。

 以上です。

○岩村部会長 ありがとうございます。

 事務局のほう、何かありますか。

 よろしいですか。

 御意見として承るということにさせていただきたいと思います。

 それでは、この雇用保険の体制につきまして、ほかに御意見あるいは御質問いかがでございましょうか。

 では、小林委員、どうぞ。

○小林委員 雇用保険の積立金残高、かなりの額になっており、新谷委員の御指摘のとおりだと思います。

 とはいえ、今回、通常でいけばこの雇用保険部会はもっと前に開かれて、予算の関係の審議がなされる中で予算関連法案として出ていくものだと思います。今までの過去の状況を見て、事務局で試算1、試算2をされていますが、厳し目なところでかなりの積立金残高が残っている状況でもございます。来年度の雇用保険料について申し上げれば、現状でいけば、失業等給付に係る弾力条項を使えても、雇用二事業はこれを適用できない状況です。現状の保険料率という形の提案だと思うのですけれども、これについては、来年度についてはやむを得ないと思います。

 再来年度の料率について、先ほど新谷委員からも積立金残高の問題もありますし、使用者側の各委員も同じだと思うのですけれども、私どもの団体を例に挙げれば、社会保険料がかなり高くなっていると傘下団体から不満の声が上がっています。事業主の負担というのはつらいので、雇用保険について、引き下げろというような要求が過去からずっと出ているところでもございます。

 ぜひとも基本料率の見直しを中心に、来年度についてはこの雇用保険部会で検討いただくということをぜひともお願いしたいと思います。

 以上です。

○岩村部会長 ありがとうございます。

 そのほか、いかがでございましょうか。

 では、亀崎委員、どうぞ。

○亀崎委員 積立金残高や失業者の状況を踏まえた支出状況を考えるならば、来年度についても、引き続き弾力条項を発動することが自然であろうと思っています。

 ただ、先ほど新谷委員が指摘したように、余りに極端に安全サイドに偏った試算によって、毎年度のように予算と実績との間で多額の乖離が生じ、結果、積立金が膨れ上がるような現状では、エビデンスに基づいた議論ができないと思います。

 今年度予算では収入が1兆8,597億円、支出を2兆48億円、差引剰余マイナス1,454億円と見積もって、結果、積立金残高は、前期から5兆9,169億円になると見込んでいます。

 今年度も既に12月ということで、約8カ月超が経過しておりますけれども、予算どおりの収支の進捗状況であるのかどうなのかということを、まず確認をしたいと思います。

○岩村部会長 では、事務局、お願いします。

○奈尾雇用保険課長 今、26年度の予算の話がございましたが、支出につきまして、ページ数で言うと、1ページの括弧で書いておりますけれども、失業等給付費1兆7,562億ということで表示をしているわけでございます。

 その前の欄の25年度の決算の数字が1兆4,971億円でありまして、これとの比較で申し上げますと、今年度について、今、4月から10月までの受給者数等が判明しているわけでございます。

 4月から10月の今年度の受給者数を前年度と比較いたしますと、今のところ13%程度減ということでなっているわけでございます。

 そういたしますと、この求職者給付費は、一般求職者給付費以外もあるわけでありますけれども、通常、この雇用失業情勢が年度末まで続くと仮定した場合には、26年度の決算についても、失業等給付費は1兆7,562億よりは下回る可能性が非常に高いわけでございますので、25年度決算の数字からどの程度上振れ、下振れするかというあたりかと思ってございます。

○岩村部会長 亀崎委員、よろしいでしょうか。

 では、どうぞ。

○亀崎委員 毎年度のことですが、財政運営の議論を行う11月や12月の時点で、議論の発射台とも言うべき当該年度の収支についての実績と予算が既に乖離しているとなると、建設的な議論ができないのではないか。

 厚生労働省としては、この議論を始める段階で既に予算と実績に乖離が生じている段階をどのように考えているのか。また、これも毎年主張していることですが、昨年末に取りまとめた雇用保険部会の報告書にも、本部会の総意として記載されたとおり、現行の国庫負担率はあくまでも暫定的、一時的なものであって、雇用に対する国の責任を明確にするという意味で、国庫負担率は本則に戻して、健全な制度運営につなげていくということが当然必要であると理解をしているところです。

 国庫負担率は、可及的速やかに本則の4分の1に戻すべきであり、厚生労働省には、速やか且つ積極的な努力をお願いしたい。

○岩村部会長 では、奈尾課長、お願いします。

○奈尾雇用保険課長 まず、26年度の予算、決算でございますが、受給者実人員について、前年度比より13%減と今のところなっているわけでありますけれども、一方で、受給資格決定件数を見ますと、前年度比大体7%程度が減になっておりますので、そこの7%と13%の差は受給資格決定された人が比較的早期に再就職できているという効果も一部ございます。

 ただ、そうは言っても、予算と決算の乖離は毎年やはり御指摘されるとおり発生してありますので、そういった点も踏まえて、きょう試算1では50万人という数字を出しているわけでございます。

 それで、国庫負担について、これもかねてから御意見を頂戴しているところでありまして、問題意識としてはよく理解できるわけでございます。

 したがって、私どもといたしましても、この国庫負担の本則復帰については、財政当局と精いっぱい折衝しているところでございますので、引き続きよろしくお願いしたいと思います。

○岩村部会長 亀崎委員、よろしいでしょうか。

○亀崎委員 はい。

○岩村部会長 ほかにいかがでございましょうか。

 では、遠藤委員、どうぞ。

○遠藤委員 私からは、育児休業給付の状況についてお尋ねをさせていただければと思います。

 資料1の3ページのところに、10月までの状況で平均7%増加という御説明があったかと思います。制度改正のときには、800億円の前年度に比べれば支出増になるという見込みのもと行われたと理解しております。

 この7%増加というのが、その800億円の内訳としておさまるような増加数であるのか、それとも予想を超えた形のものでふえ続けているのかどうかということをお尋ねいたします。

 さらには、この給付率の引き上げに伴う状況で言えば、過去40%から50%に引き上げたときも、一定の受給者増が見込まれたかと思うのですが、今回は、前回の引き上げに比べて、上げ幅が大きかったわけです。まさに女性の活躍推進にかかわる法整備に向けての動きがある中にあって、今後の状況について、どのように考えているのかということを2つ目の質問としてさせていただければと思います。

○岩村部会長 ありがとうございます。

 2つ質問ということでしたので、事務局のほうでお答えをお願いできますか。

 よろしくお願いします。

○野村雇用保険課長補佐 育児休業給付、対前年比7%増といったようなところで御説明させていただきましたけれども、何分4月から10月という状況でございますので、当初、見込んでいるものに大きく離れた数字ではないと見込んでおりますが、ただ、これからさらに周知等々も努めていかなければいけないと認識をしておりますので、そこの部分でどういう状況になるのかというのは、これからも注視しなければいけないといったような形でございます。

 それで、まさに女性の活躍推進であるとか、そういったような観点の中で、男性の育児休業の取得という観点で言えば、もともとの数字が余り高くないといったようなところがございますけれども、大体男性の給付の水準で言えば、26年4月で月360人であったものが、10月時点では500人を超えるような傾向になっておるというようなところでございまして、徐々にはありますけれども、一定程度、男性の育休取得といったところで給付に結びつくようなものにもなってきているのかなといったようなところがございますので、そこについては、雇用均等・児童家庭局とかとも御相談をしながら、より一層、何とかその育児休業給付、育児休業取得のほうにつながればというところは考えてはございます。

○岩村部会長 遠藤委員、いかがでしょうか。

 では、どうぞ。

○遠藤委員 ありがとうございます。

 そうしますと、2つ目の質問にかかわることなのですが、平成26年度は、今のような状況であったとして、平成27年度以降というのは、どのような推移を見込まれているのか、資料で見ますと、特段数値が変わらないという形で仮置きしているという説明で読むことになるのかもしれませんが、改めて確認をしたいと思います。

○岩村部会長 事務局、お願いできますか。

 どうぞ。

○野村雇用保険課長補佐 やはり、育児休業給付時点の状況においては、確かに前年比7%というような状況がございますけれども、正直、育児休業給付取得の自然増の部分とかを含めますと、やはりまだまだ注視をして、それこそ、その予算額が大幅に変わるような状況にはまだないと見込んでおりますので、27年度以降も昨年の法改正の際に御議論させていただいた数字と大きく離れるようなことはないということで見込んでございます。

○遠藤委員 ありがとうございます。

○岩村部会長 よろしいでしょうか。

 ほかにはいかがでございましょうか。

 よろしいでしょうか。幾つか御意見、御質問などを頂戴したところでございますけれども、先ほど事務局のほうから説明がありました、来年度の雇用保険料率につきましては、失業等給付については1%、それから雇用保険二事業の保険料率が0.35%ということで御異論がなかったと思いますが、よろしゅうございましょうか。

(「異議なし」と声あり)

○岩村部会長 ありがとうございます。

 それでは、後日開催されます職業安定分科会へ告示案を諮問していただく形で進めるということで差し支えないと考えますけれども、それでよろしゅうございましょうか。

(「異議なし」と声あり)

○岩村部会長 ありがとうございます。

 それでは、後日開催されます職業安定分科会において諮問の手続を進めていただきたいと思います。

 それでは、議事次第にありますように、議題としては「その他」というものが用意されております。

 これにつきましては、報告事項ということで、事務局のほうで資料2と3を用意していただいております。

 これについて、続けて御説明をいただきたいと思います。

 よろしくお願いいたします。

○浅野訓練受講者支援室長 それでは「求職者支援制度の実施状況について」報告をさせていただきたいと思います。

 資料2をごらんいただければと思います。

 1ページ目のほうに、求職者支援制度の受講状況及び就職状況についてお示しをしております。

 御承知のとおり、求職者支援制度がスタートしたのは、平成2310月でございますが、その後、雇用情勢のほうが大幅に改善してきております。

 訓練受講者数を見ますと、この9月までの累計ですと、ここにございますように、254,191人ということでございますが、推移を見ますと、雇用情勢の改善などを受けまして、

2ページ目、下のグラフにお示しをしておりますように、訓練を受講する者の数というものは減少傾向にあるところでございます。

 その一方で、訓練を受けた者の就職状況を見ますと、ここには24年からしか出しておりませんけれども、23年度開講のコースでは、基礎コース73.4%、実践コース75.1%といずれも7割台でございました。これがこちらにございますように、24年度は基礎コースが80.6、実践コースが79.5%とともに約8割という数字になりまして、さらに25年度、これは現時点までに把握可能なコースということで、25年度に開始されたコースのうち、ことしの5月末までに修了したコースについての数字でございますけれども、こちらにございますように、基礎のほうで83.4%、実践のほうで84.2%と24年度をさらに少し上回る数字となっているところでございます。

 なお、今、申し上げました就職の定義でございますけれども、昨年度のこの部会での御議論を受けまして、ことしの4月開講のコースから制度の実績の把握に用いる就職については、雇用保険が適用される就職というものに限るとされたところでございますけれども、訓練終了3カ月後の状況を把握するという関係から、本年度開講分については、まだ把握できておりませんところでございますので、ここにお示しをしているのは、新ルール適用前の数字ということになります。

 それから、次に、資料のほう、3ページでございますが、こちらのほうには、職業訓練受講給付金の支給状況についてお示しをしております。求職者支援制度のほうでは、御承知のように一定の要件を満たす場合に、月10万円の職業訓練受講給付金を受給することができるわけでございますけれども、これまでの累計で見ますと、受講者数に占める受給者の割合というものが45.3%となっているところでございます。

 それから、参考までに4ページ目と5ページ目でございますが、こちらのほうに訓練の分野別の就職状況についてお示しをしております。

 傾向についてはこれまでと特に変わりがあるわけではございませんが、介護福祉分野において、就職率それから関連就職、訓練内容と関係のある就職でございますが、この割合が両方とも高くなっているところでございます。

 私からの報告は以上でございます。

○岩村部会長 ありがとうございました。

 ただいま、求職者支援制度につきまして、資料2ということで御説明いただきました。

 ごめんなさい。続いて資料3もお願いいたします。

○野村雇用保険課長補佐 それでは、資料3について御説明をさせていただきます。

 「雇用保険二事業について」という資料でございます。

 雇用保険の二事業につきましては、費用負担者である使用者側と費用負担の観点から評価等々の御議論をさせていただいてございます。

 その一方、従前からまさにこの二事業の事業影響というのは、労働者にも影響があるといったようなところで、部会で御報告をさせていただいているといったようなところで御理解いただければと思います。

 それでは、資料3の1ページ目、2ページ目でございます。

 雇用保険二事業の目標管理サイクルといったところで、PDCAPlan」「Do」「Check」「Action」という4工程を毎年意識しながら事業をしっかりとさせていただいてございます。

 その具体の評価といったところについては、2ページ目でございますが、「abcd」とございます。「a」が一番いい評価でございまして、事業執行率それから政策効果ともに達成したものといったところで「a」評価。

 続いて「b」評価につきましては、事業執行率は低いのだけれども、政策効果をしっかりと達成しているもの。そして「c」と「d」なのですけれども、「c」「d」いずれも政策効果は未達成であると。ただ、事業執行率について、低いもの。要は、事業執行率は低く、それが理由で政策効果が未達成だったものについては「c」をつけさせていただき「d」が一番評価としては悪いのですが、要は政策効果が未達成であるにもかかわらず、事業執行率が高いという点のところで「d」評価をつけさせていただいているというところでございます。

 評価結果の類型については、下の表で記させていただいてございます。

 ちなみに、25年度の評価につきましては、25年度は、当時、84事業ございましたけれども、「a」として評価をしたのは53事業ございます。「b」として評価したのが17事業、「c」として評価したのが5事業、「d」として評価をしたのが1事業といったような形でございまして、詳細は21ページ以降、縦表で御用意させていただいてございますけれども、評価一覧といったようなところをまた御確認をいただければと思います。

 それでは、3ページ目を御確認いただければと思いますけれども、平成27年度の概算要求における雇用保険二事業の方向性といったようなところでございます。

25年6月に閣議決定、日本再興戦略がございました。それから、26年6月の日本再興戦略改訂2014、この2つにおいて、失業なき労働移動の実現、マッチング機能の強化、多様な働き方の実現といったところが掲げられていると。

 一方で、昨今の人手不足の対応でございますとか、超高齢社会の労働力人口が減少していく中では雇用政策、労働政策としてどの方向性でいくのかといったようなところで、大きく3つ御用意をさせていただいております。

 1つ目が「労働者の職業能力の向上」。2つ目が「円滑な労働移動の実現」。そして「良質な雇用の創出・確保」でございます。

 4ページ目は、それをさらに非常に細かくちょっと具体的なイメージが湧きやすいようにといったところで御用意したものでございまして、続いて5ページ目を御確認いただければと思います。

 5ページ目は、ではその平成27年度概算要求の全体像といったようなところで御用意した絵になります。

26年度の予算として、事業数82事業、予算額5,472億円といったようなところがございました。

 それを平成27年の概算要求については、廃止統合で3事業、新設で3事業をさせていただき、事業数としては82事業のままで同じというような形になってございます。

 具体には、7ページ以降の事業一覧で御確認いただければと思いますけれども、新規のものとしては、人手不足の雇用管理改善の事業でございますとか、そういったものがございます。

 予算額については、27年度の概算要求として、5,388億円、要は26年度の予算と比べまして、84億円のマイナスといったようなところで、事業の効率化、重点配分、そういったところのめり張りづけをさせていただいたところでございます。

 そのため、先ほど申し上げました3つの方針にのっとった事業としては、約400億円越えの418億円でプラス。そしてそれ以外の事業では、その3つの方針にのっとらないといいましょうか、ちょっとそこから外れるものについては、503億円の減といったようなところで減り張りをつけさせていただきました。

 その詳細が6ページ目になってございます。

 労働者の職業能力の向上で、対26年度比で197億円の増、円滑な労働移動の実現で89億円の増、良質な雇用の創出・確保で132億円の増となってございますが、それ以外の経費で503億円のマイナスというところ、二事業全体で84億円のマイナスといったようなところで、27年度の概算要求をさせていただいているというところでございます。

 以上でございます。

○岩村部会長 ありがとうございました。

 資料3のほうは、雇用保険二事業についてということでございました。

 それでは、今、御説明いただきました資料2、資料3につきまして、御意見あるいは御質問がありましたらお出しいただきたいと思います。

 では、三島委員、どうぞ。

○三島委員 資料2の2ページ目にあるとおり、求職者支援訓練の受講者数は半期で3万人を割るなどの減少傾向にあるとの説明がありましたが、この減少理由について、厚生労働省としてどのように分析しているか、もう一度説明をしていただければと思います。

○岩村部会長 では、室長、お願いいたします。

○浅野訓練受講者支援室長 訓練受講者数が減少した原因としては、一番大きな原因としては雇用情勢が改善したことだと考えております。

 雇用情勢が改善すれば、スキル、技能が不足していても、採用されるようになります。そういう人がふえると、支援指針の対象になる人が減るということになって、受講者も減少するということになるということが起こっていると考えております。

 ただ、雇用情勢が改善しても、なお就職が大変な方にちゃんと支援が行き届いているかといったようなことについては、しっかり留意する必要があると考えているところでございます。

○岩村部会長 三島委員、どうぞ。

○三島委員 求職者支援訓練の受講者数の減少理由は雇用情勢の回復によるところが大きいとのことでしたが、そもそも求職者支援制度の対象者は、雇用保険の受給期間中に就職できなかった方や雇用保険に加入していなかった方であり、こうしたいわゆる比較的就職が容易ではない方が景気の回復に伴って訓練を受けずにすぐに就職ができるようになったと一概に言えるのか。訓練受講者が減少傾向にある原因としては、例えばハローワークでの訓練誘導の行い方の課題や、制度のPR不足なども考えられますので、受講者数の減少理由について、詳細な分析をして、対策を講じる必要があると考えます。まずは、その要因を分析した上で、本部会への報告をお願いしたい。

 また、求職者支援制度については、昨年末に取りまとめた部会報告書で示したとおり、訓練受講給付金の支給に当たっての出席8割要件の柔軟化の方策が講じられたところですので、そうした制度改正の影響について、厚生労働省として分析しているのであれば、現時点での状況を教えていただきたい。

○岩村部会長 ありがとうございます。

 では、室長、お願いします。

○浅野訓練受講者支援室長 今、三島委員がおっしゃったように、いろいろな課題を抱えておられて、雇用情勢が改善する中においても、就職できないような方が制度について知らず、必要な支援、訓練を受けられないということがないように、私どものほうでは、制度の周知であるとか、訓練が必要な方の誘導に努めているところでございます。

 例えばこの12月の初めにも、都道府県労働局に対して、訓練が必要な者に対する誘導の強化策、周知の強化策について指示をしたりしているところでございます。

 それから出席要件の柔軟化については、今までのところ、きちんと分析している状況ではございませんが、これについても、把握に努めてまいりたいと考えております。

 以上です。

○岩村部会長 三島委員、いかがでしょうか。

 よろしいでしょうか。

○三島委員 はい。

○岩村部会長 ほかにはいかがでございましょうか。

 もう求職者支援制度だけでなく、雇用二事業についてでも結構でございます。

 では、古川委員、どうぞ。

○古川委員 雇用保険二事業について意見を述べます。昨年6月に閣議決定された日本再興戦略で、2015年度までに雇用調整助成金と労働移動支援金の予算規模を逆転させることが掲げられ、本日の資料を拝見すると、平成27年度の概算要求では、日本再興戦略の通り、労働移動支援助成金と雇用調整助成金の予算規模を逆転させる予算要求がなされています。

 本部会や職業安定分科会、さらには労政審本審などでも労働側から主張してきましたが、そもそも雇用調整助成金と労働移動支援金は全く目的が異なる助成金であって、予算額をただ単純に逆転させることを目標として掲げることは、目標設定の考え方としていかがなものかということを改めて指摘したい。

 また、雇用調整助成金は、かねてから労働側からその必要性や重要性について主張してきました。資料の平成25年度の雇用保険二事業にかかわる評価一覧の8687ページあたりに記述がありますが、雇用の維持率や雇用維持を図ることができたと回答した事業主比率を見ても、雇用調整助成金には高い政策効果があることが見てとれます。

 私の出身組織に加盟している単組は製造業の中小企業の組合が多いのですが、熟練技能を持った人を簡単に労働移動するということはとても難しく、できません。そのため、事業主も労働組合も、熟練技能を持った人だけではなく、そうでない人も熟練技能を持つように人材育成をしているわけです。

 このような現状を踏まえても、労働移動というのは、日本再興戦略に書かれているほど簡単ではないわけです。

 厚生労働省には、将来的に雇用情勢が悪化したときも、しっかりと雇用調整助成金を活用して、労働者の雇用を守ることができるように機動的かつ柔軟な対応をしていくことができるような対応を、ぜひお願いしたいと思います。

 以上です。

○岩村部会長 ありがとうございます。

 では、事務局、奈尾課長お願いします。

○奈尾雇用保険課長 今、雇用調整助成金等について、お話がございましたけれども、御指摘のとおり、6月の再興戦略においては、成熟分野から成長分野への失業なき労働移動を進めるとされているわけでありますが、私どもとして、今の雇用情勢の中におきましても、雇用維持政策については、必要性は何ら否定してございません。

 特に、雇調金につきましては、雇用情勢が急激に来年度悪化する可能性とか、あるいは災害の場合にも雇調金は出るわけでございますので、そういう場合も含めて、支給できるようにしていく必要があると考えてございます。

 若干、予算技術上のことを補足しておきますと、例えば、労働移動支援助成金と雇用調整助成金は、予算上も同じ項の中、同じ目の中でございますので、予算の流用ということができます。

 したがって、雇用調整助成金の支給が万が一、この予算の枠の中でできないという場合には、労働移動支援助成金の予算をそちらに使うことができるわけでございます。

 そういったことも予算技術上可能でございますので、そういった点もあわせて考えながら、いろいろな事態に備えて支給できるようにしていきたいと考えてございます。

○岩村部会長 よろしいでしょうか。

○古川委員 はい。

○岩村部会長 ほかにはいかがでございましょうか。

 三島委員、どうぞ。

○三島委員 ただいま古川委員から雇用調整助成金と労働移動支援金についての指摘がありましたが、私も同感です。平成25年度の雇用保険二事業に係る評価一覧の17ページにある労働移動支援助成金の状況を見ると、昨年度は5億6,770万円の予算を計上したものの、実績としての事業執行率は35.4%で2億100万円に過ぎません。こうした状況にもかかわらず、来年度の概算要求では、重点分野とされ、363億円と平成25年度に比べても65倍もの予算が計上されています。実績として、事業執行率が低迷しているのに、なぜここまで増額要求するのか理解できません。

 その上で、1点質問したいと思いますが、平成26年度予算では3013,300万円の予算を計上しています。労働移動支援助成金については、今年3月に離職後6カ月以内に再就職をした場合に再就職実現分の支給申請が行ったことから本格的に支給申請がなされるのは今年度下半期に集中するとは思いますが、現時点での予算消化の進捗と、来年度を見据えた消化の見通しについて、わかる範囲で教えていただければと思います。

○岩村部会長 事務局、いかがでしょうか。

 現時点で数字を押さえられているかどうかですが。

 では、奈尾課長、お願いします。

○奈尾雇用保険課長 申しわけございません。

 現時点で、ちょっと私どもとして数字を把握してございませんで、また後ほど御報告させていただきたいと思います。

○岩村部会長 よろしくお願いいたします。

 ほかにはいかがでございましょうか。

 では、亀崎委員、どうぞ。

○亀崎委員 同じく資料3の雇用保険二事業の資料18ページについて意見を申し上げます。

 事業一覧が記載されていますが、ナンバー68の地域若者サポートステーション、いわゆるサポステ事業の実施に関する費用について、今年度は概算要求に盛り込んでいたものの、最終的には本予算で確保できずに補正予算での計上となったわけであります。

 サポステ事業については、労政審の場において、労働側として再三再四その必要性を主張してきたところであり、また、現在は職業能力開発分科会若年労働部会で若年労働者対策の議論が進められる中、同部会が1120日に取りまとめた報告書案でサポステの重要性が明記されています。

 来年度については、今年度の轍を踏むことなく、きっちりと本予算で計上していただくよう厚生労働省には絶大なる努力をお願いしたいと思います。

○岩村部会長 御意見ということで承りたいと思います。

 ほかにはいかがでございましょう。

 では、新谷委員、どうぞ。

○新谷委員 同じく資料3の1ページ目に、雇用保険二事業のPDCAサイクルの絵があり、その一番下の「Check」という箇所に「事業主の意見を反映した適正な評価」と書かれています。この事業主の部分に「(保険料負担者かつ事業活用者)」と書いてあるのですが、この記述には違和感を覚えます。

 たしかに職業安定行政、能力開発行政にかかる施策の主な財源が雇用保険二事業であって平成27年度の概算要求では5,400億円近くの予算が組まれています。一方、一般会計の予算は雇用保険の国庫負担が主な内容であって2,100億円程度にとどまっていることが現状です。しかし、職業安定行政、能力開発行政の受益者、利害関係者には、当然、労働者も入っているわけです。しかし、このPDCAサイクルの中には三者構成審議会がどこにも位置づけられていない。職業安定行政に関するILO88号条約からしても、公労使の3者構成の審議会による審議はどこに入ってくるのか、事務局には説明いただきたい。まさしくこの雇用保険部会や、職業安定分科会の位置づけは一体どこに入ってくるのか。

○岩村部会長 では、事務局でお願いできますでしょうか。

 では、奈尾課長、お願いします。

○奈尾雇用保険課長 PDCAサイクルにつきましては、通常、この目標サイクルの1ページ目の図で御説明しているところだと認識しておりますが「事業主(保険料負担者かつ事業活用者)」とございますけれども、当然、二事業については、その施策の対象は、主に事業主に対する給付等によって、労働者に対する影響は当然あるわけでございますので、そういった観点で、きょうのような部会の場でも御報告しているところでございます。

 それで、各二事業の個別の助成金については、安定分科会なり、能力開発分科会なりにおきまして、それぞれ御議論がされているものではないかと認識してございまして、あえて申し上げると、そこがILO条約での活用の場ではないかと思ってございます。

 いずれにいたしましても、二事業については、直接負担いただいている事業主の方々については二事業懇で御報告しているわけでございますけれども、きょうのように二事業の経過につきましては、労働者代表の皆様方にもしっかりと御報告させていただきたいと思っております。

○岩村部会長 では、新谷委員、どうぞ。

○新谷委員 たしかに二事業懇は政府と事業主の二者構成で審議をされており、労災保険に基づく社会復帰等促進事業に関する懇談会も同様に政府と事業主の二者構成で審議がなされています。これは財源を拠出している者は事業主であるからという考えに基づくものと思いますが、PDCAサイクルの絵には「事業主(保険料負担者かつ事業活用者)の意見を反映した適正な評価」と書かれてあって、三者構成審議会における公労使の意見をどこで聞くのかということが全く見えない。この絵は、ILOの三者構成原則からいくと不適切なのではないか。

 今でも、現にこの部会で論議をしているわけですから、二事業の目標管理サイクルという中に、三者構成審議会の位置づけを示すべきです。この絵は二事業懇では活用しても良いとも思いますが、三者構成審議会たる労働政策審議会の資料としてはふさわしくないのではないか。今後の資料提出に当たっては、工夫をしていただきたいと思います。

 その上で1点、各論について質問をしたい。

 今、職業能力開発分科会で、職業能力開発促進法の改正を見据えて、職業能力開発のあり方についての論議が進められていますが、その中での重要な論点の1つが、キャリア・コンサルティングのあり方です。その中では特に在職者に対するキャリア・コンサルティングが重要な政策として位置づけられようとしているわけですが、この点については国としても支援を行うべきだという論議をしています。

 しかし、資料17ページのナンバー62として記載のある「キャリア・コンサルティング」の普及促進にかかる事業に関しては、今年度予算と来年度の概算要求を比較すると、来年度の概算要求の予算額は今年度予算に比して半分から6割程度の減額要求がなされています。

 この減額要求は、職業能力開発分科会における法改正論議の中身と合ってないのではないか、という懸念があります。

 この点について、職業安定局としては、職業能力開発局とどのように調整して、こうした減額予算を立案したのか、考え方があれば確認をさせていただきたいと思います。

 以上です。

○岩村部会長 事務局、いかがでしょうか。

 では、奈尾課長、お願いします。

○奈尾雇用保険課長 ちょっと手元に詳細な資料がないので恐縮なのですが、番号で言うと62番の「キャリア・コンサルティングの普及促進」については、まず1つは実績見合いではないかというのが1つ。

 それから、番号で申しますと、7番の「職業訓練情報等提供によるキャリア・コンサルティング、就職支援等実施費」と、この中で増額になっている中にも含まれているのではないかということでございます。

 いずれにいたしましても、キャリコンについて、活用の促進というのは、非常に重要な課題と認識してございますので、その辺は能開局等を含めて一緒に検討していきたいと思ってございます。

○岩村部会長 よろしいでしょうか。

 ほかにはいかがでございましょうか。

 では、青山委員、どうぞ。

○青山委員 ありがとうございます。

 資料2でございます。

 4ページ、5ページで、実践コースの分野別就職状況等がございますけれども、24年度、25年度ということで、コースが減少し、当然ながら受講者も減っているということなのですけれども、この中で、実は、分野別で、私ども聞いている範囲でございますけれども、IT技術者はまだまだ不足しているという話が結構来ているのですね。

 そうすると、実際、この訓練をされなくても、もう既に就職されているのか、それともコースの中身が何か問題があるのか、そういうフォローとか何とかというヒアリングというものはやられているのでございますか。

○岩村部会長 では、浅野室長、お願いします。

○浅野訓練受講者支援室長 今、お尋ねがございましたIT分野の関係でございますけれども、訓練の中身の問題があり、求職者支援訓練ではそこまで高度なものまでは行わないということで、なかなか企業の期待に応えられないというような話も聞いているところでございます。また、地域によって差があるようで、都会地では、非常に求人者の引き合いがある一方で、地方では、せっかくIT分野の訓練をしてもニーズがないよという話も聞いているところです。

 訓練のニーズについては、私どものほうでも求人ニーズを踏まえた効果的な訓練コースとなるよう、ハローワークで把握した訓練ニーズなどを提供していきたいと考えているところでございます。

○岩村部会長 青山委員、どうぞ。

○青山委員 実は、ちょっと気になったのが、下のほうに雇用期間の定めのないものの割合ということを見ますと、IT分野が一番少ないのです。よくないのです。

 ここだけ何でなのかなと。2年度にわたって同じような傾向が続いていると。

 だから、構造的に問題があるのか、そういうところ、一方でニーズがあると。

 確かに都会と地方が違うのですけれども、その辺はこれからで結構なのですけれども、もう少しヒアリングをかけていただきたいと思います。

○岩村部会長 では、浅野室長、お願いします。

○浅野訓練受講者支援室長 今、おっしゃったIT関係のところで、雇用期間の定めがない者の割合が低いというのはおっしゃるとおりですが、この理由について、最初は正社員ではない形で、例えば、IT関係だと、技術者の派遣などもありますので、そういったものからスタートするということもあるのではないかと考えております。

 このあたりのことについては、今後、雇用保険適用就職した者について、分析していく中である程度把握をしていくこともできるのではないかと思います。 

 ある程度把握ができましたら、また御報告させていただきたいと思います。

○青山委員 それはよろしくお願いしたいと思います。

 実は、情報処理技術のみで就職される方と、実はこれをもとに実はほかの分野でも当然使うわけですから、就職される方がおられるわけですね。その辺がどうなっていくのかなと非常に興味を持っていますので、ぜひともフォローをしていただければと思います。

 以上です。

○岩村部会長 ありがとうございます。

 ほかにはいかがでございましょうか。

 では、遠藤委員、どうぞ。

○遠藤委員 それでは、幾つか意見という形で申し上げさせていただければと思います。

 求職者支援制度につきましては、まさに制度施行後ということで、数年たった後の見直しが直近の改正につながったと理解しております。

 先ほど、利用者減というお話がございましたが、そもそも求職者支援制度というのは、雇用情勢が厳しい状況下で機能するように設置された制度ですから、当然のこととして、情勢が好転すれば、利用者減になるというのはある程度必然かと思います。

 ですから、求職者支援制度が情勢の好転したときに、どういう位置づけになるのかということを御議論すること自体はやぶさかではございませんが、単に利用者の声に引っ張られるような形で要件緩和に動くことについては慎重でありたいと思っています。

 それから、二事業につきましては、私ども使側といたしましても、毎回、使側なりの意見を開陳する中で、今日の状況まで来ているところがございます。

 例えば、ある事業について言えば、なぜ二事業の保険料だけで賄うのかといったようなことを納得しないまま今日まで来ているところもございます。

 いずれにいたしましても、雇用保険二事業につきましては、私どもからすると、政策効果の終えたもの、あるいは政策効果が上がらないようなものにつきましては、スクラップアンドビルドで新たな枠組みのほうにシフトしていくことをこれまで申し上げ、先ほど82事業ということでしたが、最も多い時期から比べれば、半減以下という状況になっております。厚生労働省の事務方もそれぞれの立場で精査してきたということは、使側として一定の評価を持っているところでございます。

 今後の取り扱いということですが、私ども使側からすれば、私どもの保険料のみで充当し、賄っている事業であれば、私どもの意見反映という形での枠組みがあってしかるべきだと思っています。これは意見です。

○岩村部会長 ありがとうございました。

 御意見ということで承りたいと思います。

 ほかにはいかがでございましょうか。

 よろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○岩村部会長 ありがとうございます。

 特段ほかに御意見もないというようでございますので、以上をもちまして、本日は部会を終了させていただきたいと思います。

 最後に、本日の署名委員でございますけれども、雇用主代表につきましては遠藤委員に、それから労働者代表につきましては三島委員にそれぞれお願いをしたいと思います。

 それでは、きょうは委員の皆様方、お忙しい中、御出席、御議論いただきまして、大変ありがとうございました。

 次回の日程でございますけれども、これにつきましては、事務局から改めて各委員に御連絡をいただきたいと思います。

 よろしくお願いいたします。

 それでは、これで閉会といたします。


(了)
<照会先>

厚生労働省職業安定局雇用保険課企画係
(TEL)03-5253-1111(内線5763)

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