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2014年12月15日 第5回ストレスチェックと面接指導の実施方法等に関する検討会及び第5回ストレスチェック制度に関わる情報管理及び不利益取扱い等に関する検討会 議事録

労働基準局安全衛生部労働衛生課産業保健支援室

○日時

平成26年12月15日(月)15:30〜17:30


○場所

厚生労働省18階 専用第22会議室


○出席者

検討会参集者(50音順、敬称略)

相澤 好治 岩崎 明夫 岡田 邦夫
川上 憲人 黒木 宣夫 下光 輝一
高松 和夫 千頭 洋一 中板 育美
中村 純 羽鳥 裕 廣 尚典
増田 将史 三柴 丈典 道永 麻里
渡辺 洋一郎

厚生労働省

土屋 喜久 (安全衛生部長) 美濃 芳郎 (計画課長)
泉 陽子 (労働衛生課長) 井上 仁 (産業保健支援室長)
中村 宇一 (産業保健支援室長補佐) 寺島 友子 (中央労働衛生専門官)

○議題

(1)報告書(案)について
(2)その他

○議事

○産業保健支援室長補佐 本日は大変お忙しい中御参集いただき、ありがとうございます。ただいまより「第 5 回ストレスチェックと面接指導の実施方法等に関する検討会」及び「第 5 回ストレスチェック制度に関わる情報管理及び不利益取扱い等に関する検討会」を開催いたします。カメラ撮影はここまででお願いします。

 本日は、上野委員、砂押委員、松原委員、南委員が所用のため御欠席となっております。

 本日の検討会は 2 つの検討会の合同開催となっておりますが、時間の関係もあり、各委員の御紹介は割愛させていただきます。本日お配りしている検討会の報告書 ( ) にも、それぞれの検討会のメンバーは載っておりますので、必要に応じてそちらを御参照いただければと思います。

 それでは相澤先生、よろしくお願いします。

○相澤座長 皆さん、こんにちは。ただいま御紹介がありましたとおり、 2 つの検討委員会が行われてまいり、大変活発な御議論を頂いておりました。本日は、その 2 つの委員会合同で行い、最終的な報告書を書くということになります。よろしく御議論のほど、お願い申し上げます。

 本日の議題に入ります前に、資料の確認をお願いいたします。

○産業保健支援室長補佐 本日お配りしております資料は、検討会報告書 ( ) 1 点のみです。最後に、前回までは付けておりませんでしたが、参考資料ということで、資料の一番後ろに、議論になっている「職業性ストレス簡易調査票」、「ストレスプロフィール」、「仕事のストレス判定図」、あと改正労働安全衛生法の条文を参考に付けております。

○相澤座長 前回までに御議論いただいたものを修正して作ったものとなっております。

 本日は最終回ということですので、再確認の意味を含め、事務局に報告書 ( ) を全文読み上げていただき、御議論をお願いいたします。本文が非常に長いものですので、 2 つに分けて進めたいと思います。初めから 14 ページの「面接指導」の所までを読み上げていただき、御議論をお願いいたします。それでは読上げをお願いいたします。

○産業保健支援室長  1 ページの「はじめに」、「検討方法」、 2 ページの委員名簿、 3 ページの「定義」、この辺りについては割愛をさせていただき、 4 ページ目の「検討結果」から読み上げます。

4 「検討結果」。上記 2 3 つの検討会における議論を踏まえ、ストレスチェック制度の具体的な実施方法や情報管理等に関する検討の結果を以下のとおり取りまとめた。今後、以下の取りまとめを踏まえ、省令、指針、通達、マニュアル等により、ストレスチェック制度の具体的な運営方法が示されるべきである。なお、以下の検討結果は、労働安全衛生法によりストレスチェック等の実施が義務付けられる従業員数 50 人以上の事業場を念頭にしたものであるが、ストレスチェック等の実施が当分の間努力義務となる従業員数 50 人未満の事業場においても、実施する場合は法令に従うほか、以下の検討結果に準じて取組が行われることが望ましい。

(1) 「ストレスチェック制度の導入に向けて」。今回新たに導入されるストレスチェック制度は定期的に労働者のストレスの状況について検査を行い、本人にその結果を通知して自らのストレスの状況について気付きを促し、個人のメンタルヘルス不調のリスクを低減させるとともに、検査結果を集団的に分析し、職場におけるストレス要因を評価し、職場環境の改善につなげることで、リスクの要因そのものも低減させるものであり、さらにその中で、メンタルヘルス不調のリスクの高い者を早期に発見し、医師による面接指導につなげることで、労働者のメンタルヘルス不調を未然に防止しようとする国を挙げた取組である。この取組を円滑に実施するためには、事業者、労働者、産業保健スタッフ、医療従事者等の関係者が、制度の趣旨を正しく理解した上で、本報告書で取りまとめた制度の運用方法に基づき、衛生委員会等の場を活用し、お互い協力・連携しつつ、この制度をより効果的なものにするよう努力していくことが重要である。また、事業者は、ストレスチェック制度が、メンタルヘルス不調の未然防止だけでなく、従業員のストレス状況の改善や働きやすい職場の実現を通じて生産性の向上にもつながるものであることに留意し、事業経営の一環として、積極的にこの制度の活用を進めていくことが望まれる。

(2) 「ストレスチェックの実施方法及び情報管理等について」。ア「ストレスチェックの実施に当たって行うべき事項」。各事業場において、総合的なメンタルヘルス対策におけるストレスチェックの位置付けを明確化することが適当。衛生委員会は労使の定期的な調査審議の場であり、各事業場においてストレスチェックが適切に実施されていることを確認することが適当。ストレスチェックの実施に当たっては、以下に掲げるような項目について衛生委員会で審議・確認し、法令等にのっとった上で各事業場での取扱いを内部規定として策定するとともに、労働者にあらかじめ周知することが適当。1ストレスチェックを実施する目的 ( 労働者自身によるセルフケア及び職場環境改善を通じメンタルヘルス不調の未然防止を図る一次予防を目的としたものであって、不調者の発見が一義的な目的ではないという法の目的の明示 ) 。2ストレスチェックの実施体制 ( 実施者、共同実施者 ( ) 及びその他の実施事務従事者の明示 ) 。※共同実施により、外部の医師と事業場の産業医等など実施者が複数いる場合は、その中から実施代表者 ( 産業医等とすることが望ましい ) を選定し、実施代表者も明示することが望ましい。3ストレスチェックの実施方法 ( 使用する調査票、評価基準・評価方法を含む ) 。4個人のストレスチェック結果に基づく集団的な分析の方法 ( 分析対象とする集団の規模の基準を含む ) 。5ストレスチェックを個々人が受けたかどうかの情報の取扱い ( 事業者による把握、受検勧奨を含む ) 。6個人のストレスチェック結果及び集団的な分析結果の利用方法 ( ストレスチェックの実施者による面接指導の申出の勧奨、集団的な分析結果の共有範囲を含む ) 。7実施事務従事者による個人のストレスチェック結果の保存方法 ( 保存者、保存場所、保存期間、セキュリティの確保を含む ) 。8個人のストレスチェック結果の事業者への提供内容及び労働者の同意の取得方法。9ストレスチェックの実施者又は実施者による個人のストレスチェックに係る情報の開示、訂正、追加又は削除の方法 ( 開示等の業務に従事する者の守秘義務を含む ) 10 ストレスチェックに係る情報の取扱いに関する苦情の処理方法。 11 労働者がストレスチェックを受けないことを選択できること。 12 ストレスチェックに関する労働者に対する不利益取扱いの防止に関すること。外部機関にストレスチェックの実施そのものを業務委託する際には、契約書の中で委託先の実施者、共同実施者及びその他の実施事務従事者を明示することが適当 ( ストレスチェックの実施における補助的な業務を外部機関に委託する場合にも、契約書の中で委託先の実施事務従事者を明示することが適当 ) 。ストレスチェックに係る情報の取扱いに対する苦情や相談を受け付けるための窓口については、当該窓口を外部機関に設ける場合も含め、「雇用管理に関する個人情報のうち健康情報を取り扱うに当たっての留意事項」の第 3 3 にあるとおり、苦情や相談に適切に対応することができるよう、必要に応じて当該窓口のスタッフが、企業内の産業保健スタッフと連携を図ることができる体制を整備しておくことが望ましい。ここの部分ですが、「企業内の」とあります。産業保健スタッフという定義が、「事業場内の」ということになっていますので、この「企業内に」については削除したいと思っています。

 続いて、イ「個人に対するストレスチェックの実施方法等」。 ( ) 「ストレスチェックの実施方法等」。

( ) 「実施方法」。 1 年以内ごとに 1 回以上、実施することが適当。 1 年以内に複数回実施することや繁忙期に実施することに関しては、労使で合意すれば可能とすることが適当。調査票によることを基本とすることが適当。一般定期健康診断と同時に実施することも可能とすることが適当。ストレスチェックを一般定期健康診断と同時に実施する場合は、ストレスチェックには労働者に検査を受ける義務がないこと、検査結果は本人に通知し、本人の同意なく事業者に通知できないことに留意し、1ストレスチェックの調査票と一般定期健康診断の問診票を別葉にする、2記入後、ストレスチェックに係る部分と一般定期健康診断に係る部分を切り離す、3 ICT を用いる場合は、一連の設問であっても、ストレスチェックに係る部分と一般定期健康診断に係る部分の区別を明らかにするなど、受検者がストレスチェックの調査票と一般定期健康診断の調査票のそれぞれの目的や取扱いの違いを認識できるようにすることが適当。産業医等、次の括弧内ですが、これも定義のほうに書いてありますので、括弧については削除をしたいと思っています。産業医等がストレスチェックの実施者となることが望ましい。ストレスチェックの実施そのものを外部機関に業務委託する場合にも、当該事業場の産業医等が共同実施者として関与し、個人のストレスチェック結果を把握するなど、外部機関と当該事業場の産業医等が密接に連携することが望ましい。ストレスチェックの対象とする労働者の範囲は、次に掲げる現行の一般定期健康診断の対象者の取扱いを参考とし、これと同様とすることが適当。1期間の定めのない契約により使用される者 ( 期間の定めのある契約により使用される者の場合は、 1 年以上使用されることが予定されている者及び更新により 1 年以上使用されている者 ) であって、その者の 1 週間の労働時間数が当該事業場において同種の業務に従事する通常の労働者の 1 週間の所定労働時間数の 4 分の 3 以上の者は義務の対象。2 1 週間の労働時間数が当該事業場におい同種の業務に従事する通常の労働者の 1 週間の所定労働時間数のおおむね 2 分の 1 以上の者についても、対象とすることが望ましい。

( ) 「実施者及び実施事務従事者」。ストレスチェックの実施主体となれる者として厚生労働省令で定める者は、医師、保健師のほか一定の研修を受けた看護師、精神保健福祉士とすることが適当。なお、現に、事業場において産業保健業務に従事している看護師、精神保健福祉士については、一定の要件の下、研修の受講を免除することが適当。人事上の不利益取扱いにつながることを防ぐため、労働者本人の同意がない限り、個人のストレスチェック結果を事業者に提供してはならないことと規定している法の趣旨に鑑みれば、「ストレスチェックの受検者となり得る労働者について、解雇、昇進又は異動等に関して直接の権限を持つ監督的地位にある者」は、ストレスチェックの実施者又はその他の実施事務従事者とはなれないこととすることが適当。人員体制等、個々の事業場の状況によっては、人事担当の部署の従業員が実施事務従事者となる可能性も考えられるが、その者についても、労働安全衛生法第 104 条の規定による守秘義務が課されるため、実施の事務に携わることで知り得た労働者の秘密を他者 ( 所属部署の上司も含む。 ) に漏らしてはならないなど、個人情報の厳格な管理が必要であること、あくまでも実施者の指示の下でストレスチェックの実施の事務に携わるのであり、当該事務については所属部署の指揮命令を受けて行うものではないという趣旨を十分に周知することが適当。

( ) 「実施者の役割」。実施者は、事業者からの指示に基づき、当該事業場におけるストレスチェックの企画及び結果の評価に関与しなければならないこととすることが適当。ストレスチェックの企画に係る実施者の役割には、項目の選定を事業者と連携して行うことを含め、結果の評価に係る実施者の役割には、評価基準の設定 ( 又は選定 ) を事業者と連携して行うこと及び個人の結果の評価 ( ストレスチェック結果の点検、確認、面接指導対象者の選定等 ) を含めることが適当。ストレスチェックの実施に当たって実施者が最低限果たすべき具体的な役割としては、事業者がストレスチェックの項目 ( 調査票等 ) を最終的に決定するのに際して専門的な見地から事業者に案を提示する又は確認を行う ( 企画 ) とともに、評価基準の設定について専門的見地から事業者に案を提示する又は確認を行い、個人のストレスチェック結果を確認し面接指導の対象者とするか否かの選定を行う ( 評価 ) とすることが適当。ストレスチェックの実施に関する役割に加え、実施者は事業者からの指示に基づき、以下の役割も果たすことが適当。1個人のストレスチェック結果を集計し、集団的に分析した上で、事業者に提供すること。2高ストレスと評価された者に対して、医師による面接指導を受けるように勧奨すること。3面接指導を申し出なかった人に対して、相談対応、専門機関の紹介などの支援を必要に応じて行うこと。

( ) ICT を活用した実施方法」。インターネット又は企業内のネットワーク ( イントラネット ) ICT を活用したストレスチェックの実施については、以下の 3 つの要件が全て満たされている場合は、実施可能とすることが適当。1事業者及び実施者において、個人情報の保護や改ざんの防止 ( セキュリティの確保 ) のための仕組みが整っており、その仕組みに基づいて実施者による個人の検査結果の保存が適切になされていること。2本人以外に個人のストレスチェック結果を閲覧することのできる者の制限がなされている ( 実施者以外は閲覧できないようにされている ) こと。3上記 ( ) の実施者の役割が果たされること。 ICT を活用した場合の情報管理については、事業者が留意すべき事項として、健康診断結果と同様に、記録の保存に関して「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」を参照することが望ましい。

 続いて ( ) 「ストレスチェックの項目とその評価基準等」。 ( ) 「ストレスチェックの項目」。<基本的な考え方>ストレスチェックの目的は、主に一次予防 ( 本人のストレスへの気付きと対処の支援及び職場環境の改善 ) であり、副次的に二次予防 ( メンタルヘルス不調の早期発見と対応 ) につながり得るものと整理することが適当。この目的に照らせば、本制度におけるストレスチェックには、「仕事のストレス要因」、「心身のストレス反応」及び「周囲のサポート」の 3 領域に関する内容を含めることが適当。先行して実施している事業者の取組に考慮するとともに、専属産業医のいない中小規模事業場や、メンタルヘルスを専門としない医師等でも適切にストレスチェックが実施できるようにすることが適当。

 <具体的なストレスチェックの項目>法に基づくストレスチェックの最低限必要な要件として、「仕事のストレス要因」、「心身のストレス反応」及び「周囲のサポート」の 3 領域に関する項目を全て含まなければならないものとすることが適当。具体的なストレスチェックの項目は、法令に基づく基準として定めることは適当ではなく、標準的な項目を指針等で示すことが適当。各企業においては、国が示す標準的な項目を参考としつつ衛生委員会で審議の上で各々の判断で項目を選定することができるようにすることが適当。ただし、独自の項目を選定する場合にも、 3 領域に関する項目を全て含まなければならないこと、選定する項目に一定の科学的な根拠が求められることを示すことが適当。国が示す標準的な項目は、旧労働省の委託研究により作成され、研究の蓄積及び使用実績があり、現時点では最も望ましいものであると考えられる「職業性ストレス簡易調査票」 (57 項目の調査票 ) とすることが適当。中小規模事業場における実施可能性も考慮すると、標準的な項目を更に簡略化した調査票へのニーズも想定される。簡略化した調査票については、標準的な 57 項目のうち、「仕事のストレス要因」に関する 6 項目、「心身のストレス反応」のうち、疲労感、不安感、抑鬱感に関する 9 項目、「周囲のサポート」に関する 6 項目に加え、臨床的な観点からは、「心身のストレス反応」のうち、「食欲がない」、「よく眠れない」の 2 項目が重要との議論がなされた。これらの議論を踏まえて、今後、簡略化した調査票の例をマニュアル等で示すことが適当。

( ) 「個人のストレスチェック結果の評価方法」。ストレスチェックの主目的である一次予防 ( 本人のストレスへの気付きと職場環境の改善 ) に活用するためには、「心身のストレス反応」に関する項目だけではなく、「仕事のストレス要因」及び「周囲のサポート」に関する項目についても併せて評価することが適当。

 <本人の気付きを促すための方法>本人のストレスへの気付きを促すため、ストレスチェックの結果を本人に通知する際に用いる評価方法としては、個人のストレスプロフィールをレーダーチャートで出力して示すなど、分かりやすい方法を用いることが適当。国が標準的な項目として示す「職業性ストレス簡易調査票」を用いる場合には、「職業性ストレス簡易調査票を用いたストレスの現状把握のためのマニュアル」に示されている標準化得点を用いた方法によることが適当。

 <面接指導の対象となる高ストレス者を選定するための方法>高ストレス者を選定するための方法としては、最もリスクの高い者として「心身のストレス反応」に関する項目の評価点の合計が高い者を選定することが適当。これに加えて、「心身のストレス反応」に関する項目の評価点の合計が一定以上であり、かつ「仕事のストレス要因」及び「周囲のサポート」に関する項目の評価点の合計が著しく高い者についても選定することが適当。国が標準的な項目として示す「職業性ストレス簡易調査票」を使用する場合の選定基準とすべき具体的な数値については、今後国において検討し、示すことが適当。また、独自の項目を用いる場合には、国の示す基準を参考としつつ、各企業において科学的な根拠に基づいて基準を定めることが適当。ストレスチェックにより高ストレス者を選定する方法としては、調査票による数値評価のみで行う方法や、数字評価に加えて補足的に実施者等が確認等のため面談を行う方法などが考えられるが、これらはいずれも労働安全衛生法に基づくストレスチェックの方法として位置付けることが適当。なお、ストレスチェックの実施者以外が面談を行う場合は、職場のメンタルヘルスに関する一定の知見を有する者であって、実施者が面談を行う能力があると認めた者に限るものとし、面談は実施者の指示の下実施しなければならないこととすることが適当。

( ) 「ストレスチェックに含めることが不適当な項目」。ストレスチェックは「性格検査」や「適性検査」を目的とするものではないことから、そうした目的で実施する項目を含めることは不適当。「希死念慮」や「自傷行為」に関する項目は、背景事情なども含めて評価する必要性がより高く、かつこうした項目から自殺のリスクを把握した際には早急な対応が必要となることから、企業における対応の体制が不十分な場合には検査項目として含めることは不適当。事業者独自の項目を設定する場合には、上記のほか、ストレスチェックの目的は鬱病等の精神疾患のスクリーニングではないことに留意して項目を選定する必要があることを示すことが適当。

( ) 「ストレスチェックと一般健康診断の自他覚症状の有無の検査との関係」。<基本的な考え方>一般定期健康診断の自他覚症状の有無の検査 ( いわゆる医師による「問診」 ) は、労働者の身体症状のみならず、精神面の症状も同時に診ることにより、総合的に心身の健康の状況を判断するものであり、問診に含める検査項目について、事業場における労働者の健康管理を目的とするものであれば、原則として制限すべきではない。一方で、労働安全衛生法第 66 条第 1 項において、同法第 66 条の 10 に規定する検査 ( ストレスチェック ) は健康診断から除くこととされたため、労働安全衛生法に基づくストレスチェックを健康診断の問診として実施することはできない。

 <具体的な例>国が示す標準的な項目とは異なる項目を使用したとしても、健康診断の問診において「仕事のストレス要因」「心身のストレス反応」及び「周囲のサポート」の 3 領域にまたがる項目について点数化し、数値評価する方法でストレスの程度を把握することは、労働安全衛生法に基づくストレスチェックを問診として実施することとなるため、不適当。

 一方、例えば「イライラ感」、「不安感」、「疲労感」、「抑鬱感」、「睡眠不足」、「食欲不振」などについて数値評価せずに問診票を用いて「はい・いいえ」といった回答方法で該当の有無を把握し、必要に応じて聞き取りをするような方法は、労働安全衛生法に基づくストレスチェックには該当せず、問診として実施できる例として整理することが可能。

( ) 「ストレスチェックの受検の有無の把握」。事業者による個々の労働者の受検の有無の把握と受検勧奨については、以下の理由から、受検しない労働者に対する不利益取扱いが行われないことを前提に、可能とすることが適当。1事業者にはストレスチェックの実施義務があることからも、履行状況を自ら確認し、受検率の向上に取り組むことができるようにするべきであること。2ストレスチェックの実施そのものを事業者が外部機関に委託した場合に、個々の労働者の受検の有無が把握できないと、受託者である外部機関による適正な実施を事業者が確認できなくなるおそれがあること。3法的にも受検の有無の把握は、実施義務の範囲内と解釈できること。4労働者に受検義務がない一方、制度の目的に照らせば、なるべく労働者に受検してもらうことが適当であること。5強要や不利益取扱いにつながらないようにすることを前提としつつ、事業者が受検を勧奨することは受検率の向上に資すると考えられること。

( ) 「個人のストレスチェック結果の通知」。 ( ) 「労働者本人への通知方法」。他の者が見られないよう、封書又はメール等で労働者に個別に直接通知しなければならないとすることが適当。労働者への結果通知に際して、実施者から労働者に対し、個人のストレスチェック結果のほか、以下の事項を伝えることが適当。1セルフケアのためのアドバイス。2面接指導の対象者であること ( 対象者となった場合に限る ) 。3事業者への面接指導の申出方法 ( 事業場内の担当者 ) 。これについては、2で面接指導の対象とされた者に限る。4面接指導の申出窓口以外の相談可能な窓口に関する情報提供 ( 社内の産業保健スタッフ、社外のメンタルヘルスサービス機関等の契約機関、公的な相談窓口等の紹介 )

( ) 事業者への提供方法。<事業者への提供に当たっての労働者の同意取得方法>個人のストレスチェック結果を実施者から事業者に提供する際の労働者の同意取得方法については、各労働者が、自らが提供に同意する情報の内容を具体的に承知していることが必要との観点から、以下のいずれかの方法で、その都度行うことが適当。1個人のストレスチェック結果の通知後に、受検者全員に対して、個々人ごとに同意の有無を確認する方法。2個人のストレスチェック結果の通知後に、面接指導の対象者について、個々人ごとに同意の有無を確認する方法。3ストレスチェックの段階では同意の有無の確認は行わず、労働者の面接指導の申出をもって、個人のストレスチェック結果の事業者への提供に同意がなされたものとみなす方法。同意の取得は、実際に事業者に提供される情報の中身 ( 個人のストレスプロフィール及び評価結果 ) を労働者が知った上で行う必要があるが、ストレスチェックの実施前又は実施時にはその結果は得られていないため、実施前又は実施時の同意取得や、あらかじめ同意した労働者だけを対象にストレスチェックを実施することは不適当。同意しない労働者に対して、事業者が同意を強要するようなことは不適当。

 <実施者から事業者への結果の提供方法>法第 66 条の 10 2 項の規定により、労働者の同意が得られた場合には、実施者から事業者へ個人のストレスチェック結果 ( 労働者本人に通知するものと同じもの ) を提供することが可能。なお、労働者が面接指導の申出を行いやすくする観点から、衛生委員会で審議した上で、当該事業場のルールとして、実施者から事業者へ提供する情報を当該労働者が高ストレスかどうかという情報に限定するという方法も考えられる。この場合であっても、事業者へ提供するに当たっては、上記 ( )( ) に掲げる1から3のいずれかの方法により、労働者の同意を取得することが適当。ストレスチェックの実施そのものを外部機関に委託する場合においてやむを得ず共同実施という形をとらない場合にも、あらかじめ外部機関とのやり取りに係る窓口の役割を産業保健スタッフに担わせ、本人の同意を得て、外部機関から事業者に個人のストレスチェック結果を提供する際には、当該産業保健スタッフを通じて事業者に提供することが望ましい。なお、この場合において、外部機関から、事業者だけではなく当該産業保健スタッフだけに個人のストレスチェック結果を提供する際にも、特別の事情がない限り、本人の同意を必須とすることが適当。

( ) 「個人のストレスチェックの結果の保存」。個人のストレスチェック結果は、事業者が、実施者に 5 年間保存させなければならないこととすることが適当。ただし、実施者に保存させることが困難な場合は、その他の実施事務従事者の中から事業者が指定した者に保存させることも可能とすることが適当。個人のストレスチェック結果の保存は、実施者又はその他の事業者に指定された実施事務従事者が個人で保管することが困難な場合は、実施者以外の者 ( 事業者を含む ) に見られないよう厳重な措置を講じた上で、事業者が管理する事業場内の保管場所 ( 結果が紙の場合 ) 、企業内ネットワークのサーバー内 ( 結果がシステム上のデータの場合 ) 、委託先である外部機関の保管場所等で保管することも可能とすることが適当。この場合、実施者又はその他の事業者に指定された実施事務従事者が責任をもってセキュリティの管理 ( システムへのログインパスワードの管理、キャビネット等の鍵の管理など ) を行わなければならないこととすることが適当。労働者の同意により、実施者から事業者に提供された個人のストレスチェック結果は、事業者に 5 年間保存義務を課すことが適当。

( ) 「労働者本人へのストレスチェックの結果通知後の対応」。 ( ) 「実施者等による面接指導の申出の勧奨」。ストレスチェックの結果、高ストレスと評価された労働者のうち、面接指導の申出を行わない労働者に対しては、まずは面接指導の対象者を把握している医師等の実施者が、以下に掲げる方法により申出の勧奨を行うことが適当。1実施者が個人のストレスチェック結果を本人に通知する際に、面接指導の対象者であることを伝え、面接指導を受けるよう勧奨する方法。2個人のストレスチェック結果の通知から一定期間後に、実施者が封書又はメールで本人にその後の状況について確認し、面接指導の申出を行っていない者に対して面接指導を受けるよう勧奨する方法。3面接指導の申出の有無の情報を、事業者から実施者に提供し、既に事業者に対して申出を行った労働者を除いて勧奨する方法。高ストレスと評価された労働者のうち、面接指導の申出を行わない労働者に対して、下記の事業者による勧奨を除き、実施者以外の者が勧奨を行うことについては、ストレスチェックの実施事務従事者に限って可能とすることが適当。必要に応じて、本人の同意により高ストレスという評価結果を事業者が把握している労働者に対して、申出の強要や申出を行わない労働者への不利益取扱いにつながらないように留意しつつ、事業者が申出を勧奨することも可能とすることが適当。

( ) 「保健師、看護師等による相談対応」。個人のストレスチェック結果の通知を受けた労働者 ( 特に高ストレスと評価された労働者 ) に対して、相談の窓口を広げ、相談しやすい環境を作り、適切な対応を行う観点から、産業医等と連携しつつ保健師、看護師等による相談対応を行うことが望ましい。

( ) 「ストレスチェックの結果に基づく不適切な対応」。本人の同意を得て事業者に提供された個人のストレスチェック結果に基づいて、配置転換等の就業上の措置を講じるに当たっては、労働者に対する不利益取扱いにつながらないように留意しつつ、産業医等の医師による面接指導を行い、医師の意見を聴くことを必須とすることが適当であり、以下の行為は不適当。1本人の同意により事業者に提供された個人のストレスチェック結果を基に、医師の面接指導を経ずに、事業者が配置転換等の就業上の措置を講じること。2個人のストレスチェック結果を基に、保健師、看護師等による相談対応等を行った場合に、その結果を基に、医師の面接指導を経ずに、事業者が配置転換等の就業上の措置を講じること。

( ) 「個人のストレスチェック結果の共有制限」。個人のストレスチェック結果は、そのまま上司や同僚に共有すべき種類の情報ではないことから、本人の同意により事業者に提供された個人のストレスチェック結果を、就業上の措置に必要な範囲に限定せず、そのまま職場の上司、同僚などに共有することは不適当。

 ウ「集団的な分析と職場環境改善」。 ( ) 「集団的な分析の実施」。一次予防を主な目的とする制度の趣旨を踏まえれば、セルフケアと同様に、職場環境の改善も重要であり、事業者においては、個人のストレスチェック結果を集団的に分析し、その分析結果に基づき必要な職場環境の改善の取組を行うべきである。一方で、現時点では集団的分析が広く普及している状況にはなく、手法が十分に確立・周知されている状況とも言い難いことから、まずは集団的分析の実施及びその結果に基づく職場環境の改善の取組を事業者の努力義務とし、その普及を図ることが適当。この場合の努力義務は、集団的分析の実施の必要性や緊急性が低いことを意味するものではなく、事業者は、職場のストレスの状況その他の職場環境の状況から、改善の必要性が認められる場合には、集団的分析を実施し、その結果を踏まえて必要な措置を行うことが自ずと求められることに留意するべきであること。なお、国は集団的な分析手法の普及を図るとともに、その普及状況などを把握し、労働安全衛生法の見直しに合わせて、改めて義務化について検討することが適当。

( ) 「集団的な分析の実施方法」。集団的な分析の具体的な方法は、国が標準的な項目として示す「職業性ストレス簡易調査票」又は簡略化した調査票を使用する場合は、「職業性ストレス簡易調査票」に関して公開されている「仕事のストレス判定図」によることが適当。独自の項目を用いる場合には、「仕事のストレス判定図」を参考としつつ、各企業において定めることが適当。

( ) 「集団的な分析結果の事業者への提供」。個人のストレスチェック結果の集団的な分析結果は、労働者の同意なく事業者が把握可能とし、実施者から事業者に提供することが適当。ただし、集団的な分析の単位が少人数である場合には個人が特定されるおそれがあることから、その単位が 10 人を下回る場合には、分析の対象となる労働者全員の同意がない限り、集団的な分析結果を事業者に提供することは不適当。なお、この場合の 10 人は実際のデータ数でカウントするものとし、例えば、対象とする集団に所属する労働者の数が 10 人以上であっても、その集団のうち実際にストレスチェックを受検した労働者の数が 10 人を下回っていた場合は、集団的な分析結果を事業者に提供することは不適当であるという趣旨であること。

( ) 「集団的な分析結果の保存」。集団的な分析結果は、事業者が 5 年間保存するよう努めなければならないこととすることが適当。

( ) 「集団的な分析結果の活用」。集団的な分析の手法として、国が標準的な項目として示す「職業性ストレス簡易調査票」に関して公開されている「仕事のストレス判定図」を用いた場合、部・課・グループなどの分析対象集団が、標準集団に比べて、どの程度健康リスクがあるのかを判定することができる。こうしたことを踏まえ、事業者は、産業医等と連携しつつ、集団的な分析結果を、各職場における業務の改善、管理監督者向け研修の実施、衛生委員会における具体的な活用方法の検討などに活用することが適当。集団的な分析結果は、分析の対象となった集団の責任者にとっては機微な情報であることから、事業場内で制限なく共有することは不適当であり、集団的な分析の方法、分析結果の利用方法 ( 集団的な分析結果の共有範囲を含む。 ) 等について、衛生委員会で審議した上で各事業場での取扱いを内部規定として策定することが適当。ひとまず以上でございます。

○相澤座長 膨大なものですので、一応、ここで前半のところを区切ります。今までのところで何か御指摘することがありましたら。

○下光委員 少し意見を述べたいと思います。 9 ページの一番上の所で、「面接指導の対象となる高ストレス者を選定するための方法」という所の記述があります。まず、「高ストレス者を選定するための方法としては、最もリスクの高い者として『心身のストレス反応』に関する項目の評価点の合計点が高い者を選定することが適当。これに加えて、『心身のストレス反応』に関する項目の評価点の合計が一定以上であり、かつ『仕事のストレス要因』及び『周囲のサポート』に関する項目の評価点の合計が著しく高い者についても選定することが適当」という記載がありますが、この後半部分について、できれば削除、あるいは難しい場合には、この最後の「適当」という文言を、例えば「望ましい」等に変更していただきたいということです。

 ストレスチェック時の心身のストレス反応と職場環境に関連する項目の両方を使用してストレスチェック後の産業医面談への勧奨、候補者として抽出する方法については、幾つかの疑問点がありまということです。

1 つは、「職業性ストレス簡易調査票」の 57 項目のこれまでの使用方法として、個人に対するアプローチとして、まず「心身のストレス反応」、特に心理的なストレス反応の結果を中心として面談が実施され、そして、職場環境に対する対応は「仕事のストレス判定図」として、これは集団で集計した結果を用いて行われていました。ストレス反応と職場環境の組合せで面談勧奨者を選定する方法は、まだ具体的な施行例がないということ。すなわち一度も試行トライされていないということがも 1 つ問題です。

 数日前にマニュアについて検討会が開かれましたがされ、提案があった面談勧奨者選定のためそのカットポイントの決定法については、心身のストレス反応の 29 項目と職場環境 28 項目のそれぞれの総合点を算出し、その分布から上位の者を抽出するという極めて粗い方法であります。この方法では各尺度の特性が考慮されずに、本来の「職業性ストレス簡易調査票」の特徴の利点が失われてしまう可能性がある。特に「心身のストレス反応」については、抑うつ、不安、疲労などの心理的なストレス反応と、めまい、肩こり、動悸などの身体主訴、これをひとまとめにして総合得点を出しているということも大変大きな問題です。そのことによって、抑うつ、不安などの識別性の高い尺度得点が総合点の中に埋没してしまうおそれがあるというようなこともあります。

2 点目は 5 番目として、職場環境、特に周囲のサポート、上司や同僚のサポートの項目を加えて面接対象者を選定するということについては、本来、心理的負担の強い労働者の一部が除かれてしまうということ。その代わりに、いわゆるクレイマーとかパーソナリティーに問題があるような人たちが含まれてしまう可能性があるということもあって、その結果、現場の産業医の先生方に過大な負担が生じるということが危惧されるようなことがあります。

 このような問題がある中で、この方法を国の推奨方法として提示することについては、非常に難があるというように考えております。法に基づいたストレスチェックの方法を検討するに当たっては、既に職場でよく使用され、その効果が評価されているものであって、かつ、その方法について十分に吟味された、そういうものでなければならないというように思います。これまで一度も使用されていないような方法を、国の指針、あるいは推奨方法として公表することについては、混乱を招く可能性があり、危険であるというようにも考えます。委員会としても、やはり責任を取らなければいけないということも出てくるわけで、これについては皆さんに考えていただきたいと思います。

 ストレスチェック制度を始めるに当たっては、先行企業の手足を縛ることのないよう、また、事業場にある程度の裁量の自由を持たせるということも必要ではないかと思っております。

 以上より、先ほど申し上げた項目の後半の部分については、個人的には削除をしたいところですけれども、その最後の「適当」、この「適当」というのは非常に厳しい縛りを持った表現だというように聞いておりますので、この「適当」の箇所を、ほかの文言、例えば「望ましい」とか、そういうようなものに変更していただくことはできないかというように提案させていただきたいと思います。以上です。

○相澤座長 先生もお入りになった専門委員会等でずっと議論されて、一応、産業医にストレス要因と反応とサポート、これを項目として、ストレスチェック評価の中に入れるということは、議論がされて認められてきたことだと思いますが、その評価をするかということについて、先生の御疑問もあるわけですが、全体の流れとしては、一応、そういった議論になってきたと思いますけれども、事務局で何かありますか。

○下光委員 まだ、余り議論はその辺についてはまだ、余り議論はされていなかったのではないかと思いますので、まず事務局の考えを聞いていただく前に、ほかの委員の先生方の御意見も少し聞いていただければと思います。

○相澤座長 主に専門委員会でそのやり方については議論されてきて、文言については、行政委員会でも何回か上がってきていると思いますが、先生もそれに入っておられたと思いますけれども、ほかの先生の御意見はありますでしょうか。

○川上委員 私もこの点について、下光先生のお話を聞いていて考えるところがありますので、意見を述べさせていただきます。最初の項目の検討会のときに、確かに「適当」という文言で承認していますが、当時の検討会の目的はどちらかと言うと、行政、国に対して、適切な項目を推薦するという、そういう趣旨が多かったので、今、走っているこの検討会が、少し「適当」の趣が違った感がして、それが誤解を招いたのではないかという気がいたします。

 もう一度拝見すると、 8 ページで本来、その項目自体は、「法令に基づく基準として定めることは適当ではなく」ということで、各企業の選定を許すような形、企業で項目を選ぶことを許可している、許容しているわけですので、ここでほかの検討会と同じレベルで「適当」、つまりこうすべきだという文言が、ここの判定方法に出てくるのは少し違和感があるような気がいたします。ですので、私の考えでは、 9 ページの 5 行目の「選定することが適当」というのは、むしろ「選定する標準的な方法をマニュアルで示すことが適当」とか、その「適当」の置き方が少し違うような気がするので、この部分の文言は検討いただくのがいいと思います。

 また、この部分の判断ですが、どのような高ストレス者の選別がいいのかについては、やはり心身のストレス反応が高い方は 8 、低い方は 2 とするとか、 9 1 にするとか、これは今、研究とか科学的根拠に基づいて言えるものではなく、その企業ごとにどのような方を選定するかという価値観に基づくものになってきますので、ここで「適当」と書くことは少し程度が大きいのかと思いまして、下光先生の御意見をサポートするような意見をさせていただきました。

前にも言ったと思いますが、これは極めて現場では重いものなので、できることならば、 1 回何かやったとしても、何年か後には見直すということを、是非やってほしいことが 1 つです。

 それから、この場で新たにいろいろ変えていくことは非常に難しいのかもしれませんが、できることなら本当に現場でやりやすい仕組みで、そっとスタートしてほしいなあというのが希望です。

○相澤座長 労働衛生課長、お願いします。

○労働衛生課長 議論の経過と書き方について、前の繰り返しになりますが、少し御説明いたします。

 今、下光先生から御指摘がありました所は 9 ページの一番上の○ですが、これは 8 ページの「具体的なストレスチェックの項目」の 1 つ目の○と、実は対応している項目になります。つまり、今度の制度では、具体的な項目自体は、最終的にはある程度企業の自主性に任せる部分がありますが、少なくとも守っていただきたいところとして、 8 ページの具体的な項目の 1 つ目にありますように、「仕事のストレス要因」と「心身のストレス反応」及び「周囲のサポート」の 3 つの領域は必ず入っていること。そこはどのような項目を使おうが、必ず義務としようということになっています。今は個人の評価の話をしていますが、3つを義務とするからには、個人の評価に当たって、その 3 つを当然加味しなければ理屈として合わないということですので、義務とする領域は何らかの形で評価に使うということ、これまでそれが表裏一体であるということで議論が進んできたと思います。

 ただ、その際に、その 3 つを合わせてどのように評価をしていくかというところについては、まだ十分な経験もないところですので、そこの細部は今後更に、マニュアルを作る作業の中で議論していかなければいけません。 領域を評価に使うという前提に立ったうえで、その中で一番大事なのは「心身のストレス反応」であると。下光先生がおっしゃったとおり「心身のストレス反応」であり、それプラス、「仕事のストレス要因」と「周囲のサポート」についても、一定の加味が必要であるということで、そういう方針を書いています。そこの所はこれまでの議論を反映しているものだと考えております。

 ただ、そのときに、一番最初の「心身のストレス反応」と、後ろの 2 つの項領域どのような重み付けにするのか。仮にその標準である項目を使ったときに、何点で切るのかという技術的な検討は、今後更にマニュアル検討の場でなかで進めていきたいと思っています。

 また、羽鳥先生から御指摘があったとおり、この制度、そもそも今回の安衛法の改正は、一定の期間の後の見直し規定というのが設けられていますので、その間、実際の運用がどうなっているかということについては、こちらとしても十分な情報収集をして、必要なところは見直しをしていく仕組みにしたいと思っております。

○岩崎委員 今の認識は私は違うところがありますので、幾つか意見を申し上げたいと思います。 3 分野を取り込んでやるというのは確かに議論の中でありました。それをストレスチェック制度として活用していると、それはそのとおりだと思っておりますが、その中で高ストレス者を選定する基準について言えば、今までの科学的根拠で言えば、やはり「心身のストレス反応」を主に拾い上げるということが主体だと思いますので、今後、何らか検討をされるとしても、そこに十分な科学的な根拠があるかということが非常に重要であろうと。となると、 3 領域で、簡易調査票を使って 23 項目なりでやった場合においても、評価に使われなかった項目がデッドストックになってしまうことが気になるところですが、実際、では我々が今まで現場でどのように実施してきたかと申し上げますと、ストレス反応で拾い上げた方の面談をさせていただく中で、ストレス要因であるとか周囲のサポートが、個別の方がどういう状況にあるかという形で活用しますので、評価に「適当」という形はほぼ義務という形になるというような議論が前回あったと思います。ですから、そこは表現を和らげるなり、私は思い切って削除するべきではないかという意見を持っております。それは現場で 10 年間やってきた経験からのことです。

○岡田委員 私も現場でやっておりますが、周囲のサポートを個人の評価にするときは、周囲に聞かないといけないという、面倒さがあり、本当に周囲がそういう状況なのか、 1 人だけがそう思っているのかというところで、職場全体がサポートをされていないのかという判断が非常に難しく、この時点で産業医が面談をして、サポートがないということを産業医が決め付けてしまうというのは、若干問題があります。少なくともヒアリングしてから、本当にサポートがないということを確認しておかないと、若干、高ストレスに関するリスクがあるのではないかということは危惧しております。そこだけは少し考慮していただきたいと思います。以上です。

○中村委員 私の理解では、最初、いわゆるメンタルヘルス不調の早期発見というように思っていて、「心身のストレス反応」ということで 9 項目、あるいは 2 項目が加わったと思います。その検討会の進行の中で、厚労省から、これは一次予防だという話が出たと思います。そして、そういう結果から、「仕事のストレス要因」、「周囲のサポート」という項目が出てきて、むしろ心身のストレスよりは、仕事のストレスとか、周囲のサポートというのが、ほかの先生がおっしゃるように評価は難しいかもしれませんけれども、御本人がそう取っているかどうかということのほうが、むしろ重要だ、これは一次予防だということをすごく強調されたように、私は理解しています。そして、この 3 項目を評価していくことは、技術的には下光先生の今までの経験とか、産業医の経験からいうと、難しいとは思いますが、何か新しいことをやるということであれば、やはりこの項目は外せないのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

○三柴委員 私自身、統計学について専門ではないですが、今、下光先生や川上先生の御尽力等で開発された仕組みが法制度化されるという段階に至り、初期に設計された仕組みと、政策として使われる仕組みとでは、少し考え分けないといけないところもあるのかと思います。たとえば、このチェックリスト自体が一連の仕組みの中に組み込まれている。つまり、後で面接指導が少なくとも付いてくるわけです。だから、調整が後で可能な仕組みになっているのではないかということが 1 つです。

 それと、この仕組みを動かすときに、そもそもベースとして性善説に立つか性悪説に立つかという議論が必要でしょうけれども、極論ですが、性悪説に立ったら、この仕組みは多分成り立たないと思います。だから、どうやって性善説にいざなうかという発想に基づかなければいけないのかなというように思います。以上です。

○相澤座長 ありがとうございます。これについてどうぞ。

○渡辺委員 下光先生が先ほどおっしゃった点は、確かに私も経験してそう思うところがありました。それで 7 月のストレスチェック項目などに関する専門検討会のときに、今までは心身の反応だけから選んでいて、それ以外のアとかウから選ぶことは非常に大変ですが、本当にこれをやるのでしょうかということが議題になって、そのときの検討会で、今回の趣旨に鑑みて、やはりアとウからも選ばないと駄目ですねという結論になって、話が進んできたという経緯があります。

 今、これをもう 1 回議題にして、覆すということを検討するのかどうか、先に決めていただきたいと思います。もう 1 回これを検討するとなると、 7 月時点に戻っての検討ということになると思います。座長に決めていただかないとまずいかなという気がします。

○相澤座長 これは行政委員会等、あるいは専門委員会、その前にも議論してきて、この件を今おっしゃるように、この場でやり直すことはかなり難しいので、マニュアルを、今、作っていますので、そこでそのやり方を、今まで成功例もありますし、十分な経験もありますので、それを参考にしながら、一番実現可能な政策として、ストレスチェックをスムーズに導入する方法をお示しすることが、一番適当ではないかと私は思います。ここで議論を始めると、延々と始まってしまいますし、ある程度コンセンサスを得られて、ストレスチェックに項目としては 3 つを入れようということで、一次予防のためには入れなければいけないということで、それは皆様お認めだと思いますが、その評価をどのようにするかということは、少しテクニカルなこともありますし、統計的なこともありますし、経験的なこともありますので、ここで議論をすると難しい問題になります。先生もマニュアルの検討の場にも入っておられ、川上先生も岡田先生も入っておられますので、そこで何か良い解決策を作っていくということでいかがでしょうか。

○下光委員 これまで前の委員会できちんと議論されたかというとそうとはいえない。、私たち(東京医大)はいろいろなデータを持っていますので、厚労省から分析を依頼され確かに分析を行いやりました。それは先ほどから言ったような総合点での評価で、ストレス要因、サポート、ストレス反応の、こういう組合せでの評価はどうかということで、その分析をして提出しましたが、それが良いとか悪いとかという議論はなかったかと思います。今後どうなっていくかと思っていましたら、段々このような流あれになったということです。を、まあ、言い訳かもしれませんけれども、そういう流れがあって、やはり一番根幹のところの、どのようにやって勧奨者を選定ピックアップするかということについては、十分な議論がなされていたとは思いません。ただ、ここまできていますので、今後マニュアルの検討ということもありますがその中で、どれだけディスカッションできるのかということもあります。それから、マニュアル委員会はこの最終報告の下でに、そのマニュアルを作っていくわけですから、やはりひっくり返すかどうかという議論よりも、この最終報告案がこれでいいのかということを私は問うているわけです。これまでディスカッションがいろいろあったかと思いますが、様々なディスカッションをしていく中で危惧がもたれてきますし、先ほど申し上げたようないろいろな問題が現場で起こってくる可能性がありますので、それについては我々としては、きちんと対応しないといけないと思っています。ここでこのような結果になってもになれば、私もマニュアル委員会での検討に協力いたしますが、それについてはしっかり申し上げておきたいと思います。以上です。

○労働衛生課長 今、お話を伺っておりまして、 9 ページの一番上の○の記述が、最初の文章と、「これに加えて」という文章が、同じ重みであるように見えてしまうのが 1 つの問題かなと思いました。今までの御議論では、前半が主であって、後半はプラスアルファ的なお話だったと思います。それがプラスアルファであることが分かるような記述として、「ストレス要因」、「周囲のサポート」を加味して選ぶ方法についても示すことが適当といった文章に変えることを検討したいとます。

○下光委員 そうすると、この文章の前の半分が絶対であって、それにプラスして、可能であればこれも適当だという、そういう文言にしたいという解釈でいいということですか。

○労働衛生課長  3 領域を義務化する以上、 3 領域を判定において使わないというのは、なかなか説明がつかないと思いますので、そこは考慮していただくという前提ではありますが、重み付けとして、後半のほうがより小さいということが分かるような書き方に工夫したいと思います。

○下光委員 分かりました。

○中村委員 しかし、前回の 7 月の段階では、「心身のストレス」は必要だけれども、ほかのほうが大事だみたいなことを説明されませんでしたか。仕事の量とか、質とか、あるいは裁量権の問題とか。

○労働衛生課長 それは恐らく、個人の評価ではなく、職場環境の評価のためにその項目が重要というお話が、別途あったかと思います。

○中村委員 そうしたら具体的に、職場の環境の評価に関しては、「心身のストレス反応」に加えて、「仕事のストレス要因」及び「周囲のサポート」に関する項目も評価に入れるということでしたら、下光先生、いかがなのですか。要するに、心身のストレスが一番ですよね。そして、職場環境を見るときには、仕事の量とか、裁量権とか、周囲のサポートの項目が必要だということにすればよろしいのではないですか。矛盾がないと思いますが。

○下光委員 簡易調査票はそういうように作成されています。是非、そのように使っていただければと思います。今、課長さんが言われたことで、私もよろしいかと思います。ほかの先生方、いかがでしょうか。

○岡田委員 今、中村先生がおっしゃった御意見に賛同させていただきたいです。個人でやる場合と、職場でやる場合では、介入の仕方が全然違うのです。健康診断をどの時点でやるかということで、例えば、私どもは誕生月にやっています。ばらばらにやったものを翌年の職場の環境改善にはつなげないので、一定の期間にまとめて、この職場ストレス判定図をしまして、そして職場の支援も全部見て、一気に産業医が介入していく形になっています。同時になかなかできないものですから、今、先生がおっしゃったように分けてやると、非常にやりやすいので、そうすると、先生がおっしゃったようなコメントになると、非常に私どもも職場としてはやりやすいかと思います。

○中村委員 ただ、誤解されると困るのですが、周囲のサポートとかは繰り返しますけれども、本人の取り方ですよね。

○岡田委員 はい。

○中村委員 だから、必ずしも事実がそうでなくても、御本人が取るということもあるということは、産業医の先生も理解していただかないと、被害的になる方もいらっしゃるわけですから。

○岡田委員 個別で対応するときは、もちろんそれは考えております。ただ、 100 人とか 200 人の組織で 1 人の意見をどれぐらい尊重するかというのは、若干、難しいところがあります。その場合は、周囲のことをきちんと考えて、全体の意見を入れて、職場のストレス度を判断するというほうが、非常に望ましいのではないかと考えますが。

○労働衛生課長 ちょっと整理をしますと、今、岡田先生がおっしゃった、集団として評価するときに何の指標を使うかということについては、それは 13 ページに出てきます。ここでは「職業性ストレス簡易調査票」を使う場合においては、既に開発されている仕事のストレス判定図を使うということで、正に仕事のストレス判定図は、ストレス要因と周囲のサポートで作る表ですので、そこは既に別の所で明示されております。今、私が修正案を申し上げた 9 ページの所は、あくまでも個人の評価において、その 3 領域をどのように評価するかというところですので、それについて先ほど申し上げた修正でいかがかということです。

○渡辺委員 ちょっと議論が広がってしまっていますが、今問題になっているのは、高リスク者の選定方法ですよね。だから、高リスク者の選定方法として、心身のストレス反応だけで選んでいいのか、心身のストレス反応に職場環境と周囲のサポートを加えるかどうかという話ですよね。心身のストレス反応だけでよしとするかどうか、というのが突き詰めれば、そこだと思います。本来はこのほうが簡単だし、今までのやってきたやり方に近いので、そのほうがやりやすいというのはありましたが、それではいけないという議論で、 7 月に話がありました。そこをもう 1 回やり直すのかどうかということで、私は非常に疑問を感じています。ここは 7 月に 1 回問題になったところで、私としては、そこで大転換したのです。今回のこの法に鑑みて、周囲のサポートと職場環境を入れなければいけないのだということに価値転換をしたところでしたので、もう 1 回元へ戻すとかどうかということを、はっきりしていただいたほうがいいかと思います。

○相澤座長 先ほども申し上げましたが、そこへ戻すつもりはないのですけれども、この 3 つの要素で評価することは理想的には正しいことなのですが、現在の状態では、そういった実績が余りない、全くないわけではないと思いますが。そういう状況でスムーズにこの制度をスタートさせるには、今までのやり方もきちんとやった上でのプラスアルファとしてやるということも、 1 つの方法であるかなということで、マニュアルにそういった記載をするということを、この報告書に明示するということで、文言については、今すぐというわけにはいきませんので、もし差し支えなければ、議長預かりということにさせていただければと思いますが、いかがですか。下光先生、よろしいでしょうか。先生もよろしいですか。それでは、そのようにさせていただきます。どうもありがとうございました。

○中板委員  6 ページの上の○で、「産業医等がストレスチェックの実施者となることが望ましい」という、この一文ですが、ここにこの一文が必要なのかということをお聞きしたいと思います。

 まず 3 ページに、「ストレスチェックの『実施者』」という定義がありまして、「ストレスチェックの実施主体となれる者として、医師、保健師その他の厚生労働省令で定める者」という、これが法改正の中で出てきた部分であって、あえて 6 ページの所に、「産業医等がストレスチェックの実施者となることが望ましい」という言葉が入ることによって、非常に混乱の元かなというように感じております。しかも、ここの部分は実施方法の部分ですので、この 2 行がなくても通じる話ですので、この 2 行がここにあるということはちょっと望ましくないのかと思っています。

 その下に、「実施者及び実施事務従事者」と書いてありますので、こちらでストレスチェックの実施主体となれる者として、「一定の研修を受けた看護師、精神保健福祉士とすることが適当」と。これは法律に基づいて書かれておりますので、混乱がないようにしていただければと思います。以上です。

○相澤座長  6 ページの○の件ですが、これはどういう経緯であれでしたか。事務局からどうぞ。

○産業保健支援室長 今回のストレスチェックの実施主体となれる者として、医師、保健師、それから一般の研修を受けた看護師、精神保健福祉士となっています。実施者について、事業場にいる産業医に関わっていただきたいというところで、この記述をしています。産業医等が実施者になることが望ましいと。例えば、外部機関の医師がストレスチェック全部をやることも想定されますので、そういうときでも、事業場にいる産業医が関わってほしい、できれば実施者となってほしい、ということをここで書いているところです。これを書きませんと、医師であれば誰でもいいであろうと、そういうようなメッセージになりますので、メッセージとしては、産業医等が実施者になっていただくことが望ましいということを書いています。

○中板委員 法律上「医師、保健師その他の厚生労働省令で定める者」となっていますので、そこが一番の根幹かなというように思います。それで、もし書かれるのであれば、「実施方法」の項の部分ではなく、やはり「実施者」の所の○の中に、今おっしゃったような一文を、医師の中でも更に、ということを入れていただくほうがいいかと思っています。

20 ページの「ストレスチェック制度の流れ図」の中にも、こちらは非常に簡便に流れが分かるように書かれていますが、あえてストレスチェックの実施の○の所で、「一般定期健診と同時に実施することが可能」というとても重要なことが書かれていますが、その下にもあえて、「産業医が実施者になることが望ましい」と書かれていることも、全体のバランスからいって、ちょっと違和感があると思っていたところです。書かれるのであれば、「実施者」の所に付随して入れていただければと思いますが、いかがでしょうか。

○産業保健支援室長補佐  6 ページの「産業医等がストレスチェックの実施者となることが望ましい」と、この○の項については、「実施者及び実施事務従事者」のほうに移すということで修正を掛けたいと思います。

○道永委員 この部分ですが、要するに企業の産業医の先生方に実施者になっていただきたいという希望があるわけです。やむを得ずストレスチェックを外部機関に委託する場合でも、企業の産業医等に関わっていただきたいことがここに入っていると思います。ですから、そこの言い回しなので、本来は「企業内の産業医等が実施者となることが望ましいが、やむを得ず外部機関に業務委託する場合にも」うんぬんだったら、話が通じやすいのだと思います。だから、「実施方法」でよろしいのかと私は思いました。

○増田委員 ここは当該事業場の産業保健スタッフに関わってほしいと。そちらのほうが望ましいという意味で書かれたのではないかと思いました。行政検討会2で検討していますと、そのように議論を踏まえていますので、読み取れるのです。確かにほかの方が初見で見られると、そういうように誤解されるかもしれないので、そこだけ改めたらいいのではないかと思いました。

○高松委員 今のお話と近いのですが、 3 ページの「定義」、下から 2 つ目には「産業医等」という定義があり、一番下には、今増田委員がおっしゃった「産業保健スタッフ」があえて書き分けてあります。したがって「産業医等」だと、医者だけということになってしまいますので、括弧書きを外すのであれば、先ほどおっしゃったように、実施者のほうで、企業内で働いている産業保健スタッフも含めるということを明記しておかないと、誤解が生じかねません。若しくは定義そのものを直すか、どちらかにしたほうがいいと思います。

○相澤座長 中板委員のおっしゃりたいことと、高松委員のおっしゃりたいことは分かりましたので、それを踏まえて少し直すということでいいですか。特に医師の中でも、事業場で働いている産業医が中心になってやってほしいという思いで書かれたものだと思うのですが、よろしいですか。事務局はいいですか。

○産業保健支援室長 確認させていただきますが、 6 ページの一番上の○全体については、「実施方法」の所でよろしいのか、「実施者及び実施事務従事者」のほうに移すのがよろしいのか、どちらがいいとお考えでしょうか。

○中板委員 括弧の所が取れましたので、ますます分かりにくくなっているわけですが、当該事業場の中での話であれば、それを「実施者」の所に、そういう場合についてはということで、あくまでも実施者の所で書かれたらいいのではないかと思いますが。

○高松委員 私は道永先生が先ほどおっしゃられた内容に賛成ですが、実施方法としてここは明記したいところですので、産業医等の中に、中板委員がおっしゃった者がちゃんと含まれているのであれば、場所はここに置いていただいて、このままのほうがよろしいかと思っております。

○相澤座長 御意見が分かれました。

○岡田委員 今の御意見ですが、産業医は職場巡視をしていますので、職場の環境改善をするときに、産業医は職場巡視をして、職場環境測定の結果も見ているという前提がなければ、その後のストレスチェックの結果を反映するときにいかされないのではないか。したがって、そこは産業医がきちっと責任を持って実施者となる、若しくは共同実施者とならないと、非常に難しいのではないかと思うのです。後々の危惧もあるのですが、この辺も是非御検討していただきたいと思います。

○相澤座長 中板委員、どうですか。

○中板委員 ですから、実施方法の所に残すのであれば、括弧の所をちゃんといかした形で記載していただくことになるのかと思います。そうすると、 20 ページの「医師、保健師等によるストレスチェックを実施」という所か、ここに「産業医が実施者となることが望ましい」というのは一部の話であって、これが全体的な話に取られないようにしていただくためには、ここに○は、あえて要らないのではないかと思っていますが、いかがですか。

○相澤座長  20 ページの 3 番目の段、「産業医が実施者となることが望ましい」。これはどうですか。いかがですか。法律上、安衛法で。

○中板委員 全体の流れでいけば、医師の中に産業医がもちろん入っているわけで、非常に簡潔明瞭に書かれる流れ図の中に、あえて要るのかなと思いますが。

○相澤座長 上の枠に「医師、保健師等」と書いてありますよね。その中で産業医が望ましいということになると思うのですが。

○川上委員 「医師」という記述と「産業医」という記述を一緒にされれば多少、日本は産業医制があったとしても、反論がありまして、ここは「産業医が実施者となることが望ましい」、「望ましい」で構いませんが、とても大事だと思います。産業医という職種が中心となって産業保健チームを動かして、事業場の労働者の健康管理をしていますので、そこへストレスチェックが絡むような形で進まないと、効果はないと思いますから、そういう意味でここは譲れないような気がいたします。

○中板委員 だから、当然のことのように思うわけです。あえて、この流れ図の簡潔明瞭な所に書く必要性があるのかと。産業医が中心になって関わることは、当然のことだと思うわけです。

○川上委員 当然のことと思っていただけることが多いということですが、それはかなり怪しいと思います。根拠もありませんので、是非このままで。

○相澤座長 いわゆる専属産業医はいいのですが、嘱託でやっておられる先生もおられるので、その先生にも是非やってほしいという思いがあるのですが、中板委員、よろしいですか。ありがとうございます。少し訂正する所はいたしますが。

○廣委員 伺いたいのが、「相談対応」が 2 か所に出てくるのです。 1 か所が 7 ページの真ん中辺りで、「面接指導を申し出なかった人に対して、相談対応」、もう 1 つが 12 ページで、「保健師、看護師等による相談対応」。これは同じものか違うものか、 1 点確認したいのです。もう 1 つ、その後の部分について、「保健師、看護師等による相談対応」と書いてあるのですが、ここの看護師は一定の研修を受けなくてもいいという意味なのか。それから「等」にいったい誰が含まれるのかを確認したいのですが。

○産業保健支援室長  7 ページと 12 ページの相談対応については、同じものと考えております。

○廣委員 そして、その後の「保健師、看護師等」のこの看護師は、相談実施者とは違うので、一定の研修等は受けなくてもいいということですか。

○産業保健支援室長 そうです。この看護師については、ストレスチェックの実施を直接に行うわけではないので、これは研修を受けている、受けていないは関係ないと考えています。

○廣委員 看護師であれば誰でもいいと。

○産業保健支援室長 はい。

○廣委員 そうすると、この「等」は、特に研修を受けていない精神保健福祉士が入るという意味ですか。

○産業保健支援室長 そうです。想定としては、心理職の方も可能であると思います。

○廣委員 そういう方も含めてということですか。

○産業保健支援室長 そうです。 12 ページの相談対応については、ストレスチェックのこと以外の相談対応ももちろんあると思いますので、いろいろな方が考えられるのではないかと思います。

○廣委員 最後の 1 点ですが、相談対応した後ですが、そこで少し自傷他害のおそれがあるとか、あるいは、ここは何か早急に就業上の措置を講じないといけないということが分かった場合に、その人たちがどう動くのかについての記載がないようですので、そこについては少し記述の追加をしていただいたほうがいいかと思います。その関係することとしては、 19 ページの「ストレスチェック制度における産業医の位置付け」があって、産業医は何かそういうことを知った場合にはどうのこうのというのがあるのですが、相談対応を行ったその人がどう動けばいいのかが書いてないと思いますので、そこを御検討いただければと思います。

○産業保健支援室長 こういった場面でそういった方を把握した場合は、産業医につなぐのが 1 つの大前提だと思いますので、その辺りの記述については追加をしたいと思います。

○渡辺委員 少し急いで 2 点だけ、「実施者の役割」の 7 ページの○の 3 つ目、「ストレスチェックの実施に関する役割に加え、実施者は事業者からの指示に基づき、以下の役割も果たすことが適当」となっていますが、これは「事業者からの指示に基づき」ということは、事業者からの指示がなければ、これはしなくてもいいということに解釈できてしまいますが、そういうことになるのでしょうか。集団分析とか、面接指導の勧奨とか、今の相談対応、専門機関の紹介、これが全部「事業者からの指示に基づき」の中に含まれてしまっていることが少し気になったのですが。

○産業保健支援室長 集団分析、勧奨、相談、専門機関の紹介などの支援、この辺りについては義務的なものではないものですから、その辺は事業者からの指示になろうかと思います。

○渡辺委員 義務ではないということですね。ただ、できるだけこうしてほしいということが伝わる書きぶりのほうがいいかという気がしました。

 もう 1 点、 9 ページの上から 3 つ目の○です。「ストレスチェックにより高ストレス者を選定する方法としては、調査票による数値評価のみで行う方法や」、次ですが、「数値評価に加えて補足的に実施者等が確認等のため面談を行う方法などが考えられるが、これらはいずれも」という部分の「補足的に実施者等が確認等のため」というこの「確認」というのは、何の確認を言っておられるのでしょうか。

○産業保健支援室長 この確認につきましては、調査票の中身を確認するとか、例えば全部 4 を付けているが、これは本当なのかとか、受けた方の意向の確認とか、その辺りを想定しております。

○渡辺委員 でも、その後に「面談を行う場合は」ということで、面談をすることが可能になっていますよね。ここの面談で、この確認をすることになると、高リスク者として選定するか選定しないかということまで、ここの面談でなされてしまうという危険性を感じるのですが、それはできないのですよね。

○産業保健支援室長 その辺りは、実施者が判断する話という整理だと思います。

○渡辺委員 このまま確認ということでありますと、高リスク者かどうかの確認をするというふうにも捉えかねないので、ここは心配があるところです。現実面を考えますと、この人を面談するというのは、どうやって呼び出すのか。高リスク者であるという人を呼び出すわけですから、今まで高リスク者を呼び出すために、ものすごくあれこれ考えていたわけですから、ここで簡単に、こういった高リスク者の人を呼び出すことは難しいと思うのですが、どういう想定なのか。

○産業保健支援室長 具体的には、健診と一緒にストレスチェックをやった場合などは、健診のことと一緒に呼び出すとか、そういったところで、高ストレスだから呼び出すのではなくて、体全体のことについて呼び出しますということは想定できると思っています。

○渡辺委員 分かりました。先ほどの高リスク者の選定につながることにならないように、ここの確認という意味を拡大解釈されない書きぶりに考えていただければと思います。

○川上委員 先生のおっしゃることもよく分かるのですが、先進事例の中では質問票だけで高ストレス者の選定をせずに、面談を含めた 1 つのシステムで高ストレス者の選定をしているところがあります。例えば、調査票でやった後に、面談で保健師が面接をして、その決めた基準の得点を、そのメニューを取れば高ストレスと診断する。そこ全部を高ストレス者の発見方法と見ることもできるとは思うので、それだとこれはありかと思います。確かにいろいろなことがごっちゃになっている気はいたしますが。

○渡辺委員 分かりました。今のことはありなのですか。今、川上先生がおっしゃったことは、やってもいいという意味に捉えていいのでしょうか。

○産業保健支援室長 例えば、補助的に基準がしっかり決まっていて、それを実施することはありだと思いますが、最終的に高ストレス者として判断するのは実施者になると思います。

○廣委員 この面談は、特に職種は限定されていないので、一応、実施者がやっていいと判断したら、誰でもいいということになるわけですね。一定の能力があると考えれば、職種は限定されていないということですね。

○産業保健支援室長 ここではそういった職種の限定とか、そういうことは想定していないです。ただ、実施者が能力を認めた者ということで、大丈夫だというところで縛りをかけるということです。

○増田委員 細かい点ですが、 4 ページ、 (1) 「ストレスチェック制度の導入に向けて」の真ん中辺りに、「国を挙げた取組である」という文言が入っているのですが、その次の段落を見ると、「事業者、労働者、産業保健スタッフ、医療従事者等の関係者」が進めることだけが書かれています。国を挙げてというのであれば、国が成すべき役割をここに入れていただけないだろうかと思います。ささやかなお願い、提案です。

 もう 1 点が、下から 2 行目に「事業経営の一環として」という言葉があります。このとおりで問題ないのですが、それであれば、一番最後の 20 ページの「ストレスチェック制度の流れ図」の一番上が「衛生委員会」というのはそぐわないかと思います。労働安全衛生マネジメントシステムは、まず事業者の方針があって、それから PDCA が動いていくという流れのはずですので、一番上は「衛生委員会」ではなくて、「事業者の方針」とか、そういったものを入れて、ほかの通達等とそろえていただけたらいいのではないかと思います。

 もう 1 点、 11 ページの ( ) 「個人のストレスチェックの結果の保存」です。行政検討会2でしつこく確認をお願いしているところで、しつこくて恐縮ですが、もう一度見返してみて、確か第 4 回の検討会では、そもそも事業者に実施義務があるのでということで、事業者に保存義務があると複数の委員からお示しいただいたのですが、その見解に立ちますと、保存、個人情報の取扱いなどが伴うことになりますから、個人情報保護法の第 16 条、「個人情報取扱事業者は、あらかじめ本人の同意を得ないで、・・・個人情報を取り扱ってはならない」と少し矛盾してくるかと思いまして、その辺りをどのように整理して考えればいいかを確認させていただければと思います。

○相澤座長 いかがですか。後半の所もありますが、フローチャート。もし、今までの所でありましたら。

○産業保健支援室長補佐 個人情報保護法の解釈については、また確認させていただきますが、事業者に義務付けるのは、実施者に保存させるということで、実際に情報を取り扱うのは保存する実施者ということなので、事業者が直接取り扱うことではないということを 1 点御説明したいと思います。あと、検討会2でありましたが、ストレスチェック制度は、基本的には事業者の管理の下で全体の流れをやっていくのが思想の基になっているということで、保存の責任主体も事業者にするべきだろうという御意見があったことを踏まえて、このようにさせていただいています。

○相澤座長 フローチャートはあとでやりますかね。

○産業保健支援室長補佐 フローチャートは、御意見のとおりだと思います。。一番初めに事業者の方針があるというのは大前提だと思いますので、事務局で修正案を作りたいと思います。

○相澤座長 増田委員、よろしいですか。時間が 5 時半までに終わりそうもないので、後半は少し早めに読んでいただけるようにお願いします。読上げは全部やりますか。

○産業保健支援室長 省略させていただいていいですか。委員の方々がそれでいいとおっしゃるなら。

○相澤座長 読上げしなくてもよろしいですか。それでは 14 ページの「面接指導の実施方法及び情報管理等について」から、取りあえずページごとにいきましょうか。 14 ページに何かありますか。よろしいですか。

15 ページ、その続きですが、「面接指導の実施方法」「面接指導の結果の事業者への提供」「医師からの意見聴取」です。よろしいですか。

16 ページ、「面接指導の結果の保存」「就業上の措置の実施」。 (4) が「派遣労働者の取扱いについて」です。これは大議論をさせていただいた所ですが、「派遣元事業者と派遣先事業者の役割」「派遣労働者に対する就業上の措置に関する留意点」。ここはいかがですか。よろしいですか。

○黒木委員 「面接指導の実施方法」ですが、先ほど渡辺先生、川上先生が御意見を言われたのですが、まず調査票だけで高ストレスと。それから、面接をそれに加えると。そこで高ストレスを選定して、それから医師への面談につなぐと。そうすると、例えば、先ほどおっしゃった調査票だけではなくて、面接を加えて高ストレスということでもいいのでしょうか。ここで医師に必ずつなげなくてはいけないということで、これは前提ということでよろしいのですか。例えば、そこで医師に報告をして、そこで医師と、それも裁量権で高ストレスを判断するということになってもいいのかどうか。その辺はどう考えればいいですか。調査票だけではなくて、面接を加えるやり方もあると考えて良いでしょうか。そこで高ストレスということになる。そうすると、そこから医師に受診しなさいということですよね。受診というか、まずは事業主に申し出てくださいということになります。そこで、事業主に申し出て、事業主は医師につなぐと。そこは少し混乱してしまう部分があるのではないでしょうか。そこは報告でもいいのか。医師との面接につなぐ上で事業主に申し出た人が、調査票だけではなくて、既に面接もしているということになりますが、いかがでしょうか。

○産業保健支援室長 面接指導は、手続では別の手続になりますので、そこは事業者に対する申出があって初めて面接指導にいくと。

○黒木委員 そうすると、先ほどの調査票以外に、加えてという所が分かりづらい、混乱すると思うので、そこを、ある程度調査票に基づくものとか、何か限定してもらったほうがいいような気がしますよね。

○産業保健支援室長 先生がおっしゃっているのは、 9 ページの上から 3 つ目の、先ほどありました「確認等」の部分ですか。

○黒木委員 そうです。

○産業保健支援室長 ここは面接指導ではないということで、言葉的には「面談」という言葉を使って書き分けてはいるのですが。

○黒木委員 例えば、こういうのはいいですか。インターネットで結果がすぐ返ってきますよね。高ストレスだというのがその人に返ってきて、そこから、今は健康相談室に受診しなさいとか、相談しなさいとかいう流れになっているのですが、そこで事業主に申し出てくださいというのをまず通知し、そこで納得をした人は医師の面談につなぐことになりますが、医師の面談の所は、必ず医師の面談。例えば、医師の面談の所に保健師とか、そういう面談を絡めてもいいという判断でもいいのですか。

○産業保健支援室長補佐 先ほど議論していた面談のほうは、高ストレス者を確認するための面談ですが、選ばれた人が次に行くべきは、今回の仕組みでは医師による面接指導ですので、そこは必ず医師でなければいけないという趣旨です。

○渡辺委員 今の所ですが、そういうこともありますので、先ほどの高リスク者選定のための面談というのは、どういうことがやれて、どういうことはやってはいけないのかを、少し具体的に書いておかないと、非常に混乱するのではないかと危惧します。

○相澤座長 それはマニュアルでですかね。

○産業保健支援室長 報告書でなくて、マニュアルに書くような形にできればと思います。

○相澤座長 ほかにはいかがですか。「派遣労働者」の所まではよろしいですか。 17 ページは「不利益取扱いの防止」です。「法律上明示的に禁止されている不利益取扱い」から「禁止されるべき不利益取扱い」等々ですが、よろしいですか。

 よろしければ 18 ページの「その他の事項」で、「外部機関への委託に係る留意事項」「行政への報告」「看護師及び精神保健福祉士に対する研修」ですが、いかがですか。よろしいですか。

19 ページは、「ストレスチェック制度における産業医の位置付け」「制度全体の評価と見直し」。これは一応 3 年間やるのですね、見直しをすると。それから「これまでの取組との整理」です。よろしいですか。

 それから、 20 ページの最後のフローチャートです。一番上の所に「事業者の方針」を入れたらどうかという増田委員の意見ですが、よろしいですか。これは一番大事な所ですが、宣言をしていただいてからやると。衛生委員会では、具体的な取決め等を行うということですね。これが最初にないと進まないということだと思います。よろしいですか。

○増田委員  2 点あります。 13 ページのウの ( ) 1 つ目の○の 2 段落目に、「事業者は、職場のストレスの状況その他の職場環境の状況から、改善の必要性が認められる場合には、集団的分析を実施し、その結果を踏まえて必要な措置を行う」とあります。ここの場合の「措置」は、具体的に何をやればいいのかを確認させてください。

14 ページの ( ) 1 つ目の○に、「業務の改善、研修の実施、衛生委員会における具体的な活用方法の検討などに活用」と。こちらは「活用」という言葉で具体的な項目が並んでいまして、前者はもう少し緊急性が高いのかというので「措置」という言葉を使っているのかと思うのですが、何か使い分けとかありますでしょうか。措置だと、もう少し強力に、例えばパワハラする人を職場から排除しろとか、そういうきつい何かニュアンスが伴っているかを確認させていただければと思います。

○産業保健支援室長 ここでの「必要な措置」は、 14 ページの ( ) の部分が具体的な対応策だと思いますので、ここは「措置」という言葉が非常にきついということであれば、「対応」ぐらいの言葉に修正をしたいと思います。

○三柴委員 この部分は、私もマニュアルの検討委員会に入れていただいているので、そこでより明らかにさせていただきたいと思っているのですが、集団分析の結果のみでこれをしなければならないということは少ないと思います。ただ、そこまでの脈絡ですよね。その方が遭遇した出来事とか、長時間労働なら長時間労働とか、そういうものと併せて集団分析の結果から、その対応の必要性がかなりマストに近くなる例はあり得ますので、それは数々の民事判例などが示唆してきたことでもあるので、文言上、「措置」でも「対応」でもよろしいかと思うのですが、軽視されないための表現は求められると思います。

○増田委員 今の三柴委員の説明を聞いていて、途中で引っかかったのですが、集団分析の結果が悪かった場合に、特定個人の対応にまで落とし込んで事業者は対応をしなくてはいけないということでしょうか。途中から残業時間の削減とかいうお話が出てきましたので、すると、集団分析の結果から、安衛法上の就業措置といいますと労働者個人に対する対応だと思うのですが、そのように読み取るべきということでしょうか。

○三柴委員 集団的なデータを踏まえても、迅速にマストに近い形で措置が必要な場合は、個別的にも集団的にも出てくると思います。たとえば長時間労働対応でも、個別管理での対応のみではなく、一定の部署単位の管理で行われているとかいう場合もあり得ますし、集団的な対応も個別的な対応もあり得るという理解になると思います。

○相澤座長 よろしいですか。

○増田委員 あともう 1 つ。同じ 13 ページの ( ) の○の上から 2 段落目「手法が十分に確立・周知されている状況とも言い難いことから」という文言が入っていて、その後「事業者の努力義務とする」とあります。手法が十分に確立・周知されていないのであれば、まず、そこを確立させるのが優先されるのではないかと。先に努力義務がくるのが、違和感があるのですが。

○産業保健支援室長補佐 ここは少し表現が悪いのかもしれないのですが、手法が確立されていないというのは、手法がないと言っているわけではなくて、例えば、先ほど話に出ましたように、「仕事のストレス判定図」のようなものもありますし、国が標準的な方法を使っていただく場合の手法はあるのですが、企業が独自に別の項目を使う場合とかは、それはもちろん、それぞれの企業で作っていただかなくてはいけないということも含めての表現として、こう書かせていただきました。ですので、やろうと思った場合に、手法がないわけではないということです。

○三柴委員 参考までに申し上げると、あまたのメンタルに関わる民事判例は、「蓋然性」とか、つまり「可能性の高さ」とか、「推認」とかいう言葉を使って、科学的に確定的に実証されていなくても、こういう原因でこういうことが起こっているはずだから、こういう介入をしてくださいと述べてきており、確証度が 100 %ではないから措置を取らなくていいとは言っていないということだけは申し上げたいと思います。

○増田委員 例えば残業時間とかに関しては明確だと思うのですが、今回の「職業性ストレス簡易調査票」で全国平均が 100 で、うちの会社が 140 だったような場合、それで、本当に緊急性があるとか、絶対に何かやらないといけないとか、そこまでの判断に頼れるほどの具体的な評価がなされるものかどうかという点を教えていただければと思います。点数はあくまでも 24,000 人の集団の平均を 100 として、それと比べて高い、低いという相対的なものだったかと思いますので、それで、今、三柴委員からお示しいただいたような判例の安全配慮義務は本当に発生すると考えないといけないのか、というところの御意見を頂ければと思います。

○川上委員 今の御質問は大きいので、私が技術的な解説をしただけで済むかどうか分かりませんが、「仕事のストレス判定図」を使って点数が 140 になったということは、ある種のバロメーターであって、それを基に職場で相談をして、実際のハザードとリスクをきちんと同定して次のアクションにつなげるのは当然だと思います。それはイコール、すぐリスクということではないということです。

○増田委員 気になっているのは、そこがすぐに努力義務の話に飛ぶところが少し違和感があるのです。本当にそこまで確実に因果関係があると言い切れるものなのでしょうか。

○川上委員 因果関係があるからというよりも、この指標をバロメーターにして職場環境の改善に取り組んでいただきたいという趣旨だと思いますので、悪いからやれというロジックではないと思います。

○増田委員 事業者に努力義務とはいえ、やってくださいと言うからには、コストも発生しますし、そのコストに見合った確実な成果が得られるかどうかというところが、事業者としては気になるところかと思いますので、そのぐらいのところはコストに見合った成果があるからこそやるべきだというものかどうかを、お聞かせいただければと思います。

○川上委員 有り難いことに無作為化比較試験がありまして、コストに見合う成果が出ますので、是非進めていただければと思います。

○廣委員 コストの問題をここで議論すべきかどうかですね。何をもってコストというかという問題があると思うのですが、労働安全衛生法をどうするかということなので、あくまで妥当なやり方で労働者の安全と健康がいかに保たれるかということなので、ここにコストの概念を持ち出すのはどうなのでしょうか。

 それと併せて言えば、一番冒頭の 4 ページの真ん中あたりの、先生がおっしゃった「また、事業者は」うんぬんで、「生産性の向上にもつながる」とか、「事業経営の一環として」という、ここにこの文章が出てくるのも、私は少し違和感があるのですが。私はそう考えています。

○増田委員 事業者側として出てきていますし、事業者の関心事ですので、そのような観点での議論もあればと思ったことが 1 つと、それから、集団分析は、労働安全衛生法に明記されていない取組ですので、それで法律の条文に示されていないものを現時点で努力義務まで課すところに少し違和感がありましたので、申し上げさせていただきました。

○三柴委員 それはそうでもないのではないかと申し上げたいのは、要は安衛法の第 69 条に努力義務として健康保持を定めておりますし、その他、作業管理に関する条項なども努力義務になっているわけです。ここでは、おかしな話ですが、もし判例などを参考にするのであれば、少なくとも配慮義務レベルで書く案もあり得るところで、ただ、まだ調査・介入の手法等で不明確な部分もあるので、努力義務としたらいかがかという入り方だったと思いますので、妥当ではないかと思います。

○岩崎委員 今、御質問の部分は、行政検討会1で、義務にするのか努力義務にするのかという議論が一部ありまして、正に増田委員が御指摘の部分は懸念としてはあったかと思っております。その中では、今、三柴委員からも御指摘がありましたように、一次予防というのは、今回の法改正の中では附帯決議のほうで、そちらのほうが重くなってしまうのは少し変な感じもするのですが、一方で職場環境改善、快適職場づくりといったのとレベルを合わせるという観点の議論はあったかと記憶しておりますので、一応補足させていただきたいと思います。

○渡辺委員 少し別ですが、実施事務従事者について教えていただきたいのですが、実施事務従事者は守秘義務があると規定されているのですが、少なくとも実施事務従事者を明示することは、例えば、これも当然必要だということは分かるのですが、うちの会社の人事部のあの人が実施従事者だということが分かると、幾らその人が守秘義務を守るとしても、その人には知られてしまう。その人に知られるのは嫌だなと思う人はいっぱい出てくると思うのです。例えば中小企業であれば、人事担当者が自分の結果を知ってしまうというと、それ自体がブレーキになってしまうことはあるのですが、その実施事務従事者はプロフィールまで知る必要はないと思うのです。ここに書かれているように、事務業務と、あるいは高リスク者に郵便を送るか送らないかだけですから、その中身まで知る必要はないと思うのです。したがって、個人のプロフィールまでは見ることができないということをはっきり書いたほうが、今言ったような弊害は防げるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

○産業保健支援室長補佐 ただ、そこは難しい議論があると思うのです。例えば、結果的に紙で書いたものをデータ化する、打ち込みをやってくださいという業務になってくると、結局、個々人の結果を結果的に見てしまうことがあり得るので、そこは入口を余り縛ってしまうと現場が回らなくなるおそれがあるかと、そこは少し気になるところです。

○渡辺委員 理解できます。

○黒木委員 先生、 Web 上だったら全く問題はないですよね。セキュリティは掛かるし、本人は入れないですから全く見られない。だから、結果は産業医と関係の従事者だけになるので、そういうセキュリティを掛ければ大丈夫です。

○渡辺委員 少なくとも実施事務従事者に幾ら守秘義務があっても、その人に知られてしまうこと自体が非常に負担になることもあるので、できるだけ実施事務従事者には個人のプロフィールが知られないようにしたほうが、皆さんは正確なことを回答してくれるだろうと思います。

○相澤座長 ほかにいかがですか。時間が迫ってまいりましたが、よろしいですか。

 それでは、大変ありがとうございました。時間どおり終えることができました。本日、幾つか御指摘がありましたので、その修正は座長一任としてよろしいですか。

                                     ( 了承 )

○相澤座長 ありがとうございます。それでは、事務局と相談して取りまとめをさせていただきます。

 事務局、お願いします。

○産業保健支援室長補佐 本日も熱心な御議論をありがとうございました。今回、最後となりますので、最後に美濃計画課長から御挨拶申し上げます。

○計画課長 本来ならば安全衛生部長が御挨拶すべきところですが、急きょ出席がかなわないことになりましたので、代わって私から御挨拶申し上げます。

 本日は検討会として最終回になりますが、最後まで熱心に御議論いただきまして、ありがとうございました。

 本年 10 月から 2 つの検討会、「ストレスチェックと面接指導の実施方法等に関する検討会」と「ストレスチェック制度に関わる情報管理及び不利益取扱い等に関する検討会」、 2 つの検討会を同時並行で開催してきたわけでございます。本日、両検討会の委員の皆様方が一堂に会されまして、これまでの議論の成果を踏まえて、ストレスチェック制度に関わる論点全体を俯瞰して御議論いただき、御確認いただいたということでおまとめいただいた次第でございます。改めて感謝申し上げる次第でございます。

 皆様、御案内のとおり、ストレスチェック制度につきましては、来年 12 1 日の施行を予定してございまして、施行まで既に 1 年を切ってございます。厚生労働省としましては、円滑に制度が施行できますよう、また、実際に実施していただく方々が十分に準備のための時間を確保できますよう、本日、委員の皆様方からおまとめいただいた検討結果を踏まえまして、早急に準備を進めてまいりたいと考えている次第でございます。そのために、来年の労働政策審議会安全衛生分科会に省令案を諮問させていただくとともに、具体的な運用等を定めた指針、あるいはマニュアルを今年度内に取りまとめ、公表させていただく予定としてございます。

 今後ともストレスチェック制度を含めまして、労働者のメンタルヘルス不調を防止するため、効果的な対策の推進に努めてまいりたいと思っております。引き続き御指導を賜りますよう、よろしくお願いいたします。

 改めまして、委員の皆様方のこれまでの御協力、御指導に感謝申し上げまして、私からの挨拶とさせていただきます。誠にありがとうございました。

○産業保健支援室長補佐 それでは、ストレスチェック制度に関する 2 つの検討会をこれで終了とさせていただきます。委員の皆様方におかれましては、これまで長い間御協力を、どうもありがとうございました。


(了)

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