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2014年11月28日 第4回ストレスチェック制度に関わる情報管理及び不利益取扱い等に関する検討会 議事録

労働基準局安全衛生部労働衛生課産業保健支援室

○日時

平成26年11月28日(金)15:00~17:00


○場所

都道府県会館 401会議室
(東京都千代田区平河町2-6-3)


○出席者

検討会参集者(50音順、敬称略)

相澤 好治 岡田 邦夫 砂押 以久子
高松 和夫 増田 将史 松原 稔
三柴 丈典 道永 麻里

厚生労働省

土屋 喜久 (安全衛生部長) 美濃 芳郎 (計画課長)
泉 陽子 (労働衛生課長) 井上 仁 (産業保健支援室長)
中村 宇一 (産業保健支援室長補佐) 寺島 友子 (中央労働衛生専門官)

○議題

(1)報告書(案)について
(2)その他

○議事

○産業保健支援室長補佐 ( 中村 )  本日は大変お忙しい中お集まりいただきまして、ありがとうございます。第 4 回ストレスチェック制度に関わる情報管理及び不利益取扱い等に関する検討会を開催いたします。カメラ撮影はここまででお願いします。

 本日は、上野委員、川上委員、黒木委員が所用のため御欠席となっております。それでは相澤先生よろしくお願いします。

○相澤座長 全 5 回の委員会のうち 4 回までまいりまして、何となく形が見えてきました。最後に素晴しい報告書ができますように御議論のほど、よろしくお願い申し上げます。

 本日の議題に入ります前に事務局から、本日の資料の確認をお願いします。

○産業保健支援室長補佐 本日、お配りしておりますのは 1 種類の資料で、「労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度に関する検討会の報告書 ( ) 」ということでお配りしておりますので、こちらに基づいて御議論をお願いしたいと思います。

 私のほうから、報告書案の構成について簡単に御説明いたします。 1 ページは「はじめに」ということで、今回、義務づけとなりました法律の内容の概要について紹介しております。 2 番の「検討方法」は、これまでの 2 つの検討会の開催状況を 1 2 ページにわたって書いております。

3 ページは、今回、新しく加えておりますが、これまでの議論の中で、いろいろな言葉の定義が曖昧ではないかという御指摘をいただいております。一番初めに言葉の定義をきちんとしようということで、事務局で案として作りました。こちらも本日、御確認いただければと考えております。

4 ページの「検討結果」以降が報告書案の中身です。色付けをしておりますが、今回 2 つの検討会でそれぞれ検討してきたものですから、どちらで検討した内容かということが分かるように色付けをいたしました。白いままになっておりますのは、もう 1 つの検討会で検討してきた内容です。黒に白抜きにしている部分が、本検討会でこれまで議論してきた内容です。大きい括弧でくくっている部分は、両方の検討会で同時に検討した事項ということで、それぞれ分けております。所々に太い下線を引いている部分は、検討会の議論で前回お示しした論点から中身を修正した部分ですので、本日はこちらについても御確認いただければと考えております。

 各委員の机上に配布しておりますが、昨日もう 1 つの検討会を開催しまして、同じ報告書案に基づいて議論をいたしました。そのときに出された主な意見をまとめております。これも後ほど説明いたしますが、こういう意見の中身も確認しながら、本日、御議論いただければと考えております。よろしくお願いします。

○相澤座長 今の説明について、何か御質問、御意見があったらお願いたします。特に 3 ページの「定義」が新しく出てまいりましたので、これも含めてお願いしたいと思います。

○高松委員 ただいま事務局から御説明いただいたのですが、別紙では昨日開催された「第 4 回ストレスチェックと面接指導の実施方法等に関する検討会」の主な意見が入っておりますが、これは今日示された検討会報告書(案)には反映はされているのですか。それとも、昨日と同じ検討会報告書(案)で、別紙が添付されているのですか。

○産業保健支援室長補佐 昨日出された御意見を踏まえた修正はしておりません。また、こちらの検討会でも御意見があると思いますので、両方を加味して今後、修正などを考えます。

○相澤座長 御議論いただいた結果で、修正するかしないかを決めていくと。

○高松委員 昨日の主な意見については、逐次、事務局から説明いただけるということで、よろしいのですか。

○産業保健支援室長補佐 はい。

○相澤座長 ほかには、よろしいですか。ありがとうございます。それでは、報告案の中身についての議論に移ります。 4 ページの 4 「検討結果」からです。 (1) (5) までの章ごとに議論いただきたいと思いますので、まず、事務局から報告書案の (1) について説明お願いします。

○産業保健支援室長 ( 井上 ) 4 ページ以降の説明をいたします。まず、 4 「検討結果」の 2 段落目になお書きがあります。検討会でも御議論いただきまして、 50 人以上は義務づけですが、 50 人未満の所もストレスチェック制度を運用できるようにというお話がありました。その辺もありまして、今回、報告書としては産業医や衛生委員会などが書いてありますので、これについては 50 人以上のことを念頭に置いて記述しておりますが、 50 人未満の事業場においても実施する場合は、この検討結果に準じて取組を行うことが望ましいということを明記しております。

(1) ストレスチェックの実施方法及び情報管理等についてです。まず、ア「ストレスチェックの実施にあたって行うべき事項」です。この 2 つの○については、もう 1 つの委員会で整理されました。事業場においては、総合的なメンタル対策の中でストレスチェックの位置づけを明確にすることが適当である。衛生委員会で各事業場で、この制度が適切に実施されていることを確認するということが適当であろうという整理をいただいております。

 その下です。これは両方の委員会で検討されたところですが、ここに掲げております 11 の項目について衛生委員会で審議、確認して内部規定として策定し、労働者に周知することがいいであろうということです。昨日の検討会において、ここの○の 2 行目に「法令等に反しない限り」というところがあります。ここについて、「法令等にのっとった運営で」という形での表現にしてはどうかという御意見がありました。

 2の下線です。共同実施などによりまして外部にも医師がいらっしゃる、それから事業場の産業医がいるという、実施者が複数いる場合もありますので、そういう場合は実施責任者を選定してそれを明示することが望ましい、というものを追加しております。昨日の検討会では、 11 までの次に不利益取扱いの防止も衛生委員会で確認すべきではないかという御意見もありまして、これもまた後ほど御意見を頂ければと思っております。

5 ページの一番上の○です。これは、外部に業務委託する際ということで、委託先の共同実施者、その他の実施事務の従事者を明示することが適当という整理になっております。次の○については、こちらの委員会で整理をいただきました。

 続きまして、イ「個人に対するストレスチェックの実施方法」の ( ) ストレスチェックの実施方法等です。この辺は、もう 1 つの委員会で整理いただいておりますが、 1 年以内ごとに 1 回。複数実施することや繁忙期に実施することに関しては、労使で合意すれば可能。調査票によることを基本とする。一般定期健康診断と同時に実施することも可能である。ただ、同時に実施する場合は、ストレスチェックが労働者における義務がないこと、結果については本人に通知して、同意なく事業者には通知しないということに留意してやる必要があろうという整理をしていただいております。

 次の○です。「産業医又は事業場において産業保健活動に従事する医師が」となっております。実施者となることが望ましいということです。下線が引いてありますのは、いろいろな事業場に聞きますと、複数の医師が事業場にいらっしゃって、産業医として選任されていない医師もいらっしゃる場合もあるということで、そういう方も実施者になることが望ましいのではないかという意見もありましたので、これを入れております。チェックの対象とする労働者の範囲については、現行の一般定期健康診断の対象者を参考として、これと同様とすることが適当ということになっております。

 続きまして、 ( ) 実施者及び実施事務従事者です。ストレスチェックの実施主体となれる者としましては、医師や保健師のほか、一定の研修を受けた看護師、精神保健福祉士とすることが適当である。現に産業保健業務に従事している看護師、精神保健福祉士については、一定要件の下、研修の受講を免除することも適当であろうという整理を、もう 1 つの委員会でいただいております。

 その次の 3 つの○については、こちらの委員会で整理をいただきました。事業者はストレスチェックの実施者になれないということが書いてあります。最後の○については、知り得た情報と書いてあった情報というところを「労働者の秘密」ということで、第 104 条の書き方に改めました。

 続きまして、 ( ) 実施者の役割です。これについても、もう 1 つの検討会で整理をいただきました。実施者は何をするのかということですが、ストレスチェックの企画及び結果の評価に関与しなければならないということです。企画とは何かということですが、項目の選定を事業者と連携して行うことを含めるということ。結果の評価は、評価基準の設定を事業者と連携して行うこと。個人の結果の評価、面接、指導の対象者を選定するなどを含めることが適当であろうということです。

 次の○です。最低限どのようなことがあるかです。ストレスチェック項目を最終的に事業者が決定するに際して、案を提示する又は確認を行う、評価基準の設定について事業者に案を提示する及び確認を行う、個々人の結果を確認して面接指導の対象者とするかどうかということの選定を行うというところを最低限やっていただこうという整理にしております。

 その下の○です。そのほかの役割ということで 3 つあります。集団分析をして事業者に提供する。面接指導を受けるようにと、高ストレスに対して面接指導を受けるように勧奨すること。申し出なかった人に対して、いろいろな支援を必要に応じて行うという役割があるのではないかということで整理しております。

7 ページです。 ( )ICT を活用した実施方法です。インターネットやイントラネットでやるときは、どのような要件があろうかということで整理しております。 1 つ目が、セキュリティの確保。 2 つ目が、閲覧することのできる者は制限されていること。 3 つ目が、先ほど言いました実施者の役割が果たされていること。この 3 つが全て満たされている場合は、実施可能ではないかということで整理をされております。記録の保存に関しては、ガイドラインなどを参照するのが望ましいということです。

( ) ストレスチェックの項目とその評価基準等です。まず、「具体的なストレスチェック項目」です。法に基づくストレスチェックの最低限必要な要件として、「仕事のストレス要因」。非常にたくさんの仕事をしなければならないなど、仕事でのストレス要因。ひどく疲れたなどの「心身のストレス反応」。困ったときに上司や同僚が頼りになるかどうかという「周囲のサポート」。この 3 領域に関する項目を全て含まなければならないもの、ということが適当であろうということです。

 具体的なストレスチェックの項目については、標準的な項目などを指針などで示すことが適当。各企業や事業場におきましては、国が示す標準的な項目を参考としながら、衛生委員会で審議の上、それぞれの判断で項目を選定することができるようにすることが適当という整理にしております。国が示す標準的な項目というのは、「職業性ストレス簡易調査票」の 57 項目とすることが適当であるということです。 8 ページです。今、 57 項目と申し上げましたが、中小規模事業場における実施可能性などを考慮しますと、更に簡略化した調査票というニーズも想定されますので、これにつきましては、簡略化した調査票の例をマニュアルなどで示すことが適当とされております。

 続きまして、 ( ) 個人のストレスチェックの結果の評価方法です。 1 つとしまして、「本人の気づきを促すための方法」ということで、評価方法として分かりやすい方法を用いることが適当。国が示します職業性ストレス簡易調査票を用いる場合は、マニュアル等もありますので、これに示されている方法によることが適当であろうということです。

 もう 1 つが、「面接指導の対象となる高ストレス者を選定するための方法」です。最もリスクの高い者としましては、「心身のストレス反応」に関する項目の評価点が高い者。これに加えまして、心身のストレス反応に関する評価点が一定以上で、かつ仕事のストレス要因、周囲のサポートに関する項目の評価が著しく高い者についても選定することは適当であろうということになっております。

 括弧でくくっているところです。これは、こちらの検討会でも論点として挙げましたが、ストレスチェックによって高ストレス者を選定する方法としまして、調査票によって数値、評価のみということ。それから、補足的に実施者などが確認のために面談を行う方法は考えられますが、こういうものはストレスチェックの方法として位置づけられる。なお書きの所ですが、前回などで実施者以外が面談する場合にも何らかの制限を設けるべきではないかという御指摘がありましたので、修正しております。「ストレスチェックの実施者以外が面談を行う場合は、職場のメンタルヘルスに関する一定の知見を有する者であって、実施者が面談を行う能力があると認めた者に限るものとし、面談は実施者の指示のもと実施しなければならない」とすることは適当という書き方に修正しております。

 続きまして、 ( ) ストレスチェックに含めることが不適当な項目です。性格検査、適性検査、そうした目的で実施する項目を含めるということは不適当であるということです。 9 ページです。「希死念慮」や「自傷行為」に関する項目については、実施体制や実施後のフォローアップ体制が不十分な場合には、含めることは不適当であろうということ。項目を設定する場合には、ストレスチェックの目的が鬱病等の精神疾患のスクリーニングではないことに留意して、項目を選定することが必要であるということです。

 続きまして、 ( ) ストレスチェックと一般健康診断の自他覚症状の有無の検査との関係です。「基本的な考え方」としまして、一般定期健康診断の問診は総合的に心身の健康を判断するものですので、事業場における労働者の健康管理を目的とするのであれば、原則として制限すべきものではない。一方で、法律の条文では、今回のストレスチェックについては健康診断から除くこととされているので、ストレスチェックを健康診断の問診として実施することはできないということです。

 「具体的な例」として挙げております。先ほど言いましたストレス要因、ストレス反応、周囲のサポートの 3 領域にまたがる項目について、点数化して数値評価する方法で、問診においてストレスの程度を把握するということは不適当である。一方で、心身のストレス反応などについて数値評価せずに問診票を用いて、「はい・いいえ」という回答方法で該当の有無を把握して必要に応じて聴取りをするという方法は、ストレスチェックには該当しないという整理が可能であろうという例を挙げております。

 続きまして、 ( ) ストレスチェックの受検の有無の把握です。これについては、こちらの検討会で御議論いただきました。一番下に下線部があります。「なるべく労働者に受検してもらうことが適当であること」。前回は受検率を上げるという表現になっておりましたが、これは不適切ではないかという御指摘を踏まえて、こういう書きぶりにしております。

10 ページです。 ( ) 個人のストレスチェックの結果の通知です。 ( ) 労働者本人への通知方法は、もう 1 つの検討会で整理をいただいております。通知方法として、ほかの人が見られない方法、封書、メール等で個別に直接通知しなければならない。通知する事項としては 5 つありますが、ストレスの状況やセルフケアのためのアドバイス、面接指導の対象者となった場合は、対象であるということ。面接指導をどういう所に申し出るかという申出方法。申出いかんにかかわらず相談可能な窓口に関する情報提供ということが、項目としてあろうという整理になっております。

( ) 事業者への提供方法です。これは、こちらの検討会で御議論いただきました。この部分の下の「実施者から事業者への結果の提供方法」という所で、昨日の検討会で意見がありました。意見の 3 番目です。実施者から事業者に提供する方法として、ここではストレスプロフィール等の詳細な情報について「特に加工は要しない」となっておりますが、その当該労働者が高ストレスかどうかという情報だけに限定して提供するということもあるのではないかという御意見が出されました。

 安全衛生法を見ますと、労働者に直接結果を通知しなければならない。その結果については同意がなければ事業者に渡してはならないということになっておりますので、その結果は本人に通知する結果ということになろうかと思います。事業場のほうで多分、衛生委員会などで実施者から事業者に渡す情報を、何点だからというものではなくて、高ストレス者かどうかという情報だけに絞り込み、それだけを渡すということもあるのではないかと、そうしたほうが非常に受ける身にとっては受けやすいということもあるのではないか、という御意見が昨日出されました。また、後ほど御議論いただければと思います。

11 ページです。最初のパラグラフの 5 行目に「個人のストレス結果を提供する際にも、原則として本人の同意を必須とすることが適当」ということで、「原則として」ということを前回入れておりました。ただ、昨日の検討会の中では、原則としてというのは不要ではないのか、入れてしまうと例外が広がるようなイメージがあるという御意見がありました。後ほど御議論いただければと思います。

( ) 個人のストレスチェック結果の保存です。いろいろな企業から伺いますと、実施者だけに保存義務を課すということは、現場の実態を考えると、なかなか非現実なところがあるのではないかという御意見を伺いました。例えば、実施した産業医が途中で退職するだとか、そういうことも考えられるので、そういうときに誰が保存するのかという御意見がありました。そういうことも踏まえまして、実施事務従事者が保存するということでどうかということで、この辺りは修正をいたしております。

2 つ目の○に書いてありますが、個人のストレスチェック結果の保存は、事業者に指定された実施事務従事者が個人で保管場所を確保して管理するということではなくて、事業者が管理する保管場所、サーバー、委託先の保管場所で保管することも可能とすることがいいのではないか。この場合、実施事務の従事者が責任をもってセキュリティの管理を行う。第三者に見られないようにするなどです。ですから、事業者が保存を行う者を実施者を含む実施事務従事者の中から指定をして、保存をさせるということでどうかということで修正しておりますので、後で御議論いただければと思います。

( ) 労働者本人へのストレスチェックの結果通知後の対応です。これについては、前回までに御議論いただきまして整理をしていただきました。

12 ページです。 ( ) 保健師、看護師等による相談対応です。括弧書きで「特に高ストレスと評価された労働者」というものを入れております。もう 1 つの検討会で前回、特に高ストレス者について、こういう対応が必要ではないかという御意見を踏まえまして、これを入れております。

 次の ( ) ストレスチェックの結果に基づく不適切な対応と、 ( ) の共有制限ということで、こちらの検討会で整理した内容です。結果の共有制限の部分では、どのような場合でもストレスチェックの結果を共有できないのか、就業上の措置の必要な場合も駄目なのかという御意見がありまして、就業措置で必要な範囲に限定せず、そのまま共有することは不適当ということで修正を加えております。

 ウ「集団的な分析と職場環境改善」です。まず、 ( ) 集団的な分析の実施です。この制度については一次予防という趣旨ですので、職場環境改善も重要であるということです。一方で、集団的な分析は広く普及しているという現状にはないということ、手法が十分に確立・周知されている状況とも言い難いことから、まずは集団的分析の実施、その結果に基づく職場環境の改善の取組というところは事業者の努力義務として、その普及を図ることが適当であろうということです。今後の普及状況などを把握して、安全衛生法の見直しに合わせて改めて義務化について検討することが適当ということで、昨日の検討会でこのように整理をいただいております。

( ) 集団的な分析の実施方法ということで、 57 項目やる場合については、「仕事のストレス判定図」が適当であるということ。独自の項目でしたら、これを参考としながら各企業において定めることが適当である。

13 ページです。 ( ) 集団的な分析結果の事業者への提供です。集団的な分析結果については、同意なく事業者が把握可能であろうということです。ただし、分析の単位が少人数である場合については、単位が 10 人を下回る場合は、原則として労働者の個別同意なく把握してはならないとすることが適当であるということです。 10 人というところに対しまして、昨日の検討会の 5 番目の意見ですが、 10 人というものは職場の在籍労働者数なのか、データ数でカウントするのかということで、これを明確にしたほうがいいのではないかという御意見が出されております。恐らくデータ数のことになろうかと思いますが、後ほど御意見を頂ければと考えております。

( ) 分析結果の保存については、 5 年間ということ。 ( ) 集団的な分析結果の活用ということで、事業者の分析結果については、各職場における業務の改善や研修の実施、衛生委員会において活用する方法を検討することが適当であろうということ。分析結果については、集団の責任者にとっては機微な情報であるので、制限なく共有するということは不適当だということで、この辺りについては衛生委員会で審議した上で、取扱いを決めていただくことが適当であろうという整理をしていただいております。ストレスチェックについては以上です。

○相澤座長 長文ですので、逐次議論を進めます。 4 ページにお戻りいただきまして、4ページの (1) のアについて、何かお気付きの点があったらお願いします。昨日の委員会では、アの 3 番目の○の「法令に反しない限り」を「法令等にのっとった上で」のほうがいいのではないかという意見が出ています。 11 までありますが、 12 に「不利益取扱い」についても追加してはどうかが指摘されています。これらについて御意見がありましたら、お願いします。

○高松委員 「 4 検討結果」の冒頭に労働側より意見した 50 人未満の事業場においても準じた取組をすべき、望ましいという内容を入れていただきましたが、結果的に全体が流れる内容になっていると理解しています。そういう意味で、今、座長がおっしゃった 2 つの項目については、私も若干違和感を持っています。「法令等に反しない限り」という書き方がありましたが、違法すれすれのことを書いているのかという誤解を招くのであれば、むしろ「則った上で」と記載するほうがいいのではないか。何か法的な言い回しであればやむを得ないのですが、そうでなければこの表現は避けたほうがいいのではないか、という点が 1 つです。

 ここは「かがみ」ですので、後段には不利益取扱いについてかなり細かく記載していただいていますが、大項目の中に不利益取扱いを防止することについても触れていただくことが、読み手がまず「かがみ」を見る際に、こういう骨子で作られていることが分かるという意味では、是非、内容を入れていただいて啓発していただきたいと思いますので、私は先ほどの話に賛成です。

○三柴委員 最初の「法令等に反しない限り」という点ですが、結論的にはどちらでもよろしいのではないかと思います。趣旨を強調する趣旨で「のっとった上で」とされることには、私は賛同します。

○増田委員 表記については、特に異存はありません。確認ですが、ここの1~ 11 12 は、厚生労働省令に掲載するものですか、それとも指針に載せるものですか、そこをお伺いしたいのですが。

○産業保健支援室長 これについては指針で示す、あるいは、マニュアルなどで示していきたいと思っています。

○増田委員 それでしたら特に異存はありません。

○相澤座長  4 ページについてはよろしいですか。 5 ページに移ります。特に、個人に対するストレスチェックの実施方法についての項目ですが、いかがですか。

○高松委員 「 ( ) 実施方法」の文書ですが、 5 ページのイの ( ) ( ) の○の一番最後ですが、「ストレスチェックの対象とする労働者の範囲」について、「一般定期健康診断の対象者を参考とし」という内容で書かれています。それであれば、健康診断ではこの内容と一緒ですが、それ以前に「おおむね 2 分の 1 以上の方については、一般健康診断を実施することは望ましいこと」という基発の施行令が出ているので、これに合わせるのであれば、是非その内容も書いていただきたいと思います。

○相澤座長 追記の、就業時間の 2 分の 1 以上の労働者ですね。いかがですか。

○産業保健支援室長補佐 昨日の検討会でも同様の御意見を頂きまして、その方向で修正させていただきたいと考えております。

○相澤座長 ほかにはいかがですか。よろしいですか。それでは 6 ページに行きます。 6 ページは、実施者に関するところと、実施者の役割というところですが。

○砂押委員 黒枠の○の 3 つ目の一番最後、下から 2 行目ですが、所属部署の指揮命令を受けないということは、上司に尋ねられても答えられませんというところですがので、上司に力がありますから、圧力を掛けてきて、上司と法律の板挟みになる危険性も担当労働者にありますので、ここは強調して周知することが大変必要な場面だと思うのです。

 ただ「当該事務」ですが、ストレスチェック自体は 4 ページの下の5にもありますように、事業者は誰が受けたか把握し受けない人に勧めることができる、そこまで義務になっていますので、このままにですと、その部分も含めて答えてはいけないように理解されてしまい、現場が混乱する可能性があるのではないでしょうか。ここは、当該事務の中に、ストレスチェックを個人が受けたかどうかの情報の取扱いについては含まないとしないと、事業者にその情報が伝えられないことになってしまうのではないかと思います。当該事務のうちストレスチェックの受検の状況等の事務については除くとしたほうがよろしいのではないかと思いますが、いかがですか。

○相澤座長 そうですね。事業者が行うべき事務的なことが確かにありますね。いかがですか。

○産業保健支援室長補佐 書き方を検討させていただきたいと思います。

○増田委員  6 ページの上から 3 行目の「一定の要件」とあるのですが、一定の要件というのは具体的にどのようなイメージか、議論が行政検討会 1 で出ていたら教えてください。

○産業保健支援室長 第 1 では詳細には出ておりません。

○増田委員 今後、これはどのように決まっていくことになるのですか。

○産業保健支援室長 行政内部で検討して決めてまいることになろうかと思います。

○増田委員 それは指針で示されることになるのでしょうか。それとも省令ですか。

○産業保健支援室長 これについては省令になろうかと思います。

○増田委員 分かりました。

○相澤座長 ほかにはいかがですか。よろしいですか。 7 ページにまいります。 7 ページは特に委員の先生方から御指摘はありませんか、よろしいですか。 8 ページも 1 の検討会で行われたところが主ですが、いかがですか。個人のストレスチェックの結果の評価方法等々ですが。

○三柴委員 今の検討項目に入っているか分からないのですが、 ( ) の「ストレスチェックに含めることが不適当な項目」がありますが、そこで、適性検査を目的として実施されることが不適当という趣旨が書かれていますが、今、ストレス簡易調査票の A16 は、表現として「仕事の内容は自分に合っているか」ということを聴いているので、要は別にその目的の調査を行っても、これに該当しない、ストレス検査に該当しないかどうかというところは、明らかにしていただいたほうがいいかとは思います。

 その下の「希死念慮」等に関する項目ですが、「背景事情なども含めて評価が必要であり、かつ事後対応が必要不可欠であることから」という点ですが、これは趣旨はよく分かるのですが、その他の項目についても同じではないかという面もあると思うので、例えば表現を「背景事情などを含めて評価の必要性がより高く、かつ、事後対応」の後ろに括弧でポストベンションと付けて、「 ( ポストベンション ) は必要不可欠であることから」とされると、要は希死念慮等への対応、独自に必要なこと、趣旨が明確になるのかと思います。

○相澤座長 いかがですか。今、 2 点御指摘いただいた A16 が、確かに仕事の内容は自分に合っていると、適性的なことがそこに書いてありますね。

○労働衛生課長 御趣旨を確認させていただきたいのですが、最初の点は、適性検査の中にストレスチェックと同じ項目が入っているかもしれないけれども、適性検査をやったことでストレスチェックをやったことにならないと、そういうことを確認するということですね。

○三柴委員 はい、おっしゃるとおりです。今おっしゃっていただいた趣旨ですが、その背景にある関心は、要するに、適性検査自体は、労働能力を確認する趣旨である限り法的には問題がないので、原則、プライバシーに触れるとかいうこともないはずなので、それは自由にやられることだと思うのです。ですので、本来、自由にやっていいものが項目としてストレス検査の中に入っているために不自由になってしまうことがあると、よろしくないかと思ったということです。

○産業保健支援室長補佐 一応ここで記載させていただいている趣旨は、先生がおっしゃるとおり、適性検査に入っている項目とストレスチェックに入っている項目、共通のものもあると思うのです。ただ一応、そのセットとしてストレスチェックの中にそういう項目が入っていたとしても、全体としてストレスチェックということでやることは、こちらの制度になりますと。別途、適性検査を各企業でやっていただくのは、こちらで特段触れる話もないのでという趣旨で書かせていただいております。

○相澤座長  2 点目はいかがですか。

○労働衛生課長 おっしゃった趣旨で修正しますが、「ポストベンション」という言葉が適当かは検討させていただきたいと思います。

○相澤座長 それでよろしいですか。

○松原委員  8 ページ「 ( ) の個人のストレスチェックの結果の評価方法」の大きな括弧でくくっていただいた所で「職場のメンタルヘルスに関する一定の知見を有する者であって」という記載を追加していただいた点に関してですが、「一定の知見を有する者」の考え方は具体的にどのような者を想定されているのか、確認をさせてください。

○産業保健支援室長 一例としては、今も職場にいらっしゃる心理職の方とか、そういった方が想定されるかと考えております。

○松原委員 前回、具体的な例示をということも申し上げたつもりですが、そうではなく、一定の知見という記載であると、事業者として、では誰を面談対象者にするのかという点で判断基準が非常に曖昧であり迷ってしまうのではないか、とも思ったのですが、これについて事務局が、「一定の知見」と記載した理由はどういうところにあるのですか。

○産業保健支援室長 一般に心理職といわれる方はいろいろな方がいらっしゃって、ここで一つ一つ書くことはなかなか困難だという判断をしまして、こういった「一定の知見を有する者」という書き方にさせていただいておりますが。

○松原委員 そうすると、「心理職など」が、具体例として記載されるのであれば、分かりやすくなると思うのですが。

○労働衛生課長 ここで想定していますのは、これまでの議論にあった保健師・看護師などに加えて、今申し上げた心理職などと思うのですが、必ずしも国家資格有資格者等に限るわけでもないので、なかなか明確に書きづらいところがありまして、このような形にしております。

○相澤座長 よろしいですか。

○松原委員 はい。

○相澤座長  8 ページについては、ほかによろしいですか。 9 ページに行きます。「ストレスチェックと一般健康診断の自他覚症状の有無の検査との関係」です。それから、「ストレスチェックの受検の有無の把握」があって、受検率を上げるのが少し修正されたということでした。いかがですか。よろしいですか。

10 ページに行きます。「個人のストレスチェックの結果の通知」です。

○増田委員  10 ページの「封書又はメール等で労働者に個別に直接通知しなければならない」という箇所について、インターネットを使ったような場合に、その場で結果が表示されるという場合でも、封書又はメール等で通知しないといけないのかどうかを確認させてください。

○産業保健支援室長補佐 実はもう 1 つの検討会でも同じような指摘を頂いて、ここの書きぶりはもともと「封書又はメール」となっていたのですが、そういったことも含めて「等」ということで丸めさせていただいています。ここで言いたかったのは、ほかの人に知られないで、本人が分かればいいというやり方を例示として挙げさせていただいておりますので、先生の御指摘のようなやり方でも含まれるということです。

○増田委員 もう 1 点、「以下の事項を伝えることが適当」として、1~5とあります。5で「事業者への申出によらず相談可能な窓口に関する情報提供」とあります。この内容は特に異存はないのですが、前回の検討会でも同じことを申し上げたと思うのですが、「事業者への申出によらず」というところが強調されています。 6 ページにも同じように「面接指導を申し出なかった人に対して、相談対応」という記載があります。ストレスチェック制度の根幹の部分になると思うのですが、一次予防ですので、ストレスチェックの機会が提供されればよしとするのか、それとも医師の面接指導につなげて必要な就業措置まで導くのが目的か、明確にすべきと思います。前者であればこれは全然構わないと思うのですが、後者であれば、「事業者への申出によらず」という対策を強調すると、医師の面接指導に結び付けるのをかえって阻害することになるのではないかと思っているのですが、どちらの理解で対応すべきでしょうか、そこを確認させてください。

 例えば、その後でも、少し先走って恐縮ですが、 12 ページの上から 2 3 行目にかけて、「特に高ストレスと評価された労働者に対して、相談の窓口を広げ、相談しやすい環境」とあります。これも同じように、では医師の面接指導は不要なのでしょうかと思ってしまうのですが、いかがですか。

○産業保健支援室長 今回のストレスチェック制度は一次予防だということです。ただ、もちろん二次予防的な部分はあります。申出はもちろんできる環境にしましょう、実施者のほうから勧奨しましょうということになっています。ただ、どうしても、ほったらかしになるのはいけないことも国会の審議の中でも出てきましたので、いろいろな相談窓口の間口を広げて、そういった方も拾えるようにしていこうという趣旨でこういった書き方にしているところです。

○増田委員 面接指導まで結び付ける点も入れるのであれば、例えば「相談を通じて医師への面接指導につなげるべく」とか、そのようなくだりを入れていただくと、よりスッキリするのではないかと感じるのですが、いかがですか。

○産業保健支援室長  12 ページなどの「相談窓口を広げ、相談しやすい環境を作り、適切な対応を行う」、この辺りは面接指導のほうに背中を押すというか、そういったことも含まれていると思っています。

○増田委員  12 ページはそのようにも読み取れるのですが、 10 ページは紹介にとどまっていて、そのように読み取れないので、「医師の面接指導を後押しする」といった一言を入れたほうが、制度の趣旨にはかなうのではないかと思います。

○岡田委員 私は、この道は付けておかないといけないのかと思う。実は精神科医に受診されている方が高ストレスになった場合に、あえて医師の面接指導を受けたくないと言った場合に、別枠で産業医に相談するルートが必要になってくるのです。だから、一次予防とはいうものの、実際に精神科医の先生にかかっておられる方が事業主に言っていない場合があって、自分が高ストレスであるといった場合に、どのようなルートを取るかは一応考えておかないといけないと思うのです。

 その場合は、深夜勤務従事者の自発的健康診断制度と同じような形で、産業医が一旦相談を受けて、主治医の先生と意見のやり取りをするという形で、就業上の措置を取るというルートを作っておかないと、あえて自分がもし面接を受けたとしても、主治医がいるということになった場合に、これは非常にバッティングすることになるので、こういうルートは勧めはしませんが、作っておかないと。例えば、全員が、自分は今、鬱病で治療を受けていて高ストレスである、実施者が高ストレスと判定した、面接指導を受けなくてはいけないということで私たちが勧奨するというときに、実は主治医がいることになった場合には困りますので、こういうルートはやはり作っておいたほうがいいのではないかとは考えていますが、いかがですか。

○産業保健支援室長 今おっしゃいましたのは、 12 ページの上のほうの「相談窓口を広げ」という所かと思いますが、こういったことは必要だと思っております。増田先生がおっしゃった所は、「申出によらず」という所については少し表現を考えてみたいと思います。

○高松委員  10 ページの白抜きの所です。 ( ) の「事業者への提供に当たっての労働者の同意取得方法」の最初の○ですが、これは文書又はメール等で通知がされるのだと思いますが、1と2の大きな違いは、インターネットとかメールであれば何の問題もないのですが、封書による通知に関して、1の場合は全員に同様に届くので問題ないのですが、2の場合は該当する者にだけ机の上に置かれているというケースなのです。これは他の通知でもよくあるのですが、この人間にだけ通知が来たということが、本人以外の者にすぐ分かってしまうので、これはできるだけ避けたい項目だと思います。実際に現場にいますと、こういう通知方法では非常に分かりやすいというか、分かってしまうことなので、封書も認めるのであれば2は避けていただきたいと思います。

○岡田委員 封書の場合は、ストレスチェックを受けた人全員に出すのですが。

○高松委員 面接指導の対象者についてということなので。

○岡田委員 それは一応ストレスチェックの中に、面接指導対象でありますということを入れるのですよね。

○高松委員 全員に封書が届くのであればいいのですが、面接対象者にだけ届くことになると、本人以外の者にも分かってしまう、そういう危惧があるのですが。

○岡田委員 原則は、ストレスチェックを受けた人全員に一応封書で送ると。ただ、私はどちらかというとメールのほうが心配でして、メールで「あなたは高ストレス者ですよ」ということで、プリントアウトをして事業者に出すときには、そのプリントアウトのほうがどうも心配で、それが出てくるほうがむしろどちらかというと不安があったのですが、その辺もまた会社の中でいろいろ規定しておかないといけないのかと考えたのですが、蛇足ですが。

○高松委員 多分、岡田先生がおっしゃったケースですと、1でカバーできる話だと思うので、2は、今、私が発言したように危険性をはらんでおりませんかという危惧です。

○産業保健支援室長補佐 今、頂いた非常に細かい運用の話ですが、今後マニュアルとかも作っていきますので、留意していきたいと思っております。

○高松委員 お願いします。

○相澤座長 そうですね、 10 ページの一番下で、昨日、議論になったところです。高ストレスの方に実施者から事業者に結果が提供されるわけですが、その提供の仕方、内容がプロフィールまで含むのか、それとも点数あるいは高ストレスであることだけにとどめるのかということ。これはかなり大事な問題であると思いますので、御議論いただきたいと思うのですが、いかがですか。

○岡田委員 健康診断と同じように、例えば血液のデータは生データに当たるわけですから、基本的には「加工して」という表現が過去から言われておりますので、生データに当たるストレスのプロフィールを出さないほうが適切かと。高ストレス者であるのかどうかだけを出すのが、一番適切ではないかと考えておりますが、いかがですか。

○労働衛生課長 補足します。法律上は、基本的に同意があった場合は労働者本人に行くのと同じものが事業者に渡ることが想定をされているのです。ただ、事業場の話合いで、渡る情報をもう少し限るという運用があることをここに記載するかどうかという論点です。

○相澤座長 これは「同意をしないことが適当」と書いてありますよね。

○三柴委員 今、泉御説明いただいたように、法律上はあえて言えば、生データが同意によって提供されるということだけれども、選択肢として余り混乱を招いてはいけないけれども、例えば 1 つ、高ストレス者であるかどうかのみが渡るというルートを用意すること自体は適当かと。それ以上に選択肢を増やしてしまうと、例えばレ点を付けてどれだけが、どの情報だけが渡るかと、丁寧だけれども複雑すぎるやり方にすると、制度の運用上混乱を招くようにも思うので、 2 択ぐらいであればいいかと思いますが、いかがですか。

○産業保健支援室長補佐 ここの文章の表現は悪かったかもしれないのですが、今、課長から御説明したように、法律上は、もともと同じ情報が行くことを想定して同意を取りましょうということになっているので、それはきちんと書いたほうがいいかもしれないのですが、それに加えて、それぞれの企業内の取決めで、それを限っていく分にはいいのではないかという御議論だったと思うのです。ただ、限った場合も同じプロセスで同意を取っていただくのは必要ではないかと。例えば、この情報の場合はこういう同意の取り方、この情報の場合はこういう同意の取り方と分かれていく話ではないのではないかと、事務局としては思っているのですが、そこの御確認をいただきたいのと、あと、企業現場のニーズとしてどうかという御意見をお伺いしたいと思っております。

○増田委員 まず、高ストレスか否かの情報に限定すると、事業者側が産業医などに面接を依頼するときに、情報がすごく少なくなるのです。産業医に対する申し送りの情報が少なくなるという点では、運用上支障が出てくるかと思います。仮に高ストレスだけの情報に限定するという運用を認めるのなら、 A さんはプロフィールそのものままで OK B さんは高ストレスかどうかだけ、というふうに個別選択だと限りなく手間がかかりますので、どちらか片一方に統一するという方式で整理していただければと思います。

○三柴委員 後ろのほうで申し上げようと思っていたのですが、産業医に渡る情報は別ではないかということです。これは産業医には生データがそのまま渡るけれども、事業者に渡る情報を、高ストレスであるかどうかだけに絞るというルートが認められるかどうかということです。加えて申し上げれば、同意の取り方自体は、仮に選択肢をもう 1 つ高ストレス者のみで設けるとしても、生データの場合と同じでいいのではないかと思います。

○高松委員 産業保健支援室長補佐が先ほど御説明した内容であれば、それでいいと思うのですが、そうなると、表現がそのままでは理解しづらいので、表現を直していただきたいと思った次第です。

○相澤座長 ほかにはいかがですか。

○道永委員  10 ページの一番最後の所で、外部機関に委託する場合のことです。これは確認ですが、最初のほうで、できれば事業場の産業医が共同実施者ということで加わることが望ましいと書いてありました。それがどうしても取られなかったときには、例えば、集団的な分析というのは外部機関が全部持っているので、そこで全部分析をして、それが事業場に直接行ってしまう場合もあり得るという解釈でよろしいのですか。

 産業医が実際には実施者にはなり得なかったが、ここもやはり「望ましい」と書いてあるので、産業医を飛び越して集団的な分析、個人のストレスチェックの結果がどういう形で行くか分かりませんが、直接外部機関から事業場に行ってしまう可能性もあると解釈してよろしいですか。

○産業保健支援室長 望ましいということなので、望ましくはないけれども、そういったことはあり得るだろうという想定で書いております。

○道永委員 産業医が、そこに関わることができない場合を想定していただきたくないのです。最初から事業場に、これはいろいろな事業場があるから難しいかもしれませんが、必ず産業医がいる場合、あるいは産業保健活動に携わっている医師がいる場合には、その人たちを必ず共同実施者とするように指針の中には書いていただければと思います。産業医が枠から外れてしまうのは、非常に危惧を持っています。

○労働衛生課長 産業医の関わりについては、今回の報告書でも「なるべく産業医が」と何ヵ所か書かせていただいていますし、 4 ページの、そもそも衛生委員会でストレスチェックのやり方を各事業場で審議するわけですが、衛生委員会のメンバーには産業医が入っておりますので、そこでそれぞれの場面での産業医の関わり方というのは、また個別に確認していただくことになるのではないかと思います。

○相澤座長 よろしいですか。

○高松委員 今の所の下です。 11 ページの一番上になってしまいますが、昨日の検討会での意見にもあるのですが、個人のストレスチェックの結果を提供する際にも、「原則として」が入っておりますが、この場合の原則と、原則でない場合はどういうことを指すのですか。少し分かりづらいので教えてください。

○三柴委員 この表現は結論から申し上げると、「特別な事情がない限り」という表現に改めていただくほうがいいかと思います。理由、背景は、そもそも原則としてにせよ、特別な事情がない限りにせよ、例外を認めるべきだというのは、要は本人のためを考えて、医師同士が情報を最小限やり取りするのが必要な場合があるのではないかと。特にこの実施制度を実効的に回す上で、実施者と産業保健スタッフの関係を近付けるというのは重要ではないかと思います。さらに今回の制度では、ストレス検査を紙や ICT だけではなく、人の目を通じて行う場合もあると。そうすると、それなりに生きた情報になってくる可能性もあるだろうと。いわば保健情報の一環として互いに法律上の守秘義務を負う者同士、つまり信頼にたる者同士が必要限度での情報をやり取りすることが必要になり得ると思います。

 ただ、あくまで例外でなければならないので、「特別な事情がない限り」ではどうかと。これは法令との関係でも、例えば刑法であれば第 134 条で正当な事由がある場合の例外が定められておりますし、個人情報保護法第 23 条第 1 項でも除外事由が書いてありますし、プライバシー権を言うのであれば、それを上回る法律上の利益がありますし、判例上も N 社事件というのがこういうケースを扱っていて、特に裁判所のおとがめもないので、どうかなという考えでおります。

○高松委員 ありがとうございます。

○相澤座長 ほかにはいかがですか。よろしければ、 11 ページの「個人のストレスチェックの結果の保存」と「労働者本人へのストレスチェックの結果通知後の対応」について、何かありませんか。

○増田委員 前回までは実施者が保存することになっていたと思うのですが、これを見ますと、事業者が 5 年間保存させなければならないとなっています。これは事業者の義務になったということですか。

○産業保健支援室長 もともと事業者の義務として、保存というのは課されるものだと思っております。

○増田委員 仕方がないと思う半面、 2 つ目の○もこのとおりだとは思うのですが、そもそも事業者はストレスチェックの結果は当然提供されないのですよね。ですから、保存状況がチェックできないのに、保存義務を課せられても困るのではないかと感じます。目隠しされたまま、貴重品を鍵の付いていない家で泥棒に入られないように守っておけと言われているような気がしてならないのですが。現実味があるのかどうかという点が気になったのですが、いかがですか。

○産業保健支援室長 ここは現実問題として、実施者個人に保存してくれということになると、その方が交替するときに保存できなくなるということがありますので、その辺の対応策としては、こういう選択肢が現実的ではないかということで書かせていただいております。

○増田委員 実施者に全て丸投げというのも現実的でないと思いますので、せめて「実施事務従事者が保管するのに協力しなければならない」とか、そのような書きぶりにしていただけたらいいのではないかと思いますが、いかがですか。

○労働衛生課長 もともと、ストレスチェック自体の実施をする責任は事業者のほうにあるわけです。その結果の保存も、実務的には実施者が保存すると言いながら、当然、その経費等を負担するのは事業者という想定でこれまで議論されてきたと思うのです。ただ、今までの書き方ですと、実施者が自分で場所を探して自分でやるように見えてしまったので、そこは事業者の責任で実施者が指名されて行うという構成を少し明確にしたかったのです。それから、実施者 1 人ではなく、実施事務従事者の中から指定した者という形で、少し広げたということになります。

○砂押委員 法律そのものから言いますと、やはり事業者が実施の義務を負っているわけです。実施者といわれている人は、つまり医師たちですよね。しかし、その人たちに何らかの義務づけする法文になっていないません。あくまでもこの制度は事業者が全ての責任を負うということですから、これでいいと私は思うのです。実施者である医師等に責任を負わせるということは、そもそも法律が想定していないことだと思われるのです。そうしませんと、法的に何かの問題が起きたときに、誰が責任を負うのかということで、トラブルのもとにもなりかねませんし。ここは一貫して事業者に義務を負わせるとしないと、法的に整合性がないのではないかと思います。

○相澤座長 増田委員、いかがですか。現実的にはなかなかあれかもしれませんが。

○増田委員 具体的にどのような措置を講じたらいいかというのを、何らかの形でお示しいただけたらと思います。お願いいたします。

○相澤座長 それでは、ほかにはいかがですか。よろしいですか。それでは、 12 ページ、「保健師、看護師等による相談対応」と「ストレスチェックの結果に基づく不適切な対応」「共有制限」「集団的な分析」という所があります。

○三柴委員 端的に 2 点申し上げたいと思います。 1 つは、ウの ( ) の「一次予防であるという」という表現は、単純に文言として「一次予防を主な目的とする」ではいかがですか。

 もう 1 つは、同じ箇所の第 2 文目、「取組を事業者の努力義務とし」という所です。趣旨としてはもちろん賛成ですが、最終的に文章にされるときに、できれば労働契約法第 5 条の文末と同じ表現にされてはいかがか。あるいはされるべきかどうかを御検討いただいてはいかがかと思います。

 というのは、なるべくすればいいという趣旨ではなく、場合によるということだと思います。努力義務の意味が、場合によっては、これは是非ともやっていただくべきという場合もあれば、そうでない場合もあるということで、ケースごとに判断が割れる問題であって、要するに「やらなくてもよい」という趣旨が強く出てしまうような表現よりは、「場合による」という趣旨をお示しいただくほうがいいかと思うのです。

○砂押委員 私も今の御意見に賛成です。努力義務を法的に考えますと、やってください、やらなかったとしても仕方ないですねというような、いわゆるザル法で、無視しても良いという意味合いが強くなってしまいますので、労契法第 5 条との関係で言うと、配慮義務のような、何か、努力義務でないほかの表現が良いように思います。努力義務は、私も余りインパクトが低すぎるように思います。

○三柴委員 重ねてで恐縮ですが、この問題は下光先生にも伺ったのですが、この問題は書かれているように、集団分析による手法が確実なものとはいえないという前提があって、こういう文言に表現されているというのは理解しております。ですから、余り強く表現することは、かえって問題が多いと思っております。ただ、場面によっては是非ともやっていただくべきという場合があるとは思うのです。努力義務という表現について少し工夫をいただくか、労契法第 5 条のような表現も 1 つ念頭に置いていただくか、何らかお考えいただければというぐらいの意味です。

○高松委員 関連して、今、三柴先生がおっしゃったところは、やはり私としても同感で、「努力義務」が結構いろいろなところで出るのですが、本当に努力義務で終わっているのです。もう一方の検討会でもお話が出たかもしれませんが、 4 月の参議院では、小規模事業場に対しても、支援事業の体制整備など必要な支援を行うことという附帯決議がされているものですから、多分、厚労省においても普及に向けた取組をしていただけるものだと思います。今回の暫定予算をどのぐらい取ったのか、後でお聞かせいただきたいと思います。そういう意味では、正しく義務である部分と、取りあえずは義務化できない部分があるということで、改めて表現、若しくは取組の部分を強化した書き方にしていただければと思います。

○岡田委員 三柴先生の先ほどの御発言の中で、例えば職場のストレス判定図をしたときに、 90 と出た場合と 120 と出た場合では、明らかに事業主としては 120 のところは介入しないと、何らかの職場全体のリスクというのが将来予測されますので、そういうところは努力義務ではなく、本当に介入していかないといけない。産業医がそこへ入って、事業主と一緒になって介入しないといけないので、もしそれを分かっていながら放置して、そこで鬱病がたくさん出てきた場合の何らかの問題というのは想定されるのですか。明らかに 120 とか 130 のレベルがあるにもかかわらず、事業主は何らそこで介入しなかった場合はどうお考えですか。お聞かせいただきたいのですが。

○三柴委員 私自身は法的な観点でしか申し上げられないのですが。単純に集団分析の結果、点数が高かったからマストになるという発想ではなく、それまでの経過や、今、職場で生じている客観情勢などを踏まえて、やるべき場合というのがあるだろうと。私は「努力義務」という表現は表現で、ひょっとするといいのかもしれないとは思うのですが、その意味を解釈するときに、ただ、やってもやらなくてもいいのだということではなく、場合によるということ、あるいは問題の性格によるということが、少し表に出ればいいかなという程度のニュアンスです。

○産業保健支援室長補佐 この報告書をどう書くかという話と、実際の省令になると思いますが規定をどうするかという、両方の議論があると思います。今、三柴先生から頂いた、努力義務よりももう少し強い配慮義務にしてはどうかという御意見だと思うのですが、少なくとも報告書をどう書くかというのは、もう一度こちらで引き取って検討させていただきたいと思います。

○相澤座長  12 ページについてはよろしいですか。 13 ページの「集団的な分析結果の事業者への提供」で、その単位が 10 人と書いてあります。実際にストレスチェックを受ける方が 10 人全員受けるとは限りませんので、「解析する」と書いたほうがいいのではないかというのが、昨日の委員会で出ております。それでは、何か御意見、御質問はありますか。

○増田委員 「原則として労働者の個別同意なく」というのが新しく入ったところだと思います。 10 人以上の部署と 10 人未満の部署とで、同意の取得の方法を分けないといけないということですか。例えば同じ会社の中で、 20 人、 30 人いる部署の従業員からは同意は取らなくてもいいけれども 10 人未満だったら同意取得が必要。しかもこれは集団分析の結果ですから、いつのタイミングで同意を取るべきかとか、その辺りのイメージが湧かないので確認させていただければと思います。

○産業保健支援室長補佐 ここで書きたかったのは、基本的には先生がおっしゃるとおり、 10 人以上の場合は同意は要りません、そのままやってくださいということで、基本的には 10 人未満はもうやらないでくださいという趣旨です。どうしても必要性があってやる場合は、その対象となる労働者全員に対して集団分析をして、事業者にその結果を提供していいかどうかの同意を取っていただくという趣旨で書いております。ですから、その後だと思うのですが、現実的には余りないかと思うのですが。

○増田委員 原則はやらないのが趣旨ですよね。例えば、最終的に同意を得られたものの、回答した人が 1 人だったらどうするのかとか、そんなことも考えて、これは何を意図しているのかと思っておりました。原則はやらないというのであれば、その旨を書いていただいたほうが、一生懸命同意を取る事業者が出てきて、そぐわない対応につながり兼ねないのではないかと思ってしまいました。以上です。

○高松委員 同じ箇所ですが、以前にこの検討会で議論をしたとおりだと思うのです。実施者である産業医の先生が、そういうデータをしっかりと掌握した上で有効な判断をされるため、十分活用していただければと思いますが、 10 人未満の事業者に渡すのであれば、今、増田先生がおっしゃったように、実施しないことが一番です。これを書くのであれば、「原則として」は外していただきたいと思います。同意を取るのが大前提ですから、この「原則として」は一体何なのか、ということになってしまいますので、書くのであれば「原則として」は外すべきだと思いますし、増田先生がおっしゃったように、書かないほうがスッキリしていいのかもしれません。以上です。

○相澤座長 少し文言の訂正をお願いできますか。

○砂押委員 例えば、極端な話ですが 50 人いる部署で、結局受けたのが 9 人だったということになりますと、その部署でも改めて同意を取るということになってくるわけですか。同意も結果が出て何人受けたかを知った上で、個別同意をするということですか。それとも、最初に、「そういう場合にあなたはどうしますか」とかチェック項目があって、チェックして受けて、その結果に対する同意があるということになるのでしょうか。全員受けてみないと、 1 つの単位で 9 人以下になるかどうか分からないわけですから、それが分かってから同意を取ることになると、事務の上で負担にはならないのですか。どうですか。

○岡田委員 現実、下光先生からお聞きしたのは 20 人と聞いていましたので、私の所は 20 人でやるのです。 20 人未満の所で、例えば、 30 人の従業員がいて、課で 20 人未満の場合は課ではしないで部でやっていくわけです。次の上部で部でやって、部で駄目だったら局でやっていく形にして、必ず 20 人以上の人数は確保されないとそこは分析しないと。部を見て部長がそこを把握すると。そこの職場だけでほかの部と比較せずに、あなたの職場は全国平均が 100 とすると 120 で高いので、ここはどう考えますかということで介入していく形にしないと。人数を集めるということになると、また大変なことになりますので、 20 集まったところのレベルまで上げていきながら、労働者の同意を取ることなく、課ではできませんでしたと。ですから、課単位では今回分析できなかったので、部単位でやる形でフィードバックしていくと。そうすると、ほとんどトラブルはなく、今、できております。

○相澤座長 同意を取ることが実際にはないから、文書を少し変えなければいけませんね。そういうことでよろしいですか。 (1) が終わりましたので、 (2) の御説明をお願いします。

○産業保健支援室長  13 ページの (2) 面接指導の所です。まず ( ) 面接指導の対象者の把握方法は、こちらの検討会で成立していただきました。 ( ) 面接指導の実施者については、実施者としては「産業医又は事業場において産業保健活動に従事している医師が望ましい」ということです。外部に委託する場合も「産業医資格を有する医師に委託することが望ましい」ということです。面接指導を行う医師に対する研修の充実・強化を図ることが適当であろうと。事業者から面接指導を行う医師に対して、様々な情報を提供することが適当であろうということになっております。

14 ページ、 ( ) 面接指導の実施時期については、申出があった後、速やかにということです。

( ) の実施方法として、面接指導において、医師が確認する事項ということで 5 つ掲げております。勤務の状況、ストレス要因、心理的な負担の状況、周囲のサポートの状況、心身の状況の確認ということです。面接指導においては保健指導、受診指導というところで、医学上の指導を行うことは適当ということです。面接指導において、不調者を把握した場合ということで、必要に応じて専門医につなぐわけですが、こういったところでも、研修の実施等によって資質の向上を図ることが適当だろうということです。

 イ「面接指導の結果の事業者への提供」については、こちらの検討会で整理をいただきました。昨日の検討会の中で、この中の 1 つ目の○の 3 行目、「最低限の情報に限定し、具体的な病名、愁訴の内容などの詳細な医学的情報は事業者に提供すべきではないこと」が適当ということになりましたが、 7 つ目の意見になりますが、愁訴の内容については留意事項との表現に合わせるべきではないかという御意見がありました。留意事項のほうは、健診に関しての記述ですが、健康診断の結果のうち診断名、検査値等のいわゆる生データの扱いについては加工することが望ましいという表現になっております。愁訴の内容のところでよろしいかどうかということです。

 ウ「医師からの意見聴取」ということです。 ( ) 意見を聴く医師ということで、意見を聴くのは面接指導を実施した医師から意見を聴取することが基本であろうと。事業場で選任されている医師、産業医以外の者であるときは、事業場で選任されている産業医からも併せて意見を聴くことが適当ということです。

 これに関しても、昨日の検討会で意見がありました。意見の 8 番目です。この表現は、事業場の産業医以外の医師が面接指導したときは、そちらからも意見を頂く。産業医からも意見を頂くという表現ですが、これは面接指導を実施した医師の意見も踏まえて、最終的には産業医が意見を述べて、それを事業者として聴取することにすべきではないかという御意見でした。この辺りの意見を少し頂ければと思います。

15 ページ、 ( ) 意見を聴く時期については、実施した後、速やかにということです。 ( ) 意見を聴く内容として、具体的には、就業上の区分に関する意見、職場環境の改善に関する意見が適当だろうということです。

 エ「面接指導の結果の保存」については、こちらの検討会で整理を頂きました。オ「就業上の措置の実施」については、労働者の不利益取扱いつながらないように留意することが適当ということで、もう 1 つの検討会で整理を頂いております。以上です。

○相澤座長 ありがとうございました。それでは、 13 ページから 15 ページの真ん中の所まで (2) がありますので、まとめて御意見を頂ければと思いますが、いかがでしょうか。

○増田委員  14 ページ一番上、 ( ) 面接指導の実施時期ですが、「速やかに」とあります。確か、長時間労働者の面接指導の場合は「 1 か月以内に」となっていたかと思うのですが、ここは「速やかに」となっています。嘱託産業医以外が面接することがあるとは思うのですが、嘱託産業医が月 1 回の活動頻度であることを考えると、同じように月 1 回と具体的に書いてしまってもいいのではないかと思ったのですが、いかがでしょうか。

○産業保健支援室長 長時間労働者の面接指導においても、省令上、「遅滞なく」と書いております。その「遅滞なく」とはおおむね 1 か月だというようなことになっております。それと同様の形の規定ぶりを予定しているところです。

○相澤座長 ありがとうございます。ほかにはいかがですか。

○三柴委員 「主な意見」と銘打たれたペーパーの 7 項目、 14 ページ目に関する御指摘についてです。その「愁訴の内容」という表現がどうかということですが。要は、メンタル課題だと本人と支援者とのやり取りが余計に重要になるので、本人が発言した内容、求めた内容が事業者に伝わるかどうかというのは機微な問題になってくるということです。私自身、国会で意見を述べさせていただいたときもこの問題は議員から指摘がありました。

 愁訴の内容を、本人がこう言っていたと具体的に伝える場合には、正確的には生データになるのではないかと思うのです。なので、同じ伝えるにしても、こういう趣旨のことを言っていたというのであれば括弧情報になってくるとは思うのですが、本人の発言を具体的に述べて、しかもそこにニュアンスを加えたりすると、実は、結構不利益を招くことがあり得るかなと思っております。ですので結論的に、ここはそのまま残してもいいのかなとは思うのですが、いかがでしょうか。

○労働衛生課長 昨日の検討会で、例えば、眠気が強いとか、そのくらいのことも言ってはいけないのかというような議論があったものですから。先生のおっしゃった趣旨でいけば、愁訴の具体的な内容とか詳細な内容は伝えないというように愁訴の中を少し段階で分けるのかな、としたいと思っております。

○相澤座長 よろしいですね。昨日の検討会では、「面接指導の実施方法」の内容で、生活の状況を追加したほうがいいという御意見が出ております。これはよろしいですね。

 もう 1 つは産業医との関係です。 14 ページの一番下の ( ) ですが、外部等で事業場から選任された産業医以外の者から意見を聴取した、面接をしてその意見を事業者が聴く場合は、産業医を併せてではなくて、最終的には産業医がその医師の意見を聴いて、産業医がまとめたものを事業者が聴取するほうがいいのではないかという御意見が出ておりましたが、これについてはいかがでしょうか。

○増田委員 その「最終的には産業医がその医師の意見を聴いて、産業医がまとめたものを事業者が聴取」というのは、これは、そうしなければならないという意味合いなのか、それが望ましいという意味合いなのか、どちらの議論だったでしょうか。

○産業保健支援室長 議論としては、望ましいのではないかというようことだったと思います。

○増田委員 例えば、職場復帰のときの面談を産業医が絶対にやらないといけないとはなっていないと思いますし、就業に関する最終的な判断を絶対に産業医がやらないといけないとはなっていないと思いますので、望ましいだったら別にこの書きぶりでいいのではないかと考えました。

○岡田委員 今の御回答ですと、先ほどの、産業医がなくても面接指導をした先生の意見を事業主が直接聴いて判断していいということでいいのですね。望ましいということは、産業医を経由せずに面接指導をした外部の先生の意見を事業者が聴取して、それで就業上の措置を講じていいという判断でもよろしいのですね。産業医が選任されている事業場であったとしても、そこは経由せずにも可能性があるという判断でよろしいですか、今の御回答ですと。

○労働衛生課長 産業医と外部の先生がいて、外部の先生が面接をされた場合ということですが、外部の先生から意見を聴くのは基本でさらに、産業医からも聴くことが適当と、その 2 ルートは両方必要ですというように書いています。さらに、その 2 ルートが並行で事業者に向かうのではなくて、産業医のところで集約されることが、「必ず」なのか「望ましい」なのかという論点です。この点について「必ず」ではなくて、産業医が最終的に集約することが「望ましい」のではないかと。産業医からの意見があるということは必要なのですが、それを産業医がまとめてやるべきかどうかというところについては、「望ましい」の議論だったいうことです。

○岡田委員 では、面接指導をした先生の意見も集約して産業医が最終的に事業者に意見を述べると。

○労働衛生課長 それが望ましいのではないかという議論だったということです。

○岡田委員 それが望ましいということですね。

○労働衛生課長 はい。ですから、産業医が要らないという話では決してなかったということです。

○岡田委員 面接指導をした先生の意見と産業医の意見が対立した場合は、事業主の判断に任せればいいのですね。現場を知っている産業医の意見と、いわゆる面接指導をした先生の意見が対立した場合は、最終的に復職と同じで、最終決定権は事業主にありますので、事業主がどちらの意見を聴くかというと、産業医には助言・勧告権があるにしろ、いわゆる面接指導をした先生の意見のほうを事業主が取っても別に構わない、そういう解釈でよろしいのでしょうか。恐らく、それはかなりもめると思うのです。

 取りあえず産業医が全部集約して、産業医が事業主に意見を述べるというのであれば、現場を見ながら面接をした先生の意見と、本人と面接して産業医が最終意見を述べるというのと、産業医は全く本人と面接せずに、面接をした先生の意見を聴いて産業医なりの意見を述べて事業主に出すのか。つまり、面接をした先生の意見書を産業医がもらって、それをよく見て意見を出すのか。事業主から単にストレスが高い人からこんな意見が出ましたということで、産業医が意見を出すかによってかなり変わってくると思うのです。そこはきちっとルートを付けておかないと。恐らく、それは見なくていいということであれば、ストレスの高い人だったらそれでいいのではないですかということになってしまって、現場は極めて混乱する可能性がある、若しくは、産業医は責任が回避になってしまいますので、その辺はきちっと付けておかないと。

 要するに、言いたいことは、産業医が最後に責任を持って助言するのかどうかだけです。面接をした先生の意見が産業医に来るのかどうか、来なくてということか、その辺りだけはきちっと明確にしていただいたほうが。

○労働衛生課長 制度上は並列で、それぞれの意見が事業者に行くことは禁じられてはいないはずです。その場合に、産業医が外の先生の意見も見た上で意見を書くということが望ましいのかどうかという、まさに先生がおっしゃった現場の問題があるからこそ、それを望ましいとすべきではないかというような意見が出たと思いますので、そこを御議論いただければと思います。

○岡田委員 分かりました。

○増田委員 産業医から事業者が意見を聴くとなると、結局、その産業医はその労働者と面談すると思うのです。すると、別に事業場外の先生の面談は要らないのではないかと思います。運用上、そういうことになってくるのです。それだったら、せっかく面談をしてもらって意見をもらうわけですからその意見を汲み入れるようにすべきと思います。結局、事業者からすると、無駄な工程が 1 つ増えるということにつながりはしないかというのもありまして、その辺りも含めて交通整理をさせていただけたらいいのではないかと思います。

○岡田委員 恐らくこれが想定しているのは、精神科産業医の先生が別途おられる場合に、その先生に面接指導を受けてもらって、その先生の意見が出てきて、その精神科産業医の先生と、いわゆる選任義務のある産業医、届け出ている産業医、職場巡視と健康診断の事後措置などをやっている先生との意見の相違が出てきたときに、どうするかという問題だと思うのです。ここをどう解釈するのか、最終の意見を述べるドクターは誰なのかというところをきちっと交通整理しておかないと、ちょっと難しいのかなという気がしないでもないです。

○増田委員 判例上は確か、三柴先生の前でこんなことを言うのはおこがましいのですが、 NTT 東日本北海道支店事件でしたか、確か健康管理医の就業意見に基づいて対応していたという判例がありました。その判例を見て私は、産業医が意見を提示しなくても司法はとがめないのだなということを感じたこともありました。実際に現場としては、精神科産業医と呼ばれる人たちが結構活動していて、その意見に基づいて対応している企業も結構あるのではないかと思います。ただ、どうしても、やはり最終的には産業医だというのであれば、そもそも、もう一度産業医の面談を経て意見を聴くのが望ましいとか、あるいは必要だとか、そのような交通整理にすべきではないかと思いました。

○三柴委員 案外難しい問題だなと思ってお聞きしていました。要は、この問題が過去判例がどう言っていたかということよりは、この制度の解釈をどうするかということだと思うのです。なので、ここまで拝見している資料だと、要は、必ずしも産業医でなくても、産業に知見のある医師であれば良いということなので、最終的に意見を言う方が内部の産業医の方を介するのが望ましいけれどもマストではない。なれば、結局、最後にその会社が意見を述べていただく医師が誰かによる、ということに制度の解釈上はなってくるのかなと思うのです。もし、産業医がいるけれどもこのケースでは外部のこの先生が詳しいし、過去関わってもこられたから、この先生の意見を尊重しますというのだったら、制度解釈上はありなのかなと思うのですが、いかがでしょうか。

○岡田委員 もう少し複雑な話をしますと、この産業医の先生が前に過重労働の面接をしていたと。そして、外部の先生にこれを聴いたと。そこの判断を聴くと、過重労働で就業上の制限より軽い制限が出てきた場合に、それを事業主が認めた場合に、残業はやってもいいという話が出てきた場合に、産業医はそれを聴かずして事業主は判断することになります。つまり、過去の歴史を産業医が分かっていながら、そこを通さずに事業主が面接指導医の判断を仰いだ場合に、それは可能かという判断も。

 産業医は、現場のこと、過去の健康診断の結果、時間外労働についての経過を知っているわけです。それでひょっとして、ストレスが高いと言って面接指導を受けた場合の事後措置に関しては、当然、産業医のほうがいろいろな意見を持っているわけですから、そこを事業主としては、面接指導医が軽い判断をしたということでそこを聴いた場合に、それは当然、就業制限の外れる若しくは軽くなるということになるので、もう一歩踏み込むと、そこを私はちょっと心配しています。そうすると、産業医の意見を事業主がきちっと、一旦聴いていただくというのがいいのかなと思って。事業主に意見を述べる立場というのは誰が集約するのかというと、ストレスチェック 1 回のみでその判断をするのかというと、それはちょっとリスクが高すぎるのではないかなという、私の危惧なのですが、いかがでしょうか。

○三柴委員 では、一言だけコメントさせていただきます。先生がおっしゃるようなケースだったら、結局、まず、外部の先生なら外部の先生なりに、それまでの業務歴とか面接に必要な情報を渡しておくべきだろうということが 1 つ。 2 つ目は、先生がおっしゃるほど産業医の先生がよく情報をつかまれているということであれば、その先生に面談していただくのが筋ではないかという感じがします。

○産業保健支援室長補佐 すみません、こういうことを言うと叱られるかもしれないのですが、産業医といってもいろいろな方がいらっしゃいますし、必ず産業医が全部集約しなければいけないかということですと、現実上難しいのかなと思っています。

 ただ、ここで書かせていただいたのは、ほかの医師が面接指導をやった場合に何ら関わらなくていいのかということです。ここに書かせていただいたのは、ほかの医師の意見を意見書として事業者に出すのだけれども、こういう意見が出てきたけれどもどうかという意見も併せて産業医に聴いていただく、ここまでは必須にできるのではないかと。あと、最終的に誰が集約するかと。さすがに一通りにまとめるのは難しいかなという感触を事務局としては持っております。

○道永委員  13 ページの「面接指導の実施者」のなお書きの所を重要に思えば、面接指導を外部の先生にお願いすることは可能になるのかなと思います。本来は、産業医の先生がやるのが一番ショートカットだと思いますが。それからこの情報を事業者が、きっちりとした情報を面接指導を行う医師に対して、業務の状況などを伝えることができればよろしいのかなと思います。実際はね。

○岡田委員 就業に関する意見書を書くとき、最終的には産業医の名前を書いて判を押すのです、事業主から意見を求められたら。

○道永委員 産業医の意見は持って行かなくてはいけないですよね。

○岡田委員 そうなのです。だから面接指導医の意見と、今度は産業医も意見書を出してくれと言われると、その情報だけで意見書を書いて署名捺印をすることに関しては、面談をしないとリスクが高すぎるのではないかという気がするのです。だからその辺りは、それだったら意見を言わないほうがリスクは回避できるのではないかと。すみません、ちょっと引いてしまいましたが。

○相澤座長 そろそろ終わりの時間になってきましたので、これは少し文章を検討されて、ちょっと強めに書いていただくというようなことでよろしいでしょうか。それが望ましいという形で仕方がないのかなと思います。それでは、 15 ページの (3) をお願いいたします。

○産業保健支援室長  (3) 派遣労働者の取扱いについてです。これは前回、御説明いたしまして御議論いただきましたが、個人対応については派遣元、集団対応については派遣先ということで、前回の整理ペーパーのとおりここに記載しているというところです。

○相澤座長 これはよろしいでしょうか、大分御議論いただいたことですので。よろしいですか。それでは、 16 ページの不利益取扱い防止についてお願いします。

○産業保健支援室長  (4) 労働者に対する不利益取扱いの防止についてです。これにつきましても前回御議論いただきまして、このようにしてございます。

 まず、下線が付いておりますのが「労働者に対する不利益な取扱い」。これは、「労働者にとって不利益となる取扱い」という所を「労働者に対する不利益な取扱い」という言葉に変えさせていただいております。

 それから、昨日の検討会での御意見ですが、意見の 9 つ目、ア「法律上明示的に禁止されている不利益取扱い」の2に括弧書きで「当該労働者が高ストレスであること」という部分があります。事業者が有する情報が「ストレスチェックの結果判定されるストレスの状況のみであり」という所があります。先ほども御議論いただきましたが、事業者に渡る情報がプロフィールみたいなものも含まれたものなのか、高ストレスだけなのかというところで、この辺りは整理すべきではないかという御意見を頂いております。この辺につきましては先ほど御議論いただきまして、高ストレスであることのみでなく、基本としてはプロフィールといったものも含まれているということですので、この辺りは削除すべきかなと事務局では考えております。

17 ページ目です。この辺につきましても、先日のこの検討会の御議論を踏まえまして修正をしているところです。

○相澤座長 ありがとうございます。これについてはいかがでしょうか。よろしいですか。それでは、最後 17 ページの (5) をお願いします。

○産業保健支援室長  (5) その他の事項です。ア「外部機関への委託に係る留意事項」です。これはもう 1 つの検討会で御議論いただいたところです。事業者が外部機関に委託する場合には、当該外部機関がストレスチェックや面接指導が適切に実施できる体制にあるかどうか、情報管理が適切になされるかどうか、こういったものを確認することが望ましいであろうということ、事前に確認すべき事項の例を示すなどの支援を行うことが望ましいであろうということ、外部機関で適切に実施されるように研修などを行うことが適当であろうというような整理になってございます。

 イ「行政への報告」です。これにつきましては、前回、この検討会で御議論いただきました。「ストレスチェックの実施年月日」という所は「時期」に修正したり、あと、「申出人数」というものもありましたが、この辺りは「実施人数」だけに修正したり、という修正を加えております。

18 ページ、ウ「看護師及び精神保健福祉士に対する研修」です。これはもう 1 つの検討会のほうで整理をいただいております。看護師・精神保健福祉士が今回のストレスチェックの実施主体になるために必要な一定の研修としては、ここに掲げます 3 つの事項が範囲ではないかと。具体的な内容、時間などは対象者の資質を踏まえて設定することが適当であろうということ、研修の資質の担保のためには講師の要件等を定めることが適当であろうというような整理になってございます。

 続きまして、エ「ストレスチェック制度における産業医の位置づけ」です。これは、これまでこの検討会で御議論いただいて整理したものです。

 オ「制度全体の評価と見直し」です。今回の制度創設による効果と評価、そういったものを行って、必要があれば見直すことが適当であろうということ。更なる周知徹底が必要であろうということ。こういったことが記載されております。

○相澤座長 ありがとうございました。最後の (5) についてはいかがでしょうか。何か御意見はございますでしょうか。

○増田委員 ささいな点ですが、 17 ページのアの 3 番目の○ですが、「外部機関に対する研修等を行う」というのは誰が行うのですか、主語は何でしょうか。

○産業保健支援室長 これは国が行うということになろうかと思います。

○増田委員 分かりました。それと、これもささいな点ですが、 18 ページの最後に「事業場の理解が十分でなく」とあります。そのように反省として受け止めないといけないと思うのですが、きちんとやっている会社もあると思いますので、「理解が十分でない事業場もあり」といった具合に書いていただいたほうがいいのではないかと思いました。

○相澤座長 ありがとうございます。ほかにはいかがですか。

○岡田委員 外部機関については、別に研修を受けなくても請け負ってもいいのでしょうか。受けないと駄目という、いわゆる拘束力はないのですね。

○産業保健支援室長 そうです、そこまでの拘束力はありません。

○岡田委員 分かりました。ありがとうございます。

○相澤座長 よろしいでしょうか。最後は急がせて申し訳ありません。全体にわたって何かございますか。

○高松委員  15 ページの、派遣元と派遣先の関係についてです。特に 15 ページの (3) のアの 2 つ目の○、集団的な分析です。先ほど人数の話も出ましたが、今、派遣労働者が職場の中で占める数がかなり増えています。今回、派遣法は 1 回廃案になりましたが、これがまた出てきますと、より長期化する可能性が出てきますので、この場合の「望ましい」というのは、ほかの望ましいというレベルよりも強めの、いわゆる派遣労働者にとってどうかということよりも、職場にとっての集団的分析であれば、そこの派遣先の職場のためになるという意味では是非やるべきだと私は思いますので、もう少し強い表現ができたらいいのではないかと思います。

○相澤座長 ほかの委員の。

○三柴委員 一言だけ。例の、事業者に渡る情報を、高ストレスがあるかどうかのみという情報も加えるかどうかという点ですが。この点、そもそも、事業者がストレスチェックの設計には関わるわけなので、そういう意味では、やはりハイストレス群だけを伝えるという仕組みは、どうも意味が余りなくなってきてしまうのかなと。そこに情報を限定することには意味がなくなってきてしまうのかなと。やはり伝える以上は生データを全部お伝えするほうがいいのかなというように考え直したため、その点の発言だけ訂正させていただきたいと思います。

○相澤座長 高松委員から望ましいという、もう少し強くという御意見が出ましたが、これについてはいかがでしょうか。

○砂押委員 個人情報保護法の制定後、生データの伝達は制限しようという動きの中で、ここだけ生データがスッと行ってしまうということになりますと、問題にはなってこないのでしょうか。

○三柴委員 泉法令上、同意があれば生データは提供するという前提になっていることが 1 つと。それから、先ほど申し上げたように、要するに、事業者がストレスチェックの制度設計そのものに、結局、実施者が第 1 案を出すとしても関わるわけですから、ずっと繰り返しやっている間に、要は、ハイストレス群というのはどういうレーダーチャートを示した人かということが、間接的に分かってくる面があるのではないかと思うのです。それに、ある程度分析可能なデータになっていないと事業者としても対応に困る場面があるのかなと、面接指導に行く人も限られる前提だから。というようなことを考え合わせたときに、トータルで通った法律の趣旨どおりにいくべきかなというように考えたと、労働者本人の同意もありますし。

○砂押委員 同意があるということなので、ほかのオケージョンとはちょっと違うのかもしれませんが、ただ、生データが行くから嫌だという人たちがいると、制度として、同意をやめておこうという方の人が増えてしまうということにもなる危険性が、なくはないのではないかと少し思います。

○相澤座長 事業者が生データを見るとそこで何か処置をしてしまうという、恐れもあるのですよね。

○相澤座長 そうですか。

○砂押委員 こういうことは男性の目に触れるのが確実になるので、女性の場合などですと、やはり男性以上に生データに対するアレルギーはあったりしますので、少し問題にしたのですけれども。

○相澤座長 これはどうしますか。

○産業保健支援室長補佐 昨日の検討会でも先生のような御意見がありました。ただ、法令上、生データは駄目ですという制限にはなっていないので、そこはある程度企業の選択に委ねるのかなという感じでまとめるのかなと考えています。

○砂押委員 どちらでもいいということですか。

○産業保健支援室長補佐 企業の中で制限しようということにするのであれば、それはそれでありかなということです。

○砂押委員 やっても法律上は問題ないですよということですか。

○産業保健支援室長補佐 はい。

○砂押委員 それはやはり労使で。

○産業保健支援室長補佐 いや、衛生委員会で。

○砂押委員 そういう歯止めがあるのであれば。

○相澤座長 先ほどの高松委員の御意見はいかがでしょうか。

○産業保健支援室長補佐 表現ぶりは、引き取らせていただきます。

○岡田委員 派遣元が 57 項目をやりますが、派遣先の産業医は、簡略版の 23 項目に関しては可能でしょうか。よろしいですか。

○産業保健支援室長補佐 はい。

○岡田委員 恐らく派遣先の先生は、 57 項目ではなくて 23 項目を選ぶ可能性が高いのかなと個人的には思っています。そうしないと、かなりの派遣先の先生方のストレスが大きくなるので、恐らく簡略版で。従業員に関しては 57 項目をやったとしても、派遣元は 57 項目をやりますが、もし派遣先の産業医は派遣労働者に関しては 23 項目でもいいとなると、これはかなり敷居が低くなるのでやりやすくなるのかなということは考えております。それは一応可能ということでよろしいですね。

○産業保健支援室長補佐 そこは問題ありません。

○岡田委員 分かりました。

○相澤座長 よろしいでしょうか。ほかにはございませんか。

○松原委員 ちょっと大きな話になってしまうのかもしれませんが。この制度を導入する目的は、まず、本人にはストレスがあるということを早めにチェックして、早めにその改善に向けた対応ができるようにするということ。それから、職場に課題があるのならば、その職場の環境を改善するということにあるのだろうと思っています。そのときに、この制度が法制化されたから、義務だからといって、事業者側がその実施をするときに、やらなければいけないからやるということでストレスチェックを実施してしまうと、本当にこの制度の趣旨に沿って実施されるかどうかというのは、不安があると思っています。

 やはり、いい職場づくり、働きやすい職場づくりをしていくという観点で、この制度を有効に活用していくという思いを、このストレスチェックを受けていただく人に感じていただかないと。労働者ももしかしたら、やらなければいけないのだけども面倒くさいから適当に答えてしまえというようになってしまえば、この制度は生きてこないということにもなってしまうので、これはやはり労使の中で、どうやったら皆さんにきちんと受けてもらっていい結果が出るような仕組みを作れるのか。これは安全衛生委員会の中で考えるのかもしれませんが、労使の中で何のためにやるのかということをきちんと共有してからスタートしていただきたいということで、こういう内容を例えば指針の中で少し触れていただくとか、そういうことができればいいと思いましたので、よろしくお願いしたいと思います。

○相澤座長 大変大事な御指摘で、ありがとうございました。ほかになければこれで今回の検討会は終了いたしますが、よろしいですか。大変貴重な御意見をありがとうございました。事務局からお願いします。

○産業保健支援室長補佐 いろいろ貴重な御意見をありがとうございました。本日頂いた御意見を踏まえて、次回は修正案という形でお示ししたいと思います。今の予定では、次回はもう 1 つの検討会と合同で開かせていただいて、最終的な報告書の取りまとめということにさせていただければと考えております。 12 15 日を予定しておりますので、どうぞよろしくお願いします。本日はどうもありがとうございました。


(了)

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