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2014年10月24日 第2回ストレスチェック制度に関わる情報管理及び不利益取扱い等に関する検討会 議事録

労働基準局安全衛生部労働衛生課産業保健支援室

○日時

平成26年10月24日(金)15:30〜17:30


○場所

経済産業省別館1階 共用104会議室


○出席者

検討会参集者(50音順、敬称略)

相澤 好治 上野 敏夫 岡田 邦夫
川上 憲人 黒木 宣夫 砂押 以久子
高松 和夫 増田 将史 松原 稔
三柴 丈典 道永 麻里

厚生労働省

土屋 喜久 (安全衛生部長) 美濃 芳郎 (計画課長)
泉 陽子 (労働衛生課長) 井上 仁 (産業保健支援室長)
中村 宇一 (産業保健支援室長補佐) 寺島 友子 (中央労働衛生専門官)

○議題

(1)ストレスチェック制度に関わる情報管理及び不利益取扱いについて
(2)その他

○議事

○産業保健支援室長補佐 少し時間は早いのですが、川上委員は若干遅れて来られるということですので、ただいまから「第 2 回ストレスチェック制度に関わる情報管理及び不利益取扱い等に関する検討会」を開催させていただきます。本日は、お忙しいところをお集まりいただきましてありがとうございます。

 以降の議事進行は相澤座長にお願いいたします。

○相澤座長 前回は大変熱心な議論をしていただき、時間も少し超過いたしましたが、今回は時間内に終わる予定ですので、よろしくお願いいたします。

 事務局から、本日の資料の確認と、議論の進め方について説明をお願いします。

○産業保健支援室長補佐 本日は、 4 種類の資料をお配りしております。資料 1 は、前回までに整理された事項です。資料 2 は、引き続き整理が必要な事項です。資料 3 は、検討会2の論点。資料 3 は、本日新しく御議論をお願いしたい論点です。資料 4 は、表裏の絵になっておりますが、派遣労働者に関する派遣元・派遣先間の情報のやり取りのイメージです。お手元のファイルは、今後共通で使っていきたいと思っている参考資料になります。適宜御参照いただければと思います。

 本日の議論の進め方は、お配りしている資料に沿い、まず資料 1 で、前回までに一応議論が済んだと思われる事項を事務局でピックアップしておりますので、そちらの御確認をしていただきます。続いて、前回宿題となっております議題について御議論をお願いいたします。最後に、新しい論点として資料 3 で御議論をお願いいたします。

○相澤座長 ただいまの議論の進め方に沿って進めていきます。「前回までに整理された事項」について、事務局からお願いします。

○産業保健支援室長 資料 1 に基づいて、「前回までに整理された事項 ( ) 」ということで説明させていただきます。前回の、全体を通じての意見ということですけれども、まず、検討に際して 5 つの原則的な考え方を示してはどうかということがありました。労働者が安心して受けられる制度とする必要がある。メンタルヘルス対策として実効性の高い制度とする必要がある。既存の法令との整合性を確保する必要がある。実行可能性のある制度とする必要がある。ストレスチェック受検者以外の利益の確保という観点も必要である。この 5 つを原則としてはどうかという御意見がありました。

50 人未満の事業場でも実施可能な制度とする。労働者に対する不利益取扱いにつながらないようにすること。これまで企業が実施しているような先進的な取組を損ねるようなことがなく、円滑に実施できるように、複雑な仕組み・手順を課すことのないようにする。このようなことが、全体を通じて御意見がありました。以下、それぞれの事項について、これまでに整理されたと思われる事項について御説明いたします。

 まず、「ストレスチェックについて」。「ストレスチェックの受検の有無の把握」の件です。事業者による、労働者が受検したかどうかの把握、それから受検を勧奨することについては、受検しない労働者に対する不利益取扱いが行われないことを前提に、可能とすることが適当であろうという議論になったと思います。

 その辺の理由として 5 つ掲げております。事業者は実施義務がありますので、履行状況を自ら確認し、受検率を向上させるようにするべきである。外部委託した場合に、個々の受検が把握できないということだと、事業者は確認できないおそれがある。法的にも受検の有無の把握というのは、実施義務の範囲内であろう。労働者に受検義務はないということですけれども、制度の目的を踏まえると、なるべく受検率を上げたほうがよい。強要とか不利益取扱いにつながらないことを前提としながら、勧奨するということは受検率の向上につながる。こういう理由から適当であろうということになりました。

 「ストレスチェックの実施主体」ですけれども、法律の趣旨に鑑みると、事業者はストレスチェックの実施者とはなれないとすることが適当であろう。実施者になれない具体的な定義については、後ほどもう一度御議論いただきます。

2 番目は、派遣労働者の件です。派遣労働者については、派遣元に実施義務がありますけれども、派遣先での実施も、職場環境の改善ということからはメリットがあります。このために、派遣元からの委託により、派遣先事業者がストレスチェックを実施することを可能とすることが適当であろうということ。この場合に、ストレスチェックの結果の派遣元事業者への提供に関する同意の有無の確認も、派遣先でストレスチェックを実施する実施者が併せて行うことを可能とすることが適当であろうということ。

3 番目は、「ストレスチェック結果の取扱い」です。まず、事業者に提供する際の労働者の同意の取得方法です。結果を、実施者のほうから事業者に提供する際に取得する方法については、労働者本人が提供に同意するような情報の内容を具体的に承知していることが必要であろうという観点から、次の方法で、その都度行うことが適当である。

1 つ目は、ストレスチェック実施後 ( 結果通知後 ) に、受検した全員に対して、個人ごとに同意するかどうかを確認する。 2 つ目は、ストレスチェック実施後に、面接指導の対象となった方々について、個人ごとに同意の有無を確認する。 3 つ目は、ストレスチェックの段階では同意の有無の確認は行わず、面接指導の申出をもって、事業者への提供に同意がなされたものとみなす。このような方法が適当ではないかということです。

2 つ目の○、同意の取得については、事業者に提供される情報の中身を労働者が知った上で行うことが必要であるが、ストレスチェックの実施前、実施するときについては結果が得られていないので、そのときの同意取得、あるいは同意した労働者だけに対してストレスチェックを実施するということは適当ではない。同意しない労働者に対し、事業者が同意を強要するようなことは適当ではないであろう。

 次に、実施者から事業者への結果の提供の方法です。同意が得られた場合は、実施者が事業者へストレスチェックの結果を提供するわけですけれども、その中身としては、個人のストレスプロフィールや判定結果等が記載された結果そのもので、特に加工は要しないものとすることが適当であろう。ストレスチェックの実施を外部機関に委託する場合も、企業内の産業保健スタッフが共同実施者となることによって関与し、個人のストレスチェックの結果を把握する。こういう外部機関と企業内産業保健スタッフが綿密に連携することが望ましいであろう。共同実施という形を取らない場合でも、外部機関との窓口の役割を産業保健スタッフに担わせ、本人の同意を得て、外部機関から個人のストレスチェックの結果を提供する際には、産業保健スタッフを通じて事業者に提供することが望ましいであろう。共同実施の形を取らない場合において、外部機関から、事業者ではなくて産業保健スタッフだけに個人のストレスチェックの結果を提供することもあろうかと思います。そういう際にも、本人の同意を必須とすることが適当であろう。

 次にストレスチェック結果の保存方法です。事業者に、次の事項について一定期間保存義務を課すことが適当であろう。中身としては、ストレスチェックの実施年月日、対象人数及び受検人数。この項目について、保存義務を課すことが適当であろうということです。個人のストレスチェックの結果については、実施者に一定期間保存義務を課すことが適当であろう。 3 番目は、個人のストレスチェック結果を実施者個人が保存することが困難な場合については、契約によって他者に保存を委託することも可能とすることが適当であろう。ただ、セキュリティの確保は必要であろう。 4 番目は、労働者が同意したことにより、実施者から事業者に提供された個人のストレスチェック結果については、事業者に一定期間保存義務を課すことが適当であろう。派遣労働者については、派遣元が委託をし、派遣先が実施するストレスチェックを受けた結果については、派遣先で実施した実施者に保存義務を課すことが適当であろう。具体的な保存期間については、本日後ほど御議論いただきます。

4 番目は「ストレスチェック結果の活用」です。まず、個人の結果の活用です。本人の同意を得て事業者に提供されたストレスチェック結果に基づいて、配置転換などの就業上の措置を講じるに当たっては、労働者の不利益取扱いにつながらないように留意しながら、産業医の面接指導を行って意見を聴くことを必須とすることが適当である。1ストレスチェック結果だけをもって就業上の措置を講じることや、2結果を基に保健師、看護師、心理職などによる面接の結果を基に、就業上の措置を講じることは不適当である。この法定外の取組のような位置付けについては、本日後ほど御議論いただきます。

 本人の同意により、事業者に提供された個人のストレスチェック結果については、職場の上司や同僚に共有することは適当ではない。個人のストレスチェック結果の取扱いについては、衛生委員会等で審議した上、事業場でルールを決めておくことが適当であろう。事業場でルール化すべき具体的事項については、後ほど御議論いただきます。

 集団的な結果の活用です。集団的な分析結果については、本人の同意がなくても、事業者が把握することは可能であるとすることが適当である。ただ、少人数である場合は、個人が特定されるおそれがありますので、集団分析の単位が 10 人を下回る場合は、労働者の同意なく把握してはならないものとすることが適当である。派遣の場合については、派遣労働者の同意がなくても、派遣先の事業者が集団的な分析結果を把握できるとすることが適当である。集団的な分析結果については、事業場内で制限なく共有することは適当ではない。集団的な分析の方法であるとか、分析結果の取扱いなどについては、衛生委員会等で審議した上で、あらかじめ事業場のほうでルールを決め、労働者に事前に周知しておくことが適当である。

 派遣については、資料 4 の表側にイメージが書いてあります。個人のやり取りとしては、派遣元事業者が派遣先事業者と委託契約を結び、派遣先の産業医、あるいは医師が、派遣労働者に対してストレスチェックを行う。その結果については、派遣元の産業医を通じて派遣元の事業者に提供される。結果の保存については、派遣先の産業医、実施者が保存するという流れです。

 集団分析のやり取りについては、派遣元が契約を派遣先と結び、ストレスチェックの実施を、実施者である派遣先の産業医に指示をする。ストレスチェックを行い、集団分析の結果については、派遣先の事業者、それから派遣元に対しては産業医を通じて結果を報告していく。このような流れのイメージではないかと考えております。

○相澤座長 前回の御議論をまとめていただきました。資料 4 も分かりやすく作っていただきました。資料 1 について御意見がありましたらお願いいたします。「全体を通じての意見」という所で何かありますか。

○岡田委員  1 点確認したいことがあります。派遣元と派遣先の関係で、説明のあった派遣元の事業者が派遣先に依頼して、万が一、派遣先には同意するけれども、派遣元に情報提供は同意しないといった場合に、派遣先が全て責任を負うことになってしまったら、派遣元にはその情報は来ないということになってしまいます。その場合は、過重労働定期健康診断等も含め、派遣先が全て派遣労働者の健康上の責任を負うという考え方でよろしいのですか。

 本来、労働契約上は労働者に対する健康管理責任は派遣元が持っていますし、指揮命令権は派遣先が持っているので、ここに乖離現象が起こっています。もともと健康診断の結果で異常があったとき、心身症等があった場合には、身体の異常も含めてストレスチェックを行うというのが、平成 22 年の委員会で議論されました。身体の病気も見ましょうということが議論されています。これだと、ストレスチェックだけ単独で見ることに関しては、当初の実効性のある、効果性のある、若しくは働いている方に非常に有効なストレスチェックとする場合には、若干疑問が残るように思うのです。この点についてはいかがでしょうか。

○産業保健支援室長補佐 この絵が誤解を生んでしまうのかもしれないのですが、派遣元から派遣先に委託できるのは、ストレスチェックの実務だけです。法律上の権限が派遣先に移るわけではありません。法律上の責任というのは、ストレスチェックの実施、それから面接指導もそうですけれども、派遣元にあります。業務を委託したからといって、その責任が派遣先に行くという理解ではないと思っています。これは、たまたま派遣先に行くのでそう見えてしまうのですけれども、例えば外部の健診機関に委託した場合にも、別に責任がそこに行くわけではありません。今回の整理をもって、派遣先が全て責任を負うということではないと理解しています。

○岡田委員 資料 4 の上のほうに、産業医のストレスチェック実施、結果保存と書いてありますが、5の所で、同意が得られた労働者の分のみ派遣元の産業医に情報提供するということになると、派遣元の産業医は、派遣先の産業医から、本人が同意しない場合は得られないということですね。もしこの派遣先が替わった場合に、前の派遣先でどうであったかという情報は全く得ずして、トレンドを見ずして、このストレスチェックを評価することになるということでよろしいのですね。ということは、有効的なことができるのかというと、若干私は疑問が残るように思うのですけれども、その辺りはどう処理したらいいのかと考えています。それは、このシェーマからすると仕方がないということでよろしいのでしょうか。

○産業保健支援室長 そこは、派遣元の産業医と派遣先の産業医が共同で行う、あるいは派遣先の産業医が同意を得るときに、派遣元の産業医には結果を渡していいですかという同意を得るというようなことかと思います。

○岡田委員 両方共有できるということですか。

○産業保健支援室長 共有するために共同実施にする、あるいは同意を取るときに、事業者には伝えないけれども、お宅の派遣元の産業医には伝えますということで同意を得る、という方法かと思います。

○岡田委員 拒否された場合はどうなりますか。

○産業保健支援室長 その場合はどうしようもないです。

○岡田委員 分かりました。

○相澤座長 資料 1 の「ストレスチェックについて」という所で、受検の有無の確認。

○増田委員  2 ページの「同意取得方法」の所です。前回は1から5まであったと思いますが、今は1から3です。今回の資料の「全体を通じての意見」の所に出させていただいたように、既に先進的な取組として実施しているのに、この同意の取得方法を突き付けられると、かなり足枷になるのではないかと思います。その辺りは整合性の取れる同意の取得方法を勘案していただけないかということが 1 つです。

 もう 1 つは各論になるのですが、2「ストレスチェック実施後 ( 結果通知後 ) に、面接指導の対象者について、個々人ごとに同意の有無を確認する方法」という所で、面接指導の対象者については、事業者は把握していないはずだと思いますので、これは実施者が同意取得を行うことになると思います。その辺りは法的な問題にはならないか。それで構わないのであれば、実施者向けに同意取得の留意点を示しておかないと混乱が出てくるのではないか、という点をお尋ねします。

○相澤座長  2 ページの (3) のインフォームド・コンセントの取り方の2の所ですね。

○増田委員 今後これに沿って同意を取得するとなると、既に高い回答率で実施できている実施率が大幅に下がってしまう弊害が出てくるのではないかと思うのです。そういう懸念です。

○砂押委員 それはどういう場合か、具体的におっしゃっていただいたほうがいいと思います。

○増田委員 これまで、それぞれの企業の産業医や保健師でストレスチェックのような取組を既に行っていて、特段の同意も取らずに実施していて、それで結果提供ということで運用されている企業があると聞いています。それらの企業に対してはかなりの足枷を課すことになるのではないか。極端な話、その取組をやめなければいけなくなるとか、そのような懸念です。

○三柴委員 前回も申し上げたことなのですけれども、ここでの同意取得方法が比較的厳しく設定されている背景は、要するに、ストレスチェックを安心して受検者に受けていいただくために、既に成立した法律上も、その結果は同意なき限り事業者に行かない定めになっていることによるわけです。そこを、あえて同意によって情報が渡るようにするという以上は、一定の厳しい制約が必要だろうということで、こうした議論のまとめにつながっているということです。

 もう 1 点お尋ねのあった2については、面接指導の対象者というのは、受検者が事業者に面接指導を申し出るということを通じて事業者が把握できる前提になっているはずなので、その時点では、事業者側は既に知っているはずという答えになるように思いますが、お尋ねの趣旨について私に誤解があったらお詫び申し上げます。

○産業保健支援室長補佐 2の所で増田委員がお尋ねになりたかったのは、申出が出る前に同意を取るには事業者はできないということだと思うのです。事務局から補足させていただきます。その同意を誰が取るかというところは、前回きちんと整理はしていませんでした。2のような場合には、増田委員がおっしゃるとおり、実施者しか、誰が高ストレスかというのは把握していませんので、事業者から実施者に同意を取るという行為をすることを指示するなり、委託するなりして、実際に同意を取る行為をするのは実施者になるのではないかと理解しています。

 三柴先生からおっしゃっていただいたことの補足ですが、前回の御議論の中で、ストレスチェックの結果だけで何か措置をすることにはつながりませんという議論に全体がなっていたと思います。ストレスチェックの結果だけで、全て事業者にその情報を渡すことの合理性はないのではないかという議論もあったと思います。そういう意味で、ストレスチェックを実施する前とか、実施と同時に全員分の同意を取ることの合理性はないのではないかという御議論もあったと理解しております。その点でも、同意のタイミングは事後でいいのではないかというまとめになったのではないかと。

○相澤座長 増田先生よろしいですか。今までやっている所は、前にやっているとかそういうことなのですかね。

○増田委員 弊社では、そのような先進的な取組には至っていないのですが、このストレスチェックの話が出始めて、あらかじめ会社側に結果を知らせてはいけないということで、それまでやっていたメンタルヘルスとかストレスチェックのような取組をあらかじめやめてしまった事業場の例を耳にしたことがありましたのでお尋ねしました。

○産業保健支援室長補佐 先進的な取組というところの意味なのですが、産業医自身がストレスチェックをやっている場合は、産業医は全部情報を持っていると思うのです。それを事業者に渡すか渡さないかというところの議論だと思います。事業者に渡せないから全て意味がないということでもないのかと理解しています。

○岡田委員 恐らく今おっしゃられたとおりで、実際に健診の場で産業医が従業員のストレスチェックの結果を見て、その結果、就業上の措置の必要があるといった場合に、事業主に産業医が本人の同意を得て申し出る。それで意見書を書いて、上司を呼んで、あなたはこのストレスの状況で労働時間を短縮する、ということであれば余り問題ないと思います。先生がおっしゃられたのは、先進的な企業であったとしても、今までこういうことがなされていなければ、やはり個人情報管理が甘いと言わざるを得ないのではないかと思うのです。この法律の制度化に伴って、個人情報管理についてはきちっと整備し直す 1 つのチャンスではないかと思いますので、改めて、働いている方に、こういう法律が決まったので、こういう同意の取り方をしますということでコンセンサスを得た上で、実施すべきではないかと思うのですが、いかがでしょうか。

○増田委員 はい。承知しました。

○相澤座長 ほかのことについてはいかがでしょうか。

○上野委員  1 点質問します。前回欠席しましたので、既に議論済みだったら申し訳ありません。 4 ページの一番最後に、「集団的な結果の活用」ということで、分析の単位が 10 人を下回る場合は、同意なく把握可能と書いてあります。統計的にこれを下回ると個人を推定してしまうとか何か議論があるのかどうか。質問の趣旨は、私の承知する限り、一般的に企業の課長が把握している部下の数は、 10 人より少ない会社が非常に多いのではないかと思うのです。もし 10 人なら 10 人で、何か合理的な理由があればいいと思うのです。

○産業保健支援室長補佐 この 10 人は、前回エビデンスを示したわけではないのですけれども、今までに一番行われている 57 項目による職業性ストレス簡易調査票では、かなり数をやってデータを蓄積してきています。その中のルールとしては、最低限 10 人以上にしましょうとなっています。そこは、科学的に根拠があってなのか、それとも経験的なのかは確認しなければいけないのですけれども、一応それを参考に、前回川上委員が御発言されたのですが、それを運用させていただきました。

○黒木委員 これは、開示する場合ですよね。開示するとか、分析する場合に、また開示する場合はまた別個ということでいいのですね。 10 人というのは、あるいはそれ以上少なくなると、非常に特定される危険性があるので、最低限 10 人ぐらいで見るのが適当だろうという川上先生の意見でした。例えば、これを全体的な資料として開示するという場合に、 10 人以上は最低限必要と。

○労働衛生課長 開示というのは示すということですね。

○黒木委員 それは、企業にということです。企業内。

○高松委員 前回、私も川上先生の意見に賛同させていただきました。事業者が集団的な結果を把握する単位は、上野委員がおっしゃったように、職場の単位というで 10 人未満の所もかなりの件数ありますので、集団的な分析結果が 10 人未満の事業場で取られるのが当然です。その中で分析が実施され、小さな単位で分析した結果を使用者側に回すと、いろいろ細かい状況が見えすぎてしまうこともあります。結果を事業者に渡す限りにおいては、 10 人以上にされるべきということです。実施者がストレスチェック結果を把握するレベルでは、一つ一つの職場単位で 3 人とか 4 人の所も当然あるわけですから、そういう意味で黒木先生はおっしゃられたのだと思います。そのように理解しております。

○道永委員  3 ページで、「実施者から事業者への結果の提供方法」の 3 つ目の○です。「外部機関から、事業者ではなく当該産業保健スタッフだけに個人のストレスチェックの結果を提供する際にも、本人の同意を必須とすることが適当」と書いてあります。外部委託しても、その結果を産業保健スタッフは知るべきだと思います。その際には、本人の同意は要らないのではないかと思うのです。その企業の産業保健スタッフがその結果を知って、そこから次の段階、事業者に知らせる必要があるときには、本人の同意が必要であるというのは必要だと思うのですが、いかがなものでしょうか。

○相澤座長 これは、かなり大事なことだと思いますが、いかがでしょうか。

○黒木委員 実際にやっている所では見る人は限られていて、産業保健スタッフだけになります。その人たちは全部見るわけです。そうすると、誰がストレスであるかも当然分かるわけですから、それを面接指導に持っていくときに、本人の同意はもちろん必要です。見るのは、先生がおっしゃったように見られてもいいのではないかという気はします。

○相澤座長 共同実施はそうしたほうがいいわけですけれども、それができない場合はどうするかということです。

○産業保健支援室長補佐 ここをこのように整理させていただいた理由は、産業保健スタッフというのは、委託元にいる方なのですが、委託契約というのは、委託元の事業者と委託先の外部機関とで結んでいると思うのです。産業保健スタッフというのは、別に委託を実施した人ではないので、第三者に当たるのではないか。ここで産業保健スタッフはいいとすると、産業保健スタッフだけをよしとする理屈が法的に立つのかなというのがあります。委託を実施した行為者である事業者でない人に、外部機関は渡せますという整理になってしまうので、そこは本人の同意というのを 1 つ噛ませる必要があるのではないかという理解で、そういう整理をしました。

○黒木委員 そうすると、実施者が企業の中だった場合はどうですか。企業の中でやる場合、産業医が実施者になる。

○労働衛生課長 これは、外部機関に委託をして、しかもその委託元と共同実施の形でない場合についての議論です。

○黒木委員 そうすると、差が出るような感じがするのです。

○三柴委員 共同実施の場合であれば、そもそも実施の時点で、企業内の産業保健スタッフに情報を渡しますというところも同意を取ることになると思うのです。窓口になる場合も、結局同様の手続が初期に取られると思うので、運用上そう問題は生じないのではないかと思います。

○高松委員 この点については、事務局がおっしゃったとおりだと理解しています。そういうことであればできる限り内部の産業医とか産業保健スタッフが絡んだ共同という形で実施するのがいいのではないか、という議論で前回は終わっていますので、ここは本人の同意を噛ませておくべきと思います。

○三柴委員 追加で申しますと、もともと今回のストレス検査の実施者と、企業内部の産業保健スタッフの関係をどう考えるかという大きなテーマがあります。ここについては、なるべく密接な関係を担保するほうが、少なくとも実務上いいのではないかと考えています。もっとも、産業保健スタッフが共同実施者とならず、事業者が本人同意のもとに外部の実施者から結果情報を入手して産業保健スタッフにわたすわけでもない場合、法的には、実施者が検査の一環で面談を実施して自傷他害などの切迫したリスクを立体的に認識しているなどの例外的な場合を除き、本人同意なく情報の授受はできないことになります。

○産業保健支援室長補佐 道永先生がおっしゃる趣旨は非常によく分かります。分かるのですが、ここを同意なくよしとすると、産業保健スタッフがこのストレスチェックに積極的に絡むインセンティブがなくなるかという気持ちもあって、共同実施になるなり、実施を手伝うなりにして、ストレスチェックを外部と一緒にやりますという形にしていただいて、その結果情報も知れるという形に持っていったほうがいいのかという議論もあったと思います。そういうこともあって、そうでない場合は一応ストップするという方法なのかと理解しています。

○道永委員 派遣元事業者と派遣先事業者のところで、お互いの産業医が情報を共有するということがありました。もちろん外部委託に出しっぱなしというのは非常に危惧されるので、その情報を産業医がちゃんともらうことを前提として、企業全体がそのように考えてくだされば全く問題ないです。

○岡田委員  100 人以上の派遣元の会社があって、 20 人の会社にストレスチェックを委託するということはないということですか。産業医がいないということは。 50 人未満の事業所はしなくてもいいことになりますけれども、本体が 200 人も 300 人もいる派遣会社であって、派遣先が 20 人ぐらいだとすると、そこに委託すると、そこはしなくていいと。その情報を収集しなくてもいいということになってしまうのですか。

○産業保健支援室長補佐 派遣会社は、自分の派遣労働者と雇用契約を結ぶわけです。それが 50 人を超えていれば、派遣先に何人派遣していようが実施義務はあります。

○岡田委員 そうですね。派遣先の事業所に委託した場合、私の所は 50 人未満ですからしませんと。

○産業保健支援室長補佐 その場合は、多分委託できないので、自分でやってくださいと。

○岡田委員 自分の所でやるわけですね。その場合は自社で呼んでやるわけですね。

○産業保健支援室長補佐 そういうことです。

○相澤座長 ほかにいかがですか。よろしいですか。

 次に資料 2 の議論で、前回論点として残った事項について議論をお願いしたいと思います。一つ一つ議論をしたいと思いますので、事務局のほうから「人事権を有する者の定義について」の説明をお願いします。

○産業保健支援室長 それでは資料 2 で、「引き続き整理が必要な事項」ということで提案しています。 1 つ目の「人事権を有する者の定義について」です。実施者となれない者の具体的な範囲は、「人事権を有する者」で良いかどうかです。この場合の「人事権を有する者」については、具体的には、「ストレスチェックの受検者となり得る労働者について、解雇、昇進又は異動等に関して直接の権限を持つ監督的地位にある者」としてはどうかという提案です。参考に、労働組合法が書いてありますが、その辺りの中身を参考としたものです。

 ストレスチェックの実施者と並び、ストレスチェックの実施の事務に携わる者です。個人の調査票のデータ入力、結果の出力事務などをしてもらう方々です。会社の人員体制等、いろいろな状況によっては、人事担当の部署の従業員が携わる可能性も考えられます。そういった方については、安全衛生法の第 104 条の規定で守秘義務が課されており、実施の事務に携わることで知り得た情報を他者 ( 所属部署の上司を含む。 ) 、例えば人事部の係長でしたら、人事部長にそういったことを漏らしてはならないということで、個人情報の厳格な管理が必要であること、あくまでも実施者の指示のもとでストレスチェックの実施に携わるものであり、所属部署の指揮命令を受けて行うものではないという趣旨を十分に周知しておくことが必要ではないかということで書いています。以上でございます。

○相澤座長 これは前回少し議論しましたが、特に病院の理事長・院長、そういった方のことも入っていますが、いかがでしょうか。人事権を有する者の定義についてです。

○高松委員 実施者についてもこれでよろしいと思いますし、事務についてもかなり実務に即して書いていただいたので、これでよろしいかと思います。

○相澤座長 ほかにいかがですか。

○増田委員 おおむねこれでいいと思いますが、 2 つ目の○の所で、「実施者の指示のもとでストレスチェックの実施の事務に携わる」という件がありますが、ストレスチェックを外部機関に委託している場合、業務委託先から指示を受けると読み取れて、少し違和感がありますので、ここは表現をもう少し練ったほうがいいのではないかと思いました。

○相澤座長 実施者の指示のもとでストレスチェックの実施の事務に携わる者。外部機関の場合ですね。

○産業保健支援室長補佐 ちょっと逆に質問します。外部機関に委託している場合に、事務を自社でやることは想定されますか。事務も一緒に委託するイメージを持っていましたが。

○増田委員 受検者個人への結果返却作業等、そういうことを思ったのですが。実施者との連携の範囲でです。

○産業保健支援室長補佐 表現は少し考えます。

○相澤座長 ほかにはいかがですか。

○三柴委員 ここで「実施者の指示」との表現が用いられてる背景ですが、確か後のほうで、実施事務従事者が実施者の意図を離れて、独自に行動するような場合に規制を掛ける趣旨の文章があって、そこと繋がっていたように記憶していまして、表現の修正が齟齬を来さなければよいがと思案しておりました。

○相澤座長 そうですね。ほかにはよろしいですか。

 次に、 2 番の「ストレスチェックに係る情報の取扱いに関する事業場内ルールの策定等について」、お願いします。

○産業保健支援室長 事業場内ルールの策定については、例えば以下のような項目について、衛生委員会で審議した上で策定することが考えられるのではないかということです。 10 項目ほど例示させていただきました。1ストレスチェック実施の目的。2実施体制。この中には実施者、実施の事務に携わる者の明示等も含まれると思います。3実施方法。調査票、判定基準・判定方法を含みます。4集団的な分析の方法。どういった集団で分析を行うかということです。5ストレスチェックを個々人が受けたかどうかの情報の取扱い。事業者による把握、受検勧奨といった内容です。6結果及び集団的な分析結果の利用方法。どのように面接指導につなげるか、あるいは集団分析結果についてはどのように活用するかといった内容です。7個人結果の保存方法。誰がどこにどのぐらいの期間保存し、セキュリティはどこで確保されているかといった内容です。8事業者への結果の提供に当たっての同意取得方法。9実施者又は事業者による情報の開示、訂正、追加又は削除の方法。 10 苦情処理の方法。このようなことが考えられるのではないかということです。

2 つ目として苦情処理については、留意事項にもありますが、必要に応じて産業保健スタッフとの連携を図ることができる体制を整備しておくことが望ましいという整理でよいかということです。以上です。

○相澤座長 情報の取扱いのルールの策定等についての議論ですが、いかがですか。

○増田委員 細かいところですが、 1 つ目の○の2に「ストレスチェックの実施体制 ( 実施者及び実施の事務に携わる者の明示 ) 」とありますが、ここでは共同実施者も含まれたほうがいいのではないかと思いました。

2 つ目の○の苦情処理の所ですが、主語は事業者ですよね。事業者と産業保健スタッフと連携を図ることができる体制ということだと思いますが、外部機関に委託する場合は、外部機関にも対応窓口を設置させる。特に産業保健スタッフが共同実施者でない場合は必要ではないかと思います。以上です。

○相澤座長  2 点ほどありましたが、共同実施者も入れるかどうかです。それについて何か。

○砂押委員 多分、社内の苦情窓口を利用することになるのかと思いますが、会社の中にはセクハラであるとか、内部告発であるとか、そういった事柄についての苦情処理をする窓口があるとは思いますが、やはり開示や訂正とかになって来ますと、情報に関わる従業員が出てくる可能性があると思います。これら情報は、非常に機微な情報で、他の情報等よりも問題が生じる可能性が高く、また、 104 条の実施事務に携わった人たちには、刑事罰をバックとした守秘義務が課されていることと平仄を合わせる観点から考えますと、やはりここでの事務に関わる人にも、他の情報以上に守秘義務を課すなり、そのあたりをもう少し明確にしたほうがよいのではないかと思いました。いかがでしょうか。

○相澤座長 もう少し厳しくきちんと書いたほうがいいということですかね。ルールを決める際の、それも加えたほうがいいということですね。いかがですか、高松委員。

○高松委員 私も、おおむねこれでいいと思っています。今出されたご意見に関しては、やはり不利益取扱いの禁止やプライバシーの保護という視点は通低であるという確認がされていますし、前段の人事権の所でも、 104 条が事務取扱者にも影響を及ぼすという話が出ています。

 さらには、 10 の所で苦情の処理方法等についても、窓口も含めて、しっかりここに書き込むということが示されているので、おおむねこれでカバーできているのではないかという思いがありますので、私はこれで賛成です。

○岡田委員 苦情については、委託事業主が委託先に委託をするわけですから、これは誰に対して苦情を申し出るのかという体制については、これはどうなのでしょうか。委託先、若しくは事業主に対してクレームを言う。そこで産業保健スタッフにクレームを言われたとしても、共同実施者としてはそうかも分かりませんが、産業保健スタッフは、事業主に雇用されている職員であるので、ここに苦情を言うのは、制度的な問題に関しては、事業主、若しくは委託先が苦情を受けるべきところではないかと思います。産業保健スタッフは、あえて従業員から、このストレスチェックに異議ありとか問題があると言われても、若干困るかと思います。そういう意味でいかがですか。

○産業保健支援室長補佐 ここに書いた趣旨は、産業保健スタッフが苦情を受けるべきというよりは、苦情処理体制というのは、まず苦情処理の窓口を決めると思うのです。それが社内であれ外部機関であれ、あると思いますが、その苦情を受けた対応について、産業保健スタッフが社内の産業保健の状況はよく分かっていると思いますので、そのときにうまく連携してくださいねという、そういう趣旨です。

○岡田委員 これを読むと、表に立たないといけないのかと思いましたので。すみません。

○産業保健支援室長補佐 はい。

○相澤委員 相談を受けるときですね。先ほど増田委員のは、外部に委託した場合に苦情を受けるのはどこかということもはっきりしたほうがいいということですかね。それはどうですか。

○産業保健支援室長補佐 そこはどこにというように明示するというより、そこもきちんと決めていただいて、外部で受ける場合は外部ですということを決めておいていただくということかと思います。

○相澤座長 ほかにいかがですか。よろしいですか。

 それでは 3 番目の「面接指導実施前の面談等の位置付け、結果の取扱いについて」に移ります。御説明をお願いします。

○産業保健支援室長  3 番目の面談の位置付けですが、法令上の位置付けとしてどうかということです。ストレスチェックの数値評価結果が出た後に行われる医師、保健師、看護師、心理職等による面接のうち、今回の安全衛生法に基づく医師による面接指導の対象とすべきかどうかの評価のために行われるものについては、法的にはストレスチェックの一部として位置付けられるのではないかということです。この場合において、面談等を実施する者がストレスチェックの実施者でない場合は、実施者の監督の下に実施しなければならない、ということにすべきではないかという論点です。

 事業者への結果の提供ですが、先ほど言いました位置付けによる面談については、ストレスチェックの一部となることから、その結果については、本人の同意なく事業者に提供することはできないという整理になるのではないかということです。以上です。

○相澤座長 ストレスチェックの後の面接指導ですが、御意見はありませんでしょうか。

○増田委員 法に基づく医師による面接指導の対象とすべきかどうかの評価のために行う面談というのは、まずあり得ないのではないかと思います。例えばストレスチェックを受けた後に従業員が心身不調を訴えて、医師や保健師が対応した場合に、わざわざストレスチェックの面接指導の枠組みに乗せて対応するのではなくて、これまでの 4 つのケアとか、あるいは普通の受診勧奨とかで対応しますので、面接指導の対象とすべきかどうかという位置付けで、産業保健スタッフが面談対応することは、まずあり得ないのではないかと思うのですが。

○黒木委員 結果の通知の所ですよね。結果を通知するというか、そこで面談をするわけではなくて、高ストレス者に対しての面談。

○増田委員 これは、そもそもシチュエーションがちょっと分からなかったので、そこも含めて確認させていただければと思います。

○産業保健支援室長 今でも企業で行われているとお伺いしたのですが、ストレスチェックをして高ストレス者が出ると、その方に対して、まずは保健師とか看護師とか、そういう方が面談を行い、それで産業医の方につなげていくというようなことをやっていらっしゃいますので、そういった場面で、ストレスチェックを行った後の面談をどう位置付けるかということです。

○増田委員 ここに出てきている医師、保健師、看護師、心理職等による面談というのは、全てストレスチェックの実施者(有資格者)による面談という想定でしょうか。

 

○産業保健支援室長 そうですね、医師につなぐための確認といいますか、そういった面談ということです。心理職の方は、実施者には今のところなれないということですので、実施者の監督の下ということになろうかと思いますが、いずれにしても実施者の中です。

○黒木委員 高ストレス者の面談というか、例えば保健師あるいは心理職の面談ということですよね。だからある一定の、例えば基準とか構造化面接とか、そういったものを用いて、それで大体これは高ストレスでうつの傾向があるとか、あるいは、かなりストレスが掛かっているという段階から今度は医師につなぐということで、私は問題ないと思います。

○相澤座長 ほかに御意見はありませんでしょうか。

○岡田委員 もしこれ、法令上の位置付けとするとなってくると、以前にストレスチェックについてはペーパーベースでもいいと、一応意見が出ていました。ペーパーベースでも構いませんと。そこでハイストレスの人については、自動的に計算的に数字が出れば医師の面接指導に結びつけるというシェーマが、前に、確か Q A か何かで出ていたと思うのです。そうすると、それ以外にストレスチェックで数値が、例えばボーダーラインであるといった場合に、例えば保健師さんがそこに介入していって、やはりこれは高いですよということを、一旦そこでワンクッション置いて、産業医にフィードバックして、この人は最終的には医師による面接指導対象者ですよという、また別のルートができるという、精神的な寄与というのは私の以前の会社もやっていましたけれども、そういうことですか。そういう位置付けでよろしいのですか。それを法的な位置付けとすると。

○産業保健支援室長 いろいろなパターンがあると思うのですが、紙だけで、数値だけで切って、この方は面接指導の対象にしようというときもあると思いますし、数値だけではなくて、保健指導なり面談をした後、医師につなぐという、いろいろなパターンがあろうかと思います。紙だけでやっては駄目とか、そういうことにはならないと思います。

○岡田委員 以前から出ていたシェーマの中にワンクッション入ってくるという可能性ですね。

○産業保健支援室長 そのようなこともあり得ると。

○岡田委員 可能性としてあると。恐らく EAP さんでしたら、そういうワンクッション置く可能性は非常に強いかとは思うのですが、そういう可能性がここで示されているということでよろしいのですね。

○産業保健支援室長 そうですね。○岡田委員 はい、分かりました。

○増田委員 そうすると、ここで出てくる面談が実施者が実施するものということであれば、この後段の所はどういうことになるのでしょうか。実施者が行う面談というのであれば、後段で実施者でない場合が出てくるというのは、ちょっとおかしいのではないかと思ったのですが。実施者ではない者がストレスチェックの一部を実施するということについて、どのように捉えたらいいのか確認させてください。

○産業保健支援室長 今のところ、実施者となれるのが、医師、保健師、それから省令の中で看護師、精神保健福祉士となっていますので、それ以外の方は実施者にはなれないわけです。ですから、実施者の監督の下に実施するということがあり得るということだと思います。

○増田委員 後半のその場合において、ここで出てくる面談については、医師、保健師、看護師、精神保健福祉士以外の者が行う面談ということを想定していらっしゃるのですか。

○産業保健支援室長 そういったパターンもあり得るという想定です。

○黒木委員 具体的にはどういうことですか。

○産業保健支援室長補佐 例えば、実施者が産業医ですと。一応その産業医が実施者ですけれども、最終的に自分が直接面談をするかどうかを決めてもらうために、まず、自分の配下にいる心理職の方に 1 回会ってもらおうということがあると思います。その会ってもらうということは、実施者である産業医の指揮の下に行われていると思いますので、そういう場合を想定して後段を書いていると、そういう趣旨です。

○三柴委員 ちょっと整理をさせていただきますと、要は、ストレス検査に類似する面談が 3 パターンあると思うのです。1つ目は、まさにストレス検査の一環として、人が絡んで面談をする場合、それから、例えば法定の検診の枠内で問診を行う場合です。その他、任意に保健指導等の一環として面談を行う場合があり得ると思います。

 ここに書かれていることは、ストレス検査の枠内がどこまでを指すのかを明示したいという趣旨かと思います。たとえば情報管理についても、ストレス検査の一環としての面談の結果であれば、本人同意がなかったら事業者に結果を伝えてはいけないことになります。これが問診だと、健診結果ですから事業者にいく、というような違いが出て来ます。その前提で、ここでは、面接指導の対象にする趣旨で行われるものであれば、ストレス検査の一環ですと明示しようとしているのだと思います。それは実施者本人か、法的にはその人が行ったことになる、その指示を受けた人によって行われるものだと、こういう理解になると思うのですが、いかがでしょうか。

○高松委員 増田委員がおっしゃった点は、考え方をはっきりとさせていかないと、この解釈が間違うとまずいと思うのですね。そういう意味では、 1 回目の参考資料 1 で、ストレスチェック制度の流れのポンチ絵を頂いていますけれど、この中の話でおっしゃっていらっしゃるのか、それ以外のことを今話されているのかを、示していただいたほうが間違いがないと思います。三柴先生がおっしゃった 1 つ目の枠の中の話からずれると、これは余り意味がない話になってしまうので、 1 つ目の話のどこをここで指しているかだけ、一度共有化させていただいたほうが話が進むような気がするのですけど。

○相澤座長 参考資料 1 のポンチ絵ですね。この図に「相談指導」というのが。

○産業保健支援室長補佐 ここは今回、絵を用意してくればもう少しスムーズに議論が進んだかと思うのですが、今議論しているのが参考資料 1 の一番左の一番大きい四角があると思います。「医師、保健師等がストレスチェックを実施」。この中の議論ですので、この中で面接を行うかどうかいう位置付けで話をしていると御理解いただければと思います。

 下に出ている「相談指導」というのはちょっと別で、先ほど増田先生がおっしゃったように、全然別の、通常の産業保健活動として一般的な相談に乗るというのはこの下になります。今議論させていただいているのは、このストレスチェックを実施という四角の中での議論になります。

○高松委員 医師、保健師が産業医であるか外部であるかというのはまた別の議論で、今はその話だということですね。そうすると、ストレスチェックを実施した者が必ずしもこの中の同一人物ではない場合が出てくるので、それを後に記したということですね。

○黒木委員 外部機関が実施者の場合も、一応これでよろしいということですね。外部機関で、例えば検診機関とかで、医師が高ストレス者に面談をつなぐという場合も同じように考えていいと。

○岡田委員 私が理解しているのは、例えば看護師さんとか精神保健福祉士さんが、まだ省令に基づく研修を受けていない段階の場合はこれになるのですよね。

○産業保健支援室長補佐 そうです。

○岡田委員 ですよね。私はそう解釈したのですが、そうではなかったのですね。もっとほかの、国が定める方以外でも、医師の、いわゆる実施者 ( 産業医 ) の指導の下では、そういう方がここに入れるという意味なのですね。

○産業保健支援室長補佐 ここの面談をできる人を、のべつ幕無しに誰でもいいですよという趣旨ではないのですが、心理職の方がよくやっていらっしゃる例がありますので、そこまで読めるような形にするという趣旨なのですが、先生方の御意見を踏まえ、事務局で検討したいと思います。

○相澤座長 いかがですか、ほかによろしいでしょうか。

 それでは、次の問題点は 4 番目の「ストレスチェック結果の保存義務期間について」、御説明をお願いいたします。

○産業保健支援室長  4 番目の保存期間の件です。保存期間については以下のような整理でよいかということで、まず、ストレスチェックの実施状況の件です。これについては次回に、どういった項目について保存義務を課すべきか、というような論点を出させていただきたいと思いますので、次回に行うことにさせていただければと思っています。

 個人の実施結果については、 5 年でどうかということです。集団的な分析結果についても 5 年でどうかということです。

 参考として 3 ページ目ですが、既存の枠組みの中で健診の個人票、それから長時間労働者に対する面接指導の結果といったものを 5 年ということですので、その並びを取りまして 5 年でどうかということです。以上です。

○相澤座長 ストレスチェック結果の保存期間ですが、いかがでしょうか。問題ないでしょうか。

 それでは次に、 5 番の「産業医の責任の在り方について」です。

○産業保健支援室長 産業医の責任の在り方ですが、前回、川上先生から御提案があり、論点に加えたところです。これまでについては、労働者の健康情報について産業医と事業者の間で共有することに関しては、法令上の制限はありませんでした。ただ、今回のストレスチェック制度において、産業医がストレスチェックの実施者となって、受検した労働者が事業者への結果の提供に同意しなかった場合については、ストレスチェックの結果が産業医と事業者の間で共有することができなくなります。これまでと異なる関係が生じ得るということになります。この辺り、産業医の責任については、次のような整理ができるのではないかということで、提案をさせていただいています。

 まず 1 つ目、ストレスチェックの結果については、本人の同意がない限りは実施者 ( 産業医 ) にとどまるということで、事業者には提供されないということに関しては、労働安全性法の規定によるところであり、労働者の同意を得られずに、産業医が知っているストレスチェックの結果が事業者に伝わらなくて、その結果、就業上の措置が講じられなかったということになっても、産業医個人の責任が問われるような性格のものではないのではないかと提案させていただいています。

 それから、ストレスチェックの数値評価の結果が出た後に、医師による面接指導の対象とすべきかどうか、こういったことを評価するための面談を産業医が実施して、その面談において、自傷他害のおそれがあるなど、労働者の生命や身体に対する危難が認められるために、事業者に対して情報を提供し、必要な就業上の措置を取らざるを得ないと産業医が判断した場合には、本人の同意なく、事業者にストレスチェックの結果や面談の結果を提供してもその責任は問われない場合もあるものと考えられます。その場合も事業者の提供する情報は、緊急対応が必要な旨及び取るべき就業上の措置にとどめ、具体的な病名、愁訴の内容などの詳細な医学的情報は提供しないことが望ましいのではないか、ということで書かせていただきました。

 なお、面接指導につながった場合、面接指導の情報については、事業者と共有できると、同意とかそういうことには法令上なっていませんので申し添えます。以上です。

○相澤座長 産業医の責任の在り方についてですが、いかがでしょうか。

○岡田委員 まず第 1 点は、ハイストレスということが分かっていながら、産業医はその情報を事業主に提供できない場合、医師としての責任で、明らかにメンタルヘルス措置を疑われるにもかかわらず放置するということはあり得ないのであって、労働安全衛生法の枠外において、外部の医療機関に紹介状を書くなり、現状を対応するための不作為行為等を予防するための対応はやはりするべきではないかなと。それは自然に医師としてやるべきことであると思いますので、責任は産業医としては問われないですけれど、医師としてのモラルの問題が今度生じてきますので、その時点では紹介状を書いて、外部の医療機関に対して紹介状を発行すべき義務が発生するのではないかと、まず考えますけれども、それはいかがでしょうか。全く放置していいというわけにはいかないのではないかと思います。

○黒木委員 事業者には提供しないけれども、医師として高ストレスで、これは精神鑑定系の疾患の疑いがあるということで、本人に受診勧奨をする、外部の医療機関に受診勧奨をするということですか。

○岡田委員 安全衛生法の枠外での取扱いは、医師としてすべきではないかと思うのですが、いかがでしょうか。

○砂押委員 これはあくまでも、医師が事業者に情報を伝えることができなかったため、結果的に事業者が就業上の措置をとることができなかったとしてもということですので、医師として患者にほかの医療機関を紹介するというようなことは全く妨げられていないのだと思います。ただ、事業者に労働者の情報が伝わらないがために、その人の職場環境を改善できなかったことに対して責任を問われないということで、医師の責任が限定されているということではないでしょうか。

○黒木委員 問われないということですか。

○砂押委員 医師が責任を問われないというのは、就業の措置が講じられなかったことの責任を負わないという点だけでして、患者に対する一般的な医師としての責任はあるわけで、それは、この問題とは別に医師が一般的に負う責任の問題となるのではないでしょうか。

○黒木委員 精神疾患の場合、本人が、例えば自分の状態を認めないとか否認するとかということがあると、これはやはりつないだほうがいいと思っても、本人がなかなか同意しないということが結構あるわけです。なぜ自分が医療機関に行かなければいけないとかいうことも結構あるので、そういう場合は、事業者にはもちろんこの結果は知らせる必要はありませんけれども、家族とか、一応今まで我々がやっているような形で何らかの関わりをするということでよろしいのですか。

○岡田委員 あくまでこれはストレスチェックですから、自分が受診したくない人は、恐らくストレスは掛からないと思うのです。あえて高ストレスと判定されて、産業医がそれを知っていて、受診を勧奨するかどうかという行為をしたかしなかったかということも、私は問われるのではないかなと。明らかに状況が悪いにもかかわらず、一度専門医を受診したらどうですかというコメントは事業主に言わなくても、本人にはやっておかないと、後で、あのときに言われなかったと。明らかに、結果を第三者が見れば、これは非常に危ないと。そのとき産業医はそれを、本人が同意がなかったからといって、事業主が言わないのは分かるのですが、枠外の、いわゆる一般の民間でもいいのですが、病院とかに紹介状を書くとか、全く勧奨しなかったということ自体は、あとあと何か問題が起こるのではないかと思うのですが、いかがですか。

○黒木委員 それはあくまでも面接の結果ということですよね。

○岡田委員 はい。

○三柴委員 まず、紹介状をお書きになるということですけれど、紹介状は、それを使って本人が選択した医療機関なりに行く、医師が紹介した所に行くにしても、要は本人の意思が前提ですよね。だからそれは問題ないのではないかと思いますが、そもそも本人の主治医が判明していて、そこに本人の同意なく情報を渡すような場合には法的に問題が生じ得ます。そうした場合には、刑法第 134 条なり、安衛法 104 条なり、あと、個人情報保護法やプライバシーの法理、こういった法規や法理を勘案して、正に緊急事態である、切迫した危険があって、それを避けるために医師としての専門性と良識に基づいて、これは情報を伝えなければいけないというような、例外的な場合でなければならないということになると思います。

○黒木委員 主治医がいない場合もありますよね。

○三柴委員 主治医がいない場合は、本人が個別の判断で医療機関に行く行かないや行先、紹介状を使うかどうかなどを決めることになるから、原則として情報管理上の問題は生じないだろうと思います。

○岡田委員 もし、事業主が指定する医師を受けたくないという場合は、こちらからストレスチェックの結果が高いので診てもらうという紹介状を発行して、そこで本人が意思をもって受診すればいいわけですよね。だから医師選択の自由がありますから、会社が指定する医師は受けたくないというのであれば、今回のストレスチェックで極めて高度なストレス状況があったので、心療内科の先生なりに紹介して診ていただきたいということであれば、本人が了解するという、そういう行為をするかしないかということは、やはり説得する義務があるのではないでしょうか。要するに、効果的にこのストレスチェックを運用するという視点においてはですね。

○三柴委員 その限りでは問題ないのではないでしょうか。

○岡田委員 そうですね。

○三柴委員 私の理解に誤解がなければ、ここで「面談」という言葉を絡ませてあるのは、紙ベースなりウェブベースのチェックだけでは、必ずしも正確性が担保できないから、人の目、特に医師の面談で状態を判断して、そこで危ないとかそうでないとかいうところを専門的なスクリーニングを行うという趣旨かと思います。その上で、外部の医療機関への受診をお勧めするならするということになると思いますので、特に法的な問題は生じないだろうと思うのです。

○砂押委員 ここのところは、労働安全衛生法上の様々なところに照らして、どこまで義務が発生するかという観点で書いているので、例えば岡田先生がおっしゃったようなケースで、もちろんほかの医療機関を紹介することが望ましいし、受診を説得することが望ましいことはそのとおりだと思いますが、それが、医師として当然法律上の義務として出てくるかというと、必ずしも言いきれないと思いますし、その議論はここで取り扱う問題の範疇を超えていると思いますので、ここは限定的に書いたほうが良いのではないかと思っています。

○岡田委員 この参考資料 1 の中に、「連携」という項が入っていますよね。こういう場合はどういう場合かというと、今のような場合を言うのではないでしょうか。

○砂押委員 それは法定の外の話としてあり得るということですが、ここは法律上の義務を、どういう風に解釈すべきかという議論ですので、そのようにしたほうが望ましいということは、ここには書く問題ではないということになります。

○高松委員 今、私も産業保健支援室長からの説明と同じ話をしようと思っていたのですが、この範疇の中での話としては、産業医の先生に責任が及ばないというところをきちんと書くことが大事であって、モラルとか倫理観とか、その他の部分は、ここで全部語るところではないというように理解しています。

○砂押委員 今までは労働安全衛生法上事業者が労働者の健康情報の全てを把握していましたから、例えば訴訟になった場合でも、事業者が名宛人になるわけですが、今回の制度では実施者として医師も、責任を負う立場として登場してきたわけで、下手すると医師も訴えられる可能性も出てくるわけです。ですから、ここはむしろ医師の免責という観点で、すなわち、医師は確かに刑事罰は免れて罪にはならないでしょうが、民事的には、労働者から、医師自身も事業者も併せてか、あるいは医師自身が訴えられる民事訴訟があり得るわけなので、そういう場合に医師が民事上の責任を負わされるということを免れるという意味ですから、していいのか悪いのかということよりも、ここは法的にはそういう責任はないですよ、訴えられないですよと、そういう意味ではないかと考えます。

○増田委員  1 つ目のポツ、「ストレスチェックの結果は産業医個人の責任が問われるような性格のものではないこと」のところについて確認なのですが、事業者の責任はどうなりますでしょうか。問われないというように理解してよろしいでしょうか。

○相澤座長 いかがでしょうか。

○三柴委員 どういう場合ですか。

○増田委員 ストレスチェックの結果が全く事業者に伝わらなくて何も措置が取れなかった場合に、これで会社に責任が発生すると言われるのだったら、ちょっと厳しいと思うのですが、念のための確認です。

○三柴委員 もちろん産業医と事業者は立場が違うわけですけれども、事業者は的確な情報を労働者から伝えられなければ、その限りで責任が減らされたり、免責されたりという場合が生じると思います。ただ、いろいろな場面でよく申し上げているように、事業者が業務上の過重なストレスを労働者にかけているとか、日頃の労務管理の中で不調、異常を知って当然な前提があるとか、正直に不調を申告できない状況をつくっているといった場合には、免責とか減責という話にはならないので、一律には言えないということになると思います。

○増田委員 分かりました、ありがとうございます。あと 2 番目のポツの、「ストレスチェックの数値評価結果が出た後に、医師による面接指導の対象とすべきかどうかの評価のための面談を産業医が実施し」と、これは医師による面接指導がもうなされたということになるのではないかと思ったのですが、ここで出てくる産業医面談と、何か違いがありますでしょうか。

○産業保健支援室長 これで想定しているのが、申出の前に産業医が会う場合があるということですので、そういったことを想定した記述になります。

○労働衛生課長 少し補足しますと、先ほど岡田先生がおっしゃったことと関連するのですが、法に基づく医師による面接指導というのは、申出があって、事業者に情報を伝えることが前提で始まるわけですが、どうもこれまでの運用を伺っていると、必ずしも最初にそういう宣言をしてから医師が会うわけではなくて、医師による普通の相談指導をしながら、途中から切り替えて、この後の情報は事業者に伝えるよというようなことになっているというケースもあると聞きます。そういう意味では、医師と産業医とあえて書き分けていますけれども、一連の相談のある時点から先が法に基づく医師による面接指導に当たるわけで、その枠組みに入ってしまえば、情報を伝えることについては問題がないわけです。その手前の段階ではどうしましょうかと、そういう設定です。

○増田委員 分かりました。もう 1 点だけすみません。一番最後に、「具体的な病名、愁訴の内容などの詳細な医学的情報は提供しないことが望ましいこと」とあります。これは確かに分かるのですが、緊急性がある場合にこの辺りの情報を伏せると、往々にして事業者に伝わらないのですね。実務上、これは困っていまして、やはり結局、「死にたいと言っています」とか伝えないと、就業上の措置を取ってくれないということが往々にしてあります。資料 3 1 ページ目にも同じような記載がありまして、「 (2) 面接指導の結果の取扱い」で、同じように「具体的な病名、愁訴の内容などの・・・は事業者に提供すべきではない」とあります。こちらはこれでいいと思うのですが、緊急性がある場合は、伝えてはいけないというのは余り書いていただきたくないというのが実務面での意見です。ですので、願わくば「就業上の措置に必要な範囲にとどめることが望ましい」ぐらいの表現にしていただけたらと思います。駄目ならいいです。

○労働衛生課長 ここは実務上、どこまでの提供が許容されるかというのは、多分、その緊迫度によって違うのだろうと思うのですが、ただ、考え方として、余りにも詳細なものを何でも最初から出しますよ、という前提ではいいとは思えないものですから、こうした「望ましい」という形で書かせていただいたほうがいいのかなと、そういうことです。

○増田委員 分かりました。

○相澤座長 ほかにはいかがでしょうか。よろしいですか。

 それでは 5 を終わりまして、本日の新しい論点について、議論をお願いしたいと思います。これも一つ一つ議論をしていきたいと思いますので、事務局からまず、「面接指導の申出に係る情報の取扱い」について御説明をお願いいたします。

○産業保健支援室長 本日の論点の「面接指導について」の中の 1 つ目、情報の取扱いの件です。面接指導の申出を行った労働者が、面接指導の対象に該当するかどうかを事業者が確認するためには、ストレスチェックの結果を把握する必要があります。申出に当たって、ストレスチェックの結果の事業者への提供に同意するか、結果を労働者自身が事業者に提供する必要があると考えられますが、そういったことは問題ないかと。前回の議論を踏まえれば、問題ないという整理になろうかと思いますが、それでいいかという確認です。

2 つ目です。本人が同意して結果を事業者が把握している場合に、面接指導の申出を行わない労働者に対して、事業者が申出を勧奨することについてどう考えるかです。

3 点目です。高ストレスと判定された労働者のうち、申出を行わない労働者に対して、実施者が勧奨を行うことができるように、申出を行った労働者、誰が申出を行ったかを、事業者から実施者に提供することについてはどうかという論点です。

4 番目です。高ストレスと判定された労働者のうち、面接指導を行わない、申出を行わない労働者に対して、実施者以外の者、例えば実施の事務に携わった事務担当者などですが、そういった担当者が勧奨を行うということについてはどう考えるか。実施者の指示を受けて行うのであれば、そういったことを明らかにした上で、実施者以外の者による勧奨も認めていいかです。以上です。

○相澤座長 いかがでしょうか。これについて御意見がありますでしょうか。

○黒木委員  2 つ目の○「高ストレスという判定結果を事業者が把握している場合」、この把握している場合というのは、どのような場合ですか。本人の同意により把握している場合というのは、本人は申し出ているという場合ですか。

○産業保健支援室長 ストレスチェック結果を事業者に伝えていいという本人が同意をしているときにということです。

○相澤座長 面接指導をしないということですね。

○砂押委員  3 番目の○ですが、「面接指導の申出を行った労働者の情報を事業者から実施者に提供する」というのは、どういうメリットがある場合を想定しているのでしょうか。

○産業保健支援室長 実施者としては、申出を誰がしたかが分からない状態にあることが考えられます。事業者に直接申出となりますので、そういった場合に、申出をしていないという方を選別して、そこに勧奨を掛けると。そのほうが効率的であろうというようなことで、こういったことも考えられるかどうかです。

○高松委員 今の部分ですが、これは非常に現実的ではないと思います。労働者の判定の結果というのは、本人が同意しない限りは、事業者へは行かないわけですから、それを全ての方が同意するとは思えないし、実施しているのも、また数少ないわけです。その中から、更にこういうようなものを実施者に事業者が提供するということ自体が、もう既に極めて効率的でない。むしろ、書いてあることによって、受診しようという方の受診動機を下げていくことにしかならないという気がします。

○相澤座長 ほかにありますか。

○岡田委員 これはむしろ事業者が勧奨するのではなしに、実施者が勧奨すべきものではないのでしょうか。受けましたか、申出をされましたか、というようなことを何回か。

○産業保健支援室長補佐 今は 4 つ目の○のお話ですか。

○岡田委員 いえ、 2 番目です。今、事業者が申出を勧奨するということは、実施者が。

○高松委員 私が言ったのは、 3 番目です。砂押委員と同じ所です。

○岡田委員 どちらにしても、事業者が知っているということは、おかしいということですよね。

○高松委員 本人の同意があって、実施者が事業者に情報を提供するのが大前提です。そこでフィルターが掛かった者に対して、更にその中から、事業者が受けた人を把握して、受けていない人を実施者に、この方は受けていないと言うってこと自体、また更に非常に意味のないというか、レアなケースになってくるのではないですか。

○産業保健支援室長補佐 ちょっと整理しますと、 3 つ目に書いてありますのは、事業者に対して自分の結果を提供した人、同意して、結果が行きましたと。事業者は、誰が高ストレスか知っていますと。 2 つ目です。

○労働衛生課長 補足します。要は、実施者は誰が高ストレスかどうか分かっているわけです。しかし事業者は、結果の提供に同意されたものを除き、誰が高ストレスか分からない。ただ、申出は事業者に行うことになっているので、事業者は誰が申し出たか分かっている。なので、実施者が、どの人が申出をしたかどうかを確認せずに、高ストレスの全員に面談を申し出たらどうですかと言うのは、もちろん可能です。一方、高ストレスで面談を申し出ていない人だけにピンポイントでお知らせをしようと思ったときには、事業者の持っている情報と突き合わせないとできないのです。その場合に、その情報を事業者が教えていいかどうかという論点です。

○高松委員 この場合、書かれているのは、面接指導ということですよね。そうなると、更に非常にレアなケースになってくるのではないかと思いますが、そういうことはないですか。

○産業保健支援室長補佐 一番議論になっていたのは、高ストレス者が放置されないようにする必要がありますということです。そのためには、高ストレス者が自分で判断して、もう面接指導を受けるのは嫌だとならないように働き掛けましょうと。その手段として、どういうやり方が一番いいかという議論の中に出てきた論点です。自分で申し出て、面接指導を受けに行っている人に、またその情報を知らないがゆえに、実施者からまた受けに行ってくださいというお知らせが行くのは無駄ですと。そういうのを省くためには、誰が面接指導に行ったか実施者が知って、行っていない人に実施者から働き掛けるというのが自然ではないかと、そういう発想で書かせていただいている論点です。

○三柴委員 結論から申し上げると、○の 2 から 4 まで賛成です。ポイントだけ申し上げると、○の 2 については、要は健康管理の要請上必要だろうと。○の 3 については、実施者は医療、保健、福祉、心理の専門家ですし、そこから一括して、健康管理につながる面接指導に促がすというのは妥当だろうと。○の 4 については、実施者の指示を受けて行うという前提がありますから、その限りで OK ではないかと考えます。

○増田委員  2 つ目の○については、やはり強要や不利益取扱いに往々にしてつながっていくのではないかと感じました。

3 つ目の○については、外部機関に実施を委託している場合に、労働者個人の連絡先を教えるということになるのではないか。あるいは、会社を経由しての勧奨だったら、結局会社側に、誰が高ストレスで誰が高ストレスではないかくらいの情報が伝わってしまうのではないかと思いました。

4 番目の○については、これも実施者と実施者以外の者が同一の企業や団体に所属していない場合、外部委託などですが、その場合、やはり個人情報の第三者提供を伴ってしまうのではないかと思います。シチュエーションによっては、そのような問題が発生するのではないかと思うのですが、この点についてはいかがでしょうか。

○産業保健支援室長補佐 最後の点だけ、先に補足させていただきます。括弧内で「例えば」で書いているように、実施事務担当者に限定すれば、その問題は起きないかと思います。そこはそういう限定を掛けるということも考えさせていただきたいと思います。

○相澤座長  2 番目が強要ということになっているのですが。

○増田委員 そもそも受診義務が課されていませんのに、そこに何度も何度も事業者からの勧奨が繰り返されると、これはやはり、前回の検討会で高松委員がおっしゃっていたように、結果的に強要、不利益取扱いにつながる、あるいはそのように感じる従業員が出てくるという問題点を無視できないのではないかと思います。

○高松委員 同感です。

○黒木委員 それは一言で申し上げて、程度問題です。要は、幾ら目的が正当であっても、手段として繰り返し嫌がらせに当たるようなということになると、それはそれで違法性が出てくる。そういう場合をここは想定しているのではなくて、要するに、ハイストレスであることが分かっている人に対して、妥当な範囲内で健康管理目的で申出を勧奨するというレベルであればいいのではないかと思います。

○増田委員 たびたびすみません。結局、ここで問題になるのが、高ストレスなのに、結果提供を同意していて、なおかつ面談は受けないという従業員への対応です。ですので、同意を得るときには、結果の提供に加えて面接指導まで全部受けますというセットの同意にしないといけない。第1回検討会の参考資料 1 の矢印の部分の、ここだけは同意する、ここは同意しないというのを認めるから、こういう問題が出てくるのだと思います。同意については、ある程度一律取得するというようにしないと、運用上の問題、弊害がすごく大きくなると思うのですが。

○産業保健支援室長補佐 今のお話で言います。多分、結果の提供に同意ということと、面接指導を受けることの同意というのは、面接指導を受けることの同意は申出なので、特に要らないかと思っています。よく聞く話は、面接指導をいついつやると言っても、全然受けに来ないという声が非常に多い。結局、場を提供しても、本人が面倒くさいから行かないと言って放置される、という現状をどう打破するかということで、この提案をさせていただいています。ただ、委員おっしゃるように、事業者がどういう強さで勧奨することまで許容するのかは、確かに気になる点ではあります。強要に当たらないようにということを足すか、そういう注意書きをするか、そういうのはあり得るかと思います。

○黒木委員 事業者というのは、例えばどういうふうになりますか。実際にやってみて、例えば高ストレスと分かって、では面談に来なさいと言っても、確かに全部が来るわけではない。しかし、何回か連絡しても、 3 回連絡しても、なかなか来ない。そういう場合に、事業者が面接を受けなさいと言う。これでいいのですか。これはちょっと違う。それでも、いいのですよね。

○産業保健支援室長補佐 そういうことです。それもあり得る。

○黒木委員 例えば事業者というのは、具体的にはどういうような人が勧奨することになりますか、組織の中で。意外と、これはやってみると、現実に仕事をしているので、忙しいとか、そのときにストレスが掛かっていても、実際に今は大丈夫だというので来ないことも結構あるのです。しかし、こちらとしては確認したいということがあるので、面談に来なさいと言っても、やはり漏れるのです。

○産業保健支援室長補佐 恐らく、事業者が勧奨しなければいけなくなる場面で、例えばストレスチェックを外部に委託していて、勧奨 1 回分しか契約していませんという場合は、多分、 1 回勧奨しておしまいということになります。その後、では放置されるのかというと、多分誰かが勧奨するという場面になると、今度はその事業者でやっていくということもあるかと思います。ここは余り可能性をつぶしたくない。ただ、気になる点もあると思うので、そこはちょっと書き方を工夫させていただきたいと思いますが、では、事業者が勧奨しては駄目となると、何か可能性をつぶす気がしますので。そこは工夫をさせていただけないかと思います。

○高松委員 三柴先生がおっしゃっていましたが、程度の問題になれば、もう少し具体的に記載された文書で判断させていただこうかなと私は思ったのです。いかがでしょうか。

○黒木委員 なかなか面談に持っていくのも大変なのです。だから、やはり高ストレスにかからないと。それで我慢しているうちに、何かやはり支障が出てくるとか、そういうのは避けたいなというのは、臨床的にはそうなのです。

○相澤座長 具体的にどうやるかを、少し考えながらいたしましょうか。それで、増田委員はよろしいですか。

○増田委員 はい。

○相澤座長 ほかにはいかがでしょうか。

○上野委員  1 つ目の○です。この仕組みでも問題はないと思うのですが、このように結果を事業者に提供するという形になると、申出が減少する懸念があるのではないかと思います。例えば、高ストレスかどうかだけ問合せができる仕組みであれば、中身を聞く必要はないので、そのような仕組みにするほうが、申出がしやすいのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

○産業保健支援室長補佐 少し気になるのは、法令上、面接指導の実施義務が掛かる方の要件というのが、省令はこれから検討することになると思いますが、高ストレスと判定された人と。では、それを自分で、私は対象者ですと言うだけで良しとするか、証拠を本人に出させるか、そこの程度問題かと思います。本人が自己申告で、自分が対象者だと言えば、事業者が全部やるということであればいいと思うのです。しかし客観的に、ではその人が対象者かと把握するためには、多分結果がないと確認はできないかと思います。

○上野委員 実施者に問い合わせて、それを確認するというのでは、正確性は担保できないです。

○産業保健支援室長補佐 検討させていただきます。

○相澤座長 それでは、次回にもう 1 回やります。ほかに、 (1) についてはいかがでしょうか。

○黒木委員 一番最後の○の「実施の事務に携わった事務担当者」というのは、これはどのような人ですか。

○産業保健支援室長 先ほどありましたような、調査票を入力したりとか、お手伝いをするような人というイメージです。

○黒木委員 その人に勧奨をさせるのですか。

○産業保健支援室長 例えば、メールとかで勧奨する場合に、事務担当をしている方の名前でやっていいものかどうかとか、そういうことで、実施者誰それの指示の下、私はやっていますとかいうことだといいのではないかというような論点になります。

○黒木委員 できれば、やはり産業保健スタッフがいいですよね。

○労働衛生課長 ここは産業保健スタッフがいいのですが、そういう人たちが確保できない場合もありますので、もともとのストレスチェックの実施のときに事務の方がお手伝いするような場合に、その事務の方の名前で、受けませんかというメールを送ったりすることはいいことにするのではないか、そういう趣旨です。

○高松委員 この件は私も同じような思いがあって、黒木先生がおっしゃた内容と同感だと思いました。 1 つは、通常であれば、事務の方は実施者の指示を受け、実施者の名前で送るだろうと思います。それと、先ほどの資料 2 1 ページの2、「実施者及び実施の事務に携わる者の明示」ということで、その方の名前が事前に入れてあるという意味でよろしいかと思ったのです。抵抗があるのは、私も同じです。

○黒木委員 事務的な、例えば連絡などという意味であれば、よろしいかと思います。

○相澤座長 ありがとうございます。次回も御議論いただけると思いますので、 (2) 「面接指導の結果の取扱い」について御説明をお願いします。

○産業保健支援室長 面接指導の結果の取扱いについては、面接指導を実施した医師が事業者にどこまでの情報を提供すべきかということが 1 つの論点となります。これまでの健康情報に関する取扱いと同様に、就業上の措置の内容及び就業上の措置を講じる上での最低限の情報に限定して、具体的な病名や愁訴といった医学的な情報については、事業者には提供すべきではないという整理でよいかということです。参考として、長時間労働者への面接指導マニュアルを付けております。

 もう 1 つの論点は、こういった面接指導の結果の取扱いについては、衛生委員会で審議した上で、事業場でルールを決めておく必要があるのではないかということです。

3 点目ですが、面接指導の実施を外部の医師に委託する場合については、あらかじめやり取りの窓口の役割を産業医に担わせ、外部機関から事業者に面接指導の結果を提供する際には、産業医を通じて提供することが望ましいのではないかということです。

4 点目として、派遣労働者の場合です。派遣事業者からの依頼 ( 委託 ) により、派遣先事業者が、派遣労働者に対してストレスチェックを実施することを可能とするということですが、面接指導についても、依頼によって派遣先で実施することを可能としてはどうかということです。その場合、次のような取扱いでよいかということです。 1 点目として、面接指導の結果について、派遣先から委託された医師、派遣先の産業医等が、派遣先の事業者を経由することなく、派遣元事業者に直接提供すべきである。なお、こういった場合は、産業医を経由して提供することが望ましいのではないかということです。 2 点目として、面接指導の結果を踏まえて必要な措置を講じるに当たっては、派遣元事業者と派遣先事業者が密接な連携を取ることが必要です。本人の同意を得て、派遣元事業者から派遣先事業者に必要な情報を伝えることが適当であるということです。 3 点目として、より迅速に面接指導の結果を踏まえて必要な措置を講じることも必要になるので、派遣先の委託した医師から、直接派遣先事業者に提供することについて、あらかじめ派遣元と派遣先事業者で合意した上で、本人の同意も得ていれば、可能とすることも考えられるのではないかということです。

 資料 4 の裏面を御覧ください。面接指導の結果のイメージですが、基本的として、先ほどのポツの 1 つ目、 2 つ目の件ですが、まず、派遣元の事業者が派遣先の事業者に面接指導の実施を依頼する。派遣先の産業医に事業者が面接指導の実施の指示をする。それに基づいて、申出の辺りは少し煩雑になるので省いていますが、派遣労働者に対し派遣先の産業医が面接指導を行う。面接指導の結果について派遣元の産業医に意見をお渡しし、就業上の措置について派遣元の事業者に派遣元の産業医から意見を具申する。その後、面接指導の結果を派遣先に伝えることについて、派遣元が派遣労働者に同意を取り、派遣先・派遣元で面接指導の結果を共有し、就業上の措置の調整を行う。就業上の措置について、派遣先・派遣元で措置を実施するという形になろうかと思います。

3 番目のポツについては、下のような形になろうかと思います。

 前もって派遣元の事業者が派遣労働者に対して、派遣先の産業医から直接派遣先の事業者に伝えることについて事前に同意を取得しておく。その後、委託を契約し、派遣先の産業医が派遣労働者の面接指導を行う。その結果は、5ですが、派遣元の産業医に伝えるとともに、派遣先の事業者にも結果を伝え、意見具申を行う。派遣元は、派遣元の産業医から意見をもらって、派遣元と派遣先で協議をした上で、就業上の措置を講じることになろうかと思います。以上です。

○相澤座長 大変複雑ですが、いかがでしょうか。

○高松委員 上から 3 番目の○まではよろしいかと思いますが、 4 番目の○の「・」 3 つ目の複雑なケースですが、このポンチ絵で見ると基本形は分かりますが、発展形もあり得るということで書かれているのであれば、発展形の場合は1で先に同意を取ったことが、派遣先の産業医を通じて派遣先の事業者にも同時に流れるということで、派遣労働者にとっては非常にプレッシャーが掛かることですので、発展形のタイプは面接を受けるという行為を減らさないためにも、余り望ましい形ではないのではないかと思います。基本形で取り組んでいただきたいと思います。

○相澤座長 基本形のほうがいいということですね。

○増田委員 高松委員と同様に、発展形の場合は、1でいきなり同意を取ると、まずストレスチェックの時点で正直に申告したくなくなる、あるいは面接指導でも正直に自分の体調を申告しなくなるのではないかということが懸念されます。そうすると基本形ということになりますが、基本形は5の「面接指導結果を派遣先に伝えることについて同意取得」が肝で、これの同意が得られなければ、派遣先で7の就業上の措置は実施できないことになります。派遣元で就業上の措置が必要と把握している労働者を派遣先に伝えることなく派遣してしまう、という問題が出てくるのではないかと思います。そこをどう考えるか、事務局にお伺いしたいと思います。

○産業保健支援室長補佐 今、増田先生に御指摘いただいた問題は、確かにあると思っております。ただ、派遣労働者の面接指導の結果を派遣先に伝える部分をどこまで緩くするかという議論が、正に論点にあると思うのです。結果的に派遣先で就業上の措置ができないから、全て伝えるという原則にしていいのか、それとも派遣先で措置が取れないこともあり得べしということで、同意を必須とするのかというところの判断かと思います。法令上は、同意は必須ではないと思いますので、政策的にどう決めるかという議論かと思います。

○増田委員 資料4を見て、事務局でいろいろ練られたのだというのがよく伝わってきます。ただ、ストレスチェックは派遣先でやってもいいと思いますが、面接指導は多分やらないほうがいいのではないかと感じました。

○相澤座長 これは派遣先では意外と。

○増田委員 やるのなら発展形でということです。高ストレスの状態のまま放置される事例が出てくることになるので、そこはきちんと議論しておかなければいけないのではないかと考えます。

○産業保建保健支援室長補佐  1 点、ここも議論しておいたほうがいいかと思いますが、面接指導を派遣先でやったとしても派遣元でやったとしても、問題のある労働者への就業上の措置をどうするかという問題は出てくるかと思っております。派遣元で面接指導をやりました、ですが、派遣先への情報提供は拒否します、という事案は結局出てきてしまうので、そこをどう整理するかという問題もあるのかなと思います。派遣元でやったとしても、同意を必須とするかどうかという話ですが。

○三柴委員 この問題は確かに難しいと思いますが、派遣先の産業医に面接指導をしていただくメリットがあるとすると、派遣先の産業医だから、派遣先の職場事情をよく御存じなはずだと。そうすると、そこの方に介入していただいて勧告を述べていただければ、ピントの合った勧告になるのではないかということはあると思います。

 また、先ほど中村補佐が言われたように、こういう三者絡みの複雑な構造になると情報の扱いも複雑になりますが、職場のメンタルヘルスの実効性を高めるためには、余り制度が煩雑になりすぎないほうが良いと考えます。その意味で、同意をどの時点で取るかという点は調整可能だと思いますが、なるべくなら、派遣先に任せるべきを任せる方向で制度設計すべきと考えます。

○松原委員 違う観点ということで、話が変わってしまうと思いますが、派遣労働者ということなので、派遣先がどんどん替わることも想定していると思います。先ほどの発展形の所で、先に同意を取ることについては、同意を取ってストレスチェックを受けて結果が出てきて面接指導まで行く間に、例えば派遣先が替わるといったことで状況が変わることもあるかと思います。そうすると、先に同意を取ってしまうのは問題があるのかなと思います。

 もう 1 点、派遣先に直接伝えることについて同意を取る方法は、派遣先はきちんと会社名などが明確になった上で取るのかということを、改めて確認したいと思います。

○産業保健支援室長補佐 同意を取るとすればそういうことになると思いますが、今の御議論を聞いていると、発展形は慎重に考えたほうがいいのではないかという御意見が多いようであれば、基本形をまずはベースとするという選択肢もあるかと思っております。

○高松委員 どんどん複雑になっていますが、これは安全衛生法上の話ではありませんが、派遣労働という意味では、派遣元で無期雇用の派遣社員と派遣元で有期雇用の派遣社員という 2 パターンがあります。そういう流れの中で、派遣労働者は派遣先においても非常に不安定ですし、一方では、先ほど増田先生がおっしゃったように、面接に関しては派遣元がやるという方法もダイナミックに考え直したほうがいいのではないかというお話がありましたが、派遣労働者は自分のマイナスになるようなことが派遣先で起こると、非常に不安定な雇用が更に不安定になるということもあるので、その辺りも含めて御考慮いただければと思います。

○川上委員 私もこの複雑な所を理解しているかどうか自信がないのですが、私自身、派遣先と派遣元の労働者が両方集まる立場の嘱託産業医をやっています。基本形を取る場合でも、派遣先産業医が面接指導をして、派遣社員の方が同意をすれば、それは派遣先事業者に伝えてもいいわけです。それは線を引いてもいいような気がします。

 また、派遣社員か派遣社員でないかで制度を変えてしまうと、企業の中でだんだん差別というか、受ける福利が違ってくるイメージが強くなってきて、できるだけ一本化して受け入れるようにということなので、派遣先の産業医が面接指導をできるというのも残していただきたいと思います。

○相澤座長 いろいろ御意見が出ておりますが、時間が過ぎましたので、是非発言されたい方がいらっしゃればお願いします。

○産業保健支援室長補佐 この点は次回までに整理して、引き続き検討したいと思います。

○相澤座長 それでは最後に、「面接指導結果の保存方法」について、簡単に説明をお願いします。

○産業保健支援室長 面接指導の結果として、何を保存させるべきかということです。参考としては、長時間労働者に対する保存義務の対象ということで、実施月日、氏名、医師の氏名、疲労の蓄積の状況、心身の状況、健康保持のために必要措置についての医師の意見と、この辺りに何か追加するものがあるのか、削除するものがあるのかということです。また、保存の期間は、長時間労働の面接指導については 5 年なので、 5 年でいいかどうかということです。

○相澤座長 よろしいでしょうか。

○松原委員 ここは産業医の先生にお伺いしたいと思いますが、ここで保存する内容の中で、面接指導をした後にどういう治療を行ったのかとか、その人にどういう対応を取ってどのように改善してきたのかという、経緯を把握することが大事だと思うのです。どういう対処を取ったらどのように変わったか、変化を経年で追っていくことが大事だと考えると、この情報以外にもどういう指導をしたのか、どういう治療をしたのかといった情報も含めて保存することが必要なのかなと思ったのです。この点について専門家としての見解がどうなのか、お聞かせいただければと思います。

○増田委員 私見です。ここに書かれている以外の情報、産業医の面談記録等は事業者に開示しない形で経年での変化を保存するべきもので、事業者にそこまでつまびらかに開示して残しておく性質のものではないのではないかと思います。

○黒木委員 この結果の後どう関わったか、あるいは産業医がどのように関わったかに関しては、結果の保存と、その後の経過については、また別に考えてもいいのではないかという気がします。当然、私どもは企業の中で面談記録を残していますし、それを経時的にずっと残すと。この人がどうなっていって、就業制限をどのように解除していくかとか、そういう流れになっていくので、それは当然、記録として残ることになると思います。

○増田委員 ストレスチェックの結果も保存対象となるかというところで、もしなるのであれば、ここの参考に挙げられている「長時間労働者に対する面接指導における保存義務対象」に、時間外労働実績が入らなければいけないのではないかと思います。そこが入っていないのです。ですからこれを参考にすると、ストレスチェックの結果は保存対象とはならないことになるかと思います。別に保存対象とすべきでないとは言いませんが、これを根拠として論じられるのであれば、違う結果になるのではないかと思いました。

○川上委員 面接指導結果の保存の「面接指導結果」というのは、事業者が見ることができる保存ということですね。

○産業保健支援室長補佐 事業者に係る義務です。

○相澤座長 ほかにはいかがでしょうか。よろしいですか。次回、また継続審議をしますので、本日はこれで終了したいと思います。大変熱心な御議論をいただきましてありがとうございます。事務局から連絡をお願いします。

○産業保健室長補佐 本日は熱心に御議論いただきましてありがとうございました。次回は 11 21 ( )15 30 分から開催します。次回は、本日積み残しになった議論と、労働者の不利益取扱いの防止を中心に議論したいと思っております。本日お配りしているファイルは次回も使いますので、今日お持ち帰りにならずに、置いておいていただければ助かります。本日の議事録については、御確認いただいて公開させていただきたいと思います。本日はどうもありがとうございました。


(了)

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