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2014年12月26日 第21回 社会保障審議会生活保護基準部会

社会・援護局

○日時

平成26年12月26日(金)16:00〜19:00


○場所

厚生労働省専用第14会議室


○出席者

駒村 康平 (部会長)
岩田 正美 (部会長代理)
阿部 彩 (委員)
岡部 卓 (委員)
栃本 一三郎 (委員)
園田 眞理子 (委員)
道中 隆 (委員)
山田 篤裕 (委員)

○議題

・住宅扶助について
・冬季加算について
・その他

○議事

○駒村部会長 こんにちは。それでは、定刻になりましたので、ただいまから、第21回「社会保障審議会生活保護基準部会」を開催いたします。

 まず、本日の委員の出欠状況について、事務局より御報告をお願いいたします。

○大西課長 本日の委員の御出欠状況でございますけれども、大竹先生と宮本先生より御欠席との御報告を受けております。

 それでは、部会長、議事進行を、よろしくお願いいたします。

○駒村部会長 それでは、本日の議事に入りたいと思います。

 カメラのほうは、この間でお願いいたします。

(カメラ撮り終了)

○駒村部会長 前回の部会では、住宅扶助及び冬季加算について、検討作業班の報告を踏まえて御議論いただきました。前回までの部会で出された宿題を含め、住宅扶助・冬季加算に関して作業を行っておりますので、事務局から報告いただきたいと思います。また、前回の最後でお伝えしたとおり、今回は今までの議論を踏まえた取りまとめに向けた議論を行いたいと考えています。

 報告書の案を事務局が作成したので、これについて事務局から報告いただき、議論したいと思います。本日は、この後説明いただく資料や、これまでの部会における委員の皆様の御意見等を盛り込んだ本部会の報告書(案)を用意してもらいました。このため本日は、事務局から提出された報告書(案)について、事務局からまず御説明をいただいて、委員の皆様に御議論いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○井上課長補佐 それでは、資料1から順に説明をさせていただきたいと思います。

 資料1は、住宅扶助の関係になっております。こちらは、前回の部会で御指摘等ございました点につきまして作成した資料や、既にお出ししております資料の訂正の御報告。それと、以前、暫定でお出ししておりました生活保護受給世帯の居住実態調査につきまして、全自治体分を集計した最終版をつけております。

 まず、資料1の2ページでございます。こちらの表は、第19回の部会資料を改変したものでございます。上の囲みの2ポツ目が変更箇所でございます。住宅・土地統計調査のデータには、生活保護受給世帯を含んでいるのではないかという御指摘を踏まえまして、完全な形ではないのですけれども、現在できる範囲で、生活保護受給世帯のデータ、影響をなるべく除こうと考えまして、住宅・土地統計調査の結果から、8月に実施しました生活保護世帯の居住実態調査の結果を差し引いて、こちらの表を作り直したものでございます。

 ただ、この表は、前々回の19回部会でお出しした数値が誤っていたため、まずその訂正をさせていただきたいと思います。この資料1の後ろについてございます別冊をごらんいただきたいと思います。1枚目の1ポツ目にございますけれども、19回の部会の資料1の5ページにつきまして、本来、民営借家とUR賃貸住宅のデータを記載すべきところを、民営借家のデータのみを記載していたということで、大変申しわけなく思っております。

 そのため、次のページにございますとおり、訂正をさせていただいております。単身世帯が居住する民営借家とUR賃貸住宅であって、面積水準と設備条件を満たして、家賃額が特別基準額以下の住宅の数とその割合の表を載せてございます。前回版は、その下の3ページにございますけれども、右の表の下の全国合計欄でいいますと、面積水準等を満たして基準額以下の住宅の割合は13.1%となっておりますけれども、こちらがその上の2ページの訂正後版では14.8%となっております。こちらが正しいデータでございます。

 この14.8%と出ましたデータから生活保護受給世帯のデータを除くと、どういった割合になるかというのが、資料1の2ページの表にまた戻っていただいて、右下の全国合計欄を見ていただきたいのですけれども、こちらが12.7%となっております。ただ、全国ベースでは、12.7%はカバーされる物件が確保できる可能性があるということでございますけれども、ごらんのように、各地域でこの割合というのはまちまちになっているということでございます。

 3ページでございます。こちらも19回の部会の資料に出したものですけれども、改めて生活保護受給世帯分のデータを除いて集計したものをお出ししております。それと、5から25パーセンタイル値での家賃額のほかに、前の2ページに全国ベースで12.7%という数値があったかと思いますけれども、そちらのパーセントの場合だとどうかというのを13パーセンタイル値ということで追加で載せております。

 続いて、4から7ページですけれども、こちらは先ほどの3ページが都道府県別の1級地の表でございましたけれども、4ページ以降、2級地、3級地、政令市、中核市と、同じ集計結果を載せております。傾向としましては、3ページと同じでございます。

 ちょっと飛びまして、8ページのほうをごらんいただきたいのですけれども、こちらも以前お出しした資料でございます。以前は、生活保護受給世帯分のデータも含んでおりましたので、今回はその分を除いて単身世帯が居住する借家全体の住宅のうちの、特別基準額以下の住宅はどれくらいあるかというのを改めて集計してみたものでございます。右下の全国ベースで見ますと、今の基準額は28.7%をカバーする水準となっているということでございます。

 次の9ページでございますけれども、こちらは今回の検証で使用しました平成20年の住宅・土地統計調査の主なデータが、今、速報版が出ていますけれども、平成25年のデータでどう変わったかというのを載せております。上の1畳あたり家賃の推移の表では、民営借家が木造・非木造、ともに平成20年に比べて25年度は家賃が下落傾向にある。それと、下の最低居住面積水準の達成率の表のほうですと、UR賃貸住宅が平成25年で92.6%へ、民営借家の木造で82.2%へと、達成率が若干上がっている。その一方で、非木造などの一部では下がっているところがあるということでございます。

 資料1の説明は以上ですけれども、住宅扶助の関係資料としましては、その後ろに資料2としまして、全ての自治体の集計分をまとめました生活保護受給世帯の居住実態調査の結果を添付しております。これまでの暫定版と傾向が変わるものではございませんので、説明は省略させていただきたいと思います。

 続きまして、資料3のほうをごらんいただきたいと思います。こちらも既に部会に提出いたしました冬季加算の資料でございますけれども、これまでの御意見を踏まえまして、一部改変したものでございます。

 1ページは目次ですので、2ページ目からごらんいただきたいと思います。

 冬季加算の検証内容と検証手法の表でございまして、前回との変更点だけ申し上げますと、検証3の右の検証手法欄の※印の部分でございます。前回の資料では、冬季加算の各地区区分の中で、それぞれその地区内の光熱費支出額の年平均を100としまして、その100を上回る光熱費支出額がある月というのを選定しておりました。

 そうしますと、1区を例にとりますと、その他の地区より冬季に増加する光熱費の支出が多く、それを含んだ年平均を100にしてしまいますと、1区の年平均は高めに算出されてしまって、冬季に増加する支出額が見えにくくなるのではないかという御意見がありましたので、一番寒冷地ではない6区の年平均を100として、それを超える各地区の月を今回は見てみたというものでございます。

 それと同じく、前回、光熱費0円のデータも母数に含まれているのではという御意見もいただきましたので、0円のデータを除いた集計を行っております。

 次の変更点は、8ページをごらんいただきたいと思います。先ほどの2ページでの変更点ですけれども、実際にはこちらの8ページのデータに反映されております。

 上の囲みの2ポツ目の※印が変更点でございまして、6区の光熱費の年平均支出額を100として、それを超える月を見てみますと、下の表のようになります。色つきの月が100を超える月でございまして、この方法で見ますと、1区と2区で11月から5月の7か月間、3区と4区が12月から5月の6か月間、5区と6区が12月から4月の5か月間と、地域によって差が見られる。寒い地域で実際に暖房を使うのは、今の冬季加算の支給期間よりも長いということは自治体などからもお聞きしておりますので、今回の手法のほうが実態に近いのではないかと思っております。

 続いて、9ページでございます。今度は、省エネ基準の地区区分で見た場合の表を載せております。こちらの区分で見ますと、8地域としての沖縄は超える月がなくなりますけれども、あとの傾向は前のページ、今の冬季加算の地区区分と同じような感じでございます。

 続いて、10ページ目ですけれども、こちらは前回、カレンダー要因のお話がありましたので、家計調査の月次結果を見る際の留意点につきまして、家計調査年報の抜粋を掲載しております。

 家計簿への記帳と月末の曜日には、カレンダーの要因によって月次結果に振れが出てしまうことがあるため、留意が必要ということで、月末の曜日が営業日でないと、支払いの口座引き落としは翌月に引き落とされるといったことや、家計調査では、光熱・水道費の支払いは、調査世帯が実際に支払った日に家計簿に記帳されますので、実際の使用月と支払い月がずれるといったこと。そのほか、閏年で通常の年より1日多い年の2月のデータや、休みの日の多さも支出額に影響を与えるので、前年同月比を見る際にはカレンダー要因について注意が必要とされており、その御報告をさせていただきたいと思います。

 今回、こちらで使った集計では、5カ年分の平均データを使用しているということで、カレンダー要因の影響は緩和されているのではないかと思っております。

 続いて、11から13ページでございますけれども、こちらの変更点は光熱費0円のデータを除いたものでやり直したものでございます。0円という世帯は該当が少ないため、数値にほとんど変わりはございません。

 若干ページを飛ばしまして、14ページでございます。こちらは水準の検証のページでございますけれども、先ほどの8ページの検証3で光熱費の増加月というのは地区によって異なるという結果となりましたので、上の表の各分位の冬季増加光熱費(冬季期間計)の欄は、一番左の欄のその地区の光熱費増加月数を増加額(C)に掛けて算出しております。そのため、前回部会の資料としてお出しした額よりも、冬季加算との差は基本的に縮まっております。

 続いて、15ページでございます。前のページは現行の冬季加算の地区区分で検証した表でしたけれども、こちらは省エネ基準の地域区分で見たものです。傾向は、前のページと同じような感じになっております。

 続きまして、16ページでございます。こちらは生活保護受給世帯に多く含まれる属性ということで、木造の民営賃貸住宅で就業人員なしという世帯で、冬季の増加支出額と冬季加算額を地区別に比較したものでございます。こちらの資料でも月数が増えたということで、前回の資料よりも加算額との差は縮まっております。ただし、前回の資料同様、地区によってはサンプル数が少ないところがあるということに、留意が必要ということでございます。一定のサンプル数のある地区については、こちらの属性の表のほうも活用できるのではないかと考えております。

 続いて、17ページでございます。こちらは生活保護受給世帯に多く含まれる属性の世帯を省エネ基準の地域区分で比較してみたものでございます。傾向は、同じような感じでございます。

 次に、18ページでございますけれども、こちらは前回、エンゲル係数が家計調査の数値と合わないのではないかといった御指摘に係る資料でございまして、下の※印の2番目に書かせていただいておりますけれども、家計調査では、エンゲル係数を出す際に用途分類の食費(贈答用の食費)は交際費に計上して算出しておりますけれども、こちらの表の(C)/(A)欄のパーセントは、品目分類の贈答用の飲食物費を含む食費で算出しておりまして、家計調査報告で記載されておりますエンゲル係数とは一致していないというものでございます。食費を見る際の分類の違いによるものでございます。

 こちらの表は、年間収入によって世帯の属性がどのように異なるかというのを確認するために掲載したものでございますので、直ちに(C)/(A)欄の数値自体の修正をすることはしませんけれども、ここの※印に書いたような点に留意が必要と考えております。また、誤解を招かないように、上の表の(C)/(A)欄のところに書いてございました「エンゲル係数」という表記は削除しております。

 資料3の説明は、以上でございます。

 引き続き、資料4の報告書(案)の説明もさせていただきたいと思います。こちらは、平成2511月に住宅扶助にかかわる議論が始まりまして、その後、冬季加算の議論も加わって、本日お出しした資料の分の内容までを盛り込んでおります。こちらの案は、先生方に御助言などをいただきながら事務局で作成してみた案でございます。報告書(案)の構成や内容につきまして、後ほど御意見等をいただければと思っております。

 まず、1ページをごらんいただきたいと思います。

 報告書(案)は、構成としましては、1で検討の経緯、2で住宅扶助の検証、3で冬季加算の検証、4でその他という構成としております。分量がありますので、場所によっては簡略化して内容を読ませていただきたいと思います。

 まず、1 検討の経緯では、5つのポツで書いております。

 1ポツ目は、本部会の前回の報告書では、生活保護基準の水準について、生活保護制度が最後のセーフティネットとしての役割を果たし続けられるよう、適宜適切に見直していく必要があることを指摘したこと。

 2ポツ目で、生活扶助については、21年の全国消費実態調査を使って分析を行い、前回報告書を取りまとめ、そこでの検証結果も踏まえた基準の見直しが、平成25年8月から3年程度かけて段階的に行われていること。

 3ポツ目で、前回報告書では、生活扶助以外の扶助や加算制度も速やかに検討を行うべきことを指摘したところであり、順次、専門的かつ客観的な検証を進める必要があるということ。

 4ポツ目で、2511月の部会より住宅扶助に関わる議論に着手して、本年5月の第17回の部会より、冬季加算等も加えて検証を進めてきたこと。

 5ポツ目で、検証に当たっては、技術的な検討や具体的な作業を行うための検討作業班を設置して作業を行い、その結果報告を受けて、本部会において議論を進めてきた結果、今般、その検証結果を取りまとめるものであることを記載しております。

 次に、2 住宅扶助の検証についてでございます。

 まず、1として、生活保護と住宅確保の関係で、(1)で法的な位置付け等を記載しております。

 1ポツ目は、生活保護法の規定でありまして、憲法25条の理念に基づいて、生活に困窮する国民に対して最低限度の生活を保障するとともに、その自立を助長することを目的とするものであって、法第3条で、「最低限度の生活は、健康で文化的な生活水準を維持することができるものでなければならない」と規定しているということ。

 それと、法第8条で、保護の基準は「最低限度の生活の需要を満たすに十分なものであつて、且つ、これをこえないものでなければならない」と規定しているということ。

 2ポツ目は、法第14条で、住宅扶助は、「住居」と「補修その他住宅の維持のために必要な物」の範囲で行われると規定しているということ。

 それと3ポツ目で、平成23年3月に閣議決定された住生活基本計画では、「住宅困窮者が多様化する中で、住生活の分野において憲法25条の趣旨が具現化されるよう、公平かつ的確な住宅セーフティネットの確保を図っていくことが求められている。」と記述されているということ。

 4ポツ目で、住宅扶助は、上記の趣旨・目的に照らして、的確に行う必要があるということを記載しております。

 (2)では、今の住宅扶助特別基準(上限額)の概要を記載しております。

 1ポツ目は、住宅扶助基準は、大臣告示で一般基準が定められておりますけれども、実態としては、大臣が別途、県、指定都市、中核市別に特別基準を定めていて、特別基準の範囲で生活保護受給世帯が支払う家賃の実費が支給されているということ。

 2ポツ目は、特別基準は、昭和30年代に都道府県・指定都市管内の第2種公営住宅の家賃を参考に設定され、以降、第2種公営住宅の家賃や生活保護受給世帯の家賃実態などを参考に設定されてきましたけれども、公営住宅の供給数が限られる中で、民間賃貸住宅に居住する生活保護世帯の数のほうが圧倒的に多くなって、民間の市場家賃との関係を考慮しなければならなくなったこと。

 また、平成8年には公営住宅におけます第1種、第2種の区分は廃止されたということ。現行では、都道府県、指定都市、中核市別に消費者物価指数や生活保護受給世帯の実態家賃等を勘案して毎年改定しているということ。

 3ポツ目は、本部会においては、特別基準の水準の妥当性の検証について、制度の趣旨・目的に照らして検討しますけれども、このためには特別基準の検証手法の議論が不可欠であって、本部会ではその手法についても議論を行ったことを記載しております。

 次は、2の検証方法についてでございます。

 1ポツ目は、住生活基本計画で「住宅の確保に特に配慮を要する者の居住の安定の確保」といった政策目標を達成するため、「健康で文化的な住生活を営む基礎として必要不可欠な住宅の面積に関する水準」として、最低居住面積水準が定められていて、最低居住面積水準未満率を早期に解消することが目標として掲げられているということ。

 2ポツ目で、したがって、今回の特別基準の水準の検証にあたっては、住生活基本計画に定められている最低居住面積水準を踏まえた検証を行ったということ。

 3ポツ目は、比較的安価で質の高い公的住宅が、すべての被保護世帯に対して供給され難い現状を踏まえると、特別基準は、生活保護受給世帯が民間の賃貸市場で最低限度の水準を満たす住宅を得られる水準でなければならないことから、特別基準と比較する家賃額というのは、民営借家又はUR賃貸住宅のものを基本としたこと。

 3ページに行きまして、(2)では検証に用いるデータを記載しております。

 1は、平成20年住宅・土地統計調査につきまして記載しております。生活保護受給世帯を含む一般世帯が居住する住宅ストックの実態把握のために使用したもので、1ポツ目は、この調査は、5年に一度、総務省において約350万戸を対象として実施する調査であって、我が国全体の世帯の居住状況と住宅ストックの状況を把握することができるということ。

 2ポツ目は、検証では、住宅の質や家賃額を地域別に細かく分けて分析する必要があるため、個票データを総務省から借り受けて特別集計を行ったこと。

 3ポツ目は、本調査のデータは、生活保護受給世帯を含むものであって、データ上、生活保護受給世帯の峻別はできないことを記載しております。

 2は、生活保護受給世帯の居住実態を把握するために行った調査について記載しております。

 1ポツ目、2ポツ目、まとめてになりますけれども、訪問計画に基づいて、本年8月に家庭訪問の対象となっている生活保護受給世帯を対象として、居住実態に関する調査を実施したことと、調査対象世帯は訪問頻度ごとにグループ化して、グループごとに層化無作為抽出する方法によって選定して、抽出率はおよそ12分の1としたことを記載しております。

 3は、民営借家のフローの家賃実態の把握のために使用した民間賃貸物件情報について記載しております。

 1ポツ目は、上の1は住宅ストックに関するデータなので、民間賃貸住宅が市場に出される際の相場を把握する必要があるということ。

 2ポツ目は、そこで、株式会社リクルートホールディングスより、平成26年3月11日に賃貸物件情報サイトSUUMO(スーモ)に掲載されていた物件約160万件のデータを借り受けたということ。

 3ポツ目は、このデータは賃貸住宅市場において供給されている物件を全て網羅しているわけではないことや、実際に契約される家賃額とは異なる場合があるということに留意する必要があることを記載しております。

 4ページの上には、これら3つのデータの関係を図にしたものを掲載しております。

 次に、(3)検証方法を記載しております。

 (3)の検証方法の項目の中で、A調査とございますのは住宅・土地統計調査、B調査は生活保護受給世帯の居住実態調査、CデータはSUUMOデータを表すということをまず記載しております。

 検証方法の1としましては、生活保護受給世帯の居住実態等の把握を挙げておりまして、1ポツ目は、生活保護受給世帯の居住する住宅の属性(所有関係及び床面積、居住面積、設備、立地環境等)につきまして、生活保護受給世帯を含む一般世帯のデータでありますA調査と、生活保護受給世帯のデータでありますB調査の比較によって把握したということ。

 2ポツ目は、生活保護受給世帯の家賃額が、一般世帯におけます近隣同種の住宅の家賃と比較して、高く設定されている場合があるかを確認したということ。

 2としましては、単身世帯の住宅扶助特別基準の妥当性の検証ということで、1ポツ目では、生活保護受給世帯で最も多い単身世帯につきまして、今の特別基準の妥当性を検証したということ。

 2ポツ目では、A調査、B調査を用いて、賃貸市場において家賃額が決定される民営借家又はUR賃貸住宅であって、最低居住面積水準を満たす住宅の家賃額の水準と特別基準額を比較したということ。単身世帯は、A調査、B調査ともに調査世帯数が十分であるということから、地域別に検証を行ったということ。

 3ポツ目は、民間の賃貸市場で、今の特別基準の範囲内で確保できる民営借家の供給量がどの程度あるかというのを、Cデータを用いて級地別に確認したということ。

 3としては、住宅の質を反映した家賃算定式(家賃関数)の推定によります検証としまして、1ポツ目では、現行では、2人以上世帯の特別基準は、単身世帯に適用されます特別基準額に一定の比率を乗じて得た額を基本としているということ。それと、住宅の質を特別基準の設定に反映できるかどうかを検証する必要があるということ。

 2ポツ目は、上記を踏まえて、A調査を用いて、月額家賃を目的変数として、床面積、建築時期、住宅設備の有無などの属性を説明変数とする家賃算定式を推定したことを記載しております。

 5ページに行きまして、3ポツ目は、2人以上世帯の特別基準を算定するため、単身世帯の特別基準額に乗ずる「世帯人員に応じた比率」を試算したことを記載しております。

 次に、3として、検証結果を記載しております。

 まず、(1)としまして、生活保護受給世帯の居住実態等を記載しております。

 前段として、生活保護受給世帯は、平成26年8月において約160万世帯となっておりまして、そのうち同じ8月に訪問の対象となった世帯のうちの11万世帯を抽出して生活保護受給世帯の居住実態に関する調査を実施したということを記載しております。

 1は、世帯の属性でございまして、a)世帯類型として、生活保護受給世帯の世帯類型別の内訳をみると、高齢者世帯が76万世帯(47.3%)であるといったこと、母子世帯が11万世帯、傷病・障害者世帯が45万世帯、その他世帯が28万世帯となっていることを記載しております。

 6ページでございます。

 次のb)住宅の所有関係では、生活保護受給世帯の住宅の所有関係は、平成24年の被保護者全国一斉調査によりますと、民営借家が68.8%、うち単身が53.3%、2人以上が155%、公営借家が16.8%で、内訳は、単身10.7%、2人以上が6.1%、その他が14.4%となっていることを記載しております。

 7ページでございます。

c)で居住状況ということで、まず1ポツ目で、生活保護受給世帯の住宅水準は、一般世帯に比べると、低くなっているということと、下にあるような図表を記載しております。

 2ポツ目は、生活保護受給世帯が居住します民営借家で最低居住面積水準の達成率は、単身世帯で46%、2人以上世帯で67%となっていて、生活保護受給世帯を含む一般世帯の最低居住面積水準が、単身で76%、2人以上で86%となっているのと比較しますと、大きく下回っているということ。

 3ポツ目は、住宅種類別にみますと、民営借家の生活保護受給世帯は、最低居住面積水準と設備条件を満たしていないものが単身世帯で約7割となっておりまして、給与住宅の達成率も34%となっているということで、一般世帯の達成率を大きく下回っているということ。

 それに対して、公営借家やUR賃貸住宅での最低居住面積水準達成率は高くなっていて、居住する住宅の所有関係によって、住宅水準が大きく異なっているということを記載しております。

 4ポツ目で、以上のことから、生活保護受給世帯において、より適切な住環境を確保するための方策を検討することが必要であるということを記載しております。

 続いて、9ページでございます。

 2として、生活保護受給世帯の家賃額を記載しております。

a)単身世帯の家賃分布のところでは、一般世帯と生活保護受給世帯におけます家賃分布に差異がないかどうか、床面積の階級別に比較を行ったということ。

 その結果、生活保護受給世帯は一般世帯に比べて、住宅扶助特別基準(上限額)に近いところに、家賃額が集中する傾向がはっきりとみられたということ。

 また、同じ床面積階級の住宅では、生活保護世帯の方が、一般世帯に対して低い家賃帯に多く分布していて、そのことから、相対的に低い家賃を確保する努力は行われていると推測できること。ただし、それだけでは数が十分ではなくて、民間賃貸住宅市場で相対的に住宅水準の低いものを、特別基準(上限額)を条件に家主から借り受けているケースがあることも考えられることを記載しております。

 次に、11ページでございます。

b)として、生活保護受給世帯特有の家賃設定ということでございまして、1ポツ目は、生活保護受給世帯の居住実態調査によりますと、住宅扶助の認定が「有」又は「無」の世帯、約9万6,000世帯を対象とする調査項目において、以下のことが確認できたとしまして、まず黒ポツの1つ目は、生活保護受給開始後の過去5年間(平成21年8月以降)に家賃額の変動が有った世帯の割合は11.6%となっておりまして、変動が有った場合の家賃額の変動の分布(現在の家賃額−変動前の家賃額)を見ますと、「▲5千円〜0円」が37%と最も多くて、次に「0円〜5千円」が32%となっているということ。

 黒ポツの2つ目は、近隣同種の住宅の家賃額よりも明らかに高額な家賃が設定されている疑義の有無について見たもので、ケースワーカーの方が「疑義あり」と回答したのが0.6%、「疑義無し」が90.4%、「判断ができない」が9%となっているということ。

 また、「疑義あり」の場合の高額な家賃設定の理由につきましては、「保証料が家賃額に上乗せされている」というのが13世帯、「敷金・礼金等が家賃額に上乗せされている」というのが16世帯、「共益費・管理費が家賃額に上乗せされている」というのが70世帯、「家事援助、健康管理や生活支援などのサービスの対価が家賃に上乗せされている」というのが15世帯となっております。

 3としまして、単身世帯の特別基準を記載しております。

 1ポツ目は、単身世帯が居住する「民営借家又はUR賃貸住宅であって、最低居住面積水準と設備条件を満たす住宅」。以降「最低水準を満たす民営借家等」と言いますけれども、これらのうち、家賃額が特別基準以下の割合は、最初に御提示した資料1の生活保護受給世帯を除いて推計したものの割合ですけれども、全国平均で12.7%となっております。

 これを都道府県別にみますと表のとおりとなっておりまして、地域によって較差があるということを記載しております。

 2ポツ目は、今回の検証では、単身世帯が居住する最低水準を満たす民営借家等の家賃額の5〜25パーセンタイル値と特別基準とを比較することで、今の特別基準が各地域において最低居住面積水準を満たす家賃額をどの程度カバーする水準となっているかというのを確認したということ。

 その結果は、後ろのほうについています別紙1のとおりであるが、最低水準を満たす民営借家等の家賃額と特別基準の差額の地域別の分布は、12ページの表のとおりであるということを記載しております。

12ページでございますけれども、表の下に行きまして、なお書きで、家賃の相場は地域によって較差が大きいため、できるだけ細かく分けて検証することが適当であるが、住宅・土地統計調査のサンプルサイズを考慮して、各都道府県の1級地・2級地・3級地別、各指定都市、中核市別に検証を行ったということ。そのため、今回の地域区分と民間市場家賃は一致していない可能性があることに留意が必要であるということを記載しております。

 3ポツ目は、住宅・土地統計調査におけます家賃の分布は、現存する住宅のストック状況を表していて、必ずしも、賃貸市場に出回っている、入居可能な住宅の状況を表しているものではないことに留意しなければならないということ。

 4ポツ目は、民間の賃貸物件情報サイトでありますSUUMOに掲載された賃貸物件(1R1K1DK)のうち、一定の面積水準を満たす住宅であって、家賃額が特別基準以下の物件の割合がどの程度あるかという確認を行なったということ。

 また、なお書きで、SUUMOに掲載された物件情報というのは、賃貸市場において供給されている物件を全て網羅しているわけではないということや、実際に契約される家賃額とは異なる場合があるということに留意が必要であるということを記載しております。

13ページでございます。

 5ポツ目は、参考として、単身世帯が居住する民営借家又はUR賃貸住宅における面積水準の達成率は、全国平均で全世帯の76%となっているのに対して、単身世帯が居住する民営借家又はUR賃貸住宅であって、家賃額が基準以下の住宅におけます最低居住面積水準を満たす割合というのは、60%となっているということを書いております。

 6ポツ目は、単身世帯が居住する借家全体のうち、家賃額が特別基準以下の割合、こちらは生活保護受給世帯を除いて推計したものですけれども、全国平均で28.7%となっているということを記載しております。

 続いて、4としまして、住宅の質を反映した家賃算定式(家賃関数)の推定による検証を記載しております。

a)としまして、家賃関数の推定では、1ポツ目で、平成20年住宅・土地統計調査を用いて月額家賃を目的変数として、床面積、建築時期、住宅設備の有無といった属性を説明変数とする家賃関数を推定したということ。

 2ポツ目は、上記の家賃関数における各説明変数の係数の符号条件は整合的であって、また有意であることが認められたということ。

b)世帯人員に応じた比率の推定のところでは、1ポツ目で、今の特別基準においては、複数人世帯であるなどやむを得ないと認められる場合には、2〜6人世帯では、単身世帯に適用される特別基準額に1.3を乗じて得た額、7人以上の世帯につきましては、この額にさらに1.2を乗じて得た額の範囲内において必要な額を認定できることとしていることを記載しております。

 2ポツ目は、検証では、住宅・土地統計調査を用いて、世帯人員ごとの家賃水準を単身世帯を1として指数化して、これを現行の複数人世帯に適用される1.3倍等といった数値と比較したということ。世帯人員ごとの家賃水準は、最低居住面積水準が世帯人員に応じて定められていることから、その人数に対応する最低居住面積水準を当てはめて試算をしたところ、単身世帯の特別基準を1としたときの2〜6人世帯の指数というのは、1.061.35となったということ。

 また、なお書きで、推定された各世帯人員別の指数の95%予測区間には、現行の指数、2〜6人世帯ですと1.3が含まれていることが確認されたということを記載しております。

 3ポツ目は、2人以上世帯については、現行では2〜6人世帯、7人以上といった2つの区分となっていて、それぞれの区分に応じて特別基準が設定されておりますけれども、生活保護受給世帯の世帯構成が変化し、現在では少人数世帯が大宗を占めていることを踏まえると、2〜6人世帯を同一基準としている現行の区分は、実態に即した設定とすることが望まれるということ。

 一方、特別基準はあくまでも上限額であるということから、特に複数人数の世帯については、世帯構成による住宅のニーズの差が大きいこと、例えば、夫婦2人世帯と、母と年齢の高い男児の世帯などといったことなども踏まえて、柔軟な選択ができるよう留意する必要があるということを記載しております。

 それと、5として、住宅と居住の質に応じた特別基準の設定というのを記載しておりまして、14ページになりますけれども、1ポツ目として、生活保護受給世帯が居住する民営借家等の実態を見ますと、最低居住面積水準(設備条件を含む)を満たしていない住宅でも、家賃額が特別基準額以上となっている割合が41%となっているということ。

 また、生活保護受給世帯の居住実態調査によりますと、近隣同種の住宅等の家賃額と比較して、明らかに高額な家賃が設定されている疑義が有る世帯というのは、0.6%とごく一部でありますが、確認されたということ。

 2ポツ目は、無料低額宿泊所や簡易宿所等につきましては、表のとおり民営借家と比較して、床面積が狭いにもかかわらず、特別基準以上で家賃額が設定されている割合が高くなっているということ。

 3ポツ目は、今の特別基準は上限額の範囲内で必要な家賃額の実費を支給する仕組みであるものの、住宅の質に応じた上限額の設定がないため、居室が著しく狭隘で設備が十分でない劣悪な住宅で、生活保護受給者の自立の助長に支障をもたらす恐れがあるにもかかわらず、特別基準で家賃額を設定し、不当な利益を得る、いわゆる貧困ビジネスの温床にもなっていると考えられること。

 4ポツ目は、そのため、より適切な住環境を備えた住宅へ誘導していくという観点から、床面積が狭小な住宅については、床面積に応じた支給額とするなどによって、住宅扶助費の支給額を住宅の質に見合ったものにする必要があるということ。

 その際には、居住の安定の確保に支障が生じるおそれがあることも踏まえて設定して、運用する必要があるということを記載しています。

 5ポツ目は、一方で、無料低額宿泊所等においては、共同利用のリビングがあったり、在宅での生活を支えるための支援が必要な方に対して、居室の提供のほか利用者に対する見守りや家事援助などの生活支援サービスも併せて提供して、当該サービスにかかる人件費などのコストを含めて利用料を設定するほか、実質的に住宅扶助費を当該コストに充当しているという実態が見受けられること。

 住宅扶助の趣旨を踏まえると、生活支援サービスにかかるコストに住宅扶助が充当されるということは適切なものとは言えないが、生活支援サービスを提供する無料低額宿泊所等に対して、床面積に応じて減額した特別基準を適用することとした場合、生活支援サービスの提供が困難となって、利用者の自立の助長に支障が生じるおそれがあるということ。

 そのため、生活支援サービスを提供する無料低額宿泊所等に入居する世帯については、床面積に基づいて一律に判断するというのではなくて、提供される生活支援サービスが自立助長の観点から認められるかどうかというのも勘案して、自立助長の観点から認められる場合は、生活支援サービスが維持されるような措置を講じることが必要であるということ。

 なお書きとして、生活支援サービスにかかる人件費等のコストに対応する扶助が、今の生活保護基準の体系ではないという現状においては、生活支援サービスにかかるコストに対して、住宅扶助費が充当されることはやむを得ないと考えられるが、将来的には、生活支援サービスにかかるコストに対応する扶助の仕組みを設けることなども検討することも必要であるといった意見もあったということを記載しております。

 続いて、15ページでございます。

 6として、個別の事情による特別基準の設定を記載しております。

 1ポツ目は、現行制度において単身世帯については、車椅子使用の障害者等で特に通常より広い居室を必要とする場合とか、老人等で従前からの生活状況からみて転居が困難と認められる場合、あるいは地域において特別基準の範囲内では賃貸される実態がない場合は、特別基準の1.3倍額の適用が認められております。2〜6人世帯の場合ですと、通常、単身世帯に適用される特別基準の1.3倍額が上限となって、7人以上世帯ですと1.56倍が上限となるということを書いております。

 2ポツ目は、一方で、2人以上世帯については、単身世帯の1.3倍、7人以上ですと、さらにこの1.2倍の1.56倍になる。それ以上の特別基準の適用はないのですけれども、車椅子使用の障害者等で特に通常より広い居室を必要とする場合等、当該額の範囲内では住宅が確保できない場合、更なる措置を講じることについて検討を行うことが必要であるということ。

 3ポツ目は、世帯人員にかかわらず、その地域において特別基準の範囲内で適切な住宅がない場合であって、さらに障害等で広い居室を必要とする場合などは、その上限額を超える更なる措置を講じることも検討することが望ましいということを書いております。

 4ポツ目は、なお書きとして、改めて、今回の検証では、地域は各都道府県の1級地・2級地・3級地別、また各指定都市別、中核市別に区分して検証を行なったが、その区分における特別基準の範囲内で、適切な住宅を確保することができない地域が生じることも考えられるということ。その場合は、上述の措置によって、適切な住宅を確保できるよう個別に配慮することが必要であるということを記載しております。

 その次に、4として、特別基準の検証結果に関する留意事項を記載しております。

 1ポツ目は、厚生労働省において特別基準の見直しを検討する際には、上記3の検証結果を考慮するとともに、以下の点についても留意する必要があるということを書いております。

 2ポツ目は、検証で使用した住宅・土地統計調査のデータは、平成2010月1日時点のものでありますので、その直前に起きたリーマンショック、その後の東日本大震災、さらに24年から26年にかけて、いわゆる団塊世代が65歳に達して、大量に退職が起きていることなどに係る影響がデータには反映されていないということ。したがって、調査後の市場家賃の動向を勘案した上で、特別基準の見直しには十分な注意を払う必要があるということ。

 特に、東日本大震災後に、家賃相場が上昇している地域において、特別基準が適切な住宅を確保することが可能な水準となるよう十分に留意することが必要であるということを記載しております。

16ページに行きまして、3ポツ目ですけれども、今回の検証結果を反映させた場合の特別基準が、今の特別基準から大きく減額となる場合は、生活保護受給世帯の生活の維持に支障が生じることなどが懸念されるため、激変緩和の観点から、減額幅には一定の上限を設けるなどの措置が望まれるということ。

 また、特別基準の見直しについては、その地域の市場における住宅の供給状況等を確認した上で検討するべきであって、特に特別基準が減額となる場合には、配慮が必要であるということを記載しております。

 4ポツ目は、現に民営借家等に入居している生活保護受給世帯の方については、特別基準の見直しによって、減額が直ちに適用される場合には、その住宅の貸主が家賃額を値下げしない限り、最低生活の維持に支障が生じるおそれがあるため、契約更新時までは見直し後の特別基準の適用を猶予するといったことなど、適用時期については一定の経過措置を検討する必要があるということ。

 それと、貸主の判断による家賃額の値下げが見込めない場合は、見直し後の特別基準の範囲内の家賃額の住宅への転居を可能とすることとか、現に入居している住宅に引き続き住み続けることが、その世帯の自立助長の観点から必要であると認められる場合は、従前の特別基準の適用を認める措置をとることを検討する必要があるといったこと。

 なお書きとして、特別基準の見直しを踏まえて、家賃額を値下げするかどうかは、一義に貸主の判断によるが、そもそも住宅扶助は生活保護受給世帯を経由して最終的には家主に支払われることになること。その意味で、特別基準の見直しは、家主の賃貸住宅経営に直接的に大きく影響するため、厚労省や地方自治体において特別基準の見直しの趣旨等を貸主とか不動産事業者等に十分に周知して、理解を得るなどの方策をとる必要があることを記載しております。

 続きまして、5として、運用による住宅扶助の適正化について記載しております。生活保護受給世帯において、より適切な住環境を確保するための方策も検討することが必要であって、そのための方策としては、以下のようなものが考えられるとしまして、(1)貧困ビジネスの排除のところでは、生活保護受給世帯が居住する住居が劣悪であって、明らかに不適当であると認められる場合は、より適切な住環境であって特別基準の範囲内の住宅への転居を指導するということ。

 (2)住宅探しに関する不動産事業者等との協働のところでは、生活保護受給世帯が保護開始時に住宅を確保する必要がある場合や、転居する必要が生じた場合は、家賃額が特別基準の範囲内の物件を民間の不動産賃貸情報などを活用して情報提供するといった支援が有用であるということ。必要に応じて福祉事務所が民間の不動産事業者等と協力してこれを行う方策を整える必要があるということ。

 なお書きとして、保護受給後に新たに入居しようとする住宅の家賃額が、近隣同種の住宅の家賃額と比較して、合理的な理由なく高額な設定となっていると認められる場合は、適正な家賃額の物件に入居するよう指導する必要があるということを記載しております。

 続いて、17ページでございます。

 (3)公的借家の活用のところでは、公営住宅とかUR賃貸住宅は、比較的低廉な家賃で適切な住環境である住居も多いと考えられますことから、福祉事務所においては、これらの住居の空き状況、被保護世帯の生活状況、家族構成等を考慮して必要と認める場合には、住居の確保が必要な生活保護受給世帯に対しまして、これらの住宅への入居についても選択肢の一つとして提示するということ。

 (4)居住継続のための生活支援が必要という項目では、障害者や高齢者で特に単身世帯であることによる入居拒否の実態が一部に見受けられますけれども、その大きな理由として、身元保証や日常的な見守り、万一の場合の対応懸念がありまして、そうした懸念がリスクプレミアムとして、生活保護受給世帯の家賃に含まれている可能性も否定できないということ。貸主のそうした不安を払しょくするために、単身の障害者、高齢者等の入居支援から日常的な生活支援まで一貫して行えるような仕組みづくりも今後の課題であるということ。介護保険や医療保険ではこうした支援には対応できず、反面、日常的な支援がないことが、過度な介護とか医療需要に結びついている可能性もあって、これらの点を十分に考慮した対応が求められるということ。

 (5)代理納付制度の活用では、生活保護受給世帯が家賃を滞納することによって、転居せざるを得ない状況に陥る場合があるということや、保証料が家賃額に上乗せされていることによって、家賃額が割高になっているケースも認められるということから、代理納付制度の活用をより一層促進することが望まれるということを記載しております。

 次は、6として、毎年の特別基準の改定方法についてということで記載しております。

 1ポツ目は、現行は、都道府県、指定都市、中核市別に、前年度基準額、物価の伸びを勘案した額、生活保護受給世帯の家賃額97%をカバーできる額といった3つの指標を参考として改定を行っているということ。

 2ポツ目は、近年の地方別の家賃物価指数の動向をみますと、東北地方と沖縄地方以外の地方では、家賃物価指数が下落している一方で、特別基準はほとんどの自治体で改定されていないということ。

 3ポツ目は、毎年の住宅扶助基準の改定方法については、入居中の家賃は下方硬直性があって、新規入居の家賃に比べて下落しにくい傾向があることも十分踏まえて検討する必要があるといったことを記載しております。

 次は、3 冬季加算の検証についてでございます。

 1は、概要でございます。

 1ポツ目は、冬季加算は、冬季における光熱費等の増加需要に対応するものとして、11月から3月において、生活扶助を受給している生活保護受給世帯に対して上乗せして支給されるものであるということ。

18ページに行きまして、2ポツ目は、冬季加算は昭和26年に創設されて、昭和40年代初めは国家公務員の寒冷地手当の設定方法に準じて設定しておりましたけれども、昭和49年度からは生活扶助基準改定率を乗じることで設定しているということ。

 3ポツ目は、世帯人員別の比率(指数)は、勤労者世帯の世帯人員別の消費支出額を基礎として、昭和61年度に設定されて以降、表のとおりとなっているということ。

 4ポツ目は、級地間較差は、1級地−1から3級地−2までの6区分を4.5%等差で設定しているということ。

 5ポツ目は、地区区分は、平均気温が最も低い月の気温あるいは積雪量、積雪期間、暖房が必要な日数などを総合的に勘案して、都道府県別に6区分に指定していて、昭和41年度以降、表のとおりとなっているということ。

 6ポツ目は、本部会においては、冬季加算の水準について、生活保護制度の趣旨・目的に照らして妥当なものとなっているか、検証手法について議論を行った上で、検証を行ったということを記載しております。

 次に、2として、検証方法を記載しております。

 まず、(1)の検証方針の1ポツ目でございますけれども、現行の冬季加算が、各地域における一般低所得世帯の消費実態(冬季に増加する支出額)と均衡がとれたものとなっているかという観点から検証を行ったということ。

 2ポツ目は、寒冷地における光熱費は、食費や住宅と同様に、必需的費目であって、収入が低いほどその割合が増える傾向がある点も考慮して検証を行う必要があるということを記載しております。

 (2)として、検証に使ったデータ、家計調査について記載しております。

 1ポツ目は、検証では、季節的な特別需要を検証する必要があるため、総務省において毎月の家計収支等を調査している家計調査データを総務省から借り受けて、特別集計した結果を用いたということ。

 2ポツ目は、なお書きとして、調査世帯数は全国で約9千世帯であって、各都道府県別に集計した場合は、サンプル数が小さくなるということ。

 3ポツ目で、このため、集計区分を基本的に現行の冬季加算地区区分として、また平成21年から25年までの5年分を平均した結果により検証したということを記載しております。

19ページに行きまして、4ポツ目は、検証では、年間収入第1・十分位の世帯のデータを用いることを基本としましたけれども、サンプル数を確保する観点から、検証内容に応じて第1・五分位や第1〜3・五分位のデータも用いて検証したということ。

 5ポツ目は、家計調査の調査対象市町村には、豪雪地域とか山間地域が必ずしも含まれていないという限界があることに留意する必要があるということを記載しております。

 (3)としまして、検証方法を記載しております。

 1ポツ目は、冬季加算は、冬季に増加する光熱費等の需要に対応するものでありますけれども、念のため冬季にどのような支出費目で増加しているのかを確認した上で、冬季に支出が増加する費目として特定された費目を対象として、以下の検証を進めたということ。

 2ポツ目は、現行の冬季加算は、各都道府県を1区から6区までの6地域に区分して基準額を設定していますけれども、この地域区分が適切なものとなっているか、気象データや光熱費の冬季増加支出額との関係を比較することで検証したということ。

 なお書きで、省エネ基準の地域区分との比較も行ったということを記載しております。

 3ポツ目は、冬季に支出が増加する費目の月別支出額を地区別に算出して、寒冷地ではない6区の年平均支出額を100とする指数が、100を超える月を確認することによって、各地区において冬季に増加する支出費目の支出額が増加する期間を検証したということ。

 4ポツ目は、冬季に増加する支出額を世帯人員別に算出して、3人世帯の冬季増加支出額を100とした場合の指数を世帯人員別に算出することによって、現行の冬季加算の世帯人員別の較差は妥当かというのを検証したということ。

 5ポツ目は、冬季に増加する支出額を級地別に算出して、2級地の冬季増加支出額を100とした場合の指数を算出することで、今の冬季加算の級地間の較差が妥当かという検証を行ったということ。

 6ポツ目は、地区別の冬季加算の水準が妥当なものとなっているか、地区別に一般低所得世帯の冬季増加支出額と冬季加算額を比較することで検証を行ったこと。

 なお書きとして、各地区における冬季期間は、上記の検証によって、冬季に支出が増加する期間として特定された期間として、各地区における実態が反映される形で検証を行ったということ。

 また、生活保護受給世帯に多く含まれる属牲、木造・防火木造で民営賃貸住宅に居住して、就業人員なしといった世帯における冬季の増加支出額と冬季加算額についても、地区別に比較を行ったということ。

 7ポツ目は、冬季加算が、寒冷地等の需要に対応できるものとなっているか、灯油の消費推計額の確認を行ったことを記載しております。

 次に、20ページでございます。

 3として、検証結果を記載しております。各地域における一般低所得世帯の消費実態、季節により増加する費目を特定して、その費目による支出額との均衡がとれたものとなっているかという観点から検証を実施して、検証結果は次のとおりとしたこと。

 (1)冬季に増加する費目の1ポツ目は、家計調査データの特別集計を行って、冬季、11月と1月〜3月における平均支出額と年平均の支出額との差がプラスとなる費目を検証した結果、プラスとなった費目は光熱水道、被服及び履物、交通通信、教育扶助対象外の教育費、その他の消費支出であったということ。

 なお、12月において食料費などが年平均の支出額よりも高くなっている費目が多いということがありますけれども、12月の増加需要については、期末一時扶助の対応があるため、冬季に増加する費目を特定するにあたっては、冬季から除外して検証したということ。

 2ポツ目は、これらの費目のうち、冬季における支出額と年平均支出額との差について10大費目別にみた場合、統計的に有意なものは、光熟水道のみであったということ。さらに、そのうち電気代、ガス代、他の光熱(灯油等)に有意性が認められたということ。

 3ポツ目は、このため、以下の検証においては、冬季に増加する費目としては光熱費を

使用して行ったということ。

 なお書きとして、冬季の年平均に対する増加額が光熱水道で5,372円となっている一方で、生活扶助相当合計の増加額のほうは61円となっていますけれども、収入が低い世帯では、光熱費は必需費目であるため、節約ができなくて、他の費目の支出を抑えることによってやり繰りしているとも考えられることから、冬季加算に対応する需要としては、生活扶助全体の冬季増加分をみるのではなくて、冬季に増和する費目である光熱費の冬季増加分をみることにしたということを記載しております。

 (2)は、地区区分を記載しております。

 1ポツ目は、現行の地区区分は、各都道府県を1区から6区までの6地区に区分して指定しているということ。現行の地区区分は、気温や積雪などの気象データ等を勘案して設定しており、昭和41年度以降見直しがされていないことから、近年の気象データや都道府県別の光熱費、冬季増加額との整合性がとれているか確認を行ったということ。

 2ポツ目は、現行の地区区分と気象データとの相関係数をみますと、相関係数は−0.92となっていて、各県別の光熱費冬季増加額との相関係数も−0.83となっていることから、現行の地区区分は、概ね妥当と考えられるということ。

 続いて、21ページでございます。

 なお書きとしまして、現行の地区区分のうち、北海道と沖縄県を別区分とした場合、現行の地区区分と気象データや光熱費冬季増加額との相関が向上したということ。

 3ポツ目は、省エネ基準は、住宅のエネルギー消費量を適切に評価するため、市町村別に8区分で地域区分を設定しており、暖房度日を指標として設定しておりますけれども、省エネ基準の地区区分と気象データや光熱費冬季増加額との開係も確認したということ。

 省エネ基準の地域区分と気象データとの相関係数と、県別の光熱費冬季増加額との相関係数とも、現行の加算の地区区分とそれらの相関係数よりも低い結果となったということ。

 4ポツ目は、地区区分は、都道府県別又は市町村別など、きめ細かく検証して設定することも考えられますが、家計調査の調査世帯数を用いて県別にきめ細かく検証することは困難であるということから、概ね妥当であることが確認された現行の地区区分に加えて、省エネ基準による地域区分も使用して検証を行ったということを記載しております。

○駒村部会長 井上さん、ちょっと急ぎましょうか。かなり時間が押してきています。議論する時間も必要だと思いますので。

○井上課長補佐 はい。

 (3)は、消費支出額が増加する月について記載しています。

 1ポツ目では、地区ごとに光熱費が増加する月をみるために、現行地区区分の6区又は省エネ基準だと6地域、そちらの年平均の光熱費支出額を100として、各月における光熱費支出額の指数を確認したということ。

 2ポツ目は、6区における年平均の光熱費支出額を100とする指数が、100を超える月は表のとおりとしたこと。

 3ポツ目は、なお書きとして、電気料金の支払い月は実際に電気を使った月とタイムラグが発生するので、実際使った月と支払い月が異なる可能性があるということを記載しております。

22ページでございます。

 (4)は、世帯人員別較差について記載しています。

 1ポツ目は、今の冬季加算額の世帯人員別の較差と年間収入第1〜3・五分位の世帯におけます冬季に増加する光熱費支出額の人員別較差を比較したということ。

 3人世帯を100とした場合の指数で較差を見ますと、単身世帯、4人世帯、5人世帯における年間収入第1〜3・五分位の世帯の支出額の指数は、今の冬季加算額の指数より小さくなっている一方で、2人世帯の指数は、その逆になっているということ。

 2つ目は、なお書きで、単身世帯の冬季の光熱費増加支出額は、就業あり世帯の4,000円程度に対して、就業なし世帯や高齢者世帯はその倍ぐらいになっているということ。

 3ポツ目は、検証結果を踏まえて、人員別較差を見直す際には、生活保護受給世帯における単身世帯には、高齢者を含めて就業していない者が多いことなども考慮する必要があるということを記載しています。

 (5)は、級地間較差についてでございます。

 1ポツ目は、今の加算額の級地間較差と年間収入第1〜3・五分位の世帯におけます、冬季に増加する光熱費支出額の級地間較差を比較したということ。2級地を100とした場合の指数で較差を見ますと、年間収入第1〜3・五分位における級地間較差につきましては、今の冬季加算の級地間較差ほど較差は認められなかったということ。また、2区と3区と5区におけます支出額の指数は、3級地が2級地よりも大きくなっているということ。

 2ポツ目は、このため、冬季加算の級地間較差については、縮小又は廃止することが考えられるということを記載しております。

 (6)は、住宅の状況等による支出額の違いについて記載しています。

 冬季に増加する支出額について、住宅の所有関係別や構造別などで差が生じるかどうか検証した結果、所有関係別では、持ち家の一戸建てにおける支出額の増加額は、賃貸住宅における増加額よりも多いことが認められたということ。構造別ですと、木造の住宅における増加額は、鉄筋コンクリート造における増加額よりも多いことが認められたということ。建築時期別や就業人員の有無別では、大きな違いは認められなかったということを記載しています。

 (7)で、水準の検証を記載しております。

 1ポツ目は、一般低所得世帯におけます冬季に増加する光熱費支出額と冬季加算額の比較を地区別に行ったということ。

 なお書きで、生活扶助基準の検証と同様に、年間収入階級の第1・十分位の世帯との比較を基本としますけれども、その数値が特異なものとなっていないか確認するために、ほかの分位の数値も集計したということ。

23ページでございます。

 2ポツ目は、比較は、2人以上の低所得世帯における冬季の光熱費支出額の増加額と比較した場合と、2人以上の低所得世帯のうち、生保世帯に多く含まれると考えられる※印にあるような属性の世帯の増加額と比較した場合の2種類の比較を行ったということ。また、地区区分では、今の冬季加算の区分と省エネ基準の地域区分の2種類で比較を行ったということを書いています。

 3ポツ目は、その結果は別紙3のとおりですけれども、2人以上の低所得世帯の光熱費増加支出額と冬季加算額を比較した場合、今の冬季加算の地区区分ですと、1区を含む大部分の地区において、低所得世帯における光熱費増加支出額が冬季加算額を下回っているということ。また、省エネ基準の地域区分で比較した場合でも、ほぼ同様の傾向が認められたということ。

 なお、1区の1か月当たりの光熱費の額を年間収入分位別にみますと、第1・十分位が9,483円、第1・五分位が9,889円になっていて、年間収入分位によって冬季増加光熱費の額に大きな差がないということから、光熱費が節約の余地が少ない必需費目であるということが確認できたということ。

 4ポツ目は、生活保護受給世帯に多く含まれると考えられます属性の世帯における増加額と比較した場合においても、今の冬季加算の地区区分と比較した場合、あるいは省エネ基準の地域区分で比較した場合、双方で大部分の地区におきまして、低所得世帯における光熱費増加支出額が冬季加算額を下回っていることが認められたということ。

 なお書きとして、検証結果を踏まえて加算額の見直しを行う際には、生活保護受給世帯に多く含まれると考えられる属性の世帯に限定した集計結果は、調査世帯数が少ない地区もあることに留意が必要であるということを記載しています。

 (8)は、灯油の消費推計額の確認について記載したものでございます。

 続いて、24ページでございます。

 4として、検証結果に関する留意事項を記載しています。

 1ポツ目は、今後、厚労省において加算の見直しを検討する際には、上記3の検証結果・評価を考慮するとともに、以下の点についても留意する必要があるということ。

 2ポツ目は、今回の検証に使用した家計調査データについては、21年〜25年のものであることから、これ以降の光熱費の物価の動向等についても考慮する必要があるということ。

 3ポツ目は、家計調査データの調査対象地域には、豪雪地域や山間地域が必ずしも含まれていないことにも留意する必要があるということ。

 4ポツ目は、傷病・障害等によって常時在宅していて、暖房費用がかかるという特別な事情がある場合に、必要な暖房費用が賄えないということがないように、必要最小限度の額を別途設定できる仕組みも検討することが必要であるということ。

 最後、5ポツ目は、今回の冬季加算の見直しに合わせて、光熱費以外で冬季に増加需要があると考えられる除雪費用への対応や、保護開始時において暖房器具を有していない場合の購入費用への手厚い対応等についても検討が必要と考えられることを記載しております。

 最後に、4 その他について記載しております。

 本部会においては、平成26年5月に開催した第17回より、有子世帯の扶助・加算についても論点や検証手法について誰論を進めてきましたが、今回は時間的制約等もあって、一定の整理をするまでには至らなかったということ。

 今後も引き続き本部会において、政府として取り組んでいる子どもの貧困対策を踏まえつつ、議論を重ねていく必要があるということを記載しております。

 そのほか、25ページ以降に別紙としてデータ編を添付しております。

 説明が長くなり、申しわけございませんでした。以上です。

○駒村部会長 どうもありがとうございます。すみません、ちょっと時間が押しているのですけれども、この会議室は後ろは切れていますか。多少延びることは構いませんか。

○大西課長 はい。

○駒村部会長 それでは、事務局の説明について、委員の先生方から、資料1から4、いずれについても補足やコメントをいただければと思います。特に、今日は資料4の報告書(案)が極めて重要でございますので、これについて御意見いただきたいと思います。

 作業班の委員の先生は、ある程度作業班の中で議論した内容が反映されていると思いますので、最初に道中委員と栃本委員にコメントをいただければ。

 では、先に道中委員からよろしくお願いいたします。

○道中委員 お疲れさまです。私のほうから、2点ほど、確認ということで触れさせていただきます。

 まず、16ページの運用による住宅扶助の適正化ということですけれども、ここには後のほうの配慮ということで、たくさん細かいところが示されておるのですけれども、まず適正化というところで、悪質な保護住宅に入っておられる方に転居を指導するという文言がぱらぱらと入っております。

 このあたりは、社会的弱者の囲い込みをやっているような業者とか、そういう方々に対して、直接本人に対して指導ということなので、なかなか動きがとれないですね。ですので、その指導の類型にもあるのですけれども、27条の展開が次の処分を控えるということにはいかないと思うのですけれども、何とか家主のほうへ、その効果が及ぶような技術的助言とか次のステップを踏まれるようなところをお願いしたい。運用ということながら、もう少し詳しいことを、ここで記載するのはどうかと思いますけれども、その辺の御配慮をお願いしたいというのが1点です。

 もう一つは、少し前のほうになりますけれども、14ページの上段の丸のところは、質に応じた住宅扶助特別基準の設定という項目です。この冒頭で、41%の特別基準の額が低いのかどうか。逆に、生活保護基準が設定されているがゆえに高どまりしているのかという、2つの全く逆の捉え方ができる可能性があることが少し気になります。

11ページの9%の「判断ができない」という回答がある部分について、調査手法の問題があるかもわかりませんけれども、この9%をどうインテグレーションするのかということを少し御説明いただければありがたいと考えます。

 以上2点です。

○駒村部会長 3点ですかね。今の道中委員のコメントと類似した御意見はありますか。特に、最初のところは、16ページの実効性ある助言というのはどうなのかという御意見がありましたけれども、これについてほかの委員の方から何かあれば。では、山田委員、お願いします。

○山田委員 道中委員御指摘の運用による住宅扶助の適正化、16ページですけれども、運用による適正化を行うには、それなりのマンパワーも必要になってくると思いますので、そうしたことも含めて、必要であれば福祉事務所に過重な負担が及ばないよう、人的配置を可能とするような何か手当というのも、可能であれば書き込んでいただかないと画餅のような。せっかくいろいろと細かく留意事項とか書いてあるのですけれども、そういったことにきめ細やかに対応できなくなりますので、ぜひともその辺の人的配置についても書き込んでいただきたいと思います。

○駒村部会長 ありがとうございます。

 先ほどの道中委員の3点に関連して、ほかの委員からあれば。では、園田委員、お願いいたします。

○園田委員 道中委員御指摘の2つ目のポイントについて、私もちょっと申し上げたいと思います。

14ページで、最低居住面積水準を満たしていない住宅で、特別基準額以上が41%というところをどう捉えるかという御指摘があったと思うのですが、実はこれの問題というのは、無料低額宿泊所などが典型だと思うのですが、要するに単身で障害があるとか、単身で介護が必要な方の場合、居室だけがあっても生活が成り立たないわけです。それは、福祉施設とか高齢者住宅にも同じ問題があるのですが、ここで押さえているのが、その人が使う専用の居室面積だけであると明らかに面積が低いのに高い家賃なのですが、ひょっとすると共同で生活するための、例えば食堂があるとか浴室があるという共用部分まで含めると、その面積のカウントが全然違ってくるわけですね。

 ですから、御指摘の点で言うと、貧困ビジネスというのはもってのほかなので、これについては、むしろ先ほどおっしゃったような公開性とか透明性を求めることしかないと思うのですけれども、単純に床面積に応じた支給額にすればいいかどうかというと、ここのタイトルが、13ページの下ですけれども、住宅と居住の質に応じた住宅扶助基準を考えていかなければいけないという大きな課題があって、住宅のその人の専用面積だけで見れば完全にアウトですけれども、実は単身者で障害あるいは自立した生活ができない場合に、サポートする部分の共同的な面積も必要なので、そこの部分をどう考えるのかというのは非常に大きな問題ではないかと思います。

○駒村部会長 ほかにありますか。では、岩田委員、お願いします。

○岩田部会長代理 今の14ページの4番目の丸の表現は、私もとても難しいと思うのですね。今回、非常に矛盾に満ちた実態が実はわかったわけです。つまり、生活保護の方たちの民営借家等の実態は非常に質が劣悪であると。ところが、ケースワーカーたちは、近隣と比較して、別に高額な家賃が設定されていると思っていないのですね。0.6%ですよ。少なくとも9割はオーケーと考えているわけですね。それは一体何かという問題が1つあるわけですね。

 見つからないということもあるのではと思いますけれども。

もう一つは、最低限をクリアしている住宅へ誘導していくという観点から、床面積が小さい住宅については支給額を減ずるという意図とも読めますが、それが誘導になるかどうかということです。それなら、もう貸さない。住宅扶助の基準額が出るから貸しているのに、減ずるなら貸さないという方向にいかないとも限りませんね。地域によって違うとは思いますけれどもね。

 今回、最低基準をまずはっきり打ち出して、その上での比較ということをやったので、大変正しい方向だと私は思うのですけれども、だからといって、満たさないから、それを家賃を減ずると誘導できるかというと、そういうマーケットであるかどうかというのは十分吟味しないと、これは難しいと思います。

○駒村部会長 栃本委員、この点については何かありますか。よろしいですか。この点に関連して、もしあれば、この際ですから。

○栃本委員 たくさんあるのですけれどもね。

○駒村部会長 後で全部お聞きします。

 まず、この点に関連して、ありますか。道中委員から御指摘があった3点にかかわる点で最初に一通り。この後、事務局から考え方の御説明を受けます。いいですか。

○栃本委員 結構です。

○駒村部会長 はい。では、今の各委員のコメント、御意見に対して、事務局の考え方を御説明いただければと思います。よろしくお願いします。

○大西課長 ありがとうございます。

 道中先生の1つ目の、悪質なケースについて転居指導を実効性のあるものにということにつきましては、家主さんと直接の関係をどこまで福祉事務所が持てるのか、持つほうがいいのかというのは、現場の実態・状況によってさまざまだと思いますけれども、代理納付の取り組みなどもこれまで進めてきておりまして、その利用状況も改善していきたいということも考えておりますし、税財源でこの制度は運営しているわけですから、御苦労というか、困難を抱えた方々が多いわけでございますけれども、そもそもコスト意識というものを少しでも持っていただきたい。

 福祉事務所やケースワーカーの現場の方々も、そういうことを少しでもより意識していただいて、そういうメッセージを家主さんなり不動産業者の方ともやりとりをしながら、よりそういう意識が高まって反映されるような方向で活動していただければありがたいと考えております。そのために、また関係の通知などでも取り組みの指針のようなものを示すことが必要ではないかと考えております。

 2番目につきましては、園田先生からコメントをいただいたとおりでございます。

 3番につきましては、ケースワーカーでは判断できないという回答であるということで、それは現場で忙しい中で調査していただいたという限界もあるでしょうし、先ほど申し上げましたようなコストに対する基本的な考え方のようなものが、現場のケースワーカーの方々に、そういう視点なりノウハウというものを十分に獲得していただけていないようなところがあるのかと思います。それは、山田先生からも御指摘あったように、住宅・不動産関係の専門的な知識を持った方を増員できるように、配置できるようにすればいいのではないかという御指摘にもつながってくるわけでございますけれども。

 現行でのセーフティネット補助金という枠組みの中で、これがまた限られた財源の中で、いろいろ厳しい運用をさせていただいているわけですけれども、住まいの安定のための取り組みも位置づけさせていただいております。自治体の数はまだ大変少のうございますけれども、そういう専門性を持った住宅ソーシャルワーカーといった方を配置して、まさにより低コストでよりよい住宅に移っていただくという取り組みも効果を上げているような実例もございますので、そういうことも含めまして、どんな記載ができるのか、検討させていただければと思っております。

 あと、園田先生からコメントいただいた点は、ありがたいコメントだと思っております。単純にその方の居室のみでいいのか。それは、その後の配慮なり運用にかかわる記述とも関連してまいりますけれども、実際に施行に向けて通達などを整理する中で、よく配慮・検討していかなくちゃいけないポイントではないかと考えております。

 岩田先生のいただきましたコメントも、そういう意味ではよく留意して整理していく必要があると考えております。

 以上でございます。

○駒村部会長 では、お待たせしました。栃本委員のほうから御意見、コメントをいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○栃本委員 何点ぐらいあるか、最初に。

○駒村部会長 よろしくお願いします。

○栃本委員 今回、この1ページ目にありますように、検討作業班の方々が精力的に検討して、このような形でまとめてくださったので、とてもいいものになったということを私、拝見して思いました。これが第1点です。

 その上で、配慮事項とか、そういうものについて、事務局と検討作業班の方々が議論しながらされたので、基準額を考えるに当たっての留意事項がかなり細かく書かれていますので、これもすばらしいなと思いました。

 それと、先ほど道中委員の関係で、中身のことで少し触れられましたけれども、今回、生活保護受給世帯の居住実態に関する調査というのは画期的なものだと思います。極めて重要な調査でして、ケースワーカーの方が、前、山田委員が御苦労さまということを話されましたけれども、本当にこれは大変重要なものだと思います。特に、従来から最低居住面積水準の話がありましたけれども、それとあわせてファシリティーといいますか、そういうものを加えて調査を行われたのも、今後の居住環境とか居住保障を考えるための一番最初の出発点になったということでありますので、とても重要な資料であると思いますし、画期的であると思います。

 もう一つ、先ほど道中委員が中身のことでおっしゃられましたけれども、資料2の集計結果の26ページで、「複数選択回答のため、合計と疑義有りの568件とは一致しない」と書かれておりまして、「特別な理由有り」の「その他」が219となっているということで、本文でも重要な形で触れられています。この集計結果が当然公表されますので、その辺、解説というか、もう少しつけ加えられたほうが、とても重要な画期的な資料だと思いますので、後で結構ですけれども、来年にでもしていただければと、ぜひお願いしたいということです。

 あと、本文を拝見したわけですけれども、15ページで、無低との関係もあるのですけれども、「生活支援サービスにかかる人件費等のコストに対応する扶助が、生活保護基準の体系ではない現状においては、生活支援サービスにかかるコストに対して、住宅扶助費が充当されることはやむを得ないと考えられるが、将来的には、生活支援サービスにかかるコストに対応する扶助の仕組みを設けることなども検討することも必要であるとの意見もあった」ということで、この部分は極めて重要な指摘であります。

 この部分と、もう一つ、対応関係になると思うのですけれども、17ページの(4)の最初の丸の真ん中あたり、「そうした不安を払しょくするために、単身の障害者、高齢者等の入居支援から日常的な生活支援まで一貫して行えるような仕組みづくりも今後の課題である。介護保険や医療保険ではこうした支援には対応できず、反面、日常的な支援がないことが、過度な介護や医療需要に結びついている可能性もあり、これらの点を十分に考慮した対応が求められる」という部分と、先ほどの15ページの「なお」の3行目からが、両者、対応していると考えておりまして、特に社会福祉事業の中で、こういうものをきちんと位置づけるべきだと思う。

 先ほど山田委員から、福祉事務所も一生懸命頑張ってはいるのだけれども、その一方で、社会福祉とか貧困の問題とか、その他もろもろ考えると、歴史的に見たら、国家責任はもちろんあるし、福祉国家であるから公行政がやらなきゃいけないのだけれども、それと民間との対応で補う形でと言うとあれなのだけれども、一方で民間の対応がとても大事で、こういう部分についてメンションされているというか、指摘されている。というのは、基準についての部会ではあるのだけれども、それらの検討を通じる中で出てきた重要な指摘でもあると思うのですね。これまた画期的なものだと思っています。

 そういうことで、ほかにもあるのですけれども、一応、そのようなことを申し上げたいということです。

○駒村部会長 ありがとうございます。

 ちょっと私のほうからも提案ですけれども、岩田先生から先ほど、今回の住宅扶助の基準について、どういう考え方でやったのか。それから、今回の議論の中で明らかになった、栃本委員がまさに居住保障という話もされていたわけですけれども、今、おっしゃったような内容。あるいは、今後、単身高齢者、住宅のない方も増えてくるという中で、この部分が非常に重要になってくるという基本的な考え方を、検討の経緯の前に挿入したほうがいいのではないかと思います。この辺は、事務局のほう、今の委員のお話など、あるいはこれから追加される御意見もあると思いますので、踏まえて入れたいと思います。

 後で、またこれに関連する御意見がありましたら、作業班員のほうからもコメントをいただきたいと思います。

 とりあえず、栃本委員からの御意見ですけれども、ほかにこれに関連する御意見、委員のほうでお持ちでしょうか。岩田委員、お願いいたします。

○岩田部会長代理 すみません、作業班で解決すべき問題だったと思うのですが、今日、住宅扶助のほうですけれども、訂正後の資料が出ていまして、その2ページの丸の3つ目で、現行の単身世帯の住宅扶助特別基準は、14.8%をカバーする水準になっている。これは、全国の単純な平均ですけれども、この報告の11ページに、生活保護受給世帯を除いて推計すると、ということですけれども、全国平均で12.7%となっているという表現もありますが、これは訂正はなくて、これは正しい?

 それで、ちょっとテクニカルな質問ですけれども、注にありますように、生活保護世帯を今回は8月の実態調査の抽出率の逆数を掛けて、それを引いた結果、こういうことになったということですね。でも、今回調査は8月に訪問する世帯に限定されているので、生活保護全体の居住実態が反映された数と、もちろん時期も違いますし、抽出地区も違う。だから、単純な差し引きをすることができるのか疑問です。ですから、報告書で書くとすれば、生活保護受給世帯も含んでしまっているから、全国平均で14.8%となっているとした上で、注をつけて、もしもこういう計算が可能であれば、12.7%ぐらいになるという逆の書き方のほうが正確ではないかと思います。

 それから、どうしてそれにこだわるかといいますと、次のページの表が、さっき言った最低限というのをクリアした上で、しかもストックの家賃のパーセンタイルで見ると、どのあたりを妥当としたらいいかということの判断が、この12ページの表になりますね。ここに13パーセンタイルの場合というのが出ていて、5、10152025というのが普通の考え方ですけれども、13パーセンタイルというのをわざわざ書いてあるのは、この12.7%を意識されていると考えていいと思います。

 もし、そういう差し引きがちょっと強引だとすれば、むしろ14.8%であるとすれば15パーセンタイルというのが一つの見方になるかもしれない。かもしれないというのは、つまり、これは前に山田先生もおっしゃったように、全国平均のストックを示しているだけで、何ら具体的にマーケットで入手可能な住宅の数を示しているわけじゃないわけですね。ですから、これは一番最初の3ページのデータのところにも書いてありますが、市場家賃を把握する必要があるとすると、マーケットエリアの設定が必要になるわけですね。これは、園田先生も私もアメリカとイギリスの例で1回、報告させていただきました。

 それが都道府県や級地と一致するということはまずあり得ない。だから、本当にしっかりやるとすれば、市場家賃の査定員というものがきちんといて、国交省が家賃の相場というものをマーケットエリアごとに把握してくれていれば、こういうことが可能だと思います。だから、これはあくまでストックの中で見ると、こういうものだよということで出ているわけですけれども、後ろにも全部ついていますので、ここで大体決められていくのではないかという感じを持つわけですね。

 もちろん、12ページに注意が必要だと書いてありますね。なお書きがありますけれども、「なお」の次に「しかしながら」というのが来て、家賃分布というのはストックでしかないから、探すことができるフローの住宅の状況をあらわしていないというのが先に来て、また家賃の相場というのが次に来る。そこでSUUMOをやってみたと書いてあるのですけれども、SUUMOもレントマーケットごとにやっていないわけです。丸めてしまっているわけです。だから、一見、マーケットの価格のように思われるわけですけれども、都道府県の1級地、2級地、3級地、指定都市、中核都市別に家賃が決まっているとは全く考えられないので、これも限定をつけていただいて、そうすると、決め手というのが非常に難しいことになります。

 だから、本来はこうすべきだということを書いていただいて、今回は次善のやり方として、一つの基準として見れば、この15パーセンタイルぐらいがその基準なのかもしれないけれども、それは絶対ではないということをどこかに書いていただかないと、物すごく誤解される。しかも、これ、全国ですね。後で都道府県別、都市別には出てくると思うのですけれども、それは大変危険で、住宅という非常に特殊な商品の市場と家賃相場がどういうふうに形成されているかということの吟味なしに、生活保護の基準を動かすと、その家賃相場それ自体も変化していきますし、実際上、入れない、あるいは出なきゃならないということが出てくる可能性がある。

 この点については、留意事項にたくさん書いてあるので、大丈夫だろうとは思いますけれども、これによって上限が増える地域と減る地域ができることになると思うのです。そのときに、この13パーセンタイルというのをそれほど重要なものとして、ここに載せなければならないかということは再検討いただきたいと思います。

○駒村部会長 時間がかなり押していますけれども、事務局の説明が長かったので、傍聴の方にも委員の方にも御迷惑かけますが、もし早く出たいという方がいらっしゃれば教えていただきたいと思います。委員の皆さんで、まだ発言されていない方が何人もいらっしゃるので、少し延びることになるのではないかと思います。

 今の岩田委員の御発言について、大事な点なので、ここで事務局の考え方を確認したいと思います。

 2つあって、1つは12.7の計算なりについてのコメント。

 それから、今回の報告書は、4ページに言葉の使い方の整理をやっていますけれども、ストックとフローという言い方をされているのですけれども、これは現在借りている状態のほうをストックと言って、フローというのは流通しているほうを言っている。図のほうでフロー家賃と書いていると、何のことかよくわからないかもしれませんけれども、それは一つの重要なキーワードで、この2つの評価を今、岩田先生が御指摘されたと。これで評価する際には、このストックとフローを意識して、基準と。

 それから、17ページもストックとフローの考え方で、どちらで改定するのか、どう考えるのかということを整理しておかなきゃいけないので、同じ話が改定の話にも出てくるわけですけれども、ストックとフローの両方のことについて、岩田先生から大きく2つのコメントがあったと思います。これについて、事務局から考え方を整理したものを述べていただきたいと思います。よろしくお願いします。

○大西課長 ありがとうございます。

 まず、抽出率、生活保護受給世帯の実態調査のことで、どれぐらいの正確さかということでございます。これは一月分ということで、その12分の1ということでございますけれども、福祉事務所が計画的に訪問調査を行うものから無作為抽出といいますか、正確に機械的に抽出してもらいまして行ったもので、数字としては十分客観的なものになっていると思います。生活保護受給世帯を除いたもので改めて確認したほうがよいのではないかということは、園田先生からも御助言いただきまして、改めて出し直させていただいたものでございます。

13パーセンタイルを書かせていただいたことにつきましては、その数字で現状が12.7%となっているということで、まさに岩田先生、またその他の先生からもお言葉がこれまでもあったかと思いますけれども、現在の生活保護制度の住宅の上限額ではございますけれども、設定の位置なり到達点をしっかり確認させていただいたと考えております。

 それが12.7で、なぜ12と書かずに13と書いているかといいますと、そこは私ども事務方の気持ちも込めさせていただいておりまして、資料の冒頭にも出てまいりましたけれども、国交省さんが事務局ではございますけれども、閣議決定までされております住生活基本計画の中で居住面積水準が掲げられており、その速やかな達成が求められておるという位置づけであれば、その上のほうの数字を参考として書かせていただいたほうが、より適切ではないかということで書かせていただいているものでございます。

 取り急ぎ、以上でございます。

○駒村部会長 はい。

○岩田部会長代理 私は誤解しているのかもしれませんけれども、この実態調査の対象は、調査月における訪問計画に基づく家庭訪問の対象となっている生活保護受給世帯を対象として、訪問頻度ごとにグループ化し、層化無作為抽出する方法により対象を決定。抽出率は、全体でおおむね12分の1という言い方の、この抽出率は1年間、全世帯の12分の1になるように8月分をやったと考えていいのですか。訪問計画は、訪問の頻度やいろいろな理由によって違うのですね。道中委員、どういうふうになっているのですか。

○道中委員 具体的に支援の必要な世帯ほど、色濃く、足繁く訪問しなきゃいけない。場合によっては毎月訪問とか隔月訪問という形になりますし、また高齢者世帯になりますと、世帯変動がそんなに大きくない。見守り的な局面になりますれば、三、四か月に1回という形で、支援のニーズに応じて訪問計画がそれぞれのケースで樹立されている。それが年間計画表という形になりまして、それに基づいて8月時点で行われているということなので、押しなべていけば、8月の時点で平均的な形で、季節的な変動等もないような気がします。

○駒村部会長 事務局から岩田先生の御質問に対して、またお答えいただいて、さっきのフロー、ストックの問題というのは、今回の検証の一つの考え方であるということだと思いますけれども、事務局のほうから今の一連の。まだ2つあったと思いますけれども、お願いします。

○大西課長 フローのデータもよく見る必要があるということで、それにつきまして、最も多数のアベイラブルなデータとしてSUUMOのデータをお貸しいただくことができ、これまでの検証でも参照させていただきましたけれども、実際の上限額の見直しに当たっては、そういう供給量の部分も慎重に配慮しながら加味していく必要があるということで考えております。そこは、慎重サイドでいろいろ活用・検討していくことが必要だと十分認識して対応していきたいと思います。

○駒村部会長 それでは、園田委員、お願いします。

○園田委員 今のフローとストックのところで、後で申し上げようと思ったのですが、住宅扶助特別基準の検証結果の16ページの上から丸2つ目の後半です。私、今回、ほかの委員の先生方と違って、住宅分野の専門委員として関わらせていただいたので、あえて申し上げたいのですが、実は今、日本はとんでもない供給過剰状態なのです。今回扱った住宅・土地統計調査は平成20年のものですが、最近、平成25年の速報値が出ているのですが、空き家率が日本全体で13.5%、820万戸。それから、賃貸住宅がそのうち半分以上を超えていまして、四百二十数万世帯あるのです。

 ということは、実は生活保護世帯の3倍まではないですけれども、賃貸住宅であれば、それだけの住宅ストックが日本全体では空いているという状況です。ですから、そういう意味で言うと、需給環境がある意味非常に緩んでいるわけです。

 今回、この住宅扶助を見直すということで、先生御指摘のとおり、とは言いながら、住宅マーケットというのは同心円状でも何でもなく、各地域でまとまりのある個別の住宅マーケットを形成していますので、上げ下げによってどういう変化が出るかということは、実はかなりミクロに見ていかないと予測がつかない部分が多々あるのです。

 ですので、私としては、今回これを見直すに当たって、もう一つの空き家、特に賃貸住宅の空き室が非常に増えているということで、そのフローの家賃がどういうふうに出てくるかということは全く予測がつかない部分があるので、そういうことへの配慮も必要だということと。

 だから、今のストックとフローで、フローのほうが必ず高く出るとも言えない状況とか、あるいは借りる人の信用力によって、フリーレントとか、礼金・敷金の扱いが違っているというのは、今回の作業班のヒアリングでもあったので、そこまではこの報告には書き込めないのですが、実は空き家・空き室問題との絡みがあるということはどこか書き加えていただいたほうが、先生の御指摘も含めていいのかなと思います。

○駒村部会長 マクロ全体の空き家問題と、一方ではエリアごとの市場での状況というのは、かなり違っているということで、その辺を丁寧に本来は見なければいけないということですけれども、何しろ住宅扶助の検証自体が久しぶりというか、初めてのような状態ですので、そこまで今回はできなかった。ただ、一つの方法であるということで、この方法がベストというわけではないと。むしろ、今回の改定が市場に与える影響とか受給者に対する影響を慎重に見ていただいて、さらに先ほど岩田先生がおっしゃったような検証方法を改善することも考えなきゃいけない。この辺は、報告書にきちんと書き加えたほうがいいのではないかと思います。

 山田委員。ほかの委員もございましたら、この点についてはよろしくお願いします。

○山田委員 今、園田委員の御指摘の点ですけれども、民間の賃貸住宅市場の無視できない割合で生保世帯が存在しているという御指摘は、以前、園田先生からあったと記憶しています。

 その点に関して私が懸念しておりますのは、17ページの6 毎年の住宅扶助特別基準の改定方法で、これはどういう改定をするかというのは、これからいわゆる政策判断として厚生労働省で行われていくことだと思うのですけれども、気がかりなのは、住宅扶助の特別基準を下げることによって少なからぬ生保世帯が影響を受けて、市場全体の家賃も下がる。さらに、それを参照して、また下げるということで、いわゆる負のスパイラルが起こって、住宅市場に非常に壊滅的な影響を与えかねないことを非常に懸念しています。ですから、これからどういう改定をされるにせよ、そういった負のスパイラル、循環参照の問題についても慎重な配慮をお願いしたいと考えています。

○駒村部会長 この点について、ほかの委員のほうからコメントありましたら。はい。

 では、今までの意見について、事務局のほうから御意見いただきたいと思います。よろしくお願いします。

○大西課長 市場に与える影響などにつきましては、かなり記述を入れさせていただいておりまして、まさにこれから新年度、見直しをさせていただいた場合、部会長からのお言葉もありますけれども、その影響をよく見ながら検証していく、検討していくことが必要だと考えております。

○駒村部会長 ほか、報告書あるいは資料に関して、御意見がありましたら、どうぞお願いいたします。では、岡部委員のほうからよろしくお願いいたします。

○岡部委員 2点、意見を述べさせていただきます。

 1点目は、生活保護制度の信頼性の問題についてです。先ほど、道中委員、栃本委員、園田委員、岩田委員からもお話がありました14ページ、15ページ、16ページに関連することです。高額な家賃の設定や無料低額宿泊所で、対人コストも含めて、住宅扶助の特別基準の中でやり繰りしているところがあります。これらについては生活保護の信頼性を高めていくためには、生活保護受給者へ指導・指示を通して転居指導を行う。あるいは、山田委員からお話が出ましたように、住宅に精通した職員を福祉事務所に設置することか。

 必要と考えます。それを併せて、転居に関する通知やガイドラインを出していただければと考えます。非常に良心的な無料低額宿泊所もありますが、そうでないところもあります。これらを峻別する具体的な尺度となるものを出していただけるとよいと考えます。本報告書の中で書かれたことを、もう一歩どのように進めるかぜひお願いしたい。

 と言いますのは、生活保護を受給されている方で、高額の家賃あるいは無料低額宿泊所に入所されている人は、これまで厳しい生活環境にあった方、発言が十分できない方が多い現実にありますので、当該指導・指示を行うだけでは、ある意味では限りがあります。そういう人たちを守るためにも何らかの方策を考えていただきたいと思います。

 2点目は、部会長からお話がありましたように、前文の中で、今回の基準部会で挙げられた事務についての考え方をぜひ記述していただきたい。そこで、お願いしたいのは、社会保障制度の中で生活保護制度が持っている役割について。2つ目に、生活保護基準が、生活保護制度の基準だけではなくて、国家の国民を守る基準であるということ。

 3点目は、住宅扶助は、今回の基準部会で初めて検証を行うということ、そこでは生活扶助基準の中で考えられてきた水準均衡方式で相対化して考える考え方にたたないこと。また住宅は、生活の最も基盤となる場であり、その文脈で住宅扶助基準の考え方と検証を行ったということぜひ記述して頂きたい。

 このことに関して、山田委員がおっしゃったように、相対化して考えていくと、負のスパイラルになってしまい底が抜けてしまう。実質的に住宅をどう保障していくのかという考え方を、本報告書の中に挙げていただきたい。

 それと、長くなって申しわけないのですけれども、先ほど部会長からちょっとお話がありました。生活保護を受給されている方の最も多い比率、5割弱が高齢者です。人口が高齢化してきますと、低年金・無年金の方が生活保護を受給される。その方達の住宅保障が、地域生活の中で継続性を考えたときに、大きな課題となる。また、それ以外にも障害者の方、傷病者の方、有子世帯の方の生活とか介護や養育環境を念頭に入れた住宅扶助とで考えていく必要がある。

 先ほど部会長がおっしゃったように、生活保護の手前の施策において高齢者とか障害者の住宅の保障が必要だということを押さえた上で、現在の住宅扶助の中で考えられることを記述していただければと思います。

○駒村部会長 次のステップで。

○岡部委員 では、そのあたりのことで、ちょっとお願いしたい。

○駒村部会長 多分、栃本委員、つながる部分があると思うので、どうぞ。

○栃本委員 ぜひ前文をつけていただくことが大切だと思います。

 もう一つ、さっき申し上げたように、本文の中で先ほど私が指摘した2つですね。福祉事務所は一生懸命頑張れということだけれども、今お話になった傷病も障害も高齢者もワンペアレントも、その方々が民間賃貸にもいらっしゃるし、公営住宅にもいらっしゃるし、サービス付き高齢者向け住宅にもいらっしゃるし、いろいろなところにいらっしゃるわけです。その人たちにきちんと対応するということが、結果的には効率的というか、非常に効果的な施策につながるわけで、事後処理的な形だけだとだめなので、福祉事務所のケースワーカーとあわせて、さっきお話ししたように社会福祉事業としてソーシャルワークの部分をきちんと入れ込むことで、結果的にそのほうがいろいろな形でこれからの未来予測というか、そういうところからいくといい形になっていくのはたしかです。

 そういうことも、今回、住宅扶助、貧困ビジネスの形でその部分が触れられたけれども、さっき岡部先生がおっしゃったように、またほかの先生もよく御存じですけれども、その中で支援してサポートして、何とかやろうとしている人たちもいるので、それらをきちんと質のいいというか、クオリファイされた形で行うためにも、そのことも検討する必要がある。

 もう一つ、さっきおっしゃったことで、訂正の部分で、1ページ目には、訂正後は14.8%になり、訂正前は13.1%ということだけれども、さっき事務局の説明がありましたように、本文の11ページの全国平均で12.7%というのは変わらないのですね。その上で、さっき説明されたように、12.7%が現状であるということだから、住生活基本計画の目標もあるのだから、少しでもアップすると13%という感じでつけたという意味ですね。わかりました。

○駒村部会長 ちょっと待ってください。コメントの部分と質問の部分があったと思います。山田先生の循環参照のところは、事務局、どう考えているか。あと、今の栃本委員の訂正かどうか、確認のところだけ事務局からお願いできますか。

○大西課長 資料の御認識は、栃本先生のおっしゃられたとおりでございます。12.7のところは、変わりません。

 循環参照といいますか、そもそも生活扶助でいえば、第1・十分位との比較だと較差が拡大している状況で、全体には循環を繰り返していることになるのではないかという大きなお問いかけを、この1年、いろいろな場でいただいていると思います。住宅の部分で、マーケットにどんな影響があるか、マーケット自体に悪影響がないように、そんなに下がるのだったら貸し出すのはもうやめてしまおうみたいなことにならないように。ただ、これは生活保護の住宅扶助の上限額が全てを決めているわけではございませんので、マーケットシェア的には半分とか、そういうシェアではございません。

 そういうことも我々はよく考えながら進めていきたいと思いますが、全体の要配慮事項ということで、これまで各般のご意見を入れて書いております。そういう中で、我々が制度ないし運用の中で手が届く配慮事項と、また、やることがどんな影響があるかということは、よく留意しながらやらなくちゃいけないという、より高度な留意事項と、2つあるのだなと認識しまして、これからも進めていきたいと思っております。

○駒村部会長 それで、実は冬季がまだ終わっていないのですけれども、住宅はとりあえず終わらせなきゃいけないので、あと、住宅について、もし残っている御意見がありましたら。では、阿部委員、園田委員、岩田委員の順番でお願いいたします。

○阿部委員 阿部でございます。4つ要望をこの場で発言させていただきたいと思います。質問ではなくて要望です。

 1つ目が、本人の意思に反する転居を強要しないということをどこかに入れていただきたい。先ほど前文の中で基本的考え方を述べるというお話がありましたけれども、私はぜひそこを入れていただきたいと思っております。よりよい住居が安い賃貸であるのであれば、そちらを御紹介するというのは、それによって本人がこっちのほうがいいと移られるのは、もちろんあることかと思います。ですけれども、本人が嫌だと思っているところに強要するような形でするというのは、私はこれは国家としてするべきことではないと思いますので、前文に基本的な考え方としてぜひ入れていただきたい。

 その中で、先ほど栃本先生でしたか、高齢者や障害者、有子に関して継続性が重要だと言ってくださったかと思いますけれども、第1に、今回の実態調査の中から出てきたのですけれども、被保護者の48%は、保護開始前から今も同じ住居に住んでいる。つまり、「我が家」に住んでいるわけです。その方々に対して、もし生保を受けたら、ここを動くことになりますよというメッセージを発するというのは、既に生保に対して抑制がいろいろなことで指摘されている中で、もう一つのハードルをつくってしまうと思うのです。

 そういった意味で、それを1か月前からにするか、10年前からにするかというのはあるかもしれませんけれども、以前からずっと同じ家に住んでいる方が生活保護を申請に来たときに、ここではだめですよ、もっと安いところに動かなきゃだめですよというのは、その困窮の度合いによって見るべきだと思います。もちろん、ものすごく高いところに住めるわけではなくて、住宅の特別基準の中ですので、豪邸に住んでいる方が来て、生活保護を申請するわけではないですね。その範囲の中で、動かせることをするべきではないと思います。

 また、高齢者に関しては、転居が認知症などの発症につながるといった指摘もなされております。また、高齢者でなくても、このごろの生活保護の中の自立支援というのは地域包括の中でやられているわけで、地域コミュニティにおけるNPOや自治体とさまざま関係する中で行われていると思いますので、それを転居によって切ってしまうというのは、もし御本人が引き続きここでサービスを受け続けたい、自立支援を続けたいと思っていらっしゃるような状況であれば、それを動かすことは自立のためにもよくないと思いますし、高齢者の方に対しても問題があるのではないかと思います。ですので、この考え方を入れていただきたいというのが1点目です。

 2点目が、15ページの6の2つ目で、2人以上世帯については、単身世帯の1.3倍以上の特別な基準の適用がなくて、その上の、車椅子等の障害者の方が単身であれば、それ掛ける1.3倍が認められているわけです。ですけれども、2人以上世帯についてはそこは書いておらず、また車椅子の使用のことしか書いていないのですけれども、この中で私は例示として、子どものある世帯のこともぜひ書いていただきたいなと思います。

 子どもの貧困の観点からすれば、子どもが適切な勉強をする場所を確保するとか、年齢が高いお子さんであれば、性別にもよりますけれども、個室を必要とするとか、そういういろいろなものがありますので、2人以上世帯の配慮ということで、ここでは「検討を行うことが必要である」と、かなり消極的な書き方をなされていますけれども、「配慮を行うべきである」と書いていただきたいなと思います。

 3つ目ですけれども、基本的な考え方の中に、住宅扶助の基準については、生活扶助と違って、相対的に決められるものではないということをきちんと明記していただきたいと思います。これは、最低居住のための基準というのがありますので、それは相対的に一般世帯が何平方メートルだから、こっちはその何掛けという考え方で決まるものではないですし、最低限の居住の保障をしなきゃいけないという観点ですので、相対的ではないということをきちんと明示的に書いていただきたい。

 その3点、お願いしたいと思います。

○駒村部会長 どうしましょうか。事務局から、今の御意見に対して考え方をお話いただけますか。まだ冬季加算があるのですけれども、とても大事な報告書だと思いますので、また延長になっていますけれども、とりあえず事務局からお願いいたします。

○大西課長 3点、重要な御指摘をいただきました。いろいろ検討させていただきまして、反映させていただけるところはさせていただきたいと思っております。

 1つ目の無理な追い出しとか、そういうことにならないように留意することは当然でございますし、また子どものある世帯、子どもの貧困対策、積極的に進めておりますので、そういうところへの配慮というのも当然出てこようかと思います。

 また、相対的・全体的というところは、いろいろ考え方を整理して、また検討したいと思います。

 以上です。

○駒村部会長 では、園田委員からお願いします。

○園田委員 今回、この検証に参加させていただいて、先ほどの説明もそうだと思うのですが、昭和38年ですか、以来、50年以上たって、かなり複雑・精緻になっていて、正直、よくわからない。あるいは、いろいろ入り組んでいるので、変えるのが大変というのが正直な感覚です。

 そういう意味で、私があえて住宅の分野で申し上げたいのは、ずっと住宅扶助という形で生活保護で検討してきたのですけれども、公的借家という公営住宅が一方であって、今回いろいろわかったのは、公営住宅とか、URも多少そういう感じがありますけれども、居住水準がすごくいいわけです。とにかく公営住宅に関しては、居住水準がいいのにお家賃が安い。一方、住宅扶助は、お金を出しても低質な民間賃貸住宅に住んでいるのではないかというのが先ほど来の熱い議論なので、これは厚労省だけ、国交省だけの問題でもなく、近い将来、それをどういうふうに考えるのかということを統合的に考えるということは、検証に当たっての留意事項というよりも提言に近いと思うのですけれども、そういうことが1つあるのではないかということです。

 それから、阿部委員の御指摘で言うと、17ページに公的借家を活用しましょうと書いてあるわけですが、実は公的借家というのは2人以上の世帯向けのものを高度経済成長期にずっと使ってきたので、子育て世帯とか母子世帯にとっては、広い遊び場もありますし、実はぴったりの環境です。

 だから、そういうところに振り向けていく一方、単身世帯は7割を超えているのですけれども、単身世帯にとっては、公的借家の住宅型というのは大き過ぎたりして孤立死が発生しているということがあるので、公的借家の活用の中で、シェア居住とかグループ居住とか、新しいスタイルを、これはむしろ国交省サイドにこちらからボールを投げるようなことで、もっと真剣に検討してもいいし、民間の戸建て住宅もいっぱい空いてきていますから、そういうようなこともあり得るのではないかと思います。

 最後に、そういうことを考えると、11ページの12.7が妥当かとか、14.8とか。私も細かい数字をいただいて、結構やったのですが、現時点では、ここでやった検証としては、実はどちらがよいのかというのは、私としてはなかなか言いがたいなというのが正直なところです。ですけれども、今回、非常に重要なのは、11ページに書いていただいた「最低水準を満たす民営借家」というところで、この最低水準ということは、居住面積だけではなくて、設備水準も含めて見ていることが私としては非常に画期的なので、そこのスタートが切れたということで、今回は了としてはどうかと思います。

 最後、ちょっとだけ1点で、今日は栃本先生と全く意見が同じなのですが。

○栃本委員 今まで違ったわけじゃないですよ。

○園田委員 いえいえ。14ページの「生活支援サービス」、私、「サービス」という書き方がちょっと問題ではないかと思います。支援には、サポートという意味とか、サポートには有料か無料かというのがあるのですが、これはサービスをとってしまっても全く大丈夫なので、そこの問題は栃本委員の御指摘があったとおり、これから本格的に議論するということなので、言葉として「サービス」をとったらどうかというのは検討していただけないでしょうか。

 以上です。

○駒村部会長 このサービスは、厚生労働省内のこれまでの使い方もあると思うので、それは後でまた事務局と相談させていただきたいと思います。

 御提案で大変重要なのは、高齢化社会の日本でセーフティネットとして居住政策というのが省庁横断的に弱かった部分に、住宅扶助に負荷がかかっているという現状をきちんとメッセージとして出したほうがいいのではないか。これの書きぶりは事務局と御相談させていただきたいと思います。それは、何とかメッセージとして残したいなと私は思っております。はい。

○栃本委員 今までも園田委員とずっと同じだったと思いますよ。

○園田委員 今日は。

○栃本委員 さらに一層。

 さらに一層申し上げると、今回の報告書の2ページ目に、いみじくも先生方と事務局で考えられたのでしょうけれども、「さらに」のところで、23年3月15日に閣議決定された住生活基本計画の中で、生活困窮者が多様化する中で、「公平かつ的確な住宅セーフティネットの確保を図っていくことが求められている」。「公平」、この言葉が持っている意味というのは、すごく重要なものだと思う。だから、これを粛々と進めていくのが政策だと思う。

 住宅は、阿部先生がおっしゃるように、生存権というか、相対化されるものではないというのもわかるのですけれども、わからないと言うと、また意見が違うと言われるので、そういう意味ではなくて。政策というのは、一歩一歩進めていくことが必要なので、その中でぎりぎりの向上策というか、それを狙っていくことも必要だと思うのです。生活保護制度も基本的には社会政策だから、その中で確実な一歩。

 そして、園田委員が話されたように、今回、画期的な調査が行われたと思うし、URとか公営住宅も当初、入れてはいかぬと言われたけれども、私は入れなきゃいかぬと言って、あのときは理解してもらえなかったけれども、今回、入れてよかったでしょうということです。

○駒村部会長 では、すみません、岩田委員。これで一通り、住宅の話は終わりにして、早く冬季に入らないといけないので、お願いいたします。

○岩田部会長代理 くどくて申しわけないのですけれども、私、この委員で参加している以上、11ページの先ほどの「生活保護受給世帯を除いて推計したもの」を先に入れることには反対です。なぜなら、今、計算しましたら、単身世帯と高齢世帯の割合は全体の割合とは少し乖離しています。それから、時点や抽出区が違います。それを、簡単に差し引きするということには加担したくない。つまり、事実だとおっしゃったけれども、これは統計的な操作ですね。

 私、今、計算したのですけれども、単身世帯と高齢世帯の割合は、高齢世帯が少なくなっていますね。これは、さっき道中委員がおっしゃったように、高齢世帯は訪問してもしようがないというか、就労等々で支援が必要なところへの訪問回数が増えるので、ちょっとバイアスがかかっているかもしれないのと、時点や調査区が違う。それを引いたものを先に出すことに対しては、私は断固反対。そういう風に出すなら、私の名前は削除してほしいと思う。それを事実だと言われるのは、何のために専門委員として出ているのか、私には理解できないので、岩田は反対したと書いておいてください。

 私の意見は、家賃額が住宅扶助特別基準以下の割合は、あくまでストックでの大まかな計算で14.8%。ちなみに、時期や調査区は異なるが生活保護受給世帯を仮に除いて推計すると、と入れていただければ、下に注もありますので、まあ納得いきますけれども、これが12分の1の全体を反映しているとは思えないということです。そのことが多分意味を持ってしまうので、こだわって言っているわけですね。どんな留意事項をつけても、基準を変えるということは大きい意味を持ちますので、基準部会ですから、基準部会として私は納得できないと思いますので、ぜひ検討していただきたいと思います。

 それから、9ページに「住宅扶助特別基準に近いところに、家賃額が集中する傾向がはっきりとみられた」。これは、絶対そうなります。私も生活保護世帯の家計調査をある地域でやったときに、生活保護世帯の場合、生活扶助基準が消費支出とほぼ一致してきます。そこに収れんしてきます。これが最低限という意味です。だから、住宅扶助の問題は、そこに集中することが問題なのではなくて、集中しているのに質が悪いものがあることに問題があると思います。それを下げれば、質がよくて住宅需要も低いところにうまくマーケットの競争原理が働いて、そういうふうになるかというと、さっき言ったようにならない可能性が大きいと思います。

 ですから、住宅の質と金額との関係の問題が論点になっていくのですね。ですから、先ほどのようなストックをどのぐらいカバーするかということが基準に非常に大きな影響を与えて、今後、基準の上下ができたときに、どんなに留意事項をここでつけられても、基準は基準として上がったり下がったりしていくわけですから、その影響が非常に大きいということは、私としては非常に深刻に考えています。ですから、慎重にお願いします。しかも「事実」という言葉はぜひ撤回していただきたい。私たちは統計を操っているだけです。

○駒村部会長 岩田委員の今の御指摘は、今回の抽出対象にずれがあるということで、12.7よりは高い数字があるのではないかという御指摘でした。とても大事な点ではありますが、この辺はどう考えるか、事務局から御説明いただければと思います。

○村木課長補佐 8月調査の抽出方法につきまして、訪問頻度の違いによってバイアスがあるのではないかという御指摘がございましたが、第18回部会の中で御説明申し上げましたとおり、毎月訪問する世帯は12分の1の割合で抽出する、6か月に1回訪問する世帯は2分の1の割合で高めに抽出するといったようにしておりまして、訪問頻度によるバイアスがないように標本設計してございます。

○駒村部会長 どうぞ。

○岩田部会長代理 そうであれば、今の生活保護世帯の全体の状況のサンプルである必要がありますね。世帯類型や世帯人数や地域分布ということのサンプルとして、適切であると。時点が違うけれども、使える。時点や調査区が違うものの差し引きをしているのですよ。そんなことを私はやったことがありません。だから、2つあるわけです。時点の違うものを、あたかも同時点であるかのように差し引きしているということ。

 もう一つは、サンプルが現状の生活保護世帯の本当にサンプルになっているか。もちろん、こういう住宅調査は初めてですから、それなりの意味を持つことは私も理解しています、評価しています。問題は、その数を引いてしまったということです。引くなら、ちょっと留意して、仮に引いたとすればこうなるという表現なら結構です。しかし、その前に全体で生活保護世帯もその中に含まれることになるけれども、14.8%だというのが先に出るのが、あくまで統計の操作ですけれども、この部会でやったことはそっちじゃないでしょうか。

○駒村部会長 時点が違うという話もあって、時点の違うデータを引いたことについて、そういう作業をやっているのは確かにそのとおりでありますので、今の表現、事務局に検討していただいて、この辺の書きぶりに関しては、次回、最終版を作るときに事務局と表現を工夫させていただきたいと思います。事務局のほうは、それでいいですか。はい。

 では、時間もどんどん過ぎてしまって申しわけないのですけれども、冬季の話に入りたいと思います。冬季加算について、どうぞ御意見をいただきたいと思います。では、山田委員からお願いします。

○山田委員 まず、冬季加算の検証については、2つはコメント、もう一つは御質問ということで申し上げます。

 この冬季加算の検証方法ですけれども、私、作業班のメンバーとして、1つ、テイクノート、注意しなくてはいけないのは、冬季と非冬季の光熱費の差からいろいろと見ているということです。ですから、例えば冬季以外の生保世帯の生活費が光熱費で圧迫されていて、冬季加算の存在によって、初めて生活費が十分賄えるようになっているような可能性があるかどうかということについて。要は、冬季以外の生活費が光熱費で圧迫されているかどうかについては、立ち入ってできていないという限界はあります。

 2つ目のコメントとしては、事務局のほうで注意深く記載していただいているのですけれども、豪雪世帯とか山間部のデータが非常に少ないか、分析に耐えられないので、こうした冬季加算が一番必要な地域の実情については、立ち入って分析できない。ですから、このデータに基づいて政策判断をするときには、特に豪雪地帯、山間部の地域の実情を注意深く勘案する必要があるというのが2つ目のコメントです。

 質問のほうですけれども、今回の新たな推計結果でわかったことは、21ページで、冬季加算は11月から3月の5か月間ですけれども、冬の消費支出が増加する月というのが7か月間あるような地域があるのがわかったということです。質問は、こうした検証結果を踏まえて、冬季加算をより長く出すような政策オプションがあり得るかどうかということについて、お伺いしたいというのが質問でございます。

○駒村部会長 ありがとうございました。

 幾つかまとめたいと思いますので、ほかに冬季加算について御意見がありましたら。岩田委員、お願いします。

○岩田部会長代理 幾つかあるのですけれども、1つは、文言ですが、18ページの2 冬季加算の検証方法の(1)方針の2番目の丸ですけれども、「寒冷地における光熱費は」と書いてありますけれども、光熱費は食費や住宅と同様に、用途別支出弾力性値が非常に低い必需費目です。今まで、光熱水費は生活扶助の2類として、それ自体を取り上げてやってこなかったわけですね。生活扶助全体の中で計算していた。その場合は、家計調査ではなくて、全消の9、1011、及び単身は9、10の2か月を使ってやってきた。

 それは、平常月だという前提を無理やりつけたわけです。なぜかといえば、全消はサンプルが多いので、やりやすいということで、そうなったわけですが、今回は月ごとにやるので家計調査でやらざるを得なかった。その場合に5年のプールデータなので、カレンダー効果などは無視できるとか何とか書いてあったのですけれども、そう書いたらちょっとまずいのではないか。

○駒村部会長 それは、別添資料。

○岩田部会長代理 それは、こちらの資料です。こっちの中には書いていますね。

 それから、今の資料3の11ページの世帯人数別の較差の検証ですけれども、これは家計調査の世帯人員別に出すと、こういうことでよろしいですね。家計調査の場合、わずかですけれども、単身世帯の抽出区分の中に会社の寮などが入っているのですね。だから、非常にわずかではあるのですけれども、単身世帯は難しいので、光熱費がもしかするとそういうことによって下がっている可能性もあるかもしれないということが、ちょっと気がかりな点です。

 最後の1つ目に言いたいのは、AとBの差を出す。つまり、冬季と、それ以外を引いて出しているものと、年平均から冬季を引くといいますか、冬季から年平均を引くというやり方と2つ混ざっているのですけれども、どっちをとるべきなのでしょうか。こっちの報告書では、年平均100を超える月がどうかというのが出ているのですけれども、こっちのデータのほうでは、両方ちゃんぽんになっています。だから、年平均というのが平常月だと考えられるのか、それとも冬季加算というのは冬季以外の時期と冬季との差だと考えるのか、そのあたりの整理がどっちかにしたほうがいいのではないかと思います。

 これが本当に最後ですが、24ページの留意事項の一番最後に、昭和40年代は国家公務員の寒冷地手当を参照していますので、まだ寒冷地手当を国家公務員が持っているとすれば、ぜひ参照していただきたいと思います。というのは、北海道はみんな一律に寒いわけではなくて、真ん中がすごく寒い。ですから、光熱水費は全消で見ると都市別にすごく違います。ですから、もしかして地区区分をもうちょっと細かく、例えば1区の北海道の中でも少し細かくするということを検討されないと、平均してしまうと、平均した数値というのは、さっきから何度も言っていますけれども、平均値でしかないので、そこに住んでいる人が実際凍死してしまったら大変なことになります。

 そういう意味で、この冬季加算も住宅扶助もライフラインなのです。だから、生活扶助であれば多少やり繰りの余地がありますけれども、これはやり繰りの余地がない。しかも光熱費は供給側が寡占状態ですね。石油も含めて、別の何かと置きかえることができない。北海道電力とか、そういうのがみんな決めるわけですから。そういうことを前提にかなり慎重に御判断いただきたいと思います。何と比較するかということがなぜはっきりしないかというのは、生活扶助の検証の仕方と、これが違うからですね。これは、今後の私たちの課題だと思います。

○駒村部会長 岩田先生、いいですか。

○岩田部会長代理 はい。

○駒村部会長 ちょっと待ってください。今の点に関連することですか。山田先生とお二人で、既に7つぐらいの指摘項目があったので、関連すれば。

○栃本委員 関連することです。

○駒村部会長 では、お願いします。

○栃本委員 私は、もうちょっと単純なことですけれども、24ページの冬季加算の検証結果に関する留意事項に書かれているのですが、先ほど、統計のことの議論がありましたけれども、生活扶助においても、前、お話ししたけれども、展開という作業自身がある種の操作なのですね。あのときも時期のずれがあったと思う。

 ただ、今回、冬季加算については限界があるということも確かであると、それについてはちゃんと書かれてあるけれどもね。冬季加算の検証結果に関する留意事項というのは、ある意味では見直しを行う際の留意事項にもなると思うので、先ほど来、先生方から話されているように、高齢者世帯とか傷病とか障害世帯、それぞれの世帯類型によって、かかる費用というのはかなり違うわけです。

 もう一つ、除雪のことについて、一番最後のポツで触れられていますけれども、これはもっと近年の灯油代の物価の動向とか、特別な事情があって暖房費用がかさむ世帯への配慮とか、今、申し上げた除雪費用は非常に重要なので、これで十分ということかもしれないけれども、強調しても強調し足りない部分があると思います。先ほど岩田先生が話されたように、この部分は節約というか、うまく賄ってやるというのは絶対無理な部分だから、ちゃんとやらなきゃいけないということで、留意事項に書かれていますけれども、さらに強調していただきたいということです。

○駒村部会長 山田委員の一部と、岩田先生の一部、また今の栃本先生の一部に共通するところは、検証方法をめぐる考え方を少し留意しておかなければいけない。ただ、これは委員のほうのアイデアというか、開発の話になりますので、今回の検証方法とは別の検証方法も開発しなければいけない、検討しなければいけないということは示しておかなきゃいけないと思います。

 また、今回の冬季加算を動かすことによって、今、岩田先生から御指摘あったように、受給世帯の健康が悪化したり、生命に危機があるようなことがあってはいけないと思います。ただ、先ほど山田先生から御意見あったように、寒冷地のデータがどうしても十分ではないので、そこに非常に不安を感じているという意見もあったと思います。岩田先生、山田先生、栃本先生の今の一連の御意見について、事務局から考え方を御説明いただければと思います。お願いします。

○大西課長 まず、山田先生のほうからお問いかけいただきましたのが、月数を多くするところがあり得るのかということでございます。それは、地域の実情に応じて、今回も新しいデータの整理をさせていただいて、北のほうほどストーブをたく月という言い方がありますけれども、期間が長いということが出てきたわけでございます。ただ、実際の支給のやり方としましては、冬季加算5か月分を期初にまとめて、例えば昔ですと石炭をまとめ買いするみたいな話があって、一度に差し上げるような運用も可能としております。もともとの制度として、何月から何月までというセットにすることも含めて、いろいろなやり方があると思いますので、それは今後検討させていただきたいと思っております。

 岩田先生のおっしゃられたところは、ある意味生活扶助本体の検証等も絡めて、大きなお話でございまして、生活扶助本体も家計調査を使ってやったこともあり、検証の切り口なり角度もさまざまであり、全国消費実態調査を使ってやっていただいたこともある。前回の検証では、全消のデータをお使いいただきましたけれども、絶対水準というものを見たものではなくて、いわゆるゆがみの検証で用いていただいた形で、さまざまな取り組みをさせていただいた、お知恵をいただいたということでございまして、今後、生活扶助本体の見直しも、また平成29年検証、30年反映ということでお願いしなくてはいけませんけれども、そういうものにも反映させていただく今後の課題として、受けとめさせていただければと考えております。

 あと、比較の話につきましては、また後ほど担当のほうから御説明があると思います。

 国家公務員の寒冷地手当との関係につきましては、先ほど説明の中でも触れましたけれども、昭和40年代まで準拠というか、関連づけて設定させていただいた。でも、その後、改定というか、見直しのやり方も変えて分かれてきたわけでございますけれども、現時点では、寒冷地手当につきましては、南日本のほうは支給もそもそもされていないような状況にもなっておりますし、北のほうでも世帯構成によりましては支給額がかなり低いといった状況にもありまして、設定方法も基本的には民間準拠の考え方で運用されておりまして、必ずしも需要に基づいたことではないということもございます。

 そういうことで、単純な比較なり関連づけは、現時点ではもう困難となっておりますけれども、いわゆる国民の目線から見てどうなのかということを含めまして留意していきたいと思っております。

 住宅にしろ、冬季加算にしろ、どちらもライフライン、重要な部分である、弾力性がなかなかない分野であるということは、それは重要な御指摘でございます。だからこそ、客観的なデータに基づいて御議論もいただいてきたわけでございますけれども、運用面も含めまして、しっかり丁寧にやっていきたいと思っております。

 以上です。

○駒村部会長 補足がありますか。はい。

○村木課長補佐 検証の中で、光熱費の年平均支出額を100としている部分と、冬季とそれ以外で光熱費の差をとっている部分と2つが混在しているという御指摘がございました。これは、まず光熱費支出が増加する月を検証するに当たって、年平均を100とし、これを超える月として冬季期間を確認した後、実際に冬季に増加する支出額がどれぐらいかを検証する際は、冬季とそれ以外との差を測るといった方法で行ったということでございます。

 もう一点、家計調査の単身世帯の調査単位区に寮が含まれているという御指摘につきまして、今回、光熱費0円の世帯を除いて検証していることや、世帯人数の検証のページで表もつけてございますが、単身世帯の光熱費支出額について、高齢者世帯に限ったもの、就業なしの世帯に限ったものといった比較もあわせて行っており、この点について配慮が必要な旨が報告書案でも記載されているところです。

○駒村部会長 大事な報告書ですので、ちょっと慎重にやった結果、しかし、かなり時間がオーバーしていますので、あと10分ぐらいで何とか終えたいと思います。ただ、意見を途中で切るわけにもいきませんので、今の冬季加算で御発言がない委員、御発言がありましたらよろしくお願いします。いかがでしょうか。別に10分以内に終わらせなきゃいけないというわけでもないですけれども、御発言、この際ですから、次はもう成案になりますので、もしあれば。いかがですか。よろしいですか。

 事務局に確認したいのですが、別紙3の32ページ、33ページは、サンプルサイズが、下はあって、上はない。そういうものでしたか。

○村木課長補佐 別紙3の33ページのほうは、生活保護受給世帯に多く含まれる属性として、木造住宅や就業人員がいない世帯などに絞ってみたものでして、この場合、サンプルサイズが小さくなるために留意が必要という趣旨で掲載したものでございます。

○駒村部会長 データはあるわけですね。サンプルサイズはちゃんと全て載せたほうが、あるものとないものがあるというのは、何か妙な感じがするので、どのぐらいのサンプルサイズでやっているのかは可能な限り出したほうがいいということです。いいですか。はい。

 ほかにどうでしょうか。では、岩田委員、お願いします。

○岩田部会長代理 何度もすみません。

 さっきの年平均と2つの時点の比較の意味はわかりましたので、それはそれでわかるように、誤解のないように表現していただきたいということがあります

 もう一つは、この中にも、例えば灯油の消費額の推計とかありまして、つまり家計調査の支出ではなかなか把握できない、特定費目の最低需要というのをどう考えるかというのは、一種のマーケットバスケットのような形で傍証していくということでしょうか。つまり、これだと、どのぐらいの電気やガスや石油を使えるかという傍証をしていくということが、もしかしたらこういう特定加算の場合は必要になるかもしれない。生活扶助は、相対比較の上でやって、3人世帯でやって展開して2類になっているわけです。

 もう一つ、懸念しているのは、生活保護世帯は一応貯金をしないことになっているのです。貯金がないという前提です。例えば一般世帯の場合は、月別の消費支出を平準化するような形で、貯金を使いながら、冬季はそれに充てるということができますけれども、生活保護世帯はできないので加算がついていると考えることが大事だと思うのですね。ですから、実質的に冬季に暖房設備が使えなくなるような状態にならない傍証をやっておくと。

 つまり、お金だけでやっても、寒冷地のデータは非常に少ないですから、後でとんでもないことが起こっても私たちは責任を負うことができないので、灯油価格や消費量が、木造とか世帯人員とか高齢ということでなさっているのは、私は大事なことだと思うのですね。だから、それは一種のマーケットバスケットだと考えて、現実的な価格と消費量を積み上げていくことも片方でやっておいて、それと差額がうまく、そんなに乖離していないという確証が欲しいなと思います。

 これは、生活扶助の決め方と、1つだけ取り出して加算で検討するときの非常に大きな違いなのですね。データが違うという話だけじゃなくて。だから、加算は検証がすごく困るのです。つまり、水準均衡であるという、あれは生活扶助全体の今のやり方ですけれども、加算のことを言っているわけじゃないのです。だから、特定加算をやるときは、かなり慎重に、別のやり方もやってみて、こっちでやっても、こっちでやっても、大体このぐらいでいいだろうというところにいったほうが安全だと思うのですね。

 安全だというのは、さっきから繰り返し言っているように、生命にかかわる支出ですので、ぜひ慎重に検討していただいて、うまく出ているところがあるので、そういうものをお使いになって、現実の消費量、灯油メーカーとかガスメーカーが標準モデルみたいに、例えば北海道のどこ地区ならつくっているものを使うというのも一つの考え方ではないかと思います。

 以上です。

○駒村部会長 ありがとうございます。

 そろそろ終わりになると思いますので、ほかの委員から、冬季加算について、今の岩田委員の絶対的に必要な部分というお話もありましたので、もし何かありましたら御意見いただければと思います。では、阿部委員、お願いします。

○阿部委員 最後、確認だけお願いいたします。別紙3が冬季加算の検証の結果だと思うのですけれども、(a)×(C)の額と冬季加算額を比較するというやり方で、今はこれを検証したところというのがあれなのですけれども、実際にはあまりにも数値が違うので、ここから一体どのように何らかの結論を導けるのかということが非常にわからないのですね。

 一番最初に山田委員がおっしゃった、夏季部分、冬季でない部分の生活費が圧縮されているということを考えると、これは(B)−(A)の(C)を使うという方法自体に問題があるということを言っておりますし、絶対的な額が必要だと申しますと、ここでも(B)−(A)ではなくて、実際値、実際に使う冬季の金額を見るべきだという議論もあると、今までの議論の中でちらほらと出てきていると思うのですけれども、私たち、委員として、この別紙3を見て、どの数値を見ればいいのか、この結果をもって、事務局がどのようにお考えになっているのかというところを確認したいのです。

○駒村部会長 では、岡部委員、今の幾つかを受けて、最後、お願いしますので、どうぞ。

○岡部委員 これは、先ほども住宅扶助の考え方をぜひ前文に入れていただきたいとお願いしました。もう一方で、冬季加算の考え方については、暖房費用、防寒費用である意味ではライフラインですので、その考え方についても、ぜひ前文に基準部会の考え方として記述していただければと思います。

○駒村部会長 今のは岡部委員の考え方の整理だと思いますので、阿部委員、岩田委員の御意見に関して、考え方をコメントいただければと思います。

○大西課長 まず、阿部先生の御質問でございます。別紙3、下のほうのペーパーが生活保護世帯に多い属性で検証してみたもの、上のほうが家計調査のデータそのもので出してみたものということでございます。

 これでいわゆる差額的なものが出てくるわけでございますけれども、それを単純に差し引きして見直すということではなくて、まずそもそも、この2つのデータでより安全サイドに立ったものを、基本的にはサンプル数なども考えながら参照させていただかないといけないと思っておりますけれども、さらにさまざまな本文の中に入っております物価の動向とか、そのほかのかかりの指標的なものとか、考えられるものについては、そういうものも加味して考えていかなくてはいけないと考えております。

 あと、岩田先生のほうからいろいろ御指摘いただきました。

 まず、生活必需費目、光熱費がということはおっしゃるとおりでございます。今回の検証では、まさに生活必需費目で節約がなかなか難しいということも考慮いたしまして、生活扶助全体の増分で見るのではなくて、光熱費の増分で検証させていただいたということでございます。また、実需というか、絶対需要というお言葉もありましたけれども、地域別に必要な灯油の消費量といった推計も行っているわけでございます。

 念のために、第1・十分位だけではなくて、第1〜3の五分位まで確認するということもあわせて行っておりますが、全体で比較いたしまして、大きな差はなく、そこが逆にいいますと、それ以上節約が難しい、確保しなければならない水準という解釈にもなっていくのではないかと考えております。

 生活保護世帯は、毎月、使い残してはいけないのだという誤解もございますが、いろいろやり繰りしていただくことはもちろん可能でございまして、そういう中で、一般世帯もいろいろなやり繰りをされておるわけでございますが、そういうものと光熱費の部分をどうするのかということも含めて、大きく異なることはないのではないかと思っております。

 今回の検証手法につきましては、先ほどの話に戻りますけれども、一定の考え方で、これまで作業班、またこの本部会におきまして御相談しながら整理させていただいたものでございまして、一定の合理性といいますか、ものになっていると思っております。もちろん、部会長に住宅扶助のところでもお言葉いただきましたように、今回のやり方が全てというものでもございません。そういうところは次回の定期的検証、そもそも生活扶助の検証もそうでございますけれども、そういうところにおいても課題として検討させていただきたいと考えております。

 なお、特別な事情がある場合など、自治体のほうの御判断で特別基準の設定といったことも枠組みとして、これまでも用意されておりますし、今後も活用いただくことは可能だと考えておりまして、そういうこともあわせて御説明していきたいと思っております。

 以上です。

○駒村部会長 よろしいでしょうか。1時間以上オーバーしてしまって、傍聴の皆さん、委員の皆さんも事務局にも大変御迷惑かけております。とても重要なテーマ、局面でしたので、慎重に議論しました。本日出されましたさまざまな御意見については、事務局のほうで反映していただく。私も相談しながらと思ってはいますが、前文とか岩田先生の御指摘の住宅のところは、かなり慎重な書きぶりでなければいけないので、それについては、また御発言のあった先生ともよく連絡をとっていただいて、次回に最終案を事務局から提出いただきたいと思います。

 最後に、次回の開催について事務局から連絡をお願いいたします。

○大西課長 次回は、1月9日で御案内を差し上げております。どうぞよろしくお願いいたします。

○駒村部会長 では、本日は大変長い間、ありがとうございました。御多忙のところ、大変恐縮でございます。お疲れさまでした。失礼いたします。


(了)

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