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2014年12月17日 医道審議会保健師助産師看護師分科会看護師特定行為・研修部会   第6回議事録

医政局看護課看護サービス推進室

○日時

平成26年12月17日(水)16:00~18:00


○場所

厚生労働省 専用第14会議室(国会側12階)
(東京都千代田区霞ヶ関1-2-2 中央合同庁舎5号館)


○出席者

秋山 正子 (ケアーズ白十字訪問看護ステーション代表取締役所長)
有賀 徹 (昭和大学病院長)
大滝 純司 (北海道大学大学院医学研究科・医学部・医学教育推進センター教授)
釜萢 敏 (公益社団法人日本医師会常任理事)
神野 正博 (社会医療法人董仙会理事長)
桐野 高明 (独立行政法人国立病院機構理事長)
    ※高は、はしごたか、以下同様
真田 弘美 (日本看護協会副会長)
末永 裕之 (日本病院会副会長)
高田 早苗 (日本看護系大学協議会代表理事)
田邊 政裕 (千葉大学大学院医学部医学教育研究室特任教授)
中野 絹子 (恩賜財団済生会看護室室長)
中山 洋子 (高知県立大学特任教授)
新田 國夫 (全国在宅療養支援診療所連絡会会長)
春山 早苗 (自治医科大学看護学部学部長)
平井 みどり (神戸大学医学部附属病院薬剤部長)
三塚 憲二 (公益社団法人日本歯科医師会副会長)

○議題

(1)特定行為に係る看護師の研修制度ついて
(2)その他

○議事

○習田看護サービス推進室室長補佐 定刻となりましたので、ただいまより第6回「看護師特定行為・研修部会」を開催いたします。

 本日は御多忙のところ、御出席をいただきましてまことにありがとうございます。

 本日、秋山弘子委員、永井委員から所用により御欠席との御連絡をいただいております。

 また、平井委員、中山部会長代理からは、所用により少し遅れて御出席されるという御連絡をいただいております。

 なお、田邊委員は本日、所用により途中で退席される予定でおります。

 以降の議事運営につきましては、部会長にお願いいたします。桐野先生、どうぞよろしくお願いいたします。

○桐野部会長 それでは、いつものとおり資料の確認をまずお願いいたします。

○習田看護サービス推進室室長補佐 それでは、お手元の資料確認をお願いいたします。

 議事次第、座席表、委員名簿。

 資料1「『経口・経鼻気管挿管の実施』及び『経口・経鼻気管挿管チューブの抜管』について(案)」。

 資料2「特定行為及び特定行為研修の基準等に関する意見(案)」。

 参考資料1「特定行為に係る看護師の研修制度の関係法律等」。

 参考資料2「第5回看護師特定行為・研修部会における委員の主なご意見」。

 乱丁、落丁等ございましたら事務局にお申しつけください。

 それでは、部会長お願いいたします。

○桐野部会長 議事に入らせていただきます。

 本日の議題は、特定行為に係る看護師の研修制度についてということで、本日はこれまで5回検討していただいたことを全体まとめて御議論いただければありがたいと思います。

 それから、2番目にその他となっています。

 まず第5回、つまり前回の部会で継続検討とされておりました経口・経鼻気管挿管の実施及び経口・経鼻気管挿管チューブの抜管について御議論いただいて、その後で特定行為及び特定行為研修の基準に関する意見の取りまとめをお願いしたいと思います。

 それでは、事務局から資料1について説明をお願いいたします。

○岩澤看護課長 資料1をごらんください。経口・経鼻気管挿管の実施、経口・経鼻気管挿管チューブの抜管についての案でございます。

 挿管・抜管を特定行為と実施するために、場面や病態等を限定することが可能かどうか、部会長の指示を受けまして改めて麻酔科学会に確認をいたしました。

 そして2ページからございますとおり、実施する場面等を限定しても特定行為とすることは難しいという回答でございました。

 そこで今後の方向性といたしまして、制度開始時点ではこの2行為を特定行為に含めないこととし、今後の見直しの際に検討を行うこととしてはどうかでございます。

 留意事項として3点挙げてございます。

 この2行為が特定行為に含まれなかった場合でも、現行法上、医師の指示のもと、診療の補助として実施することが可能であること。

 2点目としては、これまで議論いただきました中で、この行為を実施するに当たっては質の高い研修を受講することが重要であるという意見がございました。

 ですので、3点目になりますが、特定行為に含めない場合、法令上の研修の受講は義務づけられませんが、実施に当たっては関係団体、学会等の理解も得ながら適切な研修の受講が強く望まれるということを周知してはどうかというものでございます。

○桐野部会長 今、事務局から御説明がありましたが、この問題は一番最初からずっとやってきた問題でありまして、この経口・経鼻気管挿管の実施及び経口・経鼻気管挿管チューブの抜管、つまり挿管及び抜管については、当制度が開始される時点においては特定行為に含めないこととしまして、今後の特定行為の見直しの際に改めて特定行為に含めるか否かの検討を行うということについて、いかがでしょうか。御意見があればお願いいたします。

 釜萢先生、どうぞ。

○釜萢委員 今までの5回の議論と学会からのヒアリング、また、再度部会長からの御指示に基づいてお示しいただいた麻酔科学会の意見書を拝見いたしまして、先ほど述べられました案が非常に妥当で、皆様の合意を得られるものであろうと思いますので、私は賛成を申し上げます。

○桐野部会長 真田先生、どうぞ。

○真田委員 第5回の会議終了後、日本看護協会からは意見書を提出させていただいております。それに関して御説明させていただきます。

 特定行為についてでございますが、今までの本会議での議論を鑑みれば、1学会の意見だけを取り上げ、経口・経鼻気管挿管実施及び経口・経鼻気管挿管チューブの抜管を特定行為から外すことについて、日本看護協会としては反対いたします。

 前回のヒアリング時のディスカッションでは、呼吸器外科学会、救急医学会からは、状況を限定すれば特定行為に含めることは可能だという御意見でございましたので、懸念を示している麻酔科学会の専門領域を除き、患者に必要とされる場面において手順書により実施できるよう特定行為にすべきだと強く申し上げます。

 平成25年、26年度の手順書に係る事業においても、麻酔以外に延べ9カ所において経口・経鼻気管挿管が実施されており、医療現場のニーズが高いということがわかります。

 例えば集中治療領域において救急の手術などにより医師が不在の場合は、手順書により看護師が抜管を実施することが可能となれば、患者早期ADL拡大、QOLの向上に広く貢献することができると言えます。これらを記載されている行為を特定行為とすること、40項目を特定行為とすることを日本看護協会としては強く望みます。

 以上でございます。

○桐野部会長 そのほか御意見ございますか。有賀先生、どうぞ。

○有賀委員 昭和大学の有賀と申します。

 以前からきょうに至るまでの長い道のりで、きょう永井先生おられませんが、永井先生の親会の下で特定行為、当初特定看護師というネーミングもありましたけれども、その中で今、話題のテーマはずっと続いていました。当時も救急医学会も麻酔科学会も比較的本件は危ないのではないかという意見があって、それらの意見の大きな理由については、当時の議長をやっていた私も十分理解していました。しかし、理解しながらも、要するに単に丸投げではなくて、きちんとした教育をする。その教育の延長線上に挿管をしたり、抜管をしたりというふうな作業なのだということをわかっていただくにつれて、多くの私の仲間もそれだったらというふうになっていったと記憶しております。

 今回も、ちょっと長くなって申しわけないのですが、日本救急医学会が多くの職種に今後いわゆる診療の補助という形で医行為を少しずつ移譲していくということは、歴史的な流れとして十分あるだろう。その中で一番肝になるのはメディカルコントロールだと言った。このメディカルコントロールという言葉がどう考えても日本語というか片仮名なので、理屈は要するに英語をそのまま日本語にしたわけなので非常にわかりにくいのが私は嫌で、早く日本語にしろと言っているのですけれども、業界筋はメディカルコントロール。何を言っているかというと、医師の責任できちんと教育をして、教育をしたその暁にもしそういうふうなことをやったとすれば、それを事後に検証して、それでまた場合によっては手順なりプロトコールを改定していく。そういうふうな一連のいわゆるPDCAというか、クオリティ・コントロールに関する、また、クオリティ・インプルーブメントに関する方法論を十分にそこに発揮するということでやればいいのではないかというのが、先ほどの幾つかの学会の中の日本救急医学会の主たる主張になってきたわけです。

 このことは、長い道のりの中でなぜこうやって長く議論してきたかというと、やはり手術場に入って、なおかつ自分の手術をした術後の患者さんが例えば集中治療室にいる。抜管しなければいけないと思いながら、結局、手術が終わるのが夕方になって、夜中にまたやるか。夜中に患者さんの状況を変化させるというのは極めて危ないので、ではあしたにしようか。あしたはあしたでまた忙しいという話があって、多くの外科医、私もそうですけれども、ここで言うところの直接的な指示によって抜管してもらったことが実はあります。ですから、そういうふうな観点で言えば、多くの本件に関する直接的な関係者は、少なくとも抜管に関しては比較的日常的にお願いしようとしているということは、全く間違いはないのです。

 麻酔科学会の先生方は、挿管することと抜管することは一義的に同じことだというふうに理解しなくてはいけない。これは言っていることは全くそのとおりですけれども、抜管した患者さんの再挿管というのはそんなにやたらにしょっちゅうあるわけではないわけなので、状況によってきちんとした教育並びに主治医の見立てによって、この件はこのプロセスでこれに乗せましょうねと言って包括的指示を与えるという局面が私はあっていいと実は思います。

 そうしないと、多くのここでの議論なので、もう言いませんが、多くの現場についてはそうせざるを得ないということがあるのです。ですから、そこのところは国民のというか、いずれ病気になるかもしれない市民の方たちは現在、元気でこの場にいっぱいおられますけれども、元気な人も、いずれ病気になることを考えれば、本件は国民にとって非常に大事なテーマなので、ぜひ私は日本看護協会が言っておられますように、本件をできれば認めていく。挿管が非常に難しいんだという話は私は理解しますので、どんなに譲っても、麻酔科が同義だと言っていますから、麻酔科学会に直接的に話をしてもだめだと言うに決まっていますが、現場においては抜管しておいてほしい。ウィーニングしておいてほしいと言って手術場に入るドクターは山ほどいます。現に私がそうでしたから。ですからそういう意味では人工呼吸器からウィーニングというか、人工呼吸器を離脱して、そして抜管して、酸素マスクにして一段落するという、そのプロセスをぜひこの会で特定行為に入れていただきたいというのは、現場で働いている人たちの願いであるということで、少し長くなりましたが、発言させていただきました。

○桐野部会長 末永先生、どうぞ。

○末永委員 私も今の有賀先生のお考えに同調いたします。

 実は前回の会の後、私自身の認識としては、これは場を限定すれば挿管・抜管というのは多くの委員の皆さんが認めてこられたのではないか。そういう御意見になっていたのではないかということを実は感じておりまして、でもこういうことをやるとなれば、最終的には麻酔科学会にお願いをしないとできないことなものですから、これはなかなか残念な結果だなと思っております。

 麻酔科学会のここの3ページのところに書いてあります集中治療室等における挿管・抜管のところを見てみますと、一般的に集中治療室や救急治療室において医師が不在であることは想定されずというのは、これは大学病院だとか、よほど大規模病院でしかあり得ない。現実をわかっていただいていないなということを感じます。

 前回のときも私自身、麻酔科学会にお尋ねしましたのは、では麻酔科医がどんどんふえるようなシステムがあるかということで、そういうことが全くないということを確認しましたし、ナースアネステティストみたいなことも全く考えていない。では今後のチーム医療の中で、こういう行為も含めてどういう体制にすればそういうことで無理がかからないようになるかということについてのお答えがないものですから、私としては本当はまず第一歩を始めたほうがいいのではないかと思っております。

○桐野部会長 そのほかいかがですか。どうぞ。

○三塚委員 数回にわたってこの議論について話を伺っていたのですが、やはり学会のこういった非常に危険であるというコメントというのは非常に重要だということと、それから、今、先生方の議論の中でのお話では、現場とこういった学会との乖離がものすごくあると思っています。基本的には学会のほうでこれは危険であるということは重要視すべきであるし、今回の特定行為にこれを含めないで今後の見直しに入れるということは、私はそれで正しいと思っています。

 ただ、最終的にはこれだけの議論があることを踏まえて、次の見直しのときにはそこのところを踏まえた上でのしっかりとした議論をする必要があるのではないかというのが、私は第三者という立場で今までずっと伺っていたのですが、今回は特定行為の中に挿管・抜管を含めるということは非常に難しい判断だと思いますので、今回この選択で正しいと思いますが、今後の議論はしっかり現場との乖離はどうやって埋めていくかという作業が必要だと思うので、それをしっかり議論していくべきだと思っています。

○桐野部会長 そのほかにございますか。どうぞ。

○有賀委員 同じことは言いません。

 今、三塚先生が言われたように、これから先も議論を続けなくてはいけないということは、全くそのとおりだと思います。

 実は私は日本専門医機構の中で総合診療専門医の件で委員会をやっていまして、その委員長なのです。そこでの議論をいろいろまとめながら歴史的に探っていきますと、1985年、今から30年前に家庭医ということで厚生労働省の中で議論をしているのです。そこでもそれなりのメッセージが出て、結局そのまま継続的に議論しなかったのだと思うのです。それで実は30年間の空白ができている。ですから、引き続きの議論をしていかなければいけないという部分はどうしたって必要だと思いますので、本件に関することのみの見直しでもいいですから、1年後とか半年後とか、やはり節目節目にシーズンにでもいいですから、ここまで来た、ここまで来た、ここまで来たということで、麻酔科の先生方と議論していく必要があると思います。

 これは麻酔科学会の理事長とか担当理事という方が見えていますので、どうしてもああいう議論になるのですけれども、私の大学の麻酔科の若手の連中もそうですし、ほかの大学の若手の連中もそうですが、必ずしも金科玉条に反対、反対と言っているだけではないのです。ぜひ看護婦さんたちを教育して、自分たちの仕事ぶりの一環として上手に一緒に働こうと言ってくれている若い麻酔科のドクターもいっぱいいますので、そういう意味では釜萢先生が医者の代表だとおっしゃいますけれども、確かに日本医師会は医者の代表ですけれども、働いている勤務医も医者の中に入っていますので、そういう意味では上手に意見をくみ上げて、それでこの手の話を先に進めていただきたいと思うのが私の意見です。同じことは言っていませんので許してください。

○桐野部会長 神野先生、どうぞ。

○神野委員 今、大きな話をすれば、消費税が上がらなかったからとか、日本の国が瀕していることとかいうような、社会保障、特に我々の医療にかかわるところはいっぱい世の中変わっているわけです。今までの枠組みの中で全ての医療を賄うことはもう不可能だという認識が私たちは必要かなと思います。そのときには、既存のいろいろな考え方だけではなくて、イノベーションしないと医療は進まない。だから今ここで、もう施行時期が決まっているのでこれ以上の議論をする時間がない、暇がないということであるならば、これはあえて受けざるを得ないと思いますが、今、有賀先生がおっしゃったように継続して御議論いただくということをお願いしたいと思いますし、ここで決まらなかったことは、日本の地域医療の枠組みというものの進歩を何年か止める。その責任は我々にあるということを覚悟しなければいけないのかなと思います。

○桐野部会長 新田先生、どうぞ。

○新田委員 状況としてはあえてこれ以上、私も言いませんが、麻酔科学会の基本的な考え方で気管挿管は命が脅かされている状況や蘇生の現場で実施する。まさに基本的にそうでありまして、それは病院であろうが、在宅であろうが本質的には同じで、ここにいろいろ理由が書いてありますが、私はこの麻酔学会の議論は納得ができかねる問題だと思っております。

 ただし、これを今回の先ほど事務局から読み上げられた留意事項等々に行くということに関しては、これはやむを得ない事項だと思います。ただ、それを先ほどからの議論で麻酔科学会1つの学会で反対するからということでは私は命を差別する、助けたい者を差別することになると思います。こういった考えをおしつけるというのはおかしいだろうなと基本的には思います。その意味で有賀先生が先ほど言われたように、きっちりと来年の議論の継続を望みます。

○桐野部会長 真田先生、どうぞ。

○真田委員 私も先生方の皆さんの議論の継続ということには納得するところもございますけれども、もう一度この厚労省の資料1、経口・経鼻気管挿管の実施についての案の内容を、留意事項を読み返してみますと、1番目に診療の補助としてやってもいい。だけれども、やるならば質の高い研修を受けなさい。そして、当該研修を実施する場合には3番目もそうですね。関係団体、関係学会の理解を得ながらも研修しなさいと言っているわけで、ここに書く研修に関してはどういう位置づけになさるのか。そして、この研修の内容をきちんと説明していただけるのか。以上に関して質問させていただきたいと思います。

○桐野部会長 いかがでしょうか。時間がないことも事実でございますが、この問題は少なくともある条件を限定した場合には、認めてもいいのではないかという議論も相当あって、大部分がそうであって、もう少しでこの挿管・抜管は限定された状況下では特定行為として考えていいのではないかという議論になる可能性もあるかなと思うのですが、一方で例えば今回、結論を出すということになっていますので、ここで結論を出すとすれば、今おっしゃったことは最初の1回目からほぼおっしゃっていることを各委員が整理して述べられたということだと思いますし、社会の要請から考えれば、この問題を例えば今、有賀先生がおっしゃったように、ここでいろいろやった挙句に結局入れなかったから、次の議論は30年後というのはちょっとあり得ない話ではないかと思います。

 現に今後の疾病構造の変化やいろいろな人口の激変などを考えると、このような役割をする医療人といいますか、医療スタッフが現場にいなければ将来的には相当困ってしまうことになるよという、そういう認識のもとに進められているということを考えれば、もしここで特定行為に含めないということとしても、特に条件を限定した場合の挿管・抜管については、これを現実的に解決すべき問題として検討を速やかにスタートして、なるべく早い時期に合意が得られればこれを含めるという方向でお考え願いたいと個人的には思います。

 ただ、本日のこの時間の中で、これを含めるという結論を出してしまうことはちょっと難しいと私は判断しますので、ここに書いてございますように、当制度が開始される時点においては特定行為に含めないということとし、今後の見直しの際に特に複数の委員から御指摘がありましたように、比較的速やかに、特に一定の条件を限定した場合については、挿管・抜管について現実的な課題として厚生労働省で検討していただきたいということを一応、委員の大部分の意見であったということで、今回については含めないということにしてよろしいでしょうか。

○有賀委員 挿管と抜管は麻酔科の先生方はイコールだと言っているのです。私たちは、少なくとも私は自分の経験からしてもウィーニングは山ほどしてもらいましたけれども、挿管という状況については、先生、挿管しておきましたからというのは思い出してもあれとあれぐらいしかないのです。ですから、多くの外科医はそうだと思うので、私は挿管については訓練のことも含めて相当程度に勉強しなければいけないでしょうが、抜管については新田先生の言う命を差別するのかということに関して真正面から答えていると私は自分でも思いませんけれども、少なくとも抜管というか、ウィーニングという作業については包括的な指示のもとに集中治療室の看護婦さんたちにやってもらいたい。

 全くドクターがいないという局面はないわけなので、そうは言ってもどこかで仕事をしているのでそこにはいないということになりますから、手術場から飛んでくるよりは外来から飛んできたほうが早いという意味においては、そういう局面はある程度想定しながら、挿管・抜管で言えば抜管ですけれども、ウィーニングについてはぜひ包括的指示の中に入れていただきたいというのは、これは本当に現場の切なる願いなので、こちらだけは何とかしてほしいという言い方は麻酔科の先生から叱られますが、私から見ると生活感のある比較的よくわかるお話だということになるのです。それは座長というか部会長に考えていただきたいと思います。

○桐野部会長 もう最初のころから議論されたことで、かなり条件を限定し、例えば挿管は一応置いておいても、抜管だけでもという議論は何度も伺っていて、今回仮にこのように特定行為に含めないとしても、これは今回の委員の検討の御意見の状況から考えて、ほとんど認められる直前ぐらいの段階であると考えなければならないと私は思いますので、ぜひこの問題については今後の見直し、5年後というのではなく、適宜見直しを行うという考え方でやっていただくことを前提に、今回は認めないという結論を出すということでよろしいでしょうか。

○真田委員 日看協としては、抜管をすることをぜひ入れていただきたいという意見を申し添えるとともに、もう一度御質問させていただきたいのですが、これだけ留意事項にこの行為をするならば適切な研修の受講が望まれると書いてある限りは、この適切な受講とは何かということを説明していただきたい。この御説明がまだないと思います。

○桐野部会長 事務局どうぞ。

○岩澤看護課長 看護師の研修については、保健師助産師看護師法と人材確保法の中に本人または開設者の責務として努力規定が置かれているところでございます。

 この行為も含めまして、診療の補助を安全に実施するために必要な研修について、今回の特定行為の制度の実施の施行通知等の中であわせて特定行為にならなかった行為についても研修をしていただきたい旨、また、その研修に協力していただきたい旨を通知等でお出ししたいと思っています。

 そこで適切なというところの何をもって適切かという御質問かと思いますが、それについては今回、議論の中で挿管・抜管、呼吸器系の学ぶべき事項が内容的に盛り込まれておりましたので、それを参考に進めていただければと思っているところでございます。

○桐野部会長 これは最初からほとんどこの議論をやってきたに近いことなのですけれども、この2行為については強い反対意見があったことも事実ですが、強い賛成意見があったことも事実で、むしろ賛成であるという委員の方が大部分であったということは間違いないことだと思います。ただ、現時点においては当部会としては特定行為に含めないということで、今後の見直しについてはぜひさまざまな準備をしていただいた上で、できる範囲でこれを認める方向にしていただきたいと思います。

 そうしないと、医療界の一部が非常に強い反対意見を持ったままスタートする制度というのは、最初からスムーズにスタートできるかどうか非常に危惧がありますし、できれば比較的短い時間のうちに、もう一度状況をよく御検討いただいた上で、ここの条件のもとであればよろしいのではないかというような結論を得ていただいて、その上で御判断いただければ一番ありがたいと思います。

 では、この議論はこれでよろしいでしょうか。どうぞ。

○有賀委員 そのときに、麻酔科学会の先生方をぜひ一緒に入れて下さい。教育の仕組みその地たくさんあると思います。本件は麻酔科の先生が直接関係ない分野で抜管したりという話になりますので、そういうことは共通の理解を持たないと、隣の国の仕組みを反対されているようなところがあります。ぜひ一緒に入ってやりたいと思います。

 麻酔科の先生方も、少なくとも私の知っている多くの先生方は私と余り意見が変わりませんので、そういうふうなことでぜひ組んでくださいますようお願いします。

○桐野部会長 麻酔科の先生方も、ただむきになってこれを認めないことを金科玉条にして、今後も10年も20年も頑張るというお考えではなさそうだというふうに思います。ただ、非常に安全性についていろいろ危惧しておられるということも理解できないわけではないので、最初は一定の条件を設定した上で、こうこうこういう条件と、こういう研修を終了した者については、特定行為の中に含めてやっていいのではないかという結論を近い将来、得ていただければ大変ありがたいと思います。

 それでは、次に移らせていただきます。続いて特定行為及び特定行為研修の基準等に関する意見の取りまとめ。これも事務局から説明をお願いいたします。

○岩澤看護課長 資料2をごらんください。今回を含めまして6回にわたり議論をいただきました内容を特定行為、特定行為研修、指定研修機関の基準、手順書の記載事項について、そして修了者が医療現場で当該行為を実施するに当たっての留意事項という見出しで、この意見書案をまとめております。また、教育内容の共通科目、区分別科目の到達目標、学ぶべき事項、教育方法、評価方法は別添として16ページ以降につけております。

 まず1ページにあります特定行為について、4行目にありますが、以下に掲げる○行為と書いてありますが、先ほどの議論を踏まえて38行為を特定行為とするということで、次のページにございます網かけの部分が削除されます。

 続きまして、特定行為研修についてということで7ページになります。まず研修の行為区分は21区分でございます。これはこれまで案Aとしてお示ししたものですが、21区分でございます。

 9ページ、研修の内容になります。共通科目と区分別科目の2つで構成されるわけですけれども、共通科目の教育時間について前回、部会のとき、また、部会後に委員の先生方から実務経験3~5年以上の看護師を対象とするものであること。また、研修は大学院における研修を前提にしていないことなどから、この第5回の案、414時間の時間数を減らす必要があるのではないかという御意見。また、医療安全については医療倫理や医療安全、ケアの質の保証についてさらに幅広く学ぶ必要があるので、また、特定行為実践では症例のシミュレーションが重要になってくるので、この2つの教育内容についてはふやす必要があるのではないかという御意見をいただきました。そこで大滝先生、田邊先生とも御相談をさせていただきまして、ここに書いてあります教育内容別の時間ということで合計315時間という内容にしてございます。

 区分別科目につきましては、呼吸器関連の行為が1行為になりますので、ここの時間数が変更になります。

13ページ、特定行為研修の履修の一部免除ということで、➁既に行為の実施に係る知識、技能を有している看護師の取り扱いについて、前回御議論がございました。そこで一部または全部を免除することができる場合、どのような確認をするのかということを最後の行に書き加えております。これらの確認は指定研修機関において別添3の評価方法により行うものとするということで、別添3には区分別科目のそれぞれ評価方法について記しておりますので、履修をした人と同じ方法を用いて既に知識、技能を有している人の評価をいただいて、そしてどの程度免除するのかを決めていただくということでございます。

 次に、指定研修機関の基準でございますが、○の2つ目、専任の責任者を配置していることということで、専任という言葉を前回から加えております。

 また、14ページになりますが、1つ目の○の最後の「・」でございます。医療安全というのはとても重要ですので、実習施設は医療に関する安全管理のための体制を確保していることということを追加してございます。

 4番の手順書の記載事項、5番の修了者の実施に当たっての留意事項というのは、前回とほぼ同じ内容でございます。

 簡単でございますが、以上、説明させていだきました。

○桐野部会長 それでは、今の資料2に沿って御意見をいただきたいのですが、この資料2というのは、この委員会で取りまとめた意見ということでありまして、この文書をもとに省令など整備していかれるのだろうと思いますけれども、一字一句が省令になるわけではありませんので、こういう考え方で省令をつくっていき、実際の制度がつくられるということであります。そういう理解の上で、まず特定行為についてということで1ですね。6ページまで。網かけの部分については今回のスタート時点では入れないということでございますので、これは外れます。それ以外は意見(案)でよいかということです。

 なお、当然ですけれども、この文書はこの後、パブコメになって細部の文言などの修正は行われる可能性があるということで、最終確定版、こちらはないですか。済みません、誤解をしていました。

○笹子看護職員確保対策官 こちらは審議会としての御意見ということですので、国民一般の御意見を伺うという趣旨のものではございません。これを踏まえて我々といたしましては省令(案)というものをつくりまして、その省令(案)につきましてはパブリックコメントにかけるということでございます。

○桐野部会長 わかりました。済みません、順番が違っていました。

 それでは、2番の特定行為研修について7ページからですが、特定行為研修の区分については、ここにありますように21区分ということでよろしいでしょうか。

 よろしければ、続いて(2)特定行為研修の基本理念、(3)想定される受講者については、これでよろしいでしょうか。どうぞお願いします。

○有賀委員 前から気になっていたのですけれども、3~5年以上とありますね。これは3年以上とイコールですか。日本語として。

○桐野部会長 論理的にはそうですね。

○有賀委員 なぜこう書くのでしょうか。

○桐野部会長 それは事務局、説明いただけますか。余りがっちり最初から3年というのは。おおむねという意味ですか。大滝先生、どうぞ。

○大滝委員 私は以前に、これのたたき台のたたき台をつくるグループにいたときの記憶ですと、施設によって若いナースの研修内容がかなり違っている。習熟度合いも3年というふうに決めてしまうとばらつきがあるという御意見があって、施設によっては5年ぐらいというところもあるだろうということで、3年たてば研修を受けられると一律にすることは問題だろうという御意見があって、こういう形になったと記憶しております。

○桐野部会長 だからほとんどおおむねという形容詞がかかるような感じですね。だけれども、2年目で研修に入りたいというのは、やはりそれはだめだという意味でもあると理解すればいいのでしょうか。事務局からどうぞ。

○岩澤看護課長 これは指定研修を受講できる要件とではございませんで、それについては指定研修機関が定めていただければいいものと考えております。教育内容、時間等を考えていくに当たって想定される対象者としての看護師像を示しているのであって、必ず「でなければならない」という強さのものは考えておりません。

○桐野部会長 現実的には3~5年の現場の看護師としての経験がなければ、実際は難しいですよということだろうと思うのですが。これはよろしいですか。厳格に何かの資格要件ということになると、3~5年というのは論理的に3年以上となると思うのです。論理的に言えば。だから意味としてはそういう意味であるということでよろしいですか。

 新田先生、どうぞ。

○新田委員 2(2)の特定行為研修の基本理念についてでございますが、この特定行為をできる看護師というのは、ある意味で地域においても総合的な判断能力を得るというようなことが前の議論であったと思いますが、(2)の4行の中で、例えば地域包括ケア体制という言い方をしますが、介護も含めてその中の総力の一員、総体の一員としての看護の役割を重要視するような意味合いで言うと、これは医療に限定した言葉のようにとれます。事務局にお聞きしたことがあるのですが、どうもこの内容だけでは医療の中で看護師がチーム医療のキーパーソンというイメージがしてならなくて、病院モデルのような気がするのです。かと言ってこれにさらに文字を加えるとなかなか難しいものが実はあるということも承知しております。その意味で何か工夫がもし英知があればお願いしたいなというのが私の望みでございます。

○桐野部会長 具体的にありますか。

○新田委員 正直言って難しいのですが、医師、歯科医師、その他の医療スタッフから期待される役割と書いてありますね。医療スタッフだけではないと思うのです。前に患者、国民という言葉が入っておりますが、それこそヘルパーさんだとかケアマネとか、いろいろな多職種から期待されることも含めてあるかなと思います。

○桐野部会長 有賀先生、どうぞ。

○有賀委員 今の趣旨にのっとって日本病院会が来年行う日本病院学会のこういうふうなテーマの題名があります。責任者は末永先生ですけれども、病院の内外における組織的な医療というフレーズを使っているのです。院内外のと言ったときに先生が言うような形でのイメージがあって、組織的な介護、医療と言うのもちょっとしつこいので、組織的な医療と言ってますが、そこにもう少しチーム医療よりも広い概念、そういうふうな感じで使っているのです。だから場合によっては役に立つかも。

○新田委員 今の話で納得でございますが、いわゆる統合という概念の中に地域統合、組織統合、いろいろな統合という意味合いがありますから、その内外という中で統合概念というものがあれば、私はそれでいいかなと思います。文章をどうするかはまた検討していただければと思います。

○桐野部会長 今の御議論はもっともでございますので、いい言葉があればここは少し改めるということでよろしいですか。細かい文言の検討をやっていると時間がなくなるので、ここはまた新田先生や有賀先生に御意見を伺うかもしれませんけれども、少しモディファイするというふうにさせていただきたいと思います。

 そのほかございますでしょうか。後でまた戻っても結構ですが、今、特定行為の基本理念、想定される受講者のところまで一応、進んだということでございます。

 それでは、また後で前に戻って御意見をいただくことはできますので、次に9ページ(4)特定行為研修の内容ということでございますが、共通科目を臨床病態生理学、臨床推論、フィジカルアセスメント、臨床薬理学、疾病・臨床病態概論、医療安全学、特定行為実践とするということで、教育時間は合計315時間を充てておりますが、これでよろしいでしょうか。秋山先生、どうですか。

○秋山(正)委員 現場からぜひこの特定研修を受けるために看護師を出すときに、もう少し時間数が短縮できないかなと望むわけです。それでもちろん減らすわけにはいかない内容というのは重々承知の上で、でも臨床病態生理学と疾病臨床病態概論というのは両方合わせて105時間になりますし、臨床推論等も合わせてここのあたりをもう少しスリムにできないものかというふうに思うのですけれども、その辺、大滝先生等、御意見をもう一度お伺いしたいと思います。

○桐野部会長 もともともう少し長い時間を積み上げ方式で考えていたものを、どれぐらい教育に効率化というものがあるのかどうかわかりませんけれども、圧縮していって、これぐらいならできるだろうという数だと思うのですが、何か御意見ございますか。真田先生、どうぞ。

○真田委員 ありがとうございます。今、減らすべきだという御意見も出たのですけれども、私どもはフィジカルアセスメントに関しては、反対に45時間では少ないと思っています。つまりこれは座学ではなくて実習を含む。その実習も手技が含まれるので、私は今の秋山先生の減らす意見に関しては、反対にフィジカルアセスメントを15時間足して60時間にして、この教育は充実すべきだと考えております。

 ほかの時間数に関しては、415時間を100時間減らして、そして安全で質の高いケアをするためには、診療の補助をするためには、特定行為として、これは守るべき時間数ではないかと考えています。

○桐野部会長 恐らく特定行為の共通科目の部分については、それなりにしっかりした教育をしなければいけないという考えと、一方現場の戦力に近いよくできる看護師さんが3カ月なら3カ月あけてこれを勉強しに来られるわけですから、そこのところの折り合いをうまくつけるしかないと思うのですが、あとは教育システムの工夫をいろいろしていただいて、例えば座学をいっぱいやって、教室方式でずっとそこにいるような教育もできるし、あるいは土日とか、eラーニングでやれば全員が集まる時間を比較的切り詰めながらやっていくこともできるということで、eラーニングについてはもちろんしっかりしたものをつくらないとだめですけれども、決してeラーニングでは全くだめだという話でもない。

 春山先生、どうぞ。

○春山委員 私は前回に比べるとかなり精錬していただいて、ちょうどよい時間になったかなと思います。この時間に講義、演習、実習そして評価が含まれるということで、真田先生かフィジカルアセスメントのところをもう少しというお話がありましたけれども、このままやるのではなくて、演習、実習なんかは統合的に工夫してこの時間でやっていくことができるのかなと思います。前回の案等を考えますと、気持ち的にはもう少しスリムになればという部分もなくはないのですけれども、妥当なところなのかなと思います。

 以上です。

○桐野部会長 実習については例えば非常に細かいところ、何時間、何時間、何時間というふうにするよりも、実際は総合的にやって、それを割り振るとこれぐらいになるというようなことにカリキュラムをつくっていく以外に方法はないのではないかと思うのです。その辺のところはそういうものだということで、一応、積み上げでいろいろと内容のボリュームを考えた結果を実際に少し圧縮したというか、言い方が悪いですかね。効率的にやったとすると315になるということでございますので、一応これでやってみて、いろいろな問題があれば将来、できれば私はある程度近い将来、5年ではなくあるところで検討して組みかえることも考えてもらいたいと思います。

 春山先生、どうぞ。

○春山委員 別添1の位置づけというのは、どういった。これは省令ではないのですね。そこだけちょっと確認したい。

○桐野部会長 その辺は省令はもっとごく簡素に書かれるのだろうと思うので、事務局から説明いただけますか。

○岩澤看護課長 省令としましては、先ほどの教育内容と時間を規定する予定です。そして別添1の到達目標、学ぶべき事項については、通知でお示しするのが適当ではないかと思っております。

○桐野部会長 したがって、省令はごく本当に細かくないおおまかなところで、通知で細かいところをやっていくということだそうです。

○中山部会長代理 おくれてきて発言させていただきます。

 私もこの315時間は減らせれば減らしたほうがいいと思います。科目はかなり重なる部分があるから実際問題としては、例えば臨床病態学だとか臨床病態生理学とか、こうした科目がフィジカルアセスメントや臨床推論とかと無関係ではなくて、入れ込んだ形で講義することになるだろうと思っています。だからこの科目立てで先ほどの別添のようなものがついたときに、やりにくくはないのかなというのが懸念したことで、春山先生もその辺のことを懸念したのではないかと思います。実際に運用するときにはいろいろな工夫ができることということになれば、問題はないかと思いますが、その辺は懸念しました。実際にどんなふうに先生方は教えているのかが私は詳しくわかっていませんが、重なるのではないかということです。

 もう一つは、秋山委員から出てきたことです。訪問看護ステーションの仕事の仕方は、時間がお金にかかわります。研修に出ればその部分だけ収入が減るという状況の中でこの研修を受けなければならない。これに対してどのような工夫、あるいは手当ができるのかということはぜひ考えてもらいたい。この特定行為の研修を一番受けてもらいたいのは、部会のの冒頭でも言われましたように地域ケアの担い手である訪問看護ステーションの看護師さんたちなのですが、この看護師さんたちが一番研修に出づらい状況にあるということを念頭に置いて、どのような研修の展開ができるかということはぜひ考えていただきたいと思います。

○桐野部会長 そういう忙しい方々に質の高い効率のいい教育をどうするかというのは、これは教育システムの問題で、教育担当の先生方にぜひ精力的に考えていただきたいと希望します。

 区分科目のうち、呼吸器関連(気道確保に係る行為)については、先ほどの御議論にありましたように経口・経鼻気管挿管の実施及び経口・経鼻気管挿管チューブの抜管が今回は除かれることになりますので、この時間についてはどのように考えるかということでありますが、これについて御意見をお願いいたします。

 この時間をいろいろお考えいただいた大滝先生、コメントいただけますか。

○大滝委員 後ろのほうの19ページを見ていただきますと、それぞれの細かい内容がございます。仮に挿管と抜管を削減する場合に内容をどうするか検討しました。それらが削減された場合には、この気道確保を要する主要疾患の病態生理というところは詳細に学ぶ必要がなくなると考えました。

 今回は積み上げの詳細はここにお示ししていませんが、この部分だけで12時間を想定しておりました。そして、それを位置調節に関するものだけに絞れば、ここは大幅に減らせると考えまして、私としては2時間程度でいいと考えました。

 また、気道確保を要する主要疾患のフィジカルアセスメントについては、実習を含めて3時間を想定していましたが、これも講義1時間、実習1時間程度、2時間程度で可能と考えまして、そのあたりを減らしますと共通して学ぶべき事項の時間数を、そこでは21時間となっているものを10時間程度まで減らせるだろうと考えて、かつ、行為ごとに学ぶべき事項のうちの網かけをした2つが削減されますので、トータルでこの区分全体では仮の計算ですと22時間ということになります。

 ただ、これは先ほども議論がありましたように、直接具体的な指示のもとに看護師が行う行為としての挿管・抜管を行うために、看護師さんを守る意味でも、適切な研修をスタートする際には、今回削減する部分が参考になるだろうと理解しています。そのために行う研修でカバーするという前提に立てば、これぐらいまで減らせると考えました。

 以上です。

○桐野部会長 今回につきましては、今、大滝先生から御意見いただきましたように、呼吸器関連(気道確保に係る行為)については合計22時間ということでよろしいでしょうか。

○大滝委員 関連して位置調節のみになった場合も実習が入りますので、そこはきちんとした実習と実技試験、本当にできているかどうかを確認する、もちろん挿管・抜管を省きますので簡易になると思いますが、シミュレーションの実習や実技試験は必要と考えております。

 以上です。

○桐野部会長 今のような取り扱いでよろしいですか。よろしければ11ページ(5)特定行為研修の方法及び(6)特定行為研修の評価について御意見をお願いいたします。有賀先生、どうぞ。

○有賀委員 12ページの評価のほうへ行ってしまいたいのですけれども、OSCEについて(6)➀の2つ目のパラグラフです。これは指定研修機関及び実習施設以外のこれこれと書いてあるのですが、これは何か特別な意味があるのでしょうか。例えば臨床研修の2年終わった後に、または6年生や5年生の一区切りの後に、OSCEは結構よくやっているのです。他人の家に行ってやるという話はあってもいいのですけれども、自分たちでやっていますね。これは他人の家に行かなければいけない特別な理由があったのですか。

○大滝委員 これについては、よそで試験をするということではなくて、外部の人も入っている、いわゆる外部評価者を含む形でやるという表現です。

○有賀委員 失礼しました。

○大滝委員 根拠としては、今の医学教育の共用試験が外部評価者を入れて、お手盛りという批判を受けないように客観性を高める意味でやっているので、それを参考にしています。

○有賀委員 ごめんなさい、違うところに行くのだと思いました。

○桐野部会長 そのほかございますか。神野先生、どうぞ。

○神野委員 少し逆戻りするような話になるかもしれませんけれども、そうするとここで最終的に修了の評価あるいは実習の評価をするのは、本部会が認めた研修機関が評価をするわけですね。なので研修機関によって差があるかどうかは、研修機関を認める本部会の責任になるということになるわけです。そうすると、後から出てくる研修機関の要件というのは、大事になっていきます。評価が各研修機関ごとに正しいかどうか、同じ尺度で評価しているかどうかというところを、どこかで何かたがを入れておかなければいけないのかなというふうに思います。

 もう一点よろしいですか。戻って先ほどの基本理念のところ、8ページのところです。今ここまで来て、あえてこの基本理念に戻りますけれども、これはビジョンですからいろいろな高くうたえればよろしいと思うのですが、8ページ(2)の基本理念を読みますと、特定行為研修は、その後、いっぱい形容詞がついていて、最後に自己研鑚を継続する基盤を構築するものでなければならない。どこにも評価するとか修了するという話がない。だからこれは特定行為をやる人たちは、国民が納得する評価を経てきたものでなければならないのかなと思います。ですので評価のところとビジョンは関係するのかなと思ってなりません。

○桐野部会長 今の御意見についていかがですか。

 高田先生、どうぞ。

○高田委員 実際に修了時点では1人前といいますか、本当に先ほどの評価のところで1人できちんと安全にできるということを、そこがきちんと確認されないといけないという文言があったと思うのですけれども、そのようにしてもう修了時点でできるということで考えるのか、それともこの基盤を構築するとなれば、修了後にも育てながらというのは言葉がいいかどうかわかりませんけれども、もう少し先にできるということでもいいと見るのかということで全然違うと思うのです。その意味で今、神野先生がおっしゃられた基本理念のところで、もうそういう評価を受けて安全に実施できるという、そういう文言にするのと、基盤を構築するというのとではかなり読み方が違ってくるかなと思われますので、とても重要な点ではないかと思います。

○桐野部会長 いかがですか。今のはかなり重要なポイントで、一応、実習のときに実際の症例で3例とか5例とか10例を実際に実習するわけだけれども、最初の1例、2例は多分みずからというよりは、周りで見ているということから考えると、手技によりますけれども、極めて安定した状態でできるようになるというところまでは多分想定していないだぅと思うのです。

 したがって、つまり危ないことをしないということが非常に重要ですので、そこは非常によくわかっている。しかし、みずからが特定行為として指示書に基づいてどんどんやれるレベルになっているという自覚は困るので、実際はここに書いてあるように自己研鑽が大事だよということだろうと思うのですけれども、そういう趣旨と理解しているのですが、釜萢先生、どうぞ。

○釜萢委員 今、部会長がおっしゃった御認識でないと、今までの議論は何だったのかということになってしまいます。ですから、医師の臨床研修のこれまでの経験も踏まえて、この特定行為の研修が終わった看護師さんが、全てにおいて完璧にできるというようなレベルを目指すのであれば、この制度はとても動かないと思いますので、あり得ないと思います。ですから私は後で発言をまたさせていただこうかと思っておりましたけれども、この制度の枠組みというのは研修が終わって、指定研修機関が厚労省にこの研修が終わりましたということを報告して、一応枠組みとしては終わるのですけれども、しかし、その後こそが大事で、現場で具体的な日々の研鑽をやらないとだめで、それの結果、医師が包括的指示をこの看護師なら出せるというふうに考えて、医師の責任で包括的指示を出すという枠組みだろうと思いますから、あくまでもこの研修は研修できちんとやるけれども、その後も自己研鑽をやっていただくという枠組みだと思います。

○桐野部会長 ありがとうございます。そういう考え方ということでよろしいでしょうか。

 有賀先生、どうぞ。

○有賀委員 だから自己研鑽を継続する基盤を構築すると書いてありますね。この基盤は今、要するに国民からの評価という言葉を使えば、卒業するというか、OSCEでパスするというか、そういうふうな意味で一定の水準を得たという意味で基盤なのです。その基盤の上で継続していくわけです。そういうふうにこれは読むのではないかと私は思うのです。だから先ほどの免許改善のウルトラナースが何年かたって出てくるなんてことはあり得ない。

○桐野部会長 ありがとうございます。

 もう一つ神野先生がおっしゃった、それぞれの研修施設の評価の問題については、大体外形標準的にいくか、認証評価をするかというような問題になってくると思うのですが、まだそこまで踏み込んだ制度づくりができていないと思うのです。実際、医師の研修の場合も後追いでいろいろな評価をするということができてきたので、この制度も後日、そういう議論に進んでいくのだろうと思うのですが、やはり当初は外形標準的なものである程度そういうスタッフがそろっていることとか、何とかいうようなことで進んでいかざるを得ないのかなと思いますが、当然ある程度の質の担保というか条件は必要ではないかと思いますけれども、この点について何か。田邊先生、お願いします。

○田邊委員 今、研修修了時のレベルのお話があったと思うのですけれども、どこまでできていればいいのかということなのですが、基本的には医師がいないところでやる行為ですね。そうしますと12ページ中ほどにありますように指導医の指導監督なしで実施できるレベルというのは、医療安全を考えれば、それは外せないのではないかと思うのです。ですから、そこのレベルまで評価をして、それができるという段階で修了とすべきではないかと思います。

○桐野部会長 この方はひとり立ちする準備ができたということであって、あらゆる状況に対してあることが問題なくできるというのは医者の場合考えてもそう容易ではない。いわゆる先輩の先生方を見ながらやった面もありますので、その辺はどうなのでしょうか。どの程度の完成レベルを求めるかということについては、恐らく1人でスタートするにおいて危険なことをやらないということが一番重要だと思うのです。だから自分できないと思ったら、やらないということが重要だと思うのです。どうぞ。

○有賀委員 私ばかり発言して申しわけないですけれども、田邊先生がおっしゃるのは全く紙面で考える限りそれは正しいのです。間違っていないのです。ただ、もしそういうナースが例えば昭和大学病院に来たときに、昭和大学病院のその人が働くその場のスタッフは、包括的な指示でもって働いてもらおうというプロセスに至るまでは、しばらく一緒に働きながら、そういう意味でのチームの一員としてどうだという話があって、それから出発です。ですから、そのときにはどれぐらいできるかという値踏みについては文字面では先生の言うとおりですけれども、包括的指示を与えるドクター、例えば私がもし集中治療室にいたとすると、そのドクターはその医療者ができるかどうか、そのナースができるかどうかということについての一定の見識を確信した後ですから、それは先生、そういう人が来ることに関しては全くそうだと思いますが、現場というのはそういう意味では相当程度にお互いにお互いから学び合いをしながらやっているという局面での話になるので、桐野先生が言うみたいに、ある意味できるけれども、させるかどうかという話はまた別だということで現場は展開しているのです。だからそこのところの書きぶりは正しいのだけれども、今、言った本当の現場の部分をどう表現するかという話は、桐野先生が教育の施設ではどうするのですかと一生懸命聞いておられるのではないかと想像します。

○桐野部会長 田邊先生、どうぞ。

○田邊委員 なかなかその基準というのは難しいのだと思いますけれども、ただ、これは1人でやらせるのは危ないねというレベルでは難しいのではないかと思うのです。ですから、1人でやらせられるねというところまでの判断が必要だと思います。

○桐野部会長 新田先生、どうぞ。

○新田委員 これはあくまでも研修でありまして、先ほど釜萢先生が言われた研修でありますが、例えば現実に私も研修医を受け入れて、2年目の研修医が訪問、在宅に行くわけです。そこで先ほどのような脱水とか発熱等々でフィジカルアセスメントをとって、こういうことをしてよろしいでしょうかというふうに私に聞きに来ます。私はその研修医を評価するわけです。その前に。この人はアセスメントそのものが正しいかどうかを評価するわけです。この人の評価であれば、それはそれでこのことまではやっていいよと。それが現場だろうなと思います。

 その意味で、これはあくまでも研修が終わった。そこでひとり立ちをするわけではない。ひとり立ちをするということは、もう一つ、医者の指示書というものが手順書でありますから、そこの中で行われるべき行為だろう。だからこの研修はでやらなければいけなという意味で、研修によりひとり立ちはしてほしいと思います。あくまでもひとり立ちはしてほしいのですが、その中においては研修が終わってもひとり立ちができない人たちも当然出てくることを予測しながら、これが始まる。全員がなれる。医者でもそうです。全員がひとり立ちをして全部やれるとはとても2年目で思えないわけです。そんな医師はいっぱいいますから。そうすると納得するように指導医はねお前はこれまでやっていいよということを納得してやったほうが、医療安全としては進むということで私は現場で行っていますので、そうあるのかなと想定します。

○田邊委員 そのレベルだと思います。

○桐野部会長 中山先生、どうぞ。

○中山部会長代理 構造化された評価表を用いた観察評価では、指導監督なしで実施できるレベルと判定されることが求められることと書かれています。多分、初期のころは特定行為をこれまでも医師の指示を受けてやってきていて、熟練している看護師さんから今回初めてチャレンジする看護師さんまで、スキルのレベルは違うのだと思うのです。そういう意味で構造化された評価表で評価するということでいいのですが、今、議論になっている状況判断というのは臨床状況によって違ってくるので、スキルを習得しているからといって状況判断も全部含めて熟練してできるのか。そこが難しいところで、自信がなければ医師の指示をその都度もらって実施するという形の訓練をかなりしないとだめですが、何人かの看護師さんたちはそれは既にやってきているので、特定行為の研修を受ければ即できる。そこは大きなばらつきがあるかなという感じがいたしています。

○桐野部会長 大滝先生、どうぞ。

○大滝委員 関連して意見と指摘です。意見としては医師についてもこのように手技を研修する仕組みが広まることが望ましいということです。御存じのように医師の初期臨床研修では、手技の研修についての規定はこれほど詳しくはありませんです。「○○ができるように」といったようなことしか書かれていません。評価方法なども定められていませんので、今回の特定行為の制度が始まることで、手技に関するトレーニングの教育体制としてはナースの方が一歩先行くことになる、という見方もできると思います。手技ごとにトレーニングの枠組みをスタッフにも患者さんにも示すことが大切で、研修医だから何をさせてもいいということではないと思います。

 関連して言えば、今、医師の研修で全くそういうものがないのかというと、特に中心静脈カテーテルの穿刺のトレーニングなどは、研修医や、それ以降の医師にも、手技のトレーニングを構造化して、見える化と言うのでしょうか、していこうということは広がってきていますので、同じ流れだと思います。

 指摘としては、この後の議論だと思いますが、14ページの5にある特定行為研修の修了者が臨床現場で当該行為を実施するに当たっての留意事項です。今、議論になったように、実際の現場で物もスタッフも患者さんも、研修した環境とは異なる場合が多いので、そこで改めてもう一度チェックをする必要があると、ここで強調していただいているので、研修の構造化した環境の中での判定に加えて、現場でのチェックでOKを徐々に出していくことになるのだろうと思います。

 以上です。

○桐野部会長 この議論はよろしいでしょうか。

 神野先生、どうぞ。

○神野委員 先ほどの話を蒸し返すわけではないのですけれども、結局、最終の修了評価をした人がどの程度できるかというのは、自己研鑽の基盤とおっしゃるならそれでよろしいのだと思うのですが、そうなると時間が長いのではないか。こんな長いことやってまだ自己研鑽の基盤で生涯教育の一環みたいな話で終わってしまうのかという、時間との関係からすると、これだけやったらもう少しできてもいいのではないかという修了評価があってもいいのかなと思ってお話をさせていただきました。

○桐野部会長 いかがでしょうか。末永先生、どうぞ。

○末永委員 この特定行為の中でもかなり難易度に差があったりいたします。例えば病院から出す人というのは、かなりやる気のある人だとは思うのですけれども、それでもどこまで学んだかということを確認した上でなければ包括的指示で出しませんね。ですから、当然ある部分のライセンスみたいなものをもらっても、それで全てができるわけではありませんので、それは現場で指示書も含めてきちんとチェックすることにかかってくるのではないでしょうか。余り理念だけでは済まないと思います。

○桐野部会長 秋山先生、どうぞ。

○秋山(正)委員 私は試行事業のところからここにかかわらせていただいていて、試行事業のときに本当に一生懸命研修を受けて、現場に出た人たちの様子も見せていただいたのです。その人たちは研修を受けたことで逆に責任感を強く感じ、これは体験実習として実際に見学、そして自分も横についてやってみたけれども、いざ現場でやるときには本当にきちんとアセスメントをして、できるかどうかを逆に前よりも責任感を持って判断し、医師に指示をもう一度あおぐという行動に出ていました。その辺の試行事業のときの経験をもう少し生かして評価基準等を書いておられるとは思いますが、ある程度できることを想定して、研修が終わり、実施に当たってはそうやって逐一自己研鑽を積んでいくというのは、まさにこれまでも蓄積されているように思うのですけれども、いかがなのでしょうか。

○桐野部会長 何かございますか。

 制度としてつくる場合は、手順書に従う特定行為を行う場合は、こういうものを受けなければならない。受けておくことが特定行為をその後やっていくための必要条件であるけれども、それで十分ですよとこれが言っているわけでも何でもないのです。その後、ずっと研鑽を続けてよりよくなってくださいということが制度の趣旨だろうと思うのです。文言ではそれ以上はちょっと表現のしようがないのだと思います。

 先ほど神野先生が言われた施設の評価の問題というのは非常に重要なのですけれども、つくるときにそれも念頭に入れて一定のレベル以上の研修施設を認定していくように厚生労働省にはお願いするということで、今後の推移を見たいと思いますが、この点はよろしいですか。次に移ってもいいですか。また戻っても結構ですから。

 それでは、13ページの7番、特定行為研修の履修の一部免除について。これは移行措置的なものですが、真田先生、どうぞ。

○真田委員 既習の学習内容の取り扱いについては前回も御質問させていただいたのですけれども、まず1点は先に➁を見ていただくと、ここに書かれているところで前回と違うところは、4行目のところで履修の全部または一部を免除することができるということです。この➁は特定行為を既になさっているかもしれないナースたちに対する取り扱いであったと思います。

 前回では全部免除というものが入ってこなかったのです。これは何で全部免除になったのか。全部を免除するということは研修の必要性があるのか非常に疑問を持ちながらこの部分を見たのですが、ご説明ください。

 そして、これをどのくらいで見直すのか。つまりこの方々がずっと経験によって積んできた人たちが免除されていくのか、あるいは見直していくのか、前回は時限つきと申し上げたのですけれども、きちんとこれについては評価をしていくように考えられているのか、この点も質問をさせてください。

○桐野部会長 事務局お願いします。

○岩澤看護課長 7番➁の区分別科目の履修の全部または一部免除ということですけれども、今回それをできるものとする前提として、別添3の評価方法をもって確認いただくというふうにしております。

 例えば19ページをお開きください。2つ目の呼吸器関連、人工呼吸療法に対する行為というところで、共通して学ぶべき事項、時間、それぞれの行為に関する事項、時間というものがありますので、これらについてそれぞれ知識、技能を別添3で定めております評価で確認をいただきます。ですので、ある方は左の共通して学ぶべき事項も、行為ごとのも全てできる場合も評価の結果あり得るということから、この行為区分全部の履修を免除することができる。一部であれば、その部分についてだけパスすれば、一部だけ認めるということで、今回全部または一部という表現を使わせていただきました。当然、区分別科目についてですけれども、この方たちは共通科目は学んでいただいた上での話でございます。

○真田委員 前回から別添の評価方法に関して、きちんと評価をするならば免除をしてもよいということがつけ加えられたことに関しては、大変重要な点で評価したいと思います。ただ、全部という意味がどこにかかるのかわからない。区分科目を全部免除するというふうにも読めるのですけれども、そういう意味でよろしいのですか。それはあり得ないと思っているのですが。

○岩澤看護課長 研修機関は、1または2以上の行為区分でカリキュラムをつくっていただくわけですが、その一つ一つの行為区分という形での全部という意味です。

○真田委員 そのように読みとれますか。区分全部というふうに。つまり、共通科目を履修するならば、あとの区分科目は全部免除することがあり得るという内容ですか。

○岩澤看護課長 区分科目は今21ありますけれども、例えば21全部するという場合でしょうか。それとも3つする場合。

○真田委員 そういう、21全部するようにも読めますね。

○岩澤看護課長 21全部を行うコースで指定研修機関が指定された場合もあると思うのですが、そのときにその方がどの程度それぞれの行為区分に関しての知識、技能があるのかというのを確認いただき、ある部分については免除することができるという規定でございます。

○桐野部会長 これは区分別科目の全部または一部の履修を免除することができるという意味ですね。だから履修と一部、全部をひっくり返さないと、日本語として別のとられ方をされる可能性がある。だからそのある行為区分の左側のほうも右側のほうも十分よいということになれば、これについては免除されるということを言っているのだと私は理解しているのです。

○真田委員 そこの理解がきちんと共通できるような文言が必要かと思いますし、全部を抜いても問題ないと思います。一部を組み合わせれば全部になるので、こういう誤解が生じないようにするには全部を取り除いたほうがいいのではないかという意見です。

○桐野部会長 春山先生、どうぞ。

○春山委員 確かに教育の中身として講義、演習、実習、評価も入ることを考えると、全部と言うと齟齬があるかなと。そういう観点からも一部でいいのではないかと思います。

○桐野部会長 という意見ですが、では一部。ただ、一部でも一部が全部重なれば結果として全部になることもありますね。ただ、全部逐一。

○春山委員 必ず評価はするということですから、全部にはならない。

○桐野部会長 恐らくこのようなことは既に特定研修を修了した方について、新たに特定行為が加わった場合の研修にも多少影響すると思うのです。

○岩澤看護課長 もう一点御質問をいだきました。この区分別科目の一部履修免除について、時限的なものにするべきではないかという御意見だったかと思いますが、今後この研修制度の普及にかかわらず、医療現場で経験を重ねて一定の知識、技能を有する看護師は生まれ続けると思っておりまして、この対応を期間を区切って限定するというのは適当ではないと考えておりますので、時限という文言は入れてございません。

○桐野部会長 真田先生、どうぞ。

○真田委員 それでは研修の意味がどこにあるのかという疑問を持ちます。今から新しく出てくる研修制度に関して、今までその研修を受けられなかった方々も含めて免除が入ってきているのだと思います。ですので時限つきということがもし入らなければ、必ずこれも適切な時期に見直しをしていだいて、本当にこれで既習の人たちが安全な医療行為ができるのか。特定行為ができるのかということを担保していただきたいと思います。

○桐野部会長 何か時限的なニュアンスも感じるのですが、最初から時限なし、無期限だと言うのはどうなのですか。いかがですか。将来的に新たに特定行為が加わった場合のことを想定すれば、こういう考え方の基本的ガイドラインとしてこういうふうにやるという意味であれば理解できるのですけれども。

○真田委員 そうですかね。

○桐野部会長 そういうことも含むということですか。中山先生、どうぞ。

○中山部会長代理 看護界の現状を考えますと、看護師の学びというのはさまざまな形があって、ここで言う修士レベルの学びから学会が認定している研修まであると思います。そういったさまざまな研修を看護師が受け、特定行為に合うような技術なり、あるいは知識なりを持ったときには、認定できるということを考えたい。最初に言われたように2けた万を養成するということになると、さまざまな研修を受けた看護師を、能力さえあればこの研修制度の中に組み入れることができるという措置は問題ではないと思っています。ただ、先ほど言った評価のところだけはきちんとしないとレベルがそろわないので、そこさえきちんとしていれば、学び方のルートはいろいろな形があったほうがよいと思います。私はこの特定行為研修をどのぐらいの機関が担えるのかということを考えると、当面の間はさまざまなルートから入れる窓口をつくっておくことが普及するには重要かなという感じがします。

○真田委員 中山先生の御意見に賛成します。

 ただ、心配するのは、簡単なOJTで終わらないように、質を担保するような研修の制度を認めるルールがないといけないというのは、つけ加えさせていただきたいと思います。特に実習などに関しては適切な学会と研修機関が認定する機関ということが条件になると思います。

○桐野部会長 どうぞ。

○真田委員 もう一点、お願いでもありますけれども、前回、既習の学習内容の取り扱い、今度は➀のことを言わせていただきたいのですが、既習の学習内容、例えばという2段落目ですけれども、前回のときには専門看護師、認定看護師が入っていたのですが、ここには入れていただけないでしょうか。

○桐野部会長 事務局いかがですか。

○岩澤看護課長 今回、意見のまとめとしてお出しした際に、想定される例は国が養成調査試行事業として実施したものを例示として出させていただきました。看護協会が認定される教育機関での認定看護師教育課程や、看護系大学協議会が認定されている専門看護師の教育課程も国が実施しました養成調査試行事業に含まれていますし、そうでない場合であってもそこで学ばれたことが今回、決められる内容が含まれているのであれば、指定研修機関で当然認められるものと考えております。

○桐野部会長 これはあるものを認め、あるものを排除するというのではなく、その教育の内容を評価した上で認めていくという考えですね。よろしいですか。先に進んでいいですか。

 それでは、次に進ませていただいて、13ページの下のほうですが、指定研修機関の基準をここに書いてございますように7つの項目を挙げてありますが、これでよろしいかということでございます。指定研修機関の基準、ここに書いてあるのは4項目ですか。

○岩澤看護課長 次のページに3項目ございまして、全部で7つでございます。

○桐野部会長 失礼しました、7つ。○印がついている7つを指定研修機関の基準とするということで、この基準に合致したものを認め、合致しないものは認めないということだと思いますが、神野先生。

○神野委員 これから議論する話だと思いますが、臨床研修の外形標準のように指導者研修を受けた者がいることというのを入れるかどうかということだと思います。もしこの制度と同時にそういった指導者研修をつくられるとするならば、臨床研修病院と医師臨床研修と同じように外形標準としてきちんと指導者教育を受けた人が1人以上いることとか、何か入れる必要があるのではないかと思います。

○桐野部会長 いかがでしょうか。春山先生、どうぞ。

○春山委員 質問ですけれども、今のお話は指定研修機関にということか、それとも実習指導施設ということか、どちらかによって違うのかなと思うのですが。

○神野委員 まずやはり実習指導施設だと私は思います。

○春山委員 それが望ましいのだと思うのですけれども、何といいますか、そういう条件が整うことが望ましいぐらいでどうなのかなというふうに思うところがあります。

 もう一つ、これは質問なのですけれども、3点目なのですが、指導者は適当な者、適当な職種、人数を確保。ここら辺は指定研修機関がその適当を判断して、最終的には審査組織で審査するという、適当というのは指定研修機関の判断に任されるということでよろしいのかどうかということです。

○桐野部会長 今の点についてはいかがでしょうか。

 医師の臨床研修の場合も基幹施設と協力施設の関係と似ているのですけれども、協力施設の細部にわたるまで非常に細かい評価までしていないのではないかと思うのです。基幹施設がどれぐらいやっているかということを基本にしていると思うのです。

○大滝委員 参考意見ですが、医師の臨床研修での指導医のトレーニングや認証は、私の認識では徐々にハードルを上げていっていると思います。最初は経験年数だけで縛って、それも望ましい年数を示したうえで、それよりやや基準をゆるやかにしてスタートして、その後は講習会などを徐々に義務づけていって、研修の基盤になる施設では、その講習会を受けた指導医が1人以上いない診療科では研修させてはいけないというところまで来ています。

 外部の小さい施設、例えば診療所の指導医については、できれば指導医の講習会を受けていただきたい、と推奨する状況に、確か今はそうなっていると思います。

○桐野部会長 そういう形で医師の指導医は非常な数に成長しているというか、多くなっておりますので、一挙に完成版というのが難しい人も、完成版を目指して一歩一歩いくような仕組みをつくっていくのが望ましいと思います。

 有賀先生、どうぞ。

○有賀委員 神野先生がおっしゃったのも、そういうシチュエーションで現在こうなっている。だからこれも全く他人の家の話ではなくて、自分たちと一緒に働く看護婦さんの話なので、そういうふうな仕組みがあらまほしいという話です。しかし、私の思いからすると多分、大滝先生もそうだと思うのですけれども、もう既にそこにかなりそういうドクターがいるので、医者なら誰でもいいという話ではなくて、教育に関する一定の水準で勉強したい人がそこそこいるわけですから、その人たちを上手に使うという話はあってもいいのではないかという気が私はします。

○桐野部会長 だから指導者として経験を有する看護師という文言が入っていて、その方たちを含めて教育をするということなので、将来この主体を全部医師が担っていくというのは実際は非常に難しい。

○有賀委員 もちろんそうですけれども、診療の補助という局面からすると、医師の参画というのはずっと必要です。ですから、そういう意味で医者なら誰でもいいのかという話ではない。そういうふうなニュアンスであります。

○桐野部会長 ここはもちろんこの文章で書いてある程度のこと以上のもっと細かい症例数何例以上とか、そういうことを書いているわけではありませんので、この文言に合致するところを厚生労働省が施設として認めていくことになるかと思います。だからある程度の幅があるので、それは今後の推移を見ていただいて、これではということであれば評価をして、少しレベルアップを図っていくことかなと思いますが、これでいかがでしょうか。

○有賀委員 文言について一言。○の一番最後はこれも研修管理委員会ですけれども、これは本件に関する研修管理委員会ですね。つまり私が言っているのは、要するに医師の臨床研修に関しても研修管理委員会がありますね。だから本件に関する研修管理についての委員会を設置していることというのが、日本語としては多分最も誤解が少ないのではないか。

○桐野部会長 そこは改善してください。

 ほかはいかがでしょうか。だんだん残り少なくなってきたので、少しずつ進んでいって、最後にもとに戻っていただいても結構ですので、続いて14ページ4番、手順書の記載事項。これは何度かやって、大体委員の先生方の意見はほぼ落ち着いたところに来ているかなと思いますが、よろしいですか。

 続いて5、特定行為研修の修了者が医療現場で当該行為を実施するに当たっての留意事項ですが、これは資料2のとおりでよろしいかということですけれども。

○岩澤看護課長 14ページと15ページにまたいでおります。

○桐野部会長 これももっともなことが書いてあると思うのですが。

 大体全体を見ていただいて、御意見をいただいてきたのですが、制度をつくっていくに当たって本部会で検討していただいた特定行為及び特定行為研修の基準等に関する意見(案)ですけれども、今この(案)が取れて、この意見をもとに厚生労働省が制度づくりをスタートすることになりますが、全体を通して何かございますでしょうか。真田先生、どうぞ。

○真田委員 全体を通して気づいたのですけれども、指定研修を修了した者の取り扱いについては触れていないですね。前回までは指定研修機関を修了した者は指定研修機関から厚労省に報告され、厚労省がその名簿を保管するということで、きちんとどこに誰が、どういう研修を受けた人がいるのかということが保存されるということだったと思うのですが、これはどこにも記載がないように思います。ぜひ入れていただきたいと思います。

○桐野部会長 確かにここには入っていませんね。理由があって入れていないのか。これまで何度もそのことについては今、真田先生がおっしゃったとおりに説明を事務局からされてきたのですが、何かこれについてよろしいですか。

○岩澤看護課長 指定研修機関の申請あるいは変更の届出あるいは報告事項については定める必要があると思っておりますので、研修修了者の名簿の提出も含めて考えていく予定でおります。

○桐野部会長 修了者の扱いについては、今、真田先生がおっしゃったとおりであるということでございます。

 そのほか全体を通じてございますか。釜萢先生、どうぞ。

○釜萢委員 今日までの議論の中で、この特定看護師の特定行為研修という枠組みが大分はっきりしてきたと思いますが、まだ医療現場において看護師の特定行為の研修の意義、実際にこれがどういうふうに今後、機能してくるかということについての認識はまだ十分でないと思います。

 まず研修に携わる研修機関、実習を担当する主に病院等が、この制度をしっかり担って、育てていかなければなりませんので、そのあたりの認識が幅広く共有されることが必要だろうと思います。

 そして、実際にこの研修を修了した看護師さんが、地域の現場あるいは急性期の現場などにおいてしっかり役割を担うというところを見届ける必要がありまして、そのために先ほど発現しませんでしたけれども、一番最後の5に書いてある部分が今後、非常に大事になってくるであろうと思いまして、発言をさせていただきます。

○桐野部会長 ありがとうございました。

 有賀先生、どうぞ。

○有賀委員 今の釜萢先生のお話の傍らにある問題だと思うのですけれども、冒頭の経口挿管等については継続的に議論をしていく必要があるだろう。麻酔科の先生も入れて一緒にやりたいなという発言をしました。

 本件について比較的具体的に座長からいつごろ集まって話し合いをしようぜというメッセージを何とか欲しいなという気がするのです。厚生労働省の方たち忙しいですから、5年後にやりますみたいな話になると、先ほどの30年間の話と似たようなことが起こるのではなかということを現場では心配しています。

○桐野部会長 5年というのは厚生労働省は担当も交代になったりしますので、大分先の話になりますので、まず今まで6回、9月の中旬だったと思いますから、そんなに長い期間ではなく、比較的短い期間でそれなりに意見の違いもあったのですけれども、一応、こういう制度としてスタートする。それもさまざまな御意見を取り入れて、ここの意見に落ち着いてきたわけですから、これは麻酔科学会の先生方も含めて、この制度に賛同いただいて、今後この制度が成長するということをぜひサポートしていただきたいと希望します。

 それから、どうしても3カ月の間にある程度のところまで持っていかないといけないという時間的な要請もあるということもあって、委員の先生方の中には多少はもう少し一歩進んでもいいのではないかという御意見もあったと思いますが、これについては先ほども言いましたように、比較的短い期間の間にあるところの結論に達しなければ、次の制度の設計に進まないという事情もあって、今回こういう形で意見として文書をまとめることになりましたけれども、そういう時間的な問題もあって、今回のこの意見がこの制度の金科玉条にされては困りますし、特に気管内挿管・抜管の問題については、比較的早期にこの件、特にある限定された条件下では、これを特定行為に含めることについて実際にそれぞれの学会にもう少し突っ込んだ意見をいただいて、ある学会ではこれをやってもいいのではないかと言っているし、ある学会ではそれはちょっとまずいというような御意見もあって、その主な議論のイシューは基本的に患者の安全ということですので、その問題を軸に据えて議論することは十分あり得ると思いますので、それについてはぜひ比較的早い時期にこの問題についてある程度制度設計ができて、制度がスタートしたころには次のことをどのように考えるかをスタートするというぐらいの速度で、私としてはぜひ厚生労働省としてお考えいただくように希望します。

 したがって、そのときにはほかのさまざまな制度の修正というか改善に加えて、当然ある限定された条件下での気管内挿管・抜管は議題になると理解していただきたいと思います。これは座長としての希望です。

 有賀先生、どうぞ。

○有賀委員 ここは看護師さんたちのお話なので、どうしようかなと思ったのですが、話の最初がチーム医療ということで、多くの職種についての議論がありましたし、ここでもキーパーソンとしてのナースの話が一丁目一番地で私はいいと思います。けれども、医療法の改正の中にもたしか診療放射線技師さんだとかいろいろな議論があったはずなので、先生がこの場でどういうふうにお思いになるかは置いておいても、ぜひ厚生労働省にはその他の職種に関する特定行為とは言いませんが、例えば看護師さんの仕事をどういうふうにするかとか、ドクターの仕事を誰にお願いするかということを含めた、日本医師会はたしかタスク・シフティングと言っていましたけれども、そういうことについての議論もぜひ進めていっていただきたいと思います。これは現場がそれを欲しているということですので、ぜひお願いしたいということであります。

○桐野部会長 医政局長もおいでになっておりますので、多分スキルミックスの問題だと思うので、これは厚生労働省としてもずっと考えてこられたことだと思いますが、どうぞお願いします。

○北澤医事課長 チーム医療につきましては先生御承知のとおり、看護師の分とそれ以外の分で非常に濃密な議論がされてきておりまして、その結果も踏まえまして診療放射線技師法等の改正につながった。そのチーム医療の推進会議というものがございまして、その下に看護師以外の分の議論をする部分もありますので、そういった場も含めて議論については非奇貨続きやっていきたいと思っております。当然そのチーム医療推進という観点から、そういったことについては、そういう場で直接かわかりませんけれども、当然議論すべきことだとは認識しております。

○有賀委員 これはそのまま残っているのですね。

○北澤医事課長 ございます。

○桐野部会長 真田先生、どうぞ。

○真田委員 抜管の話にまた戻って恐縮なのですけれども、今回の一定の手続については十分理解しました。ぜひ先ほどどのようなメンバーで討議するかというお話の中に入れていただきたいのは、実際に試行事業をしてナースたちが今、行っているわけでございますから、そういう直接実践しているナースたちをぜひ入れて御検討いただきたいというのが、私からの強い要望でございます。

○末永委員 最後に1つよろしいでしょうか。結局、留意事項のところで初めから出ていますが、医師の指示のもと、診察の補助としてこれまでどおり行われることが可能であると書かれていますが、こういうふうな形で挿管・抜管が除外されたことによって、そうするとひょっとしたらそれぞれのいろいろな病院の中で、それぞれ各々の教育に従って、自分のところで教育をやった上で具体的、個別的指示として出すというふうなところが逆にふえてきますと、挿管・抜管について将来的にダブルスタンダードみたいな形にならないかということを実は心配しまして、そういう意味でもこの問題はなるべく早く麻酔科学会党とのすり合わせをして進めていただきたいと思っております。

○桐野部会長 そういうことは部会の非常に強い意見であったということだと思います。

 そのほかございますか。中山先生、どうぞ。

○中山部会長代理 この意見書は十分討議を尽くしていただいて、これでいいと思っていますが、指定研修機関の基準とかさまざまなことを考えたり、あるいは共通科目の時間数を考えたりすると、いろいろな意味での困難はまだたくさんあるのだと思います。

 最後に余りネガティブな発言をしたくないと思ったのですが、実行可能性については非常に慎重に考えていかなければいけないし、私自身は医療現場の医師たちが忙しい中で、またこんなにたくさんの講義をするのかと思ったときに、何とか減らせないものかと考えた次第です。そういったことも含めて、部会長がずっと言っていたようにできるだけ1回目の見直しは早く、これが1つの形になって動き出すというところで見直しをして、本当に現実に合った実行可能性の高いもの、そして最初に目指したたくさんの看護師たちがこの特定行為ができるようになる研修システムにしてほしい。そんなことを願いながら皆さんのいろいろなご協力に感謝申し上げたいと思います。

○桐野部会長 どうもありがとうございました。

 今、中山先生に大体まとめていただいたと思うのですが、これは医療界がオールジャパンで今後やっていくべきことでありますので、ぜひこの制度が順調にスタートするように期待したいと思います。

 また、本日の御意見を踏まえまして文言の修正をする場合がありますが、これは本日の発言をもとに私のほうで確認させていただいて、修正させていただくという扱いでよろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○桐野部会長 ありがとうございます。

 新田委員、どうぞ。

○新田委員 この研修が終わった後の法的あるいは倫理的な問題、こういった行為が進めば進むほど法律はついてこないし、倫理的な問題も私はなかなかついてこられないと思います。それで前回、法的責任等の問題も出されておりますが、これではとてもわからないなという状況があって、実際の法的問題はどうなるのだろう。指示したほうも、それを行ったほうも、個別で判断されるのだけれども、個別でどう判断できるのか。私は法律家はついてこられないなと思っているのです。

 もう一つは、こういったことが行われれば行われるほど、さらに倫理的問題がないがしろにされるというところで、そこも含めて将来にわたって議論を引き続きよろしくお願いします。お願いでございます。

○桐野部会長 ありがとうございます。

 有賀先生、どうぞ。

○有賀委員 今、日本病院会の副会長にコメントというか相談をしたのですけれども、先生が今、言われた問題は実は日本病院会の6月の日本病院学会で、チーム医療の法的側面に関して議論しようということになっております。私がその法律家、元は多分ナースでアメリカで勉強してきて、今、大学の法学部にいる方に聞くと。米国においては病院長の責任といいますか、病院そのものの責任を問う。そういう法体系になっている。だけれども、日本国においてはそうなっていない。それをどういうふうに考えるのかが大事だという話なのです。

 法的な話はもちろん大事ですけれども、法律のもっと上位概念に実は倫理学があるわけです。ですから、先ほど先生が言われたことをここで議論するのかどうかは別にしても、十二分に勉強しなければいけないということは全くそのとおりです。ですからしかるべき団体、例えば日本病院会などではそういうふうな形での議論を今、少しずつ進めているということだけ、メッセージです。

○桐野部会長 どうもありがとうございます。

 秋山先生、どうぞ。

○秋山(正)委員 だめ押しのようですけれども、参考資料1の3ページ目の総合法案、6月17日に通った法案の文章の中に、4番の1の下「制度実施後は、特定行為の内容も含め、随時必要な見直しを実施すること」とはっきり法律の改正が行われている文章が入っていすまので、本当にこれは具体的にやってほしいと思います。法律がこういうふうになっているというあたりを確認させていただきました。

○桐野部会長 さて、本当はもっとおっしゃりたい気持ちがあるのかもしれませんが、一応、6回にわたって審議していただいた内容は、細部の文言は置いておいて、意見ということでまとめていただきましたので、今回はこれで会を終わりたいと思います。

 事務局からお願いいたします。

○習田看護サービス推進室室長補佐 意見の取りまとめに当たり、医政局長より一言御挨拶申し上げます。

○二川医政局長

 それでは、1つの区切りでございますので、私どものこれからの方針も含めまして御挨拶申し上げたいと思います。

 本年9月に第1回を開催して以降、これまで6回にわたりまして精力的に御議論いただきました。本日、意見書という形でおまとめをいただいた。文言の修正はまだあるということでございます。それから、きょうの議論の中心だったかと思いますが、今回は特定行為から除外はするけれども、追加といったようなことを早期にということも御指摘をいただいたところでございまして、それにつきましては多数の方から強い希望ということであったということは、しっかり受けとめさせていただきたいと思っているところでございます。

 今後につきましてはこの意見書、最終まとめをいただいたという前提で、今後私どもそれを踏まえて特定行為と特定行為の研修の基準を省令という形に書いてまいります。この省令につきましては法律上、医道審の意見を聞くことになっておりますので、今度また条文の形でまたお聞きをするという段階が来年あるかと思います。それでもちまして最終的には交付をしていく。

 また、それにつきまして省令のほかに通知、ガイドラインといったものもあわせて定めてまいるわけでありまして、皆様方の御意見を聞きながら進めてまいろうかと思っているわけでございます。

 また、看護師の特定行為の研修制度は、在宅医療等の推進を図る上で大変重要なものでございます。とりあえず施行は来年10月ということで迫っておりますので、こういった形でまずはスタートいたしますけれども、早期に見直しもしてまいりますし、引き続き御指導、御鞭撻をいただきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。どうもありがとうございました。

○桐野部会長 それでは、第6回の部会はこれで終了させていただきます。どうもありがとうございました。


(了)

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