ホーム > 政策について > 審議会・研究会等 > 労働政策審議会(雇用均等分科会) > 第149回労働政策審議会雇用均等分科会の議事録について(2014年9月30日)




2014年9月30日 第149回労働政策審議会雇用均等分科会の議事録について

雇用均等・児童家庭局雇用均等政策課

○日時

平成26年9月30日(火) 14:00〜18:00


○場所

厚生労働省専用第22会議室(18階)


○出席者

公益代表委員

田島分科会長、武石委員、中窪委員

労働者代表委員

齊藤委員、南部委員、半沢委員、松田委員

使用者代表委員

加藤委員、川崎委員、中西委員、布山委員

厚生労働省

安藤雇用均等・児童家庭局長、木下審議官、小林雇用均等政策課長、蒔苗職業家庭両立課長、宿里短時間・在宅労働課長、高橋均等業務指導室長

○議題

女性の活躍推進に向けた新たな法的枠組みの構築について

○配布資料

資料 女性の活躍推進に向けた新たな法的枠組みの構築について(報告)(案)
参考資料 女性の活躍推進に向けた新たな法的枠組みの構築について(報告)(案) 参考資料

○議事

○田島会長 第149回労働政策審議会雇用均等分科会を開催します。本日は奥田委員、権丈委員、石田委員、渡辺委員が御欠席です。山川委員は少し遅れていらっしゃいます。

 それでは議事に入りたいと思います。本日の議題は、女性の活躍推進に向けた新たな法的枠組みの構築についてです。本日は取りまとめに向けて議論したいと考えておりますので、皆様の御協力をお願いいたします。それでは、資料について事務局から御説明をお願いします。

 

○小林雇用均等政策課長 女性の活躍推進に向けた新たな法的枠組みの構築について(報告())という資料を御覧ください。目次がありますが、前回の雇用均等分科会の御意見を踏まえて、構成を変更しております。1の日本の働く女性の現状の次に、女性の活躍のために解決すべき課題を2として持ってきております。そして、3で女性の活躍が求められる日本社会の背景等ということで日本の生産年齢人口の減少、生産性向上の要請と少子化への歯止め、女性の活躍の効果は女性だけではなく男性、企業にとっても良いことがあるという記述、諸外国の実情から得られる示唆等について3の所で記述をしております。4が新たな法的枠組みの構築です。

 具体的に説明いたします。13については、前回の雇用均等分科会の御意見を踏まえて修正した部分を中心に説明いたします。まず、5ページの2の課題の(1)課題の全体構造等です。56ページにわたる矢印の部分ですが、前回の意見を踏まえて削除した部分があります。前回の議論の整理の中におきましては、ここの部分で長期の育児休業取得は管理職への登用に向けてマイナスの効果が見られるという調査結果もあるという文言を入れておりましたが、その文言については5ページの一番下の、長期間にわたる育児休業取得や短時間勤務制度の利用は、女性自身のキャリア形成に支障を来しかねないという中に含まれているので不要ではないかという御意見がありましたので、削除しております。

8ページです。(4)継続就業の矢印の2つ目です。女性に対するマタニティ・ハラスメントの記載です。妊娠・出産を理由とする解雇・退職の強要で、均等法違反の場合に指導監督が行われるべきものと書いておりましたが、女性に関するハラスメントは、妊娠・出産を理由とする解雇・退職強要だけではなくて、育児・介護休業法に基づきますような育休取得等を理由とする不利益取扱いも入ってきますので、そこも含めて記載しております。2つ目の矢印です。両立困難による退職の理由です。前回の意見で、両立困難で退職した理由の中には勤務制度、職場の話だけではないということで、保育園がなかったとか社会全体の性別役割分担意識に起因するようなものもあるのではないかということで、同じ調査の中で両立困難の理由に挙げております「保育園等に子どもを預けられそうもなかった」、「家族が辞めることを希望した」の理由の記載を追加しております。

9ページです。(5)男女を通じた長時間労働の是正など働き方の改革です。前回の委員の御意見で長時間労働の是正だけではなくて、働き方の柔軟性も併せて重要であるという御意見がありましたので、標題を働き方の改革という広めの文言にした上で、10ページの矢印に書いてありますように、長時間労働の是正に加え、働き方の柔軟性が重要であるという文言を追加しております。

(6)評価・登用・女性の昇進希望です。「バイアスの下に」という文言がありましたが、データがあるかという御議論もありましたので、データに基づいて指摘のできることを書いております。「逆に言えば」の所です。34割の男性管理職は、男女区別なく評価・昇進させるということができていないので、男女区別なく評価・昇進させることが徹底されるよう、評価・昇進の透明性確保が重要な課題であると結んでおります。

11ページの(7)3つ目の矢印です。これは幅広い女性に対するハラスメントの例示として、セクシュアルハラスメントとか妊娠・出産・育児休業取得等を理由とする不利益取扱いを出しております。職場における性別役割分担意識が、ハラスメントの背景になりやすいことを記載しております。

12ページです。女性の再チャレンジの2つ目の矢印です。その上の矢印で非正規から正規への転換や再雇用、中途採用の話を書いております。2つ目の矢印の所は正規雇用への転換を希望せずに、非正規雇用のままであることを希望する場合の話です。前回の御意見を踏まえて、パートタイム労働法に基づく均等・均衡待遇が確保されることが前提であることを入れた上で、前回と同じ記述ですが、更に能力向上の機会が与えられて意欲と能力に応じた職責を担うことのできる働き方にすることが、女性の活躍の観点から必要であるという記載を入れております。また、前回の御意見を踏まえて「また」以下を追記しております。これは、非正規雇用のままであることを希望する背景には、正規雇用に転換すると恒常的な長時間労働が避けられないという懸念があるため、その点にも留意することが望ましいということを追記しております。

3の女性の活躍が求められる日本社会の背景等です。(1)(3)は特に大きな御意見はなかったので、前回と同様の記述にしております。

(4)諸外国の実情から得られる示唆等の矢印の2つ目です。女性の活躍が進んでいるフランス、オランダ等の働き方を見て特徴が挙げられるということですが、前回の委員の御意見の中で「同一価値労働・同一賃金」原則に基づく法制度が整備されていることが、特徴の一つであろうという御意見がありましたので、その旨を追記しております。

4以下が新たな法的枠組みの構築です。(1)で女性の活躍の意義・制度設計に当たっての基本的考え方を整理しております。まず1つ目の矢印ですが、「女性の活躍」は一人一人の女性が希望に応じて、個性と能力を十分に発揮できることであると考えられるということです。2つ目は、女性の活躍の推進は多方面に大きな影響を及ぼすものである。しかしながら、まずは、働くことを希望する一人一人の女性が個性と能力を十分に発揮できるよう、阻害要因を取り除いていくことが必要で、その結果として、日本経済の持続的成長や社会の発展に寄与することとなるものであるということです。3つ目に、その際に男女共同参画の視点が必要ということを書いております。

4つ目は、女性の活躍推進です。「指導的地位に占める女性の割合」の増加は重要な一指標ですが、指導的地位周辺の一部の女性だけではなくて、非正規雇用の女性や仕事を希望しながら働けていない女性も含めて、あらゆる女性が個性と能力を十分に発揮できることを目指して進められる必要があるということを記載しております。そして、女性の活躍に向けては、上記に見たように各ステージにおいて様々な課題がありますが、その課題のうちどの部分が特に大きなウエイトを占めるかというのは、産業毎・企業規模毎・そして個別企業毎に多種多様であるので、各企業それぞれの実態に合った取組を可能としつつ、社会全体として前進させていくことのできる枠組みが求められると整理しております。

(2)制度の基本的な枠組みの1つ目の矢印です。基本的な枠組みとして1として各企業において自社の女性の活躍に関する状況の把握を行い、2として課題を分析した上で、3として課題の解決に向けた目標を設定するとともに、4として行動計画策定指針に盛り込まれた効果的取組を参考に、自社の課題解決に必要な取組をまとめた行動計画を策定・公表する、5自社の女性の活躍に関する現状について、求職者の選択に資するよう公表するという流れが、女性の活躍の効果的な推進に向けて必要であると記載しております。「また」以下のところですが、10年程度の時限立法とすることが適当であるということで、その理由としては、女性の活躍推進が喫緊の課題であり、短期間で集中的な取組を進める必要がある一方、各企業において必要となる取組は配置・育成等、一定期間にわたる継続的実施を要するものが多いので、10年程度の時限立法とすることが適当であると整理しております。

(3)事業主における状況把握・課題分析・行動計画の策定・女性の活躍の現状に関する情報公表についてです。それぞれ3つに分けて整理しております。まず、状況把握・課題分析です。社会全体で着実に女性の活躍を前進させていく必要性とともに、新たに創設される制度であることから事務負担が大きい、普及啓発に要する期間もそれなりにかかるだろうということを勘案して、大企業(301人以上)については義務、中小企業(300人以下)については努力義務とすることが適当であると整理しております。

 状況把握は、まず、女性の活躍に向けた課題の中でとりわけ多くの企業に該当する課題が3つあると考えております。女性の採用の少なさ、第1子出産前後の継続就業の困難さ、男女を通じた長時間労働。この3つについて、自社の状況を明らかにすることと、女性の活躍を測る重要な一指標である女性の登用条件を明らかにする、これらの観点から以下の項目を「必須項目」として把握することが適当であるとしております。

 1採用者に占める女性比率2勤続年数の男女差3労働時間の状況4管理職に占める女性比率です。上記1〜4の項目を「必須項目」として省令で規定することが適当である、また、各社の実情に応じて把握することが効果的と考えられる「任意項目」は省令で規定するものとして、更に議論を深めることが適当であるとしております。なお、「任意項目」として、例えば男女別の配置や育成、教育訓練、登用の状況、両立支援制度や各種転換制度の利用状況、女性活躍に関連する従業員の意識や相談の傾向、こういうものが考えられるということです。

3つ目の矢印です。女性の活躍の推進は、非正規雇用の女性を含むあらゆる女性を対象とするところ、状況把握の項目については、雇用管理区分毎に把握する必要性について、更に議論を深めることが適当である。そのほか、各企業における状況把握や課題分析の実施に向けては、様々な格差の実質的縮小を進めるための契機となるよう、省令又は行動計画策定指針(告示)において、有効な手法等を示していくことが必要であるとしております。

ii)行動計画の策定・公表です。義務、努力義務は、大企業については義務、中小企業については努力義務とすることが適当であるということで、行動計画の必須記載事項としては以下の項目が必要であるとしております。1計画期間2目標3取組内容4実施時期です。行動計画の策定・推進に当たっては、着実にPDCAを機能させること、その際には労使の対話等により労働者のニーズを的確に把握することが重要であることから、その旨を行動計画策定指針において定めることが適当であるとしております。

 行動計画の策定に当たっては、状況把握・課題分析の結果を踏まえて、各社の課題の解決を図るために相応しい目標を設定することが適当である。数値目標の設定は、進捗管理や取組効果の検証の観点からは望ましいが、各社の実情に配慮することが必要である。取組内容については、行動計画策定指針に盛り込まれた効果的取組を参考に、各社の実情に合った取組を選択することが適当である。行動計画は、企業全体で進めていくものであることから、外部に公表することだけでなく、当該企業の労働者にも実効ある周知を行うことが適当であると整理をしております。

iii)女性の活躍の現状に関する情報公表です。こちらも、大企業(301人以上)については義務、中小企業(300人以下)については努力義務とすることが適当であるとした上で、2つ目の矢印ですが、女性の活躍に関する情報公表の趣旨が何かということは、ここで記載しております。求職者における企業選択を助けるものでありますし、求職者等の企業選択を通じて、女性が活躍しやすい企業であるほど優秀な人材等が集まっていくという社会環境を整備することで、市場を通じた女性の活躍の推進を図るものであるとしております。

 求職の職業選択に資する情報としては、当該企業の女性の活躍状況や、女性の活躍に関する企業環境など多数の項目が考えられ、その中でどの項目を重視するかは求職者個々人により様々と考えられます。一方で、様々な求職者の多様な観点に対応できるよう、網羅的な項目数の公表を一律に義務づけることは、企業にとって負担が重いということと、業種等の事情が勘案されずに数字が独り歩きすることにより、適切な評価を得られないという懸念も示されているとしております。このため情報公表の項目としては、i)の情況把握で「必須項目」とされたこの4項目の事項に加えて、企業の女性の活躍状況や、女性の活躍に関する企業環境などに関する情報として適切なものについて、更に議論を深めた上で省令により列挙し、その中から「必須項目」も含めて、事業主が業種等の事情を勘案して、適切と考え選択した項目を公表することが適当であると整理しております。

 このように幅広い項目の中から、企業が自身の経営戦略に基づき公表する範囲を選択する制度とすることで、公表範囲そのものが企業の姿勢を表すものとして、求職者の職業選択の要素となり、企業間の取組促進につながるものと考えられる。その際には、公表された情報だけではなく、当該企業の姿勢や取組内容等が記載された行動計画と一体的に閲覧ができる公表方法が望ましいものであることから、その旨を行動計画策定指針において、定めることが適当であるとしております。

(4)行動計画策定指針です。上述の事項に加えて、先進的な企業の取組事例を参考としつつ、女性の活躍のために解決すべき課題に対応する以下を中心とする効果的取組を盛り込む方向で、さらに議論を深めることが適当であるとしています。ここで挙げております取組は、前段の課題に対応するものとして整理をいたしました。中身としては、女性の積極採用に関する取組、配置・育成・教育訓練に関する取組、継続就業に関する取組、長時間労働是正など働き方の改革に向けた取組、女性の積極登用・評価に関する取組、雇用形態や職種の転換に関する取組、女性の再雇用や中途採用に関する取組、性別役割分担意識の見直しなど職場風土改革に関する取組ということで挙げております。

(5)法の履行確保の措置です。上記の制度の着実な履行確保を図る観点から、以下の措置を講ずることが適当であるとして、策定した行動計画について、厚生労働大臣への届出義務を設けること、法律の施行に関して必要があると認める場合の報告徴収・助言指導・勧告の規定を整備すること、また、必要な罰則の規定を整備することということで挙げております。

(6)認定制度です。1認定基準ですが、認定制度は認定取得企業が労働市場等で評価されることを通じて、企業の取組を促進する効果を有するということで、より多くの企業の取組の促進につながる効果的な認定基準を設定することが必要であるということですが、これも前回の御議論が出た点をまとめております。女性の活躍状況の水準(実績値等)と取組による改善度合い(伸び)の両面で評価を行うこと、業種毎・企業規模毎の特性に配慮した基準とすること、なるべく簡潔で分かりやすい基準とすることで整理しております。2認定の取消しです。認定取得後に、認定制度の信頼を損なうような状態になった企業については、適切に認定の取消しが行われる制度設計とすることが適当であると整理しております。

(7)企業の取組促進に向けた方策です。特に中小企業に対しては、いずれも努力義務とすることが適当である一方、できる限り幅広い中小企業に取組を広げることが求められるということで、下の矢印です。これは中小企業も含めてということなのですが、女性の活躍推進に向けた取組を進めようとする企業に対する相談体制の整備を図るとともに、事務負担が取組を進める上での阻害要因とならないよう、様々な面での支援を検討することが適当であるということで整理をしております。説明は以上です。

 

○田島会長 ありがとうございました。それでは、ただいまの事務局の御説明について、御意見、御質問がありましたらお願いします。

 

○南部委員 まず、議論に入る前に、一言申し上げたいと思っています。以前にも申し上げましたが、今回の新たな法律の法的枠組みについては、非常に短時間での議論であり、かなり拙速に進められたという感が否めません。この分科会も相当毎週積み重ねてはきたのですが、短時間で行われたということで、まだまだ論議が不十分な点が多くあると感じています。この報告書が取りまとめられて、今後具体的に省令指針の議論が行われていくことになろうかと思います。その際には、丁寧な進め方をしていただくよう事務局に強く要請をしていきたいと思っています。

 その上で、今回、示された報告書について御意見を申し上げます。この間、労働側としては、新たな法的枠組みについては、各企業に対して、全てのステージにおいて、全ての女性を含めたポジティブ・アクションの義務付けが必要だと主張を続けてきました。その観点から見れば、均等法などの既存の法律がありながら、なかなか前進することができなかった女性の活躍促進の取組が、今回、現状分析そして行動計画策定などという形で、支援ではなくて義務化されることは、非常に重要だと考えています。

 また、労働側としては、職場の環境改善において労使の対話が必要不可欠であることも主張をし続けてきました。今回、示された案文の中には、女性の活躍促進に関する課題分析や、策定においては労使での対話の重要性について指針に定めるという項が入っています。労使の対話は、それぞれの企業の取組に実効性を持たせる上で極めて重要な項目であると考えており、このことを前提に今後具体的な議論を行っていただきたいと思います。

 また、この新たな枠組みを真に実効性のあるものにするためには、女性労働者の過半数を占める非正規労働者を含めたものにしなければならないことも、併せて主張してきましたが、実態把握の項目などを始めとする、具体的な法的枠組みの構築への反映という点では、不十分であると言わざるを得ません。今後、この審議会において省令指針などの議論を行う中で、今回示された内容を踏まえて、全ての女性、働く女性を対象としたより実効性の高い施策を議論すべきであるということは、意見として申し上げたいと思います。以上です。

 

○田島会長 ありがとうございました。その他に御意見ありませんか。

 

○齊藤委員 制度の基本的な枠組みと中小企業における努力義務措置について、意見を申し上げたいと思います。17ページ(2)制度の基本的枠組みの2つ目の矢印の一番最後の行ですが、こちらで10年程度の時限立法とすることが適当であると示されています。10年という期間については、短期間で集中して取り組むことを念頭に置いているという意味では理解できます。しかし、政府が示した、2020年に指導的地位に占める女性の割合を30%とするということを考慮すれば、この法律の進捗具合をきめ細やかにチェックし、課題があれば早期に改善していくことが、新たな法的枠組みの実効性を高めるためにも重要ではないかと思っています。

 また、今回の枠組みについては、同じ17ページの(3)の所のそれぞれの項目に記載してありますが、301人以上の企業は義務化、300人以下の中小企業については努力義務化との内容が示されています。女性活躍支援の裾野を広げていくためには、中小企業も含めた全ての企業が取り組むことが重要であり、労働側としてはそのことをこれまで主張してきました。中小企業に対して、この取組の重要性を理解してもらうこと、また、取組をしようとしている企業に対する国の支援を充実させることが、まず前提として大事であるということは理解しますが、義務化の範囲についても、先ほど申し上げたように、法律の施行後の状況を見ながらきめ細やかに見直し、改善の検討を行っていく必要があると考えています。今申し上げたような背景を踏まえて、是非、より早期の見直し検討が可能となるような措置を取っていただきたいと思います。以上です。

 

○田島会長 ありがとうございます。

 

○半沢委員 私から、状況の把握と課題の分析、それから情報の公表について、いくつかの意見と1つ質問を申し上げたいと思います。私ども労働側としては、女性活躍に向けた状況把握、課題分析の項目については、企業の規模や置かれている状況により、それぞれ課題も異なることが想定されることから、より幅広くするべきと主張してきました。今回、示された報告書()では、状況把握の項目に、私どもの主張してきた両立支援制度の利用状況やハラスメント等の相談について、また、非正規から正規への転換などに関する項目が任意項目の例示として示されていて、今後の議論につながるものであることから、意味があるものと考えています。

 一方、これまで主張してきた賃金や評価などについては、入っておりません。例えば今回記載はされていませんが、評価に関して申し上げれば、登用されていく上での判断の基準であって、当然登用とセットで論議をされるものであると思っていますので、今後の指針論議に当たっては、セットで論議をしていく必要があると思っています。その他にも、管理職の定義や雇用管理区分毎にどのように状況把握をするかなど、課題分析をする上で明確にしなければいけない項目もあると思っています。また、任意として挙げられているのは飽くまでも例示であると思っていて、指針策定時には、これまで私どもが主張してきた内容を含めた他の可能性についても、職場の実態やデータに基づいて引き続き議論をしていきたいと思っているところです。

1点質問ですが、18ページの下から2つ目の矢印の2行目に、「雇用管理区分ごとに把握する必要性」という所があるのですが、この雇用管理区分というものの中には、非正規労働者も含まれていると考えてよろしいのでしょうか。 

 

○田島会長 事務局、質問の点についてお願いします。

 

○小林雇用均等政策課長 雇用管理区分には当然非正規雇用の方も含まれています。正社員と非正社員との雇用管理区分が違うという意味で、雇用管理区分という概念の中に含まれています。

 

○半沢委員 ありがとうございます。その部分については確認をさせていただきたいと思います。加えて公表について意見を述べたいと思います。20ページに情報公表に関する内容が示されてあります。求職者にとって本当に有益な情報と考えられる内容を、より多く開示していただくことが望ましいと私どもも思っています。積極的に様々な情報を開示していくことが、透明性のある企業として評価される時代でもありますので、その点については取組みを行う企業の皆様方に期待を申し上げたいと思っています。また同じく、20ページの一番下の矢印の部分です。「事業主が、業種等の事情を勘案して適切な」というような記載がありますが、業種は規模によって実態や課題が異なることは理解していますが、飽くまでこの枠組みの趣旨は女性の活躍の推進であって、重ねての意見となりますが、それぞれの企業には、是非積極的な取組をお願いしたいということを申し上げておきたいと思います。ありがとうございます。

 

○松田委員 私からも意見を述べさせていただきます。今回、21ページの(4)行動計画策定指針において、「働き方の改革」それから「性別役割分担意識の見直し」という文言が記載されたことは、非常に重要なことであると思います。多様なワークスタイルを支援できるような制度構築は重要ですが、併せて、経営陣から労働者一人一人に至るまで、日本における長時間労働を是とするような職場慣行、また性別役割分担意識に基づく働き方に対する意識改革を行い、女性の力の発揮を妨げている働き方、雇用慣行の解消を図らなければ、今回の新法の枠組みも形骸化してしまうと思います。働き方の見直しや性別役割分担意識の払拭については、政労使が一体となり、社会全体であらゆる場面での意識改革を本気で行っていかなければ、実現は難しいと思います。今後、職場における取組の実効性を高める施策については、この審議会で指針策定の際にしっかりと論議をしていきたいと考えていますが、中小をはじめとする企業の取組への支援や、社会におけるあらゆる場面での意識醸成の取組については、是非、国を挙げた取組として、社会を変革していくという気概を持って取り組んでいただくよう、強く要望をしたいと思います。

 それから、もう1つ申し上げたいと思います。先日、私は、ジャパンダイバーシティネットワークという、女性の活躍推進を掲げて発足した団体のシンポジウムに参加をしてきました。そのシンポジウムには1,000人近い参加者があって、非常に熱気がありました。キャロライン・ケネディ米国駐日大使ですとか、村木厚生労働事務次官、経団連や経済同友会などの経営団体の代表の方、もちろん連合の会長もですが、登壇をされて、女性の活躍の重要性を皆さん語っていました。私も拝聴していて、いよいよ本当に日本は変わるのではないかという期待を持ちました。非常に印象的だったのは、皆さん、女性の活躍促進について口々に「その是非や理念というものを議論するときではない、もう実行に移すときだ」ということを語っていました。経営団体の方は、特にそのことを強調されていました。強い決意表明をされていましたので、それを私は信じたいと思います。

 今回の新法では、企業の自主的な取組に委ねてほしいという経営側の強い主張があって、個別の状況などを反映できる内容になっています。ですから、労使の自主的な取組で、きちんと結果を出すということが重要だと思います。結果を出す取組みを、労使で進めたいと思います。以上、意見として申し上げます。

 

○田島会長 ありがとうございました。他に御意見ありますか。

 

○南部委員 この間、マスコミ等で話題になっている数値目標の設定について、改めて連合の考え方をこの場で申し上げたいと思っています。19ページには「数値目標の設定は進捗管理や取組効果の検証の観点からは望ましいが、各社の実情に配慮することが必要である」ということで取りまとめがされています。労働側はこの間、数値目標について、新たな枠組みを実効性あるものにするためには、それぞれの労使で数値目標を定めることが望ましいのではないか、現状把握、分析、情報公開について労使の対話が確保されるのであれば、数値目標には必ずしもこだわらないが、それがないなら数値目標はしっかり義務化するべきであるという意見を発言してきました。これらは、数値目標を掲げること自体も、実効性を高める上では意味があることと併せて、それぞれの企業でどのような部分が女性登用における課題になっているのか、労使で現状把握、分析することで、その企業の実情に合わせたふさわしい改善策を掲げることこそが、必要ということで考えています。数値目標が独り歩きしない支援策をするべきという意味の発言でした。

 連合が本分科会で一貫して主張してきたのは、一部の管理職周辺の女性労働者だけでなく、何度も申し上げましたが、非正規労働者を含めた全ての女性を対象とした施策とすることが、全体の底上げにつながるということ、そうでなければ真の女性活躍とは言えないということです。真の女性活躍を実現する上においても、新たな法的な枠組みを実効性あるものとするためには、それぞれの労使での数値目標を定めることが、まずは望ましいと考えています。その際には、先ほども申し上げましたが、数値が独り歩きしないよう、しっかりと現状把握そして分析を十分していき、その現状把握を踏まえた上で行動計画の策定をし、情報公開についても労使の対話が重要であると考えていますので、連合側としては、こういう考えでこの間、意見を述べさせていただいたということを、再度ここで表明をしておきます。以上です。

 

○田島会長 ありがとうございます。他に御意見ありませんか。

 

○南部委員 最後に均等法との関係について質問させていただきます。これは最初の方に一度、整合性ということで意見を申し上げていますが、改めて、この報告書の案が出た時点での均等法と新たな法的枠組みの関係性について、どのように捉えたらいいのかということで、事務局の方にお尋ねしたいと思います。以上です。

 

○田島会長 事務局お願いします。

 

○小林雇用均等政策課長 今回の新法と男女雇用機会均等法の関係ですが、男女雇用機会均等法は、性別を理由とした差別を禁止するものでして、すなわち男性に対する性差別も含めて一方の性を優遇することで、もう一方の性に対し差別的な取扱いを行うこと自体を、原則として禁止をしているものです。ただ、現状として、女性労働者が男性労働者と比較してかなり格差が大きいという状況があるので、その格差を是正して女性の活躍推進を図ることが、喫緊の課題として求められているということで、今回、時限立法ということで整理をしています。女性の活躍推進が日本社会にとって喫緊の課題で、短期間で集中的な取組を進める必要があるということで、時限立法とした上で、民間企業だけではなくて、隗より始めよということで、国、地方公共団体も含めて、事業主としての取組を行うということで、男女雇用機会均等法とは別に、新法を作っていくということで考えています。以上です。

 

○南部委員 ありがとうございました。今回新たな法的枠組みが実行されるということで、多くの企業で、女性の登用の妨げとなっている、環境や慣行などの課題把握や改善案などの事例が、積み上がっていくと考えられます。これらは、いつでも均等法の今後の見直し議論にもつながるであろうと私たちは思っていますので、意見として最後に申し上げたいと思います。以上です。

 

○田島会長 他に御意見はありませんか。

 

(意見等なし)

 

○田島会長 それでは、ほぼ御意見も出尽くしたようですので、他の御発言がなければ、「女性の活躍推進に向けた新たな法的枠組みの構築について」は、本日事務局より提出された案のとおり、雇用均等分科会報告を取りまとめたいと思います。また、労働政策審議会令第6条第9項に基づき、本分科会の議決をもって審議会の議決とすることができるとされています。この報告により、労働政策審議会から厚生労働大臣に建議することとしたいと思いますが、よろしいでしょうか。

 

( 異議なし)

 

○田島会長 ありがとうございます。それでは、皆様、御異議がないようですので、お手元の案のとおり、報告及び建議を取りまとめることといたします。報告文、建議文の文書について配布をお願いします。

 

(報告文()、建議文()配布)

 

○田島会長 報告文、建議文の文書については、ただいまお手元に配布された案のとおりとしたいと考えますが、いかがでしょうか。

 

( 異議なし)

 

○田島会長 ありがとうございます。それではそのようにさせていただきます。女性の活躍推進に向けた新たな法的枠組みの構築について、短期間に集中的に御議論をいただくことになりましたが、精力的に御議論をいただいた労使各側及び公益委員の御協力に感謝いたします。ありがとうございました。

 それでは、審議会長に代わって建議を提出したいと思います。厚生労働大臣の代理として、安藤雇用均等・児童家庭局長にお渡しいたします。

 では、雇用均等・児童家庭局長より御挨拶がございます。

 

○安藤雇用均等・児童家庭局長 この分科会において、女性の活躍推進に向けた新たな法的枠組みの構築について、本年8月から5回にわたり大変精力的に御審議をいただきまして、本日、報告を取りまとめていただいたことに心から感謝を申し上げます。

 今後は、この建議を基に、女性の活躍推進に向けた新たな法案を作成して、法案要綱を本分科会にお諮りをした上で、現在開会中の臨時国会に提出したいと考えています。

 また、本分科会で委員の皆様方からいただいた御意見を十分踏まえながら、今後の女性の活躍推進を始めとする雇用均等行政の運営に、努めてまいりたいと考えています。委員の皆様方には、これまでの御協力に改めてお礼を申し上げるとともに、今後とも雇用均等行政を始めとする厚生労働行政に対する一層の御理解、御支援を賜りますよう改めてよろしくお願いを申し上げます。ありがとうございました。 

 

○田島会長 その他御発言がないようでしたら、本日の審議はこれまでといたします。なお、この建議に基づき、事務局において法案作成作業を速やかに進めていただき、次回以降の分科会において、法案要綱を諮問していただくよう、よろしくお願いします。

 最後に、本日の議事録の署名委員は、労働者代表は齊藤委員、使用者代表は加藤委員にお願いします。皆様、本日は、お忙しい中お集まりいただきまして、ありがとうございました。


(了)
<照会先>

厚生労働省雇用均等・児童家庭局
雇用均等政策課
〒100−8916 東京都千代田区霞が関1−2−2 

ホーム > 政策について > 審議会・研究会等 > 労働政策審議会(雇用均等分科会) > 第149回労働政策審議会雇用均等分科会の議事録について(2014年9月30日)

ページの先頭へ戻る