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2014年10月20日 第9回「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム」 議事録

○日時

平成26年10月20日(月)10:00〜12:00


○場所

厚生労働省 専用第23会議室(6階)


○出席者

井出教授 沖倉教授 野沢論説委員
萩原部長 平野教授 橋本厚生労働大臣政務官
藤井障害保健福祉部長 川又企画課長 田中障害福祉課長
冨澤精神・障害保健課長 照井課長補佐 小泉課長補佐
菅自立支援給付専門官 曽根障害福祉専門官 伊藤障害福祉専門官

○議題

(1)訪問系サービスの報酬について
  (居宅介護、重度訪問介護、同行援護、行動援護、重度障害者等包括支援)
(2)その他

○議事

○田中障害福祉課長 定刻となりましたので、ただいまから障害福祉サービス等報酬改定検討チームの第 9 回会合を開催いたします。御出席いただいたアドバイザーの皆様方におかれましては、御多忙のところお集まりいただき、誠にありがとうございます。

 本日のアドバイザーの方の出席状況ですが、全員御出席です。なお、沖倉先生におかれましては 11 時半頃退席される御予定です。撮影はここまでとさせていただきます。

 本日の資料の確認をいたします。資料 1 「訪問系サービスに係る報酬について < 論点等 > 」、資料 2 「訪問系サービスに係る報酬について < 基礎データ等 > 」です。加不足等ありましたら事務局にお申し付けください。

 なお、前回の障害福祉サービス等報酬改定検討チームで議論いただいた、平成 26 年障害福祉サービス等経営実態調査結果速報値の資料については、机上の参考資料のファイルに綴っておりますので、適宜御参照いただければと思います。

 議事に入ります。資料 1 、資料 2 について事務局から説明をお願いします。

○照井課長補佐 本日はお忙しいところ、ありがとうございます。資料に沿って説明いたします。まず、訪問系の報酬改定の関係ですが、今回、全体的に着目しているのが、事業者間の連携や、経過措置が長期間経過したものについての扱い、同行援護の事業が平成 24 年度から始まっていますが、その関係の報酬の単価の中身などについて主に論点とさせていただきたいと思っております。

 資料 1 2 ページ、居宅介護の報酬の関係です。背景としては、現状の居宅介護のサービス提供責任者については、病院や入所施設に入院又は長期間の入所をされていた障害のある方が地域移行する場合や、長期にわたって自宅に引きこもっていた障害のある方が単身生活を始められる場合に、具体的にどういったことが生活上不自由か、困難かというところが不明確な場合が多いということで、居宅介護計画の作成や、従業者への技術指導が難しいことが実態としてあります。本年の 7 月にまとめられた「長期入院精神障害者の地域移行に向けた具体的方策の今後の方向性」の中でも、居宅介護については、精神障害者本人の意向に寄り添いながら、協働して、連携して地域生活を維持・継続するサービスの充実を図ることが必要であること、連携によって、従業者の支援能力の向上を図ることが重要であることなどの報告を受けております。

 こういったことを背景にして、論点といたしましては、長期入院、長期入所された方が地域移行される場合にホームヘルプがどう接点を持つかというところになると思っております。

3 ページの論点です。居宅介護の事業所が医療などの専門職の方となかなか連携が取れていないこともあり、精神障害のある方などが地域移行される場合に、居宅介護計画の作成等が難しい状態にあることが現状の問題点です。これに対応する目的で、報酬の方向性といたしましては、サービス提供責任者が精神障害者などの特性に精通する専門職の方 ( 看護師、作業療法士等 ) と連携をして、同行して利用者の御自宅を訪問し、一緒に ADL の評価などをしながら、その専門職がサービス提供責任者に対して、居宅介護計画を作成する上で必要な指導や助言をしながら作成した場合の報酬上の評価について、報酬改定の方向性としていかがでしょうかということです。

 実際に、少ないながらも、生活機能向上の例として、こういった連携を図っている事例があります。事例としては 2 つありますが、 1 例目としては、重症心身障害児・者に対して、理学療法士が連携をして、食事介助の方針について指導を受けた例です。 2 つ目は、精神障害者の地域移行に際して、精神保健福祉士との連携によって、家族関係が余りよくなかったということで、どういう関わり方がいいかということの指導を受けた例などがあります。

4 ページは介護保険についてです。先んじて、同じような連携の事業として、生活機能向上連携加算を例として載せているものです。訪問介護と訪問リハが一緒に利用者の御自宅を訪問して、訪問介護の事業の中で、訪問リハの理学療法士等の指導を受けたホームヘルプサービスを提供することによって生活機能の向上を図るという場合に、訪問介護と訪問リハの両方に報酬上の評価がされている事例です。

5 6 ページは、団体の方々の要望が載っていますが、大きくまとめると 4 つぐらいの要望があります。報酬の単価の引き上げを望んでいるということ。意思疎通について、特に入院中の意思疎通について報酬で評価をしてほしいということ。医療との連携について、更なる評価をお願いしたいということ。研修の体制について、研修が具体的に受講できるような報酬上の評価をしていただきたいということ。これら 4 つがあります。

 それぞれ要望がありますが、報酬単価の引き上げ等については、報酬改定全体の中で決めていくことになっています。意思疎通支援については、地域生活支援事業の中で事業として始めたばかりということもありますので、まずは状況を見ていきたいと考えております。医療連携についても、現状は特定事業加算や痰の吸引に関する評価などもしておりますので、こういった状況も踏まえた今後の対応をしていくということ。研修については、一定程度の割合で、研修を受講した方がいらっしゃる事業所については、特定事業所加算で、報酬の 10 %加算のなどもしておりますので、いずれにしても、こういった状況についてどうかというところも見ながら、今後、報酬改定だけではなくて、 3 年後見直しなども含めた全体の中で話を進めていきたいと考えております。

8 ページは重度訪問介護についての論点です。重度訪問介護については、現状で論じるべき背景が 3 つあると考えております。背景の 1 つ目は < 支給決定の時間 > です。重度訪問介護は見守りなどを中心に、比較的長時間、利用者の支援をするということで制度設計されているサービスです。これについては、我々としても、機会があれば、 1 3 時間以上の支給をしてくださいということで自治体にはお願いしているところです。

 そういった状況ではあるのですが、 3 つ目の○で、事業者などから、これはどう見ても居宅介護で支給決定されるべきサービスが、重度訪問介護として支給決定されてしまっている、単時間で複数回にわたるようなサービスが重度訪問介護で支給決定されてしまっているケースがあるという声が寄せられています。

2 つ目の背景としては、重度訪問介護の対象者を、平成 26 4 月から、通常の肢体不自由の身体障害のある方以外に、常時介護を要する知的・精神障害者に広げたところです。これによって、知的障害者、精神障害者の方々については、まずは行動援護の事業を利用していただいて、行動障害がある程度落ち着いてから、重度訪問介護の利用ということでお願いしているのですが、こちらについて、行動援護の事業者と重度訪問介護の事業者の連携を強化していく必要があるのではないかということです。

3 つ目の背景は < 特定事業所加算 > です。こちらの算定対象の事業所の要件のうち、サービス提供責任者については、今年度いっぱいまで要件を緩和しているところです。その扱いについて、今後どうしていくかということで、背景と論点、それぞれ 3 つという形になっています。

 論点を 1 つずつ説明していきます。まず 1 つ目の論点です。重度訪問介護の本来の趣旨に応じた利用を促すためにはどうすべきかというところで、重度訪問介護については、長時間のサービスを基本としております。それが短時間に集中した一般的なホームヘルプにまで重度訪問介護が支給決定されている実態についてどうしていくかというところを、アドバイザーの方には御論議をお願いしたいと思います。

 参考ですが、データとしては、の 3 分の 1 ぐらいが 3 時間未満の方という状況になっております。

10 ページが論点の 2 つ目です。行動援護事業者との連携についてはどうかというところです。 11 ページに参考 1 として、こちらは主管課長会議などで一度お示ししている資料です。支援の流れの図を見ていただくと、まずは相談支援事業者が中心となった連携体制の下で、行動援護事業者が一定期間、問題行動のアセスメントや御自宅内の環境調整などを行いながら、必要に応じて居宅介護や、ほかのサービスを利用しながら、サービス担当者会議などにおける連携により、支援方法の共有を進め、支援方法が共有された段階で、サービス等利用計画の変更を行い、重度訪問介護の利用を始めます。もちろん、重度訪問介護の利用を始めた後で問題行動などが発生した場合に、行動援護の利用ができないわけではなくて、必要に応じて行動援護も、当然、利用ができるという状態で連携を進めて、重度訪問介護への移行をしていくような形になっています。

10 ページに戻ります。現状はこの 2 者の連携については、報酬上は全くその評価をしておりません。行動援護の利用が中心であった利用者が、重度訪問介護に移行した直後は、行動援護の事業者には報酬が入らず、移行前は、重度訪問介護の従業者には報酬は入りませんが、移行前後には両者が、両方ともいろいろ打合せをしたり、サービス等利用計画の内容について検討を進めたりと連携を図る必要があります。それについて、矢印の下の○ですが、重度訪問介護の利用を始める際に、行動援護の従業者が、重度訪問介護のサービス提供責任者に同行して、利用者の御自宅を訪問、利用者の心身の状況や、御自宅の中での状況、 ADL の評価などを一緒に行って、計画を共同で作成した場合に、報酬上評価をしてはどうかということが、論点の 2 つ目です。

13 ページが論点の 3 つ目です。平成 27 3 月末までとなっている特定事業所加算の経過措置ですが、どういった内容が経過措置になっているかということですが、囲っている 2 つ目の箱の「経過措置の内容」とあるところです。本来であれば、経験年数が 5 年以上のサービス提供責任者が、重度訪問介護事業所の全て、サービス提供責任者全員が経験年数 5 年以上ということを要件としておりますが、今年度いっぱいまでは、事業所の半分のサービス提供責任者が、重度訪問介護の従業者として 3,000 時間以上の実務経験を有する場合は適合するものとみなすということにしております。 3,000 時間というのが、一番上の○ですが、約 2 年と少しということで、経験年数についても緩和をしていることになっています。この経過措置というのは、経過措置を設けてから 6 年経過しています。本来の経過措置の経験年数の 5 年を超過しているという状況になっていますので、例えば重度訪問介護ができた当初から事業を始めた方も、ずっと働いていれば、経験年数も含めて、本来の要求要素をクリアできる状況になってきています。そういったことも踏まえて、その上の枠の中ですが、特定事業所加算については、例えば2「良質な人材の確保」などを要件としています。良質な人材の確保とサービスの質の向上を図る観点も含め、経過措置を設けて 6 年が経過したことについては、今後の扱いをどうしていくかということの御議論をお願いしたいと考えております。

14 15 ページに、重度訪問介護に係る要望事項を掲載しております。こちらについては、大きく 5 つぐらい要望事項が載っています。まずは、報酬全体を引き上げてくださいということ。重度訪問介護のサービスのうちの移動に関する部分で、通勤や通学を認めていただきたいということ。重度訪問介護の短時間の支給決定について、身体介護と同程度に引き上げるか、若しくは支給決定をしないでほしいということ。年齢の要件ですが、こちらは障害者のサービスですので、原則 18 歳以上から、児童相談所が認めれば 15 歳以上ということになっていますが、その要件を撤廃して、障害児からも使えるようにしていただきたいということ。年齢要件にも合致しますが、対象者について、行動障害のない知的・精神の方にも利用ができるようにしてほしいということ。大きく 5 つぐらいの要望がまとめられています。

 報酬の引き上げについては、報酬改定全体の中で対応していきたいと考えております。通勤・通学や、年齢の要件、対象者の御要望については、 3 年後の見直しの附則 3 条の中に、常時介護を要する障害者に対する支援の在り方について、 3 年を目途に検討をするということもありますので、重度訪問介護の制度全体を見直していく中で、こういった方々についてはどうしていくかということは、今後、検討を進めていきたいと考えております。

 続いて、 18 ページの同行援護です。同行援護の報酬に関しては、背景として 2 つあります。同行援護は、支援の内容に応じて、身体介護ありと、なしの 2 つの報酬単価が設定されているのが現状です。さらに、同行援護の従業者の要件として、研修の受講や実務経験といった要件を設けておりますが、こちらについても制度が出来て間もないこともあり、従業者要件で経過措置を設けていましたが、この 10 1 日に 1 回目の経過措置が終わることを受けて、平成 30 3 月末まで、その経過措置を延長したところです。これらを踏まえて、論点として、現行の報酬体系が 2 本になっていることについてどう考えるか。また、サービスの質の向上を図るための方策は何かないかということで、論点としては 2 つあると考えております。

19 ページです。こちらの論点は、現状の問題点としては、「身体介護なし」の単価が、「あり」と比較して低い設定になっていること。その一方で、下のデータにあるとおり、利用者の多くが身体介護なしの単価によりサービスを受けている 17 万人の算定回数のうち 10 万回ぐらいが身体介護なしの単価になっているという現状です。基礎データも後で御覧いただきたいのですが、同行援護の場合、基礎データの 22 ページです。それほど目立ったことでもないのですが、同行援護の利用者の障害支援区分別で見た場合に、支援区分 3 以下の方が圧倒的に多いということ。あとは、支援区分なしの方、同行援護の利用に当たっては、支援区分が必要ありませんので、支援区分の認定をしていない方もいらっしゃるとは思うのですが、支援区分なしや区分 3 以下の方で、ほとんど全てを占めている状況にはなっています。ただ一方で、資料 1 19 ページですが、年齢階層別で見たときに、 65 歳以上の方が一番多いということで、今後、利用者の高齢化に伴って、障害支援区分も若干上がってくる可能性もあるのではないかということも考えております。

 さらに 3 つ目の○です。従業者要件の経過措置について、平成 30 3 月末まで延長はしましたが、ただ、実際に経過措置というのは、本来の要件を緩和する措置ですので、同行援護従業者のサービスの質の向上は同時に図っていかなければいけないということについてどうしていくかということについて御議論いただければと思っております。

20 ページです。要望事項として、報酬単価を一本化していただいて、その報酬額についても安心して行える額にしていただきたいということ。盲ろうに障害のある方の場合は、日々の通所についても、このサービスの利用ができるようにしていただきたいということ。日々の通所については、現状で送迎加算もありますので、そういった状況なども見ながら検討していければと考えております。

22 ページ、行動援護です。行動援護についても、先ほど重度訪問介護の際にも話しましたが、背景としては 3 つあります。まず 1 点目は、重度訪問介護との連携について、今度は行動援護の事業者についてもどうかというところ。 2 点目は、ヘルパーとサービス提供責任者の従業者要件についてなのですが、現状のヘルパーの要件としては、経験年数が 2 年以上の方のほかに、行動援護従業者養成研修を終了した方は、経験年数を 1 年に短縮するのですが、報酬を 30 %減算としている取扱いにしています。さらに、現行のサービス提供責任者の要件としては、有資格者のほかに、直接業務 5 年以上の経験年数ということを要件としておりますが、経過措置として、行動援護従業者養成研修を終了した方については、この経験年数を 3 年に短縮している状況です。もう 1 点目は特定事業所加算です。こちらについても、サービス提供責任者に関して、要件を平成 27 3 月末まで緩和しております。

 それぞれ論点としては、重度訪問介護との連携についてどう考えるか。現状の行動援護ヘルパーとサービス提供責任者の質の向上を図るための方策についてどう考えるか。特定事業所加算の経過措置についてどう考えるかという 3 つが論点としてあると考えております。

23 ページです。 1 点目の論点です。こちらは重度訪問介護で先ほど説明しましたが、基本的には重度訪問介護の事業者と連携した場合に、報酬上評価をすることがベースにあるのですが、ただ、行動援護事業者は、どちらかというと送り出し側ですので、実際に行動障害のある方についてどういった支援が必要かということについては、上から 3 つ目の○で、支援計画シートや支援の手順書などといった資料の作成を必須化するとともに、このシートを基に重度訪問介護の従業者と情報共有などをしながら連携し、状況に応じて指導していくという場合に、報酬上、評価をしてはどうかということが 1 点目です。

2 つ目の○ですが、この支援計画シートなどというのは、連携を図る上ではベースになる重要なものですので、こちらの作成を必須として、不作成の場合は減算してはどうかということを論点として御議論をお願いしたいと考えております。

24 25 ページについては、重度訪問介護の資料と全く同じものです。

26 ページは論点の 2 つ目です。行動援護ヘルパー、サービス提供責任者の質の向上を図るためについてはどうかということです。行動援護については、行動障害のある方は本当にいろいろ千差万別で人によって全く状況が違うこともありますので、これまでの要件としては、主に実務経験を中心に評価をしてまいりました。従業者の要件としては、研修を受講した方については現状でも短縮を認めている状況にはなっていますが、研修などで適切な行動障害の特性やアセスメントの手法などを学ばなかったことが虐待につながっているなどの問題が生じているケースもあるということが、今、問題点としてあると考えております。

 こういったことを踏まえて、行動援護従業者の質の向上を図るためには、少し分かりにくいのですが、枠囲いになっている現状のヘルパーの要件でアンダーラインを引いております。行動援護従業者養成研修終了者プラス経験年数 1 年というところと、サービス提供責任者の現状の経過措置の要件になっている、行動援護従業者養成研修終了者プラス経験年数 3 年以上という要件を本来の要件として位置付けて、現状の経験年数中心の要件は廃止してはどうかというところです。そうなると、当然ながら、研修を受講されていない方も一定数発生しますので、必須化するに当たっては、一定期間の経過措置を併せて設けてはどうかというところについて御議論いただきたいと考えております。

27 ページは特定事業所加算です。こちらについても、先ほど重度訪問介護の中でも説明いたしましたが、現状は行動援護事業所の全てのサービス提供責任者が 3 年以上の実務経験を有する介護福祉士又は 5 年以上の実務経験を有する研修の終了者であることとなっていますが、平成 27 3 月末までは、全てのサービス提供責任者が居宅介護等従業者であって、行動援護従業者養成研修を終了している場合は基準に適合するものとみなすという経過措置を設けております。こちらについても、実際の従業者要件の検討なども当然ありますが、特定事業所加算自体、良質な人材の確保とサービスの質の向上を図るという観点での報酬上の評価をしているところです。こちらの要件を見ても、経過措置を設けてから 6 年が経過しています。経験年数 5 年となっている特定事業所加算の要件が、経過措置を設けて 6 年経過しているということについて、平成 27 3 月末以降の経過措置についてはどうしていくかというところについても御議論をお願いしたいと考えております。

28 ページは要望事項です。二人での支援を必要とする場合に、もう一方は行動援護の資格がなくても報酬上評価をしてほしいということ。 1 日に 8 時間を超える支給の場合に、行動援護と重度訪問介護のミックスが可能であるということ。行動援護は日に 1 回のみ算定できるという仕組みを改めてほしいということ。そういった要望があります。

 片方が行動援護の資格がない場合どうかというのは、従業者要件から外れていることもありますので慎重な議論が必要だとは思いますが、多くの場合は、ある程度、通知のレベルで対応ができ、 1 日に 1 回のみ算定できるということについても、例えば市区町村が認めた場合は複数回の支給ができることなどもありますが、アナウンスを多くしてこなかったこともありますので、機会を見つけて、こういったことについては通知、あるいは通知までいかなくても、主管課長会議の場などでもアナウンスをしていきたいと考えております。最後の、肢体不自由者に利用を認めるべきというのは、ニーズ調査や実態なども、全くこちらでは把握しておりませんので、まずはそういったところから調べるべきではないかと考えております。

30 ページの重度障害者等包括支援です。こちらについては、重度障害者等包括支援は、障害支援区分 6 で、重度訪問介護の対象者のうち、更に重度、四肢の麻痺や寝たきりの状態、最重度の知的障害などの方に対して、訪問系サービス、日中活動系サービスを包括的に提供するものというサービスです。現状での実施の事業所数や利用者が非常に少ないと下に載っていますが、全国で 9 事業所、利用者数は 33 人です。例えば重度訪問介護では 1 万人ぐらいの利用者がいらっしゃる中で、やはり非常に少ない利用者数になっています。こちらの在り方について、今後どう考えていくかということが論点になると考えております。

31 ページです。こちらの重度包括については、平成 24 年度に推進事業で調査をしていただいて、そちらの報告書の中では 4 つの問題があると報告を頂いています。 1 つ目は費用面、 2 つ目は人材面、 3 つ目は対象者の規定、 4 つ目は認知の問題です。費用面については、こちらの報酬が、想定しているものとして、 1 つの大きな社会福祉法人が、訪問系や日中活動系などたくさんの事業を持っていて、その中で利用者を、状況に応じていろいろな制度を利用してもらうということしか想定していないのではないかということ。人材面では、障害のある方でも最重度の方が利用者ですので、やはり一定レベル以上のスキルが必要なヘルパーさんが必要なのに、そういった人材がなかなかいないのではないかという問題。対象者なのですが、範囲が限定的とありますが、「データ」という所にある「対象者数」、こちらは障害支援区分 6 で、実際に重度包括を利用しているわけではないのですが、重度障害者包括支援の対象者として、利用ができる方ということで、こちらで把握している範囲で全国に 3,679 名いらっしゃいます。市町村数で割ると、大体 1 つの市町村で 2 3 人ということで、 1 つの市町村で 2 人か 3 人の利用者を目的とした事業というのは、なかなかできないのではないかということ。そうした理由で制度の利用がなかなか進まず、結果的にサービス内容についても理解が進んでいかないということで、 4 つの問題があるのではないかと言われています。

 結論として、こちらについては、 3 年後の見直しの中で、その在り方なども含め、検討していきたいと考えております。

32 ページです。こちらについても、要望内容も結構辛辣なことが載っていまして、「全く無意味なサービス」ですとか、「単価が低すぎる」などいろいろ載っております。 3 年後見直しの中で、こちらについては検討を進めていきたいと考えております。以上です。

○田中障害福祉課長 今の説明を踏まえまして、議論に入らせていただきたいと思います。多岐に渡りますので、サービスごとに御質問、御意見を賜れたらと思います。この説明の順番でいきたいと思いますので、まず居宅介護の関係について御質問、御意見等ございましたら、お願いいたします。

○平野教授 今、課長からサービスごとということだったのですが、訪問系全体に関することなのですが。実は、この間訪問系について、いろいろ利用者の方に聞いてみると支給決定は増えていて、利用者も増えている。事業所も増えているのですが、現場の実態としては、なかなかやってくれる事業所がない。事業所のほうで言うと、アップアップの状態で、人手が足りなくて困っている。そういうことがたくさん出てきました。

 いろいろ聞いてみると、単純に言ってしまうと、開店休業が相当あるというのが実態ではないのかということだったのですね。つまり、介護の事業所がこの訪問系のところの指定も受けていて、それで事業所が増えているのですが、実際にそこが稼動しているかどうかというのは別の問題になっている。施設系ですと、障害者を受け入れないとやっていけないのでやりますけれども、こちらの訪問系の場合、介護と両方指定を受けているので、介護のほうで回っていれば、障害のほうはそんなにやらなくてもいいということが背景にあるわけですね。そこで、利用者の利便があって、必要があったらやりましょうという形が多くなっていて、そういった意味で、結果的に障害専門でやっている所に集中してしまって。事業所は多いのだけれど、やっている所が実は少なくなっているというのが、相当広がっているのが実態ではないのかと思います。ですから、障害者の側からすると、使いたいときに使える事業所がないという問題がたくさん起きているということらしいのです。

 一方、事業所のほうもどんどん集中してしまって、本当に人手不足で回らないという状態が起きているということになっていると思うのです。実は、経営実態調査を見ると一目瞭然です。施設系のところは有効回答率が高いのですが、訪問系は有効回答率が一気に下がるのです。この下がる理由というのは、結局開店休業だから、自分の所はやってないというので、答えないケースがやはり多いと考えられるのです。明らかに 2 倍ぐらい有効回答率が違うのですが、そこは、指定は受けているのだけれどやっていないというのが、相当実態としてある、だから、有効回答率は下がると考えます。

 そしてもう 1 つは、成績が良くなるのですね。結局撤退している所とか、余りやらない所は答えないから、出てこない。何とか頑張っている所が回答するので、比較的良い収支差率が出てくる。こんな構造になってきているのではないか。そういう意味では、現実とずれが生じているのではないかというのが、ちょっと思うところなのです。

 その辺は私も妙案はないのですが、どうすれば障害のほうにもっとやってもらうインセンティブを作るのか。 1 つは報酬の面もあるのでしょうけれども、事業者の側に聞いてみると、やはり障害を持つ人もいるだろうということで、介護保険の事業者の方がやっていると思う。それは良心的にやってくれていると思うのですが、報酬面だけではなくて、一方で難しいというのがあるらしいのですね。例えば、うちでは知的障害は難しいとか、うちは精神はちょっと難しいとか、そういうずれもあったりするのです。難しさを乗り越えるような援助、「大丈夫です、こうすればいいですよ」というようなものも含めて、インセンティブを持つようにしないと、結局指定事業者が増えても、増えた事業者の分だけサービス供給が増えているという形ではないところに、今の訪問系の問題が、特に居宅、重度訪問、同行訪問、この辺はそういうのが背景にあるというのが、いろいろ聴き取ってくると見えているところです。その辺も 1 つの課題かと思っているのです。以上です。

○田中障害福祉課長 ありがとうございました。ほかに御質問、御意見等ございませんか。

○野沢論説委員 本当に今の平野先生の御意見、私もそのとおりだと思います。国連の権利条約にしても、障害者基本法にしても、ここでうたわれている大きなこれからの障害者の生活というのは、施設や病院内での集団処遇から地域、しかも集団的なものからより個別のニーズに応えるものにしていこうというのが大きな柱だと思うのですね。それを考えると、やはりこの訪問系のサービスというのは極めて重要なサービスだろうというように思います。その割に、どちらかというと、障害者の生活全般から見ると補助的な位置付けみたいな状況は、やはりまだまだ多くて、この訪問系をどういうふうにより中心のサービスに持ってこられるのかというのは、大きな課題かと思っているのです。

 サービスごとにということで、最初の居宅介護、 3 ページにありますが、特にこの精神障害の方、前の精神・障害保健課の検討会で、 20 万人に及ぶ社会的入院の方を地域に移行していこうということを出したわけです。そのときに、やはりこの居宅介護をどんなふうにそこにからめていくかというのは、それぞれ個々の状態はかなり違うわけで、非常に重要だと思っています。サービス提供責任者に係る、専門職が同行して、 ADL 等の評価を共同で行うというのは、賛成です。

 ただ、その中で 1 つ注意したいのが専門職の看護師さんがいますね。この看護師さんも、例えば病棟内で働いている看護師さんと、地域でやっている方の目というのは、相当違うのではないかと思うのです。社会的に入院している精神の方を地域へ移行してもらおうというので、地域の方が働きかけていくときによく言われるのは、ブロックしてしまいがちなは病院で働いている看護師さんだと言うのですね。客観的な根拠はなかなか申し上げられないのですが、いろいろな人に聞くと、結構そう言うのです。看護師さんも決して悪意で言っているわけではないと思うのですが、病院の中で疾病として、あるいは患者として精神障害者の方を見る視点と、地域で暮らす 1 人のユーザーとして障害者を見る視点とは相当違っています。疾病として見る場合には、できないところに着目しますね。その辺が相当な乖離になっていて、ここに、もしそういう方がかんでしまうと、何か余りうまくいかないのではないかという気がするのです。この辺りはとても重要な点だと思うのですが、もう少し緻密な工夫があったほうがいいのかという気はしております。ここのところは取りあえず、以上です。

○田中障害福祉課長 ありがとうございます。ほかにございませんか。

○井出教授 御説明ありがとうございました。今の野沢先生の観点というか、同じところで、私は、この居宅介護のところの 1 つの流れの中に専門職を連携して、その場のところで評価をしていくことは良いことだと思っています。

 野沢先生と同様なのですが、文言にある括弧書きの専門職と生活機能向上の例として挙げられている専門職があって、今日でなくていいのですが、教えていただきたいのは、ここに関わる専門職というのは今回例で 2 つありましたが、具体的にはどんな広がりがあって、例えば看護師さんだったら、具体的に生活機能向上の例として、こういう指導とこういう助言があってということをもうちょっと詳しく教えていただけると、ありがたいです。意見だけなので、どんな広がりがどんな所まであるのかというのだけ、今度教えていただければと思います。

○川又企画課長 今の件の補足なのですが、ヘルパーの中に専門家の視点を入れていく、専門家とコラボしていくというのは非常に大切だと思っています。それは先ほどの平野先生がおっしゃるような、難しさを乗り超えるためにもほかの専門家の力を借りることは大切だと思っております。

 今、重身と精神の例ありますが、私もさっき気がついたのは、難病が去年 4 月から対象に加わって、また今回拡大をしていく。難病の患者になりますと、本当にそれぞれの方ごとにいろいろ違う。疾病でも、その人によって違ってくるということで、そういうときにやはりそういうことをよく知っている医療関係者の知恵を借りながらしていくとか。そういうことは非常に重要だと思っています。

○井出教授 ありがとうございました。

○田中障害福祉課長 それでは萩原先生、お願いします。

○萩原部長 私も、機関連携を促す方向性は望ましいと思っています。そもそもこのサービスが単独のサービスが先にあって、そこに障害がある方たちが当てはめられるような発想ではなくて、その時々で必要なサービスが提供されることが、原則だろうと思います。併せて、資料の 4 ページの参考で付いておりますが、最初の自立支援とか、生活機能とかという観点の中で、御本人の気がつかない隠れた力とかチャンスをどう作っていくかというような立場で調整をしていかれることが、望ましいのだろうと思っています。

 平野委員、野沢委員からも出ましたが、具体的に調整していくときにそれがどう運用されていくかというのは、運用の過程の中で制度をモニタリングしていく必要はあろうかと思います。基本的な方向性としては望ましいのではないかと思っています。以上です。

○田中障害福祉課長 ありがとうございました。ほかに居宅介護について御質問、御意見ございませんか。後ほど、また居宅介護でご意見などありましたら追加をしていただくことにいたしまして、重度訪問介護に移りたいと思います。重度訪問介護の部分で御質問、御意見等ございましたら、お願いをいたします。

○野沢論説委員 最初のところで、事務局から御説明があった中に、短時間の利用ですよね。これを本来であれば居宅介護として支給決定されるはずなのに、重度訪問介護として支給決定されている。これ、どういう背景というか、どういう理由なのかなというのを確認したいのです。居宅介護のほうが単価は高いわけですよ。だから、事業所としては重度訪問介護で、低い単価でやっているよりは居宅介護でやったほうが、当然いいわけですよね。ただ、そうすると費用がかさんでしまうということで、自治体はできれば重度訪問介護のままやってもらったほうが財政が圧迫されなくて済むという。事業所側も、重度訪問介護でやっている所が、また居宅の、別の事業所にやられるよりは、自分の所でずっとやっていたほうがいいとか、あるいは利用者の側も、ずっと同じヘルパーさんのほうがいいとか、そういう背景があるのかなという感じはするのですが、その辺り事務局としてはどういう認識をされているのか。ちょっと確認したいと思います。

○田中障害福祉課長 事務局からお願いします。

○照井課長補佐 詳細な中身について精緻に分析をしたわけではございませんが、事業所側からの多くの意見としては、費用を安くおさえられてしまっているという話を、私どもよく聞いております。

○野沢論説委員 どちらかと言うと、自治体というかそういう側の事情が強いということですね。

○照井課長補佐 そうです、はい。

○田中障害福祉課長 ほかにいかがでしょうか。

○野沢論説委員 だから、どうと言うわけではないのですが、ちょっとそれを確認したかったのです。あと、行動援護との連携ですね。前に社会保障審議会の障害者部会の中の検討会でも、いろいろ議論になったところだと思います。 1 つの総合支援法の目玉としては、重度訪問介護の利用者の拡大というのがうたわれていて、実際に、これはそういうニーズも強いと思うのですね。この重度訪問介護はとても魅力的で、ユーザー側、利用者側にとっては重要なサービスだと思います。

 ただ、どうしても懸念というか、考えなくてはいけないのは、判断能力やコミュニケーション能力に非常に著しいハンディがあって、自らなかなかニーズを言えない、あるいは周りが汲み取れないという人の場合、特に行動障害を起こすような、行動障害の人に適用するということですが、私はその検討会で、むしろ逆のことを言っています。行動障害のある人って、べったり張り付かれるのは、結構ストレスを感じる人が多いのではないかというようなことを申し上げたことがあります。人にずっと付いていかれる、あるいは視線がとてもプレッシャーになり、ますますこの行動障害をエスカレートさせてしまうようなケースは幾つも知っております。果たして、そういう人に安易にこの重度訪問介護をつけてしまっていいのだろうかというような感じがしていて、そこにはやはり何らかの仕組みが必要ではないかということで、例えば行動援護もそこの専門性を入れてやっていく。これは 1 つの方向だとは思います。

 その上で、幾つかそれでもやはり心配というか、乗り超えないといけないところがあるように思うのです。その 1 つは、重度訪問介護をやってきている事業者さんと、行動援護をやってきている事業者さんというのは結構違うと思うのです。何が違うのかと、相当理念的な違いがあって、これはひょっとしたら間違っているかもしれませんが、もし間違っていたら訂正してほしいのですが、重度訪問介護をやっている方々、特に身体障害の方々を重訪でやっている所は、当事者性を非常に重視します。どちらかというと専門性というのは割と敬遠するようなことを、私はよく聞く機会があります。行動援護とは、むしろ専門性を重視してやっていく、どちらかというと、なかなかものが言えない知的、発達障害の方々をやってきている。これがうまくかみ合ってやっていくといいかなと思うのですが、果たして連携がうまくかみ合うのだろうかというのが、例えばこういう制度設計をしたときに、両者がどのぐらい連携し合えるのだろうかというのを、やはり理想的な絵だとは思いますが、現実にやれるかなという感じなのです。その辺りはどうでしょうか。

○田中障害福祉課長 事務局いかがでしょうか。

○曽根障害福祉専門官 実際の現場の場面も幾つか見せていただいたことがあるのですが、やはり行動援護従業者の正規研修で教えているようなノウハウを、現場の重度訪問介護の事業者の方たちはむしろそうではなくて、本人とずっと長時間いることによって、本人をよく理解することができるのだということで、余り活用されてない例も見たことが、正直あります。ただ、野沢委員がおっしゃるような、当事者を中心とした支援をするという重度訪問介護の事業者の方たちのいろいろなニュースレターを見る機会もあるのですが、中には、いわゆる行動障害の在り方というのは重度知的障害と、自閉症を重複した人が多いと思うのですが、そういった方の障害特性をきちんと理解した上で支援することがやはり必要なのではないかというような論調を読むこともあります。

 権利条約の中で、「合理的配慮」という概念が出てきました。私は、どちらかというと行動障害のある人に対する援助というのは専門的な支援という側面ももちろんあるのですが、むしろ合理的配慮といったほうが近いのではないかと感じることもあります。そういったところで、ある意味での理念を対立して論争するということではなくて、やはり合理的配慮という観点に立って、御本人の特性に基づくどういった支援が御本人にとっていいのかということで考えていければ、またそこが常に対立するようなところではなく、一緒に考え合っていけることもあるのではないかと考えます。もちろんこれは個人の感想なのですが。

○野沢論説委員 現実問題として、重度訪問介護と行動援護と、両方一緒にやっている事業所というのはどのぐらいあるものなのですか。

○照井課長補佐 調べてはいませんが、もともと行動援護の事業所自体、非常に少ないので調べられるか、ちょっと分かりませんけれど。

○野沢論説委員 もし、これをやる場合に 1 つの事業所が行動援護をやり、ある程度になってきたら同じ事業所内で重度訪問介護もやって。同じ事業所内でもやれるという理解で、いいのですか。

○照井課長補佐 そうです。

○野沢論説委員 そうなると広がっていくかもしれないですよね。

○曽根障害福祉専門官 ちょっと補足をさせていただいていいでしょうか。今の野沢委員がおっしゃったように、行動援護の事業者と重度訪問介護の事業者を一緒にやっている、非常に行動障害の方に対する質の高い支援をしている事業所もあるのです。さっき、ずっと一緒にいることによって御本人に対して非常にストレスがかかってしまって、視線に対するストレスということで、余計御本人がイライラしてしまうのではないかという話もあったのですが、私が実際に見せていただいた事業所の中には、必要なときだけヘルパーが御本人の前に現れる。要するに、必要ないときには見えない所に引っ込んでいるというような形で支援をしている所もありました。

 ただ、誰もいなくなってしまうと、やはりその後の衝動性に伴う突発的な行動があったときには、やはり対応が難しいことありますから、全くいなくなってしまうというのは難しいのでしょうけれども、そんな形で長時間の支援の中でも御本人のストレスにならないような支援の仕方というのは、現場の中では工夫も始まっているようです。

○田中障害福祉課長 よろしいでしょうか。平野先生、お願いします。

○平野教授 重度訪問介護なのですが、訪問系では一番収支差率が高いところなのですが、どうも現場の人たちに聞いていくと、こういう問題が一部ありまして。なかなか人材の確保が難しい。長時間かかっているので、そういう人たちを採っていくのは難しいというのは随分出ています。特に、養成の時間がかかる。これは団体からも要望が出ていたのですが、なぜ養成の時間がかかるかというと、普通はオフジョブ、仕事に就くまでに勉強していらっしゃいというのが多いのですが、ここに関しては、仕事に就いてから利用者との関係で覚えていくということがあるので、どうしても養成の時間がかかってしまうということで、なかなかその分というのは厳しいと。

 もう 1 つは、個別性が高いので、この人に合ったサービスをすると、その人が入院してしまったり、転居してしまうと、では次の人にとなかなか替われない。別に、一般の居宅介護はそんなことはないと言うつもりはありませんが、居宅介護では介護福祉士の資格を持っていれば、ある程度ほかの仕事に回れるのですが、こちらは個別性がある意味では高すぎて、その人が休んでしまうと、では次はこの人にというのがなかなか難しい。そういうのが相当あることは、言われていました。そういった意味で、すぐに替われないことあるので、逆に言えば、これぐらいの収支差率がないと、事業としてはやっていけないのかなというのは正直な考えです。恐らく余りタイトにすると、今言ったように、養成時間の長さとか、移り替われない。時間が長いので、 1 人抜けると、金額が大きいのですね。しかも、それが介護福祉士の資格を持っていれば、 A さんから B さんへと交代が効かない。この辺ではある程度このぐらいの水準を維持しておくというのが、 1 つ現実問題としては考えざるを得ないのかということが、課題としてあるかと思います。以上です。

○田中障害福祉課長 ほかはいかがでしょうか。

○沖倉教授 先ほど議論になっていた、居宅介護のところと、行ったり来たりしてしまうのですが、居宅介護のところで、身体介護を中心とするところの利用が、思いのほか伸びていなくて、家事援助中心のところが使われていることが多い。利用されている方も、区分 2 であるとか 3 である方が半分を占めてというお話があったのです。

 そう考えたときに、より重度な人は重度訪問介護に利用が流れていると、単純に考えればいいのでしょうか。教えていただきたいと思います。それと肢体不自由の方、知的障害の方、精神障害の方と言ったときに、どの辺りの障害の方がどれくらいお使いになっていらっしゃるのかということ、資料を探したのですがなかったので、どんなふうになっているのかを教えてください。

○田中障害福祉課長 居宅介護でということで、よろしいですか。

○沖倉教授 居宅介護で。

○照井課長補佐 今手元にあるものだけなのですが、居宅介護の障害種別で申しますと、全体で 15 万件弱御利用されているうち、身体の方が約 6 5,000 件、知的が 2 5,000 件、精神が 4 6,000 。精神の方は全体の約 31 %の利用です。児童は約 9,400 件、難病の方が 500 ぐらいという内訳になっています。居宅の中身ですが、身体介護・家事援助については調べれば分かるのですが、今すぐないのですみません。

○沖倉教授 また教えてください。たくさんの声ではなかったのですが、やはり身体介護を伴うのではなく、家事援助中心になったときに、その事業所がどういうふうに運営していくかということで、単価が安いというお話が出てきたので、それを単純に上げてくださいというお話をしているのではなくて、もう少し実情を知りたいと思ったものですから、お伺いをいたしました。すみません、戻ってしまった感じがありました。

○田中障害福祉課長 よろしいですか。重度訪問介護の部分で、ほかにいかがでしょうか。論点2の行動援護の事業者との連携の部分では大分御意見などいただきましたが、短時間利用、経過措置の取扱いの部分で、特に何か御意見、御質問等あればいただきたいと思うのですが、平野先生お願いします。

○平野教授 今、沖倉委員からもあったのですが、居宅介護と、この重度訪問介護は時間の問題もあるのですが、何か性格の違いをもっとクリアにする必要があると思っているのです。さっき野沢委員からもあったのですが、重度訪問介護はある意味では長さの問題だけではなくて、むしろ性格的にはパーソナルアシストとか、そういうのをむしろ試行していく、生活に関わりながらやっていく。一方で、居宅介護のほうはスポット、スポットで、自分の生活のできないところを穴埋めしていくという性格の違いがあると思うのです。私はこの障害者の領域で、この重度訪問介護というのを独自で持っている意義は大きいと思うのです。パーソナルアシストということを試行する目を持っているという。そういった意味では、ここは本来の役割を持っていたほうがいい。本当にスポット、スポットのところを必要なところを必要なときに埋めていくというのは、居宅介護の役割分担がはっきりする。そういった意味では、短時間の利用というのは、言葉は悪いのですが、趣旨を曖昧にするのではないか。その役割をはっきりさせるためにも、時間の問題というのは、ちゃんと使い分けしようと。短時間の利用も、ある意味では考え、どうしても仕様がないときは別ですが、特に合理的利用なければ、やはり基本的な役割で考えてくださいというのを、強く主張してもいいのではないかと思った。短時間利用というのは見直すべきだと思います。

○田中障害福祉課長 ありがとうございます。野沢先生、お願いします。

○野沢論説委員 今の平野先生の発言は、私も基本的に賛成なのです。ただ、今回、重度訪問介護が行動障害を持つ知的の人たちにも広がっていくとなったときに、またいろいろな利用のされ方が、出てくるはずなのです。

 先ほど自治体側の事情だけではなくて、やはり利用者、事業所事業者の事情もいろいろあって。多分これからかなりバリエーションが出てくるはずだと思うのです。確か 3 年後の見直しで、パーソナルアシスタント制度についての検討が盛り込まれていると思うのです。今すぐ、短時間利用をどうするかと決めるよりも、むしろ知的の人たちへの重訪の拡大の様子を見ながら、パーソナルアシスタントをどうするかという作業の見直しのときに、長時間、短時間の問題をもっとクリアにしていく。そのぐらいの時間的な余裕があったほうがむしろいい。今すぐ慌てて、決めてしまって、またパーソナルアシスタントについてどうこうと言うよりも、ここは取りあえず現状のまま、もう少し推移を見たほうがいいような気が私はしているのです。

 もう 1 つ言わせていただくと、先ほどの社保審の検討会のときにも言ったのですが、最近こういう問題が起きているのです。行動障害の方たちが地域で暮らすようになってきて、いろいろなトラブルを起こすわけです。かなりシリアスなトラブルも起こす。幼児を歩道橋の上から投げ落として頻死の重症を負わせてしまったりだとか、ほかにも似たようなことがあるのですね。そのときに、事業者側に責任を求められる。実際に裁判を起こされたケースもあります。それをどういうふうにしていくのか。もちろん被害者を出さないのが一番です。そういう難しい行動障害の方も地域で支援していくというのは一番ですけれども、そのときに最低限のリスクを回避、リスク管理をすることを考えたときに、やはり今回ここで出てくるアセスメントシートだとか、行動支援計画シート及び支援手順書とか、多分事業者側の方はとても嫌がると思うのです。面倒だし、少々単価が上がったって、こんなのやるよりは今のまま、当事者性に基づいて、情熱と熱意で 1 人の人として支えていくのは大事だと。もちろんそれでいいと思うのですが、そういう予期せぬ出来事が起きたときのことを考えると、やはり非常に支援の難しい人たちについてはこういうふうにきちんとやっているのですというところを国民に見せないと、なかなか事業者が何かのときにリスクを負わされてしまうことになるのです。面倒ですけれども、これは事業者が自分たちのサービスを守るため、ひいては利用者を守るために、やはり難しい人にはこのぐらいの備えというのは、私はあったほうがいいと思うのです。むしろ、もっと厳密なものがあってもいいような気がしているのです。余りそうやってしまうと事務負担が重くなってしまうので、その兼ね合いですが、その辺りのことをやっていくと、事業者にもきちんと説明して納得してもらって、こういうものを盛り込んで、行動障害のある人の地域生活をどういうふうに支えていけるのかを土台に考えてほしいと思っております。以上です。

○田中障害福祉課長 ありがとうございます。ほかはいかがでしょうか。経過措置の取扱いの論点3の部分については、事務局が説明をしたような内容で、特段御異論はないということで、よろしいですか。

 それでは、時間もございますので、次の同行援護について御意見、御質問をいただければと思いますが、いかがでしょう。沖倉先生、お願いします。

○沖倉教授 途中で今日失礼しなくてはなりませんので、 1 点だけどうしてもお話しをしたいと思ったので。同行援護だけではなくて、行動援護も含めて、外出とか移動の保障をどうするかということなのです。関係の団体の方からのヒアリングの際にも、通学であるとか、通勤であるとか、そういった場所への移動をどう保障するかということに関して幾つか御意見が出ていて、こちらにもまとめられていると思うのですが、いろいろな所で外出時の支援というのはいろいろな事業の中に入っているわけです。移動支援との関係で、そちらで自治体に求めるのか。ただ、どんな傾向にあるかという結果も幾つか見せていただいて、その中でやはり地域差があることと、通勤や通学は認めていない傾向が高いというのを拝見したことがあります。そう考えたときに、その移動について誰がどう保障するのかは考える必要があるかと思いました。

 そのときに、できるだけ自立をして自分でできるようになってほしいと思うのであれば、移行とか定着といった辺りで、きちんとトレーニングをするための期間限定的なサービスを設けていくとか、そういったことも考えていかないと、家族の負担はずっと大きなままです。その辺りをどうしていくかは、ずっと聞いているのですが、結局解決がつかず、残された課題かと思いました。同行援護とか、行動援護とか細かいことは時間もありますので申し上げませんが、どこでそういった人たちのニーズを解消していくかは、どこかで検討したらよろしいかと思ったのです。

○田中障害福祉課長 ありがとうございます。移動支援自体のその在り方としては法律のその施行後の 3 年後の見直しの中で、その項目に挙げられておりますので、そういうような枠組みの中で今までの通勤とか通学に使えないといったような問題ですとか、範囲の問題というのは、広く議論をさせていただくことにはなると思います。

○沖倉教授 そこで解消するということであって、ここで何かをするということではないと考えていいのですか。

○田中障害福祉課長 恐らく今回の報酬の見直しの中だけで対応するというのは、難しいのではないかなと思っています。

○沖倉教授 御意見がたくさん出ていたので、一応申し上げたのです。そう考えたときに、通所施設であるとか、そういった所に送迎加算が付いていますが、そこでフォローしていただけるのかいただけないのかということも、また施設に託された問題なのかということもあるのですが。

○田中障害福祉課長 今、いろいろな施設、通所系のものを含めて、移動の支援をして、送迎をしていただく場合には、送迎加算というような形で実施していただいておりますので、そこは基本的にはそういうふうにしていただくわけです。では義務付けで、そういうところを報酬に組み込むのかどうかというようなことについては、移動支援全体のその在り方との関連もございますので、そこの段階で議論をすべき問題かと思っています。

○沖倉教授 分かりました、ありがとうございました。

○野沢論説委員 沖倉先生の意見は、ここで議論することではないということなのですが、私も一言だけあえて言わせていただくと、地域で暮らす障害者、かなり重度の人や行動障害のある人も増えてきているので、やはり通勤通学通院等にも移動支援を使えるように、是非していただきたい。議事録に残したいだけなので、一言言いたいと思いました。

 それで同行援護のところなのですが、確かに身体介護ありなしで、かなり単価が違う。団体の要望書とか見ると、増やしてほしいみたいなのが出ているのです。全体的にとても気になってしょうがないのは、この前、介護報酬の問題で、財務省のほうから 6 %削減と出ましたね。私はもう非常に心配で心配でしょうがないのです。介護報酬だけでなくて、障害者の報酬にも当然こういう財務省側の方針は、響いてきますよね。 6 %なんて削減されたら、たまったものではないですよね。どうするのですかと今ここで聞いても、明確な答えが出てくるように思えないのですけれども。もし、よろしければちょっとコメントいただけませんか。

○藤井障害保健福祉部長 なかなかコメントしにくいところではあるのですけれども、確かに、正直申しますと、私どもの立場からすれば、頑張らなきゃいかんと思っているわけです。当然介護報酬がああいう提案をされますと、財務省は基本的に同じような発想で考えていると思います。しかも経営実態調査でいきますと、収支差率はこちらのほうが大きいのですね。したがって、 6 %以上の提案があることだって考えられないわけではないというところですから、財政審のほうで提案されていますので、障害のほうが財政審のほうで、いつ、どんな形で出てくるのかというのは、まだはっきりしたことは分かっていません。いずれ出てくると考えても、何ら不思議ではないところと思います。

 ですから、私どもとしましてはそういうような状況、流れも頭に入れながら、こうした議論も含めて、まずは本当にどれぐらいの、どういった報酬改定をすればいいのか。それにはどれぐらいの財源が必要なのか。当然効率化しなくてはいけないようなところもありますから、それでメリハリを付けつつということではあるのですが、どれぐらいの財源が必要なのかをきっちりと整理をして、財務当局と折衝していくということだと思っております。

○野沢論説委員 先日もスウェーデンに行って、いろいろな話を聞いてきたのですが、スウェーデンは移民とか財政の問題もあって、高齢者福祉はかなり削減というか、痛めつけられている。その中でも、子育てと障害者だけは相当力を入れて、守ってきている。それは、将来のこの国を支える潜在的な労働力、潜在的な社会の土台を作っていく方たちだからだということで、政治もかなり頑張っているのですね。橋本先生に、是非この辺りは政治でも、ちょっと今の状況だと心配でしょうがないので、頑張っていただきたいと思うのですけれども。

○橋本厚生労働大臣政務官 名前を出していただきましたので、思いの一端だけ申し上げさせていただきます。これは介護報酬に関して、既に国会の委員会等で大臣が答弁をしています。そのときに大臣がいつもおっしゃるのは、財務省としての提言ということですから、それはそれとして受け止めながら、きちんと必要な議論をして、必要な報酬改定をするというのが、私たちの立場ですというふうに、おっしゃっておられます。

 障害についても同じことなのだろうと思っています。だから、向こうからの問題提起というものは、それはそれで彼らの視点とされるのはそうだなと思いながら、我々としては利用者の方あるいは事業者の方にとって良い報酬の在り方というものはどうなのかをきちんと議論をする必要があります。今日のいろいろ様々な御意見を踏まえて、財布を持っているのは財務省なので、きちんと議論していきたいというのが、私たちの今のスタンスということであります。

 ですから、先ほど平野先生が、このぐらいの収支差は要りますみたいな話を具体的にしていただきましたが、そうしたことも、もしお感じのところがあれば教えていただければ、私たちはそれも材料にさせていただきたいと思っております。

○野沢論説委員 多分、介護保険と比べて、障害者はまだまだ萌芽期というのか、事業所数も少ないし、事業の経営も不安定なのです。ドーンと大きく収益が出るときもあれば、また逆に低くなってしまうときもあるので、この瞬間的な数値だけ見られて、介護よりもいいではないかと言われるのは、ちょっと障害者側の事業所にとっては不本意かなという感じがしますね。

 本題に戻って、同行援護のところですが、そういう状況を考えると、やはりどう考えても全体的に相当報酬がドーンと上がるというのはなかなか考えにくい感じがしているのですね、個人的に。その中で、現実的に考えたときに、ここを見ると、 65 歳以上の利用者がかなり多いですよね。今はこれでいいかもしれないけれど、今後やはり身体介護ありのほうに、シフトしていくのではないかと考えたときに、今これを一緒にしてしまって、全部高められればいいのですが、現実的に考えると、一緒にして身体介護なしのほうをアップしようとすると、身体介護ありのほうを若干下げざるを得ないのかなと。今それでいいかもしれないけれど、将来的には年齢がどんどん高くなって、身体介護ありの人たちが増えていったときに、むしろ事業所は余り良くないのではないかという気もするのです。この辺の将来的な推移というものを見たときに、今ここは手をつけてしまうべきなのかどうなのか、慎重に考えたほうがいいような気が私はしております。

○田中障害福祉課長 ありがとうございます。平野先生、お願いします。

○平野教授 私も今、野沢委員が言ったように、この制度見直しを余り急ぐべきではないのかなという考え、あとは同じ共通意見を持っています。今言ったように、単価をやってしまうことがいいのかなという疑問が 1 つです。

 もう 1 つは、今うちの大学が埼玉県にある関係で、埼玉県内の幾つかの市町村の障害者計画の策定に関わっているのですが、そうすると、同行援護に関してまだデータ的に固まっていないですが、こんな傾向があるのです。事業所は増えているのですが、時間が短いときは比較的事業所が増えるのですが、今全体に長距離化・長時間化が進んでいるのです、高齢化と合わせて。昔は 1 時間とか 2 時間で、行って帰ってくるだったのですが、大分遠い所まで出掛けて行ったりとか、前は都心までだったのが今は埼玉から横浜まで行ったりとか、そういう時間も延びているのです。

 そうすると、長距離化・長時間化すると、事業者が減っていくのです。 1 人のヘルパーを拘束されてしまうということが、非常に事業者としては痛い、人材確保できないと。結果的には短時間でやっているときはいろいろな人が参入してくるのですが、利用者の使う平均の利用時間が延びてくれば延びてくるほど、事業者が減ってきて、利用者からすると、対応してくれる事業者が少なくなってくる。だから事業者のほうは 1 人のヘルパーの拘束時間が多くなり非常に厳しくなってくるということです。ある市町村は制度が移ったときには、かなりいろいろなヘルパー事業者が来たのだけれど、利用時間延びて高齢者が増えてきたら、結果的に逃げられない社会福祉協議会だけ残ってしまったという所もありました。

 そういった意味では 3 年後の検討ということでもあると思うのですが、場合によっては喫緊な例ですが、タクシーみたいにある程度距離が伸びたら、そちらの時間で考えてくるとか。短い所はある程度抑えてもいいですから、長い時間のときには対応できるようにしていくとか。これから障害者も社会参加の範囲が広がっていくわけですから、当然時間とか距離が延びるとすれば、それに対応するような仕組みにしていったら、そういう意味でも考えて、拙速に変えるよりは、利用実態と合わせて、途中から制度化してサービスに移りましたから、そういうことを検討してもいいのかなと。それで実態に合わせたような給付の仕方に考えてもいいのではないかと思っております。以上です。

○田中障害福祉課長 ありがとうございます。それでは、行動援護に移りたいと思います。いかがでしょうか。野沢先生、お願いします。

○野沢論説委員 先ほどから行動障害の方への地域生活を考えると、行動援護は本当に大事な事業で今、研修もいろいろやられているということですけれども、行動障害といっても、かなりいろいろで、支援がまずくて、環境も悪くて行動障害を起こしてしまって、良い所に移せばすーとなっていくという方もいれば、ものすごく強いものを持っていて、何年も専門的な方がかかっても、なかなか改善できないという方もいらっしゃるようなので、この辺をどうしていくのかが大きな課題だと思っているのです。今、一生懸命研修について国をあげて取り組んでおられて、今日、これを折角配っていただいたので、研修のあり方とか、それがどのぐらい効果を現場にもたらし得るのかみたいなことを御説明いただけると有難いなと思っています。

○田中障害福祉課長 事務局からお願いいたします。

○曽根障害福祉専門官 強度行動障害支援者養成研修の基礎研修と実践研修という 2 段階の研修を行っております。この資料がテーブルに付いている方しか御用意できなかったので、口頭でお話させていただきますと、先ほどの資料でいうと、 25 ページを見ていただきますと、参考 2 という所に、1アセスメント、2支援の計画、3支援という 3 段階の図が出て参ります。基礎研修というのは、この3の支援を実際に計画を見て、行える人を養成する位置付けになっています。実践研修が1のアセスメントと2の支援計画を作れる人を養成することになっていまして、実践研修まで受講すると、支援のためのアセスメントと計画が作れることを目標にしております。一番重要なのがアセスメントと支援の計画だと思うのですが、今回実践研修の国の研修を 10 15 16 日に行いまして、実際に私も参加してきました。 1 つは、アセスメントを具体的にどうしたらできるのかということと、アセスメントの結果から、具体的な計画をどうやったら作れるのかという演習を全体の 6 割ぐらいの時間を裂いて行っております。全体で 12 時間の研修なので、それだけ受けて、すぐにできるのかというと、なかなか難しいと思うのですが、ただ、かなり具体的に起こっている実際の行動をどうしたら、支援計画に落とし込んで、適切な支援ができるのかが分かりやすく解説されている研修になっておりました。 1 つが構造化という考え方だと思います。 もう 1 つは、機能分析についても若干触れておりまして、例えば、いろいろな問題行動がいつ、どういったときに何回起きたのかというデータを取ることで、そのときに起こっている背景ですとか、どうしたら、それを回数が少なくできるのかということを実際にそのときの実感だけではなくて、回数できちんと示していくことで、皆で検討していくという、要するにチームアプローチが強調されていました。これまで、なかなかこのような具体的な手法は主に自閉症支援に熱心な事業所や施設だけが行っていたと思うのですが、これがかなり裾野を広く普及していきますと、先ほど野沢委員がおっしゃった対応が良くなくて、少し行動障害が起こってしまって、適切な対応ですぐにそれが改善するということについては、非常に有効だと思っています。

 ただ、それではなかなか難しい難治性の方もいらっしゃることが研修の中でも示されていました。それについては、医療との連携がどうしても必要になってくると思います。今、これは厚生労働科学研究のほうで、教育と医療と福祉が同じアセスメントの仕方で同じ計画が作れるような研修を受けられるようにしていこうということで、研究事業を行っています。その中で、医療も、もう少し関心を持っていただいて、医療と福祉と、学校教育の時代に、どうしても思春期で体も大きくなってくるので、行動障害が結果として大きくなってしまうことはあると思いますが、学校の先生も含めて一緒にやっていこうということです。それについては、この間、文部科学省の調査官の方々と合同の勉強会を持ちまして、文部科学省の方からも非常に関心を持っていただきまして、今後一緒に進めていけたらと思っているところです。

○平野教授 ちょっとこれは乱暴な意見なので、本当に申訳ないのですが、今、曽根専門官から話があったと思いますが、強度行動障害の対応というのは、行動支援だけで何とかなるとはとても思えないのです。今、言われたように、チームプレーでやっていくべきものだと思っています。レスパイトだとか、ショートステイとか、医療も含めて対応していく、その一部を行動支援が担っていくので、ここが全部やるというのは、ちょっと無理があるかと。もうひとつ大きいのは、リスクが大きい、事業者は、リスクの怖さで手を引いている部分は相当あるのです。チームプレーとリスクの怖さを考えれば、全体で支えていく仕組を作っていったほうが現実問題かと。そう考えると、ここからちょっと乱暴なのですが、むしろ行動援護を引き上げるよりも、例えばケアマネの相談援助のほうに行動障害の加算を付けて、もっとチームプレーをやってくれとか、もっと全体で支えるようなことをケアマネの相談援助のほうで作ってくれという、そういう援助をすることが、むしろ行動障害の人たちにとっては、必要ではないのかなと。ですから、この行動援護そのものを採算取れるとか、採算の問題もあるのですが、怖さだとか、皆で分かち合ってやっていくとか、そういうほうでやってあげないと、この行動援護はなかなか膨らまないのではないのかと。その環境整備のほうをしてあげると、行動援護もやってみようかとか、そういうのがあるのではないかと。そこをここだけに押しつけると難しいのかなと、それが今、大事かなと思ったので、ちょっと乱暴な意見で恐縮なのですが。

○曽根障害福祉専門官 すみません、テーブルに着いている方だけの資料になってしまうのですが、お手元の資料の最後のページの裏側に、今回の強度行動障害支援者養成研修の全体のスキームの図が出て参ります。これを見ていただくと、行動援護の人だけが受けるということではありませんで、相談、通所、あるいは居住系、訪問系全ての人に受けていただく研修という形で位置付けております。あと、前回の報酬検討チームの中でも重度障害者支援加算の算定要件に、この研修を受けることを入れてはどうかという論点があったと思うのですが、全体としてこのようなやり方を共有することで、チームプレーを進めていこうという方向性では考えているところです。

○野沢論説委員 この行動援護というサービスをどんなサービスにしていくのかというのがすごく重要だと思っていて、単に行動障害のある人を対象にした居宅介護みたいな仕事をさせてしまうとか、あるいは重訪のヘルパーとして使ってしまうというのでは、もったいないかなという気がするのですね。行動障害のある人をどのようにしていくのかを本気で考えられたのは、まだそんなに歴史が古いわけではなくて、特に地域で生活する行動障害の人をどうやるのかというのはまだ最近のことだと思うのです。今、制度的にいろいろなものが混ざり合っているところだと思うのですが、いずれは、行動援護のサービスは、行動障害を持った人の支援のスペシャリストみたいなところに私は育てていくべきではないのかなと思っております。そう考えたときに、将来的に単価とサービスの内容を少しずつ変えていかなければならないのだろうと思うのですが、もっと専門性を高めてもらって、この方たちがいろいろな彼らの生活の場面場面で 1 つの司令塔みたいな形になって、現場の人たちを指導したり、支援したりしていくような、そういう役割というのは 1 つの方法ではないのかなと思うのです。もちろん、ケアマネさんが相談支援の所で全部のサービスの個別支援計画を作る、そこがやる手もあるのですが、現場に行って、その都度、プレーイングマネージャーみたいな形でやっていくような方向性を目指したほうがいいのではないかなと個人的に思ったりしています。その今回の改定は 1 つの過渡期なのかなと思っていて、そういう将来像を見据えて、人材を育てていくような方向性を持った報酬改定にしてはどうかなと思っております。

○田中障害福祉課長 ありがとうございます。

○井出教授 資料でいうと 27 ページ辺りだと思いますが、それから、頂いていた参考資料の基礎データだと 3 ページに当たるのですが、先ほど重度訪問介護のほうでもあったのですが、経過措置の関わりで、 6 年たってどうするかと。これはある一定の効果があって、タイミングで考えるべきだと思っていますが、行動援護のほうで、加算を取っている割合が比較的ほかと比べると高めかなというのは、もしかすると、この経過措置がどれだけ大きく響いたのか響かないのかがよく分からないので、逆に言うと、取得率が高いことが、この経過措置の恩恵を意外と今でも受けているからなのか。これをもしかすると切ってしまうということになるかもしれませんが、それとも、もうそろそろ経過措置がなくても行動援護は大体この加算の 1 3 をパーセント的には取ってきているのかどうかというのはどうなのでしょう。

○田中障害福祉課長 事務局、いかがでしょうか。

○照井課長補佐 実は、この加算の中で経過措置対象というのは何パーセントかという数字は正直持っておりません。調べるにも今あるデータの中からすぐに出るものでもございませんが、乱暴なことはするつもりはありませんので、ある程度、状況なども見ながら、ここは対応していきたいと思います。

○井出教授 分かりました。ありがとうございました。

○田中障害福祉課長 よろしゅうございますか。最後に、重度障害者等包括支援に関しまして、御意見、御質問等頂戴できればと思います。

○野沢論説委員 サービス利用者数が 33 人というのは、これは全国ですよね。これを国の制度としてどう考えるのかということなのですが、どうなのですか、これは、ごく一部の極めて限られた人たちが例外的にそこの前からずっと支援してもらっている事業者さんでないとなかなか難しいので、例外的にやっているという、そんなイメージが浮かぶのですが、これが増えていくのか、それとも、こういった例外的な人たちは少なくなっていくのかというのを見据えて考えるべきかと思って。もし、ほかのサービスがどんどん増えて、このような特別な形態がいずれは消えていくのだとすれば、あえてここでないと生きられないという人がいて、突っ込んで、彼らの生活を非常に不安に落とし入れるよりは、今のままでもいいのかなという気はしているのですが、いかがでしょうか。

○田中障害福祉課長 事務局から何かございますか。

○照井課長補佐 無くそうと思っているわけではなくて、前向きにもっと利用する方を増やしていくにはどうしたらいいかというところで、今は検討を進めているのですが、一方で例えば、自立支援法時代の事業所の移行の手立てとして移行前に利用していた事業を新体系の事業に分割して、全部支給決定をし直すのかということに対して、包括払いでまとめてこういうことはどうかなど、いろいろな事業を制度改正のときに作った経緯もあります。今後のあり方については先ほども申し上げましたとおり利用者数を伸ばしていきたいという方向で検討を進めますが、 3 年後の見直しの中で、どのように移っていくか、ほかの事業で対応ができて、その事業でいいと利用者側もなっていくのであれば、それは委員のおっしゃるような方向性にもなり得るとは思っております。

○平野教授 私も今この制度をどう手直しするかというよりも、 3 年後の見直しで大きく変えたほうがいいのかなという気持は持っています。今、 33 人の方を蔑ろにするつもりはないのですが、介護に合わせる必要はないのですが、介護でも、小規模多機能という新しいパターンができてきて、一定の活動をしてきているというパッケージ型サービスという変化が来ています。それから、実は介護と障害を比べた場合、一番大きなことは、障害の場合には医療系のサービスを持っていないことなのですね。介護だったら、訪問介護と訪問看護を組み合わせてやるとかできますが、障害の場合には、看護の部分を持っていませんから、どうしても福祉サービスだけになってしまうということも含めて、どのように地域で暮らすのを支えればいいのかを、これを弄るというよりも、もっと抜本的に地域でどうやるかを考えたほうが 33 人の方にとっても、より安心できるし、今の形で行くよりも、こうしたほうがもっと良いのがありますよというのを作っていったほうがより良いのかなと。先ほども言ったように、もっと良いいろいろな実践がありますし、いろいろな取組が来ていますから、それを考えてやったほうがより良いのかなという感じはしています。

○田中障害福祉課長 ありがとうございます。御質問、御意見を一当たりお伺いしたと思いますが、全体を通しまして、何かございましたら、最後にお伺いしたいと思います。よろしいでしょうか。それでは、本日はこれで、議事は全部終了となります。次回の検討チームは、 10 27 日、来週の 10 12 時までということで、この同じ会議室を予定しております。詳細につきましては、追って御連絡させていただきます。本日は、お忙しい中を長時間に渡り、どうもありがとうございました。これをもちまして、第 9 回の会合を閉会いたします。ありがとうございました。


(了)
<照会先>

障害保健福祉部障害福祉課

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