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2014年12月17日 第1回過労死等防止対策推進協議会 議事録

労働基準局 総務課(過労死等防止対策推進室)

○日時

平成26年12月17日(水) 10:00〜12:00


○場所

厚生労働省 省議室(中央合同庁舎第5号館9階)
(東京都千代田区霞が関1-2-2)


○出席者

<専門家委員>

岩城穣委員、岩村正彦委員、川人博委員、木下潮音委員
堤明純委員、宮本俊明委員、森岡孝二委員、山崎喜比古委員

<当事者代表委員>

寺西笑子委員、中野淑子委員、中原のり子委員、西垣迪世委員

<労働者代表委員>

岸真紀子委員、新谷信幸委員、冨田珠代委員、八野正一委員

<使用者代表委員>

川口晶委員、小林信委員、山鼻恵子委員

○議題

(1)会長の選出、会長代理の指名
(2)過労死等防止対策推進協議会の運営について
(3)過労死等の防止のための対策について

○議事

○鈴木総務課長 それでは、ただいまから第1回「過労死等防止対策推進協議会」を開催させていただきます。
 委員の皆様におかれましては、御多用中にもかかわらずお集まりいただきまして、まことにありがとうございます。
 本協議会の会長を選出いただくまでの間、事務局が議事の進行をさせていただきますので、よろしくお願い申し上げます。
 まず、開会に当たりまして御連絡申し上げます。委員の皆様の任命につきましては、本日12月17日付で塩崎厚生労働大臣から発令をさせていただいております。略儀ではございますが、お手元に辞令を置かせていただいておりますので、よろしく御査収いただきますようお願い申し上げます。
 それでは、始めに開会に当たりまして、塩崎厚生労働大臣から一言御挨拶申し上げます。
○塩崎厚生労働大臣 皆さん、おはようございます。
 第1回の「過労死等防止対策推進協議会」の開催に当たりまして、一言御挨拶を申し上げたいと思います。
 委員の皆様方には御多用の中、本協議会の委員への御就任をいただきまして、まことにありがとうございます。改めて、心から感謝を申し上げたいと思います。
 過労死等防止対策推進法は、本年の通常国会におきまして成立をいたしまして、11月に施行されたところでございます。この法律の制定に至るまでの過程では、本日御出席の委員の皆様方にも大変な御尽力をいただいたわけでございまして、改めて感謝を申し上げたいと思います。
 過労死防止基本法の制定を目指す超党派の議員連盟が国会にございますけれども、私もその一員といたしまして、過労死等防止対策推進法の制定に向けて取り組んできた者の一人でございます。
 また、9月には我が国の深刻な長時間労働問題に省を挙げて取り組むために、省内に私を本部長といたします長時間労働削減推進本部を設けまして、過重労働の撲滅に向けた取組や働き方の見直しに向けた企業への働きかけの強化を進めて参ったところでございます。
 政府といたしましては、過労死のような痛ましい事態をなくし、健康で豊かな生活を実現するために、過労死等を防止することの重要性を国、地方公共団体、事業主を含めた国民全体に浸透させるために、全力で取り組んでまいりたいと思っております。
 このため今後、過労死等防止対策推進法に規定をされました調査研究等の四つの対策を効果的に推進するために大綱を定めることになっております。本協議会は、厚生労働省において作成する大綱の案につきまして、意見を頂戴するために設置をされたものでありまして、皆様方には本協議会の委員として、その重要な役割を果たしていただきたいと思っております。
 委員の皆様方には、働くことによって命を失ったり、心身の健康を損なったりする事態を防ぐ観点から、過労死等の防止対策の今後の方向性を見据えていただき、知識や経験に基づいた御意見をいただきますようにお願いを申し上げたいと思います。
 最後に、厚生労働大臣として、本協議会の御意見も踏まえまして、関係行政機関等とも協力、連携をして、過労死等の防止対策に全力を挙げて取り組んでいくことをお誓い申し上げて、私の御挨拶とさせていただきたいと思います。
 今後ともひとつよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
○鈴木総務課長 それでは、ここで塩崎大臣におかれまして、他の公務がございますので中座をさせていただきます。どうぞ御了承ください。
○塩崎厚生労働大臣 よろしくお願いいたします。
(塩崎厚生労働大臣退室)
○鈴木総務課長 それでは続きまして、本日は第1回目でございますので、委員の皆様の御紹介をさせていただきます。
 お手元に資料1がございます。「過労死等防止対策推進協議会委員名簿」でございます。この名簿順に御出席の委員の皆様方の御紹介をさせていただきたいと思います。
 まず、専門家委員でございます。
 あべの総合法律事務所弁護士、岩城穣委員でございます。
 東京大学大学院法学政治学研究科教授、岩村正彦委員でございます。
 川人法律事務所弁護士、川人博委員でございます。
 第一芙蓉法律事務所弁護士、木下潮音委員でございます。
 北里大学医学部教授、堤明純委員でございます。
 宮本委員は、御出席の予定でございますけれども、遅れていらっしゃるようでございますので、後ほど御紹介させていただきます。
 続きまして、関西大学名誉教授、森岡孝二委員でございます。
 日本福祉大学社会福祉学部大学院特任教授、山崎喜比古委員でございます。
 続きまして、当事者代表委員でございます。
 全国過労死を考える家族の会代表、寺西笑子委員でございます。
 全国過労死を考える家族の会公務災害担当、中野淑子委員でございます。
 全国過労死を考える家族の会東京代表、中原のり子委員でございます。
 全国過労死を考える家族の会兵庫代表、西垣迪世委員でございます。
 続きまして、労働者代表委員でございます。
 全日本自治団体労働組合法対労安局長、岸真紀子委員でございます。
 日本労働組合総連合会総合労働局長、新谷信幸委員でございます。
 全日本自動車産業労働組合総連合会副事務局長、冨田珠代委員でございます。
 UAゼンセン副会長、八野正一委員でございます。
 続きまして、使用者代表委員でございます。
 一般社団法人日本経済団体連合会労働法制本部長、川口晶委員でございます。
 全国中小企業団体中央会労働政策部長、小林信委員でございます。
 その次の日本商工会議所産業政策第二部長の間部彰成委員におきましては、本日御都合により御欠席でございますので、お名前の御紹介をもってかえさせていただきます。
 続きまして、東京経営者協会経営・相談部課長、山鼻恵子委員でございます。
 ただいま宮本委員が到着されましたので御紹介差し上げます。
 新日鐵住金株式会社君津製鐵所安全環境防災部安全健康室上席主幹、宮本俊明委員でございます。
 以上、委員の御紹介でございます。
 続きまして、定足数の御報告でございます。先ほど申し上げましたように、本日は使用者代表委員の間部委員1名の欠席でございますので、過労死等防止対策推進協議会令第4条第1項に定めます定足数については満たされておりますことを御報告申し上げます。
 引き続きまして、議題の1つ目でございます。「会長の選出」についてでございます。
 過労死等防止対策推進協議会令第2条第1項におきましては、「協議会に会長を置き、過労死等に関する専門的知識を有する委員のうちから、委員が選挙する」と規定されております。あらかじめ事務局から委員の皆様に御相談申し上げましたところ、岩村委員を会長に推すとの多くの御意見を承ったところでございますが、皆様いかがでございましょうか。
(「異議なし」と声あり)
○鈴木総務課長 それでは、皆様御異議がないようでございますので、会長は岩村委員にお願いしたいと存じます。岩村委員におかれましては、恐れ入りますが、今後の議事進行をお願い申し上げます。
○岩村会長 ただいま会長ということで仰せつかりました岩村でございます。
 先ほど、大臣の御挨拶にもありましたように、議員立法によって成立しましたこの法律に基づく協議会という場の会長という大変重要な役割を担うことになりました。この後、本協議会で議事を進めていくことになるわけでございますけれども、議事進行につきましては、委員の皆様方の御協力を得ながら進めてまいりたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、早速議事を進めることにしたいと思います。
 お手元の議事次第にございますように、議題の1番目としまして、引き続き「会長代理の指名」がございます。
 過労死等防止対策推進協議会令第2条第3項におきまして、「会長に事故があるときは、過労死等に関する専門的知識を有する委員のうちから会長があらかじめ指名する委員が、その職務を代理する」と規定されているところでございます。そこで、会長代理につきましては、堤委員にお願いしたいと考えております。
 堤委員、どうぞよろしくお願いいたします。
○堤委員 どうぞよろしくお願いします。
○岩村会長 なお、カメラの撮影でございますけれども、ここまでとさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
(カメラ退室)
○岩村会長 それでは、お手元の議事次第の議題として、2番目に挙がっております「過労死等防止対策推進協議会の運営について」に移ることにいたします。
 過労死等防止対策推進協議会令第6条によりますと、「議事の手続その他協議会の運営に関し必要な事項は、会長が協議会に諮って定める」と規定されております。これにつきまして、事務局のほうで資料2といたしまして「過労死等防止対策推進協議会運営規程(案)」を用意していただいております。まず、事務局からこの案についての説明をいただきたいと思います。
 よろしくお願いいたします。
○鈴木総務課長 事務局でございます。
 それでは、資料2をご覧いただきたいと思います。
 本協議会につきましては、法律及び政令におきまして、いろいろな諸規定が置かれておるところでございますけれども、それに規定されておりませんことにつきまして、この運営規程で定めるというものでございます。全体として4条の規程にしてございます。
 第1条「会議」でございます。協議会は会長が招集する。それから、招集しようとするときにはあらかじめ期日、場所、議題を通知するという規定でございます。
 第2条「会議の公開」でございます。協議会の会議は、第1項にございますように、原則として公開ということでございます。ただし、公開することにより公平かつ中立な審議に著しい支障を及ぼすおそれがあると認めるときその他正当な理由があると認めるときは、非公開とすることができるという規定にしてございます。これは、協議会でヒアリング等を行う場合におきまして、例えば企業情報、個人情報等がその内容に含まれる場合については、こういったものに該当するということで非公開とすることができるということを想定して規定をしてございます。
 それから第2項におきましては、秩序の維持のために退場を命ずる等の必要な措置もとることができると規定してございます。
 第3条は「議事録」でございます。協議会における議事につきましては、会議の日時、場所、それから出席した委員及び専門委員の氏名、議事となった事項を含め議事録に記載するというものでございます。
 第2項といたしまして、議事録は公開とする。ただし、先ほど申し上げた会議を非公開とした場合等につきまして、議事録の全部又は一部を非公開とすることができるというものでございます。その場合には、議事要旨を作成するというものです。
 第4条「雑則」でございますが、この規程に定めるもののほか、協議会の運営に関し必要な事項は、会長が定めるという規定にしてございます。
 以上でございます。
○岩村会長 ありがとうございました。
ただいまの事務局の案についての説明につきまして、御意見あるいは御質問等ございますでしょうか。
 よろしゅうございましょうか。
 それでは、この運営規程につきましては、お手元にあります資料2の案のとおり定めることにさせていただきたいと思いますが、それでよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○岩村会長 ありがとうございました。それでは、運営規程はこの案のとおり定めることにさせていただきます。
 続きまして、議事次第にあります議題の3番目「過労死等の防止のための対策について」でございます。
 本日は、この協議会の第1回の会議ということでございますので、各委員の皆様におきまして、いま一度現状を確認して共有するということも重要であると考える次第でございます。
 まずは事務局から用意していただいている資料についての説明をいただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○岩瀬調査官 事務局でございます。
 それでは、事務局から、資料3〜6につきまして、一括して御説明をいたします。
 まず、協議会の委員の皆様に御意見を頂戴する大綱につきまして、御説明をさせていただきます。資料3をご覧ください。
 本年6月20日、議員立法により成立いたしました過労死等防止対策推進法は、その第7条におきまして、政府は、過労死等の防止のための対策を効果的に推進するため、過労死等の防止のための対策に関する大綱を定めなければならないとされております。
 そのときは、大綱の案につきまして、本協議会の御意見をお聴きするものとされております。
 資料には、大綱の作成までの流れを記載いたしましたが、本協議会の御意見をお聴きし、関係行政機関の長と協議した後、閣議決定を要するものとなっております。その後、国会への報告、公表も行うこととなっております。
 次に大綱で定めるべき事項でございますが、大綱には法第8条から第11条に規定された四つの対策、すなわち調査研究等、啓発、相談体制の整備等、民間団体の活動に対する支援につきまして、その内容を盛り込むこととなっております。
また、この四つの対策につきましては、法では、調査研究等は国、他の対策は国及び地方公共団体を実施主体とする旨が、規定されております。
 最後に、この作成時期についてでございます。大綱案につきまして、類似の法律の先例、また予算要求の時期等も勘案いたしまして、法の施行から約半年強の後、平成27年年央を作成予定としておるところでございます。
 続きまして、資料4「過労死等に係る統計資料」について御説明をいたします。
 1ページは「年間総実労働時間の推移」についてでございます。労働者一人当たりの平均の労働時間は減少傾向で、左下の図のように推移しているところでございますが、これは右下の図のように一般労働者の労働時間が約2,000時間とほぼ横ばいで推移している中にあって、一方ではパートタイム労働者比率が持続的に上昇していることによりまして、右肩下がりの傾向を示しているところでございます。
 なお、平成21年は、前年秋の金融危機の影響で製造業を中心に所定内・所定外労働時間ともに大幅に減少したところでございますが、その後はやや上昇している状況でございます。
 続きまして、2ページは「年次有給休暇の取得率等の推移」につきまして、「就労条件総合調査」で見たものでございます。付与日数が若干増加したものの取得日数は横ばいであり、近年5割を下回る水準で推移しているところでございます。直近は48.8%という状況でございました。
 3ページは「脳・心臓疾患に係る労災支給決定件数の推移」についてでございます。
これは各年度に「業務上」と労災認定した件数を示したものでございます。平成13年12月に認定基準を改正いたしまして、長期間の過重業務を取り入れて以降、お示ししているとおり、これまで高水準で推移しているところでございます。平成25年度は306件、うちお亡くなりになった件数は133件という状況でございます。
 労災からもう一枚、4ページは「精神障害に係る労災支給決定件数の推移」についてでございます。
平成11年に判断指針を作成いたしまして、徐々に増加してきたところでございましたが、平成23年12月、認定基準が作成され、基準の明確化、具体化が図られたことにより大きく増加しているところでございます。平成25年度は436件、うち未遂も含めた自殺事案は63件となっております。
 この二つの統計は、労災保険の給付の統計でございますが、調査研究の対象でもある自営業者の方や公務員も含めた統計といたしまして、5ページに自殺者数の総数と、このうち勤務問題を原因、動機の一つとするものの件数を準備させていただきました。青の棒グラフが総数でございます。このうち仕事の疲れや職場の人間関係等の勤務問題を動機の一つとする件数を折れ線で示しているところでございます。平成25年は、総数2万7,283人、うち勤務問題を原因とするものは2,323人となっております。
 続きまして、過労死等防止対策推進法が成立して以降、厚生労働省のこれまで行って参りました取組につきまして御説明いたします。資料5をご覧ください。
 1ページは目次として、大綱に定めるべき四つの対策に分類しているものでございます。
 2ページから各取組について資料をつけております。
 まず、2ページをご覧ください。塩崎大臣の御挨拶にもございました、大臣を本部長とする長時間労働削減推進本部の設置でございます。本年9月30日に設置いたしまして、下の3つの箱がございますけれども、この箱にお示ししているとおり三つのチームを編成いたしまして、それぞれ取り組んでいるところでございます。
 3ページは調査研究等の取組を示すものでございます。法の施行と同日の11月1日に独立行政法人労働安全衛生総合研究所内に、過労死等調査研究センターを設置したところでございます。このセンターでは、過労死等の事例分析のほか、過労死等の要因及び防止対策のための医学面、保健面からの調査研究を行うこととしております。
 4ページからは啓発についての取組でございます。
 まず、4ページは過労死等防止対策推進シンポジウムの開催でございます。去る11月14日、約400名の参加者を得て、ここ厚生労働省の2階講堂におきまして、シンポジウムを開催したものでございます。
 5ページは、過重労働解消キャンペーンの取組についてでございます。過労死等防止啓発月間である11月を中心に、先ほどの長時間労働削減推進本部の過重労働等撲滅チームによる取組を実施したところでございます。内容はこちらに書いてあるとおりでございます。
 6ページと7ページは、同推進本部の中央の箱にございました働き方改革・休暇取得促進チームの取組についてでございます。
 まず、6ページは「所定外労働時間の削減等『働き方』の見直しに向けた企業への働きかけの実施」でございます。これまでの実績と今後の展開についてお示ししているところでございます。
 もう一つは、7ページの「年次有給休暇の取得促進」についてでございます。10月を「年次有給休暇取得促進期間」とし、その実施ですとか、「地方自治体との協働による地域レベルでの年次有給休暇の取得促進」の取組について御紹介をさせていただいております。
 8ページは、全国の労働基準監督署等が行う過重労働・メンタルヘルス対策について、各事業場における取組方法等の策定に係る周知・啓発についてでございます。
 一つは「過重労働による健康障害を防止するため事業者が講ずべき措置」がございます。もう一つは「労働者の心の健康の保持増進のための指針」がございます。これらにつきまして、下に示すような啓発活動を行っているというものでございます。
 9ページは、精神障害の具体的出来事にもなり得る職場のパワーハラスメントの対策についてでございます。
平成24年の円卓会議の提言、またワーキング・グループ報告を踏まえまして、周知・広報や労使の取組の支援等を行っているところでございます。
 10ページは、大学等における労働条件に関するセミナー等の開催についてでございます。本年度から学生のための労働条件セミナーを開催しているところでございます。8ブロック16会場で開催しているものでございます。
2つ目は、都道府県労働局幹部職員による大学等でのセミナー、講義等を実施しているところでございます。実績もこちらに書いてあるとおりでございます。
 啓発の最後の11ページでございます。11月23日に労働条件ポータルサイトを設置してございます。そちらで労働条件に関する情報の発信、法令制度でありますとか、Q&A、行政の取組などを発信しているところでございます。
 以上、啓発についてでございました。
 続きまして、三つ目の対策でございます相談体制の整備等についてでございます。
 12ページでございますけれども、労働条件に係る電話相談の実施についてでございます。先ほども御説明いたしました過重労働等撲滅チームの取組として実施しているものでございます。労働条件相談ほっとラインを9月から、また過重労働解消相談ダイヤルを11月1日に行いまして、丸数字3のとおりの多くの相談を受けているところでございます。
 13ページは、メンタルヘルスに係るポータルサイトの運営による情報提供とメール相談窓口の設置についてでございます。このポータルサイトは「こころの耳」と言いまして、アクセス数は右下にございますように年々増加しているところでございまして、本年度は実に月平均28万5,000件のアクセス数となっているところでございます。
 最後に四つ目の対策でございます「民間団体の活動に対する支援」でございます。
本年度は予算を計上してございませんでしたので、民間団体が主催するシンポジウム等における後援名義の使用でありますとか、幹部職員の出席、講師派遣などをさせていただいたところでございます。実績は18都道府県で19回出席させていただいて、対応させていただいているところでございます。
 最後に、資料6でございますが、現在、予算要求中の新規事業について御説明をさせていただきます。過労死等防止対策推進法の成立を踏まえまして、四つの対策について要求をしてございますが、その要求額は新規のものでございますが、3億7,000万円を計上させていただいております。
 まず、調査研究等では、一つ目に労災認定事例や個別の症例をもとにいたしました医学面、保健面からの調査研究でございます。先ほど、これまでの取組で申し上げました過労死等調査研究センターへの補助事業として実施を考えているものでございます。
 もう一つは、社会面、制度面からの調査研究でございまして、企業労働者等を対象とした過労死等に対する意識でありますとか、その防止のための取組状況などをテーマとすることを考えておるところでございます。こちらを合わせまして、1億2,000万円を要求しているところでございます。
 続きまして、啓発についてございますが、こちらは11月を中心に、各種媒体を活用した周知・啓発の実施のための費用を8,000万円要求しているところでございます。
 三つ目の相談体制の整備等についてでございますが、労働条件面は、先ほど御説明しましたようにかなり整備してきているところでございますが、医学面からの整備といたしまして、メンタルヘルス不調及び過重労働による健康障害等に関する労働者の方や職場の健康管理担当者の方からの相談に対応する電話相談窓口の開設、及びストレス症状を有する労働者に対する面接指導等を行う医師、保健師等に対する研修の実施を要求させていただいております。金額は1億2,000万円でございます。
 そして、最後は民間団体の活動に対する支援についてでございます。
毎年11月の過労死等防止啓発月間に過労死等防止対策推進シンポジウムを民間団体と密接に連携させていただきながら開催したいと考えておりまして、その会場費、また講師に対する費用を5,000万円要求しているところでございます。その他事務費を要求させていただいております。
 なお、下の※ですが、上記はあくまでも新規のものでございまして、現在過重労働対策等で行っている継続事業分と合わせますと、全体として7億6,000万円を要求中でございます。
 私からの説明は以上でございます。
○岩村会長 ありがとうございました。
 続きまして、本日はこの協議会の第1回の会議ということでございますので、委員の皆様方からお一人ずつ御発言をいただきたいと思います。
 ただ、会議の時間が限られておりますので、大変恐縮ではございますけれども、お一人につきまして持ち時間3分程度でお願いをしたいと思います。そして、過労死等防止対策に関する基本的なお考えであるとか、今後重点的に取り組むべきであると考えていらっしゃる事柄などにつきまして、御発言をいただければと思っております。
 また、今、事務局から資料3〜6までの説明をいただいたところでありますけれども、これらの資料につきましても、あるいはその説明につきましても、御質問や御意見がございましたら、この際、御発言の折に合わせてお出しいただきたいと思います。
 それでは、当事者代表委員の皆様を最初にしまして、その後、順次、委員の皆様方から御発言をいただきたいと思っております。お手元に座席表があると思いますけれども、それに沿いまして、寺西委員から始めていただき、寺西委員の御発言が終わりましたら、今度は中野委員にという順で、順次左隣の委員に代わっていただいて、ぐるっと一回りをして山崎委員までということでお願いをしたいと思います。
 それではまず、寺西委員、どうぞよろしくお願いいたします。
○寺西委員 寺西と申します。よろしくお願いいたします。
 私たちは、愛する家族をある日突然に、長時間過重労働やパワーハラスメントで命を奪われました。夫や妻、娘や息子などかけがえのない大切な家族を失った遺族が、悲しみを乗り越え、励まし合って支え合う家族の会をつくろうと声を上げたことから、1989年11月の勤労感謝の日を前に結成しました。以来、同じ悲劇を繰り返さないために、過労死のない社会を願って活動しております。
 私は1996年に49歳だった夫を過労自死で亡くしました。飲食店の店長をしていた夫は、会社利益のためにサポート体制がない中、店長業務に加えて他店の仕入れ管理や未経験の営業活動が加わり、年間4,000時間以上に及ぶ長時間過重労働を強いられたことが原因してうつ病を発症し、飛び降り自殺を図りました。懸命に働いた夫は、なぜ命を奪われなければならなかったのか。その真相解明に10年以上かかりました。その中でわかったことは、労働基準法が守られていないことでした。
過労死は今もなお増え続けており、家族の会へたどり着く相談者は絶えることはありません。私たちは繰り返される過労死をなくしたい思いから、過労死をなくすための対策を国にお願いしたいと切望し、運動は大きく広がりました。悲願の過労死等防止対策推進法は、全会派一致で成立できたことを大変うれしく思います。私たちの強い要望で11月1日に施行していただき、広く国民に向けて過労死等防止啓発月間が実施され、11月14日に厚生労働省主催シンポジウムを開催してくださったことで、新たなスタートを実感しているところです。
 本日は第1回目の過労死等防止対策推進協議会を迎えられ、これからは政府の皆様と協議会メンバーの皆様と手を携え、過労死のない社会づくりを考えていけることに期待をしております。
本法律には、四半世紀に及ぶ過労死、過労自死で亡くなった尊い命が犠牲になってできた法律であることを忘れないでほしいのです。私たち遺族は生き証人であります。無念な思いで亡くなった命を無駄にしないために、過労死等防止対策に活かしてほしいと強く願っております。
よろしくお願いいたします。
○中野委員 公務災害を担当しております中野淑子と申します。
 私がこの協議会に最も望みますことは、国、地方両公務員に関係する省庁の方々をぜひお呼びしていただきたいこと。
 二つ目は、実態調査の件で厚労省からは大変詳しい統計資料が出ています。これと同じようなものをぜひ公務員の側からも出していただきたいということです。と申しますのは、公務員の過労死やうつによる過労自殺が年々増加し、遺族からの相談も多く寄せられているからです。
 私の例を申しますと、夫は公立中学校の教員でしたが、1987年12月22日、学校では最も多忙な2学期末に校内でくも膜下出血を発症し、昏睡状態のまま翌年1月1日未明、過労の果てに命絶えました。享年52歳でした。最終的に公務上として認定されましたが、理由は長時間に及ぶ家での持ち帰り残業と、校務分掌の多さでした。
英語の教科担当のほかに校務主任や16部門に及ぶ校務分掌を日常的にこなす傍ら、学期末ともなると、担任は、成績処理や進路指導などで寝る暇もないほど忙殺されますので、事務的な資料づくりの仕事等をパソコンで処理して、担任を支えたわけです。
教員の仕事は無定量です。しかも、家での仕事は時間に制限がないゆえ、深夜から翌朝まで続くこともしばしばです。もちろん残業手当はつきません。しかし、生徒のために真面目で熱心な教師ほど勤務中には到底こなし切れないので、家に持ち帰ってせざるを得ないわけです。生徒のために、教育のためにと情熱を傾けて励んだ代償が過労死なんて、こんな理不尽なことはありません。
 この協議会が名実ともに過労死等防止対策推進法として機能させる役目を果たせるよう、心から願っております。
ありがとうございました。
○中原委員 全国過労死を考える家族の会東京代表の中原のり子です。
 私の夫、利郎は、都内の民間病院に勤務する小児科医師でした。1999年8月「少子化と経営効率のはざまで」と題した少子化を理由にした人手不足について訴える文書を執務机の上に残し、真新しい白衣に着がえて、勤務先の病院から投身自殺しました。享年44歳でした。
夫が小児科部長代行に就任後、小児科医師の退職が相次ぎ、6人いた勤務医が3人に半減した結果、当直を含む勤務の負担が増えました。医師不足で後任の医師を探しましたが、補充は難しく、連続32時間労働である当直は8回に上る月もありました。長い年月をかけて労災認定を勝ち取り、長時間過重労働の実態を証明しました。しかしながら、15年前も、そして今もなお、医者の当直には労働性がないという驚くべき事実に出会い、苦戦しました。
この病院では、医師数十人が勤務するという中で、夫以外にも外科医師1人が自死しています。また、夫が亡くなった翌年には、診察中に泌尿器科医師がくも膜下出血で死亡しました。10年ほどの間に医者の在職死亡が3人ありました。裁量労働という名のもとに、タイムカードなし、残業代もなし、患者急変や家族への説明、指導に追われ、骨身を惜しまず働いた結果の出来事です。
 本日の資料にあるように、過労死等の防止のための対策が急務と考えられます。しかし、一部の有識者の中には、医療の世界は特殊なので、こういった対象からは除外すべきという御意見もあるようですが、医療者にも人権はありますし、多くの医療従事者が長時間労働の下、メンタルヘルスの問題や過労死に至っている事実があります。
 私ども全国過労死を考える家族の会には、医師、薬剤師、理学療法士、看護師など、様々な職種の医療従事者の過労死遺族がいます。医療界の過重労働は、患者である国民の健康と命に直結し、重大な影響があると断言できます。
 過労死等防止対策推進法で、医療者のみならず全ての労働者の労働環境改善につながるよう、この協議会での有意義な議論に期待いたしております。
○西垣委員 全国過労死を考える家族の会兵庫代表の西垣と申します。
 私のたった一人の息子は、2006年、27歳で過労死しました。神奈川県の大手電機メーカーIT関連子会社にシステムエンジニアとして赴任。入社2年目、日本初の地デジ放送システム開発プロジェクトに加わり、長時間労働が始まりました。
1カ月の時間外労働が150時間を超え、月平均は97時間でした。ほぼ37時間の連続勤務の日、終業時刻が夜中0時を超える日が1カ月の半分以上という月もありました。終電がなくなった日は、会社の机に突っ伏して朝を迎えました。高度な技術を持っていたため、重い責任を負わされ、度重なる仕様変更による強いストレスの中、納期に追われました。
息子はうつ病を発症し、休職、復職を繰り返しましたが、完治していないのに再び朝までの勤務や達成不可能なノルマを課せられ、体調をさらに悪化させる中、治療薬を過量服用して入社4年目に亡くなりました。
ブログには「働き過ぎです。このまま生きていくことは、死ぬよりつらいです」とありました。息子は27歳の若さでなぜ死ななければならなかったのでしょうか。20代、30代の若者の過労死が後を絶ちません。このままでは、この国の未来が失われると思います。
 私からこの協議会に望むことの第一は、勤務時間の管理についてです。企業との交渉の中で、息子の勤務時間が正しく管理されていなかったことが明らかになりました。徹夜の後の半日休暇等が与えられてはいなかったのです。多くの過労死事件においても、正しい勤務時間が把握されていないことが多くあります。その実態について調査をすることが、過労死をなくすことにつながると思われます。
 第二は、啓発活動についてです。
資料にもございますが、先日、私は大阪のある高校においてキャリアガイダンスの一環として、息子の過労死と過労死防止法についての講演をする機会をいただきました。若い人たちへの啓発活動の一環として、中高大学のそれぞれの段階において、ワークルール並びに過労死の実態について学ぶ機会を設けていただけますよう検討をお願いいたします。できれば、私たち遺族も協力いたしたいと思っております。
 以上、よろしく御検討の上、日本の若者を過労死から救ってください。よろしくお願いいたします。
○岸委員 岸と申します。よろしくお願いいたします。
 先ほど中野委員からも御意見が出されていましたが、今回示されているのは労災補償状況のデータであって、公務のものが示されておりません。次回は公務員についても過労死等に関するデータを示していただきたいと考えています。
 近年、公務職場においても、過重労働によりメンタル疾患が多くなっています。私が所属する自治労にも公務災害の申請についての相談が年々増えており、深刻化しています。
 自治労としては、顧問弁護士や顧問医師と協力しながら過重労働の問題等について今後の対策を検討しているところです。
ただ、この問題は労働者、労働組合側からだけで解決するものではありません。この協議会には、使用者側委員に、例えば知事会や市長会、町村会の方々が入っておりませんが、公務でも過労死等が多く発生している現状を踏まえて、十分に重く扱っていただければと考えています。
 公務職場全てに言えることですが、やはり実労働時間の管理がきちんとされていないということが一番の問題であると考えています。最近特に問題となっている教職員の長時間労働の実態などもこの機会に研究していただければと思っております。
 また、東日本大震災のような大規模災害の対応による職員の健康面への影響というのも出てきておりまして、やはり最近はメンタル疾患が増えているという調査データがありますので、そういったものも深刻に考えていかなくてはいけないのかなと思っております。
 余りまとまっておりませんが、以上です。
○新谷委員 連合本部の新谷です。
 先ほども事務局から御説明をいただきましたけれども、この過労死等防止対策推進法が、立法府の満場一致で採決されて成立をしたということは、やはり立法府からこの行政府に対して重い責任が負わされたのではないかなと思います。
 この法律の第4条には、過労死等の防止のための対策を効果的に推進する責務を国が有するということが規定されております。我々協議会の委員は、その大綱づくりのための責任を有すると考えております。
 今ほども、当事者である家族の会の皆様から非常に重い事実をお伝えいただきました。残念ながら、毎年100人以上の方が過労死でお亡くなりになっているという事実がやはり目の前にあるわけでありまして、現状を重く受け止めて、この大綱を含め、国、地方自治体、事業主団体はもちろん、関係団体の取組によって1日も早く過労死がゼロになる社会の実現に向けて取組をしなければいけないと思っております。
 そういった意味では、この協議会で意見を述べるということになっております大綱に定める啓発、相談等の具体的取組については、過労死を何年までにどういうふうにするのだという具体的な目標の設定がなされるべきと考えております。その目標についても、定期的な見直し、ローリングプランのようにしていく必要があるのではないかなと思っております。
 過労死を防止するためには、こういった大綱だけではなくて、やはり具体的な法制度の整備が必要です。先ほども労働基準法が守られていないのではないかという御指摘もあったわけでありますけれども、大臣がおっしゃっていたような長時間労働削減推進本部にしても、取組自体は非常にいいことなのですが、それを具体的に取り締まるための法律がありません。長時間労働に対して、監督行政が立ち入る根拠となる法律がないのです。我々としては、そういった長時間労働防止のための具体的な法制度の整備も、今労働条件分科会で進められている論議と相まって進めていくべきと考えております。
 私のほうからは、以上です。
○冨田委員 自動車総連の冨田でございます。私からも、一つ御意見を申し上げておきたいと思います。
私が所属します自動車の産業というのは、製造、車体部品販売、輸送、一般等々、大変裾野の広い産業でありまして、日本の就業人口の約1割を占めるボリュームとなっています。自動車産業労使における従業員の健康確保並びに労働災害の撲滅、こちらについては、全てにおいて最優先事項という取組をしており、各企業労使は毎月開催される安全衛生委員会などの中で、労働災害の状況や厚生労働省の告示に基づく産業医面談の実施の状況などを確認しながら、従業員の健康安全の確保に努めております。
 しかしながら、業種業態を個々に見ますと、課題があるのも実態でありまして、特に車を輸送する陸送部門のドライバー職につきましては、自動車総連の中でも大変な長時間労働となっています。このような長時間労働に至る要因とは、搬送先の事情や道路事情、さらにはドライバー不足、輸送コストなど様々な問題が複雑に絡み合っており、個別の労使だけでは改善に至らない状況があるというのも実態です。
 今回の法律の中では、その第4条の中で、国の責務として過労死等の防止のための対策を効果的に推進する責務を有するとありますが、この具体的な対策としましては、調査研究、情報整理、分析などを行うとしております。しかし、これをもって効果的な実施ということでは、改善に向けた対策としては不十分ではないかとも考えております。例えば、労働基準法の遵守徹底、もしくは様々な政策面での支援、こうしたものも強く打ち出していただきたいと思います。
 さらには啓発活動や相談体制の確立など、現行法の範囲の中でできる対策については、最大限の取組を早期に行うべきではないかと考えております。特に、啓発活動につきましては、職種による特徴を踏まえた効果的な啓発のあり方や、相談体制の確立などについて検討していくことも必要ではないかと考えております。
 最後に一点、事務局に質問をさせていただきたいと思うのですが、今回様々な切り口で資料を取りまとめていただいておりますが、お示しいただいている資料の中の実態が職種や業種の切り口なのですけれども、例えば一般職、総括職、管理職などといった役職ごとのデータでの括りがあれば、可能な範囲でお示しいただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 以上です。
○八野委員 UAゼンセンの八野です。よろしくお願いいたします。
 私はこの協議会に臨むに当たって、「命より大切な仕事は何ですか」というペーパーを先ほど当事者代表者の委員の方からいただきました。統計を見てみますと、平成14年〜25年までの中で100名以上の方々が過労死される状況がずっと続いているということです。この間も対策が行われていなかったというわけではないと思うのですが、現状の対策ではもう限度が来ているということなのではないかと思っています。
 今、時間外労働や休日労働時間の削減、有給休暇の取得促進など、様々な課題がありますが、対策に実効性が伴っていない現状がこういうことに結びついてしまったのではないかということで、労働側としても社会的責任を負う立場として反省しなくてはいけないと思っています。
 今の法制度がこれでいいのかという問いかけももちろん重要です。一方で、マネジメントをする者の責任というのはどこまで追求されるものなのか。組織の方向性とマネジメントということについては、働く者の立場からきちんと言及をしていかなくてはいけないと思っています。
 連合としては、本年11月を「過労死等防止啓発特別行動月間」と位置づけをいたしました。自組織内から過労死等を出さないという宣言採択に取り組みまして、本日現在で採択した構成組織、又は企業単位労働組合、又は地方連合会で約6,400件に上っております。過労死等防止対策推進法が成立したことを契機として、こういう行動に取り組めたことは非常に重要なことだと思っていますが、やはり継続性が求められます。
 先ほどから何度かありましたが、過労死ゼロに向けた取組が急務であるということは、ここの場では共通の認識だと思っております。また、昨日出されました政労使会議の合意文書の中でも「政労使一体となって、長時間労働を是正する意識改革を進め」るとなっております。また、個人の時間を豊かにする働き方についての議論を行うとの合意もされました。しかし、その前提となる大もとの問題が解決していなければ、言葉だけが遊んでしまいます。やはり抜本的な改革が必要であろうと考えております。
そういう意味で、今回調査研究ということが非常に重要なポジショニングを占めておりますが、余り期間をかけてやっていくことには疑問を感じます。3〜4年ということでは遅過ぎるのではないでしょうか。短期的に取り組むもの、中期的に取り組むものということを明確にし、スピード感をもって実効性のあるものにしていかなくてはいけないと思っております。
 また、医学面、保健面からの調査研究に加え、労働時間制度又は業務内容、そういうものがいかに起因するのかということの十分な分析も必要だと思っております。
 以上、意見とさせていただきます。
○山鼻委員 東京経営者協会の山鼻です。
 過労死、過労自殺は、企業にとって大切な財産であり、ともに働く従業員を失うということであって、これは決してあってはならないという思いで企業経営を行っております。各社とも過重労働防止に向けて、労使協議会、安全衛生委員会の議題として取り上げ、労使ともにいかにして解決しようかということで取り組んでおります。また、企業もノー残業デー、年休の計画付与、アニバーサリー休暇、労働時間削減社内コンテストなどを実施して、企業の特性や業態に合わせて工夫を凝らした取組を進めております。
 また、私ども東京経営者協会では、労働時間、安全衛生、メンタルヘルス、ハラスメント防止等に関するセミナーを開催したり、好事例を各社いろいろやっておりますので、これを共有の場を設けることで、会員企業への周知に努めております。
 また、弁護士の方、コンサルタントの方、臨床心理士による個別企業の具体的課題、問題の相談に応じるなど、労働環境の整備改善に努めております。
 ただ、残念ながら先ほどもお話にあったように、一部の業種や中小企業においては、募集をしても人が集まらないなどの慢性的な人手不足によって、なかなかこのような結果、いろいろやっても長時間労働が削減できないという事例があるのが実態でございます。
 先日10月29日は、労働局長のほうから長時間労働削減を始めとする働き方改革に向けた要請を受けまして、私どもでは、会員企業に労働者の健康管理や長時間労働防止の措置の徹底を改めて呼びかけを行った次第でございます。
 過労死等については重大な社会問題である一方、これまで十分な調査研究がなされていなかったため、過労死等防止対策推進法において、今回調査研究は国の責務として盛り込まれたことを非常に画期的であると期待しております。
また、この調査研究により、特に制度面、社会的な面でのアプローチということが入っておりますので、これまで申し上げたように過重労働防止に取り組んできたけれども、なかなか結果に結びついていない企業や業種でも取り入れやすく、実効性のある対策が立てられて、過労死、過労自殺の減少が少しでも進むことを心から願っております。
 以上でございます。
○小林委員 全国中小企業団体中央会の小林でございます。
 今日は第1回目の会議ということでございます。家族会の方々、先ほどもいろいろ皆様の御発言を聞いておりまして、過労死で亡くなられた方の御冥福を心よりお祈り申し上げます。それと、その御家族、関係者の方々、悲痛な思いをされたことに対して心よりお見舞い申し上げます。
 私ども中小企業団体中央会というところは、中小企業者の集まった団体でございまして、業種別の組合、中小企業者が集まった組合を支援するところでございます。中小企業にとっては、特に人材というのはまさに命でございまして、そこで働く方々が自ら命を亡くされる、又は過重労働によって命を亡くされることは非常に残念なことであり、これはあってはならないことだということは、常々、経営者、関係者等も話し合っているところでございます。
 私ども中央会で、過労死について特に調査したわけでもございませんし、その実態を把握してこなかったのが今までの現状でございます。これは国においても、過労死について実態把握をしてこなかったという事実も同様にあるのだと思います。
このたび大綱の中で、過労死についての実態を調査する、これが大きな課題であり、役割としては大きなことを占めているのだと思っております。この実態に合わせて、今後とるべき対策について検討していく必要があるのだと感じているところでございます。
 とはいえ先ほど来、労働側の皆さんからもいろいろ御発言もございましたけれども、私ども、中小企業団体としても、経営者団体でもありますので、この責任を感じ、また今後においては過重労働の防止、それから解消に向けた活動、メンタルヘルス面の対策、ワークライフバランス、仕事と生活の調和に向けた対策というのをこれまで以上に徹底するとともに、周知・啓発に努めてまいりたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 以上でございます。
○川口委員 経団連の川口でございます。
 冒頭大臣からの御挨拶にもありましたとおり、過労死はあってはならないものと思っております。私ども企業にとっては、競争力の源泉は、まさに人材でございます。こういった貴重な人材が、その意欲と能力を十分発揮できる環境を整えること、そして従業員の安全と健康を確保すること、これは経営の最重要課題であると考えておりまして、多くの企業ではこれまで、様々な取組を進めているところでございます。
 今般、成立いたしました過労死等防止対策推進法では、国、地方公共団体の責務を明確にするとともに、事業主や国民の役割が示されており、それぞれが責務、役割を再確認し、一層の連携や社会的な機運が醸成されることを期待しております。
とりわけ法律にありますとおり、「過労死等に関する実態が必ずしも十分に把握されていない現状を踏まえ、調査研究を行うことにより実態を明らかにし、その成果を効果的な防止のための取組に生かすことをできるようにする」という基本理念に基づいて、国の対策として盛り込まれました調査研究が十分に行われることを期待しておりまして、経団連としても必要な協力を行って参りたいと思っているところでございます。
 また、経団連では、大臣からの御説明、さらには資料での御説明もありましたとおり、本年10月9日に塩崎大臣の御来訪を受けまして、長時間労働削減を始めとする働き方改革への取組についての要請を拝受したところでございます。本件につきましては、早速経団連の会合、それからホームページ、いろいろな形で会員企業、団体に周知しているところでございまして、それらを通じて長時間労働の抑制であるとか、有給休暇の取得促進等の働き方改革、休み方改革の取組を働きかけているところでございます。
 もとより経団連では、会員として入会していただくときに、企業行動憲章に誓約していただくとともに、機会をとらえ、その遵守を働きかけているところでございますが、その際には、法令遵守はもちろんのこと、それに加えて長時間労働の抑制、年次有給休暇の取得促進というのを呼びかけているところでございます。
 またワークライフバランスについても、個別企業労使がいろいろな知恵を出し合って取り組んでいる事例を公開し、水平展開を図るなどの活動を行っておりまして、引き続きこのような取組を進めてまいりたいと思っております。
 この協議会では、過労死等防止のための対策を効果的に推進するための大綱の作成ということでございますので、ぜひともその議論が建設的に行えることを期待しているところでございます。
 以上です。
○岩城委員 大阪で弁護士をしております岩城と申します。
 私が弁護士登録をした26年前の1988年「過労死110番」が始まりまして、それ以来過労死の問題に取り組んできました。昨年、2011年11月に、この過労死防止法の実行委員会ができて以降は、事務局長として全国で55万を超える署名、120を超える自治体の意見書の採択などに取り組んできました。
法律の制定を受け、先般、実行委員会を解散し、新たに10月29日、過労死防止法が定める過労死防止対策を民間サイドとして国、地方公共団体で協力しながら進めていく団体として、過労死等防止対策推進全国センターを結成し、私はその事務局長に就任いたしました。
このような経過から、この過労死防止法がいかに広範な市民の声に支えられて制定されたかを身にしみて感じております。また、多くの国民がこの法律に基づいて、過労死防止が具体的にどう進められていくのかを注目していることと思います。
 法律が施行され、第1回啓発月間が取り組まれましたけれども、この間、先ほどの事務局の方の報告にもありましたように、全国約20カ所の都道府県で集いやシンポジウムが行われました。特に過労死遺族の方の体験談には、参加者が涙しながら聞き入る光景があちこちで見られ、過労死はあってはならないとする認識が大きく広がったと思います。また、大阪では三つのローカルセンターの代表がそろって挨拶をされるなど、過労死防止のための幅広い協働も広がりつつあります。
 私が本日問題提起をしたい一点目は、今日配られた資料にある認定件数は、氷山のごく一角にすぎないということであります。私たちが経験するのは、なかなか相談窓口まで来られない、来ても資料がない、時間的、経済的、精神的余裕がないということで、大半の方が労災申請をしないという事実であります。
 二点目が、労災を申請しても、立証ができないということであります。労働時間が証明できない。遺族が証明するのは大変なことであります。使用者側が適切な労働時間の管理をしていない不利益が、申請者側にしわ寄せされているという実態があります。
 それから今、パワハラの相談というのが圧倒的に多く、またそれが事情の一つとなって自殺される例が多いのですが、その立証も極めて困難な実情にあります。
 したがって、この申請件数、さらにそのうちの認定件数というのはごく一部だと。ここに非常に難しい問題があるということをぜひ御理解いただきたい。したがって認定されない事例の中にも重要な問題がたくさん含まれているということで、予防と救済を一体のものとして、この協議会では検討をお願いしたいと思っております。
 以上です。よろしくお願いします。
○川人委員 弁護士の川人と申します。
 私は1988年に始まりました「過労死110番」という相談活動に参加いたしまして、現在に至っております。当初は、過労やストレスの蓄積による死亡という意味での「過労死」という言葉について、理解を得るのに時間がかかったと感じておりますが、今回、過労死という言葉を使った明確な法律ができまして、そして今日こういう形で協議会が開かれたということにつきまして、感無量というのが率直なところでございます。
 特に今回の協議会では、先ほどから御発言いただいております使用者団体の方々の御参加も多数いただいて、さらに会社の代理人を務められている弁護士、有識者の方の参加もいただいているということで、この点においても大変大きな意義があるものだと考えております。
 1990年前後になるのですけれども、当時、経団連の会長をなさっていた平岩さんや、あるいは副会長をなさっていたソニーの盛田さんなどが、この過労死の問題についての私どもからの講演をする機会をつくってくださいました。私の記憶でも、4〜5回経団連の方々の様々なシンポジウムや講演会に参加したことがあるのですが、そこで例えば平岩さんなどが、これは会社のトップが本当に真剣に考えなければいかぬ問題だと発言されていたのを今でもよく覚えております。今回、先ほどのお話の中でも、本当に企業としてあってはならないこの問題について取り組んできていらっしゃるお話が出ました。ぜひこの協議会の中で、様々な立場から知恵を出し合い、過労死をなくすための方策を十分審議したい、そのように心から願っております。
 調査研究に関して一点だけ補足して発言したいのですが、先ほどの事務局からの御説明でも、資料4の5ページの「自殺者数の推移」というところで、これは内閣府・警察庁の関係の自殺に関するデータの御説明がございました。
○岩村会長 すみません、資料4の5ページでございますか。
○川人委員 資料4の5ページですね。
 これはおそらく現在の自殺の問題を巡る統計として、厚生労働省による労災認定の統計と合わせて非常に重要な統計資料になっていると思います。つまり、労災認定とは別に、全体としてこういう状況があるのだという統計として概観できるわけです。
ただ、脳・心臓疾患に関しては、残念ながらこのような統計は、今、ないわけですね。たまたまと言ったら語弊がありますが、警察が自殺の場合には現場に必ず行き、そしてかなり統計をとって、全国的に集約しているということがありますが、脳・心臓疾患に関して、そもそも在職中の方々がどのぐらい亡くなっていらっしゃって、その中で勤務に関連すると思われる人はどの程度の推計としてあるのか。こういうものは現時点では行政側でもつくられていないということがあります。
 今回の防止法の調査研究の対象には、脳・心臓疾患や精神疾患、自殺以外の疾病についても調査研究の対象にするという理解でいいかと思うのですけれども、ぜんそくの問題について、例えばぜんそくによる在職中の死亡というものも非常に重要なテーマの一つであります。こういった問題についても、今後調査研究を進め、要は過労ストレスによる様々な疾病、死亡という問題を、現在までの効果的な資料に加えて、労使の様々な方々の御協力をいただき、より深く調査をし、分析していくということが大変大切であろうかと考えております。
 以上です。
○木下委員 弁護士の木下でございます。
 私は1985年に弁護士になりまして、今日まで労働問題の使用者側として業務を行ってきております。今日おいでの二人の弁護士の先生方とは、それぞれ個別案件の相手方として対応をさせていただいたことがあります。私自身の弁護士の業務としては、過労死、過労自殺を疑われる状況の事案について、個別の案件に取り組むだけではなく、日常の企業の運営についての相談と研修、そして今日は使用者団体がいらっしゃっていますが、どの使用者団体とも、団体としての研修活動などにも取り組んでおります。
 各団体の方もおっしゃいましたけれども、企業活動において、この過労死、過労自殺というものを容認できるはずは全くありません。労働者は企業にとって一番重要な、いわゆるステークボルダーの一つです。そのために、ステークホルダーに対する責任を企業が自覚して行動する、いわゆるCSR経営というものが今謳われております。コンプライアンス、法令遵守は当然のこととして、さらに企業の社会的責任を追求していかなければいけない。しかし、その企業の社会的責任を追求する活動をする方々も、実は皆、従業員です。企業というのは法人であって、実は姿形がないものです。人が集まって組織している企業の中で、このような過労死、過労自殺というような事案が起きないように取り組むべきものもまた従業員の皆さんであり、そしてそれを支える私ども経営側の弁護士だと思っております。
 ゼロ災という言葉があります。労働災害ゼロと同じように、在職中死亡ゼロという言葉を目標に、今まで弁護士活動しておりましたし、これからもそれを目標にしていきたいと思っております。
 以上です。
○堤委員 北里大学の堤と申します。
 私は大学で公衆衛生を専門としておりますけれども、その中でも産業保健、特に職業性ストレスの健康影響とその予防といったことを勉強して参りました。
公衆衛生というものを専門としている者として、有効な施策ということのベースには、ある一定の妥当な根拠といったものが必要ではないかと考えているものですけれども、過労死、過労自殺を含めて、産業保健上こういった研究をすることの非常な困難さと、それに伴う根拠の少なさということについても認識をしております。この法律の制定を機会に、労使の御協力をいただいて、こういった調査研究等の充実といったものについては重視をして、献策させていただきたいと思っております。
 一方で、過労死、過労自殺といった喫緊の課題に対して、根拠を待たなければ政策ができないのかという、これは全くナンセンスでございますので、やはりここに挙げておられますような啓発、相談体制の整備、民間団体の活動に対する支援といったアクションやはりスタートしていくべきで、その時点で得られます、手に入る最良の根拠というものがアクションに反映されて、さらに更新されていくといった仕組みを考えることができればと希望しております。
 以上でございます。
○宮本委員 宮本でございます。
 まず、本日冒頭の時間帯、強風による交通の遮断等がございまして、遅刻したことをお詫び申し上げます。
 過労死等防止対策推進法の成立と本協議会の立ち上げは、私自身すばらしいことであると感激しているところでございます。私は、普段、産業医といって、職場で保健活動に従事する医師として活動しております。
 産業医と申しますのは、労使から独立した立場で公正な判断を行う医師として、職場を診て、また個人を診て、集団を診て、会社を診て、そして健康的な職場づくり、人づくりに携わる医師でございます。
したがいまして、職場で働く人々に対しまして、例えば過重労働を行った方への面接の実施ですとか、メンタル的な訴えのある方への面接の実施、もちろん健康診断、あるいはその結果に基づく保健指導、健康教育、健康相談、あるいは様々な情報提供を行っております。
そして、会社側に対しましても、同じように管理者教育ですとか、様々な改善指導を行ったり情報提供を行ったり、また、健康施策等の健康管理や健康増進の仕組みづくりへ協力するということをしております。そういった意味では、保健師も同じ立場で、パートナーとして行っているので、産業医や保健師は過労死防止の最前線に立つ者の一人ではないかと思っております。
 このような産業医がいる中で、どのようにこの産業医を活用してもらえるのかという労使双方に対する啓発、あるいは産業医のこのような特徴的な立場をどのようにして生かせるのかといった仕組みづくりの問題、また産業医側に対しましても、役割を果たすための研修等の機会提供など、様々な課題があるなと思いながら、そういった立場も噛み締めながらこの協議会に参加させていただこうと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
○岩村会長 ありがとうございます。
この協議会の会長を先ほど仰せつかりました岩村でございます。
私は大学で、法学部というところで普段は社会保障法、そして労働法の教育と研究を行っております。今回のこの過労死等の防止のための対策法というものができ、そしてこの大綱というものを定めることになったというのは、今までこの過労死等の問題について、そういったことがなかっただけに非常に大きな意味を持っていると思っております。かつ、この協議会が、この大綱で定めるべきと予定されている四つの事項、つまり調査研究等、啓発、相談体制の整備等、そして民間団体の活動に対する支援について意見を述べるという枠組みが提供されたということも、非常に重要なことだろうと思っております。
 例えば、調査研究ということを考えますと、今、堤先生もお触れになりましたけれども、医学的な問題ということになりますと、やはりどうしてもエビデンスに基づいて、例えばどういう防止策が有効であるかということを考えなければあまり意味がないということになりますので、そういった意味での調査研究等を深めるというのが非常に重要なことだろうと思います。
 また、既に何人かの委員から言及がありました、例えば長時間労働であるとか、あるいは非常にストレスのかかる過重過密労働といったものがなぜ生じるのかということも、やはりそういう意味では調査研究の対象になるのかなと思っております。実際、長時間労働の背景になっているものとしては、例えば商慣行であったりとか、先ほども言及がありましたが、一定の産業界におけるいろいろな慣行であったりというものが存在したりということもありますので、そういった原因というものを解明するというのも最終的には過労死等の防止につながっていくのではないかと考えております。
同じように啓発とか相談体制の整備というのも非常に重要で、個々の労働者にとってみますと、職場の同僚に相談ができればいいのですが、そうでない、あるいは上司にも相談できないということになってしまいますと、一体どこに相談にいけば、どういう行動をとればいいかということがわからないということにもなりますので、そういう意味での啓発、あるいは相談体制の整備というのも非常に重要だろうと思っております。
 もう一つ、おそらくこの推進法、そしてこの協議会がつくられたことの重要な意味としては、これも先ほど委員の方も触れられましたけれども、厚生労働省所管だけではなく、公務部門についても、この協議会での大綱で定めるべき事項の中で意見を述べることができるということになるのだろうと思っております。これも既存の枠組みの中では存在しなかったことでありまして、この点も大変重要な意味を持っているのではないかと思っております。
 そういうことで、会長という役割を仰せつかったわけでありますので、今、申し上げたような重要なポイントにつきまして、大綱の作成に当たっての意見というものが十分に反映されるような、そういう議事進行というものをしていきたいと考えておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
○森岡委員 私は、労働時間という側面から、80年代末以降、過労死問題に関心を持ち、また運動面にもかかわってまいりました。被災者の労災申請資料、あるいは裁判での判決、和解、その他の結果を見て今でも強く思いますのは、使用者の把握している労働時間と、被災者の遺家族が実際に苦労して集めた資料で、労働基準局や裁判所が認めた労働時間との間に随分大きな乖離がある。使用者の側は、全く労働時間を把握していないという極端なケースもありますが、不完全ながら把握しているケースでも、被災者はこういう働き方をしていましたということで使用者から示される時間外労働は、月にせいぜい45〜60時間ぐらいが多い。ところが、多くのケースでは、実際は80時間をはるかに超えている。100時間を超えているだけでなく、中には200時間を超えるおそろしい数字が出てきているケースもありました。
この著しい乖離については、おそらく企業のトップは御存知ない。現場が実際よりも短い記録しか残していないのではないでしょうか。労働時間の適正把握の問題から見ても、なぜそういう大きなずれが生ずるのか、またどのくらいのずれが生じているのかをまずは正確に把握することが必要だと思います。
 その点で要望ですが、労災申請や労災認定の資料を、労働基準監督署を通して厚生労働省は把握しているわけですから、個人情報の保護という難しい問題もありますが、それらの資料を活用して、ぜひケーススタディーで細かな労働時間を、それこそ企業の把握と、当事者の働き方の実態とを突き合わせて検討していただきたいと思います。
 もう一つ申し上げますと、厚生労働省は、過重労働対策を、特に2000年代に入って、賃金未払残業の是正も含めていろいろ打ち出してきました。多くの要綱や指針が厚生労働省から発せられています。
申し上げにくいところもありますが、実態は、過重労働はいくらあって、時間外労働の延長がどのくらいになっているかということについては、賃金支払残業を除いてはマクロデータも個別データもないのが現状です。実態が把握できていない。近年では総務省の「労働力調査」あるいは「就業構造基本調査」を使って労働時間の実態把握もされていますが、残念ながら厚生労働省のデータではそれが掴めない。
この点で、既存の統計の改善も当然必要になってきますが、同時に、これから調査研究をする特別な予算も組まれると伺っておりますので、いくつかの大きなデータを得るための調査を実施していただきたい。その場合は、企業調査と同時並行的に労働者調査も行うということが必要かと思います。そして、雇用形態別、年齢別、性別、職業別といったデータを取ってクロス分析ができるようにするべきです。
例えば警察庁の自殺統計では「仕事疲れ」という動機・原因も示されていますが、学生にも仕事疲れ自殺があります。2011年は4人もそのデータに挙がっています。学生のアルバイト過労自殺ということがあるのかないのか、その辺も含めて、些細な例かもしれませんが、関心があります。ですから、今後特に調査研究の場合に、自殺統計なども念頭に置いていただきたい。
性別のデータについては、今はかなりの考慮がされるようになってきましたが、もっと重視してほしいと思います。例えば年次有給休暇についてデータをとると、48%という消化率になっていますが、女性は7割、男性は3割ということもあり得るわけで、この大きな違いは無視できません。そういう点で性別についても十分にこだわったデータ把握をしていただきたいと思います。
 以上です。
○山崎委員 山崎と申します。
 現在、日本福祉大学のほうで健康福祉学、あるいは予防福祉というものを基本において教鞭をとっております。
4年前に前任校の東京大学を定年退職しましたけれども、それまで30年間ぐらい教鞭をとりまして、そのときの専門は、健康社会学と健康教育学でした。そういう学問的立場から、現在、産業保健の分野では、「健康でいきいきと働き続けられる健康職場の条件に関する研究」というタイトルの研究プロジェクトに従事しております。この仕事を、ここ10年余り、もちろんいくつかの仕事のうちの1つではありますが、続けております。
 実は私、10年余り前までは、20年間東京大学に在籍していたときにやっていたことは、同じ産業保健分野のストレス研究なのですが、ストレスとか疲労、つまり過労とか過剰ストレスというものが、どういう働き方や働かせ方を余儀なくされることでもって強まるのか、という角度からの調査研究でした。ですから、その調査の結果をもとに、過労や過剰ストレスを招くような働き方や働かせ方の構成要件を減らすこと、なくすことを提案するという類いの調査研究を20年間、続けてきました。
10年余り前の私の変化というのは一体何かということです。実はILOのレベルでも、このような変化がありました。それ以前は、やはりストレスフルな労働職場環境及び条件を減らす、なくすことが主眼でした。
私たちは、このメンタルヘルスだとか、あるいはワークモチベーションにとっても、プラスに作用するような労働職場環境というのはどんな職場なのかということについて、もっともっと研究する必要があると考えておりました。ILOレベルでも、世界の職業性ストレス研究の大御所であるカラセックやイギリスの研究者クーパーにより、健康職場、つまりヘルシー・ワーク・オーガニゼーションといった概念が1990年代後半に提唱されてきました。
私たちは、それを受ける形で、働いている人たちのストレス対処力を高めることができるような労働職場のもつ条件は何かということを描き出して、チェックリストをつくり、そしてそのチェックリストをもとに健康職場ランキングまでも示せる物差しを、今では開発しております。
私は、そういう点から、働いている人たちのストレス対処力を高める職場が、やはり主には職場風土や職場文化といったものにやはり非常にいいものがある職場だということに気付かされています。これが私のここ数年の仕事であります。
私は実はこういう角度から、やはりあるべきものというものを示して、そのあるべきものからみて、どのくらい落差のある職場なのか、一方で目標を示しつつ、同時にそういう落差のある職場を重点的に改善していく取組を、もう少し過労死等防止対策の中でもやっていく必要があるのではないかなという気持ちでおります。
 今まで御発言いただいた方の様々な提案に対して、私は、協力できるところから協力していきたいという気持ちには全然変わりありませんが、一方で、世界も着目しているそういうもう一つの流れみたいなものもまた、過労死等防止対策の中に入れていきたいなと思っております。
 以上でございます。
○岩村会長 ありがとうございました。
 これで、委員の皆様方から一通り御意見をいただいたということでございます。なお、先ほど冨田委員から質問がありましたので、よろしくお願いいたします。
○岩瀬調査官 冨田委員からの質問に答えさせていただきます。本日準備させていただきました資料の中の参考資料6をご覧いただきたいと思います。
 こちらの「2 脳・心臓疾患、精神障害に係る労災補償状況」を準備させていただきました。その18ページでございますが、まず就労形態別の決定状況でございまして、正規社員、従業員、それから契約社員、先ほどありましたアルバイトなどの決定状況でございます。先ほど申し上げました306の決定件数につきまして、この就労形態別に分類したものでございます。
 もう少し細かなものにつきましては、今度は職種別というものがございまして、そちらは戻っていただきまして14ページ、15ページでございます。
こちらは職種別の中分類で上位15を掲載しているものでございまして、支給決定件数のほうでございますけれども、先ほど出ました自動車運転従事者が一番多うございまして、例えば管理的業務であればランク9のところで法人・団体管理職員などがあるところでございます。ランク3のところでも管理的職業従事者として、その他の管理的職業従事者というものがございます。
 同様に精神障害につきましても、28ページのところに就労形態別の決定状況がございます。436件のうち正規職員・従業員が375件となっておるものでございます。
 戻っていただきまして、24ページ、25ページにはその職種別の請求件数と支給決定件数の職種別の中分類の上位15を資料として準備させていただいたところでございます。
 本日準備させていただいた資料につきまして、御説明させていただきました。よろしくお願いいたします。
○岩村会長 ありがとうございました。
 冨田委員、よろしいでしょうか。
 ありがとうございます。
 今、委員の皆様方から御意見を頂戴して、第2回の会合以降、具体的な議論をいただきたいと思います。事務局へのお願いでありますけれども、今日委員の皆様からも御意見をいただいたところでございますので、そうしたことも勘案しつつ、関係行政機関からそれぞれの所掌分野の御説明をいただくということも含めまして、次回以降に向けた準備をお願いしたいと思います。
 それでは、特に何か御発言がなければ、本日はここまでということにさせていただきまして、次回の日程について事務局のほうから御説明をいただきたいと思います。
 よろしくお願いいたします。
○鈴木総務課長 次回の開催日時及び場所につきましては、後ほどまた事務局より御連絡申し上げたいと思います。よろしくお願いいたします。
○岩村会長 それでは、これをもちまして第1回の「過労死等防止対策推進協議会」を閉会とさせていただきたいと思います。
 今日は、お忙しい中ありがとうございました。


(了)

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