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2014年7月29日 薬事・食品衛生審議会 化粧品・医薬部外品部会

○日時

平成26年7月29日(火)14:00~


○場所

厚生労働省専用第23会議室


○出席者

出席委員(10名) 五十音順

有 森 和 彦、  小 澤    明、  神 田 敏 子、 木 津 純 子、
栗 原 正 明、○西 川 秋 佳、◎西 島 正 弘、 西 村 哲 治、
藤 井 まき子、  松 永 佳世子
(注) ◎部会長 ○部会長代理

欠席委員(1名)

杉 林  堅 次

行政機関出席者

成 田  昌 稔 (大臣官房審議官)
森     和 彦 (審査管理課長)
宇 津    忍 (安全対策課長)
矢 守  隆 夫 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構審査センター長)
俵 木 登美子 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構安全管理監)
佐 藤  岳 幸 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構上席審議役)

○議事

○審査管理課長 それでは、定刻になりましたので、ただいまから、「薬事・食品衛生審議会化粧品・医薬部外品部会」を開催させていただきます。委員の先生方には、大変お忙しい中、また、このようなお暑い中、御出席いただきまして誠にありがとうございます。

 はじめに、当部会は久しぶりの開催でございまして、また、その間に委員の改選等が行われておりますので、まず、部会の委員の先生方の御紹介をさせていただきたいと思います。つきましては、お手元に「化粧品・医薬部外品部会委員名簿」というのがあるかと思いますが、それに基づいて先生方の御紹介を申し上げたいと思います。50音順で御紹介させていただきます。

 まず、宮崎大学医学部附属病院教授・薬剤部長の有森和彦委員です。東海大学医学部専門診療学系皮膚科学教授の小澤明委員です。元全国消費者団体連絡会事務局長の神田敏子委員です。慶應義塾大学薬学部教授の木津純子委員です。国立医薬品食品衛生研究所有機化学部長の栗原正明委員です。国立医薬品食品衛生研究所安全性生物試験研究センター長の西川秋佳委員です。昭和薬科大学学長の西島正弘委員です。帝京平成大学薬学部教授の西村哲治委員です。昭和薬科大学薬剤学研究室准教授の藤井まき子委員です。藤田保健衛生大学医学部皮膚科学教授の松永佳世子委員です。それから、本日は御欠席ですが、城西大学薬学部教授の杉林堅次委員です。

 なお、本部会の部会長については

うよりも、松永先生がを頂いて頑張っていますのでにも入れていいよ 、昨年1月28日に開催されました薬事分科会において、西島正弘委員が部会長に選出されておりますので御報告申し上げます。さらに、薬事・食品衛生審議会令第7条第5項の規定に基づき、「部会に属する委員のうちから、部会長があらかじめ指名する者が、その職務を代理する」とされておりまして、部会長代理については部会長から御指名いただくことになっております。西島部会長、指名をよろしくお願いいたします。

○西島部会長 それでは、部会長代理ですが、西川委員にお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。ありがとうございます。それでは、西川先生、代理の席にお移りいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○審査管理課長 それでは、現時点で委員11名のうちの10名の先生方が御出席ということですので、定足数に達しておりますことを御報告いたします。なお、先ほど御紹介したとおり、杉林委員が御欠席という連絡を頂いています。

 続きまして、事務局の紹介をさせていただきます。大臣官房審議官医薬担当の成田、厚生労働省医薬食品局安全対策課長の宇津、独立行政法人医薬品医療機器総合機構審査センター長の矢守、安全管理監の俵木、上席審議役の佐藤、一般薬等審査部長の中村、安全第二部長の高松でございます。私、厚生労働省医薬食品局審査管理課長の森でございます。よろしくお願いいたします。

 それでは西島部会長、以後の進行をよろしくお願いいたします。  

○西島部会長 それでは、本日の議題に入りたいと思います。まず、事務局から、配布資料の確認と審議事項に関する競合品目・競合企業のリストについて御報告をお願いします。

○事務局 事務局から資料の確認をいたします。配布資料として、議事次第、座席表、委員名簿、競合品目・競合企業リスト、専門協議委員リスト、当日配布資料があります。資料1は事前にお送りしています。過不足等ありましたらお知らせいただければと思います。

 続いて、本日の審議品目に関する「競合品目・競合企業リスト」を御覧ください。競合品目・競合企業及びその選定理由について御説明いたします。「ザオール」、「ベーパプロM」、「アース殺虫ネットP」の競合品目として、浄化槽や下水槽内の蚊成虫の駆除の効能・効果を有する医薬部外品は、申請者が製造販売をしている品目以外にはありませんので、医薬品として本効能・効果を含む品目が選定されています。以上です。

○西島部会長 今の事務局からの御説明について、特段の御質問等ありますでしょうか。御意見、御質問、よろしいでしょうか。それでは、本部会の審議事項に関する競合品目・競合企業リストについては、皆様の御了解を得たものといたします。

 それでは、各委員からの申出状況について事務局から御報告をお願いします。

○事務局 各委員からの申出状況について報告いたします。議題1「ザオール等」については、退室委員、議決に参加しない委員はいらっしゃいません。なお、本年4月に、他部局の審議会において、利益相反の事務手続誤りが発生したことの報道発表が行われておりまして、その中で申告漏れも一部あったとのことです。ついては、委員の皆様方におかれましても、より一層の御注意を払っていただきますよう御留意よろしくお願いいたします。以上でございます。

○西島部会長 ありがとうございました。それでは、審議事項に移ります。本日は審議事項が1議題となっています。まず、議題1について機構から概要の説明をお願いします。

○機構 審議事項議題1、資料1「医薬部外品ザオール等の製造販売承認の可否について」を機構より御説明いたします。まず、本剤の概要について説明します。

 審査報告書1ページです。本剤の販売名は「ザオール」「アース殺虫ネットP」及び「ベーパプロM」です。申請者は、住化エンバイロメンタルサイエンス株式会社、アース製薬株式会社及びアース・バイオケミカル株式会社です。

 本剤は、新規有効成分として、ピレスロイド系のプロフルトリンを含有する医薬部外品殺虫剤で、蚊成虫の駆除を目的とした樹脂蒸散剤です。なお、殺虫剤のうち、衛生害虫である、蚊・ハエ・ノミ・ゴキブリなどの防除を目的としたものは、薬事法の規制の対象となります。

 審査報告書3ページです。プロフルトリン(以下、「本成分」)は、住友化学により、□□年に不快害虫や衛生害虫に対する新規ピレスロイド系殺虫剤として見出されました。本成分の作用機序は、昆虫の神経細胞膜のナトリウムチャンネルへの作用による神経興奮伝導阻害です。本成分は□□年に指定化学物質に指定され、現在は一般化学物質に指定されています。本邦では、2004年から衣料用防虫剤として市販され、□□年から蚊成虫を対象とした本剤が開発されました。海外における使用実績は、農薬を含めて現時点ではありません。

 審査報告書5ページの「審査の概略」です。本剤の規格及び試験方法は適切に設定されており、安定性も問題ないと判断しました。

 審査報告書5ページ以降です。蚊成虫に対する効力を裏付ける試験として、本成分及び本剤の基礎効力試験並びに本剤の実地効力試験が実施されています。本成分及び本剤の致死効果は、既承認成分EZ-エンペントリン及び既承認製剤ベーパグリーン R aと同等以上であることを示しています。

 審査報告書11ページの「審査の概略」です。実地効力試験について高い駆除指数を示した対照区もありましたが、対照区の駆除指数は設置期間を通してばらついているのに対し、本剤を用法・用量で使用した場合には安定して高い駆除指数を維持しており、本剤は浄化槽に発生する蚊成虫に対し、高い駆除効果があると判断しました。

12ページの表15です。本成分の全血における半減期は、60m/kg投与時で、雄80時間、雌74時間です。

13ページの表17です。投与168時間までの投与放射能に対する尿、糞等への総排泄率は97%以上であることから、本成分の蓄積性はなく、薬物動態に大きな問題はないと判断しました。

14ページ、「毒性に関する資料」です。ラット単回経口及び単回経皮投与により、本成分の概略の致死量は、雌雄共に2,000mg/kgを超えており、吸入毒性は雌雄共に1,990m/立方 メートル でした。

15ページです。ラット反復経口投与での無毒性量は雌雄共に1,000ppm、ラット反復吸入投与での無毒性量は、雄80m/立方 メートル 、雌150m/立方 メートル と判断されています。

17ページです。局所刺激性はないと判断されています。なお、事前に西川先生より、本成分がα2u-グロブリンの免疫組織化学染色において軽度な陽性反応を示したことに対して御質問を頂きました。α2u-グロブリンはヒトでは産生されず、α2u-グロブリン腎症は、加齢に伴い見られる雄ラット特有の現象であり、当該事象についてヒトへの外挿性はなく、ヒトに対する毒性的意議は低いと判断しました。

18ページの「審査の概略()本剤の使用上におけるヒトへの影響について」です。ヒトが浄化槽近くで本剤にばく露された場合の影響について、ヒト及びラットの吸入ばく露をMOEを用いた安全性評価で実施し、単回吸入及び反復吸入投与時のMOEが、成人及び小児のいずれも安全係数100以上と確保されています。浄化槽、下水槽は一定の密閉性が保たれており、ばく露量は最小限に抑えられることから、ヒトへの安全性に問題はないと判断しました。

 また、本成分の概略の致死量が対照成分のEZ-エンペントリンと比較して低く、毒性が高いことについて、両成分の反復投与の無毒性量及び単回投与の概略の致死量がほぼ同程度であること、本剤の安全係数も十分確保されていることから、ヒトへの安全性は確保されていると判断しました。

 「審査の概略()本成分の水中光分解と環境への影響について」です。本剤の環境への影響については、本剤と類似構造のメトフルトリンで評価され、半減期は概算で2.42.6日であること。水中光分解により生成する主要8分解物の魚毒性は、0.44120m/Lであることから、本成分の水中光分解物も同程度であると説明されました。また、本剤は、水中への放出量が0.20.8%と極めて微量であり、河川などで希釈されることから、本成分及び水中光分解物の環境中での長期残留性の懸念は低く、環境に対し特段の問題は認められないと判断しました。

19ページ、「3.総合評価」です。以上の審査を踏まえ、機構は、本剤を医薬部外品の殺虫剤として提示された効能・効果、用法・用量において承認して差し支えないと判断しました。御審議のほど、よろしくお願いします。以上です。

○西島部会長 ザオールについての御説明がありました。ただいまの御説明について、委員の先生方から御質問あるいは御意見がありましたら、御発言をお願いします。

○栗原委員 化学名が間違っている箇所があります。それから、八つの化合物を一つの化学名で書いているので無理がありますので直したほうがいいと思います。

○西島部会長 どの部分ですか。

○栗原委員 「審査報告書」と書いてある1ページ目です。最初のページに構造式が載っていて、その下に化学名の日本名と英名が書いてあります。エステルですので、1行目の4-メチルベンジルの後はスペースが必要です。付けて書いているので、化学名としては間違いです。

 EZの後の括弧の中の「1RS,3RS」、「;」があって、「1RS,3SR」と、この1、3、1、3と並列してしまっているのですが、一般的にはこれは書かないので、別の化合物として書いたほうがいいと思います。

 参考までに、日本医薬品一般名称(以下、「JAN」)というのがあり、そこで名前を付けて、化学名も書いてあります。それを参照されるとよろしいかなと思います。

○西島部会長 事務局から、今の点についてお答え願います。

○機構 御指摘ありがとうございました。御指摘のありましたエステルのベンジルの所が空けていないこと等、大変申し訳ございません。

 それと、先生も御指摘されましたように、異性体がたくさんあり、それを一つの名前に示そうということでこのような命名で書いておりましたが、おっしゃるようにEZや異性体のところを分かるような記載が正しいということで、JANも出ておりますので、そこに関しては一番適切な記載方法を審査管理課とも、確認した上で修正したいと考えております。ありがとうございました。

○西島部会長 そのほか、御質問、御意見はございますか。

○有森委員 ザオールというのは非常に安全係数も高いということで、ヒトへの問題はほとんどないと思いますが、きちんとケースに覆われていますが、もし過量吸引とか過量経口投与した場合の、医療機関にかかった場合の対処法というか、ただ経過観察だけでよろしいのかどうかをお聞きしたいのです。

○機構 御指摘のとおり、安全係数等も高く毒性は低いと考えておりますが、もちろん設置者が吸することも考えられます。その場合、本剤に関しては使用上の注意にもありますが、具合が悪い場合には医師の診察を受けるようにということで、そこで医師の診察を受けた場合には、ピレスロイド系の殺虫剤であることを告げることを記載しております。

 また、医師が処置法、治療法が分からない場合、方法としては2点あります。分からない場合には、使用上の注意にも連絡先が書いてありますので、そちらに連絡していただくことになります。そうしますと、申請者につながり、どのような処置をしたらいいかを説明します。

 また、日本中毒情報センターのホームページには、ピレスロイド系の成分について、どのような処置をしたらいいのかが載っていますし、電話連絡が来ました場合にも、治療、処置の対応については説明するということで、体制を整えているところです。

○西島部会長 そのほかにいかがでしょうか。

○小澤委員 有森先生と同じことなのですが、この薬の効果は別にしても、安全性のほうが問題だと思うのです。「使用上の注意()」という所を見ますと、これは業者が使いますというから、一番最後に「本剤を廃棄する場合、廃棄物処理業者に委託する等、適切に処分すること」と書いてあるのですが、「等」というのはいろいろな意味が入ってくるので、例えば「すること」とはしないのですか。もちろんほとんどの業者の方はきちんとするでしょうけれども、そういうことを規定することは書かなくてもいいのでしょうか。

 もう一つは、審査報告書の17ページの「局所刺激性」です。これは松永先生が御専門なのですが、ウサギ、モルモットを使って何ともなかったからいいのだと書いてありますが、それほど何ともないなら、少なくともヒトで刺激試験だけでもやって、完全に大丈夫だというデータを出されたらいかがでしょうか。

○機構 最初の御質問です。使用上の注意に「等」という言葉が入っていますが、原則として、これは産業廃棄物になりますので廃棄物処理業者に委託することが前提となっています。「等」という言葉が入っておりますが、それ以外のことは想定しておりませんので、適切な記載ではないのではないかという御指摘を受けまして、こちらでも考えております。

○小澤委員 それは機構側が考えているだけであって、私が業者であったらそのようなことは考えません。それなら一層のこと、「本剤は産業廃棄物であるから、それに沿って処理をすること」とか、「その規則によって処理をすること」と書くべきではないですか。

○機構 御指摘はごもっともでございますので、申請者にも先生の御指摘を伝えまして、改善を図っていきたいと考えております。御指摘ありがとうございました。

○小澤委員 刺激性はどうでしょうか。松永先生、ヒトでの刺激は必要ないですか。

○松永委員 ウサギやモルモットの方が、刺激性試験については強く出る可能性が高いと思います。ただ、今回の場合はヒトでやる必要があるのかどうかは、次の点です。

 今までに、防虫剤として長く衣類の中には使われていて、問題が起こっていないということを聞いています。それから、私たちの皮膚科のアレルギーの症例の検討というのが過去3年、3,000人ぐらいのベースがあるのですが、その中に本剤はないのです。防虫剤に関係したものは3症例ほどあるのですが、異なるものでした。

○西島部会長 特にヒトでは必要ないということかと思います。お手元にサンプルでしょうか。

○機構 サンプルと使用上の注意を貼っております。

○西島部会長 これについて説明してもらえますか。

○機構 先生方のお手元に置いてあるものが、本成分の入った製剤です。開封すると中の成分が出てしまいますので、外から見ていただきたいと思います。このビニールに入っていれば、成分は外に出ることはないということです。1枚、紙が付けてありますが、この紙は外箱の印刷になります。実際は先生方のお手元にある使用上の注意が印字されることになっています。

○西島部会長 何ページですか。

○機構 タグで「使用上の注意」というのがありますので、そちらを御覧ください。

○西島部会長 これを、この金具に吊しておくわけですね。

○機構 金具も付いていると思いますが、この金具を製剤に引っ掛けまして、それを浄化槽や下水槽の蓋のくぼみに引っ掛けて設置します。

○西島部会長 西村委員どうぞ。

○西村委員 業者が使うので廃棄時は、問題はないと思うのですが、これを袋から出して使用した場合、何も書いていないと知らないで捨ててしまうようなことがあるかもしれませんね。安全なことは安全ですが、できればその辺も印刷をして簡単に書ければ、その方がよりいいのかなと感じたのですが、どうでしょうか。

○機構 先生がおっしゃっているのは、外側の袋ではなく、中の本体に記載ということでしょうか。

○西村委員 注意書きを読んで廃棄するようにとか、その辺は分かりませんが、何も書いていないと知らない人が捨ててしまいます。捨ててしまっても安全であることは確かなのですが、せっかく注意書きに「業者に委託するように」と書いてあるのであれば、その辺を喚起できることが書ければいいのかなと感じたのです。

○機構 御指摘ありがとうございます。記載する箇所が狭いこともあるかもしれませんが、先生の御意見を申請者にも伝えまして、よりよい方向になるように改善していきたいと思います。ありがとうございました。

○西村委員 報告書の18ページでばく露の余裕度、MOEを計算されています。このときに、ばく露の最高濃度は□□ で、普通の方法で測定しているのだと思うのですが、使用のことを考えるともう少し高温で揮散するかどうかがあったほうがいいと思います。

 もう一つは、下水槽なので密封するということで、水蒸気の圧が高くなっている可能性があると思います。その辺のところでの、揮散の測定について、こういう方法で測定していいのかどうかについてお聞きしたいと思います。

○機構 御指摘ありがとうございます。本剤の試験では、□□ での試験結果として出しています。蒸気圧のバランスも変わる可能性はありますが、今回申請の資料に関しては、□□ の値で行っています。使用濃度としては、MOEの計算を出した場合に、本剤の使用濃度よりも高い濃度です。審査報告書18ページの「審査の概略」の上から6行目ですが、評価条件として本剤の約□□倍用量における最高気中濃度を用いて計算しているので、数値としては□□ のものですが、濃度としては濃い濃度で行っていますので、安全性に対しては十分に評価できていると判断しています。

○木津委員 「使用上の注意」の所で、最初に「注意」ということで青枠が付いて、次に「相談すること」で青枠が付いて、次に「本剤の設置に際しての注意」というのが括弧で付いているのですが、その下の鉤括弧の『取扱者の注意事項』というのはアンダーラインも引いて大きくなっているのですが、段落がすごく読みにくくいと思います。「本剤の設置に際しての注意」の中に幾つかあるのですが、これを読んでいて、「保管及び取扱い上の注意」というのが、『保護具の注意事項』の方が大きく見えてしまって、見たときに何について書かれているのか分かりやすい鉤括弧の付け方をいかがでしょうか。

○機構 御指摘ありがとうございます。まず、このような記載にした理由は、設置の注意をただ並べて書いてしまうと、分かりにくいのではないかということで、分けて記載しております。

 ただ、先生のおっしゃるとおりに括弧の付け方とか、分かりやすいように下線を引いたところが、見にくいというのはその通りだと思いますので、使う方たちが間違いなく、分かりやすく、見やすいようにということを、再度申請者に伝えまして、より良い記載に修正するように図っていきたいと思います。ありがとうございます。

○神田委員 先ほど「□□ 」という御質問があって、それはこの温度で設定をして、しかし□□倍でやったので問題ないというお答えだったかと思います。4ページの分析試験の在り方として、温度設定として□□ とか□□ が適切なのかどうかについては非常に気になったのです。

 4ページでお聞きしますが、例えば「3)製剤の特性 1.製剤表面分析試験」 でいうところの「平均温度」とは何ですか。□□ というのは蚊ですので夏だと思うのですが、現実に合っていないのではないかと、試験の温度の設定として妥当であるのかどうかということが気になりました。

 もう一つです。この開発理由がどこにも書かれておりません。もちろん推測することはできます。需要があるので開発するということですから、浄化槽から蚊が発生するのだろうと思います。資料を読んでいますと、例えば18ページの「ヒトへの影響について」の所に、いろいろ文章がある中にこういう行がありまして、浄化槽は一定の密閉性が保たれているから、ばく露量は少ないのだと書かれております。ということは、浄化槽というのはここに書いてあるとおりだと思うのです。密閉性が高い、蓋を閉めてしまうので蚊が発生するというのは、普通の常識からすると、蚊が出入りして発生します。こういった所に出入りするのだろうかというのが疑問にあります。浄化槽の中で蚊が発生し、このようなものが必要であるというところを教えていただけたらと思いました。

 それから、これも中身ではなくて恐縮なのですが、申請が平成21年6月にありまして、今回ということで丸5年かかっているわけですが、特段の長くかかった理由はあるのでしょうか。

○西島部会長 3点ございましたが、お答えをお願いいたします。

○機構 ありがとうございました。一つ目の4ページの「製剤の特性」として、申請者たちは□□ □□ ぐらいの温度で設定し、試験を実施しております。この試験温度が正しいかと言いますと、夏場ですと30 という暑いところですので、季節ごとの温度を反映していないのかもしれないですが、年間を通して、□□ の平均温度で試験を実施しているというところです。

 その温度自体が適切かに関しては、反映できていないところもあるかもしれませんが、年間を通して冬場と夏場で考えて、□□ ぐらいということで設定しております。  この温度で適切なのかということは、今後申請された品目に関しては見ていきたいと思いますが、本剤に関しては□□ で評価できているのではないかと判断しております。先ほど申し上げましたように、濃度が□□倍で、高い濃度では見ているということで、安全性に関しては問題ないと考えておりますが、御指摘はごもっともですので、今後その点についても検討していきたいと考えております。

 二つ目の御質問、開発の理由について書いていないということです。本剤を開発した理由は、浄化槽の中に蚊が発生し、蓋を開けなければ出ることはないということもありますが、蓋を開けたときに蚊が出ていくということもありまして、浄化槽の中の衛生状態を良い状態に保つことに関して、浄化槽の中での蚊の発生を防ぐことは重要であると考えております。

 本剤に関しては、ピレスロイド系で、今までもピレスロイド成分のものは出されておりますが、耐性の蚊も出てくるところを考えますと、新規のピレスロイド成分をここで開発し、出していくことは意義があると考えます。実地効力試験や基礎効力試験の結果を見ていただくと分かりますように、今まで出ているEZ-エンペントリンの成分、またそれを使いました既承認製剤、ベーパグリーンaと比べますと、効果もかなり高いので、本剤を開発していく意義は認められるのではないかと考えております。

 三つ目の御質問、審査期間に関してですが、御指摘のとおりに、申請から時間がたっているということですが、先ほど品目の説明で申しましたように、実地効力や基礎効力試験からも有効性が認められておりますし、安全性についても十分な係数が確保されており、この品目に対して何かしら問題があったということではありません。通常の各照会と回答に時間を要したということがありまして、審査に時間がかかったということになります。

○一般薬等審査部長 補足をいたします。□□ というのは、試験の基準のような温度であろうと思います。申請者も温度が高い場合も試していると思います。資料として今は持っておりませんが、一度確認いたします。すごく蒸散するということはないと思いますし、安全性に関してはかなり高濃度でやっているので、大丈夫だと思います。

 あと浄化槽は、業者がそういう所に付ける必要性があるということは、何らかの形で蚊が入って、水がよどんでいる所というのは、ボウフラがたくさん発生しますので、有用性はあると考えております。

○藤井委員 何点かあります。まず、今の□□ と関連するところです。資料ロの57ページです。1日の放出量、平均揮散量がだんだん減っていくというのは割と分かりやすいのですが、増えたり減ったりがかなりあるということになると、もし温度などが変わると、有効性にも影響が出るのではないかという懸念を感じました。多分、申請者は何例かやられての結果ではないかと思うのですが、その辺りの原因があるのでしたら教えていただけるといいと思いました。

 毒性試験などは「mg」「μg」と質量表示でされるのが普通だと思うのですが、一部の試験は「mL」でやらざるを得ないところがあって、「mL」表示になっているのですが、こういうのは物性の所に比重等が入っていますと納得できると思います。

 これも安全係数的に非常に大きいので余り問題はないと思うのですが、12ページの「吸収」の所です。1mgと60mgで、60mgが60倍になっていないから「吸収が飽和」という表現をとられているのですが、「吸収の飽和」というのは、単に頭打ちになっているということなのか、何かtransporter等があって、それが飽和すると考えるのか。私たちの分野では「飽和する」というと、何かメカニズムが分かっていて、その仕組みが飽和するから吸収が下がると考えてしまうのですが、そういう意味合いが何かあるのでしょうか。

 あと、経皮毒性の所です。2,000m/kgを、面積を見ると4cm×5cmということで、20センチメートルに塗られているようなのですが、これは多分OECD等の経皮毒性の試験からすると、単位面積当たりの塗布量が多くて、結果としてドーズに対して吸収量は低いという結果が出る可能性があるのではないかと懸念いたしました。

○西島部会長 事務局からお答えをお願いいたします。

○機構 ありがとうございました。まず、製剤の揮散量の推移のところです。これは5検体についての測定を行い、平均値で出されています。

 先生の御指摘のとおりにだんだん下がってはいるのですが、例えば1421日の所が2.3になっていますが、2128日は上がっているようなばらつきがあることは、結果として得られているところです。この理由が何かというのは、こちらでも把握しきれないところはありますが、測った結果、1日当たりの平均揮散量がこのようになっているのが、事実としてなっております。

 このようにばらつきがあると有効性に影響があるのではないか、という御意見ですが、実地効力試験を行っており、審査報告書の10ページの表を見ていただきますと分かりますように、94日目までの実地効力試験を行っております。ここで見ていただきますと、駆除指数が100又は99.6ぐらいの安定した値を出しておりますので、揮散量はだんだん減りつつ、少しばらつきがありますが、有効性としては94日間示されており、その点から有効性には問題ないと考えております。

 二つ目の御質問ですが、単位で「mL」を使っており、比重を書いていないところで大変分かりにくいことは、こちらがそこを記載しなかったところですので、今後はその辺も分かりやすく記載していくというところで対応いたします。ありがとうございます。

 続いて、12ページの「吸収」の部分です。報告書の真ん中辺りに「高用量群では本成分の消化管からの吸収が飽和した可能性が示唆された」という所の御指摘だと思います。「飽和した」というのはどういう状況かということですが、頭打ちになっているので「飽和した」と申請者から説明を頂いているところです。

 最後の御質問の、単位面積当たりのOECDよりも濃度が高くなっているのではないかという御指摘です。

○藤井委員 先ほどの質問ですが、OECDですと、上限10μLという形で経皮毒性はやることになっていますが、先ほどのところは比重等も分かりませんし、揮散する薬物ですので、実験条件を変えられているのかなと思ったのですが、2,000m/kgですと、ラットですと体重は200gぐらいでと考えると、400mg程度の塗布を20センチメートルというと、少し多いと思いました。ただ、毒性に関しては安全係数的に問題がないですし、剤型的にも問題はないと思います。

○機構 御指摘ありがとうございます。OECDにそって申請者たちも行っていると思うのですが、御指摘のように塗布量が多いことに関しては、このような試験を実施しているというところで、今後はこの点も審査のところで十分に注意して、量が大丈夫なのかという部分も注意して審査をしていきたいと思っていますが、今回に関しては、この濃度で塗布しているというところで、安全性に対して問題はないということで、受入可としております。御指摘ありがとうございました。

○西島部会長 そのほかにいかがでしょうか。

○神田委員 今のお答えですと結果的に問題がないので、この次から見直すから今回はこれでという方法は、よくないと私は思います。それですと、私たちは1事案ごとに検討しているので、この次に改善されても、この問題が改善されるわけではないので、気になりました。

 それから、「開発理由」の所で補足もありましたが、業者が使いたいのですから、どこからか入って発生するのでしょうという推測の話がありましたが、開発するからにはその辺の背景が何行かでもあるべきだろうと思います。資料にもないですし、誰が考えても入ると思うならあえて説明は要らないのですが、浄化槽にどうやって入るのかという疑問がある中で開発するわけですから、それなりの理由をこういった資料に付けるべきだと思いますし、説明もきちんとできなければいけないと思います。

○上席審議役 開発の経緯です。申請者の資料イ「1.起源又は発見の経緯」には、実際に申請者側 がどうして開発をしたのかの経緯は書いてあります。まず、今回こういう浄化槽につるす形態については初めての製品ではありませんで、他社が既に先行しています。その中で使われている実態がある中で、今回の申請者が、自社のほかの衣料用の防虫剤のようなより安全な成分を使いながら、浄化槽につるすような薬剤を開発したという経緯があります。審査報告書には、きっかけは書いてございませんが、今後はそういう面でも、分かりやすい説明は心掛けさせていただきますので、今回は御容赦いただければと思います。

○西島部会長 確かにイには、蚊の種類などが書かれています。神田委員、その点についてはよろしいでしょうか。

○神田委員 はい。

○西島部会長 報告書でもきちんと書いていただくということかと思います。そのほかによろしいでしょうか。

○小澤委員 「業者が使います」ということは、業者以外は絶対に入手できないのですか。

○機構 使用上の注意に業者専用ということを記載しておりますが、業者以外の者が使えないかに関しては、幾つか申請者も対応を考えており、販売するときに一般への譲渡や販売を固く断るように、設置業者がこれを購入するとき、了承した業者のみに販売するということです。

○小澤委員 業者の自主性に任せるということは、それはしてはいけないと文章で明記されていないということですか。

○機構 現時点で、業者にそれを紙で配布することは確認しておりませんが、対応としてはそのようにするということを申しておりますので、先生の御指摘も踏まえ、紙できちんと渡す等、そのほうが適切であればそのように対応するようにしていきたいと思っております。

 あと、各業者のネットに、「管理業者専用」と書かれているかどうかを申請者の方では確認し、その記載ぶりが不適切な場合には、ネット上の不適切な記載を削除することを依頼していくとしています。

○小澤委員 業者以外に流通した場合に、処罰などはなく、自主性に任しているわけですね。

○機構 本剤は医薬部外品であるので、そこまでできるかどうかは難しいところと考えておりますが、申請者としても、業者専用になるように心掛けていくということで、回答を頂いております。

○小澤委員 前回、殺虫剤で出てきたときに、その話になって、そのときは、どこに売ったか記録を取っておきましょうという話でしたね。これは、それはないのですね。

○事務局 審査管理課です。今、御指摘があったのは、 昨年、 要指導・一般用医薬品部会で、アドビオンという殺虫剤を御審議いただいた際にも、御議論頂きました。こちらはゴキブリ用のペースト状の殺虫剤で、いわゆるビル管理などの業者が、子供が触れられないような容器に入っているような形ではなくペースト状のものということで、これに関しては先生からの御指摘もあり、ペスト・コントロールの管理をする業者に流通経路を限定し、記録、表示もするということで承認させていただいたところです。

 今回のザオールに関しては、安全性等の観点から医薬部外品という区分をされているものです。今、機構から説明させていただいたとおり、業者も使い方は浄化槽であり、下水槽の中に使うという特別な使い方ではありますので、業者専用ということも踏まえて、流通管理をすると言ってきております。これについて私どもも、審議会での御意見ということを踏まえて、申請者の方にも指導させていただければと考えています。

○西島部会長 その辺は、業者に強く指導するということで。

○審査管理課長 今の御議論を踏まえて、会社からはどのように販売をコントロールするのかの報告を文書でもらっておこうと思います。ただ、それを守らなかったから罰則を適用しなければいけないほどの劇性のあるものかというと、ここでの御審議あるいは毒性の評価という点で言いますと、そこまでのものではないという評価だと思います。したがいまして、まずは会社側にきちんとした流通管理をすることを、はっきりした文書で報告をもらっておいて、それが守られているかどうかを見守る形でいきたいと考えております。

○小澤委員 法的に医薬部外品ですからいいのだというのは、それしかないわけです。そうでないと、例えばこれを小さく切ってぶら下げておいたら子供が食べてしまうかもしれません。そしたら大騒ぎになるということです。ですから、法律で決まっているのですから、これはしようがないことですね。

○審査管理課長 製品の流通ルートをどのようにコントロールするかにも関わっているところだと思いますので、その点を十分に、企業側に対してしっかりと相手を選んで供給するようにということで伝えたいと思います。

○西島部会長 先ほど温度のことについては、製造販売業者に確認を取っていただくということですが、そのほか幾つか、比重のことなどの御質問が出ましたが、製造販売業者に問い合わせていただいた答えを、どのように先生方に知らせたらいいでしょうか。委員の先生方にメールでお答えするのが一番いいかと思うのですが。

○一般薬等審査部長 分かりました。御質問いただいた先生方に御連絡するとともに、部会長にも御確認いただくことにさせていただきます。

○西島部会長 温度等について幾つか懸念が出たわけですが、機構からは安全性については量を□□倍使っている等で、安全性については基本的には問題がないのではないかということになるかと思いますが、温度等については製造販売業者からの答えを先生方に見ていただくことで、確認することにしたいと思います。そのほかはよろしいでしょうか。

○西川部会長代理 先ほどの概略の説明の中で触れられていたことですが、αu -グロブリン、審査報告書の15ページ「2)反復投与毒性試験 1.ラット1か月間反復経口投与毒性試験」 のラットの反復投与試験で見られた雄ラットの腎臓の近位尿細管に見られた好酸性物質についてです。

 α2u -グロブリンが 1. の下から4行目「軽度な陽性反応を示した」と書いてあります。この「軽度な」という意味がよく分からなかったので、事前に質問をしました。先ほどの説明では、軽度か否かにかかわらず、陽性反応を示したので、雄ラット特有の病変であるという説明で理解をいたしました。

 資料概要のヘの11ページの最後の段落で、「以上のように」とあるのですが、ここでいろいろな所見があって、「加えて同群の雄では腎臓への影響も認められた。これらのことから、本試験条件下における無毒性量は雄雌とも1000_ppmと考えられた。」と書いてあるので、腎臓の所見を、ヒトへ外挿できないという判断であるのであれば、ここの部分は修正したほうがよろしいのではないかと思います。

○機構 記載の整合性が取れていないところがありますので、そこに関して修正する等の対応をしていきたいと思います。

○上席審議役 両方を精査し、然るべき対応をさせていただきます。それでよろしいでしょうか。

○西川部会長代理 よろしくお願いいたします。

○西島部会長 ほかにございますか。いろいろ質問、御意見等は出尽くしたように思います。幾つか疑問点も残っていますが、製造販売業者に確認していただくことのお答えは、先生方にお配りし、見ていただくことにいたします。そういうことを踏まえて、ただ今の医薬部外品ザオール等の製造販売承認の可否について、議決に入ります。ただ今の議題について、承認を可としてよろしいでしょうか。

 特に反対の御意見がありませんので、承認を可として薬事分科会に報告させていただきます。ありがとうございました。

 本日、報告事項が一つ用意されています。事務局から御説明をお願いいたします。

○事務局 当日配布資料ですが、薬用化粧品による白斑症状に係る再発防止に関する研究班報告について御説明いたします。

 7ページを御覧ください。昨年10月に国立医薬品食品衛生研究所の川西所長を研究代表として、本件、原因究明と再発防止に関する研究班を立ち上げたところです。

 9ページのA4横の図ですが、本研究班は大きく分けて二つの分担研究に分けて、原因究明と再発防止ということで、図の下にあります先生方に御参画いただきました。図の右側の上のほうにある外部組織で、本日御出席いただいている松永先生が委員長されている日本皮膚科学会、ロドデノール含有化粧品の安全性に関する特別委員会から情報提供を頂くとともに、企業からも情報提供を頂き、それぞれ昨年度から検討いただいております。

 1ページに戻りますが、昨年度からの研究班の報告です。再発防止に関する報告について配布しておりますので、概略、概要を御報告いたします。

 2ページからです。「C.研究結果及びD.考察」の所です。白斑の発症原因の究明に向けた分担研究は、現在、進行中です。昨年度、現行の承認審査・製造販売後における安全性確保の方策について整理をし、再発防止のためにそれぞれの段階における対応方策を検討して、おまとめを頂いております。その下の「1.非臨床試験」に関して、承認申請時に求めている非臨床の試験項目に追加試験がいるかどうかについては、原因究明等を併せて引き続き議論することで報告をまとめております。

 2ページの右側の上の方の「2.臨床試験」です。新有効成分含有薬用化粧品の承認申請時には、臨床試験として、ヒトパッチ試験と効能・効果に関するヒトの使用成績試験の実施を求めています。研究班においては、これに加えて、ヒトにおける長期使用時の安全性を確認することを目的とした、医療用医薬品の外用剤に準じた長期安全性試験の実施をしてはどうかといったような御意見を頂きました。また、この試験に関しては、皮膚科専門医の管理下で試験を構築、実施すべきであるといったような意見を頂いております。また、この試験の用量設定も重要なポイントではないかということで、詳細について、今年度も引き続き検討いただいております。

 2ページの右下ですが、「3.製造販売後調査」です。医薬部外品、特にリスクの高い新有効成分含有の医薬部外品については、開発段階で把握できなかった副作用を把握することで、承認後に一定期間に一定症例数の調査を求めているところです。

 3ページの左の段の真ん中辺りです。研究班の議論の中では、対面販売が行われている販売店、そういった所を想定していますが、そのようなルートを利用したきめ細やかな情報収集を行うべきであるということで、その際には、皮膚科専門医に関与いただいてきめ細やかな情報収集をすべきである。これらの意見を踏まえて、現在の部外品の製造後販売後調査の実施方法に関するガイドラインが明確には作成しておりませんが、これについて作成していくべきということで、引き続き今年度も検討いただいております。

 その下の「4.副作用報告」です。市販後の副作用報告については、3ページの右の段の真ん中辺りからです。研究班はということで、医薬部外品・化粧品について副作用報告制度の強化が必要であるということで、医薬品等と同様に個別症例の報告を求めるとともに、その範囲については、重篤な副作用に加えて、「治療に要する期間が30日以上の症例」ということも報告の対象に含めるべきであると報告をされております。

 また、「5.製造販売後の安全管理の基準(以下、「GVP」)」です。この関係は4ページです。左の段の上から二つ目の段落ですが、先ほどの副作用報告の対象範囲の拡大に合わせて、製造販売業社に係るGVPの省令も改正し、医療関係者や行政機関からの情報も収集の対象とし追加すべきであるという形で、提言というか、報告を頂いております。これらの報告を踏まえて、GVP省令等、各関係制度の改正が行われているところです。

 続いて、「6.使用上の注意」です。4ページの右下のほうに従前からの注意事項が書かれております。5ページですが、左の段落の、研究班は、白斑及び周辺組織での色素増強を念頭に、製品の使用を中止すべき症状として、「赤み、はれ、かゆみ、刺激」に加えて、「色抜け(白斑等)や黒ずみ」というような表記を追記すべきであると考える。また、肌に異常が生じていないかをよく注意して使用をするように注意喚起する必要があると考えることも報告で頂いており、こちらの対応も進めています。

 本研究班は、本年度も引き続き検討を進めております。開発に係る安全性評価ガイドラインの構築も含めて検討を頂いております。昨年度の報告は以上です。

○西島部会長 ロドデノールに関する研究結果の報告について、御質問、御意見等ありますでしょうか。

○松永委員 30日以上診療が必要だった症例を医療機関から情報を収集した場合に、企業が症例の報告をしなければならないシステムは、行政的な措置は非常に有効だと思います。ただ、医療の方は結構大変になるので、取る時間とか、それに対してやはり報告することのインセンティブなどがないと、時間的にはいけないと思いますが、これが有効に作用し、早くその情報が収集できればいいのではないかと評価しています。

○西島部会長 ありがとうございました。そのほか御質問、御意見ありますか。何ページ目でしたか、使用上の注意の所で、19例が否定できないということで、そのうち1例が化粧品のみで、その他が幾つか使っていたということですが、そこのところの部分で右のページで、「特定の製品・成分に集中しているわけではなく、現時点で回収等の措置が必要な状況とは言えないとされた」ということですが、この18症例について、特定の製品ではなくて、多くのメーカーの物がここに含まれていたということなのでしょうか。

○安全対策課長 御指摘のとおりです。様々な有効成分、ロドデノール以外の美白をうたうような製品について、研究報告も併せて出していただき、それらを評価すると、例えば、アスコルビン酸系のものとか、様々な有効成分のものがありました。従って、特定の成分に偏っているわけではないと評価をしました。

 この結果を2月12日の安全対策部会に御報告いたしましたが、先週、安全対策部会が開かれ、追加の調査結果も出しております。2月のものも合わせて50症例が報告されましたが、やはり2月と同じで、特定の成分、製品に偏っているわけではないということで、同じような結論になっております。引き続き回収等の措置は必要ない状況でした。

○西島部会長 分かりました。そのほか、報告についてよろしいでしょうか。松永先生、それに加えて、何かございますか。

○松永委員 今のロドデノールではない美白成分とか、あるいは美白成分が入っていない化粧品でも斑に抜けたというクレームがあり、私の大学でも29例ぐらいそのような方が今までにいらっしゃいました。ロドデノールの基準に合わせると、使う前には斑や白斑がなくて、使った後に出てきて、使った部位にほとんどそこに限局して白斑ができていて、これが原因だと思っている化粧品をやめたら改善してくることが、やはり一つの大きな基準だと思うのですね。

 そのように思って自分の29例を半年以上たった後に整理をすると、6例はそうだと思いますし、あとの6例は、もう少し経過を追わないといけないですが可能性はあります。そうすると、29人のうち、12例ぐらいは化粧品が何らか関係しているのではないか。あとの方は、尋常性白斑が後から分かりました。それから肝斑という染みの横が白く抜けて見えるだけとか、何も医者からは異常ではないけれども、白く抜けているという訴えで患者が来ます。非常に様々な患者が、化粧品によってまだらに又は白斑になったのではないかと来られているのが医療の現場だと思いますので、十分な経過を追ってから厚生労働省に報告を上げさせていただくのがいいのではないかと思っています。小澤先生、どうでしょうか。

○小澤委員 松永先生がおっしゃるように、現場で判断がものすごく難しいので本当に困っています。

○西島部会長 研究班が二つに分かれて行われているみたいなのですが、今は、安全性等に関するデータ収集・解析ということで、臨床症状及び非臨床試験データを踏まえた原因分析に関する研究班もありますが、こちらについての報告書等の現状はどうなっているのでしょうか。

○事務局 原因究明の研究班は、先ほど再発防止の報告をさせていただきましたが、原因究明も皮膚科学会の先生にお入りいただいて、臨床面や基礎の面の両方で研究を進めていただいております。本日は御用意できておりませんが、現在まだ実施中ですので、ある程度整った段階でまたこの場で御報告させていただきます。

○西島部会長 分かりました。是非、お願いしたいと思います。そのほかよろしいでしょうか。

○神田委員 検討している経過報告をしていただき、ありがとうございます。是非、改善するところはしていくということで、検討を引き続きお願いいたします。

 こういった問題が生じたときの委員として関わった場合に、どのように臨んだらいいのかなということをこの問題があったときに非常に思いました。

 委員にもこういった経過報告をしてくださいと、以前、事務局へお願いをしましたので、本日このような形でしていただき本当に有り難いと思います。

○審査管理課長 人の健康に関わるようなそういう製品の承認の可否の判断をするというのは、審議を尽くして結論を出すことをひたすらやっていくしかないのかと、このように考えております。このような場において、多方面から御意見を頂いて、審議を尽くすことも、その中の非常に大事なプロセスであると思います。1人の力で全てを見ることができるわけではないということで、このようにたくさんの先生方から様々な方面から御検討いただき、その御意見を頂いて、私どもが最終的な判断につなげています。その意味では、先生方にこれだけ真摯に御議論いただいていることで、私たちも責任を全うできるのではないかと感謝しております。

 ロドデノールの話についても、やはり、その時点における検討を十分に尽くしてやっていたというように信じております。ただ、科学的な問題はその時点の科学的知見の範囲で議論をしています。その時点で得られているデータで検討しているので、それでは及ばない事態は必ず起きてきます。そうした事態に遭遇したときに、できるだけ速やかにそれを教訓として生かして、その次の事態に備えることをやっていくことも大事なことです。本日お配りした研究班の報告の中でも、再発防止のために検討したことの中から、ここはやはり改めてはという重要な御指摘を頂いておりますので、これを私どももしっかり受け止めさせていただいて、今後のプロセス、御議論の中でも、こういったことを御参照いただき、更に今後とも御指導賜りたいと思っております。

○神田委員 ありがとうございます。

○西島部会長 神田委員からの御発言で、私もこの議事録をインターネットで読んで、そこの委員の1人であったことを認識しながら悩んだところです。今回、久しぶりにこの委員会が開かれましたが、部会の委員に対して、やはり情報が頂きたいので御配慮を今後、是非していただければと思います。そういうことで、神田委員よろしいでしょうか。

○神田委員 ありがとうございます。

○西島部会長 それでは、報告事項は以上で御確認いただけたということにいたします。これで、本日の用意された審議事項等は全て終了いたしました。事務局から何か連絡ありましたらお願いします。

○事務局 次回の当部会の開催日程については、品目の審議状況等を見て事務局にて調整し、改めて御連絡させていただきたいと思います。以上でございます。

○西島部会長 それでは、これで本日の委員会を終了いたします。どうもありがとうございました。


(了)

連絡先:医薬食品局審査管理課 課長補佐 井上隆弘(内線2737)

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