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2014年10月21日 第2回労働政策審議会電気事業及び石炭鉱業における争議行為の方法の規制に関する法律の在り方に関する部会 議事録

政策統括官付労政担当参事官室

○日時

平成26年10月21日(火) 17:00〜19:00


○場所

厚生労働省 労働基準局第1・2会議室(16階)
(東京都千代田区霞が関1丁目2番2号 中央合同庁舎5号館)


○出席者

【公益代表委員】

勝部会長、河野委員、中窪委員、仁田委員

【労働者代表委員】

内田委員、新谷委員、蜷川委員

【使用者代表委員】

井上委員、川口委員、鈴木委員

○議事

○勝部会長 定刻となりましたので、ただいまから第2回「労働政策審議会 電気事業及び石炭鉱業における争議行為の方法の規制に関する法律の在り方に関する部会」を開催いたします。委員の皆様におかれましては、大変御多忙の中をお集まりいただきまして誠にありがとうございます。本日、公益代表委員の河野康子委員、労働者代表委員の新谷信幸委員が御都合により遅れて御出席される予定です。議事に入る前に、事務局から定足数等について報告を頂きたいと思います。よろしくお願いします。

○労政担当参事官 本日の出席委員は8名となっております。労働政策審議会令第9条では、委員全体の3分の2以上の出席又は公労使各側委員の3分の1以上の出席が必要とされておりますが、定足数を満たしていることを御報告いたします。なお、今回から机上にドッチファイルを置かせていただいております。今回は第1回目の部会の資料を入れております。今後はこのファイルに前回までに使用した資料を順次差し込んで、各回の部会で御参照いただくこととしておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。以上です。

○勝部会長 それでは議事に入りたいと思います。本日の議題は、関係者からのヒアリングということで、まず電気事業連合会様から「電気事業の業務及び電気の供給の仕組み等」について御説明を頂いた後に、続けて、経済産業省様から「電力システム改革の概要」について御説明を頂く予定です。質疑等の時間は電気事業連合会及び経済産業省から御説明を頂いた後にまとめて取る予定です。まず、電気事業連合会様から御説明をお願いいたします。

○説明者(早田) 電気事業連合会の工務部の早田と申します。本日はよろしくお願いいたします。資料に基づいて御説明をさせていただきます。

 資料の3ページ、御承知のことかとは思いますが、電気を発電してからお客様にお届けするまでということで漫画を記載しております。資料の左側から電気を発電する発電設備で、水力・火力・原子力という種類があります。これらの発電所で発電した電気については、例えば水力発電所で言いますと山間部にありますし、火力・原子力については、燃料の供給の問題から沿岸部に大体あります。その関係で電気を使用する需要地までお届けするために、まず、高い電圧で、赤丸で書いてある超高圧変電所という所に送ります。電圧としては50万ボルトとか、275,000ボルトという高い電圧でまず送ります。そこからお客様が使用される電圧に従って、例えば一次変電所、中間変電所、配電用変電所ということで、順次電圧を落としてお客様にお届けしております。例えば、新幹線の絵が描いておりますが、こういうお客様については高い275,000ボルトでお送りしたり、大工場については66,000とか2万とか、特別高圧と言われる電圧でお届けしております。また、ビルなどの業務用については6,000ボルト。皆様方の御家庭用については、いわゆる低圧の100ボルト、200ボルトという電圧でお届けしております。また、再生可能エネルギーということで、太陽光とか風力がありますが、これは規模により特別高圧、高圧、低圧と規模に応じて各電圧の系統に接続してお届けしている状況です。

4ページ、我々が電力を安定して供給するための主な業務ということで、主に3つの四角の枠で囲んで記載しております。上の需給・系統運用業務ということで、大まかに申しますと、お客様が使用される電気の量に従って発電の供給量を調整する需給運用業務と、電力系統を監視・制御する系統運用業務の2つをコントロールする業務があります。

 それと左下、発電所の運転、並びに巡視・点検等の保全をする業務。右下、送電・変電・配電設備の運転並びに保全をする業務。大まかにこの3つの業務に分かれます。

 次のページ以降に、それぞれの業務について少し詳しく説明をしております。5ページに先ほど申した3つのうち、上の四角で囲んである需給・系統運用業務について記載しております。まず、需給運用業務というのは何かということで、2つ目の○で書いてありますが、常時(24時間365)周波数・電圧・送電線、変電所に流れる電気の電流等の状態を監視して、お客様が使用される電気の使用量に応じて、その発電量を調整するということで、発電設備の運転・停止・出力調整などを指令して、周波数を維持する業務を需給運用業務と申しております。これについては、各社ごとに少し形態が違うところもありますが、大体電力会社単位で1か所、中央給電指令所でその業務を実施しております。

6ページの左上に天秤の絵を描いております。まさしく右側が電気を使用される需要です。左側が発電する供給量ということで、お客様の使用される使用量に合わせて、左側の供給量を順次調整して、この天秤がきちんと水平を保つように調整しているということです。この例でいきますと、西日本の60Hzを中心としておりますが、周波数を調整する業務です。

 例えば、右側の表の中に書いておりますが、発電機のトラブルにより、発電量が小さくなってしまったというときには、需要のほうが重たくなりますので、天秤が右側に傾きます。そうすると、周波数が低下するということで、赤のグラフに書いてあるように、一時的に60Hzのところから、一番低いところでは59.7Hzまで低下してしまうという状態になります。こういう状態になった場合には予備力によりまして発電量を増加して調整して、天秤を水平に保って周波数を60Hzに維持するという業務。こういう事故時の対応も含めて需給運用業務と申しております。

 ちなみに周波数が変動したときの影響については、右側の黄色の下、例えば化学繊維産業で言いますと、糸のたるみであるとか、太さにむらが発生したり、製紙産業で言いますと、紙の厚さにむらが発生するという影響が生じることになります。

5ページ、○の3つ目、4つ目に業務の内容が書いてあります。需給運用と同じように、常時(24時間365)電圧・電流等を監視して、電圧の調整や電力設備の接続変更。これは設備の点検や補修のために送電線や変電所を停止する必要がありますが、この系統の操作・指令を実施しており、これを系統運用業務と呼んでおります。この業務については、○の3つ目、各社で少し呼び名は違いますが、給電制御所というところで交替勤務体制により業務を実施しております。これがいわゆる需給・系統運用業務の日常業務です。

 また、非日常業務としては、5番目の○、台風、地震等の自然災害時とか、設備のトラブルによる不測の事態が生じた場合については、状況を速やかに把握して、設備の復旧の指令・操作を行うことも、需給・系統運用業務の非日常的な業務です。

 これらの業務について2.2のところに、機械化等による業務の変遷ということで記載しております。監視業務や発電設備等への操作の指令等の制御に関する業務については、逐次集中化等が図られており、省力化を実現してきました。しかしながら、平常時及び事故時に関わらず、将来にわたって社員による対応が必要と私どもとしては考えております。以上が、需給・系統運用業務です。

7ページは発電設備の運転・保全業務について記載しております。主な業務の内容は、各発電所におきまして、交替勤務体制により、発電・燃料設備等を常時監視・制御をしております。左下に写真を載せておりますが、これらはLNG火力の写真です。左上に点線で囲んである所が燃料設備です。右上に船が見えておりますが、これはLNG船で、海外から液化した天然ガスをタンクで運んで、桟橋みたいなものが見えておりますが、パイプラインを通じて貯蔵する。そこから今度は気化させて、左下の発電設備に燃料を供給して、ここで発電するということです。

 写真の右側、各発電所には中央制御室があり、ここで24時間常時監視・制御を行っており、先ほど御説明した中央給電指令所からの指令に基づいて発電設備の起動、停止、出力調整等を実施しております。

3つ目の○、事故の未然防止を図るために設備の定期点検・巡視等も併せて行っております。電気事業法や省令に基づいて設備の定期的な開放点検ということで、設備を分解して点検することも定期的に行っております。以上が日常的な業務です。

 非日常業務としては、事故発生時には被害拡大防止対応や事故箇所の特定並びに監督官庁様への報告等について実施するとともに、設備の復旧を実施することも発電所の業務です。

8ページ、機械化等による業務の変遷について2つ書いております。発電設備の監視・制御等についても順次これまで高度自動化等を行っており、以前は現場の機器の所まで行って操作等をしなければいけなかった状況ですが、先ほど写真で見ていただいたように、現在はほとんど中央制御室から遠方操作により運転業務ができるようになっているということで省力化を図っております。

2つ目の○は、特に発電所、火力発電所等については、電気事業法だけではなく、石油コンビナートなどの災害防止法や、高圧ガス保安法の適用等を受けており、特に事故発生時については社員による被害拡大防止のための初動対応が必要ということで、8ページの下に写真を2つ載せております。左側については、自衛による消火をしないといけないということで定期的に消火訓練等も行っております。右側は、防油堤が破損したときのことを考慮して、土のうを積むような訓練についても社員等で実施しております。

9ページ、送電・変電設備の運転・保全業務についてです。4.1主な業務、1つ目の○は、事故の未然防止を図るために設備の定期点検・巡視を実施しております。また、交替勤務により、送変電設備についても常時(24時間365)の監視・制御を行っております。事故時の操作も同様です。事故時においては、事故巡視による事故箇所の特定や、設備の復旧を行っているということです。これについては、以前は発電所や変電所単位に人を配置して実施しておりましたが、今は拠点事業所に人員を配置して集中化してやっております。

4.2に変遷を書いております。1つ目の○は、定期巡視・点検業務については、一部システム化することで省力化を実現しており、例として書いております。以前は巡視点検時に、現場で紙ベースのデータを作って、それを事業所に持って帰ってシステムに再度入力しておりましたが、現状においてはモバイルパソコン等を現地に持って行って、データを直接入力し、そのままシステムにアップロードすることで入力作業等の省力化をしております。変電所等における常時監視・制御の集中化ということで、変電所ごとに行っていた監視・制御業務を変電所の遠方監視制御により集中化して省力化を実現しております。右側に少し漫画を書いておりますが、多数にわたる送電所・水力発電所・変電所等については、名称が異なりますが、制御所と言われるような所から集中的に遠隔監視・制御を実施しております。

10ページ、送変電設備に事故が発生した場合の停電復旧業務については、特に事故が発生して直ちに現地に行って巡視をしたり、応急措置が必要であるわけですが、これについては通常勤務時間帯はいいのですが、休日等については呼出し等で対応しており、初動の対応については社員による対応が今後とも必要と考えております。

11ページ、配電設備の運転・保全業務については、これも先ほどの送変電業務とほぼ同じですが、事故の未然防止を図るために、設備の定期巡視・点検を実施しております。なお、配電設備については、当直勤務体制ということで、交替勤務体制までは取っておらず、夜間・休日については宿直体制等により常時監視・制御を実施しております。同じように事故時には直ちに事故巡視に行って、事故の箇所の特定や、その後の復旧作業に従事しております。

5.2に配電業務の変遷が書いております。配電線については、開閉器というのが配電線の途中に配置しており、これを遠方にて監視制御することを目的として、配電自動化システムを導入しております。これを導入することで、運転・保全業務の省力化を実現しております。配電自動化システムの概要が書いてあります。

 配電線に設置している開閉器の遠方監視・操作が可能となりましたので、高圧配電線の故障時に現地に出向くことなく、故障区間以外の送電を行うことができる。以前は、事故が起きたときには、現地に行って手動で開閉器を入り切りして事故区間を限定していたわけですが、それが自動でできるようになったということです。

2つ目は、日常は配電設備についても、設備を停止して点検や補修等を実施する必要がありますが、このための負荷切替作業についても遠方で制御ができるようになったということで、業務の省力化が実現できている状況です。

12ページに写真を載せております。事故が発生したときには停電復旧業務を行うわけですが、特に、現地での事故の巡視や応急措置については、先ほどの送変電設備と同様、社員による初動対応が今後とも必要であると考えております。

13ページはまとめです。1つ目の○は、常時監視・制御の集中化及び定期巡視の点検業務のシステム化等により、主に日常業務については効率化・省力化を図っております。しかしながら、電力の安定共給のためには、残っている業務については今後とも社員による対応が必要であるということ。さらに「特に」と書いておりますが、非日常業務ということで、事故時における巡視や、応急措置の初動対応については、社員による対応が今後とも必要ということです。下にイメージ図を書いておりますが、日常業務については、これまで機械化等によりかなりの効率化を図っておりますが、やはり、非日常業務である事故時の初動対応や復旧については、なかなか大幅な効率化については難しい状況です。

15ページ、(参考1)水力発電所・変電所等の無人化率の推移ということで、スト規制法調査会が設置された昭和48年を起点として、平成25年度までの無人化率の推移が書いてあります。下に棒グラフで示しているのが箇所数です。昭和48年当時は4,500か所程度あったものが、現状は7,300か所ぐらいに箇所数としては増えております。しかしながら、上の紫色の曲線が無人化率です。当時、65%程度だった無人化率が、現状は99.3%ということで、ほとんど無人化になっている状況です。

16ページ、(参考2)同じく水力発電・送電・変電設備に関する要員数の推移ということで、これは設備量が増えておりますので、最大電力あたりということでグラフを書いております。保全をしている人間と運転をしている人間を分けて記載しております。上のブルーの部分が保全員です。保全員については、年々お客様の使用される電力の量の増加に応じて設備の量が増えておりますが、効率化等を図ることにより、最大電力あたりの要員数については減少しております。ちなみに昭和48年においては、ギガワットあたり144人だったものが、現状では68人程度になっており、半分以下に効率化が図られている状況です。

 下の赤い線は運転員です。先ほど御説明した水力発電所・変電所の無人化等により、これについては大幅に減少しております。昭和48年から13%まで要員については少なくなっており大幅な効率化を図ってきております。

17ページは、事故件数の推移ということで、年度ごとの電気設備の事故件数を記載しております。なお、事故については、台風の襲来や自然災害によってかなり年度ごとに上下しておりますが、過去10か年平均ということで、赤の点線で記載しており、平均すると、12,000件程度の事故が発生しております。

18ページ以降に、設備の推移を記載しております。スト規制法が制定された昭和28年、調査会が設置された昭和48年、現状、この3点について記載しております。発電設備ということで、水力・火力・原子力の合計で見ると、昭和28年から平成24年を見ますと大体23倍程度に設備量としては増えております。昭和48年から見ても3倍程度に発電設備については量が増えてきている現状です。

19ページ、送電設備の推移については、同じく3点示しております。これも昭和28年からすると、現状は平成24年は2.2倍程度に送電設備の線路こう長と申している送電設備の長さが増えております。

20ページ、変電設備の推移については、変電所の出力で示しております。昭和28年からすると現状は約40倍程度に容量としては増えております。

21ページ、配電設備の推移については、同じく線路のこう長を示しております。昭和28年からすると現状は4倍程度に増えており、お客様の電力の使用量に応じて供給する設備、発電する設備については順次増えている状況です。説明は以上です。

 文章だけでは分かりにくいかと思いまして、ビデオを用意しております。今、御説明した資料、スライドは56ページの需給運用業務・系統運用業務について映像を見ていただきます。関西電力の中央給電指令所の映像について御覧ください。

(DVD上映)

 同じく56ページで御説明した系統運用業務です。関西電力で言いますと、基幹系統給電所で実施しております。その映像を御覧ください。

(DVD上映)

 最後になりますが、北陸電力のほうで、平成174月に発生した地すべりによる50万ボルトの鉄塔の損壊事故を基にした再現映像について御覧ください。この中で、中央給電指令所の対応とか、送電部門の初動対応について出てきますので、よろしくお願いいたします。

(DVD上映)

 これ以降は復旧に関わるところですので割愛させていただきます。私どもからの説明は以上です。

○勝部会長 ありがとうございました。続きまして、経済産業省様から御説明をお願いいたします。

○説明者(安永) 資源エネルギー庁の安永と申します。今日はこのような機会を頂きましてどうもありがとうございます。よろしくお願いいたします。それでは資料2、「電力システム改革の概要」ということで、説明させていただければと思います。

 まず、1ページの「我が国の電気事業制度」です。戦後日本の電力の供給の仕組みは、基本的にそれぞれ全国10社の地域独占でした。いわゆる「一般電気事業者」と呼んでおりますが、この地域ごとの電力会社が電気事業法という法律に基づき、地域独占、料金規制、投資回収を保証するような仕組みで、日本の高度成長を支えてきました。戦後の電力需要が非常に伸びる中で、これをどのようにして賄っていくかというのが非常に深刻だったわけです。今のビデオにもありましたように、地域ごとのそれぞれの電力会社が電源の確保と、それを送電して御家庭まで電気をお届けするということを一貫して支えるという仕組みでやってきました。

 こうした中で、国際的に見ると電気代が非常に高いのではないか、独占という中であっても、部分的に少し競争原理を入れていくべきではないかということで、平成7年以降、少しずつ競争原理を入れるということを行ってまいりました。その結果として1ページの図にあるように、電気料金が下がってきました。この間、海外では非常に燃料が上がるなどで電気料金が上がるという傾向がありましたけれども、下がってきたという実績があります。その一方で、競争原理を入れて自由化されている中でも、新規参入者のシェアが4%ぐらいということで、競争というのはまだまだ活発に行われているとは言い難いと。このように自由化の成果という側面と、まだ不十分という側面の両方があるという評価をしております。

 こうした中で東日本大震災が発生いたしました。2ページですが、東日本大震災当時は民主党政権で、エネルギー政策はゼロベースで、白紙から見直すということでした。御案内のとおり、例えば原子力発電をどうするか、あるいは再生可能エネルギーをどうするかといった、いろいろなテーマがありますが、電力の供給システムについても見直しが必要ではないかというのが俎上に上ってまいりました。なぜ見直さなければならないかというのを、1から5までの5点ほどに集約させていただきました。

1番目が、原子力への依存度が低下する中で、いろいろな電源を活用しなければならないということです。震災前の日本のエネルギー基本計画というのは、日本の電力需要の5割ぐらいを原子力で賄うという計画でした。原子力政策については、今もなお議論させていただいている途中ですけれども、いずれにしても依存度を低下していくという中で、代わりにどうやって電力の供給を賄うのかということで、いろいろな電源の活用が必要になってきたというのが1番目です。

 それから、電気料金を少しでも抑制していく。特に震災後は原子力発電所の停止によるところが非常に大きいわけですけれども、料金が上がっていくという中で、どうやったら少しでも下げていけるのかというのが2番目です。

 それから3番目です。地域ごとにその地域の電力会社に安定供給の責任を課すという仕組みが、戦後、非常に有効に機能してきたわけですけれども、例えば震災後の計画停電であったり、電力の使用制限であったりということで、多くの方々に大変御迷惑をおかけいたしました。そこで、もう少し地域をまたいで電気をやり取りする。隣の地域から持ってくる、余力のある地域と足りない地域で融通をするという仕組みはこれまでもありましたが、もう少し拡大できるといいのではないかというのが3番目です。

4番目が、エネルギーについて震災後に、もしかするとこれまで電気というのは当たり前のようにやってくるということだったのかもしれませんけれども、エネルギーについて非常に考える機会も多くなったということもあるかもしれません。御家庭の消費者の方々からは、電力会社を選びたい、料金についても、もっといろいろな選択肢があってもいいのではないか、いろいろなメニューを選ぶことによって、消費者も節電にもっと協力できるのではないかなど、いろいろな声を頂きました。やはり独占ではなく、選ぶことができないか、という御指摘を非常にいただくようになってきたのが4番目です。

 それから5番目です。今、電気事業連合会様からもお話がありましたように、基本的に電気は需要と供給を瞬時に一致させなければなりません。これまでの電気事業法の仕組みというのは、需要に応じて供給をしてくださいという義務を電力会社に掛ける格好でしたので、需要があるぞ、需要が伸びるぞということであれば、それはもう発電所を造らなければならないということだったわけです。実際に瞬時に合わせなければなりませんので、いざ発電所が事故でたくさん脱落することになれば、強制的に需要を落とすしかない。これをもう少し消費者の方々の選択などでできないかと。

 端的に申し上げますと、例えばピーク時間帯は非常に高い電気料金にして、その代わり、それ以外の時間帯は安くするということで時間帯をずらすと。あるいは震災後もいろいろな企業の方に、土・日の操業などもお願いしました。これも一律強制的にやるのではなく、土・日も連続操業したい企業の方は選べる、土・日の電気料金が少し安いのなら、操業をそちらにシフトしようかという選択によって、少し需要側をコントロールすると。今までですと、需要があるなら発電所を造って、きちんと供給できるように備えてくださいという仕組みだったわけですけれども、需要側の工夫も少し取り入れた仕組みにできないかといった背景から、電力システム改革という議論が出てまいりました。

 次が3ページです。私ども資源エネルギー庁の審議会で、1年余りにわたり議論した結果を踏まえ、昨年4月に「電力システムに関する改革方針」という、電力改革の方向性を閣議決定しました。ここでは改革の3つの目的、内容の3本柱、実施の3段階のスケジュールを閣議決定しております。以下、その中身について御説明させていただきます。

4ページを御覧いただければと思います。電力システム改革の目的には3つあります。まず、何はさておき安定供給です。よく自由化をするのか、安定供給をするのか、どちらの選択かと問われますけれども、そういうことではなく、安定供給が大前提で、安定供給をないがしろにして改革をするということでは全くない。つまり、安定供給の実現の仕方として独占という中で、ある特定の事業者に全ての責任を負わせてやっていくという仕組みなのか、そうではなく、いろいろな方が入っていく中で、それぞれの方に一定の責任を負っていただいて進めていくかという、供給のやり方がいろいろあるということです。いずれにしても安定供給が大前提です。

 それから、もちろん電気料金を少しでも抑えようというのも、大きな目的の2番目です。3番目が、いわゆる自由化です。よく言われますけれども、需要家の選択肢とか、新たに参入しようという方からすれば、これがビジネスチャンスにもなるということです。独占の中ですと、なかなかいろいろな工夫が生まれてこないところに、いろいろな新しい分野の方が入ってくると、もしかすると新しいビジネスやいろいろなイノベーションが生まれてくるかもしれない。こういった事業者の事業機会もあり、安倍政権の成長戦略においても電力システム改革というのが、非常に重要な柱として位置付けられております。

5ページからは改革の3つの内容を、順に御説明させていただきます。1番目が広域系統運用の拡大です。送電線の運用というのは、正に各電力会社の区域ごとに行われております。1番御指摘を頂くのは、周波数をまたぐ所が非常に細いので、なかなか隣から電気を持ってこられなかった、あるいは再生可能エネルギーが北海道や東北の一部に入れられる量に限度があるというときに、これをもっと東京まで持ってこられないかといったことです。こういうように、地域をまたいで電気をやり取りする仕組みをより強化しようと。

 具体的には周波数変換装置のようなインフラを増強するという話と、先ほどのビデオにもありましたように、送電線の運用の話もあります。今は隣の区域に送電するのはなかなかルールも厳しいと言いますか、そもそも柔軟に隣とやり取りすると、それぞれの区域の周波数が管理できなくなるということで今の仕組みが出来上がっておりますので、風力が余ったら好きなように隣に流させてくださいというわけには、なかなかいかないというのが、先ほどのビデオにもあったとおりです。こういうところについて、もう少し柔軟にできるようなシステムをつくる、運用を見直す全国機関をつくろうと。地域地域の電力会社が今までは横に連携しながらやっていたわけですけれども、全体を見る機関をつくろうというのが、この改革の1番目です。

6ページが、いわゆる自由化についてです。我が国では大口の分野から順に自由化をしております。小売の自由化が6ページの図にありますが、量でいくと日本の電力需要の大体6割ぐらいが、既に自由化されております。例えば官公庁も電力入札ということで、どの会社から電気を買うかを入札しております。こういう形で、大口では既にいろいろな新規参入者が入ってきています。自由化についても、量としてはかなりの割合が自由化されているわけですが、6割が自由化されている中で、新規参入者のシェアは4%程度といった状況にあります。御家庭あるいは規模の小さなコンビニエンスストアのような所は、まだ地域独占が電気事業法で定められておりますので、別の人から買うとか、料金を自由に作ることができなくなっており、この部分を解禁するというのが2番目の自由化です。

 併せて現在、「卸規制」と言っておりますが、発電分野についても一定規模以上の発電事業は、許可制であったり料金規制があったりするというところも、大幅に緩和していくこととしております。7ページにありますように、小売の自由化により、正にスト規制法とも関係していく論点ですけれども、電気事業の事業類型の見直しを行っております。左側が現行です。いわゆる「一般電気事業者」というのが地域の電力会社で、発電から送配電、小売ということで、電気を作って最後にお客様にお届けするところまで一貫して行っております。ここが少しずつ段階的に自由化をしてきております。例えば発電の所に卸電気事業者、卸供給、それ以外の発電事業者というようにする。現在、御家庭の太陽光発電をやっておられるような方も、これを送電線に流して誰かが売ってくれるというのは、この発電をしているという所に入ってくるわけです。こういう発電に、様々な方が少しずつ入ってきています。

 販売のところも小売の自由化というところもあり、大口については「特定規模電気事業」と言っております。特定規模の大口の需要については自由には販売できる事業者という意味で、特定規模電気事業者は自由化されている部門には販売できることになっております。この一般電気事業者、特定規模電気事業者というのは一般の需要に電気を販売する、あるいは特定規模の需要に電気を販売するということで、こういう法律の名称になっております。しかし全面自由化をするということで、どの事業者でもどの需要家の方にも送って良いということになりますと、そもそも事業者の名称から見直さなければならなくなり、事業類型の抜本的な見直しをしました。今年改正させていただいた電気事業法では大きく、発電事業、送配電事業、小売事業という形に、電気事業法の事業類型を整理したところです。したがって、一般電気事業者であれば発電事業と、送配電事業と、小売電気事業を兼ねて行う事業者という格好になるわけです。こういう法律改正を小売の全面自由化に伴って行わせていただきました。

8ページが改革の中身の3番目で、法的分離の方式による送配電部門の中立性の一層の確保と言っております。既存の地域の電力会社のネットワーク、送配電の部門を別会社にしていただくという内容です。送配電網というのは、あらゆるいろいろな事業者が利用します。そのために公平性、透明性を徹底しなければならず、どういうやり方があるかということで、こういう方式にさせていただいております。現在も送電線をいろいろな事業者が利用するという仕組みはありますが、「会社を分割してください」とまでは申し上げておりません。今回の改革では会社を別会社にしていただきますが、一方で資本関係までは分離を求めません。この図では持株会社方式としておりますが、親子会社方式もあります。そういった資本関係は残っても構わないけれども、会社形態としては別会社にしていただくというのが3番目の改革です。

9ページで、その全体をイメージ図として出させていただきました。電気は発電から送電線を通って変電所などを通し、最後に小売事業者によってお客様に届けられる、販売されるわけです。自由化されるのは発電と小売です。ここにはいろいろな人が入ってきて競争をしたり、新しいサービスを考えたり、いろいろなメニューを考えたりといったことを行います。逆に送配電は独占です。「自由化」と言っても送配電部門では、ここでいろいろな人が何本も送電線を引いて競争するということは想定しておりません。むしろ送電線はどの発電会社でも、どの小売会社でも公平に使えるようにする。したがって二重投資をしないので独占です。その代わり、非常に高い中立性が求められるので、ここはどの発電事業者を有利に扱うとか、現在であれば既存の電力会社でも自分の発電所もあれば、そうでない発電所もあるけれど、それを徹底して平等に扱っていただくためにも、送電部門において会社を分けていただくという改革の内容になっております。発電事業は届出制、小売事業は登録制、送配電事業は許可制です。

10ページが、それぞれの事業のイメージです。例えば、発電であれば天然ガスを使ったり、石炭火力を使ったりということで、いろいろな方の新規参入が予想されます。また、海外からの資源調達で交渉力を確保するために、より規模の大きい発電同士でアライアンスを組んだりということもあるかもしれません。逆に、再生可能エネルギーを活用するような小規模事業者が、いろいろ出てくるということもあるかもしれません。送配電事業者については、基本的に今までの電力会社の送配電部門がそのまま独占し、あらゆる方に対して送電線の運用を公平に行います。

 小売事業者というのは販売する事業者です。この事業者は必ずしも設備を持つ必要はありません。経済産業省の建物も新規参入者から電気を買っていますけれども、その新規参入者は自前の発電所はほとんど持っておらず、いろいろな自家発電の余ったものを買い集めたりしている中で、どこかから電気を調達してきてそれを売る。何をどう組み合わせて、どういうメニューで売るかという商売の形態で、この分野については電力会社同士の相互参入も考えられますし、ほかの分野の方が入ってきてセットで売ったり、いろいろなビジネス形態が考えられます。

 電気の安定供給の説明をする前提として、需要と供給が常にバランスを取っていないといけないという説明資料を11ページに入れましたが、この100倍ぐらい分かりやすいビデオが先ほどありましたので、御説明は省略させていただきます。

 そこで12ページの安定供給の仕組みです。先ほど申し上げたように、安定供給をないがしろにして競争しようということではありませんので、新しい自由化の仕組みの中で、それぞれの事業者が負うべき、安定供給のために果たすべき責任というものを、新たに電気事業法で規定し直しております。その要になるのが1の送配電事業者です。電気は全ての発電と需要がきちんと管理されていないと、全体が停電になってしまいますので、全ての発電、全ての需要の状況が見られる唯一の事業者が送配電事業者ということになります。この送配電事業者に(1)需給バランス、発電と需要が常に一致するようにバランスさせてください、(2)送電線をきちんと作ってください、あるいはメンテナンスをしてくださいということを義務付けます。これは今の一般電気事業者の方々が、いわゆる供給義務という中で果たしていただいていることを引き続きやっていただきます。

(3)が最終保障サービスと言っております。今後自由化ということになりますと、地域の電力会社も法律上は「あなたには売りません」と言うことができるようになります。ただ、電気でそういうことになりますと、社会的に困ったことになるのではないかということで、最終的に誰からも売ってもらえない、いろいろな人にお願いしたけれども、誰も「あなたには売らないよ」と言われてしまった場合に、最後はこの人の所に行けば確実に売ってもらえるというセーフティーネットを設けます。それを送配電事業者に担っていただきます。

 それから、離島については単純に自由化すると非常にコストが高いので、電気代がべらぼうに上がることが容易に予想されます。実際にガソリンなどは電気事業法のような規制がないので、離島に行くと本当に高いのですが、電気については平準化された料金になっており、引き続き本土と同じような水準の料金を維持するということを、送配電事業者にやっていただきます。例えば八丈島のコストが高い部分は、関東地方の需要家の方々全てで少しずつ御負担いただいているわけですけれども、その仕組みを送電線の利用料金を通じて引き続き残すということで、離島についてもきちんと離島以外の地域と同等の水準で供給されるようにするといったことを、送配電事業者に担っていただくことにしております。

 一方で送配電事業者というのは、改革の最終型では発電所を持ちませんので、発電所はどうやって造られるのか。発電所がなければ、幾ら送配電事業者が需給のバランスを取ろうとしても、そもそも指令をする対象の発電所がないということになってしまいます。これについては2段階の措置を考えております。2番目ですけれども、小売事業者による措置ということで、必要な供給力を確保することを義務付けます。つまり、販売事業に入ってくる方々には、ある意味当たり前ですけれども、売り物である電気をどこから調達するかを確実にしてくださいということを義務付けます。これも「自由化」と言いながら、かなりの規制強化ですが、全ての小売事業者にきちんと発電所を手当してくださいと。これは自分で建設しなくても別に構いません。誰かと契約するということでも構いません。こういう規制を新たに導入いたします。この規制がきちんとワークすれば、日本全体を見ると、一応発電所は足りることになるはずです。

 ところが、小売事業者が撤退しますとか、あるいは、今でもそうですけれども、予定どおりに全く建設が進まないということもあります。そういうことで更にセーフティーネットとして、この改革の1番目で全国機関をつくると申し上げましたが、最終的に誰も発電所を建てる人がいない、国全体として足りなくなるぞということが分かった場合には、この全国機関が費用を負担するので、発電所を建ててくださいという公募入札を発動するという仕組みです。この費用はまた送電線の利用料を通じて、全ての需要家の方々から少しずついただきます。自由化をしてしまって、このままだと国全体として発電所を誰も造ってくれませんということが明らかになった場合には、そういう措置を発動してでも発電所を建てていただくという措置で、安定供給を確保していくということです。

13ページがスケジュールです。これらの3つの改革を3段階で進めていきます。このスケジュールは、第1段階の広域的運営推進機関の設立を定めた法律の中にも、プログラムとして明記しているスケジュールです。この広域機関を設立するのが2015年、来年が目途となっており、41日を予定しております。第2段階については再来年、2016年に全面自由化をする。第3段階の送配電部門の中立化は、20182020年を目途に行う予定としております。

 既存の電力会社については、この図の小売全面自由化の所から右に書かせていただきました。経過措置として、いわゆる「供給約款料金」と言っていますが、料金規制を当分残すことにしております。これは現在、御家庭部門のシェアが100%ですので、明日から自由化をして、料金も全部自由ですということにすると、特によく御指摘いただくのは、今のように電気が足りないときに自由化したら、みんな上げますよということです。それは企業の経営判断としても、当然そういうことになると思いますので、そこは競争がきちんと進んで選択肢ができるようにする。例えば、NTTドコモがどんどん値上げをしていけば、KDDIに切り替えたり、ソフトバンクに切り替えることができるでしょう。そういうように一方的な値上げに対して、需要家の方がきちんと選択肢を持てるような競争環境ができるかどうかを見極めて、この経過措置を撤廃する。これは既存の電力会社のみに対する規制ですが、こういう経過措置としての規制を残しながら、料金規制の撤廃をしていくというスケジュールです。

 それでは、時間が長くなりましたので、参考資料がどういう資料かだけを御紹介させていただきます。15ページが新電力の増加についてです。現行の大口が自由化されている中で、自由化部門に参入している事業者が300数十社に上っています。実際に供給開始をしている事業者は60社程度ですけれども、非常に数が多い。これは今後の家庭用の全面自由化を見越しているということもあるのかなと想像しておりますが、現在、小売の新規参入者の数が非常に増えているという状況です。

16ページがそのシェアで、先ほど申し上げた4%程度ということです。

17ページは、新規参入者にはどのような方がいるのかということで、300数十社のごく一部、シェアで上位の会社だけを御紹介しております。

18ページが卸電力市場の全体の構造ということで、電気は一体誰がどれぐらい作って、どういう流れになっているのかというものです。一言で申し上げて、圧倒的に既存の一般電気事業者が供給の大半を占めているわけです。

19ページが、現在の電気事業法の下で発電部門についてはどのような規制内容になっているのかということの参考資料です。

20ページが改正後の電気事業法において、発電事業者には新たにどういう規制が掛かるかということです。自由化に伴い、今まで一般電気事業者の方が非常に重い規制だったのが、あらゆる発電事業者の方にもいろいろな応分の負担をしていただくというか、規律の中で電気事業をやっていただくということで、様々な規制がありますので、それらを整理したものです。

21ページ、22ページは、そもそも発電事業者というのはどういう範囲になるのかということです。これは現在、経済産業省において検討中ですけれども、方向性としては21ページにありますように、大体1kW以上の発電設備を保有している事業者です。これを全て発電事業者とすれば、経済産業省が把握している発電のうち、97%ぐらいが捕捉できるということです。22ページがその少し細かいルールです。

 次が2325ページです。今は第2段階まで法律が成立しているわけですけれども、第3段階に向けて、更に来年の通常国会に送配電部門の法的分離を行うための法案を提出することを目指すことになっており、そのための検討を現在行っております。経済産業省の審議会での第3段階の法的分離についての検討状況です。会社を分けていただくわけですが、資本関係は残りますので、グループ会社を引き続き優遇するインセンティブがあるのではないかということで、併せて様々な規制が必要で、その規制内容についての議論の御紹介です。

26ページです。先ほど経過措置の料金が残りますという御説明をしました。この移行期間において、どういう選択肢の状況になるかということを図式的にお示ししたものです。

 最後の27ページは現在、経済産業省で検討を進めております審議会の概要です。この改革には3段階あり、全ての段階を扱っております。現在、法律が成立いたしまして、第1段階や第2段階の施行に向けた検討も行っておりますし、第3段階の法案の提出に向けた検討も行っているという状況です。

 御説明が長くなりまして恐縮ですが、以上でございます。

○勝部会長 ただいまのお二方の御説明について、何か御意見や御質問がございましたらお願いいたします。

○内田委員 安永調整官に意見を述べさせていただきます。説明いただいた資料の3ページの実施スケジュールの関係です。本部会は電力システム改革を論議する審議会ではありませんので、スト規制法に関わる部分について意見を述べさせていただきます。

 結論から申しますと、第3段階の電力改革システムの実施時期については、「平成27年通常国会に法案提出することを目指すものとする」とされているわけです。第1段階の関連法案は通常国会の会期末にトラブルがあって昨年の臨時国会で成立となりましたが、第1段階、第2段階については「法律を提出する」という形のプログラム規定になっています。他方、第3段階は「目指すものとする」となっているのです。この「目指すものとする」というのは、様々課題があるため十分な検討、審議をすべきだという意味を込めて、「目指すものとする」とされていると認識しております。つまりは、このスト規制の部会の議論動向如何によっては、私は来年の通常国会の第3段階の電力システム改革関連法案は見送るべきだということを意見として述べさせていただきます。

 第1段階法案の審議もありましたが、昨年の国会審議の場で、労働組合側から提出された資料は安永さんも御覧になっていると思います。先ほど電力会社のビデオがありましたが、中央給電指令所が指令をし、発電会社が発電機を操作することになりますが、現在では先ほどのビデオの通り同じ会社で指令、操作しているわけです。先ほど安永さんから説明があったように、電力システム改革後は指令と給電指令と発電は別会社が担うわけです。なおかつご説明があった通り、中央給電指令所は広域系統運用機関の統括下に入るわけです。

 そうなればどういうことが起きるかということが、労働組合から提出した資料の中に、フランス、ドイツ、韓国における改革の負の部分として記されているわけです。これは労働組合が調査した内容ですが、こういったリスクがあるということを、まず国会で指摘させていただいているわけです。

 また、107日に経団連が出された「当面のエネルギー政策に関する意見」という資料の中には「送配電部門の法的分離と、小売料金規制の撤廃が行われる第3段階において、発電事業者の円滑な資金調達に支障が生じる。発電、送配電、小売部門が分離されることにより、災害時等の緊急事態に電力の安定供給確保が困難になるといった懸念も完全に払拭すべきである」との記述があります。改革はやらなければいけないが、労使双方の代表が安定供給の懸念があることを指摘しているわけです。だから改革をやるなというつもりは全然ないのですが、これから改革をやろうとすれば現場労働者の協力なくしてできるものではないのです。

 例えば、今、再生可能エネルギーの検討保留という事象が起きています。エネ庁では御存じかと思いますが、事業者の方にも大変な御苦労をいただいているわけでありますが、現場労働者も負担を強いられているわけです。改革には常に負の部分が付きものですが、

改革のツケというものが現場労働者だけにきて、労使が対等に交渉する憲法上で決められた法律上の権限は規制したままとする。私は現場労働者が改革にかかる負担を一定程度負うこと自体を否定しているわけではないです。けれども、憲法上定められた労働者の基本的な権利を規制したまま、改革をすすめても改革自体が成功するとは思えないのです。あくまで労使関係上の課題は、労使双方が健全な労使関係の中で労使交渉を行い、解決をする。そういった枠組みが担保された上で改革は進めるべきです。スト規制部会は本日で2回目ですが、その動向如何については、第3段の来年の通常国会への法案提出は見送るべきだということを強く主張させていただきます。

○勝部会長 御意見ということで承ってよろしいでしょうか。

○内田委員 はい。

○勝部会長 1点だけ質問させていただきたいのですが、電気事業連合会様の御説明で、安定供給のために運転保全業務ということで、非常に真摯にやられているというのはよく分かったのですが、それぞれの全体の従業員数を教えていただきたいと思います。

 あと、先ほどいろいろとビデオにも出てきましたが、ほとんどがプロパーなのかあるいは子会社とか、そういった形で就業しているのか。この辺の概要を教えていただければと思います。

○説明者(早田) 先ほどの資料の中で御説明した業務というのは、ほとんどが社員でやっている業務について説明をしています。例えば事故時の復旧のときに初動対応が重要だということを申し上げましたが、それは当然社員でやっていまして、その後のこと、例えば配電設備が事故になったとき、電柱が倒れたから立て直すという復旧業務については、グループ会社とか請負会社を活用してやっているということです。全体の労働者数については、今はデータとして持ち合わせていません。

○鈴木委員 全体の数については現在は持っておりませんので、次回にでもお話をさせていただきたいと思います。

○勝部会長 御質問等はございますでしょうか。

○川口委員 ただいまの質問に関連して教えていただきたいと思います。先ほどのビデオではいろいろな方々が登場されていて、若い方から年輩の方々いろいろといらっしゃいました。

 実際、機械化等で置き換えできないような業務に携わっている方々というのは、当然業務の内容によって違うと思うのですが、一般的にどの程度の知識、技能、経験等が求められるか。

 また、当然一定の知識、技能等が必要であれば、容易には非熟練労働者では代替不可能だと思うのですが、その辺の実態はどうなっているのでしょうか。

○説明者(早田) 幾つかの業務がありましたので、1つの例として、先ほど説明した9ページ、10ページの送変電設備の運転と保全を例にして御説明します。

 運転と保全の2つの業務があります。9ページでいうと、「運転」と書いてあるのが2つ目の○の所で、交替勤務による送変電設備の監視・制御ということです。

 ビデオにも出てきましたが、各エリアごとに設置した「制御所」と呼んでいる所で、送変電設備等の監視・制御を実施しています。管轄するエリアの複雑な系統、その中には多くの送電線、変電所というのが系統構成の設備としてありました、それらの個々の容量をオーバーしないようにということがビデオにも出てきたと思いますが、設備の容量、設備の仕様を、細部にわたって把握しておくというのが必要になります。

 それだけではなく、電圧調整とか、潮流調整ということも出てきたかと思いますが、このために連携している水力発電所とか、発電所の容量がどうなっているかということも当然知っておかなければいけませんし、事故が発生したときに保護装置が働きますが、その保護装置の様相により、送電線が天候がいいときに事故になったということであれば、例えばクレーンが引っ掛かったのではないかとか、カラスが引っ掛かったのではないかとか、雨が降ったときには、滑ったのではないかとかで、そういうリレーの様相により、事故の様相を推定することも必要になってきます。このように、関連する多方面にわたる専門知識が必要になってきます。

 また、日常の業務で、先ほどビデオにもありましたように、設備を停止して点検などをしなければいけないということで、系統操作というのが出てきたかと思います。これは操作指令伝票なるものを作って、それに基づいて操作をしていくわけですが、これは非常に複雑で輻輳したような作業をやらないといけないということです。

 また、事故時には事故箇所の切離しとか、迂回路による送電のための系統の切替えを瞬時に判断しないといけないということ、さらに巡視の指令、復旧の指令も適切に出さないといけないということです。これはビデオにもあったように、シミュレーターとかを使いながら日々訓練をやるとともに、日常の業務を経験しながらその積重ねにより習得されるもので、集中的に短期間その教育を受けたからといって、すぐに体得できるものではないと考えています。

 また、もう1つ保全業務というのがあって、9ページでいうと1つ目と3つ目の○です。定期的な巡視・点検、事故時の巡視・復旧です。これについても、送電線とか変電所の個々の設備仕様、特徴を知っておかないといけませんし、その設備がどういう環境で設置をされているか。例えば山で、雨が降ったときには滑りやすい箇所に設置されているのではないかとか、河川が氾濫したときに水没するようなエリアに設置されているのではないかとか、施設環境は当然知っておかないといけません。場合によっては、地権者の方の了解をもらわないと巡視できないような所もありますので、そういう情報も把握しておかないといけないということです。

 また、事故時の初動対応についても、巡視をし、的確にその状態を把握し、事業所にそれを伝達することが必要になってきますし、必要によっては巡視者自らが応急措置なるものをしないといけません。例えば鉄塔に登って、それをしないといけないという状況も出てきます。また、応急措置のために復旧の資機材とか人の手配がどのぐらい要るかというのも的確に判断し、それを事業所に伝えることも出てきます。

 こういうもののためには、設備の構造、強度設計がどうなっているか、そういう補修に関する知識、技能も必要になってきますので、これらも積重ねの中で習得できるものということで、やはり短期間の教育、研修で習得できるものではないと考えております。これは1例で申し上げましたが、系統運用、需給運用についても、同じようなことが言えるわけです。

 したがいまして、管理職だけでそれができるかというと、1つは数的な問題もありますし、例えば同じ管理職でも、本店、支店、通常の管理業務をやっている所の人間を集めて対応すればいいではないかというような御質問もあろうかと思いますが、それは日々現場でその業務に携わっていないと、いくら若い頃に同じ業務を経験したからといって、すぐに現場に行ってその業務ができるわけではないと考えていまして、それについても非常に難しいと考えているところです。

○川口委員 先ほどの映像では、制御系のところで比較的若い人がやっていました。あれは映像だからそういう人なのかどうか分かりませんが、実際の場合は、ああいった制御系でいろいろと各所に指示する人は経験何年ぐらいの方がやられているのですか。

○説明者(早田) 当直でいきますと、例えば当直長がいて、その下に中間的な人がいて、操作をする人がいます。大体、3人とか2人で当直しているわけですが、1人の人が指令をして、1人の人が操作をするということで、若い人は指令に基づいて機器を操作するということです。

 順次若い頃から、操作員、中間、指令者ということで、経験を積みながら役割を分担しているということです。

 かといって、一番若い人、何も経験していない人が、いきなり指令に基づいて何か操作ができるかというと、そうではなく、系統の構成、機器の構成をきちんと頭に入れておかないと、その操作すらもできないということです。

○仁田委員 エネ庁の方に伺います。「広域的」というのが幾つか出てくるのですが、資料の12の所によると「広域的運営推進機関」というのが出てきます。3ページですと、電力システム改革で「広域系統運用」、第1段階として既に法律が成立しているということですが、「広域系統運用機関」というものができると。この2つは違うものだと思うのですが、それはそうなのでしょうか。

 それと、これらの組織については組織形態の説明がないのですが、一体これはどういう組織なのでしょうか。それを御説明いただいておいたほうがいいかなと思います。

○説明者(安永) まず、表記がバラバラで申し訳ありませんが、同じものを指しております。例えば3ページに「広域系統運用機関(仮称)」と書いておりますが、閣議決定をしたときにはこういう名称だったのですが、内閣法制局にいったところ「広域的運営推進機関」という名前になったということで、最終的な法律上の正式名称は「広域的運営推進機関」でございまして、同じものです。

 これは電気事業法上、この設立について業務内容であったり、認可について、諸々の規定を置き、いわゆる電気事業法に基づく認可法人という形態になります。認可法人の例としては、例えば預金保険機構、日本銀行というものがあり、特殊法人のように国が強制設立するものではありませんで、この法人は全ての電気事業者が加入をする、民間が認可申請をしてきて認可をすることにより成立する認可法人というのが、法律上の性質ということになります。

○仁田委員 この組織はどうやって意思決定するのですか。つまり、株式会社であったら株主がいて、株の割合に応じて発言権があるわけです。そうすると、この組織はどうやって意思決定するのですか。

○説明者(安永) 総会とか理事会とか段階がありますが、最終的には総会というのが議決の1番最終で、株主総会のようなもので意思決定機関になります。

 この議決をどういう形にするのかというのが非常に論点で、組織としては、全ての電気事業者の方の強制加入の組織になるのですが、運営を公平にやらなければならないことが非常に求められます。基本的な思想としては、発電事業、送配電事業、小売事業で平等になるような議決権割合にしようということを国の認可基準で定めることを予定しています。

○仁田委員 まだ決まっていないわけですね。法律で決めたのだから、決まっていなければいけないのではないのですか。

○説明者(安永) 議決権の割合をどうするかということについては委任をされておりますので、法律上は規定をしておりません。

○仁田委員 その法人が自分で決めろということですか。

○説明者(安永) 国が認可をしないと効力は発生しないものですから、国の認可基準という中で決めております。

 一部は決まっておりまして、第1段階の施行と第2段階の施行と少し違ってくるのですが、第1段階の認可基準は既に大枠は決まっているという状況です。

○勝部会長 12ページについて質問したいのですが、第3段階で自由化を進めてくると。先ほどの説明ですと、送配電事業者に関しては電気の安定供給というものの確保を重視し、地域独占と料金規制が課されるということです。

 そうしますと、この自由化が進んだとしても、今の体制というか、広域でのアライアンスとか、そういった大きな枠組みというのは今と余り変わらないという理解でよろしいのでしょうか。それとも、小売と発電のほうはかなりの業者が入ってくるので、その辺はかなり大きく変わってくると考えていいのか、この辺を教えていただければと思います。

○説明者(安永) まず、送配電部門については、余り変わらないことを想定していまして、それぞれの地域という考え方が今までどおり残りますし、それぞれの地域で安定供給をしていただくということについて、体制的に大きな変化はないということです。

 発電と小売については、正にいろいろな方に入ってきていただく、あるいは競争が起こる、アライアンスも起こることが想定されておりますので、いい意味で変わることを期待しているということです。例えば小売の事業者の届出数が300を超えているという状況は変わっていく1つの兆しかもしれませんし、例えば最近ですと東京電力と中部電力が、発電部門でアライアンスを組みましょうという発表をしました。こういうのは非常に大きな動きの一端ということで、かなり変わっていく可能性があるということです。

 他方で、非常に改革のやり方というのは電気通信と似ているのですが、電気通信のように技術革新がどんどん起こって、電話がもう電話だか何だか分からなくなるというようなことと比べますと、電気というものの基本的な性質、作り方というのは大きく変わっておりませんので、例えば新規参入者の方からは、「なかなか発電所をつくるのに時間がかかって、そう簡単に新規参入ができないね」という御指摘もあります。ある意味で、非常に地道にコツコツやっていかないと、急に発電所が簡単にできたりということでもないので、そういう意味では、実態が変わっていくにはかなり時間がかかるというか、そう簡単ではないという側面もございます。既存の事業者の方にも新規参入者の方にも、いい意味での変化を期待をしているのですが、明日から急に何か新しい技術が出てきて、シェアが逆転するとか、そういうことが急に想定されるかというと、実態が変わるには非常に時間がかかるというのが、この産業の1つの特性ではないかと思います。

○新谷委員 今日はありがとうございました。電事連の方にお聞きしたいと思います。先ほどの映像の中で、電力マンの方々が発電から送配電、保全の方も含めて、最終消費者に対して、1ミリセコンドも途切れることなく良質な電力を安定供給するという高い職業倫理に基づく姿を拝見し、私も感銘深く感じました。

 お聞きしたいのは、先ほどの映像で、例えば事故対応のシミュレーターを使っている中給の映像が映っていましたが、中給は24時間で交替勤務をしていると思いますが、シフトの中での管理者の方の比率を教えていただきたいと思います。1グループ45名程度の体制を組まれていると思いますが、その中で管理者の方がどのぐらいの比率を占めているのか。電気事業者によって違うかもしれませんが、その比率を教えていただきたい。

 それと、先ほどの川口委員の御質問とも重複する点もあるのですが、管理者は落下傘で突然任命されるというわけではなく、経験を積んだ従業員の中から会社が管理者として適任な方を任命していくのです。つまり、業務に非常に習熟した方が管理者になっていくと思うのですが、管理者の層が人材ストックとしてどのぐらいプールされているのか。その比率が分かれば教えていただきたい。

 なぜかというと、今、我々が論議しているのはスト規制法という、電産ストが起こった際にできた非常に古色蒼然たる法律をどうするかという話をしているのですが、この法律は、労働関係調整法の規制に加えて、屋上屋を重ねる形で二重に規制をかけているものです。もともと電気事業は、他の公益事業と同じように労働関係調整法における公益事業規制というものが掛かっており、例えばストライキをやるといっても、いきなり明日からストライキをやることはできず、少なくとも10日前には予告する必要があります。今はスト規制法で電気事業はストライキが禁止されていますが、仮にストライキをやるとした場合、例えば労働関係調整法によって10日間の予告期間があったときに、10日間で準備をして、管理職のストックで日常の運転業務は対応できるのではないか。勿論、何らかのトラブルがあって総動員しないといけないということになれば困難でしょうけれども、電気の安定供給のための日常業務は、管理職のストックで回すことができるものなのか。想定で結構ですが、お分かりになれば教えていただきたいと思います。

○説明者(早田) 例えばある中央給電指令所で言いますと、当直の運転員が5名の5班体制になっておりますが、その5名のうち管理職は1人です。

 あと、当直運転員以外に日勤と言われる業務がありまして、それを含めると全部で70数名ほどの人員ですが、その中で先ほど申しました当直の管理職を含めて、管理職が10名ちょっととお伺いしておりますので、比率としては非常に低い比率で、その管理職だけで当直を回してというのは、非常に難しいと考えています。

 あと、階層ごとにという御質問がありましたが、申し訳ありませんが、そこのデータまでは本日は持ち合わせてございません。

○内田委員 電事連の方に御質問いたします。13ページに「電力の安定供給に必要な業務」として、下の機械化等による業務量変遷のイメージ図があり、これが高いか低いかということについては数字が入っていないので言及しませんが、このようなイメージだろうと思います。

 電事連が出しておられる資料の中に、「お客様1軒当たりの年間停電時間」というのがありますが、1966年には701分であったものが2009年には14分になっています。

 私が言いたいのは、先ほどのイメージで示された機械化が、停電時間にどの程度影響を与えているのかということです。つまり、設備対策を行い停電リスクを解消する努力をしてきたのではないかということです。先ほどビデオでも、再閉路ということを言っていましたが、再閉路をやることによって故障区間が検出できるわけです。そうすれば、停電時間は短くなります。

 送配電線網も拡充すれば、先ほど北陸の鉄塔の倒壊がありましたが、逆送ルートで確保できれば供給できるわけです。

 私が701分、14分の所で言いたいというのは、確かに現場労働者の部分は電事連の方の説明のような状態であるけれども、停電リスクは設備対策でやってきたのではないかと私は認識するのですが、この点はいかがですか。

○説明者(早田) それに対してはおっしゃるとおりで、極力の省力化を図りながら、一方で設備の信頼度は上げてきたということは事実だと思います。

○新谷委員 先ほどお答えいただいた中で、55名、うち1名が管理者で、70名が日勤で10名が管理者というのは、少ない数だとおっしゃったのですが、メーカーの組合員比率と非組合員の比率からいくと、かなり高い非組合員比率であると思います。お話からすると中給には15名の方が管理職としておられるわけです。未来永劫管理職だけで日常業務を回すというわけではなく、仮にストライキを1日、2日行うときの業務体制をどう組むかという話ですから、人的なリソースとしては、十分いるのではないかと私は感じました。

 その上で、事務局に次回以降の論議のために調べておいていただきたいのですが、この話はもともと何回も申し上げているように、憲法28条に定められた生存的基本権としての労働基本権を、特定の法律によって規制を掛けるということの是非を論議しているわけです。

 スト規制法ができた経緯は、御承知のとおり電産スト、炭労ストのような、国民生活に多大な影響を与えたストライキが世間からかなり批判を浴びて、国会として規制をしなければいけないという意識の下で時限立法の3年間で設けられた法律が、恒久化してしまって今日まで至っているわけです。

 お聞きしたいのは、労働関係調整法の公益事業としては、電気産業だけでなく、情報通信、運輸なども公益事業として指定をされています。その他、例えば激甚が起こったときの災害対策基本法であるとか、他国からの武力攻撃を受けた際の国民保護法でも、公益事業が指定公共機関として整理され、電力会社も当然指定公共機関の指定を受けているのですが、その他の電気通信、放送、ガス、運送業者についても、指定公共機関として指定を受けているわけです。

 お聞きしたいのは、スト規制法以外で電気産業だけを公共的な観点から別扱いにして、特別に規制している法律が他にあるのかということです。この点、次回までにお調べいただきたいと思います。

○労政担当参事官 確認いたしまして、次回に整理いたします。

○鈴木委員 ただいまの話の中で管理職の比率という話がございましたが、先ほど例として出したのは中央給電指令所ということで、その中に管理職は1名、組合員が4名ぐらい。そのようなイメージでお話をさせていただきました。

 仕事は業務によって大分違いまして、例えば配電保守をやっている職場においては、マネージャーが1名いて、その下に班長以下20名とか30名いるような職場もあると。

 また、火力の発電所などにおいては、班体制で3交替、2交替でやっておりますが、その中で管理職が1名に対して10名から15名ぐらいの組合員というか、管理職でないメンバーがいるということですので、業務によって違うということも御理解いただきたいと思います。

 それから、もう1つ全く別の話で補足をさせていただきたいと思います。電事連のほうの資料で、言いますと6枚目のスライドです。これは需要と供給のバランスということで天秤の絵になっております。経産省のほうでも同様の内容が11枚目のスライドにありますし、先ほどのビデオの中でも同様のものがあったかと思います。いずれにしましても、こういった天秤で需要と供給のバランスの必要性を説明させていただいているわけですが、前回内田委員から「昭和27年当時の電産ストの関係で、組合がスイッチオフを行ったわけではない。実際に切ったのは経営側がスイッチを切ったのだ」という話もございました。

 趣旨については共通認識かと思いますが、当時経営側がスイッチを切ったかどうかというのは、我々の過去の記録を調べてみても、なかなか古いもので事実の確認というのは非常に難しい状況ですが、経営側の判断でスイッチを切ったということであるならば、それは需要と供給のバランスが崩れる、そのことによって一部分の発電所で止まったということが、場合によっては広範囲の大規模な停電ということで、場合によってはブラックアウトということに波及する心配があるということの中で、管理職の指示によってスイッチオフをしたということは十分に考えられるところです。当然、内田委員もそういうことを前提としながらお話いただいたのだと思っておりますが、念のために確認させていただきたいと思います。

○内田委員 新谷委員から厚生労働省に対してリクエストがありましたので、私も1点要望があります。次回で結構ですので、労働組合法では第1条に「労働者が使用者との交渉において対等の立場に立つことを促進すること」と書いてあります。先ほど申し上げた通り、様々な経緯があって、62年前にスト規制法ができましたが、厚生労働行政として考える、労使関係のあるべき姿について、労働組合法上の趣旨と考え方について、次回に教えていただきたいと思います。

○労政担当参事官 正に憲法上の労働基本権の保障に関わる話だと思いますので、そこも含めて次回に法的な御議論いただけるような準備をしたいと思っております。

○井上委員 資源エネルギー庁の方に質問です。先ほどのDVDなどを見ても電力を安定供給するという仕組みとして、発電から送電・変電・配電と、非常に高度に連携された業務オペレーションがあって、初めて実現されていることがよく分かりました。

 そういったときに、今回のエネルギー改革は一連の業務オペレーションの流れを法的に分離する、別会社にするということになるかと思うのですが、一般的に会社を分ける、組織を分けるということになると、組織の壁ということがどうしても現実問題として起こりやすい。それをなくすためにいろいろな仕組みなりを入れるかと思うのですが、組織は通常対立するもので、ある意味で牽制機能を持つものでもあるかと思いますので、そういう点では壁ができやすいというのは不可避かと認識しています。

 以上のように考えたときに、今回法的に分離して、更に安定供給をするということになると、今までよりもそれぞれの会社間の連携という点に関しては、オペレーションとしてもかなり複雑で高度化されたものが要求されるのではないかと思いました。

 さらに、事故対応などのイレギュラーな場合も大いにあるように思いましたので、実際のオペレーションをする方々の知識、技能、経験といったものもより高いものが求められるのではないかと思っています。こうしたことを考えた上で、法的に分離するということを実現するには、どのように対応しようと考えられているのか教えていただけると有り難いです。

○説明者(安永) 井上委員の御指摘のとおりで、正に壁ができるというところについては壁を作らなければならないという側面もありまして、公平性という問題から、自分の社内のところと別の会社のところについて、同じように扱ってくださいということを徹底しようということがこの規制の趣旨なので、壁を設けるところは設けるということと、ただし今日御紹介いただいたような話は、むしろ壁があって連携がうまくいかなくてはまずいという典型的なケースですので、こういうところについてはうまく連携できるようにしていかなければならないですし、それは会社を分けるといろいろ大変になることがあるのではないかというのは、全くその通りです。

 したがいまして、対策としては、大きく分けますと、ルールを作るということとシステムを作るということに、言葉で言うとなってくるのですが、それだけで簡単にできるかというと、正に先ほどから議論があるように、現場の方々が長い間の経験を積んでこられた話なしにできる話ではない。そういうことに配慮しながらこのルールを作ったり、仕組みを作ったりということですが、それも一朝一夕にできませんので、特に第3段階の会社を分けていただくという規制は、これをやることを決めたタイミングから57年後を目途という、かなりの時間をかけて、海外の自由化では2年でできたと指摘されたりもするのですが、これは仕組みを作るにしても、いろいろと準備をするにしても、相当な時間をかけてやっていくということで考えています。

○内田委員 ただいま安永さんからコメントいただきましたが、先ほど言いました韓国の事例ですが、「発送電分離以降、自然災害時における復旧作業にも支障が生じている。災害復旧の際その都度、電力取引所から復旧地点や順序などについて許可を得る必要があり、一貫体制当時と比べて復旧完了が大幅に遅延することとなった」とあります。これは韓国労働者の声なのです。

 先ほど井上委員が言われたように、一貫体制で1つの会社でやっていた仕組みを分割するわけですから、そこの接点業務に壁ができるのです。「改革をうまくやる、リスクを減らす」ということではなくて、「リスクは生じる、停電リスクはあるけれども、新たなビジネスチャンスなり、お客様サービスの向上につながる部分もあるから、みんなでリスクは負いながら改革にチャレンジしよう」というような言い方をすべきです。「改革はするけれどもリスクはほとんどない」という言い方をすると、そのリスクというのは全て現場にくるわけです。その点は、エネ庁としても、きちんと正しいことを言ってほしいと思います。意見です。

○河野委員 先ほど井上委員がおっしゃったこととほぼ同じことをお二方の御説明で感じていたところです。私たちは消費者ですから電力を供給していただくほうで、これまで保障されていた安定供給というか、停電がなく電気を使えるという状況は、本当に間断なく望みたいところです。

 電事連の方に伺います。ほぼ井上委員がお尋ねになったことと同じなのですが4ページです。電力の安定供給のための主な業務は、今、ほぼ一般電気事業者の方が1つの組織の中で相互協調という形でやられているわけです。これが、それぞれ今後分かれてくる。特に法的分離が起こった場合、今の現状から考えて、相互協調という形で、非常時、平常時に24時間体制で安定供給を図るために何か障害になるものというか、不安に思っていることがあるかどうか。

 私自身は、分かれていくことによって、いろいろと会社の条件も変わってきますし、従業員の方もモチベーションを維持したり、いろいろと条件が変わってくると思うのです。だから、今ならばうまくいっていることが、システム改革によって様々な事業者の方が、真ん中のところは変わりませんが、発電部門に入ってくることによって、労働環境というのが不安定になってくるのではないか。そうすると、消費者としても何となく安心して電力供給を受けられないのではないかと感じたものですから、今、相互協調されていることが、分かれることによってうまくいくのか。時間をかけて丁寧にというのがエネ庁の安永さんがおっしゃっていたところなのですが、事業者の側から見て、その辺りをどう感じているのでしょうか。

○説明者(早田) この場で「こういうことが心配だ」というのは申し上げにくいので、私の個人的な所感になるかもしれませんが、一番心配なのは大規模な災害、広域的な地震とか、大規模な自然災害が発生したときに、今は1つの会社の中で対策組織を作って、発電、ネットワークということで、連携しながら復旧していきますが、今後は特に発電のほうはいろいろなプレイヤーの方が入ってくるので、その調整が本当にうまくいくのかというのは、エネ庁でも課題として取り上げていただき、議論をしていただくということになっていまして、それについては私どもも今回のシステム改革で安定供給が損なわれることがないようにというのが大前提ですので、それを一緒になって検討を進めていきたいと考えているところです。

○仁田委員 ここはスト規制法についての部会で、労使関係に関わることです。ストライキというのはいきなり起こるわけではなくて、労使がいろいろな関係をもって、問題を解決しようと。紛争が起こります。紛争を解決するときに、解決しきれなくてストライキが起こるというのが常道だと思うのです。

 だから、両当事者は御存じだと思いますが、我々は今現在の電力の労使関係がどうなっているかということは全く分かりませんので、それについて、今こういうような団体交渉をし、どういうような労使協議をして、今、出てきたような、例えば現場に負担がかかったときに、そういう問題をどうやって解決してきているのかということの御説明を、せっかく両当事者がいらっしゃるので資料を出していただいて、説明していただければと思います。

○労政担当参事官 また次回に、労使関係の現状とか、スト規制法調査会でも電気事業労使会議というのが打ち出されたりしますので、労使の方とも相談させていただきながら資料を整備したいと思います。

○勝部会長 今回は第2回目ということで、電気事業の業務、電力システム改革等について、電気事業連合会、経済産業省から御説明を頂きました。様々な御意見、資料の要請もありましたので、次回以降、それについて議論をしていくことになるかと思います。

 電気事業の業務あるいは電気の供給の仕組みを更に詳しく知るために、電気事業の現場に視察に行くことも1つのアイデアかと思いますが、これは事務局はどう考えているでしょうか。

○労政担当参事官 そういうことでしたら調整しますので、また御相談いたします。

○勝部会長 次回の日程について説明をお願いいたします。

○労政担当参事官 次回の部会の日時、場所については調整中ですので、追って御連絡いたします。

○勝部会長 それでは労働政策審議会電気事業及び石炭鉱業における争議行為の方法の規制に関する法律の在り方に関する部会(2)を終了します。議事録の署名は労働者代表の内田委員、使用者委員の井上委員にお願いいたします。本日は15分ほど超過いたしましたが、熱心な議論をありがとうございました。これで閉会いたします。


(了)
<照会先>

政策統括官付労政担当参事官室
法規第1係 内線(7742)
代表: 03-5253-1111

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