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2014年10月23日 薬事・食品衛生審議会 指定薬物部会 議事録

○日時

平成26年10月23日(木)16:00〜


○場所

航空会館201会議室


○出席者

出席委員(9名) 五十音順

 石郷岡   純、 桐 井 義 則、◎鈴 木    勉、 曽 良 一 郎、
 鍋 島 俊 隆、 成 瀬 暢 也、  花 尻 瑠 理、 宮 田 直 樹、
○和 田   清
(注)◎部会長 ○部会長代理

欠席委員(3名) 五十音順

関 野 祐 子、 妹 尾 栄 一、 藤 岡 淳 子

行政機関出席者

成 田 昌 稔 (大臣官房審議官)
赤 川 治 郎 (監視指導・麻薬対策課長)

○議事

○事務局 定刻となりました。ただ今から薬事・食品衛生審議会指定薬物部会を開催させていただきます。監視指導・麻薬対策課長が、所用で少し遅れております。こちらに向かっておりますので、代理で私が司会をさせていただきます。

 本日は大変お忙しい中、委員の先生方には御出席いただき、誠にありがとうございます。本日は妹尾委員、関野委員、藤岡委員から欠席の御連絡を頂いております。現在のところ、当部会の委員数12名のうち9名の御出席を頂いておりますので、定足数に達しておりますことを御報告いたします。

 本部会の公開・非公開の取扱いについては、総会における議論の結果、会議を公開することにより、委員の自由な発言が制限され、公正かつ中立な審議に著しい支障を及ぼすおそれがあると判断されたことから、非公開とされています。

また、会議の議事録の公開については、発言者氏名を公にすることで、発言者等に対して、外部からの圧力や干渉、危害が及ぶおそれが生じることから、発言者氏名を除いた議事録を公開することとされておりますので、予め御了承いただきたいと存じます。

 それでは、以後の議事進行は鈴木部会長にお願いします。よろしくお願いします。

○鈴木部会長 石郷岡委員からは連絡があったのでしょうか。現在、8名の出席です。

○事務局 失礼しました。石郷岡委員からは、今のところ御連絡を頂いておりません。先ほど9名と申しましたが、8名です。それでも、定足数に達しておりますので、御報告いたします。

○鈴木部会長 ありがとうございます。最初に事務局より、資料の確認をお願いします。

○事務局 資料の確認をいたします。本日の資料ですが、資料が1と2、参考文献は1から5、参考資料が1から3となります。事前に送付しておりました資料のほか、参考資料1の差し替えを本日配布しております。以上になります。

○鈴木部会長 資料がお手元にない場合には、お知らせ願います。よろしいでしょうか。

本日の議題は「指定薬物の指定について」です。審議物質について、事務局より説明をお願いします。

○事務局 今回、御審議を頂きたい物質については、国や都道府県で試買調査等をして、製品の分析を行った結果、国内で流通実態が認められた物質、海外では流通が認められたものの、国内では未だ流通実態が確認されていない物質となります。

 資料1は各物質の名称、別名、構造式が1から8まで、それぞれ記載しております。これらの物質について、指定薬物として指定をし、規制対象とする必要があるか否かについて、御審議いただきたいと思っております。資料2は各物質について行われた、国内外の各種動物実験や基礎研究等のうち、中枢神経系への影響を中心に取りまとめたものになります。まずはこちらの物質について、資料2-1から2-4について説明をさせていただきます。

 資料2-1を説明させていただきます。通称NM2201と呼ばれるものになりますが、指定薬物であります5-Fluoro-SDB-005などと構造が類似する化合物です。CB1受容体との親和性を、陽性対照として(R)-()-WIN55213-2を用い、dose-response curveを作成し、算出をいたしましたところ、IC50の値が7.12nMと算出されております。また、運動活性に対する影響も調べております。マウスに5mg/kgを腹腔内投与しましたところ、陽性対照としたJWH-018と同程度に自発運動量の減少が見られております。

 資料2-2の説明をさせていただきます。通称MEPIRAPIMと呼ばれるものになります。麻薬であるJWH-122などと構造が類似する化合物になります。CB1受容体との親和性を同様に(R)-()-WIN55213-2を用い、dose-response curveを作成し、算出しましたところ、IC50の値が2687nMと算出されております。また、運動活性に対する影響も調べておりますが、マウスに同じく5mg/kg量、腹腔内投与しましたところ、自発運動の有意な差は確認をされておりません。なお、ここにはありませんが、この物質については、国内の流通が危険ドラッグ中で、単品で認められているものとなっております。

 資料2-3を説明させていただきます。通称SDB-005と呼ばれるものになります。指定薬物である5-Fluoro-SDB-005などと構造が類似する化合物になります。CB1受容体との親和性をやはり(R)-()-WIN55213-2を用いて、dose-response curveを作成し、算出しましたところ、IC50の値が18.3nMと算出されております。また、運動活性については、やはり5mg/kg投与を腹腔内投与いたしましたところ、若干、数時間後に運動量の増加が見られてはおりますが、顕著な差が見られませんでした。

 資料2-4を説明させていただきます。通称FUB-AMBと呼ばれるものになります。こちらについては、指定薬物でありますAB-FUBINACAなどと構造が類似する化合物になります。こちらは運動活性の影響を調べておりますが、やはりマウスに5mg/kg量を腹腔内投与しておりますが、JWH-018を陽性対照として、観察をしましたところ、同等以上の自発運動量の減少が見られております。

 以上の4物質について、指定薬物として指定して差し支えないと考えておりますが、御審議をよろしくお願いします。

○鈴木部会長 ありがとうございます。事務局より説明のありました、まず4物質について、委員の先生方から御意見を頂きたいと思います。いかがでしょうか。

□□委員 図が分かりにくいので、教えて欲しいのですが、資料2-1の経時的変化の下に19-2021-22と数字がありますが、これはどういう意味ですか。

○事務局 これは絶対時刻になります。19時から20時、21時から22時、23時から0時。

□□委員 時間ですか。

○事務局 はい。

□□委員 分かりました。それが12時間の分ということですか。

○事務局 24時間です。19時から翌日の18時までです。

□□委員 24時間ですか。棒グラフは最初の12時間を書いてあるわけですね。

○事務局 そうです。6時間単位で、12時間です。

□□委員 はい、分かりました。4品目ともCB1受容体に親和性があって、行動抑制もないのもありますが、これはドラッグデリバリーか何かが違うから、親和性はあっても、行動抑制はないと考えたらいいのですか。実験をやられた人は、誰かいるのですか。

□□委員 簡単に御説明させていただきます。まず、最初にNM2201ですが、こちらは24時間の自発運動量変化を見ますと、特に最初の12時間で、非常に強く行動抑制が見られた化合物です。そして、対象となりました麻薬でありますJWH-018よりも強い行動抑制が見られ、またCB1受容体への親和性についても、二桁強い親和性が見られた化合物です。

 次のMEPIRAPIMに関しては、CB1受容体の親和性はJWH-018よりも一桁弱い化合物ですが、CB1に対する親和性は認められております。また、実際の自発運動量変化については、実はこの化合物は、この投与量全て同じ5mg/kg投与量ですが、その投与量については、有意な変化は認められませんでした。この化合物については、先ほどのキログラム単位の粉末状態で、国内の流入が認められています。私どももそのキログラム単位の粉末の化合物を同定しております。また、製品としても、かなり純度の高い粉末の形での流通が認められていた製品です。

 また、次の化合物SDB-005については、やはり同様にCB1受容体への親和性を検討しましたところ、JWH-018よりも一桁強い親和性を有しました。しかし、実際の5mg/kgの投与量におきます自発運動量の変化については、最初の頃に弱いながらも自発運動量の変化は認められましたものの、相対的な6時間、12時間というような形で見ますと、大きな有意差は認められなかった化合物です。こちらに関しては、4製品から検出が認められております。

 次の化合物については、実際の製品からは、まだ私どもの所では検出していません。キログラム単位、粉末状態での国内流入が認められている化合物として、私どもの所でも粉末について、同定を行っております。また、5mg/kgを腹腔内投与しまして、投与24時間後の自発運動量を測定いたしますと、投与直後から、非常に著しい行動変化が認められまして、かなり強い行動の抑制作用が認められて、大きな有意差が認められている化合物です。

 また、ちょっと言い忘れてしまいましたが、一番目のNM2201に関しては、7月来、非常に国内流通が広く認められておりまして、7月、8月、9月の私どもで分析した製品からだけでも65製品から検出されております。以上です。

○鈴木部会長 □□委員、いかがでしょうか。

□□委員 ですから、そのギャップはまだよく分からないということですね。

○鈴木部会長 そうです。

□□委員 そういうことですね。親和性が高くても、行動抑制はないものもあるが、その原因は脳への移行性が悪いからとか、そういうことはまだ分からない。

○鈴木部会長 やはり、一律で5mgで見ているというのは、問題点だと思います。それから、あとはやはり行動の質というか、量的なものだけではなくて、質をしっかりとチェックしないと駄目だと思います。

□□委員 はい。

○鈴木部会長 量的な変化がなくても、行動の質がかなり変わっているということが結構あります。その辺をIrwinの行動表とか、そういうのでチェックするようにしないと、なかなか難しいかと思います。

□□委員 はい。

○鈴木部会長 薬理的な立場では、鍋島先生いかがでしょうか。

□□委員 ああいう自動計測器系にしていると、1カウントは1カウントです。そういうのがどう動いているかを、動き方がカウントは同じでも違う可能性はあります。ですから、最初は目で見るのが非常に大事だと思います。

○鈴木部会長 行動の質を見ないのは、絶対駄目だと学生にはきつく言っているものですから、その辺を是非今後、御検討いただければと思います。

□□委員 はい。

○鈴木部会長 ほかにいかがでしょうか。

□□委員 資料2-3です。これは今指摘された5mgという問題になるかもしれませんが、とりあえずこれの行動量だけを見ていくと、化学構造式的には、抑制が出るのかと思うと、逆に行動が増えているように見えてしまう部分もある。増えているとなると、何となく化学構造式的に納得できないというか、よく分からないのですが、その辺りはどう見ればいいのでしょうか。

□□委員 一応、本実験はN=4で全てやっている実験です。どうしても、1doseで行っているところもあり、こちらも増加しているようには見えて、一つ、星はついていますが、このdoseでは実際はほとんど有意差がついてないと考えております。

○鈴木部会長 パターンで見ると、溶媒群の方がちょっと他の実験のパターンとは違っているような感じです。いずれにせよ、この辺の解析をもう少し深めてやらないと、なかなか解釈が難しいと思います。これらを是非御検討いただきたいと思います。

□□委員 鈴木先生とかがおっしゃるように、異常行動を確認するというのは、大事になってくると思います。なかなか大変だと思うのですが、検討いただきたいと思います。

□□委員 もう一つ、サジェスチョンですが、□□委員の疑問があるみたいですから、ここの構造類似物質の5-Fluoro-SDB-005ですか、これのデータがあったら、似ているかどうか比較されたらいいと思います。

□□委員 ありがとうございます。

○鈴木部会長 他にいかがでしょうか。資料2-2のバインディングは非常に弱いけれども、行動が出ていない。それから、資料2-3のバインディングはかなり強いが、行動が出ていない。しかし、いずれも国内に入っているということがありますので、その辺を勘案して、この時期でもありますので、規制を行った方がいいという御判断でいかがでしょうか。よろしいでしょうか。はい、ありがとうございます。

以上4物質を薬事法の第2条第14項に規定する指定薬物として、指定することが適当であると決議してよろしいでしょうか。はい、ありがとうございます。

 それでは、引き続き事務局より、説明をお願いします。

○事務局 資料2-5から2-8について、説明をします。資料2-5を説明します。こちらは通称AMBと呼ばれるものになりますが、指定薬物である5-Fluoro-AMBなどと構造が類似する化合物です。CB1受容体との親和性を、陽性対照として(R)-()-WIN55212-3を用いてdose-response curveを作成し、算出したところ、IC50の値が12.0nMと算出されています。また、運動活性について、マウスに5mg/kg投与を腹腔内にしたところ、陽性対照としたJWH-018と同程度の自発運動量の減少が見られています。

 資料2-6を説明します。こちらは通称で5Cl-AB-PINACAと呼ばれるものですが、指定薬物である5-Fluoro-AB-PINACAなどと構造が類似する化合物です。CB1受容体との親和性を同様に確認したところ、こちらのIC50の値が9.09nMと算出されています。また、運動活性に対する影響も、同様にマウスに5mg/kgを腹腔内投与したところ、投与後1時間程度の自発運動量の減少が見られています。

 資料2-7を説明します。こちらは通称で5F-ADB、あるいはMDMB2201 indazole analogなどと呼ばれるものですが、指定薬物である5-Fluoro-AMBなどと構造が類似する化合物です。こちらをCB1受容体の親和性を同様にdose-response curveを作成し、算出したところ、IC50の値が1.36nMと算出されています。また、運動活性について、マウスに5mg/kg投与したところ、どちらもJWH-018と同程度の自発運動量の減少が見られています。

 資料2-8を説明します。通称EG-018と呼ばれる物質ですが、こちらは麻薬であるJWH-018などと構造が類似する化合物です。CB1受容体との親和性について、(R)-()-WIN55212-2を用いて、dose-response curveを作成し、算出したところ、IC5018nMと算出されています。また、自発運動量について、マウスに5mg/kgを腹腔内投与し、観察したところ、こちらには自発運動量に有意な変化は見られませんでした。

 以上の4物質について、指定薬物として指定して差し支えないと考えていますが、御審議をよろしくお願いします。

○鈴木部会長 事務局より説明のありました4物質について、委員の先生方から御意見をいただきたいと思います。いかがですか。□□委員から、行動実験、バインディング実験の御説明をお願いします。

□□委員 資料2-5のAMBですが、こちらは私どもの調査の結果では、製品からは検出していませんが、キログラム単位での国内の流入が認められていて、その粉末に対しての化合物の同定は、私どもの所では行っています。また、中枢神経系の作用等ですが、CB1受容体に対しまして、麻薬であるJWH-018よりも一桁強い親和性を示しています。また、運動活性に対する影響に関しても、JWH-018と比較しても非常に強い自発運動量の抑制効果、また、それとともに異常行動が認められています。

 資料2-6ですが、5Cl-AB-PINACAです。こちらは3製品からこの化合物を検出しています。先ほどと同様に、CB1受容体に対する親和性は、麻薬であるJWH-018よりも強い親和性が認められているのですが、5mg/kg投与における自発運動量変化という点では、最初の投与直後では有意差が付きましたが、その後に関しては、有意差は認められていません。

 資料2-75F-ADBと呼ばれる化合物ですが、こちらは6製品から検出していまして、また、キログラム単位での粉末での国内流入が認められている化合物です。こちらの化合物については、CB1受容体への親和性に関する測定結果ですと、JWH-018よりも二桁非常に強い親和性が認められています。また、実際、マウスに5mg/kg投与した結果、こちらに関しては、投与直後から1分以内、10秒、20秒の単位で直後から非常に異常な行動を示し、強い自発運動量の抑制効果も認められている化合物です。

 資料2-8EG-018に関しては、国内にキログラム単位の粉末の状態で流入が認められている化合物でして、その化合物については私どもの所で同定もしています。CB1受容体の親和性ですが、これも過去の例と同様に、JWH-018よりも非常に強い親和性は示すのですが、実際のマウスに5mg/kg投与をして、自発運動量を測定したところ、5mg/kg投与では顕著な有意差が認められなかった結果となっています。

○鈴木部会長 先生、ただ今の資料2-5と資料2-7で異常行動を認めたということですが、どういう異常行動が認められているのですか。

□□委員 薬理学的に正しい表現か分からないのですが、投与直後から痙攣とか、極端な挙尾反応とか、体がこわばって、腹ばいになって動かない。多分、典型的なCB1の副作用の一つだと思うのですが、それが投与直後から激しく認められています。

○鈴木部会長 そういうのを個体ごとに評価して出していただけると、非常に評価がしやすいと思うのです。

□□委員 分かりました。

○鈴木部会長 先生方、いかがですか。

□□委員 質問ですが、今も御説明いただきました中で自発運動量の有意な減少、著しく減少している物質を人間が摂取すると、いきなり動けなくなって、例えば交通事故を起こすというふうに考えてよろしいのですか。ラットの明らかに抑制するものと、余り変動ないものと、ここからどこまで言えるか分からないのですが。

○鈴木部会長 私から一言。抑制にもいろいろな抑制があるわけです。眠剤のような抑制もあります。ここでフォーカスを当てているCB1に作用するものは、一番特徴的なものは、今まで□□先生などがずっと見ておられたカタレプシーとか、ああいうのが非常に特徴的で、運動量が減るわけです。そういうことで行動の質が欲しいと先ほどからお願いしているのです。ただ、減るということだけだと、いろいろな減り方があるので、それはきちんと明確にしていかないといけないと思います。□□委員、さらに御意見があれば。

□□委員 カンナビノイド系はカタレプシーが一番特徴な抑制パターンですから、できたらカタレプシーを取っていただくと、より明確に評価できると思うのです。

□□委員 痙攣を起こすとか、硬直すると、カタレプシーとおっしゃいましたが、臨床場面で正にそういう症状を出している患者たちがいるので、ラットと同じことが実際に人間で起こっていると感じたものですから、伺いました。もう一点あるのですが、今日、新たに提出されている物質ですが、これは一つの商品の中に新たなものが複数入っていることがあるのですか、それとも一つ一つ別個に入ってきているものなのですか、イメージとして捉えたいものですから。

□□委員 化合物によって異なります。製品によっては非常に複数の種類の化合物が入っている製品も多々ありますが、例えばMEPIRAPIMのように非常に純度の高い粉末の状態で売っていた製品もあります。一つ問題なのは、非常に多くの製品が、合成カンナビノイド系とカチノン系とNMDAのアンタゴニストのような、そのような異なる作用の化合物が一つの製品に入っているものが非常に多く見られるので、非常に危険性を感じています。

□□委員 そういう事実ですと、臨床判断が非常に難しいと思うのです、抑制系と興奮系がミックスされているから。よく警察の方が相談に見えて、最初はすごく暴れていたけれども、急に抑制されたとか、抑制していたのに、途中からすごく暴れ出したとか、多分そのようなものは二つの系統の薬がミックスされているのではないかと思うのです。

□□委員 最近、さらに臨床症状が興奮系、鎮静系と見分けにくくなっていると、非常に複雑になっているように感じましたので、伺いました。

□□委員 動物実験でのCB1受容体は、ネズミにどうなるかですが、先ほどから出ている行動薬理学的にはカタレプシーという言葉で言うらしいのですが、実は臨床的にはカタレプシーというと、これは全然違う症状をいいます。統合失調症の独特な一つのタイプの動かなくなることをいうわけでして、実は□□委員も言っているのですが、そういう意味では無動状態、そう言った方が間違いないと思います。ですから、行動薬理の方々はカタレプシーで通じるでしょうが、それを聞いた臨床家は別のことを考えますから、言葉が独り歩きしては困るので、一番分かるのは無動状態だと思います。それが一つです。

 もう一つ、私もいろいろな所から、危険ドラッグを使うとどういう臨床症状になるのかと尋ねられます。CB1受容体の無動状態から考えれば、個人的には運転している最中にそれに近い状態になっていくのかと推定したいのですが、実は我々臨床現場では、物質の特定、検査は一切できないわけです。要するに、使った結果の症状しか見ていないので、どの薬物がどういう症状かは一切推定のしようがありません。

 私はかねがね思っているのですが、ここでこの話をしても意味がないのか分からないけれども、是非やってもらいたいと思っていることがあり、これは捜査機関だと思います。例えば、麻薬取締部でも、あるいは警察でも結構です。どういう事故・事件のときにその人からどういう物質が検出されたかというものと、そのときの使った人の異常行動、これをプロファイルないしはデータベースというのでしょうか、その表を作ってくれれば、それを眺めながら、もしかしたらこの物質があればこういう状態になるのではなかろうかと推測は少しはできそうです。実はそれができるのは取締機関だけだと思うのです。臨床現場は一切物質の特定はできないので、是非、その辺をもう少し考えていただかないと思います。事務局でも検討していただければと思います。

□□委員 無動状態とカタレプシーの誤解があるといけません。我々は、無動状態というと、強制水泳といいまして、ビーカーに水を入れていて、ネズミを強制的に泳がせるのですが、最初はネズミがビーカーから出ようと思って一生懸命泳ぐのですが、そのうち無理だと思うと、そういう無駄なことをやらなくて浮いているだけの状態です。それを私たちは無動状態といいます。カタレプシーというのは、動きたくても動けない筋肉の緊張と弛緩が、微妙にバランスがとれてしまって、ネズミだとちんちんしないのに、ワイヤに前足を乗せたら、そのままの状態でいるとかです。犬だと、すごく特徴的なのは、この椅子の4個に犬の足を1本ずつ乗せても、犬はジャンプもしないで、ずっととどまっているのを、私たちはカタレプシーと区別しているのです。ですから、一緒にされると、薬理学者としては困るのです。

○鈴木部会長 無動というのは、基礎の方では絶望状態のことをいっているのですね。

□□委員 ですから、その辺がお互い当然と思いながら使っていて、実は全然かみ合わないことがあるので、そこのところを何か共通項を決めておかないと。

□□委員 ですから、カタレプシーについては本当は動きたいのだけれども動けない状態を私たちは捉えているのです。

○鈴木部会長 臨床でいう無動状態というふうに対応するわけですね。

□□委員 もちろん、成人型カタレプシーというのは、統合失調症などでいう言葉もありますが、それと混乱されると困るのです。

□□委員 私は両方の立場に、ある程度関わっている者なので、薬理の先生方がおっしゃっていることも大変よく分かるし、□□委員がおっしゃっていることも大変分かるのです。無動状態ということまで言い切ってしまうと、今度は抑鬱のモデルの混乱が来ると思うので、カタレプシーというと統合失調症を連想させる症状になるので、誤解を招くのは一番心配されているのですが、そうかといって、カンナビノイドの無動状態というか動かない、これはカタレプシーと言った方が適切かと。無動状態というと少し誤解があるので、その辺をもっと注意しながら使わないといけないとは思うのですが、無動状態だと、今度は逆に抑鬱のモデルと混同すると、□□委員と同じことです。

□□委員 正に強制水泳ですね。

□□委員 そうですね。

□□委員 だけど、臨床上のカタレプシーは、触っても動かないのです。ところが、ネズミのカタレプシーは、触ると動きますね。

□□委員 いやいや、そのようなことはないです。

□□委員 ピピッといったりもしますね、自分で。

□□委員 いや、このまましています。

□□委員 同じですか。

□□委員 同じです。

□□委員 ただ、動きますね、ネズミ。

□□委員 ただ、大麻のものは動くのです。

□□委員 大麻は動くのです。特徴はそこなのです。こうやっていても、あるいは首を掛けていても、刺激を与えると、ピピピピッと逃げていってしまう。

□□委員 歩ける状態だが、動かない。

□□委員 それはそうなのです。

□□委員 そうしたら、カンナビノイドのカタレプシーとドーパミン系のカタレプシーが違うと、そこを何かうまく言わないといけないのですね。分かりました。

□□委員 それをうまく両方で使える言葉でいかないと、言葉が独り歩きしてもまずいので、何かいい言葉がないかと。

□□委員 何かいい言葉をとらなければね。

○鈴木部会長 今後、その辺を注意しながら、特に□□委員に、是非その辺をよろしくお願いします。先ほどの□□委員からの質問に対して、事務局からありますか。

○事務局 この問題は難しい問題でして、従来、もともと□□先生から承っている話ではありますが、警察サイドの方で医学的にどれだけそういう観察がまずできるかという問題が、一番大きいのではないかと思います。確かに化学分析においてみれば、これはそれなりに期間があるので可能かと思いますが、あと、そこの臨床的な観察の記録とどうやって結び付けられるかは、一応、警察庁に相談をさせていただきたいと思います。

□□委員 資料2-7ですが、運動活性に対する影響について、これは表現を訂正した方がいいと思ったものですから、2行目ですが、「JWH-018と比べて作用の持続時間は短いものの」と書いてあるのですが、これはどこから来ているのですか。私はそのように見えないのですが、ずっと抑えている感じで。「JWH-018と同様に」ぐらいでいいのではないかと思うのです。

□□委員 実はそれに絡んでですが、私は最初に質問しようかと思ったのですが、最初の6時間と後の6時間の棒グラフがあります。実はここで使っている100%の基準は、これはJWH-018なのかという意味です。

□□委員 JWHが右の斜線の棒グラフですから。

□□委員 何に対して何パーセントかという、その基準として何を用いているかよく分からないのですが。

□□委員 100がコントロールでしょう。

□□委員 100がコントロールです。

□□委員 そのコントロールは何になるのですか。

□□委員 Vehicleです。

□□委員 そういうことですか。

□□委員 はい。

□□委員 ですから、これを見ると、同じように12時間まで私の目では抑えているように見えるのですが、JWHも少しは動くようになっているし、この化合物も少し動くようになっているのだけれども、12時間は結構抑えているのではないかと思い、どうして「短いものの」と書いてあるのかと思って。

○事務局 そちらは、こちらの資料42ページの文献の数字になってしまうのですが、資料42ページでJWH-01816時間後までの自発運動量の減少があったと。5-Fluoro-ADBについては、13時間程度まで行動抑制が持続されたということで、「短いものの」と書きました。

○鈴木部会長 13時間と16時間ですか。

○事務局 文献5の2ページの上の最初の部分です。

○鈴木部会長 ここの文章だと、「投与13時間後までの長時間にわたり有意に」と書いてありますね。

○事務局 はい。そこの部分です。

○鈴木部会長 それに比べて。

○事務局 JWH-01816時間という、そのページの1行目です。書いてある所と比較したということです。

○鈴木部会長 私は、いずれも長時間にわたって抑制しているという評価になると思うのです。

□□委員 抑制の強さからいうと、この化合物もずっと強いですから、こう書くと何か誤解を招く感じがするのです。

□□委員 おっしゃるとおり5-Fluoro-ADBについては、JWH-018と同様にほかの化合物と比べて非常に長時間作用が続いたと。

□□委員 そう書いた方がいいと思うのです。

□□委員 はい、言えるかと思います。

□□委員 それが訂正されれば、これほど流通しているのですから、4品とも規制していいと思います。

○鈴木部会長 あと一点、資料2-6の物質の行動抑制が最初の1ポイント、これは1時間ですね。ものによっては1時間ぐらいの抑制は結構あると思うのです。一連の薬物は比較的長時間作用するものが多いのですが、1時間の、例えば先ほどお話があった質的な変化はいかがだったのでしょうか。

□□委員 最初の1時間に有意差は認められていますが、最初の投与した1時間までは、CB1に特有の症状が多少なりとも認められていると認識しています。

○鈴木部会長 それなら行動もバインディングの結果も十分な結果が出ているという評価でよろしいと思います。先生方、ほかにいかがですか。よろしいですか。

 それでは、発言が出尽くしたと思いますので、審議をまとめます。御審議いただきました4物質は、いずれも薬事法第2条第14項に規定する指定薬物として指定することが適当であると決議してよろしいですか。

 ありがとうございました。それでは、事務局より本件に関わる今後の手続、スケジュール等について、説明をお願いします。

○事務局 今後のスケジュール等について、説明をします。本日の結果については、次回開催の薬事分科会で御報告させていただく予定です。本日の結果を受け、指定薬物として指定するための省令改正の手続を進める予定にしています。また、正規用途についてですが、今のところ今回審議された8物質について、いずれも確認をしていません。いずれにしても、可能な限り適正な使用に支障を来さないようにして対応していく所存です。

○鈴木部会長 本日の議題は、以上です。事務局からその他の連絡事項があれば、お願いします。

○事務局 すでに御案内しているかと思うのですが、次回の指定薬物部会については、1127()開催を予定していますので、またよろしくお願いします。また、本部会の資料は回収をさせていただきますので、そのまま机の上に置いていただければと思います。

○鈴木部会長 委員の先生方、本日は御審議をありがとうございました。以上をもちまして、平成26年度第3回指定薬物部会を閉会します。


(了)

備考
 本部会は、公開することにより、委員の自由な発言が制限され公正かつ中立な審議に著しい支障をおよぼすおそれがあるため、非公開で開催された。

連絡先:医薬食品局 監視指導・麻薬対策課 課長補佐 渕岡(内線2779)

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