ホーム > 政策について > 審議会・研究会等 > 薬事・食品衛生審議会(医療機器・体外診断薬部会) > 薬事・食品衛生審議会 医療機器・体外診断薬部会 議事録(2014年8月20日)




2014年8月20日 薬事・食品衛生審議会 医療機器・体外診断薬部会 議事録

○日時

平成26年8月20日(水)15:00〜


○場所

厚生労働省専用第22会議室


○出席者

出席委員(22名) 五十音順

○荒 井  保 明、 荒 川 義 弘、  石 井 明 子、 今 井 聡 美、
  生 出 泉太郎、 川 上 正 舒、◎笠 貫    宏、 齋 藤 知 行、
  塩 川  芳 昭、 正 田 良 介、  鈴 木 邦 彦、 武 谷 雄 二、
  田 島  優 子、 千 葉 敏 雄、  寺 崎 浩 子、 中 谷 武 嗣、
  新 見  伸 吾、 西 田 幸 二、  濱 口    功、 菱 田 和 己、
  村 上  輝 夫、 桃 井 保 子
(注)◎部会長 ○部会長代理
他参考人5名

欠席委員(2名) 五十音順

梅 津 光 生、 木 村   剛

行政機関出席者

神 田 裕 二(医薬食品局長)
成 田 昌 稔(大臣官房審議官)
森    和 彦(審査管理課長) 磯 部 総一郎(大臣官房参事官)
矢 守 隆 夫(独立行政法人医薬品医療機器総合機構審査センター長)
梅 澤 明 弘(独立行政法人医薬品医療機器総合機構審査副センター長)
佐 藤 岳 幸(独立行政法人医薬品医療機器総合機構上席審議役)

○議事

○参事官 定刻になりましたので、これから「薬事・食品衛生審議会医療機器・体外診断薬部会」を開催したいと思います。委員の先生方におかれましてはお暑い中、また御多忙の中を御出席いただきましてありがとうございます。本日は医療機器・体外診断薬部会委員24名のうち、現在20名の御出席をいただいております。薬事・食品衛生審議会令に基づく定足数を満たしておりますことをまず御報告したいと思います。

 はじめに、7月11日付けで事務局に人事異動がありましたので報告させていただきたいと思います。医薬食品局長に着任致しました神田裕二です。審査管理課長に着任致しました森和彦です。安全対策課長に着任致しました宇津忍です。最後に大臣官房参事官医療機器・再生医療等製品審査管理担当に着任致しました、私、磯部総一郎です。どうぞよろしくお願い致します。

 続きまして、本日の議題の公開・非公開の取扱いにつきまして御説明致します。お手元の資料に議事次第がございます。その中に、平成13年1月23日付けの薬事・食品衛生審議会決議に基づき、この中の議題1〜5につきましては会議を公開で行い、議題6以降につきましては医療機器の承認審査などに関する議題で企業情報に関する内容などが含まれることから非公開としたいと思っています。これより議事に入ります、御協力のほどよろしくお願い致します。

 それでは、以後の進行につきましては笠貫部会長、よろしくお願い致します。

○笠貫部会長 最初に事務局から配布資料の確認をお願い致します。

○参事官 本日配布している資料につきまして御紹介したいと思います。議事次第の下に配布資料一覧がありますので、これに従って御確認いただければと思います。

 公開案件の関係ですが、資料1-1「薬事法第41条第3項の規定により厚生労働大臣が定める医療機器の基準の一部を改正する件について」です。資料1-2「薬事法第42条第1項の規定により厚生労働大臣が定める体外診断用医薬品の基準の一部を改正する件について」です。資料2-1「体外診断用医薬品関係業界からの提出資料」です。資料2-2「日本チェーンドラッグストア協会からの提出資料」です。資料2-3「全日本医薬品登録販売者協会からの提出資料」です。資料2-4「一般用検査薬に係る今後の検討予定について(案)」です。

 それから資料3-1「医療機器の認証基準案について」、資料3-2「医療機器の認証基準案に係る基本要件チェックリスト案について」です。

 参考資料1「医療機器の認証基準に関する基本的な考え方について」です。資料4「薬事法第23条の2第1項の規定により厚生労働大臣が基準を定めて指定する医療機器の一部を改正する件について」です。 

 あと、机上配布資料として参考資料2-1「ヘパリン使用人工心肺回路用血液フィルタ等の関連規格」参考資料2-2「インスリンペン型注入器の関連規格」を委員の皆様に配布させていただいております。

 資料5-1「次世代医療機器評価指標について」資料5-2「同種iPS細胞由来網膜色素上皮細胞に関する評価指標案」です。資料5-3「可動性及び安定性を維持する脊椎インプラントに関する評価指標案」資料5-4「三次元積層技術を活用した整形外科用インプラントに関する評価指標案」です。公開案件の関係の資料は以上です。

 それから議題の関係で参考人をお呼びした都合上、議題1と議題2を入れ換えさせていただきますので御了承いただければと思います。以上です。

○笠貫部会長 皆さん、資料はお揃いでいらっしゃいますか。よろしければ、これから議題に入らせていただきます。御説明がありましたように議題2「一般用検査薬について」から始めさせていただきます。本日は体外診断薬の販売元である製造販売業者と販売を行う販売業者から、それぞれ参考人にお越しいただいております。質疑応答、意見交換については一通り御説明をしていただいたあとで、まとめて行うこととさせていただきたいと思います。まず製造販売業者を代表して、一般社団法人日本臨床検査薬協会の常務理事でいらっしゃる近見永一参考人とOTC検査薬検討部会長の上村浩参考人に御出席いただきましたので、説明をよろしくお願い致します。

○近見参考人 御紹介いただきました日本臨床検査薬協会の近見と申します。1ページを見ていただきたいのですが、本日は私の所属しております日本臨床検査薬協会と関連する日本OTC医薬品協会、米国医療機器・IVD工業会及び欧州ビジネス協会を代表して説明させていただきたいと思っています。

 まずスライド3を開いていただきたいと思います。我々が一般用検査薬を拡大することの意義についてです。

○参事官 配布資料なのですが、先ほど申し上げた資料のうち、束になっている事前配布の資料と別途「当日配布資料」があり、途中、若干変更がございます。今、近見参考人とそのほかの参考人の方が御説明する内容は当日配布資料を御覧いただければと思います。これが最新の物です。資料確認の時に申し上げればよかったのですが、当日配布資料を御覧いただいてお話を聞いていただければと思います。

○近見参考人 ありがとうございます。それではスライド3を御覧下さい。スライド番号は、右下に書いてあります。我々が一般用検査薬拡大についてどういうことを考えているかを紹介させていただければと思います。

 「1.国民の自分の健康状態を知る権利と機会の拡大が図れる。」です。特定健診を含め、健診の機会というのは通常年1回、人間ドックもあるのではないかというお話ですが多くの費用と時間の拘束があります。診療所や病院に行けばというお話もあるのですが、やはり体調不良等を含めて疾患の可能性がない限り病院等に行くことはできないかと思っております。そういう意味で、自分の健康状態を知るための意義があるかと思っています。

 「2.疾病の早期対応、発症の予防、疾病の悪化防止などに貢献できると考えられる。」です。一般用検査薬(以下、「OTC」)を活用して自分自身の健康状態を把握できる。健康と思われても、検査値の異常があれば医療機関への受診を促すことができると考えております。

 「3.生活習慣病予備群等においても、生活習慣の改善努力の動機付けとしても活用できる。」です。

 1について補足させていただきます。我々が考えておりますOTCの利用なのですが、これは決して健診の代わりになるとは考えておりません。逆に日頃、自分の健康をチェックして経過を見て、年に一度はやはり専門家に診てもらうという健診の推進の一助となると私どもは考えております。

 実際の健診のところなのですが、今、健診というのは非常に受診率が低い。我々のWeb調査では全体で54%程度ですし、2030代の若い方は40%以下と非常に低いということもあります。検査して数値を知るという機会があれば、より自分の健康に対しても関心を持ち、年1回の健診につなげることもできるかと思います。

 また、2の疾病への早期対応ということも含め、その下のスライド4なのですが、我々が考えているOTC検査薬の将来像があります。図に書いてありますように、現在OTC検査薬というのは3種類しかないということで、値がおかしければ受診勧奨ということになるかと思います。新しい検査薬が増えますと、やはりそういうデータに基づいてより多くの方が早期の段階で異常値等が見つかれば受診勧奨につながるのではないかと考えています。

 また数値に問題がなければ、あと体調に特段の問題がないという場合につきましては、やはり定期的な検査の継続、あとは年1回の健診で様子を見ることになるかと思います。我々が考えているのは飽くまでも、受診勧奨のための検査薬の利用ということです。受診勧奨して、病院等では必要に応じて更なる精密検査を行っていくことで、きちんとした疾病の診断・治療・予防等に利用していただければと考えています。

 スライド5「現状の課題」ということで若干整理させていただいています。

1では、医療用の体外診断用医薬品につきましては添付文書やパッケージ記載では情報の提供、包装単位が一般向けではなく十分ではないのではないかと思っております。今でも非処方せん医療用医薬品である体外診断用医薬品は薬局で入手可能ですが、先ほど申しました理由によって、適切に使っていただくためにはやはり情報提供が十分でないと考えております。一般用医薬品としての必要な情報提供、通常の体外診断用医薬品は専門家用の添付文書なり情報提供というように区別することが必要かと考えております。

 2では、一般生活者のOTC検査薬で知りたいことが現状では満足できていないのではないかと考えました。これもアンケート調査の結果、コレステロールの値が知りたいとか中性脂肪、がん、血糖値、インフルエンザにかかっているかどうかなどを知りたいという結果が出ております。そのように今、必要な物がないということかと思っています。

 この内容について、参考資料6-5にアンケートの結果が出ております。やはり一番上がコレステロール・中性脂肪が高いか、がんの可能性があるのかどうか、あと糖尿病なのかどうか。その他に胆機能やインフルエンザ、感染症関係もあるのですがそのような項目が望まれているということです。

 次に元に戻っていただいてスライド5「3.OTC検査薬の拡大のルールが確立されていないため、一般生活者が使用できるような検査薬の研究開発が行われていない」です。検査薬メーカーは日々新しい項目をはじめ、新しい技術でより簡便に、より早く、より微量の検体でという研究をして、そういう物を製品化しています。その技術を利用することにより、OTC検査薬にも拡大できる技術もあるのですが、ルールが確立されていないため、OTC検査薬としてふさわしいような形態など、そういうものの研究開発の手が付けられないというのが現状かと思っています。それが現状の課題として私どもが認識している問題です。

 次にスライド6なのですが、セルフケア領域への導入に際しての基本的な考え方が平成2年6月に出されました。今後、新しくOTCを開発して、国民の健康のために寄与するという点では少し変えていった方がよろしいのではないかということで、我々業界が考えていることを少し提案させていただきます。

 まず「1.検体から得られる検査結果の臨床的意義が確立されていること」「2.検査に必要な量が容易に採取できるなど使用者の負担が少ないこと」「 . 検査手順において特別な器具及び処理を必要としないこと」とあります。平成2年にはこれらの条件から尿・糞便が検体として適当であるという報告がなされています。今後、新たな考え方として提案させていただきたいのは1.は同じです。2.につきましては検査に必要な量を採取する際、使用者への侵襲がないか、あっても負担が少ないこととさせていただければと思っています。

3. として、検体採取器具を用いる場合は安全かつ簡便に使用でき、煩雑な操作及び処理によらず検体を得られることということです。これらの条件から、今まで尿や糞便だったものが鼻汁とか唾液、涙液など、侵襲性のない検体、あるいは穿刺血、咽頭拭い液、口腔内擦過検体など侵襲性が少ない検体を使うことができるようになると考えております。

 次に7ページ目、スライドではプリントアウトすると数字が見えないのですが、これからのOTC検査薬の考え方の「検体」のところです。先ほどの続きなのですが、現在、20年前に比べたら体外診断用医薬品で使用できる非侵襲の検体種が増加しております。以前ですと血液や尿、糞便がメインだったのですが、鼻汁や唾液、涙液なども使える検査が大分増えてきたということです。

 技術の進歩によって、例えば自己検査用の血糖測定においては必要な血液量が非常に減ってきている。20年前ですと穿刺血で2〜5μぐらい必要だったものが0.31.5と微量になっており、また痛みも大幅に軽減される、侵襲性はありますけれども低侵襲だという状態になっています。技術の開発が非常に進んでいて、そういう形になっているということです。

 穿刺器具は操作性に優れて、現在安全性にも配慮されていて、一度使うと二度と使えないような形の物が今出回っております。針刺し事故の防止ができるということです。

 あと、穿刺血を用いて測定できる検査項目が増えつつある。血糖とかヘモグロビンA1c、そのほかOTC化のルールが確立されればほかの項目についても今後開発されていくのではないかと想像しております。

 穿刺血以外にも体外診断用医薬品で使用できる低侵襲の検体が増加しております。例えば咽頭拭い液、口腔内擦過検体などもあります。例えば、インフルエンザなどの検査薬につきましては普通に鼻をかんだ検体でも測定できるような状態です。

 また、現在、欧米では低侵襲の検体もOTCの検体として多く活用されているということです。あと、今、自己血糖測定装置の普及によって自己穿刺血の利用が増加しているのが現状です。最近の話ですが検体測定室が認められ、その普及によって自己採血も身近な存在になる可能性もあるかと思っております。

 検体につきまして、以前私どもでやったアンケートで血液を用いる検査について、最初微量の血液採取について具体的な説明をする前には、「検査をやりますか」と聞くと50%は「してもいい」というアンケート結果だったのですが、簡単になったことを説明すると70%に増加しています。やはり、適切な情報提供によって一般生活者の理解は進んで、穿刺血等についてもきちんと説明さえすれば利用するという機会が増えるかと考えております。

次に、方法論に触れさせていただきたいと思います。スライド9を御覧ください。平成2年はまず、「 . 検査手順が簡便であること」「 . 判定に際して特別な器具機械を用いずに容易にできること」「 . 短時間に情報が得られるものであること」でした。新たな考え方として . は同じ、「 . 判定に際して、使用者自身が簡便に操作できる機械器具を用いることができる」に変更させていただければと思っています。

 あと、短時間に情報が得られるものであるということ、 . . は変わりませんが簡単な器具機械で操作法も簡単であれば一般の方も使用できるということで、そのように提案させていただければと思っています。

 スライド10「これからのOTC検査薬の考え方(効能)」ですが、平成2年の例ですが、適切な性能を有し、特に感度について製品間の差による混乱が生じないよう配慮することが必要であるとなっております。「 2. 定性ないしは半定量のもので、判定は2段階又は3段階程度として、説明を統一化することが適当と考えられる。」以上のような条件です。

 新たな考え方として 1. は全く同じで、適切な性能を有する、感度についても製品間の差による混乱が生じないよう配慮します。あとは説明を統一することが適当と考えられるとしたいと思います。

2. が定性、半定量に定量を加えていただいて、定性、半定量、定量により判定するものであり、測定機械を用いる場合には製品間の差による混乱も生じないよう配慮することが適当と考えられると提案させていただければと考えております。最近、定量することにより、検査・診断等の有用な情報が得られるものがたくさんありますので、そのようなものが使われるようにということです。機械器具も非常に簡単な操作でできる機械が出てきていますので、機械を使って当然一定の品質、製品間の差がないという注意書きが必要なのですが、そこでカバーした形にさせていただければと思っています。

 スライド11はその背景を若干説明させていただければと思っています。以前、20年前に比べますと、例えばイムノクロマト法の普及によって、判定に際して特別な機械器具を用いずにできる体外診断薬が増加しております。感染症関係やアレルゲン関係です。あと、医療現場において、POC検査の普及により、検査の専門家以外の医療従事者が使用しても使用者の手技による誤差が少ないタイプの体外診断用医薬品も増加しております。

 技術の進歩によって、例えば自己検査用の血糖測定において操作性に優れ、誤操作の防止機能や精度管理対応、内蔵の物もあるし新たに校正用のチップ等を入れることにより簡単な精度チェックが行える物もできています。そのようなことで、できれば機械等を使える形にしていただければと思います。

 測定原理を例えば酵素比色法から酵素電極に変えることで、性能及び測定期間を大幅に向上したり、低価格化が実現できているというようなことです。将来においても、今、OTC検査薬の普及によって市場が活性化され、更なる技術の進歩が見込め、より安全・安心な制度の上に検査薬を提供することができる。そのことによって生活者の利便性も向上すると考えています。

 時間の関係上、先に進みます。スライド13「これからの課題と対応策」に進ませていただきたいと思います。これからの課題としては、我々としては情報提供の充実を今後きちんとしていかないといけないかと思っています。「各検査項目ごとに添付文書の記載要領を作成する」あと「販売店向けの情報提供資料を作成し、使用する医療機器の操作方法、検体の採取方法、測定結果判定基準についての取扱説明書等を作成し、適性使用を確保する。」「製造販売業者は消費者相談窓口を設置し、相談応需の体制を充実させる。」また、「穿刺針等の廃棄について」は、「自宅で自己採血を伴った場合、穿刺針等を安全に廃棄できる仕組みを構築する」というのが必要かと思っております。

 最後、まとめですけれども、平成2年、セルフケア領域における検査薬に関する検討会の第一次報告書に示された基本的な考え方をもとに、現在の科学水準の中で一般生活者や医療を取り巻く環境を考慮した新たな考え方、先ほど説明させていただいた考え方を提案させていただければと思っています。あと、規制改革会議に要望した項目については「新たなOTC検査薬の基本的な考え方」を基に、それぞれの検査項目に応じた審査をしていただくことをお願いしたいと思っています。

 以上、説明を終わらせていただきます。

○笠貫部会長 次に、販売業者の団体である日本チェーンドラッグストア協会第三事業部長の横田敏参考人から、御説明をお願いします。

○横田参考人 御紹介ありがとうございます。私は日本チェーンドラッグストア協会の横田です。本日はよろしくお願いいたします。時間も限られていますので、かい摘んで御説明いたします。

 最初に、ドラッグストアにおける体外検査薬の取扱い状況等についての御説明です。本日は、大きく3点について御説明いたします。1番目は、現在の体外検査薬の販売状況の指導についてです。例えば尿糖検査薬による糖尿病の早期発見・早期治療につなげるアドバイスを行っています。1例を挙げますと、参考資料です。これは、昨年、日本糖尿病学会で日本チェーンドラッグストア協会の会員企業が発表したものです。

 内容を簡単に説明します。40歳以上と思われる男女1,000名に尿糖検査薬をランダムに配布し、うち937名の回答者中18%に当たる165名に陽性反応が出て、そのうち受診勧奨により12.1(20)の方が実際に受診され、糖尿病の早期発見・早期治療に結び付いたというものです。

 続いて、妊娠検査薬です。不安を除くアドバイスを前提に、陽性・陰性にかかわらず、早期の受診を勧めています。中には、検査結果を基に相談に来られる方もいらっしゃるわけですが、これについては不安の解消など、よき相談相手になっています。特に、初めての出産の方は不安がいっぱいですが、よき相談相手になるために、2004年から日本チェーンドラッグストア協会認定制度である「ベビーケアアドバイザー制度」をスタートし、妊娠、出産、育児等についての悩み、不安等についての相談対応をしています。必要な場合は、受診勧奨も行っております。

 2番目です。今後、体外検査薬のスイッチOTC化で、どのような取組が可能かについてです。かい摘んで言うと、より積極的な生活習慣病の予防対策や生活改善に向けた取組が可能になるということです。例えば排卵検査薬などを活用し、避妊用としてはもちろんで、それ以上に、より妊娠の機会を高めるためのアドバイスが可能になり、子供がほしいと悩まれている御家族に対し、大きな支援が可能になります。それにより、様々な生活改善に向けた取組が可能になります。

 続いて、便鮮血検査薬により、関係する疾病の早期発見・早期治療が確実に可能になります。また、インフルエンザ検査薬によって、1人でも多くのインフルエンザ感染者の早期受診が可能になり、結果として感染拡大の抑制にも貢献できます。さらに、血中の無機塩類、例えば血中検査薬のカルシウムキット等を使用したり、白血球や赤血球を測定することにより、医薬品の副作用等の早期発見にも貢献できます。また、1例として、高尿酸値血症の人に、手軽に尿酸測定キット等を店頭で販売でき、購入者が簡単、簡便にと言うと誤弊がありますが、尿酸値が測定できれば、ドラッグストアは購入者等に対し、食事や運動等を含めた自己管理の促進に向けたアドバイスが可能になります。1例ではありますが、以上のような取組が可能になります。

 3番目です。ドラッグストアは体外検査薬のスイッチOTC化で何に貢献できるかについては、昨年の日本再興戦略にも明記されたセルフメディケーションの推進支援に、大きく貢献できます。これは間違いありません。更にセルフメディケーション意識を高めれば、何よりも国民の健康寿命の延伸に大きく貢献できるだけでなく、結果として医療費の効率的な運用にも大きく貢献することになります。それにより、公的医療、公的保険制度、ひいては我が国の社会保障制度を安定的に持続させることにもつながります。

 以上のことから、是非とも体外検査薬のスイッチOTC化の促進と、ドラッグストアに勤務する薬剤師、登録販売者の専門性を生かしたセルフメディケーション推進支援がより実施しやすい環境、制度を整備いただきたく、御検討のほどお願い申し上げます。

 最後に、日本チェーンドラッグストア協会では体外検査薬のスイッチOTC化は、国民の健康意識を高める上で極めて重要な課題だと認識しております。

○笠貫部会長 続いて、販売業者団体の公益財団法人全日本医薬品登録販売協会専務理事の杉本雄一参考人からお願いいたします。

○杉本参考人 御紹介いただきました杉本です。こうした機会を与えていただきましたことに対し、御礼申し上げます。以降、団体名を全薬協と略称いたします。

 全薬協は登録販売者が科学的な根拠に基づいた適正な情報提供を行い、セルフメディケーションを適切に支援し、一般用医薬品の適正販売等を確保する上での共通課題を乗り越えるため、職能として結集した全国組織です。

 事業内容は、登録販売者研修支援活性化事業、医薬品の適正使用に関する啓発及び知識の普及に関する事業等です。

 一般用検査薬の拡大に当たっては、一般用医薬品の分類に応じた登録販売者が購入者に情報提供を行い、必要に応じて、検査結果についての相談対応や受診勧奨を行うなどの仕組みをどのように構築するかが課題となります。

 結論を先取りして申し上げますと、全薬協は、これまで登録販売者が一般用医薬品販売時に適正な情報提供等ができるよう、薬事関係法規の周知を図り、登録販売者の資質向上のための研修を実施してきました。今後、一般用検査薬の拡大が行われたときも登録販売者によって情報提供が適正に行われるよう、研修項目の点検など、体制整備を強化する方針です。以降、本日の配布資料、参考資料を用いて説明いたします。

 参考資料は、いずれも全薬協及びその関連の地方協会が登録販売者の社会的責任を果たせるよう支援してきたことを示すものです。時間が大変短くございますから、順次申し上げます。今から申し上げるページ数は、参考資料についてのページを指しております。

 2〜5ページを御覧ください。6月12日施行の改正薬事法に準拠した手順例です。このように、全薬協は登録販売者による情報提供の在り方などにつき、薬事法を遵守した上で、医薬品販売の専門家としての倫理的観点を取り入れた標準的な手順例を示し、公益目的の職能団体としてその考え方を提示し、その実施を呼び掛けています。

 次に7ページを御覧ください。全薬協及び関係地方登録販売者協会は、登録販売者の資質の向上のためのガイドラインに完全に準拠した研修を企画運営しております。

1112ページを御覧ください。研修の実施機関は研修概要を自治体に届け出ることになっておりますので、その届出のために提示した、平成26年度版提出文書の目次です。かなり詳細な内容の文書を提出しております。13ページが、研修カリキュラムの実施例です。組織的、継続的に実施されていることをお示ししております。

 次に14ページを御覧ください。中程に、リスク区分の変更があった医薬品についての研修例を記載しております。15ページを御覧ください。「頭が痛い」というテーマでの研修例です。登録販売者としてのトリアージを踏まえ、受診勧奨を含めた内容になっていることを御覧いただけると存じます。

 6ページ中程を御覧ください。本日の対象である一般用検査薬についての研修の企画運営に際し、一般用検査薬の特性に鑑み、特に重視したことについて記載しております。第1に、検査薬が専門家でない方によって用いられることから、検査薬が適正に使用され、その結果から適正な判断に結び付けられるよう、具体性をもった情報提供が必要である点です。第2に、一般用検査薬による検査結果は専門的診断に置き換わるものではないことを伝達するとともに、使用後に相談の必要性を感じた場合、適切な受診行動につながるような内容を伴った情報提供が必要だという点です。この二つです。

 次に、19ページを御覧ください。全薬協は、既に平成17年度に一般用検査薬についての研修を企画運営してきています。そのときの確認テストです。21ページは平成21年度実施分についての確認テストです。年度が新たになるとともに、研修内容が行うべき業務の流れを反映したものとなっております。過去の研修においては、製造販売業者さんから、実際に尿糖・尿蛋白検査薬サンプルあるいは妊娠検査薬サンプルの提供を頂き、これを現実に使った研修を行ってまいりました。これらの実績を踏まえ、全薬協としては、冒頭に申し上げましたとおり、今後一般用検査薬の拡大が行われたときも、登録販売者によって情報提供が適正に行われるよう、研修項目の点検など体制整備を強化する方針です。

 その際の課題を申し上げます。最終ページに記しましたとおり、必要に応じ研修枠を拡大変更する用意があります。また、検査手順につき、実際に検査薬を使った登録販売者研修が必要になること、さらに、検査結果から適切な判断が導かれるように、チャートを使った情報提供が必要となることから、関係機関の協力を得て、その環境を整備する必要があるといった点です。時間が押してまいりましたので、以上で終了いたします。どうもありがとうございました。

○笠貫部会長 3人の参考人から御説明いただきました。委員の先生方から御意見をいただきたいと思います。

○生出委員 日本薬剤師会の生出です。6団体の皆様、様々な御紹介をいただき、ありがとうございます。

 時間の関係上、日本臨床検査薬協会のスライド3「一般用検査薬拡大の意義」は、非常にうまくまとめられていると思います。国民が自分の健康状態を知る権利、機会の拡大、疾病の早期対応、発症の予防、悪化防止等、予備群においても生活習慣の改善努力の動機付けとして、非常によくまとめられていて、私どもとしても、一般用検査薬のこれからの拡大は必須だろうと思っております。

 ただ、その中において、拙速に進めるべきではないと一方では思っております。特に、スライド7「まとめ」にあります「セルフケア領域の導入に際しての基本的な考え方」「新たなOTC検査薬の基本的考え方」というのが二つ書いてあります。下から2番目の「使用者に提供されるべき情報」という所は、このとおり、もちろん国民の皆様が検査を行うことがなぜ必要なのか、どういう種類があって、どのような方法でやるのかということで、きちんと健康状態を守るために何を測ったらいいのかが分かって使ってもらうことが、一番大事だと思っています。

 上に戻りますと、検体からいうと、 . . に書いてありますが、 . から言いますと、「検査に必要な量を採取する際、使用者の侵襲がないか、あっても負担が少ないこと」とありますが、まずは侵襲がないことからスタートすべきではないかと思っておりますし、 . に「検体採取器具を用いる場合は」とありますが、これもいろいろな意味で、この24年間、なかなか一般用検査薬が進まなかったこともあって、実際の現場での取扱いがされてこなかったことを考えると、せっかく重症化防止のために検査をするもので、逆に病気が重篤化してしまうことがないようにしていかなければならないだろうと。

 それと、尿、糞便、鼻汁、唾液等、侵襲性のないものから始めるべきであって、穿刺血等だと、例えば先ほど提案もあった医療廃棄物としてどう処理していくかとか。ただ、病気を持っていて、例えば血友病の方が誤って使ってしまう、そういうことがないようなこともきちんと踏まえて進めていかなければならないと思っております。

 あとは、飽くまでも一般の方々が判定するので、定性が主であって、おっしゃられているように進んだとしても半定量ぐらいまでなのかなと思っております。

 いずれにしても、拙速にやって、せっかくの一般用検査薬の拡大というところが、将来潰れてしまわないように、大事に育てていかなければいけないと思っております。チェーンドラッグストア協会もおっしゃっておりますが、これが例として適当かどうか分かりませんが、例えばインフルエンザ検査薬のスイッチOTC化により、インフルエンザの疑いが早期に発見されるというようなことがもし可能になれば、パンデミックを防げるとか、いろいろと社会的にも貢献できると思っております。

 なお、このスイッチOTC化に関しては、全薬協と考え方が若干異なるところがあるかもしれませんが、まずは第1類医薬品で、専門職である薬剤師の関与の下でスタートすべきだと思っております。質問というよりも、私の感じている意見を述べさせていただきました。

○鈴木委員 丁寧な御説明をありがとうございました。意見を幾つか述べさせていただきます。

 まず、資料2-1、3ページ「一般用検査薬拡大の意義」というところです。一般用検査薬はセルフケアの一環で用いられることが想定されておりますが、今後議論を進めていく上で、セルフケアの概念がこの部会内で共有されている必要があると思います。また、セルフケアとセルフメディケーションをどのように捉えているのか、それも確認する必要があると考えております。

 セルフケアに関しては、厚労省でいえば健康局が主体になって、長年がん検診や生活習慣病対策など、様々な健康増進対策に取り組んできております。平成15年に施行された健康増進法においては、国民の責務として、「国民は健康な生活習慣の重要性に対する関心と理解を深め、生涯にわたって自らの健康状態を自覚するとともに、健康の増進に努めなければならない」とも記載されており、日本医師会としても国民が自己の健康管理に関心を持つことは重要だと考えております。

 その上で、「1.国民の自分の健康状態を知る権利と機会の拡大が図れる」ということについては、既存の健診の受診が優先されるべき課題だと考えております。受診率が低いというお話もありましたが、まずは受診率の向上に取り組むべきだろうと思います。

 また、一般用検査薬があれば、費用と時間のかかる健診を受けなくてもよいかのような主張にも聞こえますが、精密検査である人間ドックや特定健診と一般用検査薬がセルフケアにおいて同じ役割を果たすとは考えられませんので、同列に議論すべきではないと思います。

 さらに、かかりつけ機能が充実・強化されつつありますが、今回の診療報酬改定における地域包括診療料及び同加算においても、健康管理、服薬管理は、かかりつけ医の業務であることが確認されましたので、我が国のように非常に医療機関へのアクセスのよい国では、異常値が出れば気軽にかかりつけ医を受診すべきであると考えております。

 「2.疾病の早期対応、発症の予防、疾病の悪化防止などに貢献できると考えられる」とありますが、異常値があれば、まずかかりつけ医を受診することが前提になると思いますし、早期対応とおっしゃいますが、診断がつかないうちに対応ができるのかという疑問があります。また、発症の予防と言いますが、どうして発症しているのが分かるのか、これは診断という行為がないと発症は確認できないのではないかと思います。さらに、悪化防止とありますが、これは当然診断を受けた後になります。診断と治療は、飽くまでも医師の業務ですので、これを前提にしていただきたいと思います。

 「3.生活習慣病予備群等においても、生活習慣の改善努力の動機付けとしても活用できる」とありますが、この予備群についても、診断を受けないでどうして予備群と分かるのかと、我々は疑問を感じるわけです。

 スライド5の「現状の課題」の1についてです。一般用検査薬には、一般使用者向けの添付文書やパッケージ記載が必要ですが、一般向け説明書の質に関する課題への対応として、海外では説明書の理解度調査が行われていると聞いております。生活者が一般用検査薬の使い方、結果の判断、その後の対応などを正しく理解できるよう、添付文書等に十分な情報が適切に示されているかどうか、承認前に確認調査を行うなどのプロセスの導入の必要性が考えられると思います。

 次に、2についてです。一般用検査薬は利便性よりも安全性やその結果を知った人がその後どう行動するかということが重要と考えますが、製造販売業者は、一般生活者が手軽に知りたいという利便性のニーズを安全性よりも重視しているかのように受け取れます。一度測ってみて、安心して、健康管理を蔑ろにするということがあっては、健康増進とは逆方向になることが懸念されますので、妊娠検査薬のように結果が分かった後の行動がはっきりしていること、すなわち結果が医療機関の受診につながることが、疾病の早期対応にとって重要であると考えております。

 また、3については、OTC拡大のルールが確立されていないから開発されないのではなくて、ニーズがないので開発が求められてこなかったのではないかと考えております。営利企業による売上げ優先の考え方では国民の健康を守ることはできません。

 業界の課題としては、平成2年の報告書の定義に合う検査項目でさえ、20年もの間新たに一つも承認されてこなかったということではないのでしょうか。平成2年の報告書の範囲内で、何が一般用検査薬の候補となるのかは、少なくとも現時点で改めて検討してみてもよいと思いますが、平成2年の報告書で指摘された、「血液については医師の指導が必要と思われる」ということについては、日本医師会では、国や企業や薬剤師会等から、今まで全く相談を受けておりません。セルフケアに関与すべき医師が、どのように一般用検査薬に関わるか等についての方向性を見いだすには今後の十分な議論が必要であります。

 スライド4の図についてです。その右側に「定期的な検査の継続」とありますが、これもまず医師を受診すべきです。そういう流れができてしまうと、早期発見を遅らせてむしろ重症化させることにつながりかねないと懸念されます。

 例えば生活習慣病についてですが、この治療は一般用医薬品のところでも話しましたが、単なる数値の上がり下がりだけ見ればよいものではなく、長期的にわたる全身管理が必要な疾患ですので、まず医師を受診すべきであり、医師の管理下で治療を受けるべきです。インフルエンザに関しても、偽陰性の問題がありますので、拙速に導入すればよいということではありません。日本では、公休が取れるかどうかというのは医師の診断書が必要です。イギリスのようにインフルエンザに罹れば1週間休めると喜ぶ国民性の国もありますが、我が国のように、すぐに診断を受け、治療をして、仕事に行くという国では、やはり検査の在り方も違ってくると思いますし、我が国の早期受診、早期診断、早期治療という体制が、前回の新型インフルエンザの死亡率において、我が国が断トツに少なかったという成果をもたらしたことは、世界中が認めている話です。

○笠貫部会長 鈴木委員、全体の時間を考えて、「基本的な考え方」にできるだけ絞っていただきたいと思います。

○鈴木委員 それは分かっておりますが、非常に見過ごせない話がたくさん含まれておりますので、是非お話をさせていただきたいと思います。

 医師、薬剤師、一般生活者のアンケートの結果では、いずれからも一般用検査薬に対して侵襲性が低いことが望まれております。現時点では平成2年の報告書を踏襲し、尿以外の侵襲性のない検体採取方法から検討すべきであります。検体採取方法が安全なら何でもよいということにはなりません。侵襲性の低い検体については、検査項目ごとに個別に判断すべきであります。特に、穿刺血、微量であっても穿刺血に関しては、感染対策やその廃棄物の対策の問題のみならず、データの判断の問題、これは医師の受診が前提になるべき話ですので、容認できるものではありません。

 スライド7についても、製造販売業者は薬害を起こさないよう、責任をもって十分すぎるぐらいの仕組みを提案し、実行すべきであります。サリドマイドやスモンが一般用医薬品によって発生した薬害であるということを忘れるべきではありません。国及び企業は一般生活者の安全と利便性のどちらを優先するつもりなのか、もう一回考え直す必要があります。

 欧米の一般用検査薬の販売実態は各国の医療制度と併せて考察する必要があります。高コストやゲートキーパー制により、医療機関へのアクセスが悪い米国や英国では、自らの健康を守るために次善の策として一般用検査薬が必要かもしれません。しかし、例えば我が国と同じ社会保険制度を有し、医療機関へのアクセスもよいフランスでは認められている一般医療検査薬は我が国と同様に3項目のみです。

 スライド8です。右下の説明には「海外では、御家庭で一般的に行われている」という記載がありますが、このような説明は患者を誘導する意図的な文章ではないでしょうか。この説明やアンケートは恣意的だと思います。また、こうした広告が行われないように規制を検討すべきではないかと思います。さらに、説明後に検査意向が増加したとありますが、誘導的な説明をしているので、当たり前の結果ではないでしょうか。このような信頼性を欠くアンケート結果を厚労省が資料として参考にするのは、疑問です。

 スライド1314ページに対して、我々の考えをまとめますと、まずセルフケアとセルフメディケーションの違いについて合意を得るべきだと思いますし、国民の健康と安全を守るのは医師の責務です。そして、診断と治療は医師の業務です。世界一アクセスのよい我が国の医療制度のメリットをいかすべきです。また、既存の健診体制を活用すべきです。健康局のスローガンは、「1に運動、2に食事、しっかり禁煙、最後にクスリ」となっています。さらに、医療は非営利を原則としていますので、営利企業は医療本体に参入することはできません。

 そういったことを考えますと、当面、平成2年に認められた範囲内で、まだ検討されていないものがありますので、その検討がまず優先されるべきだと思います。

 その上で、採取に侵襲のある検体を用いるもの、あるいは検体採取器具を用いるもの、判定に機械器具を用いるもの、また定量により判定するものを行う場合には、まずかかりつけ医を受診すべきと考えます。その後の方針については、今後議論をしていくべきだと思います。

 次の資料2-2についてです。生活習慣病についてかなり書いてありますが、診断と治療は医師の業務ですので、かかりつけ医による長期にわたる全身管理が必要です。それから、この中に「早期発見」という言葉がありますが、これは診断に当たるものですし、医薬品による効果の確認は治療に当たると考えますが、飽くまでも診断と治療は医師の業務です。また、「感染症の早期発見」「副作用の被害防止」「健康の確保・増進等の自己管理」などと書いてありますが、こういったことはまずかかりつけ医を受診してから行うべきだと思います。また、「セルフメディケーション」という言葉がありますが、これは飽くまでも自己管理の話であり、専門家が関わる場合は医師が関わるべきだと考えます。また、生活習慣病はかかりつけ医が管理すべきですし、ヘモグロビンA1cのスイッチ化は論外な話です。「早期発見」「悪化防止」という言葉もありますが、診断は医師の業務であり、悪化防止は治療ですので、これも医師の業務です。

 最後の3を見ますと、「検査薬の充実により、地域住民の健康意識を高める様々な動機付けを行う店頭活動ができる」という記載がありますが、これは正に営利企業の論理だと思いますし、医療費の抑制が求められているということもある訳ですが、その結果として総医療費はむしろ増えるのではないかと思います。医療は非営利を原則としている我が国においては、我々医師はそうした国民の不安をあおり、売上げを伸ばし、利益を増やそうとする営利企業から国民を守らなければなりません。今回の診療報酬改定においても、在宅における不適切事例は報告するようにという話がありましたが、是非日本薬剤師会が業界を代表するということであれば、そういった調剤薬局やドラッグストアの不適切事例についても報告するような仕組みを構築すべきではないかと思います。

○笠貫部会長 できるだけ簡潔にしてください。

○鈴木委員 分かりました。「公的医療保険の安定的持続への貢献」とありますが、そういったエビデンスはあるのでしょうか。軽々しくそういった言葉を用いるべきではありません。

 最後の資料2-3についてです。登録販売者については、ここに書いてあることは御立派ではありますが、まずこれまでの組織ぐるみの大量の不正受験など様々な不正行為を反省し、国民や医師の信頼を得られるように努めるべきであり、今回の要望はそれからの話だと我々は考えます。

○笠貫部会長 薬剤師会と日本医師会としての意見としてお話をいただいていると思うのですが、時間が限られています。国民の目線からの御意見をお聞きしたいと思います。

○杉本参考人 名前が出ましたので、訂正だけさせていただきたいと思うのですが、よろしいでしょうか。

○笠貫部会長 短くお願いいたします。

○杉本参考人 資料2-3の中に、「登録販売者の全てが49項目にわたり研修してまいります」ということを書いており、この点も含めて生出委員からのお話もございました。

 実は、この点についてもう一度全体の幹部で協議をし、「少し踏み込みすぎではないか」ということで、今日配布の資料を御覧ください。そのトップページにある方針で我々はお願いしようということです。「一般用検査薬の拡大に関する全薬協の考え方」という所で、我々の主張をお願いしようということです。

 これは手違いですが、差替えをします。従いまして、直ちに第2類と考えているわけではなく、制度的なものもありますので、一旦は制度的には違うのではないかという話もございましたから、そこの部分については制度的に認められるのであれば、十分な手当をする用意があるという話をさせていただいたということです。訂正をいたします。よろしくお願いいたします。

○笠貫部会長 根本的な問題でしたらいいのですが、訂正ということでしたら、簡単にお願いします。

○近見参考人 ただ今、鈴木先生の御意見なのですが、こちらの資料の作成が余り良くなかったのですが、早期発見・早期治療というのは、店頭で体外検査薬を使用して行うのではなく、飽くまでも受診勧奨をした結果、早期発見・早期治療に結び付いたということであり、店頭で早期発見・早期治療をしたということではありません。その辺の誤解はないようにしていただきたいと思います。以上でございます。

○武谷委員 私も40年ぐらい臨床の現場にいて、一方、患者としていろいろと医療の恩恵にも浴したということで、両方の立場で申し上げます。

 確かに、こういう検査薬が、OTCということで多くの人が利用できるということは、うまく使えば非常に国民にとって望ましいことではないかと思います。ただ、全てのものがOTCとして使用できるかどうか、all or nothingで議論するわけではなく、個別的な議論になるわけで、今日は総論でこれに賛成とか反対ということを申し上げるのは、大変難しいことではないかと思います。

 医療の現場では、御存じのように、全てevidence based medicineということでして、実際にどのような健康の増進につながるか。こういうことが一番大事なことであり、単に個々人が数値を知っても、それが個々人の健康に結び付かなければ意味がないのであり、医療における知る権利というのは、単にデータを知ることが知る権利ではなく、それが本人の健康にとってどういう意味を持つかということであり、かえって生兵法は大怪我のもと、いたずらに不安を招くこともあろうかと思います。

 一つ申し上げたいのは、エビデンスに基づいたデータを出していただくような努力をされたほうがいいのではないか。例えばLH試薬なども、医師の指導の下に使えばプラスになることはありますが、専門家の意見を得ないで、実際にLH診断薬を使って、妊娠率が増したかどうかというエビデンスは、おそらくないのではないかと思うのです。その辺りも、きちんとエビデンスを追及していただきたいと思います。

 それから、これは言い換えるとcost effectということになりますので、医療は全体として医療費を抑えようと、国を挙げてそういう努力をしているわけで、これは医療費の外だと言えるのかどうか。ただ、国民としては広い意味では医療費になるので、そういうcost effectという観点も非常に大事ではないかと思います。

 それから、個々の検査で、これも専門の方は御存じのように、sensitivityspecificity、感度と特異性が非常に大事であり、例えば同じ検体をあらゆる年齢層が使った場合、その辺のreproducibilityあるいはどの程度か。specificitysensitivityによっては、cost effectではないわけなので、その辺りも個々の検査ごとに検討していただきたいと思っております。

 もう一つは細かいことですが、実際に定量性がどの程度あるか分かりませんが、実際OTCというかたちで利用した場合、どの程度同一性があるのかとか、その辺りのしっかりとしたデータも出していただいたほうがよろしいのではないかと思います。

○笠貫部会長 できるだけそれぞれの先生方の御意見をお聞きしたいので、簡潔にお願いいたします。

○荒川委員 私は以前に大学病院で薬剤部長をしており、また薬学教育に関わる者として、あるいは一般のOTCユーザーとしての懸念から、最後の登録販売者に関して懸念を持っております。受診勧奨ということであれば、医療機関側の事情をよく分かっている人でないと無理だと思います。それをこういう形でやるのは難しいのではないかということが一つあります。

 もう一つは、今、登録販売者そのものの制度が教育に重点を置かれていて、実際に適正な指導が現場で行われているかという監視に関してのデータがないような気がするのです。実際に監視ということをされていて、正しく情報提供、マーケティングに偏った情報提供になっていないかに関して、適正に管理できているのかについて疑問に思う次第なのです。

○笠貫部会長 ほかにはございますか。

○千葉委員 今の議論を拝聴させていただいて考えることは、今日発表された参考人の方たちは多少準備不足だと思います。一部「生兵法」とか「深入りしすぎ」という表現も出たと思いますが、行政も医師会も薬剤師会も、十分な検討をされた上でこのようなガイドラインをお作りになって、こういうところでお話をされるのがよかったのではないかという気がいたします。全体の規制改革の流れは、私はありかと思っていますが、今日の議論がかみ合わないのは、そういうところに大きな原因があると感じます。

 一つだけ申し上げると、健康意識を高めるためということが大事ですので、こういったOTCに関しては、医師への受診あるいは薬剤師への相談、その機会を高めていくためのものである、それが基本であると私は思っています。ですから、そこには限界があり、侵襲の少ないものではなく、侵襲のないものです。それから定性、せいぜい半定量という、先ほどの薬剤師会の先生のお考えは全くそのとおりであり、そこでスクリーニング的に関わり得るというものであれば、それは、今後いろいろな医師会、薬剤師会との議論の上で進めるべき道の一つではないかと思います。

○西田委員 現場で実際の患者さんを診ている医師です。いいことも多いと聞かせていただいたのですが、一つ心配なのは、実際の病気の患者さんの発見が遅れることがあるのではないかということです。これが拡大したときに、患者さん自身がどういう検査をやるかを判断されて、その検査がネガティブであったら少しの間は放って置かれる状況が生まれたときに、次に別の検査をしたほうがよかったという判断を患者さん自身がするというようになるので、その辺りのことが気になります。

 実際に病気を持った患者さんの発見が遅れる例が出た場合に、こういう検査薬の拡大が、ある特定の病気に関してはよくないのではないかと思いますので、個々で議論を深めていかないと、難しいのではないかと感じました。

○近見参考人 我々は飽くまでも検査について機会を与えるということで、あと鈴木先生もおっしゃったように、健診はきちんとやるべきで、そこを上げることは我々にとって重要なことだと考えています。ただ、先ほど申しましたように、健診の機会というのは、年に1回の人間ドックをやっても、せいぜい1、2回で、その間に様々な健康状態を知るチャンスを与える、そういうことができる状況を作り出すことは非常に重要だと考えております。

 その検査をやるかやらないかは、それは自由なお話なので、使うか使わないかは別の話なのですが。

 4ページの「定期的な検査の継続」というのは、正常値で体調もいい方は、適当な段階で検査をしてもらって、異常値が出れば受診勧奨、受診をしていただくという意味であり、決して体調が悪いのに検査をして、よかったから何もしないと、病院に行かないということは考えておりません。体の調子が悪ければ病院へ行くし、そういうことを妨げるものではなくて、体調不良でない限り、普通と病院にも行けないというか、健康状態で病院へ行く機会というのはあり得ないかなと思っています。ある程度の状況があれば病院へ行きますし、それは当然我々としてもそういう状況と考えておりますので、日頃検査をして、値が正常であって、何もない状態の方はきちんと継続的に検査をしていただく、自分の体を知っていただくことが重要ではないかと考えております。

 それと血液につきましては、情報量がものすごく違うのです。穿刺血も含めて、血液を測ることによっていろいろな疾患の可能性を見つける情報量が、尿とか糞便から比べると多いので、是非この辺は、個別の問題かも分かりませんが、可能性として検討していただく機会を設けていただければと思っています。

○笠貫部会長 まだ御意見はあるかと思いますが、今日の会議は多く審議することがございますので、私なりに簡単にまとめさせていただきます。

 3人の参考人からお話をお聞きしました。薬剤師、医師の立場からということで、それぞれ一般用検査薬についてのステイクホルダーとしての御意見をお聞きできました。それが議論し合えたということは、大変意味のあることだと思います。

 いずれにしても一般用検査薬について、平成2年から平成26年においてどうあるべきかということは、真剣に検討しなければいけないという御意見は、皆さん同じだと思いますし、セルフケアというキーワードについては、皆さん共通認識としてお持ちいただいていると思います。

 具体的に検査薬の対象をどうしていくのか、あるいはそれに伴った体制をどうしていくのか等については、次のステップだと思います。今日は様々な御意見が出ましたが、最終的に私どもが一番大事にしなければいけないのは国民の目線で、どのようにステイクホルダーがそれぞれに考えを進めていくのか、そこを部会としてどのようにまとめていくかということが大事なのだろうと思いました。そういう意味で、今日多く出た論点は事務局にまとめていただいて、次のステップへ進めていただけたらと思います。

 今日の最初の議題で大分時間を取らせていただきましたが、国民にとって非常に大事な問題だということでお許しをいただき、次のテーマに入りたいと思います。

○参事官 ただ今部会長からおまとめいただきました資料2-4を御覧ください。「今後の検討予定」です。次回は、本日頂いた御意見について、各項目ごとに論点の整理ということで、業界からいただいた提案、本日出された御意見をサマリーして、どのような構図の御意見があるのかを整理した資料を準備させていただきます。それに準じて、その後、論点を踏まえた考え方の見直し等を進めていきたいと思っています。

 本日は非常に時間がタイトで、発言できなかった御意見がございましたら、別途事務局に御連絡いただきましたら、9月に出す資料に反映させていただきたいと思いますし、全体での議論も大事だと思いますので、今日の議論の部分、後ほどいただいた意見を踏まえて資料をお作りしますが、こういう点も大事だというのは9月のときにも御意見をいただいて、論点の整理を進めさせていただければと思っていますので、今後はこのようなスケジュールで進めさせていただければと思っています。

○笠貫部会長 皆さんそれぞれの様々な御意見をお持ちだと思いますので、ぜひ事務局にお送りいただき、その論点を事務局でまとめていただきます。それを基に、9月に更に実りのある議論ができたらと思いますので、よろしくお願いいたします。

 参考人の先生方、これで議論が終了しますので、御退席いただけたらと思います。本当にありがとうございました。

―― 参考人退席 ――

○笠貫部会長 それでは、次の議題に移ります。順番が変わっておりますが、議題1「基本要件の一部改正について」の審議を行います。事務局のほうから御説明をお願いします。

○事務局 まず、基本要件について簡単に説明したいと思いますので、「当日配付資料4」 と左上に書かれた1枚紙を御覧ください。この基本要件と呼ばれるものはGHTF国際医療機器規制整合化会議で2005年に日・米・欧・豪・加の5極で定められたN41文書に基づいて規定されております。日本では、薬事法の第41条第3項の規定に基づきまして、厚生労働大臣は、医療機器の性状、品質及び性能の適正を図るため、薬事・食品衛生審議会の意見を聞いて、必要な基準を設けることができるとされる基準として、医療機器の基準、もう一つは、第42条第1項の条文に基づきまして、これらはあらゆる医療機器及び体外診断用医薬品の使用を想定したとき、主に安全性を確保するために、設計・製造上必要となる事項に関して共通する要件を基準として定めたものです。

 その基本的な要件については大体以下のとおりです。これは、現行の基準に基づく条文に基づいて1〜16までの番号を振っていて、主に、使用者・第三者・患者への安全性の確保、安全性の確保のための危険の管理、3番につきまして、意図した性能や機能の発揮できること、製品の有効期間や耐用期間内において劣化等による影響を受けないこと、製品の輸送時や保管時に特性や機能が低下しないようにすることなどを含めまして、16条の項目からなる基準となっております。今回、この基準に関してですが、先ほど言ったGHTFの会議で、N41が新たにN68という文書に改訂されたことに伴いまして、日本でもこれに合わせた改正を行いたいという趣旨です。どの部分を改正するのかにつきましては、資料1-1を御覧ください。

 資料1-1ですが、2番目の「改正の概要」について簡単に説明したいと思います。まずは「(1)題名の改正」です。これは、薬事法から「医薬品・医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」へ法律名が変わったことに伴う題名の変更です。「()設計及び製造等に係わる配慮」としまして、医療機器の使用に当たって、必ずしも専門的知識を要しない医療機器を一般使用者が使用する場合の配慮が明確化されたことに伴い、この医療機器の設計及び製造等の際に、当該医療機器を使用すると想定される者が有する専門的知識の程度を考慮した配慮を行うようにということで、各使用者という条文が書かれたものに対してこの定義を含めた改定を行います。あと、使用環境に対する配慮としましては、医療機器が他の医療機器、体外診断用医薬品、その他の装置と併用される場合については、それら全ての装置と安全に接続され、かつそれぞれの性能が損なわれないように、その場合の使用上の制限事項については医療機器の添付文書等に記載することです。

 次のページに移ります。医療機器は、使用者が操作する液体若しくはガス移送のための接続部であるとか、機械的接合にかかる接続部につきましては、不適正な接続から生じる危険性を最小限に抑えられるよう設計、製造されること。「()プログラムを用いた医療機器に対する配慮」としまして、システムが再現性、信頼性及び性能が確保されているように設計されなければならないこと、また、システムに一つでも故障が発生した場合、当該故障から発生する危険性を合理的に実行可能な限り、適切に除去又は低減できるよう適切な手段を講じること。また、プログラムを用いた医療機器については、最新の技術に立脚した開発ライフサイクル、リスクマネジメント、並びに当該医療機器を適切に動作させるための確認及び検証の方法を考慮に入れた上で、その品質及び性能についての検証が実施されなければならない、ということなどを改正する形になります。

 一般使用者という概念が加わることに伴いまして、一般使用者が使用することを意図した医療機器に対する配慮ということで、今まで自己検査医療機器等ということで、自己検査医療機器又は自己投薬医療機器にかかっていた条項につきまして、一般の使用者、使用に当たって必要な、専門的な知識を必ずしも有しない者が使用する医療機器まで、全般に広げるような対応となります。最後に、添付文書等による使用者への情報提供としまして、添付文書等にあるように、「製造販売業者は、安全な使用方法、その性能を確認するための必要な情報を使用者に容易に理解できるようにすること」などの条文を追加するような改正を行います。その他、各条文について、明確化とか条文の分割といったものがありますが、そういった反映を今回の改正で行いたいということです。

 今、説明したものにつきましては、資料1-1に基づいて医療機器の基本要件改正部分を説明しましたが、資料1-2にある体外診断用医薬品についても医療機器と同じような改正を行いたいということになります。以上でございます。

○笠貫部会長 それでは、この議題について、委員の皆様方から御意見、御質問はありますか。御了解いただきましたら、議決に入らせていただきます。この医療機器の基本要件の改正、及び体外診断用医薬品の基本要件の改正について、本部会として、それぞれ別紙のとおり改正を行うということでよろしいでしょうか。

 ありがとうございます。御異議がないようですので、そのように議決させていただきます。それでは、議題2を終了します。

 次に、指定管理医療機器の認証基準案について、事務局から議題3の御説明をお願いします。

○事務局 報告事項議題3、資料3-13-2、参考資料1「指定管理医療機器の認証基準案について」事務局より説明します。参考資料1については時間の都合上割愛させていただきますが、医療機器の認証基準に関する基本的な考え方についてまとめた資料ですので、御参考にしてください。

 続きまして、資料3-1を御覧ください。本日、報告させていただく認証基準案につきましては、資料の表紙にある、手術用ステープラ認証基準の改正案1基準です。次に、資料3-2「基本要件適合性チェックリスト」です。先ほど説明した認証基準案に対応するものです。これらの内容については機構から詳細を説明します。

○機構 資料3-1を御覧ください。今回、先生方に報告する認証基準案は、既承認品の現状の使用実態を踏まえまして、一部既存品の有する切離機能を明示することを主たる目的とした基準の改正意見です。資料3-1にありますように、一般的名称の定義及び使用目的、効能又は効果を記載のとおり、現行から改正案へ記載整備しております。

 資料3-2を御覧ください。こちらは基本要件適合性チェックリスト案です。当初、承認時より既存品において検証されていた、切離機能及び切離機能に関する刃の特性につきまして、第6条に明示をしました。その他、適宜基本要件への適用、不適用、特定文書の確認の記載項目等の見直しを行っております。説明は以上です。

○笠貫部会長 委員の先生方から御質問、御意見はありますか。よろしいでしょうか。手術用ステープラ認証基準ということですが、特に御意見はありませんか。特にないようでしたら、これで議題3は終了します。それでは、議題4に移ります。事務局から御説明をお願いします。

○事務局 報告事項議題4、資料4「指定高度管理医療機器の認証基準案について」事務局より御説明いたします。まず、一番最初に、「医療機器の基準を改正する案」につきましては、資料4の一番後ろのページにある、参考と書かれた「医薬品・医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」におきまして、今までは認証機関等で行っていた管理医療機器にかかる審査につきまして、高度管理医療機器に広げるという対応をすることになっております。これにつきましては、この資料4の15ページにある図を御覧ください。今までクラス II と呼ばれるものにつきましては、国内に12機関ある認証機関で認証しておりますが、今後、高度管理医療機器という所で、「法改正で拡充」と書かれている三角形の所があると思いますが、そちらのほうまで広げるということで、認証機関のほうで認証できるような基準を定めなくてはいけないということで、改正することとなります。

 改正の概要については、資料4の1ページ目に戻っていただいて、法律名の改正に伴う改正を行うとのことで、告示の題名が変わります。あと、指定高度管理医療機器については、文章で書かれていると非常にややこしい所もありますので、16ページに概要をまとめておりますが、「高度管理医療機器の認証基準案」と書かれているものです。現在の認証基準の告示を改正して高度医療機器の基準を追加すること。告示を定める上で、高度管理医療機器の基準としましては、先ほど説明した基本要件基準への適合と申請資料の信頼性の確保、これはクラス II についても求めているのですが、基準として高度管理医療機器についてはこちらのほうに定めます。

 あと、別表への適合ということで、右下に「別表」と書かれている表があります。例えば、後で説明させていただきますが、インスリンペン型注入器については、既存品目との同等性を評価すべき主要評価項目として、1、2、3の、機械的性能、投与量の精度、無ディフェクト性ということで、この主要評価項目に評価しなければいけないものを定めて、併せてその下にある使用目的、効果と併せて基準とします。この主要評価項目だけを基準とすると、具体的にどういったものを評価するかになりますので、具体的なものについては、左に赤字で書いてある、主要評価項目に関する具体的な事項や関係する規格等につきましては、医薬食品局長通知で別途規定するという枠組にさせていただきます。

 資料4の2ページ目にお戻りください。別表第1に、今回、二つの基準を加える改正を行います。まず一つ目は、ヘパリン使用人工心肺回路用血液フィルタ、ヘパリン使用単回使用人工心肺用除泡器と呼ばれるもので、これについてはそれぞれ「既存品目との同等性を評価すべき主要評価項目」としまして、「1 血液損傷、2 濾過効率、3 流量、4 気泡除去性能、5 ヘパリンコーティング」となります。使用目的又は効果としまして、心肺バイパス手術時に使用し、血液から凝血塊や気泡等を除去することとして、これを基準と定めます。

 先ほど言いました、局長の通知という所については資料の5ページを見ていただくと、別紙1「ヘパリン使用人工心肺回路用血液フィルタ等に関する取扱い」としまして、先ほど主要評価項目として出した、「2.同等性評価の考え方」という所に、それぞれどういった評価をするのか、ここに紐解くというような形で、局長通知として出すとのことです。実際には、それぞれの血液損傷とか濾過効率の評価の仕方というのは6ページに示してありまして、「3.(1)同等性評価の考え方」人工心肺回路用血液フィルタという、JISの規格等に基づいてこういった評価を行うと規定されておりますので、実際には規格等の適合を確認して、認証機関のほうで認証審査を行う形になります。

 併せて、もう一つの基準として、2ページにお戻りください。インスリンペン型注入器についても同じような基準を設けまして、主要評価項目としては、「1 機械的性能、2 投与量の精度、3 無ディフェクト性」ということで、使用目的又は効果につきましては、専用医薬品カートリッジ及びペン型注入器注射針を取り付けて使用、皮下へインスリンを注入するという形で基準を定めます。7ページ、別紙2「インスリンペン型注入器に関する取扱いとして、細かな規定を局長通知で定める形にさせていただきたいと思います。説明については以上です。

○笠貫部会長 ただ今の御説明について、御意見、御質問はありますか。今回の改正に伴って、高度管理医療機器と、指定管理医療機器についての認証基準について御説明があったと思いますが、医療機器について、今回の改正の大事なポイントだと思いますが、御質問、御意見はありますか。特になければ、これで議題4は終了します。

 それでは、次の議題5に移ります。事務局から御説明をお願いします。

○事務局 報告事項議題5、資料5-1「次世代医療機器評価指標について」事務局より御説明いたします。平成17年度より、医療ニーズが高く、実用可能性のある次世代医療機器につきまして、製品開発の効率化と承認審査の迅速化を目的として検討分野を選定して、その評価に当たってのポイントをまとめた評価指標を検討する、次世代医療機器評価指標作成事業を行っております。今回、資料5-2から5-4にお示しした、同種iPS()細胞由来網膜色素上皮細胞、可動性及び安定性を維持する脊椎インプラント、三次元積層技術を活用した整形外科用インプラントに関する評価指標の検討が終了しましたので、報告させていただきます。

 これらは昨年度、専門家の作業グループにおきまして、作成いただいた原案を基にパブリックコメントの募集を行いまして、寄せられたコメントを踏まえて一部修正をした最終案となっております。今後、速やかに通知として公表していく予定です。

 これらの評価指標は承認基準というような位置付けではなくて、飽くまでも技術開発の著しい次世代医療機器を対象として、現時点で考えられる評価のポイントを示した、評価に当たっての道しるべのようなものでして、法令的な基準とは位置付けが異なるものとなっております。これまでに合計19の評価指標を公表しておりまして、今回は新たに三つの評価指標を加えることを報告します。以上です。

○笠貫部会長 今の御説明について、御質問、御意見はありますか。次世代医療機器評価指標については非常に重要なポイントだと思いますが、開発ガイドラインとの関係はどうなっているのでしょうか。開発ガイドラインはまだできていなくて、先に評価指標を作られたのですか。

○事務局 開発ガイドラインについては経済産業省で開発を進めていまして、私どもの評価指標と開発ガイドラインはある意味で相互補完的なものになっておりまして、私どもとしてはこういう評価のポイントを示して、それを技術的にどう評価するかを開発ガイドラインでフォローする関係になっております。

 あと、開発ガイドラインに関しては、私どもがやっている評価指標に合致するものもあれば、もう少し広いものも対象として検討しております。私どものスケジュールとしては、1、2年間でワーキングの専門の先生方に御検討いただくのですが、開発ガイドラインはもう少し長いスパンでものを見ている場合もあるので、そういったところで少し違いがありますが、全体としては歩調を合わせてやっているような状況です。

○笠貫部会長 レギュレーションとイノベーションの関係も、非常にダイナミックに展開していることを説明いただいたと思いますが、それ以外には御質問はありますか。重要な、三つの新しい次世代医療機器についての評価指標を示していただきましたが、御意見、御質問はありますか。

○村上委員 今回、三つの件の評価指標を提案されているのですが、その中で、脊椎インプラントの件でお聞きしたいのです。今後のガイドラインのときに具体的なことは決められると思います。脊椎の場合、圧縮荷重を受けますが、長期的に使う場合、高分子系のマテリアルを使っていますと、いわゆるクリープ現象という、時間的に変形が進むことも評価すると挙げられているのですが、かなり長期間使うということで、評価されるとき、どういう時間スケールで検討されたのでしょうか。

○事務局 確かにそのポイントをしっかり見て、評価した上で製品化するべきというところは今回の評価指標に入れてはいるのですが、具体的に、個別の製品でどのぐらいの期間を見ればいいかに関しては、まずは個々の開発者のほうで御検討いただいて、それが妥当かをディスカッションする形になるかと思いますので、この指標を作成する段階で、そこまで個別具体的に、どこまでというのを定めたものとはなっておりません。

○村上委員 その場合に、一つ留意していただきたいのは、生体内環境で長くマテリアルが維持されると物性が変わってくる場合がありますので、そういう点まで含めて検討していただければと思い、そういうことでコメントさせていただきました。

○事務局 御指摘ありがとうございます。

○笠貫部会長 それ以外に何かありますか。よろしいでしょうか。特になければ、これで議題5を終了します。それでは、以後の議題は非公開としますので、傍聴の皆様方には御退席いただくようお願い申し上げます。それでは、このまま続けてもよろしいですね。

○参事官 少し準備の時間をいただければと思います。ありがとうございました。それでは先生、準備ができたので、始めてもよろしいですか。

○笠貫部会長 石井委員は時間でお帰りになりましたので、皆さんおそろいですので始めていただいて結構です。

○参事官 まず、非公開の議題に係ります配布資料の確認をいたします。配布資料一覧の裏のページを御覧ください。資料6「医療機器『Alair気管支サーモプラスティシステム』の高度管理医療機器、管理医療機器又は一般医療機器の指定、特定保守管理医療機器の指定の要否、生物由来製品又は特定生物由来製品の指定の要否、製造販売承認の可否及び再審査期間の指定について」です。資料7「医療機器『PDT半導体レーザ』の希少疾病用医療機器としての指定の可否について」、資料8「新たに追加する医療機器の一般的名称に係るクラス分類及び特定保守管理医療機器等の指定について」資料9-1「医療機器『アンジオガード』の再審査報告について」です。資料9-2「医療機器『頸動脈用プリサイス』の再審査報告について」資料10「医療機器・体外診断薬部会 報告品目」資料11「競合品目・競合企業リスト」参考資料3「薬事分科会審議参加規程」になります。以上です。よろしいでしょうか。

○笠貫部会長 はい、結構です。それでは今の資料については、よろしいでしょうか。それでは、本日の審議事項に関与された委員と利益相反に関する申出状況を含めて、事務局から説明をお願いします。

○事務局 本日の審議事項に関する影響企業の調査について報告いたします。資料11と参考資料3です。これらの報告については、平成201219日付けの薬事分科会で決定された薬事分科会審議参加規程に基づくものです。皆様から毎回、御報告いただいておりますので概要は御存じかと思いますが、過去3年度にわたり、寄附金、契約金等の額について競合企業と申請企業から申告をいただき、その結果に応じて審議不参加、もしくは議決への不参加を審議会規程として定めております。

 審議事項議題6、資料11Alair気管支サーモプラスティシステム」の「競合品目・競合企業リスト」です。申請者はボストン・サイエンティフィックジャパン株式会社です。競合品目は該当なしと申告されております。

 本日の審議事項に関する影響企業について委員の皆様から寄附金、契約金等の受取状況をお伺いしましたところ、薬事分科会審議参加規程第12条の審議不参加の基準、又は第13条の議決不参加の基準に基づき御退室いただく委員、議決に御参加いただけない委員はおりません。以上です。

○笠貫部会長 事務局からの説明について、特に御意見はございますか。よろしければ皆さんの御了解を得たものとして、議題6に入りたいと思います。

 本議題の審議に当たりましては、参考人として聖マリアンナ医科大学内科学(呼吸器・感染症内科)教授の宮澤輝臣先生に御出席をいただいております。よろしくお願い申し上げます。

 まず、審議品目の概要について事務局から説明をお願いします。

○事務局 審議事項議題6、資料6「医療機器『Alair気管支サーモプラスティシステム』の高度管理医療機器、管理医療機器又は一般医療機器の指定、特定保守管理医療機器の指定の要否、生物由来製品又は特定生物由来製品の指定の要否、製造販売承認の可否及び再審査期間の指定について」事務局より御説明いたします。1枚目が諮問書です。本議題では医療機器Alair気管支サーモプラスティシステムの承認の可否と併せまして当該品目が該当する医療機器の一般的名称として、気管支サーモプラスティ用カテーテルシステムを新設して高度管理医療機器、管理医療機器、又は一般医療機器の指定及び特定保守管理医療機器の指定の要否について御審議をお願いいたします。

 「一般的名称の新設について」というタグをお引きください。新設予定の気管支サーモプラスティ用カテーテルシステムは、気管支領域に接触するカテーテルを介して高周波通電を行うカテーテルシステムをいい、高周波を発生する装置本体及びその関連付属品から成ります。当該医療機器については、副作用又は機能の障害が生じた場合において人の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがあることから、適切な管理が必要なものであると考えられるため高度管理医療機器に指定して、保守点検、修理、その他管理を必要とするものであると考えられるために特定保守管理医療機器として指定するものと考えております。

 審議品目及び審査の概要については、機構より御説明いたします。

○機構 当日配付資料5「本品の専門協議委員」を御覧ください。本審査に当たり資料にお示しする3名の専門委員の御意見を頂きました。まず、品目の概要についてですが、審査報告書4ページ、審議品目の概要を御覧ください。本品は高周波通電により気管支壁を加熱することにより、重症の喘息患者の喘息症状を緩和させることを目的として使用するカテーテルシステムです。

 審査報告書5ページの図2に示すカテーテルを気管支鏡の鉗子口を通じて気道に挿入し、先端のバスケット電極を展開して右中葉を除く、気道内径が約3〜10mmまでの全ての気管支壁に対し65℃で10秒間の加熱を行います。手技は右下葉、左下葉、両上葉の3回に分けて行われ各手技は3週間以上の間隔を空けて行われます。

 開発の経緯ですが、現在喘息の薬物治療は吸入ステロイド薬が中心となっておりますが、重症の喘息患者に対する治療では高用量の吸入ステロイド薬に加え、長時間作用性B₂刺激薬等の複数の長期管理薬の追加が検討されます。本品を開発した米国Asthmatx社は、重症の喘息患者においては気道平滑筋量が増加し発作時の気道抵抗が増大するため、肥厚した気道平滑筋量を減少させれば、薬物治療では症状がコントロールできない重症の喘息患者の症状を軽減させることができるという仮説に基づき、気管支壁を加熱することにより気道平滑筋量を減少させる医療機器、気管支サーモプラスティシステムを開発いたしました。

 なお、今回の承認申請に当たっては、日本アレルギー学会から医療ニーズの高い医療機器等の早期導入に関する検討会に要望が上げられ、早期承認対象品目に選定されております。提出された非臨床試験成績については、物理的、化学的特性、電気的安全性、電磁両立性、生物学的安全性、性能を裏付ける試験及び効能を裏付ける試験の成績が提出され、審査の結果、非臨床試験で確認できる範囲において気管支壁を加熱するためのシステムとしての有効性、安全性は確認できたと判断いたしました。

 提出された臨床成績についてですが、概略は審査報告書15ページの表5に記載しております。20052008年に海外で実施されたピボタル試験であるAIR2臨床試験は、高用量の吸入ステロイド薬及び長時間作用性B₂刺激薬を服用しても、喘息症状のコントロールができない患者を対象としたシャム手技対照比較臨床試験です。297例が登録され、本品治療群又はシャム群に割り付けられました。

 有効性の主要評価項目は、32項目の質問に7ポイントのスケールで回答する喘息QOLアンケート(AQLQスコア)の手技前から手技後1年間にわたっての変化量とされ、試験の結果、審査報告書20ページの表10の一番上に示しますとおり、本品群では平均で1.35ポイント、シャム群では1.16ポイントQOLのスコアが上昇しました。本品群の変化量がシャム群の変化量に対して優越である確率は96%であり、成功基準として設定した96.4%には到達しませんでした。

 追加の解析により臨床的に意義のあるとされるQOLのスコアが0.5ポイント以上、上昇した症例の割合が解析され、表10の一番下に示すとおり本品群では78.9%、シャム群では64.3%でありシャム群に対して本品群で高い割合であることが示されました。

 審査報告書の22ページの表11に有害事象を示します。手技6週後までの手技期間においては本品群で複数症状を伴う喘息、喘鳴、無気肺等の有害事象がシャム群と比較し有意に高く発現しました。

 本品の審査における主要な論点についてですが、一つ目の論点は本品の有効性についてです。総合機構は本品手技後1年間にわたってのQOLスコアの変化は、本品群では平均で1.35ポイントと臨床的に意義のある改善を認めていること、本品群がシャム群に対して優越である確率は成功基準に到達しなかったものの高い水準に達していたこと、また、追加解析ではあるものの本品群の約8割が臨床的に意義のあるスコアの上昇を示したことから本品の有効性は期待できると考えました。また、ピボタル試験に先立ち実施されたAIR臨床試験では、中等症から重症の喘息患者を対象として主要評価項目で喘息増悪の軽減効果が薬剤群を対照として検証されており、これらを総合的に評価して本品の有効性は示されたと判断しました。

 二つ目の論点は、本品の安全性についてです。総合機構は臨床で気管支鏡手技を受けた患者において、手技期間中に呼吸器症状の重篤な有害事象を発現したことです。シャム群と比較して高周波通電を受けた患者において有害事象の発現率が有意に高かったことから、重症喘息患者に対し気管支鏡手技を行うことのリスク及び高周波通電のリスクが懸念されると考えます。臨床試験においては、集中治療に至った患者及び本品との因果関係が否定できない死亡例の報告がなかったことから、本品手技を行うことは手技前後の経口ステロイドの投与、手技後の入院による経過観察等のリスク対策を行うことで許容できるものと判断しました。

 三つ目の論点は、本品の適用の判断についてです。総合機構は本品の適用については、気管支拡張症の鑑別、感染症がある場合等における適用の判断を慎重に行う必要があると考えます。また、本品が不可逆的な治療であり一定のリスクを有していることに鑑み、喘息の治療に関連する十分な知識、経験を有する医師が本品の有効性、安全性を十分に理解した上で本品の適用の判断が適切にできるよう、審査報告書31ページ6行目に示します承認条件を付すことが妥当と判断いたしました。

 以上の審査を踏まえ、総合機構は本品を承認して差し支えないとの結論に達し、本部会で御審議いただくことが適切と判断しました。再審査期間は3年、生物由来製品、特定生物由来製品には該当しないと判断しました。なお、薬事分科会では報告を予定しております。総合機構からの報告は以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。

○笠貫部会長 それでは、参考人の宮澤先生から加えることがございましたら、お願いいたします。

○宮澤参考人 余り付け加えることはないのですが、合併症がなくて安全に行えることがポイントだと思います。190例中19例が、気管支鏡をやった1日目に気管支喘息が増悪したことがあるのですが、6週間以後は全員よくなっているのですね。QOLですが、シャム群に対してブロンキュアルサーモプラスティを行った人の79%に有意差があったということ、84%が救急部にいかなくて削減を得たということ、ステロイドの全身投与が発作増悪時に32%減らすことができたということ、日中のアクティビティが66%妨げられなかったというQOLのAQLQスコアが非常に良くなっています。

 もう一つは、気胸や気道狭窄とか焼いた所が線維化して狭窄が起きるということも全然見られておりませんし、特に副作用が余りないのです。5年間見ていますが、肺気腫になるとか気管支拡張症になるとか閉塞性細気管支炎になるとか、5年間のエクステンションスタディで見られていないということがありまして、患者さんの満足度を調べたデータがあるのですが、97%の患者さんが満足ということと、家族や友人にあなたは勧めますかと言ったら、この治療を勧めますというのが97%です。

 そういうことで5年間効果が持続するという、AIR2スタディ、最後のピボタルスタディを得ていまして、ただ、努力性の肺機能検査は改善しません。安静時の呼吸抵抗などを見たら改善しているのでしょうが、QOLで見ているという、患者さんの容体等が挙げられています。追加としてはそれぐらいですが、また質疑応答で何か出ましたらお答えいたします。

○笠貫部会長 それでは、委員の先生方から御質問、御意見はありますか。

○荒井部会長代理 この報告書の34ページの使用目的で、18歳以上という年齢制限が入っているのですが、これは臨床試験で1865歳としていることが理由かと思われます。65歳以下は外しているけれども18歳は残っています。気管の太さとの関係はあるでしょうから、余り細かい所は無理かもしれませんが、反面、重積発作等で薬物療法がうまくいかなくて命を落とす、体の少し大き目の1516歳を助けるときには、この縛りが影響してくるように思います。本当に、18歳という年齢の下限の縛りを入れる必要があるかについて、いかがでしょうか。

○機構 先生のおっしゃるとおりだと思うのですが、やはり子どもに対しての使用実績や文献等がなく、それから成長に関わるときに果たしてこれが安全かどうかという評価がなされていないので、一応18歳ということで使用目的には書かせていただきました。ただ、今後そういったところで非常にニーズが高いということであれば、使用経験あるいはデータを集めて検討する必要はあるかと思います。

○参事官 もともと、学会の要望が18歳以上だったのですね。機構で審査の段階で絞り込んでいないのですね。一応、学会の要望はもともと18歳以上で来て、機構で審査の過程で絞り込んでそのようにしたのではないことだけはお伝えします。

○笠貫部会長 ほかにはありますか。

○塩川委員 承認条件に、医師の知識と経験と記載されているのですが、今、安全だというお話だったのですが、21ページには喀血のために気管支動脈塞栓術が必要なケースもあったという話がありますので、承認条件にそのような医療機関などが含まれていないのは、これは頻度が低いからですか。合併症の発症時期の問題など、何か理由があるのでしょうか。

○機構 手技の実施施設については、やはり審査の中でも喘息患者が重積発作のリスクを有していることから、気管支鏡手技によってそれが誘発されるといったことを懸念しております。条件としては、挿管等緊急対応ができる施設で手技が行われることが条件であると考えております。対応としては、添付文書案の警告の欄の()に、合併症に対応できる施設及び対応できる装置を有している所で使用することといったことで対応させていただいております。

○塩川委員 しかし、承認条件に入れるほどではないという御認識ですか。

○機構 対応としては、添付文書で対応したところになります。

○笠貫部会長 24ページのAIR臨床試験では、手技期間中の有害事象は極めて高いですね。そうすると、重症なのは今の話があったと思うのですが、医師だけではなく実施機関について添付文書に書かれていることも踏まえて、医師と医療機関について承認条件として書いた方が、これまでは書いていたかなと思うのですが、その辺りについての御検討はいただけますか。

○事務局 今回説明いただきました手技については、特段難しいものではないということと、先ほど宮澤先生からは、有害事象、合併症等は少ないというようなお話もいただいており、そういう観点から初めは施設に関する承認条件等は不要だろうと判断はしておりました。重篤な合併症が高い確率で出てくるということであれば、施設に関する承認条件についても再度検討させていただきたいと思います。その辺り、私たちの感覚ではよく分からないが、通常気管支鏡を使った手技で合併するようなものと、今回喘息患者という特定の発作が起きやすい患者に対して使う場合とで、このデータはどの程度合併症が起きやすいと判断できるのか、もしできましたら専門の先生から御意見を頂ければと思いますが、いかがでしょうか。

○宮澤参考人 気管支喘息というのは、糖尿病と同じぐらい非常によく見られる患者としては多いもので、気管支喘息の人が発作を起こした場合に、どの病院に行かないといけないとかそういうことが今のところそんなに規定していないような感じがするのですね。呼吸器の専門医がいればいいとか、専門医がいない所に行くのなら、ほかの内科の先生が診るのでしょうが、そういうことだろうと思うのですね。それから、この手技はやはり気管支鏡専門医がやらないといけないと思います。すごく簡単な手技なのですが、5mmずつ3mm10mmの気管支をワイヤーのカテーテルを入れて、5mmずつずらしていって引き抜いて、3mm10mmはくまなくアブレーションするというような手技です。気管支鏡の専門医がいれば、手技自体で危険があるとはとても思えないですね。ですから、もし規定を設けるとしたら、やはり入院施設があるとか、日本では少しでも発作が起きたら入院させてきちんとすると思いますし、外国は全部外来でやっているのですが、それを日本でしたら多分入院でやると思うのですね。その辺りで、日本の方が手厚いという予測が付きますが、もし気になるのでしたら入院してやるというような規定を設ければ、入院してやって何かが起きればすぐ対応すると、普通の喘息の発作と重積発作と変わらないと思います。6週間したら、そういう重篤な発作は起こらなくなりますし、最初はやはり熱を粘膜にかけるので、粘膜が腫れて一時的に狭くなるのですね。それで、両肺一緒にやらないで、右下、左下、両方の上と肺野を分けて3回のことをするというのは、一遍にやらないということですね。3分の1だけ治療すれば、それから2〜3週間置いて治療し、それに加えて入院させれば、完璧だろうと思います。

○笠貫部会長 宮澤先生にお聞きしたいのですが、手技の実施機関において緊急対応のときに1人の専門医がいれば済むか、あるいは、緊急対応等をすべき機関として条件を付けるかです。重篤中等度から特に重症な喘息患者に気管支鏡を入れるということでのリスクはもちろんあると思うのですが、AIR2の臨床試験ではシャム群に比べてもAlair群のほうが有意に喘息の有害事象は、手技上のときに多いですね。重篤な患者にそこでAlairを使って更に重篤になったときに、1人の専門医がいればそれでいいのか、あるいは医療機関としてもっと対応すべきところが条件として必要なのでしょうか。AlairでもAIR2の方でも、喘息の頻度が高かったと思いますし、Alair臨床試験でも呼吸困難69.1%であり、重篤な喘息患者が更に重篤になったときに、1人の専門医だけで大丈夫だろうか心配なのですが、その辺りについてはいかがでしょうか。

○宮澤参考人 本当は、ICUのような所があれば一番いいでしょうが、ICUでもいいですし、そのような条件を付けるかどうかですね。そこはお任せしたので、分からないですね。ただ、6大陸の28か国、386病院がAlairが承認された病院があるので、日本でそのように国が指定するのなら指定しますし、国の考え方だろうと思います。それぞれ一人ずつ麻酔科医、気管支鏡医、呼吸器内科の専門医がいるだけで十分だと思います。ですから、麻酔科医と呼吸器科医と呼吸器専門医と気管支鏡専門医がいない所はやらないという方針でされるのなら、それでもいいと思いますし、病院を指定されるのならまたそれでいいと思います。

○笠貫部会長 先生のお話で、手技を行う医師だけではなく、麻酔科医あるいは呼吸器の内科の先生ということになると、チーム医療の問題になりますし、集中治療の問題になると、医療機関という承認条件になってくると思います。

○事務局 事務局から補足いたします。もちろん、医療機器を適正に使用する際に、きちんとした医師、医療機関というのは間違いないので、そこをどのように担保するかの規定の仕方だと思います。承認条件で付けると、かなり重いものです。本当に保健衛生上注意を要するものがどの程度のものかということで判断します。ですから、承認条件を付けて担保すべきもの、そうではなくて添付文書の注意喚起でよいもの等、様々な状況があるのかなと思っております。

 今回、実際に気管支鏡を使っている手技という意味では、ほかにこの気管支鏡自体が全く初めてというものではないので、そういった意味ではここに承認条件の中でいろいろ規定するというと重いですね。一方、きちんと適正に使用するための注意喚起が必要という添付文書にしています。あとは、医師そのものについては喘息のときの様々な治療が必要ですから、そこは条件を付けるということで使い分けをしたところはありますので、その辺りは整理できるのかなと思っております。いずれにしても、全体のバランスの中でトータルで適正に使う上の整理をしたいというところで、このような形で行った状況です。

○笠貫部会長 そうしますと、医師の条件と医療機関の条件を付けるときに、重み付けを考えているのですね。警告で示す場合と、承認条件として付ける場合という意味で、今回の場合は承認条件として付けるまでではなく、警告として載せると考えてよろしいですね。

○事務局 そうですね。そもそも手技もすごく新しいものという意味でよく議論に出てくるので、いつも同じセットで出てくるのですが、そこをどのようにバランスを考えて検討するかだと思いますが、この品目はそういうことで切り分けをさせていただいたという状況です。

○笠貫部会長 これまでの承認条件だと、医師と医療機関と両方付けている場合と片方だけの場合とあったと思うのですが、そういう意味では今までの基準との整合性は取れていると考えてよろしいですか。

○事務局 基本的には横並びというか、既存の機器がどうなのかも踏まえてのバランスなので、全く整合性が取れなくなったというものではないと考えております。

○笠貫部会長 ほかには御質問はありますか。

○村上委員 今回の手法は、臨床的に非常に効果があるということで期待されると思うのですが、適用の拡大などを考える場合には、やはりメカニズムが分かっていないと、適用の方針が固まらないと思います。

 例えば、添付資料概要の139ページに、気管の断面図がありますが、そこの説明を読ませていただきましたが、いわゆる平滑筋が増大して気道自身が狭くなる場合に、喘息発作につながりやすいといういきさつがあり、この手法をすると平滑筋が増大していたのが抑えられることで効果が得られるという理解でよろしいでしょうか。

○機構 139ページの図に気道平滑筋の断面がありますが、もともと重症の喘息患者ですとそれが肥厚している状態で、発作時に更にそれが締まることによって、気道の抵抗が上がるということで、この筋自体をまずこれで変性させて、内径自体は安静時は余り変わらないのですが、筋がほかの線維状組織に変わることが動物試験で確認されております。筋が減りますので、収縮する筋が少なくなるということで、発作時でも気道が閉まりにくくなるといったメカニズムが想定されております。

 動物試験で直接見ておりますのは、病理組織で検討しており、その筋の量が確かに減っているところまでを確認しております。

○村上委員 今回は、高周波加熱されているのですが、そのときに処置の条件として、65℃という温度が大事なのだろうと思います。それは、バスケット電極の温度ということで、平滑筋付近の温度はどういうところが理想というか、そういう指標はあるのでしょうか。患者によって、筋の肥厚の程度が違うかと思うのですが、そういう場合も同じような温度条件でよろしいのでしょうか。

○機構 コントローラーの設定については、65℃の10秒間で固定されております。その根拠、条件の設定については、審査報告書の13ページの表4に、動物を用いた試験の概略を示しております。三つの温度で検討しており、この中から手技後の炎症が一番抑えられるのは温度が低い方であることと、筋の量を減らせるのは65℃以上だったということで、そこで固定されております。□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ここで設定された条件で臨床試験がずっと行われてきた背景があります。

○村上委員 今回は、長期的な組織の変化がいい方向に進んだのだと思うのですが、できればこの辺りの組織変化の長期的なメカニズムまで、基礎研究としてそういうところも拡充できるような環境にしていただければと思います。

○機構 御意見については、申請者にもお伝えいたします。ありがとうございました。

○千葉委員 笠貫先生の御意見にも関係しますが、24ページの表13の呼吸器系有害事象の中で、最終手技又は最終比較ライン6週後までの期間を手技期間と定義しておられるわけですから、わりと長い期間ですね。その間に、呼吸困難や呼吸器系合併症があったかどうかということで、この69%という数字が出ているわけですね。そうしますと、先ほどの議論を伺っていますと、この手技を行ってすぐに、あるいは数日でこの合併症が起きやすいというイメージではないのですね。具体的に伺いたいのは、呼吸困難の合併症が69%あったとします。これは、1回目の手技を行ってから大体どのぐらいでこの呼吸困難が起きているのかをもしもお分かりであれば、お教え願えますか。それに応じて、入院させるべきかどうか、あるいはすぐに何かあったら来てくださいという警告に留めるのか、その違いが明確になってくるのではないかと思いますが。

○宮澤参考人 これは、症状や発作が190例中19例起きて、1日目が一番多く、そのうちの53%が1日目に起きているのですね。ですから、2、3日ぐらいは入院させてみればほとんど問題ないということですね。それから、シャムと気管支鏡治療をやった群で比べているのですが、シャムは実際に65℃で10秒間ずっとラジオ波で焼きます。シャムではない、治療群はですね。ところが、シャムは焼いていないのですね。ただ、気管支鏡を入れただけです。ですから、余り苦しくなりようがないですね。そのような試験の細かい面では、シャムで焼いたらやはり苦しくなるはずです。ただ、シャムにそんなことをしてはいけないので、気管支鏡を入れて患者には分からないように同じようにやりましたと言うだけのことで、焼いてはいないのですね。

○千葉委員 そうすると、1日目か2日目で起きることが圧倒的に多いとすれば、その期間だけでも例えば入院あるいは厳重管理だけは、警告だけなのか、あるいは実際に何日か入院させるのかといった基準を決めて、この医療機器をお使いになるほうが安全なのかなという気はしてまいりますが、いかがでしょうか。

○宮澤参考人 日本でしたら絶対に入院させてやるとは思いますが、それを添付文書か何かで書いたら、もっと確実だろうと思います。例えば、イレッサが21日ぐらいは入院させて調べるというものが出ましたが、この人起こらないと判断した場合には大体1週間ぐらいで退院しています。しかし、それは個人に任せるとしても、そのような添付文書を出した方が安全は安全だろうと思います。

○笠貫部会長 いかがでしょうか。

○機構 まず、有害事象の発生が手技後どのぐらいで起こるかといったデータに関しては、ピボタル試験ではほとんどが当日あるいは翌日に集中して上がっております。中央値が1日になっておりますので、その日は入院して、次の日以降数日は観察を続けるといったことが企業からも説明がされております。添付文書には今は直接は書いておりませんが、ここは記載整備等で対応したいと考えております。

○千葉委員 ですから、1、2日目まで入院あるいはそれに相当する監視体制でいくということを、添付文書に明確に記載するのかどうかという話になるのではないかと思いますが、そこのところを検討願えればと私は思いますが。

○機構 ありがとうございます。添付文書()の4ページを御覧ください。手技後のケアということで、推奨される投薬や経過観察について記載しております。入院とは直接は書いておりませんでしたので、ここは検討いたします。手技後の観察としては、1日、2日、7日後に連絡を取るといったことが書かれておりますので、ここも適切に整備いたします。情報提供をしっかり行うように、企業にはお伝えをいたします。

○笠貫部会長 御指摘の件は、先ほどの承認条件か警告かという話で出たのですが、警告で1日ないしは2日のフォローをきちんとするということで御検討いただきたいと思います。それから、これはニーズの高い医療機器の早期導入に関する検討会で出ておりますので、宮澤先生にもこの適用についてガイドラインできちんと書いていただくこともお願いできたらと思います。これは、学会でガイドラインは御検討いただいているのですね。この手技、機械についての適用についてのガイドラインはあるのでしょうか。

○宮澤参考人 適用については、吸入ステロイド、ICSやLABAの合剤で吸入してもコントロールできない人や、そういう薬が使えない人や重症喘息でシビアでパーシスタントな喘息ということで、そういう定義なのです。もっと具体的に学会で様々なガイドラインを設けてやることはできると思いますが、しかし学会でそのガイドライン委員会に掛けて、この疾患、この手技のガイドラインを作ることになれば、それはやります。

○笠貫部会長 ニーズの高い医療機器の早期導入の場合は、学会としてもガイドラインを作るというフォローをしていただき、適切な患者に新しい機器が使われることになると思いますので、これも合併症が少ないからといっても余りやり過ぎでも困るかと思いますので、是非お願いできたらと思います。それでは、ほかにないようでしたら、議決に入ります。医療機器Alair気管支サーモプラスティシステムについては、本部会として承認を与えて差し支えないものとし、再審査期間は3年間とし、生物由来製品及び特定生物由来製品の指定は不要ということでよろしいでしょうか。

 御異議がないようですので、そのように議決いたします。この審議結果については、次の薬事分科会において報告することといたします。ありがとうございました。これで、議題6は終了といたします。議題6が終了いたしましたので、参考人の宮澤先生におかれましては御退室いただいて結構です。どうもありがとうございました。

―― 宮澤参考人退席 ――

○笠貫部会長 それでは、議題7に移ります。事務局より御説明お願いします。

○事務局 審議事項議題7、資料7「医療機器『PDT半導体レーザ』の希少疾病用医療機器としての指定の可否について」御説明いたします。一般的名称は、PDT半導体レーザです。販売名は、PDレーザです。腫瘍に親和性を有する光感受性物質を投与し、腫瘍組織にレーザ光を照射します。光化学反応により、強い酸化力を有する一重項酸素を発生させることで、腫瘍細胞を変性、壊死させる光線力学的治療に用いるレーザ焼灼装置となっております。申請者は、パナソニック ヘルスケア株式会社となっております。

 「希少疾病用医療機器概要」を御覧ください。化学放射線療法又は放射線療法後の局所遺残再発食道癌を予定される使用目的、効能・効果として指定することについて御審議いただくこととなります。対象患者については、厚生労働省の平成23年度患者調査によると、食道癌の国内総患者数は2万8,000人と報告されております。このうち、約30%に当たる8,400人が、化学放射線療法又は放射線療法の対象で、そのうちの34%に当たる約3,000人が局所遺残再発という報告があることから、患者数が5万人未満という希少疾病用医療機器の指定基準を満たしているものと考えております。

 医療上の必要性については、本邦における食道癌に対する化学放射線療法又は放射線療法後の局所遺残再発患者に対する確立された標準治療がなく、救済外科手術又は抗癌剤治療が行われておりますが、外科手術は安全な治療とは言い難いこと、そして抗癌剤治療の奏効率も低く、根治が極めて難しいこと、高齢者や合併症を有する患者が多いことから、治療の実施が困難な状況にあります。また、内視鏡的粘膜切除術も壁深達度が粘膜固有層に留まる小さな病変に限られるという課題もあります。本品は、タラポルフィンナトリウムと組み合わせて使用することで光化学反応により一重項酸素を発生させ、腫瘍細胞を変性、壊死させますが、固有筋層まで組織障害を起こさせるため、粘膜固有層を超えるような病変や高度の繊維化を伴う患者も含め、局所遺残再発食道癌患者に対して期待される新規治療法であることから、医療上の必要性は高いと考えております。

 開発の可能性については、本邦において化学放射線療法又は放射線療法後の局所遺残再発食道癌の患者を対象として、本品とタラポルフィンナトリウムを用いた光線力学的療法の有効性及び安全性の確認を目的とした医師主導治験が実施済みで、近く承認申請が予定されていることから、本品の開発の可能性はあると考えております。

 以上より、本品は化学放射線療法又は放射線療法後の局所遺残再発食道癌に対して、希少疾病用医療機器の指定要件を満たしているものと判断しております。なお、本品の併用医薬品でありますタラポルフィンナトリウムについては、平成26年2月28日に開催しました「医薬品第二部会」で指定して差し支えないとされており、同年3月17日付けで希少疾病用医薬品の指定がなされているところです。説明は以上となります。御審議のほど、よろしくお願いいたします。

○笠貫部会長 それでは、本件について委員の先生方から御質問、御意見はありますか。希少疾病用医療機器として指定されておりますが。

○武谷委員 この療法は非常に歴史も古く、様々な領域で行われていると思うのですが、今の説明で海外では今回チャレンジしようとするような遺残食道癌を対象に開発は行われていないのは、何か理由があるのでしょうか。たまたまやっていないだけで、日本が先鞭を付けたいということなのですか。行われていないというのは、行ってもいい結果が出なかったら、それはパブリッシュしないので、普通は行われていないということになるので、その辺りがどういう事情があるかをお聞きしたいと思います。

○事務局 海外での使用実績がないことについては、今の時点では分かりません。

○笠貫部会長 御質問は、日本発の医療機器として、特に食道癌については日本の医療は最先端を行っている国だと思いますので、今後はそういうこともあり得るかもしれないということで、今回は日本だけでの希少疾病用医療機器として開発をしたいというような捉え方でよろしいですか。また、今の情報については御意見もあったことを申請者にもお伝えいただけたらと思います。ほかにはありませんか。それでは、議題7、PDT半導体レーザについて、本部会として希少疾病用医療機器として指定して差し支えないでしょうか。

 御異議がないようですので、そのようにさせていただきます。この審議結果については、次の薬事分科会において報告することといたします。これで、議題7は終了といたします。

 次に、議題8に移ります。事務局から説明をお願いいたします。

○事務局 報告事項議題8、資料8「新たに追加する医療機器の一般的名称に係わるクラス分類及び特定保守管理医療機器等の指定について」御説明いたします。既存の一般的名称のいずれにも該当しない医療機器に対して、新たに一般的名称を申請する際には、当該一般的名称が高度管理医療機器、管理医療機器、一般医療機器のいずれに該当するかなどについて、薬事法第2条第5項から第8項に従い、薬事・食品衛生審議会の意見を聞いて指定することとなっております。資料8を御覧ください。新設する一般的名称、経皮的血管内弁カッタ付カテーテルの概要を示しております。次のページの新設する一般的名称案についての中段にあります既存の一般的名称のいずれにも該当しないと考える理由のとおり、大腿動脈閉塞症におけるバイパス移植術において、静脈を摘出せずに静脈弁を切開するために使用されることから、既存の一般的名称のいずれにも該当しないと判断しております。

 当該一般的名称に該当する品目の概要は、最後のページにあるとおりです。高度管理医療機器、管理医療機器又は一般医療機器への分類については、副作用又は機能の障害が生じた場合において、人の生命及び健康に影響を与えるおそれがあることから、その適切な管理が必要と考えられるため、管理医療機器、即ちクラス II に指定されるものと考えております。また、特定保守管理医療機器の指定については不要と考えております。説明は以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。

○笠貫部会長 それでは、本件について委員の先生方からの御質問、御意見はありますか。特に御意見がないようでしたら、議決に入ります。経皮的血管内弁カッタ付カテーテルについては、本部会として管理医療機器として指定し、特定保守管理医療機器に指定しないということでよろしいでしょうか。

 御異議がないようですので、そのように議決させていただきます。この審議結果については、次回の薬事分科会において報告することにいたします。

 次に、議題9に移ります。事務局から説明をお願いいたします。

○機構 報告事項議題9、資料9-19-2「医療機器の再審査結果について」御説明いたします。再審査は、薬事法第14条の4に基づき、原則新しい医療機器などについて、再審査期間を定め、承認後の使用成績などの調査を行わせ、その資料に基づき有効性、安全性などの再確認を行うことを目的とした制度となっております。

 資料9-1を御覧ください。1枚目が、「医療機器再審査確認等結果通知書」です。販売名は、アンジオガード、申請者は、ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社です。平成19年9月28日に承認された、中心循環系塞栓補捉用カテーテルです。本品は、経皮的に血管内に挿入し、頸動脈のステント留置術中の血栓等の塞栓物質等を補捉・除去するために使用するポリウレタン製のフィルターを持つ遠位塞栓防止用デバイスです。

 次に、資料9-2を御覧ください。販売名は、頸動脈用プリサイスです。申請者は、同じくジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社です。先ほど説明いたしましたアンジオガートと同時承認された頸動脈用ステントです。こちらの品目は、狭窄している頸動脈内に挿入・留置することにより、血管内腔を拡張・維持するニチノール製の自己拡張ステントです。これら同時承認されました2品目の使用成績調査は、共に合わせて実施されております。医療機器の使用実態下における不具合発現状況、安全性、有効性等を確認することを目的として、平成20年4月〜平成21年3月まで症例登録が行われ、観察期間を術後1年間として、平成22年3月まで実施されております。

 今回お配りしている資料については、事前に委員の先生方にお送りさせていただいておりますので、簡単な説明等をさせていただきますが、安全性、有効性について特段の問題がないと判断されております。以上のことより、薬事法第14条第2項各号のいずれにも該当しないこと。即ち再審査結果の区分を効能・効果、用法・用量などの承認事項について変更の必要がないカテゴリ1と判断しております。以上、御報告いたします。

○笠貫部会長 御質問、御意見はありますか。アンジオガードも、その安全性についてここでも随分議論されたと思いますが、説明では、特段問題はなかったということだと思います。特に御意見はありませんか。

 それでは、議題10に進みます。事務局から説明をお願いいたします。

○事務局 議題10、資料10「部会報告品目について」事務局より御説明いたします。平成26年4月1日から、平成26年6月30日までの3か月間に承認された品目のうち、本部会への報告対象となっている品目についてまとめております。1〜11ページまでが医療機器で、合計しますと45品目です。12ページが、体外診断用医薬品で、2品目あります。これらの資料については事前に送付しておりますので、この場では詳細な説明は割愛させていただきます。以上です。

○笠貫部会長 ただ今の件について、委員の先生方から御質問、御意見はありますか。特に御意見がないようでしたら、議題10は終了といたします。

 本日予定されました議題は、これで全て終了となります。3時間という長時間でしたが、最初の議題について委員の先生方の発言を簡潔にというような失礼なことを度々申したことをお詫びいたします。より多くの委員の先生方からの御意見を頂きながら、この一般用検査薬品については、国民のためにステイクホルダーとしてより多くの意見を出していただきたいという思いで、時間を急がせていただいたことを改めてお詫びいたします。できるだけ多くの先生方から事務局に御意見をお出しいただき、事務局でまとめていただき、最初の議題にあります一般用OTCの診断薬については、是非望ましい方向に進まれることを期待いたします。事務局から何かありますか。

○参事官 事務局からは、その他特にありませんので、よろしければ次回の日程などをお伝えしたいと思います。次回の部会については、9月12()1618時の開催を予定しております。連絡事項は以上です。

○笠貫部会長 それでは、これをもちまして本日の医療機器・体外診断薬部会を閉会といたします。長時間にわたり、どうもありがとうございました。


(了)

備考
 この会議は、企業の知的財産保護の観点等から一部非公開で開催された。

連絡先:医薬食品局審査管理課 医療機器・再生医療製品等審査管理室 室長補佐 堀内(内線4226)

ホーム > 政策について > 審議会・研究会等 > 薬事・食品衛生審議会(医療機器・体外診断薬部会) > 薬事・食品衛生審議会 医療機器・体外診断薬部会 議事録(2014年8月20日)

ページの先頭へ戻る