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2014年10月15日 第110回社会保障審議会介護給付費分科会議事録

老健局老人保健課

○日時

平成26年10月15日(水)14:00〜17:00


○場所

ベルサール半蔵門 ホール(2階)


○出席者

阿部(藤原参考人)、安部、井上、内田、大島、亀井、河村、小林、齋藤(訓)、齊藤(秀)、佐藤、鈴木、鷲見、武久、田中、田部井、東、平川、福田(亀田参考人)、堀田、本多、村上、山際(敬称略)

○議題

1.平成26年介護事業経営実態調査の結果について
2.平成27年度介護報酬改定に向けて(総論)
3.その他

○議事

○迫井老人保健課長 それでは、定刻となりましたので、第110回「社会保障審議会介護給付費分科会」を開催させていただきます。

 委員の皆様方におかれましては、お忙しい中、御出席をいただきまして誠にありがとうございます。

 本日の委員の出欠状況でございます。

 大西委員から御欠席の御連絡をいただいております。

 阿部泰久委員にかわりまして、藤原参考人。

 福田富一委員にかわりまして、亀田参考人にそれぞれ御出席をいただいております。

 なお、河村文夫委員から、遅れて御出席をされるという御連絡をいただいております。

 以上から、本日23名の委員に御出席をいただく予定となっております。社会保障審議会介護給付費分科会として成立することを御報告させていただきます。

 それから、国会用務のため、老健局長、高齢者支援課長につきましては、遅れて到着あるいは出席ができない可能性がありますことを、何とぞ御容赦いただければと思います。

 それでは、冒頭のカメラ撮りはここまでとさせていただきますので、御協力方よろしくお願いいたします。


(カメラ退室)


○迫井老人保健課長 以降の議事進行につきましては、田中分科会長にお願いをいたします。


○田中分科会長 皆さんこんにちは。本日は平成26年介護事業経営実態調査の結果、それから、平成27年度介護報酬改定に向けた総論などについて御議論いただきます。

 初めに、事務局より資料の確認をお願いします。


○迫井老人保健課長 それでは、資料の確認をさせていただきます。

 座席表、議事次第、名簿がございます。

 資料1「平成26年介護事業経営実態調査結果の概要(案)」。

 資料2「平成26年介護事業経営実態調査結果(案)」。やや厚めの冊子となっております。

 資料3「平成27年度介護報酬改定に向けた基本的な視点(案)」。1枚紙の両面でございます。

 資料4「要介護認定に係る有効期間の見直しについて(案)」。

 参考資料1「介護老人保健施設の経営実態について」。東委員からの御提出でございます。

 参考資料2「H27介護報酬改定等に関する検討にあたっての意見」。村上委員からの御提出でございます。

 資料については以上でございますけれども、過不足等ございましたら事務局にお知らせいただければと思います。

 以上でございます。


○田中分科会長 ありがとうございました。

 では、議事次第に沿って進めてまいります。本日は議題が2つございます。相互に関連している事項ですので、一括して議題といたします。

 初めに事務局より資料の説明をよろしくお願いします。


○迫井老人保健課長 最初の議事、2つ目を一括して資料を説明させていただきます。

 まず資料1をご覧いただきたいと思います。平成26年の介護事業経営実態調査の結果がまとまりましたので、御報告をさせていただきます。

 お手元の資料は、先立ちまして平成2610月3日に介護事業経営調査委員会で取りまとめをいただきましたものを、改めまして資料1として提出をさせていただいているものでございます。

 同じく資料2はその詳細な結果でございますけれども、基本的には資料1で御説明をさていただきたいと思っています。

 1枚目をご覧いただきたいと思いますが、まず「1.調査の目的」ということでございますけれども、この調査を実施するに当たりまして、当分科会にもお諮りをして御了承を得ておるものでございますが、改めましておさらいも兼ねまして、介護報酬そのものはそれぞれのサービスの平均費用の額等を勘案して設定するということでございますので、それぞれの各介護サービスについて費用等についての実態を明らかにする。介護報酬改定のための基礎資料を得るということで、この調査を実施しているということでございます。

 調査時期、これは26年4月の調査時期でございますけれども、それは1カ月前の26年3月中の収支等の状況調査をするということでございます。

 調査の対象とここに書いてございますけれども、基本的なサービスに係る施設あるいは事業所等でございまして、介護老人福祉施設初め、ここに列挙してあるサービス関係の事業所、施設でございます。

 3ポツの(2)でございますが、これは全数調査ではございませんで抽出になってございますので、これは層化無作為抽出ということで、事前に有識者の検討を経て実施をしておりまして、調査客体は書いてあるとおりでございます。有効回答数もそこに記載されておりますが、回答率は48.4%で全体でございます。

 調査項目の詳細は資料2を見ていただければと思いますけれども、サービスの提供の状況に係る内容、居宅設備等の状況等々でございます。

 おめくりいただきまして、結果をまとめて記載しておりますが、調査の概要、資料2を少しおめくりいただきまして、簡単に資料2の概略を御説明しながら、もう一度資料1に戻りますが、資料2は調査結果そのものでございます。めくっていただきまして、先ほど申し上げましたような調査の概要がございます。抽出調査でございますので、それから、サービスの種類につきまして客体数、有効回答数をまとめてございます。

 資料2の2〜3ページにかけまして集計表一覧とございまして、それぞれのサービスが2〜3ページにかけまして、これは目次のようになってございますけれども、合計21のサービスにつきまして調査がなされておりまして、例えば4〜7ページでございますが、介護老人福祉施設について調査について申し上げますと、4ページに総括表ということで個々の項目でございます。介護事業の収益でございますとか、そういったものがございまして、分布の状況もグラフでお示しをしております。直近の関係の調査との比較が書いてございまして、5ページ、6ページがそれぞれ例えば地域区分ごととか定員規模別等の個別の集計をしておる。これをそれぞれのサービスごとに繰り返しまとめたものが資料2でございます。

 この資料2の結果の部分だけを抜粋したのが、資料1に戻っていただきまして2ページ以降に書いてございます。資料1の2ページから簡単に御説明させていただきますと「4.調査結果のまとめ」となってございます。

 最初の2ページ目、3ページ目にかけまして、それぞれのサービスについて収支、給与費の割合それぞれにつきまして数字が出ておりますので、数字を並べてしまえば表になってしまうわけでございますが、それを文字で記載してございます。例えばということは2ページ(マル1)でございますが、施設系について言いますと、まずポツで2つ書いてございますが、収支差率について介護老人福祉施設では8.7%、これは前回の調査との比較で-0.6ポイントです等々、施設系のサービスの記載がございます。これがまず収支差率です。

 同じく2ページ(マル1)の2つ目の黒ポツでございますが、これは収入に対する給与費の割合ということで、同様に前回調査との比較を記載させていただいております。これは繰り返しになりますが、文字にしておりますけれども、結果自体は資料2を抜粋ですが、その一覧表が資料1の7ページに記載してございます。7ページ、8ページ、過去との調査の比較、今回の調査、これらが表としてまとまっておりまして、こういったものを文字にいたしますと2ページ、3ページのような数字になるということでございます。

 数字関係について言いますと、この資料1の9ページ、10ページにそれぞれ収支差率、10ページは給与費の割合の前回調査との推移、これを前回の調査との比較がわかりやすいようにということでグラフにしたものでございますので、数字自体は表にしたもの、それから、2ページ、3ページに記載させていただいている内容は同じでございます。

 資料1の3ページに移らせていただきますが、各サービスでございます。まとめたものが2ページ、3ページですが「4.調査結果のまとめ」(2)は3ページでございます。総括といたしまして、まとめると以下のような内容になりますということでございます。

 この記載については基本的にはファクトベース、客観事実を中心に記載させていただいております。それから、先ほど冒頭触れましたが、これは10月3日の介護事業経営調査委員会で原案をお示ししまして、そのときいただいた有識者のコメントをまとめさせていただいている内容でございます。

 少し詳し目に御紹介させていただきますと、3ページ(2)総括でございますけれども、まず1つ目の黒ポツでございますが、多くの介護サービスでは職員1人当たりの給与費及び職員1人当たりの利用者数等の稼働率の上昇を伴いながら、収支差率が5%以上になっており、10%以上となっているものもある。各介護サービスの収入に対する給与費の割合は、前回調査と比べておおむね同程度の水準を維持ということでございます。

 4ページから、それぞれ施設系、訪問系、通所系、その他につきまして、全体的な数字に基づく記載をさせていただいてございます。

 以上がその数字に関する記載ぶりでございますけれども、御留意いただきたい点といたしまして4ページに真ん中辺から下半分でございますが、「なお」ということで、この調査結果の取り扱いについては、これは同じく先ほど御紹介しました委員会で、有識者の方々から指摘をいただいたものをまとめさせていただいておりますが、3つポツが書いてございます。

 施設系のサービスは、サービスが完結しているということでございますけれども、居宅のサービスについては複数のサービスを組み合わせて利用することになっておりますので、事業者も複数のサービスが絡む場合もありますので、そういった場合、このサービスごとの収支でございますから、数字の処理上は按分という作業が発生いたしますということです。ですので、これらに係るサービスの費用、これは按分できている場合とできていない場合が技術的にどうしても限界があるということでございますので、調査上の限界があるということを留意する必要があるというのが、1つ目のポツでございます。

 2つ目のポツで、この介護保険が創設されて以降、サービスが新しく創設されたケースがございます。例えば平成18年の小規模多機能、平成24年には定期巡回サービス等が新規に創設をされておりますけれども、そういう創設後、間もない稼働率が定着である等の課題がある場合もありますので、サービスによって状況が違うということでございますので、そういった課題が考えられるサービスでございますとか、あるいは有効回答数が必ずしも多くない、あるいは創設開始直後でサービスがまだ十分に普及していない。そういった場合に得られた結果は、同列に扱うべきではないという御指摘が2点目でございます。

 3点目でございますけれども、それぞれの介護サービスの実態、これは各サービスの平均費用の額を勘案して今回、この調査の目的を冒頭御紹介いたしましたけれども、そのための実施であるということでございます。しかしながら、現実の事業の実施につきましては法人単位で実施をされておりますし、法人としての収支あるいは経営の状況というのは、サービスごとの収支差率とは必ずしも一致をしない。それから、本調査でこうやって得られたサービスごとの収支差というのは法人単位で把握をされた、別の調査と単純に比較するということについても、必ずしも適切ではないという御指摘をいただきましたので、それらについて記載しております。

 5ページ、最後簡単でございますが、今回、調査を実施するに当たりましては、従来の調査様式あるいはさまざまな現場からの調査の回答がわかりにくいとか、そういった御指摘をいただいておりましたものを反映させていただきましたので、一定程度、回収率については向上しております。向上していることを1つには成果として御報告しつつも、まだまだ改善する点はもちろんございますので、引き続きそこは努力をさせていただくということでまとめさせていただいております。

 以上が1つ目の介護事業経営実態調査結果の御報告でございます。

 引き続きまして2点目でございますが、資料3でございます。1枚紙で両面になってございますけれども、平成27年度介護報酬改定に向けた基本的な視点、これは(案)となっております。

 今年度の当初からスケジュールを一定程度お示ししつつ、来年度当初に向けて介護報酬改定、こちらの分科会で御審議をいただいているところでございますけれども、いわゆる前半の総論とヒアリングが終わったところで、今回以降、後半という位置づけで、今後は週に1回御審議をいただくことになるわけでございますが、この時点で、これは私ども事務局の認識、事務局としての基本的な視点という意味でまとめさせていただいた紙でございます。両面でございますけれども、冒頭に最初4行で書いてございますが、今、お話したようなこれまでの審議の経過、それから今回、今後の基本的な視点として次のように整理できるというふうにまとめさせていただいたものでございます。

 御紹介させていただきますと、○で1ページ目についていきますと4つ、それから5つが次のページにかけてございます。

 最初の1ページ目に書いてございますのは、今回の報酬改定に向けたこれまでの経過、関連する政府といいますか社会保障関係、介護保険関係を取り巻くさまざまな経緯をまとめてございます。

 1つ目の○でございますけれども、そもそも介護保険制度創設15年目を迎えておりますので、サービスの提供については拡充がなされてきましたが、将来的な高齢者の増あるいはいわゆる団塊の世代、2025年問題ということを意識して、地域包括ケアシステムを構築するということが課題であるというのが1つ目の○でございます。

 2つ目の○で、こういった認識のもとで直近平成23年に制度改正、24年に報酬改定を行っておるわけでございますが、そのときの考え方、経緯といいますか地域包括ケアシステムの理念規定を法規定で明記をいたし、それから、新しいサービスとして定期巡回を初めとするサービスを創設している。24年度の報酬改定、今、御説明しました制度改正の趣旨を踏まえまして診療報酬、24年は同時改定でございましたので、地域包括ケアシステムの構築に向けた基盤の強化を推進したというのが23年、24年の取り組みであるというのが2つ目の○です。

 3つ目の○で、そういった流れの中で先般、26年、今年度でございますけれども、制度改正を行いまして、これは医療と介護の一体的な制度改革でございますが、高度急性期医療から在宅医療・介護、生活支援まで一連のサービスを切れ目なくということで、総合的に確保するための見直しを行いました。

 4つ目の○、具体的にその内容として介護保険関連のことが書いてございまして、在宅医療・介護連携の推進でございますとか、認知症施策の推進、生活支援サービスの充実といった地域支援事業に係る制度の見直し、予防給付として提供されていたものを総合事業に移行していくという制度の取り組みを行ったということ。26年度につきましては診療報酬の改定もございましたので、診療報酬改定に関する医療機関の機能分化・強化、連携、在宅医療の充実等について行われたというのが経緯のまとめでございます。

 次のページにかけての5つ目の○でございますが、一方でということで、今後のことについて少し目を向けますと、2025年以降、次のページにかけてでございますけれども、介護保険制度について言いますと、40歳以上の人口が減少に転じるというような社会構造の変革も目の前に来ているということでございますので、2025年に向けた地域包括ケアシステムの構築とともに、こういった保険制度、特にサービスの担い手の減少、それと対照的に増大するであろうニーズ、こういったことを考えますと、より効率的なサービス提供体制を構築していくことが必要だという問題意識を記載させていただいております。

 2ページの○でございますが、こういったことを背景に、以降3つの○で基本的な視点として、事務局としては今回の介護報酬改定に向けて臨む視点だと考えていってはどうかということでございます。

 具体的な記載が2ページの後ろ、3つの○で今回の介護報酬改定に向けた基本的な視点ということでまとめさせていただいております。

 1つ目は、先ほどからずっと出てきております地域包括ケアシステム構築に向けて、特に高齢化の進展を見据えていきますと在宅中重度者、認知症の高齢者への対応のさらなる強化が必要である。制度改正で地域支援事業に位置づけて、その在宅医療・介護の連携の推進も取り組んできているわけでございますけれども、今回の介護報酬改定においてもこういった連携の流れと、在宅中重度者、認知症の高齢者、そういった支援を強化することが必要ではないかという問題意識を、基本的な視点として掲げさせていただいております。

 「また」以下のところで、診療報酬改定、先ほども触れましたが、26年度に行われておりますけれども、ここで在宅復帰促進の流れ、在宅医療・介護のニーズの強化に伴います在宅要介護者の中重度者が見込まれるといったことから、さらなる在宅生活の限界点を高める対応が必要ではないかということでございます。

 第2の視点といたしまして、人材確保が重要な課題、基本的な視点として必要だという認識でございます。御案内のとおり介護人材、これは地域包括ケアシステムの構築で必要不可欠な社会資源でございますので、将来的なマンパワーの減少、先ほど申し上げましたけれども、そういったことを見据えながら質の高い介護人材を確保するために効率的かつ効果的な配置をするといった観点も重要であるということでございまして、介護人材の確保に当たりましては、雇用管理の改善、事業者みずからの意識改革、自主的な取り組みを推進することが重要であるとともに、国、都道府県、市町村、役割分担をしながら積極的に取り組むべき課題だということで、そういったことを事業者の取り組みをより推進される取り組みを構築していくことが必要だというのが第2の視点でございます。

 最後、第3の視点といたしまして、サービスの評価の適正化、効率的なサービスの提供体制の構築が必要だという視点でございます。これは繰り返し出てきております地域包括ケアシステムの構築を図るということは、その一方で保険料として公費で支えられている公的な介護保険制度の持続可能性も同時に意識する必要がございますので、そういう持続可能性を高めて資源を有効に活用するということであれば、効果的、効率的なサービスを提供することが求められておりますので、そういったことにふさわしいサービスの評価の体系化・適正化あるいは規制緩和等を進めていくことが必要ではなかろうか。こういう3つの視点につきまして、私どもの認識をまとめさせていただいて、今後、来週以降、具体的な介護報酬の改定に係る議論を継続させていただいて、最終的に御審議をまとめていただければと考えております。

 事務局からの御説明は以上でございます。


○田中分科会長 ありがとうございました。

 質疑に入ります前に、本日は東委員と村上委員より資料が提出されております。まずはその説明をいただきます。

 時間の都合上、恐れ入りますが、お一人3分程度でお願いいたします。

 初めに東委員、よろしくお願いいたします。


○東委員 全国老人保健施設協会会長の東でございます。

 まず参考資料1の2枚目をご覧ください。今般、平成26年介護事業経営実態調査に示された収支差率、税引き後の収支差率を上の段のグラフに、下の段のグラフは、平成24年度の介護老人福祉施設等の運営及び財政状況に関する調査研究事業で示された(実在)内部留保額を示したものでございます。

 これをもとに5枚目のスライドをご覧ください。老健施設の収支差率は平成26年度介護事業経営実態調査では5.6%と他の施設サービスよりも低い数値が出ておりますが、老健施設の場合、大半が医療法人立であり、そこに法人税等が課税され、この調査の法人税等差引後の収支差率は約5.3%でございます。

 一方、全老健の平成25年度介護老人保健施設の現状と地域特性等に関する調査では、老健施設には長期借入金残高が1施設当たり平均約3.9億円あることがわかっています。その年間元金返済額の平均は約5,300万円であります。また、平成26年度介護事業経営実態調査における実際の収支差は年間2,200万円でございまして、減価償却費年1,800万円を足しても約4,000万円にしかならず、元金返済が困難で内部留保額を取り崩して借入金を返済しているという現状がございます。それが平成24年度介護老人福祉施設等の運営と財政状況に関する調査研究事業で示された、医療法人立の老健施設の内部留保金が約1,370万という他の施設サービスと比べて大変少ない内部留保額の原因であると考えています。このような内部留保額では設備の更新や建物の改修は全くできない状況であり、新たな借り入れを起こすしかない状況であることを主張したいと思います。

 次に3枚目のスライドをご覧ください。平成24年4月の介護報酬改定においていわゆる在宅強化型老健、在宅支援加算型老健等の類型が示され、それが約半年、1年半と徐々に増えていることがわかると思います。在宅強化型老健に関しましては3.1%が1年半で9.1%まで増加しており、多くの老健施設がこのような在宅支援機能を果たそうと努力していることがわかると思います。

 さらに、その次の4枚目のスライドを見ていただきたいのですが、給与費率にしましても、いわゆる従来型老健、在宅支援加算型老健、在宅強化型老健を比較しますと、在宅強化型老健ほど給与費率が高いという事実もわかっております。

 5枚目の2つ目の○をご覧ください。平成24年度介護報酬改定において在宅強化型老健等の類型が創設され、その後、多くの老健はそれを目指して頑張っております。実際に創設後1年半で在宅強化型老健は3倍に増えております。以前の給付費分科会でもデータを示しておりますが、在宅強化型老健に取り組むとベッド稼働率が落ち、総収入が減り、さらにスタッフを多く配置することから給与費率が上がる実態が明らかになっており、それにより収支差が悪化していると考えられます。今回の平成26年度介護事業経営実態調査において、老健の給与費率が52.2%から56.5%へと4.3%もの上昇を示しているのもそれが原因と考えられ、これは老健の在宅支援の機能を果たそうとしている結果を反映しているものと思われます。

 以上、このような状況から各サービス一律ではなく、果たしている機能に応じた改定を要望するとともに、財政制度等審議会により出されている全体で-6%という非常に大きなマイナス改定では、介護保険制度が立ち行かなくなると危惧をしておることを主張したいと思います。


○田中分科会長 ありがとうございました。

 次に村上委員、お願いします。


○村上委員 ありがとうございます。

 資料を見ながらお聞きいただきたいと思います。

 大きく3点申し上げたいと思います。1つ目は今日出た資料の評価ですけれども、資料を見ますと収支率の多寡をどう評価するかについて、これを報酬の考え方に結びつける根拠が見出せないように思います。施設系サービスの収支差率はチームケアによる効率的なサービス提供体制の確立だとか、あるいは仕入れコスト削減等の努力による影響があります。また、重度化に伴う報酬単価平均の増加だとか、入院による施設稼働率の低下、これは下がるほうです。また、介護サービスの充実と重度化に対応するための人材確保難による人件費のアップの影響を受けていることが想定されますので、一律に経営状況の評価をあらわすとは言いにくいと考えております。

 それぞれの経営状況全般の傾向なども指標として捉えて、地域での介護を支えていくために採算部門と不採算部門をバランスさせていく、総合的な事業展開を視野に入れた報酬のあり方を検討すべきと考えています。

 これは資料1の4ページのポツの5番目のところに、施設系サービスの収支は本体サービスで基本的に完結しているという、このところのことを指しております。

 2つ目は、平均値で改定のリスクについてです。本会で毎年実施しております収支状況調査では、平成25年度決算分では介護老人福祉施設の収支率は0.0%、資金的裏づけのない国庫補助金等特別積立金取崩額を含めても4.3%となっておりますけれども、厚生労働省の調査では1級地で10.9、2級地で14.5となっております。それぞれの調査で調査の対象機関等の違いはありますが、私たちの調査に出ておりますとおり、厳しい経営状況にある施設・事業所がある以上、この平均値だけで報酬の是非を議論することは、中小規模の事業所や収支率の低い事業所に対して大きなリスクをもたらすことになると思いますので、きめ細かな分析が不可欠だと考えております。

 3つ目は処遇改善についてです。給与費の割合を単純評価することは適切ではありませんし、調査結果のまとめにあるような記述は、処遇改善の状況について誤解を招きかねません。施設系サービスの収入に対する給与費の割合については、老健の上昇率が最も大きいのですが、看護・介護職員1人当たりの給与費については特養では7.3%の増加率となっておりまして、他のサービスよりも最も上昇率が高いという結果が出ております。

 また、近年言われておりますように深刻な介護人材不足は、結果として収入に対する給与費の割合にも影響している可能性があります。例えば求人欄によって給与費総額が伸びないことや、逆に近隣の事業所よりも優遇を設けて、給与費がかさむといったことが想定されますので、給与費の総額の上昇は必ずしも職員の処遇改善を示すものではないと考えています。

 処遇改善については、給付費総額だけでなく介護職員1人当たりの給与費利用者数等を総合的に見て、職員の充足率向上に資する職員給与水準を確保できるようにしていただきたいと思います。

 その他、特定施設については資料に記載しておりますので、ご覧をいただきたいと思います。

 以上です。


○田中分科会長 ありがとうございました。

 では、質疑に移ります。前半と後半に分けて話すことにいたしましょう。

 初めに、事務局から説明のありました平成26年介護事業経営実態調査の結果について、御議論をお願いいたします。御質問、御意見がありましたらどうぞ。鈴木委員、お願いします。


○鈴木委員 それでは、幾つか意見と質問を述べさせていただきたいと思います。

 まず私は今回初めて、介護事業経営実態調査というものの結果を医師会の担当として見たわけでございますが、これを見ますと、まず単月の調査であるということと、客体が毎年違っているということですから、これは診療報酬の実調的に言うと、月ごとの変動があるとか、あるいは対象が同一でないことで、偏りが出たりするため、比較をすることの問題点が指摘されまして、その結果、診療報酬では定点化などの改善が図られたわけですが、この点についてどのように考えているのかをお聞かせいただきたいと思います。

 それと有効回答率が48.4%と高いのです。こればこれで結構なことだと思うのですが、逆にそうであれば前回と直接比較できる施設サービスもあるのではないかと思うのです。そういうものがあればそのデータも出していただければと思いますので、それについてどうなのかということもお聞かせいただきたいと思います。

 特に在宅では規模の違いが大きいですから、定点でないと比較できない場合もあるのではないかと思います。

 法人税等は収入に対する割合で記載されておりますが、実際には利益に対して課税されます。実効税率は株式会社と同様に、課税のある医療法人では40%以上ありますので、先ほど全老健の東委員のお話にもありましたように、利益は税引後、大幅に減少することになります。

 さらにそういう課税のある医療法人は、税引き後の利益から借入金の元金を返済いたしますので、ここは営利企業同じように、非課税の社会福祉法人とはイコールフッティングと言えないと思います。

 また、課税のある医療法人の租税負担は中小企業の平均よりも重いというデータもあります。ただし、社会福祉法人も医療法人と同様に、給与費と委託費を合わせた人件費率というのは60%を超えているという状況で、収支差率を中小企業と比較する話をされた方もいますけれども、その人件費は20%以下ですので、同列に扱うことはできないと思います。

 さらに社会福祉法人の内部留保が問題にされておりますが、これについては例えば一定以上割合を生活困窮者のための減免措置を目的として、社会福祉法人がネットワークをつくって活用するなど、現在、市町村の財源不足等により生活困窮者の減免措置制度が十分機能していない場合があると聞いておりますので、そういったものに活用することなどが考えられるのではないかと思います。

 以上、質問と意見でございました。


○田中分科会長 質問の部分についてお答えください。


○迫井老人保健課長 御質問の点、私の理解で2点、同じような御質問かもしれませんけれども、今回、実態調査で行っております手法につきましては、診療報酬で行われております調査とは、調査のモデルは厳密に言いますと御指摘のような違いがございます。これはそれぞれ実施をされる中でどうやったら制度を高められるか。有効回答率を上げるかという取り組みがなされてきたと承知をしております。

 確かに私どもの調査につきましては、定点というような同じ事業者あるいは同じ施設という形で調査をしているわけではございません。幾つか理由は考えられると思いますけれども、1つには介護報酬、介護サービスにつきましては非常に事業形態が多様でございまして、サービスの類型もそうですし、事業の法人の形態もさまざまございますので、そういったサービスの多様性につきまして一概に医療と同じような形で実施するには、困難な点もあろうかと考えておりますが、ただ、いずれにいたしましても改善を目指して検討していくことは間違いなくやっていきたいと考えておりますし、先ほど鈴木委員からも言及をいただきましたけれども、例えば調査の様式を見直したり、なるべく多くの事業所、関係者に御理解いただくために、細かくは御説明してきませんでしたけれども、春から夏にかけて実際にこういった調査を行うので御協力をお願いしたいということを関係者で手分けをして説明に回ったり、そういう努力もしております。

 ですから、繰り返しになりますが、精度を上げるための努力は引き続きさせていただきたいと思っておりますし、これは介護事業の経営調査委員会のほうで改めてまた御相談をして、今日鈴木委員からいただいたことも含めて今後の調査でどういった形で反映できるのかについては、検討させていただくということをとお話させていただけたと思っています。

 それから、今回、今お話したような経緯で同一の事業所がもしかしたら、あるいはそれなりにあるかもしれませんけれども、それを改めて抽出調査をすることはなかなか現実的には難しいので、これもあわせて今後の課題とさせていただけないかと考えております。

 事務局からは以上でございます。


○田中分科会長 どうぞ。


○鈴木委員 了解いたしましたが、ただ、同じ施設でも特養は全部社会福祉法人ですけれども、それ以外ですと老健は73%が医療法人だそうですが、そうでないところも入っているということです。そうすると収支差率がそれらを平均してしまうと何が実態だかわからなくなるので、例えば医療法人、社会福祉法人、営利企業別に分けるとか、もう少し具体的に実態をあらわすような内容にしていく改善は、ぜひしていただきたいと思います。

 以上です。


○田中分科会長 将来の方向について御意見を承りました。ありがとうございます。

 藤原参考人、お願いします。


○藤原参考人 コメントということでございますけれども、今日お示しいただきました調査結果を拝見しますと、経営状況はおおむね良好だと拝見いたしました。こうした状況を踏まえますと、介護職員の処遇改善につきましては、経営者がみずから取り組むべきであると考えます。収入の使い道を公的に指示、監視されるような処遇改善加算というものが本当に必要なのかどうか、改めて見直していく必要があるのではないかと思います。

 本日お示しいただいた収支差率というのはあくまでも平均の値でありまして、大ざっぱに言えば半分はこれを上回る収支差率を達成しているものと考えられます。こうした高い収支差率を達成しているところが率先して処遇改善を行っていくことで、働く人の移動が起き、介護事業の生産性が高まっていくというのが本来、あるべき姿ではないかと考えております。

 以上です。


○田中分科会長 ありがとうございました。

 鷲見委員、お願いします。


○鷲見委員 ありがとうございます。

 今回の居宅支援事業所の実態調査でございますが、前回と比較したところ、少し述べさせていただきます。

 実件数が31.6件といいますと、ケアマネジャーは35件が標準担当件数になっておりますので、当該月に入院、死亡、インフォーマルなどの給付管理をしない件数を含めますと、ほぼ持ち件数はいっぱいということになり、これ以上のケースを持つことが困難であると考えられますので、今回の実件数31.6件と収支差率の-1%というデータと、前回の実件数26.8%で収支差率2.6%とは厳しさの意味が異なり、このままの数字では改善が必要であると言わざるを得ないと思います。

 今回の実件数の増加の割合に関しましては、要介護認定率と比較しても実は増加の割合が非常に大きいことから、予防支援の8件撤廃の影響があるとも考えられます。大きく外れている事業所は予防を中心に展開している事業所であったり、または規模が小さいところ、立ち上げたばかりであるとか、1人のケアマネジャーまたは働き方の違いなどの要因も考えられます。

 以上のことから、特定事業所加算等をとっている事業所の状況や、予防支援の委託状況を踏まえた精査を再度お願いしたいと思います。

 以上です。


○田中分科会長 本多委員、お願いします。


○本多委員 今回の経営実態調査の結果を見ますと、多くの委員からいろいろ補足すべき点があると今、お伺いしたところですが、全体として見てみますと収支差率は5〜10%を超えるものもあり、非常に高いということであるかと思います。他の産業との一般的な比較になりますが、収支差水準として見れば高水準と言えるのではないかと思います。

 また、1人当たり給与費を見ても、ほぼ全てのサービスにおいて前回調査に比べて大きな改善が見られていると思います。産業全体の景気動向や賃金動向等を勘案しますと、この調査結果から読み取れる経営状況は、非常に良好であることが言えるのではないかと思います。約10兆円にも上る介護費用が、今後も増え続けるということですが、そういった現況を考えますと、介護報酬全体としてはマイナス改定でもいいと思われるような状況ではないかと、この調査から伺えるところです。

 さらに利益によって内部留保が多額になっているというケースもありますが、その活用を促す方向で検討していただければと思っております。

 前回の検討の際にも私は発言させていただきましたが、処遇改善加算につきましては24年度改定で例外的かつ経過的な取り扱いということで、措置されていると思います。そうした趣旨を踏まえますと、この加算は継続すべきではないと考えているところです。

 また、本来、従業員の処遇改善は、先ほど藤原参考人から発言がありましたが、労使間において自律的に決定されるものであり、もし、介護人材の確保に向けた処遇改善を国策として行うのであれば、それは税で行うべきであって、保険料で行うべきではないと思っています。といいますのは、健保組合の被保険者の中には外食産業等、介護従事者よりも報酬の低い人たちもかなりいらっしゃいます。その方から徴収した2号保険料を処遇改善に充てるということは、多くのサラリーマンや事業主からも理解が得られないものだと思っているところです。

 関連いたしまして、制度の持続性をさらに高めていくという考えで申し上げますと、この実態調査の結果や在宅系サービスへのニーズの高まりを考慮して、限りある財源を効果的、効率的に配分していくべきであると思います。そうした観点から今後、各論の検討に当たりましては、これまでの議論や骨太の方針などを踏まえた、具体的な適正化の項目を御提示願いたいと思っているところです。

 また、介護サービスにおける、質の評価に関しては分科会における今後の課題として今、調査研究が行われている状況です。中でもアウトカム評価について、これまで実行面の難しさも指摘されておりますが、調査研究の結果を踏まえて検討の余地があるものについては、具体的な論点として御提示いただければと思っているところです。


○田中分科会長 内田委員、お願いします。


○内田委員 この経営実態調査につきましては、大都市圏にある事業所あるいは中山間地域にある事業所と非常に地域の格差もあったり、あるいは事業所の規模が非常に違っていたりとか、あるいは経営母体が全然違うものであったりということで、こういう平均値で比べてしまってよいのかなという疑問を感じます。

 実際にこれが本当に実態をあらわしているのかどうかというのは、もう少し具体的なところで分析をしていただかないと、これでは何とも言えないなというような気がします。多くの事業者、もちろん小規模なところが多いと思いますが、実感としてこんなに収益が上がっているように思えないというような意見もありますので、そこのところはもう少し、この数字をそのまま介護報酬の改定に使うということではなくお願いしたいと思います。

 今、6%の介護報酬の引き下げという話も出ておりますけれども、このように要するに収入が乱高下するようなところで介護職が働いていくということは、自分たちがきちんと収入を得られるのかどうかというのは大変不安にもなるもので、その辺のところも十分にお考えいただきたいと思います。


○田中分科会長 山際委員、どうぞ。


○山際委員 ありがとうございます。

 3点、御意見を申し上げたいと思います。

 経営実態調査の結果について1点と、基本的な視点の案について2つ御意見を申し上げたいと思います。

 1点目は経営実態調査の結果についてですが、資料1の4ページのところで調査上の限界であるとか、同列に扱うべきではない、単純に比較すべきではない等の懸念が示されておりますが、我々も単純な数値の判断ではなくて、詳細な分析の上で判断を進めるべきだと考えています。例えば資料2にあります詳細の結果の訪問介護でいきますと20ページのところですが、訪問介護における非常勤の介護職員の常勤換算1人当たりの給与費が前回と比べると大きく伸長しているように見えますが、これについては時給から割り出された常勤換算で計算をしている中身ですので、実際の非常勤の介護職員の月間の給与ではないということを申し述べておきたいと思います。

 それから、例えば59ページの特定施設入所者生活介護についても、収入のところが非常に大きく伸びているわけですが、介護報酬以外の家賃、管理費あるいは食費や土地建物の減価償却費も含んだ事業全体の収支が調査をされているということになっておりまして、このようなことから実情に応じて純粋な介護報酬の部分での比較をしていくことが必要だろうと思っております。これが1点目です。

 2点目ですが、基本的な視点について2つ御意見を申し上げたいと思います。

 まず第1点目ですが、資料3の2ページに記載をされている3つの視点について、第2の視点のところで触れられております介護報酬に関する人材確保の観点から、ここについては十分な論議を尽くしていく必要があろうと思っております。

 その際に4点考慮すべきではないかと思っています。

 1つは、事業者の雇用管理の改善などと関係する処遇改善加算のあり方をどうするか。

 2点目は、2025年に向けて介護人材約100万人増加が必要だと見込まれているわけで、そうしたことと、この間、出されている財政審で提示された介護報酬6%の削減という中身との相関について、どう考えるかということ。

 3つ目は、前回の報酬改定で考慮した物価指数等の取り扱いについてどうするかということ。

 4点目、これは実態調査後に実施をされました消費税増税の影響についてどう勘案するかということ。

 こうした4点について、考慮をしていく必要があるだろうと思っています。

 特に財政審で示された6%の削減の資料についてですが、この資料1の経営実態調査の結果の概要案の最後のところで述べられていますとおり、本調査による介護サービスごとの収差率と、法人単位で把握した他産業の収支差率を単純に比較すべきではないという視点が非常に重要だと考えております。

 この間、ほか多くのの委員の方からも出されていますとおり、介護事業所単位の収支差率と法人単位で出された中小企業の利益率、性格が基本的に異なります。この性格の違うものことをストレートに比較をするということについて、きちんと留意をすべきだろうと思っています。

 それから、これも多くほかの委員の方から御意見もありましたが、介護の事業の場合に人件費が費用に大きな部分を占めます。あわせて仕入原価の比率が他産業と比べると全く率が違うということがありますので、こうした状況の中で介護の事業と他産業とを単純にこうした利益率で比較すること自身が妥当ではないと考えております。というのが2点目でございます。

 最後、3点目でございますが、同じ第3の視点のところで述べられている中身ですが、サービス評価の適正化という点についてですが、サービス評価をどういうふうに見るか、あるいは適正化といったところがまだまだ議論が必要な部分で、現時点では不明確な部分が多いわけですけれども、サービスの質との関係から本来、介護保険制度が目指している自立支援に資する観点に立った介護報酬の見直しの議論を、ぜひお願いしたいと思っております。

 以上、3点の意見です。


○田中分科会長 基本的な視点については、後ほど時間を設けて改めて議論いたします。もう言っていただいたのでそれはそれで結構ですが、先ほどは前半しか発言しなかった方は後にまたお願いいたします。

 1の調査結果についての御意見、御質問はほかにございますでしょうか。よろしいですか。後から戻っていただいても結構ですが、介護事業経営実態調査の結果については一応ここまでといたしまして、先ほど山際委員にはすでに、早速言っていただきましたが、平成27年度介護報酬改定に向けた基本的な視点について御質問、御意見がありましたらお願いいたします。鈴木委員、どうぞ。


○鈴木委員 それでは、幾つか質問と意見を述べさせていただきたいと思います。

 まず2ページ目の第1の視点というところに、在宅中重度者や認知症高齢者への対応のさらなる強化とありますが、この在宅の中重度者というのは、具体的に要介護で言うと幾つ以上の方を指しているのかを教えていただきたいと思います。

 それと認知症高齢者と一括りで書いてありますけれども、これについても軽度、中度、重度とあるかと思いますが、これもどのような認知症高齢者を対象としているのか。全てなのか、教えていただきたいと思います。

 第2の視点の介護人材確保対策の推進のところでございますが、3行目の最後のところから、効率的かつ効果的に人材を配置すると書いてございますが、この効率的・効果的な配置というのはどういうものなのか。今とどう違うものをお考えなのか具体的に教えていただきたいと思います。

 第3の視点についてでありますが、最後のところに必要なサービス、評価の体系化・適正化や規制緩和等を進めていくことが必要であると書いてあります。規制緩和というのは具体的にどんなものを意味しているのか。内容はどんなものなのかを教えていただきたいと思います。

 意見でございますけれども、財政審の話が先ほど来多くの委員から出ておりますが、どんな企業でも会社の業績が悪化しているのに、人件費だけ上げるというわけにはいかないと思います。なぜなら倒産してしまうからです。もしそういうことができるとすれば、それは倒産のない公務員の組織だけになると思います。

 また、地方では医療や介護の業界が、その地域における最大の雇用の受け皿になっていることも多く、そのため地方でも若い方がまだたくさんこの業界に来てくれますので、若い方がたくさん集まってくる場として貴重な存在になっております。そこで、そういった場を核にして、現在地域の少子化対策や人口減少対策さらには消費を通した地域の活性化対策など、さまざまな取り組みが行われようとしております。一方的に介護報酬の抑制ということになりますと、ほとんどの収入は介護報酬に依存しているわけですから、そうした地方の活性化、今、地方創生の話も出ておりますが、そういった芽を摘むことになりますので、介護報酬にはそういった意味もあるということをぜひ御理解いただく必要があると思います。世界を相手に頑張っていただく企業も必要ですが、地方では既に介護業界は特に介護や雇用の面を超えて地域活性化のための重要な役割を果たしていることを無視することはできない状況になってきていますので、ぜひそれを踏まえた対応が必要だと思います。

 以上です。


○田中分科会長 では、御質問の部分についてお答えください。


○迫井老人保健課長 3点、御質問をいただいておりますが、資料3の2ページの基本的な視点のところの記載ぶりでございます。

 まず第1の視点のところに記載させていただいております在宅中重度者、これは具体的に要介護幾つ以上ということを必ずしも想定しているわけではございませんで、まだ基本的な視点でございますので、概念的な記載です。ですから今から、これから各サービスごとに1週間に1回程度で集中的に御議論いただくことになるわけですけれども、そのさまざまなサービスを見ていただく基本的に共通的な視点としてということでございますので、明確に何か線を引くということを今の段階で視点として持っているわけではありません。

 同様に認知症の高齢者の方が、これは中重度者も含めてですけれども、2025年に向けて今から高齢者の増加によるニーズの増加を、表現を変えるとこういったことかなということでございますので、その点も特に具体的に日常生活自立度が幾つとか、そういうことでは決してなく、まず概念的な整理をさていただいたということでございます。これが第1の視点に関する御質問のお答えになっているかどうかということはあるかもしれませんけれども、お答えでございます。

 2点目でございますが、第2の視点のところに記載させていただいております効率的かつ効果的ということですが、これは私どもとしては割と素直に書かせていただいているつもりでして、2ページ目のちょうど冒頭のあたりに記載させていただいておりますけれども、今から高齢者が増加をしていって、先ほど申し上げましたようなニーズが高まっていくと同時に、サービスの提供という面からもそうですし、制度を支えるという面からも、むしろ支え手が減少していくということを強く意識しますと、極めて一般的に少ない人材をいかに活躍していただくか。表現がいいかどうかわかりません。活用するかという視点が当然必要になりますから、その場合には効果としてなるべく高く。効率としてなるべくこれも高くという趣旨で、あくまで概念として効果的・効率的の表現にさせていただいてございます。

 3番目の規制緩和、これは実は表現として今、御説明しましたような人材の効果的、効率的なということと一部重複するのかもしれませんけれども、基本的に介護報酬の体系でございますので、一定のサービスに対して評価をする、報酬をお支払いすることになっています。その場合にさまざまな報酬の区分とか、あるいは時間でございますとか、算定要件というものがございます。その評価につきまして2ページの最後の2行のところですが、1つには複数のサービスが同じようなサービスが違った視点でというようなことがございましたし、そういったことも含めて一定の体系化とか適正化とか、その評価のあり方についてということを記載させていただいた上で、具体的に申し上げますと例えば算定要件のようなものだと思いますけれども、一定の報酬をお支払いするに当たってこういう要件というものが報酬一般に、基本的には一定のルールがあります。そのルールにつきましてもう少し弾力的にやっていただけないかという御要望も現にございますので、そういった部分についてここでは念頭に置いて、規制緩和という表現をさせていただいているということでございます。ですから、繰り返しになりますが、例えば2番目に書かせていただいた人材に関する効果的、効率的な配置にも当然つながり得る話だろうなと考えておりますが、そういう視点で3つ書かせていただいております。

 事務局からは以上でございます。


○田中分科会長 鈴木委員、どうぞ。


○鈴木委員 お話は一応わかりましたけれども、ただ、規制する側が自ら規制緩和と言うのもおかしいような気がします。我々が規制緩和しろと言うならわかりますが、その辺は疑問が残ります。中医協的に言うと基本方針は議論をしながらつくっていくわけですが、今回いきなり基本的な視点が出てきてしまっているので、これについてはここで意見を言うしかないという感じのようでしたから、そういう基本的なことまで含めてお話をさせていただきました。


○田中分科会長 この紙の内容はあくまで事務局の持つ視点であって、分科会全体として我々はこういう意見を持つべきだという規定、縛り方はしていないはずです。

 どうぞ御自由に意見をお願いいたします。田部井委員、どうぞ。


○田部井委員 まず財政審の介護報酬6%カットということなのですけれども、そもそもその前に社会保障を維持するために8%に引き上げられたはずの消費税は、ちゃんと目的どおりに使われているのでしょうか。それをちゃんと明らかに私はすべきだと思うのです。ちゃんと全部使われていないのだとすれば、それは約束違反といいますか、公約違反だと思うのです。こういう約束違反と公約違反が繰り返されることが政治とか国に対する不信を招いて、保険料の不払いの増加とか、そういう社会保障制度の基盤を危うくしているのではないかと思われます。

 ひいては将来の安全を個人で守るしかないということで、健全な消費すらも控えさせたりということで、経済の安定的な推移をも妨げているのではないかと思われます。

 そもそも引き上げられた消費税を全て社会保障に使うべきであるという主張というのは、福祉の充実を望む私どものような利用者と、ここで社会保障審議会もと入れようとしたのですが、社会保障審議会ではそういう意見の一致は見られそうもありませんので除外をしまして、厚生労働省とは少なくとも共通できる主張ではないかと思うのです。今こそ安心の保障に逆行する削減案のようなものには一致団結して立ち向かうべきであると思うのですけれども、ぜひ厚生労働省のお考えを伺いたいと思います。

 地域包括ケアシステムの構築に向けた流れの中での報酬改定という全体のところで、地域包括ケアシステムに対する考え方なのですけれども、私ども家族の会は地域包括ケアシステムが理想であるとか、それ以外に道がないと考えるのではなくて、そのシステムの中で提案される一つ一つの具体的な施策について、よいものはよい、よくないものはよくないとして是々非々で臨んでいきたいと考えております。

 例えば地域包括ケアシステムの目玉とされている定期巡回、随時対応型サービスについて、先般ヒアリングも行われましたけれども、その中では訪問介護員の意欲の問題であるとか、ケアマネさんの認識不足であるとか、そういう課題が述べられましたけれども、私どもは大きな理由というのはそもそも利用者の側から見た使いにくさということとか、そもそもどれだけ利用者がいるのか、需要が本当にあるのかという制度設計そのものにも課題があるのではないかと考えています。

 具体策について、一つ一つ精査していくという方向性も盛り込むべきではないかと考えますけれども、いかがでしょうか。

 それから、基本的な視点の中の第1の視点に関連してなのですけれども、認知症、高齢者への対応のさらなる強化がうたわれているということはありがたいことだということで評価しておりますけれども、具体策について言いますと、特にガイドラインに示されました要介護認定を明らかに要介護1以上と判断される場合であるとか、基本チェックリストの結果によって制限するというのは、強化の流れに逆行するものではないかと考えます。

 要介護認定を受けて専門性のあるサービスを受ける必要が最も高いのは、認知症の人であることは明らかだと思うのです。その認知症の人を曖昧な判断基準によって専門性のあるサービスから遠ざけてしまうようなガイドラインというのは、ぜひ見直してほしいと思います。

 もし総合事業利用の手続を簡略するということでしたら、明確な意思をもってはっきりと総合事業の内容を理解して、その利用だけを希望する人は要介護認定を省略することもできるという形にすれば済むはずではないかと思いますので、その点についてもぜひお考えをお示しいただきたいと思います。

 第2の視点の人材確保なのですけれども、事業者の意識改革や自主的な取り組みを否定するものではありませんが、それによって実現できる改善では最重要な課題とする質の高い介護人材を確保するほどの改善が実施できるとは到底考えられないと思うのです。これは国が大きな施策として、中心の施策として取り組むべきで、国が及び腰では都道府県や市町村も事業者も動かすことができないのではないかと思います。

 ここは図らずも本多委員さんとも一致するところなのですけれども、私どもは多くの人が少しずつ負担して、それを実現するという意味で、やはり税でやるべきではないかと考えるわけですけれども、この点についても本格的にというか、抜本的な人材確保を実現していくような、できれば決意表明みたいなものをぜひしていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。

 以上です。


○田中分科会長 質問とお考えをと言われましたけれども、いかがでしょうか。


○迫井老人保健課長 まずは6%の削減というようなお話、これは先般、財政制度等審議会における内容を指しておられると理解をしておるわけでございますけれども、私どもの認識といいますか、受けとめとしましては、介護保険制度の基本的な位置づけとしまして、保険料を初めとして公費で賄われていることも踏まえますと、先ほどから何度か御説明しておりますけれども、制度を実際に支えていていただいておる方々の負担に考慮しつつ、持続可能性を高めていく。できるだけ効率的にというのはまず大前提であろうなと理解しておりますので、国民のニーズに合った介護サービスを提供するというのが一番、こういった視点が非常に重要なのではないかと考えております。

 それと同時に地域包括ケアシステム、先ほどの田部井委員の言及の中にもありましたけれども、地域包括ケアシステムを構築していくということであれば、例えば企業の規模でございますとか、そういったさまざまな要因がございますが、基本的にそれぞれの事業所施設が今、お話もありましたけれども、質の高いサービスを提供するような環境を整備するということを努力することで、国民の皆様方が安心してサービスの提供が受けられる。サービスの提供体制を確保することが必要であると考えておりますので、そういったニーズの面と体制の面、両面で検討すべき課題であろうと考えております。ですから、この財政審の数字は数字として出されておりますけれども、私どもといたしましては、基本的に改定に関する改定率、これは年末の予算編成過程においてまとめていかれるべきものと認識をいたしております。

 あと2つ、3つほど御指摘あるいは御質問とも言える内容かもしれませんけれども、私の理解では次に御指摘いただいたのが、全体、個別のサービスを精査する視点を盛り込むべきだというお話でございます。

 先ほど分科会長のお話もありましたが、これは今から審議を進めるに当たって大きな私どもの視点としてお示しをしております。大前提は、来週以降、各論で個別のサービスの議論を当然していただきますので、それを全てこの中に盛り込んでいるという趣旨ではなく、あくまで基本的な視点として大きくこの3つの整理で臨ませていただきたいと考えておりますが、大きく間違ったところがもしあれば御指摘いただきたいと思いますけれども、細かい各サービスが両面2ページに盛り込まれていないのは自明でございますので、むしろ今から個別の審議の中で御意見をいただきたいと思いますし、私どもで資料を提出させていただきたいというのが基本的なスタンスですので、当然精査していくべきものと考えております。

 基本的には今お話したようなことに絡むのですが、例えば第2の視点のところの介護人材の関係につきましても、これは逆に言いますと介護人材の確保は非常に大きなテーマで、来週以降、いろいろな場面で議論が当然進められるべきものと理解しておりますから、今回、逆に言いますと2ページの紙でおしまいということでは全くないわけでありますので、その議論の中で具体的な話も含めながら進めていく中で、例えば事業者の努力だけではなかなか質の高い人材確保はできないという御指摘をいただきましたけれども、もちろんそういった視点も含めて、具体的な処遇改善加算の取り扱いも含めて御議論いただくべきものではないかと考えてございます。


○田中分科会長 振興課長、お願いします。


○高橋振興課長 田部井委員から御質問のあった、地域支援事業のうち、新しい総合事業の利用の手続の関係ですけれども、これまでも御説明をさせていただいておりますが、地域支援事業に移行する訪問通所系の事業のみを希望されるような場合に、簡易迅速にサービスに御利用をつなげるという意味で、基本チェックリストを活用させていただこうというものでございまして、要介護認定を希望される場合には、もちろんチェックリストを経ることなく要介護認定を申請していただくことは可能でございますので、御理解を賜れればと考えております。

 以上でございます。


○田中分科会長 吉田審議官、どうぞ。


○吉田審議官 医療・介護連携担当の審議官でございます。

 いただきました御意見の中で、消費税全体と社会保障の問題についての御言及をいただきました。この介護給付費分科会の域を超え、年金ですとか医療ですとか全体にかかわる話でございますが、まず御懸念を解くという意味で事実関係だけ申し上げれば、御案内のように一体改革以来の法律において消費税増収分、今回では8%増収分は社会保障のみに使われるという仕組みでございますので、そこについては社会保障に確実に当たっているというふうにお考えいただいてよろしいかと思います。

 ただ、という言い方がいいのか、社会保障そのものについては年金における国庫負担の充実分など、これまで安定財源なしに国庫負担をふやしてきた部分についての財源確保という面もございまして、御負担いただきました増収分については目の前で、例えば子ども・子育てあるいは今回で言えば医療における基金の造成のような形で使っていただく、あるいは使わせていただくような形になっている部分と、どうしてもこれまで借金で賄っていた部分もあって、借金を返す部分か、ひいては社会保障を安定させるという部分と目の前の充実分と、両方を持ってして社会保障に充てているということについては、正確に私どもも申し上げなければいけないと思いますし、御理解をいただければと思います。

 その上で、今後につきましてはもちろん来年度、法律上、書いてございます消費税の扱いにつきましては、政府として総理大臣が年末までに御決断をされるということでございますから、それも含めて年末の予算編成に向けて、我々社会保障を担当させていただく身として、そしてまたこの場において御議論をいただいております介護報酬というものをどういうふうに考えるかということにつきましては、これまでいただいております議論ですとか、私どもの考えなりを最終的に予算編成の中でぶつけて、最大限、国民の皆さん方にとって御期待に添えるように少しでも努力をしてまいりたいということでございますので、御理解、御支援をいただければと思います。


○田中分科会長 御説明ありがとうございました。

 では、先に井上委員、藤原参考人、またさらにほかの方に回ります。どうぞ。


○井上委員 ありがとうございます。

 報酬の改定につきましては、初めから御意見が出ていたように、この資料をもとに決めるのはとても危険だなとまず思っています。それぞれ実態をあらわしていない部分がかなり多いだろうという御意見もありましたし、私もそういうふうに思います。

 ここで少し基本的な視点のところで御意見を申し上げたいのですけれども、原点に戻って申しわけないのですが、今、私たちがやらなければいけないことは地域包括ケアシステムをちゃんと成功させるというか、到着点はないですけれども、やっていくことが一番大事だろうと思うのです。

 そのときに私は、地域包括ケアシステムというのはケアつき地域をつくるのかなと思っています。そうしましたら事業者が主人公ではなくて、ケアつき地域の中に住民が住んでいるのだという考え方をとるべきではないか。そういうふうにすごく希望を持っておりました。

 介護報酬の分科会でそういう意見が通用するかどうかわからないのですけれども、そういう視点に立って介護報酬を考えていくというのを、どこか片隅に置きながらやっていくというのが必要ではないかと思うのです。そういう意味ではまず自分たちの地域をどのようにしたいのか。地域支援事業と介護保険制度のサービスは全く分断されているのか。そうではないと思うのです。医療と介護の連携や地域の中で認知症ケアをちゃんとやっていくということなどさまざまに出ておりますので、そういうことをひっくるめた地域包括ケアシステムというふうに考えれば、地域住民が自分たちの地域を、ケアつき地域をどのようにつくっていくかという方向で、お金のほうも決めていってはいけないものだろうかと思います。

 本当に住民が介護保険から出るもの、出ないものもきちんとわかり、自分たちがやることもわかり、みんなで協働しないと、地域包括ケアシステムそのものがつかめないと思うのです。そういう意味でみんながかかわれるような、介護保険も含めて考えるべきだと思います。地域支援事業だけでは、地域包括ケアシステムはやれないわけですから、そういう住民の側を主役にした介護報酬のあり方というか、それはニーズに縛られているだけではないと思うのです。それを果たして具体的にどうするのかというふうに聞かれると困るのですけれども、今後、そういうことを視点に置きながら介護報酬改定をやっていただきたいと思います。

 一言つけ加えますと、介護人材の確保が今、大きな課題になっています。そのときに収支差率が結構いいから切ろうなんていうのはとんでもない話だと、この統計については御意見が出ましたように、その辺は私も同感しております。

 以上です。ありがとうございました。


○田中分科会長 ありがとうございました。

 藤原参考人、どうぞ。


○藤原参考人 今回お示しいただきました基本的な視点、3つの視点の中で、私どもは第3の点というのが非常に重要だと思っております。先ほど迫井課長からまさしく御説明がありましたとおり、支え手が減っていく中で、この介護保険制度の持続可能性を確保するということが最も大切だと思っております。効率化を進めながら、本当に必要なところには手厚く給付をするというめりはりのあるサービス提供体制を構築すべきだと思っておりますし、そのために厚生労働省が規制緩和を訴えるということは大いに結構なことだと思っておりますし、それほど危機感が高まっている調査だと思っております。大いにやっていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。


○田中分科会長 ありがとうございます。

 東委員、どうぞ。


○東委員 田部井委員から消費税の話や他の委員からも介護職員処遇改善加算のお話が出ておりました。また、先程審議官より消費税の話はこの分科会の議論ではなく政治マターというか、別のところで決まるようなお話がありましたが、資料3の2枚目(今回の介護報酬改定に向けた基本的な視点)の2つ目の○に介護人材の確保は最重要の課題であるとあるように、介護職員の処遇改善をどうするかは、まさしくこの分科会で決めていくことだと思いますし、消費税については、社会保障とりわけ介護職員の処遇改善・人材確保に使うということが国会で決まっているわけでございます。ですので、この分科会として、介護職員処遇改善加算を持続するのか、または加算をやめて税金で対応するのかをきちんと決めて、この分科会で取りまとめた意見に基づいて実行してもらうよう、政府に表明するべきだと思います。この点については強くお願いしたいと思います。


○田中分科会長 武久委員、平川委員の順でお願いいたします。


○武久委員 この調査の話に戻りますけれども、収支差の分布図をつけていただいているので非常によくわかるのですが、皆さんも同じ思いだと思うのですけれども、-50から+50まである。しかも福祉用具なんかだったら-50+50が一番高い。ちょっとわけがわからないのです。ここの分析が十分でないと、例えばどういうところがこれだけ利益を出しているのか、どういうところがマイナスなのか、すなわち利用者のためを思って人をたくさん雇ったためにマイナスになったのか。それともサービスをよくするためにハードに初期投資をしたためにマイナスになったのか。

 といいますのは、私は利益を上げているところが悪いわけでも何でもないわけですけれども、利益のマイナスになっているところを無視して、平均値だけで7%あるからといって赤字のところもあれば、15%以上黒字があるところもあるとなってくると、そのときに仮に下げたとしたらマイナスのところは軒並みつぶれる。これでいいのかなと思うので、せっかくここまで分析しているのであれば、どうしてマイナスなのか。どうしてプラスなのかということをもう少し掘り下げていかないと、単純に例えば社会福祉法人だったら内部留保があるから、それを使ったらいいから減らすとか、逆に全部平均的に非常に収支差が上がっているから一律に下げようとか、そういう乱暴な論理というものがどうかと思うのです。

 優良なサービス事業者というものを育てていくことも、非常に国民のためには非常に必要なことであって、そういうふうに下げることによって優秀な事業者がどんどんと日本から消えていくというのもまずいと思うのです。ここのところはよく考えていただきたいのですけれども、介護保険は今のままいくと確実に破綻すると私は思っているわけです。といいますのは、2025年には1.5倍の人が亡くなるということは、逆に言うと介護保険施設を何回か利用するということになってくると、結局、利用者は急増するわけです。

 私は2000年のときに覚えておりますけれども、大体、今はこのぐらいの保険料だけれども、大体このぐらいの利用者だけれども、10年後にはこのぐらいになるという推計のグラフをいまだに覚えていますけれども、全く当たっていないのです。こんなばかな推計をどうしてするのか。昔の人に言うだけですけれども、これはやはり予想外にお金がかかっている。その一番必要な要素というのは、要介護認定とかケアマネジメントとか、要するに事務費に非常にたくさんお金を費やしているように我々現場でも思うわけです。医療との違いはそこにある。

 例えば障害者の等級の6級まで認定するのにどういう制度のやり方をしているのか。介護保険との違いは何か。要介護認定で前にも言いましたけれども、ソフトが非常によくなって認定審査会での変更率が非常に減っている。その辺のところもシステムの効率化ということをもう少し考えないと、そういうことはまず置いておいて、まず単価から、介護報酬からされを下げるんだということは、それはちょっと順番が違うのではないかと思いますので、せっかくのこの機会ですので抜本的な対策、しかも先ほど前のときにも言いましたけれども、サービスが非常に幅広くて冗漫になって効率が悪くなっているということは、皆さんも特に居宅サービスでわかっているわけですから、もう少しそこのところは事務当局にアイデアを出していただいて、単純に単価だけを下げるというのではなしに、いろいろ分析していただいて御提示いただけると大変助かると思います。ありがとうございます。

○平川委員 ありがとうございます。

 連合としましては、この間、マスコミに少し発表しておりますけれども、要介護者を介護する人の意識と実態に関する調査を行ってまいりました。詳細についてまとまりましたら皆様にお渡しできればと考えているところでありますが、やはりその中で介護保険サービスに対する信頼は大変高いのでございますが、介護をされる方の認知症の度合いが高くなってくると、介護者の負担が重くなってくる。特にストレスを感じている方は8割に達しておりまして、ある意味、設問もちょっときつかったのですけれども、憎しみを感じているかどうかと聞きましたら、3分の1の方が憎しみを感じてしまっているという状況も出てきているということであります。

 そういった意味で、地域包括ケアシステムの構築を含めてどうやって地域で暮らし続けることができるかという観点での介護報酬の考え方というものが、極めて重要ではないかと考えているところであります。

 そういった意味で、ではどのような地域包括ケアシステムが必要なのかということでございますけれども、これまた連合としましては5月に医療職場と介護職場、地域包括支援センターの職員の方などを集めて800人程度で集会を行いました。その中でもシームレスなサービスをどうやって提供していくのか。多職種連携をどうやって構築していくのか。そして何よりも地方自治体の理解と住民参加というものも必要ではないかということなどについて、議論をさせていただいているというところであります。

 そういった意味で、それをどうやって介護報酬に反映させていくのかということが課題かなと思いますので、その連携という観点をさらに強く強調できるようなものが重要ではないのかなと考えているところであります。

 先ほど報告いたしました家族の方の調査でありますけれども、家族支援を介護報酬の中でどうやって反映させていくのかというのは、これはまた制度にかかわることでありますので、なかなか難しいかとは思いますけれども、それについても課題として捉えていただければと考えております。

 そういった意味で、地域包括支援センターが大きな役割を果たしていくということでございます。この基本的な視点の中では地域包括支援センターの記載はありませんけれども、介護保険部会の意見書の中では、地域包括支援センターの機能強化というのが相当強く記載されていますので、その点について御配慮をお願いできればと思っています。

 第2の視点としての介護人材の確保の関係であります。これにつきましては意見書を以前に出させていただいているところでございます。基本的には処遇に関しては労使自治によって、労使交渉で決めていくというのが基本ではありますけれども、今の段階では介護人材の処遇改善の成果が確実に介護職員の手元に届くという仕組みを維持する必要がまだあるのではないかと考えているところでありますので、処遇改善加算の継続とその増額というものが重要だと考えてございます。

 第3の視点として、サービス評価の適正化というものが出されているところであります。これまでもさまざまなサービスを創出してきているところでありますけれども、それがどういう成果があったのか。アウトカムがどういうふうになっているのかという仕組みを検討していく必要があるのではないかと考えているところであります。

 また、基本的な視点の中に書いてありませんけれども、住まいという観点も重要ではないかと思っているところであります。特に東京、大阪の大都市圏では、これから高齢化率よりも高齢者の数が大幅に増えていくという状況の中で、特に東京においては持ち家率が大変低いという状況にあります。そういった中で高齢者の住まいをどうしていくのかという視点が重要ではないかと考えておりますので、その観点からの御検討もお願いできればと考えています。

 以上です。


○田中分科会長 ありがとうございました。

 齊藤委員、亀井委員の順でお願いします。


○齊藤(秀)委員 ありがとうございます。

 まず実調のことで、前回調査と比較して有効回答率が各段に上がっておりますことについては、関係者初め事務局の御努力の成果だということで、改めて感謝を申し上げたいと思います。

 資料1の8ページでございます。前回調査との比較をしている表でございますけれども、21のサービスがございまして、今回、前回の比較をされているわけですが、下2つを除きまして19のサービスのうち、収入に対する給付費の割合がほぼ変わらないか、もしくは下がっているというサービスの中で、収支差率だけはプラスになっているところが約半数ぐらいございます。これは一般論として収支差の余力はできるだけ給与費に充当して、職員の処遇改善に生かすべきではないかという意見がある中で、私はきめ細かな分析や説明がどうしても必要になるデータになっているのではないかと思います。

 先ほど東委員から5.6%の収支差率の内容をお示しいただいて、年間2,200万のプラス収入がある。しかし、一方で5,300万の借入金があって、どうしても経営から見るとなかなか収支が合わないというお話がある。こういったことは東委員のところに限らず、恐らくここではこういう数字だけれども、言いたいことはいっぱいあるということがあるのだろうと思います。しかし、実調の中ではそれは見てとれないわけでありますから、事務局のほうで分析していただくことも去ることながら、それぞれのところでこの収支差率というものについて、こうなんだということをもう少しきめ細かな説明を必要とするというデータになっているのではないかと感じました。

 分厚い資料で恐縮ですが、28ページ、この資料がわかりやすいかなと思って代表的に申し上げるわけでありますが、これは訪問、入浴、介護のデータを示して、特に規模別といいますか、延べ訪問回数別で見ている表でございますが、小さい数字でございますが、100回の回数を起点として、それ以下とそれ以上でほぼプラスマイナスの状況が見てとれます。これは規模が一定数ないと、なかなかこの収支差というのが上がりにくいということが見てとれる資料になっていますが、その一方で29ページを見ますと、これは経営主体別の資料になっておりまして、社会福祉協議会その他、営利法人も含めてここの資料になっているのですが、極端に社会福祉協議会は収支差率が-7.7、一方、営利法人は8.1でございます。具体的に見ますと延べ訪問回数が圧倒的に違うというデータになっております。しかし、これは経営努力だけでは解決できない問題が内在しているのではないかとこの資料からは感じたわけであります。この事業所の置かれている利用者環境によって収支が大きく左右するということも考えられる。この辺は分析をどう進めていくかという視点では大事なことだろうと思います。

 さらに、資料全体では地域差の課題を顕著に示す資料というのは余りなかったように私は思っておりましたけれども、先ほど村上委員から、例えば独自調査または東京都における調査と今回の実調では随分と格差がある。違和感を感じるというお話がございました。私も具体的なことは存じ上げませんが、現場の声を聞くと、どうも実調との間に非常に大きな乖離を感じているようなお話をまま承るわけでございまして、そういった点からしても、規模別、地域差、さらには置かれている環境等も配慮しながら、きめ細かな実態把握に努めて、現場の努力にちゃんと報いていく。そういう方向で今後議論されることが必要だろうと思います。


○亀井委員 視点1についてでございますけれども、保健、医療、福祉の一体化により地域医療、地域福祉を推進していくと言われて久しいわけでございますが、いよいよ6月に一括法成立によって、法律をもってそれを推進していこう。こういうふうになされておるわけでございますけれども、それの最も大きな目標としておるのが地域包括医療・介護システムの構築ということになるのだろうと思いますが、時を同じくいたしまして、まち・ひと・しごと創生本部が立ち上がり、スタートしたわけでございます。地域を活性化して、そして人口減少を食いとめていくんだ。こういうふうな狙いであるわけでございまして、それで今まで少し弱かった子ども・子育て、家族支援をより充実していこうということなのです。

 ただ、一方において地域で安心して生活していく。そのために地域包括医療、そして介護システムを構築するということは非常に重要な課題である。こんなふうに思うわけです。これらの医療と介護の連携という、このことについて、これは介護特会の部分を余り手を突っ込んで、その予算を使うということについては我々としては余りどうかなと思うのです。ですので、これはそういうまち・ひと・しごとというか、そういう部分も考えながら、厚生労働省としての戦略というものがもしあればお聞かせいただきたいと思っているのですが、もしあれだったら吉田審議官、その辺のことがあったらお聞かせいただきたいと思います。

 もう一つは、私は保険者としての顔を持っていますし、実は首長としての顔を持っているのです。保険者としては先刻、本多委員が申されたあの意見というのは賛同なのです。ところが、それを手放しで私は賛同できない部分もまたあるわけです。それは首長としての顔があるからでございますけれども、それが視点2の部分です。これは景気が少しよくなって持ち直してきたら、なぜかしら介護の職員が少なくなってくる、大変な状況になってくるということでございますけれども、より給与の充実のをしていただくようなことでなければならないのかなと思っているのです。

 今後は介護保険制度の広域化ということも考えていかざるを得ないのではないかと思っています。東京の施設の方なんかいらしたら、御無礼になるか知りませんけれども、受給バランスを今後とっていくというのは、大都会では非常に難しい部分もあるのではないかと思っております。

 全国で基礎自治体というのは1,700あるのですけれども、そのうちの70%が5万人以下の人口なのです。あと30%の自治体に全人口の80%の人口がお住まいであられています。もっと極端に言いますと、政令中核市が4%です。全基礎自治体の4%で人口は40%お住まいいただいています。ですからまちまちで、そういうところと本当に1万、2万のところもあるわけでございまして、一概にそれの比較というのは非常に難しいなと思うのですが、ただ、人口5万人以下の自治体で伸ばしている産業というのは、これは医療と介護です。ですからここを安定させることが非常に重要な部分かなと私は思っているところでございますけれども、よってある一定の安定した経営の中で広域化を進めていく。都市部から住所地特例の厳格化によって受け入れるということも今後、ヒト、カネ、こういう循環が出てくるということもあるのではないか。こんなふうにも思わせていただいているところでございますけれども、苧谷審議官、何か御所見あったらこのことについておっしゃっていただけたらなと思います。


○田中分科会長 吉田審議官、お答えになりますか。


○吉田審議官 御指名いただきましたので、医療・介護連携担当審議官です。

 前段でいただきました、この分科会の先生方、改めて地域包括ケアについて、先ほど井上委員からもお話がございましたように、その重要性なり今後の必要性について改めて申し上げることはないと思いますし、一方で地域包括ケアが、今、亀井委員お話のようにまちづくりそのものだという認識も、多く共有されていると私も含めて思っております。

 その中で別途、まち・ひと・しごと創生本部、地方創生の動きの中でのプロジェクトいうものを政府をあげて行っております。これはまさに介護、医療、福祉に限らないまちづくりということでございますが、ある意味で同じことをどちらから言うかに近いほど、地域の現場においては物事の表裏と言うのか両面と言うのかというところまで来ると思っておりますので、当然大きなプロジェクトの中に重要なファクターとしてこの問題に取り組むことが基本。

 その上で少しおっしゃいましたように、また、後段でもおっしゃっておりました悩ましいのは、お金の流れという意味で申し上げれば、当然介護というお金の流れで産業に回っている部分あるいは医療という流れで回っている部分、あるいは今度のまち・ひと・しごとというところで新たな金の流れができるのか、金の流れは金の流れで経済を含めて従来の流れの中で知恵と人というものをどういうふうに元気づけていくのかということを、まち・ひと・しごとのほうで議論されるのか。私ども政府全体の流れの中で一体として今、亀井委員と申しましょうか、首長というお話もございましたので、市長、自治体の方々、そこの住民の方々が元気になるように取り組んでいかなければいけないというのが、基本方針でございます。

 その上で本日示させていただいたこの紙、事務局の一員としましては介護報酬というものを考える際において、今おっしゃっていただいた大きな流れの中でここをどういうふうに今後考えていただくのか、事務局としての案を御提示いたしましたので、引き続き御議論いただければありがたいと思います。


○田中分科会長 苧谷審議官、お願いします。


○苧谷審議官 私も少し遅れてまいりまして申しわけございません。それと申しますのも、今まさに地方創生特別委員会というものを国会でやっておりまして、そこで呼ばれまして、地域包括ケアのことについて御質問が来まして、まち・ひと・しごと創生本部のほうの長期ビジョンの中でも地域包括ケアのことが取り上げられていますけれども、これは大都市圏に限った話なのかどうなのかという議論でございまして、そういう質問が出ましたけれども、私どもとしまして大都市圏に限らず、地方圏も含めて必要なものである。ただ、大都市圏の事情と地方の事情は違いますし、また、大都市圏の中でも若いときに団地ができて、今や高齢化しているような地域とか、商業地域ですとか、地方においてもいろいろ違いがございますので、ここは地域の特性に応じた対策が今後必要になる。

 そういう意味では、この委員の方もおられますけれども、首長さんがしっかりぜひ地域をリードしていただいて、まずは地域で合ったシステムというものを構築していただくのが大事かなと。そういう中で医療と介護がうまく連携していけば、介護のお金がとられるとか、医療のお金がということではなくて、全体として効率のいいものにでき上がるのが理想だなと私どもは思っております。


○田中分科会長 鈴木委員、河村委員、お願いします。


○鈴木委員 今、吉田審議官から地方創生に関して医療・介護によらないまちづくりというお話もありましたけれども、お話を聞くと若い人に補助金を出して、いきなり起業しろみたいな話になっているようですが、私は地域にそういうベース、土壌がないところで幾ら起業しろと言っても無理だと思います。そのベースをつくるのが医療・介護分野なのです。若い人がたくさん集まって、中に閉じこもっていたらだめですが、外に出てみると、実際はいろいろな人材が地域にはいるのです。そういう人たちのネットワークづくりをして土壌を作れば、その中から起業する人も出てくることが期待できるのです。私は都市部でも同じだと思うのですけれども、医療・介護分野は地方であればあるほど、そういった面にも貢献できるのです。この芽を摘んでしまってはいけないというのが私たちの考えでございます。

 それと、これは意見でございますが、介護経営実態調査の詳細な方の資料を見ますと、例えば5ページは介護老人福祉施設、特養ですが、これを見ると1級地、2級地の収支差率が高いのです。3級地まで含めて、特に2級地が高いのです。

 9ページは地域密着型の特養ですけれども、これは2級地はありませんが、1級地と3級地がこれも収支差率が極めて高いのです。1級地は20%以上ということで4級地以下と大きな差があります。

11ページを見ますと、今度は介護老人保健施設ですがこれも1級地と2級地が非常に高いのです。

45ページは通所リハビリテーションですが、これも1級地と2級地が17.7%、17.8%ということでほかと比べて極めて高いのです。

58ページも同様で、小規模多機能居宅介護ですが。これも1級地と2級地がどちらも10%以上で高いのです。これだけ見ますと1級地、2級地は加算を上げ過ぎではないかという気がするのですが、これについてはどのようにお考えなのか、御意見を伺いたいということが1つあります。

 それと56ページを見ていただきますと、今度は福祉用具貸与です。これは私にはよく理解できないのですけれども、利用者が少ないと収支差率が低いのはわかるのですが、200400人が20%以上で301400人は27.2%と極めて高いのに、それ以上増えるとまた減ってきて、501人以上になると-4.3%です。これはどういう価格設定になっているのか理解できないのですが、以上の2点について御説明をお願いいたします。


○田中分科会長 お答えがあるところよろしくお願いします。


○迫井老人保健課長 鈴木委員が今、御指摘の前半の部分でございます。各サービスにつきまして事業規模、級地区分ごとの収支につきまして整理をさせていただいております。幾つか御指摘をいただきましたけれども、級地の取り扱いによって収支の状況が違う。今、御紹介いただいた部分につきましては、一定の傾向があるという御指摘だろうと思います。

 私どもの受けとめは、こういう地域区分の問題もしかり、事業規模の問題もしかり、先ほど齊藤秀樹委員がおっしゃいましたけれども、基本的には個々のサービスを見るときに、そういった要素も含めてより詳細に見ていくべきで、この表、このテーブルだけで何かを語るというのはむしろ危険である。極端な解釈になりかねないという御指摘を複数の委員からいただいておりますので、我々の受けとめは、今後の議論を進めていただく中で、これも1つのもちろんデータでございますし、それから、各自治体にサービスを提供されている、あるいは利用されている方々が御指摘いただくようなサービスの実態とか、そういったことを総合的に勘案して、理解をしていくのかなというのが私どもの受けとめでございます。

 もう一つ、特にばらつきの大きいデータがサービスの中において存在する。これは事実でございます。その御指摘の例として福祉用具の例をいただいたと承知しております。56ページでしょうか。このことに限らず、これは冒頭に御紹介をさせていただきましたけれども、施設、例えば10ページあるいは4ページは介護老人福祉施設でございますが、資料1の御留意いただきたい点ということで、下半分3つの留意事項の中で一番最初に記載させていただいております。これは経営調査委員会のほうで御指摘をいただいたことをまとめておりますけれども、先ほどの御説明の繰り返しになるかもしれませんが、例えば資料2の分厚いほうの先ほどお示ししました4ページにあるような、これは例えば介護老人福祉施設でございますけれども、比較的データとしてはまとまっていてきれいな山を描くような格好になっています。こういったデータがある一方で、先ほど鈴木委員御指摘のようなかなりばらついたデータがある。これは事実でございますが、1つにはサービスの形態によって事業の規模なり形態にかなり大きなばらつきがそもそもあるということが可能性として1つ。それから、事業の形態によって法人単位ではなく按分をする関係で、どうしてもデータの精度に限界がある。そういったことから、繰り返しになりますが、このデータだけで何かを判断するということではなく、あくまでこのデータも1つの参考としていただきながら今後の議論をしていただく。そうすると、その際に確かに福祉用具につきましてはかなり大きなばらつきがある。それから、ケアマネ事業者さんにつきましても同じような御指摘が先ほどもありましたので、それは私どもとしましてはなぜこうなっているのかということも含めて、今後の御議論の中で御審議をいただきたいと考えております。


○高橋振興課長 もう一点だけ補足で、今、鈴木委員から御質問のあった福祉用具の関係でございますけれども、ここのデータがこうなっている部分については私ども今、迫井課長が申し上げたとおり分析をしていかなければいけないと思っておりますが、福祉用具の場合は貸与の場合、また、販売の場合いずれにしても実勢価格、現に要した費用を都道府県に届け出ることによって貸与価格が決まってくるという性質のものになっておりますので、事業所の経営努力によって費用が変わってくるということがございますので、そういったところがどう影響したかというところも勘案する必要があるかなと考えております。

 以上です。


○鈴木委員 あえて赤字にするようには価格を設定しないでしょうから、今の説明だけでは理解できません。

 それと、今のお話の中で迫井課長が重要な発言をされたと思います。あくまでもこの実態調査は参考ですとお話されましたけれども、実際はこの数字が独り歩きして、それこそ財務省までがこれを使って-6%と数字を出して来るのですから、参考では済んでいないのです。もし参考なら、これは参考ですともっと控え目に出すとか、そういう取り扱いをしていかないと、実際はこれで決まるのです。皆さんそう思ってこれだけ意見が出ているわけです。参考ならこれはあくまでも参考であるということをもっと広報していただくことと、これは改定に使うものではないということをおっしゃったらどうですか。

 それと、実際相互の精緻化をしていかなければならないと思います。診療報酬の実調も紆余曲折を経て精緻化していったわけです。それをずっと同じものを出してきて、見直しもやぶさかではないというお話もありましたけれども、もっと早く見直しをやっておくべきだったと思います。診療報酬は2年ごとですけれども、介護報酬は改定が3年ごとで、もっと間があいてしまうわけですから、私は今まで事務局が怠慢だったのではないかと思います。実調のデータが参考であるのだったら、その旨をはっきりおっしゃっていただきたいと思うし、これを使ってどうこうという議論はめてほしいということを言っていただきたいと思います。いかがですか、迫井課長。


○迫井老人保健課長 非常に手厳しいといいますか、実際にはこの調査の数字を財政制度等審議会のことも含めてだろうと思いますけれども、御議論いただいているのは事実として受けとめております。

 ただ、申し上げたいことは2点ありまして、1つは目的につきましては、先ほど冒頭でも御説明をさせていただきましたけれども、資料1の1ページ目に調査の目的ということで、これは読み上げもさせていただきましたが、これは従来からもそうですけれども、今回の介護報酬改定を実際に御議論いただくに当たっての基礎資料を得ることを目的としているということでございます。これは繰り返し申し上げておりますし、現に文字にもさせていただいている。それから、いろいろな方のお問い合わせについても、基本的にこの数字というのはこういうことです。

 それから、繰り返しになりますが、これは有識者にお諮りをしながら不断の努力でよりよきものにしていくということは、今後ともさせていただくと先ほどお話をさせていただきましたけれども、その過程の中で取り扱いについて4ページでございますが、こういったことについては留意すべきであるということも、これは新たに追加をさせていただいている内容でございますので、まだまだ事務局の努力が足らないというお叱りも込めてのことだと思いますので、その点につきましては真摯に受けとめさせていただきたいと思っておりますけれども、調査票の見直しにつきましても、そういった対応もさせていただいておりますので、引き続きそのあたりにつきましては努力をさせていただきたいということで、御理解いただければと考えております。

 事務局からは以上でございます。


○田中分科会長 どうぞ。


○鈴木委員 この辺にいたしますけれども、言いわけを最後に書いておいたから、それで済まされるという問題ではありません。介護事業を経営されている方にとってはまさに死活問題になるわけですから、そんな簡単に済まされる問題ではないということを、ぜひしっかりと御認識いただきたいと思います。


○田中分科会長 河村委員、どうぞ。


○河村委員 私からは第2の視点の人材確保の問題について発言させていただきます。介護人材確保については、国、都道府県、市町村が役割分担をもって積極的に取り組むことが必要であります。全国に928ある小規模な町村は、後ほど触れさせてもらいますけれども、人材確保というのはなかなか難しい状況でございます。ぜひ、そういう意味では国と都道府県と市町村が連携できる仕組み、そういうものを今回の中に明記をしながら、なかなか小さな町村では施設運営などを含めて難しい現状がありますので、その辺りを第1にお願いしたいと思います。

 それから、今、いろいろな議論が起きて、私自身もこの分科会で何回か言わせていただきましたけれども、診療報酬の改定、特に私どもの町の実態をお話しますと、介護老人福祉施設が4施設ございます。448名の定員でございますが、そこで利用している町民は138名でございます。町民で必要として方々は、ほとんどその利用はできているのですけれども、要介護度3、4、5の介護認定の問題で1、2の方の利用ができなくなってしまうと困ります。それはなぜかというと、それ以外の在宅介護サービスの民間の参入者が全くありません。そういう状況の中で介護老人福祉施設を使わざるを得ない。そうしますと何が起きるかというと、住民の負担する介護保険料が実は高くなってしまうのです。

 在宅介護をやろうとしても、施設に余裕がないものですから、私の町では公設民営で2つ、日常の入浴等々を含めた日帰りの施設をつくりました。しかしそれでも、言われている11の在宅介護サービスの全てを利用することができないのです。利用する術がないのです。そういう問題が小さな町村ではあるのが現実であります。

 それから、138名と言いましたけれども、それ以外の部分というのは住所地特例が一時的に適用されないという問題がありましたが、今、住所地特例が適用されていますけれども、2326市から入所している人です。そういう実態がありまして、現実には23区では特養の建設は不可能です。土地代が高くて、その他いろいろな部分で困難です。一方で、人材確保という意味から既に、地域手当の問題をお話しましたけれども、地域手当が何で小さな町村は低いのか。施設でやっていく、働いていく人たちがそれではとても集まりません。そういう点で逆に人事院規則に従ってやったんだと言うけれども、人事院規則が地域手当を区分しているが、現実の地域社会の経済実態を適切に反映しているとは到底言えるようなものではありません。そういう点で今回の改定にあたっては、地域手当の問題というのは、絶対に見直すべきであります。この会でも言いましたけれども、発想を逆にして、小さなほうに厚くして、そうでないところは薄くしてほしいという考え方であります。なぜならば、国の官公省があるところは地域手当が高く、では隣の市町村はどうかといったら低い。実際に現場を見てそういうようなことが起きていたら、一般住民の皆さん納得できません。そういう物の考え方ではなくて、人材を確保するときにそこで何が起こっているのか。起こっているところに人材を確保するための厚い手当をしてやる。それが一般論ではないですか。そのように明記していただきたい。

 それから、もう一つは厚生労働省の中で子ども・子育ての会議を開催していると思います。三鷹市長が盛んにこの話をしています。地域手当を東京都の中で何で細かくしているのか。全く意味がないではないか。隣の市と手当が違う。そういうことをどうしてやるのか。1つの方法としては、三鷹市の清原市長は、23区あるいは26市、あるいはこれを3つぐらいにするとか、東京都の歴史的な区域でいきますと北多摩、西多摩、南多摩ということがありますから、その区域の市町村の中で同じようにできるようにしてほしいと主張しています。

 私も全くそのとおりでありまして、この問題についてはどう考えても我々も納得していないし、介護老人福祉施設を運営する人たちも納得していません。したがって、私の町では、前回のときに、近隣の町村と比較して3%違っていましたから、町の独自の一般財源で2,000万円ずつ3年間、6,000万円を施設に補助しました。そういうことが現実に起きているのです。それから、一般の民間が参入していない部分についても地区社会福祉協議会にやっていただいたり、施設にやっていただいたりして、その部分は町の一般財源で補填しております。こういうことが行われております。こうした実態は今回のいろいろな調査をやっても全く出てきていません。そういう実態が分かるようなヒアリングをしたら良いではないですか。そういうところがあるという実態を調査するなど、それをきめ細かにやることが私は、いろいろな意味で各町村がいろいろな知恵を絞りながら、うちの町はどうしていこうよ、こういうことがあるけれども、こういうふうにしていかなければならないんだよというようになると思います。もちろん全国的にやることですから、一定の約束事をつくらなければいけないかもれしませんが、その約束事の一定のこと以外の部分は、そういう部分が必要かなと思います。

 私どもの介護老人福祉施設の実態を申し上げますと、大きな介護老人福祉施設が非常に金余りをしているということでありますけれども、うちの施設はそういう実態は全くありません。借金をして、その借金を返しながら、東京都からは無利子の建設費を負担してくれていますから、そういうものを払いながら一生懸命運営しているのです。その運営している人たちが地域に何をサービスしているかといったら、地域のお年寄りといろいろな行事をしながらやっている。だからこそ、それが私は必要だと思うのです。施設だけつくって、施設の中だけで抱え込んでいるのが人間の幸せではないと思います。盆踊りがあると言えば車いすを押して参加したり、そういう実態を私はもっと調べていただき、その地域の実態に合ったきめ細かな介護報酬の配分をしてほしいと思っております。

 以上です。


○田中分科会長 ありがとうございました。

 村上委員、お願いします。


○村上委員 ありがとうございます。

 実態は今、河村町長さんがおっしゃったとおりでございます。先ほど齊藤委員さんもおっしゃっていただきましたけれども、地域だとか経営の実態、状況あるいは人件費率だとか、いろいろなものがございますが、特にこの資料の1番目の先ほど見ていただきました4ページ、施設系サービスの収支は本体サービスで基本的に完結している一方、居宅サービスは利用者が複数のサービスを組み合わせて利用し、また、事業者も複数のサービスを一体的に提供していることが多くて、ということで大部分は特養1つでやっているところは少ないのです。在宅サービスも含めて複合的にやっているわけです。

 ですから、老施協のデータでは今の町長さんと同じように4.3%ぐらいしかございません。デイサービスは今回10.何パーセント出ていますが、実態ではそんなにございません。そんなところでやりくりしながら動いているというのが実態でございまして、この中でまさに地域の住民の方々に来ていただくだけではなくて、いろいろなサービスをお出しするようなことも含めてやっているわけでございまして、先ほどお話がありましたように、今回の収支状況のデータについては、参考というふうにおっしゃったかどうかはわかりませんが、参考であったとすると、この後、具体的に介護老人福祉施設をするときに、8.7%というものをどういうふうに使っていただけるのか。どういう解釈をしていただけるのかということについて、もしお聞かせいただけるのであればお聞きしたいと思います。


○田中分科会長 現時点でお答えになりますか。


○迫井老人保健課長 これは繰り返しの答弁といいますか、お答えになると思いますが、複数の委員の方々の御指摘、私なりの受けとめも、調査の目的は冒頭で先ほどお話をしましたとおり、今後行うであろう介護報酬改定のための審議のための基礎的な資料という位置づけでございます。

 記載されておりますさまざまな数字が現にこうやって御指摘がございます。その数字だけでもって一面的にとられるというのは基本的には危険であるということは、繰り返し複数の委員の方々が御指摘になっておりますので、個々のサービスを今から毎週御議論いただく中で、これは1つの基礎資料であるということでございますので、これを具体的にこの数字を使ってこうだということは、基本的にはサービスごとに考えていただくべき性質のものであると理解いたしております。


○田中分科会長 堀田委員、どうぞ。


○堀田委員 基本的な視点についてなのですけれども、2つプラス1という感じなのですが、1つはこれまで介護保険の制度が始まってから今に至るまで、現場の方々のさまざまな努力であったり、さまざまなイノベーションを通じていろいろなサービスとか、いろいろな介入が結果的にどんどん開発されたので細分化されていって、場所×時間×ディシプリン別の積み上げみたいな感じに、結果としてサービス体系もなってきているし、報酬もなってきているという感じなのだと思います。

 さらに事業種別を見てみても、事業所単位で基準があって、運営の基準もあるし、人員の配置の基準もあるというような状況にありますし、事業所、特に居宅系の場合は非常に小規模零細で考え方の違いでならないよというような感じになってきているのが現状なのだと思います。

 これからこれまでの論点整理であるとか、今日出された視点もその方向にあると思いますけれども、改めてエイジングプレイスを支えていくという観点から、まずは機能アプローチになっていくということ。それから、さらにその必要な機能をどうやって統合的に提供するかという観点からチームのあり方とか組織のあり方、経営のあり方、人材マネジメントのあり方が積み上げ式でどんどん増えてきた、さまざま事業ができ、報酬が新たにつくられ、加算がつくられたみたいな感じで来たわけですけれども、それをどう統合的にというような発想で一気に今回の報酬を変えただけでできるとは思いませんが、中長期的にはそういう方向性でチーム、組織、経営、人材マネジメントのあり方が問い直されるような転機になっていくことを期待したいと思います。

 恐らくさまざまな基準とか報酬のあり方というのも積み上げ方式、1事業所別というところから、より包括的で柔軟なものということで、現場の創意工夫やイノベーションが生かされていくという方向が模索されていかなければならないのだろうと思いますので、そこは明確にどこまで今回できるかわからないですけれども、中長期的な視点としては合意ができているといいなと思うところです。

 ただ、それに向けても重要なのか2点目で、恐らく中長期的に包括的、柔軟にということを考えていくと、もう少し追記をしなければならないのは、アカウンタビリティをどうするか。質と効率を継続的に高めていくという仕組みをどう入れ込むかということだと思います。

 これまでの今年度の中の議論の中でもありましたけれども、例えばアセスメントの方式もたくさんあって、どういうアセスメントをして、どういう介入をしたら、どういう成果が得られたのかといったようなことがしっかり蓄積されていって、それが診断別ということではなくて、より生活課題別みたいな発想も必要なのだと思いますけれども、質と効率性を継続的に高めるという観点から、どのように中身の見える化を図っていくかということ、それから、たびたび武久委員も一部御指摘になっているところだと思いますが、あわせて効率ということを考える上では事務の効率化ということ。それは要介護認定、ケアマネジメントのあり方ということだけではなくて、もっと日々たくさんの方々から御指摘を受けるところですけれども、書類の簡略化みたいなことも現場発でどこが効率化していくことができるのかといったことも、もっと出されていく余地があるのではないかと思います。

 最後はつけ足しなのですけれども、私も一応調査屋の端くれとして申し上げたいことなのですが、今日出された経営実態調査しかり、今、並行して人材のことも労働環境のこともそうですし、今後の必要な人材の推計なんかもやっているところなのですけれども、1つの調査だけであらわせることは非常に限られているというのは、とても一つ一つの調査を見る上で全ての人が謙虚にならなければいけないことで、とりわけこの経営実態調査もそうなのですけれども、前半申し上げていたような今後の方向性、ある程度、多分、皆様が共有されている方向性だと思いますが、今後の方向性を考えていくと明らかに調査のやり方というのもイノベーションが必要で、経営実態調査についてもここ数年間かかわらせていただいていますが、今回のような留意点というのはある程度、繰り返し言われていることで、怠慢と言われると非常に苦しいところなのですけれども、しかし、ではどのようにすればより実態に合った形で調査の側もイノベーションができるのかといったことについては、事業所の立場、労働者の立場それぞれから御提案があることが、こういった調査もよりよくしていくのだろうというふうに思うこととあわせて、国全体でやることに加えて各事業所団体なり職能団体なり、それぞれの団体が独自により精度を高めてやれることというのも多分、数多くあると思われて、これから各論をやっていく上で今から調査というわけにはいかないと思うのですけれども、どのように、ではこれでとれていないのだったら、それぞれの団体がしっかりとっていくことを考えるかということも、ぜひ検討していただきたいと思います。

 人材のほうでも社会保険の別のところの検討がどうなったら、今の常勤換算とかどうなのるだろうとか日々頭を悩ませているところでもありまして、今、移行期なので誰がどのように調査を頑張ってやっても、1つの調査で、その1つの調査が非常に独り歩きしてしまっていることがよくわかるのですけれども、なかなか1つの調査で何も言えないということを全ての人が認識した上で、調査もこの次に向けてそれぞれの立場で何ができるかということを考え続ける必要があると思います。

 以上です。


○田中分科会長 ありがとうございました。

 安部委員、どうぞ。


○安部委員 視点2でありますけれども、大変重要なポイントが書いてあると思います。介護人材の確保というものが非常に重要であります。先ほどから給与については国が税金でやるのか、事業者が取り組みとしてやるのか、介護保険の中でやるのかという議論がございますけれども、いずれにしても高邁な目的を持って、専門技術を持っている方々がきちんと人生設計ができるような給与を確保していくというのは今後、非常に重要かと思います。し、もう一点、何と言うのでしょうか。介護人材が不足でなり手がいないというイメージがどうも何か定着してしまっているような気がしますので、そういったイメージを払拭するような活動といいますか、実態をきちんと理解してもらって、給与も確保していく。それで若い人たち、また、さまざまな人たちが介護の人材として働けるようなイメージをつくっていくことも重要かと思います。

 以上です。


○田中分科会長 齋藤委員、どうぞ。


○齋藤(訓)委員 私は今回の基本的な視点に関しては、特段異論があるわけではございません。当然、視点1のところでこれから医療機関での在院日数がますます短くなり、かつ、在宅復帰率などがかけられていくと、地域の中でどうやって在宅で長期にわたって暮らしていくことができる仕組みをつくるのかということは当然必要ですし、これがなければ医療機関だって早期に退院していただくことが無理になってまいりまので、いわゆる在宅中重度者、認知症の方々へのケア、ここの評価というのは至極当たり前と思っています。

 前回改定でこういった方々へのケアをやるということで定期巡回なり複合型なりができましたけれども、まだまだ身近ですぐ使えるという状況にはなっていないので、引き続き推進策も必要なのではないかということだと思っています。

 第2の視点の介護人材ですが、随分前に離職の状況であったり何だというのがデータとして出されておりますが、まだまだ離職率が他産業と比較していまだ16%前後を維持していると言ったら変ですけれども、非常に高い離職率でございます。現在150万人働いていて、年間で16%もその場を離れるというのは大変な損失と考えますと、いかにその場で定着をしていただくかということを考えていかなければいけませんので、どういう募集体系でどういう評価をするのかということは、これからの議論かとは思いますけれども、資質向上あるいはキャリアアップ、そして働き続けられる環境づくりに資する、そういった事業所がかなりの努力をしていけるという報酬体系であるべきだというふうには考えています。

 一方で、これからの介護のケアの場所というのは、比較的医療ニーズが高くなってくるような方々もあわせて見ていくことになりますので、いわゆる介護福祉士、ヘルパーさんという方たちだけではなくて、そこに栄養士や薬剤師や歯科医師という方々が参入してサポートしていったり、一緒にケアをしたりという体制をつくらざるを得なくなってまいりますので、なかなか介護保険で働く医療の専門職というのは人数が少ないだけに、その人たちの確保定着というのも非常に対策としてはまだまだ薄い状況だと思っております。

 ですので、介護領域で働く他職種の方々と介護職がお互いにいい関係を続けながら、その場で定着をしていくという仕組みを報酬上で何か取り込んでいくことも必要かなと思っています。

 第3の視点のところで気になったのが、いきなりサービス評価の適正化というものが第1の文言で入ってくるので、このことがいわゆる財務省が言ったようなことと合わさっていくような感じがどうもしています。ですので、お金がないからサービスの評価をどうにかするんだということではなくて、効果のあるものとそうでないものにメリハリをつけるということなのだと理解をしておりますので、なるべくそういった誤解のないような言葉の使い方というのが必要なのではないかと思っています。

 データにつきましては、恐らく今までの答弁の内容を聞いておりますと、次回以降、個別の議論で今回の経営実態調査のいわゆるいろいろな分析をした結果で、あるいは調査もあわせて個別の議論のところでそのデータを見ながら、報酬はどうあるべきかという議論になるんだということだと理解しておりますので、次回以降、この実態調査のさらなる分析のものが出てくるのだと期待したいと思っています。


○田中分科会長 ありがとうございます。

 鈴木委員、どうぞ。


○鈴木委員 今日はたっぷり時間があるようですので、もう少しお話をさせていただきたいと思います。

 基本的な視点の第1の視点というところです。在宅の中重度者、認知症高齢者の対応のさらなる強化というのは、これはこれでよろしいと思うのですけれども、診療報酬では全ての医療機関の在宅復帰が推進されるということになり、その受け皿として1つは特養が終の棲家ということになったということですし、また、老健は老健で在宅復帰の施設として、さらに機能を強化していくことも議論されたわけです。そして、介護療養病床もその機能は確保するという方針が示されたわけですから、そういう意味では在宅を支えるための施設の機能というのも重要だと思いますので、これをどう充実させていくかということも、そういう意味では必要になると思います。

 我が国の高齢化率は世界に類を見ない、ピーク時40%という非常に高いものですから、これを北欧のように在宅のみで支えるということは絶対に無理です。我が国には既存資源として老健や特養という介護保険施設がありますし、医療で言えば中小病院、有床診療所もあるわけですから、そういったところも活用するのが日本型で、そういった形にすべきだとし、私はそれ以外には無理だと思います。在宅で重い方を無理して全て看ようとすると、かえってコストも人手もかかるということになって成り立たないということになります。地域包括ケアシステムは現実的に在宅も施設も活用する方向で進んできておりますので、それも踏まえて視点に入れるか、もう少し先の基本的な方向性の中に入れるかということはあるかと思いますが、そういった内容もぜひ入れておくべきだと思います。

 以上です。


○田中分科会長 ありがとうございます。

 視点に書いていないことは無視しているわけではないですね。今日いただいた皆さんの御意見をもとに、私たちの分科会としての審議報告には、それぞれ反映させるようにしてまいります。このペーパーはあくまで事務局の今日時点での考え方ですので、この文言修正という話ではないと御理解ください。

 ほかにいかがでしょうか。内田委員、どうぞ。


○内田委員 基本的な視点については、特に大きな誤りとかそういうものはありませんけれども、第2の視点の後段の介護人材の確保に当たっては云々というところで、ここで事業者がみずから取り組んでいくというのは全く確かにそうだなと思いますが、やはりここで書いていただいているように、国とか都道府県とか行政といったようなところがどのくらい一緒にしていただけるかといったところが大きいのではないか。今までどおりですね。事業者と国とか都道府県も協力して、そういう体制をつくりますよというのだったら今までどおりだから、もう少し何か強力なことを考えないと、やはりなかなか難しいのかなということと、それから、この文書だけだと人数の確保だけがされればいいのかというようにもとれるので、実際には人数だけいても決して効率的、効果的なサービスができるわけではありませんので、育成というところにも十分に力を注いでいただきたいと考えております。


○田中分科会長 佐藤委員、どうぞ。


○佐藤委員 ありがとうございます。

 この基本的な視点については、おおむね了解をいたします。この線に沿っていっていただけたらいいのだろうと思うのですが、今日は介護報酬改定に向けたというところ審議ではあるのですけれども、今年度から新たに財政支援制度ということで基金制度が始まっているわけです。まさに国で審議をし、都道府県から出された計画をこれからよく見て、各都道府県に有効な事業をやっていただくような形で進めているわけですけれども、医療費も介護費もこれだけたくさんかかるようになってきて、もう限界だろうということで対策をとらなければいけないということには全く異論がないわけで、そこで手当できないことを新たな財政支援制度によって補っていこうという考え方であろうと思いますし、それが今年度は介護は含めない。医療の部分でということで始まりましたが、実質的には3カ月しかないという事業期間。来年度はしかし介護も含めてそれ事業を進めていくことが示されているわけですのでけれども、今日は吉田審議官もいらっしゃるので、基金がこれから進んでいく中で、来年度に関しては介護の部分を含めて進めていくというところの具体的な事業例とか、あるいはそれが難しければ医療と介護一体的にというところのイメージでもいいので、少しお示しをいただいて、都道府県の現場でこれをしっかりと進めやすいような、そういう方向性なり考え方を示していただくことが必要でしょうし、個人でやれることには限りがありますので、実際には医師会とか歯科医師会とか薬剤師会、看護協会も含めて、医療のそういった団体がしっかりと地域でかかわれるような仕組みをつくっていけるような支援をしていける、そういう具体的なものを示していただけると、地域においては非常に効率的、効果的にさまざまな事業が進めやすいのだろうと思いますので、ぜひ御意見、お考えがあればいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。


○田中分科会長 吉田審議官、お願いします。


○吉田審議官 ありがとうございます。

 今、佐藤委員からお話がございましたように、まさに消費税の増収部分を活用して、介護報酬あるいは診療報酬という個々の行為に着目した形でのお金の流れでは必ずしもカバーできないものを、特に地域という面的に物事を進めようとする、我々が目指す地域包括ケアというものに即して、この基金というものが法律上、明記され、そういう意味では法律上に位置づけられた基金であるがゆえに、先ほどの田部井委員の部分にもつながりますが、消費税という財源を確保しながら進んでいくということが決まっている。今年度はいろいろな流れの中で、まず医療からということで来年は介護になる。残念ながらといいましょうか、いろいろと現場の皆様方には御努力をいただく形で、今年度はどうしても初年度ということもございまして、もちろん前広に少し準備はさせていただいたものの、関係者の方々からすると非常に限られた時間の中で話が始まった。

 率直に言って、ことしのいろいろな反省も踏まえながら、来年、介護に拡大するに当たっての準備をさせていただこうとは省内、当然ここにおります老健局あるいは医政局ともども、私ども連携担当を交えて議論をしておりますが、やはり介護の初年度ということでもございますので、今回の介護保険法の施行という準備の話と今度の基金という形で、これからある程度限られた時間の中でなるべくコミュニケーションを自治体の関係者の方々あるいはそれぞれの事業の関係者の方々ととりながら進めさせていただくことを基本にさせていただきたいと思いますし、その間、また初年度ということでいろいろと慌ただしい部分については今からお断りしながら、御協力をお願いしたいとまず思います。

 その上で御指摘いただいたのは2つあって、具体的に何を念頭に置くのかという話と、そういうものを地域地域でどういう形で形にするプロセスをとるんだというお話かと思います。

 殊にこの介護給付費分科会での御質問は、介護分野ということでございますので、これまでもやっておりますように、ある程度人材養成の問題でありますとか、今後の介護についての医療・介護連携のもととなりますようなハードの部分などなど念頭には置いてございますが、これからもう少し私どもの省の中でも具体的なイメージを早くかためて、これまでもいろいろな法律改正のときに例示はしてございますけれども、より迫力を持って御説明させていただけるようにさせていただきたいし、逆にこれまでの法律の御説明をさせていただいた枠の中で、こんなことを考えているのだろうけれども、どうだろうかという御提案をいただければ、別にその時点で○×をつけるわけではございませんが、横展開をするという意味では私どもとしてもありがたいと思っておりますので、その面においてもいろいろと御提案いただければと思います。

 後段の場については、当然それぞれの市町村からの御予定あるいは都道府県としてのお考え、特に在宅医療・介護という部分については、市町村と都道府県が連携をしながら行う。また、いろいろなほかの事業との関係のデマケといいましょうか、整理も含めながらこれから進むということでございますので、市町村における関係者との場、それは介護保険の事業を念頭に置いてのいろいろな取り組みもございましょうし、それを持ち上げた形での都道府県での意見交換。

 別途進んでおります医療の分野における協議の場とは性格が違うのかとは思いますけれども、当然、都道府県レベルで基金に基づく計画をつくっていただく。その基金の計画は今後、介護も入るということで、27年度の基金のもととなります計画には入りますので、関係者の方々の御参画を経てその計画をつくってほしいということ。これは既にことし9月の総合指針において示しておりますから、多少、県によって既存の会議体を使ったり、既存のいろいろな場を使ったり、新たにこれを立てたり、1つの形ではないかと思いますが、私どもそこは丁寧にウォッチしながら、そういう形の取り組みが必ずしもうまく立ち上がっていない県については、御相談させていただきながら進めたいということで、ポイントはできるだけ前広に多くの方々の御意見を市町村がまず受けとめ、市町村と都道府県がお互いに受けとめていただきながら計画に反映し、それを私どもの国として十分聞かせていただく。

 限られた時間の中とは言え、行き来しながらという部分を初年度あたりについて行わざるを得ないかなと思っておりますが、これについても私どもの考え方を整理するとともに、並行していろいろと御提言いただければありがたい。

 少し長くなりましたが、思っております。


○田中分科会長 一当たりよろしゅうございますか。

 私も一言言うと、先ほど堀田委員が言われたこと、サービスが発達し、進化する。これはすばらしいことですが、その新しいサービスごとにそれが管理の単位である事業の単位でもあり、さらに経営調査と呼んで言っていますけれども、経営の単位にまでなっていくあり方というのは必ずしも正しくはないかもしれません。サービスが新しくできるのはすばらしいことですけれども、それを全て事業と呼び、経営の対象だと読んでいくと複雑怪奇になる一方であり、武久委員がよく言われているように、ますます世の中の人もわからなくなりますので、そこは分けて考えていくべきでしょうね。

 事務局がお持ちの視点については、我々はこれを読んでおいた。今日いただいたたくさんの意見は、これから毎週審議していった上で、最後にまとまる審議報告にどのように反映させていくかは今後の審議次第ですが、そういう位置づけでしてまいります。ありがとうございました。

 最後に、その他の議事として要介護認定に係る有効期間の見直しがあります。事務局より説明をお願いします。


○迫井老人保健課長 資料4をご覧いただきたいと思います。これは要介護認定に係る有効期間の見直しについてということでございます。四角で囲ってありますところに基本的な考え方、内容をまとめてございますけれども、これまで自治体初め、さまざまな審議の場でも御指摘をいただいております。市町村の事務負担の軽減をしていく必要があるという観点から、当該事業を実施しております市町村につきまして更新申請の要介護認定に係る有効期間、これは下に表がございますけれども、この表で影をつけているところ、これは現行が左側でございますが、改正案といたしまして、影のつけているところにつきまして原則の認定有効期間を12カ月に延長し、設定可能な認定有効期間の範囲を3ないし24カ月とすることで、基本的にはわかりやすく新規申請と区分変更申請につきまして6カ月から3カ月ないし12カ月ですけれども、更新申請については全て12カ月及びその3カ月ないし24カ月とさせていただければということでございまして、具体的な内容といたしまして、介護保険法施行規則に規定しております有効期間について、今、御説明しましたような改正を対応させていただきたい。ただし、これは介護予防・日常生活支援総合事業を市町村全域で実施している場合に限りまして、改正内容を適用することとしたいということでございます。

 事務局からは以上でございます。


○田中分科会長 ありがとうございました。

 これは審議事項ではなくて報告とのことですが、御質問がございましたらどうぞ。よろしゅうございますか。

 では、本日の審議はここまでにいたします。次回の分科会の日程等について事務局より説明をお願いします。


○迫井老人保健課長 本日はありがとうございました。

 次回は1022日水曜日、14時でございますけれども、ベルサール半蔵門にて居宅サービス等について御議論いただければと考えております。

 本日はこれで閉会させていただきたいと思います。誠にありがとうございました。


(了)

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