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2014年9月8日 第6回「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム」 議事録

○日時

平成26年9月8日(月) 16:00~18:00


○場所

厚生労働省 専用第23会議室(6階)


○出席者

井出教授 沖倉教授 野沢論説委員
萩原部長 平野教授 藤井障害保健福祉部長
川又企画課長 田中障害福祉課長 冨澤精神・障害保健課長
竹林障害児・発達障害者支援室長 川島室長補佐 菊池室長補佐
照井課長補佐 平川課長補佐 落合課長補佐
菅自立支援給付専門官

○議題

(1)関係団体ヒアリングにおけるご意見等について
(2)今後の議論の内容等について
(3)その他

○議事

○田中障害福祉課長 定刻になりましたので、ただいまから障害福祉サービス等報酬改定検討チーム第 6 回会合を開催します。

 御出席いただいたアドバイザーの皆様におかれては、御多用のところお集まりいただき、ありがとうございます。本日のアドバイザーの方の出欠状況ですが、沖倉教授、野沢論説委員が遅刻で来られます。また、井出教授は所用のため、 17 時頃に退席と伺っています。

 なお、 9 4 日付けで高鳥厚生労働大臣政務官(注1)は退任されましたので、本検討チームの主査は交代となります。手続の関係上、後任の主査は本日欠席とさせていただきたいと思います。

 撮影はここまでとしますので、報道カメラの方は退席をお願いします。

 続きまして、本日の資料の確認をいたします。お手元の資料 1 「障害福祉サービス等報酬改定に関する主な意見等」、前回まで 4 回にわたり行った関係団体のヒアリングにおける各団体の意見をテーマごとに整理をしたものです。

 資料 2 「今後議論すべき事項について ( 主な論点 ) 」、こちらは 1 回目の検討チームにおけるアドバイザーの皆様の御指摘事項や、昨年開催された「障害者の地域生活の推進に関する検討会」等の検討会報告書において課題とされた事項、ヒアリングにおける関係団体の要望等を踏まえ、今後議論すべき事項を主な論点として整理をしたものです。過不足等がありましたら、事務局にお申し付けください。

 それでは、議事に入ります。まず、資料 1 について事務局から説明をいたします。

○菅自立支援給付専門官 障害福祉課の菅より資料 1 について説明いたします。なお、この資料については、作業スケジュールの関係上、御意見を頂いた各団体に内容の確認は取っておらず、事務局の責任においてまとめたものです。また、主な御意見についてまとめたもので、提出いただいた全ての御意見が網羅されているわけではありません。また、複数の団体からの同様な御意見については「同旨」として団体名を列挙しています。

 本日は時間の関係もあり、個々の御意見の詳細な振り返りは行いませんが、主立った意見として複数の団体から同様の御意見があったものについて、ピックアップをして説明をいたします。

 それでは、 1 ページから 4 ページまでが訪問系サービスの関係です。 2 ページ、 2 「重度訪問介護」の最初のポツで、重度訪問介護の単価の引上げについて複数の意見がありました。続いて 3 ページ、 4 ポツ目です。同じく重度訪問介護で、短時間の支給決定について禁止をという御意見がありました。訪問系は以上です。

 続いて日中活動系・居住系のサービスです。 4 ページの 5 「療養介護」です。療養介護の実施主体要件の緩和について、御意見がありました。

6 ページの 8 「重度障害者等包括支援」、こちらでサービス自体の見直しについて複数の御意見がありました。

 ページが少し飛び 10 ページです。ここからがグループホームの関係です。上の 16 「共同生活援助」の 1 ポツ目、共同生活援助の基本報酬の引上げについて御意見がありました。同様に、 3 つ目のポツです。夜間支援単価の引上げについて御意見がありました。下から 2 ポツ目、共同生活援助の個人単位のヘルパー利用、時限措置のものですが、これの延長について御意見がありました。次に 11 ページ、一番上のポツです。同じく共同生活援助の日中活動支援加算は、 1 日目から算定するべきという御意見がありました。 13 ページです。下から 5 ポツ目、病棟転換型居住系施設の撤回について複数御意見がありました。下から 2 ポツ目の先ほどと同じ日中活動支援加算について、休日の算定について御意見がありました。日中活動系・居住系は以上です。

 ページ戻りまして、 8 ページです。 8 ページの 13 「就労移行支援」です。上から 2 つ目、就労移行支援の定着支援に係る加算を創設すべきという御意見がありました。同じく就労移行支援で 9 ページ目の一番上、就労移行支援の定着支援の恒久化と報酬の拡充について御意見がありました。就労系は以上です。

 続いて、 14 ページからが計画相談支援と地域相談支援の関係です。 14 ページ 17 「計画相談支援」です。 1 ポツ目、サービス等利用計画支援の単価を引き上げるべきという御意見がありした。次の 15 ページ真ん中辺り、計画相談支援について頻回対応等への加算を行うべきという御意見が複数ありました。

 続いて障害児の関係です。 18 ページです。 22 「医療型障害児入所施設」の関係で 2 ポツ目、入所施設の有期の医療目的入所の評価について御意見がありました。

23 「児童発達支援」です。上から 2 つ目、児童発達支援における欠席時の報酬の保障ということで御意見がありました。

 続いて 19 ページです。 24 「放課後等デイサービス」の 1 ポツ目、放課後等デイサービスにおける休業日単価の割り増しについて御意見がありました。サービスごとのくくりでは以上です。

21 ページからが「その他共通事項等」で、各サービス横断的な御意見等について整理をしています。最初のポツで、食事提供体制加算については時限措置となっていますが、これの恒久化について御意見が複数ありました。真ん中の下の辺りで、「骨格提言」を可能な限り反映すべきという御意見。次のポツで、人件費、事務費について原則月払いの御意見がありました。

22 ページです。上から 2 つ目、国庫負担基準額を大幅に引き上げるべきという御意見がありました。真ん中下、送迎加算について算定基準の見直しという御意見。次のポツが、処遇改善加算の増額と対象の拡大という御意見がありました。 23 ページです。上から 3 つ目、事務担当職員の報酬上の評価をという御意見です。 24 ページです。やや下辺りのポツで、消費税のアップに対応した報酬の引上げをという御意見。次のポツで、介護保険給付対象者にかかる国庫負担基準の引上げの御意見です。

 以上が、これまで 4 回の団体ヒアリングにおいて複数の御意見を頂いた事項にかかる説明です。資料 1 の説明は以上です。

○田中障害福祉課長 それでは、ただいまの説明についてアドバイザーの皆様方から御質問、御意見などがありましたらお願いします。

○野沢論説委員 内容そのものではありませんが、これまでのヒアリングで出てきた意見のほぼ全部を網羅しているという理解でよろしいですか。

○菅自立支援給付専門官 ほぼ全部を網羅していますが、全てではありません。基本的に書類で頂いたものをベースにサービス別に整理をしています。もちろん、ヒアリング当日にお話の中では触れられていないものも含め、基本的には各団体から頂いたものをほぼ全て網羅しているという整理です。

○野沢論説委員 別の検討会のときに、このヒアリングに出席した方から、「そのときの質疑が十分な時間が取れなかった。改めて意見を述べさせて」と言われました。それについてはスケジュール的にはどうでしょうか。

○田中障害福祉課長 皆様方の意見を十分にお伺いすることは、非常に重要だと思います。しかし、 4 回にわたり非常に短い時間で皆様方に意見を述べていただいたことを考えますと、スケジュール的に同じような場を設けて御意見をお伺いすることは難しいと思います。私どもに個別にお話をお伺いさせていただくことは十分できますし、ウエルカムだと思っております。

○野沢論説委員 これ見ると、ほとんどの意見が単価を上げろという意見で、これを全部かなえようと思うと大変なことになります。これの位置づけというか、どの程度反映させるとか、拘束させるというか、飽くまでも参考なのか。全てのものに 1 1 つ我々は答えを、「これについてはこのような理由で呑めない」「これについては少しこうしろ」とか、そのようなものなのですか。それとも飽くまでも参考ということでよろしいのでしょうか。いつも、このようなヒアリングは悩むのです。

○田中障害福祉課長 御意見をお伺いしているので、なぜ駄目なのかをお伺いをした以上は、一般論で言うと説明をする必要はあると思います。ただ、これの 1 1 つに検討委員会で個別にお答えをまとめていただくというところまでは、現実に時間の問題からも難しいと思います。全体の方向性としては、例えば引上げといってもこのようなところから難しいところもあるというようなことは、回答は必要かと思いますが、個別に回答をするというような性格のものではないと思います。

○野沢論説委員 もう 1 つ、ヒアリングをした以外の団体から、なぜうちを呼んでくれないのだという意見はありますか。

○田中障害福祉課長 特段そのような御意見を直接伺っているわけではありません。先ほども申し上げたように、ヒアリングという形式を設けた場ということでなければ、私どもはいろいろな形態でのお話をお伺いすることはできると思っています。

○平野教授 こう言ってはあれですが、それぞれを見る限りはそれぞれの団体の活動を反映した内容なので、 1 1 つについていて、これがどうこうという議論にはならないので、これをまとめて全体としてどうするのかという議論に移っていかないと、 1 1 つだとそうですねと言うしかない。ただ、それを全部やったら、先ほどの野沢委員も言ったように、切りがない。全体でどのように考えていくほうが現実的な議論という感じがします。

○田中障害福祉課長 それでは、次の議題に移ります。資料 2 「今後議論すべき事項について」、事務局から説明をお願いします。

○菅自立支援給付専門官 資料 2 を御覧ください。この資料は、今後、各論として各サービスの議論を始めるに当たり、現時点で検討すべき事項と考えられる主要な論点について、分野ごとの大くくりで整理をしたものです。この検討チームでは、これまで各サービスの中身について詳細な議論を行ってはおりませんが、今後、各論の検討を始めるための入口の議論の材料として本日は御用意いたしました。

 このため、ここに掲げられている事項についてはある程度限定を掛け、昨年の秋以降に開催された 3 つの検討会「障害者の地域生活の推進に関する検討会」「長期入院精神障害者の地域移行に向けた具体的方策に係る検討会」「障害児支援の在り方に関する検討会」の報告書等において具体に言及がされている事項、第 1 回の本検討チームのフリートーキングにおいてアドバイザーの皆様から御指摘があった事項、関係団体ヒアリングにおいて御意見・御要望があった事項、時限措置が到来する加算等という 4 つの観点から整理をしております。したがって、そもそも今後議論すべき事項の全てについて網羅しているものではありません。ここに掲げてはおりませんが、今後議論が必要なものも多々あるという前提で、本日は御覧いただき、今後、各論の検討を進めていく上での入口について幅広に御議論をお願いいたします。

1 「訪問系サービスについて」です。 1 ポツ目、重度訪問介護について、新たに利用対象とされた行動障害を有する知的・精神障害者の行動援護からの円滑なサービス移行をどう考えるか。また、サービスの短時間利用をどう考えるか。本年 4 月から、重度訪問介護の利用対象が拡大され、「重度の知的障害若しくは精神障害により行動上著しい困難を有する者」が加えられましたが、現在、これらの方が重度訪問介護を利用する場合には、相談支援事業者等を中心とした連携体制の下で、行動援護事業者等が一定期間アセスメントを行いつつ、支援方法等が共有された段階で重訪に移行することになっております。この辺りを踏まえ、円滑なサービス移行のための方策をどう考えるかという視点です。

 また、重訪は長時間利用を前提としているので、 1 時間当たりの単価が居宅介護と比べて低い設定となっております。このことから、単価を引き上げるべきという要望や、短時間のサービス利用に重訪の支給決定を行う市町村の存在等が指摘されております。これらの点を踏まえてどう考えるかということです。

2 ポツ目、同行援護における現行の報酬体系をどう考えるか。同行援護の身体介護有りの 1 時間当たりの単価が 404 単位、身体介護無しの 1 時間単価が 198 単位となっており、身体介護無しの単価引上げの要望があります。この点についてどう考えるかという視点です。

3 ポツ目、特定事業所加算におけるサービス提供責任者に係る時限措置の取扱いをどう考えるか。重度訪問介護と行動援護における特定事業所加算の話ですが、算定の要件としているサービス提供者の資格要件について、平成 26 年度までの経過措置として要件の緩和を行っております。具体的には、全てのサービス提供責任者が 3 年以上の実務経験を有する介護福祉士等であることが要件になっておりますが、重訪については 3,000 時間以上の重訪としての実務経験者が半数以上いれば算定可、行動援護については全てのサービス提供責任者が居宅介護等の従業者であって、研修を修了していれば算定可という形で、現在、要件緩和がされております。これの時限措置について、取扱いをどう考えるかということです。

 次に、 2 「日中活動系・居住系サービスについて」です。 1 ポツ目、地域生活支援拠点の整備推進のための方策についてどう考えるか。第 4 期障害福祉計画期間中において、地域生活支援拠点を各市町村又は圏域に少なくとも 1 か所整備となっております。拠点整備の推進のために、報酬上の対応についてどう考えるかということです。

2 ポツ目、短期入所における緊急時の受入れをどう考えるか。また、医療的対応も含めたレスパイト機能をどう考えるか。居住支援に求められる機能の 1 つとして、緊急時の受入れ対応が挙げられますが、短期入所については「急な利用希望に対応が困難である」との声が多い点をどう考えるかという視点です。また、地域生活を支える観点から、医療的な対応も含めたレスパイト機能としての短期入所サービスの在り方についてどう考えるかという視点です。

3 ポツ目、施設入所支援における入所者の高齢化・重度化に対応した専門的なケアをどう考えるか。また、強度行動障害を有する者に対する適切な支援の在り方をどう考えるか。地域移行を進める観点から、国の指針においても平成 29 年度末の施設入所者数について、平成 25 年度末時点から 4 %以上削減とされております。そのような中で、今後、更なる入所者の高齢化・重度化に伴って、これらに対応した専門的なケアの必要性についてどう考えるかという視点です。また、強度行動障害を有する者に対する適切な支援の在り方についてどう考えるかということです。

4 ポツ目、共同生活援助について、グループホーム一元化後の実施状況等を踏まえ、特に重度者への対応をどう考えるか。本年 4 月からケアホームをグループホームに一元化し、今後、障害者の地域生活への移行を進めるために、グループホームの充実を始めとした住まいの場の整備を進めていく必要があります。その際に、特に重度者への対応方策についてどう考えるかという視点です。

5 ポツ目、精神科病院の敷地内におけるグループホームの設置の試行的な実施をどう考えるか。先の検討会でも議論となった、敷地内におけるグループホームの設置についてどう考えるかということです。

3 「訓練系・就労系サービスについて」です。 1 ポツ目、自立訓練における訪問のみの機能訓練・生活訓練の利用をどう考えるか。引きこもりや退院直後の時期等において、通所による訓練が困難なことから、訪問のみによる訓練の利用について要望があります。この点をどう考えるかという視点です。

2 ポツ目、就労移行支援について、一般就労移行後の継続的な定着支援をどう考えるか。運営基準上、利用者が一般就労に移行して 6 か月が経過した後は、現在、ナカポツセンター等による支援が継続的に行われるよう、必要な調整を行うとしております。一方で、利用者の出身の事業所が 6 か月経過後においても職場定着のための支援を継続的に行うことにより、定着率が高くなっているという実態があることから、この点をどう考えるかということです。

3 ポツ目、一般就労への移行実績のない事業所が一定程度ある実態をどう考えるか。就労移行支援事業所における一般就労への移行率は、平成 24 年度で約 20 %です。また、毎年増加傾向にあります。一方で、移行率がゼロパーセントの事業所が 3 割以上存在しているので、この点をどう考えるかということです。

4 ポツ目、就労継続支援 A 型における適正な運営の確保をどう考えるか。 A 型を行う事業所数が増加している中、週 20 時間未満といった短時間の利用や、一部には不適切な事業運営の実態があるなどの問題が指摘されております。これらの点を踏まえ、適正運営の確保についてどう考えるかという視点です。

5 ポツ目、就労継続支援 B 型における支援の質の確保や工賃向上に向けた取組へのインセンティブをどう考えるか。 B 型事業所における平成 24 年度の平均工賃は 1 4,000 円強で、引き続き工賃向上に向けた取組は必要です。事業所において提供される支援の質の確保や工賃向上に向けた取組を、より積極的に行うためのインセンティブについてどう考えるかという視点です。

6 ポツ目、重度者支援体制加算の時限措置の取扱いをどう考えるか。継続支援 A 型、 B 型に係る特定旧法指定施設に係る重度者支援体制加算3において、旧体系から新体系への移行に際して、報酬水準が下がることに対する激変緩和措置として設定されたもので、過去 2 回の改定で延期を繰り返しております。これが平成 26 年度までの経過措置となっておりますが、この取扱いをどう考えるかということです。

4 「地域相談支援・計画相談支援について」の関係です。 1 ポツ目、地域移行支援について、サービス創設後の実施状況等を踏まえ、サービスの利用開始に係る支援や障害福祉サービス等の体験利用・体験宿泊の上限をどう考えるか。地域移行支援については、平成 24 年度に個別給付として創設され、サービス創設後の実施状況等を踏まえつつ検討すべきと考えております。移行推進の観点から、例えばサービス利用開始時の支援、体験利用・体験宿泊の上限が現在は 15 日以内となっておりますが、これらについてどう考えるかということです。

2 ポツ目、計画相談支援事業所の運営が可能な報酬の設定及び相談支援専門員のスキル向上やサービスの質の担保をどう考えるか。

3 ポツ目、適正なケアマネジメントを継続的に実施するためのモニタリングの在り方をどう考えるか。現行の報酬設定では、事業所の運営が困難であるとの指摘があります。この点をどう考えるかという視点です。また、サービス等利用計画の作成に関する経過措置が平成 26 年度で終了となり、来年度からは支給決定を行う全ての利用者に計画の作成が必要となることを踏まえ、相談支援専門員のスキルアップやサービスの質の確保、モニタリングの在り方についてどう考えるかという視点です。

5 「障害児支援について」です。先の検討会の報告書を踏まえた対応について、検討の必要があるのではないかということで、項目を列挙しております。 1 ポツ目、児童発達支援における事業所の質の担保や家族支援をどう考えるか。また、近隣保育所等との併行通園をどう考えるか。障害児通所支援については、平成 24 年度から支援体系を一元化し、従前の通園施設「児童デイ」の配置基準に沿った報酬単価が設定されておりますが、事業所の質の担保や家族施援の在り方、近隣保育所等との併行通園に対するインセンティブについてどう考えるかということです。

2 ポツ目、医療型児童発達支援センターにおける福祉職員の配置をどう考えるか。保育機能の充実の観点から、医療型の児童発達支援センターにおける保育士の配置をどう考えるかということです。

3 ポツ目、放課後等デイサービスにおける事業所の質の担保や職員の専門性、家族支援をどう考えるか。 1 点目の児童発達支援と同様の観点からどう考えるかということです。

4 ポツ目、保育所等訪問支援における職員の専門性や現行のサービス体系における位置づけをどう考えるか。これも平成 24 年度創設のサービスですが、サービス事業所数、利用者数ともに伸びていない現状があります。また、保育所等訪問支援は、障害児通所支援の一類型とされており、他の通所サービスと同一日の算定ができないことから、このような現行のサービス体系における位置づけについてどう考えるかという視点です。

5 ポツ目、障害児入所支援における行動障害を有する者への適切な対応の在り方や、一定の目的を持った短期間の入所に対する評価をどう考えるか。また、心の傷を癒して回復させるための心理的ケアをどう考えるか。施設入所支援についても、平成 24 年度から支援体系を一元化しており、従前の入所施設の配置基準に沿った報酬単価が設定されておりますが、特に行動障害のある児童への適切な対応、強度行動障害への短期的な対応を目的とした有期有目的の入所、更に心の傷を癒す心理的なケアなどについてどう考えるかという視点です。

6 「その他」です。 1 ポツ目、処遇改善加算の創設など、これまでの処遇改善の取組と今後の課題についてどう考えるか。前回、平成 24 年の改定において福祉・介護職員処遇改善加算を創設し、それまでの基金事業における取組を継続しております。また、先の通常国会において介護・障害福祉従事者の処遇改善法が成立し、介護・障害福祉従事者の処遇改善に資するための施策の在り方について、財源の確保も含め検討し必要な措置を講ずるとされております。このような状況の中、現在の処遇改善加算の今後の取扱いなどについてどう考えるかということです。

2 ポツ目、送迎加算の現行の算定基準をどう考えるか。送迎加算については、従来、基金事業において各都道府県が実施していた送迎に対する助成事業について、平成 24 年の改定で報酬に組み込んだ経緯があります。このことから、地域によって加算の算定基準が異なる状況となっている点をどう考えるかということです。

3 ポツ目、食事提供体制加算の時限措置の取扱いをどう考えるか。食事提供体制加算については、自立支援法施行時の激変緩和措置として、日中活動系サービスなどにおける食事の提供に際して利用者の負担が食材料費のみとなるよう、 3 年間の期限付きで減額措置を講じたものです。その後 2 回の改定でも経過措置の延長が行われ、平成 26 年度までの経過措置となっておりますが、この加算の取扱いについてどう考えるかということです。

4 ポツ目、栄養マネジメント加算の算定要件に係る時限措置の取扱いをどう考えるか。これも時限措置の加算です。施設入所支援及び障害児入所支援において、常勤の管理栄養士の配置が算定要件の 1 つとなっていますが、これも平成 26 年度までの経過措置として、 5 年以上の実務経験を有する栄養士の配置でも算定可能としております。この取扱いについてどう考えるかという視点です。

5 ポツ目、新体系移行後の実態をどう考えるか。平成 21 年度の改定において、旧体系から新体系への移行を促進する観点から、就労継続支援 B 型、障害者支援施設などについては、新たな加算の創設や報酬体系の見直しを行っております。新体系への移行が平成 24 年度に完成していることから、今回の改定において新体系移行後の経営実態、サービス提供の実態等を踏まえた検討の必要性についてどう考えるかという視点です。以上です。

○田中障害福祉課長 それでは、今後議論すべき事項について議論をお願いします。内容が多岐に渡りますので、項目順に御意見、御質問を頂ければと思います。まず、 1 「訪問系サービスについて」の関連で御意見、御質問等がありましたらお願いします。

○野沢論説委員 非常に言いにくいのですが、みんな「もっと上げろ」と言っている中で、ただ「そうだ、そうだ」と言うのが我々オブザーバーの役目とも思えない中で、基本的には全部上げるべきだということを前提としてですが、例えば重訪の適用拡大は総合支援法の目玉なので、ここは重視したほうがいいかと個人的に思っています。ただ、重訪の基本的なモデルは、スウェーデンの Personal Assistance というものがあります。先々週、スウェーデンに行って、この Personal Assistant の実情を見てきましたが、非常に可能性があるということが分かりました。特に意思決定支援がこれからの権利条約の批准以降の大きな中心的な課題と考えると、長時間その障害者をずっと見ている方ならではの、その方の意思を確認できるものがあるのだということが分かりましたし、実際に実践も見てきて、かなり真剣に日本国内における Personal Assistance の実旋に向けて考えていくべきだと思いました。

 ただ、課題はたくさんあると思います。 1 つは、予算の歯止めが効かなくなるということで、スウェーデンも同じでした。信じられないぐらいものすごい予算の伸び方をしていて、歯止めが掛からないというのが今の課題で、今、政府が実態調査をやっています。悪質な詐欺まがいのことがかなりあるということです。

 もう 1 つは、週 20 時間以下だと市町村 (Commune) の事業となり、それ以上の部分は国の予算でやることになるので、市町村がその他のグループホームなどは同時にできないので、本来であればグループホームに入っていてもよさそうな方をみんなパーソナルアシスタンスの利用者として認め、週 20 時間以上にした。市町村の予算は軽くなるけれども、どんどん国の負担が重くなっていくような構造的な問題があることも分かりました。

 もっと現場に行ってみると、実際に Day Activity Center 、生活介護のような所にやってきた Personal Assistant がそのまま中で支援もしているということで、日本で言う二重給付のようなことが行われていました。でも、これは大事だからいいのだという意見もありました。ただ、施設側に言わせると、来ているだけで、サボってその場にただいるだけのアシスタントもかなりいると言われていて、誰がどこでどうチェックしていいかも分からないような状況なのです。

 この事業の草分けのような団体に行ってお話を聞きましたが、知的障害が重度でなかなか自分で意思を表明できない、こちらも意思をくみ取れないタイプの障害者の意思決定はどうしているのかと聞いたときに、「ずっと一緒にいれば分かるのだ」というような雑ぱくな理由で済まされていることが分かりました。これは非常に大事な制度で、日本でも進めていきたいのですが、相当いろいろなものを慎重にクリアしていかないと、ハレーションは大きいのかなと感じました。

 これについて議論した審議会の小委員会で、行動援護のアセスメントをどうするかということでかなり激論が交わされました。私は、行動援護がどのぐらい普及して機能しているのか、いろいろ議論がありますが、行動障害があったり、世間から誤解されやすい、なかなか地域で暮らしにくい人たちに対して、行動援護という制度に込めた想い、つまり何とか地域でやっていくための専門性を支援者が付けようということはやはり重要だと思います。この機能を重視して、しばらくは一体となって試行的に重訪の拡大を、様子を見ながらうまく広めていけるような慎重な制度設計が必要だと思いました。

 これをできるだけいろいろな所で試行できるような、具体的にどうすればいいのかとは言えませんが、そうした単価の設定を、ここは知恵を絞って考えるべきだろうと思っております。少し抽象的な言い方ですが、後の回でもう少し具体的にお話できるようにしてまいりますが、今のところの問題意識としてはそのように感じております。

○平野教授  2 番目のポツにある同行援護については、そろそろしっかりした検証をする必要があるかと思っています。これは当初の自立支援法ではなくて、途中から制度化したわけですが、幾つかの市町村に聞くと、この事業の必要性は分かると。視覚障害者のガイドヘルプで、どうしても時間が長期になってしまう。かなり拘束時間が長いので、現実にはニードが高いのですが、事業者で撤退する所がたくさん出ているということです。長時間ヘルパーを拘束されてしまうと、事業として回らないと。かといって、視覚障害者の行動範囲を考えれば時間が長くなってくる。今のままでは維持できないので、撤退する傾向が強くて。

 今、障害福祉計画の関係で関わっている自治体があるのですが、そこでもニードは分かるけれども、とても採算が取れないと。結果的に民間事業者が全部撤退してしまって、社会福祉協議会が残ってしまったと。社協がやめるわけにいかなくて、どうしようかということで、新しく報酬体系が組まれた部分で検証をしたほうが、今後ともいいかと思っています。

○田中障害福祉課長 今後、主な論点を経て、それぞれ項目ごとに回を改めて議論をいたしますので、頂いた御意見等も踏まえながら資料を作って、その会ごとに御議論をしたいと思います。

○野沢論説委員 特定事業所加算とありますが、他にもいろいろ加算があって、時限措置がありますが、実際に時限措置を解消するとどのぐらい影響があるのか、はっきりしたことは分からないまでも、ある程度のデータ、シミュレーションがあると議論しやすいかという感じがします。そういうものは出ますか。

○田中障害福祉課長 加算がどの程度利用されているか、取っている所があるかということであれば、恐らく統計の中から拾うことができると思います。

○野沢論説委員 時限措置でやってきて、その間に要件をクリアしている所も結構あるはずなのです。時限措置をやめたときに、余り影響がない所がどのぐらいあるのか、影響が出る所がどのぐらいあるのか、それはどの程度の影響なのか、何かざっくりしたものが分かるとよいかと思います。

○田中障害福祉課長 恐らく加算の内容によって、ただ移行するものであればある程度出せるものもあれば、難しいものもあると思いますので、御意見を踏まえて実際に各項目を御議論するときに工夫できることがないか考えたいと思います。

 項目の 1 番目についてはよろしいですか。もし何かありましたら、最後にもう一度振り返っていただければと思いますので、次に進みます。 2 「日中活動系・居住系サービスについて」、御意見、御質問をお願いします。

○沖倉教授  2 番の日中系活動のところで、 1 つ確認したいことがあります。ここでは具体的に触れられておりませんが、日中活動の中で生活介護についてです。これについては、ヒアリングの最後に私も申し上げましたが、生活介護というのは具体的に何をしているのかが今ひとつ見えなくて、恐らく来月以降、サービス等経営実態調査を見せていただけると思いますが、そこからは具体的なサービス内容、提供されている内容は見えてこないと思うのです。

 例えば、そういう資料がどこかにあるのかないのかも含めて、それは生活介護だけではなく、就労継続支援 A 型・ B 型もそうですし、この後話題になると思いますが、放課後等デイサービスなどについても、どうしても議論は加算を中心になってしまいますが、そもそも基本的な報酬が足りているのか足りていないのかという評価も含め、実際に何が行われているかが今ひとつ見えないような気がしたのです。そこについて何か資料をお持ちか、何かヒントが頂ければと思います。

○菅自立支援給付専門官 経営実態調査に合わせて、サービスごとに、ごくごく簡単なものではありますが、サービス提供実態調査も付随して行っております。今、その調査表が手元にないので、具体的な項目はお答えできませんが、最低限のサービス提供の実態については、そちらで集計できるものを集計し、それは個別の各論の議論の際にお出しする形で予定をしております。

○沖倉教授 関連して、議題の 1 番でお二人の委員からお話がありましたが、私自身もたくさんの団体からお話を聞くことができたのですが、 1 1 つが深まりに欠けるところがあってもったいなかったという感想を持っております。先ほどのお話の中で、私の聞き間違いでしたら申し訳ありませんが、個別に団体から話を伺う余地は残っているような残っていないような、それは実際どうなのでしょうか。そういう機会があるのだとすれば求める団体はあるでしょうし、直接お話しないにしても、今、私が御質問した生活介護の実態や訪問介護の実態等を団体等が集計している資料があるのであれば、それだけでも参考に見せていただくことが可能なのかどうなのかをお尋ねしたいと思います。機会を作ることをお願いするというより、それが可能なのかどうか。

○田中障害福祉課長 団体からの意見聴取なりヒアリングについては、私が先ほど申し上げたのは、この場でヒアリングという形で再度同じようなことをセットすることは時間的にも難しいのではないかということです。それを超えて、通常の業務の枠組みの中でいろいろな団体から声を聞かせていただいていますので、そういうことで声を聞かせていただくことは可能かと思いますが、形式としてこういう場ではないけれども、意見を言いたいところがあれば、いつまでにどうぞという形で御意見を求めることは、事務処理的にも難しいかと思います。実態等についても、出て来られる団体から求めるとなると、どういうものが出てくるか分からないので、そちらの点も報酬の議論の中で形として実施することは難しいかと思っています。

○藤井障害保健福祉部長 団体が何か資料を持っているのであれば、もらってここに出すことはできますね。

○沖倉教授 そこははっきり言っていただいたほうがよろしいかと思うのです。それを考えている団体もあるでしょうし、チャンスがあるのだったらとお思いになると思うのです。それがどうなのかということを確認したかったので、いかがでしょうか。ヒアリングはやったのですから、もう 1 回ヒアリングをせよと申し上げているわけではなくて、私の範囲ですから調べられることは少ないですが、生活介護の実態を調べた団体の資料などもあったので、それを拾ってきてくださいと言っているのではなくて、そういうものがあった場合に団体から出していただく可能性はあるのか否かということです。

○藤井障害保健福祉部長 団体からというか、今日の場もそうですし、次回以降もそうですが、事務局としては先生方からこういう資料はないかという御意見があれば、当然探します。私どもの手元にあるものもあれば、団体が調査をして、団体の手元にあるものもあります。団体の手元にあるもの、団体がやったものも含めて、この議論の参考になるものはできるだけ多く出していきたいと思っておりますので、もし団体が調査したものが議論に資するようなものであれば、当然ここに出すことはできるということだと思います。

○野沢論説委員  2 番が非常に重要で、今回の改定は国連の権利条約や障害者基本法の精神を明確に厚労省として打ち出す一番の目玉にしてほしいと思っているのです。これまでは施設や病院にしかいられなかった、実際はそうではありませんが、そう思われていたタイプの、行動障害があったり医療的なケアが必要だったり、何らかの家族の機能が弱かったりして、重度で処遇の難しい人でも地域で暮らせるのだと、そのように国はしますというメッセージを明確に打ち出せる一番分かりやすいものは 2 番だと思うのです。個々にはいろいろあると思いますが、ざっくりしたところでは、 1 番の地域生活支援拠点の整備、 2 番の緊急時の受入れ、医療的対応を含めたレスパイト、 4 番のグループホーム一元化の重度者。重度者といってもいろいろあると思いますが、この辺りは明確に、厚労省は随分考えて変わったね、というメッセージを出してほしい。つまり、単価でそういうものを上げてほしいと思います。

 その上で、 1 番の地域生活支援拠点ですが、これは議論してきた小規模入所やコールセンター等ですね。これは、今年度モデル事業をやるのですか。

○田中障害福祉課長 来年度の予算要求を、そのような形でやっております。

○野沢論説委員 これは 3 ポツの入所とも関係しますが、入所については、私はこれまでは批判的なことばかり言っていましたが、やはり基本的には地域のほうがいいと思います。ただ、入所も非常に難しい人の行動障害の改善の実績があって、しかも地域にちゃんと出しているような入所もあって、これは認めざるを得ないと思いました。そうかと思うと、相変わらず昔ながらの「王国」のような感じになってしまって、親が入れてくださいと言う、それだけが 1 つの支えになって続けている所もあって、ここは減り張りを付けたほうがいいと思うのです。

 本来であれば高齢化・重度化、あるいは行動障害といった人たちを見るためにこそ入所施設はあるのであって、わざわざまたこういう人たちのためにということを理由に加算とか単価を上げるというのは、一般的には理解されにくいのではないかと思います。もちろん、入所施設を経営している人たちの中では切実な問題かもしれませんが、もしこれをやるのであれば、入所施設をもっと精査して、割と軽いとか処遇の優しい人たちをやっている所の単価を下げて、難しい支援をしている所を上げるというように、入所施設内での完結を考えたほうがいいのではないかと思うのです。

 また、一番上の地域生活支援拠点ですが、入所への風当たりがきついものですから、地域での小規模の、本当はグループホームを中心にしたものがいいと思っているのですが、もう少し大きいものというと入所が乗り出してくる。それこそ生き残りみたいな形で、モデル事業も手を挙げてくるということを聞きます。ハード面は同じようなものに見えても、運営の仕方によって全然違うものになってしまうと思います。地域生活支援拠点は目玉でもあるし、これからの資源を考えたら重要なのですが、運営者をきちんと精査したモデル事業をやっていただきたいと思います。

 多分、ここはこれから相当主戦場になってくるだろうと思うのです。というのは、前にも申し上げましたが、入所はまだ 11 万人以上いますが、圧倒的に多くの知的障害者は親が自宅で世話をしているのです。グループホームはありますが、知的障害者の数はそれ以上にはるかに多いわけで、圧倒的に親が見ている。その親が高齢化してきて、いよいよ見られなくなってきたと。親子共倒れみたいな形で、どうしようかと、親の会もパニック状態に近いようなことがよく見られます。

 歴史的に見ると、第一次産業や自営業で何とかこういう人たちも吸収してきているのです。でも、そういう産業自体が先細りしていく中で、行き場がなくなる人が相当出てくるはずなのです。今、現に出てきています。なので、ここは今回の改定では一番の目玉にして、こういう難しい人たちでも地域で暮らし続けられることを、是非打ち出していただきたいと思います。

 最後に、ここも触れなければいけないのですが、「病床転換」というレッテルが貼られてしまうと、いかにもまた精神科病院の生き残りを図ってと考えられますが、これは長期入院者の地域生活への移行の検討会の議事録をきちんと読んでいただければ分かると思いますが、かなり緻密な議論に議論を重ねて、基本的には地域に出ていってもらおうと。でも、どうしても長年いると意欲が湧かない。高齢化もしてしまって、すぐに再入院というのが目に見えているような方たちがいて、どうしても自分たちは嫌だと言う人たちもいるので、そういう人たちのために限定的にいろいろな制限を設けて、敷地内のグループホームをやっていこうと。しかも、そのグループホームには、期間を限るとか、いろいろな制限を掛けています。検討会で出た条件をきちんと守った上で、モデル事業をやるべきだと思っております。

 このヒアリングでも、モデル事業も含めてやめろという意見もあって、そのときに私はそれは違うだろうとここで議論させていただきましたが、それは同じです。ただし、もし間違った利用をされると、と国連障害者権利条約に抵触することになりかねないので、本当に慎重にやっていっていただきたいと思います。それは重ねてお願いしたいと思います。

○井出教授 これで失礼してしまうので、お願いがてら御意見させていただきたいと思います。今日頂いた主な論点で、 2 番の野沢先生がおっしゃった最後のポツは私も気になるのですが、今のところどう考えるかを答えにすると、本当に感覚論とか経験というか、例えば何か視察に行ったとか、何かするといった実体験に基づく主観的なものでしかないので、これはお願いですが、今日は入口という話だったので、今後どう考えていくかの資料、今日も幾つか検討会の資料とか、あのときの資料と先生方からお話が出ていますが、私は余りそういう資料をまだ拝見していないところもあるので、そういう資料を事務局で、この資料はこの論点について使えるかなというものがあれば、どんどん御提示いただきたいと思います。

 また、先ほどおっしゃっていたように、今回の主な論点を作り上げる中で、 3 つの検討会の結果があると。それは私も拝見しています。それから 1 回目の意見があって、先ほどからもヒアリングのことがあったのですが、私はヒアリングはいろいろな団体からの実態を踏まえたリクエストだという感覚を持っているので、もうヒアリングをする必要はないと私は思っています。そう言うと突っぱねた形なのですが、お願いは、先ほど部長がおっしゃったように、こちらが何かを考えるときの資料をもしその団体がお持ちの場合は、是非拝見させていただけると、考え方の 1 つにはなるかと思っています。

 もう 1 つ教えていただきたいのは、いずれ実調が出てきて、これはある程度財務の資料にもなるし、私の専門でもあるのでいろいろ考えてみたいと思いますが、ほかに何か今後出てくるような資料でこんなものが拠り所になると、過去の報酬改定の検討のときにこういった資料やデータは 1 つの拠り所になったというものがあったら、教えていただければ有り難いと思います。あるいは、野沢先生や平野先生は以前にも改定に関わられたので、こんな資料が意外と参考になったというものがあれば、今でなくてもいいのですが、何か浮かぶものがあれば教えていただければと思います。

○田中障害福祉課長 先ほどの経営実態調査のほかにも、サービスの実態調査や利用者の実績といったデータもありますし、どのようなものが議論の役に立つのかを含めて、資料を作る段階で勉強したいと思います。

○井出教授 よろしくお願いします。

○萩原部長 私も、 2 番でまとめていただいたものについては、減り張りのある対応が必要だろうと感じています。今、野沢委員から施設入所支援とグループホームのお話が出ましたが、旧来型の施設入所支援で運営されている施設もあれば、一部には地域で生活されている方が少し不穏になったり、あるいは生活が不安定になったときに一旦受け入れて、ある程度生活を整えてまた地域に戻るという、地域に開かれた運営をいろいろなトライアルをしながらやっている施設も出てきていると思います。また、自立訓練のような訓練型のサービスも含めて努力をされている所も出てきていると思っています。

 ただ、一方で組織を運営する、経営をしていく観点から言うと、利用者がどんどん通過していく中で安定した収入を得るのはなかなか難しいところもあるでしょうし、お互いに打ち消すような形で影響すると発展していかないのだろうと思っています。地域生活を支える上で、それぞれの組織が役割を展開できるような減り張りのある形がどうかと感じています。

 先ほど、日中活動の生活介護の話もほかの委員から出ましたが、一旦生活介護のサービスを受けると、ずっと受け続ける場合もあれば、日中通う中で生活のリズムが整って、ほかのサービス体系に移行していくことも十分あり得るだろうと思っています。程度の差はありますが、そういう開かれた、固定的なサービスを受ける形ではない観点も含めて、減り張りのある形が必要なのではないかと、今の時点では感じています。

○田中障害福祉課長 ありがとうございました。それでは、項目の 3 番目の「訓練系・就労系サービスについて」、御意見などあればお願いいたします。

○沖倉教授 いろいろありますが、入口なので強いて 1 つ申し上げますと、就労移行支援についてのところの定着支援をどう考えるかです。これまでのヒアリング等でも質問させていただいたのですが、平成 24 年の改定のときに、一般就労への定着支援に効果を上げている事業所を評価するということで、加算の見直しをしているわけですけれども、これが、定着支援というのはゴールがあるのか、終わりはどう考えるのかという質問を団体にもしました。そう考えたときに、先ほどの御説明の中にもあった、就労・生活支援センター ( ナカポツセンター ) ですが、この役割をどう考えるか。

 数は増えてきて 300 を超えるセンターがあると伺っていますが、それこそ先ほどの質問と同じですが、そこが何をしているのかということと、結局、移行のための事業所がバトンを渡せないのであれば、なぜ渡せないのか。例えばそれでもセンターが少ないのか、あるいは受け取る力量がまだまだ足りないのか、受渡し方が分からないのか。移行なので、渡したら定着はやはり受け取った側がするのだろうというように、言葉の定義からするとそういうものだと思っているので、その辺りで逆にナカポツセンターがどうされているのかというのが気になるところではありますので、何か資料や情報があれば教えていただければと思います。

○田中障害福祉課長 その点につきましては、項目別の議論をさせていただくときに資料として用意をさせていただきたいと思います。

○沖倉教授 はい、お願いします。

○田中障害福祉課長 ほかにはよろしいですか。

○野沢論説委員 就労移行について、障害者の一般就労については、去年の春に法定雇用率が 1.8 から 2.0 になりました。今見てみると、働けそうな人というのはもう働き尽くしてしまって、結構難しい知的、精神、発達の人たちを企業は果敢に採りに行っているのです。そういう方たちを移行させて、あとは企業でやってくれとなると、かなり企業は大変なことになってしまう。本当はやってほしいのですが、彼らの生活面のケアみたいなことがなかなか難しかったりしますので、今はもう一般就労というのは新しい局面に入ってきているだろうと思っています。

 これまでも企業に行って、あとは自分で自立してやっていくのだという局面から、継続できるような支援とセットで一般就労をしてもらうという人たちが相当増えている局面へ移行してきています。そういう人へのサービス、福祉側が、乗り出してどう支援するかなというようなものがあっていいだろうと思っています。そういう意味でナカポツセンターにも期待したいのですが、就労移行事業所の中には就労後もケアしている所は結構あります。それはその人の性格、性質をよく分かっているので、割と安定した継続につながっているので、ここは評価してあげたほうがいいのではないかと思います。

 その代わりと言うとなんですが、ヒアリングのときも厳しいことを言いましたけれども、何年もたってまだゼロという所はちょっと見直したほうがいいだろうと思います。新しく始めて、まだスキルが足りない所は応援してあげてもいいのですが、この事業をやってからもう 3 年も 4 年もたつのに、まだ相変わらずほとんど実績がない所は、やはりちょっとほかの所に転換してもらったほうがいいのではないかと思ったりします。

 そして、先ほど沖倉先生が言った、生活介護の実態が分からないと。これは就労継続 B もよく分からないのですね。生活介護と就労継続 B とは、どこがどう違うのかは見ても分からない場合があって。いい給料を上げたり働く能力を伸ばせる、そういう力を持った事業所と、それから行動障害を改善したり、障害者の生活を、難しい障害者の生活の自立を支援できる能力というのは別問題ではないのかなという気がしていて。

 今はまだまだ制度が始まって何年かたちますけれども、渾然一体となって事業所も試行錯誤しているような状況が続いていると思うのですが、そろそろ、いい給料を与えたり働く能力を伸ばしたりできる所は就労系のほうに特化してもらい、しかもいい給料を出している所ほどインセンティブが働くような単価設定をやっていくべきだろうと思います。そうではなくて、なかなか賃金というところまではいかないけれども、自立生活については非常にきめ細かい、行動障害も改善できているような、そういう所はそういう所でやはりきちんとした評価をしていってあげるべきだろうと思うのです。

 なので、生活介護と就労継続系はある程度減り張りを付けて、中の利用者もある程度分かれていくような、事業所の職員もその事業に当ったスキルの伸ばし方ができるような、単価だけでそうなるかどうか分かりませんけれども、そのような方向で考えていってもらったらいいのではないかと思います。

 そして A 型はいろいろな問題があって、実際に不正があったり不適切なものがあったり、ここはやはりメスを入れていただいて、本当にいい所は伸ばしていただきたいですけれども、そうではない所はきちんと厳正に対処していただくということが、真面目に地道にやっている所をエンカレッジすることにもなりますので、ここは毅然とした態度で臨んでいただきたいと思います。

○田中障害福祉課長 項目の 3 について、ほかによろしいですか。

○平野教授 野沢委員と同じで、そろそろ就労系の所は考え方を変えていったほうがいいなという気はしています。今は障害者の雇用や施設から、言葉は悪いですけれども、大分就労して、残っているのはかなり厳しい人が残っているというのが 1 点目です。

 それから 2 点目が、今出ているのは就労がゴールではなくて、就労し続けることがゴールではないのかと。渡せばあとは労働サイドというのも厳しくて、そのあとうまく働き続けられる支援を視野にしないと、結局また繰り返しになってしまっているのではないか。その辺は労働サイドのほうの支援もあると思うのですが、福祉サイドのほうでどうつなげるようにするのかを考えていかなければいけないということです。それが多分重度者支援の加算にもつながると思います。

 それから先ほどの、 A 型がかなり多様になってきているのは事実です。 B は比較的社会福祉法人系が多いですけれども、 A はいろいろな意味で、いろいろな所が新しく参入してきました。そういった意味では、多様はいいのですが、かなり格差が生まれたのが正直なところです。 A とは一体何なのか。事業所の中には A から B に移行する所もあります。この中で一体 A はどういう役割を果たすのかを、もうちょっと単価面、報酬面で明確にする。

 それは厚労省のアピールとして、このようにやるのだというところをもっと打ち出さないと、各市町村の就労 A B にいる人たちがある程度就労しましたから、これからは更に次の高い段階にもっていくためには、より新しいものを出さないと、ちょっと手詰まり状態になっているのではないかという感じがします。もっとアピールをする必要があるのではないかというところがあります。場合によっては先ほど野沢委員が言ったように、大胆に切っていくことも含めて、検討して意思表示していく必要があるのではないかというのが考え方です。

○田中障害福祉課長 ありがとうございました。それでは、項目 4 「地域相談支援・計画相談支援について」、御意見、御質問があればお願いします。

○平野教授 これは議論が戻ることになって恐縮ですが、私は特に計画相談支援に関して言えば、ケアプランを今回全部実施するということは大変重要なことだと思います。これからの親亡き後の問題とか、地域移行支援でもすごく大事な問題だし、この取決めはすごく重要な意味をもっていると思います。このことは私は高く評価していきたいと思います。そういった意味ではこれから地域相談支援が生きていくことは事実ですけれども、実はこのケアプランを作ることと併せて、ここで議論が戻るのですが、 1 のサービス提供責任者の問題が出てきます。当然ケアプランをしっかり相談支援で作ったとすれば、それぞれの事業所が個別のサービス計画をちゃんと作れるかどうかの問題が出ます。

 結局どんなに立派なケアプランを作ったとしても、それぞれの事業所がちゃんとしたケアプランを踏まえたものを作れないと、結果的にケアプランが空回りしているわけです。そうするとサービス提供責任者が、今までだと曖昧だったのですが、本来の役割というのですか、そこをちゃんと果たしていけるのかが多分カギになってくるので、個別の相談支援の問題と、サービス提供責任者の問題はセットで考えていかないと、結果的に良いプランはできたけれど、事業所では今まで旧態依然だったでは困りますので。

 施設のほうの事業所も全部関わってくると思うのですが、やはり、サービス提供責任者はちゃんとプランと見合っただけのサービスが提供できるという、その辺をきちんと作っていくというのが多分課題になるのかなと、そのようなところからもう 1 回見直しをちゃんとしていく必要があるのではないかという気がしています。

○野沢論説委員 私も平野先生と大体同じですけれども、この計画相談は折角この新しい方向性を出したものが、単価自体は高いのですが、介護保険と違って半年に 1 回の見直しということがあって、事業をやっていくときに良い人を当てられないみたいなことをよく現場から聞きます。

 これからのことを考えたときに、権利条約でヨーロッパのほうでは「成年後見というものをやめていこうではないか」、みたいな話があっちこっちで進められていて、そのときに意思決定支援みたいなことが言われますけれども、それでは一体誰が、財産管理はいいとしても、何らかの手当てはあるとしても、身上監護の部分が、どのような生活をしていくのか、どんな福祉サービスが必要なのかを誰が決めていくのだろうかというときに、もし成年後見をやめて家族も余り関与しない、あるいはいないという人たちを考えると、やはりこれからは基幹型の相談支援センター、相談支援専門員というのはキーパーソン中のキーパーソンになっていくだろうと思います。そういう意味で、ここをきちんとした形で育成していかないと、これからの対応はうまくいかないのではないかなと思ったりします。

 今、見てみるとすごく良い専門員さんと、 1 年目ぐらいの人が取りあえず座っているみたいな所と、本当に差が激しいですよね。ここをどうするのかをちょっと考えなければいけないと思っています。ただ単に単価を上げるだけで果たして良い相談員が増えるのか。あるいはそういう基幹型がちゃんと機能していくのか、ちょっと分かりませんけれども、弊害があるのかもしれませんが、何らかの手を打っていかないと、今のままだと半分以上は余り機能しないということになってしまわないかなと心配です。ここをちょっと研究してほしいと思います。何か、厚労省の中で腹案とかありますか。この場では言えないとか。

○田中障害福祉課長 報酬で見るところと、報酬ではなくて制度全体の見直しというようなこともありますので、今ここで何か具体的に申し上げられる段階にはないと思いますが、御指摘のところなども今後の報酬とか制度の見直しをする上では、当然、私ども考えていかなければいけないポイントだと思いますので、また、それはそういうときに御相談させていただければと思います。

○沖倉教授 今、平野委員と野沢委員がおっしゃったところと関連するのですが、私は先日、とある会で人材育成について話をするときに、特に相談支援専門員中心ですけれど、そのときに報酬が上がると人が育っていくみたいな、すごく短絡的な発言がたくさん現場から出まして、全面否定はしないのですが、非常に短絡的だなと思って。それに対して何を、今回のことも含めて答えを出していくのかということになると思います。

 今お話があったスキルの向上やサービスの質という場合に、研修体制の問題があると思います。聞くところによると、初任者研修にはたくさんの人が集まるのだが、実際、実務に就かず、初任者研修が回らないぐらいの人がいっぱい来るけれども、結果、人が実際の事業所に配置され回っていかないというのが、それが報酬の問題なのか研修では足りないのか、その辺りはちょっと分析のしようも私の力ではないのですが、その辺りはどう考えるのか、事態として把握されているのかというのは非常に関心があります。

○菊池室長補佐 毎年毎年、確かに実務に就く割合が低いという状況が実際にあったのですが、平成 23 24 年で見ますと、研修の修了者数と実際に仕事に就かれた数の差が縮まってきていますので、実際に実務に就かれる方が今は増えているというように理解しています。

 あと、各自治体の相談支援専門員の確保が必要だということで、極力、次にちゃんと仕事に就いていただくような確約を取りつつ研修を受けていただくような、そういう推薦の仕方もしていっていただいています。そうしたことでは、かつては確かに研修を受けてサービス管理責任者のほうに就いてしまった等のケースが多かったのですが、相談支援専門員に就かれる方が今は少しずつ増えているという認識をしています。

○田中障害福祉課長 それでは、 5 番の「障害者支援について」、御意見、御質問をお願いします。

○野沢論説委員 これは最後のヒアリングのときにいろいろな意見が出たところだと思います。基本的に、乳幼児期から学齢期の支援は優先的に考えたほうがいいというのが私の考えです。この時期の家族、親というのは一番不安定な時期で、ここをどのようにファミリーサポートも含めて、子供を支えていくのかということが、あるのとないのではその後の家族や障害をもった本人の人生はすごく変わってくるというのをいっぱい見てきました。今は、放課後等デイとかたくさん増えてきたので、割と親だけで、家族だけで支えなくてもいいという思いが出てきて、その後も普通に地域生活を選ぶ人たちが増えてきました。長期的に考えると、ここをしっかりすることによって、その後のコストの面でもかなり良い経過が現れるだろうと私は思いますので、ここは簡単には減額はしないでいただきたいなと思っています。

 ただ、中には放課後等デイで短い時間しかやらなくて、そのあと任意の契約に切り替えて、独自の塾みたいな形にしている所もあって。いろいろ工夫しながらそれなりに長い時間やっている所と、そういう形で収益だけ上げている所とを見ると、やはりそこも改善の仕様があると思います。そこは一律に単価でどうこうというのは難しいのかもしれませんけれども、何らかの対策が必要ではないのかと思ったりしています。

 それと、見ていると放課後等デイも結構難しい行動障害をもった人たちも利用するようになってきました。インクルーシブ教育がこれから進められていくと、かなり学校はちょっと無理をしているというか、余り発達障害の特性を分かってない先生方が無理をして統合化したものを、教育をやろうとしてかなり本人に負荷が掛かると。実際に現在もそういう所を見てきたこともあります。その場では本人は余り崩れないですけれど、家に帰って来てお母さんの前で安心して乱れて崩れてしまうのですね。お母さんもいたたまれなくなって、不登校になって、放課後等デイのほうに来るようなケースが増えてきて。

 結構これからはこの学齢期の教育との連携とか、あるいは保育園との連携だとかというものが必要になってくるだろうと思いますし、これまで以上に、スキルの低い職員でも対応できる放課後等デイのような支援では難しくなってくると思って。そういう難しいお子さんもきちんと支えられる、改善できるような所は、やはりしっかりと単価を上げていってほしいです。そういうマインドを持って職員の教育をやっている所にはきちんと評価していってあげてほしいなと思います。

○田中障害福祉課長 この項目でほかにいかがでしょうか。

○平野教授  5 番の最後のポツの障害児入所支援ですが、入所施設の役割が大分変わってきた感じがすごくあります。今、野沢委員が言ったように、地域で暮らす体制ができてきたので、あと、学校で行くケースが多いのですが、その一方で、障害児施設の利用者も一定数いて、そこにはその障害の重さだけではなくて環境の問題、例えば虐待を受けたケースとか、そういう家庭そのものが機能を失っているようなところがたくさんあって、そういうところを保護しているという。そういった意味では、これまでの役割は本人だけを見て考えているところから、家庭的な部分やその問題が反映されている部分がいっぱいあって、そういう意味ではここにある心理的ケアも含めて、施設の役割というのが変わってきているという、その辺を加味したような評価をしてあげないと難しいと思います。

 それから短期の入所なども含めて、今度は出すときの苦労がいっぱいあります。その辺を評価しないと、結局入れるのはいいけれど出すときにすごく苦労して、虐待の場合には家に帰せないわけですから、そういうのも含めて出すときのケアをしてあげないとしんどいのかなと。そういうところを評価すると、預かりっぱなしがなくなってくると思いますので、その辺も議論が必要かと、お願いをしたいと思います。

○田中障害福祉課長 ありがとうございます。それでは、 6 「その他」について、何かありますでしょうか。

○野沢論説委員 処遇改善ですけれど、私は最近これはどういうことかなといろいろ考えるのです。先の通常国会で処遇改善のための法律ができて、改善してもらえるのは有り難いのですが、ただ、財布は 1 つなわけですよね、税(一般会計)という財布。すると、処遇改善に回る分がこないのであれば、こちらの加算に回るところを財務省は抑えて、処遇改善をこれだけ取っているから、加算はちょっと抑えざるを得ないというようなことになっていくと、何のための処遇改善なのかなと思って。それはそれでいいのですが、全体的に膨らんで、働く人に増えればですね。でも、処遇改善された分は本来であれば経営体が職員の給料に当てなければいけないのに、処遇改善でこれだけ上がったのだから、まあその分はいいかということになってしまうと、何のためにあの法律が通ったのかなと、ちょっと思います。

 その辺について、厚労省としてはどのように考えられて、現場あるいは財務省に対して、理論武装というか、対策というか、どのようにやっていかれるのかなと思うのですが、いかがでしょうか。

○田中障害福祉課長 なかなか難しいところだと思います。私どもも財政当局と折衝する中では、やはり処遇改善の分を積み増すのであれば、それはそれなりにもっと合理化するところはないのかというようなことは、いつも言われるところです。

○野沢論説委員 当然言いますよね。

○田中障害福祉課長 はい、いつも言われるところです。やはり人がいなければサービスも良いサービスが提供できないわけですので、そこのところはそういう必要性は主張しながら、最終的に落ち着くところにその報酬も落ち着かせていかないと、来年度の予算は組めなくなってしまいますので、していくのかなという感じです。

 それから事業者に対しては、先だっても人材確保等のお願いを大臣から直接させていただいたりしています。報酬があるから、報酬が上がらないから人材の確保や処遇の改善ができないというようなことではなくて、経営するほうも経営の立場に立って、良い人材がこなければ自分の所も回らないことをよく理解していただいて、報酬先にありきではなくて、少し人材について考えていただきたいと、大臣からも申入れをさせていただいているところです。

 如何せん、こういう報酬を元にというところですと、どうしても報酬が上がらなくてはというような御主張もよくお伺いはしますけれども、報酬で努力できるところも努力をしますし、事業者として努力できるところはやはりしっかり努力をしていただきたいと思っています。

 その他についてはよろしいですか。もし全体で今日言い残したことがあれば、本日は入口の議論ですので、今後それぞれのサービスにもう少し切った形で、資料なども今日の御指摘も踏まえ準備をさせていただき、議論をしていただくことを予定しています。

○藤井障害保健福祉部長 冒頭にお話があったかも分かりませんけれども、本日の資料には、私どもも一緒にヒアリングを聞かせてもらう中で、主な論点として整理をしてみたものですので、もしほかにも主な論点として取り上げたらいいのではないかということがあれば、特段団体のヒアリングで出たものではなくても、ありましたらいつでも事務局へお伝えいただければ有り難いと思います。更に言えばこれは飽くまでも論点ですから、ここに載っていないものが全く報酬会議に反映されないとかそういうことでもありませんので、ここでこれから議論をしていただく主な論点として整理をしたものですので、そういう性格のものだということを御理解いただいた上で、何かほかにあればまたお出しいただければ有り難いと思います。

○野沢論説委員 視覚障害の方や聴覚障害の方から出たコミュニケーション支援ですが、情報保障というのは、御本人の自分で自分のことを決めるという、あるいは意思決定支援の一番の前提というか、ベースになっているものであって、とても大事だと思います。これは盲や聾の方だけではなくて、例えば発達障害、知的障害の方にとってもやはりコミュニケーション支援というのは意思決定支援の前提で、今ヨーロッパのほうで非常に注目されて取り組んでいるところなので、この辺りをもう少しインセンティブを与えるようなものができないかと考えています。

 どうしても性格上、単価設定などで事業を経営している側の視点でもちろんやって、それはそれでいいですけれども、受ける利用者側の視点も考えると、その辺りは結構重要ではないかと思ったりしますので、どのようなものがサービスというか、事業に盛り込めるか、今すぐ見せろと言われても難しいですけれども、そういう視点があってもいいかなと思います。

○田中障害福祉課長 恐らくこのサービスというような切口ではないかというように思います。

○野沢論説委員 そうですね。

○田中障害福祉課長 また、まとめさせていただきたいと思います。ほかに何かありますでしょうか。よろしいですか、それでは、本日の予定している議事は以上ですので、これで終了とさせていただきたいと思います。

 次回は、 9 29 日、月曜日 10 時から 12 時、専用 23 会議室、同じ場所になります。ここで開催させていただく予定としています。詳細については、追って御連絡をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。

 本日はお忙しい中、長時間にわたり、どうもありがとうございました。これをもちまして、第 6 回障害福祉サービス等報酬改定検討チームを閉会いたします。どうもありがとうございました。


(了)

(注1)
「高鳥厚生労働大臣政務官」の「高」の本来の表記は「はしごだか」ですが、システムの制約上表記することができないので、「高」で表記しております。

<照会先>

障害保健福祉部障害福祉課

評価・基準係: 03-5253-1111(内線3036)

ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 障害保健福祉部が実施する検討会等> 障害福祉サービス等報酬改定検討チーム(平成27年度報酬改定)> 第6回「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム」 議事録(2014年9月8日)

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