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2014年10月21日 第1回雇用政策研究会(議事録)

職業安定局雇用政策課

○日時

平成26年10月21日(火)14:00〜16:00


○場所

職業安定局第1・2会議室


○出席者

委員

樋口座長、大石委員、玄田委員、鶴委員、橋本委員、堀委員、宮本委員、山川委員

生田職業安定局長、勝田職業安定局次長、坂口職業安定局派遣・有期労働対策部長、本多職業安定局総務課長、代田職業安定局派遣・有期労働対策部企画課長、田畑労働政策担当参事官、鈴木労働基準局総務課長、小林雇用均等・児童家庭局雇用均等政策課長、宮下職業能力開発局総務課調査官、中井雇用政策課長、藤井雇用政策課労働市場分析官、黒田雇用政策課長補佐

○議題

(1)我が国の経済・雇用情勢と課題(論点提示)
(2)その他

○議事

○黒田雇用政策課長補佐 それでは、定刻になりましたので始めさせていただきます。

 ただいまより、第1回「雇用政策研究会」を開催いたします。

 委員の皆様におかれましては、御多忙の中お集まりいただきまして、まことにありがとうございます。

 本委員会の委員について、資料1の委員名簿のとおり、13名の先生方にお願いしております。今回から、大石亜希子先生と橋本陽子先生に委員に加わっていただいております。このうち樋口委員には、当研究会の座長をお願いしております。

 本日は阿部委員、神林委員、黒田委員、佐藤委員、清家委員は御欠席されています。また、玄田先生がちょっと遅れての到着になっております。

 それでは、雇用政策研究会の開催に当たり、生田職業安定局長から御挨拶申し上げます。

○生田職業安定局長 生田でございます。

 樋口座長を初めとして委員の皆様には、お忙しいところ、この研究会にお集まりいただきまして、本当にありがとうございます。

 これまで雇用政策研究会では、その時々の経済・雇用情勢に応じまして、中長期的に打ち出すべき雇用政策を明らかにしてきていただいてまいりました。現在、我が国は雇用情勢が改善傾向にはございますけれども、人口減少や、あるいは社会経済の構造変化など中長期の課題が山積しております。今年2月には「仕事を通じた一人一人の成長と、社会全体の成長の好循環を目指して」を副題といたしまして、報告書を取りまとめていただいたところでございまして、この場を借りまして、改めてお礼を申し上げます。

 その後の状況変化といたしまして、人手不足感がさらに強まっているということ、あるいはその地方創生につきまして、我が国の喫緊の課題として政府全体で取り組む必要が生じてきたという動きがございます。このため、前回の研究会から余り間を置かないという中ではございますけれども、今、申し上げたような課題に対する対応について、改めて御議論いただきたく、研究会を開催させていただくことにいたしました。

 今回の研究会では、今、申し上げたことを踏まえまして、3つのキーワードが重要ではないかと思っております。

 1つ目は、労働者の処遇を改善するということでございます。

雇用情勢の改善の中にございましても、以前として不本意で非正規雇用で働く方々が一定数おられます。こうした方々も含めまして、働く方の処遇の改善に向けて、多様な働き方の推進ですとか、あるいは恒常的な長時間労働の是正、企業収益拡大を賃金上昇につなげるといったことがテーマになるのではないかと考えてございます。

 2つ目は、人手不足対策でございます。

これにつきましては、雇用のミスマッチが生じており、人手不足感が顕在化している分野が見られます。こういった分野につきまして、雇用管理の改善を進めるということ、あるいは人口減少下で全ての人材が能力を高めて、その能力を最大限発揮していくことが必要であると考えられます。

 3つ目は、地域雇用の問題です。

 地域ごとに抱える課題は様々でございますけれども、地域における良質な雇用機会の確保・創出、あるいは人材還流を始めまして、各地域の実情に応じた対応が必要になってくると考えられます。

 この3つのキーワードに対しまして、現在の情勢も踏まえつつ、必要な雇用対策のあり方について御議論いただければ幸いでございます。その際には、この臨時国会にも地方創生法案が提出されてございますけれども、その動きや内容にも留意しながら資料を提出させていただきますので、留意しながら議論を進めさせていただければと考えてございます。

 来年の4月を目途に、この研究会として御議論の成果を取りまとめていただきたいと考えてございます。

 それでは、活発な御議論をお願いして、私の御挨拶とさせていただきます。

 本日はよろしくお願いいたします。

○黒田雇用政策課長補佐 続きまして、樋口座長から御挨拶いただきます。

 よろしくお願いします。

○樋口座長 御挨拶というよりも、何をこの研究会で期待されているのか、あるいは期待したいのかということについて、若干触れさせていただきたいと思います。

 今、生田局長のほうからお話がありましたように、この雇用政策研究会でことしの2月に報告書を取りまとめ、そして4月に雇用政策基本方針ということで告示されたところです。まだわずかな期間しか経過していないということになりますが、今回については、やはり雇用情勢の確実な改善が見られる。また、緩やかであると指摘されておりますが、景気回復基調ということが続いている中で、前回の報告書の中で、特に全員参加社会ということも指摘しましたが、その点に絞って議論してまいりたいと考えておりますし、さらなる検討をここで深めていきたいとも考えております。

 また、これも生田局長のほうからお話がありました労働者の処遇改善という中で、正社員の雇用促進、あるいは労働時間短縮等の処遇の改善、人手不足対策ということもございます。また、私も参加しておりますが、「まち・ひと・しごと創生本部」において、いろいろな議論がこの地域雇用を巡ってなされているということもございますので、特に今回、地域の問題についても検討してまいりたいと思っております。これまではどちらかと言いますと、日本全体における雇用政策ということで議論してまいったわけでありますが、それプラス、できれば地域、雇用の問題ということについて深めていきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 そして、その成果は来年の4月に提言という形で取りまとめてまいりたいと思っております。若干長丁場ということで、約7カ月近く、6カ月強の期間継続してということになるかと思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。

○黒田雇用政策課長補佐 樋口座長、ありがとうございました。

 それでは、カメラ撮影の報道関係者の方がいらっしゃる場合は、ここで御退席願います。

 引き続きまして、議事に入ります。今後の議事進行は座長にお願いいたします。

 よろしくお願いいたします。

○樋口座長 それでは、この研究会における開催要領及び議事の公開について、事務局からまず説明をお願いしたいと思います。

○黒田雇用政策課長補佐 まず、資料2「雇用政策研究会開催要領」について御説明いたします。

 「1.目的」としまして、中段ですけれども「効果的な雇用政策の実施に資するよう、現状分析を行うとともに、雇用政策のあり方を検討する」ということになってございますので、よろしくお願いいたします。

 また「3.構成」にあるとおり、当研究会は職業安定局長が学識経験者の参集を求めて開催するということで、局長のもとでの研究会ということでございます。

 続きまして、資料3「議事の公開について」でございます。

 本研究会につきましては、原則公開とさせていただきたいと考えてございます。

 ただし、マル1〜4までありますけれども、ここに該当する場合であって、座長が非公開が妥当と判断した場合については、非公開とすることができるということでございます。

 以上でございます。

○樋口座長 ただいまの説明につきまして、何か御質問、御意見がございましたらお願いいたします。

 よろしいでしょうか。よろしければ、今の資料2、3に沿ってこの会を進めてまいりたいとい思いますので、よろしくお願いいたします。

 それでは、今回当研究会で議論を行う論点及び今後の進め方について、これは関連資料も含めて事務局から説明をお願いします。

○中井雇用政策課長 雇用政策課長の中井でございます。

 それでは、次に資料4をご覧になっていただければと思います。こちらのほうで、今回の雇用政策研究会において議論していただく論点(案)をお示ししているところでございます。

 先ほど、生田職業安定局長、それから樋口座長からも御挨拶の中で触れていただいた内容について整理をさせていただいております。

 まず、現状についてでございますが、雇用情勢については、一部に厳しさが見られるものの、着実に改善が進んでいるということ。また、建設業などで人手不足感が顕在化している分野も見られるということでございます。

 こうした中で、今、正社員雇用の促進、あるいは労働時間の短縮を初めとした処遇改善に取り組む好機であるということでございます。

 また、中長期的な話として、生産年齢人口の減少という我が国の成長と書いていますが、いろいろな制約があるという中において、そういった壁を乗り越えていくために全員参加社会の実現、地域の特徴を生かした自律的で持続的な社会の創生が喫緊の課題となっているという現状だと認識をしております。

 そうした中で、検討テーマでございますけれども、3点挙げております。

 1点目は「労働者の処遇改善」、2点目として「人手不足対策」、3点目として「地域雇用」ということでございます。

 まず、1点目の「労働者の処遇改善」でございますけれども、雇用情勢は現状として改善しているわけでございますが、依然として不本意で非正規雇用として働く方が一定数存在しているということ。

それから今の働き方の現状ということで言えば、多様な働き方の推進や恒常的な長時間労働の是正等が必要であるということ。

企業収益の拡大を賃金上昇につなげることが必要であろうということでございます。

 2番目の「人手不足対策」の現状ということで言えば、これは雇用のミスマッチが生じていて、また、人手不足感が顕在化している分野も見られているということ、そういった中で、人口減少下で全ての人材が能力を高め、その能力を最大発揮することが必要であるということでございます。

 そういった中で、ここにおける論点ということで言えば、その下に書いてあるとおり、正社員雇用の促進、長時間労働の削減、賃金の上昇等、また、人的資本の質の向上、これは労働生産性の向上に資するという観点も含めてでございます。

それから、全員参加社会の実現ということで、そこは特記として特に高齢者のさらなる就労促進、これから進んでいく中で、そういった課題も大きいものとして存在するだろうと考えております。

 3点目の「地域雇用」でございますが、こちらは地域ごとに抱える課題はさまざまであって、各地域の実情に応じた対策が必要であるということ。

そういった中で論点としては、地域における良質な雇用機会の確保・創出、それから人材還流も含めました地域における労働力の確保ということが大きな論点になってこようと考えております。

 こういったテーマを踏まえまして、全体的に整理をしていただいて、重点的に実施すべき雇用・労働政策の方向性について検討を行っていただければと考えているところでございます。

 それから、資料の一番下に※で少し書いておりますが、地域の雇用という観点で言えば、将来の見通しということで、都道府県別の労働力需給推計を議論の中で行って、整理をしていければと考えています。労働力需給推計については、今年の2月に取りまとめていただいた報告書の中で、日本全体については2030年までの見通しということで整理をしていただいたところでございますが、地域別、都道府県別の労働力需給推計については、過去行ったものは2006年度のものがございますが、それ以降そういうことは行われていないという状況も踏まえて、今回地域雇用を議論するに当たって、そういったこともあわせてお願いできればと考えているところでございます。

 最後に、来年4月を目途に提言の取りまとめを行う予定と書かせていただいておりますが、これについて、引き続き資料5をご覧になっていただきまして、今後のスケジュールについて案としてお示しをしています。

 全回で6回程度ということで予定をしておりまして、第1回目は本日でございますが、全体的な経済・雇用情勢と課題ということで、論点も含めて提示をさせていただいているところでございます。

 今年については、日程も既に調整させていただいておりまして、2回目として1111日、こちらについては「人手不足分野等の現状把握について」、3回目として1212日、こちらでは「地域雇用等に関する現状把握について」ということで御議論をいただければと考えております。

 そこで議論していただいたことを改めて整理をさせていただいて、若干あいてしまいますけれども、年明けの3月から4月にかけて整理をしていただいて、提言に向けた議論、取りまとめということでお願いできればと考えているところでございます。

○黒田雇用政策課長補佐 引き続き私から資料6「雇用を取り巻く環境と諸課題について」御説明申し上げます。

 おめくりいただいて1ページ以降は、中長期のデータをおつけしております。

 2ページ、「日本の人口の推移」ですが、御存じのとおり我が国の人口は2010年に1億2,800万人余り、高齢化率で23.0%でありまして、人口減少局面を迎えてございます。推計値ですが、2060年には、総人口は8,674万人、高齢化率は39.9%になるとの推計がなされております。

 3ページ、労働力人口等の推移についてです。

 労働力人口は1998年が、また就業者数は1997年がそれぞれピークです。それ以降は減少傾向です。雇用者数は直近の2013年がピークとなっております。

 4ページ、前回の雇用政策研究会で取りまとめいただいた労働力需給推計です。経済成長と労働参加が適切に進むケースと、そういうことが進まないケースということで、どのように就業者が動くかということをシミュレーションしておりますが、経済成長と労働参加が適切に進むケースのほうが、そうでないケースに比べて就業者の減少が抑えられるという傾向にあります。

 5ページ目以降は、足元の雇用情勢の資料をおつけしております。

 6ページの「現在の雇用情勢」は、8月の完全失業率が3.5%、有効求人倍率が1.10倍でありまして、一部に厳しさが見られるものの、着実に改善が進んでいるという認識を持っております。

 7ページは「日銀短観(雇用人員判断)」です。2014年9月の直近の調査でございますけれども、大企業、中堅企業、中小企業、いずれも不足となっております。また、先行きについても不足が若干拡大するという見込みです。

 8ページは、産業別の雇用人員判断のバブル期とリーマン前と現在の3時点を比較したものです。現在の特徴といたしまして、過去の2期間と比較いたしますと、現在は建設やサービス業で不足感が強く出ております。逆に、製造業の不足感が現在は過去と比べて比較的弱いという特徴があることがわかります。

 9ページは、正社員等とパートタイム労働者の産業別労働者過不足状況判断D.I.をお示ししております。正社員等については、「医療、福祉」「運輸業」「建設業」で不足感が強くなっております。パートタイムは、「医療、福祉」「卸売業、小売業」「宿泊業、飲食サービス業」「生活関連サービス業、娯楽業」、このあたりで不足感が強くなっております。

10ページ目、産業別労働者過不足状況判断D.I.の過去との比較です。「建設業」や「運輸業、郵便業」で、過去は「常用」、今は「正社員等」ですけれども、常用とか正社員等の不足感が強いと。「卸売業、小売業」や「宿泊業、飲食サービス業」でパートタイムの不足感が強いという状況でございます。

11ページ目です。構造的・摩擦的失業率と需要不足失業率の長期の時系列のデータです。需要不足失業率は低下傾向でありまして、構造的・摩擦的失業率が若干高いという状況です。

12ページ目以降に、ミスマッチ関連のデータをおつけしております。

13ページ目にまいります。「雇用のミスマッチについて」ということで、一つ資料をお出ししていますが、下線が引いてあるところ、外部労働市場からの視点ということで、複数の労働市場間で求人と求職者が適切に分配されていないというタイプに、今回は着目してまいりたいと考えております。

14ページ目、「求職側から見たミスマッチの理由」についてです。赤く囲っているところを見ていただきたいのですけれども、1544歳層では「希望する種類・内容の仕事がない」という理由が最も多くなっております。一方で、45歳以上のところでは「求人の年齢と自分の年齢が合わない」という理由が最多となってございます。

15ページ目、「中小企業におけるミスマッチの理由」についてです。応募者が自社の希望する能力水準に満たないですとか、応募条件を満たす求職者が少ないといった理由が多くなっております。

16ページ目は、都道府県別の有効求人倍率です。東京や愛知等で高く、東北の一部地域ですとか、九州の一部地域、沖縄などで依然厳しさがみられる状況です。

17ページ目は、就業地別の有効求人倍率です。本社が多く所在する都府県で受理地別有効求人倍率に比べて低くなるという傾向がございます。

18ページ目の職業別の有効求人倍率を見ますと、丸をつけているところですけれども、看護、サービス、水産加工、建設、介護など、有効求人倍率がこのような分野で高いという状況です。

19ページ目で、もう少し細かい職業別で見てまいります。求人と求職の分布を見た表です。有効求人倍率は、1倍以上の職業のところに8割強が分布しています。一方で、有効求職者は、0.50倍未満の職業と1倍以上の職業に分散しておりまして、それぞれ4割程度ずつ分布しているのがわかります。

20ページ目の雇用形態別の有効求人倍率については、全ての雇用形態で改善はしています。その中で、正社員の有効求人倍率は0.68倍となっております。

21ページ目、不本意非正規雇用労働者の推移です。総数は減少しております。また、1524歳層、2534歳層では2期連続の減少となっております。

22ページ目、産業別・職業別の不本意非正規雇用労働者についての資料です。1524歳層では、産業別では「宿泊業、飲食サービス業」「卸売業、小売業」「生活関連サービス、娯楽業」で不本意非正規の割合が高くなっております。職業別では「販売従事者」「サービス職業従事者」で高くなっております。

23ページ目は、従業員規模別大卒求人倍率の推移の資料です。企業規模が小さいほど有効求人倍率が高くなっていることがわかります。

24ページ目、大卒就職者の大企業志向ですけれども、2年連続で増加しているという傾向がございます。

25ページ目の産業別の離職率を見ますと、「宿泊業、飲食サービス業」「生活関連サービス業、娯楽業」等で離職率が高いという状況になっております。

26ページ目の新卒者の卒後3年後の離職率を見ますと、人手不足が生じている職種、あと非正規雇用労働者の割合が高い職種において、で離職率が高いという状況にあります。

27ページ目は、新規高卒者に対する産業別求人数と充足数です。折れ線グラフが充足率ですけれども、この充足率は、建設業ですとか、医療、福祉業、この丸をつけたところで若者の充足率が低いという状況がわかります。

28ページ目の求人充足率と卒後3年後の離職率の関係を見ますと、充足率が高いと離職率が低く、充足率が低いと離職率が高くなるという傾向にあることがわかります。

29ページ目からは、人的資本の質の向上ということで関連の資料をおつけしております。

30ページ目、労働生産性の状況を産業別に見た資料ですけれども、建設業やサービス業などで生産性の伸び率が相対的に低くなっているということがわかります。

31ページ、産業別の賃金カーブです。「金融業、保険業」や「情報通信業」が高く、「医療、福祉」「生活関連サービス業、娯楽業」「宿泊業、飲食サービス業」、この辺が低くなっております。

32ページ目の「雇用形態別の賃金カーブ」については、一般、短時間とも正社員の方が正社員以外よりも賃金水準が高くなっています。

33ページ目をご覧ください。2014年の春闘の結果ですけれども、この15年間で最高の賃上げ率となっております。

34ページ目、年齢別の長時間労働の状況です。男性の正規雇用労働者は3034歳、このあたりがピーク、非正規雇用労働者は4549歳、このあたりがピークとなっております。一方女性ですけれども、正規、非正規とも2024歳の層がピークになっております。

35ページ、産業・職業別の長時間労働の状況についての資料でございます。産業別では「宿泊業、飲食サービス業」「運輸業、郵便業」などで高い割合となってごおります。職業別では「飲食物調理従事者」「生活衛生サービス職業従事者」「自動車運転従事者」などで高い割合となっております。

36ページ目からは、職業能力開発の状況の資料をおつけしています。

36ページ目については、どの規模の企業でも正社員の能力開発機会が多くなっているということと、企業規模が大きくなればなるほどOJTOFF-JTの実施割合が高くなるということがわかります。

37ページ目をご覧ください。これも、非正規社員に比べ正社員に対する人材育成が多く行われていることを示した図です。特に企業が負担する社外教育ですとか、企業内で行う一律のOFF-JTは正社員に対して多く実施されているということがわかります。

38ページ目でございます。産業別のOJTOFF-JTの実施状況をおつけしております。

39ページ、人材育成の問題があるとする事業所の資料ですけれども、その割合は7割強でございます。指導人材不足ですとか、時間の不足ということが主な理由になっております。

40ページ目でございます。人材育成をより効果的・効率的に行うためには、63%の企業が上司の育成能力ですとか、指導意識の向上が必要と回答しております。

41ページ目、自己啓発を行った労働者の割合ですが、正社員のほうが正社員以外よりも高くなっております。それまで若干伸びていたのですけれども、平成25年度単年で見ると前年度より低下しているという状況です。

42ページ目、自己啓発に問題があるとした労働者は、正社員で約8割、非正規社員で約7割ということでございます。仕事が忙しいですとか、費用がかかり過ぎるといった理由が多くなっております。正社員以外では、家事・育児が忙しいという理由も多くなっております。

43ページ目、「企業が取り組んでいる雇用管理事項」です。正社員に対しては、職務遂行状況の評価、納得性の向上ですとか、右から5番目の昇進、賃金アップですとか、あと右から2つ目の優秀な人材の抜擢・登用などに取り組んでいる企業が多いことがわかります。

44ページ目からは「各種の雇用管理と従業員の就労意欲等との関係」を見てまいります。

44ページ、労働者の就労意欲が高い考える企業では、低いと考える企業に比べて、広範な人材マネジメントを実施していることがわかります。

45ページ目、労働者の就労意欲が高いと考える企業では、定着率、労働生産性、経常利益率、いずれも高い傾向にあります。

46ページと47ページ目が、中小企業における雇用管理と就労意欲等の関係を調査したデータでございます。雇用管理制度等の実施は、従業員の「働きがい」とか「働きやすさ」を高めるということがわかります。

48ページ目、中小企業においても、「働きがい」や「働きやすさ」があるグループは従業員の意欲、定着、会社の業績が高くなるという傾向がございます。

49ページ、正社員転換制度のある事業所は全体の48.3%、過去3年間に若者に正社員転換をさせた事業所、実績がある事業所は46.6%となっております。

50ページ目からは、全員参加社会についての資料をおつけしてございます。

51ページ、内閣府の意識調査によれば、高年齢者の就業意欲は非常に高いものがございまして、65歳を超えて働きたいと回答した人が全体の5割程度となっております。

52ページ目、就労を希望する理由ですけれども、「生活費を得たいから」というものが最も多くなっております。

53ページ目でございます。希望する就労形態としましては、パートタイムが半数以上を占めております。

54ページ目は、65歳以上の年齢階級別の有業率と潜在有業率のグラフです。一番右の太枠を囲ったところですけれども、現在、無業でありますけれども、就業を希望するという65歳以上の人は、リード文にも書いてありますけれども、約200万人存在するということでございます。

55ページ目、女性の年齢階級別労働力率のグラフです。全体的にM字カーブは年々高まってきているということです。右側の有配偶女性の労働力率については、2539歳層を中心に増加しております。

56ページ、女性が求職していない理由ですけれども、一番右の青い円グラフのところですが「出産・育児のため」というのが34.7%と最多となってございます。

57ページ目、30歳代女性の労働力率を高める要因ということで、保育所の利用可能性が高いこと、あと同居の親の存在、この2つについて有意な結果が得られているということでございます。

58ページ、夫の平日の家事・育児の時間が長いほど、妻が出産後に就業継続する割合が高くなるという傾向があります。

59ページと60ページ目は若者の状況といたしまして、フリーターとニートの推移をおつけしております。

 資料6については以上でございます。

 引き続き、資料7「平成25年度雇用政策研究会フォローアップ」について御説明をいたします。

 これは、本年2月に取りまとめた雇用政策研究会報告書に盛り込まれました施策の方向性に従いまして、どのような施策が今、実施されているのかということを簡単にまとめさせていただいた資料でございます。また、今後どのような施策に取り組んでいく予定なのかということもあわせて記載させていただいてございます。

 1ページ目に、昨年の雇用政策研究会報告書の概要をおつけしてございます。この下半分のところに「1能力開発・能力評価制度の整備」から「5『全員参加の社会』の実現」ということで、この5つの柱がありますけれども、その柱に合わせまして、2ページ目以降、フォローアップの資料をおつけしてございます。

 2ページ目以降は、報告書に記載された内容を、まず左側の「現状・課題」というところに記載させていただいて、右側に項目を立てて整理させていただいて、課題解決につながる主な取り組みということで、平成26年度に今、実施していること、それと平成27年度以降、主に予算要求の内容ですとか、概算要求の内容ですとか、あとは法制度改正等の検討状況等についてを記載させていただいております。

 時間の関係で、詳細な説明は割愛しますけれども、今後のこの研究会での議論の御参考にしていただければと考えてございます。

 最後に、参考資料を2つ、つけさせていただいていますので、それについても御説明します。

 参考資料1としまして、「雇用に関するこれまでの各種提言・取組について」という資料を出しております。本年2月の前回研究会終了後から半年間程度の間になされた政府、与党の動きですとか、最近の労働関係法制の動き、あと各種研究会・検討会の動きについて概要資料を配付させていただいておりますので、御活用いただければ幸いです。

 参考資料2は、前回の研究会の報告と方向の概要と雇用政策基本方針の概要となっております。

 ともに適宜御参照いただければと考えます。

 私からは以上でございます。

○樋口座長 ありがとうございました。

 それでは、この後、自由討議にしたいと思いますが、ただいまの資料につきまして、まず御質問がございましたらお願いいたします。

 よろしいですか。

 では、自由討議で御意見をいただけたらと思います。

 はい、鶴さん。

○鶴委員 どうもありがとうございます。

 事務局の非常にわかりやすい説明、ありがとうございました。

 ちょっと2点ばかり申し上げたいのですけれども、1点目は、資料6の6ページに現在の雇用情勢につきまして、有効求人倍率と就業率のグラフがあるのですけれども、この今の状況、現状をどう評価するのかということで、これを見ていただくと、かなり労働指標を見ると、相当ピークの近いところに来ているのかなという印象を持っています。前回のピークのところを見ると、2006年〜2007年ということなので、第1次安倍政権のときなので、安倍政権というのはある意味では景気循環的な観点から見ると、非常にラッキーだなと。一番いいときに政権を運営しているという印象を持っています。

 ただ、私もこれを見て若干心配なのは、有効求人倍率というのは、景気循環を非常に敏感に動いていきます。今、非常にピークに近いところに来ている、また、そこを過ぎつつあるということであれば、今後少し変わっていく可能性もあるのではないのかなと。

私は何が言いたいかというと、今回、3つの検討テーマというのは、検討テーマを絞り込んでこの3つをやるということは、私は非常にいいと思うのですけれども、マル1、2の話というのは、まさに今、景気、労働市場の状況が水準として最も高いところに来ているということを前提としたテーマ設定なのかなということを非常に考えておりまして、今後、例えばこの報告書を出していく半年ぐらいの間で、景気の状況がどう変わっていくのかということはしっかり見きわめながら議論していく必要があるということは、御説明を聞きながら少し感じました。

 もう一点は、人手不足の現状をどう評価するのかということで、これは過去の比較もして、8ページと10ページで非常に詳細な資料をおつくりいただいて、大変勉強になったのですけれども、これを見ると、今、事務局が御説明していただいた以外にも非常におもしろい部分があるなという感じがします。

 8ページを見ていただくと、今回の2011年と2014年の非常に大きな特色は、赤と青、製造業と非製造業がかなり乖離しているのですね。過去の景気循環、非常に人手不足のときは、青と赤のところが同じように動いています。これが今回大きな違いということで、全体としての人手不足感というのは、多分バブルのときは一番強かった。だから、今回はそこまで来ていない。実は、非製造業のところを見ても、2004年と2007年を比べても、水準レベルで見ると、今回そんなに人手不足は大きいというわけではないということもわかるので、今、何が特色なのか。多分、この製造業というのは、2004年、2007年非常に輸出が伸びまして、輸出主導型の状況だったのですね。あのときは円安でも輸出数量は伸びたわけですけれども、今回は円安になっても輸出数量は伸びていないので、そういうところは非常に影響しているのかなという感じは持ちました。

10ページを見ると、これも今、私が申し上げたことがある意味で確認がされるのですけれども、10ページを見て非常になるほどなと思うのは、建設業の青の部分、今回2011年以降のところは、これは正社員ですよね、前回に比べても非常に人手不足感が強い。それから、宿泊業、飲食サービス業の赤のところ、これは非正規雇用と思いますけれども、ここは非常に人手不足感が強い。だから、今回の大きな特色として、この2つのところをどう見るのか。後で少し問題提起もさせていただきたいなと思うのですけれども、ここを要因としてどう評価するのか。それが人手不足対策をどう考えるのかということに非常に重要になってくると思っています。

 以上です。

○樋口座長 まず1点目の、なかなか答えづらい、事務局も難しい、これからの見通しについてということでしたが、どうでしょう。

○中井雇用政策課長 1点目のことでございますけれども、おっしゃるとおり、6ページ目のグラフもごらんになっていただければわかるとおり、特に雇用情勢の中で有効求人倍率というものが非常に景気に敏感に反応する指標であるということはそのとおりでありますので、そういう意味で人手不足感が今後どうなるかというのは、景気に影響を受ける割合というのは相当程度あるのだろうと思っております。

 また、完全失業率についても、ピークに近いのではないかという御指摘もあったわけでございますが、11ページのほうで構造的・摩擦的失業率と需要不足失業率というのをグラフでお示している中で、需要不足失業率というのがかなり今下がってきて、ゼロに近づいてきているという状況の中で、さらに景気が今後も拡大期が続くとしたときに、それがどう下げるのか、ミスマッチの問題にも絡んできますが、そういった課題も人手不足の中であるとは考えていますので、今後、景気の見通しをどうするのかということで言えば、政府全体でいろいろ経済運営を行っていく中において、我々も歩調を合わせて取り組むということしか言えない部分もあります。

一方で、今回においては、人口減少が本格的に進んでいる、雇用者数は現在がピークという話があって、これはやはり労働参加の促進というのが一定程度進んできた成果であるとも言えると思います。当然、景気の上向きが続いているということで引っ張り出されている部分もあるかと思いますが、そういった中で、ただ、生産年齢人口の減少という構造的部分をどう見ていくのかということも、人手不足が今後どうなるのかというのは大きい。そこは議論として、構造的に起きているのが顕在化しただけだという議論も世の中ではいろいろ言われていると認識していますが、そういうところを一緒にあわせて、見きわめていく必要があるのかなとは考えているということでございます。

○樋口座長 もう一点、産業別に見たときの前回と今回、あるいはこれまでと今回で、どうも製造業の人手不足感というのが相対的に弱いという話ですか、その点をどう考えるかという。

○中井雇用政策課長 そうですね。それも産業構造の変化と言ってしまえばそれまでなのですが、これまでも雇用政策研究会の報告書の取りまとめで、過去の中でもそこの部分についてスポットを当てていただいて、例えば今後の日本の経済、産業構造にとっては、就業者ベースで見たときに1,000万人規模を維持するような経済規模で製造業というのは維持していかなければいけないのではないかという報告書を取りまとめていただいたこともあったと記憶していますが、一方で、この間リーマンショックとか円高とかいった中において、やはり製造業の海外移転等も進んできた。その関連で円安が最近進んでいる中においても、輸出が思ったほど伸びないのではないかと議論されていると認識しておりまして、そういうところを見たときに、産業としての製造業というのが、やはり日本経済全体の中で弱くなっているのではないか。人手不足感がなかなか起きてこないというのは、そういう意味では生産活動、経済活動というのがかつてに比べると停滞している面がやはりあるだろうと考えております。そういったことで言えば、将来的な雇用に向けて製造業をどうするかというテーマがあるかもしれませんが、現状という意味ではそういうことなのではないかなと考えております。

 そういった中で、一方でサービス産業がどんどん大きくなって、ウエートが上がってきている中において、当然、人口構造で言いますと高齢化が進んでいる中で、医療・福祉分野の雇用が伸びてきた。これは当然需要側からも伸びてきているという面もあり、そういったところを中心とした分野での人手不足がやはり起きているということではないかと思っています。

 建設業については、これは経済規模が縮小をずっと続けてきていた中において、震災からの復興の話と、これからだと思いますけれども、オリンピックの話も出てきている中で、建設需要が高まっているということの反映ということで、これも構造的に見たときに、建設業の経済規模というのをどう考えていくのかということは重要ではないかと考えております。

 以上でございます。

○樋口座長 よろしいですか。

○鶴委員 はい。

○樋口座長 ただ、雇用政策研究会として、かなり今回景気の動向に左右される点、特に足元における人手不足感とか、あるいは景気回復に伴う雇用の増加とかいうところにターゲットを当てているわけですが、御指摘のようにやっているうちに変わっていく可能性もあって、なかなか難しいなというところがある。どちらかと言うと、長期的、構造的な変化に対する政策の対応、だから労働力人口の減少というのはやはり起こってくる。少しは影響を受けるでしょうけれども、景気に左右されずに起こってくるような問題に対してどうするかと、ちょっと両にらみでないとなかなか議論が難しいのではないかという御指摘はそのとおりかなと思います。

 玄田さん、何か。途中で退室なさると聞いておりますが。

○玄田委員 いますよ。

○樋口座長 そうですか。

 もし、何かあったら。

○玄田委員 おくれて済みませんでした。玄田です。よろしくお願いします。

 幾つか思いつくまま申し上げます。

 まず、座長からあったように、今回、地域ということで、いろいろ資料を御準備いただいていますけれども、ここで言う、多分皆さんの関心のある地域というのは、いわゆる都道府県レベルというよりはもう少し踏み込んだ市町村レベルの問題をかなり皆さんは研究することを期待されているのではないでしょうか。座長がかかわっていらっしゃった日本創生会議のレポートでも、やはり市町村というものの今後の持続的な発展の可能性ということが、これだけ大きな社会問題になっていますと、そういう観点で議論していかないといけないだろうと。ですので、例えば有効求人倍率と都道府県レベルというか、この従業地域別ですか、これはとても大事だと思いますけれども、もし可能であれば、所轄管区レベル、ハローワークレベルでの有効求人倍率ぐらいを、ちょっと公表するのが取扱注意なのかもしれませんが、少なくとも研究会のレベルではちょっとそのぐらいに踏み込んでやらないといけないのではないかなという感じがします。

 その議論をするときに、かなりそもそも論をやらないといけないのではないかという気がしていて、2番目と3番目の人手不足と地域のことを考えると、なぜ高齢者しかいなくて若者が足りない地域に、若者がそこに行こうとしないのかと、このそもそも論にやはり応えていかなければならないだろう。都会では比較的仕事が見つからないけれども、地方に本当はものすごく必要とされているのになぜ選ばないのか。

1つはやはり仕事がないと考えている。

もう一つは、仕事はあっても、例えば子供を育てたりする環境とか、そういうインフラの面がある。実は仕事も環境面もあるのだけれども、そういう情報がない。場合によっては、コミュニティーそのものが受け入れる態勢ができていない。多分いろいろな複合的な要因があると思うのですけれども、それらの中で何が一番ネックになっているのか。場合によっては、この情報の問題とかというのが非常に大きいかもしれない。何となく田舎には高い給料の仕事がないものだとか、そういうある種のすり込み効果みたいなことがとても大きいのであれば、雇用政策として適切に情報を、かなり細かいレベルにさかのぼって提供していくことが望ましいだろうと。多分それは賃金だけではなくて、生活水準、どれぐらい生活費がかかるのか、家賃はどうなのかという、まさに厚生労働行政全体として情報提供していくような形でしていくことが、適切な対策になり得るかもしれないと思いますので、そういうことを含めて御検討いただくといいのではないかと思っています。

 あと、最初にミスマッチのお話がありましたけれども、経済学で教えるすごく素朴なことは、人手が足りなければ給料が上がるはずと。一体この不足感とかミスマッチ感と賃金の上昇というのにどのぐらいの関係性があるのかということは、確認しておく必要があるだろうと。

円安傾向になっても輸出が伸びないといった社会の構造変化があるように、もしかしたら労働市場の中に、ミスマッチだけれども労働条件を改善しない何かがどこかにあるとすれば、まずそれを見きわめた上で議論するということはとても大事でしょうし、大変かもしれませんけれども、ちょっとミスマッチと賃金との関係についてもどこかでまた御紹介いただけるといいかなと思っています。

 最後に、高齢者はやはり大事だと思っていて、前回も申し上げましたけれども、やはり2010年代後半というのは、いわゆる団塊の世代が60代後半に差しかかるというところで、今、65歳〜69歳の就業率が労働力調査で4割弱ぐらいまで上がってきているので、この流れがどうなるかというのはとても大きな部分を占めると思っています。

では、高齢者の半分ぐらいが働きたいという、この52ページの情報もとても大事だと思いますし、ではどこに高齢者が働く機会があるのかということで、たしか前回宮本さんもおっしゃって、私も若干言いましたけれども、高齢者がもと働いていた技能を、以前いた会社で技能継承するとか、指導ということとあわせて、2025年から本格化する地域包括ケアの中では、やはり高齢者が互換的に支え合うということが大変大きなポイントになっていくので、そういう今の福祉行政の関係との中で高齢者がどこに働くことが期待されていて、可能性があるのかと、その辺もぜひ踏み込んで御議論いただけると大変いい報告書になるのではないかなと思います。

 済みません、ちょっと長くなりましたけれども、以上です。

○樋口座長 どうもありがとうございました。

 これについて事務局で、まず人手不足と賃金の関係についてという御指摘がありましたけれども、どうですか。

○中井雇用政策課長 人手不足と賃金ということで言えば、日本においては、多分諸外国とそこは違っていて、特にバブル崩壊以降、あるいはアジア通貨危機以降、デフレ経済の中で賃金も下がってくるという経験を長年してきたという現状がある中で、私も記憶していますが、リーマンショック前の戦後最長の景気拡大期において、先ほど御紹介させていただいたとおり、なぜ景気拡大して人手不足感も出ていた中で賃金が上がらないのかというのがいろいろなところで議論されたという記憶がございます。

そういう意味で、日本経済においてそういった人手不足と、あるいはミスマッチの関係かもしれませんが、賃金というのが必ずしも連動してこなかったという現象はあったと理解をしています。その関係について、いろいろ議論はされているという認識もありますので、今後そういった整理もさせていただいて、御紹介をさせていただければなと考えております。

○鶴委員 ちょっといいですか。

○樋口座長 はい、どうぞ。

○鶴委員 今のお話の関連で、玄田先生の賃金と人手不足の話を私もちょっと申し上げなければいけないと思っていたのですね。つまり自然に人手不足が厳しくなれば、賃金も含めて処遇というのはよくなるという状況が当然出てくるのが主要メカニズムだと思うのですけれども、それが出てこないということは何なのかと。今、確かに中井課長がおっしゃったように、マクロの面でなぜ賃金が上がらなかったというのも非常に重要な話だし、ある意味でパズルの一つにもなっているのですけれども、先ほど申し上げたように、人手不足感は業種によって結構違うわけですよね。

そうすると、建設とか、先ほど申し上げた宿泊と飲食とか、そういうところというのは、では賃金はどうなっているのかと。多分、建設は賃金はずっと下がってきているのだと思うのですね。だから、そういう業種別の動向と人手不足感というところがどうなっているのか。

それから、多分賃金だけではなくて、処遇全般という話もやはり見なければだめで、そこはちょっと私も申し上げたかったところは、労働時間のお話を35ページでしていましたよね。60時間以上の割合を業種別で見ているのですけれども、やはり宿泊業、飲食サービスというのは特に男性のところで非常に高いのですね。やはりこういうところで本当にもう働きたくないよねと、それは建設も多分あるのだと思うのですけれども、そういう意味で、供給のほうの側の制約という状況もあって、人手不足の話というのはなぜそういうふうになっているのかというのは、多分業種ごとにも相当構造的な要因が違うし、かなり丁寧に見ていかないと、本当に単にミスマッチですとか、そういう話だけで終わってしまうのですね。だから、これは今回こういう話できちっと見ていきましょうということになれば、そういうところも非常にきめ細かくちょっと分析をしていただきたいなという感じを持っています。

○樋口座長 打ち合わせのときに、実はそこは絶対やってくれという要望として、厚労省としては、労働政策で賃金について今までそれは労使で決めるものだ、あるいは市場で決めるものだというスタンスで来たわけで、政策的に介入するとか云々という点にはやはり慎重だということなのですね。慎重なのだけれども、御指摘のような問題というのはやはりあって、そこのところは皆さん気にしているので、政策的に云々というよりも、まずは現状把握として、実態として何が起こっているのかということについては、これはやはり議論していく必要があるだろうと。

○玄田委員 一言だけ。もうやめますけれども、そういう意味ではリクエストとしては、人手不足のところは人がふえるときにやはり若い人とか、まずはパートとかがふえていくと、それ自体が平均賃金の引き下げの可能性もあるので、望ましいのは職種別にある種パネル的に、同じ人が同じ職業についたときにどうなっているのかというのが、多分一つ重要な情報になるから、21世紀縦断がどのくらいそういうサンプルになるかわからないし、場合によっては慶應パネルのほうがいいかもしれないけれども、そこは座長得意のパネルのデータとかをこの辺は少しお使いいただくということ。

あと新聞報道で見た限りですけれども、前回の雇用政策研究会で、賃金が上がらないのは最もの成長産業である医療・福祉系という、ある種完全競争市場からはかなりほど遠い、完全市場の問題があるので、ここを上げるのは難しいよねという話をたしかして、その後、研究会が終わった後の新聞報道で、介護職についてはこれから給料を上げるという報道を見てきたので、ただ、その場合には介護保険のシステムとの関係をどうするかということについては、我々は報道でぐらいしか知らないから、そこが一つの大きな賃金引き上げのポイントとすれば、その辺について少し御説明いただいたりして議論できればなと思います。

○樋口座長 という要望ですので、これはしかるべき部署に御説明をお願いしたいということですね。ちょうどあした政労使会議があって、今の賃金の様子についてフォローアップをするということで、どういうことになるかわかりませんけれども、やはり大きな問題というところは間違いないわけですから、そこは御検討いただきたいと思いますが、賃金のところも含めてほかに御意見ございましたらどうぞ。

 宮本さん。

○宮本委員 中央大学の宮本でございます。

 名簿を拝見すると、佐藤先生も中大にお見えで、慶應と対抗する一大勢力になったようでうれしく思っています。

 地域雇用、あるいは全員参加社会ということにかかわっての質問ということになるわけですけれども、これからの地域雇用を議論していくフレームのようなことなのですけれども、地域の雇用政策の受け皿としてハローワーク以外に雇用の部局というものと、厚労省の関係というのをどういうふうに想定して議論をしていけばいいのかなということについて、ちょっと御示唆いただければなと思います。商工部とか農業振興部とか、そういうところに入っている場合も多くて、これらに対して、例えば通達等で一定のお願いをしていくことができるのかどうなのかということを御示唆いただければと思います。

 何でこんなことを伺ったかというと、この研究会の議論のスケジュール、来年の4月下旬くらいに一応の方向がまとめられるということなのですが、同時に、それに間に合えばいいのですけれども、私は2015年問題とでも言うべきものが近づいているのかなと思っておりまして、それは何かというと、2015年に自治体が背負わなければいけない社会保障、福祉分野の大改革が3つぐらいつながっていくわけですね。

1つは先ほど玄田さんからもお話があった介護保険改革の問題、つまり新しい総合事業という形でこれまで要支援1に積まれていたお金が地域の事業に移されるわけですけれども、そこでは訪問サービスのA、B、通所サービスのA、Bというのができて、そのAというのは雇用型なのですね。ここに自治体が生活支援コーディネーターというので、そのサービスの担い手を探してこなければいけないわけなのですけれども、全く準備は進んでいないという現実がございます。

 それから、2015年問題の2番目は、生活困窮者自立支援法なのですけれども、これも就労準備支援事業という形で、中間的就労というのは一般的雇用につなげる事業を自治体にお願いするわけなのですけれども、モデル事業検討会での資料によりますと、これで雇用の部局がかかっている割合というのが0.9%なのですね。全部福祉の部局がやっているわけですが、放っておけばいわゆる福祉型就労になって、リアルに雇用につないでいくようなカタパルトには絶対なりません。これをばねにすれば雇用につながっていく可能性もあると思うのですけれども、そういう機能は期待できないわけですね。

 それから、子供、子育ては直接関係ないようですけれども、今度は自治体の措置から公的契約になるわけですけれども、お母さんに保育所を探して来いという話になってしまうと、これはお母さんたちにとって大変大きなハードルになる。自治体のあっせん業務というのが決められているわけですけれども、それをどこまで遂行されるのかもあやしい。

つまり、実はこの2015年問題というのは、これだけパラダイム転換といっても過言ではない大きな改革が次々自治体に投げられているわけですけれども、準備はなかなか進んでいない。そこで実は、職業安定局と直接関係ないようでいて、いずれも雇用が非常に重要なポイントになっているわけですね。ところが、自治体の雇用部局の動きが芳しくない状況で、ここを何とか事前につないでいくことができると、地域雇用の展開という意味でも非常に重要な条件になっていくと思うのですが、そのあたりのタイムスケジュールも念頭において、冒頭に戻りますが、地域雇用のフレームワークとして、ハローワークと並んで地方の雇用部局との関係をどう考えるか。

○樋口座長 これは中井さん。

○中井雇用政策課長 雇用面における国と地方との関係ということで言えば、分権の中で相互補完的に、国は一律にセーフティネットを全国的に展開する、自治体はその地域の特性に合った雇用対策を行うという整理というのがこれまでもされてきている中において、おっしゃるとおり、都道府県レベルでは商工労働部という形で組織編成をされているところが多いと承知をしています。

そういった中で、2000年に地方分権一括法が施行されて、当時、労働局ができて、自治体から雇用対策の部局というのが分離して労働局ができるという形で分かれてから、いろいろ国と地方との雇用対策における連携のあり方というのが今まで議論されてきて、やはり組織が違うとなかなか連携が進まないという中で、雇用対策は国に寄せるのか、自治体かという議論がされていた経緯があります。

 では、今はどういうことをやっているかということで言えば、そこは国か自治体かというよりは、当然、国民であり、地域住民のために連携して対策を打っていく必要があるということで、それぞれいろいろな仕組みをつくって、福祉と雇用の連携みたいなことも含めて一体的実施とか、あるいは進んでいる地域だと雇用対策協定という協定を結んで一体的にやるということをこれまでも進めてきた状況にはあって、その中でも相対的に進んでいるということで言えば、例えば障害者雇用の分野であるとか、あるいは生活保護の方々の再就職支援とか、そういったところは割と進んできている面があるのかなと考えています。

そのような中で、おっしゃっている自治体の中の福祉部局と労働部局との間の関係が余り芳しくないのではないかという問題意識だと思います。先ほど申し上げたような、国と自治体との関係で言えば、我々はどこどことだけ連携するということではなくて、当然、雇用対策という我々が持っているスキームの中で連携して、効果があるところはどんどんやっていくという問題意識は持っていますので、そういったところについて、ちょっと私個人として、まだ現状がわかっていない部分もあると思うので、ちょっと確認とか整理をさせていただいて、何ができるのかというのは、この研究会でも整理はさせていただこうと思いますし、関係部局にもいろいろ当たってみたいと思います。

○樋口座長 ほかに。

 大石さん。

○大石委員 今回から参加させていただきますが、千葉大の大石と申します。よろしくお願いいたします。

 今、議論になっていることと関連しまして、2点ほど申し上げたいことがあります。

 1つ目は、都道府県の需給推計をする予定であるということについてです。今、消滅自治体などと名指しされたところでは、いろいろな反応が出てきております。人口というのはかなり詳細に予測できますが、需給となるといろいろな要素が絡んできます。消滅自治体と言われたところは、例えば婚活を支援するとか、何とかして人口を維持しようと必死になっていますが、全体的にどうなのかというところがあり、やや離れた方向に行く可能性もあるので、さらに労働力需給となりますと、その受けとめられ方とかもいろいろあろうかと思いますので、ちょっと配慮することが必要かなと思うところがあります。

 2点目としましては、この研究会で全員参加型というのを前回の報告書でも提言されていて、今回も追求されるということなのですけれども、その「参加」というのは労働市場への参加だけを指すのではないはずです。全体として多くの人々が労働市場にかかわっていく方向性は人口減少の中では正しい方向だと思うのですけれども、単純に労働時間を長くしていく方向ではない形での全員参加のあり方というのを追求していくことが必要だと思うのですね。

何でかと言いますと、それはやはり生活時間というものと裏腹になっているところがあるわけです。先ほど人手不足が問題となっている分野があるということで、例えば医療、介護ですとか、あとは保育士のほうも人手不足が顕著になっておりますが、何で人が集まらないかというと、やはり働く時間の問題がある。そうした仕事を担っているのは圧倒的に女性労働者なのですが、夕方や夜間などニーズの高い時間帯というのは、なかなか家庭生活と両立しません。男性の労働時間の長さとの裏腹で、そういった現象が実は起きているという面もありますので、労働時間と生活時間を合わせた形での全員参加のあり方を考えていく必要があるのではないかなと思います。

○樋口座長 事務局から何かありますか。

○中井雇用政策課長 1点目の地域別の需給推計については、本当におっしゃるとおりで、それぞれの地域はそれぞれの特性、それこそ女性の就業率だけ見ても、水準は違ったりすることも含めて、特性がある中で、それを一律に扱うということは非常にある意味ではミスリードだと思っています。とはいえ、将来的な見通しというのは強い仮定を置いた中において、トレンド延長というのを見ざるを得ない部分があるというときに、おっしゃるようなところ、数字がどうしてもひとり歩きをする傾向があるので、そこをどう考えるかという話を、限界がある中において、ただ、こういう過程の中ではこうであるというときに、では地域がそれぞれ今後どういうふうにみずから努力をして活性化を図るのかみたいなことも含めて、考えるための参考としてお示しをするということではないかというのが、地域別の需給推計の現時点での事務局の考え方でございます。

 あとは全員参加についてでございますが、これは全員参加といったときに我々は、いつも女性、若者、高齢者、障害者ということで、いろいろな方々に参加いただくということではありますが、当然、そのキーワードとしては、やはり多様性と言いますか、それぞれの事情に応じた形でというのが必要だと思っています。

特に女性、高齢者を初めとして、労働時間の制約なども含めていろいろな形で、フルに就業するということと、それ以外の生活のバランスみたいなものがやはり個々人によって差があるということを踏まえた形で、どういうふうに参加していただくかというのが重要だという認識を持っていますので、そこを間違って捉えられないようにする必要があるというのはおっしゃるとおりだと思います。

 以上です。

○樋口座長 御指摘の「可能性都市」と言ったので「消滅自治体」とは言っておりませんのであれですが、創生会議でやって、あえてそれは発表したという背景は、やはり不都合な真に直視していく必要があるだろうと。何となく将来大丈夫なのだという安心感を与えるということよりは、やはり数値として客観的に捉えられるものを考えていくべきではないかという形で発表して、人口については、少なくとも20年、30年ということであれば、出生率が急に上がっても、その人たちが20歳になるまで子供を産まないでしょうから、ある程度推計でも確実なものを出すことができる。問題は、社会移動がどうなるかというところなのですが、その問題はあるにしても、需要側というのはやはり大きなリスクというか、予想違いというのは発生し得る可能性はあるかなと思いますので、そこは御指摘のように慎重にやらなければいけないだろうと。

 ただ、この問題で私がやはり一番気にしているのは、人口の高齢化とか少子高齢化というと、どうしても労働力の減少とかという形で、働く者が減るということなのですが、今度は企業が減る可能性はないのかというところなのですね。というのは、経営者の高齢化が相当に進んできている。特に地方において、名立たるところを歩いてみると、大体商工会議所でも集まる方々が70歳ぐらいの方で、彼らが言うのは「自分には後継者がいない」とか。その一方において「自分が生きている間は企業はもたせたいのだ。ただ借金をしてまで投資をして、そして近代化というか、合理化するというインセンティブは余りない」とおっしゃる方が多いのですね。

雇用主というか、経営者の年齢というのは、特に中小企業も含めて、ある程度これは公表データでなくても、民間のところでやっている調査でも出てくるようなものがありますよね。そうすると、廃業率が高まる可能性があるのではないか。あるいは、そうなるだろうと。事業承継がうまくいけばいいのですけれども、そこがというところで、玄田さんたちがやっている開業、廃業の問題とあわせて、今までの議論というのはどちらかと言うと、現在の企業の雇用の増加とか、人手不足感とかいう話だけれども、もう少し長い目で見ていくと、どうしても企業の数がどうなるのかとか、あるいは開業率がどうなってくるのか、廃業率がどうなってくるのかというところを焦点に当てて見ていかないと、需要サイドというのはなかなか予測ができない。景気の動向によってもこれだけ大きく変わるということですから、そういう情報の提供というのはあり得るし、やろうと思っているのですけれども、これも客観的な話です。

○玄田委員 いいですか。

○樋口座長 はい、どうぞ。

○玄田委員 先ほど、たまたま別の会議で、一橋の深尾さんと一緒で、またその話で、やはり廃業というか、事業撤退も含めて考えると、生産性の高い事業所が逆に海外の進出を含めて撤退をしているという問題。

それが神奈川とか東京のような比較的首都圏がそういう現象が起きているということで、これはいわゆる狭い意味での地域問題ではないのだけれども、日本全体の生産性とか雇用創出にとっては極めて大きな問題で、今、座長がおっしゃったように、海外への撤退だけではなくて、経営者自体がもう次のバトンパスをするのを断念しているというケースはやはり非常に深刻であるから、これは狭い意味で言うと、雇用政策ではないのかもしれないけれども、そこが生み出す雇用創出力ということを考えると、やはり一つのポイントは、親族ではない人に経営権をどう移譲していくかという問題で、そこは多分恐らくは従業員の中でそういう適切な経営者を昇進、昇格するという問題なので、ぜひそのあたりのことは考えていただければいいかなと思っています。

 もう一つ、先ほど大石さんに言われたこと、とても賛成で、女性の活躍がこれほど今焦点を当てられている時代では、久しぶりだなと思うのですけれども、ぜひこれは小林さんのところに関係するかもしれないけれども、やはり85年の均等法のときの成果と教訓というのはぜひ今に生かしてほしいと。今、女性の活躍に対して非常に大きな期待がある反面、やや女性がその状況に対して、多少様子見的に見えるのは、やはりある種のバーンアウトのようなことが起こってしまうのではないかと、期待という名のもとに、やはり時間的な配分というのが非常に厳しくて、仕事もそうですし、生活面でも非常にやはり疲弊してしまうのではないか。そうなってはいけないという教訓をどこから学ぶかというと、やはりいわゆる均等法世代が経験してきたことをどう次の世代生かしていくかということはとても大事だと思うので、そのあたりを、歴史から学ぶという点で、ぜひ御検討いただければいいなと思っています。

 あともう一点だけ言わせてもらうと、先ほどの高齢者に戻るのですけれども、高齢者は就業ニーズがあるというときに、それをどう実現するかというときに、やはり年金制度のことが大変気になるので、今の年金制度が少なくとも高齢者が働くときに損になっていない制度であるのかどうかということは、やはりちゃんと確認しておくべきだろうと。政治的なことがあるので、支給開始年齢とか給付の引き下げまで議論すべきだとは思いませんけれども、高齢者がより進んで働きたくなるような年金制度か社会福祉制度になっているかというのが、これは宮本さんから伺うのが一番いいのかもしれないけれども、ぜひそのあたりも含めて、福祉との関係を御議論いただければと思います。

○樋口座長 これは何かありますか。

○中井雇用政策課長 女性に関して申し上げると、女性だけではないのですけれども、働き方をどうしていくかという女性の活躍ということで言えば、働き方の見直しとか、それもセットでやっていかなければいけないという問題意識は持っていますので、そこをどう考えるかだということだと思っております。また、いろいろ御示唆いただければと思います。

 高齢者については、年金のことについては、可能な範囲で整理をさせていただければと思います。

○樋口座長 はい、どうぞ。

○鶴委員 経営者の後継の話なのですけれども、多分地方の創生の問題を考えるときに、やはり地方のほうはある種人材が動いていく、資料でも人材還流とお書きになっているのですけれども、それはかなり大きなポイントを握っていると思うのですね。地方の経営者の方、自分の周りに後継者がいないということであれば、やはりある意味では外から来るということを考えないとなかなか難しいであろうと。

多分、地方というのは、それぞれのところにおいて、ある種資源というのを持っているはずで、それは多分宝石で言えば原石みたいなもので、それをきちっと磨ける人材というのがやはり圧倒的に不足しているというのは、私は地方の一番の問題だと思うのです。やはりこの場所にいないのですよ。いなければ、やはり外から来るしかないだろう。そうすると、まさにその原石を磨いて、非常にいい形で反映するようなことを、多分アイデアを考えていただけるような方、またいろいろ結びつける人が出てくるのだろうなと考えているので、やはり地域の雇用ということを考えた場合も、そういう人がそうやって動いていって、人材がそこの地域に行くという一つのルートということもかなり重要な論点になるのではないのかなと思っています。一応感想だけ。

○樋口座長 Iターン、Uターンを含めて、労働者の地域間のマッチングの問題というのももちろんあるわけですけれども、経営者のマッチングの問題も重要なポイントで、それは今いろいろなところで検討が始まっているところだろうと、もうすぐ発表されるところでも出てくるのではないかと思います。

 どうぞ。

○山川委員 済みません、経営者のお話ではなくなってしまうかもしれないのですけれども、よろしいでしょうか。

 資料4の検討テーマで、1、2、3というものがありまして、現状認識と主な論点があって、一見して気になったのが、主な論点のところが1と2と切り離されて独自の論点になっている。先ほど、玄田さんもおっしゃったところと関連していて、1、2、3の断絶みたいな、断絶しても悪くはないとは言えるのですけれども、3の位置づけをより具体化する必要があるような気がいたします。それで、これまでの地域雇用の話になるのですけれども、現状認識のところも課題が様々出ているということで、先ほどのお話ですと、要するに需要が不足しているみたいなことで、有効求人倍率のデータが出ていましたけれども、そういう問題だけなのかどうか。

玄田さんが言われましたように需要がないという問題か、それとも情報がきちんと流通していないという問題かで、需要がないというところはまさに産業政策みたいな、工場誘致とか、産業誘致とか、そちらのほうと主に関わってくるような気がしますし、情報となると、まさに労働市場をどうスムーズに動かしていくか。ある程度は人為的な、先ほどの紹介の仕組みとか、そういうことも出てくるかもしれないという感じがするのですが、その下にある論点が、これはそのとおりではあるのですけれども、右の1、2の論点と比べるとやや抽象的で、それは多分一つ次元がずれているような感じがするのですね。もう少し主な論点というのも課題に応じて具体的な話になるのではないかと。そうすると平仄が合いそうな感じがします。

要するに、何が課題なのかということと、産業政策と労働政策、両方視野に入れて構わないと思いますが、それでは政策的な手法として何があるのかということで、左のほうと整合性のある形で主な論点が具体化されていくのかなと思います。

 以上です。

○樋口座長 何か。

○中井雇用政策課長 論点につきましては、ここでいろいろ御議論いただいた中で整理をして、次回以降もまたお示しをさせていただければと思っております。

○樋口座長 これは基本的な問題になるのかもしれないのですが、雇用政策の守備範囲というのはどこまで考えるのかという話とも関連してくるのですよね。だから安定局とか、職業能力とか、あるいは均等もありますし、そういったところでやってくる。

どちらかと言うとマッチングを中心に、あるいは雇用条件の改善という形でということだったわけだけれども、雇用をつくるというのが雇用政策ではなくて、従来は産業政策のところで入ってきた。産業が、あるいは企業が成長すれば、おのずから自然に雇用がついてくるようなところで、経産省のほうでも産業政策はやったけれども、どこまで安定した良質な雇用機会をつくり出すのかというところに関して、必ずしも十分な配慮がなされてきたのかどうかというと、それ以外のところでもどうなのでしょう。

農林水産がやったとも思えないし、総務省でもないだろうし、見渡すと、あるところでなかったと書いてしまったのだけれども、景気対策というのが一時的な雇用の問題という形で、雇用の安定とかというのはやってきたけれども、ジョブ・クリエイションという問題をやらなくても、産業が成長すれば、発展すればおのずから雇用は従属的にできてくるという扱いが多かったのかなと。だとすると、やはり雇用政策ではないのというところも気になるところで、これはちょっと大きな問題になっていく可能性があるのですが、どうですか。すぐここでは結論が出せないだろうし。

○中井雇用政策課長 我々も、これまでも産業政策と連携した雇用政策という言葉を使いつつ、そちらをにらみながらやってきたというのが、全体の話としてはございます。

 あとは、雇用創出ということで言えば、やはり不況対策的な意味合いでやってきたことがいろいろありまして、地域雇用開発促進法という法律をてこにしまして、地域における良質な雇用の創出についての助成とか、支援とか、そういうことをやりながら、近年で言いますと、地域の特性とか創意工夫を活かした形でみずから雇用機会をつくっていただくような事業に対して支援を行う仕組みも作ってきたとか、あるいは先ほどの創業ということで言えば、過去、高齢者であるとか、雇用保険の受給資格者の方であるとか、そういった方々が創業を行ったときに初期投資、あるいは雇い入れが発生したときの雇い入れ助成とか、そういったこともやってきた経緯があります。

もう一つ言えば、雇用促進税制という税制を実施させていただいておりますが、これは玄田先生がかつてジョブ・クリエイションということで分析をされたことを参考にもし、相談もさせていただきながら、やはり良質な雇用機会をどうやってつくっていくのかということ、それに対する税制面の支援ということをやってきた。そういったメニューはこれまでにもやってきたということはありますが、基本的には冒頭申し上げたとおり、やはり産業政策と連携した雇用政策ということで認識してやってきたのは事実だと考えています。

○玄田委員 ちょっと今いいですか。

○樋口座長 はい、どうぞ。

○玄田委員 きょうは一生懸命しゃべりますけれども、前回の報告書のキーワードの中で、参考資料2の中で、職業能力の見える化を推進するというキーワードがあって、とても大事なことだと思うのですけれども、今の創業の問題も含めて、地域でもそうだけれども、もう一つの仮説は、企業の見える化とか、地域の企業の見える化という点が果たして十分であるのかというのはあり得るかもしれない。

やはりその会社がどこで何をしているのかということが、どれだけ労働者に伝わっているのだろうと。今、結構比較的大都市部のハローワークというのは、そういう職業相談と求人開拓だし、企業取材というのを非常に力を入れていらっしゃいますよね。それで数字だけであらわれない企業の姿ということをうまく労働者に伝えることによって、就職とか定着というのが非常に効果があるということが事実であるとするならば、やはり今の企業の見え方が労働者にとってどうなのだろうか。特に地域が異なっているところにある場合に、それがどのくらい伝わっているのだろうかということは、先ほど山川さんもおっしゃっていたインフォメーション、情報ということも含めて、まさにこの職業安定行政の一つの本丸みたいなところだから、そういう観点から少し議論してみるという手はあるのではないかなと、今、お話を伺っていて思いました。

 雇用促進税制も、求人を20万人とりたいということで、結局半分ぐらいしか埋まらなかったというのは、そこのミスマッチの問題であって、多分ミスマッチと言っていたら何も解決しないので、本当に正しく見えているのかということをここで詰めていくという論点はいかがかなと今、議論を伺っていて思いました。

 以上です。

○山川委員 よろしいですか。

○樋口座長 はい、どうぞ。

○山川委員 私も同感で、これは既にある程度は進められていると言いますか、意識的にやられているかどうかはともかく、次世代法のくるみんマークに始まって、若者使い捨て企業と言われる問題とか、あるいは逆に若者応援企業と言われる問題とか、情報をハローワークを通じてうまく活用している。今度の女性活躍推進法案でも、そのように企業が女性の活躍を推進するために何をやっているかを公表させることによって、例えば労働市場の中で人をひきつけていくという方向で、トータルとして何か労働行政自体が既に無意識的かもしれませんけれども、そういう方向に一つ進んでいるような感じがします。

問題があるとしたら、くるみんマークの次世代法の議論のときに、本当にあれが役に立っているのかという実効性の問題があったので、それはちょっと改めて検証する、新たなことを考えるときは情報を出すことの効果があるのかということは検証する必要があるかもしれませんけれども、今申し上げた意味では一つの流れにはなっているのかなという気はします。

 以上です。

○中井雇用政策課長 山川先生がおっしゃったような意識的、無意識的という話がありますけれども、明らかに我々としてはよい企業の情報をしっかり求職者に提供して、先ほどのミスマッチという中身まで入らなければいけないという御指摘もございましたけれども、そういうことを進めていきたいという問題意識は持っていることは間違いないと思います。それが各分野において、前例も見ながら、ある意味、類似的な手法になっている部分もありますけれども、そう進めてきたのはそういう問題意識だろうと考えています。

そういった中で、情報提供というのは非常に重要だという話も先ほどから先生方からいただきましたけれども、そこが我々の悩みでもありまして、情報がなかなか伝えたい人に伝わっていかない。情報があふれているということもあるのだとは思うのですけれども、そういった部分について、いかに必要な情報を伝えたい対象の方々にお伝えをするかということも含めて、問題意識を持って考えていきたいと思っているところでございます。

○樋口座長 公的統計を使うとなかなか企業名を使った発表というのはできないので、匿名化ということになってしまうので難しいとは思うのですけれども、片方で、帝国データバンクだとかいう民間が出しているビッグデータを地域別に活用できるように、そこに例えばくるみんマークをとっているところとかいうような、あるいはどこか次世代法でもいいですけれども、それをワンストップでクリック一つすると、情報が全部出てくるようなサイトをつくろうという話も一部にはあるようですので、そういったものとうまく活用できると、連動するといいかなということだと思いますね。ただ、間違った情報を流すと大変なことになりますから、ここは非常に慎重にやっていかなければいけないことだろうと思います。

 ほかにどうでしょう。

 堀さん、どうぞ。

○堀委員 JILPTの堀有喜衣です。どうぞよろしくお願いいたします。

 私からは、2点申し上げたいと思います。

 まず第1点目としまして、元若者と言いますか、現在30代後半から40代前半にかかっている、いわゆる元就職氷河期世代の人々に対してのデータが今回余りなくて、34歳までの方のデータが若者では中心になっておるのですけれども、やはりこの世代の人たちの課題というのは、年を重ねても残ってしまっているところがあるので、ぜひここのあたりにつきましても御検討いただければと思います。

 第2点目としまして、今回地域雇用ということで、若者の議論になると思うのですけれども、この若者の移動につきましては、マクロ的な議論というのはかなり多くなされているように思われるのですが、実際にその移動主体として見た場合に、誰がどんな移動をしているのかという非常にミクロなレベルのデータというのはまだ十分に整理されていないように思われますので、ぜひ整理していただくと、地域雇用の議論に役立つのではないかと期待しております。

 以上です。

○樋口座長 何かありますか。

○中井雇用政策課長 御指摘の点について、これも可能な限りデータを整理して、また議論の参考にさせていただければと思います。

○樋口座長 はい、どうぞ。

○鶴委員 これまで出ていないポイントなのですけれども、この論点の中で、労働者の処遇改善というところで、先ほどちょっと御説明がありました不本意の非正規雇用の方々がいると。その方々を、多分この主な論点というところで、正社員の雇用の促進ということなので、正社員に転換化していくということが一つ、この検討テーマの中で大きなポイントになっていると思うのですね。

 今年春から夏ぐらいにかけて、結構新聞などでも話題になったのは、大企業を含めてかなり大きな割合で非正社員の方を正社員に転換するという動きがかなり出てきたということで、先ほどの人手不足の話から言うと、それはかなり人手不足が進んだので、やはり非正規というよりは正社員としてやらないといい人が確保できないと。そういう流れがかなりしっかり出てきたと私も捉えてはいるのですけれども、そうしたときに、実はどれぐらいの人たちが、ある意味では転換していく状況にあるのかということが、これまで余り統計としてきちっと把握されていないのですね。その時々にいろいろな調査があったり、単発的にということはあるのですけれども、景気の動きももちろんあるのですけれども、例の有期雇用の5年の話があって、そのタイムリミットのところに行くに従って、まさにどういう動きが出てくるのかというのは相当綿密に見ていかないと、政策をやっていく中では、私は本当に大事な話だと思っているのですね。

そうしたときに、時系列的にそういうものがどういう動きになっているのかということをやはり把握をしていく、定期的に調査をやるとかいうことをやらないと、現状、足元で何が起こっているのかというのは非常にわからない。これが今、深刻な状況だなと思っています。

 それで、実は事務局のほうから、資料6の21ページに、不本意の非正規雇用労働者の推移ということで、ここは不本意の非正規雇用労働者がどうなっているか、まだ統計をとり始めたので、やっと前年同期比ということになると、ことしの1〜3月からしかないわけで比較ができないと。それを見ると、少し減っていますねということなので、多分転換によってそういう方々が減ってきている、この統計を四半期ごとずっと見ていくと、今、私が申し上げたようなものを若干これで掴むことはできるかもしれないなと、そういう感じでお話を聞いていたのですが、いずれにしても、そこをちょっと厚労省さん自体としてかなり包括的に把握をしていくということ、この研究会の検討も含めて、ぜひお願いをしたいなと思います。

 以上です。

○樋口座長 これはやっているのではないでしたっけ。非正規から正規への転換とか、あるいは逆に正規だった人が非正規になった、そのフローの分析というのは。

○中井雇用政策課長 フローの分析については、労働力調査の中でも一部分析が出ているはずで、報道でもいろいろ出ていたかと思います。そこのデータもちょっと見てみたいと思います。

○樋口座長 厚労省から直近の数字を、誰か私のところに送ってくれたよ。かなり非正規化の転換が進んできているという。

○勝田職業安定局次長 労働力調査ですか。

○樋口座長 はい、労働局調査に基づいた。

○中井雇用政策課長 多分、我々がお送りしたのは、今の21ページを追加で入れさせていただいた話なので、確認をします。いずれにしても、この場で次回以降そういったデータもそろえられるものはそろえてお示しできればと思います。

○樋口座長 わかりました。

 はい、山川さん。

○山川委員 JILPTの意向調査では、たしか、それなりに正社員化というか、無期化するという答えはかなり出ていたと思いますけれども、現実にどうなったかについては、やはりこのベースしか今のところないのかもしれませんので、そこはぜひやはり労働契約法の施行後の見当云々とかいう話もありましたので、その中でデータがあれば大変結構だと思います。

○樋口座長 そうですね。

 はい、どうぞ。

○玄田委員 ちょっと掘さんのおっしゃったことに勇気づけられて、私も就職氷河期世代のことは、ぜひ今の喫緊の問題として扱っていただきたいと。

 ニート、フリーターに関する統計が出ていましたけれども、先ほど議論があったように、労働力調査を見ると、男性の35歳〜44歳層の非労働力は物すごくふえている。今は25歳〜34歳の男性非労働力よりも多いぐらいだから、かなりニートは若年問題だけではなくて、文字どおり中高年の問題にかなりなっている。

そうなると、要介護家庭への最大の問題は、ニート状態にある子供のことが心配でというのはとても今多くなっているのですよ。今それに対して、やっと社協などもかなり本腰を入れ始めてきているので、地域の中で、例えば若者がいないというところの、秋田県の藤里ですけれども、そこはいわゆる引きこもり状態の子が山間部に取り残されて、高齢者の買い物の送り迎え、まさに中間的就労を実現しているので、今の就職氷河期世代の問題、特に中年ニートの問題と実際若者がいない地域における若者の活躍口、習慣就労、全部かかわってくるので、そういう面からも、この1、2、3と、決して矛盾しないというか、とても大事な隠れた論点だから、ぜひ御検討いただきたい。

特に、これから若年の雇用の法制化という問題が出てくるでしょうから、若年というのは誰を見ていくのか。多分高齢社会に応じて、若年の概念というのは柔軟に変わっていかなければいけないものだと思うので、そう考えていくと、これから考えていく若年というのはどの程度なのかということを、中年と若年との関係も含めて、ぜひ一度整理していただければなと思います。

○樋口座長 総じて出てきた論点というか、今後お願いしたい点として、景気変動であるとか、あるいは法律の改正と関連して、もちろん求人がどう変わっているかとか、失業率がどう変わっているかという話と同時に、一つは労働時間、残業時間の動向、あるいは賃金とか給与の動向、それと並んで、開廃業の話ということも重要ですねということで、そこら辺をデータを整理していただきたい。

 もう一つは、今回は出てこなかったのですが、就業率ですね。前回の雇用政策研究会とかで失業と並んで、失業にもならない就業とか非労働力化の問題を含めて、就業率がどういう推移をしてきているのかというのがかなり重要な政策ターゲットになるということで、全員参加型の一つのメルクマールとしてそれが出てきたので、そこが例えば年齢別、性別に見たらどうなるかというところをちょっと整理していただけますか。

 高齢者の話も出てきていて、60代前半の就業率がかなり改善しているのと同時に、ちょっとやはり気になるのは、雇用政策のターゲットが65歳まででいいのかという話ですね。これは事務局とは全然相談していないので、今はそうなっていますよね。雇用保険に入れるのも65歳だし、給付も65歳になると、今も一括ですか。

○坂口職業安定局派遣・有期労働対策部長 一時金です。

○樋口座長 一時金という形ということで、それ以降については、雇用保険にも入れない。

○坂口職業安定局派遣・有期労働対策部長 適用にはならない。

○生田職業安定局長 新しく入れなくて、従来から引き続き働いている人は、引き続き入っているのですけれども、やめたときは一時金になってしまう。新しくは入れないので。

○樋口座長 というところも含めて、高齢者の就業をどうするかという話のときに、高齢者というのはどこまで考えるかという話だよね。

○玄田委員 そういう面では、制度の問題もそうだけれども、生産年齢人口というものの定義をそろそろ見直す時期に来ていると思うのだけれども、それはどこのレベルでできるのですか。座長が変えるべきだと言えば変わるのですか。これは政府見解ですよね。定義の変更をしていかなければいけないけれども、もう64歳までで切るというのは、やや時代からかなり逸脱している気がするので、少なくとも69歳ぐらいまで上げていくことは、研究会提案とかも含めて動かれたらどうですかね。

○樋口座長 今の御指摘と関連するのは、労働可能年齢というのは64歳までと国連ではしているわけでしょう。

○玄田委員 生涯現役と矛盾していますけれども。

○樋口座長 ということで、前に私がここで、高年齢者雇用安定法の年齢は、高年齢者とはいつかというのは入るのですよねという話をしたことがあって、もちろん私も入っていないよねということが議論になるぐらいで、統計上もどうするかというのと、行政としてもまさにそこのところを考えていく時代になっているのかなという気がしますね

○宮本委員 これまであった議論に関連して、もしデータが準備できるようであれば、補足的にお願いしたいことが2つくらいございまして、1つは、先ほどこれも玄田さんからお話があったことでもありますけれども、在職老齢年金制度と就業率との関係で、今、多分自己所得と年金の合計が28万円くらい超えると年金給付の減額が始まるということで、厚生年金は大体16万円ぐらいもらっている場合が多いので、ちょっと稼ぐと減額が始まってしまうのかなと思うのですね。この制度と就業率の何かの対応関係がわかるようなデータ、なかなか難しいとは思いますけれども、もしあるようであれば御検討いただけないかというのが一つです。

 同時に、やはり地域の高齢者雇用を見ていると、シルバー人材センターの業務の中身というのは、御存じのように緑化事業とか比較的単純な労働で、豊中市で新シルバー人材センターと言ってかなり高度な業務を提供する試みを始めたところ、随分ここに中間層が加わるようになってきて、大きく変わったという経験もあるようです。だから、そのゾーンをどう動員していくかということが結構大事になってきていると思いますので、そこが今度のこの研究会のターゲットとして考えてもいいのかなと思います。

 それから、先ほども議論のあった不本意非正規層で、これはぜひ男女別のデータをもしあればお示しいただけると非常に大事なのかなと思います。いわゆる800万ぐらいになる主婦パートの動向などを含めて、男女別の統計がわかれば参考になるのかなと。

 以上、2点でございます。

○大石委員 よろしいですか。

○樋口座長 はい、どうぞ。

○大石委員 今、宮本先生がおっしゃったことに追加なのですが、そろそろフリーターの定義におけるジェンダー・アンイコールなところを見直す時期ではないかと。女性は結婚すれば政策ターゲットから外れるというやり方でいいのだろうかと、いつも疑問に思っております。今、宮本先生がおっしゃったことについても、例えば女性の既婚者とか、離婚者とかも入れてみたらまた違う姿が見えてくるかもしれないので、21世紀に入ったことですし、そろそろ考え直してもいいのではないかと思います。

○樋口座長 シルバー人材センターについて、私の記憶違いでなければ、たしか特区で時間制限を20時間を外して40時間にするという話が出ていますよね。あれはこれからの話ですよね。

○生田職業安定局長 国家戦略特区法で特例をつくるということになりまして、シルバーは基本的には20時間以下の人たちが対象なのですけれども、それは一応民業圧迫になるのだという話があって、余りシルバーが出しゃばるとよくないというのがあるのですが、その特区で対応する地域については、そういう心配はないのだという整理がされて、一応法律の中にその特例を書くということになりました。

 特例の中身は、請負的な仕事をするというよりは、派遣で働くようなケースを想定して、20時間から40時間の人たちが入ってくるということで、雇用保険の適用対象にもなってしまうのですけれども、そういう形で対応していくというものでございます。これからです。これから法律を出すのです。

○樋口座長 その動きはまだ見られないかもしれないけれども、そういう議論もあるということです。

ほかにどうですか。よろしいですか。

盛りだくさんの宿題が出ましたが、全部できないかもしれませんけれども、できる限りの情報提供をお願いしたいと思います。

 もしよろしければ、第1回の研究会はここまでとしたいと思いますが、事務局からお願いします。

○黒田雇用政策課長補佐 次回の日程等でございます。

 次回、第2回「雇用政策研究会」は、1111日火曜日14時から開催する予定です。場所等について、後日改めて御案内を送らせていただきますが、引き続きよろしくお願いいたします。

○樋口座長 では、本日は以上で終了します。

 どうもありがとうございました。


(了)

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