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2014年5月26日 薬事・食品衛生審議会 医薬品第二部会 議事録

○日時

平成26年5月26日(月)17:00〜


○場所

厚生労働省専用第23会議室


○出席者

出席委員(17名) 五十音順

○新 井 洋 由、 庵 原 俊 昭、 奥 田 真 弘、 川 崎 ナ ナ、
  菊 池    嘉、 清 田     浩、 佐 藤 俊 哉、 関 水 和 久、
  田 島 優 子、 田 村 友 秀、 豊 見 雅 文、 中 島 恵 美、
  濱 口    功、 半 田    誠、 福 山    哲、 前 崎 繁 文、
◎吉 田 茂 昭
(注)◎部会長 ○部会長代理

欠席委員 (3名)

大槻 マミ太郎、 鈴 木 邦 彦、 増 井   徹、 山 本 一 彦

行政機関出席者

今別府 敏 雄 (医薬食品局長)
成 田  昌 稔 (大臣官房審議官)
佐 藤  岳 幸 (審査管理課長)
矢 守  隆 夫 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構審査センター長)
梅 澤  明 弘 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構副審査センター長)
山 本  弘 史 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構安全管理監)
山 田  雅 信 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構審議役)
中 野    惠 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構審議役)

○議事

○審査管理課長 定刻になりましたので、ただ今より「薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会」を始めたいと思います。本日は大槻委員、増井委員、山本委員より御欠席との連絡をいただいています。また、鈴木委員は少し遅れていらっしゃるようです。現在のところ、当部会委員数21名のうち、17名の先生方の御出席をいただいておりますので、定足数に達しておりますことを御報告致します。吉田部会長、以降の進行をよろしくお願い致します。

○吉田部会長 早速、本日の審議に入りたいと思います。まず、事務局より資料の確認と審議事項に関する競合品目・競合企業リストについての御報告をお願いします。

○事務局 資料の確認をさせていただきます。本日、席上に議事次第、座席表、当部会委員の名簿を配布しております。また、議事次第に記載されております資料1〜20をあらかじめお送りしております。

 この他資料21、審議品目の薬事分科会における取扱い等の案、資料22、専門委員リスト、資料23、競合品目・競合企業リスト、資料24、佐藤委員からの御質問を配布しております。

 続きまして、本日の審議事項に関する競合品目・競合企業リストについて、各品目の競合品目選定理由を御説明致します。資料23の1ページを御覧ください。メナクトラ筋注ですが、本品目は侵襲性髄膜炎菌感染症の予防を予定効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤はないことから競合品目は無しとしております。

 2ページを御覧ください。アネメトロ点滴静注液500mgですが、本品目は各種嫌気性菌感染症、感染性腸炎、アメーバ赤痢を予定効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤として資料に掲げる品目を競合品目として選定しています。

 4ページを御覧ください。ネクサバール錠200mgですが、本品目は甲状腺癌を予定効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤として資料に掲げる品目を競合品目として選定しております。

 5ページを御覧ください。ジャカビ錠5mgですが、本品目は骨髄線維症を予定効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤はないことから競合品目は無しとしています。

 6ページを御覧ください。アレセンサカプセル20mg、同カプセル40mgですが、本品目はALK融合遺伝子陽性の非小細胞肺癌を予定効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤として資料に掲げる品目を競合品目として選定しております。

 7ページを御覧ください。バイクロット配合静注用ですが、本品目は血液凝固第VIII因子又は第IX因子に対するインヒビターを保有する患者の出血抑制を予定効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤として資料に掲げる品目を競合品目として選定しています。

 8ページを御覧ください。ラパリムス錠1mgですが、本品目はリンパ脈管筋腫症を予定効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤はないことから競合品目は無しとしています。

 9ページを御覧ください。ポマリドミドですが、本品目は多発性骨髄腫を予定効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤として資料に掲げる品目を競合品目として選定しております。

10ページを御覧ください。エリブリンメシル酸塩ですが、本品目は悪性軟部腫瘍を予定効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤として資料に掲げる品目を競合品目として選定しております。

11ページを御覧ください。ibrutinibですが、本品目は慢性リンパ性白血病、小リンパ球性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫を予定効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤として資料に掲げる品目を競合品目として選定しております。

12ページを御覧ください。icatibantですが、本品目は遺伝性血管性浮腫の急性発作を予定効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤として資料に掲げる品目を競合品目として選定しています。

13ページを御覧ください。トシリズマブ(遺伝子組換え)ですが、本品目は大型血管炎を予定効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤はないことから競合品目は無しとしております。

14ページを御覧ください。インフリキシマブBS点滴静注用100mgですが、本品目は関節リウマチ、クローン病、潰瘍性大腸炎を予定効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤として資料に掲げる品目を競合品目として選定しております。以上となります。

○吉田部会長 今の事務局からの説明に特段の御意見等はございますか。ないようですので、本部会の審議事項に関する競合品目・競合企業リストについては皆様の御了解を得たものと致します。それでは、委員からの申出状況についての報告をお願いします。

○事務局 各委員からの申出状況については次のとおりです。議題1のメナクトラ筋注及び議題13の生物学的製剤基準の一部改正の本剤に関する部分ですが、退室委員無し、議決には参加しない委員無し。議題2、アネメトロ点滴静注、退室委員は関水委員、議決には参加しない委員は庵原委員、清田委員、田村委員、前崎委員。議題3、ネクサバール錠、退室委員無し、議決には参加しない委員は田村委員。議題4、ジャカビ錠、退室委員無し、議決には参加しない委員無し。議題5、アレセンサカプセル、退室委員は田村委員、議決には参加しない委員は庵原委員、清田委員、前崎委員。議題6、バイクロット配合静注用及び議題13の生物学的製剤基準の一部改正の本剤に関する部分ですが、退室委員無し、議決には参加しない委員無し。議題7、ラパリムス錠、退室委員無し、議決には参加しない委員無し。議題8、ポマリドミド、退室委員無し、議決には参加しない委員は庵原委員、清田委員。議題9、エリブリンメシル酸塩、退室委員は関水委員、議決には参加しない委員は庵原委員、清田委員。議題10ibrutinib、退室委員無し、議決には参加しない委員は庵原委員、清田委員。議題11icatibant、退室委員無し、議決には参加しない委員無し。議題12、トシリズマブ(遺伝子組換え)、退室委員無し、議決には参加しない委員は田村委員。議題14、インフリキシマブBS点滴静注、退室委員無し、議決には参加しない委員は庵原委員、清田委員、前崎委員。以上となります。

○吉田部会長 今の事務局からの説明に御意見等はございますか。ないようですので、ただ今の説明につきましては皆様に御確認いただいたものとし、議題に入りたいと思います。本日は審議事項が14議題、報告事項6議題、計20議題となっています。審議の進め方ですが、各委員からの申出状況を踏まえ議題2の次に議題9を審議し、他は議題順で進めたいと思います。よろしくお願いします。

 それでは、審議事項1及び議題13の本品目に関する部分について機構からの概要説明をお願いします。

○機構 議題1、資料1、メナクトラ筋注の製造販売承認の可否等について機構より御説明致します。

 本剤は髄膜炎菌による侵襲性感染症の予防を目的とするワクチンであり、血清型A、C、Y及びW-135の髄膜炎菌の莢膜多糖体にキャリア蛋白質としてジフテリアトキソイドを結合したものを有効成分としています。本剤は2005年1月に米国で承認されて以来、2013年9月時点において、48の国と地域で承認を取得しています。

 本剤は「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」において医療上の必要性が高いと評価され、厚生労働省から開発要請がなされた品目です。本剤の専門協議に御参加いただいた専門委員は、資料番号22にお示しした8名の委員です。

 審査の概略について、臨床試験成績を中心に御説明致します。有効性について、審査報告書18ページの表4-2を御覧ください。補体介在性血清殺菌抗体活性を抗体価として、侵襲性髄膜炎菌感染症の発症予防が期待できる血清抗体価の閾値としては、抗体価が128倍以上であることがよく用いられています。本剤の臨床試験においても、主要評価項目として、抗体価が128倍以上となった被験者の割合である抗体保有率が用いられました。

 国内第III相臨床試験において、2〜55歳の男女を対象に本剤を単回接種した結果、各血清型に対する抗体保有率は80.893.9%でした。以上から、本剤の有効性は期待できるものと判断しました。

 安全性について、審査報告書30ページの表4-18及び31ページの表4-19を御覧ください。注射部位反応のプロファイルは国内外の臨床試験で異なる傾向が認められたものの、重度の注射部位反応の発現割合は国内外で大きな違いはなく、また全例で回復が認められました。国内臨床試験において38.5℃以上の発熱の発現はなく、臨床上問題となる有害事象の発現も認められませんでした。以上から、本剤は忍容可能であると判断しました。

 以上の審査の結果、4種類の血清型の髄膜炎菌に対する侵襲性感染症の予防を効能・効果として、本剤を承認して差し支えないと判断しました。本剤は新有効成分含有医薬品であることから、再審査期間は8年、原体及び製剤はいずれも劇薬に該当し、生物由来製品に該当すると判断しました。なお、薬事分科会には報告を予定しております。

 また、本剤の承認に伴い、議題13の生物学的製剤基準の一部改正において、資料13にお示しした基準を生物学的製剤基準に追加することを予定しています。併せて御審議くださいますようお願い致します。

 続きまして、部会委員から事前にいただいた御質問に回答致します。庵原委員から、本剤とジフテリアトキソイドを含むワクチンを同時接種した場合における、ジフテリアトキソイドに対する抗体価の上昇及び安全性への影響について御質問をいただいております。米国の臨床試験において、本剤とジフテリア破傷風混合ワクチンを同時接種したところ、委員御指摘のとおり、それぞれを単独で接種した場合と比較してジフテリアトキソイドに対する抗体価の上昇が認められました。なお、安全性については注射部位反応、全身反応ともに同時接種による影響は認められないとの結果が得られております。

 また、佐藤委員から、審査報告書の記載について事前に御指摘をいただいており、適切に修正させていただきます。

 以上、御審議のほど、よろしくお願い申し上げます。

○吉田部会長 委員の先生方からの御質問、御意見をお願いします。庵原先生、いかがでしょうか。

○庵原委員 問題はないと思います。ジフテリアトキソイドは以前から副反応が多いことで話題になっているのですが、このごろ精製の度合いが良くなったのか、副反応が大分減っているようですので問題ないと思います。

○吉田部会長 ありがとうございました。佐藤先生、よろしいですか。

○佐藤委員 結構です。

○吉田部会長 それでは他の委員の先生方、御質問、御意見をお願いします。基本的には渡航者を対象とするような使い方になると思うのですが、未承認薬検討会の要望もあるということ、それから既に48の国と地域で承認を取得しているということもありますので特段御意見がなければ。奥田委員どうぞ。

○奥田委員 質問なのですが、粒子状の物質が見つかったことが途中で書かれています。企業に対してはそれを目視確認しなさいという指示をされていると書いてあります。この添付文書上の注意書きのところが、「適用上の注意」ではなくて「取扱上の注意」というところに書かれているのですが、これは恐らくここに書かざるを得ないのかとは思ったのですが、これを誰が確認するかによって、接種する時に確認するのであれば「接種時の注意」にあった方が分かりやすいのではないかというのが一つの意見です。

 もう一つ、「取扱上の注意」に書かれている文面に混入がないことを確認することというのが書かれている。どういう方法でというのは、普通は目視だと思うのですが、企業には目視と書いていてこちらには目視と書いていないので、「目視で確認」と書いておいた方がいいのかと思いました。

○吉田部会長 いかがですか。

○機構 記載については、企業と調整して検討させていただきたいと思います。

○吉田部会長 注意する時にどうやって、という方法が書いていなかったら、何を注意していいか分からないではないかというもっともな御指摘だと思うのですが。

○機構 実は、これにつきましてはメーカーの方で資材も作らせておりまして、どのように確認するかなどについては別途、情報提供資材を作るということで合意をしています。

○吉田部会長 何か「使用上の注意」に書くことが良くない理由はあるのですか。

○機構 通知上の取扱いを確認した上で、適切な記載を検討させていただきたいと思います。

○吉田部会長 変えないということですか。

○ワクチン等審査部長 先生の御指摘の趣旨はよく分かりましたので、それを踏まえて調整させていただきます。

○吉田部会長 修正に入るということでよろしいですか。

○ワクチン等審査部長 はい。

○吉田部会長 他にございますか。

○前崎委員 以前、ソリリスの専門協議に出た時は、日本ではまだこのワクチンは未承認でしたが、承認された時はソリリスの方も添付文書は何か変わるのでしょうか。

○事務局 安全対策課です、課長が不在ですので補佐の清原が回答致します。先生がおっしゃったように、ソリリスの方も本剤の発売に合わせて何かしらそれらが反映できるような形で考えていきたいと思っております。

○吉田部会長 よろしいですか、他にございますか。

○関水委員 抗体価の評価ですが、補体依存の殺菌抗体で128倍が仕様になっています。文献的な根拠はあるのですか。

○機構 以前はヒトの補体を使っていて、今はウサギの補体を使うというように測定方法が変遷しているのですが、ヒトの補体で4倍以上のところと発症予防効果が関連しているという文献的な報告があり、その4倍と128倍以上で相関しているという報告もあります。

○関水委員 どの論文かというのは、すぐ出るのですか。

○機構 審査報告の中に書いてございます。審査報告の25ページを御覧いただきますと、3行目辺りにある「The Journal of Experimental Medicine」の論文がまずIMDの発症予防と4倍以上の相関の話です。また、WHOのTRSなどで4倍と128倍の関係なども検討されております。

○関水委員 分かりました。

○吉田部会長 他にございますか。

○菊池委員 有効性についてですが、小児と青年ぐらいまでの例が非常に少ないと思います。市販後に安全計画みたいなものがたくさん出ていて良いとは思うのですが、そちらの効果の判定のようなものは何か追試されるのですか。

○機構 日本では小児については計画されておりません。ただし、海外のデータ等で小児における抗体価や安全性については確認されております。

○菊池委員 日本人では2人と4人ぐらいしかやっていないので、このままでよろしいでしょうかという気持ちなのですが。

○機構 やはり、本剤の接種対象を考えると、まず基本的に髄膜炎菌感染症というのが日本にほぼないというところで、トラベラーズ・ワクチン的な使用方法になるかと思います。ですから、メインのターゲットとしては髄膜炎菌ベルトなどのところに出張される方、また米国の大学で寮生活をされる方などは米国では接種が推奨されていますので、例えば米国に留学される方など、小児がターゲットになっているようなワクチンではないと考えております。

○菊池委員 私のところに渡航者の人が来た時、家族で連れていく時にこういう方を一緒にという話があるので、多分いろいろな事が出てくるかと思いました。

○吉田部会長 製販後の調査の時のやり方を少しお話したらいいのではないですか。

○機構 小児に対する有効性・安全性の話で御質問をいただいていますけれども、先ほどから御説明致しましたとおり渡航者用がメインで使われるものと考えておりますので、安全性・有効性も含めて、製造販売後の調査の中で通常言われているような何例という調査のデータを集めるというのは難しいのではないかと考えております。また、海外でも十分使用経験のあるワクチンですので、今回、製造販売後調査としては特に集積調査のような形で実施する予定はしておりません。安全性監視の中で特に重篤な副作用があれば報告していただくという、通常の監視活動として調査を予定しております。ですので、特に小児の有効性についてこれから確認するという調査は予定しておりませんが、安全性については少なくとも重篤なものがあれば報告していただくことを予定しております。

○吉田部会長 安全性の情報については国際的にプールするわけでしょう。結局、日本人が渡航する機会がないと接種しないので、日本でないにしても他のところのデータを参考にしながら、市販後調査の中にもそれを反映していくということだと思います。よろしいでしょうか、他にございますか。

○関水委員 抗体を接種しなかった時、何パーセントぐらいが128分の1になるのですか。

○機構 接種前のデータにつきましては、審査報告書の29ページにデータがございます。接種前に128倍未満の抗体保有率の日本人の割合は、血清型Aで50%、Cで80%、Yで40%、Wで71%となっております。

○関水委員 そうすると、接種するか・しないかで余り効果がなさそうですね。抗体値をチェックしてから接種するというのが合理的だと思いますが、どうでしょうか。

○機構 いいえ、基本的にはこのワクチンが必要な方には全員接種するというところでやっております。接種すれば、90%以上抗体保有率を持つことになりますのでワクチンの効果はあると考えております。

○関水委員 効果が全くないとは申しませんが、この抗体に関してはかなりバックグラウンドが高いと考えられます。接種する前に、あなたには打つ必要がない確率がかなり高いということを消費者に通達するのですか。

○機構 補足で説明させていただきます。感染予防という観点では、血清抗体価が128倍以上というのが一つの目安になっています。ただ、先ほどから渡航者用というお話を何回か御説明しておりますが、渡航先の国、あるいは渡航先の所属先によってこのワクチンの接種が要求されていることが実態としてあると思いますので、特に血清抗体価で接種の必要有る・無しというものではないと考えております。ですから、使用される状況の中で接種していただくものと考えております。

○関水委員 そうすると抗体価とは関係なく、必ず接種しなければいけないということになるのですか。

○機構 渡航先によってはそういうことが求められているものと考えております。

○関水委員 それは余り科学的な議論ではないと思います。とにかく「これを接種しなさい」という指示になるのですか。

○機構 それは各国の要求事項なり施設の要求事項であると思いますので、当方からお答えできる御質問ではないと思います。

○吉田部会長 渡航者の予防接種は行政ですので、何処どこの国に行くので、こういうものが流行っているところにあれば、危険ですからワクチンを接種することになっています。ワクチンを接種する時、例えば何とかのワクチンに関して全部抗体価を調べてからやるかやらないかを決めるという形には今なっていないですね。ですから、どこの国でも一応そのような危険な区域に行く時はワクチンを接種してくださいということになっている。先生のおっしゃるように多少余計なことをやっている可能性はあるかもしれないけれども、一応世界中のルールということで御理解いただければと思います。年間でどれぐらい出そうなのですか。

○機構 今、個人輸入で大体年間6,000例程度使っているということです。

○吉田部会長 年間、使うだろうと。

○機構 はい、1万から2万ぐらいではないかというのがメーカーの推定です。

○吉田部会長 ということは、数年間たてばかなりのデータが集まる。2回目、免疫を受けた人が有害事象などのことに関して言えば分かるということですね。

○機構 報告されたものは集まってくると思います。

○吉田部会長 つかまえればいいわけです。そういう状況だそうです、よろしいですか。御質問もないようですので議決に入りたいと思います。本議題について承認を可としてよろしいでしょうか。

 御異議がないようですので承認可とし、併せて生物学的製剤基準の一部を改正することとして、薬事分科会に報告とさせていただきます。

 議題2に移ります。関水委員におかれましては利益相反に関する申出に基づき、議題2及び議題9の審議の間、別室で御待機いただくことと致します。

                               ( 関水委員退室)

○吉田部会長 それでは、議題2についての概要説明をお願いします。

○機構 議題2、資料2、医薬品アネメトロ点滴静注液500mgの製造販売承認の可否等について、機構より御説明いたします。

 本剤の有効成分であるメトロニダゾールは、偏性嫌気性菌又は原虫に対する活性を示すことから、国内外のガイドライン及び成書において、嫌気性菌による感染症及びアメーバ赤痢に対する治療薬として推奨されています。本邦では、メトロニダゾールの経口剤及び膣錠が市販されているものの、内服困難となった重症患者向けの注射剤について日本感染症学会等から要望があり、平成22年の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」において、嫌気性菌による感染症及びアメーバ赤痢に対する注射剤での治療は、医療上の必要性が高いと評価されたことを踏まえ、申請者によって腹腔内感染症及び骨盤内炎症性疾患(以下、「PID」)を対象とした国内臨床試験が実施され、今般、製造販売承認申請が行われました。なお、平成26年3月時点で、本剤は海外30か国以上で承認されています。本申請の専門委員としては、資料22に記載されている4名の委員を指名しました。

 審査内容について、臨床試験成績を中心に説明いたします。審査報告書29ページの表13及び表14を御覧ください。国内第III相試験における腹腔内感染症及びPIDの感染症診断名別の有効性を示したものですが、本剤投与後の治癒判定時における有効率は、腹腔内感染症で100%、PIDで90%であり、海外臨床試験と同様の有効性が認められています。また、同じく審査報告書29ページの表15を御覧ください。国内第III相試験における感染症診断名別の細菌学的効果を示したものですが、腹腔内感染症及びPIDともに100%でした。さらに、絶対的バイオアベイラビリティが約100%であるメトロニダゾールの経口剤は、嫌気性菌による感染症に対して国内外で承認されていること、国内外のガイドライン及び成書において、本剤が標準的な治療薬として推奨されていることなども踏まえ、嫌気性菌による種々の感染症に対する本剤の一定の有効性は期待できると判断いたしました。

 安全性について、審査報告書27ページの表11を御覧ください。国内第III相試験において、下痢など消化器系に関する副作用が認められましたが、これらは対象疾患である腹腔内感染症及びPIDに関連する症状として認められるものであり、治験薬と関連する有害事象には重篤なものが認められていないことから、安全性上の大きな懸念はなく、本剤は忍容可能と判断いたしました。

 一方で、海外製造販売後に報告された脳症は、海外の最新のPSURにおいて、本剤に関連して報告された全有害事象に占める割合が累積データと比べ増加しており、予後に影響する可能性があることから、添付文書にて注意喚起するとともに、本剤投与症例を対象に実施される製造販売後調査において、情報収集する必要があると判断いたしました。

 以上の審査を踏まえ、本剤を承認して差し支えないとの結論に達し、本医薬品第二部会で御審議いただくことが適当と判断いたしました。本剤は、新投与経路医薬品であることから、再審査期間は6年、原体及び製剤は、いずれも毒薬、劇薬、生物由来製品及び特定生物由来製品のいずれにも該当しないと判断しております。なお、薬事分科会には報告を予定しております。以上、よろしく御審議のほどお願いいたします。

○吉田部会長 本薬は経口剤としても50年以上の歴史のある抗生物質で、未承認薬検討会から静注の製剤を製造してほしいという要望があり、この度、ファイザーがこれを製造することになった経緯だそうです。委員の先生からの御質問をお願いいたします。

○前崎委員 実際には、好気性菌に対して、抗菌活性を有する抗菌薬と併用することが多いと思うので、そのことが使用上の注意にも書いてあるのですが、ただしCDの感染症では、抗菌薬の中止が原則であり、単独投与になると考えられます。使用上の注意を読むと、混合感染と判断されたときと書いてあるのでおそらくCD感染症に併用するようなことはないとは思うのですが、もう少し偽膜性大腸炎を除くとか、何かそのようなことで注意書きをしていただいた方が、CD感染症のときに誤って併用するようなことがなくなると思いますが、いかがでしょうか。

○機構 御指摘ありがとうございます。いただいた御指摘を踏まえて、対応する方向で企業と検討させていただきたいと思います。

○前崎委員 ありがとうございます。もう1点ですが、骨盤内感染症(PID)は、妊娠との関係が懸念されます。一応、禁忌では3か月以内の妊婦は有益性が危険性を上回るときにと書いてあるのですが、具体的なデータがあれば、示していただいた方が、臨床側としても有益性の判断ができると考えますが、添付文書の中には特にそのデータはないのですが、妊婦に対する安全性は、どのように判断されているのでしょうか。

○機構 十分なデータではないのですが、非臨床試験においては、毒性試験で妊娠動物に対しての影響は高用量投与までないという情報はあります。ヒトにおけるデータは海外の添付文書を見ても、余り十分なデータが得られていないというような注意喚起がされていると理解しております。

○前崎委員 そうすると、最終的には現場で判断し、妊娠よりも命の方が大事だというときには使うことになるのですか。

○機構 はい。そのような判断になると理解しております。

○前崎委員 分かりました。

○吉田部会長 例えば、乳汁とか、臍帯動脈への移行は確認されているというようなことを、きちんと使用上の注意に分かるように書くようにし、だけれども催奇形性があるとか何とかということは証明されていないけれども、そのリスクはあるのだということは教えた方がいいのではないでしょうか。

○前崎委員 やはり投与する症例が全くないとは言えないので、その情報があった方が良いのではと思います。

○吉田部会長 よろしいでしょうか。他にございますか。

○奥田委員 用法・用量の書きぶりなのですが、1日1,500mgを3回に分けてと、あるいは難治性の場合には、1日2,000mgを4回に分けてというのは、簡単に言うと、1回500mgを3回、若しくは4回という言い方になると思うのですが、御存じのように1日量と1回量というのは、現場で混在していることがリスクの原因になるということを言われていて、特に内服薬については、今後、1回量に統一していく方向での議論をされていると思うのですが、海外でもそうだと思いますが、メトロニダゾールのファイザーの海外の添付文書を見ると1回量500mgを1〜3回という書き方をしているのですね。これをわざわざ1日量にするということで、現場の混乱を助長するのではないかと思うのですが、PMDAのお考えをお聞かせいただけますか。

○吉田部会長 この辺は例えば、本薬に限った話ではないので、注射の適用、用法・用量を決めるときに、1回何mgを何回ないし、何回とやるのか、1日どれぐらいというのをやるのかという話をそろそろきちんと決められたらいいのではという御意見だと思うのですが。その1回量でいく方向を検討しているのか、それとも、このまま分3なら分3、分4なら分4という形で考えているのか。

○機構 抗菌薬の分野には先生が御指摘のとおり、2通りの表記がありまして、現段階では、1日用量というところで設定させていただいておりますが、部会長がおっしゃられたとおり、医薬品全体にかかわる内容でもあるので、本部会において用法・用量の記載方法の整理はできない状況にあると考えております。私どもとしては、現段階で、英国の用量などを参考に設定させていただきました。

○吉田部会長 基本的には外国の用法・用量を一応、踏襲すると、日本独自で何か別の用法・用量というか、1回量でやるという考えはないと、このようなことですか。

○奥田委員 少し認識の問題もあると思うのですが、私が見たのはアメリカのものだったと思いますが、1回量だったと認識、それが正確ではなかったら申し訳ないのですが。そもそも1回量という方が理解しやすいという、現場の感覚だと、恐らくそれに近いかと思います。覚え方にもよるので、ただ、一番悪いのはやはり混在しているということが一番問題になるので、その流れが1回量の方向に向かっていると、私自身は認識しております。

○吉田部会長 これは、この本剤の話に限った話ではないのですが、いずれにしても、薬剤絡みのリスクマネージのところで、今すごく問題になっており、ですから、その辺も少し検討していただき、どの形がいいのだろうかということを、もしそういうことであれば、それをまた指導していただいて、標準化していく方向も取られたらどうだろうかということです。それを意見として議事録に残していただいて。他にございますか。よろしいでしょうか。議決に入りたいと思います。なお、庵原委員、清田委員、田村委員、前崎委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づき議決への参加を御遠慮いただくことにいたします。本議題について、承認を可としてよろしいでしょうか。

 御異議がないようですので、承認を可とし薬事分科会に報告とさせていただきます。

 それでは、議題9に移りたいと思います。事務局から概要説明をお願いします。

○事務局 審議事項、議題9、資料9、エリブリンメシル酸塩を希少疾病用医薬品として指定することの可否について、機構からの評価報告書に沿って、事務局より御説明いたします。

 申請者は、エーザイ株式会社、予定される効能・効果は悪性軟部腫瘍となります。希少疾病用医薬品の指定要件である、対象患者数、医療上の必要性、開発の可能性の3点について順に御説明いたします。

 対象者数ですが、本邦における悪性軟部腫瘍の患者数は、最大約4,000人と推定されています。

 医療上の必要性については、悪性軟部腫瘍に対する効能・効果を有する薬剤として、ドキソルビシン、イホスファミド及びパゾパニブ塩酸塩が製造販売承認されておりますが、当該薬剤の治療効果は限定的であり、十分な効果を期待できる治療法はないことから、本剤の開発における医療上の必要性は高いと考えております。

 最後に開発の可能性については、海外において第III相試験が実施中であり、国内においても第II相試験が実施中であることから、本剤の開発の可能性は高いと考えております。以上から本剤は、希少疾病用医療品の指定要件を満たすものと判断しております。御審議のほどよろしくお願いいたします。

○吉田部会長 委員の先生方からの御質問、御意見をお願いいたします。対象患者数、疾患の悪性度、医療上の必要性は十分ですね。問題は開発の可能性ですが、現在、国内第II相試験が実施中であり、3要素は全て揃っているかと思います。よろしいでしょうか。御意見がないようですので、議決に入りたいと思います。なお、庵原委員、清田委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づき議決への参加を御遠慮いただくものといたします。本議題について、指定を可としてよろしいでしょうか。

 御異議がないようですので、指定を可とし薬事分科会に報告とさせていただきます。

 では、別室で待機されている関水委員をお呼びください。

                                 ( 関水委員入室)

○吉田部会長 それでは、議題3に移ります。議題3について、機構から概要説明をお願いします。

○機構 議題3、資料3、医薬品ネクサバール錠200mg錠の製造販売承認事項一部変更承認の可否等について、機構より御説明いたします。

 本剤の有効成分であるソラフェニブトシル酸塩は、複数のキナーゼを阻害する化合物であり、腫瘍細胞の増殖及び腫瘍血管新生に係わる各種キナーゼのリン酸化を阻害することにより、腫瘍増殖を抑制すると考えられています。現在、本剤は「根治切除不能又は転移性の腎細胞癌」及び「切除不能な肝細胞癌」に対して承認されております。今回の申請は、局所進行又は転移性の甲状腺癌に対する効能・効果を追加する製造販売承認事項一部変更承認申請です。なお、本剤は、平成25年8月の当医薬品第二部会の審議を経て、希少疾病用医薬品に指定されております。平成26年3月時点において、本剤は甲状腺癌に関する適応にて、4か国で承認されております。

 本品目の専門協議に参加いただいた専門委員は、資料22のとおり、4名の委員です。 以下、臨床試験成績を中心に本剤の承認審査の概要を説明いたします。今般の承認申請では、主な臨床試験成績として、国際共同で実施された第III相試験である14295試験の成績が提出されました。

 有効性については、審査報告書14ページ上から4行目以降、及び42ページ上から13行目以降に示しますように、分化型甲状腺癌患者を対象に、本剤の有効性及び安全性を検討した第III相試験の結果、主要評価項目とされた独立画像評価委員会判定による無増悪生存期間(PFS)について、対照群として設定されたプラセボ群に対する本剤群の優越性が示されたこと等から、分化型甲状腺癌患者に対する本剤の有効性は示されたと判断いたしました。

 安全性については、本剤の使用において注意すべき有害事象としては、審査報告書18ページ下から6行目以降、及び42ページ上から22行目以降に示しますように、既承認の効能・効果に対する承認審査時において注意が必要と判断された事象に加え、低カルシウム血症、血中甲状腺刺激ホルモン増加、ケラトアカントーマ及び皮膚有棘細胞癌に注意が必要と考えております。

 これらの有害事象については、がん化学療法に十分な知識と経験を有する医師により、本剤の安全性プロファイルについて十分理解した上で、有害事象の観察や管理、本剤の投与中止等の適切な対応がなされるのであれば、本剤は忍容可能であると判断いたしました。ただし、日本人における検討症例は限られており、審査報告書30ページ上から13行目以降、及び43ページ下から5行目以降に示しますように、本剤を使用した全ての症例を対象として、製造販売後調査の実施が必要であると判断し、全例調査に係る承認条件を付与することとしております。

 以上のような審査の結果、機構は、根治切除不能な分化型甲状腺癌の効能・効果を追加する本申請を承認することは可能と判断いたしました。

 本剤は、希少疾病用医薬品に指定された効能・効果を追加するものであることから、追加される効能・効果及びその用法・用量について、再審査期間を10年とすることが適当であると判断いたしました。なお、薬事分科会には報告を予定しております。御審議のほどよろしくお願いいたします。

○吉田部会長 委員の先生方からの御質問、御意見をお願いいたします。

○関水委員 15ページの図にサバイバルの曲線がありますが、これからどうして本剤が有効だと判定したのですか。

○機構 有効性に関して、主要評価項目が中央判定による無増悪生存期間ですので、その表は審査報告書の11ページにあります。

○関水委員 15ページの表だけに限って議論させていただきたいのですが。このデータは、本剤の効果を示す曲線であると、私は理解したのですが、それでよろしいですね。

○機構 はい。

○関水委員 このデータから、どうしてこの薬剤が治療に有効だと言えるのですか。

○機構 全生存期間(OS)の曲線の重なりに関して、説明させていただきます。審査報告書の14ページ、下から7行目ですが、本試験は、あらかじめ増悪した場合に、プラセボ群でも本薬の投与が許容される設定で、実際にプラセボ群の74.8%で、増悪後に本薬が投与されていることから、OSに関しては、PFSと異なり、このようにグラフが近接したものと考えております。

○関水委員 いえ、私が聞いているのは、本薬の有効性があるということですが、どうしてそのようなことが言えるのかと疑問に思いますので、伺っているのです。どうしてこのデータから、本薬剤は治療有効であると言われるのですか。

○機構 15ページのOSの追加解析結果になりますが、委員の御指摘のとおり、統計学的な有意な延長は見られていませんが、ハザード比で0.84であることから、95%信頼区間は1を跨いでおり、統計学的有意ではありませんが、少なくとも本剤群で短縮するような傾向はないということで判断いたしました。

○吉田部会長 先生、試験のやり方を説明しなければいけないのですが、今、新しい薬が出て治験しますね。そして、オーバーオールサバイバルで差が出るということは、すごく不利益になるので、例えば有効性を見るときに、この病勢が悪くなるまでの期間は見て、その後そこでもし悪くなったら、コントロール側に当たった患者さんにも、薬のメリット、あるいは不公平にならないように、悪くなったところまでは見ることで、一応、プライマリーエンドポイントにしているのです。OSはセカンダリー以下になってしまい、これで差があってもなくても、基本的にはここは見ていない。有効性を見るデータではない。

○関水委員 これは有効性のデータではないと言われれば、私にとっては非常にクリアです。

○吉田部会長 有効性は、PFSで見るという約束で始めていますので、あくまでもこれは参考データで、例えば、そのときに薬を使った方が、オーバーオールサバイバルでもっと下がっていることがあったときに、これはまずいのではないかと、そのためのデータと考えていただければと思います。

○関水委員 分かりました。

○奥田委員 今のことに関連して、私の質問なのですが、PFSの延長を当初設定し、それで評価したことは分かりますが、PFSには有意な差があった所を根拠に、生活の質等の改善が期待されるという臨床的意義があると、ですから意味があるというような書きぶりになっているのですが、今の話し方だと、オーバーオールサバイバルに潜在的に延長の可能性があるということを重視した結論のように聞こえましたけれども。

○吉田部会長 いえ、例えば乳癌とか、前立腺癌とか、甲状腺癌の分化型もそうなのですが、スローグローイングにいっているものというのはずっと長く生きてしまうので、まずはオーバーオールで差を取るところまでやろうとすると、10年見るとか、長期間の観察が必要になることが一つです。

 それから薬以外にもいろいろなものが使われたり、治療法がされたり、この場合とは違いますが、いろいろなものの治療手段が入ってしまい、正確に薬の効果が見にくいということもあり、ただ、肺癌のようにすぐ亡くなってしまうような場合では問題にならないのですが、かなり長いスパンの病能期間をもっているような、癌の臨床試験の場合は、どうしてもPFSを見て、その薬が本当にポジティブかどうかを判断するというのが世界的な考え方です。

○奥田委員 部会長がおっしゃることはよく分かりますし、そのとおりだと思います。ここの書きぶりというか、PFSを延長することで生活の質の改善が認められる、あるいはQOLの維持等が期待できるということを書いているのですが、では、PFSの差が出たことに、意味があるかどうかということの裏付けはできているのでしょうか。要するに、原疾患の進行が遅れていることにより、その生活の質が改善される期待はしますが、一方で、副作用はかなり出ています。この14295試験だと、グレード3以上がプラセボ群は33%で本薬は71%という差が出ているのに、QOLが向上したと、改善したと言えるのだろうかという、説明として分からない書き方になっていると思いましたので、質問させていただきました。

○吉田部会長 分かりました。一般論で答えると難しいことにもなると思うので、田村先生、説明をお願いできますか。

○田村委員 個人的な意見になりますが、PFSが延びたことで、いわゆる「生活の質」全般がよくなったことをデータで示すことは極めて難しいと思います。生活の質全体を評価できる尺度はありません。以前米国で、疾患による症状増悪までの期間が延長したというデータが申請されたことがありますが受け入れられませんでした。しかしもっと漠然と考えてみると、非常に大きなPFSの違いがあり、たとえばハザードで0.5とか、そして毒性も生活に重大な支障をもたらすものでなければ、患者さんは疾患の進行なく長い期間同じ治療を継続でき、これはかなりのメリットと考えてよいのではないでしょうか。

また、OSに関してですが、対照群はクロスオーバーですね、7−8割。

○機構 そのとおりです。

○田村委員 されているのですね。

○機構 はい。74.8%。

○田村委員 OSの2本のカーブはほぼ同様で2群ともにこの薬剤の投与がなされています。OSとPFSがどの程度相関するかは癌腫により違いがあり、また治療後の生存期間が長いほどPFSの差が薄まるとされています。これだけ大きなPFSの差があって、OSが一致しているのは、ヒストリカル・データを考慮しても、2群ともにこの薬剤による生存のメリットを受けているという見方もできるのではないでしょうか。

○吉田部会長 先生の問題提起は、多分、この部会で答えが出せる問題ではなくて、例えば、癌の治療のいろいろな学会や、国際的なあれでもよく言われるのですが、最近の分子標的治療も皮膚がひどくなったり、大変なケアをしなければいけないということで、それでもPFSが延びているからいいのではないかということで、本当にQOLはいいのだろうかという議論は当然あるわけです。ただし、今のところ、抗がん剤の有効性を評価するときには、生存期間を延ばすことがあるかないかが、最終的な評価点だということになっており、オーバーオールサバイバルかPFSか、どちらかで有意差が出れば有効だという、これは世界中の共通の理解で、臨床試験は全てそのように動いているのです。ただし、先生がおっしゃるとおり、非常に有害事象が大きいとか、あるいはQOLがもっとダメージがひどいではないかという薬もないわけではないので、そのところはそこでまた議論が行われるのだろうと思います。ただ、この薬の有害事象は、このぐらい出ているからPFSでやっても駄目なのではないかという、そういうリコメンデーションは、多分、どこにもないと思います。よろしいですか。

○奥田委員 原疾患の進行によるQOLの低下は評価しづらいものですか。

○吉田部会長 QOLは非常に主観的な部分があり、誰がどのように判定をするか、結構難しい。例えば、気分の問題まで入ってきますので。

○奥田委員 はい。

○吉田部会長 とても判定が難しく、QOLもある程度の決まった尺度のものの中で、痛みとかも含めてやるので、QOLを上手にどのような場合でも使える万能のメートルスケールみたいなものは、まだできていないのです。

○奥田委員 今回は甲状腺癌ですので、甲状腺癌の病態をよく知りませんので分からないのですが、甲状腺癌の進行度合いと、QOLの低下が相関すると考えられるようなパラメータをもって、QOLの低下を評価することは、事実上、無理ということでしょうか。

○吉田部会長 ですから、痛みとか、不安とか、いろいろなQOLに関わる要素の中で、一つ一つが見切れないので、病気が再発するまでの期間が長ければ、それでいいのではないかということで、最小限の理解でやっている。それにいろいろな要素が加わってくれば、単なるPFSでは不十分で、QOL的にこういったものやこういったものも獲得しなければ、この薬の有効性の意味はないのではないかという議論は将来起こる可能性は当然あると思います。

 他にありますか。よろしいでしょうか。そろそろ議決に入りたいと思います。なお、田村委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づき議決への参加を御遠慮いただくことにいたします。本議題について、承認を可としてよろしいでしょうか。

 御異議がないようですので、承認を可とし薬事分科会に報告とさせていただきます。

 それでは、議題4に移ります。議題4について、事務局から説明をお願いします。

○機構 議題4、資料4、医薬品ジャカビ錠5mgの製造販売承認の可否等について、機構より説明いたします。本剤の有効成分であるルキソリチニブリン酸塩はチロシンキナーゼ阻害剤であり、ヤヌスキナーゼ、以下「JAK」と略しますが、JAK2及びJAK1のリン酸化を阻害することで、JAKを介したシグナル伝達を阻害し、骨髄線維症における細胞増殖を抑制及び消耗性全身症状を改善すると考えられています。今般、本剤は骨髄線維症に対して効果を示す薬剤として承認申請されました。なお、本剤は平成23年8月の当医薬品第二部会での審議を経て、希少疾病用医薬品に指定されております。また、平成26年2月時点において、本剤は骨髄線維症に関する適応にて、59の国または地域で承認されています。本品目の専門協議に参加いただいた専門委員は資料22のとおり、8名です。

 以下、臨床試験成績を中心に本剤の承認審査の概要を説明いたします。今般の承認申請では、主な臨床試験成績として海外で実施された二つの第III相試験である351試験及び2352試験と、本邦を含む国際共同治験として実施された第II相試験である2202試験の成績が提出されました。

 有効性については、審査報告書47ページ上から15行目以降及び79ページ上から13行目以降に示しますように、骨髄線維症患者を対象に本剤の有効性及び安全性を検討した二つの第III相試験の結果、主要評価項目とされた、脾臓容積がベースラインから35%以上縮小した患者の割合について、対照群に対する本剤群の優越性が検証されたことなどから、骨髄線維症患者に対して本剤の一定の有効性は示されたと判断しました。

 安全性については、本剤の使用において注意すべき有害事象としては、審査報告書50ページ下から3行目以降及び79ページ下から11行目以降に示しますように、骨髄抑制、感染症、出血、肝機能障害、高血圧、心不全及び間質性肺疾患が認められており、注意喚起が必要と考えております。これらの有害事象については、造血器悪性腫瘍の治療に十分な知識と経験を有する医師によって、有害事象の観察や管理、本剤の休薬・減量・投与中止等の適切な対応がなされるのであれば、本剤は忍容可能であると判断いたしました。

 ただし、日本人における検討症例は限られており、審査報告書66ページ上から13行目以降及び83ページ下から14行目以降に示しますように、本剤を使用した全ての症例を対象として製造販売後調査の実施が必要であると判断し、承認条件としております。

 以上の審査の結果、機構は骨髄線維症を効能・効果として本剤を承認することは可能と判断いたしました。本剤は希少疾病用医薬品に指定されていることから、再審査期間を10年とすることが適当であると判断しました。また、原体及び製剤はいずれも劇薬に該当し、生物由来製品及び特定生物由来製品のいずれにも該当しないと判断しました。薬事分科会には報告を予定しております。

 なお、資料24のとおり、事前に佐藤委員から御質問をいただきましたので、機構より回答させていただきます。まず、委員からの御質問を読み上げます。

 海外第III相試験2試験(351試験及び2352試験)の本薬群の生存曲線は類似しており、再現性のある結果のように見えますが、国際共同第II相試験(2202試験)の生存曲線は、上記2試験と類似の曲線となっているのでしょうか。

 以上の御質問について申請者に確認したところ、2202試験では全生存期間の解析は計画されていなかったとのことでした。なお、参考として、351試験及び2352試験における投与開始96週時点の生存率は、それぞれ%及び%であったのに対し、レトロスペクティブに解析した2202試験における投与開始約96週時点の生存率は%であり、また、得られた生存曲線は、海外第III相試験で得られた生存曲線と比較して明らかに下回る傾向は認められませんでした。御質問に対する説明は以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。

○吉田部会長 佐藤先生、いかがですか。

○佐藤委員 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□、計画されてなかったとは言っても、何らかの形で情報提供していただくといいのではないかと思います。

○機構 御指摘ありがとうございます。この試験結果については資材等を用い、適切に情報提供するよう、申請者に申し伝えたいと思います。

○佐藤委員 お願いします。

○吉田部会長 結局、この骨髄線維症の方の予後というのが無茶苦茶悪いわけではない、癌と違って悪いわけではない。だらだらいくので、そういった意味で何年生存率とかやると、余り変わらなく見えてしまうのでしょうけど、恐らくプロットするとちょっと違ってくるのかもしれないですね。その辺も含めてデータを公開してもらえると、ありがたいということだと思うのです。他にございますか。

○半田委員 効能・効果について、添付文書には「骨髄線維症」という極めてシンプルな効能・効果をうたっているのですね。今までの機構の審査過程を見ていますと、基本的には骨髄線維症という極めてシンプルな効能・効果でよろしいという判断を、一応これは認識されて判断されていると。そのただし書の中には、効能・効果の内容に関しては、下にありますが「使用上の注意」ということで、臨床成績を見ていただいて、そこで専門家に判断しなさいという書きぶりをしている。私が危惧するのは、骨髄線維症は原因や程度が非常に広範囲なのです。そうしますと、これを見た限りでは濫用につながる可能性はあるし、骨髄抑制が日本人だと70%の報告があるということで、かなり副作用としては強い薬であることもあり、この書きぶりが本当にいいのかどうかというのが第1の疑問です。

 もう一つは、骨髄線維症で今どうしてもやらなくてはいけないのは、いわゆる消耗性の症状に対して何らかの薬が必要だということが基本なのです。サイトカインストームが出るということで熱が出たり、痩せてきて本当にひどい状態になる、そういう症状を改善することが一つの目標なわけです。この二つの国際試験は脾臓の縮小率で見ているのですが、脾臓の縮小率と症状を改善するというのは、サロゲートマーカーとして脾臓の縮小率だけで判断するのはおかしいというか、正確ではないことを機構も一応指摘はされているのです。

 この報告書の48ページの第2段落の「機構は以下のように考える」の4行目から6行目までにずっと書いてあります。プライマリーではなく、セカンダリーエンドポイントとして症状の改善率というスコアで見ているのです。次の49ページの351試験と2352試験のトータルに、一番上の表の一番下、45.9%の改善率を見ている。プラセボが5.3%ですから、明らかに症状が改善していることは、ここで言えるのではないか。

 ということになると、この骨髄線維症だけに限定しないで、やはり中等症、リスク分類中間-2と重症、そのリスクに限定すべきではないかと思います。FDAがどういう承認形態を取っているか分からないのですが、もし、このままでいくとすると、後ろの添付文書の5ページ、海外の臨床成績を見なさいと書いてあるのですが、その中をずっと見ていきますと、症状の改善は説明されてない、脾臓の縮小しか書いていません。

 なので、この添付文書を見た限りにおいてはその部分が全然読めないのです。もちろん専門家が治療するので、その辺は分かっているとはいうけれども、やはり添付文書は誰が見てもある程度分からないといけないものだとすると、ちょっとおかしいかと思います。ですから骨髄線維症としてこのままでいいのかどうか。やはりもうちょっとただし書として、中間あるいは重症の患者に限定するかどうか、濫用を防ぐ意味でというところがお聞きしたいところです。

○機構 まず、審査報告書の61ページを御覧ください。委員御指摘のとおり、海外第III相試験の対象となったのは、このIWG-MRT、リスク分類の高リスク又は中間-2リスクの骨髄線維症の患者とされておりました。機構としては、このリスク分類を効能・効果に付与するかどうかという点も検討しました。61ページの一番下辺りに「・」で記載されていますが、海外の第III相試験とまた別の251試験という臨床試験があり、その中にはリスク分類の低リスクまたは中間-1リスクの患者が含まれております。その患者において、主要評価項目である一定の脾臓の縮小が認められ、かつ、安全性も忍容可能だったというところがありました。

 また、もう一つ、リスク分類は変遷し得ることがあり、実際に今臨床で用いられているリスク分類も、このリスク分類とはまた別のリスク分類が用いられていることを、専門協議の中で専門家の先生からも御指摘いただいた状況です。

 そもそも本薬の使用にあたっては、造血器悪性腫瘍の治療に十分な知識と経験を有する医師によって慎重に対応が行われる前提で考えたときに、この効能・効果にリスク分類を書くよりも、効能・効果の関連注意及び臨床成績の項で、試験成績を注意喚起することが妥当ではないかと専門協議でも御意見をいただき、機構としても効能・効果自体は骨髄線維症とした上で、さらに、今回得られた臨床試験成績については添付文書だけでなく、資材等も用いて適切に情報提供していきたいと考えております。

 脾臓の縮小の主要評価項目だけでなく、総症状スコアの結果も情報提供した方がいいのではないかという御指摘については、添付文書でするのか、資材で情報提供するのかは検討させていただきたいところがあります。いずれにしても、適切に情報提供するよう申請者に申し伝えたいと思います。

○半田委員 もう一つ、よろしいですか。やはり適応の件ですが、動物実験ではJAK2のミューテーションの細胞を入れて、非常に効果がありますね。ただ、骨髄線維症の中でミューテーションがある患者さんは半分ぐらいしかいないところもあるのです。この薬はJAK2に対して一番スペシフィックに効くわけですが、例えば、一応分子標的としてやはり遺伝子異常があって、そういうアプレギュレートしたキナーゼの活性のところに効くので、そういう証拠があるというのが一つの適応になっている。添付文書上での骨髄線維症に関してはそういう指摘が全くないわけで、やはりこれも濫用につながる可能性がありますが、この辺はどの程度まで実際に考慮されておられるのでしょうか。

○機構 機構からお答えいたします。JAK2変異の有無に関しては検討されており、JAK2変異有りの患者さんと、無しの患者さんにおいても、一定の脾臓縮小効果が認められているという結果が得られておりますので、今回、JAK2変異有りの患者さんに縛る必要性は低いと判断しております。

○吉田部会長 要するに、ドライバージーンのような明確な関係はない、大丈夫だというような感じだと思うのですが、そういった形である程度の有効性はあるけれども、決して遺伝子発現との関連性も明確ではないということのようです。どこに効いているか、確かに分からない部分があると思うのです。

 一度先生に部会でお聞きしたかったのは、脾腫を取るというのは、髄外造血か何か起こっていて脾腫になるのですか。それとも何か繊維化も起こるのですか。

○半田委員 そうですね、髄外造血が基本ですので、やはり髄外造血がひどくなれば、脾腫が大きくなる。それで脾腫によってまた血球減少等が出てくるとかですね。ですから悪循環となります。

○吉田部会長 ある程度骨髄線維症がよくなって、骨髄が普通に造血機能の回復をすると、脾腫も小さくなる、そういう説明なのですか。

○半田委員 ただ、なかなかそういうことはないので、脾臓が圧迫症状を起こす場合もあります。

○吉田部会長 脾臓が小さくなるとなぜ良いのですかと言ったら、痛みがなくなるとか、何かよく分からないこと言っているのですが、病気が病気自体として、脾臓の脾腫が小さくなるというインパクトは何かあるのでしょうか。

○半田委員 ですから、直接ないわけですね。

○吉田部会長 ないのですか。

○半田委員 ええ、そういうことです。ですから、機構もそう指摘しているわけです。ですから、この薬が何のために使われるかというのが、私にはよく分からないですね。脾臓を縮小するために使っているので、それが本当に患者さんに有効かどうかというのは、きちんとイコールになってないわけです。ですから、むしろ症状をきちんと改善するということを言っていただいた方が、我々としては使いやすいということを申し上げたかっただけなのです。

○吉田部会長 それが分かるように、ですから脾腫の問題だけではなくて、有効性に関しての説明を上手に載せていただくということ。いずれにしても、濫用するにしても、患者数が少ないオーファンですので、全国的な何か問題になることは余りないとは思うのですが、先ほど言われた血液等の専門医が使うことをきっちりしていただければ、なぜ効いているかがよく分からないと若干不安ですが、いずれにしても、脾腫にしても、他の症状も良くなる。ランダマイズドトライアルの結果だけで見ると、良くなっているということが分かるということのようです。よろしいでしょうか。

○関水委員 49ページのグラフにある試験結果ですが、プラセボとその薬剤が交差しているところで試験をやめていますね。そのあと薬剤を投与した方がぐっと死亡率が高まるということはないのでしょうか。データはあるのですか。

○機構 機構よりお答えします。現時点において、このOSのこれ以上の結果はございません。このフォローアップが現在実施中で、将来的にはフォローアップの結果が得られる予定です。

○関水委員 ある時期で薬剤投与群の生存率が急激に下がってきますね。何かこの薬を投与したことによる原因で、急にその生存率が低下するということが考えられませんか。

○機構 現時点においては、この結果は打切りが多い状態ですので評価には限界がございます。

○関水委員 打切りしたという事情は分かりますが、その後患者さんは生きているわけですね。そのときにどうなのかということは、データがあるのではないですか。

○吉田部会長 分かりました。今、これ3年後ぐらいまで見ているではないですか。ですから4年、5年のデータを、例えば申請者のノバルティスが調べることはいいのではないかということなのですが、そのデータは取れるのですか。

○機構 はい、現在フォローアップ継続中ですので、結果が得られましたら適切に情報提供するように、申請者に伝えたいと思います。

○吉田部会長 では、よろしくお願いします。よろしいでしょうか。それでは議決に入りたいと思います。本議題について、承認を可としてよろしいでしょうか。

 御異議がないようですので、承認を可とし、薬事分科会に報告とさせていただきます。

 議題5に移ります。田村委員におかれましては、利益相反に関する申し出に基づきまして議題5の審議の間別室で御待機いただくことといたします。

                                 ( 田村委員退室)

○吉田部会長 議題5について、機構からの説明をお願いします。

○機構 議題5、資料5、医薬品アレセンサカプセル20mg他の製造販売承認の可否等について、機構より説明いたします。本剤の有効成分であるアレクチニブ塩酸塩は未分化リンパ腫キナーゼ、以下「ALK」と略しますが、ALKに対する阻害作用を有する薬剤です。非小細胞肺癌のうち、ヒト2番染色体短腕上のALK遺伝子の逆位により生じるALK融合タンパクは、ALK融合遺伝子陽性癌細胞の増殖や生存、正常細胞の癌化に寄与する本体であると考えられており、本剤はALK融合タンパクのチロシンキナーゼを阻害することで、ALK融合遺伝子陽性非小細胞肺癌の増殖を抑制すると考えられております。今般、本剤はALK融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌を効能・効果として承認申請されました。なお、本剤は平成25年8月の当医薬品第二部会での審議を経て、希少疾病用医薬品に指定されております。本剤は、平成26年2月時点において承認を取得している国又は地域はありません。本品目の専門協議に御参加いただいた専門委員は資料22のとおり、9名の委員です。

 以下、臨床試験成績を中心に本剤の承認審査の概要を説明いたします。今般の承認申請では、臨床試験成績として本邦で実施された第I/II相試験が提出されました。有効性については、臨床試験成績による本剤の評価には限界があるものの、ALK融合遺伝子陽性の非小細胞肺癌に関する腫瘍生物学的な知見等も考慮すると、審査報告書32ページ下から10行目以降及び45ページ上から13行目以降に示しますように、白金系抗悪性腫瘍剤を含む併用化学療法の奏効率を基に設定された閾値奏効率に加えて、本剤と同様にALK阻害作用を有するクリゾチニブの奏効率を基に設定された閾値奏効率も有意に上回る奏効率が認められた結果から、化学療法歴を有するALK融合遺伝子陽性の進行・再発の非小細胞肺癌に対して本剤の有効性は示されたと判断しました。

 安全性については、本剤の使用において注意すべき有害事象としては、審査報告書33ページ上から21行目以降及び45ページ下から7行目以降に示すように、間質性肺疾患、肝機能障害、好中球数減少、白血球数減少が認められており、注意喚起が必要と考えております。これらの事象については、がん化学療法に精通した医師による慎重な観察と適切な処置により対応可能と判断しました。ただし、本剤の検討症例数は限られており、審査報告書40ページ本文下から1行目以降及び47ページ下から4行目以降に示しますように、製造販売後には本剤を使用した全例を対象とした調査の実施が必要であると判断し、承認条件としております。

 以上の審査の結果、機構は本剤を承認することは可能と判断しました。本剤は希少疾病用医薬品に指定されていることから、再審査期間は10年とすることが適当であると判断しました。また、原体及び製剤はいずれも劇薬に該当し、生物由来製品及び特定生物由来製品のいずれにも該当しないと判断しました。薬事分科会には報告を予定しております。御審議のほど、よろしくお願いいたします。

 なお、事前に佐藤委員から御意見、御質問をいただきましたので、機構から回答いたします。資料24のとおり、一つ目は臨床的位置付けに関するもので、以下のような主旨でございます。機構は、本剤はALK融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌患者を対象とする治療選択肢の一つとして位置付けられると考えると判断していますが、既承認のクリゾチニブとの関係はどう考えているのでしょうか。クリゾチニブはPROFILE1007試験で、化学療法群に比べPFSの延長が検証されています。本剤は、クリゾチニブよりも奏効率が高く期待がもたれる薬剤ではありますが、検証的な成績は示されていないこと、また、本剤はクリゾチニブ既治療例、不応例に対しても高い奏効率が示されていることから、クリゾチニブ既治療例、不応例を対象とすることもあり得るのではないでしょうか、というものでした。

 機構の回答としては、使用ラインに関する注意喚起については、今後の様々な医薬品の開発による治療体系の変化や医師の裁量に基づく様々な医薬品の使用方法に対して柔軟に対応できず、医師の裁量に基づく医薬品の使用が著しく阻害されるおそれがあるため、通常、薬剤名の記載までは行っていないところです。また、PROFILE1014試験において、白金併用療法群と比較してクリゾチニブ群のPFSの延長が検証されたことが報告されていますが、臨床上の実態としてはALK融合遺伝子の判定には一定の時間がかかること、PROFILE1014試験のOSについては、クリゾチニブ群での延長が認められていないことから、引き続き、白金併用療法が一次治療として用いられるケースもある状況です。

 さらに、ALK融合遺伝子陽性の非小細胞肺癌に対しては、現在、数多くのALK阻害剤の開発が進められております。このような中、本剤の投与対象をクリゾチニブ既治療例、不応例とすることは、白金併用療法を一次治療として用いた場合であっても、二次治療で本剤の使用はできず、国内第I/II相試験の対象患者に対して本剤を使用することができなくなるとともに、現在開発が進められているALK阻害剤が薬事承認された場合には、本剤の使用にさらに制限がかかる可能性があることから、専門協議での議論も踏まえ、審査報告書に記載のとおり、「化学療法未治療患者における本剤の有効性及び安全性は確立していない」との注意喚起を図ることで差し支えないと考えたものです。

 二つ目は、妊娠している可能性のある女性に関するもので、以下のような主旨です。機構は、本剤の胚・胎児発生に関する無毒性量の曝露量が臨床曝露量を下回っており、臨床用量での胚・胎児への危険性が高いと考え、妊婦又は妊娠している可能性のある女性への使用は禁忌としています。しかし、申請者はALK融合遺伝子陽性の非小細胞肺癌は若い女性に多いことが報告されていること、本剤の適応となる患者の予後は極めて不良であることなどから、胎児に関する危険性を添付文書で注意喚起した上で、妊婦・妊娠している可能性のある女性に対しても「治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用すること」と、申請時に設定していました。禁忌としてしまうと、妊婦・妊娠している可能性のある女性から有効性が期待できる本薬による治療の機会を奪ってしまうことになりますが、この点について機構の見解を教えてくださいというものでした。

 機構の回答としては、本件については専門協議も含め、検討させていただきましたが、本剤と同様にALK阻害作用を有する薬剤としてクリゾチニブがすでに薬事承認されており、また、クリゾチニブは催奇形性を有していないため、妊婦・妊娠している可能性のある女性に対しては、少なくともクリゾチニブが使用できる状況であることも考慮しますと、本剤のように催奇形性が認められる薬剤については、妊婦・妊娠している可能性のある女性に対しては他の抗悪性腫瘍剤と同様に、禁忌とすることが適切ではないかと考えております。

 三つ目は資料にありませんが、製剤の有効期間の設定に関するもので、以下のような主旨です。「申請製剤の高い臨床的有用性が示唆されていること等を考慮すると」と、臨床的有用性を理由の一つに挙げていますが、臨床的有用性と長期保存期間の設定とは無関係だと思います。臨床的有用性が高いから早く承認したいというのであれば、長期保存期間をとりあえずか月として、必要であればICH Q1Aに沿った長期保存試験の実施を求めればいいのですから、「臨床的有用性が高い」という理由を報告書に記載することは適切ではないと思います、というものでした。

 機構の回答としては、通常、実生産スケールを含むパイロットスケール以上のスケールで製造された2ロット及び小スケール1ロットについて、か月の長期安定性及び加速条件で6か月の安定性が認められれば、ICH Q1Eに基づき、30か月の有効期間を設定可能とされております。しかしながら、本剤については3ロットのうち1ロットのみしかパイロットスケール以上のスケールで製造されたロットがなく、製剤の有効期間の設定に小スケールでのデータを利用することを許容するか否かの判断において、本剤の臨床的有用性が高いことを考慮したために、その旨を審査報告書に記載し、か月までの安定性が確認されたことから、有効期間を30か月として差し支えないと判断しました。ただし、本剤の承認時までにはICH Q1Aに沿った長期安定性試験のか月までの結果を確認した上で、製剤の有効期間を30か月としたいと思います。説明は以上です。

○吉田部会長 佐藤先生、いかがですか。

○佐藤委員 最初の点は、使用薬剤を効能・効果に書くことはないというのはよく分かりました。最後もよく分かったのですが、やはり二つ目がどうしても気になるのです。確かにクリゾチニブが第一選択になるのでしょうが、いずれにしても8か月前後で増悪してしまうわけですね。そのときにこの薬が使えないというのは、やはり問題があるような気がするのです。一つお伺いしたいのは、こういう理由で中絶をすることは、法的に可能なのでしょうか。

○機構 中絶が法的にどこまで認められているかの解釈は理解してないのですが、医療の実態として、本剤ではなくて抗悪性腫瘍剤を使った場合に、患者さんとの話合いの中で行われている実態はあるとは聞いております。

○佐藤委員 そうすると、その非臨床での内臓障害というのはどのぐらいの程度かよく分からないのですが、やはり十分にそういうことをお伝えして、中絶を含めた選択をするということで、本剤を使用するという選択肢はあり得ないのでしょうか。

○機構 すみません、お答えになっているか分かりませんが、これまでの他の抗悪性腫瘍剤も含めて、中絶を前提とした使用を検討したことはございません。最近の抗悪性腫瘍剤の承認に際しては、催奇形性が生じる可能性が高いと推測されるデータが出ている場合においては禁忌としてきたので、なかなかそういった問題に踏み込んで本剤を使用できるような設定とはしなかったということです。

○佐藤委員 他の薬というのは、対象がこの妊娠する可能性の高い年齢の女性が多いという癌なのですか。

○機構 いえ、そうではありませんけれども、他の癌の領域においても、一般に催奇形性の可能性が否定できない場合には、禁忌と設定してきたということです。

○佐藤委員 そうすると、やはり本剤の場合は多少他の、いわゆる催奇形性のある抗がん剤とちょっと事情が違って。そういう年齢の女性に多いということなので、やはりその辺はもう少し何か条件を付けるということを検討していただけたらいいのではないかと思うのですが。

○機構 ALK融合遺伝子陽性の非小細胞肺癌患者は、他の非小細胞肺癌患者に比べて若い女性が多いことはそのとおりかもしれませんが、実際に未治療の場合、又は抗悪性腫瘍剤の前治療歴がある場合で、治療の機会を奪うことは極めて希であることについては、他の抗悪性腫瘍剤と同様かと考えております。

○吉田部会長 ステージの進んだ患者さんで、若い方といえども化学療法をやっている段階で、一応基本的には妊娠は避けるように指導はします。逆にいろいろな薬の影響もありますので、妊娠しにくくなっているのもあるのですね。ですから、その辺の実態がどうなっているか、もう少し私自身も知りたいところでもあるのです。基本的に化学療法をしたり、抗がん剤を使うような患者さんに関しては避妊が指導されるので、誤ってというか、知らずに使ってしまった場合にどうするかという話になったとき、今みたいな厳しい話にはなると思うのです。クリゾチニブは別にして、一般的に抗がん剤をやっているときにはそういう注意がいくと思います。特別何とかしなくてはいけないということではないのでしょうけれど。今事務局の説明ですと、妊娠する危険性のある人については、クリゾチニブを使っていって、選択肢があるので、そちらを使ってもらって、本薬はなるべくという話なのですね。それは多分この辺、市販後どんどん使われるようになって、本当に妊娠して大丈夫かどうかという結論は、恐らく出ないと思うのです。その辺が難しいのは難しいですね。

○機構 かなり極めてセンシティブな話で、なかなかこの毒性データを踏まえて、禁忌を外すというのは簡単ではないわけです。御指摘を踏まえて、今後とも研究を重ねてまいりたいと思います。

○吉田部会長 あと、佐藤先生の御質問の大半は、これ、フェーズII承認なのでしょう。ですから、ものすごい少ない数で、奏効率90何パーセントと、ドライバージーンで因果関係がよく分かっているということでやるとすると、ロットも1個ぐらいしか見る暇がないということがあると思うのです。やはり我々が審査している間も時間があるわけで、最終的に承認にいくまでにはそのデータを出してほしいみたいなことはできないですか。提出しなさいとか。今の説明にあったでしょう。ですから、1ロットだけではなくて、最終的にもう少し。

○佐藤委員 長期保存結果については、データをもらうのですね。

○機構 その件については照会回答の中で、出していただくことを、申請者に確約を取った上での対応ということだと。

○吉田部会長 私が言いたいのは、本薬についてはそれで一応確約を取ったのだけれど、基本的にそのフェーズIIでやるときに皆さんそうなってしまうと思うのです、急いで上げるから。フェーズII承認、第II相で承認してしまうときのルールみたいにして、ある程度開発側と審査側とが同じような目線で動けるようにしてやると、同じ質問が出なくて済むのではないかと思うのですが。

○機構 ルールと言うと、一般化するということになって、全部に当てはめていいのかという問題があるので、個別個別に判断しながら。

○吉田部会長 分かりました。他にございますか。

○豊見委員 余り本質的なところではないのですが、これ、二つ合わせて1週間分ですね。50mgとか製剤を工夫することができなかったのですか。

○機構 その点に関しては現在開発中で、後に製剤の□□□□□□ことになっています。本申請までに製剤の開発が間に合わずに今回のような申請になってしまってはいるのですが、□□□ 150mg製剤が申請される予定になっております。

○吉田部会長 よろしいでしょうか。他にございますか。では議論もないようですので、議決に入りたいと思います。なお、庵原委員、清田委員、前崎委員におかれましては利益相反に関する申し出に基づきまして、議決への参加を御遠慮いただくことといたします。本議題について、承認を可としてよろしいでしょうか。

 御異議がないようですので、承認を可とし、薬事分科会に報告とさせていただきます。

 別室で御待機されている田村委員をお呼びください。

                                 ( 田村委員入室)

○吉田部会長 議題6に移ります。議題6について、事務局からの概要説明をお願いします。

○機構 議題6、資料6、医薬品バイクロット配合静注用の製造販売承認の可否等について、機構より御説明いたします。

 本剤は、有効成分として活性化人血液凝固第VII因子及び人血液凝固第X因子を1対10のタンパク質重量比で含有する新有効成分含有医薬品であり、希少疾病用医薬品に指定されております。本剤の適応とされる血液凝固第VIII因子又は第IX因子に対するインヒビターを保有する患者は、血液凝固第VIII因子又は第IX因子に対するインヒビターが出現し、止血が困難となった患者です。このような患者に対する止血治療として、血液凝固第VIII因子と第IX因子を迂回する血液凝固反応による止血を目的とした、いわゆるバイパス製剤による治療が行われています。本剤は新規のバイパス製剤として開発されました。本剤の専門協議に御参加いただいた専門委員は、資料22にお示しした7名の委員です。

 審査の概略について、臨床試験成績を中心に御説明いたします。有効性については、審査報告書38ページを御覧ください。国内第III相試験において、最終投与8時間後の止血効果を表4-14の判定法に基づき評価した結果、表4-15にお示ししましたように、有効率は90.5%であったことから、本剤の止血効果は期待できると判断いたしました。

 安全性については、審査報告書4143ページを御覧ください。これまでに得られた情報から、本剤特有の安全性上の懸念はなく忍容可能と判断いたしました。

 以上より、本剤はバイパス製剤の新たな選択肢の一つとして位置付けられると判断いたしました。

 製造販売後調査については、審査報告書55ページ、表3に骨子をお示ししております。本調査は、製造販売後における安全性及び有効性の確認を目的とした全例調査方式の調査を予定しております。本剤は、治験症例が極めて限られていることから、当該調査を承認条件として設定することが適切であると判断いたしました。

 以上の審査の結果、機構は本剤を承認して差し支えないものと判断いたしました。また、本剤は希少疾病用医薬品であることから、再審査期間は10年、原体及び製剤は毒薬及び劇薬のいずれにも該当せず、特定生物由来製品に該当すると判断いたしました。なお、薬事分科会には報告を予定しております。また、本剤の承認に伴い、議題13の生物学的製剤基準の一部改正において、資料13にお示しした基準を生物学的製剤基準に追加することを予定しております。併せて御審議くださいますようお願いいたします。

○吉田部会長 委員の先生方からの御質問、御意見をお願いします。

○関水委員 本剤の効果に関する、表4-14について質問させてください。本試験ではプラセボの設定はないのですか。

○機構 この臨床試験ではプラセボは設定されておりません。この臨床試験の対象となっています血友病患者については、出血が生じた時点で何らかの治療をしなければ止血が得られず重篤な転帰を経ることになりますので、プラセボを設定ということは困難と考えております。

○関水委員 重ねて伺いますが、この試験の対象になった人について、本剤を投与しなかった場合、判定が著効とか有効とかなることは有り得ないと言えるのですか。

○機構 加療をしなければ、ここにお示ししている著効や有効になることはないと考えております。

○関水委員 どうしてそのようなことが保証されるのか私には理解できません。

○機構 酵素活性が欠損している患者を対象としておりますので、酵素を補充することがない限りは、酵素反応は進まないということで問題はないと考えております。

○関水委員 理論はよく分かりますが、そういうことはもう当然だと言ってよいのですか。

○吉田部会長 そういうことではなくて、標準的治療とかこの治療以外でやったときに、あるいは何もしない場合に、全員血が止まらないのかと、そのような出血量が減ることもあるのではないのかという話ですね。ですから、自然にこの補充をしなかった場合にこの患者さんは一体どうなるのかを示してほしいということです。

○機構 血液凝固に関連する因子が不足する患者に対して何も補充しないとどうなるかを確認する試験は行われていませんので、データとしてお示しすることはできません。凝固因子を補充することが、既に標準的な治療として確立しておりますので、プラセボと比較して検証するという試験を実施することは難しいかと思っております。

○関水委員 では、非臨床の血液サンプルによる試験のデータというのはあるのですか。

○機構 はい、ございます。

○関水委員 それで有効性が明確に示されていれば、本剤の有効性が示されていると思うのですが、それはどこを見るべきですか。

○機構 審査報告書の1718ページにin vivo薬効試験というものを示しています。こちらは、マウスとカニクイザルにおける血友病のインヒビターモデルを用いた非臨床試験でございまして、本剤投与により出血量や出血時間が減少する若しくは短縮することが示されております。

○関水委員 この実験がどうして人のサンプルでできないのですか。

○機構 in vitro試験では、血友病患者の血液において、血液凝固がどの程度進むかということは確認しています。審査報告書で言いますと、16ページにトロンビンの産生能に及ぼす影響などが記載されております。

○吉田部会長 要するに、このデータの話を聞いているのではなくて、一般的に血友病の患者さんというのは、例えば出血のエピソードがあったときに、全部鼻血出しても死ぬまで止まらないわけではないでしょうと、ですからどれぐらいだったら出血が減って、どういうふうなことになったら、例えば著効とか有効に当たる人は例えば4割ぐらいしかいなくて、それが今回は例えばこの補充をしたら9割になったから効いているのではないのと言えば関水先生も納得するのですよ。だけれど、それがなくて、in vitroの話ってメカニズムはそうかもしれないけれど、実際人間の血友病の患者さんがどうなっているかは分からないのではないですかということに関する答えが出てこない。

○ワクチン等審査部長 先生の御質問なのですが、血友病の病態に関しては様々な方がいらっしゃるのですが、基本的には血液凝固に関係する因子が不足していますので、そのまま出血を起こし、例えば関節で起これば関節が破壊されるということが起きます。すなわち、治療は当然行われますので、治療をしない、何パーセント治療をしないなどということは有り得ないので、そういう情報は手に入らないと理解しています。答えになっていますでしょうか。現実的には治療をしないということはないので、治療をしないパーセンテージは何パーセントあるのかという答えはないように思うのですが。

○吉田部会長 いや、これは、やはりちょっと臨床データがないので、これ以上やってもしょうがないと思うので、調べて後で教えてください。それで、一般的に血友病の患者さん、例えば血友病のことを気が付かない患者さんも実はいたりするので、血が止まらない、変だと言っているうちに調べたらそうだったりするのだけど、日頃ちょっと傷を付けたからといって、そんな死ぬまでたくさん出ているわけではないので、自然に止まる場合もあるだろうし。ですから、そういうエピソードの部分について分かるデータがあったら後で教えてください。

○機構 血友病は確かに重症から軽症までいろいろな患者がいらっしゃいます。使えるデータがあるかどうか確認いたします。

○吉田部会長 後で教えてもらうということで、他にございますか。

○半田委員 大変細かい所なのですが、添付文書で、効能・効果に「血液凝固第VIII因子又は第IX因子に対するインヒビターを保有する患者の出血抑制」とあります。血友病の場合、出血を治療する場合と、家庭で定期的に予防する場合は自己注射、その2種類の方法があるわけで、その両方が適用になるというふうに解釈されるのですが、大変申し訳ないのですが、資料15に全く同じ効能・効果を示すファイバという薬の報告があります。そのファイバの添付文書を見ていただくと、この添付文書の効能・効果には、ちょっと似ているのですが、「血液凝固第VIII因子又は第IX因子インヒビターを保有する患者に対し、血漿中の血液凝固活性を補いその出血」、その後新しく「傾向を抑制する」という、こういう文言が加わっているのです。結局これは同じ意味だと思うので、薬によって少しニュアンスが違ってくるというのはあるのですが、この辺は整合性を取るということはできるのでしょうか。それとも、このままでも問題はないかもしれませんが、ちょっと細かい所で気になりました。

○機構 機構よりお答えいたします。血友病患者用の薬剤で、第VIII因子、第IX因子の製剤は「出血傾向の抑制」ということで、半田委員に御指摘いただいたとおり、治療的な投与と、あと定期的な投与というのが実際行われているという実態はあると考えております。

 本剤が含まれるいわゆるバイパス製剤については、このバイクロットの他に既存品としては、資料15にありますファイバと、あと第VII因子製剤であるノボセブンというものがあります。ノボセブンとファイバの効能・効果については、これまで「出血の抑制」ということで「傾向」は付いておらず、出血時の治療的な投与のみに使われてきたことが実態としてあると考えております。ノボセブンは、第VII因子の半減期が非常に短いため、定期的な投与が実際上なかなか効果を示さないと言われていると理解しております。一方、ファイバは、これまで出血時に治療的に使われていたところに加えて、定期的な投与に関する試験結果が今回示されたので、定期的な投与を効能・効果に追加することを今回御報告させていただくことにしております。

 今、御審議いただいているバイクロットについては、本剤に含まれる第X因子の半減期が非常に長いため、繰り返し投与をするとその第X因子の蓄積が問題になると考えておりますので、用法・用量でも投与回数を制限するような方向で考えております。したがって、バイクロットについては「出血抑制」ということで出血時の治療的な使用のみを想定しております。

○半田委員 なるほど。そうすると、「出血傾向」をここに入れる必要はないということですね。

○機構 このバイクロットについては、現行のスタンス、つまり、これまで承認された効能・効果の記載ぶりを考えますと、定期的な投与を想定している場合には「出血傾向の抑制」、出血の治療のみを想定している場合は「出血の抑制」、「傾向」を付けないということで整理されていると考えています。

○半田委員 でも、これ自己注射を容認しているわけですね。

○機構 はい。

○半田委員 ということは、やはり「出血傾向」の方がいいのではないのですか。

○機構 自己投与というのは、出血したときに患者が自宅で、出血の治療を目的に自己投与できることを想定したものであって、出血の予防を目的に、患者が定期的に自己投与することは想定しておりません。

○半田委員 分かりました。

○吉田部会長 他にございますか。先ほどの、例えば対症療法でしたらどれぐらい、例えば8時間後には止まらない、止まる人はほとんどいないのか、その辺の病気の一般的な状況について何か分かりましたか、PDQか何かを見て。

○機構 治療をしなかった場合の血がどのぐらい出るかというデータは、申し訳ないのですが今持ち合わせておりませんので。

○吉田部会長 いや、血が出なかった場合ではなくて、この薬を使わないで血友病の患者さんで出血のエピソードというのはどのぐらい治るものなのか。

○機構 そのデータを今手元には持ち合わせておりませんので、あるかどうかを確認いたします。現状、治療を行うことが普通になっておりますので、そういうデータが蓄積されているか、確認いたします。

○吉田部会長 いや、治療を行うのではなくて、ですから対症療法でもいいし、この薬がなかったときのエピソードはどのぐらいなのですか。

○機構 確認いたしますが、後ほど報告ということにさせていただきたいと思います。

○吉田部会長 関水先生、後で教えてもらうことでよろしいですか。

○関水委員 私は結構です。

○吉田部会長 分かりました。ではそういうことで、後で教えてください。他によろしいですか。

○新井部会長代理 血液凝固は素人で知らないのですが、活性化第VII因子を予防的にも投与することがあるということですが、出血時だけということではなくて、普段から出血傾向を防止するために投与しているということになるのですか。

○機構 先生の御指摘のとおり、既承認の類薬であるノボセブンについては先天性第VII因子欠乏症の患者に対しても効能をもっております。この患者に対しては、効能・効果は「出血傾向の抑制」と記載させていただいております。本剤については、先天性第VII因子欠乏症患者への適用は現在想定しておりませんので、本剤の効能・効果については「出血抑制」という記載にさせていただいています。

○吉田部会長 最後が聞こえませんでした。出血時に使うのですか、それとも予防的に使うのですか。

○機構 本剤については出血時に使用することを想定しております。

○新井部会長代理 それがきちんと記載されていない気がしたのですが。予防的に使ってしまうと危険性もバイパスしていたらあるのではないかと思うのですが。そこがきちんと記載、ちょっとどこで使うのかというのがずっと気になっていたのですが、先ほど先生のお話ですと予防時にも使うのかという感じがしたのですが。出血時に使うということであればとても理解しやすいのですが。

○機構 先ほどの半田委員からの御質問に対するお答えの中で、ノボセブンも出血の治療のみを目的にしているので、効能・効果は、「出血の抑制」とお答えをしたのですが、いくつかあるノボセブンの効能の中で、先天性第VII因子欠乏症のみは、「出血傾向の抑制」という効能・効果にしております。今回のバイクロットは、基本的に出血時の治療のみを目的にしておりますので、それが分かりやすい形になるように少し記載を検討できるか調整させていただきたいと思います。

○吉田部会長 もしそうすると、ですから今のところは効能・効果の所ではなくて、用法・用量の所に「出血時に使う」とかと書けばいいのではないですか。

○機構 はい。それも含めて分かりやすくできるようにしたいと思います。

○吉田部会長 よろしくお願いします。他にございますか。

○菊池委員 私もよく分からないというか、HIVで血友病の人をたくさん見ていて、実際このインヒビター症例というのはとても普通の人には手に負えないので、東京医大とか奈良医大とかそういう所に送ってファイバにするかノボセブンにするかとか、またこの薬を使っていくかという話になると思うのです。実際使うようになるのは、こういう患者さん、インヒビターの症例の方の手術をするとかそういう緊急回避的なときを多分想定していることが多いとは思うのです。ですので、これはいわゆるこのインヒビター症例の人の定期輸注にも使っていいのか悪いのか、これちょっと文章的には分からないということが現場では絶対に出てくると思うので、そこは明確にしていただいた方がいいと思います。

○機構 今の添付文書の中では、用法・用量に関連する使用上の注意の所で追加投与は1回のみということを書いております。つまり、1回の出血エピソードに対して1回投与する、それで止まらない場合、追加は1回のみ認められるとしております。更にその後投与が必要な場合には、その後一定時間空けるということを添付文書の方にも記載しているところです。

○吉田部会長 予防投与は認めていないのですね。

○機構 はい。先ほども御説明しましたように、第X因子の半減期の話がありますので簡単にできるものではないです。

○吉田部会長 いや、今のお話のように、この患者さんは手術をしなければいけないから、そのときに入れておきましょうというような使い方はしないのですね。

○機構 はい、出血予防を目的とした定期的な投与が認められないことは申請者の方にもよく伝えたいと思います。

○川崎委員 承認申請書で2点質問です。まず、確認試験ですが、「参照溶液と同様のバンドパターンを示すこと」となっていますので、この参照のバンドパターンを添付する必要があるのではないかと思いました。それから、純度試験ですが、システム適合性に検出の確認が設定されていないのですが、必要ないと考えたのはなぜかを教えていただきたいと思います。

○機構 参照品のバンドを添付する必要性については再度検討させていただきたいと思います。純度のシステム適合性についても、すみませんが、申請者に確認をいたしまして設定の必要性を再度検討させていただきます。

○吉田部会長 よろしいですか。ありがとうございました。他にございますか。では、意見がないようですので議決に入りたいと思います。本議題について承認を可とし、併せて生物学的製剤基準の一部を改正としてよろしいでしょうか。

 御異議がないようですので、承認を可とし、併せて生物学的製剤基準の一部を改正することとし、薬事分科会に報告とさせていただきます。

 議題7に移ります。機構からの概要説明をお願いします。

○機構 議題7、資料7-1及び7-2、ラパリムス錠1mgの製造販売承認の可否等について、機構より説明いたします。本剤の有効成分であるシロリムスは、細胞周期調節蛋白質であるrapamycin標的蛋白質(以下、「mTOR」)の活性を抑制する作用を有する薬剤です。本剤の申請効能・効果であるリンパ脈管筋腫症(以下、「LAM」)は、主に肺や体幹リンパ節における平滑筋様細胞(LAM細胞)の異常増殖と組織破壊による肺の嚢胞形成を特徴とし、重症化した場合には肺移植の対象となる重篤な疾患です。LAM患者では、mTORが恒常的に活性化した状態となることから、mTOR阻害薬である本剤がLAMに対する治療薬として開発されました。海外において、本剤はLAMに係る承認は取得していませんが、腎移植における拒絶反応の予防に係る効能・効果で、2011年9月現在、89か国で承認されています。なお、本剤は2012年9月にLAMに対する希少疾病用医薬品として指定されています。本申請の専門委員として、資料22に記載の10名の委員を指名いたしました。

 主な審査内容について、臨床試験成積を中心に簡単に説明いたします。審査報告書45ページ、()「臨床試験」(MILES試験)の項を御覧ください。日本人及び外国人のLAM患者89例を対象に、本剤の有効性及び安全性を検討するため、プラセボ対照無作為化二重盲検並行群間比較試験が実施されています。その結果、46ページの表19に示すとおり、主要評価項目である投与12か月後までのFEV1値の傾きは、本剤群で1.1、プラセボ群で-11.8であり、統計学的に有意な群間差が認められ、本剤投与により呼吸機能の悪化が抑制されることが示されました。以上より、本剤のLAMに対する有効性は示されていると判断しました。

 次に、52ページ下段、()「安全性について」の項を御覧ください。LAM患者を対象とした臨床試験における評価例数は限られることから、本剤の安全性については臓器移植患者を対象とした海外臨床試験成績、及び他のmTOR阻害薬の情報も踏まえて検討しています。その結果、54ページの表27に示すとおり、既存のmTOR阻害薬に共通する副作用として知られている間質性肺疾患が、臓器移植患者対象試験においてプラセボ群と比較して本薬群で多く発現する傾向が認められており、LAM患者への本剤投与時にも十分な注意が必要と考えられます。また、58ページの表30に示すとおり、重篤な感染症についても、臓器移植患者対象試験においてプラセボ群と比較して本薬群で多く発現する傾向が認められていること、LAM患者は病態上、呼吸器感染を惹起しやすいと考えられることから、十分な注意が必要と考えられます。

 製造販売後調査については、75ページの表42に示す使用成績調査が計画されています。機構は、LAM患者に対する本剤の投与経験が限られることを踏まえ、投与症例全例を対象に調査を実施することが必要と判断し、承認条件とすることとしています。

 以上の審査を踏まえ、本剤を承認して差し支えないとの結論に達し、本医薬品第二部会で御審議いただくことが適当と判断いたしました。本剤は希少疾病用医薬品であることから、再審査期間は10年、また、原体及び製剤は劇薬に該当し、生物由来製品及び特定生物由来製品のいずれにも該当しないと判断しています。薬事分科会では報告を予定しています。よろしく御審議のほど、お願いいたします。

○吉田部会長 本剤について、委員の先生方からの御質問、御意見をお願いします。

○庵原委員 資料7-146ページの図3についてです。12か月までは差がありますが、1224か月は傾きが同じように見えますが、これはどう説明されているのですか。

○機構 この試験につきましては、最初の12か月間は本剤若しくはプラセボが投与されているのですが、1224か月は観察期間で何も投与されていません。そのため、1224か月は本剤群、プラセボ群ともに呼吸機能の低下が見られています。

○庵原委員 投与していないということですね。

○機構 はい。

○庵原委員 分かりました。

○吉田部会長 他にございますか。かなり珍しい病気なので、なかなか評価が難しいようにも思いますが、よろしいでしょうか。

○奥田委員 血中濃度の測定をするということについてです。免疫拒絶反応ではないので、抑制ではないので、低血中濃度はそれほど危惧されませんが、高血中濃度であれば副作用の心配があります。それで、本剤の血中濃度を15ng/mL以内を目安として投与量を調節すると、測定すると書いてありますが、これは、ここで承認されると、その後は保険収載に向けた動きが進むと考えてよろしいのでしょうか。

○審査管理課長 基本的に保険適用の話と当審議会は別です。確認させていただいた上で、然るべき対応が必要であれば対応したいと思います。

○吉田部会長 よろしいですか。他にございますか。意見はないようなので議決に入ります。本議題について、承認を可としてよろしいでしょうか。

 御異議がないようですので、承認を可とし、薬事分科会に報告とさせていただきます。

 次に、希少疾病用医薬品の指定が4議題あります。時間の都合上、まとめて審議いたします。議題8、101112について事務局から概要を説明してください。

○事務局 審議事項議題8、資料8、ポマリドミドを希少疾病用医薬品として指定することの可否について、機構からの評価報告書に沿って説明いたします。評価報告書のタブをお開きください。申請者は、セルジーン株式会社。予定される効能・効果は、再発又は難治性の多発性骨髄腫です。

 希少疾病用医薬品の指定要件について順に説明いたします。まず、対象者数についてです。現在の多発性骨髄腫の総患者数は約1万5,000人程度と推測されています。医療上の必要性については、再発又は難治性の多発性骨髄腫に対する治療法として、ボルテゾミブ等を含む多剤併用化学療法等の有効性が示されていますが、これらの治療によっても根治は得られず、新たな治療薬の開発が望まれています。開発の可能性については、海外において第III相試験が実施され、無増悪生存期間の有意な延長が示されています。また、国内においても第I相及び第II相試験が実施されていることから、本剤の開発の可能性は高いと考えています。

 続いて、審議事項議題10、資料10ibrutinibを希少疾病用医薬品として指定することの可否について、説明いたします。申請者はヤンセンファーマ株式会社。予定される効能・効果は、慢性リンパ性白血病、小リンパ球性リンパ腫及びマントル細胞リンパ腫です。

 希少疾病用医薬品の指定要件について順に説明いたします。まず、対象者数ですが、本邦における各疾患の患者数は、非ホジキンリンパ腫の患者数及びその内の割合から、慢性リンパ性白血病及び小リンパ球性リンパ腫として約1,000人、マントル細胞リンパ腫として約1,600人と推定されています。医療上の必要性について、本邦では、シクロホスファミド水和物等が慢性リンパ性白血病に対する効能・効果を取得しているものの、海外と比較して治療選択肢が限られています。また、マントル細胞リンパ腫に対しては、フルダラビンリン酸エステル等の単独又は併用投与及びベンダムスチン単独投与が行われますが、いずれも効果は限られることから、医療上の必要性は高いと考えています。開発の可能性については、慢性リンパ性白血病及び小リンパ球性リンパ腫の患者を対象として三つの海外試験が実施中であり、マントル細胞リンパ腫に対しても二つの試験が実施中です。国内においても第I相試験が実施中であることから、本剤の開発の可能性は高いと考えています。

○事務局 審議事項議題11、資料11icatibantを希少疾病用医薬品として指定することの可否について、説明いたします。申請者はシャイアー・ジャパン株式会社、予定される効能・効果は、遺伝性血管性浮腫の急性発作です。

 対象患者数については、2008年に医師を対象とした調査によると、遺伝性血管性浮腫の患者数は延べ約1,600人と報告されています。医療上の必要性については、本疾患の発作時の症状で最も重篤な咽頭浮腫に対して適切な治療が実施されない場合、致死的な転帰をたどることがあります。現在、治療として推奨されているC1-インヒビター補充療法では、感染症伝播のリスクを完全に排除することができないこと、また、トラネキサム酸は本効能・効果での承認がないことを勘案すると、本剤の医療上の必要性は高いと考えています。開発の可能性については、本剤は欧米を含む海外41か国で承認されており、国内第III相試験も実施予定であることから、本剤の開発の可能性は高いと考えられます。

 次に、審議事項議題12、資料12、トシリズマブ(遺伝子組換え)を希少疾病用医薬品として指定することの可否について、説明いたします。申請者は中外製薬株式会社、予定される効能・効果は大型血管炎です。

 対象患者数についてです。大型血管炎は、高安動脈炎と巨細胞性動脈炎に分類され、疫学調査の結果、高安動脈炎の国内推計患者数は約2万5,000人、巨細胞性動脈炎の全国病院の年間受療推定患者数は約690人と報告されています。医療上の必要性については、本疾患は血管の炎症の結果として重篤な臓器障害をきたす場合があります。本邦での治療では、副腎皮質ステロイド剤や免疫抑制剤が用いられていますが、治療法は十分とは言えません。本剤は、本疾患治療のターゲット分子の一つであるIL-6をターゲットとしており、医療上の必要性は高いと考えています。開発の可能性については、海外において第III相試験が実施中であり、国内でも第III相試験が実施予定であることから、本剤の開発の可能性は高いと考えられます。

 以上、説明いたしました計4剤については、いずれも希少疾病用医薬品の指定要件を満たすものと判断しています。御審議のほど、よろしくお願いいたします。

○吉田部会長 いずれの医薬品も対象患者数、重症度、開発の可能性についてそれぞれしっかりしたものがあります。よろしいでしょうか。特に議論もないようですので、議決に入ります。議決に際しては利益相反の関係がありますので、1剤ずつお諮りします。

 まず、議題8のポマリドミドについてです。庵原委員、清田委員は、利益相反に関する申出に基づきまして、議決への参加を御遠慮いただきます。本議題について指定を可としてよろしいでしょうか。御異議がございませんので、了承とさせていただきます。

 次に、議題10ibrutinibです。庵原委員、清田委員は、利益相反に関する申出に基づきまして、議決への参加を御遠慮いただきます。本議題について指定を可としてよろしいでしょうか。御異議がないようです。

 次に、議題11icatibantについてです。関与の委員はおりません。本議題について指定を可としてよろしいでしょうか。御異議がございません。

 最後に、議題12のトシリズマブについてです。田村委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づきまして、議決への参加を御遠慮いただきます。お諮りします。本議題について指定を可としてよろしいでしょうか。御異議がございません。

 いずれの議題についても御異議がないようですので、指定を可とし、薬事分科会に報告とさせていただきます。

 では、議題14に移ります。機構から概要説明をお願いします。

○機構 審議事項の議題14と報告事項の議題3について説明いたします。順番が逆になりますが、まず、報告事項の議題3について、資料1417-1の二つの番号が振られている資料と資料17-2を御覧ください。

 本剤は抗TNFαモノクローナル抗体であるインフリキシマブ(遺伝子組換え)[インフリキシマブ後続1]を有効成分とする製剤であり、日本化薬株式会社及びCelltrion社により、レミケードを先行バイオ医薬品とするバイオ後続品として製造販売承認申請がなされました。機構における審査の結果、本剤とレミケードの同等性/同質性が認められ、平成21年のバイオ後続品の通知に基づき、本剤はレミケードのバイオ後続品に該当すると判断しました。

 したがいまして、レミケードの有する効能・効果のうち再審査期間が満了している「関節リウマチ」、「クローン病」及び「潰瘍性大腸炎」の効能・効果で承認して差し支えないと判断いたしました。

 続いて、審議事項の議題14について説明いたします。本剤はマウス由来の細胞を用いて製造されることから、生物由来製品とすることが適当と考えています。また、先行バイオ医薬品のレミケードと同様に、原体、製剤共に劇薬とすることが適当と考えています。本剤の生物由来製品及び特定生物由来製品の指定の要否並びに毒薬又は劇薬の指定の要否について、御審議のほど、お願いいたします。

○吉田部会長 委員の先生方からの御質問、御意見をお願いします。本薬はバイオ後続品の範疇に入っているもので、複雑な蛋白質をして、これだけの形を示したものは初めてなのだと思います。川崎委員、専門部会で何かありましたでしょうか。

○川崎委員 品質の専門委員を担当しましたが、品質に関しては適切に対応されているのではないかと思います。ただ、添付文書を拝見すると、使用上の注意などに出てくる「インフリキシマブ(遺伝子組換え)」というのは、先行バイオ医薬品のインフリキシマブなのかバイオ後続品のインフリキシマブなのかが分からないのですが、どちらを指しているのでしょうか。

○機構 先行バイオ医薬品で認められたものは「インフリキシマブ(遺伝子組換え)」と記載していまして、本剤については「インフリキシマブ(遺伝子組換え)[インフリキシマブ後続1]」と記載しています。先生の御指摘も踏まえて再度確認いたしますが、基本的にはそういった記載としています。

○川崎委員 もう1点、「有効成分に関する理化学的知見」の所の本質の「インフリキシマブは」とある、この「インフリキシマブ」はバイオ後続品のインフリキシマブでしょうか。

○機構 JANがそういう記載になっていまして、そこはJANに合わせて記載しています。

○吉田部会長 通常、薬はジェネリックだと名前は違いますね。この場合は区別できるのですか。「BS」と付ければいいのですか。インフリキシマブのオリジナルとそうでないものとを区別するにはどうするのですか。

○機構 本剤の一般名は「インフリキシマブ(遺伝子組換え)[インフリキシマブ後続1]」となっており、先行バイオ医薬品の一般名とは区別されています。

○吉田部会長 販売名については何か区別が分かるようにしなくてもいいのですか。「BS」が付けばいいのですか。

○機構 販売名については「インフリキシマブBS点滴静注用」としています。

○吉田部会長 「BS」が付けば分かるのですね。

○機構 はい。それによりバイオ後続品であることが明示されることになります。

○吉田部会長 もう少し分かるようにしないと混乱すると思いますね、奥田先生ではありませんが、薬の管理上非常にやりにくくてしようがないなどというように。全部がバイオ後続品になってしまえば別ですが。何か少し分かるようにしておいた方がいいかもしれないですね。他にございますか。では、添付文書の記載については明確にしていただくことを条件にしたいと思います。

○機構 分かりました。

○吉田部会長 他に御意見ございませんか。ないようですので、議決に入ります。なお、庵原委員、清田委員、前崎委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づきまして、議決への参加を御遠慮いただきます。本品目の生物由来製品及び劇薬の指定を可としてよろしいでしょうか。

 御異議がないようですので、指定を可とし、薬事分科会に報告とさせていただきます。また、報告事項にあります本品目の製造販売の承認についても、事務局から併せて報告がありましたので、こちらも御確認いただいたものといたします。

 では、報告事項に移ります。報告事項について、事務局から説明をお願いします。

○事務局 報告事項議題1、資料15、医薬品ファイバ静注用500等の製造販売承認事項一部変更承認の申請について、報告いたします。ファイバ注射用は、乾燥人血液凝固因子迂回活性複合体製剤であり、血液凝固第VIII因子又は第IX因子に対するインヒビターを保有する患者に対する出血の抑制を効能・効果として承認されています。今般、バクスター株式会社より、血液凝固第VIII因子又は第IX因子に対するインヒビターを保有する患者に対し、本剤を定期的に投与する効能・効果及び用法・用量を追加する製造販売承認事項一部変更承認の申請がなされました。機構における審査の結果、本申請を承認して差し支えないと判断いたしました。

 続いて、報告事項議題2、資料16、プレベナー13水性懸濁注の製造販売承認事項一部変更承認について、報告いたします。本剤は13種類の血清型の肺炎球菌莢膜ポリサッカライドに無毒性変異ジフテリア毒素を結合したものを有効成分とする肺炎球菌結合型ワクチンです。今般、ファイザー株式会社より、高齢者に対する13種類の血清型の肺炎球菌による感染症の予防の効能・効果及び用法・用量を追加する製造販売承認事項一部変更承認申請がなされました。機構における審査の結果、本申請を承認して差し支えないと判断いたしました。

 なお、事前に庵原委員から本剤の予防効果について御質問を頂きました。海外の製造販売後臨床試験により、市中肺炎及び侵襲性感染症に対する予防効果が示唆された旨を、庵原委員に事前に説明しまして、御了承いただきました。

○事務局 資料18-1を御覧ください。報告事項議題4、優先審査指定品目の審査結果について、報告いたします。優先審査の取扱いについては、資料の2ページに概要をお示ししています。この制度は、薬事法第14条第7項の規定に基づき、希少疾病用医薬品やその他医療上特に必要性が高いと認められる品目を指定し、他の品目に優先して審査を行うものです。その指定に当たっては、適応疾病の重篤性、医療上の有用性を総合的に評価して判断されます。

 資料の1ページにお戻りください。対象品目は、販売名「テラビック錠250mg」、一般名「テラプレビル」、申請者は田辺三菱製薬株式会社です。本剤については、記載のようなC型慢性肝炎におけるウイルス血症の改善に係る効能・効果で承認申請がなされています。

 事前に取りまとめられた医薬品機構の報告書に基づき、当該薬剤の優先審査の該当性について説明いたします。資料の10ページ、「総合判断」の項を御覧ください。

 適応疾病の重篤性について、C型肝炎は、治療を行わない場合、最終的に肝不全や肝細胞癌に至る疾患であり、当該疾患は「生命に重大な影響がある疾患」に該当すると判断されました。

 医療上の有用性については、本剤、ペグインターフェロン及びリバビリンの3剤併用療法の有用性に関して、Genotype2の前治療後再燃及び前治療無効のC型慢性肝炎において、既承認効能と同様に副作用の発現を留意しながら使用されることを前提にすると、ペグインターフェロン及びリバビリンの2剤併用療法と比較して優れていると考えられることから、本剤は、「有効性、安全性、肉体的・精神的な患者負担の観点から、医療上の有用性が既存の治療法、予防法若しくは診断法より優れていること」に該当すると判断されています。以上を踏まえ、本剤は優先審査品目に該当すると判断いたしました。

○事務局 報告事項議題4、同じく「優先審査指定品目の審査結果について」、説明いたします。資料18-2を御覧ください。対象品目は、販売名「アブラキサン点滴静注用100mg」、一般名「パクリタキセル」。申請者は大鵬薬品工業株式会社です。本剤については、膵癌の効能・効果で承認申請がなされています。次のページの優先審査の取扱いについては、先ほどと重複しますので説明は省略いたします。

 事前に取りまとめられた機構の報告書に基づき、本剤の優先審査の該当性について説明いたします。報告書の3ページを御覧ください。「()適応疾病の重篤性」については、申請された膵癌は、「ア 生命に重大な影響がある疾患」に該当すると判断されました。

 「()医療上の有用性」につきましては、本薬は、既存の治療法であるゲムシタビンの単独投与群と比較して、本薬及びゲムシタビンの併用投与群で全生存期間の有意な延長が見られており、また、現時点で得られている安全性情報より、本剤は忍容可能と考えられることから、4ページ下からの「総合判断」のとおり、本剤は、「イ 有効性、安全性、肉体的・精神的な患者負担の観点から、医療上の有用性が既存の治療法、予防法若しくは診断法より優れていること」に該当すると判断されました。以上を踏まえ、本剤は優先審査品目に該当すると判断しています。本剤の承認の可否については、今後、機構での審査を経た後に改めてこの部会で御審議いただく予定です。

○事務局 続いて、議題5「医療用医薬品の再審査結果について」、報告いたします。資料19を御覧ください。一般的名称は「メルファラン」、販売名は「アルケラン静注用50mg」の医薬品再審査確認等結果通知書です。この品目について、製造販売後の使用成績調査、特定使用成績調査等に基づいて再審査申請が行われ、審査の結果、薬事法第14条第2項第3号に掲げられている承認拒否事由のいずれにも該当しないこと、すなわち効能・効果、用法・用量等の承認事項について変更の必要がない「カテゴリー1」と判断されました。

○事務局 続いて、報告事項議題6、資料20「医療用医薬品の承認条件について」、説明いたします。資料の2ページを御覧ください。エルロチニブ塩酸塩を有効成分とする医薬品タルセバ錠25mg、同錠100mgは、平成23年7月1日に治癒切除不能な膵癌の適応で承認されていますが、下線部の流通管理に関する承認条件が付されています。当該承認条件を踏まえ、具体的なリスク最小化策として、流通管理、医療機関(施設)等の実施が含まれ、施設要件の一つとして、「がん診療連携拠点病院、特定機能病院」が設定されています。この度、承認取得者である中外製薬株式会社から承認条件に基づいて設定されている施設要件のうち、「がん診療連携拠点病院、特定機能病院」の要件を削除することについて、特定使用成績調査の中間解析結果を踏まえた報告書が提出され、機構において審査されましたので報告いたします。

 3ページを御覧ください。報告された調査結果は、本薬を使用した治癒切除不能な膵癌の全症例を対象に、安全性解析対象とされた312例の情報を基に中間解析結果が取りまとめられたものです。安全性解析対象症例における間質性肺疾患の発現状況は、4ページ上の表のとおりで、承認取得時と製造販売後における本薬の間質性肺疾患の発現状況に大きな差異は認められていません。()に、製造販売後に実施されているリスク最小化活動の内容として、承認条件に基づく流通管理として、本剤納入施設要件と医師要件の設定等を行っています。5ページは、流通管理の実施状況です。これらの状況を踏まえ、製造販売後において適切な安全確保がなされていると判断されることから、今後は承認申請者が実施する予定として、5ページ最終行から6ページにかけて記載のリスク最小化活動及び安全性監視活動を引き続き実施し、適正使用のために必要な措置を適時講じることが適切と判断しています。

 なお、6ページの()の今後の安全性監視活動の内容を検討した結果、がん診療連携拠点病院、特定機能病院以外の施設要件等は継続するとともに、当該施設要件見直し後に実施する予定の新規納入施設における製造販売後調査と現在実施中の製造販売後調査の情報を比較し、今回の施設要件の見直し前後で、間質性肺疾患の発現状況に大きな問題が認められた場合には、厳格な流通管理の実施も含めて必要なリスク最小化活動の内容を再度検討する必要があると考えています。

 本剤の承認時と比較して、間質性肺疾患の発現状況に大きな差異はないこと、承認条件に係る流通管理は適切に実施されたと考えられることから、本剤の流通管理に関する承認条件に基づき、施設要件の一つとして設定されているがん診療連携拠点病院、特定機能病院の設定を削除することは適正使用上、差し支えないと判断しています。以上です。

○吉田部会長 製造販売承認事項の一変が2件、優先審査の指定が2件、カテゴリー1の再審査結果、それから、承認条件の解除についてでした。委員の先生方からの御質問等ございましたらお願いします。よろしいでしょうか。御質問はないようですので、報告事項については御確認いただいたものといたします。

 本日の議題は以上です。事務局から何か連絡はありますか。

○事務局 次回の部会は6月26()午後5時から開催する予定です。どうぞよろしくお願いいたします。

○吉田部会長 委員の先生方から何かございますか。なければ、本日はここで終了といたします。長時間御苦労さまでございました。ありがとうございました。


(了)

備考
 本部会は、企業の知的財産保護の観点等から非公開で開催された。

連絡先:医薬食品局 審査管理課 課長補佐 井本(内線2746)

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